平成13年(2001年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 12月20日
安次富 修
 

 ただいま議題となりました甲第1号議案平成13年度沖縄県一般会計補正予算(第4号)に対する修正案に反対し、原案に賛成する立場から討論を行います。
 さて、我が沖縄県は、去る太平洋戦争で過酷な地上戦が展開され、20万人余のとうとい生命と多くの貴重な文化遺産が失われました。県民は、この悲惨な戦争体験と27年間にも及ぶ米軍統治下の歴史を通して平和のとうとさを肌身で感じており、戦争の悲劇を二度と繰り返してはならないとかたく誓い、平和の実現を強く求めてきており、まさに2000年の歴史のミレニアムを超えて今日を迎えております。そういう平和に向けて心を合わせていく重要なタイミングのときであります。
 そして、その平和行政の具現化としてさまざまな施策が展開されてきました。平和と命のとうとさを永遠に伝えるため、沖縄戦などで亡くなられたすべての人々を刻銘する平和の礎を平成7年度に建立しております。また、平成12年度には平和のとうとさを学習する場として沖縄平和祈念資料館を建設し、さらに今回の沖縄平和賞を創設することによって礎や資料館と合わせて3つの重要な平和施策、ピースムーブメントとして強力に推進していくものであります。
 この沖縄平和賞は、中立性、公平性を確保し、国内外から高く評価される県民の財産として末永く継続されるべきものであり、さらに沖縄の平和賞という概念のみならず日本が持つ初めての大規模で普遍的な、より広域的な広範な対象を考える平和賞であり、日本の平和賞とも考えられます。賞の運営を通じて九州・沖縄サミットで発信した平和を希求する「沖縄の心」を引き続きアジアや世界に発信し、恒久平和の創造に貢献する意義あるものであります。
 去る9月20日に沖縄平和賞検討委員会の尚弘子会長から知事に対し「沖縄平和賞基本構想案」が答申され、10月23日に同基本構想が策定されたところであります。さらに12月27日にはその運営母体として県内の経済、教育、行政、マスコミなど各種団体、企業の代表者などで構成される沖縄平和賞委員会が設立されてまいります。
 今回の補正予算で審議されております負担金1000万円は、選考委員会委員就任依頼、パンフレット・ポスター制作、通訳料等々報償費、旅費、委託料等であります。負担金を支出する組織が設立もされない段階での予算措置に異論が出ておりますが、議会の審議権を尊重するためにとる方策であり、先例どおりの適正な予算措置であります。
 また、平和賞委員会の会長に知事が予定されていることに関して、沖縄という地域を代表する者として相ふさわしく、かつ外部から見てもわかりやすいことが必要であります。また、沖縄平和賞委員会は任意組織であり、各種契約などの責任は代表者が負うことになり、負担の大きい会長職を外部に求めることは避けるべきだと考えられております。
 受賞者の選考については、沖縄平和賞委員会のもとに設置が予定されている沖縄平和賞選考委員会が実質的に行うものであり、選考委員会委員には知事を初めとする県関係者は入りません。
 以上のことから、中立性、公平性に対する疑念等は生じないものと考えられます。
 また、新たに設置される選考委員会委員の人選に当たっては、県民の視点、国民の視点、国際平和の視点、平和学の視点、平和賞の視点などの関係有識者となっており、さまざまな角度から沖縄平和賞の受賞対象へのアプローチがなされるものと確信をしております。
 さらに、この沖縄平和賞についてのシンポジウムを行いアンケートを実施した結果、94%の賛成を得ており、平和賞に対する関心の高さが示されております。
 また、基地問題との関連も指摘されておりますが、実際に本県には広大な米軍基地が存在し、県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を与えていることから、県民は米軍基地の整理縮小を強く望んでおります。県民の基地負担の軽減を図るため、基地の整理縮小を初めとする本県の基地問題の解決が一つ一つ着実になされなければなりません。アジア・太平洋地域での紛争をなくし、沖縄における米軍基地のプレゼンスを薄めていくためにも沖縄平和賞を高らかに宣言しなければならないと考えます。
 最後に、沖縄が凝縮的に経験したり、また沖縄が持っているすばらしい特質、これがもっと日本人全体で共有されるべきそういうインパクトを国内にもたらし、この沖縄は平和に対する感受性が最も高いところであり、沖縄は和解と寛容の精神をかなり強く持っているところであると思慮されます。また、戦争での深い悲しみを生き抜いてきたところであり、それを非常に誠実に受けとめている深い平和思想がこの沖縄にはあります。
 人は皆平等であり、平和はその上に成り立つということ、人間の安全保障の実現の促進、つまりヒューマンセキュリティーとして一人一人の命が大事だと、そしてその人の自己開発が大事であるということから、多くの日本じゅうの人々やアジアの人々が沖縄からの平和賞への発信ということに希望を抱き、この沖縄平和賞を生み出す作業は必ずや平和を実現するための大きな力となることでしょう。そして、そのことが沖縄の基地問題を前進させる力となることを信じて保守・革新、与党・野党の立場を乗り越え恒久平和に向かって大きな一歩を力強く踏み出そうではありませんか。
 議員各位の賢明なる御判断をお願いし討論といたします。
 よろしくお願いいたします。

 
20010607050080