平成13年(2001年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 12月10日
企画開発部長(与儀朝栄)
 

 那覇港管理一部事務組合について、那覇港の開発をどう進めるか、管理形態をどうするかについてお答えいたします。
 那覇港の整備に関しましては、国直轄事業、新たな補助等の制度拡大等国の多様な制度的及び財政的な支援を取り入れながら、那覇港管理組合の目的である那覇港の開発と利用の促進を図るとともに、適正で能率的な管理運営を行うため、三者一体となって一元的にその整備及び管理運営に努めていきたいと考えております。
 次に、同じく那覇港管理一部事務組合について、港湾計画改訂時期はいつかについてお答えいたします。
那覇港の港湾計画改訂は、平成14年7月ごろまでに港湾管理者が改訂原案を策定し、平成15年1月の地方港湾審議会への諮問・答申を経て国土交通大臣へ提出します。その後、国土交通大臣が国土交通省交通政策審議会港湾分科会へ諮問し、その答申を経て3月に港湾計画が改訂されることになります。
 次に、同じく那覇港管理一部事務組合について、那覇軍港は港湾計画改訂で位置や規模、機能はどうなっているかについてお答えいたします。
那覇港湾施設の移設位置や規模、機能については、今後、国が設置した「那覇港湾施設移設に関する協議会」で協議されるものと考えております。那覇港湾施設の移設位置、規模等が示された段階で港湾管理者が港湾改訂計画との整合性について総合的に検討し、国土交通省とも協議の上、改訂計画に位置づけることとなります。
 同じく那覇港管理一部事務組合について、軍港を含む国の港湾整備方針はどうなっているかについてお答えいたします。
国は、「沖縄における新世紀港湾ビジョン」の中で那覇港を本県の経済発展を先導する港湾として位置づけ、浦添埠頭地区において大水深岸壁を有する国際海上コンテナタ-ミナルを整備することとしております。
 さらに、那覇港を国際海上輸送網の拠点として、特に重要な港湾として位置づけ航路の誘致を進めていくとともに、国として重点投資を進めるため特定重要港湾への格上げを検討することとしております。これらの方針を踏まえて、県は現在、那覇港の港湾改訂計画に資する調査を実施しているところであります。
 なお、軍港施設の整備方針については、「那覇港湾施設移設に関する協議会」において検討されるものと考えております。
 次に、那覇港管理一部事務組合について、那覇港管理組合設立は那覇軍港移設受け入れの前提になっているがどうかについてお答えいたします。
那覇港管理組合は、那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として重点的に整備し、本県の自立的発展、産業の活性化、県民生活の向上を図ることを目的に、県、那覇市及び浦添市三者で設立することにしております。また、那覇軍港の移設については、那覇港湾施設を浦添埠頭地区に移設することが米軍基地の整理縮小を図っていく上でより現実的で実現可能な方法であるとのSACOの合意に基づき実施されるものであります。
 次に、同じく那覇港管理一部事務組合について、ハブ港湾としての需要、どんな国、地域と結び、どんなものをどれだけ運ぶか、現行制度のもとで可能かについてお答えいたします。
 平成11年度に策定した「那覇港国際流通港湾計画」(素案)によると、84万個のトランシップ貨物の需要が推計されております。その大部分の75万個は中国、台湾等と北米間における貨物であり、内容は主に電化製品や日用雑貨等であります。
 また、現在、県や国において海上輸送コストの低減化、港湾利用の効率化に係る制度及びそれに伴うトランシップ貨物の需要を含めた検討を行っており、その結果も踏まえ国際競争力を高めるための制度等について国と調整していく考えであります。
 次に、ハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について、那覇港の国際流通港湾化構想は那覇軍港の浦添移設を念頭に置いているが、どのような方法で整備していくのかについてお答えいたします。
那覇港の国際流通港湾としての整備は、今後、港湾管理者によって策定される港湾改訂計画の基本方針に基づき実施されることになります。また、那覇軍港の移設に伴い防波堤等関連する港湾施設については、民港である那覇港の整備と代替施設の整備との調整を図ることが必要なことから、今後、国が設置した協議会の結果を踏まえ、SACO関連事業等を取り入れながら進めていきたいと考えております。
 次に、ハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について、国際物流への寄与、経済の自立化等にどのように取り組むのか、また需要の見通しについてお答えいたします。
 県は、那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として整備し、国際物流への寄与、経済の自立化、産業の創設、産業の活性化、ひいては雇用の拡大につながるよう積極的に取り組んでいく考えであります。そのため、国際流通港湾として大水深岸壁、コンテナタ-ミナル等の施設整備やEDI化(電子デ-タ交換)の導入、荷役業務の24時間体制等の効果的・効率的タ-ミナル運営を進めることとしております。
 また、産業立地を推進するため特別自由貿易地域指定や企業立地に対する優遇措置等について国と調整しているところであります。
 さらに、現在、国内外企業の現地ヒアリング調査を実施し、産業導入の可能性についてより詳細な検討を実施しているところであります。
 トランシップ貨物については、平成11年度に実施した調査によると、84万個のコンテナ貨物の需要が推計されておりますが、港湾計画改訂に向けて現在、国において国際物流に資するトランシップ貨物の再調査を実施しているところであります。
 ハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について、一国二制度導入でもない限りハブ港湾化の実現は乏しいと考えるが、規制緩和の導入の可能性についてどうかについてお答えいたします。
那覇港のハブ港湾化に向けた規制緩和等については、国有港湾施設の専用貸し付け及び外貿バ-スにおける内貿貨物の取り扱い、特別自由貿易地域指定や企業立地に対する優遇措置等について国と調整しているところであります。
 次に、同じくハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について、県の港湾の総事業費5500億円で高率補助を入れても通常予算規模ではないが、何を根拠に算出したか、また国庫補助は幾らか、市の負担は幾らかと、港湾の完成年度はいつかについて一括してお答えいたします。
 平成11年度に策定された「那覇港国際流通港湾計画」(素案)によりますと、那覇港の整備基本目標として、「アジアと共生し経済の自立化に寄与する中継・加工貿易の拠点としての港づくり」、「世界に開かれた南の国際交流拠点としての港づくり」、「離島県沖縄の生活拠点・地域発展を担う港づくり」、「人と環境に優しく安心・安全を支える港づくり」の4つが示されております。
 この基本目標に基づき、那覇埠頭地区で離島フェリー岸壁及び臨港道路空港線等の整備、泊埠頭地区で係留施設及び緑地等の整備、新港埠頭地区で一般公共国際コンテナターミナル及び大型旅客船岸壁等の整備、浦添埠頭地区で高能率国際コンテナターミナル及び防波堤等の整備を計画しております。これらの整備に必要な概算の総事業費が平成11年から平成27年までの17年間で約5500億円と見込まれております。
 現行制度の事業で整備された場合の概算費用の内訳としては、国費約3853億円、起債約1485億円、一般財源約159億円となります。
 一般的に港湾の整備については、整備された港湾施設が供用され次第、当該施設から生ずる使用料等の収入が計上されることなど運営と平行して行うものであるため、計画的に実施すれば無理なく進めることができるものであります。
 また、三者の負担分につきましては、港湾の使用料や土地処分金等の歳入と公債費や管理運営費等の歳出の差額となりますが、現在進めている港湾改訂計画を踏まえた事業規模や各母体との調整の上、算出されるものと考えております。
 ちなみに、那覇市の港湾事業特別会計における一般会計からの繰り入れの平成8年度から平成12年度までの5カ年間の平均は、約10億7000万円となっているところであります。
また、那覇港は本県の今後の自立型経済の促進、産業の活性化を図る上で極めて重要な基幹インフラであることから、可能な限り早期の完成を目指して取り組んでいきたいと考えております。

 次に、同じくハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について、那覇港湾施設の位置づけと港湾整備計画との整合性をどう展開するのかについてお答えいたします。
県は、現在、那覇港の土地利用計画、施設配置計画及び航行安全に関する調査を進め、那覇港港湾改訂計画の取りまとめに向けて取り組んでいるところであります。また、那覇港湾施設は移設の位置、規模等が示された段階で港湾管理者が港湾改訂計画との整合について総合的に検討し、国土交通省とも協議の上、改訂計画に位置づけることとなります。
 次に、ハブ機能を持つ国際流通港湾の構想について、那覇港長期整備構想検討委員会での軍港の位置を決める論議の中身についてお答えいたします。
那覇港長期整備構想検討委員会は、港湾改訂計画を取りまとめるために県が委託した調査機関が設置した委員会であります。また、那覇港湾施設を港湾改訂計画へ位置づけることについては、その移設位置、規模等が決まった時点において、委員会は港湾改訂計画との整合について検討することとしております。
 次に、那覇港管理一部事務組合の設立に関する覚書について、那覇市の債権債務の金額は幾らか、那覇市、浦添市、沖縄県の負担は幾らか、また納付方法についてはどうなのかについてお答えいたします。
 組合が承継する債権は、那覇港管理組合設立前の平成13年度末時点の港湾使用料等の未収入金や補助事業の繰り越しに伴う国庫支出金等の繰越金があり、現在確定はしておりませんが、平成12年度決算における債権は、合計約2億5700万円であります。また、債務は地方債の元利未償還金があり、平成12年度におけるその残高は約205億6000万円となっております。
 地方債の償還については、毎年度歳出予算に公債費として計上し支出するものであり、構成団体からの負担金収入は歳入の一部として計上するものであることから、当該負担金を直接充当するものではありません。
 次に、那覇港管理一部事務組合の設立に関する覚書について、経費の負担割合は単年度計算した場合にそれぞれ幾らの負担になるかについてお答えいたします。
 三者の負担分につきましては、港湾の使用料や土地処分金等の歳入と公債費や管理運営費等の歳出の差額となりますが、現在進めている港湾改訂計画を踏まえた事業規模や各母体との調整の上、算出されるものと考えております。
 ちなみに、那覇市の港湾事業特別会計における一般会計からの繰り入れの平成8年度から平成12年度までの5カ年間の平均は、約10億7000万円となっております。
 次に、那覇港管理一部事務組合の設立に関する覚書について、覚書に定めのない事項とは軍港を指すのかについてお答えいたします。
 「那覇港管理組合の設立に関する覚書」の第9条は、管理組合の設立に関連して、「今後協議すべき事項」が発生した場合を想定した一般的に設けられる規定であります。
 次に、同じく那覇港管理一部事務組合の設立に関する覚書について、浦添市が事業主体となる部分の面積、整備費用等についてお答えいたします。
 浦添埠頭において浦添市が事業主体となる区域については、今後の調査等を踏まえて協議することになりますが、今後、港湾計画改訂を経て港湾背後地の土地利用計画を進める中で確定することとしております。
 整備費用については、事業確定後、浦添市が財源措置を判断するものと考えております。

 
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