委員会記録・調査報告等
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米軍基地関係特別委員会記録
平成29年 第 6 回 定例会閉会中
第 1 号
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開会の日時
年月日 | 平成30年1月11日 木曜日 |
開会 | 午前 10 時 2 分 |
閉会 | 午後 3 時 58 分 |
場所
第4委員会室
議題
1 軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立(米軍UH1ヘリコプター及びAH1ヘリコプターの不時着事故について)
2 米軍UH1ヘリコプター及びAH1ヘリコプターの不時着事故についてに係る意見書及び抗議決議の提出について(追加議題)
出席委員
委 員 長 仲宗根 悟 君
副委員長 親 川 敬 君
委 員 山 川 典 二 君
委 員 花 城 大 輔 君
委 員 宮 城 一 郎 君
委 員 照 屋 大 河 君
委 員 新 垣 清 涼 君
委 員 瀬 長 美佐雄 君
委 員 渡久地 修 君
委 員 金 城 勉 君
委 員 當 間 盛 夫 君
欠席委員
末 松 文 信 君
照 屋 守 之 君
説明のため出席した者の職・氏名
知事公室長 謝 花 喜一郎 君
基地対策課副参事 伊 田 幸 司 君
基地対策課班長 古 堅 宗一郎 君
○仲宗根悟委員長 ただいまから、米軍基地関係特別委員会を開会いたします。
本委員会付議事件軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立に係る米軍UH1ヘリコプター及びAH1ヘリコプターの不時着事故についてを議題といたします。
本日の説明員として、知事公室長の出席を求めております。
米軍UH1ヘリコプター及びAH1ヘリコプターの不時着事故について審査を行います。
ただいまの議題について、知事公室長の説明を求めます。
謝花喜一郎知事公室長。
○謝花喜一郎知事公室長 ただいま議題となっておりますUH1ヘリコプター及びAH1ヘリコプターの不時着事故について、御説明いたします。
平成30年1月6日午後4時ごろ、米軍のUH1ヘリコプター1機が伊計島に、わずか2日後の8日午後4時45分ごろ、AH1ヘリコプター1機が読谷村に不時着しました。
両事故とも、県民への人的、物的な被害は報告されておりませんが、航空機関連事故は一歩間違えば人命、財産にかかわる重大な事故につながりかねません。
普天間飛行場所属機を初め米軍機は、この1年間に約30件もの墜落、不時着・炎上、緊急着陸などを繰り返し、県民の不安はこれまでになく高まっており、日常的に米軍基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている県民に、平穏な日常生活や生命に対する不安を与え、米軍の航空機整備、安全対策等について大きな疑念と不信感を抱かせ続けてきたことは、極めて遺憾であります。
昨年12月のCH53Eからの部品落下事故を受け、県などが航空機整備、安全管理体制の抜本的な見直しを求めてきたにもかかわらず、日米両政府が一顧だにしない中で、米軍が再びこのような事故を繰り返し起こしたことに、強い憤りを禁じ得ません。
県は1月6日と8日に事故発生の報告を受け、基地対策課職員を現地に派遣し情報収集に努めるとともに、1月9日に富川副知事から、第3海兵遠征軍司令官に対し、これまで県が求めてきた全航空機の緊急総点検とその間の飛行中止を確実に実施するとともに、航空機整備、安全管理体制の抜本的な見直しを図ることを強く求めました。
また、特に今回の事故に関しては、原因究明がなされるまでの同機種の飛行中止、事故原因の徹底的な究明と速やかな公表、実効性のある再発防止措置の実施を強く要請したところです。
さらに、富川副知事が、同9日には外務省特命全権大使沖縄担当、沖縄防衛局長、翌10日には内閣総理大臣、内閣官房長官、外務大臣、防衛大臣に対し同様の抗議、要請を行い、これらの要請内容を政府の責任で米軍に実現させるとともに、県が求める新たな協議会を設置するよう強く求めたところであります。
以上で説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願いいたします。
○仲宗根悟委員長 知事公室長の説明は終わりました。
これより、米軍UH1ヘリコプター及びAH1ヘリコプターの不時着事故について質疑を行います。
なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
質疑はありませんか。
新垣清涼委員。
○新垣清涼委員 緊急着陸ということで、計器の異常だと聞いているのですが、しっかりした原因について米軍から皆様に報告はありましたか。
○謝花喜一郎知事公室長 読谷村の件は、午後10時過ぎだったと思いますが、米側から防衛省を通じて翌朝の午前7時30分に離陸するという第一報がございました。午前7時30分はまだ公務も開始されておりませんし、何らかの原因があって不時着しているわけでございますので、我々としては県民に対して十分な説明、しかも、不時着した読谷村と嘉手納町の共有の施設に対して十分な謝罪等が―通常、我々日本人の感覚からすれば、謝罪等があって、こういうことで安全性が確認できたので基地に戻るというような説明があった上での対応であれば理解もできるわけですが、第一報のメールでそういった話があったものですから、我々としては認められないということで、即座に沖縄防衛局にも電話いたしました。ただ、沖縄防衛局も同様なことを認識しているが、なかなか動かないということがありましたので、富川副知事からニコルソン中将に午前11時ごろに電話いたしましたところ、やはり翌朝に飛ぶと。県民への説明は沖縄防衛局を通して行うという説明がございました。午前7時30分と言っていましたが、午前7時22分には離陸しておりまして、沖縄防衛局に確認したところ午前7時21分に飛ぶという話があったということです。そういった中で、昨日、米側からマスコミを通してリリースがありました。原因はテールローターの電気系統の異常などということでしたが、こういった対応では県民の不安、不信感は拭えるどころか増幅するということを、昨日、富川副知事から外務省、防衛省の大臣、政務官に対して申し入れています。本来、あってはならないことなのですが、情報の提供をしっかりしていただかないと県民の不安や不信感はますます募るということを強く申し入れました。これに対し防衛省からは、この点については十分認識しているので、情報提供のあり方については今後検討する必要があるという説明をいただいたところです。
○新垣清涼委員 今のは読谷村の一般廃棄物最終処理場の敷地内におりているAH1ヘリコプターのことですよね。UH1ヘリコプターは、プロペラを解体してつり下げてホワイト・ビーチに移動しています。それからすると、機体に異常があったわけです。ただ、あるところでは、読谷村での不時着の場合は、民間地域を利用した緊急着陸訓練ではないかと言われています。ですから、翌日には何事もなく平気な顔で飛んでいます。これは後で問題にしないといけないと思うのですが、伊計島にヘリが不時着した後、原因究明されるまで飛行をとめるという配慮が全くない。緊急着陸をしたにもかかわらず、その晩は普天間飛行場周辺ではずっとヘリが飛んでいるのです。夕方5時ぐらいには連絡があって、みんなニュースでも聞いているのに、普天間飛行場周辺でヘリが飛び交っているのはどういうことかと。そういう状況にありながら、ほかの機種の点検に入ることもなく全くお構いなしに飛んでいるというのは、県民に対する挑戦なのかと思って仕方がないのです。政府は県民の命が脅かされているという状況、そして、県民が不安に思っているという状況をもっと真剣に受けとめて、米側に対してきちんと訴えてもらわないと困ると思うのですが、その辺の説明はどうなっているのですか。
○謝花喜一郎知事公室長 まず、伊計島のUH1ヘリコプターの事故原因についての米側からの説明は、メーンローターの回転速度超過に対する警告灯表示が点灯したということでした。ただ、警告灯が点灯した具体的な原因は調査中という中で、ヘリをつり下げてホワイト・ビーチまで運んだと認識しております。委員からの御質疑は、そういった状況の中で翌日も通常通り飛行していることについての認識はどうかということですが、我々としても本当に考えられないという思いです。多くの県民がそのような認識だと思います。我々からすると不時着、緊急着陸ですが、彼らは予防着陸ということで、事故として認識していないのではないかということが根底にございます。今回のAH1ヘリコプターの件についても、常套句のような感じを受けるのですが、警告灯の表示を受け、機体を可及的速やかに、かつ安全に着陸させる確立された手順に従ったと。機体を安全に着陸させるべく、可能な限り建物や住民から離れた場所を選んだと。搭乗員のけがや機体の損傷もなく、地元住民のけがや着陸場所における損害もないというようなことを毎回繰り返しているわけです。そういった背景からすると、彼らはこれを事故と受けとめていない可能性があります。ただ、県民からすると安全が確認されない航空機は飛行させないよう常々言っているけれども、何度も緊急着陸等が繰り返されているということで、整備体制に大きな不信感を持っているわけです。その不信感が一歩間違えばという思いで、生命、財産に対する不安感がある。このギャップがどうしようもなく埋められない状況が続いていると認識しています。これはG7の大佐等に何度も申し上げているところですが、彼らは安全に着陸したということを繰り返しています。それは米側の軍の論理であって、我々県民には通用しないと。きのう、富川副知事も記者団からの質問に対して同様な答弁をしております。このギャップを埋めない限りは、こういったことはなかなかなくならないのではないかと。これはメンタル的なものです。そして、物理的なものとしては整備のあり方、この両面から解決する必要性があるのではないかということで、我々は抜本的な対策を日米両政府に真摯に考えていただきたいと申し上げているところでございます。
○新垣清涼委員 もちろん物理的な機械に対する整備はきちんと行ってもらわないといけませんが彼らは、沖縄県全体を訓練区域だと思っているのではないでしょうか。だから低空飛行もするし、学校の上も飛ぶし、今回は一般廃棄物最終処理場の敷地内に着陸をして、何時間もしないうちに飛び立っています。沖縄県のどこでも、ランプがついたときには安全な場所を探して手順に基づいて着陸をすると。こういうことをされたらたまったものではありません。政府にしっかりと県民の生活している範囲では訓練をさせてくれるなと。緊急着陸があったときには、全機種をとめて、せめて同機種をとめてしっかり点検をする体制をとってもらわないと大変です。沖縄国際大学にヘリが落ちたときもそうでしたが、市民はヘリの音を聞くと、家の中で食事をしていても外に飛び出してヘリが正常に飛んでいるか確認しないと、いても立ってもいられませんでした。今、まさに普天間第二小学校の子供たちもそういう状況です。ヘリの音を聞いたら、上を見上げてどこを飛んでいるのか、何か落ちてこないかと不安なのです。こういうことを一体いつまで続けさせるのですか。政府はもっとしっかりと対応しないといけません。そのことを強く訴えていただきたいと思います。
○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
渡久地修委員。
○渡久地修委員 UH1ヘリコプターとAH1ヘリコプターは、どういうヘリですか。何機配備されているのですか。
○伊田幸司基地対策課副参事 正確にはUH1Yヴェノムと言っておりますが、ベル・ヘリコプター社が製造し、初飛行が2001年12月20日、運用開始が2009年1月となっており、普天間飛行場には6機配備されていると認識しております。また、AH1ヘリコプターは、AH1Zヴァイパーと言われております。これもベル・ヘリコプター社が製造しており、初飛行が2000年12月8日、運用開始が2010年9月ということで、AH1については、WとZの区別が明確ではないのですが、12機配備されているということでございます。
○渡久地修委員 攻撃ヘリコプターと言われていますが、どんな任務を持ったヘリですか。
○伊田幸司基地対策課副参事 UH1は汎用ヘリコプターということでございます。AH1が攻撃ヘリコプターという分類になっております。攻撃ヘリコプターの特徴としては、武装することができるということで、ミサイル、爆弾等を配備することができることになっております。
○渡久地修委員 つまり、海兵隊の敵地侵入、敵地侵略のためのヘリが沖縄でこのように訓練しているということで、本当にとんでもないことだと思います。この間、事故が相次いでいますが、不時着のあった伊計島と読谷村は訓練空域内ですか。
○伊田幸司基地対策課副参事 訓練空域外だと承知しております。
○渡久地修委員 何でそこにおりているのですか。
○伊田幸司基地対策課副参事 先ほども知事公室長からありましたが、海兵隊の説明によると、警告表示を受け、機体を可及的速やかに安全に着陸すべく確立された手順に従ったと。機体を着陸させる場所として、可能な限り建物や住民から離れた場所を選んだということです。
○渡久地修委員 要するに、訓練空域など関係なく、沖縄中どこでも自由に飛び回っているのではないかと。那覇市の上空も平気で飛ぶし、民家の上空であろうが、学校の上空であろうが平気で繰り返されているのです。これまで名護市や東村高江に落ちました。今度は伊計島と読谷村です。沖縄中どこでも起こり得ると。沖縄全域で米軍がやりたい放題にしているのではないかということを聞きたいのです。どうですか。
○謝花喜一郎知事公室長 一昨年に名護市安部の海岸にオスプレイが墜落しました。あれは当初、訓練空域での訓練だったということでしたが、その後の事故調査報告によると、与論島の東沖で訓練を行っていたと。そして、これは訓練空域でも何でもないということがございました。我々は外務省に抗議に行った際にその件を指摘しましたが、外務副大臣だったと思いますが、弾薬等を装備していない米軍の航空機はどこでも飛べるというような答弁をしておりました。これに対し、それでは何のための提供施設、訓練空域なのかというような疑問を発しましたが、それについての明確な回答はございませんでした。先ほどの質疑でも、沖縄の空をどこでも飛んでいるし、高度等についても規制もなく飛んでいるということがございましたが、この辺は我が国の航空法の適用がないという日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定―日米地位協定の問題もあるかと思っております。こういったさまざまなことが要因となって、多くの県民は米軍に対し―言葉が少し過ぎるかもしれませんが、彼らのやりたい放題といいますか、訓練のあり方について大きな不信感を抱いているところでございます。
○渡久地修委員 普天間第二小学校にヘリの窓が落ちて、校長先生が学校の上を飛ばないでほしいと言っていることに対して、今までの可能な限り飛ばないということに、今度は最大限という言葉がつきました。しかし、最大限可能な限りというのは、米軍の都合で幾らでも必要なときは飛ぶということを宣言していることと同じですよね。どうですか。
○謝花喜一郎知事公室長 騒音防止措置等で委員が指摘されたようなことがあるわけですが、全てにできる限りということがあるわけでございます。そういった中で昨年の普天間第二小学校への窓落下の件では最大限という言葉がついたわけですが、これについては遵守していただく必要があると思っております。本来ならば例外的なものを例示、列挙して対応すべきだと思いますが、報道等によりますと上空の監視カメラの設置もできたということなので、ぜひ実効ある対応を求めてまいりたいと考えております。
○渡久地修委員 ハリス太平洋軍司令官が日本の防衛大臣との会談の中で、安全な場所におりることができて非常に満足しているということを言っていますよね。本当にふざけています。これについてどう思いますか。
○謝花喜一郎知事公室長 先ほども答弁いたしましたが、米側の認識がそういったものだということは軍の論理として固定化されているものだと思います。そこには県民の思いが全く存在しないと考えております。ですから、今後も米側が安定的に一定程度の機種の運用を行うということであれば、そういった認識のもとでは安定的な運用も厳しくなるということはこれまでもたびたび指摘しているところであり、今回の件も踏まえて、さらにそのことを強く申し入れてきたところです。
○渡久地修委員 それに対して小野寺防衛大臣はどのような対応をしていますか。
○謝花喜一郎知事公室長 これは対談を受けてのマスコミとの質疑応答の中ですが、「私の理解では、もし万が一警告灯が表示されて、それでも無理に航行を続けて事故になるよりは、なるべく早く安全なところに着陸をしてしっかり点検をするということが大切だと思います。ただ、今回、米軍が緊急着陸した場所は、民家に近い場所であったり、たくさんのお客さまがいらっしゃるホテルの近くであったりということなので、これは沖縄の皆様も含め私どもからすれば、確かに広場であっても周辺にあれだけ人家があるということは決して安全な場所ではないと思いますので、そこは捉え方をしっかり認識していただくことが大事だと思います。」とお答えしています。
○渡久地修委員 要するに、批判も抗議もしていないわけですね。
○謝花喜一郎知事公室長 今、私が読み上げましたのは、対談が行われた後のマスコミのぶら下がり会見でそういった認識を問われてお答えしています。対談の具体的な内容が手元に入手できておりませんので、抗議をしたかどうかということについて確定的な答弁は控えたいと思います。
○渡久地修委員 警告灯がついて広場におりたという以前に、なぜこのようなところを飛んでいたのかというのが大問題なのです。何で自由勝手に民間地域で訓練しているのかというのが大問題であって、安全な場所におりて満足したということに対して抗議もできない。本当に腹が立つのです。しっかり抗議したかについて、県として確認する必要があるのではないですか。していなければ抗議しなくてはいけないのではないですか。
○謝花喜一郎知事公室長 防衛省から対談の議事録等を入手したいと思います。
○渡久地修委員 きのう、シンクタンクのケイトー研究所のダグ・バンドウさんとお話ししましたが、ワシントンに行くと東京に行きなさい、東京に行くとアメリカが言うことを聞かないと言う。今回のことも含めて、日本政府はアメリカのせいにして、アメリカは日本政府のせいにする。日本政府からすれば、一番小さな島に押し込んでおく。アメリカは、日本の国内問題だとして全く知らないふりをして基地を押しつけておく。沖縄は2つの政府に都合よく利用されているだけだと言っていたのです。これを聞いてまさに実態をあらわしていると思ったのですが、その辺はどう思いますか。
○謝花喜一郎知事公室長 そういったことはあってはならないというのが私の認識です。昨日、副知事が外務省と防衛省に行った際に、外務省はハガティ大使と大臣が電話で会談を行ったということで、ハガティ大使からは極めて遺憾であり最大限の努力をしたいという話があったという報告を受けております。また、防衛省においては、小野寺防衛大臣がマティス国防長官と話をして、同様な話があったという報告を受けております。我々としては、アメリカ政府においても今回の問題の重要性を十二分に認識していただく必要があると考えております。
○渡久地修委員 とにかく、日本政府は当事者能力がない。主権国家としての自覚もない、意思もない、本当に腹が立ちます。ヘリテージ財団が出した報告書によると海兵隊の航空機の41%しか運用できない。機体の老朽化、整備不良、整備士不足、兵員の疲弊などが続いており、機械的なミスと人為的なミスがあったときに大変なことになると警告しているので、それをぜひ確かめてほしいと言いましたが、このヘリテージ財団の指摘についてはどうですか。
○謝花喜一郎知事公室長 この件につきましては、昨日、日本経済新聞と地元紙にも書かれております。昨年の議会でそういった御質疑があって、私もそういったことであろうという認識を示したところです。今のような部分を踏まえまして、県は全航空機の緊急的な点検を政府に求めたところでございます。
○渡久地修委員 私は、去年の12月の米軍基地関係特別委員会で、ヘリテージ財団の報告書を示しました。このシンクタンクが指摘したとおりのことが現に起こっているわけです。これを小さなミスにして見逃すと、今度は重大な事故につながっていく非常に危険な予兆だと思うのですが、その辺はどう思っていますか。
○謝花喜一郎知事公室長 全く同様に認識しております。これは昨日の地元紙にも書かれておりましたが、2004年に沖縄国際大学にヘリが墜落したときにも、イラク戦争への―その際も兵員が1日17時間の勤務を3日間続けて疲労がたまり、後部ローターの固定ピンをつけ忘れたのが原因だということが確認されています。やはり予算の削減、それに伴う兵員の過剰な勤務、人的なミスという中でこういった不時着や緊急着陸等が相次ぐことになっていると。これがひいては大きな事故につながるということを沖縄県も大変危惧しておりまして、そういったことから全航空機の緊急総点検を求めているわけでございます。
○渡久地修委員 老朽化、部品不足、整備不良、整備士不足、兵員の疲弊に加えて、沖縄では住宅上空であろうが、学校上空であろうが、病院の上空であろうが、どこで飛んでもいいと。沖縄は植民地だという意識のもとで上空を飛んでいます。こういうことが積み重なると、本当に重大な事故につながります。砂漠で訓練しているわけではなく、県民の頭上で訓練が行われているわけです。沖縄ではこれがプラスされています。沖縄の上空はどこでも平気で飛んでいいと。今のままでは大変な事態が発生しかねません。重大な事故が起こってからでは遅いので、県もしっかりした対応をとってほしいのですが、どのようにしますか。
○謝花喜一郎知事公室長 昨年の普天間第二小学校への窓落下事故を受けて、学校、病院等の上空を飛ばないようにということを申し入れ、県議会もそのような決議をしております。そういった中で、まずは場周経路を徹底する必要があるということが重要だと考えております。それから、北部地域においてもいろいろな訓練が行われておりますが、それについても県議会の決議がございますので、そういったことも踏まえて、我々としては住宅地域に近い着陸帯等の使用をやめるよう強く申し入れているところであり、米側には県からの要請に対して十分に対応していただき、日本政府にも県の要請をしっかり米側に実効させるよう対応してもらいたいと考えております。
○渡久地修委員 県議会は普天間第二小学校への窓落下事故で、普天間飛行場所属の米軍機の保育園、学校、病院、住宅地上空など民間地上空での飛行・訓練を中止することを求めています。要するに、普天間飛行場の飛行機は全部飛ばないでほしいということです。そして、政府が約束した5年以内の運用停止を必ず実現してほしいということを求めたわけです。県もその立場に立つべきではないですか。
○謝花喜一郎知事公室長 繰り返しになりますが、県としましては負担軽減措置として示された学校、病院等の上空を飛ばないということを強く求めていきたいと考えております。
○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
照屋大河委員。
○照屋大河委員 伊計島の件で、県の職員が不時着現場を確認したということですが、状況について伺いたいと思います。
○古堅宗一郎基地対策課班長 当日6日の午後5時ごろ現場に向かいまして、午後6時30分ごろ到着しました。現場の海岸には既に規制線が張られておりまして、外周規制線の中、内周規制線のところまで行き、現場の状況を確認しました。米兵が作業をしているところでしたが、県警察から情報を収集しながら県庁へ報告をしたところでございます。
○照屋大河委員 その後、8日の午前にヘリがつり下げられて移送されるわけですが、その時点での立ち会いはしていますか。
○古堅宗一郎基地対策課班長 8日にヘリがつり下げられて移送されるときにも立ち会いをして確認しております。もちろん規制線の外側からですが、目視で状況を確認することができました。
○照屋大河委員 当日、地域住民や地元市議団も現場にいたそうです。現場を確認した皆さんから、作業を行った米兵が記念撮影をしたり、周辺にVサインをしたりする光景が見られたということを聞いたのですが、その辺について県は確認されているのでしょうか。
○古堅宗一郎基地対策課班長 ヘリがつり上げられるまでは非常に緊迫した状況で作業をしていたと認識しておりますが、それまでの間、記念撮影をしたり、Vサインをしたりということは確認しておりません。どの時点の話なのかわかりませんが、ヘリがつり上げられるまでの状況は、危険が規制線の外に及ばないようにということで非常に緊迫していましたので、そのような状況は確認している範囲ではなかったと思っております。
○照屋大河委員 現場にいた方からはそういう報告を受けました。先ほど米軍の認識や兵員の教育ということが知事公室長からもありましたが、今言ったようにVサインをしたり、記念撮影をするという光景を見れば、もはや兵員の教育の徹底などという言葉で解消される問題ではないというのが現場にいた人たちの思いだと思います。特に嘉手納基地等でも、使用協定という形で厳しく管理をすべきではないか、例えば、不時着や墜落などの事故が起きた場合には24時間、あるいはそれ相応の飛行停止、全機種の緊急の総点検をするということも含めた使用協定の締結など、県として米軍や日本政府に対して具体的な働きかけを行うべきではないかと思いますが、その点についてはいかがですか。
○謝花喜一郎知事公室長 そういった思いは、ある意味、私どもも持っております。ただ、先ほど来答弁していますように、米側は緊急着陸等について事故と認識していないようなところがございます。そこのギャップをいかに埋めるか。相当の労力を要するものだと思いますが、県は沖縄防衛局長と外務省特命全権大使沖縄担当を呼んで抗議をした際に、抗議文の中に新たな協議会の設置を急遽盛り込み、それについて言及いたしました。協議会の設置は一昨年から政府に求めていますが、実現されておりません。ただ、そういった県民の思いと米側の論理のギャップを埋めるためにも、米側、外務省、沖縄防衛局、沖縄県、必要であれば関係する地元自治体も入れても構わないと思います。そういった4者会談、5者会談を行った上で、米側にしっかりと県民の思いを伝える。単に抗議をして、30分ぐらいで切り上げて終わるというようなことではなく、いかに沖縄県民が真剣にこのことについて不安を感じている、不信感を持っているかということを米側に認識してもらうところからスタートしないといけないと思っています。今回、外務省沖縄事務所、沖縄防衛局にもお伝えしましたので、それをしかるべき時点で実現していきたいと考えているところです。
○照屋大河委員 認識からスタートしていくといいますが、これだけ立て続けに起こり、その延長線上に最悪の事態もあるのではないかという不安を抱えた中で県民は生活しているので、ぜひ実効性ある具体的な厳しい対応がとれるよう提案をしていただきたいと思います。伊計島には約1年前にもヘリの不時着があって、先ほどの光景や米軍の対応も含めて、今回、自治会で抗議集会を開催することが決められています。人口が減少していく地域にあって、ホテルが開業され、それを地域の皆さんが支え合って盛り上げていこうと、CMなども毎日流れています。それから、仕事をつくろうということで特産品なども開発してまちづくりをしていますし、アート展なども開いているわけです。そういうことをしているのに、こういう問題があると一発でそれを失ってしまう、地域の振興が奪われてしまうという強い怒りを自治会長を含め地域の皆さんは訴えておりましたので、県もそういう思いをしっかりと受けとめて日米両政府に強い対応を行っていただきたいということを申し上げて終わります。
○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
金城勉委員。
○金城勉委員 県は、日米地位協定の改定に向けて他国の地位協定との違いの調査研究を始めるということですが、こういうケースの場合、例えば、ドイツやイタリアなどにおける地位協定上の対応の仕方と、今回の日本の対応の仕方の違いについてはわかりますか。
○謝花喜一郎知事公室長 まだ下準備の段階ですが、ドイツは米側の管理権が強いですが、イタリアでは訓練の管理権がイタリア側にあります。飛行再開に向けても、イタリアの司令官の許可がなければ訓練ができないということが今の時点で入手した情報としてございますので、そういったことが必要ではないかということが1つございます。それから、いろいろな有識者とも意見交換等をしておりますが、よく言われるのは、日米地位協定は韓国の地位協定と似ている、または、韓国の地位協定よりはすぐれているという話がございます。ある有識者がおっしゃっておりましたのは、韓国の地位協定はある意味、準戦闘地域における地位協定だと。つまり、北朝鮮との関係でまだ休戦状態だということがございます。そういった中における地位協定で、米側に管理権が大変与えられているということです。それに対して我が国の地位協定については、多くの国民がそう認識していると思いますが、いろいろな緊迫した情勢等はあるにしても、戦争状態にも休戦状態にもあるわけではないという観点からしますと平時でございます。平時において、これだけ民有地に平然と不時着して、何ら謝罪もないということが日常茶飯事となっているような状況は、いかにもおかしいと思っております。ですから、そういった問題を根本から調査する必要があるのではないかと考えているところです。
○金城勉委員 そういう意味でも、速やかにそうした他国の地位協定と日米地位協定との違いをもっと具体的に事例ごとに調査研究をした上で、日米地位協定は具体的にこういう部分で不平等だということを浮き彫りにすることによって、政府に対する要請、交渉も説得力のあるものになると思います。そういう意味では、速やかに調査研究をした上で具体的な違いをはっきりさせると。それを踏まえて政府に対しての要請や、米軍との地位協定改定に向けての交渉の仕方を後押しするということが必要だと思います。具体的なスケジュールについては、その後、はっきりしているところもありますか。
○謝花喜一郎知事公室長 今、現地のコーディネーターとも調整しまして、2月3日から2月11日まで、私を含め基地対策課職員の計3名でドイツ、イタリアを調査するということで作業を進めているところでございます。
○金城勉委員 行ってみなければはっきりしないのでしょうが、その調査で、年度内にどの程度の成果が見込めると考えていますか。
○謝花喜一郎知事公室長 本会議で御答弁させていただきましたが、現地における米軍に絡んださまざまな事件・事故等について、対応状況をつぶさにヒアリングしようと思っております。まずはそれを整理するところからスタートいたします。その後、この件につきまして有識者にも御意見をいただくと。そういったものを踏まえて、翌年度以降の具体的な調査、例えば、さらに対象国をフィリピン等にも広げるかなどといった議論をさせていただきます。これまでの間、お二人の地位協定についての専門の方と意見交換をさせていただきましたが、情報発信のあり方についてもいろいろなアドバイスをいただいております。我々の視点が少し薄かったのが、アメリカ側への対応の仕方です。これも十分に議論した上で発信する必要があるだろうと考えております。まだ具体的なところまで煮詰まっていませんので申し上げることは難しいのですが、最終的に県民、国民に向けての情報提供をどういう形で行うかということまで視点に入れて、調査に臨んでいるところでございます。
○金城勉委員 地位協定の内容、違いを調査研究することは一番大事なことですが、もう一つお願いしたいのは受け入れ国と米国との交渉の仕方です。何が日本と違うのか。ドイツやイタリアは敗戦後の駐留、そして、その後のプロセスの中で何度も交渉を重ねながら改定を積み上げてきたと聞いています。しかし、日本は一字一句改定がなされていない、また、改定を申し入れた形跡もない。ドイツやイタリアの場合には、アメリカ側は受け入れ国から見直しの要請があれば協議の場に臨んで対応しているわけですが、日本の場合はそれができていない。何が原因なのか。アメリカの壁という話も聞いたりしますが、アメリカの壁というものが具体的にあるのか。あるいは、日本政府がそんたくをして、運用の改善でいいと先回りをして判断してしまっているのか等々、その交渉の仕方の違いについてもしっかり調べて、日本の交渉のあり方に対しての問題提起もすべきだと思いますが、いかがですか。
○謝花喜一郎知事公室長 大変重要なポイントだと考えております。一例を挙げますと、アフガニスタンも米側と協定を結んでいますが、戦時状態にあるアフガニスタンにおいても自国における主権を大変強く主張しまして、米側に妥協させているという情報も入手しております。今、委員からございました交渉のあり方も、重要なポイントとして整理したいと考えているところです。
○金城勉委員 日米合同委員会のあり方ですが、かつてアメリカの国防総省の関係者でさえも、現在の日米合同委員会のメンバー構成、あるいは運用の仕方については適切ではないと指摘しているのです。要するに、アメリカ側は1人だけシビリアンがいて、あとは全員軍人という構成になっているわけです。ですから、ほとんど軍が取り仕切っていると。これは正常ではないだろうという厳しい指摘がアメリカ側からなされた経緯もあるわけです。ですから、今後の日米合同委員会のあり方として本当にこれでいいのかという問題提起も非常に重要なポイントだと思います。その件についてもドイツ、イタリアの協議の場がどのようになっているのか、日米合同委員会との比較、違いもしっかり調べてほしいと思うのですが、いかがですか。
○謝花喜一郎知事公室長 御指摘のとおり、これも重要な論点だと思っておりますので、それも我々の調査項目の一つとして入れ込んでおります。しっかり対応したいと思います。
○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
宮城一郎委員。
○宮城一郎委員 昨年の普天間第二小学校への窓落下があった際に、県から在沖米軍の全機点検を申し入れたと思います。少し乱暴な言葉なのですが、それを無視といいますか、聞き入れてもらえなくて、実施されませんでした。今回、年明けの2件の不時着は普天間飛行場所属機なのですが、もし、先ほどの全機点検を実施していたら今回の2件は防げたかもしれません。これを聞き入れなかった米軍、ないしは、強く申し入れなかった日本政府ともに重い責任があると思いますが、これについて県のお考えはいかがでしょうか。
○謝花喜一郎知事公室長 今回の抗議文で、我々は抜本的な見直しを求めてきたにもかかわらず、日米両政府が一顧だにしない中でという文言を入れました。委員からの御指摘の思いが我々にもあるので、今回、あえて追加いたしました。この件については、日本政府において米側に強く申し入れ、実効性ある対応策を求めていただきたいということを、昨日も日本政府に強く求めてきたところでございます。
○宮城一郎委員 米軍基地関係特別委員会委員もキャンプ瑞慶覧に抗議に伺いました。その際、ロナルド・R・アプリング渉外統括官といろいろお話をしたのですが、マニュアルの徹底や教育により改善できたと考えているので飛行を再開したというお答えがありました。ただ、先ほど渡久地委員からもあったように、訓練増による負担や予算不足、沖縄やハワイは海に囲まれた環境で腐食が早いなど、いろいろなことが報道等で言われていて、メンテナンスのクオリティーが非常に低くなっている現状だと。米軍は十分に改善できたので飛ばすと言うのですが、それを検証するすべ、まさに実効性のある方策という中で、県や日本政府が立ち入って、きちんとした補修マニュアルが励行できる環境にあるのかということをチェックすべきではないかと考えております。それがこれまで行われたことはないと記憶しているのですが、例えば、日米地位協定や特別法、合同委員会の裏議事録か何かわかりませんが、そういうことについて申し入れることすらできないものなのでしょうか。
○謝花喜一郎知事公室長 今、委員からの御指摘は県も重要視しているところです。実効性ある対応について日本側から具体的に提案を行う。そして、日米合同委員会において議題として提案をしていただいて、抜本的に日米両政府において方針を決める。それを軍側に申し伝えて実行してもらうという流れが我々としては必要だと思っております。ただ、その件については一顧だにされずにスルーされて今回に至っているという思いが大変強いので、この件を昨日も外務省と防衛省には強く申し入れたところでございます。
○宮城一郎委員 年末に県議会を代表して東京の中央省庁にも意見書を提出してきました。防衛省では地方協力局長に御対応いただいたのですが、昨年末の普天間第二小学校の事故などはCH53Eと自衛隊に配備されていたMH53の比較論でしか話はなかったのですが、たてつけはCH53と同じだが、自衛隊ではまず起こらない事故で、不可思議だということでした。我々沖縄県民は、米軍がおっしゃる改善されたとか、安全に飛ばしているという言葉に非常に不信感を持っているので、例えば、普天間飛行場所属全機のメンテナンスを我々がどうのこうの言うことができないのであれば、防衛省や自衛隊に点検してもらうことを要請してみてはいかがかと思うのですが、どうでしょうか。
○謝花喜一郎知事公室長 先ほどの答弁と関連しますが、富川副知事から予算の削減等で全航空機の点検ができないということであれば、日本政府の予算で対応することも一つの例として検討すべきではないかということを申し上げました。こういったお話は国政に携わる方からの意見として出ていると認識しておりますし、今、そういった段階に来ているのではないかと。内閣官房では審議官が対応したのですが、その際に私から具体例として申し上げましたのは、一昨年の不幸な事件の後に、日本政府は防犯パトロール体制の強化と称してパトカーを20台増強したり、防犯パトロールを100台体制で行うなど、いろいろ対応して現在も実施されているところです。その実効性は別として、そういうものが一つの例としてあるわけですから、官邸サイドの方に申し上げましたのは、官邸が中心となって、この件について予算措置等も含めた対応―米側にどういった課題があって、そういったところを日本政府が肩代わり―少し言葉が過ぎるかもしれませんが、対応できる部分があるのであれば考えていただけないかということを具体的な例を示しながら申し入れたところです。日本政府には実効性ある対応策をとっていただきたいと考えております。
○宮城一郎委員 米軍の認識として、今回のものは事故ではないという考えがあるのではないか、我々県民と隔たりがあるのではないかということもおっしゃられたのですが、私は昨年末から連続するものについて非常時だと考えています。沖縄県は、連続する事故に対して非常事態宣言をするべきではないかと思っているのです。県が非常事態宣言をした上で、県内の各市町村、自治体の長とともに今回の件についてどう立ち向かっていくかというところを示していく。そのリーダーとしての役を県に負っていただきたいと思っているのですが、いかがでしょうか。
○謝花喜一郎知事公室長 余りにも頻度が多過ぎるということで、異常な状態だと認識しております。非常事態宣言を県が発して、他の市町村も巻き込んで対応すべきではないかという御指摘については、知事三役と御相談をさせていただければと思っております。
○宮城一郎委員 私もけさの新聞報道の中で、各自治体の長の皆さんも同様にお怒りを持っているし、危機感も持っていらっしゃると感じましたので、各市町村の住民も同じ思いだと思います。心を一つにして立ち向かうべきだと思いますので、御検討いただけたらと思います。
○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
親川敬委員。
○親川敬委員 この間の事故について、日本政府はたびたび大臣のコメントとして米軍に約束を守ってもらうという話をします。ところが、この前の新聞報道によると、米軍基地側からドローンの規制をしてほしいという要望があった際には、法律改正をして米軍の安全を守るのは日本の責任だということまでコメントをしている中で、沖縄県民の生命は米軍任せ、米軍基地を守ることについては法律改正をしてでもやると。この態度が今回の状況を生み出している一因だと思っています。
先ほどUH1ヘリコプターとAH1ヘリコプターの機種の数がありましたが、ほかに普天間飛行場で運用されている航空機の種類と数をお願いします。
○伊田幸司基地対策課副参事 私どもが把握しております普天間飛行場における常駐機ですが、オスプレイ輸送機が24機、AH1攻撃ヘリが12機、UH1汎用ヘリが6機、CH53大型輸送ヘリが12機、UC35人員輸送ジェットが3機、UC12作戦支援機が1機、合計58機と承知しております。
○親川敬委員 この58機のうち、今までに不時着を含めて何らかのトラブルを起こした航空機はどれですか。
○伊田幸司基地対策課副参事 平成28年12月末までの数字ですが、これまでの航空機関連事故としてCH53大型輸送ヘリが30件、UH1汎用ヘリが14件、AH1攻撃ヘリが9件、MV22オスプレイ輸送機が7件となっております。固定翼機については、把握できておりません。
○親川敬委員 今、説明があったように、ほとんどの航空機が事故を起こしています。これは普天間飛行場に配備される航空機は全て事故が起こる飛行機だと。いつ再び重大な事故が起こりかねない飛行機が配備されている普天間飛行場だということが、改めてこの数字からも確認できたと思います。この航空機の個体ごとに番号なり、ニックネームなりがついているのであれば、この航空機は伊計島に不時着したものと同じものだとか、違うものだとか、個体ごとの事故の履歴を把握しておくべきだと思うのですが、どうですか。
○伊田幸司基地対策課副参事 個体ごとに数字が振ってあると承知しておりますが、米軍の運用上の理由などで明らかになっていない部分がありまして、なかなか難しい面がありますが、把握するよう努めていきたいと考えております。
○親川敬委員 日本政府に対して、普天間飛行場の航空機はこれだけ事故を起こしていますということまでは今までしていると思いますが、普天間飛行場所属の航空機を飛ばすなと言うためには、やはり個体ごとの履歴的なものを持っておくべきだと思います。それが説得力につながる一つの手だと思っています。これはぜひ検討していただきたい。
もう一点、58機の航空機がある中で、整備士の本来の充足率というものがあれば、この辺を県は把握しているのですか。
○伊田幸司基地対策課副参事 私どもは把握しておりません。
○親川敬委員 確かに情報提供については難しいところがあるかもしれませんが、普天間飛行場に配備されている航空機には本来、これだけの整備士がいるべきなのに、これだけしかいないと。だから危険なのだということを相手に理解してもらうのであれば、説得材料として、今言う整備士の問題や航空機の履歴はぜひ把握すべきだと思います。
○謝花喜一郎知事公室長 委員からの御指摘は、具体的なデータをベースにしてアメリカ側に申し入れるという意味では有効な御提案だと認識しております。個体の件については、MV22オスプレイの場合は固定されているわけですが、他の航空機についてはローテーションされています。具体的に事故等が起こった際、県が現場で認知できるものは確認しますが、例えば、海外などの場合には県が求めても米側からは回答をいただけないのが実情でございます。そういったことはございますが、可能な限り個体の特定には努めてまいりたいと考えております。それから、整備士の充足率について、県は各部隊ごとの兵員数についてこれまでも照会していますが、全体数の提供もいただけていない状況でございます。近年、特にそういったことが厳しくなっている状況ですが、沖縄防衛局とも御相談しながら、こういったことが可能な限りとれるよう働きかけていきたいと考えております。
○親川敬委員 確かに日米地位協定や情報提供については壁があるのかもしれませんが、日本政府は米軍の安全を守るために法律改正もするのに、沖縄県民の生命・財産を守るためにはアメリカに約束を守ってもらうだけだと。これでは、沖縄県民の命をないがしろにしていると。こういう状況が続くと、必ず次は重大事故が起きます。私は、それがとても懸念されると思います。壁はあるかもしれませんが、説得をするためには、ぜひともそういう情報を収集をすべきだと思います。
○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
瀬長美佐雄委員。
○瀬長美佐雄委員 今回の読谷村の不時着の件で、目撃情報が新聞紙面にもありますが、低空飛行訓練を繰り返していたのではないか、空対空の訓練ではないか、あるいは、残波岬や読谷村一帯を標的にした訓練ではないのかというほどの印象を受けていると。そういった目撃情報を含めて、どのような訓練をしていたということを把握していますか。
○伊田幸司基地対策課副参事 まず、どこからどこに飛行していたのか、沖縄防衛局に確認していますが、承知していないとの回答がございました。どういった訓練かにつきましては、米軍は安全上の理由で開示しないということになっております。ただ、いろいろな目撃情報によると、嘉手納飛行場から飛び立ったのではないかという情報もございます。
○瀬長美佐雄委員 訓練空域ではないところで頻繁に訓練しているということで、逆を言えば、訓練空域ではないところでの訓練は許さないという姿勢が県には必要ではないのかという点では、そういった情報が入ったら間髪を入れずに、ここは訓練空域ではないと。どうなっているのかと。やめろというような即応性のある対応が求められると思いますが、どうでしょうか。
○謝花喜一郎知事公室長 この件に関しましては、県も何のための訓練空域なのかということがございます。本来、訓練空域や提供施設ではない地域での訓練は行うべきではないと認識しておりますので、委員からの御指摘は、そういった情報等があれば厳しく対応する必要があると考えております。
○瀬長美佐雄委員 伊計島の現場にも行きました。読谷村のホテルの近くの現場にも行きましたが、共通しているのは、何がどうなっているのかわからないと。警察に聞いても、警官さえわからないという状況がありました。今回の現場の規制のあり方についても問題提起があったのですが、例えば、読谷村の一般廃棄物最終処分場の入り口のすぐ隣はリゾートホテルの入り口だったのですが、入り口が封鎖されて、レンタカーに乗ってきた観光客は裏口から入るよう言われただけで、入り口から排除されるという実態がありました。ホテルの入り口は、内周規制線から離れているわけで、ホテルに帰ろうというところをあえて排除したということについては過剰だったのではないかと。私たちも入り口の規制を解除してくれとすごく言われました。過剰なことは許さないということも警察との関係では必要ではないかと思います。東村高江にヘリが不時着した際には、着陸した途端に炎上しそうだということで乗組員は現場から離れるという対応をしました。ただ、今回の場合は計器の異常でそこに着陸し、そばには米兵もいて、機体が爆発炎上する可能性もないのにホテルの利用客を排除したという事態は―言いたいのは、そこに県の担当者がいて、その時点で過剰ではないのかという判断を含めた進言をして、規制を解除するという対応が求められたのではないかと思っているのです。その現場の対応はどうだったのですか。
○謝花喜一郎知事公室長 外周規制線、内周規制線のあり方については、日米のガイドラインで定められております。外周規制線につきましては、日本当局、今回でいえば嘉手納署の署長が管理権を持っているということになります。この件につきましては、追って県警察に確認したいと思いますが、委員のお言葉を使いますと過剰といいますか、特に必要を超えた規制は行うべきではないという趣旨の御意見だと思いますので、この件については確認させていただきたいと思います。それから、県の職員が云々ということもございましたが、ガイドラインの構成メンバーの中に沖縄県は入っておりませんので、県はガイドラインのあり方の見直しを求めることとしており、その中で構成メンバーのあり方についても沖縄県の知事公室長等を一員に入れるべきではないかということを申し入れているところです。それが実現するまで待つということではなく、通常の意見交換の中で、県警察にも今の件はしっかりとお伝えしたいと思っております。
○瀬長美佐雄委員 私たちは沖縄防衛局と外務省沖縄事務所に抗議に行きましたが、外務省の特命全権大使は、きちんと整備して安全確認をしっかりしてほしいということを言い続けるだけだということでした。言い続けて繰り返されてきたこの事態については、またいつ繰り返されるのかと率直に感じました。県が全ての軍用機の整備点検と、それまでの間の飛行中止を求めたのは賢明だし、当然だと評価しますが、これを改めて国に、拘束力を持って求めていく対応が必要かと思います。その辺、県として抜本的に改めるということでは、どういうことができますか。
○謝花喜一郎知事公室長 県は新たな協議会の設置を一昨年から求めているところですが、まずは米側と県民の意識のギャップを埋めるところからスタートし、そこをクリアした際に、今度は全航空機の緊急総点検のあり方をどういう手順で行うかということを議論しないといけません。その際に、これを日米合同委員会まで持っていかないといけないだろうと考えております。そのような手順を踏む作業をこれから検討しなければならないだろうと考えているところです。
○仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。
(「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○仲宗根悟委員長 質疑なしと認めます。
以上で、米軍UH1ヘリコプター及びAH1ヘリコプターの不時着事故についての質疑を終結いたします。
説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
休憩いたします。
どうぞ御退席ください。
(休憩中に、説明員退席。その後議題の追加について協議をした結果、追加することで意見の一致を見た。)
○仲宗根悟委員長 再開いたします。
米軍UH1ヘリコプター及びAH1ヘリコプターの不時着事故についてに係る意見書及び抗議決議の提出については、休憩中に御協議いたしましたとおり、議題に追加し、直ちに審査を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○仲宗根悟委員長 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
米軍UH1ヘリコプター及びAH1ヘリコプターの不時着事故についてに係る意見書及び抗議決議の提出についてを議題といたします。
休憩いたします。
(休憩中に、意見書及び抗議決議の委員長案が示され、一旦会派に持ち帰り検討を行った後、会派間で文言調整を行うこととなった。)
午前11時31分休憩
午後3時52分再開
○仲宗根悟委員長 再開いたします。
各会派で検討した状況をお聞きしたいと思います。
山川典二委員。
○山川典二委員 結論としまして、どうしても委員長案の記の4の「全ての在沖海兵隊を早期に国外・県外に移転すること」の「全ての」という部分をぜひ外していただくようお願いしたのですが、今、そういう状況にないものですから、我が会派としては一度持ち帰らせていただいて、あす、早急に議員総会を招集して、この件について協議をいたします。あす中に結論を出しますので持ち帰らせていただきたいと思います。
○仲宗根悟委員長 宮城一郎委員。
○宮城一郎委員 同じく記の4の「全ての在沖海兵隊を早期に国外・県外に移転すること」について、昨年の暮れの決議等々も含めて、お互いに考えているところにそごがあります。私どもはもとよりの在沖米海兵隊の全撤退から国外・県外への移転へと変えたのですが、意としては全ての在沖米海兵隊の国外・県外への移転ということでございますので、ここはあえて今回はっきりさせたほうがいいのではないかという考えであり、委員長案でよろしいかと思います。
○仲宗根悟委員長 新垣清涼委員。
○新垣清涼委員 私たち会派も全員に連絡をとりまして、委員長案でいいということでございます。
○仲宗根悟委員長 渡久地修委員。
○渡久地修委員 去年ともまた事態が変わってきているのです。これだけ事故が頻発しています。保育園、普天間第二小学校、そして今回の2件ということで、私たちが一番大事にしなければならない子供たちの命と安全が脅かされているという問題があります。県民の間ではこれだけ怒りが広がっている中、ハリス司令官が事もあろうに、安全な場所に着陸して満足していると言う点で、海兵隊の論理と県民の恐怖感が相入れないことがはっきりしています。海兵隊は全て国外・県外に移転してもらうという点で委員長案でやらなければいけないと思いますので、委員長案で全会一致になるようにお願いしたいと思います。
○仲宗根悟委員長 當間盛夫委員。
○當間盛夫委員 持ち帰りということなので、まとまるように努力して頑張ってください。
○仲宗根悟委員長 休憩いたします。
(休憩中に、沖縄・自民党からの一旦持ち帰って検討したいとの申し出について協議した結果、各会派ともこれを了承した。)
○仲宗根悟委員長 再開いたします。
米軍UH1ヘリコプター及びAH1ヘリコプターの不時着事故についてに係る意見書及び抗議決議の提出については、一旦持ち帰って検討したいとの意見がありますので、そのようにいたしたいと思います。
次回は、1月15日 月曜日 午前10時から委員会を開きます。
委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
本日の委員会は、これをもって散会いたします。
沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。
委 員 長 仲宗根 悟