平成22年(2010年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 6月28日
瑞慶覧 功
 

 皆さん、こんにちは。
 初めに所見を述べさせていただきたいと思います。
 南アフリカで開催されておりますサッカーワールドカップでは、日本代表が活躍し盛り上がっております。関連して、テレビでは南アフリカの差別の歴史、人種隔離政策(アパルトヘイト)やネルソン・マンデラ氏を中心とした抵抗運動と大統領になるまでのドキュメンタリー番組が放送されておりました。人は、どんなに差別・抑圧されても、貧しくても信念と誇りを持って粘り強く頑張れば、いつかは目的を実現できるんだと感銘を受けました。
 かつて私たち沖縄県民も、祖国復帰運動では、全体とはいえないまでも多くの県民が復帰を願い運動に参加し、そして同調しました。そして今日、普天間基地問題で国外・県外移設を求めてより多くの県民が一丸となって日米両政府に強く要求している状況にあります。
 代表質問にもありましたが、米軍が沖縄や日本に居座る理由として、駐留経費の日本負担、そして米軍優遇の日米地位協定の存在が挙げられておりましたが、もう一つ大きな原因は、我々ウチナーンチュがおとなしいということにあるのではないかと思うんです。
 基地に勤める友人にアメリカ人の同僚が言ったそうです。もし、日本以外で同じような事件が起きたなら、間違いなく暴動が起きる。沖縄の人はおとなしい。殺されても何も起きない。世界一安全だから沖縄大好きとのこと。本当にウシェーられております。ウチナーンチュはもっと怒るべきです。
 沖縄県民を無視した頭越しの日米合意の意味するものは、明らかに沖縄差別にほかなりません。新政権に対する期待は失望に変わりました。しかし、私たちは絶望するわけにはいきません。沖縄県民が絶望しあきらめることを日米両政府は望んでおります。これから政府のあめとむちによるあからさまな県民分断工作が激しくなるでしょう。県議会全会一致の意見書、4・25県民大会の決議の真価が問われてきます。全国民が見ております。
 私は、日本とアメリカ両政府に寄ってたかって差別され続けるくらいなら、沖縄は独立したほうがよいのではないかと思うことがあります。しかし、中には心あるヤマトゥンチュもおります。日本を本当の意味でアメリカから独立した、自立した国にするほうが先なのかとも思います。
 参議院議員選挙が迫っております。それぞれの立場で頑張っていることと思いますが、普天間問題に関してはともに力を合わせていきましょう。
 質問に入ります。
 知事の政治姿勢について。
 鳩山前総理は、5月28日の日米共同声明の冒頭発言の結びで、「今後も、この問題の全面的な解決に向けて、命がけで取り組んでまいらなければならないと思っています。」と語ったわずか5日後に総理を辞職してしまいました。命をかけるのであれば、約束を守り「最低でも県外」を貫くのが政治家としてとるべき道だったと思います。議員も直ちにやめるべきだと思います。
 伺います。
 鳩山総理が辞任した最大の要因は何だと思われますか。
 次に、社民党は最後まで沖縄県民の立場に立って頑張ったと県民から評価されています。閣議決定の署名を拒否し罷免され、連立を離れた福島社民党党首をどう評価するか伺います。
 次に、現政権が名護市辺野古沿岸推進派と接触しているとのことについて見解を伺います。
 次に、普天間基地の県内移設について、アメリカは地元の合意が必要としているが、地元とは沖縄県か名護市か辺野古近隣か、どこを指していると思われるか。
 次に、2月定例会でも日米地位協定の改定に関する看板設置について質問をしました。3月の予算特別委員会の中でも委員から、那覇空港への設置を求める提案もありました。これに対し当局は、提言として承っておきたいとの答弁でやる気が見えません。
 日米地位協定の抜本的見直しを求める表示板と県議会全会一致の意見書の表示板を県議会前に設置すべきと思うが、見解を伺う。
 2、米軍基地問題について。
 嘉手納基地の外来機の実態と嘉手納基地所属機の本土への訓練移転の実態を問う。
 次に、嘉手納基地の訓練激化により近隣住民に与えている影響について伺う。
 次に、三連協並びに各自治体の対応と県の対応について伺う。
 米軍関係者の事件等の犯罪が起こるたびに軍人の規律教育の徹底、綱紀粛正が叫ばれているが、減るどころかふえています。軍人・軍属の綱紀粛正の内容と県の対応について伺う。
 米軍関係者による事件・事故、不祥事が続いている中、基地外を走行する米軍車両のナンバープレートの不備が目立つが、県警の対応はどうなっているか伺う。
 事故が多発し、そのため任意保険の加入が義務づけられているが、許可がおり次第すぐに保険を解約し、払戻金をもらうという悪質なケースが多くトラブルが起きているとのことである。米軍は、抜き打ち検査を行うということだが、米軍関係者の私有車両の任意保険未加入の抜き打ち検査はどこが、いつ、どこで実施するのか伺う。
 3、観光行政について。
 (1)、台湾・沖縄交流事業について。
 代表質問で大城一馬会派長から報告がありましたように、3月末に台湾視察に行ってまいりました。振り返りますと、この1年の間に台湾と沖縄交流事業が大きく前進した感があります。
 中華航空の定期便が週11便から3月下旬には1日2往復が復活しました。これも安里副知事が2度にわたり台湾を訪問し要請を行った結果だと思います。おかげさまで会派の視察日程も大変充実し、午後の便でゆったりと帰ることができました。
 また、昨年11月から八重山石垣空港と台湾花蓮空港間を週2便、3月からは週3便、台湾復興航空が運航し、6月からは華信航空も週2便運航するとのことです。これも昨年4月15日の「台湾東部・沖縄八重山諸島観光経済圏 国境交流推進宣言」に見られる国境交流の成果だと思います。さらには、懸案の飛行ルートの改善も県並びに髙嶺議長の御尽力により7月29日から運用開始されるとのことです。
 11月定例会で改革の会の皆さんからも台湾交流についてたくさんの建設的な質問がなされました。知事もこれから先も台湾の誘客をしっかりとやっていくとおっしゃっておりました。また、琉中親善沖縄県議会議員連盟も2年ぶりに活動を始動しました。これを機会に沖縄と台湾の関係をさらに発展させていこうではありませんか。
 質問します。
 ア、平成21年度の台湾入域観光客数と全外国人入域客数に占める割合は。
 イ、沖縄から台湾への過去5年間の観光客数は。
 ウ、沖縄在住華僑の人口と日本に帰化した人口は。
 エ、与那国、石垣空港―台湾間の飛行経路短縮に至る経緯と内容を伺う。
 次に(2)、7・28「美ら島沖縄総体2010」について。
 本土観光客の約7割がリピーターで占められているとのことで、美ら島総体で訪れる選手、役員の数が3万6000人、そのほか応援等で訪れるお客が約6万人と予想されていることから、リピーターにつながる具体的な取り組みが県の観光商工部に要求されています。
 3月の予算特別委員会で委員から提起された観光客のリピーターにつながる取り組みを伺う。
 4、中城公園整備事業について。
 同事業について、およそ10年の間に4名の議員が6回質問しております。その内容を見ると、事業概要、事業年度、総事業費、総面積が目まぐるしく変わっています。
 伺います。
 (1)、事業概要の変遷とその要因について。
 (2)、事業遂行上の問題は何か。どのように対処しているか。
 5、白比川改修事業について。
 北谷町を流れる県の二級河川白比川改修事業について、昨年9月定例会で質問し、事業のおくれの原因が米軍施設の移転補償に起因するものであることがわかりました。また、洪水被害に対処するための暫定的な対策について、北谷町と調整の上、その後、地域住民への説明会を開催するとの答弁がありました。基地絡みで防衛局も関係することから、10月下旬に照屋寛徳衆議院議員と一緒に県の河川課と地元北谷町関係者とで会議を開き対応を協議しました。去る6月3日には、北谷町役場で説明会が開かれたとのことです。
 伺います。
 (1)、説明会の目的は。
 (2)、米軍の返還条件(案)と米国防総省の建物におけるテロ対策最低基準について。
 (3)、県の対応方針を伺う。
 よろしくお願いします。

 
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