平成21年(2009年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 6月24日
当銘 勝雄
 

 昨日6月23日は、全島が祈りに包まれる日でありました。
 私も摩文仁の全戦没者追悼慰霊式に参加しました。
 昨日もみずからの思いを語られた河野洋平衆議院議長、ことしは議長として最後のそのあいさつの中で、率直に申し上げ、私自身沖縄の負担軽減のために胸を張れるような実績を残すことができなかった、このことを県民に謝罪をしております。沖縄の現状を憂う気持ちであり、このような政治家が今後多くなることを願うものであります。
 今度の本会議は、県立芸大の学生の皆さんによる格調高い沖縄の三線演奏で開会しました。くしくも100年の節目に県議会議員としてかかわれることは、私の人生にとりましても大変意義深いものでございます。
 沖縄県議会は100年を迎え、県民の負託にこたえて県勢の発展と県民福祉の向上に一層邁進しなければならないと気持ちを新たにした次第でございます。しかし、県議会は100年を迎え、なお続く侵略と抑圧の歴史に解決ができないふがいなさを感ずるものであります。
 我が琉球王国は、武器を持たない、礼節を重んじ、海外交易を大事にする国は1609年の薩摩の侵攻によって重圧に苦しみ、明治維新の廃藩置県による琉球処分は王府を決定的に崩壊させました。明治42年6月、他県より30年おくれて沖縄県会が設立された。さらに、去る大戦の後、サンフランシスコ平和条約で沖縄は切り離され、異民族支配という長い屈辱的な歴史を背負わされたのであります。米国民政府のキャラウェイ高等弁務官は、沖縄住民には自治政治は神話であると沖縄住民を抑圧したのであります。
 このような米国政府の抑圧的な政治や土地の買い上げ、軍用地料の一括払い、永久使用などのプライス勧告は島ぐるみ闘争となって祖国復帰運動につながったものであります。
 1971年6月、沖縄返還協定が調印され、同年11月に批准されます。日本国憲法下の法体系への移行準備が進められた。その根幹となったものが復帰対策要綱であります。沖縄住民の願いとはほど遠く、総点検の結果、作成されたのが沖縄の復帰に関する建議書であります。しかし、屋良主席が羽田空港に到着したときには既に復帰関連法案が可決されていた。県議会100年には、そのような抑圧と苦難の歴史がなお続いているのであります。
 そこで質問します。
 1、知事の政治姿勢について。
 (1)、グアム移転協定について。
 アは取り消します。
 イ、グアム移転経費について、アメリカの海兵隊総司令官は移転経費は足りないとして日本政府と話し合う必要があるとしております。国民の理解が得られると認識するのか。それに対しケビン・メア総領事は変更の必要はないとして関係者間で食い違いが出ていることについて、知事はどう思うか。
 ウ、米軍の海外経費負担は憲法違反との指摘もあります。政権交代によってグアム移転のパッケージが崩れることも予想されます。パッケージは普天間返還の最悪のシナリオにならないか問います。
 エ、民主党の岡田幹事長は普天間基地の代替地について、県外の具体的な候補地も視野に入れ、オバマ大統領と話し合う考えを示しました。知事の所見を問います。
 (2)、不発弾処理について伺います。
 不発弾対策について市町村負担の軽減は一歩前進でありますが、根本的な解決に至っていないのが残念であります。そもそも不発弾は、国が戦争を起こしたために存在するものであり、国の責任において一日も早く撤去されなければならないというふうに思います。それがなされていないために県民は不発弾による多くの被害をこうむっておるのであります。戦後、不発弾による負傷者は1281人、死亡者は710人に上ると報告されております。
 そこで質問します。
 ア、基金による不発弾対策は国の第一義的責任はないものとするのか。
 イ、被害を受けた方への見舞金支給額は余りにも少な過ぎます。何が算定根拠か、なぜ見舞金か、弔慰金なのか、問います。
 ウ、見舞金ではなく国の災害補償でなされるべきではないでしょうか。
 エ、さきの県議会で、民間工事の磁気探査を全額国庫負担で処理できるよう要望すると答弁したが、その後の経過はどうなっているか問います。
 (3)の15兆円の大型補正予算については取り消します。
 ア、イも取り消します。
 (4)、一連のケビン・メア在沖米総領事発言について問います。
 ア、普天間飛行場は危ないとは思わない、知事の3年以内閉鎖状態実現を全面否定、宜野湾市は米軍施設の近くに住宅建設を許可していると危険への接近は宜野湾市長が悪いと発言、4月の石垣民港への掃海艦を市民の反対を押し切って入港させ、入港反対の横断幕の取り外しで市民とトラブルを起こすなど、県民感情を逆なでするメア総領事の発言、態様に知事はどのような印象を持ち、どう対応したのか問います。
 大きな2、米軍基地問題。
 普天間飛行場は最も危険な基地であることから、その返還が約束された。しかしながら、それが実現しない。県民の70%が反対する県内移設に問題があります。さらに、何が何でも沖縄に普天間基地を押し込もうとすることが遅々として進まない状況をつくっていると思います。アセスで影響はないとすることが問題であります。
 (1)、普天間飛行場の代替施設のアセス問題について問います。
 ア、沖縄防衛局の環境影響評価準備書は膨大なページを割いたが、一方、必要なものが追加・後出しで、これでは十分な審査ができないとの指摘があります。なぜか。
 イ、これまでに追加された項目は何項目か問います。
 ウ、大量の埋立土砂をアセスの対象外とする論拠は何か。
 エ、具体的にそれぞれの採取現場でアセスは可能なのか。
 オ、1700万立方メートルの砂利は、年間採取量の12年分に相当すると言われております。浅海域の微生物や魚介類の産卵への影響はなしと言えるのか。
 カ、参議院外交防衛委員会で政務官及び水産庁の増殖推進部長は、大量採取は水産資源に影響する可能性があると答弁し、アセスは知事が判断すると述べております。どう認識するか。
 (2)、海兵隊のパラシュート訓練について。
 6月11日、津堅島訓練水域での訓練はなぜ通報しなかったか。また、6月18日に行うと通報した訓練の中止の理由は何か。パラシュート訓練及び通報体制のあり方についてどう対応したか問います。
 大きな3、雇用失業対策について伺います。
 (1)、失業率改善をどう図るかについてでありますが、全国並みの失業率に改善することは知事の選挙公約であります。公約実現ができなければ選挙に勝つためのうたい文句であったとのそしりは免れない。知事の任期はあと1年余りです。
 そこで伺います。
 ア、2008年度の完全失業率7.6%、有効求人倍率は0.3倍と改善の兆しが見えない。理由は何か、どう対策を講じたか。
 イ、知事は、失業率を全国並みの4%台に改善すると公約したが、7%台の失業率をどう改善するか明確に示されたい。
 ウ、これまでのアメリカなどへの外需依存の経済政策の破綻、内需拡大の必要性が指摘されております。失業率改善の内需拡大は何が有効と考えるかお示しください。
 エ、不発弾事業費の拡大は、不発弾の早期撤去と失業率改善に効果があると考えるが、大型補正予算でどう反映されるか。
 (2)、職業能力開発校における訓練機能の拡大について。
 雇用失業情勢が厳しい折、職能訓練を行う職業能力開発校の機能強化と拡大は重要であります。しかしながら、職員団体から出された陳情書について、陳情者の参考人招致と現場の学校視察をしましたが、幾つかの改善点があるというふうに思います。
 お聞きします。
 ア、浦添並びに具志川職業能力開発校における職業訓練は、応募者が多いにもかかわらず定員の拡大ができない理由は何か。
 イ、自動車整備科やOA事務科などは3倍ないし4倍の応募状況になっているが、その改善はなされたのか。
 (3)、職業能力開発校における指導体制強化について問います。
 ア、訓練指導員の数が両校とも非常勤が多く占めている理由は何か。正職員で充てるべきではないか。
 イ、訓練指導員を特別職非常勤に位置づけ、賃金職員のように1ないし3年で切りかえようとしているが、職能訓練の指導体制はとれると考えているのか問います。
 ウ、これまで採用した指導員も特別職非常勤職員として切りかえていく考えなのか問います。
 (4)、公契約条例について伺います。
 ILO94号条約は、公的機関による請負契約において労働者の健康、安全、福祉に関する公平でかつ合理的な条件を確保するために定められているが、残念ながら日本は批准されておりません。しかし、厳しい財政状況の中で、公共工事などにおいて低価格、低単価による契約、発注などにより受注企業の経営悪化や労働者の賃金や労働条件の低下を招く問題が生じております。そのため、自治体においては独自の条例の制定が進められております。
 そこでお聞きします。
 ア、公共事業などの執行に当たって人件費の圧縮につながる傾向にあることから、ILOにおいては公契約条例の制定が進められております。地方自治体における条例制定の動向はどうか。
 イ、本県の公契約条例制定をどう進めるか。
 大きな4、産業政策。
 (1)、産業構造の改善について問います。
 ア、景気は60%以上が内需によって支えられると言われます。外需頼みの経済、産業構造が指摘されております。内需拡大ができる産業構造をどう改善すべきだと考えるか。
 (2)、農業問題について。
 ア、WTO農業交渉における我が国は、各国の多様な農業の共存を堅持するとした基本方針で臨んでおりますが、ラミー事務局長のあっせん提案とはほど遠く、再任されたラミー提案で押し切られた場合、本県農業は崩壊することが指摘されております。どう対策を講じているか。
 イ、WTO閣僚会議は、世界的な景気回復を図るためには多角的な貿易の推進を図る必要があるとして、WTO交渉の加速化が予想されるが、砂糖は4%の重要品目に入れるか。
 ウ、本県の食料自給率はさとうきびを除けばたったの6%、これは極めて憂慮する問題である。年次的に食料自給率をどう改善していくか。
 (3)、さとうきびの新価格制度について問います。
 ア、現行の価格制度で実施されると6割の農家が――先ほど部長は5割と答弁していました――交付金支払いの対象外になる。これまでの対策がなぜ生かされないのか。
 イ、制度の見直しが必要と考えるが、どう進めるか。
 国道3事業については取り消しをいたします。
 それから、教育のところで、県立美術館の運営についても取り消しをいたします。
 (2)の沖縄科学技術大学院大学についても取り消しをいたします。
 (3)、児童生徒の薬物対策について。
 ア、公立中学校の大麻など薬物アンケートで、使用を誘った相手が友人・先輩が24%、家族が5.3%、近所の人が2.3%、合わせて30%以上が実に身近な人たちであります。この質問通告後に2人の英語教師が大麻取締法違反で逮捕されております。まさしく児童生徒の最も身近なところで起きているのであります。今後徹底した対策が必要であるが、どういう対策を講じていくか問います。
 イ、薬物使用について、他人に迷惑をかけていないので個人の自由だと肯定しているのが5%もいることは大変な問題であります。どう指導していくか。
 7、環境対策について。
 (1)、京都議定書後の県における
CO2削減計画と実績について。
 ア、数値目標と実績を問います。
 イ、何を進めてきたか問います。
 以上であります。

 
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