平成19年(2007年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 10月 3日
吉田 勝廣
 

 おはようございます。
 去る県民大会は、私も孫7名、子供3名、計12名で参加をしました。
 ちょうど2年前、私は自分の母と一緒に私が入った壕にも行きまして、ちょうど私が生まれて4日後に壕に入ったそうであります。また、壕で産むのか、おうちで産むのかという葛藤があって、壕で産んだそうですけれども、その壕ではやはり艦砲のクェーヌクサーですから、壕で泣くわけですね。そうすると同じ壕の隣近所の人が、カークーウシクムワーと、おしめを口に入れなさいと、そういうこともあったそうであります。
 母が私にそれを言ったのは、私の子供が生まれたときに初めてそのことを話しておりました。
 そういう意味で、また今度の検定意見の削除の問題が出たときに、私の周囲からはたくさんの日本軍の蛮行に対する意見もありました。
 そういう意味で、県民大会にあれほどの人々が集まったという意味は、やはり沖縄の歴史的な戦争体験、あるいはまた二度とそういうことを起こしてはいけないという県民の怒りの結集ではなかったかと思います。
 そういう意味で、きょうはまた県民大会の代表団が文部科学大臣等と会って、検定意見の撤回を求めるわけですけれども、政府は速やかにこれまでの態度を反省をして、県民決議に沿ったこれからの運営をしていただきたいと思います。
 また、きょうは国会で代表質問等国会論議が始まります。これも沖縄戦の実相をもとにしながら国会論議をしていただいて、二度と、もう三たびと言った方がいいんですかね、教科書検定のああいう記述が削除されないような確固たるものを国会でも論議をしていただきたいなと思っております。
 したがって、今後とも沖縄の検定意見、検定というものが、沖縄の歴史が歪曲されないように、そういうことを望むものであります。
 ちょっと心配なのは、私たちは1995年10月21日に少女暴行事件の大会を持ちました。8万6000名が結集をしました。その中で4つの項目を提案をして、地位協定等のいわゆる改定を要求しました。しかし、あれから10年過ぎて地位協定の改定がされたのか、あるいは私たちが要求したものが確実に実施されているかというと、何ら変わりはないのじゃないのか。そういう意味では10年前の我々のあの行動は何だったのかということ。
 また、政府は、あのときの県民の盛り上がりをガス抜きというか、あるいは目先を変えながら、「のど元過ぎれば暑さ忘れる」というような形で、一つ一つ年度を過ぎれば冷めていくだろうというような形で今日を迎えているのじゃないのかなと、そういう思いがします。
 そういう意味では、今度の県民大会もこういうことがないように、我々は常に政府の態度、また政府の態度を容認するようなさまざまな意見や、いろんな文献とか歴史的な意見を分析をしながら、沖縄戦の実相を内外に知らせる必要があるのではないかと、そう思います。
 そういう意味で、これまでの62年間の沖縄戦の歴史的な体験を私たちはこれまで広めることがなかなか難しかったのかなと。また、こういう意見が2回も3回も出るようなことがなぜ起きたのかということも、またみずからの反省点として自分たちの中にもそういう弱さがあったんじゃないかということも反省しておく必要があるんじゃないかなと私は思っております。
 そこで、戦後50年、金武町で「屋嘉捕虜収容所を通して考える平和と沖縄戦」世界の収容所と難民の中でということで、子供たちが読んだ平和宣言の一説だけをちょっと朗読をしてみたいと思います。これは「過去」、「現在」、「未来」、「誓い」という形で4つの抄に分かれていますけれども、そこの「過去」だけを朗読をしてみたいと思います。
 「1945年沖縄の悲惨な地上戦で、ウチナーンチュも、日本軍人も、アメリカ軍人も、強制連行された朝鮮の人々も亡くなった。 一般住民がこれほど軍人よりも上回って死んだ戦争は、世界に類がない。しかも、同胞の手にかかって犠牲になった者も多数いる。 広島、長崎では8月6日、9日に原子爆弾が投下され、29万人余が亡くなりいまなお、多くの被爆者が放射線障害による原爆症に苦しんでいる。 戦争で傷つき、肉親を失った人々には敗戦もなければ終わりもない。いわんや風化もない。あるのは深い悲しみ、無念、怒り、祈りだけである。 戦争は誰が、何の目的のために起こしたのか。 私たちは問い続けなければならない。」。
 これが「過去」というところでの子供たちの平和宣言の一説であります。
 そこで質問に入ります。
 1、平和について。
 広島、長崎、沖縄、アウシュビッツ、ベトナム等は行っただけでも何かを感じて帰るというふうによく言われています。また、広島、長崎の平和式典では、市長の平和宣言等が内外に紹介をされて、原子爆弾に苦しむ市民の姿と核兵器の廃絶の決意が自然に伝わってきます。しかし、6月23日の私たちの「慰霊の日」は、本当に内外に伝わっているのか。また、先ほども述べましたけれども、「集団自決」の削除は、私たちがこの沖縄戦の実相を内外に伝える努力が足りなかったのかということを私たちはまた改めて検証する必要があるんじゃないかと私は思っております。
 知事がいらっしゃいませんので、(6)番目だけ、広島・長崎・沖縄県の知事、市長、被爆者等が一堂に会してシンポジウムなどを開いて、核兵器と地上戦の実相を明らかにすることは私は重要だと考えますけれども、仲里副知事が答えるかどうかは別として、もし見解があったら伺いたいと思います。
 2、基地問題について。
 復帰後も米軍基地は在日米軍の75%が存続し、新たに自衛隊も配備された。
 そこで伺います。
 (1)、在沖米軍の役割は何ですか。
 ア、空軍、イ、陸軍、ウ、海軍、エ、海兵隊。
 (2)、自衛隊の配備の目的は何ですか。
 ア、航空、イ、陸上、ウ、海上。
 (3)、海兵隊8000人、家族(軍属)9000人、本当に沖縄から削減されると信じておりますか。
 (4)、県は日米安保は東アジアの安定に寄与していると表明しているが、中台紛争など極東有事の際の沖縄県民の安全はどうなりますか。
 (5)、日本の防衛が北方重視から南方重視にシフトが変わったと言われるが、県はどのように判断をしておりますか。
 (6)、自衛隊のキャンプ・ハンセンでの実弾演習の実施、米軍の新たな射撃場の建設などが予定されている。これは基地の機能強化であると判断するが、内容を明らかにし、県の見解を伺います。
 (7)、装備の変更でオスプレイの配備が確定されていると聞くがどうか。
 (8)、県内の演習場にヘリパッドと称する離着陸帯は幾つあるのか。
 ア、中部訓練場、イ、北部訓練場、ウ、その他。
 3、跡地利用について。
 返還された跡地の利用はさまざまな要因があって困難な地域がある。
 そこで伺う。
 (1)、基地の返還には地主、市町村の同意が必要ですか、それとも一方的に政府は返還できるのか。同意が必要であるとするならば地主ですか、市町村ですか。
 (2)、跡地利用計画の主体は県、市町村または地主ですか。
 (3)、跡地利用計画に対する県の役割は何ですか。
 (4)、跡地利用を成功させるためには、財源措置と法的整備も必要と考えるが、現状と今後の対策を伺います。
 4、米軍再編交付金について。
 (1)、米軍再編交付金制度は、これまでの基地関連市町村の基地行政の努力を逆なでするものである。県も基地関連市町村も基地行政を明確にし、拒否すべきものは拒否し、返還要求すべきものは要求し、自主財源の確保に努力すべきだと考えるが、県の見解を伺う。
 (2)、北部振興事業費が凍結状態であるが、北部振興事業は基地とリンクしないということで出発をした。国のこのような姿勢は北部市町村との信頼関係を裏切るものであり、改めるべきだと考えるが、県の見解を伺います。
 5、医療・福祉問題について。
 (1)、看護師と患者の配置基準の体制がとれない理由は何か。
 (2)、配置しないことによる問題点はないか。
 (3)、全国の公的病院における実施状況はどうなっているか。
 (4)、中部病院の研修医制度は内外から高く評価されているが、中部病院の今後の運営方針を伺う。

 (5)、産婦人科・小児科医師の確保・養成はどうなっているか。
 (6)、沖縄県にも電力グループの協力によって、南部医療センター・こども医療センター隣接地にファミリーハウス(仮称)の起工式が行われた。入院児と家族にとっては非常に大きな喜びであり、励ましでもある。今後、中部病院等にもこのような機能的な施設ができれば、患者や家族への支援になると考えるが、今後の計画を伺います。
 (7)、高齢者虐待調査によって、高齢者に対する虐待の実態が浮き彫りになった。現状と対策を伺う。
 6、雇用失業対策について。
 (1)、県内の、ア、事業所、企業別数を明示し、イ、従業員数、ウ、賃金、エ、正規雇用と非正規雇用の比率を伺います。
 (2)、正規雇用と非正規雇用の賃金格差の推移。
 (3)、有効求人倍率の推移と失業者数の推移と今後の対策について伺う。
 (4)、国民年金加入者の推移。
 (5)、国民健康保険者の推移。
 (6)、雇用保険者の推移。
 (7)、雇用形態別・各種保険の適用と雇用形態別公的年金加入状況。
 (8)、非正規雇用者の増加の理由と今後の対策について。
 7、労働者派遣法について。
 (1)、労働者派遣法に基づいて派遣されている労働者の状況と派遣対象の事業所を明らかにされたい。
 (2)、派遣労働者の労働条件について伺う。
 (3)、労働者派遣事業所数の推移。
 (4)、米軍基地内における派遣事業所の数と派遣労働者の状況について伺う。
 8、台風被害について。
 (1)、伊芸区、屋嘉区の海岸整備事業による被害の状況と今後の対策は。
 (2)、北部地域の農林水産物の被害状況と今後の対策。
 (3)、宜野座村松田地区潟原一帯が高潮による浸水と旧県道が被害を受けた。被害の状況と今後の対策について伺います。
 9、教育について。
 (1)、いじめの件数と実態について。
 平成15年―17年の3カ年でいじめを受けた生徒は約1000名と言われるが、このいじめを受けた子供たちの状況はどうなっているか伺います。
 (2)、就学援助制度について。
 就学援助が数多いと報告されたが、その実態と今後の対策を伺います。
 以上であります。

 
20070306010050