平成23年(2011年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 2月24日
教育委員会委員長(中野吉三郎)
 

 こんにちは。
 赤嶺昇議員の御質問にお答えします。
 それでは就任の決意について申し上げます。
 このたび教育委員長に就任いたしました中野吉三郎でございます。どうぞよろしくお願いします。
 「沖縄21世紀ビジョン」にもございますように、資源が少ない島嶼県沖縄が発展する最大のよりどころは人材であります。その人材を育成する教育こそ、最も力を入れるべき政策であると考えております。私は、教育委員長としてその責任の重大さを痛感しているところでございます。
 本県の子供たちは、文化活動面やスポーツ面などですばらしい実績を上げ、県民に大きな感動と夢を与えております。一方、人々の価値観が多様化し、家庭における教育力の低下、地域の人間関係の希薄化、規範意識の低下といった極めて憂慮すべき教育環境にあります。子供たちの学力や問題行動などの面で課題もありますが、私は、本県の子供たちには無限の才能やメンタル面での底力があると考えており、その限りない可能性を伸ばし、やる気を引き出すための教育環境づくりに取り組んでまいりたいと思います。その環境づくりには、「イチャリバチョーデー」、「ユイマール」、「命ドゥ宝」といった忘れてはならない最も大事なウチナーのチムグクルの再構築が不可欠であると考えております。そのためには教育委員会だけではなく、関係機関や地域社会と手を取り合い、実効性のある県民総ぐるみで取り組むことが必要だと考えております。
 沖縄県の子供たちが地域への誇りを持ち、大きな夢と目標を抱いて生き生きと学ぶことができるよう努めてまいりたいと思います。
 以上、私の決意の一端を述べさせていただきましたが、県教育委員会の役割と使命について自覚を新たにし、委員長の職務に精励していく所存でございます。
 これで終わろうと思ったんですが、1つだけどうしても感動を一緒に分けていただきたいと思いまして、持ってきました。沖縄県にはこんなすばらしい指導者がいるということを御紹介したいと思いますが、もう既に皆さんが知ってのとおり、あの我喜屋監督の教育力、これはもう本当に私も感動の連続です。そして新聞も毎日読んでいました。この資料を持ってくるとたくさんになりますので、これは述べませんが、その一番最後に、我喜屋監督が全国の球児へ一言というところでこういうことをおっしゃっていました。
 全国の高校球児に贈る言葉として、野球の試合はその日で終わるが、人生のスコアボードは一生続く。一生のスコアボードの勝者を目指して頑張ってほしいと。大変すばらしいことをおっしゃっている。
 この監督をまた育てた人がおります。この方を紹介しながら、その方から檄を飛ばされたことを私だけが知ってもしようがないと思いまして、大変すばらしい言葉ですから少しだけ読ませていただきたいと思います。
 春の大会の壮行会、それから夏の大会の壮行会の言葉です。その檄を読み上げてみます。
 春。「今、沖縄は諸君を必要としている。甲子園から春風を送ってくれ、沖縄は政治・経済・社会及び教育までが厚い暗雲に覆われている。諸君の甲子園での活躍によりこの暗雲に希望の光が差し込むように頑張ってくれ。沖縄県民は諸君の大活躍を祈っている。最善を尽くして沖縄の明日の扉を開けてくれ。」とお祈りが天に届くようにと、これは春でした。
 夏。7月31日です。
  「2010年夏、美ら島沖縄総体2010年が沖縄で開催されている。全国の諸君の仲間が日頃の練習の覇を競って記念の時を刻んでいる。今諸君は甲子園で覇を競うべく時を待っている。記念すべき歴史を作ってもらいたい。夏の甲子園大会は100年の歴史を有するが、春夏連覇を成し遂げたのは、これまで5高校のみである。諸君は第6番目の春夏連覇の高校となる資格を持っている。一世紀、100年に一度あるかないかのチャンスである。日頃の興南のグランドで培った技と心を甲子園で思う存分発揮してくれ。沖縄の明日を担い起こす気概で甲子園に駒を進めてもらいたい。甲子園では興南高校野球部総員130名一丸となって事に当たろう。そうすれば春夏連覇という偉業を成し遂げる事が出来る。 沖縄県民は諸君がこの偉業を成し遂げ、沖縄の歴史にエポックを画くすることを祈っている。」と。今回の興南高校野球部の春夏連覇の快挙は県民に支えられたものでありました。キャプテン我如古君の言葉を借りれば「沖縄県民で勝ち取った優勝です。」本当にその通りであります。沖縄県民が心を一つにして感動にチムドンドンした2週間でした。そして、沖縄県民の肝心の温もりを共有することが出来ました。ついに興南高校野球部130名は沖縄のあらゆる方面での歴史を変える快挙を成就した。この快挙は沖縄県民に汲めども尽きぬ知恵の泉を与えてくれた。
 中野吉三郎様と書いてありますが、「2010年11月吉日 学校法人興南高校元理事長 知花孝弘」弁護士です。その弁護士は私が知る限りでは、30名以上の弁護士を育てております。そして教え子たちは福岡や神戸や大阪でも弁護士をしております。そういう沖縄県のリーダー格の弁護士を育てたすばらしい教育者です。非常に敬意を表しています。
 自分だけ感動してもしようがないので、御紹介だけで終えたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

 
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