前発言
平成20年(2008年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 2月22日
当山 全弘
次発言
★ここをクリックすると、この日の発言が全て表示されます。★
皆さん、こんにちは。
社大・結連合を代表いたしまして代表質問を行います。
まず1点目の、知事の政治姿勢について。
1996年4月、劇的な返還合意から11年余が経過しました。普天間は動かず、膠着状態が続く普天間飛行場の移設問題。2007年5月には日米が合意したV字型案が最良とする政府と、沖合への移動を求める沖縄県の立場は平行線のまま時が過ぎていきました。
2月7日に協議会が開催され、環境影響評価の手続を進めていく中で、地元の要望である沖合移動も念頭に置き、沖合移動をテーマにする意向が初めて明らかになりました。
次の質問をいたします。
(1)番、メア総領事の発言について。
ア、メア総領事は記者会見で、県などが求める滑走路の沖合移動に関し、より沖合に滑走路を出せば埋立面積もふえるので環境への影響が少なくなるという考え方になるとは常識的には考えられないと述べ、アセス後の修正にも否定的な見解を示しました。知事の所見を伺います。
イ、ジュゴン訴訟で米サンフランシスコ連邦地裁が、米国防総省にジュゴンへの影響を文書で提出するよう命じる判決が出ました。この判決について、普天間飛行場代替施設計画は予定どおり実行できると政府は発言しておりますけれども、これは環境影響評価(アセスメント)を急ぐことに対してブレーキをかける判決と思うが、認識と所見を伺います。
(2)番、高校歴史教科書(軍命削除)問題について伺います。
昨年9月29日、党派を超えてこれまでの高校歴史教科書にあった記述を書きかえさせてはいけないと県民の怒りの声が爆発し、11万6000人余の県民が結集し、宜野湾市で県民大会が開催されました。この問題については、知事を初め教育長、仲里議長を団長とする実行委員会が再三にわたって上京し、意見の撤回を求めて陳情しました。最近のマスコミ報道によると、近代の歴史、沖縄戦に関する教科書掲載の論議が決着を見ないまま薄れつつある。平和を希求する記録伝承に改ざんは許されるものではありません。
次の質問をいたします。
ア、検定意見の撤回と歴史教科書の「集団自決」の記述に「日本軍による強制」の明記を求めて実行委員会は4度目の上京を行いました。そして検定意見の撤回について要請しました。経過と認識について伺います。
イ、教科書掲載の論議については、検定意見の撤回に向けた協調体制の確立には難色を示し、教科書会社6社の訂正申請を承認したということで、県民の求めている意見撤回と記述の回復は達成されたことになっております。所見を伺います。
ウ、首相は、昨年12月に承認された沖縄戦「集団自決」に関する教科書記述の訂正申請について、教科用図書検定調査審議会における審議の結果に基づいていると述べ、問題視しない旨の答弁をしております。沖縄は唯一地上戦が展開され、「集団自決」や日本軍による住民殺害が起きた。重要な史実の評価と歴史認識がかけ離れてはおりませんか、所見を伺います。
(3)、道路特定財源の暫定税率について伺います。
揮発油税など道路特定財源の暫定税率をめぐり与野党が国会で激しく対立しております。県民の間でも、高騰するガソリン代が生活を圧迫しており廃止すべきだ、財源が不足して道路整備を怠ってほしくないと、撤廃、延長で意見が大きく分かれております。
次の質問をいたします。
ア、ガソリン税、自動車重量税などは道路建設に充てられる道路特定財源と呼ばれ、1974年に2年間の暫定措置として税率が2倍に引き上げられたものであります。現在まで33年間も延長されてきました。その背景について伺います。
イ、道路建設の財源が大幅に不足があって、車の普及と道路整備が追いついていないということで高い税率で5年ごとに延長してきました。道路整備状況はどうなっているんですか。暫定税率をさらに延長する理由を説明願いたい。
ウ、ガソリン1リットルには48.6円の揮発油税と5.2円の地方道路税が課せられており、暫定税率をもとに戻せばその半分の25.1円はガソリンの価格を下げることができます。世論は暫定税率廃止を支持する声が多い。所見を伺います。
エ、暫定税率が廃止された場合、地方税収に与える影響額は幾らか。また、一般財源化された場合どうなるのか所見を伺います。
2番、知事の公約について。
(1)番、小学校30人学級について。
知事は、公約の中で、学校教育の充実のために小学校において1クラス30人学級の導人を目指すとしました。児童を取り巻く状況は、経済格差の拡大などによる就学援助児童の増加や子供たちの学力格差の拡大など、ますます教育現場では困難な状況になっております。
学校現場での個々に応じたきめ細かい指導やゆとりを持った授業が求められ、それを実現するためには一日も早い30人学級の編制が必要です。
次に質問いたします。
ア、義務教育第8次教職員予定数計画において、地方で少人数学級編制の実現が規制緩和されました。沖縄県の改善状況と適応状況について伺います。
イ、仲村教育長が新年度の4月から30人学級の実現と検討委員会設置を約束しましたが、進捗状況について伺います。
このことについては、きのうの狩俣議員の質問によってわかっておりますけれども、これと並行しまして財政的な裏づけについては大丈夫でしょうか、お伺いいたします。
ウ、各県における少人数学級の編制状況についても伺います。
(2)番、普天間飛行場の3年以内の閉鎖について。
2007年12月10日に就任1年目を迎えた知事は、普天間問題の行き詰まりに困惑しております。2006年11月の知事選で、辺野古にV字型滑走路をつくる現行案に賛成できないと明言し、国に見直しを求め、3年以内の危険性除去を公約しております。
質問いたします。
ア、V字型案は悪天候などで視界が悪いときの計器飛行ルートが住宅地上空にかからないように考え出されました。しかし、知事は滑走路の位置自体が住宅地に近過ぎ、騒音被害も大きいとして可能な限り沖合と主張し、全く意見が違うことにつながっております。経過と所見を伺います。
イ、政府は沖合移動すると埋め立てがふえるので周辺海域の生物の生息環境に悪影響が出るとして反対派の妨害活動を防ぎにくいことを理由に掲げ、現行案に固執しております。経過と所見を伺います。
ウ、米国は計画を変更すると米軍再編全体が崩壊しかねないと修正拒否の構えを崩しておりません。政府がどこまで応じるかは対米交渉も絡むだけに困難が予想されます。県の対応を伺います。
(3)番、待機児童ゼロについて。
子供は沖縄の宝。世界に誇れる安心・安全な子育て環境をつくり、保育所待機児童をゼロにすると公約いたしました。
次の質問をいたします。
ア、待機児童をゼロにして子育て環境をつくりますと政策目標に掲げた。出生率も年少構成割合ともに高く、子供の数が一番多いのが沖縄県です。人口増加率3位、自然増加率1位、出生率1位、年少構成割合1位となっている。にもかかわらず、保育所の普及率は全国44位で5歳児保育問題は解消されておりません。所見と対応を伺います。
イ、保育所措置児童数3万432人――これは去年の6月現在でございます――に対し、待機児童数1850人、待機率6.1%で全国1位となっております。解消策はあるのか所見を伺います。
ウ、保育所1カ所60人定員を整備するのに建設費、運営費含めて幾らかかるのか、財政的負担はどうなっているのか所見を伺います。
(4)番、雇用失業問題について。
年平均の失業率の推移を見ると、2002年がピークで8.3%、2004年7.6%、2006年7.7%と推移し、2007年11月は6.5%台となったものの、4万人を超える完全失業者を抱えております。県民所得も相変わらず全国最下位にとどまり、雇用の場の拡大が急がれます。
次の質問をいたします。
ア、失業率の全国平均化を掲げた知事が就任して1年が過ぎました。変化が期待された雇用情勢は拡大につながっていないと指摘されております。雇用情勢は改善に向かっているのか、全国平均化までの決意を伺います。
イ、完全失業率の全国平均化4%台については、劇的な改善は容易ではないと思います。雇用の拡大につながる製造業が少ないのも一つの要因であります。さまざまな企業誘致策については税制面の優遇措置や適正な利益が得られなければ企業は立地いたしません。雇用拡大につながる企業誘致策について伺います。また、4万人雇用の具体的な戦略についても伺います。
3、基地問題について。
(1)番、普天間飛行場代替施設建設の環境アセスメントの方法書について。
政府は代替施設案を1996年以来、二転三転させました。沿岸案を防衛庁が主張、浅瀬案を米側が主張した。最近はV字案、現行案と沖合移動案が出て、知事と総領事とのやりとりもあります。基地問題の深刻さが浮き彫りにされております。代替施設建設をめぐる県環境影響審査会はアセス方法書に不信感を抱き、書き直すべきとの答申をまとめました。
質問いたします。
ア、昨年12月の知事意見で方法書の不備を指摘し、修正や追加説明を求めた。沖縄防衛局から県環境影響審査会への説明は県の求める内容になっていないと書き直しを要求しました。経過と対応について伺います。
イ、代替施設建設で埋立用の海砂は県内で1年間に採取された海砂量の12倍以上になることも判明、本島周辺の砂浜の消失が懸念されます。また、短期間の大量採取による環境破壊も懸念されます。所見を伺います。
ウ、代替施設建設は陸域の造成や土砂採取も予定され、影響は海にとどまりません。基地建設が爆音や演習被害などにとどまらず、沖縄全体の自然環境への甚大な影響も考えられます。破壊を食いとめるためにアセスがあるのではないでしょうか。認識と所見を伺います。
(2)番、有事を想定した即応訓練について。
米軍嘉手納基地第18航空団による有事を想定した即応訓練が実施され、深夜未明の時間帯に拡声器放送やサイレンの音が鳴り響き、うるさくて眠れない、訓練の騒音に起こされた、まるで戦場のようだという町民からの苦情が絶えません。県は、即応訓練は認められない旨の抗議をすべきではないでしょうか。所見を伺います。
(3)番、2月10日発生した少女暴行事件についてであります。
このことについては、辺野古での住居侵入事件、フィリピン女性への暴行事件、相次いでアメリカ軍による事件が発生しております。また、2月19日には自衛艦が無防備の漁船に衝突し、とうとい2人の人命が損なわれております。軍隊は住民を守らないということが浮き彫りにされ、はっきりしました。
そこで質問をいたします。
許しがたい米兵の行為、再発防止を訴えても事件・事故は後を絶ちません。知事は、海兵隊撤退を含めて強く抗議すべきではないでしょうか。また、県民大会を開催する必要があるのではないでしょうか。県民大会が開催された場合、参加されますか、所見を伺います。
4、2008年度沖縄県予算案について。
2008年度一般会計予算5901億円が最終内示されました。総額は、2007年度比約60億円減でマイナス編成となっております。県単独事業の投資的経費99億200万円も約30年ぶりに100億円を割っていて財政事情が一段と厳しくなっている。歳入がふえない予算編成は景気の上向きにも何らかの影響を与えると思われます。
次の質問をいたします。
ア、各部局からの2008年度予算の要求額は幾らだったのか。また、予算の充当率はどうなっておりますか。
イ、総額5901億円、最終内示で対前年度比1%、60億円下回った。県民生活に直結した取り組むべき事業については優先的に取り組むことができたのかどうか伺います。
ウ、交付税、国庫金に依存した財政構造を是正し、県税収入への割合をふやし、自主財源の確保を強化する必要があります。所見を伺います。
エ、独自の財源が少ない上に収支不足が約400億円にも上っております。穴埋めとして主要4基金を取り崩して退職手当債など新たな県債を発行してつないでおります。主要4基金の残高、県債残高はどうなっているか伺います。
オ、職員退職金に臨時財政対策債発行による公債費も増加するなど、不安要因は残ったままとなっております。今後の収支不足の見通しと対策について伺います。
5番、沖縄振興計画について。
平和で安らぎと活力のある沖縄県を目指す沖縄振興計画が平成14年度にスタートし、第1次、第2次が終了し、後期振興計画がスタートしました。11分野にわたる分野別計画を策定し、その達成に向けて施策が展開されております。
次の質問をいたします。
ア、第1次分野別計画の総括は第2次分野別計画に生かされましたでしょうか。
イ、第2次分野別計画――17年から19年――がスタートするに当たり、第1次分野別計画をどのように総括し、沖縄振興施策の分野別計画の取り組みをしたか、その取り組み状況について伺います。
ウ、平成16年度の実績、第2次分野別計画の目標と達成率はどうなっておりますか。
エ、第3次分野別計画――2008年から2011年――の素案が決定されました。残り4年に迫った振興計画の第3次分野別計画の素案はどうなっておりますか。振興計画後期については実効性と成果を県民に示す必要があります。所見を伺います。
6、平和行政について。
沖縄学童疎開史の編さんについて。
太平洋戦争も末期近く、戦局ついに我に利あらず、制空権も制海権も失ってしまった日本軍は根尽き力果て、いよいよ焦りに焦って沖縄決戦のための血みどろの戦闘準備をしていました。
時はまさしく昭和19年の夏、勝つためなら何でもします。武運長久を祈り必勝を信じ、神風を信じ、たとえ戦局は不利であっても戦後の最後には必ず勝つものと思い込まされ、またそのように言い含められておりました。日本軍は毎日泥まみれ、汗まみれになって陣地構築でした。米軍の沖縄進攻必至と宣伝され、軍民ともに血相を変えて右往左往し、戦々恐々として安らかな日はありませんでした。今度こそ沖縄で米軍をたたくのだ。引き寄せてたたきのめすのだ。また、やるときにはやるんだ。今度こそやるんだとも言っておりました。米軍を沖縄でたたきつぶすまでの間、上陸させて皆殺しにするまでの間、約6カ月間、学童たちは九州方面に疎開させるのだという国策によって戦争遂行に協力しながら、一方では各自の生命も守られるのだと言い含められて学童たちは疎開させられました。
昭和19年7月7日、サイパン島が玉砕し、戦況は日本軍に不利と見て学童疎開促進要綱を閣議決定し、その後、学童疎開に関する県通達文を発送、あて先は両支庁長、那覇・首里市長及び三郡国民学校長となっておりました。
「沖縄県学童集団疎開準備要領」による疎開の対象者は、国民学校初等科3年より6年までの男子とされました。学童疎開の趣旨は、すぐれた県民の種族を長く後世に保存するということでした。
「疎開ノ推奨」として、学校側にて希望者を募集する場合は、敗戦的な傾向にならないよう特に留意し、疎開とは単なる避難にあらず、戦争完遂のための県内防衛態勢の強化を図るための措置にほかならない。国家の人口疎開の方策に基づくものであることを強調し、残留者へはいささかも不安を与えざるよう思想態勢の動揺を極力防止するということでした。
こういった戦争遂行のための国策によって学童集団疎開は実施され、昭和19年8月13日、学童疎開第一陣が鹿児島へ出港、8月19日第二陣、8月21日に対馬丸、暁空丸、和浦丸が那覇港を出港、8月22日、対馬丸が敵の魚雷攻撃を受けて沈没、乗船者767人の学童を含む1484人が犠牲となる悲劇が起こっております。
私たちの船も対馬丸沈没後の8月28日鹿児島向け出港、9月1日鹿児島に入港しました。最後の疎開船だったと言われております開城丸が昭和20年3月5日那覇港を出港しておりますけれども、到着は不明となっております。
疎開の目的として、疎開政策の目的の一つが次世代の戦力温存にあったこと、2つ目、疎開の目的として県内食料事情の調整を図り、持久戦に備えて食いぶちを減らしておくこと、3つ目に、婦女子学童は作戦の邪魔にならないよう、軍の足手まといにならぬよう協力するため、こういった趣旨のものでございました。
次に質問をいたします。
ア、国策によって疎開させられた学童たちは疎開先で、「ヒーサン」、「ヤーサン」、「シカラーサン」の中で、2年有余の疎開生活が続きました。このようなことは事実であり、学童疎開についてはいろいろな角度から検証されていく必要があります。所見を伺います。
イ、疎開にまつわる情報を集め、学童疎開というものを戦争体験の一つとして語り継いでいくことが大切ではないでしょうか。そのためには疎開とは何だっただろう、集団学童疎開は何のために、ああ太平洋戦争、そして疎開。
このような内容で委員会を立ち上げていただいて、沖縄学童たちの疎開史の記録を後世に残すために編さんをしてはいかがでしょうか。所見を伺いたいと思います。
7、土木行政について伺います。
(1)番、安里川はんらんについて。
昨年8月の集中豪雨によって安里川がはんらんし、蔡温橋周辺の家屋や店舗が浸水被害に遭いました。はんらんは自然災害、人災を議論するのではなく、河川管理者として当然浸水被害を未然に防止する施策・工事を講じなければなりません。
次の質問をいたします。
ア、河川のはんらんは防止するのが河川行政の役割であって、大雨を想定した河川構造にはなっていないのではないでしょうか。自然災害、人災を問わず、浸水被害を未然に防止する河川にはなっていないのではないか。自然災害といわず、大量の集中豪雨にも対応できる河川整備が必要ではないでしょうか。所見を伺います。
イ、2月5日に開催された安里川はんらん解析の結果、説明会が開催されました。県は自然災害を主張、市民は人災と主張。補償の対象にすべきだと譲らず平行線をたどっております。経過と対応について伺います。
次に、モノレールについて伺います。
(2)番、首里駅から西原入り口までのモノレールについて。
第7回延長検討委員会の開催が20年3月21日に予定されております。第6回検討委員会の中ではA-3福祉センター改良案とA-4浦添ルート案に絞られ、県民・市民の生活向上、交通利便性、アメニティー向上等を含めた総合判断として浦添案を優位な案として結論としたいということでありましたけれども、最終的には住民の意見を集約し、3月の第7回検討委員会で決定することになりました。
次の質問をいたしたいと思います。
県民の意見はどのように収集したか。意見集約はどのようになっているのか。延長ルート案の選定の今後の進め方について伺います。
最後に、教育行政について。
特別支援学校編成整備計画について伺いたいと思います。
沖縄盲学校編成に伴う、知的障害児も通学する特別支援学校に移行させる計画案に対し、視覚障害教育の専門性の維持が要求されております。これに対し、教育長は教員の署名活動を制限いたしております。所見と対応を伺いますけれども、このことについてもきのうの狩俣議員の質問で大体の方向性はわかっておりますけれども、今後は関係者と十分に話し合いたいということでございます。知的障害児と視覚障害者を分離して実施する方向での検討が好ましいと思いますけれども、このような内容での理解でよろしいかどうか答弁を願いたいと思います。
よろしくお願いします。
前発言
次発言
20080105090140