平成 9年(1997年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第11号 3月26日
第11号  3月26日
 

議 事 の 概 要
平成9年3月26日(水曜日)
午前11時5分開議
日程第1 乙第1号議案から乙第4号議案まで(総務企画委員長報告)
日程第2 乙第11号議案(経済労働委員長報告)
日程第3 乙第6号議案から乙第10号議案まで、乙第17号議案及び乙第18号議案(文教厚生委員長報告)
日程第4 乙第12号議案から乙第16号議案まで及び乙第 19号議案(土木委員長報告)
日程第5 乙第21号議案(総務企画委員長報告)
日程第6 乙第24号議案及び乙第26号議案から乙第28号議案まで(土木委員長報告)
日程第7 乙第29号議案(新石垣空港対策特別委員長報告)
日程第8 甲第1号議案から甲第23号議案まで(予算特別委員長報告)
日程第9 議員提出議案第3号 駐留軍用地特別措置法の改正に反対する決議(米軍基地関係特別委員長報告)
日程第10 沖縄に駐留する米国海兵隊の削減と撤退を求める要講決議
日程第11 在沖米軍基地の整理・縮小を求める要請決議)
日程第12 在沖米軍基地の整理縮小と返還軍用地の跡利用のための特別措置を求める要請決議
日程第13 新たな保険・共済制度の創設に関する意見書
日程第14 沖縄県特別経済区の形成に関する意見書
日程第15 放課後児童対策事業の法制化に関する意見書
日程第16 陳情19件(総務企画委員長報告)
日程第17 陳情平成8年第226号及び陳情第27号(経済労働委員長報告)
日程第18 請願2件及び陳情13件(文教厚生委員長報告)
日程第19 閉会中の継続審査の件
午後6時17分閉会

○議長(友寄信助君) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 昨日、伊波栄徳君外13人から、議員提出議案第7号新たな保険・共済制度の創設に関する意見書、同君外12人から、議員提出議案第8号沖縄県特別経済区の形成に関する意見書及び喜納昌春君外11人から、議員提出議案第9号放課後児童対策事業の法制化に関する意見書の提出がありました。
 その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
○議長(友寄信助君) 日程第1 乙第1号議案から乙第4号議案までを議題といたします。
 各議案に関し、委員長の報告を求めます。
 総務企画委員長。
   〔総務企画委員長 伊波栄徳君登壇〕
○総務企画委員長(伊波栄徳君) ただいま議題となりました乙第1号議案から乙第4号議案までの議案4件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、執行部から総務部長の出席を求め、慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
 乙第1号議案は、隔地払いにより行っている退職手当の支給方法について、その支給事務が煩雑で職員への利便性も悪い状況にあるため、行政事務の簡素合理化を図る観点から口座振替で支払いできるように条例を改正するものである。なお、この条例は公布の日から施行するとの説明がありました。
 本案に対し、退職積立基金の現状と職員の世代階層による将来の需要見通しはどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、平成8年度末現在の基金積み立ては46億8562万6000円であり、現在の基金へ新たな上乗せについては利息分だけ上乗せしている状況にある。また本県の職員構成は50歳以上のウエートが全国的にも高い状況にあり、最も退職者が増大する時期が平成13年と平成19年になるとの答弁がありました。
 その他、今後の退職積立基金額の状況、退職手当支給方法の全国の状況等について質疑がありました。
 次に、乙第2号議案は、現行条例における職員の特別休暇に係る規定のうち、育児時間に関する規定を改正し育児時間の確保を図るものである。
 改正の内容は、現在、生後1年に達しない子を育てる場合、育児時間に関する特別休暇の付与対象は女子職員に限定していたが、男子職員にも付与しようとするものであり、育児時間の付与時間を60分から90分に延長するものである。なお、この条例は平成9年4月1日から施行するものであるとの説明がありました。
 本案に対し、平成8年度の育児休暇取得の実績と、平成9年度から男子職員にも適用されることによる増加はどの程度と予測しているかとの質疑がありました。
 これに対し、平成8年度は11名が制度を活用しているが、これまでの実績から平成9年度から男子職員に適用してもさほど問題はないと予測しているとの答弁がありました。
 その他、男子職員が育児休暇をとる場合の証明の方法、今回の改正と賃金職員とのかかわり等について質疑がありました。
 次に、乙第3号議案は、一般職員及び現業職員ともに同一週を超えて勤務を要しない日の振りかえを行った場合に、正規の勤務時間を超えて勤務した全時間に対して時間外勤務手当を支給できるように改正するものである。なお、この条例は平成9年4月1日から施行するものであるとの説明がありました。
 次に、乙第4号議案は、平成9年から消費税が引き上げられること、また地方消費税が創設されたことに伴い、沖縄県使用料及び手数料条例外17の条例に規定する使用料等の一部について受益者負担の原則から改正を行うものである。なお、この条例は港湾管理条例を除き平成9年4月1日から施行するものであるとの説明がありました。
 本案に対し、今回の使用料及び手数料の改定は消費税の値上げに便乗したような形になっており、これは本来の使用料及び手数料の改定の意味をなさないのではないかとの質疑がありました。
 これに対し、使用料及び手数料の改定は5年ないし6年ごとの改定となると上げ幅が大きくなることから、社会経済の変化や消費者物価の上昇等とあわせながら3年ないし4年ごとに改定しているのが現実であるとの答弁がありました。
 次に、今回の消費税の転嫁に当たって、県民生活を防衛する意味からどのような配慮がなされたかとの質疑がありました。
 これに対し、消費税に係る使用料及び手数料については、これの取り扱いいかんによっては全県民が負担せざるを得なくなる一面と、他方で、弱者へ影響を及ぼさないような配慮が求められている。このため、今回の使用料及び手数料の改定については、弱者への可能な限りの対応策をやりながら受益者負担の原則を基本に置いて対応してい
るとの答弁がありました。
 次に、消費税のアップと行財政改革は切り離せないと考えるが、今回の使用料及び手数料の改定に際し県はどのような行財政改革を行ってきたかとの質疑がありました。
 これに対し、行財政改革実施計画を2月に策定し、これから本格的な行政のスリム化を進めていくこととしている。予算については、不要不急なものは極力節減しながら、奨励的な補助金についても原則的には5年で終了させ、また組織についても見直しを行い、全体として総合性、一体性、効率性を図りながら行財政改革を進めていきたいとの答弁がありました。
 次に、今回の消費税2%値上げで県に入ってくる収入の増額分は幾らになるかとの質疑がありました。
 これに対し、平成9年度の消費税にかかる実質収支見込みは、収入増収が地方消費税純増分として37億2900万円、臨時税収補てん債の発行で34億円で、合計71億2900万円の増収となる。また減収分は、従来の消費贈与税がなくなることで40億9000万円の減、さらに市町村への税源委譲及び個人県民税減収分等を含め総額70億1000万円の減収となる。
 歳入合計では、収入増収71億2900万円から減収70億1000万円を差し引いた残り1億1900万円が増収となるとの答弁がありました。
 その他、消費税値上げに係る市町村の指導、自由貿易地域管理事務所の使用料改定による入居企業への影響、県としての便乗値上げへの対策、離島航路補助への県の持ち出しと交付税措置等の質疑がありました。
 以上が委員会における審査の概要であります。
 審査の結果、乙第1号議案から乙第3号議案までの議案3件は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定されました。
 乙第4号議案については、採決に先立ち、共産党所属委員から本案への反対の意見の表明がありました。

 採決の結果、乙第4号議案は賛成少数により否決されました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 乙第4号議案に対する討論の通告がありますので、発言を許します。
 嘉陽宗儀君。
   〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽宗儀君 私は、日本共産党県議団を代表して乙第4号議案沖縄県使用料及び手数料条例等の一部を改正する条例の議案に反対する討論を行います。
 この議案は、4月1日から予定の消費税5%への増税を沖縄県の使用料及び手数料にも増税するというものであります。我が党は、この消費税の引き上げに関する議案は反対であります。この4号議案以外のその他の消費税引き上げに係る議案についても同様に反対であります。
 我が党は、消費税の3%の導入のときから一貫して反対をしてきました。現在でも増税の中止を求め、さらに消費税を廃止する闘いを全国的に繰り広げています。
 そもそも消費税は収入のない赤ちゃんや子供、お年寄りにもかかる最悪の大衆課税の税金であります。毎日毎日の買い物をするたびごとに取られる所得の低い人ほど重い負担がかかる極めて逆進性の大きい税金です。
 この税率引き上げは、諸物価を急激に押し上げることは明らかであります。政府の試算でも税率の引き上げで物価も1.5%上がると指摘しています。また税率の引き上げは景気の足も引っ張り、個人消費は落ち込み、雇用の悪化にさらに拍車がかかってしまいます。第3の餓死事件が起きるのではないかという声さえ出ています。この増税によってその逆進性はさらに強くなります。
 政府が4月から予定している消費税5%の増税は5兆円になります。また特別減税の廃止分が行われると2兆円の増税になり、国民が負担する税金は実に7兆円もふえます。しかも政府は医療保険の改悪を同時に実施しようとしており、国民の負担増は約2兆円を超えます。これらを合わせると9兆円もの負担増になります。これは国民1人
当たり7万5000円、4人家族で30万円もの負担を新たに負わせることであり、重大な国民生活への攻撃と言わなければなりません。現在でも世論調査によると84%の国民が反対をしています。この消費税の増税は、とりわけ県民生活に重大な打撃になることは明らかであります。
 現在、県民生活は深刻な事態に直面しています。長引く不況の中で中小業者の倒産が相次いでいます。とりわけ大型店舗の進出で既存の商店街の客足が奪われ、店を閉めた空き店舗もふえ続けています。
 沖縄県の経済成長率は89年7.6%であったのが91年には4.9%に落ち込み、さらに94年にはついに1.4%にまで落ち込んでいます。その上失業率が全国平均の2倍以上に達しています。そのうち15歳から24歳までの失業率が全体の43%を占めています。しかもこの数字はあくまで求職運動などをした人たちで、潜在的な失業者の数は入っていません。それからすると失業者の実態はかなりふえることは明らかであります。
 ちなみに、労働力調査によると就業者の数は54万7000人です。産業の振興が進まず、幾ら働きたくても職場がないという深刻な事態が続いています。
 現在、1人当たりの県民所得は211万円で、国民1人当たりの所得は298万円でその所得格差は71.2となっています。また家計調査の結果では、1世帯当たりの消費支出は20万5924円で前年同月に比べて実質5.9%の減少になっています。消費がいかに冷え込んできているかがはっきりします。
 このように県民の生活苦は非常に深刻になっています。サラ金に手を出し、悪質な取り立てに耐え切れず、裁判の調停を申し立てたのが4000件も突破しています。また多重債務で返済のめども立たずに自己破産するというケースもふえ続けています。
 昨年の自己破産は全県的には700件近くに達していますが、私の日本共産党無料相談所だけでも実に111件の裁判所への申し立てをしています。昨年の暮れにはある建設業者が借金取り立てに耐え切れず自殺するという痛ましい事態も出ています。
 現在の県民の生活は、無年金者とその予備軍が29万8000人余もおり、また月の年金額が5万円にも満たない人たちが15万8000人もいます。合計しますと実に45万5000人にも達しています。これらの県民はまさに毎日が生きるための厳しい闘いを余儀なくされているという状況にあります。
 今回の増税は、とりわけ中小業者にとって死活問題にかかわる重大な改悪がなされようとしています。その1つは事業者免税点制度の問題です。これまでは、基準期間の課税売上高が3000万円以下の事業者は納税義務が免除されていましたが、改正では新設法人の設立当初の2年間につい
ては基準期間がなく原則として免税事業者になるが、資本金1000万円以上の新設法人の基準期間のない課税期間については免税点制度を適用しないことになり、ほとんどの事業者が大増税になります。
 2つには、簡易課税制度の基準期間の課税売上高が4億円以下であったものが、2億円に引き下げられることによって多くの業者が課税の対象になり、しかも不動産業、運輸、通信業、サービス業にかかるみなし仕入れ率が50%から60%に引き上げられます。
 3つ目には、限界控除制度が廃止される問題です。
 これまで課税期間の課税売上高が5000万円未満の場合は3000万円として計算していましたが、この制度が廃止されます。そうするとこれまで3000万円を超えていた業者の消費税が30倍以上に増税される例も出てきます。
 さらに4つ目は、仕入れ税額控除の改悪です。
 これまでの仕入れの事実を記載した帳簿に加え、請求書、領収書、納品書、その他の取引の事実を証明する書類(インボイス)のいずれかの保存を税額控除の要件とするインボイス方式を採用することになりました。それによって事務量がふえ、しかも煩雑になり、専属の事務職員がいないと対処できない状況になります。ただでさえ不況なのに新たな職員の採用などできるはずがありません。そうなると廃業せざるを得ない事態が続出するおそれが大きくなっています。まさにこの大増税は中小業者にとって死活問題になっています。
 さらに、マスコミは消費税が4月から5%へ引き上げられるのに伴い、県内でも電力やガス料金が値上げされるのを初め、一部市町村では水道料金への転嫁を決めるなど便乗値上げの実態について明らかにし、そして「家計への負担ずしり」、「相次いで料金値上げ」と報道しています。
 このように全国最低の所得の沖縄県は、最も大増税による圧迫を受け、生活破壊が急速に進むことは明らかです。それだけにこのような悪政から防波堤となって県民の暮らしを守るために革新県政の果たさなければならない責務は極めて重大になっています。あらゆる知恵と方策を出して取り組むべきであります。
 ところが、県の執行部はこのような県民生活を直視し、消費税の引き上げについても十分に配慮すべきであるにもかかわらず、その努力の跡がうかがえません。全国的に見てもこの消費税はやむを得ず増税はするが、それを絞って提案するなどかなりの配慮の跡もうかがえます。
 県内の4月1日から予定されている消費税率5%へのアップに伴う上下水道料金、各証明書などの発行手数料、公共施設使用料の転嫁については、手数料への転嫁について53市町村のうち50市町村は転嫁していません。手数料、施設使用料金については財政負担も少なく、住民負担を軽減するため従来どおり転嫁しない自治体がほとんどであります。
 ところが沖縄県は、使用料・手数料についてそのほとんどを5%増税を提案してきているのです。この態度は、昨年の6月議会での消費税の増税に反対する決議を無視するものであります。さらに各市町村に対して、消費税の引き上げについて円滑に移行できるようお願いしますという通知まで出してその徹底を図ろうとしています。
 我が党は、この消費税の引き上げはまことに遺憾であると表明してきました。そして増税については県民生活の実態からも慎重にすべきだと申し入れてきました。それに対して一般予算の中に低所得者の救済のための施策をとっておりますが、それだけで大増税から県民の命、暮らしが守れるはずはありません。これが消費税引き上げにかかわる議案に反対する一つの理由であります。

 もう一つの理由は、現在でも我が党は増税の中止を求め、全国的に闘いを繰り広げています。さらに多くの団体が増税中止を求めて連日国会に押しかけるなど引き続き大きな運動として発展しています。既に国会には約1200万人もの増税中止を求める陳惰、請願も出されています。
 衆議院では、24日に税制問題等特別委員会が開かれ消費税問題が論議されました。昨年の総選挙で与党を含め60人、全衆議院議員の73%が公約で消費税増税を容認していないことが明らかになっています。
 日本共産党は、本年4月1日からの消費税率5%への引き上げを行わない措置を講ずるべきであると増税中止の措置を求める決議案を提案しています。政治家が公約を守れば国会で増税中止を求める議案が可決される可能性がまだあります。さらに全国的に多くの自治体で増税中止の決議を行うための奮闘を続けています。まさに消費税をめぐって増税勢力と増税中止を求める国民との闘いが現在も激しくも行われているさなかであるだけに、沖縄県の消費税引き上げの関係議案に対して反対の立場を明確にするのは当然であります。
 ところで、自民党などはこの消費税議案に対して与党が反対するのに野党が議案を通すために協力することはできないということでにわかに消費税引き上げに関する議案に反対をしてきています。与党であれば議案を通す責任があり、問題があったにしても賛成すべきであるなどと言ってきています。
 この自民党などの態度は、党利党略で県民から厳しく批判されることになるでしょう。政権与党である自民党が国民の反対を押し切って増税を押しつけておきながら、それに対して我が党が増税反対の態度をとると、県政与党が反対なら自民党も反対するというのは全く筋の通らない話であります。
 また、昨年の6月議会での消費税の増税に反対する決議に対して自民党は、増税を推進する立場からその決議に反対をしておきながら、今度はまともな根拠も示さずに増税に反対というわけですから、全く理解に苦しむところであります。
 政党というのはそもそも共通の原理、政策を持ち、一定の政治理念実現のために政治権力への参与を目的に結ばれた団体のはずです。
 自民党が、与党は執行部から提案されている議案は無条件に賛成すべきだとして我が党のとっている態度を批判し、我が党に政策転換を求めるような言動をしていることは政策集団としての政党の存在価値が問われることになります。
 もともと地方議会の機能、性格は、住民の代表機関であり、審議機関であり、批判監視機関であり、当該団体の内部機関、立法機関であります。したがって議会は政策面では基本政策の提言を行い、また主たる役割を膨大化する執行機関に対する批判監視に置く必要があります。地方自治法は知事を執行機関、議会を議事機関として両者を独立、対等の機関として明確にしています。
 議会は、施策の基本については住民の立場から提言し、住民のために何ができるかを真剣に考え、行政に条例、予算の形に具体化させることが重要な役目であります。議会は決して執行部の議案の承認機関ではありません。したがって執行部からの議案に対するとるべき態度の基本は、あくまでその政党の理念、政策に基づき判断されるべきものであります。政治家も同様にその政治理念に基づき判断すべきであります。また住民への公約に基づいて判断すべきであります。決して与党であるか野党であるかという狭い範囲だけで判断すべきではないと思います。
 議案に対する態度を与党であるか野党であるかということだけで判断するということになると、まさに議会のチェック機関としての機能を失わせ、議会をただ執行部からの議案を承認するだけという機関にしてしまいます。これは議会の自殺行為として批判せざるを得ません。このような事態がまかり通ると執行部は議会の多数派を形成さえすれば住民の声など無視することになりかねず、議会制民主主義もじゅうりんされることになります。県議会の権能を高めるのは各党、各会派、各議員の共通の役割、任務ではないでしょうか。
 我が党は、国民の84%が反対している最悪の大衆課税である消費税の増税の中止とその廃止を目指して引き続き奮闘していく決意を表明して討論を終わります。
○議長(友寄信助君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 休憩いたします。
   午前11時30分休憩
   午前11時31分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
 これより乙第1号議案から乙第4号議案までの採決に入ります。
 議題のうち、まず乙第1号議案から乙第3号議案までの3件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案3件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、乙第1号議案から乙第3号議案までは原案のとおり可決されました。
○議長(友寄信助君) 次に、乙第4号議案を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(友寄信助君) 起立少数であります。
 よって、乙第4号議案は否決されました。
○議長(友寄信助君) 日程第2 乙第11号議案を議題といたします。
 本案に関し、委員長の報告を求めます。
 経済労働委員長。
   〔経済労働委員長 大城秀昭君登壇〕
○経済労働委員長(大城秀昭君) ただいま議題となりました乙第11号議案について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、執行部から関係職員の出席を求め、慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
 本案は、本県の伝統工芸製品のうち織物及び紅型の製造業者は県の検査を義務づけられ、現在9カ所の織染産地の検査所において検査手数料を徴収して検査を実施しているが、現行の手数料は昭和49年以来改正されておらず、その間の経済情勢の変動に即した改正を行う必要があることから、条例の上限を50円から100円に改めるため条例の一部改正をするものであるとの説明がありました。
 本案に関し、伝統工芸品を指定する委員会の構成や委員の資格はどうなっているか、また県内の焼き物は全部伝統工芸品に指定されているかとの質疑がありました。
 これに対し、検査所は織物が8カ所、紅型1カ所の合計9カ所の各産地で検査を行っており、検査委員は10名で、陶器、紅型、漆器、織物の分野からそれぞれ検査要領に基づき工芸品の品位や組成等、地場産業としてよいものかどうかを判定する技術を有した人を選任して委嘱している。伝統工芸品は陶器、紅型、漆器、織物の4種でそれぞれ各産地の製品名を指定しており、陶器は琉球焼となっているが壼屋焼も含まれている。伝統というのは、100年の歴史を持っているのが目安になっております。新しくできた製品である胡差焼等は含まれていないとの答弁がありました。
 次に、沖縄伝統の織物や染物は着実に推進をしながら、新しい近代的なファッションとも結びつけていくという戦略も必要となるが、それに向けて今後の取り組みや支援についてはどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、工芸関係では若い人たちを育成するため新しいデザイン開発のコンテストやふれあい工芸広場においてのファッションショー等を支援するとともに、新製品、新デザイン、新工芸の開発のためのバックアップをしているとの答弁がありました。また観光産業とどう結びつけていくか、現代の創造活動を展開していく上で非常に重要で大事な戦略として産業の中で位置づけていきたいとの答弁がありました。
 次に、沖縄の伝統工芸品をつくるための原材料の確保の状況や助成についてはどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、天然原材料の確保は生産者の高齢化や価格の高騰などで入手が非常に困難になっており、そのため試験研究機関で代替原材料の開発を行っている。国の助成としては、文化財保護法に基づき指定された宮古上布や芭蕉布は後継者を含めて対象になっているとの答弁がありました。

 以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第11号議案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより乙第11号議案を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(友寄信助君) 起立少数であります。
 よって、乙第11号議案は否決されました。
○議長(友寄信助君) 日程第3 乙第6号議案から乙第10号議案まで、乙第17号議案及び乙第18号議案を議題といたします。
 各議案に関し、委員長の報告を求めます。
 文教厚生委員長。
   〔文教厚生委員長 喜納昌春君登壇〕
○文教厚生委員長(喜納昌春君) ただいま議題となりました乙第6号議案、乙第7号議案、乙第8号議案、乙第9号議案、乙第10号議案、乙第17号議案及び乙第18号議案の7件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 委員会におきましては、説明員として執行部から関係部局長の出席を求め、慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明及び審査の概要等について申し上げます。
 乙第6号議案は、高齢者や障害者を初めすべての県民が安全かつ快適で豊かな文化的生活を営むことができる福祉社会を築き上げていくことは極めて重要な課題となっております。
 これまで昭和56年の国際障害者年を契機に、国や県においてはすべての人が自由な移動と社会参加のできる生活環境の整備、特に公共的な施設の整備を中心とするハード面の整備とともに、自立と社会参加を推進するための各種施策が拡充されてきましたが、今後より一層推進していくことが強く求められております。
 本県においては、平成6年に策定した新沖縄県障害者福祉長期行動計画に福祉のまちづくりを位置づける等その推進に努めてきたところであります。
 このような状況にあって高齢者、障害者等を含むすべての県民が個人として尊重され、さまざまな交流や触れ合いの中で生きがいを持って自由に行動し、社会活動に積極的に参加できる地域社会を実現するため福祉のまちづくりを県、市町村、事業者、県民が一体となって継続的に取り組む必要があります。
 このため公共建築物、道路、公園及び交通ターミナル等における物理的な障壁を除去することに加えて、民間の病院、商業施設、宿泊施設、飲食店等多くの人々が利用する施設のなお一層の整備と、県民がともに支え合い日常的に交流し得る地域社会づくりを進めるため、県民の総意として条例を制定しようとするものであるとの説明がありました。
 本案に関し、条例の制定に当たっては県と市町村が連携をして努めなければならないとの規定があるが、市町村とどのように調整されたかとの質疑がありました。
 これに対し、市町村との調整については平成7年に国から市町村の障害者計画策定指針の策定について指導があり、県としても各市町村に同計画の総合的な取り組みをお願いし、各市町村に実態を把握しながら策定するよう進めてきた。現在、33市町村で実態調査が終わり、19市町村が具体的に計画の策定委員会を設置し準備している。また離島とか小さな町村については、きめ細かく対応しながら実態の把握を指導している。その他、条例の検討委員会に市町村代表の方々が2人参加して条例の検討に当たっているとの答弁がありました。
 次に、行政目的を達成するためには強行規定を設けるか、あるいは財政上の支援措置を設ける必要があると思うが、事業を推進するためにどのような財政支援を考えているかとの質疑がありました。
 これに対し、県としては他府県の事例等を参考にしながら施設整備の経費に関する低利の融資、あるいは利子補給事業等融資助成を考えている。また市町村に対する支援策としては福祉のまちづくりに関する啓発活動への補助、計画を策定する場合の捕助、そういうものが考えられているとの答弁がありました。
 次に、福祉のまちづくり条例の制定に当たって、条例検討委員会の構成員はどういった方々が委員になったかとの質疑がありました。
 これに対し、条例検討委員の構成は学識経験者、建築の専門家、経済団体、視覚障害者協会の代表、精神保健関係者、老人クラブの代表、社協の方、市町村の代表、婦人団体、行政側として土木建築部長及び生活福祉部長等総計20名の委員で構成しているとの答弁がありました。
 次に、生活関連施設とはどういう施設か、また施設の整備等の問題で建築基準法との兼ね合いがあると思うが、建築基準法と特別なすり合わせはあったかとの質疑がありました。
 これに対し、生活関連施設とは病院とか劇場、映画館、百貨店、ホテル、老人福祉施設、児童とかの厚生施設、体育館、博物館、飲食店、理髪店、郵便局、保健所、税務署のすべての生活関連施設を指している。建築基準法との兼ね合いは、同法に基づく建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する建築基準は建築基準法施行条例で定めている
が、福祉のまちづくり条例はさらにエレベーター、便所、駐車場等、高齢者、障害者等の利用の利便性を向上させるよう上乗せという感じで設けているとの答弁がありました。
 次に、この条例は公的な施設は免除として外部に対する生活関連施設を規制しようとしているが、県は公共施設等の調査はしているかとの質疑がありました。
 これに対し、公共施設の調整は県立施設も含め4930カ所の施設の調査を実施し、検討委員会の参考資料として活用したとの答弁がありました。
 次に、乙第7号議案は、県立総合精神保健福祉センターの利用に係る手数料の額を適正化するために所要の改正を行うものである。さらに平成元年4月に消費税法の施行に伴う改定がなされていますが、最近の諸物価の上昇や九州各県の状況を勘案し、また消費税法等の一部が改正されたこと等により所要の改正を行うものである。改正の概要については診断書発行手数料1通につき410円を690円に、証明書発行手数料1通につき410円を450円に改める内容となっているとの説明がありました。
 次に、乙第8号議案は、興行場法に基づき興行場の設置場所、構造設備及び衛生上の設置の基準等必要な事項を定めるものであります。手数料の見直しは、平成2年に改正されて以来、現在まで据え置かれたままとなっているとの説明がありました。
 次に、乙第9号議案は、県民の動物愛護の精神の高揚を図るとともに、動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的としたものであります。
 本改正案は、コブラ等の危険な特定動物の飼養変更、許可に係る申請手数料を適正な額に改めるものであります。当該手数料は、平成4年度に改定された以後、現在まで据え置かれており、諸物価の上昇、九州各県の状況等を勘案し適正な額に改正するものであります。改正の概要については飼養許可申請手数料1万3000円を1万5000円に、また飼養変更許可申請手数料9000円を1万1000円に改めるものであるとの説明がありました。
 次に、乙第10号議案は、今回の改正は使用料及び手数料の額の適正化を図るための改正を行うほか、消費税法等の一部が改正されたこと等に伴う所要の改正を行うものであります。
 改正の主な概要は、1点目に、使用料のうち交通事故による診療報酬を健康保険法の点数表に準じて算定されている現行の1.5倍に設定するものであります。これは、交通事故が緊急を要する特殊なものであること及び料金は自賠責保険等から支払われること等を考慮して基準を改定するものであります。
 2点目に、手数料にかかる税率を消費税法等の改正に伴い100分の103を100分の105に改めるほか、字句を適正なものに修正をするものであります。

 3点目に、医療法施行令の改正に伴い、精和病院を除く6つの県立病院の「理学診療科」を「リハビリテーション科」に、県立中部病院の「歯科」を「歯科口腔外科」に変更し、同病院に新たに「心療内科、リウマチ科、アレルギー科」を追加するものであります。
 4点目に、人間ドック料金の上限額を現在の「7万円以内」を「9万円以内」に改定するものであります。これは、人間ドック検査項目の患者ニーズの高まり等にこたえるため内容充実を図るものであります。
 5点目に、平成8年の診療報酬改正に伴い他の医療機関からの紹介を受けず直接来院した患者から特定医療費として初診加算料を新たに設定するものであります。
 6点目に、診断書及び証明書発行手数料の額の適正化を図るため、「3000円以内」を「4000円以内」に改定するものであるとの説明がありました。
 本案に関し、紹介がなく来院した患者に初診加算料制度が新たに設置されることになるが、県立病院での加算料設置について県はどう考えているかとの質疑がありました。
 これに対し、平成8年4月1日から実施された診療報酬改定で、200床以上の病院については患者の選択を前提に初診加算料の支払いを受けることが認められている。このことから、今回条例等に規定することにより他の医療機関から紹介を受けず直接県立病院に来院した初診者から別途特定療養費として規則で定める金額の範囲内1000円を徴収予定している。
 この制度改正のねらいは、外来患者の大病院志向や重複受診、長い待ち時間、短い診療、病状や診療内容について十分な説明が受けられない問題があり、患者の病状にふさわしい医療提供をするため病院と診療所の機能を明確化し、患者の流れを機能に応じた方向に誘導しようとするものである。
 県内の導入状況は、琉大附属病院、国立療養所の沖縄病院、琉球病院が平成8年4月1日から実施され、那覇市立病院が平成9年度実施予定であり、民間病院はしばらく見合わす方向にある。
 これが導入された場合の県立病院への影響については、厳密な予測は難しい面もあるが、来院患者にある程度の減少は当然影響がある。なお、他の医療機関を選択できる余地が少ない県立宮古病院及び県立八重山病院については徴収しない旨の例外規定を設けてあるとの答弁がありました。
 次に、人間ドックの料金が9万円に値上げになるが、新たな検査項目を設けるかとの質疑がありました。
 これに対し、今回の改定は値上げではなく、今まで7万円以内の検査しかしなかったが、視力検査等の検査項目の増の要望があり、それに向けて9万円コースまで幅を広げたとの答弁がありました。
 次に、乙第17号議案は、改正の要点は1点目に、「沖縄県立那覇国際高等学校」の新設に伴う改正でございます。
 同高等学校の設置について、来年4月の開校に向けて諸準備を進める必要があるため条例改正を行うものであります。
 2点目に、住居表示の変更に伴い「沖縄県立美里工業高等学校」、「沖縄県立浦添高等学校」の位置表示を改めるものであるとの説明がありました。
 本案に関し、那覇国際高校は特色を持った学校と聞くが、どのような特色を持っているかとの質疑がありました。
 これに対し、那覇国際高校の特色内容としては、他の普通高校と違いインテリジェントスクールということで高度情報通信機能を備えていること、生徒の出席状況、成績等が清報化し各職員室ですぐ引き出すことができること。
 2番目に、快適な生活空間、太陽光を利用したシステム、全館空調施設を完備していること。
 3番目は、地域に開放された学校ということで、地域の人たちが学校を今よりより弾力的に立ち入りし利用できるようなインテリジェントスクールの性格を持たせてある。
 また国際学科を置き、外国からの帰国子女が日本語になじめない、あるいは日本語の学校になじめないときこの学校に入学し日本語の学習、生活習慣の習得を指導する、また外国に留学希望する生徒に入学してもらって事前の異文化の理解、外国語教育の徹底を行う、その他英語等の外国語の授業をふやし、卒業時には英語が利用できる国際社会に貢献できる人材の育成を目指しているとの答弁がありました。
 次に、那覇国際高校は全館空調設備が完備されるとの計画があるが、ランニングコストの負担はどうなったか、新設の学校に限って先行していくことに問題はないか、また高度情報通信施設は国際都市形成構想との連携があってのことなのかとの質疑がありました。
 これに対し、空調設備については防衛施設庁からの予算で設置する。一般の普通高校の空調整備の設置とは性格が異なる同校はインテリジェントシティーとして天久地区の将来の都市形成と整合性を図りながら、情報化ということを根幹において学校の性格づけをしており、国際都市形成構想が出る10年前から研究を続けているとの答弁がありました。
 次に、那覇国際高校はすぐれた施設を集中しているが、教育の機会均等の面から他の学校とのバランスの問題があると思うが、県はどのように考えているかとの質疑がありました。
 これに対し、情報化の問題については学校独自で開発を進めており、将来にわたっては学校そのものの事務管理、事務の合理化等も考慮に入れながら情報化は各学校全体に行き渡る必要があると思う。ただ、校内LANをつくるにしても何千万円もかかるので、補助制度等を考慮しながら将来的にはすべての学校ができるよう考えているとの答弁がありました。
 乙第18号議案は、条例改正の要点は児童生徒数の増減に伴い、県立高等学校の職員の職員定数を4人減の4533人に、県立盲学校、ろう学校及び養護学校の職員定数を37人増の1403人に、市町村立小学校及び中学校の職員定数を31人増の9547人に、合計として沖縄県学校職員定数を64人増の1万5483人に改めるものであるとの説明がありまし
た。
 本案に関し、学校職員定数については教育現場も変わり、週5日制の問題、40人学級から35人学級への要望問題、児童生徒の増減に伴う定数の問題等いろいろなことが予想されるが、県はどのように考えているかとの質疑がありました。
 これに対し、教員定数については今のところ標準法による文部省の査定及び指導の難しい学校への加配等に関する県独自の教員の配置ということで、学校現場の教育がスムーズにいくよう配慮して定数を算定しているとの答弁がありました。
 次に、教員の臨時職が1351名もいるとのことであるが、定数に則して全員採用すべきではないかとの質疑がありました。
 これに対し、定数全員の配置については産休、育児休業については文部省から予算措置されているが、その他の病休については県の定数の範囲内で対応しなければならない。職員が長期病休等の補充要員については、予算措置が難しいので一部余裕を持って配置しているとの答弁がありました。
 以上、委員会における審査の経過を申し上げましたが、審査の結果、乙第6号議案、乙第17号議案及び乙第18号議案の3件については全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定し、乙第7号議案から乙第10号議案までの4件については少数をもって否決すべきものと決定されました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより乙第6号議案から乙第10号議案まで、乙第17号議案及び乙第18号議案の採決に入ります。
 議題のうち、まず乙第6号議案、乙第17号議案及び乙第18号議案の3件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案3件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、乙第6号議案、乙第17号議案及び乙第18号議案は原案のとおり可決されました。
○議長(友寄信助君) 次に、乙第7号議案から乙第10号議案までの4件を一括して採決いたします。

 ただいまの議案4件に対する委員長の報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案4件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(友寄信助君) 起立少数であります。
 よって、乙第7号議案から乙第10号議案までは否決されました。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午前11時58分休憩
   午後1時30分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
 日程第4 乙第12号議案から乙第16号議案まで及び乙第19号議案を議題といたします。
 各議案に関し、委員長の報告を求めます。
 土木委員長。
   〔土木委員長 上原亀一郎君登壇〕
○土木委員長(上原亀一郎君) ただいま議題となりました乙第12号議案から乙第16号議案まで及び乙第19号議案の6件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、執行部から関係職員の出席を求め、慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
 まず、乙第12号議案沖縄県道路占用料徴収条例の一部を改正する条例は、道路占用料の額の適正化を図るため改正を行うほか、消費税法等の改正に伴う所要の改正を行うものであるとの説明がありました。
 本案に関し、今回の改正によって徴収額はどのようになっているかとの質疑がありました。
 これに対し、道路占用料の改正は料金改正の実情に即した見直しを行うものであるが、その徴収は有線音楽放送等も徴収しており、道路占用料の徴収に当たっては県及び市町村ともに占用実態を踏まえて徴収しているとの答弁がありました。
 次に、乙第13号議案沖縄県屋外広告物条例の一部を改正する条例は、建設省都市局通達による屋外広告物標準条例が平成6年12月に改正されたことから、適正かつ効率的な運用を図るため本県条例についても同標準条例に準じた改正を行うものである。また、昭和62年以降改定されていない許可手数料が他県と比較して低廉となっているため手数料の見直しを行うほか、モノレール事業の本格着工に伴い軌道等の条項追加についても改正を行うものであるとの説明がありました。
 本案に関し、屋外広告物条例が制定され20年余りになるが、依然として横断幕や立て看板などが野ざらし状態にある、そのような中にあって県はどのような指導監督をしているかとの質疑がありました。
 これに対し、違反広告物の取り締まりについてはその改善策を図るため平成7年度と平成8年度に実態調査を行ったところであるが、今後は同実態調査に基づき町及び道路の景観の保持に努めていきたいとの答弁がありました。
 次に、屋外広告物条例第6条の2の6の屋外広告物モデル地区の中で、広告物を設置するものは知事にその旨を届け出することになっているが、同届け出の件数はどれぐらいあるかとの質疑がありました。
 これに対し、屋外広告物のモデル地区の指定は良好な景観を有する地域をモデル地区として指定し、屋外広告物の届け出に対する指導を通して屋外広告物と周囲景観の調和を図ることを目的に今回の条例改正において新設されたものであり、知事への届け出は条例改正後になるとの答弁がありました。
 次に、乙第14号議案沖縄県都市公園条例の一部を改正する条例は、沖縄県総合運動公園の有料公園施設及び県営公園の現行の使用料が昭和63年4月に設定され8年を経過していることから、受益者負担の原則及び公平の確保の観点から見直しを行いその適正化を図るとともに、消費税法等の一部が改正されたことに伴い所要の改正を行うものであるとの説明がありました。
 次に、乙第15号議案沖縄県空港の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例は、空港使用料の普通着陸料を本則の30%に軽減するとともに、久米島空港の運用時間の延長及び重量制限規定の改正、さらに消費税法等の一部改正等に伴う所要の改正を行うものであるとの説明がありました。
 本案に関し、空港使用料の軽減措置の改正によって本県の航空運賃に影響はあるかとの質疑がありました。
 これに対し、空港使用料の軽減は航空運賃の値下げに直接関係するものではないが、その軽減によって航空会社の経営に余裕が生じ航空運賃に反映できるものと思われるとの答弁がありました。
 次に、沖縄県空港の設置及び管理に関する条例第3条第1項の改正は、運用時間の延長となっているが、この改正は夏場だけの適用なのかとの質疑がありました。
 これに対し、今回の改正の対象である久米島空港は、夜間照明施設が整備されたことに伴い夜間も使用が可能となったため運用時間が延長されるものであり、今後は1時間30分延長した通年の運用時間となるとの答弁がありました。
 次に、乙第16号議案沖縄県営住宅の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例は、平成8年5月の公営住宅法の改正を踏まえ、高齢者、障害者等に係る入居者資格の優遇措置、入居者の収入等に応じた家賃制度の導入、県営住宅の社会福祉事業等への活用等を行う必要があることから、所要の改正を行うものであるとの説明がありました。
 本案に関し、本条例第33条第2項の規定に該当する高額所得者は何名で、家賃の徴収状況はどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、条例第33条第2項に規定する高額所得者は平成8年8月現在で80名ほどいるが、制度が新規であるため現在のところ割り増し賃料で対応しているところであるとの答弁がありました。
 次に、今回の改正で単身入居基準が緩和されるとのことだが、その内容はどのようになっているかとの質疑がありました。
 これに対し、単身入居基準の緩和は単身で入居できる者が年齢50歳以上の者と緩和され、また離島及び過疎地域では若年単身者の入居ができるよになったとの答弁がありました。
 次に、乙第19号議案沖縄県企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例は、現在勤務を要しない日に勤務の必要があるため勤務をした場合の振りかえは、原則として同一週内の月曜日から金曜日までの正規の勤務時間に限られていたが、今回同一週を超えて勤務の振りかえにより勤務を要しない日に勤務をした場合には、週40時間の正規の勤務時間を超えて勤務した全時間に対して時間外勤務手当の支給ができるように措置するものであるとの説明がありました。
 以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第12号議案から乙第16号議案まで及び乙第19号議案の6件は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより乙第12号議案から乙第16号議案まで及び乙第19号議案の採決に入ります。
 議題のうち、まず乙第16号議案及び乙第19号議案の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、乙第16号議案及び乙第19号議案は、原案のとおり可決されました。
○議長(友寄信助君) 次に、乙第12号議案から乙第15号議案までの4件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案4件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(友寄信助君) 起立少数であります。
 よって、乙第12号議案から乙第15号議案までは、否決されました。
○議長(友寄信助君) 日程第5 乙第21号議案を議題といたします。
 本案に関し、委員長の報告を求めます。
 総務企画委員長。

   〔総務企画委員長 伊波栄徳君登壇〕
○総務企画委員長(伊波栄徳君) ただいま議題となりました乙第21号議案「当せん金付証票の発売について」について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、執行部から総務部長の出席を求め、慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明の概要について申し上げます。
 乙第21号議案は、平成9年度において当せん金付証票、いわゆる宝くじを発売するに当たり、その発売総額について当せん金付証票法第4条第1項の規定により議会の議決を求めるものである。
平成9年度中に予定している発売総額は108億3400万円以内で、前年度の105億円に比べ3億3400万円、約3.2%の増となっている。なお、発売総額の約40%は収益金として県の行う公共事業、市町村振興事業等の財源に充当されるものであるとの説明がありました。
 以上、委員会における審査の概要を申し上げましたが、審査の結果、乙第21号議案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより乙第21号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、乙第21号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
○議長(友寄信助君) 日程第6 乙第24号議案及び乙第26号議案から乙第28号議案までを議題といたします。
 各議案に関し、委員長の報告を求めます。
 土木委員長。
   〔土木委員長 上原亀一郎君登壇〕
○土木委員長(上原亀一郎君) ただいま議題となりました乙第24号議案、乙第26号議案から乙第28号議案までの議案4件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、執行部から関係職員の出席を求め、慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明の概要等について申し上げます。
 まず、乙第24号議案「流域下水道の建設事業執行に伴う負担金の徴収にっいて」は、中部流域下水道の那覇処理区及び伊佐浜処理区、中城湾流域下水道の具志川処理区について整備拡充を図るとともに、中城湾南部流域下水道の西原処理区の幹線管渠の整備に着手することに伴い、当該事業の建設に要する費用の一部を受益市町村に負担させるものであるとの説明がありました。
 次に、乙第26号議案「公共下水道の幹線管渠等の設置に係る事業の執行に伴う負担金の徴収について」は、座間味村特定環境保全公共下水道の終末処理場等の整備拡充を図るもので、県が過疎市町村にかわって公共下水道の幹線管渠等を設置する経費についてその一部を当該市町村に負担させるものであるとの説明がありました。
 次に、乙第27号議案「中部流域下水道の維持管理に要する負担金の徴収についての議決内容の一部変更について」及び乙第28号議案「中城湾流域下水道の維持管理に要する負担金の徴収についての議決内容の一部変更について」は、平成7年第2回沖縄県議会で議決された議案について、消費税法等の一部改正に伴い平成9年4月1日以降の
負担金の額の算出に当たって乗じる係数を1.03から1.05に変更するものであるとの説明がありました。
 以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第24号議案、乙第26号議案から乙第28号議案までの議案4件は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより乙第24号議案及び乙第26号議案から乙第28号議案までの採決に入ります。
 議題のうち、まず乙第24号議案及び乙第26号議案の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、乙第24号議案及び乙第26号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
○議長(友寄信助君) 次に、乙第27号議案及び乙第28号議案の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(友寄信助君) 起立少数であります。
よって、乙第27号議案及び乙第28号議案は否決されました。
○議長(友寄信助君) 日程第7 乙第29号議案を議題といたします。
 本案に関し、委員長の報告を求めます。
 新石垣空港対策特別委員長。
   〔新石垣空港対策特別委員長 上間 毅君登壇〕
○新石垣空港対策特別委員長(上間 毅君) ただいま議題となりました乙第29号議案「訴えの提起について」について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、執行部から関係職員の出席を求め、慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
 本案は、新石垣空港に係る宮良地区での調査に関し、県またはその受託者が地権者から調査のための立ち入りについて同意を得た土地において調査をする際に、本案の訴えの提起を行った債務者がみずから妨害行為を行ったり、第三者に指示して妨害行為を行わせたりするなど一切の妨害行為をしてはならない旨の判決を求めるものである。宮良地区での調査は平成9年度も継続して実施することにしているが、本案の訴えの提起をしない場合、平成9年2月13日の那覇地方裁判所の調査妨害禁止等仮処分の決定が取り消されること及び訴えの提起の期限が平成9年3月31日となっていることから、今議会に追加提出したものであるとの説明がありました。
 なお、授権事項として本案に係る上訴または和解のほか、他の債務者から同様な申し立てがあり、那覇地方裁判所から本案の訴えの提起を命ずる決定があった場合、本議案と同様の訴えを提起することができる旨の議決を求めるものである。
 本案に関し、今回の訴えの提起は、宮良牧中地区の地域住民の合意形成を十分に得ないで現地調査を実施した結果だと思うが、県はどのように考えているかとの質疑がありました。
 これに対し、宮良牧中地区の住民に対する説明は完全なる了解ではないが、これまで地元説明会、関係団体説明会及び関係地権者説明会を開催してきたところであり、地域住民への合意形成は少なくとも調査をする上において相当な理解を得ているものと認識しているとの答弁がありました。
 次に、訴えの提起の中に授権事項を付しているが、その法的根拠は何かとの質疑がありました。
 これに対し、訴えの提起については、地方自治法96条第1項第12号に基づくものである。御指摘の法的根拠はないが、昭和26年2月24日の行政実例で上訴、取り下げ等を包括的に議決できるとされており、これらの議決も授権事項の一つであるとの答弁がありました。
 次に、平成9年度も調査費を計上しているが現年度の予算執行状況はどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、平成8年度の調査費は気象観測、環境状況調査、測量関係などの経費として2億400万円の予算が計上されているが、そのうち8300万円が繰り越しとなる見込みであるとの答弁がありました。

 次に、新石垣空港の建設予定地は農業振興のため諸事業が実施されているが、その波及効果はどのぐらいかとの質疑がありました。
 これに対し、本県の農業振興を図るためこれまで農林水産省の協力により国営宮良川土地開発事業等を実施してきたところであるが、その経済効果は野菜、花卉及び熱帯果樹等が生産されることによって約60億円が見込まれているとの答弁がありました。
 そのほか、空港建設の調査に関する現状と進捗状況、空港建設予定地の調査に伴う樹木伐採問題、空港建設と赤土対策、2種空港建設等について質疑がありました。
 以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第29号議案は賛成多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、発言を許します。
 伊良皆高吉君。
   〔伊良皆高吉君登壇〕
○伊良皆高吉君 ただいま議題となりました乙第29号議案「訴えの提起について」について、反対の立場からの討論をいたします。
 この問題については、幾つかの視点から県民の皆さん方に知っていただくということが大事だと思っております。
 第1点は、法的な問題、空港をつくるのにどういった法律の手続が必要かという問題、もう1点は地域の皆様方がどのような考えでおられるのかと。特に宮良牧中で空港を建設するということについて反対をしておられる方々がどういったことを理由にしているのかということ。それからもう 1つは行政手法として今知事が行おうとしていることが許されるかどうか、この3つの点から見る必要があると思います。
 まず最初に、これは地元の公民館、それからそこで農業をしておられる地権者の方々、農民の方々からの建白書がございますので、それをまず読み上げて皆さん方に訴えていきたいと思います。
  沖縄県が新石垣空港建設を進めようとしている宮良牧 中案に対する地元石垣市民並びに八重山郡民の真意は、 明らかに反対であります。このことは平成3年2月末、 沖縄県と地元支庁が実施した新石垣空港建設行政連絡会 議における住民意思の集約及び沖縄県が実施した新石垣 空港建設位置検討委員会の答申において示されたよう  に、宮良牧中案は住民の間ではほとんど顧みられなかっ たことがまず第1の理由。加えて平成3年3月、いち早 く宮良川土地改良区が満場一致をもって国営宮良川土地 改良事業地域内での新石垣空港建設に反対する決議をし たほか、石垣市農業委員会、石垣市議会、八重山広域圏 事務事業組合において、宮良牧中案反対決議が繰り返さ れて今日に至っている経緯に照らしても明らかでありま す。我々地元住民は、せっかくの土地改良事業によって 国費を投じて整備した宮良牧中の広大な優良農地は末代 のために絶対につぶしてはならないこと、また空港の生
 命ともいうべき安全性、騒音公害等の面からも宮良牧中 は最も劣悪であることなどの理由をもって断固宮良牧中 案に反対してきたところであります。我々は、宮良牧中 案予定地内の農家のために代替地を与えて救済すればよ いという利己的な狭い発想から出たものではなく、あく
 までも21世紀の食糧危機に対処して、また子々孫々のた めに我々は何をすべきかを熟慮した末の決断でありま  す。沖縄県が言うように自然保護も重視すべきでありま す。しかし同時に、いやそれ以上にそこに住む住民の暮 らしこそ大事であります。したがって空港建設という新 しい開発が求められるとき、我々は自然保護との調和あ る開発を求めるべきであります。そしてそのためにこそ 行政は勇断を振るうべきであります。国際自然保護団体 の圧力を恐れ、安易に地元住民を説得しようとすること は余りにも短絡的であり、住民の生活に責任を負う行政 のとるべき道ではないと確信するからであります。よっ て県は、宮良牧中案を速やかに自紙撤回し、即刻宮良牧 中の調査を中止し、新石垣空港の早期建設に向けて対処 されるよう強く求めるものであります。
 これは平成8年の12月9日に出されたものでありますけれども、この状態は今も全く変わっておりません。
 それでは、なぜ地元の方々がこういうふうな形で絶対反対だという根拠を明確にしているかといいますと、これはまた地元農家から出された平成2年5月8日、大田知事が誕生する前のものであります。これは、一日も早く飛行場をつくってくださいということであります。
 その中身を、ちょっと時間がそんなにありませんのでところどころを読みますが、これを要約しますと、実はアオサンゴの群落や周辺海域の保護ということから早期着工がおくれそうだということで、結局年度内着工をしていただきたい、こういうふうな要請書なんです。年度内着工を求められるぐらい平成2年においては事態が進行していたという一つのあかしであります。
 その中には、周辺集落であります大里部落、星野部落、伊野田の3地区の理解も得られるなど行政当局に対してむしろこちらで空港をつくってくださいと、周辺の集落からは空港誘致の要請も含めた中身であります。
 したがって、県はこういった経緯からすれば、地元が来てほしいというところにつくって上げるのが行政の常識であろうかと、一般的に言えば。逆に、地元では命にかえても守り通すと、ブルドーザーの下敷きになっても守り通すと言っているところにごり押しするというのはいかがなものか、こういうふうな行政がまかり通ったら、それこそ
住民は命が幾つあっても足りぬと、こういうふうに思います。
 さて、地権者の意思につきましては先ほども申し述べましたが、今これを我々が判断するときに航空法の法的前提をまず考えなきゃならないと思うんです。航空法の中では第3種空港をつくるときは地権者の同意が得られること、この空港を、施設を建設しようとする土地の権利を有するか、あるいはこの使用権を有することができるという確約が取られなければ空港はつくれないというふうな規定がはっきりございます。
 それから言いますと、今、地権者で21名、どんなことがあっても空港をつくらせないといって頑張っています。
 そのことはまた後ほど触れることにいたしますが、無断で反対地権者の土地に入って伐採をしたり、いろんな測量を始めたという、こういった問題につながってくるわけなんでありますが、こういうふうな法的な前提条件がある。どんなことがあってもこれは解決できない、クリアできない。それを県は、何とか農業をしたいという人には土地を交換して上げたいとか何とかというふうなことをしようとしていますけれども、これをどれを選ぶか、農業をやるためにこの土地を代替地でいいというのか、それとも現在自分が親の代から引き継いだ、そして子供に引き継ごうとする、こういうふうな土地を大事にしていくのかという、ど
ちらを選ぶかは農民に任された、住民に任された権利であります。憲法上の権利であります。
 それをどういった理由で、あるいはどんな権限で、時間さえかければ何とかなるだろうと思っているのか、あるいは知事という権力でできると思っているのか、県という行政権力の力でできると思っているのか、大変大きな間違いがあることを指摘いたします。
 それから、そのことについては農水省、それから運輸省の見解も非常に厳しいです。農水省の場合は、県がほかに土地がないということで宮良牧中ということを指定するならばいざ知らず、ほかに場所があるじゃないかと、何もこの土地改良で877億円という本当に膨大な巨費を投じて、国費を投じて20年余りもかけて仕上げた土地改良地域をわざわざつぶす必要はないじゃないかと。農政の整合性を欠く、日本の農業は一体どうなっているのかと言われたときに返す言葉がないと、こういうふうな遺憾の意を表明しているんです。したがいまして農水省は、ほかにも土地があるじゃないかということがはっきりわかっている以上、こ

れは首をなかなか縦に振ることはない。
 もう1点、地元の地権者も含めて住民が100%それでいいというならば考える余地はあるようでありますが、先ほども申し上げましたように多くの住民が地元で本当に調査隊の前に、調査機材、車や大きなクレーンですか、そういったものの前に座り込んで、体にチェーンを巻きつけて闘争している姿はテレビでも皆さん方御案内のとおりであります。
 こういった状態の中で農水省が、この土地で空港をつくってもいいというふうに許可するわけはございません。
 それから運輸省の見解でありますが、先ほど申し上げました、航空法の規定によって1人でも地権者が反対しておればできませんよというこの規定に基づいて、地元の住民の合意が得られたときに、そして地権者の同意が得られたときにこの場所については持ってこいというふうなことで現時点ではまことに遺憾だということで難色を示しております。
 それから、このことについては、私は何で大田知事がこういうところに、宮良牧中というところに空港を移しただろうか、大変これはもう大田県政の失態、これはもう歴史に残る大きな失態だと思います。あるいは沖縄県の政治のこれは一ページを汚したと言っても私は過言ではないと思います。
 先日3月18日から3月24日までの間になりますが、「週刊現代」、その中で「財政赤字大国日本」、日本の実情ということで何力所かの税金のむだ遣いをしたというところ、写真入りであります。その一番最初に宮良牧中のあれが載っています。農水省がやったものが877億円、それをつぶして今度はまた運輸省が387億円の巨費を投じてそこに空港をつくるという、こういうふうなむだ遣い、つじつまの合わないことでいいのかと、日本の農業はどうなっているんだと、日本の財政運営はどうなっているのかという指摘がありました。全国的な話題になってくると思います。
 ほかの人ならいざ知らず、基地問題でそれだけ輝いている大田知事のことですから、全国に響き渡るのも、伝わるのも早いと思いますよ。基地問題でそういうふうに頑張っているという姿を見せながら、裏でこんなことをしていたのかというふうなことになるだろうと思います。そういった意味でもまことに沖縄県の政治の歴史の上で、行政の歴史の上で非常に私は汚点になったなと思っています。これをそのまま汚点として残すか改めるかという、私は大田知事にも大変決断を迫られるときが来ると思っております。
 それからまたもう1点大事なことは、これまで保守、革新という闘いでこの空港問題を取り扱ったことは一度もありませんでした。選挙の場合においてもどんな場合においても空港問題については保守、革新を乗り越えて、みんな一緒になってやってきたんです。
 石垣から沖縄本島に、あるいは本土の政府の方に直接空港をつくってくださいと、つくってほしいという訴えをしたのはもう200回に及ぶんです。陳情、要請を含めて今つくってください、つくってくださいと必要性を訴えたのが200回に及ぶ、陳情からみんな含めていきますと。各団体の陳情、議会の要請等を含めましたらこれだけの活動をし
てきて新石垣空港が必要だというところまで我々はきたんです。保守、革新関係なくまさに住民一体となってやってきたものが、大田知事になって空港の場所をどうするかで2つに割られたことが、今ではほかから見れば新石垣空港は必要か、必要でないかという大変変な論理にすり変えられてしまっている。
 今、県内のあちらこちらでは、こんなにややこしいなら新空港をつくるな、八重山の人は要らないだろうと、こういうふうなことさえ県民の間からは聞こえるんです。ほかの県に行けば、石垣空港はこんなにややこしいならつくらないで、要らなくてもいいんじゃないのと、こういうふうな形で見られるようになりました。
 我々からして見ますと、このように保守、革新関係なく、本当に10年余りも頑張って新空港が大丈夫だ、よし、ひょっとすると年度内には着工できるぞ、ぜひ着工してもらいたいというところまで進められてきたことが、大田知事という革新県政という県政の誕生によって、まさに一夜にしてこれが悪夢のように化してしまったと、そう言われても仕方がない、私どもは今、本当に今まで積み上げてきた先輩たちの努力、あるいは住民の熱意を保守、革新関係ない形でどうしても立派につくっていただきたいと思っているんです。今、宮良牧中については完全にイデオロギー闘争、政争の具に変えられてしまった。その現実をまた許すわけにもいかないんです。
 それから私は今回、この訴えの提起は直接調査に対してのものでありますが、先ほど赤字大国日本、財政のむだ遣い、税金のむだ遣いということを指摘いたしましたが、ここにもまたそのことを申し上げなければなりません。
 今、訴えの理由になっております、根拠になっておりますのは、先日の裁判の判決の結果であります。この判決の結果によりますと、県が訴えた地元の反対住民たちは、なるほど先ほど委員長の報告にありましたとおり調査の妨害をしてはならない形になっております。そのようになっています。
 しかし、ここで問題にすべきことはこういうことなんです。2カ所だけ引っ張り出して報告したいんですが、「しかしながら本調査は……」、いいですか、いろいろありますけれども、本調査は、新石垣空港の候補地の客観的資料を取得するためのものであり、本件各土地上に、おのおのの何十筆とある土地の上に空港を建設するというものではないからと、こういうふうなことでの前提条件がついている。
 もう1点またここにあるんです。「本調査の目的は、前記したように新石垣空港の候補地の客観的資料を取得するためのことにあることが認められ、沖縄県石垣市宮良地区に新石垣空港を建設するというものではないから」となっているんです。空港はつくるということでないから、調査だけだからいいんだということになっているんです。皆さん、調査だけのために2億400万ですか、今回は。平成8年度の予算はそうでした。
 このようにお金を使って、また引き続きこれからどれだけ調査費が計上されてくるか。平成9年度に対しては繰り越したわけですけれども、また10年度出されるのかどうなのか。
 いずれにしましても現実に2億1700万でした、最初は。現時点で2億400方、これだけのむだ遣いということは許せるものではない。予算の執行、調査の目的は建設が目的でなければならないはずです。調査をして建設をすると言えない、建設をすると言えば先ほど調査に同意したという地権者も大方反対いたします。それが地元の実情なんで
す。
 じゃ、地元の方々はなぜ調査なら許すかといいますと、調査をさせたことによって県もこぶしをおろすことができるだろう、そしてしかるべきところに早く場所を移してもらいたい、そうすることが新石垣空港の早期建設につながるからやむを得ない、調査だけなら歩み寄ろうと、これが地元の意思であります。
 そういうことがあるから県としましても建設をするとは表に出せない。したがってこの判決文の中身も、許可されたのはあくまでも建設は前提じゃありません、調査だけでありますと。調査だけに金を費やすということは、沖縄県のこの厳しい財政の中では許されることじゃない。
 それから最後になりますが、今、地権者の皆様がそこで農業を続けていきたい、そこで生活をしたいというものを何者も、どんな力をもってしてでもこれをだめだとか、私の目的のためにはあなたは生き方を変えなさい、生活を変えなさいというふうな、こういうふうな権限はだれにもないはずなんであります。それを今、大田さんがやろうとしている、革新県政がやろうとしている。
 それを思いますと、私は新石垣空港についてのこの訴えの提起というのは住民を訴えて行政をするという手法が許されるならば、まさにこれは独裁です。もはや民主主義じゃありません。住民を裁判に訴えて進めなけりゃならぬということに至ったこと自体が既に行政の誤りである。誤っていたということをむしろ反省をしていただいて、即刻これを撤回していただきたいことを希望いたしまして反対討論を終わります。

○議長(友寄信助君) 以上で通告による討論は
終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより乙第29号議案を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(友寄信助君) 起立多数であります。
 よって、乙第29号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
○議長(友寄信助君) 日程第8 甲第1号議案から甲第23号議案までを議題といたします。
 各議案に関し、委員長の報告を求めます。
 予算特別委員長。
   〔予算特別委員長 具志孝助君登壇〕
○予算特別委員長(具志孝助君) ただいま議題となりました甲第1号議案から甲第23号議案までの23件について、一括して予算特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、説明員として関係部局長の出席を求め、慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における質疑の概要について申し上げます。
 まず、本年は「行財政改革元年」ということであるが、具体的な事務・事業の見直しはどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、本県においては本年を行財政改革元年と位置づけ、使用料・手数料等の見直しについて24件の額の改定を考えており、その改定は平成8年から平成10年までの3年間で1億5329万6000円の増収を見込んでいる。また補助金の見直しとして1つの事業を5年周期で見直すととも
に、事業開始5年を経過した奨励的補助金174件、金額にして23億7130万7000円について見直しを行うこととしている。さらに権限の委譲については、市町村合併への支援と市町村への適切かつ円滑な権限委譲を図るための権限委譲推進協議会を設置して内容の充実を図っていく考えであるとの答弁がありました。
 次に、平成9年度の予算編成の過程において消費税の転嫁及びアップすることについて県内部でどのような議論がなされてきたかとの質疑がありました。
 これに対し、県の姿勢としては所得に対する逆進性の問題があるということで基本的には消費税の引き上げには反対の立場をとってきたが、この問題は受益者負担の原則を踏まえ行政の立場としては現実的な対応をすべくやむを得ず消費税の転嫁を行ったものであるとの答弁がありました。
 次に、駐留軍用地特別措置法の一部改正と土地収用に係る特別立法の相違について質疑がありました。
 これに対し、この両者とも5月15日以降に使用期限が切れる約3000件の土地の使用許可を得るための法的手段である。特措法の一部改正が同法自体の改正によって使用権原を得るのに対して、特別立法は同法とは別の特別法を制定することによって同法の内容を変更して使用権原を得るという法形式の違いがあると認識しているとの答弁がありました。
 次に、第3次沖縄振興開発計画の後期に向けた具体的な事業計画はどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、平成9年度からスタートする第3次沖縄振興開発計画の後期については、昨年9月に策定した「沖縄振興開発の課題と展望」に基づき、現在、新規、継続等を想定した事業計画及び主要事業の推進計画の策定作業を進めているところである。なお、同計画は4月ないし5月までには策定したいと考えているとの答弁がありました。
 次に、国際都市形成構想は、沖縄振興開発特別措置法においてその位置づけはどう理解すればよいか、また計画の実施期間の範囲はどのようになっているかとの質疑がありました。
 これに対し、国際都市形成構想は、沖縄振興開発特別措置法そのものの中には明記されていないが、3次振計の中に中南部地域を国際都市として形成するとうたわれている。計画の実施期間については、3次振計が平成4年度から10年間の計画に対し、同構想はおおむね20年後を目安にしており、その範囲は3次振計を超えるものであるとの答弁がありました。
 次に、SACOの最終報告で那覇軍港の移設と普天間飛行場の移設が決定されたが、両施設とも返還作業が進展せず返還めどが立ってない状況にあるが、同基地の移設が固定化された場合、国際都市形成構想はどうなるのかとの質疑がありました。
 これに対し、国際都市形成構想を策定していく中で米軍基地は今後の基地整備を進める上で大変重要な位置を示している。このような中にあって国際都市形成構想は普天間基地だけでなく、本県全域の開発整備やプロジェクト等を位置づけているので、最終的には全体が一体として機能が推進できるようにしたいとの答弁がありました。
 次に、県は福祉施策を展開するため総合福祉計画を策定されるとのことであるが、その計画の内容はどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、沖縄県の総合福祉計画の内容については、21世紀の初頭を展望して沖縄県の社会福祉の方向性を示すものとしてだれでも自立と参加・共生を基本に連動して、その目標は県民一人一人が支え育てる安らぎのある福祉社会ということで設定しているとの答弁がありました。
 次に、本県53市町村の国民健康保険税は全国と比べて収納率と一般会計から国保会計への繰り出し状況等が悪いが、県はどのように対処しているかとの質疑がありました。
 これに対し、本県の国民健康保険税収入は、収納率にして平成7年度末で全国平均の93.2%に対し、本県は90%で全国最下位となっている。また一般会計から国保会計への繰り出しは全市町村で行われているが、その金額は121億6900万円となっている。県としては国保税の収納率の向上を図るため、特別対策事業の導入を初め各市町村の指導、
マスコミ報道、管理職を先頭に全庁体制で納付督励国保事業安定化月間を設けるとともに、全県的に広報啓発に努めているとの答弁がありました。
次に、鳥島射爆撃場における劣化ウラン弾の問題については、米軍側が調査をした結果、問題はないとのことだが、県民への影響が懸念される、県は環境影響調査及び久米島の地域住民の健康診断をやるべきではないかとの質疑がありました。
 これに対し、県は鳥島射爆撃場の劣化ウラン弾の問題の究明を図るため、現在県及び国等で構成する環境評価委員会において、今後の調査も含め県民に不安がないよう対処していくことにしている。また地域住民の健康診断については、今後の調査等の経過を見ながら検討していきたいとの答弁がありました。
 次に、本年4月1日からの地域保健法の実施に伴い県から派遣されていた市町村駐在保健婦制度を廃止する方向にあるが、保健婦の人材確保の困難な離島過疎地域の町村に対してはどう対処するかとの質疑がありました。
 これに対し、平成9年3月31日で駐在保健婦制度は廃止されることになっているが、保健婦の設置を必要としている町村については県から出張という形で常駐しながら支援していくことにしており、平成9年度は8町村において実施する予定であるとの答弁がありました。
 次に、病院事業会計は平成7年度決算によると累積赤字が216億5000万円に達している。県はその累積赤字を解消するため経営健全化計画を策定し取り組んできているが、これまでどのような成果があらたかとの質疑がありました。
 これに対し、病院事業会計健全化計画は1次、2次と策定され、その間10年にわたり各種の健全化事業を実施してきたが、累積欠損金の圧縮減少に結びついていない。しかしながら患者サービス、医療環境の整備等について相当の成果を上げているとの答弁がありました。
 次に、サトウキビは品質取引に移行して単収当たりの所得も落ちてきている中で、昨年の8月、9月の台風の影響で今期の生産は復帰後史上最低と言われているが、どのぐらいの単収を予想しているかとの質疑がありました。
 これに対し、12月現在で平成8年─9年産は約85万7000トンを見込んでいるとの答弁がありました。
 次に、農業協同組合はもともとその地域の農家が結びついて農業指導などをやるべきだが、広域合併をしたため広域の人事交流の問題や身分の条件格差などの問題が生じて必ずしもよい状況にはなっていないが、現在の農協の問題点や合併後の問題点をどう解決し、今後の合併をどう進めていくかとの質疑がありました。

 これに対し、JAとしては沖縄県の農協を8農協にする方針であるが、基本的には農家のための農協でなくてはならないと考えている。そのためには農協の財政を強化すると同時に、生産をいかに高めていくかが今後の課題であるとの答弁がありました。
 次に、沖縄の農林水産業の振興を図るため野菜、果樹、花卉及びエビの養殖など農業試験場や水産試験場で研究開発された技術を農家や漁家にどう還元していくのか、また今の開発研究体制はどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、農業試験場や水産試験場における研究試験技術は、試験研究に取り組む前に普及所の段階で農家や漁家及び関係する企業の意向を吸い上げてその時期の研究課題を整理検討し、農林水産部技術連絡会議で決定をしている。また研究成果については、市町村や農漁業関係者に対して指導を行い普及しているとの答弁がありました。
 次に、自由貿易地域の入居企業が年々減少している上に入居企業の経営状態が悪く、同地域の改善策が強く求められているが県はどのような対策を考えているか、また入居企業の経営状態がよくならない理由は何かとの質疑がありました。
 これに対し、自由貿易地域の入居企業は当初27社が入っていたが、現在は11社に減少している。このため県は再編整備方針を作成し県内外の新しい企業の導入を図るとともに、既存企業の増床要望の対応に努めてきたところである。
 また、同地域の活性化を図るため平成4年度から、従来入居できなかった道路貨物運送業、倉庫業、梱包業、卸売業等優遇対策業者の拡大や総合保税地域制度新設、事業税の非課税措置などの対策に努めてきたが、実態としては入居企業が本来の自由貿易の機能と現行制度を十分に生かした事業の展開ができなかった状態にあったとの答弁がありました。
 次に、産業創造アクションプログラムは、本県の将来の発展のためどのような産業を興していくのか、その基本的な考え方はどうか、また国際都市形成構想の中でどう位置づけているのかとの質疑がありました。
 これに対し、産業創造アクションプログラムは将来の沖縄経済を支える中核産業となる有望な事業分野として健康食品等の食品産業、医療、バイオ、情報、観光、流通及び農業関連産業などの7分野を想定しており、これらの有望産業を対象に重点的に支援をしていくことにしている。また国際都市形成構想においては、産業分野にこれら7分野を沖縄経済の牽引力として創出育成することを位置づけているとの答弁がありました。
 次に、県営住宅の家賃収入に対する維持管理費の占める割合は、全国平均の32%に対し沖縄県は13.1%と約3分の1となっているが、安全で快適な住宅を確保するためには大幅な予算措置をする必要があるのではないかとの質疑がありました。
 これに対し、県においてはこれまで老朽化した団地の維持保全を図るため計画的な維持修繕を行うとともに、快適な住環境の整備に努めてきたところであるが、平成9年度は前年度より9.9%増加した約7億4000万円の予算を計上してあるとの答弁がありました。
 次に、国道331号の整備は、豊見城、糸満線のバイパス事業を着手しているため現道拡幅整備は考えてないとのことだが、同地域の通り会にあっては死活問題であるので地域住民のことを考えるべきではないかとの質疑がありました。
 これに対し、県にあっては地域住民が求めている国道331号の拡幅整備を現在着手しているバイパス事業と同時に実施することが困難であるとのことから、伊良波地区、名嘉地交差点、阿波根交差点の交通安全事業や交差点改良事業を行うことによって実質的な現道の拡幅整備になるよう努めているところであるとの答弁がありました。
 次に、大平養護学校の寄宿舎閉鎖問題はPTA間に混乱を来しているが、県は寄宿舎の存続についてどう考えているかとの質疑がありました。
 これに対し、大平養護学校の寄宿舎の存続問題については校長会、PTAの役員、その他関係団体の意見を聞き、庁内で何度も論議を重ねて大平養護学校の寄宿舎の廃止ということを決定し、平成10年4月を期して寄宿舎を廃止したいと考えていた。しかしながら父母等から存続について強い意見が出たため、現在父母等の意見を参考にしながら再度話し合いを持ちたいとの答弁がありました。
 次に、沖縄県は就職が大変難しい状況にあるが、今年度の新規高校卒業生の県内外の就職状況はどうなっているか、また学校種別就職内定率はどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、ことしの県立高校卒業生の就職状況については、就職希望者数4188人のうち就職内定数は2818人で就職内定率は67.3%となっており、対前年度に比べ9.8ポイント上昇している。また学校種別就職内定状況については普通高校数が38校で62.2%、農業高校が5校で69.5%、工業高校が8校で75.3%、商業高校が7校で67.7%、水産高校が2校で79.3%の内定率となっているとの答弁がありました。
 次に、平成9年4月から消費税が2%アップするが、水道料金の県民生活に与える影響と今後の料金改定について質疑がありました。
 これに対し、消費税の2%アップに伴う負担については、試算をしたところ1カ月の家計消費支出を25万円とした場合1.8%が水道料金になり、額にして月80円で年間1000円程度の影響がある。また今後の料金改定については、平成8年度の決算見通しが若干黒字になる状況であるので、当面料金の値上げは検討してないとの答弁がありました。
 そのほか、旧議会棟の撤去の見通し、基地問題に関する広告、国際平和研究所設置の基本計画の策定、政策顧問制度設置の背景と活用計画、離島空路使用料の軽減措置の実態、北部3村の活性化対策、海上ヘリポート建設候補地、キャンプ・シュワブ沖の現地調査、海兵隊の兵力削減、夜間保育事業の目的と内容、かりゆしプランの進捗状況、航空機騒音による環境影響調査、基幹病院構想の策定、県立中部病院の改築、中部の経済連製糖工場と北部製糖工場の合併の進捗状況、肉用牛競り市場の整理統合問題、観光の他産業への波及効果、産業育成と雇用、新石垣空港建設問題、西海岸道路の開発、新規高校卒の就職状況、県警の監視情報の県民への開放、ライトアップ推進事業の現状、中国からの密航者及び検挙総数等について質疑がありました。
 以上が質疑の概要でありますが、甲第1号議案については自由民主党所属委員、新世会所属委員及び無所属委員共同による修正案と新進党所属委員による修正案がそれぞれ提出されました。修正案はお手元に配付のとおりであります。
 採決の結果、甲第1号議案に対する両修正案は、賛成少数をもって否決されました。
 両修正案が否決されたことに伴い、原案について採決した結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定し、甲第2号議案から甲第23号議案までの22件については、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 甲第1号議案に対しては、幸喜勝君外7人から、及び新垣哲司君外5人からそれぞれ修正の動議が提出されております。
 この際、提出者の説明を求めます。
 まず、幸喜勝君外7人から提出された修正の動議について提出者の説明を求めます。
 幸喜 勝君。
   〔幸喜 勝君登壇〕
○幸喜 勝君 ただいま議題となりました甲第1号議案平成9年度沖縄県一般会計予算に対する修正案を提案いたします。
 では提案理由を申し上げます。3点ございます。第1点目、新石垣空港建設調査費1億1000万円、土木費の8款7項2目空港建設費の中の調査費でございます。
 新石垣空港建設費調査費1億1000万円について、宮良牧中に対しては877億円という莫大な国家予算を投入して土地改良事業を完了し、県内でも優良農地として内外より高い評価を受けております。

 県が考えている空港建設に関しては、大量の赤土が流出する可能性が専門家の間からも指摘され、その防止は到底不可能であると言われております。公害面からも憂慮される事態が懸念されます。
 こうした多くの問題点が指摘され、なお地権者や農民団体等地域住民の根強い反対を続けている中、今また強制的な測量調査等を実施し無用な混乱が生じ訴訟問題にまで発展をしてきております。
 我々は、今日まで農政上の問題を中心として宮良牧中には反対の姿勢を貫いてきた観点から同予算は削除して予備費に措置しておくべきものと思料いたします。
 2点目に、総務費2款1項3目12節役務費の中の広告料900万についてであります。これはアメリカのワシントン・ポスト紙による広告掲載予定の広告料とのことでございます。
 現在、沖縄の基地問題は日米のトップ会談やSACOの最終報告あるいは政府の沖縄政策協議会等に見られるように基地の整理縮小に向け着実にその成果が上がってきております。
 沖縄の基地問題は、過去に見られないような総理以下政府や各党が活発で真摯な努力が県民の間でも評価されている昨今であります。
 今、県の財政事情は大変厳しい実情であります。福祉の施策事業に支障を来し、若年失業者の17%に対する雇用対策をどうするか、差し迫った政策課題に対応する予算さえ確保できない厳しい状況の中で、あえて今の時期にアメリカの国民向けに900万円もの多額の予算を投入する必要があるか、甚だ疑問と言わざるを得ません。
 よって実情をかんがみ、本予算は削除し予備費に措置しておくべきと思料するものであります。
 第3点目、総務費2款1項1目1節の報酬の中の政策顧問料1442万9000円、4人分についてでございます。
 今回から県の政策形成に寄与していただくための提言者、助言者として政策顧問を位置づけております。
 県は、これまでも各審議会、構想、計画等を策定してくるのに産・官・学の力を拝借してこられております。各分野の専門の皆様から、その都度必要に応じ知恵を拝借していく方法が従来どおり最も好ましいことだと思います。一部の特定の人にこだわると人間関係でもいろいろな支障が懸念されてまいります。
 与党の皆さんからも指摘されているように、これはマスコミ報道によると、一部のブレーン政治はよくないなど、この際沖縄の21世紀の展望に向け最大のチャンスが到来するこの千載一遇の時期に県内外の幅広い人材を活用すると同時に、県民の英知を結集すべきであると思います。
 なお、今県職員を最大限に活用すべきであります。
 よって、特定の人を対象とした政策顧問の位置づけは現時点で適切でないと思料し、その予算は予備費に措置すべきであると思います。
 以上提案理由を申し上げまして、本議案に対する修正案を提案いたします。
 以上です。
○議長(友寄信助君) これより本修正案に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって幸喜勝君外7人から提出された修正案に対する質疑を終結いたします。
 次に、新垣哲司君外5人から提出された修正の動議について提出者の説明を求めます。
 新垣哲司君。
   〔新垣哲司君登壇〕
○新垣哲司君 ただいま議題となりました甲第1号議案平成9年度沖縄県一般会計予算に対する修正案の提案理由を申し上げます。
 先ほどの自民党から提出された修正案の中で、政策顧問制度設置に係る経費の節減による修正案の提案理由と全く同一でありますので、議員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げ、提案理由の説明にかえさせていただきます。
○議長(友寄信助君) これより本修正案に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって新垣哲司君外5人から提出された修正案に対する質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 甲第1号議案に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 大城一馬君。
   〔大城一馬君登壇〕
○大城一馬君 私は、与党各会派を代表して甲第1号議案平成9年度沖縄県一般会計予算に対する修正案に反対し、原案に賛成する立場から討論を行います。
 我が国の財政は、平成8年度末の公債残高が約241兆円にも増加する見込みであり、国債費も政策的経費を圧迫し構造的にますます厳しさが増し、地方財政も借入金残高が136兆円を超え、引き続き巨額の財政不足が生じ極めて深刻であります。
 また、本県財政も県税収入の鈍化、地方交付税にも大幅な伸びが期待できず、一般財源の額の確保は厳しい状況であります。
 歳出面においても義務的経費が増加の一途をたどり、さらに将来の財政負担となる借入金残高が増大するなど県財政を取り巻く状況は一段と厳しさを増しています。
 かかる事態の中、本県においては本年度を「行財政改革元年」と定め、経常経費の節減を図りながら限られた財源を確保し、新しい沖縄をつくっていくため産業の振興、雇用の拡大等政策的課題に対応し得る予算編成基本方針を打ち立て、平成9年度を第3次沖縄振興開発計画後期のスタートの年度とし、その取り組みに県執行部の並々ならぬ姿勢があらわれております。
 ところで大田知事は、本定例会冒頭の所信表明の中で、本年度を新生沖縄の創造元年として位置づけ、そして次代を担う若者にとって夢と希望に満ちた沖縄県づくりを目指すため国際都市形成構想の推進、産業振興、雇用拡大、平和行政の4本柱を重点にした予算編成を示しました。
 主要項目別にその中身を検証しますと、国際都市形成構想関連においては国際都市形成推進事業1億736万6000円、日米連合大学院大学設置調査費4300万円など総額1億9697万1000円が計上されております。
 産業振興関連で産業創造アクションプログラム推進など1億円、海洋深層水開発の7億4019万4000円、産業技術教育センター建設費15億421万3000円、工業技術センター建設費46億7181万4000円など総計71億5277万9000円となっております。
 雇用対策関連では、緊急雇用対策推進費1億571万2000円、沖縄学生職業情報センター建設費1億6700万円、新規学卒者の職業指導強化費6374万7000円など総計6億8266万4000円が計上されております。
 平和基地行政関連で、「沖縄からのメッセージ事業」の1億1122万円、第32軍司令部壕保存の9902万9000円、平和祈念資料館建設で8億7534万7000円など総計12億9295万1000円となっております。
 そのほか、4本柱以外でも福祉のまちづくり条例施行経費など福祉の充実に43億3254万8000円、誘客対策事業やイベント振興費など観光振興関連で11億6266万7000円、離島振興関連ではRACへの運賃低減補助など9億7385万円、そして世界空手道大会、全国スポレク祭などイベント関連では14億5362万8000円となっており、厳しい財政事情の中で経済自立に向けた予算配分が目立ち、まさに復帰25周年の節目、3次振計後期のスタートの年度にふさわしい予算編成をなし、基地のない平和で豊かな活力に満ちた21世紀の沖縄県づくりに邁進したいとする知事以下執行部の皆さんの決意を高く評価し、今後なお一層の御奮闘を期待する
ものでございます。
 なお、予算執行には万全の対策をとっていただきたいと思います。
 さて次に、野党自民党ほかから提出されました新石垣空港調査費1億1000万円の削除修正案ですが、計上されている調査費は気象観測、環境現況調査など年間を通じて調査することにより安全性、環境問題などを検討するものであり、昨年度に引き続き予算計上がなされたことは、県が新石垣空港早期建設のため真剣に取り組んでいる姿勢のあらわれであると同時に、科学的な調査によってこれまでのさまざまな疑問点を解明し、八重山郡民の合意形成を図るために大いに参考になるものと確信します。
 さらに同空港は、昨年第7次空整に位置づけられており、調査費の削除はこれに水を差すものであります。

 私どもは八重山発展、八重山郡民の悲願達成のために一日も早くすべての調査を終え、新空港の早期建設実現を心から望んでいることを改めてこの場で表明するものでございます。
 また同じく修正案が出されています基地関係の広告料の削除についてですが、御承知のように平成7年度においても同種の事業が実施され、ワシントン・ポスト紙やロール・コール紙、ザ・ヒル紙に意見広告を掲載、沖縄における米軍基地問題の実情と基地の整理縮小の必要性を訴え、多数の米国市民からの大反響が起きています。
 今年度もその種の事業実施で1人でも多くの米国民に沖縄の基地問題をアピールし、基地の整理縮小に向けて理解せしめる有効な手法と評価するものでございます。
 以上、修正案に反対し、原案に賛成する討論を終わりますが、議員諸兄におかれましては何とぞ御理解いただき、全会一致で原案に賛成してくださいますようお願いを申し上げます。
○議長(友寄信助君) 翁長雄志君。
   〔翁長雄志君登壇〕
○翁長雄志君 甲第1号議案平成9年度沖縄県一般会計予算原案に反対し、修正案に賛成をする立場から討論をさせていただきたいと思います。
 今、大城一馬議員から八重山の発展のために早期建設という話がありましたが、私は本当に八重山の方はかわいそうだなと思っております。大田さんが歴史的評価を10年後、15年後受けるときに、一番政治的に失政であった、汚点を残したものがこの新石垣空港問題になろうかと思っております。15年、20年、25年たってもこの空港は宮良牧中に固執する限り絶対にできない、これは私断言してはばからないものでございます。
 この宮良牧中に選定をする過程からもともと無理がございまして、石垣あるいは八重山郡民9割以上の方がカラ岳東に賛成をしている中で、どういう理由か後で申し上げますが、大田県政になって宮良牧中の方に場所を変えてしまったわけでございます。
 カラ岳東を破棄した理由は2点ありまして、1つは、白保の住民が反対をした、円滑な事業執行ができない、これが1点目であります。
 しかし、今回皆さん方御承知のとおり強制執行という形で宮良牧中の反対農民をどかしまして強制排除して調査測量に入ったということが円滑な事業執行だとは、私からすると考えられない。前県政でも白保の方々と十分話し合いをしながらこの問題を進めていただけに、大田県政がこの反対派農民を強制排除したということは、まず円滑な事業執行という意味で論点が崩れてしまった。
 それからもう一つは、環境問題です。カラ岳東は白保のアオサンゴを全滅させてしまう、それで陸上の方がいいんだというようなことで大田さんはその環境問題をほぼ、選定の理由書がありますけれども、99%環境問題でカラ岳東を放棄したわけでございます。
 カラ岳東は、護岸工法といいまして、当時の上原方成さんという琉大の教授ですか──が護岸工法という説明を十二分にしてあったんですけれども、今できております下地島空港、新奄美空港、それから新久米島空港、みんな護岸工法です。いわゆる埋め立てによって空港ができ上がって、赤土の流出というのは全くないんです。下地島空港
周辺は、今ダイビングのメッカになっております。いわゆる護岸工法によって、つまり白保のアオサンゴというところに赤土が流れていくとかそういうものは全くあり得ない。
 その理由の、なぜ環境問題かというと、埋め立てる30ヘクタール、これを埋め立ててしまうものですから、沖縄県の海はすべてサンゴですから、その意味では30ヘクタールの犠牲はございました。そして私は大田さんに、しかしそれならば新久米島空港も埋め立てをしているじゃないかと、なぜ新久米島空港は埋め立てをして、あそこも同じようにサンゴがあるにもかかわらず、あそこはあなたは許可をしたんですかと聞きましたら、大田さんの説明は本会議場で明確に、環境保護団体の反対がなかったからだと、このように説明をいたしまして、それ以外の説明はございません。つまり、環境保護団体の反対が新石垣空港のいわゆ
るカラ岳東から宮良牧中へ移った理由でございます。
 そして、宮良牧中は優良農地でありますから、先ほど話がありましたとおり877億円、それから収益も23億円を花卉とかそういう農産物から直接的にあって、経済波及効果が約60億円と言われているんですが、石垣全体で46億円の農産物の収益でありますから、ほぼその52%を宮良牧中の優良農地でこれから生産を予定されていたわけです。これをつぶしまして空港をつくる。
 当初、県民は環境か優良農地か、アオサンゴも大切だ、優良農地も大切だ、どっちがいいんだろうかと、住民の生活も大切だということで、しかしやはりどんどんテレビの画面とか新聞のカラー写真で自保の美しい海が描かれてサンゴの美しい群生を見せられますと、何を犠牲にしてもサンゴを守るべきじゃないか、このような話もあったわけであります。
 そして、優良農地かサンゴかという形での議論でもって大田さんと吉元さんはこの問題をだんだん、だんだん多数を形成していくような形で進めてまいりました。
 しかしながらこの問題は、皆さん方も赤土の性質というのをよく御存じかと思いますけれども、ヤンバルのあんな小さな工事でさえも雨が降ったら赤土が流れてくるこの沖縄県でございます。
 そして環境保護団体がカラ岳東に反対をしたときに、当然科学的調査じゃないんですよ。もし科学的調査であるというのであれば、いわゆる宮良牧中にもう既にそのとき反対していますから、今さら宮良牧中の環境の調査をして科学的根拠を出して環境保護団体を納得させるなどということは、これは考えられる筋合いではないわけです。
 当時から県は、調査を完了しそして環境保護団体も独自に日本生態学会が船を出していろんな形でやって、カラ岳東を中心にサンゴに何か影響があるんじゃないかという調査をした中で、カラ岳東はだめだと、つまり30ヘクタールも埋め立てるし難しいという形でやったんですが、そのときに宮良牧中についてももう言及されているんです。これを十二分に承知しながらそこに持っていった大田さんの手法というのが、私からするともう基本的な政治姿勢がなってないなと思っております。
 つまり、一番カラ岳東を放棄した理由が、実はエジンバラ公の発言でありました。カラ岳東ではサンゴ礁……、読んでみますよ。サンゴ礁に対する影響という意味ではカラ岳東は悪いという話がまず前提にあります。その後、しかし今御指摘のカラ岳東の予定地でなくても、もう一つ別の轟川の支流に影響を与えてしまう予定地がある。川を通じて赤土が流出するということは、サンゴ礁にはより深刻な影響が出るということで、エジンバラ公はまだ宮良牧中案を県が選定しないときからこのように轟川、宮良川の上は工事しちゃだめですよと。あそこで大規模な工事をすると、カラ岳東よりも環境問題であるいはサンゴにとって脅威であるということを既に述べているんですよ。
 そして、これはもう本当に赤土の問題は長い間論議されてきていますから、1990年、つまり今から7年前、横浜で開催された国際生態学会でサンゴ礁生態系保護では赤土流出を伴うような陸上部の開発を抑えることが最も緊急な課題であり、赤土が轟川河口から白保北部イノーの中まで達している。赤土流出は、白保サンゴ生態系に対し現在計画中のカラ岳東での新空港建設に劣らぬほどの脅威になっていると、このように世界各国のサンゴ礁学者から指摘をされているわけです。
 ですから当初、優良農地かサンゴかという形で議論を進めてきていたんですけれども、これだけでも大変な、宮良牧中で問題があるにもかかわらず、もともとの根拠であった環境問題でさえ宮良牧中はクリアできてないんです。これは大変な県の選択ミスだったなと思っております。
 カラ岳東でしたら350億ぐらいでできたんですが、宮良牧中は430億ですか、440億ぐらい、それぐらいかかるということになっております。
 土工量が860万立米、これは10トンダンプにしますと100万台以上の土を掘ったり、ダンプに積み込んで100万台以上があっちを走り回って空港建設をやるわけでございます。

 この100万台というのは、太平洋をつなげてみますとアメリカまで到達するという大変な土工量があるわけであります。そして赤土の今、一番防止策として有効なのが沈砂池であります。池を掘って、そこに赤土をためて真水を上から流すというやつですね。これを今、県の規定では1ヘクタール当たり1500立米沈砂池をつくるべきだという基準があります。この計算でいきますと、この宮良牧中案はいわゆるどれだけの大きさの沈砂池が必要かといいますと、奥武山球場の高さ5メートルにしてのあの広さです、私の計算では。その計算で7杯分沈砂池をつくらなきゃいけないんです。つまり、あっちこっち穴を掘って、もう工事が進められているところは必ず穴を掘って、何段階にも穴を掘って、そこから雨が降ったらそこに入れ、そして真水を流していくという作業をやっていくんです。その間、赤土もたまっていきますから、また掘り返したり、本当の意味での土工量は860万立米どころじゃないんです。
 なおかつ、そこには轟川、宮良川というのがありますから、この川を伝わって、これは土地改良のときでさえこの宮良川、轟川というのは沖縄県の180の川の中で赤土汚染度がベスト10に入っているわけですから、これだけの大きな土工量をもってあそこに空港をつくるということになりましたら、これは当然もうアオサンゴは壊滅状態になるだろうと。
 それから大田さんは、赤土の対策はまだ十分ではないと、今回の3月の国際サンゴ礁イニシアチブ第2回東アジア海地域会合というところで、沖縄県の技術も、それから予算等もまだまだ不十分で困っておりますというような話をつい1カ月前にしているわけです。これは当然そうでありまして、赤土の防止対策といってもたかだか知れている金額でありまして、これを宮良牧中で早期に2カ年後に仮に着工するということは、赤土対策が不十分なまま着工するということなんです。赤土対策をしっかりするという意味では10年待たなければ宮良牧中で着工してはいけない、これが今の環境問題でも言われている宮良牧中で進めるとそうなるわけです。ですから大変矛盾が生じてまいります。赤土防止対策はできてないのに早期着工云々というのは環境問題について全然認識がない、こういうことを指摘しておかなければなりません。
 それから、宮良牧中に誘導していくときに、大田さんの政治手法として、1つ絶対に許すことができないのが、きょうの少数はあすの多数になるかもしれない、つまり9割以上の方がカラ岳東に賛成しているのに、何であなた、そういうふうに宮良牧中に持っていくかという話をしましたら、いやいや、きょうの少数はあすの多数になるかもしれないんだよと、正しいのはどこかわからぬよというのが大田さんの説明でありました。
 しかし私は、きょうの少数はあすの多数になるかもしれないというのは、白保の住民があるいは今で言えば宮良牧中の農民の方が、いわゆる権力に対して何を言っているんだと、今は少数かもしれないけれども多数になるかもしらぬぞというのが論理であります。
 それから、沖縄県が日本政府に向かって何だと、今は小さいかもしれないけれども、今に大きな声になるぞという意味で使われるならいいんですけれども、権力者がみずからの政策判断という中できょうの少数はあすの多数になるかもしらぬという形で政策判断ができたら、一体全体権力者がこの政策判断をする、しないについて歯どめはどこにありますか。いわゆるきょうの少数があすの多数になるかもしれないという意味では、たくさんの県民が反対しても、いやいや、あすの多数になるかもしらぬよ、これは政策にさせてもらいますよと。そしてだんだん、だんだん今度は形成されて多数になったら、ほら、たくさんの人が賛成しているじゃないか、これはこれでいいことじゃないかという形で政治をやられたんでは、私はこれはもう本当に戦前に逆戻りのような権力者がやってはいけない、こういうことを仮に日本政府等がやるようになりましたら、沖縄などの政策というのはもうどうにもならぬぐらいの立場になると思うんです。
 そういう意味で私は、この大田さんのきょうの少数はあすの多数になるかもしれない、この言葉は、これも歴史的に大変汚点を残す言葉になるだろうなと、このように思っております。その言葉どおりでいくんであれば、宮良牧中の農民の今、勢力が仮に小さくなっているとするのであれば、これはいずれ多数になりますよ、きょうの少数はあすの多数になるかもしれないということですから。いつ、だれがそこを判断してやっていくかというときに、民主主義の多数決の問題があるわけで、大田さんのこの手法というものは、私は一番最初に聞かされたものですから、ある意味で大田さんの政治を一切信用しないという私の信念になってきたわけでございます。
 そして今回、土木費の空港費、私どもは1億1000万削除することになったわけでありますが、実は新石垣空港の一番のまやかしには、これを持ってきたのは、歳出予算事項別積算内訳書というのがありまして、これの214ページに空港費の空港建設費委託料というのがあるんです。今回1
億3550万計上されておりますけれども、その中にいわゆる説明及び積算内訳というのがありまして、新多良間空港飛行場設置許可申請、波照間空港云々、宮古空港云々と3つ書いてありますよね。ところが1億3550万のうちの1億l000万が新石垣空港の調査費なんです。つまり残った2000万ぐらいのものの説明を書いて、新石垣空港調査測量費という形では説明が書かれてないんです。つまり隠したままこの予算を通していこうという県の自信のなさとそのこそくな手段がこの積算書の中にもあらわれておりまして、私どもはそれを許すわけにはいかない。そしてことしの調査費用も8200万円繰り越しております。
 こういう中で調査が強行されたわけでありますが、先ほどお話がありましたとおり反対地権者の防風林の伐採、88カ所拠点があるわけですけれども、そのうちの18カ所でいわゆる何百本という木が一番大きい木はこんな大きな木がございまして、私どもはあした5名の議員が石垣に調査に行きますけれども、こういう形で伐採がされている。
 一坪反戦地主の県民の財産云々という形ではよく声高に言いますけれども、こういう意味でのいわゆる基地問題にかかわらない県民の財産とかそういうものについては何ら思慮の欠けた矛盾がここで吹き出してきたなという感じをいたしているわけでございます。
 そして、「週刊現代」で877億というお金を投じたこの宮良牧中案が、この空港建設されることによって国費が300億円ぐらいむだになると、このように書かれておりまして、いわゆる日本のこの「週刊現代」で言いますと三大国の税金むだ遣い、都市整備公団のマンションとか、道路公団がどうのこうのというそれと匹敵するいわゆる日本の国民の税金のむだ遣いだというふうに断じられているわけであります。
 そして2500メートルにもし仮に滑走路を伸ばそうとしますとあと500メートル、今2000メートルの話ですから、あと500メートル伸ばそうとするとどうなるかということですね。これが600万立米、今860万立米ですが、600万立米のまた土工量が必要なんですよ、500メートル伸ばすのにですね。
 そしてお金がカラ岳東と同じ350億かかるんです。つまりこの空港はできないからいいんでしょうけれども、できるとしたらもう2500メートルというのは不可能、2500メートルにしようと思ったらもう一回350億円と、そして同じような土工量の工事が必要となって、そして轟川、宮良川から赤土が流れていって、そして白保のアオサンゴが全滅という形になりますから、私どもは調査云々の形で与党の皆さん等が考えているとするならば、これは大変な暴挙であって、八重山郡民のためであれば一刻も早くこの宮良牧中というのは断念をして、新しい形でテーブルに着いて決めていかなければ本当に八重山郡民はかわいそう。
 そして、大田知事はこれを選定するまで一度だって八重山に行かなかったんです、当選してから。一度も行かない中でここに選定をしたということも、私は大田さんの政治姿勢というものが大変まずいなと、このように思っておりますから、ひとつよろしく御配慮をいただきたいと思っております。

 以上であります。
○議長(友寄信助君) 西銘恒三郎君。
   〔西銘恒三郎君登壇〕
○西銘恒三郎君 ただいま議題となりました甲第1号議案平成9年度沖縄県一般会計予算修正案に賛成する立場で討論を行います。
 財政は、政治と経済との接点にある複雑な現象であると言われております。また著名な財政社会学者のゴルトシャイトは、予算はあらゆるイデオロギー的粉飾を取り払った国家の骨格を示すとも言っております。
 予算には、それを編成する県知事の政治姿勢があらわれるのは当然であります。我々は、議会人として県民の負託にこたえて予算の政治的意味を読み取り、健全で堅実な予算編成がなされているかを厳しくチェックしなければなりません。
 私は、過去7年間の大田県政の予算編成を見てまいりましたが、総括しますと県政の政策の優先順位という視点が欠けていること、パフォーマンス行政、イメージ行政になっていること、そしてむだ遣いが多いことを指摘せざるを得ません。
 平成9年度予算案に、非常勤報酬として1442万円の政策顧問料を計上しているのは、過去7年間の大田県政をまさに象徴しております。
 県知事は、政策顧問の必要性について次のように言っております。「各界の多様な意見や内外の情報を迅速・的確に調査・分析し、知事の政策判断に資する環境づくりが、今、求められている。そのためには、これらの緊急かつ重要な課題や未成熟な政策課題等について、各分野における高度・専門の学術的な視点から、無事に多角的・複眼的に意見を述べ、助言・提言してもらう政策顧問の制度を創設する必要がある。」となっております。
 専門家の意見を聞くならば、非常勤の政策顧問を置く必要は全くありません。1442万円もむだ遣いをすることなく、知事の交際費で昼食会をすれば1000円で済む話であります。それを月に15日間の勤務で月額29万円の報酬、4人の政策顧問を雇うということは、全くのむだ遣いであります。
 なぜなら基地問題、国際都市の形成、規制緩和の推進、雇用問題、環境問題であれ、県政に係るあらゆる問題について、その専門的情報は県庁組織のそれぞれの部や課だからこそ収集できるのであります。大学を退官したり企業を定年した人といえども、県庁組織以上の情報収集家や専門家にはなり得ないのであります。したがってこの政策顧問制度は、県知事がみずから行政の最高責任者としての能力を放棄するばかりでなく、みずからの部下をも信頼できずにいる現状をさらけ出しているのであります。またこのことは行政改革にも逆行するものであります。
 さらに驚くべきことは、服務規程の欄で、「職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。」、また秘密を守る義務に違反したときは解職に該当する等々の恐ろしい規定が記されております。
 政策顧問にいかなる秘密があるというのでありましょうか。情報公開の時代に全く逆行する恐ろしき制度であります。大田県政がまさに馬脚をあらわしたと言えるかと思います。
 過去、予算編成を見てみますと米軍基地関係の情報収集委託料というのがあります。これは平成5年度の予算で計上されておりますが、この委託料は当初、県知事が米国ワシントンDCに県の事務所を置く計画でありました。我々は、事務所設置には約1億円の経費がかかることや、むだな事務所になること等を指摘をし反対をいたしました。そこでニューヨーク在の県人に基地関係の情報収集を委託することになったのであります。
 この委託料は、平成5年700万円、平成6年796万円、平成7年796万円、平成8年に一気に4倍強に増加し3063万円、そして今年度の予算では1595万円が計上をされております。
 平成8年の4倍強に増加した3063万円について県の説明を求めますと、県の説明では人員をふやすというものでありました。ところが平成8年度、そのことはうまくいかずに、この情報収集委託料3000万円余りが余った形になったわけであります。
 この委託料が今、学者訪米団、3月に訪米しておりますけれども、女性訪米団や学者訪米団の旅費に流用されているのであります。
 第2点、ワシントン・ポストの新聞広告料、平成5年679万円、平成6年639万円、平成7年660万円、平成8年660万円、平成9年度(今年度)は900万円の予算計上がなされております。この点の質問をしてみますと円安で900万円必要だという答弁がありましたが、まさに何を言っているのか意味不明であります。
 ワシントン・ポスト紙、これは100ページぐらいある新聞紙ですけれども、この28ページ目の1ページに1日限りの新聞広告料を600万円から900万円かけてぽんと使い捨てをしている。
 これらの2つの予算に見られるように、今回の政策顧問料は思いつき、場当たり主義でコスト意識ゼロと指摘をせざるを得ないのであります。
 与党議員団の皆さんがこの予算をすんなり通すことは、県議会のチェック機能をみずから放棄していることになります。さもなくば最初から予算の流用を認めることになり、まさに何をか言わんやであります。
 県政の予算を長年見てきた者として感じていることでございますが、政策の優先順位の点で二、三指摘をしてみたいと思います。
 9年度の予算に平和祈念資料館建設、総事業費8億5253万円計上されておりますが、この平和祈念資料館建設と従来から知事の大きな政策と言われている平和研究所、あるいは既に県単独で発足をし余り機能していない財団法人亜熱帯研究所等の施設、横の連携が全くとられておりません。それぞれ別々の動きをしている感が強く感じられる
のであります。
 しかし、平和祈念資料館建設は、今年度の予算で総事業費8億5253万円と計上をされております。連携をとれば、平和研究所を中に一緒につくるなりの作業がとれるかと思うのであります。
 また、県立公文書館は43億円かけてつくりましたが、我々は当時、県立図書館とあわせてつくるべきではないかという指摘をいたしました。
 女性センターは33億円かけてつくったのでありますが、財団の基金が十分集まってからでも遅くはなかったと私は考えるのであります。
 基金が集まらない現状で県からの出資金が5000万円、2000万円、あるいは運営費の補助金が1640万円、1549万円と徐々に県財政を圧迫しつつあるのであります。それらに比べて最も優先的に取り組むべき課題は、若年者の失業対策であります。
 次に、イメージ行政について指摘をします。
 県には県の旗、県のシンボルマークがあるにもかかわらずCI推進事業として意味のない、何物をも生み出さないCIマークをつくり、それをPRするために平成7年度1495万円、平成8年度4224万円、9年度2606万円と、合計で8325万円もむだなイメージ行政をしているのであります。
 「沖縄からのメッセージ事業」として全国で基地問題を訴えるために平成7年度2586万円、8年度3703万円、9年度5222万円と、合計で1億1511万円も使っているのであります。
 むだ遣いの指摘を少ししてみます。
 知事公舎の改修費用を見ますと平成2年度880万、3年度965万円、4年度462万円、5年度723万円、6年度73万円、7年度574万円、6年間で3679万円も改修費用をかけております。しかし平成8年度からは総事業費6億9695万円もの県知事公舎を現在建築中であります。
 ここで指摘をしたいのは、改修費用の3679万円、これがむだ遣いではなかったのかと、どうせ新築をするのであれば改修を最小限にやるという視点があってしかるべきであったのではないかということであります。
 先ほども指摘をいたしましたが、女性訪米団を組織して10日間の日程で1030万円の税金のむだ遣い、同年3月には、現在訪米しておりますが、学者訪米団10名で11日間の日程で1090万円のこれまた税金のむだ遣い。
 私は、知事訪米についても毎年やる必要性を認めておりません。このことも当初から指摘をしてまいりました。知事訪米に関連する予算を合計していきますと3000万円から5000万円にまで増加をしております。知事訪米は4年間に1回とか2年間に1回とか、十分に用意をし準備をし、政府との交渉も十分に積み上げた上で行うべきであり、場当たり行政やパフォーマンス行政では自己満足にしかならないのであります。

 平成9年2月9日の日経新聞は、知事訪米について、一見無謀とも見える対米要請も知事に不満を募らせる県民向けのアピールの性格が強いと指摘をし、見事に毎年恒例の知事訪米の性格を見抜いております。
 さて、大田県政の今をあらしめた平成7年9月4日の少女暴行事件と9月28日の代理署名拒否に始まるのでありますが、平成8年3月25日、代理署名一審判決で県側は敗訴いたしております。この行政訴訟で県側に勝ち目のないことははっきりしておりました。私は、この行政訴訟で最高裁まで争うことはむだなことだと考えておりました。
 平成8年の8月28日に最高裁は知事の上告を棄却、同年9月8日の県民投票、9月10日の首相と知事の会談、9月13日、知事、公告・縦覧代行の応諾、この一連の1年間に及ぶ裁判費用は3547万円、県庁基地対策室の職員4名がつきっきりでこの1年間作業をしておりますので、大ざっぱな年俸500万円の4名掛けて2000万円、それに9月8日の県民投票4億8000万円を加えてみますと、合計5億3547万円のむだ遣いだと指摘をしておきたいと思います。
 県民投票について、平成8年12月15日号の「ジュリスト」で、山梨学院大学の椎名慎太郎教授は、住民投票の結果、「特定の政策が多数の支持を受けたとしても、その準備や運営の過程に結論を誘導したり、中立を疑わせる要素があれば、多数の支持はあまり意味をもたないことになる」、「この観点から沖縄県民投票を見るとき、はたして県当局側に県民を賛成へ誘導する動きがなかったかどうか、県民が基地問題を多角的に考えることができるだけの十分かつ適切な情報提供がなされたのか等、検討課題がありそうである。」と指摘をしております。
 過去7年間の大田県政の予算編成を特徴づける意味で最後に決算ベースで広報費の予算を指摘をしてみたいと思います。
 昭和62年決算ベースで広報費1億4612万、昭和63年1億487万円、平成元年1億908万円、平成2年1億4627方円、平成3年──ここから大田県政になりますが──1億6914万円、平成4年1億5996万円、平成5年2億1898万円、平成6年3億1439万円、平成7年3億8977万円、平成8年──これは当初予算ベースですが──4億2592万円、
平成9年4億1687万円となっております。
 平成3年から平成9年までが大田県政でありますが、この7年間で3倍にふえているのであります。この広報費の増加分を見ても大田県政がいかにパフォーマンス、イメージ行政に政治的意図を発揮しているかおわかりになるでありましょう。
 ここで指摘したいことは、すなわちlO00万円や2000万円あるいは3000万円といった金額を何とも感じることなく、ぽんぽんと使い捨てるがごとき感覚麻揮をこの7年間で起こしている点であります。この端的な事例がワシントン・ポスト紙の1ページ、一日限りの広告料600万円から900万円にはっきりとあらわれていることを指摘をしたいと思います。
 また、今回の予算特別委員会で観光文化局長の答弁によりますと、沖縄からのメッセージ事業として若手の舞踊家を米国に派遣する予算5000万円を計上していることが判明しました。若手舞踊家を米国に派遣することに何らの異議もないんですけれども、このように5000万円を計上してばらまきのごとく予算を使うことが果たしていいのかどうか、私は疑問を感じた次第でございます。
 行政は、そのポストにある者が責任を持って粘り強く相手の担当責任者に交渉すべきであり、いたずらにマスコミを使い世論誘導をすべきではないのであります。大田県政の広報費ばらまきの体質は政治の根幹にかかわる危険な兆候であることを指摘をしておきたいと思います。
 平成9年度予算の政策顧問料1442万円並びに基地問題に係る新聞広告料900万円は、大田県政7年間の予算編成の政治的意図を見事に象徴しており、県知事がみずから主張している行政改革を進める上からも削除すべきものであると思料いたします。
 また新石垣空港につきましては、宮良牧中案は100年悔いを残す建設位置であり、八重山郡民のためにも調査費を削除すべきものと思料いたします。
 以上、議員諸兄の信念に基づいた御賛同を心よりお願いを申し上げまして、甲第1号議案平成9年度沖縄県一般会計予算の修正案に賛成する討論を終わります。
○議長(友寄信助君) 金城繁正君。
   〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 ただいま議題となっております甲第1号議案平成9年度沖縄県一般会計予算の修正案に賛成し、原案に反対する立場から討論を行います。
 第1点目、政策顧問の設置に係る費用の削除を求める修正案について。
 県執行部は、知事の政策判断に資する環境づくりのため政策顧問4人の設置を予定し、その費用として1442万9000円が予算計上されております。
 執行部の政策顧問の設置案によれば、政策顧問の職務は、県政の緊急かつ重要な政策課題について知事に意見を述べ、助言、提言することになっております。
 現在、県においては法令により設置された附属機関、これが34機関あります。そして条例により設置された附属機関が41機関、それから懇話会等、これは委員会、あるいは協議会、これが57団体が設置され、それぞれの機関や協議会、さらに委員会等においては産・官・学の立場から、知事に対して意見や助言、提言などがなされております。
 一方、行政内部においても政策調整監を中心にして各部局長を初め県幹部職員が一体となって独自の総意に基づく施策の策定、展開がなされており、今後も引き続き職員の活用が必要であると思います。
 このような状況の中、新しく政策顧問4人を設置することは、現在県が進めております行政改革に逆行するものであります。また昨今の厳しい県財政の事情から見ても人件費、これは報酬等に係る財政支出は県費のむだ遣いであると言わざるを得ません。したがって政策顧問の4人の設置は適切でないと思料するものであります。
 次に、基地関係業務費の広告料の削除を求める修正案について。
 県当局は、基地問題に係る広告料について新年度予算に広告料として900万円が計上されております。県が考えている広告の内容については、知事の訪米の際にアメリカにおけるワシントン・ポスト紙あるいはロール・コール紙並びにザ・ヒル紙の新聞を活用して、沖縄の米軍基地問題の実情を広く米国市民に訴えるための広告掲載料となっており、しかも一日限りの広告で果たしてその効果があるかどうか、私は疑問を抱くものであります。
 沖縄の米軍基地問題の解決を促進するためには、日本政府、特に外務省ほか関係機関等に対して強力なる要請行動を展開することが何よりも大事だと考えます。
 昨今における県の財政事情は一段と厳しく、しかも県政の最も重要かつ緊急な課題である雇用対策やあるいは福祉施策・事業等具体的な取り組みが県民からの強い要求であります。
 このような状況の中で、沖縄の米軍基地問題について米国市民に訴えるため多額の費用を費やすということは適切でないと考え、削除すべきであると思料いたします。
 次に3点目に、新石垣空港調査費の削除を求める修正案について申し上げます。
 県は、平成9年度一般会計予算案に新石垣空港調査費委託料1億1000万円が計上されております。その内容は1つに気象観測の委託業務、2つ目に環境予測評価、3点目に基本設計等、それから4点目に経済社会への効果についての委託料としてというふうになっております。
 これまでの宮良牧中の調査の経過を見ますと、県が昨年8月14日、強引に宮良牧中の調査実施をしたために地元住民の激しい怒りを買い、住民の阻止闘争の混乱を招いております。その後、県は一時調査を中断したことが経緯となっております。
 県は現在、宮良牧中地区の現地調査の執行に当たって平成8年12月14日、那覇地方裁判所に新石垣空港調査を妨害阻止している51人の者を債務者として調査妨害禁止仮処分の申し立てを行い、平成9年2月13日、那覇地方裁判所は沖縄県の申し立てどおりの決定をいたしました。
 それに対し、債務者の中の3人の者から訴えの提起の申し立てがなされ、平成9年2月27日、那覇地方裁判所は県に対し訴えの提起を命ずることを決定しました。県はこれを受けて提訴の手続を行い、今や新石垣空港問題は行政を離れ司法の場に移っております。この原因は、県の行政手法のあり方に問題があると言わざるを得ません。
 このような状況の中で、今後新石垣空港宮良牧中地区の調査についてはますます混乱の状況にあります。

 また去る3月20日、県が実施している測量調査で反対派地権者の土地に無断で測量ポイントのくい打ちをする、さらに作業のために反対地権者の所有する樹木や防風林などが伐採されていることが反対派地権者が確認しております。住民側は、この調査に対し強い怒りと調査の中止を要求しております。このことは県の指導監督に問題があると言わざるを得ません。
 このような状況の中で、新石垣空港の調査の再開時期の見通しのない調査に予算を計上することは適切でないと考えます。
 これまでの経過を見ましても県は現地調査をする前に、周辺集落の宮良、川原、新川地区住民の同意、あるいは石垣市農業委員会や宮良地区土地改良区等の同意等が取りつけられておりません。さらに農政上の問題、農振法との関係についても事前に農林水産省の、すなわち沖縄総合事務局との調整がなされておりません。また財政上の課題について転用決済金23億円の返済問題についても検討がされておりません。
 このような状況の中で、新年度に予算1億1000万円の多額の費用を投ずることは県費のむだ遣いと言わざるを得ません。この際、県は、新石垣空港現地調査については一時棚上げし、地元の合意形成ができるまで凍結して地元住民の意思を尊重し、候補地の見直しを含めて慎重に検討すべきだと考えます。
 以上3点について申し上げましたが、議員各位の賛同を賜りますようによろしくお願い申し上げて修正案に対する賛成の討論といたします。
○議長(友寄信助君) 渡久地 健君。
   〔渡久地 健君登壇〕
○渡久地 健君 ただいま議題となっております甲第1号議案平成9年度の新年度の予算案の修正案に賛成し、原案に反対する立場で討論を行っていきたいと思います。
 これまで修正案に対し3名の先輩議員たちがたくさん述べておりますので、重複しないように討論を進めていきたいと思います。
 国の平成9年度予算編成方針では、「財政構造改革元年」と位置づけておりまして、我が国の厳しい財政事情を反映いたしまして2つの方針が出されております。
 1つは、極めて悪化した財政事情を踏まえ財政構造改革に向けて経常的経費、投資的経費を通じあらゆる経費について聖域なく抑制する必要がある、つまりこれは聖域なくといいますのはすべてにおいて抑制するということでございます。
 2つ目に、重要施策に振り向ける財源を確保するためには、また財政構造改革を進めるためには各省庁みずから義務的経費を含め既存の歳出に思い切ってメスを入れる必要があると基本的な方針が出されております。
 そして本県においても本年を「行財政改革元年」と位置づけておりまして、歳入の見直し、歳出の節減合理化に努め、新しい沖縄の創造に向けた多くの政策的課題に対応するための財源を確保することと知事の所信表明では述べられております。
 国と県の予算編成方針で基本的な違いが2つございます。まず国は聖域を設けない、もう一つ義務的経費を含めてすべての経費について思い切ってメスを入れることであります。
 しかしながら本県の平成9年度の予算を見ますと、基地行政、平和行政、女性行政の3行政については聖域を設けておりまして、それぞれ十分なるカットは行っておりません。むしろふえております。そして義務的経費についてはシーリングの枠から除外していることであります。
 今回の予算案を総じて見ますと、財政運営の原則と精神に著しくもとる編成となっております。
 我が県は、特別措置による国庫の高率補助制度によりやっと財政自体が支えられておりますけれども、これから迎える急速な高齢化社会、国際化社会の到来を考えて今後とも県民に対する行政水準を維持し、県経済の振興発展と今最も重要な課題であります雇用の拡大を図るためには、現在の特別措置法による手厚い財政助成がなされている期間のうちに財政運営の健全化に努め、将来への財政の体質強化を図る必要があろうかと思います。
 予算案におきましては、税収の確保のための効果的なそして積極的な財政の確保の施策がとられていないのが現状であります。また事業費全体でも相互間のプライオリティーが適切に選択されておらず、あえて今財政が厳しい状況下で緊急的課題として、また積極的理由がないものが優先順位として挙げられていることでございます。
 具体的には後で述べますけれども、そういう状況の中で歳入においては財政調整積立金を安易に取り崩して、他方、歳出においてはその維持運営費等のランニングコスト等を配慮せず、例えば公文書館、女性総合センターの事業を推進している結果、今後の財政体質の悪化にますます追い込まれるような予算編成となっております。
 具体的には予算審議を通しまして痛感しましたことは、平成8年3月に策定した新沖縄県行政改革大綱というものがございますけれども、これが十分に行政改革大綱が反映されていないということ、そして2つ目に効率的な事務・事業の推進として限られた人員と財源の中で多様化する県民ニーズや新たな行政課題に的確に対応していくためには既存事務・事業の廃止または縮小等を前提としたいわゆるスクラップ・アンド・ビルドを行う必要があると当局はうたっているにもかかわらず、ビルドの部分は知事の政策的判断で新規に推進しているものがありますけれども、先ほども金城繁正議員が話しました各種審議会、委員会の見
直し、つまりスクラップの部分がほとんどありません。県が言うようにスクラップ・アンド・ビルドではありません。ほとんど新規につくられております。
 先ほどから修正理由で述べられております政策顧問の問題がその一つでありまして、その必要性が不明確なまま、不透明なまま予算計上されておりますのは県民不在の行政と言わざるを得ません。
 また基地行政、平和行政、女性の地位向上行政については、他の部門の予算査定が厳しいシーリング枠内であるのに比べて、予算がアバウトに編成されて査定されております。
 基地行政については、先ほどから話題に出ております知事の訪米事業が余りにも巨額であり、その行政効果を県民に納得させるものは使った費用から比べてその政治的効果はほど遠いものがあろうかと思います。
 修正案で示された先ほどの新聞の広告料は申すまでもなく、この予算の中には1521万5000円の特別旅費、100万円の食糧費、300万円の印刷費、150万円の消耗品、280万円の委託料等々外国の経費とはいえどもすべてl00万円単位ないし50万単位で予算が計上されております。これはほかの行政が1000円単位で厳しく査定されているのに比べてほとんどアバウトに編成されています。
 また、平和行政に係る平和祈念資料館の建設費についても今回は検討委員会の経費が報酬費111万円、費用弁償が290万円、特別旅費が400万円、食糧費100万円、消耗品費150万円等々で1000万以上の調査検討委員会の経費でございます。
 先ほど平和祈念資料館の予算で8億5000万という話がありましたけれども、これはあくまでも平成9年度の予算でございまして、平成10年度の平和祈念資料館が完成時には約80億円の巨額の経費が使われるそうでございます。
 これから超高齢化社会を迎え福祉行政等特に高齢化対策を緊急に推進するためには、去年からあるいは前々から言われております総合福祉センターの建設が急がれている現状の中で、予算審査の中で総合福祉センターは財政上の理由から当初計画から引き延ばしされております。
 しかしながら、知事の政策的判断でこの平和祈念資料館は優先させているのは、今果たして行政にとって緊急かつ優先的な課題というものがまさに知事個人の判断で行われていまして、県民が言う福祉の充実、福祉の問題等今本当に必要とされている緊急かつ優先的課題が県民不在という立場で推進されようとしております。
 また女性の地位向上事業では、今回の予算編成で補助金が前年度当初予算の87.5%の範囲内というシーリングが厳しくかけられております。福祉の問題、それから青少年の健全育成の補助等が軒並みに大幅に削減されているにもかかわらず、今回この補助金の厳しい査定の中にもかかわらず新たに沖縄女性研究者の会補助金が今年度から新設され、100万円を補助するということになっております。

 PTA関係者が本当にボランティアで青少年の健全育成のため時間と金を出し合って今一生懸命やっている中で、補助金が一律にカットされる、しかし一方ではこのような新設の新しい補助金が出されるというのは県民が納得するわけはございません。
 また女性の社会進出を充実するのであれば、今少子社会の中で子供を預けて安心して働ける環境づくり、つまりゼロ歳児から子供を預ける保育園行政、特に無認可保育園行政に力を入れるべきでありまして、特定の沖縄女性研究者に手厚く補助金を新設することは真の女性の地位向上の行政からかけ離れていると私は思います。
 以上の理由により修正案に賛成するわけですが、先ほどの条例の改正案で改正反対の討論を行った共産党は、みずからの与党の立場を放棄し我が党の姿勢を批判していましたけれども、条例の改正を値上げに対して反対を唱えるならば当然それに伴う歳入欠陥分の予算の修正を行うことが
筋の通る政治的立場であります。
 みずからの党利党略の立場で政治的パフォーマンスであり、こそくな手段であることを指摘いたしまして、修正案に対し御賛同をよろしくお願いいたします。
○議長(友寄信助君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 休憩いたします。
   午後3時56分休憩
   午後3時58分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
 これより甲第1号議案から甲第23号議案までの採決に入ります。
 議題のうち、まず甲第1号議案を採決いたします。
 まず、本案に対する幸喜勝君外7人から提出された修正案のうち、新垣哲司君外5人から提出された修正案と共通する部分を除く新石垣空港建設にかかわる調査費の削除及び基地問題に関する広告料の削除に関する修正部分について採決いたします。
 お諮りいたします。
 幸喜勝君外7人から提出された修正案のうち、新垣哲司君外5人から提出された修正案と共通する部分を除く修正部分について賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(友寄信助君) 起立少数であります。
 よって、幸喜勝君外7人から提出された修正案のうち、新垣哲司君外5人から提出された修正案と共通する部分を除く修正部分は、否決されました。
○議長(友寄信助君) 次に、幸喜勝君外7人から提出された修正案と新垣哲司君外5人から提出された修正案と共通する政策顧問の報酬の削除に関する修正部分について採決いたします。
 お諮りいたします。
 この共通する修正部分について賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(友寄信助君) 起立少数であります。
 よって、幸喜勝君外7人から提出された修正案と新垣哲司君外5人から提出された修正案と共通する修正部分は、否決されました。
○議長(友寄信助君) 次に、原案について採決いたします。
 お諮りいたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(友寄信助君) 起立多数であります。
 よって、甲第1号議案は、原案のとおり可決されました。
○議長(友寄信助君) 次に、甲第2号議案から甲第23号議案までの22件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案22件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、甲第2号議案から甲第23号議案までは、原案のとおり可決されました。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後4時  休憩
   午後4時25分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
 日程第9 議員提出議案第3号 駐留軍用地特別措置法の改正に反対する決議を議題といたします。
 本案に関し、委員長の報告を求めます。
 米軍基地関係特別委員長。
   〔米軍基地関係特別委員長 玉城義和君登
    壇〕
○米軍基地関係特別委員長(玉城義和君) ただいま議題となりました議員提出議案第3号について、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 委員会におきましては、本案の内容等について慎重に審査を行ってまいりましたが、審査の結果、議員提出議案第3号は多数を持って原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 伊良皆高吉君。
   〔伊良皆高吉君登壇〕
○伊良皆高吉君 ただいま議題となりました議員提出議案第3号に対して反対の立場からの討論を行います。
 この議案は、駐留軍用地特別措置法に関するものでありますが、御案内のように我が国とアメリカは両国間において安全保障条約を昭和35年6月13日に締結いたしております。その中身については皆さんもとっくに御案内のとおりであるわけですが、両国が極東において国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有すること、そのために相互協力及び安全保障条約を締結するということが大きな目的であります。
 その中には、特に我々がこの議会で絶えず問題として出てきます、軍事的側面を弱めて、むしろ経済的あるいは平和的、友好的側面を強化していった方がいいというふうなことなどもあるわけですが、これはまさに1条にも2条にもそのようにちゃんと明確にうたわれております。
 今回この議案と直接関連しますことは、すなわち軍用地特別措置法に関することは第3条であります。それと第6条でございますが、ちょっと重要な部分だけ読み上げてみたいと思います。
 まず第3条、「締約国は、個別的に及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる。」と。すなわち武力で攻撃されたものに対してそれをはね返すといいますか、それを守るだけの力をお互いに協力し合って高めていこう
と、アメリカと協力をして日本を守っていこうとする、簡単に言えばそういうふうなことであります。
 第6条はどうかといいますと、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。」というこの部分があるわけでありますが、すなわち日本を守るためにはやはり日本にアメリカの軍隊を駐留させる必要がある、そして外国からの武力に対してそれをはねのけるだけの施設を設置しておく必要があると、こういうふうな、わかりやすく言えばそういうことであります。
 安全保障条約のこのような規定の中で、このように両国間の協定によって日本は戦後51年の間、一応平和という形で世界各国からうらやましくされましたし、さらにはまた第1条、2条の規定にもありますとおりアメリカとの友好関係の中で経済的な発展も著しいものを見てまいりました。まさに現在では経済大国とまで言われるようになっ
たわけでありますが、このように安全保障条約に基づく第3条、第6条の規定に基づいて日本は基地を提供しなきゃならないし、基地を提供することによってまた平和の維持ができるという、そういった実績もあるわけであります。
 したがって現時点で問題になりますのは、それでは沖縄県はどうかと、我が県との兼ね合いでありますが、我が県では御案内のように75%基地が集中していると。そのことについてはだれも意見を挟みません。それを減らしていこう、整理縮小していこうということは、これまでも我々この議会においても全員が取り組んできた我々の政治の課題でありました。そのことは着々と進められていると思っております。

 そこで、今ここで問題にしなきゃならないことは、5月14日に期限切れとなるこの基地の使用に対して違法状態の、今の与党さん、革新的な考え方を持たれる政党の皆様方の空白状態、すなわち違法状態をつくらした方が沖縄のためになるというふうに思っておられるという考え方と、違法状態をつくってはならないんだというふうに自民党
を初め保守的な考え方を持っておられる方々の意見の相違、どちらを選択すべきかということが大きな問題であるわけであります。
 今、共産党さんがアメリカの立場、国の立場と言っていますけれども、私は沖縄県民の立場も考えています。共産党さんのように、今やじられた方のように短絡的にただアメリカと言っておればいいという問題じゃないんです。
 さて、国民的な立場に立って、また沖縄県民としての立場に立つならば次の話を聞いてもらいたいと思うんです。
 今、5月14日で使用期限が切れるわけでありますが、沖縄県の軍用地に関する所有者は何名いるかといいますと3万2625名の地権者がおります。その中で2万9544名の方々はもう契約は済んでおります。どうぞ使ってくださいと、安保条約の規定に基づいて国の安全のため、これには協力してもいいというふうなことも含めて契約が済んでおります。
 契約を拒否しておられる方々は、全体の10分の1にも満たない3081名の方々がまだ契約しておりませんし反対をしております。その3081名の中で内地の方々がヤマトゥンチュが1451名であります。これは一坪共有地主というのですね。さらにほか14名おられるわけですから、せいぜい1460名程度、これはヤマトゥンチュ、沖縄にいない。
 それから、もう1つまた反戦地主という方々が沖縄でも1500名以上おられるわけですけれども、合わせて3081名の方々だけが反対なんです。既に署名をされた方々は2万9544名ですよ。
 今問題にされなければならないのは、むしろ2万9000名余りの方々はこの土地を軍用地として提供して、その中でこれまでも生活をしてまいりましたし、その地域もその基地の経済の恩恵を受けてまいりました。その事実はこれは曲げることはできません。
 それに対して、3081名の方々はどうであったかということなんです。どういった地主、地権者かということを県民がぜひわかっていただきたい。
 これは面積の方から説明してまいりたいと思います。すなわち基地の提供に応じて契約を結ばれた方々は、先ほども申し上げました2万9544名です。それの面積は1万5657.5ヘクタール余りです。
 それに対して、反対と言っておられる方々は35.6ヘクタール、これは率で言いますと0.2%に当たります。したがいまして1000分の2、面積で言いますと998は賛成、たった2が反対なんです。そしてしかも2という面積を持った方々はどれだけの面積を持っているかといいますと、1人で平均すると、これは場所によっても違うわけでありますが、面積といっても、幸いここにある本土の新聞がありますので読みますけれども、普天間飛行場の滑走路の進入口に当たる場所は67平方メートル、すなわち約20坪。20坪の狭い土地に地主が620人もいるんです。1人当たりの地権者の土地はこれぐらいでしょうかね。(資料を掲示) これ
ぐらいの土地を持った地主も1人として反対している。
 それからまた、嘉手納飛行場の滑走路の近くでは2000平方メートル、すなわち606坪に対して2265人が群がって登録をしていると。したがって1人の持っている土地の面積は座布団よりも少し大きい程度だと。
 それからまだ場所によってはもっと小さな地主もいるそうです。これぐらいの地主もいると聞いております。1合ます程度ですね。(資料を掲示)今、名刺の大きさという意見もありますが、大体これはいろんな……(「みんなわかっている」と呼ぶ者あり) みんなわかっていますか。
 このことを、そこでさらにわかっていて判断の違いがあるのが珍しいんです。先ほど申し上げました基地を提供して契約に応じた方々は、この基地からの収入によって生活をして、さらにこの地域の経済にも貢献をしている。沖縄のためになっているんです。
 しかし、たったこんな小さな面積を持った方々が地主だと権利を主張する。仮にこの人たちがこれだけの土地を返されて何に使うだろうか。活用の仕方は全くない。したがって目的はただ反対をする、安保条約をひっくり返す、ただそれだけの目的に沖縄を利用している、それだけにしかならないんです。
 したがって、行政のあり方は人数の上からも、いいですか10倍以上の人数、面積の上からだったら生活をするための地権者、さらにただイデオロギー的に反対すればいいという本当に名刺台分の地権者に比べて、小さな方に力をかして政治をしよう、行政をしようという判断が正しいだろうか、この辺の問題を指摘しなければならないと思うの
であります。
 私はこの話、沖縄の問題を聞くとき、内地の人たちは、まさかそういうことがあろうとは思っておられないようなんですよ。しかしこの数字まで明確にすれば、何だと、こういうことでみんなびっくりしているんですね。
 昨日、土地連合会の皆さん方と我々自民党が懇談をいたしました。その中で、この実態をいろいろ話し合いましたらあるマスコミが取り上げてくれました。朝から早速電話で大変なんです。そういうことだったんですかと、頑張ってください、こういった事実だったんですか、自民党さん、頑張ってくださいということなんです。
 それから、今回の提案された議案の中で、私は大変矛盾がある、あるいはまた実情にそぐわない考え方があるというふうに思っているんです。
 実は昨年の2月、与野党一緒にワシントンに行きまして、基地返還に対する要請とそれから米軍の暴行に対する抗議のために我々はペンタゴンにも行っていろいろ要請しました。
 そのときにアメリカ側の考え方はこうだったんです。平和と自由はただでは手に入りませんと。何らかの犠牲によって、あるいは何らかの努力によって、それによってかなえられるものなんだと。日本のように何もせぬでいてというふうなことだったんですよね。
 ある米軍人の家族からは、何で私の主人が、あるいは私の恋人が、私の息子がなぜほかの国の日本のために命をかけていかなければならないのかと。日本は金を出せばいいかしらないけれども、我々は命をかけているんだと。
 だから今、日米安全保障条約というのがいかにもアメリカだけのためにあるような言い方をして、アメリカに敵対視をしておりますけれども、実際問題としてアメリカが引き揚げていったときに日本の国はだれが守るのか、守らぬでいいのかという、その辺のことから考えていかなければならないんじゃないでしょうか。いかにも……(「フィリピンは大丈夫だよ」と呼ぶ者あり) フィリピンは大丈夫なんて言っていますが、いろんな問題が起こっていますよ、既に。フィリピンだって軍隊を持っていますよ。フィリピンは軍隊を持っているから嘉陽議員が言われるように大丈夫かもわからぬですね。
 アメリカの国民からすれば、日本のそういったことについては、政府の考えはどうあれ我々県民と同じようにアメリカの国民あるいは軍人の家族はですね、やはり自分の国で一緒に生活をしたいという願いがあるんです。そういった願いを乗り越えてきてやっている。
 そのことを称賛するわけじゃないんですけれども、違法状態という形でこういうふうな取り扱いの仕方をすることは、私ども、じゃ我が国はどんなにやって守ればいいのかということまで考えないといけないと思うんです。
 これはなぜかというと、政治の、国家の一番大事な責務は何かといいますと、何といっても国民の生命と財産を守ることが第1なんですよ。いろんなもの反対とか何とか、その次なんです。政治がやるべきことも国民の生命と財産を守ることが第1なんです。
 次に、私は今回の提出されました議案の中での矛盾点を二、三拾ってみたんですが、まず、沖縄県に75%が集中していると。これは私も賛成です。しかしながら説明の中で、戦後……(発言する者あり) 賛成というのは、皆さん方の考え方と同じ考え方だと。舌足らずでした。75%あるということについての抗議の意味では私も同じ意見を持って抗議をします。

 しかしながら方法についてなんです、解釈についてなんですが、戦後強制的に取り上げられたからといってやっていますけれども、強制的に取り上げられたけれども、結果的にはどうであったかというと基地に取り上げられたところが中心となって、言ってみれば門前町をなすように基地を中心として集落が栄えていった。基地が近くにあるところの子供たちは割と腹を満たしていたという例があるんです。
 八重山なんかどうだったかといいますと、いいですか、食べるものがなくて、どこに行っても「戦果」を上げるものさえなかった。こういうふうな生活をしていくということにも事欠くようなのがあった。(「民族の誇りは」と呼ぶ者あり) これは民族の誇りは、あなた方以上に持っているつもりだよ。
 こういうふうな状態だった。ところがこれが望ましい、望ましくないの状態にかかわらず、今となってそのことを理由にするということになると、それではここで反対をしている人たちのことはどのように説明するかということを私は聞きたい。
 ここで皆さん方の意見に反対している方々ですね、これで生活をして契約に応じた方々にはどのような形で皆さん方は言いますか、民族の誇りを失ったとか、何とかかんとか抗議するんですか。そういうふうに取り上げられた理由が、すべてがそうだというふうな形で聞こえてくるんです
が、これは少なくとも復帰後はちゃんと契約もして借り手と貸し手が賃貸契約を結んで成立しているという、法的にはそういうふうな形になっておりますので、そこまで違法状態というふうなことで言えるだろうかと。
 この辺は、後の聞く人に誤解を与えますので、民族の誇りは誇りとして、私はこれは正直に明確に言うべきだと思うのであります。
 それからもう1点、沖縄だけの差別法だということがありますけれども、沖縄だけの差別法ではございません。明確に日米両国間における安保条約第6条に基づく特別措置法と、こういうふうにちゃんと全国的なこれは共通したものであります。
 いかにも差別ということになりますとだれでも意味はわからぬでも、なに、差別されていると、差別されているというだけで人間は怒りますので、こういうふうに感情的に駆り立てるような、こういった扇動的なものをやっちゃいかぬじゃないのかと思うんですね。
 それからもう1点、提案者を代表して新垣善春先生の方からいろいろ説明がございましたが、新垣先生が違法状態ができたらどうするのか、すなわち法の空白が生じたらどうするかということに対して、このように答えておられます。法の空白状態はですね、国においても国民においても望ましいことではないと言っておられる。すなわち皆様方は、国民にとっても国にとっても望ましい状態でないことをあえて数の力を持ってやろうとしている。
 これはどういうことなんでしょうか。そのことを私はどういうことなのか聞きたいです、本当は。望ましい状態でないという答え、ちゃんと言っているんです。そしてなぜかと、責任は国にあるからだということなんです。責任がだれにあれ、自分の責任であろうがだれの責任であろうが、政治のなすべきことは、政治家のなすべきことは国
民のためにいい状態をつくるということが政治家の責務なんです。
 望ましくない状態とわかっていながら、そのことを責任がないからさせておいて、どのようになるかさせるだけさせてみようというふうな、こういったことは沖縄県民を試験台にする、すなわちソビエトが共産主義を70年もかけて実験をして今国民を不幸に陥れている、こういうものと全く同じことになるんです。
 いかなる理由があるにせよ、政治家のなすべきことは、だれの責任であったにせよ、これは政治家は国民のためにいいことをしなきゃならぬです。好ましくないと思っていることをやっちゃいかぬ。これが何であろうが関係ないんです。
 あれと、これと私が言っているのと別の問題だよ、これは。理念の問題を言っているんだよ。
 それからもう1つは、憲法違反であるということを言っていますけれども、憲法違反というふうには当たらないんですね。
 憲法第98条、これは「最高法規」というのがございまして、条約及び国際法規を尊重しなきゃならぬと。これは憲法と国際法は両方同じように尊重しなけりゃならぬという上に立っております。
 言ってみれば、例えて言うならば条約は、外洋において船が浮かんでいると。船がいかに外洋をうまく乗り切って目的を達成するかと、これが条約の履行につながると思うんです。
 それに対して憲法とは何かといったら、船の中にいる乗組員たちがどういったことをするか、こういったことをするかと取り決めをしながらスムーズに条約を履行できるように目的地に乗り越えていけるように、そういったものであろうというふうに、私はそのように思っております。
 そのときに、波がわあ一っと荒れてきて大変な状態になるときに、もうこれはどうでもいい、我々の内部だけの理解だけでやっていいという形になって、船の内部だけでがちゃがちゃやっていると船はひっくり返りますよ。自分の権利や意見が主張が通ってみたところで、船がひっくり返ってしまったら終わりだと、これが条約と憲法の解釈に私は当たるだろうと、そう思っております。
 そういった意味で、中にいる乗組員、すなわち我々が心を一つにしてそして荒波を乗り越えると、こういったことが求められているというふうなときだと思うんです。
 これはSACOの最終報告を得て、我々は普天間基地の返還を初め沖縄県の基地問題がこれから前進すると、我々の県民が望む解決の方向に前進していくものだと、こういうふうに期待を込めているんです。
 しかし今皆様方が言われるように、この決議が通って、またいろんな面で歯どめがかかって沖縄県の基地が違法状態になってしまいますと結局基地問題が固定化してしまって、恐らく当分の間また同じことになるなと。そうしますとそのほかの基地の解決の前進もあり得ませんし、さらにこれからは沖縄県が経済の時代、沖縄の振興の時代ということに対して、これにまた歯どめがかかるなと。
 こういうことを考えますと、私どもはベストな選択とは言えないけれども、ベターな選択として本当に、元屋良知事がちゃんとあいさつしていますよ。コメントの中にありましたけれどもね、復帰のときに。我々が望むのが十分ではないけれども、しかしそれがかなえられていくという中で涙を流したというふうな、こういった感じのコメントがあったんですよ。
 人間は、現実の妥協の中では、そういったこともありながらやはり県民のためにこたえていくというのが我々の政治家に課せられた責務じゃないでしょうか。
 最後になりますが、これは沖縄の現在の政治家の我々の責務として最もみんなで気づかなきゃならぬものがあると思うんです。これはちょっとした数え歌、流行歌のような歌の中に出てくることですが、唐ヌユーからヤマトゥヌユー、ヤマトゥヌユーからアメリカユー、アメリカユーからまたヤマトゥヌユー、ヤマトゥヌユーからさて次はどこのユーになるかと、これが今の時期だと思うんです。
 残念ながら振り返ってみてウチナーユーというのは1つも出てこないんですね。そのことはなぜかというと、ウチナーンチュがこれまで責任を持って沖縄のために汗を流したということがなかったということになるんじゃないのかと。人がいるから、だれかがいるからじゃないんです。そういうふうにやってしまうから、なんでウチナーユーということにならないのか。
 我々はこの際、いろんな泥をかぶっても汗をかいてウチナーユーをつくるためにみんなで結束すべきだと、それをできる具体的な選択をすべきだと。ただ言葉だけは格好よくて、意地だけ張って気が済んでも、何にも実現性がなければ何にもならぬという、その現実を我々はもっと直視してみんなで協力すべきだと。
 そういうふうな願いを込めて反対討論にいたします。
○議長(友寄信助君) 上原亀一郎君。
   〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 私は、与党各派を代表して駐留軍用地特別措置法の改正に反対する決議に賛成する討論を行います。

 よく聞いてくださいよ。
 まず最初に申し上げておかなければならないのは、私たち、全国の75%が集中しているこの米軍基地、どのようにしてでき上がったかということです。
 これは既に復帰前の1968年1月に日本弁護士連合会が沖縄調査団を送って膨大な報告書を出しております。
 その中で、米軍はハーグ陸戦法規の「私有財産ハ、之ヲ没収スルコトヲ得ス。」とする国際法規にも違反してですね、山に避難しておった人たちを12の収容所に囲い込んで、その間に県民の土地を取り上げてそれを基地にしたと。
 本来ならば、みんなうちに帰さなくちゃいけないんですよ。それを収容所に囲い込んで土地を取り上げると。その後も銃剣とブルドーザーで取り上げた。このハーグ陸戦法規条約の違反については1971年の沖縄国会において当時の佐藤総理も認めているんですよ。
 こういう強奪された土地に対して、一体沖縄県民がこれを許しておくということができるでしょうか。まずこれだけ申し上げておきます。
 さて、決議案が、政府が「強制使用手続きの迅速化を図るため、駐留軍用地特別措置法を今国会で改正する方針を固めたことに対し、県民の間に大きな衝撃と反発の声が高まっている。」と指摘している点であります。このことについては後でまたゆっくり述べます。
 御承知のとおり、県収用委員会では公正、公平、中立の立場で審理が進められております。しかし12の施設が約3000人の地主について5月14日の期限切れまでに審理が終わる見通しはありません。したがってその使用期限が切れれば、政府は沖縄の米軍基地内のそれらの土地についての使用する権利、権原を持たなくなることは明白であります。そうなれば政府は法治国家として当然我が国の法
律に従って地主に該当する土地を返還すべきであります。しかるに政府の態度は全く逆であります。返還どころか強制使用手続の迅速化を図り、引き続き米軍の基地使用を保障するための特措法の改正を強行しようとしているのであります。
 政府は、特措法改正の理由として日米安保体制を維持するためにと言っていますが、こんな言いわけが通るはずがありません。安保であろうとどんな条約であろうとそのことを理由に憲法を踏みにじり、国内法を破る権限を政府が有するということは絶対ないのであります。
 安保、安保とさえ言えば県民に苦難を強いたり、生命や安全を脅かしたり、財産権を奪ったりする権限はだれにもありません。
 私は、今度の米軍特措法の改悪は憲法や国内法を二重三重に破るものであることを怒りを込めて糾弾し、その重大な問題点を指摘したいと思います。
 その第1は、この特措法改正が地主の財産権を踏みにじるものだということであります。憲法は私有財産を保障し、第29条には「財産権は、これを侵してはならない。」と明記されており、政府などが公共の福祉のためにやむを得ず財産権を制約する場合でも公正な手続を経て正当な補償をしなければなりません。そのために土地収用法で手
続が決められており、その手続の最後が収用委員会の審理であります。ですからどんな場合でも政府の横暴勝手は許せません。
 この点で今回の特措法改悪の策動は、憲法と国内法を破り捨てる暴挙と言わなければなりません。憲法学者で一橋大学の山内敏弘教授は、収用委員会の裁決が確定するまでは土地は所有者のものです、その土地を国が勝手に占拠して使うことはあってはなりません。政府が特措法改正でやろうとしているのは期限が切れて使用権原がなくなっても一方的に使用するというものですが、これは憲法の基本的考え方を無視したやり方ですと喝破しておりますが、何も一橋大学の山内教授だけではありません。
 また、3月24日の琉球新報の社説は、「「土地収用法に基づく地主への十分な説得、説明作業も十分行わずに反戦地主の土地だからといきなり強制使用手続に入る。その手法は法治国家のメンツうんぬんする前に、日本は本当に民主国家なのかという疑問を抱かせる」」という記者座談会の記事を紹介しておりますが、県民の共感するところではないでしょうか。
 いずれにしましても今回の特措法改正の策動は、国民の財産権を踏みにじる悪法を日本の法体系に持ち込むものであり、憲法の財産権に風穴をあけるものであり、断じて許せるものではありません。
 第2の問題は、現に存在している法律を守ろうとしない、都合が悪くなったら勝手に変えるという問題であります。
 もともと米軍用地特措法は、総理が適正かつ合理的と認定しただけで強制使用の手続に入れるなど政府や米軍に都合のいいようにつくられた法律であります。県民が望んだものでも国民が望んでつくられたものでもありません。それでも私たち県民は、この大変不利な法律を踏まえて強制使用に反対する闘いを展開してまいりました。
 当然、今政府側も県民の側も収用委員会もこの法律の仕組みに基づいて手続をしているわけであります。ところが政府の側は自分がつくった法律のルールで勝負を始めながら、このルールでは期限切れに間に合わないからといってルールを変えようとしている、それが特措法の改悪であります。どうも勝負に負けそうだからといって途中で法律
を変える、土俵をつくり直す、こんな手前勝手なことが通用するでしょうか。大学受験生が問題が解けないので勝手に問題をつくり変えましたと言っても、そんなことが通るはずがありません。今の政府の態度は、まさに県民を愚弄するものと言わざるを得ないものであります。
 この点で今進められている公開審理での政府の態度も強く批判しておかなければなりません。
 マスコミ報道で皆さんも御存じだと思いますが、政府は安保条約があるから強制使用を続けたいと申請しておきながら、安保との関係を聞かれると、審理になじみませんと。読谷の知花さんが自分の土地について一体なぜ返さないのかと聞いても、その質問は審理になじみませんと、審理になじみませんの連発であります。とてもまじめに審理に臨んでいる態度とは思えません。
 3月14日付の沖縄タイスムの社説は、「地主が求めた「強制使用を必要とする日米安保体制の具体的な定義」については、「審理になじまない」と逃げに終始した。憲法で保障された財産権を制限する行為であるにもかかわらず、納得のいく説明ができないようでは反発を受けるのは当然だ。」と書き、特措法改正は世論に逆行と指摘しているほどであります。
 特措法の改悪は、先ほども触れましたように試合の途中でルールを変えるようなものであり、私はこのようなやり方は言語道断であり、政府はきちんと法律を守れということを強く要求するものであります。
 第3の問題は、特措法の改悪は沖縄県民の地方自治の権利を踏みにじる差別立法という点であります。
 憲法95条では、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ国会は、これを制定することができない。」と明確にうたわれています。特定の自治体だけの権利を特別に制限するような法律を制定することは憲法第14条の法の下の平等、民
主主義の大原則に反するからであります。
 沖縄が復帰したときに県民の土地を取り上げるために制定した公用地暫定使用法も当然住民投票を実施すべきでありました。政府は、沖縄はまだ復帰していないので地方公共団体ではないと詭弁を弄して県民の権利を無視したのであります。
 現在の米軍用地特措法はどうでしょうか。これは本土では36年間も適用例がなく、沖縄だけでしか適用されていません。この特措法が国会で議論になったとき、政府はわずかな期間の臨時の法律と言いわけをしながら強引に通したいわくつきのものであります。その法律を改悪することはまさに沖縄だけの差別立法となることは明白であり、その改正は当然住民投票の過半数の同意を得なければならないはずであります。私たち沖縄県民の声も聞かずにもし国会での多数をかさに特措法改悪を押し切るようなことになれば、まさに憲法と国民への許しがたい挑戦として歴史の審判を受けなければならないでありましょう。
 政府はこの問題を言うときに、日本は法治国家だからということをしきりに強調しております。それならば政府みずから法律を守るべきであります。米軍用地の使用期限が切れたら不法占拠状態が起きるから特措法を変えると言っているが、不法占拠は自然に起こるものではありません。政府が法律を守らないから不法占拠が起こるのであっ

て、その責任はすべて政府が負うべきであります。
 日本は植民地ではありません。この特措法問題で今問われているのは安保条約の是非ではありません。アメリカの戦略を日本の憲法の上に置いて米軍基地のための土地の強制使用をいつまでも無法に続けさせ、国民と我が沖縄県民の権利を踏みにじることが許されるかどうか、このことが問われておるのであります。
 ここで私は、最近の新聞論調を初め幾つか紹介しましたが、きのうの新聞の社説では、「許せぬ弱肉強食の論理」と出ているんですよ。弱肉強食の論理。きょうの新聞はどうでしょうか。法治国家の自殺行為とあるんですよ。(「赤旗でしょう」と呼ぶ者あり) 赤旗じゃないんだ。何あんた方新聞を見ていましたか。目をきちんと洗ってください。
 こういうふうに県民世論ははっきりしているんですよ。県民世論に逆らって一体県議会が存在し得ますか。このことを強く申し上げ、自民党の諸君も沖縄県民という立場に立って全会一致で賛成していただくよう強く訴えて賛成討論にかえます。
○議長(友寄信助君) 西田健次郎君。
   〔西田健次郎君登壇〕
○西田健次郎君 特別措置法の改正に反対する決議案に反対する立場で自由民主党賛同者一同を代表して討論を行いますが、まず私は再三申し上げてまいりましたけれども、言葉は正確に県民に誤解を与えないように使っていただきたいと。
 例えば、このくだんの特別措置法でございますけれども、これは「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法」、昭和27年5月15日に成立をしている法律であります。
 確かにこの法律の運用に当たっては、米軍の軍用地というのが沖縄にのみ民有地が存在するという実態からして、適用されるとなると現在においては沖縄だけに適用される結果にはなっておりますが、以前には本土の方においてもありましたし、例えば砂川闘争の場合もこれが出ておりました。
 沖縄の基地の成り立ちは、もともと第2次世界大戦(太平洋戦争)の敗戦によって沖縄がそのまま占領され、本土侵攻の基地として使われる、その準備をされている段階でポツダム宣言の受諾ということになった経緯があります。
 ですから、日本本土における米軍基地の成り立ちと沖縄の基地の成り立ちは本質的に違う。この辺はひとつ理解をしていただかなきゃなりません。したがって他の都道府県における駐留軍の提供施設というのは100%が国有地であります。沖縄の場合はヤンバルの訓練地域を除くとほとんど民有地である、こういう性質の違いがあって、この特別措置法を適用する場合は残念ながら沖縄のみになっているということもありますけれども、これがあたかも沖縄をターゲットにした憲法違反である云々、これについては言葉は正確に使っていただきたいと思います。
 それから、特別措置法改正反対決議をするという方々は、共産党さんは日米安保体制を明確に否定をしているし、北朝鮮のような国に日本をしようと思っているであろうと私は信じている団体ですから……(「冗談じゃないよ」と呼ぶ者あり)そのとおりでしょう。僕は正確なことを言うことで有名ですからね。
 それでほかの問題は、特別措置法改正反対ということについては結果として特別措置法というもの自体を廃棄をする運動までしていかなければ、ただ現実的に今沖縄で特別措置法反対ということを言っておけば自分の政党の支持率も上がる、政治家としての人気も出るというような安易な妥協、打算で政党政治家がみずからのポリシーも捨ててやるという、もし一部改正に反対をされる人たちは、この特別措置法自体を廃棄する運動までやる、これはいわゆる日米安全保障体制を根底から否定することにつながっていくんです。この点だけはしっかり認識した形でこの対決議案を考えていただかなければならない、こういうことが問
われていることだけは理解していただきたい。
 さてそこで1点目でありますけれども、橋本総理がきょうのきょうまで特別措置法の改正を控えてきた理由は私は2つあると見ております。
 1つは、少数単独連立政権であります。衆議院の方で辛うじて自民党単独の数を確保できているようでありますけれども、参議院ではそういうわけにはまいりません。
 それから、社民党さんとさきがけ3党連立の枠組みをしっかり守りたいと。これからの政局運営でどうしても連立3党の了解、合意を取りつけたいということに対する配慮があって、なかなか今日までまだ社民党さんの同意が取りつけられていませんから、こういうことで特別措置法の改正について踏み込むことができなかった、こういう事情もあります。
 それからもう一つは、県知事を初め沖縄県民の県民感情に対する配慮、いきなり特別措置法改正とかあるいは緊急使用認定、裁定をやってくると、これは政府がやるべきこと、努力はしなくてという厳しい批判もある現在、何とか県知事や県民あるいは収用委員会がこの5月15日から出てくる異常な違法状態、こういうことを避けるためにぎり
ぎりまで努力をしていただきたい、理解していただきたい、そして御協力していただきたいという沖縄県民への配慮がその背景にあったということだけははっきりしておりますから、これについても評価するしないは別として理解をしていただきたいと思います。
 それから、なぜ緊急使用認定とか、とるべき手続をとらなかったのか、政府は怠慢だという批判もありますけれども、しかし昨年の8月に収用委員会、起業者である那覇防衛施設局は使用認定の裁決申請をしているわけです。
 収用委員会の作業が始まったのはことしのつい最近からでしょう。こういう状況も理解していただきたいし、さらにまた緊急使用認定についてなぜそれをやらなかったかという批判がありますけれども、今収用委員会が粛々と審理を進めている最中なんですよ。その結論がノーと出るかイエスと出るか、これがまだ見通しの立たないときに、どうせ結論はだめになるであろうという前提で予見をした形で緊急使用認定をやるという、これは収用委員会の権限に対する大変な侵害にもなります。むしろ侮辱行為になってくるんですよ。ですからこれは同時並行でできる筋合いのものじゃない。
 先ほど申し上げたとおり、橋本政権というのは連立政権の枠組みの中で苦渋しながら、また沖縄県民に最大限の御理解を賜りたいということで沖縄の言うことをすべて聞く、やることは全部やりましょう、真っ正面から取り組みましょうという結果でこういうことになっているということです。
 そしてこのことは、例えば知事の公告・縦覧に応諾したときの知事のタイムス、新報両方に出た県の説明ですけれども、この中にこういう表現がありますね。
 このような状況の中で沖縄問題が内外に大きく取り上げられるようになって、日米両国政府も沖縄の基地問題の解決に積極的に取り組まざるを得なくなりました。そしてことしになって4月15日のSACOの中間報告では普天間飛行場を含む11施設の全面返還あるいは一部返還が示され、これまで動かなかった米軍基地問題に一定の前進が見られましたと、これは評価しておりますと。そして知事、私が公告・縦覧代行に応じた主な理由は、1つ目は、代理署名の最高裁判決が挙げられます。それから2点目は、また拒否し続けても最終的には政府みずから代行できる道がありましたと。さらに国会で強制使用手続を迅速化させる動きも懸念をされ、地元の意向とは無関係に国の一存で土地を強制使用できる措置がとられるおそれがありましたと。ここなんですよ、私どもが言っているのは。そして県としては、このような事態に発展するのはどうしても回避しなきゃならないと考えておりますと。
 私どもが先般から論議の中で、国をそういう状況に追い込むことだけは避けなきゃ大変なことになるぞと。これは知事も同じような懸念をこの公告・縦覧に応諾したときの全県民の前に知事の心情を吐露していますね。
 それから2つ目に、沖縄の米軍基地は日米間の安全保障条約に基づいて置かれているわけですから、基地の存続や返還については両国間の外交交渉の枠組みの中でしか解決されないということでありますと。そしてその次にさらに、県が公告・縦覧代行の拒否を続けた場合はこれまで粘り強く重ねてきた国との協議、調整や、日米両国政府による話し合いが進展しなくなることが危倶される状況にあるということですと。

 3つ目には、1、普天間飛行場の返還及び県道104号線の問題から引き続きずっときまして、沖縄政策協議会の総理談話を評価をして、閣議で決定を見ていますから、たとえ政権の交代があってもその方針はそのまま引き継がれていきますと。また50億円の特別調整費の計上によって財政的な裏づけも予定されており、課題の解決に期待が持てるような状況になりましたと。いろいろ出て、そして結びは、いわば拒否は沖縄問題を解決するための手段、方策であり、大事なのは目的をどう解決していくべきかということだと思います。沖縄の置かれている厳しい現実を考えるとき、オール・オア・ナッシングという形で放置はできませんと。今の特別措置法改正の言っているのはオール・オア・ナッシングを皆さんは主張していることになるんです。あくまでも拒否を貫き通した先に沖縄の明るい展望は開けるという保証は期待できない中で、私は政府の協力を求めながら沖縄問題の解決に向けてきちっと対応することが県民からの負託を受けた行政の責任者としての義務であると考えていますと、こういうことを知事が県民の前に心情を吐露した、こういう事態、こういう危惧を皆様方は理解してあげな
きゃならないだろうと思います。
 さてそこで次に進みますが、先ほども少し出ておりましたけれども、宝珠山発言がきのう飛び出してまいりました。
 その前に上原亀一郎先生は、今回の特措法改正問題は白米安保論の是非論じゃないということを言っておりましたけれども、これはまさしく奇々怪々な話でありまして、日米安保の根幹を問われていることをこれはカムフラージュしちゃいかぬです。そうなるんですよ。
 例えば、沖縄の海兵隊の撤退は可能かどうか、よくこれが出て、希望的観測でアメリカの特に民主党の政策ブレーンの中から海兵隊の撤去は可能だ、こういう意見が出てきている。しかしそれは実態として沖縄の米軍の海兵隊を削減をして、そして極東・アジアからアメリカの兵隊を軍隊をアメリカのプレゼンスを削減していくということに誤解されていると非常に困ってまいります。
 この望月氏の発言ですね、何回か新聞に出ますけれども、むしろ沖縄から米軍の海兵隊を削減させる、移転をさせる、その場合は日本自体が今のアメリカ軍が果たしている機能を補うような日本の防衛体制を整備をしなさいと。
 例えば、有事駐留論で一たん有事のときは海兵隊はハワイとかあるいはグアムでもいい、本国でもいい、そこに後退しててでもいいけれども、一たん有事の場合は日本の飛行場、港、交通手段、後方支援、そういうことをしっかりと日本が防衛体制を構築してからという前提条件がついているということが、これ力犠論から抜けている、落ちているんです、一番肝心なところが。この辺も理解していただかなきゃならない。
 例えば、けさの望月氏のコメントですね、「米軍戦闘部隊に対する後方支援ができるように、最低でも日米防衛協力の指針を見直し前進させなければならない。さらに日本の空港、港湾、通信の施設を米軍が使用できるよう法的整備をしてもらいたい。3つ目は、緊急展開のため、空輸の面で米軍支援を可能とすることだ。」と、大変な条件がついてきているということなんです。
 そして、「さらに日本政府との交渉で新たな(防衛協力強化の)取り決めができれば、日米の安保関係は一層強固になる。」と。これは「北朝鮮の抑止に向けた日米協力の一番のしるしになる」と。
 今、大田県知事やこの特措法改正反対を主張している皆様方が海兵隊削減については撤退とか、それについてはアメリカの方ヘシンクタンクが行っているじゃないかというけれども、この後ろのその人たちが突きつけている条件については欠落しています、議論が。
 この辺を見てくると、さらにクローニン博士が言っていることはこういうことです。「中国はまだ脅威ではないが、今後25年から50年間に強大な軍事力を持つようになる。中国がさまざまな問題解決のため、気まぐれに軍事力を行使しないよう一線を画しておかなければならない。真空地帯を生じさせないための、いわば保険政策だ」と。
 さらに、これは望月氏ですけれども、幅広い視点から日本に安全保障問題を考えさせようということで海兵隊を撤去させたらどうかということを言っているけれども、実態としては「日米安保の覆いを取り払えば、日本が行き過ぎることもあり得る。だからこそ私は段階的な変化を支持している」。
 ところが韓国も同じような懸念を示しているわけです。これはつい先日、韓国の大統領からそういう指摘がありました。そして「「朝鮮半島が非常に不安定な間は、"断固とした態度で行こう"だ。日米防衛協力の見直し協議を滞らせたりすると、短期的には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対し、長期的には中国に対し誤ったシグナルを送
ることになる」。一在日米軍縮小の条件は。「短期的には朝鮮半島の和解に向けて確実な歩みがあること。高度の情報に基づくシステムの技術革新が進み、削減された兵力を補えるようなバーチャル・プレゼンス(緊急展開能力などによる現実の駐留と同等の能力)を提供できるようになることだ。それには時間もお金もかかる」」と。
 この辺の大事な点を欠落したままでこの特措法改正とか安保問題を論じられたら大変に県民に誤解を与えることになる。
 それで宝珠山発言に少し入ります。
 きのう、琉球新報で「特措法改正は不要」という記事が飛び出しました。よもやと思って記事を見ていると、必要性の問題から特措法改正不要ということで、早速きのう1日この問題についての真偽を確かめる作業をさせてもらいました。
 これは宝珠山さんがいる防衛装備協会、そこの理事長をしていますから、そこからいただいた資料ですけれども、(資料を掲示) 琉球新報さんがいろいろインタビューで質問していますね。その中で本当2カ所基本的な誤解が2つあったと。
 それから宝珠山さんの発言は、知事や皆さんが聞くとブチクンするような発言が随所にあるんですよ。
 例えばこういうのがありますね。今、改正しなくても「失権状態」に陥るとは考えていません。いわゆる昨年8月、最高裁判所の判決で国が勝訴している。それ以降は楚辺通信所であれ何であれ、法治国家で最高裁の判決が出ているから、すべて自由に国は使えるんですよと、そういう見方を宝珠山さんはしておられるんですよ。
 そして基地の安定的提供は、日本国が他国に約束していることですから、これを国内問題として処理する限り問題はないことです。国内問題というのは、最高裁の最終判決で対応できると。それから国内問題を国際問題に転嫁すれば国際社会で侮られ、長期にわたって日本国民の利益を害することになりますよと。
 それから設問2、日米安保条約に基づく基地提供義務を履行できるか否かという危機的状況に陥った原因はどうする。これについて宝珠山さんは、「沖縄は、障害の少なくなる場所への移設は受け入れ、将来返還されたら地域経済の発展に活用すると言った姿勢、基地とも共生・共存する方向に変化、実益を重視する現実的な方向に変化することが重要だと思います。」、こういうコメントが新聞に出ないんですよね。
 それから、党利党略先行、根本的な議論が欠落しておりますと、今回の特措法の改正。そこについては基地問題は日本の安全保障の3本柱の一つですので、地元住民の協力、負担を伴う問題等々で党利党略を離れて、期間をかけて日本の防衛問題を論議する必要がありますと。
 それから、海兵隊削減及び本土移転について、これは皆さんがしっかり聞いてほしい言葉ですがね。「条約は言葉ですし、歴史的にも簡単に破られていますので、それだけでは信頼されません。この言葉を具体的な姿・形で裏打ちしているのが在日米軍です。海兵隊は在日米軍の中核です。これを削減したり、日本国外に移転することを論じ
るのは、日本の国益を害するもの、時期尚早です。」
と。
 それから、「現在の世界やアジアの平和と繁栄、安定にとって、他の国やモノでは代替することのできない大きな役割を果たしていると思っています。」と。
 それから、在日米軍は削減・縮小に向かうべきか、当面は現状維持すべきかという新報の問いに対して、「この世界的にも重要な日米安保体制は、日本自身の防衛努力、基地の安定的提供、日米防衛協力体制の充実の3本柱から構成されています。」、「知恵を集約し、運用ソフト、有事法制を充実することだと思っています。」と。

 そして、「国際情勢の変化と相侯って、在日米軍の縮小なども可能になるかもしれませんが、今それを行なうことは、世界、特に周辺諸国に、誤解を与え、日本の平和、繁栄、独立にとって危険なことだと思います。」と。
 こういうこととかいろいろまだまだありますけれども、これについて早速諸冨防衛施設庁長官の見解がきのう記者会見で、けさ沖縄の地元の新聞にも出ました。
 1つは、宝珠山理事長の見解については2つの誤解があったと。これは「一般民法では借地や借家の更新などで争いがある場合も借地借家人も相当の権利が認められている」云々については、嘉手納飛行場等12施設の一部土地については駐留軍用地特措法による使用であり、同法に使用期間が満了したとき等の返還義務が規定されているこ
と。
 2点目は、「昨年8月の最高裁判所判決で国が勝訴しているので、それ以降は楚辺通信所の時とは、状況が法的に異なる」とあるが、同判決は職務執行命令に関するものであり、使用期限切れ後の法的状態に関するものではないから、この点については宝珠山氏本人も面談指摘したところ誤解を認めたところでありますと。これは公式の記者会見のコメントです。
 そしてこの点については、きょうの地元の新聞に出ましたね。「宝珠山前長官発言は誤解」と、「施設庁、特措法問題で」、こういうようなことで県民があたかもきのうの宝珠山前長官がコメントしたことが、都合のいいところをつまみ食いをされて誤解を与えるような報道については、私どもとしてもこの間違った認識を県民に持たしてはいけない、そしてまた議会の中でそれについて正確な情報、正確な議論の経過を見て、この問題についての対応を考えていただきたい、こういうことでこの問題をあえてここで提起をしました。
 そして、先ほどから申し上げているとおり、今回の5月14日以降の問題で違法、不法使用状態が出てきた場合のことを想定をしていただきたい。これは大変なことになっていくんですよ。
 今、3000名の地主の問題がありました。銃剣とブルドーザーで土地は強権的に収奪、そのとおりです。沖縄の基地問題というのは文字どおり沖縄県民がわからない、相談もないうちに一方的に占領された、アメリカ軍の占領軍の権力で銃剣とブルドーザーで強制的に収奪、これは紛れもない事実です。今の軍用地はみんなそうなんです。
 ただし、この3000名の反戦地主の皆様方は、その中でわずか残っているのは114名ぐらいです。あとは全部ヤマトから来たり、あるいはアメリカから来たり、意図的に日米安保体制を否定をして、日本の現在の国家体制、日米パートナーシップを根底からぶっ壊そうとしている極めて明確な思想を持った確信犯のグループである。だからこそ
2000名の地主がまだ連絡もとれない、会いに行っても会ってくれない。この人たちはもともと説得しようとすること自体がむだなんです、無理な話。それでも起業者側は相当夜、夜中まで昨年からずっと回って了解を取りつける作業をして、そのうちの数名が契約に応じておりますが、共有地主になっているものですから何名かが契約に応じて
も、実態としては最後の1人が反対したらだめなんです。
 こういう実態からして、またこれまでの彼らの実績からして5月15日後、政府が不法使用状態を余儀なくされたときは間違いなく大変な大混乱が出てくる。そしてその混乱の結果としては、日米関係の信頼関係が損なわれる。それで日本は法治国家、主権国家として国際社会の中で国際的に大変な信用失墜をするし、これは結果として沖縄の県益についても本当に取り返しのつかない状況が出てこないかと、こういう心配、懸念をしております。だからこそ橋本総理はぎりぎりまで沖縄県民の感情、気持ちを大事にしながら何とかそういう状態にならないように、特別措置法の改正もしなくて済むような理解、協力をいただきたいとい
うことでここまできたけれども、ついにもう間に合わぬと、どうにもならぬと、こういうことで特別措置法の改正がおとといですか、きのうですか、知事に公式に意思表示された。
 こういう経過でありますから、どうぞその改正反対決議に賛成している議員の方々でも、共産党さんのように日米安保体制を否定して日本の国を社会主義の国にしようという化石時代の考え方に凝り固まっている皆さん方はいいけれども、本当に日米安保体制を評価をして、堅持をして、日米のパートナーシップで極東・アジアの平和をこれから、特に中国をどうしていくかということは日米の協力体制がなければできないんです。そういう形の認識、見識を持っておられる政治家、政党の皆様方は、この特措法改正反対に軽々に無原則、無批判に賛成をするような行動はとっていただきたくない。これは祈るような気持ちで皆様にお願い申し上げておきます。
 さて、そこで結びに入りますけれども、今回こそ政党政治家のポリシーが問われている、政策が問われている、我々も今の県民世論であえてそれにさおを差すような形でこの特措法改正反対決議に賛成をするということは、これは大変なことであるんです。しかしこういう基本的に極めて重要な問題が政治家に、政党に問われているという認識のもとで日米安保体制を崩壊させていいのですかと、この問題を本当に問われているということをしっかり認識をしていただきたいし、先ほど共産党さんから我が党に対して批判もありましたね。
 例えば、先ほどの予算問題で消費税の問題について云々がありました。しからば皆様方、消費税の値上げ反対ということなら、どうして予算の修正動議を出さないのか。これは我が党に対する批判に対して私は県連会長として反論する責任がある。
 あなた方は、おかしいでしょう。いいですか。例えば次、在沖米軍の兵力削減と基地の整理・縮小及び返還軍用地の跡利用のための特別措置を求める要請決議がありますね。この決議案を見て私はびっくりしたんですけれども、この文案に、「日米関係は戦後の日本の復興に多くの貢献をしてきた」、日米関係ということは日米安保体制を高く評価するということを明言をしていることでしょう。
 それから皆様方は、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告に一定の評価ということで私は目を疑ったんですよ。何でこうなったのと、あなた方は我々に対して一言も批判する資格はないですよ。自分たちの党是、ポリシーを捨てて、与党としての格好をつけて、新たな日米安保体制を高く評価するということを言っている、これに賛成をしている。そしてSACOの最終報告も一定の評価をすると。一体この矛盾を県民にどう説明するの。
 こういうような、共産党が自分たちの消費税問題を含めて……(発言する者多し)
○議長(友寄信助君) 静粛に願います。
○西田健次郎君 与党だ与党だと言いながら、こういうみずからはまさにこそくな手段を用いて党の宣伝のプロパガンダのためにこの議案、議案ごとに政治的なショーで翻弄しているような共産党の皆さんが、このしっかりとした日本人の歴史、伝統、文化である自由民主主義論で頑張っている我が党の批判をする資格はない。あなた方、そう言うなら、しっかりけじめをつけて筋の通ることをしなさいよ。
 そういうことを本当のことを申し上げて私は討論を終わります。
○議長(友寄信助君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
○上原亀一郎君 議長、休憩。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後5時41分休憩
   午後5時44分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
○大工廻朝栄君 議長。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後5時44分休憩
   午後5時46分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
 これより議員提出議案第3号駐留軍用地特別措置法の改正に反対する決議を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(友寄信助君) 起立多数であります。

 よって、議員提出議案第3号は、委員長の報告のとおり可決されました。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後5時47分休憩
   午後5時48分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
 この際、日程第10 議員提出議案第4号沖縄に駐留する米国海兵隊の削減と撤退を求める要請決議 日程第11 議員提出議案第5号在沖米軍基地の整理・縮小を求める要請決議及び日程第12 議員提出議案第6号 在沖米軍基地の整理縮小と返還軍用地の跡利用のための特別措置を求める
要請決議を一括議題といたします。
 各議案に関し、委員長の報告を求めます。
 米軍基地関係特別委員長。
   〔米軍基地関係特別委員長 玉城義和君登壇〕
○米軍基地関係特別委員長(玉城義和君) ただいま議題となりました議員提出議案第4号、議員提出議案第5号及び議員提出議案第6号の3件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 委員会におきましては、付託されました3議案について慎重に審査を行ってまいりました。
 審査の結果、3議案とも重要であることから、3議案を併合し一つの要請決議とすべく修正動議が提出されました。
 なお、SACOの最終報告の評価をめぐって共産党から異論がありましたが、修正案については全会一致でよいとの意見がありました。
 修正案はお手元に配付のとおりであります。
 修正案を朗読いたします。
   〔在沖米軍の兵力削減と基地の整理・縮小及び返還軍用地の跡利用のための特別措置を求める要請決議朗読〕
 以上、委員会における審査の経過を申し上げましたが、審査の結果、議員提出議案第4号、議員提出議案第5号及び議員提出議案第6号は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより議員提出議案第4号沖縄に駐留する米国海兵隊の削減と撤退を求める要請決議、議員提出議案第5号在沖米軍基地の整理・縮小を求める要請決議及び議員提出議案第6号在沖米軍基地の整理縮小と返還軍用地の跡利用のための特別措置を求める要請決議を採決いたします。
 ただいまの議案3件に対する委員長の報告は、議案3件を併合して一つの要講決議とする修正議決であります。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案3件は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第4号、議員提出議案第5号及び議員提出議案第6号は、委員長の報告のとおり修正議決されました。
○議長(友寄信助君) 日程第13 議員提出議案第7号 新たな保険・共済制度の創設に関する意見書を議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 伊波栄徳君。
   〔伊波栄徳君登壇〕
○伊波栄徳君 ただいま議題となりました議員提出議案第7号新たな保険・共済制度の創設に関する意見書について、提出者を代表して提案理由を申し上げます。
 被害総額約10兆円という甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災から2年が経過いたしましたが、その間被災地においては国、県及び地域住民が一体となって復興に取り組んでおり、ようやく落ちつきを取り戻しつつあります。しかしながら個人住宅を初めとする建物の復旧、復興は進んでおらず、空き地が目立つ状況にあります。
 これら被災建物の復旧がおくれている最大の要因は、被災者の資金確保の困難さにあり、資金面での保障の拡充が強く求められております。
 今回の大震災では特に住宅の被害が大きく、義援金や公的な支援だけでは到底復興できる状況にはありません。また現行の保険制度は、保険料の割高感から加入率が極めて低かったことに加え保険金も低額であるなど、その問題点が浮き彫りになっております。
 我が国は地震国でもあり、日本全国いつどこで同様な大地震が発生しても不思議ではなく、本県でも西表近海での群発地震が多発しており、その危険性は専門の学者からも指摘されているところであります。
 以上のことにかんがみ、国民生活の基盤をなす住宅等建物の再建に十分な資金を保障する方策を確立する観点から、新たな保険・共済制度を早急に創設されるよう関係機関に要請するため本案を提出した次第であります。
 案文を朗読いたします。
   〔新たな保険・共済制度の創設に関する意見書朗読〕
 以上で提案理由の説明を終わりますが、慎重に御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第7号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、本案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
○議長(友寄信助君) これより議員提出議案第7号新たな保険・共済制度の創設に関する意見書を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第7号は、原案のとおり可決されました。
○議長(友寄信助君) 日程第14 議員提出議案第8号 沖縄県特別経済区の形成に関する意見書を議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
○嘉陽宗儀君 議長、休憩願います。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後5時58分休憩
   午後6時  再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
 伊波栄徳君。
   〔伊波栄徳君登壇〕
○伊波栄徳君 ただいま議題となりました議員提出議案第8号沖縄県特別経済区の形成に関する意見書について、提出者を代表して提案理由を申し上げます。
 本県は、復帰後本土との格差是正を目指して各種の振興策を展開してまいりましたが、現在に至ってなお県民所得は本土の70%余の水準でしかなく、失業率は全国平均の約2倍を超える状況にあり、いまだ本土との格差は大きな開きがあります。
 本県の振興開発は、これまで沖縄振興開発特別措置法に基づき策定された3次にわたる沖縄振興開発計画により総合的な施策が推進されてきた結果、本土との格差は次第に縮小され着実な成果を上げていることは周知のとおりであります。
 しかしながら、復帰後24年を経過した今日においても本県の振興開発による自立的発展という目標とはいまだほど遠い状況にあり、本県の経済社会は依然として物的生産部門が弱く、このため産業基盤の整備や雇用の確保、加えて広大な米軍施設・区域の存在などなお今後とも長期にわたって解決すべき課題が山積しております。
 このため第3次振興開発計画に基づき、本県においても引き続き各種の格差の是正と生産、産業体制の基礎条件の整備を図るため県、市町村、経済団体等があらゆる努力を行っているところでありますが、経済基盤の未整備や県、市町村の財政の脆弱性からこれを早期に実現するためには新たな制度の拡充強化が求められております。
 また本県は、地理的、自然的特性を生かして我が国の南における物流中継拠点形成を産業振興施策の重要な柱として位置づけており、本県における国内外企業の立地と貿易の振興を促進するためには現行制度の枠を超えた規制緩和や産業、貿易に係る関係法令の見直し等制度の改正を行うなどの思い切った抜本的な拡充強化を図る必要があります。

 以上のことから、本県が21世紀に向けた自立した経済社会を確立するため新しい視点に立った本県における産業、貿易振興と規制緩和を政府に強く要請する必要があることから、本案を提出した次第であります。
 案文を朗読いたします。
   〔沖縄県特別経済区の形成に関する意見書朗読〕
 以上で提案理由の説明を終わりますが、慎重に御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第8号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、本案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
○議長(友寄信助君) これより議員提出議案第8号沖縄県特別経済区の形成に関する意見書を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第8号は、原案のとおり可決されました。
○議長(友寄信助君) 日程第15 議員提出議案第9号 放課後児童対策事業の法制化に関する意見書を議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 喜納昌春君。
   〔喜納昌春君登壇〕
○喜納昌春君 ただいま議題となりました議員提出議案第9号放課後児童対策事業の法制化に関する意見書について、提出者を代表し提案理由を御説明申し上げます。
 近年都市化の進行、核家族化の進行、働く女性の社会進出、夫婦共働き家庭の一般化、母子・父子家庭の増加等により児童や家庭を取り巻く環境の変化は著しく、次代を担う児童の健全育成を図る上から、地域における学童保育制度の確立と拡充が重要な課題となっております。
 このような状況の中、政府は児童福祉法制定50周年を迎えるに当たり同法の抜本的改正に着手し、放課後児童対策事業の法制化を含む改正案を3月11日付国会に提出しております。
 しかしながら、同法案の改正内容が児童の健全育成施策を推進するには具体的な改善策が見つからず満足のいくものではありません。
 ちなみに、本県の放課後児童クラブの実施状況を見ると那覇市を初め10市町村で62カ所の児童クラブが設置されておりますが、そのほとんどが民家や民有施設を借用し活動されており、児童館や公的施設での活動はごくわずかであります。
 また施設の運営形態においても市町村や父母の会などさまざまな形態で実施され、施設や設備においても明確な基準もなく、学童保育の役割や実態から見れば貧しい現状であります。また学童保育の指導員においても身分が不安定であり、その上児童の父兄の負担も大き過ぎるなどから地域での学童保育が普及しない要因にもなっております。
 このようなことから、国において児童福祉法の中に放課後児童対策事業を明確に位置づけし、地方公共団体が取り組みやすい制度をより一層前進させ、我が国の児童が全国どこでも同じ条件でサービスが受けられるような制度の拡充強化を求めるために本案を提出した次第であります。
 案文を朗読いたします。
   〔放課後児童対策事業の法制化に関する意見書朗読〕
 以上で提案理由の説明は終わりますが、よろしく御賛同賜りますようお願いいたします。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第9号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、本案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
○議長(友寄信助君) これより議員提出議案第9号放課後児童対策事業の法制化に関する意見書を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第9号は、原案のとおり可決されました。
○議長(友寄信助君) 日程第16 陳情19件を議題といたします。
 各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
 総務企画委員長。
   〔総務企画委員長 伊波栄徳君登壇〕
○総務企画委員長(伊波栄徳君) ただいま議題となりました陳情19件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これよりただいま議題となっております陳情19件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、ただいまの陳情19件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
○議長(友寄信助君) 日程第17 陳情2件を議題といたします。
 各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
 経済労働委員長。
   〔経済労働委員長 大城秀昭君登壇〕
○経済労働委員長(大城秀昭君) ただいま議題となりました陳情2件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これよりただいま議題となっております陳情2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、ただいまの陳情2件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
○議長(友寄信助君) 日程第18 請願2件及び陳情13件を議題といたします。
 各請願及び各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
 文教厚生委員長。
   〔文教厚生委員長 喜納昌春君登壇〕
○文教厚生委員長(喜納昌春君) ただいま議題となりました請願2件及び陳情13件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどをお願い串し上げまして報告を終わります。
○議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。

   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これよりただいま議題となっております請願2件及び陳情13件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 各請願及び各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、ただいまの請願2件及び陳情13件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
○議長(友寄信助君) 日程第19 閉会中の継続審査の件を議題といたします。
○議長(友寄信助君) 各常任委員長、議会運営委員長及び各特別委員長から、会議規則第82条の規定により、お手元に配付いたしました申し出書のとおり閉会中の継続審査の申し出があります。
 お諮りいたします。
 各委員長から申し出のとおり閉会中の継続審査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
 よって、各委員長から申し出のとおり閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。
○議長(友寄信助君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日をもって議会は閉会となりますが、議員各位には長い会期中、連日熱心な御審議をいただき、議長として心から感謝申し上げます。
 なお、今期定例会における議会活動状況は、後ほど文書をもって報告いたします。
 以上をもって本日の会議を閉じます。
 これをもって平成9年第1回沖縄県議会(定例会)を閉会いたします。
   午後6時17分閉会

 
19970111000010