○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた労働委員会会長比嘉正幸君は、所用のため本日から24日まで、27日、3月1日及び2日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日の会議に労働委員会公益委員春島美也富君、明日の会議に同委員会会長代理大城光代君、24日の会議に同委員会公益委員新木順子君、27日の会議に同委員会公益委員矢野昌浩君、3月1日及び2日の会議に同委員会事務局長山田義人君の出席を求めました。
また、人事委員会委員長嘉手納成達君は、所用のため本日から24日まで及び27日から3月2日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長瀬良垣馨君の出席を求めました。
この際、念のため申し上げます。
本日から24日まで及び27日から3月2日までの7日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
――――――――――――――
○議長(外間盛善) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
具志孝助君。
〔具志孝助君登壇〕
○具志 孝助 おはようございます。
いよいよきょうから平成18年の予算議会が始まりました。
知事には、就任以来8年目の2期目最後の年となりました。その間、顧みますといろんなことが想起をいたします。経済界から大きな期待でもって全く違う世界に入ってこられました。しかし、持ち前の誠実さでこの2期8年目を迎えるわけでありますけれども、依然として県民から高い支持率を誇る知事であって、我々も推薦し、そしてこれまで応援をさせていただき、大変やりがいのあった知事だと、今日改めて知事のそういうようなものを評価をしているわけであります。
いよいよことしは知事の2期目の最後の年になりますけれども、統一地方選挙でもあります。18の首長と28の市町村の議会議員の選挙がありまして、去る2月には名護の市長選挙が先陣を切って行われました。御案内のとおり我が党、そして公明党がともどもに推薦をしました島袋吉和さんが圧倒的な勝利をおさめることができました。これも知事を先頭にして戦った栄冠だったと、私はこのように考えております。
どうぞ2期目最後の年、元気いっぱい頑張ってもらいたい。そしてきょうから2月定例会、43日間の長丁場、気合いを入れて頑張っていただきたいと思っております。
特に、米軍再編問題については私は正念場だと考えております。後ほど知事の所見をお伺いをすることになっておりますけれども、解決に向けて気合いの入った御答弁を期待をいたしたいと思います。
それでは代表質問に入ります。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、知事3選出馬について。
来る11月の知事選挙は、普天間飛行場の移設や基地負担軽減などを含めた米軍再編問題の総仕上げの年となることから、従来にも増して重要な選挙の年と思われる。稲嶺知事は3選問題に関して態度を明確にしていないが、直面する難題の解決には経験豊かな稲嶺知事しかいないという声も多い中、知事の動向が注目されている。知事選に対する稲嶺知事の率直なお気持ちをお聞かせ願いたい。
(2)、憲法改正問題について。
戦後60年、日本は世界第2位の経済大国として世界経済の先導的・指導的役割を担ってまいりましたが、日本の国際社会における位置づけが高まるにつれ、経済的貢献のみならず人的貢献も期待されるようになってまいりました。今日、世界の中の日本の立場が大きく変化してきた中にあって我が国の国際貢献のあり方、国及び国民の安全確保をめぐり国民的な議論が高まってきており、これらの議論はそのまま憲法のありようと関係してくるのであります。
我が自由民主党は2005年に立党50周年を迎え、同年10月28日に新憲法草案を決定いたしました。戦後60年、目まぐるしく変遷した国際情勢、経済や社会環境が大きく変化した国内情勢を受け、我が国の新しい飛躍を国民に誓い、真の独立国家として自立した国民意識のもとで新しい憲法の制定を目指すことを決定しております。自民党が憲法のありように関するさまざまな議論が起こっている中で、新憲法草案を国民の間に提起したことは大きな意味を持つと考えます。
現憲法は、制定してから60年近くたった現在までたった一度も改正されたことがなく、このことから時代の変遷とともにさまざまな問題が惹起されるようになってきたのであります。
自由民主党の新憲法草案は、このような現実をもとに現憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義は継承しながら、環境権などの新しい権利を盛り込み、国民の間に定着した自衛隊を自衛軍として憲法上明確に位置づけ、国家及び国民の安全を確保する内容となっております。これらの憲法論議、とりわけ国民的議論が盛り上がっていくことを願うものであります。
しかしながら、本県においては、さきの大戦の影響、米軍基地の集中等の状況から複雑な思いがすることも否めないのでありますが、このような現状、本県の置かれた状況等から今論議されている憲法改正問題について知事の率直な御所見を伺いたいと思います。
質問の1点目、戦後60年目を迎え、現憲法の想定している世界と現実との乖離が大きくなったことを考えれば憲法改正は時代の流れと思うが、知事の御所見を伺いたい。
2、現在、自衛隊の存在は国民の間に広く受け入れられていると考えるが、憲法上、明確に位置づけることについて知事はどのように考えるか、所見を賜りたい。
(3)、国民保護法について。
日本有事の際の国民の保護のあり方を定めた「国民保護に関する基本指針」に基づき、県では国民保護計画の策定に向け現在作業を進めているところと思います。
本県は、周囲を海に囲まれ本土から隔絶し孤立した離島県であり、また多くの島々から成る島嶼県であることから、住民の避難誘導は陸続きである他県とは違い容易ではありません。その上、米軍基地が存在するという特殊事情が重なり、県国民保護計画の策定を難しくさせる結果となっているようであります。
このような本県の状況に配慮し、国は指針の中で唯一県名を挙げ、本県の住民避難に際し国の特段の配慮の必要性を強調するなど、本県の特殊事情に対する認識を示しております。
県は、有事の際の住民保護のあり方について保護計画及び避難マニュアルに基づき行うことになっておりますが、本県の場合、離島県という地理的条件だけでなく国民保護ということ自体、本県においては戦後60年この方、全く手のつけられなかった分野であることから、関係者や県民の理解・協力を得るのは容易なことではないと思います。
県は、このたび、本県が武力攻撃を受けた際の住民の避難について関係機関等の役割や任務などを定めた県国民保護計画を県や市町村、警察、自衛隊などの指定地方公共機関で構成する県国民保護協議会に諮問し、本格的な検討に入っております。
本県における特殊事情などから、計画決定に至るまではさまざまな課題や問題点を乗り越えなければならないと考えます。このため、本県単独で何でもやるというのではなく、国の支援を受けながら九州各県との連携、受け入れ体制の整備等を図り、住民の避難を円滑に行うことが必要と考えます。
そこで伺います。
1、県は、武力攻撃を受けた際の住民避難について、指定地方公共機関等の関係機関の役割や任務などを定めた県国民保護計画案を県国民保護協議会に諮問した。今後作業を進めるに当たって、指定地方公共機関の指定について調整中とした県内メディアへの対応を含めた計画案の概要と今後の作業スケジュールを伺いたい。
2、県は本土から遠隔の地にある島嶼県であり、離島から離島へ、あるいは離島から本島への避難誘導は簡単ではないと思うが、県の計画を伺いたい。
3、県の米軍基地の存在は、保護計画の策定にどのような影響があると考えるか。
4、県は、当初検討していた米軍基地周辺住民の米軍基地内への避難や通行について、米軍との調整のおくれから県国民保護計画案への盛り込みを見送ったようだが、国や米軍との調整状況と今後の見通しを伺いたい。
大きい2番目であります。在日米軍再編協議問題についてであります。
去る10月29日、日米両政府は在日米軍再編協議の中間報告を発表いたしました。本県だけでなく、米軍基地が所在する各県がその内容に注目しておりましたが、結果は各県を納得させるものではありませんでした。
本県に関しては、既に御承知のとおり普天間飛行場の移設先を大浦湾からキャンプ・シュワブ南の沿岸部とする一方、沖縄の負担軽減を図るため約7000人の海兵隊の削減や、嘉手納飛行場以南の相当規模の土地の返還等を明記したものとなっております。
中間報告は、平成8年12月のSACO最終合意に基づく普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設計画を事実上撤回し、新たな移設先として沿岸案の提示と同時にパッケージ論としての基地の負担軽減について発表されました。
ところが中間報告が発表されると同時に、稲嶺知事や地元の名護市長から激しい反発や受け入れ拒否が吹き出たのに反し、負担軽減案を評価する声はほとんど聞こえなかったのであります。その理由は、苦渋の選択として知事が受け入れたSACO合意である普天間飛行場の名護市辺野古沖移設計画の変更という重大な問題を、事前に何の相談もなく沖縄の頭越しに決定されたことにあるのであります。
また、パッケージと言われた負担軽減案の具体的な中身が県民の前に明確に示されてないこともその一因であると思います。中間報告にある沿岸案に対しては県議会も全会一致で反対決議を行っており、本県としては認めるわけにはいかないのでありますが、約7000人の海兵隊の削減や嘉手納飛行場以南に位置する米軍基地の返還については、目に見える形での負担軽減につながるだけにぜひ実現させなければならない、このように考えます。
最終報告は目前に迫っております。しかしながら、政府と県との話し合いは進んでいるようには見えません。知事は、沿岸案の受け入れを明確に拒否をしており、去る1月に当選した島袋吉和名護市長も知事と共同歩調をとり、沿岸案には反対していくことを表明しております。
一方、政府においては、今のところ沿岸案の修正は考えていないとたびたび表明をしており、沿岸案で押し切るとの姿勢を変えておりません。政府は、名護市辺野古沖における移設計画で必要な反対運動に遭い、地元、すなわち県や名護市の協力が得られなかったという沖縄側に対する不満と不信感があるように感じられます。
このようなことから、政府は中間報告に示された沿岸案は沖縄側の協力が得られなくても移設建設が実施できる自己完結型の計画案として考案されたものであると思います。我々が恐れるのは、県と政府との話し合いが行き詰まり、結果として普天間飛行場がそのまま残り、移設計画がたなざらしになることであり、あるいは政府が特別立法により建設を強行するのではないかということであります。
このような自体だけは断じて避けなければなりません。普天間飛行場は何としても返還・閉鎖させなければなりません。そのために大切なことは、国、県、名護市が胸襟を開いて話し合うこと以外に方法はないと考えます。
そこで伺います。
1、知事は、従来案が撤回された理由について説明を受けましたか。受けたとすれば、その内容について説明を願いたい。
2、名護市長選挙の結果をどのように分析しているか。
3、島袋市長は、沿岸案に反対し、政府に修正案の提示を求めている。この市長の姿勢に対する知事の所見を聞きたい。
4、島袋市長は、国、県、市による協議会の設置を求めているが、知事の所見を伺う。
5、普天間飛行場の早期返還に向けた名護市民の意思、すなわち選挙結果を尊重して名護市長と共同歩調で対処する決意を聞きたい。
6、島袋市長が仮に沿岸案を受け入れた場合はリコールにつながると考えるが、知事の所見を伺う。
7、知事は所信表明で、普天間飛行場の危険性除去のため緊急措置を求めると述べているが、具体的に説明を願いたい。
8、政府と地元、すなわち県、名護市の話し合いは膠着状態に陥っていると思います。この局面を打開するには知事が小泉総理に直談判する以外にはないと考えます。知事の所見を伺います。
9、普天間飛行場問題解決に対する知事の不退転の決意を求めます。
3番目の旧軍飛行場用地問題は次回に回したいと思います。
4番目の沖縄観光の振興について。
(1)、沖縄観光の現状と将来展望について。
本県は、観光立県として魅力ある沖縄の創設に県民挙げての運動が実り、今や訪れる観光客は年間500万人を超えるほどになっております。経済の自立を目指す本県にとって産業の活性化と中核産業の育成は最重要な課題であり、その中にあって観光はまさに沖縄のリーディング産業として期待されているのであり、観光の発展は本県経済の生命線であります。
このため、県は観光の進展に力を入れており、平成23年には観光客650万人をもくろみ、観光収入も平成15年の3754億円から7085億円と倍近くの伸びを想定しております。
しかし、県のまとめによれば、平成16年度の観光客1人当たりの県内消費額は前年を下回り7万490円となり、復帰後2番目の低さとなったということであります。
今年度は上昇傾向にあるようでありますが、平成12年度が8万3863円であったことからすれば、観光客数は年々増加しているのに反し、逆に消費する額は落ちているのがわかります。このような状況が今後も続くようだと沖縄観光の将来展望として大きな問題ではないでしょうか。そのためには沖縄観光をいかに付加価値を高め、いかに質の高い観光資源を開発するかであります。
県の今後の努力を期待し、次の質問を行います。
1、好調に推移する本県観光の現状から、県の目標とする平成23年の650万人達成は十分可能と思われるが、問題は数ではなく質が伴うかである。沖縄観光の現状は、数は大きく伸びたが、新たな観光資源の開発、消費額、雇用効果、他産業への波及効果等で必ずしも十分とは言えないと思われるが、県の650万人達成に向けての予算を含めた戦略を伺いたい。
2、本県の観光は民間観光関連任せで、県の予算を伴った具体策が見えないと言われており、特に国際観光・リゾート地の形成や戦略が欠けているとの声が多く聞こえます。県はどう考えるか。
3、特に、観光宣伝にかかる費用について県の予算は絶対的に少なく、航空会社や大手旅行社に依存していると言われるが、現実はどうか。
4、県の推計では、観光に関連する旅行消費による経済効果は県経済の13.5%に相当し、雇用波及効果も本県全体の14.7%に相当するとしている。本県経済に大きく貢献している観光に対し、本県予算全体に占める観光関連費の割合と観光宣伝費の占める割合を伺いたい。
(2)、観光人材の育成について。
本県観光は好調に推移しておりますが、一方で多くの課題も指摘されており、年間を通じた観光が楽しめる新たな観光施設の開発や質の高い商品開発、外国語が堪能な人材の育成等であります。
特に、少子・高齢化の進展に伴い、観光形態にも変化が見られる中で情勢の変化に的確に対応し得る受け入れ体制の整備や、観光環境の良質化の促進はこれからの本県観光にとって重要かつ急務であると考えます。
このような本県観光の将来的課題に対応し、持続的発展を図っていくためには、観光産業に従事する人材の確保や新たな育成が必要と思われます。
そこで伺います。
1、年間500万人を超える観光客の受け入れには施設面の整備のほか観光業を支える人的整備が重要であるが、本県の対策は万全か伺いたい 。
2、観光客はふえたが、観光収入は減少している本県の状況は、観光資源を生かし、観光客のニーズにこたえ得る人材の欠如にあるのではないか。
3、観光人材の育成・活用は行政だけで成功するものではなく、産学官の連携・協力が重要と思うが、県の対応を伺いたい。
(3)、バリアフリー観光の推進について。
少子・高齢化の進展に伴い旅行ニーズが多様化している中、高齢者や障害者の旅行参加も増大の傾向にあります。しかしながら、これら高齢者や障害者が観光する際の観光施設や人的配置等の受け入れ体制は万全とは言えないのが実情であります。
県は、沖縄振興計画の個別計画である第2次観光振興計画において、健康保養型観光を推進するとしており、その趣旨は、障害者や高齢者が快適に滞在できる施設を整備し、ホスピタリティーあふれる受け入れ体制づくりにあると考えます。
このように人に優しいバリアフリー観光地の形成は、観光沖縄のさらなる発展を図る上からも積極的に推進する必要があると思います。
以上の観点から質問します。
1、高齢化の進展に伴い、国内外の観光先進国においては観光のバリアフリー化が進んでおります。特に、今、社会問題になっている東横インの施設改造について、本県にも東横インホテルが3施設あると聞いております。これらの現状がどうなっているか、そして本県の状況はどういうようなことであるのかお伺いをいたします。
2、観光のバリアフリー化を進めるに当たっては、障害者に対する優しさ、高齢者に対する配慮等人的受け入れ体制が重要であるが、本県の人材育成は進んでいるか。
3、観光のバリアフリー化にはホスピタリティーあふれる受け入れ体制の構築のほか、何よりも県民の理解と協力が必要と思うが、県民意識の啓発に対する県の対応を伺いたい。
(4)、沖縄に適した観光カジノの導入についてであります。
1、新たな観光資源の開発や観光振興の観点から、経済界を中心に沖縄へのカジノの導入議論が活発になっている。本県が国際観光地を目指すのであれば、国際競争力を高めるためにもカジノの導入は必要不可欠であると考える。その後の検討状況を伺いたい。
2、カジノの設置については、多くの人がギャンブル性や犯罪と結びつけて警戒していると思うが、法律や運営規制等で管理すれば導入後もほとんど問題ないと思う。むしろ雇用創出や経済効果が大いに期待できるとの意見もあるが、どのように考えているか。
5番目の質問は道州制についてであります。
第27次地方制度調査会平成15年11月13日の答申は、道州制導入の理念として、道州制導入が都道府県合併や国から都道府県への権限移譲等の次元にとどまらず、地方自治制度の大きな変革であるとしております。
そして道州制の目的として、1つ、国と地方の新しい役割分担に即した地方分権の拡充強化を目指すこと、2つ、産業経済振興を初めとする広域の地域戦略を担う新たな主体を構築すること、3つ、地域の重要課題に関する国と地方との分断や二重行政を排除し、住民の参画・監視のもと、総合的・機動的に対応すること、以上の3点を掲げております。
道州制への移行は、地方の権限が拡大されることに違いないと思われます。しかし、権限が拡大されるということは当然の結果として責務・義務も大きくなることを意味します。その最も大きいものが財政問題であります。
本県の次長・課長クラスで構成する道州制等研究会の検討結果においても、道州移行のメリットを掲げ、本県単独での道州移行が望ましいとする一方、地方税収と財政需要との関係で財源・財政問題への懸念も示しております。去る10日には道州制等研究会が部長級に格上げされ、本格的な道州制移行問題の検討に入りました。
ここで最も重要なことは、検討内容や経緯、状況等の県民への適切な情報公開であり、県民の声を真摯に聞き、検討結果に反映されるようなあらゆる角度からの幅広い議論が必要であります。
以上のことを踏まえて、次の質問をいたします。
1、本県の歴史的経緯と道州制移行について。
ア、本県は、本土から隔絶した離島県と我が国で唯一の亜熱帯という地理的特性があるが、道州制移行にどのような有利性があるか。
イ、戦後27年間、日本の施政権の外にあり、独自の政府機構を有していたという歴史経験は道州制への移行にどのような影響が考えられるか。
ウ、復帰後も在日米軍専用施設の75%を抱えている本県の特殊事情は、道州制へどのような影響を与えるか。
エ、道州制の意義は、国家の存立に関する外政は国が、内政に関することは道州に担わせ、国と地方との役割分担を明確にすることにあるが、本県が道州に移行した際に米軍基地の存在はどうなっているのか。
2、本県の道州区域のあり方について。
ア、県の次長・課長級でつくる沖縄道州制等研究会は、本県の道州への移行は単独の道州構成が望ましいとしているが、その理由と道州移行への理念を伺いたい。また、県は同研究会を部長級で構成する研究会に格上げをさせているが、研究会の性格と今後のスケジュールを伺いたい。
イ、道州制は、道州構成府県の一体化により組織の集約・合理化が行われ、管理部門等の統合・簡素化等、行財政改革に大きな効果が期待できるが、単独構成の場合は単独道州で対応しなければならず、逆に組織・事務量の増加につながると思われるがどうか。
ウ、複数の府県で構成する道州の場合は広域行政のメリットが最大限生かされる。例えば広域防災、危機管理、産業廃棄物対策、経済産業振興等の施策が広域的に行われることにより事業の効率化が生まれるが、単独道州の場合は単独で負担しなければならず、行財政改革の足かせになるのではないか。
エ、道州へ移行した際、国からの権限が移譲されるが、道州内の市町村への権限移譲はどのようになされるのか。また、国と道州と市町村との指揮命令関係はどう変わるのか。
3点目の質問は、経済の自立と道州制への移行についてであります。
ア、本県に対する国の支援策「沖縄振興計画」は、道州制への移行によりどのような影響を受けるか。
イ、経済の自立のためには経済を牽引する産業の振興が欠かせないことは当然であるが、県や市町村の自助努力も重要である。本県の市町村の財政は全国平均との比較においても極めて逼迫しており、国の特別措置・高額補助等の支援がなければ予算が組めないところも相当あるのが現状である。市町村の財政力の向上を図ることは単独道州を構成する上で必要不可欠と思われるが、県の方策を伺いたい。
ウ、国の三位一体改革により地方の財政は大きな打撃を受けたと言われているが、最終年度である平成18年で本県も改革の趣旨に沿った特色を生かした財政運営が可能となるか。
エ、国は、道州へ移行した場合、各道州が地方税収で賄える道州制財政力試算を示しているが、これによると、本県単独の道州の場合は32%で、九州7県での道州の38%に比べると低くなることから財政面で大きな困難を抱えると言われているが、打開策はあるのか。
オ、沖縄単独での道州区域となった場合、最大の課題は自立経済への移行を左右する産業振興面の戦略的展開ができるかである。本県の現状は、観光を除く産業全般を見た場合、復帰後33年を迎えながら産業競争力があり、雇用吸収力のある大型企業の振興・立地が達成されたと言える状況にはない。沖縄単独道州移行によるおきなわブランドのポテンシャル発揮の可能性と産業振興面での戦略的展開の有利性を示してほしい。
カ、沖縄道州制等研究会は国の地方支部局も沖縄独自に設置されていることから、国からの権限移譲が円滑になされるとし、沖縄単独道州が望ましいとしているが、これは道州制への移行後も現状の国による沖縄支援が継続されるとの前提に立っての道州移行を考えているのか。
6点目の那覇市農連市場地区の再開発についてと7番目の那覇空港の拡張整備については、時間の都合でまた次回に回したいと思っております。
以上、初回の質問を終わります。
答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
具志孝助議員の御質問にお答えいたします。
最初は、知事選に対する認識についてお答えいたします。
私は、知事就任以来、基地問題の解決促進を図るとともに、経済の振興や県民生活の向上など、県勢発展のため全力で取り組んでまいりました。
本県の振興については、21世紀の沖縄のスタートラインとなる新たな沖縄振興計画が策定され、それに基づく多くの施策・事業が展開されており、自立型経済社会の実現に向けて確かな歩みを進めております。特に観光客数は着実に目標を達成し、ことしは565万人を目標とするまでに成長いたしました。
また、私が知事に就任以来の立地企業数は120社を数え、約9200人もの雇用を創出しております。さらに特筆すべきことは、世界最高水準の大学院大学も開学に向けて着実に準備が進められており、新たな産業クラスターの形成が期待されております。
米軍基地問題については、日米安全保障体制の中で沖縄がその根幹を担ってきたとの認識のもとに、これの解決に当たっては沖縄の社会的・政治的・経済的安定が必要であり、県民の目に見える形での負担の軽減が図られるよう取り組んでいるところであります。
私は、11月の知事選において、県民とともに沖縄の発展をより確かなものにするため、この流れを決して変えてはならないものと考えております。今後、残された任期の中で喫緊の課題や施策に全力で取り組んでまいる所存であります。
憲法改正についての御質問にお答えいたします。
最近のマスコミによる世論調査によりますと、憲法改正を支持する割合が半数を超えていることから、国民の意識も時代に応じて変化してきているものと思われます。
憲法改正については、憲法第96条において国会が発議することになっており、国会は絶えず憲法と現実との乖離・妥当性を検証し、国民に提示しなければならない責務を負っていると思います。
次に、自衛隊を憲法に位置づけることについての御質問にお答えいたします。
先般、自由民主党は新憲法草案を公表し、自衛隊を自衛軍として、より具体的に明確に位置づけています。この試みは、独立した主権国家としての我が国のあり方に極めて重要な一石を投じるものと考えております。
こうした考え方も含め、憲法の問題が広く国民に理解されるよう国会等で十分な議論が尽くされることを願っております。
続きまして、名護市長選挙の結果と名護市長との連携について一括してお答えをいたします。
今回の名護市長選挙で島袋氏が当選したことは、名護市民が岸本前市政の8年間を高く評価し、その考え方や志を受け継いだ島袋氏への期待のあらわれだと思います。
米軍再編の中間報告で示された普天間飛行場代替施設の沿岸案については、島袋市長も県と同様に容認できないことを明確にしております。
私は、島袋市長と十分に連携を図っていきたいと考えており、そのことは先日、島袋市長が就任あいさつに来られたときにも確認をしております。
続きまして、名護市長の沿岸案修正に対する姿勢についての御質問にお答えをいたします。
先ほども申し上げましたが、沿岸案については島袋市長も県と同様に容認できないことを明確にしております。島袋市長は政府から提示されれば検討すると述べているものであり、修正案の提示を求めているものではないと理解しております。
次に、小泉総理への要請と普天間飛行場問題の解決につきまして一括してお答えをいたします。
沿岸案については、これまでの経緯を踏まえれば容認できないことを政府に対して申し入れをしておりますが、地元には誠意を示して理解を求めるという政府の姿勢であることから、県は政府との話し合いには応じる考えであり、膠着状態とは思っておりません。
私は、中間報告を受けた後、安倍官房長官や額賀防衛庁長官、麻生外務大臣、小池沖縄担当大臣を初めとする関係閣僚やトーマス・シーファー駐日米大使にも直接お会いして県の考え方を伝えるとともに、総理官邸で開催された全国知事会において小泉総理大臣にも強く訴えております。
県としては、引き続き普天間飛行場の危険性の除去と早期返還を実現するため、あらゆる機会をとらえて小泉総理大臣を初め、政府や政党関係要路等に対し積極的に働きかけるなど全力を尽くす考えであります。
次に、道州制移行における本県の地理的な有利性及び歴史的経験の影響について一括してお答えいたします。
道州制の導入は、現行の都道府県制度の見直しにとどまらず、国と地方のあり方を再構築するものであることから、その導入の是非や理念、目的等について国民的な議論の動向を踏まえ判断されるべきであると考えております。
これについては、今月末に予定されている地方制度調査会の答申を契機に議論が本格化するものと認識しており、県においては部長クラスの研究会をスタートさせ、広範な課題について検討を進めているところであります。その際、本県の地理的特性や、戦後27年間独自の政府機構を有していたという歴史的経験を生かしつつ、21世紀に輝く沖縄の将来像を展望したいと考えております。
続きまして、三位一体の改革に伴う平成18年度の財政運営についてお答えいたします。
平成18年度の三位一体改革による本県予算への影響額は、児童手当の県負担が引き上げられたことなどにより約140億円となっております。
これに対し、税源移譲額は所得譲与税や法人事業税の分割基準の見直しなどで約92億円を見込んでおり、不足分については地方交付税により補てんされるものと見込んでおります。
平成18年度当初予算編成に当たっては、県単補助金や使用料及び手数料の見直しなどにより歳出の削減及び財源の確保に努めましたが、なお収支不足が生じたことから、主要4基金を約200億円取り崩したほか、借換債を82億円発行することで対応せざるを得ない厳しい状況となりました。
このような中にあって事業の優先度等に十分配慮しつつ、限られた財源を緊急かつ重要な施策に的確に配分することを基本として編成したところであります。
産業の振興と雇用の創出・確保に向けては、IT新事業創出体制強化事業やおきなわブランド豚作出事業に引き続き取り組むほか、発展の目覚ましい中国からの観光客誘致に向けた事業に取り組みます。
科学技術の振興については、総合的な科学技術の振興施策を推進するとともに、本県の豊かな植物資源を活用した土壌病害等の防除技術の開発を進めます。
環境共生型社会の形成については、公共関与による産業廃棄物最終処分場の立地場所の選定等を実施いたします。
また、児童の健全育成に向けた各種事業を実施するほか、震度情報システムのネットワークを再構築し、健康福祉社会の実現と安全・安心な生活の確保に努めます。
多様な人材の育成と文化の振興を図るため県立の中高一貫校を整備するほか、博物館新館・美術館の開館に向けた諸準備を進めます。持続的発展を支える基盤づくりを進めるため、新石垣空港の整備に取り組みます。さらに、離島・過疎地域等の振興を図るため、不足する医師の確保に向けた調査検討を実施いたします。
本県財政は今後も引き続き厳しい状況が続くと見込んでおりますが、行財政改革をより一層加速させ、持続可能な行財政運営に努めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 国民保護計画案の概要と今後の作業スケジュールについての御質問にお答えします。
国民保護計画は、国民保護法及び国民の保護に関する基本指針に基づき作成しますが、地域の特性も踏まえる必要があります。
本県は島嶼県であり、米軍基地が集中しているという特殊性があります。県計画案ではこの特殊性を踏まえ、米軍基地周辺住民の避難等について関係機関と連携し、必要な措置を講ずることとしており、離島については章立てし、避難や救援に関する必要な措置について記載をしております。
そのほか、平素からの備えとして関係機関との連携体制等のほか、武力攻撃事態等への対処として初動連絡体制、県対策本部の設置、警報及び避難の指示、救援、応急措置などについて記載しております。また、復旧や緊急対処事態への対処についても記載をしております。
なお、放送事業者の指定地方公共機関の指定については調整中でありましたが、4社からは2月17日に承諾書をいただいております。今後は、県国民保護協議会から計画案に対する答申を受け、内閣総理大臣への協議を行い、閣議決定を経て正式な沖縄県国民保護計画となります。
次に、同じく国民保護計画について、離島の避難に関する県の計画についての御質問にお答えいたします。
離島における島外避難については、交通機関が航空機と船舶に限られます。
県国民保護計画案では、円滑な避難を実施するため、沖縄本島周辺離島及び南北大東島については沖縄本島へ、宮古地域の離島については宮古島へ、八重山地域の離島については石垣島への避難を原則とし、島の人口や空港等の状況に応じ、関係機関と調整の上、必要な措置を講ずることとしております。
また、平素から運送事業者の輸送力のほか、想定される避難先までの運送経路を把握すること等についても記載をしております。
なお、国民保護計画の基準となる「国民の保護に関する基本指針」では、沖縄県の住民の避難について国が特段の配慮をすることが明記されております。
次に、米軍基地の国民保護計画策定への影響についての御質問にお答えします。
米軍基地については、武力攻撃等が発生した場合、攻撃排除の拠点となりますが、一方では攻撃目標となる可能性があります。このため、武力攻撃事態等における基地周辺住民や駐留軍日本人従業員、基地内で勤務する委託業者のほか、基地外に居住する軍人・軍属の家族の避難等が国民保護計画作成上の課題となります。
同じく国民保護計画について、米軍基地周辺住民の避難に関する国や米軍との調整状況と今後の見通しについての御質問にお答えします。
米軍に関連する国民保護上の課題や対処のあり方については、関係省庁が米側と調整しており、県においても在沖米軍と意見交換を行っています。
現在、県では、基地内に勤務する日本人従業員への警報等の伝達や、基地周辺住民の避難に関する基地内への一時立ち入りなどについて米軍側に意見照会を行っています。今後は、米軍側の意見がまとまり次第、米軍と会議を開催することとしております。
次に、在日米軍再編協議問題についての、従来案の問題点と新たな合意案についての政府の説明についての御質問にお答えします。
新たな合意案については、米軍再編の中間報告を受けて、額賀防衛庁長官や北原防衛施設庁長官から県に対して説明がありました。
従来案の問題については、去る2月3日に戸田防衛施設庁次長から県に対して、沿岸案を前提にした説明の中で幾つか述べられました。
戸田次長の説明によりますと、従来案が工期で12年から13年を要するのに比べ、沿岸案では環境影響評価に3年、建設に5年の合計8年で完成でき、工期の短縮が図られることや、埋立面積が少なく、自然環境に与える影響も少ないとのことでありました。さらに、工事が陸地から着手できるので作業が容易であるとの説明がありました。
しかしながら、県としては、これまでの経緯を踏まえれば政府の説明は納得できるものではありません。
次に、協議会の設置についての御質問にお答えします。
協議会のことにつきましては、政府からは何の説明もありません。
県としては、協議会の設置目的やどのような形になるのかなど、明らかになった段階で的確に対応していきたいと考えております。
次に、名護市長が沿岸案を受け入れた場合についての御質問にお答えします。
日米間で合意された沿岸案については、島袋名護市長は一貫して容認できないとの立場を明確にしております。
次に、普天間飛行場の危険性除去のための緊急的措置についての御質問にお答えします。
県としては、普天間飛行場の危険性の除去のため、緊急的措置を含め早急な対策が講ぜられ、在日米軍再編の最終報告に県民の目に見える形での負担軽減という基本的な考え方が反映されるよう政府に求めていく考えであります。
緊急的措置とは、移設までの間、現在の普天間飛行場におけるヘリなどの離発着や訓練等による危険性を限りなくゼロにするための措置などを想定しております。しかし、どのような措置になるかについては、施設の提供責任者である日本政府と施設を運用している米国政府が協議を通じて検討されるべきものであります。
以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、質の高い観光の実現に向けた戦略についての御質問にお答えをいたします。
県におきましては、これまで多様なニーズにこたえる通年型観光地の形成を目指し、エコツーリズムや健康保養型観光の推進、離島観光の情報発信など、滞在日数を延ばす体験滞在型観光の促進に努めてきました。
また、付加価値の高い観光メニューとしてリゾートウエディングやリゾートショッピングを推進してきました。この結果、1人当たり観光消費額が回復に向かうなど、一定の成果を上げてきたものと考えております。
しかしながら、依然として平均滞在日数は低い水準にあること、外国人観光客の割合が少ないこと、中高年の観光客が減っていることなどの課題があります。
県といたしましては、観光客数650万人を達成すると同時に、付加価値と観光客の満足度の高い観光地づくりを実現するためには、引き続き体験滞在型観光を推進することに加え、外国人観光客の誘致や、高齢者層などの有望な客層拡充のための施策に重点的に予算を投入する必要があると考えております。
平成18年度におきましては、中国において重点的に誘客活動を展開するほか、エコツーリズムにおける環境負荷軽減策の検討、離島における環境に配慮した観光利便施設整備、本県独自の食を活用した観光の魅力向上などの事業に取り組んでいくこととしております。
次に、国際観光・リゾート地の形成に向けた戦略についてお答えをいたします。
これまで順調に観光客数の増加を見てきたのは、民間の積極的な誘客キャンペーンやホテル建設投資などに負うところが大きいと認識しております。
県といたしましては、行政の立場から、これら民間の取り組みを促進すべく連携した誘客活動の展開とともに、多様な体験滞在型観光メニューの創出支援、観光利便施設の建設など、受け入れ体制の整備に努めてまいりました。
また、国際観光の推進につきましては、本県観光の持続的発展を図る観点から重要な課題であり、かつ現況では民間の対応が十分でない分野であると考えており、重点的に取り組んでいきたいと考えております。
現在、国の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」と連動した誘客宣伝、観光施設における外国語表記の翻訳支援を実施しているほか、外国人観光客の動態調査を実施しているところでありますが、今後は誘客可能性の高い国・地域の実情に即し、戦略的に誘客活動を展開していきたいと考えております。
次に、観光誘致宣伝費用についてお答えをいたします。
本県観光は、本土復帰後、航空会社や大手旅行会社を中心に民間主導型で成長してきました。また、行政においても観光に関する組織や施策の拡充を図りつつ官民一体となった取り組みを行い、一定の成果を上げてきたと考えております。平成18年度の予算案では観光宣伝誘致強化費を3億4810万円を計上しております。
県では、今後、財政状況や民間との役割分担を考慮しつつ、民間が取り組みにくい、あるいは行政がリードすべき未開拓の分野、全県的で広範囲な分野などについて重点的に取り組んでいくこととしております。
具体的には、団塊世代をターゲットにした商品造成促進や文化交流型ツアーの誘致、新航空路線開設キャンペーン、海外市場での宣伝誘客などを実施する予定であります。
また、修学旅行やコンベンションなど公的な信頼性が必要な分野においても、積極的に誘致活動に取り組んでいく予定であります。
次に、県予算全体に占める観光関連費の割合と観光宣伝費の占める割合についてお答えをいたします。
平成18年度当初予算案5957億9900万円のうち観光費は13億6261万8000円で、その割合は0.2%となっております。
また、国内外での誘客プロモーション及び中国観光客誘致等に関する経費として、観光宣伝誘致強化費で3億4810万3000円を計上しており、観光費に占める割合は25.5%となっております。
次に、観光産業を支える人材の育成についてお答えをいたします。
県におきましては、増加する観光客の多様なニーズに対応し、質の高いサービスを提供できる観光人材の育成を図るため、平成15年度から3カ年計画で観光産業人材育成事業を実施しております。
本事業では、観光産業の企業経営者・管理職を対象にした専門的な研修及び一般従事者の資質向上を図るための研修を実施するとともに、新たな観光人材育成システムの構築に向けた調査検討を重ねてまいりました。
その成果として、来年度には観光人材育成センターを創設し、観光タクシー及びエコツアーガイドの資格認定制度、観光業界の次世代を担うリーダーの育成研修、接遇マナー研修、観光ガイドの育成など、各種研修及び児童生徒を含む一般県民に対する観光教育など、幅広い施策を実施することで本県の観光業を支える人材の育成を図りたいと考えております。
次に、観光資源を生かし観光客のニーズにこたえ得る人材の育成についてであります。
県では、本県の観光の質を高め観光客の多様なニーズに対応するため、企業経営者・従業員、観光団体職員及び観光ガイドなど、観光の第一線で働く人材の育成に積極的に取り組んでまいりました。
さらに、通年滞在型の観光地の形成を促進するため、今後成長が期待されるリゾートウエディング、エステ、スパなどの沖縄の観光資源を活用した観光関連産業の人材育成についても業界団体と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
また、観光産業を高度化させるために必要な人材育成については、観光学科を設置している琉球大学及び名桜大学に対して、その役割の発揮につき県としても大いに期待しているところであります。
今後も、観光産業人材育成センターを中核として産学官が十分な連携を図りながら、観光人材の育成をトータル的に進めていくことで本県の観光振興につなげていきたいと考えております。
次に、観光人材の育成・活用における産学官の連携・協力についてであります。
県におきましては、来年度創設する観光人材育成センターを観光人材育成の中核・推進機関と位置づけ、ホテル業を初めとする観光業界、県内大学、各種専修学校など、県内教育機関及び観光関連団体等と十分な連携を図り、観光人材の育成及び活用を図ってまいりたいと考えております。
具体的には、観光人材育成センターがコーディネート機能を発揮し、インターンシップ・プログラムの推進、大学における公開講座及び寄附講座の開設促進、観光業界の連携・連帯を深める各種研修セミナーやフォーラムの開催など、産学官の連携及び協力による事業を積極的に支援・推進してまいりたいと考えております。
次に、本県観光のバリアフリー化の状況についてであります。
県におきましては、「すべての人にやさしい観光地」の形成を目指し、昨年度から観光バリアフリー化推進事業に取り組んでおります。
当該事業において昨年度実施した調査によりますと、本県の観光のバリアフリー化に向けた課題として、県内における意識がまだ低いこと、観光施設、宿泊施設などのバリアフリー対応が十分でないこと、障害者等への接客サービス体制がまだ整っていないこと、観光客に対するバリアフリー関連情報の提供が不足していることなどが挙げられます。
その対策として、昨年度策定した「沖縄観光バリアフリー化を推進する上での基本的考え方」に基づき、観光業界の意識の高揚を図るためのシンポジウムの開催や接遇サービス向上のためのセミナーの開催、沖縄県観光バリアフリー関連情報サイト「誰でも美ら島ネット」の構築などに取り組んでいるところであります。
次に、観光のバリアフリー化を支える人材育成についてであります。
県におきましては、観光バリアフリー化推進事業の基本戦略の一つとして「沖縄観光バリアフリー化推進のための人づくり」を掲げて施策を展開しております。
その具体的な取り組みといたしましては、観光事業者等を対象に障害者など旅行の際、何らかの配慮を要する方への接遇セミナーを実施しております。このセミナーは、できるだけ多くの観光事業者に受講していただくため、石垣、宮古、名護、那覇の4カ所で開催し、17年度は約400名が受講しております。
また、障害者等に対する適切な接遇技術を効率的に広めるため「接遇ハンドブック」を作成し、観光関連事業者に広く配布することにより、観光バリアフリー化のための人的受け入れ体制の整備を進めていきたいと考えております。
次に、観光のバリアフリー化に向けた県民の意識啓発についてであります。
県におきましては、沖縄観光のバリアフリー化に対する全県民的理解と意識の向上を図ることを沖縄観光のバリアフリー化を推進する上での基本的な考え方の根幹として位置づけております。
また、沖縄県福祉のまちづくり条例においては、県民の福祉のまちづくりへの県民意識の啓発を図るための施策を推進することとなっております。
観光商工部では、条例を所管している福祉保健部や他部局と連携し、観光サイドからバリアフリーに対する県民意識の啓発を図っていきたいと考えております。
18年度は、引き続き観光事業者等の受け入れ体制の整備を促進すると同時に、観光バリアフリー化のためのシンポジウムの開催やNPO法人などとの連携体制の構築、「めんそーれ沖縄県民運動」の重点項目とすることなどにより、観光事業者のみならず広く県民の意識啓発を図り、全県民で支えるバリアフリー観光地づくりを目指していきたいと考えております。
次に、カジノに関する検討状況についてお答えをいたします。
カジノ導入につきましては、県民世論の動向が依然として賛否両論に分かれているほか、本県の観光にどのような影響を与えるのか見きわめが難しい状況にあります。また、日本のカジノ制度がその成立も含めどのような方向に展開するのかまだ明らかでない状況にあります。
このため、県におきましては、カジノに関する会議やシンポジウム等に参加し、引き続きカジノの法制化への動きなどの情報収集に努めるとともに、今後とも国内及び県内のカジノ導入に関する論議の状況を慎重に見守っていきたいと考えております。
次に、カジノ導入に伴う問題点と効果についてであります。
県が平成14年度に実施したエンターテイメント事業可能性調査によりますと、海外の事例として、ギャンブル参加者の約1%がギャンブル依存症に陥ること、カジノの利権をめぐる暴力団の抗争例の報告がある一方、カジノの収益の一部をギャンブル依存症対策に充てることなどの対策を講じていること、犯罪防止の制度を整備し、厳格な取り締まりを徹底した地域においては犯罪誘発の可能性が極めて小さいことが報告されております。
また、韓国の済州島では過当競争や交通アクセスの不便さなどが原因で赤字経営となっている事例や、アメリカのニュージャージー州では規模が小さ過ぎて運営がうまくいかず、会社更生法の適用を受けた事例があります。
一方で、ニュージーランドのオークランドではカジノ設置により7.9%の失業率の改善が図られた事例や、カナダのオンタリオ州では約3931億円の経済効果を上げている事例など、雇用効果や経済効果を上げている多くの事例が報告されております。
いずれにしましても、カジノは現在法体制が整備されていないため、我が国におけるカジノ論議がどのように展開していくのか引き続き情報収集に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 東横イン問題についてにお答えいたします。
今回、那覇市内にあるホテル東横インの3建築物において、完了検査後に不正に内部改造されるなど、建築基準法やハートビル法に違反していたことが那覇市の立入調査により判明しました。
那覇市において調査結果を踏まえ違反事項を是正するようホテル側に求めたところ、今月10日に是正計画書が提出され、審査後、おおむね4週間を目途に是正するとのことであります。
県においても引き続き状況を把握し、適切な指導助言を行っていきたいと考えております。
以上です。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 東横インによる那覇市福祉のまちづくり条例違反の状況についてお答えいたします。
東横イン3ホテルにおいて那覇市の条例違反と判明したのは、車いす使用者用客室を事務室や一般客室等へ改造、車いす使用者用客室の未設置などであります。
県としては、今回の事案を所管する那覇市に対して引き続き必要な助言等を行っていきたいと考えております。
なお、福祉のまちづくりの推進に当たっては、事業者及び県民の理解と協力が重要であり、県においては、昨年10月に沖縄県福祉のまちづくり条例の改正を行ったところであります。本年4月の施行に向けて開催する説明会や公共的施設等のバリアフリー化を促進するバリアフリー推進事業の実施等により、事業者や県民に対して福祉のまちづくりの一層の浸透を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 道州制の質問について、米軍基地が道州制へ及ぼす影響と、道州制に移行した際の米軍基地の存在について一括してお答えいたします。
道州制のあり方に関する地方制度調査会の検討において、国は本来果たすべき外交・防衛等の役割に重点化し、内政は可能な限り地方が担うことを基本に議論が進められております。
米軍基地の存在と道州制の議論とは直接関連するものではありませんが、国と道州との間で基地問題を協議できる仕組みが必要であると考えております。また、基地問題について沖縄の立場をより明確に主張する上では単独道州の方が望ましいと考えております。
同じく道州制についての御質問で、単独道州の理由と理念及び部長級研究会についてお答えいたします。
本県における道州区域のあり方については、次長・課長級研究会の中間報告では、本県の独自性を生かした地域振興の観点から単独で道州を構成するのが望ましいのではないかとしております。
また、道州制の理念としては、地方自治の拡充強化につながるものでなければならないことを挙げております。
部長級研究会は、こうした論点を踏まえ、道州制等における本県のあり方を全庁的に調査検討するため設置したものであり、2月に第1回会合を開催しております。引き続き3月には第2回会合を予定しており、4月以降も適宜開催してまいります。
同じく道州制についての御質問で、単独道州の場合の組織・事務量、広域行政のメリットと行財政改革、権限移譲及び指揮命令関係について一括してお答えいたします。
道州制については、地方制度調査会の答申が今月末になされた後に議論が本格化するものと認識しております。
道州制に移行した場合の組織・事務量や、行財政改革への影響、市町村への権限移譲の方法等についても、政府の方針や全国知事会等の動向を注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
同じく道州制についての御質問で、道州移行と沖縄振興計画等への影響について一括してお答えいたします。
道州制への移行時期については、これまでの地方制度調査会の議論でも触れられておらず、今後、中長期的な時間軸での議論が必要と思われることから、沖縄振興特別措置法に基づく国の支援と道州制移行とは直接関連することにはならないと考えております。
また、道州制のもとでは国の役割は外交・防衛に特化し、地方は地域振興に責任を持つことになることから、国による地方支援については原則としてないものと考えております。
同じく道州制についての御質問で、市町村の財政力向上を図るための方策についてお答えいたします。
市町村の財政力向上を図ることは、道州制導入の有無にかかわらず重要なことであると認識しております。特に、権限移譲が伴う道州制のもとではその受け皿となる市町村の行財政基盤の強化が重要であり、引き続き市町村合併を推進するとともに、財政調整制度や地方税のあり方等についても幅広く検討していきたいと考えております。
同じく道州制についての御質問で、単独の場合の財政面での打開策についてお答えいたします。
総務省が示した試算によると、大都市圏を除き他の道州区域においても地方税収で財政を賄える充足度は本県と同様低い状況にあります。このため、全国知事会においては、道州制に移行した場合においても財政調整制度は不可欠としてその堅持を強く主張しております。
本県としても、これらの措置に基づく税財源の確保とあわせ、これまで以上に行財政改革を加速し、民間主導の自立型経済の構築に向けた産業振興に取り組む必要があると考えております。
同じく道州制の御質問で、おきなわブランドの可能性と産業振興の有利性についてお答えいたします。
道州制については、国と地方の役割分担などの制度設計が現段階では明らかになっておりません。
県としては、道州制への移行にかかわらずこれまで確立された「沖縄」というブランドが内包する我が国唯一の亜熱帯海洋性リゾート、健康・長寿、独自の歴史・文化等を活用した産業振興は大きな可能性を有していると考えております。特に、今後は食品、保養、医療などから成る健康産業クラスターの形成や健康・バイオ関連産業など発展可能性の高い産業分野の振興に戦略的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
○具志 孝助 再質問を行います。
正直言って、知事の答弁には納得がいきません。果たして普天間飛行場の解決をするというような本当の意欲を持っていらっしゃるのか心配であります。たくさん申し上げたいんですが、時間がありません。
私は、名護市長と共同歩調をとって問題の解決に当たってもらいたいと。県議会も沿岸部反対、これはもう議論の余地はないです。これはとっておいていいんですよ、沿岸部は受け入れないんだから。
私は、先ほどリコールの話をやりました。名護の市長は受け入れないといって公約したわけですから、受け入れたらやめさせられますよ。こんな重大な公約違反は許されません。私は、だから明確にリコールされるんじゃないかと言ったら、そのとおりだと言ってほしいんです。だれに言っているのか、政府に言っているんですよ。なぜこれが言えないのか。あいまいにするのか。(発言する者あり)
ちょっと静かに聞いてくれ、真剣にやっているんだ。
名護市長と連携してやっていると。共同歩調をとる、連携してやる、違いがあるんですか。あえてお聞きします。
普天間飛行場の移設問題は、代替施設をつくって初めて移設をすることになっている。知事は、中間報告が出たときに、従来案、軍民共用が実現されないんだったら県外移設を求めると言ったんです。名護市長は、修正案が示されたら検討すると言ったんです。修正案を求めていると私は思っている。
ところが知事は、別の質問でですけれども、修正案を要求してないとこう言われた。大きな認識の違いなんです。それじゃ、きのう「五ノ日の会」が3閣僚――所管閣僚ですよ、外務大臣、官房長官、防衛庁長官――3閣僚に自民党の国会議員がそろって修正案を出せという要求をしたんですよ。新聞にも出ている、見出しで。あれは間違った行動ですか、余計な行動ですか。まず、修正案を要求していないということについてはっきりと示してもらいたい。要求していないのかどうか。それじゃどう解決するんだ。要求してないということと、じゃ知事は代替施設の問題をどう解決しようとしているのか。政府と県の間で膠着してないと言った。(「自民党はどうするんだよ」と呼ぶ者あり) 黙っておけと言っているんだよ。
膠着しているというのは、政府はこの案でいきたい、沿岸部でいきたい。ここは絶対だめだといって受け付けない、この話だったらもうやりませんよと言っている。県はといったら県外移設だと言った。三者三様じゃないですか。話にならないんですよ。まさに協議はストップしているんですよ。このままの状態だったらみんな違う方向に行っている。だから三者協議会の場をつくることが先決だと、これも言った。これに対しても適切に対応しますと。どこで話し合うんですか。話し合う場を持つべきだと、知事がその音頭を取るべきだと私は言っているんですよ。これに対しても適切に対応しますということはどういうことですか。これで県知事ですか。どこの問題なんだよ。私たちの問題じゃないですか。
いいですか。こんな冷ややかなことではいけない。もう一回お答え願いたい。あえて伺います。
どんな形で解決しようとしているのか、解決策をどう考えているのか。名護市は要求してないんですか、修正案は。要求とは受けとめてないんですか。それじゃ「五ノ日の会」の要請は余計なことだったんですか。そして三者の意見は全く一致点を見出せず膠着している。その打開策はどうするかということにも示されてない。
もう一点、緊急的措置ということの問題。
これだって原点は普天間なんですよ。普天間はこのままだといつ何どき何が起こるかわからない。だれが責任をとるか。アメリカの責任だ、日本の責任だといって済まされますか。我々だって恐ろしいですよ。日米安保条約を我々は認めているんです。その中で基地があるんです。この責任を問われますよ。そのために今解決に時間がかかるから緊急的措置を講ずるべきだと言っている。
私は、あえてこの所信表明でこの際緊急的措置を講じなければならない、それを要求するんだという決意を示されたと思った。ところが、限りなくゼロにすることを期待する。だからこれはどういうことか。閉鎖を求めるんだったら閉鎖を求めるということを言えばいいんじゃないですか。そういうようなことを伺っているわけであります。御答弁を願いたいと思います。
カジノの問題。
カジノについては平成14年内閣府大臣官房室規制改革特区構想の中で、カジノを含むレジャー特区として沖縄県どうだろうかと、政府の中でもそういう議論が出たんです。しかし、県はこれを保留のままにしてあると聞いております。これは平成14年なんです。
そして、これまで沖縄経済同友会とか建設業連盟とか商工会議所等が中心になって「沖縄ゲーミング・エンターテイメントワールドプロジェクト」というようないわゆる団体を設立をして、沖縄観光の国際化、持続的発展を願うためにカジノの研究をしようと、こういうことで機運が高まっている。二、三日前に儀間市長の方に観光関連業界の多数の、JTBとか日本航空だとか、本土大手の旅行業者、そして沖縄県のホテル・旅館同業組合、観光関連の産業はひとしくぜひ早期に検討すべきだというような要請をしていると私は認識をしております。この業界の動向をどう受けとめているか。
そして、これだけ業界で熱い期待を寄せている観光産業への影響、このことについてどのように考えているのか。業界の動向をどう受けとめるか。観光産業に対する影響。
なるほど教育だとか治安だとか、あるいは依存症だとかというような懸念材料が指摘をされております。しかし、これはこれで問題としてあると思っている。純粋に観光産業としてカジノをどう受けとめるか、この2点についてお伺いをいたします。
また質問します。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時27分休憩
午前11時33分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
牧野副知事。
〔副知事 牧野浩隆君登壇〕
○副知事(牧野浩隆) 普天間基地移設問題についてお答えいたします。
普天間基地の移設問題は、SACOの合意によりまして県内に代替施設が建設されたときに返還するということがありました。それでありましたので、県内に受け入れるための条件として私どもは軍民共用、15年の問題、自然環境、地元への配慮などのほかたくさんの条件をつけて国に提示しまして、それを受けまして国は名護市、県、地元と一緒になって閣議決定があり、その後は代替施設協議会があり、そういう形で国、県、名護市、地元との合意のもとでシュワブ沖の案が、いわゆる従来案と言っていますけれども、それが決定されたいきさつがあります。
そういうことがありますので、しかしながらそれに従いまして去年の秋ごろまでは政府もボーリング調査をするなどして実際に進めてきたいきさつがあります。しかしながら、10月29日に中間報告によりまして、よく頭越しと言われていますように沿岸案が出てきたわけですから、我々はその沿岸案は従来の歴史的な経緯からしまして納得できないので反対だと言っているわけでございます。名護市も同じように一緒にやってきましたので、それにつきましては、沿岸案につきましては反対だと言っているわけです。
しかしながら、現状ではその従来の国、県、名護市、地元がやってきたいわゆる国のお約束でありますものに対する指定された理由が説明されておりません。その原因がどこにあるかも指定されておりません。
私どもは、過去の経緯から見ますと、移設先としましては場所にとっても条件にとっても工法にとっても従来の沖合案がベストだと思っていますので、沿岸案には容認できないという姿勢を示しているところであります。
修正案につきましても、私どもは従来案がベストだと思っていますから、修正するというのは県や名護市が提示するものではないと思っています。
なお、修正案という話がありますけれども、名護市の話も修正案を求めているんではなくて、政府が修正案を出してきたら話し合いには応ずるということであって、それがイエス・ノーとは関係なく、私どもとしましても誠意を持って政府が話し合うということでしたら話し合いに応じますけれども、内容によってイエス・ノーが決まっているんであって、いずれにしましても普天間の移設先につきましては過去の歴史的な経緯からしまして、従来の沖合案がベストだと思っております。そういうことであります。
○知事公室長(花城順孝) 緊急的措置についてでありますが、先ほども答弁したように、移設までの間、普天間飛行場の危険性というものは常に存在するわけでありまして、それまでの間にヘリなどの離発着や訓練等による危険性を限りなくゼロにするための措置ということを想定していると先ほど答弁をいたしました。
これは、例えば普天間飛行場のヘリ部隊がイラクに派遣されているときの状況、これについては県としてもイラク派遣部隊の普天間への帰還に反対する旨の要請もしておりますが、そういった状況に持っていく、あるいはヘリ部隊の分散移転というものを想定をしているわけであります。
ただ、これにつきましてはあくまで日米両政府へ具体的な措置については検討し、措置されるべきであると、こういうことが県の認識でありまして、県としては常にそういう緊急的措置についての必要性を日米両政府に求めていくということを言い続ける中で、日米両政府できちっとそこを受けとめていただこうと、こういうことでございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) 再質問にお答えをいたします。
まず、カジノについての観光業界の実現要望についての意向をどう受けとめているかという御質問でございましたけれども、これまでの私どもの調査から調査の全体的な傾向として見えることは、世界的にはカジノは合法化の傾向にあること。それからこれも世界的には経営として成功をおさめているカジノが多くて、雇用の拡大、それから観光客の誘致等に大きな効果を発揮している事例が多いというようなことから、観光業界が沖縄県の受け入れの多様なメニューの一つとして、エンターテインメントとして、あるいは誘客インセンティブとしてこれを設置をしたいという意向はその面でよく理解できます。
ただ一方において、その2つ目なんですけれども、観光産業に対する影響はどうかという御質問でございましたけれども、観光は特に観光業界関係者だけでなくて多数の県民の支持が重要な産業であると考えております。そのためには、今、非常に観光に対する県民の理解が高まってきていると思いますけれども、やはり県民の中にはカジノに反対という声もあるわけでございまして、その中で無理強いして沖縄にカジノを設置をするということになれば、多くの人たちの観光に対する支持を失うんではないかというような懸念もあるわけでございます。
そういう意味で、観光の経済的あるいは誘致力というメリットの部分と、反対する方々のいろんな社会的な悪影響を懸念する声、そして反対する声、非常に私どもも判断に難渋をするわけでございます。いましばらくはこうした議論の推移を見守ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○具志 孝助 知事、私も政治に命をかけてやっているつもりでいますよ。責任を持って当たっているつもりでいるんです。政治的責任を果たさないといかぬ。今、普天間を返還させなければ政治家は責任をとったことにならないと思っているんです。そしてその解決のためのSACO最終合意があって今日になっているわけなんです。もう9年目を迎えたんだ、解決しなければならないんです。
名護市は修正案を求めてないという考え方は、恐ろしく知事の認識としては誤っていると思うんです。名護市はみずからは提案しない、修正案は政府が出すべきだと言っているんですよ。これで修正案を求めてないということになるんですか。
もう一点、一緒に解決しなければならない名護市と知事が同床異夢であったとしたら、この問題は解決におぼつかない。一体全体知事はどのように解決されようとするんですか。今、牧野副知事は軍民共用がベストと考えるというようなことを今ごろ言っている。それじゃどう解決するんですか、協議会はどうするんですか、設置をすべきだと思っているんですか、三者の協議会はいわゆるやるべきだと思っているんですか。
そして最後に、知事の問題解決への決意を改めて伺いたい。
お願いいたします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時42分休憩
午前11時43分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 具志孝助議員の再々質問にお答えをいたします。
私は、ともかくこの7年間全力を尽くしてまいりました。これからも残る任期、全力を尽くすつもりです。
それは、基本的な考え方の中にあるのは何かと申しますと、先ほど冒頭、具志孝助議員から御質問ございました中でお答えをいたしましたように、11月の知事選において県民とともに沖縄の発展をより確かなものにするため、この流れを変えてはならないということです。したがって、私としては残された任期、この中でこの多くの問題をぜひ解決するよう全力を尽くしていきたいと。
もちろん普天間の問題というのは私が就任以来大変大きな問題でした。先回の苦渋の選択といって、あのときというのは大変な厳しい厳しい厳しい状況にありました。その中で選択をするということは大変な決意が要ったんです。ある意味では体を張ったんです、私としては。全力を尽くしたと思っております。それはいかにすれば沖縄のためにいいのか、沖縄県民のためになるのか常にそれが主体でございます。
今回の問題についても、これは多くの問題点というのはいっぱい山のようにあります。しかし、私たちは私たちの中で沖縄の県民を心としながら、そして今政府とも話をしているのは、先方が誠意を持って話すというののであれば私の方は誠意を持ってお話をいたしますということで、これは額賀防衛庁長官が前回来られたときも全くお話は一致しております。誠意を持ってお話は続けます。しかし、誠意を持って努力をするということであって、こういう多くの積み重ねられた、今まで61年の間に積み重ねられた多くの問題というのは糸のように絡まっているわけです。それをやはりきっちりしっかりしながら、例えば今、政府に対して私どもが要望しているのは、先般の場合、多くの沖縄側から名護市を含めて地域の住民を含めていろいろ多くの問題というものを提起いたしまして、それを政府が具体的に前回認めているわけで、そして閣議決定という形も出されているわけです。それをどのような形できっちりどのように考えているかということのそれの説明というのをしっかり求めております。それがまだ来ておりません。そういう問題を踏まえながら、しっかり県民の立場で対処していきたいと考えております。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時47分休憩
午前11時48分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) そのお答えは、先ほど申しました誠意を持って対応するということに尽きると思います。
具体的に政府から何もございませんが、政府の方としては、今回、協議会について検討しているということを額賀防衛庁長官の方から出されております。私どもはすべて誠意を持って、先方が誠意を持って対応するものについてはこっちもきっちりと誠意を持って対応したいと思っております。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時48分休憩
午後1時11分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
午前に引き続き代表質問を行います。
伊波常洋君。
〔伊波常洋君登壇〕
○伊波 常洋 こんにちは。
去る1月16日より、沖縄県人ペルー移住100周年記念式典に県議団の一員として参加してまいりました。その間、ニューヨーク沖縄県人会、それからブラジル県人会、アルゼンチン県人会、そしてペルー県人会の皆様とお会いしてまいりました。そしてそれらの国々に駐在しております日本大使館あるいは領事館の方にも表敬訪問をしてまいりました。どの大使館、領事館の方でももう南米の移住日系社会、それぞれの国で確固たる地位を築いている。やはり100年ほど前から日本人としての勤勉さとそして仕事に対する正直さ、まじめさがすっかりそれらの国々に受け入れられて、今ではその国にとっては欠かせない日系社会、特にウチナー県人会は結束力が強くて、領事館あるいは日本大使館、沖縄県人会の存在を大変高く評価しておりました。ウチナーンチュとして大変うれしい評価を得て私たちも喜びました。
しかしながら、100年ほど前は先住移民者の方は非常に苦労したんです。沖縄が苦しいころ、彼らが私たちのこの沖縄を救ってくれました。100年、あるいは五、六十年たった今、それぞれ豊かな日系社会、沖縄県人社会をつくっているんですけれども、高齢者になるに従っていろんな問題も抱えているようであります。
そこで、今回の自民党代表質問の1点目に、今回の南米訪問に際してのそれぞれの国から上がってきた沖縄県やあるいは日本国に対する共通した要望を取り上げて県の対応を伺いたいと思います。
1番目に、ブラジルにしろ、アルゼンチン、ペルーにしろ、確かに豊かな国になってはおります。しかし、医療保険制度や年金制度、つまり社会保障制度が我が国ほど十分ではありません。特に高齢者医療が不備であると言われました。言葉の面でも、やはり高齢者はまだ何十年住んでもその国の言葉がなかなか理解できないという問題もありまして、どうしても特に高齢者向けに日系人専用の医療機関が必要であるという要望がありました。
2点目に、これまでも沖縄県はいろんな財政的な支援策もやってきたと思います。ペルーにおける沖縄県人会館もそうであります。しかし、とりわけ今一番県人会が喜んでいる制度は、子弟の県費留学制度であります。私たちがこのブラジル、アルゼンチン、ペルーの県人会と懇親会を行う際、舞台の方で大体余興をします。沖縄民謡であるとか、舞踊であるとか、エイサーであるとか、そういうものはほとんど県費留学生でこの沖縄で学んだ子供たち――子供たちと言っても子弟――が沖縄で学んだことを国に持ち帰って、そして同世代の人たちに教えて、綿々と沖縄の文化が芸能が受け継がれているということです。
ですから、今後、もちろん我が県自身も日本政府からの財政に依存している県ではあるんですけれども、かといって我々が今までお世話になったそれらの移住者に対して、今後とも、厳しい財政の中でも一番評判のいいこの県費留学制度を継続し、それだけではなく、僕はもっと拡充して子弟たちのウチナーンチュとしての誇りを持たせてほしいと思います。
3点目に、今でも人的な交流、それから文化交流は行われております。世界のウチナーンチュ大会もそうです。しかし反面、経済交流というのが行われていないんじゃないか。WUBを中心にして経済界の交流はあるかもしれませんが、県ぐるみあるいは県対国のような、大きくその経済交流を発展させて互いの経済発展を図るべきだという要望がありました。
それから一番大きな問題ですけれども、もう移住100年ともなりますと四世、五世の時代になっております。ほとんどの方がもう日本語は話せません。それでも彼らはウチナーンチュとしての血がやはりあるんでしょう、誇りを持っているんです。これらの子弟たちへウチナーンチュとしての、あるいは日本人としてのアイデンティティーをどう持たさせていくのか、それらの施策が欲しいと言っておりました。
現地からの一案では、現地の中で、私たち県議団の中では、例えばウチナーグチによる弁論大会をやって優勝者には稲嶺知事杯、県知事杯でも贈ってやろうとか、あるいは日本語弁論大会があれば総理大臣杯とかそういうものを創設したらどうかというような、いずれにしろ日本人としての、ウチナーンチュとしての誇りとアイデンティティーを持たせるような施策は持てないものかという提案がありました。
次に、2点目に基地問題について質問いたします。
午前の自民党幹事長の質問にもありました普天間基地の移設、これは我々県議初め県民、そして稲嶺知事もそうなんですけれども、普天間基地移設の本来の我々の願った目的は一刻も早い危険の除去であったはずです。しかしながら、米軍再編の中間報告以来、方法論だけにとらわれて、本来の目的である一刻も早い危険の除去がどこかに置き去られたような感じがしてやみません。先ほどの質問、答弁に対する所見を述べます。
質問に入ります。
去る2月6日より山口県岩国基地、神奈川県厚木基地を軍特委員会で視察してまいりました。沖縄県内基地とそれからこの両基地の違いが視察をしてわかりました。岩国も厚木もすべて国有地であるということ、それからそれらの基地周辺、ゲート周辺でも沖縄のように米軍人相手の産業はほとんどありません。つまり、本土の米軍基地の周辺住民にとっては基地は何ら個人には利害の関係はないということで、その辺が私たち沖縄県民の米軍基地に対する見方と本土における国民の米軍基地に対する見方の温度差の違いがそこにあるのかなと実感をいたしました。
しかしながら、視察をしました神奈川県でも昨年の末、それからことし1月にと重大な米兵による事件がありました。その事件のときの――沖縄はいつもそうなんですが――加害者の引き渡しがやはり地位協定の壁にぶち当たって、今、神奈川県の方でも問題になっております。
そこで、基地問題の1点目に、日米地位協定の見直しについて質問いたします。
(1)、1995年10月の日米地位協定運用改善がなされて以降も米兵による事件・事故が後を絶たず、県のたび重なる要請にもかかわらず、県民の負担は依然として軽減されていません。その根底には日米地位協定に守られた米軍の特権意識があると言われており、地位協定の見直しが必要である。県の今後の取り組みを伺います。
(2)、昨年12月に開かれた渉外知事会は、地位協定の二、三年以内の見直しを米軍再編最終報告に盛り込むように求めています。これに対し政府はどう反応をしているか伺います。
(3)、米兵による事件・事故は、神奈川県で去る1月に米海軍横須賀基地を母港とする空母キティーホークの乗員による日本人殺害事件――神奈川県では初めてであるらしいです――昨年暮れの米海軍厚木基地所属の水兵によるひき逃げ事故等があり、米軍はひき逃げ事故の水兵を公務中を理由に日本側に引き渡さない方針を決めたことが大きな問題となっています。県は、神奈川県と共同して地位協定の見直しを国民の問題として、国民的議論を喚起していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
(4)、嘉手納飛行場からの爆音等による住民被害の解消を図るため、嘉手納町長を初め嘉手納町は国に対し、嘉手納基地に関する使用協定を日米両政府間で締結するよう求めたが、これに対する県の見解と支援策を伺います。
先ほど言いました視察をいたしました厚木基地の司令の方に、私はこの使用協定がどうなっているかお聞きしましたところ、司令いわく、厚木基地ではエンジン調整、それから夜間飛行、早朝飛行は極力制限時間内は避けているという答えがありました。
外国の方の同じく米軍基地のあるイタリア、最近新聞報道で見たんですが、イタリアにおいては何と昼食――イタリアでは昼食・昼寝3時間あるらしいんですけれども――この3時間は米軍は飛行しないという協定まで結ばれているのです。
(5)点目に、米海兵隊キャンプ瑞慶覧で起きたタクシー強盗事件で、共犯の疑いのある米兵1人が事件後米国に帰国していたということがあります。基地内で起きた米兵犯罪捜査の難しさと日米地位協定の問題点を端的に示したものとなったが、沖縄側としては逃げ得を許してはならない。県は米軍に対し、容疑者の管理体制のあり方を徹底して追及すべきと考えるがどうか。また、国に対し、容疑者の引き渡しについて外交ルートを通して米国に強く求めるよう要請すべきと思いますが、県の考えを伺います。
同じく基地問題で、次に米軍の訓練についてお聞きをいたします。
1、1995年10月の日米地位協定の運用改善合意以降、本県で起きた米軍による主な事件・事故の件数とその類型、特徴等を伺います。
2、キャンプ・キンザーで民間地域に銃口を向けた訓練や、うるま市の祭り会場上空でのヘリ訓練など、いまだ占領意識から抜けていないと思われる訓練が後を絶たない状況が続いているが、これらの問題に対する政府の見解と対米姿勢を伺います。
3、去る1月17日、米軍嘉手納基地所属のF-15イーグル戦闘機がうるま市伊計島の北東で訓練中に墜落いたしました。しかも、県や地元の訓練中止の要請を無視して、2日後の19日には訓練を再開しています。県は、墜落の原因等を把握しているかどうか伺います。
4、事故の原因についての米側の説明を伺いたい。どういう説明があったのか。また、訓練再開に至った米側の説明と再開を容認した政府の見解をただしたかどうか伺います。
5、このような事故が続くようだと、基地の撤去要求を求める県民の声が高まることも予想される。政府は、事の重要性を認識しているか疑問を持たざるを得ないが、知事の見解を伺います。
3点目に、沖縄新大学院大学建設について伺います。
沖縄科学技術大学院大学の設置に向けて、昨年9月に独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構を発足させ、運営の指針となる中期目標及び計画が策定されました。しかし、開学に向けての整備等に要する予算も我が国の厳しい今の財政の中、予算も厳しく査定をされ、しかもここに来て当初予定されていた2008年開学が4年おくれで2012年に目標が置かれたようであります。世界最高の研究者確保のためにそれなりの期間を要するという理由らしいですが、そこで伺います。
1、沖縄科学技術大学院大学の開学までのスケジュールを伺います。
2、開学に向け整備等予算も厳しく査定されているようであるが、国の厳しい財政状況は早期に改善される様子はなく、大学院大学についても当初の構想どおりに開学できるか危ぶむ声もある。県の認識を伺います。
3、ことしの4月以降は事務局の建物もでき、敷地の造成や具体的な準備作業が開始されるようだが、採用される事務局職員や研究者等に対応する本県の人材確保はできているかどうか伺います。
4、大学院大学が行う先行的研究事業に本県工業技術センターの研究機能はどのように生かされるのかお伺いいたします。
4点目に、環境問題についてお聞きいたします。
一般廃棄物最終処分場は、現在県内に13施設がありますが、残余年数は平均してあと8年です。産業廃棄物管理型最終処分場については新たな立地がなく、残余年数はかなり逼迫している状況にあります。
そこで、産業廃棄物処理問題についてお聞きします。
1、本県における産業廃棄物及び一般廃棄物処理に関する県の基本方針と現状を伺います。
2、一般廃棄物の最終処分場が満杯に近づいており、新たな整備が急がれる中で地域への建設計画がとんざしたり白紙撤回されるケースがふえています。その徹底した原因究明と県の建設に対する明確な姿勢が示されないと今後の展望はないと思われる。県の今後の対応を伺います。
3、住民は一般廃棄物処理の重要性は認識しつつも、処分場が自分たちの地域につくられるのは反対をします。建設する側が手続的・法律的に許認可要件を満たしたとしても、地域住民の合意が得られない場合、県はどう対応するかお伺いします。
4、県は、産業廃棄物処理を推進するため民間企業と共同し最終処分場の整備計画を進めているが、現在の進捗状況と今後の見通しを伺います。
5、本県における産業廃棄物管理型最終処分場の処理能力も限界に近づきつつあります。新たな建設が急がれるが、現在の状況と今後の見通しを伺います。
次に、アスベスト問題について。
1、アスベスト被害対策で、政府は従業員や家族、一般住民の救済のためさまざまな方策を講じているが、県の対応は現在どうしていますか。
2、政府がアスベスト被害者救済のため制定した石綿による健康被害の救済に関する法律の概要と、国や県及び企業の対応義務等について説明をしてください。
3、政府が発表した石綿飛散のおそれのある施設の中に県内の施設も112カ所あり、そのうち100カ所で除去などの対策がとられていないと言われております。県は、その実態を把握しているのでしょうか、御説明をお願いいたします。
4、アスベストによる発症は30年から40年かかると言われております。今後、被害者は増大すると言われておりますが、県内における被害指定疾病の認定はどのようになさるのかお聞きをいたします。
5点目に、企業誘致についてお伺いします。
稲嶺県政スタート以来、企業誘致を産業振興の重要施策として積極的に取り組んできました。今までにない成果を上げております。しかし、核となるような大型企業の誘致は難しいのが現状であり、今後は沖縄県だけの優遇策である特自貿制度、産業高度化制度、情報特区、金融特区等をいかに生かしていけるかが重要であると考えます。同時に、離島県という不利性もかんがみつつ次の質問をいたします。
企業誘致の促進について。
1、本県における企業の誘致及び立地については、稲嶺知事就任以来大きな成果を上げている。そのうち従業員30人以上の雇用効果の大きい県外企業の誘致の実績を示してください。
2、県外企業を誘致する上で、島嶼県である本県の地理的条件や歴史的特性等が障害となることがあったか。また、課題や問題点は何であるのかお聞きいたします。
3、本県は世界に誇る海洋リゾート地であります。アジアに向けた情報発信基地として最も適しているとの声がある一方、高度な情報技術者がいないとの指摘もあります。人材がいないところに大型企業は進出しないと思うが、県の見解を伺います。
次に、県内企業の育成について。
特に、我が県で製造業はその生み出す付加価値から他産業への波及効果や雇用も期待でき、地域の発展に大きな役割を果たしているが、近年、需要の低迷や安価な輸入品に押され低迷している状況にある。県としての製造業の振興に向けた施策をどのように展開するか伺います。
2、製造業の振興発展を図るためには競争力の強化と県外や国外への積極的な進出が望まれるが、県の対策を伺います。
3、海外への進出には企業製品のアピールと知名度の浸透が欠かせませんが、そのためには見本市や物産展等への継続的な参加が必要と思われます。本県の企業が単独で海外市場を開拓するのは難しく、行政の支援が不可欠と思うが、県の考えを伺います。
3、同じく産業の中で、米軍基地にかわる産業についてお尋ねします。
平成12年度の統計によりますと、県民総支出に占める割合の中で観光収入が11%です。基地関連収入が4.9%です。農水産業収入はわずか1.3%です。このような本県の産業構造、企業誘致の状況、返還跡地利用状況から見ても基地収入にかわる産業を創出するのがいかに容易ではないかわかります。
そこで伺います。
1、米軍基地から派生する経済効果や雇用効果等を総合的に勘案して、米軍基地を産業として見た場合、本県における産業構成の中でどの程度の位置を占めているかお伺いします。
2、職場としてあらゆる業種や専門性が混在する基地の機能に取ってかわれるような産業の立地・創設は可能であるかどうか伺います。
4点目に、本県泡盛業界の振興についてお伺いいたします。
本県の泡盛の県外出荷は、この6年間で四、五倍という驚異的な伸びを示しております。しかし、これも沖縄県における県産酒類の税の軽減措置による効果も大きいものがありまして、この税の軽減措置がなくなりますと対外的な競争力が相当失われると思います。私は、沖縄の大事な文化でもあり産業でもある泡盛業界の体力が十分につくまで、いま一度の税の軽減措置の再延長を県として政府に求めるべきだという観点からお伺いをいたします。
1、第2次沖縄県産業振興計画でオキナワ型産業の振興を図るとしているが、泡盛産業は沖縄の地域的優位性が生かされた最も有望なオンリーワン産業と考えるが、県の戦略的施策を伺いたい。
2、泡盛の県外出荷が驚異的な伸びを示し、業界も活況を呈しているようであるが、県内市場という限られた人口だけに頼れば需要の伸びは大きくは期待できないだけに、市場の開拓と県外出荷が重要である。県の泡盛需要開拓のための具体的な施策をお聞かせください。
3、全国のしょうちゅう市場は九州しょうちゅうが全体の約8割を占めています。2003年の集荷高で見ると沖縄泡盛は6.6%程度にとどまっています。本県のオンリーワン産業育成の上からも泡盛の県外市場シェア拡大は重要であるが、県の掲げる目標数値があればお聞かせください。
4、2007年に期限切れとなる泡盛等に対する酒税軽減措置の延長問題は、小規模零細企業が多い本県泡盛業界にとって重要である。県は復帰以降、酒税軽減措置が本県泡盛業界の振興に果たしてきた役割をどのように評価しているか伺います。
5、県は、酒税軽減措置が期限切れとなっても延長要請はしないとの考えを業界に対して示したようであるが、本県の泡盛業界は酒税軽減措置を受けなくても国内・国外産業との競争に負けない産業としての体力はついたと判断しているのかどうか、その根拠をお聞かせください。
6、泡盛等業界は、酒税軽減措置が延長されないと沖縄の泡盛業界にとって死活問題だとして、2007年以降の延長も訴えている。県は、業界の声をどのように受けとめているのか、どのように対応するのかお聞かせください。
5点目、県内企業への優先発注について。
1、公共事業関係費の削減により県内建設業は厳しい状況にあります。県内企業の保護と経済の活性化の観点から、公共事業費の増額を国に要請する必要があると考えるが、県の御所見を伺いたい。
2、国発注の公共事業について、県内企業の受注機会の増大を図る必要があるが、県の対策を伺いたい。
3、設備工事における分離発注を遵守し、県内企業の保護を図る必要があるが、現状と県の考えを伺いたい。
4、県や市町村が実施する公共工事等で県産リサイクル資材の優先使用について、県が導入したリサイクル資材認証制度を市町村においても実施するよう県の支援と指導をお願いいたしますが、いかがでしょうか。
私は一般質問でやりましたが、次に指定管理者制度についてお聞きをいたします。
1、県は、2006年度からの実施に向けて、県有施設の18団体を指定管理者制度への移行を決定いたしました。18団体を選定した理由は何か。また、これらの団体の指定管理者として11施設が現施設管理者となっています。これにより管理費で年間3億円余りの削減が可能としているが、指定管理制に移行しなければこの3億円の削減ができない理由はどこにあるのか御説明をお願いします。
2、民間業者が指定管理者制度により管理者となった場合、その業務運営について県に対する報告義務はどうなるのか。また、監査はどうなるのかお伺いします。
3、これは今大変大事なことで、例えば、今、大手銀行で個人情報を漏らしたり、あるいはそれが売買されるというような個人情報の流出が問題になっています。
そこでお聞きいたしますが、当該施設に存する公の情報、個人の情報等について、その保護はどのようになされるのか。そして、もしもそのような事故があった場合、どのような処罰があるのかお聞かせください。
7点目に、福祉関係についてお伺いいたします。
待機児童について。
1、本県における待機児童の解消がおくれている要因と潜在的待機児童の実態をお聞かせください。
2、待機児童解消のため、県が実施した施策により、過去3年間で解消した実績を示してください。
3、本県における認可保育所の不足数と今後の設置計画をお聞かせください。
4、認可外保育所数と認可外に入所している児童数はどうなっているか。また、認可外から認可保育所への移行の現状と今後の見通しをお聞かせください。
(2)点目に、県立病院の医師確保についてお伺いいたします。
北部病院の産婦人科医の欠員問題が毎議会出ておりましたけれども、ここに来て今度は県立八重山病院でも派遣産婦人科医が5月末で終了し、八重山病院でもその存続が危ぶまれています。
八重山地域では、出産対応が可能な病院が同病院だけといいますから事態はより深刻であります。安定的・長期的な医師確保策についてを考えながらお伺いをいたします。
1、県は、県立病院において確保が難しい産婦人科医師などの優先採用や女性医師の事情に合った環境整備などを図り、採用に努力しているが、新年度に向けての見通しはどうか。
2、地方大学では地元勤務の医師を確保するため、地元出身者の入学枠をふやす動きが出ているとのことである。本県も国立である琉球大学に地元勤務を条件とする地元出身枠を設けるよう国に要請すべきではないか。
3、小池沖縄担当相は、昨年4月から欠員状態が続いている北部病院の産婦人科医師について、ことしの4月には防衛医官の派遣を実現したいとの発言がありました。県は、その大臣発言がどうなっているか、調整を行っているかお伺いをいたします。
4、産婦人科や小児科医師はなり手が少なく、全国的にも確保が難しいと言われています。県だけの努力では限界があります。地元の住民福祉に直接かかわる市町村にも一端の責務をお願いする必要はあろうかと思いますが、いかがでしょうか。
(3)、児童虐待について。
1、平成17年度の児童虐待に関する相談件数は、過去最多に達する勢いと言われています。相談の内容についてお聞かせください。
2、県は、増加する相談件数に対応するため各相談所に児童保護司などの増員を行ったが、相談事例に対する調査を複数の職員で行うとすれば、過去最高に達する相談に現体制での適切な対応が可能であるかどうか。
3、児童相談業務に対する専門知識の向上を図るため、職員の外部専門研修機関への研修などを充実させる必要があるが、相談業務との兼ね合いも含め現状を伺います。
4、児童虐待の防止を図る観点からも一時保護所の設置は必要と考えるが、現状と将来計画を伺います。
(4)、新型インフルエンザについて。
1、鳥インフルエンザウイルスが流行した茨城、埼玉両県でH5N2型に77人が感染し、国立感染症研究所は、H5N2型の人への感染が報告されたのは世界初としている。このように鳥インフルエンザの人への感染は拡大を示しているが、本県におけるインフルエンザ対策の現状を伺います。
2、アジアでは、鳥インフルエンザウイルスが人に感染する事例がふえ続けており、専門家の間では、人から人へ感染するウイルスに変質した新型インフルエンザが出現し、大流行するおそれがあると指摘する声もあるが、県の対策を伺います。
3、新型インフルエンザの発生に備え、県は行動計画を含めた総合対策をまとめているが、発生した場合のパニックを防ぐためには県民に対する日常の情報の提供が重要と思うが、県の情報開示体制を伺います。
次に、合併についてお伺いいたします。
平成の大合併で、合併前の約3200の全国の市町村数がことし4月の1日までには約1800になるといいます。九州では佐賀県と長崎県で村がなくなります。本県においては当初の県の計画とは大きく違いまして、大幅な減の達成率であります。合併がうまく進まなかった要因や今後の合併等について伺います。
1、旧合併特例法による市町村合併について、県の当初合併計画と実績とに相違が生じた要因と、今後、合併を進めるに当たっての課題は何かお聞きします。
2、県は、合併新法に基づき、引き続き県内における市町村合併を進めるとして、新たな9つの組み合わせによる合併素案を県市町村合併促進審議会に提示するなど作業を開始しているが、これから進める県の合併計画の理念と基本方針を伺います。
3、経過措置により合併した市町村に対する合併市町村補助金が問題となりました。合併市町村の要望どおり合併補助金交付制がその後どうなったのかお聞きいたします。
この問題については、昨年4月1日に誕生しましたうるま市ではこの合併補助金約2億2000万円を当初予算計上いたしました。しかし、国は3月31日までに合併したところにこの交付税が交付されるということで、うるま市では一たん計上した2億2000万の合併補助金を当初予算から外した経緯があります。
そこで、私もそうですが、合併市町村にかかわる自民党の照屋県議、それから合併を迎えようとしていた嶺井県議、それから親川県議、我々自民党県議団は国へ行きました。そして関係省庁や自民党三役に県選出の国会議員、「五ノ日の会」の皆さんとともにこの予算の復活行動をやってきました。国やそれから自民党・政府の回答は、何らかの対策はとるという回答でしたが、どのような形でおさまったのかお聞きをいたします。
最後に、那覇港湾整備計画の推進についてお聞きいたします。
1、国際コンテナターミナルの運営について。
(1)、国際コンテナターミナルの運営がフィリピン企業と県内港湾業者6社でつくる那覇国際コンテナターミナルに移管されたが、今後の事業展開に向けての進捗状況を伺います。
(2)、那覇港国際コンテナターミナルの運営は、中国沿岸部から北米、欧州向けの航路を那覇港に誘致することにより、国際トランシップ貨物の取り扱いをふやすというものであるが、当然海外との競争にさらされます。国際競争でシェア獲得は可能と考えているか伺います。
(3)、運営会社の決定のため、貸付期間、ガントリークレーン等の固定賃料等運営企業に対し配慮した形となっているが、今後、県や市の財政に影響を与えないかどうか伺います。
2、那覇港湾整備計画の継続について。
(1)、在沖米軍再編の中間報告でキャンプ・キンザーの返還が含まれているようであるが、これは那覇港湾整備計画にどのような影響を与えるか。
(2)、那覇港湾の整備は軍港移設が前提であるか、民港部分は別次元の事業であるか伺います。
(3)、現在那覇港における海外から搬入され、輸出される貨物の6割は米軍貨物であると言われている。県は実態を承知していますか。
(4)、米軍再編で約7000人の在沖米軍が削減された場合、那覇港国際コンテナターミナルの運営にどう影響を与えるかお伺いをいたします。
時間の都合上、済みませんが10番については割愛をいたします。
終わります。
○知事(稲嶺惠一) 伊波常洋議員の御質問にお答えいたします。
最初に、海外県系人子弟へウチナーンチュとしてのアイデンティティーをどう持たせていくかについての御質問にお答えいたします。
海外県系人子弟へのアイデンティティーの継承については、県としましても重要な課題であると認識しており、これまで県費留学生322名、海外技術研修員154名、ジュニアスタディーツアー123名、合計599名の県系人の子弟を本県に招聘しております。
これら県系人子弟の多くは、沖縄の自然、文化、県民のチムグクルに触れ、ウチナーンチュとしてのアイデンティティーに目覚め、帰国してからも県人会が主催する琉舞、三線、エイサー等の伝統芸能活動や日本語・方言教室等に積極的にかかわり、後輩の育成にも貢献していると聞いております。
また、本年10月に開催されます「第4回世界のウチナーンチュ大会」におきましても、次世代の育成とウチナーネットワークの継承を大会目的に掲げ、若者にスポットを当てたさまざまなイベントを実施することにより、アイデンティティーの継承につなげていきたいと考えております。
次に、日米地位協定の見直しに係る今後の取り組みについてお答えいたします。
日米地位協定の問題については、県の取り組みにより、これまで33都道府県議会において日米地位協定見直しの意見書が採択されたほか、全国知事会や日本青年会議所等主要な全国団体における見直し決議等の独自の取り組みが行われております。
また、渉外知事会主催による政党関係者や有識者を交えたシンポジウムへの参加や日本青年会議所主催のフォーラムへの出席、大学での講演、国会議員への説明など、日米地位協定の見直しに向けてさまざまな働きかけを行った結果、全国的な動きになっていると考えております。
渉外知事会として、日米地位協定の見直しに当たっては日米両国の国会議員の考えが大きな影響を及ぼすことから、その考え方を把握し、その結果を踏まえた取り組みを行うため、ことしの2月に日米地位協定に関係する日米双方の国会議員に対しアンケート調査を実施しているところであります。
県としては、今後さらに国民世論を盛り上げ、多くの国会議員に働きかけて政府を動かす必要があると考えており、各団体等と連携しながら積極的に対応していきたいと考えております。
次に、神奈川県と共同した地位協定の見直しについてお答えいたします。
神奈川県と本県とでは渉外知事会の会長県及び副会長県として、これまで連携を図りながら政府に対し日米地位協定の見直しや基地負担の軽減を求めてきたところであります。
昨年11月の松沢知事との会談では、在日米軍再編に係る今後の対応や日米地位協定の見直しについて引き続き政府に働きかけていくことを確認したところであります。
また、12月の神奈川新聞社等の主催による米軍再編を問うシンポジウムや渉外知事会主催による日米地位協定シンポジウムでは、互いに出席し、日米地位協定の見直しや基地負担の軽減を訴えたところであります。
県としては、今後とも各団体や自治体等と連携しながら、引き続き日米地位協定の見直しに向けて取り組んでいきたいと考えております。
次に、事件・事故に対する政府の認識についてお答えします。
本県には在日米軍専用施設の約75%が集中し、県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を及ぼしていることから、県は政府に対し、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減が行われるようあらゆる機会を通じて強く求めております。
米軍基地に起因するさまざまな事件・事故等は1件たりともあってはならないと考えており、事件・事故が発生するたびに米軍を初め関係機関に対し、事故原因の徹底究明、再発防止及び安全管理の徹底等を強く申し入れてきたところであります。政府においてもその重要性は十分認識されているものと考えております。
次に、沖縄新大学院大学開学までのスケジュールとその進捗状況に対する県の認識について一括してお答えを申し上げます。
沖縄科学技術大学院大学については、昨年9月に独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構が設立され、開学に向けた準備が着々と進められております。
開学までのスケジュールは、平成18年度末からキャンパスの建設工事に着手し、平成20年度中には一部の施設で供用が開始され、今後7年程度以内に開学する予定となっております。
そのため、国においては厳しい財政状況の中、平成18年度予算についても前年度に比べ約1.5倍の77億円を確保したところであり、開学に向けた取り組みが加速するものと期待しております。
県としては、引き続き所要の予算の確保や関連事業の円滑な実施について国と連携しながら取り組んでいきたいと考えております。
次に、廃棄物処理に関する県の基本方針と現状についてお答えいたします。
県は、廃棄物の排出を抑制し、循環的な利用による減量化と最終処分をできる限り低減することにより、環境負荷の少ない持続的な循環型社会の形成を図っていくため、平成13年度に行政や事業者、県民が一体となって取り組むための基本的な指針となる「沖縄県廃棄物処理計画」を策定しております。
同計画では、平成9年度を基準年度とした平成17年度の減量化目標を設定しております。産業廃棄物の目標は基準年度に対し排出量の増加を6%以下に抑え、排出量に対する再生利用量を45%に、最終処分量を13%にするものであります。現状では、平成15年度実績で排出量が基準年度を6.6%下回り、再生利用率が46.4%、最終処分率が12.2%となっており、既に目標に達しております。
また、一般廃棄物の目標は、基準年度に対し排出量を3%削減し、排出量に対する再生利用量を17%に、最終処分量を22%にするものであります。現状では、平成15年度実績で排出量が2.4%の削減、再生利用率が11.6%、最終処分率が17.7%となっており、より一層の県民意識の高揚等が求められております。
県としましては、今後とも市町村と連携し、県民や事業者等の協力を得ながら循環型社会の形成に努めてまいります。
次に、公共関与による産業廃棄物最終処分場整備計画の進捗状況と今後の見通しについてお答えいたします。
県では、昨年6月に「公共関与事業推進会議」を設置し、処分場立地候補地の選定と事業主体の設立に向けて調査検討を進めているところであります。
処分場の立地候補地については、選定に係る基本ルールを示した上で、情報公開による高い透明性を確保しつつ、段階的な絞り込みを行っているところであります。
今月7日の第5回会議では、当該基本ルールに基づき372カ所の第1段階立地候補地を対象に、水源や住宅からの距離等の立地に際し留意すべき事項を明らかにした上で絞り込みを実施し、85カ所の第2段階立地候補地(素案)を選定したところです。今後、さらに地域との共通理解の醸成等に向けた取り組みに努めるとともに、土地利用の現況の把握や経済性も考慮しながら立地候補地を選定することとしております。
事業主体については、公共と民間の適切な役割分担のもとで、株式会社方式による官民協調の第三セクターを設立することとし、今後、立地候補地としての選定に対応しながら検討を進めることとしております。
県としましては、同推進会議における検討の進捗を踏まえつつ、県民の理解と協力を得ながら、公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備に取り組んでまいります。
次に、従業員30人以上の県外企業の誘致実績についての御質問にお答えします。
私は、就任以来、自立型経済の構築に向けた産業の振興を図るため、各種産業振興施策や企業誘致を積極的に推進してまいりました。その中で企業誘致については、国と連携して賃貸工場やコールセンター等情報関連企業の受け入れ施設の整備を進めてきました。あわせて、沖縄県情報産業ハイウェイの無償提供を初め、コールセンター要員やIT高度人材の育成など、立地環境の整備を図ってきたところであります。
さらに、私自身も企業誘致セミナーを初め、あらゆる機会を活用してトップセールスに努めてまいりました。
このような取り組みにより、企業誘致については平成18年1月までに情報通信関連で99社、製造業等で21社の合計120社が立地し、約9200人の雇用を創出しております。そのうち、従業員30人以上の県外企業は情報通信関連でコールセンターが28社、その他情報通信関連が14社、製造業等が2社で合計44社となっており、約8400人の雇用を創出しております。
次に、県の新型インフルエンザ対策についてお答えをいたします。
県では、新型インフルエンザの出現に備えて昨年12月に「沖縄県新型インフルエンザ対策行動計画」を策定いたしました。
同行動計画では、新型インフルエンザの発生のない状態から大流行まで6段階に分け、さらに国外発生、国内発生、県内発生を考慮し、それぞれの段階の対策を定めております。
同計画に基づき、新型インフルエンザ発生動向調査体制の整備、抗インフルエンザ薬の備蓄及び発生時に備えた医療提供体制等の整備、並びに発生時の感染拡大防止対策に取り組んでいるところです。
なお、平成18年度は5万6000人分の抗インフルエンザ薬備蓄のための予算を計上しております。
次に、那覇国際コンテナターミナルの運営の進捗状況についての御質問にお答えいたします。
那覇港管理組合は、国際コンテナターミナルの運営事業者として、フィリピンのオペレーター企業を中核とする那覇国際コンテナターミナル株式会社を選定の上、平成17年5月12日に同社とコンテナターミナル賃貸借契約を締結したところであります。
ことし1月1日からターミナル運営事業を開始した同社によりますと、平成16年の取扱貨物量は、20フィートコンテナに換算して5万4000個に対し、初年度の18年は8万5000個、10年後に25万6000個を扱う事業計画となっております。那覇港管理組合とターミナル運営事業者は、今後、中国を初め国内外に対する貨物の誘致や航路開設などのポートセールスを共同で実施することとしております。
県としても、那覇港の効率的な運営が図られるよう積極的に支援してまいりたいと考えております。
国際トランシップ貨物のシェア拡大についての御質問にお答えします。
那覇港は、地理的に中国沿岸部の上海港等に近く、今後とも取扱貨物が増大することが見込まれる中国と欧米及び東南アジア間の国際コンテナ貨物の中継拠点港湾として有利な地理的条件を備えております。
このような地理的条件に加え、経験豊富なオペレーター企業による効率的なターミナル運営やコンテナ貨物獲得に向けた事業展開により、国際競争力を確保することで国際トランシップ貨物の取扱量を拡大することが可能と考えております。
その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、沖縄県南米移住者関連の質問の中の、日系人専用の医療機関が必要であることについての御質問にお答えをいたします。
各国の沖縄県人会等から、日系人専用の医療機関の必要性について県の対応を求める正式な要請はこれまでのところありません。しかしながら、国が設置した海外移住審議会において、「高齢者福祉は基本的に居住国が行うことが世界的な趨勢である。しかしながら、生活・医療上の扶助を必要とする移住者、とりわけ高齢移住者については、居住国の社会保障制度の内容が必ずしも日本の水準に達していないこと、しかるに、我が国の社会保障制度の適用はほとんど得られないという状況を考慮すべきである。」としております。
このように、国においても高齢移住者の福祉について支援策の検討を求められていることから、県としましては国やJICA等の支援策と連携してどのような対応が可能か検討していきたいと考えております。
次に、県費留学生制度の継続・拡充についてであります。
海外移住者子弟留学受入事業は昭和44年度から実施され、平成17年度までにペルー、ボリビア、ブラジル、アルゼンチン等南米を中心に7カ国から延べ322名を受け入れております。
留学生は帰国後、移住先国の発展のみならず県人会活動や地域活動を通して沖縄の伝統文化等の普及・発展及び国際交流事業の推進にも活躍しているところであります。
県といたしましては、留学生受入事業が沖縄県の国際交流事業の推進上、極めて有意義なことから、その継続・拡充について努力する考えであります。
次に、経済交流を活発にさせて互いの経済発展を図ることについてであります。
これまで開催した世界のウチナーンチュ大会の成果の一つとして、南米を含む世界各地の県系人企業と県内企業との経済交流を目的とする「世界ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション」、いわゆるWUBが創設されております。
県におきましては、南米等との経済交流の活性化を図るためにはWUBの積極的な活動が重要であると考えており、貿易に関する情報提供や県内市場調査への協力を通してWUBの活動を支援していきたいと考えております。また、本年10月に開催する「第4回世界のウチナーンチュ大会」では、ワールドビジネスフェアやビジネスシンポジウムを計画しており、WUBのネットワークを中心とした経済交流の拡大を図っていきたいと考えております。
次に、企業誘致と県内企業の育成についての質問の中で、県外企業を誘致する上での本県の課題についてお答えをいたします。
島嶼県としての本県における企業誘致上の主な課題としては、本土等の大市場から遠隔であり、物流コストや通信コストが割高であること、受け皿施設等が少ないこと、県内市場が狭隘であることなどが立地関心企業から指摘されてきました。
県ではこれらを踏まえ、遠隔性を克服するための施策として本土―沖縄間の通信回線の無償提供を行う通信コスト低減化支援事業を初め、特別自由貿易地域物流支援事業を実施しております。あわせて、特別自由貿易地域における賃貸工場の整備や既存建物の改修等による大型コールセンター等の受け入れ施設の整備など、投資環境の改善を図りつつ企業誘致を進めております。
次に、情報通信関連産業における人材の育成と確保についてであります。
情報通信関連産業の集積を図る上で人材の育成は重要な課題であります。
県では、情報通信関連分野の高度な人材を早期かつ大量に育成するためのIT高度人材育成事業や、コールセンターに就職を希望する求職者を対象としたコールセンター人材育成事業等、企業の多様なニーズにこたえる人材育成事業を多数実施しており、業界からも高い評価を受けております。
また、県内では琉球大学のほか、国立沖縄工業高等専門学校、沖縄職業能力開発大学校等においても高度な専門技術者の養成など、将来の情報通信関連産業を担う人材育成を行っているところであります。
次に、製造業の振興に向けた施策の展開についてであります。
本県製造業の振興を図っていくためには、本県の地域特性を生かした比較優位性のある産業を戦略的に振興していくことが重要であります。
このため、県としては、引き続き健康バイオ産業、泡盛産業、工芸産業、環境関連産業及び観光土産品産業などの振興に向け、産学官共同研究等による技術開発力の向上、市場競争力のある付加価値の高い製品づくり、県単融資制度などの金融支援による企業経営基盤の強化等に取り組み、これら産業の活性化を図ってまいります。
また、県産品奨励運動や産業まつりなどを通して県産品の県内市場における自給率の向上に努めるとともに、物産展や商談会の開催を通して県外、海外における県産品の販路拡大に取り組み、県内製造業における生産額の増大と雇用の拡大に努めてまいります。
次に、競争力の強化と県外や国外への積極的な進出の対策についてであります。
県内製造業の競争力を強化していくため、県では産学官共同研究の推進や中小企業の製品開発等によって新製品開発や製品の高付加価値化を促進しております。
また、沖縄県工業技術センターにおいて、民間企業と共同して生産技術の開発や生産システムの効率化に取り組んでおります。また、ISO認証取得を促進するとともに、特許や商標に関する創造・保護・活用についての支援を行っております。
県内企業の県外進出については、県外事務所を通して企業情報の提供や経済団体へのあっせんなどについての支援を行っております。
また、海外への進出については、海外事務所の活用や日本貿易振興機構等との連携を図りながら、海外における貿易や経済に関する情報の提供や現地法人設立に関する政府関係機関等の紹介などについての支援を行っております。
次に、本県企業の海外市場開拓への支援についてであります。
県は、海外市場の拡大に向けて、県内企業や株式会社沖縄県物産公社、日本貿易振興機構等と連携しながら、海外において物産展や商談会などを開催しております。また、県の海外事務所を通して県内企業に貿易・経済情報の提供や取引あっせんなどを行っております。
これらの取り組みによって、台北、シンガポール、香港、北米等の大手日系スーパーでは、泡盛、黒糖、ウコン、もろみ酢、モズクなどの県産品が常設販売され、また大手レストランでもメニューとして取り入れられるなど、県産品を輸出する際の足場が固まりつつあります。
県としては、海外市場における県産品のさらなる販路拡大に向けて、財団法人沖縄県産業振興公社が平成18年度から新たに実施する県内企業海外展開サポート事業を支援するとともに、これまでの海外物産展等についても関係機関や企業等との連携を強化し、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、泡盛産業に対する戦略的施策と需要開拓への具体的施策についてであります。一括してお答えをいたします。
泡盛は、琉球王朝時代から歴史と文化にはぐくまれた世界に誇れる沖縄の銘酒であります。このため、県では、地域特性を生かした発展可能性の高いオキナワ型産業として位置づけ、その振興を図っております。
泡盛の品質向上については沖縄県工業技術センターを活用し、泡盛の成分や熟成等に関する研究開発を進めております。また、泡盛鑑評会を通して製造技術を高めるための講習会を開催するとともに、品質優秀な泡盛製造所の表彰などを行い、酒造技術の進歩・発展を図っております。
泡盛の需要拡大については、県外市場の販路拡大に向けて泡盛業界が実施する普及・啓発事業に対して支援を行っており、平成18年度においても引き続きその支援を拡充強化してまいります。
また、海外市場の販路拡大に向けて、台湾、香港、シンガポール、北米等における国際見本市への出展、物産展や商談会の開催等を支援しております。
県としては、泡盛産業の振興に向けて引き続きこれらの取り組みを強化していきたいと考えております。
次に、泡盛の県外シェアの目標数値についてであります。
県は、第2次沖縄県産業振興計画の中で、泡盛の出荷額を指標として掲げ、その目標を平成19年度に299億円、平成23年度に381億円としております。これに対して平成16年度の実績は 228億円となっており、その達成率は平成19年度目標に対して76%、平成23年度目標に対して60%となっております。
全国のしょうちゅう市場に対する泡盛シェアについては、他府県のしょうちゅう出荷量の動向に左右されることから目標値を設定しておりません。
なお、平成16年度の泡盛総出荷量に占める県外出荷の割合は28%となっております。
次に、酒税軽減措置が泡盛等業界の振興に果たした役割についてであります。
酒税軽減措置による泡盛やビール等の軽減税額は、本土復帰から平成16年度までの累計で泡盛が約198億円、ビール等が約673億円、総額で871億円となっております。この間、酒造業界は酒類の品質向上や経営規模の拡大、製造能力の増大等を図っており、泡盛については復帰当時の出荷量5282キロリットルから、平成16年には2万8748キロリットルと5.4倍、ビールについては復帰当時の出荷量1万9333キロリットルから、平成16年度には3万3469キロリットルの1.7倍と増加しております。
酒類の出荷量が復帰当時から大きく伸びた背景には、酒造業界が酒税軽減措置を活用しながら経営体質の強化を図ったことが大きく影響しており、同措置は酒造業界の経営の安定と発展及び雇用の増大に寄与したものと考えております。
次に、泡盛等業界に体力がついたと判断する根拠は何かとの御質問であります。
泡盛業界は近年出荷量が好調に推移し、平成16年の出荷量は過去最高の2万8748キロリットルとなり、業界全体の営業利益率も県内優良企業の平均を上回っております。
オリオンビール社もこれまでの利益の蓄積が高く、財務的に良好な状態にあり、泡盛業界と同様に営業利益率も県内優良企業の平均を上回っております。
また、酒税軽減措置が廃止されたにしても泡盛業界の営業利益率は県内製造業の平均を上回り、自助努力によって安定経営を行うことは可能であると考えております。
オリオンビール社についても、県外販路の拡大を積極的に進めることにより、おおむね県内製造業の平均営業利益率の確保は可能であると考えております。
このため、復帰特別措置による酒税軽減措置が本土の社会システムへの円滑な移行を図るための激変緩和策であることも勘案しつつ、酒造業界に対して同措置の延長要請は困難ではないかとの考えを示したものであります。
次に、酒税軽減措置の延長を訴える業界の声をどのように受けとめているかについてであります。
県は、酒税軽減措置の延長要請に関する基本的な考えを酒造業界に示し、意見の交換を行ったところであります。
その中で、酒造業界からは、酒類を取り巻く環境は極めて厳しい状況にあり、業界の経営の自立化のために同措置の延長が必要であるとの意見が出されました。
これを受けて、県は業界に対して酒造業界の経営状況と課題、延長の必要性、延長した場合の経営ビジョンとその具体化に向けた取り組み等についての考えを明らかにするよう求めたところであります。
県としては、今後、これらの考えが提示された段階で改めて論議を深め、酒税軽減措置の延長要請の可否を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(花城順孝) 渉外知事会の要望に対する政府の対応についての御質問にお答えします。
渉外知事会の要望に対し額賀防衛庁長官は、運用改善は何か起こったときにやるのではなく、基地のあり方等について自治体の意見を常時聞くような場があれば、それが米国との交渉にもつながり改善されていくことから、そのような場を考えてみたらどうかということを防衛施設庁に指示した旨発言をしております。
次に、嘉手納基地使用協定に対する県の見解と支援についてお答えします。
嘉手納基地の使用協定締結の要請については多岐にわたる要求が網羅され、航空機騒音など日常的にこうむっている被害の改善要求がなかなか実現しないことへの周辺地域住民の不安のあらわれであると考えております。
嘉手納基地から派生する諸問題の解決を図るためには、基地の周辺地域の住民や自治体の理解と協力を得ることが不可欠であり、政府においては、地元の要望を受けて日米間で協議し、その実現に努めるべきであると考えております。
県としては、今後、三連協の対応も見守りながら、日米両政府が使用協定締結に努めるよう地元市町村と連携して支援していきたいと考えております。
次に、キャンプ瑞慶覧でのタクシー強盗事件についてお答えします。
キャンプ瑞慶覧でのタクシー強盗事件については、被疑者2名が起訴され、身柄が日本側に引き渡されております。帰国した被疑者については捜査中とのことであり、帰国の経緯は照会中で明らかとはなっておりません。
県は、1月10日に外務省沖縄事務所及び那覇防衛施設局に、米軍に対し早急に容疑者が逮捕されるよう県警の捜査に全面的に協力すること等を求めることを申し入れております。
また、容疑者が米側に拘束された場合は、県警の要請等に応じ速やかに日本側に身柄を引き渡すことを求めております。
県としては、今後の捜査等を踏まえ、県民の生命・生活・財産を守る観点から適切に対応していきたいと考えております。
次に、米軍関係の事件・事故の件数等についての御質問にお答えします。
平成7年の刑事裁判手続に関する日米合同委員会合意の翌年、平成8年以降の米軍関係の事件・事故は、平成17年12月末日現在、航空機関連270件、流弾等2件、廃油等流出44件、原野火災108件、その他事件・事故132件、合計556件となっております。
また、沖縄県警察本部の資料によりますと、平成8年以降平成17年12月末日までの刑法犯の検挙は610件、693人となっております。その内訳は、凶悪犯が32件、47人、粗暴犯が82件の87人、窃盗犯が293件の334人、知能犯が34件の35人、風俗犯が23件の21人、その他146件、169人となっております。
検挙の推移を見ますと、平成8年の39件、33人から平成15年には112件、133人と増加傾向にありましたが、平成16年には59件の72人と減少し、平成17年も66件、65人と、前年と比較して件数は増加したものの人数は減少しております。
次に、キャンプ・キンザーでの訓練やうるま市上空でのヘリ訓練についてお答えします。
那覇防衛施設局に確認をしたところ、昨年10月14日のキャンプ・キンザーでの警備訓練については、警備訓練の必要性については理解するものの、訓練に当たっては施設・区域とはいえ地域住民への配慮が必要と考えております。訓練の際には民間地域へ銃口を向けることは行わないよう注意することや、安全管理と隊員教育の徹底を10月17日に在沖米海兵隊に要請したとのことであります。
また、昨年10月16日のうるま市上空でのヘリ訓練については、従来から米軍の訓練計画の作成に際し地元行事への配慮を要請しているが、今般の祭り会場上空でのヘリ飛行についても、航空機が民間上空を飛行する際には地元行事を考慮し、地域住民に与える影響に配慮するよう、10月17日に在沖米海兵隊に対し要請したとのことであります。
次に、F-15戦闘機墜落事故の原因と飛行再開について一括してお答えします。
1月17日に発生したF-15戦闘機墜落事故の原因について第18航空団に照会したところ、事故を精査しその原因に関して発表を行う権限を有するのは事故調査委員会のみとなっている。現時点で事実関係について発表することはできないとしております。F-15戦闘機の飛行再開については、すべての航空機を点検し、航空機が安全に飛行可能で戦闘に即応し得るものであると確信したとしております。
政府は、米軍機の運用は安保条約の義務を米国が果たす上で必要なものと考えており、今回の事故の態様や米軍の果たす抑止力の観点などを総合的に勘案した結果、飛行再開は理解できるものと考えているとし、地元の懸念を払拭するため、事故原因の究明と再発防止策の徹底などの措置を米軍に対して求めているところであるとしております。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 沖縄新大学院大学建設についての御質問で、採用される研究者等に対応する本県の人材確保についてお答えいたします。
沖縄科学技術大学院大学は、世界最高水準の研究・教育を行うことを目指しており、世界トップクラスの研究者や優秀なスタッフを確保することが重要であります。
研究者等の人材確保については、シドニー・ブレナー理事長――実はこうした調整のため、きのう来県されておりますけれども――このシドニー・ブレナー理事長のリーダーシップのもと、内外の著名な科学者から成る運営委員会委員(ボード・メンバー)の協力を得ながら公募などにより進められております。このうち、県内からは研究部門の技術員や事務局職員として現在9名が採用されております。
県においても、戦略的研究者・専門家育成支援事業などで人材育成に取り組んでいるところであり、世界最高水準の大学院大学に採用される人材が一人でも多く育つことを期待しております。
同じく、先行的研究事業による県工業技術センターの機能強化についてお答えいたします。
先行的研究事業は、世界トップクラスの研究者を確保し、大学院大学の開学へとつなげる重要な事業であり、現在、脳や記憶などの生命システムを中心とした融合領域の研究が進められております。
一方、工業技術センターは、地域技術の先導的研究機関として製造業の技術支援や先端的研究に取り組んでいるところであります。
県としては、今後、研究者相互の交流を促進するとともに、先行的研究事業で生み出された研究成果を実用化する共同研究などを実施し、工業技術センターの機能強化を図っていきたいと考えております。
次に、環境問題対策についての御質問で、市町村所有施設におけるアスベスト実態調査についてお答えいたします。
市町村所有の施設につきましては、平成17年11月15日現在、調査対象2343カ所のうち、吹きつけアスベスト等使用なしが1759カ所、調査中が536カ所、吹きつけアスベスト使用確認箇所が20市町村、48カ所となっております。吹きつけアスベストの使用が確認された48カ所のうち、除去済みが2カ所、処理済みが2カ所、未処理が44カ所となっております。
なお、その後の状況を把握するため、現在、関係市町村に対しフォローアップ調査を実施しており、まとまり次第公表していきたいと考えております。
次に、企業誘致と県内企業の育成についての御質問で、米軍基地は本県においてどの程度の産業に位置づけられるかについてお答えいたします。
米軍基地は、平成15年において237平方キロメートルの県土を占有し、基地関連収入は1783億円、駐留軍従業員数は8687人となっております。これは、県土面積の10.4%、県経済の4.7%、県就業者数の1.5%に当たります。
また、基地関連収入等の位置づけを明らかにするため県内の製造業と比較しますと、基地関連収入は製造業の生産額2000億円の88%、駐留軍従業員は製造業の就業者数3万人の29%に相当します。
同じく、基地にかわる産業の立地・創設についてお答えいたします。
基地関連収入が県経済に占める割合は、復帰直後の15.6%から平成15年度は4.7%となり、その比重を徐々に低下させております。
また、現在の米軍再編協議では大幅な兵力削減や相当規模の基地返還が検討されており、基地関連収入が県経済へ占める割合は大幅に低下していくことが予想されます。
このような中、県においては民間主導の自立型経済の構築に向け沖縄の特性を生かした発展可能性の高い産業分野について重点的・戦略的な振興に取り組んでいるところであります。
現在、観光・リゾート産業が他の地域産業発展の牽引役としてその地位を確立しており、新たに情報通信産業も台頭しつつあります。また、これに続くものとして、沖縄の地域特性や資源を活用する健康バイオ産業などが有望視されております。
このように、民間が十分に力を発揮していくことが経済自立につながるものと考えており、今後も競争力と持続力ある民間主導型経済の構築を推進してまいります。
次に、市町村合併の状況についての御質問で、合併計画と実績との相違の要因及び今後の課題についてお答えいたします。
県では、旧合併特例法下において合併の組み合わせを示すとともに、財政的・人的支援を行うなど、市町村合併に積極的に取り組んできたところであります。
その結果、県内市町村の6割を超える36団体が合併協議会を設置し、合併に関する具体的な取り組みを行い、5地域において合併が実現したところであります。しかしながら、全国と比べ本県の市町村の減少率は低くなっており、これは本県が離島町村を多く抱えていることや財政事情等他府県にはない特殊事情が主な要因であると考えております。
また、地域において市町村長、議会及び住民が合併の意義や必要性について十分論議が尽くされていないこともその要因の一つであると考えております。
今後、市町村合併を進めるに当たっては、本県の特殊事情への対応、合併の意義や必要性の啓発等が主な課題となりますが、関係市町村と連携を図りながらその方策を検討していきたいと考えております。
同じく、県の合併計画の理念と基本方針についてお答えいたします。
少子・高齢化の進行、三位一体改革等市町村を取り巻く行財政環境が厳しさを増す中、行政サービスの維持向上を図るためには、行財政基盤の充実強化が大きな課題となっております。
また、地方分権の進展に伴い、市町村は福祉やまちづくりなど住民に身近な事務を処理する基礎自治体としての体制の整備が求められております。市町村合併はこのような課題を解決するための有効な手段であり、正面から取り組むべき重要な課題であると認識しております。
県におきましては、現在策定中の合併推進構想において地域の歴史や文化、個性を重視しつつ、離島町村の存在を初めとした本県の特殊事情を十分踏まえていくことを基本とし、自主的な市町村合併を推進していきたいと考えております。
同じく合併市町村補助金についてお答えいたします。
経過措置団体に対しての合併市町村補助金につきましては、昨年12月の国の予算編成過程において平成18年度以降全額交付されることとされ、その交付期間については3年から市町村建設計画の実施期間に延長されたところであります。
以上であります。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 環境問題対策について、一般廃棄物最終処分場の新たな整備が急がれる中で、県の今後の対応についてお答えいたします。
家庭などから出る一般廃棄物の処理については、日常生活に最も密着した行政サービスであることから市町村の固有事務となっており、廃棄物処理施設の整備は地域の生活環境を保全していく上で必要不可欠であります。
県においては、一般廃棄物最終処分場を新たに計画する市町村に対し、「市町村廃棄物主管課長・一部事務組合事務局長会議」や、個別の施設整備ヒアリング等を通して国の交付金制度を活用し、早期に最終処分場を整備するよう指導を行ってきております。
また、県としましては、一般廃棄物処理施設の整備に当たっては、信頼性の確保を図りつつ地域に受け入れられる安全・安心な処理施設として地域社会の理解と協力を得ることが重要であることから、関係市町村に対し情報公開と十分な説明を行うよう指導助言していく考えであります。
次に、許認可要件を満たしても地域住民の合意が得られない場合の県の対応についてお答えいたします。
市町村が設置する一般廃棄物処理施設については、一般廃棄物の処理責任を有する市町村がその事務を執行するため設置するものであり、また市町村が長年にわたる一般廃棄物処理に係る経験を有する事情にかんがみて、許可ではなくて県への届け出により設置できることになっております。
県としましては、市町村における一般廃棄物処理施設の整備に当たっては、届け出要件を満たしたとしても、より早い段階から地域の理解と協力を得ながら計画的に進めていくことが重要であると考えており、地域との合意形成を図りつつ整備計画を進めるよう市町村に対し指導助言をしていくこととしております。
次に、産業廃棄物管理型最終処分場の現状と今後の見通しについてお答えいたします。
本県における産業廃棄物管理型最終処分場は、現在7カ所が稼働しております。そのうち産業廃棄物処理業者が設置しているものは2カ所であります。これらの埋立残余総容量は非常に逼迫した状況にあります。
そのため、県としては、産業廃棄物の適正処理を確保し、生活環境の保全と経済産業活動を支えるため公共関与による管理型最終処分場の整備に取り組んでいるところです。
一方、産業廃棄物処理業者においても、沖縄本島中部地域で管理型最終処分場の設置計画を進めており、現在、地域の理解を得るための努力をしているところですが、厳しい状況と聞いております。
これらのことを踏まえまして、県は産業廃棄物の適正処理をなお一層推進するため、リサイクル製品の認定による需要の拡大、産業廃棄物税を活用して事業者における排出抑制・再生利用による減量化やリサイクル施設の整備促進を図っていくこととしており、社団法人沖縄県建設業協会など関係団体に対し、その協力方を強く働きかけているところであります。
さらに、社団法人沖縄県産業廃棄物協会に対しては、会員に対する混合廃棄物の分別徹底の周知や既存の最終処分場の構造変更等について取り組むよう促しているところであります。
続きまして、県のアスベスト被害者救済の対応についてお答えいたします。
アスベストによる健康被害については、発症までの潜伏期間が30年から40年と非常に長期にわたることや、アスベストがその有用性から社会全体で広く利用されてきたこと等により、個々の健康被害の原因者や因果関係を明確にすることが極めて困難であるという特殊性が存在しております。
そのため、国では、石綿による健康被害の特殊性にかんがみ、石綿による健康被害を受けた者及びその遺族に対し医療費等を支給するための措置を講ずることにより、石綿による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とする「石綿による健康被害の救済に関する法律」を制定したところであります。
県におきましては、保健所における救済給付申請窓口の設置や基金への拠出など、同法を円滑に推進するため国に協力していくこととしております。
同じくアスベスト関連で、石綿健康被害者救済法と国、県、企業の対応義務についてお答えいたします。
平成18年2月3日に成立しました「石綿による健康被害の救済に関する法律」は、石綿による健康被害を受けた者及びその遺族に対し医療費等を支給するなどの措置を講ずることにより、迅速な救済を図ることを目的とした幅広い関係者の拠出による行政上の救済制度として構築されたものであります。
事業者につきましては、事業活動を営むすべての者が事業活動を通じて石綿の便益を享受してきたと考えられることから、全事業者共通に負担することになっております。
また、石綿製品製造業者など関係が特に深い事業活動者はさらなる負担をすることになっております。
国につきましては、潜伏期間が非常に長期にわたるという健康被害の特殊性により、石綿による健康被害に関係する事業者が既に存在しないまたは不明である場合等を考慮し、また石綿による健康被害の救済制度の早急かつ安定的な立ち上げの観点から適切な費用を負担することとしております。
県につきましては、石綿による健康被害者をすき間なく救済するという基金創設の趣旨や、今回の救済制度が創設されたことにより、結果として健康被害に苦しむ各地域の住民の迅速な救済にもつながる面があることにかんがみ、基金の財源確保への協力が求められております。
続きまして、同じくアスベスト関連で、アスベスト被害者の認定についてお答えいたします。
アスベストによる健康被害者の救済給付の支給に係る認定の申請は、3月末までの法施行の1週間前から独立行政法人環境再生保全機構の事務所――川崎と大阪にございます―――に直接または郵送により提出するほか、全国に7カ所ある環境省地方環境事務所――札幌、仙台、さいたま、名古屋、大阪、岡山、熊本にあります――を通じて機構に申請することができます。また、県内の各保健所を通じても機構に申請ができるよう手続が進められております。 国では、申請の様式や添付資料に関する情報など必要な書類の詳細について3月中旬に整えることとしております。
救済給付は、環境再生保全機構から認定された後、申請のあった日から石綿による健康被害を受けた者や遺族に対して支給が行われることとなっております。
以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 県有施設におけるアスベスト使用実態についてお答えいたします。
吹きつけアスベストの使用実態については、県の保有する900の施設について調査を実施しております。平成17年11月の総務省報告時点で吹きつけアスベスト使用ありと判定された施設が64、調査中の施設が19ありました。
総務省報告時点では目視による調査が主であったことから、アスベストありと判定された施設等につきましては専門機関による調査を実施しております。その結果、平成18年1月19日現在、14施設において吹きつけアスベストの使用が確認されております。そのうち7施設については既に除去、囲い込み等の処理を終えており、残り7施設についても今年度もしくは次年度において除去工事を実施することになっております。
なお、31施設については専門機関による調査を継続中であります。
次に、指定管理者の選定理由等についてお答えします。
平成18年4月1日からの指定管理者制度移行に向け、現在22施設について候補者を選定しております。
指定管理候補者の選定については、公平な利用の確保、効果的な管理や効用の最大限の発揮、安定的な業務遂行能力のほか、団体みずからが行う自主企画事業などを評価の上で選定しております。
また、現施設管理者が指定管理候補者として選定された場合においても、各団体において民間事業者との競争を念頭に効果的・効率的なサービスの提供など、さまざまな経営努力に取り組んだ結果、経費の節減が図られたものと理解しております。
なお、11月議会で継続審議となった議案につきましては、議会での審議状況を踏まえ、次期選定に当たっては指定管理候補者選定委員会のあり方見直し、民間事業者の参入促進のための方策検討などに取り組むこととしております。
指定管理者の報告義務及び監査についてお答えします。
指定管理者に対しては、毎年度、事業終了後の報告が義務づけられております。これは、県が当該施設の管理や住民利用の状況を把握するため、地方自治法及び県条例に基づき報告を求めるものです。
報告事項としては、管理業務の遂行状況、利用者数など住民の利用状況、利用料金収入の実績や管理業務に係る収支の状況などとなっております。
また、管理業務に係る出納関連事務については、地方自治法に基づき監査委員または包括外部監査人による監査ができることとなっております。さらに、公の施設の管理の適正を期するため、知事は指定管理者に対して当該施設の管理業務または経理の状況に関し報告を求め、実地調査または必要な指示をすることができることとなっております。
次に、個人情報等の保護についてお答えいたします。
指定管理者がその業務を行うに当たり取得する個人情報等の取り扱いについては、個人情報保護の観点から十分留意する必要があります。そのため、指定管理者に対しては、個人情報保護条例において、個人情報の適切な管理のため必要な措置を講じるよう義務づけているほか、個人情報を第三者に提供した場合の罰則規定を設け、個人情報の保護を図っております。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 企業誘致と県内企業の育成の中で、公共事業費の確保に関する国への要請についてにお答えいたします。
公共事業費については、沖縄振興計画に示された自立型経済の構築や本県の持続的発展を支える基盤づくりを推進する上で重要であることから、引き続き国に対し所用額が確保できるよう要請してまいりたいと考えております。
次に、国発注工事における県内企業の受注機会の増大についてにお答えいたします。
県は、これまで「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」等を策定し、県内企業への優先発注、県内の中小企業者の受注機会の確保に取り組んできたところであります。また、国発注工事についても、この基本方針に準じた積極的な対応を講ずるよう要請を行ってまいりました。
さらに、沖縄振興計画においても、地元中小・中堅建設業者の受注機会の増大に積極的に取り組むこととされていることから、今後とも県内企業を優先活用していただくよう国の関係機関へ要請してまいっております。
次に、工事の分離発注についてにお答えいたします。
県においては、これまで工事の内容や現場条件等を勘案し、可能な限り分離・分割発注を行っております。今後とも、県内企業に配慮した発注を行っていきたいと考えております。
次に、リサイクル資材評価認定制度の市町村実施に対する県の支援と指導についてにお答えいたします。
県においては、県内のリサイクル資材の使用の促進を図るため平成16年度より沖縄県リサイクル資材評価認定制度をスタートさせており、平成18年2月時点でコンクリート塊再生材など33資材について認定しております。
認定した資材については、県内市町村に対し、公共工事において利用促進を図るよう指導するとともに、講習会等においても同制度について説明し、周知を図っているところであります。
次に、那覇港湾整備計画の推進についての中で、那覇国際コンテナターミナル株式会社に対する固定賃料等の配慮による県や市への財政への影響についてにお答えいたします。
ことし1月に運営が開始された那覇港国際コンテナターミナルについては、那覇港管理組合と同ターミナル運営事業者間で貸付期間を10年間と定めております。貸付料金のうち固定賃料を運営開始から3年間免除するとともに、変動賃料に係る目標貨物量は事業者の需要見込みを尊重するなどを骨子とする賃貸借契約が締結されております。
当該契約に基づく向こう10年間の貸付収入は、那覇港管理組合が管理運営を行っていた場合の料金収入と同程度となることが見込まれることから、県、那覇市及び浦添市の負担金に大きな影響はないものと考えております。
また、トランシップ貨物獲得により経済需要の拡大、物流関連産業の立地、新規雇用の創出など、トランシップ事業による経済・雇用効果が期待されます。
次に、キャンプ・キンザーの返還が那覇港湾整備計画に与える影響についてにお答えいたします。
在日米軍施設の返還については、現在、在日米軍再編の中で日米が協議中であり、現段階では港湾整備計画に与える影響について判断できる状況にないと考えております。
次に、那覇港の民港部分の計画についてにお答えいたします。
那覇港は、那覇港港湾計画において国際物流関連産業の展開、国際観光・リゾート産業の振興等に寄与する国際流通港湾として位置づけて整備を進めている民港であります。
次に、那覇港における米軍貨物の実態把握についてにお答えいたします。
那覇港における平成16年の全取扱貨物量は1009万トンであり、そのうち国内貨物が873万トンで割合が86.5%、外国貨物が136万トンで割合が13.5%となっております。
米軍関連の生活物資については、港運事業者から外国貿易貨物の6割程度であると聞いており、全取扱貨物量の約8%程度となります。
次に、在沖米軍の削減による那覇港コンテナターミナルへの影響についてにお答えいたします。
那覇港は国際航路のネットワークを構築し、国際トランシップ港湾として国際コンテナ貨物の拡大を目指しております。
那覇港港湾計画では、平成20年代後半の取扱貨物量を平成16年の約2倍、1950万トンとしております。
一方、港湾貨物に占める米軍貨物の割合は、平成16年において8%程度であることから、今後の那覇港国際コンテナターミナルの運営に大きな影響はないものと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 待機児童解消がおくれている要因や県が実施した施策等について一括してお答えします。
県では、待機児童の解消に向けてこれまで「新おきなわ子どもプラン」に基づき、保育所の創設や増改築、分園の設置等を推進し、平成14年度から16年度までの3年間で3029人の定員増を図ってきております。しかしながら、平成17年4月1日現在の待機児童数は1884人と前年同期より362人減少しながらも、依然として多くの待機児童が存在をしています。
その背景として、合計特殊出生率やひとり親世帯の割合が全国一高いことなど、待機児童が増加する本県特有の社会状況のほか、潜在的待機児童の存在が考えられます。
なお、潜在的待機児童については、待機児童がさまざまな社会的・経済的な要因で増減するものと考えられることから、その実態を把握するのは困難であります。
次に、認可保育所の不足数と今後の設置計画についてお答えします。
本県の待機児童数は、平成17年4月1日現在1884人であり、その解消に向けて保育所の創設を初め、分園の設置、入所定員の増など各種施策を推進しております。
待機児童解消に向けた目標数値は、保育所数ではなく定員としており、平成17年3月に策定した「おきなわ子ども・子育て応援プラン」において、平成21年度までの5カ年間で潜在的待機児童も視野に入れ、約4100人の定員増を目標に掲げております。今後、目標達成に向けて保育の実施主体である市町村と連携しながら、保育所の創設などあらゆる施策を推進し、待機児童の解消を図ってまいりたいと考えております。
次に、認可外保育施設の現状と認可化への移行についてお答えします。
平成17年4月1日現在、本県の認可外保育施設数は492カ所、入所児童数は1万9947人であります。
県では、「新おきなわ子どもプラン」に基づき、平成14年度から16年度までの3年間で29カ所の保育所を設置認可しておりますが、そのうち25カ所は認可外保育施設から認可化したものであり、今年度も6カ所の認可化を進めております。
認可外保育施設の認可化については数値目標は掲げておりませんが、保育の実施主体である市町村の意向を踏まえ、引き続き認可化を促進してまいりたいと考えております。
次に、琉球大学入学における地元出身枠の設置要請についてお答えします。
島嶼県である本県においては、離島等における産婦人科等の専門医やプライマリーケア医の確保が課題となっております。
このことから、県としては、県内外の大学へ医師派遣の要請や県のホームページを通じて勤務医募集を行っているほか、県立病院の後期臨床研修事業の中でこれら専門医等の養成を拡充するなど、医師確保対策の充実に努めているところであります。
また、平成18年度には離島・へき地医師確保対策検討調査事業を実施し、琉球大学や医師会等と連携して大学の地元出身枠の必要性を含めた効果的な医師確保の方策を検討することとしております。
琉球大学医学部においては、卒業生の約5割が県内に定着するなど、県内医師確保に大きな貢献がありますが、県としては同調査事業の結果を踏まえて、本県の地域の状況に応じた安定的な医師確保システムづくりを図っていきたいと考えております。
次に、医師確保に係る市町村の責務についてお答えします。
本県の救急医療等各圏域の医療体制は、これまで県立病院を中心に対応してきておりますが、医師確保を含めた1次医療の確保については、地方自治法や医療法の趣旨に基づき、市町村においても対応していく必要があると考えております。
県は、医師確保について地域の保健医療サービスを担う市町村との連携が重要であることから、これまで地元市町村に対し連携及び協力について要請してきたところであります。引き続き市町村との連携をより強化していきたいと考えております。
次に、平成17年度の児童虐待の相談件数及び内容についてお答えします。
平成17年度に児童相談所が受け付けた児童虐待の相談件数は、平成18年1月末日までの10カ月間で327件となっており、平成16年度の358件を上回ることが予想されます。
その内訳は、身体的虐待が一番多く128件で全体の39.1%、次いで養育の怠慢のネグレクトが111件、33.9%、性的虐待が48件、14.7%、心理的虐待が40件、12.2%となっております。
このほか、児童虐待の通告があったものの、調査の結果、虐待の事実がないと判明したものも約50件あり、昨年6月の幼児虐待死事件以降、児童虐待の通告がふえております。このことは、県民の児童虐待の通告義務についての周知が図られてきたものと受けとめております。
次に、相談事例への複数職員での対応についてお答えします。
児童虐待ケースについては、緊急保護の要否を客観的に判断するためや、攻撃的な保護者への対応などのため、原則として複数で対応することとしております。
児童虐待の相談件数が増加していることなどから、児童相談所の体制について、平成17年度の9名の増員に引き続き、平成18年度は児童福祉司を3名増員することとしており、これとあわせて中央・コザの両児童相談所に配置している嘱託の児童虐待対応協力員を各1名ずつ増員することとしております。これにより、児童虐待の初期対応については、両児童相談所とも児童福祉司とのペア体制を2組ずつ編成することになります。
このように児童虐待の通告受理後の初期対応体制の充実を図るとともに、子供の安全確保を最優先として児童虐待ケースに適切に対応してまいります。
次に、児童相談所の研修等の充実についてお答えします。
児童虐待の増加に適切に対応するため、児童相談所の職員の育成・資質の向上は重要であると認識しております。このため、平成18年度当初予算案の児童虐待問題緊急対策事業の中で、外部専門家の活用や外部専門研修への派遣に必要な経費を計上しております。これとあわせて、系統的・継続的な所内研修の充実が必要であり、現在、児童相談所においてその取り組みがなされているところであります。
今後、両児童相談所が合同して効率的・効果的に職員研修を行うなど、児童相談業務の専門性の向上に努めてまいります。
次に、一時保護所の現状と将来計画についてお答えします。
中央児童相談所の一時保護所については、平成18年2月1日現在、定員24名中20名の児童が入所しておりますが、年間を通して見ると、一時的に満床状態になることもあります。
なお、本県の一時保護所における児童1人当たりの保護期間が全国一長くなっていることから、他県における保護の運用状況を調査してきたところです。
児童相談所の児童福祉司の増員とあわせて、本県においても今後は他県の取り組みを参考に児童の保護から措置、あるいは家庭復帰までのケースワークをより円滑に行う取り組みにより、一時保護期間の短縮を図ってまいりたいと考えております。
このほか、一時保護の運用に当たっては、必要に応じ児童養護施設や里親等への一時保護委託などの対応を行っております。
児童相談所における一時保護につきましては、これらを効果的に行うことにより適切に対応していきたいと考えております。
次に、新型インフルエンザに関する県の情報開示体制についてお答えします。
近年、高病原性鳥インフルエンザの変異による新型インフルエンザの発生が懸念されております。国内及び県内で高病原性鳥インフルエンザの人への感染が確認された場合、あるいは新型インフルエンザが発生した場合には、「沖縄県新型インフルエンザ対策本部」を設置します。
県民への情報提供については、対策本部の広報班を通して感染防止・拡大防止及びパニック防止の観点から迅速な周知を図ってまいります。
また、情報提供手段として県ホームページ、県広報紙及び新聞・ラジオ等のマスメディアを活用していくこととしております。また、保健所に相談窓口を設置して県民への相談に対応してまいります。
以上でございます。
○県立病院監(知念建次) 県立病院関係で、新年度に向けての医師確保の見通しについてお答えいたします。
県立病院においては、北部病院の産婦人科、宮古病院の脳神経外科、八重山病院の産婦人科及び脳神経外科の常勤医師配置等の課題があります。
医師の確保が困難な理由として、臨床研修の義務化に伴い、大学においても医師の派遣が困難な状況となったことなどがあります。
医師確保の取り組みについては、各県立病院長とも連携し、人的ネットワーク及び関係機関を通しての情報収集と就任依頼、ホームページによる募集などを行ってきました。現在は内閣府や県外の大学及び民間病院等複数の機関とも調整を行っておりますが、いまだ具体的な確保には至っておりません。
新年度に向けた県立病院の医師確保については、引き続きあらゆる手段を講じて取り組んでいきたいと考えております。
次に、小池沖縄担当大臣の防衛医官を派遣したいとした発言と県の調整についてお答えいたします。
小池沖縄担当大臣が北部病院の産婦人科について4月には防衛医官を派遣したい旨、発言されたことにつきましては、新聞報道等で承知しております。その後、県としては内閣府を通して確認しましたところ、防衛庁において検討中であると聞いております。
なお、小池大臣は去る2月14日の衆議院予算委員会においても、防衛庁に4月から防衛医官の派遣要請をお願いした旨の発言をされております。
県としましては、今後とも内閣府を通して情報収集に努め、北部病院の産婦人科医師が確保されるよう努力していきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは福祉関係についての中の、鳥インフルエンザ対策についてお答えいたします。
本県では、昨年12月末に関係機関を網羅して「沖縄県新型インフルエンザ対策行動計画」を策定し、防疫体制の強化を図っているところであります。農林水産部としては同行動計画の中で、鳥におけるインフルエンザの発生予防、蔓延防止対策の徹底を図ることとしております。 具体的には、農家等関係者に対し、1、1000羽以上の採卵鶏農場の検査の徹底等サーベイランスの強化、2、飼養者からの異常家禽の早期発見・早期通報の徹底、3、発生に備えた防疫演習等の実施、4、野鳥の鶏舎への侵入防止の徹底、5、死亡野鳥等の検査、6、人への感染防止策として、防護服、マスク、ゴーグル、手袋等の着用の指導強化等を実施しているところであります。
今後とも、市町村、農協等関係機関と連携を図り、鳥インフルエンザの発生予防、蔓延防止対策を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後3時16分休憩
午後3時40分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
親川盛一君。
〔親川盛一君登壇〕
○親川 盛一 こんにちは。
それでは自民党を代表して3番手として、通告に従い質問いたします。
1、米軍基地問題について。
(1)、普天間飛行場の移設建設問題について。
日米両政府が発表した在日米軍再編協議の中間報告は、普天間飛行場の移設先を大浦湾からキャンプ・シュワブ南の沿岸部とする一方、沖縄の負担軽減を図るため約7000人の海兵隊の削減や嘉手納飛行場以南の相当規模の土地の返還等を提示したものとなっております。同時に、これらの具体案は統一的なパッケージの要素となるものであり、パッケージ全体について合意され次第、実施が開始されるという普天間の移設と負担軽減との一体的処理が前提となっているものであります。
しかし、これほど沖縄にとって重要な案件である中間報告が出されるまで、なぜ辺野古沖移設がだめになったのか、なぜ沿岸案でなければならないのかといった説明が全くなされることなく、沖縄の頭越しに決定されたことが県民の期待を裏切り、地元の不信感を買う結果となったのであります。このことは、在日米軍専用施設面積の約75%が集中し、基地の負担を強いられてきた沖縄の心を全く理解していない日米両政府の姿勢を如実に示していると思われても仕方がないと考えます。
本県は、最も危険な基地である普天間飛行場の早期返還と危険性の除去を図るため、平成8年12月のSACO最終報告に基づく普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設建設を受け入れたという経緯があります。しかしながら、移設建設作業は全く進むことなく9年間も放置同然の状態に置かれ、地元や多くの県民の反発を買っていただけに、中間報告前に沖縄に対する適切かつ丁寧な配慮が必要であったと思うのであります。
中間報告には、嘉手納基地以南の基地の返還を伴う県民の負担軽減も明記されておりますが、どれだけの範囲になるかはいまだ明確にはなっておりません。どの基地がどれだけ返還されるかは県民にとって最大の関心事であります。県は、返還される基地の具体名等負担軽減の中身について政府と調整に入っているでしょうか。
本県は、日常的に基地と接した生活を強いられており、その意味で基地問題においては常に当事者であります。このことを常に念頭に置いて政府との交渉に入るべきであります。
幸い、去る1月の名護市長選挙において島袋吉和新市長が誕生しました。膠着状態にある本県と政府との話し合いに新たな展開が期待されるものであります。そのためにも3月の最終報告に向け、国、県、市の三者による話し合いが早急に持たれることを期待するものであります。
そこで伺います。
ア、普天間飛行場が県内移設条件つきとはいえ、全面返還が日米両政府間で合意された背景とその理由はどこにあったか、知事の御所見を伺います。
イ、県は、今回提示された沿岸案の受け入れはできないことを明確にしておりますが、SACO合意である普天間の名護市辺野古沖への移設の日米合意に至った経緯等から、普天間の危険性の除去と早期の移設建設を両立させる案は必要と考えますが、知事の御所見を伺います。
ウ、普天間飛行場の地域住民にとって最悪な事態は、普天間がそのまま残ることである。このような事態を避けるためにも、知事は積極的に政府との話し合いに応じるべきではないか伺います。
エ、知事は、米軍再編の対象となった神奈川県を初めとする本土米軍基地所在知事と共同で地元の負担軽減を求めていくとしているようでありますが、それぞれの置かれた状況が必ずしも同じでない中で共同歩調をとるということは難しい面もあると思いますが、知事の考え方をお伺いいたします。
(2)、返還軍用地の跡利用問題について。
本県は、狭隘な県土に全国の米軍専用施設面積の約75%が所在していることから、米軍の演習や事件・事故等県民生活に大きな不安を与えており、県民の基地に対する負担軽減を図る必要があります。また、広大な米軍基地は計画的な都市づくりを推進する上で大きな制約となっており、県土の有効利用を図るためにも基地の整理縮小を強く求めていく必要があります。
しかし一方において、本県における広大な米軍基地の存在は本県経済に大きな影響を与えてきたことも事実であります。中小零細企業が多く、雇用吸収力に限界がある本県の産業の中にあって基地の存在は大きく、基地内で働く従業員の給与、軍用地料や軍人・軍属とその家族の消費額など、県経済において基地は重要な役割を果たしてまいりました。
このため、米軍基地返還後の跡地利用は本県にとって最重要課題の一つであります。今日まで返還された軍用地の跡利用は必ずしも十分な成果を上げたとはいえず、少なからず地元地域や地主に不満を残したことは否めないのであります。
これから返還が予想される軍用地は、普天間飛行場やキャンプ・キンザーなど、従来返還された土地と比べ比較にならないほど広大であり、跡利用計画は従前にも増して重要であると考えます。
そこで伺います。
ア、返還された軍用地の跡利用について、返還後の跡利用の現状と県の基本方針について伺いたい。
イ、普天間飛行場返還後の跡利用に関する県の基本方針と、国、地元を含めた話し合いの進展状況について伺いたい。
ウ、キャンプ・キンザー(牧港補給基地)の返還が予想されるが、県は跡利用について浦添市等との調査や国に対する情報収集は進んでおりますか。
エ、軍用地返還後の地主への給付金のあり方について、一の所有者に支給する給付を属人的とせず、返還地ごとに支給する措置を講じてほしいとの要望がありますが、県の対応を伺いたい。
オ、沖縄振興特別措置法及び政令の規定により、特定跡地給付金の支給期間を定めるに当たって、当該地域の特定跡地給付金支給期間については、当該地域が使用かつ収益が得られるまでの期間とすることとし、土地所有者等の意見が反映されるよう措置を講じてほしいとの要望がありますが、県の対応を伺いたい。
カ、軍用地に関してはいまだ位置境界の未確定地域が存在していると言われ、戦後処理問題として適切かつ早急に解決すべきと思うが、現状と県の対応を伺いたい。
2、県の行財政改革について。
本県は、復帰後、国の特別措置や振興開発計画に基づく財政支援により、他県に比べて立ちおくれていた社会資本等の整備や格差の是正を重点的に図ってまいりました。その反面、産業基盤の整備や経営基盤の拡大等の施策が十分行き届かなかったこともあり、重厚産業や大型企業の立地が見られず、他県に比べ自主財源が全国で最も低い状況にあります。その上、国庫補助負担金の削減、地方交付税の見直し、国からの税源移譲を同時に行う三位一体改革により、本県の財政はますます厳しさを増してきております。
一方、本県財政状況を見ると、今後とも歳入増加が見込めない状況に反し、歳出は団塊の世代と言われる職員の退職期を迎え、退職金の大幅な増加や県債等の償還など義務的経費の割合が高く、今後とも増加傾向は続くものと思われます。今のところ本県財政の改善の見通しは立たないというのが実情ではないでしょうか。
このため、県では、財政の健全化や高率的な財政運用を図るため、本年度中の策定を目指して沖縄県行財政改革プランに行財政改善の取り組みを反映させるべく努力しているようであります。しかしながら、県の行財政改革は県全体のバランスを考えて行う必要があります。改革を急ぐ余り、一部の地域に負担をかけたり犠牲を強いてはなりません。
先日、県がまとめた沖縄県行財政改革プラン(案)に、宮古・八重山支庁廃止が盛り込まれたことに対し、離島切り捨てとして当該自治体や離島住民から激しい反発を受けたことは、改革の難しさだけでなく、改革の中心にいるのは地域住民であることを示したものと思われます。
本県における行財政改革で重要なことは、自立経済の構築に向けた将来的取り組みに対応できる組織体制の確立を図ることであり、そのためには廃止や削減だけに目を向けるのではなく、時には組織体制の充実強化を図ることも改革であります。
事務事業や公社等外郭団体の見直しを図り、行政資源の効果的配分、職員の意識の改革を図る等の対策だけではとても振興計画の目標を達成することは難しいと考えます。このため、今までにない斬新な戦略を立て、思い切った対策を講じることが必要ではないかと考えます。
そこで伺います。
(1)、県財政の健全化について。
ア、2006年度の沖縄関係予算は昨年度に比べ4.0%減額となったが、他県に比べ最小限の削減で決着した。公共事業費が減額され、自立経済発展のためのソフト事業に重点が置かれた沖縄関係予算について、今後の地方分権の進展に向け県財政の健全化が問われている中でどう評価するか。
イ、国の進める三位一体改革もあり、国庫補助関係においては公共事業などの大型事業は削減の一途をたどっている状況にある。県経済の活性化と同時に県財政の健全化を図るには振興計画に基づくソフト事業の大型化が必要と考えるが、県の対策を伺いたい。
ウ、2006年度の県予算は早くも歳入不足が指摘されている。その主な原因は何か。また、今後の振興計画の具体的実施に影響はないか伺います。
エ、県は予算をつけても生かし方を知らないとの指摘が政府関係者から聞かれる。3次にわたる沖縄振興開発計画で莫大な国費が投入されたにもかかわらず、自立への道ははるかに遠い現状は何を意味しているか、今後の県経済の見通しを伺いたい。
オ、本県は他県とは違い、離島の中の離島という自然環境の中にある島嶼県である。このような条件のもとで健全な財政を確立し自立を目指すには、国からの支援や県税等の収入だけでは難しい。現存する基地を含め沖縄の置かれた特異な状況を最大限活用する方策の検討が必要と思うがどうか。
カ、財政健全化に向けて392件の事務事業の見直しを進め、平成16年度までに297件の見直しを行い、今年度は95件の見直しを進めているとしております。これらの見直しにより県財政の健全化に与えた効果について伺います。
(2)、行政改革の推進について。
ア、県が本年度中の策定を目指している沖縄県行財政改革プランの理念と基本的方向性について伺います。
イ、県は、2008年度に宮古・八重山支庁の廃止を計画しているようでありますが、その理由について伺いたい。
ウ、宮古・八重山支庁の廃止は、地域に住む住民にとっては離島切り捨てに映る。県は、両支庁が設置された歴史的経緯や総合的出先機関としての役割等についてどのように認識しているか。
エ、県が進める外郭団体等の民営化で自主運営に踏み切った団体等の中には自己資金や基本財産が乏しく、県からの委託継続がなければ自立が現実問題として難しいものもあると聞くが、実態はどうか。また、このような団体等に対する県の対策を伺いたい。
オ、県立12の社会福祉施設を県が県社会福祉事業団に有償譲渡する方針を示している問題で、県議会は条件つきで無償貸し付けを求める決議を全会一致で可決した。県は、県議会の決議の趣旨に沿った解決を図る考えはないか伺います。
3、離島振興について。
(1)、離島振興の促進について。
本県は多くの離島から成る島嶼県であり、さらに本県の離島は他県における離島と違い、離島の中の離島であり、厳しい自然環境の中にあります。本県の離島は、このような地理的不利性から本島に比べ地域的格差があり、これが必然的に若者の島外流出につながり、その結果、住民の高齢化を招いているというのが実態であります。
現在、国・地方の間ではこれからの地方のあり方について議論が進められており、このためにも離島の活性化や振興を図ることは喫緊の課題であります。
県においても、離島振興を図るため新沖縄県離島振興計画の具体化を目指しており、また過疎地域自立促進方針及び過疎地域自立促進計画に基づき、本県離島の社会資本整備に努めているところであります。
また、国においても、厳しい自然環境にある本県離島の活性化を図るため、内閣府沖縄担当部局に離島活性化調査検討会議、いわゆる「美ら島会議」を設置し、国庫補助事業として沖縄離島活性化特別事業を創設しております。
しかしながら、みずからの島を活気ある島にするのは、やはり最後はその島に住む住民であり、離島の持つ不利性を克服し、離島の持つ優位性を積極的に評価する取り組みを住民のみんながかかわっていくことが必要と思います。行政には、住民のやる気を起こさせるような取り組みが求められているのではないでしょうか。
そこで伺います。
ア、国の三位一体改革の影響もあり地方の財政が逼迫し、特に離島の中の離島である本県の離島町村は予算を組むのもままならないほど財政が悪化していることから財政の立て直しが急務である。このような状況を踏まえた県の指導・支援等の施策ついて説明願いたい。
イ、沖縄振興計画や新沖縄県離島振興計画においても県の離島町村に対する振興方針が述べられておりますが、離島間における地域格差もある中で振興施策はどのように具体化されておりますか。
ウ、沖縄振興計画で、離島・過疎地域の活性化のため、雇用拡大に向け農林水産業や観光・リゾート産業の活性化を図るとありますが、各離島に一律に同様な施策を実施するのか伺います。
エ、各離島の特色や地域性に沿った施策をそれぞれの離島町村に対し実施するのが理想ではあるが、現実に展開していくには膨大な作業と費用がかかると思うが、現実の県の対応はどのようになされているか伺います。
オ、2005年度から導入された離島航路補助制度の市町村負担について、石油高騰や台風による欠航影響などで離島町村の財政が苦しい状況を挙げ、次年度の負担割合を現行のままに据え置くよう要請したようでありますが、県の対応を伺いたい。
(2)、離島町村の合併について。
ア、旧合併法に基づく市町村合併については、県としては十分とは言えない結果となったと思われます。その主な要因は、離島町村の合併への不参加が大きかったのではないかと考えるが、県はどのように分析しておられますか。
イ、合併新法においても県は合併を進めるとしているが、小規模町村、地理的特性、人口構成等で制約の多い本県離島町村の現状から合併をどのように進めるのか伺います。
ウ、今後は今まで以上に地方分権が進められ地方の独自性が問われることとなり、また少子・高齢化も急テンポで進んでおり、地域住民への行政サービスや財政はますます厳しくなっていくことから、合併は避けては通れないと考えますが、どうでしょうか。
4、雇用失業問題について。
全国的な景気回復に支えられ雇用情勢も好調に推移しているようであり、本県においてもことしの雇用情勢は好転し、先行きにも明るい要因もあるようであります。
県内雇用情勢が好転すること自体はうれしいことでありますが、その内容を見ると、景気回復の主な要因は、引き続き好調に推移する観光に支えられ、さらに情報通信産業が好調であったことが雇用の増加につながったようであります。
しかしその反面、公共事業の減少などで建設業への影響やフリーターやニートの増加等、依然不安定要素も残っているようであり、本県の構造的な雇用不安が根本的に解決されたと言える状況にはないようであります。
また、本県は県外からの移住者や、今まで働かなかった人が景気の回復で仕事を求める者もふえるなど労働人口が増加しているようであり、これが就業者の増加を上回っていることが失業率の高さにつながっているとも言われております。
本県の雇用情勢にはさまざまな課題がありますが、ここに来て全国的な景気の回復は雇用情勢にも波及効果をもたらしており、パートなどの非正社員から正社員へとふやす方向に向かっていると言われております。
このような状況は本県にも見られるようであり、将来的にもこの状況が続いていくことが本県の雇用情勢にとって必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、若年者雇用対策について。
ア、全国的な景気回復もあり、雇用情勢は明るさを取り戻し、本県においても好調に推移しているようである。好調の要因と今後の見通しを伺いたい。
イ、ことし卒業予定の県内高校生の就職内定率が昨年より上昇しているようでありますが、全国平均では最下位にあるようである。その要因と県内・県外の割合を示していただきたい。
ウ、ことし県内大学を卒業する若者の就職状況は、県内・県外を含め昨年と比べどのような状況にあるのか。また、本県においては大学を卒業しても就職できる者は本土平均の半分以下と言われているが、その原因は何にあると考えておりますか。
エ、本県の場合、若者だけでなく保護者もともに県内志向が高く、県外企業への就職に二の足を踏む傾向が強いと聞くが、県としての対策はどのように行われておりますか。
オ、平成10年から平成17年までの実績で、本県への企業誘致を119社8551人の雇用を実現した実績を上げながら、若者の雇用情勢が全国最下位の状況となっている。
(2)、失業率の改善について。
ア、県内の失業率は7%から8%の間を推移し、高失業率の状況はほとんど改善されてないが、その主な要因と今後の見通しを伺いたい。
イ、民間専門機関の調査では、県内の雇用情勢は人手は足りないが労働力は余っているとの結果も出ており、雇用のミスマッチ状態にあるという。本県の失業率の高さもこのことが影響しているのではないかと考えるが、県はどのような分析をしておられますか。
ウ、本県の失業率改善対策や雇用促進対策は、若者の就職状況を改善することに尽きると思われます。若者の失業率を改善するための県の具体的施策を伺いたい。
エ、高齢化社会への進展に伴って、本県においても高齢者の再就職が今後の大きな課題と思われますが、県の対策を伺いたい。
オは取り下げます。
5、防災危機管理対策について。
県の組織改正により、昨年から自然災害等に対する県の危機管理体制が強化・一元化されました。危機管理とはいっても範囲は広く、対策は漠然としていて基本となる方針を決めるのも容易ではないと思われます。
他県では進んでいる地震対策は、本県においてはほとんど危機意識はありません。また、喫緊な課題である国民保護計画に基づく住民避難計画も沖縄の特異性から難しい問題も多々あると思われます。従来、縦割りであった組織を一元化し一極集中するということは、県がこれからの防災対策に対し危機意識を持っていることのあらわれだと思います。
昨今、我が国においては地震や集中豪雨、大雪による被害など自然災害が多発しており、甚大な被害を与えております。このような被害を対岸の火事とせず、本県における危機管理体制を万全なものにしていただきたいと思います。
そこで伺います。
(1)、県の組織改正により、新たに自然災害等の危機管理については一極集中的に管理する体制が整ったが、一たん災害等が発生した場合、全庁的な危機管理への対応はどのように行われるか、一連の流れを御説明願います。
(2)、本県においても災害拠点病院の指定がなされているが、県、市町村、消防、警察、病院側等との連携、指示体制等は十分な調整がなされておりますか。
(3)、災害拠点病院には老朽化し耐震性が危惧される病院もあるというが、一たん災害が発生し、同病院が危険と判断された場合、これにかわる病院の指定も考えておりますか。
(4)、本県でも予想される地震災害に対する対策等、県としてシミュレーションをするなどして事前対策が必要ではないでしょうか。
6、農業問題について。
(1)、食の安全対策について。
我が国は世界で飛び抜けた食料消費国であり、また輸入国でもあり、いながらにして世界の食が手に入り、口にすることができる唯一の国とも言われております。このような豊富な食料・食材は、そのほとんどが輸入により日本に入ってきたものであるだけに、安全性の確保は必要不可欠であります。特に近年、BSEや残留農薬問題等が国際的に注目され、国内においても大きな問題として消費者の関心が高まってきております。
また、食料についてはじかに国民の安全に直結する問題であることから、国内農家においても無登録農薬の使用問題の発生を契機に農産物の安全・安心を図る観点から農薬の適正使用を徹底するなど、国民から信頼される産地形成に努めるよう求められております。
しかし、農産物の安全性のための農薬の使用は、自然環境への配慮という側面があることも忘れてはならない問題です。環境と調和した食料の生産、食の安全をいかに図るかは農業問題における大きな課題だと考えます。
そこで伺います。
ア、食の安全対策の現状について。
(ア)、輸入農作物の残留農薬問題・健康食品などの産地偽装問題、BSE問題等により、消費者の食品の安全性に対する関心が高まり、安心できる食品を求める声が強くなってきているが、本県における食の安全対策を伺いたい。
(イ)、食に関する安全対策はその範囲は広く多岐にわたることから、国との関係や県庁内の関係機関との連携・協力がいかにとれるかが重要と思われる。本県における協力体制は構築されておりますか。
(ウ)、本県における食の安全対策を進める上で課題となるものは何か。
イ、農水産物の安全対策について。
(ア)、農水産物の安全対策を推進する上で対策の基本となるものは何か。
(イ)、農産物の安全を追求すると農薬の使用問題に突き当たると思いますが、本県における農薬の適正使用の指導は徹底されておりますか。
(ウ)、本県の主要県外出荷品目であるゴーヤー、マンゴー等について、食の安全の観点から対策は万全になされておりますか。
(2)、沖縄糖業の保護育成について。
本県は本土から遠く離れ、周囲を海に囲まれた島嶼県であることから物的生産業が乏しく、核となる産業が育ちにくい地理的環境にあります。その中で、さとうきびは戦前・戦後を通して本県の基幹産業として最も堅実な生産で、県経済を支え雇用の安定化にも貢献してきました。
しかし近年、さとうきび産業を取り巻く環境は厳しさを増し、さらに本県は台風、干ばつの常襲地域という自然環境にあることから、さとうきび農家にとって将来展望も描きにくいというのが実態であります。
さとうきびを取り巻く環境が不安定な状況にあっても、本県の脆弱な産業構造、不安定な雇用状況の中にあって、さとうきびやカンショは依然として本県の基幹産業であります。また、さとうきびは農地や国土保全の上からも必要な作物と言われており、農林水産省も増産プロジェクトを始動させるなどの保護対策を進めております。このため、関連企業への波及効果もあり、雇用面での貢献も大きいさとうきび産業の保護育成のため県の支援策を期待するものであります。
そこで伺います。
ア、農林水産純生産額の県民総支出に占める割合は、平成12年度で1.3%であり、観光収入の11.0%に比べ基幹産業としては余りにも少な過ぎる。その中でさとうきび生産はどの程度を占めておりますか伺います。
イ、第2次沖縄県農林水産業振興計画に基づく本県さとうきびの生産振興を図るための県の具体的施策を伺います。
ウ、さとうきびは、農地や国土保全の上からも必要な作物と言われており、農林水産省も増産プロジェクトを始動させたと聞いておりますが、その概要を説明願います。
エ、糖業の安定的経営と原料の確保を図るため、国内産糖交付金への配慮と糖業振興臨時助成金の継続が必要と考えますが、県の対策を伺います。
7、耐震強度偽造問題について。
サラリーマンや一般庶民にとってマイホームは一生のうちで最も大きな買い物であります。このような庶民の夢が一人の1級建築士が起こした構造計算書の偽造問題で破られ、全国のマンションやホテルの安全性をも根底から打ち砕いてしまいました。さらに問題は、偽造を見抜けなかった民間の指定検査機関の検査のあり方にも及び、建築士のモラルの低下とチェック体制のずさんさが次々と明らかとなりました。
国土交通省は、偽造した建築士を建築基準法違反で警視庁に刑事告発したが、その間に構造計算書の偽装に設計会社、建設会社、販売会社や経営コンサルタント等の関与も次々と指摘され、さらに去る12月20日に警察が関係者への一斉捜索に入ったことにより偽装問題は新たな展開を見せております。
この問題は、自治体の建築確認のチェックの甘さも指摘されており、行政の責任や法的な不備も明白になっております。このため、国は居住者支援を打ち出しておりますが、具体的な施策はいまだ実施されていないとの不満も聞かれております。早急なる支援を居住者に示すことが必要と思います。
そこで伺います。
(1)、耐震強度偽造問題は警察の一斉捜索に入り新たな段階に入ったが、国土交通省の調べで偽装物件は17都府県82棟に達しているとのことでありますが、本県での被害はないか伺います。
(2)、今回の問題は、建築確認をする民間の検査機関が審査で偽造を発見できなかったことが根本原因であるが、本県における建築確認の審査はどのように行われておりますか。
(3)、耐震強度偽造が社会問題となっている中、建物建築の際の耐震強度について本県は特例により全国で最も低い基準が認められているということでありますが、実態はどうでしょうか。
(4)、国による住宅の耐震化促進のための補助制度で耐震診断を希望する住宅の所有者等に対する支援策について、本県は実施していないということでありますが、理由を御説明願います。
(5)、国土交通省は、全国の自治体を対象に構造計算書が必要とされる建物の建築確認書の審査状況についてサンプル調査を実施したようでありますが、本県についてはどのような結果が出たか伺います。
8、教育関係について。
(1)、不登校対策について。
県の発表によると、平成16年度の県内小中校の不登校児童生徒は1443人で、5年連続減少したということであります。しかし、減少したといっても小学校で304人、中学校で1139人を超える不登校児童生徒がいることが問題であります。現に、教育関係者の中には不登校の数が減っている実感はないとし、不登校児童一人一人の実態の把握をどのように行うかが問題と指摘しております。
不登校に対する学校や教師の意識は以前に比べて高まっていると言われており、不登校児童生徒に対する一層の対応が求められております。
そこで伺います。
ア、不登校対策として県が実施している施策を伺います。
イ、不登校の児童生徒への対応は、児童生徒自身の問題のほか家庭環境、友人関係等、より専門的な立場から行う必要があるが、学校現場へのカウンセラー等の配置はなされておりますか伺います。
ウ、不登校問題対策10市連絡協議会の活動状況とその成果について伺います。
(2)、児童生徒の安全対策について。
児童生徒の不審者による略取等の被害発生が社会問題となっております。
本県においても児童生徒に対する連れ去り事件が多発しており、県警の取りまとめた平成16年中の未成年者等略取未遂事案の被害発生状況は、発生件数は10件10名で、児童生徒の被害は7名に及んでいるとのことであります。発生時間が昼間から夕方にかけて多く発生しており、小学生や女子児童に集中しているようであります。
県内各学校においては、独自に防犯対策の基本となる「危機管理マニュアル」を作成し、児童生徒の安全確保に努めているようでありますが、安全対策を万全にするためには学校だけでなく警察や地域との連携・協力が欠かせないと思います。
そこで伺います。
ア、児童生徒の登下校時の安全確保が全国的な問題となっており、中には凶悪犯罪に巻き込まれる事態も増加し、国民の不安を増大させておりますが、本県の状況はどうでしょうか。
イ、本県においても児童生徒の安全を確保するため、行政、各学校、警察及び父兄等の連携による対策を講じていると思いますが、県の具体的取り組みを伺いたい。
ウ、政府は「犯罪対策閣僚会議」を開き、子供の登下校時の安全を確保する6項目の緊急対策を決定しておりますが、その概要を伺いたい。
エ、2002年度からスタートしている文部科学省の「子ども安心プロジェクト」により、スクールガードが導入されたようでありますが、本県における導入状況と今後の推進計画を伺いたい。
9、少子・高齢化対策について。
政府は、2005年版の「少子化社会白書」を発表し、2004年の合計特殊出生率が1.29と過去最低を記録した我が国の現状を「超少子化国」と表現しております。
また、2005年国勢調査における総人口の増加率はO.7%で、1920年の調査開始以来最低の増加率となり、少子化に歯どめがかからなければ総人口減少は当初予想の2007年より早く、ことしから始まるとも予想しております。
少子化傾向は日本だけに限らず先進諸国に共通する現象と言われておりますが、我が国は国際社会の中でも急激な少子化傾向が進み、突出した状況にあると言われております。
このように我が国は少子化が政府予測を上回るペースで進んでいるため、人口の高齢化はさらに早まると言われ、今や5人に1人が65歳以上の高齢者となっており、団塊の世代が高齢者となる2015年には26%、2050年には35.7%に達するとの見通しが出されております。これは、我が国が人口減少時代に入ったことを意味し、国民は人口減という現実と真剣に向き合わなければなりません。
政府の少子化対策はようやく緒についた段階であり、厚生労働省は国全体で子育てを支援し、少子化に歯どめをかけるための施策も検討しているようであります。
現在の社会保障制度維持経費の社会保障費の68.1%が高齢者に使われ、子供向けは3.5%にすぎないと言われており、現在の高齢者に偏りがちな施策を見直し、その一部を子供に回すだけでかなりの対策ができると言われております。このままの状況で進めば近い将来、我々の子供たちは年金、介護、医療等の恩恵より負担に苦しむことになりかねません。このような事態を避けるためにも少子化対策を長期的・効果的に推進する必要があります。
そこで伺います。
(1)、このままの推移で少子・高齢化が進むと後世の若者への負担が増大すると言われているが、政府は少子化対策をどのように進めようとしているのか伺います。
(2)、本県において、将来に向け少子・高齢化に対応した社会保障等費用負担の推移のシミュレーションを実施したことはありますか。あるとすればその推移はどうなっておりますか伺います。
(3)、我が国の人口は2006年から減少に転じると言われ、さらに団塊の世代が2007年から60歳に達することから、社会活動の原動力たる労働力の先行きに対する懸念、「2007年問題」が心配されております。このままで行くと2008年からは労働力不足で経済成長が制約される可能性も指摘されておりますが、政府はどのような対策を講じようとしているか伺います。
(4)、政府は、少子化の進展に歯どめをかけるため入院を含む出産費用を全額負担する出産無料化制度の導入を検討しているようでありますが、本県も出生率が年々低下している状況にあり、将来に向けての少子化対策は重要であります。県独自で実施している少子化対策を伺います。
以上で代表質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 親川盛一議員の御質問にお答えいたします。
最初は、普天間の危険性除去と移転建設についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場の移設がどのような形で実現するにせよ、移設までに要する期間、その危険性を限りなくゼロにすることが重要なことであり、最大の課題であると認識しております。
そのため、県としては、普天間飛行場の危険性除去のため緊急的措置を含め早急な対策が講ぜられ、在日米軍再編の最終報告に県民の目に見える形での負担軽減という基本的な考え方が反映されるよう全力を尽くしてまいります。
次に、政府との話し合いについての御質問にお答えいたします。
沿岸案については、これまでの経緯を踏まえれば容認できないことを政府に対して申し入れておりますが、地元には誠意を示して理解を求めるという政府の姿勢であることから、県は政府との話し合いには応じる考えであります。
次に、他県との共同歩調についての御質問にお答えいたします。
米軍基地所在の他県においても、航空機騒音や事故、環境汚染等の基地から派生する問題があると聞いており、米軍再編においても渉外知事会として地元の意向を尊重することなどについて一致して要請等を行っているところであります。
県としては、今後とも渉外知事会とも連携しながら、県民の目に見える形での基地負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。
次に、平成18年度沖縄関係予算の評価についてお答えいたします。
平成18年度内閣府沖縄担当部局予算は、構造改革の一層の推進により歳出全体の見直しが強化される厳しい状況の中、県が要望した多くの事業が予算措置されるなど本県の振興に配慮されたものとなっております。
具体的には、沖縄科学技術大学院大学については研究事業や施設整備等に必要な経費が大幅に増額されたほか、新石垣空港の整備についても事業の本格化に向けた措置がなされたところであります。
また、自立型経済の構築に向けて健康食品品質向上対策の推進、情報通信産業の振興などに所要の額が措置されたほか、本県のデザイン戦略の構築に向けた取り組みや特別自由貿易地域へ進出する企業の創・操業支援の整備などが新規に認められたところであります。
さらに、環境に配慮した観光利便施設の調査検討に向けた事業が認められたほか、沖縄特別振興対策調整費、沖縄北部特別振興対策事業費、米軍基地所在市町村活性化特別事業などに所要の額が措置されました。
このように平成18年度内閣府沖縄担当部局予算は、自立型経済の構築に向けた効果的な取り組みを一層強化し、沖縄振興計画を着実に推進していく上で必要な予算が確保されたものと認識しております。
次に、振興計画に基づくソフト事業の大型化についてお答えをいたします。
本県経済の持続的発展を図るためには、民間主導による自立型経済の構築が重要であります。そのため、県においては、観光・リゾート産業、情報通信関連産業、農林水産業、健康バイオ関連産業など、発展可能性の高い分野の重点的・戦略的な振興に取り組んでいるところであります。
特に、沖縄科学技術大学院大学構想の実現は、知的クラスターの形成を通じて産業の振興や人材育成など、波及効果の高いソフト事業であると考えております。
今後とも、地域特性を生かした食品、保養、医療などから成る健康産業クラスターの形成、次世代コールセンターやIT高度人材の育成を通じた情報通信関連産業の高度化など、ソフト面の施策を展開していきたいと考えております。
次に、行財政改革プランの理念等についてお答えいたします。
少子・高齢化の進行や地方分権の進展、厳しい財政状況など、本県を取り巻く環境は大きく変化しております。このような状況の中、活力に満ちた地域社会の実現に向け、県の果たすべき役割が改めて問われております。
沖縄県行財政改革プランにおいては、「県民本位の成果・効率重視のスマートな行政」を基本理念に掲げ、急速な社会経済情勢の変化に適切に対応し、真に県民が必要とする行政サービスの提供を目的に、簡素で効率的な行政体制の構築を目指しております。
また、同プランでは、「県民参加と協働」、「民間経営手法の活用」及び「自己決定・自己責任」の3つの視点を踏まえ、「事務事業の改革」や「組織及び定員の見直し」、「財政の健全化」、「公社等外郭団体の再構築」など、9つの基本方針に沿って行財政改革を進めてまいります。
次に、具体的な離島振興策についてお答えいたします。
県では、離島地域の振興を県政の重要課題と位置づけ、各分野における施策・事業を実施しております。具体的には、新石垣空港や伊良部架橋を初めとする各種交通体系の整備、土地改良や漁港整備による農林水産業の振興などであります。
さらに、「美ら島会議」を設置した内閣府と連携し、今年度から地域活性化を担う人材の育成、専門家の派遣、観光情報の発信など、地域特性を生かすための事業を実施しております。
また、次年度はブロードバンド環境の整備を引き続き実施するほか、離島における環境配慮型の観光利便施設の設置、離島・僻地における医師確保策の調査検討を新たに実施いたします。
次に、若年者の失業改善のための施策についてお答えをいたします。
県においては、若年者の職業観の形成から就職まで一貫して支援するため、沖縄県キャリアセンターにおいてこれまで約5万2000人に対し、就職に関する各種セミナーやキャリアカウンセリングを行うとともに、県内外インターンシップ等を実施しております。
また、新規学卒者の雇用促進を図る若年者地域連携事業や地域産業を担う若年人材を育成する地域産業活性化人材育成事業を実施しております。さらに、平成17年に名護市と琉球大学にキャリアセンター分室を開所し、学生等の就職活動支援を強化しております。平成18年度は、特に採用に結びつきにくい中小零細企業等に対し、採用戦略の設計から実践までを支援する事業を計画しております。
その他、職業能力開発校等における職業訓練とあわせて、専修学校等民間教育訓練機関を活用して座学と企業実習を組み合わせたデュアルシステム事業等を実施するなど、若年者の雇用対策を積極的に展開しております。
これらの取り組みなどにより、平成18年3月卒の就職内定率は、平成17年12月末現在で高校生が47.7%、大学生が32.3%で、それぞれ前年同期比6.4ポイント、4.0ポイントの増となっております。
次に、本県における食の安全対策についてお答えいたします。
食の安全に関する施策を総合的かつ効果的に推進するため、平成16年1月に「沖縄県食の安全・安心推進本部」を設置しております。同年8月には、食に関する関係者や専門家の意見を施策に反映させるため「沖縄県食の安全・安心懇話会」を設置して推進体制の整備を図っております。
また、平成17年3月に、食品の生産から流通・加工・消費に至るまでの安全対策について体系的に示した「沖縄県食の安全・安心確保基本方針」を策定して総合的な食の安全確保を図っているところです。平成18年度からは福祉保健部に食の安全・安心担当を増員し、食の安全確保のための施策を全庁的に推進することとしております。
次に、さとうきびの生産振興策についてお答えいたします。
さとうきびは、農家経済はもとより、地域経済を支える基幹作物として重要な作物であります。そのため、県としては、沖縄県農林水産振興計画に基づき、その生産振興を図ることとしております。
具体的な振興策としては、1、地下ダム及びため池等の農業用水源の確保や、かんがい施設、圃場整備、防風・防潮林の整備等の生産基盤の整備、2、品質や生産性の向上に向けた早期高糖性及び耐風性にすぐれた新品種の育成・普及、3、土壌害虫等の防除やバガス等を活用した土づくりの推進、4、ハーベスターの導入等による機械化の促進や生産法人等の担い手の育成、5、国のさとうきび増産プロジェクト会議と沖縄県さとうきび増産プロジェクト会議との連携による生産対策の取り組みなどを総合的に推進しております。
また、さとうきび・糖業安定生産促進緊急対策事業により、遊休地の解消、採苗圃の設置、株出し管理機械の導入等に取り組んでいるところであります。
今後とも生産農家の意識高揚を図るとともに、各種の施策を積極的に推進し、さとうきびの生産振興に努めてまいります。
その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 普天間飛行場の全面返還合意の背景についての御質問にお答えします。
普天間飛行場は市街地の中心部にあって地域の振興開発を妨げているだけではなく、航空機騒音や航空機の墜落事故の危険性など住民生活に深刻な影響を与えていることから、地域住民を初め県民各層から早期返還を望む声が高まり、宜野湾市及び沖縄県はこれまであらゆる機会を通して日米両国政府にその返還を強く求めてきました。
こうした世論の高まりを背景に、沖縄の米軍基地の整理縮小について日米両国間で協議する「沖縄に関する特別行動委員会」、いわゆるSACOが平成7年11月に設置され、日米両国政府は沖縄の米軍基地の整理縮小等について精力的に取り組み、平成8年4月に中間報告を、同年12月には最終報告を発表しました。その中で普天間飛行場に関しては、代替施設が完成し、運用可能になった後、全面的に返還されることが日米間で合意されております。
普天間飛行場の全面返還が合意されたことについては、同飛行場の危険性等や早期の返還を日米両国政府が強く認識したことによるものと理解をしております。
次に、返還後の跡地利用の現状と県の基本方針についての御質問にお答えします。
駐留軍用地跡地利用状況調査によりますと、これまでに返還された軍用地約1万1933ヘクタールは、公共及び個人・企業による利用が52.0%、森林等の保全地が29.6%、がけ地、急傾斜地等の利用困難地等が12.1%、自衛隊の利用が3.6%、米軍への再提供が2.7%となっております。
主な跡利用の事例として、昭和52年に返還された南部弾薬庫はゴルフ場及び近郊農業用地として利用されているところであります。
昭和47年に返還された那覇第二貯油施設及び昭和58年に返還された那覇空軍・海軍補助施設は、与儀土地区画整理事業、小禄金城土地区画整理事業の実施により、住宅地や商業用地等として利用されております。
昭和62年に返還された牧港住宅地区は、平成4年9月に那覇新都心地区土地区画整理事業の事業計画認可がなされ、平成10年3月に最初の使用収益が開始されるなど順調に推移し、平成17年1月に土地区画整理事業が完了したところであります。
平成15年3月に返還されたキャンプ桑江北側地区は、平成16年3月に桑江伊平土地区画整理事業の認可を得て、現在、土地区画整理事業に取り組んでいるところであります。
県としては、駐留軍用地跡地利用について、今後も沖縄振興特別措置法、軍転特措法等の法的な枠組みや沖縄振興計画などを踏まえ、県土の有効利用、経済振興等をトータルで勘案した跡地利用の促進に努めていくこととしております。
次に、普天間飛行場の跡利用の進捗についてお答えします。
普天間飛行場の跡地利用については、平成11年12月閣議決定における「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」に基づき、国、県、宜野湾市が密接に連携し取り組んでいるところであり、2月10日に具体的な跡地利用計画の基礎となる「普天間飛行場跡地利用基本方針」を策定したところであります。
策定に当たっては、地主会の代表者等に普天間飛行場跡地利用基本方針策定審議調査会や同検討委員会の委員として参加いただき、これまでに審議調査会を4回、検討委員会を7回開催し、地権者意向などの反映に努めてまいりました。
また、宜野湾市においては、地権者への情報提供に取り組んでいるところであります。
今後とも、国や宜野湾市と連携を密にし、基本方針を踏まえた跡地利用に向け取り組んでまいります。
次に、牧港補給地区についての御質問にお答えします。
牧港補給地区を含む嘉手納飛行場より南にある基地の返還については、現在、日米審議官級協議において協議されているところであります。
牧港補給地区の跡地利用については、浦添市において、平成7年度に「牧港補給地区跡地利用基本計画」が策定されております。さらに現在の取り組みとして、市は昨年8月に「浦添市跡地利用計画審議委員会」を設置し、時代の変化に対応した同基本計画の見直しを始めたところであり、その中で地権者及び市民の意向把握のためのアンケート調査等を実施しているところと聞いております。
次に、給付金支給のあり方についての御質問にお答えします。
給付金の支給を規定している「沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律」、いわゆる軍転特措法は、昭和55年に議員立法により衆議院に提出されて以来、いろいろな経過をたどって最終的に参議院本会議において平成7年4月19日に可決・成立し、同年6月20日から施行されたものであります。
この軍転特措法の給付金は、生活安定費としての性格を有する政策的な給付であり、一の所有者が支給を受けることのできる最高額は3000万円となっているところであります。
県としては、これらの経緯を踏まえ、給付金の支給状況等、制度の運用を見守ってまいりたいと思います。
次に、特定跡地給付金の支給期間についての御質問にお答えします。
沖縄振興特別措置法上の特定跡地給付金の支給の限度となる期間については、同法施行令において、「特定跡地における原状回復に要する期間を勘案して別に政令で定める。」こととされております。県としては、給付金の支給期間については原状回復に要する期間を勘案し、また地元の意向も踏まえて制定するよう国に要望しております。
次に、駐留軍用地等の位置境界不明地域についての御質問にお答えします。
駐留軍用地等の位置境界明確化事業は、「沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法」により、防衛施設庁長官が実施することとされており、那覇防衛施設局長に委任をされております。
那覇防衛施設局によりますと、平成18年1月17日時点で、駐留軍用地等における位置境界明確化事業の調査対象面積約116.82平方キロメートルのうち、約115.36平方キロメートルが完了し、達成率は約98.8%で、残る位置境界不明地域の面積は約1.46平方キロメートルとのことであります。
県としては、駐留軍用地等の位置境界明確化に関する事務については、那覇防衛施設局において引き続きとり行われるべきであると考えております。
次に、全庁的な危機管理への対応についての御質問にお答えします。
県の危機事象への対応については、地震や津波など災害対策基本法で対象とされている災害や国民保護法で定める武力攻撃事態等については、それぞれ地域防災計画や国民保護計画等により対処することとしております。
これらの計画で定める以外のテロ、SARS等の危機事象について迅速かつ的確に対応するため「沖縄県危機管理指針」を策定中であります。
同指針では、危機管理監を議長とし、各部長等から成る「危機管理連絡会議」を常設するとともに、危機情報の危機管理監への集約等情報収集・連携体制の強化、各部室等における危機管理マニュアルの作成等を行うこととしております。
また、大規模で全庁的な対応が必要な場合は、知事を本部長とする危機管理対策本部を設置するなど、危機事象に適切に対応することとしております。
なお、同指針は本年度中には策定する予定であります。
最後の質問のシミュレーションに基づく地震防災対策についての御質問にお答えします。
県では、阪神・淡路大震災を教訓に「沖縄県地震被害想定調査報告書」を平成9年3月に作成をしました。
同報告書は、県域で発生し被害をもたらす可能性のある地震として、沖縄本島南西沖地震及び多良間島南方沖地震を想定し、シミュレーションにより地震動、液状化危険度、津波浸水、建物被害、人的被害等を算出しております。
これらの被害想定をもとに平成9年6月に大規模地震・津波に備えるため県地域防災計画に地震編を新設し、その中で想定地震ごとの対応計画も策定をしております。
また、大規模地震にも耐え得る県総合行政情報通信ネットワークを平成15年に、県防災情報システムを平成16年にそれぞれ運用開始したほか、地震・津波を想定した総合防災訓練を県内を7つのブロックに分け毎年輪番で実施しております。
さらに、今年度から来年度にかけて「琉球諸島沿岸津波・高潮ハザードマップ」を作成し、市町村へも情報提供する予定であります。
以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 行財政改革についてのうち、平成18年度当初予算の収支不足の要因と振興改革への影響についてお答えいたします。
平成18年度当初予算編成に当たっては、人件費や県単補助金等の見直しによる歳出削減、使用料及び手数料の見直しなどによる財源の確保に努めましたが、なお収支不足が生じたことから、財政調整基金など4基金を約200億円取り崩したほか、借換債を82億円発行することで対応せざるを得ない厳しい状況となりました。
収支不足の要因としては、歳出面では、まず退職者数の増加による人件費の増、近年の臨時財政対策債の発行等による公債費の増、新石垣空港整備事業などによる普通建設事業の増、三位一体の改革による福祉関係の補助費等の大幅な増などがあります。
一方、歳入面では、分割基準の見直しによる法人事業税等の伸びが見込まれるものの、全体としては歳出の伸びを補い切れない状況にあります。
このような中、平成18年度当初予算については事業の優先度等に十分配慮しつつ、限られた財源を緊急かつ重要な施策に的確に配分することを基本として編成してまいりました。
本県財政は今後も引き続き厳しい状況が続くと見込んでおりますが、本県のさらなる発展に向け、沖縄振興計画に基づく諸施策の着実な推進に支障がないよう、行財政改革をより一層加速させ財政健全化を進めるとともに、持続可能な行財政運営に努めてまいりたいと考えております。
次に、事務事業見直しの財政効果についてお答えします。
簡素で効率的な行政体制の構築のため、現行の行革大綱に事務事業の見直しを掲げ取り組んでまいりました。平成15年度と16年度の2年間で廃止・縮小・民間委託など297件の事務事業を見直し、20億2300万円の経費節減を行いました。
平成17年度を含めた3年間の実績につきましては、今年度末時点で取りまとめ、来年度早々には公表する予定であります。
次に、宮古・八重山支庁の廃止について一括してお答えいたします。
宮古及び八重山地域について、これまでは交通や情報の利便性等の地域格差を考慮し、総合出先機関としての支庁を設置してきたものであります。支庁は、管内組織の相互連携を図りつつ一体的に県行政を推進してきたものと認識しています。
平成12年に地方分権一括法が施行され、地方分権社会の今日にあっては住民に最も近い基礎自治体である市町村が主役となり、地域完結の行政を行い、県は補完的役割を担うことが求められております。また、出先機関における業務執行の専門性・迅速性の向上が求められており、指揮命令系統を一元化し、意思決定の迅速化を図る必要があります。
このようなことから宮古・八重山支庁の組織の見直しを行い、行財政改革プラン(案)に組織の改編を位置づけたものであります。
組織の見直し後においても支庁が担っていた情報の集約や調整機能等はこれまでと同様に維持することから、同プランの実施計画個表の支庁の廃止という表記は削除することとしました。
次に、自己資金や基本財産が乏しい外郭団体等の民営化等についてお答えいたします。
県が出資等を行っている公社等外郭団体46法人のうち、県から運営経費の補助、負担金、貸付金、債務保証及び業務委託のいずれかの支援を受けている団体は40法人であります。これらの公社等外郭団体は、県民サービスの維持向上、県内産業の振興等のためそれぞれの時代の要請を受けて設立され、県行政の補完的組織として県からの財政的支援、人的支援を受けながら効果的な県民サービスの提供に取り組んでいるところであります。
公社等の見直しについては、社会経済情勢の変化等を踏まえ、事業及び組織の見直しなど抜本的な見直しを進めておりますが、仮に民営化等に向けて自立する場合においては、自立後の自主財源の確保がより一層重要であると考えており、また民営化等に当たっての県の財政支援等は慎重に対応すべきものと考えます。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 県の行財政改革についての御質問で、今後の経済の見通しについてお答えいたします。
これまでの各種施策の推進により、自立的発展の基礎条件である社会資本は着実に整備されてきたと考えております。
新たな振興計画ではこれらの社会資本を積極的に活用し、自立型経済の構築に向け沖縄の特性を生かした発展可能性の高い産業分野について重点的・戦略的な振興に取り組んでおります。その結果、観光客数が大きく増加したほか、情報通信関連産業を中心に企業立地が進み、多くの雇用が創出されております。
また、健康食品や泡盛の県外出荷も大幅に増加するなど、本県経済は順調に回復しております。今後の県経済の見通しについてもおおむね順調に拡大を続けるものと見込んでおります。
同じく、基地を含め沖縄の置かれた特異な状況を最大限活用する方策についてお答えいたします。
自立型経済を構築するためには、不利性の克服を図りつつ沖縄の持つ優位性を最大限発揮していくことが重要であり、県においては地域特性を生かした産業の振興に取り組んでおります。
広大な米軍基地の存在は本県発展の大きな制約となっておりますが、現在進められている米軍再編協議で大幅な兵力削減や相当規模の基地返還が検討されております。
県としては、これらの基地跡地を県土構造再編のための貴重な空間として交通体系を整備し、産業用地としての有効活用を図るなど、総合的かつ効率的な利用を促進してまいります。
次に、離島振興についての御質問で、離島町村の財政の立て直しについてお答えいたします。
多くの離島町村の財政状況は、自主財源に乏しく財政力指数も本県平均を大きく下回るなど、極めて脆弱なものとなっております。
このような厳しい財政状況の中、より効率的な行政サービスを提供していくためには、歳出の徹底した見直しや税収等の歳入の確保など、行財政基盤の強化のための抜本的な改革が必要であります。そのため、各市町村においては3月末までに集中改革プランを策定することとしております。
県では市町村予算編成説明会を開催するとともに、財政状況の厳しい離島町村等と意見交換を行うなど、行財政運営全般に対する取り組みに必要な情報提供や助言等を行っているところであります。
あわせて、市町村の意向も十分踏まえながら合併構想を策定し、引き続き自主的な市町村合併を推進していきたいと考えております。
同じく離島振興で、離島ごとの振興策の実施についてお答えいたします。
平成14年度に策定した新沖縄県離島振興計画では、離島の持つ優位性を積極的に評価し、これを伸ばしていくことを目標としており、県としては、離島活性化のためにはそれぞれの地域資源を活用した産業の振興が重要と考えております。
このため、今年度から離島地域資源活用・産業育成事業、いわゆる「一島一物語事業」を実施しており、12の離島市町村が新たな特産品の開発や持続可能な観光のルールづくりなど、それぞれの島の魅力を最大限に生かした活性化策の検討に取り組んでいるところであります。
また、恵まれた自然環境と独特の伝統文化等の資源を有効に活用し、体験滞在型観光を推進するための沖縄体験滞在交流促進事業を実施しており、今年度は8市町村が取り組んでいるところであります。
同じく離島の特色や地域特性を踏まえた県の対応についてお答えいたします。
離島地域の振興施策の企画立案においては、離島ごとに特性や課題が異なることを踏まえる必要があると考えております。
このため、県においては、日ごろから現地を訪問するなど離島の現状把握に努めているほか、県庁内関係課と離島市町村との圏域別意見交換会や、有識者で構成する離島活性化検討委員会による現地調査を実施しております。こうした意見交換等を踏まえ、各離島の地域資源を生かした取り組みを支援しているところであります。
今後とも、離島市町村の実情を踏まえながら離島振興施策の企画立案、実施に努めてまいります。
同じく離島航路補助制度の市町村負担についてお答えいたします。
離島航路を安定的に維持確保するためには、国及び地元市町村と協調して離島航路事業者に対し、その運営により生じた欠損額を補てんする必要があります。その際、県と市町村との適切な費用負担を図る必要があることから、関係市町村の合意のもとに平成17年度から市町村へ負担を求めているところであります。
市町村が負担する航路事業者への補てん額の8割については特別交付税で措置されることになっております。このことから、県としましては平成16年4月の沖縄県離島振興協議会との同意内容に沿って市町村負担を求めていくこととしております。
同じく離島市町村の合併が進まなかった主な要因についてお答えいたします。
旧合併特例法下において、本県の市町村合併は5地域において合併が実現し、一定の成果を得たところでありますが、全国と比べて本県の合併による市町村の減少率は低くなっております。
その主な要因は、御指摘のとおり、広大な海域に点在する多くの離島町村を有しているという他府県にはない地理的特性によるものと考えております。
同じく離島町村の合併の進め方についてお答えいたします。
現在、県におきましては、沖縄県市町村合併促進審議会の意見を聞きながら合併推進構想を策定しているところであります。
構想対象市町村を定めるに当たっては、国の基本指針に基づき地域の意向、日常生活圏の結びつき、旧合併特例法下での経緯、地理的特性等を踏まえながら進めているところであります。
離島町村につきましては、さらに本島との距離、日常生活圏の結びつき等を勘案し組み合わせを検討しているところであります。
同じく離島町村における合併の必要性についてお答えいたします。
離島町村においては、少子・高齢化の進行や脆弱な財政基盤等により将来にわたって行政サービスを維持していくことは非常に厳しいものがあります。
市町村合併は、このような課題を解決するための有効な手段であり、正面から取り組むべき重要な課題であると認識しております。
したがいまして、県としましては、合併新法下で国の基本指針に基づく合併推進構想を策定し、引き続き自主的な市町村合併を推進していきたいと考えております。
以上であります。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 県立12の社会福祉施設の民営化について、県議会の決議の趣旨に沿った解決を図る考えはあるかにお答えいたします。
県立社会福祉施設の民営化に当たっては、改めて社会福祉事業団からシミュレーションを提出していただくなど慎重に検討を重ねてまいりました。
県議会の決議にありました土地の3年程度の無償貸し付けについては、平成18年度は無償貸し付けとし、19年度以降については経営計画の策定状況及び事業実施状況を勘案して対応することとしております。
土地の1年間の無償貸し付けは同事業団の自立支援策の一環であり、健全経営の基盤となる経営計画の策定により、事業団の早期の自立にも寄与するとの判断も含めて決定したものであります。
また、自立支援策として同事業団から要望がありました勧奨退職については、その必要額を計上しております。
次に、災害時医療救護に係る各関係機関との連携及び災害拠点病院にかわる病院の指定について一括してお答えします。
災害時に災害救助法が適用される場合の医療救護については、知事の指示体制のもとに実施することとしており、具体的には沖縄県地域防災計画により県立病院、保健所、市町村、日本赤十字社、国立病院等が医療救護班を派遣するほか、重傷者等の処置については被災地等にある災害拠点病院で消防機関等との連携のもとに実施することとしております。
現在、災害拠点病院は各圏域の6県立病院を指定しておりますが、災害時に同病院が被災するなど、同病院のみでは対応困難な場合は被災地以外の拠点病院に搬送するほか、医師会との連携のもとに周辺医療機関への支援要請を行うこととしております。
災害時における医療救護については、これら関係機関との情報の共有等連携を深めながら対応していきたいと考えております。
次に、本県における食の安全対策に係る協力体制についてお答えいたします。
国との協力体制については、内閣府が毎年開催する「全国食品安全連絡会議」に参加し、国、地方公共団体の相互の情報提供、意見交換を行うことにより連携の強化を図っております。
また、定期的に開催される沖縄総合事務局及び沖縄県の関係課で構成する「食の安全・安心連絡会議」において、食の事件・事故に対する情報交換、対応策の検討を行うなど、連携・協力に努めております。
県庁内の協力体制については、「沖縄県食の安全・安心推進本部」のもとに関係課で構成する幹事会及びワーキングチームを設置し、随時、食の安全に係る推進体制、施策等について審議・検討を行うなど、庁内の連携・協力に努めております。
次に、本県における食の安全対策の課題についてお答えします。
本県の農産物は、亜熱帯性気候を生かした沖縄の地域特産物として本土市場でも定着しております。
また、本県の食品は他県に見られない食文化により県民のみならず多くの観光客が食するとともに、お土産品としても全国に流通しております。
このように本県の食品は農林水産業、観光・リゾート産業など多方面に関連しており、食の事件・事故の発生は県民の健康被害だけでなく本県の産業振興にも大きな影響を与えます。このため、本県の食の安全確保は重要な課題となっており、今後は食の安全・安心行動計画の策定等、食の安全に係る各種施策を推進してまいります。
次に、国の少子化対策についてお答えいたします。
少子化の流れを変えるため、国においては少子化対策を基本施策として位置づけ、「少子化社会対策大綱」を定め、同大綱に基づき平成16年12月に「子ども・子育て応援プラン」を策定しております。
同プランは、これまでのエンゼルプランにおける保育事業を中心としたものから、若者の自立・教育、働き方の見直し等を含めた幅広い施策を盛り込んだ内容となっており、この5年間に総合的に推進することとしております。
このプランに基づき、国の平成18年度当初予算案においては待機児童の解消など、保育サービス及び地域における子育て支援対策や多様な保育サービスの充実を図るほか、児童手当制度の拡充措置、出産一時金の引き上げなどのための経費が盛り込まれております。
このほか、現在、少子化担当大臣と各県知事等とで少子化対策についてのブロック別の会合で議論が行われており、これを踏まえ国と地方自治体が連携して少子化対策の一層の推進を図ることとしております。
次に、社会保障等費用負担の推移のシミュレーションについてお答えします。
社会保障費の負担については県として推計したものはありませんが、厚生労働省の「社会保障の給付と負担の見通し」の平成16年5月推計によりますと、国民所得に占める社会保障給付費の負担割合は、平成16年度が21.5%、78兆円であるのに対し、このまま少子化が進行すると平成37年度には29.5%、155兆円にまで上昇するものと見込まれております。
次に、県独自の少子化対策についてお答えいたします。
少子化対策としては、社会全体で子供を安心して産み育てやすい環境づくりを行うことが重要であると考えております。このため、「おきなわ子ども・子育て応援プラン」において各種の子育て支援事業の目標数値を掲げ、主に国の補助事業を活用して待機児童解消に向けた保育所定員の増、放課後児童クラブ、子育て支援センター及びファミリー・サポート・センターの設置の増等に取り組んでいるところであります。
なお、県独自の事業としては、乳幼児医療費助成事業や認可外保育施設における児童の処遇向上を目的とした新すこやか保育事業等があり、これらの事業の実施により子供を産み育てやすい環境づくりに努めているところであります。
以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、雇用失業問題についての中の、本県の雇用状況及び大学生等若年者雇用の状況について一括してお答えをいたします。
平成17年は景気回復を背景に県内・県外ともに求人数が伸び、有効求人倍率についても過去5番目に高い倍率になっております。
また、本県の30歳未満の若年者の失業率は、平成13年の15.7%をピークに平成17年は13.2%と若干改善しております。
平成18年3月卒の大学生の就職内定率は平成17年12月末現在32.2%で、前年同期比4.0ポイントの増となっており、そのうち県内は28.8%、県外が39.5%で、それぞれ前年同期比5.2ポイント、0.5ポイントの増となっております。
就職内定率が改善している背景には、企業で行う職場体験実習、インターンシップなど産学官連携の事業の実施、教育機関の企業開拓強化やキャリア教育の推進などがあります。
一方、全国の就職内定率は平成17年12月1日現在で77.4%と前年同期比3.1ポイント増と、本県の2倍を超える内定状況となっており、学生等若年者の雇用情勢は全国に比べると依然として厳しい状況となっております。
本県若年者の失業率の高さ及び大学生の就職内定状況の低い要因としては、雇用の場の不足のほかに若年者自身の県内志向・公務員志向の高さ、進路決定の遅さなどの職業意識の低さ、業種や職種・雇用形態等のミスマッチなどがあると考えております。
次に、県外企業への就職対策についてであります。
高校生、大学生等の平成18年3月卒の県内就職希望者は、平成17年12月末現在で75.8%と高い割合となっており、県外からの求人数が増加しているにもかかわらず、県外就職に十分に結びついていない状況となっております。
こうした状況を改善するため、高校生に対する県外企業職場体験実習や大学生等に対する県外企業インターンシップを実施するとともに、県外企業を含めた求人説明会や就職面接会を実施しております。
また、沖縄県キャリアセンターにおいては、若者みずからが県外就職も視野に入れた幅広い職業観を形成するためにキャリアカウンセリングや大学でのキャリア講義などを開催しております。
さらに、保護者への意識啓発も重要であることから、家庭での子供の就職について保護者の役割等に関するセミナーを実施しております。
次に、職業安定計画の施策と実績についてであります。
第2次職業安定計画における若年労働者の雇用促進の具体的施策として、沖縄県キャリアセンターにおいて就職に関する各種セミナーやキャリアカウンセリング、県内外インターンシップを行うとともに、地域産業活性化人材育成事業や若年者地域連携事業を実施するなど、各機関と連携を強化した事業等を展開し、若年者の雇用状況の改善に努めております。
また、若年者雇用に関する奨励金等の雇用支援制度を積極的に活用した新たな雇用機会の創出やトライアル雇用事業の活用を促進するとともに、若年技能者の養成及び多様化する地域ニーズに応じた職業訓練を実施しております。
平成17年3月卒の高校生及び大学生等の就職内定率は、それぞれ84.9%、77.7%となっており、平成16年度の目標の75.0%を上回る実績となっております。
次に、ニートやフリーターの状況と対策についてであります。
若年者を取り巻く家庭や社会環境の変化、若年者の価値観の多様化及び企業の採用のあり方の変化等を背景に全国的にニートやフリーターが増加しており、本県においても同様な傾向にあると思われます。
このため、沖縄県キャリアセンターにおいては、学生を初めフリーターやニートを含め若年者を対象にキャリアカウンセリングの実施、保護者や企業人事担当者向けセミナーの開催等きめ細かな対策を実施しているところであります。
このほか、職業能力開発校等における職業訓練とあわせて、専修学校等民間教育訓練機関を活用して座学と企業実習を組み合わせたデュアルシステム事業を実施しており、フリーターを含む若年者の常用雇用につなげる対策を展開しております。
また、合宿生活の中で職業人として必要な基本的能力の獲得、勤労観の醸成を目的とした「若者自立塾」への参加促進を図るなど各機関と連携を強化し、ニートを初め若年者の雇用改善に積極的に取り組んでいるところであります。
次に、高失業率の要因と今後の見通しについてであります。
本県の完全失業率は平成13年の8.4%をピークに改善傾向にあり、平成16年は7.6%となりましたが、平成17年は0.3ポイント上昇し7.9%となっており、全国に比べて依然として厳しい状況にあります。
本県の失業率が高い主な要因は、就業者数の増加を上回る労働力人口の増加や県内の雇用の場の不足、県外就職の減少に加え景気が回復傾向で推移する中で、現在の仕事よりもよい条件の職を探すため自発的離職者が増加していることなどが挙げられます。
今後の見通しとしては、新規有効求人倍率等の求人の動向は引き続き堅調である一方で、原油価格の高騰が経済へ与える影響など不確定な部分があることから、今後とも雇用動向を注視しつつ戦略的な産業振興による雇用の場の創出、産業振興と一体となった若年者の就業支援や職業能力の開発等を推進してまいります。
次に、雇用のミスマッチと高失業率についてであります。
県内の雇用状況は、県内の雇用の場の不足や県外就職の減少などのほかに、求人が多い業種と求職が多い業種の不一致や年齢要件、希望する雇用形態、企業の求める技術・技能等のさまざまな面で求人側と求職者側のミスマッチがあると考えられます。
このようなミスマッチの解消を図るため、職業能力開発校等における職業訓練とあわせて、座学と企業実習を組み合わせたデュアルシステム事業等を実施するとともに、コールセンター人材育成事業やトライアル雇用事業の活用等を行い、企業のニーズに対応した人材の育成に努めております。
次に、高齢者の再就職対策についてであります。
高年齢者の能力の有効な活用を図ることを趣旨として「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が改正され、定年の引き上げなどの高年齢者雇用確保措置の義務化、高年齢者の再就職の促進や多様な形態による雇用・就業機会の確保などにより、高年齢者の雇用の促進を図ることとなっております。
沖縄労働局によると、県内の300人以上規模の企業の73社において、本年4月1日の法施行日までにおおむね9割が高年齢者雇用確保措置を導入する見込みであります。300人未満の企業についても企業訪問等により引き続き支援・指導を行うこととしており、今後、高年齢者雇用確保措置を導入する企業が増加するものと思われます。
県におきましても、沖縄労働局等関係機関と連携して事業主等への周知を図るとともに、職業能力開発校における高年齢者を対象とした職業訓練、高年齢者無料職業紹介事業、シルバー人材センターの設置促進等により高年齢者の雇用促進、就業機会の確保に努めてまいります。
次に、少子・高齢化対策の御質問の中の「2007年問題」についてであります。
人口減少社会の到来により、経済社会を支える労働者が減少する一方、2007年からは団塊の世代が60歳に達する時期となり、現場を支える熟練した技術・技能が継承されずに失われてしまうことが懸念されております。
そのため、国では、若年者を安定した雇用に導くための支援策や、技術・技能を持った団塊の世代の技能継承を進めるための各種施策に取り組むことになっております。
その主なものとして、若者の職業人としての自立を推進するための施策、また団塊の世代の高齢化に伴う技能継承等の支援としては、中小企業団体等による技能継承支援の推進、技能継承を行う企業及び後継者確保に対する助成制度の創設等により、団塊世代の引退に伴う問題に取り組む企業を支援することなどが予定されております。
以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは高校卒業予定者の就職内定状況についてお答えします。
ことし1月末における県立高等学校卒業予定者の就職内定率は60.4%で、前年度を7ポイント上回っております。しかしながら、昨年12月末の就職内定率は全国平均の77.9%と比較すると約20ポイントの開きがあります。また、就職希望者のうち県内希望が約7割、県外希望が約3割となっております。
就職内定率の低い要因は、高校生の県内志向や進路決定の遅さ、採用条件が高卒から大卒への社会的需要の変化等が考えられます。
今後とも、県内外の求人開拓や高校生のインターンシップの推進、就職支援のためのジョブアドバイザーの配置、ビジネスマナー講座等を実施し、高校生の就職内定率の向上に取り組んでまいります。
次に、不登校対策についてお答えします。
平成16年度の不登校児童生徒数は、小学校で304人、中学校で1139人、合計1443人で、在籍比率は全国平均の1.14%に対し0.92%となっており、5年連続減少しております。
本県の取り組みとしましては、児童生徒一人一人にきめ細かに対応するための指導・支援カルテの作成・活用、スクールカウンセラーや巡回教育相談員の配置、不登校問題対策10市連絡協議会の開催等があります。
また、遊び・非行傾向の不登校については、生徒のやる気支援事業を導入し、「子どもの居場所づくり」を推進しております。さらに、大人と子供の交流を図るため地域と連携して「地域子ども教室」を304カ所で開催しております。
今後とも、不登校対策の取り組みの徹底を図っていきたいと思います。
次に、スクールカウンセラーの配置についてお答えします。
県教育委員会では、スクールカウンセラーとして高度な専門的知識等を有する臨床心理士、精神科医、大学教授等を委嘱し、各学校に配置して児童生徒へのカウンセリング、また保護者、学校職員等への助言・援助等を行っております。今年度は公立中学校85校と県立高等学校11校合わせて96校に配置しており、配置校における不登校生徒数の減少などの効果が見られます。
今後とも、スクールカウンセラーの活用の充実を図り、不登校児童生徒への対応に努めてまいります。
次に、不登校問題対策10市連絡協議会についてお答えします。
県内10市から成る連絡協議会では、市教育委員会、大学教授、臨床心理士等が不登校について実効性のある取り組みを協議し、不登校対策の充実を図っております。
10市における不登校児童生徒数は平成16年度1135人で、平成11年度の1853人と比べ718人減少し、取り組みの効果が見られます。
本協議会の活動としましては、定例会のほか必要に応じて開催されることになっております。平成18年度においては、南城市も含め11市から成る連絡協議会として開催していきたいと考えております。
なお、不登校問題は本県の重要課題であることから、学校、家庭、関係機関・団体等と連携し、効果的な対策の充実に努めてまいります。
次に、登下校時の安全についてお答えします。
平成17年県警察本部の調査によると、声かけ事案は48件で、略取未遂の事案は発生しておりません。
本県では、全国で多発している幼児・児童生徒のとうとい命が奪われる痛ましい事件を対岸の火事とせず、引き続き学校、保護者、関係機関・団体等が一体となって、地域の子は地域で守るという観点から事件・事故の未然防止に努めていきたいと考えております。
次に、安全確保の具体的取り組みについてお答えします。
各学校においては、学校独自の危機管理マニュアルに基づいて安全対策が講じられております。
具体的な取り組みとしまして、防犯教室の開催、地域安全マップ作製活動、登下校時の安全点検等が実施されております。平成17年12月末現在の防犯教室の開催は、小学校97%、中学校95%となっております。
なお、小学校ではすべての学校で安全マップ作製活動が行われており、通学路の安全点検は98%の実施率であります。
また、各地域においても見守り活動や巡回パトロール等が行われており、特徴的な事例としては、石垣市のシルバーモーニングサービス、宜野湾市の退職教員による学校支援ボランティア活動等があります。
さらに、ことしに入ってから犯罪から子供たちを守る緊急対策として、小学校における全通学路の安全点検、学校安全ボランティアの充実、防犯教室の開催を平成18年3月末までに取り組むよう指導の徹底を図っているところであります。
次に、緊急対策6項目についてお答えします。
昨年12月、国においては「犯罪対策閣僚会議」が開催され、登下校時の安全確保のための緊急対策6項目が取りまとめられました。
その具体的な内容は、第1に、すべての小学校における全通学路の緊急安全点検、第2に、全児童生徒を対象とした実践的な防犯教室の緊急開催、第3に、地域における不審者情報共有体制の緊急立ち上げ、第4に、すべての小学校において通学路の安全を整備するための学校安全ボランティア、いわゆるスクールガードの充実、第5に、地域の路線バスをスクールバスとして活用する方針の検討、第6に、子供の安全確保の取り組みへの積極的な国民に対する協力の呼びかけとなっております。
次に、スクールガード導入状況と推進計画についてお答えします。
平成17年度、文部科学省の地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業として浦添市と那覇市新都心地区を指定し、モデル事業を推進しております。
本事業では、学校安全ボランティアをPTAや地域住民等から募集し、スクールガードとして委嘱し活動しております。平成18年度は「ちゅらさん運動」の重点課題に「子ども安全・安心プロジェクト」として位置づけ、すべての小学校にスクールガードを配置し、児童生徒の安全確保に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは農水産物の安全対策について、これは関連しますので一括してお答えします。
近年、食の安全・安心に対する消費者の関心の高まり等を背景に、農薬の適正使用及び農畜産物生産履歴等の確立を図ることは重要であると認識しております。
そのため、県では、市町村、JA、生産者等に対して農薬の適正使用についての講習会及び記帳指導を行うなど指導を強化しております。
農薬の検査については、農薬取締法に基づき、本庁及び病害虫防除所に17名の農薬取締職員を配置し、農薬販売者や使用者等に対し、農薬の適正販売や使用についての立入検査・指導を実施しております。
また、農産物の出荷前自主検査等についてもJA等の出荷団体と連携して取り組んでいくこととしております。
野菜、果実及び牛のトレーサビリティーについては、生産履歴の管理システム化に取り組んでおります。
さらに、食品の表示については量販店等を対象とした巡回指導の実施、食品表示110番の設置及び食品表示監視員の配置など、監視体制の強化に取り組んでおります。
続きまして、農林水産業総生産額に占めるさとうきびの割合についてお答えいたします。
平成15年度における農林水産業総生産額は約638億円で、県民総生産額の1.8%を占めております。
農林水産業総生産額のうち、さとうきびの占める割合は14.9%で金額にして約95億円となっております。さとうきびの県経済への波及効果については、平成7年の試算によると4.3倍となっており、極めて高い部門となっております。
続きまして、さとうきび増産プロジェクトについてお答えいたします。
国においては、沖縄県及び鹿児島県南西諸島の基幹作物であるさとうきびの生産が近年減少していることから、地元と連携してさとうきびの増産に取り組むこととしております。
そのため、昨年10月に農林水産副大臣を主査とした関係者による「さとうきび増産プロジェクト会議」を立ち上げ、さとうきびの増産プロジェクト基本方針を定めております。この基本方針に基づき島別に生産目標を定めるとともに、必要な取り組み計画の設定や検証を行うこととしております。
取り組みの基本方向としては、1、経営基盤の強化として収穫作業と株出し管理作業を連携した生産組織の育成、2、生産基盤の強化として畜産との連携、バガスの還元、緑肥作物の栽培等による地力の増進、水源・末端かんがい施設の整備、3、技術対策として土壌害虫の防除、早期高糖性品種の開発などとなっております。
県としても、「さとうきび増産プロジェクト会議」を県段階や島ごとに立ち上げ、国と連携してさとうきびの増産対策に取り組んでいるところであります。
続きまして、国内産糖交付金の支援と糖業振興臨時助成金の継続についてお答えいたします。
国は、さとうきびの新たな政策を進めるに当たって、生産農家や製糖企業の経営の安定を図るため、砂糖の取引価格と経営安定対策による政策支援を行うこととしております。
県としても、生産農家や製糖企業の経営安定を図る上で政策支援や糖業振興臨時助成金の継続が重要であることから、今後とも関係機関と連携し、国に要望していく考えであります。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 耐震偽装による本県の被害についてにお答えいたします。
今回の構造計算書偽装事件を受け、本県ではこれまで確認検査機関に対する立入検査や特定行政庁における確認検査事務の点検を行ってきました。その結果、構造計算書が偽装された物件や建築物の安全性について問題のある物件は現段階で確認されておりません。
次に、本県における建築確認の審査についてにお答えいたします。
本県における建築確認検査については、県のほか那覇市などの5市の特定行政庁及び国土交通大臣指定や県知事指定の民間の確認検査機関が審査業務を行っております。県知事指定の確認検査機関は沖縄建築確認検査センター株式会社及び財団法人沖縄県建設技術センターがあります。
県においては、建築確認審査の適正化を図るため、特定行政庁及び県知事指定の確認検査機関を含む連絡会議を開催しているところでありますが、今回の偽装事件の重大性にかんがみ、より一層密接に連携を図るとともに、確認検査機関に対する指導監督を徹底しているところであります。
次に、本県の耐震強度の実態についてにお答えいたします。
建築物の耐震強度については、昭和56年に施行された建築基準法施行令に基づく新耐震設計法により、建築物にかかる地震力をもとに算定されます。
地震力を計算する際には地震地域係数という数値を用いますが、これはその地方における過去の地震力の記録に基づく地震被害の程度及び地震活動の状況その他地震の性状に応じて1.0から0.7までの範囲内において国土交通大臣が定める数値であり、沖縄県は0.7と定められております。建築基準法は建築物の構造などについて基準を定めるものであり、その基準により建築物の安全性は確保されております。
次に、耐震診断支援策についてにお答えいたします。
住宅の耐震化を促進するための国の支援制度として、住宅・建築物耐震改修等事業と今年度から新たに創設された地域住宅交付金制度があります。
県は、これまで建築物防災週間等の機会を通して、市町村や関係団体等に対して耐震改修に関する周知を図ってきたところであります。
本県の一般住宅の構造は、本土と違い鉄筋コンクリート造等が大半を占めるという特性もあることから、耐震改修に関するノウハウの蓄積を図る必要があります。
このため、県では、平成18年度において、地域住宅交付金制度を活用して沖縄県における住宅の耐震改修マニュアル――仮称ですが――を作成することにしております。その後は県民からの耐震診断や耐震改修に対するニーズ等を考慮しながら、市町村の助成制度との連携に努めるなど、耐震化促進に取り組んでいきたいと考えております。
次に、本県における建築確認申請書のサンプル調査についてにお答えします。
国土交通省より、去る1月6日に「特定行政庁に係る確認検査業務の点検」について県に調査依頼があり、その結果、構造計算書のぺージが一部欠落していた状況で建築確認がなされていた事例があったとの報告が一特定行政庁からありました。一特定行政庁においてその後直ちに設計者に欠落していたページの提出を求め、内容についてチェックをした結果、問題がなかったことが確認されております。
県は、今後とも建築確認の審査に当たっては、偽装設計の可能性も視野に入れて厳格に対処するよう関係機関に対し指導していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(外間盛善) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程は、これで終了いたしました。
次会は、明23日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時36分散会