平成19年(2007年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 6月26日
親川 盛一
 

 皆さん、こんにちは。
 自由民主党議員団を代表して、安里進議員に次いで質問をさせていただきます。
 まず第1に、普天間飛行場移設建設問題についてであります。
 普天間飛行場代替施設建設に係る基本合意書及び在日米軍再編に係る基本確認書を国と県及び名護市が交わしてから早くも1年が経過いたしました。日米両政府が合意した2014年までの移設建設完了には期間は8年しかないのが実態であり、環境影響調査や事前準備作業等に要する期間を考えるといっときの猶予もできない状況であります。
 当初、政府は、普天間飛行場代替施設の移設建設について、名護市とキャンプ・シュワブ沿岸部へ移設建設することで基本合意したことを受けて日米協議に臨み、2006年5月、日米安全保障協議委員会での最終合意に達し、そして県と基本確認書を交わした経緯から、政府案を基本に建設が進められるとの認識があったと思うのであります。しかし、地元名護市は、1800メートルの2本のV字型滑走路の政府案に対し1600メートルを主張し、さらに滑走路の沖合への移動を求めたのであります。
 また、仲井眞知事は、就任当初から政府との協議に積極的に参加するなど、普天間飛行場代替施設建設問題の早期解決の姿勢を明確に示していたのであります。しかしながら、仲井眞知事の公約である普天間飛行場の3年をめどとする閉鎖状態の実現について、いまだ政府からの解決策は示されておりません。
 このように国と県、地元名護市との認識の違いが表面化しているにもかかわらず、県や地元との十分な協議や詳細な詰めを怠ったことに原因があるのではないでしょうか。
 このような状況の中、那覇防衛施設局により環境現況調査(事前調査)が実施されておりますが、反対派による妨害行為も行われており、時間だけがむなしく過ぎ、辺野古沿岸沖合への移設建設の二の舞だけは避けなければならず、市街地の中心部にあり、危険な基地である普天間飛行場の一日も早い返還を実現するためにも今回の移設建設をおくらせるわけにはいかないのであります。
 仲井眞知事が普天間飛行場の3年をめどとする閉鎖状態の実現を公約に掲げたのも、SACO最終合意から10年余も経過しながら、何の措置もとらない普天間の危険な現状を見過ごすわけにはいかないとの思いからであると思うのであります。だからこそ仲井眞知事の強い信念に基づく政府との交渉力に期待するものであり、県として主張すべきことは主張しながら、政府との協議に積極的に対応してほしいと願うものであります。
 そして仲井眞知事には、普天間飛行場の全面返還と危険性の完全なる除去が実現されるのは、2014年に代替施設の建設が完了したときであるとの基本認識を持ち続けていただきたいと思うのであります。
 そこで伺います。
 (1)、移設建設問題の進展状況について。
 ア、在日米軍再編及び普天間飛行場代替施設建設に係る基本確認書、基本合意書を当時の額賀防衛庁長官と稲嶺知事及び島袋名護市長が交わしてから1年が経過した。仲井眞県政になって、移設建設問題で政府との協議に臨む姿勢等で何が変わったのか伺います。
 イ、政府と県、地元名護市との間に代替施設建設の合意の受けとめ方に違いが見られるが、認識の違いは何か。また、1月19日の第3回協議会後、開かれていない政府と県、地元との協議を早急に再開すべきではないのか。
 ウ、去る3月19日に仲井眞知事、島袋名護市長、ケビン・メア在沖米国総領事が非公式に会談したが、この会談のねらいと政府に対してどのようなメッセージとなったと考えておられるか。
 エ、ケビン・メア在沖米国総領事は、名護市の主張する滑走路の沖合への移動に理解を示したとのことだが、これは日本政府が決断すれば米国政府も同調するとのシグナルとも考えられるが、県の見解を伺いたい。
 オ、那覇防衛施設局は、環境現況調査(事前調査)を実施しているが、今後、普天間飛行場代替施設建設に必要な環境影響評価(アセスメント)に向けて、国及び県のそれぞれの手続についてお伺いいたします。
 (2)、普天間飛行場の危険性の除去について。
 ア、SACO最終合意により普天間飛行場返還が決定されてから10年余が経過したが、その間、普天間の危険性の除去についてはどのような変化があったか。
 イ、2004年8月の米軍ヘリ墜落事故を契機とした普天間飛行場の飛行経路の見直しについて、日米両政府の協議の進展状況と今後の見通しを伺いたい。
 ウ、普天間飛行場の3年をめどとする閉鎖状態を実現するため、県はヘリ部隊の分散移転や一部訓練移転等を検討するよう政府に提案しておりますが、これに対する政府の対応を伺いたい。
 エ、約8000名の海兵隊の削減に関し、削減される部隊名及び兵員数の内訳等について、情報の把握及び日米協議の進展状況をお伺いいたします。
 第2に、尖閣諸島・東シナ海に係る問題についてであります。
 (1)、尖閣諸島領有権問題について。
 尖閣諸島は、1895(明治28)年、沖縄県の所管として我が国の領土に編入され、国内法及び国際法上我が国の固有の領土であります。しかし、東シナ海の大陸棚に石油等資源の埋蔵の可能性が指摘されると、中国や台湾が領有権を主張し始め、尖閣諸島をめぐる領有権問題に発展したのであります。
 中国の領有権をめぐる行動は露骨であり、幾度となく中国等の活動家による尖閣諸島への上陸騒ぎを引き起こし、さらに中国海軍の原子力潜水艦が先島諸島海域の我が国の領海内に侵入するという事件まで起こしております。
 さらに近年、尖閣諸島の周辺海域は東シナ海のガス田開発や海洋権益をめぐり日中両国がせめぎ合う海域となっており、問題が複雑化の様相を呈してきております。
 この問題に対する日本政府は場当たり的対応が目立ったのでありますが、最近、魚釣島の灯台を国の管理とするなど、ようやく国として明確な姿勢を示したことは、遅かりしとはいえ外交的前進であります。
 このような我が国の対応を見越して中国は去る2月4日、尖閣諸島魚釣島付近の日本の排他的経済水域内で海洋調査船による調査活動を行っております。中国は我が国の抗議に対し、尖閣諸島は中国の固有の領土であり、調査は正当な権利であると反論して日本の抗議を非難しているのであります。
 領有権問題は、国益と国家としての威信が絡むだけに解決は難しく、しかも外交は国の専管事項であるため、沖縄県としての対応には限界と困難を伴うことが多いと思うのであります。
 しかしながら、本県は尖閣諸島を所管する唯一の県であり、県益を守る観点から国に対する問題解決の要請は今後も続けていく必要があると考えます。
 天候不良により延期せざるを得なかった仲井眞知事の尖閣諸島視察も、諸島を所管する県知事がみずから現地へ赴くという意味は大きく、領有権の正当性と県益保護を内外に示すことになると思うのであります。
 そこで伺います。
 ア、中国は尖閣諸島について、中国の領土であり、日本の領有権主張は認められないとしているが、日中両国における外交交渉はどのような段階にあるか。
 イ、尖閣諸島は石垣島に属しており、沖縄県が所管しているが、領有権問題は国の専管事項であることから、県としての対応に困難性があると思うが、国との協議はどのようになされているか。
 ウ、尖閣諸島領有権問題の相手国である中国や台湾とは本県は歴史的に長い交流関係にあり、現在は観光関係でも深いつながりがあるが、領有権問題が県の政策に及ぼす影響について伺いたい。
 エ、去る3月に仲井眞知事は、予定していた尖閣諸島視察を天候不良により延期したが、視察を考えた理由と今後の視察予定についてお伺いいたします。
 (2)、東シナ海ガス田開発問題について。
 東シナ海ガス田開発問題は、日中間の主張の隔たりは大きく、対立の解消を図る手がかりさえつかめていないというのが実態であります。東シナ海について我が国の立場は、一貫して双方の海岸から等距離に日中間の中間線を引き、その東側が日本の経済的主権が及ぶ排他的経済水域にするというものであります。
 これに対し中国は、日本の主張する中間線を否定し、南西諸島西側の沖縄トラフトまでを中国大陸が形成する大陸棚だと主張し、中国の権益はそこまで及ぶとの見解を示しているのであります。

 その上で中国は、1990年代から東シナ海の海洋調査を活発に行っており、2000年代に入ると中間線付近でガス田開発に着手しているのであります。そのガス田は、中間線をまたいで地下で日本側とつながっており、中国が生産を開始すれば、日本の地下資源が中国に吸い上げられてしまいかねないことから、日本は開発中止を強く求めてきているのであります。
 現在進められている日中の協議において、政府は共同開発を提案しているようでありますが、中国は先延ばしを続けているようであります。
 中国は、ガス田「白樺」で既に天然ガスの生産を開始し、沿岸都市部への供給を開始していると言われており、日本の思惑どおりにいきそうにないようであります。
 沖縄近海の東シナ海でのガス田開発をそのまま許せば、近い将来尖閣諸島にも大きな影響を与えることは目に見えており、そうなれば尖閣諸島を有する本県としても無関心ではいられないのであります。
 そこで伺います。
 ア、日本の中止要求を無視し、中国は沖縄近海の東シナ海でのガス田開発を進めている。中国の開発場所は日本側までガス田の地質構造が続いていると言われていることから、このままでは沖縄近海のガス資源までもが失われるおそれも出ているが、知事の見解を伺いたい。
 イ、中国は、東シナ海の日中中間線近くでガス田開発を進めている。これに対し日本は、中間線を挟んだ海域での共同開発を提案しているが、中国は尖閣諸島周辺での共同開発を逆提案しているという。知事の見解をお伺いします。
 ウ、中国は東シナ海の日中中間線近くのガス田「白樺」で既に天然ガスの生産を開始し、沿岸都市部への供給を開始しているようであるが、県は情報を把握しているか。また、政府の対応を伺いたい。
 第3に、米軍基地問題についてであります。
 本県における米軍基地に起因する事件・事故は、復帰35年を迎えた現在においても依然として減少の兆しが見えず、県民の不安・不満は一向に解消されていない状況にあります。
 去る3月に、北谷町の住宅街で米陸軍軍属の子供で無職の少年が空気銃のようなもので通行中の女性に発砲し負傷させたほか、駐車中の乗用車にも数発発砲し破損させるという事件が起こっております。
 この周辺は住宅密集地で人通りが多く、小学校や保育園や子供の遊び場もあり、危険きわまりない行為であります。
 このほかにも米兵による女性に対する暴力、基地内からの投石、強盗未遂事件など、米軍絡みの事件・事故は後を絶たないのであります。さらに、米海兵隊が次期主力輸送機と位置づけるオスプレイの沖縄配備の問題も浮上してきております。
 オスプレイについては、米海兵隊が欠陥を理由に全機を飛行中止にしていたという報道もあり、安全性が示されないままの沖縄配備に対し強い懸念も示されております。
 仮に沖縄配備が事実とすれば、政府は、同機の安全性や沖縄配備の必要性等について納得のいく説明を行い、県民の理解を得ることが何よりも重要であります。
 また、最近では嘉手納飛行場駐機場付近でジェット燃料が駐機場路面に流出し、土壌を汚染させるという環境問題を発生させております。
 この問題で県が基地内に立入調査を行った際、写真撮影や土壌採取も拒否されたということであり、米軍の姿勢は県民の理解を得て基地を使用するという政府の説明とはかけ離れたものであり、よき隣人政策にも逆行するものではないかと思うのであります。
 政府も米軍が絡んだ事件・事故が起こるたびに、再発防止の徹底を米軍側に申し入れることを約束しますが、復帰後から今日まで守られたことはありません。
 しかしながら、基地が厳然として存在し、事件・事故が相次いでいる以上、県は県民の負担軽減を図るため、米軍人・軍属等による事件・事故に対し、これまで以上に抗議と粘り強い再発防止策を求めていくことが必要であるのであります。
 そこで伺います。
 (1)、米軍人・軍属による事件・事故等が後を絶たない状況にあるが、昨年度の全国と本県における発生件数を伺いたい。
 (2)、飲酒運転による事故等が社会問題となっている中、本県における米軍に対する対策はどのように行われているか。また、米軍人・軍属等の飲酒運転による事故等の発生・検挙件数を伺いたい。
 (3)、垂直離着陸機MV22オスプレイの沖縄配備の報道がなされているが、県の情報把握と可能性について伺いたい。
 (4)、普天間飛行場代替施設建設の滑走路の長さや施設規模等とオスプレイの沖縄配備との関連について県の認識を伺いたい。
 (5)、嘉手納飛行場内でジェット燃料が流出し、土壌を汚染させた問題について、その概要と県の基地内立入調査の状況について伺いたい。
 第4に、行財政改革の推進についてであります。
 本県は復帰以来、沖縄振興計画に基づく施策の具体的実施のため、国からの財政支援及び高率補助等の優遇措置を受け、経済基盤整備を進めてまいりました。
 このことは一方において、自主財源に乏しく、国からの財政支出に依存するという不健全な財政依存体質が形づくられ、競争性に乏しい産業経済構造となっているのであります。
 国の財政状況の悪化に伴い、国から地方への権限移譲の機運が高まり、地方分権推進の一環として三位一体改革が国の主導で実施され、そのあおりを受け、地方は軒並み財政悪化に見舞われたのであります。
 特に、国からの国庫支出金や地方交付税に大きく依存している本県の受ける影響は大きく、県だけでなく市町村においても厳しい財政運営を強いられているのであります。
 このような状況に対処するため、県においては、昭和60年から取り組んでいる行財政改革の推進を一層加速させ、事務事業の見直しや効率化において大きな成果を上げてきております。しかしながら、県財政の健全化についてはなかなか成果が出ていないというのが実態ではないでしょうか。
 県は、県財政収支を試算した平成20年度から平成23年度までの「沖縄県財政の中期見通し」を発表しているが、これによれば各年度とも収支不足の状態が続き、この4年間で1200億円の財源不足が生じると試算しております。
 平成17年度に平成21年度までの財政見通しを出しながら、期間途中で前倒しで財政見通しを改定するということは、いかに本県の財政状況が逼迫しているかを物語っていると思うのであります。
 また、市町村においても深刻さは同様であり、宮古島市では市全会計の実質赤字が県内市町村でも断トツに高く、財政再生団体に指定されるおそれが指摘されるなど、動揺が広がっております。
 振興計画も後半5年となり、本県には経済の自立や大規模基地返還跡地利用への対応、さらに新たな振興計画の検討等、旺盛な財政需要を必要とする課題が山積しております。このため、県及び市町村財政の改善を図り、健全財政の確立は喫緊の課題であると思うのであります。
 そこで伺います。
 (1)、行財政改革の現状について。
 ア、東町会館の老朽化が激しく危険な状態にあるようだが、当初の方針どおり廃止とするのか、補修による存続とするのか、県の考え方を伺います。
 イ、行政改革推進法に基づく地方に課せられた取り組み項目について伺いたい。
 ウ、本県における行財政改革の目標である行財政改革プランと行政改革推進法に規定されている取り組み項目との整合性をどのように図っているのか。
 エ、県立病院事業の改革についての実績を示してほしい。また、県の行財政改革及び県立病院事業改革に伴う人件費等の抑制は、産婦人科医師等の確保対策に影響しないか。
 オ、県の包括外部監査人が指摘した県公共施設運営の問題点や改善に関する提言等と県の対応について伺いたい。
 (2)、県財政の健全化について。
 ア、平成20年度から平成23年度までの県の財政中期見通しが示されたが、この4年間を収支不足で推移すると試算している。その要因は何か。
 イ、団塊の世代の退職や本県特有の復帰前後に採用された職員の大量退職等、県財政の負担が拡大する一方であるが、県の対策を伺いたい。
 ウ、行財政改革の一環として、大規模な県単箱物整備の抑制を進めてきたが、平成20年度から平成23年度までの抑制や見直し計画があれば伺いたい。

 エ、振興計画も残り5年となり、県経済の自立が急がれる現状において、建設業等地域の活性化に効果の大きい公共施設等整備の抑制策を続けることは、県経済の活力を減速させることにはならないか。
 オ、三位一体改革や道州制の導入など、地方の自立に向けた環境整備が進む中で地方における財源確保が大きな課題となっている。本県は自立型経済を目指し、単独道州移行を掲げているが、その前提として国の財政依存から脱却した健全財政の確立は可能と考えておられるか。
 カ、宮古島市では、市全会計の実質赤字が県内市町村でも突出しており、財政再生団体に指定されるおそれが指摘されるなど動揺が広がっている。今後の対策と県の指導・支援を伺いたい。
 (3)、会計管理者制度について。
 ア、地方自治法の改正により、これまでの出納長、収入役制度が廃止され、会計管理者制度に移行されたが、会計管理者としての抱負と今後の課題等について伺いたい。
 第5に、本県産業振興の現状と課題についてであります。
 (1)、県内中小企業の育成について。
 活力ある本県経済を構築し、県民生活の向上と雇用の安定確保を図るためには、その原動力となる企業活動の持続的発展が重要であることは言うまでもありません。そのため、県においても本県の地域特性を活用した産業の戦略的展開や新規事業の創出、企業の立地促進を図るなど、あらゆる方策を推進しているところであります。
 しかしながら、県の施策の目標である地域特性を生かした産業の集積及び県内企業の競争力の強化については、現状を見る限りにおいて達成したとは到底言える状況にはないのであります。このところの観光の好調さやIT関連産業の躍進等で雇用環境も回復の兆しを見せており、県経済に明るさが見え出したのは確かでありますが、この好調さの要因の将来見通しにおいて確たるものがないのも確かなようであります。
 民間研究機関の全国中小企業の現状分析調査によりますと、全国的に見て中小企業の数は情報通信業を除いてすべての業種で減少傾向にあるようであります。しかも、近年は廃業率が開業率を大きく上回り、最近はその差も拡大してきていると憂慮されております。本県においてもその傾向に変わりはなく、企業数も減少してきているとのことであり、気になる調査結果であります。
 企業の活力は経済の源であり、企業の減少・衰退はその地域のありようにそのまま反映していきます。このような状況が今後も続けば、本県の目指す経済の自立への影響も懸念されるからであります。
 県は、今年度で第3次沖縄県産業振興計画の策定と沖縄県中小企業振興基本条例の制定を予定しており、また沖縄県産業・雇用拡大県民運動を立ち上げるなど、行政、経済界と一体となった取り組みに力を入れており、今後の施策展開に大きな期待を抱くものであります。
 そこで伺います。
 ア、全国的に中小企業の減少傾向が続き、最近は廃業率が開業率を大きく上回っており、その傾向は本県も同様と言われるが、その背景と県の支援・育成策を伺いたい。
 イ、本県企業については、他企業との競争力の強化や県外への販路拡大に向けた地域に特化した商品の差別化・ブランド化が必要と言われ続けてきているが、現状と今後の戦略的取り組みについて伺いたい。
 ウ、本県企業の約70%は零細企業と言われ、沖縄県中小企業振興基本条例の制定に際しては、これら零細企業に対するきめ細かい手当てが必要と思うが、県の基本的な考えを伺いたい。
 エ、県内中小企業を金融・財務面から支援するおきなわ中小企業再生ファンドの活用状況と県との連携について伺いたい。
 オ、地方自治体の企業誘致を支援し、地域間格差の是正を図る企業立地促進法について、本県の目標とするオキナワ型産業の構築に活用できるものであるか。
 (2)、本県文化産業の振興について。
 本県は、地域特有の気候風土の中で生まれた他県に例のない文化を有する特異な地域であります。その中でも織物、染物、漆器、陶器等は世界に誇れる伝統工芸品であり、手づくりとぬくもり感から多くの人々に支持されております。
 また、近年は音楽関連やデザインなども注目されてきており、沖縄独自の付加価値をつけることにより本県経済に大きく寄与する産業として発展が期待されております。
 しかしながら、本県伝統工芸品を取り巻く環境は年々厳しさを増してきており、従事者の高齢化等による減少、原材料の確保難、研究開発力の脆弱さ等の課題を抱えており、行政への期待がますます高まっております。特に、年々売り上げの減少傾向が続き、これが組織の衰退につながるという悪循環に陥っているのであります。
 さらに、近年はコストの安い海外品の販売も見られ、しかも現地表示がなされていないことから沖縄産と誤認されるケースもふえていると言われ、産地表示の徹底が求められております。
 最近は、音楽関係やデザイン関連などで沖縄の独自性が注目されてきているようであり、これを起爆剤に観光産業や伝統工芸品等との連携を深め、本県文化産業の発展につながっていくことを願うものであります。
 そこで伺います。
 ア、本県の全産業に占める伝統工芸を含む文化関連産業の構成比について伺いたい。
 イ、本県伝統工芸品産業の現状と県の支援対策の状況を伺いたい。
 ウ、伝統工芸品産業の産地表示等県産品保護対策及び販売促進など販路拡大策について伺いたい。
 エ、かりゆしウエアの全国展開について、県としての基本方針を示してほしい。また、自民党は、去る5月23日に自民党本部で安倍総裁を初め多くの国会議員が参加し、かりゆしウエア販売会を開催した。6月1日は全閣僚がかりゆしウエアで閣議に参加した。これについて知事の所見をお伺いします。
 第6に、県内建設業の現状についてであります。
 国の公共事業関連経費の恒常的削減や相次ぐ談合事件の摘発などで公共事業に依存する度合いが高い土木・建築業は、全国的に廃業、倒産に見舞われております。特に、建設業が主要産業となっている地方においては、地方財政の悪化も重なって深刻な事態となっているようであります。
 都道府県別の倒産構成比を見ますと、本県は全国一高くなっており、県経済及び産業に占める建設業の割合が他県に比べ格段に大きい本県においては、その打撃ははかり知れないものがあります。
 県の発表によりますと、県が実施している公共工事の落札率はここ数年低下傾向を示しているようであり、その原因を公正取引委員会の立ち入りや入札制度改革等の影響があると見ているようであります。
 このように本県建設業は現状において厳しい経営状態にあり、企業環境の改善を図るための抜本的な対策が求められております。
 県は、県発注工事をめぐる談合事件で損害賠償金を課した企業に対する5年としている納付期限のさらなる延長を検討しているようであります。県に対しては、本県建設業の県経済に占める位置づけや雇用を含めた県民福祉への貢献という長期的観点から対策を講じていただきたいと願うものであります。
 そこで伺います。
 ア、本県における建設業の倒産が相次いでいるが、その現状と県の支援対策について伺いたい。
 イ、建設業の倒産等に伴い、従業員の解雇が年々増加しているようであるが、過去3年間の推移と背景及び今後の見通しを伺いたい。
 ウ、全国的に公共事業の入札方法の見直し等が行われているが、本県においても総合評価方式の導入を検討しているようだが、その理由と効果について伺いたい。
 エ、公共事業の入札改革については、一般競争の拡大による公平性・競争性の維持が重視されるが、一方において、急激な改革は行き過ぎた価格競争を招き、地元建設業の衰退につながるとの声もある。県の基本的考え方について伺いたい。
 オ、公共事業の削減や談合事件等の影響もあり、県内建設業の倒産増加や経営不振が続き、落札率も低下傾向にあるようだが、県の県内建設業に対する基本姿勢と長期的視点からの保護育成等について伺いたい。
 第7に、教育関係についてであります。

 (1)、教育改革関連三法について。
 ア、教育再生を目指した教育改革関連三法により教育行政はどのように変わり、教育現揚への影響をどうとらえているか。
 イ、2009年4月から教員免許更新制度を導入するとしている。これにより教員の任用制度は大きく変わるが、教育長の御所見を伺いたい。
 ウ、教育再生は実施段階に入ったが、今後、学校活性化に向けた教員の定数増や教育予算の拡充強化等が課題となるが、教育庁の基本姿勢を伺いたい。
 (2)、児童生徒の安全対策について。
 最近のマスコミ報道を見ると、毎日のように全国どこかで児童生徒の下校時における不審者による略取等の被害が発生するという社会不安が増しており、学校関係者や父兄の間に衝撃を与えております。
 本県においても不審者による児童生徒の被害が発生しており、平成18年は48件で52人が被害に遭っているということであります。発生時間は午後に集中し、小学校の男女児童及び中高校の生徒に集中しているようであります。
 県内各学校においては、独自に防犯対策の基本となる危機管理マニュアルを作成し、児童生徒の安全確保に努めているようでありますが、安全対策を万全にするためには、学校だけでなく警察や地域との連携・協力が欠かせないと思います。
 そこで伺います。
 ア、昨今、児童生徒が学校外で事件・事故に巻き込まれる事例が増加しており、死に至る悲惨な事件等もふえているようである。このような状況に対し、教育的立場からどのように感じているか伺いたい。
 イ、各学校においては危機管理マニュアルを作成し、それぞれの対策を講じているが、学校外での児童生徒の安全対策に関しての具体的方策はどのようになされているか伺います。
 ウ、学校における安全対策として、児童生徒が日常的に通学する通学路や周辺地域の定期的点検が必要であると考えますが、県における対策を伺います。
 最後に、不発弾処理に対する支援策についてであります。
本県における復帰後から2003年度までの不発弾処理は3万トン弱と言われ、県の調べによるといまだに2500トンの不発弾が地中に埋没しているということであります。年間30トン近く処理されておりますが、このままではいつ終了するかわからないのが実態であります。
 最近は、不発弾処理により周辺住民の避難や生命財産への影響、市町村財政の問題等不安が大きいこと、また住宅密集地での不発弾処理も多いことから、特殊工法防護壁(ライナープレート)処理がふえておりますが、この方法では周辺住民の避難区域が縮小され住民の負担は少なくなるが、防護壁構築料が従来方法より9倍も重なったため、市町村の財政負担が大きくなるようであります。
県の説明によりますと、2分の1は特別交付金で措置され、残りの2分の1は市町村の負担ということであります。本来、不発弾処理は国の責任で行うべきものであり、全額国庫負担にし、特別交付税の明確な交付方法を見直すべきであります。
 そこで伺います。
 不発弾処理については、本来、国の責任で行うべきものであり、全額国庫負担にし、特別交付税の明確な交付方法を見直すべきと考えますが、県の考えと今後の対応を伺いたいと思います。
 以上で代表質問を終わります。
 よろしくお願いいたします。

 
20070203070020