平成14年(2002年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 2月26日
商工労働部長(花城順孝)
 

 緊急融資制度の点検についてお答えします。
 緊急融資制度については、県のみならず、政府系金融機関や地銀3行においてもそれぞれ独自の資金を創設し、米国における同時多発テロ発生後、経営の安定に支障を生じている観光関連業者への支援を推進してきたところであります。
 特に、沖縄振興開発金融公庫においては、中小企業者に加え、大企業向けの緊急特別融資制度も創設し融資条件も極めて優遇された支援措置を積極的に推進しており、制度創設後平成13年10月から平成14年1月末までの実績は件数にして218件、融資額は61億3300万円に達しております。同公庫によりますと、融資に当たって個別案件によっては特殊な事情により期間が長引くことがあるが、申込企業の資金需要に的確に対応できるよう審査の迅速化に努めているとのことであります。県としては、なお一層の審査の迅速化が図られるよう申し入れを行いたいと考えております。
 なお、県の制度融資や政府のセーフティーネット保証制度を活用した融資につきましては、中小企業者を取り巻く昨今の厳しい経済状況を踏まえ適宜実績を把握するとともに、弾力的な運用により融資の円滑化が図られるよう金融機関等へ申し入れているところであります。
 次に、ワークシェアリングについての見解及び経営協等3者による話し合いについて一括してお答えをいたします。
 ワークシェアリングについては、沖縄県経営者協会や連合沖縄がそれぞれ検討を始めており、国においても「政労使ワークシェアリング検討会議」を設置し実務者レベルでの検討が進められております。県としては、こうした県内外の動きを踏まえ、本県に適したワークシェアリングのあり方や課題等について重要な検討課題として調査・研究を進めたいと考えており、沖縄県経営者協会及び連合沖縄とも積極的に意見交換等を行ってまいりたいと考えております。
 オランダ型ワークシェアリングについての御質問にお答えします。
 オランダ型ワークシェアリングは、フルタイム労働とパートタイム労働の賃金や社会保障上の差を撤廃し均等待遇の原則に基づく就業形態の多様化を図る「多様就業対応型」と言われ、1982年の政労使によるいわゆる「ワッセナー合意」を契機として推進されました。その結果、当時の12%の失業率が最近では3%以下に大きく改善し、ワークシェアリングの成功事例とされております。
 「ワッセナー合意」の主な内容は、企業は雇用確保に努力し時短を行う、労働組合は賃金抑制に協力する、政府は社会保障負担の軽減や減税を行うこと等であり、これによってオランダの産業の競争力を高め企業投資を活発化させ雇用増を図るというものであります。ワークシェアリングは、その国、その地域の産業構造や労働市場等を踏まえ、かつ労使のコンセンサスを基本として実施されることが重要であり、県としてはこのようなオランダモデルの研究等本県に適したワークシェアリングのあり方や課題等について関係機関と連携して調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
 次に、尖閣諸島周辺油田の調査・研究及び県庁内の対策室の設置について一括してお答えをします。
 本県に賦存する天然ガス、石油等鉱物資源の重要性については十分認識しております。このような観点から、平成11年度には本県における鉱物資源について沖縄群島における石油、天然ガス等に関する調査を実施し、現状の把握、課題の整理等を行いました。また、今後策定される沖縄振興新計画においては、沖縄県の産業振興に寄与する方向で石油資源等の調査及び開発の促進を位置づけるべく調整をしていきたいと考えております。
 ところで、尖閣諸島周辺海域の鉱物資源の開発については、平成12年8月9日、参議院外交防衛委員会における審議の中で外務大臣より、中国との間で境界画定が問題となっている水域における試掘については、諸般の事情を勘案して、鉱業法に基づく鉱業権の取得のための出願があった場合において許可または不許可の処分を留保している旨の答弁がなされております。県としましては、このような国等の動向を見守りながら引き続き情報収集等を行ってまいります。
 以上でございます。

 
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