平成19年(2007年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 10月 3日
企画部長(上原良幸)
 

 格差是正問題の御質問で、基地負担の多い本県は多くの地域活性化事業を国に要求すべきとの考え方についての御質問にお答えいたします。
 本県においては、これまで国の特別措置である高率補助制度等を活用し、社会資本の整備等を積極的に進めてきた結果、各面にわたる本土との格差は着実に是正されつつあります。しかし、財政に依存した経済構造や高い失業率など多くの課題が残されております。
 このため、今後、本県が自立的な発展を目指すためにはこれまで整備されてきた経済・産業基盤を積極的に活用し、競争力と持続力のある民間主導の経済を構築していくことが重要であると考えております。
 また、米軍基地については、今後、着実に整理縮小が進むと考えられることから、国の支援も得て跡地における計画的な都市づくりや新しい経済活動の拠点形成を進め、自立的発展に寄与する貴重な空間として活用することが重要であると考えております。
 県としては、次年度から沖縄振興特別措置法の総点検作業を開始するとともに、跡地利用促進のための法制度等のあり方についても検討することにしており、これらの作業を進める中で国の支援が必要な事業等について検討してまいりたいと考えております。
 同じく格差是正問題で、過疎債の同意等額の減少傾向の要因についてにお答えいたします。
 過疎債は、過疎地域自立促進特別措置法により、過疎市町村において策定された過疎地域自立促進計画に基づき、過疎市町村が実施する各種事業の財源として充てられるものであります。
 また、その元利償還に要する経費の70%が地方交付税の算定に用いる基準財政需要額に算入される有利な地方債となっております。
 県は、これまで過疎債の市町村要望額に対しては、事業の適債性等を確認の上、ほぼ満額の同意等を行っておりますが、近年は、公共事業の減少を背景として市町村の要望額が減少している傾向にあります。
 県としては、今後とも市町村の要望に適切に対応していきたいと考えております。
 同じく格差是正問題で、離島航路補助金の市町村負担についてお答えいたします。
 離島住民の生活の安定向上及び離島地域の振興を推進する上で、離島航路の維持確保は重要であると認識しております。
 離島航路の維持確保については、国、県及び地域の実情に通じた地元市町村がそれぞれの役割に基づき適切に分担・協同する必要があることから、離島市町村との協議のもと、平成17年度から市町村負担を導入したところであります。
 市町村負担の導入に当たっては、激変緩和措置として暫定期間を設け、県負担を平成17年度の6分の5から段階的に引き下げ、平成20年度までに3分の2にすることとしております。
 なお、市町村が負担する場合の航路事業者への補てん額については、その8割が特別交付税で措置されることになっております。
 次に、北部振興策についての御質問で、北部振興事業凍結と県の対応策について一括してお答えいたします。
 北部振興事業は財務省協議の後、内閣府から各事業の所管省庁へ予算が移しかえられ実施されます。しかし、今年度は防衛省所管の事業について財務省との協議が行われておらず、北部振興事業全体が執行できない状況にあります。
 県としましては、引き続き内閣府及び防衛省に対して事業が確実に実施できるよう求めていきたいと考えております。
 次に、本県の総合交通体系についての御質問で、北部と県都那覇市を結ぶ鉄軌道の導入検討についてお答えいたします。
 県では、現在、定時・定速性が確保され、利用者の利便性の向上に資する基幹バスを中心としたバス網再構築計画の検討を行っております。
 また、モノレールについては、昨年度から沖縄都市モノレール延長検討委員会において、首里駅から沖縄自動車道までの延長ルートが検討されているところであります。
 軌道系交通システムの導入につきましては、これらの経過を踏まえ、今後の需要動向、地域の開発計画、他の交通機関との連携など、多様な視点から総合的・段階的に検討していくこととしております。
 同じく総合交通体系の関連で、高速バスの路線延長についてお答えいたします。
 海洋博記念公園までの観光客のアクセスについては、夏季限定の空港リムジンバスや市内ホテル発着のシャトルバス等によりその利便性が図られております。
 なお、海洋博記念公園までの高速バス乗り合い路線については、採算面から運行路線の延長は困難であると聞いておりますが、今後、県としては観光客の需要動向をにらみながら、バス協会等関係機関と必要に応じて調整してまいりたいと考えております。
 同じく総合交通体系の関連で、本県の交通機関の見直しについてお答えいたします。
 本県における道路整備等のハード施策は、これまで着実に推進されてきたものの、自動車の効率的な利用やバス等の公共交通機関の利用促進など、ソフト施策を含めた総合的かつ体系的な取り組みは十分でなかったものと考えております。
 そのため、平成13年度に「沖縄県総合交通体系基本計画」、平成16年度に「TDM(交通需要マネジメント)施策推進アクションプログラム」を策定し、これに基づき、昨年、定時・定速性が確保され、利用者の利便性の向上に資する基幹バスを中心としたバス網再構築計画を策定してまいりました。
 現在、県では、学識経験者、交通利用者や交通事業者等で構成する沖縄県公共交通活性化推進協議会を設置し、実施に伴うさまざまな課題の解決に向けて検討を行っているところであります。
 以上であります。

 
20070306120050