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平成10年(1998年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 10月 7日
第 7号 10月 7日
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議 事 の 概 要
平成10年10月7日(水曜日)
午前10時12分開議
日程第1 大田知事発言に対する抗議決議
質 疑
1 石川 修君(社大党)
2 島田 力君(社会・護憲)
3 嘉陽 宗儀君(共産党)
4 大城 秀昭君(結の会)
午後1時57分散会
〇議長(友寄信助君) 10月1日の会議において本日は休会とすることに議決されましたが、議事の都合により特に会議を開きます。
〇議長(友寄信助君) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
10月1日の会議において設置されました決算特別委員会の委員長から、同日の委員会において委員長に伊波洋一君、副委員長に上間毅君を互選したとの報告がありました。
次に、10月5日、西銘恒三郎君外11人から、議員提出議案第1号大田知事発言に対する抗議決議の提出がありました。
また、昨日、翁長雄志君外12人から、議員提出議案第2号那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議の提出がありました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
〇議長(友寄信助君) 日程第1 大田知事発言に対する抗議決議を議題といたします。
提出者から提案理由の説明を求めます。
西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 ただいま議題となりました議員提出議案第1号について、提出者を代表しまして提案理由を説明申し上げます。
昨今の知事発言は極度な独善性に陥り、バランス感覚を失い、県行政の最高責任者としての良識を失っております。
1、基地は、人間の幸せに結びつく生産の場ではない、2、基地は、非生産的な場であり、生産の場に変える、3、基地は、戦争に備えるもの、だからこそ在沖米軍も自衛隊も訓練する。
これらの発言は、基地関係労働者への侮辱発言であるばかりでなく、国家の安全保障という崇高な使命感を持って働いている人々への完全な逆差別発言でもあります。
我々県議会議員は、県民代表の集う本会議場におけるこれらの知事発言を極めて不適切な発言と認識し、断じて容認できないのであります。
我々は、去る6月議会から今般9月議会において再三再四知事の発言撤回を求めてきたのでありますが、知事は完全に拒否をしました。
そこで、政治にかかわる者の最低限度の良識を県議会の良識として示すべく本決議案を提出したのであります。
それでは、これらの発言の問題点を指摘してみます。
1、この世の中にはありとあらゆる職業が存在します。第1次産業から第3次産業に至るさまざまな職場において国民はそれぞれの職場で日々汗を流して働いているのであります。基地で働く人々もそれぞれの職場で一生懸命汗を流しながらみずからの幸せを追求し、同時に安全保障という崇高な使命感を通して国民の幸せに貢献しているのであります。
この基地という職場が、そこで働く人々も含めて、何ゆえに人間の幸せに結びつく生産の場ではないと言い放つことができるのでしょうか。何人といえども、たとえ県知事といえどもこのような思い上がった発言をしてはならないのであります。
すなわち職業に貴賤なし。憲法第22条は、職業選択の自由を保障しているのであります。その意味で知事発言は職業選択の自由を完全に否定しております。
2、基地は、非生産的な場である云々。
経済のサービス化が叫ばれる時代、世の中が複雑化する時代にあって、第1次産業や第2次産業の物をつくるばかりが生産の場と考えるのはもはや時代おくれであります。国民が必要とするさまざまなサービスを提供する第3次産業、すなわち情報産業や金融サービス業、あるいは県や市町村の公務サービス等も立派な産業として国民の生産活動に貢献しているのであります。
あらゆる職業は、それぞれの使命を通して国民経済の生産活動に寄与しているのであります。国家の安全保障に係る基地を一面的にとらえて非生産的と断ずることは政治にかかわる者としては失格であります。また基地を生産的、非生産的という視点でとらえるべきものでもありません。
知事のこの発言は、極めて危険な発言であります。すなわち知事の発言から判断すると、警察の仕事及び消防の仕事は非生産的であるということにもなります。警察も消防も社会秩序の維持と安寧のために絶対に不可欠なものであることは歴史が明確に教えております。犯罪や火事は嫌いだからといって警察も消防も必要ないという知事はどこにもおりません。警察も消防も社会で立派にその使命を果たしているのであり、生産的、非生産的という物差しではかるべきものではありません。
3、我が国は、日米安全保障条約のおかげで1945年以来今日に至るまで一度たりとも戦争に巻き込まれたことはありません。それは、安保条約が抑止力として大きな役割を果たしてきたからであります。
同時に、安保は我が国の軍事大国化の歯どめにも大きく貢献してきました。
さらにつけ加えたいことは、基地は決して戦争のためではなく、国民全体が希求する平和を維持するためになくてはならない要素であります。それから言えることは、基地に働く人たちが我が国の平和と安全のためにいかに重要な役割を果たしているかを如実に示しております。
したがって、知事が言うように基地は決して戦争に備えるものでもなく、また非生産的なものでもありません。
自衛隊や在沖米軍が訓練するのは、みずから正当と考える権利を他国から不当に侵害されることのないように抑止力としての機能を発揮するために訓練しているのであります。それが健常な国民としての歴史に耐え得る価値判断であります。このことは、警察や消防で働く人々が常日ごろから訓練していることと何ら変わるものではありません。
これら知事発言の根底には、日米安保条約に対する知事の非常識な政治姿勢が災いとして横たわっております。憲法第98条は、国際条約の遵守をうたっております。知事の安保条約に対する発言は、その軍事的側面を取り除いて文化的、経済的な条約、つまり平和友好条約にしたいとみずからの空想的願望のみを語り、現実を無視した言葉の遊びに終始しております。
そして、安保条約そのものについての判断を知事就任以来今日まで意識的に避けており、県民を惑わしているのであります。このことは、明らかに憲法第98条の趣旨に反した政治姿勢であります。
また、知事の権限で安保条約を知事が言うような平和友好条約に変えることは全く不可能なことであります。
以上、これらの知事発言が日本国憲法の第22条職業選択の自由及び第98条国際条約の遵守の趣旨に反しているのは明々白々であります。それと同時に、完全な逆差別発言であることも強く指摘しておきます。
以上のことにかんがみ、知事発言に怒りを持って厳重に抗議するため本案を提出した次第であります。
案文を朗読します。
〔大田知事発言に対する抗議決議朗読〕
以上、御説明申し上げましたが、慎重に御審議の上、議員諸兄の議会人としての健常な良識をもって御賛同賜りますようお願い申し上げまして提案理由の説明を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入ります。
本案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
なお、質疑の回数は2回までといたします。
石川 修君。
〔石川 修君登壇〕
〇石川 修君 私は、本議会の我が党の代表質問の中で、大田知事2期8カ年の実績の中で最大の功績は、だれもがなし得なかった沖縄の基地問題を県民の側に引き立て、動かし始めたことである。このことは、恐らく我が沖縄の県政史上、県民の心に深く刻み込まれることでありましょうということを申し上げました。
皆さん方が今の議案の中身は、基地問題について全く真っ向から対立をしているわけです。大田知事が、本当にこの基地問題を沖縄のすべての問題とかかわりがある。何としても解決をしなければ沖縄の将来に展望がない、こういう理念のもとに頑張っているわけです。
知事は、青年のころ、学生でありながら戦争に参加をさせられました。じかに本当に戦争というものを体で経験をしております。
私もそうでありますけれども、沖縄の地上戦で本当にあれだけやり込められて、そして最終的には意識不明、かんかん照る日の下で意識を失っているところを米軍に救われて軍病院でまず健康を回復したわけです。
その中でいろいろあります。学友がそばで本当に恨みながら死んでいく姿も見ております。そういう中で戦争というものについて大田知事はどういうことを学び取ったか。まさに戦争はむなしいものなんです。悲しい出来事なんです。
我々は戦争を憎みました。しかしあのときの戦争は、我々は参加をいたしましたけれども、本当にどんなにへとへとになっても米軍人1人でも多く殺してから死にたいという一念で戦争をいたしました。
終わってみますと本当にばからしい、何をやってきたのか。戦争というものはわずかの権力者が自分の権力を維持するために行うものなんです。私はそういうふうに思うんです。思うことは勝手なんです。だからそういう戦争に対する憎しみあるいは学友のあの顔を前に、再び沖縄にそういうことをさせちゃいかぬという大きな政治の柱を持っております。
せんだって、ある宗教者に会いました。そのときに私の同期生が名護の名桜大学の学長東江君なんですが、彼は戦争のときに破片で腹部をやられて、そしていよいよもう日にちが経過してウジが出始めておりました。そのときに兄貴がそれを聞いて強引に引っ張っていって軍病院で治療し今は元気になっておりますけれども、その話をこの方とやりましたら、やはり東江さんは沖縄のために死なしてはいけない人だと、何者かが命を救ったんだよというようなことをおっしゃっておりました。
また、重ねて大田知事もまさにそのとおりですねということを言われて、戦争を終えて本当にあの中を歩んできた人たちが、何のために、どういう形で沖縄の政治を進めるべきかと、どういう方向で政治行動をすべきかというのはおのずとこれは悟らざるを得ない。
また、最終的にはいつでも苦しいときにはその学友の顔が目に浮かんでくるというようなことも僕は何遍も同僚からも聞かされましたけれども、そういう思いで沖縄という特殊な沖縄県だからこそこういう言葉が出るものだと、私は思うんです。そういう環境の中で基地を賛美して、平和のために軍隊があるなんていうのは昔の話なんです。
我々もそれを学びました。そして平和のためにということで鬼畜米英をぶっつぶすということで我々も一生懸命やったわけですよ。あげくはそうじゃないんです。むしろ沖縄の県民を守るために、平和を守るために、生産を守るために入ってきたあの我が日本の兵隊たちが、いざ戦争になってあれだけ山の中に追い込められるとどういうことをいたしましたか。戦争が……(「米軍はどうなった、米軍は」と呼ぶ者あり) 米軍は、あんたもわかる範囲内は後で聞かせてください。
だから、そういうものが戦争であるということをいま一つ申し上げるわけです。(「質疑じゃないよ」と呼ぶ者あり)
幾らでもやるよ。(発言する者多し)
〇議長(友寄信助君) 静粛に願います。
〇石川 修君 しばらく静かに聞いてちょうだい。
そこで、提案者の皆さんは知事の答弁、いわゆる「基地というものは」、これが主語なんです。「基地というものは」なんです。「どこから考えてみても戦争と結びつくもので、人間の幸せにじかに結びつく生産の場ではないんです」、私もそう思う。「我々はそういう若い人たちがもっと人間の幸せに結びつく生産の場に仕事がつけるように今、全力を尽くしているところです」、全力を尽くしているわけですよ。「基地は戦争に備えるものなんです、正直言って。だからこそ在沖米軍も自衛隊も訓練をするわけです」、「基地は」なんですよ。だれが全駐労の個々の人たちにそんなことを言っているか。(発言する者多し)
〇議長(友寄信助君) 御静粛に願います。
〇石川 修君 この文章を皆さん方、正常な気持ちで読まないと、偏見して知事選挙の前だからこういうようなことを言いますけれども、私はこのせりふは単にこの場だけでは言っておられません。ほかの講演でもいろいろこういうことを言っておられます。正常な姿のその場では大変な称賛を得ているんです。だから基地というものはそういうものであります。
皆さん方の仲間でもこういうことを言っているんですよ。基地に働いている人たちをどう思うかという皆さん方のところから質問が出ています。知事は、こういうことも言っているんです。基地というものはどこから考えても……、同じようなさっき私が読み上げたような内容を言って…… (発言する者多し)
〇議長(友寄信助君) 静粛に願います。
〇石川 修君 それを決して軽く見ているんではないんです。我々はそういう若い人たちにもっと人間の幸せに結びつく生産の場に仕事がつけるように全力を尽くしていますと。
その後に皆さん方の議員から、しかしながら現にそこにはそういう職場がないんだと。もちろん生産性のあるものがあればいいんです。こういうことも皆さん方も賛同はしている、それにはね。
そういうことをいろいろ言っておりますけれども、しからば……(「質問をしなさい」と呼ぶ者あり) 質問に入りますけれども、その中で憲法22条で保障された職業選択の自由を否定していると、こういう言葉はどこを探しても見当たらないわけですよ。皆さん方が偏見で、知事がどういういいことを言っても、もう真正面から理解をしてくれない。知事はそのことについては繰り返しおっしゃっております。何度も申し上げるように、職業の選択の自由は憲法で保障されている。皆さん、何遍も言っているんですよ。なぜそれをまともに受けないのか、不思議でならない。
さらに、基地関係労働者や国の平和と安全を守るという崇高な使命を担って業務に励んでいる自衛隊関係者への屈辱的な発言であると言っている。
何も基地関係労働者の、あるいは自衛隊個々の人たちにそういうことを言っていることは全くない。「基地は」なんです。「基地は」であって、そこで働く人とは言ってないんですよ、何も。だから皆さん方もそういうふうに見るものだから困るんですよね。
もう少し素直に文章を読んでいただきたい。 (発言する者多し)
〇議長(友寄信助君) 静粛に願います。
簡潔に願います。
〇石川 修君 国の平和と安全を守るという崇高な使命を担っている。
これはもう見方も解釈も勝手でございます。私は、そういう軍隊については本当に経験をいたしました。
〇議長(友寄信助君) 簡潔に願います。
〇石川 修君 必ずしもこれがこの文章にあるとは、どこを探しても見当たらないわけです。
それから、国民はそれぞれの職業を通じて社会の発展に貢献し、幸福を求めるものである。職業でもって差別されることは許されないのは当然である。
当たり前の話なんです、これは。だれが差別いたしましたか。
そういうようなことが出てくるという自体が我々には理解できない。ほかの場所では大いに称賛を得て拍手をいただいているんです。
〇議長(友寄信助君) 簡潔に質問に入ってください。
〇石川 修君 さらに4番目に、在日米軍並びに自衛隊は、我が国の平和と安全を守るため戦争抑止力として存在しているのであり、決して知事の言う戦争準備のために設置、訓練されているものではないというふうに言われておりますが、50年前の戦争は台湾、八重山、宮古とそんなに戦争でやられてないんです。
なぜですか。基地があるから本島に来たわけですよ。しかもこの軍隊、基地というもの、「軍隊は」と書いてありますけれども、沖縄戦で地上戦が行われました。我が国の軍隊は、当時もう戦争は負けたと、早く降参をしようじゃないかということが出てきたわけです。ところが一部の権力者が本土ではまだ準備が整ってない、もっと引き延ばす、そういうことで沖縄の地上戦があれだけ20万の人々が犠牲になるような戦争が起こったわけですよ。これが軍隊である。これにあるんだよ、これに。
それが本当の軍隊の姿と私は思うんです。これについて皆さん方は間違った考えをしているんじゃないかと。何が平和と安全ですか。沖縄の基地は、あの実弾演習の中で砲弾の破片が落ちたり、あるいは観光客を乗せたタクシーに実弾が差し込んだり、皆さん、石川市では宮森小学校にジェット機が墜落をいたしました。あるいは少女暴行事件とか、今の基地内の環境問題とか、県民は本当に人権が守られているような状況にはないんです。これが基地の実態なんです。
そこを私は申し上げて、今申し上げたこの4つのことについて考え方は違うけれども、憲法22条、(「言っている意味がわからぬよ」と呼ぶ者あり)
だからもう一遍言いますよ、よく聞いておいてよ。
憲法22条に保障された職業の選択の自由を否定していると、そういう言葉が探せないんですが、何をもってそのようなことを言っているのか。
それから、基地関係労働者や国の平和と安全を守る崇高な使命を担って業務にいそしんでいる自衛隊関係者へ侮辱的な発言をしていると言っておりますけれども、この文言の中では基地を指しているんであって、個々の人々にそういうような文言は一切見られないわけです。何を指してこれも言っているのか。
それから、国民はそれぞれの職業を通して社会の発展に貢献し、幸福を求めているものである、職業でもって差別されることは許されない、当然であります。それも探せないわけです、我々は。何をもってそういうことを言っているのか。
在日米軍並びに自衛隊は、我が国の平和と安全を守るために戦争抑止力として存在している。決して知事の言う戦争準備のための設置されたもので訓練しているものではないということなんですが、前知事も沖縄県であれだけの事件・事故、軍事演習から派生することで我々はこういう本会議でもいろいろ話しましたけれども、前知事も軍隊は演習をしなければ使いものにならぬと。だから言葉を返せば県民の犠牲は少々あってもいいじゃないかと、させるべきだというように我々には映るわけですよ。
そういうものじゃなくして今言う軍隊の問題は、我々としてはこんなに75%も沖縄にあってあれだけ日ごろから基地から派生する、あるいは軍人・軍属から派生する事件・事故、こういうものがある実態の中で当然知事は、このようなことは当然であり、また正常な場所では大いに称賛をされて拍手を受けているわけです。
きょうのこの抗議決議に対しては真っ向から対決するものであって、なかなか皆さん方に賛同できるものではないということを表明して私の質問、また答弁によりましては再質問いたします。
〇議長(友寄信助君) 西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 石川修議員の質疑にお答えします。
4点質疑したということですが、なかなか聞いておりまして質疑のポイントがつかみかねたんですが、その知事の発言が基地というのが主語になっているという点に集約されようかと思いますが、基地というものは例えば土地や建物だけで基地ということはないわけであります。基地というところにマンパワーがあって働いていてそれらがすべて機能して基地という言葉が出てくるわけです。
職業選択の自由のことも言いましたが、国民はそれぞれの希望に従って自由に職業を選択するわけです。そういう基地という職場で働いている人に対してその職業に対して、人間の幸せに結びつく生産の場ではないというこれほど侮辱的な発言はないわけであります。
ですからこの文章を、こちらは何も政治的に読もうとも思っておりません。知事のこれまでの発言をずっと素直に聞いてきて、基地というのが人間の幸せに結びつく生産の場ではないというこの発言は、政治にかかわる者の最低限度の良識を逸脱していると。あるいは県行政の最高責任者としてこの県議会議場で極めて不適当な発言であると、職業選択の自由を否定した発言であるということを指摘しているわけです。
以上です。
〇石川 修君 答弁漏れ。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午前10時48分休憩
午前10時50分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 基地従業員に対して侮辱的な発言ではないという石川議員の見解ですけれども、例えば石川議員の仕事に対して、あなたの仕事は人間の幸せに結びつく仕事ではないという発言は侮辱的発言と私はとるんです。
例えば、基地というのが人間の幸せに結びつく生産の場ではないという発言はそのままわかりやすく例えて言いますと犯罪を好む人はだれもおりません。火事を好きだという人もだれもおりません。戦争を好きだという人もだれもおりません。だからじゃ犯罪が嫌いだから、火事が嫌いだから警察は要らないとか消防は要らないとかいうことには決してならないわけです。
だから侮辱的発言でないと言うけれども、基地というのが人間の幸せに結びつく生産の場ではないというこれが侮辱的発言でなくて何でありましょうか。
憲法第22条は職業選択の自由を規定しております。国民はそれぞれの自由に従って職場を選ぶわけです。その働いている基地というこの知事の言葉には、働いている人も当然機能として全部含まれてくるわけです。その人たちに対しても、あなたの仕事は人間の幸せに結びつく生産的なものじゃないと、これこそまさに侮辱的発言じゃないですか。
〇議長(友寄信助君) 石川 修君。
〔石川 修君登壇〕
〇石川 修君 御答弁の中で基地という主語というもののとらえ方ですけれども、基地は中で働いている者あるいはいろんなそこにあるものを総合して基地だというふうな見方をしておりますけれども、我々が普通常識で基地というものはそういう解釈はされてないんですよ。
沖縄の今の基地の状態というもの、これは政府の高官であろうと、あるいは国会議員であろうと、どの会派であろうと沖縄に来られて基地というもの、そういう今あんたがおっしゃるような解釈をして帰った人は1人もいないと私は思うんだ、いいですか。
それで沖縄の基地の整理縮小というものは国会でもこれは決議されています。
今言うようなその就職の場と言わんばかりのことを言っているけれども、そうであればそういう解釈に立てばもっと基地を誘致してどんどん従業員をふやせばいいじゃないかというようなことさえ言わんとしているのかなというふうに私は疑うわけですよ。(「質疑だよ」と呼ぶ者あり)
黙っておきなさいよ、こっちに今権利があるんだから。
そういうことでこれはもう見解の相違としか言えないんです、どうしてもかみ合わない。
基地というものは、我々は戦争とつながるものであるとはっきりそういうふうに認識をしておるし、皆さんはそうじゃなくして働く場所、働く人間まで基地というその言葉の中に包含するということであれば、そういうようなことが出てくるだろうというふうに思うわけです。
それから、そういう考え方をもう一度確認をしたいというふうに思いますので、よろしくお答え願います。
それから、基地労働者とかあるいは自衛隊、こういうものについて、今一緒くたにして基地というこの言葉の中に入れてしまうけれども、その根拠が僕にはわからないんでね。あんたのそれは結局見解の相違だというふうに打ち切ればそれでいいわけですが、とにかくその人たち個人個人に対する非難とか、侮辱とかいうことは全く言われてないんで、これはどこで言っているのか、さっきから言うけれどもどこでそういう表現がとれるのか、もう一遍お答え願いたいと思うんです。
それから、憲法22条で保障されている職業の選択、これも何も否定をしていない。知事は保障されていると何遍も繰り返し言っているわけです。それをあえてこのようなことを言うことは実に偏見だというふうに思うんですが、もう一度どこに明記されているのか、わかるように説明を願いたいと思います。
それから、職業で差別されているということになっていますけれども、何も職業で差別をしているというような表現もどこからも探せないわけなんです。そこをもう一度お答え願います。
それから、自衛隊が平和と安全を守るためというふうにとらえておりますけれども、そういうことで基地をとらえるならこれはもう大変ですよ、沖縄は。こういうことで沖縄の基地を認めているということであれば、これはもう大変なことです。交通事故を起こして県民が死亡した、そのことについてもなかなか解決できないこんな世の中がどこにありますか、これ1点だけでも……。
それから事件や事故、さきも申し上げましたけれども、そういう中でも戦争抑止力だからいいじゃないかというようなことでは県民は納得できないわけです。だから今自衛隊とかあるいは在日米軍を称賛しているような言葉になっておりますけれども、その真意、どこにそういったものがあるのか、知事発言の中でこれに反することがどこにあるのか、もう一遍御説明を願います。
以上です。
〇議長(友寄信助君) 西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 石川修議員の質疑の趣旨は基地というものが主語で、その中には働いている人は含まれてないというところにポイントはつきようかと思いますが、このそもそもの6月定例会での答弁は渡久地議員が質問をした中で、基地に働く人たちについて米国に留学した経験のある知事としてどう思うかというところから出てきているわけです。
石川議員は基地というのは土地と建物だけで、そこに働く人は含まれないという解釈かもしれませんが、私どもはこの基地という言葉にはそこに働いている人も当然含まれているんだと。知事は後でいろんなこと言っておられますけれども、見解の相違は基地というものに働く人が含まれているか、含まれていないかというところにあろうかと思いますが、我々は何度読んでも基地というのは土地があり、建物があり、そこで働いている人すべて総合して機能があるんであって、それに対して人間の幸せに結びつく生産の場ではないと。あんたなんかは非生産的な仕事をしているんだというような、これはわかりやすく言えば言われ方ですよ。
ですから、働く人はそれぞれ憲法第22条の職業選択の自由に基づいて職業を選択して一生懸命働いている。それも国家の安全保障というのはすべて人間の幸せに結びつく仕事なんですよ。
〇議長(友寄信助君) 島田 力君。
〔島田 力君登壇〕
〇島田 力君 質疑をいたします。
知事選挙を間近に控えておりますから、フィーバー論議があることはある程度はやむを得ないことでありますが、大田知事の発言の趣旨、真意を繰り返し答弁しているにもかかわらずそれを取り合おうともせず、一方的に決めつけてこの種の抗議決議案が出ることを残念に思います。
といいますのは、知事も答弁の中で言っておりますように基地が主語であって、そこで働いている方々について言及しているわけではありません。
日米安保条約については容認する側、反対する側がそれぞれいます。また日米関係は必要としながらも、日米関係は二国間の軍事同盟ではなく、経済、文化を中心とした平和友好条約に変更すべきだとする意見もあります。そこには当然なことながら意見の違いによって基地に対する認識、見方も違ってきます。
私は、今回の問題は日米安保に対する主張の違いと基地への認識の相違によるものだと思っています。
答弁書も読ませていただきました。知事は真意を求める質問の中で主語を間違えないようにしてくださいと断りながら、基地への土地提供を拒否しているいわゆる反戦地主が戦争につながる基地ではなく、生産の場にしたいと主張していることをアメリカ政府や日本政府に伝えるとともに、基地で働かなくちゃいけないような構造的な仕組みがあることも承知をしながら、それだけに早く雇用を含めた夢と希望の持てる沖縄をつくりたいと答弁をしております。
基地の危険性の指摘はあったものの、どう読んでみても職業選択の自由を否定する発言があったとは受け取れないのであります。
私が冒頭で残念に思いますと言ったのは、基地に対する認識の違いがあるものの、職業の選択を無理やりに結びつけて議会は、またまたためにせんがための論議を相変わらずしていると県民から見られることを危惧するからであります。
私たちが今論議をしなければならないことは雇用をどうするか、産業をどう興すかであります。雇用問題一つをとってみても完全失業率が全国の2倍という状況を常に抱えています。まさしく構造的なものであります。
私は、さきの議会でも沖縄の雇用問題は単なる失業対策では解決できるものではありません、本格的な雇用対策が必要だという旨の発言をいたしました。そのためには依存型の産業構造ではなく、自立型の産業構造に転換すべきであります。
これから詰めなければならない課題が多いとはいえ、幸いにして県は物流の拠点、情報の拠点、技術、文化の交流拠点を目指して国際都市形成構想を打ち出しています。そしてその構想の中には地場産業を中心とする産業振興、さらには新たな産業を興すことが盛り込まれています。その場合土地が必要になってきます。残念ながら沖縄の場合面積的には狭い離島県であります。しかも県土面積が国土面積の0.6%しかないにもかかわらず、日本における米軍施設の約75%が沖縄にあり、県土面積の20%近くがその施設面積として取られています。
そこでお伺いをいたします。
皆さん方は、これだけの基地面積は沖縄の振興を考える上で必要ないと考えておられるかどうか。
2つ目にまた、広大な基地の面積にさわることなくして、それ以外の土地面積で企業誘致のための用地確保は可能と考えておられるのかどうか。
3つ目に、私は地主補償、従業員の雇用保障をしながら計画的に基地を返還し、その跡地を活用することによって産業を興すことが沖縄の経済の活性化、自立化につながり、雇用確保・拡大につながるものとの立場に立つものですが、皆さん方は基地にまさる産業を興すことは不可能と考えておられるのかどうか。
4点目に、日米安保条約を容認する以上、産業振興をする上でその土地の活用が必要だとしても制約を受けることはやむを得ないとするのかどうか。
私は、広大な基地を抱えている沖縄にとって産業振興を考える場合、基地は大きな障害になると考えています。言うなれば国益と県益の違いであります。
そこでお聞きをしますが、5つ目に、このような場合日米安保容認という立場に立って国益と県益が真っ正面からぶつかった場合どちらを優先をするのか。決議案の中で言っている「崇高な使命を担って」いる云々ということに対してそう思っている方々もおるでありましょうから、ましてや今回の場合基地に対する認識の問題ですから、ここでどうこう言うつもりはありません。
ただ、皆さんの基地は攻めるためにあるのではなく、守るためにあるとの主張に百歩譲ったとしても、基地はやはり戦争につながる施設だと私は思うんです。ましてや戦争の大義名分の成り立つ、成り立たないというのは紙一重のところにあります。
近年ではベトナム戦争がそのことを証明しているのではないでしょうか。アメリカは大義名分を振りかざしてベトナムに戦争を仕掛けたけれども、結果的にはアメリカがそれは間違いであったと言わざるを得ないことに追い込まれたことからも明らかであります。
そして私たちは、この沖縄の基地がベトナム戦争の前線基地として使用され、戦闘機が毎日飛び立つ光景を目の当たりにしてきました。
もっとさかのぼれば、あの沖縄戦でスパイ容疑を初め戦力保持、そのための食糧確保等々あらゆる名目でもって住民が日本軍から虐殺されたり、マラリア地帯に追いやられ死に至らしめられたという事実を私たちは知っています。
それだけに多くの県民が軍隊は最終的に住民を守るものではないということ、戦争は御免だ、戦争につながる一切のものは要らないと思っているのであります。
私は、それは至極当然なことだと思っています。そして県民は基地は要らない、ないにこしたことはないと思っています。ないにこしたことはないと思っている方々は、多分に生活の問題がかかっていることからくることだろうと思います。裏を返せばこのあたりの問題が解決されれば基地は要らないということになります。
したがって私たちが主張する基地のない平和な沖縄をつくるという場合、この辺の問題解決も当然に含まれます。
そこでお聞きをいたします、6つ目です。
皆さんも時には基地はできればない方がいいと主張されます。その場合のない方がいいということはどういうことを指すのか、例えば経済問題が絡むのでやむを得ないということなのか、日米安保条約がある以上やむを得ないということなのか。
7点目に、日米安保条約がある以上やむを得ないとするならば、基地の整理縮小を求めることは難しいということになるんではないでしょうか。
8つ目です。皆さんが基地の整理縮小を求める理由は何なのか、お聞かせいただきたい。
大田知事は、日米安保を認める、認めないは別にして国政状況の変化を訴えつつ、面積とそこに雇用される従業員の数も考慮に入れつつ、しかも地主の補償を求めつつ計画的、段階的な基地返還を求めています。
そして返還後の跡地はこのように活用したいとして計画を提示し、その具体化を政府に求めているのであります。
そこでお聞きをします。9点目です。
期限を決めて基地返還を求めるのがいけないということなのか。だとすれば皆さんが主張する基地の整理縮小は政府任せということなのか。あえて言わせていただくならば、皆さん方が推薦する候補者が言うヘリポート陸上案の15年とするその15年の期限の根拠は何なのか。
10点目に、基地が整理縮小された跡地の活用をどのように考えているのか。
この間の議会の論議を聞いておりますと、皆さんは批判するだけでその具体案が見えません。あるとするならば県の計画とどこがどう違うのか、ぜひ示してほしいと思うのであります。
私がこう質問をすると、自由貿易地域における優遇税制措置等々を挙げてこられると思います。私は、それは県政の要求を皆さん方の御努力によって実行あらしめたということで高く評価をいたしております。
私が求めておりますことは、大田県政の計画と我々の計画はここは違い、具体的にこうだということを示してほしいのであります。
以上で質疑を終わりますが、私があえてくどくど質問しましたのは事の本質が矮小化され、あたかも人権問題であり職業選択の自由が否定されたかのような印象を植えつけようとしていることにあると思えたからであります。
事の本質は、基地に対する認識の問題であります。大田知事は、基地は好ましくないとしてとらえ、地主の補償や基地従業員の雇用問題を図りつつ計画的、段階的に基地返還を実現をさせ、その跡地を活用して産業を興し、経済の自立と雇用の場を確保することは、夢と希望の持てる沖縄をつくることにつながることを強調しているものであります。
願わくは、決議案を自主的に取り下げていただけば幸いでありますが、願いどおりにいかないのでありましょうから、提案の皆さん方が知事に求めていますイエスかノーで明快に回答いただきますよう強く求めて発言を終わります。
〇議長(友寄信助君) 西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 島田議員の質疑にお答えします。
我々は、この抗議決議を6月定例会から今般9月定例会にかけてずっと知事に発言撤回を求め、あるいは修正する気はないかという形で追及してきたわけですが、完全に拒否をしたと。
今、島田議員は、選挙に絡めてこういうことをやっているような趣旨の発言をされましたが、そういうことは全くありません。
ただ、県行政の最高責任者として、県知事として、ある仕事についている、職場という意味でとってもいいんですけれども、そのことに対して人間の幸せにじかに結びつく生産の場ではないというこの発言が、果たして県行政の最高責任者としてこの本会議場での発言として適当かどうかと。
知事は、それを撤回しないと言う。私は、県議会の良識としてそれを抗議決議で示すことによって、この人間の幸せに結びつく生産の場ではないという、私は逆差別発言と取っているんですが、島田さんは見解の相違でそういう理解はしてないようですが、県議会の意思として示すことによって知事に反省を求めるという趣旨でやっているわけでございまして、選挙云々の話は全くありませんので御理解していただきたいと思います。
聞いておりますと、やはり「基地」が主語で、そこに働く人は関係ないという言い方、先ほどの石川議員の質疑と似ているかと思うんですけれども、これは素直に読んで基地というのが土地と建物だけあればいいというものではないわけです。そこにマンパワー、働く人もいて基地というのが機能してくるわけで、これを働く人のことは言ってないと、知事は後から強弁されておりますけれども、私たちはそういう理解の仕方をしてないんです。「基地」というものが主語ですよという言い方は知事もやっておりましたが、この主語の中に働く人も含まれていると考えるのが普通の健常な県民の理解の仕方だろうという点を強く指摘しているわけです。
組織というのは土地、建物だけあれば機能するものではありません。そこには必ず働く人がいて基地としての機能が出てくるわけですから、その辺は見解の相違なのかなと。私は何もこじつけてそういう理解の仕方をしようとしてもおりません。むしろこじつけて理解しようとしているのは島田議員の方じゃないかと思われるぐらいであります。
この抗議決議の趣旨は、ぜひ理解してほしいんですけれども、本当に我々提案者が基地の整理縮小に反対していると言わんばかりのことを島田議員はおっしゃっておりますけれども、整理縮小をずっと言い続けてきているのは我々であります。
ですから、基地から派生する事件や事故に対しても、それは起こってほしくないし、その辺のことを絡めて言われてもこの抗議決議の趣旨から反していると思います。だれが基地から派生する事件や事故を歓迎しますか。
この抗議決議の趣旨は、あくまでも県行政の最高責任者としてこの本会議場で、ある職業についている人たち、それは土地、建物を全部含めて、その職場あるいは従業員たちが人間の幸せに結びつく生産の場ではないと、こういうことを県知事の発言として到底許すわけにはいかないという県議会の良識を示したいという趣旨で提案しているわけです。むしろ島田議員も賛同していただきたいと思います。
それ以外の質疑は、私はこの抗議決議案に対する議題外と思っております。
ただ、日米安保条約につきましては、我々は日米安保条約がその抑止力として機能してきたというところをしっかりと把握しています。
〇議長(友寄信助君) 島田 力君。
〔島田 力君登壇〕
〇島田 力君 再質問いたします。
私、冒頭の中にも断りましたように、先ほどから基地の主語をめぐって、土地も施設も人もだと、こういう論議をされているわけですね。まさしくその基地というものに対する認識の問題からきた問題だと私は思っている。
ですから、今、県がつくっている計画を含めてどう見るのかというところからこれはスタートしなきゃならないと思っているんですね。
今、我々が大きく論議をしているのは、まずもって施設面積を問うているわけですね、1つには。ですからそのいろんな土地計画、産業振興計画をする際においてもやはりこれだけ広大にある基地、そこに提供されている土地ということが常に我々の課題であり議題になってくるわけです。
ですから、その沖縄における課題は、その基地はという場合においては、提供されている土地面積、それが大きくなっているわけです。そこの認識の一つの違いによって、あえて逆に言うとその基地の中には施設もあり土地もありマンパワーもありますよというところをこじつけているところに私はそう理解をするんです。
少なくとも今、我々が「基地は」と言ってくる際には、まず基地返還を、整理縮小してください、返してくださいという裏には、これだけ広大な県土面積の約20%、ところによっては違いますけれども、近いところが占められている。そうすると産業政策を興そうとしても、その広大な基地がどうしても邪魔になるといいますか、これを何とかしてくれればもっともっと活力のある沖縄がつくれるがなということについて、私はそれほど見解の違いがあるとは思ってないわけです。
ただ、今回の場合、そこにあえて施設もマンパワーも結びつけて、そこにあたかも侮辱があったような形で結びつけをするときに無理がありはしませんかという立場から私は物を言っている。先ほどいろんなことの論議を皆さん方に質問をしているわけです。それは、当然皆さん提案者と私どもの間にも安保に対する認識の違いはありますよ。そうしますと、その認識の違いによって当然基地を見る見方というのも違いがあると思います。ですからそれをあえて、私はいろいろ求めたんですが、明確な答えはできなかったわけです。
これは質疑をいたします。
私どもが現実問題として沖縄で論議をしているのは、この基地面積を論議をしているということだけは私は押さえる必要があると思うんです。そこをひとつ明確に、私が求めたいのは、我々が「基地は」と言っていく場合においては、それは主に基地の面積を指しているというふうに思いますが、皆さん方の見解を賜りたいと思います。
〇議長(友寄信助君) 西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 島田議員の質疑にお答えします。
面積のことを言われましたが、提案者も含めて基地の整理縮小はずっと主張してきているわけです。だからこそ提案者も普天間という広大な基地を何とかして返還できないかという趣旨で働いているわけです。ですから、その辺はこの抗議決議の趣旨からはちょっとずれているんじゃないかと思います。
提案者があたかも基地の整理縮小を望んでいないかのような発言をされていますが、そういうことは全くありません。
〇島田 力君 休憩。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午前11時23分休憩
午前11時24分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 この抗議決議案の知事発言は、渡久地議員の6月定例会の質問に対する答弁ですけれども、その質問の趣旨は、基地で働いている人たちに対して、米国に留学した経験のある知事としてどう思うかという趣旨の質問から出てきている答弁なんです。
この発言の趣旨で言う基地というものの中には、当然働く人も含まれていると考えるのが普通の読み方だと私は理解しています。
今、島田議員の言われたこの抗議決議案とは別個の広大な基地を整理縮小していこうという意味では提案者は全く同じ立場です。
〇具志孝助君 議長、休憩してください。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午前11時25分休憩
午前11時26分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
嘉陽宗儀君。
〔嘉陽宗儀君登壇〕
〇嘉陽宗儀君 日本共産党県議団を代表して提案者に質疑をします。
特に今回のこの抗議決議を見ると、知事選挙を前にした極めて政治的意図が感じられる内容になっていると思います。
それで、特に提案された以上は、提案が12名の連名で提案されていますけれども、その中身が本当に県勢発展のために必要なものかどうかという意味では、機会ですから論戦の舞台にしたいと、この議会がですね。そういう意味では答弁する方々も、質疑についてはきちっとメモをして、端的にわかりやすく答弁もしてほしいと。特にこの質疑の中身を県民に理解してもらうという立場から質疑を展開します。
まず1番目、この抗議決議の不当性について。
知事の発言は、基地についての政治的立場を明確にしたものであります。政党政治において、あるいは与党、野党という政治構図がある以上、それぞれについて立場の違いがあるのは当然であります。その違いを取り上げて抗議決議を行うなどというのは、みずから議会制民主主義を否定するものだと思いますが、いかがですか。
2、またそれは自分と考え方の違う者を排除する、あるいは認めないという独裁的な発想だと思いますが、いかがでしょうか。
3、それでもあえて抗議決議を行うというのは、知事選挙を前にして大田知事に打撃を与えるという目的だと思いますが、いかがでしょうか。
4、このような党利党略の抗議決議は必ず県民から批判されると思うが、どう認識しますか。
5、選挙目当てであればこのようなこそくな手段をとるのではなく、正々堂々と政策論争をして県民の審判を仰ぐのが筋というものではないでしょうか。
知事発言の内容について。
1、知事発言のどの部分が侮辱的発言に当たるのか、示してもらいたい。
2、それがなぜ侮辱発言になるのか、その理由を明確にしてもらいたい。
3、知事の発言は基地についての考え方を述べたもので、あくまで「基地」が主語である。なのにそれがなぜ自衛隊関係者への侮辱的発言になるのか、どの部分が自衛隊を侮辱しているのか、具体的に指摘してもらいたい。
基地と言う場合に、皆さん方の言い分では特に戦争をするための軍隊、これと一般的にその基地を維持するために必要な事務要員を含めて基地従業員がいますけれども、それをごっちゃにして知事攻撃に利用しているんだというぐあいに思いますけれども、それはどうですか。
それから4番目、「基地」について国語辞典を調べてみました。その辞典には、基地は軍事行動を起こす根拠地、拠点とあります。それから「軍事行動」は、「国家が兵力を以ってする一切の行動」とあります。つまり、「基地」は戦争をする根拠地とうたわれています。
知事の発言も、基地は戦争に結びつくものであると発言しているだけであり、国語辞典にうたわれているとおりのことであります。それが問題だというのであれば、皆さん方は国語辞典の編集者にも抗議すべきではありませんか。それはやりましたか。
5番目、一般的に基地は戦争をするための施設であり、それ以外の目的でつくられているわけではありません。皆さん方の辞典には「基地」についてどのように記述されていますか。
6番目、同じく国語辞典では軍隊について、「一定の組織で編制されている、軍人の集団」とあり、「軍人」は「いくさびと。兵士」とあります。つまり兵隊は戦、戦争をやるものと明記されています。皆さん方は、兵隊は何をするものだと考えているんですか。戦争をするんですか、しないんですか。
7番目、私の友人に海兵隊員がいますが、彼は軍隊は敵をいかに素早く、しかも大量にせん滅することができるかを常に訓練していると話しています。つまり、軍隊は殺しの軍団ということであります。軍隊の訓練は、いかに人助けをするかの訓練ではないというのは常識であります。皆さん方の軍隊は人助けの訓練を常にやっているんですか。
8番目、知事は、自衛隊や米軍に就職するなとは発言していません。それがどうして職業選択の自由を否定したことになるんですか。県民が納得できる説明をしてください。
それから、在日米軍並びに自衛隊は、我が国の平和と安全を守るため戦争抑止力として存在しているということを皆さん方は述べていますけれども、それについて聞きます。
1番目、在日米軍の任務と自衛隊の任務について同列にその存在について述べていますが、これは公式の自民党や皆さん方の統一見解でしょうか。
もしそうであれば、明らかに自衛隊が憲法違反の存在ということになりますが、どうでしょうか。
それから、在日米軍の任務について日本の安全を守るものと言っていますが、どこにそのような任務について述べたのがあるか、示してもらいたい。
それから4、SACOの最終報告で「米軍の前方展開が引き続き共通の安全保障上の目的を追求する不可欠の要素であることに留意した。」、「日本国政府より提供される施設及び区域並びに接受国支援は、これらの目標を達成するために重要である。」と強調されています。ここで言う米軍の前方展開というのは、我が国の安全を守るという意味ですか。
5番目、米軍の前方展開戦略が我が国の平和と安全とは全く無関係のアメリカを守るための前方展開戦略であり、湾岸戦争やアフガニスタンへの爆撃に見られるように他国への侵略と干渉のためのものでしかありません。それをなぜ米軍が我が国の安全を守るなどという美化をするのですか。
それから、米軍が県民を再び戦争に巻き込むおそれのある危険なものであることは明らかであります。在沖米軍は、沖縄を守るものではありません。1957年から配備されている米第3海兵師団が沖縄で核戦争計画を持っていたという機密文書の存在が明らかにされました。嘉手納飛行場、関連核兵器貯蔵施設など最重要防衛地点が集中する島中部から南をいかなる犠牲を払っても守るよう努め、必要なら核兵器を用いると明記されているようです。これが米軍の正体で、旧日本軍が沖縄県民にやった作戦と似ていると言われています。しかも現在もその作戦を持っている危険性があるが、そのことについてどう思いますか。
それから、沖縄駐留の7割は海兵隊ですけれども、平和を守ると言っている海兵隊の任務について説明してください。たしか海兵隊は遠征軍という任務を持っているはずです。
7、9月3日の参議院で防衛庁長官は北朝鮮のミサイル発射問題で、「「座して死を待つというだけでなく、自らを守るための代替手段がない場合は、必要最低限の行動を取り得る」と述べ、日本を攻撃したミサイル基地に反撃しても自衛権の範囲を逸脱しないとの考え」方を示しています。
アメリカがアフガニスタンにミサイル攻撃を行ったときに、そこの政府関係者は自国を守るために米軍基地に先制的にミサイル攻撃を行うという発言をしています。それに伴って沖縄の米軍基地が警戒体制に入っていったことは皆さん方も周知の事実であります。
そうなると沖縄に米軍基地がある限り、いつアメリカの仕掛けた戦争で戦場にされるかわかりません。
元海兵隊員のアレン・ネルソン氏は、米軍基地は常時人殺しの訓練をしているところであり、決して人助けの訓練はない、米軍基地を撤去させることが最も安全であると訴えています。
在日米軍基地の75%が集中している中では、その全面撤去こそが沖縄の将来を平和で豊かにする道であることは明らかです。
防衛庁長官の「日本を攻撃したミサイル基地に反撃しても自衛権の範囲を逸脱しない」との発言は、政府の統一見解を踏まえたものであるようですが、そうなるとこれまで在沖米軍基地はベトナム戦争、湾岸戦争などの出撃基地にされていますから、当然相手側からの反撃のミサイル攻撃を受ける危険性があるということになります。それでも米軍基地が沖縄を守ると主張できるんですか。
8、米軍基地が県民を守るものでないことは、繰り返される米兵による凶悪犯罪を見ただけでも明らかであります。後を絶たない米軍人による事件・事故、犯罪がいかに県民の生命と財産を奪ってきたか、皆さん方はその件について心を痛めないのですか。それでも米軍を美化するのですか。
9番目、アメリカ帝国主義という他国の軍隊が沖縄を踏み荒らし、県民を殺し、辱めていることに対して、多くの県民は民族の怒りに燃ゆる島沖縄を返せと闘ってきました。
それに対して、沖縄を守っているんだと美化しています。米軍に53年以上も我が沖縄が踏みにじられているのに、皆さん方は平気なのですか。民族の誇りはどうなっているんですか。
かつて前知事は、軍隊は演習しなければ役に立たないと発言して民主団体から抗議されましたが、この発言も軍隊は戦争をするものという立場であると思うが、皆さん方の態度はこれと矛盾しないですか。
米軍基地について。
米軍基地は、改めて聞きますけれども、県民にとってなくてはならない存在という認識ですか。
それから、皆さん方の政治姿勢は米軍基地の存在を肯定していますが、皆さん方の将来の政治プログラムには外国の軍隊である米軍をいつまで駐留させることになっているんですか。
沖縄が一切の外国の軍隊のない、平和で豊かな島として発展するということを考えたことはないのでしょうか。
5、政治姿勢について。
自民党や保守の諸君が、大田知事が基地が戦争と直結するものと考えたら抗議するのか、その思想的な根源はどこにあるだろうかといろいろ考えました。その中心は、自民党の階級的本質に原因があると思いました。
我が党の理論誌である「前衛」1968年1月号は、日本の政党特集をしていますが、その中に自民党について詳しく書いています。
自民党は、戦前の保守党の流れを受けて日本進歩党、日本自由党を源流にし、何回かの離合集散と協同党系の吸収を経た後、55年11月、いわゆる保守合同によって成立しています。
1つの源流である日本進歩党は、戦時中の積極的な……(発言する者多し) 決議案を県民にちゃんと理解してもらう上で必要ですから、静かにしてください。
〇議長(友寄信助君) 質疑は絞ってくださいね。
〇嘉陽宗儀君 絞っていますよ。
あの戦争が日・独・伊防共協定によってなされましたし、その中で特にイタリアやドイツでは戦争犯罪人を現在でも徹底して追及している。ところが、我が国はあの戦争犯罪人を徹底して裁くということをしない、追及しない。あの昔の保守の源流が今の政治の主流をなしているということと深い関係があるだろうと思います。
〇議長(友寄信助君) 質疑を絞ってください。
〇嘉陽宗儀君 そういう意味では1、ドイツやイタリアでは現在でも戦争犯罪人の摘発が続いていますが、どう評価しますか。
我が国では戦犯の追放が中途半端に終わっていますが、どう思いますか。
今回……
〇議長(友寄信助君) 質疑の範囲を超えないようにしてください
〇嘉陽宗儀君 超えてないよ。
質疑の範囲でありますけれども、ぜひ今きちっとメモしたものを答弁してもらって、県民にこういう抗議決議が出された以上、なぜ抗議決議が出されているかということについて明らかにするのも議会の役割です。
そういう意味で明解な答弁をお願いして、一たんの質疑を終わります。
〇議長(友寄信助君) 西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 嘉陽議員の質疑にお答えします。
全部メモをとることがちょっとできませんでしたので、足りないところは後で議長に整理してもらって答えたいと思います。
まず、この抗議決議の趣旨を県民の前に明らかにしたいという点もありましたので再度確認をしたいんですが、私どもがこの抗議決議で言わんとしていることは、県知事としてある職業、職場について人間の幸せにじかに結びつく生産の場ではないと、こういう発言をしていることを厳しく県議会の良識として抗議をしたいと言ってやっているわけで、抗議をしようとすることが民主主義の否定になぜなるのか私にはわかりません。
政党、与野党の立場の違いで考え方の違いはありますが、県議会の意思として抗議決議案を出すことが私は民主主義の否定になるとは思っておりません。県民の前になぜこういう抗議決議案が出てきたのかも堂々と明らかにした方がいいと思っております。
人の発言を考え方が違ってそれに抗議することが独裁的じゃないかという指摘もありましたが、これも全く独裁的でもなくて、むしろ考えの違いを表に出すことが民主主義ではないかと考えております。
また、党利党略という指摘もありましたが、全くそういう意図はありません。
6月議会、9月議会、再三再四知事に発言訂正をするなり撤回を求めてきたけれども、完全に見解の違いがわかったと。知事の考えは撤回しないということが明確になったわけですから、我々は県議会の意思としてこの抗議決議を出すことによって与野党両方の見解の違いを県民の前に明らかにして、そして多数決で決をとればいいんじゃないかという趣旨でございまして、党利党略というそういう意図も毛頭ありません。正々堂々と論争しようということは大いに賛成であります。
どの部分が侮辱的なのかと言いますと、先ほど来申し上げているようにある職場、ある組織に対して一生懸命みんなそれぞれの職域で仕事をしているんであって、そういう人たち、そういう組織に対して人間の幸せに結びつく生産の場ではないという発言、それも県行政の最高責任者として本会議場でこういう発言をすることが侮辱発言ではなくて何でありましょうか。
また、基地が主語ということもありましたが、これは先ほど来言っていますように知事の私はある意味ではこの8年間の知事答弁の総決算という位置づけもしておりますが、基地が主語と言っておりますが、基地というものには先ほど来言っておりますように土地、建物、働く人が含まれていると考えるのが自然であります。
6月定例会の知事答弁を見ましても、そういうふうに解釈するのが自然な解釈だろうと思っております。
あと、在日米軍並びに自衛隊が我が国の平和と安全を守る云々がありましたが、それは日米安保条約という国家間で取り決められた条約のもとに在日米軍が今存在しているわけです。
米軍基地の面積が多い少ない、それは提案者だって多いということは認識をしているわけです。ですから整理縮小しようじゃないかと言ってずっと行動をしておりますし、10・21の行動のときにも整理縮小という意味で一致点が見出されて一緒に参加をしてやったわけであります。
日米安保条約のもとで1945年の第2次大戦終了以降、現実に沖縄に戦争がなかったという意味で我が国の平和と安全に寄与しているという解釈、これもごく自然な解釈だろうと認識をしております。
職業選択の自由の否定は、もう先ほど来答えていますように県民はそれぞれの自由意思に基づいて職業を選択する……。
後はちょっと議長の方で整理してから答えたいと思います。
基地というものの国語辞典の定義云々がありましたが、私どもがこの決議案で問題にしている6月定例会答弁集等を読んで、知事の発言の趣旨を素直に理解しようとしているのであります。
国語辞典に対して抗議したかというのはそんなことは全くしていません。
嘉陽議員の認識では、軍隊は戦争するためにというような認識かもしれませんが、私どもは抑止力という意味で認識をしているわけです。
〇嘉陽宗儀君 答弁漏れ。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午前11時46分休憩
午前11時58分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 嘉陽議員の質疑にお答えします。
決議案の文章の中で、「在日米軍並びに自衛隊は、我が国の平和と安全を守るため戦争抑止力として存在している」という文面についての質疑ですが、日米安保条約という国家間の国際条約が現実に存在をしております。その安保条約のもとで1945年から今日に至るまで、我が沖縄県が一度も戦争に巻き込まれた事実はないという意味で抑止力として働いているという認識であります。
あと、自民党の統一見解かというような趣旨の質問もありますが、私は現在無所属でありますので、それは答えないでおきましょう。委員会に提案者が何名か出てきますので、委員会の方でまた詳しく質疑されたらいいかと思います。
海兵隊が沖縄で核戦争計画というような趣旨の質問がありましたが、安全保障というのは私は万が一のことに備えるためのものだと考えております。そういう計画があったとして実際に計画は実施されなかったわけです。実施されなかったということの方が重要でありまして、万が一に備えるということは安全保障を考える上で極めて重要なポイントだと考えております。
以上です。
〇議長(友寄信助君) 嘉陽宗儀君。
〔嘉陽宗儀君登壇〕
〇嘉陽宗儀君 私は冒頭、皆さん方が出した抗議決議文の中身を県民に広くわかってもらうために議会は論戦の場ですから、論戦を繰り広げてどちらの方に利があるかということを明らかにするという目的でやったわけですけれども、それでわざわざ細かく私なりに一生懸命考えて、その決議文のねらい、趣旨がどこにあるかということを浮き彫りにするために質問項目をつくったわけでありますけれども、最初にちゃんとメモもして誠実に答えてもらいたいとお願いもしましたけれども、残念ながらそのお願いが聞き入れられなかったようでありますのでこれ以上は粘りませんけれども、後で総務企画委員会でやりますけれども、ただ、全然観点が違うのは、抑止力と言っていますけれども、在日米軍が抑止力という言葉、沖縄を守る、沖縄の平和のためということを全然言ってない。あくまで米軍の任務は前方展開戦略である。アメリカ本国を守るためによその国で紛争があったらそこへ行ってたたく侵略部隊の基地ということを明確に米軍の文書でも書いてあるわけですよ。SACOの文書でもそういうのがうたわれている。
それから、7割は沖縄の軍隊は海兵隊ですけれども、これも遠征軍でよその国に行って攪乱戦法、いわゆる殴り込み部隊、そういう任務を持っているわけですよね。だから沖縄が平和であったと。そのために守られたんじゃないかと言うけれども、これは戦後50年間、まさに戦争さながらの状況で多くの県民が殺された、多くの婦女子が辱められたと。直接戦場にはならなかったけれども、これこそ米軍による被害じゃないですか。
だから答弁についても、皆さん方はそれについて心を痛めないのかと。外国のアメリカ軍が沖縄にのさばっていることに対して心を一つにして、アメリカはアメリカに帰れとなぜ言えないのか。(「そこに働いている人に何と言うの」と呼ぶ者あり) 働いている人は、なくすれば大いに産業、経済発展できる。これは論争違いの中身。
そういう意味では改めて……(発言する者あり) あなたとやっているんじゃないよ。この議論はあれば大いにまた論争をやっていくけれども、きょうはその論争じゃない。
だからもう再質問しませんけれども、極めてこの抗議決議が政治的意図に満ちたものである。しかも論戦にたえるものでなかったということがはっきりしたと思います。
そういう意味でぜひ撤回してほしいということを申し上げて質疑を終わります。
〇議長(友寄信助君) 西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 抗議決議案を撤回する意思は全くございません。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後0時4分休憩
午後1時17分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
午前に引き続き質疑を行います。
大城秀昭君。
〔大城秀昭君登壇〕
〇大城秀昭君 知事発言に対する抗議決議に対して結の会を代表して質疑を行います。
先ほど来、午前中、与党の質疑者から再三取り下げの要請をしても取り下げの意思はないということが明確になっておりますので、質疑をしたいと思いますが、私の記憶に間違いがなければ、この11年余りこの種の抗議決議が行われた記憶はないんです。
先ほど午前中の島田議員の質疑の中にも冒頭ありましたが、知事を初め執行部の答弁あるいは言葉に対してこの種の抗議をするということは、私は異例のことじゃないかと非常に残念であります。
なぜなら、この件が一つの事例、判例となって今後もこのようなことがどんどん与野党を問わず起こる可能性があるからであります。
言論の府というのは、本会議、委員会審議も含めていろんな形でやりとりはなされてきたのが6月以来の執行部と議員のやりとりだったと思います。
そういう中で抗議決議にまで至ったというのは、これは言論の府としていかがなものかと。私は本会議の抗議決議の事案としてはなじまないと、こう思っております。
そこで、私は急なことでありましたが、夕べ質疑事項をまとめて、提案者にけさお上げしてあります。したがって質疑の内容、これも趣旨も明確であると思いますので、答弁者の皆さんはひとつ明確な答弁をしていただきたい。そうすることがお互い議員を初め多くの県民がはっきりこの問題について理解することができるということで、あえて私は内容まで事前にお渡ししてあります。
今回の議論は、けさほどからあるわけですが、基地に対する概念、これをどうとらえるか。簡単に言うと基地の定義についてはっきりさせない限り論点がどうもぼけてくると、こういう感じがいたします。
私は、基地従業員の心中あるいは現在まで勤めていてもうやめた方々、あるいは現在勤めている方々、私の身内も私事ながら長男、次男、三男とも、1人はライカムの司令部、21年ほどおりました。次男は天願のQMクラブ、これも20年ほどおりました。三男は石川ビーチ。したがって身内3名とも軍作業にいた関係で、そういった方々の心境も身内を通していろいろ聞いてまいりました。
復帰の直前に3名ともやめて転職したわけでありますが、非常に厳しい中で勤務している状況をその都度聞かされて、いまだによく記憶しております。
この中で一番私の記憶に残っているのは、小学校から中学校時代ですが、お酒を飲んで、何とかパーティー何とかパーティーとこうやるわけですが、飲んだときにいわゆる占領意識をむき出しにしてかなり沖縄人従業員につらく当たると、こういうことを聞かされてまいりました。
当然、今お勤めになっている人たちも背に腹はかえられない、そういうことでつらい思いをしながら勤めているだろうと、こういうことは十分推察できます。できますけれども、機会さえあれば転職したい、こういった方々もかなりいるやに聞いております。
そういうことで考えますと、同じような思いをしている方々が大勢いるとすると、私は大田知事が就任以来、常に県民の利益の立場に軸足を置いて県政運営をして全力を挙げて基地の整理縮小、それを具体化したのが基地アクションプログラム、それを有効に利用するのが跡利用計画、さらにはそれを具体化して国際都市形成構想、それをベースにして産業の創出、そして雇用の場の確保、これを一つ一つ8年かけて具体化してきた知事は大田さんだと、せんだっての本会議でも私は強調したわけですが、その証拠に今、着々とその計画が実りつつある、そういう状況であります。
野党の皆さんは、絵にかいたもち論も言っておりますけれども、しかしこのように具体化した知事は大田さんになってからであります。そこだけははっきりと言える事項であります。
次に、島田議員の質疑とも重複する面がありますけれども、あるいは石川議員の質疑とも重複するところがありますけれども、私は幸喜議員の質疑、西銘議員の質疑、それから渡久地議員の前回の6月の質疑ですね、質問に対する答弁、これを3名のものをずっと読み返してみました。
やはりどこを見てもいわゆる基地従業員、基地という職場、こういったことを限定してそれを例えば基地従業員の権利とか、あるいは人格、あるいは憲法第22条に規定するいわゆる職業選択の自由、これを侵害する、もしくは先ほど言った方々を侮辱するようなそういう項目はどこにも見当たらないわけであります。どこにも見当たらない。
したがって、冒頭申し上げたこの基地という、あるいは軍事基地といういわゆる概念、これを整理しないと非常に拡大解釈されているような気がしてならない。場合によっては非常に曲解である、極論であるということが言えます。
そこで質問の1つ、軍事基地の定義について、これは皆さんがよくおっしゃる県民がわかりやすいような、できるだけ詳しく、ここで言う基地あるいは軍事基地、略して基地と言っているわけですが、この概念についてはっきりとここで説明していただきたい。
それから2つ目に、大田知事は、軍事基地は戦争と結びつくものであると、こう答弁の中で言っております。
ところがもしその逆で、基地が戦争に結びつくものではないと、こう皆さんが提出者が否定するならば、既に幾分か出ましたけれども、例の朝鮮動乱、1950年代です。夜明けごろに爆撃機がだーっと何カ月も北爆に向けて、ちょうど今帰仁の真上、伊江島の真上を編隊を組んで出撃していきました。
その後、先ほど出ましたベトナム侵略戦争、この出撃基地となったこの沖縄の基地ですね、そして多くの人を殺りくした、こういった一連の沖縄の基地としての役割は抑止力だけでは説明はつかないと、県民はわからないと思います。じゃ、それをどのように説明するのか、そこをきちっと説明していただきたい。
3つ目に、軍事基地が生産の場であるとするならば、生産の場ではないと知事がおっしゃったのに対して、もし生産の場であるとするならば、基地がどういった場面で、どういった生産が行われているのか、そこのところももしそういうのが現実にあれば説明をしていただきたい。これも県民レベルでだれがもわかるような形で説明をしていただきたい。
次に4番目、知事が、軍事基地は戦争に備えるものであり、軍事演習もしかりであると、こう考えると答弁しておりますが、先ほどからありますように一般論とか常識論とかいろいろ出ましたけれども、私もやはり常識論では基地というのは、後で定義を出していただきますけれども、もちろんいわゆる箱物、普通言っている軍事施設があります。そして兵器もあります。兵員もおります。その他のいろんなことがあるわけですが、全体的にそれを指して基地という概念はあると思うんでけれども、さてここで軍属もおります。そして日本人、日本人は沖縄人を含むわけですが、そういった基地に従事する事務レベルの方、あるいはその他メンテナンスの方、環境整備を含めてですね、こういった方々いろいろおられるわけですが、こういった方々も基地という、あるいは軍事基地という概念の中に含めてどういうふうに整理するのか。
私は、どちらかというと基地というのはやはりいわゆる軍隊と普通一般通常言う軍隊を中心にした方々を言うんであって、事務員とか日本人が入っていって、そこでお手伝いをするようなそういった方々は含まないと。もし含めて考えると、逆にそこに勤めている方々も、じゃ、米軍人と同じように我々は扱われるのかと、逆にですね。場合によっては迷惑千万だと言われる可能性があります。
そういうことで、結局常識とは最も、県民が聞いても一般の人、だれが聞いても基地とは何であるか、戦争に備えるものでないというならば、それを納得いくように説明をしていただきたい。これが4つです。
それから5つ目、一連の知事発言を何度読み返しても、先ほど言ったようにいわゆる身分や権利を侵すような、あるいはそれを侵害するような、あるいは侮辱するような発言は見られないけれども、発言が憲法22条も含めて、条文を含めてどの部分が憲法22条のこの職業選択の自由というのを侵害しているという、それを具体的に説明していただきたい。そうすることによって聞いている県民も傍聴席の皆さんも納得するだろうと思います。
それから6つ目ですが、軍事基地従業員は非戦闘員と位置づけるのか、戦闘員と同じようにとらえるのか。当然非戦闘員だと私は思うんですけれども、戦闘要員であるとするならば大変なことになるだろうと思うんですね。
ところが、一たん有事があって爆撃を受けたり何かすると真っ先に犠牲をこうむるのはこういう方々ですね。そうじゃないですか。
そういうことで非戦闘員というような概念でとらえるのか。もちろんこれはもう一般常識で言うと非戦闘員に間違いありませんが、それをしっかり答弁してください。
それから7つ目に、在日米軍基地は極東アジアへの最前線基地であると言われております。なかんずく在沖米軍基地は万一の、あってはならないことなんですが、万一の有事には最も危険度の高い基地であります。これはだれも否定しないでしょう。島じゅうに基地だらけの沖縄が総攻撃を受けるのは必至であります。
したがって、133万人と言っておきましょう。133万人の県民の命が絶対に守られる、安全が確保できるという保障はどこにもありません。
これは先ほども出ましたが、数度にわたる沖縄が経験した幾多の戦争の中で、駐屯している軍隊が沖縄県民を守れなかったという、これは現実にあったわけでありますから、事実であります。歴史の事実であります。
そういうことからしても、先ほど言った最も危険度が高くて、そして在沖米軍を含めた、自衛隊さんもいらっしゃるけれども、本当に133万沖縄県民の安全と命を財産を守る保障があるのか、これについて提出者の見解をお聞かせ願いたい。
8番目に、先ほど冒頭申し上げたことと重複するわけですが、大田知事の発言、答弁は、私は、現在73歳まで、県知事になられた8年間、これを含めまして、県知事経験も含めましていわゆる学者、研究者時分も含めまして、沖縄戦におけるあの忌まわしい身をもって体験したいわゆる体験及び知事の政治姿勢、政治理念あるいは県知事としての行政のいわゆる信念、平和の思想、こういったもろもろのものから出てくる答弁、発言であって、思いは二度と沖縄で戦争を起こしてはならない、そういう県民の悲願ともいうべき県民の願いと一致する考えであると確信いたします。
したがって、決して基地従業員もしくは関係者を愚弄したり差別したり、あるいは憲法を踏みにじるようなそういう発言ではないと。
したがって今回の決議は、知事の政治理念、平和思想、こういった知事という、大田昌秀という人間の一つの理念、政治理念、平和思想、思想信条は自由であります。そこにまで不当に介入する決議になりはせぬかと。ここのあたりをこの種の決議が今後も繰り返されるとするならば、人間個々が持っているいわゆる固有の政治理念や政治思想、こういった固有の権利である思想信条の自由、知事も憲法で守られて当然でありますから、そこまで踏み込むような決議になりはせぬか、そこのところをきちっと答弁していただきたい。
ひとまずここで終わりますけれども、答弁によって再質疑をいたします。
〇議長(友寄信助君) 西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 大城議員の質疑にお答えします。
第1点、軍事基地の定義についてですが、およそ独立国には国内の社会秩序を平和的に維持するために警察や消防の組織が存在しております。
全く同じように、自国以外からの侵略に備えて、自衛のための軍備を備えているのは当然のことだと考えます。国家の生存権を対外的に平和裏に維持するための組織が軍事基地だと考えます。
第2点、知事は、基地は戦争と結びつくものである、あるいは朝鮮動乱の話等々がありましたが、沖縄には日米安保条約のもとで米軍基地が存在し、我々はその安保条約がしっかりと抑止力として働いたから1945年以来今日に至るまで戦争に巻き込まれなかったという認識をしております。
朝鮮動乱あるいはベトナム等の紛争があったことは事実ですが、沖縄が、我が国が戦争に巻き込まれた事実はないというのも事実であります。
3点目、基地が生産の場云々の発言ですが、これだけ世の中が複雑になってきておりまして、私はそもそも基地というものが生産とか非生産的な場であるというものにはなじまないものだと考えております。
いろんなサービスがある中で基地の従業員もそこから給料をもらい、何らかの消費をしていったり、広い意味で考えてすべてどんな職業をしていたって生産活動につながっているものだというふうに理解をしております。
4点目、常識でわかりやすく説明してくださいということですが、常識で説明するにはやはり警察や消防を事例にとったらとてもわかりやすいんだと私は考えております。
基地は、戦争をしないために抑止力としてまず第一義的に存在をしていると。国家の生存権というのが独立国には認められておりますから、自分の国をよその国から不当な要求等をされない、あるいは侵略をされないために自分の国は自分で守るというのが基地の第一義的な抑止力としての役割だと考えております。
5点、基地従業員の身分、権利を侵す発言は見当たらないということがありますが、例えば那覇労管やコザ労管に県民が就職を希望している人が6000人から7000人いると聞いております。両方で1万余りの人たちが職業を求めていると。これらの県民はすべてみずからの職業選択の自由のもとでそこに履歴書を出して職業を待っていると。
こういう決議をしましたのも、私は、この知事発言が政治にかかわる者の最低限度の良識を超えている発言と認識をしているから我々全部でこういう提案をしているわけでして、この知事発言はどんな職業に対してでも人間の幸せに結びつく生産の場ではないと、こんな発言を政治にかかわる者がするべきではないと考えております。
そういう意味では職業選択の自由に知事自身は気づいてないかもしれませんが、明らかに職業選択の自由を否定しているというふうに考えます。
基地従業員は非戦闘員かという質問ですが、非戦闘要員だと考えます。
7点、沖縄が総攻撃を受けるのは必至であるという指摘ですが、戦後この方53年間、沖縄が総攻撃を受けたことはないというのも事実であります。
知事の政治理念等についての発言がありますが、先ほども申しましたように今回の決議は政治にかかわる者の最低限の良識を超えている発言という強い認識があってあえて6月、9月、何度も訂正、撤回を求めたんですが、完全に拒否をされたと。
そういう意味では、県議会の政治にかかわる者の良識を最後の場として県議会で示す必要があるという意味で提案したわけで、知事の政治思想、平和思想等について云々する気は毛頭ございません。
〇議長(友寄信助君) 大城秀昭君。
〔大城秀昭君登壇〕
〇大城秀昭君 一番最後の知事の思想信条、憲法で保障されている思想信条に踏み込むものではないという答弁でしたけれども、これは十分にその可能性があります。
なぜならば、知事が今回答弁した発言の一つの流れというのは、知事がこれまで、先ほども言ったみずからの体験、みずからの政治あるいは行政の信念に基づいた答弁であって、決して憲法に保障される国民のだれものいわゆる身分やその権利を剥奪するような、あるいはその憲法22条の職業選択の自由を奪うようなそういう発言の内容ではないからであります。
もしそういうことでとるならば、非常に私は飛躍した曲解といいますか、そういうふうにとるならば言えると思うんですけれども、この8年間あるいは議員によっては4年間、知事が本当にこの議場でお互いに答弁しているあの姿勢の中で自衛隊の皆さんといえどもその身分を愚弄するような、あるいはその権利を剥奪するようなそういうふうな発言はあの姿勢からは私はどうしても理解できないわけであります。
したがって一人の政治家ととるならば、その方の政治理念や思想信条の自由までこの決議で縛る可能性は十分あるわけですよ。今後も知事発言についてこういう抗議決議を繰り返すとするならば、これは私は大変なことだとこう思うわけです。
それから1番目に戻りますけれども、基地の定義の中に基地従業員はどういう位置づけかということについては触れておりませんけれども、私は軍事基地という定義の中で軍属の皆さんも含めてですけれども、家族もおりますし子供もおります。いわゆる基地従業員というのはもちろん基地を機能させるためにお手伝いしている、あるいは労役を提供しているそういう働きはあるけれども、一般通常で言う基地という中に、この知事が使った言葉は基地という二文字です。この中に従業員のことまで全部包含して、しかもこの従業員を憲法に保障された職業選択の自由をそれとすぐ直結するのは余りにも飛躍し過ぎるんじゃないかと、こういうことを言っているわけですよ。
ですから基地という定義を明確にするならば、私は従業員がこの中に構成員として本当に一般通常に使う従業員としてこの中に入っていると、こういうことは余りにも極論じゃないですか。
そういうことでここについては明確に従業員も基地の構成員の1人だというならば、それも入れてください。あとは県民の判断に待ちましょう。
それから朝鮮には出撃したこの事実は認めると、あるいはベトナムにも出撃した前線基地であったということも認めると。沖縄は総攻撃を受けておりませんと。
これはお隣の国はいいということでしょうかな。そう受け取れるんじゃないでしょうか。北朝鮮ならばいいと、ベトナムならいいと、これではすばらしい隣国、隣人にはなれませんね。私は事実は事実として認めるべきだと思うんですよ。
それは過去が間違っているなら間違っているで認めるべきだと思うんですよ。その手伝いをお互いはやったことになりませんか、どうですか。
むしろ提出者の皆さんに私はそれを聞きたいですね。ベトナムに出撃した、これは認める、あるいは朝鮮動乱にも行っていっぱいここからB29、B52含めて行って夜な夜な、明け方爆撃した、そういう前線基地を沖縄は抱えていると。そういうことを認めることになりませんか。お手伝いしたことになりませんか、そこを聞きたいんですよ。
だから抑止力論だけでは県民は納得しないですよ。そこのところをもう一度これは答弁していただきたいと思います。
それから4つ目ですけれども、戦争に備えるものではないと、抑止力として十分役立ってきたと。あるいは安保にお互いは守られてきたと。守られてきたという側面もあると思います。思いますけれども、しかし47都道府県の中でなぜお互い沖縄だけがそのマイナスのいわゆる負の遺産を背負わなきゃならないんですか。日本全体のために犠牲になるのもやむなしとするんですか。
そういうことはお互い言論の府であるここでこれは言っちゃいかぬことですよ。
整理縮小のスケジュールは、先ほど申し上げた大田知事が具体的にやっているんじゃないですか。過去にはなかったことですよ、整理縮小。それを具体的にさっき言ったアクションプログラムから跡利用から国際都市形成構想までの一連の構想を具体化したのは大田知事じゃないですか。(発言する者多し)
〇議長(友寄信助君) 発言中です。御静粛に願います。
〇大城秀昭君 それを否定できるということは私は今のところ理論構成できないと思いますよ。
これももう一度答弁ください。
それから非戦闘要員であるということははっきりと答弁いただきました。当然のことであります。
ところが、非戦闘要員ならば基地の構成員の中のやはり基地という言葉で解釈するならば、この非戦闘員である方々は私はすぐこの方々のことにはあの基地という二文字ではいかないと思うんですよ。
ですから、基地の構成要素の中には通勤して働いている方々は入らないと、こういうふうに私は認識しておるんです。
これについても再度答弁してください。
たくさん議論したいけれども、大体このあたりで終わりますけれども、一応今の3点、4点については再度答弁してください。
今、締めくくるに当たって一言感想を申し上げますと、お互い県議会といえどもその他の場面といえども、私は県民同士がこうして議論するのは結構ですけれども、大事なことは大田知事が大田知事でいる間は盛り立てて、どうやって県益を優先させていくか、これをお互いもっと議論しようじゃないですか。
そういうことで先ほど選挙を控えて選挙の匂いがすると言われたら、いやそれは全然違うという答弁があったんであえてくどくど言いませんが、私はこれは県民サイドから見れば見え見えだと思いますよ、見え見えだと思います。
選挙も一つの政策を戦わせて県民の審判を仰ぐわけですから、それはいろいろ政党政治をやっている、あるいは議会政治をやっている以上、認めればいいんじゃないですか、認めていいんじゃないでしょうか。それはそれで結構だと思いますけれども、いずれにしても私は今県民が向かうべきは与野党も議論は結構ですけれども、もうちょっと前向きにやろうじゃないですか。
以上です。
答弁を受けてやりたいと思います。(発言する者多し)
〇議長(友寄信助君) 御静粛に願います。
西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 知事の政治理念にかかわるんじゃないかという指摘がありましたが、私はそういうふうには理解しておりません。
知事の答弁はよく読んでみますと、「それから、アメリカに行った経験を通して、基地に働いている人たちをどう思うかと言いますが、基地というのはどこから考えてみても戦争と結びつくもので、人間の幸せにじかに結びつく生産の場ではないんですよ。」という答弁をしているんですよ。
このどういう職業であれ、どういう職場で働いている人たちであれ、県行政の最高責任者が人間の幸せに結びつかない生産の場という発言が私は政治にかかわる者として断じて許せないと。
ですから、この意味は知事の政治思想云々じゃなくて、基地というのは先ほど定義で申し上げましたが、国家の生存権を対外的に平和に維持するための組織という認識をしていますから、組織という場合は働いている人も当然含まれているという認識であります。
それから基地の整理縮小云々の大城議員の発言がありましたが、基地の整理縮小にはこの提案者もみんな一緒になって取り組んできたのでありまして、大田知事だけの実績を云々するのは見当外れだと思います。
この知事答弁の中に含まれている基地という表現の中には、当然働く人たちが含まれていると考えております。
〇議長(友寄信助君) 以上で通告による質疑は終わりました。
これをもって質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております議員提出議案第1号は、総務企画委員会に付託いたします。
○議長(友寄信助君) 以上をもって本日の日程は終了いたしました。
次会は、明8日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後1時57分散会
前発言
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