平成21年(2009年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 2月25日
玉城  満
 

 ハイサイ。
 改革の会、玉城満でございますが、先ほどの教育長の凡事徹底の話にもちょっと結びつくかと思って、ある本を紹介したいなと思っております。
 これは、「沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史」という、佐野眞一さんが書いた本なんですが、沖縄の戦後の政治の世界であるとか経済であるとか裏社会であるとか、多分仲井眞知事も特別出演されているんですね、ところどころでは。
 この本の中で、ことしは議会100周年、そして首里城明け渡し以来400年と。沖縄が今までこの歴史をたどってきたところをちょっと総括せぬといけないんじゃないかと、僕なりに思っていたところ、この本を読んだときにびっくりしました。
 実は、沖縄より約10何年か前に、1953年ですから19年前ですか、奄美大島が本土復帰したんですね。その当時の奄美大島が本土復帰したときのルポがこれに書かれておりまして、ちょっと紹介いたします。
 ここで奄美大島の議員であるとか要職につかれた方たちが、奄美大島が本土復帰したから非琉球人という名でいろんな世界から解雇されているんですね。一番びっくりするのは、公職からの追放、参政権の剥奪、土地所有権の剥奪、公務員試験受験資格の剥奪、国費留学受験資格の剥奪、融資の制限ということで、どういう方たちが当時解雇されたかといいますと、琉球政府の行政副主席で立法院議長を兼ねていた泉有平さん、そして琉球銀行の初代総裁であるとか、そういう要職についた人たちが全部解雇されたんですよ。これは当時、USCARという米国民政府から琉球列島の圧力はあったにせよ、実はこのUSCARに圧力をかけたのがウチナーンチュだったということがしっかり書かれているんですね。
 ということはどういうことが起こっていたかというと、当時、やはりかなりきつい奄美差別というのが行われていたんです。僕らが小さいころ、ワラバーしていたころの話なんですよ。全然そういう話も聞かされてない。これでいいのかなと、ウチナー。僕、思ったんですね。だから、ウチナーは今まで400年の間、ヤマトから搾取されている。ヤマトにサッタンドーということばかり言い続けているけれども、自分たちの琉球孤の一員である奄美に対してこういうことをやっていたということを堂々と僕らは反省し、そしてそれを総括していかないといけないと思うんですね。これは子供たちにも示しがつかぬという感じが僕はしているんです。
 だからこれをきっかけに、ことしは議会100周年ですから、式典でこの泉さんのチーシジの方であるとか、中村安太郎さんのチーシジの方をぜひ招待してわびる、謝罪するということをやってはいかがかなと僕は思うんですね。こういうことに僕らはやはりふたをしてはいけないと思うんです。今までやはりウチナーがヤマトに行き初めて、ヤマトで差別を受けたりして、だんだん私はウチナーンチュではありません症候群みたいな病気にかかる人がたくさんいるんですよ。
 出身地を聞かれても、おたくは沖縄ですかと聞かれたら、いや、違います。いやいや、おたくはウチナーンチュでしょうと。いや、九州です。九州はどこですかと。南の方です。3回ぐらい質問しないとウチナーンチュと言わない。こういうものを生んだのは、やはりすべて差別なんですよね。だから堂々と私はウチナーンチュでありますというような、これからウチナーンチュはそういう世界をつくっていかない限り、先ほど凡事徹底の話もございましたが、子供たちに示しがつかないんじゃないかという気がしておりまして、ぜひこの奄美の出来事に関しては、この議会100周年でも取り上げてぜひ僕らなりに、沖縄県が謝罪するわけで、もう議会が先頭を切ってそういうかつて解雇されたお2人の立法院議員の方を、そして副主席の方をどうにか名誉回復という形で僕らは謝罪しないといけないんではないかと思っております。
 これはちょっと長くなりましたけれども、質問は短いですから心配しないでください。
 ということで質問に入らせていただきます。
 1、都市計画に関して。都市計画というのは島ジュクイですね。
 (1)、まちづくり三法について。
 ア、沖縄県で有効に機能しているかお聞かせください。
 イ、各市町村と連携して広域調整をしているかどうかお聞かせください。
 ウ、沖縄県に適した新しい条例をつくる必要があると思うが、県の見解を伺う。
 (2)、文化・観光との連携について。
 ア、各市町村の文化・観光の実態について。
 イ、ピクチャースポット(観光名所)の整備について。
 (3)、鉄軌道導入の可能性について。
 2、観光政策に関して。
 (1)、観光客誘客戦略について。
 ア、本土向け戦略と課題。
 イ、アジア向け戦略と課題。
 ウ、欧米向け戦略と課題についてお聞かせください。
 (2)、知事の公約した観光客1000万人構想について。
 ア、観光客数ではなく高品質、英語ではセレブと言っているみたいですが、そのセレブ観光に転換をする時期に来ているのではなかろうかという意見がありますが、県の見解を伺います。
 3、教育に関して。
 (1)、中頭教育事務所の移転後の跡施設利用についてお聞かせください。
 4、警察・公安に関して。
 (1)、沖縄警察署移転について説明していただきたいと思います。
 (2)、町の再生、発展のために各地域に適した交通規制緩和が必要なケースがあると思うが、県警の方針はどうかお聞かせください。
 5、土木及び物流に関して。
 (1)、中城湾港新港地区の整備の進捗状況と役割についてお聞かせください。
 (2)、沖縄県の物流について。
 ア、沖縄本土間の物流(海路・空路)の実態と課題をお聞かせください。
 イ、沖縄外国間、特にアジアの物流(海路・空路)の実態と課題をお聞かせください。
 (3)、泡瀬埋立裁判後の国・県・市の経済的合理性に向けての取り組み状況についてお聞かせください。
 6、国管轄施設に関してですが、財団法人海洋博覧会記念公園管理財団、国の特定公園施設であります首里城公園及び美ら海水族館の県への移管の可能性についてお聞かせください。
 7、文化に関して。
 (1)、予算捻出の工夫についてお聞かせください。
 8、基地問題に関して。
 (1)、ホワイト・ビーチのモニタリングポストは万全かどうかお聞かせください。
 残りは再質問させていただきます。

 
20090308070250