平成13年(2001年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 10月 1日
農林水産部長(天願貞信)
 

 単一JA合併問題について、農協の広域合併の現状はどうか、経営健全化やサービスの強化が図られたか、組合員数はどうかについてお答えいたします。
 JA沖縄グループでは、平成3年に決定された8JA構想に基づき合併を推進した結果、本島北部、中南部、八重山地域で合併が進み、JAやんばるほか6つの広域合併JAが誕生しております。しかし、広域合併を進めた平成6年はバブルの崩壊等もあって不良債権が増大した年でもあります。このため、広域合併JAにおいても多額の不良債権を当初から抱えたことに加え、その後の厳しい農業環境の中で経営の健全化は図れなかったものと認識しております。このような状況にあって、経営の合理化を進めるため職員の削減や支所・出張所の統廃合を進めてきたところであります。
 一方において、広域合併JAの組合員数については、信用事業や共済事業の進展などもあり、合併時に比べて4768名の増加となっております。厳しい経営環境の中にあって、当時の広域合併は組合員へのサービス向上については必ずしも期待に十分こたえることはできなかったものと考えております。
 続きまして、1998年の5農協構想の背景と取り組みはどうか、それから単一JA合併構想の背景と合意形成はどうかについて、関連しますので一括してお答えいたします。
 1998年に決議されました5JA構想の背景には、厳しい農業環境と金融システムの大改革に耐え得る経営基盤の強化が求められた結果であると考えております。この構想に基づき、圏域別合併に向けた合併事務局の設置等の取り組みが行われてきたところであります。しかしながら、バブル崩壊後に増大した不良債権と離島・農村部JAが抱える繰越欠損金により債務超過に陥るJAが生じる事態となりました。このようなことから、5JA構想では強固な経営基盤の確立は困難と判断され、県単一JA合併構想に移行したものと考えております。
 県単一JA合併構想については、平成13年3月の第16回JA沖縄大会で決議され、沖縄県農協中央会、信用農業協同組合連合会、経済農業協同組合連合会と全JAの代表者で構成する合併推進本部委員会が設置されております。この本部委員会のもとで全国支援による経営困難JAの赤字処理、合併に向けたJA間の財務調整、合併後の経営計画の樹立等の課題解決に向けた取り組みが行われております。県としても、同構想が実現するよう合併の合意形成に向けて積極的に支援をしてまいりたいと考えております。
 続きまして、黒字農協と赤字農協の実態はどうか、赤字農協の赤字や不良債権の処理が来年4月までに可能かについて、関連しますので一括してお答えいたします。
 県単一JA合併推進本部においては、合併に向けて県下28JAの財務確認作業を終えております。その結果によりますと、財務の健全なJAが11JA、経営不振のJAが8JA、債務超過で経営困難なJAが9JAとなっております。
 県単一JAの合併に際しては、赤字や不良債権を持ち込まないことが条件となっております。このため、経営不振JAにおいては経営改善努力と出資金の一部減資が必要となります。
 また、経営困難JAにおいては、多額の赤字を抱え自己処理が困難なことから全国支援を要請することになります。全国支援を受けるためには、平成14年4月のペイオフ解禁までに救済合併を行うことが必要となります。このため県としては、県単一JA合併構想が実現するよう合併の合意形成に向けて積極的に支援をしていきたいと考えております。
 次に、台風16号の被害とその後の対策について、農業被害の実態、特にさとうきびの被害状況はどうなっているかということについてお答えいたします。
 台風16号による農林水産業関係の被害額は、9月25日現在の速報値で26億9100万円となっております。そのうち、農業関係は19億7700万円となっております。
 農業関係の内訳としましては、農作物関係で7億円、農地・農業施設関係で12億5500万円、畜産関係で2200万円となっております。
 農作物関係の被害のうち、さとうきびの被害額は3億2300万円で、地域別では南部で2億5300万円、中部で5100万円、北部で1900万円となっております。
 今後の対策としては、農道等の基盤施設関係については災害復旧事業等で対応してまいります。さとうきび等農作物につきましては、農業共済事業による補償制度が適用されることになっております。
 以上でございます。

 
20010403020110