委員会記録・調査報告等

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土木環境委員会記録
 
平成30年 第 3定例会

3
 



開会の日時

年月日平成30年3月9日 曜日
開会午前 10 時 2
閉会午後 4 時 24

場所


第3委員会室


議題


1 甲第1号議案 平成30年度沖縄県一般会計予算(環境部所管分)
2 甲第23号議案 平成30年度沖縄県水道事業会計予算
3 甲第24号議案 平成30年度沖縄県工業用水道事業会計予算
4 予算調査報告書記載内容等について


出席委員

委 員 長  新 垣 清 涼 君
副委員長  照 屋 大 河 君
委  員  座 波   一 君
委  員  具志堅   透 君
委  員  座喜味 一 幸 君
委  員  仲 村 未 央 さん
委  員  崎 山 嗣 幸 君
委  員  上 原 正 次 君
委  員  赤 嶺   昇 君
委  員  玉 城 武 光 君
委  員  糸 洲 朝 則 君


欠席委員

      翁 長 政 俊 君


説明のため出席した者の職・氏名

環境部長              大 浜 浩 志君
 環境企画統括監          棚 原 憲 実君
 環境政策課基地環境特別対策室長  玉 城 不二美さん
 環境保全課長           仲宗根 一 哉君
 環境整備課長           松 田   了君
 自然保護課長           金 城   賢君
 環境再生課長           安 里   修君
企業局長              町 田   優君
 企業技術統括監          仲 村   豊君
 参事兼総務企画課長        渡嘉敷 道 夫君
 配水管理課長           山 里   徹君
 建設課長             石 新   実君



○新垣清涼委員長 ただいまから、土木環境委員会を開会いたします。
 本委員会の所管事務に係る予算議案の調査についてに係る甲第1号議案、甲第23号議案及び甲第24号議案の予算議案3件の調査を一括して議題といたします。
 本日の説明員として、環境部長及び企業局長の出席を求めております。
 まず初めに、環境部長から環境部関係予算議案の概要の説明を求めます。
 大浜浩志環境部長。

○大浜浩志環境部長 環境部所管の平成30年度一般会計予算の概要について、お手元にお配りしております平成30年度当初予算説明資料(抜粋版)に基づいて、御説明いたします。
 環境部の平成30年度当初予算案は、世界に誇れる美ら島沖縄の実現をキーワードに、沖縄21世紀ビジョンの基本施策や施策展開に基づき、予算を編成いたしました。
 説明資料の1ページをお開きください。
 平成30年度の環境部の歳出予算額は、上から5行目にあるとおり、47億7771万6000円で、前年度当初予算額と比較しまして6億5310万円、率にして15.8%の増となっております。
 その主な要因は、産業廃棄物管理型最終処分場の整備に係る公共関与事業推進費において、約3億円の増となったことによるものであります。
 それでは、説明資料の2ページをお開きください。
 歳入予算について御説明いたします。
 表の一番下、合計欄をごらんください。
 一般会計歳入予算の合計7310億4800万円のうち、環境部に係る歳入予算額は、27億7070万9000円であり、前年度当初予算額に比べ、3億9580万4000円、率にして16.7%の増となっております。
 それでは、歳入予算の主な款について、御説明いたします。
 (款)9の使用料及び手数料の環境部所管分は3189万5000円であり、これは産業廃棄物処理業の許可申請や動物取扱業の登録申請など各種申請に伴う手数料の証紙収入であります。
 (款)10の国庫支出金の環境部所管分は10億1957万8000円であり、これは主に沖縄振興特別推進交付金の国庫補助金や海岸漂着物の回収・処理等に係る地域環境保全対策費補助金等であります。
 (款)11の財産収入の環境部所管分は82万1000円であり、環境保全基金及び産業廃棄物税基金の預金利子であります。
 (款)12の寄附金の環境部所管分は60万円であり、環境保全事業に係る寄附金であります。
 (款)13の繰入金の環境部所管分は2億292万9000円であり、これは主に産業廃棄物税基金繰入金及び環境保全基金繰入金であります。
 (款)15の諸収入の環境部所管分は4848万6000円であり、これは主に雑入及び再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業に係る補助金であります。
 (款)16の県債の環境部所管分は14億6640万円であり、公共関与事業推進費及び自然公園施設整備に係るものであります。
 以上で、歳入予算の概要説明を終わります。
 続きまして、歳出予算について御説明いたします。
 3ページをお開きください。
 (款)4の衛生費のうち環境部所管分は47億7771万6000円であり、前年度と比較しますと、6億5310万円、率で15.8%の増となっております。
 次に、(款)衛生費における環境部所管の主な内容について、(目)ごとに御説明申し上げます。
 (目)食品衛生指導費は、動物愛護管理センターの職員費や運営等に要する経費であります。
 (目)環境衛生指導費は、一般廃棄物及び産業廃棄物の適正処理の推進など、持続可能な循環型社会の構築に要する経費であります。
 (目)環境保全総務費は、環境部職員の給与や課の運営費であります。
 (目)環境保全費は、地球温暖化対策、米軍基地の環境問題対策、大気汚染対策、赤土等流出防止対策、全国育樹祭開催準備等に要する経費であります。
 (目)自然保護費は、奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の世界自然遺産登録を推進するための経費や、サンゴ礁保全に向けた白化対策やオニヒトデ対策、希少種の保護や外来種対策など、自然環境の保全・適正利用を図るための経費であります。
 以上で、環境部の平成30年度一般会計歳入歳出予算の概要説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願い申し上げます。

○新垣清涼委員長 環境部長の説明は終わりました。
 次に、企業局長から企業局関係予算議案の概要の説明を求めます。
 町田優企業局長。

○町田優企業局長 企業局関連の甲第23号議案及び、甲第24号議案について、順次御説明申し上げます。
 平成30年第3回沖縄県議会(定例会)議案(その1)の64ページをお開きください。
 甲第23号議案平成30年度沖縄県水道事業会計予算について、御説明申し上げます。
 第2条の業務の予定量につきましては、給水対象が那覇市ほか22市町村及び1企業団、当年度総給水量が、1億5122万2000立方メートル、1日平均給水量が、41万4000立方メートルを予定しております。
 また、主要な建設改良事業は、102億31万2000円を予定しており、その内訳は、導送取水施設整備事業が37億35万7000円、北谷浄水場施設整備事業が33億4028万5000円、水道広域化施設整備事業が31億5967万円となっております。
 次に、第3条の収益的収入及び支出につきましては、収入の水道事業収益は、297億2675万2000円を予定しており、その内訳は、営業収益が167億7276万2000円、営業外収益が128億7334万7000円などとなっております。
 支出の水道事業費用は297億1730万円を予定しており、その内訳は、営業費用が280億2677万1000円、営業外費用が16億3357万9000円などとなっております。
 第4条の資本的収入及び支出につきまして、資本的収入は121億4927万1000円を予定しており、その内訳は、企業債が26億1200万円、国庫補助金が91億2398万3000円などとなっております。
 資本的支出は、171億5981万円を予定しており、その内訳は、建設改良費が128億9032万3000円、企業債償還金が42億3788万1000円などとなっております。
 第5条の債務負担行為につきましては、債務負担行為をすることができる事項、期間及び限度額を定めております。
 第6条の企業債につきましては、限度額26億1200万円と定めております。
 次に、66ページをごらんください。
 第10条の他会計からの補助金につきましては、5億4242万4000円を予定しており、これは臨時財政特例債の元利償還等に充てるため、一般会計から補助金を受け入れることを定めたものであります。
 以上で、甲第23号議案の説明を終わります。
 続きまして、67ページをごらんください。
 甲第24号議案平成30年度沖縄県工業用水道事業会計予算について御説明申し上げます。
 第2条の業務の予定量につきましては、給水対象が、沖縄電力金武火力発電所など103事業所、当年度総給水量が759万立方メートル、1日平均給水量が2万1000立方メートルを予定しております。
 また、主要な建設改良事業は3884万9000円を予定しており、その内訳は、導水施設整備事業及び配水施設整備事業であります。
 第3条の収益的収入及び支出につきましては、収入の工業用水道事業収益は6億7029万9000円を予定しており、その内訳は、営業収益が2億9746万1000円、営業外収益が3億6699万5000円、などとなっております。
 支出の工業用水道事業費用は6億7006万1000円を予定しており、その内訳は、営業費用が6億4803万2000円、営業外費用が1568万6000円などとなっております。
 第4条の資本的収入及び支出につきましては、資本的収入は1億3786万5000円を予定しており、その内訳は、国庫補助金が2482万円、他会計補助金が1314万4000円、投資償還金が9990万1000円となっております。
 資本的支出は、9902万8000円を予定しており、その内訳は、建設改良費が5353万7000円、企業債償還金が4549万円などとなっております。
 第5条の債務負担行為につきましては、債務負担行為をすることができる事項、期間及び限度額を定めております。
 第9条の他会計からの補助金につきましては、6903万4000円を予定しております。
 これは、先行投資施設に係る維持経費等に充てるため、一般会計から補助金を受け入れることを定めたものであります。
 以上で、甲第24号議案の説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○新垣清涼委員長 企業局長の説明は終わりました。
 これより質疑を行いますが、本日の質疑につきましては、予算議案の審査等に関する基本的事項に従って行うことにいたします。
 予算特別委員長から調査を依頼された事項は、沖縄県議会委員会条例第2条に定める所管事務に関する予算議案でありますので、十分御留意願います。
 なお、要調査事項の提起の方法及びその取り扱い等については、昨日と同様に行うこととし、本日の質疑終了後に協議いたします。
 質疑及び答弁に当たっては、その都度、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 また、質疑に際しては、あらかじめ引用する予算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で質疑を行うよう御協力をお願いいたします。
 さらに、答弁に当たっては、総括的、政策的な質疑に対しては部局長が行い、それ以外はできるだけ担当課長等の補助答弁者が行うことにしたいと思いますので、委員及び執行部の皆さんの御協力をお願いいたします。
 なお、課長等補助答弁者が答弁を行う際は、あらかじめ職、氏名を告げてください。
 それでは、これより直ちに各予算に対する質疑を行います。
 照屋大河委員。

○照屋大河委員 平成30年度当初予算(案)説明資料の15ページ、サンゴ礁保全再生地域モデル事業の概要についてお願いします。

○金城賢自然保護課長 県では、サンゴ礁保全再生の取り組みとして、平成22年度から平成28年度にかけてサンゴ礁保全再生事業を実施しております。その中では有性生殖法によるサンゴ種苗の大量生産技術や中間育成技術等をほぼ確立することができましたが、地域で普及するにはコスト面、白化対策、地域が継続してサンゴ礁保全再生活動を行う体制の構築等の課題が出てきました。これらの課題に取り組むため、平成29年度から恩納村と久米島町をモデル地域に選定し、サンゴ礁保全再生地域モデル事業を実施しております。本事業では2つの委託事業がありまして、1つは先ほどの課題でありました低コストでのサンゴ種苗の植えつけに係る技術の開発やサンゴの白化対策等の調査研究ということと、技術的にサンゴ礁保全再生活動を継続することができる地域モデルの構築を行っております。それから、モデル地域において、住民意識の向上等を図り、モデル地域の構築を円滑に行うため、同地域内で実施する環境保全活動や環境教育等に対する補助事業を行っております。

○照屋大河委員 きょうの新聞で、糸満市では移植したサンゴが育って何倍にもなっているという報道もありましたが、平成29年度の成果、状況も踏まえて、事業の実態はどのような感じですか。

○金城賢自然保護課長 平成22年度から平成28年度のサンゴ礁保全再生事業においては、サンゴ種苗の大量生産技術やタカセガイ育成種を利用した中間育成技術等、サンゴ礁を再生する技術を開発しているところです。その成果を受けて、再生実証試験海域として、恩納村、読谷村、慶良間海域において、15万本のサンゴ種苗を約3.42ヘクタールの面積に植えつけております。平成29年度の白化対策などは始まったばかりですので、調査研究をしている段階です。補助事業としては、モデル地域が久米島にありますが、サンゴの保全活動や環境教育等を行っている2つの業者に対して補助を行ったところでございます。

○照屋大河委員 平成30年度も事業は継続して行われるということですが、どれくらい先まで全体計画などがあるのか。また、それを踏まえて平成30年度以降どういう考えをお持ちなのか伺います。

○金城賢自然保護課長 このモデル事業は、平成29年度から平成33年度までの5カ年事業と考えております。地域で自立してサンゴを保全・育成することについては、地域として協議会などをつくっていきたいということですので、1年、2年ではなかなか難しく、最終的には平成33年度までかけてモデル事業として構築していきたいと考えております。

○照屋大河委員 先ほど久米島と恩納村の話がありましたが、このモデル地域は、平成33年度までの計画の中で拡大されていく感じですか。

○金城賢自然保護課長 恩納村では恩納村漁協が、久米島では久米島を守る会が活動しておりますが、そういったところを中心に5年間で地域が自立できる体制を構築すると。その中でいろいろな課題が出てくると思いますので、そういったことをまとめて、その後、全県的に普及していきたいと考えております。

○照屋大河委員 特にサンゴ礁を含めて、意識はかなり高いと思います。民間のNPO初めボランティアの人たちの集まりも行われる中で、県内にかなり広がりがあると思いますので、ぜひ事業の成果を出していただいて、全県的な拡大をお願いしたいと思います。
 続いて、オニヒトデ対策普及促進事業が、今年度からの新規事業としてありますが、事業の概要についての説明をお願いします。

○金城賢自然保護課長 サンゴ礁の生態系に影響を及ぼすものとして、白化問題や赤土流出の問題などさまざまありますが、サンゴ礁への大きな影響としてオニヒトデによる食害があります。そこで、県では平成24年度から平成29年度にかけて、オニヒトデ総合対策事業を実施しております。その際に、一定規模の大量発生を予想できる手法や大量発生のメカニズムについて一定の知見を得ることができました。しかしながら、実証された大量発生予測手法の普及と、さらなる改善や大量発生メカニズムの解明に向けた調査研究が引き続き課題として残っておりますので、その課題を解決するために平成30年度から新規事業としてオニヒトデ対策普及促進事業を実施していきたいと考えております。具体的には、委託事業として大量発生予測に必要な幼生のオニヒトデ―稚ヒトデのモニタリングのトレーニングや大量発生のメカニズムにつながる稚ヒトデの誘引物質の調査研究を行いたいと思います。それから、大量発生の予測手法をさらに普及するため、同手法を活用したオニヒトデの防除活動に対する支援を行っていきたいと考えております。

○照屋大河委員 具体的にどの地域で行うという予想はできますか。例えば、平成24年度からの事業である程度の知見を得たということで、発生現場を予測するというお話もあったのですが、今の稚ヒトデの研究はどこかポイントを持って調査研究に当たられるということですか。

○金城賢自然保護課長 大量発生のメカニズムはある程度予測化されたということです。実績としまして、平成24年度から平成29年度の事業の中では、平成25年度の稚ヒトデの調査で、恩納村北部で稚ヒトデが多く確認され、平成27年度に大量発生が懸念されました。オニヒトデは2年間ほどで20センチメートル程度まで大きくなるのですが、実際に、平成27年度に20センチメートル程度のオニヒトデがかなり確認され、駆除されたことがありますので、そういったことを踏まえて予測がわかってきたと思います。ただ、オニヒトデの発生メカニズムとして、植物プランクトンなどを取り入れていることも想定されておりますが、まだわからない部分もありますので、沖縄科学技術大学院大学―OISTや琉球大学などと一緒に研究しております。先ほどの恩納村での発生メカニズムをさらに解明して、全県的な普及につなげていきたいと思っております。

○照屋大河委員 今、OISTという話もありましたが、県で特別に海の自然環境といいますか、オニヒトデの対策も含めてOISTに依頼するなど、連携の状況はいかがですか。

○金城賢自然保護課長 サンゴの保全に関しては、もちろんOISTだけではなく、琉球大学やほかの大学でもいろいろ研究がされております。そういった研究者とさらなる連携を深めるということで、オニヒトデの総合対策事業を平成24年度から平成29年度まで実施してきました。そういった研究と連携することが重要ですので、それを継続して、平成30年度からさらに強化していきたいと考えているところです。

○照屋大河委員 先ほどのサンゴ礁保全再生地域モデル事業とオニヒトデ対策普及促進事業ということで、どちらも予算化して、事業の効果を上げていかないといけない。どちらが先かという話になるのかもしれませんが、ぜひ豊かな生物多様性、豊かな沖縄の海を守るような効果を発揮していただきたいと思います。
 続いて、マングース対策事業費について、マングースがふえているという新聞報道にも接したのですが、いかがでしょうか。

○金城賢自然保護課長 県では、環境省と連携しながら、多くの希少種が生息する沖縄本島北部のヤンバル地域においてマングース対策事業を平成12年度から実施しています。平成30年度は県と環境省によるマングース防除実施計画に基づいて、大宜味村の塩屋から福地ダムに第1北上防止柵、これは防止柵を3つつくっているのですが、一番北側にある柵が第1北上防止柵と言いまして、それより以北の大宜味村、東村、国頭村の地域からマングースを防除するということで進めております。さらに沖縄県独自で平成28年度に第1北上防止柵より南に―有銘と源河に県道14号線がありますが、そこに第3北上防止柵をつくりました。この間にマングースが多くいますので、そこでマングースを捕獲することによって第1北上防止柵以北を守ることを進めております。マングースの捕獲の効果がかなりあらわれていまして、第1北上防止柵以北のマングースの数はかなり減ってきているところでございます。

○照屋大河委員 平成12年から事業がスタートされて減ってきているということですが、今後の見通しはどういう状況でしょうか。

○金城賢自然保護課長 県では環境省とともに事業を進めておりまして、平成12年度から平成28年度までに第1北上防止柵以北のヤンバル地域において5638頭を捕獲してきております。ピークの平成19年ごろには1年間で600頭余り捕獲されていましたが、平成28年度の実績では第1北上防止柵で78頭と捕獲が激減しております。さらに、平成29年度は集計中ですが、4月から12月の段階では22頭ということで、かなり減ってきていると。ただ、マングースが沖縄に持ち込まれた当初は20頭前後から広がっていることがあり、まだまだ予断を許さないと思いますので、さらに取り組みを強化していく必要があると思っております。

○照屋大河委員 実際、地域においてマングースの被害報告は寄せられていますか。

○金城賢自然保護課長 マングースの防除については、ヤンバルの生態系を守るという希少種の保護がまず第一にあります。当初はヤンバルクイナやケナガネズミなどが捕食されてましたが、マングースの捕獲によってこれが減ることで、ヤンバルクイナなどの希少な動物が見られる地域がかなりふえているということがあります。そういった希少な野生生物を守ることが、この事業の目的でございます。

○照屋大河委員 例えば、ヤンバルクイナがマングースに捕食されたという報告などはないのですか。

○金城賢自然保護課長 マングース事業の中では専門家による検討委員会がありまして、年に2回程度開いていますが、マングースの捕獲とあわせて希少種を捕食した結果等についても報告をして、マングースの対策のさらなる検討をしております。

○照屋大河委員 続いて、新規のやんばる地域の野生生物における騒音等影響実態調査費について、事業を進める理由と、その概要を伺います。

○金城賢自然保護課長 ヤンバル地域は、亜熱帯の森が広がり、ノグチゲラ、ヤンバルクイナ、コウモリ類など、希少生物の生息地として、世界自然遺産の候補地にも推薦されております。マングースの対策も重要ですが、一方で世界自然遺産候補地に隣接して北部訓練場がありまして、オスプレイ等軍用ヘリコプターの演習が頻繁に行われている中、飛行騒音及び低周波音に敏感な野生生物―具体的には、鳥類やコウモリ類への影響として繁殖やコミュニケーション阻害が懸念されることから実態把握に努める調査を行います。調査内容としては、ヘリコプターの飛行騒音が影響を及ぼすものと推定される地域と、影響がないものと推定される地域において、鳥類等の生息調査結果を比較することで、飛行騒音等の鳥類への影響の有無や程度を推測するということで、平成30年度から新規事業として始めていきたいと考えているところです。

○照屋大河委員 北部訓練場のヘリパッドが建設されたことによって、その地域での米軍機の演習、騒音被害等が懸念されている状況があることによって、この事業を進めていくということで理解してよろしいのでしょうか。

○金城賢自然保護課長 ヤンバル地域は、世界自然遺産候補地になっている非常に貴重な場所でございます。特にコウモリ類については、生息していることはわかっていますが、なかなか調査が進んでいないこともありまして、実態がよくわからない部分もあります。そういったことも踏まえて、騒音等に影響が懸念される貴重な動物、野生生物に対してどういう影響があるのかを調べていきたいと考えております。

○照屋大河委員 平成30年度の調査において、どの程度の影響を把握しようと考えているのですか。今おっしゃる鳥などの野生生物に影響を与えてしまってからでは、なかなか取り戻せないという環境に対する意見もありますので、この調査の成果をどれぐらい見越して、次年度以降その調査結果をもって被害を与えない形での構想といいますか、スケジュールはいかがでしょうか。

○金城賢自然保護課長 野生生物なので1年間で実態を把握するには難しい部分もあり、この事業は、平成30年度から平成31年度の2年間をかけていくことを考えております。平成30年度は、軍用ヘリコプターの飛行経路など、まだわからない部分を特定するとともに、どこを飛んでいるかによって影響がある地域、影響がなさそうな地域を特定します。あわせて、鳥類やコウモリについては、営巣時期や生態―特にコウモリは出産する洞窟と冬眠する洞窟が違ったりしますので、1年間かけて調査をすることが重要だと思います。そういった基本的な調査をした上で、平成30年度から平成31年度にかけて影響や状況等を把握していく予定の事業でございます。

○照屋大河委員 野生生物の調査ということでお話をいただきましたが、地域住民に対する騒音被害という視点はないのですか。例えば、東村高江集落、あるいはその他の集落を含めた騒音の実態調査とは違うということですか。

○金城賢自然保護課長 この調査は、ヤンバル地域におけるコウモリや鳥類といった野生生物への影響ということを目的にした調査でございます。

○大浜浩志環境部長 住民等への影響につきましては別のものでございます。この辺の実態調査については沖縄防衛局が測定しておりますが、このほかに必要であれば、東村等々と連携して一緒にやっていこうと考えております。今回は野生生物への影響について考えていきたいということで、3月から6月までの間が営巣期間になっており、既に11月定例会で1月から3月、4月までやっていくというスケジュールで、債務負担行為を起こして始めておりまして、この2期の営巣期を含めて評価していきたいと思っています。その生息状況が大事であると同時に、生物が生息している地域での騒音、低周波音のレベルもはかりまして、どういったレベルでどういう行動を起こすのかをきちんと調査していきたいということで、今回から新たに組んでいる事業として御理解いただきたいと思います。

○照屋大河委員 その地域では事故もありました。地域住民の声としては、集落に近くなったヘリパッドの影響で訓練がふえて、騒音も激増しているという声もあります。今、環境部長からあったように沖縄防衛局の調査もありますが、今後検討していくという点については、集落の皆さんも含めて意見交換を活発にしながら、ぜひ県として主体的な調査が実施できるような方向でやっていただきたいということを申し上げておきます。

○新垣清涼委員長 崎山嗣幸委員。

○崎山嗣幸委員 歳出予算事項別積算内訳書の62ページ、自然環境保全費の中で国立自然史博物館誘致推進調査事業が700万円近く計上されております。この目的として、意義、他県との比較優位性、国や県のメリットやデメリットの整理、経済効果について調査を行うということですが、これはどういう方法で調査をするのか、内容を説明してもらえますか。

○金城賢自然保護課長 国立自然史博物館については、平成29年2月に日本学術会議が取りまとめたマスタープラン2017において、国立沖縄自然史博物館の設立が提言されております。国立自然史博物館は、東アジア、東南アジア全体の自然史科学を支える拠点となるだけでなく、人材育成や国際貢献のハブとなり、教育面、観光面等に多大な効果が期待されます。県としましては、平成30年度の新規事業において、委託業務で国立自然史博物館の設立意義、経済波及効果、沖縄県の優位性、地域特性を生かしたあり方の可能性、さらには国立科学博物館との役割分担との調査を実施して、国や県内の関係団体への働きかけに必要な基礎資料の作成、また、県としての考え方の整理等を行いたいと考えております。

○崎山嗣幸委員 具体的にどこか調査に行かれるのですか。

○金城賢自然保護課長 約650万円の予算の中で委託料の約580万円は専門の業者に委託し、先ほどの課題等を整理していただくということがあります。調査に行くということではなく、並行して、例えばあらゆる機会を捉えて国へ要請に行きますので、そういった旅費として予算に計上しているところでございます。

○崎山嗣幸委員 国に要請して働きかける意義は重要に感じますが、これができる方向にするという意味では、沖縄県として総費用や場所など、どういった目的を持って沖縄につくるかのイメージはあるのですか。それともこれからつくっていくのですか。

○金城賢自然保護課長 国立自然史博物館については、日本学術会議からパンフレット等も出ており、考え方が一通りまとめられておりますが、それが沖縄にどういった形でより具体的になるかということがあります。日本学術会議の考え方も踏まえながら、我々としては、沖縄県のあり方や効果、可能性などをきちんと調査しておりませんので、沖縄県としてどういう考え方を持っているのかをまとめないと、国や県内のいろいろな団体への呼びかけについては、なかなか難しい部分もあるのではないかということで、そこにつきましては、この事業でしっかりとまとめていきたいと考えております。

○崎山嗣幸委員 国立自然史博物館というと、歴史的なものを含めて価値の高い展示物をよく見るので、沖縄県で本当に展示ができるのかと思うのです。よほどの財源を入れないと、つくったのはいいが余り価値がない博物館になってもいけないと思います。世界自然遺産登録をするという意味では、ヤンバルや石垣など沖縄の特徴を生かした自然史博物館をつくる意義があると思うのですが、そこに関連性はあるのですか。

○金城賢自然保護課長 まさに沖縄が世界自然遺産に登録されようとしているということで、沖縄の生物多様性も非常に重視されて、沖縄に国立自然史博物館をということがあります。さらに、自然種を管理するためにはバックヤードも必要でございます。例えば、災害等を避けるためにも沖縄でということがあります。また、自然史博物館を沖縄にということでこれまで4回ほどシンポジウムが開かれておりますが、その中でも1つにまとめるのではなくて、分散した形で、例えば沖縄本島に拠点を置いて、多様性が広がっているヤンバルや石垣などにも拠点を置くということが提案されています。ただし、そうするのかはわかりませんが、そういったこともシンポジウムでは話し合われていて、沖縄の特徴を踏まえながら、東アジアや世界に開かれた博物館になるのではないかということが提唱されているところです。

○崎山嗣幸委員 北部地域の世界自然遺産登録、石垣島や西表島、自然体系も含めて、日本あるいはアジア、世界に発信できるような博物館を考えているということで理解してよろしいですか。

○金城賢自然保護課長 国立自然史博物館につきましては、日本学術会議が提唱しており、マスタープランの中では300億円、400億円ということが言われております。これは国立ですので国が設置することになりますが、アジアに向けてとなりますと、かなりの規模のものになると。また、それが沖縄で実現しますと、沖縄の豊かな自然含めて環境教育などにも資するということがありますので、非常に重要な施設ではないかと思っております。

○崎山嗣幸委員 ぜひ力を入れて頑張っていただきたいと思います。
 次に、同じく16ページの補助金の中に廃棄物適正処理緊急特別対策事業として1億円余り入っています。焼却灰を九州に海上輸送するための輸送補助が入っているものと理解しておりますが、どれぐらいの補助を対象にしているのかについて説明をお願いします。

○松田了環境整備課長 昨年11月の倉敷環境株式会社の不法投棄による取消処分に伴いまして、同社が受け入れていました産業廃棄物については、選別を行う事業者や、木くずをリサイクルする事業者が受入量をふやして対応をしているところでございます。しかしながら、建設現場等で出る木くず、廃プラスチック、瓦れき類が混合されている混合廃棄物につきましては、どうしても選別が十分できないものがございますし、選別してもくずのようなもの―我々はふるい下と呼んでいますが、そういったものが残ってしまいます。それを焼却する施設が足りないということがございますので、ふるい下、あるいは分別できないものにつきまして、緊急特別対策事業によって県外で処理する際の海上輸送費の2分の1を助成すると。もう一点は、選別をする際にコストがかかりますので、コスト上昇分の2分の1を補助するという2本の補助を考えております。

○崎山嗣幸委員 海上輸送費の2分の1の補助ということですが、どれくらいの量と回数が想定されていますか。

○松田了環境整備課長 倉敷環境が受け入れておりました混合廃棄物については、平成28年度の実績で1万4000トン程度という報告を受けております。このうち、約7割が県内で選別等の処理が行われるだろうと。それから、約3割が県内での選別が間に合わず県外に排出されるだろうということで、7対3の割合で県外輸送費とコスト上昇分の補助を想定しております。なお、これにつきましては、現時点ではあくまでも想定という段階ですので、現実にどの程度のコストアップが生じているか等については調査しているところであり、それを踏まえて制度設計を行っていきたいと考えております。

○崎山嗣幸委員 いつまで続けるのかについて、そのめどはありますか。

○松田了環境整備課長 中小企業にとっては、選別する工程が発生したことによるコストアップ分の負担が重いということが新聞にも出ておりますし、我々の調査でも確かに上がっております。そういうことで、選別に係る補助につきましては、激変緩和という考えで実施することとしており、平成30年度中を予定しています。それから、海上輸送につきましては、海上輸送の必要がなくなる状況が確認できた段階で補助を継続するかどうか検討していきたいと考えております。

○崎山嗣幸委員 価格の差額部分も含めて補助対象ということですが、これは倉敷環境の許可取り消し後、委託業者の負担が増していることに対する補助ですよね。差額はどれくらいですか。

○松田了環境整備課長 我々が平成29年5月の時点で調査をした価格では、1キログラム当たり20円程度の差があったという調査結果が出ております。ただ、これはあくまでも行政が行っている調査で、実勢価格との違いがあるのではないかという指摘もございますので、実際の受け入れ価格等については改めて調査を予定しております。

○崎山嗣幸委員 単年度で終わるということについては、委託業者の損失分もなくなるということですか。

○松田了環境整備課長 価格が上昇した分の2分の1について補助することを考えております。価格が上昇して、その費用を捻出しにくいので事業者のヤード等に仮置きしているという記事が出ておりましたので、上昇分の2分の1を県で補助して、ヤード等で保管されているものの処理を促していきたいと考えております。

○崎山嗣幸委員 土木環境委員会で視察に行きました。倉敷環境の超過廃棄物として42万トンぐらいありましたが、この部分の改善計画を示してもらえますか。

○松田了環境整備課長 倉敷環境につきましては、許可の取り消し前に改善するということで倉敷環境から考えが示されております。それによりますと、平成27年2月に2機目の焼却溶融炉が稼働したので、その稼働後8年間でごみ山を処理したいという計画が出ております。しかしながら、実際、稼働後に焼却溶融炉のふぐあい、故障、事故等が頻発しまして、なかなか当初想定していたような稼働率にならないということがございまして、現在、1年程度、処理がおくれている状況でございます。また今回の取り消し処分によりまして、みずから処理をすることがなかなか難しくなりましたので、去る2月の地元、県、事業者等で構成しております協議会の中で、倉敷環境からは関連会社が新しく炉を動かすための設置許可申請等を行っており、その許可がおりた場合には新しい会社に協力を求めて処理を行っていきたいということが示されているところです。その席で県からは、具体的な計画を両者で作成して協議会に示してほしいということで、新しい計画の作成について指示しております。

○崎山嗣幸委員 平成27年から8年間かけて処理をするということですが、故障やふぐあいでおくれていると。現時点でどれぐらいのトン数を処理したのですか。

○松田了環境整備課長 現在、処理が行われて42万トンになっています。処理量につきましては、今、正確な資料を持ち合わせておりませんが、平成19年度以降、安定型も含めて改善作業を行っておりまして、その時点から判断しますと8万立方メートルから10万立方メートル程度の改善は行われております。

○崎山嗣幸委員 そうすると、現時点で42万トンぐらいが残っているということですか。

○松田了環境整備課長 約42万立方メートルの残があるという状況です。

○崎山嗣幸委員 ごみ山については、8年間かけて処理するということで、関連会社がどう処理するかも含めて重要な時期に来ています。関連会社からは申請が出されているということですが、この会社の許認可については、どのような審査手順と時期になっていますか。

○松田了環境整備課長 審査の手続は、廃棄物処理法で定められております。申請書は昨年12月27日に保健所へ提出され記載事項に不備がないかという形式審査を行っております。その後、環境整備課に進達され、去る2月16日から来週3月16日までの1カ月間、県の公報に登載した上で、環境整備課、うるま市、中部保健所等々で申請書の縦覧を行っております。3月20日までは住民の意見等を聴取する期間になっておりまして、その後、県から専門家に設置許可申請書の意見照会を行います。それが終わりましたら、法で定められた設置基準がありますので、その設置基準に適合しているか審査を行いまして、今の予定では、使用前検査等を含めまして7月中旬ごろに許可するか否かの判断を行うことになっております。

○崎山嗣幸委員 最終的に、7月ごろに関連会社が認められるかどうかについて判断を行うということで、極めて重要な時期に差しかかると思います。この許認可がスムーズにいって処理計画が進めばいいのですが、不許可となった場合に残っているごみ山をどうするのかが問われると思います。ここは想定されているのか、あるいは仮定のことだからということで新会社に期待するのか、その辺はどのような考え方ですか。

○松田了環境整備課長 県としましては、段階的に倉敷環境に対して廃棄物処理法第19条に基づく措置命令をかけまして、ごみを撤去、処理することについて法的に義務を課すという作業を行っております。現時点では、一部、自社の所有地―積みかえ保管場所にごみ山のごみが長期間保管されている状況がございますので、まずそういったものから片づけさせるということで、現在、保管場所に保管されているごみの撤去、分別、処理の措置命令を出しているところでございます。分別した後の廃プラスチック等については、関連会社であります環境ソリューションで処理するということで、今、処理が行われている状況でございます。

○崎山嗣幸委員 どちらにしても、今言われている関連会社の行方によって県は判断せざるを得なくなり、7月に重要な決断を迫られますね。
 それから、うるま市石川東恩納に24万トンぐらいの処理ができる管理型処分場がつくられるということですが、その進捗状況を教えてください。

○松田了環境整備課長 関連会社は、炉の設置許可申請書と同日付の12月27日にうるま市石川東恩納の最終処分場の設置許可申請書を提出しておりますので、今、並行して手続を行い、基本的に同日付で公告縦覧等が行われております。私どもとしましては、焼却施設につきましても標準処理期間から見ると7月中旬ごろをめどに判断することになるのかと思います。全ての手続において、可能な範囲で標準処理期間よりも短くすることができれば短くするという方針でこれまで対応しておりますので、本案件についても最終処分場あるいは焼却施設の期間が短くできるようなものがあれば対応してまいりたいと考えております。

○崎山嗣幸委員 これは、いつごろ稼働する計画ですか。

○松田了環境整備課長 最終処分場につきましては、許可後、設備の建設設置工事に約7カ月間かかると聞いております。

○崎山嗣幸委員 規模は大きいような感じがするので、随分と行き詰まっている分については、期待できるものと理解してよろしいですか。

○松田了環境整備課長 この設置許可は倉敷環境そのものではなく、関連会社が設置許可申請を提出しておりますので、私どもとしては、倉敷環境と関連会社でどういった形でごみ山の処理を行うかについて協議をして、きちんとした計画をつくってほしいということで指導しているところでございます。したがって、提出された計画を見て判断してまいりたいと考えております。

○崎山嗣幸委員 それから、名護市安和につくられる第三セクターの管理型最終処分場については、順調に進捗しているのかどうかお聞きします。

○松田了環境整備課長 今年度3月末の事業の進捗率は、事業費ベースで約8.7%となっております。現在、平成31年度の稼働を目指して工事を進めているところでございます。

○崎山嗣幸委員 先ほどから問題になっている産業廃棄物の処理については、県が管理型最終処分場をつくることによって消化できる方向に持っていけるのかどうかだと思います。規模は9万立方メートルぐらいだと言われておりますが、今までの分については十分処理できる規模なのですか。

○松田了環境整備課長 平成22年度に県内の産業廃棄物の排出量等を調査いたしまして、規模を設定しております。それによりますと、年間約4500立方メートルの産業廃棄物と名護市の一般廃棄物も受け入れるということで、年間約5000立方メートル弱の廃棄物を受け入れる条件で、15年間で約9万立方メートルの規模を設定しております。

○崎山嗣幸委員 県内の年間の産業廃棄物の総排出量は、どのくらいの計算をされていますか。

○松田了環境整備課長 平成25年度に詳細な調査をしておりますが、県内で動物のふん尿を除く産業廃棄物は約189万トン排出されているという調査結果が出ております。

○崎山嗣幸委員 年間約189万トンの産業廃棄物の排出量において、資源化されるものと最終処分に持って行くものとの割合はどうなっていますか。

○松田了環境整備課長 先ほど約189万トンとお答えいたしましたが、約182万トンの間違いでした。おわびして訂正いたします。
 リサイクルの割合については、約182万トンのうち再生利用が91万トンとなっており、率にして49.8%となっております。

○崎山嗣幸委員 最終処分はどうなっていますか。

○大浜浩志環境部長 総排出量182万6000トンのうち、再生利用が91万トン、率にして49.8%。最終処分量が6万1000トンで総排出量に占める割合が3.4%となっております。

○崎山嗣幸委員 米軍から出されるごみについては、年間2万1000トンから2万6000トンと言われていて、空き缶、紙くず、残飯などの分別をしないということが一番厄介だと言われておりますが、今、どのような状況になっていますか。

○松田了環境整備課長 現時点においても、米軍では分別が行われていませんので、県内の民間事業者が収集し、分別を行った上で焼却あるいはリサイクル等の処分を行っているという状況でございます。

○崎山嗣幸委員 40万トン余りの倉敷環境のごみ山や年間出されるごみの量、管理型最終処分場も含めてこれから解決していかなければならない課題があると思いますが、環境部長としての決意をお願いします。

○大浜浩志環境部長 やはり最終処分が大事でありますので、県としましては公共関与による最終処分場をつくって、最終的に処理できる施設をきちんと整備したいと考えております。それから、産業廃棄物は非常にイメージが悪く、なかなか最終処分できないということがございましたので、県としては安全で安心なモデル的な施設をつくって県内で処理できる完結型の廃棄物処理システムに持っていきたいと考えております。また、米軍ごみにつきましては、本国で分別の法的な決まりが何もなく、在日米軍におきましても分別せずに排出することがあります。また、分別されていないので、市町村でも受け入れられず、民間で処理している状況でございます。米軍に対しましては、分別、排出抑制、リサイクルの推進について要請を行っており、米軍関係者からそのような周知を行っていることを聞いておりますが、その徹底をいかに行っていくのかということが主なところかと思います。また、米軍基地内でみずから処理することも大事ですので、そのような処理施設の検討も含めて要請をして、流れをきちんとしたいということがございます。一般廃棄物につきましても、民間業者に処理を委託している状況もございますので、市町村でしっかりと処理できるようなシステムを構築すると同時に、離島の廃棄物についてもしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

○新垣清涼委員長 仲村未央委員。

○仲村未央委員 有機フッ素化合物―PFOSについて、企業局としては嘉手納基地由来であろうと考えているということで、その件については土木環境委員会も通じながら何度も見解を求めてきたところですが、今まで処理にかかってきた額がどういう規模になっているのか、改めてお尋ねします。

○町田優企業局長 PFOS対策の費用ですが、北谷浄水場の活性炭の取りかえ工事に約1億7000万円かかっております。

○仲村未央委員 その処理にかかっている1億7000万円は、発覚から今日までの総額なのか。それとも単年度の額ですか。これは一度限りになるのか、次年度に向けてフィルターなどのいろいろな経費も新たに出てくるのですか。

○町田優企業局長 この1億7000万円は、今回PFOSの問題が発覚したので、先の年度に行おうとしていたものを早めて粒状活性炭を取りかえた費用でございます。これとは別に、北谷浄水場では常時施設の改良工事を行っており、その中で粒状活性炭を取りかえる工事などはありますが、PFOS絡みで県が余分に支払った費用は1億7000万円でございます。

○仲村未央委員 PFOSについては負担せざるを得なくなったですが、その原因をめぐっては、まだ県の見解と沖縄防衛局や米軍の認識は一致していないと思います。今後、どのように対応されていくことになるのかお尋ねいたします。

○町田優企業局長 費用補償の件につきましては、昨年6月に沖縄防衛局に対して要請いたしました。それに対して7月に沖縄防衛局から、北谷浄水場のPFOS対策に係る費用については、現在、米軍とPFOSとの因果関係が確認されておらず、また、我が国のPFOS等に係る水道法上の水質基準が設定されていない中、いかなる対応が可能か検討していきたいという回答がございました。この中で、因果関係のお話を沖縄防衛局がしておりましたので、私どもとしてはその因果関係をさらに確認するために、現在、嘉手納飛行場周辺の地下水の状況を外部委託で調査しております。その調査の中でPFOSが米軍由来であるのかないのか、その辺の因果関係を確認していきたいと考えております。

○仲村未央委員 その因果関係の確認調査は、どのくらいの費用と期間を伴う調査になっているのですか。

○町田優企業局長 調査については、冬季と夏季の2回に分けて行う予定です。現在、冬季の調査として、冬の地下水の状況調査を行っており、その委託費用が2592万円です。次年度は、夏季の調査として1223万7000円を予定しており、合計で3815万7000円をかけて調査を行う予定です。

○仲村未央委員 3815万円という御答弁でしたが、そういった調査も含めて、PFOSについて構造的にも因果関係を確認せざるを得ないということで持ち出されている経費だと認識してよろしいですか。

○町田優企業局長 今回、PFOSが検知されなければ支出しなかったであろうという費用として認識しております。

○仲村未央委員 そうなると、先ほどの北谷浄水場の処理に係る改良等で1億7000万円。それから、今回の調査の3815万円ということで、2億円を超える額に上っているわけです。前回の決算特別委員会のときにも申し上げたと思いますが、こういった負担が結果として、受益者に転嫁されることがないかということをまず一番に懸念されます。皆さんが因果関係を突きとめる上で、本来ならば、企業局の負担ではないということを強く沖縄防衛局を通じて米軍にも認識を共有させていく作業になってくると思うのですが、その負担のあり方、それから求めるに当たっての今後の進め方について、見通しがある部分、あるいは課題や懸念を感じている部分がありましたらお尋ねしたいと思います。

○町田優企業局長 私どもとしては、PFOS絡みで支出した費用を水道料金に反映させるのはいかがなものかという考えでございます。昨年、沖縄防衛局に費用補償を要請した後も、事務レベルでは沖縄防衛局との協議は続いております。したがいまして、私どもとしてもギブアップしたわけではございませんので、今後とも、引き続き費用補償を国に対して求めていきたいと考えております。

○仲村未央委員 県民としても議会としても、このことが企業局の経営に影響を与えていくということは決して看過できないと思っています。皆さんが強い要求をしていることを含めて、我々も強く対応を求めていくべきかと感じております。引き続き、時間がかかっていることではありますが、因果関係の証明も含めて求められていることを確認できましたので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 倉敷環境の件について、先ほど来、選別、分別の話が出ていますが、本来これは持ち込む側の責任の範疇なのか、それとも受け取る処分業者がそれを担うことで成り立つ範疇なのか。どこに選別、分別の一義的な責任があるのですか。

○松田了環境整備課長 廃棄物処理法では、事業者に対して一般的に廃棄物の発生抑制、リサイクルの推進を努力義務として義務づけております。いわゆる選別が必要な混合廃棄物は主に建設現場等で排出されますが、混合して排出しますと選別の費用がかかりますので、処理費が高くなります。処理費が高くても混合のまま出すのか、あるいは処理費を低減化するためにある程度分別して出すのかについては、基本的には排出事業者の考えによるという状況でございます。しかし、今の県内の状況では選別をする事業者が手いっぱいなところもございますので、我々としましては、排出事業者に対しまして建設現場での分別を呼びかけるということで、明日からラジオ等で分別を呼びかけるコマーシャルを流す予定でありますし、県のホームページでもどのようにすれば建設現場で分別ができるかということについての資料を閲覧できるような形にしております。

○仲村未央委員 本来は排出事業者に求めたいところだが、それは上乗せをして受け取る側の処分の範疇でもあるという非常に微妙な努力義務であるので、義務とは違う曖昧さがこういう形で行ったり来たりしてしまうと思うのです。今回のようにコストアップ分を激変緩和ということで補助で持ち出すという根拠についても、そこは厳格に整理されているのか。これは国の政策上、県や自治体が補助することについて想定された対応なのか。それとも、沖縄県独自でやらざるを得ないような環境に置かれて単独でそのような判断をしたのか、その補助の根拠の考え方はどうなっていますか。

○松田了環境整備課長 倉敷環境は大きな炉を持っておりましたので、木くずや廃プラスチックなどの建設系の廃棄物について選別しないでも燃やすことができたということで、選別をするインセンティブが働いていなかったということがございます。選別をする際にはどうしても機械や人手がかかりますので、コストがアップするということで受け入れ費用が上昇している状況がございます。コストアップ分についてはなかなか捻出することができないので、事業者のヤード等で保管しているという新聞記事もございまして、我々としては、そのコストアップ分をなかなか吸収し切れないような中小企業の事業者をターゲットとしておりますが、万が一、そういう業者が不法投棄等に走ると非常に問題があるということで、今回、国のソフト交付金を活用して補助することを検討しているところでございます。

○仲村未央委員 一般的な制度として、コストアップ分を吸収できないときは補助していいという制度があるのか。それとも、今回の緊急事態や県の処分をめぐる特定の業者との対応に特定した補助なのかということを聞きたいのです。

○松田了環境整備課長 廃棄物処理法上、処理費用を県が補助するという制度は設定されておりません。ただ、今回の取り消し処分によって県内の焼却容量が実態として非常に小さくなったということで、一部の建設系のごみ等の処理の行き場がなくて困っているという状況もございます。また、選別をする際のコストも非常に上がっていて、そのコスト分を吸収できない事業者もいるということが新聞等にもございましたので、政策的に県が不法投棄等をさせないよう適正処理に導くために一部補助することを検討している状況でございます。

○仲村未央委員 結局、この件に限って対応せざるを得なくなったといういきさつは、この委員会も含めて皆さんが何度も共有してきたところです。先ほどおっしゃったように、まさに選別のインセンティブを持たない、要は処理できるだろうという前提で契約をし、受け入れてきた。そのてんまつが結局はこのようになったということであれば、処理をしている当該業者の責任は非常に重いわけです。ここに至って、結局は選別をしないまま受け取ったという責任は非常に重い。そして、それを管理できなかった実態が結局は山になって超過せざるを得なくなったということも含めて、指導の弱さも相まったように見えるわけです。それが結果として県民の負担になって、このように補助分として対応せざるを得ないということでつけが回っているわけです。改めて、ここに至った展開をどのように認識しているのですか。

○松田了環境整備課長 廃棄物処理法上、混合廃棄物を焼却する行為は禁止されておりません。したがいまして、ここは民民の活動ですので、コストが安ければ燃やす方向に排出事業者等もいくという状況があったのは事実でございます。私どもは、廃棄物処理法の基準に適合しているか否かについては指導を行いますが、コスト的に安い方向で処理することが必ずしもいけないという指導が実際上できないこともございまして、現在のような状況になったということはございます。しかしながら、県としては当然、分別や排出抑制、リサイクルを推進するという目的がございますので、今後は適正な価格で分別、あるいはリサイクルが進むような形で何らかの指導ができないかどうか検討を行っているところでございます。

○仲村未央委員 もとの法制度自体、最初の冒頭で努力義務となっているために、あくまで民民ですと皆さんはおっしゃいますが、もし日本のどこかで適切にそれが備わってうまくいっている地域があるとすれば、そこの行政の指導力、あるいは県民に対する啓蒙や周知、皆さんが許可権を持っている範疇のかかわりの中での指導力というものは、この間、いかがだったのかということを思わざるを得ないのです。そうでないとあんなに50万トンも積み上がらないわけです。ですから今回を契機に、過剰な負担を結果として県民に求めざるを得ないところに至っていることは、行政側も含めて責任を感じるところかと思っています。もう一つは、分別をすれば適正に受け取るところがあるでしょうと。要は、分別をしないと受け取れませんというところがあるわけです。自治体が持っている焼却炉もそうですよね。特に米軍ごみをめぐっては、分別をすれば引き取れる、分別をしないから引き取れるところが限られていて、結果としてこういう事態を生んでしまっていると。本国でも分別をしていないのでということでは済まないわけです。ここは本国ではなくて、日本ですので。ですから、分別を徹底してもらわないといけないということを前提に協議に持ち込まないといけないと思います。以前から言っていますが、日米合同委員会の環境分科委員会に上げて―これは沖縄だけの問題ではないですが、実際に起きている現場はここなのです。ですから、しっかりとした日米協議の仕組みの中でこのことを整えてもらわないと。現地対応でできる部分と、そもそも本国では分別しないから分別しなくてもいいという前提で米軍が対応していることについては、国際関係の問題として処理させないといけないと思うのです。そこの手続がどうなっているのか、沖縄防衛局との通じ方で曖昧なところではなくて、きちんと確認をして、しかるべき協議の場に上げて対応させるということが非常に課題として求められていると思いますが、その状況と対応についてお聞かせください。

○松田了環境整備課長 在沖米軍との協議につきましては、取り消しを行った11月の時点で話し合いを行っております。その際に分別が必要であるということは県から説明していまして、この件については、改めて沖縄防衛局を通じて話し合いの機会を持てないかお願いをしているところでございます。また、日米合同委員会につきましては、所管が環境省となっており、県の環境部が窓口になっておりますので、そういったことも取り上げていただけるよう、今後、お願いしてまいりたいと考えております。

○仲村未央委員 遅いです。発覚から何カ月も同じことを言っていると思っているのですが、どういう状況ですか。

○大浜浩志環境部長 米軍ごみについては、当初から県も入って市町村や民間と調整させていただきました。その中で、米軍にもいろいろな調整の席に着いてもらっておりますし、非常に取り組んでいただいているところもありまして、ハウジングエリアでは分別について呼びかけているということもございました。そういうことも徹底できるように、また、ほかの基地にも波及していくかと思いますので、この辺は日米合同委員会の環境分科委員会で議論できるように話を進めておりますが、これを早目にできるような形で取り組んでいきたいと思っております。それから、産業廃棄物の処理につきまして、いろいろな循環の中でうまく処理できなかったという事実がありまして、それに今までなかなか手をつけてこられなかったということがあるかと思います。今回、これを機にその辺のことに一層取り組んでいって、県内で処理できるようにしたいと思っています。他府県につきましては広域で処理できることがありますが、沖縄県ではこれができないという特殊性も国に説明して、今回、ソフト交付金でという話になっておりますので、そういう形で取り組みながら、今後、しっかりと適正処理ができるように市町村や県民とも十分に協議しながらやっていきたいと思っています。

○新垣清涼委員長 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 今の米軍ごみについてですが、分別の費用は幾らかかっていますか。

○松田了環境整備課長 今、米軍と民間2社で契約をしているという実態は把握しておりますが、幾らで契約しているかについては把握しておりません。

○赤嶺昇委員 これは把握したほうがいいのではないですか。

○松田了環境整備課長 2社の処理の方式が若干違っておりまして、単価を比較して、適正かどうかを判断することは難しいかと思っております。

○赤嶺昇委員 確認することもしないのですか。

○松田了環境整備課長 御提言がございますので、価格の変動等も含めて把握してまいりたいと考えております。

○赤嶺昇委員 分別費用はどちらが出しているのですか。

○松田了環境整備課長 全て米軍が支払っている状況でございます。

○赤嶺昇委員 これだけ問題になっている中で、先ほどからあるように本国では分別しないということを言っているのですが、これは本国に持ち帰らせたほうがいいのではないですか。これが県民の本音だと思います。分別しないのであれば本国に持ち帰ってくださいということを言ったらどうですか。

○松田了環境整備課長 国内にある在日米軍基地を抱えている市町村にごみの処理がどうなっているかということで調査したところ、東京都の横田空軍基地と神奈川県の横須賀海軍基地につきましては、基地内で処理をしているということが把握できております。その他、青森県の三沢空軍基地、神奈川県のキャンプ座間、山口県の岩国基地、長崎県の佐世保基地につきましては、市町村が受け入れるか、または民間の事業者で処理していることが確認できております。

○赤嶺昇委員 本国で分別していないのであれば、どうぞ本国に持ち帰ってくださいというぐらいの気持ちで訴えないと。なぜこちら側が処理する前提でやるのですか。どうぞ持ち帰ってくださいということを明確に求めて初めて議論になると思います。ほかの基地の話をしているのではなくて、沖縄の処理でこれだけ問題になっていて、分別しないというのであれば本国に持ち帰ってもらえませんかということを明確に求めたらどうですか。

○大浜浩志環境部長 米軍のごみにつきましては、日本環境管理基準―JEGSにおきまして、その中では、国内の許可を得ている業者に委託して処理するということが書かれておりますので、そういう形で処理していることになろうかと思っております。そういう形で一事業者と捉えることもありますが、現在のところ、基地が所在する市町村の中で民間事業者等々と委託契約して処理している状況でございますので、きちんと分別できるシステムについては、今後、米軍にしっかりと要請していきたいと思っております。

○赤嶺昇委員 質疑に答えていません。県として本国に持ち帰っていただけませんかということを明確に求めたらどうですかと聞いているのです。

○棚原憲実環境企画統括監 先ほど環境部長が説明したJEGSという米軍が守るべきものの中に、廃棄物の処理については民間委託できるという説明がありました。ただ、処理ができるというだけで、米軍のごみの削減等については、県内で処理しないといけない場合は環境の負担になります。そういう意味で、ごみの分別とリサイクルの推進、減量化については、渉外知事会を通して米軍側に求めていく状況にあります。JEGSに従って米軍は従来からやっていたという事実はあるので、いきなり国外にという問題については説明のプロセスが必要かと思っております。

○赤嶺昇委員 そんなことを聞いているのではありません。これだけ時間もかかってもたもたしているので、本国では分別していないということであれば、本国に持ち帰らせたほうがいいと。このぐらいの気持ちで臨まないと話にならないと思います。県としては、今、この問題が起きていて、本国に持ち帰ってほしいということを取り上げて初めて議論になります。それをなぜ求めないのですか。皆さんがこれを求めること自体、訴えられるのですか。

○大浜浩志環境部長 県としましては、渉外知事会を通して米軍自身で適正に処理しなさいという要請をしております。その範疇の中で我々は要請していると考えております。

○赤嶺昇委員 答弁になっていません。米軍のごみを自国に持って帰るように求めたらどうかということで、聞いていることはシンプルなのです。求めるか求めないかのどちらかです。

○大浜浩志環境部長 この件につきましては、きちんと上にも報告し、これができるのかどうかも含めて国とも調整して検討していきたいと思います。

○赤嶺昇委員 そこは三役ともしっかりと相談して―こういう問題が起こって県民にも負担になっていますし、分別しないのであれば本国に持ち帰って、向こうには広大な土地もありますし、小さい沖縄では大変です。他府県では基地内で処理しているということですが、沖縄ではこんなに狭いところに押しつけられていることに対して―これは県民感情だと思います。本国に持ち帰ってくれませんかとしっかり言うことで、初めてどのようにしたほうがいいかという議論になると思うのです。そこは政治的な部分も含めて、三役としっかり相談してください。

○大浜浩志環境部長 しっかり上司にも伝えて、国とも調整していきたいと思っております。

○赤嶺昇委員 続いて、犬猫殺処分の実態を教えてください。

○金城賢自然保護課長 県では、動物愛護管理推進計画に基づいてさまざまな取り組みを行っておりまして、犬猫の殺処分数が大幅に減少しております。本県における犬猫の殺処分数につきましては、平成24年度に6604頭でありましたが、平成28年度には1532頭へと大幅に減少しております。

○赤嶺昇委員 県はゼロを目指していると思いますが、これは達成できそうですか。

○金城賢自然保護課長 今、沖縄県の動物愛護管理推進計画に基づいて、さまざまな取り組みを行っております。同管理推進計画は、平成26年度に策定して10年間になっております。平成27年4月に翁長知事が当選されたときに殺処分ゼロを目指すということもございましたので、平成27年4月に同管理推進計画の基本指針の中に、最終的には犬猫の不要な殺処分がゼロとなるような社会を目指してという文言を盛り込んで改正を行い、今、その実現を目指しているところです。ただ、1500頭余りまで減ってきてはおりますが、他府県でもすぐにゼロというわけにはなかなかいかず、終生飼養や適正な飼養など、そういった普及啓発を継続しながら、飼い主、その他関係する方にも、引き続き、その取り組みをしっかりとお願いして、できるだけ早い殺処分ゼロを目指していきたいと思っております。

○赤嶺昇委員 続いて、本県の温室効果ガスの状況を教えてください。

○安里修環境再生課長 本県の温室効果ガスの排出量につきましては、直近の平成27年度の速報値で1250万9000トンとなっております。県の削減目標としましては、平成32年度までに平成12年度の排出量約1237万5000トンと同レベルまで削減することとしており、目標達成まで13万4000トン削減する必要があります。環境省が平成28年度に調査した結果によりますと、排出量が把握されている41都道府県中、沖縄県は28番目の排出量となっております。

○赤嶺昇委員 大分改善できたということですか。直近で見るとどうなりますか。

○安里修環境再生課長 直近で見ますと、今、目標値の13万トン近くまで近づいている現状がございます。これまで温暖化対策の取り組みとしまして、県民への普及啓発の取り組みと県内事業者の数々の取り組みを促進していますので、これらの取り組みが一応の効果を示したものと考えております。

○新垣清涼委員長 休憩いたします。

   午前11時47分 休憩
   午後1時20分 再開

○新垣清涼委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
 玉城武光委員。

○玉城武光委員 歳出予算事項別積算内訳書20ページ、委託料の海岸漂着物等地域対策推進事業と補助金の海岸漂着物等地域対策推進事業について説明をお願いします。

○松田了環境整備課長 海岸漂着物等地域対策推進事業は、海岸漂着物の回収処理事業と海岸漂着物の発生を抑える普及啓発事業を実施する費用となっております。県が実施する回収処理、発生抑制対策事業に要する費用は、委託料として計上しております。また、市町村が実施する場合の費用については、補助率9割の補助金として計上しております。

○玉城武光委員 委託先はどこですか。

○松田了環境整備課長 委託につきましては、環境部、土木建築部、農林水産部それぞれで海岸管理をしている部分について、民間の事業者に委託して回収処理をしております。環境部では、日本エヌ・ユー・エス株式会社と株式会社沖縄環境保全研究所の合同企業体に委託しまして、環境調査と回収等の事業を実施しております。土木建築部と農林水産部につきましては、環境部から分任をいたしまして、それぞれの土木事務所と農林水産部の出先の機関で行っておりますが、委託先についての資料は持ち合わせておりません。

○玉城武光委員 環境部は土木建築部と農林水産部の関係もあって、それぞれのところに補助金や委託があるということですね。

○松田了環境整備課長 はい。

○玉城武光委員 次に、34ページの地中熱エネルギー等を活用した省エネ技術の開発・普及事業、基地返還に係る環境対策事業、再生可能エネルギー電気・熱利用設備導入促進事業、美ら島の環境を守るエコライフ促進事業のそれぞれの委託先はどこですか。

○安里修環境再生課長 まず最初に、地中熱エネルギー等を活用した省エネ技術の開発・普及事業の委託料について御説明いたします。同事業は沖縄振興特別推進交付金を活用して平成28年度から実施しておりまして、平成30年度当初予算額は1610万3000円、委託料として1583万7000円を計上しております。委託は平成28年度から行っており、平成28年度におきましては、本島内3カ所でボーリング調査を実施し、沖縄特有の土質の持つ熱特性の調査や地質等の試験を実施しました。平成29年度は、そのうちの1カ所に地中熱利用空調システムを設置しておりまして、平成30年度は、その実証試験として沖縄県内での主な利用が想定される冷暖房時における省エネ効果、特に電気使用料の削減や地中への影響等を測定し、県内への普及を検討するとともに、地中熱の認知度向上を目指して広報にも取り組んでいく予定でございます。委託についてはプロポーザル方式をとりまして、毎年、プロポーザルを実施して委託先を決めております。平成29年度は中央開発株式会社沖縄支店、株式会社ワールド設計の共同企業体に委託をしております。
 続きまして、再生可能エネルギー電気・熱利用設備導入促進事業の委託料について御説明させていただきます。これについては、本県の特性に応じた複数の再生可能エネルギーをベストミックス―効率的かつ効果的に組み合わせたモデルの構築を目的に、平成30年度から環境省の補助金を活用した再生可能エネルギー電気・熱利用設備導入促進事業を実施する予定でございます。新規事業となっておりまして、当初予算額は1000万円、そのうち委託料が890万7000円となっております。これにつきましても平成30年度は再生可能エネルギー等を利用して環境に配慮しつつ、低炭素島しょ社会の実現に向けたモデル事業における基本計画調査、発電電力量算定、熱需要調査、事業の実現可能性の検討を通じた具体的な事業計画の策定を行います。これに関する委託につきましては、新年度に入って国の補助金申請をいたしますので、予算が確保され次第、プロポーザル方式で委託先を決めたいと考えております。
 美ら島の環境を守るエコライフ促進事業につきましては、平成30年度からの新規の事業でございます。この事業の目的につきましては、沖縄県におけるCO排出量削減、地球温暖化による気候変動への適応に対する行動変容を図るため、体験型学習イベントの開催や地球温暖化防止活動推進員を活用した普及啓発など、県民の意識向上や動機づけに向けた取り組みを実施する予定でございます。委託料としましては、約1171万9000円を計上させていただいております。その内容としましては、これらに係る実証試験、広報に係る経費ということで、これについてもプロポーザル方式をとり、新年度に入って委託する形になっております。まだ実績等はありませんので、選定する業者等は確定しておりません。

○玉城不二美基地環境特別対策室長 基地返還に係る環境対策事業につきましては、米軍の活動に起因するさまざまな環境問題に対応し、県民の安全・安心な生活及び円滑な跡地利用を図るための経費でありまして、在沖米軍関係資料の収集業務と基地返還に係る人材育成業務の2つの事業となっております。在沖米軍関係資料の収集業務につきましては、国内外の公文書館、資料館等における資料や情報を収集し、カルテに反映させることとしております。これは平成29年度の競争入札の中で実施しておりまして、平成29年度の実績として株式会社Nanseiに委託しております。また、もう一つの事業であります人材育成業務につきましては、環境問題に関する専門家を育成すると同時に、県民に情報提供し、意識啓発を図る事業となっております。具体的には、県民にわかりやすく環境問題等を説明する自治体職員を育成する研修会及び県民の関心を喚起するシンポジウムを平成30年度にプロポーザル方式で実施することを考えております。平成29年度の実績としては、いであ株式会社にプロポーザル方式で委託しております。

○玉城武光委員 基地の返還に係る環境対策事業は、具体的に平成29年度はどこで行われたのですか。

○玉城不二美基地環境特別対策室長 平成29年度の事業でございますが、人材育成業務に関しましては、嘉手納以南の返還を予定している5つの施設、基地周辺の自治会を中心に行っております。

○玉城武光委員 次に、35ページの低炭素島しょ社会実現に向けた地球温暖化等対策事業の補助金について伺います。

○安里修環境再生課長 この事業は委託料と補助金がありますが、エネルギー多消費型事業者によるLNG設備導入のモデル構築に要する経費といたしまして、具体的にはLNGサテライト―液化天然ガスの導入に係る補助金でございます。これにつきまして今年度の実績はありますが、補助金の額としましては年間2件程度で、補助率は2分の1以内、上限を4000万円としまして、LNGサテライトを導入する設備事業者に公募をかけまして、選定して交付先を決定します。平成30年度はこれからですが、平成29年度については鉄鋼関係の製造業者が1件、食品関連の製造業者が1件の計2件を採択しております。

○玉城武光委員 次に、49ページの自然環境の保全・再生・防災機能戦略的構築事業の委託について伺います。

○安里修環境再生課長 この事業は、沖縄らしい自然環境を再生、維持していくため、平成27年3月に策定した沖縄県自然環境再生指針を踏まえた自然環境再生モデル事業を実施して、全県的に展開していくに当たってのノウハウ及び課題を整理する事業でございます。これについては、再生した自然環境を地域で維持活用していくことが重要であることから、平成27年度から地元関係者や学識経験者、行政からなる慶佐次川自然環境再生協議会を立ち上げ、再生の取り組み方針や課題を整理し、慶佐次川自然環境再生事業全体構想を策定し、それに基づき事業を実施しているところでございます。委託につきましては、プロポーザル方式により委託先を決定しておりまして、平成29年度につきましては株式会社沖縄環境地域コンサルタント、一般財団法人沖縄県環境科学センターの共同企業体が受託して事業を実施しております。

○玉城武光委員 東村慶佐次川の話が出たのですが、向こうの川辺の事業ですか。

○安里修環境再生課長 東村の慶佐次川で行っている事業でございます。

○玉城武光委員 次に、57ページの赤土等流出防止海域モニタリング事業ですが、これはどこに委託しているのですか。

○仲宗根一哉環境保全課長 赤土等流出防止海域モニタリング事業では、沖縄県赤土等流出防止対策基本計画に基づいて、22の重点監視海域を含む県内28海域において、いろいろな調査を行っております。その中では、赤土の堆積状況の調査やサンゴなどの生物の生息調査、あるいは陸域の流出源の調査。それから22の重点監視海域における河川の環境調査も行っておりまして、その結果を踏まえて、海洋環境の保全と陸域の赤土等の流出防止対策につなげている事業です。この事業は平成24年度から実施しておりまして、一般競争入札で受託者を決定しておりますが、委託先は各年度とも株式会社沖縄環境保全研究所が受託しております。

○玉城武光委員 モニタリングをして、赤土の流出は減っているのですか。

○仲宗根一哉環境保全課長 平成24年度からモニタリングを実施しているのですが、赤土の年間流出量に関しましては、平成5年の赤土等流出防止条例ができる前の流出量が約52万トン、そして直近の平成23年度の赤土の流出量が約30万トンと、開発事業を中心に赤土の流出は減少しています。しかし、約86%が農地からの流出ということで、農地からの赤土流出をいかに削減していくかが大きな課題となっております。

○玉城武光委員 次に、60ページの環境配慮型による緑化木保全対策事業の補助金について伺います。

○安里修環境再生課長 環境配慮型による緑化木保全対策事業につきましては、県内の沿道、公園、公共施設などにおいて植栽整備されているデイゴ、ホウオウボク等の緑化木を病害虫の被害から保全するため、被害等の調査、天敵の活用等、低コストで環境に配慮した防除技術等の開発、研究、被害発生時の診断マニュアルなどの事業を行っております。平成30年度予算につきましては、委託料が1990万4000円、補助金は1993万9000円となっております。委託につきましては、プロポーザル方式で委託先を選定しております。補助金につきましては、市町村が行いますデイゴヒメコバチの防除対策の実施に伴う事業でございます。

○玉城武光委員 デイゴの害虫防除が環境に配慮ということですか。

○安里修環境再生課長 今までデイゴの緑化木、ホウオウボクなどの害虫が街路樹などで発生した場合については、農薬散布が一般的に行われておりました。しかし、農薬散布は周りに拡散しますので、現在、デイゴには樹幹注入といいまして薬剤を注入しております。しかし、これだけではいけないので、天敵昆虫などを活用した防除方法を確立したいということで、環境配慮型としております。

○玉城武光委員 次に、64ページの生物多様性おきなわブランド発信事業について伺います。

○金城賢自然保護課長 この事業は、沖縄の振興の基盤である海、山、川、固有種、希少種などの自然環境、生物多様性の保全及び適切な利用を促進することにより沖縄の生物多様性のブランド維持の定着を図り、また、ブランド価値を発信し、県内外に普及啓発を行う事業でございます。

○玉城武光委員 委託先はどこですか。

○金城賢自然保護課長 この事業は平成28年度から開始しておりまして、生物多様性のブランド維持の定着を図り、普及啓発を図るということで、まず生物多様性の調査等を実施します。それから、地域の生物多様性の実情に応じた指針の策定や情報発信をするということで委託しておりますが、平成28年度にプロポーザル方式で業者選定を行っておりまして、一般財団法人沖縄県環境科学センター、株式会社沖縄環境地域コンサルタント、日本工営株式会社の3社からなる共同企業体を委託先として平成28年度に決定しております。

○玉城武光委員 生物多様性とは、具体的にはどういう種類の生物ですか。

○金城賢自然保護課長 生物多様性とは、さまざまな種がいることによって多様性が広がるということです。沖縄の場合はヤンバルや西表だけではなく、ほかの地域においてもそれぞれの固有種であったり、その地域にしかいない生物とかいます。ですから、そういった地域の価値を調査して、それぞれの地域においてのブランドを発信していこうという事業です。

○玉城武光委員 この地域にはどういう多様性の生物が生息しているなど、資料としてあるわけですよね。

○大浜浩志環境部長 全県的にメッシュを区切って調査して、この地域にはどういう生物がいるということを明らかにして、その地域で生物多様性のブランドを発信していこうということでありますので、各地域の生物の状況を全部調査しているところです。今年度、沖縄本島編の編集をして、次に宮古、八重山、周辺離島という形で公表していくことを考えております。

○玉城武光委員 宮古、八重山も終わった時点で、冊子のようなものを発行するわけですね。

○大浜浩志環境部長 はい。

○玉城武光委員 次に、72ページの外来種対策事業は、どういった事業ですか。

○金城賢自然保護課長 本県は島嶼性という特殊性を抱えておりまして、沖縄県の自然環境、生物多様性を守るために外来種対策をどのように講じていくかということは非常に重要でございます。特に影響の大きい肉食系の外来種―タイワンスジオやグリーンアノールなどの外来生物の捕獲手法を検討したり、外来種対策の総合的な指針や行動計画を策定する事業でございます。

○玉城武光委員 これは、外来種を防止、駆除をする事業なのですか。

○金城賢自然保護課長 この事業は平成27年度から始まっておりまして、専門家からなる検討会を開いて、沖縄に外来種がどのくらい入っているかという状況などを調べております。その結果、沖縄には1400種ぐらいの外来種が入ってきていたということがありました。外来種といっても全てが影響を及ぼすものではありませんので、その中から、既に定着しているもので外来種対策をする重要なものや、まだ定着はしていないが、十分に対策するといった指針を今年度中に策定して、平成31年度までに指針に基づいた行動計画を策定することが大きな柱になっております。

○玉城武光委員 外来生物進入防止事業がありますが、これはどういった事業ですか。

○金城賢自然保護課長 指針と行動計画をつくりますが、その間にもさまざまな外来種が侵入しています。特に肉食系の外来種、例えば先ほど申し上げましたタイワンスジオやグリーンアノール、イタチ、クジャクなどがあります。それらにつきましては、既に捕獲を始めたり、捕獲手法を検討しております。このように、今やらなければいけない対策を進めながら、その他の対策についても指針や行動計画を策定するということです。

○玉城武光委員 具体的にどのような防止対策を行っていますか。

○金城賢自然保護課長 繰り返しになりますが、グリーンアノールというトカゲやタイワンスジオという蛇の生息調査をして、捕獲しながら、効果的な捕獲手法を研究しております。それから、クジャクやイタチの対策、また、沖縄にはまだ入っていませんが、ヒアリの対策等もこの事業で行っているところです。

○玉城武光委員 本部町に生息しているタイワンハブの対策はしていますか。

○金城賢自然保護課長 タイワンハブは特定外来生物になっておりますが、危険な生物でございますので、具体的な対策については保健医療部でハブ研究対策の事業を実施していると聞いております。

○新垣清涼委員長 糸洲朝則委員。

○糸洲朝則委員 当初予算(案)説明資料の14ページ、世界自然遺産登録推進事業については、「やんばる地域及び西表島の世界自然遺産登録を実現し、登録後の遺産価値の維持と適正な利活用の両立を図る」とありますが、これまでの取り組みと、ことしの取り組みを含めて概要説明をお願いします。

○金城賢自然保護課長 世界自然遺産登録推進事業につきましては、世界自然遺産登録の早期登録を実現し、登録後の遺産価値の保全と適正利用の両立を図るため、平成25年度から事業を始めております。まず、平成25年度においては、ユネスコに提出する推薦書の作成に必要なインベントリ―生物種の目録を策定するとともに、イリオモテヤマネコ等、西表島における希少種の生息調査等を実施しております。平成26年度においては、世界自然遺産登録に向けた利用と保全の現状等の予測等を行っております。平成27年度は、利用予測に基づいた今後の対策等を検討し、イリオモテヤマネコの交通事故防止対策基本計画の策定を始めております。平成28年度におきましては、世界自然遺産登録の推薦がヤンバルと西表島がございますので、それぞれの地域別の行動計画の策定やイリオモテヤマネコの交通事故防止対策の検証、ヤンバル地域における野犬・野猫対策の検証、拠点整備構想の検討。それから、普及啓発の推進に関係する映像、パンフレット、ツールの作成、モノレールのラッピング等の事業を実施してきているところでございます。

○糸洲朝則委員 今までの取り組みをもとに、いよいよ登録に向けて具体的な取り組みが始まるわけです。去年の国際自然保護連合―IUCNの調査が最終的な決め手になると思いますが、記者会見の内容と皆さんが得た感触を教えていただけますか。

○大浜浩志環境部長 私もこの記者会見におりました。2人のIUCNの専門家が奄美大島から西表島まで現地視察しています。ヤンバル地域と西表島では、多くの関係者がこれにかかわっているということで、委員からは非常に好評でございました。ヤンバルのマングース対策は世界に類のない取り組みであるという評価や、生物多様性としては十分世界自然遺産の価値があるという評価を受けております。一方、指定された後は多くの観光客が訪れることでいろいろな形で環境に対して負荷を与えないかという、オーバーユースの懸念もございましたので、我々としては適正利用やこれらの影響に対してきちんと対策を講じないといけないと考えております。ヤンバル地域におきましては、盗掘などがございますので、人が入るところの制限、それから西表島につきましては、無秩序な観光業の懸念がありますので、会議の中では地元と連携をとりながら利用ガイドなどをつくって、対策を講じるという打ち合わせをしたところでございます。

○糸洲朝則委員 今の話は非常に重要なことで、世界自然遺産の登録後、どこまで入れるのか、あるいは入ってはいけないといった区分もされるだろうと思います。正直、ヤンバルの森は一般的には林道を走って、そこから少し入るぐらいだと思いますが、見せるところと保護するところの区分けはするのですか。

○金城賢自然保護課長 まさしくヤンバルと西表島、それぞれの地域において世界自然遺産の価値を保全しながら、どのように利用するのかということで、例えば、ヤンバル地域においてはヤンバル3村の協議会の中で森林ツーリズムを具体的に検討しておりますし、西表島でもエコツーリズムと利用のルールということで、ガイドラインの策定に向けて検討しているところでございます。そういったガイドラインを示しながら、保全と利用をしっかりと図っていきたいと考えております。

○糸洲朝則委員 世界自然遺産登録をされたら、当然、国内外から観光客が来ると思います。屋久島でもあったのですが、トイレをどの位置に、どれだけの量、どのくらいの間隔に設置できるかということ等も検討していますか。

○金城賢自然保護課長 世界自然遺産の推薦地は、基本的に法的な保護担保措置ということで国立公園に指定されております。国立公園には利用計画がございまして、その中で歩道やトイレの整備などがありますし、遺産の中でも拠点の整備としてどこにどういった施設をつくるかということを検討していますので、その中でトイレも含めたインフラについては検討していきたいと思っております。

○糸洲朝則委員 今回、世界自然遺産登録推進事業は1億700万円余りですが、登録の前と後の予算配分はどうなっていますか。

○金城賢自然保護課長 登録に向けては、ヤンバルと西表島それぞれの課題を踏まえた計画がございますので、それをしっかりと進捗管理していくことが重要です。それから、エコツーリズムの推進においては、登録後もどういった課題があるのかということは、引き続き予算措置をしなくてはいけません。また、イリオモテヤマネコの交通事故防止対策や野犬・野猫対策。それから普及啓発についても地元においてはまだまだ十分ではないという声もありますので、どのくらいの予算とは明確に申し上げられませんが、そういう意味では登録前と比較して遜色のないような形で、登録後も遺産の価値をしっかりと守りながら利用できるように予算措置ができればと思っております。

○糸洲朝則委員 概要説明の中に、県民等への遺産価値の理解を深めるための普及啓発の推進として、例えば、パンフレットや映像を通してなどいろいろあると思いますが、どういうことを考えておられますか。

○金城賢自然保護課長 いろいろな方に世界自然遺産のことを知ってもらうために、パンフレットやポスターをつくって、ヤンバルと西表島のいろいろな施設に掲示しておりますし、モノレールにも世界自然遺産のラッピングをしています。また、地域におけるシンポジウムやフォーラムを昨年度は那覇市で開催しており、今年度はヤンバルと西表島で開催し、引き続き、そういったフォーラム等によって普及啓発に努めていきたいと思います。

○糸洲朝則委員 次に、国立沖縄自然史博物館について、マスタープランや概要等を読ませていただきましたが、これは国立ですので、最終的に国が動かないことにはどうしようもないということが一つと、沖縄県の島嶼性といいますか、離島を抱えていることが動植物の多様性にもつながっていると思いますが、設立準備委員会では構想までつくるのですか。

○金城賢自然保護課長 設立準備委員会は、最初に構想をつくった日本学術会議が主体となっている委員会でありまして、そこで国立沖縄自然史博物館のパンフレット等も作成しております。それを踏まえて、県としても来年度の委託料の中で国立沖縄自然史博物館ができた場合の沖縄のメリットや沖縄らしさについて調査研究をして、沖縄県としてどういった自然史博物館が必要かということについてあらわしていきたいと思っております。

○糸洲朝則委員 あくまでも思いつきと試験的なものですが、ルーヴル美術館や大英博物館、スミソニアン博物館などの大きなものは沖縄には必要ないと思います。ですから、分散型で―例えば、事務局を含めた展示を中心とした本館を那覇市を中心にした中南部地域に、研究棟についてはOISTと並立したもの、ほかには西表島か石垣島、当然、奄美大島と徳之島も含めてバックヤード的な研究と、それを蓄積するようなものなどが沖縄らしいですし、コスト的にもいいのではないかと思いますが、どうですか。

○金城賢自然保護課長 まさしく委員がおっしゃった、世界自然遺産に推薦をしております奄美などを含めた沖縄の地理的な特性や生物多様性、自然環境なども踏まえた自然史博物館になると思います。地理的には離島県でございますので、大英博物館といった大きなものとは違った形になると思いますが、展示などの機能について、分散型、ネットワーク型の提案は、これまでのシンポジウムの中でも日本学術会議のメンバーの方からも話があります。そういったこと等も踏まえてしっかりと調査研究しながら、沖縄における国立沖縄自然史博物館がどうあるべきかということについて、これから検討していきたいと考えております。

○糸洲朝則委員 次に、離島廃棄物適正処理促進事業について概要説明をお願いします。

○松田了環境整備課長 離島廃棄物適正処理促進事業は、国の一括交付金を活用して、離島における廃棄物の効率的な処理とリサイクルの促進、埋立処分場の延命化について調査検討を実施する事業でございます。平成29年度から実施しておりまして、平成29年度は各離島市町村における廃棄物処理の現状と課題について詳細な調査を行うとともに、最終処分場の建設が困難な状況を踏まえ、離島市町村で発生する焼却灰のリサイクルの可能性について検討委員会を設置し、検証を行っております。これらの結果を踏まえて、平成30年度は効率的な処理方法の検討、焼却灰のリサイクルにかかるコストの分析を実施する予定となっております。

○糸洲朝則委員 離島といっても、小規模離島から中規模離島といろいろありまして、特に小規模離島はどうしても自己完結型にしないといけないと思っておりますが、小規模離島の廃棄物処理については、取り組みも含めてどのように考えていますか。

○松田了環境整備課長 小規模離島の焼却施設、あるいは最終処分等については、法律上、基本的に市町村の責務となっておりまして、負担をなるべく少なくするために、国の補助金を活用して施設をつくるということで、県がいろいろとお手伝いしております。それから、どうしても離島で処理できないようなもの、例えば、自動車の廃棄物や家電製品などについても国の補助制度がありますので、県ではそういう補助制度の活用についても市町村の担当課長会議、あるいは我々が直接出向いて、市町村の負担を少なくするための手法について指導しております。今回の事業につきましては、例えば、離島の市町村で連携して処理をすれば安くなるのかとか、追加でこういう施設を設置したら処理がうまくいくとか、そういったことも平成30年度から離島の担当者も委員会に入っていただいて検討していきたいと考えております。

○糸洲朝則委員 基本的には焼却施設をつくり、それを中心にして処分するということを考えているのですか。

○松田了環境整備課長 平成25年度から、離島市町村で広域的に処理をしたらどうかという調査をしておりまして、例えば、八重山地区におきましては、石垣市に竹富町のごみを集めて処理をしたほうが相対的にコストは減少するといった調査結果も出ております。こういった結果も各離島市町村にはお示しして、今後、炉の更新や建てかえ等のときに検討していただけないかということで、情報提供を行っております。

○糸洲朝則委員 産業廃棄物や一般ごみ等いろいろありますが、加えて、離島はどの島に行っても漂着ごみがたくさんあるのです。これは別項目だと思いますが、そういったものも一括して処理できるようなシステムは考えていますか。

○松田了環境整備課長 漂着ごみにつきましては、別途、国の9割の補助がございまして、希望する市町村については、国から9割の補助をいただいて、市町村に補助を交付して処理をしていただくことをやっております。その際に、市町村においては、小型の焼却炉をリースして海岸漂着物を焼却することもやっておりまして、そういう制度の活用も紹介していきたいと思っております。

○糸洲朝則委員 次に、米軍から派生する諸問題への対応として、返還跡地等解体作業石綿飛散防止事業がありますが、ポータブル式石綿分析機器の整備費について、説明をお願いします。

○仲宗根一哉環境保全課長 この事業の背景ですが、SACOの最終報告等に基づいて、今後、嘉手納より南の土地返還が予定されております。返還時の建物の解体作業に伴って、アスベストの調査を行うことが見込まれます。この事業は、アスベスト―石綿調査を迅速かつ確実に実施できる体制を構築するという事業で、返還跡地等における建物の解体作業を遅滞なく実施するとともに安全性を確保することで、結果的に円滑な跡地利用の推進や県民の健康被害の防止を図る事業となります。具体的な内容としましては、管轄内に基地がある南部保健所、中部保健所、北部保健所の3保健所にポータブルのアスベストの分析機器を整備して、機器の運用マニュアルを作成します。予算は、ポータブルのアスベストの分析機器3台分の購入費用となる備品購入費2332万8000円となります。

○糸洲朝則委員 分析機器の設置は、まず先にやらなくてはいけないと思いますが、この機器を設置することによって、後につながる迅速かつ高精度な石綿調査実施体制を実現したいという理解でいいですか。

○仲宗根一哉環境保全課長 委員のおっしゃるとおり、従来は事業者が建物の各部分にアスベストが使われているかを調査するのですが、最終的に建物を除去なり取り壊す際には、保健所の職員が入って確認します。その際、ほとんど目視による確認が多く、アスベストが入っているのではないかと疑われるときは、サンプルをとって分析機関に回しますが、その分析だけで1カ月ぐらい時間がかかります。しかし、ポータブル式の機器でしたらその場で瞬時にわかるので、その意味からすると迅速に検査が行われるということでございます。

○糸洲朝則委員 それでアスベストの存在がわかったら、問題はその処理です。これは非常に処理技術が難しく、以前、西普天間地区のときにも質疑して、業者がきちんと処理していますという答弁をいただいた記憶がありますが、その処理体制に対する取り組みはどうですか。それなりの資格を持っていないとできないですよね。

○仲宗根一哉環境保全課長 正式な名称は忘れましたが、解体や除去に当たっては資格を持っている方が対応することになっておりますので、そういった体制については既に確立されているものと理解しております。

○糸洲朝則委員 ここが一番大事で、業者に任せっ放しではなく資格者をしっかりとつけるなど、いろいろなものが想定されますので、その処理業務に力を入れていただきたいと思います。
 次に、企業局ですが、施設整備とあわせて施設の老朽化対策があると思うので、修繕耐震化と長寿命化対策についてはどのように取り組まれていますか。

○山里徹配水管理課長 長寿命化とは、管路や土木構造物及び機械設備等を適切に維持管理することによって使用年数を延ばしていくことに寄与するものです。長寿命化対策を実施することで、ライフサイクルコストの低減が図られます。長寿命化を実現するために施設を適切に維持管理し、延命を図ることが重要になりますが、PDCAサイクルを通して、実情に応じた施設整備計画の見直しを図ることが重要となっております。そのため、施設の長寿命化に資する点検、修繕方針を定め、設備ごとに修繕計画を策定し、修繕予算の確保に努めているところです。更新についてですが、企業局では管路を含む土木構造物、建築物等の施設や機械設備等の種類に応じて独自の更新基準を定めており、現有施設の健全性等も適切に評価しながら、計画的な施設の更新に努めております。耐震化についてですが、先ほどの更新に際しては、全ての施設の耐震化を図ることとしております。平成28年度末現在、企業局の管路総延長が695キロメートルありますが、耐震化率は40.8%、約294キロメートルとなっております。浄水場は、平成28年度末の耐震化率が38.7%ですが、現在進めている北谷浄水場の設備が完了すると、平成33年度の予定では68.8%に向上する見込みです。ポンプ場は63.5%、調整池は87.5%となっております。

○糸洲朝則委員 着実に進めていらっしゃると思いますが、裏を返せば残りの部分は耐震化対策を練っていないということになるので、比較的地震の頻度の低い沖縄と言われているのですが、きのうも西表で震度2の地震があったということを考えたら、やはり備えあれば憂いなしで100%を目指してやっていただきたいのですが、これはいつごろをめどにしていますか。

○山里徹配水管理課長 ただいま申し上げました耐震化率はそれぞれ目標の数値が決められておりまして、浄水場等の浄水施設に関してはおおむね70%で、ポンプ場等については50%、配水施設については70%となっております。現在、水の供給量が日量約40万トンですが、これが供給できる施設の規模を想定した耐震化率となっております。現在、これを目標に耐震化を進めております。

○糸洲朝則委員 100%が目標ではないのですね。

○山里徹配水管理課長 目標は100%になっておりません。

○糸洲朝則委員 それでいいのですか。やはり最終的には100%に持っていかないといけないでしょう。

○仲村豊企業技術統括監 委員がおっしゃるように、100%を目標にやっているのですが、何分、物すごい資金が必要で、現在のペースで進めていっても目標的には大体これぐらいで、まずはそこから進めて100%に持っていくということでございます。そのために、アセットマネージメントという手法を用いて施設整備計画を立てて、順次、着実に施設の更新に向かっているということでございます。

○糸洲朝則委員 インフラという面から見ても、いつまでに100%という目標を立てるべきではないかと思いますが、再度、答弁をお願いします。

○仲村豊企業技術統括監 現状、大体40%でございまして、管路は80年の耐用年数があります。この80年の耐用年数をもたせつつ行いますが、新しい管については耐震管になっておりますので、古い管の部分をできるだけ早目に耐震化することで頑張っております。ただ、やはり資金面の問題があるので一気に進まないということで、着実に進めていければと考えております。

○糸洲朝則委員 最後に、沖縄県企業局中長期計画について説明をお願いします。

○渡嘉敷道夫参事兼総務企画課長 沖縄県企業局中長期計画は案の段階でございますが、平成30年度の予算につきましては、それに基づいて策定しております。当該計画は、現在、推進している第9次の企業局経営計画が平成29年度で終了するので、それに続く計画として策定しているものです。これまで、企業局におきましては昭和60年度から9次にわたって計画を立ててきたのですが、これまでの計画はおおむね2年から4年の短期のものでございました。今回の計画では、計画期間を平成30年度から平成49年度までの20年間の長期の計画としております。この策定の目的としましては、東日本大震災の経験等を踏まえた災害に強い水道の構築や、水質の課題への対応、本島周辺離島への用水供給の拡大。それから、今後、沖縄県でも予想される人口減少社会到来への対応など、これらの水道事業を取り巻く環境の変化や、高度化、多様化する県民ニーズに適切に対応し、健全かつ安定的に将来にわたって水道事業の運営が持続できることを目的に策定しているものでございます。

○糸洲朝則委員 この計画に基づいて推進していくことが、先ほどの長寿命化や耐震化の達成にもつながるという、表裏一体のものと思って聞いておりますが、それでいいですか。

○渡嘉敷道夫参事兼総務企画課長 この計画の中に施設整備計画も入っております。

○新垣清涼委員長 座波一委員。

○座波一委員 午前中の米軍ごみ対策の問題に関する環境部長の答弁の中で、沖縄防衛局や米軍と協議するという発言がありました。私としても、米軍に送り返すぐらいの気持ちで交渉を行うという意味はわかりますが、行政としては本末転倒な話ではないかという気がします。先ほどの答弁がそういうことだったのか、もう一度、確認します。

○大浜浩志環境部長 午前中、赤嶺委員から本国にというお話がありましたが、我々としては、米軍と分別や減量化等々についていろいろな形で調整、協議をさせていただいているところです。私が午前中述べたのは、上司にも報告して、どういう対応がとれるのか検討したいという話をさせていただきました。まずは分別、排出抑制、リサイクルということをきちんと米軍に要請して協議を進めていくことが一つの柱でございますので、それをまず進めていきたいと考えております。

○座波一委員 今後、排出の抑制やリサイクルの推進について協力を要請することはいいのですが、そもそも現行法規の産業廃棄物処理法では、混合ごみを排出して処理することが認められているわけです。その中で、市町村ができないので、この会社が今まで行っていたわけです。混合ごみが出たからそういう問題が起きたのではなくて、結局、そういうものが積み重なってごみ山となり、ごみ山が解決できなくて不法投棄につながり、最終的に許可の取り消しにつながって業務ができなくなったという因果関係があるわけです。ですから、こういうごみを排出しているから悪いという結論にはならないということは、行政として認めないといけないと思います。逆に、産業廃棄物の政策ができていなかったのではないかと。リサイクル、分別をしっかりと見きわめて、この業者で本当に対応できているのかということも見きわめたはずなのですが、どうでしょうか。

○大浜浩志環境部長 廃棄物には産業廃棄物と一般廃棄物がありますが、基地内でも産業廃棄物については分別されていて、それが基地外の民間業者で処理されているということは、マニフェストも行っています。ただ、ハウジング、いわゆる一般のごみについてなかなか分別ができないということがありますので、そこをどうにか分別するシステムができないのかということで協議しております。そこは意見が少しかみ合わないのですが、今、我々が言っているのは一般廃棄物、ハウジングのごみの分別について要請していきたいということでございます。

○座波一委員 今後、そういう協力を求めていくことは必要だと思いますが、米軍のごみ問題を米軍に対する社会問題とすることが非常におかしなことではないかと思っております。そして、産業廃棄物の適正処理に1億2500万円という対応がとられているわけですが、取り消しをするときにこれぐらいかかるだろうとか、あるいはそういう業務が必要だろうという想定はできていましたか。

○松田了環境整備課長 取り消しの段階で、取り消し後の廃棄物の処理でどういう問題が起きるかについては検討をしております。その時点では、分別を徹底することにより、県内で許可を取得している焼却施設で焼却処理することができるだろうと考えていたという状況でございます。

○座波一委員 確かに、そのときは分別すれば、例えば琉球セメントの施設で処理が可能と言っていました。しかし、結果としてできなかったわけですから、そういった最悪のことも想定していましたかと聞いているわけです。

○松田了環境整備課長 その時点では分別が困難な廃棄物が出る。あるいは分別をしても焼却せざるを得ないくずやかけらのような混合ごみが引き続き残るという、その量については想定できなかったという状況でございます。また、年が明けてから琉球セメントや沖縄電力等、受け入れている施設の点検が行われたことで焼却の受け入れがなかなかできないような状況になるという、当初は想定していなかった状況も重なりまして、処理が一時滞っている状況を招いたと考えております。

○座波一委員 最終的には、ごみ山の改善計画の甘さからつながっていると思っています。ですから、不法投棄につながり、それが許可の取り消しにつながって混合ごみに対応することができなくなったことに起因していると思います。これは専門としての政策が甘かったのではないかということを指摘させてもらいます。
 話は変わりますが、取り消し処分をした会社と、新たに申請中の会社の役員構成はどうなっていますか。

○松田了環境整備課長 役員構成は異なっております。

○座波一委員 一人たりともですか。

○松田了環境整備課長 1名も役員は重なっておりません。

○座波一委員 取り消し処分の場合、刑罰も発生するはずですから、恐らく新会社にはかかわれないと思いますが、それは了解していますか。

○松田了環境整備課長 法律上、取り消し処分を受けた時点での役員は、5年間は新たな許可を取得することができないものと定められております。

○座波一委員 ポリ塩化ビフェニル―PCBの廃棄物処理についてですが、今、どのような形で委託していますか。これは専門業者がいるのですか。

○松田了環境整備課長 PCBが入っているオイル等につきましては、全国の指定された処理施設で処理することが定められておりまして、沖縄県の場合は北九州市にある施設で処理するということで、沖縄県下にある全てのPCBの廃棄物は、高濃度の部分に限りますが、北九州市で処理が行われております。

○座波一委員 民間から処理をするための補助がないので困っているという話があるのですが、民間も対象になっていますか。

○松田了環境整備課長 中小企業につきましては処理費を減額する制度がございまして、そのために国、県が出資して基金という形で積み立てが行われております。それを使いまして、中小企業の処理費が減額されている状況でございます。

○座波一委員 ごみ山の処理に戻りますが、もう一度、当初の処理計画を確認させてください。8年間でどのように処理するのですか。

○松田了環境整備課長 倉敷環境から提出された計画では、平成27年2月に稼働した焼却溶融炉の稼働後、8年以内にごみの山を標高68メートルまで下げるという計画になっておりました。処理につきましては、分別の上、焼却溶融できるものについては溶融をして、リサイクルまたは最終処分を行う計画であったと思います。

○座波一委員 あのごみ山のごみを分別するということ自体、理解しがたいのですが、分別したものを溶融するという考えですよね。

○松田了環境整備課長 最終処分場ですので、産業廃棄物を埋めた後、覆土をするという行為が行われております。したがいまして、最終処分場には廃プラスチック、木くず、一部の金属くずとあわせて覆土に使われた土壌が混ざった状態になっております。そういう状況ですので、その中から木くずや廃プラスチックなど燃やせるものを選別して燃やすという手順で処理を行っていく計画でございます。

○座波一委員 ごみ山を分別できるぐらいであれば、そういったものを分別できる体制があったのではないですか。

○松田了環境整備課長 受け入れたごみにつきましては、分別をすると手間がかかるということや、比較的、焼却溶融炉の容量が大きいこともございまして、分別をせずに焼却していたと聞いております。

○座波一委員 いずれにしましても、溶融炉の故障が相次ぎ、おくれているということが現実に起こっているわけで、そのときの見込みも非常に甘かったのではないかと思います。溶融炉の容量もそんなに大きくなく、あれで県が8年計画で合意したということが非常に不思議でならない状態でした。あれで本当にできると約束されていたわけですか。

○松田了環境整備課長 倉敷環境から8年以内に処理するということで沖縄市とも約束していたと記憶しております。

○座波一委員 その辺が非常に甘いのではないかと。ごみ山が限界に来たから不法投棄が発生したわけであって、それに起因しているわけです。あくまでも産業廃棄物には公共がかかわらないというのが原則だったかもしれませんが、そこは管理、監督する県としては甘かったのではないかと思いますが、どうですか。

○大浜浩志環境部長 超過廃棄物については、その前には同規模の安定型の処分場がありまして、これにつきましてはほぼ完了し、残っているのは管理型最終処分場の42万6000立方メートルでございます。新しい炉は、民間業者では九州も含めて恐らく大規模な処理施設だと思いますが、事業者が1日200トンの計算で示したものについて8年以内で合意したということでございます。それをきちんと実行させるために、沖縄市と地元の3自治会、農業団体、業者、それから県も入った7者協議会で進行管理会議を設けて、全体を12区画に区分し、段階的に処分をさせるということで、その都度、改善を徹底させてきたという経緯がございます。その中で今回、不法投棄が発覚し、許可を取り消して、現在は滞っている状況です。その後の対応につきましては、7者協議会の中で事業者の処理計画をきちんと精査しながら改善を徹底させていきたいと考えております。

○座波一委員 許可の取り消し後、ごみ山の処理義務はどこに移りますか。

○松田了環境整備課長 処理義務につきましては、引き続き、株式会社倉敷環境にございます。

○座波一委員 実際に許可の取り消しの状態で処理できますか。

○松田了環境整備課長 去る2月に開催した7者協議会におきまして、倉敷環境の代表者から、現在、手続中の関連会社が設置許可を取得した以降に協力をお願いして、共同で処理していきたいという説明がございました。

○座波一委員 説明を受けて、それで了としたのですか。

○松田了環境整備課長 協力を受ける新会社ときちんとした計画をつくって、7者協議会で示すよう指示したところでございます。

○座波一委員 ごみ山は延々と解決しない状況に陥る危険性があります。これは代執行の可能性すら出てくるのではないですか。

○松田了環境整備課長 現時点では、段階的に倉敷環境に措置命令を出しまして、法律上もきちんとした義務を課すという手順を踏みまして、倉敷環境に処理をさせていきたいと考えております。

○座波一委員 赤土対策とサンゴ再生について午前の議論を聞いておりますが、私はサンゴの再生あるいは海を保全することは、赤土が流出している限りはどういう手を打っても無理だと思います。80%が農地からの流出だと言っておりましたが、環境部としては農地からの流出とわかっていながらどういう手を打っているのでしょうか。

○仲宗根一哉環境保全課長 赤土の問題につきましては、県は全庁的な協議機関として赤土等流出防止対策協議会を設置しておりまして、そのもとに幹事会やワーキングチーム会議を開催していて、関係する農林水産部、土木建築部、環境部等々で対策について協議を行いながら、平成25年度に策定した赤土等流出防止対策基本計画に沿って対策を進めているところでございます。

○座波一委員 目に見える形で対策が進んでるということで考えていいですか。

○仲宗根一哉環境保全課長 環境部としては、関係部局が行っている対策について進捗管理を行うという役割で全庁的な協議会、幹事会等に参加しております。モニタリング事業につきましても陸域の対策につなげていくという目的で行っておりまして、例えば、平成28年度の海域モニタリング調査の結果については、昨年11月8日に赤土等流出防止対策協議会のもとにある幹事会を開催して報告を行ったところでございます。その内容としては、22の重点監視海域について、海域の環境目標である赤土の堆積状況等々の達成状況や削減状況、それから陸域の赤土の流出状況、発生源の状況について報告しております。こういう情報を関係部局で共有し、今後の具体的対策として、農林水産部においては圃場の整備、グリーンベルトの設置、マルチング等の複合対策の実施、サトウキビの株出しの推進などを実施することとしております。また、土木建築部では開発事業における赤土等の流出防止対策の啓発と徹底、環境部では定期パトロールの実施及び指導の徹底のほか、環境教育の推進や赤土等流出防止活動の支援を継続して行っております。

○座波一委員 環境部としてはモニタリングを初め、調査や支援活動しかできないというようにしか聞こえません。ですから、そういうところを赤土の流出防止に対して農林水産部、土木建築部に下水道の処理も含めて、やはりそういうことをやらないと、本当の意味での環境対策につながらないということは明らかではないですか。全庁的に、そういった話し合いはしていますか。

○仲宗根一哉環境保全課長 先ほど申し上げました赤土等流出防止対策基本計画をもとに行動計画を策定しておりまして、この行動計画の中で関係各部局の役割を決めて、その中でお互い赤土等の流出の削減に向けた対策の事業等を実施しております。特に、行動計画の推進に係る実施対策担当課としましては、環境保全課のほかに農林水産部では営農支援課、農地農村整備課、村づくり計画課、糖業農産課、土木建築部では技術・建設業課といったところが集まって対策を検討しております。

○座波一委員 ジュゴンの対策もあるわけですから―ジュゴンの保護については、どこまでやろうとしているのか、どのような手を打つのかが見えてこない。やることをきちんとやりながらであればいいのですが、赤土は垂れ流し、下水道は未整備のままジュゴンがどうのということはどうかと思っておりますが、どうですか。

○金城賢自然保護課長 ジュゴンの保護対策事業についてお答えします。ジュゴンにつきましては、環境省のレッドリストや沖縄県のレッドデータブックにおいて、最も絶滅の危険性が高い絶滅危惧Ⅰ類に指定されております。また、その生態等がよくわからないということで、平成28年度と平成29年度にジュゴンの保護対策事業を進めてきました。専門家による検討委員会を開催しまして、目撃情報やこれまで調査されていなかった海域等を設定して調査を行ってきました。その結果、ジュゴンがこれまで調査できなかった深い海域の藻場も利用していることが平成29年度までの調査でわかりましたので、平成30年度も引き続きジュゴンの餌場について詳細な調査を行っていきたいと思います。そういった調査を踏まえて、ジュゴンの保護対策について、引き続き検討していきたいと考えております。

○座波一委員 次に、漂着ごみの対応として、今後、小型焼却炉で地区内で処理するという方針を進めていくのですか。

○松田了環境整備課長 市町村が回収処理する場合に、国の補助金を活用して9割の補助を行っております。市町村によっては産業廃棄物の業者に処理を委託する場合と、小型の焼却炉を設置してみずから焼却するという対応をとっている市町村があります。どちらの手法をとるかについては各市町村の方針や考え方によりますが、いずれにしても、漂着ごみの回収処理を円滑に進めたいという市町村の方針に基づいて必要な補助金を確保していきたいと考えております。

○座波一委員 行政側として小型焼却炉の規制の基準等を変える予定はありますか。

○松田了環境整備課長 焼却炉の基準は国が定めておりまして、国が定めた基準を我々は現場で業者等に指導するという形になっております。したがいまして、現在、県が基準を変更するということは考えておりません。

○座波一委員 本島内の海岸線を抱える市町村からそういう要望が出た場合でも対応はできますか。

○松田了環境整備課長 可能でございます。

○座波一委員 それを焼却する場所については制限がありますか。

○松田了環境整備課長 基本的には、焼却の規模により設置許可が必要か否かが変わってまいりまして、炉の大きさや1日の処理できる量によって異なってまいります。一般廃棄物の焼却施設の場合、一定規模以上の大きさであれば県の許可が必要になってくるということでございます。また、場所的には廃棄物処理法以外にも法律がございますので、各法律で設置できるかどうかを判断していくことになるかと思います。

○座波一委員 外来種対策事業について一般質問でも言いましたが、県としてはギンネムそのものの害は認めていないのですか。

○金城賢自然保護課長 ギンネムについての認識ということですが、外来種対策事業において、ギンネム以外にも沖縄県にはさまざまな外来種が入ってきておりますので、今年度中にそのリストの作成と外来種対策についての総合的な指針を策定するということで、パブリックコメント等を実施しながら策定に向けて進めております。その中で、外来種については緊急的に対策をしなければいけないものや、まだ入っていないものについては予防をするということがありますので、そのランクづけをしております。まず、既に入ってきている外来種については大きく2つのカテゴリーに分けており、重点的に対策しなければいけないものを重点対策種、それ以外は対策種としております。まだ入ってきてないものについては重点予防種、あとは予防種という形でやっております。ギンネムについては、対策種として位置づけられています。ギンネムも外来種ですので対策しないといけませんが、さらに重要なものとして指定された12種には入っておりませんので、まずはその12種について対策をしつつ、ギンネムについても今後、市町村も含めたいろいろな関係機関等と検討していかなければいけないと思います。その意味では、指針を策定した後に平成31年度までに行動計画をつくりますので、そういった行動計画を策定する中において、引き続き検討していきたいと考えております。

○座波一委員 ギンネム被害の先進地といいますか、小笠原諸島がひどかったようですが、その辺の情報をぜひ入れたほうがいいです。南部、中部、北部地域まで大変な状況ですから、もっと現場を見て調査したほうがいいです。

○金城賢自然保護課長 委員からありましたように、小笠原諸島は世界自然遺産に登録されておりまして、ギンネムについては対策をしていると聞いております。ただ、全ての地域で行っているわけではなく、世界自然遺産の守るべき場所を選択して対策をしていると聞いております。我々も世界自然遺産を目指しておりますので、その対策の方法等については非常に参考になると思います。小笠原諸島から情報なり、いろいろと教えていただきながら、引き続き検討させていただければと思っております。

○座波一委員 海を守るのは森林です。森林を守るためにはギンネムをとにかく阻止しないといけません。ぜひよろしくお願いします。

○新垣清涼委員長 具志堅透委員。

○具志堅透委員 午前中から質疑を聞いていて、これまでもそうですが、沖縄県のごみ行政全般にわたってどうなっているのだろうという疑問を抱かざるを得ません。ごみ山に起因する昨今のごみ行政の混乱ぶりは指摘しておかなくてはいけないと思っております。それに沿って質疑したいと思っています。
 まず初めに、公共関与事業推進費について、進捗あるいは完成年度、そして最終処分場が完成することによって沖縄県の全体的な処理能力。それから何年までのめどが立ったのかという部分について、メリットを含めて答弁をお願いします。

○松田了環境整備課長 公共関与による最終処分場の進捗状況については、平成29年度末時点の予算ベースで約8.7%となっております。完成供用は平成31年夏ごろを見込んでおりまして、引き続き工事が円滑に進むよう取り組んでまいります。同処分場に埋め立てる廃棄物は県内で発生する燃え殻等を予定しておりまして、平成31年度の供用後、15年間の供用期間を見込んでおります。公共関与による最終処分場の稼働により、現在、非常に逼迫している最終処分場の状況が緩和されるものと考えております。

○具志堅透委員 この緩和とは、どの程度緩和されるのか。例えば、本土へ持って行く部分がなくなるのか。一般廃棄物の最終処分も受け入れるという話にもなっているのですが、沖縄県の全体的な最終処分場として十分可能なのですか。

○松田了環境整備課長 現時点の見込みとしては、15年間分の産業廃棄物の受け入れを予定しておりまして、現在、民間事業者が許可申請を出している事業場等もございますが、そこが稼働しますと2カ所の体制になり、影響はないものと考えております。

○具志堅透委員 これまで一般廃棄物―一般家庭ごみに関しては市町村が担当していて、比較的スムーズといいますか、それほど問題もなく処分を行ってきているだろうと。問題なのは産業廃棄物です。やはり廃棄物処理場の絶対数―最終処分場はこれによって15年間は安泰だということであれば最終処分場に関してはいいのですが、産業廃棄物の処理業者の育成などをこれまで怠ってきたのではないかと感じます。現在、処理業者は県内に何業者あって、それで全て賄えるのか。例えば、米軍から発生するごみに関しても、本来ならばあるべき姿ではありませんが、分別されていなかったにせよ、これまでは倉敷環境が受けて対応できていたということですよね。その倉敷環境がああいう状況になって、それを処理できる業者がなくなったというところだと思うのです。そうすると、産業廃棄物処理業者の絶対数が足りない、あるいは彼らが抱えている処分場等々が足りないという結論に至るのではないかと思っているのです。そこのところはどうですか。

○松田了環境整備課長 直近として、平成27年度末のデータでございますが、産業廃棄物の収集運搬業が計930社、処分業が174社、計1104社となっております。瓦れき等を埋める安定型の最終処分場につきましては、数、受入可能容量とも非常に余裕がある状態ですが、産業廃棄物の最終処分場については、受け入れ可能な業者、施設が2カ所、受け入れ容量も余りないという状況でございます。

○具志堅透委員 ごみ山の問題については、不法投棄が原因で取り消し処分に至ったと思いますが、ごみ山の状態を放置してきた部分も含めて、絶対的に処分場が足りないということではないのですか。それで山積みにされていたのではないですか。

○松田了環境整備課長 現時点で管理型の最終処分場は2カ所で、残余容量が少ないという状況でございますが、これにつきましては、ここ10年程度、そういう状況が続いているものと認識しております。

○具志堅透委員 そこをどう手当てするかは県の責任だと思います。沖縄県はただでさえ島嶼県で県土面積も狭いわけですから、県内で出るごみは県内で処理しないといけないわけですよね。そこの部分でしっかりとした計画を立てて整備していくことが県の仕事だと思うのですが、そこはどう考えていますか。

○松田了環境整備課長 そのような状況もございまして、県としては平成16年度から公共関与による最終処分場の建設の検討に着手して、これまで場所の選定等を行ってきたところでございます。平成31年度の供用開始を目指して、現在、鋭意工事を進めている状況でございます。

○具志堅透委員 10年間は厳しい状況にありますというのが最初の答弁ですよね。それが平成31年度に完成したら15年は安泰ですと。そこのギャップはどうなりますか。

○松田了環境整備課長 検討を開始して候補地を選定する作業を進めてまいりましたが、設置先の合意や了解を得ることに時間を要してしまったということがございます。

○具志堅透委員 私が言っているのは、沖縄県全体で処分をする最終処分場は足りているのかという話なのです。ごみ行政の計画としてどうなっているのかということを確認したいのです。足りていないということで、10年間は厳しいという話をしたでしょう。

○大浜浩志環境部長 平成16年度から取り組んできておりますが、平成8年度ごろから検討してきたところでございまして、これができて、平成31年度からは処分できると思っております。今まで倉敷環境があっても、毎年、1万2000トンぐらいは本土で処理しております。これは県内で処理できないものでございます。こういったものにつきましても、地元の了解を得ながら公共関与で処理できるように手当てをしようということで、検討しているところでございます。

○具志堅透委員 ということは、例えば、一般家庭から出てくる一般ごみに関しては市町村でほぼ賄っていけていると。そして、懸念されている産業廃棄物に関しては、公共関与の最終処分場ができればほぼ15年は大丈夫ということですね。
 そこでもう一つ問題なのは、処理業者の育成です。先ほど930社、あるいは174社ということがありましたが、そこの育成や指導、研修などについてはどうなっていますか。

○松田了環境整備課長 平成18年度に導入しました産業廃棄物税―これは、最終処分をする際に1トン当たり1000円を課税しておりますが、その税収を使って産業廃棄物業者の優良化研修を実施しております。これは、どのようにして廃棄物を適正処理するか、さらに、優良事業者認定という制度がございますので、それをどうやって取得するかについて事業者に研修を行う事業でございます。そのほかに、産業廃棄物事業者あるいは排出事業者に対する補助ですが、排出を抑制する施設あるいはリサイクルを推進する施設に対して補助する制度等も同時に実施しております。

○具志堅透委員 処理業者も足りているということであれば、なぜ米軍基地から発生するごみの問題が起こるのですか。

○松田了環境整備課長 先ほど説明した数字は、産業廃棄物の処理業者の数でございます。それに対して、米軍ごみ―ハウジングエリア等から出る生活系のごみにつきましては一般廃棄物の許可となっておりまして、これまで中部にございます倉敷環境ともう一社の2社が長年やってきたという状況がございました。したがって、倉敷環境の許可の取り消しに伴いまして、倉敷環境にかわる処理を行える事業者が現状でなかなか見つからなかったということが原因として考えられます。

○具志堅透委員 そこを見ると、その部分は足りていないということですよね。そこの業者育成というのが必要ではありませんか。

○松田了環境整備課長 民間でやることについては、いわゆる米軍と民間事業者の契約に基づいて行っております。しかしながら、倉敷環境の部分を受け入れている事業者は産業廃棄物の許可も持っておりまして、産業廃棄物の受け入れが若干制限されている状況もございますので、我々としましては市町村での受け入れ、あるいは米軍基地内の施設建設による受け入れ等を進めることが必要ではないかと認識しております。

○具志堅透委員 米軍から発生するごみの処理は市町村で受けるべきだということですが、そうではなく、基地内で処分させたらどうですか。私はそこをしっかり県として国に要請する、あるいは米軍と折衝するとか、そこを強力にやるべきではないかと思います。当然、リサイクルやごみの減量化、分別は重要です。それを否定するものではないのですが、基地内であれだけの数量が出るわけですから、そこは基地内でという考えはないですか。

○松田了環境整備課長 渉外知事会の中で、国に対して基地対策に関する要望を毎年出しておりますが、その中身を少し読み上げさせていただきます。「基地内の廃棄物等については、その排出抑制を図るとともに、分別を徹底することにより可能な限りリサイクルを推進し、廃棄物焼却施設等の整備を含め米国政府の責任で適正に処理すること。」ということで、施設整備も含めて要望は行っております。要望先は外務省、環境省、防衛省の3省でございます。

○具志堅透委員 渉外知事会では弱いです。きょうの答弁で、全国で2カ所ぐらいは基地内で処理しているという話がありました。なぜ沖縄県が独自に国と折衝できないのですか。ましてや沖縄県は島嶼県で本土から離れていて、県土の面積も狭くて処分が難しいわけですから、そこを考えると基地内で自分たちのごみは自分たちで処理をしなさいという要請は可能ではないですか。それこそ知事と相談してしっかりと要請すべきだと思いますが、どうですか。

○大浜浩志環境部長 今、渉外知事会で要請しているということがありましたが、我々は焼却施設も含めて米軍基地内で整備してほしいということを要望しておりまして、今後、引き続き要望してまいります。しかし、それをするためには国との協議が必要だと思いますので、国としっかり協議しながら、問題解決に向けて取り組んでいきたいと考えております。

○具志堅透委員 ですから、そこをしっかりと強力に国とやってくれということです。これは知事を先頭にやらなくてはだめだと思います。その辺はどうですか。

○大浜浩志環境部長 日米合同委員会のもとに環境分科委員会がありますが、その中で提案できるように検討して調整していきたいと考えております。

○具志堅透委員 しっかりと対応してください。その次に来るのが、リサイクル率を高めたり減量化を図っていくことだろうと思います。そこで、ごみ減量化推進事業費の事業の中身を説明してもらえますか。それ以外に減量化に対する対策費等々があるのかどうか、あるならばどういった対策をしているのか、説明をお願いします。

○松田了環境整備課長 ごみ減量化推進事業費は、特に一般廃棄物の適正処理とごみの減量、再資源化を推進するための普及啓発、環境教育に要する費用を計上しております。主なものとして、ごみの減量やリサイクルを呼びかけるバス車内広告に要する費用、小学生を対象とした普及啓発プログラムの実施に要する費用となっております。

○具志堅透委員 委託料で約200万円ということですが、それはどういう内容ですか。

○松田了環境整備課長 バスの車内広告の委託、それから、買い物ゲームと言いまして、小学生にいろいろな買い物のシミュレーションをしてもらい、家庭から出たごみを処理するのにどのぐらい費用がかかるのかを知ってもらうゲームがございまして、それを各小学校で実施するための委託費用となっております。

○具志堅透委員 減量化は一朝一夕にはできない部分があって、なかなか検証や効果というものは見えにくいのかもしれません。県はそういった取り組みを長年継続してきていると思いますが、その中でどれだけ減量できたのか、その実績はありますか。

○松田了環境整備課長 ごみの排出量で見ますと、平成11年度がピークで沖縄県全体で年間51万3000トン排出されておりましたが、平成26年度は44万6000トンということで約20%の減になっております。また、一般廃棄物のリサイクルにつきましては、平成11年度は11%だったものが、平成26年度は14.7%で、一時15%を超えている時期もありましたが、今は15%程度で向上している状況にございます。

○具志堅透委員 ごみの減量については、少しずつではありますが効果が出ていると思っております。
 ごみ山の処理の件について、8年間の計画ということですが、倉敷環境は許可を取り消したので、これはどこがやるのですか。

○松田了環境整備課長 廃棄物処理法上は、株式会社倉敷環境が処理をする責任があると考えております。そのため、段階的に措置命令を発出しまして、法的にもきちんとした形で処理の義務を課すことを考えております。2月に行いました地元との7者協議会の中では、株式会社倉敷環境の社長から新たに許可申請をしている会社の許可が出た段階で、この会社に協力を求めて一緒に処理をしていきたいという申し出がございましたので、具体的な処理計画を2社でつくって、7者協議会で説明するようにということを指導したところでございます。

○具志堅透委員 その計画は出ていますか。

○松田了環境整備課長 2月13日に協議会が行われておりますが、まだ計画は出ておりません。

○具志堅透委員 その会社はどこから処理費用を捻出して、どのように処理していくのですか。

○松田了環境整備課長 今、設置許可申請書が出ておりますが、新しい会社が使用する倉敷環境が使用していた2炉につきましては、所有権は引き続き株式会社倉敷環境にございます。そういうことで、新しい会社は倉敷環境から施設を賃借するということで賃貸借契約書が出ておりますので、賃借料がごみ山の処理に使用されるものと考えております。

○具志堅透委員 ということは、倉敷環境の社長が新たに会社をつくって、そこにさせますと。その会社がこれまでの倉敷環境の設備を借りて行うということですね。その費用部分は、新しい会社は通常の処理業務をしながら行うということですか。

○松田了環境整備課長 そうなっております。

○具志堅透委員 計画を出すように言っているということですが、県の考え方としては何年で処分するつもりですか。

○松田了環境整備課長 現時点では7者協議会で合意を見ている平成27年2月の稼働から8年後という合意事項がまだ生きておりますので、我々としては、基本的にはその8年間で処理するものと考えております。

○具志堅透委員 それは可能だと思いますか。

○松田了環境整備課長 倉敷環境からは、稼働当初、炉のふぐあい等があり、なかなか処理が進まなかったという状況もあって、8年間では難しいのではないかと考えており、時期を延ばすことも検討の一つだという趣旨のお話がありますので、基本的には計画が出た段階で7者協議会でその計画を検証して、期間を見直すかどうかについては決定してまいりたいと考えております。

○具志堅透委員 そこは非常に弱い感じがあります。皆さんは7者協議会の合意事項がまだ生きているから8年でさせたいと。しかし、会社側が8年では無理だと言えば、そこは相談していきたいと。県は責任を負いたくないから逃げているのではないかとしか捉えられません。県が費用を出さないとこれは処分できないと思うのですが、どうですか。

○松田了環境整備課長 現時点で、ごみ山の処理は行為者である株式会社倉敷環境が処理すべきものと考えておりますので、法令上、措置命令を出して、きちんとした形で処理義務を課して処理を進めさせるのが現時点での考えでございます。

○具志堅透委員 現時点でというところに思惑があるのかと思いますが、これは皆さんが取り消した時点で自分たちで責任を持って片づけるという決意のあらわれだと思うのです。それをそのまま処分をした業者にやれということは酷で、無理だと思います。それは行政処分をしたり、あるいは8年であれば8年間補助を入れるなどの方法をとらないとできないと思いますが、どうですか。

○松田了環境整備課長 7者協議会において株式会社倉敷環境から新しい会社と連携して処理していきたいという申し入れがありまして、その計画をつくるように指示したところでございますので、その計画の内容を踏まえて、どのような対応をしていくか、今後検討してまいりたいと考えております。

○具志堅透委員 次に、北谷浄水場の改良を行っていると思いますが、その進捗について教えていただきたいと思います。

○石新実建設課長 現在、北谷浄水場で行っている改良事業につきましては、老朽化した機械設備、電気設備を更新すること、それから、土木施設の耐震化、浄水予備力の確保という目的で事業を行っております。この事業は、平成21年度から着手し、平成33年度までを目標に進めているところですが、進捗率については今のところ事業費ベースで53.9%という状況です。

○具志堅透委員 これは計画どおり進捗しているということでいいですか。

○石新実建設課長 昨今、一括交付金の削減もあり、一部事業の先送りということもございまして、必ずしも計画どおりにはいっていないところがございます。

○具志堅透委員 新年度の予算も削減されていますか。

○石新実建設課長 企業局が策定しておりますアセットマネジメントを用いた整備の更新計画では、年間135億円を投じていかないと施設の健全な状態を保った更新はできないという計画を立てておりますが、平成30年度はおおむね120億円程度の事業費にとどまっている状況です。

○具志堅透委員 どの程度のおくれが出ますか。それによる影響はありませんか。

○石新実建設課長 北谷浄水場の改良事業については、当初、平成32年度を目標にしていたのですが、それが平成33年度に延びている状況です。浄水能力という視点から見ると、現状の施設はまだ健全に動いておりますので、1年延びたからといって直ちに送水能力、あるいは浄水能力に支障が出るという状況にはございません。

○具志堅透委員 次に、伊江村の送水管の施設がえの予定があると聞いておりますが、説明をお願いします。

○石新実建設課長 本部町から伊江島へ送水している海底送水管ですが、これは昭和50年から昭和51年にかけて整備されて40年以上が経過しており、法定耐用年数を経過している状況にあります。その更新事業に次年度から着手する予定になっており、平成30年度に実施設計を行い、平成31年度から平成32年度で更新を完了する計画になっております。

○具志堅透委員 次に、水道事業の広域化については順調に行っていますか。課題等はあるのか、どこから先に進めていくのかという部分をお願いします。

○石新実建設課長 水道広域化事業については、平成28年度から本格的に事業に着手いたしました。本島周辺離島8村に水道用水供給を拡大するという事業ですが、3月1日に粟国村に対して水道用水供給事業を開始いたしまして、沖縄本島と同じ条件で供給がなされているところです。残る7村につきましては、用地の絡みで若干おくれているところもありますが、平成26年度に8村、県、企業局の3者で覚え書きを交わしておりまして、その中で平成33年までに全ての離島村に対して用水供給を開始するとうたっておりますので、今、その目標に向けて努力している状況です。

○具志堅透委員 それによって水事情の改善につながるものと理解していいですか。

○石新実建設課長 これら8村は水源が乏しいということもありまして、安定給水にこれまで不安を抱えていたところですが、企業局で水源が不足しているところは新たに水源を開発、あるいは海水淡水化施設を導入して、安定給水につなげてまいりたいと考えております。

○具志堅透委員 沖縄本島ではほぼ断水もなく、安定的に安全・安心なおいしい水を供給できていますが、小規模離島においては、まだまだ断水や水不足、渇水対策が必要なところがあるのかもしれません。それで今、海水の淡水化ということで簡易のものを購入しましたよね。その稼働状況等々、それによってどういう効果が出ているというところをアピールしていただきたいと思います。

○山里徹配水管理課長 可搬型海水淡水化装置の稼働状況ですが、沖縄県企業局では平成28年度に沖縄振興特別推進交付金を活用し、可搬型海水淡水化装置を2台導入しております。沖縄県内では昨年夏から小雨傾向がありまして、座間味村の阿嘉島で自己水源が枯渇するおそれがあったため、昨年9月6日に座間味村から可搬型海水淡水化装置の対応の要請を受けました。沖縄県企業局では平成29年9月8日に対応することを決定し、平成29年10月2日に可搬型海水淡水化施設設備を阿嘉島へ運搬、設置し、10月6日から淡水を生産している状況です。

○新垣清涼委員長 座喜味一幸委員。

○座喜味一幸委員 ごみ問題、環境問題というものは、我々が生活を営む上で大事な行政であって、責任を誰に問うわけでもなく、自己責任においてしっかりと対応すべき課題がいっぱいある部門だと思っています。離島県である沖縄における環境行政は大変複雑で、多様なものがあると思うのですが、予算を見ても小さいですし、職員も極めて少ないのではないかと思います。ごみ問題を広域化していかないと沖縄では解決できない課題が多いということと、もう一点は、東京都市部で考えたごみの法律などを沖縄バージョン、離島バージョンに直さないと、結局、沖縄、離島のごみ問題は解決しないので、この辺を何とかしないといけないという立場から質疑させてもらいます。
 まず、産業廃棄物の問題ですが、先ほど182万立方メートルの産業廃棄物があるという報告をいただきました。この中で離島の問題をピックアップしたいのですが、離島の産業廃棄物の実態をどう押さえていますか。それとあわせて、沖縄の経済が大きく伸びている、外国人観光客がふえていることを含めると、182万立方メートルの産業廃棄物量というものはここ数年伸びる傾向にあります。この伸びる傾向をどう押さえているのかということを伺います。

○松田了環境整備課長 産業廃棄物の排出量ですが、直近の詳細なデータが平成25年度のデータでございます。平成25年度の実績を平成27年度に調査しておりまして、その結果、地区別に申し上げますと北部地域が32万6000トン、中部地域が74万9000トン、南部地域が15万9000トン、宮古地域が8万トン、八重山地域が3万6000トン、那覇地域が47万5000トンになっております。排出量については、平成17年度から平成26年度までございますが、平成17年度が194万4000トン、これに対して平成26年度が180万トンになっており、若干減少している状況でございます。

○座喜味一幸委員 そのデータの中で、不法投棄についてはどのように押さえていますか。

○松田了環境整備課長 手元に調査データがございませんが、不法投棄につきましては保健所ごとに集計しておりまして、北部地区、中部地区、南部地区、その次に宮古地区という形で不法投棄の件数があったと認識しております。

○座喜味一幸委員 不法投棄ごみに関しては、沖縄全体の7割が宮古地域にあるというので、こんなことはあり得ないと思っています。この正確な実態把握はどうなされているのかということは少し置いておいて、年々産業廃棄物の量が減っているのですが、実態としては離島においても建築資材のリサイクル、要するにアスファルトやコンクリートの廃材などは企業の中で処理されて表に出てきていないのではないのかと思っているので、減る傾向にあるのが理解できません。その要因についてはどう理解していますか。

○大浜浩志環境部長 正確な数値はありませんが、若干減っている理由としては、家電リサイクル法や自動車リサイクル法といった法整備によってリサイクルがふえて、排出量がこの中に入ってこないということはあるかと思います。小さいごみの量などについては、今手元に資料がないのではっきりしたことは言えませんが、そのような法整備によってリサイクルがふえていると考えております。

○座喜味一幸委員 今おっしゃった自動車については、離島には中古車しか入らないので、結局潰して持っていくしかない。電化製品にしても来たものはそのまま持っていっているのでこれは理由にならないと思っております。
 少し話を進めまして、小規模離島から出た産業廃棄物については運搬等で処理するしかないと思っていますが、その量は先ほどの数字と関連しているのか。それと、沖縄本島に運んでいると思うのですが、その輸送量と輸送にかかるコストは把握されていますか。

○松田了環境整備課長 先ほどの平成25年度のデータにつきましては、例えば、宮古地域、あるいは八重山地域で発生したものを沖縄本島に運んで処理をする量も含めて調査が行われております。ただ、これは事業者にアンケート調査を行って集計したデータでございますので、アンケートの回収率というところもございまして、その全てを完全に網羅しているかというところでは若干データの積み上げの漏れ等はあるかと思っております。

○座喜味一幸委員 船舶の年間輸送費はどれくらいですか。

○松田了環境整備課長 船舶輸送費の詳細なデータについては持ち合わせておりませんので、今はお答えできません。
 平成26年度のデータですが、移動の状況につきましては、宮古地域から中部地域に1000トン、南部地域に1万1000トンとなっており、宮古地域で3万6000トン、計5万1000トン発生しているという調査結果になっております。

○座喜味一幸委員 宮古、八重山など離島における産業廃棄物が最終処分場で処理される量は把握されていますか。あわせて、リサイクル率と最終処分場に行く率まで出してくれたら、ありがたいのですが。

○松田了環境整備課長 平成26年度、宮古地域につきましては、5万1000トン発生し、そのうち宮古地域で3万6000トンが処理されています。八重山地域につきましては、1万5000トン発生のうち1万4000トンが八重山地域で処理されているという結果になっております。

○座喜味一幸委員 なぜ宮古地域だけこれほど多いのですか。

○松田了環境整備課長 抽出調査をしておりますので、全量を正確にはかるというところに若干の誤差といいますか、漏れなどがあるということになっております。

○大浜浩志環境部長 その当時、宮古地域が多かったことについては我々の中でもいろいろと話し合いましたが、伊良部架橋建設の際に廃棄物が出たのではないかという見解はありました。

○座喜味一幸委員 いずれにしても、離島における産業廃棄物や建築の廃材等は、砂利や砂などにリサイクルされてほとんど処理されていますが、その他の処理できない部分が農業用の廃ビニールを含めて幾つかあります。このごみ問題の原則は地域で完結しなければいけないことだと思っていて、できれば海上輸送費等をかけるよりも地域で完結するために―先ほど、海洋漂着物を処理している人もいると言っていましたが、これは単なる一事例であって、これが地域に根差して現実的な処理につながらないと行政ではないのです。そういう意味ではどうですか。

○松田了環境整備課長 今、委員が御指摘された、例えば、農業用の廃プラスチックや廃ビニール等がございますが、法令上、市町村が設置する焼却施設でそのような産業廃棄物を受け入れることは可能となっております。したがって、県としては市町村に法令上、可能であるということも含めて説明しておりますが、焼却施設の規模や炉の形式の問題などがあり、なかなか地元の合意が得られずに、これが進んでいないのが実情でございます。ただし、宮古島市におきましては、最終処分場で産業廃棄物を受け入れて処理をするという、いわゆる合わせ処理が行われている状況でございます。

○座喜味一幸委員 合わせ処理については委員会で前向きに取り組みますということでしたので、その回答を得ようと本会議で質問したら、後ろ向きの答弁になっていました。今、合わせ処理を行うのは発泡スチロールだけなので、具体的に技術基準をつくっておろしていかないと―新品の焼却炉できれいにカロリー計算をして燃やせば、廃ビニールなんて幾らかは処理できるのです。離島においては野焼きをしてもだめ、隣のオバーが灰をとるために木を集めて火を燃やしたら、内地の人が消防署に電話をして逮捕されるというようなことがあって、沖縄バージョン、離島バージョンのごみ対策を今つくらないと、この問題は金だけがかかって解決しないと思うのです。その部分も前から言っているのですが、もっとスピード感を持って、具体的に検討会で取り組んでいくという決意を持ってください。

○大浜浩志環境部長 前回の土木環境委員会でもスピード感を持ってというお話がありました。離島廃棄物適正処理促進事業が今年度から始まっており、各離島のいろいろな問題点を洗い出しておりますので、それを踏まえて各離島の処理を促進する形で考えております。今、委員がおっしゃったような問題が上がってきておりますので、そういったものの適正処理、効率的な処理はどうあるべきかということを来年度しっかり考えていきたいということでこの事業を立ち上げておりますので、その中でしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

○座喜味一幸委員 前回の委員会でも出ましたが、沖縄にチリメーサーがどれぐらい入っているかをリストアップしてみましたが、宮古島でも設備会社などが入れて自分たちで処理しているのです。産業廃棄物業者には迷惑かもしれませんが、それぐらい事業者も自分たちの企業で処理していくことを真剣に考えて、そういうところにお金を使うとトータルとして輸送費などの節減になるのです。今、離島のごみ問題や海洋漂着物の問題を解決しないと、観光立県として恥ずかしいことになります。これはいつごろまでに基準をつくりますか。具体的に決めましょう。

○大浜浩志環境部長 先ほど言いました離島廃棄物適正処理促進事業で来年度に計画をつくりますので、それを踏まえて、次年度以降、モデル実証事業も行いながら加速させていきたいと思っております。

○座喜味一幸委員 現場には先進的な技術が入って進んでいるので、そういうものを網羅しながら、早目に基準をつくって対応していかないといけないと思います。もう少し具体的に区切りをつけてやりましょう。決意をどうぞ。

○大浜浩志環境部長 離島廃棄物適正処理促進事業でしっかりと対応していきたいと考えております。

○座喜味一幸委員 外来生物侵入防止に関する条例について、実態として予算もふえてきているのですが、どういう事業にどのように適用されて、どういう結果が出ているか、その辺を教えてくれませんか。

○金城賢自然保護課長 外来生物侵入防止事業は、公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例の運用を円滑に実施するための事業です。この事業の実績としましては、平成27年度に予算措置しておりますが、今のところ那覇空港の滑走路増設事業に伴う奄美大島からの石材を搬入するという1件であります。

○座喜味一幸委員 搬入されたものに対してはどういう状況ですか。

○金城賢自然保護課長 那覇空港の滑走路増設事業においては、搬入前に奄美大島の3カ所の採石処理場に外来生物の侵入に関して専門家も同行して調査しております。埋め立て事業者の沖縄総合事務局に助言しまして、そういったことを踏まえて対策をしております。捨て石ということで海中にも投入されているので、その際も現場において外来生物の侵入があるかどうかということをチェックしましたが、外来生物の侵入は確認されませんでした。

○座喜味一幸委員 平成27年に条例が制定されて、今になって施行基準、技術基準をつくるということで予算が計上されているのですが、これとの関連はどうなっていますか。

○金城賢自然保護課長 外来生物侵入防止事業の来年度の予算措置は、外来生物の生息調査ということです。これは土砂に伴って入ってきますが、土砂の採取場所やそこにいる外来生物もさまざまですので、一律に基準を定めることはなかなか難しいと思いますが、届け出が出た際に採取場所がわかりますので、その採取場所に専門家も同行して、その場において調査しながら、外来種対策について助言していく形で進めていきたいと考えております。

○座喜味一幸委員 外来生物侵入防止条例については一生懸命つくったのですが、結局、那覇空港で外来生物の危惧種はほとんど見つからないと思っています。それよりも外国から入るもののほうが大変心配です。そういう意味では、外国から入る土砂等に関しては、植物防疫所―国にお任せして、県が国内のものを一生懸命やっても、結局、余り結果が出ていない、本当に機能しているのかと思います。
 次に、ジュゴンの話ですが、今までジュゴンの議論をしていて、希少種を守りなさいという話があって、専門家からは沖縄には3頭しかジュゴンはいないと。その調査はいいのですが、保護、繁殖を優先することが環境行政としては最も大事ではないのかと思います。政治的な活動に使われて、ジュゴンを守りなさいと世の中は大騒ぎしているのですが、このジュゴンをどのようにして保護、繁殖させていくのか。その意味がどういうものなのかしっかりと捉える必要があると思うのですが、いかがですか。

○金城賢自然保護課長 ジュゴンの保護対策事業につきましては、平成28年度から取り組んでおります。ジュゴンは餌場が重要ですので、どこに餌場となる海域があるかということで調査をしまして、昨年度にこれまで知見のなかった深いところにある藻場も餌場としているということもありました。そういったことを踏まえて、どこが主要な餌場なのか、主要な海域なのかというところを決めまして、そこの環境保全。それから、分布域などなかなか生態がわからないのでそういった調査をすること、また、混獲対策の推進ということが検討委員会でも言われております。保護増殖事業につきましては、こういった調査を踏まえた上で検討会でさらに検討していきたいと考えております。

○座喜味一幸委員 ジュゴンは今、夫婦別居中だそうです。繁殖する手だてを今打たないといけないのですが、政治的な問題が多すぎて研究者が入れない。自然保護という意味においては、政治を全く抜きにした純然たる環境行政に取り組んでいただくことを希望します。

○新垣清涼委員長 以上で、環境部長及び企業局長に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 どうぞ御退席ください。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○新垣清涼委員長 再開いたします。
 次に、予算調査報告書記載内容等について御協議をお願いいたします。
 まず初めに、要調査事項を提起しようとする委員から改めて、提起する理由の御説明をお願いいたします。
 座喜味一幸委員。

○座喜味一幸委員 2つ出しましたが、1番目は、沖縄振興公共投資交付金及び沖縄振興特別推進交付金の予算確保に向けてしっかりと知事を先頭に取り組まなければ、観光振興やインフラ整備等に大変影響があるので、知事にその辺をしっかりと質疑したいと思います。
 2番目に、環境影響評価条例の改正に当たっての各部局との調整状況及び沖縄振興への影響について、この条例改正が及ぼす影響は大きいと思いますので、その辺について先ほどもありました各部局間の調整等が十分だったのか、その辺を含めて質疑させてください。

○新垣清涼委員長 以上で、要調査事項を提起しようとする委員の説明は終わりました。
 次に、予算特別委員会における調査の必要性及び整理等について、休憩中に御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、要調査事項について協議)

○新垣清涼委員長 再開いたします。
 要調査事項につきましては、休憩中に御協議いたしましたとおり報告することといたします。
 次に、要調査事項として報告することについて反対の意見がありましたら、挙手の上、御発言をお願いいたします。
 照屋大河委員。

○照屋大河委員 知事の取り組みも重要だと思いますが、きょうの新聞にも自民党県連会長が菅官房長官と会って云々という予算のものが示されていました。むしろ、政府の裁量について沖縄21世紀ビジョンも含めて一括交付金のあり方の部分はどうだったのかというところで疑問を持つところでありますので、我が会派としては、知事を呼び出して議論する必要はないだろうという意見を持っています。
 それから、環境影響評価条例についても、土木建築部の意見も勘案しての状態だということまで環境部長はおっしゃっていましたので、調整及び連携はできているだろうと思っていまして、これも必要ないと私たち会派としては考えています。

○新垣清涼委員長 ほかに意見はありませんか。

   (「意見なし」と呼ぶ者あり)

○新垣清涼委員長 意見なしと認めます。
 以上で、要調査事項として報告することへの反対意見の表明を終結いたします。
 次に、特記事項について御提案がありましたら、挙手の上、御発言をお願いいたします。

   (「提案なし」と呼ぶ者あり)

○新垣清涼委員長 提案なしと認めます。
 以上で、特記事項の提案を終結いたします。
 次に、お諮りいたします。
 これまでの調査における質疑・答弁の主な内容を含む予算調査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○新垣清涼委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 次回は、3月19日 月曜日 午前10時から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。