平成21年(2009年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 10月15日
照屋 守之
 

 おはようございます。
 乙第13号議案「財産の取得について」、賛成の立場から討論を行います。
 今回提案されました沖縄県警察緊急配備支援システム路上装置は、走行中の自動車ナンバープレートを自動的に読み取り、手配車両のナンバーと照合するもので、合致した際には各パトカー等に指令し初動対応が行われるものであります。
 このことは、犯罪を速やかに解決する方法として極めて有効であり、自動車利用犯罪が発生した場合に、交通検問による渋滞等を引き起こすことなく、現場から逃走した容疑車両を速やかに発見・検挙することや、重要事件に使用されるおそれの強い盗難車両を速やかに発見し、犯人の検挙及び被害車両の回復を図ることの犯罪捜査を目的とするものであり、重要犯罪発生時の緊急配備を支援するシステムであります。
 このシステムの機能については、①、重要事件発生時の手配車両等の発見、②、盗難車両の発見、③、ひき逃げ車両の早期発見などに役立つものであり、県民の立場からは容疑車両を速やかに発見し検挙する極めて有効なシステムであり、歓迎するものであります。
 特に本県は、基地関連犯罪への対策が大きな課題であり、緊急配備支援システムは平成19年から沖縄県警に導入されており、今回の基地関連犯罪防止対策事業は米軍基地周辺道路及び米軍人等が集まる繁華街に通じる道路などに本システムの路上装置を整備充実することにより、米軍人等による事件が発生した際に犯人の検挙、被害者の保護等のための迅速かつ効果的な初動捜査ができることを期待するものであります。
 なお、今回の議案に係る予算については平成20年度2月補正予算に計上され既に可決済みであり、100%国の負担であることと、執行については繰り越しによって今年度に実施されるものであります。
 このシステムのこれまでの成果として、①、凶悪事件容疑者の使用車両を手配し、同車両が路上装置を通過したことにより使用車両の発見、容疑者の事情聴取後逮捕された事件、②、連続的に発生した容疑車両の路上装置を通過したことによって被疑者を発見・逮捕した事例、③、逮捕状が出された使用車両を路上装置で警報表示し、パトカーが付近を検索して発見・逮捕された事例などがあり、犯罪者の早期発見・逮捕につながり、県民の不安を解消することに成果があったものと評価するものであります。
 本県における米軍構成員等の凶悪事件の検挙は、平成16年から平成21年8月末まで21件、31人で、内訳は殺人1件、1名、強盗13件、23名、強姦7件、7名となっており、このような凶悪犯罪を含めた米軍人等による犯罪の発生及び解決が県警に与えられた使命でもあります。
 このようなシステムの導入については、県民からもプライバシーの侵害についての意見・懸念が寄せられますけれども、緊急配備システムについては、自動車の運転者や搭乗者等を撮影・記録するものではなく、公道を走行する際に法律で義務づけられているナンバープレートのデータを自動車の走行に影響を与えない方法で収集管理し、捜査目的に使用するものでプライバシーを侵害するものではありません。
 また、県警察では本システムにアクセスする者を制限し、使用目的を犯罪捜査に限定するなどプライバシーの保護に特別に配慮した運用を行っており、引き続き適正運用に万全を期すよう求めるものであります。
 沖縄県警察は、県民の安全・安心な生活を守るために日々努力を傾注し、業務を推進していることに敬意を表するものであります。
 しかしながら、科学技術の急速な発展、情報化社会の著しい進展は、犯罪の質・量の両面に大きな影響を及ぼしており、犯罪の広域化、スピード化や犯罪の組織化・国際化が進むなど犯罪捜査を取り巻く環境は厳しさを増しているのが現状であります。
 特に、自動車利用犯罪の増加に対しても同様であり、自動車盗難や自動車を利用した犯罪を検挙するためには通過する自動車の一斉検問が有効ですけれども、事件を認知してから検問を開始するまでに時間を要するほか、徹底した検問を行えば交通渋滞を引き起こすおそれがあること、人手も多く要すること、人為的な確認ミスなどの問題があり、このため自動車のナンバーを自動的に読み取り、手配車両ナンバーと照合するシステムは大変重要であると考えるものであります。
 つきましては、犯罪を早期に解決し、県民の安全・安心を守る観点から、緊急配備システム路上装置の設置の必要性を訴え、乙第13号議案「財産の取得について」に賛成する立場から討論を行いました。
 御賛同よろしくお願いいたします。

 
20090508010230