前発言
平成18年(2006年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 10月 3日
知事(稲嶺惠一)
次発言
★ここをクリックすると、この日の発言が全て表示されます。★
赤嶺昇議員の御質問にお答えいたします。
小泉政権の沖縄に対する取り組みの評価と次期政権の期待について一括して答弁をいたします。
小泉内閣は、日本経済が停滞から脱出し、21世紀にふさわしい経済・社会制度を確立するため、地方分権、規制改革、行財政改革など、経済、財政、行政、社会などの分野における「聖域なき構造改革」を進めました。これにより、バブル経済崩壊後、長期にわたる不況から抜け出し、今日、景気回復の兆しが見えるようになったことは一定の成果として認めることができるのではないかと思います。
しかし、構造改革については、行財政改革と三位一体改革が都市と地方の格差を拡大させ、県内の市町村は特に厳しい予算編成を余儀なくされており、特に離島・過疎地域の財政運営は限界に達しております。
また、小泉前首相は、かねてから沖縄の基地問題は日本全体の問題であると発言されており、県においては沖縄の過重な基地負担の軽減に期待を寄せておりました。
米軍再編の合意内容全体については、施設の返還・整理・統合が盛り込まれておりますが、県民の望む結果が得られたとは言えない状況であると考えております。
安倍新政権については、経済自立の問題や基地問題等、沖縄の抱える諸問題の解決に向けて取り組んでいただきたいと思います。
沖縄の問題は、戦後61年にわたる長い歴史を持つ難しい問題であり、私もできるだけ早い時期に上京し、総理、沖縄担当大臣を初め関係閣僚にお会いして説明し、諸問題の解決に向けて努力されるようお願いしたいと考えております。
次に、基地問題への対応についてお答えいたします。
私は、知事就任以来、県政最大の課題の一つである米軍基地問題の解決に向けては、県民の立場に立って基地負担の軽減を求めてきたものであります。
次は、普天間基地問題と危険性の除去について一括してお答えを申し上げます。
従来案については、平成11年12月に「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定され、この政府方針に基づき、政府と協力しながら一歩一歩進めてきたところであります。
しかしながら、去る5月1日の在日米軍再編協議の最終報告において、新たな移設案が承認されたことにより従来案が政府により一方的に破棄されました。新たな合意案については、県として容認できないことは既に明らかにしたところであります。
私としては、ことし5月4日に示した「米軍再編に関する沖縄県の考え方」を踏まえ、普天間飛行場の早期返還とそれまでの間の危険性を除去するため、任期の最後まで全力を尽くす考えであります。
次に、基地跡地利用の道筋についての御質問にお答えいたします。
基地跡地の利用については、沖縄振興特別措置法に駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化のための特別措置を盛り込み、大規模駐留軍用地跡地等利用推進費により跡地利用の取り組みに関する予算措置を講じました。
また、沖縄担当大臣、県知事、跡地利用関係市町村の代表で構成する跡地対策協議会や、県と跡地関係市町村で構成する跡地関係市町村連絡・調整会議など、跡地利用に関する枠組みを実現しました。
県としては、これらの制度や枠組みを活用し、国及び跡地関係市町村と密接な連携のもと、跡地利用の促進に努めているところであります。
次に、知事のスタンスと暫定ヘリポート案の踏襲について一括してお答えいたします。
県は、普天間飛行場の危険性を除去するため、暫定ヘリポートの建設を検討することを対応の一つとして政府に求めているところであります。
移設問題については、これまでの経緯を踏まえ、着実に解決に向けて取り組んでいただきたいと考えております。
次に、大田県政との比較と自己総括についての御質問にお答えいたします。
大田県政との比較につきましては、後世の県民の御判断にお任せしたいと思います。
私は8年前、当時の県経済の閉塞状況を打破するため、多くの県民の負託を受けて知事に就任し、2期8年間、県政の課題に全力で取り組んできました。その結果、経済振興を初めとする諸施策が大きな成果を上げ、県経済は自立に向けて確かな歩みを着実に進めております。沖縄振興特別措置法の制定と沖縄振興計画の策定を実現し、自立経済社会構築への仕組みづくりを行いました。
産業振興、離島活性化の面では、昨年、過去最高の年間550万人の観光客数を記録するとともに、情報通信関連産業を中心とする123社の企業誘致と約1万人の雇用の創出を図りました。また、新石垣空港が今月着工するほか、伊良部大橋にも着手しました。
医療・福祉では、県立中部病院の移転改築や県立南部医療センター・こども医療センター、県総合福祉センターを設置しました。
国際交流では、九州・沖縄サミットを初めとする国際会議を誘致し、成功裏に終了させるとともに、沖縄平和賞の贈賞を通して平和を希求する沖縄の心を国内外に発信しました。
文化振興、教育の面では、国立劇場おきなわが開館し、博物館新館・美術館建設に着手しました。また、国立高専が開学し、大学院大学も開学に向け準備が着々と進んでおり、平成22年度全国高等学校総合体育大会の本県開催も内定しております。これらの結果、県民が夢と希望の持てる沖縄県を築くためのレールを敷いたものと考えております。
県政最大の課題の一つである基地問題については、知事就任以来、沖縄の過重な基地負担が県民の目に見える形で軽減されるようあらゆる機会を通じて日米両政府に訴えてきました。その結果、在日米軍再編協議において、さらなる整理・統合・縮小等が日米両政府で合意されるとともに、日米地位協定の見直しについても渉外知事会や県独自の取り組みにより全国的な動きにすることができたと考えております。
私は、県民の負託にこたえるという責任感・使命感でこの8年間、県政の課題に全力で取り組み、大きな成果を上げることができたと自負しております。
その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。
前発言
次発言
20060406080030