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平成20年(2008年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 2月22日
警察本部長(得津八郎)
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米軍との共同パトロールに関する御質問にお答えいたします。
県警察と米軍との共同パトロールについては、2とおりの形態があります。
1つは、県警察と米軍の軍事警察機関である憲兵隊、いわゆるMPとの共同パトロールであります。
同パトロールについて県警察では、米軍施設外における治安の確保は沖縄県警察の責務であること、何らかの犯罪を犯した米軍人を県警察とMPとが共同逮捕した場合、地位協定の規定で当該米軍人の身柄は米軍に引き渡されることとなり、原則として起訴されるまで米軍側がその身柄を拘束することから容認していないところであります。
2つは、県警察と米軍のMP以外の軍人との共同パトロールについてであります。
既に平成12年9月から数名の私服軍人によるパトロール、平成17年11月からは制服軍人によるパトロールが沖縄市、金武町の一部地域で実施されております。
米軍当局によれば、このパトロールはコートシー・パトロール、通称CPと称され、日本語では生活指導巡回と訳されております。
その内容は、米軍人の公務外での生活指導、例えば飲酒酩酊者の早期帰隊を促したり、軍人同士のトラブルの未然解消など、警察権を有さない上官による部下に対する一般的な指導行為であります。
このCPについても、特に制服によるものである場合、基地外での軍事警察権の行使と誤解されるおそれがあることから望ましくないと考えておりますが、パトロールの実態が米軍当局の警察権の行使を目的とするものではない以上、あえて反対していないのが現状であります。
既に沖縄市、金武町の一部地域で実施されております警察権を有しないCPと県警察とが共同でパトロールすることについては、共同パトロール中に米軍人を被疑者とする犯罪現場において事情聴取等を行っている際に、CPから連絡を受けて現場臨場したMPが共同逮捕を行った場合、身柄の措置に関してMPとの共同パトロール同様の問題が生じる可能性があること、県警察がCPとの共同パトロールを実施することは、米軍犯罪のみに対処するために既存の警察力の一部を割くことになり、警察力が低下するおそれがあることの2点の問題点があると考えており、現状では沖縄県民にとって必ずしも望ましいものではなく、これらの問題点が解決され、沖縄県民に明確に示される必要があるものと認識しております。
また、共同パトロールを実施するに当たっては、現場において沖縄県警察官が米軍人との無用な紛議を起こすことなく犯罪を未然に防止するとともに、米軍人関係の事件・事故が発生した際にこれを迅速・的確に処理するなど、パトロールの実効性を上げるため、法執行力を持つ警察官や意思疎通のための通訳員の増員並びにパトカーなどの装備資機材の充実など、必要な措置が講じられなければならないと考えております。
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20080105090060