平成19年(2007年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 9月27日
 


○議長(仲里利信) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた公安委員会委員長翁長良盛君は、別用務のため本日、明日、10月2日及び3日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び明日の会議に公安委員会委員幸喜徳子君、10月2日及び3日の会議に同委員会委員安里昌利君の出席を求めました。
 また、人事委員会委員長嘉手納成達君は、所用のため本日、明日及び10月1日から4日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長瀬良垣馨君の出席を求めました。
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○議長(仲里利信) 日程第1 乙第2号議案を議題といたします。
 本案に関し、委員長の報告を求めます。
 総務企画委員長。
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   〔委員会審査報告書(条例) 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔総務企画委員長 安里 進君登壇〕
○総務企画委員長(安里 進) おはようございます。
 乙第2号議案の報告に入る前に、20日、21日、22日と久米島、八重山西表島を視察してまいりました。大変な状況であります。きびが倒れて、これはハーベスター使えるかなというぐらいに大変心を痛めました。また、こんな大きな松が枝じゃなくて途中からポキッと折れたり、こんな電柱がどんどんどんどん倒れていると。これを見たらやはり早く救援をしないといかんなというふうに感想を漏らしております。知事、よろしくお願いいたします。
 当地の議員の髙嶺議員と辻野議員も同行してずっと一緒にやってまいりました。員外議員もおりましたけれども、一生懸命やってまいりましたので、御報告をしておきたいと思います。
 では乙第2号議案の説明に入ります。
 ただいま議題となりました乙第2号議案の条例議案1件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、総務部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明の概要について申し上げます。
 乙第2号議案沖縄県職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例は、「雇用保険法等の一部を改正する法律」が公布されたことに伴い、県職員の退職手当制度のうち、雇用保険法による失業給付と同等のものとして設けられている失業者の退職手当について所要の整備を行うほか、関係条例の条項についても同様に改めるものである。
 改正の主な内容は、雇用保険の失業給付の基本手当の受給資格要件が被保険者期間六月以上から十二月以上に改められたことに伴い、同給付に相当するものとして支給される失業者の退職手当の受給資格要件も勤続期間六月以上から十二月に改めるなどである。
 なお、今回の改正については、失業者の退職手当の制度が公務員にとって雇用保険法の失業給付にかわるものであり、受給資格要件等雇用保険と整合性がとれていなければならないため、雇用保険法の改正がなされる10月1日を施行日とする必要があるとの説明がありました。
 以上が委員会における説明の概要でありますが、採決の結果、乙第2号議案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(仲里利信) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(仲里利信) 質疑なしと認めます。 
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより乙第2号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(仲里利信) 御異議なしと認めます。
 よって、乙第2号議案は、原案のとおり可決されました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(仲里利信) この際、念のため申し上げます。
 本日、明日及び10月1日から4日までの6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(仲里利信) 日程第2 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 國場幸之助君。
   〔國場幸之助君登壇〕
○國場 幸之助 自由民主党を代表し、通告に従いまして質問を行います。
 1、集中豪雨、台風11号・12号の被害について。
 台風の復旧作業でお亡くなりになった方、遺族の方々には心よりお悔やみ申し上げます。そして集中豪雨、台風の被害に遭われた皆様にも心より改めてお見舞い申し上げます。
 県執行部の皆様には、集中豪雨、台風の被害に遭われたすべての県民に対し、一日でも早い復旧支援に全力を挙げて取り組んでいただくことを心よりお願い申し上げます。
 (1)、去る8月11日の集中豪雨により県内の多くの地域で浸水、土砂崩れ等の被害が発生したが、被害を受けた地域とそれぞれの被害状況とその要因と考えられるのは何かを伺いたい。
 (2)、安里川のはんらんにより、安里・牧志一帯の店舗、住宅等が浸水による大きな被害を受けた。その被害状況と蔡温橋改修工事との関連、そして抜本的な再発防止策を伺いたい。
 (3)、台風11号・12号により、久米島、八重山、宮古等離島において大きな被害を受けているが、被害の状況を伺いたい。特に農林水産物に深刻な被害が出ており、県の早急な対策が必要である。県の具体的対策を伺いたい。
 (4)、集中豪雨や台風等の被災者がワンストップで相談できる県の窓口はどこでありますか。
 2、高校歴史教科書記述検定問題について。
 教科書検定意見の撤回を求める県民会議が開催されます。
 自民会派内では、同一会期内で2度も意見書決議をしたということと、歴史の真実を究明するという専門的な領域に県民大会という運動形態が本当に有効なのかとの慎重意見がある一方、県民の感情に配慮すれば、県民大会も当然であるという開催賛否の意見が真っ二つに分かれていましたが、最終的には開催することで意見が集約されました。
 自民党県連で本格的に怒りに火がついたのは、決議した意見書を文部科学省に要請に行った際の対応であります。沖縄の代表団に対する態度が余りにも誠意がなく、事の重要性を理解しておりませんでした。
 私も伊波常洋政調会長と6月13日に自民党県連を代表し、大臣官房審議官と教科書課長から書きかえの経過説明を受けました。教科用図書検定調査審議会の結果は、学術的かつ政治的中立な立場からの判断である以上は、文部科学大臣や総理大臣といえども介入することは不可能である。よって、もとの記述に戻すことはできないとの一本調子でありました。しかし、審議会日本史小委員会の中には沖縄戦の専門家はいませんでしたし、事務局案がそのまま承認されたという経過が後に明らかになりました。
 私は、審議官に対して政治的介入があったとは思いませんが、戦後レジームからの脱却を唱えていた当時の政治世相が何らかの形で反映していたのかもしれません。
 この問題の沖縄にとっての悲劇は、軍の関与と責任で「集団自決」によりとうとい命を奪われた方々の存在が忘れ去られる危険性があるということであります。政治というものは生きている人間のためだけではなく、死者のためにも行わなければなりません。
 「集団自決」と関与に関する解釈では、1、渡嘉敷・座間味で軍隊長から直接命令があったという説、2、手りゅう弾交付命令説、3、軍・官・民共生共死の方針に基づく政治体制関与説、4、米軍に降伏して捕虜になれば暴行・殺害されると住民を脅したプロパガンダ説があると思います。しかし、どのような形態にせよ、軍の関与と責任があったということは間違いありません。そして間違いなく言えることは、日本軍が駐留していない島では「集団自決」が起きていないという事実であります。
 国会の議事録を読んでみると、日本軍の関与は間違いなくあったと答弁しており、渡嘉敷・座間味の「集団自決」については軍命がなかったと断定する記述も検定を通らなかったという答弁が残っております。
 しかし、政府にとっての悲劇は、この問題が日本という一つの国民・国家を崩壊させるくらい深刻な事態になるということが深いレベルでわかっていない点ではないのか。つまり、一つの民族が民族としての独自の歴史観を持つとすれば、「集団自決」の悲劇が皇民化教育、軍国主義教育の結果、殉国死したというスタンス、つまり国に殉じた美しい死としてとらえたい政府の歴史の見方と、軍・官・民強制教師の思想と米軍への過剰な恐怖心を植えつけ、降伏を絶対に許さず、追い詰められたら自決をせよという広い意味での教育が「集団自決」を生んだ背景にあり、大部分の沖縄県民は生活の場がそのまま戦場と化して事態をよく理解できないまま恐怖の中で命を奪われたのだという沖縄の歴史の見方が根底で対立しており、この対立が国の共同体意識の崩壊を生み、日本という国民・国家の内部で大いなる断絶と分立を生むという深刻な事態を政府は理解していないのではないかと危惧しております。
 私は、復帰世代の生まれでありますし、当時の悲劇的な出来事もわかりません。だから「集団自決」と日本軍との関係については、多くの歴史家の研究の蓄積やあらゆる立場の証言者の話を重んじるというスタンスであります。しかし、私は、当時の軍隊にすべての責任を押しつけるのはいかがなものかとも考えます。軍が諸悪の根源であり、他のすべては被害者であるという考え方は表層的ではないのか。生きて捕虜になるより自決をせよという教えや戦争協力体制を地域共同体の末端にまで浸透させた行政機関や教育者の責任、そしてマスコミの責任はどうなっているのか。究極的には軍隊の暴走を許すような憲法体系と政治家の責任は極めて重い。
 そして米軍の責任はどうなっているのか。島々に何の罪もない一般住民が生活していることをわかりつつ艦砲射撃を撃ちまくっておりました。「集団自決」の悲劇の真相はさまざまな複合的な要素が絡まっていると思います。だから日本や沖縄、そして米国の沖縄戦歴史研究家がいま一度「集団自決」の悲劇について真実の究明をするということが大事であるとも考えます。なぜなら、政治的な立場により集団自決のとらえ方にそごがあるのは沖縄にとって不幸なことではないのか。戦前の軍隊組織は住民を守らないどころか、場合によっては住民を殺害するという歴史的体験を持つ沖縄だからこそ、今を生きる我々がどのような将来への教訓を酌み取るかが大切なのであります。
 ただ歴史を学ぶのか、それとも歴史に学ぶのか。自由闊達な歴史観を言い合える空気を大切にしながら、我々は絶えず歴史に学んで未来を切り開いていくことが大切でありましょう。
 このようなことを考えながら、29日の県民大会に出席をします。
 (1)、9月29日県民大会が開催されるが、知事としてどのように意義づけをしているのか、御所見を伺いたい。また、当日、大会でどのようなあいさつを行うのか。
 (2)、当時の文部科学大臣は、私が教科書を修正できるとか、こうあるべきであるといった途端にパンドラの箱をあけるとして撤回を否定したとのことであるが、この発言についての県の見解は。そして、教科用図書検定調査審議会が検定意見を付した理由を県はどのように考えておりますか。
 (3)、今現在、高校の歴史の時間で沖縄戦はどのように教えられていますか。この現状を把握することが議論の出発点ではないのか。どんなに真実に基づいた歴史教科書が存在していたとしても、教育の実際の現場で沖縄戦の悲劇の極地と言われている集団自決が触れられていなければ意味がないであろう。そして今回の問題を経て、今後どのように教えていくのか。県教育委員会が編集している沖縄の歴史教科書の活用や独自の証言集を編さんし、沖縄戦の歴史をみずからの手で継承していく考えはないのか。
 3、中華航空機爆発炎上事故と那覇空港の沖合展開について質問します。
 中華航空機の事故をテレビ映像で見たとき、一瞬テロ発生の恐怖を感じました。不幸中の幸いであったことは死者が一人も出なかったこと、そして爆発炎上が駐機場で起きたことであります。残骸撤去まで約一月かかるのを見ると、万が一、滑走路上で発生していたとしたら、沖縄経済の心臓部である那覇空港は機能不全に陥り、経済社会全体が大打撃を受けることは明白であります。
 今回の大災害から教訓を得るとすれば、那覇空港の災害緊急事態の防災対策を再点検することができたということだと思います。がしかし、問題の本質は、空港以外に代替手段を持たない沖縄県の主要拠点空港が1本の滑走路しかないということであります。
 那覇空港については昨年のステップ2の調査結果から、現在の施設のままでは2010年から2015年までには夏季を中心に航空旅客需要の増加に対応できないおそれがあることは明白であります。ただ、増加する空港利用者への対応という話ではなく、100年に一度のこのビッグチャンスに沖縄の夢、夢の沖縄を自由自在に描くに足る空港機能の実現を図ることが大切なのであります。
 私の提案は6つあります。
 1、2015年までには必ず供用開始をするというタイムスケジュールを共有する、2、同時離発着ができるオープンパラレルであること、3、自衛隊が年間2万2000回離発着を行っている現状を踏まえて防衛省からも整備予算を獲得する、4、空港整備特別会計が5000億にも満たない微々たる規模しかないので、離島県という所与条件を踏まえて道路特定財源からも予算を獲得する、5、大規模震災による液状化を防げるような耐震性を確保する、6、ボーイング777-200ERや開発中のボーイング777-200LRといった、超長距離便に対応可能な滑走路の長さを確保するということであります。
 今現在、那覇空港の総合的調査、PIステップ3が活発に行われています。締め切りは10月28日ということでありますが、県民の持続的熱意がなければ次の工事着工段階には進めないのが現在のPI制度であります。だから今こそ機運を盛り上げることが大切です。
 10月6日には県主催の空港シンポジウム、10月17日には沖縄の観光の未来を考える会が主催する、2015年までに滑走路増設を求める総決起大会が開催されます。多くの県民の皆様の出席を心からお願いし、質問をします。
 (1)、中華航空機爆発炎上事故は、機体の残骸撤去まで約一月かかった。爆発炎上が滑走路上で発生したとしたら、県経済社会に及ぼす悪影響ははかり知れなかった。那覇空港は県民のライフラインであります。一日でも早い滑走路の増設を求めるが、国としては、依然としていつ事業着工するのかが明確ではありません。県として、那覇空港の事業採択と供用開始を具体的に平成何年に目指しているのか。
 (2)、平成19年度事業のPIステップ3は、過去のPI段階と比べて盛り上がっておりますか。次年度の事業も構想・施設計画段階のPIが続くと聞くが、一体いつまでPIを続けるのか。
 (3)、「アジア・ゲートウェイ構想」とANAの国際貨物輸送中継基地構想で、那覇空港の整備は具体的にどのように変わるのか。
 (4)、今回の爆発炎上事故を通し、那覇空港の災害緊急事態の防災対策を再点検することができたと思う。関係機関との連携も含めてどのような課題が浮かび上がったのか、それに対する対策は何でしょうか。
 4、教育について。
 福田康夫内閣がスタートしました。内閣の仕事は、総理が何がやりたいかではなく、何をやるべきかによって取り組むべき課題が決まると思います。参議院選挙の際には、自民党公認候補が街頭でマイクを持って熱弁を振るってもだれも立ちどまってくれなかったそうですが、今回、街頭で2人の総裁候補が演説をした際には、全国の町々で聴衆がうじゃうじゃと集まってきたそうです。
 前回の参議院選挙では、手厳しい審判を国民から下されたわけでありますが、自民党には謙虚さと反省力と底力があります。福田康夫新総裁を中心に、国民・国家と苦楽をともにする国民政党、責任政党として再生に邁進をします。
 福田内閣が最優先でやるべき仕事は、政治の信頼回復、この一点に尽きます。みずから「背水の陣内閣」と命名していましたが、活躍を心より期待します。
 安倍総理は、体調不良のため突然辞意を表明し、政治の空白をつくってしまいました。安倍総理も、先日の記者会見では素直に謝罪をしていました。一日でも早い健康回復をお祈りします。
 しかし、政治家の仕事は歴史が評価します。わずか1年間という任期の間に中国との関係改善、国民投票法の成立、防衛庁の省への昇格、「アジア・ゲートウェイ構想」、道州制担当大臣の設置と取り組みの加速、そして那覇空港の拡張整備を最優先で取り組むとの政治宣言などは正当に評価すべきであります。
 中でも教育基本法の改正は安倍内閣の最重要テーマでした。私としては、第10条で、家庭教育を新設項目とし、教育の第一義責任者は親にあるということを初めて明確化したことは極めて大きいと思います。そして、祖先や大自然に対する畏敬の念と謙虚さを絶えず持つという、第15条の「宗教的態度の涵養」も人間の人格形成で重要な意味を持つと考えます。
 小泉内閣は、新自由主義を貫きながら、日本経済社会全体の構造改革に邁進しました。森内閣の末期時の、日本社会全体を覆う閉塞感を打破するためには、自民党をぶっ壊すと絶叫する破壊力が必要であったのでしょう。しかし、そのひずみが弱肉強食の価値観を生み、「勝ち組」、「負け組」という言葉が蔓延し、モラルの荒廃を生んだ点もありました。だからこそ政権を引き継いだ安倍総理は、今、自分に課せられた使命は、人づくりによる日本国の再生であると見きわめ、教育基本法の改正に取り組んだ。このことは歴史に残る大仕事をしたとたたえたいと思います。
 (1)、改正教育基本法について。
 ア、改正教育基本法が施行されたことにより、本県における教育行政も変わらざるを得ません。改正法第5条には、法の理念を教育現場で具体化していく地方公共団体の実施責任が明確化されておりますが、現在の取り組みを説明してください。
 イ、改正法では、公共の精神、伝統の尊重、道徳心、宗教的態度の涵養、子の教育の第一義的責任は親等、新たな理念も含まれております。県はどのように評価をしておりますか。
 ウ、政府の教育再生会議は、教育再生に関する4つの対応を位置づけた第2次報告書を提出しました。この提言は、ゆとり教育の見直しにもつながると考えられるが、教育長はどのように考えておりますか。
 (2)、沖縄県立博物館・美術館について。
 ア、11月1日にオープンするが、開館記念イベント等があればアピールしてください。
 イ、博物館・美術館の指定管理者と館長との権限の範囲と、企画・特別展示等の企画及び運営についての決定権はだれにあるのか伺いたい。
 (3)、青少年の飲酒問題について。
 ア、本県の青少年飲酒状況は深刻であると聞きますが、その実態と対策について伺います。
 5、道州制について。
 道州制担当大臣を初めて設置した安倍前総理は、担当大臣下の検討機関として道州制ビジョン懇談会を設置し、3年以内に道州制ビジョンを策定する作業を進めました。
 「自民党政権公約2005」では、「地方自治および国の統治のシステムを効率的でスリムなものに再構築するため、道州制導入を検討する。」と宣言されております。
 道州制調査会の第二次中間答申では、一国並みの同州と基礎自治体から構成される新しい国の形を創造し、3年から5年をめどに推進基本法、その後2年程度の準備期間の後に完全に道州制に移行するという方針を出しております。
 このタイムスケジュールを踏まえ、県内でも議論が活発化してまいりました。それは、道州制というのが単なる統治機構の制度改革にとどまらず、究極の地方分権社会、地方自治の最高形態であり、なおかつ、あるべき沖縄の姿と形を構想し、実現することにほかならないからであります。県版「アジア・ゲートウェイ構想」やポスト振興計画をにらんだ「沖縄21世紀ビジョン懇話会」もその一環でありましょう。
 沖縄県議会も平良長政議員が仕掛け人となって道州制検討議員連盟が結成されました。月1回の勉強会には毎回多くの県議に参加いただき、感謝しております。そして、仲地琉球大学法政学部長を座長とした道州制懇話会もこの8月に結成されました。
 道州制懇話会は、学会、政界、経済界、労働界、首長、有識者等々多種多様な背景を持つメンバーで構成されており、月1回の勉強会を行っております。共通認識は、沖縄にとってとにかく都合のいいビジョンを描き、それを実現するために必要な制度を国に要求していこうということであります。
 道州制は、100年に一度の大改革であると言われております。しかし、単なる国家の行財政改革の手段に利用されるのか、真の地方分権、究極の自治の確立に資することになるのか、その行方を決定するのは沖縄県民の構想の発進力であります。10月15日には道州制懇話会主催のシンポジウムもあります。沖縄の将来をともに考えるためにも多くの県民の参加を希望します。
 (1)、国の形と心、制度と魂を根本から変える道州制の本質は、どのような沖縄をつくるのかを構想するにほかならない。県版「アジア・ゲートウェイ構想」やポスト沖縄振興計画をにらんだ「沖縄21世紀ビジョン懇話会」等は、道州制という制度論に入る大前提としてのあるべき沖縄の姿を形にする取り組みであると思います。それらの事業のエッセンスを明らかにし、目指すべき沖縄をどのように形づくっていくのかを示してください。
 (2)、県は単独同州を望ましいとしているのか、それともこれから決定していくのか、県庁内部の検討会・勉強会でどのような議論がなされているのかを明らかにしてください。
 (3)、単独同州となった場合、国と県との重複行政の解消が求められます。各省庁の出先機関等のどのような権限を県に移譲されるべきであると考えておりますか。
 (4)、道州制論議の県民への世論喚起のために県が考えていることはありますか。あれば取り組み内容を明らかにしてほしい。
 6、沖縄科学技術大学院大学について。
 (1)、県は、大学院大学周辺整備基本計画を策定したようだが、その概要を明らかにしてほしい。
 (2)、「ベスト・イン・ザ・ワールド」の大学院大学を中核とした知的産業クラスターの形成は事業方針の極めて大きな柱であります。取り組み状況はどうか。また、沖縄近海の海洋資源を調査し、昨年、理事長が知事表敬を行った独立行政法人海洋研究機構は、海洋・環境研究の分野で世界トップクラスの実力を持つが、そこのブランチを誘致する考えはありませんかか。
 7、沖縄IT津梁パークについて。
 (1)、沖縄IT津梁パークの事業規模、整備場所、雇用創出効果をどのように見込んでおりますか。
 (2)、沖縄IT津梁パークは、沖縄振興計画後期5年の新たな情報産業振興策の最大の目玉プロジェクトであります。どのような新たな展開が期待されますか。
 8、観光交流事業について。
 ことしは、日中国交回復35周年の年であると同時に、中華民国台湾との国交断絶35年目の年でもあります。政治、経済、民間とさまざまなレベルで中国との35周年を記念した事業が展開されておりますが、私も先月、北京市で開催された中国・沖縄友好交流促進会議にパネリストとして参加をしました。
 中国側の出席者は、清華大学教授や中国社会科学院主任研究員と中国最高の学術機関の方々が中国国際友好連絡会の招きで約10名ほど参加をしておりました。テーマは、「台湾問題と地域安全保障」と「中国領土問題などと相互協力」でした。中国側からは、沖縄が中国と観光や経済交流を深めたいのならば、一つの中国の原則を守り、日本政府に台湾の中国併合を強く主張すべきだとの意見や、尖閣諸島が中国の領土であるという歴史的資料や国際文書は豊富にあるので、その事実を中日が双方で確認し合えるようなツアーを共同で企画しようではないのかという提案が出ておりました。
 私が主張したのは以下の3点です。
 まず、沖縄の戦略産業である観光産業は平和産業であるため、台湾海峡の安全と秩序は絶対に維持しなければならない。台湾問題の解決は究極的には国とは何かという極めて哲学的な問いである以上、中国の民主化が大前提となります。時間のかかる問題であるのならば、中国と台湾の今の関係、つまり現状を維持するという戦略的あいまい性も大切ではないのか、これが最初の主張でありました。そして、沖縄は経済成長著しい中国との関係はこれからも深めていきたいが、古くからの友人である台湾との人的・文化的経済交流は引き続き深めていきたい。つまり、沖縄は今後とも中国と台湾の双方と仲よくつき合っていきたいと主張しました。
 最後は、中国は一つの中国を実現するために台湾との武力統一も辞さないので、沖縄も巻き込まれないように注意してほしいと主張しておりましたが、中国の軍事行動は認めないし、ただし台湾の独立宣言も支持できないと主張しました。
 沖縄は観光と交流を基軸に、アジア・太平洋という広域な視点から自立経済を確立していかなければなりません。その大前提となるのが台湾海峡の平和と安定です。沖縄は双方を見据えて、中国と台湾との平和的解決と観光交流拠点として立ち振る舞っていく使命があると考えております。
 (1)、県は、中国福建省の友好県省締結10周年記念式典祝賀会、上海でのWUB世界大会等にかかわってきたが、その成果を明らかにしてください。
 (2)、那覇―上海直行便の状況と香港定期便化の取り組みについて明らかにしてほしい。
 (3)、復帰40周年事業は、日本オープンの誘致と決定したんですか。
 (4)、琉球王朝時代の使節団が滞在したとされる北京会同館に足を運びました。歴史的遺産として修繕し、保存すべきであると考えるが、県はどのように考えますか。
 (5)、2010年のAPEC日本開催について、沖縄県も開催地として名乗りを上げるべきではないのか。
 9、農林水産業の活性化について。
 我が国は、食料自給率が40%しかなく、ほとんどを海外からの輸入に頼っております。農業を取り巻く内外環境は極めて厳しいものがありますが、国のもとになる足腰の強い、消費者の立場にも立った農業政策の展開はいつの時代も最重要な政治課題であります。
 (1)、日豪の経済連携協定(EPA)の締結は、本県農業にはかり知れない影響を与える。この危機を乗り切るためには、本県農業の将来展望や戦略的な施策を根本から見直すべきだと考えるが、県の見解はどうですか。
 (2)、食の安心・安全を確保するためには、地産地消の推進が重要であります。本県における取り組み状況と新たな推進方針についての考え方は。また、地産地消推進運動の一環として、安里副知事を先頭にした「野菜パパイヤ消費拡大キャンペーン」が先日実施されたが、その成果を明らかにしてください。
 (3)、新規就農者の現状と今後の推移をどのように見ておりますか。農業リタイア数と比較しながら明らかにしてください。新規就農対策については抜本的な思い切った手法が必要であると考えるが、どうですか。
 (4)、本県水産業を取り巻く環境は、漁獲量の減少、高齢化担い手不足、燃料価格の高騰等、極めて厳しい状況にあります。県の支援対策と水産業活性化策があれば披露してください。また、経営環境が厳しい漁業組合の現状と対策はどうなっておりますか。
 10、福祉問題について。
 沖縄最大のソフトパワーの一つは、健康・長寿の島というブランド力であります。しかし、最近はメタボリックシンドロームや肥満体の増大により男女とも平均寿命の低下が懸念されております。健康・長寿立県を取り戻すためには、知恵の結集が必要であります。最大限の取り組みを強く要望しまして、以下質問します。
 (1)、健康・長寿の島という沖縄最大のブランドが崩壊しております。県は、この深刻な事態をどのように受けとめて対策を立てておりますか。「健康おきなわ2010」の中間評価にも言及しつつ明らかにしてほしい。
 (2)、医師不足への対策はどうなっておりますか。特に産婦人科及び小児科医師配置状況について、各病院ごとに適正に配置すべき人数と実際の配置人数について伺いたい。
 (3)、県立病院における看護師の適正配置と確保対策を伺いたい。また、助産師不足の現状と対策の内容を明らかにしてほしい。
 (4)、障害者自立支援法が施行されて1年が経過しました。その間の障害者を取り巻く環境を県としてはどのようにとらえておりますか。課題があるとすれば何で、克服するために取り組んでいることは何ですか。
 (5)、第3期介護保険事業支援計画の円滑な推進に向けた取り組み状況と今後の重点課題は何か。また、本県においてコムスン関連事業所17カ所のうち14カ所の更新を打ち切ることにしたようであるが、利用者への影響と他の事業者等への移行等に問題はありませんか。
 11、地球温暖化対策について。
 来年の北海道洞爺湖サミットの最大のテーマが地球温暖化対策であると言われております。「愛・地球博」の際、フランス館の前にはこういう言葉が刻まれておりました。地球は先祖からの贈り物ではない。後世の子孫たちからの大切な借り物である。
 人間が生きていく上で環境破壊を免れることはできないでしょう。だからこそ各自がみずからの生き方をも見直し、地球環境に対する意識を高め、日常生活の中で温室効果ガスの発生を少しでも抑制できる習慣の形成が不可欠となるのです。
 (1)、気象庁の調査によると、沖縄本島を含む東シナ海南部の年平均海面水温が過去100年で1.1度上昇し、沖縄地方の年平均気温も78年間で約1.1度上昇したとの報告があります。県内における温室効果ガス排出量の推移と県の温暖化対策について、県民への啓蒙も含めて伺いたい。
 (2)、温暖化対策として期待されるバイオエタノールの県内での普及をどこまで拡大する考えか。県内で生産する方法と輸入するやり方もあるが、そもそも温暖化対策でバイオエタノールの持つ可能性をどのように考えているのか。
 (3)、化石燃料に課税する環境税導入への県の見解は。
 12、財政依存体質からの脱却について。
 (1)、三位一体改革の影響等により全国的に地方団体の財政運営が厳しくなっていると聞くが、県の財政状況はどうか。特に、地方交付税については本県のような財政基盤の脆弱な地方団体にとっては必要な住民サービスを維持する上で極めて重要な財源であるが、本県の地方交付税の状況はどうなっておりますか。
 (2)、安定的な財政運営と自立経済の構築のためには自主財源の確保が重要な課題であります。新たな自主財源の確保も含めて振興計画後期5カ年の中でどのように取り組んでいきますか。
 (3)、財源対策として、退職手当債や行革推進債等の地方債も重要な財源となってきているが、郵政民営化や地方分権の進展に伴い公的資金が縮減している。地方公共団体の自己責任による資金調達が重要な課題となっているが、他の都道府県が導入を進めている市場公募債についてどのように考えておりますか。
 (4)、納税額の一部をふるさとなど地方の自治体に移す「ふるさと納税」が次年度税制改正で実現される見通しでありますが、県はこの構想をどのように評価しておりますか。
 (5)、県は、嘉手納基地以南の返還米軍基地の跡地利用に伴う経済効果について調査報告書をまとめたようでありますが、その概要、経済直接効果と雇用効果等と調査の根拠を明らかにしてください。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 國場幸之助議員の御質問にお答えいたします。
 まず第1に、集中豪雨に関する御質問の中で、被害状況、要因についての御質問にお答えいたします。
 平成19年8月11日から12日にかけての集中豪雨の災害状況につきましては、幸いなことに人身の被害はなかったものの、河川のはんらんや畑の冠水等を初め多くの被害が発生しており、被害に遭われた方々に対し心からお見舞いを申し上げます。
 その要因としては、1日の降雨量が427.5ミリもありまして、200年に一回と想定される大雨によるものが大きな要因であると考えております。
 次に、歴史教科書に関する御質問の中で、県民大会の意義とあいさつについての御質問にお答えいたします。
 来る9月29日に「教科書検定意見撤回を求める県民大会」が開催されることは、平和を希求する県民の総意であると重く受けとめております。
 また、沖縄戦の実相を正しく後世に伝え、子供たちが平和な国家や社会の形成者として育つためにも大変意義深いものであると考えております。
 県民大会において、文部科学省の検定意見に対して抗議し遺憾の意を表明するとともに、検定意見が速やかに撤回され、記述の復活がなされることを強く要求し、沖縄県民の代表として平和に対する深い思いを伝えていきたいと考えております。
 次に、中華航空機の事故に関連しまして、那覇空港沖合展開の事業採択と供用開始目標年次についての御質問にお答えいたします。
 去る8月20日に、台北発那覇空港着の中華航空機が那覇空港の駐機場において爆発炎上するという重大事故が発生しました。事故に遭われた皆様には心からお見舞いを申し上げます。
 今回の事故は、奇跡的に大惨事には至りませんでしたが、事故機の撤去までに約1カ月を要しており、万が一、滑走路でこのような事故が起きた場合、離島県であります沖縄県にとっては県民の生活や観光産業への影響ははかり知れないものがあったと考えております。
 那覇空港につきましては、これまでの調査結果から、2015年ごろには将来の旅客需要に対応できなくなるとされており、その拡張整備のための事業化につきましては、今後、国において総合的な調査結果等も踏まえつつ、速やかに取り組んでいただけるものと期待いたしております。
 県といたしましては、こうした事故等に対応する上でも滑走路増設の2015年実現を目指して取り組んでまいります。
 次の御質問で、道州制に関する御質問にお答えいたします。
 県は、ことし7月、人流・物流ネットワーク機能の強化など、国内外との交流を通じて沖縄県の自立的発展を図ることを目指す「「アジア・ゲートウェイ」の拠点形成に向けた取組方針」を取りまとめたところでございます。
 また、21世紀沖縄の進むべき方向と実現へのシナリオをめぐって活発な県民議論を進めるために、各界で活躍中の実務者等をメンバーとする「沖縄21世紀ビジョン懇話会」を設置し、月1回のペースで議論を始めたところであります。
 県といたしましては、このような取り組みを通じ、将来のあるべき沖縄の姿を明らかにしますとともに、その実現に向けた枠組みとしての道州制の議論を深めてまいりたいと考えております。
 次に、科学技術大学院大学に関連する御質問の中で、周辺整備基本計画についての御質問にお答えいたします。
 世界最高水準の大学院大学を実現するには、優秀な研究者をいかに確保するかが重要なかぎとなっております。
 大学院大学周辺整備基本計画は、世界じゅうから集まる研究者やその家族などが快適に暮らせる環境を整備するためのガイドラインとして策定いたしております。
 策定に当たっては、日常生活を送る上での基本的な利便性を提供できるキャンパス・タウン・エリア、その機能を当面補完する中心エリア、そして県域レベルでの交通ネットワーク等を整備する広域エリアに区分をし、住宅、教育、医療や商業など8分野につきまして整備方針を示しております。
 特に、大学院大学のメーンゲート周辺を整備する門前町地区や石川インター周辺の交通結節機能を整備する交通センター地区につきましては、早急に整備すべき先導プロジェクトとして位置づけてございます。
 計画の推進に当たりましては、住宅や商業など民間の活力を必要とする分野が多いことから、民間を含めたメンバーで組織する専門部会を設置し、具体的な検討を行うことといたしております。
 次に、IT津梁パークに関する御質問で、IT津梁パークの事業規模、整備場所、雇用創出効果等々に関する御質問にお答えいたします。
 去る7月31日に報告されました国の「沖縄IT津梁パーク構想事業調査(中間とりまとめ)」となっておりますが、これではIT津梁パークの整備により約8000人の新規雇用が見込めるという検討結果が出ております。
 県では、これらのことを踏まえまして、10ヘクタール程度の用地に8000人が収容可能な施設を整備してまいりたいと考えております。
 また、整備箇所につきましては国の調査の中でも検討されておりますが、第1に土地取得の容易さ、第2に規模、第3に拡張可能性、第4に取得コスト、第5に土地の形状、6番目に交通アクセス、7番目に周辺環境等をもとに絞り込まれ、同中間取りまとめでは農業試験場園芸支場跡地、中城湾港新港地区都市機能用地、糸満市喜屋武地区大学院大学候補跡地等が有望とされております。
 県といたしましては、土地取得の容易さ等から候補地を県有地である農業試験場園芸支場跡地、中城湾港新港地区都市機能用地の2地区に絞りまして、10月末に出される予定の同調査の最終報告も参考にしながら場所を確定し、来年度より整備に着手したいと考えております。
 次に、同じくIT津梁パークに関係する中で、沖縄IT津梁パークによる新たな情報産業振興の展開についてという御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、情報通信産業を自立型経済の構築のための重要な柱として位置づけ、通信コスト低減化支援、人材育成などの各種支援策を展開してまいりました。
 これらの取り組みの結果、現在までにコールセンターを中心に1万人を超える新規雇用を創出いたしております。今後、情報通信産業が県経済の牽引役としての地位を確立するためにソフトウエア開発、コンテンツ制作といったより高度かつ多様な分野の集積も不可欠であると考えております。
 県といたしましては、IT津梁パーク整備構想を情報通信分野における沖縄振興計画後期5年の中核的な事業として位置づけ、高度な情報通信産業の集積空間を形成し、首都圏などからのソフトウエア開発の受注や、今後市場の拡大が見込めるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)等の集積により、さらに高度で多様なIT分野への発展・拡大が見込まれるものと考えております。
 次に、農林水産業の活性化に関する御質問の中で、日豪EPA交渉と本県の農業の将来展望についての御質問にお答えいたします。
 日豪EPA交渉の結果によりましては、沖縄県農業が壊滅的な打撃を受けることが懸念されております。
 この交渉につきましては8月6日に第2回会合が開催され、双方の意見、情報交換が行われたところでありますが、具体的な交渉内容につきましては明らかにされておりません。このため、新たな施策の展開につきましては、日豪EPA交渉の動向や国の対応を踏まえつつ検討していく必要があると考えております。
 現在、県といたしましては、沖縄県農林水産業の振興を図るため、第2次農林水産業振興計画に基づき、持続的農林水産業の振興と多面的機能を生かした農山漁村の振興を目標として、おきなわブランドの確立と生産供給体制の強化、流通・販売・加工対策の強化及び生産基盤の整備など、各種施策・事業を推進しているところでございます。
 次に、同じく農林水産業の活性化の中で、地産地消の取り組みと野菜パパイヤ消費拡大についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、平成16年2月に生産から流通、消費に至る各種団体から構成される沖縄県地産地消推進県民会議を設立し、平成15年度から平成19年度を期間とする沖縄県地産地消推進方針を策定して地産地消を推進しているところでございます。
 具体的には、学校給食や観光関連施設等で県産食材の利用促進、地域直売所等の直販機能の強化及びネットワーク化、広報宣伝活動などを実施いたしております。
 また、「野菜パパイヤ消費拡大キャンペーン」につきましては、平成19年9月7日から9月17日にかけて関係機関と連携し実施したところであります。
 主な取り組みといたしましては、第1に学校給食、観光ホテル及び飲食店等におけるメニューの提供、第2に調理師によるレシピコンテスト、第3に直売所や量販店における試食・即売を行っております。その結果、観光客及び県民へ野菜パパイヤをアピールすることができ、消費拡大が期待されているところであります。
 國場議員御指摘のとおり、野菜パパイヤなど沖縄県の伝統的野菜の生産振興と販売促進を図ることは重要なことと考えているところであります。
 今後とも、地産地消を積極的に推進するため市町村及び関係機関と連携し、内容の充実を図るとともに、全県的な取り組みに広げてまいりたいと考えているところであります。
 次に、福祉関係の御質問にお答えいたします。
 健康・長寿の崩壊の対策についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県の平均寿命につきましては、男性が平成12年度に全国26位となり、女性の1位からの後退も危惧され、沖縄県の健康・長寿を維持・継承する上で憂慮すべき状況にあると考えております。
 県におきましては、平成13年度に策定いたしました「健康おきなわ2010」に基づきまして、健康づくりの諸施策を推進してまいりたいと考えております。
 平成17年度にこの計画の進捗状況を検討した中間評価の結果からは、脳血管疾患や心筋梗塞等の危険因子である肥満割合の増加や、壮年層の生活習慣の改善が課題となっております。
 中間評価を受け、県や市町村など関係32団体で構成する「健康おきなわ2010推進県民会議」では、肥満対策やたばこ対策等を重点課題に設定をし、連携して対策を推進しているところでございます。
 県といたしましては、これまでの取り組みを踏まえまして、今年度じゅうに「健康おきなわ2010」を「長寿世界一復活に向けたアクションプラン」として改定をし、生活習慣病の予防対策の強化、県民一体の健康づくり運動をより積極的に推進してまいります。
 残りの御質問につきましては、部局長等から答弁いたします。
○副知事(安里カツ子) 國場議員の御質問にお答えします。
 友好県省締結10周年記念式典祝賀会及びWUB世界大会等の成果についてお答えいたしたいと思います。
 このたび、北京市で開催された「日中のお祭りIN北京」にエイサー演舞団を派遣する交流事業、福建省福州市で開催された「沖縄県・福建省友好県省締結10周年記念式典・祝賀会」への出席、上海市で開催された「第11回WUB世界大会」の開会式典への参加という3つの行事を主な目的として中国を訪問してまいりました。
 「日中のお祭りIN北京」では、中国福建省の青年との合同演舞によりエイサーを披露することができ、本行事の目的である日中両国民の交流を図ることができました。
 「沖縄県・福建省友好県省締結10周年記念式典・祝賀会」は、9月17日に福州市で開催されました。本県からは那覇商工会議所を初めとする経済団体や福建省にゆかりのある団体等の多くの参加者とともに友好県省締結を祝い、官民で一体となって友好親善を深める場とすることができました。
 また、祝賀芸能公演会では沖縄・福建双方の伝統舞踊や演劇が披露され、両県省民の文化交流が促進されました。来る10月下旬には、本県において相互交流の歩みや福建省を紹介する写真展が開催される予定となっております。
 経済成長が進む中国の中でも、特に目覚ましい発展を遂げている上海でのWUB世界大会開催では4カ国語対応のホームページの開設、ビジネスマッチング促進への意見等、活発な議論が行われ、会員相互の交流推進と国際的なビジネスネットワークの拡充を図る上で意義深いものであったと考えております。
 また、WUB世界大会にあわせて「沖縄経済特区セミナーin 上海」を開催しましたが、地元企業及び日系企業のほかWUB関係者も加わり、本県の投資環境を広くPRする機会となりました。
 以上の行事のほかに、在中国日本国大使、在中国上海総領事、故宮博物院、中国国際友好連絡会、中国東方航空を表敬訪問してまいりましたが、沖縄県と中国との観光・経済交流の促進について有益な御助言、御意見を伺うことができました。
 今回の中国訪問の成果を今後本県の振興策に生かしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(首里勇治) それでは1番の集中豪雨、台風11号・12号の被害についての関連で、8月11日の集中豪雨における被害状況、工事との関連及び再発防止策についてお答えいたします。
 安里川流域の治水計画は、河川改修計画とあわせて安里川上流の金城ダムと真嘉比川の真嘉比遊水地で成り立っております。
 河川改修はおおむね蔡温橋下流部まで整備が進んでおりますが、蔡温橋上流部は未改修であり、河川幅が狭い上蛇行しているため、過去にもたび重なる浸水被害がありました。そのため、現在、河川幅と歩道幅員を拡幅するための蔡温橋の改築を進めているところであります。
 今回の豪雨は1時間に85ミリで、おおむね20年に一度の大雨であり、河川の流下能力を超える出水があったと考えております。
 被害状況につきましては、那覇市の調査によりますと、床上浸水32棟、床下浸水5棟、店舗等浸水81棟、合計118棟の浸水被害がありました。
 今回のはんらんに対する工事の影響につきましては、現場調査、観測データ、過去のはんらん実績等を調査・解析して判断していきたいと考えております。
 調査・解析に当たりましては、専門家による検討委員会を設置し解析等を行い、3カ月を目途に調査結果を取りまとめる予定であります。
 安里川の抜本的なはんらん対策としましては、今後も下流側から順次河川改修を進めていく必要があると考えております。
 現在は蔡温橋下流の河川を拡幅するとともに、上流部において牧志・安里地区市街地再開発事業により河川改修を進めておりますが、順調に進捗した場合、再開発事業区間は平成21年度には完了し、柳通りや国際通り周辺の浸水被害の軽減が大きく図られるものと考えております。
 また、県としましては引き続き再開発地区から上流部についても順次整備を進めていく考えであります。
 以上であります。
○知事公室長(上原 昭) 集中豪雨、台風11号・12号の被害についての御質問にお答えいたします。
 その前に、集中豪雨、台風11号及び12号により被害に遭われた方々に対し心からお見舞い申し上げます。
 まず、8月11日の集中豪雨により被害を受けた地域とそれぞれの被害状況についてお答えいたします。 
 平成19年8月11日から12日にかけての集中豪雨の災害状況については、人的被害はなく、住家の半壊1棟、床上浸水は那覇市など8市町村で104棟、床下浸水は北部を中心に10市町村で299棟、非住家被害が那覇市を中心に7市町村で110棟、道路損壊等は浦添市などの6市町村で33件、土砂崩れは本部町、豊見城市などの11市町村で45件、畑の冠水は糸満市の13.2ヘクタールと、その被害は那覇市を初め16市町村に及んでおります。
 また、避難指示、避難勧告等は那覇市、沖縄市を中心に最大132世帯となっております。
 次に、台風11号・12号の被害状況についてお答えします。
 台風11号による県内の被害状況は、人的被害が2名、住家の全壊14棟、半壊22棟、一部損壊117棟、船舶被害14隻、車両被害3台、ライフラインの被害では久米島で電柱が28本倒壊し、3700世帯が停電、水道も全世帯断水しましたが、電気、水道とも17日には完全復旧しております。また、久米島を中心に21世帯27名が自主避難いたしました。
 台風第12号による被害状況は、人的被害が6名、住家の全壊4棟、半壊4棟、一部損壊26棟、船舶被害9隻、車両被害5件、地すべり1件、停電が八重山で1万600世帯、多良間村で200世帯ありました。また、八重山で7世帯24名が自主避難いたしました。
 次に、ワンストップの相談窓口はどこかという御質問にお答えします。
 大規模な地震等による災害が発生した場合には、沖縄県地域防災計画では、被災者が抱える相談や問い合わせに対処するため、国の各省庁、市町村その他関係機関と連携して「県民サポートセンター」を開設することになっております。
 また、通常の台風被害等については、それぞれの被害の実態に応じてそれを支援する法令等を所管する本庁各課や出先機関等で相談を受けております。
 次に、中華航空機爆発炎上事故を通しての課題と対策についてお答えします。
 国土交通省大阪航空局那覇空港事務所は、那覇空港及びその周辺において航空事故が発生した場合、消火救難・救急医療活動を迅速かつ的確に実施するため那覇空港緊急計画を定めております。
 今回の中華航空機爆発炎上事故の際は、同計画に定められた県や消防等への連絡が行われなかったため対応におくれが生じました。
 沖縄県では、事故を把握すると同時に沖縄県災害警戒本部を設置し、那覇空港事務所合同対策本部へ職員を派遣の上、情報収集に当たりましたが、関係機関の初動及び連絡体制に課題を残したものと考えております。
 那覇空港事務所では航空機事故を想定した訓練を平成2年度から実施しておりますが、今後は課題解決に向けて通信訓練の実施や連絡体制の多重化など、訓練内容の見直しについて働きかけたいと考えております。
 次に、跡地利用に伴う経済効果の調査についてお答えします。
県では、平成18年度において大規模駐留軍用地跡地等利用推進費により「駐留軍用地跡地利用に伴う経済波及効果等検討調査」を実施しております。                 本調査は、これまでに返還された駐留軍用地に起因する経済的影響について、プラス・マイナスの両面から把握・分析するとともに、返還予定の駐留軍用地に起因する経済的効果について一定の仮定のもとに推計し、今後の跡地利用の方向等についての検討に資することを目的として実施したものであります。
 その内容としましては、嘉手納飛行場より南の返還予定駐留軍用地が返還後に那覇新都心並みに整備・発展したと仮定した場合の直接経済効果及び誘発雇用人数等を推計しております。
 調査の概要については、基地跡地の整備に伴う経済効果として、直接経済効果を累計で約1兆円、誘発雇用人数を約13万5000人と推計しております。
 また、跡地整備後の経済活動に伴う経済効果として、直接経済効果を年額で8700億円、誘発雇用人数を約7万8000人と推計しております。
 なお、これについては県内経済規模の拡大、もしくは他地域からの需要の移行が必要となるため、県内需要の奪い合いとならないためにも、立地需要の予測や跡地間での機能分担を踏まえた長期的かつ広域的な跡地利用の戦略が必要となることが示されております。
 以上でございます。
○農林水産部長(護得久友子) おはようございます。
 それでは集中豪雨、台風11号・12号の被害についての農林水産業関係の被害状況と対策についての御質問にお答えいたします。
台風11号及び12号による農林水産業関係の被害総額は、9月25日現在で6億5000万円と見込んでおります。
 被害の内訳は、さとうきび等農作物5億500万円、ハウス等農業用施設関係450万円、家畜等畜産関係6700万円、林道等林業関係1400万円、水産業関係5900万円となっております。
 農作物等の被害対策としては、農業改良普及センターに特別営農相談窓口を設置するとともに、被災農家に対し、病害防除の徹底や樹勢等の回復のための肥培管理などの指導を行っております。
 台風等の被害に対する補償としては、さとうきびについては畑作物共済、水稲については農作物共済、野菜等については園芸施設共済、牛等の家畜については家畜共済があり、加入農家に対して損害評価後に農業共済金が支払われることになっております。
 また、農家が資金等を必要とする場合は農業経営維持資金等の融資や利子の助成を行い、負担軽減を図ることとしております。
 国の災害復旧事業の対象となる農業用施設や林道・漁港施設等については、国への災害復旧申請を早期に行うための準備を進めているところであります。
 次に、農林水産業の活性化についての、新規就農者の現状と今後の就農対策についての御質問にお答えいたします。
 本県の農業就業者数は、平成12年の3万4005名から平成17年には2万8224名で、5781名の減となり、毎年1000名程度の減少となっております。
 一方、新規就農者はここ数年100名程度で推移しておりましたが、平成18年には274名となっており、中高年を中心に増加しております。 
 県としては、新規就農者を確保するため研修受け入れ農家情報や就農希望者情報及び農地情報等が共有化できる就農希望者情報共有化システムを構築し、関係機関と連携して受け入れ環境の整備に努めております。
 また、農業大学校では、2年課程に加えて、多様な人材を確保するため1年課程を新設するとともに、他産業経験者等を対象とした短期農業基礎講座や夜間講座を開設しております。さらに、各普及センターにおいては、新規就農者の技術修得等を図るための講習会や現地研修会を実施しております。
 今後とも関係機関と連携し、新規就農者の育成確保に努めてまいります。
 同じく農林水産業の活性化についての、水産業の活性化策及び漁協経営の改善策についての御質問にお答えいたします。
 本県水産業を取り巻く環境は、資源の減少や漁業用燃油の高騰、漁業者の高齢化などにより厳しい状況にあります。
 このため、県では、地域特性を生かした水産業の振興を図るため、第2次沖縄県農林水産業振興計画に基づき、モズク、クルマエビ、ヤイトハタの養殖などつくり育てる漁業の振興、水産資源を適正に管理し、安定的生産を維持するための資源管理型漁業の確立、生産及び流通体制の強化を図るための漁港、漁場及び流通関連施設の整備などの諸施策を進めているところであります。
 また、漁協の経営の現状については、37漁協のうち15漁協が赤字を計上しており、厳しい状況が続いております。
 そのため、県においては、関係機関と連携して漁協合併や事業統合など経営の健全化に向けた指導を行うとともに、経営不振漁協に対する利子補給を行っております。
 今後とも、市町村、水産団体と連携して各種施策を総合的に実施し、漁協経営の体質強化を図ってまいります。
 以上でございます。
○教育長(仲村守和) おはようございます。
 それでは高校歴史教科書記述検定問題についての御質問で、文部科学大臣の撤回否定の発言と検定意見についてお答えいたします。
 文部科学大臣の発言は、教科書検定について一般的な見解を述べたものと理解をしておりますが、沖縄戦における「集団自決」への日本軍の関与について、これまで文部科学省が説明した削除・修正の理由は到底納得できるものではありません。
 また、教科用図書検定調査審議会の検定意見については、十分な検証がなされたとは言いがたく、まことに遺憾であります。
 「集団自決」においては、手りゅう弾が住民に配られていること等から、広い意味での日本軍の関与があったと認識しており、県教育委員会としましては、今後とも速やかに検定意見の撤回がなされるよう関係団体と連携を図ってまいりたいと考えております。
 次に、高校での沖縄戦の学習と継承についてお答えいたします。
 県立高等学校における沖縄戦の学習は、日本史、世界史及び学校設定科目である「沖縄の歴史」等で、教科書だけではなく「高校生のための沖縄の歴史」や「沖縄県史」等さまざまな資料を活用して実施されております。
 また、「総合的な学習の時間」や特別活動においても、沖縄県平和祈念資料館の見学や沖縄戦体験者の話を聞く等の取り組みが行われております。
 県教育委員会としましては、「新沖縄県史」の編さん作業を進めているところであり、証言集についても新沖縄県史沖縄戦部会で検討することとしており、その結果を「高校生のための沖縄の歴史」の改訂に活用していくことを検討してまいります。
 今後とも、本県の歴史や地域の特性を踏まえ、学校教育活動全体を通して平和教育を推進していきたいと考えております。
 次に、教育についての御質問で、改正教育基本法における地方公共団体の取り組みについてお答えいたします。
 改正教育基本法においては、教育の機会均等や教育水準の維持向上を図るため、国と地方公共団体が適切な役割分担と相互の協力のもと、その実施に責任を負うことが新たに規定されたものと認識しております。
 国においては、改正教育基本法に基づき教育改革関連三法を改正し、学習指導要領の改訂や教育振興基本計画の策定の作業が進められております。
 県教育委員会としましては、これらの国の動向や施策の方向性を注意深く見守りながら、具体的な対応策を検討することとしております。
 現在、本県教育の課題、児童生徒や保護者のニーズ等を踏まえるとともに、国の教育改革との整合性を図りながら、第3次沖縄県教育推進計画の策定に取り組んでいるところであります。
 今後とも、教育の実施主体としての役割と責任を自覚し、地域の実態に応じた教育施策を推進してまいります。
 次に、改正教育基本法の新たな理念等についてお答えいたします。
 改正教育基本法は、社会状況の変化や教育を取り巻く環境の変化にかんがみ、将来に向かって新しい時代の教育の基本理念を明確にしたものであると認識しております。
 そのため、(教育の目的)として、人格の完成、国家及び社会の形成者として心身ともに健康な国民の育成を規定しております。
 この目的を実現するために、今日重要と考えられる豊かな情操と道徳心、公共の精神、伝統と文化の尊重などの新たな理念や、家庭教育、学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力など、教育の実施に関する基本を明確にしたものであると理解しております。
 県教育委員会としましては、今後とも家庭や地域と連携して、子供たちの基本的生活習慣の確立や規範意識の醸成、基礎学力の向上に努めるとともに、郷土の歴史や文化に誇りを持ち、沖縄に生まれ育ってよかったと言える教育を推進してまいります。
 次に、ゆとり教育の見直しについてお答えいたします。
 教育再生会議第2次報告のゆとり教育の見直しを受けて、8月には中央教育審議会において次期学習指導要領検討素案がまとめられました。
 その内容としましては、学校週5日制のもと、教科学習の充実を図るため「総合的な学習の時間」の縮減と週当たりの授業時数の増により、国語、算数などの授業時数を増加することが提案されております。
 県教育委員会としましては、これまでも各教科において、ゆとりと充実の中で確かな学力をはぐくみ、「生きる力」の育成に努めてまいりました。
 激しい変化が予想される社会において、みずから考え、みずから学び、主体的に判断する力などの「生きる力」は重要だと考えております。
 今後とも、中央教育審議会の動向を見守りながら、個に応じたきめ細かな指導を充実し、基礎・基本の確実な定着を図っていきたいと考えております。
 次に、博物館・美術館の開館記念イベント等についてお答えいたします。
 県立博物館・美術館は、複合施設として11月1日にオープンいたします。
 博物館は首里の博物館を新築移転するもので、美術館は県立として初の美術館となります。博物館では開館記念展として「人類の旅 ~ 港川人の来た道 ~」をテーマに展示会を開催します。
 沖縄県は人骨化石が多数発見されており、日本及び東アジアの人類研究において世界的にも注目されている地域であります。これまでの研究成果をもとに、これら沖縄の宝を公開し、人類の歴史と日本人、さらにはウチナーンチュのルーツについて学び考える機会として開催するものです。あわせて、特別講演会や「化石の宝庫・沖縄の可能性」をテーマにした対談などの関連イベントも実施いたします。
 また、美術館開館記念展は「沖縄文化の軌跡1872―2007」をテーマに、明治から現在までの沖縄美術を中心として文学、音楽など沖縄文化の総体を展示いたします。
 具体的には、日本の著名な作家である藤田嗣治や岡本太郎などの作品、海外で活躍するウチナーンチュの作品などを紹介します。
 また、関連イベントとして、有名作家によるシンポジウムの開催などを予定しており、県民に芸術鑑賞の機会を提供するとともに、沖縄文化の国内外への発信に努めてまいりたいと思います。
 次に、指定管理者と館長との権限等についてお答えいたします。
 博物館・美術館の資料の収集や展示及び教育普及の企画等については県が実施することにしており、その内容は館長が決定することとしております。
 一方、指定管理者は、施設の管理や展示の一部と教育普及を実施することにしておりますが、指定管理者の行う企画・特別展示等の企画及び運営については、館長と協議の上、その承認を得て実施することになっております。
 次に、観光交流事業についての御質問で、北京会同館を修繕し保存することについてお答えいたします。
 北京会同館は、明・清時代の中国における外国朝貢使節団の往来接待に供した公館であり、琉球王国時代には琉球からの使節団も文化・交易の交流拠点として利用していました。
 北京会同館は、琉球と中国との交流を現在に伝える建造物であり、歴史的にも貴重なものと認識しております。
 しかしながら、北京会同館が外国に所在することから、県教育委員会としましては、文化財保護法に照らした保存・修理等の対策を講じることは厳しい状況にあると認識しております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 那覇空港沖合展開の関連で、PIステップ3の状況と構想・施設計画段階のPIについての御質問にお答えいたします。
 那覇空港につきましては、8月29日から2カ月間の予定でPIステップ3を実施しており、9月19日時点で前回のPIステップ2を上回る1500件のアンケートが寄せられております。
 PIステップ3は、那覇空港の整備の必要性を判断していくための総合的な調査の最終段階であり、県民の望むよりよい那覇空港を早期に実現するためにはさらに多くの御意見が必要であると考えております。
 国においては、那覇空港の整備が必要であると判断されれば、今後は将来対応方策を1案に絞り込み、構想段階のPIを通じて県民との合意形成を図り、事業が採択された後に環境アセス等の手続に入っていくことになります。
 同じく那覇空港の関連で、「アジア・ゲートウェイ構想」とANAの国際貨物輸送中継基地構想の那覇空港整備への影響についての御質問にお答えいたします。
 平成19年7月に策定いたしました「「アジア・ゲートウェイ」の拠点形成に向けた取組方針」で、県は、人流・物流ネットワークの機能強化や高度人材ネットワークハブの形成など、5つの重点分野を掲げております。
 その中で、特に那覇空港については滑走路の沖合展開の早期実現を初め、貨物ターミナル機能の拡充強化や国際物流関連企業の集積促進などに取り組むとしております。
 那覇空港は、本県においてアジア・ゲートウェイの拠点形成を図るための重要な中核施設であり、引き続き航空各社の国内外航空路線の拡充や新設、ANAの国際物流事業の展開などを促進するとともに、今後、国際物流関連企業群の集積促進にも取り組んでいくこととしております。
 今後、これらの取り組みをなお一層強化していくためにも、那覇空港の滑走路増設の事業化に速やかに取り組んでいただけるよう、引き続き国に働きかけてまいります。
 次に、道州制との関連で、県庁内部での議論についての御質問にお答えいたします。
 道州制は、真の分権型社会を実現するものであって、国の行財政改革や財政再建の手段であってはならないと考えております。
 本県の地理的・歴史的・文化的背景等から、本県は単独の道州とすることが望ましいと考えておりますが、今後さまざまな検討が行われ、最終的には県民意向を踏まえて判断する必要があると考えております。
 また、道州制の制度設計につきましては、国、道州、市町村の役割分担や自主性・自立性の高い税財政制度の構築が大きな課題になると認識しております。
 県としては、部長級研究会を中心に全国的な分権改革や道州制議論の動向、本県独自の課題等について検討しております。
 同じく道州制との関連で、国からの権限移譲についての御質問にお答えいたします。
 各省庁の出先機関等の権限移譲については、道州制の導入いかんにかかわらず、地方分権改革の一環として推進すべき課題であります。
 現在、全国知事会では各都道府県の要望を取りまとめ、「第2期地方分権改革への提言」として国に要望しております。
 この中では、国の存立にかかわる事務を取り扱う組織や全国的な規模・視点に立って行う必要のある事務を取り扱う組織を除き、都道府県単位の地方支分部局については原則廃止し、地方へ事務・権限と財源を一体として移譲するとしております。
 また、国の地方分権改革推進委員会と連携を図りながら、今後、抜本的な見直しに向けたさらなる提案を行うこととしております。
 県としても、出先機関等も含めた国からの権限移譲については、事務・権限と財源を一体的に移すだけではなく、企画・立案機能を可能な限り移譲し、国の過剰な関与が残らないようにしなければ地方の自主性が発揮されることはないと考えております。
 同じく道州制につきまして、道州制論議の世論喚起についてお答えいたします。
 県としては、道州制の基本的な論点、国等での議論の状況や課題について県民の理解を一層深める必要があると考えております。そのため、平成18年度に道州制に関する講演会を2回開催しておりますが、今年度も引き続き講演会の開催を予定しております。
 また、ホームページ等で道州制に関する情報提供を積極的に行っていきたいと考えております。
 次、沖縄科学技術大学院大学の御質問で、知的クラスターの取り組み状況と海洋研究開発機構の誘致についての御質問にお答えいたします。
 大学院大学の設置は、企業の研究施設等の集積や新たな産業の創出、世界的レベルの研究者による知的交流拠点の形成など、本県の振興発展に大きく貢献するチャンスであると認識しております。
 このため、今般策定した周辺整備基本計画においても、インキュベーション施設やリサーチパークの整備など、産業基盤の整備方針について盛り込んだところであります。
 なお、海洋研究開発機構の誘致につきましては、四方を海に囲まれた本県にとっては願ってもないことであり、どのような方法で可能なのかなど、引き続き情報収集等を行っているところであります。
 次に、観光交流事業との関連で、上海路線の状況及び香港路線再開の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 那覇―上海路線は、搭乗率の低迷により平成18年3月以降、週5便から2便に減便されております。
 現在、県では、上海事務所を拠点に誘客活動を展開し、冬季の旅客増加等による増便実現に向けて取り組んでおります。
 那覇―香港路線につきましては、香港に拠点を置く香港エクスプレス航空が定期便就航への意欲を示しており、県も去る6月に国土交通省に対して路線の復活を要請したところであります。
 以上であります。
○福祉保健部長(伊波輝美) おはようございます。
 國場議員の教育についての、青少年の飲酒実態とその対策についてお答えいたします。
県警の調査によりますと、本県における未成年者の飲酒補導件数は、7月末現在1937名で、前年同月に比べ415名減少しておりましたが、8月に入って那覇市内の公園で中学生が飲酒・補導されたのを初め、宮古島市、糸満市等で相次いで未成年者が飲酒による不良行為等で補導されております。
 県警によりますと、今回の事案の特徴は、女子の飲酒が目立つ、通行人に酒の購入を依頼するなどを挙げております。
 県としましては、これまでも関係機関・団体等と連携し、未成年者による飲酒防止対策に努めてまいりましたが、さらに周知徹底を図るため、先月、未成年者による飲酒防止対策の徹底について各市町村及び沖縄県酒造組合連合会などに協力を依頼いたしました。
 また、県民への周知を図るため、飲酒防止対策のポスターやステッカーを各市町村及び関係団体等に配付するなど、今後とも県警察本部、県教育委員会、市町村及び関係団体等と連携し、未成年者等による飲酒防止対策の強化に努めてまいりたいと考えております。
 続きまして福祉問題の、障害者自立支援法施行後の障害者を取り巻く状況及び課題克服のための取り組みについてお答えいたします。
 障害者自立支援法は、障害のある方が地域で安心して暮らせる社会の実現を目指して、平成18年10月から本格施行されております。
 しかしながら、原則1割の定率負担の導入や事業所への報酬の日払い化などの課題が指摘されているところでございます。このため、利用者負担のさらなる軽減措置、事業者に対する激変緩和措置、新法への移行等のための緊急的な経過措置の3つの柱から成る平成20年度までの特別対策が講じられたところであり、県に12億円余の基金を設置するなど、市町村等と連携し取り組んでいるところであります。
 また、県におきましては、同法に基づき、障害者の地域生活への移行や就労支援といった課題に対応するとともに、サービス提供体制の整備を推進し、サービスの円滑な実施を図るため沖縄県障害福祉計画を策定し、関係機関と連携しながら施策の推進を図っております。
 続きまして、第3期介護保険事業支援計画とコムスン事業所についてにお答えいたします。
 県は、平成18年3月に第3期介護保険事業支援計画を策定し、高齢化の進展、制度の持続可能性、要介護状態の予防・改善の重視を踏まえ、これまで以上に地域における高齢者の暮らしと自立を支えることに重点を置いて取り組んでおります。
 今後とも、介護サービスの質の向上・確保を図るとともに、高齢者ができるだけ要介護状態にならないよう、また要介護状態になっても可能な限り在宅や住みなれた地域で暮らし続けることができるよう、介護予防事業や新予防給付の拡充、地域包括支援センター機能の充実などを推進してまいります。
 また、株式会社コムスンの訪問介護サービスにおいて、不正な手段による指定申請が確認されたことから、本県におきましてもコムスンの事業所が指定更新を受けられないこととなりました。
 コムスンでは、厚生労働省とも協議の上、介護サービス事業をグループ外の法人へ移行することを決定し手続を進めており、本県におきましては、医療法人徳洲会がすべての介護サービスの移行先法人として9月4日に選定されております。
 今後、事業継承により590名の利用者のサービスの移行も円滑に行われるものと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(仲田秀光) 観光交流事業のうち、日本オープン誘致についての御質問にお答えします。
 日本オープンゴルフ選手権は、過去70数回の開催実績を持つ我が国を代表する男子ゴルフのメジャー大会であります。
 同大会の開催は、本県におけるゴルフ競技の振興や健全な青少年育成はもとより、県内ゴルフ場のレベル向上や知名度アップにもつながり、ひいては本県観光の振興にも大きく寄与するものと確信しております。
 このことから、県では、同大会を復帰40周年記念事業の一つに位置づけることとし、知事を会長とする誘致委員会を立ち上げるなど、誘致に向けた取り組みを進めているところであります。
 同じく観光交流事業のうち、APECの日本開催における沖縄県の対応についての御質問にお答えします。
 APECは、アジア・太平洋地域の持続的な発展を目的とし、域内の全主要国及び地域が参加するフォーラムで、現在は21カ国及び地域が参加する規模となっております。2010年には日本での開催が決定されており、首脳・閣僚会議のほか、高級実務者会合、貿易担当大臣会合、観光大臣会合が行われることになっております。
 APECの開催地については、来年7月の北海道洞爺湖サミット終了後、本格的な選定に入る予定になっておりますが、県としましては、関係機関からの情報収集に努め、開催にかかわる地元負担や経済効果など、総合的な見地からAPECの誘致について検討しているところであります。
 以上でございます。
○議長(仲里利信) 答弁の途中ではありますが、國場幸之助君の質問に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時57分休憩
   午後1時22分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 この際、報告いたします。
 説明員として出席を求めた教育委員会委員長中山勲君は、別用務のため本日の午後、10月3日及び4日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として教育委員会委員長職務代理者伊元正一君の出席を求めました。
   ――――――――――――――
○議長(仲里利信) 午前の國場幸之助君の質問に対する答弁を願います。
 病院事業局長。
   〔病院事業局長 知念 清君登壇〕
○病院事業局長(知念 清) それでは医師不足への対応及び産婦人科・小児科医師の配置状況についての御質問にお答えします。
 県立病院における医師の確保については、県内外の大学や医療機関、国等へ医師派遣を働きかけるほか、人的ネットワークの活用、県ホームページでの募集広告等を通して医師の確保に取り組むとともに、平成19年度新規事業の内閣府補助による専門医派遣事業、福祉保健部所管の沖縄県離島・へき地ドクターバンク等支援事業を活用するなど、あらゆる手段を講じて医師確保に努めているところであります。
 次に、県立病院における産婦人科及び小児科医師について、9月1日現在の配置状況をお答えします。
 産婦人科については、北部病院の配置枠3に対し医師確保ができず配置しておりません。
 中部病院は配置枠8に対し10人配置しており、その中には宮古病院への応援派遣医師1人と、北部地域からの急患対応医師1人が含まれております。
 南部医療センター・こども医療センターは配置枠8に対し7人配置しており、10月以降は1人増員し8人体制となる予定です。
 宮古病院は配置枠2に対し医師の確保ができず配置しておりませんが、中部病院から正職員医師と後期研修医合わせて2人の応援派遣を行っております。
 八重山病院は配置枠4に対して6人配置しておりますが、うち1人は9月末で退職する予定となっております。
 小児科については、北部病院は配置枠6に対して5人、中部病院は配置枠11に対して10人、南部医療センター・こども医療センターは配置枠20に対して18人、宮古病院は配置枠5に対して5人、八重山病院は配置枠4に対し4人配置しており、現時点では診療に支障はありません。
 次に、県立病院における看護師の適正配置と確保対策及び助産師の現状についての御質問にお答えします。
 現在、県立病院の看護職員配置は、患者10人に対し看護師1人の基準で配置しております。
 平成19年度の配置定数は、正職員1428人に加え、看護職の業務量緩和を図る目的で、臨時的任用看護師118人及び嘱託看護師115人、合わせて1661人を配置しております。
 看護師確保につきましては、沖縄県ホームページを初めハローワーク、民間求人広告、看護協会ナースセンターへの求人登録等のほか、県内各学校へ出向き就職説明会を行い、看護師募集をしております。
 正職員の採用については、今年度の選考採用試験から、受験上限年齢をこれまでの28歳から35歳へ引き上げるなど、看護師確保に努力しているところです。
 また、非常勤職員については、夜勤免除や短時間勤務、勤務日数の調整、夜勤専従など、本人の意向に沿うような勤務形態で対応しております。
 なお、助産師については、124人の助産師が県立病院で勤務しており、不足の状況にはございません。
 以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 地球温暖化対策についてお答えいたします。
 まず、県内における温室効果ガス排出量の推移と温暖化対策についてお答えいたします。
 本県における温室効果ガスの排出量は、京都議定書の基準年である1990年度の976万トンに対し2000年度には1284万トン、2002年度には1342万トンと増加しております。このうち、二酸化炭素排出量の約6割を家庭や事務所、自動車からの排出量が占めていることから、その削減対策が重要となっております。
 これらのことから、県では「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づく沖縄県地球温暖化対策地域推進計画を2003年度に策定し、県内の温室効果ガス総排出量を2010年度までに2000年度レベルから8%削減することを目標に各種対策を実施しております。
 主な対策としましては、地域からの取り組みを推進するため、市民団体、事業者、行政等127団体で構成する「おきなわアジェンダ21県民会議」等と連携し、県民環境フェア等を通じて、県民、事業者への環境に配慮したエコライフ、エコオフィス活動の実践を促しております。
 また、県みずからが一事業者として環境に配慮した行動を率先して実行することが県民、事業者等の自発的な行動につながることを期待して、沖縄県環境保全率先実行計画に基づき、エコオフィス活動や県有施設におけるESCO事業等の省エネ施設改修事業の推進、環境マネジメントシステムの導入など、温室効果ガスの削減を初めとする環境負荷低減に取り組んでおります。
 次に、バイオエタノールの県内での普及・拡大の考え方と、その可能性についてお答えいたします。
 バイオエタノールは大気中の二酸化炭素を増加させない、いわゆるカーボンニュートラルの燃料として京都議定書で位置づけられ、ガソリンへの混合により自動車から排出される二酸化炭素の削減が期待されております。
 本県では、運輸部門からの温室効果ガス排出量が全排出量の約3割を占めており、全県的にバイオエタノール3%混合ガソリン、いわゆるE3が導入された場合には、県全体のCO2排出量の0.4%に当たる約4万6000トンのCO2削減が見込まれており、有効な温暖化防止対策になるものと考えております。
 このようなことから、県では、環境省が平成16年度から宮古島において実施しているE3実証事業に対し、宮古島市と連携し、公用車の提供やE3燃料の普及啓発などの支援を行っております。
 今後の普及・拡大等については、内閣府を初め関係府省連携により平成19年度から実施予定の「宮古島バイオエタノール・アイランド構想」に基づく大規模実証事業の成果を踏まえ、検討していきたいと考えております。
 次に、化石燃料への環境税導入についてお答えいたします。
 環境税の導入については、国の平成19年度税制改正大綱において、「平成20年から京都議定書の第一約束期間が始まることを踏まえ、さまざまな政策的手法全体の中での位置づけ、課税の効果、国民経済や産業の国際競争力に与える影響、既存の税制との関係等に考慮を払いながら納税者の理解と協力を得つつ、総合的に導入を検討する。」とされております。
 県としては、環境税が電気・ガスやガソリンなど、二酸化炭素を排出するエネルギーに課税することで、二酸化炭素の排出量に応じた負担を求めるものであることから、地球温暖化防止の有力な手法であると考えており、国の動向を見守っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(宮城嗣三) 財政依存体質からの脱却についての中の、県の財政状況についての御質問にお答えいたします。
 本県財政は他県に比べ自主財源の割合が低く、地方交付税や国庫支出金に大きく依存した構造となっておりますが、近年の地方交付税の総額抑制の基調、公共事業の縮減を背景にますます厳しい財政運営となっております。 
 平成16年度から平成18年度の間で実施された三位一体の改革により、全国ベースでは国庫補助負担金が約4.7兆円削減され、そのうち約3兆円の税源移譲が実施されています。
 また、地方交付税改革により約5.1兆円の地方交付税の総額抑制が実施されております。
 本県における国庫補助負担金削減の影響額は平成19年度で約346億円、これに対して所得税から個人県民税へ約118億円が税源移譲され、不足分の約228億円については普通交付税により補てんされる仕組みとなっております。
 しかしながら、臨時財政対策債を含めた普通交付税額については、地方財政計画において平成16年度以降毎年削減が行われ、本県においても三位一体の改革に伴う税源移譲額の不足額は補てんはされているものの、総額ベースで見ますと、平成19年度は平成15年度に比較し約175億円の減となっています。歳入のおおむね3割を地方交付税が占めている本県にとっては大変厳しい状況となっております。
 次に、新たな自主財源確保の取り組みについてお答えいたします。
 地方公共団体における自主・自立的な行財政運営を推進する観点から、自主財源の確保は重要な課題であります。
 このため、県としましては、「沖縄県行財政改革プラン」に基づき、県税の徴収強化や使用料及び手数料の定期的な見直し、未利用及び貸し付け県有地の売り払いなど、自主財源の確保に努めているところであります。
 また、さらなる自主財源確保の取り組みとして、法定外目的税等の新税の創設や広告収入、施設命名権、いわゆるネーミングライツの導入などの新たな収入源の確保策について全庁的に検討することとしております。
 中長期的には、本県経済の活性化に結びつく産業振興施策の推進による税源の涵養に取り組んでまいります。
 次に、市場公募債の導入についてお答えいたします。
 財政投融資制度の改革や地方分権の推進に伴い、公的資金の縮減・重点化が図られたことを背景に、本県の県債の資金区分は平成15年度においては財政融資資金等の公的資金が約70%、民間等資金が約30%となっておりましたけれども、平成18年度においては公的資金が約15%、民間等資金が約85%となっており、地方債資金の割合が民間資金へ大きくシフトし、地方公共団体の自己責任による資金調達が強く求められております。
 このため、資金調達手段の多様化による安定的な地方債資金の確保を図る観点から、市場公募債導入の検討を行っているところであります。
 一方、市場公募債の発行に当たりましては、銀行等引受債に比較して手数料等の発行コストが高いこと、地元金融機関を含めた引き受け金融機関との調整が必要であることなどの課題があることから、市場公募債導入につきましては慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、「ふるさと納税」の評価についてお答えいたします。
 いわゆる「ふるさと納税制度」については、総務省の「ふるさと納税研究会」において、ふるさとに対する寄附を税額控除する方式を採用すること、納税者が寄附をするふるさととなる地方団体は限定しないこと、税額控除の上限は個人住民税額の1割程度とすること等の方式が検討されております。
 当該方式を前提とした場合、「ふるさと納税」によりどの団体にどの程度の寄附が行われるかについては納税者の意思に任されるため、「ふるさと納税制度」の導入による本県への影響額を把握することは現時点では困難であります。
 しかし、ふるさとに対し、財政的に貢献したいという納税者の意向を生かすための制度を導入することについては賛同できるものと考えております。
 以上でございます。
○佐喜真 淳 皆さん、こんにちは。
 自民党を代表いたしまして、これより代表質問を行いたいと思います。通告どおり行いますので、よろしくお願いいたします。
 1、普天間飛行場代替施設建設について。
 (1)、代替施設建設の現状と課題について。
 防衛省は、去る8月7日、名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への米軍普天間飛行場代替施設建設に向けた環境影響評価(アセスメント)方法書を県の意向を無視して一方的に送付しております。
 方法書には、県や名護市が求める滑走路の沖合への移動は含まれてなく、当初からの政府案そのままのアセス方法書であり、また県が方法書提出の前提としている滑走路の沖合への移動や普天間飛行場の3年をめどに閉鎖状態にすることに対する政府の前向きな対応を示したものではありません。
 方法書の提出をめぐって県と政府との間に幾つかのやり取りがあったようであります。県は、環境影響評価(アセスメント)方法書の提出で致府との間に膠着状態が続くのを避けるため、現行の政府案に加え、名護市の主張する滑走路を沖合へ移動する修正案を含めた複数案のアセス方法書を提出することで事態の打開を図ろうと試みたようであります。
 しかし、防衛省はこのような県の柔軟な提案を受け入れることなく、県とのアセス協議にも応じないとの強硬姿勢で押し通してきたのであります。その背景には、環境影響評価方法書の県への提出については、送付することで事足り、県との協議を必要としないとの防衛省の判断があるようであります。
 政府は、受け入れを決断した名護市を初め周辺町村の立場や地元と政府との話し合いの中から、移設建設を進めたいとする県の立場にも考慮しながら手続を進めることが、結果として地元の協力を得て早期建設につながることを理解すべきであります。
 いずれにしても、環境影響評価方法書の提出により、移設建設に向け本格的作業が動いたことは間違いありません。我々が懸念するのは、県と政府の対立が解消されないまま国が一方的に作業を強行することであります。
 幸い、県は、アセス手続とは別に政府との協議には応じるとの積極的な姿勢を示しており、協議を進める中から双方の一致点を見出してほしいと願うものでございます。
 そこでお伺いいたします。
 ア、防衛省は、環境影響評価(アセスメント)方法書を県に送付し、県は受け取りを保留しました。環境影響評価法の規定とのかかわりで県の保留はどのような意味を持つのか、県の見解をお伺いいたします。
 イ、防衛省は、県の意向とは関係なく環境影響評価方法書の公告・縦覧手続も終了いたしました。このままの状態で手続が進み、知事意見を求められた場合の県の対応をお伺いいたします。
 ウ、防衛省は、現在進めている環境影響評価に事前調査の結果を反映させるとの報道があるが、その事実関係と有効性についてお伺いいたします。
 エ、現状のままで政府から公有水面埋め立ての申請が出された場合、県の対応をお伺いいたします。
 オ、防衛省は、県や名護市が滑走路の沖合移動を求めていることに対し、アセス後の修正は可能との考えを伝えているようだが、その可能性について県の見解をお伺いいたします。
 カ、環境影響評価方法書の送付と関係なく、政府との協議には応ずるとしながらも、県の意見が述べられなければ開く意味がないとも述べたと言われるが、知事の協議会に臨む基本的姿勢をお伺いいたします。
 (2)、普天間飛行場の危険性の除去について。
 ア、普天間飛行場を3年をめどに閉鎖状態、いわゆる危険性の除去をするための具体策について、政府との調整はどのようになっているのかお伺いいたします。
 イ、普天間飛行場の危険性の除去のめどが立たない中でも、年々悪化する航空機による騒音被害は続いており、周辺住民の精神的苦痛の緩和を図るため、防音工事の拡充等の対策を防衛局に求めるべきだと考えるが、県の対応をお伺いいたします。
 (3)、米軍再編交付金について。
 駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法、いわゆる米軍再編推進法が去る8月29日に施行され、米軍基地を負担する自治体に対し、その協力の度合いに応じて再編交付金を支給するとする新たな制度がスタートいたしました。
 再編交付金は、米軍再編による施設面積、人員の状況及び計画の進捗状況に応じて支給されるというのが政府の説明であります。このような制度では、政府の思惑により支給額を減額したり、場合によってはゼロにされるおそれも出てくるとして、米軍基地所在の自治体からは不安が出ているのが現状でございます。
 現に防衛省は、普天間飛行場移設建設作業に係る環境影響評価方法書の送付に関連し、名護市は交付対象としては十分ではないとの発言をするなど、交付金を使い分け、政府の要求を飲ませようとの姿勢が見え隠れしております。
 そんな折、鎌田沖縄防衛局長は着任記者会見において、米軍再編交付金はボーナスのようなもので、一生懸命やったところに手当てをするシステムとの発言をしたようであります。このような発言は、今なお基地の重圧に悩まされている県民の感情を全く理解していない不謹慎な発言であると言わざるを得ません。
 我々は、再編交付金は基地の負担に見合う形で交付されるものであり、基地が存在する限りその見返りとして当然に受け取れるものと認識しており、その考えを変えるものではございません。
 そのような観点からお伺いいたします。
 ア、鎌田沖縄防衛局長は、米軍再編交付金について、ボーナスのようなものとの発言をしたと報道されるが、その事実関係と県の見解をお伺いいたします。
 イ、米軍再編交付金について県の認識をお伺いしたい。また、米軍再編交付金をボーナスとする考えは、米軍再編交付金の本来の趣旨に反しないか、お伺いいたします。
 ウ、北部振興事業費がいまだに配分されず凍結状態が続いているということであるが、その理由と県の対応をお伺いいたします。
 エ、北部振興費の配分がおくれることで、北部市町村における事業の継続にどのような影響が出るか。また、北部振興費のあり方で県と政府との考え方の違いはどこにあるのかお伺いいたします。
 2、嘉手納飛行場以南の基地の返還について。
 全国にある米軍専用施設の75%が集中する本県にとって、返還された基地の跡地利用は県政に課せられた大きな課題であり、その計画の成否は県経済や県民生活に直結する重要な問題であります。
 このため、政府においては、従来から沖縄振興計画等を着実に実施するほか、基地跡地利用についての支援や本県における米軍基地維持のためさまざまな振興策を実施してきております。
 今回の在日米軍再編に伴う嘉手納飛行場以南の基地の返還は、これまで経験したことのない規模の基地返還であり、県経済や基地従業員への影響は従来の比ではないことから、政府による財政支援が不可欠であります。
 さらに、普天間の代替施設建設も受け入れることから考えれば、これまで以上に政府による支援や地域への振興策の実施が必要であると思います。
 また、今回の大規模基地返還が県民生活に与える影響は大きく、その広大な跡地の利用計画は、残り5年となった振興計画との関連や本県の目指す自立型経済の構築とも関連し、復帰後、最大の経済プロジェクトとなり、県経済に及ぼす影響ははかり知れないものになると思われます。このため、米軍再編推進特別措置法だけでの対応には限界があり、新たな法整備を含めた支援策が必要になると考えるのであります。
 また、県においても、大規模基地返還に向けた跡地利用が単に基地の跡地利用にとどまらず、県経済の将来像とも関連した整合性を持たせた計画にする必要があると考えます。
 県は、大規模基地返還跡地利用に向け、新たな中南部都市圏ビジョンを策定するなど、県土構造の再編にも取り組むとしておりますが、自立型経済の構築に向けた位置づけと沖縄振興計画の後期施策との整合性を図っていくことが重要ではないでしょうか。
 そこでお伺いいたします。
 (1)、「再編実施のための日米のロードマップ」に明記された嘉手納飛行場以南の6つの基地について、返還に関する詳細な計画の作成がおくれていることを政府は関係市町村に伝達したようだが、おくれの主な要因と今後の県の対応をお伺いいたします。
 (2)、県は、大規模基地返還跡利用の策定に当たっては、県土構造の再編を視野に入れた先導的なプロジェクトの導入を検討するとしているが、跡地利用計画の絵をどのように描こうとしているのか、基本的考え方をお伺いいたします。
 (3)、県は、跡地利用計画策定に際して県土構造の再編にも取り組むとしているが、再編作業の期間をどの程度見ているのかお伺いいたします。
 (4)、県は、大規模基地返還跡地利用に向け、新たな中南部都市圏ビジョンを策定するとしているが、自立型経済の構築との関連で、沖縄振興計画の後期施策との整合性をどのように図っていくのかお伺いいたします。
 (5)、2014年に大規模基地返還となれば、期間は8年しかございません。早急な跡地利用計画の策定が必要となるが、全面返還される5施設の跡地利用計画策定のタイムリミットはいつまでと考えているのか。
 (6)、跡地利用計画策定及び中南部都市圏ビジョンの策定は、2014年までという限られた期間の中で作業をすることになるが、全面返還される5施設のそれぞれの跡地利用の方向性や次期振興計画における位置づけ等膨大な作業となるが、対応の方は可能であるかどうかお伺いいたします。
 3、米軍基地問題について。
 去る7月18日、うるま市の県立沖縄高等養護学校敷地内へ突然米軍装甲車が無断侵入するという事件が起き、さらに8月6日には、県立前原高校校庭へ米軍車両が侵入するという事件が相次いで起きました。これらはいずれも米海兵隊員によるものであり、しかも7月26日に地元うるま市議会が全会一致で抗議決議し、在沖米海兵隊司令部に対し再発防止等を求めたわずか10日ほどしかたっていない。
 この2つの事件は、人身事故や周辺地域への被害がなかったとはいえ、決して軽微のこととして片づけられるものではなく、重大な問題をはらんでおります。提供施設外への米軍車両の侵入と地位協定違反という問題でございます。
 外務省も、今回の2つの学校敷地内への米軍車両の侵入は基地間の移動には当たらず、地位協定に逸脱すると認めております。
 米海兵隊司令部は、米海兵隊員が道に迷って学校に進入したとして遺憾の意を示しているが、1カ月もたたないうちに学校への侵入が繰り返されたことに、単に米軍の規律の緩みとは思えないものを感じるのであります。
 一体政府は、米軍に対してどのような申し入れをしたのか。外務省が、県立沖縄高等養護学校敷地内へ米軍装甲車無断侵入を地位協定違反と認めたわずか数日後には、今度は県立前原高校校庭へ車両侵入を起こしており、とてもまともな申し出とは思えません。これでは、復帰してから35年たった今も米軍基地と隣り合わせに生活している県民の基地負担からの軽減は到底望めそうにありません。
 このような状況においては、本県の米軍基地問題解決の根本はやはり日米地位協定の見直しにかかっていると思わざるを得ないのであります。
 県においては、いま一度日米地位協定の改定に向け、知事を先頭に大胆な行動を展開する必要があるのではないでしょうか。
 そこでお伺いいたします。
 (1)、米軍による事件・事故について。
 ア、去る7月にうるま市の県立沖縄高等養護学校敷地内への米軍装甲車の侵入及び8月の県立前原高校校庭への米軍車両の侵入について、その概要と県の対応についてお伺いいたします。
 イ、米海兵隊司令部は、米海兵隊員が道に迷って学校に侵入したとして遺憾の意を示しているが、1カ月も立たないうちに学校への侵入が繰り返されたことについて、米軍の規律と政府の対米軍姿勢に疑問を感じるが、県の認識をお伺いしたい。
 ウ、地元や県の強い抗議にもかかわらず、わずかの間に学校への車両侵入を二度も繰り返したことは、意図的に行ったのではないかとの懸念もあるが、県の認識を伺いたい。
 (2)、日米地位協定の見直しについて。
 ア、うるま市における米海兵隊の県立沖縄高等養護学校敷地内への装甲車侵入及び県立前原高校校庭への車両侵入について、政府は日米地位協定を逸脱したものであると認めたが、米軍の逸脱行為に対し政府はどのような措置を求めているのか。
 イ、このような米軍の無神経さは政府の対応の甘さに原因があると思われ、日米地位協定の見直しが必要である。県は、不退転の覚悟で政府へ要請行動を展開する必要があると考えるが、県の考えをお伺いいたします。
 (3)、米陸軍射撃場建設問題について。
 米軍キャンプ・ハンセン内のレンジ3付近に、米陸軍特殊部隊専用の小銃用射撃場が新たに建設されることが明らかとなっております。計画によると、射撃は実弾を使って行われ、沖縄自動車道から約500メートルと近く、しかも伊芸区集落が近くにあることなど、民間地への流弾が心配されるのであります。
 この計画に対し、地元金武町からは不安と怒りが沸き起こっており、儀武町長も到底受け入れられないと反対を表明しております。
 さらに、レンジ4の米陸軍特殊部隊の都市型戦闘訓練施設の移転に伴い、同演習場内の3カ所の既存の訓練施設が順次移設されることも明らかとなっております。これではキャンプ・ハンセンの過密化を助長させ、地域住民の安全が脅かされることは間違いありません。
 北部名護市には普天間飛行場の代替施設が建設されます。それに伴い嘉手飛行場以南の基地が返還されますが、これは普天間飛行場の危険性の除去を図るだけではなく、県民の基地負担軽減を目に見える形で実現することが基本となっております。
 このような観点から見れば、今回の米陸軍射撃場の建設問題が県民の基地の負担軽減に違背することは明らかであります。これでは北部への基地の集中と機能強化につながるとして、地元に不満が起こるのも当然であります。
 そこでお伺いいたします。
 ア、米軍基地キャンプ・ハンセン内のレンジ3付近に米陸軍特殊部隊専用の小銃用射撃場が建設されることが明らかとなったが、その概要についてお伺いいたします。
 イ、米陸軍特殊部隊がなぜこの時期に射撃場を必要とするのか、その理由を伺いたい。また、この問題に対する政府の対応についてお伺いいたします。
 ウ、地元となる金武町は、基地の負担増につながるとして強く反対しているが、過去の経緯から地元だけでは建設を撤回させることは難しい。県はどのような対応をしていくのかお伺いいたします。
 エ、普天間飛行場の移設とそれに伴う嘉手納飛行場以南の返還は、本県の基地負担の軽減が基本となっている。米陸軍射撃場の建設は、北部への基地集中と機能強化につながると考えるが、県の認識を伺いたい。
 オ、レンジ4の米陸軍特殊部隊の都市型戦闘訓練施設の移転に伴い、同演習場内の3カ所の既存の訓練施設が玉突きで順次移設されるとの報道があるが、事実であればその概要と県のとり得る対応を伺いたい。
 4、地域振興策の推進について。
 (1)、地域再生支援策について。
 中小企業庁が行った調査によれば、全国の商店街の約70%が衰退しているか衰退のおそれがあると現状に危機感を抱いているようであります。
 本県においても、商店街や通り会等の現状に対する悲観的な声が多く聞かれ、空き店舗対策が大きな課題となっております。
 県が行った県内18市町村の155商店街振興組合及び通り会等を対象とした平成18年度商店街データ調査によりますと、県内10市のうち沖縄市、名護市が最も空き店舗率が高くなっているようであります。
 また、県全体の空き店舗の状況は、近隣に立地した大型商業施設の影響もあり、町村部に比べ市部の方が空き店舗率が高く、南部地域より中北部地域が高いという結果になっております。
 商店街の店主からは、魅力のある店が少ない、商店街に活気がないなどの指摘が多く、また活性化に向けて取り組むべき課題として、組織強化と個別店舗の改善等が約半数を占めているようであります。
 沖縄市や名護市においては、商店街や通り会等の衰退に歯どめがかからず、行政と商店街だけではなく地域住民も参加し、活性化に向けたさまざまな取り組みが行われておりますが、効果的な対策を見出すまでには至っておりません。
 県には、この調査結果について詳細な分析を行い、それぞれの地域の実情に沿った効果的な対策を実施してほしいと願うものであります。
 そこでお伺いいたします。
 ア、中小企業庁が行った全国の商店街の実態調査で、全体の約70%が商店街の現状に危機感を持っていることがわかった。本県における商店街が抱える問題点・課題点についてお伺いいたします。
 イ、衰退の理由でも、大型店との競合より商店街に活気がないなどの内部の問題を挙げる店主が多いようであり、県が行った「商店街データ調査」においても、課題として、組織強化、個別店舗の改善等が約半数を占めている。商店街を活性化するための行政の支援・指導が急がれるが、県の考え方をお伺いいたします。
 ウ、県の調査によれば、町村部に比べ市部が、南部地域に比べ中北部が空き店舗率が高いようである。中北部が空き店舗率が高くなっている原因に何があるのか。また、中北部商店街の実態に即した支援策をどのように考えているのかお伺いいたします。
 (2)、カジノ構想について。
 本県観光の将来像は、年間1000万人が訪れ、そのうち100万人は海外からの観光客が占める国際的観光・リゾート地であります。このような将来像を実効あるものにするためには、世界に開かれた国際競争力を有した観光地の形成が必要であります。
 昨年本県を訪れた観光客は563万6900人で、海外からの客は9200人でありました。現在の沖縄観光の主体である海、空の魅力を生かした夏場観光のたまものではありますが、年間1000万人を呼び込むためには国内だけではなく海外からの観光客にも受け入れられる新たな魅力ある観光資源の開発や、本県に特化した観光メニューが必要であります。
 本県からも近い中国特別行政区であるマカオは、資源に乏しく観光以外に頼るすべがないことから、カジノを中心とした観光産業に転換したことにより、今ではラスベガスに匹敵する規模の観光都市に変化したと言われております。
 本県は、本土から遠く離れた離島県であり、資源に乏しく観光が主産業であるという共通点もあり、参考になると思われます。
 私自身も去る8月22日、自民党本部青年局主催によります香港・マカオへ衆議院議員萩生田青年局長を先頭に、全国の青年局の仲間と現地を視察してまいりました。現地を視察した後、全国の青年局の同志一同が一致した意見として、日本でカジノ・エンターテインメントを導入するに当たり、一番可能性のある地域として、地理的・環境的条件から沖縄県が一番の可能性のある地域として認めておりました。
 県は、国際的観光・リゾート地を形成し、観光客1000万人を達成するためにカジノを含めた多様なエンターテインメントの開発が必要としており、経済界、観光業界、大学機関等の有識者、市町村、教育関連団体等で構成するエンターテイメント検討委員会を立ち上げ、調査検討に入っております。
 そこでお伺いいたします。
 ア、エンターテイメント検討委員会の性格と委員会で検討・議論される範囲と今後のスケジュールについてお伺いいたします。
 イ、国際観光地としての沖縄及び地域振興の観点等から、カジノ・エンターテインメントをどのように位置づけているのか、県の基本的認識をお伺いいたします。
 ウ、カジノというと犯罪と結びつけて否定的にとらえる向きもあるが、カジノ・エンターテインメントの本来的姿と世界的に導入が進んでいる理由についてお伺いいたします。
 エ、仮に本県で導入するとすれば、観光業を初め産業に与える波及効果と県経済への影響をどのようにとらえているのか。そのメリットとデメリットの検討は進んでいるのか、お伺いいたします。
 雇用失業対策について。
 経済状況が好転し、本県においても雇用環境に明るい兆しが見られますが、失業率は7%台で推移するなど、依然高どまり状況にあります。その中でも恒常的問題として常に指摘されるのが若者の失業率の高さであります。
 近年、本県観光は好調を維持しており、その波及効果もあり、経済の回復基調が続く中、企業においても新卒者の採用もふえております。しかしながら、これが今後、雇用環境の抜本的な改善につながるとの見通しを立てるまでには至らないというのが現実ではないでしょうか。
 また、本県においては、30代の失業者が増大しているということであり、今後、深刻な問題になるとの指摘もあります。30代といえば家庭における主たる生計者であり、この世代の失業問題はあらゆる面に影響し、より深刻であります。
 また、通学、職探しをしない若年無職者、いわゆるニートの存在であります。ニートは全国的に社会問題化しておりますが、本県には約8000人近いニートがいると言われております。都道府県別、人口別で見ると、本県は全国一高くなっているようであります。
 さらに近年、ニートの年齢が高くなり、30代のニートもふえているということであり、このため30代失業者への的確な対応と若者の労働意欲の向上を図り、雇用の場の拡大等雇用の環境を改善するなど、ニート問題の積極的な対策を打ち出すことが必要であると考えます。
 そこでお伺いいたします。
 (1)、全国並みの失業率を達成するためには多くの難題を克服する必要があると考えるが、県の進める具体的施策をお伺いしたい。
 (2)、全国並みの失業率を達成するために特に育成・創出を図る産業は何か。また、就業者増の目標数値を伺いたい。
 (3)、本県の場合、労働市場への新規参入による摩擦的失業や労働需給のミスマッチによる構造的失業が多く、失業率の改善に結びつかないとの学者の指摘もあるが、県の考え方をお伺いいたします。
 (4)、社会問題となっているニートについて、本県は人口に占めるニートの割合が全国一と言われている。その実態を県は把握しているのか、お伺いいたします。
 (5)、本県の高失業率の要因の一つに若者の失業問題がある。若者の労働意欲の向上と雇用の場の拡大を図ることがニート問題の解決につながると考えるが、県の認識をお伺いいたします。
 6、土木建築関係について。
 改正建築基準法に基づく建築確認申請について。
 政府は、2008年度予算の大枠を示す概算要求基準(シーリング)を求めておりますが、公共事業費の3%減を盛り込んだ歳出削減予算となるようであります。公共事業費削減が地方経済に与えた影響は大きく、建設業の倒産・廃止等が相次ぎ、都市と地方との経済格差が拡大した最大の要因となっております。
 本県においては、産業部門の中で建設業の占める割合が高いことから、他県に比べてその影響ははかり知れないものがあり、建設業の衰退や経営不振は深刻であります。
 そのような状況の中で大きく報道されたのが改正建築基準法に基づく建築確認申請の減少問題であります。これはマンションなどの耐震強度偽装事件が社会問題化したことを受け、国土交通省が再発防止のため専門家による再審査を義務づけた構造計算適合性判定(ピアチェック)制度を導入したものであります。
 導入の趣旨については、その経緯等から一定の理解を示すものでありますが、本来、制度の導入に当たっては、必要となるプログラムソフト等を事前に準備しておくべきであります。しかしながら、国土交通省は新基準に対応した構造計算ソフトの開発ができていないにもかかわらず導入を急ぎました。これが結果として現場に混乱を招いたのではないでしょうか。
 県内でも再審査の対象となる建築物が年間2000件にも達すると言われておりますが、国土交通省が発表した7月の県内新設住宅着工件数は、着工前の審査の厳格化が原因し、前年同月に比べ61%減という全国最大の減少幅となっているようであります。
 県は、構造計算プログラムソフトが8月10日に発行されたことにより構造計算を行う環境は整い、これまでの業務のおくれは確実に改善されるとしておりますが、迅速なる確認申請の処理が求められております。
 そこでお伺いいたします。
 ア、改正建築基準法施行により構造計算適合性判定が導入され、一定規模以上の建築物には専門家による再審査・ピアチェックが必要となったようであるが、審査の手順と必要性についてお伺いいたします。
 イ、改正建築基準法が施行された6月20日以降、新基準での建築申請が激減したということであるが、それは事実かどうかお伺いいたします。
 ウ、本県は、構造計算適合性判定の対象となる年間2000件の建築物があるということだが、判定が必要な建物の基準と審査期間についてお伺いいたします。
 エ、専門家による審査が行われる構造計算適合性判定制度については、指定確認機関と判定員が必要とされるが、県内における状況についてお伺いいたします。
 オ、建築申請のおくれで校舎や体育館等の教育施設工事着工にも影響し、仮校舎での対応など学校運営にも支障が出るとの懸念があるが、実態はどのようになっているのかお伺いいたします。
 7、本県総合交通体系の整備促進について。
 (1)、交通体系の整備について。
 本県における公共交通機関としての路線バスは、慢性的な交通渋滞の影響を受け、時間のおくれ等不規則運行が恒常化し、県民のバス離れにつながっているという悪循環に陥っている状況であります。そのため、県民生活の安定向上を図る必要から、定時・定速、安心運行が期待できる交通システムの構築が求められております。
 本県は、沖縄振興計画において、アジア・太平洋地域における国際交流・協力拠点にふさわしい空港、港湾を整備し、国際観光・リゾート地としての地域の産業振興に資する空港や港湾整備を図るとしております。そのためにも陸上交通の基軸となる鉄軌道の導入を含めた総合的な交通網の整備が必要であります。
 現在、那覇空港から首里までの間は都市モノレールが運行されておりますが、路線バスとの結節も機能しており、観光客等からも好評を得ているようであります。しかし、当初期待していた自家用車等の車両の都市地区への乗り入れ、交通渋滞の緩和にはほど遠く、ほとんど効果は出ていないというのが実態であります。
 自立型経済の構築、観光客1000万人の誘致、失業率全国並み等々、県政の目標を達成するためには産業の一大振興が不可欠であり、そのための基盤となる交通網の整備は必要不可欠でございます。単に都市モノレールの延長という一部地域の枠内ではなく、県全体の交通の流れを見据えた総合的な交通体系の整備が急がれると思うのでありますが、そこでお伺いいたします。
 ア、本県は、国際交流・協力拠点及び観光・リゾート地の形成を図るため、空港、港湾、陸上等の総合交通体系の整備を目指しているが、現状と将来展望をお伺いいたします。
 イ、県は、軌道系交通システム導入の検討を進めるとしているが、導入に向けての基本構想についてお伺いいたします。
 ウ、県が検討を進めている中南部都市圏における総合的な都市交通マスタープラン及び都市交通戦略の策定について、基本的な考え方と現在の進捗状況についてお伺いいたします。
 エ、県は、公共交通活性化推進協議会を発足させ、公共交通活性化に向けた検討を開始いたしました。県内路線バスが基幹バスとして機能するためには、各路線バス及び都市モノレールとの結節点を設けるだけではなく、総合交通体系の中に位置づけることが必要と考えるが、県の考え方をお伺いいたします。
 (2)、都市モノレールの延伸について。
 沖縄都市モノレールは開業から昨年末までの利用客数は約4249万人余りで、1日当たりの平均利用客数は3万4320人であり、当初不安視された利用客数が順調に伸び安定した状況が続いているようであります。
 去る5月に発表された2006年度の決算見込みにおいては、建設当初の借入金の返済等により債務超過となっているようであるが、営業収益は乗客数の増加により伸びているようであります。
 沖縄都市モノレールは開業前の予想を大きく上回る利用客があり、今後も伸びが期待できる状況にあるようであるが、初期投資の借入金の返済という大きな課題も残されているようであります。
 このように、モノレールの運行は現在のところ順調でありますが、定時・定速運行の公共交通機関として真に県民の足として定着するためには路線の延長が不可欠であります。
 現在、沖縄都市モノレール延長検討委員会において複数の延長ルート案を2案に絞り検討が進められております。ルートが通る市町や地域からの誘致要請も激しくなっているようでありますが、どこに決まるにせよ、検討に際しては単に投資費用だけではなく、モノレールの効果的・広域的な利用促進、あるいは今後、普天間飛行場返還跡地の計画を含めた将来構想の観点からも議論が求められるものと思われます。
 そこでお伺いいたします。
 ア、検討委員会が絞り込んだ延長ルート2案について、それぞれの利便性、経営採算性等の総合評価についてお伺いいたします。
 イ、延長ルートを最終的に1案に絞り込むに際しては、普天間跡地を含めた中部地域への将来的延長をも視野に入れた観点からの検討が必要と考えるが、県の考え方をお伺いいたします。
 ウ、都市モノレールの抱える課題であるバスとの円滑な乗り継ぎ、観光施設や商店街等との連携等はどのようになっているのか。延長ルートの2案にどのように考慮されているのかお伺いいたします。
 以上でございます。
 よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 佐喜真議員の御質問にお答えいたします。
 まず第1に、普天間飛行場代替施設建設に係る環境アセスメント方法書の保留についての御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設建設に当たっては、政府と名護市の基本合意書をもとに、政府と県、地元市町村で協議をしながら進めていくことが必要であると考えております。
 このため、環境影響評価の手続に入る前には協議会が開催され、代替施設の規模や位置などの具体的な建設計画が協議されるとともに、現在の普天間飛行場の3年めどの閉鎖状態の実現についても、政府の誠意ある姿勢が示された上で方法書が提出されるべきものだと考えておりました。
 さきに提出された環境アセスメント方法書については、県、名護市と政府の間で代替施設の位置などについて調整が整わない中、提出されたことから、その受け取りを保留し、政府の誠意ある対応と方法書提出の再考を求めているところであります。
 なお、県が方法書の受け取りを保留しているにもかかわらず、環境影響評価法上はアセス手続は進行していると解釈されております。
 次の御質問の、アセス後の修正についての御質問にお答えいたします。
 先日、防衛大臣と面談いたしました際、大臣から、アセスを進める中で具体的なデータを県や名護市に示し、修正する合理的な理由があれば、県や名護市と誠実に話し合いたいとの趣旨の発言がありました。
 今後、政府が県、名護市との協議を行わないまま事業を進めると円滑な事業の推進に支障を来し、普天間飛行場移設問題の解決がおくれることもあり得ると考えております。
 このため、私としましては、アセス手続後の修正ではなく、アセス方法書を提出する前に県や地元名護市と十分協議すべきであるとの趣旨を大臣に伝えたところであります。
 いずれにせよ、アセス手続における知事意見の位置づけなども考慮し、今後の対応を検討しているところでございます。
 同じく普天間飛行場代替施設建設に係る御質問で、協議会に臨む姿勢についてお答えいたします。
 「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」が正式な名前のようですが、この協議会は、普天間飛行場代替施設の具体的な建設計画、安全・環境対策などについて、政府、県及び関係地方公共団体で協議するため設置されたものであります。県の考えを公式に表明する場として重要なものであると考えております。
 1月19日の第3回協議会以降、協議会は開催されておりませんが、県としましては、普天間飛行場の3年をめどとした閉鎖状態の実現及び代替施設をできる限り沖合に寄せてもらいたいとの名護市の要望について政府の誠意ある対応が必要であると考えております。
 県といたしましては、そのことを踏まえて協議会が開催されるべきであると考えております。
 次に、同じく普天間飛行場関連の御質問ですが、3年めどの閉鎖状態に係る政府との調整についての御質問にお答えいたします。
 私は、移設するまでの間であれ、普天間飛行場の危険性や騒音などの公害を放置することはできないことから、同飛行場のヘリ等の運用を極力低減し、3年をめどに危険性の除去、騒音の軽減を図ることを機会あるごとに政府に要求をしているところであります。
 去る8月10日、防衛省は「普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策についての検討に関する報告書」を発表いたしましたが、県としましては、日米両政府で合意されたこの安全対策は、基地を運用する上で日々見直されるべき当然の改善であり、私が求めております3年をめどとした閉鎖状態の実現に向けた抜本的な対策とは全く言えないものと認識いたしております。
 このため、私としましては、引き続き基地の提供責任者である政府に対し、一層の取り組みを要求していく考えでございます。
 同じく佐喜真議員の御質問の中で、嘉手納飛行場以南の基地の返還に係る御質問で、跡利用についての御質問にお答えいたします。
 嘉手納飛行場より南の大規模な返還については、県土構造の再編を視野に入れた跡地利用計画の策定促進が必要であると考えております。
 このためには、まず中長期的な視点に立った中南部都市圏のビジョンを策定し、それをもとに各跡地の利用の方向性を明確にする必要があります。その後、国、関係市町村とも密接に連携をし、地権者等関係者との合意形成を図りながら導入プロジェクト等の内容を明確にし、返還前の早い時期での跡地利用計画の策定促進に向け取り組んでまいりたいと考えております。
 同じく嘉手納飛行場以南の御質問の中で、中南部都市圏ビジョン策定への対応についての御質問にお答えいたします。
 県におきましては、「沖縄振興計画後期に向けた基本的考え方」の中で、「大規模な駐留軍用地の返還に向けた環境整備」を後期の重点課題の一つとして位置づけております。
 このため、本県振興の長期ビジョンとの関係を考慮した跡地利用計画の策定と跡地の有効利用を図るための法制度の整備等に今後積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 同じく佐喜真議員の御質問の中で、日米地位協定の見直し要請についての御質問にお答えいたします。
 県といたしましては、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、米軍や米軍人等の権利義務及び米軍の施設・区域の使用や権利関係を定めている日米地位協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。
 このため、より多くの国民や国会議員の皆様に地位協定の見直しの必要性を理解していただき、御協力を得ることが大変重要であると考えており、引き続き渉外知事会等と連携しながら粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
 同じく佐喜真議員の地域振興策に係る御質問にお答えいたします。
 カジノ・エンターテインメント導入については、国内の経済団体や一部の地方自治体において、経済効果や雇用の拡大、税収の増大などによる地域振興策として検討されているところであります。
 沖縄県の目標とする国際的な観光・リゾート地を形成し、観光客数1000万人を目指していくためには、夜間や雨天時及び季節を問わず楽しめるカジノ・エンターテインメントは有効な手段になるものと考えております。
 一方、カジノ導入につきましては慎重にすべきとの御意見や反対する意見もあることから、8月に設置したカジノ・エンターテイメント検討委員会におきまして、導入する場合の課題や対応策等について調査検討をすることにいたしております。
 カジノ・エンターテインメントの導入につきましては、同検討委員会の報告や国のカジノ法案等の動向を踏まえ、適切に判断していきたいと考えております。
 次に、雇用失業対策についての御質問にお答えいたします。
 全国並みに失業率を下げる、達成するための具体的な施策についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県の完全失業率を全国並みに改善することを目標とする「みんなでグッジョブ運動」におきましては、企業、教育機関、家庭、行政機関等の各主体がそれぞれの役割のもとで相互に連携・協力しながら取り組むことといたしております。
 その中で、県におきましては地域産業の振興や企業誘致、新規産業の創出、求人と求職のミスマッチの解消、学生のキャリア教育の推進などに取り組んでいるところでございます。去る9月11日には情報産業分野のミスマッチ解消を図るため、コールセンターフォーラムを開催したところであります。今後、観光分野についても予定をいたしております。
 また、企業や経済団体等につきましては、雇用の改善に向けてそれぞれの立場で主体的に取り組んでいただけますよう、主体別行動計画の作成を求めているところであります。さらに、県民運動を県内各地に浸透させるため、18名の地域推進リーダーを委嘱したところでございます。
 今後におきましては、既存事業の拡充強化とあわせて、より効果の高い新規事業の創出に努めるなど、企業の取り組みを支援しますとともに、県民運動の浸透を図ってまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁いたしたいと思います。
○文化環境部長(知念建次) 普天間飛行場代替施設建設関連で、方法書に対する知事意見についてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設建設に係る環境影響評価に関する手続は、事業者において、環境影響評価法及び沖縄県環境影響評価条例の規定に基づき実施され、方法書に係る公告・縦覧が行われたところであります。
 県としては、知事意見が、市町村長意見を勘案し住民等意見に配意しつつ、地域の環境保全に責任を有する立場から意見を述べるという環境影響評価手続での役割を踏まえ、今後の対応を検討しているところであります。
 次に、同じく普天間飛行場代替施設建設関連で、環境現況調査の結果を反映させることについてお答えいたします。
 事業者において実施された環境現況調査の結果を環境影響評価の手法の選定や、環境影響評価に活用することは可能であります。
 しかしながら、事業者が実施している環境現況調査は、環境影響評価の手法が選定されていない段階において、事業者の責任と判断において実施されているものであることから、今後、方法書に対する知事意見が述べられた場合には知事意見や住民等意見を踏まえ、環境影響評価の項目並びに調査等の手法を選定し、当該調査項目及び手法等に基づき必要な調査を実施する必要があります。
 なお、報道にある事業者の環境現況調査の結果をアセスに反映させるとの事実関係については把握してございません。
 以上でございます。
○土木建築部長(首里勇治) それでは1の普天間飛行場代替施設建設についての関連で、公有水面埋め立ての承認願書が出された場合の県の対応についてお答えいたします。
 県としましては、国が公有水面埋め立ての承認願書を出す前に、普天間飛行場代替施設の位置などについて、国、県、関係市町村長が合意することが必要であると考えております。
 したがいまして、公有水面埋立法に基づく添付図書、地元市町村長の意見、関係行政機関の意見等を事前に確認し、書類の不備等があった場合には承認権者として承認願書を受理しないこともあり得ると考えております。
 次に、6の土木建築関係についての関連で、構造計算適合性判定の審査手順とその必要性についてお答えいたします。
 平成17年11月に発覚しました耐震偽装事件を受け、建築基準法の改正がなされ、去る6月20日から施行されております。
 その1つが構造計算適合性判定制度であり、審査の手順は、建築主事等になされた建築確認申請について、従来どおり防火避難規定や都市計画等に関する規定等への適合性を審査した後、構造計算等について構造計算適合性判定機関により審査するものであります。
 従来、建築確認審査につきましては建築主事等により審査を行っていましたが、今回のような構造計算書の巧妙な偽装等に対応するには限界がありました。このため、建築主事とは別の一定の技術力を有する構造計算適合性判定機関の審査を受けることで対応することとなりました。
 次に、新基準での建築申請が激減したことについてお答えいたします。
 法施行日の本年6月20日から8月末までの約2カ月間の県内8機関が受け付けた建築確認申請の受け付け件数は480件となっており、過去5カ年の月平均の2カ月分である約1000件と比べまして約48%の水準にとどまっております。
 主な要因は、去る5月18日の構造関係技術基準告示の改正等に係る構造計算ソフトの対応のおくれによるものと考えております。
 次に、判定の基準と審査に要する期間についてお答えいたします。
 構造計算適合性判定が必要な建築物については、その構造により異なってきます。高さが20メートルを超える鉄筋コンクリート造の建築物など、一般的には一定の高さ以上等の建築物が対象となりますが、比較的小規模な建築物でも対象になる場合があります。従来、確認審査期間は21日でしたが、適合性判定に要する期間が14日間必要となることから35日に延長されております。
 次に、構造計算適合性判定機関と判定員の状況についてお答えいたします。
 沖縄県では、構造計算適合性判定の件数をこれまでの実績により年間2000件と想定し、県内に沖縄県建設技術センターと沖縄建築確認検査センターの2機関を構造計算適合性判定機関として指定をしております。
 また、構造計算適合性判定員は、大学の教授及び一定の実務経験のある者で国土交通大臣が認めた者であります。現在のところ、学識経験者等4名に国土交通大臣が認めた構造設計士など6名を合わせた合計10名が判定員としてその対応に当たっております。
 なお、国土交通大臣が認定する構造計算適合性判定員を養成するための講習会が本年度も去る9月上旬に実施されたところであり、今後の判定員の増員に期待しているところであります。
 次に、7の本県総合交通体系の整備促進についての関連で、都市交通マスタープラン及び都市交通戦略の策定についてお答えいたします。
 沖縄本島中南部都市圏では、人口や自動車交通はなお増加傾向にあり、交通問題は依然として大きな課題となっております。
 このため、将来の総合的な都市交通計画を策定する必要があることから、道路整備等のハード施策とバス網再編等のソフト施策が一体となった総合都市交通計画を策定することにしております。  
 これまでの進捗状況としましては、平成18年度は都市圏に居住する住民個人の交通行動を把握し、交通計画の基礎資料となりました実態調査、いわゆるパーソントリップ調査を実施したところであります。
 また、平成19年度は実態調査の結果等を踏まえ、現況都市交通の分析、予測モデルの作成、将来の都市圏構造と人口フレーム等を検討していきます。
 今後の進め方としましては、平成20年度に将来交通需要の予測等を行い、公共交通活性化推進協議会で検討されておりますバス網再編計画やモノレール延長検討委員会における延長計画とも連携しながら取り組むこととしており、学識経験者等から成る中南部都市圏総合都市交通協議会で中期計画として都市交通戦略、長期計画として都市交通マスタープランを策定する予定であります。
 次に、モノレール延長ルート2案の総合評価についてお答えいたします。
 福祉センター改良案の特徴は、延長が約3キロメートルと距離が短いことから事業費が安く、福祉集積拠点へのアクセス性の向上と石嶺地区のまちづくりの推進が期待されているところであります。 
 課題としましては、石嶺福祉センター線のモノレール導入空間確保のための地区計画の変更や新設道路整備に関する住民合意形成であります。
 一方、浦添ルート案の特徴は、2案の中では利用者が多く、交通渋滞緩和効果が期待されることであります。
 課題としましては、延長が約4キロメートルと距離が長いことから、沖縄自動車道との速達性に劣り、終点部で地下構造になることから幹線道路とのアクセス性や施工性に劣ることであります。
 また、利用者は多いものの、既設区間と比較して平均乗客数が少ないことから、モノレール株式会社の経営採算面のリスクが懸念されているところであります。
 次に、モノレールの中部地域への延長を視野に入れた検討についてお答えいたします。
 モノレールの延長につきましては、那覇都市圏の交通渋滞を緩和し、健全な都市機能の発展を図るとともに、本県の定時・定速の公共交通基幹軸の形成を目指して、当初計画で位置づけられた沖縄自動車道までの延長に限定して検討を進めているものであります。
 そのため、沖縄自動車道以北の普天間跡地を含めた中部地域への将来的な延長の検討については、県全体の総合交通体系の観点から、LRTなどの新たな軌道系システムを含めて多様な視点から総合的・段階的に検討していく必要があると考えております。
 次に、モノレールのバスとの乗り継ぎや観光施設等との連携についてお答えいたします。
 モノレールの利用促進に向けて、バスとの円滑な乗り継ぎや観光施設等との連携は極めて重要な施策であると認識をしております。
 そのため、現在、首里駅やおもろまち駅等で高速バスや路線バス及びコミュニティーバスと乗り継ぎを実施するとともに、首里城を初めとした11施設と連携しております。
 延長ルート案の検討においても、高速バス等、他の交通機関との連携強化を目指して、終点駅での大規模な交通結節点の整備や中間駅での交通広場の整備を検討するとともに、国際センターや総合福祉センター等との連携も検討していく考えであります。
 以上でございます。
○知事公室長(上原 昭) 普天間飛行場代替施設建設についての質問のうち、防音工事の拡充等についてお答えいたします。 
 防音工事対象区域等の拡大や防音施設維持管理費の全額国庫負担等について、去る8月10日、渉外知事会を通じて政府に対し要請いたしました。
 また、去る8月28日及び9月6日・7日にかけて、軍転協を通じて住宅防音工事助成制度の拡充及び区域の拡大等を政府に対し要請したところであります。
 次に、再編交付金はボーナスのようなものという沖縄防衛局長の発言についてお答えします。
 御指摘の報道については承知しておりますが、その後、沖縄防衛局長は、不快感を与えたことは申しわけないと陳謝されております。
 また、沖縄の抱える負担の重さを肌で感じたいとの趣旨の発言もされており、沖縄防衛局長におかれては、今後、本県の過重な基地負担の現状を十分に認識していただき、基地負担の軽減に向けて御尽力いただきたいと考えております。
 次に、再編交付金についてお答えします。
 県としましては、米軍再編に伴い、新たな負担を受け入れることとなる地域に対し、政府がその負担を緩和するための措置を実施することは必要なことと考えております。
 再編交付金は、米軍再編を円滑に進めることを目的として、再編に伴い負担の増加する市町村に対し、その負担の程度及び事業の進捗の度合いに応じて交付されるものであると理解しております。
 次に、嘉手納飛行場より南の基地の返還についての詳細な計画の作成がおくれている要因と県の対応についてお答えします。
 嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還については、日米両政府において、平成19年3月までに統合のための詳細な計画を作成するとされていましたが、これまでのところ同計画が作成されたとの説明は受けておりません。
 沖縄防衛局によると、詳細な計画の作成がおくれていることについては、現在、米側と調整中の段階であるとのことであります。
 県は、軍転協を通じて統合のための詳細な計画の作成について、地元に対し十分な情報提供を行い、関係自治体の意見を聴取し、その意向を踏まえて米側と協議を進めるよう国に対し要請しているところであります。
 次に、跡地利用計画策定のタイムリミットについてお答えします。
 返還後、速やかに跡地整備事業に着手しようとすると、現在のところ事業の準備には最低3年から4年を要すると想定されるため、跡地利用計画は返還の3年から4年前までに策定する必要があると考えております。             
 嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の返還については、日米両政府において、平成19年3月までに統合のための詳細な計画を作成するとされておりましたが、これまでのところ同計画が作成されたとの説明は受けておらず、返還の時期は明らかではありません。
 県としては、国及び跡地関係市町村と密接な連携のもと、跡地利用の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、米軍による学校敷地内侵入への政府の対応についてお答えします。
 政府は、米国に対し遺憾の意を伝えるとともに、米軍全体として再発防止を徹底するよう申し入れたとのことであります。
 次に、米陸軍射撃訓練場の概要についてお答えします。 
 政府によると、キャンプ・ハンセン内のレンジ3を改修し、現在のレンジ3施設の付近に在沖米陸軍が小銃用の射撃場を米側予算で整備するとのことであります。
 射撃場の概要としては、3階建ての施設で、2階と3階にそれぞれ10の射撃スポットを設置し、1階はオフィスとして使用するとのことであります。     
 また、この施設は射撃用のプラットホームが3方向を壁で覆われており、射撃方向は北西の山側のみとなっていることから民間地域へ銃口が向く可能性はなく、また射撃に伴い騒音の問題が発生する可能性は非常に低いとの説明等が政府からありました。
 米陸軍射撃訓練場の必要性と政府の対応についてお答えします。
 政府によると、在沖米陸軍は、小銃の射撃訓練をこれまでキャンプ・ハンセン等の既存の射撃場を使用して実施していたが、演習場の管理は海兵隊が行っているため、射撃場使用に係る海兵隊との調整の必要性等から効果的な訓練が実施されておらず、米軍の訓練に支障が出ていることから、訓練の集約・改善を行うものであるとのことであります。 
 また、政府としては、訓練の実施に当たっては、地元に与える影響が最小限のものとなるよう部隊の練度維持のための必要最小限の訓練にとどめ、また安全には万全を期すよう米側に対し働きかけを行っていくとのことであります。
 米陸軍射撃訓練場の建設に対する県の対応についてお答えいたします。
 金武町長の反対表明や金武町議会の反対決議については、県としても重く受けとめております。
 県としては、このような地元自治体の意向を踏まえ、去る8月28日及び9月6日・7日にかけて、軍転協を通じてレンジ3における射撃訓練場の建設は行わないよう日米両政府に対し要請したところであります。
 米陸軍射撃訓練場建設は、北部への基地の集中と機能強化につながらないかという御質問についてお答えいたします。
 政府によると、今回の米陸軍射撃訓練場の建設については、訓練の集約・改善を行うためであるとのことであります。
 いずれにしましても、金武町はこれ以上の米軍基地負担を認めないとしており、県としては地元金武町と連携を密にしながら適切に対応していきたいと考えております。
 レンジ4の陸軍複合射撃訓練場の移設についてお答えします。
 キャンプ・ハンセン内レンジ4の陸軍複合射撃訓練場については、地元金武町や沖縄県のたび重なる要請などにより、レンジ16に近接する既存レンジへの移設が平成17年9月15日の日米合同委員会で合意されたものであります。
 政府によると、陸軍複合射撃訓練場の移設に当たっては、レンジ16にある既存レンジを他の場所に移設する必要があるため、3カ所の既存レンジを順次移設する必要があるとのことであります。
 県としては、今後も引き続き金武町と密接に連携して、日米両政府に対し、地域住民に危険が及ばないよう早期の移設と地元の懸念に対するさらなる配慮を求めていきます。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 普天間飛行場代替施設建設との関連で、北部振興事業の凍結理由と県の対応についてお答えいたします。
北部振興事業は、財務省協議の後、内閣府からそれぞれの事業の所管省庁へ予算が移しかえられ実施されます。しかし、今年度は防衛省所管の事業について財務省との協議が行われておらず、北部振興事業全体が執行できない状況にあります。 
 県としましては、引き続き内閣府及び防衛省に対して、事業が着実に実施できるよう求めていきたいと考えております。
 同じく配分のおくれによる影響と県と政府との考え方の違いについてお答えいたします。
 北部振興事業は、平成21年度まで事業が計画されており、配分のおくれはこの計画に基づく事業実施に影響を及ぼすことが懸念されます。
 北部振興事業については、第1回目の「普天間飛行場の移設にかかる措置に関する協議会」において、沖縄担当大臣から、普天間飛行場の移設に係る協議が円滑に進む状況のもと、着実に実行する方向で対応するとの発言に基づき、平成19年度予算が措置されたところであります。しかし、この協議が円滑に進む状況という点について、内閣府及び県と防衛省との間で考え方に相違があると思われます。
 嘉手納飛行場以南の基地の返還についての御質問で、県土構造再編への取り組みと中南部都市圏ビジョンの自立型経済構築、振興計画後期政策との関係について一括してお答えいたします。
 嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還は、本県の人口が集中する地域において、かつてないほどの大規模な基地跡地をもたらすこととなります。
 県としましては、この跡地を自立的発展に寄与する貴重な空間として活用し、県土構造の再編も視野に入れた計画的な都市づくりや新しい経済活動の拠点形成を目指す必要があると考えております。
 このため、自立型経済の構築に向けた県全体の振興方向や普天間飛行場跡地利用基本方針等を踏まえつつ、大規模跡地における産業振興や都市機能のビジョンについて、平成19年度から平成20年度にかけて取りまとめていく予定であります。
 次に、本県総合交通体系の整備促進についての御質問で、沖縄県総合交通体系の現状と将来展望についてお答えいたします。
 我が国の交通運輸を取り巻く環境は、地球規模でのエネルギー問題や環境問題、経済のグローバル化、情報化の進展等によって近年大きく変化しております。             本県においても、自家用自動車の急速な普及や運輸事業の需給規制の撤廃等が交通事業に大きな影響を与えており、これらの時代の潮流や課題に対応した効率的かつ機能的な交通システムを構築していくことが求められております。
 このため、県では、空港、港湾、道路等のハード面の整備や、交通需要マネジメント施策及び情報技術を活用した交通システムの導入等を促進しているところであります。
 今後とも、これらの施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 同じく軌道系交通システムの導入検討についての御質問にお答えいたします。
 現在、県では、定時・定速性が確保され、利用者の利便性の向上に資する基幹バスを中心としたバス網再構築計画の検討を行うとともに、モノレールの延長についても検討しているところであります。
 軌道系交通システムの導入については、これらの結果を踏まえ、今後の需要動向、地域の開発計画、他の交通機関との連携など、多様な観点から総合的・段階的に検討していきたいと考えております。
 同じく基幹バスの沖縄総合交通体系基本計画への位置づけについての御質問にお答えいたします。
 沖縄県総合交通体系基本計画においては、骨格的な公共交通軸の段階的な展開方針として基幹バスシステムの導入を促進することが位置づけられております。
 現在、県では、定時・定速性が確保され、利用者の利便性の向上に資する基幹バスを中心としたバス網再構築計画の検討を行っているところであります。
 以上であります。
○教育長(仲村守和) それでは米軍基地問題との関連で、米軍車両の県立学校侵入の概要と対応についてお答えいたします。
 去る7月18日に県立沖縄高等養護学校に米軍装甲車が侵入し、8月6日には県立前原高等学校に米軍2トントラックが侵入するという事態が発生しました。
 県教育委員会といたしましては、外務省沖縄事務所と那覇防衛施設局に対し、米軍へこのような暴挙に対して強く抗議し、再発防止の徹底を申し入れるよう強く要請いたしました。
 また、在沖米海兵隊基地司令部に対しては、たび重なる傍若無人な行動に心の底から怒りを感じ、このような許しがたい暴挙の再発防止に向けた教育の徹底を求めると強く抗議し、要請したところであります。
 次に、米軍の規律及び車両侵入に対する県の認識について一括してお答えいたします。
 今回の事態は、当該校の生徒、職員だけでなく、県民にも大きな不安と強い衝撃を与え、学校の安全が脅かされたことに対し強い憤りを感ずるものであります。しかも、県の抗議要請や国の申し入れにもかかわらず、同様な事態が短期間に再発したことは、米軍の規律統制が不十分で規範意識が低く、許しがたい行為であると認識しております。
 県教育委員会といたしましては、幼児・児童生徒の生命を守り安全を確保する立場から、今後とも国や米軍に対し、このような事態が二度と起こらないよう隊員への教育の徹底を強く求めていきたいと考えております。
 次に、土木建築関係についての御質問で、建築申請のおくれによる学校運営への支障についてお答えいたします。
県立学校施設整備については、改正建築基準法の施行に伴う新たな構造関係規定の適用により、例年に比べ申請準備に時間を要したため、建築主事への申請手続におくれが生じているところであります。その結果、工事の発注にも影響が生じる見込みであります。
 県教育委員会としましては、今後、予算を分任している土木建築部と調整し、施工段階で工期の短縮等を図り、できるだけ学校運営に影響がないように努めていきたいと考えております。
 また、市町村においても同様な状況であることから、これからも県で把握している情報の提供を行うなど、連携して対応してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○観光商工部長(仲田秀光) 地域振興策の推進のうち、本県における商店街が抱える問題点・課題についてお答えいたします。
 県内18市町村における155の商店街振興組合及び通り会等を対象に、平成18年12月に行った「商店街データ調査」によると、商店街の景況について、「悪化している」が約37%に対し、「好転している」が10%となっており、悪化が好転を上回り、県内の商店街においても危機感があらわれております。
 商店街が抱える問題点・課題については、同調査によると、組織強化が約25%、個店改善・活性化が約20%、共同駐車場の整備が約17%、後継者育成が約15%となっております。
 同じく地域振興策のうち、商店街を活性化するための支援・指導についての御質問にお答えします。
 県においては、商店街の活性化を図るため商店街振興組合指導事業を実施し、セミナーの開催や派遣研修等を通じて商店街の組織強化や後継者の育成等を支援してきたところであります。
 各商店街は、それぞれの形成過程や特色などが異なり、個々の商店主の考え方の違いや権利関係も複雑なことから、その活性化のためには地元自治体のイニシアチブのもと、商店主や商店街振興組合などの自発的・主体的な取り組みが重要であると考えております。
 また、国においても「まちづくり三法の見直し」の中で、改正中心市街地活性化法の基本理念に、地域の関係者の主体的取り組みの重要性が据えられるとともに、国、地方公共団体及び事業者の中心市街地活性化のための責務が規定されたところであります。
 県としましては、同法の趣旨を踏まえ、活性化に向けた地元自治体や商店街の主体的な取り組みに対し、地域の実情に応じた支援や指導を行っていきたいと考えております。
 同じく地域振興策の推進の中で、中北部商店街の空き店舗率が高い原因及び中北部商店街の実態に即した支援策についての御質問にお答えします。
 県内の商店街における空き店舗の要因については、近隣に立地した大型商業施設の影響や個別店舗の魅力低下などにより、経営不振に陥り空き店舗となっていると考えられ、中北部の商店街においてはこのような要因が顕著にあらわれているものと考えております。
 県においては、これまで名護市や嘉手納町など中北部地域の商工会が行ったコンセンサス形成事業や空き店舗対策事業などに対し支援してきております。
 また、沖縄市については、コザミュージックタウン構想を促進するためのコンセンサス形成事業などを支援してきたほか、今年度においては中心市街地活性化法に基づく市の基本計画作成に対し、まちづくりサポート事業により支援しております。
 県としましては、今後とも中北部地域の商店街活性化に向けて地元自治体と連携しながら支援を行っていきたいと考えております。
 同じく地域振興策の推進の中で、カジノ・エンターテイメント検討委員会の性格等についての御質問にお答えします。
 カジノ・エンターテイメント検討委員会は、本県にカジノ・エンターテインメントを導入する場合の課題や対応策等について、海外におけるカジノの状況を踏まえ調査検討を行い、その結果を県に報告することとしております。
 同委員会は、県内の各種団体や有識者等の14名の委員で構成され、去る8月24日に第1回目の検討委員会を開催したところであり、年度内に5回程度開催することとしております。
 同じく地域振興策の推進の中で、カジノ・エンターテインメントの本来の姿と世界的な導入の理由についての御質問にお答えします。
 現在、各国で進められているカジノ・エンターテインメントは、カジノのみならずテーマパーク、ショッピング・グルメモール、国際会議場、ホテル等を含み、老若男女を問わず家族で楽しめる複合施設となっております。
 カジノ・エンターテインメントは、観光客の多様なニーズにこたえる観光資源として世界の多くの国で合法化されております。例えば、シンガポールは、カジノを含む統合リゾートがもたらす経済的なメリットを重視し、社会への悪影響は徹底した対策により排除できるとして政策を転換し、カジノ導入を決定しております。
 また、マカオは、カジノ業者間の競争原理を導入することにより、ラスベガスに匹敵するような観光コンベンション都市として急速に発展しつつあります。
 このように、カジノ・エンターテインメントは国際観光振興策として世界的に導入が進められております。
 同じく地域振興策の推進の中で、カジノ導入による経済波及効果とメリット・デメリットの検討状況についての御質問にお答えします。
 カジノ・エンターテインメントの導入メリットは、新たな観光資源の創出による観光振興や観光消費額の増大、雇用の創出、自治体の歳入増加等、さまざまな経済効果を通して地域の振興にも寄与すると言われております。
 今後、カジノ・エンターテイメント検討委員会において、カジノ導入のメリット・デメリットを含め、経済波及効果や社会的な影響についてさまざまな観点から幅広い検討がなされていくものと考えております。
 次に、雇用失業対策の中で、特に育成・創出を図る産業と就業者増の目標数値についての御質問にお答えします。
完全失業率を全国並みに改善するためには、産業振興及び企業誘致を一層拡充強化することが重要と考えております。
 このことから、特に総合産業として波及効果の高い観光・リゾート産業については、将来の観光客1000万人を目指し、観光基盤の整備とあわせて戦略的な誘客活動を推進してまいります。
 また、本県のリーディング産業として位置づけられている情報通信関連産業については、沖縄IT津梁パーク構想等を推進し、より付加価値の高い産業分野の立地・集積を促進してまいります。
 さらに、本県の地域特性を生かした発展可能性の高い健康食品産業、泡盛産業、農林水産業等の振興策をこれまで以上に推進するなど、雇用の場の拡大につながる対策を強化してまいります。
 就業者の目標値については、これらの産業の振興策による雇用の場の創出とあわせて、求人と求職のミスマッチ解消策などにより平成22年度までの4年間でおおむね4万人の雇用を創出することとしております。
 同じく失業対策の中で、ミスマッチに関する県の考え方について。
 本県の失業率が高い理由は、県内に雇用の場が不足していることのほかに、求人が多い業種と求職が多い業種の不一致、企業が求める技術・技能の不一致、労働条件、雇用形態の不一致、地域間の不一致などのミスマッチが発生していると考えられます。
 このため、県としましては、雇用創出に向けた産業振興や企業誘致策を推進するとともに、公共職業訓練施設における職業能力開発のほか、民間教育訓練機関を活用した職業訓練を実施しております。
 また、沖縄県キャリアセンターにおいて、若年者の職業観の形成のため就職支援セミナーやインターンシップ等に取り組み、ミスマッチの解消に努めております。
 これらの取り組みに加えて、新たにコールセンター人材育成産学官連携事業や、30代を対象とした企業説明会を実施しております。さらに、「みんなでグッジョブ運動」の展開の中で関係者の意識高揚を図るとともに、雇用対策の拡充強化に努め、失業率の改善に結びつけていきたいと考えております。
 同じく雇用失業対策の中で、ニートの実態についての御質問にお答えします。
 一般的にニートとは、通学も仕事もしておらず、職業訓練を受けていない人々を指します。
 厚生労働省では、労働経済白書において、いわゆるニートに近い概念として、15歳から34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない「その他」の者を「若年無業者」と定義しています。
 労働力調査や国勢調査において、厚生労働省と同じ定義で本県の人口に占める若年無業者の割合を見ますと、全国平均と比較して相当高い割合であると認識しております。
 同じく雇用失業対策の中で、ニート問題の解決についての御質問にお答えします。
 ニートや若年無業者を含めた本県若年者の雇用状況を改善していくためには、雇用の場の拡大とともに労働意欲の向上など職業観の育成を図ることは重要と認識しております。
 特に、職業観の育成を図るため沖縄県キャリアセンターにおいて、学生を初めフリーターやニートを含め若年者を対象にキャリアカウンセリングの実施、保護者向けセミナーの開催等きめ細かな対策を実施しているところであります。
 また、国が実施しております合宿生活の中で、職業人として必要な基本的能力の獲得、勤労観の醸成を目的とした「若者自立塾」事業への参加促進を図るとともに、ニートなどを対象に相談や支援を行う「地域若者サポートステーション」と関係機関との連携を図り、ニートを初め若年者の雇用改善に積極的に取り組んでいるところであります。
 以上でございます。
○議長(仲里利信) 以上で本日の代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明28日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後3時17分散会

 
20070302000000