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平成17年(2005年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 12月 6日
警察本部長(三浦正充)
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まず、僧侶の逮捕事案に関する御質問のうち、逮捕の理由及び違反行為の内容について一括してお答えします。
10月29日午前10時42分ごろ、一般人男性から110番通報があり、嘉手納基地第2ゲートに通じる道路真ん中で20名ぐらいがビラ配りをしている。危険だから注意してほしい旨の訴え出がなされ、沖縄警察署の警察官3名がパトロールカーで現場臨場をいたしました。
臨場した警察官は、第2ゲートに通じる片側2車線の車道の中央において男女2名がビラ配りをしているのを現認し、道路上における危険行為であることが認められたため、直ちに口頭及び広報マイク等で指導警告を実施し、ビラ配りをしていた者たちを歩道側に移動させました。
また、現場道路横に駐車されていた「平和行進行脚」と記載された横断幕が掲示された車両2台を含む付近一帯の違法駐車車両の車両に対しても警告し移動をさせました。
同パトロールカーは、本件現場における違法状態が解消したため、別件の盗難事件の訴えに対し臨場するためパトカーを発進させようとしたところ、法衣をまとった男性がパトカーに近寄り、警察官の措置に抗議する言葉を発しながら、窓ガラスが開いた状態のパトカーの助手席の窓に両手をかけて座ったり、助手席側の前輪と後輪の間に両足を差し込むなどの行為を行い有形力をもってパトロールカーの進行を妨害する行為に出たものであります。
そこで、パトカー運転員が下車し同男性に対し、私たちはこれから盗難現場へ向かおうとしているのに、あなたはそれを妨害しているので公務執行妨害になりますよと再三再四にわたり警告を発しましたが聞き入れず、約20分間にわたり妨害行為を継続したため公務執行妨害罪の現行犯人と認め、警察官が逮捕しようとして右手をつかんだところ、右手を振り払い逃走したため約20メートル追いかけ、同日午前11時40分ごろ逮捕したものであります。
次に、毎年平和行進行脚している僧侶であることを承知の上での逮捕かという御質問にお答えをします。
警察は、被疑者が不法な有形力の行使によって警察官の職務の執行を妨害したことを理由として逮捕したのであり、平和行進行脚とは一切関係はありません。
次に、20日間の勾留をした理由についてお答えをします。
被疑者の勾留に関しては、警察から検察官に身柄を送致後、検察官の請求に基づき裁判官が判断する事柄であり、その理由について警察が答える立場にはありません。
ただ、一般論として申し上げれば、刑事訴訟法上、裁判官は被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合であって、さらに被疑者が罪証を隠滅することを疑うに足りる相当な理由、または被疑者が逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるときにこれを勾留することができる旨定められておりますので、本件についても裁判官においてそうした判断がなされたものと考えております。
次に、起訴されなかったのは公判に耐えられなかったからではないのかとの御質問にお答えをします。
公訴の提起は検察官の判断でありますが、本件については犯罪事実の存在を前提とした上での起訴猶予処分であると承知しており、公務執行妨害罪の成立を否定するものではないと認識しております。
次に、関係者に謝罪すべきではないのかとの御質問にお答えをします。
県警察としては、適正な公務の執行を不法な有形力の行使により執拗に妨害されたため、公務執行妨害罪で現行犯逮捕したものであり、正当な職務行為であると認識しております。
次に、青年が警察官に傷害を負わされたと主張している事案に関し、本件の逮捕容疑は何かとの御質問にお答えをします。
御質問の事案については、本年10月23日午前4時10分ごろ、沖縄市上地在、通称中の町歓楽街において、警察官職務執行法第3条第1項に基づき泥酔者を保護した事案と思われますので、まず事案の概要について御説明いたします。
保護に至った経緯は、10月23日午前4時ごろ、中の町歓楽街において客引き等の予防警戒に当たっていた3名の警察官が、泥酔の上、千鳥足で交通量の多い道路を横断したり、走行中のタクシーを足げりにするなど、危険な行動をしている男性を発見いたしました。そのまま放置すると事故または他人の生命、身体または財産に危害を及ぼすおそれがあり、応急の救護を要すると認められたため、警察官職務執行法第3条第1項に基づき泥酔者保護に着手いたしました。
要保護者をパトカーの後部に乗せましたが、そのとき、周囲にたむろしていたやじ馬等約30名がパトカーの周囲に蝟集し騒然となりましたので、2名の警察官がやじ馬等の整理、残り1名の警察官はパトカーの中で要保護者の対応に当たりました。
要保護者は、その間、パトカーの車内で足をばたつかせるなど暴れ、ついにはパトカーの後部ドアから車外に飛び出したので、パトカー内にいた警察官がすぐに取り押さえました。そのとき、応援の3名の警察官がパトカーで臨場し、そのうち1名の警察官と先ほど要保護者をつかまえている警察官が共同して要保護者を確保し、再度パトカーに乗せようとしました。しかし、周囲には多数のやじ馬等が蝟集していたことから、その場で保護活動を行うことは困難であると判断し、近くに駐車していた別のパトカーに乗せて沖縄警察署に搬送することにいたしました。
しかし、そこでもパトカーに乗せようとする2名の警察官に抵抗して激しく暴れ、その制止を振りほどこうとした反動で要保護者はバランスを失い、砂利がむき出しになっている地面に顔面から突っ込むような形で転倒したものであります。先ほどお示しの傷はそのときにできたものと考えられます。
そして、要保護者は転倒してからもさらに暴れていたため、自傷他害のおそれが十分にあると判断し、他に適切な方法がないと認め、やむを得ず手錠を施して保護したところであります。
御質問にあるような、倒れた要保護者を30メートルにわたって引きずったというような事実はございません。
以上のような状況であり、本件は逮捕事案ではなく、警察官職務執行法第3条第1項に基づく保護事案であり、適法な職務執行であったと認識しております。
なお、被保護者は、警察署へ搬送の上、保護室内で保護し、酔いが覚めた同日昼前に家族に引き渡しております。
次に、警察官に対する告訴への対応、被害者への謝罪、損害賠償の意思及び再発防止に関する御質問に一括してお答えいたします。
保護された男性が負った右顔面擦過傷や右鼓膜せん孔等の傷につきましては、保護にかかわった複数の警察官から聴取するなどの調査を行った結果、警察官による暴行の事実はなく、要保護者の自損行為による負傷と認められます。
これまで御説明したとおり、当該保護は適法に行われたものであると判断しておりますので、結果として男性がけがをされたことはお気の毒とは存じますが、謝罪や損害賠償に相当する事案ではないと判断しております。
また、告訴につきましては、警察としては告訴がなされた場合には適正に対処していく所存であります。
なお、保護取り扱いについては常日ごろからその適正な取り扱いについて指導教養しており、今後もそうした指導を継続してまいりたいと考えております。
以上でございます。
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20050606150070