平成22年(2010年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 2月24日
警察本部長(黒木慶英)
 

 読谷村ひき逃げ死亡事件のその後の状況についてお答えいたします。
 平成21年11月7日午前、読谷村字楚辺において、米軍人が普通乗用車を運転して、トリイステーション方面から同村波平方面へ向け進行中、同所歩行中の被害者外間政和さんをはね、同人を救護することなく、また、事故を警察に通報することなく現場から逃走し被害者を死亡させた事案であります。
 本事件につきましては、被疑者である米陸軍の2等軍曹が、昨年11月11日から13日までの3日間出頭したものの、その後、出頭を拒否し、供述がほとんど得られないという状況の中、所要の捜査を行い、被疑者である同2等軍曹を本年1月4日に自動車運転過失致死罪で那覇地方検察庁に事件送致し、1月7日に那覇地方検察庁が同罪で起訴したところであります。
 その後、日米地位協定に基づき、1月7日に身柄が日本側に移転されたことから、1月8日に県警において道路交通法違反――救護義務違反、事故不申告でございますが――で通常逮捕いたしました。
 同年1月10日に那覇地方検察庁に道路交通法違反で事件送致をいたしました。
 これを受けて1月27日、那覇地方検察庁は同法違反で追起訴をしたところであります。
 なお、被疑者の身柄につきましては、起訴後の勾留で那覇拘置支所に現在拘禁されているものと承知いたしております。
 次に、松山地域等における客引きの検挙状況についてお答えいたします。
 那覇市松山地域には、平成21年末現在、風俗営業所、深夜酒類提供飲食店等が約570軒存在し、県下最大の歓楽街となっております。
 同地域においては、これまでいわゆる「キャッチ」と呼ばれる者による観光客等への強引な客引き行為が横行し、風俗環境悪化の大きな要因となっていたことから、平成19年9月1日に施行された「改正迷惑防止条例」を適用し、取り締まりを強化してきたところであります。
 条例改正前後の検挙件数を比較してみますと、改正前の平成17年、平成18年の2年間で39件、54人の検挙、改正後の平成20年、平成21年の2年間で111件、135人の検挙――72件、81人の増加でありますが――と大幅に増加しております。
 その結果、一時期約200人いたキャッチが、現在では20人から30人程度に減少するなど、条例改正による取り締まりの効果があらわれているものと考えております。
 他方、松山地域以外の歓楽街においても、条例改正前後の検挙件数を比較してみますと、改正前の2年間で10件、8人、改正後の2年間で19件、23人と、改正前に比べ9件、15人の増加となっております。これは、松山地域の取り締まり強化により、同地域のキャッチの一部が他の地域に流入していることがうかがえるところであります。
 県警察といたしましては、今後とも松山地域を初め他の歓楽街における客引き行為の取り締まりを強化するとともに、関係機関・団体や地域住民の皆様と連携しながら、風俗環境の浄化を図っていきたいと考えております。
 次に、宜野湾市新町の環境浄化と検挙状況についてお答えいたします。
 宜野湾市真栄原在の通称「新町」には、約100軒の風俗営業所、深夜酒類提供飲食店等が住宅街に近接して存在していることから、風俗営業等の健全化を図るため、平素から制服警察官によるパトロールや計画的な立ち入りを実施し、指導・取り締まりを行っているところであります。
 同地域における過去3年間の検挙状況について申し上げますと、平成19年に27件、14人、平成20年に25件、8人、平成21年に24件、17人を売春防止法違反等で検挙しております。
 一方、同地域においては、昼夜を問わず違法に営業する者が多いことや子供たちの通学路に面しているなど、風俗環境の悪化や青少年の健全育成への影響が懸念されたことから、平成21年8月に宜野湾市、自治会、地域住民の皆様等による「環境浄化市民総決起大会」が開催されたほか、女性団体を初めボランティアによる定期的なパトロールが行われるなど、地域住民等の風俗環境浄化に対する機運が高まってきているところであります。
 県警察としましては、今後とも新町における指導・取り締まりを強化するとともに、関係機関・団体や地域住民の皆様と協働し、風俗環境の浄化に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 
20100106050080