平成21年(2009年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 6月30日
警察本部長(黒木慶英)
 

 鹿児島県との災害協定の内容についてお答えいたします。
 沖縄県警察と鹿児島県警察は、平成18年1月4日に、奄美諸島において大規模災害が発生した場合における支援活動についての覚書を交わしております。
 これは、鹿児島県本土から遠隔地にある奄美諸島において、死傷者多数の大規模災害等が発生した場合、警察法第60条に基づいて鹿児島県警察が奄美諸島と地理的に近接する沖縄県警察に援助要請を行い、沖縄県警察の支援のもとに、被害の拡大防止や救出救助活動を迅速に実施することを目的に締結したものであります。
 次に、鹿児島及び沖縄から各島々までの所要時間についてお答えいたします。
 鹿児島県本土から最も遠い与論島までの所要時間は、警察用航空機、――これはヘリコプターですが――ヘリで鹿児島空港から約3時間かかるのに対しまして、那覇空港からは約35分、警察用船舶では、鹿児島港から約9時間20分かかるのに対し、本部町渡久地港からは約1時間30分となります。
 また、鹿児島県本土と沖縄本島とのおおむね中間に位置する奄美大島までの所要時間についても、警察用航空機、ヘリコプターでは、鹿児島空港から約1時間50分かかるのに対しまして、那覇空港からは約1時間40分、警察用船舶では鹿児島港から約6時間かかるのに対しまして、同じく本部町渡久地港からは約5時間となります。
 次に出動実績について、これまで鹿児島県警察からの本覚書に基づく援助要請がなされたことはありません。幸いにしてこれまでに大規模な災害が発生していないということであります。
 次に、同様な災害協定を結んでいる都道府県についてお答えいたします。
 本県以外で大規模災害発生時における相互協力を締結している例は、平成17年12月27日に締結された長崎県警と福岡及び佐賀両県警察間の覚書があることを承知しております。
 次に、災害時支援に対する見解についてお答えします。
 大規模災害等が発生した場合、被害の拡大を防止し、一人でも多くの人命を救出救助するためには迅速・的確な初動対応が求められます。
 多くの離島を抱える両県警察が管轄を超えて相互に支援活動を行うことは初動対応上、極めて重要であると認識しております。
 次に、右折、左折矢印信号表示廃止による交通渋滞についてお答えいたします。
 矢印信号については、これまで右折、左折専用車線がない直進と右折、左折の車線が混在する交差点にも交通渋滞対策として設置しております。しかし、右折、左折専用車線がない道路の場合、前方に停車した直進車が後続車に進路を譲るため、停止線を越え交差点内に進入することにより交通事故の危険性が高まることとあわせて、直進するため停車中に後方の左折車両からクラクションを鳴らされトラブルになったという多くの県民や観光客から意見が寄せられており、こうした交通事故やトラブルの未然防止を図る必要から見直しをすることとしたものであります。
 次に、渋滞に拍車をかけているのではないかということでありますが、今回の見直しで若干の渋滞は認められますが、交通事故やトラブルを未然に防止するため、見直しは必要であると考えております。
 次に、見直しが県内全域に及ぶのかという点につきまして、現在、県内に2013基の信号機が設置されておりますが、そのうち今回の見直しの対象となるのが、左折の矢印信号が33カ所、右折の矢印信号が40カ所の計73カ所で、信号機全体の3.6%について見直しを行うこととしており、うち13カ所については、既に見直しを実施しております。
 県警察といたしましては、今後とも道路における危険を防止し、交通の安全と円滑を図るため、道路管理者と協議しながら必要な対策を実施する所存であります。
 次に、金武町伊芸区における流弾事案の捜査状況についてお答えいたします。
 初めに、ライフリングマーク――いわゆる線条痕と言われるものでありますが――発見されたのは弾芯、いわゆる弾丸の芯の部分であり、同部分には線条痕(ライフリングマーク)はもともと刻印がされないものであります。
 次に、ライフル銃なのか、徹甲弾なのかについてでありますが、鑑定では、ライフル銃でも徹甲弾でもなく、機関銃で使用される「M33BALL50口径の弾芯と同種のものである」との結果が出ております。
 次に、捜査の進捗状況についてお答えいたします。
 県警察では、事案の認知直後から発生現場の実況見分、関係者からの事情聴取、弾丸の鑑定等所要の捜査を行ってきたところであります。また、発見された弾丸様のものが、米軍が使用している弾丸の弾芯と同種のものであることや、発見現場が米軍演習場の近くであることなどから、米軍側と連携しつつ所要の捜査を行ってきたところであります。
 さらに、基地内での現場調査、米軍関係者からの聞き取りなどを米軍に申し入れているところであり、今後とも鋭意捜査を継続し事案の解明を図っていくこととしております。
 次に、駐日米国臨時代理大使からの書簡で、米軍の訓練とのかかわりを否定していることについて見解はどうかについてであります。
 同書簡は、事案が発生したとされる日時には米軍の実弾演習は行われていなかったとしつつ、弾道解析結果から、跳弾として流出する確率は極めて低いとしているものと承知しておりますが、県警察としては、発見された弾芯が米軍が使用しているものと同種であること、発見現場が米軍演習場の近くであることなどから、米軍側と引き続き連携しつつ、事案解明のための捜査を継続しているところであります。
 なお、県警察は、現在、米軍の報告書の結論の根拠としている事項について米軍側と協議等を行っているところであります。
 以上でございます。

 
20090406060010