委員会記録・調査報告等
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米軍基地関係特別委員会記録
平成26年 第 6 回 定例会
第 1 号
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開会の日時
年月日 | 平成26年12月15日 月曜日 |
開会 | 午後 1 時 21 分 |
閉会 | 午後 2 時 59 分 |
場所
第4委員会室
議題
1 軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立(相次いで発生した米軍兵士による事件・事故への対応について)
出席委員
委 員 長 新 垣 清 涼 君
副委員長 又 吉 清 義 君
委 員 仲 田 弘 毅 君
委 員 具 志 孝 助 君
委 員 仲宗根 悟 君
委 員 新 里 米 吉 君
委 員 玉 城 義 和 君
委 員 吉 田 勝 廣 君
委 員 嘉 陽 宗 儀 君
委 員 呉 屋 宏 君
委 員 比 嘉 京 子 さん
委 員 具志堅 徹 君
委員外議員 なし
欠席委員
なし
説明のため出席した者の職・氏名
知事公室基地防災統括監 親 川 達 男 君
警察本部刑事部長 大 城 盛 重 君
警察本部交通部長 當 山 達 也 君
○新垣清涼委員長 ただいまから、米軍基地関係特別委員会を開会いたします。
本委員会付議事件軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立に係る相次いで発生した米軍兵士による事件・事故への対応についてを議題といたします。
本日の説明員として、知事公室長、警察本部刑事部長及び警察本部交通部長の出席を求めております。
なお、知事公室長は本日、公務で出張中のため、その代理として知事公室基地防災統括監が出席しております。
まず、相次いで発生した米軍兵士による事件・事故への対応について審査を行います。
11月28日の北谷町における住居侵入事件、12月4日の沖縄市におけるひき逃げ事件、12月5日及び6日の酒気帯び運転事件について、警察本部刑事部長の説明を求めます。
大城盛重刑事部長。
○大城盛重刑事部長 北谷町字北前における米軍人による住居侵入事件の事案概要について御説明いたします。
本事案は、平成26年11月28日金曜日、午前2時40分ごろ、北谷町字北前にある住宅内に米軍人が侵入した事案であります。
県警察では、被害者からの通報により事案を覚知し、現場臨場した警察官が被疑者を現行犯逮捕しております。
検挙した被疑者につきましては、平成26年11月29日に那覇地方検察庁に送致しております。
以上で、御説明を終わります。
○新垣清涼委員長 警察本部刑事部長の説明は終わりました。
次に、警察本部交通部長の説明を求めます。
當山達也交通部長。
○當山達也交通部長 まず、12月4日の沖縄市におけるひき逃げ事件について御説明いたします。
この事件は、本年12月4日午前5時ごろ、沖縄市美里の県道において、米軍人の運転する車両が、同一方向左側を進行中の原付車に接触して転倒させ、重傷を負わせたものの、負傷者の救護等の措置を講ずることなく、現場から逃走したものであります。
所要の捜査の結果、在沖米海兵隊員の男性を被疑者として特定しており、県警察では、捜査が終了次第、検察庁へ事件送致することとしております。
次に、12月5日及び6日の酒気帯び運転事件について御説明いたします。
本年12月5日に、うるま市内において、在沖米海軍兵の男性を酒気帯び運転で、また、12月6日には宜野湾市内において、在沖米海兵隊員の男性と在沖米空軍兵の男性の2名を酒気帯び運転で現行犯逮捕しております。
これらの事件については、それぞれ逮捕の翌日に検察庁に事件送致しております。
以上で、御説明を終わります。
○新垣清涼委員長 警察本部交通部長の説明は終わりました。
次に、知事公室基地防災統括監の説明を求めます。
親川達男基地防災統括監。
○親川達男基地防災統括監 ただいま議題となっております相次いで発生した米軍兵士による事件・事故への対応について、県の対応を御説明いたします。
県としては、米軍基地に起因する事件・事故はあってはならないものと考えており、日米両政府に対して、実効性ある措置を講ずるよう求めてきたところです。
今回、在日米軍が勤務時間外行動の指針―リバティー制度を改定することが明らかとなった11月26日以降、県が把握している米軍人の飲酒に関係する事件・事故は4件で、11月28日に北谷町で発生した空軍兵による住居侵入事件、12月5日にうるま市で発生した海軍兵による酒気帯び運転、12月6日に宜野湾市で発生した空軍兵による酒気帯び運転、同じく12月6日に宜野湾市で発生した海兵隊員による酒気帯び運転となっております。
勤務時間外行動の指針に基づく措置の緩和が発表された中、このような事件が発生したことは遺憾であり、これらの事件について、米軍に対し、実効性を伴う綱紀粛正、再発防止を行うよう求めました。
また、12月4日の午前5時ごろ、沖縄市美里で発生したひき逃げ事件について、県警は在沖米軍海兵隊少佐を被疑者として特定したとのことであります。
この事故で、事故後、被疑者が必要な救護措置をとらず被害者を現場に放置したことは、決して許されるものではなく、極めて遺憾であります。
県は、12月11日、在沖米海兵隊、沖縄防衛局及び外務省沖縄事務所に対して、県警の捜査に対し全面的に協力すること、今後このような事件が二度と起こらないよう、米軍において隊員教育と綱紀粛正に万全を期すよう要請したところであります。
御審査のほど、よろしくお願いします。
○新垣清涼委員長 基地防災統括監の説明は終わりました。
これより、相次いで発生した米軍兵士による事件・事故への対応について質疑を行います。
なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
質疑はありませんか。
嘉陽宗儀委員。
○嘉陽宗儀委員 相次ぐ米軍ですので神経をとがらせているのですが、特に12月4日のひき逃げは飲酒運転の疑いがあるかと思いますが、それについてはどう調査をしましたか。
○當山達也交通部長 県警では、あらゆる可能性を念頭に捜査を継続しているところでございます。飲酒運転の事実については、今のところ特定されておりません。
○嘉陽宗儀委員 これは特定されていないのか、本当に飲酒運転ではなかったと断定できるのか、どちらですか。
○當山達也交通部長 被疑者の前日の行動、その他について捜査をしておりますが、飲酒に関連する事実は特定できておりません。
○嘉陽宗儀委員 当て逃げをして逃げ得といいますか、アルコールは残っていませんよね。読谷村のひき逃げ事件でも、あくまで拒否したらばれないからという格好でやったようでしたが、今度もそうではないかという疑いがあります。ですから、そのことについては特に飲酒でのひき逃げの場合では逃げ得ということになってはいけないので、その辺は調べる場合でもきちんとすべきだと思います。今後、そういう話についてはどういった対策をとりますか。
○當山達也交通部長 県警では、事件を覚知した段階で迅速に捜査を行っております。特に米軍関係者が関与している事件・事故に関しましては、憲兵隊にも手配を行っておりまして、できるだけ迅速に対応することとしております。
○嘉陽宗儀委員 今度の場合にはどのような罪になるのですか。
○當山達也交通部長 今回の事件につきましては、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律―自動車運転処罰法の過失運転傷害罪、そして道路交通法の救護義務違反、事故不申告に当たります。
○嘉陽宗儀委員 米軍が事故を起こして事件送致されて、実際上はおとがめなしが多いかと思いますが、これまでこういった米軍人関係の交通事故で有罪と断定された事案はありますか。
○當山達也交通部長 県警では法と証拠に基づきまして事件を捜査、終了した場合には検察庁へ送致をしております。検察庁においても法と証拠に基づいて処分を行っているものと考えております。
○嘉陽宗儀委員 交通部長がそう思うのはいいのですが、現実的には検察庁はおとがめなしで不起訴にしているものがほとんどではないですか。私は前も米軍基地関係特別委員会で聞いたことがありますが、有罪だと断定された事案は一度もないと思いますが、ありますか。きょうはこのぐらいにしておきますが、私は前にもこのことを質疑して、皆さん方の責任ではありませんが、検察庁はやはりおとがめなしが多いと思いますので、次の委員会までにはきちんと調べておいてください。
次に知事公室にお聞きしますが、こういった飲酒絡みの事故に再発防止策をということで二度と起こらないように綱紀粛正を求めると言っておりますが、具体的にこういったことをやるべきだというものはありますか。
○親川達男基地防災統括監 例えば、米軍人等の交通事故関係については米軍内で研修、これはアメリカと日本とのルールの違いなどといったことを教えているという説明は受けておりますが、今回、特にリバティー制度の緩和がありましたので要請に行ったときにそのことについて確認したところ、飲酒についての研修も新たに組み込んでいきたいとの説明がありました。米軍人等はローテーションで短期間の2年から3年でかわる方々が多いということを聞いておりますので、この研修についてはしっかり取り組んでもらいたいということを申し上げたところです。
○嘉陽宗儀委員 二度と起こらないように再発防止策で綱紀粛正を求めていくという言葉は何十回聞いているかわかりません。どうしてなくならないのですか。
○親川達男基地防災統括監 事件が繰り返し起こっていることについては県としても大変残念に思います。ただ、これをなくすような努力―県ではワーキング会合というものもやっておりますが、あらゆる機会で米軍についてはそういった事件・事故が発生しないことを繰り返し求めていきたいと考えております。
○嘉陽宗儀委員 繰り返し米軍へ言っても彼らは二、三年でローテーションしますよね。新しく来た場合にはきちんと最初から教育をするということはやられていますか。
○親川達男基地防災統括監 そういった研修の内容についても確認をしたいということで県から申し上げて、実際ローテーションで来た方々への説明というものを私も確認したことがあります。これはやられていると考えております。
○嘉陽宗儀委員 そのような綱紀粛正のためのきちんとした教育を行っても犯罪はなくならないということですから、これは防止のしようがないのでしょうか。沖縄県民は諦めざるを得ないのでしょうか。
○親川達男基地防災統括監 こういったことが起こらないように引き続き米側へ強く申し入れていきたいと思います。
○嘉陽宗儀委員 強く申し入れても変わらないと思いますが、毅然たる態度で、基地があるがゆえの苦しみはこれ以上沖縄県民へ与えるべきではないと思います。
○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
具志孝助委員。
○具志孝助委員 緩和されたリバティー制度について説明をお願いします。
○親川達男基地防災統括監 これは米軍が勤務時間外行動の指針というものを取りまとめたものであります。何度か改正が行われておりますが、今回改正が行われたのは去る12月9日から発効された分で、それ以前の違いについて説明させていただきます。
大まかに3点ございまして、まず飲酒制限。変更前は沖縄において午後6時から10時までの間、基地外のレストランでの夕食の際に2杯までの飲酒を許可するという項目がありましたが、そこから2杯という部分がなくなり、時間帯で午前0時から翌朝5時まで基地外での飲酒禁止ということに変更されております。次に、外出制限の内容についてですが、これについてはE5以下のランク軍人―これは階級でいいますと、下のほうの軍人となります。以前は午前0時から5時までの間外出禁止でしたが、午前1時から翌朝5時までの外出禁止となっております。それから、リバティー・バディー制度、これは同伴者を伴う外出ですが、変更前については、先ほどのE5以下のランクの軍人については午後9時から午前5時までの間に外出をする際にはリバティー・バディー―同伴者が必要でしたが、これについては午後10時から午前5時までの間、外出する際に同伴者が必要ということに変更されております。あと今回追加されましたのは、出張やUDP―部隊展開計画で150日を超えない期間において日本を展開するE5ランクの軍人についても同じ措置をするという内容となっております。
○具志孝助委員 よくわかりません。12月9日から改正されて飲酒が午後6時から10時までの間、2杯までこれは何を飲むのですか。ウイスキーですか。アルコール類については今まで一切禁止だったのが2杯までは飲めるようになったということですか。
○新垣清涼委員長 休憩いたします。
(休憩中に、基地防災統括監から、緩和された内容について再度説明があった。)
○新垣清涼委員長 再開いたします。
具志孝助委員。
○具志孝助委員 現場を取り締まっている警察としては、リバティー制度について改正すべき、もっと強化すべきという考え方があるのかないのか。この制度の今回の改正についてどのような見解をお持ちでしょうか。
○大城盛重刑事部長 外出規制ですとか、飲酒規制というものは米軍当局の判断で行ったものでありましたので、県警察としてはリバティー制度の規制緩和に対して答えるべき立場にはないと考えております。
○具志孝助委員 交通事犯についてはどうですか。
○當山達也交通部長 隊員の規制については、先ほど刑事部長からもありましたように、米軍当局での規制でございます。この交通事故、事件が急激に増加しているという背景があった場合には適宜申し入れをいたしますけれども、その規制が適正かどうかについてのコメントは差し控えたいと思います。
○具志孝助委員 規制をかけることは有効であると考えるのか、こういうことはやはり気持ちの持ちようでありまして、そういう規制でどうにかなるようなものではないと。取り締まりの当局としては規制について申し入れる、申し入れないを別としてこれは有効だと考えますか。それとも、これらのものではないということでしょうか。申し入れについて自分たちはやるつもりはないと言っておりましたが、これは有効であると考えるかどうかということについてはどうなのでしょうか。
○新垣清涼委員長 休憩いたします。
(休憩中に、刑事部長から、飲酒の時間規制がかけられている期間中の犯罪は減少していると考えるが、規制が施策として有効かどうかということについては、県警察が判断すべきものではないと考えているとの説明があった。)
○新垣清涼委員長 再開いたします。
具志孝助委員。
○具志孝助委員 よく検挙をしたりする場合に、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定―日米地位協定の問題があります。今回の場合は日米地位協定により捜査に支障があったのか、この辺はどうなのでしょうか。
○當山達也交通部長 ひき逃げ事件の捜査に関しましては、証拠、そして関係者の調べを含めまして、米軍の全面的な捜査の協力が得られており、特に捜査に支障があるという状況ではございません。
○具志孝助委員 住居侵入については別段捜査で支障があったということはありませんか。
○大城盛重刑事部長 住居侵入につきましては、現場で警察官が現行犯逮捕をしておりますので、日米地位協定による支障は出ておりません。
○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
比嘉京子委員。
○比嘉京子委員 今、去年の1月に皆さんからいただいた、事件・事故、特に事件についての参考人招致の資料を読んでいるのですが、ワーキング・チームというものは一番近々でいつ開かれているのですか。
○親川達男基地防災統括監 協力ワーキング・チームの開催は通常年1回、直近では平成26年3月4日に開催しております。これについては緊急に開催すべき事案があった場合には適宜開催しますが、昨年度は3月に開催したという状況であります。今年度については年明けの3月までの間に開催されるのではないかと考えております。
○比嘉京子委員 去年の1月に伺いましたら、再発防止策に実効性がないと、それをどうするのかというところで、皆さんがこれまで事件・事故、特に事件性のあるものについてですけれども、那覇市での侵入があったときに開かれておりますが、それについて実効性があるように話し合いがされた経緯というものはありますか。
○親川達男基地防災統括監 このワーキング・チームは、県、国、市町村、社交業団体も参加しておりますが、その中で重大な事案が発生した場合の対策というものを求めておりました。これらの中から―研修にも幾つかありますけれども、新任隊員への着任の際の研修―これは家族含めての研修とのことです。確認したところでは交通ルールについては県警本部も基地に赴いて研修していると米側から説明がございました。その中で、先ほどの行動指針、飲酒と外出禁止の部分も出てきたのかと思います。これについては全てにおいて事件が発生していないというわけではございませんが、事件・事故の減少傾向に役立っているのではないかと認識しております。
○比嘉京子委員 今、質疑をしていることは実効性のある何らかの措置というものに前進した経緯があるのかということを聞いております。
○親川達男基地防災統括監 これは教育―研修と行動の規制などでやられていると理解しております。
○比嘉京子委員 こういうことを今までもずっと繰り返してきているわけです。親川基地防災統括監のときではありませんが、このときの基地防災統括監のときに再発防止策の実効性がないと言わざるを得ないのだと県は言っております。ですから、そのことから今日までに実効性のある措置というものがどうとられてきたのか、話し合いされてきたのかと私は聞いております。今おっしゃることはかなり後退していて、教育だけでこれが実効性を伴ってくるということは恐らく県も警察も誰も認識していないと思います。例えば、罰則を強化するとか、今のように外出禁止を強化するなど一歩踏み出して、何か事件が起こったから話し合いをするのではなく、起こることを前提に起こらないようにするためにはもっともっと強化していくのだという姿勢が県にはあるのですかということを聞いています。また、それがとられている経緯があるのですか。
○親川達男基地防災統括監 教育の種類、回数もそうですが、この行動指針の規制、外出を規制するといったことが出てきたのもこの協議の中でだと考えております。ただ、今回はその方向が緩和という方向へ向かっておりますが、県としてはやはり事件・事故が発生しないような取り組みはしっかり求めていくべきだと思います。しかし、完全にということについてはなかなかそこまで行き着いていないというものが現状だと思います。
○比嘉京子委員 こういうことをずっと繰り返してきているわけです。外出禁止措置が一昨年の10月19日に出されて、そして2カ月の間に事件が6件起こっています。そういうことですから、禁止令が出ても余り効果がないと思います。先ほど効果が見られるのではないかというお話がありましたが、事故についてはわかりませんが、事件に関しては効果が余りなさそうだということが一昨年から去年の1月にかけての事案にあります。一昨年の10月19日に禁止令が出て、去年の1月6日までに6件事件が起こっています。ですから、余り効果がありません。今みたいなことを繰り返していたら何ら進展がないということはわかり切っています。わかり切っていますので、それなりの踏み込んだ措置を講じなければいけないのではないですかと皆さん思っております。これは前の基地防災統括監も実効性がないと言わざるを得ないですということまで言っているわけです。その後そのままにしておいたのですか、それとも何か踏み込んだのですかと、先ほどから聞いているのはそこなのです。もしなければない、そして今後どうするのかということをお聞きしたいと思います。
○親川達男基地防災統括監 実効性のある対策ができていたかということについては現在もここ何件か発生していますので、事実そのとおりだと思います。こういった対策をやっていた中でこれは県としても米軍へよく言っているのですが、事件・事故が発生するのは飲酒絡みが多いということはここ何年かの共通認識にされています。それをどうするかということで規制や飲酒の制限等を行っておりまして、これがなかなかゼロにはなっていないのですが、復帰後の統計で申し上げますと、刑法犯について昨年は復帰後最低の件数だという中でそういった取り組みも無駄ではなかったのではないかとは考えております。
○比嘉京子委員 このリバティー制度を緩めたり、強めたりの繰り返しをずっとやっているわけです。時期尚早ではないかという意見が多く出て書かれていますね。ですから、これを緩めたり、強めたりではなく、相手が常に流動的なわけです。同じ人が固定して何年もいるわけではありません。それを考えたときに常に一定の規制をかけていく以外にないのではないだろうかということを言いたいのです。それでなければ罰則を強くするか。そういった何かがないとこれは常に問題で、会議の問題になるだけの繰り返しなのです。我々はずっとこのことについてはやってきています。ですから、何か一歩踏み込んだことをやる必要があると同時に緩和すべきではないということも一つの県としての意見として出すべきではないですか。
○親川達男基地防災統括監 今、行動指針の規制のことを御質疑されていますが、事件があって強化されたのが2年前の平成24年からです。そこから平成25年にも再度強化されて、若干緩和されたのがことしの5月、さらに今回ということです。少し一定しないというところがありますが―地元市町村の首長の意見もあります。米軍みずからの指針だということでなかなか強制力はないのですが、その部分については今回の要請でも緩和で事案がふえるようなことがないようにということは申しておりますので、なかなか難しい問題ですが引き続き県としてはこの部分についてはしっかり重視して申し入れしていきたいと考えております。
○比嘉京子委員 最後ですが、大体週末に飲酒絡みの事件・事故が発生しています。そして記事になるのが大体土日です。それもわかっている。飲酒絡みで起こることもわかっている。そうしたら、それに対するある程度の効果的な措置を踏み込んで出さないと、件数が減ったからいいという問題ではないと思います。ですから、県はもっと踏み込んでワーキング・チームでの発言を強めるか、または本当に強気でもっときちんとしない限りこういう問題の繰り返しを―私は去年のものを見てやっているわけですけれども、後退の感さえあるのです。皆さんの答弁の中でいいますと、後退しているのかなというような話しぶりなので、全く前進していない、繰り返しなのだと言いたいので、ぜひ今回は週末、飲酒という2つのキーワードでもいいですので、かなり踏み込んだ要求が必要ではないですか。
○親川達男基地防災統括監 飲酒と週末の行動について、確かにこれについては県も認識しておりますし、ワーキング・チームでもやっております。米軍としては行動指針ですとか、中南部では上級士官による見回り等もやっているとは聞いておりますが、飲酒と土日というものはやはり共通認識でありますので、このことについては近々また開催されますワーキング・チームでしっかりその部分の意見を述べていきたいと考えております。
○新垣良俊委員長 ほかに質疑はありませんか。
具志堅徹委員。
○具志堅徹委員 そもそも論なのですが、飲酒運転であれ、事故であれ、発生しますと初動捜査といいますか、現場を押さえるといいますか、そういった面で沖縄県警なども含めて米軍に物が言えないというか、それで身柄を持って行かれて皆さんの捜査ができない―先ほど少し嘉陽委員からの質疑にありましたように、酔いをさました後に皆さんが捜査をするといったことにはなっていないのかという気がするのですが、その辺はどうなのでしょうか。
○大城盛重刑事部長 米軍の事故・事件にかかわらず、県警では事件が発生した場合には迅速な現場臨場を心がけております。米軍事案に関しても憲兵が現場へ駆けつけて身柄を押さえますと共同逮捕とかという形を主張される場合もありますので、先に現場へ行って身柄を押さえるといいますか、捜査をするようにしています。最近はそういった事例というものはありません。
○具志堅徹委員 この前の新聞報道では米軍から連絡があって県警が調べたような感じの報道内容になっているように見られたのですが、現場をみんな米軍が持っていってしまって、うやむやにして、後から追っかけて皆さんが身柄や酒気帯びのチェックなどをしようにも全然用をなさないのではないかと。その辺の解決もしないとどうなのかという、飲酒運転や事故の絡みで。
○當山達也交通部長 ただいまの御質疑は12月4日のひき逃げ事件の捜査経過についてだと思いますが、これにつきましては、事故当時の現場の通過車両約20台を特定いたしまして、その1台1台をいわば潰していったという捜査を行っております。その中にYナンバーの車両があったということで、これにつきましては基地内の居住でございますので、米軍の憲兵隊を通じて捜査をお願いいたしました。ですから、これにつきましては、米軍側のほうで事故を起こした者を先に知ったという経過ではなかったと理解しております。あくまでも県警からの捜査の協力があって米軍の該当するYナンバーの車の持ち主を憲兵隊が聞いて車を確認したという経過でございますので、米軍が主導で捜査を行ったということではございません。
○具志堅徹委員 では、その場合に皆さんが米軍側へ知らせたということであれば、その知らせた時点で追っかけて手を打つということはないのか。私たちが調べたからあなたたちも少し調べてくださいというワンクッション置いた形になっている感じがしますが、その辺の手おくれということはどうなのでしょうか。
○當山達也交通部長 米軍との捜査協力につきましては、信頼の原則で情報提供を相互に行っているところでございまして、今回の事件につきましても証拠を隠滅する、捜査を妨害するなどといったことがあったという認識はございません。
○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
吉田勝廣委員。
○吉田勝廣委員 例えば、少佐や軍曹などいろいろありますが、これらの方々の部隊の中での地位はどういうことで把握しているのですか。軍曹は大体は小隊で12名ほどを指導する、少佐だと大体小隊長で何名とかありますよね。これはどのように把握していますか。
○親川達男基地防災統括監 少佐、大佐などの階級はわかるのですが、そこが何名の兵士を指揮しているのかということについては把握しておりません。
○吉田勝廣委員 それもぜひ調べていただきたいです。そうしないと、今回、飲酒運転で地位の高い方が事件を起こしているので、その辺も掌握したほうがいいと思います。それから、ひき逃げというものは凶悪事件に当たるのか、それとも放置したために意識不明の重体となっているのか、すぐその場で救急車を呼んで処置をした場合には意識不明ではなくてその処置によって回復が早かったかどうか、時間的な差など、こういうものはどういう感じですか。
○當山達也交通部長 一般論でございますが、やはり負傷してそれが致命的なけがであった場合であれば、一刻も早く治療を行うことで生命の危険にさらされる状態を回避できると思います。ですから、負傷者がいれば早目に救護をしていただくということが法の趣旨であると理解しております。
○吉田勝廣委員 放置をするということはやるべきことをやっていない。そして、今も意識不明ということですので、仮にそれが早く処置できた場合この方は意識不明にならなくてよかったのかどうかという判断が一つ。要するに自分が加害者で被害を起こしたわけですので、そういう犯罪は凶悪犯なのか、こういうときはどうなのでしょうか。
○大城盛重刑事部長 ひき逃げと事故不申告は道路交通法違反です。刑法犯ではなく道路交通法違反なので、凶悪犯の部類には入っていないです。
○吉田勝廣委員 これが仮にひき逃げをして死んだ場合もそうですか。
○新垣清涼委員長 休憩いたします。
(休憩中に、吉田委員から、凶悪犯と表現する範囲について確認があり、交通部長から、交通部では大きな事故に関しては重大な事件・事故と表現はするが、凶悪な事件との表現は行っていないとの説明があった。)
○新垣清涼委員長 再開いたします。
吉田勝廣委員。
○吉田勝廣委員 なぜそこにこだわるのかといいますと、起訴前にでも婦女暴行など凶悪犯等については身柄をこちらで引き取ることができるということがあります。そうしますと、日米地位協定上仮に凶悪犯等が交通事故を起こして―例えば自分が事故を起こして生きるか死ぬかという判断はその人が判断するのかわかりませんが、仮に助かる命も助からないというような場合は―今、交通部長は信頼関係の上に成り立っているので身柄引き渡しを要求しないということだと思いますが、凶悪犯等という事案―意識不明という重大なことですので、これが事故が発生したときに救急車を呼んで処置をした場合には意識不明の重体にならなくてもよかった、またこれから予後の問題はどうなったのかと。そういうことをやったにもかかわらず身柄を信頼関係で要求しないということは、こういう事例があるといつもそれができなくなるのではないかと思います。あのときは身柄を要求しなかったのではないかと米側は必ずそう言いますよね。ですから、そういうことにならないように信頼関係があったとしても身柄を要求するべきではないのかと思います。というのは、例えば、宜野座村字松田の潟原で起きた事件ですが、何回かありましたね。これは一度だけではありません。何度もやっています。私たちもそれを見てこれはおかしいのではないかと県警へ追及をしたら、やはり水陸両用車が何かやっているわけです。こういうことは報告もしないのです。ある程度信頼関係の上に立ったとしても、県民が意識不明と命の危険にさらされているわけですので、身柄の引き渡しを要求して、あるいは県警も―県警も調べて調査をしているとは思いますが、後で身柄を要求して調べるということが普通ではないのかと。それが一つの事例になりますので。その辺はどうですか。
○當山達也交通部長 今回のひき逃げ事件で身柄の要求を予定していない理由の一つには、一般論で申し上げますが、逮捕の大きな要件としましてはやはり証拠の隠滅と逃走のおそれというものがあります。今回の事件につきましては、証拠が保全されている、関係者の供述も確保されている、そして被疑者につきましては米軍の監視下に置かれているということで、証拠の保全ができて、逃走のおそれがないということでの判断でございます。
○吉田勝廣委員 その場合に、少佐が犯したと―少佐という地位は基本的には非常に高い地位にありますよね。例えば、5000名や6000名というクラスでいうと、大佐が掌握をしてその下に中佐や少佐がいるわけです。そういうことを勘案しますと、この部下たちがどう判断するのかということです。悪い言葉で言いますと、親分が事故を起こしても県警は引っ張らなかったよとか。私もワーキング・チームに参加したことがありますが、それがワーキング・チームの中でいろいろな形でそういうことがあらわれてくるのです。一つ一つの事例がどういう形で米軍へ浸透していくかという、うわさがうわさを呼んで。ここも一つの法的な規範、法律を守らす意味、法の遵守といいますか、法と証拠に基づいて皆さんは起訴したり逮捕をしたりするのですが、法の規範性です。ひき逃げがいかに重大な事故なのか、いかに人間性を失うかと。しかも、事故を起こした人の地位が高いと。これを私たちがどう判断するのかということも含めて、ある意味では身柄を要求すべきだったという感じはしますが、どうですか。
○當山達也交通部長 委員御指摘のとおり、将校の立場にあるいわば米軍内部で部下を指導・監督する立場にある者の行為としては極めて重大な事件だと思います。その点も考慮して検察庁へ送致する際には、県警の意見というものをつけて送りますので、その辺の背景、要素といったものを検察庁のほうには十分説明してまいる所存でございます。
○吉田勝廣委員 知事公室関係で、ワーキング・チームと綱紀粛正の徹底、それから米軍の中でどういう形で浸透されているのか。よく事件になるたびにいろいろなことを言いますが、実際に海兵隊、空軍でもいいですが、どういう形で浸透されていますか。ワーキング・チームで話をしただけでは本物にはならないわけですよね。ワーキング・チームで話されたことがどういった形で一般兵たちに浸透していくのか。一般兵といいましても、ローテーションを繰り返しますので浸透度は基本的にはありませんし、この事件を知らない人も多いわけです。この事件について沖縄県警がとった処置についても大々的に米軍内の報道機関で報道されていますか。そして、その少佐が所属する兵たちは知っているわけですよね。まさに米軍の兼ね合いの範囲で管理されていると。どういう管理をされているかということについては県警はわかっていますか。事件を起こした少佐がどのように拘束されているのかということはわかりますか。
○當山達也交通部長 米軍の監視下という意味では、身柄を拘束したり、あるいは禁足措置、外出禁止措置などいろいろございますが、12月9日に私のほうで在日米軍沖縄調整事務所、そして海兵隊の憲兵隊へ綱紀粛正、再発防止、そして捜査への全面協力について申し入れをしております。その中で被疑者に対しましては十分に監視下に入れて一つの施設内から外出あるいは自由な行動ができない状態で監視をしてほしいということは申し入れしておりますので、そのような措置がとられているものと理解をしております。
○吉田勝廣委員 具体的な監視、拘束の実態は把握していないということですね。申し入れているだけですので。大体わかるような感じがします、私も部隊の中でそういう実態を見たことがあるので。やはりそれは拘束ということではなくて、監視ですので基本的には自由に行動できるのです。問題は仕事をしているのか、していないのか。これについてはどうですか。
○當山達也交通部長 その点について把握はしておりません。
○吉田勝廣委員 監視と言いますが、監視の内容はどういうふうにやっているのかということも今後こういった事件があったときには調査をして把握していただきたいと思います。要するに、ワーキング・チームであれ、何であれ、米軍側に申し入れしますよね。申し入れをして向こうからこういうことをしましたという回答は具体的にはありますか。例えば、海兵隊が事件を起こしたら海兵隊内部でどういう議論がされているのかと。
○親川達男基地防災統括監 今回の事件ではないのですが、ワーキング・チームで米軍から軍種によってこういった検証をやっているというような説明がありました。そういったものについては、県も状況を確認させていただきたいという中で、2件ほどそういう機会に見せていただいたことがあります。何をやっているかについては、できるだけ県も踏み込んで状況については確認していきたいと思います。
○吉田勝廣委員 人数はどのくらいでしたか。
○親川達男基地防災統括監 1つは映画館で全体ではありますが200名ぐらいの隊員についてのものと、あと1点は家族や新任の隊員等を含めて100名ぐらいを対象に研修しているのを確認したことがあります。
○吉田勝廣委員 緊張関係はどうでしたか。
○親川達男基地防災統括監 まず、基地の司令官から最初にいろいろ挨拶がありましたので、その部分については緊張感もありましたし、研修としてはしっかり受講しているような印象は受けました。
○吉田勝廣委員 私もそういうことを見たり、聞いたりしましたが、緊張関係の面と多くの部隊があるということ、そして研修は頻繁には行ってはいないということ。申し入れたことに関してはどういうことをやったのかということを回答なり、どこがやりましたということをやらなければ―はい、受けとりました、部隊で少しお話しさせていただきました、映画を見せましたと。こういうことが基本的な実態だと思います。部隊にはまたローテーションがありますので、忘れる可能性は多々あります。ですから、そういうことをきちんとしてもらわないと、こういうことが繰り返されて起こるのです。要するに、申し入れたことに対して回答をもらう、どういう研修を行ったかということを―特に所属部隊に対してどういうことを指導したのかということはきっちりすべきだと思います。
○親川達男基地防災統括監 そういったことも含めてしっかり確認していきたいと思います。
○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
新里米吉委員。
○新里米吉委員 まず、北谷町における住居侵入についてですが、ブラウン容疑者は居住は基地内ですか、基地外ですか。
○大城盛重刑事部長 居住は基地外で北谷町字北前近くです。
○新里米吉委員 そうしますと、飲酒したのも基地外ということですか。
○大城盛重刑事部長 本人の供述によりますと、自宅で飲酒したということを話していたということであります。
○新里米吉委員 この北谷町内の米軍住宅に住んでいて、そこで飲んで、外へ出て行って、他人の家へ入っていって寝ていたと、こういうことですか。
○大城盛重刑事部長 当時、相当酔っていたということですから、酔っぱらって他人の家に入り込んだということです。
○新里米吉委員 ブラウン容疑者は、現在はどういう状況ですか。検察庁に送られたのか、釈放されたのか。
○大城盛重刑事部長 12月12日付で起訴猶予処分になったと聞いております。
○新里米吉委員 よくわからないのですが、容疑ははっきりしているわけですよね。本人も認めていますよね。
○大城盛重刑事部長 現場で逮捕をしておりますけれども、ただ、他人の家へ入り込んだ事実については酔っぱらっていて覚えていないと話している状況であります。
○新里米吉委員 県警が現行犯で逮捕したのですが、起訴猶予になるのですか。
○大城盛重刑事部長 起訴猶予処分になったと聞いております。ただ、処分については検察庁でやっておりますので、こちらでは答える立場にはないと考えております。
○新里米吉委員 例えば、我々沖縄県民が人の家へ入り込んで、そこで寝ていて逮捕されたときにも起訴猶予ですか。
○大城盛重刑事部長 事案によって違いますが、酔っぱらって家へ入り込んで寝ていたという場合には、起訴猶予になる場合もございます。
○新里米吉委員 なかなか納得しがたいのです。
次に、米軍少佐のひき逃げ事件ですが、現在も身柄は憲兵隊にあるわけですよね。
○當山達也交通部長 憲兵隊の中ということかどうかはわかりませんけれども、米軍当局の監視下にあるということでございます。
○新里米吉委員 キャンプ・コートニーに所属、自宅はキャンプ・キンザーということですが、本人はキャンプ・キンザーにいるのですか。キャンプ・コートニーにいるのですか。
○當山達也交通部長 先ほど申しましたように、米軍へ申し入れをした際にはキャンプ・キンザーとキャンプ・コートニーの間を自由に行き来することは避けてもらいたいというような申し入れをしております。それからしますとどちらかで監視下に置かれているものと理解しております。
○新里米吉委員 ということは、どこに今いるのか。自宅にいて監視下なのか、職場のどこかに置かれて監視下なのか、今の説明ではそれははっきりしないという状況ということですよね。
○當山達也交通部長 現在は、住居のあるキャンプ・キンザー内で監視下に置かれているということでございます。
○新里米吉委員 事実上、謹慎みたいな状況と捉えていいのですか。
○當山達也交通部長 そのような理解でよろしいかと思います。
○新里米吉委員 マスコミ報道では事故が怖くて逃げたということですが、そのことについて皆さんは容疑者と接触していないわけですから、その話は米憲兵隊からの情報と捉えていいのですか。
○當山達也交通部長 事故当時に現場を通過した車両の1台として、Yナンバーにつきましては憲兵隊のほうへこの車の所有者、そして破損状況について確認のお願いをしておりますけれども、憲兵隊のほうからその破損状況が確認できたということを受けまして、実際の取り調べは県警で行っておりますので、怖くなって逃げたということにつきましても県警で確認した内容でございます。
○新里米吉委員 県警はアン容疑者との取り調べを直接やったということですね。
○當山達也交通部長 そのとおりでございます。
○新里米吉委員 その場所はどこですか。
○當山達也交通部長 沖縄警察署でございます。
○新里米吉委員 そうしますと、県警としては本人と話をしながらいろいろ聞き出せているわけですのでお聞きしたいのですが、容疑者は5時ごろにひき逃げを起こしている、これは間違いないですか。
○當山達也交通部長 その時間で県警としては特定をしております。
○新里米吉委員 自宅のキャンプ・キンザーを出たのは何時ごろなのですか。
○當山達也交通部長 被疑者の供述では大体その時間帯に現場付近を通るということでございます。そして、キャンプ・コートニーへ出勤するということでございまして、県警で特定した時間も5時ごろですけれども、それからしますとキャンプ・キンザーをその時間以前に出ているということになりますが、詳細につきましては現在捜査中でございますので差し控えさせていただきたいと思います。
○新里米吉委員 その少佐はいつも5時ごろには勤務をするキャンプ・コートニーに出勤をするような仕事をしているということですか。
○當山達也交通部長 被疑者の供述、そして関係者からもそのように確認はできております。
○新里米吉委員 普通の勤務ではなくて、5時ごろに勤務先へ入るということはよほど特殊な任務の方なのでしょうね。その辺も含めて非常に理解しにくいので何時に出たのですかと聞きました。そしたら、何時に出たのかわからないという話では、例えば、前日の0時あるいは1時ごろに家から出たということでしたら、5時まで一体どこで何をしていたのかということも出てきます。そうしますと、明け方でしたら交通渋滞もないので4時半ごろには自宅から出ていることになります。それよりも早い時間に出たということは、一体どこでどう暮らしていたのかという問題もあるので何時に家を出たのですかと聞いています。皆さんはそのことについて質疑をしたけれども、捜査上の秘密で言えないのか、または聞いていないのか。非常に事件の核心部分だと私は見ておりますが、どうなのでしょうか。
○當山達也交通部長 被疑者の事故前後の行動については捜査の過程で特定をしておりますけれども、具体的には家族の証言、あるいはゲートの通過時間などといったものも含めまして特定はしております。詳細は今まさにおっしゃいました核心部分ではないかというところでございますので、捜査中につき差し控えさせていただきたいということでございます。
○新里米吉委員 意味がある程度わかってきましたが、その時間帯によっては飲酒をしていた可能性も含めていろいろ起こり得るわけで、4時半に本来なら出てそこを通過していないと5時ごろでしたらそこをもう通過しているわけですから、それがそれより早かったとなるとどこで何をしていたのという話になってくると思いますので、まさに事件の核心なのです。大分核心部分に迫ってきたのでこれで終わります。
○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
呉屋宏委員。
○呉屋宏委員 2つほど質問させていただきたいのですが、ワーキング・チームについて構成しているメンバーはどういうメンバーですか。
○親川達男基地防災統括監 協力ワーキング・チームの構成員ですが、在沖米軍沖縄地域調整事務所、米海兵隊、米陸軍、米空軍、米海軍、それと米国領事館。沖縄側としては、沖縄県と警察本部。日本政府としては、外務省沖縄事務所、沖縄防衛局、沖縄総合事務局。市町村としては、名護市、沖縄市、宜野湾市、金武町、北谷町。関係団体としては、名護市商工会、辺野古社交飲食業組合、沖縄商工会議所、中の町社交飲食業組合、宜野湾市商工会、宜野湾市社交飲食業組合、金武町商工会、金武町社交飲食業組合、北谷町商工会、以上となっております。
○呉屋宏委員 そこで年に1回、2回開かれているということを聞いて、先ほど田委員とのやりとりの中でもしかしたらと思ったのです。例えば、こういう住居侵入の疑いの米兵逮捕がありますね。基地の中にはこのような報道はされているのでしょうか。こういうことが他の兵隊にわかるような状況にあるのですか。
○親川達男基地防災統括監 県は星条旗新聞などといったものを追跡しているのですが、そこの中で取り上げられることもありますが全てが出ているかどうかということは確認していません。
○呉屋宏委員 先ほどの飲酒運転での事故、それと住居侵入の疑いの米兵逮捕という2つは、そこから追っかけているとなればどうなのですか。
○親川達男基地防災統括監 今確認をしているのは、12月4日に発生したひき逃げ事件については報道されております。住居侵入のほうは確認できていません。
○呉屋宏委員 まさにそこが一番の問題で、私たちが気づかなかったことも失態だと思うのですが、米軍の施設でたくさん人が通るところに電子掲示板や防衛省に電子黒板みたいにインターネットを使用したものでそこに大きな顔写真を入れて、どういうことをしたということを張り出す必要があるのではないですか。この人がどういうふうに刑事罰を打たれていくかという経過もそこを通る米兵や利用する人たちに米軍基地内でしっかりと広報すべきではないですか。これはまさにこのワーキング・チームで検討すべきことではないですか。皆さんが12時までは飲んでもいいですがその時間以降は飲まないでくださいとか、外出禁止令だとか何とか言っても、実態は我々中部に住んでいるのでわかりますが、中部の飲食業が打撃をこうむっていることも確かです。ですから、これが長く続かないで結果的にはそれがもういいのではないですかという話になる。関係ないところはなぜそういうことをするのですかというところもあるかもしれませんが、実態はそうなのです。ところが、これは米兵は関係ないのです。しかし、飲食をするところに大きい掲示板で写真を張り出してこういうことをしたのだということがあちこちで出てきますと効果があるのではないかと思いますが、ワーキング・チームに提案するつもりはありませんか。
○親川達男基地防災統括監 ワーキング・チームもありますし、米国領事館や米軍との意見交換もありますので、この議会の中でそういった意見があったことについて意見交換をやってみたいと思います。
○呉屋宏委員 最後に、ワーキング・チームに出すと言ってください。
○親川達男基地防災統括監 この部分については内部で検討をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○呉屋宏委員 何の支障があるのですか。この提案に何か問題がありますか。私は皆さんの万策が尽きたという思いがあります。そうであれば、一つのものでもし少しでも―10%の効果であろうが、5%の効果であろうが、効果があるのでしたら、これはやるべきだと思います。そして、沖縄県の警察がどう動いているのかということは出せる分だけそこへ出していって、どのような問題が沖縄県では発生しているのだというものを県の広報監からしっかりと米兵へ伝えるべきだと思います。良識ある人は控えますよ。顔写真がどんと出てきたら驚くと思います。あそこには張り出されたくないと普通の人であったら思います―普通の人間ではないのかもしれませんが。それは本当に真剣に捉えて提案してほしいと思います。
○親川達男基地防災統括監 今の委員の御指摘のどういった効果があるかについては、なかなか難しいことで今までできていない部分もありますが、この提案についても米軍、それから外務省も含めて提案していきたいと思います。
○新垣良清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
仲宗根悟委員。
○仲宗根悟委員 2点確認したいのです。今、基地防災統括監が事件があるたびに二度と起こらないようにと要請を繰り返ししているということなのですが、実効性に乏しいということで、先ほど来の話からしますと、呉屋委員からもありましたが、万策尽きたのかなという思いもあります。その中でも、やはり規制と教育の2つを米軍に守っていただくほかないのだという感覚でしかないのです。この教育の面なのですが、マスコミ報道にもありますように兵隊はどんどんローテーションで来て、本当に教育そのものが兵士や軍属の皆さんに落とし込まれているのかなと、いささか疑問なところが非常にあります。その教育の内容といいますか、中身そのものは警察の皆さん、あるいは県の皆さんは把握をしていらっしゃるのですか。どういう頻度で行っているのか、一人一人にどれくらいの時間をかけて教育がされているのかという実態は把握されていますか。
○親川達男基地防災統括監 先ほど、ローテーションや移動で沖縄に来る方々がいるということで、この方々については全て着任の間もない期間にやっていると。それを受講していないと基地外への外出などはできないという説明は受けたことがあります。全て確認はしていないのですが、一度見させてもらったことがあり、そういうことはやっているという説明はありました。それから、それ以外には日本の交通ルールや日本の文化などは別にまた研修機会を設けてやっているという説明は受けております。そういった研修について一度は参加して見たことはあります。
○仲宗根悟委員 今の答え以上に、こちらも乏しいかと思います。やっているということは聞いており、実態として皆さんは一度は見たことがありますと。ところが、どういった教育内容がされているのかということについては、皆さんはまだまだ把握をされている状況ではないということでしょうか。
○親川達男基地防災統括監 私が見させてもらったのは、1時間と2時間の研修だったのですが、それは最初から全て見せてもらいましたので、当然日本の交通ルールで道路の逆の違いや文化の違い、それから日本語の簡単な講義もありました。そういったものは確認させてもらいました。
○仲宗根悟委員 先ほどの基地防災統括監の話からしますと、ローテーションでかわって赴任した時期にしっかりやっているということを聞いているということなのですが、その内容そのものも、それから回数そのものも、見た皆さんの判断でしっかり落とし込まれていると受けているのですか。
○親川達男基地防災統括監 初めて日本へ来て日本の文化ということでは深みというものもいろいろ理解があるのでしょうが、それなりに米側としてはやっている印象は受けました。ただ、それが全ての人に理解をされて事件の縮小に結びついているかについては、事件が発生していますので、その辺はやはりこれからもしっかりやっていただかなければいけないとは考えております。
○仲宗根悟委員 沖縄の文化ですとか、日本の文化を教え込むということはどうなのだろうという思いがあります。やってはいけない行為―ひき逃げ、凶悪犯ですよね。それから、人の家へ入っていくという住居侵入や器物破損も起こったりするわけなのですが、文化を語る以前に人としてといいましょうか、犯罪行為そのものなのです。兵士はしっかり国を守ることがミッションだと思いますし、その地域の人命もしっかりと守るということが使命だという認識があってしかるべきだと思います。こういった事例が沖縄だけに多発するのか、あるいは本土にある米軍基地の中でもこういった実態が本当にあるのかと思ったりもするのですが、この沖縄に赴任してくる兵士そのものがどうも沖縄を軽んじているような気がしてなりません。ですから、その辺の皆さんもこの教育の内容などについては県民にも公開して、こういったことを勉強させていますと、頻度はどのくらいやっていますというような実態というものは公表できるものなのでしょうか。
○親川達男基地防災統括監 どういった内容の研修をどういった回数でやっているかということについては確認をしていきたいと思います。
○仲宗根悟委員 私たちもまだどういった教育がされているのかわからないものですから、どういうことが実態として行われているのかなと。本当に有効なことなのかと思ったりもしますので、その辺はいかがでしょうか。
○親川達男基地防災統括監 回数など、その点につきましてはしっかりと求めていきたいと思います。
○新垣清涼委員長 ほかに質疑はありませんか。
(「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○新垣清涼委員長 質疑なしと認めます。
以上で、相次いで発生した米軍兵士による事件・事故への対応についての質疑を終結いたします。
説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
休憩いたします。
(休憩中に、説明員等退席)
○新垣清涼委員長 再開いたします。
本委員会付議事件軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立に係る相次いで発生した米軍兵士による事件・事故への対応について、議員提出議案として意見書及び抗議決議を提出することにつきましては、休憩中に御協議をお願いいたします。
休憩いたします。
(休憩中に、委員長から、米軍人・軍属等に対する綱紀粛正を求める意見書案及び同抗議決議案の趣旨説明がなされたが、各会派が持ち帰って検討し、改めて委員会で協議することとなった。)
○新垣清涼委員長 再開いたします。
本委員会付議事件軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立に係る相次いで発生した米軍兵士による事件・事故への対応について、議員提出議案として意見書及び抗議決議を提出することについては、一旦持ち帰って検討したいとの意見がありますので、そのようにいたしたいと思います。
以上で、本日の議題は全て終了いたしました。
本日の委員会は、これをもって散会いたします。
沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。
委 員 長 新 垣 清 涼