平成20年(2008年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 2月22日
教育長(仲村守和)
 

 それでは基地問題についての御質問で、少女暴行被疑事件への対応についてお答えいたします。
 今回の米兵による女子中学生暴行被疑事件について、被害に遭った中学生の受けた恐怖による心の傷ははかり知れないものがあり、本県の幼児・児童生徒23万人の命を預かる職にある者として強い憤りを感じるとともに、決して許すことはできません。
 県教育委員会では、関係機関と連携し、被害生徒等の心のケアなど、適切な対応に努めているところであります。
 また、2月12日には在沖米海兵隊基地司令官や在日米軍沖縄地域調整官等に対し、本事件について抗議するとともに、沖縄防衛局長や特命全権大使に再発防止策を講じるよう強く要請いたしました。
 さらに、各学校、市町村教育委員会に対し、「児童生徒の安全指導及び安全確保の徹底について」を通知するとともに、全小中学校及び県立学校長会を緊急に開催し、安全対策の徹底について指示したところであります。
 県教育委員会としましては、今後とも地域の子は地域で守るという観点から、PTAを初め地域、警察、関係機関等とより一層連携を深め、児童生徒の危険回避能力の育成と安全確保に努めてまいります。
 次に、福祉・教育政策についての御質問で、特別支援学校設置についてお答えいたします。
 平成19年4月に学校教育法が改正施行され、従来の障害種別の盲・聾・養護学校は複数の障害種に対応する特別支援学校制度へと改められました。
 県教育委員会では、学識経験者や保護者代表等から構成された懇話会から提言を受け、特別支援学校編成整備計画(案)を作成いたしました。
 同計画案においては、本県の障害のある児童生徒の教育ニーズの現状を踏まえ、本島各地区及び離島に複数の障害種に対応する特別支援学校を設置することとしております。
 現在、県教育委員会では、学校関係者や保護者等への説明や意見交換を行っているところであります。
 次に、スクールソーシャルワーカーの配置についてお答えいたします。
 スクールソーシャルワーカー活用調査研究委託事業は、教育分野に関する知識に加えて、社会福祉等の専門的な知識や技術を有するスクールソーシャルワーカーを配置し、問題を抱えた児童生徒の背景にある家庭、地域、友人関係などの児童生徒が置かれたさまざまな環境へ働きかけたり、関係機関等とのネットワークを活用するなど、多様な支援方法を用いて児童生徒が抱える課題の解決を図ることにあります。
 県教育委員会におきましては、本事業を6市町村教育委員会に委託する予定であり、地域の実情等を踏まえ、より効果的に推進できる市町村の選定を進めているところであります。
 次に、珊瑚舎スコーレを参観しての感想と支援についてお答えいたします。
 戦中戦後の混乱期に義務教育を受けることができなかった方々の学んでいる様子を参観するために、去る1月25日に珊瑚舎スコーレを訪問いたしました。
 御高齢の方々が向学心に燃え、一生懸命に勉強をしている真摯な態度や、高齢者同士が学び合い、楽しく授業に参加している姿勢に胸を打たれました。
 戦中戦後の混乱期の中で義務教育を受けることができなかった方に対し、学ぶ機会を提供することの大切さを改めて認識したところであります。
 現在、卒業認定につきましては、市町村教育委員会で学齢簿に準じたものをつくり、公立中学校に籍を置いて学べるかどうかや、卒業認定の条件などを市町村教育長協会と具体的に意見交換をしているところであり、卒業認定ができる方向での検討を行っていきたいと考えております。
 なお、教育委員会としましては、公の支配に属さない教育の事業に対し、財政支援をすることは法的に厳しいものがあると考えております。
 次に、アメラジアンスクール視察の感想と支援についてお答えいたします。
 アメラジアンスクールの児童生徒の活動の様子や教育活動について把握するため2月5日に訪問し、子供たちが明るく元気に活動している様子や、先生方が子供たちのために頑張っている姿に触れることができました。
 アメラジアンスクールに通っている児童生徒の学籍校での出席扱い等については平成11年から認められており、職員の研修につきましても、児童生徒の学籍校での授業参観や校内研修への参加などについて支援していきたいと考えております。
 県教育委員会としましては、今後とも児童生徒の学籍校への円滑な復帰のために、関係市町村教育委員会と連携してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 
20080105060030