平成21年(2009年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 6月29日
新里 米吉
 

 再質問を行います。
 知事の政治姿勢の(5)、密約についてですが、私の質問は日本政府の対応について知事の所見を求めています。
 答弁は、外務次官のこの答弁の内容、説明内容を長々と述べて承知していないと、こういう形で終わっていますが、もうこれだけアメリカでも明らかになって、そのアメリカで開示されることによって日本の外務省のかかわった皆さんがみんなその事実を認めて述べているわけですよ。それも裁判になって、裁判官からもう国の側は徹底的に追及されている。裁判官が徹底的に追及するというのはこれはもう珍しいことですよね。そこまで来ているときに、沖縄県の知事としてそれをどう見るのか、しかも沖縄にかかわる密約もあったわけですから、それを聞いているんで、せめて例えば第三者機関をつくって全容を解明すべきとかそれぐらいの姿勢を持つべきじゃないかと思うんですが、どうなんですか。
 それから伊芸の被弾事件の件ですが、金武町議会がレンジ7を含む伊芸の基地全面撤去を求めています。県にも強い姿勢を持ってほしいという要望があります。もう一歩踏み込んだ姿勢が必要と思いますが、所見を伺います。
 それから環境影響評価のジュゴンに関することです。
 県は、1年以上前の平成20年3月10日の予算特別委員会で私の質問に対して、複数年調査のことについて私はこういうことを言ったんです。2014年の施設完成スケジュール、国はそれに合わせているので複数年調査をする気がないんじゃないのかと、1年で切り上げようとしているんじゃないのかということを私は言ったわけですよ。そのときに私は、それで防衛局とけんかしてでも複数年調査をさせろとこういうことを話してきたわけですが、県は方法書、準備書、その都度必要な意見を述べますという答弁をしました。強い姿勢で臨むと理解していいかと言ったときに、そのように対応していきたいという答弁をしていたんですが、きょうのものはちょっとトーンダウンしてきたのかなという感じを受けました。ここは県の方としては、複数年調査必要だとずっと言い続けてきたわけですから、国はやろうとしていない。我々が予想したとおりになってきた。もっと強い姿勢で臨んで、複数年調査しなければやり直せというぐらいの姿勢を持つべきだと思うんですが、いかがですか。
 それからジュゴンの最小個体が三、四年前までは5頭と言われていましたよね、いろんな調査で5頭。今回1年限りの調査をして最小個体数3頭と言っている。それからこれまでの環境省などの調査では、ジュゴンと藻場の広域調査という調査がありまして、平成17年までやって平成18年に報告が出ております。ここは専門家の名前もちゃんと出していますよ。どこかの黒塗りとはちょっと違うんですね、どっちが信頼できるかなんですが。この環境省などの調査では、平成17年3月7日にジュゴンが宜野座沖から辺野古沖へ移動していることを示すような中身が出ております。ですから、ジュゴンが突然いなくなった。一体何なのかと。むしろ米軍の演習激化やこの間のいろんな調査活動で騒々しくなって、ジュゴンは非常にそういうものに敏感なようですから、ジュゴンが来られない状況がつくられてしまったんじゃないのかと、こういうことが専門家から言われています。その辺を県はどう認識しておられますか。
 それから林道ですが、公表しなかった理由に、年末であったことや調整に時間がかかったと言っています。私はこれは理由にならないと思う。2月定例会までに1カ月以上あったんですよ。1カ月かかっても調整で手間取ってできませんでしたなんていうのは、これは理由にならない。どうもあのとき、野党がこの林道予算は認めないでおこうということでお互いに調整に入ったと。それをわかって、これを公表したらまずいなと、議会対策上困るなと。これを公表したらこれはもう反対されてしまうという皆さんのこそくな手段でやったんじゃないですか。本音のところをお聞きしたい。
 それからさらに、この林道問題に関しては先ほど2路線について環境に配慮しながら建設を進めることを決めたと言っていますが、私が質問でも言っているように文化環境部、環境省、県民意見の圧倒的多数、90何%は反対ですよ。そういうものを皆さん知っていながら、それでもなおかつ強引に林道建設を進めようとした。農林水産部は林業と自然との共生をうたっていますよ。現状は自然破壊そのものです。ごらんになればわかりますよ。
 そういう状況の中で、皆さんがこのように秘密裏にしながら進めたのは、むしろ県は林道建設ありきの姿勢であったのではないかと思わざるを得ませんが、どうですか。
 最後に、要望を行います。
 観光振興についてですが、私は2年ほど前の3月に中国の海南島に行きました。海南島には、中国の内陸部の人たちがたくさん、1000名余りぐらい観光に見えていました。そしてロシアの人たちが来ているんです。どちらかというとロシア富裕層かなと思われる人たちが来ておりました。中国の内陸部の人たちは、海を見に来ていました。海を見たことがない。海を見てもう大騒ぎしていましたね。それからそのロシアの人たちは――3月ですが、海南島は非常に暖かいものですから――泳ぎに来ていました。
 それを考えると、実はこの海南島で私を案内した人は、海南島の海は世界で2番目に美しいと言っていました。1番はどこかというとカリブ海と言っていました。2番はこっちだと言っている。私が見たところ、沖縄の方がはるかにきれいなんです、本人にはそう言いませんでしたが。
 それから考えると、もう中国の内陸部の人たちも一定の中流階級の皆さんが海を見始めていますから、それをやはり沖縄に引き寄せる。それからロシアの人たちももう沖縄に来てもらうということをひとつこれから考えるべきと思いますので、要望してこれは終わります。

 
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