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平成18年(2006年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 10月 3日
病院事業局長(知念 清)
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ここ8年間の県立病院において休止した診療科についてお答えします。
県立病院において、平成10年12月以降に休診した診療科は、南部病院の眼科を平成16年6月から平成18年3月末まで、また北部病院の産婦人科を平成17年4月から現在まで、さらに八重山病院の脳神経外科を平成12年5月から同年6月までの2カ月間と、平成17年8月から現在まで医師不在により診療を休止しております。
なお、宮古病院の脳神経外科については平成17年8月から常勤医師が不在となっており、現在、中部病院及び南部医療センター・こども医療センターからの応援で週1回外来診療を行っております。
次に、県立病院の財政状況の推移についてお答えします。
県立病院事業は、昭和47年度に事業を開始して以来、診療報酬の高率改定があった昭和53年度を除き毎年赤字を計上してきており、厳しい経営状況が続いております。特に近年は単年度赤字が増大する傾向にあります。
平成10年度における病院事業の累積欠損金は約266億4000万円で、平成17年度末の累積欠損金は約468億6000万円となっており、この間に約202億2000万円の増となっております。
平成11年度以降の累積欠損金の増加要因は、病院事業の主たる収入源である診療報酬がマイナス改定で推移してきたこと、国による医療保険制度改革の推進に伴う医療費の自己負担増の影響等により患者が平成10年度以降減少傾向にあること、県民の医療ニーズに積極的にこたえるために中部病院の改築や南部医療センター・こども医療センターの移転整備等施設整備を行ったことにより資産減耗費及び減価償却費等が増加したこと等が影響したものと考えております。
次に、知事が各院長と話した内容や時間についてお答えいたします。
病院事業局では、本庁と県立病院との連携を深め意思の統一を図ることを目的に、病院事業局長と各県立病院長で構成する院長会議を定期的に開催しております。去る7月21日には知事及び担当副知事が参加し、40分ほど意見交換を行いました。
各院長からは県立病院の現状や課題などが報告され、知事からは、各病院の抱える問題については実態に合わせた弾力的な運用を図ることが重要であること、県立病院と民間病院は、お互いの持ち分を決めながら連携を図ることが大事であること、また経営上の問題点については互いに議論を深め、現状に合った最も適切な道を選択することが重要であること、さらに沖縄の県立病院が県民から高い評価を受けており、より一層の努力を期待する旨の意見がありました。
今後も知事を交え、この会議を通して病院事業の諸課題について共通認識を深めていきたいと考えております。
次に、中部病院の現状と課題、対策についてお答えします。
中部病院は、本県の基幹的病院及び地域の中核病院として救命救急医療や高度・特殊医療、離島・僻地医療を行っております。また、臨床研修病院として多くの医師を養成しております。さらに、他の県立病院や附属診療所のほか公立久米島病院への診療応援のため医師等を派遣しております。
平成17年度は75人の医師を16の医療機関等へ延べ1504日の診療応援に派遣しており、今年度においても8月31日現在で40人の医師を11の医療機関等へ延べ329日の診療応援に派遣しております。
中部病院がこのような多くの機能を担っていること等も考慮し、平成18年度においては医師8人を初めとしてスタッフを増員したところですが、依然として厳しい状況もあることから、必要な職員数の配置に向け引き続き努力をしていきたいと考えています。
なお、中部病院が今後ともその役割を適切に発揮していくためには、正職員の適正配置に加え、非常勤職員等の円滑な確保も重要であることから、地方公営企業法の全部適用によるメリットを生かして適時適切に対処できるよう努めてまいります。
次に、宮古病院脳神経外科の現状、課題、対策についてお答えします。
宮古病院の脳神経外科については、平成17年8月から常勤医師が不在となっており、現在、中部病院及び南部医療センター・こども医療センターからの応援で週1回の外来診療を行っております。
また、手術を要する場合には関係機関の協力を得ながら沖縄本島などの病院へ搬送しており、搬送件数は平成17年9月から本年9月27日の間に35件となっております。
搬送された患者の家族には精神的な負担に加え、沖縄本島までの移動や滞在にかかる経済的負担も大きいものがあると認識しております。
脳神経外科医師の確保については、これまで三役を初め各病院長及び関係職員などにより、県内外の大学や民間医療機関、国等へ医師派遣を働きかけております。さらに、人的ネットワークも活用して確保に取り組んでおります。
また、平成18年8月より宮古に民間の脳神経外科診療所が開院したことから、現在は同診療所とも連携して診療を行っているところです。
県としては、今後ともあらゆる手段を講じて宮古病院の脳神経外科医師の早期確保に努力してまいります。
宮古病院改築のスケジュールについて。
宮古病院は、これまで増築を重ねてきた結果、動線が長く、機能面でも不便な分散型の建物配置になっていることや、施設・敷地等が狭隘化し、県立病院の中でも最も老朽化が進んでいる状況にあることから、平成16年9月にワーキングチームを設置して改築の検討を始めました。
現在、ワーキングチームにおいては新しい病院の役割・機能や、それを提供していくために必要な診療科目や診療体制のあり方など具体的な事項について検討を行い、今年度内を目途に基本構想素案を取りまとめる作業を進めております。
改築については、病院事業の経営状況も見きわめながら判断する必要がありますが、老朽化の問題もあることから、本年度中にはその時期について関係機関とも調整してまいりたいと考えております。
産婦人科医師、脳外科医師への手当についてお答えします。
県立病院事業の給与制度については、給与の種類及び基準は県条例で規定し、給料表等の具体的な事項については病院事業局長が給与規程で定めることになっています。
産婦人科医師や脳外科医師のような全国的に不足している診療科の医師に係る手当の創設等につきましては、病院現場の状況、他の公立や民間病院の給与制度の状況及び県立病院の経営状況等を踏まえ、勤務条件の見直し等も考慮しながら検討していきたいと考えております。
最後になりましたが、女性医師の職場環境や勤務体制の整備についてお答えします。
近年、医師全体に占める女性医師の割合は高くなりつつあり、県立病院においても同様の傾向にあります。このため、女性医師が働きやすい環境を整備することは県立病院事業としても重要な課題であると認識しております。
今後は女性医師の結婚や出産といった事情も考慮し、育児休業や部分休業の行使、シフト制の導入、当直免除等のいろいろな制度を整備するなど、女性医師にとって働きやすい環境を設定することにより医師確保につなげ、より充実した医療体制の構築に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
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20060406100030