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平成 9年(1997年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 7月 3日
第 6号 7月 3日
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議 事 の 概 要
平成9年7月3日(木曜日)
午前10時1分開議
日程第1 一般質問
日程第2 甲第1号議案及び乙第1号議案から乙第7号議案まで(質疑)
一般質問及び質疑
1 平仲 善幸君(社会・護憲)
2 新垣 米子君(共産党)
3 上間 毅君(社大党)
4 当山 全弘君(社大党)
5 上原亀一郎君(共産党)
6 玉城 義和君(社会・護憲)
7 伊波 洋一君(結の会)
8 島田 力君(社会・護憲)
9 上原 政英君(新風会)
日程第3 甲第2号議案及び乙第8号議案(知事説明、質疑)
質 疑
1 小渡 亨君(自民党)
日程第4 陳情2件の付託の件
午後5時15分散会
○議長(友寄信助君) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた技監霜上民生君は、別用務のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありました。
また、地方労働委員会会長屋宜正一君は、所用のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として地方労働委員会事務局長親泊英夫君の出席を求めました。
○議長(友寄信助君) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案及び乙第1号議案から乙第7号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
平仲善幸君。
〔平仲善幸君登壇〕
○平仲善幸君 おはようございます。
県知事には毎日の御苦労に感謝をし一般質問を行います。
サトウキビの総合利用とゼロエミッションについてお伺いをしたいと思います。
私は、この場でサトウキビの副産物総合利用について幾つかの提案をしてまいりました。その実現のために知事を初め農林水産部長、担当課の皆さんの御努力で実現の可能性が見えてきたことに対し、感謝を申し上げるとともに高く評価をしております。
その1つは、甘蔗糖の副産物資源化調査事業報告書にありますバガスの余剰化を可能にするシステムの提供であります。
製糖工場は、製糖行程の中でバガスをエネルギー源として有効に利用しゼロエミッションそのものを実現をしているわけであります。しかし視点を変えて製糖行程に省エネルギーシステムを導入することによって15%のバガスを余剰化できることを実証しております。特に家畜ふん尿が有効に活用できない原因は、水分調整資材の不足にあると言われております。我が県は、観光産業を基幹産業として位置づけているわけであります。この家畜ふん尿の適正処理は極めて重要かつ緊急な課題であると本員は信じております。
この省エネルギーシステムを導入した大量の余剰バガスは、家畜ふん尿の適正処理を可能にし大量の肥料を生産することができます。この肥料を利用した農産物栽培は減農薬、減化学肥料農産物として新しい付加価値を生み出し、また環境改善にもなります。これがまさに「ウエルネスアイランド構想」実現に向けた具体的取り組みの第一歩と考えております。
さて、ここで質問をします。
この省エネルギーシステムを導入するには新たな事業のメニューが必要と考えます。その可能性について県知事にお考えをお伺いをします。
1点目に、この省エネルギーシステムの事業化についての御意見をお尋ねいたします。
2点目に、もし実施するとしたらどのような事業メニューが考えられますか。
3点目に、実施に向けての決意のほどをお伺いをいたします。
次にお尋ねいたしたいことは、さきの議会で提案いたしましたサトウキビのハイテク産業化戦略構想についてであります。
この構想は、21世紀に夢を託す壮大な構想であり、その可能性についての調査費を沖縄特別振興対策調整費の中で検討していただきたい旨、提案いたしました。それについて知事は前向きに検討したいとのことでありましたが、今回の第1次配分で内示されたことをマスコミで見て喜んでおります。
御案内のとおり、我が県においてサトウキビ産業が地域経済に占める重要度は承知しておりますが、サトウキビ作の盛衰が他産業に及ぼす波及効果は3倍以上と聞いております。そのことを考えますと資源に乏しい、また製造業が極めて脆弱な産業構造の中で唯一農村に立地する製糖工場は雇用の場を提供し地域経済を支えていると言えます。サトウキビ産業の衰退は離島地域の集落の崩壊につながるということになります。ここまで落ち込んだサトウキビ産業を振興するのは県政の重要な課題と考えております。
副知事は、沖縄県糖業振興会の理事長と聞いております。このことは、我が県の糖業振興に直接かかわる行政のトップと理解をしております。
ここで副知事にお尋ねをいたします。
産業連関分析に見る波及効果を見て、県政の中でサトウキビ産業の位置づけと離島農業の振興についての抱負をお聞かせ願いたい。
2点目に、沖縄特別振興対策調整費に計上されました予算額はいかほどか、また具体的計画を教えてください。
3点目に、サトウキビの高付加価値化を図るにはケーンセパレーションシステムの導入が必要と考えます。外国では時間当たり60トン処理工場も稼働していると聞いております。それを副知事御自分の目で確かめて沖縄の実用性を判断してはいかがなものか、お伺いいたします。
私は、ここに県の農業試験場において研究された実績を持ち合わせてまいりましたが、お見せしたいと思います。(資料を掲示) 沖縄県の農業試験場で小型のアメリカ製でありますケーンセパレーション機を5年前に、これをいわば表皮と中身を分離する機械を導入して研究を進めた成果があります。これが表皮からこんなすばらしい材木にできるんですね。(資料を掲示) しかもこの表皮がもうサトウキビの色が浮き上がって非常にすばらしい材料であります。このサトウキビの表皮は非常にかたいと言われていますね。そうすると材木であれば20年も50年もあるいは100年もたって木は材木として使われるわけですが、サトウキビは1年でこういうような材木に使われますよということであります。
そしてこれからケーンセパレーション、これで分離した中身、中身からもちろんサトウキビ、これは県の試験場でつくられたものです。砂糖がつくられた、糖蜜から。それが幾分か糖蜜が残っております。そしてにおいをかいでみると甘酸っぱいですね。発酵したにおいがするわけです。これが沖縄の畜産の一番良質な飼料になると言っているわけです。そして我々が常に使う紙、これが90%
バガスからつくられた紙であります。(資料を掲示) ぜひ後で見てください。
そしてこの和紙ですね、(資料を掲示) この非常に良質な和紙ができる。これは100%サトウキビでつくられる和紙であります。そしてお互いがよく使う炭ですね、これもつくられますよと。これはもちろん表皮のかたい部分からつくられたと。これが今、農林水産部長さんが今日まで農業試験場での調査研究の成果であると。そういう意味でぜひ後からこの件についても細かい説明ができたら大変幸せであります。よろしくお願いをいたしたいと思います。
大城部長、3月まで農業試験場の所長でありましたし、ぜひ細かい面をお話をいただければ幸いだと思います。
次に、廃糖蜜についてお尋ねをいたします。
廃糖蜜は、かつてトン当たり1万円で取引をされたようでありますが、現在は離島工場においてはトン当たり500円から1000円を持ち出して産業廃棄物扱いになっているということであります。またある工場においては廃糖蜜から砂糖を取って、その廃糖蜜は海上投棄をしていると。またこの海上投棄も近い将来禁止をされると言われているわけであります。
この廃糖蜜の有効利用は、県内企業が開発をし実用化が期待されているわけであります。廃糖蜜の有効利用は、今話題になっているゼロエミッションのモデル事業としても非常に可能であり、この事業化は新産業として興すことになると、沖縄の産業として本当にすばらしい事業になると、私はこう思います。
その具体的計画について教えていただきたいと思います。
以上、私の一般質問を終わります。
○議長(友寄信助君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 平仲善幸議員の御質問にお答えいたします。
サトウキビの総合利用とゼロエミッションとの関連で、バガスの余剰化を図るための省エネルギーシステムの事業化についてという御質問と、もし実施するとしたらどのような事業メニューが考えられるか、実施に向けての決意を聞きたいという御質問には一括してお答えいたします。
近年、サトウキビの総合利用を図る観点から、バガスの利用分野でパルプ、建築資材、食物繊維等付加価値の高い製品の開発に関心が高まっています。
バガスは、現在ほとんどが製糖工場の燃料として使用されていますが、環境保全対策を図るため家畜ふん尿とまぜて堆肥化することは必要と考えています。
県としましては、平成8年度においてバガスの効率的な産出のための省エネ新製糖システムの確立に向けた調査を実施いたしました。その結果、蒸気の再利用や熱回収等の省エネ設備を導入することによって余剰バガスの産出が可能であることがわかりました。
しかしながら事業導入に当たっては設備費、採算性、操業度等多くの解決すべき課題がありますので、実施に向けてはさらに詳しい調査検討が必要であると考えています。
ゼロエミッションにつきましては、県としても前向きに取り組んでいるところです。今月の下旬にインドネシアの方でこの関連の国際会議がありますので、私も招待を受けておりますが、日程が都合つきませんが、県のスタッフを派遣してぜひとも国際的な取り組みについても勉強したいと考えております。
それから、同じくサトウキビの総合利用との関連で、廃糖蜜の有効利用の事業化について具体的な計画はあるかという趣旨の御質問でございます。
廃糖蜜の多目的利用については、資源の有効活用を図る観点から、これまで種々の基礎的調査によってヘルシー塩やラム酒の製品開発の可能性が判明しています。
また最近では、トロピカルテクノセンターにおいてプラスチックの製造技術が開発され、給水用のスポンジとして使用されています。
県としましては、平成9年度においてヘルシー塩やラム酒の製品開発に向けて廃糖蜜の処理技術、プラント設計、採算性等について調査を実施し可能な限り事業化してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては関係部局長等から答弁させます。
○議長(友寄信助君) 吉元副知事。
〔副知事 吉元政矩君登壇〕
○副知事(吉元政矩君) 2次振計策定のさなかに企画調整室で仕事をしていました。そのときに主として国際交流拠点形成の事業を担当していましたし、あわせて農産物からどういう形の複合的な産業というんですか、物をつくっていくかということについての興味もありましたし、海浜を含めました海洋開発の問題についてもタッチしていました。
あの時期に総合研究開発機構という、NIRAという表現をしていますが、そこの調査物がサトウキビの総合利用という形で膨大なページ数のものが出ています。そのとき、当時の農林水産部関係のとりわけ試験場の研究者の皆さんと一緒に論議したことがありますが、味の素を初め肥料まで含めましてたくさんの有効な製品ができ上がっていくということを具体的にチャート化した図面を中心にしながら論議をしたいきさつがあります。
そういう意味で言いますと、現在沖縄の農業の基幹作物でありますサトウキビ問題については農業の苦しさ、つらさというんですか、それから収益の不十分さというんですか、そういう面から衰退の方向に行きつつあることについて、大変憂慮しています。
少なくとも本県農業の基幹作物としての重要な地位を示していますし、あわせて農家経済のみならず本県経済の発展にも大きく貢献しているわけですから、そういう意味で平成7年度で農業試験場が調査をしました産業連関関係のデータでも他産業への波及効果が相当大きいということが当然のこととして指摘されています。
さて、問題はそれをどういう形で製品化していくかという部分については今困難な問題点を、克服すべき課題を知事から申し上げましたが、少なくとも製糖工場のあり方ということを含めて総合的に検討していかなきゃいかぬと思います。
燃料化するという場合もボイラーの問題など、それから重油を使っていますが、価格の問題等あのころからも問題になっていました。したがって私たちがサトウキビを砂糖をつくるというだけの単一品目だけの視点で製糖工場を見たり、あるいは地域の状況を見たりということじゃなくて、むしろ今日的にもっと積極的に製品化することによって農家の所得、地域経済が潤うという意味で視点を変えるべきだというふうに思います。
しかしこれは大変困難な問題です。その件については経済連の前会長でありました松田善登さんとも相当突っ込んだ論議をしたいきさつもあります。
しかし、そのためにはまず第1に基盤整備、さらには機械化作業体系をどうシステム化していくかと、確立していくかということ、それから優良品種の普及などどういう形で開発普及していくかということ、さらには放棄された農地、畑をどういう形で流動化、集合化していくかという、これは地主、地権者の問題にもかかわるだけに相当大きな問題を論議したいきさつがあります。
その中でモデル的に1ブロックを押さえて実験的にやってみようじゃないかということを、当時経済連、農協のトップリーダーの方々と数年前に話し合って、その方向に今行きつつあるというふうに理解しています。
さて、問題は離島の場合です。確かに若者が都市地区に流出していくということとの関連で幾つか克服しなければいけない課題がありますが、少なくともサトウキビの持つ離島における農家の生活やその他を考えますとまだまだ重要な役割を持っていますし、とりわけ含蜜糖を中心につくっているわけですから、その含蜜糖が「わしたショップ」の全国店販売の中でももう黒砂糖が足りないというところまで来ているわけですから、どのように生産性を上げていくかという論議もこれは並行して行っているところであります。そういう意味で総合的にどう利用するかということは大変重要なことでありますが、まずは行政、そして関係団体、そして製糖工場等を含めた関係業界、そこでどういうシステム、どういう協議の場をつくっていくかということを含め、実践に向けての検討が求められていく段階に入っています。
最後になりましたゼロエミッションの問題です。
国際都市形成の中で大変重要なテーマとして掲げています。資源のない美しい島、そしてその小さな島にこれだけの人口を抱えていますので、どういう形で燃料から一切合財みずから含めましてやっていくのかということで、ある意味ではゼロエミッションについての庁内連絡会議等も近々研究会として出発させなきゃいかぬというテーマを抱えながら、今進めているところです。
遅々として進まないと言われるかもしれませんが、関係業者や農家の方々に深く静かに広がりつつあるということを頭に置きながら、行政としてどこまでサポートしていけるのか、そういう方向に国の支援を具体的に取りつけていく方向に、これもたしか50億の調整費の中の調査の一つのテーマにもなっていたと記憶していますので、その協力を得ながら進めていきたいと考えています。
○議長(友寄信助君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 大城喜信君登壇〕
○農林水産部長(大城喜信君) 平仲善幸議員のサトウキビの総合利用とゼロエミッションに関する質問の中で、沖縄特別振興対策調整費に計上された予算はいかほどか、また具体的計画はどうなっているかということにお答えいたします。
沖縄特別振興対策調整費の沖縄ブランド創設支援基礎調査事業の中で、サトウキビ製糖副産物資源化調査委託事業として1800万円計上されております。
その内容は、砂糖以外の有用成分の需要量、価格、流通及び海外におけるケーンセパレーションシステムの利用実態等を把握する調査、ケーンセパレーションシステムを導入するための実証試験、副産物を利用した新規産業の採算性の検討などとなっております。
なお、この調査は国の事業として実施することになっており、実施に当たっては県としても積極的に対応していきたいと考えております。
次に、平仲議員が試験場での成果などを紹介していただき大変ありがとうございます。3月までそれに携わっていたものですから、大変取り組みにもまた力を入れるかと考えております。
サトウキビの付加価値を図るには、ケーンセパレーションシステムの導入が必要と考えるが、実用性はどうなっているかということで説明いたします。
ケーンセパレーションシステムは、先ほど御紹介がありましたようにサトウキビを表皮の部分と皮のワックスの部分ですが、それと柔組織、中の組織に分離することによりまして総合利用を図る新しい製糖システムであります。
外国においてはジャマイカ、メキシコ等で取り組みを始めているところでありまして、本県では平成6年度に農業試験場がその試験機を利用して試験した結果、ボード、それから飼料、植物繊維、あるいは先ほど紹介がありました高級紙の原料として十分利用できることが実証されております。
特にこのサトウキビの繊維は非常にかたくて長いというのが特徴で、高級紙の原料として有望だというふうにも聞いております。
そういうことですが、ケーンセパレーションシステムにおける搾汁率の低下とか、その他まだ外国とは違う収穫システムの中で沖縄でどうするかということについて少し課題がありますので、今回沖縄特別振興対策調整費のその調査の中で採算性等の実証試験を実施することにしております。
このシステムが確立されればサトウキビの総合利用が可能となりまして、また製糖業におけるゼロエミッションの実現につながるものと考えております。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 新垣米子君。
〔新垣米子君登壇〕
○新垣米子君 通告に従って一般質問を行いたいと思います。
1つ、医療福祉問題についてです。
4月からの消費税5%引き上げ、所得税の特別減税の打ち切り、9月実施の新たな医療費の引き上げによる国民総額9兆円の大増税が強行されました。国民1人当たり7万5000円。127万県民、約950億円の大増税です。全国平均所得の72%しかない県民にとってこの負担ははかり知れないものがあります。
日本共産党は、1200万人の消費税引き上げ反対の署名、1800万人の医療改悪反対の署名を積み上げ、国民の声を国会に届けるために奮闘してきました。
消費税が引き上げられた今日なお90%近い国民が引き上げに納得してないとの世論調査にも示されているように、我が党は引き続き国民の願いにこたえるために全力で頑張る決意を表明し、国民不在、県民いじめの政治から、県民の命と暮らしを守る革新県政の責務を改めて明確にし、県民の切実な医療福祉の要求を前進させる県の施策を求めるものです。
最初に、本県の国民健康保険事業に関して3つの点について質問いたします。
まず第1は、国庫支出金を当面1985年の水準に戻すことを国に対して要求していただきたいことです。
95年度の本県の国保加入者は56万3963人で、加入率43.82%です。憲法25条、国民健康保険法第4条に照らして制度全体に対する国の責任は明確です。しかし臨調行革による国庫支出金の大幅な引き下げは全国的に国保事業を困難にしました。
国民健康保険税の引き上げに転嫁されたために国保税が払えないために保険手帳がもらえなくて、病院に運ばれたときは手おくれになったり重症化した事例が全国で起こっています。もとの45%まで引き上げたら地方自治体の一般会計からの財源補てん的繰り入れは必要なくなります。
2番目の質問は、調整交付金算定省令第7条1項に基づいて、本県の国保事業に対し特別調整交付金の大幅な交付と収納率による普通調整金に対するペナルティーを廃止するよう国に要求し、その実現のために努力してほしいということです。
御承知のように、国民健康保険は被用者保険に比べ加入者は低所得者層です。また所得に対する税の負担率は被用者保険の3倍から数倍の負担率であり、所得の低い人ほど高い逆累進制の税です。そのために払いたくても払えない人たちが多数いるところに収納率をなかなか向上させることができない大きな理由があるのです。
95年度の国保加入者の世帯主の職業別構成比で無職が42%を占めています。沖縄の資料は手元にありませんが、失業率が高い本県の実態はより深刻だと言えます。
また、短期保険証明書の発行件数、沖縄県は95年度で1万7810件で全国3位です。特に戦後52年間の沖縄の置かれてきた歴史的状況は他県にない特殊的なものであり、沖縄の経済発展と県民生活の向上の大きな阻害要因であることは政府も認めているところです。このことは当然国保事業の特別調整金の交付の条件に相当するものです。具体的には調整交付金算定省令第6条1項に掲げる10
番目の「その他特別の事情があること」に相当するものと考えます。この特別調整交付金について検討されたことがございますか、お伺いします。
第3番目の質問は、本県の国保事業に対して県として財政補てん的支出をぜひ行ってほしいということであります。
本県の53市町村は、95年度の実績で49億762万7000円の財政補てん的繰り入れを行っています。これは1世帯当たり約2万2000円の国保税引き下げ分に相当します。
本来、市町村にとって国保事業は国の委任事務であり、これに対する一般会計からの繰り入れは国民健康保険法からいっても何の義務もありません。これだけ多くの被保険者を抱えて国保事業を破綻に追い込むことはできず、地方自治法2条の精神からの支出と考えます。
県は、国民健康保険法4条で、「都道府県は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるように、必要な指導をしなければならない。」とあります。国が責任を放棄し社会保障解体の路線をとっている今日、法治国家として憲法や法の精神を国に守らせる運動を構築していかなければなりませんが、主権者県民の生命と健康を守る立場から県の財政補てん的支出を求めるものです。
次に、お年寄りの医療費の問題です。
今回の医療改悪はとりわけお年寄りを直撃いたします。沖縄のお年寄りの80%が3万ちょっとの老齢福祉年金、ひとり暮らしも多い。そういう中で、我が党の代表質問に対して、低所得者に対する免除措置がとられているから県として特別対応する必要がないとの答弁がありましたが、免除措置がとられたとしても最低1カ月3万8300円、4万円近い入院費用がかかるのです。
沖縄の老人医療費の実態を他県との比較で見ると、外来にかかった件数と医療費は低いが、入院にかかった件数と医療費は高いのです。このことは沖縄のお年寄りは少々ぐあいが悪くても我慢をして病院に行かない、ひどくなって病院に行ったときは外来治療では治せない、入院治療となり医療費も高くなっているのです。今後ますます沖縄のお年寄りが病気になっても病院に行けない事態が急増することが予想されます。
我が党は、これまでお年寄りの医療費助成を要求してきましたが、当面、可能な助成の中身としてバスのシルバーパスの実現をバス会社の再建問題とのかかわりでも検討されることを要請いたします。
次に、乳幼児医療費の無料化問題です。
昨年4月より小児科外来診療料に3歳児未満の外来患者の診療に包括性、すなわち1日当たりの定額制が導入されましたが、沖縄のほとんどの小児科医院は患者の負担増につながるとしてこの包括性を採用していないこと、安心して病院に行けるための条件整備が先決として小児科医会は3歳児までの医療費無料化の要請を去年行っております。
ゼロ歳児のみの実施は全国でも沖縄を入れて5県、九州では沖縄だけです。今年度豊見城村は2歳児未満までの無料化を実現いたしました。エンゼルプランの具体化の一つです。子供を持つ親の切実な要求である3歳児までの無料化をぜひ前向きに御検討くださいますよう改めて県当局の決意をお伺いいたします。
2番目に、養護学校の寄宿舎廃舎問題についてです。
県教育庁の廃舎決定の大きな理由として、寄宿舎の入舎の目的である通学困難が解消された、建物が老朽化していて危険、幼稚部を設置するので土地が狭い、宿舎跡地に幼稚部を建設する、障害児の社会参加を促進する必要がある、この4点を説明してまいりました。
御存じのように、寄宿舎は県内の8つの養護学校に設置され、現在約300人の子供たちが寄宿舎の職員とともに生活をしています。当初の通学保障の目的から、現在のむしろ集団の中で自立を目指す生活教育が重要な役割として寄宿舎の果たしている役割が強調されてまいりました。
大平養護学校の寄宿舎の定員36人に対して倍近い入舎希望者の実態がこのことを示しています。我が子を入舎させている父母は、寄宿舎生活を通して日に日に変化していく子供の成長と親の喜びを同じ障害を持つ子供と親たちにも保障させたいと訴えています。
また、養護学校高等部の3年間を寄宿舎生活を卒業し社会に出て頑張っている卒業生は、学校の授業だけでは学べないことを学ぶことができた、これから生きていくのに必要な大切なものを見つけられた、寄宿舎生活で得たたくさんのことを通して社会に出る準備をしてきたのだと、そういう場があったから今の自分がある、私たちにとって大切な場と時間を消さないでほしいと切実に訴えています。
学校教育法の第73条の2(寄宿舎)の設置について、「盲学校、聾学校及び養護学校には、寄宿舎を設けなければならない。」として義務づけているのです。教育庁は、「ただし、特別の事情のあるときは、これを設けないことができる。」とするただし書きを廃舎の根拠にしているが、主文である義務規定に優先するものではなく、あくまでも主文を尊重し、その積極的な施策を求めているのです。入舎希望者全員の受け入れのためにより拡充することが求められていると言えます。
次に、大平養護学校の寄宿舎は築30年余、老朽化し危険だから取り壊さなければならないとする理由を堂々と理由づけていることに驚きを感じます。危険建造物としてこれまで学校当局やPTA、子供たちから施設設備の改善や建てかえの要請が出されていることは周知のとおりです。幼稚部を設置するから寄宿舎を廃舎するのだという教育庁の理由は、老朽化して危険だから、敷地がないか
らと寄宿舎の廃舎の理由づけにあれこれ挙げているとしか受け取れません。老朽化した危険な建物を放置してきた責任が問われなければなりませんし、幼稚部の設置のための敷地を確保する努力をされたのか、問われなければならないでしょう。
障害児の社会参加を促進する、寄宿舎は障害者の社会参加の障害になっているとの発言は、家庭に地域に帰せばそれで社会参加でしょうか。地域社会における子供たちの実態を見ていない発言と言わざるを得ません。
入舎希望のほとんどの子供が共通している理由が、地域に友達がいない、家庭でひとりぼっちというように障害児の社会的孤立化が進行している現在、子供たちの育ちに必要な仲間、時間、場所、多くの生活経験が地域のどこを探しても見つからない。このことは障害児だけの問題ではなく、今子供たちがひとしく置かれている深刻な事態だと言わざるを得ません。障害児も健常児もともに共
生できる地域社会の整備は急務です。そして同時に障害児が自立し社会に巣立つ助走の場、準備の場、寄宿舎生活を希望するすべての子供に保障する方向こそ障害児の社会参加を促進する何よりの保障ではないでしょうか。
今回の教育庁の寄宿舎廃舎の理由は寄宿舎教育の役割を否定するものであり、到底納得できるものではありません。
また、肝心な子供たちや父母の意見を、現場の意見を聞かずに一方的に非民主的に決定したことは手続上も認めることはできません。人問尊重、民主主義を教える教育行政がこのような非民主的なやり方をもし強行するようなことになれば教育行政の自殺行為であり、将来に禍根を残すことになります。
2月議会の文教厚生委員会でのやりとりの中で、仲里前教育長は現場の声を聞きますと答弁をしました。現場の声は明確です。大平養護学校及び宮古養護学校の寄宿舎廃舎計画を撤回し、老朽化した建物及び施設の早急な改築をとのこの要望に誠意を持ってこたえることを要求し、県教育長の所見を伺います。
最後に、鳥島における劣化ウラン弾の問題についてです。
去る6月26日の米国下院人的資源小委員会の湾岸戦争症候群に関する公聴会で、劣化ウラン弾の人体への影響が輪議されたことは、改めて劣化ウラン弾の危険性とこれまでの日米両政府の対応がいかにずさんで県民無視であるかを示しています。
米軍によって回収された劣化ウラン弾は1520発中200発足らず、残る1300発はどのような状態で放置されているのか、早急に回収することがいかに緊急な課題であるか。
矢ヶ崎克馬琉大教授は、金属の劣化ウラン弾は確かに危険度は少ないが微粒子になると危険度が数千倍になる、通常弾の射撃演習で砲弾が炸裂するたびに劣化ウラン弾が燃え上がりエアゾールとなって住民地域に降り注ぐ危険が十分にある、またほっておいても腐食する、鳥島は水の通り道のような琉球石灰岩、鳥島のウランの腐食は水によって運ばれ周辺の環境汚染に直結している、劣化ウランは腐食が進むと回収不能になる、一刻も早い回収が必要であると述べています。
この指摘は、今月初め、米陸軍環境政策研究所みずからがまとめた「米陸軍における劣化ウラン使用の健康と環境への影響」と題する報告書でも明らかにしています。米国の演習場で焼夷弾の置かれた土壌が汚染されていた事実と腐食した焼夷弾の置かれた地面の下20センチ地点の土壌が汚染されていることが発見された。このことは劣化ウランが溶解し拡散する可能性を示していると指摘しています。
科学技術庁の検討会は調査結果に対して、高濃度の一地点を除いて土壌、海水、魚などの影響は確認されなかった、鳥島は立入禁止地域だから影響は少ないと結論づけ、去る6月20日、地元久米島両村の代表にも説明しているが、未回収の1300発を放置してこのような発言は気休め以外の何物でもない。
日本政府の今回の事件に対して米政府に抗議もせず、残虐・放射能兵器劣化ウラン弾の撤去の要求もせず、貯蔵及び有事使用を容認していることは主権国家として、また唯一の被爆国として到底容認できません。住民の健康と環境の保全に責任を負わなければならない政府の責任を改めて指摘しなければなりません。
そこで、次の3つの点について要望し質問いたします。
1つ、改めて米軍に対して未回収の1300発を地中を掘って、海底に潜って徹底回収せよとの要求をすべきです。県の決意を伺います。
2つ、久米島住民の健康への不安ははかり知れないものがあります。住民検診の早期実施を要求していますが、県としても積極的に政府に要求すべきと考えます。人体への影響は長期間にわたってあらわれることから長期的、疫学的な調査を要求すべきです。
久米島にとって産業の活性化、島おこしの一大事業である深層水事業への影響が心配されます。撃ち込まれた1520発のどれだけが海底に沈んでいるか、炸裂した劣化ウランのどれだけが海に沈んだか、比重が重いため海底に滞留し海底に生息する動物や植物に濃縮されると専門家は指摘し、深層水が一番影響を受けると指摘しています。
深層水の調査を要求すべきではないでしょうか。
以上で終わりたいと思います。
○議長(友寄信助君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 新垣米子議員の御質問にお答えいたします。
医療福祉問題との関連で、県として市町村の国保事業への財政支援的補助を講ずる必要があると考えるがどうかという趣旨の御質問でございます。
本県の国保財政は厳しい状況にあることから、県としましては市町村に対して財政支援を行ってきたところであります。
平成9年度においては、低所得者に対する保険税の軽減を補てんする国民健康保険基盤安定負担金として9億7521万8000円を支出しています。またレセプト1件当たり80万円以上の医療費に対し補助を行う高額医療費共同事業補助金として6億121万1000円、レセプト点検や健康教育事業を補助する医療費適正化対策等事業補助金として700万円、合計15億8342万9000円の県単独の負担金及び補助金を市町村に交付し財政支援を図ることにしております。
次に、乳児医療費無料化の3歳児までの引き上げについての御質問でございます。
近年、全国的に出生率の低下が進んでおりますが、本県においても同様な傾向であります。
このような社会状況の中、乳幼児医療費助成事業は抵抗力の弱い乳幼児が医療を必要とする機会が多いことに照らし、乳幼児の健全育成、子育て支援事業の一環として医療費の自己負担分を助成する事業であります。
本県の当該事業は、1歳児未満を対象として低所得制限、一部負担金等の条件を付さないで平成6年度からスタートしています。
ちなみに、平成8年度においては1万5898人の乳幼児の医療蔓約4億8500万円を市町村が助成しておりますが、その2分の1を県が負担しています。
一方、他県においては年齢引き上げについて所得制限、一部負担金、入院時のみの助成等と条件を付して実施している状況であります。本県としましては他県の動向も踏まえながら、年齢引き上げ等のあり方について実施主体である市町村とも調整を図って前向きに対応していきたいと考えております。
それから久米島における劣化ウラン弾との関連で、住民の検診の実施を県としても要求すべきだという問題でございまして、新垣議員も御指摘のように科学技術庁の発表ではほとんど影響はないという趣旨の発表になっておりますが、アメリカ側の資料なんかを読みますと随分と懸念される点がありますので、県としては積極的にウラン弾の回収というのも当然のこととしてこれまでも要求いたしましたが、今後とも強く要請してまいりたいと考えております。
それから久米島仲里・具志川両村における住民の健康面の不安も大きいわけですので、その検診の早期実施も国に対して強く要請してまいりたいと考えております。
それから、回収の問題もさることながら環境調査ということも必要でありますので、今後とも環境調査の面でも十分に気配りをしてまいりたいと考えております。
ほかの御質問につきましては関係部局長等から答弁させます。
○議長(友寄信助君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大城貴代子君登壇〕
○生活福祉部長(大城貴代子君) 医療福祉問題についてお答えいたします。
最初の国庫負担をもとの45%へ戻せと要請すべきと考えるがという御質問でございます。
国民健康保険事業は、基本的には国庫支出金と国保税によって賄われることになっております。
国庫支出金は、昭和59年10月の制度改正により医療費ベースの45%から、医療費より自己負担分を除いた保険給付費ベースの50%に改められました。これを医療費ベースに置きかえてみますと約39%に相当いたします。
本県の国民健康保険事業における国庫支出金の負担率は、財政調整交付金で配慮されたこともありまして平成7年度におきましても医療費ベースで約49%交付されておりまして、改正前とほぼ同率の国庫負担がなされております。
しかしながら、本県の国民健康保険は県の総人口に対する加入割合が高い上、低所得者を多く抱えている一方、医療費が増高する中で国保税の収納率が低いため市町村の国保財政は厳しい状況にあります。
このような状況を踏まえまして、県といたしましては国庫負担の拡充について九州地方知事会を通し国に要請してきたところであります。今後とも九州地方知事会や全国知事会等を通じ引き続き要請してまいりたいと思います。
次に、特別調整交付金の交付を要請すべきと考えるがとの御質問でございますが、国民健康保険制度の中で特別調整交付金につきましては震災、風水害、火災等によりまして保険税を減免した場合や、流行病などによって療養の給付費が非常に多額になった場合など市町村の特殊事情によります財政面の不均衡を調整するために交付されるものであります。本県では結核性疾病や精神病に係る療養給付費及び老人加入率による負担増等を対象に特別調整交付金が交付されております。
御質問の国民健康保険の調整交付金の交付額の算定に関する省令第6条第1項第10号の「その他特別の事情があること」により特別調整交付金が増額可能かどうかにつきましては今後の課題として検討してまいりたいと考えます。
また、ペナルティーの廃止を要請すべきではないかということにつきましては、収納率による普通調整交付金に対するペナルティーにつきましては低所得者の保険税に対する軽減措置がとられていること、また国民皆保険制度において保険税の徴収に努力した市町村とそうでない市町村に対して同率で普通調整交付金を交付することは均衡を失するという考え方から設けられた制度であると
承知しております。今後、ペナルティーの廃止を要請するかどうかにつきましては他県の動向を見ながら対処してまいりたいと思います。
次に、お年寄りのバスの無料敬老パスの実施につきましての御質問でございますが、戦中戦後、大変御苦労をおかけしてまいりましたお年寄りの方々に報いるためにも、また高齢者の生きがい、健康づくりと社会参加を促進するためにも高齢者に対するバス賃の無料化は有効な施策と考えております。
そのため、県におきましてはバス事業者に対して平成5年8月以来、高齢者のバス賃の無料化の実現についての要請を続けてまいりました。
これに対しましてバス事業者にありましては、高齢者の社会参加を促進する趣旨については御理解をいただきましたが、バス事業は膨大な累積赤字を抱え厳しい経営状況にあるとのことで、今のところバス賃の無料化は実現に至っていないところでございます。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 教育長。
〔教育長 安室 肇君登壇〕
○教育長(安室 肇君) 大平養護学校の寄宿舎廃止を白紙に戻すべきではという質問にお答えいたします。
寄宿舎については、特殊教育諸学校の編成整備計画に基づき改廃していく必要があると考えております。
大平養護学校寄宿舎の閉舎については、父母及び現場の職員のコンセンサスが十分に得られていないと思料されますので、差し当たり平成10年3月の閉舎計画については先送りし、父母及び職員との話し合いを継続して御理解いただけるよう努力していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 知事公室長。
〔知事公室長 粟国正昭君登壇〕
○知事公室長(粟国正昭君) 新垣米子議員の久米島における劣化ウラン弾の問題につきまして、すべての劣化ウランの回収を要求すべきではないかということについてお答えしたいと思います。
知事から住民検診実施の答えの中でも一部触れられておりましたが、改めて私の方からもお答え申し上げたいと思います。
去る2月に平成7年12月から平成8年1月にかけまして3回にわたり鳥島射爆撃場において訓練中の米海兵隊のハリアー機が合計1520発の劣化ウランを含有する徹甲焼夷弾を誤って使用し発射した事実が明らかになりました。
県としては、未回収劣化ウラン弾の環境への影響が懸念されることから、日米両国政府に対しすべての劣化ウラン弾の回収を強く要請してきたところでございます。劣化ウラン弾の回収は米軍がこれまで実施してきたところでありますが、今後ともその状況を見きわめつつ積極的に対応していきたいと考えております。
○議長(友寄信助君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 花城可長君登壇〕
○企画開発部長(花城可長君) 劣化ウラン弾の海洋深層水事業への影響はないかとの御質問でございます。
外務省及び科学技術庁の調査では、深層水の取水予定の海域から約4キロ離れた沖合の久米島西沖海域では3.2マイクログラムであったというふうに報告をされておりますが、ちなみに深層水の取水予定地域から鳥島までは約25キロ離れているということでございます。
一方、天然の海水中に含まれるウラン濃度は2.82から5.90マイクログラムでありますことから、これらの海域への劣化ウランの影響は認められないとしております。したがいまして現段階では海洋深層水事業への影響というのは特にないものと考えております。
今後、久米島周辺海域の再調査が実施される場合には、深層水の取水深度である水深600メートルの海域も含めて調査を行うよう要望していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午前11時3分休憩
午前11時4分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
上間 毅君。
〔上間 毅君登壇〕
○上間 毅君 こんにちは。
通告に従い一般質問を行います。
なお、最後に取り下げがございますので通告してありますので、その件は御了承願いたいと思います。
八重山におけるパイン産業についてお尋ねをいたします。
関係当局におかれましては、これまでパイン産業育成のためにいろいろな対策がなされてきたのでありますが、昨年度においてついに八重山唯一のパインエ場が閉鎖するという最悪の状態、となってしまいました。そのことは、八重山パイン産業にとって大きな痛手をこうむる結果となっております。
八重山のパイン生産農家にとっては、今後の見通しが不透明であり大きな不安を抱いております。これまでは加工場処理と生食用の2本立てをしながら生産に励んできたのでありますが、今期からは加工場の閉鎖によって生食用を主体とした生果一本でいかなければならない状況にあります。
例えば、沖縄本島の工場へ原料を輸送するにいたしましても輸送費等の問題もあって計画的な取り組みができない状況で、果たして生食用の生果一本で安定的な生産に取り組めるのかどうか、大変疑問であります。
パインの収穫時は台風シーズンとも重なり合うだけに、生果一本でのパイン生産は農家にとっては大きな不安であり、生産意欲の減退につながってくることは当然予想されるのであります。
そこでお尋ねいたします。
県は、加工場閉鎖後の対策としてどのような方法を講じてこられたのか、その具体的な御説明をお願いいたします。
また、台風時等においてはパインの実を一度に収穫せざるを得ません。それら生果を保存しておく施設が必要となってまいります。そのような台風時等における緊急処理対応策を早急に講じなければならないと思いますが、そのことについての県の御見解をお尋ねいたします。
昨年は加工場閉鎖という最悪の結果となり、加工場側と生産農家の間において生産振興対策奨励金が未払いとなっております。生産振興対策奨励金はキロ当たり13.54円が農家へ支払われるべき制度資金でありますが、これがいまだに支払われずにおります。その総額は約5300万円であります。
加工場側は契約した原料の確保ができず、契約違反であるとの理由から奨励金5300万円は支払うわけにはいかないということで農家への支払いを拒否しているようです。その責任は一体どこにあるのですか。
また、加工場側と契約を結んでいるのは沖縄県、石垣市、竹富町、農協中央会、JAやんばるということのようでありますが、加工場側が拒否し続ければ農家へは5300万円の奨励金はいつまでも支払われずにいるのかどうか。
加工場側と契約をした県を初め関係当局の対応はどうなっているのか、これまでの経緯を含め具体的な解決策についての県の考え方をお聞かせください。
八重山のパイン生産農家にとっては、加工場閉鎖というかつてない事態となったためパイン生産への意欲が薄れてきており、今後のパイン産業にとっては大変厳しい状況となってきております。
パイン生産は、国内では唯一沖縄県でしか栽培できないという作物であり、本県の特産品でもあるだけにパイン産業をつぶすわけにはいかないと思うのであります。そのためには今こそ行政の適切な指導が必要であり、また援助が必要であります。
そこで、これからも本県の基幹作物としてのパイン産業を育成していく上からも増産対策を考えなければならないと思いますが、その一環としてパイン苗の確保のための農家への助成等も検討していただきたいと思っていますが、県の対応策をお尋ねいたします。
また、今年度の収穫量と作付面積等についてもどうなっているのか、お尋ねいたします。
次に、波照間島における集中豪雨の被害についてお尋ねいたします。
去る5月1日午前5時から約1時間の間に気象台観測史上2番目という116.5ミリの集中豪雨があり、日量にして約326ミリというかつてない集中豪雨に見舞われた波照間島は、農作物を初め農道の決壊、土地改良区の土砂の流出といった被害が出ております。本員も波照間島の被害状況を視察してきましたが、予想以上の農道の決壊や土地改良事業の土砂の流出等は大型台風のつめ跡よりもすごいものを感じました。
波照間島はほとんどが農家であり、キビ作中心の生活で、以前には朝日農業賞を受賞するなどすばらしい農業の模範地区でもあります。それだけに今回の集中豪雨による被害は農家にとっては大きな痛手をこうむってしまいました。集中豪雨の後の波照間島周辺海域一面は、土砂の流出によって高速船で20分ほど走ってもまだ海面が赤く濁っていたと島の人たちは話しておりました。
また、陸上においては集落内も一面池のようであったということなので大変な集中豪雨であったことがうかがえます。
今回の集中豪雨による農道の決壊、農地の土砂流出、農作物等の被害に対し早急な対策が必要となっております。地元竹富町からも要請があったと思いますので、県としてその対応策についての御見解を賜りたいと思います。
また、キビ作につきましては直接の被害は余り見受けることはできませんでしたが、集中豪雨によって表土の流出があり、夏場に向かって干ばつともなれば保水力がないために立ち枯れるといった2次災害が予想されるので心配であります。
波照間島は、御承知のとおり土地改良が進んだ地区でありますが、現状の改良区には途中での土砂どめはなく一面海岸の防潮林まで広々と続いておりますので、島の自然環境や海への直接の土砂の流出を防ぐ意味からも途中に土砂どめをつくる必要があると思います。特に離島においては、その島の特牲に合った工法による土地改良事業の見直しを考えるべきと思いますが、県の御見解をお尋ねします。
また、土地改良区の排水溝についても、上の方から下の方まで同じ幅であるため上から流れた水は下の方まできますと吐ききれず、農道や畑に一気に広がってしまい被害を大きくしたのではないかと考えられますが、そのことについての御見解をお聞かせください。
次に、新石垣空港についてお尋ねいたします。
新石垣空港については、これまでにも何回となく取り上げてまいりましたし、今さら申し上げるまでもなく八重山郡民にとっては新石垣空港の早期実現は共通の大きな願いであります。
これまで場所の選定をめぐって反対、賛成の対立が18年余の長い年月を費やしてしまいました。しかし昨年ようやく県議会において宮良牧中調査費が認められたため、県は本格的に宮良牧中の調査を始めることができました。地元の一人として大変うれしく思っております。
しかし、県は宮良牧中の調査を始めたものの、反対派住民によって調査が阻止されるなどしてやむなく調査を一時休止するなど必ずしも順調に進んだわけではありません。その間においても県は地元住民との説明会や合意形成に向けて一生懸命に努力してまいりました。いかに職務とはいえ、並々ならぬ御努力に対し新石垣空港対策室職員を初め大田知事の新石垣空港の早期実現のための御尽力に対し敬意を表します。
さて、宮良牧中調査はいろいろな経緯をたどりながらも着実に調査が進んでいることは何よりも喜ばしいことであります。
ところで、八重山住民の新石垣空港について今のところ県の宮良牧中調査を冷静に見守っているように思えます。今回の調査によって科学的な根拠が得られることに対する期待は大変大きいものがあると思います。そしてまた科学的調査に基づいて宮良牧中が空港に適地であるという結果が出れば、新石垣空港の宮良牧中での着工を強く望んでいる人が大多数であると思います。それだけに今回の宮良牧中調査の進捗状況については全島民が注目していると思いますので、宮良牧中調査の進捗状況をお伺いいたします。
また、今回の調査の最終報告のできるのはいつごろになるのかお伺いすると同時に、中間報告といった形での報告もなされるのか、お尋ねいたします。
新石垣空港の今後の事業の進め方はどうなっているのかもお聞かせください。
次に、国際都市形成基本計画(開発整備の基本方向)についてお尋ねいたします。
国際都市形成と八重山圏域の関係については、県はその基本計画において次のように位置づけております。
「八重山圏は、大小31の島々からなる島しょ地域であり、個々の島々が独自の自然環境、歴史的・文化的環境を有するとともに、島々の連なりとして、あるいは海域として、沖縄本島や宮古圏とは別個の独自の位置を占める多様性に富んだ圏域である。」と、八重山の独自性をわざわざ沖縄群島や宮古郡とは別個の圏域として位置づけています。
さらに、八重山圏は「わが国の西端として、台湾・中国との国境に接し、国境政策やシーレーン確保」との関係で重要な国境地域であることも強調しております。その上で八重山圏域を「古くから、台湾や中国大陸との交流が盛んな地域であり、他地域では替わることのできない独自の地域間交流の蓄積がある。このような豊かで多様性に富んだ自然環境、歴史的・文化的環境を活かしながら、八重山圏独自の圏域外及び国際的な交流ネットワークを形成し、圏域として自立していくことが、基本的な課題となっている。」と位置づけしています。
しかし、こうした八重山圏域に対する位置づけは、日本の中の離島県である沖縄では視点を拡大すれば本土に対する沖縄県の特徴であるし、目を転じれば同じ県内離島である宮古地域と同じことであります。その証拠に、結局は八重山圏と宮古圏は県の基本計画では「先島国際交流圏」として一区切りになっております。
このように掲げられる諸特徴が沖縄県内で何ゆえに国際都市八重山の独自性なのか、いま一つ明確ではありません。
さらにはっきりしないのは国際都市形成と土地利用のあり方の関係であります。国際都市基本計画における「土地利用のあり方」においては、石垣島は「石垣市の既成市街地一帯を八重山圏の中核都市ゾーンとして位置づけ、都市機能の更新集積を図る。島内の農地は、必要な基盤整備を推進するとともに、その休耕地化・遊休地化を防ぎ、点在する緑地・集落とともに、生態系として復元・保全を図る。島内北部を中心に残る山岳部の森林は、沿岸部のリーフ・イノーとともに、貴重な環境資源・リゾート資源として保全・修復に努める。」とあります。
こうした土地利用のあり方は、西表島や竹富島、黒島、新城島、小浜島、波照間島、与那国島でもほぼ同じであり、貴重な環境資源、リゾート資源として保全や修復に努めるとなっていて、そのことがなぜ国際都市形成でなければ実現できないのか、そもそもなぜそれが国際都市形成なのか、全く理解できません。
そうした折、今度は全県フリーゾーン構想が飛び出してきました。全県フリーゾーン構想というからには八重山圏も全域がフリーゾーンの中に含まれるということだと思いますが、そうしますと県がこれまで政府に要請してきた自由貿易地域の拡充強化による経済特別区の形成のための規制緩和、例えば輸入の自由化やノービザ制度等は当然八重山全域にも適用されることになります。
本来、経済の振興策であるフリーゾーンは比較優位の考え方に基づきます。周辺地域の政策規制と比較して特別に自由が保証される地域で競争は優位になります。その自由とはコストからの自由であり、自由は企業人の自由であります。それだけに沖縄での全県フリーゾーン構想は本土に比べて低いとはいえ、アジアー般の何倍もの所得や賃金、地価等の高コストの沖縄では比較優位は成り立ちません。
仮に全県フリーゾーン構想を成功させる手立てを考えるならば、沖縄の土地をすべて公有地にし所得や賃金をアジア諸国並みに引き下げるか、低賃金労働者の出入りの自由を容認することですが、そうなりますと県民生活は大混乱となります。八重山圏域と国際都市やフリーゾーンとは具体的にどのような関係になるのか、また八重山郡民は国際都市八重山やフリーゾーン八重山でどのような暮らしをするのか、具体的にお伺いしたいのであります。
そこで1点目、国際都市やフリーゾーンが八重山圏域の既成市街地、農地、森林に与える影響とその直接的な意義について。
2点目は、県が提起した規制緩和策の基本方針には、国内市場から隔離された狭い県内では今後企業の拡大発展は期待できない、物流システムの改善が不可欠であり、また技術面の蓄積が貧弱なことから、優位性の産業育成をてこに県内企業にこだわらず、本土や外資を含めトータルに企業の立地を促進するとあります。
このような方針は、輸入の自由化方針と相まって県内の生産者に与える影響は大きいと思います。特に八重山圏域ではキビやパイン等の農産品に与える影響は大きいものがあると思います。それらの与える影響についてお尋ねいたします。
さらに3点目でありますが、入国に対する規制緩和やノービザ制度の拡充により国際都市八重山や全域フリーゾーンの八重山圏域では、今後外国人との共生関係が濃密になる一方で、郡民の日本本土等への移動等の制約が懸念されますが、そのことについての御所見を賜ります。
4点目でありますが、特に国の国境政策やシーレーン確保との関係で重要な国境地帯と言われる八重山圏域での位置づけについてどのように対処されるのか、御所見を賜りたいと思います。
以上のことについて行政当局の率直な御見解を賜って私の質問を終わります。
○議長(友寄信助君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 上間毅議員の御質問にお答えいたします。
まず、八重山におけるパイン産業との関連で、加工場閉鎖後のパイン産業に対する県の対応について、生果主体の生産における台風対策についてという御質問には一括してお答えいたします。
八重山地域におけるパイナップル加工場については、採算ベースに見合う原料の確保難を理由に昨年の12月から閉鎖をしております。
平成9年度以降の八重山地域のパイナップル生産振興については、石垣市、竹富町、JA八重山郡三者で平成9年度以降の八重山地域パイナップル生産振興方策を策定しておりますので、地元の意向を踏まえ積極的に支援していく考えであります。
また生果の安定的な出荷については、台風等の災害対策を講ずる必要があることから、現在JA八重山郡等を中心に対処策を検討しているところであります。
県としましても、農家の労働軽減を図り品質のよい生果パイナップルの安定出荷を図る観点から、平成8年度事業として実施した選果機の導入に加え、平成9年度は冷蔵コンテナ及び発電機等の鮮度保持施設を整備する計画であります。
次に、パイン増産対策として県はどのような計画があるかと、またパインの苗確保のための助成金を出す考えはあるのかという趣旨の御質問でございます。
平成9年度以降の八重山パイン増産対策としては、石垣市、竹富町、JA八重山郡の三者による平成9年度以降の八重山地域パイナップル生産振興方策が策定されています。県としては、この振興方策に基づいてその実現方について支援していく考えであります。
県は、これまでパイン生産農家の経営安定を図る観点からハウスパイン施設の整備、栽培・管理用機械の導入、加工用原料価格安定対策事業等を実施してきたところであります。
なお、苗の確保のための直接的な助成については困難でありますが、優良種苗緊急増殖供給事業によって生食用の新品種の種苗を供給していく計画であります。
次に、国際都市やフリーゾーンが八重山圏域の既成市街地、農地、森林に与える影響とその直接的な意義についての御質問にお答えいたします。
国際都市を形成するためには北部、中南部、宮古、八重山の各圏域がその独自性を生かして圏域外、さらには国の内外との多様で重層的な交流関係の構築を図る必要があります。
その中で八重山圏は世界的に貴重な自然環境、景観と多様な伝統芸能文化を生かした交流拠点として位置づけ、これらを基調とした国際的観光・リゾート地域の形成と隣接した中国、台湾等との積極的な経済・文化交流を推進する計画であります。
なお、具体的な拠点のあり方とそれに伴う土地利用計画、施設整備計画等の計画については今年度調査をする予定であり、土地利用上の影響についてはその結果を踏まえて検討していく考えであります。
一方、フリーゾーンの拡充強化につきましては、ことし4月に設置しました「産業・経済の振興と規制緩和等検討委員会」におきまして検討しているところでありますが、県は当初、地域限定型のフリーゾーンを想定し検討をお願いしておりました。
ところで、第2回の規制緩和等検討委員会におきまして全県フリーゾーンの方が国の内外の企業の誘致、将来の雇用拡大等の面から効果的ではないかという提案があり、県としましては現在、県内の産業に及ぼす影響等を調査しているところであります。
経済界及び関係団体等の意見も踏まえながら、次回以降の規制緩和等検討委員会で検討していただくことになっておりますので、御理解いただきたいと思います。
その他の御質問につきましては関係部局長等から答弁させます。
○議長(友寄信助君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 大城喜信君登壇〕
○農林水産部長(大城喜信君) 上間毅議員の御質問のうち、八重山におけるパイン産業の振興についての中で、生産振興対策奨励金の未払いに対する県の指導及び考え方についてにお答えいたします。
昨年、加工場側から農家に支払われる生産増強対策費が未払いとなっていることについては御指摘のとおりであります。
このような状況を踏まえ、JA八重山郡は代理人を通して支払いの交渉を進めておりますが、進展はまだ見られない状況であります。
県としましても、これまで再三にわたり支払いするよう工場側を指導してきたところでありますが、契約数量の未達成を理由に今なお支払いに応ずる状況にありません。
本件は基本的にはJA八重山郡と加工場の問題でありまして、当事者同士で解決すべきものと考えておりますが、今後ともJA八重山郡と加工場側の話し合いの状況を見ながら工場側に対し指導していくこととしております。
次に、八重山におけるパイン産業の中の今年度のパインの収穫量及び作付面積等はどうなっているかということについてお答えいたします。
平成9年度の八重山地域におけるパイナップルの収穫量は約2400トンを予測しております。
その内訳としては生食用で2000トン、加工用で400トンとなっております。
また、今年度は栽培面積200ヘクタール、収穫面積79ヘクタールを見込んでおります。
次に、波照間島における集中豪雨による被害に関して、去る5月の集中豪雨による農道の決壊あるいは土砂流出による被害に対する対応についてと、土地改良事業の工法に欠陥はなかったかどうか、その見直しについての考えはあるかと、あるいは排水溝は現状のままでよいかという質問について一括してお答えいたします。
5月の波照間島における集中豪雨は最大日雨量326ミリ、最大時間雨量117ミリであり、観測史上まれに見る異常な降雨でありました。このことから農道の決壊や畑地の表土流出の被害が生じたものと考えております。
農道や農地災害については、竹富町及び受益農家とも調整を終わりまして災害復旧事業で対応していくことになっております。
なお、土地改良事業の工法については国の基準に基づくとともに、県独自の基準を策定し実施しております。
排水溝の断面は、基準に基づいて10年に一度に相当する1時間最大雨量84.4ミリによって決定し実施しておりまして、排水被害が生じたのは異常降雨であったことを御理解願いたいと思います。
また、局部的に排水溝が素掘り水路のため維持管理が困難とのことで地元から工法の見直しの要望がありますので、竹富町と協議して検討したいと考えております。
次に、八重山圏域の国際都市形成と全域フリーゾーンの関係について、フリーゾーンがキビ、パイン等の特産品に与える影響についての御質問にお答えします。
全県フリーゾーン化については、第2回産業・経済の振興と規制緩和等検討委員会において意見が出され、今後そのメリット、デメリットについて検討することになっております。
現在、全県フリーゾーン化した場合のサトウキビ、パイナップル、畜産等に与える影響等について関係団体の意見を聞きながら調査しているところであります。
以上であります。
○議長(友寄信助君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 江洲順吉君登壇〕
○土木建築部長(江洲順吉君) 新石垣空港関連で宮良牧中調査の進捗状況についてお答えいたします。
新石垣空港宮良地区における調査は、測量、土質、気象、環境現況、基本設計、環境影響予測評価、社会・経済効果調査の7項目であります。
そのうち測量、土質については既に完了し、気象、環境現況については調査を継続しております。基本設計については測量、土質の調査結果を踏まえ、赤土等流出防止対策を中心に用地造成設計を10月末までにまとめる予定であります。
なお、他の調査につきましても順次実施する予定であります。
次に、調査結果についての中間報告をする考えがあるかとの御質問にお答えいたします。
調査結果についての中間報告は、地元住民に調査の内容を理解していただくために重要なものと考えております。このため県としましても現地調査結果の資料の整理を行い、工法検討委員会や環境検討委員会における意見を参考にして、赤土流出防止対策や気象観測等について中間報告を行う予定であります。
同じく今後の事業の進め方についてお答えいたします。
今後の事業の進め方につきましては、測量、土質調査の結果を踏まえて基本設計を行うこととしております。
なお、基本設計に当たっては工法検討委員会及び環境検討委員会を設置し、委員会の意見等を参考にして地元から提起されている赤土流出防止対策等も考慮した設計を行うこととしております。
また、平成8年度から実施しています気象観測業務を引き続き実施し、同地区における気象条件の把握を行い、地元から提起されているサンウルシー等の実態を確認するとともに、夏及び秋における環境現況調査を行い、既に実施した冬・春分の結果をあわせて環境影響予測評価を実施します。さらに同空港建設に伴う八重山地域の社会経済等に及ほす影響についても調査を行う予定であります。
これらの調査の結果、宮良地区が新石垣空港建設地としての適地であると判断された場合、調査結果についてはすべて地元や関係機関に対して説明を行い、合意形成を図っていく考えであります。
以上であります。
○議長(友寄信助君) 観光文化局長。
〔観光文化局長 照屋寛孝君登壇〕
○観光文化局長(照屋寛孝君) 八重山圏域の国際都市形成とフリーゾーンとの関係で、ノービザ制度が外国人との共生と郡民の移動に与える影響についての御質問にお答えいたします。
国際化、ボーダーレス時代の今日、私たちが国際社会の一員としてお互いをよく理解し、共生の心をはぐくみ、観光交流を初め学術、文化、経済など各面の相互交流を拡充していくことは極めて重要なことであります。
現在、県が産業・経済の振興策の一環として検討を行っているノービザ制度は、観光や商用で沖縄県から入国する台湾、韓国及び香港の方々を対象にビザの取得を免除し入国手続を簡素化するものであり、本県で先行的に実施してもらいたい旨政府に要望しているところであります。
ノービザ制度についてのこれまでの外務省や法務省等関係省庁との実務レベルの話し合いでは、不法就労の問題や県外移動のチェックシステムなどの課題が指摘されております。
県では、ノービザ制度の導入が経済面や県民生活へ与えるメリット、デメリット等について現在関係業界等を対象に影響調査を実施しているところであります。
ノービザ制度に係る諸問題については、この影響調査の結果も踏まえ、産業・経済の振興と規制緩和等検討委員会における調査検討の動向も見守りながら、市町村や県警等とも連携を図り引き続き検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 花城可長君登壇〕
○企画開発部長(花城可長君) 国際都市形成基本計画での八重山圏域の位置づけについてお答えいたします。
八重山圏は多くの島々から成る島嶼地域であり、独自の自然環境、歴史的、文化釣環境を有した地域であります。
そのため国際都市形成基本計画において同圏域は多様性に富んだ自然環境、独自の伝統文化、古くからの台湾や中国大陸との交流の歴史、東南アジアヘの近接性を生かしたアジアヘの玄関口としての国際交流拠点として位置づけをしております。特に台湾、中国との相互交流を中心とする経済圏の形成を初めアジア・太平洋地域との交流を推進する国際交流圏の形成を図ることといたしております。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 上間 毅君。
〔上間 毅君登壇〕
○上間 毅君 1点だけ質問をさせていただきたいと思います。
八重山のパイン産業の中での生産対策奨励金の件でございますけれども、部長の御答弁によりますと加工場側とJA八重山の問題であるというようなことでございましたけれども、加工場側の言い分としては原料そのものが確保できなかったと、契約だけのあれがなかったということで払わないということでありますけれども、加工場側と契約しているのは沖縄県、石垣市、竹富町、JA八重山、農協中央会、JAやんばるということでありますので、当然その契約を交わした6団体にも責任があると思いますけれども、その点を明確にしていただきたい。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 大城喜信君登壇〕
○農林水産部長(大城喜信君) 御指摘の各団体とのこの合意事項については、北部から八重山に1000トン運ぶための契約でして、この契約については履行しておりますので、基本的にこの未払いについてはJA八重山と工場側の問題としてとらえております。この合意についてはl000トン北部から運ぶについては履行しておりますので、そのように考えております。
○議長(友寄信助君) 当山全弘君。
〔当山全弘君登壇〕
○当山全弘君 一般質問を行いますので、誠意ある御答弁をよろしくお願いを申し上げます。
沖縄は、本土復帰して1997年5月15日で満25周年を迎えた。21世紀まであと3年余となった。
1972年の本土復帰から四半期を迎えたものの、差別と犠牲の強要から平和な県づくりを進めるためにはほど遠い感じがしてなりません。
米軍基地の大幅な整理縮小は絶対の条件だと思うが、SACOの最終報告を県民は期待をして望んだものの県民の希望とは裏腹に遠くかけ離れた感じがしてなりません。復帰25周年を経た今日でも復帰のあり方を厳しく問い直さなければならない。そこに本県の深刻な状況がうかがえます。一向に実現をしない基地の整理縮小、人権や財産権の侵害に怒りを感じます。
財産権を侵害するおそれのある改正米軍用地特別措置法の施行であります。とりわけ中央の政治は沖縄にいつまでも基地の過重負担を強行し、しかも県民は50年間も基地被害に苦しみ続けているのであります。平和憲法のもとで平和な暮らしがしたいという県民のささやかな願いも理解してもらえず、まことに残念であります。
また、沖縄差別立法を糾弾するために特措法改悪反対県民大会も参議院での否決を要求して開催をされました。
その中でこの改正案は、戦前強行された軍事目的のための強制使用であり、第2次大戦が沖縄を捨て石として延命を図り、戦後も27年間米軍占領下に放置し、本土復帰後も75%の軍事基地を押しつけてきた。これが改悪されると沖縄基地の恒久化を強制する何物でもないと参議院での否決を求めました。
沖縄の願いとは裏腹に、財産権や沖縄だけに適用などの問題が指摘される中、国会審議では中身にはほとんど踏み込まないまま2週間で成立されました。これは首相の訪米にあわせた実質審議なしの法案成立であり、まことに遺憾であります。それでは次の質問をいたします。
特措法改正と基地問題についてであります。
1番、特措法改正が最大の焦点となった沖縄国会となったが、米軍基地の温存に目が向けられ県民の声が切り捨てられましたが、知事の所見をお伺いします。
2番、1995年9月の事件以来政府から基地問題の改善策が提示されたようですが、どのように改善されたか、その状況についてお伺いいたします。
3点目、政府内には日米特別行動委員会の最終報告の成立で沖縄問題は終わったとの認識が強くなりつつありますけれども、そのことについて知事の所見をお伺いいたします。
大きな2点目、復帰25周年の節目とこれからの課題についてお伺いいたします。
本土復帰はよかったが、米軍基地の重圧はまだ続いているというのが大方の実感であります。復帰してよかったという人が85%に上り、在沖米軍基地については77%の人が縮小あるいは撤去を求めていると世論、マスコミは報じております。
復帰して目に見える形で変わったのが道路や橋などハード面の整備であり、沖縄振興開発事業が投資された結果であると県民は素直に評価しております。
その反面、失業問題や物価高など経済的な面を指摘する声も多く、県が現在抱える重要な課題ではないでしょうか。県民の声を聞き21世紀へ向けた振興策の展開が求められております。
それでは次の質問をいたします。
1番、県民は着実に基地の整理縮小を求め、県議会も何度も決議をしており、政府が今後いかに整理縮小を推進できるかにかかっていると思うが、所見をお伺いいたします。
2番、県内における基地のたらい回しではなく、県外、国外移設を県民は望んでおります。普天間飛行場の返還についても多くの人が無条件返還、県外、国外移設を求めているが、所見をお伺いいたします。
3点目、那覇軍港の返還問題でも移設なしを求める人が過半数を占め、米軍基地の重圧を受け続けてきた県民感情として当然の結果だと考えますが、所見をお伺いいたします。
4点目、県民の願いである海兵隊の削減についても政府は要求しないとしているが、基地問題の解決は知事の訪米での直訴等粘り強く一歩一歩進めなければならないと思うが、その決意についてお伺いいたします。
5番、復帰25周年の節目に当たり、沖縄は新たに復帰の原点に返り、また新たな出発点として基地問題の難しい状況を打破し、沖縄は経済的自立発展を模索する必要があると思うが、所見をお伺いいたします。
6点目、日米防衛協力のためのガイドラインの中間報告の内容は極東から日本周辺へと拡大し、米軍の戦闘支援、自衛隊の国外活動を明記するなど防衛協力の強化が前面に出され、基地の整理縮小とは逆に民間の空港、港湾の使用を含め基地機能が強化されようとしておりますけれども、そのことについてお伺いいたします。
7点目、日本周辺での有事の際、米軍の戦闘に巻き込まれ米軍施設が集中する沖縄の基地の危険性はもちろんのこと、集団的自衛権の行使を禁じた憲法に抵触しかねない内容となっているが、所見をお伺いいたします。
8点目、有事の際は沖縄が前線基地になる。那覇空港の軍民供用、軍事協力の拡大につながる危険性があるが、知事の所見をお伺いいたします。
9点目、防衛協力のためのガイドラインの見直しに関連して米軍優先的、専用的使用を可能にする法整備も検討されているが、この場合県民の安全をどう守るかが優先されるべきであり、ガイドラインの見直しに懸念される問題が多いと思うが、知事の所見をお伺いいたします。
大きな3番目、国際都市形成構想についてであります。
基地の跡利用を前提とした県土開発整備計画推進のために策定した県基本計画を県は正式に決定し、政府に提出したいとのことですが、その概要についてお伺いいたします。
4点目、国立組踊劇場の開設についてであります。
1、国立組踊劇場の開設は沖縄の伝統芸能が評価された結果であると考えるが、劇場建設誘致の経過についてお伺いいたします。
2点目、建設候補地も誘致推進検討委員会で進められていると思うが、その経過についてお伺いをいたします。
3番、来年度予算に反映させるために資料の収集、研究あるいは管理運営の面の準備が必要と思うが、そのことについてお伺いいたします。
4点目、浦添市は組踊の創始者である玉城朝薫の墓があり、市指定文化財としても整備保存を図ってまいりました。王朝文化の発展の中で開花した組踊を考えるとき、歴史的にも文化的にもすぐれた立地条件を有している浦添市が適当な場所として位置づけられます。また市議会もこの誘致に関する意見書を全会一致で去る5月23日に可決をしております。
教育長の見解を求めたいと思います。
5番、牧港補給地区の早期返還について、宮城健一浦添市長は5月21日、国際都市形成構想や市のまちづくりの障害になっているとして牧港補給地区の早期返還と西海岸の制限水域の解除を県に要請をいたしました。
それでは次の質問をいたします。
(1) 県はこの要請をどのように認識し、今後どのように対応するのか、所見をお伺いいたします。
2点目、市は国際都市形成構想と連動しながら西海岸開発計画で同地区とその背後地を整備する方針だが、県の基本計画と市の基本計画との整合性をもって西海岸での産業政策を推進をしていただきたい。所見をお伺いいたします。
6点目の全県フリーゾーンについては、デメリットの問題、メリットの問題といろいろ問題がございますので、このことについては多くの議員から指摘をされておりますので、今後の課題として質問を省きたいと思います。
7番目の教育問題について質問をいたします。
1、県人材育成財団の奨学金制度の運営状況はどうなっておりますか。このことについては、広く人材を育成するためにその基金の運用を効率的に行うために質問をしておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
イ、基金総額、ロ、貸与額及び人員、ハ、奨学金滞納額があればその額、人員。
(2) 奨学金の滞納についてはもしあれば抜本的な改善策と対策が求められますけれども、そのことについてどうなっているか、お伺いいたします。
(3) 大平養護学校の寄宿舎の廃舎問題につきましては、多くの議員から指摘をされております。
そしてまた知事の政治姿勢についても弱者、つまり障害者については重大な関心を寄せているし、教育委員会の自主性を尊重し大変重大な関心事で見守っているというふうな答弁がございましたので、教育長、今までの答弁を繰り返すんじゃなくして、知事の政治姿勢を組み入れまして弱者を救済する立場、それから障害者福祉の向上を図るためにぜひ執行部、教育庁などの段階だけではなくして知事部局とも調整を図って、この寄宿舎問題等について平成10年の整備計画を先送りするということでありますけれども、これを見直し、父母と職員の話し合いを強化してこれを寄宿舎の存続について、あるいはその老朽化している校舎が大変であれば修繕費等予算措置をいただいて一日も早く父母の要求にこたえ、あるいはまた子供たちの幸せのために頑張っていただきたいということを改めて申し上げてこの質問をやっておりますので、この寄宿舎問題についてはひとり歩きするんじゃなくして知事とも相談を深めて今後やる決意を表明してほしいと思います。
8点目、福祉問題についてお伺いいたします。
(1) 児童福祉法が大幅改正となりましたけれども、その内容と今後の対応についてお伺いをいたします。
(2) 西暦2000年4月から高齢者への公的サービスを開始する介護保険法が施行されようとしておりますけれども、その内容についてお伺いをいたします。
(3) 運営主体となる市町村は保険料の未納等で国保の赤字の二の舞となることが懸念されます。その対応についてお伺いをいたします。
(4) 介護保険法の導入により同国保同様、市町村での事務負担増が考えられますけれども、その対応についてお伺いをいたします。
(5) 市町村による地域福祉の果たす役割が増大をしております。そのためには財源や人材確保が広く求められております。それなくしては対応が大変厳しいかと思います。このことを県はどのように認識し、今後高齢化社会に向かって対応されるか、お伺いをいたします。
9番、病原性大腸菌O157とO26についてお伺いいたします。
(1) 病原性大腸菌の集団感染が危倶されるが、県内の発生状況と対応についてお伺いをいたします。
(2) 感染者の全員が幼児と保育園児ということでありますけれども、どのように対応しておられるか、お伺いをいたします。
以上をもちまして私の質問を終わります。
どうぞ誠意ある答弁をよろしくお願いを申し上げます。
○議長(友寄信助君) ただいまの当山全弘君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時56分休憩
午後1時20分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
この際、報告いたします。
説明員として出席を求めた副知事東門美津子君は、別用務のため再開の後、午後2時までの会議に出席できない旨の届け出がありました。
○議長(友寄信助君) 午前の当山全弘君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 当山全弘議員の御質問にお答えいたします。
特措法改正が最大の焦点となった沖縄国会となったが、米軍基地の温存に目が向けられ県民の声が切り捨てられたが、知事はどう考えるかという趣旨の御質問でございます。
去る4月23日に駐留軍用地特措法の一部を改正する法律が公布・施行されたところであります。
改正法の目的は、5月14日に使用期限が切れる嘉手納飛行場等12施設に係る駐留軍用地と昨年の4月1日から使用権原のない状態が続いている楚辺通信所用地についての使用権原を得るものであります。
駐留軍用地特措法の改正については、沖縄県の基地形成の歴史的経緯や県民感情、憲法とのかかわりを考慮した場合、またこの改正が実質的に沖縄県のみに適用されることについて県民の間に差別的取り扱いと受け取られる状況等もあり、県としてはこれに反対であると繰り返し申し上げてきたところであります。同法の改正が行われたことはまことに遺憾であります。
県としましては、今後とも基地返還アクションプログラムに基づき計画的かつ段階的な米軍基地の返還を日米両国政府に求め続けていきたいと考えています。
次に、政府内には日米行動委員会の最終報告、改正特措法の成立で沖縄問題は終わったとの認識が強くなっているが、知事の所見を聞きたいという趣旨の御質問でございます。
本県の基地問題及び振興開発について、橋本総理、梶山官房長官には就任以来その解決を国政の最重要課題として取り組んでもらっています。
さらに、昨年9月10日に閣議決定された総理談話で、米軍基地問題の解決や「21世紀・沖縄のグランドデザイン」を踏まえた沖縄の振興開発に全力で取り組んでいくことを表明し、さらに沖縄政策協議会や沖縄懇談会において本県の振興開発に強い意欲を持って取り組んでいただいております。
加えて、さきの駐留軍用地特措法改正の際に、本県の基地問題の解決や振興策に政府が適切な措置を講ずるべきである旨の国会の附帯決議が行われたところであります。
本県の基地問題の解決や振興開発には政府の理解と協力が不可欠であり、今後とも国との連携を図りながら全力を挙げて取り組んでいく考えであります。
それから復帰25周年との関連で、県民の願いである海兵隊の削減についても政府は要求しないとしているが、基地問題の解決は訪米での直訴等粘り強く一歩一歩進めなければならないと思うが、所見を聞きたいという趣旨の御質問でございます。
米国政府は、兵力問題について日米安保体制を堅持し、東アジア・太平洋地域に10万人の兵力を維持することは重要であるとの認識を示しています。
また、これに対して日本政府も兵力見直しについて米国に申し入れる考えはないとするなど、日米両国政府は在日米軍の兵力見直しに厳しい見解を示しています。
しかしながら、日米安全保障共同宣言において日米両国政府は、日本における米軍の兵力構成を含む軍事情勢について引き続き緊密に協議することにしております。県としては、基地問題の解決のためには兵力削減を含む基地の整理縮小が最も効果的であることから、住民の生活や安全を守るべき立場にある行政の長として、県民の過重な基地負担を軽減するため日米両国政府に対し粘り強く訴えていくことが極めて重要であると考えています。
次に、復帰25周年の節目に沖縄は新たに復帰の原点に返り、また新たな出発点として基地問題の厳しい状況を打破し沖縄は経済的自立発展を模索する必要があると思うがどうかという趣旨の御質問でございます。
県民が復帰に託した願いは、平和と繁栄、つまり軍事基地の撤去と経済の自立的発展でした。しかしながら復帰後25年が経過した今日、本県には相変わらず広大な米軍基地が存在しています。また産業の振興がおくれていることなどにより経済社会は財政に依存する体質から脱却できておらず、自立的発展にはほど遠い状況にあります。
こうしたことから県においては、21世紀の沖縄のグランドデザインとして国際都市形成構想を策定するとともに、本県の振興開発を進める上で障害となっている米軍基地の計画的かつ段階的な返還を目指す基地返還アクションプログラム(素案)を国に提示したわけであります。
国際都市形成構想は、21世紀に向けて共生の思想や平和を志向する沖縄の心を大切にし、本県の自立を図ることを理念に、みずからの歴史、文化、自然環境等の特性を生かし、多面的交流を推進することによって本県の自立的発展を図るとともに、アジア・太平洋地域の平和と持続的発展に寄与する地域の形成を目指すものであります。
今後、県民各層の御協力はもとより、国の支援を得ながら同構想を中核とする新たな時代に向けた大胆な振興策を推進し、県民が求める基地のない平和な沖縄を築き上げるよう努力してまいりたいと考えています。
その他の御質問につきましては関係部局長等から答弁させます。
○議長(友寄信助君) 知事公室長。
〔知事公室長 粟国正昭君登壇〕
○知事公室長(粟国正昭君) 当山全弘議員の特措法改正と基地問題について、1995年9月の事件以来、政府から基地問題の改善策が提示されたがどのように改善されたか、その状況について聞きたいということに対してお答え申し上げます。
沖縄の米軍基地問題については、本県における過重な基地負担の軽減を図るため、国と沖縄県との協議機関として平成7年11月17日に沖縄米軍基地問題協議会が、同年11月20日に日本政府と米国政府の協議機関として沖縄に関する特別行動委員会(SACO)が設置され、基地の整理縮小や訓練、航空機騒音問題、日米地位協定の見直し等について協議されてきました。
その結果、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告において県がこれまで強く要請してきた普天間飛行場の全面返還を含む11施設約5002ヘクタールの土地の返還が合意されました。
これらの土地の返還が実現すれば、復帰後これまでに返還された土地面積を上回る在沖米軍施設面積の約21%が返還されることになります。また県が基地返還アクションプログラムで第1期2001年までに返還を求めている施設のほとんどを返還することとしており、21世紀に向け県が策定した国際都市形成構想の推進を図るための第一歩として一定の評価をしております。
しかしながら、ほとんどの施設の返還が県内の既存の施設・区域への移設を前提としているため、移設先とされた自治体を中心に県民から厳しい批判があります。
日米地位協定の見直しについては、航空機事故調査報告書の公表や米軍公用車への番号標の取りつけ及び行軍の禁止等について解決が図られております。
また、公務外の事件・事故による被害者への補償問題、不発弾の処理等についても一定の改善が図られたものと考えております。
次に、復帰25周年の節目とこれからの課題についての中で、県民は着実に基地の整理縮小を求め、県議会も何度も決議している、政府が今後いかに整理縮小を推進できるかにかかっていると思うが所見を聞きたいということにお答え申し上げます。
県は、基地問題の解決を県政の最重要課題に位置づけ、県民生活の安定と県の振興開発を図る観点から日米両国政府に対し基地の整理縮小を訴えてきました。
昨年9月10日に閣議決定された総理談話の中で橋本総理は、引き続き米国との間で沖縄の米軍基地の整理・統合・縮小を推進するとともに、米軍の兵力構成を含む軍事体制について協議していくことを明らかにしました。
また、21世紀・沖縄のグランドデザインを踏まえた沖縄の振興開発に全力で取り組んでいくことを表明しています。県としては、この談話は閣議で決定されたものであり、本県の抱えている諸課題について政府が真剣に取り組んでいくとの姿勢が示されたものと受けとめております。
加えて、さきの駐留軍用地特措法改正の際に、沖縄における基地問題並びに地域振興に関する国会決議が国会において採択され、政府に対し沖縄県の米軍基地問題及び沖縄振興等について全力で取り組むよう求めております。
橋本総理もこの決議の採択に際し所信を表明し、決議の趣旨を体し沖縄の米軍施設・区域の問題や経済社会の振興策への取り組みに今後一層の努力を払うと述べています。
本県の基地問題の解決や振興開発には政府の理解と協力は不可欠であり、今後とも国との連携を図りながら全力を挙げて取り組んでいく考えであります。
次に、県内における基地のたらい回しではなく、県外、国外への移設を県民は望んでいる、普天間飛行場の返還についても多くの人が無条件返還、県外移設を求めているが所見を聞きたいということにお答えします。
国土面積の0.6%にすぎない狭隘な本県に全国の米軍専用施設面積の約75%が集中しており、このように沖縄だけに基地が集中している現状は不公平なものだと言わざるを得ません。
米軍基地は日米安保条約に基づき設置されており、日米安保条約は重要で在日米軍基地が必要であるというのならば、米軍基地の重荷を全国民が平等に負担すべきではないかと思います。
普天間飛行場については、国際都市形成構想を推進する上で重要な地域であり早期の返還を実現することが強く望まれていますが、移設先とされた自治体を中心に県民からの反発が強く、極めて厳しい状況にあります。
次に、那覇軍港の返還問題でも移設なしを求める人が過半数を占め、米軍基地の重圧を受け続けてきた県民感情として当然の結果だと考えるが、所見を聞きたいということにお答えします。
米軍基地の県内移設については、県としては基本的に反対であります。この問題については、まず米軍施設の提供責任者である国が関係市町村と話し合うことだと考えています。今後、県としましては、関係市町村の意向も踏まえながら必要な段階では国際都市形成の課題を勘案し、県の総合的発展を図る観点から適切に対応してまいりたいと思います。
次に、「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)により民間の空港、港湾の使用を含め基地機能が強化されていることについての所見を聞きたい、それからガイドラインは集団的自衛権の行使を禁じた憲法に抵触しかねない内容となっているが所見を聞きたい、那覇空港の軍民共用、軍事協力の拡大につながる危険性があるが、所見を聞きたい、ガイドラインの見直しに関連して米軍の優先的、専用的使用を可能とする法整備は問題が多いが所見を聞きたいということに対して一括してお答え申し上げます。
去る6月8日に日米両国政府が検討を進めていた日米防衛協力のための指針(ガイドライン)見直しの中間報告が発表されました。このガイドラインの見直しは、日米安保条約を基礎とした日米同盟関係の基本的枠組みを変更しないという前提のもとに日米両国の役割、相互の協議・調整のあり方について一般的な大枠ないしは方向性を示すことを目的とされていると聞いています。
その内容は、日米防衛協力小委員会(SDC)の協議の概要として、1つ、平素から行う協力、2つ、日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等、3つ、日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合の協力の3分野について、ことしの秋までに終了させることを目途に見直し作業を進めることとされています。
この中間報告については、とりわけ周辺事態の際の米軍の後方支援に関して米軍基地が過度に集中する本県にとって、県民の生活や安全に対する影響が懸念されますので慎重に見守っているところであり、必要な段階で適切に対応したいと考えております。
次に、牧港補給地区の早期返還について、宮城健一浦添市長が去る5月21日に国際都市形成構想や市のまちづくりの障害となっているとして牧港補給基地の早期返還と西海岸の制限水域の解除を県に要請した、これの中の質問1つ、県はこの要請をどのように認識し、今後どのように対応するのか所見を聞きたいということにお答え申し上げます。
牧港補給地区の返還については、浦添市の意向を踏まえて平成8年1月に国に提示し、その策定を要望した基地返還アクションプログラムに基づき計画的な返還を引き続き日米両国政府に要請していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 花城可長君登壇〕
○企画開発部長(花城可長君) 国際都市形成基本計画の概要についての御質問にお答えいたします。
国際都市形成基本計画の内容は、国際都市形成構想の施策の方向や規制緩和及び基地返還アクションプログラム(素案)との関係を踏まえながら構想の具現化に向けた考え方を示したものでございます。
その概要は、まず構想を推進するため平和外交都市沖縄の構築、南の国際協力・交流拠点の形成、基地返還の促進と県土の再編、経済の自立化と産業振興の促進の4つの政策目標を示しております。
また、各圏域別及び各拠点別の開発整備の基本的な考え方を明らかにするとともに、先導整備地区の設定と整備方針や各プロジェクトの推進スケジュールを明らかにしたものでございます。
県は、基本計画を策定したことを踏まえまして、去る5月27日に開催されました沖縄政策協議会にこの計画を説明をし、普天間飛行場を初めとする米軍基地の返還と跡利用の促進、経済特別区の形成等について諸施策を推進していただくよう要望をしたところでございます。
次に、牧港補給地区の早期返還との関連で、県の基本計画と浦添市の基本計画と整合性をもって西海岸での産業政策を推進していただきたいとの御質問にお答えいたします。
国際都市形成基本計画においては、浦添市の牧港補給地区を含む西海岸一帯を西海岸ベースポート地区として位置づけ、基幹インフラや導入機能等の整備方針を明らかにしております。
この地区におきましては、自由貿易地域の拡充強化による経済特別区を形成し、産業振興に向けた規制緩和等の特別措置を導入し産業基盤の強化を図ることといたしております。
このようなことから、牧港補給地区の具体的な整備計画については経済特別区の区域や導入機能のあり方等を踏まえ、浦添市との連携を密にしながら、市が計画した跡利用構想とも整合を図り総合的に検討していく必要があると考えております。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 教育長。
〔教育長 安室 肇君登壇〕
○教育長(安室 肇君) 組踊劇場に関する4つの質問にお答えします。
まず1つ目ですけれども、国立組踊劇場建設誘致の経過についてお答えいたします。
国立組踊劇場(仮称)の建設誘致の主な経過は次のとおりであります。
まず、昭和47年5月に組踊が国の重要無形文化財に指定されております。
昭和62年4月、知事が国立組踊劇場(仮称)の誘致を文部大臣、文化庁長官、沖縄開発庁長官へ要望しております。
そして平成3年9月、国立組踊劇場(仮称)誘致促進期成会が発足しております。
平成4年の8月、同劇場の検討委員会が設置されました。
平成6年の5月、同劇場の誘致基本構想の県案が策定されております。
平成6年7月、県議会におきまして同劇場の設置に関する要請決議を行い、文部省ほか関係機関に要請をいたしております。
平成8年8月、同劇場の誘致推進検討委員会を設置しております。
平成9年6月、同委員会より中間報告を受けております。
平成8年11月、文化庁と沖縄開発庁及び沖縄県は、沖縄政策協議会に新たな沖縄振興策の一つとして同劇場の設立を共同提案しております。
平成9年4月、沖縄特別振興対策調整費の中から文化庁に国立組踊劇場(仮称)設立に関する調査費が配分されました。
その後、文化庁におきましては国立組踊劇場(仮称)のあり方に関する調査研究協力者会議を設置し、現在基本構想及び基本計画の検討が行われているところであります。
次に、建設候補地の選定経過についてお答えいたします。
県教育委員会は平成8年8月、国立組踊劇場(仮称)誘致推進検討委員会を設置し、市町村の要望等がありました建設候補地8カ所について、選定基準に基づいて検討を行ってきました。
同検討委員会では候補地の視察、誘致要請市町村との意見交換会等を含む延べ9回の委員会を開催し、建設候補地の絞り込みについて検討を行い、3地区4カ所を建設候補地として中間報告をまとめました。
同中間報告を受けて関係部局との調整等を踏まえ検討した結果、建設候補地として浦添市小湾地区、那覇市天久地区の2カ所を選定し、去る6月25日に文部大臣及び文化庁長官に推薦いたしました。
次に、資料の収集・研究・管理運営についてお答えいたします。
文化庁におきまして来年度の予算に反映させるため、現在国立組踊劇場(仮称)の設立に関する資料の収集・研究等を行い基本構想及び基本計画の策定作業を進めております。
県教育委員会としましても、同劇場の早期設置に向けて誘致推進事業を継続するとともに、文化庁と密接に連携を図っていきたいと考えております。
次に、浦添市が適当な場所として位置づけられるのではないかということにお答えいたします。
国立組踊劇場(仮称)の建設候補地については、沖縄県はさきに浦添市小湾地区と那覇市天久地区の2カ所を文化庁へ推薦したところであります。
なお、同劇場は国立の施設でありますので、設置場所につきましては最終豹には国が決定することになります。
次に、県人材育成財団に関する4つの質問にお答えします。
1つ目は、県人材育成財団の基金総額についてでございます。
基金総額は、平成9年3月31日現在で28億9313万5000円であります。
次に、県人材育成財団の奨学金貸与額及び人員についてお答えいたします。
平成8年度の貸与額は2億4385万7000円で、貸与人数は518名となっています。
次に、奨学金滞納額、滞納人員についてお答えいたします。
平成8年度末の奨学金滞納額は7658万円で、滞納者は690名となっています。
そのうち1年以上の長期滞納者は19名で、その金額は約820万円となっております。
次に、滞納についての抜本的な改善策についてにお答えいたします。
沖縄県人材育成財団では、奨学金滞納の改善を図るため滞納問題検討委員会を設置し、滞納者の状況を把握し、それぞれの実情に応じ、まず1つ目は電話での督促、2番目に返還方法の相談、3つ目に本人、連帯保証人及び保証人への催告、4つ目に家庭、職場訪問等を実施しております。
なお、これらの督促にもかかわらず返還がない者については法的措置を行うことにしています。
次に、大平養護学校の寄宿舎の閉鎖に反対という声があるが、教育庁は寄宿舎の整備計画を見直し施設の老朽化が進んでいる寄宿舎を建て直す考えはないかについてお答えいたします。
寄宿舎については、特殊教育諸学校の編成整備計画に基づき改廃していく必要があると考えております。
大平養護学校寄宿舎の閉舎については、父母及び現場の職員のコンセンサスが十分に得られていないと思料されますので、差し当たり平成10年3月の閉舎計画については先送りし、父母及び職員との話し合いを継続して御理解が得られるよう努力していきたいと考えております。
大平養護学校の寄宿舎を閉舎することにしたのは、スクールバス3台の配置により通学困難な児童生徒に対する就学が溶易になったためであります。
家庭はいつの時代も家族の憩いの場であり、子供のしつけの場でもあります。人間形成の基盤づくりの上で最も重要な役割を持っていると思います。
現在、寄宿舎で行われている養育は基本的には家庭で行われ、家族の愛情のもとではぐくまれることが最も望ましいと考えております。
なお、集団生活を通して人間関係づくりなどのできる社会的な受け皿等については関係部局と連携を図りながら検討していきたいと思います。また老朽化した寄宿舎の安全管理については万全な対応をしていきたいと考えております。
以上であります。
○議長(友寄信助君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大城貴代子君登壇〕
○生活福祉部長(大城貴代子君) 福祉問題に関しまして5つの御質問がございますので順を追ってお答えしたいと思います。
まず、児童福祉法が大幅改正となったが、その内容と今後の対応についてという御質間にお答えします。
今回の児童福祉法の改正は、児童と家庭を取り巻く環境の変化を踏まえまして児童家庭福祉制度を再構築するものであります。子育てしやすい環境の整備を図るとともに、次代を担う児童の健全育成と自立を支援することをその目的としております。
主な改正の概要を申し上げますと、第1点は保育所に関する改正で、市町村の措置による入所の仕組みを、保育所に関する情報に基づき保護者が保育所を選択する仕組みに改正されております。
また、保育料につきましては、現行の所得に応じた保育料負担方式を、家計に与える影響等を考慮しながら児童の年齢等に応じて定めることとしております。
2点目は、いわゆる学童保育等の放課後児童健全育成事業が児童福祉法上明確に位置づけされ、その質の確保と事業の一層の普及を図るものであります。
3点目は、児童相談所に関する改正で、児童相談所が入所措置等の決定を行うに当たって、その専門性や客観性の向上を図るため一定の場合には都道府県児童福祉審議会にその意見を聞くこととしております。
また、児童の最善の利益を確保するため、措置の決定に当たりましては児童の意向を聴取することが制度上確保されました。
4点目は、義務教育を修了したが社会的自立ができない児童を対象といたしまして、施設の職員が小規模なホームで児童と生活をともにしながら、就職や日常生活の相談などを行う児童自立生活援助事業が法制化されました。
5点目は、児童福祉施設の名称及び機能に関する改正で、母子寮が母子生活支援施設に、養護施設が児童養護施設に、教護院が児童自立支援施設に改称される等の改正が行われました。
このうち教護院につきましては、家庭環境等の理由により生活指導等を要する児童も入所の対象とし、児童の自立を支援することを目的とする施設に改められることになりました。
6点目は、地域に密着したよりきめ細かな相談支援を行う新たな児童福祉施設として児童家庭支援センターが創設されることになりました。
以上が今回の改正の主な内容であり、施行は平成10年4月1日となっております。
なお、今後の対応につきましては法改正に伴う政令、省令や通達等を踏まえまして円滑な施行に向けて取り組んでいきたいと考えております。
次に、2000年4月から高齢者への公的サービスを開始する介護保険法の内容について伺いたいとの御質問でございますが、高齢者介護の問題は、要介護高齢者の増加とともに介護の長期化、重度化が進んでおり、大きな社会問題となっております。
こうした中で、国は介護を必要とする方がみずからの意思に基づき二一ズに対応した介護サービスを利用できる新たな介護システムを創設するために介護保険法案を提案し、現在国会での審議が継続しております。
提案されております介護保険法案の概要は、市町村が保険者となり、40歳以上の国民を被保険者として、「介護を要する」と認定されました高齢者等に対し、その介護需要に応じて保健、医療、福祉サービスを給付するというものです。
具体的に申し上げますと、65歳以上の方が第1号被保険者、40歳以上65歳未満の方が第2号被保険者として保険料を徴収し、要介護の程度に応じ訪問介護、訪問入浴、ショートステイ等の在宅サービスや特別養護老人ホーム、老人保健施設への入所、療養型病床群等への入院等の施設サービスを給付するものとなっております。
給付を受けるに際しましては、1割の自己負担と、入院、入所をなさる方には食事代を自己負担していただくものとなっております。
次に、運営主体となる市町村は保険料の未納等で国保の赤字の二の舞となることが懸念されているが、その対応についてお聞きしたいということでございますが、介護保険制度では費用の8割強は公費と医療保険者の納付金により賄われ、市町村が直接徴収するのは2割弱となっております。
市町村が徴収する中でも大方は国民年金等からの天引きにより効率的に徴収する仕組みとなっております。
さらに介護保険制度案では、市町村の財政面や事務面の負担をできるだけ少なくするよう次のような措置が講じられることになっております。
1点目に、現役の第2号被保険者の保険料を全国プールし、それぞれの市町村の介護給付費に応じて交付し高齢化率の高い市町村を支援する。
2点目に、公費のうち国費の5%分は市町村問の財政力の格差の調整のために充てる。
3点目に、都道府県に財政安定化基金を設置し市町村の財源不足が生じないようにする。
4点目に、都道府県は市町村の求めに応じ保険財政の広域化に係る調整等を行う。
このように保険者であります市町村を国、都道府県等がおのおのの役割に応じ重層的に支える仕組みとなっております。
県といたしましては、介護保険制度の創設は全国的な課題であり、国会での審議及び国の取り組み状況を見きわめつつ取り組んでまいりたいと考えております。
次に、介護保険法の導入により国保同様の事務負担増が考えられるが、その対応について伺いたいとのことでございます。
介護保険制度の創設に当たりましては、市町村の事務として要介護の認定、保険給付、保険料の徴収、介護保険事業計画の策定等が想定されております。
介護保険制度案では、これら新たに生じる事務費の2分の1を国が市町村に交付する等制度の安定化を図ることとしております。
また、県及び市町村の事務体制につきましては、人口規模等に応じた具体的な体制の整備基準を示すよう国に対し要望を出しているところであります。
最後に、市町村による地域福祉の果たす役割が増大している、そのためには財源や人材確保が求められている、それなくしては対応が難しい、このことを県はどのように認識し対応されるか伺いたいという御質問でございますが、少子・高齢社会に対応した社会保障制度の改革の一環といたしまして住民に最も身近な市町村に在宅福祉と施設福祉サービスを一元的かつ総合的に提供する体制を整備することが求められております。
さらに平成12年度の介護保険制度の導入に向け、市町村の実施体制の整備が今後の課題と認識しております。
県といたしましても、市町村の財政事情を勘案し、地域福祉の基盤整備事業を初め各種の補助事業を推進しているところでありますが、事業拡大に伴う財源の確保につきましても引き続き国に配慮を求めてまいりたいと思います。
また、福祉サービスの担い手となります人材につきましては平成5年に福祉人材センターを開設し人材育成や無料職業紹介等の就業援助を行っておりますほか、社会福祉研修所による専門研修の実施、福祉や介護の専門的な知識と技能を有する社会福祉士、介護福祉士、ホームヘルパーの養成等人材の確保に努めております。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 平良健康君登壇〕
○環境保健部長(平良健康君) 病原性大腸菌O157とO26についての御質問が2つございます。そのうち病原性大腸菌の県内発生の状況と対策についての御質問にお答えいたします。
本県における腸管出血性大腸菌O157等による患者発生の状況は、平成8年8月6日の指定伝染病としての指定以降、本年6月19日現在46人の届け出があります。
患者の年齢別分布ではゼロ歳から4歳未満までが35人で全体の76.1%、4歳から9歳未満までが3人、6.5%、9歳以上が8人、17.4%となっております。
保健所別では名護管内で17人、中央管内で13人、宮古管内で10人、南部管内で6人となっております。
患者の健康状態はおおむね良好ですが、平成8年11月に発生した2歳女児については、O157のベロ毒素による溶血性尿毒症症候群の合併が一例ありましたが、無事回復しております。
O157等対策として平成8年8月、本庁に対策本部会議、保健所に対策支部会議を設置し、個々の事例の感染経路の解明と2次感染防止に努めております。
腸管出血性大腸菌感染症には、食中毒の予防と伝染病の予防という観点から対策が必要であります。
食中毒については、給食施設の衛生管理、食品の取り扱い、従事者の衛生管理等について十分注意するよう指導しております。
病原性大腸菌O157は経口感染することから、2次感染防止のための具体的な予防対策として手洗いの励行による手指の清潔、排便後の注意、食品等の衛生的な取り扱い等の周知徹底を図っております。
さらに、集団給食施設における対策としては、感染源究明のために施設への立入検査、施設の職員及び患者の接触者検便の実施等により感染者の早期発見を行い、その感染防止に努めております。
次に、感染者が幼児と保育園児であるがどう対応しているかとの御質問にお答えいたします。
県としては、3歳未満の保育園児に患者発生が多いことから、特に保育園におけるO157等による食中毒を未然に防止するため給食施設の衛生管理、食品の取り扱い、従事者の衛生管理等について十分注意するよう指導しております。
2次感染防止対策としては、保育園における健康相談及び検便の実施、保母等への正しい知識の普及啓発、消毒方法に関する情報提供、日常生活の留意事項等の周知徹底を図っております。
また、食品等の収去検査、講演会の開催、保育施設長会議における予防対策の指導等を行っております。ポスター等の配布、マスコミの活用による普及啓発をあわせて行っております。
さらに、関係機関の連携強化のために、児童福祉施設等におけるO157等感染症対策協議会を設置して予防対策の充実強化に努めているところであります。
今後とも保育園の給食施設に対する監視指導を強化するとともに、関係者に対する衛生教育等を実施し食中毒の発生防止に努めてまいりたいと考えております。
○議長(友寄信助君) 上原亀一郎君。
〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 通告に従い知事並びに関係部長に質問を行います。
まず最初に、米軍用地確保特別措置法改悪法が去る4月17日、沖縄県民と国民の批判の高まりの中で強行成立させられました。この改悪法は、憲法が厳粛に保障する国民の財産権と法治主義の根本原理を乱暴に踏みにじり、沖縄を21世紀まで基地に縛りつけるもので、沖縄県民は断じてこの暴挙を許さないでありましょう。
改悪法は、両院を通じてわずか10日間という異常に短期間の審議で押し通されましたが、国会論戦を通じてこれが憲法に真っ向から反する違憲立法であることが明白になりました。
この改悪法は、国民の財産権を憲法で定める適正な手続なしに強奪するところに最大の眼目があります。現行制度は、国による財産権の侵害を許さないため土地収用に当たって使用認定を行うのは国、それを裁決するのは都道府県の収用委員会という二重の構造を定めているのは御承知のとおりです。改悪案は、この収用委員会の裁決なしに、また使用期限が切れても、さらには同委員会が使
用申請を却下しても政府の判断だけで土地を取り上げようというものであり、収用委員会を事実上無力化するものです。これが憲法に定められた国民の財産権に対する乱暴きわまりないじゅうりんであることは余りにも明白ではありませんか。
このような改悪法のまかり通った国会は、まさに「安保翼賛国会」と言わなければならないものであり、その異常さは野中衆院安保土地特別委員長でさえそら恐ろしくなったのか、大政翼賛会の再来に対する危倶を表明せざるを得なかったことでも明瞭です。
この異常な事態は、日本と沖縄の基地を21世紀にわたってアジア・太平洋地域への出撃基地として長期固定化しようとするアメリカの圧力と結びついたものでした。オルブライト国務長官、コーエン国防長官ら米政府高官が次々に来日し、悪法成立に向けた政界工作、強奪発言を繰り返しました。これに我が国の安保絶対の立場から憲法を踏みにじる勢力が追随して無法を押し通したものです。当然国民の厳しい指弾を浴びることは必至でありましょう。
沖縄県民の眼前に広がる米軍基地群は、米軍の占領統治下では国際法に違反し、銃剣とブルドーザーによる強制接収で、72年の施政権返還後は日米安保を口実にした日本政府の強制使用によって県民の土地を強奪して形成されたものであります。
改悪法は、まさにサンフランシスコ条約第3条に次いで、国内法でもってまたもや沖縄県民の主権をアメリカに売り渡したものに等しいものと言わなければならないでありましょう。
沖縄県民は、第2次世界大戦の結果、カイロ宣言、ポツダム宣言を踏みにじり、沖縄をアメリカに売り渡したサンフランシスコ条約第3条を、この屈辱的な条約の発効した1952年4・28の翌々日の4月30日、米軍が永久占領支配の道具として布令でもって設立した立法院において第3条撤廃による即時完全日本復帰の実現決議を提起し、半年も待たない同年9月30日、これを全会一致で決議させ、沖縄県民の総意として米占領支配者の心胆を寒からしめ、それから20年の熾烈な闘いを経て主権を回復しました。沖縄県民の民主主義の闘い・武器なき闘いでもって27度線の見えざる壁を崩壊させたのです。これを世界史的に見ますとベルリンの壁の物理的な崩壊に先立つ17年も前のことです。
ここで私は、一昨日の7月1日、155年ぶりに植民地支配に幕を閉じた香港の中国への返還について触れなければなりません。
現在人口630万の香港は、海外領土や自治州などの名で今なお世界に残る植民地の中では人口で最大でした。その植民地が終わりを告げたことは、民族自決の前進を特徴とする20世紀の終わりを飾るにふさわしい出来事と言えるでありましょう。
同時に、中国への香港返還が当然だということと、中国の現在の政治・経済制度を香港にそのまま適用することとの是非とはおのずから別個の問題です。
1960年の国連総会が採択した植民地独立付与宣言は、「外国による人民の征服、支配及び搾取は、基本的人権を否認し、国際連合憲章に違反し、世界平和と協力の促進にとっての障害となっている。」と述べています。ここに見られるように外国の支配からの離脱は、本来基本的人権尊重の土台となるべきものです。植民地からの解放、民族の自決とともに基本的人権の尊重、民主主義の拡大は20世紀の歴史の重要な内容をなしていると私は幾たびか申し上げてきました。
155年に及ぶ植民地支配を脱した香港が、基本的人権の尊重を初めとする民主主義の面でも後退ではなく前進することを強く希望するものです。
さて、香港の中国返還と沖縄県民の主権回復との最大の違いはどこにあるのでしょうか。
先述しましたように、香港の場合、返還条件の決定に当たって香港住民の意思が問われなかったのに対し、沖縄県民は米占領支配者が布令で設立した立法院で対日講和条約第3条撤廃による即時完全日本復帰の実施決議を全会一致で採択し、県民の総意とし、20年の歳月をかけた熾烈な闘いで主権を回復したということです。
しかし、その主権の内容をなす核も基地もない平和で豊かな沖縄県の建設は、主権回復後25年もたった今日、いまだに実現しておりません。逆に県民の財産権を奪い取る世にも恐ろしい米軍用地確保特別措置法改悪法なるものを押しつけ、回復した主権をすっからかんにしようとする悪あがきがまかり通っています。
このような、先述した国連植民地独立付与宣言にも反する時代逆行(アナクロニズム)は必ずバブルのごとく崩壊しあぶくのごとく消え去るものであります。
アメリカを初めとする世界じゅうのほとんどの国が署名してつくった国際条約サンフランシスコ条約第3条を事実上撤廃、死文化させ、みずからの主権を回復し、覇権主義、専制主義を敗退させ、民族自決権、人民主権を定着させた20世紀人類進歩の流れに大きく貢献し前進させ、回天の偉業を成し遂げた沖縄県民は、必ず主権の実態である核も基地もない平和で豊かな沖縄県を建設していくため新たな障害となった米軍用地確保特別措置法を必ず廃止に追い込んでいくでしょう。
そこで知事にお伺いしますが、以上申し上げましたように米軍用地確保特別措置法改悪法は廃止以外にありませんが、県民の財産権の保障はもとより、基地のない平和で豊かな沖縄県の建設、2015年を待たず基地を取り払っていくためどのように対応なされていかれるか、お答え願います。
質問の第2は、情報公開制度についてです。
最近マスコミは、両新聞とも県議会の県政調査研究費補助金と情報公開についての論調を展開しています。また今定例会には実施機関に議会を加える情報公開条例の改正を求める陳情も受理されています。
情報公開制度は、国の主人公である国民が、また県政の主人公である県民が、行政全体を監視のもとに置くためになくてはならない制度であることは言うまでもありません。
情報公開制度を求める運動は、ロッキード、ダグラス、グラマン事件など相次ぐ金権腐敗事件の中で政・官・財の癒着構造、行政の秘密主義、官僚主義的体質が汚職腐敗の温床になっていることが明らかになった1970年代から本格的に高まってきました。
我が党は、1976年の総選挙政策で情報公開制度を提唱したのを初め、81年4月には国民の知る権利を全面的に保障する情報公開法案を衆院に提出しました。
情報公開を求める国民世論と運動の広がりによって、現在自治体レベルで47の全都道府県――うち3県は要綱等でありますが――395市区町村で情報公開条例を制定しています。もちろん不十分な内容のものも少なくありませんが、住民が同条例を活用して官官接待や不公正な支出にメスを入れ、住民が主人公のガラス張りの行政を求める運動の力になっています。
沖縄県情報公開条例は1991年12月に制定・公布され、翌92年7月1日の施行で全国の都道府県では34番目の制定施行ですが、県民の知る権利を実効的に保障すると前文でもって明記した点で、那覇市の同条例とともに全国でもすぐれた条例となっています。
ただ、沖縄県公開条例は新聞でもただされておりますように県議会が実施機関から欠落しています。
我が党県議団は、条例制定の際にも県議会を加えるべきだと主張してまいりましたが、改めて県民の知る権利に全面的にこたえていくため議会の自律性をもって速やかな条例改正を全会派の諸賢とともに前進することをここで鮮明にしておきたいと思います。
昨年以来、薬害エイズ問題に見られますように国民の命よりも一製薬企業の利益を優先させ、企業や政府に都合の悪い情報を隠し続ける厚生省を初め、大銀行に奉仕する大蔵省、ゼネコンに奉仕する建設省など利益と腐敗がはびこっています。
政治と官僚、財界の癒着を断ち切り、国民本位の政治へと変えていくためには企業・団体献金の禁止とともに、秘密行政をなくして行政全体を国民の監視のもとに置くことがどうしても必要と言えるでしょう。今ほど行政改革のかなめとして国民の知る権利を本当に保障する情報公開法が求められているときはないでしょう。
ところで、政府の行政改革委員会行政情報公開部会は昨年11月1日、情報公開法要綱案を同委員会に提出しました。しかしこの要綱案は国民の願いとはかけ離れた内容を含んでいます。
要綱案は、国民の知る権利の保障をあえて外しています。その上で政府の諸活動を国民に説明することを法の目的としています。情報の持ち主はあくまでも行政で、国民は行政から説明を受けるという構図です。
この立場から、要綱案は情報を公開するのか非公開とするかなど制度の根幹にかかわる判断のかなりの部分を行政自身にゆだねています。行政が出したくない情報が国民の目から隠されてしまいかねない規定を山ほど盛り込んだ情報公開要綱案では国民の期待にこたえることはできないでしょう。
情報公開制度はアメリカやスウェーデンを初め欧米各国で実施されており、日本は最もおくれた国となっております。
情報公開の先進国と言われるアメリカの第4代大統領ジェームス・マディソンは、情報を持つ者は常に持たないものを支配する、それゆえにみずから統治者になろうとする人民は、知識の力によりみずからを武装しなければならないと語ったと言われています。国民が主人公の政治にするために国民の知る権利を全面的に保障し、行政を国民の監視のもとに置くことができる情報公開法が求められていかなければならないでしょう。
そこで、政府の行政改革委員会行政情報公開部会の情報公開法要綱案についての御所見をお伺いしますが、沖縄県情報公開条例との相違点を明らかにした上でお答え願います。
また、沖縄県情報公開条例施行5カ年の運用状況、県民の反応についての御答弁もお願いいたします。
最後に、沖縄国際平和の杜基本構想調査報告書が3年前の1994年3月に構想推進懇話会から提案されていますが、個別的にはかなりの進展も見受けられますので、次の施設の進展状況について御答弁を求めます。
1、平和祈念資料館移転改築事業の施設計画の概要及び進展状況についてお答え願います。
2、平和の創造と発信ゾーンにおける「平和の道」は県下53市町村をくまなく網羅するようになっています。無事の民の終えんの地である魂魄の塔周辺を起点に直ちにゾーンを発信させるよう提言いたしますが、知事の御所見を承りたいと思います。
3、国際平和研究所(仮称)については、首題の平和の杜構想を受けて、国際都市形成基本計画においても機能群として平和祈念資料館、平和の礎、国際平和研究所、森林公園、平和祈念堂、ひめゆりの塔、アジア女性センター、迎賓施設、戦後文化資料館は一体のものとなっています。
国際平和研究所については、既に6月に設置検討委員会から基本構想が出され、知事も基本計画を策定する意向を示されたようです。
ついては、今後の計画についての知事の御答弁をお伺いいたして質問を終わります。
○議長(友寄信助君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 上原亀一郎議員の御質問にお答えいたします。
米軍用地確保特別措置法は違憲、廃止以外にないが、県民の財産権保障のためどのように対応するかという趣旨の御質問でございます。
御承知のとおり、去る4月23日に駐留軍用地特措法の一部を改正する法律が公布・施行されたところであります。
改正法の目的は、5月14日に使用期限が切れる嘉手納飛行場等12の施設に係る駐留軍用地と、昨年の4月1日から使用権原のない状態が続いている楚辺通信所用地についての使用権原を得るものであります。
駐留軍用地特措法の改正については、沖縄県の基地形成の歴史的経緯や県民感情、憲法とのかかわりを考慮した場合、またこの改正が実質的に沖縄県のみに適用されることについて県民の間に差別的取り扱いと受け取られる状況等もあり、県としてはこれに反対であると繰り返し申し上げてきたところであり、同法の改正が行われたことはまことに遺憾であります。
県としましては、今後とも基地返還アクションプログラムに基づき計画的かつ段階的な米軍基地の返還を引き続き日米両国政府に強く求めていきたいと考えています。
次に、平和祈念資料館移転改築事業の施設計画の概要及び進展状況について伺いたいという趣旨の御質問でございます。
新しくできます平和祈念資料館建設事業は、昭和50年に設置された現資料館の老朽化に伴い施設及び展示内容の充実を図るため建設するものであります。
新資料館は現資料館の設立理念を継承し、悲惨な沖縄戦の実相を初め沖縄戦に至るまでの歴史的過程や戦後27年に及んだ米国統治及び今日まで続く基地問題等について住民の視点、沖縄の視座で展示することとしています。
また、情報ライブラリーや子ども展示室等の充実を図り、国内外に平和を発信する拠点として整備してまいりたいと考えています。
事業の進捗状況につきましては、移転改築基本計画に基づき平成8年度において建築工事の基本設計、実施設計を完了し、現在工事発注に向けて準備を進めているところであります。
展示関係については、監修委員会を設置し、その審議を経ながら実施設計並びに展示資料の収集を行っているところであります。
なお、新資料館の工事着手については本年11月を予定しており、平成11年12月の開館に向けて精力的に取り組んでいるところでございます。
それから国際平和研究所――仮称でございますが――について今後の計画を伺いたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
設置検討委員会からさきに報告がありました基本構想を踏まえ、本年度において基本計画を策定することとしております。設置場所や設置形態、組織等の具体的事項についてはその中で検討を行い、設置に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えています。
その他の御質問につきましては関係部局長等から答弁させます。
○議長(友寄信助君) 総務部長。
〔総務部長 赤嶺 勇登壇〕
○総務部長(赤嶺 勇君) 情報公開法要綱案と沖縄県情報公開条例との相違点及び同要綱案につきましての御質問にお答えいたします。
情報公開法要綱案と本県情報公開条例との主な相違点について御説明申し上げます。
本県の条例においては前文で「知る権利」について規定しております。要綱案では、政府の諸活動を主権者たる国民に説明する責務を掲げており、知る権利という言葉は用いておりません。
実施機関につきましては、条例では議会及び公安委員会は除かれておりますが、要綱案では国会及び裁判所が除かれております。
対象公文書につきましては、条例では「決裁等の手続が終了し、実施機関が管理しているもの」としているのに対し、要綱案では決裁や供覧といった手続を経たかどうかにかかわりなく「組織的に用いるものとして、行政機関が保有しているもの」としております。
請求権者につきましては、条例では「県内に住所を有する個人、事務所や事業所を有する個人及び法人、事務事業の利害関係者」としているのに対し、要綱案では国民であるかどうか、国内に居住しているかどうかを問わず「何人も」としております。
情報公開法の制定によって国の行政全般について国民による行政への参加、監視の充実が図られることになり評価すべきものと考えております。
情報公開法が制定・施行された場合は、法律のすぐれた部分は取り入れるべく条例改正の検討を行い、情報公開制度の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、沖縄県情報公開条例施行5カ年の運用状況についての質問にお答えいたします。
条例施行後の公開請求状況は、初年度の平成4年度は7月からの施行で31件、平成5年度は38件、平成6年度は37件、平成7年度が52件、平成8年度73件の請求となっていて年々増加の傾向にあります。特に平成8年度は前年に比べ40%の増となっており、情報公開条例の県民への周知が図られ、県民の知る権利の意識も高まりつつあると認識しております。
県民の県政への信頼を確保し、公正で開かれた県政を確立するためにも今後とも情報公開の推進に努めてまいりたいと考えております。
○議長(友寄信助君) 知事公室長。
〔知事公室長 粟国正昭君登壇〕
○知事公室長(粟国正昭君) 上原亀一郎議員の沖縄国際平和の杜についての中で「平和の道」について所見を伺いたいということに対してお答え申し上げます。
去る大戦において激戦地となった平和祈念公園一帯は、戦没者を悼み世界の恒久平和を願うとともに、平和の創造・発信の拠点として位置づけられています。これまでに平和の礎を建設したほか、現在森林公園を整備中であり、ことしの11月には新平和祈念資料館の建設に着手する予定であります。
御提言いただきました件につきましては貴重な御意見として承っておきたいと思います。
○議長(友寄信助君) 玉城義和君。
〔玉城義和君登壇〕
○玉城義和君 一般質問を行います。
知事を初めとして執行部の皆さん、連日大変御苦労さまでございます。
知事におかれましては、なるべく事務局のつくられた答弁書にとらわれませずに、この重大な転換期にある沖縄の将来に責任を持つ執行部と議会という相支え合っていく関係でございますので、なるべく生のお声をお聞かせをいただきたいと思います。
同時にまた、そのためには我々県議会もなるべく枝葉末節にとらわれない議論を展開をし、よき風習というものを打ち立てていく必要があるのではないかというふうに考えております。
質問に入ります前に、ガイドラインについてと基地と地域振興については次回に譲ります。
一昨年の9月4日に発生いたしました極めて不幸な事件以来、沖縄の米軍基地がいかに住民生活に過重な負担を強いているか、日米地位協定がいかに不合理なものであるかということについて全国民にその実態を知らしめることになりました。
また知事は、同年の9月議会で代理署名拒否をされ、沖縄からの異議申し立てが始まりました。我々県議会各派も共同行動をとり、沖縄県民の怒りを10・21県民大会に結集をさせました。
私は、まず第1点目に、このようにして始まった一連の闘いの流れを総括的にとらえ直し、この2年間は私ども沖縄にとってどのような意味を持っているか、あるいはまた持たさなければならないかということについて知事の御認識を伺うものであります。
この2年間の闘いの基本的な理念は何であったか、我々沖縄の闘いに対して本土の方は、一部知識人も含めて早くから安保条約の一方的沖縄への負担や基地の過重負担などに対し、本土ができることは結局金を出すことしかないというそういうふうに公言する方もいたわけであります。
しかし私は、今沖縄が問いかけているものは日本の戦争責任、戦後処理とも絡む問題であって、中国の残留孤児問題や慰安婦の問題、あるいは今もってその傷のいえぬ台湾を初めアジアの諸問題などとも共通項を持つ問題であると。そしてそれはすぐれて人権の問題であり、同時に安保、基地の過重な負担を沖縄にだけ押しつけて、それに痛みを感じずに平気でいる日本という国そのものを問うているんだというふうに考えてまいりました。
これまでの本土マスコミ等の沖縄に関する報道姿勢もその一つだろうと思っております。私は基本的に今でもそういうふうに考えております。そしてあの10・21大会の決議の中でも私たち集会の参加者は、戦後50年たった今日、この沖縄の現実に政府はどのような抜本的解決を示し得るかということを注視をしている、そしてそれは戦後政治と日本の民主主義が試されることになると述べております。
そして、この2年近く沖縄はいろんな方々がいろんなところで行動を起こし発言をしてまいりました。特に女性たちの活発な運動もありました。また学者、文化人の集まりも活発に行われ、初の県民投票も実施され、大田知事の訪米も含めてあらゆる機会に沖縄の声を主張してまいりました。言うことはすべて言った、やることはすべてやったという感じではないかと思います。
それに対して橋本首相は、昨年9月17日のコンベンションセンターで行った県民へのメッセージの中で、これまで政府が行ってきたことが必ずしも沖縄県民の皆さんの心に沿うものではなかったのではないかと反省をして見せ、沖縄の課題解決は内閣の最重要課題であると応じて見せたのであります。
橋本首相が政治の師と仰ぐ佐藤栄作元首相の25年前の、長きにわたって御苦労された沖縄同胞に対して特別の配慮云々の発言と非常に似ていることに私はびっくりした次第であります。
そして今日、その結果は、普天間基地は返すかわりに新たに基地を建設するというSACOの最終報告であり、あれほど沖縄が反対した駐留軍用地特別措置法の改正ではないかと言わざるを得ません。また米国防総省の国防計画見直しの中で、アジア・太平洋地域での米軍10万人体制の維持の明記であります。
ちなみにアメリカ総体としては、この間大幅な兵員の削減と国内基地は閉鎖が行われております。そして60年安保以来主要な論点であった極東の範囲やあるいは集団的自衛権の行使に対して何の国民的議論もなく切り込んだ「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)見直し中間報告というとんでもないおまけまでついているのであります。
要するに日本という国家から見れば、沖縄はあくまでも日本という大の虫を生かすための戦略的な位置しか与えられず、何か問題があれば応急的措置を施しておこうというものではないかということが今日偽らざる県民の思いではないかと感じております。
そして、その時々において我が県内においては必ずといっていいほど独立論に近い分離論が形を変えながら噴出していることは大変興味深いことでありました。これは県民が日本政府に対して問題解決の一縷の望みを託しながら、結局それが幻想だと知ったときに、やり場のないよるすべのない人々の憤怒ではないかと思うわけであります。知事のこの時局に対する御認識を率直にお伺いをしたいと思います。
次に、駐留軍用地特措法についてであります。
御承知のように、我が沖縄の米軍基地の強制収用には3つの区分があると思います。
第1期は講和条約発効前の1952年までであります。ヘーグ陸戦法規は、占領軍は生活のための食糧や衣服の徴用のみに限定をされ、そして敵の財産を破壊してはならないと規定をしております。しかし実際のアメリカ占領軍がどうであったかは改めて申し上げるまでもありません。
そして72年以降の復帰まではまさに布令・布告の乱発であり、それ以降は御承知のように公用地暫定法、境界明確化法などの特別立法のオンパレードでありました。
そして今回の特措法の改正は文字どおり特別立法であります。衆参両院でまさに8割から9割の圧倒的多数でごり押しをした状況は、野中自民党副幹事長ならずとも「大政翼賛会」だと感じるのであります。
知事はそれらの事態に、日本にとって沖縄は何なのかと喝破されました。まさに同感であります。これら立法に携わる人々は、また政府・政治家の本音は、安保にかかわる重要問題で一県知事にかき回されてたまるかということであり、この際、政府の劣勢を一気に優勢に変え、不法占拠を避けるという大義名分で押しつけてくるというものではなかったでしょうか。私は、このあたりがあの
注意深い橋本首相がかいま見せた本音ではないかと思います。
そこで知事は、この特措法の成立は今後の沖縄の基地問題の解決にとってどのような影響を与えるものと考えるか、御所見を賜ります。同趣旨のものがございましたら、かいつまんでお聞かせください。
次に、沖縄県は昨年1月30日に政府に対し、2015年まで基地返還アクションプログラムを提示しました。しかしいまだかつて政府によってどのように取り扱われているか、はっきり聞いておりません。国際都市形成も当然この計画と表裏をなすものと考えております。現時点で県としてこの計画を政府計画としてオーソライズするためにどのような働きをしているのか、見解を伺います。
次に、これまで各議員から多くの指摘がありました普天間基地の代替ヘリポート建設について私の考えを述べながら幾つかお伺い申し上げます。
申し上げましたように、我々がこの間一貫して要求してまいりましたのは米軍基地の整理縮小、そして撤去であり、決して新しい基地をつくることではありません。それが事もあろうに全く新しい基地を建設する動きが国の方針として提起され、キャンプ・シュワブ所在地の名護市を中心とする北部地域の激しい反発と怒りを買っているのであります。
特に昨今、国立高等専門学校を辺野古に建設するやに報道されております。私は、いかなる意味においても振興策なるものと基地建設をバーターすべきではないというふうに考えております。あめを与えてそのかわりに基地を押しつける、まさに子供だましのやり方ではないか。
もし仮にこのようなことが行われるならば、沖縄の人々は何だかんだと言うけれども結局は金で片がつくと日本国民が思ってしまうのであります。そして同時に、沖縄県民も反対派、賛成派を含めて一種の敗北感、無力感にとらわれるのは間違いないことで、これは将来長きにわたって県民の心の中に沈殿をし歴史の傷として残ってまいります。
沖縄の基地問題は、このように次元の全く違う問題だということをはっきり認識すべきであります。また地域振興というのは政治的な施策の必要もさることながら、本来自主的、自立的でなければならないということも申し上げておきたいと思います。すなわち地域の人々がその地域の特徴を十分に吟味をし論議を重ねながら積み上げていくことこそが地域興しの原点でなければなりません。
次に、地域住民の合意という考え方について申し上げます。
私は、かねてから特に基地問題は国と関係市町村の問題であると同時に、すぐれて県の問題であると指摘してまいりました。またそれゆえにこそ県は嘉手納統合案や、あるいはホワイト・ビーチ案について即座に反対の表明をしてきたのではないでしょうか。
名護市長は、橋本総理の訪米に間に合わすがごとく旧久志村地域での事前調査について説明会を開催しようといたしました。しかし結果として当該地域の辺野古を含めて全13行政区いずれも合意は得られませんでした。
辺野古区では市長が一方的に意見を述べただけであり、残りの区は事前調査ノーであり、特に二見区以北の10行政区は説明さえ拒絶されております。地元辺野古区も建設に反対する横断幕や立て看板を設置いたしております。
地域合意という観点から言うと、名護市長はこのように地元を初め名護市議会、また2度にわたって反対市民大会を開催した11団体の合意もほとんど得てないのが紛れもない事実であります。知事や市町村長がその権力を行使できるのは、それが県民・市民の委任を受けているという限りにおいてであります。
また、このヘリポート建設により現在のキャンプ・シュワブの2800名に加わること4000名と言われております。そのことによって沖縄海兵隊の約3分の1が辺野古に集中することになり、基地公害の集中移転となることは明らかであります。
同時に、台風銀座としての沖縄海域への海上ヘリポートの安全性の不安、沿岸サンゴ礁など生態系破壊など5月に行われた学術調査団の指摘も深刻であります。これらに対する情報の公開もありませんし、住民の合意などという以前の問題であります。
そのような中で知事は4月10日に名護市長と会談され、知事はその際に、名護市長が地域住民・団体との話し合いを踏まえ総合的に判断したことについては尊重すると述べたと報道されておりますが、これまで地元の実情を御紹介申し上げたとおり名護市長は地元の合意のない一種の虚構の上に立っているのであります。
そのような中で、これまで基地問題に対し血のにじむような御努力をされてきた知事の発言としては、私はいささか残念ながら妥当性を欠くものだと申し上げざるを得ないのであります。
同時に私は、山積する難問で苦悩する知事、副知事を前にしてこのようなことを申し上げる我が身を思うときに、県民同士を対立させ分裂へと導くこの構図は一体何なのかと考えざるを得ないのであります。
産業廃棄物問題で住民投票を行った岐阜県の御嵩町や、あるいは原発問題で同様に住民投票を行った新潟県巻町は、いずれもふだんはのどかで平和な共同体社会であります。このような町に抜き差しならない争いを持ち込んだのはいずれも大量消費地の大都市ではなかったのか。同時に住民間に分裂を持ち込んで苦悩させたのは行政という権力ではなかったのか。つまり都市と地域、行政と住民という対立構図が明確になってまいります。
名護市においても、大切なものは「市民投票で決めよう」の合い言葉のもと、6月6日、1400名が集まり市民投票推進協を結成し、年内の投票を目指しております。
安保条約の軍事面での安保繁栄論というのがあるとすれば、大都市を中心とする本土がその果実を享受をし、そして軍事面のマイナス面だけが我々に押しつけられるという面でまさに同じ構図を持つものであります。
安保体制という過大な負担を沖縄県民に背負わせて、そしてさらにそれを名護市という共同体社会に持ち込み地域社会に押しつけてくる、まるで私はいじめだと思います。地域はどうなりますか。ばらばらですよ、これは。この責任は一体だれにあるのか。外交権もない沖縄県知事が普天間基地の代替地に責任を持てなどということは、まことにもって不合理であります。ましてや一市町村長
にその責任を果たすべきものでもありません。これはまた政治的色合いや立場の問題でもありません。現に1970年に合意された那覇軍港の返還について、1978年から12年間県政を担当された西銘知事でも動かせなかったではないですか。
また時の浦添市長は、やり手と言われていた故比嘉昇氏だったのであります。社民党出身の市長になったからだめになるというようなことではないのであります。すなわちこのような狭い県内で基地を移せということ自体が極めて不可能、不条理だということであり、ましてや代替地がなければ普天間基地が動かないなどという捨てぜりふ的な言い方は、これは一元的に外交権を持ち国と国民の安全に全責任を負う総理大臣としてはまさに責任の放棄と言わざるを得ません。
以下質問いたします。
1番目、知事はこの際、基地政策の基本に立ち返り、県内移設、新設に対して明確に反対ということを表明をしていただきたい。
知事は、キャンプ・シュワブ沖での事前調査及び建設について地元合意ができているとお考えか、また地元合意とは何を基準に考えるか。
今回の名護市の市民投票は、昨年9月の県民投票を総論とすればいわば各論に当たります。基地問題で初の住民投票であり全国的な関心も呼んでおります。今回の市民投票に関して県の所見を伺います。
同時に、市民投票の結果も出ないうちに建設を前提にするボーリング調査を認めるべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
また、これはまさに事務的に処理すべきではなく政策判断を行うべきだと思います。知事の明確な答弁を求めます。
最後に、今後の基地整理縮小の撤去の運動についてであります。
時間がございません。
8割近い国民が安保を容認するということ、米軍の存在がみずからの日常生活とほとんど関係のない大多数の国民からすれば、その意味するところは日米関係の重要さを認識しているものと考えます。本土での話です。
いずれにいたしましても、外交権のない一県としてじかにアメリカ等との政治交渉には限界があります。このような立場からすれば知事が常々おっしゃる各県への負担分担の均等性こそが最有効なことではないかと思料いたします。
私どもといたしましても基地の国外移設がベストであることは変わりはありませんが、しかしそれを我々が言っている限りにおいて本土国民は何らかかわりを持たないわけであります。安保の国民的見直し、米軍の撤退のためにも戦術的に絞り込んでいった方がいいのではないかというふうに考えます。
知事の御所見を賜ります。
○議長(友寄信助君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 玉城義和議員の御質問にお答えいたします。
過去2年間の基地問題の推移とその評価について聞きたいという趣旨の御質問でございます。
沖縄の米軍基地問題については、一昨年の10月21日に開催された超党派による県民総決起大会以降、県内外の世論の盛り上がりを背景にかつてないほど大きな動きがありました。
このような状況のもと、本県における過重な基地負担の軽減を図るため、国と県との話し合いの場として初めて沖縄米軍基地問題協議会が設置されました。
また、日米両国政府の協議の場として沖縄に関する特別行動委員会が設置され、基地の整理縮小や訓練、航空機騒音、日米地位協定の見直し等について協議が行われてきました。その結果、昨年12月のSACOの最終報告において普天間飛行場の全面返還を含む11施設、約5002ヘクタールの基地の返還が合意されました。
これらの基地の返還は、県が基地返還アクションプログラム(素案)で第1期、すなわち2001年までに返還を求めている施設のほとんどを返還することにしており、21世紀に向け県が策定した国際都市形成構想の推進を図るための第一歩として一定の評価をしています。
しかしながら、ほとんどの施設の返還が県内の既存の施設・区域への移転を前提としているため、移設先とされた自治体を中心に県民から厳しい批判があります。
また、日米地位協定の見直しについては航空機事故調査報告書の公表や行軍の禁止等一定の改善が図られているものの、米軍基地に対する環境保護に関する国内法の適用、事件・事故発生時のペナルティーの適用等演習に対する規制の問題――これは第3条関連でこさいますが――等については県の要望が満たされておりません。
昨年9月に実施された県民投票では、日米地位協定の見直し及び米軍基地の整理縮小を求める県民の意思が明確に表明され、沖縄県民の意思を国内外に強くアピールすることができたものと考えています。
また、駐留軍用地強制使用に係る代理署名の問題では、職務執行命令訴訟などを通して本県の基地問題について日米両国政府を初め多くの国民に理解を深めていただくことができたと思います。
去る4月23日の駐留軍用地特措法の改正については、沖縄県の基地形成の歴史的経緯や県民感情、憲法とのかかわりを考慮した場合、またこの改正が実質的に沖縄県のみに適用されることについて県民の間に差別的取り扱いと受けとられる状況等もあり、県としてはこれに終始反対であると繰り返してまいりました。それだけに同法の改正が行われたことはまことに遺憾であります。
一方、米国政府は米国防総省による4年期防衛見直しで兵力問題について日米安保体制を堅持し、東アジア・太平洋地域の10万人の兵力維持を図ることは重要であるとの認識を示しております。
これに対し、日本政府も兵力見直しを米国に申し入れる考えはないとするなど日米両国政府は在日米軍の兵力見直しに厳しい見解を示しています。
また去る6月8日には、「日米防衛協力のための指針」見直しの中間報告が発表されましたが、米軍基地が過度に集中する本県にとっては県民の生活や安全に対する悪影響が懸念されます。
県としましては平成8年1月に国に提示し、その策定を要望した基地返還アクションプログラム(素案)に基づき計画的かつ段階的な米軍基地の返還を引き続き日米両国政府に要請し、2015年には何とか基地のない平和な沖縄を実現したいと考えています。
それから、駐留軍用地特別措置法の成立と沖縄米軍基地についての見解の質問でございます。
去る4月23日に駐留軍用地特措法の一部を改正する法律が公布・施行されたところであります。
法改正の目的は、5月14日に使用期限が切れる嘉手納飛行場等12施設に係る駐留軍用地と昨年の4月1日から使用権原のない状態が続いている楚辺通信所用地についての使用権原を得るものであります。
駐留軍用地特措法の改正については、沖縄県の基地形成の歴史的経緯や県民感情、憲法とのかかわりを考慮した場合、またこの改正が実質的に沖縄県のみに適用されることについて県民の間に差別的取り扱いと受け取られる状況等もあり、県としてはこれに反対であると繰り返し申し上げてきたところであり、同法の改正が行われたことはまことに遺憾であります。
県としましては、今後とも基地返還アクションプログラムに基づき計画的かつ段階的な米軍基地の返還を引き続き日米両国政府に求めていきたいと考えております。
次に、知事はこの際、基地政策の基本に立ち戻り県内移設、新設に対して明確に反対ということを表明してもらいたいという趣旨の御質問でございます。
米軍基地の県内移設については、県としては反対であります。
この問題については、まず法律の趣旨、法律に基づいて起業者である国が関係市町村と話し合うことが筋であるというふうに考えております。
県としては、玉城議員も御指摘のとおり全く無関係ではないわけでございますけれども、関係市町村の意向が明確になった段階でその意向を踏まえながら県の計画している国際都市形成構想の課題等も勘案し、県の総合的な発展を図る観点から適切に対応していくということでございます。
玉城議員が知事の本音で話してほしいと、知事の言葉で話してほしいというお話でしたけれども、玉城議員がおっしゃるとおり知事の権限というのは一定の限りがあるわけですね。
そうすると、その権限が一定の範囲でしか持てない知事が、例えば国との交渉の問題についても単に軍事基地の問題だけで交渉するわけでなくて、やはり雇用の問題とか産業の問題とか教育の問題とか、みんな含むわけですね。それもしかも一つだけを先にするというわけにいかなくて、同時並行的にすべてやらなくちゃいけないわけなんです。
ですから、そういう状況の中で知事がなし得る範囲とは一体何かというのもぜひ御理解いただきたいと。
反対ということを言うのは簡単ですけれども、同時に私は今非常に心配しているのは、万が一普天間飛行場でまた人命にかかわるような事件・事故が起こったら、一体その責任をどう果たせばいいかという懸念を日夜持っているわけです。
そのような状況の中で、知事がじゃできる範囲とは一体何かということもぜひ御理解賜りたいと。つまり県議会も車の両輪とおっしゃっているわけですから、私も精いっぱいやっておりますけれども、また県議会でも今後の将来の方向づけをどうすればいいのかと。
今、普天間の問題、それからそのほかの基地の問題について具体的にじゃどういう解決をすればいいかということ。その場合に、毎度申し上げておりますように基地を抱えている市町村の構造的に基地収入が組み込まれているようなその事態をどう解決するかという問題、失業率の高さをどう解消すればいいかという問題、それから自立的発展に結びつく産業の育成をじゃどうすればいいかという問題ですね。
それで県民大会において、あるいは県民投票において県民の大方の意思は基地の整理縮小に賛成しているわけなんですね。それは非常に明確ですが、じゃ県内のいろいろな団体の利害関係は一致して一つの目標に向かっているかというとそうなっていないわけですよ。
そのような状況をどう具体的に解決したらいいのかという問題、そういうことで本当に正直申し上げてどうすればいいかということで苦悩するわけです。
そういう中で、やはりみんなで力を合わせて一つの方向づけをして県民が一体となってその方向に解決に向けていかないと、これは日米両国政府の立場が明確である以上、知事執行部だけでやれる範囲というのはこれは限定されているわけですよ。それ以上のことを望んでいただいても、幾らこちらがやってもできない部分はできない部分として残るわけなんです。
ですからこの辺の問題はぜひ御理解いただきたいと思います。
それから先ほどの地元合意についても私も非常に苦悩しております、正直申し上げまして。何をもって地元合意と見た方がいいのかと、行政の長が言うことだけでいいのかと、市議会の対応はどうなるかと、それから市議会だけの話でいいのかと、市民団体、市民の動きはどうなのか、それから投票はどういう結果になるのかとか、こういうのを包括的に見て、それが本当に名護市なら名護市というものの意向としてどうとらえるのかという問題ですね、非常に難しい問題です、正直申し上げて。
ですから、そのあたりはみんなでこれはこういうふうにしていこうという話が詰まっていけば非常に執行部としてはやりやすいわけですね、行政としては。しかしみんなこうなっているものですから、本当にもう正直言ってお手上げのような状態を感ずるわけですね、これが率直に申し上げて……。
執行部としては、基地問題に多大のエネルギーを割かれているのは非常に残念ですよ、正直申し上げて。農業の問題とか、産業振興の問題とか、雇用の問題とか、お年寄りの問題とか、いっぱいやらなくちゃならないわけですが、そのエネルギーを割かれるというのは非常に痛いわけですよね。
ですからそこはぜひ御理解いただきたいと思います。
その他の御質問につきましては関係部局長から答弁させます。
○議長(友寄信助君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 花城可長君登壇〕
○企画開発部長(花城可長君) 基地返還アクションプログラムの政府内での位置づけについての御質問にお答えいたします。
基地返還アクションプログラム(素案)は、平成8年1月の沖縄米軍基地問題協議会幹事会に提示をいたしまして、国において同プログラムを策定するよう強く要請をいたしたところでございます。
平成8年9月の総理大臣談話の中で、米軍施設・区域の整理縮小や米軍の兵力構成を含む軍事体制について継続的に米国と協議すること等が示されております。
平成8年12月のSACO最終報告で示された11施設・区域の返還合意は、基地返還アクションプログラム(素案)の基本的考え方を反映したものであり、国際都市形成構想の実現に向けた第一歩であると考えております。
平成9年5月には基地の計画的、段階的な返還という基本的考え方を踏まえ、国際都市形成実現のための諸プロジェクトの推進スケジュール等を明らかにした国際都市形成基本計画を策定したところであります。
県としては、国際都市形成基本計画に沿った諸施策の展開を図ることが重要であることから、引き続き基地返還アクションプログラム(素案)に沿った基地の計画的、段階的な返還を日米両政府に対し粘り強く要請をしていく考えであります。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 知事公室長。
〔知事公室長 粟国正昭君登壇〕
○知事公室長(粟国正昭君) 玉城義和議員の基地問題についての中で、名護市の住民投票は昨年9月の県民投票を総論とすればいわば各論に当たると、基地問題での初の市民投票であり全国的な関心も呼んでいる、市民投票に関する県の所見を聞きたいということにお答えしたいと思います。
普天間飛行場の返還に伴う海上ヘリポート建設について、住民サイドからその是非を問う市民投票の実施に向けて市民投票推進協議会が今月6日に発足したと聞いており、今後地方自治法の規定に基づき進められていくものと考えています。県としましては市民投票の実施に向けた民意の動向を見守っていきたいと考えております。
次に、市民投票の結果も出ないうちに基地建設につながるボーリング調査を認めるべきではないと考えるがどうかにお答えします。
今回国が実施している一連の調査は、海上ヘリポート建設に同地が適当であるかどうかを判断するための事前調査であり、関係法令も踏まえながら適切に対応していきたいと考えております。
次に、今後の基地整理縮小の展望について聞きたいということにお答えします。
昨年12月2日の沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告は、県が基地返還アクションプログラムで第1期2001年までに返還を求めている施設のほとんどを返還することにしており、21世紀に向け県が策定した国際都市形成構想の推進を図るための第一歩であると考えています。
しかしながら、ほとんどの施設の返還が県内の既存の施設・区域への移設を前提としていることに移設先とされた自治体を中心に強い反発があり、県としても民意の動向に深い関心を持って適切に対応してまいりたいと考えています。
今後県としましては、今回示された基地返還の流れを踏まえ、国際都市形成構想を推進するため引き続き基地返還アクションプログラムに沿った計画的かつ段階的な基地の整理縮小を日米両国政府に対し強く働きかけていきたいと考えています。
また、これにあわせて本県に駐留する兵員の削減を求めることが今後の重要な課題であると考えています。
以上です。
○議長(友寄信助君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 江洲順吉君登壇〕
○土木建築部長(江洲順吉君) 基地問題について、事務的に処理すべきことではなく政策的判断を行うべきと思うがどうかとの御質問にお答えいたします。
那覇防衛施設局長から、名護市字辺野古地先における海上ボーリング調査に関する公共用財産使用協議書が提出されております。
同地先海域の管理は、国有財産法等に基づき都道府県知事へ機関委任されている事務であります。協議については関係法令等に適合しているか、海域環境へ及ぼす影響や安全対策等について関係機関と調整を図り対処してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後3時7分休憩
午後3時30分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
伊波洋一君。
〔伊波洋一君登壇〕
○伊波洋一君 私は、沖縄県が提唱している2015年までにすべての米軍基地を撤去する基地アクションプログラムが凍アジア地域の大幅な軍縮及び平和の確立に貢献するものと確信しております。
52年前、米軍に占領されて以来、強制的な使用が続いている広大な沖縄の米軍基地は米軍の世界戦略の拠点となっているわけですが、冷戦が終了し海外に軍隊を駐留する時代は終わろうとしております。戦争の世紀と言われる20世紀もあと3年で終わります。来るべき21世紀が戦争のない真に平和な世紀となっていくためには、沖縄県民が求めているように世界各地で戦争につながる米軍基地や軍備をなくしていくことが重要です。しかし沖縄基地をめぐる日米両政府の対応は、東アジアの軍縮に逆行しています。
米国は、沖縄基地問題を逆手にとって米軍用地特別措置法の改悪による沖縄基地の固定化を足がかりに、日本政府に「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)を見直させ、有事立法の法制化を行わせようとしています。
大田知事はことしの慰霊の日の平和宣言で、沖縄が間接的に戦争に加担することになることを含めて、沖縄の将来が懸念されると述べられました。沖縄県が目指している国際都市OKINAWAのキーワードは、平和、共生、自立であり、国際平和研究所の設立も沖縄を東アジアの平和の発信地の一つにしようとするものであります。
大田知事は、就任以来訪米を重ねて米軍基地の整理縮小を訴えてきておりますが、これからは東アジアの諸国にも目を向けていくことが極めて重要だと思われます。特に中国を初め東南アジア諸国ともに歴史的にも沖縄にとって深い関係を持っております。沖縄県が目指す2015年にすべての米軍基地をなくすという目標が東アジアの平和と安定に結びつくためには、中国を含めた関係諸国の理解を連動させていく必要があります。積極的に東アジア諸国の平和研究者や指導者を沖縄に招き、国際平和会議を開催しながら東アジア諸国に積極的に平和発信をしていくことが重要であります。
そこで大田知事に伺いますが、基地アクションプログラムを実現するために、今後中国を含めて東アジア諸国に沖縄県民の米軍基地縮小の意思を明確に伝えていく考えはありませんか、大田知事のお考えをお聞かせください。
昨年4月に普天間米海兵隊基地の全面返還が日米両政府で合意されました。県の取り組みを初め平和運動団体の基地包囲行動など県民運動の成果として宜野湾市民は喜んでおります。特に1985年に誕生した桃原正賢宜野湾市長が3期12年にわたり普天間飛行場の全面返還を日米両政府に求め続けたこと、90年からは軍用地主の意識調査や基地跡利用フォーラムの開催などコンセンサスをつくりながら軍用地主の代表者も複数名が委員となって基地跡地利用基本構想を策定し、基本計画づくりを行ってきたことが普天間飛行場の全面返還合意に大きく結びついていると考えます。
私も多くの市民とともに先進的に基地返還に取り組んできた親泊那覇市長や山内読谷村長、富野逗子市長を招いて1989年10月に普天間基地撤去セミナーを開催し、1999年までに全面返還させようと提起いたしました。結果的にそのことも普天間飛行場全面返還運動の一助となったものと考えております。
さて、返還に向けて準備していない自治体においては基地アクションプログラムやSACOで返還合意された基地の中で、地元で軍用地主の合意が得られてないということを理由に返還の延期を求める市町村も出ております。
宜野湾市の桃原正賢市長は、普天間飛行場の全面返還合意という大きな成果を節目にことし8月12日の任期をもって勇退されますが、大田知事は宜野湾市のこれまでの取り組みをどのように評価されているでしょうか、お聞かせください。
さらに、いよいよ普天間飛行場の跡利用計画を実現するためには宜野湾市と県が緊密な協力関係をつくり上げながら、国の強力な財政支援を求めていくことが重要であります。既に県と宜野湾市は、跡地利用基本計画についての話し合いを正式に開始しておりますが、跡地利用実現に向けた今後の計画の概略を示してください。
ことし2月10日に米国新聞社のニュースによって明らかになった鳥島での海兵隊による劣化ウラン弾1520発の実射訓練は、重大な環境汚染が1年以上も県民に知らされていなかったことで大きな衝撃を与えましたが、驚いたのは米国政府の発表よりもさきに日本政府が危険がなく安全であると発表したことでした。
私は2月定例会において鳥島での劣化ウラン弾発射が極めて重大な放射能による環境汚染を引き起こしていたこと、米軍は海兵隊、海軍、空軍による放射能汚染除去チームをつくり、自然レベルまで放射能値以下にするために鳥島の地表面のクリーンアップ、環境浄化作業を行っていたこと、その後に土壌サンプルを採取して基準値以下と発表していたことを昨年3月の米軍の調査報告書を
もとに指摘しました。
同時に、岩や不発弾に食い込んだ劣化ウラン弾が放置され、見つからなかった弾を含めて約200キロの劣化ウランが回収されず鳥島に放置されていることも指摘しました。しかし今日までクリーンアップ前の本当の放射能汚染の実態は明らかにされていません。
その後、予算特別委員会では鳥島の近海が豊富な漁場であり、鳥島の近く10キロに県が1億円以上もかけて設置した大型浮き魚礁(パヤオ)があり、鳥島周辺で操業する漁民が劣化ウランや酸化ウランの微粒子によって被害を受けるおそれがあるので一日も早く鳥島射爆撃場の閉鎖を日本政府に求めるよう指摘しました。
4月には湾岸戦争の劣化ウラン問題を戦争直後から取り組んでいるラムゼー・クラーク元米国司法長官及び担当スタッフをニューヨーク事務所に訪ね半日の話し合いを持ち、劣化ウラン問題が極めて深刻な問題であることを認識いたしました。
彼らは、この5月に「Metal of Dishonor(汚れた金属)」というタイトルの劣化ウラン弾に関する総合的な本を出版し沖縄の鳥島の件も取り上げられております。
湾岸戦争では膨大な劣化ウラン弾が使用され、イラク兵だけでなく、その後幼児や胎児の白血病、がん、腫瘍などが急増しております。
さらに、湾岸戦争に従軍した米兵のうち、劣化ウラン弾で汚染されたイラク戦車に入ったり、味方の誤射で劣化ウランを受けた米軍車両の洗浄に従事した米兵などがさまざまな障害を伴う湾岸戦争症候群を起こしており、その数は9万人とも言われます。
さらに、米陸軍研究所の研究で、極めて少量の劣化ウランの放射線ががん遺伝子を活性化し、がん抑制遺伝子を不活性化させることがわかってきました。
先月6月26日には、米国議会でこれらの湾岸戦争従軍兵士や放射線医師などを招いた公聴会が開催され、米国防総省も劣化ウラン弾の危険性を初めて公式に認めました。
先週、米国議会会計監査院(GAO)が、これまで劣化ウラン弾問題を隠そうとしてきた米政府の対応を批判する140ページ以上の報告書を出しました。ようやく劣化ウラン弾の危険性が明らかにされつつあります。
今回も再度鳥島の劣化ウラン汚染の実態を指摘しながら、一日も早い鳥島射爆撃場の閉鎖と徹底した環境浄化を求めるために質問いたします。
2月定例会終了後、陸軍健康促進・予防医学センターによる1996年6月6日付の報告書を入手いたしました。これでございます。(資料を掲示) 陸軍健康促進・予防医学センターは、空軍による調査を技術的に評価するため1996年4月22日に鳥島の現地調査を行い、米空軍の報告書を検討しています。その結論として重大なことが指摘されていますので、ここで取り上げます。
まず、米空軍の調査によって次の2点が極めて問題だと指摘しています。
1つは、空軍報告書が、調査を通して地域を自然放射能汚染レベルにまで浄化するために十分な量の土地を除去したとしているのは技術的に正しくないとしていることであります。
理由は、土壌の自然放射線レベルは携帯探査機で測定できる値よりはるかに小さいものであると指摘しております。
さらに、土壌を自然放射線レベルまで浄化するためには、国家原子力委員会の基準で取り除いた劣化ウランの直近の土壌を採取して定められた手順に合致した方法で土壌を検査しなければならないと指摘しております。
2つ目に、空軍の調査は提示された100から3930のサンプルの採取数の中で最小の100サンプル採取を採用しており、3.16メートルごとの採取となっております。
このような調査は、降下放射能物質による放射能汚染のような均一な地表面の放射能汚染について適合するものであって、鳥島の現状について何らの情報ももたらさない、鳥島で均一な汚染がないことを示すだけであると批判をしております。
そして、調査チームは鳥島で劣化ウラン弾芯のない幾つもの高放射能汚染地域を確認し、これらの極めて高い放射能の値は土壌と識別できないほど細かくなった劣化ウランによるものとしています。何力所かは劣化ウラン弾芯が形をとどめず酸化ウランだけになっているとしています。現場調査で残されたままの劣化ウラン弾を包む緑色の酸化物と土壌の緑のパウダーが放射能を発することを確認しております。
結論として、12カ所の地表部分の汚染地域を発見し全劣化ウラン弾の13%しか回収されておらず、すべてを回収するには膨大な経費がかかり、弾の散布範囲も広く回収不可能なものであるとしております。
さらに、これまでの調査は鳥島での米軍の職務的な活動に関したものであり、劣化ウラン弾全体が環境にどのような影響を与えるのかを調べるものでないこと、そして調査で採用されたサンプル採取方法は地表面が均一に汚染された場合のものであり、鳥島の劣化ウラン弾のように深さの異なる均一な点在する放射能源の調査のためのものではないと指摘しております。
また、これ以上放射能物質の拡散を防ぐために1996年3月11日の米空軍放射線同位体委員会の決定で、放射能物質が環境に放出することになる大規模な掘削あるいは鳥島を射爆撃のために使用することを禁止しているので、不発弾の爆破処理も禁止されたとしています。
そして次のように勧告をしております。
汚染はなお存在しており、10回の調査によっても13%未満の劣化ウラン弾しか回収されていないが、これ以上の環境浄化の取り組みを停止する。米空軍の放射線同位体委員会の決定第15も、当初の調査と当初の劣化ウランの回収のみと定めており、今後は回収不可能な劣化ウランの環境への影響に関して努力を集中し、米空軍放射線同位体委員会の決定の条件第19によって特徴のある計画を展開するように求めるとしております。
米空軍放射線同位体委員会の決定の条件第16に従って、放射能物質をさらに拡散させるいかなる活動も停止すること、空軍が996年3月31日に米空軍放射線同位体委員会に提出した不発弾処理の活動許可申請について、放射性物質をさらに環境に拡散することになるので改めるよう勧告をしております。
つまり、鳥島を査察した陸軍健康促進・予防医学センターは、昨年6月6日に鳥島が汚染されていることを公式に認め、空軍が鳥島での不発弾処理や射爆撃を再開しようとしていたのに対して環境への放射性物質を拡散することになるので認めないよう勧告しているわけであります。
ところが8月29日、米空軍放射線同位体委員会は、3月に採取した調査が済んだということで原子力規制委員会に報告した上で鳥島射爆撃場の再開を許可しております。
6つの条件を付しておりますが、3マイル以内の立ち入り、そのほか委員会としては鳥島が劣化ウランで汚染されていることを認識をしながらこの再開をしております。つまり米軍は、鳥島は汚染されていて安全でないことを承知して実弾の射爆撃を開始しているわけであります。このことは大変重大であります。
この間、いかなる調査が行われたようにも思われません。空軍の訓練のために環境汚染や周辺で操業する漁民への危険を無視して再開したことは、米軍が一貫して持っている県民無視の姿勢のあらわれであります。断固抗議すべきであります。
ことし3月にも日米合同調査委員会が鳥島に入り調査を行いました。しかしながらこの調査についても日米政府は具体的な事実、具体的な事実はどういうことかと言いますとウラン濃度が340マイクログラム、1グラムにつき340マイクログラム、これは劣化ウランの要除去レベル35ピコキュリーの値のおよそ3倍の115ピコキュリーに値する汚染でありますが、これらの土地についても問題はないと、このように言っているわけであります。明らかに日米両政府ともこれらの鳥島の汚染を隠している、こう言う以外ない、このように思います。
既に御承知のように、那覇港沖で投下された450キロ爆弾も、これは鳥島に落とすものでありました。
このような爆撃によって数十メートルも吹き上げられる鳥島の土壌の中に劣化ウラン弾と酸化した酸化ウランの微粒子が多く含まれているはずであります。爆風と自然の風によって鳥島近くで操業する漁民に健康被害が及ぶことが予想されます。
沖縄県は、このような汚染された鳥島射爆撃場の閉鎖と徹底した環境浄化を日米両政府に要求すべきだと考えますが、大田知事の科学技術庁の報告書に対する所見と、鳥島射爆撃場の閉鎖と徹底した環境浄化についての考えをお聞かせください。
次に、全島フリーゾーン及び航空運賃規制の緩和について質問いたします。
私は、周囲から若い人たちはもっと考えろ、外に目を向けろ、枠を外せと激励されておりますが、沖縄の将来を方向づける国際都市形成構想については真摯に取り組んでいきたいと考えております。
今後、沖縄で重要な産業は観光産業が筆頭に挙げられますが、必ずしも国際的に地位があるとは言えず、また世界一の1人当たりGNPを誇る日本国民のリゾート地として確固たる地位を得ているともいえません。私たちが沖縄に観光客を招き入れるためには、航空運賃の低減化がどうしても必要であります。そもそも日本の航空運賃は規制によって割高に設定されております。
私が考えますには、この航空運賃は半分以下になると思われます。現にJTAは那覇―羽田線の深夜便をことしの8月から半額で運航いたします。半額になったのは羽田空港の新C滑走路の利用開始によって新規参入が許されたこと、競争が規制されているのが徐々に撤廃されていることであります。
このような規制緩和をさらに促進をして航空運賃を国際線並みに競争によって適正化させるために沖縄―本土の主要幹線での航空機規制を撤廃させ、沖縄経由東京、関西などの国際路線の参入を促しながら現行の半額以下の航空運賃のために取り組むことを大田知事にお願いをしたいと思います。
御所見をお聞かせください。
全島フリーゾーン構想が問題になっておりますが、国内における沖縄の地位を格段と高めるとともに、国際的にも香港、シンガポールと並ぶような国際都市OKINAWAを実現する足がかりになるものと考えます。もちろん多くの問題があることも確かでありますが、低賃金の産業誘致を目指すのではなくて、むしろ金融センターや情報通信産業、そして観光・リゾート地を目指した全県
フリーポートを目指すべきではないでしょうか。
大田知事の御所見を伺いたいと思います。
教育長への質問も準備をしてございましたけれども次回にかえていきたいと思います。
○議長(友寄信助君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 伊波洋一議員の御質問にお答えいたします。
宜野湾市の桃原市長は、普天間飛行場の全面返還合意という大きな成果を節目にことしの8月12日の任期をもって勇退されますが、知事は宜野湾市のこれまでの取り組みをどう評価しているかという趣旨の御質問でございます。
宜野湾市は、これまで普天間飛行場の全面返還とあわせ学識経験者、議会代表、地権者代表等で構成される跡地利用計画策定委員会を設置し、調査計画を進めるなど米軍基地問題の解決に積極的に取り組んできました。
平成9年度において宜野湾市は、普天間飛行場跡地利用基本計画関連調査を行う予定であり、今後国、県及び市の連携のもとに基地返還の促進と跡地利用計画の推進を図っていくことが重要であると考えています。
宜野湾市長が基地問題解決のために地域におけるリーダーシップを発揮され、みずから私とともに訪米し積極的に米国政府へ働きかけたことなど、その功績は多大であると考えております。
それから、沖縄―本土の主要幹線での航空機規制を撤廃させて、国際路線の参入も促しながら現行の半額以下の航空運賃実現のために取り組むことについての考え方を聞きたいという趣旨の御質問でございます。
航空運賃の低減については、県民生活の安定向上及び産業経済の振興を図る上で極めて重要な課題であることから、これまで空港使用料等の公租公課の減免措置を国に要請してきたところであります。
幸いに政府や与党の特段の配慮をいただき、去る7月1日から那覇―本土路線に関し着陸料の軽減措置の拡大や航空機燃料税の軽減措置の導入等によって航空運賃の引き下げが講じられたところであります。
沖縄―本土の主要幹線への参入規制の見直しについては、生活路線の維持方策、発着枠の配分ルール等を確立した上で平成11年度に実施される予定であります。
あわせて航空運賃の一層の弾力化及び上限価格制への移行措置が講じられることから、運賃の低減化が促進されるものと期待されます。
次に、国内路線への外国航空会社の参入については、国際民間航空条約を踏まえて航空法で禁止されていることから現状では困難であると思われます。
県としては、国際都市形成構想を推進する観点から、外国航空会社の参入も含めて現在、「産業・経済の振興と規制緩和等検討委員会」で調査検討中であり、その結果を踏まえて対処していく考えであります。
それから、現在計画しているフリーゾーンは、低賃金地域に立地する製造業誘致に思えると、むしろ金融センターや情報通信産業など高度化された産業や一級の観光・リゾート地を目指して全県フリーポートを目指すべきではないかという趣旨の御質問でございます。
本県の目指すフリーゾーンは、関税や法人税等を軽減し、本土航路を外航扱いにするなど立地条件の優位性を確保することによって製造業等の誘致を図るものであり、必ずしも低賃金型の製造業の立地を目的としたものではありません。
また、本県の戦略的産業として成長が期待される情報通信関連産業の集積促進や、国際観光・保養基地の形成についても全県を対象として立地促進投資減税の租税措置などを実施することによってその実現を図ることをあわせて検討しております。
ところで、フリー・トレード・ゾーンについては原則として関税が非課税となり、大きく分けて香港のように全地域を関税非課税とするフリーポートと、アメリカのように地域を限定する外国貿易地域等に分かれます。
第2回規制緩和等検討委員会で提起された全県フリーゾーンはフリーポートに近い考えであり、全県フリーゾーン化した場合のメリット、デメリットについて現在調査中であります。
その他の御質問につきましては関係部局長等から答弁させます。
○議長(友寄信助君) 知事公室長。
〔知事公室長 粟国正昭君登壇〕
○知事公室長(粟国正昭君) 伊波洋一議員の鳥島の劣化ウラン弾問題及び日本政府の環境調査報告についての中で、沖縄県はこのように汚染された鳥島射爆撃場の閉鎖と徹底した環境浄化を日米両政府に要求すべきだと考えていますが、鳥島射爆撃場の閉鎖と徹底した環境浄化についての考えをお聞かせくださいということにお答え申し上げます。
去る2月に、平成7年12月から平成8年1月にかけて3回にわたり、鳥島射爆撃場において訓練中の米海兵隊のハリアー機が計1520発の劣化ウランを含有する徹甲焼夷弾を誤って使用し発射した事実が明らかになりました。
県としては、未回収劣化ウラン弾の環境への影響が懸念されることから、日米両国政府に対しすべての劣化ウラン弾の回収を強く要請してきました。劣化ウラン弾の回収は米軍がこれまで実施してきたところでありますが、今後ともその状況を見きわめつつ積極的に対応していきたいと考えております。
また、鳥島射爆撃場については、仲里村及び具志川村が在沖米軍に対し全面返還を要請しておりますので、県としては地元の意向も踏まえながら適切に対処してまいりたいと考えております。
○議長(友寄信助君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 花城可長君登壇〕
○企画開発部長(花城可長君) 普天間飛行場跡地利用実現に向けた今後の計画の概略についての御質問でございます。
県と宜野湾市は、去る5月22日に普天間飛行場跡地開発に関する打ち合わせを行いました。跡地利用や開発手法などについて基本的な方針を協議したところでございます。
その協議内容は、跡地利用計画策定のための現況調査、新たな事業制度手法の検討と国家プロジェクトとしての推進及び軍転法の改正などであり、その方針を踏まえて5月26日の第5回普天間飛行場等の返還に係る諸課題の解決のための作業委員会――タスクフォースでございますが、そこにおいて要望をいたしたところでございます。
今後の計画につきましては、今年度沖縄特別振興対策調整費により早期整備を図るための新たな事業制度手法の検討や、跡地利用計画策定に資するための現況調査を行う予定であります。
県といたしましては、これらの要望事項が実現できるよう国に対して引き続き強く要望していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 平良健康君登壇〕
○環境保健部長(平良健康君) 鳥島の劣化ウラン弾問題について科学技術庁の報告書に対する所見をお聞かせくださいとの御質問にお答えいたします。
科学技術庁が6月19日に発表した調査報告書は、次の4点を内容としております。
第1点、日米がそれぞれ実施した環境調査の結果に差異がないことを確認している。
第2点、日本側の調査では鳥島だけでなく久米島の環境調査も行っている。
第3点、日本側の調査項目は空間放射線量率、土壌、大気浮遊じん、周囲の海水のほかに海産生物についても実施している。
第4点、データ評価検討会には調査段階から県の専門家も参加し久米島への影響も含めて検討評価している。
以上のことから、県としては一定の評価をしたいと考えています。
しかしながら、将来にわたる生物濃縮による影響及び久米島住民の健康への影響については必ずしも明らかになっていないと考えられることから、県としては定期的かつより幅広い環境調査と住民検診の実施を要請していく考えであります。
○議長(友寄信助君) 島田 力君。
〔島田 力君登壇〕
○島田 力君 通告に従って質問をいたします。
沖縄にとって大きな課題は、基地問題と雇用問題の2つであると言えます。それだけに大田知事が大変御苦労いただいていることも承知をいたしているところであります。
幸いにして、大田知事の粘り強い働きかけによって50億円の沖縄特別振興対策調整費の第3次配分の中でも雇用問題に重点配分され、雇用開発のための機構が実現の方向にあると聞いています。
私は、このことに関連をさせながら雇用問題について幾つか質問をいたします。
まず、雇用の現状と課題についてお伺いをいたします。
沖縄における失業率は常に6%台を推移し、一時期においては10%を超える状況もありました。言うなれば沖縄の失業問題は景気低迷との関係もあるとはいえ構造的なものと言わざるを得ません。
沖縄の雇用問題の特性は、沖縄県そのものが沖縄本島を含め多くの島々から成り立っているという島嶼性にあります。それゆえに第3次産業への就業率72.8%が示すように就労の場が食料品製造業、飲食店等生活消費型のサービス産業が中心になっています。すなわち島嶼経済という労働市場の狭隙性から産業的にも偏り、失業率が本土の倍にも達しています。
もう一つの特徴として若者層の失業率が高いということであります。
私は労働組合の出身でありますが、私が所属しております自治労においてもこの雇用問題を重視をし、プロジェクトを発足させて論議を進めているところであります。
そこで常に話題になりますことが、高失業の割には何とか暮らしているという感がして、町の活気と高失業率がどうもマッチしないということであります。一種の共同社会が現存しユイマールの精神が残っているからだと説明する方もいますが、それだけではないような気がいたします。
したがって今後、雇用対策を考えていく上では失業の中身といいますか、失業そのものの実態についての分析も必要かと考えます。
そこでお尋ねをいたします。
失業率ととらえる際の基準と失業そのものについての分析をしたことがあるのか、あるとするならばその内容についてお聞かせをいただきたいと思います。
私がそのことをあえてお聞きするのは、一昔前までは考えられなかったことですが、フリーターという言葉に象徴されるように就労スタイルそのものが変わってきている中で、従前の方法で失業率をとらえているのではないかと考えたからであります。
同時に、雇用開発を考える場合、就労スタイルの変化も視野に入れて論議すべきだと思うからであります。
失業率を押し上げている大きな原因の一つに若者の未就職者が多いことが挙げられ、とりわけ本土就職の定着率の悪さが指摘されたりします。大まかで結構ですから中学校、高校、大学等の卒業者の県内就職と本土等への就職の割合はどうなっているのか、また県外就職者の定着率はどうなっているのか、お伺いをいたします。
私は、沖縄の高失業率は島嶼経済に制約された労働市場の狭駐性という構造的な問題にあるのではないかということを申し上げました。
さらにつけ加えて申し上げておきたいことは、基地との関連についてであります。基地関連収入が沖縄経済の大きな役割を担ってきたことを否定するものではありませんが、産業開発や振興にとってマイナスであったこともこれまた事実であります。
興味深いことには、相対的に見て基地を抱えている市町村の失業率が高いということであります。総務庁統計局の平成7年国勢調査報告書をもとに市町村ごとの失業率をまとめた資料があります。
その資料によりますと、基地を抱える市町村の失業率は押しなべて10%台、そのうち30歳未満の失業率が20%前後となっています。
このような沖縄の特性からして、単なる失業対策ではなく、雇用開発なくしてはその抜本的解決にはなり得ないと思うのであります。したがって県が策定している産業政策とドッキングをさせながら失業対策から雇用開発へと視点を変えていくべきだと考えます。
私たち自治労のプロジェクトチームは、雇用に係る課題は雇用開発と若者の仕事づくり、成熟型社会への仕事づくり、そして東アジアとリンクしたビジネス開発等と考え論議をしているところであります。そのためにも雇用開発を推進する何らかの組織をつくり、雇用開発プログラム事業を推進すべきだと考えます。
私どもが言う雇用開発プログラム事業とは、一般的な雇用相談や就職紹介とは異なり、人材育成や企業育成していく、言うなれば業化等の条件整備を進めるとともに、最終的には雇用の場とその能力ある従業者を同時に創出しようとするものであります。県が強力に推し進めようとしている雇用開発推進機構もそのような視点に立ったものだと理解をし、沖縄の雇用問題を大きく前進させることにつながるものとして期待をしているところであります。
そこで、県が考えております雇用開発推進機構の内容と設立時期についてお聞かせください。
次に、離島航路補助金制度についてお伺いをいたします。
私は、さきの予算特別委員会においても平成2年度から平成5年度までのカットされた査定欠損額の補てんについて質問をさせていただきました。前向きに検討するとの答弁をいただきましたが、その後補てんの動きが見られないことから改めてこの本会議で質問をさせていただきます。
離島航路に対する補助制度は、採算がとれない航路を対象に欠損金を補てんする制度であります。平成6年度から若干制度改正はされてはおりますが、カットされた時期の離島航路補助要綱によれば一定の書式に基づいて算定された補助対象経費額の75%は国が、残り25%を自治体が補助し、自治体が負担した額の80%は特別交付金で見ることになっています。
しかしながら、国の補助金一律カットのあおりの中で、平成2年度から平成5年度までの査定欠損額そのものがカットされ、その分が補助金として補てんされないままに今日に至っています。
また、平成3年度の船舶用船料も先送りされたままとなっており、それらを含めた累積額は約5億円にも上っています。
離島航路補助はもともとが採算がとれない航路を対象に欠損金を補てんするという制度ですから、欠損金は当然補てんされるものとして船舶事業者はカットされた期間、借入金等々によって航路事業を維持運営してきたことは容易に推察されます。現にそれらのことが累積債務となり、新たな借り入れ等もできず事業困難なところも出ていると聞いています。
離島航路補助対象の県が29あるようでありますが、昨年度段階までは鹿児島県と沖縄県が未解決のままでありました。しかしせんだって海員組合から得ました情報によりますと鹿児島県は解決することになったということであります。離島の多い沖縄でありますから、このままにしておきますと離島航路の維持にも大きな支障を来すことになりますので、一日も早く補てんをし離島住民の民生の安定と向上に資するよう強く要望しておきたいと思います。
そこで、カットされた査定欠損額について補てんする意思があるのかないのか、補てんするとするならばどの時期に補てんをするのか、明確な答弁をお願いをいたします。
次に、離島航路の安全性の確保についてお尋ねをいたします。
沖縄県は、先ほどから申し上げておりますように離島県であります。したがってそこに住む方々の輸送手段と安全性の確保、さらには緊急時に備えた輸送体制の確立とその安全性の確保は重要な課題であります。
また同時に沖縄県は観光立県であります。戦跡めぐりもあれば、島々を訪ね、島の景観と人情に触れる、観光の目的、形態はさまざまであります。特に八重山にあっては島々の景観、恵まれた自然環境に親しむということで多くの観光客が訪れる、言うなれば観光のメッカとなっています。
ところが、八重山の島々を結ぶ離島航路の安全性について実際に船舶を運航している乗組員の中から問題点が指摘されています。県に対しても「連合沖縄」を通して改善方の要請がなされていると思いますが、それによりますとこの航路は船舶の指定航路内にサンゴ礁があって迂回して運航しなければならない場所、航路幅が狭い場所あるいは航路の水深が浅い場所、さらには航路標識が灯火
点灯式でないために夕暮れどき、降雨時には目視しづらい等々の問題点が指摘されています。また夜間航行ができず救急患者輸送への影響も懸念されています。
幸いにしてこの間、大きな人命事故の発生もなく運航されているとはいえ、このままではいつ何どき大きな事故が起きても不思議ではないという指摘がされています。したがって航路の整備が必要かと思われますが、県の考えをお聞かせをいただきたいと思います。
さらに、那覇港、安謝新港を含めてではありますが、とりわけ離島航路の拠点となっております泊港、そこに停泊する船舶への給電施設がないと聞いています。実情はどうなっているのか、お伺いをいたします。
離島航路の安全性の確保という観点からしても船舶乗組員の完全休息は必要であり、設置方を要望するとともに設置計画の有無についてお伺いをいたします。
質問の最後になりますが、離島航空運賃の軽減についてお伺いいたします。
私は、2月定例議会に沖縄県空港の設置及び管理に関する条例の一部改正案が提案された際、大変うれしく思いました。私はちょうど1年前の議会において、新国内運賃制度は飛行機を足としている県民にとってはむしろ実質値上げの感は否めないことを指摘いたしました。もちろん本土―那覇間の航空運賃引き下げに見合う県の政策判断であることは承知をいたしておりますが、私の指摘に対する配慮でもあったと高く評価をいたしているところでありました。残念ながら2月議会では日の目を見ることができませんでしたが、去る臨時議会で全会一致で可決され、予算措置がなされました。
しかし、予算措置はされたものの5億6000万の着陸料の軽減措置が住民にどのように還元されるのか、いまだその姿が見えてきません。
報道等によりますと、県の素案に対し、観光立県を売り物にしている以上、離島に住んでいる住民のみならず、おいでいただいた観光客すべてにも割引制度を適用すべきだとの意見があるやに聞いています。その意見は理想とするところであり、私もそうできればそれにこしたことはないと思います。
私もそういった立場から、去る2月議会の予算特別委員会で、従前あった往復割引制度を復活すべきではないかということを主張いたしました。しかし執行部の説明によりますと、以前あったとはいえ往復割引制度を復活させることは、ソフトが廃止されている中では新規開発となり、その開発に多くの費用がかかること等から航空会社との合意が得られないとの説明を受けました。
さらに、この予算ですべての利用客を対象に軽減措置をとるとするならば幾らの軽減になるかということを聞きましたところ、石垣―那覇間の往復で700円前後ということでありました。これでは住民が低減感を持つことはできないと思いましたが、その後、素案段階で本土―那覇間の軽減措置と同様に11%の軽減を図る、さらには航空会社も企業努力をし計15%の軽減を図るということで、ある面では私は納得をいたしました。
なぜ納得をしたかと言いますと、県の措置に対して国からの補てんがあるとはいうものの、県からの持ち出しであることには変わらず、限りある県の財政の中の支出であること、そして商用や公務出張者等の一部例外者はあるものの、観光客等々のほとんどはツアーの中に参加をし50%割引、25%割引という早割制度を利用しておいでいただいていると理解しているからであります。
したがって、利用者全員に適用したとしても観光客は着陸料の軽減に伴う割引以上の割引率でおいでいただいており、結果として5億6000万円が利用者に還元される額はわずかで、航空会社の利潤としてストックされるのではないかと考えたからであります。
そこで、執行部が割引を地域住民に限定した理由と割引率、その根拠についてお伺いいたします。
いずれにいたしましても、全利用者に還元すべきとする意見がある以上、宮古、八重山、久米島等への観光客を含む入域者数は幾らで、航空機の利用形態、つまり早割制度を活用して来る方、あるいはツアーで来る客、飛び込みで来る客の比率を調査するとともに、早割制度利用者に対する軽減額は具体的に幾らになるのか等々を提示をし、県民に理解を求める必要があります。
最後になりますが、現段階における課題とその実現の見通し、実施時期についてお聞きをし質問を終わります。
○議長(友寄信助君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 島田力議員の御質問にお答えいたします。
まず、雇用開発推進機構の内容と設立時期についての御質問でございます。
雇用開発推進機構――これはまだ仮称でございますけれども――は、本県の厳しい雇用失業情勢に対処し雇用対策の充実を図るため設立するものであります。構成は県、市町村、労働団体、経営団体等を予定しており、全県的な取り組み体制を確立したいと考えています。
雇用開発推進機構においては、地域のニ一ズに対応した人材育成やデータベースの構築等雇用対策事業の推進を初め、若年者の就業意識等に関する調査研究事業等の実施、各種の助成制度の活用等による起業化の支援を行い、雇用機会の確保、拡大を図ることにしております。雇用対策事業につきましては沖縄特別振興対策調整費で位置づけられており、現在、事業費の確保に向けて国と調整を進めているところであります。
なお、機構の設立時期については現在関係団体と調整を行っており、できるだけ早い時期に設立したいと考えています。
次に、離島航路の安全性に関する御質問にお答えいたします。
港湾整備につきましては、船舶の大型化、フェリー化を初め、地域社会や時代の多様な要請にこたえるため港湾区域における岸壁、防波堤、航路等の港湾施設の充実を図ることにより海上交通の安全性、安定性の向上に鋭意努めてきたところであり、今後とも積極的に取り粗んでまいりたいと考えています。
ところで、港湾区域外の航路の整備につきましては国が行うことになっており、八重山地域におきましては沖縄総合事務局が昭和49年度から昭和55年度にかけて整備した延長2480メートル、幅員60メートル、水深4メートルの竹富南航路があります。
県としましては、新たな航路の整備や灯火点灯式の航路標識の設置について当該地域の海上交通の安全性を確保する観点から国へ要請してまいりたいと考えています。
その他の御質問につきましては関係部局長等から答弁させます。
○議長(友寄信助君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 幸喜良秀君登壇〕
○商工労働部長(幸喜良秀君) 失業者のとらえ方と失業そのものの実態分析についてお答えいたします。
失業者については、総務庁統計局が毎月実施している労働力調査を初め、5年置きに実施される国勢調査で把握しているところであります。
労働力調査の定義によると、仕事を少しもしなかった者のうち、毎月調査週間中に求職活動を行っていた者が完全失業者となっております。
平成8年の完全失業率は6.5%となり、雇用失業情勢は若年者を中心として依然として厳しい状況が続いております。
こうした各種統計調査は、いずれも失業者等に関する一つの指標でありますが、企業の雇用形態の変化に加えて、若年者の価値観の多様化や職業意識の変化等もあって就業形態の変化が進行しているものと思われますので、就業形態の変化に適切に対応した調査を実施していきたいと考えております。
次に、新規卒業者の県内、県外就職者の割合と県外就職者の定着率について一括してお答えいたします。
今春新規学卒者の県内、県外別の就職者のおおよその割合は中学が県内5%、県外が95%、高校が県内42%、県外が58%、短大が県内96%、県外が4%、大学が県内72%、県外28%、専修学校が県内94%、県外6%となっております。
県外就職者の定着率の状況についてお答えいたします。
県外就職の促進とあわせて就職後の職場定着も重要なことから、県では沖縄ふるさとの家の設置等を初め、県外事務所に沖縄広域職業紹介推進員を配置し日常的に企業訪問による職場定着指導を実施しております。
この中で同推進員等が招握した情報によりますと、平成8年3月新規卒業者の県外就職者1024人中、過去1年間の離職者は195人となっており、定着率は約81%となっております。
○議長(友寄信助君) 地域・離島振興局長。
〔地域・離島振興局長 大城盛俊君登壇〕
○地域・離島振興局長(大城盛俊君) 島田力議員の離島航路補助制度に関しまして、平成2年度から平成5年度までのカットされた査定欠損金額の補てんについての御質問にお答え申し上げます。
離島航路は離島住民の足であり、また生活物資等の輸送手段であります。したがいましてその安定確保は離島住民の生活を守るとともに、地域の振興発展を図る上で不可欠なものでございます。
このため、県といたしましては離島航路事業者の経営の安定を図るため離島航路補助事業を継続的に実施しております。
また、御指摘がございましたように平成2年度から5年度までの間は補助金の一部が減額されておりますが、この措置につきましては引き続き検討させていただきたいと考えております。
次に、離島航空運賃の軽減についての御質問にお答え申し上げたいと思います。
県管理空港使用料の軽減措置による離島航空運賃への還元方法は、普通運賃の引き下げの場合と割引運賃での軽減措置の場合が考えられます。
普通運賃で還元する方法は、宮古、石垣等の離島路線の利用者全員が対象となります。
航空会社の試算によりますと、那覇―石垣間と那覇―宮古間の両路線は往復で約700円程度、那覇―久米島間は往復で約100円程度の引き下げ額となり、その還元効果は小さくなります。
次に、離島住民を対象とした割引運賃の還元方法になりますと、これも航空会社の試算でございますが那覇―石垣間で往復で約3400円、那覇―宮古間で往復約2600円、那覇―久米島間で往復で約1400円となります。
この試算結果から、県といたしましては離島住民の負担軽減を図り、また関係市町村及び関係団体の意見、要望に配慮いたしまして離島住民を対象とした割引運賃の導入が望ましいと判断いたしました。
県は、航空会社に課している県管理空港の使用料を大幅に軽減し、その軽減相当分をもって離島住民を対象とした割引運賃の実施を関係航空会社に要望したところであり、その早期実現を期待しまた働きかけているところでございます。
○議長(友寄信助君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 江洲順吉君登壇〕
○土木建築部長(江洲順吉君) 離島航路の安全性の確保の関連で、泊港における停泊中の船舶への給電設備についてお答えいたします。
那覇港の泊埠頭は、離島航路の拠点として船舶のフェリー化に対応したバースの整備や近代的な旅客ターミナルの整備など安全性、利便性、快適性の高い総合的な港湾空間の整備が行われております。さらに船舶へのサービス施設としては給水施設等が整備されています。
給電設備の設置につきましては、港湾管理者である那覇市において他県の事例等を調査の上、検討していきたいとのことであります。
以上であります。
○島田 力君 休憩願います。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後4時25分休憩
午後4時26分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
上原政英君。
〔上原政英君登壇〕
○上原政英君 上原政英はくじを引かれなかったというふうにはっきり明記されている。引きませんでした。与党、野党と決めたがる職員に腹を立てました。野党で引くか、与党で引くか、だから引かぬのだよ。こよなく沖縄県を愛している私は引けないと言って引かなかった。だからもし皆さんが本当にそう思うんであれば、野党が終わって、新風会がやって与党がやる、これでもいいんじゃ
ないかというお話もした。アンセー、ウレー、ムチカシーナヤーンカイル、クジンヒカンタヌハジヤッサーと思われたら困りますので、明快に説明をしておきます。
さて、通告してあります4点について質問をさせていただきますけれども、4点目の具志川市安慶名地区再開発計画における都計決定の見通しについては今県の方で検討中であられますので、これは9月の方に回したいと思っております。
さて、3点ですけれども、きょうは締めでありますから、今までは順序よくきました。私は今度は下の方からやっていきたいと思います。
3番目、福建・沖縄友好会館の補正予算についてであります。
去年の12月に私はあえて否決に回りました。申し上げましたように久米36姓9代目ですから、久米崇聖会としては早目に福建省に会館をつくって、ここを拠点にしてウヤファーフジとの交流を持ちたいと。上原君、賛成した方がいいよというお話もありましたが、しかし中国4000年のあの偉大な歴史を見て、あるいは世界じゅうに華僑がはびこっているのを見たときに、一筋縄ではいかぬ。
ウヤファーフジヤティン、トゥガミールトゥクマートゥガミラントーナランというふうな気持ちであえて否決に回った次第であります。
さて、本年1月以来今日まで県は福建省とどのような話し合いをなさってこられたか。
沖縄県友好会館推進委員会ではどういうふうな検討がなされたか。
私たち新風会の方では、この会館ができ上がったとき、会館の永久使用権者は県でなければいかぬ、推進委員会では困る。そしてでき上がったとき、後の管理運営については沖縄・福建友好会館推進委員会または沖縄・中国経済交流協会を主体にした管理運営体制をとらないというと、管理運営費がなくなった、沖縄県が持たないとこれは開館できませんというふうなことで再び補正要求されては困る。ですからそこら辺の問題もきれいに確約してから補正予算の方を考えましょうというふうになりました。
その管理運営費のことについてどういうふうなお話し合いができたか、そしてこれ以上追加負担はないかどうか、明確に御答弁を願いたいと思います。
さて、海上ヘリポート建設と移設問題でございますけれども、これはこれまで代表質問から一般質問まで通して私たちの同僚の皆さん方が詳しくやりましたので、私は、県知事がアメリカ高官と、もしと、仮にですよというお話があったというので、私はこの場で仮にですよ県知事、というお話をしたい。
橋本総理は大田知事にお電話をなさったそうです。浮体構造物でやってはどうかという。浮体構造物とは私も知らなかった。私の同僚議員が勉強しましょうということでメガフロートシステムを勉強させていただきました。そのメガフロートというものがあるものですから、大体これはこうなるということがわかる。
2000メートルの滑走路に幅300メートルのフロートを置いたとしましょう。しかも海の深さは30メートルから50メートルぐらいである。生態系は破壊されます。そしてそれはスクラップの山であります。飛行場をつくるときも他府県から来る。終わっても他府県から来て引き揚げていく。何も残らない。海を壊された、漁民は泣いている、どうする。
それよりか宝島を残そうじゃないかというお話がまたある。どんな宝島か。陸地の一部と海の一部を埋め立てて、そのヘリポートをつくる。ヘリポートは2015年までにはもう使用済みになるので、そのとき東海岸に初めて海洋レジャーとスカイレジャーがセットされたすばらしい空港ができていくと。これを宝島と漁民あるいはある人たちはおっしゃっておられる。
知事、仮に橋本総理がそういう話をしましたら、日本の政府の流れというのは大きい。大きいものにはみんな巻かれてきている。もし整理縮小という形で普天間飛行場が返還されるんであれば、基本的に反対ではあるけれども仕方ならぬ、チャースガというときにメガフロートのスクラップ効果、一部埋め立てる。
御答弁を願いたいと思います。
さて、次に返還アクションプログラムと国際都市構想についてでありますけれども、基本計画における道路網の整備と鉄軌道の具体的な導入がありませんので、このことについて皆さんと一緒に知恵をかりてやっていきたいと思います。
何遍も読ませていただきましたし、関心を持って取り組んでまいりました。皆さん方がこれまで取り上げた問題は、大樹に例えるならば、地表から上だけの話が今度多かった。大樹から枝の上、どういうことですか。根の部分についての話がなかった。
私は、立ち樹の倫理というのを実践倫理宏正会の早起き会で教えていただきました。多くの学びの中から立ち樹の倫理というものを学び、立ち樹とは何か。大木が茂れば茂るほど、そして花が咲き実がなると、その根というものはじっくりと生えていく。その根を考えたときに、ここに初めて組織生理学というものが生まれてくるわけです。
私は、この基本計画案を軍用地返還・跡利用対策特別委員会の中で勉強会をしたときに執行部の方々に申し上げました。
まず問題を逐一審査する前に、組織生理学を専門に勉強している方はどなたですかとお伺いしたんです。そうしたら顔を見合わせてこうやっている。生理学といいますのはビジネスの生理学、創造、クリエーティブ、創造する生理学、組織生理学というのがある。組織生理学の中でこの問題を見たとき、いわゆる根の部分がはっきりしない。根というのは道路なんです。
昔の沖縄の琉歌にこういう歌がある。「シンヤ天カミティ 枝ヤ国フィルギ フィジヤ地ヌ底二果ティンネラヌ」。
これは、組織生理学の中で物事を検討するとき、心がなければいかぬというわけです。仏教じゃありませんよ。心なんです。心とは何か。今現実私があることは両親があることであるし、両親はその両親があるし、それを我々はウヤファーフジと言う、御先祖と言う。御先祖の余得があって我々は今ここに並みいって沖縄県の話を、どうすればよくなるかを語っているんです。
根といえば親がおり、御先祖がある。道路は本線があって支線がある。そして動脈があって静脈があって毛細血管がある。こういうふうなところまでくるとこの基本計画の中に道路という問題がはっきり見えてこない。何か。
じゃ沖縄の現実、道路というものはどういう状態になっているか。
まず交通の渋滞が激しい。町に入ると市内は交通混雑である。しかし県知事は「美ら海沖縄県観光」を宣言していらっしゃる。
朝、那覇に出てくるとき交通の渋滞はひどい。そして日本道路交通情報センターというところから声が流れる。泊交差点から上之屋方面1キロ渋滞、そして泊十字路から崇元寺に向けて600メートル渋滞、ひめゆり通りからどこどこは何百メートル渋滞と、こうある。
あれを聞くとそうかねと思った。翌日聞いたときワジワジーしてきた。なぜ。
その情報の一番最後にこう言う。県民の皆さん、穏やかな心でゆったりした気持ちで運転をしてください、無事故を祈りますとこう言う。
渋滞の中でいらいらしている。朝早く起きて朝礼をやって職員に号令をかけて、県で演説があると飛んでいく中で時計を見ながらワジワジーしている。そばで、豊かな心でゆったりと運転してくださいと。定年退職をしてゴルフに行くならそれはまさにそのとおり。しかし仕事だから放送しなさいと言って放送している。私なら3日でやめるでしょう。なぜ。
なぜ毎日こんなに渋滞の放送をしなきゃいかぬか。どうにかならぬかという現状打開をするという考えがないところにあれを聞いて、放送が終わったら、日本道路交通情報センター、モンジロウとこう言うんだね。本当の名前を言えないからモンジロウと言う。
それを県民が聞いてどうするか。いわゆる交通の渋滞を防ぐにはどうするか、これこそ片桐本部長が一番よくわかる、定時運行です。定時運行の物事ができれば必ず物事はうまくいく。
全島フリーゾーンになった、局地フリーゾーンでもいい。しかし道路が整備されてすいすいと流れなければ絶対にフリーゾーンは成功しません。基本構想も成功しません。
道路というものがこれにはっきり見えてこない。その道路を改善するためには鉄軌道を入れて定時運行を図らなきゃいかぬ。その定時運行を図るためにはどうしても鉄道を入れなきゃいかぬ。
その鉄道は昔あった、県営鉄道というのがね。明治44年に問題が提起されて、そして那覇―首里間を電車が走っている。それは沖縄県会で、明治44年ですよ、これはいかぬから鉄道を入れましょうという建議をされて、その議案は2カ年間研究をされた。2カ年間研究して再びかかったら、全会一致で決まった。全会一致で決まって与那原線がまず最初に1914年(大正3年)に着工された。そして嘉手納線、糸満線までに9年かかって完成したんです。2カ年で調査したんですよ。モノレールは何年かかったかと聞いたら20年ぐらいですねと言う。何言っている。
コンピューターもあって電算機もあって、それぞれ頭脳の高い人たちが学卒が来てやっているのに、昔は8年間で物事ができた。今なぜ沖縄に鉄軌道がないか、残念でたまらない。鉄軌道さえあって定時運行ができれば自家用車は減っていきます。道路をどんどん整備するとどんどん自家用車がふえていく。日本の中古車はみんな沖縄に来て、沖縄は中古車の墓場になる。はっきりしている。
あちこち行って、車乗り捨てないでくださいと看板が上がっている。道路ですよ。
そこで県知事にお伺いしますが、鉄軌道を早目に入れなければいけない。これをぜひ決断をしてください。
そしてもう一つ、じゃ那覇市内はどうするか、県都大那覇市は。
国際通りを通っておりますと、市外バスが列を並べてゆっくりゆっくりゆっくり流れているんです。いらいらする、あれを見て。なぜああするか。那覇市内には市外バスは一切入れない。バスセンターに全部行く。バスセンターからはどうする。定刻表に乗った路面電車が走っていく。路面電車は今、古い新しい話なんです。今ヨーロッパ各国では路面電車が取り上げられております。なぜ。
無公害なんです。騒音もない、乗り心地はいい、すべての国民に優しい乗り物である。なぜ。
バスは、これはとことこ上っていく。電車は上らない。どうする。車いすでも乳母車でもさっと行ける。どうなったのか。超低床電車というのが開発されたんですよ。
ですから今、那覇市内のバスを全部締め出していく、そしてそこから路面電車が走っていく、どのぐらいの費用がかかるか。幅は複線で5.5メートル、道路でいえば1.5車線分で複線が流れていくわけです。
そして経費はどのぐらいか。モノレールは1キロ当たり線路だけで80億かかりますよ。用地買収まで入れると112億かかる。路面電車は幾らか。たったの30億だ。そして地下鉄の10分の1、新交通システムの3分の1でもでき上がっていくんです。
こういうふうにして交通改革、物流の流れを変えない限り、これはできても金にはならぬ。なぜ。
物事には、交通体系には社会や生活や経済の基盤は物流の活性化なんです。物が働いて人が働いて金が働くんです。ですから私は県知事にぜひともに鉄軌道を導入し、末永い沖縄県の繁栄を我々の子孫に残していきたいと思いますので、再質問がないようにひとつ誠心誠意の御答弁をお願いいたします。
ただ、ここで皆さんにお見せしておきます。(資料を掲示)これが昔の鉄道です。那覇から嘉手納まで、那覇から与那原まで、那覇から糸満まで、この鉄道用地がございます。この鉄道用地は何平米ありましたか。そしてその用地は恐らく買い上げ処分もされたと思うんです。その総額は現在幾らになっているか、お聞かせをください。
そして、そういうふうなことがはっきりわかってまいりますと沖縄に鉄軌道が走って定時運行されて、やがてモノレールとドッキングして、バスレーンはなくなってすばらしい生活ができ上がっていくと思います。
よろしくお願いいたします。
○議長(友寄信助君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 上原政英議員の御質問にお答えいたします。
基本計画における道路網の整備と鉄軌道の具体的な導入計画について、鉄軌道を北部まで延伸することについて、それから那覇市内を中心に路面電車を導入することについての御質問でございます。
国際都市形成構想の推進を図る上で基地跡地開発に伴う体系的な道路網の整備は極めて重要であると考えています。そのため国際都市形成基本計画においては、普天間飛行場を縦横断する幹線道路や軌道系交通の延伸等を位置づけております。
また、路面電車の導入につきましては、国において本年度から路面整備に関する新たな事業が創設されております。
このようなことから、御提言の趣旨については今年度実施する予定の総合交通体系調査において検討し、今後の施策展開に反映できるよう積極的に対応していきたいと考えております。
次に、海上ヘリポート建設との関連で、知事の基本的な政治姿勢について聞きたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
米軍基地の県内移設については、県としては基本的に反対であります。この問題につきましてはこれまでも申し上げましたけれども、米軍施設の提供責任者である国が関係市町村と話し合うことだと考えています。
今後、県としては関係市町村の意向等も踏まえながら、必要な段階では国際都市形成の課題を勘案し、県の総合的発展を図る観点から適切に対応してまいりたいと思います。
なお、関連いたしまして一昨日の西銘恒三郎議員及び昨日の翁長雄志議員の一般質問に対する答弁の中で、私が平成8年4月12日の橋本総理からの電話で浮体式のものをつくることを知ったとの答弁をしましたが、後でチェックしてみますとこの答弁部分は私の記憶違いということがわかりました。正しくは平成8年9月13日の電話でございました。
おわびをいたしまして訂正させていただきたいと思います。
その他の御質問につきましては関係部局長から答弁させます。
○議長(友寄信助君) 知事公室長。
〔知事公室長 粟国正昭君登壇〕
○知事公室長(粟国正昭君) 上原政英議員の福建・沖縄友好会館建設の補正予算に関して、福建・沖縄友好会館に係る沖縄側の使用権について将来沖縄県に帰属させた方がよいと思うがどうかということについてお答え申し上げます。
現行の協定書第4条に基づき沖縄・福建友好会館建設推進委員会が沖縄側の使用権を有しています。御指摘のとおりこれは近い将来、同建設委員会で協議するなど必要な手続を経た上で沖縄県などに帰属させたいと考えております。
それから、同じく友好会館の沖縄側の管理運営主体はどうなるか、沖縄・福建友好会館建設推進委員会は建物の完成後、管理運営委員会的なものにしたらどうか、また管理運営費の負担はどうなっているか、その追加負担はないかどうかというふうな趣旨の質問にお答え申し上げます。
福建・沖縄友好会館の沖縄側使用フロアの管理運営については、今のところ沖縄・中国経済交流協会を予定をしています。これは当初の建設計画によるものですが、管理運営主体についてはさらに沖縄・福建友好会館建設委員会で検討する考えであります。建設委員会を将来管理運営委員会的なものにするかどうかについても建設委員会において検討いたします。
管理運営費の負担については、入居企業等が電気、水道、共益費などを負担することになっています。その負担額については、合理的な負担となるよう算出根拠・基準について現在福建省側と協議を重ねているところでございます。
それから、本年1月以来今日まで県は福建省とどのような話をしてきたか、また沖縄・福建友好会館建設推進委員会ではどのような検討がなされたかについてお答え申し上げます。
本年1月に私が福州市に出向き、福建省外事弁公室任主任と面談の上、去る12月、これは平成8年の12月議会で否決された状況等について報告するとともに、県議会で指摘された事項等について協議をいたしました。
平成9年3月には、国際交流課担当職員と施設建築室の建築技師が現地を訪問し、現場確認のほか図面や関係資料の確認等をしています。
また、5月30日に開催した沖縄・福建友好会館建設推進委員会においては、これまでの経緯を踏まえ沖縄側の追加負担についてやむを得ないと判断し、できるだけ早く完成させるべく県に対し予算措置等を要請しています。
さらに、6月中旬には吉元副知事一行が福建省長等に面会し友好会館の建設について協議をしております。
以上でございます。
○議長(友寄信助君) 総務部長。
〔総務部長 赤嶺 勇君登壇〕
○総務部長(赤嶺 勇君) 旧県営鉄道用地につきましての質問にお答えいたします。
旧県営鉄道用地面積でございますが、約39万6836平米ございます。
そのうちこれまでに処分いたした面積は、特に市町村及び個人住宅、こういったものに処分したものが4万7760平米、それから国道等につぶれた面積が4万4181平米、合計で9万1941平米処分いたしております。
これが金額に直せば市町村及び個人等に処分したものが23億3300万円、それから国道等につぶれたものが82億2100万円、トータルで105億5400万円ということになっております。これは52年以降でそういう形での処分をいたしております。
処分したお金についてはどういう形で対応しているかと申し上げますと、基本的には県有施設整備基金、それから道路整備・モノレール建設基金と、こういったものに積み立てまして、この議会棟であったり県庁ビルであったり、その他合同庁舎であったり、そういったものに活用していると、こういうことでございます。
○議長(友寄信助君) 以上をもって通告による一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
これをもって質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております甲第1号議案及び乙第1号議案から乙第7号議案までについては、お手元に配付してあります議案付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
○議長(友寄信助君) 日程第3 甲第2号議案及び乙第8号議案を議題といたします。
知事から提案理由の説明を求めます。
大田知事。
〔知事追加提出議案 巻末に掲載〕
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 平成9年第4回沖縄県議会(定例会)に追加提出いたしました議案について、その概要及び提案の理由を御説明申し上げます。
今回追加提案いたしました議案は、予算議案1件及び条例議案1件の合計2件であります。
予算議案平成9隼度沖縄県一般会計補正予算(第3号)は、「沖縄特別振興対策調整費」の第3次配分に伴い、国から委託及び補助を受けて県が執行する経費等について歳入歳出予算に5億7290万2000円の追加を行うものであります。
次に、条例議案について御説明いたします。
乙第8号議案知事の給与の特例を定める条例は、公共工事の発注に関し職員が逮捕・起訴されるという不祥事件を起こしたことを厳しく受けとめ、知事の給料月額の100分の10を減額するため条例を制定するものであります。
以上、今回追加提出いたしました議案についてその概要及び提案の理由を御説明申し上げました。
慎重なる御審議の上、議決を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入ります。
甲第2号議案及び乙第8号議案に対する質疑の通告がありますので、発言を許します。
なお、質疑の回数は2回までといたします。
小渡 亨君。
○小渡 亨君 休憩願います。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後4時55分休憩
午後4時58分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
小渡 亨君。
〔小渡 亨君登壇〕
○小渡 亨君 通告に従いまして甲第2号平成9年度沖縄県一般会計補正予算(第3号)について質疑を行います。
まず、当初2月の予算特別委員会において、9年度の予算は補正をなるべく組まずに当初予算ですべて編成するというようなことがありました。
この補正3号に関しましては、いわゆる沖縄県の特別調整費50億の第3次配分の追加補正ということで説明があったわけなんですが、歳出の2款1項11目に関して委託料国際交流事業費でありますが、一般財源から組み入れております。その後、当初の説明とは違うんですがなぜなのか、説明してください。
同じく歳出2款2項2目、同じく委託料、国際都市形成推進費であります。
これもほとんど一般財源9300万余り、国庫支出金2800万と、それもよくわかりませんので説明を求めます。
5款2項1目19節負担金、補助及び交付金約3億円近く、これもよくわかりません。説明を求めます。
同じく6款5項1目13節委託料、これの説明を求めます。
次に、乙第8号議案知事の給与の特例に関する条例であります。
説明では職員が収賄容疑で逮捕・起訴されたということであります。何点か質疑をしますのでよろしくお願いします。
まず1点目、知事に就任して給与月額の特例を定めたのは今回を含めて何回目になるのか、説明してください。
2点目、過去の特例はそれぞれどれだけ知事の給与現額を減じたのか、お願いします。
3点目、この減額に関しましてはいわゆる事件に関する知事の反省のあり方でありますが、過去の反省はどのように生かされたのか、説明してください。
4点目、この議案では知事だけに限定しておりますが、担当副知事あるいは部長等の責任問題はどうなっておりますか。
それと5点目、附則の中でこの条例は公布の日から施行するとなっておりますが、予定では7月10日、この本会議で可決されます。そして8月31日まで効力を持っているわけなんですが、具体的にはどれだけの減額になるのか、説明してください。
1回目終わります。
○議長(友寄信助君) 総務部長。
〔総務部長 赤嶺 勇君登壇〕
○総務部長(赤嶺 勇君) 小渡議員の御質問にお答えをいたします。
まず、今回の追加補正甲第2号議案平成9年度沖縄県一般会計補正予算(第3号)についての1つ目の質問ですが、国際交流事業430万円、これは県単で措置していると。
もう一つは、同じく国際都市形成推進費で9360万と、それから2800万円それぞれ計上されているが、補正をしないという前提で予算を組んだはずだがどうなのかと、こういうふうなことについての質問にお答えいたします。
平成9年度予算につきましては、私どもは原則として補正はしないと、こういうふうなことでございます。
しかしながら、今回のこの国際都市関係の一連の予算につきましては平成8年度に予算化され、それが繰り越されてきたというふうな意味での補正でございます。
ですから、そういう意味ではそれにかかわるものとして我々はある意味で義務的に受けとめていると、こういうふうなことになります。
それからまた今回の福建省の予算も含めてでございますが、2月段階で予見できないもの、そういったもの等に対する予算といたしましては当初議会におきましても申し上げたわけですけれども、私どもとしては一定額をやはり2月段階で予見できないものについて、その突発的なそういう事案あるいはまた事業等につきまして手当てするために一定の額を利用していると、こういう話をしたと思っております。それによって今回も対応すると。
今回の場合は特に15億円の平成8年度の剰余金がございます。そのうち7億5000万につきましては財政調整基金に積み立てますが、残りの7億5000万でもって補正に充てていくと、こういう考え方で措置いたしております。
それから先ほどの3番目の質問ですが、款5の職業訓練推進費2億9602万6000円については、これは何をするのかとこういうふうなことでございますが、これは沖縄産業開発青年隊に対する助成であると。そこにおける訓練教室、実習生の施設整備と、こういうふうなことになっております。
それから4点目の質問ですけれども、4点目の質問の中で特に水産業関係の事業でございますが、これにつきましては海洋環境保全対策に要する調査費ということで2231万5000円、それから沖縄型海洋牧場構想推進事業に要する調査経費ということで1270万9000円と、こういう予算を計上いたしております。
そんな形で今回の追加補正と、こういうふうな形になっております。
それから今回の知事の給与の特例に関する条例でございますけれども、特例は何回かというふうなことでございますが、これで2度目でございます。
それから当然に過去におけるその反省等も含めて今回その提出をいたしております。そしてまたこれはあくまでも知事の自発的な給料の請求辞退とこういうふうなことでそれに対する対応と、こういうふうなことでやっております。
それから金額は幾らになるかということでございますけれども、正確に記憶にないのですが、知事の給料は128万円だったと思っております。
それから担当副知事はどうするのかというふうなことでございましたが、担当副知事は法律に言う公職にはならないとこういうふうなことがありまして、公職選挙法の手続によらないことであり、あくまでも副知事の場合は本人の辞退によって給料を今回の場合は一月分辞退をすると、こういうふうなことになっております。
ですから、知事が給料月額の100分の10相当額を2カ月分請求辞退をすると。それから副知事につきましても給料月額の100分の10相当額を一月間辞退をすると、こういうふうな形になっております。
以上でございます。
○小渡 亨君 答弁が漏れています。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後5時8分休憩
午後5時8分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
総務部長。
〔総務部長 赤嶺 勇君登壇〕
○総務部長(赤嶺 勇君) 失礼しました。漏れておりましたので答弁いたします。
それからその他部長等の管理責任についてどうするかというふうなことでございますが、これは一連の今回のものにつきまして私どもとしては関係機関を十分調査した上で、県の内部にあります懲戒審査委員会に諮った上で対処してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後5時9分休憩
午後5時9分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
総務部長。
〔総務部長 赤嶺 勇君登壇〕
○総務部長(赤嶺 勇君) 期間は一緒でございます。
○小渡 亨君 額は……。
○総務部長(赤嶺 勇君) 100分の10ということで同じでございます。
○議長(友寄信助君) 小渡 亨君。
〔小渡 亨君登壇〕
○小渡 亨君 2回目行います。
通常何か事件を起こした場合に初犯というのはかなり罰は軽いわけなんです。再犯というのは罰は重たいんです。
これは前回と今回全く一緒だというと形式的に、事務的に反省をしているのかなと。だからこういう事件が起こるのかなというような気もするわけです。
みずから反省してやるならば、1回目、2回目とだんだんと重くなるのが普通なんです。そうでないから、これはなぜですか、説明をしてください。
○議長(友寄信助君) 総務部長。
〔総務部長 赤嶺 勇君登壇〕
○総務部長(赤嶺 勇君) お答えをいたします。
この種の事件につきまして他府県の例を見ますとほぼ同じでございまして、前回は担当副知事については何ら辞退するというふうな形はありませんでしたけれども、今回は副知事がみずから100分の10の一月分を辞退するというふうなことで前回とは変わった処理をいたしております。
○議長(友寄信助君) 以上で通告による質疑は終わりました。
これをもって質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております甲第2号議案及び乙第8号議案は、総務企画委員会に付託いたします。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後5時12分休憩
午後5時13分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
日程第4 陳情第99号及び第100号の付託の件を議題といたします。
お諮りいたします。
ただいまの陳情2件については、米軍基地関係特別委員会に付託の上審査することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳清2件については、米軍基地関係特別委員会に付託の上審査することに決定いたしました。
○議長(友寄信助君) この際、お諮りいたします。
委員会審査及び議案整理のため、明7月4日から9日までの6日間休会といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、明7月4日から9日までの6日間休会とすることに決定いたしました。
○議長(友寄信助君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
次会は、7月10日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時15分散会
前発言
次発言
19970406000010