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平成10年(1998年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 10月 8日
第 8号 10月 8日
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議 事 の 概 要
平成10年10月8日(木曜日)
午前10時1分開議
日程第1 乙第1号議案及び乙第2号議案(総務企画委員長報告)
日程第2 乙第3号議案及び乙第4号議案(文教厚生委員長報告)
日程第3 乙第11号議案(総務企画委員長報告)
日程第4 乙第9号議案(経済労働委員長報告)
日程第5 乙第8号議案(文教厚生委員長報告)
日程第6 乙第5号議案から乙第7号議案まで(土木委員長報告)
日程第7 甲第1号議案(総務企画委員長報告)
日程第8 甲第2号議案(経済労働委員長報告)
日程第9 大田知事発言に対する抗議決議(総務企画委員長報告)
討 論 議員提出議案第1号 大田知事発言に対する抗議決議
日程第10 過疎地域活性化のための新立法措置に関する意見書
日程第11 税制改正に関する意見書
日程第12 平成10年産さとうきび生産者価格及び生産振興対策等に関する意見書
日程第13 那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議
質 疑
1 嘉陽 宗儀君(共産党)
2 兼城 賢次君(社会・護憲)
3 喜納 昌春君(社大党)
4 下地 学君(結の会)
日程追加 那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議(米軍基地関係特別委員長報告)
討 論 議員提出議案第2号 那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議
日程第14 陳情1件(総務企画委員長報告)
日程第15 陳情7件(経済労働委員長報告)
日程第16 陳情4件(文教厚生委員長報告)
日程第17 陳情1件(土木委員長報告)
日程第18 陳情3件(米軍基地関係特別委員長報告)
日程第19 陳情1件(軍用地返還・跡利用対策特別委員長報告)
日程第20 閉会中の継続審査の件
午後10時33分閉会
〇議長(友寄信助君) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
昨日、伊波栄徳君外14人から、議員提出議案第3号過疎地域活性化のための新立法措置に関する意見書、議員提出議案第4号税制改正に関する意見書及び大城秀昭君外12人から、議員提出議案第5号平成10年産さとうきび生産者価格及び生産振興対策等に関する意見書の提出がありました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
〇議長(友寄信助君) 日程第1 乙第1号議案及び乙第2号議案を議題といたします。
各議案に関し、委員長の報告を求めます。
総務企画委員長。
〔総務企画委員長 伊波栄徳君登壇〕
〇総務企画委員長(伊波栄徳君) ただいま議題となりました乙第1号議案及び乙第2号議案について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、総務部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
まず、乙第1号議案沖縄県行政機関設置条例の一部を改正する条例は、保健、医療の行政サービスをより効果的に住民に提供するため条例の一部を改正するものである。改正の概要は、名護保健所の名称を北部保健医療圏の名称と一致した北部保健所に変更するとともに、これまで南部保健所の所管区域であった浦添市及び島尻郡離島8村を中央保健所の所管区域に編入するものであるとの説明がありました。
本案に関し、南部保健所は南部保健医療圏になったが、中央保健所はそのまま残るのかとの質疑がありました。
これに対し、1医療圏に1保健所が基本であるが、南部医療圏については人口とかその他を勘案して厚生省と調整した結果、2保健所を置くことになったとの答弁がありました。
次に、医療圏と保健所は一致させるということであれば、本来の趣旨からすると北部、中部、南部、宮古及び八重山の5つの保健所があるのが相当であり、石川保健所及び中央保健所は不要で、中央保健所は本来は那覇市が持てばいいのではないかとの質疑がありました。
これに対し、中部医療圏にある石川保健所とコザ保健所については統合するということで地域住民の合意も取っている。今回、統合を出さなかったのは、どこの保健所に置いても2つ統括して入る建物の敷地がないためで、改めて今、沖縄市に予定している中部合同庁舎をつくった上で統一していきたい。那覇市については中央保健所を引き継ぐよう設置以来調整をしているが、今大変財政状況が厳しいということもあり当面は難しいが、県としては今後とも那覇市と調整していきたいとの答弁がありました。
次に、乙第2号議案沖縄県税条例の一部を改正する条例については、地方税法の一部が改正されたことに伴い条例の一部を改正するものであり、改正の概要は金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律及び特定非営利活動促進法の改正により地方税法の一部が改正され、保険契約者保護機構及び特定非営利活動法人が公益法人等に含まれたことから、公益法人等に保険契約者保護機構及び特定非営利活動法人を加えるものである。
また、宅地建物取引業者が一定の要件を満たす住宅及びその用に供する土地を居住者である個人から取得し、取得の日から六月以内に当該個人以外の個人にその居住の用に供するために譲渡した場合、その取引に係る不動産取得税の特例措置についての手続等の規定を設けるものであるとの説明がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第1号議案及び乙第2号議案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第1号議案及び乙第2号議案の2件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、乙第1号議案及び乙第2号議案は、原案のとおり可決されました。
〇議長(友寄信助君) 日程第2 乙第3号議案及び乙第4号議案を議題といたします。
各議案に関し、委員長の報告を求めます。
文教厚生委員長。
〔文教厚生委員長 喜納昌春君登壇〕
〇文教厚生委員長(喜納昌春君) ただいま議題となりました乙第3号議案及び乙第4号議案について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、執行部から関係部局長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における関係部局長の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
乙第3号議案は、ボランティア団体等に法人格を付与することにより、それら団体の健全な発展を促進し公益の増進に寄与することを目的とした特定非営利活動促進法が平成10年12月1日から施行されることに伴い、県は所轄庁として同法の施行期日までに条例を制定する必要がある。条例案には、法の施行に関し特定非営利活動法人の認定申請、設立登記の届け出、事業報告書、定款の提出等の法人認定に必要な手続について規定しているとの説明がありました。
本案に関し、法は特定非営利活動の範囲を12項目について規定しているが、県内で何団体が対象と見込まれるか、また特定の個人を支援するための団体も対象となるかとの質疑がありました。
これに対し、対象になると思われる県内の団体を調査したところ、204団体から回答があり、その中から認定申請されると思われる。また法が不特定かつ多数のものの利益増進を目的とすることから、特定の個人を支援する団体は認定の対象とならないとの説明がありました。
次に、役員総数の3分の1以下であれば報酬を支給できることになるが、収益事業はどの程度までできるのかとの質疑がありました。
これに対し、従来までのボランティア活動は、労働奉仕的に行われていることから、収益事業は活動資金を賄うための事業を想定しており、団体活動に支障のない限りでできるとの説明がありました。
その他に、宗教法人との関連、条例施行に向けた県の取り組み及びスケジュール、法人設立に際してどの程度の住民税等の税負担があるかとの質疑がありました。
次に、乙第4号議案は、名護市の住居表示の変更に伴い、沖縄県立名護高等学校及び沖縄県立名護商業高等学校の位置の表示を改めるものであるとの説明がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第3号議案及び乙第4号議案の2件は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第3号議案及び乙第4号議案の2件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、乙第3号議案及び乙第4号議案は、原案のとおり可決されました。
〇議長(友寄信助君) 日程第3 乙第11号議案を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
総務企画委員長。
〔総務企画委員長 伊波栄徳君登壇〕
〇総務企画委員長(伊波栄徳君) ただいま議題となりました乙第11号議案沖縄県土地利用審査会委員の任命について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、総務部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明の概要等について申し上げます。
乙第11号議案は、沖縄県土地利用審査会委員7人全員が平成10年10月31日で任期満了することに伴い、国土利用計画法第39条第4項の規定によりその後任を任命するため議会の同意を求めるものである。土地利用審査会委員は、国土利用計画法により土地利用、地価、その他土地に関する事項についてすぐれた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者のうちから知事が議会の同意を得て任命することになっているとの説明がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第11号議案は、全会一致をもって同意すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第11号議案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、これに同意することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、乙第11号議案は、これに同意することに決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) 日程第4 乙第9号議案を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
経済労働委員長。
〔経済労働委員長 大城秀昭君登壇〕
〇経済労働委員長(大城秀昭君) ただいま議題となりました乙第9号議案「土地の処分について」について、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
委員会におきましては、商工労働部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
本議案は、中城湾港新港地区工業用地の一部竣工に伴い、これを処分することについて地方自治法第96条第1項並びに議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により、議会の議決を求めるものであります。
処分する土地の概要は、具志川市字州崎12番55ほか5筆、処分面積が3万7133平方メートル、処分予定価格が9億9145万1100円、契約の相手方は宜野湾市嘉数2丁目3番9号、沖縄電機工業株式会社代表取締役与儀哲也ほか5社であるとの説明がありました。
本案に関し、今回の処分単価は平米当たり2万6700円となっているが、近隣分譲地単価と比較対象したものがあるのかとの質疑がありました。
これに対し、中城湾港新港地区は出島であり、出島の地域の場合は他の取引事例がほとんどなく、処分単価を2万6700円に設定したのは、まず平成元年度の分譲単価を2万1900円に設定し、物価等の変動率を見ながら平成5年度は2万6700円とし、その後は物価の変動率がほとんどないためそのまま2万6700円に設定した。ちなみに、周辺道路の評価額を出すため不動産鑑定を入れた金額は3万6800円となっているとの答弁がありました。
次に、平成元年の2万1900円をもとに物価等の変動を加味して平成5年は2万6700円、平成10年も同額に設定してあるが、その処分単価の根拠はどうなっているのかとの質疑がありました。
これに対し、本来、前年度の処分単価に変動率を掛けた数字が分譲単価になるが、そうやると今後の分譲が難しくなることと、産業振興を図るための工業用地であることから、変動率の2.7%は特別会計上でも吸収できるということで前年度並みの2万6700円に据え置いたとの答弁がありました。
次に、企業を誘致するために時価等を勘案して処分価格を設定しているが、5年前に処分した土地の処分単価と今も同じでは不公平さが出るのではないかとの質疑がありました。
これに対し、近隣の具体的な取引事例を中心に不動産鑑定の評価額、県有財産を処分する場合の価格設定の変動率等を勘案し事務局で設定し、管財課が所管している公有財産管理運用委員会で審議して単価設定をしているとの答弁がありました。
以上、委員会における審査の概要を申し上げましたが、審査の結果、乙第9号議案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第9号議案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、乙第9号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
〇議長(友寄信助君) 日程第5 乙第8号議案を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
文教厚生委員長。
〔文教厚生委員長 喜納昌春君登壇〕
〇文教厚生委員長(喜納昌春君) ただいま議題となりました乙第8号議案について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、執行部から教育長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
乙第8号議案「工事請負契約について」は、沖縄県立埋蔵文化財調査センター(仮称)建設工事に係るもので、契約金額が5億円を超えるため地方自治法第96条第1項及び議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第1条の規定により議会の議決を求めるものである。当該工事は、西原町字上原の旧沖縄県消防学校跡に建物を建設するもので、契約金額は12億7575万円、契約の相手方は金秀建設株式会社・有限会社東洋建設・合資会社和宇慶組特定建設工事共同企業体であるとの説明がありました。
本案に関し、この施設が果たす役割、機能及び運営はどうなるかとの質疑がありました。
これに対し、この施設は文化財の発掘調査、整理保管及び研究を行うとともに、展示公開することにより県民の文化財保護思想の高揚を図ることにしている。さらに普天間基地内等の埋蔵文化財調査体制の整備、資料整理、収蔵等に適切に対処することにしている。また運営については平成12年4月開所に向けて他府県の事例を調査するとともに、組織については3課体制とする計画であるとの説明がありました。
次に、財政的に厳しい自治体では同様の施設を整備することは難しく、市町村または地域で発掘された文化財との関連はどうなるかとの質疑がありました。
これに対し、基本的には市町村が発掘した文化財は当該市町村が保管することになるが、市町村とも十分相談し、検討して一つの方向性を見出していきたいとの説明がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第8号議案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第8号議案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、乙第8号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
〇議長(友寄信助君) 日程第6 乙第5号議案から乙第7号議案までを議題といたします。
各議案に関し、委員長の報告を求めます。
土木委員長。
〔土木委員長 上原亀一郎君登壇〕
〇土木委員長(上原亀一郎君) ただいま議題となりました乙第5号議案から乙第7号議案までの3件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、執行部から土木建築部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
まず、乙第5号議案工事請負契約については、古宇利大橋橋梁整備第2期工事に係る請負契約である。本契約は、古宇利屋我地線・古宇利大橋下部工の13号橋脚及び作業用仮桟橋工事に係る請負契約で、工事費7億5915万円で行うものである。契約の相手方は株式会社大城組、株式会社京和土建、株式会社神元組の3社で構成する特定建設工事共同企業体であるとの説明がありました。
次に、乙第6号議案「工事請負契約について」は、乙第5号議案と同様の古宇利大橋橋梁整備第2期工事に係る請負契約である。本契約は、古宇利屋我地線・古宇利大橋下部工の22号橋脚、23号橋脚、24号橋脚及び作業用仮桟橋工事に係る請負契約で、工事費8億745万円で行うものである。契約の相手方は合資会社上原興業、株式会社恵友建設、有限会社極東産業の3社で構成する特定建設工事共同企業体であるとの説明がありました。
本案に関し、古宇利大橋橋梁整備第2期工事の下部工の工事費はトータルで8億円余となっているが、1下部工当たりの個別の工事額を説明していただきたいとの質疑がありました。
これに対し、P22、P23、P24はほぼ同じくらいの下部工、基礎工で多少の違いはあるが、ほぼ1基当たり2億円程度の概算工事となっている。1下部工当たりの個別の工事費の積算については、積算体系の中で直接工事費の個々の積算は出るが、諸経費、仮設を含めた全体としての共通経費もあるので、それらも含めた総合的な積算体系での工事費が算出されているとの答弁がありました。
そのほか、共同企業体のすべての企業の住所はどうなっているか、諸経費を除いた純粋の工事分は幾らか等の質疑がありました。
次に、乙第7号議案「工事請負契約について」は、幸地又1号橋橋梁整備工事に係る請負契約である。同橋は、名護市街地と東海岸の大浦湾を連結する県道18号線にかかる橋梁である。本契約は、当該橋梁の上部工214メートルのうちニールセンローゼけた113メートルを制作する工事に係る請負契約で、工事費5億9850万円で行うものである。契約の相手方は株式会社宮地鐵工所、金秀建設株式会社の2社で構成する特定建設工事共同企業体であるとの説明がありました。
本案に関し、乙第5号議案及び乙第6号議案も含めたおのおのの建設工事については、県内で調達できる県産資材等を極力使用する方針で実施していることに間違いはないかとの質疑がありました。
これに対し、資材等については県産品等を優先して、また受注者についても県内業者を優先して取扱要項も作成し、それにのっとって最大限努力しているとの答弁がありました。
以上が当委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、乙第5号議案から乙第7号議案までの3件は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第5号議案から乙第7号議案までの3件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案3件は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、乙第5号議案から乙第7号議案までは、委員長の報告のとおり可決されました。
〇議長(友寄信助君) 日程第7 甲第1号議案を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
総務企画委員長。
〔総務企画委員長 伊波栄徳君登壇〕
〇総務企画委員長(伊波栄徳君) ただいま議題となりました甲第1号議案平成10年度沖縄県一般会計補正予算(第2号)について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、総務部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
甲第1号議案は、国の総合経済対策に伴う国庫補助事業のうち6月補正で措置した沖縄開発庁一括計上事業を除く各省庁計上事業及び沖縄県の総合経済対策に関連して実施する県単独事業を中心に補正予算を編成したものである。今回の補正予算総額は歳入歳出それぞれ53億2213万3000円で、これを既決予算額6496億1741万3000円を加えると改予算額は6549億3954万6000円となるとの説明がありました。
本案に関し、離島航路補助事業での平成2年から平成5年までの4カ年間のカットされた分はトータルで幾らか、また何年間で補てんするのかとの質疑がありました。
これに対し、今回カットされたのは5億1994万5000円である。4200万円というのは今回の補正でこれを起点に4カ年で補てんすることにしており、その総額は3億3633万円であるとの答弁がありました。
次に、指定離島航路において赤字が出て、何らかの都合で廃業した会社に対しても補てんするのかとの質疑がありました。
これに対し、倒産して現在はない法人が15法人あるが、所在する市町村ないしその業界とも地域・離島振興局を通して調整をして、その当時、本来補てんすべきであったものに対しても補てんしていきたいとの答弁がありました。
次に、沖縄国際友好会館の建設計画によると、会館をサポートするために民間が建設するホテルに対して、県は地域総合整備資金貸付事業債の起債でもって資金を援助することになっているが、沖縄国際友好会館の建設計画は計画か、それとも県の案かとの質疑がありました。
これに対し、基本計画は地域・離島振興局で検討している案であり、その案の中ではコンベンション機能を有する県がつくる迎賓館とその回りにそれをサポートする民間による宿泊施設ということで検討を進めているが、自然環境との調和の問題、あるいは現下の民間の非常に厳しい状況等もあり、宿泊施設を計画どおり進められるかについてはまだまだ検討の余地があるとの答弁がありました。
次に、国際友好会館の管理運営費を約7000万円と見込んでいるが、那覇市にあるゆうな荘は年間1億8000万円かかっており、八重山にある職員会館は4000万円かかっている実態からして、この国際友好会館が約7000万円でとどまるはずがないが、県からの年間の持ち出しは幾らになる見通しかとの質疑がありました。
これに対し、現在120回の会議の計算で稼働率35%ということを前提にすると収入が7789万5000円、支出が1億1462万9000円で、差が3600万円余との計算をしているとの答弁がありました。
次に、基本設計並びに実施設計までやって、財政事情が厳しいからということで据え置いた事業の物件と金額はどれぐらいあるかとの質疑がありました。
これに対し、主なものでは美術館、博物館が構想から基本設計までの費用が1億1950万6000円、国際交流情報センターの構想から公開設計競技までの費用が3100万円で合計1億5050万6000円であるとの答弁がありました。
次に、観光宣伝誘致強化で沖縄オープンゴルフトーナメント大会開催負担金2000万円は従来の金額と変更があるのか、それと同時にその経済的効果はどのぐらいあるのかとの質疑がありました。
これに対し、平成10年度は当初予算で1000万円の予算措置をしており、今回2000万円を追加補正して3000万円を県としては対応している。経済効果としては新聞でしかわからないが、その宣伝効果として金に換算すると20億円以上の宣伝効果があるということであるとの答弁がありました。
次に、地域づくり推進費の6億800万円は琉球新報社の建設事業への貸し付けであるが、この貸し付けの限度額、貸付時期、貸付方法についての質疑がありました。
これに対し、この貸付金の仕組みは借入総額の20%が限度であり、国が交付税で75%の利子補給をする。雇用効果として10年以上の新規雇用というのが条件となっている。今回の琉球新報社は総額で11億8800万円を予定しており、今回の補正が6億8000万円、平成11年度で5億8000万円で総事業費の範囲内であり、事業の進捗も見ながら今回の分は今年度で執行していくとの答弁がありました。
そのほか、県庁前交通広場整備事業、旧立法院棟と周辺整備計画、道路交通法改正による高齢者講習、軽微の違反者に対する講習に関する予算、那覇の交通混雑とモノレール工事との関連、産業振興会館基本計画策定費等についての質疑がありました。
なお、採決に先立ち、新風会所属委員から、沖縄国際友好会館建築工事実施設計費5320万円については、沖縄国際友好会館基本計画案に基づく事業であり、全体計画ができていないまま事業だけ先行していくというプロジェクトの進め方は行政手法として問題がある。また宿泊から会議室機能まで全部県立、県営でやるという進め方は大いに県財政に負担になるので問題があるが、他の予算は通す必要があるので議案そのものには賛成である旨の意見表明があり、また新世会所属委員からも同意見に同意する旨の意見表明がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、甲第1号議案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより甲第1号議案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、甲第1号議案は、原案のとおり可決されました。
〇議長(友寄信助君) 日程第8 甲第2号議案を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
経済労働委員長。
〔経済労働委員長 大城秀昭君登壇〕
〇経済労働委員長(大城秀昭君) ただいま議題となりました甲第2号議案平成10年度沖縄県中城湾港(新港地区)臨海部土地造成事業特別会計補正予算(第1号)について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、説明員として商工労働部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
今回の補正額は、歳入歳出予算の総額に5433万6000円を追加し、これを既決予算額26億23万5000円に加えると改予算額は26億5457万1000円となる。歳入予算の補正額は、財産売り払い収入が5433万6000円となり、歳出予算の補正額は工鉱業費収入5433万6000円となる。歳出予算の内訳は、今年度中に行われる予定の特別自由貿易地域指定にあわせて港湾計画(一部変更)及び埋立法による土地利用計画の変更手続等を行うための委託料3200万円、分譲説明会や県外企業訪問等の経費510万円、国の経済対策に係る経費として中城湾港(新港地区)内の具志川市市道整備事業への補助金1723万6000円となっているとの説明がありました。
以上、委員会における審査の概要を申し上げましたが、審査の結果、甲第2号議案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより甲第2号議案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、甲第2号議案は、原案のとおり可決されました。
〇議長(友寄信助君) 日程第9 議員提出議案第1号 大田知事発言に対する抗議決議を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
〔総務企画委員長 伊波栄徳君登壇〕
〇総務企画委員長(伊波栄徳君) ただいま議題となりました議員提出議案第1号大田知事発言に対する抗議決議について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、議案提出者を代表して委員外議員である西銘恒三郎議員、幸喜勝議員及び安次富修議員の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
本案は、去る6月定例会での大田知事の「基地というのはどこから考えてみても戦争と結びつくもので、人間の幸せにじかに結びつく生産の場ではないんですよ。」等の発言に対し厳重に抗議する必要があるとして10月7日の本会議に上程され、同日総務企画委員会に付託された議案であります。
以下、審査の過程における質疑の概要について申し上げます。
本案に関し、知事は基地反対という公約に基づいて軍事基地は非生産の場であるというその信念に基づいて発言したことについて抗議というのは不当であり、これは余りにもこじつけ過ぎるのではないかとの質疑がありました。
これに対し、知事の思想信条に基づいてやる発言は結構であり、これを否定するものではないが、ここで知事が言う基地ということは、そこで働いている人たちを指して言っていることは間違いない。ここで働いている人たちはそれぞれ自分のその職業選択の自由によって、その経済の場において幸せになるために働いているということを考えたときに、知事としてふさわしい発言ではないことから本定例会において発言の取り消しを申し入れたが、それが聞き入れられなかったことから今回こういうふうなことになったとの答弁がありました。
次に、米軍基地があるためにいつ戦争に巻き込まれるかわからない危険性をずっと沖縄県は抱えてきたということについてどう思うかとの質疑がありました。
これに対し、安全保障の根幹は万が一の場合に備えて準備をしておくことであり、そういう計画があって抑止力機能が働いたことが一番の軍備の機能だという認識であるとの答弁がありました。
次に、米軍基地は抑止力として必要であり、米軍は10万人体制が必要だという立場であれば基地の整理縮小と矛盾しないかとの質疑がありました。
これに対し、10万人体制というのはアメリカがアジアの平和と安全のために10万人の米軍基地がアジアに必要だと言ってきているわけであり、事沖縄においては沖縄のみのことを考えて、日本の中の75%の基地は過重負担だということで整理縮小に動いているとの答弁がありました。
次に、コザ労務管理事務所の求職者が6600人、那覇労務管理事務所の求職者が4600人で、合計1万1200人の沖縄の若い求職者に対し採用実績は年間800人前後であるが、こういう求職者の実態、採用実績等からして、知事の発言は求職者に対する励ましと思うか、それとも水を差すというふうに考えるのかとの質疑がありました。
これに対し、抗議決議案提出の背景にはどんな職業についている人たちあるいは職場に対してでも、県行政の最高責任者としてこれ以上の不適切発言はないというところから出てきており、水を差す発言だと思うとの答弁がありました。
次に、今回の抗議決議は基地に対する認識の違いということに起因していると思うが、知事発言は基地の本来持つ機能に言及したものではないかとの質疑がありました。
これに対し、基地に働いている方々はここで衣食住を受けており、食料一つとっても県内から調達するので、ひいては農業生産とかとのつながりも出てくるし、それは各産業にまたがっていくので、すべてのものは生産の場につながっていくというような受けとめ方をしているとの答弁がありました。
そのほか、沖縄の米軍基地がベトナム戦争、湾岸戦争の出撃拠点基地となったという事実、憲法第22条の職業の選択の自由との抵触、基地問題労働者等雇用対策調査団の報告書、抗議決議の中の平和の定義、米軍基地に起因する女性の人権侵害等についての質疑がありました。
以上が委員会における審査の概要でありますが、審査の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
本案に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
伊波洋一君。
〔伊波洋一君登壇〕
〇伊波洋一君 結の会を代表して大田知事発言に対する抗議決議に反対をする立場で討論をいたします。
今回のこの決議について、まず冒頭知事の発言があります。
その発言の経緯についてまず述べたいと思います。
それから次に、憲法22条で保障された職業選択の自由を否定しているという、こういう指摘がございます。このことについて、それが決してそうでないということを次に述べてまいりたいと思います。
さらに、在日米軍並びに自衛隊は、我が国の平和と安全を守るため戦争抑止力として存在しているのであり、決して知事の言う戦争準備のために設置され訓練しているものではないと、このように述べておりますが、これは誤りであります。在日米軍と自衛隊を一緒にするような議論をこのような場で行うことは、これは我が国の憲法が禁止をしている抗戦力、このことを否定することにつながります。そのことを含めて、在日米軍及び米軍は常に戦争を準備をしている、このことを皆さんに述べてまいりたいと思います。
さらに、知事の発言が不適切かつ県民を侮辱するものである、このような立場で県民を代表して断じて許すわけにはいかない、このような決議でありますが、本来、議場あるいはこういう討論の場ではきちんとした政治信念、信条を述べていただくことが第一であります。表現の自由あるいは思想の自由、このような立場で議論をする中から私たちの基本的な方向性、そのことが決まっていくわけでございます。判断するのは県民であります。議場の中で県知事の発言を封じるようなこのような決議を行うこと、これは憲法21条が保障している言論の自由あるいはさまざまな自由、思想の自由、表現の自由を否定するものである、このような立場で反対の討論を申し上げたいと思います。
さて、今回のこの発端となりました渡久地健議員が代表質問を行った6月議会の発言でありますけれども、「基地返還アクションプログラムで2015年には基地をゼロにする方針だということが、県では再三言っておりますけれども、約8400人いる基地労働者の雇用を一体どのように考えているのか、あわせてお聞きしたいと」、このように質問をいたしました。
基地労働者の応募に対して新聞の見出しはこうなっていると、このように言って、その採用の状況あるいは応募の状況を説明をいたしました。
「知事も米留経験者として、アメリカの大学を卒業して沖縄で働きたくても働く職場がない、基地で働きたいという若い人の心情をどのように考えているのか。そして基地の今の実態と若者の雇用の現状をどのように判断するのか、お聞きしたいと思います。」と、このように質問をいたしました。
さらに、「先ほども話がありましたように、人材育成の観点で海外の大学に留学させる、あるいは同時通訳の育成をするといっても一体それを受けとめる職場がなければ何のための人材育成かということもあります。」と、このように質問をいたしました。
知事はどう答えたかというと、「失業中の若い人たちに我慢を強いるという意味でのことでは全くございません。」、このように申し上げました。「今回の補正では471億円の公共事業の追加及び7億円の緊急雇用対策事業を行う」、このように申し、その効果として707億円の生産誘発、6800人程度の雇用の就業増を見込んでいますと、このように答えました。
「緊急雇用対策については、まず国の実施する緊急雇用開発プログラムにより拡充される地域雇用開発助成金や、沖縄若年者雇用開発助成金などの活用によって県内における雇用の創出を図ってまいります。 今回の措置によって地域の雇用機会を増加させることを目的とした地域雇用開発助成金については、賃金助成率が以前の4分の1から3分の1に引き上げられます。」と、これも大田知事の成果の一つであります。
沖縄の若年者の雇用を促進するために、沖縄若年者雇用開発助成金の件を含めて3分の1からさらに2分の1に引き上げられると。
さらに求職者について、求人が極端に少ない現状を関係の団体に協力を得て求人開発を実施をいたしますと、このように申し上げました。
経過を説明しながら私たちはこの抗議決議の意味を考えてまいりたいと、このように思っております。しっかり大田知事は答えております。
ですから、知事に対して議会がこのような決議をすることはいけない、このような立場で具体的に説明をいたします。県民にわかるように言わないことにはわからないわけでございます。
平成9年度においては680名の雇用をつくった、知事はこのように申し上げました。そしてさらに数々の産業振興を支える研究プロジェクト、あるいは多くのプロジェクトを通して雇用を創出する。
さらに、入域観光客が平成2年から30%ふえている。ことしにきますと100万人ふえると、このようなことになりますけれども、数々のことで若い人たちの雇用を増進をしている、このように申し上げました。
しかしながら、全国的な景気低迷のもとで消費が低迷していることも事実である、このようなことを申し上げている。
その後、渡久地議員の発言に対して、漏れているということがあったと思うんですが、休憩がありまして、次のように申し上げました。基地労働者の応募状況については厳しい雇用状況を反映して25倍の希望者が殺到しているという若年者の雇用の現実をどう判断するかという趣旨の質問について、県内の雇用状況が厳しいということは御指摘のとおりでありますと。
一方、米軍基地の計画的、段階的な返還を促進し、基地のない平和で豊かな県土づくりは県政の最重要課題であると。このような観点から、県としては国際都市形成構想、そして産業アクションプログラム及び沖振法の改正等を行って若者たちが魅力ある雇用環境づくりに取り組んでまいりたいと、このように答えたわけでございます。
そこで皆さんに知っていただきたいのは、例えば北谷のハンビーでありますが、このハンビー飛行場、42.5ヘクタールあります。普天間基地のおよそ10分の1。開発をされて8年度の時点で店舗が188、雇用者数が1151名おります。総売り上げが800億です。その地域の土地の価格の増は149億円であります。
そういう意味では、まさに基地の跡利用あるいはこのような開発を通して雇用等相乗効果が広がっていく、このことは明らかであります。
私は、常に基地に依存する経済の未来は貧しい、このように言ってまいりました。この具体的な例はもちろん嘉手納であり、そして金武であり辺野古であります。こういう中できちんと開発をしていく、結果としてハンビーのようなことが起こっておるわけであります。
また同時に、今若い人たちを含めて基地の採用に6000名を超えるような応募があるわけでありますが、この多くは現在民間の事業所に勤務をしている皆さんであります。
なぜそうなるのか。民間の企業の経営体質、経営努力が足りなくてきちんとした職場がないからであります。
皆さん、6000名の応募者の中で採用されるのはわずか100名であります。あとは臨時的な雇用であります。
ことしの5月の応募の中で、確かに6621名コザ労管は応募者はおりますけれども、その中で採用されているのはおよそ290名。290名のうち、限定的4カ月期限付の雇用は180名であります。
実際から言いますと、これだけ多くの人が希望しておりますが、現実に採用されているのは常用的な雇用はわずか100名でしかないわけです。
皆さん、基地がいかにも魅力のあるような形で、基地があれば雇用問題が解決するというような発想のもとにこういう決議があるわけでありますが、このようなことの中では決して将来は見えない、まずこのことを申し上げておきたい、このように思います。(発言する者多し)
〇議長(友寄信助君) 静粛に願います。
〇伊波洋一君 そこで次に、渡久地県議がこういう再質問をいたしました。「先ほど基地労働者の応募に対する考え方、そして知事も米留経験者としてそういう高資格者、あるいは海外に行った人たちが働く場所がない、これについてどういう感じで信条を持っているかという質問をしたら、」、「誠意ある回答がなかった。 そしてまた基地労働者が今どんなに雇用不安を持っているのか。やはり私は県当局は基地問題に対しては、あるいは平和問題とかについては誠意ある回答があるんですけれども、」とこのような再質問をしたわけでございます。そして知事は、「雇用問題について我々が、行政が軽く見ているかのようなおっしゃり方でしたけれども、」と言って、「全くそうではなくて、私は特に10代から20代の前半の若者の雇用については必死になって取り組んで」いる、このように答えております。(発言する者多し)
経過を説明をしております。(「わかっている」と呼ぶ者あり)
わかっておりません。
「アメリカに行った経験を通して、基地に働いている人たちをどう思うかと言いますが、」……
〇議長(友寄信助君) そろそろ本論に入ってください。
〇伊波洋一君 「基地というのはどこから考えてみても戦争と結びつくもので、人間の幸せにじかに結びつく生産の場ではないんですよ。ですから若い人たちがそういうところへつきたいというのはわかります、手っ取り早く。それを決して軽く見たりするわけではありません」と、このように知事は申し上げました。「我々はそういう若い人たちがもっと人間の幸せに結びつく生産の場に仕事がつけるように今全力を尽くしているところです。」、このように答えたわけであります。
ところが渡久地県議は、さらにこのことについては、先ほどの質問に対して納得ができないということを言ったわけであります。それで一応終わったわけでありますがね。
皆さん、最初に説明をいたしました……。
議長、休憩ですか。
〇議長(友寄信助君) できるだけ本論に入ってまとめるようにしてください。
〇伊波洋一君 経過の説明が大変重要であります。
なぜならば、今問題になっているのは知事の答弁の問題であります、知事の発言の問題であります。発言の趣旨、そして発言が妥当であるかどうか、このことをこの県議会の議場の中できちんと確認をして、判断をしてもらう、そのことが大変重要であります。
そして、浦崎議員がこの問題をつないだわけであります。代表質問に関連して、「基地問題は、非生産的な基地を人間の幸せに導く生産の場に変えると申しております。 これは問題のある発言」でありますと、このように言いました。
そして「8300名余の軍雇用員、それに付随する家族が数万人、それに安保条約の中で基地関連、再雇用の中で基地関連に働く皆さん方にこれは失礼な言葉だと、私はこれを撤回すべきだ」と、このように言ったわけであります。
知事はそのことに対して、「基地が非生産的だということについては、」、いわゆる反戦地主も含めて基地を提供しようとしない地主たち、「そういう人たちが絶えず言っていること」である、「ですからそこを戦争につながる基地ではなくて、もっと人間の例えば農業だとか」、あるいは「生産の場にしたいと、」、そういうことを彼らがよく言っております。「ですから沖縄で地主たちの中で反対している人たちは、絶えずそういうことを言っていますよということをアメリカ政府に対しても」言っておりますと、このように答えました。
そこでですね、ここの中に職業の選択の自由の問題も何も出てないです。私は、知事はきちんと答弁をしていると思います。
その次に、西銘恒三郎議員がこの発言の撤回を求めることをさらに質問したわけであります。しかし知事は、いいですか、聞いてください。「県の行政の責任者として一番大切なのは、沖縄戦のようなあの悲惨な住民を3分の1を殺傷するようなそういう戦争をこの場でこの地で二度と起こしてはいけない、これが我々が戦争を生き延びて決意したものでありますと。」、こういうことを答えました。
さらに、「アメリカの下院安全保障委員会でマックヘイル議員が、沖縄は余りにも小さくまた戦略ミサイル攻撃に対して」もろいから引き揚げるべきだと、このような議論まである。このような状況だと沖縄の県民を守るためには、本当に基地をなくさなければいけないんだと、このように言っているわけであります。
ですから……(発言する者あり)まさにそのとおり。たくさんの意見があるということを私たちは認めなければいけない。ですから最後に信条の問題とか、表現の自由ということで締めたいと、このように思っております。
そして知事は、「基地は戦争に備えるものです、正直言って。だからこそ在沖米軍も自衛隊も訓練するわけです」よと。このことを申し上げました。
これは事実であります。
そのことを事実でないというような議論がいろいろあるわけですけれども、そのことについてはまた後で話をしたいと思います。
さらに、「軍事力というのは日本国憲法は前文を読んでも諸国民の正義と信頼に頼っていく」、このような趣旨で「軍事力を禁止しているわけでしょう。」と。憲法を守る立場から誠実に履行をしていくのが我々の責任だと、このように答えたわけであります。
〇議長(友寄信助君) できるだけ簡潔にまとめるようにしてください。(発言する者多し)
〇伊波洋一君 そして、いいですか、今回問題になっております憲法22条の職業選択の自由を否定しているように感じられて発言を撤回せよと、このようなことになっているわけであります。
ここで皆さんに理解していただきたいのは、知事は決して憲法22条が規定をしている職業選択の自由を否定した発言は一切してない。このことを確認をしておきたいと思います。
再答弁がありますが、知事の発言はこうであります。「基地で働いている人たちを決して軽く見たりはしておりません。そうじゃなくて県は2015年までに基地のない平和な沖縄をつくりたいと、沖縄が万が一にもターゲットになるようなことのないようにしたいと。だからそういう意味で基地で働いている従業員の方々の就職の問題については、誠意を持って取り組むということはこれまでの議会の答弁でもお答えしております。ですからそういう意味で、それから軍用地主たちのうちで拒否している人たちはまさに今先ほども申し上げましたように自分たちの土地は戦争という攻撃、人間を殺りくする訓練をしたり、そういう場に使うよりは、もっと食糧を植えたり、人間がじかに平和に結びつくような生産の場に変えたいと、そういうのに使わせたいと言っていますということを」申し上げました。ですからきちっと現状を照らし合わせて考えれば私の発言の趣旨もわかるでしょうと、このように言ったわけでございます。
そして、職業選択の問題はわかっておりますと。「しかし今の軍事力の問題、基地の問題について言っておられるわけですから、私はそういうことでなくて、今の何度も申し上げておりますように職業の選択の自由は憲法で保障されています。ですけれども基地に頼っていくことは非常に危険が伴うし、先ほど来申し上げているように人間の幸せにじかにつながる食糧をつくるとか、そういうものとは違うわけです。 ですからそういうふうに申し上げましたので、これを撤回する気持ちはありません。」と、このように言ったわけでありますが、しかし西銘恒三郎議員はさらにこの言葉ですね、西銘議員のこれは解釈であります。西銘議員の解釈はそれで私は何も言うことはありませんけれども、しかしその解釈を県議会の場でこのような決議にして知事に押しつけるということは私は許されるものではない、このように思うわけであります。
そこで、次に在日米軍及び自衛隊は、我が国の平和と安全を守るための戦争抑止力として存在しているのであって、決して戦争準備のために設置されて訓練されているものではないとこのように言っておりますが、私はまず1つ、在日米軍と自衛隊を混同してはいけない、このように思いますね。
在日米軍は、あくまで攻撃をしていく世界の軍事力として行われておりますし、自衛隊は憲法に保障されている範囲で活動していく、こういう役割ですから、これは全く違う、このように思うわけであります。
それで昨日、この2年間の97年の1月からマスコミにあらわれました米軍と攻撃というキーワードで記事を検索をいたしました。そうすると何と393件の記事がこの2年間で報道されております。
皆さんは、米軍はいかにも攻撃というものに関係ないかのような議論をしておりますが、いつも攻撃をする、毎日攻撃ができるように、1時間後にも攻撃ができるように備えているのが米軍なんです。
一番近いのは、9月3日に北朝鮮問題が高まったときに、グアムにB2爆撃機などが6機も来ております。
8月26日には、アフガニスタンやスーダンの化学兵器工場と称して巡航ミサイルの攻撃をいたしました。
これらの記事を読んでおりますと、決して彼らが言っているような軍事基地ではない、いかにも宣戦布告もなしに数々の国々に攻撃をしていく、このことが毎日のようにニュースになって出ているわけであります。
三沢のF16がイラクで攻撃をいたしました。これは在日米軍であります。
このようなことが、いいですか、393件もこれだけのキーワードでニュースが出てくるんです。まさに沖縄の米軍基地というのは、世界の人民に敵対をして戦争をするための基地なんですね。このことを沖縄が攻撃されないからよしとするというような議論に私には聞こえますけれども、決してそれではいけないんではないかと。
このようなことが平和の礎の中に26万人もの名前が刻銘されているこの沖縄で、米軍基地を擁護するような議論、このような議論が堂々とまかり通っているというのに対して、私は驚きを禁じ得ないわけであります。
レーガン政権の時代は30何回も戦争をしております。それからブッシュでもそうであります。クリントンでもそうであります。今や宣戦布告なしに攻撃をしております。
沖縄に脅威がないからと言いますが、米軍自身がまず最大の脅威であります。
皆さんは読んでないかもしれませんが、8月2日の記事は米軍自身が沖縄を攻撃をする──いいですか──ことが明確になりました。何で攻撃をするのか、これは核爆弾であります。
ですから、(発言する者多し) 皆さんは、今言っているのは在日米軍、自衛隊は戦争準備のために設置されているのではないということに対して反論をしております。いいですか、米軍はいつも戦争の準備をしている。
そして、去る8月に明らかにされた資料によりますと、米軍自身が沖縄を核兵器で攻撃をする、このようなことがきちんと準備をされている。いいですか、その核兵器の種類も決まっております。
嘉手納基地がもし敵に占領されていたときに、嘉手納基地の600メートル頭上でおよそ広島型原爆の11倍の原爆を爆発させてこれをせん滅をする、すべての基地に対してこのようなプログラムが全部準備をされているわけであります。
その準備がされていて、そのことによって番号もついているわけでありますから、県内のどこかに貯蔵されている。多分南部だったと思いますが、そういうことが明らかになりました。
8月2日の記事はこう言っております。世界的な核兵器専門家でありますウイリアム・アーキンが答えておりますが、このような作戦計画の存在がわかったのは初めてだと。しかし米国がかつて共産主義国に抱いていた懸念、恐れを考えると驚きは感じないと、このように言っております。
ですから、そういうことをきちんと私たちは理解をしなければいけない。
さらに驚くべきことに、じゃ住民はどうなっていたのかといいますと、住民については何ら一切の警告はしないと、そのような方針が明確に書かれております。
いいですか、沖縄県民は1950年代に場合によってはさきの戦争以上に水爆が5個も10個も落ちて全部なくなっていたかもしれない。こういうようなのが現実なんだということを皆さんは理解をしていただかなければいけない、このように思うわけであります。
さらに海兵隊が沖縄にいるわけでありますが、海兵隊がやはり第一線に投入される部隊であるということを示すような資料はたくさんあります。
皆さん、この記事の中にも覚えていると思いますが、ソンミの事件というのがありました。ベトナムで1960年代、ベトナム戦争途中に米軍がおよそ……
〇議長(友寄信助君) できるだけまとめるようにしてください。
〇伊波洋一君 500人の住民が虐殺されたわけでありますが、こういうことが実はこれだけの事件ではなくて、ベトナムでは数々行われたわけです。
いいですか、ベトナムから戻った海兵隊員の証言によりますと、彼らはベトコンを殺すと耳をそいで自分のホックにつけて、それで自慢をして歩いていたと、このようなことをやっているんですよ。だからそれを最終的に訓練していたのが沖縄の海兵隊基地であります。
海兵隊基地のこういうようなことを事実を見ないで、戦争とは関係ない、抑止力だけだというような議論をやっていくのは決して許されるものではない、このように思います。
〇議長(友寄信助君) 結論をまとめるようにしてください。
〇伊波洋一君 わかりました。
私は、最初に3つの方針でやるということを申し上げました。そのとおりやっております。
それでですね、今海兵隊の体験者たちがあっちこっちでいろんな講演をしておりますが、海兵隊の中で何を学ぶのかと、彼らは殺すことを学ぶわけであります。
そして、命令に従って殺す。何がしたいかというような問いに対して、殺すことと、このように答える、そういうことを教えられているんです。
そのためにはどうすればいいのか。一番だめなこと、むだなこと、だれがやっても何にもならないことを常に命令されてそれを実施をしていく、こういう訓練をこの海兵隊のトレーニングセンターではやっているわけであります。
そして、そういうようなことをやっているのが沖縄の海兵隊基地なんだと。このことを皆さんに申し上げておきたい、このように思うわけであります。
さらに私たちが、沖縄は占領されていたわけでありますけれども、アメリカの隣人政策というのがあります。要するによき隣人政策でありますが、このよき隣人政策はこういうことであります。
これはアメリカの資料を皆さんに御説明をいたしますが、どういうことかといいますと……(発言する者多し)
〇議長(友寄信助君) 簡潔にまとめてくださいね。
〇伊波洋一君 国務省の文書にはこういうふうに書いてあります。最終的に答えは気持ちいいものではないかもしれないが、各国政府の警察を使って人々に弾圧を加えることにちゅうちょしてはならない。共産主義者は本質的に裏切り者であるのだから、警察による弾圧は恥ずべきことではない。犯罪者ゆえに共産主義者にむしばまれるリベラル政府よりは、弾圧的な政府が強権を握っていた方がよい。このようなことをやって、いいですか、中南米、さまざまな、東南アジアもそうであります。
つまり、そういうところの政府を応援をして戦争をさせてきたのがアメリカ政府なんだと。それを訓練をしたのがグリーンベレーとか特殊部隊なんだということが今明らかにされているんですよ。ですから沖縄にある米軍基地、海兵隊もそうですけれども、読谷にある特殊部隊。あれは全世界に展開をして弾圧あるいは政府の説得、戦争を準備をしている。このことをきちんと理解しておかなければいけない。
ですからこのことを、そういう意味でこの決議の在日米軍云々というのはこれは間違った認識であると、このように申し上げておきたいと思います。
それで、本来議場は表現は自由だと。あるいは発言の自由を許されているはずなんですけれども、知事に対して皆さんは発言を封じようとしているわけでありますが、日本国憲法は第21条1項で「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」と、このように書かれております。
そして最高裁は、公の福祉に反しない限り言いたいことは言わさなければならないと、このように言っております。これは皆さんはよく知っていることであります。
表現の自由を保障するということは、何よりも公権力によってこれを制限することを禁止するという意味です。
憲法21条第2項は、「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」、このように定めております。検閲の禁止はもちろん表現の自由に対しても許されるわけであります。
表現の自由についての検閲は、公権力があらかじめ審査をしたりあるいは制限をしたりする、このようなことでありますが、民主主義社会が成立するためにはこのことが一番大事であります。まさに皆さんが今やろうとしているのは、この県議会の決議に名をかりた表現の自由に対する検閲であります。私はこのように思います。
ですから、このような知事の発言、先ほど発言の経過を説明いたしました。知事はそういうことは言っていませんよと、そのようなことをずっと説明をしております。
今議会の発言のことについてもありますけれども、このことにも常に言っております。しかし西銘議員はそのことに対して、いやそうじゃないと、私はそう思わないと言っているわけです。
あなたが思わないのは結構です。それは結構であります。しかしながら知事はこのようなことを言い、きちんと説明をしております。若い人たちの雇用の場をきちんとつくっていく、そして職業選択の自由を禁止しているわけではない、否定しているわけではないと。
何回でも答えます。いいですか、ですからそういう中でこのような決議を皆さんが行うということは、まさに沖縄県議会の歴史を汚すもの以外の何物でもないと、このように思うわけであります。
ですから、速やかに皆さんはこの決議を撤回して今回の決議をないものにした方がよろしいと、このような意見を申し上げて、私の反対の討論にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇議長(友寄信助君) 渡久地 健君。
〔渡久地 健君登壇〕
〇渡久地 健君 ただいま議題となっております議員提出議案第1号大田知事発言に対する抗議決議について賛成の立場から討論を行いますけれども、その前に、このような私の前のような討論をすると、そういう討論で本当に皆さん、いいんでしょうか。
いいですか。
じゃ、実は私、いろんな原稿も書いてきましたけれども、実は今一番大事なのは基地の労働者がその今の基地に対して、あるいは雇用に対してどう感じているかというのが一番大事だろうと思うんです。
これを大事なのを、SACOの関連施設、従業員意識調査というのがあるんです。これを読みますと約5時間ぐらいかかりますけれども、これを読みながら要するに基地労働者がどういうふうに今考えているのか、そしてそういうような形で議論を進めるということはこれは非常識でございますので、私は原稿を読み上げていきたいと思います。
まず、本発言の発端というのは、先ほど伊波議員がわざわざ御丁寧にも私の質問を取り上げていろいろやりましたけれども、これは一部分しか取り上げておりませんので、ちゃんとした形でこれをもう一度6月定例会の代表質問の経過について皆さんに知っていただきたい、このように思うわけでございます。不必要なことは言いませんので、必要なところだけ議事録を起こしてみたいと思います。
これは雇用問題についての質問で、その当時6月議会ですから4月の完全失業率が7.8%、そして失業者が4万8000名、それが前年同月に比べて1.7ポイント増、そして1万2000名の人間の増と。その中から私はこういうふうに質問をしております。「それから見ると、本県の今の失業率はまだ底をついているわけではなしに、これからますます厳しくなるのではないかというふうに思うわけでございます。」、当然9.2%に上がっていますから。
そこで質問いたしますけれども、知事は6月2日の県職労との会談の席上、新聞報道によりますと、「環境を大事にし、基地を減らしていこうとするには、経済的苦しみに対してみんなが耐えるという強さと、決意がなければやっていけない」との発言が報道されています。
この発言は、先ほどから知事は基地問題を最重要課題といいますけれども、それでは基地の解決を知事の手法でできるまでは経済振興策が後退しても、あるいは失業者で若い人たちが職場がなくても我慢してくださいという趣旨なのか、それは大きなポイントだと思いますのでそれについて答えていただきたい。
常々若者が夢と希望を持てる沖縄づくりと言っていますけれども、その辺についての見解をお聞きしたい。それから、SACO関連5施設の基地労働者に対して県が実施したアンケートによると、88%の従業員が基地返還後も基地で働きたいとの雇用不安を抱いております。
これについて知事はどう思うんですか。
基地返還後も基地で働きたいという意向は矛盾しておりますけれども、基地返還に伴いみずからの職場を失うという不安のあらわれであり、県への要望等自由意見項目の174名中のアンケートの中で基地返還への賛成者は1人であります。
基地返還アクションプログラムで2015年には基地をゼロにする方針だということが、県では再三言っておりますけれども、約8400名いる基地労働者の雇用を一体どのように考えているのか、あわせてお聞きしたいと思います。基地労働者の応募に対して新聞の見出しにはこうなっております。まず生活へ若者が続々、これは見出しでございます。厳しい雇用状況を反映して今年度約25倍の競争率と言われております。
平成7年度から数字を申し上げますと、1299名の採用に対して9207名の希望者、約7倍の競争率、平成8年は899名の採用に対して1万3806名、約15倍、そして平成9年度が840名に対して1万6859名、約20倍、年々採用人員は減るんですけれども、希望者はふえております。
この応募者の中も20代とか30代の若者が中心であって、英検1級等高資格者、海外大卒の高学歴者が多い状況でございます。
知事も米留経験者として、アメリカの大学を卒業して沖縄で働きたくても働く職場がない、基地で働きたいという若い人の心情をどのように考えているのか。そして基地の今の実態と若者の雇用の現状をどのように判断するのか、お聞きしたいと思います。
先ほども話がありましたように、人材育成の観点で海外の大学に留学させる、あるいは同時通訳の育成をするといっても一体それを受けとめる職場がなければ何のための人材育成かということもあります。
このように質問しております。
それに対して失業者対策等に対して先ほど伊波議員がるる議事録を読み上げましたけれども、そういうようなものに対して全般的な答弁を行っておりましたけれども、明確な答弁がないために再質問いたしました。その答弁の中で知事がこう申しております。
それから、アメリカに行った経験を通して、基地に働いている人たちをどう思う かと言いますが、基地というのはどこから考えてみても戦争と結びつくもので、人 間の幸せにじかに結びつく生産の場ではないんですよ。ですから若い人たちがそう いうところへつきたいというのはわかります、手っ取り早く。それを決して軽く見 たりするわけではありませんけれども、我々はそういう若い人たちがもっと人間の 幸せに結びつく生産の場に仕事がつけるように今全力を尽くしているところです。
と、これは議事録からちゃんととってあります。
この発言のポイントというのは、1つは、基地というのはどこから考えてみても戦争と結びつくというもので人間の幸せにじかに結びつく生産の場ではないと、若い人たちがもっと人間の幸せに結びつく生産の場の仕事につくようにということなんですけれども、基地が戦争に結びつく、つながる論争はきのうの質疑等で繰り返されております。
知事や与党の考え方は、日米安保は日本をアメリカの軍事戦略の道具とするものだから、沖縄の基地は戦争に巻き込まれる危険性につながるという論法であります。
それなら、日本が非武装中立が実現しても日本が地政学的、戦略的な位置からして果たして戦争に巻き込まれたり他国から攻撃を受ける危険性はないのか。
日米安保の持つ抑止力とどちらが日本を戦争に巻き込まれる危険から救う力として有効なのか。また日米安保を否定するのであれば、米軍基地を否定するのであれば、かわる自衛隊を補強して自衛力のための膨大な予算を自衛隊のために使っても投入しても構わないという議論がない中での発言は大いに問題であります。
知事や革新の皆さんが好んで使用しますつながる論法は、問題点を一点に集中させ、事の本質を見失わせる危険性があります。
日の丸、君が代は国粋主義の象徴であり軍国主義につながる、基地は戦争につながる、このような短絡的な発想をするということは県民からはわかりやすいかもしれませんけれども、基地があるために沖縄の経済振興はおくれた、製造業は育たなかったというふうにすべての原因があたかも基地のみが原因であるかのようにみずからの責任、ほかの要因をすべて基地の中に押し込めてしまう、諸悪の根源は基地であるというような論法が共産党を中心とした考え方であります。
まさに今回の知事発言の根底にはそれがあるのではないでしょうか。基地があるために産業が育たない、そのために失業率が高いと、みずからの経済振興策や雇用対策の失敗を基地にすべて転嫁する。
基地の整理縮小がうまくいかないと今度は基地の環境浄化に視点を移し、だれしもが県民がそれ自体にもろ手を挙げて賛同する旗印を前面に押し立てて、その陰に隠れておのれの政治的主張を押し通そうとする方法は本当の県民のための県政と言えるでしょうか。
自衛隊の任務も戦争に結びつけておりますけれども、現に離島の救急患者の輸送に自衛隊員はみずからの生命の危険性を顧みず、平成8年度は221件、234名、平成9年211件、231名の患者を輸送し、県民の生命を救ったこのとうとい任務を知事は、そして革新の皆さんはどう評価しているのでしょうか。
夜間飛行でみずからの命まで失った過去の自衛隊員と医師のその遺族の気持ちをどのように知事は、皆さんは感じているのでしょうか。我々は県政の最高責任者の発言として断じて許すわけにはいかないと思います。
それと同時に、先ほど申しましたSACOの基地労働者が本当に今、基地の問題、自分の雇用に対してどう考えているのか、時間が許せばこれを全部読みたいんですけれども、これは全くの非常識でございますので、私は整理したのを読み上げていきたいと思います。
基地関連従業員は1967年がピークで5万6246名おりました。これは全体の労働者の約26%、それが1972年以降復帰後どんどん減少しております。しかしながら……(「首切ったのはだれだ」と呼ぶ者あり) これは数字を言っているんですよ。(「だから首を切ったのはだれかと言っているんだよ」と呼ぶ者あり) それは黙っておきなさい。1995年以降これは増加しておりまして、現在8518名となっています。だれが首を切ったかは自分で考えてください。
SACO関係従業員のアンケート調査、これは大事な調査だと思うんです。議員の皆さんにもそれぞれ配られていると思うんです。(資料を掲示)
これは平成9年の10月に県の商工労働部渉外労務課で行っております。3784名の従業員のうち705名の調査をしておりますので、かなり信憑性のある、そして回答も608名というようなかなり細かい調査が行われております。
今基地労働者がどういう考え方をし、そして基地に対する考え方、それがこの1冊の本にまとめられているんです。
これによりますとまず基地労働者になった理由、経過という項目がございます。これは複数の選択で14項目の中から複数を選べるようになっているんですけれども、その中の第1番目に多いのが608名中ですけれども、「好不況に関係なく、雇用が安定した職場だから」というのが314名、約半数以上おります。そして「勤務時間がはっきりしているから」303名、「給与がよいから」というのが258名、これはベスト3でございます。
しかし、ベスト4からが基地労働者の主体性が出ているんじゃないかと思うんですけれども、4番目に「英語が生かせる仕事だから、また英語を覚えたいと思ったから」という人が240名います。5番目に「自分の経験、資格、能力などを生かせる仕事だから」187名、「基地従業員に興味があったから」109名、「将来性があるから」93名、このように第4位から第7位まで、つまりみずから主体的に基地労働者にみずからの能力を生かす、先ほどから話がありますみずからの能力を仕事に生かしたい、そして英語を覚えたい、そして能力を発揮したい、このように自主的に基地従業員として彼らは応募しているわけでございます。
それに対し知事が云々するのは全くこれは当てはまらないことだと思います。
そして米軍施設が返還された後、どのような仕事につきたいかという質問がございます。これに対して「引き続き基地従業員として働きたい」というのが60.5%、「条件が合えば引き続き基地従業員として働きたい」27.6%、つまり基地労働者として従業員として働きたいというのが合わせて88.1%もいるんです。
その理由として「基地従業員よりも条件のよい仕事が他にない(少ない)から」35.8%、「自分の経験、資格、能力を生かせる仕事が他にない(少ない)から」18.9%、その後に仕事がないから、他の職場の不安とあります。
したがいまして基地労働者の考え方は80%以上の人がやがて90%になろうとの人たちが、今働いている人たちが今の職場でそのまま働いていきたいということを考えているわけでございます。
逆に言いますと、みずからの職場、みずからの仕事をそれぞれ個人個人で尊重しながら自分たちのことを考えている、それに対してとやかく言う筋合いではないものだと思います。
そしてこの自由意見というのがあるんですけれども、これがいろんな意見があるんですよ。これは本当は読みたかったんですけれども、これは自由意見を読もうとしたら大体1時間ぐらいかかるんじゃないかと思いますんで、これは本当に時間を省略するためにある程度ピックアップします。
自由意見の中で雇用不安というのが149名いるんですよ。この中の代表的なものをピックアップして読みたいと思います。「簡単に返還を口にしないでほしい。我々は、基地あっての従業員である。英語を得意とする人にとって基地は、最適の環境であると思う。チームワーク、改善を主張する、職場のポリシーは、とても素晴らしいと思う。基地の中ほど、従業員の意思を尊重してくれる所はないと思う。」。
そしてもう一つの意見ですけれども、「米軍施設は出来ればない方がよく、県のアクションプログラムの考え方にも同意できるが、生活がある。雇用問題の具体的な施策を示してほしい。基地返還がクローズアップされてからは、不安を拭いきれない。再就職するまでの間の生活保障を考えてほしい。」。
そして基地返還に反対という意見が12件で21名ございますけれども、その中の1人だけ読んでいきたいと思います。
単なる反戦運動の一環として、基地縮小を要求し、施設を返還するのはナンセンスである。基地があるから戦争が起こるのではない。むしろ基地は、戦争の拡大を最小限にするものである。日本は日米安保条約により、米軍に施設を提供する義務があり、沖縄は地理的にも施設を残しておくのに適している。また、沖縄には、雇用の機会を与えてくれる企業に乏しいことを考えると、米軍施設は必要である。よって、米軍施設返還には反対である。施設があるから米兵がらみの事件・事故が起こると考えるのではなく、そのような事故が起こらないように、米軍と協力しあう方が、現実的である。
そしてアンケートの中の「県の管理・責任」というのが3名の人から出されているんですけれども、「基地返還については、多くの基地従業員が理想と現実の狭間で悩んでいると思う。知事のアクションプログラムは、あまりにも一方的で賛成できない。基地を取り巻く諸環境を総合的に考慮し、結論を出すべきである。県民をステレオ・タイプ化し、不公正な報道を続けるマスコミにも責任はある。」とこのように自由に言っております。これはもう冊子の中にたくさんの自由意見がございます。
これは後ほどぜひ議員の皆さんもじっくりと読んでいただきたいと思うんですけれども、このように基地労働者の切実な訴えを県政の最高責任者が真剣に心に受けとめると、基地関係労働者や自衛隊関係者への屈辱的な発言は私はできないものだと思います。
以上申しましたけれども、決議案に賛同する立場から討論を終わりますけれども、今回の提案を拡大解釈したり、歪曲に解釈するんではなく、議会人としての立場から真摯に受けとめて御理解いただき、決議案に賛同していただきますよう心からお願いいたします。
終わります。
〇議長(友寄信助君) 平良長政君。
〔平良長政君登壇〕
〇平良長政君 議員提出議案第1号大田知事発言に対する抗議決議について、社民党・護憲共同を代表して反対討論を行います。
人は皆、それぞれ誇りを持って生きています。美人はその美を誇り、知者はその知を誇ります。芸を誇る者や腕力を誇る者もあります。勤勉、正直、健康、財産を誇ったり、人さまざまです。
決議の中にあるように国の平和と安全を守るという崇高な使命を担っている自衛隊関係者も誇りを持って業務に励んでいると思います。
問題となっている知事発言は、基地関係労働者を含んでこのような誇りを持って仕事をしている人たちを否定したり侮辱したりしたものでは決してありません。
軍事基地は、戦争を遂行するためのベースでもあり、提案者が述べているように戦争を予防するためのベースでもあるでしょう。いずれにしても基地が戦争につながっているものであることは何ぴとも否定できないでしょう。
戦争は人間を人間でなくさせます。そのような戦争につながると言っても基地を一挙になくすることはできません。計画的、段階的に撤去させ、2015年には在沖米軍基地をゼロにするというのが県の基地返還アクションプログラムです。
そして同時に、返還軍用地を中心にして国際都市沖縄をつくり、FTZ、マルチメディア、国際観光を中心に新しい産業も興し、雇用の拡大も図り、若者に夢と希望の持てる沖縄県をつくろうというのが国際都市形成構想です。
自民党は、基地繁栄論とか基地産業論を唱えていた時期もありましたが、現在では整理縮小論になっております。95年の少女暴行事件後、基地の整理縮小を掲げて戦った10・21集会にも参加をしております。
基地の整理縮小を主張することは、基地はよくないと認めていることになります。多過ぎるからというかもしれませんが、よいものであれば減らせではなく、もっとふやせとなるでしょう。
言うまでもないことですが、県の2015年基地全廃は米軍基地のことであり、自衛隊基地ではありません。米軍は1945年に沖縄上陸していますから、2015年といえば実に70年間沖縄に駐留することになります。気の遠くなるような年月ではありませんか。思いやり予算など我が国の経済状況からはできない相談です。外国軍隊は自国に帰ってもらいましょう。
知事発言に戻りましょう。
基地が生産の場であるかという論争です。基地に働く労働が生産的労働かという問題です。労働には生産的労働と不生産的労働があります。
一般的規定としての生産的労働とは指揮監督も含めた直接的に物をつくる労働であり、運輸や保管労働など社会的生産過程の一部をなす労働も生産的労働であります。
しかし、商業、金融業、保険業、サービス業など物をつくらない労働は不生産的労働です。基地労働なども直接物を生産しませんから当然不生産的労働です。しかし勘違いしないでほしいのですが、不生産的労働イコール社会に不必要な労働、価値のない無益な労働と言っているわけではありません。しかし、生産的労働による衣食住などの物的生産があって初めて不生産的労働者も生きていけることも言うまでもありません。
知事発言の真意は、米軍基地で働く人々を2015年までには生産的労働に従事してもらい、県全体でもっと生産量をふやし豊かな生活を送ろうとの考えだろうと思います。そのような中でこそ産業も興り、景気もよくなるというものです。
本来、経済社会活動は人間が物質的、精神的に豊かな生活を享受できる建設的なものでなければなりません。軍事に関する産業は非生産的であり、非人間的であります。戦争なき平和な世界の創造が必要なのであります。
東西冷戦が終えんしたこれからの世界は力強く軍縮を推進し、不要になった軍事費を生産的労働に充て、生産力を上げ、労働時間を短縮しすべての人が生活と文化を享受できる時代にしなければならないと思うのであります。
知事の言う人間の幸せに結びつく生産の場に仕事がつけるようにという意味は、私はこのように理解をしております。決して基地関係労働者を侮辱したものでないことを御理解いただきたいものです。
かつてミルクプラントで働く全駐労の仲間の首切りがあったとき大田知事はどうしましたか。精力的に働いて首切りをとめたのではありませんか。
また、基地内の職場には福利厚生施設がほとんどありません。そのため県は現在国に対して福利厚生施設やあるいは離職前職業訓練等施設拡充を含めた駐留軍従業員等総合センター──仮称ですが──を建設するよう国に対して精力的に要請をしているところでございます。
大田知事が基地労働者を侮辱しているとすれば、全駐労は大田さんを知事選で支持するでしょうか。今回も組織的に支持する決定をしております。
さて、これとの関係で憲法22条職業選択の自由を否定するという論についてです。
職業選択の自由とは、憲法学者の論をまつまでもなく、自己の従事する職業を決定するとき、国家からの強制や妨害を受けないということを言います。
中世のギルド制度の崩壊は、西洋世界における自由の勃興にとって最初の不可欠な第一歩でありました。居住、移転の自由と同様職業選択の自由も特定職業に人々を縛りつけていた封建時代の身分制、世襲制から人間を解放したものでありました。
このような歴史的流れの中でかち取られたものが営業の自由を含む職業選択の自由の権利であり、この22条で争われた裁判で明らかなように例えば大店法や薬事法、公衆浴場法等国家の規制に対するものであり、公権力を持たない知事や個人とは全く関係のないものであること、職業選択の自由とは公共の福祉に反しない限り国家からの強制や妨害を受けない意味だということを御理解いただきたいと思います。
また、職業選択の自由と言っても資本主義社会においては形式的自由であり、形式的に認められたもので実質的な保障をされているわけではありません。失業者は選択どころではありませんし、現在職についている人でも本当に好きな仕事をしている人は何人いるでしょうか。
1万人余の若者が米軍基地で働きたいと待機しているようです。基地でぜひ働きたいという人もいると思います。あるいはどこでもいいから条件がいい職につきたいという人もいるでしょう。自由に好きな選択のできる状況にはありません。
もう一つの論点は、戦争抑止力の問題です。
戦後50年余、日本が戦争に巻き込まれなかったのは在日米軍と自衛隊の存在、日米安保条約の存在という主張がありました。確かにその面もないとは言えませんが、日米安保という二国間軍事同盟があったから日本は戦争に巻き込まれなかったというのであれば、米韓安保や米豪安保があるのに韓国やオーストラリアはベトナム戦争にアメリカとともに参戦したのはなぜでしょうか。
日米安保だけあれば日本は恐らくベトナム戦争に参加していたのではないでしょうか。なぜベトナム戦争に参戦しなかったかといえば、平和憲法の存在と自衛隊の海外派兵を許さない平和勢力の存在があったからではないでしょうか。安保条約が戦争抑止力になったわけではないのであります。
誤解もあるようですから、自衛隊と安保問題に対する我が党の見解も申し上げたいと思います。
我が党は、自衛隊と安保条約が現実的に存在していることについて否定するものではありません。しかしかつてアジア諸国へ侵略戦争をし、多くの人たちを殺傷し苦しめた我が国はそれらの反省のもとに平和憲法を持つに至っております。
これらのことから、我が国の進むべき道はアメリカ一辺倒の外交や日米安保という二国間軍事同盟を強化する新ガイドライン有事立法の道ではなく、ロシア、中国、南・北朝鮮を含めた多国間の経済・文化交流を基調とした東アジアの平和友好協力機構(平和のテーブル)をつくる道を日本のイニシアチブで探るべきであります。ヨーロッパでは既にOAC(全欧安保協力機構)が存在しております。
新ガイドラインに示すように後方支援ということでアメリカの戦争に我が国が加担し、一方の戦争の当事国になるのではなくて、我が国はアジアにおける誠実な仲介者、調停者として戦争が起こらないよう友好信頼関係を醸成する道を歩まなければなりません。意図的に有事を想定し、危機をあおるのであってはなりません。
もし万一戦争が起こった場合、一日も早く戦争を終わらせるよう仲介者の立場に立つべきだと思います。
今世紀は冷戦時代から軍縮の時代に入り、軍備なき世界の創出に向けた道を一歩一歩確実に歩まなければなりません。その視点に立って私どもはアジアの脅威になっている自衛隊を徐々に縮小させていくべきと考えております。
最後になりましたが、この種の抗議決議について申し上げたいと思います。
今議会で知事の答弁が自分の気に入らないからといって空転をいたしました。今回はこれまた知事の答弁が気に入らないといって本会議で抗議決議をするということでありますが、県議会始まって以来と聞いております。
意見の相違があるのは各人それぞれ思想信条を持っているので当然であり、それをけしからぬと言って自分の意見に従えというのはいかがなものでしょうか。反省を求め二度とこのようなことのないようお願いを申し上げまして討論を終わります。
御賛同いただきますようよろしくお願いいたします。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後0時 休憩
午後0時 再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
幸喜 勝君。
〔幸喜 勝君登壇〕
〇幸喜 勝君 大田知事発言に対する抗議決議について賛成討論を行います。
このたびの知事発言、「基地というのはどこから考えてみても戦争と結びつくもので、人間の幸せにじかに結びつく生産の場ではないんですよ。」、「我々はそういう若い人たちがもっと人間の幸せに結びつく生産の場に仕事がつけるように今全力を尽くしているところです。」、「基地は戦争に備えるものです、正直言って。だからこそ在沖米軍も自衛隊も訓練するわけです」と、これは議事録を抜粋したものです。
この知事の重大発言は、基地の存在に対し、ここに働く人がいて、この基地が機能していることを指し戦争に結びつけており、だれが見ても聞いても「基地」が主語であっても人を指して言っていることは明らかであります。
人間は、だれしも幸福を追求する。幸福を求める手段として当然生活があり、生活をエンジョイするために経済がある。経済は職場である。その職場を求めるのにそれぞれの価値判断があり、どういう職場を求めるか自由意思である。憲法で保障された22条の職業選択の自由がまさしくそのことだ。
知事発言は、「人間の幸せにじかに結びつく生産の場ではないんですよ。」と断言をしております。
基地を職場として働いている人たちは、それなりに誇りを持って働いております。その人たちへの侮辱発言であり、職業への差別発言としか言いようがありません。どこに働こうが人間は常に幸せを求めて努力しているのであり、知事といえども県民、個人の職業に対しとやかく言える立場ではないはずであります。
今、我が国も本県もあわせて経済環境は極めて厳しい状況にあります。特に若者の失業、雇用問題は緊急の課題である。
去る5月の失業率8.2%のときの失業者数が5万人であります。5万人の中の54%は若年労働者、15歳から29歳までの人たちであります。9月には9.2%にまで上昇し最悪な事態に陥っております。
さらに、企業の倒産率も増加しております。県民は前途多難な時期に直面しております。
なお、昨日の総務企画委員会において平敷委員の駐留軍従業員に関する調査発言によると、年間800人の採用に対し1万1200人の応募があったことのお話がありました。殺到していることが明らかであります。
雇用環境の厳しい中にあって沖縄の若者が職を求めて必死になっている姿がこの実態からもよく理解できます。
こうした現実を無視して知事のあのような発言、行政の最高責任者として駐留軍従業員はもとより、応募している人たち、これから応募しようとする人たちから厳重な抗議と発言撤回が求められてもしようがないと思います。
知事は、日ごろ口癖のように若者に夢と希望をという言葉を使っております。若者に働く場がないということほど悲しくて寂しいことはないのであります。
また、決定していたインターハイの返上も若者の大きな夢と希望を打ち砕いたことで記憶も新しいのであります。
さて、ここで大田知事の基地に対する認識に大きな疑問を抱くものであります。世界の国民はすべて平和を希求し幸福を求めて生きており、人類共通の願いではないでしょうか。
ところが、世界の国々はほとんどが軍隊を保有しております。世界でも永世中立国と言われているスイスでさえ国民皆兵制、民兵で組織され、地域において各班ごとに編成され、武器を持って常在戦場の訓練を実施しているとのことであります。
大国アメリカにおいてはどうでしょうか。家庭に銃を保持することは法律で認められております。みずから防衛するためであります。武器そのものが戦争以外のあらゆる手段に使用されているという事実も十分認識すべきであります。
各国はみずからの国民の生命と財産を守り、他国から侵略を受けることのないよう、平和と安全を守るために抑止力として軍隊を持っているのであり、みずから戦争を仕掛けていくために軍隊を持っている国はない。各国とも万が一に備えて莫大な国家予算を投じており、これが今、世界の常識ではないでしょうか。
また、これが現実的対応であり、理想は理想として持ちつつも、現実を無視することができないことを如実に物語っている証拠であります。
このような考え方からして、大田知事が基地と戦争を結びつけた認識の仕方は余りにも飛躍的で世界に通用する感覚ではない。
国際都市形成構想を標榜する知事として、国際的な常識、感覚が通用しないとなればもはや一県の知事として交代するしかないのであります。このたびの知事の発言は、行政の最高責任者として重大な発言であり、断じて許されることではない。
よって、本抗議決議に対し賛成を表明するものであります。
以上。
〇議長(友寄信助君) 新垣米子君。
〔新垣米子君登壇〕
〇新垣米子君 議員提出議案第1号大田知事発言に対する抗議決議に日本共産党を代表して反対討論を行いたいと思います。
まず最初に、知事の発言は基地についての政治的立場を明確にしたものであります。
政党政治においてそれぞれの政治理念が違うのは当然であり、その違いを取り上げて抗議決議を行うというのはみずからの議会制民主主義を否定するものであり、憲法で保障されている思想信条の自由、言論の自由を否定するものです。
大田知事の発言は、県民への公約基地のない平和な沖縄、豊かな沖縄の実現に向けて、公約した政治理念に基づきこれまで議会の中で発言してきたものであり、知事選挙を目前にあえてこのような抗議決議を強行する態度は、大田知事に打撃を与えんがための「ためにする攻撃」であり、決して県民の立場から認められるものではありません。
次に、知事の発言が基地で働く労働者に対して、職業選択の自由の否定であり、基地労働者を差別、侮辱しているとの抗議の最大の根拠にしていますが、知事の発言は「基地」についての考え方を述べたものであり、「基地」、「軍隊」そのものの定義を述べたものであり、基地労働者について述べたものではないこと、職業選択の自由を否定するという発言を一言も言ってないことは明らかにもかかわらず、「基地」、「軍隊」も「労働者」も同一視、一体として理論を飛躍させているのはなぜなのか。
今、全国の吹き荒れているこの不況は自民党政治の経済政策の失政であり、全国以上にこの深刻な影響を受けている県民の不安を逆手にとって、あたかも知事の責任としてなすりつけようとする、このような無理な理論展開に終始していると言わざるを得ません。
決議文の中に、在沖米軍並びに自衛隊は、決して知事の言う戦争準備のために設置され訓練しているものではないとありますが、基地は戦争をするための施設、根拠地であり、軍隊は当然戦争を遂行するための人殺しの訓練をしている集団であり、人助けのための施設、訓練をしているのではないことは明白であります。
これは、提案者の皆さんがどう認識するにかかわらず、これは定義上客観的に定義されていることであり、明白であります。それにもかかわらず消防や警察の職員と同じように論じること自体飛躍であり、米軍基地や軍隊を美化するものと言わざるを得ません。
これだけはっきりしていることをなぜあえてこじつけて、当たり前の知事の発言をとらえて抗議決議をするねらいは一体どこにあるのか、基地労働者を基地と軍隊と同一視することで、基地で働いている県民と県民同士を分断し、平和な沖縄を願っている県民の願いにくさびを打ち込もうとする政治的なねらいであること、また米軍基地の役割を過小評価し、米軍基地そのものを美化するねらいであることは明らかです。
70年代のアメリカのベトナム侵略戦争で沖縄の基地から飛び立った戦闘機が、罪のないベトナムの人々を爆撃し殺りくした。この沖縄の基地が出撃基地としての役割を果たしたことは歴史の事実であり、世界からも非難されたこの米軍の行為と基地労働者を同一視し、同罪視するのでしょうか。それこそ労働者への侮辱ではありませんか。基地労働者も沖縄県民としてベトナム戦争反対、沖縄を出撃基地にさせるなと連帯して闘ったことをどのように受けとめているのでしょうか。
次に、沖縄の米軍基地が日本と沖縄の安全を守り抑止力になっているという論理に反論します。
SACOの最終報告で、「米軍の前方展開が引き続き共通の安全保障上の目的を追求するための不可欠の要素であることに留意した。」、「日本国政府より提供される施設及び区域並びに接受国支援は、これらの目標を達成するために重要である。」と強調されています。
ここで言う米軍の前方展開というのは、決して我が国の安全と平和を守るためではなくアメリカを守るための前方展開であり、湾岸戦争やアフガニスタンへの爆撃に見られるように他国への侵略と干渉のためのもので、この最前線基地としての沖縄の基地の位置づけと役割のより一層の強化をうたっていることでも明らかです。
米軍基地が県民を再び戦争に巻き込むおそれのある危険なものであること、米軍が沖縄を守るものではないことは明らかです。
1957年から配備されている米第3海兵師団が、沖縄で核戦争計画を持っていたという機密文書の存在が明らかにされました。
嘉手納飛行場、関連核兵器貯蔵施設など最重要防衛地点が集中する本島中部から南をいかなる犠牲を払っても守るよう努め、必要なら核兵器を用いると明記されていると言われています。米軍基地を守るためには県民の犠牲はやむを得ない。これが米軍の正体であり、現在もその作戦を持っている危険性があると言われております。
去る9月3日の参議院で防衛庁長官は、北朝鮮のミサイル発射問題で、「「座して死を待つというだけではなく、自らを守るための代替手段がない場合は、必要最低限の行動を取り得る」と述べ、日本を攻撃したミサイル基地に反撃しても自衛権の範囲を逸脱しないとの考え」方を示しています。
アメリカがアフガニスタンにミサイル攻撃を行ったときに、アフガニスタンの政府関係者は自国を守るために米軍基地に先制的にミサイル攻撃を行うという発言をしていますが、攻撃された国は反撃する権利がある。攻撃した基地に反撃するのであって、攻撃基地を抱えているということはいつでも相手側から反撃を受ける危険性があるのは当然です。そうなるといつアメリカの仕掛けた戦争で沖縄が戦場にされるかわからない。これがこれまで県民が持ち続けてきた率直な不安とおそれであり、ますます今後この不安が現実的な問題として心配されております。
沖縄の米軍基地が、日本や沖縄を戦争に巻き込まれることから守り、抑止力となっていると言っていますが、一体米軍基地のどこに日本や沖縄を守る任務が示されているか、このことに対して我が党の嘉陽議員の質疑にまともに答弁することができなかったことでも、この抗議決議の根拠がないことを示しています。
米軍基地が県民を守るものではないことは、復帰後だけでも5000件近い繰り返されている米軍人による凶悪事件や事故、演習被害を見ただけでも明らかではありませんか。
昨日明け方、北中城村の比嘉の国道330号で、米海兵隊員の運転する乗用車に追突されはねられ、北中城高校の3年生の上間悠希さんが意識不明の重体であることが報道されました。米軍人の車両の後続車も上間さんをはねたとの目撃証言もありますが、飲酒運転の上、はねた上間さんを路上に放置したまま逃亡していることは許せるものではありません。
昨晩、外間久子議員とともに収容されている病院にお見舞いに伺い、娘さんの容体や事故の状況などについてお母さんからお話を伺いました。頭部がグチャグチャで手術の施しようがない状態であること、冷静に対応してくださったお母さんでしたが、ただひたすら娘さんの安否を見守っている様子に私たちも多くは話すことができませんでした。
待合室や廊下、外でも安否を気遣って帰ろうとしない大勢の子供たちの姿にもやりきれない思いをして帰ってまいりました。3年前に起こった少女の痛ましい事件、そして翌年新年早々の親子3人の轢殺事故は、戦後50年余り、復帰して20余年たった今日なお、米軍基地がある限り事件や事故が起こり続けることを私たち県民に教えてくれました。
抑止力がいかに欺瞞であるかということは、沖縄の現実が告発しています。戦争は起こってないが、しかしこの53年間、戦場さながらの状況下で多くの県民の命が奪われ、女性の尊厳が踏みにじられてきたことに皆さんは県民として心を痛めないのですか。
今回のひき逃げ事件もそうです。だからこそ少女の事件を繰り返させてはならないとの決意で10・21民大会を行い、米軍人による事件・事故の根絶、被害者の救済と完全保障、不平等な地位協定の見直し、基地の整理縮小の4つの決議を行ったのではありませんか。
大田知事は、文字どおりこの県民大会で決議した県民の願いの先頭に立って頑張ってきたのであって、沖縄の基地が県民の願いとは反対に他国への攻撃基地となっていること、そして同時に県民の命と安全、財産を脅かしているこの危険な米軍基地をなくして平和な沖縄を21世紀の子供たちに引き継ぐことを決意した知事の言葉は県民の願いを代弁したものであり、知事の基地に対する議会での発言も県民大会における知事の県民への決意と政治理念に基づいたものです。それが抗議される理由になるというのであれば、それは県民大会に託した県民の願いへの攻撃であり、この行為は暴挙だと言わざるを得ません。
10・21県民大会の決議こそ県民が団結して頑張らなければならない原点であり、10・21県民大会を主催した私たち県議会の責任ではありませんか。
よって、この決議案が県民の良識の府として県議会が良識ある態度で否決していただくよう訴えて討論を終わります。
〇議長(友寄信助君) 喜納昌春君。
〔喜納昌春君登壇〕
〇喜納昌春君 こんにちは。
おはようから始まりまして、今はもうこんにちはになったんですが……。
討論に入ります前に一句。
広漠たる流砂 壮嶺の彼方
粛として興亡の夢はかなし
無窮の星座 奈落の地底
揺ぎなく 久遠の誠を捧ぐ その姿や麗し
井上靖さんの詩ですけれども、今、官僚の天下り、腐敗を含めて、防衛庁の職員の腐敗を含めて、そしてまた経済の不況、同時に経済の構造の中での経営者の皆さんの堕落といいますか、そういう中で私は、政治家や政党の理念と今あるべき姿が求められていると考えます。
そういう意味で自戒も込めながら以下の任務を果たしてまいりたいと思います。
ただいま議題となりました議員提出議案の第1号大田知事発言に対する抗議決議案に対しまして、沖縄社会大衆党県議団を代表し反対する立場から討論を行います。
我が党は、平成10年第3回沖縄県議会定例会いわゆる6月定例会における自民党の代表質問の具志孝助議員の11月知事選挙に向けての大田知事の3選は思いとどまるべきではないかとの質問に対する大田知事の、「私は、知事に就任して以来、長期的な展望に立って何よりも県民一人一人の生命と暮らしを大切にし、誠意を持って県民に奉仕するという気持ちで取り組んでまいりました。 とりわけ基地問題については、非生産的な基地を人間の幸せに結びつく生産の場に変え、若者が真に夢と希望の持てる沖縄を実現することが私に課せられた責務であると考え、これまで誠心誠意頑張ってまいりました。」云々と、当然のことながら出馬断念に触れることのない形での答弁を行ってまいりましたが、この答弁に端を発しまして今回、唐突な知事発言に対する抗議決議という前代未聞の野党議員諸氏の行為に、我が党は憲法で保障された第19条の思想信条の自由、第21条の表現の自由に違反し、加えて県議会における自由討論の原則ルールにももとる言論の府としての県議会の歴史と将来に大いなる禍根を残す愚行として、蛮行として県民に明らかにし、大田知事の正当性を強く主張し、提案された野党議員諸氏の猛反省を促しながら議論を展開いたします。
この抗議決議の唐突、異様性は次の点に歴然としております。いわゆる決議文案に沿って論を展開しますけれども、下から7行目の「大田知事が」から始まる段落ですけれども、大田知事がこのような発言をしたことは極めて不適切かつ県民を侮辱するものであり、断じて許せないと言っているのであります。
いわゆる「不適切」、「侮辱」発言であり、許さず、とがめるというのですから、それならば当然議会のルールとして発言の撤回かつ削除要求につながってよいはずであります。
ところが、今回の決議は「断じて許すわけにはいかない」と言いながら、前代未聞の抗議決議の提案となっております。トーンダウンは否めません。
そうなるには理由があるからであります。
言うまでもなく大田知事の答弁、発言は議論の対象にはなり得ても非難されない、あるいは発言撤回や削除をされたりするたぐいのものではないからであります。
提案理由によれば、大田知事の発言は憲法第22条で保障された職業選択の自由を否定しているばかりでなく、基地関係労働者や国の平和と安全を守るという崇高な使命を担って業務に励んでいる自衛隊関係者への侮辱であるとして、次のような表現をしています。「基地というのはどこから考えてみても戦争と結びつくもので、人間の幸せにじかに結びつく生産の場ではないんですよ。」、「我々はそういう若い人たちがもっと人間の幸せに結びつく生産の場に仕事がつけるように今全力を尽くしているところです。」、「基地は戦争に備えるものです、正直言って。だからこそ在沖米軍も自衛隊も訓練するわけです」等々です。
6月定例会での答弁から根拠として示しています。
これらの課題は、今後論議していくべき課題であります。であればこそ我が党は、今回のこの抗議決議が大田知事の政治家としての立場と人格を無視した乱暴な手法と考えております。
6月定例会では自民党の具志孝助議員の代表質問と、それに対する大田知事の答弁に端を発しながら、同じく先ほど来言われておりますように自民党の渡久地健議員が発言の撤回を求め、その後に浦崎唯昭議員、西銘恒三郎議員、幸喜勝議員と自民党ではない議員諸氏に見事にバトンタッチされ、その質疑の中で知事の発言説明がなされ、論議を通しながらこの基地は非生産的な発言の真意は明らかにされてきたところであります。
さきの例示は、その皆さんのやりとりの中で、皆さん方の御都合でその政治的意図に沿ってダイジェストされたと言っても過言ではありません。ここにおいて大田知事の真意は見事に歪曲されたと我が党は厳しく指摘するものであります。
知事の答弁、発言には何ら問題がなかったことは6月定例会の中で、当事者の自民党県議団やそのほかの皆さんから何の発言撤回や修正の要求も出なかったことで明らかであります。にもかかわらず今定例県議会で当事者の自民党からではなく、非自民の西銘議員や浦崎議員、ほかの皆さんから再度質疑がなされ、6月定例議会とほぼ同様のやりとりの中で今回の前代未聞の抗議決議が出されてきました。
我が党は、昨日、一昨日と展開されましたやりとりの中で、野党議員諸氏は決して政治的ねらいや選挙絡みではないと主張してきましたが、むきになって言えば言うほど11月の知事選挙絡みの低劣きわまりない政治戦術の実態が浮き彫りにされてきたと我が党は考えます。
提案諸氏の御都合主義の知事発言に沿って、ちょっと乱暴な立論ではありますけれども、先ほどありましたあの例から見ますと基地が非生産的なものであるか否か、若い人たちにもっと人間の幸せに結びつく生産の場に仕事がつけられるように今全力を尽くすか否か、あるいは「基地は戦争に備えるものです、正直言って。だからこそ在沖米軍も自衛隊も訓練するわけです」という知事の認識が正しいのか否か、それこそが県民がさまざまに抱いている思想信条、認識であり、そういう県民の多種多様な考え方が二分されることについて、答弁の中で大田知事が発言したことが憲法22条の職業選択の自由を否定し、基地関係労働者や国の平和と安全を守るという崇高な使命を担って業務に励んでいる自衛隊関係者への侮辱的な発言であると、野党議員諸氏が気負い込んで主張し決議文を提案したこのことこそまさに乱暴な立論主張であり、論理の飛躍であり、政治や選挙のためにしたと断じても過言ではありません。
大田知事を支持したこともなく、今後も支持することもない自民党が当時、候補者擁立問題で右往左往している時期にその代表質問の中で、3選出馬の断念を求めていくという信じがたい不見識な態度を我が党は冷静に見守ってきました。
そして、その中で発言した大田知事の答弁を当事者の自民党が大きく問題にするのではなく、非自民の議員諸氏の政治的感性、立場から知事発言を都合よくダイジェストしスポイル、歪曲して抗議決議で政治的ダメージをねらっていくという今回の手法を、我が党は憲法第19条の思想信条の自由、第21条の表現の自由に違反し、同時に言論の府としての県議会での自由討論のルール原則を県議会みずからが否定する蛮行につながるものであると考えます。
我が党は、米軍基地は諸悪の根源であり、その撤去で県民の人権と暮らし、自立した経済を目指した沖縄づくりにこれまで48年余にわたって県民とともに頑張ってきました。
その中でかつての全軍労、今日の全駐労の労働者が基地撤去の先頭に立ち、みずからの生活と権利を表裏の課題として懸命に取り組んできた過酷な歴史を決して忘れません。
基地撤去は要求するが、撤去を伴わない生首は絶対に切らさない、撤去された後は国の責任で跡利用計画と平和政策を求めていく、首を切られた労働者には再雇用の訓練と働く場を国に求め、県にも協力を求めていく、全駐労のその運動、闘いをすべての県民労働者がしっかりと連帯し伝えていく、それが革新陣営の理念であるし、願いでした。
そうした壮大な流れに非協力的とは言いませんが、極めて冷淡だったのがかつての自民党の立場ではなかったでしょうか。そうした保守陣営とは全く違い、今日の大田県政は、まさにそうした基地従業員の歴史と、今日なお複雑な立場に置かれている8300余の駐留軍労働者の働く権利のすべてを尊重すればこそです。
米軍基地反対の主張を貫きつつも、1995年度には先ほど平良さんからもありましたようにミルクプラント労組の首切りの撤回闘争を含め、それから1996年の嘉手納基地内での施設清掃労働者70人余の首切りの問題、それからことしのキャンプ・シールズでのメスホールの解雇問題等々に全駐労と一緒に国にぶつかり、再雇用の厳しい課題にも懸命に取り組み、昨年の8月には在沖米軍従業員の雇用等に関する県、全駐労連絡会議も設置し、今後の米軍基地の整理縮小の進行とそれに伴う米軍基地従業員の働く権利と再雇用の切実な課題にも全力を挙げているところであります。
まさに今回、野党議員諸氏の大田知事の基地が非生産的な云々の発言が憲法第22条の職業選択の自由や駐留軍労働者の権利を大事にしてきた大田知事の立場を誹謗中傷するものであると指摘するものであります。
また、基地が非生産的なものであるということや、基地が戦争に備えるものであるとの知事答弁が自衛隊関係者への侮辱的発言であるとの指摘こそはまさに論理の飛躍であり、強引なためがせん論議と言わねばなりません。
もとより本県において県民の基地、軍隊に対するイメージ、認識の上で、旧日本軍の信じがたい県民への蛮行から自衛隊に対しても反対など厳しいものがあることを前提にしても、米軍基地の撤去、整理縮小を党派を挙げて取り組む体制ができつつある今日の論議の中で、基地が非生産的であると大田知事が発言するとき、その真意が国土面積1%足らずの本県に在日米軍専用施設の75%が集中する異常な基地の面積の存在そのものを指摘していることは論をまたず、知事もそのことを何度も言ってきております。
それを、そこで働く労働者の職業選択の自由を否定するものであるとか、自衛隊関係者への侮辱的な発言と今回の前代未聞の知事発言への抗議となったことは、まさしく木を見て山を見ない意図的な政治的暴挙であると我が党は考えます。
今回のこの県議会史の汚点ともなる前代未聞の知事発言への抗議決議と、他のもう一つの準備されている決議を含めて野党議員諸氏は、政治や選挙の高等戦術として見事に演出したかもしれません。
しかし我が党は、このような拙劣な戦術、政治家として、政党としての誠意と責任をみずから踏みにじるようななりふり構わない小手先の選挙に向けた野党議員諸氏の蛮行は、必ずや賢明で良識ある県民の厳しい反撃に早晩遭うことを断言し、議員提出議案第1号の大田知事発言に対する抗議決議案に反対を表明し、良識ある多くの議員諸氏と、とりわけ野党議員諸氏の原点に立ち返っての反対の御賛同を訴えて、社大党を代表しての反対討論といたします。
〇議長(友寄信助君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
〇上原吉二君 議長、休憩お願いします。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後0時34分休憩
午後0時35分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
これより議員提出議案第1号大田知事発言に対する抗議決議を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
お諮りいたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(友寄信助君) 起立多数であります。
よって、議員提出議案第1号は、委員長の報告のとおり可決されました。
休憩いたします。
午後0時36分休憩
午後1時46分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
日程第10 議員提出議案第3号 過疎地域活性化のための新立法措置に関する意見書を議題といたします。
提出者から提案理由の説明を求めます。
伊波栄徳君。
〔伊波栄徳君登壇〕
〇伊波栄徳君 ただいま議題となりました議員提出議案第3号過疎地域活性化のための新立法措置に関する意見書について、提出者を代表いたしまして提案理由を申し上げます。
本県の過疎地域の振興対策については、沖縄振興開発特別措置法、過疎地域振興特別措置法及び過疎地域活性化特別措置法の適用により各種の国の施策が講じられてきました。とりわけ過疎地域活性化特別措置法は平成12年3月31日に失効する10年間の時限立法であります。
同法に基づき指定された過疎町村は、6町17村の23団体で、県下53市町村の43.4%を占めている。
本県では、昭和55年制定の過疎地域振興特別措置法から過疎法が適用され18年が経過しており、その間、過疎対策事業により各種の公共施設についても着実にその整備が図られてきております。
しかしながら、本県の過疎対策は他都道府県に比べ10年間のおくれが生じております。
また、本県の過疎地域のほとんどが小規模な離島や沖縄本島北部の山間地にあり、地理的条件の厳しさから交通通信体系の整備、医療の確保、生活環境施設の整備等今後とも解決すべき多くの課題が残されており、今後とも強力な施策の推進が必要であります。
したがって、これらの課題を解決し、過疎地域の活性化を図るため新たな法的措置が必要であることから本案を提出した次第であります。
意見書を朗読いたします。
〔過疎地域活性化のための新立法措置に関する意見書朗読〕
以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
この際、お諮りいたします。
ただいま議題となっております議員提出議案第3号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。 これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、本案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) これより議員提出議案第3号過疎地域活性化のための新立法措置に関する意見書を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、議員提出議案第3号は、原案のとおり可決されました。
〇議長(友寄信助君) 日程第11 議員提出議案第4号 税制改正に関する意見書を議題といたします。
提出者から提案理由の説明を求めます。
伊波栄徳君。
〔伊波栄徳君登壇〕
〇伊波栄徳君 ただいま議題となりました議員提出議案第4号税制改正に関する意見書について、提出者を代表いたしまして提案理由を申し上げます。
我が国経済は、戦後最悪とも言われる厳しい状況にあり、その早期回復が当面最大の課題となっております。このため、政府は6兆円を相当程度上回る恒久的な減税を実施することを表明し、個人所得課税の最高税率を50%に、また法人課税の実効税率を40%程度に引き下げるとしております。
政府においては、今後、減税の具体的な内容について検討することとしておりますが、その改正の内容いかんによっては地方財政の運営に大きな影響を与えることが危惧されます。
したがって、今回の税制改正に当たって、減税は国税を中心に考えるべきであり、税制改正により減収が生じる場合は政府において万全の措置を講じる必要があるため本案を提出した次第であります。
意見書を朗読いたします。
〔税制改正に関する意見書朗読〕
以上、申し上げましたが、慎重に御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げまして提案理由の説明を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
この際、お諮りいたします。
ただいま議題となっております議員提出議案第4号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、本案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) これより議員提出議案第4号税制改正に関する意見書を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、議員提出議案第4号は、原案のとおり可決されました。
〇議長(友寄信助君) 日程第12 議員提出議案第5号 平成10年産さとうきび生産者価格及び生産振興対策等に関する意見書を議題といたします。
提出者から提案理由の説明を求めます。
大城秀昭君。
〔大城秀昭君登壇〕
〇大城秀昭君 ただいま議題となりました議員提出議案第5号について、提出者を代表いたしまして提案理由を御説明申し上げます。
本県のサトウキビは、生産農家の高齢化、担い手の不足、機械化のおくれに加え、台風や干ばつ等自然被害により生産農家の意欲が減退して収穫面積や生産量が減少傾向にありますが、サトウキビは離島を多く抱える本県農業の基幹作物として農家経済のみならず地域経済を支える重要な作物であります。
本県議会は、昭和47年から毎年6月定例会でサトウキビの価格等に関する意見書を可決し、8月下旬の県議会単独要請、9月中旬の鹿児島、沖縄県での合同要請、そして価格決定前の10月中旬の農民支援要請とこれまで年3回の政府への要請を行ってきました。
これまで行ってきた8月下旬の県議会単独要請については、派遣された議員や本委員会で要請の方法や効果についていろいろ議論があり協議を行ったところ、価格が決定される10月中旬に要請行動をした方がより効率的、効果的でインパクトのある要請行動ができるものであるとの意見が集約されました。
以上の観点から、サトウキビ生産農家が意欲を持ってサトウキビ生産に取り組み、経営安定、所得の確保が図られるように政府に要請する必要があるということで本議案を提出した次第であります。
意見書を朗読いたします。
〔平成10年産さとうきび生産者価格及び生産振興対策等に関する意見書朗読〕
以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
なお、本案につきましては、その趣旨を関係要路に要請するため議会代表を派遣する必要があるとの意見の一致を見ておりますので、議長におかれてはしかるべく取り計らっていただきますようお願い申し上げまして提案理由の説明を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
この際、お諮りいたします。
ただいま議題となっております議員提出議案第5号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、本案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) これより議員提出議案第5号平成10年産さとうきび生産者価格及び生産振興対策等に関する意見書を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、議員提出議案第5号は、原案のとおり可決されました。
〇議長(友寄信助君) ただいま可決されました議員提出議案第5号については、提案理由説明の際提出者から、その趣旨を関係要路に要請するため議員を派遣してもらいたいとの要望がありました。
よって、お諮りいたします。
議員提出議案第5号の趣旨を関係要路に要請するため議員5人を派遣することとし、その期間及び人選については議長に一任することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) 日程第13 議員提出議案第2号 那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議を議題といたします。
提出者から提案理由の説明を求めます。
〔安次富 修君登壇〕
〇安次富 修君 ただいま議題となりました議員提出議案第2号について、提出者を代表いたしまして提案理由を御説明申し上げます。
我が沖縄県は、昭和47年5月15日の本土復帰以来本年で26年目を迎えました。
この間、政府の支援のもと沖縄振興開発計画を策定し、本土との格差を是正し自立的発展のための基礎条件を整備し、平和で豊かな沖縄を実現するために積極的に諸施策が展開されてまいりました。
その結果、それこそ県民挙げての血と汗のにじむような努力の中で、沖縄県は着実な発展をなし遂げてまいりました。
しかし、一方においては今なお基地の重圧に悩まされ、本土復帰の際に約束された米軍基地の整理縮小は遅々として進んでいない状況にあります。
沖縄県における米軍基地は、日本全土のわずか0.6%の県土面積に対し、在日米軍専用施設・区域の約75%が集中する中で、日常的に悩まされ続ける騒音公害や、米軍人軍属による事件・事故も復帰後、今日まで5000件近くが発生し、そのうち凶悪事件や強盗、女性に対する婦女暴行等も表面化されているだけでも500件余りも発生し、県民の一人として強い憤りを感じる次第であります。
特に、昨日7日午前4時30分に発生した米兵による女子高校生ひき逃げ事件は大きな衝撃と不安を与え、強い遺憾の意を表明するものであります。
さらに、本県の基地問題を根本的に見詰め直し、具体的に基地の整理縮小を強力に推し進めることが県政の最重要課題であることは論をまたないところであります。
さて、このような状況下で政府は、沖縄の米軍基地の現状を打開し、県民の平和と命と暮らしを守る立場から日米安全保障協議委員会を設け、その下に沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会(SACO)を設置し、沖縄県の米軍基地の整理・統合・縮小を実効的に進めるための実務者レベルの協議機関でSACOの最終報告の合意がなされました。
その中において、那覇軍港は浦添埠頭への移設を加速化するため最大限の努力を継続するとされております。
皆様も御存じのように、那覇軍港が日米による返還合意から20数年を経過しながらいまだに具体的返還のめどが立っていないことは大変憂慮されるものであります。
さらに、沖縄県の昨今の経済状況を見ますと、一時期の停滞状態から下落傾向へと悪化し、失業率が10%を占めるという最悪かつ危険な状況にまで陥っております。
これは、これまでの大田知事の県政運営が果たして正しかったのであろうか、状況把握が甘かったのではないだろうか、また政府との信頼関係を余りにも軽んじてきたために招いたものではないでしょうか。
理念は理念として、また一方では今、現在我々が置かれている現実を直視し、そのことを忘れては130万県民の生活を保障できないものであります。
このような状況の中にあって、那覇商工会議所と浦添商工会議所が社会資本の整備と充実、沖縄の振興発展を念頭に置きながら、それぞれが那覇港湾整備構想並びに浦添市西海岸開発促進のための提言書を作成しました。
また、浦添市議会におきましても事実上浦添市への移設を認めるなど社会状況は変化をしてきており、沖縄県民、関係者の中に何とかして現状を打破し、基地の跡利用による経済の活性化も勘案しながら柔軟に基地問題に取り組むべきとの動きが活発化してきております。
私ども提案者一同は、これらのことを踏まえ那覇軍港の移設と跡地利用並びに浦添市西海岸開発は一体的なものであるとの認識のもと、沖縄県の現状を打開し将来、子々孫々に至るまで豊かで活力に満ちた県民生活を享受することができるよう、また経済的視点に立って那覇市、浦添市、沖縄県の将来像を揺るぎないものにするために、それにつながる大きな足がかりと考え、本県議会において決議案を提案するものであります。
決議を朗読いたします。
〔那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議朗読〕
以上、御提案をいたしまして、議員諸兄の御賛同によりまして可決されますようお願い申し上げます。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入ります。
本案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
なお、質疑の回数は2回までといたします。
嘉陽宗儀君。
〔嘉陽宗儀君登壇〕
〇嘉陽宗儀君 日本共産党県議団を代表し、議員提出議案第2号那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議に対する質疑を行います。
そもそもこの決議案は、本県議会終了間際になって超特急で提出され、時間的にも締め切りに正式に間に合っていたのかどうかさえ疑わしいような手法で手続がなされています。
ところで、この那覇軍港の返還問題は党派を超えた文字どおりの県民的要求でありました。そしてその内容も基本的には県内移設には反対で世論もまとまっていたものであります。
また、これまで大田知事は那覇軍港の県内移設には基本的に反対であることを明確にしてきておりました。それなら提出者の自民党の皆さんは、那覇軍港の浦添地先への移設を推進する立場であれば、選挙で政策論争を展開して県民に審判を仰ぐというのが筋ではありませんか。それをやらずに議会で多数でもって議決を行い、知事に政策変更を選挙直前に迫るような手法は不当であり、大きな政治的意図が感じられます。
従来の慣例から考えても、このような重要な県民的課題は議会で十分に議論を行い、研究も深め、結論を出すというのが県民代表の府である県議会にふさわしい態度だと思います。
どこからも那覇軍港の浦添地先への移設に関する陳情も出されてなく、各議員も調査、研究も十分にはできないままに、ただ議会の意思だけは何が何でも決議しようというのは全く不当だと思います。
そこで質問ですが、なぜ議会で十分な議論もできないようなやり方で決議案を提出したのか、明らかにしてください。あくまで知事選挙対策が目的ではありませんか。
しかし、それでも決議が提案されている以上、それがどのような内容のものであるか、できるだけ県民に明らかにしていくのが本議会の役目だと思いますので、問題点を指摘しながら質疑をします。
提出者は、県民の前に誠意を持って提案の内容がよくわかるように誠実に答弁してください。
昨日の議員提出議案第1号の私の質疑に対する答弁は、ほとんどがまともになされませんでした。答弁不能が幾つもありました。これでは提出者の議会に対する真剣さが疑われます。
なお、この際、議長に申し上げておきますが、昨日の私の質疑に対して、私が決議案に沿って問題点を明らかにするために質疑を展開したのに対して、議長はきちっと答弁をさせませんでした。その結果、質疑で展開した重要な疑問点は本会議では解明できませんでした。きょうはそういうことがないように県議会の権能にふさわしい運営をしていただくよう要望しておきます。
それでは、以下、決議案に沿って質疑を行います。明快で誠意ある答弁を願います。
1、まず、那覇軍港の返還合意がなされていながらいまだに実現していない問題について質疑をします。
那覇軍港の返還は県民の大きな願いであり、県民世論に押されて返還方針が出されてからもう24年間も経過しています。なぜ返還合意がなされながら今日までまだ実現していないのか、しかも現在では年間の使用回数は少なく実質的に遊休化していると言われています。米軍が沖縄県民の利益を尊重するのであれば無条件に返還すべきであります。全国の75%の米軍基地が集中しているこの沖縄では、県内での移設はもともと無理です。米軍は、県民の願いを踏みにじってでもなぜ返還しないと思いますか。それは県民の利益のためですか、それとも米軍の利益のためですか、はっきりさせてください。
2、浦添地先への那覇軍港の移設が基地機能の強化になるという点について質問します。
我が党は、この那覇軍港の浦添地先への移設にはこれまで反対の態度を表明してまいりました。その理由は、現在、実質的に遊休化している軍港が移設によってその機能がよみがえり、強化・固定化されることになるからです。
那覇軍港は、あらゆる軍需物資を取り扱う機能を有してきました。ところが国道を北上することに関して県民の大きな批判があり、米軍といえどもそれを完全には無視することができず、那覇軍港の機能を十分に発揮することはできていませんでした。しかも米軍のコンテナや輸送船などの大型化に伴い、また大型クレーン(ガントリークレーン)などの不備のために同港への入港や荷役作業が不可能な状態にあります。
また、同港湾は政府の思いやり予算で岸壁の改修工事費を組むなど老朽化が進み、米軍の要求には必ずしもこたえられない、古くなって使用しにくい状況にあります。
それが浦添地先に移設されると、大型クレーンを設置した軍港と牧港補給基地が直結され、キャンプ瑞慶覧とも有機的につながり一体的に利用できるようになります。基地の固定化と機能が強化されることは明らかであります。そして有事即応体制がとれることになります。
事実、95年11月2日の地元のマスコミは、「米側 那覇軍港の返還合意で 移転先に大型クレーン 港湾機能の強化を求める」との見出しの報道をしています。
それによりますと、
米軍基地整理・縮小で日米が合意した那覇軍港の浦添市への移設計画について防 衛庁筋は1日までに、移設先に現在の那覇軍港にない大型クレーンを新たに設置す るなど港湾機能強化が 盛り込まれていたことを明らかにした。
移転計画によると、浦添市沖の埋め立て地約35.3ヘクタールに12のバースを持つ 専用ふ頭を設置、それぞれに大型クレーンを設置する。
現在の那覇軍港にはクレーンなどの施設がないため極めて限られた港湾機能しか なく、荷物の積み降ろし作業に時間がかかり、最近では1991年の湾岸戦争の際に物 資の集結が行われただけで、ふだんはほとんど使用していない。
一方、移転計画先は、面積は約6割に縮小されるが、大型クレーンにより現在の 数倍の物資取り扱いが可能になる
とあります。
まさにアメリカの那覇軍港の浦添地先への移設のねらいが新たな基地強化にあることはこれでも明確であります。
防衛庁は当初、那覇軍港の移設先としてホワイト・ビーチを提案しました。しかし米軍側は浦添市の補給基地に遠いことを理由に拒否しています。
防衛庁関係者は、那覇軍港の移転は日本側が決着を急ぎ過ぎたため、機能強化の米側の要求を受け入れなければならなかったと話したと報道されています。
当時のマスコミの社説は、この問題に対してがんの移転、がん細胞の増殖を受け入れるのかと批判しています。
そこで質問しますが、1、95年11月1日の日米首脳会談での那覇軍港の移設問題について合意していますが、その内容を知っていますか。そのときの米側の那覇軍港の浦添市への移設要求は何ですか。知っていたらその内容を説明してください。
2、米側の要求はあくまで港湾機能の強化であります。軍艦が我が物顔で出入りすることになります。それをどう考えますか。
3、なぜ米側はホワイト・ビーチへの移設を拒否したと思いますか。
4、牧港補給基地との直結が米側の要求です。それはあくまで基地機能の強化と固定化につながるのは明らかだと思いますが、どうですか。
5、防衛庁関係者の機能強化の米側の要求を受け入れなければならなかったとの発言をどう思いますか。
6、浦添市議会は、これまで2回にわたって那覇軍港の浦添市への移設は西海岸の開発事業の著しい障害となり、牧港補給地区の固定化にもつながり、また市民の生活と財産の安全確保の面からも当軍港の移設は断じて容認できるものではないという決議を行っています。この決議の内容をどう評価しますか。
7、皆さん方の決議に盛られた移設の内容はどのようなものですか。機能はどのようなものですか。それは米側の要求との関係はどうなりますか。決議は基地機能の強化にはなりませんか。
8、那覇軍港の浦添地先への移設は明らかに基地の機能強化であり、これは県議会の基地の整理縮小の決議にも反するものです。また県民意思にも反します。十分な議論もしないで、それをなぜあえて強行しようとするのですか。
9、もし、皆さんの移設の内容が日米の取り決めより機能を縮小するというものであれば、それを日米両政府は認めると思いますか。思うのであれば、その根拠を示してください。
浦添の多目的埠頭が提言されていますが、それについて伺います。
その内容を説明してください。どのような機能を持った埠頭になりますか。
2、米軍との共同使用が言われています。これは米軍が要求したらいつでも米軍が使用できる埠頭のことですか。
そうなると軍港ではないが、米軍優先の港湾ということになりますか。
4、米軍が使用できるように大型クレーンも設置されるのですか。
5、米軍の使用する頻度が大きくなると実質的に軍港化することにはなりませんか。
産業、経済の視点に立って、那覇軍港の浦添地先への移設を進めるという問題についてお聞きします。
西海岸一帯の先端に米軍の使用する軍港が建設されたら、経済活動の重大な支障になると浦添市議会が決議で指摘しましたが、その指摘をどう思いますか。
2、これまで県民は米軍基地が経済や振興開発の重大な障害になると訴えてきましたが、これまでの態度と矛盾しませんか。
3、浦添埠頭に那覇軍港を移設するということは、県民がみずから米軍基地を建設し米軍に提供することになりますが、これは基地の整理縮小を求める県民の願いを踏みにじるものになりませんか。
4、那覇軍港を返還して浦添地先に民間港を建設し、その一部を期限を切って共同使用するという主張がありますが、その考えには二重に問題があります。
1つは、米軍が期限を切ったからといって約束どおり明け渡すはずがないということです。それは、104号越えの実弾砲撃演習が本土移転に際して夜間演習はしない、外出はしないという条件であったものが、現在それが全く守られていないことを見ても明らかであります。結局、浦添埠頭計画の埋立地にくさびが打ち込まれることになります。
もう一つは、民間施設を米軍が基地として使用することは現在の法体系ではできません。そうなると新ガイドラインに基づく周辺事態法の有事立法の先取りという危険な役割を果たすことになります。
この周辺事態法が、いざ有事の際には民間施設を優先的に米軍が使用できるという自動参戦装置と言われている極めて危険なものであるということで、全国的に国民の間で反対運動が繰り広げられているものです。
この2つについてどう認識されているか、見解を伺います。
5、那覇軍港の無条件返還のために伺います。
戦後53年間の米軍支配の中で県民が身をもって学んだことは、抑圧する者に対して団結を固めて立ち向かうことでした。あの少女暴行事件で県民が党派を超えて立ち上がり、日米両政府に要求してきたことが、動かないと言われていた米軍基地を動かすところまで運動が発展してきました。
今、大切なことは、実質的に遊休化している那覇軍港を無条件に返還せよと団結を固めて大きな県民運動を取り組むべきだと思いますが、決意のほどを伺います。
答弁によって再質問します。
〇議長(友寄信助君) 安次富 修君。
〔安次富 修君登壇〕
〇安次富 修君 大急ぎでメモしたんですが、答弁漏れがありましたら指摘していただきたいと思います。
まず最初の質疑でございますが、なぜ今、今県議会に提案する必要があるのかという趣旨だったと思っております。
それにつきましては、提案理由でも述べましたように……。
〇嘉陽宗儀君 議長、休憩。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後2時32分休憩
午後2時32分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
〇安次富 修君 最初の質疑から答弁をいたします。
提案理由でも述べましたように、現在の沖縄県の経済状況の悪化、とりわけ失業問題や雇用不安、そして基地問題が少しでも解決していくということが県民の悲願であります。全く選挙とは関係ありません。
那覇商工会議所や浦添商工会議所の提案、それから浦添市議会におきましても陳情が20対6で採択されるなど、同問題解決に向けての動きが急展開をしてきておりますし、また20数年待たされてきた悲痛な思いを考えた場合に、一日でも早く、しかも積極的に取り組んでいくことが県民の負託を受けた県議会の責務であると判断し、今定例会に提出をいたしました。
それから、県内移設問題と基地の固定化の問題、基地のたらい回しの問題がございましたので一括してお答えを申し上げます。
那覇軍港56.8ヘクタールを35.3ヘクタールに整理縮小されるものでありますから、基地の機能強化につながるとは考えておりません。
さらに、提言は軍民共用というものを目標にしておりますので、一方的に排他的に米軍に使用させるものではありませんので基地の固定化につながるとは考えておりません。
それから、大型クレーンのことに言及しておられましたが、これも軍民共用となるし、また返還時にはハブ港湾として国際港としての機能を充実させていく上でのこの大型クレーンの整備だと考えております。
それから、県外移設に関しましては、現在の日米安全保障条約によりまして米軍は駐留しております。我が国の平和と安全を考えた場合に、現実的に県外移設は困難であると判断をしております。ですから現実的な対応をすることがかえって沖縄の発展につながると考えております。
それから、95年1月の日米合同委員会の内容につきましては今把握をしておりません。
それから、ホワイト・ビーチをなぜ米軍が拒否したかも把握をしておりません。
それから、浦添市議会が当初、その反対決議をしたにもかかわらずその真意はどう思うかということに対しまして、先ほども申し上げましたように状況が変化してきたということであります。社会状況が変化してきた中で浦添市議会もそういう選択をしたと判断をいたします。
それから、基地の機能強化に対して県議会はいわゆる決議をしているが、それに反しないかということですが、今申し上げましたように基地の整理縮小の一環としてとらえておりますので、基地の機能強化にはつながらないと考えております。
それから、抑圧する者に対しては団結して立ち向かうことが肝要であり、無条件返還をむしろ要求すべきではないかという趣旨の質問がございましたが、これも先ほどから述べておりますように日米安全保障条約はアジアの平和と安定、そして我が国の平和と安全に寄与しているということを私どもは判断をしておりますので、無条件返還ということは現実的に困難であるというふうに考えております。
以上です。
〇嘉陽宗儀君 答弁漏れ。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後2時37分休憩
午後2時41分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
翁長政俊君。
〔翁長政俊君登壇〕
〇翁長政俊君 御答弁を申し上げます。
御質疑のございました1の1、那覇軍港はSACOで移設が決定されている、県益に沿って移設決定が行われるものと考えております。
2の1、県から那覇軍港移設要求を組み入れ、遊休化する那覇軍港を返還し県土の発展を目的としているものと考えております。
2の2、日米安全保障の範囲内であればよろしいと考えております。
2の3は、議題と直接関係がございませんので答える必要はないものと考えております。
2の4は、米側の要求であるものとは確認されておりません。
2の5、日米安保の範囲内と考えております。 2の6、浦添市議会も刻々動いておりまして、今般意見書の決議を見たところであります。
2の7、両商工会議所が求める内容と一致し軍民共用を国に要請していきたいと思っております。
2の9、日米両政府に要請していく中で方向性がつかめるものと考えております。
3につきましては池間淳議員からお答えをさせていただきます。
〇議長(友寄信助君) 池間 淳君。
〔池間 淳君登壇〕
〇池間 淳君 嘉陽宗儀議員の質疑にお答えいたします。
まず3番の浦添の多目的埠頭が提言されていますが、それについてお伺いしますということについて一括してお答えいたします。
那覇軍港の移設問題については、やはり整理縮小をしながら浦添に移していくというふうなことが我々のモットーであります。
まず多目的埠頭を設けて、これは利用頻度の少ない米軍の輸送船にも使用を認めていただくということは、例えば国際都市形成構想の中にはハブ港としてあの浦添、那覇港湾を一体整備していこうということもありますんで、その中において埠頭が幾つできるかわかりません、バースがですね。そのバースの中の1つのバースを軍民共用していただくというふうなことです。ここには制限水域とかそういう制限を設けないでやっていけたらなというふうに考えております。
軍事基地として固定化されていくものについては我々も賛成しかねますが、軍民共用という考えでありますんでひとつよろしくお願いします。
〇議長(友寄信助君) 安次富 修君。
〔安次富 修君登壇〕
〇安次富 修君 済みません、答弁漏れがありました。
4ページの(5)、米軍の使用する頻度が大きくなると実質的に軍港化することはありませんかということに関しましては、遊休化している那覇軍港を移設していくわけですから、しかも軍民共用を今目指しているわけですから一方的に軍港化することは考えられないと思います。
それから4ページの(2)、(3)、経済振興発展の重大な障害になると訴えてきたが、その態度と矛盾しないかということと、それから浦添埠頭に那覇軍港を移設するということは県民の願いを踏みにじるものにならないかということに対しまして一括してお答えをいたします。
現在の那覇軍港は、観光沖縄の表玄関に位置している関係から非常にマイナスイメージがあります。
浦添地先に移設することによってそれが解消でき、またあわせて那覇空港と一体となった再開発ができることから、むしろ県勢の発展につながると考えております。
また、牧港補給基地と一体となることによって逆に基地の強化ではなくて、将来牧港補給基地が返還された際の一体的な、総合的な跡利用計画が推進できるものと考え、大きなメリットがあると考えております。
以上です。
〇議長(友寄信助君) 嘉陽宗儀君。
〔嘉陽宗儀君登壇〕
〇嘉陽宗儀君 再質問します。
この皆さん方の提案、答弁を聞いて改めてびっくりしていますけれども、今米軍が日米両政府で取り決めた内容、米軍がどういう要求を日本側にやり、日本側が米軍に何を応じたか、この内容を知らずによくぞ皆さん方は那覇軍港の浦添移設を言えるんですか、これはもう情報もあるし、皆さん方は政権党でしょう。自民党の皆さんは政権党でしょう。政権党として日米両政府で取り決めたものについては、当然皆さん方は資料を持ってきて県民に明らかにすべきであって、そういう米軍が機能強化を要求しているという事実をなぜ隠すんですか。(「そこは民間のものだよ」と呼ぶ者あり) 民間じゃない、米軍の要求。
防衛庁の幹部も余り解決を急ぎ過ぎたためにこの基地機能の強化を認めてしまったということを言っている。それを皆さん方は政権党だし、提案者だから聞いているんですよ、私は。これは日米両政府が取り決めたのになぜ私どもが答える必要があるんですか、皆さん方に。
これは改めて言いますけれども、今那覇軍港には大型のクレーンもない、米軍は大型の物資を取り扱うことは今できていない。大型クレーンを自由に使うということを言っている。
それから……(発言する者多し)やじらぬ方がいいよ、今は、質疑中だから。あんた方、自信ないからやじるんだろう。
〇議長(友寄信助君) 質問してください。
〇嘉陽宗儀君 議長が整理しないからだよ。議長の仕事をやっているんだよ、僕は今。
今米軍は、新型コンテナもどんどん大型化する、輸送船も大型化する、しかし今の那覇軍港では利用できなくなって今どういう実態になっているかというと、那覇の新港を使って週2回米軍の物資の積みおろしをコンテナをやっている。那覇軍港はもう使えなくなっているんですよ、実際上。そしていわゆる老朽化している。皆さん方の政府が思いやり予算で直そうとしてもなかなか米軍の思いどおりにできない。だから米軍はもう古くなった、使えない、何とか新品をつくって、そして輸送能力も高まった浦添の方にちゃんとつくって十分にこれを使えるようにしてくれと、こういう要求をしているんですよ。皆さん、アメリカ側は。
それから、そういう意味では改めて皆さん方はこれを知って、十分に県民に説明すべし。しかも皆さん方はさっき僕は質問したけれども、那覇軍港の浦添移設の港湾、その機能、皆さん方はどういう中身で移設するという提案をしているんですかと。(「軍民共用だよ」と呼ぶ者あり) いやいや軍民共用じゃなくてどう米軍が使えるか、どういうふうに荷役できるか、牧港補給基地との機能はどうなるか、それを明確にせよと言っているのに何で答弁しないか。(発言する者多し)
〇議長(友寄信助君) 静粛にしてください。
〇嘉陽宗儀君 それをちゃんと機能強化というのははっきりしているのに、なぜ皆さん方はそれをこういう機能として那覇軍港を浦添にこういうぐあいに移しますとなぜ言えないのか。
だからもう一回明らかにしてください。
それからあくまで古くなった那覇軍港を新しいところに移して民間共用といいますけれども、米軍優先であるかどうか、はっきりしてください。
米軍が使いたいときでも、民間も使いたい、そのときにどちらが優先して使うのか。今までの……(「順番だよ」と呼ぶ者あり) 小渡議員、よく言った。
順番で守るかどうか、順番を守らすのかどうか。恐らく今までの自民党政府の態度ではアメリカにまともに物が言えないから、米軍優先になるだろうと思う、私は。もしそうじゃなかったらできない、そうなのかどうか、米軍優先にならないのかどうか、これをはっきりしてください。
あくまで我が党が反対しているのは、現在古くなった那覇軍港を使えなくなった米軍は、バースも水深もそして大型コンテナも使えるような輸送船も使えるような軍事機能を強化する、そしてあくまでキャンプ・キンザー、牧港兵たん基地と直結した第3海兵隊の遠征軍の機能強化、これが米軍の要求している浦添地先への移転問題、そう思います。
それについて皆さん方、もう一回そういうアメリカ軍の要求をちゃんと拒否できるかどうか、明らかにしてください。
〇議長(友寄信助君) 安次富 修君。
〔安次富 修君登壇〕
〇安次富 修君 日米合同委員会並びに那覇港湾施設特別作業班の勧告等々鋭意検討されてきたように聞いておりますし、またさらに返還に関しては、その実施に当たってはさらに合同委員会で手続が必要であるとされております。
今わかっている限りでは、那覇港湾施設56.8ヘクタールを35.3ヘクタールの代替施設として浦添埠頭地区内に移設されることを条件にFAC6056牧港補給地区に隣接する約50メートルの制限水域を返還するということになっているようでございまして、米側が具体的にどういう要求をしているかはまだ私の方としては把握しておりません。
ただ問題は、米軍が要求することに追随することではなくして、むしろ国や米軍に対して県民の側から提起し、主体性を今発揮することが県民に最も求められていることだと思料いたします。
〇嘉陽宗儀君 答弁漏れ。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後2時55分休憩
午後2時56分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
池間 淳君。
〔池間 淳君登壇〕
〇池間 淳君 先ほども答弁したんですが、まず多目的埠頭をつくって日米共同使用するというふうなことで我々は提案しています。
このバースを幾つつくるかわからないんですが、そのバースを1つのバース、これを日米共同使用していただくと。もちろん米軍の輸送船が入ってきたときにはそれは軍が使ってもらうと。これがいないときには、我々民間が使わせてもらうというふうな方向でやったらどうかという提言をしているわけです。
それから、ガントリークレーンについてはこれはもう那覇港のような施設をつくったんじゃ港にならないんです。御承知のとおりやはりガントリークレーンをつくって荷物の積みおろしはやらぬと、あの那覇港のように移動式クレーンでやっておったんじゃ時代おくれですよ。
ですからそういうことでそれは機能強化にはもちろんなります。そういう港湾機能の強化にはなりますが、基地の機能強化ではないんです。これは港湾はこれからつくるときはどんなことがあっても、逆に沖縄に日本一のガントリークレーンができればなと思っている次第です。
以上です。
〇嘉陽宗儀君 答弁漏れ。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後2時58分休憩
午後2時58分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
翁長政俊君。
〔翁長政俊君登壇〕
〇翁長政俊君 嘉陽議員にお答えいたします。
米軍の優先使用については日米安保条約の運用によるものと思いますので、国と米軍との要するに協議を待ちたいと思っております。
以上です。
〇議長(友寄信助君) 兼城賢次君。
〔兼城賢次君登壇〕
〇兼城賢次君 社民党・護憲共同を代表して議員提出議案第2号那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議案に質疑をいたします。
那覇軍港の跡地利用は県民がひとしく望むところであります。1974年の日米安保協議委員会で返還合意がなされて24年の経過がありながら、なぜ那覇軍港の移設がかなわず今日まで解決できずにいるのかは御承知のように受け入れ先がないからであります。
社民党・護憲共同県議団は、基本的には那覇軍港の浦添地先に軍港として移設することには反対であります。賛否が問われる施設については関係者の合意形成が前提であります。
社民党・護憲共同県議団は、浦添市の対応等も考慮しながら浦添商工会議所の提言は前向きに検討すべきとは考えます。しかるにこの決議案は浦添商工会議所提言が前提になっております。
今回の自民党の決議案と浦添商工会議所の提言の趣旨とはかなり違ったものになっているように思います。
議案の5行目に「浦添商工会議所、那覇商工会議所は那覇軍港の移設によって」とのくだりですが、浦添商工会議所の市議会への提言、要請によれば那覇軍港の移設問題に関して浦添埠頭地区の一角に多目的埠頭を設けて利用頻度の少ない米軍の輸送船にも使用を認めるという日米共同使用の考え方になっており、また浦添市西海岸開発促進のための提言書によれば軍港の移設先とは規定せず、艦船の──輸送船ですね──一時使用としての物資の搬出入といった那覇軍港の機能の移設を認めるという一部移設という考え方であります。
したがって自民党案の那覇軍港の浦添地先への移設というのは基本的考え方が違うと思うが、どうなのか。
次に、10行目の「関係自治体の調整も進んでいる」という指摘は何を指しておられるのか、具体的に明示していただきたい。
浦添市当局、那覇市当局及び議会はもとより地権者や関係者の意思も不明確であるばかりでなく、両市の市民の間にも賛否両論で意見が分かれている状況のもとで、本県議会が大急ぎで賛否いずれかの結論を求めようとすることは軽率とのそしりを免れないと考える次第であります。
確かに決議案は手続にのっとって提出されております。賛否両論ある中で当事者の浦添商工会や市民の意思が那辺にあるか、いまだ確認されないままに事を急ぐことなく慎重に議論すべきものと考えます。にわかに提出されるがごときは議会ルールにはなじまないものと考えますが、御所見を賜りたい。
〇議長(友寄信助君) 安次富 修君。
〔安次富 修君登壇〕
〇安次富 修君 お答え申し上げます。
浦添商工会議所が浦添市議会へ陳情をいたしました浦添市西海岸開発促進のための提言についてということと、今回私どもが提案したことと、その軍港の移設ということに関して見解の相違があるんじゃないかということでございますけれども、私ども十分にこの提言書の中身を把握しながら今回の決議案を提出した次第でございまして、何ら変わるものはないと考えております。
それから関係自治体との問題でございます。関係自治体との調整が進んでいるがという、それはどういうことを意味するのかということの趣旨だったと思いますが、県は国と協力して西海岸の開発や那覇港湾のハブ港湾を推進するために、県、那覇市、浦添市との間で跡地利用などの調整を事務的に進めていると聞いております。
また、既に浦添市議会におきましては陳情が採択されておりますので、今後その民意を受けて行政レベルでの調整が行われるものと考えます。それが関係自治体との調整でございます。
さらに今議会での意見書は拙速すぎないかと、唐突ではないかということでございますけれども、那覇、浦添商工会議所の要請、浦添商工会議所の決議や経済界の要望、さらに新聞紙上で知る限りにおきましてでございますが、共産党を除く各党の意見、意向等を総合的に勘案した場合、浦添移設について県民のコンセンサスが得られるものという認識に立ち判断いたしました。したがって拙速ではないと考えております。
〇兼城賢次君 ちょっと、休憩。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後3時5分休憩
午後3時5分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
池間 淳君。
〔池間 淳君登壇〕
〇池間 淳君 先ほどの嘉陽議員にも答弁したんですが、我々としても多目的埠頭を設けてそこで米軍の輸送船にも使用を認めるという日米共同使用したいというふうなことで御提言申し上げておりますという説明をやっておりますんで、何ら変わりはないというふうなことであります。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後3時6分休憩
午後3時7分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
翁長政俊君。
〔翁長政俊君登壇〕
〇翁長政俊君 ただいまの御指摘の点について補足答弁をさせていただきます。
私どもは、浦添市議会で決議されました同商工会議所の内容等、さらには那覇商工会議所等の那覇港におけるハブ化についての構想提言等を受けまして、それを十分に酌み取った内容で今回の決議案を提出いたしておりますので、皆様が御指摘をしている点は、その内容を十分含んだものと勘案をしております。
以上でございます。
〇兼城賢次君 休憩。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後3時8分休憩
午後3時13分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
翁長政俊君。
〔翁長政俊君登壇〕
〇翁長政俊君 再度同じ答弁になると思いますけれども、私どもは浦添商工会議所、さらに那覇商工会議所の提言を受け、浦添市議会においての意見書の採択等々を総合的に勘案しまして今回最良の案として導き出した決議案を出したものであります。
以上であります。
〇議長(友寄信助君) 兼城賢次君。
〇兼城賢次君 休憩願います。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後3時14分休憩
午後3時17分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
兼城賢次君。(発言する者多し)
静粛に願います。
〔兼城賢次君登壇〕
〇兼城賢次君 私の本来の質疑には、今の休憩中には十分議論されて、本来はここでちゃんと答えるべきだと思いますけれども、また委員会等の機会もありますのでそこでまたやりたいと思いますが、ただ、今回の決議案がこのようにまだ十分なる議論もなされずに進められているということ、私どもの方からすればこういうようなことも本来はやはりちゃんと整合性があるような形で議論されて、そして……(発言する者多し)
〇議長(友寄信助君) 静粛に願います。
〇兼城賢次君 この提案が本当に24年間もこれまで解決できなかったことですから、やはり本来もっと議論を深めてやるべきだということをあえて申し上げておきたいと思います。
〇議長(友寄信助君) 喜納昌春君。
〔喜納昌春君登壇〕
〇喜納昌春君 こんにちは。
ただいま議題となっております議員提出の議案第2号那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議案について、何点か質疑をしたいと思います。
社大党は、この那覇軍港問題については基本的には反対です。このことについては県政も基本的には変わらないと思います。
それから、浦添市においても市当局は変わらないと見ています。浦添市議会の2回の決議はまだ生きていると見ています。
あの全会一致で決めた決議については、軍港の移設反対です。ですから今回のまた情勢が変わって、こういう浦添市西海岸促進のための提言ということで、この陳情を可決したようですけれども、軍港移設反対を決議した市議会は、別のことを逆に受け入れるという格好での決議じゃないと見ています。いわゆるあの段階では那覇軍港が浦添に来るのかどうかの決議ですから、来ちゃまずいという明確な意思ですよ。全会一致です。
ところが今回の場合は、あくまでもこの未完の港湾整備という視点からの提言ですよ。そういう意味では主と従が入れかわってはいない。そういう意味ではそのことを私たちは、確かに変化をしたということは社大党も重視しています。
軍港が西銘県政のときにも12年間ありましたが、動きませんでした。浦添も保守の時代もあります。そのことが与勝のホワイト・ビーチのさきの話もありました。そのときも与勝も保守です。それもだめでした。
それから、天願もありました。当時の当銘市長もだめだと言いました。ですから同じ保守同士でも、あのらつ腕を振るって国政との太いパイプの西銘県政でさえも動かせなかったんです。
それはなぜかというと、県内移設反対という県民の党派を超えた情勢があったからですよ。ですから今日、いろんな情勢の中で浦添が確かに変化しつつあるというのは私たちも注視していますよ。そのことを大田県政も言っているんです。
ですから私たちは、このある意味ではまさに那覇の浦添を含めての港湾は、県と那覇と浦添の一部事務組合で運営云々の話もあります。方向性もあります。であるだけに私は今、安次富さんを含めて何名かの皆さんが方向性がそうだからというときに、浦添の決議の内容を見た場合に「主」はやはり民間港湾としての整備ですよ。その上で港湾の問題はどうなんだということを論議する余地がありますと言って構えているんです。
ですからそのときに、残念ながら皆さん方の決議を見るときに、本当に質疑の中では先ほどの決議も一緒のように決して政治的な選挙云々とは関係ありませんと言っておりますけれども、我々もそれは政治家として信頼したいですよ。信頼したいけれども、文案を見てもこれにはこの浦添の中にはどう見たって軍港を受け入れますよということは書いていませんよ。書いてないですよ、軍港移設云々では。
ところが、皆さん方のやつはもう入っているわけですからね。そういう意味では素直にやはり文案の中での未調整が歴然としているんです。それだけ皆さん方提案する側も拙速過ぎて、ある意味では未調整の部分がたくさんあるということを私たちは散見していますよ。皆さん方の動きも見ていますよ。
そういう意味では我々も論議をしましょうということは言っているんです。地元の変化を含めて、大田県政もある意味では態度を少し軟化させながら論議をしていきましょうと言っているんです。だからそういう意味では、そういう論議をむしろ浦添を含めて、県を含めて、我々もそうですよ。共産党さん以外みんな一緒くたに片づけたら問題なんですよ、それは。
しかも安次富さんもおっしゃるように、日米両政府がどうするかというときに、県民の主体的な立場から物を言わぬといけないんです。それを自民党の皆さんも言っているわけでしょう。であるだけに地道な論議をさせてほしいというのが私たちの願いなんです。
ですから、社大党はある意味で今から論議をして、会議も起こしながら、地元の変化も見ながら一歩一歩論議をしましょうということを建設的に言っているんですよ。だから西銘県政でさえも、大田さんも8年間動かせなかった、それがようやく動こうかというときに、私はやはり政治的な選挙の意図がなければ拙速を避けていただきたかったという思いをしているんです。
そういうことを言いながら、前もって渡してありますから、我が党としては内容に踏み込んで論議する気はないですよ、今。今から私たちは1から論議していこうというわけですからね。そういう意味では基本的なことを聞いておきたいと思いますから……。
1点目には、この決議を、何度も出ているんですが、私はこのことがあるものだから、天下の自民党さんや野党の皆さんが本当はもっと冷静になってほしいという意味で、もう一度この歴史的なことですからね、この決議を今定例議会に提案した背景と真意は何ですかということでまず聞いておきます。
それから2点目には、浦添商工会議所、那覇商工会議所、どちらからもこの移設問題に関して何の要請も県議会には出されていない段階での決議の意味は何ですか。
それから3点目には、浦添市当局や市議会からもまだ何の要請がない状況で、市当局や市議会の基本的な考えが明確でない中での県議会での意見書の提案は拙速過ぎると思うんですが、いかがですか。
それから4点目には、関係自治体の調整も進んでいるということ、先ほどもあったんですが、状況にあるということですが、その関係自治体はどことどこで、どんな調整が進んでいると、それは大分自信を持って言っているものですからね、そのことを4点をお聞きしながら、答弁によってまた再質問したいと思っております。
〇議長(友寄信助君) 安次富 修君。
〔安次富 修君登壇〕
〇安次富 修君 お答え申し上げます。
先ほどから出ております浦添商工会議所からの提言なんですけれども、この提言は皆さんも持っておられると思いますが、この中の提言につきましては、那覇軍港の浦添埠頭地先への移転についての考え方等が主な内容となっておりますということになっておりまして、そういうことを受けて総合的に勘案している次第であります。
それから、先ほどもお答えを申し上げましたけれども、提案理由でも何度も述べましたように現在の沖縄県の経済状態、とりわけ失業問題や雇用不安、こういう厳しい状況の中で基地問題を少しでも解決することが県民の悲願であるというときに、那覇商工会議所や浦添商工会議所がこの那覇軍港の浦添市への移設を前提としたそういう開発案を作成しておりますし、また浦添市議会におきましても20対6で採択されるなど同問題の解決に向けての動きが急展開してきたと。20数年待たされてきた、これこそ千載一遇のチャンスであるということで一日でも早く積極的に取り組んでいかなければいけないということで今定例会に提出した次第でございます。
それから、浦添商工会議所と那覇商工会議所のどちらからもこの問題に対して何の要請も県議会に出されていない段階でのその決議案は何かということかと思いますが、浦添商工会議所や那覇商工会議所は今後県議会に対して要請を提出するかどうかは定かではありませんが、那覇港湾の整備は県のビジョンであり、軍港の返還は3事案でも早急に取り組むべき事案の一つでありますし、やらなければならないという気持ちから、この機会に県議会の場において議論を深め、要請のあるなしにかかわらず積極的に対応したいとの考えから提案した次第でございます。
それから、浦添市当局や浦添市議会からも何の要請がない状況で、市当局や市議会の基本的な考え方が明確でない中での本県議会での意見書の提案は拙速過ぎるのではないかという御質問でございますが、那覇、浦添商工会議所の要請、浦添市議会の決議、経済界での議論の活発化、それから各政党の新聞紙上で知る限りでありますけれども、意向などを勘案して浦添移設については県民のコンセンサスが得られるものと私どもは判断をいたしまして今回提出をさせていただきましたので、決して拙速ではないと考えております。時宜にかなったものであると判断をいたしております。
それから先ほども答弁を申し上げましたが、関係自治体というのはどこかということでございますけれども、沖縄県は那覇港湾の跡利用、それからハブ港湾等々の計画を推し進めている段階でございまして、国と協力して西海岸の開発、那覇港湾のハブ港湾を推進するため県、那覇市、浦添市との間で跡地利用などの調整を今事務的に進められているということを聞いております。
また、既に浦添市議会におきましては同陳情が採択されておりますので、その民意を受けて浦添市の行政レベルでも活発な議論が展開されるものと考えております。
以上です。
〇喜納昌春君 議長、休憩してください。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後3時30分休憩
午後3時30分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
翁長政俊君。
〔翁長政俊君登壇〕
〇翁長政俊君 それではお答えをいたします。
私ども自由民主党は毎年政調会を催しておりまして、その政調会の中でも各団体、自治体を含めましていろんな要望、要請がございます。
その中におきましても当然のこと、複数の団体から那覇軍港の浦添への移設問題は強い要望として上がっております。
さらに、これは県の重要な課題でありますいわゆる3事案でございまして、これは本当に県が早急に基地問題を前進させる上においては解決しないといけない重要な課題であります。そういったものを勘案して、さらには今議会におきまして社民党、社大党の皆さん方も新聞等によりますと前向きに検討したいというコメント等ももう既に出ておりまして、こういう背景からしてみても今議会でこれを取り上げることは全く拙速ではないと、このように考えております。
〇議長(友寄信助君) 喜納昌春君。
〔喜納昌春君登壇〕
〇喜納昌春君 再質問をしていきます。
天下の自民党ですから、研究もしながら積み上げてきたという努力は一応認めておきましょう。
その場合、私はやはりどう見てもこれは県民論議を今からやっていきますよ、ある意味では基地の動きをどうするかというときに、県内移設の問題、社大党は厳しいという格好で常々思っているわけですけれども、それでも地域の変化によっては、場合によっては今後論議があり得ると思うんです。ある意味では私たちは、これは国も米側も何も言ってないんですが、私は、大田知事が2015年には基地をゼロにしますよというのは一つの暗示になっていくと見ているんです。やむを得ない方向性ですよ。集約点になると思うんです。魔術ですよ。2015年にはもう消さんといかぬのかなと、なくなさんといかぬのかなという、こうなると見ています。
そういう意味では、この3事案の中で那覇の軍港が保守西銘県政でさえも、大田さんも8年間でも動かなかったやつがやっと動かすというときに、浦添でようやく論議が始まっているんです。そういう意味では私は浦添そのものから決して、今論議もあったように自民党の皆さんも恐らく内々は、言葉の上では安保で日米両政府でその範疇で云々と言っていますけれども、本来ならばやはり振り回されない形で、ある意味では民間港湾として産業発展の格好で整備をさせながら、その上でという思いがあると思うんですよ。自民党だから言えないかもしれないけれどもね。だけれども、そういうことを浦添市当局なり市議会から御提言があるかもしれないんです、商工会あたりからね。だからそれがないときに我々が懸念しているのは、浦添で決議した以上のものをやっちゃいかぬということなんですよ。だからそのことを私たちは、本当はしっかり論議させてほしかったし、今日、今言う、どなたかが言うように文案調整云々じゃないんですよ。こんなこと、政治的なことじゃないんです。地道に積み上げていこうじゃないですかということを言っているわけです。
そういう意味では、私は自民党さんが積み上げてきた努力を評価しながら、逆に政治的な選挙云々でないならば、むしろ今議会では今、本当にお題目のように拙速じゃありませんというときに、拙速の材料がころがっているだけに、私は天下の自民党が泣くと見ているんですよ。そういう意味では今議会のこの意見書は撤回をしながら、地道に論議をさせていくという思いがあるかどうかを問いながら私の質問を終わります。
〇議長(友寄信助君) 安次富 修君。
〔安次富 修君登壇〕
〇安次富 修君 基地問題に対する御提言はありがたく拝聴させていただきますが、今回の決議案は時宜をとらえた決議案であり、取り下げる考えはございません。
〇議長(友寄信助君) 下地 学君。
〔下地 学君登壇〕
〇下地 学君 結の会を代表して議員提出議案第2号那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議案について質疑を行います。
まず、質疑を行う前に、きのう提案された大田知事の発言に対する抗議決議もそうなんですが、私は今御質問者に対する答弁の仕方、やりとり等を見て、この問題は提案者の間でも十分なる論議、そして検討がされないままに提案されているんじゃないかと、そういう感がいたします。
そういうことで、なぜ今この時期にこの議員提出議案として本議案を審議しなければならないか、知事選を目前にした選挙絡みの大田知事のイメージダウンをねらったものであり、甚だ遺憾である。
2つ目には、基地問題についての認識なんですが、これについては広大な基地が沖縄の振興開発や自立的発展の阻害要因になっているということは、これは与野党を問わずその認識は一致しているものだと思います。あわせてこの基地問題が県政の最重要課題であるということも、立場の違いや政治的手法の違いがあってもまた同じような認識をしているんじゃないかと、こういうふうに考えます。
したがって、基地の整理縮小、撤去は県民の悲願であり、立場の違いを超えて全県民が心を一つにして日米両政府に対し基地の早期返還を求める強力な県民運動を構築すべき重要な時期であると考えます。
大田知事の2期8年間における平和行政、基地問題の取り組みについて少し触れてみたいと思うんですが、まず、非核平和沖縄の宣言、そしてモニュメントの建立、平和の礎を建立し沖縄を平和の発信地として世界にアピールしていること、平和祈念資料館の移転改築、旧32軍司令部壕の復元、平和の語り部としての保存・公開、平和研究所(仮称)の設置推進、あるいは戦争マラリア犠牲者の遺族への補償等、いわゆる平和行政としてもこのように目に見える形で多くの成果を上げております。
さらに、基地問題にしても、就任以来7次にわたって訪米し沖縄の基地の実態を関係諸機関に訴え、精力的な行動を展開し、日米両政府を動かし沖縄米軍基地問題協議会、沖縄問題に関する日米特別行動委員会、いわゆるSACOを設置させ、平成8年12月にはSACOの最終報告において普天間飛行場を含む11施設の返還合意をしております。
これらは大田知事の熱意と信念、そして豊富な識見、努力の成果であると高く評価するものであり、立場の違いこそあれ私は野党の皆さんもこれは評価に値するものがあると考えます。
次に、まず基地の返還問題についてなんですが、よく現実的対応ということを野党の皆さんはおっしゃいますが、何をもって現実的対応とするか。SACOの最終報告で返還が合意された11施設のうち7施設が県内移設条件つきである。基地の県内移設が基地機能の強化と固定化につながらないということが果たして言えるのかどうか、多くの県民は基地の県内移設には反対していることは明白であります。
これは、平成8年9月の県民投票、去年の名護の住民投票でもはっきりしております。
このような立場からして、私は県民の意思を尊重し、沖縄の将来に悔いを残さないよう沖縄の将来を展望した判断が何よりも大事であり重視しなければならないと考え、浦添市議会が浦添商工会議所の提言する陳情採択については、大田知事は、那覇、浦添市から正式に話を持ってきたら、県の総合的な将来計画も勘案して前向きに検討していくと本会議では質問された皆さんには答弁しております。
本議題の決議は、知事の政策推進や判断に大きな影響力を持つものであり、決議すべきものではないとの考えを表明して議題の質疑に入りたいと思います。
まず1つ目、浦添商工会議所の提言は県議会にどのように提言され検討されているか、お伺いします。
2つ目、政府、米軍への提言はされているか、お伺いします。
3、那覇港湾管理者の管轄に属すると思うが、港湾管理者への提起、検討はなされているか、お伺いします。
4、東アジアにおける物流中継拠点ということはどのようなことか、国、県の港湾整備計画との関連を含めて具体的に説明をお願いします。
5、浦添埠頭、背後地の土地利用計画について具体的な説明をお願いします。
6、多目的用途の整備の計画、内容等について具体的に説明を願います。
7、浦添市議会も同港の浦添移設に賛成し、那覇市においても国、県に返還促進を強力に要請し関係自治体の調整も進んでいるとしているが、具体的にはどのようなことか、御説明を願います。
8、決議案で浦添商工会議所の提言は、沖縄の将来を展望する中で最良の案を導き出したものであるとしているが、具体的な説明をお願いします。
9、浦添商工会議所が提言している那覇軍港の機能の一部とは具体的にはどのようなものか、またキャンプ・キンザーの機能の強化と固定化にはつながらないか、お伺いします。
10、那覇軍港は、1974年に日米安全保障協議会で全面返還が合意されている。県は、重要3事案として平成7年までに那覇港湾施設の全面返還を日米両政府に強く要請してきたが、移設条件づきが問題となって今日まで実現してない。国、県の対応、港湾管理者である那覇市の計画等慎重に見きわめながら議会での議論を経て決議すべきものであると考えますが、本決議案を取り下げる考えはないか、提案者の見解をお伺いします。
以上。
〇議長(友寄信助君) 安次富 修君。
〔安次富 修君登壇〕
〇安次富 修君 御答弁申し上げます。
まず1番、浦添商工会議所の提言は県議会にどのように提言され検討されているのかお伺いしますということでございますが、県議会には正式に提言されておりません。したがって委員会等でも議案として審議されておりません。
2番、国・政府、米軍への提言はされていますかということでございますが、私の知り得る限りでは国や米軍にも提言されていないと聞いております。
那覇港湾管理者の管轄に属すると思うが、港湾管理者への提起、検討はされているかということでございますが、那覇商工会議所は、那覇港湾整備構想の中で遊休化している那覇軍港を浦添埠頭に移設する案を打ち出しておりますが、この提起については港湾管理者である那覇市長への要請はまだであると聞いております。
東アジアにおける物流中継拠点ということはどのようなことか、国、県の港湾整備計画との関連を含めて説明を願いたいということでございますが、国の全国総合開発計画を受けて県の国際都市形成構想の中で、沖縄県の自立的発展とアジア太平洋地域の経済、文化交流の拠点を目指す意味で那覇港湾の整備は最重要課題であります。
那覇港湾施設地区は、空港と港湾が隣接した地域であり、政治、経済、文化の核を形成する中心市街地を背後に有しております。
また、広域幹線道路やバスターミナルなどに近接しており、さらに東アジアに広がる国際的な物流拠点としてハブ港湾としての位置づけをする中で物流をふやすことが重要であり、例えばシンガポールや香港などから物を輸入し、本土市場へ運ぶなど沖縄に原料や加工製品など貨物が集まる仕組みづくりを推進することを目指すのが東アジアにおける物流の中継拠点であるということだと思っております。
浦添埠頭、背後地の土地利用計画についての具体的な説明をということでございますが、那覇軍港が35.3ヘクタールの代替施設が那覇港湾計画浦添埠頭地区内に移設されることによって西海岸一帯をベースポート地区として位置づけ、沖縄の経済的自立のための新たな産業機能の創出と雇用の確保を図るねらいがあり、さらに背後地にある牧港補給地区が返還された場合の跡地利用計画が前進することになります。
牧港補給地区は、浦添市としては同地域を21世紀に向けた未来都市づくりの拠点として位置づけ、那覇新港や卸売商業団地、さらに西海岸道路をも視野に入れた有効な土地利用計画を整備していると聞いております。
多目的用途の整備計画、内容等について具体的に説明をということでございますが、那覇軍港を移設するに当たって、利用頻度の少ない米軍の輸送船などにも使用を認めるといういわゆる日米共同使用、軍民共用の可能性を示した計画だというふうに考えております。
それから、これは先ほども御答弁いたしましたけれども、関係自治体とのことでございますが、これは関係自治体とは県、那覇市、浦添市との間で跡地利用などの調整を事務的に進めていると聞いております。
浦添市におきましては、軍用地主会、または市、さらに那覇市におきましても軍用地主会、市、それから事務当局等で跡地利用やまた港湾整備計画についての事務的な話が進められていると聞いております。
それから、最良の案を導き出したものであるとしているが具体的に説明をということでございますが、最良の案という意味は、現在の那覇軍港は観光沖縄の表玄関に位置している関係から非常にマイナスイメージがあり、浦添地先に移設することによってそれが解消できることと思います。
さらに、那覇空港もまたハブ空港として今整備の計画がなされているところであり、それと一体的に再開発できる可能性が出てくることが大きなメリットと言えます。
また、移設予定地の背後地に牧港補給地区が位置しておりますが、将来返還が実現した段階では港湾地区と一体的に利用できるものと考えます。このようなことから、沖縄の将来を展望する中で最良の案と考えます。
さらに、基地の固定化についてでございますけれども、浦添商工会議所に確認したわけではありませんが、那覇軍港の機能の一部云々ということはつまり軍民共用のことであり、排他的に米軍に一方的に使用させるものではないことだと考えます。
那覇軍港の移設については、1974年の第15回日米安全保障協議委員会において全面返還が了承され、1995年、日米合同委員会で那覇港湾計画浦添埠頭地区への移設が合意されました。
その後、1996年のSACOの最終報告においてもその促進が盛り込まれているものであり、面積を縮小した上で県内に移設するとしたものであり、あくまでも基地の整理縮小の一環であり、基地の固定化、強化にはつながるとは考えません。
それから最後の質問でございますが、これも先ほど御答弁いたしましたように取り下げる考えはございません。
以上でございます。
〇議長(友寄信助君) 以上で通告による質疑は終わりました。
これをもって質疑を終結いたします。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております議員提出議案第2号は、米軍基地関係特別委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、議員提出議案第2号は、米軍基地関係特別委員会に付託の上、審査することに決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) 委員会審査のため暫時休憩いたします。
午後3時54分休憩
午後9時41分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
休憩前に米軍基地関係特別委員会に付託いたしました議員提出議案第2号については、先ほど米軍基地関係特別委員長からお手元に配付の委員会審査報告書が提出されました。
この際、お諮りいたします。
議員提出議案第2号那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議を日程に追加し議題といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、議員提出議案第2号を日程に追加し議題とすることに決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) 議員提出議案第2号 那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
米軍基地関係特別委員長。
〔米軍基地関係特別委員長 平敷昌一君登壇〕
〇米軍基地関係特別委員長(平敷昌一君) ただいま議題となりました議員提出議案第2号について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、提出者を代表して安次富修委員の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における質疑の概要等について申し上げます。
本議案に対し、那覇軍港の機能を浦添地先にどういう形で移そうとしているのかとの質疑がありました。
これに対し、整理統合の一環として面積を半分にし、軍民共同でやっていくような移設であるとの答弁がありました。
次に、日米の合意事項である12バースに12の大型クレーンの設置を認めないで、面積だけ認めるということかとの質疑がありました。
これに対し、軍港の一部を移転するものであり、那覇軍港の中身は県益に沿った形で検討委員会の中で検討していくとの答弁がありました。
次に、この問題は24年もかかっており慎重にやるべきではないか、軍港では困るという浦添市民の声を大事にすべきではないか、軍港としての使用について関係自治体との調整は済んでいるのかとの質疑がありました。
これに対し、空港と一体としての整備が主であり、県、那覇市、浦添市との調整は進められているとの答弁がありました。
そのほか、那覇軍港の機能、機能の一部移転、軍港が遊休化している理由等についての質疑がありました。
次に、修正案について申し上げます。
修正案については、公明沖縄所属の委員から、お手元に配付してあります別紙議員提出議案第2号那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議に対する修正案が提出されました。
以上、委員会における審査の経過を申し上げましたが、審査の結果、議員提出議案第2号那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議は、多数をもって修正案のとおり修正議決し、修正議決した部分を除くその他の部分は、原案のとおり決することに決定いたしました。
なお、採決の際、社会民主党・護憲共同所属委員及び社大党所属委員から、本議案に対しては拙速であるとの意見表明があり、結の会所属委員とともに退席をいたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
本案に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
外間久子君。
〔外間久子君登壇〕
〇外間久子君 日本共産党を代表いたしまして議員提出議案第2号について反対討論を行います。
休憩前、自民党から出されました那覇軍港の移設に関する決議に与党各会派の質問の冒頭で出された意見は、このような重要な県民的課題は議会で十分に議論・研究も深めて結論を出すというのが県民代表の府である県議会にふさわしい選択だということが指摘されました。
しかも、移設に関する陳情はどこからも出されておりません。それだけに各議員がこれから調査研究というときだけに、ただ議会の意思だけは何が何でも決議しようというのは、知事選挙対策が目的であることが見え見えであることが明らかになりました。
ところで、那覇軍港の浦添市への移設は、1995年5月11日、日米安保合同委員会で承認されましたが、県内移設に反対する県民世論と、軍港移設に反対をする浦添市民の強い世論によって阻まれてきました。
県都那覇の玄関口を押さえる軍港を早く返還せよということは、復帰直後から県民の強い要求になっていた問題ですが、日米安保合同委員会で決まった浦添市への移設については、地元紙の社説でも「基地返還のあり方に失望」と題して、「この合意内容から感じられるのは、基地の強化と新たな犠牲の強要である。とりわけ那覇軍港の浦添地先への移転は、仮に規模は縮小するとはいえ、基地の新設と何ら変わるものではないということだ。
基地が開発を阻害するがんとするなら、がんは、那覇市から浦添市へ移転しただけで、病根が除去されたことにはならないからだ。それどころか、軍港と牧港補給地区のリンクによって基地機能が強化され、返還の望みが一段と遠のくことを考えると、がん細胞は増殖したとはいえなくもない。」と指摘されるほどでした。
今日、早期の開発を理由に那覇軍港の移設が声高々に叫ばれていますが、基地の移設は開発を阻害するがんと指摘した県内紙の指摘について改めて思い起こし、早期開発が必要であればあるほど、那覇軍港は移設ではなく全面返還を求める世論こそ大きく広げていかなければなりません。
3年前の少女の尊厳を傷つけた米海兵隊の蛮行に続き、昨日もまた米海兵隊員の酒気運転による女子高校生ひき逃げ事件が引き起こされました。
昨晩は、新垣米子県議とともに日本共産党を代表して被害者のお見舞いに行ってきましたが、事故を起こした海兵隊員が現場から逃走せずに娘をちゃんと保護していたらこんな重症にならずに済んだのにと、悲しみを抑えて母親が私たちに訴えておりました。私たちは、繰り返される蛮行に腹の底から怒りがわき上がってくるのを抑えきれませんでした。
この3年間、大田知事を先頭にした沖縄県民の沖縄から基地をなくせという叫びは、世界と日本じゅうの人々の胸に届き、今度の県知事選挙でも県民が基地を受け入れるか、それともあの事件以来高まってきた基地拒否の審判を引き続き下せるか、熱い注目を集めています。
この沖縄で基地は県内移設でよいとか、那覇軍港を浦添に受け入れるようにさせようとか、絶対に認められるものではありません。
そもそも浦添の移転というのは、米軍が浦添の牧港地区への移転を強く要求したものです。米軍は、現在の那覇軍港を遊休化させているのは、クレーンなどの施設がないためで極めて限られた港湾機能しかなく、荷物の積みおろし作業に時間がかかるからと指摘している報道がありますが、1995年の11月に開かれた米軍基地整理縮小問題での日米間の合意と、これに続いて開催されましたペリー国防長官と衛藤防衛庁長官との首脳会談では、「浦添市沖の埋め立て地約35.3ヘクタールに12のバースを持つ専用ふ頭を設置、それぞれに大型クレーンを設置する。」と合意されています。大型クレーンの設置も日本政府の思いやり予算です。
那覇軍港は遊休施設だから浦添に移設をしても米軍はそんなに使わないだろうと考えたら大変な間違いです。大型クレーンを設置した軍港には、米軍の軍艦が我が物顔に出入りするだろうということは、火を見るよりも明らかであります。だからこそ米軍は浦添移設を強く要求しているのではありませんか。
国際社会の秩序を破壊するアメリカの覇権主義的蛮行のエスカレートに伴って、沖縄の基地はますますその重要性が強まるばかりであります。
米軍が浦添移転を希望しているのは、キャンプ・キンザーの基地と直結をし機能が強化されることも一つの理由であります。米軍の基地強化の要求にこたえないと那覇軍港が返還できないとして、アメリカの要求に応じなければならない理由はどこにもありません。
しかも、浦添市はここに広大な埋立地を造成し、総合的物流ゾーンやリゾート開発を計画しており、那覇軍港の移設先はその中央部の突端部とされており、開発計画にくさびを打ち込むようなものであります。
修正決議案には那覇軍港の機能の一部を浦添に移設を挿入しています。機能の一部とは何を指すかがはっきりしておりません。
米軍が那覇軍港に求めている機能は、港湾機能であります。それは浦添市でも全部保障されます。キャンプ・キンザーに物資を輸送する機能はさらに強化されることになります。民間の施設を米軍に提供する軍民共用は基地と民間の境を取っ払い、沖縄をどこでも自由に基地として使用できる条件をあけるものであります。
県民の英知は、米軍基地の一部を民間施設として使用させることをあの北谷町役場、読谷村などで実現してきました。狭い沖縄で基地の一部を使わなければ役所も建設できない状況にありますから、これは道理のある態度です。
しかしながら、民間の施設を米軍に提供するような姿勢は全く道理のないものです。しかも、秋の国会でガイドラインの関連法案が提案されようとしております。この法律が成立したら、日本の民間の港や空港が米軍の有事の場合には優先的に提供せざるを得なくなります。これでは港湾機能は麻痺してしまいます。
日本全国でガイドラインの関連法の成立に反対する闘いが沸き上がっているときに、この沖縄でガイドラインを先取りするような提案は絶対に容認できません。
最後に、今県議会で出されております民間の港を米軍に提供する考え方について日本共産党の見解を述べておきたいと思います。
この構想によりますと、米軍の艦船の一時使用を認めるバースは多目的埠頭と位置づけられています。地域も限定されており、米軍が必要とあればいつでも使える状態にある特定の埠頭は、それが多目的埠頭と名づけられようと米軍の優先使用が保障されるわけですから、米軍基地と何ら変わらないものであります。米軍の優先使用を拒否することは、今の日本政府にとても期待できないことは明らかであります。
少女に対するあの不幸な事件以来、日本政府はただの1人の海兵隊員を減らすことさえアメリカに要求してこなかったではありませんか。多目的埠頭という名前の新たな米軍の軍事施設の提供も、基地の固定化・強化の道であります。そうならない裏づけや保障は全くありません。
沖縄県民のこの3年間の闘いというのは、アメリカと日本政府を大きく追い詰め、動かないと思われた基地を動かしました。海上基地建設に反対する闘いでは、きょうまであの美ら海を守り抜きました。
沖縄の経済を支えている観光をさらに発展させ、沖縄経済の振興を図ろうというのであれば基地建設で沖縄の美しい自然を絶対に破壊させないという態度を貫くべきであります。
以上、日本共産党の見解を述べまして反対討論といたします。
議員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
〇議長(友寄信助君) 高良政彦君。
〔高良政彦君登壇〕
〇高良政彦君 那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議案に賛成の立場から討論を行いたいと思います。
沖縄の基地問題というのは、戦後この方もう50数年、私たちは基地のない平和な島、全面撤去、そういうのを目標に掲げて、それをエネルギーにして県民総ぐるみで取り組んできております。
しかし、現実は日米という両政府の外交上の問題や、あるいは国外のいろんな地域紛争等の関連もあって、我々県民の言うとおりには必ずしもそのようにはきてない。そういう難しさがあるのが沖縄の基地の特殊性たるゆえんかと思います。
そういうことで、さらに今回は考えられないような未曾有の不況と、バブルがはじけて8年なんなんとするような中でいろんな危機的状況が出ております。
平和な基地のない島、2015年を目指しております。この目標をきちっと掲げて一致団結していくということは極めて大事なことだと思います。
しかし、平和な沖縄が来る前に目の前の経済が破綻して自殺や倒産、破産が出たとするならば、それが1世帯、2世帯じゃなくて何百世帯、何千世帯、2万数千人、3万人になんなんとするような自殺者が出て、家庭の破壊が出るとするならば、これはもう基地のない平和な島の前に我々はまずそれに対処しなければならない。
そういうことで平和な基地のない島という目標もしっかりと踏まえた上で、そして現実をしっかり踏まえながら今の危機をどうするかという両にらみしながら対処せざるを得ないというのが沖縄の基地問題ではないかなと、我々はこのように現実の毎日の日々の生活も直視すればこそ、こういうような議案も提案をしているわけであります。そういう立場から賛成の討論を行ってまいりますので、よろしくお願いします。
我々は、貸し渋り、保証渋りの中小企業の実態調査をやりました。
そのときに、ある鉄工会社の下請会社の社長さんが開口一番、何と言ったと思いますか。議員さん、うちの会社は15名社員がいる。鉄工会社ですから熟練工です。溶接だとか旋盤だとか扱う会社です。40代、働き盛りです。しかしうちの会社は5名解雇しないともうもちません、こう言ったんです。しかし40代の方を5名解雇して、この人たちはどこで一体就職、受け入れてくれるんだろうか、そういうことを考えるとだれを解雇したらいいのか、自分ではできない。それでくじ引きにしようか、くじ運の悪いやつが5名自分でやめていくんだと、そういう話をやった、社内で15名集まって。しかしそれでも心忍びない。
そこでどうしたかといったら、全員の給料を60%にダウンさせて、1人も解雇しないでこの不況を何とか乗り切ろうと、このように今、耐え忍んでおりますと社長は言ったんです、開口一番。議員さん、何とかしてください。平和な島、基地、結構です。ノーとは言いません。きょう、あすの生活をどうしてくれますか、一家離散で自殺したらどうしますか。そうさせないために6割に給料をダウンして耐え忍んでいるんですよと、この実態を政治家の皆さんは知っていますか、開口一番こう言ったんです。
この実態を我々はもっとシビアに肌で知るべきではないでしょうか。
さて、そういうことで、これはまた昨日聞いた話でありますけれども、バブルのときにつくった会社でありますけれども、御案内のように資産が現在の評価額で半分になって、担保のいわゆる積み増しの要求がきた。
さらに資金繰り、いわゆる貸し渋り、保証渋り等も手伝ってそういう見通しが立たなくなって、ある経営者が遺書を書いて自殺しました。ヤマトの話じゃないですよ。沖縄の話です。
それから30代です。これは私の直接知っている人ですけれども、ずっと仕事を探していた。だがなかなか思う仕事につけなくて、ついに悲嘆にくれてしまって、これもまた自殺をしてしまいました。
いよいよ県内でも多くの事業者が資金繰りのめどが立たず、さらに倒産、破産が続出することが予想されます。倒産や破産、リストラによって仕事を失い収入を絶たれ、ローンが払えずにサラ金に走る、あげくの果てに一家離散あるいは自殺という現象が県内で今増加しつつあります。
沖縄は、壮年男子の自殺率は日本一高いと言われております。そしてそれはすべて経済、仕事の問題が一番原因という、こういう学者の指摘もあります。
また離婚率が日本一です、沖縄は。そして母子家庭が多い。それらはすべてネックは経済的な貧困が横たわっております。このことに我々は着目しなければなりません。
当然、戦後53年、広大な軍事基地があり、あらゆる分野で本土と格差を生み、そして現在もその格差は解消されない。したがって一日も早く基地を確実に返してもらって、基地の整理縮小と跡地を利用した経済の活性化はこれは急務であります。決して拙速過ぎるということはありません。むしろ生ぬるい。
観光産業は好調で、沖縄は他府県に比べてそう悪い方ではないという指摘があります。とんでもありません。私に言わせますと、このぐらい不況に落ち込めば、ことしの後半から来年にかけて観光産業も必ず横ばいか落ち込みの現象が出てくるはずです。このまま伸びるはずがありません。そんなに甘い経済環境ではありません。
不況になれば3K現象が起こります。まず、広告が激減します。そのため本土の大手新聞が既に経営が行き詰まって倒産の表面化が出つつあります。大手新聞です。そういう新聞社があります。当然県内の新聞社も苦しいはずです。広告が相当激減しているはずです。
次に、交際費が激減します。当然ビジネス上の接待とかそういうのが減るわけでありますから、サービス産業が非常に苦しくなります。サービス産業が苦しくなればタクシー業界も連動しておりますから、これも厳しくなるのは当然の理であります。
そして交通費をまず企業は節約します。当然会社の出張旅費とかそういうのが激減しますから、交通関係とか航空産業にも影響を与えるのは当然であります。
日本全体がこのような状況のもとで沖縄だけ観光が伸び続けるということはあり得ないと思います。むしろ今後は観光産業も厳しくなるぞ、減るぞとの覚悟で対策を立てるのが正常な物の見方だと、本員はこのように関係者に主張をしております。県内の景気も予想以上に厳しくなっているということを、まず我々は厳しく認識をする必要があります。
公共工事をしながら、工事の途中で建設会社が倒産をしております。今、日本全体極めて厳しい状況にあります。当然、地方である我が県も経済は連動しておりますから厳しくなるのは当然であります。
しかし、だからこそ我が県は、我が地域は何をてこに、どのようにして、どういう方法で経済の活性化を図るのか、今その責任と力量が問われているのが県政ではないでしょうか。
当然、こういう不況の中では国もいろんな対策を立てます。補正予算を組んだり、また県の方でも今回でも53億円の補正が組まれておりますし、総額では450億円になんなんとするそういう補正も組まれております。財源は交付金だとか国庫補助金だとか、そういうものが財源となっておりますけれども、そして大田県知事も当然のことながら無担保・無保証融資の枠の12億への拡大、中小企業保証協会に保証基金を35億円のそういう増額、あるいは借りかえ条件の緩和等、その他中小企業あるいはベンチャービジネスへの助成措置等いろんな対策を講じていることは十分承知をしております。
しかし、そういう対策というのは他府県でもやっていることであって、これは当たり前のことなんです。当然であります、これは。殊さらどうということではありません。そのぐらいやるのは当たり前であります。
さて、国の方では不況へのてこ入れのために大型補正を組み、そして我が公明がいつも主張をしておりました商品券もいよいよ真剣に取り組み始めたそういうのがきのう、きょうのニュースで流れております。
商品券というのはこれは即効性です。なぜ商品券かといったら、あと一、二年もたない、経済は。1年どころか半年で相当の企業がつぶれて、相当社会問題、自殺者も出るよと我々はそれを実態で知っているからなんです。
消費税をなくす、下げる、もちろん賛成。しかしそのいろんなもので1年以上準備期間がかかる。それではもうもたないといわれている。ならば、商品券で即効性のあるものをまずぱんと打って、底上げをして、全国の景気の問題は6割は主婦が握っている。その主婦に全国満遍なく経済の底上げをしてもらうというのが第一のねらいであります。
続いて持続させるのは6兆円の減税です。これでもってじわじわ長期的なこういう2段構えでやっていかないと間に合わない。
そういうことでありまして、国ではこのようにいわゆる大型補正も組み、さらに追って6兆円減税ということも今実施する方向で向かっているようであります。
さて、このように国も県も最大の関心事は経済の活性化をどう具体化し、一刻も早く深刻な不況を抜け出ることができるのかが最大の政治課題になっております。
したがいまして私ども公明は、今回の知事選は80%は経済問題だと、このようにずばりいろんなところで申し上げております。
翻って、我が県内では経済問題に加えて同時に基地の整理縮小の問題があります。もちろん基地とは直接的に関係のない観光産業、農林水産業とか情報産業等の育成強化があります。これも当然であります。
一方、基地の整理縮小に伴う基地関連の収入の落ち込みを跡地利用によってどのように補い、また経済振興に役立てるのかという問題は極めて重要な課題であり、現実の問題としてこれは避けては通れない、無視はできません。
さらに、軍用地主への補償や軍雇用員の再就職による生活の保障の問題は極めて重要な政治課題であり、基地問題への対応いかんによってこれらがスムーズに解決の方向へいくのかが決まります。
他府県では県土面積の数%以内、あるいは二、三%以内、基地関連の収入にしてもやはり沖縄の比ではないと考えます。
したがって基地が撤去されたとしても、基地関連収入や従業員の雇用の問題も周辺の企業や全産業の中で吸収ができ社会問題になる可能性は極めて低いと考えます。
しかし、我が県においては基地の占める比重は面的にも基地収入の面から言っても非常にそれは比重が大きい、したがって対応及び処理の方法を誤ると大きな社会不安を招くことは必至であります。
したがって基地の整理縮小とそれにかかわる経済振興策は必然的に同時並行で行わなければならず、現在の厳しい不況、高失業のもとでは基地の整理縮小は極めて柔軟かつ斬新、すなわち一歩一歩粘り強く解決へ導いていくというそういう柔軟性が求められるのは当然であります。
国全体が未曾有の大不況です。だからこそ何をてこに経済の活性化を図ろうかと各地方は必死であります。
沖縄は、今那覇軍港の移設の仕方いかんによって民間港湾として整備の可能性が出てまいりました。しかもこれは5年ないし10年かかる長期の大型のプロジェクトになることが予想されます。
米軍基地の県外、国外移設はベストであります。百点満点、上等、だれも反対はしません。全県民の望むところであります。
しかし基地問題は日米外交の重要課題であり、しかも世界の政治状況とも連動しているだけに沖縄側だけの主張どおりなかなか望みどおりというわけにはいかなかった。これが那覇軍港もいわゆる移設条件つきではあるが、こういうことで20年余も返還が実現できなかったわけであります。
県外、国外移設はベストであり、オール・オア・ナッシングで言えばオールであります。しかしベストを望む余りナッシング、すなわち現状が一歩も前進しないまま続いたとするならば、これほどまた基地の整理縮小にとって逆行してしまう現象はないのではないかと、これが那覇軍港の現状ではないかと思います。
資金繰りに行き詰まりいよいよ県内でも自殺者が出ております。1年どころか半年そこらで県内の産業、いろんな事業所が資金繰りがつかなくなて、そして恐らく倒産が続出する、こういうことが専門家の間では厳しく指摘をされております。
このようなまさにいまだかつて経験したことのない不況、失業問題という社会の状況を考えれば、今回の那覇軍港問題もとにかく確実に一日も早く返還をしてもらって、その跡地を那覇から浦添、宜野湾、そのベルト地帯をまず経済自立へ向けた一大ハブ港湾としてプロジェクトを組み実現をさせるべきであります。
そしてあくまでも次善の策として那覇軍港の機能を浦添地先に多目的港湾の中にそれを移設して、そして港湾整備の目安を立てまず条件を整えていくべきであるとこう考えます。
拙速過ぎるという指摘がありますが、これは全く県内の状況を知らない指摘と厳しくこれは指摘をせざるを得ません。むしろ非常事態と言っても過言ではありません。
このような非常事態の中で最も重要なことは、迅速な対応であります。すなわちスピードが勝負を決めます。したがって県議会がいかに敏感に反応し迅速に対応するかということが大事であり、ある意味では県議会の危機管理能力が問われていると言っても過言ではありません。
那覇軍港の返還が23年間も議論をしてきたではありませんか。どうしたら返還ができるだろうか。毎回そのことも3事案という中でも出てきたではありませんか。今さら拙速と言えるでしょうか。むしろ機は熟した、条件は整った、機が熟して熱があるときに一気にみんなが知恵を出し合って一歩でもよい方向へ持っていくというのがむしろ前向きな姿勢ではないでしょうか。
したがってことしの12月議会まで継続というのはもはや私どもの立場からすれば論外であります。これほど悠長なことを言っているほど環境は甘くはありません。そのことを厳しく認識してもらいたい。
私ども公明は、貸し渋り、保証渋りの実態調査及び各界各層の多くの方々と接しまさに多くの企業が危機的状況にあり、ある意味では日本はおろか我が沖縄県もタイタニック号的な状況にあるということを認識しております。したがって県政与党の中でひとり激しい批判もあることを覚悟の上で那覇軍港の浦添地先への移設を知事選への政策として提言をしたわけであります。
大田知事も今回の公明沖縄の代表質問、一般質問で極めて前向きな柔軟な答弁をしております。自民党が出した案だから、与党の立場では乗っかれないとか、あるいは知事選へ向けて自民の与党分断策にはまるとか、いろいろな憶測や心配があるようでありますが、最も重要なことはこのような全県的な経済的な危機的状況のもとでは130万県民というところに視点をしっかり置いて是は是、非は非、いさぎよく決断を下して那覇軍港問題の解決を図るべきではないでしょうか。表現がまずい、この言葉はよくないというのであれば一緒に知恵を出して修正をやればいいじゃないですか。そういうことを臆する必要はありません。
那覇軍港の浦添地先への移設は決して基地の整理縮小から外れるものではなく、むしろ基地の整理縮小に大きな前進をするものと確信します。
私は、いつもわかりやすく例えて言うんですけれども、富士山の頂上に登るときには東口、西口あるじゃないか。頂上に真っすぐ登った方が近いに決まっている。直線で登る人はこれは山岳のプロですね、登山家。これは体力、脚力もある人はがけっ縁からまっすぐ登るのが一番近いに決まっている。力のないお互い民衆は1人でも漏れがないように弱者もみんなそろって富士山の頂上に行くためには時には4合目右に行って、時には5合目左に行って、時にはまた6合目右に行って7合目、こう行きます。
それは急勾配を柔らかくするためにたくさんの人が一緒に行けるために、右に行ったから富士山の頂上に行くのを忘れたのかじゃないんです。富士山の頂上はしっかりおさえておりますと。こう登れないから次は左に行こう、右に行こう、これでいいじゃないかと。
沖縄の基地問題、そういう難しさがある。
2015年、多少ずれがあるかもしれない、2020年、2025年、30年、それはわかりません、そのときの世界情勢によって。しかし基地のない平和な島、富士山の頂上、これは全県民異存のあるはずはありません。
基地のない平和な島、当たり前、これは。ノーと言う人はおりません。上等やさ。その方向へ行きましょう。これはだれも異論を挟む人はおりません。
だからといって県外、国外、はいと言ってまっすぐ富士山に登るようにできないからこそ、我々はこの中小企業もどうしたらいいかな、経済問題にもにらみながら、そして基地のない平和な島へとだから右に行ったり、左に行ったり、時には左寄り過ぎたら右に引き戻します、右に寄り過ぎたら左も引き寄せます。
このようにしてみんなが一緒に行けるような方法ということでこれを現実柔軟と言っているんです。ちょっと右に行ったから自民党さんと一緒になったんですか、公明さんとかね。
このような、そんなことを言ったんじゃしようがないじゃないですか。我々はそういうようなレベルの議論をしているんじゃありません。
この窮状、全県民が1人も漏れがないように基地問題も解決しながら経済問題も解決して一歩一歩基地のない平和な島、これはこう行きますから時間がかかりますわ、これは、こう行くよりは。しかしこうできないじゃないですか。それを現実柔軟、今一歩ワンクッション置いて、将来は出ていってもらうよ、いいじゃないですか、これ。あとは浦添地先が12のガントリークレーンがあるバースがあって、米軍要求がある、ああそうですか、全部つくりましょうとは言っておりません。それはそれで相談しながら日米、沖縄側の意見も入れて少なくとも現在の那覇軍港よりは縮小してそういう形という方向性さえ決めればいいじゃないですか。何万トンの船がどこに着いてどうなっているんだと青写真まで示せるはずがない、そんなものまで我々は語る必要はない、ここでは。これは次の話。
今大事なのは、そういうきちっとしたものを提起をして日本政府も動いてくれと、早く返してくれと、プロジェクトを早く入れて工事もやってくれと、こういう条件を整えて日米を動かすことが今先決じゃないですか。ガントリークレーンが何基、どうのこうのこれは次の話でいいんです。ここで答弁する必要はありません。
そういうことで私たちはまず一歩前進で、それは現在の生活を重視しているからなんです。しかし基地のない平和な島、絶対にこれは外しません、この哲学、理念は。
それでよろしいでしょうか。
こういうことで私たちは賛成の討論と、こういうことでありますのでどうか御理解いただきたいと思います。(拍手)
〇議長(友寄信助君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
〇伊波栄徳君 議長、休憩願います。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後10時22分休憩
午後10時23分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
これより議員提出議案第2号那覇軍港の跡地利用と浦添市西海岸開発促進に関する決議を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、修正議決であります。
お諮りいたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(友寄信助君) 起立多数であります。
よって、議員提出議案第2号は、委員長の報告のとおり修正議決されました。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
午後10時24分休憩
午後10時25分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
日程第14 陳情1件を議題といたします。
本陳情に関し、委員長の報告を求めます。
総務企画委員長。
〔総務企画委員長 伊波栄徳君登壇〕
〇総務企画委員長(伊波栄徳君) ただいま議題となりました陳情1件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これよりただいま議題となっております陳情1件を採決いたします。
お諮りいたします。
本陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情1件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) 日程第15 陳情7件を議題といたします。
各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
経済労働委員長。
〔経済労働委員長 大城秀昭君登壇〕
〇経済労働委員長(大城秀昭君) ただいま議題となりました陳情7件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これよりただいま議題となっております陳情7件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情7件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) 日程第16 陳情4件を議題といたします。
各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
文教厚生委員長。
〔文教厚生委員長 喜納昌春君登壇〕
〇文教厚生委員長(喜納昌春君) ただいま議題となりました陳情4件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これよりただいま議題となっております陳情4件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情4件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) 日程第17 陳情1件を議題といたします。
本陳情に関し、委員長の報告を求めます。
土木委員長。
〔土木委員長 上原亀一郎君登壇〕
〇土木委員長(上原亀一郎君) ただいま議題となりました陳情1件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これよりただいま議題となっております陳情1件を採決いたします。
お諮りいたします。
本陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情1件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) 日程第18 陳情3件を議題といたします。
各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
米軍基地関係特別委員長。
〔米軍基地関係特別委員長 平敷昌一君登壇〕
〇米軍基地関係特別委員長(平敷昌一君) ただいま議題となりました陳情3件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これよりただいま議題となっております陳情3件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情3件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) 日程第19 陳情1件を議題といたします。
本陳情に関し、委員長の報告を求めます。
軍用地返還・跡利用対策特別委員長。
〔軍用地返還・跡利用対策特別委員長 高良政彦君登壇〕
〇軍用地返還・跡利用対策特別委員長(高良政彦君) ただいま議題となりました陳情1件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
〇議長(友寄信助君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これよりただいま議題となっております陳情1件を採決いたします。
お諮りいたします。
本陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情1件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) 日程第20 閉会中の継続審査の件を議題といたします。
各常任委員長、議会運営委員長及び各特別委員長から会議規則第82条の規定により、お手元に配付いたしました申出書のとおり閉会中の継続審査の申し出があります。
お諮りいたします。
各委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(友寄信助君) 御異議なしと認めます。
よって、各委員長から申し出のとおり閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。
〇議長(友寄信助君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日をもって議会は閉会となりますが、議員各位には長い会期中連日熱心な御審議をいただき、議長として心から感謝を申し上げます。
なお、今期定例会における議会活動状況は後ほど文書をもって報告いたします。
以上をもって本日の会議を閉じます。
これをもって平成10年第5回沖縄県議会(定例会)を閉会いたします。
午後10時33分閉会
前発言
次発言
19980508000010