平成18年(2006年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 9月29日
知事(稲嶺惠一)
 

 平良議員におかれましては、私の引退後の生活までお気遣いいただき、恐縮をいたしております。
 それでは平良議員の御質問にお答えいたします。
 小泉政権の5年間への評価と安倍新政権への期待についてでございます。
 小泉内閣は、日本経済が停滞から脱出し、21世紀にふさわしい経済・社会制度を確立するため、地方分権、規制改革、行財政改革など、経済、財政、行政、社会などの分野における聖域なき構造改革を進めました。これによりバブル経済崩壊後、長期にわたる不況から抜け出し、今日、景気回復の兆しが見えるようになったことは一定の成果として認めることができるのではないかと思います。
 しかし、構造改革については、行財政改革と三位一体改革が都市と地方の格差を拡大させました。歳入の30%以上を地方交付税に依存せざるを得ない市町村が約半数を占め、また離島県である上、広大な米軍基地が存在し、厳しい行財政運営を強いられている本県にとって看過できるものではありません。県内の市町村は厳しい予算編成を余儀なくされ、特に離島・過疎地域の財政運営は限界に達しております。
 また、小泉前首相は、かねてから沖縄の基地問題は日本全体の問題であると発言されており、県においては沖縄の過重な基地負担の軽減に期待を寄せておりました。
 米軍再編の合意内容全体については、施設の返還・整理・統合が盛り込まれておりますが、県民の望む結果が得られたとは言えない状況であると考えております。
 安倍新政権に対しては、経済自立の問題や基地問題等、沖縄の抱える諸問題の解決に向けてしっかり取り組んでいただくことを期待しております。
 沖縄の問題は、戦後61年にわたる長い歴史を持つ難しい問題であり、私もできるだけ早い時期に上京し、安倍総理、高市沖縄担当大臣を初め関係大臣にお会いして説明し、諸問題の解決に向けて努力されるようお願いしたいと考えております。
 続きまして、後継候補についての御質問にお答えします。
 仲井真氏は、稲嶺県政を継承・発展させると明言しております。
 私としては、普天間飛行場の早期返還を図るとともに、それまでの間の危険性の除去が最も重要な課題であると考えております。
 移設問題については、これまでの経緯を踏まえ、着実に解決に向けて取り組んでいただきたいと考えております。
 次に、済州道と姉妹都市を結んで交流を深めたらどうかについての御質問にお答えいたします。
 沖縄県と済州道はこれまで伝統芸能団の相互派遣や島嶼観光政策フォーラムの開催、済州道出身の国際交流員の受け入れなどさまざまな分野で交流を積み重ねてきております。特に島嶼観光政策フォーラムは、島嶼と観光という共通の条件下にある島嶼地域が、観光の振興と相互協力を共通目標に掲げ設立され、1997年(平成9年)に第1回目のフォーラムが沖縄県、済州道、インドネシア共和国バリ州、中華人民共和国海南省の4地域が参加して済州道で開催されました。その後、毎年参加地域の持ち回りで開催しており、ことしも10月に第10回フォーラムが済州道で開催されます。
 また、沖縄県と済州道では平成18年1月に沖縄観光コンベンションビューローと済州道観光協会が友好親善協定を締結し、観光・コンベンション産業の振興に向けた協力、友好促進を図っていくこととしており、今後、沖縄県と済州道ではさまざまな分野で交流が深まるものと期待しております。
 県といたしましては、観光や伝統芸能、文化などの民間交流を促進するとともに、引き続き島嶼観光政策フォーラムを通じ、済州道やその他の島嶼地域との交流を深めてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。

 
20060404100030