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平成21年(2009年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 9号 2月26日
福祉保健部長(伊波輝美)
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県立病院事業改革についての御質問の中の、地方独立行政法人のメリットとデメリットについてお答えいたします。
地方独立行政法人へ移行した場合のメリットとしましては、人事管理や予算執行などの業務運営において、法人独自の迅速で柔軟な意思決定を行うことが可能となり、経営責任の所在も明確となります。
また、地方公共団体の他部門との均衡にとらわれず、独自の人事体系を構築することが容易となるものと言われております。
このほか、明確な目標を定め業務の達成状況を定期的にチェックする仕組みや、外部評価及び積極的な情報開示など、経営改善に結びつく諸制度の導入が法律で義務づけられております。
また、本県病院事業における独法化のメリットとしましては、法人はその業務を確実に実施するために必要な財産的基礎を有していることが求められることから、地方独立行政法人への移行に伴う県からの現金出資等により財務面の健全性が確保できることがあります。
デメリットとしましては、人事、給与システムの改修及び維持経費が発生すること、経営規模が政令で定める基準を超える場合には、監事の監査のほか会計監査人の監査を受けることが義務づけられており、これに要する経費が発生することがあると言われております。
続きまして、独法化後の職員の身分についてにお答えいたします。
地方独立行政法人のうち、特定地方独立行政法人は公務員型地方独立行政法人と呼ばれ、役員及び職員に地方公務員の身分が付与されます。一方、一般地方独立行政法人は非公務員型の地方独立行政法人となります。
設立団体の内部組織から移行する地方独立行政法人は、移行型地方独立行政法人と呼ばれ、移行業務を行っていた職員は法人成立の日に地方独立行政法人に身分が引き継がれることとなります。
地方独立行政法人の職員の社会保障につきましては、特定地方独立行政法人及び一般地方独立行政法人のうち、移行型一般地方独立行政法人については、引き続き地方公務員等共済組合法が適用されます。また、地方独立行政法人の職員には、地方公務員災害補償法が適用されます。
移行型地方独立行政法人におきましては、設立団体から引き継いだ職員が退職する場合、法人移行に伴う不利益が生じないよう、その職員が設立団体から退職手当を支給されている場合を除き、設立団体の職員としての在職期間を法人職員としての在職期間とみなして退職手当を計算することとされております。
職員の身分保障について、特定地方独立行政法人においては、分限処分及び懲戒処分の事由が引き続き地方公務員法または条例において定められることとなります。一般地方独立行政法人においては、労働組合の意見を聞いて法人が定める就業規則において、降任、休職、免職等の規定が定められることとなります。
続きまして、国立沖縄病院と那覇市立病院の独法化の評価についてにお答えいたします。
地方独立行政法人法は平成16年4月から施行され、平成20年4月現在、6団体11病院が地方独立行政法人に移行しておりますが、移行後間もない病院がほとんどであり、業務実績の評価はこれから行われるところと考えております。
なお、県医療審議会県立病院のあり方検討部会委員でもある石川沖縄病院長からは、沖縄病院の状況を、1、不採算部門を行うのが公的医療機関である沖縄病院の役割である、2、九州ブロックの人事交流で人員配置しており、独法移行時18人だった医師は24人に増員している、3、移行後4年目で黒字化し、短期借り入れなしで運営できる状況になってきた旨の発言があったほか、昨年9月に実施した沖縄病院のヒアリングにおきましては、4、独法化により職員の経営に関する意識が高まった、5、独法化以降はみずから収入と支出を一体で管理し、自己資金での設備整備も可能となったと評価しておりました。
また、今月上旬に実施した那覇市立病院のヒアリングにおきましては、地方独立行政法人への移行前と比較して、1、職員数が約100人増員できたことなど柔軟に人事管理が行えるようになったこと、2、本庁等との調整手続を経ることなく迅速に意思決定が行えるようになったこと、3、業務に関する職員からの提案がふえたことなどが大きく変化したところと評価しておりました。
なお、両病院は昨年10月から7対1看護体制を導入しております。
続きまして、がん対策についての御質問の中の、子宮頸がんの県内の実態についてにお答えいたします。
地域がん登録事業において、昭和63年度から平成16年度の17年間に把握された子宮がん患者の1年間当たりの患者数は204人で、そのうち子宮頸がん患者は1年間当たり107人でありました。
また、厚生労働省の「人口動態統計」によると、平成17年における沖縄県内の子宮がんによる死亡者数は66人で、人口10万人対の死亡率は9.6となっており、全国平均の8.3より高い状況となっております。
同じくがん対策につきましての、子宮頸がんの受診率向上への取り組みについてにお答えいたします。
平成17年度から18年度までの市町村における子宮頸がん検診の実施状況は、対象者数32万140人のうち、受診者数は6万8932人で、受診率21.5%となっており、全国平均の18.6%を上回っております。
受診率向上の取り組みとして、市町村においては、検診の休日実施、他の住民健診との同時実施、検診日程カレンダーの配布等の取り組みがなされております。
県におきましては、受診率の低い市町村には受診率の向上を図るよう保健所を通して指導をしているところであります。
また、平成20年度の新規事業として、女性のがん検診普及啓発事業を実施したところであり、子宮がん及び乳がんに関する講演会・シンポジウムを開催いたしました。さらに、マスコミの活用やポスター、パンフレット等による広報を行い普及啓発を強化しているところであります。
HPVに関する理解を深めるための取り組みについてにお答えいたします。
県においては、去る2月11日に子宮がん検診の受診率向上を図るため、琉球大学医学部の青木教授等による講演会及びシンポジウムを開催いたしました。この中でHPVに関することにつきましても詳細な説明が行われ、参加者の理解を深めることができたと考えております。
今後もこのような機会を設け、県民の子宮がんに対する理解を深めていきたいと考えております。
以上でございます。
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