○議長(仲里利信) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた労働委員会会長比嘉正幸君は、所用のため本日、23日及び26日から3月1日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日の会議に労働委員会会長代理大城光代君、23日及び27日の会議に同委員会事務局長山田義人君、26日の会議に同委員会公益委員新木順子君、28日の会議に同委員会公益委員春島美也富君、3月1日の会議に同委員会公益委員矢野昌浩君の出席を求めました。
また、人事委員会委員長嘉手納成達君は、所用のため本日から23日まで及び26日から3月1日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長瀬良垣馨君の出席を求めました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(仲里利信) この際、念のため申し上げます。
本日から23日まで及び26日から3月1日までの7日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(仲里利信) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
池間 淳君。
〔池間 淳君登壇〕
○池間 淳 浦添選出の池間淳でございます。
本日は、自由民主党を代表いたしまして所感を交えながら代表質問を行わせていただきます。
質問に入ります前に、14日に行われました仲井眞知事就任後初の所信表明について所感を申し述べます。
所信表明は、知事の選挙公約実現について強い決意があらわれ、新知事としての真摯な姿勢と県政運営に対する並々ならぬ自信を感じることができ、県民にこれからの沖縄問題の解決に安心感を与えたものと高く評価いたします。
沖縄振興計画後半5年を見据え、「経済の自立なくして沖縄の自立なし」との強い決意で、産業の振興、雇用の創出、米軍基地の負担軽減、少子・高齢化問題、離島振興等の問題に取り組む姿勢が示されており、今後に大いに期待を持たせるものであります。どうか知事が常々強調される現場主義をモットーにいたしまして、沖縄大躍進に向け全力で頑張っていただきたいと思います。
次に、仲井眞知事の懸案でありました女性副知事の件については、このたび安里カツ子氏が副知事に就任いたしました。安里カツ子副知事、御就任おめでとうございます。衷心よりお祝い申し上げ、歓迎申し上げます。
安里副知事は、当初から知事の意中の人であっただけに、知事も内心ではほっとしていらっしゃると思います。知事どうも御苦労さんでした。このことからも知事の粘りや信念の強さがうかがわれます。どうか安里副知事には、民間で培った経験を県勢発展のため全力で生かしていただきたいと思います。
それでは質問に入ります。
1、普天間飛行場移設建設問題について。
我が国に所在する米軍基地、すなわち在日米軍専用施設の75%は本県に集中しており、このため戦後60年、沖縄県民は基地との共存を余儀なくされ、基地の重圧と負担を強いられてきたのであります。その間、本県の歴代県政は、米軍基地の整理縮小を県政の最重要課題として位置づけ、日米両政府に対し粘り強く基地の整理縮小を求めてまいりました。
これまで一部返還は実現しておりますが、県民の要求にこたえた形での返還というより、米軍の都合による返還というのが実態であります。
今回の米軍再編による日米安全保障協議委員会最終合意に係る普天間飛行場移設については、まさに県民要求が実現される、ある意味では画期的と言える基地返還であります。しかも、米軍再編最終合意で示された約8000人の海兵隊の削減や嘉手納飛行場以南の米軍基地の返還も示されており、これが実現すれば、これまでにない県民の目に見える形での負担軽減になることは間違いありません。
稲嶺前県政も政府との協議に努力してきたのでありますが、協議が整わず、問題解決を仲井眞県政に託したのであります。
仲井眞知事は、普天間代替移設問題の早急なる解決を目指す公約の実現のため、就任わずか2カ月余りにもかかわらず、12月25日及び1月19日と2回開かれた「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」に参加し、政府との協議に臨んでおり、普天間代替移設問題の早急なる解決を目指す知事の意気込みが感じられ、敬意を表するものであります。
知事は、2回の協議会において、3年以内を目途に普天間飛行場を閉鎖状態にし、早期に普天間飛行場の危険性の除去を実現するよう政府の誠実な対応を求め、その上で現行のV字型案は容認できないとの姿勢を明確にしながら今後とも協議を重ね、信頼関係を深めることが重要との認識を示しております。
これに対し、久間防衛大臣は、基本合意書、基本確認書に基づき、県、市、地元と建設計画について誠意を持って継続的に協議していただきたいと述べており、V字型政府案での建設を念頭に置いていることは間違いないと思われます。
協議終了後の懇談会において、名護市長からV字型政府案に対する修正案が出されたようであり、県の3年以内閉鎖状態とも絡め、今後の協議の成り行きにどのような影響を与え、どのように展開していくか予断を許さない状況にあると思われます。
3月以降と予想される第4回協議会から県側と政府との本格的な議論が展開されると思われ、仲井眞知事にとってまさしく正念場になると考えます。
普天間飛行場移設建設は2014年完了予定であり、期間は8年しかないのであります。このため、仲井眞知事には、市街地にあり、住宅地に近接した危険な米軍普天間飛行場をいっときも早く移設する、普天間飛行場移設問題の原点の解決という観点から協議を進めていただきたいと思います。
以上の観点から次の質問をいたします。
(1)、政府との協議の状況について。
①、知事は、去る12月25日及び1月19日の協議会において、政府に対し、3年以内をめどに普天間飛行場を閉鎖状態にするなど、危険性の除去の実現を図るよう強く求め、これが解決しないと前に進まないと述べておりますし、一方においては、普天間の危険性の除去を早期に図るには政府との協議を進展させることが必要であると述べております。矛盾する両問題の折り合いをどこでつけますか、知事の御所見を伺います。
②、知事は、3年以内の普天間飛行場閉鎖状態の実現と現行のV字型政府案のままでは賛成できない等を公約に掲げています。これは普天間飛行場の危険性の除去を政府が実行しても、現行政府案の修正がなければ建設計画を認めないということでありますか。
③、知事は、「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」へ積極的に参加し、政府との協議に臨む姿勢を見せておりますが、3年以内をめどに普天間飛行場を閉鎖状態にするなど、危険性の除去が図られなければ前に進まないとも述べております。政府の回答と今後の協議会への参加との関係について御所見を伺います。
④、名護市が政府に現行V字型滑走路案の位置等修正を求めていることについて、県の基本的な考えをお聞かせください。
⑤、政府は、建設計画の策定に向けた事前調査を実施しており、さらに環境影響評価のための環境現況調査を実施する業者選定を開始したとのことであります。これについて県の今後の対応を伺います。
(2)、地域振興策の協議促進について。
①、次年度予算で北部振興策100億円が認められたが、これは地元の要求である基地負担とリンクしないものと考えていいですか。
②、北部振興策後の新たな北部に対する振興策について、県はどのような考えを持っておりますか。また、北部市町村との協議などが必要と思いますが、話し合いは進んでいるかどうか伺います。
③、基地負担に対する交付金として、新たに再編交付金制度が次年度から開始されますが、その概要と次年度の本県に対する配慮はどのようになされておりますか。また、交付対象に基地所在市町村だけでなく、41市町村すべてを含めるべきだと考えますが、知事の御所見を伺います。
④、2007年度再編交付金について、政府は名護市との合意が成立していないとして交付ゼロ査定との報道がありますが、米軍再編推進法案に言う交付対象となる合意について、県はどのように理解していらっしゃいますか。
2、大規模基地返還に伴う県の対応について。
本県は、狭隘な県土に全国の米軍専用施設の75%が所在していることから、米軍の演習や事件・事故等が県民生活に大きな不安を与えております。
また、広大な米軍基地は、計画的なまちづくりを推進する上で米軍基地の存在が大きな制約となっていることから、基地の整理縮小を図るなど、県民の基地に対する負担軽減を図る必要があります。
しかし、一方において、本県における広大な米軍基地の存在は本県経済に大きな影響を与えてきております。中小零細企業が多くを占め、雇用吸収力に限界がある本県の産業の中にあって、基地の存在は大きく、基地内で働く従業員の給与、軍用地料や軍人・軍属とその家族の消費額など、県経済において基地は重要な役割を果たしております。
このため、米軍基地返還後の跡地利用は本県にとって最重要課題であります。今日まで返還された軍用地の跡利用は必ずしも十分な成果を上げたとはいえず、少なからず地元地域や地主に不満を残したことは事実であります。
これから返還が予想される軍用地は、普天間飛行場やキャンプ・キンザーなど、従来返還された土地と比べ比較にならぬほど広大であり、また、いずれも本県における人口が集中する中心市街地に近く、返還されることにより当該市町を中心とする道路交通網の整備や都市計画が促進され、跡利用計画は従前にも増して重要であると考えます。さらに、周辺地域住民の危険性の除去や県民の負担軽減にもつながるものと考えます。
本県は、沖縄振興計画で主要目標として自立型経済の構築を掲げており、計画も後期5年を残すだけになりましたが、いまだに経済の核となる政策が打ち出せない状況にあります。
今回返還される施設は市街地に近接しており、しかも本県の中心に位置し、返還面積が最大規模になることから、当該市町間の連携と整合性のとれた利用計画が可能になると考えられます。その意味で、本県全体の計画として本県の目指す自立型経済の構築と連動させ、統一された整合性のある跡地利用計画を打ち出すことが必要であると考えます。まさに今回の大規模返還基地の跡地利用計画は、本県の将来を左右する最重要事項であると思います。
そこで伺います。
(1)、2014年返還に向けて、跡地利用計画、実施するプロジェクト等、早期に検討を開始する必要があると思いますが、県の今後の作業スケジュールについてお伺いいたします。
(2)、大規模返還跡地利用計画の策定に当たっては、計画を実施するための組織体制の確立、国庫支援による財政の確保、地元企業の優先活用の三点セットが基本になると思われます。県の基本的考えを伺います。
(3)、今回は返還面積が大規模であるだけに関係市町だけの計画にとどめてはならず、本県全体の計画として、本県の目指す自立型経済の構築と連動させることが必要であると考えるが、知事の御所見を伺います。
3、沖縄観光の課題について。
1972年5月の本土復帰後、沖縄を訪れた観光客は1億人を突破したといううれしいニュースが流れました。1億人といえば、我が国の国民のほとんどが沖縄観光のため訪れた計算になります。
復帰当初の沖縄観光は、南部戦跡地めぐりが主体でありましたが、次第に青い海に代表される夏場観光が注目されるようになり、飛躍的な観光客の増加につながっていったのであります。
現在の沖縄観光は好調に推移しており、600万人を超えるのもそう遠いことではないと思われますが、目標とする1000万人を達成するには多くの課題が残されていると考えます。
まず、新たな観光資源の開発の必要性であります。観光の目玉である青い海を最大限生かした国際的海洋性リゾート地の形成、通年楽しめるエンターテインメントの構築等であります。さらに、国内観光客に比べ海外からの観光客が伸び悩んでいることであります。
我が国の少子化は急速に進んでおり、将来において国内だけに頼った観光はいずれ頭打ちになることは間違いありません。海外に目を向けた観光戦略の展開が重要になってくると思われます。
海外の観光客誘致については、県の観光計画の基本方針であり、毎年のように言われてきたことでありますが、なぜ効果的な対策が打ち出されないのかとの疑問や県の観光施策に必死さが感じられないとの観光関係者の指摘も多く聞かれます。
沖縄観光が夏場観光として一躍注目され飛躍的に伸びてきた背景には、国内航空会社や大手旅行会社の大々的なキャンペーンが展開されたことにあります。その後も沖縄キャンペーンは継続されてきており、沖縄観光の発展は民間の力によるところが大きいと言われるゆえんであります。
このような民間任せにしてきたことが、海外観光誘致という本来行政が主体性を発揮すべき分野で有効な対策が打てないという事態につながっているのではないでしょうか。観光客1000万人誘致達成のための県の思い切った取り組みを期待するものであります。
そこで伺います。
(1)、沖縄振興計画後期に向けての沖縄観光のさらなる振興を図る上で課題となるのは何か伺います。
(2)、沖縄県観光振興計画は、本県の観光地としての将来像を国際的海洋性リゾート地を柱として描かれています。そのための整備すべき施策は何か伺います。
(3)、入域観光客1000万人が新たな県の目標となります。そのためには観光振興策の見直しなど従来の施策の転換が必要となりますが、そのための課題・問題点となるものは何か伺います。
(4)、好調な本県観光の背景には修学旅行生の増加があるが、競合する北海道や九州とは航空運賃等の割高という不利性があります。県の今後の対策を伺います。
(5)、観光振興の観点から、団塊世代の動向が全国的な関心事となっておりますが、本県においてこれら団塊世代の県内移住調査等を実施したことはありますか。
4、離島振興について。
本県における離島振興については、県政の最重要課題の一つとして沖縄振興計画や新沖縄県離島振興10年計画に基づいて各種の施策が実施されております。しかしながら、本県においては、離島といっても本県自体が本土から遠く離れた離島であり、本島を除いて40の有人島が広大な海域に点在しているのであります。このため、統一的・画一的施策を同時に実施することは難しい側面があり、効果的で有効な対策が打ち出せないというのが実情ではないでしょうか。
離島には本島からの物資の輸送が欠かせないのですが、海を隔てていることから、コストの増加や台風等自然災害の際には島全体が孤立することもあり、住民生活上、多くの問題を抱えている状況にあります。さらに若者の島外流出や高齢化の進行、さらに離島医療等多くの課題を抱えております。
このように本県における離島振興は、本県の地理的不利性もあり厳しい状況にありますが、一方において、毎年開催される離島フェアは好評であり、他の地域とは異なった独自性を発揮した商品等を開発するなど、離島という不利性をメリットに転換させる取り組みも見られます。今後は、離島特産の販路拡大や市場ニーズとマッチした商品づくりが課題となると思われます。県の支援のあり方に期待したいと思いますが、次の質問を伺います。
(1)、離島活性化委員会において、離島を活性化し、今後の離島振興に生かすための検討が行われておりますが、委員会として、本県における離島振興の基本的方向性についてどのような議論がなされておりますか。
(2)、県が各離島へ派遣している「何でもお助け隊」の趣旨と事業内容を伺います。
(3)、各離島が地域資源を活用した産業育成事業として取り組む「一島一物語」の推進状況と今後の事業拡大計画について伺います。
(4)、県は、離島振興を図る上で離島の不利性の軽減に努め、離島の優位性を伸ばす取り組みが重要としているが、具体的方策を示していただきたいと思います。
(5)、離島振興を図るには、ユニバーサル・サービスの確保が重要となるが、県の施策の進捗状況と今後重点的に進める対策等について伺います。
5、民間活力による地域開発について。
(1)、旭橋再開発事業について。
本県における民間活力を結集した開発事業として注目を集めている沖縄都市モノレール旭橋周辺の市街地再開発事業が本格的に動き出しております。
この事業は、民間会社が主導する都市再開発としては全国でも初めてのケースということであり、完成すればモノレール駅とバスターミナルの結節点となり、交通、情報の発信拠点として国際通りの新たな拠点のほか、県都那覇市の入り口に位置するビジネスセンターとなるものであります。
県も旭橋都市再開発に対し、土地や建物の権利を再開発後の新しい建物などに置きかえる権利変換計画の認可書を交付しており、再開発事業は実質的にスタートしております。計画によれば、2月から既存の建物の解体工事が行われ、5月にはホテルなどの建物建設に着手し、2008年度末に完成するとのことであります。
そこで伺います。
①、事業の進捗状況と県内経済への波及効果について伺います。
②、官民の支援体制の構築は万全であるか伺います。
③、今後の事業計画を進める上での課題は何ですか。
6、那覇港湾整備計画の推進について。
米軍再編により、牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の全面返還が決定されたことに伴い、牧港補給地区内に確保する予定であった物資集積場が那覇軍港移設と一体で整備されることが日米の間で合意されました。
去る1月29日に開かれた米軍那覇港湾施設に関する協議等で、政府は物資集積場を代替施設に隣接して建設する方針を明らかにしております。このことは関係市にとって那覇港湾整備計画との整合性を図る上で重要であることから、関係市等の意向が反映されるよう事前の調整が必要であると思います。
そこで伺います。
(1)、物資集積場の建設に際しては、建設場所や形状について浦添市を初め関係団体等の意向が反映されるよう事前の調整や協議が必要と考えますが、現在の調整状況をお伺いいたします。
7、農業問題について。
我が国の農業は、農産物の国際化の進展と政府の輸入拡大策により、安価な商品が海外から大量に入るようになり、国内農産物は衰退し、国内自給率は先進国の中で最も低い状況になっております。このため、政府においては、国内農業の保護を図りながら自給率の向上を目指す必要性を強調しております。
本県においては、本土市場から遠隔の地にある離島県という不利性、島国の農地の狭隘性や台風等自然災害の常襲化という条件のもとで農業が続けられております。その中で、基幹作物であるさとうきびについては生産量が年々減少しているとはいえ、我が国における甘味資源を一手に担っております。しかしながら、本県農業を取り巻く環境は零細農家の未解消と担い手の減少、産地間競争の激化や農業従事者の高齢化と後継者不足等も急速に進んでおり、厳しい状況にあります。
県は、本県農業の振興を図るためもろもろの施策を展開しておりますが、安全・良質な農作物の生産供給を通して亜熱帯気候という本県の地域特性を生かし、おきなわブランドの確立と人材育成、生産性の向上をいかに図るかという長年の課題はいまだに解決しておりません。
このような状況の中、政府は日本とオーストラリアの自由貿易協定を中心とする経済連携協定、すなわちEPAについての交渉入りを公表しております。
オーストラリアは世界に冠たる農業大国であり、この協定が実行されると我が国の農業に及ぼす影響は甚大であり、特に本県の基幹産業であるさとうきび等農作物や畜産業は壊滅的な打撃を受けることは間違いありません。
九州・山口の各県知事会で構成する九州知事会においても、日豪経済連携協定締結に危機感を持っており、重要農産物を交渉対象から除外するよう政府に要望書を提出するとのことであります。本県も九州各県と一体となって、関税撤廃例外品目を認めるように政府に強く働きかける必要があると考えます。
そこで伺います。
①、本県農業は総体として零細農家が多く、担い手の減少や産地間競争の激化、さらには高齢化と後継者不足等厳しい環境にあるが、県の現状認識と農業振興の基本方針を伺います。
②、本県農業の振興を図るためには、農産物の流通・販売・加工体制の整備と輸送上の不利性の克服が最重要であるが、県の具体的方策を伺います。
③、日本とオーストラリアの自由貿易協定を中心とする経済連携協定について、現在どの段階にあるか伺います。
④、日豪経済連携協定が締結されて農作物の関税が撤廃された場合、本県農業へ与える影響について県として試算されていると思いますが、その内容を説明願います。
⑤、県議会は去る12月の定例会で、「日豪経済連携協定(EPA)に関する意見書」を決議し、政府に対し、重要品目の適用除外やさとうきびや畜産などの品目を関税撤廃の例外品目にするよう要請しております。県の政府に対する要請の状況と政府の対応をお伺いいたします。
⑥、九州知事会が政府へ要請する関税撤廃適用除外品目の中に、本県の重要品目であるさとうきびや畜産などは含まれておりますか。
(2)、バイオエタノール燃料について。
本県農業は、離島県で農地の狭隘性、台風等自然災害の常襲化という不利性の中で、亜熱帯気候という地域特性を生かしながら沖縄に適した産品の特化と人材育成、生産性の向上を図っていくための施策が展開されております。
本県農業の代表格であるさとうきびは、本県の基幹産業として長く県経済を支え、雇用の面でも貢献してきておりますが、近年は生産量、生産額ともピーク期の半分近くまで減少するなどさまざまな問題を抱えております。
このような中、さとうきびを原料とするバイオエタノールが注目されるようになってきております。バイオエタノールは原料がさとうきびということから、枯渇しない再生可能エネルギーと言われており、さらに二酸化炭素を排出しない環境に優しいエネルギーと言われております。
このため、バイオエタノールが先行しているブラジルでは自動車燃料のエタノールが普及し、今やエタノール燃料を使用した自動車の販売が78%に達し、ガソリン燃料車はわずか17%でしかないということであり、市場からガソリン燃料車が締め出されつつあるということであります。
我が国は資源に乏しい上に世界有数の石油消費国であることから、石油エネルギーからの脱皮は究極の目的であります。このため、バイオエタノールの導入推進を図るべく現在研究が進められております。
本県はさとうきびの生産産地であり、バイオエタノール利用が進めば農家の高齢化、担い手の減少、耕作放棄地問題の解消だけでなく、収穫面積や生産量の増加につながり、県経済への波及効果も大いに期待できるものと考えます。
しかし課題もあります。現在のさとうきび生産をどう維持するか、甘味糖業とエタノールとの生産収益はどうなるのか、バイオエタノール用さとうきび生産のための耕地をどう確保するか等々であります。ある意味で本県農業政策の一大転換につながるだけに、県としても慎重に検討する必要があると考えます。
そこで伺います。
①、本県におけるさとうきび生産量の過去3年間の推移と今後の見通しをお伺いいたします。
②、本県におけるさとうきび生産従事者の高齢化と担い手の減少が進行しているようだが、現状はどうですか。
③、本県において、バイオエタノール燃料導入に向けた調査計画等基本的考え方と生産収益等を試算したことはありますか。
④、本県全体のさとうきび収穫面積のうち、現在バイオエタノール製造可能面積はどの程度ですか。
⑤、本県におけるバイオエタノール利用に向けた研究を実施している宮古島市、伊江村における実証事業の状況を伺います。
8、教育問題について。
(1)、いじめ問題と不登校対策について。
いわゆるいじめ問題が全国的に発生し、学校における対応のあり方等に非難が出るなど深刻な事態となってきております。
昨今のいじめ問題は、いじめを受けた児童生徒が自殺するという最悪の結果となることが多々あり、もはや学校だけで解決できる範囲を超え、まさしく社会問題化している状況にあります。
また、いじめ問題は、いじめを受けた児童生徒を学校から引き離し、結果として学校に行かなくなる不登校の児童生徒がふえるという状況をつくり出しているようであります。
本県における小・中・高の不登校児童生徒は年々減少してきているということでありますが、自殺者も出るいじめの現実を見れば、事態はより深刻の度を増してきていると思われます。
学校におけるいじめと不登校問題に真剣に対処し、基本的な対策を講じるためには、家庭、学校、地域が一体となった粘り強い取り組みが必要になってまいります。
そこでお伺いいたします。
①、本県において、学校でのいじめ問題の実態を教育庁は把握しておりますか。過去3年間の小・中・高における実数を伺いたい。
②、他県においては、いじめを受けた児童生徒や教師の自殺者も出ており、深刻な問題になっておりますが、本県においてはどうですか。
③、いじめをなくすため、教育庁としてどのような対策を講じておりますか。
④、学校に行かなくなる不登校の児童生徒については後を絶たないと言われておりますが、その原因として考えられるものは何ですか。
⑤、教育庁によれば、不登校数の態様として、遊び・非行、無気力、不安など情緒混乱が考えられるとしているが、いじめが原因で不登校になるケースも多いとの指摘もありますが、本県においては不登校といじめとの関連はないのですか。
⑥、不登校になる児童生徒については、何より家庭環境や友人関係によることが大きいと言われておりますが、児童生徒本人はもとより、家庭との意思疎通やバックアップ体制はなされておりますか。
休憩。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
午前10時38分休憩
午前10時38分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
○池間 淳 (2)、平成22年に行われる全国高等学校総合体育大会について、教育長よろしくお願いします。
高校生のスポーツの祭典である全国高等学校総合体育大会が平成22年に我が県で開催されますが、19年度の予算からこの事業に向けての本格的な予算が組まれているように思われます。開催に向けて県内の多くの体育施設を整備したり、選手の強化等多くの諸事業に取り組まれていかれると思います。
インターハイは、各都道府県が持ち回りで開催されておりますが、沖縄県が一巡目の最後の開催県となっております。先催県に見劣るような大会にしてはいけないと思います。そのためには施設の整備やそれに関係する諸事業を万全にして大会を立派に開催しなければなりません。特に体育施設は、大会が終了しても将来県民に健康の増進のために年じゅう、365日、できたら昼も夜も利用できるように整備していただくようよろしくお願いしたいと思います。
それでは次の質問をいたします。
①、各施設の整備の進捗状況について。
県は、施設整備に市町村にどのような支援をしておりますか。
②、奥武山水泳プールの改築について。
このプール改築については機会あるごとに質問させていただいておりますので、教育長もプールの状況についてはよく御存じのことと思います。教育長、そうですよね。
教育長、このインターハイが従来のような過酷なコンディションの状態で行われないためにも、ぜひ屋内プールに改築していただくようよろしくお願いをいたします。教育長の決意のほどをお聞かせください。よろしくお願いいたします。
③、選手の強化についての県の取り組みはどうなっておりますか。取り組みについてお伺いいたします。
9、都市モノレールの延伸について。
本県は復帰以降、経済の動脈としての道路網を初めとする社会資本の整備に努め、総体として一定の成果を上げておりますが、一方において、マイカーの普及もあり、自動車の爆発的な増加に道路整備が追いつかず、県内至るところで交通渋滞が続いていることは御承知のとおりであります。このため、本県交通体系の中核をなしている旅客バスは渋滞に巻き込まれることが多く、公共交通機関としての機能を果たせない状況にあります。
那覇市を中心とする都市地区での交通渋滞問題は、本県交通網体系のアキレス腱と言われ、渋滞解消のための方策がさまざまな形で示されたが、実効を上げるまでには至っておりません。
沖縄都市モノレールの開通は、慢性化する那覇市の交通渋滞解消に期待する面が強かったのですが、ルートが空港から首里石嶺までの限定された路線となったことで、自動車からモノレールヘの切りかえが進むかどうか疑問が持たれていたのであります。
去年1月の新聞報道によりますと、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が行った沖縄都市モノレールの沿線住民の通勤・通学の交通機関利用調査の結果、モノレールに転換していたことが明らかとなり、転換率は42%にも上っているということがわかりました。
調査は、2003年8月の開業直前と開業4カ月後、さらには開業2年後に同じ住民を対象に行っておりますが、調査結果はほぼ同じだということであります。
このことからもわかるように、都市モノレールが本県の慢性的な交通渋滞の解消に効果があることは間違いないと思われます。都市モノレールの広域的な延伸が可能となれば、本県の公共交通機関を牽引する大きな柱となり、定時・定速運行、交通渋滞の解消につながり、ひいては本県経済のさらなる発展にも大きく貢献するものと考えます。
県が検討を進めている都市モノレールの延伸について、この調査結果も参考にすべきだと考えますが、次の質問をいたします。
(1)、都市モノレールの延伸を図る上で利用促進、交通体系、投資経費等、総合的な判断が必要と思われますが、県として判断する際の決め手となるものは何か伺います。
(2)、沖縄都市モノレール延伸検討委員会は、第3回の会合で県の示した6案から1案を除外し、さらに2案に絞るとしておりますが、最終決定までの作業日程についてお聞かせください。
(3)、検討委員会における評価方法で利便性や経済性を重視した検討が行われているようですが、利便性とは具体的に何を指しておりますか。本来、モノレール導入のねらいは、都市圏における交通渋滞の緩和や自動車からモノレールヘの転換にあったのではありませんか。
(4)、モノレール沿線住民の自動車による通勤・通学からモノレールヘの転換状況を調査した実績があれば示していただきたいと思います。
(5)、県の将来における総合交通体系のあり方を考えれば、都市モノレールを含む鉄軌道の整備は避けては通れないと思われます。県は、将来の本県交通網の軸を何に置く考えでありますか。バスを基軸とするのですか、あるいはモノレールなど鉄軌道を軸とするのですか。よろしくお願いを申し上げます。
以上をもって代表質問を終わりますが、誠意ある答弁をよろしくお願い申し上げます。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
池間淳議員の御質問にお答えいたします。
まず、普天間飛行場移設問題に関連して、危険性の除去と政府との協議についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場につきまして、県は、一日も早く移設しなければならないと考えており、日米両政府と同様の認識を持っております。
しかしながら、移設する間においても普天間飛行場の危険性を除去することがまず取り組まなければならない緊急の課題であると考えております。
このため、県は、訓練の分散や暫定ヘリポート機能の整備などあらゆる方策を検討し、3年をめどとして閉鎖状態を実現することを政府に対し求めているところであります。その取り組み状況につきましては、定期的に県と協議することが必要であると考えております。
今後の協議会の開催につきましては、3年をめどとした閉鎖状態の実現に対する政府のより踏み込んだ姿勢が示されることがまず必要であると考えております。
次に、危険性除去とV字型政府案との関係についてお答え申し上げます。
普天間飛行場の危険性を除去することは緊急の課題であり、同飛行場の3年をめどとした閉鎖状態を実現するため、政府の踏み込んだ取り組みが必要であると考えております。
一方、県は、現行のV字型案のままでは賛成できないとの立場であります。地元の意向、県民の意向を踏まえ、環境などに十分配慮しつつ政府と協議をしていく考えでございます。
同じく普天間飛行場移設建設問題についての池間議員の御質問の中で、政府の回答と今後の協議会への参加についての御質問にお答えいたします。
閉鎖状態の実現について、久間防衛大臣からは、第2回協議会で、「普天間飛行場の危険性を低減していくために、どのような方法があるのか、いろいろな選択肢を考えるなど、可能な限り努力してまいりたい。米国は運用面の変更に極めて厳しい考え方を持っているが、代替施設の作業に前進が見えるのであれば、シュワブへの移設までの間の危険性の除去や運用の改善などについて、自分が米国に働きかける用意がある旨の発言がございました。
しかし、県が求めている危険性除去の取り組みへの政府の姿勢はまだ納得のいくものではありません。3年をめどとした閉鎖状態を実現するため、政府の取り組みへの踏み込んだ姿勢を示すことが必要であり、そのことを踏まえて今後政府と協議をしていくことが重要であると考えております。
同じく普天間飛行場関連でございますが、名護市が修正を求めていることについての御質問にお答えいたします。
代替施設の建設につきましては、名護市は、住宅地区の上空の飛行ルートを回避する方法で対応することなどを政府との間で基本合意しております。具体的な建設計画、すなわち滑走路の長さ、位置などについては、この合意をもとに誠意を持って継続的に協議をし結論を得ることとしております。
名護市が求めている可能な限り生活の場から沖合側に寄せてもらいたいという提案は、周辺住民の生活の安全に影響を及ぼさないことなどを目的としており、県としてその考え方は尊重されなければならないと考えております。
池間議員の大規模基地返還に伴う御質問の中で、大規模返還跡地の計画と自立型経済の構築との連動についての御質問にお答えいたします。
嘉手納以南の大規模な基地跡地につきましては、自立型経済の構築を進める上から重要な空間として積極的に位置づける必要があると認識いたしております。
このため、基地跡地利用計画の策定に当たっては、地権者と公共の利益との整合性を考慮しつつ、県土構造の再編を視野に入れた先導的プロジェクトの導入など、戦略的な取り組みを推進していきたいと考えております。
池間議員の御質問の農業問題の中で、沖縄県農業の現状と振興方針についての御質問にお答えいたします。
本県の農業は、亜熱帯の地域特性を生かし、さとうきび、野菜、花卉、果樹、肉用牛などの生産が多様に展開され、国内の甘味資源及び冬春期を主体とした農産物の供給産地として発展してきております。
しかしながら、近年、農家の高齢化の進行、後継者の減少、農産物価格の低迷等、農業を取り巻く情勢は著しく変化いたしております。
このため、県といたしましては、第2次農林水産業振興計画に基づき、まず第1に、おきなわブランドの確立と生産供給体制の強化、第2に、流通・販売・加工対策の強化と地産地消の推進、第3に、経営感覚にすぐれた担い手の育成確保、第4に、農林水産技術の開発と普及、第5に、農業用水源の確保、かんがい施設等の基盤整備、第6に、環境と調和した農林水産業の推進などの諸施策を総合的に実施しているところでございます。
今後とも、市町村、農業団体等関係者と一体となって各種施策を推進し、農業の振興に努めてまいりたいと考えております。
同じく池間議員の農業問題についての御質問の中で、農産物の流通・販売・加工体制の整備についての御質問にお答えいたします。
沖縄県の農業振興を図るためには、大消費地から遠隔地にあります島嶼県の輸送上の不利性を軽減するとともに、県内外の消費者・市場に信頼される安全で品質の高い農産物を安定的に供給できる流通・販売・加工体制を構築する必要があります。
このため、県におきましては、第1に、船舶と鉄道の複合輸送など、各種輸送手段の最適化を図る輸送効率化システムの導入、第2に、鮮度保持流通システムの確立など、物流コストの低減と品質保持の合理化を推進いたしております。
また、販売促進を図るため、県内外における消費動向等の情報収集及び「ゴーヤーの日」や「マンゴーの日」等の販売促進キャンペーンなどを実施するとともに、地域直売所等の直売機能の強化など、地産地消を推進してございます。
さらに、加工対策につきましては、農産物加工施設の整備を推進するとともに、食品・観光産業との連携による県産農産物の機能性に着目した健康飲料など、農産物の付加価値を高める特産品等の開発を促進しております。
今後とも、市町村、JA等関係団体と連携を図りながら、流通・販売・加工体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
残りの御質問につきましては、部局長等からお答えさせたいと思います。
○副知事(安里カツ子) 2月20日付で仲井眞知事から副知事を拝命いたしました安里カツ子でございます。
昨日は、副知事の選任同意案件に対しまして多数の議員各位の同意をいただき、大変光栄であります。大きな励みであります。
仲井眞県政は多くの課題を抱えており、一日も早く担当する部局の業務の把握に努め、仲井眞知事をしっかり支え、産業振興を初め課題の解決に果敢に取り組み、県民福祉の向上のために微力ながら全力を尽くす決意であります。議員各位の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
それでは、知事から答弁の機会をいただきました池間淳議員の観光客1000万人の目標に対する課題についての御質問にお答えいたします。
10年後の展望として、観光客数1000万人を目指していくためには、那覇空港を初めとする空港、港湾、道路などの観光基盤インフラの早期整備を図る必要があると考えております。また、新たなマーケットの開拓や誘客活動の推進、観光地の魅力づくりなど受け入れ体制の充実についても、これまで以上に重点的な施策展開が必要と考えております。
これらの具体的な施策展開につきましては、19年度に策定する第3次沖縄県観光振興計画の中に10年後の観光客数1000万人を視野に検討し、盛り込んでまいりたいと考えております。
また、1000万人の誘客に向け、可能なものは19年度から取り組みを強化するとの考えから、新たに「ビジットおきなわ計画」を策定し、シニアマーケットの拡大、外国人観光客の誘客促進など4つの重点項目を掲げ、官民が一体となった誘客活動を展開していくこととしております。
さらに、1000万人という多くの観光客を迎えるためには、自然環境の保全に配慮しつつ観光地の魅力向上を図ることが重要であるため、平成19年度において県の組織を拡充し、地域の観光地づくりへの主体的な取り組みを支援・促進していくこととしております。
以上で終わります。
○知事公室長(花城順孝) 環境影響評価の手続についての御質問にお答えします。
環境影響評価の手続については法令に従ってなされるものでありますが、県や地元との十分な協議のもと取り組むことが必要であると考えております。県としては、現時点では十分な協議はなされていないと考えております。
次に、再編推進法案における交付金制度についての御質問にお答えいたします。
「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案」では、影響増加への配慮が必要な防衛施設の周辺市町村に対し、住民の生活の利便性の向上及び産業の振興に寄与する事業のため交付金を交付することとしております。
具体的には、防衛大臣が、再編に伴い負担が増加すると認められる防衛施設を指定するとともに、同施設の周辺市町村を交付対象として指定するとしております。
県としては、同法案の仕組みから県内全市町村が再編交付金の対象となることはないと考えております。
米軍再編交付金と名護市の合意についての御質問にお答えします。
米軍再編特別措置法案では、再編実施に向けた措置の進捗状況に応じ、再編交付金を交付することとされております。
御指摘の報道については承知をしておりますが、政府からは交付金の仕組みについての説明は受けておりますが、個々のケースについての具体的な説明はありません。
名護市と政府との間では昨年4月に基本合意書が交わされており、去る1月19日に開催された第3回協議会においても、基本合意書の内容について改めて確認をしたところであります。
なお、基本合意書に基づき詳細に詰めていくべきことが残されており、今後それらの事項について話し合いが続けられるものと理解をしております。
次に、跡地利用の今後の作業スケジュールについての御質問にお答えします。
普天間飛行場の跡地利用について、県及び宜野湾市は平成18年2月に「普天間飛行場跡地利用基本方針」を策定しております。今年度は同基本方針を踏まえ、跡地利用計画策定までの具体的な取り組みの内容、手順、役割分担等を明らかにした行動計画を策定しているところであります。
普天間飛行場の跡地利用も含め、嘉手納飛行場より南の大規模な返還については、国、県、関係市町村が密接に連携し、地権者等関係者との合意形成を図りながら実施プロジェクト等の内容を明確化し、跡地利用計画の策定促進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
跡地利用計画の基本的な考え方についての御質問にお答えします。
嘉手納飛行場より南の大規模な返還については、県土構造再編を視野に入れた跡地利用計画の策定促進が必要であると考えており、国、関係市町村と密接に連携し取り組みたいと考えております。
跡地利用計画に係る事業実施については、財源の確保や実施体制をどうするか等の課題があります。
そのため、県としては、現行の枠組みの継続はもちろんのこと、新たな制度の検討も含めてきめ細かな対応を政府へ求めていく考えであります。
次に、那覇港湾代替施設の物資集積場の調整状況についての御質問にお答えします。
去る1月29日に開催された「第12回那覇港湾施設移設に関する協議会」において、防衛施設庁から、追加的な集積場については那覇港港湾計画に配慮しつつ、代替施設に隣接して位置するよう関係機関との調整を図る旨の説明がありました。
県としても、追加的な集積場の整備については、港湾区域内にかかわる事項であることから、引き続き浦添市を初め関係者間で十分な協議を図っていく必要があると考えております。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 普天間飛行場移設建設問題についての御質問で、北部振興策と基地問題とのリンクについてお答えいたします。
北部振興策については、従来から県土の均衡ある発展のために実施されていると認識しており、今後とも北部振興事業は着実に実施されていくものと考えております。
同じく北部振興策後の新たな振興策についてお答えいたします。
北部振興策については、平成11年12月17日の第14回沖縄政策協議会における内閣官房長官発言において、おおむね10年間とされたことから、平成21年度まで継続されるものと理解しております。
県としては、この間の北部振興策の成果を踏まえ、引き続き県土の均衡ある発展を図ってまいりたいと考えております。
次に、離島振興についての御質問で、離島活性化検討委員会における活性化に向けた基本的方向性の議論についてお答えいたします。
県が平成17年に設置した有識者で構成される沖縄県離島活性化検討委員会は、これまで合計8回の会合を行っております。
同委員会は、昨年3月、県に対して離島活性化の方向性について提言しており、その中で、離島が有する優位性を最大限に生かした地域ブランドの構築と、離島の不利性軽減のための基礎条件の整備の2つをキーワードとして挙げ、今後の離島の目指すべき方向性などを示唆しております。
県としましては、この提言を踏まえ、内閣府とも連携しながら離島の地域資源を生かした取り組みへの支援を行うとともに、不利性軽減に努めていきたいと考えております。
同じく離島振興との関連で、「何でもお助け隊」の趣旨と事業内容についてお答えいたします。
県は、離島地域の活性化を図るため、必要なノウハウやスキルを有する専門家を派遣する事業を平成17年度から実施しております。平成18年度は、「何でもお助け隊」の名称による専門家を派遣しており、IT分野や特産品等の分野で講習会や個別相談への対応等を行っております。専門家の助言や指導により、各離島において活性化に向けた主体的な取り組みが促進されていくものと考えております。
同じく離島振興で、離島振興を図る具体的方策についてお答えをいたします。
離島振興を図る具体的な方策としましては、新沖縄県離島振興計画に基づき、個性ある観光・リゾート産業の振興、交通アクセス網の維持確保、水の安定供給や廃棄物対策などの生活基盤の整備、医療サービスの向上、教育・文化の振興などの諸施策を積極的に推進しております。
さらに、「美ら島会議」を設置した内閣府と連携を図り、「一島一物語」など、地域特性を生かすための事業や有望と見込まれる特産品等の施設整備、また離島地域のブロードバンド環境の整備を実施するなど、離島の振興に取り組むこととしております。
同じく離島振興で、離島振興施策の進捗状況と重点的に進める対策等についてお答えいたします。
離島振興施策の進捗状況につきましては、現在、新石垣空港や伊良部大橋の建設着手を初めとする交通体系の整備や、県立病院及び附属診療所の整備を図ることによる医療の確保、我喜屋ダムの整備による水の安定確保に努めているところであります。
また、離島地域の情報通信格差を是正するためブロードバンド環境を整備するなど、各分野にわたる施策・事業を実施し、着実に成果を上げております。
今後は引き続き交通アクセス網の維持確保、地域特性を生かした個性ある観光・リゾート産業の振興、水の安定供給や廃棄物対策などの生活基盤の整備、医療サービスの向上、教育・文化の振興などの諸施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
次に、民間活力による地域開発についての御質問で、旭橋都市再開発事業の県内経済への波及効果についてお答えいたします。
同事業は、モノレール旭橋駅東側に近接する地区に新たにホテルやオフィスビル等を建設するもので、本年度中に先行着手する南地区の事業費は約226億円で、平成23年度には完成する予定であります。これにより、沖縄の玄関口である那覇空港と中心市街地を結ぶモノレール旭橋駅周辺地区に新たな経済活動拠点が形成されることから、雇用の創出やさまざまな業種への経済波及効果が期待されております。
同じく旭橋再開発事業との関連で、官民の支援体制の構築についてお答えいたします。
行政の支援としましては、基本設計や実施設計段階において、国、県、那覇市が補助金を交付しており、今後の建設工事においてもモノレール駅と結節するデッキや共用広場等への補助を予定しております。
また、民間からの支援についても、事業費等に係る資金調達を県内金融機関からの融資で賄っており、民間と行政が一体となって事業を推進しているところであります。
同じく旭橋再開発関連で、事業を進める上での課題についてお答えをいたします。
同事業は、バスターミナル地区を含めた計画でありますが、地権者の合意が得られていないことから、事業熟度の高い南地区から先行着手しているところであります。
このため、バスターミナル地区の工事着手に向け、旭橋再開発株式会社は現在鋭意調整を進めているところであります。
県におきましても、公共交通網整備の視点からターミナル地区の整備は重要であると考えており、同地区の早期着手に向け支援してまいります。
次に、都市モノレールの延伸についての御質問で、本県の交通網の軸についてお答えをいたします。
沖縄県総合交通体系基本計画においては、骨格的な公共交通軸の形成に向けて短中期的にはバスや沖縄自動車道などの既存ストックの活用を検討することとし、中長期的な観点からは新たな軌道系システム等を検討することとしております。
現在、県では、定時・定速性が確保され、利用者の利便性の向上に資する基幹バスを中心としたバス網再構築計画の検討を行っているところであります。
また、モノレールの延長は、首里駅から沖縄自動車道までについて、沖縄都市モノレール延長検討委員会において今年度から検討を行っております。
こうしたことから、本県の交通網については当面バスが機軸になるものと考えておりますが、将来的には、今後の需要動向、地域の開発計画、他の交通機関との連携など、総合的に判断されるものと考えております。
離島振興についての御質問で、「一島一物語」事業の推進状況と今後の事業拡大計画についてお答えいたします。
「一島一物語」事業は、離島市町村が各島の歴史や特色を生かし、地域資源の活用方法について調査検討を行うもので、平成17年度から実施し、これまで消費者ニーズの把握や試作品の製作などが行われております。今後は、これまでの取り組みを踏まえ、商品化等に向けた取り組みがなされることになっております。
また、内閣府は平成19年度予算におきまして、「一島一物語」事業の進捗状況なども踏まえて、有望と見込まれる特産品等の施設整備に対する国庫補助事業を創設しております。
県としましては、今後とも離島地域の活性化を図るため、当該補助事業の活用などの諸施策を推進していきたいと考えております。
以上であります。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、沖縄振興計画後期に向けての観光の課題についての御質問にお答えをいたします。
沖縄振興計画後期に向け、沖縄観光のさらなる振興を図る上での課題としては、那覇空港を初めとする空港、港湾、道路など、観光の基盤となるインフラ整備を促進すること、少子・高齢化の進展などによる旅行マーケットの変化に着実に対応し、まだ沖縄を訪れていない有望な潜在マーケットや外国人観光客など新たな観光市場を開拓・拡充すること、また、これらの客層を受け入れるため質の高い観光地を形成すること、重要な観光資源である自然環境の保全・再生への取り組みを強化することなどが挙げられます。
次に、国際的海洋リゾート地形成のため整備すべき施策についてお答えをいたします。
国際的な海洋性リゾート地の形成を図るため、観光振興計画においては、海外における誘客宣伝の強化、外国人向け旅行商品の開発の促進及び受け入れ体制の整備に向け、諸施策を展開していくこととしております。
具体的には、国の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」とも連携し、本県の海外における知名度を高めるため、海外メディアへの広告掲載、マスコミ招聘事業等を実施しているところであります。また、それぞれの国・地域の実情に合わせた戦略的な誘客活動を展開するとともに、魅力ある旅行商品づくりを進めております。
受け入れ体制の強化としましては、台北や香港等の国際航空路線網の拡充、那覇空港の国際線ターミナルや那覇港の大型旅客船バース等の整備促進、公共交通機関等における外国語表記の充実、多言語での沖縄観光情報の発信などに努めております。
特に平成19年度におきましては、地域限定通訳案内士試験の実施を開始し、外国人観光客の受け入れを支える人材の育成に対する取り組みを強化してまいります。
次に、修学旅行航空運賃の低減に向けた対策についてであります。
本県への修学旅行は、沖縄が有する良質かつ豊富な学習素材が高く評価され、昨年は全国で最も多い43万人余を受け入れました。
修学旅行は年間を通じた平準化対策に極めて有効であり、また若年層のリピーター化を促進するなど、沖縄観光の持続的かつ均衡ある発展を図る上で極めて重要であると認識しております。
御指摘の航空運賃につきましては、昨今の原油高による値上げの動きが見られることから、県において航空各社に対し、修学旅行向け航空運賃の設定に配慮を求める要請を行った結果、沖縄と関西方面を結ぶ路線について、修学旅行のピーク時における値下げの措置がとられることになりました。
引き続き、航空運賃の低減に向けた関係要路への働きかけとあわせて、体験学習の拡充や受け入れ体制の整備等による沖縄修学旅行の魅力向上に努めながら、市町村や関係業界などとの連携のもと、効果的な誘致活動を展開してまいりたいと考えております。
次に、団塊世代の県内移住調査等の実施についての御質問にお答えをいたします。
県におきましては、団塊世代の県内移住調査を実施したことはございませんが、関連した調査として「平成17年度観光統計実態調査」において、年代別の沖縄への旅行意向の調査を行い、50代以上の観光の動向把握に努めております。
また、国においては、平成17年度に国土交通省が団塊世代を対象に、沖縄旅行の満足度や消費単価向上に向けた方策を検討する調査を実施しております。
県では、こうした内外の調査内容を踏まえ、旅行会社など民間等の御意見も伺いながら、健康保養型観光やエコツーリズム、農業体験などの体験滞在型観光、避寒を目的とした長期滞在旅行などを推進し、団塊の世代を中心としたシニア層のニーズに対応できる、きめ細やかな受け入れ体制の整備を図ってまいります。
以上でございます。
○土木建築部長(首里勇治) それでは旭橋再開発事業の進捗状況についてお答えいたします。
モノレール旭橋駅周辺地区市街地再開発事業については、開発予定施行区域をバスターミナル地区とそれ以外の南地区に分け、早期進捗の要望の大きい南地区を先行して事業を進めております。平成15年4月には都市計画決定、平成17年11月15日に南地区の施行認可、去る1月22日には権利変換計画認可を行っております。
また、旭橋都市再開発株式会社は今月末から既設建物の解体工事に着手し、平成19年5月以降、本格的に建設工事に着工する予定と聞いております。
バスターミナル地区については、旭橋都市再開発株式会社が当地区の地権者等と引き続き早期事業化に向けて協議・調整を行っているところであります。
次に、モノレール延長を判断する指標についてお答えいたします。
県は、平成18年度から2カ年間にわたって沖縄本島の定時・定速の公共交通基幹軸の形成を目指し、首里駅から沖縄自動車道までのモノレール延長検討調査を実施しております。
延長ルートの選定に当たっては、現在、延長検討委員会において評価指標として利便性・経済性・施工性、まちづくりへの寄与、費用対効果、経営採算性の6つの指標を定め、各ルートの特性を比較し、総合的に検討しているところであります。
次に、延長ルートの最終決定までの作業日程についてお答えいたします。
都市モノレールの延長については、これまで3回の委員会を開催し、需要動向や整備効果等を踏まえ、望ましい延長ルート案を総合的に検討しているところであります。今後は委員会において評価指標の重みづけをするなどの総合評価を行い、延長ルートを2案程度に絞り込む考えであります。
平成19年度は、絞り込まれた2案を対象にまちづくりや建設・収支計画及び整備方策等を検討した上で延長ルートを1案に絞り込む予定であります。
次に、利便性の具体的内容とモノレール導入のねらいについてお答えいたします。
モノレール導入の目的は、定時・定速の公共交通基幹軸の形成と交通渋滞緩和等による健全な都市機能の発展を目指すことであります。
モノレール延長の評価指標である利便性は、延長する地域の沿線需要量と、高速道路との結節点における中北部地域からの乗りかえ需要量を評価するものであり、主に自動車やバスからのモノレールへの転換量をあらわしております。
したがいまして、延長ルートの利便性を評価することは自動車からモノレールへの転換を評価することであり、交通渋滞の緩和効果が見込まれるものと考えております。
次に、自動車からモノレールへの転換状況についてお答えいたします。
県が平成16年度に実施した「沖縄都市モノレール整備効果等調査」によりますと、バスからモノレールへの転換が約40%であり、自家用車からの転換が約15%、タクシー等からの転換が約15%で、合計約70%が転換しております。
自動車からの転換は、他都市のモノレールと比較し高い転換率を示しております。
また、全利用者のうち、通勤・通学でのモノレール利用者は通勤者が約38%、通学者が約12%で、合計で約50%となっております。
以上でございます。
○農林水産部長(国吉秀治) 日本とオーストラリアのEPA交渉に関する御質問につきましては、関連しますので一括してお答えいたします。
我が国とオーストラリアとのEPA交渉については、平成18年12月に両国の共同研究の最終報告書が取りまとめられ、交渉を開始することが合意されております。
今後の具体的なスケジュールについては、まだ明らかになっていない状況であります。
EPA締結による影響額については、国において関税が撤廃された場合の我が国農業への影響について一定の前提のもとに、小麦、砂糖、乳製品、牛肉の4品目の試算値を公表しております。
それによりますと、4品目についての直接的な影響額は約7900億円の減少を見込んでおります。
同様の前提で本県農業への影響について、砂糖、乳製品、牛肉、パイナップルの4品目について試算しますと、直接影響額約230億円、関連産業への波及など、県内経済への影響を合わせると約780億円の減少が見込まれます。
その内訳としまして、さとうきびで直接影響額143億円、波及効果を含めると613億円、肉用牛で直接影響額52億円、波及効果を含めると104億円、酪農で直接影響額19億円、波及効果を含めると38億円、パイナップルで直接影響額15億円、波及効果を含めると26億円となっております。
県としましては、現在、オーストラリアとのEPA交渉について九州地方知事会と連携し、本県の重要な農産物が関税撤廃の例外となるよう国への要請を協議しているところであります。九州地方知事会においては、現在、各県の意見の集約を行っているところであります。
県としましては、今後とも国に対し、WTO等農産物の貿易交渉においては、各国の多様な農業の共存等の我が国の立場を堅持し、本県の重要品目であるさとうきび、肉用牛、パイナップルなどの関税に係る現行制度が維持されるよう引き続き要請してまいります。
さとうきび生産の推移と今後の見通しについてお答えいたします。
さとうきびの生産は、農家の高齢化に加え、たび重なる台風、干ばつ等の影響により、平成15年産の約82万9000トンから、平成16年産が約67万9000トン、平成17年産も同じく約67万9000トンとなり、厳しい状況にあります。
このため、県としては、さとうきび生産拡大を図るため、1、地下ダム及びため池等の農業用水源の確保やかんがい施設、圃場整備等の生産基盤の整備、2、性フェロモンによる土壌害虫等の防除や土づくりの推進、3、早期高糖性及び耐風性にすぐれた新品種の育成・普及、4、ハーベスターの導入等による機械化の促進や生産法人等の担い手の育成、5、さとうきび増産プロジェクト基金事業による遊休地の解消、株出し管理機の導入、6、「防風林の日」の制定による防風林の重要性の普及啓発、7、各島ごとにさとうきび増産推進員の配置による基本栽培技術の啓蒙、8、市町村、JA、製糖工場等の関係機関と連携した株出し管理や夏植え実演会による生産者大会の開催などを総合的に推進しているところであります。これらの諸施策を強力に推進することにより、来期は約80万トンの生産量を見込んでおります。
さとうきびの担い手の現状・課題についてお答えいたします。
さとうきびの生産農家数は、平成12年が1万8833戸で、平成17年には1万7646戸となり減少しております。また、1戸当たりの経営規模は約0.7ヘクタールと零細な規模で高齢化も進行しております。
このようなことから、さとうきびの収穫労働の軽減を図るため、ハーベスターや株出し管理機等の導入による機械化の促進や生産法人及び受託組織等担い手の育成を図るとともに、農地利用集積による規模拡大等に努めているところであります。
続きまして、バイオエタノール燃料の導入についてお答えいたします。
国においては、地球温暖化や石油依存度の低減化を目的として、さとうきび、トウモロコシ、木材などを活用したバイオエタノール燃料製造に向けた実証研究事業を全国で進めております。
本県においても、平成16年度から宮古島で、17年度から伊江島において、関係省庁が連携してさとうきびの糖みつを利用したバイオエタノール燃料製造の技術開発が進められているところであります。
県としては、バイオエタノール燃料導入に当たって、実証事業などの進展を踏まえ、砂糖の安定生産を図りつつ、今後、関係部局が連携し、さとうきびの総合利用として取り組んでいきたいと考えております。
続きまして、糖業とエタノールの生産収益比較の試算についてお答えいたします。
平成17年産さとうきびの生産実績は約67万9000トンで、販売額は約141億円となっております。
さとうきびからエタノールを製造した場合の収益比較については、現在実施されている実証試験等を踏まえて、今後、詳細に検討されていくものと考えております。
ちなみに、「バイオマスエタノールの利用及び普及に関する業務第一次報告書」に基づき、エタノール単価を1リットル当たり50円として試算すると、さとうきび全原料を活用した場合の製造量は約4万9000キロリットル、金額で約24億5000万円が見込まれます。また、砂糖を抽出した後の糖みつを利用した場合の製造量は約5400キロリットル、金額で約2億7000万円が見込まれます。
続きまして、バイオエタノール製造可能なさとうきび面積についてお答えいたします。
現在、バイオエタノール製造については、さとうきびから砂糖を抽出した後の糖みつを利用した実証事業が実施されております。
したがいまして、糖みつを利用したバイオエタノール製造可能面積としては、糖みつが分離生産される分みつ糖地域が対象となることから、同地域の約1万1600ヘクタールが見込まれます。
以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 農業問題の中の、宮古島及び伊江村におけるバイオエタノール実証事業の状況についてお答えいたします。
バイオエタノールは、大気中の二酸化炭素を増加させない、いわゆるカーボンニュートラルの燃料として京都議定書に位置づけられており、ガソリンに混合することにより、自動車から排出される二酸化炭素の削減効果が期待できます。
宮古島においては、環境省が平成16年度から沖縄産糖みつを原料に燃料用エタノールを効率的に生産するための技術開発と、E3、いわゆるエタノール3%混合ガソリンの実用化を確立するため実証事業を行っております。
平成16年度にE3製造・供給設備が設置され、平成17年度からE3を使用した実車走行試験が始まっております。平成19年1月末現在、宮古支庁及び宮古島市の公用車とJAおきなわの社用車合わせて約300台に給油されております。平成19年度からは、関係省庁の連携により、宮古島で消費されるガソリンのすべてをE3にすることを目指した大規模実証事業の実施が予定されております。
また、伊江村においては、農林水産省や環境省等の連携により、高バイオマス量サトウキビの栽培からE3の製造、実車走行試験に至るまで一貫した実証実験が平成17年度から行われており、現在、同村の公用車4台による実車走行試験が行われております。
以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは、いじめ等の実態について一括してお答えします。
本県における過去3年間のいじめの件数は、平成15年度において小学校67件、中学校209件、高等学校28件、合計304件報告されております。
平成16年度においては、小学校71件、中学校216件、高等学校33件、合計320件となっております。
平成17年度においては、小学校71件、中学校257件、高等学校32件、合計360件で、3年間増加傾向にあります。
なお、本県においては、いじめを理由とする自殺の報告はございません。
次に、いじめ対策についてお答えします。
いじめは、当該児童生徒が、一定の人間関係にある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているものとされており、心身に大きな影響を及ぼす深刻な問題ととらえております。
対策としては、早期発見を第一に、見逃さず、見落とさず、見放さないという生徒指導や教育相談体制を確立するとともに、学校、家庭、地域、関係機関・団体等が緊密な連携を図り、早期解決に努めていく必要があります。
県教育委員会としては、スクールカウンセラーの配置、巡回教育相談員による訪問相談、「指導・支援カルテ」を活用した「子どもの居場所づくり」等を通していじめの解決に努めております。また、「人権ガイドブック」の活用や「人権を考える日」の設定による人権教育を強力に推進してまいります。
次に、不登校の原因といじめとの関連について一括してお答えします。
不登校の原因は、それぞれの児童生徒においてさまざまな要因が考えられます。
平成17年度の調査によると、小学校では心理的・情緒的などの要因によるものが多く、中学校及び高等学校においては、遊び・非行などの要因による割合が高くなっております。
また、不登校となるきっかけには、本人の心理的・情緒的などの内面の問題、友人関係をめぐる問題、家庭環境に起因する問題などが挙げられます。
なお、いじめ、けんかなどによる友人関係をめぐる問題で不登校となっている児童生徒は、小学校で6人、中学校で54人、高等学校で16人、計76人となっております。
県教育委員会では各学校に対し、家庭や関係機関等と連携して、早期解決が図られるよう指導助言しているところであります。
次に、不登校の支援体制等についてお答えします。
不登校児童生徒への対応としては、児童生徒一人一人を分析・診断し、そのよさや課題を見つけ十分に理解し、きめ細かに指導・支援する必要があります。このような観点に立って「指導・支援カルテ」を作成し、個々の児童生徒への対応を図っております。
また、保護者との共通理解を図るためにスクールカウンセラーや巡回相談員を活用した教育相談体制の充実に努めております。特に、遊び・非行による不登校については、立ち直りのための生徒のやる気支援事業や地域ボランティアと連携した体験活動推進事業、警察と連携した安全学習支援隊等を実施しております。
今後とも、学校、家庭、地域、関係機関・団体等と緊密な連携を図り、不登校児童生徒の立ち直り支援に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、全国高校総体における市町村施設整備の支援等についてお答えします。
平成22年度全国高等学校総合体育大会は、県内27市町村で28競技を開催いたします。
各競技施設については、既存施設を有効活用することを基本に、県施設は県が、市町村施設は市町村が整備することとなっております。
県施設については、関係部局と連携を図りながら、計画どおり施設整備を進めているところであります。
市町村施設で開催される19競技中18競技については既存施設を活用し、残り1競技については国庫補助を活用した施設整備に向けて取り組んでいるところであります。
なお、開催運営費及び特殊器具・備品等については県が支援を行っていきたいと考えております。
今後とも関係市町村と連携を図りながら、大会運営に万全を期してまいります。
次に、屋内プール改築についてお答えします。
奥武山水泳プールについては、関係団体や有識者で構成された検討委員会において、全国大会等に対応できる公認屋外水泳プールとして整備することを決定しております。平成19年度に実施設計及び建築工事に着手し、平成21年度には完成する予定であります。
実施設計では暑さ対策を考慮し、建築に熱を持ちにくい資材を使用するとともに、観客席に屋根を設置するなど、全国高校総体の競技運営に支障のないよう整備を推進してまいります。
次に、選手強化についてお答えします。
平成22年度開催の全国高校総体に向けて、選手の育成等を図ることは極めて重要なことと考えております。
県教育委員会としては、競技力向上対策事業年次計画を策定し、平成16年度より小学生スポーツ教室、中学生強化練習会や指導者養成事業等に取り組んでいるところであります。
平成19年度からは、開催年度に主力となる中学3年生を中心に強化選手の指定及び県外合宿の実施並びに強化校を指定するなど、選手の育成強化に努めてまいります。
以上でございます。
○池間 淳 議長。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
午前11時45分休憩
午前11時46分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
休憩いたします。
午前11時46分休憩
午後1時17分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
午前に引き続き代表質問を行います。
伊波常洋君。
〔伊波常洋君登壇〕
○伊波 常洋 こんにちは。
仲井眞知事就任以来まだ3カ月弱ですが、国との折衝、離島視察、基地視察と東奔西走する知事の行動力にまず敬意を表します。
昨日は、公約どおり女性副知事安里カツ子氏が誕生いたし、体制が整いました。基地問題の解決、自立経済の確立など、県民に公約した14の政策目標が実現されますよう頑張ってください。期待しています。
それでは自民党を代表いたしまして質問いたします。
まず初めに、普天間飛行場の危険性の除去についてお伺いいたします。
仲井眞弘多知事の就任以降、本県における基地問題の象徴的存在である普天間飛行場移設問題について協議する「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」が再開され、県、地元、政府との協議も進展しております。協議は、政府、県、名護市の三者それぞれの立場から主張を述べ合う中でも、協議を精力的に進めることでは一致しているようであります。普天間の危険性に常に身を置いてきた当事者からすれば、協議の進展は大いに歓迎するところであり、いっときも早い解決を願います。
さて、日米合意により普天間飛行場の移設は2014年と決定され、計画どおりに作業が推進されれば、8年後には現普天間飛行場の移設が実現することになります。
平成8年12月のSACO最終合意で5年ないし7年以内の普天間の全面返還が決定され、その後、稲嶺惠一知事の苦渋の決断により、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸地域への移設が決定されましたが、移設作業はほとんど進展せず、時間だけがむなしく過ぎていったのであります。
そして平成18年5月1日、日米安全保障協議会は、普天間飛行場の移設建設場所を名護市キャンプ・シュワブ南沿岸部とする最終合意を発表いたしました。これにより普天間飛行場移設建設問題は新たな段階に入りました。
しかし、SACO合意による全面返還が決定されてから今日までの10年間、当事者であるべき宜野湾市民の意向は無視され、日米間の政治的駆け引きの中でただひたすら返還の実現を願いながら、住宅地に近接する基地の危険性と隣り合わせの生活を続けてきているのであります。
普天間飛行場は市街地の中心部に位置し、住宅地と近接していることから、本県に所在する米軍基地の中でも最も危険性が高いと指摘されており、平成15年11月に来県しましたラムズフェルド米国防長官は、最も危険な基地と発言しております。
このように米軍基地を所管する最高責任者でさえもその危険性を指摘しており、その懸念は平成16年8月、沖国大敷地に米軍ヘリが墜落するという事故が現実に発生したことにより現実のものとなったのであります。
宜野湾市民のみならず沖縄県民は、このような危険な普天間飛行場のいっときも早い返還を求めてきており、このため地元と政府との協議の進展を注目しております。
しかし、移設建設が完了するのは2014年であり、その間、普天間の危険性の除去をどのように図るかという問題が残っております。仲井眞知事は、普天間の危険性の除去を3年以内に実現することが前提であると政府に対し強く求めており、この知事の姿勢を私は高く評価いたします。
政府との普天間飛行場移設問題の協議においては、市街地の中心に位置し、住宅地に近接した危険な米軍普天間飛行場をいっときも早く移設するという普天間飛行場移設問題の原点を決して忘れてはなりません。
そこで伺います。
1、普天間飛行場の危険性を除去するため、3年を目安に閉鎖状態にするよう政府に要請するとしているが、3年の根拠を御説明ください。
2、現実に機能している普天間飛行場を閉鎖状態にするとはどのような状態を指しているのか、御説明ください。
3、知事は2回の協議会に参加し、3年を目安に普天間を閉鎖状態にすることを要望し、その具体的案は基地の提供責任者である政府が米側と協議して示すよう求めたが、協議の進展状況によっては県の方から具体的な方策を提示することもあり得ますか。
4、知事は、3年を目安に普天間を閉鎖状態にすることなど、その危険性の除去の実現を図るための例示として、暫定ヘリポートの建設や一時的な分散移転を挙げているが、このことは暫定ヘリポートの建設も3年以内にするということを意味していますか。
5、住宅地に近接している普天間飛行場は、米海軍・海兵隊の飛行場安全指針「航空施設周辺地域の土地利用に関する指針」に反しているとの指摘もあるが、県の認識を伺います。
次に、県財政の現状と将来展望についてお伺いいたします。
今年度、平成19年度の県当初予算は、何と481億円余りの大幅な収支不足であります。三位一体改革による地方への影響は、折からの国の財政事情の悪化、経済の停滞とも関係し、地方の財政が極端に悪化するという危機的状況となってあらわれました。
本県においても、三位一体改革に伴う税源移譲により県税の増は見込まれるようでありますが、地方交付税など一般財源総額は大幅な期待はできません。加えて、本県の構造的課題である自主財源の乏しさが県財政を苦しめている要因でもあります。
一方、歳出面では、県職員の団塊世代の大量退職期を迎えたこともあり、人件費、公債費等の義務的経費が占める割合は今後とも高い水準で続くものと思われます。
このため、県は「沖縄県行財政改革プラン」を策定し、行財政の健全化を一層強力に推進するとしており、また市町村財政についてはますます深刻さを増しており、特に離島・小規模町村においては予算編成に苦慮する状況が見られます。一層の行財政改革が求められるところであります。
そこで伺います。
1、県財政の現状について。
①、県がまとめた2005年度の県税収入見込み額は、2004年度(前年度)に比べ1.2%の増加、これは全体の3割を占める法人2税と個人県民税の増加が要因となっているようですが、景気回復の動きを裏づけたとあります。この動きは今後も期待できるものであるかお伺いします。
②、三位一体改革による地方への影響は大きく、本県市町村においても財政状況が悪化し、健全な財政状況にあるのは基地を抱える若干の市町村に限られているようだが、三位一体改革が完了し、景気の回復の基調が見られる状況の中、次年度以降の見通しを伺います。
③、政府の財政制度等審議会は、米軍や自衛隊の基地周辺対策経費のうち、地方自治体への補助金の抜本的見直しの検討に入ったということですが、審議の状況と今後の見通しについてお聞かせください。
④、本県の関係市町村における基地周辺対策補助金の占める割合は大きいんですが、同補助金が見直された場合の市町村財政への影響をお聞かせください。
次に、県財政の今後の長期見通しについてお伺いいたします。
①、平成18年度から4年間の沖縄県財政の中期見通しで、一般会計当初予算歳入は、平成19年度から平成21年度まで3年連続で減少すると予測しています。国からの補助の増額が見込めない中、自主財源の向上をいかに図るかが課題となりますが、県の基本的考えをお聞かせください。
②、沖縄県財政の中期見通しとは別に、大規模基地跡地利用計画等にも対応できる10年以上を見通した長期財政計画が必要と思われるが、県のお考えをお聞かせください。
③、在日米軍再編により約8000人の海兵隊の削減や嘉手納飛行場以南の米軍基地の返還等により、本県経済への影響として1393億円余の損失となるとの試算も出ています。県として、県財政や経済へどのような影響が出るかシミュレーションをしていますか、お伺いいたします。
次に、沖縄科学技術大学院大学建設についてお伺いいたします。
沖縄科学技術大学院大学建設については、メーンキャンパスの基本設計が決定され、大学敷地に配置される研究拠点、生活空間、交流ゾーン等の骨格が示され、年度内造成工事に着工する予定とのことであり、開学に向けての作業が着々と進められているようでありますと、事前の通告書に書いたら、タイミングよくきのう、初代学長予定のシドニー・ブレナー氏と仲井眞知事が会見をされております。そしてその会見の中で、具体的に造成工事の起工式を4月6日に決定したと、大変うれしいニュースがきのうの会見で明らかになっています。大変期待をしております。
県においても、大学周辺地域の整備方針となる基本計画策定に向け、「沖縄科学技術大学院大学周辺整備懇話会」が発足し、本年度じゅうに基本計画を策定し、本島全域を科学技術研究都市として構築するための段階的な整備実施方針内容を決めることにしております。
さらに、高市沖縄担当大臣は、シンガポール国立大学と連携・協力関係を構築することで合意したことを明らかにしており、建設に向けての環境整備は進んでおります。
しかし、課題も見えてきております。地元を初め多くの関係者から大学院大学のあり方等について不満といいますか、不安の声が出るようになっております。当初の計画どおりの規模・運営での建設ができるのか、開学時期は2009年が守れるのかという懸念が出ております。
そこで伺います。
1、沖縄科学技術大学院大学は建設に向け作業が進められているが、計画変更や規模縮小はあり得るのか。また、開学時期については当初予定の2009年開学の可能性はどうなっていますか。
2、県が実施する大学周辺整備基本計画策定の基本方針と整備内容についてお伺いいたします。
3、大学院大学関連建設工事等を初めとする今後予想される大型・主要プロジェクトに対し、県内優良設備業者の積極的活用と分離発注への特段の配慮が必要であると思われるが、県の考えを伺います。
次に、沖縄観光の振興についてお伺いします。観光振興のことで特に2項目についてお伺いいたします。
その1が、国際会議等の誘致についてでございます。
沖縄観光をさらなる飛躍へ誘導し、新たな観光客の開発や誘致活動を展開するためには、観光地沖縄のイメージアップを図り、海外への積極的なセールス活動を推進し、国際競争力を高める必要があります。そのためには国際会議等を誘致・開催して知名度アップを図り、国際的コンベンション・アイランドの形成が重要であります。
幸い、本県では2000年沖縄サミットが開催され、先進国による首脳会合が行われたほか、多くの国際的会議を受け入れた経験があります。その効果は、世界から要人やマスコミ関係者が訪れ、観光地沖縄が世界に発信されるなど、インパクトの強さは抜群であります。
観光客1000万人を目指すには、世界に誇れる国際的観光地の形成と海外からの誘客が欠かせないことから、ここ数年停滞ぎみの国際会議等の誘致を積極的に推進するための長期的戦略の構築が必要と考えます。
伺います。
1、本県で開催された国内・国際会議の過去3年間の推移を示してください。
2、沖縄観光の課題の一つとして、国外観光客の誘致があるが、国内会議は外国からの参加者や報道関係者等多くの入域者があり、国外観光客の誘致には大きな効果があります。県の国際会議誘致の基本的な考えをお示しください。
3、本県は、万国津梁館やコンベンションセンターなどの国際級の施設を有しながら、那覇空港からの交通アクセスの未整備がネックとの指摘も聞いております。県の今後の方針をお伺いいたします。
次に、観光振興で、私が今回取り上げたもう一つの項目がカジノ構想です。
私は、この件については、県議になったらこれを訴えたいなとずっと思っておりましたので、今回この機会が得られてここで初めて質問をいたします。
財政依存度の高い本県の自主財源を増大させ、沖縄観光の充実強化を図ることにより経済の活性化を図り、基地に頼らない自立型経済を構築するとの観点から、経済界を中心に「ゲーミング研究会」を設置するなど、本県へのカジノ導入の議論が進められております。
去る2月17日には「日本カジノ創設サミットin沖縄」というカジノシンポジウムが那覇市であり、私もそのシンポジウムへ参加をいたしました。
しかしながら、一方において、カジノ導入に対しては、社会環境への影響や刑法で禁止されているギャンブルを合法化へと改悪すること、観光立県を標榜する沖縄のイメージに合わないこと、犯罪増加、家庭崩壊等を例に挙げ反対する声もあります。
2014年には嘉手納以南の大規模な基地の返還が実現いたしますが、その際、基地の跡地利用や基地従業員の雇用問題が発生いたします。
今までの返還された基地の跡地利用は、類似施設が多く、結果的に県内消費のパイの奪い合いという実態となっております。このため、これから返還される大規模基地の跡地利用については、全く新しい角度から思い切った発想の転換が必要であると私は考えます。
大規模基地返還跡地利用は、自立経済の構築を目指す本県の振興計画と連動させた計画が必要であり、そのためには、観光を核とした産業の一層の活性化を図るため、エンターテインメント事業の一形態としてのカジノの導入について、本県への導入が必要であるか必要でないかについては少なくとも検討する時期に来ていると私は思います。
そこで伺います。
1、東京都を初め地方において、カジノ誘致及び合法化についての動きが活発になっています。国における法制化の動きと他県の状況をお聞かせください。
2、本県においても、経済界を中心に「ゲーミング研究会」を設置するなど、カジノ導入の議論が進められている。県としてもカジノ導入について検討する時期に来ていると思われるが、県のお考えをお聞かせください。
3、本県は、中国、台湾等東アジアに近く、国際観光・リゾート地としての沖縄の形成を目指しており、そのため国際的競争力を有した国際観光産業としてのカジノもその一つの方策だと思いますが、県の御所見を伺いたい。
4、国際観光・リゾート地として、海外から観光客を誘致するためには魅力的な観光地、外国人が来やすい観光地としての形成が重要であり、海外からの観光客をふやし、1000万人を目指すためにもカジノ導入の議論を深める必要があると考えます。知事の御所見を伺いたい。
次に、道州制についてお伺いいたします。
道州制の議論が国、地方を含めて本格化してきております。本県においても、県内部における検討で単独道州への移行が望ましいとする方針が出されております。しかしながら、現実に道州制へ移行となれば、なぜ単独なのか、単独とした場合、地域としてどのように発展させるか、税源はどうなるのか等、大きな課題もクリアしなければなりません。このため、県民へ情報を公開し、徹底した議論が必要であると考えます。
そこで伺います。
1、政府の地方制度調査会は、都道府県を廃止・統合して広域自治体の再編する「道州制のあり方に関する答申」をまとめ、沖縄については単独道州の設置を明記した。今後は国において地方への権限移譲が焦点になるが、国と地方との協議の進展状況を伺いたい。
2、県においても、内部検討会で単独道州への移行が望ましいとしているが、なぜ単独なのか、単独とした場合、地域としてどのように発展させるのか、税源はどうなっているのか等、徹底した議論が必要であるが、今後、検討会等の拡大をどのように図っていくか御説明してください。
3、単独道州の場合、本県経済の自立をいかに図るかが課題となってくるが、経済問題の検討も進められていますか。
4、単独道州となった場合、重複行政の解消の観点から各省庁の出先機関等の権限は本県に移譲されることになりますか。
5、一般的に国民や県民の間には道州制移行問題についてほとんど浸透してなく、関心が薄いと思われる。道州制になって何が変わり、国民・県民への行政サービスがどうなるか等の情報の提供がないのが原因と思われる。県の情報開示はどうなっているのか伺います。
次に、福祉関係について。
1、待機児童解消について。
安心・安全な子育て環境の構築を目指すには、地域に密着した適正な保育所の創設が必要であり、保育所への入所希望者に対しては十分に対応できる体制の整備が重要である。
本県における保育所行政の実態を見ると、保育所入所を希望する待機児童の数が極めて多く、待機児童の解消をいかに図るかが県政に課せられた課題であります。
本県においても、待機児童の解消を図るための施策を実施するなど努力しており、平成18年には前年から364人待機児童が解消しておりますが、依然として1500人余の待機児童がおり、課題解消にはほど遠いというのが実情であります。その要因は、本県における保育所設置の歴史的経緯、市町村の財政事情等、複雑多岐にわたっています。
本県における保育園は、復帰までの27年間、日本政府の法律の適用がなされないまま民間の手で設置されたものが多く、このため復帰により国の法律が適用されると国の基準に合わず、保育園とは見なされないという、いわゆる認可外保育施設として現在に至っています。
現在においても、この認可外保育施設数は50%近く存在しており、入所児童も2万人を超えております。全国の状況を見ると、92%が認可保育施設であり、認可外保育施設数はわずか8%であります。本県との大きな違いがあります。
さらに、保育の実施主体が市町村にあることから、認可外保育施設の認可施設への移行や新たな保育施設を創設するにしても、脆弱な財政状況にある本県市町村にとってその負担は重く、計画性のある保育所設置は難しいというのが現状であります。
このような本県保育行政の現状にあって、待機児童の解消を図るのは容易でないことはわかりますが、県としていかに市町村と連携し、適切かつ効果的な指導・支援等を行えるかが重要であります。
そこで伺います。
1、本県における待機児童解消を図るには、保育の実施主体である市町村の意識改革が重要です。県と市町村との連携及び指導・支援策はどうなっているのか伺います。
2、本県における潜在的待機児童の実態は把握していますか。また、待機児童解消策に潜在的待機児童はどのように考慮されていますか。
3、待機児童を限りなくゼロに近づけるためには、思い切った保育所の創設や分園等の設置が必要です。何より市町村の頑張りが求められますが、財政問題という大きな課題があります。これを乗り越えるための県の基本的方策を伺います。
4、認可外保育施設を利用している児童の処遇向上を図るため、保育所の認可促進策と補助拡大について、県がこれまでに実施した施策と、そして今後実施する対策を伺います。
5、昨年10月に施行された認定子ども園制度のねらいと全国における制定状況をお聞かせください。
6、認定子ども園に認定された場合のメリット、国や県等からの支援制度はどうなっているか伺います。
次に、介護保険について。
本県は、高齢者人口10万人当たりの介護保険施設整備率が極めて高い状況にあると聞いております。そういう観点から伺います。
1、本県の高齢者人口10万人当たりの介護保険施設の整備状況と、そして介護者1人当たりの介護給付費の状況、そしてそれらが全国と比較してどのようなところに位置づけされているかお伺いします。また、その理由もお聞かせください。そしてその結果、本県の介護財政の状況はどうなっているかもあわせて伺います。
2、本県の場合、介護度の低い高齢者の介護利用や通所サービス、通所リハビリの利用が多く、介護の利用形態が全国的にも特異な状況にあると言われております。介護形態改善のための県の指導と対策を伺います。
3、一方、在宅医療を支える訪問看護ステーションについては、事業所の休業・廃業が見られるようだが、その原因と今後の対策を伺います。
4、小規模離島町村における介護基盤の充実と介護保健事業安定化のための取り組みはどうなっているのかお伺いいたします。
5、介護予防事業の拠点となる地域包括支援センターが実施されていますが、人材不足を懸念する自治体もあると聞いています。現状はどうなっていますか。
6、2007年から始まる団塊世代の大量退職に伴い、2025年から要介護者が上昇し、介護給付費の増加が予想されるが、本県における影響等を試算しておられますかどうか伺います。
次に、県立病院の医師確保についてお伺いいたします。
1、全国的に医師不足が深刻化する中で、本県における産婦人科医及び小児科医等の具体的確保策をお聞かせください。
2、県内の医療施設に従事する人口10万人当たりの医師数は2004年度で196.3人、全国平均は201人となっており、全国平均より少し少ないです。2008年度から始まる大学医学部の入学定員増だけでは解決しないとの指摘もあるが、この数字について県はどのようなお考えを持っていますか。
3、特に離島における医師確保は深刻であり、離島を多く抱え、離島医療を支える県立病院での産婦人科・小児科医師不足は社会問題化しています。県としての対策にも限界があり、離島県としての特殊性から国による特別措置を求めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
なお、離島というのは本島における離島だけを意味しているのではないです。全国から見た沖縄もまたその離島としてのことを指していますので、包括してお答えをお願いいたします。
4、医師不足の要因として、結婚した女性医師の勤務環境があるとも言われています。子育てと仕事が両立できる勤務体制を組むなどして女性医師を引きとめる工夫も必要ではないかと思われますが、どのような対策をとられていますか。
5、産婦人科医師が不足する中で、助産師の存在が見直されてきているが、本県における助産師の活動状況と今後の育成計画をお聞かせください。
次に、児童虐待についてお伺いいたします。
児童虐待は全国的にも拡大・増加の傾向にあり、内容も陰湿化するなど社会問題となっております。
本県においても年々増加の傾向にあり、県においても児童相談所の専門職員の増員等を初め、県警との連携・協力体制の強化を図るなど、児童虐待への対応に努めているようであります。
児童虐待は家庭内で起こり、親の子に対するしつけとの境の判断が難しく、行政や警察の介入をちゅうちょさせているほか、表に出にくく早期発見をおくらせる原因ともなっております。虐待を受けているのは幼く弱い立場にある児童であり、自分の親から虐待を受ける子供の気持ちを優先に考え、思い切った対応や対策を講じる必要があります。
しかしながら、根本的な児童虐待防止のためには県だけでなく市町村、警察、学校、地域住民等が一体となった取り組みが必要であります。特に隣近所や地域住民の助け合いが最も重要であると考えます。
県と県警は、去る1月16日、児童虐待が疑われる家庭に対し、警察の関与を強めることにより、虐待の早期発見と児童の安全確保を図るため「児童虐待防止対策に関する協定書」を締結し、協力・連携の強化を図っております。これにより相互の情報の共有や垣根が取り除かれ、児童の安全確保対策がスムーズに行われることを期待いたします。
以上の観点から質問いたします。
1、本県における児童虐待処理件数は年々増加しているということでありますが、その要因と特徴をお聞かせください。
2、児童虐待は、虐待が進行する前の初期予防が何よりも重要であり、そのためには地域住民と密接につながる市町村の果たす役割は大きい。児童虐待防止のための市町村の取り組みの現状をお聞かせください。
3、県中央児童相談所に設置されている児童虐待防止支援チームの性格と活動状況をお聞かせください。
4、児童虐待防止対策に関する協定書締結による県と県警との連携・協力体制と児童の安全確保対策をどのように構築していくかお聞かせください。
次に、鳥インフルエンザ対策についてお聞きいたします。
去る1月13日、宮崎県で発生した鶏の大量死が毒性の強いH5N1型の高病原性鳥インフルエンザと確認されたことは、鳥インフルエンザがいつでもどこでも地域に関係なく発生することを改めて認識させ、県内の養鶏場関係事業者にも大きな危機感と消費者にも不安を与えました。
鳥インフルエンザの恐ろしさは、一たん発生すれば鳥インフルエンザが発生した養鶏場から半径約10キロ以内の養鶏場の鶏や卵の移動を禁止し、感染拡大防止のためすべて鶏が処分されるため、その地域の養鶏場関係が壊滅的な打撃を受けることであります。感染拡大は宮崎県だけでなく、岡山県でも感染が発生しており、他県への広がりが心配されております。まさに養鶏場関係者にとっては死活問題で、今後立ち直りが極めて難しい状況であるようです。
本県は島嶼県で多くの離島を抱えていることから、野鳥や水鳥の飛来や接することも多いことから、水際での防御対策が重要であり、日ごろからの情報収集や地域への情報の提供が必要です。
そこで伺います。
1、宮崎県で発生した鶏の大量死は、H5N1型の毒性の強い高病原性鳥インフルエンザと確認された。本県においても細心の注意が必要と考えるが、県の対策を伺いたい。
2、本県は島嶼県で離島が多いことから、ウイルスが侵入する前の水際防御対策が重要であるが、そのため的確な情報の把握と関係者や県民への情報提供はどうなっているのかお聞かせください。
3、関係事業者にとっては何よりも消費者の過剰反応による風評被害が怖い。鶏肉や卵の安全性について、行政として消費者向けの呼びかけはどのように行っているかお聞かせください。
次に、県警関係とありますが、細部の項目によっては他部局にもまたがるようですので、随時、他部局からも回答をお願いいたします。
1、那覇市松山地区の風俗環境浄化対策についてお伺いいたします。
本県観光は、今や年間600万人に迫る観光客が訪れるまでに成長し、将来的には1000万人誘致を目指しております。本県が国際的観光地として国内外から高い評価を受け、安心して観光客が訪れるためには観光立県の名に恥じない社会環境の整備が必要であります。
県下最大の歓楽街である那覇市松山地区においては、県内全域で禁止されている店舗型性風俗店の特殊営業が行われ、キャッチセールスや客待ちタクシー等による違法駐車が常態化し、観光客や周辺住民等からの苦情もふえているということであります。このまま放置すれば沖縄観光のイメージダウンにもつながると心配する声が多く聞かれます。
そこで伺います。
①、県警においては悪質な客引き行為等の取り締まりを実施しているとのことであるが、その背景と取り締まりの結果、効果等について伺います。
②、健全な風俗環境を確保するためには、警察の取り締まりだけでは限界がある。通り会、自治会、観光協会等との連携はどうなっているか。また、これら団体等の取り組み状況はどうなっているか伺います。
③、今後、健全な風俗環境を確保するため県警が取り組む対策について伺いたい。
次に、ドメスティック・バイオレンス被害対策についてお伺いします。
家庭内暴力、いわゆるDVについては大きな社会問題となっております。事件が家庭内での密室で行われるという特異な、そして外部から見えにくいところで起きるだけになかなか表面化しないということが問題であります。
本県においては、特にこれは大変画期的なことでありますけれども、DVやストーカーなど専門的に対応するため、DV・ストーカー対策官64人が県警に配置されていると聞いております。大変積極的な行政で私もこれを高く評価します。
そこで、それらのことについてお伺いします。
1、DV被害は全国的に激増しており、本県におけるDV被害相談件数は増加傾向にあるようである。その概要と特徴をお聞かせください。
2、DV被害対策は地域全体で協力・連携し、行政への橋渡しを行うことが重要であると考えるが、県の取り組み状況をお聞かせください。
3、県は、DV被害に対する対応を迅速化するため、DV被害相談所を3カ所増設し、県の相談体制は強化されました。その効果を伺います。
4、県警はDV・ストーカー対策官制度を新設したが、対策官64人の配置とその役割をお聞かせください。
5、DV被害者の約9割は女性です。女性の人権を守る対策を迅速・効果的に実施することがDV被害を防止する有効な対策と考えるが、県の施策をお聞かせください。
最後に、駐車違反取り締まりについてお伺いします。
1、駐車違反取り締まり事務の民間委託が昨年6月から実施されました。改正のねらいと効果についてお聞かせください。
2、駐車違反取り締まり事務を行う民間の駐車監視員の選任方法と身分はどのようになっているのかお聞かせください。
3、本県において、民間の駐車監視員がどこでどのように監視をしているのか姿が見えないとの指摘もありますが、委託業者による取り締まり時間と重点的に取り締まり・監視する地域を伺いたい。
4、委託業者による取り締まりにより、コンビニや店舗に商品を納入する配送業者が対応に苦慮していると聞くが、県警としてはどのように考えていますか。
5、民間委託によって、取り締まられる側と指定民間委託業者との間でトラブルの事例はなかったのかどうかお聞かせください。
以上です。
○知事(仲井眞弘多) 伊波議員の御質問にお答えいたします。
まず、普天間飛行場の危険性の除去に関する質問の中で、3年をめどに閉鎖状態とするということについての3年の根拠についてという御質問にお答え申し上げます。
閉鎖状態とすることにつきましては3年をめどとしましたが、訓練の分散などあらゆる方策を検討し、その実現のための準備と決定に至るプロセスを考えても、3年あれば実現可能であるとの考えからでございます。
同じく普天間飛行場の関係の御質問の中で、閉鎖状態を実現するための方策についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場移設問題で最も緊急の課題は、その危険性の除去であります。
このため、県は、訓練の分散や暫定的なヘリポート機能の整備などあらゆる方策を検討し、3年をめどとして閉鎖状態を実現することを政府に対して求めているところであります。
その具体的な案につきましては、米軍の運用や我が国の防衛にかかわることから、基地の提供責任者である政府が米国と協議をし、示すことが必要であると考えております。また、その取り組み状況につきましては、定期的に協議することが必要であると考えております。
そして先ほど池間議員の御質問にもお答えしました点を繰り返しますが、閉鎖状態の実現につきましては、久間防衛大臣からは、第2回協議会におきまして、普天間飛行場の危険性を低減していくためにどのような方法があるのか、いろいろな選択肢を考えるなど、可能な限り努力してまいりたい。米国は運用面の変更に極めて厳しい考え方を持っているが、代替施設の作業に前進が見えるのであれば、シュワブへの移設までの間の危険性の除去や運用の改善などについて、自分が米国に働きかける用意がある旨の発言はいただいております。
しかしながら、県が求めている危険性除去の取り組みへの政府姿勢はまだ納得のいくものではありません。
さらに、普天間飛行場の危険性に関する御質問の中で、暫定的なヘリポートの整備についての御質問にお答えいたします。
県は、普天間飛行場の閉鎖状態を実現するため、ヘリ部隊の分散移転や訓練の分散移転、暫定的なヘリポート機能の整備について検討することを政府に提案したものであります。
県としましては、政府が県の提案を含めあらゆる方策を検討し、3年をめどとして同飛行場の閉鎖状態を実現していただきたいと考えております。
暫定ヘリポート機能の整備をする場合には、3年をめどにヘリの一部移転が可能となるようなさまざまな方策を検討することが必要であると考えております。
次に、県財政の現状についての御質問の中で、自主財源確保に対する基本的な考え方についての御質問にお答えいたします。
地方公共団体における自主的・自立的な行財政運営を推進する観点から、自主財源の確保は重要な課題でございます。
このため、県といたしましては、県税の徴収率の向上、法人県民税における超過課税の実施、産業廃棄物税の導入など、自主財源の確保に努めているところでございます。
また、中長期的には、本県経済の活性化に結びつく産業振興施策の推進による税源の涵養を図ることが重要であると考えております。このため、民間主導の自立型経済の構築に向けてこれまで以上に観光・リゾート産業を初め、情報通信関連産業、農林水産業、商工業等の振興を図るとともに、企業誘致を推進してまいる考えでございます。
次に、沖縄科学技術大学院大学に関する御質問の中で、大学院大学の規模と開学時期についての御質問にお答えいたします。
大学院大学の施設規模につきましては、昨年1月の第1回運営委員会で策定されましたマスタープランに基づき、開学時に代表研究者50人、研究者総数550人、将来構想として代表研究者300人、研究者総数3000人とすることが決定されております。
開学時期につきましては、平成17年12月の関係閣僚申し合わせにおきまして、今後7年程度以内を目途に実現を期するとの考えが示されております。代表研究者20人分の研究施設が完成する2009年度から国内外の大学院生を対象とした教育プログラムを開始する予定となっており、実質的に大学院大学がスタートすることとなります。
沖縄観光の振興についての中で、国際競争力を有した観光・リゾート地を形成するためにも、また観光客1000万人を目指すためにもカジノ導入の議論を深める必要があるのではないかという御質問と、もう一つ4の(2)のウ、本県は国際観光・リゾート地の形成を目指しており、国際的競争力を有した観光産業としてカジノもその一つであるとの考え方についての2つの御質問、関連いたしますので一括してお答えいたします。
カジノは、観光客の多様なニーズにこたえる観光資源として世界の多くの国で合法化されております。
特にアジア諸国におきましては、観光振興のために政策を転換し合法化したシンガポールや、ラスベガスに匹敵する規模の観光都市に変化しつつありますマカオなど、国際観光振興策として注目されているところでございます。
国内におきましても、経済効果や雇用の拡大、税収の増加による地域振興を図ることなどを目的に、経済団体や一部の地方自治体においてカジノ合法化に向けた活動が展開されております。
本県が国際的な観光・リゾート地を形成し、観光客数1000万人を目指していくためには、地域の特色を生かした芸能や音楽を初め、多様なエンターテインメントの充実を図る必要があり、現在の世界の観光地の状況などから、カジノを含む多様なエンターテインメント複合施設は有効な手段となると思われます。
一方、カジノ導入につきましては慎重にすべきとの意見や反対する意見もあることから、県といたしましては、平成19年度に各種団体や有識者等で構成するカジノ・エンターテイメント検討委員会(仮称)を設置して、海外の状況を踏まえ、導入する場合の課題、対応策等について調査検討を進めてまいります。
次に、福祉関係の御質問について、医師確保対策についての御質問にお答えいたします。
沖縄県におきましては、離島などにおける産婦人科や脳外科等の専門医の確保が課題となっております。
県では、中長期的かつ安定的にこれらの専門医の確保ができるシステムを構築するため、琉球大学医学部、医師会、離島振興協議会などで構成する「離島・へき地医師確保対策検討委員会」を設置し、検討を進めてきたところでございます。
同委員会の中間報告を踏まえ、平成19年度から離島・へき地ドクターバンク等支援事業を実施し、全国から必要な専門医の確保を進めていくことといたしております。
また、県立病院の後期臨床研修事業を拡充することにより、不足する専門医の養成を推進していくことといたしております。さらに、医学生等を対象に医師修学資金等貸与事業や離島医療セミナー事業を実施し、離島医療を志す人材を育成確保していきたいと考えております。
県といたしましては、これらの事業を総合的に実施していくことにより、適切に医師確保を図ってまいりたいと考えております。
残りの御質問につきましては、部局長等からお答えさせます。
○知事公室長(花城順孝) 普天間飛行場の閉鎖状態とはどういう状態かという御質問にお答えします。
県としては、普天間飛行場の閉鎖状態とは、同飛行場におけるヘリ等の運用が極力低減された状態であると考えております。
次に、米海軍・海兵隊の飛行場安全指針についての御質問にお答えします。
米国防総省が作成をした「航空施設周辺地域の土地利用に関する指針」は、航空機の運用と整合性のとれた土地利用を推進すること等により、航空施設と周辺地域社会との整合性を達成することを目的とするプログラムであります。要すれば、米国内において、都市計画当局に対して示されたガイドラインであります。
以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 景気回復による法人2税と個人住民税の動向についての御質問にお答えします。
平成17年度の県税収入額は約879億3000万円で、前年度と比較して10億4000万円、率にして1.2%の増収となっております。これは、景気回復等により法人2税や個人住民税が増収となったことによるものであります。
また、平成18年度においても、企業業績が好調な金融保険業やサービス業を中心に法人2税の増収が見込まれることから、景気は引き続き堅調に推移するものと考えております。
次に、長期財政計画についてお答えします。
県では、厳しい財政状況下にある県財政について県民の理解を深めていただくとともに、今後の財政運営を適切に行っていくという観点から一定の仮定のもとに財政収支を試算し、県財政の傾向を示すものとして平成13年以降、「沖縄県財政の中期見通し」を公表してきたところです。
しかしながら、社会経済情勢の変化が激しく、地方税財政制度の改正が頻繁に行われる状況下では、長期の財政計画を作成することは難しいものと思われます。
県としては、長期的な視点から財政運営のあり方を明らかにすることは重要なことと考えており、御提案の趣旨を踏まえ検討してまいります。
次に、米軍基地の返還等による県財政への影響についてお答えします。
米軍基地の返還等が実現した場合には、県経済への影響等を通して県財政にも何らかの影響があるものと考えております。
しかしながら、米軍基地の返還等が県税等の収入に及ぼす影響や跡地利用の計画、さらにはそれに係る財政負担のあり方が明確でない状況のもとでは、県財政への具体的な影響額を試算するのは困難な状況にあると考えております。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 県財政の現状と将来展望についての御質問で、市町村財政の次年度以降の見通しについてお答えをいたします。
三位一体改革のみの影響とは言えませんが、県内市町村の主な財政指標を改革前の平成14年度と平成17年度で比較しますと、経常収支比率は、14年度88.6%に対し、17年度91.9%と3.3ポイント悪化し、起債制限比率は14年度11.4%に対し、17年度11.8%と0.4ポイント悪化するなど、財政構造の硬直化が一段と進んでおります。
また、その間、地方税が約47億円、4.2%増加しているものの、地方交付税が171億円、12.1%減少しており、これに対処するため各種基金を取り崩した結果、基金残高は72億円、7.9%減少しております。
今後も増加が見込まれる社会保障関係費や退職手当等に対応しなければならず、厳しい財政運営が続くものと見込まれます。
同じく基地関連補助金の見直し及び市町村財政への影響について一括してお答えいたします。
平成18年11月22日に国の財政制度等審議会において、「平成19年度予算の編成等に関する建議」が取りまとめられ、本建議の趣旨に沿い、今後の財政運営に当たるよう要望が財務大臣に提出されております。
その中で「基地周辺対策に関しては、真に基地等により発生する障害の防止、緩和のためのものなのか等、事業の必要性や基地との因果関係を精査して不要不急の事業は行わないこととするなど抜本的に見直し、財政資金の効率性を高める必要がある。また、米軍再編が全体として地元負担軽減に資するものである以上、今後の基地周辺対策経費については全体として縮減する必要がある」とされております。
県内市町村における平成17年度の基地関連補助金は総額で約119億円であり、補助金の交付を受けている市町村の歳入総額に占める割合は約3.1%となっておりますが、本補助金の見直しについて、その後の議論や検討内容等については明らかにされておらず、その影響額を推計することは困難であり、今後、国の動きを注視していきたいと考えております。
同じく県財政の現状と将来展望についての御質問で、在日米軍による県経済への影響についてお答えいたします。
基地関連収入が県経済に占める割合は、復帰直後の15.6%から平成16年度は4.6%となり、県経済の成長等を背景にその比重を徐々に低下させております。
また、現在の米軍再編協議では大幅な兵力削減や相当規模の基地返還が検討されており、基地関連収入が県経済に占める割合は大幅に低下していくことが予想されます。
県としましては、相当規模の基地返還が実現した場合、その跡地を沖縄経済発展の重要な拠点と位置づけ、民間主導の自立型経済の構築に向けた先導的プロジェクトの導入など、戦略的な取り組みを推進していきたいと考えております。
次に、沖縄科学技術大学院大学に関連いたしまして、大学周辺地域整備基本計画策定の基本方針と整備内容についてお答えいたします。
大学院大学の設置に向けては、世界じゅうから集まる研究者やその家族が安心して快適に暮らせる環境づくりが重要であり、大学周辺における社会・生活インフラの整備が必要であると考えております。
現在、これまで実施してきた「沖縄科学技術研究都市形成に関する調査」を踏まえ、商業や文化・交流等の機能を有したまちづくり、交通基盤や高速・大容量の通信網の整備、教育や医療機能等の整備方針を盛り込んだ基本計画を策定中であります。
特に、大学院大学のメーンアクセスと直結する門前町や交通ターミナル施設については先導プロジェクトとして位置づけ、事業の具体化に向け検討を行っております。
同じく大学院大学関連で、県内優良設備業者の積極的活用と分離発注についてお答えいたします。
県内における建設工事につきましては、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき、県内企業への優先発注に努めることが重要であると考えております。
大学院大学関連工事につきましても、沖縄科学技術研究基盤整備機構に対し、県内業者の優先発注について要請を行ってきたところであります。
県としましては、今後とも工事の内容や条件等を勘案し、可能な限り分離発注を行うなど、県内業者の積極的な活用について国及び整備機構等へ要請していきたいと考えております。
次に、道州制についての御質問で、道州制についての国と地方との協議の進展状況についてお答えいたします。
道州制については、安倍内閣において道州制担当大臣が置かれ、国民的議論の前提となる「道州制ビジョン」策定に向けて検討が始められたところであります。
道州制についての国と地方の協議は行われておりませんが、全国知事会においては去る1月に「道州制に関する基本的考え方」を取りまとめたところであり、その中で国と地方が一体となった検討機関の設置が必要としております。
同じく道州制の御質問で、県の内部検討会の拡大や自立経済の検討について一括してお答えいたします。
道州制は国の形の根本にかかわるものであり、国と地方の双方を再構築し、真の分権型社会を実現するためのものであって、国の行財政改革や財政再建の手段であってはならないと考えております。
現在、庁内の部長級研究会では道州制導入に関する本県の基本的な考え方や本県独自の課題について整理を行っているところであります。
今後は、本県独自の課題について有識者の意見も取り入れながら検討を深めるとともに、国等の動向についても注視し、適切に対応していきたいと考えております。
同じく道州制についての御質問で、出先機関等の権限の県への移譲についてお答えいたします。
第28次地方制度調査会の答申では、「国が実施している事務は、国が本来果たすべき役割に係るものを除き、できる限り道州に移譲することとする。」との基本的な考え方が示されております。
しかしながら、その具体的な姿は示されておらず、国の地方支分部局のあり方を含め、国と地方の役割分担の具体的なあり方については、今後の道州制議論の中で検討されていくものと考えております。
同じく道州制についての御質問で、道州制に関する県の情報開示についてお答えいたします。
道州制に関する情報を県民に提供していくことは大変重要であると考えております。そのため、道州制に関する講演会の開催を通じて県民に対する意識啓発を図るとともに、ホームページを開設して県の取り組みなどを公開しております。
今後とも、さらなる情報提供に努めてまいります。
以上であります。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、沖縄観光の振興についての中の、過去3年間の国際会議等の開催件数についての御質問にお答えをいたします。
沖縄コンベンションセンター及び万国津梁館で開催された会議件数は、平成15年度が687件、うち国内会議664件、国際会議23件、平成16年度が649件、うち国内会議614件、国際会議35件、平成17年度が691件、うち国内会議660件、国際会議31件となっております。
なお、平成18年度の開催見込み件数は685件、うち国内会議657件、国際会議28件となっております。
次に、国際会議誘致の基本的な考え方についてお答えをいたします。
沖縄県は、質の高い観光・リゾート地の形成を図るため、付加価値の向上に資する国際会議等の開催を推進し、コンベンション・アイランド沖縄の形成に取り組むこととしております。
このため、「沖縄県国際会議等の誘致・受入・支援に関する基本方針」に基づき、誘致については各省庁連絡会議、国際観光振興機構、日本学術会議等との連携のもとに、また受け入れについては国際会議等関係者連絡会議、現地連絡会議等との連携・協力のもとに取り組んでおります。
重点的に誘致する会議としては、国の関与する国際会議、経済波及効果の大きい民間企業のインセンティブツアー、医科学系会議、沖縄の特性・優位性を生かし、宣伝効果の大きい健康・島嶼・環境等の学術会議等としております。
なお、国際会議等の沖縄開催へのインセンティブを高めるため、沖縄コンベンションセンター及び万国津梁館の施設利用料の減額、芸能アトラクションの提供、キーパーソン招聘、各種情報提供等の支援を行っております。
次に、国際会議場への交通アクセスについての御質問にお答えをいたします。
那覇空港から万国津梁館及び沖縄コンベンションセンターへの交通アクセスには、道路の整備と公共交通機関の整備が必要であると考えております。
道路の整備については、現在、沖縄自動車道が豊見城インターチェンジまで延長されており、平成19年度までには豊見城市名嘉地交差点まで豊見城東道路が供用され、その後空港まで連結される予定であり、空港から両施設までのアクセスの改善が図られるものと考えております。
また、現在、沖縄西海岸道路を整備中であり、空港から両施設までのアクセスの改善が図られるものと考えております。
公共交通機関の整備については、那覇空港から万国津梁館近辺までは1日36便の路線バスと1日6便の空港リムジンバスが運行しております。同じく沖縄コンベンションセンター近辺までは、1日70便の路線バスと1日3便の空港リムジンバスが運行しております。今後、利用状況を勘案しつつ、なお一層の利便性向上に努めてまいります。
次に、国におけるカジノの法制化の動きと他県の状況についてお答えをいたします。
カジノ法制化の動きといたしましては、昨年2月に自民党観光特別委員会の中に「カジノ・エンターテイメント検討小委員会」が設置されました。その小委員会では、有識者へのヒアリングや関係省庁との意見交換などを経て、昨年6月に「我が国におけるカジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針」が策定されました。今後、当該基本方針をもとに、議員立法での法制化を目指す考えであると聞いております。
また、他県の状況としましては、東京、神奈川、静岡、大阪、和歌山、宮崎の6都府県が「地方自治体カジノ協議会」を設置し、カジノ実現のための法制度などについて検討・提案を行うなどの取り組みを行っております。
次に、カジノ導入についての県の取り組みについてお答えをいたします。
県におきましては、平成19年度にカジノを含むエンターテインメントの導入について議論する、仮称でありますが、「カジノ・エンターテイメント検討委員会」を設置する考えであります。
同検討委員会は、各種団体や有識者等で構成し、海外の状況などを踏まえ、導入する場合の課題、対応策等について調査検討を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 待機児童解消における市町村との連携及び指導・支援策についてお答えします。
市町村においては、待機児童解消対策等のための保育計画を盛り込んだ次世代育成支援計画を策定しており、県では、技術的助言等を通じて計画策定を支援してきたところであります。
特に、50人以上の待機児童を抱える市町村においては、保育計画の策定が義務づけられており、具体的な数値目標を掲げて待機児童の解消に取り組んでいるところであります。
これらの市町村に対しましては、待機児童解消に向けた取り組みの進捗状況を定期的に確認し、助言等を行っております。
県としましては、引き続き保育の実施主体である市町村と連携し、保育所の創設、分園設置、定員の弾力化、認可外保育施設の認可化等を促進し、待機児童の解消に向けて取り組んでまいります。
次に、潜在的待機児童の実態と対策についてお答えします。
潜在的待機児童については、市町村への保育所入所申し込みがなされていないことからその把握は難しく、実数を明確に算定することはできません。
平成17年3月に策定した「おきなわ子ども・子育て応援プラン」では、平成22年4月までに保育所定員数を3万950人に整備することを目標としており、この定員数は各市町村が潜在的待機児童も視野に入れて策定した「次世代育成支援行動計画」をもとに設定したものとなっております。
県としましては、引き続き保育の実施主体である市町村と連携し、待機児童の解消など「おきなわ子ども・子育て応援プラン」の着実な目標達成に向けて取り組んでまいります。
次に、待機児童解消における市町村の財政問題解決に向けた県の方策についてお答えします。
県では、保育所の創設や分園の設置等に関し、市町村との連絡調整を適宜行っており、待機児童解消の促進を図っております。
財政的な支援としては、認可外保育施設の認可化促進を図るための施設整備や保育士派遣に係る経費を助成しております。そのほか、認可化促進などを図るため、空きスペース等を活用して既存施設を整備する子育て家庭の就労支援モデル事業を実施しております。
次に、認可外保育施設の認可促進と入所児童の処遇向上についてお答えします。
認可外保育施設につきましては、施設整備や保育士派遣等に係る経費の助成事業により、認可化を促進してきたところであります。
また、入所児童の処遇向上につきましては、新すこやか保育事業により、児童の健康診断費、牛乳代、調理員の検便費に対する助成を行ってまいりました。このうち牛乳代につきましては、これまでのひと月10日分の助成を20日分に拡充したいと考え、平成19年度予算案に所要額を計上しております。
県としては、引き続き認可外保育施設の認可化を促進するとともに、新すこやか保育事業の拡充や認可外保育施設職員への各種研修会の実施により、入所児童の処遇向上を図ってまいりたいと考えております。
次に、認定こども園制度の目的と全国での条例制定状況についてお答えします。
就学前の子供に対する教育・保育は、これまで保護者が働いていれば保育所、働いていなければ幼稚園を選択するなど、保護者の就労状況で利用施設が限定されておりました。また、地域の子育て力の低下等により、家庭で子供を育てている保護者への支援が不足していることが指摘されておりました。
認定こども園は、保護者の就労の有無にかかわりなく利用することができ、幼稚園、保育所の双方の機能と保護者への子育て支援を総合的に提供することが制度の趣旨となっております。この制度によって、現在の保育所や幼稚園を認定こども園へ移行させるということではなく、設置者の申請により基準を満たした場合に認定されるものであります。
全国での条例制定状況については、本県と熊本県を除く45都道府県で制定をされております。
次に、認定こども園に認定された場合のメリットと公的支援制度についてお答えします。
認定こども園制度は、利用者にとっては就労を中断・再開しても子供が施設を変わることなく一貫した教育・保育が受けられるというメリットがあります。
一方、施設設置者にとっては、10人以上の定員があれば保育所の認可を受けられるという特例があることから、特に本県における僻地等においては、小規模の保育所であっても認定こども園として運営することができることや、子供の育ちに大切な集団活動等の場が確保されるという効果が期待できます。
また、認定こども園の認定そのものに係る助成制度はありませんが、保育所、幼稚園が母体となって認定こども園の認定を受けた場合は、これまでどおり施設整備費や運営費について国等から助成されることになります。
なお、幼保連携型の場合、学校法人が運営する場合でも保育所の施設整備費が助成されることや、社会福祉法人が運営する場合でも、幼稚園の運営費及び施設整備費が助成されるといった特例措置も設けられております。
次に、本県の介護保険施設の整備状況と介護給付費及び介護保険財政の状況についてお答えします。
本県の介護保険施設の整備状況は、介護老人福祉施設が全国で7位、介護老人保健施設が全国で3位、介護療養型医療施設が全国で22位、3施設合わせると全国で5位の整備率となっております。また、受給者1人当たりの給付費も全国5位となっています。
保険者の財政状況は、平成12年度から14年度の第1期介護保険事業期間では、多くの保険者で給付が見込みを上回ったため、介護保険財政安定化基金から約53億8400万円の借り入れが発生しましたが、平成15年度から17年度の第2期介護保険事業期間では、給付が適正に見込まれたため、借入額は約9500万円となっています。
本県の第1号被保険者の保険料の平均は4875円で、全国で一番高くなっていますが、保険料が高くなる原因としては、給付費が高いことや第1期の財政安定化基金からの借入金の返済が大きいことなどがあります。
次に、要介護度が低い高齢者の介護利用や通所介護・通所リハビリテーションの利用が多いことに対する県の対策についてお答えします。
本県では、居宅サービスの中でも通所系のサービスの利用が多いのが特徴です。要介護度の低い要支援や要介護1の方の利用割合は、通所介護・通所リハビリテーションとも全国的に見て高い利用状況にあります。
県では、要介護度の低い方についても適切なサービスが提供されるよう市町村でケアプランの点検や指導に積極的に取り組むよう働きかけています。今後は、健康づくりや介護予防の事業を積極的に実施し、できるだけ介護が必要な状態にならないようにすることが重要であり、県も市町村と連携して取り組んでいきたいと考えています。
次に、訪問看護ステーションの事業所の休・廃業の原因と今後の対策についてお答えします。
訪問看護ステーションのサービス提供事業所数は、平成12年度41件から平成18年度は49件で増加してきており、サービス基盤は整備されてきております。
平成18年度は休・廃止3件となっておりますが、新たな指定は4件で、サービス提供事業所数は1件の増となっております。
休・廃止の主な理由は、看護サービスの提供に当たり、高い質が求められることや夜間の対応等業務の困難性等から人員の確保が厳しいということを聞いております。今後も医療制度改革における療養病床の再編等により、在宅医療支援としての訪問看護ステーションの役割がより重要となることが予想されることから、医療機関及び介護サービス事業者等との連携を強化するなど、基盤の整備を促進してまいります。
次に、小規模離島町村における介護基盤の充実と介護保険事業の安定的な運営のための取り組みについてお答えします。
県では、平成17年度から離島・地域密着型サービス確保対策事業を実施して、離島町村における介護サービスの確保に向けた取り組みなどを支援しています。現在、座間味村と南大東村で通所介護を中心に訪問介護とショートステイを組み合わせ、地域の多様なニーズに対応する小規模多機能型居宅介護のサービスの実施に向けた取り組みを支援しています。また、離島へのサービス事業者の渡航費等について補助を行い、負担の軽減を図っているところです。
また、本島周辺の離島町村は、平成15年度から沖縄県介護保険広域連合で介護保険事業を実施し、事業の安定的な運営を図っております。
次に、地域包括支援センターの現状についてお答えします。
地域包括支援センターは、市町村または市町村から受託した法人が設置することとなっており、現在、県内の41市町村のうち40市町村にセンターが設置されております。1町においては20年度末を目途に設置が検討されています。
センターには原則として社会福祉士、保健師等、主任介護支援専門員の3職種を配置することとされていますが、離島や小規模の町村では保健師や社会福祉士などの専門職の確保が困難なところもあります。
また、センターは地域支援事業以外に予防給付のケアプラン作成も担うこととなっていることから業務が多忙となり、介護予防事業などが十分に実施できない状況もあります。
県では、センターの業務が円滑に実施され、介護予防や高齢者の総合相談などが適切に実施されるよう各福祉保健所の圏域で連絡会を開催し、必要な情報を提供するとともに、センター間の情報交換や交流を促進しています。
次に、2025年以降の介護給付費についてお答えします。
一般的に75歳以上の後期高齢者になると介護を必要とする割合がふえると言われています。このため、いわゆる団塊の世代の県民が後期高齢者となる平成37年以降には介護給付費がふえるものと見込まれますが、介護予防事業の実施による要介護者数の変化や介護給付費の単価の改定など、不確定な要素が多いため具体的な影響の試算は行っていません。
平成19年度には、療養病床再編の円滑な実施などを目指して「地域ケア整備構想」を策定することとしており、同構想において、平成47年までの高齢者数や要介護者数の推移などを検討する予定です。
今後、同構想をもとに介護保険事業計画や医療計画を策定し、サービスのあり方や介護給付の適正化に向けた施策等を検討することとしております。
次に、県内の人口当たり医師数についてお答えします。
県内の医療施設に従事する医師数は年々増加傾向にあり、人口当たり医師数は全国平均に近づいてきております。
しかしながら、全国的に都市部に医師が集中する等地域偏在が課題となっており、本県においても南部圏域に医師が集中するなど、全国同様の課題があります。
また、診療科ごとには、離島等において産婦人科や脳外科等の専門医の不足が見られ、県全体としてもこれら診療科医師の確保に課題があります。
県としては、琉球大学医学部卒業生の県内定着率が高いことや全国から多くの研修医が集まっている状況を踏まえ、不足する診療科の専門医の養成確保を推進するとともに、県内全体の医師数をふやしていくことが必要と考えております。
次に、助産師の活動状況と今後の育成計画についてお答えします。
県内における就業助産師は平成16年度で316人ですが、そのうち病院勤務者は242人、診療所勤務は35人、助産所で4人等となっており、産科、周産期医療等に従事しております。
県内における助産師の養成については、現在、琉球大学と県立看護大学で養成しておりますが、平成17年度に実施しました助産師需給見通しにおいて、平成22年まで毎年約100人の不足が見込まれています。
このような助産師不足の現状を踏まえ、県では平成18年度から県立看護大学において養成人数を5人から10人に増加し、対応しております。
また、現在業務に従事していない助産師に対し、診療所等への就労促進を図るため今年度から助産技術研修を実施しております。しかしながら、産婦人科医師の不足などに伴い、助産師の必要性は今後ますます高まることが見込まれます。
県としましては、今後とも県立看護大学の充実強化を図る中で、将来にわたって安定的な助産師の養成確保に努めてまいります。
次に、児童虐待の要因と本県の特徴についてお答えします。
児童虐待は、一般的には育児に対する認識の低さ、家庭の養育力の低下、地域社会の子育て機能の低下など、複合的な要因が重なって発生すると考えられております。
平成17年度で見ると、本県の児童虐待処理件数の内訳は、身体的虐待が一番多く166件、次いで養育拒否等のネグレクトが157件、心理的虐待が111件、性的虐待が17件となっております。
特徴としては、身体的虐待の割合が全国平均45.2%に対し、本県は36.8%と低くなっており、心理的虐待の割合が全国13.3%に対し、本県は24.6%と高くなっております。
また、主たる虐待者は、実母が全国平均62.5%に対し、本県は46.6%と低くなっており、実父が全国平均20.9%に対し、本県は39.2%と高くなっております。
次に、児童虐待防止のための市町村の取り組みについてお答えします。
平成16年度の児童福祉法の改正により、平成17年4月から市町村に児童相談業務が義務づけられたところであり、全市町村において児童相談窓口が設けられております。
また、虐待を受けた児童などの適切な保護を図るため、23市町村において「要保護児童対策地域協議会」等が設置されております。
市町村においては、住民等からの通告や相談を受け、比較的軽微なケースを中心に対応しておりますが、児童虐待防止に対する取り組みには地域差があります。
このため、県では、「市町村児童相談業務担当者研修会」の実施や、具体的なケース検討会議における助言等を行うとともに、今後とも「要保護児童対策地域協議会」等の設置・支援に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、児童虐待防止支援チームの性格と活動状況についてお答えします。
児童虐待防止支援チームは、地域における児童虐待防止ネットワークの構築等を行うため、平成14年度に中央児童相談所に設置しております。その後、平成17年4月から児童家庭相談の窓口として新たに市町村が追加されたことに伴い、市町村の児童相談体制の整備が求められたことから、平成17年度から従来の2名から4名へ体制を強化するとともに、コザ児童相談所にも同様なチームを設置したところであります。
同チームは、市町村の「要保護児童対策地域協議会」等の設置促進に取り組み、同協議会等については、平成16年度の10カ所から平成19年1月末には23カ所まで増加しております。
また、「市町村児童相談業務担当者研修会」の実施や、具体的なケース検討会議における助言等を行い、市町村の相談体制整備の支援に取り組んできたところであります。
さらに、所内の児童虐待事例への助言指導等を行うとともに、市町村、関係機関・団体への児童虐待防止に関する広報啓発等に取り組んでおります。
次に、児童虐待防止対策に関する協定書締結による県と県警との連携についてお答えします。
児童相談所と警察は、児童虐待に関してこれまでも立入調査の同行など連携して対応してきたところであります。しかし、全国的には依然として児童虐待による不幸な事件が発生していることから、去る1月16日に福祉保健部と警察本部は「児童虐待防止対策等に関する協定」を締結したところであります。
今回の協定締結により、児童虐待に関する相互の連絡体制を確立し、情報の共有化を図り、児童虐待事案に対して迅速かつ的確に対応することにより、さらに児童の安全が確保されるものと考えております。
また、児童虐待に関する具体的な情報交換や課題を協議するため、関係機関で構成する「児童虐待防止対策等連絡会議」を設置することとしており、さらに連携が図られ、児童虐待防止対策等が推進されるものと考えております。
次に、県警関係についてで、DV相談支援センターを3カ所増設した効果についてお答えいたします。
平成18年4月に北部、宮古及び八重山の3福祉保健所に設置したDV相談支援センターは、DV相談・被害者支援等に組織的に対応するとともに、地域において連絡会議を開催するなど、関係機関との連携強化が図られております。
また、接近禁止命令や退去命令を内容とする保護命令制度に関しては、これまで女性相談所が行っていた裁判所への書面提出を各福祉保健所が行うことができることとなり、DV被害者保護に迅速に対応できるようになっております。
なお、各福祉保健所圏域の相談件数は、平成18年12月末現在、北部圏域87件、うちDV相談37件、宮古圏域150件、うちDV相談100件、八重山圏域63件、うちDV相談33件と、平成17年度に比べ増加傾向にあるなど、地域住民の身近な場所にDV相談支援センターを設置した効果があらわれてきているものと考えております。
以上でございます。
○病院事業局長(知念 清) 県立病院の医師不足に対する国の特別措置についての御質問にお答えいたします。
多くの離島を抱える本県においては、これらの地域における医師確保は極めて重要な問題であると認識しております。
病院事業局では平成19年度の新規事業として、内閣府の補助を受けて専門医派遣事業の実施を予定しております。
当該事業は、産婦人科等の医師の不足している診療科について、県外の医療機関等から専門医の派遣を受けることにより、宮古、八重山などの離島・僻地における住民の医療を確保することを目的として実施するものであります。
病院事業局としては、当該事業の着実な実施に努めるとともに、福祉保健部とも連携し、医師確保の取り組みを進めることにより、産婦人科等の医師確保を図っていきたいと考えております。
続きまして、女性医師の確保策についての御質問についてお答えします。
県立病院においては、平成19年2月1日現在、女性医師の割合は12%となっておりますが、今後、若い世代を中心に増加していく見込みであり、女性医師が働きやすい環境を整備することは県立病院としても重要な課題であると認識しております。
今後は女性医師の結婚や出産といった事情も考慮し、育児休業の行使、シフト制の導入、当直免除等のいろいろな制度を整備するなど、女性医師にとって働きやすい環境を設定することにより医師確保につなげ、より充実した医療体制の構築に努めていきたいと考えております。
以上です。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは高病原性鳥インフルエンザ対策についてお答えいたします。
県では、宮崎県及び岡山県での高病原性鳥インフルエンザの発生に伴い、すべての養鶏農場に緊急立入検査等を実施し、異常がないことを確認しております。
現在、養鶏農場等に対して、1、異常な鶏の早期発見・早期通報の徹底、2、1000羽以上の飼養農場における週1回の報告実施、3、モニタリング検査の実施、4、防鳥ネットの設置による野鳥等の侵入防止対策の徹底、5、鶏舎周辺等への消石灰による一斉消毒などの防疫対策を実施しているところであります。
また、本病が発生した場合に迅速に対応できるよう養鶏農家、養鶏関係団体、廃棄物処理団体、市町村及び県関係者等約280名を参集した防疫演習を去る2月8日に実施したところであります。
今後とも、関係機関が連携して県内の防疫体制の強化に努めてまいります。
続きまして、鳥インフルエンザの情報把握と提供についてお答えします。
鳥インフルエンザについては、迅速かつ正確な実態の把握が重要であることから、国や関係都道府県からの情報を幅広く収集しているところであります。
県民への情報提供については、国内での発生状況、県内での防疫体制や侵入防止対策等についての最新情報をホームページに掲載するとともに、農家向けのパンフレット等を配布し、鳥インフルエンザに関する正確な知識の県民への周知徹底を図っております。さらに、北部、中央、宮古、八重山の各地区の家畜保健衛生所を窓口として農家や消費者等県民からの連絡、相談に応じております。
続きまして、鶏肉や鶏卵の安全性についてお答えいたします。
鶏肉や鶏卵等の流通については、食鳥検査法及び食品衛生法に基づき、厳しい基準に合格したものだけが出荷されており、安全性が確保されております。
今回、国及び県においては鳥インフルエンザが発生したことから、本病に関する正しい知識の普及等について関係事業者団体に対して協力依頼を行うとともに、小売店舗における不適切な表示について調査・是正を指導しているところであります。
県としては、今後とも鶏肉や鶏卵の安全性についてホームページへの掲載、ポスターの配布、説明会の開催などにより、消費者に対しての正確な情報の提供に努めてまいります。
以上でございます。
○警察本部長(大平 修) 那覇市松山地区の風俗環境浄化対策について一括してお答えします。
県下最大の歓楽街である那覇市松山地区においては、県内全域で禁止されているファッションヘルス等の店舗型性風俗特殊営業やキャッチと呼ばれる接待飲食店従業員等による執拗な客引き行為、また客待ちタクシー等の違法駐車等が常態化するとともに、暴力団が資金源獲得を目指し、風俗営業者に対し違法な金員要求を行うなど、清浄な風俗環境が維持されているとはいえず、この状況が続けば県民の治安に対する不安感はもとより、沖縄観光のイメージダウンにもなりかねない状況が認められるところであります。
そのため、県警察では、清浄な風俗環境の保持及び県民の平穏な生活を確保するため、平成16年12月から那覇市松山地区における風俗環境浄化総合対策を推進しており、これまで警察官多数を投入し、集中的な取り締まりを実施しているところであります。
その結果、昨年末現在、風営適正化法違反77件、うち客引き39件、売春防止法違反4件、道路交通法違反4306件等を検挙するとともに、カフェ営業など接待飲食店営業所等に対する営業許可の取り消し処分や営業停止処分などの行政処分もあわせて75件行ったところであります。
また、松山地区の環境浄化を推進するため、地域住民が関係機関・団体等と連携して立ち上がり、これまで松山歓楽街環境浄化総決起大会や松山地区テナントビルオーナー会議を開催するとともに、警察、消防、那覇市合同によるテナントビルの査察を行うなど、環境浄化対策を強化してきたところであります。
なお、来る2月22日にも松山地区の地域住民等が主体となった第3回松山歓楽街環境浄化総決起大会が開催される予定と聞いております。
現在、松山地区の風俗環境悪化の大きな要因となっている悪質な客引き等については、風営適正化法や迷惑防止条例を適用した取り締まりを実施しておりますが、これら現行法令では必ずしも効果的な取り締まりができないのが現状であり、今後、迷惑防止条例の一部改正についても検討を進めるとともに、自治会、観光協会、社交業組合及びタクシー協会等と連携して、悪質な客引き及び違法営業所の取り締まり等を徹底し、松山地区の清浄な風俗環境の保持に努めてまいる所存であります。
次に、DV・ストーカー事案対策官等の配置状況とその役割についてお答えします。
配偶者暴力(DV)事案は、当事者が密接な関係にあることから閉鎖的な密室の中で行われることが多く、またストーカー事案は、交際を断られたことなどを原因とする怨恨感情などによって敢行されるため、行為が次第にエスカレートし、凶悪犯罪に発展する場合も少なくなく、犯罪の形態も多様化してきている状況にあります。
そこで、県警察ではDV・ストーカー事案に迅速かつ専門的に対応するため、警察本部及び各警察署に対策官等を指定し、組織的に対応することといたしました。
対策官等の配置と任務についてでありますが、警察本部のDV・ストーカー担当補佐を対策班長に、係長以下の担当警察官を対策員に、県内14警察署の生活安全課長を対策官に、係長以下の担当警察官を対策員に、合計64名を指定したところであります。
また、DV・ストーカー事案の被害者はほとんどが女性であることから、相談者の心情に十分配慮した対応ができるよう対策官等のうち19名は女性警察官を指定し、全警察署に配置しております。
対策官等の役割は、DV・ストーカー事案を認知した場合、警察本部と各警察署が連携し、被害の未然防止及び被害者保護の徹底を図るため、事案の実態把握、情報の共有化と関係各課との連携、積極的な事件化、警告の実施、防犯指導の徹底などに努め、事案に応じた迅速・的確な措置を講ずるものであります。
次に、放置駐車違反取り締まり事務の民間委託のねらいと効果についてお答えします。
違法駐車については、都市部を中心に常態化し、交通事故や交通渋滞の原因となるなど市民生活に著しい弊害をもたらし、取り締まりの要望も強いものがありながら、大量の駐車違反に見合うだけの警察力を取り締まりに振り向けることができず、駐車違反を抑止できていないという課題がありました。
国ではこうした大量の違反状態を是正し、良好な駐車秩序を回復するため道路交通法を改正し、その一つとして放置駐車車両についてその確認と標章の取りつけを民間に委託できるようにしたものであります。
次に、その効果でありますが、その1つは検挙件数が増加したことであります。
昨年の民間委託を導入した6月以降の駐車違反の検挙件数は1万6943件で、前年同時期に比べ5191件、44.2%増加しました。そのうち、駐車監視員による検挙件数は2766件で増加分の53%を占めております。
その2つは、一定区間の路上駐車台数が減少し、さらに通過所要時間も短縮したことであります。
昨年10月までに8回調査した結果では、駐車台数が国際通りで63%、沖縄市の国道330号で89%減少し、区間の通過所要時間も国際通りで約3分、沖縄市の国道330号で約1分30秒短縮しております。
次に、駐車監視員の選任方法とその身分についてお答えします。
駐車監視員になるには、県公安委員会から駐車監視員資格者証の交付を受けた者が、放置駐車確認事務の委託を受けた業者から選任・雇用される形態になっております。ちなみに、本年1月現在で駐車監視員資格者証取得者は103名で、委託業者に選任・雇用されている者は13名です。
次に身分でありますが、駐車監視員はみなし公務員とされ、刑法その他法令の罰則の適用に関しては公務に従事する職員とみなされます。
次に、駐車監視員の取り締まり時間と重点取り締まり地域についてお答えします。
民間委託を実施している那覇警察署と沖縄警察署においては、駐車監視員が業務に従事する重点路線や重点地域、時間帯などを定めた「駐車監視員活動ガイドライン」を策定しております。その中で、取り締まりの時間としては、両警察署とも午前8時から午後10時の間と定めております。
また、重点取り締まり路線、地域としては、那覇警察署管内においては国際通り、国道58号、開南大通り等6路線と、この路線に囲まれたパレットくもじ周辺地域、牧志公設市場周辺地域、牧志公園周辺地域等4カ所を定めております。
沖縄警察署管内においては、国道330号の山里交差点からコザ交差点までの間と、県道20号線の胡屋交差点から室川入り口交差点までの2路線と、この重点路線に隣接する中の町社交街周辺地域、パークアベニュー周辺地域等4カ所を定めております。
次に、配送業者への対応についてお答えします。
今回の新たな駐車対策法制の施行に当たっては、物流関係者への影響が予想されたことから、物流関係者に対する配慮として、那覇市内と沖縄市内の重点路線の一部区間の36カ所において、貨物集配中の貨物車を駐車規制の対象から除く緩和措置を実施しました。
今後も交通事情や関係者の意見・要望を踏まえながら、駐車規制の見直しを検討してまいりたいと考えております。
また、駐車禁止の規制の対象から除く車両については、沖縄県道路交通法施行細則に列挙されているものと警察署長許可によるものがあります。施行細則で列挙されているものでは、公益性の高いパトカー、救急車などの緊急自動車やごみ収集車など手続が必要でないものと、あらかじめ申請し、禁止除外車標章を掲示する必要があるものがあります。
警察署長許可によるものとしては、訪問介護やデイサービス等に使用する車両など、公益上または社会慣習上やむを得ない事情のある場合に、申請に基づき審査の上、警察署長の許可で駐車禁止の一時解除を行っているものがあります。
次に、駐車監視員と違反者とのトラブルの発生についてでありますが、現在までトラブルの報告は受けておりません。
以上です。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) DV被害相談、その概要と特徴についてお答えいたします。
平成17年度のDV被害相談件数は、配偶者暴力相談支援センターでは827件、警察では282件、合計で1109件であり、前年度の928件より181件の増となっております。
相談の99.6%は女性からで、年代別に見ると30代からの相談が最も多く4割となっております。30代と20代を合わせると約6割となっております。
相談件数は年々増加傾向にありますが、DV防止法が徐々に浸透し、相談しやすい環境になってきたことも一因ではないかと考えられます。
次に、DV被害対策への協力体制とDV防止の施策について一括してお答えいたします。
DVは、犯罪となる行為を含む重大な人権侵害です。DVの被害者は多くの場合女性であり、だれもが個人として尊重され、生き生きと生活できる社会を築くためにDVは根絶すべき課題です。
県では平成18年3月に、「配偶者等からの暴力の防止及び被害者支援基本計画」を策定しました。行政だけでなく、関係機関や民間団体等が連携して配偶者等からの暴力を許さない社会づくりを目指して人権教育・啓発活動の推進、被害者の保護支援体制の整備等に取り組んでおります。
そのため、県の関係部局、教育庁、県警、市町村、法務局、民生・児童委員協議会、民間団体等27機関で構成する「沖縄県配偶者等からの暴力対策連絡会議」を設置し、去る1月29日に第1回会議を開催しました。
DV防止及び被害者の保護・支援の効果的な実施を図るために相互に情報を交換し、連携を強化してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(仲里利信) 20分間休憩いたします。
午後3時15分休憩
午後3時37分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
休憩前に続き代表質問を行います。
照屋守之君。
〔照屋守之君登壇〕
○照屋 守之 自由民主党を代表して質問を行います。
仲井眞知事の公約でございます女性副知事の登用につきましては、安里カツ子副知事就任で三役体制が整い、県政運営、さらには公約の実現により一層頑張っていただきたいと思います。
私ども自由民主党県議団も、県民のために仲井眞県政とともに県経済の振興発展、雇用の拡大や基地問題の解決に頑張ることを表明するものでございます。
それでは質問に入ります。
1、平成19年度予算と国庫補助事業について。
平成19年度予算は、仲井眞知事が誕生して初めて編成されるものであり、選挙戦で掲げた公約の実現に向け、今後4カ年間の仲井眞カラーをいかに打ち出すかを占う重要な予算でございます。
本県の予算は、三位一体改革による公共事業予算や地方交付税の削減等により年々厳しさを増してきており、予算も3年連続で6000億円を割り込んでいる現状にございます。
さらに、団塊世代の大量退職が2007年から始まることから、退職金の増大など人件費が膨らむことが予想され、県財政の状況はここ当分よくなる兆しは見られないのが現状でございます。このため、限られた財政の中で行財政改革を徹底し、事業の選択と集中を促進するなど、効率的な行政運営を進めていくことが必要でございます。
仲井眞知事には、慣例や先例にとらわれず、「独立独歩の精神」と「主体性のある相互依存」という基本姿勢で、県政運営と公約実現に突き進んでいただきたいと願うものでございます。
そこで伺います。
(1)、平成19年度予算に仲井眞知事の公約実現に向けた施策はどのように反映されているでしょうか。
(2)、平成19年度は、沖縄振興計画後期のスタートの年度でございます。県の予算編成の基本方針と国庫補助事業内示の要求達成度についてお伺いいたします。
(3)、米軍再編に伴う大規模基地返還を見据えた基地跡地利用の促進を図る必要がございますけれども、平成19年度国庫支出金要請にはどのように反映されているでしょうか。
(4)、産婦人科医師や小児科医師不足の解消は、本県県政における最大の課題となっております。平成19年度予算において具体的に展開する施策を伺います。
2、沖縄振興計画の後期計画について。
(1)、沖縄振興計画5カ年間の総括と後期展望について。
仲井眞知事は、県経済の発展のため、「独立独歩の精神」と「主体性のある相互依存」という基本姿勢を掲げ、沖縄を発展させるためには、みずから考え、実行し、責任を負うという強固な気概が不可欠であり、沖縄の存在は国内外と協力・連携しながら成り立っているという認識を持つことが必要との趣旨を述べておられます。この仲井眞知事の基本姿勢をいかに本県経済の自立化を促進するための計画に取り組み、生かしていけるかが今後の課題と思われます。このため、沖縄振興計画の後期5カ年計画の目標の明確化と県経済の活性化を図るための効率的な施策の展開が重要になってくると考えます。
去る1月18日、仲井眞知事は、「沖縄振興計画後期に向けた基本的な考え方」を高市沖縄担当大臣に提出し、後期計画を加速して進めるよう要望しておりますけれども、政府においても後期計画を展望し、前期に実施された施策の成果を踏まえ、残された課題や問題点等の分析・検討に入っているようでございます。
本県の経済の活性化と自立のための施策展開には沖縄振興計画の効率的活用が重要でございますけれども、同時に復帰特別措置及び沖縄振興特別措置法に基づく県産酒類の酒税軽減措置等の延長と観光地域課税特別措置等の延長が必要不可欠でございます。
さらに、後期5年の課題として、雇用失業率の改善策や大規模基地返還跡地の利用計画の策定が重要になってくると思われます。
大規模返還基地は、本県の中心地に位置し、返還面積が最大規模であることから、本県全体の計画として県の目指す自立型経済の構築と連動させ、統一された整合性のある跡地利用計画を打ち出すことが重要でございます。この意味で、今回の大規模返還基地の跡地利用計画の策定は、本県経済の将来を左右するものになろうかと思うのでございます。
そこで伺います。
①、沖縄振興計画の柱は県経済の自立でございますけれども、この5カ年間で自立経済の構築に向けた基盤整備や基礎づくりの状況を伺います。
②、後期5カ年の計画に仲井眞知事の公約も組み込む必要があると考えますけれども、その際、振興計画の目標との整合性を図るなどの理念形成が重要と思われます。県の基本的な考え方を伺います。
③、沖縄振興計画の柱である自立経済の構築のため、具体的施策展開は観光を中心とした産業の創設・育成にあったと思われますけれども、観光客1000万人誘致のため10年後を展望した観光振興計画の見直しが必要になってくると考えます。後期5年計画の中でどのように位置づけしていくのか、御案内をお願いします。
④、復帰特別措置及び沖縄振興特別措置法に基づく県産酒類の酒税軽減措置等2税制措置の延長と、観光地域課税特別措置等11税制措置の延長等について、国の対応など現在の状況を御案内お願いいたします。
3、本県の産業と経済振興について。
(1)、県内企業の育成について。
本県産業の振興については、沖縄振興計画及び2次にわたる個別計画により、各種施策が展開され産業基盤整備が図られてまいりました。県においても、本県の地域特牲を生かした産業の創出や企業の立地促進を図りながら、産業の集積と競争力の強化に努めてきております。
しかしながら、本県産業は県内企業保護のもと、県外企業との競争の外に置かれたこともあり、企業規模が小さく、中小零細で経営基盤が脆弱であるというのが実態でございます。
近年は県経済の自立化の動きもあり、製造業など地域産業の振興を最優先に掲げ、オキナワ型産業の戦略的展開や研究開発、販路開拓支援等が強化され、一定の成果も上げているようでございます。本県経済の自立を目指すためにも、地域産業としての産業の活性化は重要であることから、県としての支援や育成策の効果的実施が必要であると考えます。
そこでお伺いいたします。
①、県は、製造業など地域産業の振興を最優先に掲げ、オキナワ型産業の戦略的展開や研究開発、販路開拓支援等を強化しておりますけれども、その実績と今後の展開をお伺いいたします。
②、オキナワ型産業の代表と言われる泡盛の県外出荷が落ち込んでいるとのことでございます。その原因と今後の戦略を伺います。
③、県は、将来の中核産業育成に向け、研究開発型ベンチャー企業の創出を目指すとしておりますけれども、観光、ITと並ぶような産業を育成するには、研究機関、人材育成等の基盤の整備が必要でございます。県の整備状況はいかがでしょうか。
④、県内企業の活用及び育成については、沖縄県中小企業振興条例を制定してより積極的に取り組み、経済や雇用拡大に努めるべきと考えるものでございます。条例制定への取り組みはいかがでしょうか。
(2)、企業立地の促進について。
本県における企業誘致政策は、特別自由貿易地域において、賃貸工場の整備、用地の賃貸方式の導入、物流コストの軽減など、企業の投資環境の改善に取り組むなど、立地企業が容易になるような受け入れ環境の整備を進めてきております。これにより、これまでにない高度な技術やビジネスモデルを有する企業の立地を見ているようでございますけれども、県の期待する立地には至っていないのが現状でございます。
第2次沖縄県産業振興計画で本県産業振興策の展開の方向が示されておりますけれども、その中で製造業等地域産業の振興を図ることの重要性を強調しております。製造業もその種別によって違いはございますけれども、総じて製造業は物づくりを通して新たな付加価値を生み出すほか、関連産業への波及効果も大きく、雇用機会の増大も期待できるのでございます。
自立経済を目指す本県にとって中核産業の創出は最大の課題であり、産業間相乗効果も大きく、多くの雇用を生み出す製造業に代表される大型産業の誘致及び立地促進は不可欠であります。
沖縄振興計画も後期5カ年となっており、前期計画の反省を踏まえて効果的・抜本的な新たな施策の展開を期待するものでございます。
そこでお伺いいたします。
①、企業誘致・立地対策の前期5カ年の総括と後期5カ年に向けての新たな基本方針について伺います。
②、自立型経済の構築を目指すためには、県外産業に対抗し得る競争力のある企業の誘致及び立地が必要であります。観光産業とIT企業以外の誘致目標企業はどのようなものがございますか。
③、企業立地は県の責任で推進されておりますけれども、当該市町村との連携・共同作業は大変重要であると考えるものでございます。市町村との連携等についてお伺いいたします。
④、研究開発型ベンチャー企業や健康食品産業の立地・育成には、公的な研究機関の支援を初め産学官が連携した研究開発体制の構築が重要となります。県全体としての体制はどのようになっているでしょうか。
4、雇用失業問題について。
本県の雇用状況については、県内の主要企業で新規採用をふやす動きが出てきており、特に情報通信、金融関係、大型スーパー等が業績の好調さにあわせて積極的な採用を予定しているようでございます。
沖縄労働局の発表によると、12月末現在の3月卒業予定の新規学卒者及び大学生の就職内定率は、昨年に比べ改善されたとしております。県が自立経済構築の中核産業として位置づけている情報通信産業の雇用者数も増加しており、県の地道な誘致活動の成果があらわれたものと評価するものであります。
一方において、県の発表によると、2006年平均の県内完全失業率は7.7%で、持ち直しているようでございますけれども、他県に比べ依然高水準の状況にあります。
このような中、沖縄の雇用情勢改善の方策を検討する県地域雇用戦略会議が開かれ、沖縄の雇用状況の課題として、非正規雇用中心の採用形態や雇用のミスマッチ等の現状分析が行われたようであります。
本県の恒常的な高失業率や雇用環境の改善を図るには、国、県、市町村、産業界等が横断的な連携を深め、抜本的な改善が必要であると考えます。
仲井眞知事は、全国並みに失業率を改善したいと強い意欲を示しており、大変心強い限りでございます。
そこで伺います。
(1)、本県の雇用問題について。
①、沖縄の雇用情勢改善方策を検討する県地域雇用戦略会議の本県の雇用失業問題に果たす役割と、会議を構成する各機関・団体等の雇用対策への取り組み状況について伺います。
②、県地域雇用戦略会議で検討された「おきなわ経済・雇用活性化戦略プラン」の概要と今後の雇用創出対策について伺います。
③、団塊の世代の大量定年がこれからの企業における技術者の継承問題に大きな影響を与えると言われておりますけれども、本県における状況はいかがでしょうか。
(2)、失業対策について。
①、本県における高失業率は慢性的・構造的と言われておりますけれども、その要因と抜本的な対策・方策があれば御説明願います。
②、第2次沖縄県職業安定計画において、雇用の安定、失業率の改善のため重点的に取り組む施策について伺います。
③、本県における完全失業率を全国並みにするため県の基本的な方策を伺います。
④、完全失業率を全国並みにするには、沖縄県職業安定計画の見直しや思い切った施策展開が必要となり、国の支援が欠かせないと考えますけれども、国との調整・協議について伺います。
5、米軍基地問題について。
(1)、日米地位協定の見直しについて。
日米地位協定の見直しについて、県はこれまで沖縄だけの問題に限定することなく、全国の問題であることをあらゆる機会をとらえて訴えてきました。その結果、23都道府県議会において地位協定見直しの意見書決議が行われ、全国知事会や渉外知事会においても見直しを求めて政府に対する要請行動を行うまでになっております。しかしながら、政府の逃げ腰体質は改善されず、運用改善による対応の姿勢を変えるまでには至っておりません。
この間にも本県における米軍基地に起因する事件・事故は依然として発生しているほか、基地を起因とする環境問題などに悩まされている状況に変わりはありません。
基地・米軍優先の現状を改善し、県民の基地負担を軽減するためには日米地位協定の運用の改善だけでは不十分であり、地位協定そのものの抜本的な見直しが必要であります。
このため、全国の14都道府県知事で構成する渉外知事会を初め、在日米軍再編問題で米軍の再配備や移転・受け入れを求められた神奈川県や山口県等と連携し、政府に対する圧力を一層強めていくなど、日米地位協定の見直しを求めていくための効果的戦略を構築すべきと考えます。
そこで伺います
①、県は、日米地位協定の見直しについて、国民世論を盛り上げ、他県との連携を強めながら政府に働きかけるとしておりますけれども、具体的な成果と今後の方策を伺います。
②、一昨年12月の渉外知事会の要望に対し、当時の額賀防衛長官は、政府として自治体の意見を聞く場を設けるよう防衛施設庁に指示したということですけれども、進展はいかがでしょうか。
③、米軍による事件・事故や訓練による県民被害が後を絶たない本県の現状にあって、仲井眞知事はどのような認識を持っておられるのでしょうか。
また、新知事として日米地位協定の見直しについて、日米両政府に要請すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
休憩願います。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
午後3時57分休憩
午後3時58分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
○照屋 守之 (2)、米軍の訓練及び事件・事故等について。
去る12月13日、読谷村の米軍トリイ通信施設沖合約200メートルの海上に米海兵隊CH53E大型輸送ヘリが、つり下げて輸送中の米軍車両を落下させる事故が発生しておりますことは既に御承知のとおりでございます。その場所は都屋漁協の沖合で漁船が頻繁に通る航路ということであります。
そして、1月5日には、米軍北部訓練場に隣接する福地ダムで米軍が訓練で使用する塗料(ペイント)弾約1500発が入った袋が未開封の状態で湖面に浮かんでいるのが発見されております。塗料弾はその後、沖縄総合事務局の水質調査で水中に沈んでいる3袋が発見されており、さらに新川ダムからも照明弾らしきものが発見されるなど、米軍の管理のずさんさや無神経さが露呈されております。
さらに、1月26日には県や地元嘉手納町の中止要請を無視して、嘉手納飛行場で8年ぶりにパラシュート降下訓練が強行されており、しかも米軍側は今回限りではないと発言するなど、今後も訓練を行う姿勢を示しております。
戦後60年、復帰後35年を迎えて、なおこのような県民感情を無視した訓練の強行や事件・事故が起きており、基地あるがゆえの負担から一向に解放されていないのが実態でございます。
県は、このような米軍による事件・事故や訓練に対し抗議と再発防止を求めておりますけれども、今後とも強い姿勢で日米両政府に対して対応していくことが必要であると考えます。
そこで伺います。
①、昨今の米軍が関係する事件・事故等は、米軍の綱紀の乱れや兵員に対する指導が徹底されていないことが原因と思われるものもございますけれども、県は、事件・事故等に関する復帰前と復帰後との違いや特徴等についてどのように分析をしておられますか。
②、本土の基地周辺においては米軍内の規律が徹底されていて、兵員の質も高いと言われておりますけれども、実態はどうでしょうか。
また、事件・事故等に違いは見られますか。
③、米軍北部訓練場に隣接する福地ダムや新川ダムから米軍のペイント弾が見つかった問題について、現場の状況と県及び米軍の対応を伺います。
④、嘉手納飛行場で8年ぶりにパラシュート降下訓練を強行したことについて、政府の対応を伺います。
⑤、米軍側は、今後も訓練があり得ることを明言し、政府も、例外的ケースの場合は今後も米側との協議に応ずるとしております。政府に対する県の姿勢が問われますけれども、御見解を賜ります。
6、中部地区の振興について。
中部地域の面積は279.65平方キロメートルございますけれども、嘉手納飛行場、普天聞飛行場を初め中部地域の25%が米軍施設提供用地で占められており、中部地域の振興発展に大変大きな支障を来しております。
この広大な基地は、地域振興のみならず、地域住民の生活の様式や文化面においても大きな影響を与え、世界30カ国余りの人々が生活するなど国際色豊かな地域であるとともに、異文化との融合により多彩な音楽、ファッション、グルメ等、個性的な文化を創出しております。また、中城城址、勝連城址、座喜味城址の世界遺産群や闘牛、エイサーなどの伝統芸能、文化資源に恵まれた地域でもございます。
国は、米軍再編により新たな基地負担を強いる市町村への振興策を講ずるための特別措置法を制定し、交付金を交付することとしておりますけれども、中部地域には基地を抱える市町村が多くあり、米軍再編が進行していく中で跡地利用や基地従業員の雇用問題が発生することが予想されることから、現に基地が存在する中部地域に対する地域活性化に資する振興策が求められているものと考えます。
そこで伺います。
(1)、中部合同庁舎建設に向けて。
①、長年の懸案であった中部合同庁舎建設が平成19年度で基本・実施設計が計上され、実現の見込みであり、中部地区の振興を図る上で高く評価するものであります。この事業の経過及び概要、これからの計画について伺います。
(2)、中城湾港泡瀬地区埋立事業について。
①、トカゲハゼの産卵時期のため一時中断していた海上工事も再開され、沖縄総合事務局と県は着々と工事を進めております。今後の工事推進に向けてのスケジュールを伺います。
②、中城湾港泡瀬地区埋立事業のおくれは、うるま市側の新港地区東埠頭の航路・泊地の整備やそれに伴う企業立地に大きな影響を与えると考えておりますけれども、御見解を賜ります。
③、東門沖縄市長は、専門家や市民代表等で構成する検討委員会の検討結果を受けて市としての結論を出すと述べておりますけれども、市長の出す結論によっては進行している工事が中断することもあり得るのでしょうか。
(3)、中部市町村会からの要望について。
中部市町村会は、平成19年1月11日の定例会において、「基地を抱える中部地域の振興策について」を可決し、1月30日に県知事要請、1月31日に内閣府沖縄担当大臣、防衛大臣に要請を行い、2月定例会において、中部振興策を具体化する「中部地域振興会議」を2007年度に設置することになっているようでございます。基地を抱える中部地域の振興策について県の見解を賜ります。
7、土木建築関係について。
(1)、新石垣空港建設について。
新石垣空港の建設については、平成24年度末の供用開始に向けて本格的な工事が開始されております。最大の問題は、共有地権者全員からの同意取りつけであり、平成19年度までの全用地取得という目標達成には困難が伴うものと思われます。
新石垣空港の建設は、1975年5月の基本計画策定から30年、八重山郡民の長年の夢であり、どのような困難や障害があっても実現しなければならないと考えるものでございます。今後、事業を進めるに当たって赤土流出対策や小型コウモリ類の希少種の保護等の自然環境保全対策に留意する必要があり、前途は必ずしも楽観できるものではございませんけれども、県は不退転の決意で取り組んでほしいと願うものでございます。
そこで伺います。
①、新石垣空港建設に向けて本格的な工事が始まっておりますけれども、進捗状況と今後の作業日程を伺います。
②、今後は用地取得が大きな課題となってきますけれども、現在の地主等との交渉状況、取得期限を伺います。
③、赤土流出対策や小型コウモリ類の希少種の保護等の自然環境保全対策について、状況と対策を伺います。
(2)、県内土木建築業の活性化について。
本県の土木建築業は、3次にわたる沖縄振興計画による各種施策が展開されたことから、本県における社会資本整備等を担うまでになり、県内総生産に占める割合が8.4%、全産業に占める就業者の割合は12.8%と、本県の基幹産業として地域経済の発展や雇用の下支えを果たすなど、本県経済振興に大きく貢献してまいりました。
しかしながら、昨今、国の三位一体改革による公共事業費の削減等が影響し、公共投資に依存度の高い本県建設業は深刻な打撃を受けており、倒産は全産業の半数以上を占め、加えて廃業やリストラも増加し、雇用の大きな受け皿としての機能も半減し、失業者を生み出すという深刻な状況に直面しております。
加えて、公正取引委員会による排除命令や課徴金納付命令、さらに県による損害賠償金請求等で県内土木建築業は今までにない危機的な状況に陥っており、このままでは倒産が相次ぎ、業界そのものの存続さえ危ぶまれている状況にございます。
幸い県においては、損害賠償金を課した各業者からの納付計画書の請求手続を一時中断するとしており、他県における同様事例等も参考にしながら適切な対応を願うものでございます。
本県経済は、いまだに自立するまでに至ってなく、建設業が県経済に占める位置は大きく、建設業の衰退の状況がそのまま続けば県経済の不安定化は避けられず、社会不安につながると思われます。
このため、現在回復基調にある県経済を維持するためにも、県内建設業の活性化を図るための保護・育成策の実施が必要であると考えます。
そこで伺います。
①、県内建設業界の現状及び支援について。
ア、景気回復基調で全国的に企業の倒産が鎮静化する中で、地方においては建設業の倒産が増加し、建設業が主要産業となっている地域に大きな打撃を与えておりますけれども、本県における倒産件数に占める建設業倒産構成比を伺います。
イ、国発注の公共工事の分離・分割発注による地元企業への受注機会を増大させ、県内土木建築業の活性化を図る必要があると考えますけれども、県の考えを伺います。
ウ、国の三位一体改革による公共事業費の削減もあり、建設投資額は確実に減少の傾向にございますけれども、逆に建設業者は増加していると言われており、建設業界の供給過剰解消など業界の活性化が求められております。県における具体的な取り組みを伺います。
エ、県は、2007年度を目標に「県建設産業ビジョン」を策定し、建設産業活性化に向け、行動計画のもとに具体的な事業を展開するとしております。その概要と行動目標を伺います。
②、県内公共事業交付金拡充について。
ア、政府は、米軍再編の関係自治体に対し交付金を拡充する新制度を活用し、県内の公共事業について国庫負担割合を最大95%まで拡大するなど、大幅に優遇する方針を固めたと言われております。制度の概要と対象となる事業の御説明をお願いします。
イ、県内建設業の活性化を図るため、公共事業の国庫負担割合の拡大について、県としても積極的に政府に対し実現を働きかけるべきと考えておりますけれども、御見解を賜ります。
③、道路特定財源転用問題について。
ア、国において、道路特定財源を一般財源化する動きがありますけれども、現在の議論はどの段階にございますか、お伺いいたします。
イ、公共交通機関が乏しい本県においては、車が生活の必需品であり、道路整備は安全・安心な県民生活を形成する上で根幹をなすものでございます。このため、現在の道路特定財源制度を堅持し、道路整備に必要な予算確保を図る必要があると考えます。県の対応を伺います。
8、那覇空港滑走路の沖合展開について。
那覇空港滑走路の沖合展開については、現在、那覇空港調査連絡調整会議を設置するなど、国、県による総合的な調査活動が行われております。
平成17年度及び平成18年度においては、那覇空港の航空需要予測や空港能力の見きわめ等について把握するためPI調査を行うなど作業も本格化しております。しかしながら、具体的な滑走路拡張整備を行うには環境問題など県民との十分な情報の共有を図るなど多くの課題が残されており、県の粘り強い国や地域住民との努力が必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、那覇空港滑走路拡張整備に向け、県は国と連携し、今年度は空港将来需要に対する調査PIステップ2を実施したようでございますが、具体的調査方法と単年度での調査で十分なのかお伺いいたします。
(2)、PI活動の結果、意見への対応についての自己評価を那覇空港調査PI評価委員会は妥当との評価をしたようでございますけれども、議論の概要と提起された問題点について伺います。
(3)、那覇空港旧ターミナルビルの解体作業が終了しているようでございますけれども、解体後の同地の利用計画はどのようになっているのでしょうか。
(4)、現国際線ターミナルビルの今後の利用計画について、県の基本方針を伺います。
9、少子・高齢化対策について。
我が国は、少子・高齢化が他国に比べ急速に進んでおりますけれども、内閣府が調査した「少子化社会に関する国際意識調査」によると、自分の国が子供を産み育てやすい国と感じている割合は日本は先進国の中では低く、48%弱であるということでございます。また、子育てや教育にお金がかかり過ぎるとして子供をふやしたくないとの割合も日本は先進国に比べ最も高くなっているようであり、これは我が国の現在の教育制度や教育環境等に問題があるのではないかとの指摘もございます。
政府は、2004年の合計特殊出生率が1.29と過去最低を記録した我が国の現状を超少子化国と表現しておりますが、2005年には1.25とさらに低下し、過去最低を更新しております。
このような少子化傾向は、日本だけに限らず先進諸国に共通する現象と言われておりますけれども、我が国は国際社会の中でも急激な少子化傾向が進み、突出した状況にあると言われております。
同時に、我が国の人口の高齢化はさらに早まると言われ、団塊の世代が高齢者になる2015年には26%、2050年には35.7%に達するとの見通しが出されております。
このままの状況で進むと、将来、若い世代が高負担に苦しむ社会が到来するのは間違いないようでございます。少子化対策は我が国にとって国家的最重要課題でありますけれども、地方自治体においてもみずからの問題として取り組む必要があると考えます。
そこで伺います。
(1)、少子化傾向に歯どめをかけるには女性が安心して子供を産み、子育てのできる社会環境の整備が必要であります。そのための父親の子育て参加、企業側の協力等について県の考えを伺います。
(2)、少子・高齢化の流れを変えることは困難である以上、現在の社会のあり方を見直し、少子・高齢化に適用した社会の構築が求められていると言われておりますけれども、これに対する県の対応を伺います。
(3)、本県は出生率1.71と全国一高くなっておりますけれども、年々減少している現状にございます。歯どめをかけるための県としての具体的な対策・施策等についてお伺いをいたします。
以上、よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 照屋議員の御質問にお答えいたします。
第1は、平成19年度予算と私の公約実現に向けた予算にどう反映されているかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
平成19年度は、団塊世代の大量退職や公債費、医療関係助成費等の漸増が続く厳しい財政状況のもとではありますが、自立型経済の構築に向けた産業・雇用の創出、健康福祉社会の実現、地域・離島の振興などの諸施策について公約の実現に向け必要な予算を措置したところであります。
主な分野につきましてその概要を申し上げますと、「経済力おきなわ」の分野では、第1に、産学官の共同研究により企業への支援を行う沖縄イノベーション創出事業や、情報通信産業の高度化のための情報産業核人材育成支援事業、国際的情報通信ハブ形成促進事業などの新規事業を実施いたします。
第2に、雇用確保のため、IT新事業創出体制強化事業や若年者総合雇用支援事業などを引き続き実施するほか、コールセンター人材育成産学官連携事業などの新規事業を実施いたします。
また、「観光力おきなわ」の分野では、第1に、観光誘致対策事業や、ちゅら島観光地形成推進事業などの継続事業を初め、第2に、シニア層等の特定客層を対象とした戦略特化型観光客誘致重点事業などの新規事業を実施してまいります。
また、「基盤力おきなわ」の分野では、第1に、新石垣空港建設事業、伊良部架橋整備事業などの重要プロジェクトや幹線道路、港湾などの社会資本の整備を初め、第2に、沖縄のGIX構築事業などの情報通信基盤の整備促進を図ることといたしております。
「子育て力おきなわ」の分野では、第1に、新すこやか保育事業や乳幼児医療費助成事業などの拡充を図るほか、第2に、放課後子ども教室推進事業など、児童健全育成のための事業を実施いたしてまいります。
さらに、「健康、医療・福祉力おきなわ」の分野におきましては、第1に、離島・僻地における医師確保のための新規事業や医学臨床研修事業の拡充を初め、第2に、重度心身障害者医療費助成事業などに引き続き所要の額を措置してございます。
「離島力おきなわ」の分野につきましては、第1に、新規事業として地上デジタル放送推進事業を実施するほか、第2に、離島航路補助事業や離島地区ブロードバンド環境整備促進事業などの継続事業に所要の額を措置いたしております。
また、その他の分野につきましても公約の実現に向けた施策・事業に必要な予算を措置したところでございます。
次に、平成19年度予算における医師確保対策についての御質問にお答えいたします。
沖縄県の産婦人科や小児科の医師数については、出生数当たりで比較いたしますと全国平均を下回っており、特に離島等におきましては産婦人科等の専門医の確保が課題となっております。
県では、中長期的かつ安定的にこれらの専門医の確保ができるシステムを構築するため、琉球大学医学部、医師会、離島振興協議会等で構成する「離島・へき地医師確保対策検討委員会」を設置し、検討を進めてきたところでございます。同委員会の中間報告を踏まえ、平成19年度から、離島・へき地ドクターバンク等支援事業を実施し、全国から必要な専門医の確保を進めていくことといたしております。
また、県立病院の後期臨床研修事業を拡充することにより、不足する専門医の養成を推進していくことといたしております。さらに、医学生などを対象に医師修学資金等貸与事業や離島医療セミナー事業を実施し、離島医療を志す人材を育成確保していきたいと考えております。 県といたしましては、これらの事業を総合的に実施することにより、適切に医師確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、沖縄振興計画の後期計画について、基盤整備等の状況についての御質問にお答えいたします。
沖縄振興計画前期5年間におきましては、新石垣空港の建設着工、那覇港国際コンテナターミナルの供用開始、都市モノレールの開業、那覇空港自動車道や沖縄西海岸道路の一部暫定供用開始、古宇利大橋の開通など、社会資本の整備は着実に進展いたしております。
また、この間、入域観光客数の順調な増加を背景に、観光関連産業が県経済の発展を牽引するとともに、情報通信関連企業の立地の進展、健康食品産業や泡盛産業の堅調な成長、農林水産物のブランド化の進展など、産業振興面でも多くの成果が得られております。
このように民間主導の自立型経済の構築に向かって、産業の振興とそれを支える基盤づくりは着実に前進していると認識いたしております。
次に、同じく沖縄振興計画の後期計画の中で、知事公約との整合性についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
県におきましては、沖縄振興計画後期の重点課題や主要な施策項目を整理した「沖縄振興計画後期の基本的な考え方」を取りまとめ、去る1月に国の沖縄振興審議会へ提出いたしたところでございます。
この基本的な考え方は、沖縄振興計画の体系に沿って失業率の改善や観光客1000万人を目指した取り組みなど、私が知事公約として掲げました14項目の政策目標を盛り込んでおり、沖縄振興計画との基本的な整合性は確保されていると考えております。
次に、本県産業と経済振興についての中で、沖縄県中小企業振興条例に関する御質問にお答えいたします。
沖縄県中小企業振興基本条例(仮称)につきましては、これまで関係団体と条例制定の必要性などにつきまして意見交換や勉強会などを進めてまいりました。
この条例の制定につきましては、中小企業の経営基盤の強化など地場産業の振興や雇用の創出・拡大につながるなど、より実効性のある条例にしていくため、平成19年度に策定予定の第3次沖縄県産業振興計画との整合性を図るとともに、同年4月から立ち上げが予定されております沖縄県産業・雇用拡大県民運動(仮称)と連動させていく必要があることから、今後、市町村を初め県内の経済団体等との調整、さらに幅広い県民の意見を参酌するなど、平成19年度中の制定に向けて作業を進めてまいりたいと考えております。
次に、雇用失業問題について、完全失業率を全国並みにするための県の基本的方策についての御質問にお答えいたします。
完全失業率を全国平均にするためには、4年間でおおむね4万人台の新たな雇用を創出する必要がありますが、その実現に向けて本県の地域特性を生かした観光産業・製造業等地域産業の活性化や新事業の創出、情報通信関連産業を初めとする企業誘致、雇用対策などの取り組みをさらに強化してまいります。
また、その施策の展開に当たっては、部局横断的な推進体制を構築するため、平成19年度に観光商工部内に雇用創出戦略スタッフを配置し、各産業分野の戦略的な振興による雇用機会の創出・拡大に向けた取り組みを強化してまいります。
さらに、これらの取り組みに加え、官民一体となりました全県民的な取り組みが必要なことから、一般県民も含め国や市町村、経済団体、教育関係機関が連携した沖縄県産業・雇用拡大県民運動(仮称)を展開し、関係者の意識高揚を図り、産業の振興と雇用対策の拡充を進めてまいります。
次に、米軍基地問題の御質問の中で、日米地位協定の見直しの取り組みなどに関する御質問にお答えいたします。
日米地位協定の見直しにつきましては、本県の取り組み等により沖縄県を含む33都道府県議会における意見書の採択、全国知事会や日本青年会議所等主要な全国団体における見直し決議、渉外知事会における各種の取り組みなど、全国的な動きにすることができたと考えております。しかしながら、運用改善により対応するとの政府の姿勢を変えるには至っておらず、実現には厳しい状況があります。
県といたしましては、政府を動かすためにはより多くの国会議員や国民の皆様に地位協定の問題の十分なる理解とその見直しの必要性を認識していただき、協力を得ることが大変重要であると考えており、引き続き渉外知事会や日本青年会議所等と連携しながら、粘り強く取り組んでいきたいと考えております。
米軍基地問題についての関連で、日米地位協定についての認識と日米両政府への要請についてはどうかという御質問にお答えいたします。
県といたしましては、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、米軍や米軍人等の権利義務及び米軍の施設・区域の使用や権利関係を定めている日米地位協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。
県は、これまで日米両政府に対し、平成12年8月の11項目の見直し要請を初め、機会あるごとに日米地位協定の見直しを求めてきたところであります。引き続きあらゆる機会を通してその実現を求めてまいりたいと考えております。
次に、土木建築関係の中で、新石垣空港の進捗状況と今後の作業スケジュールについての御質問にお答えいたします。進捗状況、それから地主等との交渉状況、2つの御質問に一括してお答えいたします。
新石垣空港整備事業の用地取得につきましては、本事業への御理解と御協力を得るべく、空港予定地に土地を所有する地権者の方々と平成18年度当初から現在まで鋭意交渉を重ねてきたところであります。
現時点の契約状況は、取得面積で約126ヘクタールとなっております。これに取得確実な国、県、市等公的機関所有の土地約12ヘクタールを加えますと、事業全体面積約195ヘクタールに対し約138ヘクタール、約71%の取得率となり、着実に進捗していると考えております。
県といたしましては、工事工程の観点から平成19年度までに全用地を取得することを目標としており、地元石垣市と連携しながら、沖縄県土地開発公社を活用して用地取得を鋭意進めているところでございます。
また、工事につきましては、現在、試験盛り土工事並びに小型コウモリ類保全対策としての人工洞設置工事等を実施しており、年度内完成を目指しております。
今後の作業日程といたしましては、平成19年度から本格的な用地造成工事に着手し、順次、滑走路舗装工事、照明工事、建築工事等を実施し、国の完成検査を経て早期に供用開始をしてまいりたいと考えております。
同じく土木建築関連ですが、道路特定財源の議論と、それから道路整備に必要な予算の確保の2つの御質問に一括してお答えいたします。
道路特定財源につきましては、平成17年12月の「道路特定財源の見直しに関する基本方針」の閣議決定を端緒として、平成18年6月には「行政改革の推進に関する法律」が公布され、その中で、一般財源化を図ることを前提として具体的な改正案を作成することが明文化されております。
また、去る12月には「道路特定財源の見直しに関する具体策」として、真に必要な道路整備について、平成19年中に中期的な計画を作成することが閣議決定されたところであります。
沖縄県の道路整備につきましては、那覇空港自動車道や沖縄西海岸道路を初め、真地久茂地線等の都市内道路や伊良部架橋等の地域の幹線道路など多くの路線が整備途上にあり、これら道路の早期完成を目指すためにも所要の道路事業費の確保がぜひとも必要であると考えております。
このため、県は、昨年10月に財務大臣を初め政府与党に対し、今後の道路整備について要請を行い、道路特定財源の見直しに当たっては制度の趣旨を踏まえ、一般財源化することなく道路財源の安定確保を図ることを要請いたしたところでございます。
今後とも、沖縄県の道路整備の必要性につきまして県民各位の御理解・御協力をいただき、道路財源の安定確保を国に要請してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、部長等から答弁させていただきます。
○総務部長(上原 昭) 予算編成方針と国庫補助事業についての御質問にお答えします。
平成19年度は厳しい財政状況下ではありますが、沖縄振興計画の後半がスタートする重要な年であることから、沖縄振興計画の基本姿勢のもと、自立型経済の構築に向けた産業・雇用の創出、環境共生型社会の形成、健康福祉社会の実現、地域・離島の振興等の諸施策の積極的な推進を図る必要があります。
このため、平成19年度予算の編成に当たっては、「沖縄県行財政改革プラン」に基づく徹底した行財政改革の実施など、財政の健全性の確保に留意しつつ、選択と集中を基本に限られた財源を緊急かつ重要な施策に的確に対応することを基本としました。
また、平成19年度の内閣府沖縄担当部局予算については、沖縄科学技術大学院大学や新石垣空港、伊良部架橋整備事業などの重要プロジェクトを初め、自立型経済の構築に向けた観光・リゾート産業、情報通信関連産業、製造業などの新たな事業の創出に係る新規事業など、県が要望した多くの事業に予算が措置されています。
具体的には、自立型経済の構築に向けた新規事業として、新沖縄観光経営者育成事業や沖縄イノベーション創出事業などに所要の額が措置されています。
また、離島・過疎地域の活性化のための事業として、離島地区ブロードバンド環境整備促進事業や離島・へき地医師派遣事業などに所要の額が措置されています。さらに、沖縄特別振興対策調整費、沖縄北部特別振興対策事業費、米軍基地所在市町村活性化特別事業などについても引き続き所要の額が措置されています。
このように平成19年度の内閣府沖縄担当部局予算は、自立型経済の構築に向けた効果的な取り組みを一層強化し、沖縄振興計画を着実に推進していく上で必要な予算が確保されたものと考えています。
次に、中部合同庁舎建設事業の経過、概要及び計画についての御質問に答弁いたします。
中部地域に分散する県の出先機関を集約し、中部地域住民の利便性、行政サービスの向上を図るとともに、県政の円滑な運営と庁舎の維持管理費等の経費節減を目的として中部合同庁舎を建設いたします。
その経緯といたしましては、平成7年度から平成9年度にかけて建設用地の取得を行い、平成12年度から13年度にかけて福祉保健所棟を建設しております。行政棟についても引き続き建設の予定でありましたが、県財政が非常に厳しい状況にあり建設を見合わせておりました。この間、施設の老朽化の進行や構造、規模等について検討を行い、事業費を圧縮することとしております。
事業の概要は、建設場所が沖縄市字美里、敷地面積は約1万9600平方メートル、うち行政棟部分が約1万1000平方メートルであり、構造は鉄筋コンクリートづくり4階建て、規模は延べ面積で約6000平方メートルを想定しております。入居機関は、コザ県税事務所ほか6機関を予定しております。
今後の建設予定は、平成19年度に実施設計を行い、20年度に工事を着工し、21年度に竣工することとしております。
以上でございます。
○知事公室長(花城順孝) 地位協定の見直しについて、自治体の意見を聞く場の設定についての御質問にお答えします。
平成17年11月に渉外知事会で要請した際に、当時の額賀防衛庁長官は、運用改善は何か起こったときにやるのではなく、基地のあり方等について自治体の意見を常時聞くような場を設けるよう防衛施設庁に指示した旨発言をしております。現在のところ、特段そのような場が設けられたとは聞いておりません。
復帰前後の事件・事故の分析についての御質問にお答えします。
復帰前においても米軍による数多くの事件・事故が発生をしておりますが、その記録は十分には残されておりません。したがって、復帰前の事件・事故の特徴との違いについて言及することは困難であります。
それから、他県における米軍の規律等の実態及び本県との事件・事故等の違いについての御質問にお答えします。
他県における航空機騒音や事件・事故、環境汚染等の基地から派生する問題については、渉外知事会を通じて意見交換をしているところであります。しかしながら、他県の基地における米兵の規律や兵員の質の相違について把握することは困難であります。
ペイント弾などの発見現場の状況と政府及び米軍の対応についての御質問にお答えします。
北部ダムにおけるペイント弾等については、福地ダムで1月5日・11日及び18日、ペイント弾1万2061発、ライフル用空包213発、照明弾1発、手りゅう弾1発が発見され、回収されたところであります。また、新川ダムでも1月15日及び29日に照明弾1発、散弾銃の銃弾37発が発見され、回収されたところであります。
ダム管理者である沖縄総合事務局においては、1月15日から18日にかけて福地ダム、新川ダム、安波ダムなど国管理の7ダムの総点検を実施し、福地ダムにおいてはさらに水質調査を行い、水質に異常がないことを確認したとのことであります。
沖縄総合事務局は、1月17日に米軍に対し、再発防止や物品の管理体制の強化を強く申し入れたとのことであり、また那覇防衛施設局や外務省沖縄事務所においても、米軍に対し同様な要請を行ったとのことであります。
発見されたペイント弾について、県警本部によりますと、米軍は米軍所有であると認めているものの、その発見された経緯等詳細についてはいまだ回答がないとのことであります。
次に、嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練への県の対応についての御質問にお答えします。
嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練について、県は1月25日午前、外務省沖縄事務所及び那覇防衛施設局から実施の通報を受け、同日午後及び26日に外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局及び米空軍第18航空団に対し、同訓練の中止要請を行いました。しかしながら、同訓練が実施されたことは周辺住民を初め県民に不安を与えるものであり、まことに遺憾であると考えております。
県としては、同飛行場におけるパラシュート降下訓練を実施することがないよう、今後とも日米両政府に対し強く求めてまいります。
同じく嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練に対する県の認識についての御質問にお答えします。
県は、パラシュート降下訓練については、県民の生命、生活及び財産を守る立場から、SACO最終報告の趣旨に沿って伊江島補助飛行場で実施すべきであると認識をしております。
県としては、このような認識のもとで嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練についても実施することがないよう、今後とも日米両政府に対し強く求めてまいります。
次に、米軍再編特別措置法案の概要と対象事業及び公共事業の国庫負担割合の拡大について一括してお答えいたします。
米軍再編特別措置法案は、米軍再編に伴い、負担が増加すると認められる地域に対し特別の措置を講じ、再編を円滑に実施することを目的としており、再編交付金の制度と公共事業に係る補助率・国の負担率の特例措置が設けられております。
再編交付金は、防衛大臣が特定の防衛施設を指定し、それに関係する市町村に交付することとなっております。
さらに、特に負担の大きな市町村及びこれに隣接する市町村のうち、一体としてその振興を図る必要があると認められる地域を指定し、米軍再編に関連する地域に係る特定の公共事業に対し補助率・国の負担率の特例等が設けられております。
対象事業については、関係閣僚から成る「駐留軍等再編関連振興会議」において決定される整備計画に位置づけられた事業のうち、道路、港湾等の特定の公共事業で、米軍再編による地域社会への影響の内容及び程度を考慮して速やかに実施することが必要なものとして政令で定められたものについて、補助率等のかさ上げを行うこととされております。
しかしながら、本県の場合、この補助率等の特例については沖縄振興特別措置法の例によることとされているため、何ら新たな優位性を持ったものではなく、予算の上乗せなどの財源の確保がなされるものでもありません。
なお、詳細規定等については国から示されることとなっており、現在のところ明確ではありません。
跡地利用促進のための平成19年度国庫支出金についての御質問にお答えします。
県及び市町村が行う跡地利用計画の策定及びその具体化を進めるために実施する調査等に要する経費については、平成13年度に国庫補助制度が設けられ、大規模駐留軍用地跡地等利用推進費として有効に活用されているところであります。
平成18年度の推進費全体の予算は、国費ベースで2億2000万円でありましたが、平成19年度予算案では前年度に比べ4000万円増の2億6000万円が計上されております。
以上です。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、沖縄振興計画の後期計画に関する観光客1000万人に向けた施策の沖縄振興計画後期展望での位置づけについてにお答えをいたします。
沖縄振興計画後期に向け、沖縄観光のさらなる振興を図る上での主要な課題としては、那覇空港を初めとする空港、港湾、道路など、観光の基盤となるインフラ整備を促進すること、少子・高齢化の進展などによる旅行マーケットの変化に着実に対応し、まだ沖縄を訪れていない有望な潜在マーケットや外国人観光客など新たな観光市場を開拓・拡充すること、またこれらの客層を受け入れるため、質の高い観光地を形成すること、重要な観光資源である自然環境の保全・再生への取り組みを強化することなどが挙げられます。
10年後の展望として、観光客数1000万人を目指していくためには、これらの課題に対し、これまで以上に重点的な施策展開が必要と考えており、具体的な施策展開につきましては、19年度の第3次沖縄県観光振興計画の策定時に10年後の観光客数1000万人を視野に検討し、計画に盛り込んでまいりたいと考えております。
次に、本県産業と経済振興についての中の、オキナワ型産業の実績と今後の展開についてお答えをいたします。
本県の地域特性を生かした発展可能性の高いオキナワ型産業については、健康食品産業、バイオ関連産業、健康サービス産業、泡盛産業、工芸品産業、環境関連産業及び観光土産品産業を重点産業と位置づけております。
オキナワ型産業の主な実績は、泡盛出荷額については平成17年度は229億6000万円となっております。これは前年度に比べ0.7%の増加となっております。
工芸品生産額については、平成17年度は47億9400万円となっており、前年度に比べ6.0%の増加となっています。
健康食品関連産業の売上高は、平成17年は181億9700万円となっており、前年度に比べ14.7%の減少となっております。
今後とも、引き続き新製品の開発や品質向上対策、ブランドの確立等を支援することにより、県産品の市場競争力を強化し、県外、海外への販路開拓を図るとともに、産学官共同研究の成果を生かしたイノベーションの創出支援やベンチャー企業の県内集積及び金融支援の強化など、新事業の創出・育成に取り組み、オキナワ型産業の振興に努めてまいります。
次に、泡盛県外出荷の落ち込みの原因と今後の戦略についてお答えをいたします。
泡盛の県外出荷量は近年順調に増加し、平成16年度に過去最高の6388キロリットルとなり、総出荷量に占める割合も22%まで拡大しました。しかしながら、平成17年度は5499キロリットルと前年度に比べ13.9%の減となっております。
その主な原因としては、1つには、近年の全国的なしょうちゅうブームが全体として落ちついてきたこと、2つ目には、平成16年に泡盛業界が定めた品質表示自主基準により古酒の絶対量が不足し、ニーズに対応した供給ができていないことなどによるものと考えております。
この状況に対し、泡盛業界では古酒を戦略商品として位置づけ、県外出荷拡大を図ることとし、共同での県外宣伝活動や泡盛の長期大量貯蔵施設を整備する「古酒の郷構想」を推進しているところであり、今回延長が決定された酒税軽減措置の期間中においてこれらの対策を強力に実施していくこととしております。
県といたしましても、これらの泡盛業界の取り組みを支援し、泡盛産業の振興を図ってまいりたいと考えております。
次に、研究開発型ベンチャー企業の創出に向けた基盤の整備状況についてお答えをいたします。
県におきましては、新事業の創出とベンチャー企業の支援を沖縄県産業振興計画の重点項目に位置づけ、企業の成長段階に応じた総合的な支援を実施しているところであります。
特に研究開発型ベンチャー企業については、沖縄産学官共同研究推進事業やバイオベンチャー企業研究開発支援事業などを実施し、ベンチャー企業による研究開発、製品開発の取り組みを支援しております。
研究開発基盤といたしましては、沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センターを設置しているほか、民間研究機関として株式会社トロピカルテクノセンター、公設試験研究機関として工業技術センターなどが整備されております。
また、人材育成機関といたしましては、琉球大学や国立沖縄高専などが設置されているほか、世界最高水準の研究・教育水準を有する沖縄科学技術大学院大学の開学に向けた取り組みが進められております。
さらに、ベンチャー企業を資金面から支援する機能として「沖縄ベンチャー育成ファンド」が設立され、運用されております。
今後とも、こうしたソフト・ハードの研究開発基盤を活用し、新事業創出に向けた取り組みを強化していきたいと考えております。
次に、企業誘致の前期5年の総括と後期5年の基本方針についてお答えをいたします。
県は、企業誘致を産業振興の重要施策の一つとして位置づけ、賃貸工場や情報関連企業の受け入れ施設の整備を進めつつ、積極的に誘致活動を展開してまいりました。その結果、沖縄振興計画がスタートした平成14年度以降、製造業系で21社、情報通信関連産業で82社の合計103社が立地し、約7000人の雇用を新たに創出し、産業の振興と雇用機会の確保に大きく寄与しております。
後期5年の企業誘致については、本県のリーディング産業として成長してきた情報通信関連産業において、引き続きコールセンター等の集積促進を図るとともに、民間主導による情報通信産業の集積拠点としてのIT津梁パーク構想を推進するとともに、ソフトウエア開発の共同受注、アウトソーシングビジネス、データセンター等の企業誘致を加速してまいります。
また、製造業等については、特別自由貿易地域の分譲用地の割引制度の創設を検討し、投資環境の改善を図ることにより、これまで取り組んできたオンリーワン的な技術力を持つ高付加価値型の企業の誘致とあわせて、特別自由貿易地域の企業集積の牽引的な役割を担う中核的企業の誘致に取り組みます。さらに、沖縄の生物資源を活用した健康バイオ産業等、沖縄の特性を生かせる企業の立地促進を図っていく考えであります。
次に、観光及びIT産業以外の企業誘致目標についてお答えをいたします。
本県経済は、観光・リゾート産業や情報通信関連産業が牽引役となっておりますが、これらに加え、今後は民間主導の自立型経済の構築に向け、特別自由貿易地域制度や金融業務特別地区制度等を活用した企業誘致を強化してまいります。
具体的には、現在、特別自由貿易地域においてオンリーワン的な独自の技術力を持つ企業の立地が進みつつあり、今後とも先端技術等高付加価値型企業に加え、電気・精密機械産業、沖縄の地域特性や資源を積極的に活用した健康バイオ産業等、同地域の企業集積の牽引的役割を担う企業を視野に入れた企業誘致に積極的に取り組んでまいります。
また、金融業務特別地区では、拡充される税制優遇措置を最大限に活用するとともに、名護市産業支援センター等の受け皿施設の整備や金融人材育成を行い、付加価値の高い金融業務や高度な金融ビジネスを行う企業の誘致を強化するほか、名護市において「きんゆうIT国際みらい都市構想」の策定に着手していることから、名護市ともさらなる連携を図り、金融特区の発展に努めてまいります。
次に、企業誘致の市町村等との連携についてお答えをいたします。
県では、企業誘致を産業振興の重要施策の一つとして市町村や関係機関と連携して取り組んでおります。
具体的には、県や関係市町村、沖縄総合事務局、商工会議所連合会等で構成する「沖縄地域産業立地推進協議会」において、企業誘致の実践研修や情報交換を行い、誘致担当職員間の連携に努めているほか、沖縄市、うるま市で構成する「中城湾港開発推進協議会」において意見交換等連携を図っているところであります。
また、東京、大阪等の企業誘致説明会においては、関係市町村等の職員が参加してそれぞれ誘致PR活動を行っております。さらに、コールセンター等情報関連企業の受け入れ施設の整備、オフィス等の物件情報収集について市町村と連携を密にして企業誘致を行っております。
次に、産学官連携による研究開発体制の構築についてであります。
研究開発型ベンチャー企業や健康食品産業を立地・育成していくためには、技術シーズの創出から研究開発、商品化に至るまで、産学官連携により総合的に支援していくことが重要であります。
このため、県では、ベンチャー企業の研究開発拠点として沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センターを整備するとともに、亜熱帯生物資源の高度利用技術の開発を行う沖縄地域結集型共同研究事業や、県内に立地する有望なバイオベンチャーの研究開発を支援するバイオベンチャー企業研究開発支援事業、及びバイオ、ITなど沖縄の優位性が生かせる分野の共同研究を支援する沖縄産学官共同研究推進事業の実施により産学官共同研究を積極的に支援しております。
また、県及び琉球大学、産業界の連携のもとで、大学や公設試験研究機関の有する技術シーズの企業への移転を担う株式会社沖縄TLOを創設するなど、産学官連携により研究開発支援体制の整備を図っております。
次に、雇用失業問題の中の、地域雇用戦略会議の役割及び構成団体の雇用対策への取り組み状況についてお答えをいたします。
地域雇用戦略会議は、全国的に雇用情勢の改善が進む中で、改善の動きが弱い本県を含む7道県において、地方自治体、地元経済界、国の出先機関等が地域レベルで一体となって雇用の改善に取り込むことを目的として設置されております。
構成団体の雇用対策への取り組みとしては、7市村において厚生労働省の委託事業である地域提案型雇用創出促進事業を活用し、例えば那覇市において国際ビジネスとITサポート人材育成事業を、うるま市において健康・長寿産業と情報化による雇用機会の増大のための事業を行うなど、雇用創出につながる事業を実施しております。
また、経済団体等の取り組みとしては、去る2月17日に沖縄労働局、沖縄県、経営者協会と労使就職促進支援機構が共催し、30代までを対象とした企業合同説明会「適職フェア」を開催いたしました。
次に、「おきなわ経済・雇用活性化戦略プラン」の概要と今後の雇用創出対策についてであります。
昨年8月に行われた第2回地域雇用戦略会議において、それぞれの機関が取り組んでいるさまざまな支援策を有機的に組み合わせ、雇用の改善を図ることを目的に「おきなわ経済・雇用活性化戦略プラン」を作成しております。
同プランは、「まちの経済・産業の活性化の支援」、「起業・創業の一貫支援」、「重点分野における活性化」、「就職支援対策」という4つの柱を設け事業を体系化しております。このうち、雇用の受け皿として期待できる「観光関連産業」、「情報通信関連産業」、「沖縄の特性を活かした産業」、「企業立地・新規事業の創設」の4分野を重点分野としております。 プラン策定後は、市町村が行う地域提案型雇用創出促進事業に対して、国、県が一体となって支援を行うなど、地域活性化や起業・創業の支援等を通じて行う雇用創出の取り組みについて、各機関が連携した効果的な事業の推進に努めてまいります。
次に、団塊世代の大量定年に伴う技術継承問題についてであります。
2007年から団塊世代の大量退職が始まり、全国的には2009年に、沖縄県においては2010年に退職者数がピークを迎えます。これらの大量退職により、技術・技能の伝承等への影響が懸念されております。そのため、国では、今年度より各都道府県の職業能力開発協会への委託事業で「技能継承等支援センター」を設置しております。
当該センターでは、技能継承等相談員が技能継承への取り組み方法等情報の提供、実践的な人材育成・技能継承に関する先進事例の紹介、活用できる公共職業訓練や高度熟練技能者及び助成金等を紹介して2007年問題への支援を行うこととしております。
県におきましては、広報等により沖縄県職業能力開発協会への技能継承等支援センターの設置を周知し、同センターの利活用を促進してまいります。
次に、高失業率の要因と対策についてお答えをいたします。
平成18年の完全失業率は7.7%と前年に比べ0.2ポイント改善したものの、依然として高い状況が続いております。
その要因は、県内雇用の絶対数が不足していること、自然増や県外からの社会増などを背景に労働力人口の増加が就業者数の増加を上回っていること、求人が多い業種と求職が多い業種の不一致や希望する雇用形態、企業の求める技術・技能等のさまざまな面で求人側と求職者側のミスマッチがあると考えられます。さらに、学生等若年者の県内志向、公務員志向、進路決定の遅さなどが指摘されております。
このような雇用問題の解決に向けては、産業振興を図るとともに、これと一体となった雇用対策の推進が重要であります。
このため、これまでの産業振興策に加え、新規事業として戦略特化型観光客誘致重点事業や情報産業核人材育成支援事業を行うなど、企業誘致や観光・リゾート産業、情報通信関連産業、泡盛産業や健康食品産業など、本県の地域特性を生かしたオキナワ型産業の振興をさらに加速させ、雇用の場の創出を図ってまいります。
一方、雇用対策については、若年者総合雇用支援事業やコールセンター人材育成産学官連携事業を行うなど、企業ニーズに応じた多様な職業訓練の推進や沖縄県キャリアセンターにおける就職支援のほか、若年者の早期離職防止など、若年者対策をさらに強力に進めてまいります。
さらに、こうした産業振興と雇用対策のための施策とあわせて、官民が一体となって産業振興と雇用機会の創出・拡大のための取り組みを行う県民運動を展開することとしております。 次に、職業安定計画における重点的施策についてお答えをいたします。
第2次職業安定計画において重点的に取り組む施策としては、第1は、若年労働者の雇用促進であります。特に、雇用失業情勢の厳しい若年労働者の雇用状況の改善を図るため、沖縄県キャリアセンターにおける職業意識形成等の人材育成から就職までの一貫した総合的な支援策に加え、平成19年度は早期離職の防止に取り組む等、今後も若年者対策を強力に進めてまいります。
第2は、雇用機会の創出・拡大と求職者支援であります。
具体的には、沖縄若年者雇用奨励金等助成金の活用やトライアル雇用事業による雇用機会の創出、及びコールセンターエントリー人材育成事業等、本県の重点産業の担い手となる人材の育成を進めてまいります。
第3は、職業能力と人材育成であります。
労働者の自発的な職業能力の開発や事業主等による職業能力の開発を促進するとともに、公共職業能力開発施設における職業訓練の充実や民間を活用した委託訓練など、企業ニーズに応じた多様な職業訓練の推進に取り組んでまいります。
次に、完全失業率を全国並みにするための国との調整・協議についてお答えをいたします。
完全失業率を全国平均にするためには、戦略的な産業振興による民間主導の自立型経済の構築とともに、これらの産業振興と一体となった雇用対策の推進が必要であります。
その施策の推進に当たっては、新たな予算措置や国が行う事業との連携等が必要なことから、国の協力も得ながら取り組みを強化してまいります。
特に、沖縄県職業安定計画等国の同意を必要とする計画については、平成19年度中に次期計画を策定する予定であることから、これらの計画策定に際しては、全国並みの完全失業率の達成に必要な施策を盛り込めるよう十分協議していきたいと考えております。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 沖縄振興計画の後期計画についての関連で、復帰特別措置法などの延長についてお答えいたします。
復帰特別措置法及び沖縄振興特別措置法関係税制につきましては、昨年末、与党の「平成19年度税制改正大綱」にその延長等が盛り込まれ、去る1月19日に「平成19年度税制改正の要綱」として閣議決定されております。また、今月中には関連法の改正案が国会へ提出され、3月中に成立する予定となっております。
次に、基地を抱える中部地域の振興策についてお答えいたします。
沖縄振興計画において、中部地域は特別自由貿易地域を中心とした加工交易型産業の集積、情報通信関連産業支援施設を中心とした企業立地の促進、西海岸地域におけるコンベンション支援機能及び都市型リゾート施設の整備促進などを図ることとしております。
具体的施策としましては、県は賃貸工場やインキュベート施設を整備するとともに、国立劇場おきなわ、沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター、宜野湾マリーナ等の整備を進めております。
今後の中部地域の振興に当たっては、返還が予定されている大規模な基地跡地利用のビジョンを明確にし、いかにこれを活用していくかが重要であります。
このため、県は、基地跡地の有効利用に向けて地権者と公共の利益との整合性を考慮しつつ、県土構造の再編を視野に入れた先導的プロジェクトの導入など、戦略的な取り組みを推進していきたいと考えております。
次に、那覇空港滑走路の沖合展開についての御質問で、那覇空港滑走路拡張整備に向けた調査方法等についてお答えいたします。
那覇空港の総合的な調査について、平成18年度は前年度に実施した需要予測や空港能力の見きわめなどの調査結果を広く県民に情報提供するPIステッップ2を実施したところであります。
同調査結果において、那覇空港は2015年ごろには需給が逼迫することが予想されており、現在、滑走路増設等について施設規模や建設費用等を含め調査検討を行っているところであります。
その結果につきましては、来年度PIステップ3として県民等へ情報提供することとしており、その後、環境アセス等の調査についても実施される予定となっております。
同じく那覇空港の関連で、那覇空港調査PI評価委員会での議論の概要と提起された問題点等についてお答えいたします。
平成18年12月に開催されました那覇空港調査PI評価委員会においては、県民への周知・広報活動等の内容と実績について論議され、マスメディアの積極的活用により、ステップ1を大きく上回る意見が寄せられたことから、おおむね妥当との評価をいただきました。また、委員会からはステップ3に向けて周知・広報のさらなる工夫や調査報告書の内容の充実などについて助言をいただきました。
同じく那覇空港との関連ですけれども、那覇空港旧ターミナルビル跡地の利用計画についてお答えをいたします。
那覇空港旧ターミナルビルの解体につきましては、昨年12月に完了しております。
現在、国においては、今後増加する需要に対応するため、那覇空港ターミナル地域の抜本的な整備に向けた基本計画の見直しを行っているところであります。その中で、旧ターミナルビル跡地については、狭隘で安全性の低い現貨物ターミナル地区の移設用地として有効活用し、貨物ターミナル地区の機能向上を図ることが検討されております。
同じく那覇空港の関連ですが、国際線ターミナルビルの今後の利用計画についてお答えいたします。
国際線旅客ターミナルビルについては、施設が狭隘であり、旅客搭乗橋が設置されていないなど、利便性が低いことが指摘されております。
そのため、貨物ターミナル地区と同様、同ビルについても抜本的整備に向けた検討が国において進められているところであり、県としましては引き続き国やターミナルビル会社等と連携し、同地域の早期整備が図られるよう取り組んでまいります。
以上であります。
○土木建築部長(首里勇治) それでは中城湾港泡瀬地区埋立事業の今後のスケジュールについてお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業について、国は平成14年12月に海上工事に着手し、平成17年度までに護岸延長約560メートル、仮設橋梁約710メートルなどを整備し、平成18年度は8月から第Ⅰ区域の護岸整備並びに作業用航路のしゅんせつを行っております。
県は、平成18年1月に海上工事に着手し、人工海浜の護岸36メートルを整備したところであり、今年度は12月より護岸整備を進めているところであります。
今後のスケジュールとしまして、国は第Ⅰ区域を護岸で締め切った後に新港地区の泊地のしゅんせつ土砂を投入することとしており、平成20年代前半にマイナス11メートル岸壁の一部供用を目指していると聞いております。
県においては、平成22年度の人工海浜の一部利用、平成25年度の本格供用に向けて整備を進めることとしております。
次に、中城湾港新港地区の整備と泡瀬地区埋立事業の関係についてお答えいたします。
新港地区は、平成11年に特別自由貿易地域に指定され、立地した企業の企業活動並びに今後の企業誘致を促進するためには、その基盤となる港湾の整備が必要不可欠であります。
しかしながら、東埠頭については岸壁整備が進む中、前面泊地のしゅんせつがなされていないことから、その機能を利活用できない状況にあり、本県経済の振興を図る上でも早急な整備が必要であると考えております。
中城湾港泡瀬地区埋立事業は、新港地区の港湾整備に伴うしゅんせつ土砂を埋立土砂として有効利用して、埠頭や交流施設、展示施設、ホテル等の誘客施設を一体的に整備し、地域特性を生かした国際交流拠点等の形成を図るものであり、経済的かつ効果的な事業であります。
そのため、新港地区の東埠頭の早期供用開始に向け国と連携し、引き続き中城湾港泡瀬地区埋立事業の推進を図ってまいります。
次に、沖縄市の検討結果と県の対応についてお答えいたします。
泡瀬地区埋立事業について、沖縄市長が情報をいま一度精査し、市民に情報を公開するための検討会議を昨年12月に設置し、これまで3回の会議において事務局より事業概要や事業スキーム等が説明されたと聞いております。
一方、沖縄市議会から平成18年6月に本事業の早期完成に向けた意見書が提出されております。
県としては、事業の必要性・合理性、環境への配慮などについて沖縄市長と十分な意思疎通を図り、引き続き広く県民に情報公開を行い、事業実施に当たっては環境保全に十分配慮しつつ進めることとしております。
次に、自然環境保全対策についてお答えいたします。
新石垣空港の建設工事については、現在、白保海域のサンゴ生態系や小型コウモリ類等の自然環境の保全に十分配慮して実施しております。
試験盛り土工事等における赤土等流出防止対策については、シート被覆工、さく工による流出抑制対策を実施するとともに、ろ過沈殿池及び浸透池を設置し、赤土等流出防止に万全を期しております。
小型コウモリ類の保全対策については、石垣島では小型コウモリ類が導水トンネルなどの人工構造物を利用していることから、ねぐらの選択肢をふやすために人工洞の設置を進めており、また洞窟近くでの工事においては、建設機械稼働による騒音、振動の影響を低減するため、12月から3月の休眠期は大型ブレーカー等の使用を控えるなどの配慮を行っております。
また、希少植物については事業地周辺への移植も実施しており、さらにビオトープ設置工事についても年度内には発注することにしております。
次に、建設産業の倒産状況についてお答えいたします。
東京商工リサーチの調べによりますと、負債額1000万円以上の建設業者の平成18年の倒産件数は53件で、全産業の倒産件数83件に占める割合は63.9%となっております。
続いて、国発注工事の地元企業の受注機会の増大についてお答えいたします。
県は、これまで「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」等を策定し、県内企業への優先発注、県内中小企業者の受注機会の確保に取り組んできたところであります。
沖縄振興計画においても、「地元中小・中堅建設業者の受注機会の増大に積極的に取り組む」とされていることから、国等が発注する公共工事についても、県内企業への優先発注の基本方針に準じた積極的な対応を講ずるよう要請を行ってまいりました。
今後とも、県内企業への優先発注について国等の機関へ要請してまいります。
次に、建設産業活性化の取り組み及び建設産業ビジョンについてお答えいたします。一括してお答えいたします。
県におきましては、厳しい経営環境にある建設産業の支援を強化するため、庁内に設置した「建設産業活性化支援連絡会議」において関係部局の連携を図るとともに、建設業協会を初め金融、雇用、経営等幅広い支援機関の連携・協力によって、新分野進出セミナーや経営相談会の開催等の支援策を講じているところであります。
このような関係機関の連携による取り組みをさらに強化し、中長期的な展望に立って建設産業の活性化を進めていくため、来年度に「建設産業ビジョン」を策定し、具体的な支援策を検討することとしております。
ビジョンの策定に当たっては、民間有識者等で構成する策定委員会を設置し、技術と経営にすぐれた企業が伸びることができる市場環境の整備、企業合併・連携支援や新分野進出支援等による構造改善などの具体的な支援プログラムを検討してまいります。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 少子・高齢化対策についての、父親の子育て参加、企業側の協力等についてお答えいたします。
平成17年度沖縄県労働条件実態調査によりますと、男性の育児休業取得率は0.8%で、取得者が少ない状況にあります。
女性が安心して子供を産み育てる環境を整備するためには、男性の家庭生活への参画が重要な課題となっており、県では男性の育児参加、育児休業をテーマとした映画上映やトークセッションを行うなど、広報啓発に取り組んでおります。
また、企業においても、次世代育成支援対策推進法に基づき「一般事業主行動計画」を策定することとなっており、策定を義務づけられている301人以上の労働者を雇用する企業83社すべてが策定をしております。
一方、努力義務となっている300人以下の企業では29社が策定しており、県では引き続き同計画の策定を促進するなど、仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備を図ってまいりたいと考えております。
次に、少子・高齢化に適応した社会の構築に対する県の認識についてお答えします。
少子化が引き起こす問題は、高齢化の進行と相まって、国の生産力を支えている生産年齢人口の減少により経済活動の停滞を招き、社会全般の活力が低下することにあると言われております。加えて、少子・高齢化の進行とともに年金、医療、介護等の社会保障制度において、現役世代に今後より一層の負担がかかってくることなどが予想されております。
このような中で、国においては少子化の流れを変えるため、平成16年6月に「少子化社会対策大綱」を策定し、同大綱の具体的な実施計画である「子ども・子育て応援プラン」に基づき、総合的に少子化対策を実施しております。
さらに、平成18年6月には「新しい少子化対策」が決定され、出生率の低下傾向の反転に向け社会全体の意識改革、子供と家族を大切にする視点に立った施策の拡充に取り組んでおります。
本県においても確実に少子・高齢化が進行しており、これに対応するため、国が進める取り組みとあわせて、「おきなわ子ども・子育て応援プラン」に基づく各種の子育て支援事業を推進してまいります。
次に、出生率の低下に歯どめをかけるための具体的対策についてお答えします。
少子化に歯どめをかけるためには、子供を産み育てやすい環境を整備する必要があります。
このため、県では、子育て支援に関する総合的な計画である「おきなわ子ども・子育て応援プラン」において、「親子が心身共に健やかに成長できる 子育ち 親育ち 地域育ち」を基本理念に、地域における子育て支援、母子保健の推進、仕事と家庭の両立の推進等8つの基本目標を柱として数値目標を掲げて取り組んでおります。
具体的事業としては、市町村と連携し、保育所定員の増を初め地域子育て支援センターやファミリー・サポート・センターの設置、放課後児童クラブの設置、乳幼児医療費助成事業、特定不妊治療費助成事業等を推進しております。
また、企業に対しては、育児休業の取得目標等を盛り込んだ「一般事業主行動計画」の策定及びその実施を促進しております。
今後とも、福祉、保健、医療の連携を図るとともに、教育、雇用、生活環境など、あらゆる分野が密接に連携しながら同プランの着実な推進に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(仲里利信) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明22日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時35分散会