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平成20年(2008年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 12月 8日
農林水産部長(護得久友子)
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それでは、ヤンバルの林道工事による貴重な森林の伐採についての御質問で、国頭村楚洲県有林における伐採についてにお答えいたします。
楚洲県有林における伐採については、種の保存法第9条及び文化財保護法第125条第1項に違反しているとして、那覇地方検察庁に告発されているものであります。
種の保存法第9条では、国内貴重野生動植物種の生きている個体は、捕獲・採取・殺傷または損傷してはならないと定められております。楚州県有林の伐採ではこのような事実は確認されていないことから、同法違反ではないと考えております。
また、文化財保護法第125条第1項では、「史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、文化庁長官の許可を受けなければならない。」と定められております。ただし、保存に影響を及ぼす行為が軽微である場合はこの限りでないとされております。
楚洲県有林の伐採は、捕獲、移動等の個体に直接かかわる現状変更は行っていないこと、また、直ちにヤンバルクイナ等個体の滅失や毀損につながるという密接な因果関係にはないことから、保存に及ぼす影響が軽微であり、文化庁長官の許可を得る必要がなく同法違反ではないと考えております。
同じくヤンバルの林道工事に関して、復帰後の県有林の伐採面積についてにお答えいたします。
復帰後、ヤンバルにおいて収穫、伐採された県有林の面積は110ヘクタールで、県営林面積全体の3897ヘクタールの2.8%となっております。
同じくヤンバルの林道関係で、県有林伐採における貴重種の保存についてにお答えいたします。
伊江原林道入り口付近においては、リュウキュウマツが択伐により収穫されております。
県としては、貴重種の保存に配慮するよう事業者に対し文書による指導を行い、ヤンバルクイナ等の繁殖期間である4月から6月にかけて伐採が中断されております。
同じくヤンバルの林道工事関係で、全国森林計画における森林の開発規制に関する対処策についてにお答えいたします。
全国森林計画では、全国の各広域流域ごとに森林の整備及び保存に関する事項を記しております。その中で、沖縄の広域流域においては、「固有の動植物が生息していることから、水源かん養機能の維持増進及び貴重な種の保存に配慮し、天然力を活用した適切な施業を推進すること」としております。
沖縄北部地域森林計画においては、全国森林計画に即して、森林の整備及び保全に関する基本的な事項の中で、鳥獣保護区の周辺にあっては野生生物の生息・生育環境の保全等に配慮するものとすると記した上で、市町村、関係機関及び森林審議会等の意見を踏まえ、農林水産大臣の同意を得て計画を策定しているところであります。
また、木材の収穫に際しては、伐採区域の縮小化・分散化を図ることとしており、あわせて野生鳥獣の営巣期間等における森林施業の回避など、固有の動植物への配慮に努めているところであります。
同じくヤンバルの林道工事関係で、楚洲の県有林での契約外の広葉樹伐採についてにお答えいたします。
楚洲県有林においては、リュウキュウマツの択伐による収穫がなされたところであります。 収穫伐採に当たり広葉樹の一部が切られておりますが、これは支障木の伐採であり、その行為は労働安全衛生規則第477条において「かん木、枝条、つる、浮石等で、伐倒の際その他作業中に危険を生じるおそれのあるものを取り除くこと。」と定められており、労働安全衛生上必要な行為であります。
同じくヤンバルの林道工事関係で、北部地域の林道工事と森林伐採についてにお答えいたします。
森林は、林産物の供給を初め国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、保健休養、地球温暖化の防止等の多面的機能を有しております。このため、県では森林を「水土保全林」、「森林と人との共生林」及び「資源の循環利用林」に区分し、それぞれの機能に応じて森林の整備保全及び利活用を図ることとしております。
林道工事、森林伐採については、主として「資源の循環利用林」の区域で行っております。 林道整備と森林伐採については、平成20年度に行う「沖縄北部地域森林計画」の策定の中で、地元の要望、関係機関、森林審議会等の意見を踏まえ、自然環境の保全等に配慮しながら進めているところであります。
以上でございます。
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20080404010100