平成20年(2008年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 2月27日
吉田 勝廣
 

 こんにちは。
 一般質問を行います。
 アメリカのリンカーン大統領の奴隷解放から1世紀たった1963年8月28日に、「私には夢がある」とマーティン・ルーサー・キング牧師はこう発言してから演説を始めました。
 国民が立ち上がり、人間は生まれながらにして平等であることは自明の真理であるという。この国の信条を身をもって実行する日がいつの日か来るという夢があると。
 差別され、虐げられ、行き場のない怒りを込めて、ルーサー・キング牧師は全世界へ、アメリカ人へ、特に黒人社会に向かって4つの夢を訴えたのであります。彼のスピーチは、いつ聞いても非常に感動的であります。
 残念なことに、沖縄に住むまた一人の少女の夢が打ち砕かれました。だれにも夢があり、青春を楽しみ、希望に向かって情熱を思いきりぶつけ、みずからの人生を切り開く、そうした人生があったはずであります。彼女のこれからの人生を考えると、思い出すだけではらわたが煮えくり返る思いであります。この子の一生の重荷と家族の痛みをいやすことは困難なこととは思いますが、少女にかかわるすべての人々が、少女のケアと家族の心の安定のためにあらゆる努力をすることが今一番重要なことだと思います。そのために知事を初め関係各位の特段の配慮を望むものであります。
 少女や家族にとってみれば、この件に関する一言一言の発言が非常に不安を与えているということも、私たちは常に記憶しておく必要があると思います。
また、これも残念なことに、2月25日月曜日のテレビ「TVタックル」で、高市元沖縄担当大臣が、高率補助は米軍基地があるからであり、基地がなければ高率補助はない。2番目に、地位協定の改定ができないのは、自衛隊が海外派遣された場合に事件を起こして現地での裁判を起こさせないためである旨の発言をしました。
 政府の沖縄関係の最高責任者でもある担当大臣として、これだけの認識で沖縄に関係する諸課題の解決の方向を持っていたことに関して情けなく、このような発言は県民に対して無責任であります。沖振法の提案理由をいま一度勉強して発言していただきたいものと思います。
 また、地位協定に関しては、沖縄の認識と非常にかけ離れており、猛省を促すものであります。
 稲嶺知事は、平成18年5月4日、「県民の皆様へ」という米軍基地再編成に当たって、その中で日米地位協定についてこう述べています。
 「県としては、渉外知事会が求めているように、二、三年以内等できるだけ短い期限を設けて、日米地位協定の抜本的見直し作業に着手するなど実務的な対応を政府に対して求めていく考えであります。」としております。あれから約2年がたち、地位協定の抜本的見直しの先が見えないことは残念であります。
 沖縄の課題を解決するには外部要因の壁が高くて、前に進めるのは困難を伴います。この高い壁をいかにして乗り越えていくのか、県民の英知と団結が必要であります。
 以下質問いたします。
 1、沖縄振興計画について。
 (1)、沖縄振興計画について。
 政府は、沖縄振興開発計画に基づいて1972年から2007年までに沖縄振興開発事業費8兆3211億円を措置しました。これは沖縄県及び市町村の歳入決算書の30%前後を占めております。また、この事業費の30%から35%は高率補助によるかさ上げが占めております。このことは、高率補助が県財政に大きく寄与し、振興開発計画に大きな役割を果たしたと言えます。
 そこで伺います。
 ア、なぜ財政力指数、経常収支比率などの財政諸指数が全国最下位、または全国の平均以下なのか。
 イ、失業率は全国一、県民所得も県内総生産も全国最下位、その原因はどこにあるのか。
 ウ、三位一体で高率補助の見直しと検証が必要と考えるが、県の見解をお示しください。
 エ、高率補助を伴う事業数及び財政計画はどうなっているのか。
 オ、沖縄振興計画の総点検が必要と考えるが、これまでの進捗状況はどうなっているのか。
 カ、高率補助による補助金の額はどのように分析しているのかお示しください。
 (2)、分野別計画について。
 県は、沖縄県振興特別措置法に基づいて、最後の分野別計画と県任意の7分野及び分野計画に含まれない5つの政策について発表しましたが、その内容について伺います。
 ア、平成14年度から平成19年度の目標と達成度の比率はどうなっているのか伺います。
 イ、ウについては削除いたします。
 2、行政投資について。
 (1)、公共投資には、①、資源配分、②、所得再配分、③、経済活動安定化の3つの機能があり、この機能を効果的に実施することによって現代世代への便益だけでなく将来世代への便益も図り、社会資本を供給するものであります。
 そこで伺います。
 ア、この10年間の行政投資の推移と順位について。
 イ、1人当たりの行政投資の推移と順位について。
 ウ、事業の目的別の行政投資の推移と順位及び1人当たりの推移と順位をお示しください。①、生活基盤、②、産業基盤、③、農林水産基盤、④、国土保全投資。
 3、沖縄県の財政について。
 (1)、県の財政の特徴は、地方交付税・国庫支出金等の依存財源の比率が高いことと、特に国庫支出金の占める比率が高いことにあります。
 ア、そのため、県は自主財源確保のため税制研究会を発足させたことは評価できます。同研究会の今後の取り組みと、県が考えている新しい税はどのようなものになっているのか伺います。
 4、北部振興について。
 (1)、平成12年度からスタートした北部振興事業も平成21年度で失効することになるが、政府の一方的な政策の変更により凍結されたり事業がおくれたりしたが、今年度の事業費は市町村に配分されました。しかし、これを年度内に執行することは困難であり、政府の配慮が必要であると思います。
 そこで伺います。
 ア、北部振興は確実に21年度まで実施される見通しはあるのかどうか。
 イ、北部振興事業の目標である産業の振興による雇用機会の創出、人材育成、定住環境の整備による人口増などの成果と実績をまとめ、今後の施策に生かすべきと考えるかどうか。
 5、基地問題について。
 (1)、地位協定の抜本的見直しについて。
 復帰後、地位協定の抜本的見直しについては歴代知事の政治課題であったが、今日まで改正されたこともなく、運用の改善で済ませているのが現状であります。
 そこで伺います。
 ア、知事の抜本的見直しとは、地位協定の何条を指しているのか。
 イ、大田・稲嶺知事も国会や全国及び各種団体等を回って地位協定の見直しを訴えたが、まだ日米政府を動かすに至っておりません。知事の今後の対策をお聞きしたい。
 ウ、私は、平成15年2月28日の一般質問で、県庁内に弁護士等関係者で構成する日米地位協定改正プロジェクトチームを組織し、改正等を提起する必要があるとして質疑いたしました。これに関して知事の所見を伺います。
 エ、また、政党では民主党の改正案骨子、自民党の中に「日米の真のパートナーシップを確立する会」の案等があります。また、各党とも県の地位協定の見直し要請には賛同しております。それに国会における決議、県議会等における決議、労働団体等の決議があります。県は、条文の改正等についてこれらの各団体と連携を深めながら進める必要があると考えますが、これについて伺います。
 (2)、跡地利用について。
 基地返還と跡地利用計画は表裏一体でなければならないと考えます。跡地利用計画が万全でなければ基地返還はあり得ないと言っても過言ではありません。
 そこで伺います。
 ア、沖縄振興特別措置法に駐留軍用地跡地利用の特別措置が制定されましたが、有効に機能していないと考えております。残された期間はあと4年であります。今後の県の方針を伺います。
 イ、嘉手納以南の基地跡地利用には万全を期する必要があり、早急に跡地利用対策委員会等(仮称)を設置して対策を講ずるべきと考えるがどうか。
 6、農業問題について。
 (1)、有害鳥獣被害防止特別措置法が2月から執行されるが、県の取り組みについて伺います。
 ア、財政上の措置は。
 イ、市町村による被害防止計画の作成。
 ウ、有害鳥獣被害対策の実施隊の設置などについて伺います。
 (2)、有機農業は、食の安全・安心の面からも観光産業と連動してその推進が求められると思うが、今後の取り組みについて伺います。
 7、失業問題について。
 (1)、県は、沖縄県の地域別雇用計画を策定しているが、その成果について伺います。
 ア、本島北部地域雇用開発計画。
 イ、本島中部地域雇用開発計画。
 ウ、本島南部地域雇用開発計画等について伺います。

 
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