○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた公安委員会委員長幸喜徳子君は、別用務のため本日、明日及び27日から3月1日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日、27日及び3月1日の会議に公安委員会委員翁長良盛君、24日及び28日の会議に同委員会委員安里昌利君の出席を求めました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(外間盛善) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
平良長政君。
〔平良長政君登壇〕
○平良 長政 護憲ネットワーク県議団を代表して代表質問を行います。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、11月知事選に向けて。
昨日、与党第一党幹事長は、これで県知事ですかと詰め寄り、知事との決別宣言、与党離脱宣言とも思えるようなやりとりがありました。自民党は、知事は別の人をと考えているようですから、自信を持ってお答えを願いたいと思います。
ア、2期7年余、知事を担ってやり遂げたことで一番印象に残ること、またやり残したこと、そして20年後の望ましい沖縄の未来像についてお伺いいたします。
イ、後継問題もあり6月議会では遅く、今議会で正式に不出馬表明をし、後継人事に着手しないと責任問題が出てくるのではありませんか。次もやるという知事の決意があれば6月議会でも9月議会でもいつでもいい話でありますが、もし出ないと、そういう決意であれば、おくれると責任問題が出てくると言っているわけであります。
(2)、米軍再編問題について。
ア、米軍再編問題で知事の県民世論に立脚したぶれない姿勢を高く評価するものであるが、日米両政府は相変わらず県や名護市の意向を聞こうとせず押しつける姿勢を崩しておりません。知事は、最終報告に向けてどうするおつもりですか。
イ、平成18年1月4日、経済団体主催の合同年始会でのやりとりをマスコミは次のように伝えております。仲井真弘多県商工会議所連合会会長は、「日本政府と事を構えるようなことがないようにしてほしい」と沿岸案に拒否姿勢の稲嶺知事に注文をつけた。それに答えて知事は、「政府とけんかしたことは一遍もない。ただ、言うべきことは言っている」、「私自身、知事に恋々としているわけではない。」。
私は、経済界や与党の一部が政府との関係悪化を懸念して言うべきことも言うな、妥協をせよと迫るのは、長いものには巻かれろ、事大主義、沖縄に自己決定権はないというもので大変おかしいと思います。改めて知事の決意をお聞きしたいと思います。
ウ、名護市長選の結果が米軍再編にどう影響すると見ておりますか。
エ、3月5日に開かれる県民大会は、現在の米軍再編案に対する県民意思を日米両政府に示す絶好のチャンスであり、知事の大会出席は最終報告に向けて大変インパクトのある行動になると思います。沿岸部への移設を断念させるため県知事の行動が問われている現在、出席して歴史を動かしてほしいと思うのは私一人ではないと思いますが、どうですか。
オ、知事が沿岸案反対を押し通すと公有水面埋め立ての知事権限を国が取り上げる特別立法(特措法)も予定されているといいます。11月定例会の私の再質問に対して知事は、「県民の心情を無視した形での米軍再編を進めることは許されない」と答弁なさいましたが、もしそのような事態になれば、県民投票で県民意思を問う必要があると思いますが、知事の所見をお伺いします。
(3)、2月3日、米国防総省が公表した4年ごとの国防戦略見直し(QDR)には、昨年10月合意された米軍再編に関する具体的な言及はありませんが、テロに勝つなど4つの優先目標や中国を潜在的な挑戦者と明示し、日本を最も重要な同盟国と位置づけたようですが、今回のQDRに対する知事の所見をお伺いします。
(4)、麻生外相の、天皇陛下の靖國参拝が一番発言は、首相参拝で悪化している中韓両国との関係がさらに冷却し、外相としての資質が問われるものと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。
(5)、朝日新聞の最近の世論調査で、所得の格差が広がってきていると思うという人が74%で、同じ朝日新聞の直近の2月18日、19日の調査では71%に落ちておりますが、そのうち49%の人が格差拡大は首相の政策と関係あると答え、この層での内閣支持率は24%、不支持率が66%と報じられております。
小泉構造改革は、強きを助け弱きをくじく弱肉強食の競争原理をあらゆる面に貫く市場主義改革でありますので、格差拡大社会になるのは当然の帰結と言えます。
厚生労働省の数字によれば、日本の世帯別所得水準について上位2割の最高所得層と下位2割の最低所得層の開きは、80年代前半は10倍以内であったのが2002年には実に168倍、20年で20倍近くになっていて、日本はアメリカと並ぶ格差拡大社会になっております。そして、格差是正のためには今や就業者の3分の1を超している非正規雇用労働者の均等待遇の法制化と社会保険の全員適用の制度化を実現すべきであるのに、2月1日の参院予算委員会での我が党福島瑞穂党首の質問に対して小泉首相の答弁は、格差が出るのは悪いことだとは思っていない。今までが悪平等だったとの格差拡大容認論を出しております。勝ち組に光を当てるという考え方に対する知事の所見を、そして、あわせて勝ち組の象徴だったホリエモンについての所見もお伺いいたします。
(6)、指定管理者制度に関連して。
官から民へという流れを否定するものではありませんが、民に任せるべきではなく、官がしっかりやるべきものがあると思いますが、その区分けについて知事の所見をお伺いいたします。
2、沖縄県国民保護計画について。
(1)、県は、計画を策定する際、広く県民の意見を聞くためパブリックコメントを求めました。その中に、沖縄県こそが善隣友好に努め、国民保護法も国民保護計画も必要としない状況をつくることに最も精力を注ぐべきという意見もありました。戦争状態にならないように平素から平和を追求をしていくとの県の平和外交努力を県国民保護計画にしっかりと盛り込むべきではありませんか。
(2)、過去の歴史からの教訓として、報道機関の権力からの独立は報道の自由を確保するためにも必要不可欠であると考えます。報道機関が国民保護計画策定に参画し、国民保護訓練にも参加してそれらを客観的・批判的に検証し報道することが果たして可能なのでしょうか疑問であります。県は、報道機関に指定地方公共機関の指定要請をやめるべきと思いますが、どうですか。
この件については2月18日、民放5社のうち4社が報道の自由を条件に受諾したようでありますが、受諾の経過を含めて御答弁いただければ幸いです。
(3)、県内民放5社からの意見書への県の回答文書――2月2日――に、「放送の方法については、伝達すべき内容の正確さを損なわない限度において、放送事業者の自主的な判断に委ねる。」とありますが、伝達すべき内容の正確さを損なわない限度においてというと、だれがその正確さを判定するのでしょうか。戦前の大本営発表に見られる経験からして問題ではありませんか。
(4)、どうして県の計画が国との正式協議を経て閣議決定の手続まで必要とするのですか。
(5)、市町村の計画はどのようになされる予定ですか。県の関与はどうですか。
3、道州制について。
(1)、1月24日に開かれた地方制度調査会の専門小委員会で全国を9、11、13ブロックに分ける区域割り案すべてで沖縄は単独ブロックとなったようですが、県はどのように考えますか。
実はその11日前の1月13日の第36回専門小委員会では3つの区域例が出て、8ブロック、9ブロックとも沖縄は単独ではなくて九州ブロックと一緒という案でありました。11ブロックになって初めて単独ということですが、その10日余り前に変更になったということであります。
(2)、道州制は全国一律ではなく一国多制度とし、沖縄は過去の歴史的経過からして高度な自治制度を要求すべきと思いますが、どうですか。
4、観光振興策について。
(1)、宜名真県観光商工部長を中心とする沖縄観光キャンペーン団は今月台湾を訪れ、中華航空の増便要請等を行ったようだが、同キャンペーン団の成果と今後の課題についてお伺いいたします。
(2)、世界のクルーズ客船を持つ船会社の担当者を招き、沖縄へのクルーズ船誘致活動をしたらどうでしょうか。
(3)、中国、台湾、韓国からの学生の修学旅行誘致活動をしたらどうですか。青少年交流としても意義があり、リピーターとしても有望であると思います。
5、那覇港湾事業について。
(1)、那覇港湾事業については、那覇港管理組合議会――具志さんが議長でありますが――管理者である知事との活発な議論も展開をされております。港湾事業が県政の重要課題でありながら、一部事務組合の事業となったため県議会での議論がこの間ありませんでしたので、あえて知事に以下お尋ねいたします。
フィリピンのICTSI社と県内港運6社でつくる「那覇国際コンテナターミナル」の運営事業がことし1月1日スタートいたしました。国際トランシップの拠点港としての那覇港の戦略と可能性についてお伺いをいたします。
6、北部訓練場のヘリパッド建設について。
(1)、2月9日の日米合同委員会は、返還予定地の7カ所のヘリパッドを返還後に残る区域に6カ所を移設、直径75メートル予定を45メートルにするなど修正して合意しました。同区域でレッドデータブックに記載されている希少動植物が204種、ノグチゲラやヤンバルクイナ等のヤンバル固有の動物が9種、植物は11種も確認されております。同区域でのヘリパッドの新規建設は許されるものではありません。県は、新年度予算で希少野生動植物種保護条例制定事業も予定をしており、明確に反対の意思を表示すべきと思うが、どうですか。
7、社会福祉事業団問題について。
(1)、建物の無償譲渡が1年間の無償貸与への変更理由は何か。
(2)、土地は3年をめどに無償貸与とし、その後、有償譲渡について改めて検討するとの県議会11月定例会での全会一致決議は完全に無視されているが、それでいいのですか。
(3)、他県で行われている支援策等――例えば宮崎県では5カ年で40億円――は拒否しておきながら、民営化された施設に県から役員を派遣するのはなぜですか。
(4)、事業団職員は退職金問題で集団訴訟も辞さないと聞いておりますが、どう対処されますか。
8、国際交流事業について。
私は、去る1月27日から29日に開催されたペルー沖縄人移住100周年記念事業に県議団の9名の一員として参加してまいりました。南米は初めての訪問でしたが、ニューヨーク、ブラジル、アルゼンチン、ペルーを回り県人会との交流等意義深い訪問となりました。各地でウチナーの伝統芸能や空手、ウヤファーフジを敬う風習、ウチナーグチを大事にしている姿を見て感動いたしました。沖縄を離れて南米でウチナーンチュのよさを、アイデンティティーを改めて実感をいたしました。今後の私どもの生き方を示されたと言っても過言ではないかもしれません。正直に、誠実に皆と仲よく生きていく、まさに琉球王国時代に東南アジアに雄飛したウチナーンチュの姿とダブりました。
そこで質問いたします。
(1)、ペルー100周年記念事業について。
ア、知事も参加されましたが、率直な感想をお伺いします。
イ、留学生の受け入れ等、今後の県の支援策はどのように考えておりますか。
(2)、「第4回世界のウチナーンチュ大会」について。
ア、予算は幾らですか。今大会の新規事業は何ですか。
イ、単発的なイベントではなく、持続的で継続的なものに発展させるべきではありませんか。例えば、事務局を県国際交流人材育成財団に置いて人事異動のないプロパーが担い、各国との日常的な連携・蓄積を図ってはどうですか。
ウ、大会に来たくても来れない多くの人たちのために、大会模様だけではなく沖縄の過去や現在の状況も入れたビデオを作成して提供することを考えたらどうですか。
(3)、WUBの支援について。
ア、「世界ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション」の今日的意義と今後の展望についてお伺いします。
イ、県のとり得る支援策は何ですか。
9、県建設業の談合問題について。
県内談合問題の前に逮捕者も出ている防衛庁を舞台にした官製談合についても言及したいと思います。
天下りした防衛庁OBに対して各企業が支払っている給与の額に比例して防衛庁が工事発注を配分するという腐敗の構造は驚きであります。岩国基地の滑走路移設事業2400億円の最大プロジェクトも東京地検の容疑の対象となっております。特捜部は官製談合と天下りの官民癒着の構造にしっかりとメスを入れてもらいたいものであります。
そこで質問いたします。
(1)、県発注の土木建設工事で談合を繰り返していたとして公正取引委員会が昨年6月に独禁法違反で県内大手土建業者を立入調査し、近々に処分の決定が下されるといいます。業界内では必要悪とされてきた談合も国民の血税が余計に使われたことでもあり、この機会に談合体質からの脱却に向け県当局も含め業界全体が一致団結して取り組むことを願うものであります。公取委の処分内容や規模も明らかになってない段階ではありますが、次の点を質問いたします。
ア、課徴金、違約金、追徴金合わせて200億円規模に達する見込みとも言われ、このままだと建設業界が崩壊し、大量の失業者が出現し、雇用不安等県経済が深刻な事態に陥る危機とされておりますが、県はこの事態をどうとらえ、どう対処しようとしておりますか。
イ、県は、今後とも入札制度の明瞭化、分離・分割発注の徹底、県内企業の受注機会の確保に努めるべきと思うがどうか。
質問は以上ですが、答弁によりまして再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
それでは平良長政議員の御質問にお答えいたします。
最初は、知事として印象に残ったこと、沖縄の未来像等についての御質問にお答えいたします。
私は、知事就任以来、基地問題の解決促進を図るとともに、経済の振興や県民生活の向上など県勢発展のため全力で取り組んできました。新たな沖縄振興計画が策定され、それに基づく多くの施策・事業の展開を通じて21世紀の沖縄の進むべき方向性を明らかにしてきました。
その間、印象に残っていることを挙げるとすれば、2000年7月の沖縄サミットの開催によりコンベンションアイランド沖縄を世界に発信することができ、沖縄の特性を生かした観光の礎を築いたこと、私のトップセールスにより企業誘致を進めるなど経済の活性化を図り、3万7000人の就業者数の増加を実現したこと、世界最高水準の大学院大学の設置が軌道に乗ったこと、2度の沖縄平和賞を贈賞し、平和を愛する沖縄の心を世界に発信したことなどが挙げられます。
しかしながら、最終報告に向けた米軍再編協議への対応や依然として厳しい雇用情勢の解決、行財政改革などの課題があり、基本政策を着実に推進し、民間主導の自立型経済の構築に向けて引き続き取り組んでまいります。
20年後については、地理的な条件や気候的特性、歴史や文化、県民性など、本県の特性を県民一人一人が自信を持ち、それを最大限に生かしてアジア・太平洋諸国との交流拠点の形成に向かって将来にわたって発展していくことを望みます。
さらに、平和を志向し、県民が真に信頼し合い、安心して暮らせる社会であってほしいと願っております。
次に、3選出馬についてお答えいたします。
現在、在日米軍の再編協議が行われている大変重要な時期であり、沖縄振興計画に基づく多くの施策・事業に取り組んでいるところであります。今後、残された任期の中で喫緊の課題や施策に全力で取り組んでまいる所存です。
次に、最終報告に向けての対応についてお答えいたします。
県は、海兵隊の司令部や兵員等の県外移転等については一定の評価をしておりますが、普天間飛行場移設の新たな合意案については容認できるものではありません。しかしながら、地元には誠意を示して理解を求めるという政府の姿勢であることから、県としても政府との話し合いには応じる考えであります。
県としては、普天間飛行場の危険性の除去及び早期返還と、県民の目に見える形での負担軽減という基本的な考え方が最終報告に反映されるよう全力を尽くします。
次に、政府との関係についての御質問にお答えいたします。
新たな合意案は、これまでの経緯を踏まえれば容認できないことを政府に対して申し入れておりますが、地元には誠意を示して理解を求めるという政府の姿勢であることから、県としては政府との話し合いには応じる考えであります。
県としては、県民の目に見える形での負担軽減という基本的な考え方が在日米軍再編の最終報告に反映されるよう全力を尽くしてまいります。
次に、名護市長選挙結果の影響についてお答えいたします。
米軍再編の中間報告で示された普天間飛行場代替施設の沿岸案については、島袋市長も県と同様に容認できないことを明確にしております。
県としては、今後とも3月の最終報告に向けて名護市と十分に連携していきたいと考えております。
次に、麻生外相の発言についての御質問にお答えいたします。
麻生外務大臣の発言は、政治家として所見を述べられたものと理解をしております。
次に、格差拡大容認論と堀江容疑者についての所見についてお答えいたします。
御指摘の所得格差について、格差拡大のすべてを構造改革の責任にすることはできないと思います。
すべての人々に公平にチャンスが与えられ、能力ある者があらゆる分野に新規参入することで社会が活性化し、その成果が社会全体に還元される仕組みをつくることは大事なことであります。
また、不況で低所得を強いられている人や職のない方に対する雇用支援や、教育・訓練等対策を講じることは政府、行政の役目であると考えます。
証券取引法違反容疑で逮捕された堀江容疑者については、現在、捜査中であり、発言を控えたいと思います。
次に、官から民への流れについての御質問にお答えします。
少子・高齢化の進行など社会経済情勢の急速な変化や厳しい財政状況を踏まえますと、これまでと同様に専ら行政が公共サービスを提供していくことは困難であると考えております。
一方において、公の施設の管理や福祉サービスの提供など、民間にゆだねた方がサービスの向上につながり、行政が直接実施することが必ずしも必要ではない事例も多く見受けられるようになっております。
このようなことから、選択と集中の視点で行政の役割を改めて見直し、積極的な指定管理者制度の導入など、民間との協働・連携を進め、サービスを確保していきたいと考えております。
しかしながら、公共サービスを提供する主体が民間に存在しない場合も含め、行政の責任においてサービスを確保しなければならない分野については適切に対応してまいります。
次に、沖縄の区域例の考え方及び自治制度のあり方について、道州制の問題について一括してお答えを申し上げます。
今月末の地方制度調査会の答申において、道州区域例が示される予定となっておりますが、新聞報道によると、すべての区域例で沖縄は単独州の位置づけになるとされております。しかしながら、この区域例はあくまでも例示であり、どのような区域を選択するかは地方の判断にゆだねられるものと考えております。
道州制は現行の行政組織を再構築して地方自治の充実強化を目指すものであることから、県としては地方制度調査会の答申や、それを受けた政府の方針等を注視し、高度な自治が実現されるよう適切に対応していきたいと考えております。
次に、那覇港の国際トランシップの拠点港としての戦略と可能性についてお答えいたします。
那覇港は、沖縄振興計画において国際交流及び国際物流拠点として整備することとされております。
具体的な戦略としては、中国と欧米及び東南アジア間の国際コンテナ貨物を取り扱うために優位な那覇港の地理的条件を生かし、経験豊富なオペレーター企業による効率的なターミナル運営やコンテナ貨物獲得に向けた事業展開により、トランシップ貨物を含む国際コンテナ貨物の増加を図ることとしております。
県としても、那覇港が国際トランシップの拠点港としての機能強化が図られるよう積極的に支援してまいりたいと考えております。
次に、ペルー100周年記念事業に参加した感想についてお答えをいたします。
ペルー移住100周年記念式典には県内から参加した約60名の訪問団が出席し、会場を埋め尽くした約700名の県人会の人たちとともに一世紀の歩みを祝いました。
移住一世の方を初めブラジル、アルゼンチン、ボリビア、北米各地域等からも多くの県系人の参加があり、県系人の人的ネットワークが世界的規模で広がり、互いのきずながますます強固なものになっていることを確認し、心強く感じました。
さらに、式典終了後に行われた祭典には県系人子弟等によるエイサーや三線、舞踊などの多彩な演目が披露されましたが、幅広い世代の若者や子供たちのあふれるパワーに感激いたしました。
困難に耐えて先人が残した沖縄のアイデンティティーを引き継ぐ県系人の姿に感銘を受けるとともに、ウチナーンチュのチムグクルを大切にし、互いに協力しながらペルーの発展、日本、沖縄との交流のきずなを深めていくことが大事であるとの思いを新たにしました。
その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 県民大会についての御質問にお答えします。
県民大会については、全党派、経営者団体、労働団体、婦人団体等広く各界各層を網羅し、沖縄全体が一体となるなど、県民が主体となった取り組みが必要であると考えております。
次に、特措法と県民投票についての御質問にお答えします。
政府は、いわゆる特措法的なものは全く考えていないと繰り返し述べており、去る1月23日の衆議院代表質問で小泉首相は、このような法案を検討していないと明確に否定をしております。
県としては、県民感情を無視した形で米軍再編を進めていくことがあってはならないと考えております。
次に、QDRへの所見についてお答えします。
2006年のQDRにおいては、日本との同盟関係はアジア・太平洋地域の安定にとって重要であるとしております。
県としては、日米安全保障体制が我が国及び東アジアにおける国際の平和と安定の維持に寄与していると理解しており、我が国に所在する米軍基地が重要な役割を果たし、沖縄がその根幹を支えてきたと認識をしております。
次に、県の平和外交努力を県国民保護計画に盛り込むことについての御質問にお答えします。
国民保護計画は、武力攻撃事態等において国民の保護を図るための行動計画であります。
このため、県国民保護計画案では平素の備えとして円滑な国民保護措置が実施できるよう、関係機関との連携体制の整備や通信の確保などについて記載をしております。
御指摘の平和外交努力については本計画の前提としているものであり、政府においては有事が発生しないようこれまでにも増して不断の外交努力を行っていただくことが何よりも重要であると考えております。
次に、報道機関の指定地方公共機関の指定要請についての御質問にお答えします。
武力攻撃事態等における警報、避難の指示及び緊急通報は、いずれも県民の生命、身体及び財産にかかわる大変重要な情報であり、この情報を多くの県民に迅速かつ的確に伝えるためには放送事業者の協力が必要不可欠であると考えております。このため、県としては、放送事業者にその役割を担っていただきたいと考えております。
なお、県内の民間放送4社からは2月17日に指定の承諾をいただいております。
なお、報道事業者との県の意見交換等の経緯につきまして御説明をしますと、5月から6月にかけて放送事業者を含めて各社を訪問して指定の承諾を依頼をいたしました。6月21日には放送事業者5社の報道責任者の連盟によって知事あてに要望書がありましてこれを受理し、8月には知事公室長名で回答をいたしております。
その後、5社の報道責任者と意見交換会を9月に行いました。ことしの1月に放送事業者5社の代表取締役の連盟による意見の提出がありまして、これに対して2月3日に県としての意見書に対する回答を手交しております。
以上の経緯を経て、現在県内の民間放送4社から承諾をいただいているということでございます。
次に、県内民放5社への県の回答にある報道の方法についての御質問にお答えします。
武力攻撃が発生した場合等の警報、避難が必要な場合における避難経路や交通手段などは、いずれも住民に迅速かつ的確に伝えなければならない大変重要な情報であります。放送は、これらの情報を国民に迅速に伝達する大変有効な手段の一つであります。
放送については、放送事業者の自主性や自律性に配慮することになっていることから、放送の方法については、伝達すべき内容の正確さが損なわれない限度において放送事業者の自主的な判断にゆだねられております。
次に、県計画の国との正式協議及び閣議決定についての御質問にお答えします。
都道府県国民保護計画は、国民保護法第34条で、政府が定めた国民の保護に関する基本指針に基づき作成するほか、指定行政機関である各省庁が作成する国民保護計画との整合性を図る必要があります。このため、内閣総理大臣への協議を行うものであり、閣議決定はその協議に対する政府としての意思決定であります。
次に、市町村の計画と県の関与についての御質問にお答えします。
市町村の国民保護計画は、政府の定めた基本指針と県の国民保護計画に基づいて作成することになります。消防庁からは平成18年1月31日に市町村の国民保護モデル計画が示されておりますが、県としては、同じような特色を持つ市町村をグループ分けし、その地域特性を踏まえた市町村計画が作成できるよう必要な支援を行いたいと考えております。
次に、北部訓練場ヘリパッド建設についての御質問にお答えします。
県は、これまで国に対し、北部訓練場の返還に伴うヘリパッドの移設場所の決定に際しては、ヤンバルの貴重な自然への配慮を求めるとともに、当該移設場所の自然環境への影響やその対策等について、県及び関係市町村に十分に説明するよう申し入れてきました。
国においては、ヘリパッド移設に係る環境影響評価について、これまで自然環境に最大限配慮するとの観点から、条例に準拠してヘリパッド移設が自然環境に及ぼす影響について予測・評価を実施し、これらの結果を環境影響評価図書案として取りまとめたとしております。
現在、環境保全の見地から意見を求めるため、同図書案は閲覧に供されているところであり、県としては、国による環境調査の結果や関係する市町村の意向等も踏まえながら、当該地域の自然環境に十分配慮した移設場所の選定がなされるよう適切に対応したいと考えております。
以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) 観光振興策についての御質問の中で、まず台湾での沖縄観光キャンペーンの成果と今後の課題についてお答えをいたします。
このほど観光・物産・交通の行政関係者並びに経済団体等約50名で台湾を訪問し、「ビジット・沖縄・キャンペーンin台湾」を実施いたしました。
具体的には、観光団体、航空会社、旅行社等約300名を招いて「観光感謝の夕べ」を開催したほか、沖縄物産展の開催、ビルへの壁面広告、路線バスへの車体広告、情報誌への特集掲載などのPR事業を集中的に実施いたしました。
また、台湾―沖縄間の航空路の拡充について台湾政府機関や関連航空会社に要望をいたしました。
同キャンペーンの成果としては、観光・物産が一体となり、台湾市場に向けて多様な方法で沖縄の魅力を発信できたこと及び各分野における台湾関係機関との協力関係を築くことができたことであります。
また、今後の課題としては、台湾における若年層の開拓や個人旅行向けの高品質の魅力ある商品造成の展開や航空輸送力の拡大があります。
次に、クルーズ客船誘致活動についてであります。
沖縄県は、東南アジア、中国、日本を回るクルーズ船にとって地理的条件からクルーズ船寄港地として適しており、有力な寄港地と目されております。現在、本県へのクルーズ寄港回数は、我が国の中で神戸、横浜に次いで3番目となっております。
今後の活動としましては、クルーズ促進連絡協議会を開催して国、市町村等関係機関との連携を深め、クルーズ船運営会社への情報提供を行うとともに、セミナー・イベントへの参加等を通じて世界各国からのクルーズの誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
また、那覇港クルーズ船専用バースの完成を視野に入れ、クルーズ担当者の招聘も検討するなど、積極的なポート・セールスを展開してまいります。
次に、中国、台湾、韓国からの修学旅行誘致についてであります。
県においては、現在、国と連携して「ビジット・ジャパン・キャンペーン」に取り組み、中国、台湾、韓国を中心に外国人観光客誘致を図っております。平成15年には中国語、韓国語の沖縄修学旅行紹介DVDを作成し、また平成17年には「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の一環として韓国で開催された「VJC韓国・訪日教育旅行説明会」に参加し、修学旅行誘致PRを行いました。
また、本年3月に北京で開催される「訪日修学旅行説明会」及び「日中修学旅行交流促進シンポジウム」への参加も予定しております。
ちなみに、台湾からの沖縄への修学旅行は平成16年は1校、平成17年は3校実施されております。今後とも国を初めとする関係機関との連携を図り、修学旅行誘致に積極的に取り組んでまいります。
次に、国際交流事業についての御質問の中で、まず留学生の受け入れ等今後の支援策についてお答えをいたします。
海外の移住者子弟を県内の大学等で修学させ、本県と移住先国との友好親善の推進に寄与する人材の育成を目的とした留学生の受け入れにつきましては、昭和44年度から受け入れ事業を実施し、平成17年度までにペルー、ボリビア、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、アメリカ、カナダの7カ国から延べ322名を受け入れております。ここ5年間の年平均留学生受入数は約11人となっており、留学生はそれぞれ琉球大学、県立芸術大学、名桜大学等において日本語、邦楽、美術等を学んでおります。
また、移住先国から優秀な人材を受け入れ、それぞれの必要な技術の習得を目的とした海外技術研修員受入事業、ウチナーネットワークを担う次世代の人材育成を目的としたジュニアスタディーツアー事業、さらに海外で活躍し、沖縄との交流のかけ橋となり得る者をウチナー民間大使として認証する国際ネットワーク事業等を実施しております。
県としましては、これら県系人社会に対する支援事業が本県の国際交流事業の推進に極めて有意義であることから、その継続・発展について努力していく考えであります。
次に、「第4回世界のウチナーンチュ大会」の予算、新規事業及び継続的なものに発展させるべきではないかとの御質問にお答えをいたします。一括してお答えをいたします。
「第4回世界のウチナーンチュ大会」の平成17年度予算は2800万円、平成18年度は3億円を見込んでおります。
新規事業としましては、県内の小学校・中学校・高校と海外のウチナーンチュが交流する「一校一国運動」、海外県系人子弟を招聘して実施する「ジュニアエイサー祭り」、去る大戦で多くの県民を壕などから救済した「元2世通訳兵への感謝状贈呈」、世界のウチナーンチュ大会版「NHKのど自慢」等があります。また、万国津梁をテーマにした若者主体のミュージカルも計画しております。
第4回大会では、大会目的を、次世代の育成を図りウチナーネットワークの継承、深化・拡充を目指すこととしており、現在、その目的に沿って個別プログラムの内容を詰めているところであります。
事務局のあり方につきましては、各国との日常的な連携・ノウハウの蓄積を図るためどのような体制がよいのか、組織、予算を含め総合的に検討していきたいと考えております。
大会報告用のビデオの作成につきましては、これまでも大会ごとに作成しているところでありますが、今回のビデオの内容につきましては、御指摘を踏まえ検討してまいります。
次に、WUBの今日的意義と今後の展望及び支援について一括してお答えをいたします。
「世界ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション」、いわゆるWUBは平成9年の設立以来、世界各地のウチナーンチュビジネスマンとの連携を図りながら、国際的なビジネスネットワークの構築と会員相互のビジネス活動を促進しております。このような活動は、グローバル化が進展している国際経済社会において意義あるものだと考えております。
WUBの主なビジネス活動としては、WUBのロゴマークを使用したアルゼンチンワインの県内での輸入販売や、WUB会員の商品及び県産品を取り扱うブラジル「WUBショップ」の開設計画などがあります。
また、昨年はIDB沖縄総会の開催を契機にWUB会員企業への投融資に関する覚書を米州投資公社と締結するなど、世界各地でビジネスを展開していくための足場を固めつつあります。
県は、県内貿易企業に関する情報提供や県内市場調査への協力などを通してWUBとの連携を図っており、今後ともこうした協力関係を強化しながら、海外で展開するウチナーンチュの経済活動の支援につなげてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 建物の無償貸与への変更理由は何かにお答えいたします。
建物を1年間無償貸し付けとすることについては、土地の無償貸付期間の取り扱いと同様、健全経営の基盤となる経営計画の策定、その結果として同事業団の早期の自立にも寄与するとの判断も含め決定したものであります。
なお、12県立社会福祉施設の民営化に当たっての県の基本方針は既に事業団へ提示したとおりであります。
次に、全会一致決議への対応についてお答えします。
県立社会福祉施設の民営化に当たっては、改めて社会福祉事業団からシミュレーションを提出していただくなど、慎重に検討を重ねてまいりました。県議会の決議にありました土地の3年程度の無償貸し付けについては、平成18年度は無償貸付とし、19年度以降については経営計画の策定状況及び事業実施状況を勘案して対応することとしております。
土地の1年間の無償貸し付けは同事業団の自立支援策の一環であり、健全経営の基盤となる経営計画の策定により、事業団の早期の自立にも寄与するとの判断も含めて決定したものであります。
また、自立支援策として同事業団から要望がありました勧奨退職については、その必要額を補正予算に計上しております。
次に、県から役員を派遣するのはなぜかにお答えいたします。
職員の派遣は、健全経営の基盤となる経営計画策定及び事業団の自立化に向けた支援の一環として行うものであり、このことがひいては入所者への安定したサービスの提供及び施設の安定経営の確保にもつながるものと考えております。
なお、職員を派遣することについては、社会福祉事業団の理事会において経営計画の策定等を支援する旨の県の考え方を示したところであります。
次に、退職金問題についてお答えいたします。
社会福祉事業団における退職金の取り扱いについては、県と同事業団職員との労使関係の有無をどう判断するかによります。
県としては、同事業団職員との雇用関係はないものと判断しており、今後とも理解を求めていきたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 建設業界の今日の事態についてにお答えいたします。
県内の建設業者が独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会の検査を受けておりますが、現時点ではその結果は明らかにされておりません。
県としては、公正取引委員会の結果を踏まえ、その内容を詳細に把握し、法令等に照らして厳正に対処する考えであります。
次に、入札制度の明瞭化と県内企業の受注機会の確保についてにお答えいたします。
県においては、これまでも公共工事の入札・契約手続の透明性・競争性・公正性の確保を図るため、指名業者数の拡大、現場説明会の廃止など入札制度改革に取り組んでまいりました。ことしの1月からは電子入札の試行運用の開始、指名業者数のさらなる拡大、指名業者及び予定価格の事後公表を実施しております。
また、工事の内容や現場条件等を勘案して可能な限り分離・分割発注を行っているところであり、県内企業の受注拡大に努めております。
今後とも、入札制度の改善や県内企業の育成に努めてまいります。
以上でございます。
○平良 長政 再質問を行います。
2点に絞って質問したいと思います。
1つは道州制と、あと1つは米軍再編ですが、道州制に関しては私が会長で沖縄自治州研究会というのをずっとやってまいりまして、2月17日に第28次地方制度調査会に意見書というか要望書を提出し、今、知事にもお上げをしてありますが、道州制は2つあると思います。
1つは、何としても私は道州制の問題は基地問題よりも重要だと思っております。とにかく単独州にする。基地問題より重要というのは、九州と一緒になったら基地問題の解決も絶対あり得ません。それともう一つは、やはり全国が一律の道州ではなくて、沖縄の高度な自治制度を求めるということだと思います。
世界的にもイギリスのスコットランドや韓国・済州島など数え上げればたくさんありますが、独立せずに高度な自治制度をしているところがありますので、ぜひこれは百年の大計というか、やはりこの高度な自治制度を求めることについて知事の見解を求めたいと思います。
2番目は米軍再編ですが、一昨年ですか、8月13日に沖国大にヘリが墜落をして、当時知事は南米におりました。急遽帰ってきたわけですが、小泉首相は六本木で「ディープ・ブルー」という映画を見ておりました。知事は帰ってきて会談を求めましたが、首相は夏休みを理由に会うことなく、やっと会ったのが12日後の8月25日首相官邸で、知事はできるだけ早く沖縄に来ていただいて米軍基地をつぶさに見てほしいと促しましたが、首相が行ったのは沖縄ではなくて北方領土でありました。田中眞紀子元外相は、方向音痴だと、南へ行くべきなのに北へ行ったということでなじったわけでありますが、小泉さんは全く沖縄に無関心でありました。
沖縄戦で大田実海軍少将が自害する直前に、沖縄県民がすべてをささげて戦争に協力したことに言及して、「県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」と、知事にかわって政府に打電をしたことは有名であります。知事にかわってというのは、当時、知事を初め県庁の部長クラスはすべて県外出身者であり、戦争突入すると知事を初めほとんどの部長はいわゆる先を争って公用にかこつけて沖縄から逃げ帰ったところであります。
話をヘリ墜落に戻すと、元自民党幹事長野中広務氏は、事故への首相対応にテレビで、ヘリが落ちてすぐ東京に来ている稲嶺知事になぜ夏休みだといって会わなかったのか。沖縄の痛み、苦しみを何と心得ているのか、非常に理解に苦しむと述べておりました。
一昔前までは沖縄の痛み、苦しみを共有できる政治家が自民党の中にも健在でありました。橋本総理、小渕総理、山中貞則、梶山静六、そして野中広務氏でありましたが、今は自民党の実力政治家の中には一人もおりません。そのような中で米軍再編が進んだのであります。
ここに「米軍再編 日米「秘密交渉」で何があったか」久江雅彦著、去年暮れ出された本があります。(資料を掲示) 知事も読まれたそうでありますが、中間報告に至る日米交渉の裏舞台がよくわかります。この本を読んで日本の政治に潜む指揮権と指導力の欠如、無策を本当に怖く感じました。興味のある方はぜひ読んでいただきたいと思います。
いつの世も大勢側の戦術として分断して支配するというのがあります。復帰前は今の自民党の前身である民主党は復帰に反対して、復帰すると芋・はだしになるといって権力にこびておりました。高等弁務官資金なども動いておりました。
復帰した現在、日米両政府に対して団結して戦っている県民に対してまたぞろ、事を構えたらまた芋・はだしになると言っている人たちがおります。堂々と沖縄のことは沖縄で決める、堂々と沖縄県民の意思を主張し続けた稲嶺県知事は歴史が正しい評価をすると確信をしております。
県民大会については、ぜひ知事、歴史を動かすという意味で参加をしてほしいと思いますし、もし知事が公職の立場で出られなければ、ぜひ県民の一人としても参加をすべきだと思います。
私たちのスローガンの中に安保条約反対の言葉はありません。前回95年の県民大会でも嘉数知賢議長を中心として、私たちは一致協力してできるスローガン、みんなで共通できるスローガンでその大会を成功させております。ぜひ知事の見解を求めたいと思います。
以上です。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時3分休憩
午前11時4分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の再質問にお答えいたします。
道州制についてはかなり細かい形で研究会をつくられているということに敬意を表します。
基本的な考え方を申しますと、これは実は今回の道州制以前のありとあらゆる機会に私の方で一つの考え方を持っております。それは先般の沖縄振興計画の中でもきっちり織り込まれておりますし、その後、昨年の特別交付金という制度の中に盛られているというのはどういうことかといいますと、沖縄の社会的・経済的・地理的、こういう状況というものに十分配慮してほしいと、勘案してほしいということを述べております。ということは、今後の道州制の中においてもそういう形で沖縄側としては強く主張していきたいと。
最近、いろいろな考え方、案が出ておりますけれども、いずれも従来は沖縄側から主張しているそういう細かい状況について、多くの皆様がしっかりと配慮しておられるということを認識をしておりますので、さらにこちら側、沖縄側としては積極的にその辺の主張を展開したいと思っております。
それと再編の問題の中で、今回の県民大会への出席の是非についてお話がございました。
私は行政の長でございます。行政の長の立場というのは、これはあくまでも超党派、そして県民全体を網羅したという形の中から、当然それに対する出席という問題が出てくるわけです。
ごく最近の問題でも、金武における大会においてはこれは超党派で、しかも各界各層を網羅した大会でございました。今後とも、基本的にはその線にしっかり沿って進めていきたいというふうに考えております。
○渡嘉敷喜代子 おはようございます。
護憲ネットワークの渡嘉敷です。
昨日、具志議員から知事に対して惜別とも思われるような発言がありました。これでもって知事は吹っ切れたんじゃないかという思いがいたします。これから本当にしたたかに、頑固に、そしてしなやかに普天間基地の県外移設、それから沿岸案反対に取り組んでいただきたいと思います。エールを送ります。私たちとともに頑張ってまいりましょう。
それでは通告に従いまして会派を代表して質問いたします。
1、基地問題について。
(1)、米軍再編協議の最終報告について。
ア、日米両政府で最終協議が続けられておりますけれども、日本政府から調整または打診はあったのかについてお伺いいたします。
イ、昨年10月末の日米合意を受けての知事のコメントで、県は普天間飛行場の危険性の除去及び早期返還と、県民の目に見える形での負担軽減について、最終報告に反映されるよう全力を尽くすと述べております。中間報告を受けて知事はこれまでどのように行動し、これからどう対処しようと考えているかについてお尋ねします。また、見通しはどうかお伺いいたします。
ウ、米軍再編に関連して、中間報告には駐留軍従業員の雇用対策が何ら示されておりません。最終報告に向けて県として従業員の雇用対策をどう考えているのかについてお尋ねいたします。
(2)、日米両政府が合意した辺野古沿岸案についてですが、ア、知事、名護市長とも辺野古沿岸案について容認できないと明言しております。これに対し日本政府は、理解を求めるため説明と協議を進める意向でありますけれども、知事は今後どう対処していくかについてお尋ねいたします。
イ、知事は、現行案でなければ県外移設と明言しております。沿岸案を容認しない立場であれば県外移設しかないと考えますが、どのような取り組みを考えているのかについてお尋ねいたします。
ウ、政府の振興策、修正案によっては知事は容認するのではないかと危惧されます。今後も県外移設を貫き通してほしいという願いを込めて決意をお伺いいたします。
エについては削除いたします。
(3)、普天間飛行場の即時閉鎖について。
ア、負担軽減が最も重要なことと明言している知事であれば、なぜ即時閉鎖を政府に要求できないのか、その理由についてお尋ねいたします。
今回の所信演説の中でも緊急的措置という言葉が出てきました。これはどういうことなのか、具体的に説明いただきたいと思います。
イ、新聞報道によれば、米政府は2013年度にオスプレイMV22を沖縄に配備する計画で、2007年度には14機生産開始するとのことであります。これに対してどう対処していくのかについてお尋ねいたします。
(4)、昨年3月の知事訪米に当たって、日本政府関係者あて要請した「沖縄の米軍基地問題の解決促進について」に関連して質問いたします。
ア、米軍再編の中での基地負担の軽減として、まず4つの点を挙げております。在沖米海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用の改善、陸軍複合射撃訓練場の建設中止、日米地位協定の抜本的見直し、これら4項目において中間報告が合意されるまでの間に県に対し協議・調整がなされていたかについてお尋ねいたします。
イ、同じく米軍基地の運用から派生する諸問題の解決に対して3点挙げております。米軍基地の整理縮小、米軍基地の運用に伴う事件・事故の防止、航空機騒音の低減等についても同様にお伺いいたします。
ウ、これら7項目の要請の結果について、現段階でどう評価しているかについてもお尋ねいたします。
(5)、基地問題に関連して、防衛施設庁の談合問題についてお尋ねいたします。
基地被害はもろに県民がこうむり、基地関連公共工事の地元企業を無視し、本土の企業がもうかるシステムで、政官業の癒着の構造が長年受け継がれてきた極めて悪質な談合は断じて許すわけにはまいりません。さらに、逮捕された容疑者の中には普天間基地の辺野古移設に深くかかわった者もいると言われております。公正な競争による入札を妨害し、国民の税金を着服するようなこのような行為に対して怒りを込めて次のことを質問いたします。
ア、防衛施設局発注の関連工事で、2001年から2004年までの227件のうち、落札率100%の工事が57件あったということですが――これは地元紙報道によるものです――受注総額と受注企業の県外・県内別の状況を把握しておればお伺いしたいと思います。
イ、同じく落札率95%以上の工事はどうなのか、同様にお尋ねいたします。
ウ、今回の官製談合は決して許せる問題ではありません。施設局あて発注方法を含め公平・適正な対応を申し入れる考えはないかについてもお尋ねいたします。
次、教育行政についてお尋ねいたします。
(1)、児童生徒の安全体制の確保について。
ア、新年度立ち上げる新規事業の中でモデル地域はどこなのか、その具体的な計画についてお尋ねいたします。
イ、防犯の専門家や警察官OBによるスクールガードの指導を実施するとしておりますけれども、指導を受ける対象者はどういう人たちを考えているのか。また、巡回パトロールの範囲は校内も含まれているかについてお尋ねします。
(2)、児童生徒の携帯電話の取り扱いについてお尋ねいたします。
この件については、携帯電話を使って出会い系サイトで女性を装って呼び出して強盗するなどの高校生の事件がありました。唖然とさせられるような驚くべき前代未聞の事件であります。そのことについて、携帯電話の取り扱いについて、学校現場ではどのような指導または取り扱いをしているのか、そして県内での普及状況はどうなのかについてお尋ねいたします。
(3)、2学期制導入について。
ア、2学期制のメリット・デメリットを検証されているのかについてお尋ねいたします。
イ、2学期制について、沖縄の風土に合わない、教育上のめり張りがないなどと父母から不評の声があります。教育庁ではどう把握しているのかについてお尋ねいたします。
ウ、2学期制に移行しようとする意図は何なのかについても説明をお願いいたします。
(4)、教育基本法改正に盛り込まれると言われております愛国心、それから女らしさ・男らしさについて教育長の所見をお伺いいたします。
3、福祉行政についてお尋ねいたします。
(1)、児童虐待問題について。
新年度の児童虐待問題緊急対策事業について、次の具体的な計画についてお尋ねいたします。
ア、相談所の虐待対応体制の見直し、相談所機能向上の取り組み、虐待防止対策強化、地域と連携した虐待防止対策の取り組み、この4点についてこれまでの取り組みとどう違うのか、具体的に説明していただきたいと思います。
イ、虐待を認定したら即保護する施設は整っているかについてもお尋ねいたします。
(2)、障害者自立支援法に関連してお尋ねいたします。
ア、新年度新規事業の内容についてお尋ねいたします。
イ、障害者が入所している県内の授産施設で障害者年金を受給していない状況はあるのか。あればその状況と課題、そして対応についてお尋ねいたします。
(3)、少子化対策に関連して次のことについてお尋ねいたします。
ア、育児費の負担軽減策や子育て世帯への支援策について。
イ、待機児童の解消、学童保育の時間延長や増設について。
ウ、女性の再就職等の雇用体制づくりについて。
エ、若者の正規雇用体制づくりについて。
以上、4点についてお尋ねいたします。
(4)、医療制度改革についてお尋ねいたします。
ア、現行の70歳以上で所得が高い人、そして70歳以上74歳までについて医療費窓口負担割合がそれぞれ1割増加され、3割及び2割に引き上げられることになります。また、保険料の納付義務が75歳以上にも課されることが閣議決定され、改正関連法案が提案されることになりました。このような高齢者への負担増に伴う影響について、県としてどのような場で検討されることになるのか、今後のスケジュール等についてもお伺いいたします。
イ、10月から施行される長期入院の場合、食費・居住費も全額個人負担になります。この影響についてどうお考えですか、お尋ねいたします。
ウ、また、2008年度から国が全国の医療費適正計画を策定、それをもとに県単位で数値目標を盛り込んだ適正化計画を策定することになります。県としてどのような取り組みを考えているかお尋ねいたします。
エ、関連して、県内の医療型と介護型での病床数並びに特別養護老人ホームの入居者数及び待機者の数を教えていただきたいと思います。
4、県内の東横インホテルの不正改造問題等についてお尋ねいたします。
(1)、東横インが全国展開するホテルのうち、本県那覇市においても3件の建築基準法、ハートビル法、那覇市福祉のまちづくり条例等に違反する不正改造問題が判明いたしました。関係法令の運用状況を把握する立場の県に対し、事業主、那覇市関係部署からの状況報告があったのか。また、把握していることについて説明をお願いいたします。
(2)、今回の東横インによる不正改造事件は、法令等の意図する趣旨を完全に踏みにじり、障害者や高齢者を排除する悪質な行為で許されるものではありません。県としての所見をお伺いいたします。
(3)、加えて、東横イン流経営により女性従業員の労働条件の問題と従業員による防犯体制の不備も指摘されます。県として状況を把握しているかについてお尋ねいたします。
24時間連続勤務で月に7回から8回勤務しているそういう労働条件についても、県として掌握しているかどうかについてお尋ねいたします。
(4)、関連して、県内におけるハートビル法の運用状況はどうなっているのか。県として掌握していることをお伺いいたします。また、今後の課題、それから対処策についてお尋ねいたします。
質問はこれで終わりますが、また状況によっては再質問させていただきます。
○知事(稲嶺惠一) 渡嘉敷喜代子議員の御質問にお答えいたします。
最初は、中間報告後の対応と見通しについてお答えいたします。
私は、中間報告を受けた後でも県民の目に見える形での負担軽減が最終報告に反映されるよう安倍官房長官や額賀防衛庁長官、麻生外務大臣、小池沖縄担当大臣を初めとする関係閣僚やトーマス・シーファー駐日米大使にも直接お会いして訴えております。
また、昨年11月11日に総理官邸で開催された全国知事会において小泉総理大臣にも強く訴えるなど、ありとあらゆる機会をとらえて政府や米国政府の関係者に対して働きかけてきました。
県としては、引き続きあらゆる機会をとらえて政府や政党関係要路などに対し積極的に働きかけるなど、県の基本的な考え方が最終報告に反映されるよう全力を尽くしてまいります。
次に、政府への対応についての御質問にお答えいたします。
沿岸案については、これまでの経緯を踏まえれば容認できないことを政府に対して申し入れておりますが、地元には誠意を示して理解を求めるという政府の姿勢であることから、県としても政府との話し合いには応じる考えであります。
次に、県外移転と決意についての御質問に一括してお答えいたします。
米軍再編について、県は、普天間飛行場を含む在沖米海兵隊の県外移転等の基本的な考え方を示し、この方向を踏まえて日米間で協議することを明確に求めております。
私は、普天間飛行場の危険性の除去及び早期返還と、県民の目に見える形での負担軽減という基本的な考え方が最終報告に反映されるよう全力を尽くしていきたいと考えております。
次に、児童相談所の虐待対応体制の見直しについてお答えいたします。
児童虐待の増加に適切に対応するため、児童相談所の体制については平成17年度の9名の増員に引き続き、平成18年度は児童福祉司を3名増員することとしております。これとあわせ、嘱託員については児童虐待対応協力員を2名、心理判定嘱託員を1名、里親対応専門員を1名増員することとしており、児童福祉司の増と合わせると計7名の増員となります。このうち児童福祉司2名、児童虐待対応協力員2名の増員は、特に児童虐待通告後の初期対応体制を充実強化するために行うものであります。
これらの体制の整備とあわせて、今後の児童虐待対応に当たっては子供の安全確保を最優先として適切に対応してまいります。
次に、東横インの不正改造に対する県の所見について申し上げます。
ビジネスホテルチェーン東横インによる不正改造問題は、建築基準法やハートビル法、福祉のまちづくり条例などの法令等の目的や制度への信頼を大きく損なうものであります。
さらに、これまで「沖縄県福祉のまちづくり条例」に基づき、高齢者、障害者を含むすべての県民が安心して生活し、社会参加ができる地域社会の実現を目指して取り組んできた中、県民のバリアフリーに対する期待に反するものであり、極めて遺憾に思います。
今回の事案については那覇市において対応されるものでありますが、県としてもこのような事案が発生しないよう市町村と連携し、事業者及び県民の理解と協力を得ながら引き続きバリアフリー化を推進してまいります。
その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 基地問題について、政府からの打診等についての御質問にお答えします。
昨年10月31日に北原防衛施設庁長官、11月8日に額賀防衛庁長官から中間報告についての説明があった後、去る2月3日に戸田防衛施設庁次長等が来庁し、日米協議の進捗状況、普天間飛行場の代替施設の飛行コース、騒音コンターの範囲等の説明がなされたところであり、打診等はございません。
次に、普天間飛行場の即時閉鎖と緊急的措置についての御質問にお答えします。
基地の返還に当たっては、地主や雇用員の生活、跡地利用や経済振興策等を検討した上で有機的かつ総合性のあるトータルプランの中で対応するというのが県の基本方針であります。
緊急的措置とは、移設までの間、現在の普天間飛行場におけるヘリなどの離発着や訓練等による危険性を限りなくゼロにするための措置などを想定しております。しかし、どのような措置になるかについては施設の提供責任者である日本政府と、施設を運用している米国政府が協議を通じて検討されるべきものであります。
次に、オスプレイ配備計画への対処についての御質問にお答えします。
現時点では日本政府から県に対しオスプレイ配備計画等について何ら説明はありません。県としては引き続き情報収集に努めてまいります。
次に、米軍再編に係る県の要望事項の調整について一括してお答えします。
在日米軍の再編協議に関しては、県の要望について政府から県に対し事前の報告や協議がないまま中間報告が行われております。
次に、米軍再編に係る県の要請の評価についての御質問にお答えします。
在日米軍再編の中間報告の中に、沖縄の住民が米海兵隊普天間飛行場の早期返還を強く要望し、いかなる普天間飛行場代替施設であっても沖縄県外での設置を要望していることを念頭に置きつつ検討したとあり、県の基本的な考え方については認識されていたものと考えております。
海兵隊の司令部や兵員等の県外移転、嘉手納飛行場における一部訓練の県外移転については、県が要請した海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善に合致するものであります。
また、嘉手納飛行場より南の施設・区域のさらなる整理・統合・縮小についても一定の評価ができるものであります。
しかしながら、普天間飛行場の移設に係る今回の新たな合意案については、同飛行場の早期返還につながるものとは考えられず、これまでの経緯を踏まえれば容認できるものではありません。
以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) 基地問題についての御質問の中で、まず基地従業員の再雇用、職業訓練の推進等についてお答えをいたします。
在日米軍再編に関する中間報告においては、具体的な削減計画や駐留軍従業員等への影響は不明でありますが、国との連絡を密にし、情報交換体制を強化しているところです。
今後、具体的な内容が明らかになれば、駐留軍関係離職者等臨時措置法に基づいて対策を講ずることになります。その際には国が雇用主の責務として配置転換等の内部努力を行うことが重要であり、また再就職のための職業訓練等も必要なことから、県として駐留軍従業員の雇用の確保に十分な対応がなされるよう国に要請を行うとともに、沖縄駐留軍離職者対策センターを活用し、事前の職業訓練等必要な対策を講じてまいります。
また、駐留軍関係離職者等対策協議会の活用を図るとともに、国及び関係市町村と連携を密にし、駐留軍従業員の雇用対策に万全を期してまいりたいと考えております。
次に、福祉行政についての中の、女性の再就職等の雇用体制づくりについてお答えをいたします。
女性の求職者に対する就業支援策として、沖縄県女性就業援助センターでは就業に関する相談や技術講習を実施しております。また、県立職業能力開発校や雇用・能力開発機構の訓練施設でも多くの女性が職業訓練を受講し就職しております。
さらに、少子・高齢化、核家族化が進行する中で、働きながら育児や家族の介護を行うことのできる雇用環境を整備し、労働者の仕事と家庭の両立を支援するためファミリー・サポート・センターの設置を促進しております。
県としては、今後とも女性の再就職等の支援に努めていきたいと考えております。
次に、若者の正規雇用体制づくりについてお答えをいたします。
パートなどのいわゆるフリーターは、一般的に正規雇用者と比較して給与が低い状況にあり、本人にとっても若年期に習得すべき職業に関する知識や技能を習得できず、将来にわたっても不安定就労を招くおそれがあります。また、中長期的には経済の生産性や競争力の低下につながることが懸念されます。
このため、国においては、フリーターの増加傾向の転換を確かなものとするため、「フリーター25万人常用化プラン」を実施することとしております。
県としても同プランに基づき、沖縄県キャリアセンターにおいてフリーター向けのセミナーを充実するとともに、若年者のトライアル雇用の活用を促進するなど、若年者の状況に応じたきめ細かい就職支援を実施してまいります。
また、職業能力開発校等における職業訓練とあわせて、専修学校等民間教育訓練機関を活用して座学と企業実習を組み合わせたデュアルシステム事業を実施し、フリーター等を含む若年者の常用雇用につなげる対策を展開しております。
次に、東横インの女性従業員の労働条件や防犯体制の不備についてお答えをいたします。
企業の労働条件等については国の労働基準監督署の所管でありますが、このたびの東横インの問題につきましては個別企業の経営内容に関することであり、県への情報提供等はありません。また、労政事務所への東横イン従業員等からの労働相談もありません。
県には調査をする法的権限はありませんが、働く女性を守る立場からヒアリング等を行い、状況の把握に努めているところであります。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 那覇防衛施設局発注の工事についてにお答えいたします。一括してお答えいたします。
去る2月14日の衆議院予算委員会における防衛施設庁長官の答弁によると、2001年から2004年の間に那覇防衛施設局が発注した米軍関係工事はトータルで634件で、そのうち落札率が100%の件数は28件とのことであります。また、28件のうち県内企業が受注したものは25件で、3件が県外企業が受注したとのことであります。
なお、落札率95%以上の工事の内容については、県においては把握できない状況であります。
次に、施設局への申し入れについてにお答えいたします。
工事の発注方法については各発注機関にゆだねられており、各発注機関においては法令の規定に基づき適正に執行されるべきものと考えております。
次に、東横イン不正改造問題についてにお答えいたします。
今回、那覇市内にあるホテル東横インの3建築物において、完了検査後に不正に内部改造されるなど、建築基準法やハートビル法に違反していたことが那覇市の立入調査で判明いたしました。那覇市において調査結果を踏まえ、違反事項を是正するようホテル側に求めたところ、今月10日に是正計画書が提出され、審査後、おおむね4週間を目途に是正するとのことであります。
県においても引き続き状況を把握し、適切な指導助言を行っていきたいと考えております。
次に、ハートビル法の運用状況についてお答えいたします。
ハートビル法では、不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、身体障害者等が利用する2000平方メートル以上の特別特定建築物については一定の基準への適合義務が課せられており、建築確認の際に審査を行っております。しかし、それ以外の多数の者が利用する建築物については努力義務となっていることから、建築主への理解と協力を積極的に求め、バリアフリー化を推進することが重要なことと考えております。
今後とも、パトロールの強化や行政間の情報の共有化を図り、違反防止を徹底していく必要があると考えております。
以上であります。
○教育長(仲宗根用英) それでは、児童生徒の安全についてのモデル地域と具体的計画についてお答えします。
現在、児童生徒の安全体制の新規事業として各市町村教育委員会に対し、「地域ぐるみの学校安全モデル地域」の希望調査を行っており、事業計画書の提出を依頼しているところであります。本年3月末までにはモデル地域を決定することにしております。
モデル地域における活動計画の例としましては、スクールガードによる巡回パトロール、地域を含めた安全教室や防犯訓練の実施、不審者に関する情報の共有化等であります。
次に、スクールガードの対象者と活動の範囲についてお答えします。
スクールガードは、児童生徒の安全確保のための見守り活動や巡回パトロール等を行うボランティアのことで、PTAや地域住民、団体等から募り、各学校で委嘱することにしております。
活動の範囲としては、校内を含め通学路や校区内の見守り活動、巡回パトロール等が主であります。
次に、携帯電話の指導についてお答えします。
平成15年度の調査によると、携帯電話の所持状況は小学校で2.4%、中学校で81.6%であります。高等学校においては、本年度調査によると87.3%となっております。各学校では、携帯電話の使用心得等の作成や生徒が加害者・被害者とならないための生徒会を中心とした討論会等が行われております。
県教育委員会としては、校長会、教頭会、生徒指導連絡協議会等を通して携帯電話による事件・事故等からの未然防止の徹底を図っております。
今後とも、学校、PTA、関係機関・団体等と連携・協力して、携帯電話についてのマナーや事件・事故の未然防止について取り組みの強化を図ってまいりたいと思います。
次に、2学期制の検証及び父母の声について一括してお答えします。
2学期制の実施に当たっては、生徒の実態や地域の実情等を踏まえ、教育委員会と学校長が保護者と地域の理解と協力を得て行うものであります。
メリットとしては、長期にわたる体験的・問題解決的学習の取り組みやゆとりを生かした基礎・基本の確実な定着、授業時数の確保等が挙げられます。実施校からは、生徒との触れ合いの時間が持てた、きめ細やかな学習指導がなされたなどの報告があります。
デメリットとしては、テスト範囲の広がりへの生徒の負担や、県内統一行事への日程調整が難しいなどが挙げられています。
なお、2学期制を実施している学校の父母の声としては多くが高い評価をしていますが、一部にいまだ賛成しかねるという意見があることも承知しております。
県教育委員会としては、学校が保護者や地域の意見等も聞き、コンセンサスを得ながら2学期制を実施するよう指導しているところであります。
次に、2学期制への移行についてお答えします。
2学期制は、設置者である教育委員会と学校が生徒の実態や地域の実情等を踏まえ、効果的な教育活動を展開するために導入されるものであり、学期を区切る選択肢の一つとして行うものであります。
県教育委員会としては、学校の主体性を尊重して、保護者や地域の理解と協力を得て実施するよう指導しているところであります。
次に、教育基本法の改正についてお答えします。
愛国心についてはさまざまな受けとめ方がありますが、みずからの国や伝統文化について理解し、日本人であることの自覚を持ち、他の国や異文化に対して敬意を払い、国際社会の一員としての意識を涵養することは重要であると考えております。
また、男女がお互いの特性を認め合い、尊重し合う心を育てることは大切であります。
なお、中央教育審議会答申では男女共同参画社会を実現するために、男女が互いにその人権を尊重しつつ責任を分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できることが重要であるとうたわれております。
いずれにしても、教育基本法の改正については、国民の幅広い論議が必要であると考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 児童相談所の機能向上の取り組み、虐待防止対策強化等について一括してお答えします。
児童虐待問題緊急対策事業では、「児童虐待対応機能向上の取組み」として、医師、臨床心理士等の外部専門家を日常業務の中で積極的に活用するとともに、虐待関連研修への職員の派遣や所内研修の充実を図ってまいります。
また、「児童虐待防止対策の強化」として市町村の児童相談業務への援助・助言を行うとともに、児童虐待防止に関するシンポジウムの開催や、各種の広報媒体を活用した啓発活動を行い、児童虐待防止に関する県民の意識の醸成を図ってまいります。
さらに、地域と連携した虐待防止対策として、市町村における要保護児童対策地域協議会の設置を促進するとともに、保育士、民生委員・児童委員、地域における子育て団体等を対象とした各種研修会を実施してまいります。
次に、児童虐待に係る保護施設についてお答えします。
児童相談所に虐待の通告があり、その事実があると児童相談所が認めた場合でもすべてを一時保護するわけではなく、リスク評価をした上で一時保護の要否の判断をしております。虐待をする親等から分離して一時保護をすべきと判断した場合には、基本的には中央児童相談所の一時保護所に保護をしますが、必要に応じ児童養護施設や里親等へ一時保護委託を行うなどの対応を行っております。
次に、障害者自立支援法に関する新規事業についてお答えします。
障害者が地域で安心して暮らせる社会の実現を目指す障害者自立支援法が平成18年4月に施行されます。
新規事業については、本県の障害福祉サービスの数値目標と目標達成のための方策を定める障害福祉計画の策定を行うとともに、利用者からの不服審査請求に対する審査会を設置します。
また、所得の低い障害者に対して、社会福祉法人等が提供する在宅サービス等を利用する場合に、負担の軽減を行う社会福祉法人等減免事業を実施することとしております。
次に、授産施設に入所している障害者で障害年金を受給していない者の状況等についてお答えします。
平成17年4月1日現在、県内の身体、知的及び精神の入所授産施設は18カ所で、定員は911人となっています。授産施設の利用者で障害年金を受給していない方については、現在、市町村を通して調査をしているところであります。
なお、障害者自立支援法では、障害年金を受給していない所得の低い方に対しても負担の軽減が図られます。
県では、市町村と連携して利用者負担軽減の仕組みを周知していきたいと考えています。
次に、育児費用の負担軽減策及び子育て世帯への支援策についてお答えします。
育児費用の負担軽減策としては、児童手当制度や乳幼児医療費助成事業、多子世帯の保育料減免制度などがあります。このうち児童手当については、平成18年4月から支給対象児童が現在の「小学校3年修了まで」から「小学校6年修了まで」に拡大されるとともに、所得制限額が引き上げられることとなっております。
また、子育て世帯への支援策としては、「おきなわ子ども・子育て応援プラン」において、つどいの広場や子育て支援センター、ファミリー・サポート・センター等の各種子育て支援事業の目標数値を掲げており、これらの事業の目標達成に向け市町村の取り組みを支援してまいります。
次に、待機児童の解消、放課後児童クラブの時間延長や増設についてお答えします。
県では、待機児童の解消に向けてこれまで「新おきなわ子どもプラン」に基づき、保育所の創設や増改築、分園の設置等を推進し、平成14年度から16年度までの3年間で3029人の定員増を図ってきております。しかしながら、平成17年4月1日現在の待機児童数は1884人と依然として多いことから、引き続き市町村と連携しながら今後5カ年間で「おきなわ子ども・子育て応援プラン」に掲げる約4100人の定員増を図り、待機児童の解消を図ってまいりたいと考えております。
また、放課後児童クラブについては、今年度の実施箇所163カ所のうち、夕方6時を超えて開設するクラブが145カ所、89%となっております。
なお、「おきなわ子ども・子育て応援プラン」では、対象児童や保護者のニーズに応じた設置を目指した取り組みの充実が図られるよう市町村を支援することとしており、今後、利用者のニーズに応じた設置箇所数の増及び時間延長等、内容の充実を促進してまいります。
次に、医療制度改革に伴う影響について、県での検討と今後のスケジュールについてお答えします。
医療制度改革関連法案は、医療保険制度の将来にわたる持続的かつ安定的な運営を確保するため、医療費適正化の総合的な推進、新たな高齢者医療制度の創設等を実施することを柱としております。
制度の見直しに当たっては、新たに現役並み所得者となる70歳以上の高齢者の負担について2年間、自己負担限度額を一般並みに据え置くとともに、低所得者の自己負担限度額は据え置かれるという配慮がなされております。今後は、国において改革に伴う高齢者への影響も含め法案審議がなされ、国民的合意が図られていくものと考えております。
県としましては、平成20年度に施行される医療費適正化計画において、疾病の早期発見や早期治療、生活習慣病予防対策や介護予防事業等についての取り組みの強化を図るなど、医療費の適正化に努めてまいりたいと考えております。
次に、長期に入院する高齢者の食費・居住費の負担の見直しによる影響についてお答えいたします。
今回の医療制度改革においては、介護保険との負担の均衡を図るため、低所得者に対する配慮を行いつつ、療養病床に入院する70歳以上の高齢者について平成18年10月から食費・居住費の負担の見直しを図ることとしております。
低所得者については、介護保険と同様な水準とすることにより負担軽減が図られるとともに、難病等の入院医療の必要性の高い患者については、現行どおり食材料費相当のみを負担することとして配慮されております。
次に、医療費適正化計画策定における県の取り組みについてお答えします。
医療費適正化計画においては、国の責任のもと、国と都道府県が協力し、生活習慣病対策や長期入院の是正など、計画的な医療費適正化に取り組む内容となっております。
同計画の策定においては、健康増進計画、医療計画、介護保険事業支援計画と整合性がとれるよう施策の連携を図る必要があります。
このため、県としては、国の方針に沿って平成18年度から各計画の見直しの中で基本的な調査やデータの収集・分析等を行い、平成20年度の医療費適正化計画の施行に向けて取り組むこととしております。
次に、県内の医療型と介護型での療養者数並びに特別養護老人ホームの入居者数及び待機者の数を問うにお答えいたします。
県内の療養病床数は平成17年12月1日現在4411床あり、そのうち医療型は3434床、介護療養型は977床となっております。
特別養護老人ホームの入所定員は4065人で、平成17年1月1日現在、在宅で入所申し込みをしている方、いわゆる待機者は3300人となっております。待機者のうち要介護3から5の方は2100人で、このうち、ひとり暮らしや介護者が高齢、障害、疾病等により介護が困難であったり、介護者が就労していることから入所の必要度の高いと思われる方は860人となっております。
次に、東横インによる那覇市福祉のまちづくり条例違反の状況についてお答えいたします。
東横イン3ホテルにおいて那覇市の条例違反と判明したのは、車いす使用者用客室を事務室や一般客室等へ改造、車いす使用者用客室の未設置などであります。
県としては、那覇市に対して引き続き必要な助言等を行っていきたいと考えております。
なお、福祉のまちづくりの推進に当たっては、事業者及び県民の理解と協力が重要であり、県においては昨年10月に「沖縄県福祉のまちづくり条例」の改正を行ったところであります。本年4月の施行に向けて開催する説明会や、公共的施設等のバリアフリー化を促進するバリアフリー推進事業の実施等により、事業者や県民に対して福祉のまちづくりの一層の浸透を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○渡嘉敷喜代子 答弁漏れがあります。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時56分休憩
午前11時56分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
土木建築部長。
〔土木建築部長 末吉 哲君登壇〕
○土木建築部長(末吉 哲) 今回お答えいたしましたのは、2月14日の衆議院予算委員会の中での防衛施設庁長官の答弁による内容であります。それ以上はうちの方では把握できません。
以上であります。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時57分休憩
午前11時59分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
渡嘉敷喜代子君。
〔渡嘉敷喜代子君登壇〕
○渡嘉敷喜代子 再質問いたします。
基地問題についてですけれども、具体的なものが出ていないのでまだはっきり言うことはできないと言っておりますけれども、やはりキャンプ・コートニーとかキンザーあたりについてはもう返還が確実なものになっておりますので、そのあたり従業員なども押さえて、組合が要求しているもの、それに対して、県は、国はどうしてほしいということを県からしっかりと出していかなければいけないと思います。雇用対策プログラムなどを組んで国に対して最終報告に向けてしっかりとやらなければいけない。本当に間に合わないのじゃないかという気がしてなりません。
臨時措置法のことも出ておりますけれども、これは大量解雇されたときにどうするかということであって、基地内での対応ができるということでまず県として考えていくためにも、国にしっかりと物を言っていただきたい、そう思います。そのことについてお尋ねいたします。
それから辺野古沿岸案についてですけれども、特措法は今回見送ると言っておりますけれども、このような強行手段というのはこれからとっていく可能性は出てきます。
そういうことで、この沿岸案というのは名護市の問題だけではなくて、県民の70%が沿岸案に反対しているわけですから、知事は3月5日の県民大会に県民の総意をバックにして沿岸案反対を貫き通すための絶好のチャンスだと思います。ですから、県民大会の参加の意思はあるのかどうか、再度お尋ねいたします。
それから、普天間基地の危険の除去ということについて、今回新たに緊急的措置という文言が出てきました。県はこれまで普天間の負担軽減の県の考え方を示しておりますけれども、今回新たに出てきたということは、普天間の閉鎖と受けとめていいのかどうか、そのあたりもしっかりとお答えいただきたいと思います。
それから、先ほど知事公室長の答弁の中で、県の具体的な、基本的な考え方が受け入れられたものとして評価しておりますけれども、それでは嘉手納飛行場の運用の改善についてはどうでしょうか。中間報告ではF-15の訓練の一部が移転されると出ておりますけれども、その一方で自衛隊によるF-15の訓練、そして基地の共同使用が提示されております。このような状況で本当に運用の改善になっているのかどうか、逆に強化につながっていないのか、そのあたりについてもお尋ねいたします。
それから事件・事故の防止についてですけれども、本当に事件・事故がF-15の墜落や、それから瑞慶覧の強盗事件とか、次から次へとそういう事件が起こってくるのは一体何なのか。これまで私たちはいろいろな抗議要請もやってきました。綱紀粛正、そして再発防止と、このことについて訴えてきたけれども何の効果もありません。これは一体どういうことなのか、県としてどう分析していらっしゃるのか。もしかして安保体制を容認している知事の姿勢にも見られるのじゃないかというふうに思います。そのあたりお答えいただきたいと思います。
それから教育行政についてですけれども、教育長は愛国心を伝統文化、それから郷土を愛する心というふうにすりかえておりますけれども、今の日本の状況を見たときに、世相を見たときに本当に子供たちが国を愛せる状況にあるのかどうか、本当にそういうことであれば学校教育の中で教えなくても自然に子供たちは国を愛する心を培っていくと思います。
一方では、中部の中学校ではある校長が君が代を流している、そういう状況で本当に学校現場の中で愛国心というのが植えつけられているんじゃないかということが危惧されてなりません。そして憲法24条の改正によって子供、女性の権利、それから選択の自由、それから男女平等、そういうものが本当に剥奪されていったとき、学校教育現場の中で男らしさ・女らしさというのが出てきて、愛国心と相まって戦前のような教育になっていきはしないかということに大変危機感を感じております。
一方、高校でも男女履修の家庭科、そういうことも削除していっているわけです。そういうことで本当に学校現場はこれでいいのだろうかということが心配されてなりません。
再び教え子を戦争へ送るまいという反省の中で子弟の教育に携わってきた教育長を初め教育界の皆さんが、日本国憲法の理念をもとにしてつくられたこの教育基本法の改定について教育長はどうお考えなのか、そのあたりについてもお尋ねしたいと思います。
それから教育行政についてですけれども、DV家庭の子供の6割が暴力の被害に遭っているということが明らかになっております。そしてDVは夫婦間だけの問題ではなくて、子供の虐待と密接に関連しているということが内閣府や相談所の調査でもはっきりわかっております。そういうことで、DVの被害者の保護と同時に加害者の教育も大事であります。
昨年11月に県が立ち上げましたDV加害者教育のプログラムが4カ月で終了したということに対して、このことについての県の見解をお尋ねいたします。
それから障害者自立支援についてですけれども、障害者福祉サービスの利用者負担について、低所得者に対する減免措置として本人は2分の1、あと2分の1に対しては市町村あるいは社会福祉法人が持つということになっておりますが、この社会福祉法人に加えて、希望するNPOも参入できないのかどうか、県の見解をお尋ねいたします。
それから東横インの不正改造についてお尋ねしたいと思いますが、2月6日の社民党での調査結果、行政側の問題点について3点挙げて質問したいと思います。
これはおもろまちのホテルについてですけれども、まず1点目として、ハートビル法が適用される建物でありながら、完了検査で見落としたという行政側の責任。それから2番目に、福祉条例に強制義務がないにしても、何のための福祉のまちづくり条例なのか。この縦割り行政の弊害がもろに露呈されてきたのではないか。それから3点目、建築設計の段階で市との事前調整で障害者用の客室を削除したというようなことが支配人からの説明がありました。
以上3点について、県はどのように掌握しているのか。また、今後どうこれに対して指導していくのかについてお尋ねいたします。
答弁によって再々質問いたします。
○議長(外間盛善) ただいまの渡嘉敷喜代子君の再質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後0時7分休憩
午後1時27分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
午前の渡嘉敷喜代子君の再質問に対する答弁を願います。
観光商工部長。
〔観光商工部長 宜名真盛男君登壇〕
○観光商工部長(宜名真盛男) 米軍再編に関連して、基地従業員の再雇用、職業訓練等の推進についての再質問にお答えをいたします。
駐留軍従業員の雇用対策につきましては、県としては国のSACOに関する方針にあるように、できる限り配置転換による雇用の継続を基本に取り組むよう国に働きかけることが第一であると考えております。
また、離職を余儀なくされる従業員につきましては、平成12年度から16年度にかけてSACO関連で離職前訓練を実施した経験を踏まえ、必要となる科目や科目ごとの県内における教育機関、人材等の訓練受け入れ要領及び必要となる1人当たり費用、さらに実施事務局体制のあり方など基礎的な情報の収集・整理に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(花城順孝) 再質問にお答えします。
緊急的措置とは普天間の閉鎖と受けとめていいのかと、こういう質問であったと思いますが、緊急的措置についての御質問にお答えします。
移設までの間、普天間飛行場の危険性は常に存在します。それまでの間にヘリなどの離発着や訓練等による危険性を限りなくゼロにするための措置を想定をしております。
これは、例えば普天間飛行場のヘリ部隊がイラクに派遣されていたときの状況、これについては県としてもイラク派遣部隊の普天間への帰還に反対する旨の要請をしておりまして、そういう状況に持っていく、あるいはヘリ部隊の分散移転を想定をしております。
ただ、これにつきましてはあくまで日米両政府で具体的な措置については検討した上で措置されるべきであるということが県の考えでありまして、県としては緊急的措置というものが必要であるということを日米両政府に今後とも求めていきます。その上で日米両政府においてはそれをしっかりと受けとめていただきたいと、こういうふうに考えております。
次に、嘉手納飛行場のF-15戦闘機の訓練移転、あるいは自衛隊による嘉手納基地の共同使用について、運用改善になるのかという御質問にお答えします。
米軍再編に係る中間報告におきましては、訓練活動の影響を軽減するとの目標を念頭に嘉手納飛行場等からの訓練の分散を拡大することに改めて注意が払われるとされております。これについては、これまでの県の要請を踏まえたものであると考えておりまして、実現されれば負担軽減につながるものと考えております。
また、嘉手納飛行場の自衛隊との共同使用については、現時点では内容は明らかになっておりません。
県としては、共同使用により負担軽減になるか十分に見きわめる必要があると考えておりまして、引き続き県民の目に見える形での負担軽減がなされるよう全力を尽くしていく考えであります。
次に、米軍関係の事件・事故についての御質問にお答えします。
米軍基地に起因するさまざまな事件・事故等は1件たりともあってはならないと考えておりまして、事件・事故が発生するたびに米軍を初め関係機関に対し原因の徹底究明、再発防止及び安全管理の徹底等を強く申し入れてきたところであります。
平成17年3月には知事が訪米をし、米国政府等に対し米軍再編の中での本県の過重な基地負担の軽減を訴えた際にも基地の運用に伴う事件・事故の防止及び安全管理の徹底等を求めております。
また、公務外の事件・事故の防止を目的として米軍を初め日米両政府や県、地元市町村、地元商工会等の関係機関の参加のもとに、これまで協力ワーキングチームにおきましてその対策を協議・調整をしてきております。
県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る観点から隊員の綱紀粛正及び教育の徹底等を強く求めるとともに、協力ワーキングチーム等において協議や調整を行うなど、米軍人等による事件・事故の再発防止に向け努力をしていきたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) 再質問の教育基本法の改正についてお答えします。
国を愛する心については、学習指導要領には日本人としての自覚を持って国を愛し、地域社会の一員として自覚を持って郷土を愛することが示されています。国や郷土を愛する心は社会の形成者として必要な資質であり、このような観点から指導することは大切であると考えます。
また、男らしさ・女らしさについては、性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮することができ、男女が差別を受けることなく対等なパートナーとしてさまざまな分野に参画し、利益も責任も分かち合っていけるような社会を目指していくべきだと考えます。
いずれにしましても、教育基本法の改正については国民の幅広い論議が必要であると考えております。
以上です。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 再質問の社会福祉法人減免へのNPO法人の参入についてお答えします。
社会福祉法人減免についての実施対象となる法人は、社会福祉法人、市町村及び都道府県が実施する社会福祉事業体を原則としています。
なお、市町村が市町村内に特定のサービスを提供する社会福祉法人等がないと認めた場合、例外的にNPO法人等社会福祉法人以外の法人も対象とすることができるようになっており、その場合は県と協議するものとなっております。
市町村からの協議がありましたら、当該地域の状況を踏まえ対応していきたいと考えています。
次に、福祉のまちづくり条例の強制力と連携についてお答えします。
福祉のまちづくり条例の目的を実現するためには事業者や県民の理解と協力を得ながら推進するという性格があります。
県としましては、今回のような事案が今後県内において発生しないよう市町村と連携し、啓発活動等に積極的に取り組み、さらに福祉のまちづくりを推進してまいります。
また、福祉のまちづくり条例を所管する福祉保健部といたしましては、土木建築部や市町村等と一層連携し取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 再質問にお答えいたします。
ハートビル法の適合についてにお答えいたします。
「東横イン那覇新都心おもろまち」でのハートビル法違反については、車いす使用者用駐車場1台の設置や、駐車場と結ぶ廊下との段差が問題となっておりましたが、那覇市にホテル側からの是正計画書が提出されており、審査後、おおむね4週間を目途に是正するとのことであります。
那覇市の所管する事務ではありますが、県においても市に対し適切な指導助言を行っていきたいと考えております。
次に、身障者用客室が削除されたことについてにお答えいたします。
那覇市はホテル側から建築確認申請が出された際に身体障害者用客室が設置されてないことを把握していましたが、那覇市福祉のまちづくり条例に基づく勧告がなされていませんでした。
今後とも、県は法律や条例の実効性を確保するためにも、市の所管する確認検査のあり方について法律の趣旨を十分踏まえるよう市を指導助言してまいります。
以上でございます。
○渡嘉敷喜代子 答弁漏れがあります。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後1時39分休憩
午後1時41分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
渡嘉敷喜代子君。
〔渡嘉敷喜代子君登壇〕
○渡嘉敷喜代子 再々質問いたします。
普天間飛行場の即閉鎖ということがなぜできないのかということを私は普天間飛行場への墜落事故があったときに、ヘリが墜落したとき以来ずっとこのことを訴えてまいりました。
ところが今回、知事の所信演説の中で、緊急的措置というのが入ってきたものだから一歩前進したかなという思いがしましたけれども、先ほどの公室長の説明によりますと、何ら変わっていないんじゃないかと。イラクどうのこうのじゃなくて、これから県外・県内にしろ、移設までには六、七年かかるわけなんですから、そういうことを踏まえて本当に危険の除去ができるのかどうか。墜落以降、そしてイラク戦争から帰ってきた、帰還した時点から本当に激しくなっているわけです。
そういうことで、また事故が起きたとき一体だれが責任を持つのだろうかという思いで、この件についてずっと閉鎖してほしいということを訴えてまいりました。
そこで、知事はどうして即時閉鎖ということが言えないのか、その理由を知事にお尋ねしたいと思います。
それから、嘉手納飛行場の運用の改善についてはまだ提示されていないからということですけれども、おとといですか、弾薬庫の後に射撃場が設けられると、そういうことがどんどん出てくるわけですね。
そういうことで、本当に県が求めている嘉手納飛行場の運用の改善につながっているのかどうか、県としてのそのあたりの認識を伺いたいと思います。
それから障害者の自立支援についてですけれども、市町村に社会福祉法人がなければ、じゃNPOとかそういう人たちも参入させてもよいという答弁ですけれども、この件については東京都あるいはほかの県でも施行されているわけですから、そのあたりもっと柔軟性を持って対応していただきたいという思いがします。NPOの皆さんだってそれにかかわっていきたいという希望者が出ているわけですから、そのあたりもっと県として柔軟な姿勢で対応していただきたい。この件についてもう一度お答えいただきたいと思います。
それから、これは答弁を求めませんけれども、愛国心について教育長にですけれども、本当に学校教育の中で……
終わります。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後1時45分休憩
午後1時46分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 花城順孝君登壇〕
○知事公室長(花城順孝) 再々質問にお答えします。
まず、普天間飛行場の閉鎖をなぜ求めないのかという御質問でありますが、県として米軍基地の整理縮小に当たっては、雇用問題あるいは跡利用等々含めて全体的な総合的な観点から取り組むということが基本姿勢でございます。そういった意味で、現在の普天間飛行場についてはまず危険性の除去、そのための緊急的措置というものを緊急に取り組まなければならないということが県の立場でございます。
それから、嘉手納飛行場の運用改善というのは本当に進むのかということでありますが、これは先ほど答弁しましたように、中間報告においてはこういう表現で記載されているにとどまっているわけです。つまり、訓練活動の影響を軽減するとの目標を念頭に嘉手納飛行場等からの訓練の分散を拡大することに改めて注意が払われることになるということでありまして、これはまだ明確にそういう方向性が、そういう問題意識を持って取り組むということがうたわれているだけでありまして、これについても県として嘉手納飛行場の運用改善というのは従来から求めてきたわけでありまして、そういったことも認識された上で今後取り組まれるものと思います。
したがって、そういう方向で実現されれば負担軽減にはなるというふうに考えているところであります。
以上です。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 社会福祉法人減免へのNPO法人の参入についてお答えいたします。
市町村からの協議がありましたら当該地域の状況を踏まえ、実施市町村と連携をしながら対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○髙嶺 善伸 こんにちは。
護憲ネットワーク3人目の代表質問であります。どうぞよろしくお願いします。
まず、稲嶺知事の政治姿勢についてお伺いいたします。
1、今回の米軍再編で、普天間飛行場の辺野古沿岸移設に反対する地元沖縄県民の意向を無視し、日本政府が県民の財産・生命・人権をないがしろにして、県民の頭越しに基地を押しつけようとしております。このような状況は憲法違反、地方自治の侵害になると思いますが、知事の率直な御認識をお尋ねいたします。
2、去る1月17日に発生した米軍F-15戦闘機墜落事故で、墜落現場付近は県漁連所属12漁業組合が44基のパヤオを設置している漁場で、漁民は安心して操業できないとの県漁連会長を初め漁業関係者から抗議と要請がありました。
米軍訓練海域・空域は過剰に提供されており、県民の安全性・経済性を損ねており、これ以上県民を危険にさらすことはできません。知事は、県民の先頭に立って広大な訓練海域や空域の縮小・廃止を日米両政府に要求すべきと思いますが、知事の対応をお尋ねいたします。
3、コスタリカは非武装中立宣言と国連大学の設置で平和国家を希求しております。開学の準備が進められている沖縄科学技術大学院大学または今後予想される附属機関の設置を科学技術の振興だけでなく、沖縄県が平和の案内人としての役割を担う意味で、国連と連携して科学技術を世界平和に役立てる機関としても位置づける絶好の機会であります。世界の平和を希求する知事の方からぜひ提唱していただきたいと思いますが、御見解をお伺いいたします。
次に、行財政問題。
国は2010年にプライマリーバランスを達成するために大幅歳出削減を決め、地方自治体は三位一体改革にあおられ、民間委託、人員削減、人件費カット、住民負担引き上げ、市町村合併、道州制移行と量と質の面で光と影を呈しています。沖縄県及び県内市町村は財政が厳しく、地域格差をますます広げることが懸念されております。
現在策定中の沖縄県行財政改革プラン(案)によりますと、公的な行政責任を切り捨て、特に地域完結型の調整機能を発揮してきた宮古・八重山支庁を廃止するなどの改革を押しつけようとしております。組織論として、総合出先機関としての支庁の総合調整機能を維持する方法として支庁長の権限を明らかに示すべきであります。県民に痛みを押しつけるだけでなく、県行政の人事配置の総点検が先ではありませんか。
さらに、これからの道州制の議論を展開するためにも島嶼県沖縄の振興開発の財源をどのように確保するかということも必要であります。国庫補助金や地方交付税削減や移譲税源の先細りを嘆くだけでなく、沖縄の自然環境や歴史的特異性、国土保全の貢献度を根拠にして政府に財源対策を権利として要求をすべきであります。
そこでお聞きします。
1、三位一体改革と平成18年度の予算編成について。
ア、プライマリーバランスの是正で歳出抑制が地方財政を直撃していますが、島嶼県沖縄の今後の行政サービス水準の確保・維持についての県の見解及び対応をお聞きしたい。
イ、国庫負担金、税源移譲、地方交付税の県及び県内市町村への影響と対応についてお聞かせください。
ウ、沖縄型自立の制度的な財源措置として地方交付税算定における沖縄型財源補償あるいは沖縄振興交付金の拡充を政府に強く要求することについて御所見を伺いたい。
2、沖縄県行財政改革プラン(案)について。
ア、これまでの行革への取り組みと新たに策定する意義と効果はどのように考えておられるか。
イ、平成19年度見直しで支庁廃止が示されているが、八重山・宮古支庁の組織・機能は存続・拡充すべきではないか。支庁組織を県民センター、福祉保健所、農林水産センター、土木事務所に改編することが示されているが、地域完結型行政の総合調整機能を持つ部長クラスの支庁長を廃止するということか、あるいは権限を縮小した次長クラスの県民センター長が支庁長ということになるのか、具体的にお聞かせください。
3、市町村合併への対応について。
ア、合併しなかった37市町村のうち合併新法での合併が必要だと回答した市町村長が15名、必要ないが9名という県のアンケート調査結果が報告されたが、合併新法での今後の対応と取り組みをお聞かせください。
イ、合併した市町村の課題はどうなっているか。合併特例債や市町村合併補助金等の支援状況はどうなっているのか。
ウ、合併は困難であると思われる外海離島町村への支援はどのように取り組むのかお伺いいたします。
次に、保健医療行政。
人の生命は地球よりも重い。県民がひとしく安心して暮らせる医療の確保は行政の最大の責任であります。民間医療機関が整備されつつある中で、県立病院が果たすべき役割は高度医療、急性期医療、離島医療があります。
朝日新聞のアンケート調査結果によれば、42都道府県が医師確保は大変厳しいと回答し、医師確保のために県独自に奨学資金の導入を試みているのが35都道府県、また国立大学等地元出身枠の拡大を求めているのが24都道府県等々であり、各自治体がさまざまな努力をしております。
沖縄県にあっては、北部病院の産婦人科閉鎖に続いて八重山病院でもことし6月以降の産婦人科医師が確保できなければ産婦人科が閉鎖され、出産は沖縄本島に出かけなければならなくなる心配があります。少子化対策が求められている中で信じられない医療格差であります。特に、医師欠員や不足は医業収益の減少につながり、平成18年4月より地方公営企業法の全面適用に移行することになっている病院経営管理の面から、医療サービスの低下を来さないよう公的医療を担うべきだと思っております。
そこで県の取り組みをお聞かせください。
1、県立病院の地方公営企業法全面適用について。
ア、平成18年度以降の全面適用後の病院事業経営はどのようになるのか。メリット・デメリットはどうか。その対応はどのように取り組むかをお聞かせください。
イ、特別職である病院事業管理者の地位、役割をどのように考えるか。知事の責務との関係はどうなるか。また、管理者は経営手腕のほか、医療の現場を熟知したエキスパートの配置を望む声が大きいが、人事の方針をお伺いしておきます。
2、医師の確保、脳神経外科や産婦人科医療について。
ア、県立北部病院の産婦人科診療再開や八重山病院の産婦人科医、脳神経外科医の確保等医師確保の取り組みと見通しはどうか。へき地医療支援機構の運用の暫定措置を含めた緊急対応についてお考えをお聞きしたい。
イ、医師確保と医業収益の増減の相関関係における県の責任への認識はどうなのか。
ウ、平成18年度予算の医師確保対策検討事業をどう取り組むのか。医師不足による医療格差の是正、医師確保のために琉大医学部医学科の定数地元枠の確保、自治医大派遣や奨学資金制度の拡充、医師の負担軽減対策などの具体的な取り組みをお聞かせください。
3、鳥インフルエンザ対策について。
世界規模での感染拡大が懸念される鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザは、毎年の取り組みであるインフルエンザ総合対策とあわせて県独自の対策が求められていますが、取り組み状況をお聞かせください。
ア、国内外の発生状況や本県の現状と今後の取り組みはどうか。
イ、医療体制はどのようになっているのか。
ウ、ワクチンやタミフル等の治療薬の確保・整備計画の進捗状況はどうかお伺いします。
4、アスベスト被害救済対策。
アスベスト被害対策については、新法によって救済制度がどの程度拡充されるのか。特に、既に離職した方や無念にも死亡された方等の対応について、健康と命の尊厳を守るためにも遡及して救済されることを願うものであります。
そこでお伺いします。
ア、アスベスト被害救済新法の運用と対応について県としてどのように取り組んでいるのか。
イ、既に死亡した被害者も含めた実態調査や救済補償について、具体的にどのように取り組むかお伺いいたします。
次に、産業振興について。
全国一高い失業率の解消が遅々として進まず、効果的な産業振興が求められています。情報通信産業の振興を中心に企業立地や雇用の創出が期待されていますが、雇用の安定や賃金水準を懸念する声も聞かれます。また、550万人を突破した観光産業も1人当たりの消費額や自給率、産業のリンクなど経済波及効果の再検討が必要であります。バランスのとれた産業という観点から沖縄型製造業の育成や農業など、第1次産業の振興等も正念場であり、そこで取り組みをお聞かせください。
1、情報通信産業振興と雇用の創出について。
ア、情報通信関連産業のこれまでの財政支援、制度支援の内容と雇用効果及び定着率はどのようになっているかお伺いいたします。
イ、他府県と比べて給与水準が低いことが企業誘致の利点であってはなりません。県内賃金水準の引き上げと雇用の安定、人材育成の取り組みをお聞かせください。
ウ、平成18年度の情報通信関連産業支援の取り組みと雇用創出の取り組みをお聞かせください。
エ、内閣府は新沖縄情報通信産業振興プロジェクトを発足させることを決めたと報道されていますが、県の取り組みをお聞かせください。
2、自給率の向上による経済波及効果。
ア、総合産業としての観光産業の経済波及効果を高める戦略は1人当たりの消費額の増加や自給率の向上が求められていますが、取り組みをお聞かせください。
イ、沖縄県工業連合会の調査で、例えば自給率が6%伸びた場合の経済効果は生産誘発額803億円余り、雇用者誘発数約1万2000人の効果があると報告されておりますが、地場製造業振興と雇用対策の取り組みをお聞かせください。
ウ、地場製造業振興と密接な関係にある沖縄県鉱業技術センター等の拡充・活用はどのように取り組んでおられるかお聞かせください。
3、食料・農業・農村基本計画の対応について。
ア、新しい基本計画の特徴とそれに対応した県及び市町村計画についてどうなっているのか。
イ、農業振興の進捗状況と今後の就業者の確保と所得計画をどのように取り組むか。
ウ、離島ほど依存度の高い国境政策とも言うべきさとうきび産業の価格政策の見直しで、小規模農家や資金繰りの厳しい農家は不安を訴えております。再生産確保のための具体的な対応についてお聞かせください。
次に4、米軍基地の経済効果の評価について。
ア、新聞報道によると、米軍経済リポートで2411億円の駐留効果があると発表されました。米国は米軍に起因する事件・事故や人権、環境、土地利用等の弊害を棚上げして経済基盤の弱い沖縄への経済貢献を強調しています。県の認識と対応をお聞きしたい。
イ、基地経済からの脱却を具体的にどのように取り組むのか、県の計画を示していただきたい。
次に、離島振興であります。
新石垣空港建設について。
去る12月19日、国土交通省から八重山郡民念願の新石垣空港の飛行場設置許可が稲嶺知事に交付されました。約30年も紆余曲折を経たこともあり、問題解決に取り組んでいただきました稲嶺知事や関係職員に心から感謝を申し上げます。今後ともぜひ円滑な着工と開港をお願いいたします。
そこでお伺いします。
ア、平成18年度の予算措置及び今後の取り組みについてお伺いします。
イ、今後の事業費の概要と予算確保の見通しはどうなのかお伺いいたします。
2、離島活性化の取り組みについて。
ア、「美ら島会議」と連携してどのような取り組みをするか。
イ、県独自の取り組みを含めた離島振興計画への取り組みはどうなっているかお聞かせください。
3、国際航空路線の石垣空港乗り入れについて。
ア、これまでの実績と今後の県の対応はどうか。
イ、平成18年度のCIQ施設整備計画と運用についてお伺いします。
4、与那国空港整備について。
ア、平成18年度末に予定している完成・供用開始への進捗状況と今後の取り組みはどうか。
イ、与那国上空の防空識別圏問題解決への取り組みと現状はどうなっているのかお伺いいたします。
5、離島海岸の保全について。
ア、琉球諸島沿岸津波・高潮浸水対策と、地球温暖化による影響は沖縄県では30センチの海面上昇で95%の砂浜が消失されると報告されていますが、対応はどのようになっているのか。
イ、竹富島等に海岸線の浸食が懸念されていますが、現状認識と今後の対応をお伺いします。
6、滝脇航空自衛隊那覇基地司令の下地島空港軍事利用発言が報道されましたが、内容は県議会での知事答弁をも否定する暴言であります。事実関係の確認はどうであったのか、今後の下地島空港利活用の県の明確な対応についてお伺いいたします。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 髙嶺善伸議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、米軍再編についてでございます。
政府から、在日米軍の再編協議に関しては、地元との関係も重視してよく話し合いをしたいなどの発言があったにもかかわらず、事前の報告や協議がないまま中間報告が行われたことは残念であります。このことについて額賀防衛庁長官が昨年11月に来沖した際に、地元の皆さん方に若干説明不足であるという御批判もいただいており、我々も外交課題で十分ではなかったとの説明がありました。
次に、行革への取り組みと新プランの策定意義等についてお答えいたします。
現在、15年度から今年度までの3年間を実施期間とする「新沖縄県行政システム改革大綱」に基づく行政改革に取り組んでおり、公社等外郭団体の役割の見直し、組織機構の改革及び職員定数の適正化などを行ってまいりました。15・16年度の2年間では、事務事業の改革などにより約27億円の経費削減を行いました。
しかしながら、少子・高齢化の進行や地方分権の進展、厳しい財政状況などに的確に対応した行政サービスを確保するためには、県民の理解を得ながら選択と集中の視点で行財政改革をスピードアップする必要があります。
そのようなことから、県としては今年度当初から新たなプランづくりに取り組み、先日、沖縄県行財政改革プラン(案)として行政改革推進本部で決定し、公表したところであります。
新たなプランでは各年度において達成すべき数値目標や具体的方策を明示し、これまで以上に大胆な改革に取り組んでまいります。
次は、保健医療行政のうち、全適後の病院事業経営、全適のメリット・デメリットについてお答えをいたします。
県としては、県立病院事業が今後とも県民の医療ニーズに適切にこたえていくためには、事業の運営形態を抜本的に見直し、経営体質の強化を図る必要があるとの認識から、現在の地方公営企業法の一部適用を全部適用に移行することとしたものであります。
全部適用後の県立病院事業の経営につきましては、企業としての自主・独立性の確立により経営責任の明確化が図られ、経営改善が進められていくものと考えております。
全部適用に関するメリットとしましては、管理者が病院事業職員の任免権を持つことにより、病院経営を専門とする職員の採用・育成が独自に行えるようになること、職員が企業職員としての自覚を持つことで経営意識の高揚につながることが期待できること、また組織編成権を持つことにより、経営環境の変化に即応した組織体制の構築が行えるようになることなどが挙げられます。
デメリットにつきましては特にはないものと考えております。
なお、全部適用に伴い、職員団体が地方公営企業等の労働関係に関する法律に基づく労働組合となり、労働協約締結権を持つことから、適切な労使関係の構築に十分配慮する必要があると考えております。
次に、病院事業管理者の地位、役割、知事の責務との関係、エキスパートの配置等についての御質問にお答えをいたします。
病院事業の管理者は、予算の調製権、議案の提出権など、知事に留保されている権限を除き、県立病院事業の業務の執行に関して地方公営企業法上広範な権限が与えられ、自己の名と責任においてその業務の執行に関して地方公共団体を代表するものとされております。
一方、知事は、県立病院事業の最終的な経営責任者であることから、管理者の業務の執行が県民の福祉に重大な影響を与えると認めるときには、管理者に対して必要な指示を行うことができるとされております。
また、管理者は、事業推進の本体である各県立病院を統率し、県民への適切な医療サービスの提供と、そのために必要な経営基盤の安定強化を図っていく役割を担うことから、経営能力があり、かつ医療の現場に精通した人物がふさわしいと考えております。
このような観点から、現状においては病院経営の実績を持つ医師の中から選任することが適当であると考えております。
その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 訓練空域・水域の縮小・廃止についての御質問にお答えします。
県としては、訓練空域・水域の存在や、訓練区域内での訓練が県民生活や本県の振興開発に著しい影響を及ぼすことがあってはならないと考えており、県民の生活と安全を確保し、県土の均衡ある発展を図る観点から対応していきたいと考えております。
次に、防空識別圏問題解決への取り組みについての御質問にお答えします。
与那国上空の防空識別圏の問題については、政府レベルで解決を図る必要があることから、県としては国の関係機関に対して適切な対策を講じるよう求めてきたところであり、先日、衆議院予算委員会で取り上げられたところであります。
次に、那覇基地司令の発言等についてお答えします。
航空自衛隊那覇基地司令の下地島空港の自衛隊使用に係る発言報道について、航空自衛隊那覇基地に確認をしたところ、記者を交えての勉強会における私的見解とのことであり、個人的な考えを述べたものとのことであります。
下地島空港については、これまで米軍機の緊急時以外の使用を自粛するよう強く求めてきたところであり、今後とも「西銘確認書」等を踏まえた対応をしていくという県の方針は一貫をしております。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) まず、知事の政治姿勢についての御質問で、沖縄科学技術大学院大学を世界平和に役立てる機関として位置づけることについてお答えいたします。
沖縄科学技術大学院大学は、世界に開かれた最高水準の研究・教育を通じ、世界の科学技術の発展に寄与するとともに、沖縄をアジア・太平洋地域の先端的頭脳集積地域として発展させ、その経済的自立を図ることを目的としております。
先端的な科学技術の発展は人類の平和と繁栄に貢献するものであり、大学院大学の設置はその一翼を担うものであると考えております。
次に、行財政問題についての御質問で、三位一体改革の県内市町村への影響と対応についてお答えいたします。
本県市町村への平成18年度までの三位一体改革による影響は、国庫補助負担金の廃止額が合計で約102億円であり、税源移譲額は所得譲与税により合計で約76億円が措置されております。そのうち、平成18年度は児童扶養手当給付費負担金の補助率引き下げなど約45億円の国庫補助負担金が廃止され、税源移譲額は所得譲与税として約30億円が措置されております。
なお、廃止された国庫補助負担金に係る税源移譲分と所得譲与税との差額は地方交付税で措置されます。
県では市町村予算編成説明会を開催し、地方財政対策や三位一体の改革に関する情報提供等を行うとともに、財政事情の厳しい団体と意見交換を実施するなど、行財政運営全般に対する取り組みに必要な助言等を行っているところであります。
同じく自立のための制度的な財源措置についてお答えいたします。
三位一体の改革に伴い沖縄振興計画の推進に支障が生じることがないよう、平成17年度からかさ上げ措置のある補助金が廃止された場合は、そのかさ上げ相当分が自由度の高い沖縄振興特別交付金として交付されることとなりました。
今後とも沖縄振興特別交付金を確保するとともに、交付金の自由度がより高まるよう政府に要望してまいりたいと考えております。
同じく合併新法下での今後の対応と取り組みについてお答えいたします。
現在、県におきましては、国の基本指針に基づき、沖縄県市町村合併促進審議会の意見を聞きながら合併推進構想を策定しているところであります。
県としましては、今年度中に本構想を策定し、引き続き自主的な合併を推進していきたいと考えております。
同じく合併市町村の課題と支援状況についてお答えいたします。
合併市町村におきましては、一体性の醸成や地域の均衡ある発展等を円滑に進めることが重要な課題であります。このような課題に対応するため、合併市町村に対してはさまざまな支援策を講じることとしております。
国の支援策としましては、まちづくりのための建設事業等に充てられる合併特例債や普通交付税額の算定の特例、合併を機に行われる新たなまちづくり等の経費に対する特別交付税、市町村建設計画に位置づけられた事業に対する市町村合併補助金等の財政措置が講じられております。
また、県の支援策としましては、市町村建設計画における県関係事業の重点的な実施と、同計画に基づく事業に対する市町村合併支援交付金等があります。
県としましては、合併市町村においてこのような支援策を有効に活用しながら魅力あるまちづくりを進めていくことを期待しております。
同じく合併困難な外海離島町村への支援についてお答えいたします。
県としましては、合併新法下において引き続き自主的な市町村合併を推進していきたいと考えております。しかしながら、広大な海域に点在する外海離島町村は合併が極めて難しい条件にあります。
このような合併困難な町村については、広域連合及び特例的団体制度等の第27次地方制度調査会の提言等もあり、これらの動向も見ながら検討していきたいと考えております。
産業振興についての御質問で、新聞報道による米軍リポートに対する県の認識と対応についてお答えいたします。
新聞報道による米軍リポートでも示されたように、基地関連収入は県経済の中で一定の割合を占めておりますが、復帰後の県経済の成長等を背景にその比重は徐々に低下しております。
また、米軍基地は道路整備、計画的な都市づくり、産業用地の確保等、地域の振興開発を図る上で大きな制約となっております。現在、米軍再編による大幅な兵力削減や相当規模の基地返還が検討されていることから、県としては、米軍基地が県経済に与える影響をより正確に把握するため調査方法の見直しを検討しているところであります。
同じく基地経済からの脱却についてお答えいたします。
基地関連収入が県経済に占める割合は、復帰直後の15.6%から平成15年度は4.7%となり、その比重を徐々に低下させております。
また、現在の米軍再編協議では大幅な兵力削減や相当規模の基地返還が検討されており、基地関連収入が県経済へ占める割合は大幅に低下していくことが予測されます。
このような中、県においては民間主導の自立型経済の構築に向け、沖縄の特性を生かした発展可能性の高い産業分野について重点的・戦略的な振興に取り組んでいるところであります。現在、観光・リゾート産業が地域産業発展の牽引役としてその地位を確立しており、新たに情報通信関連産業も台頭しつつあります。
また、これに続くものとして、沖縄の地域特性や資源を活用する健康バイオ産業などが有望視されております。
このように民間が十分に力を発揮していくことが経済自立につながるものと考えており、今後も競争力と持続力ある民間主導型経済の構築を推進してまいります。
次に、離島振興についての御質問で、「美ら島会議」と連携した取り組みについてお答えいたします。
県では、離島地域の振興を県政の重要課題として位置づけており、「美ら島会議」を設置した内閣府と連携し、各種事業を新たに導入しております。
具体的には、今年度から離島地域の活性化を担う人材の育成や各離島の地域資源を活用した取り組みへの支援等を内容とする離島活性化特別事業、離島における通信の高速化・大容量化を図る離島ブロードバンド環境整備事業などを実施しております。
また、次年度においては、これらの事業に加え新たに離島・僻地における医師確保対策の検討や環境負荷の少ない観光利便施設の設置・検討を行うこととしております。
同じく離島振興計画の取り組みについてお答えいたします。
平成14年度に策定した新沖縄県離島振興計画においては、離島地域の振興を図るための各分野にわたる施策・事業を掲げております。
同計画の推進に当たっては、国庫補助事業の活用に加え、石油製品輸送等補助事業などの県単独事業の実施、市町村事業に対する県補助の上乗せ、過疎債・辺地債、市町村振興資金の活用などの措置を講じております。
県としては、引き続き国との連携に加え、各種の取り組みを実施することにより離島地域が有する優位性の積極的活用、自立的発展のための基礎条件の整備を図ってまいります。
次に、石垣空港への国際路線の就航実績と今後の対応についてお答えいたします。
石垣―台北間は平成14年と15年及び17年にチャーター便で計18往復、乗降客数約2000人の運航実績があります。また、本年は1月末から2月初旬にかけてチャーター便が4往復し、乗降客数約500人となっております。
県としては、チャーター便の運航により石垣と台湾の経済・文化交流の促進が図られ、将来の定期路線開設の契機となるものと期待しており、今後も関係機関と連携して就航促進に努めたいと考えております。
以上であります。
○総務部長(上原 昭) 行財政問題についてのうち、行政サービス水準の確保・維持についてお答えします。
国、地方を通じて厳しい財政状況にある中、県としては県税収入の確保や職員数の適正化、事務事業の見直しによる歳出の抑制などに取り組んでいるところでありますが、今後とも行財政改革を徹底的に推進し、なお一層の県民福祉の向上に努めてまいりたいと考えています。
また、本県及び県内市町村のような税源の乏しい地方公共団体が適切な行政サービス水準を確保・維持できるよう、地方交付税の財源保障機能及び財源調整機能の堅持について引き続き地方六団体とともに関係機関に強く求めていきたいと考えています。
次に、国庫負担金、税源移譲、地方交付税の県への影響と対応についてお答えします。
平成18年度の三位一体の改革による本県予算への影響額は、義務教育費国庫負担金等の一般財源化、児童扶養手当や児童手当の県負担が引き上げられたことなどにより約140億円となっております。
これに対し、税源移譲額は所得譲与税や法人事業税の分割基準の見直しなどで約92億円を見込んでおります。
なお、税源移譲等の不足分約48億円については地方交付税により補てんされるものと見込んでおります。
本県及び県内市町村のような税源の乏しい地方公共団体については、地方交付税による確実な財源措置が講じられるよう、今後とも地方六団体とともに関係機関に働きかけてまいります。
次に、宮古・八重山支庁の組織改編についてお答えします。
平成12年に地方分権一括法が施行され、地方分権社会の今日にあっては、住民に最も近い基礎自治体である市町村が主役となり地域完結の行政を行い、県は補完的役割を担うことが求められております。
また、出先機関における業務執行の専門性・迅速性の向上が求められており、指揮命令系統を一元化し、意思決定の迅速化を図る必要があります。
このようなことから、宮古・八重山支庁の組織の見直しを行い、総務・観光、税務関係等の業務を担う県民センターと福祉保健所、農林水産振興センター、土木事務所等に改編することとしたところであります。
組織の改編後においても、これまでと同様に支庁が担っていた管内情報の集約及び調整機能等は県民センターが担うこととし、管内における県民サービスの確保を図っていくこととしています。
県民センター長の職制については、本庁と出先機関の役割分担を踏まえ、県民センター長の職責や他の出先機関の長の職制との均衡等を考慮して検討してまいります。
以上でございます。
○県立病院監(知念建次) 保健医療行政について、医師確保の取り組みと見通しについてお答えいたします。
県立病院の医師確保の取り組みについては、各県立病院長とも連携し、人的ネットワーク及び関係機関を通しての情報収集と就任依頼、ホームページによる募集などを行ってきました。現在は内閣府や県外の大学及び民間病院等複数の機関とも調整を行っておりますが、いまだ具体的な確保には至っておりません。
北部病院及び八重山病院の産婦人科を初め県立病院の医師確保については、引き続きあらゆる手段を講じて取り組んでいきたいと考えております。
次に、医師確保と医業収益に関する責任についてお答えいたします。
医師は病院運営の中核的存在であり、医師の欠員は医業収益の減少をもたらしますが、経営面への影響については、診療科や地域の医療事情等も勘案して収入と費用の両面から見る必要があるものと考えております。
医師確保については経営上の問題もありますが、県民の医療ニーズに適切にこたえ、良質の医療を持続的に地域住民に提供していくという県立病院の役割を果たす上で最も重要な課題であると認識しており、引き続き医師の確保に努力していきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 産婦人科等の医療支援に係る離島・へき地医療支援機構の運用の暫定措置についてお答えします。
沖縄県へき地医療支援機構は、離島等診療所の医師が研修などで島を離れる際に代診医師を派遣する等、当該診療所における医師の勤務環境の改善と安定的な離島・僻地医療の確保を図ることを主な業務としております。
したがって、同機構においては、診療所でのプライマリーケアを行う代診医師を派遣していることから、産婦人科等の専門医の派遣については現在のところ困難な状況があります。
また、産婦人科等の診療科においては緊急治療を必要とする患者も多いことから、県としては常勤医師の確保について取り組んでいるところであります。
次に、離島・へき地医師確保対策検討調査事業等についてお答えします。
県は、課題となっている離島・僻地の医師確保について、県内外の大学へ医師派遣の要請や自治医科大学への学生送り出し事業を引き続き実施しているほか、県立病院の後期臨床研修事業の中で専門医等の養成も拡充することとしており、現在対応すべき対策に取り組んでいるところであります。
また、これらの医師確保対策に加え、平成18年度に離島・へき地医師確保対策検討調査事業を実施し、新たな医師確保対策や医師の派遣方法を含めた勤務環境のあり方等、効果的かつ安定的な医師確保システムづくりについて検討・調査することとしております。
県としては、同調査事業での検討を踏まえ、離島・僻地における医師確保対策をより強化していきたいと考えております。
次に、新型インフルエンザの医療体制についてお答えします。
高病原性鳥インフルエンザが人に感染した場合は通常の医療体制で対応することになります。
人から人に感染する新型インフルエンザが発生したときは、各県立病院に設置されている感染症病床で患者の治療を行うことになっております。患者数が感染症病床数を超えた場合には、琉球大学医学部附属病院等の協力を得て入院治療を行うことになります。
さらに、新型インフルエンザの急速な感染拡大が見られ、対応可能な病床数を超えた場合には他の医療機関にも協力を依頼し、診療体制を確保することとしております。
次に、抗インフルエンザ薬の確保、備蓄計画の進捗状況についてお答えします。
新型インフルエンザの大流行の際には全国で2500万人の患者が予測され、通常のインフルエンザ用とは別に大流行に備えた抗インフルエンザ薬の備蓄が必要となります。
国が本県に要請している備蓄量は11万2000人分で、県では平成18年度から19年度にかけて備蓄を予定しており、18年度は5万6000人分について予算を計上しております。
以上でございます。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは保健医療行政についての中の、鳥インフルエンザの国内外の発生状況や本県の現状と今後の取り組みについてお答えいたします。
高病原性鳥インフルエンザは、外国においては中国、東南アジア、ヨーロッパ等で発生が確認され拡大する傾向にあります。
我が国では平成16年1月に山口県で発生が確認されて以降、大分県、京都府で発生しております。平成17年6月には茨城県で弱毒タイプの発生が確認されております。
本県では、昨年12月末に関係機関を網羅して「沖縄県新型インフルエンザ対策行動計画」を策定し、防疫体制の強化を図っているところであります。
農林水産部としては、同行動計画の中で鳥におけるインフルエンザの発生予防、蔓延防止対策の徹底を図ることとしております。
具体的には、農家等関係者に対し、1、1000羽以上の採卵鶏農場の検査の徹底等サーベイランスの強化、2、飼養者からの異常家禽の早期発見・早期通報の徹底、3、発生に備えた防疫演習等の実施、4、野鳥の鶏舎への侵入防止の徹底、5、死亡野鳥等の検査、6、人への感染防止策として防護服、マスク、ゴーグル、手袋等の着用の指導強化等を実施しているところであります。
今後とも、市町村、農協等関係機関と連携を図り、鳥インフルエンザの発生予防、蔓延防止対策を進めてまいります。
続きまして、食料・農業・農村基本計画の特徴と県、市町村の対応についてお答えいたします。
食料・農業・農村基本計画は、国が食料・農業・農村基本法に基づき策定しているものであります。
基本計画は平成11年度に策定され、おおむね5年ごとに見直すこととしており、平成17年3月に新たな基本計画が決定されております。
同計画の特徴は、農業を取り巻く情勢の変化等を踏まえ、1、新たな食料自給率目標を設定し、その向上に取り組むこと、2、食の安全と消費者の信頼を確保すること、3、担い手の経営に着目した経営安定対策への転換や担い手への農地の利用集積の促進に取り組むこと、4、環境保全を重視するとともに、農地・農業用水などの資源を保全する施策を確立することなどが施策の柱として盛り込まれております。
県においては、この新たな食料・農業・農村基本計画の特徴を踏まえつつ、昨年3月に第2次沖縄県農林水産業振興計画を策定し、市町村、農業団体等と連携を図りながら各種施策を推進しているところであります。
続きまして、農業振興の進捗状況と今後の取り組みについてお答えいたします。
県においては、農林水産業の振興を図るため、沖縄振興計画の分野別計画である農林水産業振興計画に基づき各種施策を推進しているところであります。
第1次農林水産業振興計画の主な指標の達成状況は、かんがい施設整備、農業用水源整備や造林面積などについてはほぼ目標を達成しております。また、拠点産地数、赤土流出防止対策施設、認定農業者などについては低い達成率となっております。
今後の取り組みとしては、第2次沖縄県農林水産業振興計画に基づき、1、ゴーヤー、マンゴーなど拠点産地の形成による生産供給体制の強化、2、輸送コストの低減や地産地消の推進など流通・販売・加工対策の強化、3、経営感覚にすぐれた担い手の育成、新規就業者の育成確保、4、省力・低コスト化に向けた農林水産技術の開発・普及、5、天敵昆虫や性フェロモンを活用した害虫防除など環境と調和した農業の推進、6、農業用水源の確保やかんがい施設等の基盤整備などの諸施策を総合的に推進し、担い手の育成確保や農業所得の向上に努めてまいります。
続きまして、さとうきび再生産確保の具体的な対策についてお答えいたします。
国は、さとうきびの新たな政策を進めるに当たって農家の所得確保や製糖企業の経営の安定を図るため、砂糖の取引価格と経営安定対策による政策支援を行うこととしております。
経営安定対策の対象要件としては、認定農業者を初め基幹作業を委託する者、共同利用組織に参加する者に加え、生産組織に参加する小規模農家などとなっております。
県としましては、全農家が対象要件を満たすよう市町村、JA等の関係機関と連携を図りながら、地域の実態に即して各種の組織づくりなどに取り組んでいきたいと考えております。
また、さとうきび原料代の支払い時期については、農家の生産意欲が損なわれないよう農業団体等関係機関と連携し、現行どおり支払いが実施できるよう強く要望しているところであります。
今後とも、さとうきびの再生産確保ができるよう国に対し要望してまいります。
以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 保健医療行政について、その中のアスベスト被害救済新法の運用と対応についてお答えいたします。
アスベストによる健康被害については、発症までの潜伏期間が30年から40年と非常に長期にわたることや、アスベストがその有用性から社会全体で広く利用されてきたこと等により、個々の健康被害の原因者や因果関係を明確にすることが極めて困難であるという特殊性が存在しております。
そのため、国では、石綿による健康被害の特殊性にかんがみ、石綿による健康被害を受けた者及びその遺族に対し医療費等を支給するための措置を講ずることにより、石綿による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とする「石綿による健康被害の救済に関する法律」を制定したところであります。
県におきましては、保健所における救済給付申請窓口の設置や基金への拠出など、同法を円滑に推進するため国に協力していくこととしております。
同じくアスベスト関連で、被害者の実態調査や救済補償への取り組みについてお答えいたします。
国では、過去に既に亡くなられた方について、石綿に起因する健康被害であることをどのように証明するかについての実態把握に努めるとともに、環境省と厚生労働省で合同で開催している「石綿による健康被害に係る医学的判断に関する検討会」等で議論を行っているところであり、それらの議論を踏まえて適切に決定されるものと聞いております。
救済制度の具体的運用につきましては、独立行政法人環境再生保全機構が実施主体となり、健康被害者や遺族に対し救済給付の支給を行うことになっております。
以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、情報通信関連産業振興の支援内容と雇用効果及び定着率についてお答えいたします。
県では、本土―沖縄間の通信回線の無償提供等を行う通信コスト低減化支援事業を初めとして、情報通信関連産業分野の高度な人材を早期かつ大量に育成するためのIT高度人材育成事業や、コールセンターに就職を希望する求職者を対象としたコールセンター人材育成事業などを実施しております。
加えて、空き建物をコールセンター等の情報通信関連企業向けの施設としてリニューアルするIT新事業創出体制強化事業のほか、県外からデータセンターを県内に移転する費用の助成などを行っているところであります。
また、沖縄振興特別措置法に基づく情報通信産業振興地域及び情報通信産業特別地区において、法人税の軽減や投資減税などの支援が講じられております。その結果、本年1月1日現在、県外からの情報通信関連企業の立地数は103社、新規の雇用者数は9631人となっております。
定着率については、雇用開発推進機構が実施したコールセンターに関するヒアリング調査によりますと、比較的良好となっております。
次に、県内賃金水準と人材育成への取り組みについてお答えをいたします。
県内の情報通信関連企業の賃金水準につきましては、コールセンター等情報サービス分野やソフトウエア開発分野など、業務によって雇用形態が多様でありますが、賃金水準は他業種に比べて必ずしも低い水準ではありません。
人材育成については、「はたらコール」などコールセンターオペレーターの養成を実施するとともに、IT高度人材育成事業を実施するなど、情報通信関連の高度な人材の育成を行っており、このような多様な人材層の形成を通して雇用の確保に努めてまいります。
次に、平成18年度の情報関連産業支援及び雇用創出の取り組みについてであります。
県では、平成18年度におきましても情報通信関連企業の一層の集積及び活性化を図るため、引き続き通信コスト低減化支援事業やIT高度人材育成事業等の各種支援策を展開してまいります。
また、IT新事業創出体制強化事業につきましては、平成18年度の実施市町村として豊見城市及び石垣市を内定したところであり、両市とも数百名規模の雇用効果を見込んでおります。平成18年度も引き続き国及び市町村等との連携を密にしながら、情報関連産業の振興と雇用創出に取り組んでまいります。
次に、県の情報通信産業振興の取り組みについてであります。
内閣府は、本県の情報通信産業のこれまでの成果を踏まえ、沖縄振興計画の後期5年の先導的プロジェクトを検討する研究会を発足させました。
一方、県においても、平成17年3月に策定した第2次情報通信産業振興計画に基づき、通信コストの低減化支援、IT新事業創出体制強化事業、国内及びアジア・太平洋地域とのネットワークを実現し、インターネット・サービス・プロバイダー等の集積促進を図るインターネット・エクスチェンジの形成、離島の自然に恵まれた居住環境を生かしたSOHO・テレワークの導入促進、産学と連携した実践的な人材育成等の事業を実施することにより、情報通信産業振興を一層強化してまいりたいと考えております。
次に、観光産業の経済波及効果を高める施策についてであります。
昨年度県が実施した「観光統計実態調査」によりますと、県外客の観光消費額に県民の県内観光による観光消費額を加えた平成16年度の総観光消費額は4549億円となっており、生産波及効果は6903億円で県内生産額の11.7%、雇用効果は7万8850人と試算されております。
観光によるさらなる生産波及効果を高めるためには観光消費額を引き上げるとともに、県内自給率の向上を図る必要があります。
そのため、県におきましては、付加価値の高い体験滞在型観光としてエコツーリズムや沖縄空手を通した交流の推進、離島観光の魅力向上などに取り組んでおります。
また、リゾートウエディングやショッピング観光の拡大、国際会議やスポーツコンベンションなど消費単価の高い各種コンベンションの誘致に取り組み、一定の成果を上げているものと考えております。
さらに、地産地消、観光土産品の県内調達率向上の観点から、ホテルなど観光事業所における県産食材の利用促進や、観光と製造業の連携による魅力ある観光土産品の開発及び販路拡大に向けたモデル事業に取り組んでいるところであります。
次に、地場製造業振興と雇用対策の取り組みについてであります。
県では、県産品の消費拡大に向けて地域特性を生かした付加価値の高い県産品の開発を促進するとともに、消費者ニーズに的確に対応した売れる商品づくりに取り組んでおります。
また、県産品奨励運動や産業まつりなどを通して県産品の県内市場における自給率の向上に努めるとともに、物産展や商談会の開催を通して県外、海外における県産品の販路拡大に取り組んでおります。
県としては、引き続きこれらの取り組みを強化しながら県産品の消費を拡大させ、県内製造業の振興を図るとともに、職業能力開発校等における人材の養成や企業の雇用を支援する助成金制度の活用などにも積極的に取り組み、雇用の拡大に努めてまいります。
次に、沖縄県工業技術センター等の拡充・活用についてであります。
沖縄県工業技術センターは、地域技術の牽引車、開かれた試験研究機関、地域技術の交流広場、地域技術の発信の4つの基本理念のもとに、県内企業が抱える技術的課題の解決に向けた支援事業や研究開発事業に取り組んでおります。
こうした取り組みの主なものには、泡盛の品質向上に関する研究、健康食品の機能性に関する研究、廃棄物の利用技術に関する研究などがあり、これら研究の成果は泡盛産業や健康食品産業における付加価値の高い製品づくりや環境関連産業における新たな製品づくりに活用されております。
また、同センターは、工業標準化法の改正に伴う登録試験機関の認証に向けて体制の整備を進めており、これによってリサイクル製品など沖縄の独自製品のJIS規格化を技術的に支援し、地場産業の競争力を強化していくこととしております。今後はすぐれた研究者の確保等により研究体制の強化を図るとともに、沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センターや工芸指導所等との連携や産学官による共同研究などの強化を図り、研究開発力の向上に努めてまいります。
以上であります。
○土木建築部長(末吉 哲) 新石垣空港の平成18年度の予算措置と今後の取り組み及び今後の事業費の概要と予算確保の見込みについて一括してお答えいたします。
平成18年度予算は、事業用地の取得及び物件補償、試験盛り土、文化財発掘調査及び環境保全対策等に要する経費約73億1500万円を計上しております。整備を計画どおりに進めるには円滑な用地取得が重要であると考えており、地元石垣市と緊密な連携を図りながら地権者の方々の理解と協力を得て鋭意用地買収を進めていく所存であります。
また、整備事業費の概要としては、用地取得及び物件補償、土木工事、照明工事、建築工事及び環境保全対策等に係る経費として約420億円を予定しており、平成24年度末の供用開始に向け毎年度の所要額を確保する必要があります。
このため、今後とも地元石垣市と連携し、国等関係機関へ要請するなど、あらゆる機会をとらえて予算確保に努めていきたいと考えております。
次に、石垣空港CIQ施設整備計画と運用についてにお答えいたします。
石垣空港CIQ施設については、海外との交流を促進し、もって八重山圏域の国際的な観光・リゾート地の形成及び観光産業の発展を図る目的で整備するものであります。施設は現在のJTA搭乗待合室へ隣接した敷地に予定しております。その規模はこれまでの受け入れ実績から出入国おのおの100名規模の旅客を同時に受け入れし、CIQ審査を行えるよう計画しております。
施設整備については平成18年度予算で施設設計、工事施工を行い、年度内に運用を開始していく予定であります。
次に、与那国空港整備の進捗状況と供用開始についてにお答えいたします。
与那国空港の整備事業は、航空機の離発着の安全性と就航率を高め、安定的な輸送を図るため計器着陸装置等を整備するとともに、滑走路長を現行の1500メートルから2000メートルに拡張するものであります。
整備状況については、平成15年度から埋め立てに係る護岸工事、埋立工事等に着手しており、今年度は東側拡張部の用地造成工事等を進めているところであり、西側拡張部については滑走路工事を完成させております。
17年度末の進捗状況は、事業費ベースで約83%の予定であります。18年度は無線工事及び東側拡張部の滑走路工事、進入灯工事等を完成させ、国の飛行場検査等を経て18年度内に供用開始を行う予定であります。
次に、津波・高潮、浸水対策、及び海岸線浸食の現状認識と今後の対応についてにお答えいたします。一括してお答えいたします。
沖縄県においては、現在、波浪による越波被害や浸水被害がある海岸において防護施設として護岸等の海岸保全施設を整備しております。また、津波や高潮に対し、住民への防災意識の啓発や高揚を図るとともに、護岸等施設整備を検討する必要があると考えております。
このことから、県では、浸水区域や浸水時間、その程度を予測し、建築物、護岸等の想定被害情報を網羅した「琉球諸島沿岸津波・高潮ハザードマップ」の作成を進めております。今後、このハザードマップを利用して地元と連携し、防護施設整備等の検討を行っていきたいと考えております。
また、離島海岸の浸食箇所については現在調査中であり、今後、事業の可能性について検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○髙嶺 善伸 休憩お願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後2時56分休憩
午後3時4分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
観光商工部長。
〔観光商工部長 宜名真盛男君登壇〕
○観光商工部長(宜名真盛男) 答弁漏れの分をお答えいたします。
県内の情報通信関連産業と他府県、県外の情報通信関連企業の給与を比較した直接的な資料はございません。ただ、一部首都圏のテレマーケティングをする企業の例がございまして、それによりますと首都圏では時給1000円程度、一方、県内の同種のテレマーケティングでは時給が800円程度であるということでございます。現在把握できる情報はこの程度であります。
以上であります。
○髙嶺 善伸 それでは5点再質問いたします。
まず、知事の政治姿勢についてでありますが、私は、平成12年の第4回定例会でも沖縄県の過重な基地負担は憲法違反ではないのかということで知事に申し上げましたら、合憲か違憲かは司法の権限において行われるべきだと答弁を避けました。
私は、この県民の頭越しに、県民の意向を無視した基地の押しつけについてはこれは地方自治の侵害だと、法律違反だという気概で私は立ち向かえという意味なんですよ。何も私も法律学者じゃないので、これ以上合憲か違憲か、あるいは合法か違法かということではなくて、気概を持てということですので、知事、もう一度答弁お願いします。
それから、訓練水域・海域・空域のことなんですが、漁連の団体が、訓練水域全面解除を、安心して漁ができないと(資料を掲示) 漁民が怒っているんです。したがって、これまでは基地の整理縮小を知事もはっきり言ってきたんです。だけれども、この訓練水域・海域あるいは空域については言及されていない。こういう事故があったときに、やはり県知事としては日米両政府に訓練空域についても海域についても縮小しなさいと、廃止しなさいということを言うべきじゃないか、そのことについて明確な御答弁をお願いいたします。
それから総務部長の支庁設置関係なんですが、これは通常の沖縄県の行政組織規則ではなくて、地方自治法に基づく支庁設置条例なんですね。だから支庁を廃止しないということは、この条例を改正しないということなんです。条例を改正しないということは、この支庁長の職務等所掌事務ほかあるわけですよ。つまり、支庁長の所掌事務というのは単なる皆さんが言われた県民センターが所管するもののほかに農林水産から土木、福祉・保健多々あって、そのほかに県行政の連絡調整に関すること、あるいは地域開発の調整推進に資することなども含まれて部長クラスなんです。
そういう意味では通常の組織規則ではなく、これは条例による支庁設置でありますので、もう一度わかりやすく、支庁を廃止しないということはどういうことなのか、支庁設置条例に基づく支庁長の権限はどういうことなのか、その下での行政組織規則における今言うようなセンター長とはどういう関係になるのか、もうちょっとわかりやすく整理して御説明をいただきたいと思います。
それから医師の確保についてでありますが、もう相変わらず答弁は平行線のような、なかなか具体的に県民に安心を与えるような約束がまだとれておりません。そこで、もう4月からは全適ですので、知事の医師の確保、県民の命と健康を守る責任という意味では、この際、北部病院の4月再開、それから6月以降の八重山病院の産婦人科診療の廃止あるいは休止、そういうことはありませんと、医師の確保は責任を持ってやりますということを知事が明言すべきだと。そうしないと6月以降、お産を控えた妊婦さんや若い人たちは安心して子づくりができないんですよ。この席上で知事は明確に、いささかの不安も与えませんということをぜひ明言してもらいたいと思います。
そして福祉保健部長、私は、琉大と連携して取り組むというこれまでの福祉保健部長等の歴代の答弁はいただきましたが、これまでも代表質問でありましたように、琉大というのはもう国立じゃなくて独立行政法人に移行しました。これは地域に貢献しないと大学の存在価値が問われるんですよ。
そういう意味では、このチャンスに沖縄県の深刻な医師不足解消のためにやはり琉大医学部の医学科の定員に地元出身枠を設けてください。あるいは離島医療に従事できるような離島出身枠を設けてくださいと。県の方針としてやはり琉大や国に対して申し入れる、そういう方針を明確に示してもらいたい。そうすればきっと大学側も国も受け入れるんではないかと思いますので、まずは県がそういう出身枠を設けるかどうか、そういうことを要望するかどうか、これが問われているんじゃないかと思いますので、御答弁をお願いいたします。
次に、与那国上空の防空識別圏問題ですが、先ほど国レベルで解決すべきだということですが、これについては去年の暮れ、与那国町長と西銘衆議院議員が総統府直属の安全保障機関・安全会議から入手した資料というのが出ておりました。これは、与那国上空をやはり日本側の防空識別圏に譲る形で与那国を中心に半径22キロで半月上に日本側に防空識別圏を譲ってあるというふうな新聞報道があったんですよ。これは大事なことだ。
これは与那国空港というのは県管理空港ですので、そこに離着陸する民間航空機、県民の安全性を考えたときにすぐ台湾側に事の真相を確認して、国益の問題じゃない、県民の命の問題ですので、実際にこの防空識別圏はどうかということを必ずしも国を通さなくても県として直接打診できるんじゃないかと、確認できるんじゃないかと。あるいはこれを外務省や国土交通省に実際どうなっているのかと。これまで安全性は確保されているという答弁でありましたが、実際の防空識別圏についてきちっと県民にわかるように、この事実確認関係と取り組みについて明確にすべきだと思いますが、それについての御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(外間盛善) ただいまの髙嶺善伸君の再質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後3時12分休憩
午後3時38分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
休憩前の髙嶺善伸君の再質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 髙嶺議員の再質問にお答えいたします。
米軍再編に関しての再質問の中で、法律の問題というよりむしろしっかりと気概を持って当たれということでございますが、しっかりと気概を持って当たっていきたいと思います。
○知事公室長(花城順孝) 訓練空域・水域の縮小・廃止について求めるべきではないかという再質問にお答えします。
これにつきましては先ほども御答弁をいたしましたが、訓練空域・水域の存在、あるいは訓練空域内での訓練が県民生活あるいは本県の振興開発に著しい影響を及ぼすことがあってはならないと。漁業等の操業水域が制限されるとか、いろんな意味で産業の振興等についても影響が及ぼされる場合もあるということは県として認識しております。
県としては、今後、県民の生活と安全を確保する観点から適切に対応していきたいと考えております。
次に、防空識別圏について、台湾側の識別圏というものの確認を県としてすべきではないかという御質問でございますが、これについては先ほども申しましたが、衆議院予算委員会でやりとりがありました。県選出の西銘委員が防衛庁長官に対して、防空識別圏の台湾側と我が国の違いを含めて防衛庁長官の認識をただしております。
これに対して防衛庁長官は、同問題の台湾側の認識については、現在外務省で確認をしてもらっている。航空自衛隊においては与那国島上空の領空において防空識別圏外の空域を含め対領空侵犯措置を適切に行っているとしております。
また、防空識別圏の見直しについては、台湾との関係を考慮しながら検討していきたいとしております。
以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 当初、両支庁を廃止するというふうに記述していたわけでございますが、地元の住民に対して無用なといいますか、不安を与えたというふうなことを反省いたしまして、その支庁を廃止しないというふうにしたいということでございますが、行革プランの実施計画の廃止の欄の記述からは取り除くと、廃止という記述をですね。これは廃止というふうに記述したことが地元に大きな不安を与えたということを反省して、その分については修正を今後行っていきたいということであります。
それから支庁設置条例についてでございますが、当然、今後設置条例については廃止することになると考えております。したがいまして、支庁は制度上は廃止をいたしまして、新たに行政機関設置条例で県民センターを設置するというふうになるかと思います。そういう形式的な面もございますが、実質的には現行の支庁が果たしている役割は維持されるというふうに考えております。
それから県民センター長の職制についてでありますが、部長級であるか統括監級であるかといったことについては、今後組織等についても細かく、それから職責等についても細かく検討してまいりますので、その職責等を踏まえて今後職制についても検討されることになるということで、平成20年を予定していますので、今後2年間にその辺については議論されるということでございます。
○県立病院監(知念建次) 医師確保についての再質問にお答えいたします。
北部病院や八重山病院の産婦人科など県立病院の医師確保につきましては、現在、内閣府や東京、福岡等県外の大学や県外の民間病院等と調整を行っているところであり、地域住民の不安が解消されるよう引き続き最善の努力を行っていきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 医師の確保について、琉球大学との連携と琉球大学医学部の地元出身枠について要望してはどうかとの再質問にお答えいたします。
県におきましては、平成18年度に離島・へき地医師確保対策検討調査事業を実施し、琉球大学や医師会等と連携して大学の地元出身枠の必要性を含めた効果的な医師確保の方策を検討することとしております。
また、現在、琉球大学や医師会等で構成する地域医療対策協議会の設置も進めているところであり、その中でも大学の地元枠の必要性等について協議していきたいと考えております。
なお、琉球大学医学部においては卒業生の約5割が県内に定着するなど、県内医師確保に大きな貢献をしておりますが、県としましては医師確保対策検討調査事業の結果を踏まえて、本県の地域の状況に応じた安定的な医師確保システムづくりを図っていきたいと考えております。
以上でございます。
○髙嶺 善伸 ぜひ稲嶺知事に答弁してもらいたい。
2月20日に宮古島市長や石垣市長、竹富町長、与那国町長、議会の議長、それから婦連の会長さんや女性ネットワークの代表者が1万7000人の署名を持って知事に会いにきたんですよ。ところが福祉保健部長が代表してお会いしました。知事に届いているのか、その意味。
私は、6月に閉鎖されるであろう産婦人科を必ず存続させるんだということを知事がこちらで明言しないと、若い夫婦、少子化対策に効果が出ない。そういう意味では北部病院の再開と、それから八重山病院の6月以降の産婦人科医については責任を持ちますと、知事の方から明確な御答弁をお願いします。
それから八重山支庁問題ですが、郡島政府の知事の問題から支庁長、そして今度は県民センター長と、もう知事から特別職、行政職ときました。これも宮古・八重山の両市長や議長が来て知事にお願いしたんですよ。したがって、ぜひ支庁存続についての行革推進本部長の稲嶺知事、離島支庁存続に関する知事の決意をお聞かせください。
○知事(稲嶺惠一) 髙嶺議員の再々質問でございます。
最初は、医師の確保の問題でございますが、この点につきましては私としても全力を尽くしたいと思っております。
次に、支庁長の問題でございますが、これは先般も各皆様方が私のところに参りました。私の方から申し上げましたのは、行革というのは一つの流れでありますと。しかし、形はどう変わろうともその機能は全面的に残るような形で、そういう形にいたしますというお話をしております。
今後、多くの皆様方ともお話をしながら、行革というものの一つの時代の流れに沿ってどのような形で進んでいくか、特にその機能については十分残せるような形で努力をいたします。
○糸洲 朝則 公明党県民会議を代表いたしまして代表質問をいたします。
ここまで来ますと大分重複するのもありますが、政党の代表でございますからあえてさせていただきます。
まず最初に、昨年12月、マレーシアで初の東アジアサミットが行われました。その最大の成果は、東アジア共同体の創設に向けて首脳間対話の定着化が図られたことであります。今後、関係国が国益の対立などを乗り越えながら不戦の共同体づくりのために腰を据えて取り組んでいくことが必要であります。
ヨーロッパにおきましては、EUの前身であるEEC(欧州経済共同体)の発足から来年で50年を迎えますが、半世紀にわたる地域間対話と地域間協力の積み重ねを経て、今やヨーロッパに不戦の共同体の堅固な基盤が築かれました。
東アジアにおいても、冷戦以来の対立や緊張といった負の遺産を清算し、各国が手を携えて共同体づくりへの一歩を踏み出すべきではないでしょうか。そのために、さきの大戦で凄惨な地上戦を経験し、米軍基地を抱える我が県はその歴史的・地理的特性から大きな責任と使命を担っております。世界規模で進む米軍の再編は、武力による平和の抑止力を対話による平和の抑止力へと転換する好機であります。
そこで、私ども公明党は、対話による平和の抑止力の拠点として国連の新たな地域拠点となる国連アジア太平洋本部の沖縄県への設置を提案してきました。国連アジア太平洋本部の新設を通じて同地域における人間の安全保障に関する活動を充実させながら、国連が目指す脅威が生じにくい世界の構築のモデル地域建設への挑戦を開始すべきだと考えます。
国連アジア太平洋本部の設置は、それぞれの国が特質や個性を失うことなく、より高い結合の中で輝きを増していくアジア共同体、アジア合衆国の実現への大きな一里塚になると信じます。
ヨーロッパで共同体づくりが進んだ背景には、キリスト教文明という共通の精神基盤がありました。これに対し東アジアには多様な民族がそれぞれの伝統や文化をはぐくんできており、簡単に一くくりにできるような性格のものではありませんが、あえて言うならば共生のエートス、いわゆる気風というものが流れ通っております。
つまり、比較的穏やかな風土にあって対立よりも調和、分裂よりも統合、我よりも我々を基調に人間同士が共存していこうとする心的傾向です。これこそ私ども沖縄県民の中に流れる守礼の心であり、イチャリバチョーデーの精神ではないでしょうか。
以上、所見を申し上げましたが、質問をいたします。
最初に、基地・平和行政についてでございます。
長年の県民の悲願、求めてきた課題、米軍の再編に伴う負担軽減を千載一遇のチャンスととらえ、一歩踏み込んだ取り組みをして成果を出していく、これが与えられた政治的課題である。
小泉首相は抑止力の維持と負担軽減を同時に進めると公約しており、抑止力と対等の対話、平和外交の拠点として、例えば国連アジア太平洋本部の誘致を求め、人道支援など人間の安全保障の拠点としての役割を沖縄が担うべきであると考え、以下質問をいたします。
(1)、最終報告までの知事の取り組み、日米両政府は今後どのようなプロセスで最終報告をまとめられると考えるか。
(2)、普天間以南の返還、兵力の削減は一定評価できます。その実現は基地問題の解決に寄与すると考えるが、知事はどう考え、どのように対応されるのか。
(3)、嘉手納以南の基地が返還された場合の跡地利用計画及び実施について、県はどのようにかかわっていくのか。
(4)、普天間以南の返還が実現した場合、これらの施設を「人間の安全保障」の拠点と位置づけ、平和外交の発信地として活用する考えはないか。
例えば、イ、PKO訓練・備蓄基地の誘致。
ロ、国連及び国際機関における人道支援機関の誘致、例えば難民高等弁務官事務所、世界防災会議など。
ハ、ペシャワール会、AMDAなど沖縄平和賞受賞団体の支援拠点及び支援システムを沖縄から発信できないか。また、これらの団体と継続的に連携をとり、将来的には沖縄平和賞ネットワークづくりができないか。
ニ、アジア・太平洋諸国の領事館等の集積化を積極的に推進してはどうか。
(5)点目に、那覇軍港の移設について、浦添地先への移設が有力だと考えますが、また米軍再編とのかかわりでどのように変わるのか、この点について御説明いただきます。
(6)、国連大学誘致についての現状と今後の展望について伺います。
(7)、ことし太平洋・島サミットの沖縄開催が決定しているが、今後、太平洋・島サミットの沖縄開催の恒例化とその受け皿づくりを積極的に働きかける考えはないか。
(8)、東アジア共同体創設への動きは我が県にとって重要であり、何らかのかかわりを持って推進すべきと考え、知事の所見を伺います。
(9)、訓練空域・水域の返還についてどう考え、どう取り組んでいるか。米軍再編に伴う負担軽減ともあわせて伺います。
(10)、嘉手納ラプコン返還に向けた作業の進捗状況と見通しについて具体的に説明を願います。
(11)、防空識別圏の返還へ向けての取り組みについても県民の安全確保、主権国家としての立場から早急に解決されなければならない。県の取り組みについて伺います。
2、行財政改革について伺います。
県の2006年度当初予算案は、一般会計1.7%増の5957億円と5年ぶりにプラスに転じております。人件費の見直しなど歳出抑制を図ったものの約280億円の財源不足が生じ、基金を取り崩して対応する現状であり、県財政の逼迫の度合いが鮮明になっております。
そこで伺います。
(1)、現在策定中の沖縄県行財政改革プランによる沖縄県の将来像について、例えば職員数や人事・給与制度の改革、企業会計の健全化及び特別会計の運営適正化による数値目標、その他もろもろの施策が網羅されているが、これらの行財政改革プランによって県がどのように変わっていくのか。また、プランの特徴は何なのか御説明願います。
(2)、今後迎える団塊の世代の大量退職は、県財政のみならず県民生活、消費活動、雇用問題、医療、年金等数々の課題があります。一方で県経済に与える波及効果も期待できる。団塊の世代の大量退職の影響、県経済への波及効果、対策について伺います。
(3)、収支不足解消への具体的取り組みについては、中長期的展望も視野に入れて御説明を願います。
(4)、指定管理者制度の導入による効果について、県財政へ与える影響を初め県民へのサービス面、民間同業者への影響、県経済への波及効果を具体的に示してほしい。
(5)、住宅公社の改革については、社会情勢の変化に合った改革と財政面の改善が必要だが、現在進めている見直し案の実施状況及び将来展望も含む今後の見通しについて伺います。
(6)、知事を対策本部長とする仮称行政改革効率化対策本部を設置し、沖縄県版・事業仕分け作戦を展開し、徹底的に行政のむだを省く取り組みを進めてはどうか伺います。
3、地方分権と道州制について。
平成12年4月に地方分権一括法が施行され、その後、構造改革や郵政民営化関連法案の成立、平成15年には北海道が道州制のモデル地域へ指定されるなど、地方分権道州制への流れは加速をしています。また、沖縄の地理的・歴史的経緯、独自の文化は沖縄の特殊性を形成している。よって、道州制へ移行する場合、単独州というのが自然の流れであるとの前提で伺います。
(1)、道州制モデル地域の指定を受けて、広範な県民的議論を展開するとともに、必要な施策を立案してはどうか。
(2)、沖縄の特殊事情は既に他都道府県とは異なり、現実そのものである。よって、この特殊事情を最大限活用し、自立を目指すことが道州制移行への試金石となると考えるがどうか。
(3)、現在の沖縄振興特別措置法に基づく振興策を進めながら、特措法後の対策として沖縄州への移行特別措置法を立案してはどうか伺います。
4点目に市町村合併について伺います。
(1)、2月8日にまとまった沖縄県の新しい市町村合併推進構想では、本島近接型離島、群島型離島、孤立型離島の3タイプに分けているが、それぞれの概略と合併推進についての県の考えを伺います。
(2)、既に合併している市町村の評価について県の所見を伺う。
(3)、市町村合併と道州制への移行について、地方財政の健全化、行政の効率化を目指す視点から、あるいは地方分権、地域特性を生かしたまちづくり等、共通のテーマがかなりあると考えられますが、県の考えを伺います。
5点目に、チャイルドファースト社会の構築について伺います。
公明党は、あすの日本を担う子供たちの健やかな成長のため子育てを社会の中心軸に据えるチャイルドファースト社会、いわゆる子供優先社会の構築を目指し、児童手当の拡充や出産育児一時金の引き上げ、中小企業に対する育児休業支援を訴えております。
(1)、公明党の主張により政府は2006年度から児童手当の支給対象年齢を「小学校3年生まで」から「小学校6年生まで」に拡充し、所得制限も年収780万円から1000万円へ引き上げられます。これにより県内の受給対象の人数及び予算額について伺います。
(2)、財団法人こども未来財団の「子育てコストに関する調査研究」によりますと、分娩・入院費の平均は36万4618円に達しており、定期健診や出産準備費を含めた妊娠・出産費用の総額は50万円を超えていると言われております。したがって、公明党は、将来、出産育児一時金の50万円への引き上げをマニフェストに掲げておりますが、差し当たって2006年10月から現行の30万から35万へ引き上げられますが、これによる予算額と波及効果について伺います。
(3)、厚生労働省は、従業員100人未満の中小企業の育児休業取得支援として、育児休業を取得した従業員がいない100人以下の中小企業に対し、財政面から支援することで大企業に比べておくれている仕事と子育ての両立が可能な職場づくりを後押しする施策を進めているが、これによる県内企業はどれくらい見込まれるか伺います。
(4)、小児救急医療体制の整備、いわゆる24時間対応可能の取り組みについて県の考えを伺います。
(5)、女性の再就職を支援する相談体制の整備及びシングルマザーの雇用の確保について伺います。
(6)、子育て世代の経済的負担を軽減するために新婚世帯や子だくさん世帯へ県営住宅を優先提供する制度を創設してはどうか伺います。
6、年金、医療、介護について。
沖縄社会保険事務局の資料で、我が県は県民の肥満度全国ワースト1位となっており、憂慮すべき事態となっております。
また、我が国の医療は今治療中心から予防中心への転換による医療費増大の抑制が求められております。米国は1970年代に国家的プロジェクトとして「ヘルシー・ピープル」を立ち上げ成果を上げました。これを参考に我が国も今「健康日本21」を推進しております。生活習慣病予防のための検診体制、個別指導体制の充実や運動療法などの予防の取り組みが必要だとの認識で以下の質問をいたします。
(1)、日本人死亡原因の第1位は、年間30万人の命を奪うがんで、その対策強化は国を挙げて取り組むべき緊急課題との認識で、公明党は「がん対策プロジェクトチーム」を設置し取り組んでおり、幾つかの課題が浮かび上がってきました。
これらの結果を踏まえ、2006年度の政府予算案には、がん治療に関する情報を集約・提供し、治療の地域格差を解消するためのがん対策情報センター――仮称でございます――の設置を初め、マンモグラフィー整備、地域がん治療拠点病院の整備、がん治療専門医の育成、その他多くのがん対策が講じられているようでございます。これらの施策と県の対応、取り組みについて伺います。
(2)、80歳になっても自分の歯を20本以上保つために歯科健診と自己管理を通じて健康づくりを行う「8020運動」の推進について伺います。―
(3)、県内での骨髄移植の早期実現を求める視点から伺います。
専門医の確保や施設整備等課題もありますが、患者や提供者の経済的・精神的負担の軽減のみならず、安心して治療を受けられる体制づくりは行政の責任ではないでしょうか。全国でも認定施設のない県は岐阜、佐賀、宮崎、沖縄の4県だそうです。他の3県は隣県にも行けますが、沖縄は離島県であり、特段の配慮があってもいいと思います。
新年度開院予定の県立南部医療センター・こども医療センターなどへの認定化や琉大附属病院の再認定への取り組みについて伺います。
(4)、女性専門外来の開設については前にも取り上げましたが、その後の取り組み、進捗状況、今後の見通し等について御説明願います。
(5)、アレルギー疾患対策の抜本強化に向けて、県立病院へのアレルギー科の新設及び公立・民間病院のネットワーク化の実現に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(6)、発達障害者支援法の施行を踏まえ、早期発見・早期療育、教育、就労等、地域における一貫した支援体制の構築を図るとともに、発達障害者支援センターの整備をする考えはないか。
(7)、地域生活における障害者の生活基盤となるグループホームや福祉ホームの整備を進め、小規模作業所の新事業体系への移行支援を行い、地域における作業活動の場などの受け皿づくりをする考えはないか。
(8)、公明党はマニフェストの中で、2008年度に行われる障害者雇用実態調査において、雇用障害者数を60万人にすることを目指しております。福祉的雇用から一般就労への移行推進のためトライアル雇用、職場適応援護者、いわゆるジョブコーチ拡充への県の取り組みについて伺います。
(9)、児童虐待のない地域を目指すため、児童相談所、児童福祉施設、学校、保健所、病院、警察、地域ボランティア、住民などの連携による「児童虐待防止市町村ネットワーク」及び児童虐待またはそのおそれのある家庭の早期発見にも資する育児支援家庭訪問事業を全市町村に整備してはどうか。
(10)、虐待やいじめなどで情緒障害をこうむった児童の治療等を行う情緒障害児短期治療施設や、施設退所後も社会生活が困難な子供の自立支援を行う自立援助ホームを開設してはどうか。
(11)、改正介護保険法が4月から施行されますが、法改正に伴い以下の質問をいたします。
イ、法改正の主な項目、特徴等について。
ロ、保険料、給付費はどのようになるか。
ハ、4月施行への準備はどのように進めているか。
ニ、平成17年6月16日の参議院厚生労働委員会における24項目の附帯決議は具体的にどのように反映されるか。特に、市町村の保険者機能の強化及び介護給付費の適正化を一層推進する点につき、現状及び今後の取り組みについて伺います。
7、農林水産業について。
「漁場は足摺岬沖。高知で頑張る沖縄漁師」の見出しで、沖縄出身の漁師Hさんの活躍がある雑誌に紹介されております。沖縄で生まれ、沖縄育ちの方がなぜ高知県にとの思いでこの記事を読んで愕然といたしました。
記事によりますと、沖縄では漁協の組合員にもなかなかなれない。やむなくサラリーマン稼業に。しかし漁師の夢を捨てきれず、東京で開かれたIターン・Uターンフェアに足を運び、そこで高知県に漁業従事者受け入れ制度があることを知り、早速申し込み、研修終了後、土佐清水漁協が受け入れ先に決まる。2年間は先輩漁師について学び、2年後には自分の船を買い一本立ち、といった記事です。Hさんいわく、「僕はここで念願の漁師になりました。これからは土佐清水に恩返しをする番です。若い人が漁師になりたいと思えるような漁業の新しいやり方を考えていきたい。」と。
この記事を読んだ私は、早速土佐清水市や高知県、福岡県などのホームページから漁業振興策を引き出してみました。多くの施策や制度があるのにびっくりいたしました。四方を海に囲まれた我が県こそ海洋県、水産業立県として立ち上がらねばならないと思いましたが、残念ながら我が県の水産業振興策は、水産業立県を目指すにはほど遠いように思います。
もちろん、行政の責任だけではないことは言うまでもありません。しかし、県がリーダーシップを発揮して明確な指針、目標を持って取り組まなければ沖縄の水産業は先細りするばかりであります。
さて、水産業の振興を促す視点から農業との対比で質問をいたします。
(1)、沖縄県の農業、林業、水産業それぞれの年間生産高、過去5年間の推移及び特徴について。
(2)、それぞれの振興策及び事業、新年度予算の概要について。
(3)、新規就業者の確保、後継者の育成について。
(4)、農業試験場、水産試験場のそれぞれの移転・改築あるいは研究体制の強化について。
(5)、林業試験場の現状及び今後の見通しについて。
(6)、浮き漁礁(パヤオ)の設置状況、今後の事業計画について。また、パヤオ設置後の効果について。
(7)、パヤオ周辺における県内外漁船の実態を把握しているか。把握していればその状況を説明し、把握してなければ調査し、今後の対策を考えるべきではないか。パヤオ周辺における漁業の方針を明確にすべきと考えるがどうか。
(8)、水産業振興に向けて県がリーダーシップをとり、市町村、漁連及び各漁協とタイアップし、水産業振興のためのプロジェクトチームを立ち上げる考えはないか。
(9)、水産公社の現状は多くの課題を抱え、その役割を果たしているとは思われない。しかし、水産業の漁業者、仲買、漁連や各組合をまとめ、流通条件の整備、水産加工団地への企業誘致等積極的な活用が求められると考えます。県の公社等見直し案では平成19年廃止の方向のようですが、これでは水産業はますます先細りするだけで、むしろもっとてこ入れをして水産業発展の役割を担える体制にしたらどうか、県の所見を伺います。
(10)、海洋深層水の研究結果を水産業、農業の振興に活用できる施策の展開を大胆に行ってはどうか。
(11)、先日、泊漁港の不法放置船の現場調査をいたしました。船の形はしているもののほとんど廃船状態で浮浪者のたまり場になっている船もあり、海の環境汚染、治安の問題を抱え、狭隘な漁港内に放置されているこの状態は異常であり、早急な対応が求められると思い、県内漁港、港湾、マリーナ等における不法放置船対策について伺います。
イ、現在、漁港、港湾マリーナ等における不法放置船の現状について御説明を願います。
ロ、強制処分対象の船舶は何隻で、費用はどれくらいかかるか。また、強制処分はどの機関が行うのか。強制処分に至る手続等について伺います。
8、環境問題について。
環境問題は国境を越えた地球規模の問題であり、砂漠化、地球温暖化による異常気象は年々ふえており、自然災害の多発もこれらと無関係とは思えません。グローバル・アンド・ローカリーの視点から、身近な環境対策について以下の質問をいたします。
(1)、眠っている水源、いわゆる地下水、下水再生水、雨水などを活用して緑地の拡大や親水公園の設置、散水などの自然再生・ヒートアイランド対策モデル事業を都市部を中心に展開してはどうか。
(2)、公用地の自然緑地義務づけや屋上緑化、学校ビオトープ、自然生態系の生きるまちづくりなどの推進について。
(3)、産業廃棄物処理施設の拡充計画及び事業展開について、官民含めて現状、今後の見通しについて伺います。
(4)、離島を含む全県下の廃自動車の現状と取り組みについて。
(5)、自動車リサイクル法に基づく取り組みと今後の課題や展望について。
(6)、多良間村水納島の自然保護区域の指定について伺います。
9、教育について。
不登校、学級崩壊など、今、学校の再生が課題になっております。そこで、これまでの国主導の教育行政のあり方を改め、地域主導、現場主義へと転換し、信頼され得る学校を目指して学校、教員の教育力を再生する必要があると考え、以下の質問をいたします。
(1)、画一的でなく、学校が主体的にそれぞれの実情に応じて少人数学級・チームティーチング等を選択できる仕組み「新たな少人数教育システム」の導入や学校運営協議会の設置推進について。
(2)、小中学校において、保護者、地域住民が授業で教員をサポートする教員サポーター制を導入してはどうか。
(3)、学ぶ意欲を向上させ、豊かな心を持つ子供をはぐくむ体験学習が必要と考え、次の質問をいたします。
イ、すべての小中学校に1週間以上の自然体験活動――離島や洋上学校――ができる機会を提供してはどうか。
ロ、すべての小中学校に1週間以上の職場体験ができる機会を提供してはどうか。
ハ、すべての小中学校に少なくとも年1回、本物の文化・芸術に触れさせる機会を提供してはどうか。
ニ、国やNPOとの連携で全市町村に環境体験学習のコーディネーターを配置してはどうか。さらに、教員が体験学習に関する情報、プログラム、ノウハウにアクセスできる体制を整備してはどうか。
ホ、小中学校等で地域や企業、NPO、ボランティア等と連携し、社会の仕組みを学ぶ仮称「未来プラン授業」を導入するとともに、補習授業、職場体験活動などを行う土曜授業を実施してはどうか。また、中学校第2学年時の「働くウィーク」、いわゆる職業体験週間を導入してはどうか。
(4)、現在の奨学金制度の種類、利用者数、予算、あるいはまた奨学金及び留学制度について拡充していく考えはないか。
(5)、県立高等学校の編成整備計画について伺います。
社会構造の変化、県民ニーズの多様化等、時代にマッチした制度及び体制づくりは常に現場主義に基づくよりよい改革でなくてはならない。したがって、県立高等学校の編成整備についても、生徒たちの目線でとらえ、生徒たちのためになる編成、もう一つは地域の実情に基づく地域の声も反映させたものでなくてはならない。こうした視点から現在進められている高等学校の編成整備(案)について、その背景や目的、メリット・デメリット、実施時期等について校区ごとに説明を求めます。
(6)、市町村合併に伴う小中学校の編成整備計画について。
市町村合併は、行財政の健全化、地方分権の推進等、行財政改革の流れの中で避けて通れない実情にあります。合併によるメリット・デメリットいろいろある中で、自分が通った小学校、中学校はどうなるのかと一抹の不安があるのも事実であります。
したがって、市町村合併に伴う小中学校の再編はあるのかないのか、あるとすればどのような理念に基づく方針なのか。既に合併した市町村や今後予定される市町村もあわせて、実態とまた県教育庁の方針をお聞かせ願いたいと思います。
(7)、豊見城高校では学校の特色を出し、生徒たちに多様な進路の選択や学習意欲を促す等、各方面から検討を重ね「総合学科」の設置を計画しておりますが、教育庁の対応について伺います。
(8)、鏡が丘養護学校の裏山には、生徒や職員、保護者の皆さんが散策する遊歩道が設置されております。みんなの憩いの場であり、学習、リハビリにも大いに役立っているようでございます。この遊歩道の延長拡大を望んでおりますが、この対応についても伺います。
(9)、小学校等へのスクールガード、いわゆる学校安全警備員の配置状況について、そしてまた今後の見通しについて伺います。
10、離島・過疎地域の振興。
(1)、離島・へき地医師確保対策事業について、現状と今後の取り組みについて。
(2)、電線共同溝整備事業の進捗状況及び今後の事業計画展望について。
(3)、離島・僻地より都市地区への進学生徒等への支援事業、例えば学生寮とか情報センター等の設置について。
(4)、昨年11月、座間味村を現場視察し、地元の意見等も伺ってきました。この機会にあらゆる対策を講じて離島の水源確保のモデル地域に指定するぐらいの意気込みを期待し、以下の質問をいたします。
イ、阿真地区の水源流域保全事業については、1万5000トン規模の水源確保が可能だと地元では考えておりますが、この計画の概要及び取り組みについて伺います。
ロ、現在のダムのオーバーフロー水を前面の空き地にため池施設を整備して活用してはどうか。あるいは現在のダムの拡張整備は可能か。
ハ、地下水・雨水利用の方策はないか。
ニ、海水淡水化施設の整備による水源確保は。
ホ、中水道施設の整備・普及等、数々の可能性が考えられますが、モデル地域になるようなそういう施策をやっていただきますようお願いし、答弁を求めます。
(5)、与那国町におけるチョウミグサを活用した特産品、いわゆる与那国島の長命草茶、与那国島の長命草青汁を与那国のブランド化を目指し、町を挙げて取り組んでおります。生産農家における作付、製品化、販路の確保等着々と進めており、島を生かし、地域活性化の視点からこの事業の成功を願ってやまない次第でございますが、県の取り組みについて伺います。
以上、質問をいたしましたが、答弁によっては再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 糸洲朝則議員の御質問にお答えいたします。
最初は、米軍再編の最終報告についてのお答えでございます。
政府においては、中間報告において示された兵力態勢の再編について、その着実かつ早期の実施を図るため本年3月の具体案の最終的な取りまとめに向け、米国政府との協議を進めつつ、関係する地方自治体等の理解と協力が得られるよう努めていく考えであるとのことであります。
県としては、普天間飛行場の危険性の除去及び早期返還と、県民の目に見える形での負担軽減という基本的な考え方が最終報告に反映されるよう全力を尽くします。
次に、嘉手納飛行場より南の施設の返還及び兵力の削減についての御質問にお答えします。
海兵隊の司令部や兵員等の県外移転、嘉手納飛行場より南の施設・区域のさらなる整理・統合・縮小については一定の評価をしております。
県としては、3月の日米両政府による米軍再編の最終報告までに一定の方向性が示されるものと考えており、それを踏まえて適切に対応いたします。
次に、行財政改革プランの特徴と県の将来像についてお答えをいたします。
先般公表した沖縄県行財政改革プラン(案)においては、具体的に取り組む推進項目を現大綱の159から44に絞り込み、集中的に実施したいと考えております。
また、各年度において達成すべき数値目標や具体的方策を明示してこれまで以上に大胆な改革に取り組むとともに、実施状況の検証及び不断の見直しを行うこととしております。
このプランの着実な実行は、具体的目標達成に向け取り組む職員一人一人に意識変革等をもたらし、また県庁全体の組織の活性化にもつながるものと考えております。
さらに、選択と集中の視点で行政資源の効率的・効果的な配分を行うことにより、県民の福祉向上や振興計画の推進など、重要課題に対応できる行政体制の構築が実現できるものと考えております。
次に、発達障害者に対する支援体制及び発達障害者支援センターの整備についてお答えをいたします。
発達障害者対策については、平成17年4月に発達障害者支援法が施行され、発達障害の早期発見、早期の発達支援、就労支援及び家族の支援等の諸施策が制度的に取り組まれることになりました。
本県においては、知的障害を伴う自閉症児・者等については、療育相談や療育指導を行うとともに、地域生活に必要な支援を行っております。平成18年度においては、福祉、労働、教育、医療、保健等の関係機関や関係団体から構成される検討委員会を設置し、乳幼児期から成人期までの一貫した発達障害者の支援体制の構築について検討していくことにしております。
また、発達障害者支援センターは、相談支援、発達支援及び就労支援等の総合的支援の拠点となるものであり、平成18年10月を目途に社会福祉法人等に委託することにしております。
その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 嘉手納飛行場より南の基地の跡地利用についての御質問にお答えします。
駐留軍用地跡地利用については、平成11年12月の閣議決定における「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」において、跡地利用計画の策定や給付金支給に係る特例措置、法制の整備、駐留軍従業員の雇用の安定の確保等が示されております。これを受けて、沖縄振興特別措置法に跡地利用の促進及び円滑化のための措置が盛り込まれたところであります。
県としては、沖縄振興特別措置法、軍転特措法等の法的枠組みを踏まえて、国及び跡地関係市町村との密接な連携のもと、県土の有効利用、経済振興等をトータルで勘案した跡地利用の促進に努めているところであり、これらの枠組みは今後返還される駐留軍用地に関しても適用されるものと考えております。
次に、那覇軍港の移設についての御質問にお答えします。
在日米軍再編の中間報告で示された嘉手納飛行場より南の施設・区域の整理・統合・縮小の具体的な内容については明らかになっておりません。なお、この中間報告では、同文書における勧告によって変更されない限り、SACO最終報告の着実な実施の重要性が確認されております。
したがいまして、那覇港湾施設については、在日米軍再編の最終報告で変更がない限り、SACO最終報告のとおり実施されるものと考えており、現在、「那覇港湾施設移設に関する協議会」において、移設に関連した諸措置等について国、県、地元自治体等で協議・調整が進められているところであります。
次に、訓練空域・水域の返還についての御質問にお答えします。
県としては、訓練空域・水域の存在や訓練区域内での訓練が県民生活や本県の振興開発に著しい影響を及ぼすことがあってはならないと考えており、県民の生活と安全を確保し、県土の均衡ある発展を図る観点から対応していきたいと考えております。
次に、嘉手納ラプコン返還の進捗状況等についての御質問にお答えします。
嘉手納飛行場及び那覇空港等の進入管制業務、いわゆる嘉手納ラプコンの返還については、平成16年12月10日に開催された日米合同委員会において具体的計画が合意されました。
政府はこの合意に基づき、おおむね3年後の進入管制業務及び業務に伴う空域の移管を目指しており、那覇空港近くに進入管制業務を行う施設の整備と管制官の訓練に着手しているとのことであります。
次に、防空識別圏の返還についての御質問にお答えします。
与那国上空の防空識別圏については政府レベルで解決を図る必要があることから、県としては、国の関係機関に対して適切な対策を講じるよう求めてきたところであり、先日、衆議院予算委員会で取り上げられたところであります。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 基地・平和についての御質問で、基地跡地を平和外交の発信地とすることについてお答えいたします。
沖縄振興計画において、「アジア・太平洋地域の発展に寄与する地域の形成」を基本方向の一つに掲げており、国際貢献に資する国際機関等を誘致することは本県にとって大きな意義を持つものであると考えております。
駐留軍用地跡地の活用につきましては、跡地利用関係法令等を踏まえつつ、地元を含む関係機関等との調整の中で検討していくべきものであると考えております。
同じく国連大学の誘致についてお答えいたします。
県では、国際機関等の誘致可能性の調査検討を行っており、国の政策的位置づけの必要性、地元負担、国際航空ネットワークの拡充等、受け入れに向けた環境整備などの課題を整理してきました。
具体的な機関については、これらの課題を踏まえ、誘致の可能性を検討してまいりたいと考えております。
同じく東アジア共同体へのかかわり方についてお答えいたします。
東アジア共同体構想は、東アジア諸国がさまざまな分野において協力を積み重ね、信頼関係を構築することにより平和と繁栄を共有する開かれた共同体を形成していこうというものであり、現在、その土台を築くべく日本とASEAN諸国との間において経済連携協定締結の動きが進んでいると聞いております。
本県は、アジア・太平洋地域に近接するという地理的特性を生かし、経済、学術、文化等における多角的な拠点の整備と交流を促進し、アジア・太平洋地域の発展に寄与する地域の形成を目指しており、同構想の推移と国の取り組みについて関心を持って見守りたいと考えています。
次に、行財政改革についての御質問で、団塊の世代の大量退職が県経済に与える影響についてお答えいたします。
これまで我が国の経済成長を支えてきた団塊世代の動向は、本県経済にも大きな影響を与えるものと考えております。
団塊世代の大量退職に伴い、退職金などの一時所得が大幅に増加することは、消費性向を高め、消費活動の活発化を促進することや、人員補充による新規雇用の増加、人件費負担の軽減による企業収益力の向上などの影響が考えられます。
また、団塊世代は常に巨大な市場を生み出しており、60歳代になり、資産持ち、時間持ちの団塊世代が新しい高齢者市場をつくり出し、経済の発展に貢献するとの予測もあります。
さらに、今まで社会の中軸で活躍してきた団塊世代が知恵と技術を持った活気あふれる60歳代として地域再生の原動力となることが期待されます。本県の経済社会がこのような団塊世代の大量退職を経済発展や地域再生の大きな機会ととらえ、市場として、また人材として十分に生かしていくことが重要であると考えております。
次に、地方分権と道州制についての御質問で、モデル指定と政策立案についてお答えいたします。
現在、北海道では、道州制導入のモデル的・先行的取り組みとして、権限移譲や国の地方支分部局との機能統合等を内容とする道州制特区構想を掲げ、その実現に向け取り組んでおります。
県としては、今後、北海道の動向も注視しつつ、道州制における本県のあり方について部長級研究会を中心に検討を進めることとしております。
同じく沖縄の特殊事情の活用と自立についてお答えいたします。
本県が地域特性を生かして自立型経済を構築することは、道州制への移行にかかわらず重要な課題であると認識しております。
特に、本県は亜熱帯の個性豊かな島嶼群から成り、その温暖な気候、風光明媚な景観、独自の歴史や伝統文化等を活用した産業振興は大きな可能性を有していると考えております。今後はこれらの資源を活用して観光・リゾート産業のさらなる振興はもとより、食品、保養、医療などから成る健康産業クラスターの形成や健康バイオ関連産業など、発展可能性の高い産業分野の振興に戦略的に取り組んでまいります。
同じく沖縄州への移行特別措置法の提案についてお答えいたします。
道州制は、今後の沖縄振興のあり方とも密接に関連するものであると認識しております。
御提案のありました件につきましては、今後本格化する道州制の制度設計、税財源の移譲や財政調整制度に関する議論の動向等を踏まえ、適切に対応していきたいと考えております。
次、市町村合併についての御質問で、3タイプの離島の概略と合併推進の考え方についてお答えいたします。
県の市町村合併推進構想においては、離島町村について新沖縄県離島振興計画を参考に、本島近接型離島、群島型離島及び孤立型離島の3つのタイプに分類して合併を推進することとしております。
本島近接型離島及び群島型離島は、本島、宮古島及び石垣島から航路で1時間以内にある離島をいい、構想対象とすることを基本としております。
孤立型離島については、航路で1時間圏外にある離島をいい、構想対象外とすることを基本としておりますが、航路及び空路の状況から日帰りが可能となる地域については、市町村の意向も踏まえて構想対象とすることも検討していきたいと考えております。
同じく合併市町村の評価についてお答えいたします。
旧合併特例法下で合併した5市町村においては、広域的なまちづくりや行政サービスの維持向上に向けて、行財政基盤の強化が図られる素地ができたものと考えております。
県としましては、建設計画に盛り込まれた各種事業への支援や県事業の優先的・重点的な実施により、合併効果が十分に発揮されるよう引き続き支援してまいります。
同じく市町村合併と道州制への移行についてお答えいたします。
道州制のもとでは、国から道州への権限移譲とあわせ、道州から市町村への権限移譲を進めるとされており、その受け皿として市町村の行財政基盤の充実強化が重要であると認識しております。
県としましては合併推進構想を策定し、引き続き自主的な市町村合併を推進していくこととしております。
次に、農林水産業について、農業試験場の移転、研究体制の強化及び将来展望についてお答えいたします。
農業試験場は平成7年度から移転事業を進め、平成18年4月に農業研究センターとして開所する予定となっております。
移転に当たっては、園芸支場との統合により農産園芸に係る研究機能の集中・強化を図るとともに、最新機器の導入により先端的研究を行う環境が整備されることとなります。
今後は、食の安全・安心を図りつつ、環境保全型農業技術、バイオテクノロジーの研究開発等農業の自立的発展を支援するための研究を進めていきたいと考えております。
次に、同じく水産試験場の移転・改築、研究体制の強化及び将来展望についてお答えいたします。
水産試験場は、昭和49年に現在地に移転して以来30年が経過し、施設の老朽化が進んでいることから、新たな研究ニーズや先進的な研究開発に対応する研究施設の整備が必要であると考えております。
また、水産試験場の研究体制については、今後、工業技術センター等との連携や大学などの研究機関との共同研究を進め、養殖技術開発などのつくり育てる漁業や資源管理型漁業の確立に向けた研究に取り組んでまいります。
同じく林業試験場の現状及び今後の見通しについてお答えいたします。
林業試験場は、林産物の生産・加工・利用技術の研究に加え、防風・防潮林の造成や松くい虫防除に関する試験研究等を実施し、林業振興や県土の保全に寄与しております。平成18年度からは名称を森林資源研究センターに改め、松くい虫防除、森林ツーリズム、屋上緑化など、本県の森林資源を保全・活用する技術の開発に取り組んでいきたいと考えております。
次に、離島過疎地域の振興についての御質問で、座間味村の地下水・雨水利用についてお答えいたします。
座間味村においては、地下水について水質保全や水量確保に留意しつつ、井戸からの取水を行い、水道水源の確保に努めております。
また、雨水について、一部の公共施設において雨水タンクを設置し、飲料水以外の水源として活用しております。
県としては、特に公共施設や事業所等における雨水タンクの設置による水源の確保は水道水源確保の観点からも有益と考えており、同村と連携を図りつつ必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
以上であります。
○観光商工部長(宜名真盛男) 基地・平和についての御質問の中の、太平洋・島サミットの沖縄開催の恒例化とその受け皿づくりについてお答えをいたします。
太平洋島嶼国と本県は島嶼性や気候・風土はもとより、自立化に向けた課題等多くの共通点を有しております。
また、沖縄振興計画では、「我が国ひいてはアジア・太平洋地域の発展に寄与する地域の形成」をうたっております。
このように、本県は同サミットの開催地として最もふさわしい地域であると考えており、第5回以降の沖縄開催についてもその実現に努め、「太平洋・平和の交流拠点、パシフィック・クロスロード」の形成を目指していきたいと考えております。
また、第4回サミットの沖縄開催に向けては、広報活動を通じて県民のホスピタリティーの高揚を図るとともに、これまでの国際会議の実績等を生かしつつ受け入れ体制の整備に努めてまいります。
なお、県では3月に知事を本部長とする「第4回太平洋・島サミット沖縄県推進本部」を設置することとしております。
次に、チャイルドファースト社会の構築についての中の、女性の再就職支援及びシングルマザーの雇用の確保についてお答えをいたします。
沖縄県女性就業援助センターでは、母子家庭の母を含めた女性の求職者に対して就業に関する相談や技術講習を実施し、就業の支援を行っております。
また、県立職業能力開発校や雇用・能力開発機構の訓練施設でも多くの女性が職業訓練を受けており、特にその中でも一定の要件を満たす母子家庭の母等には訓練期間中の経済的負担を軽減するため訓練手当を支給し、受講機会の拡大に努めております。
さらに、平成18年度新規事業として、福祉事務所を通じ受講を希望する児童扶養手当受給者等に対して民間教育訓練機関を活用した母子家庭の母等の職業的自立促進事業を実施することとしております。
また、少子・高齢化、核家族化が進行する中で、働きながら育児や家族の介護を行うことができる雇用環境を整備し、労働者の仕事と家庭の両立支援のためにファミリー・サポート・センターの設置を促進しており、県としては、今後とも女性の再就職等の支援に努めていきたいと考えております。
次に、年金、医療、介護についての御質問の中の、障害者雇用拡充への県の取り組みについてお答えをいたします。
県では、障害者の雇用を促進するため、これまでに障害者の生活から就業までを支援する障害者就業・生活支援センターを県内3カ所に指定し、各センターの機能充実に努めてきたところであります。
沖縄労働局等によると、トライアル雇用の活用実績は、平成15年度の50人から平成17年度は既に90人以上へと増加しております。
また、職場適応援助者制度は、社会福祉法人等での実施に加え、企業においても活用できるように拡充されております。
県としましても、各センターと連携した障害者の職場実習開拓、求人開拓によりこれら制度の活用促進に努めております。
また、職業能力開発校における職業訓練に加え、社会福祉法人等を活用した障害者の態様に応じた委託訓練を拡充することにより、トライアル雇用及び職場適応援助者制度の効果的な活用を促進し、福祉的雇用から一般就労への移行推進に取り組んでまいります。
以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 行財政改革についてのうち、中長期展望も視野に入れた収支不足解消の取り組みについてお答えします。
平成18年度当初予算編成に当たっては、人件費や県単補助金等の見直しによる歳出削減、使用料及び手数料の見直しなどによる財源の確保に努めましたが、なお収支不足が生じたことから、財政調整基金など4基金を約200億円取り崩したほか、借換債を82億円発行することで対応せざるを得ない厳しい状況となりました。
中長期的な収支不足解消策としては、徴収率の向上による県税収入の確保、職員数の適正化、事務事業の見直しによる歳出の抑制などの財政健全化策を現在策定中の沖縄県行財政改革プラン(案)に反映させ、財政健全化に向けた取り組みを一層加速させるとともに、中長期的には本県経済の活性化に結びつく産業振興の推進により税源の涵養を図ってまいります。
また、義務的経費・政策的事業についてもその必要性について改めて検討し、制度の改正や事業の廃止を含めて徹底した見直しを行ってまいります。
さらに、経常的な事務経費についてもさらなる節減・合理化に努めるなど、職員一人一人が意識して取り組んでまいります。
県としては、県政の重要課題に的確に対応するため全職員一丸となって財政健全化を進め、効果的で持続可能な行財政運営に努めてまいります。
次に、指定管理者制度の導入効果についてお答えします。
指定管理者制度の導入効果としては、住民サービスの向上や経費の節減など、より効果的・効率的な施設運営が図られることにあります。
具体的には、スポーツ教室の開催など施設の効用を高めるような自主事業の実施、供用日または供用時間の延長など、住民ニーズに即応するよりきめ細やかなサービスの提供などで利用率並びに住民満足度の向上が期待されます。
また、管理経費については単年度で約4億円の節減を見込んでおります。
さらに、指定管理者制度の導入により対象26施設中15施設において民間事業者が選定されており、県経済への波及については、新たな事業機会の創出という効果も得られたものと考えております。
次に、沖縄県版・事業仕分け作戦についてお答えいたします。
県においては、平成16年度からすべての事務事業を対象に必要性、有効性、効率性をみずから評価する事務事業評価システムを本格稼働しております。また、外部有識者で構成する事務事業評価委員会にその自己評価について意見を求めることなどにより、職員のコスト意識の醸成と成果主義への意識変革に努めております。
御提案の事業仕分け作戦につきましては、昨年の12月24日に閣議決定された「行政改革の重要方針」でも国の行政機関の定員合理化の取り組みに関連して取り上げられております。
当該手法については、導入団体の情報収集等調査を進めながら、現行の事務事業評価システムを活用していく上で参考とさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 住宅供給公社の見直し案等についてにお答えいたします。
沖縄県住宅供給公社の改革については、現行政改革大綱の行革推進項目の着実な実施を進めてきた結果、平成15年度から単年度損益が黒字に転換するなど、経営状況の改善がなされております。
同公社の見直しについては、現在、沖縄県行財政改革プラン(案)において検討を行っており、検討内容は借入金償還のための賃貸資産の処分、事業の整理による組織の縮小等となっております。
今後の見通しについては、累積欠損金が解消されるとともに、借入金についても着実に縮減が図られるものと考えております。
次に、子育て世代へ県営住宅を提供する支援策についてにお答えいたします。
県営住宅における子育て世代の支援策については、県が作成した「おきなわ子ども・子育て応援プラン」において多子世帯の入居を促進することとしております。
具体的には、多子世帯について母子世帯や生活保護世帯等と同等に扱い、一般の応募者の当選率の2倍となるよう優先入居制度の活用を図ることとし、平成18年度の空き家待ち募集から実施する予定であります。
次に、宜野湾港マリーナ等における不法放置船の現状及び強制処分についてにお答えいたします。一括してお答えいたします。
不法放置船の現状については、県内港湾――これはマリーナを含む――45港で41隻がこれまでに確認されております。そのうち、所有者が判明しているのが19隻、所有者不明が22隻となっております。
所有者が判明している船舶のうち、放置期間5年以上の船舶が9隻、5年未満の船舶が9隻、不明が1隻となっております。
また、所有者不明の船舶については、放置期間の把握が困難な状況となっております。
不法放置船を撤去する手続については、所有者が判明している場合は港湾管理者が港湾法及び港湾管理条例により船舶の撤去を命令し、それに従わない場合は行政代執行法により撤去することになります。その撤去費用は、船舶の種類、規模、放置場所等により異なってきます。
なお、所有者不明の船舶については、早期に所有者の確認等の調査を実施した上で必要な措置を講ずる手順になります。
次に、電線共同溝整備事業の進捗状況及び事業計画展望についてにお答えいたします。
電線共同溝整備事業は、都市景観の向上、地震・台風時における災害の防止等を目的として道路管理者、電線類管理者及び地元の協力のもとで実施されるものであります。
県内においては平成4年度から整備が始まり、16年度までに都市部では国道58号の上之屋地区、地方部では県道伊計平良川線等において約66キロメートルが整備されております。
平成16年度から20年度までの現計画においては、国道58号の宜野湾地区や国道329号の金武地区、さらに宮古地区の県道平良城辺線や八重山地区の国道390号等、全県において約36キロメートルを整備することとして事業を展開しているところであります。
今後とも、計画に基づき災害に強いまちづくり等の観点から積極的に電線地中化を推進していきたいと考えております。
次に、座間味ダムのオーバーフロー水の活用及びダムの拡張についてにお答えいたします。
本ダムは、洪水調節や水道用水の確保を目的として平成4年に完成した高さ30メートル、総貯水容量6万6000立方メートルの重力式コンクリートダムであります。
当ダムの新たな拡張整備については、ダム本体の構造上の安全性や治水及び利水計画の見直し等総合的な観点からの検討が必要であると考えております。
次に、下水道再生水の普及等の可能性についてにお答えいたします。
下水道再生水は、那覇新都心においてトイレの洗浄水と散水に利用されており、座間味村においても再生水をトイレの洗浄水等として利用することは十分に考えられます。
下水道の補助制度としては新世代下水道支援事業があり、県としては地元からの要望があれば事業化に向けて協力していきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 児童手当制度の拡充に伴う受給対象者数及び予算についてお答えします。
児童手当の支給年齢の拡大に伴う増加児童数は約4万1500人、所得限度額引き上げに伴う増加児童数は約1万500人で、これまでの支給対象児童数約13万人と合わせますと約18万2000人を見込んでおります。
平成18年度予算における県負担金は、支給年齢拡大分約8億5400万円、所得引き上げ分2億2200万円となっており、三位一体改革による負担増分を合わせ約39億2300万円を計上しております。
次に、出産育児一時金の引き上げによる予算額と波及効果についてお答えします。
出産育児一時金の支給基準額については、平成18年10月から現行の30万円から35万円に引き上げられることになっております。市町村が実施する国民健康保険の平成16年度の支給件数は5147件で15億4410万円支給されております。
市町村においては、当該年度の出産件数を見込んで必要な額を予算措置し、出産育児一時金について漏れなく支給できるよう対応しております。
県としては、支給額の引き上げにより被保険者の費用負担の軽減が図られることは、子供を産み育てやすい環境づくりに役立つものと考えております。
次に、中小企業への育児休業支援についてお答えします。
沖縄労働局の資料によりますと、平成16年度の本県の育児休業基本給付金受給者は7108名となっております。そのうち100人未満の中小企業の受給者数が明らかでないことや、100万円の育児休業支援による新たな取得者の増を予測することが難しいため、県内企業においてどれくらいの利用が見込めるかを推計することは困難であります。
なお、少子化対策として子供を産み育てやすい環境づくりは重要であると認識しており、中小企業の多い本県にとって中小企業への育児休業の支援策が講ぜられることは有効な方策だと考えております。
次に、小児救急医療体制の整備についてお答えいたします。
本県においては、救急医療の中で多くを占める小児救急患者の受け入れ体制を確保するため小児救急医療支援事業を実施しているところであります。
同事業は、地域の小児科を標榜する病院等が病院群輪番制方式により休日、夜間における小児救急患者の受け入れ体制を図るものであります。
現在、同事業により北部、中部、宮古、八重山医療圏においては県立病院が対応し、人口の集中する南部医療圏においては県立病院、那覇市立病院、赤十字病院が輪番で対応するなど、県内各圏域において24時間体制の小児救急医療が確保されているところであります。
また、平成18年4月からは県立南部医療センター・こども医療センターにおいても県立中部病院同様に県内全域を対象とした小児の高度救急医療を24時間体制で実施することとしており、県としては引き続き小児救急医療の充実に努めていきたいと考えております。
次に、地域がん診療拠点病院及びがん対策情報センターの整備とがん治療専門医の育成についてお答えします。
国は、「第3次対がん10か年総合戦略」に基づき、都道府県が推薦した病院について、2次医療圏に1カ所を目安に地域がん診療拠点病院を指定しております。
県では、平成16年度に北部地区医師会病院と那覇市立病院が指定を受けていますが、去る2月1日に策定された国の新たな「がん診療連携拠点病院の整備に関する指針」に基づいて今後も拠点病院の整備を検討してまいります。
がん対策情報センター(仮称)は、国のがん対策の企画立案に必要な情報の収集・分析、発信等の中核的組織として平成18年度に国立がんセンターに設置されることになっております。
がん治療専門医の育成につきましては、現在、各診療科の学会を中心に専門医の養成が行われています。また、国立がんセンターが実施する研修に県から推薦を行っており、今年度は2名の医師が受講しております。
次に、「8020運動」の推進についてお答えします。
「8020運動」は、80歳で自分の歯を20本以上保つため歯科の2大疾患である齲蝕と歯周病の予防対策を進める運動です。
県では「8020運動」を推進するため、平成8年度に歯科医師会、栄養士会、保育協議会等の団体で構成する「沖縄県8020運動推進協議会」を設置し、連携した取り組みを進めています。 本県の「8020」達成者の割合は平成15年9.2%で、平成11年全国平均15.3%より低い状況にあります。
県では平成14年度に「沖縄県歯科保健計画」を策定し、乳幼児期からの弗素を利用した齲蝕予防対策と、成人期における定期的な歯科健診や適切な歯磨き等の自己管理を中心とした歯周病予防対策を推進しています。
歯や口の健康づくりは生活の質の向上にもつながることから、今後も県民一体となった「8020運動」を強力に推進してまいります。
次に、県内での骨髄移植についてお答えします。
血縁者間の骨髄移植は県内でも実施しておりますが、非血縁者間の移植は骨髄移植推進財団が設定した基準を満たす医療施設で実施することとなり、医療施設が財団へ申請して認定を受ける必要があります。
現在、県内には認定施設がないため非血縁者からの骨髄移植を希望する患者は県外で移植を受けております。今後、県内での非血縁者間の移植を実現していくために医療機関に対して骨髄移植に関する意向調査等を実施したいと考えております。
次に、小規模作業所の新事業体系への移行支援についてお答えします。
小規模作業所は授産施設等とは異なり、現行の法制度に基づく施設ではなく、地域で働く場や活動の場の確保が困難な在宅の障害者の自立と社会参加を促進するため、親等が中心となって自主的に設置・運営している施設であります。ことし10月には障害者自立支援法により施設・事業体系の再編が行われることになっております。
この新事業体系において、小規模作業所は地域生活支援事業における地域活動支援センター等の法定事業へ移行することにより、地域の社会資源として公的に位置づけられることになります。
同事業は、市町村が地域の実情に応じ障害福祉計画に定めて実施するものであることから、県としては市町村と連携し、法人格の取得及び新事業体系への移行を促進してまいりたいと考えております。
次に、児童虐待防止市町村ネットワークと育児支援家庭訪問事業の全市町村での実施についてお答えします。
県では、昨年3月に策定した「おきなわ子ども・子育て応援プラン」において、全市町村で児童虐待防止市町村ネットワークを設置する目標を掲げております。
現在、両児童相談所の児童虐待防止支援チームを中心に当該ネットワークの設置を市町村に働きかけておりますが、平成18年2月1日現在、県内の14市町で設置されております。そのうち西原町、北谷町及び那覇市については「要保護児童対策地域協議会」として設置されております。
このほか幾つかの市町村で新たに設置する動きが出てきており、この取り組みがより多くの市町村に広がっていくようにしていきたいと考えております。
また、養育支援が必要な家庭に対し、訪問支援を実施する育児支援家庭訪問事業については平成16年度は沖縄市のみの実施でありましたが、平成17年度は13市町村で実施されております。今後とも、より多くの市町村で実施されるよう働きかけていきます。
次に、情緒障害児短期治療施設や自立援助ホームの設置についてお答えします。
軽度の情緒障害を有する児童を短期間入所させ、その情緒障害を治療する情緒障害児短期治療施設は現在全国で28カ所設置されておりますが、本県においてもその設置は必要であると考えております。
しかしながら、当該施設を設置するには施設内に分校あるいは分教室を設置するか、地域の学校に情緒障害児のための特殊学級を設けるなど、学校教育の面での課題があります。その課題解決とあわせて現在社会福祉法人などによる設置を検討しているところであります。
また、自立援助ホームについては、本県では平成4年12月に10名定員のホームが1カ所設置されております。県ではこれまで当該自立援助ホームへ運営費補助を行ってきております。
次に、介護保険法の改正の主な項目や特徴についてお答えします。
今回の改正は、介護保険制度の理念を再確認し、制度の持続可能性、明るく活力ある超高齢社会の構築、社会保障の総合化を基本的視点として行われました。
改正の主な内容は、予防重視型システムへの転換や利用者負担の見直し、新たなサービス体系の確立などで制度全般にわたる大幅な見直しとなっています。
新たな介護保険制度の特徴は、介護予防と在宅や地域での生活をこれまで以上に重視していることなどがあります。
次に、介護保険法の改正に伴う給付費や保険料についてお答えします。
介護保険の保険料は、介護保険事業計画期間中に見込まれる給付費をもとに算定され、各保険者の条例によって決定されます。
今回の法改正では施設給付の見直しや新予防給付、地域密着型サービスなどの新たな制度が取り入れられており、各保険者はこれらの影響も含めて給付費を見積もる必要があります。
現在、各保険者は3月議会での条例提案に向けて平成18年度から20年度までの第3期介護保険事業計画の策定を進めており、まもなく保険料の案が示されるものと考えております。
次に、改正された介護保険法の施行に向けての準備についてお答えします。
新たな制度の施行に向けて各保険者は、地域支援事業の実施や地域包括支援センターの設置、新予防給付の対象者の認定などの準備に取り組んでいます。
県では市町村主管課長会議などを開催して保険者に情報の提供を行うとともに、保険者が適正に給付料の見込みや介護保険料の設定ができるようすべての保険者を訪ね、直接助言を行ってきました。
また、ケアマネジャーや認定審査会委員、主治医などの関係者への研修を行うこととしています。さらに、新予防給付の実施に向けて事業者指定の準備を進めております。
次に、介護保険法の改正に際する参議院での附帯決議の制度への反映についてお答えします。
参議院厚生労働委員会における附帯決議は、改正介護保険法の施行に当たって適切な措置をとることが必要だと思われる事項について政府に対応を求めたものです。したがって、今後、政府において検討され、所要の措置が講じられるものと考えます。
なお、市町村の保険者機能については、改正法の中で事業所への立入監督権限や地域密着型サービスについての指定権限が付与されるなど機能が強化されています。
また、介護給付費については不正請求を予防する仕組みが導入され、適正化が図られるなど、既に附帯決議の内容が一部反映されております。
次に、離島・へき地医師確保対策検討調査事業についてお答えします。
県は、課題となっている離島・僻地の医師確保について県内外の大学へ医師派遣の要請や自治医科大学への学生送り出し事業を引き続き実施しているほか、県立病院の後期臨床研修事業の中で専門医等の養成も拡充することとしており、現在、対応すべき対策に取り組んでいるところであります。
また、これらの医師確保対策に加え、平成18年度に離島・へき地医師確保対策検討調査事業を実施し、新たな医師確保対策や医師の派遣方法を含めた勤務環境のあり方等、効果的かつ安定的な医師確保システムづくりについて検討・調査することとしております。
県としては、同調査事業での検討を踏まえ、離島・僻地における医師確保対策をより強化していきたいと考えております。
次に、海水淡水化施設の整備についてお答えします。
県においては、これまで水道事業者である座間味村に対し、安定的な水道水源を確保するため海水淡水化施設の導入や取水堰の拡張等について働きかけてきたところであり、現在、同村において、これらの施設整備に向けて検討が行われていると聞いております。
県としては、水道水源の確保策について引き続き同村と調整しながら、県として可能な支援策を講じていきたいと考えております。
以上でございます。
○県立病院監(知念建次) 女性専門外来開設の見通しについてお答えいたします。
県立病院は地域の中核病院として救命救急医療や高度・特殊医療等の役割・機能を担い、入院医療を中心とした急性期医療に取り組んでいるところであります。このような中で女性患者に対する県立病院の対応については、現在、女性患者が女性医師の診察を希望する場合には希望に沿った診療や相談が行えるように努めております。
女性専門外来の設置につきましては、女性医師や女性スタッフの状況、来院される女性患者のニーズなども十分に勘案しながら引き続き検討していきたいと考えております。
次に、アレルギー疾患対策の強化に向けて、県立病院へのアレルギー科の新設及び病院のネットワーク化についてお答えいたします。
近年、食生活、住環境、自然環境などの変化により、アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくなどのアレルギー疾患を持つ人が増加傾向にあるとされています。
アレルギー疾患は、気管支、皮膚、目、鼻などの多様な器官で発生するため多くの専門科で対応する必要があります。そのため、現在、県立病院ではアレルギー疾患については小児科、呼吸器科、耳鼻咽喉科、皮膚科等それぞれ専門の診療科で連携して診察に当たる体制をとっており、民間医療機関との機能分担を図りつつ地域連携を進めているところであります。
なお、アレルギー科の新設については、課題、ニーズ等を勘案して検討する必要があると考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは農業産出額等の過去5年の推移及び特徴についてお答えいたします。
農業産出額については、平成12年の902億円から平成16年には900億円とほぼ横ばいで推移しております。同じく林業粗生産額は9億円から8億円、漁業生産額は201億円から185億円となっております。
農業の特徴的な動きとしては 、肉用牛が126億円から151億円に伸びており、ゴーヤーは16億円から25億円、菊が87億円から100億円とそれぞれ増加しております。
さとうきびは、気象災害等による減収が影響し、166億円から137億円に減少しております。
林業については、キノコ類は伸びておりますが、全体としては8億円前後で推移しております。
水産業については、モズク、クルマエビ等海面養殖の生産割合が大きくなっており、漁業生産額の4割前後で推移しております。
続きまして、農林水産業の振興策及び新年度予算の概要についてお答えいたします。
本県農林水産業の振興を図るためには、我が国唯一の亜熱帯性気候等の優位性を生かした活力ある産地を育成し、おきなわブランドを確立することが重要であります。
このため、県としては、第2次農林水産業振興計画に基づき、1、ゴーヤー、マンゴーなど拠点産地の形成による生産供給体制の強化、2、輸送コストの低減や地産地消の推進など、流通・販売・加工対策の強化、3、経営感覚にすぐれた担い手の育成、新規就業者の育成確保、4、省力・低コスト化に向けた農林水産技術の開発・普及、5、農業用水源の確保やかんがい施設等の基盤整備、6、グリーンツーリズム等の促進と緑化の推進、7、天敵昆虫や性フェロモンを活用した害虫防除等、環境と調和した農林水産業の推進などの諸施策を総合的に推進しているところであります。
平成18年度においては、地域特性を生かした農林水産業の振興を図るため予算案として589億7000万円を計上しており、新たな事業として、おきなわ果樹ブランド産地育成事業、うちなー島ヤサイ振興対策事業、農産物マーケッティング実践推進事業、天敵利用技術確立実証事業などの事業を計画しているところであります。
今後とも、本県の地域特性を生かした農林水産業の振興を図るとともに、消費者に信頼される産地の形成に取り組んでまいります。
続きまして、新規就業者の確保及び後継者の育成についてお答えします。
本県の地域特性を生かした活力ある農林水産業の振興を図るためには、魅力ある農林水産業経営の確立とそれを担う後継者の育成確保が必要であります。
このため、農業部門においては、1、農業大学校における実践的な研修教育、2、新規就農相談センター等での就農相談・あっせん活動、3、就農サポート事業による就農希望者を対象とした基礎技術の取得支援、4、就農支援資金の貸し付け、林業部門においては、1、林業教室の開催、2、普及指導協力員及び指導林家等による後継者への活動支援、3、林業・木材産業改善資金の貸し付け、水産部門においては、1、少年水産教室における漁業体験学習、2、青壮年・女性漁業者交換大会や漁協青年部の研修会等による意識啓発、3、すぐれた漁業経営の実践者を漁業士として認定することによる地域リーダーの育成など、新規就業者の確保及び後継者の育成対策を推進しているところであります。
今後とも、市町村、関係団体、学校関係機関との連携を強化し、後継者の育成確保に努めてまいります。
続きまして、浮き魚礁の設置状況等についてお答えします。
浮き魚礁は沖合域に設置することにより、カツオ、マグロ等の回遊性魚類が蝟集する効果があります。
本県海域には平成17年9月30日現在、国、県及び漁業協同組合によって合計167基の浮き魚礁が設置されております。
県としては、今後とも漁港漁場整備計画に基づき計画的に浮き魚礁を設置していく予定であります。
また、県が設置した浮き魚礁の効果につきましては、水産試験場の調査によりますと、表層型浮き魚礁1基あたり年間60トン、3900万円の水揚げがあると推計されております。
続きまして、パヤオ周辺における県内外漁船の操業実態等についてお答えします。
パヤオでの操業に当たっては、県内漁船は所属する漁業協同組合が設置したパヤオ及び国・県設置のパヤオを利用しており、県外漁船は調査研究のために国が設置したパヤオを利用しております。
県外船の県内パヤオでの操業については、県の漁業取締船「はやて」により監視活動を行うとともに、県外船の所属する県の水産担当部局へ県内パヤオで操業しないよう指導を依頼しております。
続きまして、水産業振興のためのプロジェクトについてお答えします。
本県は熱帯性の温暖な海域に囲まれ、黒潮流域を回遊するマグロ類の好漁場に近接するなど、水産業に有利な条件を有しております。
このような地域特性を生かした水産業の振興を図るため、県においては市町村及び水産関係団体と連携し、第2次沖縄県農林水産業振興計画に基づいて、1、モズク、クルマエビ、ヤイトハタの養殖などつくり育てる漁業の振興、2、水産資源を適正に管理し、安定的生産を維持するための資源管理型漁業の確立、3、生産及び流通体制の強化を図るための漁港、漁場及び流通関連施設の整備、4、漁協の経営基盤及び組織体制の強化を図るための漁協合併の推進などの諸施策を進めているところであります。
県としては、今後とも市町村及び水産関係団体との連携を強化して各種施策を推進してまいります。
続きまして、水産公社の役割と県の公社等見直し案についてお答えいたします。
沖縄県水産公社は、糸満漁港の利活用を推進することにより本県水産業の振興を図ることを目的として昭和56年に設立されております。
水産公社の設置により漁船の受け入れ体制が順次整備された結果、糸満漁港を利用する漁船が増加し、平成6年10月には地方卸売市場が開設されております。その後、全国的な魚価低迷等に起因する水揚げの減少により、市場は平成8年10月以降休止状態となり、現在に至っております。
現在、水産公社は設立の目的に沿って糸満漁港の利活用を推進し、本県水産業の振興に資するため市場の早期再開に向けて県と一体となって市場関係者との協議を進めているところであります。
県の公社等見直し案においては、市場再開のめどを平成20年度とし、再開後の市場の運営が安定すると考えられる平成21年度末をもって水産公社の機能・役割を保持しつつ、設立目的に類似する関連団体との統合を図ることとしております。
続きまして、海洋深層水の研究成果活用についてお答えいたします。
海洋深層水は低温性、富栄養性、清浄性という特性を有しており、多分野への利活用が期待されております。本県においても平成12年に沖縄県海洋深層水研究所を開所して以来、水産業、農業分野の研究開発を行い、一定の成果を上げております。
水産分野では、クルマエビの母エビ養成については沖縄県車海老漁業協同組合へ技術移転し、安定した種苗の確保に寄与しております。
クビレズタ及びオゴノリについては、深層水を利用することにより高品質栽培が可能となり、技術を民間企業に移転しております。また、深層水を利用したアワビの陸上養殖の可能性を確認しております。
農業分野では、海洋深層水の水温が低い性質を利用して夏場にホウレンソウを栽培する技術が開発されております。当技術については、今後、農家段階での実証試験が必要であることから、久米島町や農業団体と連携し、農家への技術普及や生産施設整備のコスト等を検討してまいります。
県としては、今後とも海洋深層水の研究成果の実用化に向けた取り組みを強化してまいります。
続きまして、県内漁港における放置船の状況についてお答えします。
本県漁港内において漁業活動に支障を来している放置船は、平成18年2月の調査で14隻を確認しております。そのうち放置期間が5年以上の船舶が6隻、5年未満が7隻、不明が1隻であります。大きさは5トンクラスから60トンクラスまでとなっております。また、所有者が確認できている船舶は13隻で、確認できない船舶は1隻であります。
なお、放置の主な要因は、所有者の死亡、病気及び所有法人の解散となっております。
続きまして、県内漁港における放置船の処分についてお答えいたします。
県内漁港における放置船の撤去・処分の方法としては、明らかに船舶としての機能を失っており、かつ所有者が確認できないものについては「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により廃棄物として処分することとなります。
また、使用可能な船舶の場合、所有者が確認できる船舶については行政代執行法による撤去を行い、所有者が確認できない船舶については漁港漁場整備法による簡易代執行を行います。
行政代執行等の実施機関については、漁港の管理者である県や市町村が行うこととなり、処分に要する費用は船舶の状態等によって異なってまいります。
撤去・処分の対象船舶については、今後とも県漁連、関係漁協及び関係者と十分調整をしていきたいと考えております。
続きまして、離島過疎地域の振興についての中の、阿真地区の水源流域保全事業についてお答えします。
水源流域保全事業は、森林の有する水源涵養機能を高度に発揮させ、県土の保全、良質な生活用水等の確保に資するため、荒廃林地等の森林整備を行うものであります。
座間味村阿真地区においては、同事業を平成18年度から20年度までの3カ年間で総事業費約1億7000万円で実施する計画であります。事業の概要は、容量1万1000トンの貯水用ダムを1基、土砂どめ用ダム2基を設置するとともに、周辺の森林において除間伐等の森林整備を行うものであります。
続きまして、長命草のブランド化についてお答えいたします。
長命草はセリ科の植物で、和名をボタンボウフウといい、食物繊維、カロチン、ビタミンE等を多く含み、健康食品として評価が高まりつつあります。県としては、農林水産業振興計画の中で薬用作物である長命草を戦略品目として位置づけ、その生産振興を図ることとしております。
主な産地は与那国町であり、これまで乾燥施設や展示圃の設置を推進するとともに、安定生産・出荷に取り組むための産地協議会の設立を促進するなど、地域特産品としてのブランド化に努めております。
今後とも、長命草の生産振興を図るため拠点産地の育成を行うとともに、各種施策を推進する考えであります。
以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 環境についてお答えいたします。
その中の自然再生・ヒートアイランド対策モデル事業、自然生態系の生きるまちづくりの推進、2つの質問について一括してお答えいたします。
県では、平成15年4月に策定した沖縄県環境基本計画において、「緑・水辺・景観の保全と創造」に向けた環境保全施策として「健全な水循環系の構築」、「下水処理水再利用による親水空間の確保」、「公共施設等の緑化推進」等に取り組んでいるところであります。このうち下水処理水や雨水の再利用については、これまで西崎親水公園など7カ所で新世代下水道支援事業制度を活用したモデル事業が実施されております。
また、身近な公共施設等の緑化推進の一つとして、高等学校や特殊教育諸学校で学校緑化が積極的に推進されております。今後は地球温暖化対策や都市部における自然再生などの視点から、屋上緑化や学校ビオトープについても市町村や関係機関と連携して推進していきたいと考えております。
次に、産業廃棄物処理施設の拡充計画及び事業展開についてお答えいたします。
本県における産業廃棄物管理型最終処分場は、現在7カ所が稼働しております。そのうち産業廃棄物処理業者が設置しているものは2カ所となっており、これらの埋立残余容量は非常に逼迫した状況にあります。
そのため、産業廃棄物処理業者においては、沖縄本島中部地域で管理型最終処分場の設置計画と焼却施設の設置計画が進められております。現在、当該事業者において地域の理解を得るため努力をしているところでありますが、厳しい状況にあると聞いております。
これらのことを踏まえ、県では経済界と連携し、公共関与による管理型最終処分場の整備に取り組むとともに、リサイクル製品の認定による需要の拡大、産業廃棄物税を活用して事業者における排出抑制・再生利用による減量化、リサイクル施設の整備促進を図っていくこととしており、社団法人沖縄県建設業協会など関係団体に対し、その協力方を強く働きかけているところであります。
さらに、社団法人沖縄県産業廃棄物協会に対しては、会員に対する混合廃棄物の分別徹底の周知や既存の最終処分場の構造変更等について取り組むよう促しているところであります。
次に、廃自動車の現状と取り組みについてお答えいたします。
廃自動車のうち、不適正な大量保管については平成13年8月時点で約4万台でありましたが、保健所による指導や近年における金属スクラップの価格上昇などが相まって平成17年2月時点では約8000台に、さらに同年9月には約4000台に減少しております。
また、空き地等における放置自動車についても平成16年2月時点で1668台でありましたが、平成17年11月には542台となっており、着実に減少してきております。
今後とも、不適正な大量保管に対しては関係法令に照らし厳正に対処していくとともに、市町村における放置自動車に関する条例の効果的な運用を促進し、廃自動車の適正処理を推進していきたいと考えております。
次に、自動車リサイクル法に基づく取り組みと今後の展望についてお答えいたします。
平成17年1月1日に本格施行された「使用済自動車の再資源化等に関する法律」、いわゆる自動車リサイクル法では、リサイクル料金の前納制度及び電子マニフェストによる移動報告制度を導入し、使用済み自動車の不適正処理の防止を図る仕組みとなっております。
このことから、県では財団法人自動車リサイクル促進センターから常時提供される電子マニフェスト情報をもとに事業者への立入指導の強化を図っているところです。平成17年1月及び2月は使用済み自動車の引取台数が少なかったものの、3月以降は安定的に推移し、昨年1年間の県内の引取実績は約4万6000台でありました。
また、同法における離島地域から沖縄本島まで使用済み自動車を海上輸送する際の負担軽減を図るため、リサイクル料金の剰余金の一部を離島市町村が行う離島対策支援事業に対して出捐できる制度が平成17年10月1日より開始されており、同年12月までの実績としましては、石垣市、宮古島市、伊江村などから合計381台の海上輸送を行っております。
今後とも、市町村における離島支援制度の活用を促進するとともに、事業者に対する監視指導の強化、ユーザーへの普及啓発等を図りながら、使用済み自動車の適正な処理を推進してまいりたいと考えております。
次に、多良間村水納島の自然保護区指定についてお答えいたします。
本県の多様で豊かな自然環境を適切に保全するため、その自然の特性に応じて自然環境保全地域、鳥獣保護区、自然公園等に指定し、保護・保全を図るとともに、県民の保健・休養や学習の場として利用しているところです。
自然保護区等の指定に当たっては、地権者の権利を制限することもあり、関係機関や地域住民の合意を図ることは不可欠であります。このようなことから、水納島の自然保護区等の指定については多良間村を初め関係機関の情報収集をしていきたいと考えております。
次に教育関係で、環境体験学習コーディネーターの配置及び体験学習情報体制の整備についてお答えいたします。
本県の豊かな自然環境を保全し、持続可能な社会をつくるためには一人一人が環境についての理解を深め、環境保全活動に取り組む意欲を高めることが重要であります。特に、次世代を担う子供たちが将来にわたり環境を大切にする意識を持ち、環境に優しい暮らし方を実践していくことが必要であると考えております。
このため、県では、環境省や市町村との連携のもと、子供たちが地域の中で楽しみながら主体的に環境体験学習や実践活動を行うことを支援する「こどもエコクラブ」事業を推進しております。平成18年1月末現在、38クラブで740名の小中学生が、助言等を行う125名のサポーターとともに、コーディネーターとしての役割を担う市町村環境担当課の支援を受けながら活動しております。
また、文化環境部と教育委員会が連携して、平成15年度からは学校現場で活用できる体験型の環境教育プログラムの作成を進めており、これまでに小学校編及び中学校編を作成しております。今年度は、高等学校や環境団体が活用できる環境教育プログラムの作成を進めるとともに、同プログラムを学校現場で有効に活用するため教員を対象にした研修会を実施しております。
今後とも、国、市町村及び環境NPO等との連携を図りながら、体験学習を中心とした環境教育推進の体制整備に努めてまいります。
以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは教育関係で、新たな少人数教育システムの導入等についてお答えします。
現在、本県においては一人一人の児童生徒にきめ細かな指導を行うため、小学校低学年では少人数による学級編制、また小学校3年生以上の学年ではチーム・ティーチングや少人数による指導を展開しております。
実施に当たっては、各学校の児童生徒の実態や地域の実情等を踏まえ、市町村教育委員会と調整して柔軟に対応しており、今後とも少人数等の指導の充実に努めてまいります。
なお、学校運営協議会の設置については、現在、全国において8都県、2市の35小中学校で研究開発校として取り組まれており、本県ではその成果等を踏まえて適切に対応していきたいと考えております。
次に、教育サポーター制についてお答えします。
県教育委員会では、平成15年度から文部科学省の指定を受け、教職を目指す学生による放課後学習チューター配置事業、地域の人材を活用した学力向上支援事業等に取り組んでおります。また、旧知念村の教員OBによる授業サポートや保護者による学校支援ボランティア、さらに、読み聞かせサークルの読書活動支援など、全国的にも先進的な取り組みが見られます。
今後とも積極的に社会人の活用を図り、児童生徒の確かな学力の向上に努めてまいります。
次に、小中学生の自然体験、職場体験、本物の文化・芸術に触れる機会について一括してお答えします。
体験や感動は豊かな心をはぐくみ、自分で考え、判断し、行動する力を身につけます。県教育委員会では、体験活動の充実を図るため教育諸施策を展開しております。
自然体験活動では、豊かな体験活動推進事業等を推進し、地域の自然や人々との触れ合いを通して感性豊かな人間性をはぐくむ取り組みが行われております。
また、職場体験においては、小学校で職場見学、中学校で職場体験が実施されており、本年度からすべての中学校で取り組まれております。
文化芸術に触れる機会については、文化庁提供の本物の舞台芸術体験事業のほか、沖縄県芸術鑑賞機会提供事業等が実施されております。
今後とも児童生徒の学習意欲を高め、豊かな心をはぐくむための体験活動の充実を図っていきたいと思います。
次に、未来教育プラン事業等についてお答えします。
児童生徒がみずからの将来像を描き、職業意識を持つためには体験活動の充実を図ることが大切であります。
県教育委員会では、自立した社会人・職業人の育成を目指して、地域や企業等と連携した職場体験等の教育活動に取り組んでおります。現在、小学校では身近な大人の職場見学、中学校では5日間の職場体験、高等学校では5日以上の就業体験、いわゆるインターンシップを推進しております。
また、土曜授業の実施については、今後の検討課題として考えております。
なお、平成18年度からは新たにスタートする沖縄県キャリア教育推進事業の中で、小・中・高校が連携して児童生徒の自己実現を目指したキャリア教育の充実に努めてまいりたいと思います。
次に、奨学金の種類、利用者数、予算についてお答えします。
本県の高校生を対象とした奨学金制度は、高等学校奨学事業と旧日本育英会から移管された高等学校育英奨学事業の2種類があります。
平成17年度の高等学校奨学事業は45人に貸与し、予算額は2819万4000円で、高等学校育英奨学事業については764人に貸与し、予算額は1億8055万8000円となっております。
なお、ほかの奨学事業としては、市町村独自に高校生を対象とした奨学事業や、民間による「あしながおじさん奨学金」、「コカコーラ奨学金」等があると伺っております。
次に、奨学金及び留学制度の拡充についてお答えします。
県では、就学意欲がありながら経済的理由により高等学校での就学が困難な者に対し奨学金の貸与を行い、有為な人材の育成に努めております。
また、本県の振興開発を担う多様な人材の育成を図るため、国費の沖縄県高校生米国派遣事業や県費による高校生の国外留学派遣事業、沖縄県ハワイ州高校生交流派遣事業等があります。
県教育委員会では、県費による高校生留学派遣事業の充実に努めるとともに、高等学校育英奨学事業や国費による留学派遣事業等の拡充を図るため、全国教育長協議会等を通して国に要請していきたいと考えております。
次に、編成整備計画と総合学科の設置について一括してお答えします。
県立高等学校編成整備計画は、中長期的な視点に立って社会の変化、生徒の多様化、地域のニーズ等に適切に対応した魅力ある学校づくりを推進していくものであります。現在、この計画に沿って、専門高校の再編統合による総合実業高校や情報中心校などの新しいタイプの学校の設置等を推進しているところであります。
豊見城高校の総合学科の設置については、平成19年度以降の後期に位置づけられており、現在、特色ある教育課程等の検討をしているところであります。
今後とも、教育を取り巻く状況を見据え、学校や地域のコンセンサスを得ながら編成整備計画を推進してまいります。
次に、市町村の合併と小中学校の統廃合についてお答えします。
昨年合併したうるま市及び宮古島市、また、去る1月に合併した南城市及び八重瀬町においては、現時点で小中学校の統廃合の予定はないと伺っております。
学校の統廃合については、設置者である市町村教育委員会が主体となって児童生徒の実態や父母、地域の意見等を聞き、取り組むこととなっております。
県教育委員会としましては、教育効果の面から小中学校の統廃合が望ましいとする場合は当該市町村教育委員会において検討するよう適切に働きかけていきたいと考えております。
次に、遊歩道の整備についてお答えします。
鏡が丘養護学校においては、平成9年度に国庫補助事業を活用して樹木や遊歩道等の屋外環境を整備したところであります。
なお、同校の新たな遊歩道等の整備については、学校と調整を図っていきたいと考えております。
次に、小学校等へのスクールガードの配置見通しについてお答えします。
スクールガードは、児童生徒の安全確保のための見守り活動や巡回パトロールを行う学校安全ボランティアを総称して呼んでおります。対象者はPTAや地域住民等から募り、各学校で委嘱し活動を行うことになっております。現在、文部科学省から地域ぐるみの学校安全整備事業の委嘱を受けている浦添市、那覇市新都心地区において活動しております。
平成18年度からはすべての小学校にスクールガードを配置することになっており、現在、各教育事務所ごとに説明会を実施し、市町村教育委員会に依頼しているところであります。
また、「ちゅらさん運動」の重点課題に「子ども安全・安心プロジェクト」として位置づけて、県民ぐるみの児童生徒の安全確保に取り組んでまいりたいと考えております。
離島出身生徒等への支援についてお答えします。
離島・僻地より都市地区へ進学している生徒が安心して学習や生活ができるように支援することは大切なことであります。
県教育委員会としては、現在、県立高等学校11校に寄宿舎を設置し、また北部広域市町村圏事務組合により設置された北部合同寄宿舎へ舎監等を派遣し支援を行っております。
都市地区における離島・僻地の生徒に対しては、民間アパートの紹介や出身郷友会のネットワークを活用した支援等がなされております。
また、離島の生徒や保護者に対しては、高等学校のホームページの内容を充実させ、少しでも不安の軽減につながるよう努めているところであります。
今後とも、離島・僻地の生徒が都市地区へ安心して進学し、生活ができるよう支援策を検討してまいりたいと思います。
以上でございます。
○議長(外間盛善) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明24日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時45分散会