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平成20年(2008年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 2月26日
警察本部長(得津八郎)
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米軍人が巡回に加わることの法的な問題点及び基地所在所轄警察署の事件防止や取り締まりの強化についてお答えいたします。
県警察と米軍との共同パトロールについては、2通りの形態があります。
1つは、県警察と米軍の軍事警察機関である憲兵隊、いわゆるMPとの共同パトロールであります。
同パトロールについて、県警察では、米軍施設外における治安の確保は沖縄県警察の責務であること、何らかの犯罪を犯した米軍人を県警察とMPとが共同逮捕した場合、地位協定の規定で当該米軍人の身柄は米軍に引き渡されることとなり、原則として起訴されるまで米軍側がその身柄を拘束することから容認していないところであります。
2つは、県警察と米軍のMP以外の軍人との共同パトロールについてであります。
平成12年9月から米軍が独自で数名の私服軍人によるパトロール、平成17年11月からは制服軍人によるパトロールを沖縄市、金武町の一部地域で実施しております。
米軍当局によれば、このパトロールはコートシー・パトロール、通称CPと称され、警察権を有しない上官による部下に対する一般的な指導監督行為であります。
このCPについても、特に制服によるものである場合、基地外での軍事警察権の行使と誤解されるおそれがあることから望ましくないと考えておりますが、パトロールの実態が米軍当局の警察権の行使を目的とするものでない以上、米軍が独自で行うことについてはあえて反対していないのが現状であります。
警察権を有しないCPと県警察とが共同でパトロールすることについては、共同パトロール中に米軍人を被疑者とする犯罪現場において事情聴取等を行っている際に、CPから連絡を受けて現場臨場をしたMPが共同逮捕を行った場合、身柄の措置に関してMPとの共同パトロール同様の問題が生じる可能性があること、県警察がCPとの共同パトロールを実施することは、米軍犯罪のみに対処するために既存の警察力の一部を割くことになり、警察力が低下するおそれがあることの2つの問題点があると考えており、現状では沖縄県民にとって必ずしも望ましいものではなく、これらの問題点が解決され、沖縄県民に明確に示される必要があるものと認識しております。
米軍人の事件防止や取り締まりについては、これまでも米軍人等にかかわる事件を防止するため、米軍人等が多く集まる場所を重点に警戒・警らを実施してきたところであります。
本来、米軍人による事件防止につきましては、米軍当局において、その対策をとることが大前提となるところでありますが、県警察におきましても今回の事件を受け、米軍人等が多く立ち寄る繁華街等において、所轄警察署や警察本部自動車警ら隊、機動捜査隊による警戒・警らを強化しているところであります。
今後、外出禁止措置が解除された後の週末やペイデーにおいては、従来の所轄警察署の渉外機動警ら隊に加え、犯罪抑止のため警察本部に勤務する警察官で編成したシーサー遊撃隊を基地所在の警察署へ応援派遣して警戒・警らを実施するなど、地域住民が不安を抱かないよう警察の取り締まり力を強化していきたいと考えております。
以上です。
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20080107180030