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平成21年(2009年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 12月 3日
桑江 朝千夫
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おはようございます。
橋下大阪府知事は、沖縄の負担軽減につながる議論を持ちかけられれば全力を尽くして考えなければならないと、米軍訓練の受け入れの検討を拒否しない旨の考えを示しました。大変に意義のあるメッセージを発してくれたものと感激をしております。
さきの日米大戦ですさまじいまでの犠牲をこうむったこの沖縄が、戦後60数年、日本国からは放たれ、米国統治も経験し、日本国復帰後も基地の負担は変わらぬまま、我が沖縄のこの痛みも歴史も認識して、沖縄の基地負担を分担、受け入れられるものはないだろうかと、これは受け入れることができる、できないというその結果においては私は期待はいたしません。しかし、こういった議論が全国の都道府県議会で議論をしていただけるのではないか、この議論の始まりに大きな期待をするものであります。
私は、自民党会派を代表してこれから代表質問を行います。
1、経済振興対策について。
(1)、県経済の将来展望について。
本県は、3次にわたる沖縄振興開発計画が実施されたことにより、社会基盤を初めとする本土との格差是正は着実に成果を上げてきております。しかしながら、産業の育成においては、地理的不利性やバブル崩壊による経済の長期にわたる停滞などもあり、振興策が目指した成果は十分に達成されたとは言えない状況にあると思います。観光・リゾート産業が好調に推移し、情報通信関連産業の立地が着実に進むなど、自立経済の構築に向けた条件整備の―定の前進は見られます。それでも本県が目指す経済の自立にはいまだほど遠いというのが現実であります。その要因、背景に何があるのでしょうか。離島県としての地理的事情、米軍基地の集中的存在は、復帰後37年が経過した現在においても何ら変わっておりません。県は、沖縄21世紀ビジョンの策定を急いでおりますが、その中でいかに特殊事情、構造的問題を克服するかが本県経済の将来を展望する上で重要であると考えるのであります。
そこで伺います。
ア、自立型経済の構築を図る上で、米軍基地の存在、物流コストや市場規模の狭隘による不利性等が課題となっておりますが、新たな振興策の策定において、課題の克服に向けた対策をどのように構築していくか。
イ、県経済の振興を図る上で、県内産業の振興育成が重要であります。県内外への販路の拡大や市場の開拓を図るためには、観光とセットとなった施策の展開が必要であると考えますが、県の対策をお伺いいたします。
ウ、那覇空港における国際貨物等物流コストの軽減を図ることは、県経済への波及効果が大きいことから、空港使用料や燃料税などの公租公課の優遇措置が必要であると考えます。県の対策をお伺いをいたします。
エ、県経済の振興を図る上で振興策は欠かせない。現振興計画の検証を踏まえ、新たな振興計画はどのようにあるべきと考えているか。
(2)、民主党政権は事業の要不要の精査や、公共事業費の削減など、今までの事業の見直しを行っており、今後の沖縄予算にも影響が出ないか懸念されるところであります。目玉とされた一括交付金については、次年度での実施は見送られました。公約実現のための財源の確保に必死になっている民主党政府に沖縄だけの予算をふやせるのでしょうか。本県の山積する課題や構造的問題等について、いかに民主党政権に理解をさせるかが重要であり、より理論構成が求められます。財政の現状について伺います。
ア、次年度内閣府の沖縄関係予算概算が示されましたが、自公政権時の要求額との比較で相違点、補助率等について伺いたい。
イ、前原沖縄担当相は、沖縄振興策は米軍基地問題とリンクさせないとの考えを示したと言われるが、これが今後の沖縄予算に与える影響について見解を伺います。
ウ、子ども手当、高校授業料無償化の実施に当たっては、どのような課題や問題点が懸念されるかお伺いをいたします。
エ、ー括交付金が導入された場合の本県における財源活用上のメリットと高率補助、公共事業費の占める割合の高さから、懸念事項についてお伺いをいたします。
オ、次年度予算の事業仕分けが行われているが、廃止や見直しが行われた事業で本県への影響はないか伺いたい。
カ、行財政改革プラン(仮称)について、その必要性をお伺いをいたします。
キ、その目標と実施期間平成25年までには、県財政、義務的経費がどの程度緊縮されるのかお伺いをいたします。
大きい2、中城湾港泡瀬地区埋め立てについて。
県と沖縄市は、中城湾港泡瀬沖合埋立事業に関する公金支出差しとめ訴訟の上告を断念すると発表、その上で事業については継続に向けて手続を進めることを表明しております。
中城湾港泡瀬地区埋立事業については、前原沖縄担当相は中断を表明しており、国は変更後の土地利用計画を見て判断すると市の計画策定まで判断を保留する考えを示しております。
沖縄市は、現在、東部海浜開発土地利用計画見直しの検討が市民参加のもとで行われ、市としての土地利用計画の策定を急いでおりますが、相当手がたい検証に耐え得る計画が求められているのは間違いありません。東門現市長にできるかどうか疑問でありますが、心配でありますが、該事業は中部圏経済の活性化を図り、新たな雇用の創出につながるものであり、中心市街地の衰退が進む沖縄市・中部にとって、事業を完成させることにより、沖縄市を含む周辺市町村に活力を与えるものであります。そのため、沖縄市においては、事業の継続は今後の市の発展や活性化を図る上でどうしても必要であります。
そこでお伺いをいたします。
(1)、県と沖縄市は、泡瀬沖合埋立事業の訴訟について上告を断念したが、第Ⅰ工区の事業は継続するとしております。その根拠についてお伺いをいたします。
(2)、今後の市の土地利用計画見直し作業をどのように進め、事業再開に結びつけるか伺いたい。
(3)、前原沖縄相は、泡瀬沖埋立事業について、当面中断するとしているが、中城湾港新港地区東埠頭のしゅんせつ事業を含め中断される事業の範囲についてお伺いをいたします。
3、観光振興について。
我が国を訪れる外国人旅行者は、2008年で835万人、新政権は7年後の2016年に2000万人、10年後の2019年には2500万人まで引き上げると修正をしております。本県も将来の目標として、観光客1000万人誘致を掲げており、外国からの観光客の誘致を促進することは目標達成を図る上で重要であります。今後は、政府の観光政策と連動し、活用した施策策定が必要になってくると考えます。何より、まず沖縄に来てもらうということ、そのための適切・効果的な施策の展開が必要。県においても、航空会社と連携した誘致キャンペーンを展開し、観光客誘致につなげるプロモーション事業を本格化させております。
この事業は、官民挙げての観光の底上げを図る初めての試みであることから、航空会社や関係機関等との協力体制を緊密にし、事業効果を上げていただきたいと期待するものであります。
そこで伺います。
ア、前原国土交通大臣は、中国から日本への個人旅行について条件緩和を表明したが、本県への影響と受け入れに向けた条件整備について伺いたい。
イ、外国人観光客を誘致する上で、沖縄らしいきめ細かい対応が必要であるが、県としての指導方針を伺います。また、台風や新型インフルエンザ対策はどのようになっているか伺いたい。
ウ、沖縄と競合する海外の観光地の航空運賃の安さに対する対策として、海外観光地との差別化を図るとしておりますが、具体的にどのような方策が考えられるのでしょうか。
エ、観光客誘致緊急対策プロモーション事業について、事業の概要と効果についてお伺いをいたします。
(2)、本県の観光は、沖縄観光の最大の魅力である海を主体に、地理的特性、独特な伝統文化エイサー・空手などの魅力の創出を図り、観光沖縄の知名度向上を図ってまいりました。一年を通して観光が楽しめる通年型の観光・リゾート地の形成に向け観光メニューの開発を進めており、一部においては効果を上げているところもありますが、国際的交通網の整備、情報の迅速化、東アジア諸国における経済の発展、富裕層の拡大が進み、嗜好の多様化や競争の激化が続いている状況においては、さらなる戦略的対策が必要であると考えます。
本県がこれら競争地域に比べ不利的な要因は、航空運賃が割高となっているところであります。航空運賃の問題は観光を振興する上で大きな懸念材料であり、観光客の増減に影響するだけでなく、1人当たりの消費額についても影響は避けられません。例えばハワイとの比較を見ると、観光客の平均滞在日数も消費額も本県の3倍と言われております。
このような本県の観光の現状を考えたとき、やはり新たな観光資源の開発による通年型観光・リゾート地の形成が必要であり、競合するリゾート地との差別化を図っていくことが必要であると考えます。
そこで伺います。
ア、観光客1000万人誘致に向け通年型観光・リゾート地の形成が必要であるが、新たな観光資源開発に向けた取り組み、現状と課題等についてお伺いをいたします。
イ、離島振興の観点から、離島の特つ特色を生かした観光資源の開発について県の基本的方向性について伺いたい。
ウ、エコツアーの推進とサンゴ礁等自然環境の保護との調和をどのように図っているか。また、エコツーリズム推進法の活用を図る上での課題や問題点についてお伺いをいたします。
エ、沖縄独特の歴史・文化等地域特性を生かし、国民の総合的な保養の場及びコンベンション拠点の形成について、県の基本的な考えについて伺いたい。
4、農林水産業の振興について。
(1)、本県農産物の生産供給体制の強化と販売・流通対策の促進については、離島県で狭隘な地域にあるという不利性の中で、いかにマーケティングの強化と消費拡大を図っていくかが重要であります。
消費者の信頼を得るような安心・安全な作物づくり、さらに、付加価値を高める特産品や機能性食品の開発を促進し、消費ニーズに即した製品の改良などを進め、販路の開拓につなげていくことが肝要であり、地産地消は極めて重要であります。また、道の駅、ファーマーズマーケットなどの販売所等の施設を中心としたネットワーク化を図るほか、学校給食等への利用を促進することで、離島など地域の活性化や供給体制の整備につながると考えるのであります。
伺います。
ア、県が進めるおきなわブランドの確立と生産供給体制の強化策について、販路拡大や流通網整備にどうつなげていくか伺いたい。
イ、おきなわブランドの確立と生産供給体制の強化のため、耕作放棄地の活用の促進を図る必要があるが、現状と今後の計画についてお伺いをいたします。
ウ、県内の食料自給率を高めるための地産地消推進対策として、学校給食等への積極的な拡大を図る必要があると考えるが、県の取り組みをお伺いをいたします。
エ、本県の特殊病害虫等の根絶に向けた取り組みと東南アジア等の発生地域からの侵入防止対策について伺います。
(2)、農林水産業従事者の育成確保については、農林水産に従事する担い手の減少や高齢化の進行、後継者不足の深刻化、耕作放棄地の拡大などが大きな課題として顕在化してまいりました。これからの本県の農林水産業は、我が国唯一の亜熱帯地域にある本県の農林水産の特性を生かした農産物の生産供給体制、経営環境の整備を促進し、流通販売網の整備強化を進めていくことが必要であり、そのため、後継者の育成確保について、県として戦略的に進めることが必要であると思います。
そこで伺います。
ア、本県農林水産業の後継者育成確保のため、就業相談や活動支援の取り組みと観光産業などと連携した生産・販売等経営指導をどのように行っているのか伺います。
イ、農林水産業に対する理解や将来の担い手を育成するため、小中学校における学習体験等の場の設定や教師を対象とした研修を定例的に行う必要があると考えるが、県の考えをお伺いをいたします。
ウ、県が実施している認定農業者等の育成事業の取り組み状況と効果について伺いたい。
エ、農業に従事する女性や高齢者に対する活動支援はどのように行われているか。農漁村における男女共同参画社会づくり事業の進展状況についてお伺いをいたします。
5、米軍基地問題について。
2005年5月、在日米軍再編の日米合意から3年、現実の沖縄基地においては、騒音被害、訓練の激化など、基地負担の軽減にはいまだに結びついていないのが実態であります。
他県での事件ではありますが、憤る事件を報道で知りました。8月に横須賀の女性のバイク転倒事故、米軍人の子息のいたずらが引き起こした事件、将来ある女性が、我が物顔で、さも植民地の町を歩いているようないたずら気分でロープを張ったのでしょうか。在日米軍兵士の綱紀粛正だけでなく、軍属・家族とりわけ米軍人子息、若年者への日本の文化、ルール等の教育はできているのか。基地外への投石やピットブル等の被害も出ております。
去る11月7日、読谷村楚辺での米軍人によるひき逃げ事件には、先ほど本議会で意見書、抗議決議をしたところであります。日常的に地位協定の壁に悩まされている本県においては、日米地位協定の根本的な見直しは喫緊の課題であり、この問題の解決には党派や主義主張の垣根はないと思うところであります。
そこで伺います。
(1)、県は本県の基地問題について、鳩山政権に対する要請行動を今後どのように展開するか伺いたい。
(2)、読谷村におけるひき逃げ事件の捜査状況と今後の展開をお伺いをいたします。
(3)、日米地位協定第17条の被疑者の起訴前の身柄引き渡しについて、米側の「好意的配慮」は守られているか見解を伺います。
(4)、新たな都市型戦闘訓練施設が完成し米側に引き渡されたが、従来使用していたレンジ4の訓練施設はどうなるのか、今後も訓練施設として使用されるのかどうかお伺いをいたします。
(5)、鳥島射爆撃場の返還について、県は日米両政府に対し要請を行っているが、現状と今後の見通しについてお伺いをいたします。
6、福祉関連施設の充実について。
本県においては、高齢者の比率が全国的にも高くなっており、その対策が県や市町村に大きな課題となっております。高齢夫婦世帯やひとり暮らし世帯は年々増加の傾向にあり、1人当たりの介護費用額の高騰を招き、老人が老人を介護する老々介護などが社会問題化してまいりました。このような状況に対処するには、国や県による介護施設や介護拠点等の整備が重要であり、そのための地域に見合った、地域のニーズに適した対策が必要であります。
一方、安心・安全な子育て環境の整備について、本県は待機児童の解消という大きな課題を抱えており、県は、待機児童の解消を図るため、2011年度までに認可外保育所のうち60施設の認可化を進め、3600人の待機児童を解消する目標を掲げておりますが、これまでの実績から、目標達成は難しくなったというところであります。せっかくの国の補助による基金であり、有効活用するためにも問題点や改善点があれば早急に対策を講じ、目標達成に向けた取り組みを進めるべきであります。
そこでお伺いをいたします。
ア、本県における特別養護老人ホーム等の設置状況と、今後新設する施設の圏域ごとの計画についてお伺いをいたします。
イ、政府は、特別養護老人ホームや保育所の設置基準など6項目の権限を地方に移譲するための検討をしているようですが、移譲された場合、本県における今後の施設整備にどのような効果があるかお聞かせください。
ウ、全国的に介護職員の処遇改善を目的とする介護職員処遇改善交付金の利用が低く改善を求める声が多いと言われております。本県における利用状況と問題点等についてお伺いをいたします。
エ、無認可保育所の認可化を図るため、実施主体である市町村と保育所側の積極的な対応が必要であるが、現状と課題についてお伺いをいたします。
(2)、新型インフルエンザ対策について。
新型インフルエンザが再び蔓延の兆しを見せている中、県内でも児童生徒を中心に感染が拡大しております。県内の58医療機関には今後への危機感が広がっております。既に冬場に向けた本格流行に入ったと言われ、その特徴は特に低年齢層に感染者が多くなっているようであります。本県においても、流行の第二波に入ったと見て広く県民への注意を呼びかけております。夏場の経験をいかに第二波流行に生かしていけるかが問われていますが、そのためには病院間の連携や協力体制の構築が何より重要であります。医療機関等関係機関の適切な対応や指導力の発揮が求められます。
第二波に入った現在、医療機関の報告によれば、患者は未成年者が多く、19歳未満が全体の7割を占め、特に10歳から14歳の児童が増加しているということであります。心配なことは、1月から始まる大学受験、1月のセンター試験等、そして3月上旬の高校入学試験時に第二波、第三波の流行が重なった場合の対応です。その意味で、学校における集団感染対策や学校側の適切な対応が必要であります。
伺います。
ア、第二波の新型インフルエンザの猛威が心配されているが、県内における現状と県の感染防止対策について伺います。
イ、市町村、保健所、病院等医療機関等における対応マニュアルの周知徹底と連絡体制の構築は万全か伺います。
ウ、県立病院への患者が集中し、ぎりぎりの対応をしているようですが、患者の感染程度に応じた医療機関の振り分け等事前の対策はどうなっているか。医師や看護師が感染しないための対策と新たな人員の配置等対応は可能か。また院内感染防止策についてお伺いをいたします。
エ、ワクチンの確保やワクチン接種についての県民に対する情報提供や呼びかけ等、県民を守るための対策はどうなっているのかお伺いいたします。
オ、学校教育機関において感染者が出た場合の対応や高校等受験生の感染防止対策について、対応マニュアルはどうなっているのか。
カ、米軍基地内の感染防止対策はどうなっているのか。また、米軍側医療機関と県保健所との連絡体制は確立されているかお伺いをいたします。
1回目終わります。
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