平成20年(2008年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 2月21日
 


○議長(仲里利信) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた労働委員会会長比嘉正幸君は、所用のため本日及び25日から28日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日の会議に労働委員会公益委員矢野昌浩君、25日の会議に同委員会公益委員宮里節子君、26日及び28日の会議に同委員会会長代理大城光代君、27日の会議に同委員会公益委員宮城和博君の出席を求めました。
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○議長(仲里利信) 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 当銘勝雄君。
   〔当銘勝雄君登壇〕
○当銘 勝雄 おはようございます。
 護憲ネットワーク会派の当銘勝雄でございます。
 所感を述べて質問をしたいというふうに思います。
 2月10日に起きた米軍兵士による少女暴行事件、沖縄県民の人権をじゅうりんする何物
でもありません。日米政府、アメリカ軍に対する憤りを禁じ得ません。アメリカ軍はその都度、綱紀粛正云々、よき隣人になると公言をしておりますが、事件・事故は後を絶ちません。徹底した調査の上、厳罰で処していくことを望むものであります。
 日本政府は、沖縄県民の基地の負担軽減云々は言うが、あくまでも政治的発言にすぎません。日米の地位協定の問題になると運用改善を図ると開き直る。運用改善で解決できるのならこんな事件・事故が一向に減らないのはなぜか。
 この質問通告を出してからまた3件の破廉恥な事件が起きた。しかも少女暴行事件の後、教育訓練を行った後のことであります。きょうもまた米軍兵士による婦女暴行事件が報じられております。これは氷山の一角と見なければなりません。米軍はきょうにも帰還させるべきだというふうに私は考えます。知事の所感を求めます。
 また、県警本部長には事件の概要の説明をいただきたいというふうに思います。
 私たち県民は、オール沖縄でこの問題に対処していかないと永久に解決できないと思います。子々孫々まで基地被害を受けることになります。
 さて、我が国の経済は一流、政治は三流と言われてきたが、今や担当大臣も認めるように、経済も三流に落ちてしまいました。これまで自民党政治を維持するため、予算のばらまき政治を長年やってきたツケが回ってきたわけであります。公共事業や厚労省の年金原資の無駄遣いなどであります。収入が50兆円しかないのに、毎年30兆円の借金をして、80兆円の予算を執行してきました。その結果、後世に負担を負わせる多額の国債残高を抱え、さらにバブルの崩壊によって銀行への公的資金投入など800兆円の借金をつくってしまいました。
 小泉内閣は、景気浮揚を図るとして大企業優先の税制改正、規制緩和、地方分権と称して財源を伴わない三位一体改革を断行、地方自治体の財政逼迫化を招き、国民には税負担増を押しつけております。
 大企業はいざなぎ景気を上回る長い景気が続き、かつてない企業利益を上げたと言われます。グローバル化への対応が必要として勤労者への所得分配を行わず、正規職員は減少し、非正規、フリーター、派遣労働などの拡大により格差社会が一層拡大をしております。実質的な国民所得の目減りは消費性向を鈍らせ、景気浮揚の足かせとなっております。日暮らし生活ゆえ、公的年金や社会保障などへの加入もできない国民もふえております。
 一方、農村においては、WTOやEPAの推進によって国際的な市場圧力に耐えられない農家がふえ、若者の都市部への流出は農家の後継者不足となり、農村は疲弊し、限界集落化が進んでおります。美しい国日本をつくるは、選挙目当てのキャッチフレーズにすぎなかったのであります。
 農水省が目指す食料自給率45%引き上げとは逆に39%に低下をしております。大半の食料を外国に求める我が国、食の安全・安心の面からも国民を不安にさらしております。安ければよいとする消費者側にも問題はあるが、国民の生活を守るべき国の経済政策に問題があります。市場経済万能主義では、資源のない国土面積の小さい我が国では特定の産業と業種しか太刀打ちできないのは当然であります。
 このような国民の生活と離反する経済政策を進める自民党政治は、去る参議院選挙では惨敗に帰した。
 2008年度予算においては、地方農村対策に配慮する姿勢が見られるが、対症療法的な社会経済政策こそ問題であり、場当たり的であります。
 我が国のGDPは3.7%の上昇を発表したが、これは10月から12月期であり、予断を許しません。原油価格が2倍にも上昇し、企業活動の停滞や物価上昇を招き、またアメリカのサブプライムローンの破綻は我が国の株価の低下を招き、円高への移行は輸出産業の縮小につながります。GDPの大半を支える内需拡大も厳しく、ますます経済の混迷が心配されます。
 このような本県の状況、国民生活を憂い、自戒しながら質問に移ります。
 1、知事の政治姿勢。
 (1)、米軍兵士による暴行事件について。
 米軍から派生する事件・事故、環境破壊、騒音など戦場地のごとく起きてきます。基地があっては事件・事故は起こるべくして起こります。
 米軍基地を容認しているのも行政の長であり、またそれを支えているのも県民の一部であることは否定しないが、政府のあめとむちに毒されている現実が悲しい。
 質問します。
 ア、2月10日北谷町内で、起きてはならない未成年者に対する暴行事件が起きた。知事は、日米政府にどう抗議をしたか。
 イ、この事件で知事はコメントを発表し、県民の怒りは頂点に達していると憤りを示した。アメリカ軍も事の重大さに即刻対応し謝罪に来た。四軍調整官、メア総領事らに二度も握手をし、遅い時間に県庁まで足を運んだことをねぎらい、会談後はエレベーターホールまで見送ったと報じております。このような知事の態度は、本当に憤りを持っていたか疑問であります。たとえ礼節を重んじてとった態度であっても、社会常識や県民感情に反するものだと思います。知事の認識を問います。
 ウ、13年前にも同じような痛ましい暴行事件が起き、8万余の県民が怒りを込めて抗議の県民大会が開かれました。二度と再び起きてはならないとの悲痛な思いであったと思います。知事の思いを伺いたい。
 エ、知事は、この事件で辺野古への新基地建設への影響についての記者の質問に対し、影響はないと答えておりますが、今でもそう思うのか。
 また、2月18日未明に起きた家宅侵入事件でも、官房長官は、知事は影響ないと言っており、そうなってほしいとコメントをしております。
 オ、13年前の県民大会で、あってはならない事件に大田昌秀知事は、少女を守れなかった県民の知事としてのふがいなさをわびた。仲井眞知事は、県民のトップに立って日米政府を動かす県民大会を開催する用意があるか問います。
 カ、これまでも事件が起きるたびに抗議をしてきたが、基地の存在は起こるべくして起こる。もはや防ぐことはできません。新たな基地建設はそれを容認すると思うが、知事の認識を問います。
 キ、不平等条約と言われる日米地位協定では県民の生命財産は守れない、政府の言う運用改善では事件・事故をなくすることはできません。知事は本会議の所信表明で抜本的改定を政府に求める考えを示したが、具体的に何をどう改定するか問います。
 (2)、辺野古への基地建設。
 基地があっては本県の振興発展はできないことはこれまでも何度か指摘をしてきました。基地は諸悪の根源と言われます。辺野古への新たな基地建設は県民の総意でもありません。改めて基地建設に反対をし、質問します。
 ア、知事は選挙に際して、3年以内閉鎖状態、危険性の除去、今のままでは受け入れられないなど公約をしました。しかし、アメリカ政府は今の案がベストと言い、また沖合移動は環境問題を悪くするとしております。知事の公約が何ひとつ進展しないまま受け入れに動いております。なぜか。県民への公約に反することにならないか。県外移設を求めます。
 イ、辺野古移設に際し、住宅上空も飛行するとしているが、普天間の危険性除去を求めながら辺野古は容認するようでは矛盾をします。どう説明するか。
 ウ、普天間移設協議会が開かれるたびに新たな計画が示されてきます。上空飛行や欠陥機のオスプレイ配備、大型岸壁の配置などであります。さきの本会議でも質問しましたが、1966年に米軍が策定したと言われる辺野古基地建設マスタープランが現実化してくると思うが、どう認識するか。
 エ、辺野古の埋め立てに要する海砂は、県内調達で示されたのが1700万トン、トラックにして実に340万台分と言われております。海浜への影響ははかり知れません。砂利採取は可能と見ているのか問います。
 オ、海浜(浅海域)は海の生物の産卵の場所であり、またプランクトンなど微生物の生息する場所でもあります。本県の海を壊滅させることになるが、どう認識するか。
 (3)、普天間代替米軍基地建設に係る環境影響評価について。
 山口県岩国市の市長選挙に見られるように、政府はあめとむちで住民自治まで変えてしまう暴挙に出た。基地の受け入れを認めないならば、市庁舎建設費を凍結してしまうやり方は、米軍再編促進法の行き過ぎではないか。
 辺野古への新たな基地建設も同じような様相であります。
 辺野古への基地建設は70%以上の県民が反対をしており、米連邦地裁もアメリカの文化財保護法に違反しているとの判決が出され、環境破壊が指摘されております。この地域にあえて基地建設を進める理由がわかりません。
 質問します。
 ア、政府が示した環境影響評価項目は当初何項目で、書き直しを要求したのは何項目か。
 イ、県の環境影響評価審査会が不備を指摘した項目は何項目で、すべて書き直されたか。
 ウ、書き直した項目で、さらに不備または適当でないと指摘された項目は何項目か。
 エ、アセス項目の不備、欠落が指摘されれば、380ページに及ぶ説明資料が追加されるふまじめな政府・防衛省の態度をどう認識するか。
 オ、審査会においてやり直しの意見もあったと報じております。当初のアセス項目よりはるかにふえ、また未報告もあります。やり直しを求めないのはなぜか。
 カ、米連邦地裁は、辺野古への基地建設はジュゴンヘの配慮がなく影響調査も怠っているとして、米国防総省に米文化財法違反の判決を下した。この判決を評価するか。
 キ、米国防総省は直接建設にかかわっていないとしているが、明らかに普天間飛行場の代替米軍基地建設であります。天然記念物の絶滅危惧種のジュゴンを守るための判決であります。建設中止しかないと思うがどうか。
 (4)、沖縄振興計画について。
 ア、前期計画の、①、主要産業、主要項目の数値目標と成果を問います。②、目標達成ができなかった事項と原因について説明を求めます。
 イ、後期計画の、①、課題と特色、②、知事が描く沖縄の産業経済、県民生活の将来像をお示しください。
 (5)、普天間飛行場の3年以内閉鎖状態について質問します。
 知事は、選挙公約で3年以内閉鎖状態を県民に約束しながら、3年をめどに閉鎖状態に言葉をかえております。以内とめどでは意味が違います。3年めどでは3年にも4年にもなり、普天間の閉鎖状態がおくれることになります。
 前知事は、15年問題を持ち出して普天間の解決を図ると選挙公約しながら、その実現はできませんでした。仲井眞知事も公約倒れにならないか危惧するものであります。
 質問します。
 ア、知事が選挙公約した普天間の3年以内閉鎖状態は、時間の経過は見えるが閉鎖への道筋は見えません。どう進めるか。
 イ、これまで暫定ヘリパッドも提案されてきたが立ち枯れ、防衛大臣は、危険性の除去に向け最大限の努力をしたい旨発言しているが、具体性が見えない。最も危険な状態の現実をどう認識するか。
 ウ、さきの議会で知事は、政府に対し一層の取り組みを要求していく考えを示したが、政府への要請の具体的説明を求めます。
 大きな2、産業の振興。
 (1)、農業問題。
 我が国は輸出産業に特化して政策を進め、世界一の自動車生産、テレビやIT製品などの輸出拡大は進んだものの、食料生産は米だけを確保し、ほとんどの食料品を輸入に依存する国になってしまいました。
 中国のギョーザ問題が出ても、国内生産が不足している状況では輸入しなければならない。国民の安心・安全が確保できないのが実情であります。食料の安全保障は先進国並みの最低限70%の自前の確保が必要と考えます。
 質問します。
 ア、自民党は、さきの参議院選挙に惨敗して地方農村対策として2008年度農業予算をふやしているが、全国的にはどのような農村対策が計画されているか。
 イ、本県の農業予算は毎年シェアを落としております。政府の農村対策方針を受けて来年度予算の改善がなされるか。
 ウ、大企業優先の輸出産業政策によって1次産業は国際市場価格への転換を迫られ、農業の衰退は著しく、農村は疲弊しております。限界集落化が言われるが、県はその対策としてどのような予算措置がなされているか、具体的に示してもらいたい。
 エ、遊休農地対策として企業の農業参入が進められているが、基本的に農村の活性化につながらないと考えます。どう認識しているか。農地所有まで認めるのか。
 オ、本県の亜熱帯農業の確立は耐台風性の克服でなければならないと考えます。ハウス等近代化施設の整備の推進方向と進捗状況を示してもらいたい。
 (2)、水産業。
 ア、四面海に囲まれた海域の広い本県は、栽培漁業の有利性があります。どのような振興策を講じているか。また、進捗状況を聞きたい。
 イ、老朽化した水産試験場や稚魚生産の場であります栽培漁業センターの整備強化は急務であります。整備計画と進捗状況を聞きたい。
 ウ、公有水面の埋め立てや砂利採取等による荒れた漁場の回復は漁民にとって大切なものであります。県はどのような対策を講じているか。また、さきに提案した漁業補償金の一部を放流事業等漁場再生にどう取り組んできたか問います。
 (3)、製造業。
 ア、製造加工業は最も雇用効果の高い業種であります。製造加工業の振興にどう取り組んできたか。また、その進捗状況を聞きたい。
 イ、製造加工業は、試験研究機関の研究成果が大きな役割を果たすと考えます。研究課題と成果について問います。
 ウ、本県は薬草の宝庫と言われるが、多くの健康食品が生産されております。今後の課題と取り組みについて伺いたい。
 (4)、観光産業。
 ア、本県の有する亜熱帯の温暖な気候が豊かな自然をつくり、今や観光産業は本県のリーディング産業に成長した。今後の観光産業の目指す方向と特色は何か問います。
 イ、観光は総合産業であり、多くの要素がマッチングして相乗効果を発揮できるものであります。農漁業や製造加工業などとの連携強化が必要であります。どのような方策を進めてきたか問います。
 ウ、本県の観光収入は、入域観光客の伸びに比べその低さが指摘されております。仕組みの改善にどう取り組んできたか説明を求めます。
 エ、観光消費額の中で食や土産品のウエートは高いものです。しかし素材が輸入物に頼っており、その改善は急務であります。どう取り組んできたか。
 オ、知事は、観光客1000万人を目指してカジノ導入の検討に入っておりますが、カジノのイメージは賭博性が強く沖縄観光のイメージダウンにつながらないか、知事の認識を問います。
 カ、政府は、我が国のカジノ導入の法制化を検討しておりますが、仮に本県がカジノを導入後大都市への導入が進められた場合、済州島が示すように人口が集中する大都市に太刀打ちできなくなるが、どう認識するか。
 キ、賭博性のカジノ導入は、青少年の教育面や依存症、若年者の勤労意欲への影響、治安対策などが懸念されるが、どう認識するか。
 3、食の安全対策について聞きます。
 輸入食品の中国産ギョーザで国民の不安をあおっているが、氷山の一角と見なければなりません。農薬基準の違いや食に対する認識の違いなど、大量生産を是とする国からの輸入農産物の徹底した検査体制が必要であります。
 一方、国内産食品の不当表示や不適切表示、賞味期限書きかえなど、国民の不安を助長しております。医食同源と言われるように、食の安心・安全が問われております。
 質問をします。
 (1)、我が国は、自動車や工業製品など輸出産業を重視する余り、1次産業の衰退が続いております。農水省が目指す食料自給率45%はむしろ39%に低下しております。本県においても35%程度で低迷しておりますが、食料の安全保障の面からどう認識し取り組むか。
 (2)、アメリカ産牛肉や中国産ギョーザは食の安全の面からもクローズアップされているが、それだけではありません。我が国は大半が輸入農産物に頼っており、大きな問題を内包しております。主要輸入農産物の実態はどうなっているか。
 (3)、国内食品の偽り、輸入食品の安全性の面で県民に不安を与えているが、どう安全確保のチェック体制をとり、不安解消を図るか。
 (4)、国土面積の小さい我が国農業は、国際支持価格では勝負できません。生産効率を上げることも困難な業種であります。国の保護策のもとで食料の確保を図る必要があると考えるが、どう認識するか。また、穀物等の生産体制を進める考えはないか伺います。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 当銘議員の御質問にお答えしたいと思いますが、冒頭のは質問ですね、あれは。帰還させるべきだと思うがどうかという趣旨のことは。
○当銘 勝雄 そうです。
○知事(仲井眞弘多) わかりました。お答えいたします。
 米軍はきょうにも帰還させるべきではないかという御趣旨の御質問だったと理解しお答えいたします。
 報道が事実であるとすれば、基本的に日本の司法手続によって厳正に処断すべきであり、罪を償った上でアメリカへ送還させるべきものであると考えます。県民感情にも沿うものだと思います。
 次に、基地問題についてという質問の関連で、米軍兵士による暴行事件についての御質問にお答えいたします。日米政府への抗議について、特に2月10日の北谷町の事件についての御質問にお答えいたします。
 今回の事件は、女性の人権をじゅうりんする重大な犯罪であり、特に被害者が中学生であることを考えれば、極めて悪質で決して許すことはできず、強い憤りを覚えるものであります。
 県は、福田総理大臣やシーファー駐日米国大使を初め、関係大臣、関係機関に対し強い遺憾の意をあらわすとともに、このような事件が二度と起きないよう、一層の綱紀粛正及び隊員の教育の徹底を行い、県民が納得できるような形で具体的な再発防止策等を講じ、それを公表するよう強く求めたところでございます。
 次の御質問で、在日米軍調整官等への私の対応についての御質問にお答えいたします。
 私は、事件発生後、直ちに遺憾の意をあらわしたコメントを発表するとともに、その後の福田総理大臣やシーファー駐日米国大使を初め、岸田内閣沖縄担当大臣及び関係機関への要請におきまして、決して許すことはできず、強い怒りを覚えると申し上げ、厳しく対応したところであり、県民の怒りや事件の再発防止を強く求める県の立場は十分に伝わったと考えております。
 そして、当銘議員の言われた握手や私の見送りが県民の常識と違うということは全く反対でして、私は知事の立場として、謝罪に見えた組織の代表者に対しては当然とるべき最低の、むしろ最小ラインの社会常識で、県民の感情・意識にぴったりと合っていると考えているところです。(発言する者多し)
○議長(仲里利信) 静粛に願います。
○知事(仲井眞弘多) 次に、少女暴行事件への思いについてにお答えいたします。
 このような事件は、女性の人権をじゅうりんする悪質な犯罪であり、平成7年当時、私も県民の一人として激しい怒りを覚えました。
 今回の事件につきましても、県知事として、そして娘を持つ父親として、被害者や御家族のことを思うと心が痛み、断じて許すことはできず、怒りが込み上げてくる思いであります。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中で、暴行被疑事件の代替施設建設への影響についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 今回発生した事件は、女性の人権をじゅうりんする重大な犯罪であり、被疑者の海兵隊員に対し強い怒りを感じているところであります。
 在日米軍再編は、沖縄県の基地負担の軽減と抑止力の維持を図ることを主眼に合意されたものであり、普天間飛行場の移設、海兵隊のグアム移転及び嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還など、沖縄県にある米軍基地の整理縮小につながる事項等が合意されております。
 このような合意事項につきましては、実施可能なものから先に進展していくべきものであると考えております。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中で、県民大会の開催についての御質問にお答えいたします。
 県民大会につきましては、被害者及び御家族の心情や意向にも十分配慮することがまず第一であり、その上で広く県内の各界各層の声を聞く必要があると考えております。
 同じく知事の政治姿勢の中で、知事公約の現状と県外移設についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 私は、移設するまでの間であれ、普天間飛行場の危険性を放置することはできないことから、同飛行場のヘリ等の運用を極力低減し、3年をめどに危険性の除去、騒音の軽減を図ることを機会あるごとに政府に対し求めているところであります。
 私は、公約に掲げたとおり、地元の意向や環境などに十分配慮し政府と協議を行い、確実な解決が図られるよう全力を尽くしているところであります。
 私としましては、普天間飛行場の県外移設がベストだとは考えますが、今回の米軍再編協議の経緯等から県外移設は困難であり、一刻も早い危険性の除去のためには県内移設もやむを得ないものと認識いたしております。
 同じく知事の政治姿勢の中で、振興計画の後期計画の課題と特徴、沖縄の産業経済、県民生活の将来像等々に係る御質問にお答えいたします。
 沖縄振興計画後期は、高い失業率や本土との所得格差など、残された課題の解決に向けて沖縄の自立的発展の基礎をさらに固め、新たな飛躍を図る重要な期間であると考えております。
 このため、県におきましては、産業・雇用拡大県民運動(みんなでグッジョブ運動)を推進するとともに、観光客1000万人の達成やIT津梁パークの整備に向けた取り組みなど、第3次分野別計画に基づく施策を引き続き着実に実施してまいりたいと考えております。
 こうした取り組みを通して産業経済の自立的発展を図り、県民がゆとりと豊かさが実感できる社会の実現を目指していきたいと考えております。
 次に、知事の政治姿勢の中で、普天間飛行場の3年めどの閉鎖状態への道筋についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 去る2月7日の第6回協議会におきまして、私は政府に対し、3年めどの閉鎖状態の実現などについて、前向きかつ確実に取り組むよう求めたところであります。
 今後とも、機会あるごとに主張していきたいと考えております。
 次に、産業の振興についての御質問で、今後の観光産業の目指す方向と特色についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 今後の観光振興の基本方向といたしましては、豊かな自然景観などの優位性のある観光資源を生かし、通年滞在型の質の高い観光地の形成に向け取り組んでまいります。
 このため、温暖な気候や独自の歴史・文化を生かした健康保養型や体験滞在型の観光を推進してまいりたいと考えております。
 また、海洋性のリゾート環境を生かし、MICEやリゾートウエディングなど、付加価値の高い観光を促進いたしたいと考えております。さらに、有望な旅行市場であります東アジア地域を中心に、マーケティングに基づく効果的なプロモーション戦略を展開し、国際観光を推進してまいる考えでございます。
 次に、同じく産業の振興の中で、カジノ導入による沖縄観光のイメージダウンはないかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 カジノは、観光客の多様なニーズにこたえる観光資源として世界の多くの国で合法化されており、特にアジア諸国におきましては、シンガポールが観光振興のために政策を転換し、カジノを合法化し導入を図るなど、国際観光振興策として注目されているところであります。
 沖縄県が国際的な観光・リゾート地を形成していくためには、地域の特色を生かした芸能や音楽を初め、多様なエンターテインメントの充実を図る必要があります。現在の世界の観光地の状況などから、カジノを含む多様なエンターテインメントは有効な手段になると考えております。 
 一方、カジノ導入につきましては、慎重にするべきだとの意見や反対する意見もあることから、カジノ・エンターテイメント検討委員会の報告や国のカジノ法案の動向等も踏まえ、適切に判断したいと考えているところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させます。
○知事公室長(上原 昭) 今回の暴行被疑事件と新たな基地建設についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場の移設問題については、同飛行場の危険性を早期に除去するため、米軍再編協議の経緯、政府と移設先である名護市等との基本合意等を踏まえ、一刻も早い解決に向け、現在、政府と協議を重ねているところであります。しかしながら、米軍基地から派生する事件は到底容認できるものではありません。
 次に、日米地位協定の見直しの具体的内容についてお答えします。
 県は、日米両政府に対し、11項目にわたる日米地位協定の抜本的見直しを要請しているところであります。11項目のうち、幾つかの項目について御説明いたします。
 まず、地位協定第3条関係、施設・区域に関する措置について、公務遂行上必要な地方公共団体による施設・区域への立ち入りを含め、米側はあらゆる援助を与えることや、米軍の諸活動の実施等に対して、航空法等の日本国内法を適用する旨明記することを求めております。
 次に、同じく第3条関係で、米軍基地から派生する環境問題について、日米地位協定に環境に関する規定を新設し、環境保全に関する日本国内法を適用するよう明記することや、米軍の活動に起因して発生する環境汚染は、米軍の責任において回復措置をとることなどを明記するよう求めております。
 さらに、第17条関係、裁判権について、日本側の裁判権の対象となる被疑者が米側によって拘束された場合、日本側の起訴前の拘禁移転要請に米側が応ずる旨明記することを求めております。
 次に、住宅地上空の飛行についてお答えします。
 県としては、地元名護市、宜野座村と政府が基本合意に至った経緯を考えれば、いかなる訓練においても住宅地区上空を飛行するようなことはあってはならないと考えております。
 次に、辺野古基地建設マスタープランが実現することへの認識について。
 去る平成19年11月7日の第4回協議会において、建設計画等について検討するため、県からも政府に対し、必要な情報は可能な限り公開していただきたい旨申し上げたところであります。
 今後とも、協議会等の場において情報の公開を求めてまいりたいと考えております。 
 なお、現在の普天間飛行場代替施設の政府案は、米軍再編協議において平成18年5月に日米両政府で最終合意されたものであり、御指摘のマスタープランとは異なるものであると認識しております。
 次に、ジュゴン訴訟の判決についてお答えします。
 ジュゴン訴訟の判決は、米国の裁判所が米国国防総省に対し追加資料の提出を求め、それまで訴訟の進行が保留されているものと考えております。
 また、この訴訟は米国の法律に基づき米国の裁判所に提訴されたものであり、県として直ちに代替施設建設事業と関連づけて考えることは困難であります。
 普天間飛行場の現状に対する認識及び危険性除去に向けた政府への要求について一括してお答えします。
 普天間飛行場の危険性の除去の方策について昨年8月に政府から発表されましたが、県としては移設するまでの間であれ、訓練の分散移転などさらなる抜本的な改善措置が必要であると考えております。
 危険性の除去の具体的な方策については、米軍の運用や日本の国防にかかわることから、基地の提供責任者である政府が米国と協議をし、示すことが必要であると考えております。
 以上であります。
○文化環境部長(知念建次) 知事の政治姿勢との関連で、海砂の県内調達の可能性と本県の海への影響について一括してお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る埋立用材については、沖縄島周辺の海砂1700万立方メートルを用いると沖縄防衛局から説明がなされたところであります。しかしながら、県内の年間海砂採取量からすると著しく大量であるため、県外も含めた調達先の複数案を検討するよう知事意見で述べたところであります。
 これに対し、沖縄防衛局が提出してきた追加・修正資料においては、しゅんせつ土を含む建設残土の受け入れや県外からの調達等も含め、具体的に検討を行うとの見解が示されたところであります。
 県としては、埋立用材の確保に当たっては、当該事業実施区域及びその周辺の生態系に著しい影響を及ぼさないよう十分な配慮が必要であることから、今後、環境影響評価手続において必要な意見を述べていきたいと考えております。
 次に、当初示された環境影響評価項目と書き直しを要求した項目についてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価方法書においては、環境影響評価の項目として15項目が選定されております。
 書き直しについては、環境影響評価の項目として地下水の水質が新たに選定され16項目となっております。また、対象事業の内容や環境影響評価の調査手法等が審査するに不十分であったことから、より具体的に記載するよう求めたところであります。
 次に、審査会が不備を指摘した項目とその対応状況について一括してお答えいたします。
 沖縄県環境影響評価審査会からは、法対象事業について37項目の答申、条例対象事業について36項目の答申がなされております。
 審査会が指摘した不備は、事業内容を具体的に記載することと、それに伴う調査手法等の見直しを求めたものであります。
 また、方法書に対する追加・修正資料については、現在、審査会においてそれぞれ専門の立場から審査を行っているところであり、現段階でお答えすることは困難であります。
 県としては、今後、審査会からの意見を集約し、適切な環境影響評価が実施されるよう県としての意見を述べていきたいと考えております。
 次に、不備を指摘した後の政府の態度に対する認識についてお答えいたします。
 環境影響評価方法書は、その手続が事業者としてある程度具体的な事業計画を想定できる時期であって、その変更が可能な時期に開始されるものであります。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価方法書については、法的要件を満たしているものの、事業の内容や調査手法等が十分に記載されていないことから、対象事業の内容、環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法について書き直しを求めたものであります。
 事業者が知事意見を踏まえて追加・修正資料を提出したことは、当然のことと認識しております。
 次に、やり直しを求めない理由についてお答えいたします。
 環境影響評価法及び沖縄県環境影響評価条例においては、方法書手続から再度実施しなければならない場合の要件を明記しております。
 法に基づく埋め立ての事業については、新たに埋立区域となる部分の面積が修正前の埋立区域の面積の20%以上であること、条例に基づく飛行場の設置の事業については滑走路の長さが20%以上増加すること、新たに飛行場の区域となる部分の面積が10ヘクタール以上であることと規定されております。
 事業者から提出された追加・修正資料は、そのいずれの要件にも該当しないことから、方法書手続のやり直しを求めることは困難であると考えております。
 次に、米連邦地裁のジュゴン保護に関する判決の評価についてお答えいたします。
 米連邦地裁の沖縄ジュゴン訴訟において、ジュゴンへの影響に関する資料を法廷に提出するよう米国防総省に命ずる判決が出たことは承知しております。
 当該訴訟は米国側に対する訴訟であることから、その評価については差し控えたいと考えています。
 本県のジュゴンについては、我が国においても文化財保護法の国指定天然記念物に指定されていることや、環境省及び本県のレッドデータブックにおいても絶滅危惧IA類に指定されており、その保護については重要な種であると認識しております。
 県としては、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価の手続において、適切かつ十分な環境影響評価の実施を求め、ジュゴンを含む動植物の保護・保全や生活環境への影響に十分な配慮がなされるよう求めていく考えであります。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 沖縄振興計画前期の数値目標と成果及び目標未達成の原因についての御質問にお答えいたします。
 計画前期の達成状況を第2次分野別計画の達成状況で見ると、観光関連産業では観光客数が目標を達成した一方で、デフレ等の影響で1人当たり観光消費額が達成困難な状況にあります。
 情報通信関連産業では、雇用者数や誘致企業数等で目標を達成しておりますが、農林水産業では価格の低迷等から生産額が未達成な状況にあります。
 雇用の分野では、新規雇用者数、高校生及び大学生就職率等が目標を達成する見込みであります。
 製造業においては、物流面のコスト高や市場競争の激化等により製造品出荷額で目標達成が困難な状況にあり、社会資本整備では公共事業の減少等により、一部指標で未達成の見込みとなっております。
 次、産業の振興の御質問で、水産海洋研究センターの整備計画と進捗状況についての御質問にお答えいたします。
 水産海洋研究センターの移転整備に当たっては、将来の研究のあり方や水産関連機関の役割分担等を検討しております。
 次年度においては、この検討結果を踏まえ、試験研究に必要な海水の確保、調査船の係留、用地取得の容易さ及び民間資金の活用等の調査を行うこととしております。
 同じく、製造加工業の試験研究機関の研究課題と成果についての御質問にお答えいたします。
 製造加工業の試験研究につきましては、主として工業技術センターにおいて担当しております。
 工業技術センターでは、沖縄の製造業の基幹をなす泡盛産業において、品質保持や古酒の香り成分の分析等の課題を設定し、その研究成果の普及により当該業界の発展に寄与しております。
 また、成長の著しい健康バイオ関連産業においても、南西諸島の伝統食材と伝承薬草を中心に数百の天然資源を研究し、その機能性の解明などの成果が、飲料、食品、化粧品関連などの企業における新製品開発に活用されています。
 なお、研究課題の設定に当たっては、沖縄県工業連合会などを通じて企業ニーズの把握に努めており、今後とも製造事業者に対する技術支援を行ってまいります。
 以上であります。
○農林水産部長(護得久友子) それでは産業の振興の御質問で、国の新たな農業・農村政策についてにお答えいたします。
 国は、農業・農村地域の活力を引き出す農政改革を推進するため、新たな措置として水田、畑作経営所得安定対策などに取り組むこととしております。これは、19年産からスタートした米、麦、大豆などの品目横断的経営安定対策が地域に定着するよう、制度の基本を維持しつつ、市町村特認制度の創設、認定農業者の年齢制限や集落営農組織に対する要件を緩和することとしております。
 また、支援措置として、先進的な小麦等産地の振興、収入減少影響緩和対策及び集落営農への支援を行うこととしております。
 同じく産業の振興の御質問で、平成20年度の農林水産関係予算についてにお答えいたします。
 県の一般会計に占める農林水産関係予算は、平成19年度の10.1%から平成20年度は9.9%となっております。シェアの低下した主な要因は、公共事業費の抑制等によるものであります。
 なお、国が平成20年度に予算を増額した水田・畑作経営所得安定対策の推進に係る対象品目は、米、麦、大豆、てん菜、でん粉、原料用バレイショに限定されることから、それに伴う本県への影響は少ないものと思われます。
 同じく産業の振興で、農山漁村の活性化についてにお答えいたします。
 限界集落とは、農山漁村において65歳以上の高齢者が人口の50%以上を占め、生活道の管理、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落と言われております。
 県としては、農山漁村地域の活力を引き出すための措置として、中山間地域等直接支払事業による中山間地域や遠隔離島の農業生産活動や共同管理活動に対する助成、農地・水・環境保全向上対策事業による農道や沈砂池、防風林の管理などの地域ぐるみの共同活動に対する助成、漁業再生支援事業による漁場の生産性向上や集落の創意工夫を生かした取り組みなどに対する助成などを行うこととしております。 
 今後ともこれら事業を推進することにより、農山漁村の活性化を図ることとしております。
 同じく産業の振興で、企業参入による農村の活性化等についてにお答えいたします。
農業への企業の参入については、担い手不足や遊休農地の解消等の観点から、平成17年9月に農業経営基盤強化促進法が改正され、一般企業の農業への参入が可能となっております。 
 企業の参入については、市町村が策定する基本構想の中に参入区域を設定し、県知事の同意を得た上で農地のリース方式によることとなっており、農地の所有権は認められておりません。現在、国頭村、東村、金武町、与那原町においては知事の同意を得ておりますが、企業の農業参入の実績はありません。
 同じく産業の振興で、ハウス等近代化施設整備の推進方向と進捗状況についてにお答えいたします。
 本県の亜熱帯性気候等の優位性を生かした園芸作物の生産振興を図るためには、気象条件や病害虫に左右されない安定的・計画的な生産体制の確立が重要であります。  
 このため、県においては、台風に強い鉄骨ハウスや農作物被害防止施設及び低コスト耐候性ハウスの整備を強力に推進しているところであります。
 当該施設については、平成18年度までに332ヘクタールが整備され、園芸品目の全栽培施設面積の42%を占めております。特に、農作物被害防止施設については平成11年度から本格的に導入され、18年度までの8カ年で264ヘクタールの整備が図られております。
 今後とも、低コストで台風に強い施設の導入に努め、生産供給体制の整備を図ってまいります。
 同じく産業の振興で、栽培漁業の振興についてにお答えいたします。
 本県においては、温暖な海域に囲まれた立地条件を生かしたつくり育てる漁業の振興を図っているところであります。
 具体的には、種苗の生産及び放流技術の開発、養殖場などの造成、モズクの生産安定技術の開発・普及、魚病対策や衛生管理対策マニュアルの策定など、各種施策を講じているところであります。その結果、これまで養殖場12カ所、増殖場23カ所を整備し、モズク、クルマエビ及びヤイトハタ等の養殖が各地域で行われております。
 県では、今後とも市町村、水産関係団体と連携し、つくり育てる漁業の振興に取り組んでまいります。
 同じく産業の振興で、栽培漁業センターの整備についてにお答えいたします。
 栽培漁業センターは昭和58年度に開所し、59年度から61年度にプランクトンなどえさの培養池等を整備拡充しております。さらに、平成8年度から12年度には整備計画に基づき事業費29億4000万円で大幅な増設・機能強化を行ってきたところであります。  
現在、同センターにおいては、マダイ、ハマフエフキ、ヤイトハタなどの養殖用種苗、タイワンガザミ、シラヒゲウニ、タカセガイなどの放流用種苗の生産を行い、県内各地に供給しているところであります。
 なお、栽培漁業センターの必要な施設の整備については随時行っております。
 同じく産業の振興で、漁場回復対策に対する漁業補償金の活用についてにお答えいたします。
 県においては、漁業生産の維持増大を図るため、沿岸漁場の整備開発、つくり育てる漁業の振興及び資源管理型漁業の推進などの施策を講じております。
 具体的には、増殖場や養殖場の整備、浮き魚礁等の設置を実施するとともに、種苗の放流、保護区の設定など、水産資源の維持増大を図るための施策を推進しております。
なお、漁業補償金は埋め立てなどの工事に伴う漁場の消滅等に対する対価として、将来の損失をも考慮して漁業者に支払われるものであります。
 漁業補償金の使途については、基本的には漁業者が決定するものでありますが、県としては、漁業が持続的に発展し得るよう放流事業等による漁場再生に漁業補償金が充当されることは望ましいことと考えております。
 次に、食の安全対策の御質問で、食料自給率に対する県の認識と取り組みについてにお答えいたします。
 我が国は農産物純輸入国であり、特定の国への依存が高く、輸入先国における作柄、作付の変動等、世界の食料需給の影響を受けやすい状況にあります。そのため、食料安全保障上の観点から国内農業生産の増大を図り、食料自給率を向上させることは極めて重要なことと考えております。
 県では、農林水産業振興計画に基づき、おきなわブランドの確立と生産供給体制の強化、流通・販売・加工対策の強化及び地産地消の推進など、各種施策・事業を総合的に推進しているところであります。
 同じく食の安全対策で、我が国の主要輸入農産物の実態についてにお答えいたします。
 我が国の平成18年における主要な輸入農産物の状況は、トウモロコシ、大豆、小麦の穀物類が2626万トン、牛肉、豚肉、鶏肉の畜産物が156万トン、生鮮・冷凍野菜が164万トン、生鮮・乾燥果実が185万トンの合計3131万トンとなっております。
 主な輸入先国は、アメリカ、EU、中国、オーストラリア、カナダなどであります。
 同じく食の安全対策で、国の経営所得安定対策に対する認識についてにお答えいたします。
 国においては、我が国経済社会のグローバル化の進展、WTO、EPAなど、国際規律の強化へ対応するためには国内補助金の削減、関税に過度に依存しない政策への転換が求められているとともに、我が国農業の構造改革を加速する必要があるとしております。
 国としては、これまで米、麦、大豆などの品目別に講じられていた価格政策を見直し、品目横断的経営安定対策を19年産から実施しております。
 その施策の対象としては、担い手を明確化した上で担い手の経営全般に着目し、諸外国との生産条件の格差を是正するための直接払いを導入することにより農家所得を確保し、生産性の向上を図ることとしております。
 以上でございます。
○観光商工部長(仲田秀光) 産業の振興の御質問の中で、製造業振興の取り組みと進捗状況についてお答えします。
 本県製造業の振興については、物づくりの基盤となる製品・技術の研究開発力の向上を支援するとともに、経営革新、金融支援、企業連携の促進など総合的な支援を実施しております。
 また、本県の地域特性を生かした比較優位性のある泡盛産業、工芸産業などはオキナワ型産業として位置づけ、戦略的に振興しております。
 さらに、県産品奨励運動や産業まつりなどを通して自給率の向上に努めるとともに、物産展や商談会の開催を通して県産品の販路拡大、開拓に取り組み、県内製造業における生産額の増大と雇用の拡大に努めているところであります。
 工業統計の石油製品を除いた製造品出荷額について見ると、平成18年は3660億円で、トータルとしてここ数年減少傾向にありますが、これはウエートの高いたばこ産業の工場の操業停止に伴う減少や窯業・土石、一般機械の減少によるものであります。
 このような状況の中で、泡盛産業、工芸産業、健康食品産業などのオキナワ型産業については着実に成長しております。
 県としましては、引き続き地域特性を生かした産業を戦略的に振興し、本県製造業の競争力の強化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、健康食品の今後の課題と取り組みについてお答えします。
 本県の健康食品産業は、機能性に富む亜熱帯の素材や健康・長寿のイメージなどの相乗効果により成長を遂げてまいりました。
 今後のさらなる成長のためには、機能性に関する科学的評価の蓄積、新資源発掘と新商品開発の促進、消費者の信頼にこたえる品質管理体制の充実を図る必要があります。
 このため、県では、産学官連携による機能性解明研究や新商品の開発を促進するとともに、品質管理や適正表示に関する自主行動基準の策定に対する支援を行っております。
 今後とも、産学官連携による研究開発や消費者に信頼される商品づくりに対する支援を行い、健康食品のブランド力向上を図ってまいります。
 次に、観光産業と他産業との連携の強化についてお答えします。
 県におきましては、観光の経済波及効果を向上させていくため、観光産業と他産業との連携の強化に向けて取り組んでいるところであります。
 具体的には、観光と製造業の連携による魅力ある観光土産品の開発及び販路拡大に向けたモデル事業、工芸品の観光土産品開発、離島における地域資源を活用した特産品開発などを支援しております。
 また、農林水産業との連携により、県内の特色ある農林水産物を活用した新メニューの開発、レシピ集の作成、ホテルや飲食店への普及促進などにも取り組んでまいりました。
 今後とも、製造業や農林水産業との連携を強化するとともに、新たな付加価値の高い沖縄型健康増進ツアープログラムの創出を促進するなど、健康ビジネス産業との連携も図りながら、観光の経済波及効果を拡大していきたいと考えております。
 次に、観光収入の拡大についての御質問にお答えします。
 観光客1人当たりの県内消費額は、観光地間の競争の激化やデフレの進行に伴い、旅行商品の低価格化が定着していることから伸び悩んでいる状況にあります。
 県内消費額の拡大を図るためには、付加価値の高い観光を推進するとともに、観光客の滞在日数の延伸を促すことが重要であります。
 このため、県といたしましては、体験滞在型観光やMICE、リゾートウエディングなどの付加価値の高い観光を推進するとともに、体験型観光メニューの量・質両面の拡充や、エンターテインメントの充実、離島観光の推進などにより、観光客の滞在日数の延伸に重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
 これらの取り組みに加え、戦略的な誘客プロモーションの展開により観光客の増大を図り、観光収入を拡大していきたいと考えております。
 次に、県産素材の食や土産品への利用拡大についてお答えします。
 美しい海や沖縄らしい風景などの観光資源に比べ、食や土産品に対する観光客の満足度は相対的に低い状況にあり、地元素材を活用した食や土産品の高品質化を進める必要があると考えております。
 県では、島野菜など特色ある農林水産物の生産拡大に努めるとともに、レシピ集の作成やリゾートホテルにおけるフードフェアの開催などにより、観光施設における県産農林水産物の活用を促進してまいりました。
 また、農林水産業者と商工業関係者などとの連携による地域の農林水産物を活用した特産品開発を支援してきたところであり、土産品として大きく販売を伸ばしている商品も生まれております。
 さらに、土産品については、新製品開発に対する助成制度や各種の融資制度など、支援策を講じ、県産土産品の拡充に努めているところであります。
 次に、カジノ導入に当たり、人口が集中している大都市に太刀打ちできるかの御質問にお答えします。
 カジノの導入については、賭博行為が刑法で禁止されていることから、競輪、競馬、宝くじ等のようにその違法性を阻却する特別法の整備が必要であります。
 御質問の趣旨は、本県にカジノを導入しても運営がうまくいかないのではないかということだと思いますが、カジノ設置が可能となる特別法の内容や設置箇所などはまだ明らかになっておりません。このような状況の中で、仮定の御質問にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 次に、カジノ導入による青少年の教育、依存症、若年者の勤労意欲などへの影響についての御質問にお答えします。
 カジノ・エンターテインメントの導入を検討するに当たっては、御指摘されている懸念事項についていかに有効な対策を講ずることができるかが重要であると認識しております。
 そのため、現在、各種団体や有識者等で構成するカジノ・エンターテイメント検討委員会で、本県にカジノ・エンターテインメントを導入する場合の課題、対応策等について調査検討を進めているところであります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(伊波輝美) 食の安全対策、食品の安全確保のチェック体制についてにお答えいたします。
 近年、食の事件・事故が多発しており、県としても食品の偽装表示や輸入食品等の安全性確保のための対策を強化する必要があると認識しております。
 そのため、偽装表示や食品の安全対策として、流通食品の監視、量販店に対する巡回指導、食品表示110番の設置や沖縄県食品衛生監視指導計画に基づく監視・指導等を計画的に実施しております。
 また、昨年7月には「沖縄県食品の安全安心の確保に関する条例」を制定し、回収、廃棄等の必要がある食品を販売した事業者に報告義務を課すことや、風評に基づく被害を防ぐため県民が調査を求めることができることとしております。
 回収、廃棄等に係る事業者の報告義務は本年4月から施行で、これらの販売情報を早期に把握し、県民に提供することにより健康被害を未然に防ぎたいと考えております。
 今後とも、関係部局が連携し、条例に基づく各種施策を実施し、食の事件・事故に迅速・的確に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(得津八郎) フィリピン女性に対する暴行致傷事件の概要についてお答えいたします。
 事件は、去る2月18日、沖縄市内のホテル内において、在沖米陸軍兵を容疑者、フィリピン女性を被害者とする暴行事件が発生し、その際、被害者がけがを負うというものであります。
 県警察では、関係者からの沖縄警察署への通報により本件を認知したところであり、これまでに被害者を含む複数の関係者、容疑者である米陸軍兵からの任意の事情聴取、発生場所の検証等所要の調査を行っております。
 現在、被害者から継続して事情聴取を行っておりますが、入院中であるため治療行為を優先しなければならないこと、また被害者が外国人であり、日本語、英語ともに不自由であることなどから慎重に進めているところであります。
 なお、現時点において、容疑者は米軍当局の監視のもとにありますが、捜査に当たっては全面的な協力を得ながら進めております。
 以上です。
○当銘 勝雄 知事、私が知事に求めたのは、米軍兵士を帰還させるという話じゃないんです。米軍をというふうに私は言ったんです。もう一度お答えください。
 それから、知事は、社会常識や県民感情に反するんじゃないかという私の質問に対して、最小限のラインの態度であったということですが、よく意味がわからないですね。もう一度説明してもらえますか。
 それから農林水産部長、遊休農地対策ということで、私は企業の農業参入というのは基本的に農村の活性化につながらないということを僕は指摘しているんです。あなたは、それは法律は今そうだということで、それを説明しているだけにすぎないんです。あなたの認識を聞きたいということです。
 それから、これも食の安全対策との関連で農林水産部長、私は食料の安全確保を図るということで、やはり農業の活性化をやってもらいたいということに対して、補助金をやめさせるというのは社会的な一つの動きだということですね。それに対しては、担い手を明確にしてというんだが、担い手を明確にするとは、認定農業者なんかにしかそういう農業政策はやりませんよと、こういうことになるんです。そうすると、ほかの農家の皆さんというのはどうするのかという、そこが今問われているのが政府の農村対策のおくれなんです。もう一度お答えください。
○知事(仲井眞弘多) 当銘議員の再質問にお答えいたします。
 1番目の御質問は、米軍を帰還させるべきではないかという御質問なんですか。その論理に飛躍があり過ぎて、私もこれは理解がなかなか難しいんですが、一部の不心得者が発生したからといって、これが我々が怒りが心頭に発したからといって全体の組織を国防だとか、アジア・太平洋地域の安全のことも考えずに帰還させるという論理は余りに飛躍があり過ぎて、とても考えられないと思います。これが答えです。(発言する者多し)
○議長(仲里利信) 静粛に願います。
○知事(仲井眞弘多) それから、意味がわからぬとおっしゃった意味が私にも非常にわかりにくくて、組織の代表が謝りに私のところ、県庁まで来て、そして謝っていったと。それに対して握手をしエレベーターまで送るというのは、それは社会常識そのものじゃないですか。
 その他の御質問につきましては、部局長等からお答えさせます。(発言する者多し)
○議長(仲里利信) 静粛に願います。
 休憩いたします。
   午前11時25分休憩
   午前11時29分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 護得久友子君登壇〕
○農林水産部長(護得久友子) それでは2点。
 1点目でございますけれども、企業参入による農村の活性化についての再質問にお答えしたいと思います。
 企業の参入によります農村の活性化につきましては、特に担い手不足や遊休農地等が見られる地域においては、農村の貸し付けにより有効利用が図られることで、農業及び農村の活性化につながるものと考えております。
 それからもう一点、食の安全対策に関連して、農業の活性化について、担い手を明確化した上での対策についての再質問にお答えいたします。
 これまで品目横断的経営安定対策の対象規模要件につきましては、認定農業者で4ヘクタール、集落営農が20ヘクタール以上となっておりましたが、見直しに当たっては基本原則を踏まえつつ、新たに市町村特認制度が創設されることとなっております。
 具体的には、地域農業の担い手として、地域水田農業ビジョンに位置づけられた認定農業者または集落営農組織であって、規模要件を満たさない者についても市町村長が認め、国との協議により本対策に加入することができます。
 以上でございます。
○当銘 勝雄 知事の基本的な、安保条約を容認し、沖縄に基地を存続させるというような態度がよくわかりました。
 農林水産部長、やはりもう少し私と最終的に議論しなくちゃならないというふうに思います。これは後日です。
○兼城 賢次 所見を述べながら護憲ネットワークを代表し質問をいたします。
 私は、3期12年間にわたり県議会の末席を確保させていただきましたが、本日の代表質問が最後の質問の機会になります。その間、お世話になりました皆様に対し、この場をかりて深くお礼を申し上げます。
 議会活動を振り返るに当たり思いますことは、戦後63年がたち、また復帰後36年がたちましたが、議会開会前に起こった少女暴行事件に見られるように、今日なお我が郷土沖縄は米軍基地が集中し、再編縮小は遅々として進まず、戦後は終わるどころか、米軍の事件・事故は後を絶たない状況が続いているということであります。
 またしても米軍人による痛ましい少女暴行事件が発生しました。再発防止、綱紀粛正、教育の徹底を日米政府が言葉を尽くしても基地ある限り事件は起こります。知事は、謝罪者に握手し、エレベーターまで見送るなど、事件を矮小化させ、おもねるとしか見えないことも、礼儀を大事にする行為のように取り繕うが、事件の凶悪性からして県民感情をないがしろにするものであります。
 けさの新聞は、米軍人による新たな女性暴行事件が報道されています。少女暴行事件後にも米軍人の不祥事は繰り返され、歯どめがかかりません。抗議も再発防止の申し入れも効果がない。事件・事故の抑止能力を失った米軍には撤退しかないのであります。
 基地問題についてお伺いいたします。
 基地の位置づけ、知事発言のあり方についてであります。
 知事の発言は、個人的なことと断っても、知事個人の思惑を超えて県の最高指導者の発言として周辺に影響を与えるものであります。知事は、米軍基地の存続にもかかわるような整理縮小が進まなかった理由として、個人的見解として、地政学的な意味で軍事的、軍事技術上大きいのではないかという感じがしないでもないと、2007年5月15日のインタビューで答えられましたが、基地の現状容認として受け取られました。
 しかしながら、2008年の元旦には、古典的な地政学的な位置論は、軍事技術が進んだ今日では本当はおかしいとコメントされました。県民世論の多くが反対する基地に基地容認を前面に掲げるのか、基地をこれ以上認めない立場でやるのかが問われることに違ったコメントをされては県民にも戸惑いと不信感を抱かせます。
 これまで当時の梶山官房長官が、なぜ沖縄に75%の米軍基地があるかという反論には、残念ながら私も真正面から答える余裕がなく答えることができないと述べたことを取り上げてきました。大野防衛庁長官も、海兵隊の沖縄駐留の理由を明示し得ていません。
 知事は、教科書検定の撤回に向けた県民大会開催を求めることで、7月28日の記者会見で県民大会への態度保留と報道されました。一体、知事の真意がどこにあるのか。県民の目から見ると実にわかりにくいのであります。日米安保を容認する立場であれ、沖縄に環境を破壊しながら新たな基地が必要なのかどうか、県民の立場で政府にも異議申し立てすべきであります。
 戦後63年に及ぶ米軍基地が県民の安心・安全に対してどのようなものであったか。普天間飛行場の代替施設に辺野古沖に新たな基地で新たな被害地域を生むだけでなく、自然破壊するようなことはやめるべきであります。
 そこでお伺いいたします。
 ア、知事は、地政学、軍事技術上から沖縄の基地をどのように認識されているのかお伺いをいたします。
 イ、アメリカの軍事戦略としての沖縄の位置が明らかにされています。知事は、日本政府の基地政策を容認する立場であると考えますが、県民の感情からしても自立を目指す点からも基地の撤去は痛みを伴うが、同時に希望の持てるものであり、自立こそ我が沖縄県民の目的ではありませんか。知事の所見をお伺いいたします。
 次に、米軍再編は負担軽減とのことで県民は大きな期待をしたものであります。県当局は、米軍再編については日本全体の抑止力の維持と沖縄を含む地元の基地負担の軽減を目的に進められ、米軍基地の整理縮小に向けた具体的な方策が示され、これが実現すれば基地負担の軽減が図られるとしています。
 しかし、事態が進行するに従って見えてきたのは、米軍再編は沖縄の負担軽減などよりも機能強化であり、アメリカの軍事戦略上の必要性によって進められていることが明らかにされつつあります。
 陸上自衛隊は、米軍キャンプ・ハンセンを共同使用することになりました。陸上自衛隊の特殊部隊がアメリカの特殊部隊グリーンベレーのもとで共同訓練が行われております。日米軍事同盟の強化が進んでいることが米軍再編には見られます。
 嘉手納飛行場ではF15戦闘機の未明離着陸を強行し、殺人的爆音と言われるものでした。欠陥機と言われるF15戦闘機の飛行停止が3回もありながら、住民の不安を解消することなく飛行再開をしております。
 騒音防止協定は、運用上の理由でやりたい放題。嘉手納町は、米軍関係の事件・事故への抗議意見書を2007年度は12月までに11件決議しております。毎月意見書を決議しているようなものであります。次から次に起こる事故に抗議も再発防止の申し入れも効果がありません。
 12月にFA18戦闘機が名護市上空を飛行し、騒音に苦情が役所に寄せられ、恐怖感を感じるとのことであります。名護市上空の爆音は、嘉手納飛行場周辺では日常的なことであります。普天間飛行場の代替施設は住宅地上空を飛行することも明らかになっています。
 守屋前事務次官は、嘉手納より南の基地は強制接収された土地、それを県民に取り戻すもので、キャンプ・シュワブは唯一、沖縄の人が誘致した基地だとして中南部の基地をシュワブ周辺に集中させる「ノーザンプラン」、いわゆる北部地域への基地集約を主張されたということであります。
 そこでお聞きいたします。
 ア、中南部の基地をシュワブ周辺に集中させる「ノーザンプラン」が言われているが、知事の所見をお伺いいたします。
 イ、強制接収された基地と誘致、みずから受け入れた基地は米軍の事件・事故についても政府の対応も違うものと考えねばなりません。辺野古沖への新たな基地建設は、地域住民の覚悟と知事も認識すべきと考えます。いかなる理由があるにせよ、辺野古沖への基地建設は、新たな基地建設以外の何物でもないのであります。所見をお伺いいたします。
 次に、行財政についてお伺いをいたします。
 道州制は、これまで他人事のように思われていました。国の財政が逼迫し、三位一体の改革は交付金の削減、借金の肩がわりという地方に痛みを押しつけ、国優先の改革でありました。
 いまだ道州制の中身が明らかではないのですが、沖縄が単独州を目指した場合に課題の一つは財政問題とのことであります。いまだに見えないものを予測しながら議論も必要と思われるが、基本的には沖縄がどうあるべきか、将来どのように進んでいくことが望ましいのか、県民の立場で見通すことが求められていると考えます。
 鳥取県の片山前知事は、道州制は国の行財政改革のためではなく、国民のための道州制にしなければならないと述べています。
 37年前の復帰前年の1971年に、屋良主席が自治の確立と基地のない平和な島を復帰措置に関する建議書に託して上京したものの、国会では自民党による返還協定が強行可決され、幻の建議書と言われることになりました。道州制、自立が論議されている今こそ、この建議書を県民がいま一度読み直していただきたいものであります。
 当時、復帰後の暮らしについて苦しくなるのではないかとの不安を抱きながら建議書は、生活不安の解消のためには、基地経済から脱却し、この沖縄の地に今より安定し、今より豊かに、さらに希望の持てる新生沖縄を築き上げていかなければなりません。言うところの新生沖縄は、その地域開発というも、経済開発というも、ただ単に経済次元の開発だけではなく、県民の真の福祉を至上の価値として、目的として、それを創造し達成していく開発でなければなりません。従来の沖縄が余りにも国家権力や基地権力の犠牲になり、手段となって利用され過ぎてきました。このような地域からも沖縄は脱却していかなければなりませんと訴えております。
 2月17日に独立を宣言したコソボ自治州の例を挙げるまでもなく、独立すなわち自立のきっかけとなったものは、将来への希望、みずからの国をつくっていくという強い信念と誇りであります。インフラは当時と比べものにならないほど整備されたものの、36年後の今の沖縄の状況と重なり、昨今のことかと錯覚しかねないのではありませんか。
 続けて建議書は、沖縄県民は過去の苦難に満ちた歴史と貴重な体験から復帰に当たっては、まず何よりも県民の福祉を最優先に考える基本的原則に立って、1点目に、地方自治の確立、2点目に、反戦平和の理念を貫く、3点目に、基本的人権の確立、4点目に、県民本位の経済開発等を骨組みとする新生沖縄を描いています。
 これが36年前の復帰措置に関する建議書の基本理念であり、現在の沖縄にも十分通用する考え方であります。
 建議書は、沖縄は余りにも国家権力に翻弄されたと述べていますが、基地の重圧、ひずみは復帰36年たっても変わっていません。再編交付金を見るまでもありませんが、それに県民の気概や知事のリーダーシップも問われます。
 そこでお伺いいたします。
 ア、建議書は県民の立場から提起されました。今日でもその提起の意義は大きいものと考えますが、知事の所見をお聞かせください。
 イ、道州制が論議されています。いずれ導入されるものと思われます。沖縄側が主張すべきことはどのようなことと認識されておられるか、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、財政健全化策のイの一番に県税収入の確保を挙げています。職務の中でも税金徴収の税務職員は、納税者との対応にも人間関係や専門的な知識が要求されます。国は、国税専門官の部門を持ち、特化をしています。
 大阪市では、高度な専門性が求められる税務職員を育成するための基本方針を策定し、中長期的な人材育成を目指して人事交流の基準も税務職員には適用しないようにするなど、また職階も排除するなどの取り組みをし、税務行政に意欲を持たせるというものであります。
 専門職種化することにより、メリットを選択できるような対策を講ずればそれなりの人材育成が可能であり、ぜひ専門家を養成し、後輩への経験を生かすようなことをしていかなければ、幾ら財政健全化策で県税収入で財政健全化の秘訣とするにも厳しいものがあります。
 ちなみに、那覇県税事務所の平成19年度の職員定数71名の在所年数の内訳は、62名、88%が1年から3年目の職員であります。税金を徴収する納税職員は26年で、平均所在年数は1年1カ月となっています。
 そこでお聞きいたします。
 ア、行財政改革プランに基づく財政健全化策で歳入の確保を挙げておられるが、今後の具体的な取り組みと専門官育成についてお伺いをいたします。
 次に、情報システムの専門家確保・育成についてお伺いをいたします。
 県は、今や情報システムなしでは何ひとつ処理できないシステムになっています。国も電子政府構想計画を進め、情報システムの最適化、IT経費のコストダウンが重要な課題となっています。
 ところが、ITシステムについては職員の職務を超え、技術的、専門化する機種への対応が十分ではないようであります。他県では、民間から情報専門家を採用し、情報システム開発に関する省力化検討や、指導し助言等で大きな役割を果たし、情報システムの最適化に関しては従前より数段進歩してきているとのことであります。
 県は、システム開発にはコンペを実施し、契約の透明性・公正性を確保し、経費の縮減を図っているとのことでありますが、これから年々多様化していく情報システムに、県の職員も専門家ではなく、相手の売り込み、コンペで対応せざるを得ない。IT津梁パークなど数十億の費用を要する事業に専門的な人が不在であります。リーディング産業とするには心細いものであります。ますますIT化していく中で、コストや運用面から見ても専門家による情報関連の対応が必要ではないかと考えます。
 そこでお聞きいたします。
 ア、情報システムの専門家の採用はますます多様化することからしても急ぐべきと考えるが、所見をお伺いいたします。
 イ、リーディング産業として位置づけられている情報システムの専門家を確保・育成すべきと考えるが、対応についてお聞かせください。
 教育行政についてお伺いをいたします。
 沖縄学生会館の老朽化による寮閉鎖についてお伺いをいたします。
 沖縄学生会館は、築45年で老朽化し危険な状態なので、安全点検で耐力度調査をするとのことであります。安全性が住む人にとって第一に優先すべきことは当然の措置であります。そうではあっても、安全点検の話がにわかに持ち込まれ、在寮生をろうばいさせる手法はどういうことなのか。
 寮長によると、昨年の11月28日、管理運営している国際交流人材育成財団の担当者は3点のことを示しています。県民の所得や家庭が経済的に困難な学生にとっては、命綱とも言える施設であります。
 基本的な施設や機会を財政困難を理由に閉鎖し、売り払って財政の一助にもと考えられているとすれば、県の人材育成の基本そのものが成り立たないのではないか。人材育成財団から寮生への説明についてお聞きをいたします。
 ア、平成20年度以降、新規の寮生を募集しないことについて。 
 イ、20年度中に建物の耐力度調査を実施し、最悪の場合は県は財政難なので建てかえは考えていない、閉寮するということになっていますが、それについてお聞かせください。
 次に、視覚障害者の普通高校への入学についての対応についてお聞きをいたします。
 10年前に初めて沖縄盲学校から宮城かし子さんが受験をし、豊見城高校に入学され、大学も卒業し就職をされております。
 受験の許可をちゅうちょされていた教育庁に対して、県の視覚障害者団体と全国組織が一緒になって受験許可の申し入れが実現されたことも私にとって心に残るものであります。
 現在では3人目の視覚障害者の上地翔子さんがコザ高校で学んでいます。点字活動など困難が予想されたことでした。これからも受験と推薦制などの対応を期待しております。
 そこでお聞きいたします。
  ア、視覚障害者が普通高校に入学していますが、学校の対応、生徒の反応、今後の課題についてお聞かせください。
 イ、課題とされた教材の点訳や視聴覚教材を使った授業はどのようになされているのかお伺いをいたします。
 次に、高等学校の生産物、実習等の売上金の学校現場への還元についてお聞きいたします。
 高等学校では、実習を兼ねて、水産高校では航海実習、商業高校ではデパート経営実習、農林高校では畜産、野菜、花卉園芸、加工品等の実習を兼ねて生産し、地域販売の実地教育をいたしております。
 私は、以前から、農林高校生が路地を練り歩きながら野菜などを売っているのを何げなく見ていました。あるとき、汗を流しながら帰ってきた生徒が先生に、これだけ売り上げてきたのだから学校も得しただろうと得意げに言ったそうです。先生は、この売上金はすべて教育庁へ納めなければなりませんと言うと、大変がっかりしたとのことを聞いております。
 いいものをつくって地域で販売する生徒たちへ、市場原理の金もうけではなく、教育的刺激、学習意欲を高める意味で売上金の学校現場への還元をたびたび指摘してまいりました。条例との関係で困難とのことであるが、生徒を激励し、学習意欲の面からも検討すべきと考えます。
 ア、高等学校の生産物、実習等の売上金の学校現場への還元について、どのように対応なされたかお伺いいたします。
○議長(仲里利信) ただいまの兼城賢次君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時53分休憩
   午後1時18分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 午前の兼城賢次君の質問に対する答弁を願います。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 兼城議員の御質問にお答えする前に、具志川市議会議員から引き続き15年の長きにわたり、県勢の発展に対する御貢献・御苦労に対し、心から感謝を申し上げる次第でございます。
 それでは御質問の中で、第1の基地問題について、沖縄に基地が集中することについての御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、戦後27年間に及ぶ米国統治下で、民有地の強制接収などによって広大な米軍基地が形成され、沖縄の本土復帰後も日米安全保障条約に基づく提供施設として引き続き米軍が使用することになり、現在に至っております。  
 全国の米軍専用施設面積の約75%が集中する沖縄県の米軍基地の状況につきましては、沖縄県の地理的条件に加え、このような基地が形成されてきた歴史等を踏まえる必要があると考えております。
 次に、行財政についての御質問の中で、建議書提起の意義への所見という御趣旨の御質問にお答えいたします。
 復帰措置に関する建議書は、沖縄の正しい復帰の達成を表明するとともに、将来の平和で豊かな沖縄県づくりのための具体的な措置を政府に求めたものであります。
 同建議書は、県民福祉を最優先に考え、地方自治権の確立、反戦平和、基本的人権の確立、県民本意の経済開発等を理念として掲げております。これは、現在においても地方行政運営の基本的理念であると考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させます。
○知事公室長(上原 昭) 基地の撤去についての御質問にお答えいたします。
 米軍基地問題については、国際社会における安全保障、地主や駐留軍従業員の生活、跡地利用計画などを総合的に勘案して、米軍基地のさらなる整理縮小を求め、県民の過重な基地負担の軽減に取り組みたいと考えております。
 次に、基地のシュワブ周辺への集中についてお答えします。
 米軍再編については、全体として、兵力や訓練の移転、施設の返還・整理・統合が盛り込まれるなど、米軍基地の整理縮小に向けた具体的な方策が示されております。これが実現されれば、基本的には基地負担の軽減が図られるものと理解しております。
 米軍再編の最終報告には基地の北部への集約についての具体的な言及はなく、日米両政府は、沖縄に残る施設・区域の統合のための詳細な計画を作成するとしていることから、今後、その内容を十分に見きわめる必要があると考えております。
 米軍の事件・事故への政府の対応についてお答えします。
 今回の事件は、未成年者に対する悪質な暴行事件であり、遺憾であります。
 このような米兵に関連する事件・事故に対しては、いかなる理由があれ、厳しく対応されるべきものであり、基地建設に至った経緯の違いにより政府の対応が異なるとは考えておりません。
 以上であります。
○企画部長(上原良幸) 行財政についての御質問で、道州制に関し、沖縄が主張すべきことへの認識についての御質問にお答えいたします。
 国等において道州制に関する議論が進められておりますが、現時点では道州制がどのような姿になるか明らかではなく、導入に向けて課題も多いものと考えております。
 県では、21世紀沖縄の進路を指し示す長期ビジョンを策定することとしておりますが、そこで描かれた将来像を実現するための自治のあり方はどうあるべきかとの視点に立って、今後、道州制に関する議論を深めてまいりたいと考えております。
 以上であります。
○総務部長(宮城嗣三) 行財政についての関連で、税収入の確保と税の専門家の育成についての御質問にお答えいたします。
 税収入の確保の取り組みにつきましては、「沖縄県行財政改革プラン」に基づきまして、平成21年度までに全国平均並みの収入率に引き上げることを目標とし、自動車税納期内納付率や個人県民税の納付率の向上、滞納額圧縮のための目標達成のため徴収対策に努めているところでございます。
 今後の具体的な対策につきましては、特に個人県民税は平成19年度の税源移譲による大幅な徴定増に伴い、その対策は極めて重要であることから、直接徴収の拡充強化や県職員の短期併任制を導入し、市町村の徴収強化を支援しているところでございます。
 平成20年度は、個人県民税徴収対策チームを編成し、市町村と連携した徴収対策のさらなる強化に努めてまいります。
 また、収納率向上や滞納額の圧縮につきましては、自動車税のコンビニ収納の本格導入、インターネット公売の導入やタイヤロック等の拡充強化に加え、差し押さえの強化等を図り、職員のさらなる徴収率向上に努め、目標達成に向けて取り組んでいくこととしております。
 次に、税の専門家育成につきましては、「沖縄県職員人材育成基本方針」に基づき、広い視野と高い専門性をあわせ持つ職員を人材育成の目標の一つに設定して取り組んでいるところでございます。
 専門的な知識・経験を必要とする税務分野につきましては、職員の適性と意欲を踏まえた上で、人事異動の原則3年を超えた職場配置や本庁税務課及び各県税事務所の税務部署間の継続配置により、税務行政に関する知識や経験の修得、蓄積及び承継を図りながら、専門性の高い職員の育成に努めているところでございます。
 次に、情報システムの専門家の採用・確保・育成について、関連しますので一括してお答えいたします。
 情報システム人材の育成につきましては、職員の適性と意欲を踏まえた上で、大学等で情報技術関係を専攻した職員の職場配置や、人事異動の原則3年を超えた職場配置により、情報技術に関する知識や経験の修得を図りながら、専門性の高い職員の育成に努めているところでございます。
 しかしながら、近年、情報システムの高度化・専門化が進んでいることから、他県におきましては外部から情報技術関係に精通した人材を任期つき職員として採用し、情報システムに関する企画調整や指導等の業務に従事させている事例がございます。
 県としましては、予算の効率的執行の観点から、庁内情報システムの現状や他県の対応状況等を調査し、職員では十分に対応できない場合の外部からの情報システム専門家の活用について検討していきたいと思います。
 以上でございます。
○教育長(仲村守和) 休憩お願いいたします。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後1時29分休憩
   午後1時30分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
○教育長(仲村守和) それでは教育行政についての御質問で、学生会館の入寮生募集についてお答えいたします。
 千葉県にある沖縄学生会館は、建築後45年が経過しております。
 県教育委員会としましては、入寮している学生の安全を確保するため、平成20年度中に耐力度調査を実施し、建物の老朽化状況を把握する予定であります。そのため、沖縄県国際交流・人材育成財団では、耐力度調査が円滑に実施できるよう平成20年度の新規募集を行わないこととしております。
 また、沖縄学生会館の寮生及び寮監に対しましては、県教育委員会から耐力度調査の実施に向けた説明と協力依頼を行ったところであります。
 次に、耐力度調査の結果を受けての対応についてお答えいたします。
 県教育委員会としましては、平成20年度中に実施する予定の耐力度調査の結果を受け、沖縄県国際交流・人材育成財団及び入寮生等の意向を聴取するなど、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
 次に、普通高校における視覚障害者の対応等についてお答えいたします。
 現在、県立高等学校に全盲の視覚障害の生徒が1人入学しております。
 当該校の対応といたしましては、盲学校勤務経験者を学級担任に配置するとともに、点字ブロックの設置などの施設整備、点字プリンター等の備品整備を行っております。
 入学した生徒は、充実した学校生活を送っており、周りの生徒も本人との触れ合いを通して、障害に対する理解を深めているとの報告を受けております。
 課題といたしましては、教材の点訳や視聴覚教材を使った授業への参加等であると聞いております。
 次に、課題とされた教材の点訳等についてお答えいたします。
 教材の点訳については、学級担任や他の職員が対応しており、視聴覚教材を使った授業においては、教師や周りの生徒が補足説明を行うなどの配慮をしているとの報告を受けております。
 県教育委員会といたしましては、今後とも学校との調整を密にし、障害のある生徒の学習環境の整備に努めてまいります。
 次に、実習生産物売り払い代についてお答えいたします。
 専門高校における実習は、各分野において学んだ理論を実際に体験することにより知識や技術を習得し深めることを目的としており、その充実を図ることは極めて重要であります。 
 農林高校や水産高校などの専門高校の実習で生産された鶏卵や野菜などの生産物の売り払い代については県の歳入とされ、その全額が家畜の飼料代や肥料代、備品費などの実習のための経費の財源に充てられ、各学校の実習内容に応じて配分されているところであります。
 県教育委員会においては、これまで実習費の所要額の確保やその適切な配分により各専門高校における実習の充実に努めてきたところであり、御提言の趣旨につきましても、さらなる実習の充実に資するものと考えます。
 このため、本年度から実習費の一部を各専門高校の実習生産物の売り払い代の伸びを指標として配分しており、学校現場の生産意欲や学習効果の向上が期待されております。
 県教育委員会としましては、今後とも実習の充実及び生徒の学習意欲の向上を図る方策について、学校の意見も参考にしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○兼城 賢次 再質問でございますが、基地問題で「ノーザンプラン」、北部地域への基地の集約化と辺野古沖への新基地受け入れについてですけれども、これはSACOにはないことだとか、あるいは基地はどういう形であろうが抗議はするんだというような意見を言っているんですが、そういうことを前提にしての再質問なんです。
 昨年の12月に名護市の上空でFA18戦闘機の飛行が3日間連続して市民から苦情や抗議がありました。それを受けて名護市議会が民間地上空での飛行訓練中止を求めた抗議決議をいたしました。
 政府が、SACOにはないけれども、しかし前政務次官の「ノーザンプラン」というのは、北部地域への基地の集約化を申し上げております。そして、再編交付金もこれはSACOにはないかもしれないけれども、しかしこういうことをずっと彼らはやってきている。そういう前提でこの質問をしているわけです。
 政府は、今でさえ米軍の事件・事故にまともに対応しない状況で、みずから受け入れた基地から派生する被害には住民や市町村の抗議にも真剣に対応しようとしなかったと、そういう抗議にも真剣に対応しようとしないことは、もう自分たちで受け入れたところはしないだろうということが予見されるわけですね。これまでの政府の対応は再編交付金に見られるように、受け入れ地域に対する事件・事故の対応は軽くあしらうことは十分予測できます。辺野古への代替施設の受け入れは、事件・事故も受け入れるという覚悟がなければならないと考えるが、知事の所見をお伺いしたいということであります。
 それから建議書の件ですけれども、建議書の位置づけについてですが、建議書の理念は、基地を容認しないし、基地に依存することをよしとする姿勢とは相入れないものです。これについて先ほどの答弁とは違いますので、これも依存するということと相入れないんだということで質問しておりますので、知事の所見をもう一度聞かせてください。
 それから学校現場の件ですが、高校生の生産物売り上げですが、教育長の配慮には評価をするものであります。
 さて、これで私の県議会での最後の質問を終えることにいたします。
 この12年間で県政は大田県政から稲嶺県政の保守県政へと変わりました。また、稲嶺県政を継承する仲井眞県政へと引き継がれました。しかしながら、冒頭で申し上げたとおり、本県の状況は、特に米軍基地の状況は本質的に何ら変わっていないというのが私の実感であります。
 知事執行部と議会は車の両輪と申しますものの、やはり本県においては基地問題を中心に保守・革新の区別は明確に存在しております。平和のあり方、平和への道筋、平和への強い希望、将来を生きる子供らにとっては平和な沖縄であってほしいという強い信念は、革新側にこそあるものと思っております。
 識者は、政治とは、情熱と判断力の2つを駆使しながら、かたい板に力を込めてじわっと穴をくりぬいていく作業だ。もし、この世の中で不可能事を目指して粘り強くアタックしないようでは、およそ可能なことの達成もおぼつかないというのは全く正しく、あらゆる歴史上の経験がこれを証明していると述べております。
 私は、今任期をもって議員活動から身を引くものではありますが、残られる議員諸侯、加えて仲井眞知事におかれましては、沖縄の明るい平和な未来を構築すべく御努力をされんことを心から祈念申し上げまして私の最後のあいさつといたします。(拍手)
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後1時39分休憩
   午後1時41分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 兼城議員の再質問にお答えいたします。
 基地を容認するとか、受け入れたら事件・事故も当然のこととしてこれを受け入れることになるのではないかというような御趣旨だったと思いますが、それは当然のこととしてそうはならない。事件・事故はあってはならないことですから、これについては、私どもは断固として反対をし、改善・改良を要求していくというのは当然のことだと思っております。
 さらに、この建議書についての私の答弁の中で、恐縮ですが、御質問の趣旨が正確にわかりにくかったんですが、基地のない平和な沖縄というような考えがあったということについての御質問だと思いますが、理念としては当然のことだと思いますが、現実に国際情勢を踏まえると、現に今基地があって、これがなかなか整理縮小が進まない現実を踏まえた上で、私の答弁も先ほどの答弁となっているわけでございます。
○狩俣 信子 皆さん、こんにちは。
 護憲ネットワークの狩俣信子です。護憲ネットワークの代表質問最後になります。
 実は、一昨日の2月19日、私どもは2月10日に発生いたしました米兵による少女暴行事件に対する抗議集会を持ちました。これは緊急な集会でしたけれども、30に上る女性団体を結集いたしまして、320人余りの怒りに燃えた抗議集会というふうになったわけであります。
 ところがまた18日ですか、新たな米陸軍兵士による暴行事件が発生いたしました。本当に何度繰り返されたらいいのかという思いであります。
 そこで知事に、連続してこういうのが起こることに対するコメントをお願いしたいんですが、実は95年のあの事件のときに、大田知事は言いました。行政を預かる長として一人の少女の人権すら守れなかったこと、これに対して謝罪しますというコメントがあったんですね。知事は、こういう連続して起こるこの事件に対してどのように思っていらっしゃるかお聞かせください。
 ところで、知事は昨日、米軍人による事件・事故に対しまして7つの犯罪防止策を挙げました。しかし、いずれも今までやったことの追認だというふうに考えております。言えることは、米軍基地がこの沖縄にある限り、米軍人・軍属によるこのような事件はなくならないということであります。
 解決する方法といたしましては、基地を撤去する以外にありません。とりわけ海兵隊は直ちにお引き取りを願いたい。何度繰り返したら気が済むのでしょうか。もう綱紀粛正、兵員の再教育、聞き飽きました。無意味に聞こえます。
 イギリスにも約1万人の駐留米兵がいるとのことです。ドイツにも多いときで6万8000人の駐留米兵がいたわけですが、そういうところでは米兵によるこのような事件は起こっておりません。聞いたことがないといいます。沖縄ではなぜ何度も何度もこのような事件が繰り返されるのでしょうか。なぜでしょうか、皆さん。軍隊の持つ構造的暴力、人殺しを教える軍隊、よき隣人という名の暴行犯、我慢の限界です。
 このような状況の中でも、日米地位協定の見直しではなく運用でという日本政府に、沖縄に米専用施設の75%を押しつけていて恥知らずだと私は思っています。
 それでは日米地位協定の見直しについて伺います。
 (1)点目、知事は、日米地位協定の見直しを2008年度の取り組みの姿勢の中でも取り上げておられます。見直しについては、前回の11月定例会で、米議会の方が効果的ではないかという話もあり、訪米も含めて戦術を研究してしっかりやりたいと答弁しています。今後の具体的な取り組みについて伺います。
 (2)点目、知事は、日米地位協定の見直しではなく運用でという不誠実な日米政府に、今回の少女暴行事件を受け、どう対応していくのか伺います。
 (3)点目、子供、女性の人権保障の立場からも日米地位協定の見直しが早急に求められます。今のままの不平等協定でいいはずがありません。知事の決意を伺います。
 2点目、米兵による少女暴行事件について伺います。
 私の身近にも実は米兵による性被害を受けた方がおられるんです。いまだにそのトラウマに悩んでいます。心の傷がいえることがありません。公にすることもできず、本当に苦しんでいるんです。そういうことも受けまして質問いたします。
 (1)点目、米兵による暴行事件が起こるたびに被害者へのケアについて言われますが、実態が見えません。どこが主体的に責任を持ってケアをしているのですか。県ですか、警察ですか、市町村ですか、その他の機関ですか。また、それにかかる費用はどこが負担しておられますか。米軍ですか、日本政府ですか、沖縄県ですか、市町村ですか、加害者なのですか、お聞かせください。
 (2)点目、ケアについての期間制限はあるのでしょうか。
 (3)点目、基地外に居住する米兵への思いやり予算での住居手当や光熱費などの負担があるのかどうか伺います。
 (4)点目、二度と再びと言いながら繰り返されるこのような事件をなくすためには、海兵隊の撤退しかないと思っていますが、知事の見解を伺います。
 次3点目、教育問題についてであります。
 きのうも出ておりましたけれども、再質問でまた私もいろいろあるものですから伺います。
 まず、珊瑚舎スコーレについて。
 これまで何度かこの問題を取り上げてきましたが、再度お尋ねしたいと思います。
 (1)点目、夜間中学「珊瑚舎スコーレ」について。
 ア、珊瑚舎スコーレで学ぶ高齢者の皆さんが中学校卒業証書の授与を待ち望んでいます。3月の卒業期が近づいていますが、11月議会で市町村の学校に学齢簿が作成できないか話し合うとの答弁でありました。その後の経過について伺います。
 イ、教育長は先日、珊瑚舎スコーレを視察したとのことですが、そのときの感想と今後の対応について伺います。
 (2)点目、学校司書について伺います。
 財政難を理由に教育現場にさまざまなしわ寄せが押し寄せています。国内総生産に対する教育費の公的支出についても、日本は経済協力開発機構(OECD)に加盟している39カ国の中で最低であります。
 これは前にも申し上げましたけれども、デンマーク8.3、アイルランド7.8、こういうふうに来まして日本は3.7、最下位です。その中でやり方によっては改善策も出てくるのではないかと私は思うわけですが、学力向上というならば、学校図書館の有効な活用方法も検討することが大切です。
 そこで伺います。
 ア、学校司書の現状について伺います。
 イ、学校司書の専門性についてどうお考えなのでしょうか。
 ウ、専任司書教諭と充て司書教諭の違いは何ですか。
 エ、学力向上対策と図書館とのかかわりについてどう分析しておられますか。
 オ、学校司書の臨任と非常勤の違いは何ですか。
 (3)点目、沖縄盲学校の特別支援学校編成整備計画について伺います。
 沖縄盲学校のこの件につきましては、未来を考える会の皆さんからもいろいろお話を伺いました。2月18日に皆さんからいろんな御意見を伺い、勉強会を持たせていただきましたけれども、その中で幼少期からの盲教育の大切さ、これを私たちはお聞きいたしました。目の見えない子にとっては、耳から入ることがすべて。そして手で触れることによって物に対する認識が始まっていく。そのために幼少期からの教育が必要であり、耳で音をとる訓練から始めなければならないということです。特に発達段階にいる視覚障害児にとっては、どの音をとっていいかわからず、その基本的なことを訓練することを根気強くやらなければならないということであります。そのため、ある程度成長した人の交流は結構ですが、幼少期からの、すなわちまだ訓練途中の交流とか併合の中での教育については心配だということをお話しされておられました。
 今回出されました沖縄盲学校の知的障害児との併合問題は、知的障害児の皆さんを排除するのではなく、それぞれの障害を持った子供の育ち方が違うということ、お互いに我慢を強いることになるおそれがあるということで大変危惧をしていらっしゃる。また、視覚障害だけでなく、知的や身体障害など重複児への対応、そのニーズが拡大している中で、県内唯一の視覚障害学校として単独校を希望しているとのことでありました。
 私も実際に話を聞く中で、お母さんの声をどう聞き分けるか、そして米の音がどう子供たちに伝わるか、いろんな器具でやりながら、そして手で触れることによって、これがざらざらしたものですよ、これとこれは一緒のつるつるですよとか、いろんなことをやっていらっしゃるんですね。やはり耳で聞いて、手で触れて、それでじゃないとできていかないという、これをお話しされていたんです。
 そこで私は伺います。
 ア、「沖縄盲学校の未来を考える会」が単独校としての存続を求めておられますが、教育長の所見を伺います。
 イ、今回、沖縄盲学校に知的障害教育を合併するという案が出されておりますが、単独校ではいけない理由は何なんでしょうか伺います。
 ウ、「沖縄盲学校の未来を考える会」が行った署名活動に、特定の団体の主張に安易に同調することは望ましくないとして教職員へ圧力を加えたようですが、行政側の人権意識が問われております。今後、庁内の人権意識向上のための対応を伺います。
 (4)点目、30人以下学級の次年度からの実施について伺います。
 4、労働・雇用問題についてであります。
 (1)、基地内労働の実態について伺います。
 ア、2008年1月13日の沖縄タイムスに、米軍基地内でのパワーハラスメントの記事が掲載されました。従業員数228人中140人の隊員と10人の元隊員、計150人が署名し、職場の環境改善を訴えております。その後の経過と現状を伺います。
 イ、米軍基地内でパワハラが起こったとき、解決のための方策はどうなっているのか。また、どの機関が対応するのか伺います。
 (2)、非正規雇用の実態について伺います。
 知事はきのうの答弁の中で、企業誘致の昨年度の実績として2800人の雇用があり、IT津梁パークの導入で8000人の雇用が見込まれるというお話でございました。その雇用の質の問題、それはどうなっているのか非常に気になります。要するに、正職員なのか、あるいは非正規の雇用なのか、そこらあたりが非常に気になるわけです。
 今の若い人たちにお話を聞いてみますと、臨任や非常勤、パートが多く、生活の不安、経済的な不安を訴えておられます。
 そういう中でお尋ねいたしますが、ア、正規雇用でないため、いつ解雇されるかと不安を持った若者たちが多い。グッジョブ運動というけれども、この若者たちの不安解消のための対応策を伺います。
 イ、県内の非正規雇用の現状と課題を伺います。
 ウ、県内外の派遣労働の実態とグッジョブ運動はどうかかわっていくのか伺います。
 5点目、福祉・医療政策について伺います。
 (1)、不妊治療についてでありますが、これは助成を受けて不妊治療を受けた8割の方々が非常によかったと、とても助かるというふうな声が寄せられております。
 ア、県内においては、2005年度から不妊治療を受ける人への国庫補助が行われているようですが、現状と課題は何か伺います。
 (2)、後期高齢者医療制度の4月1日からの実施について伺います。
 全国的には75歳以上の後期高齢者は1300万人。その医療費は11兆4000億と言われています。沖縄県の実態・状況はどうなのか。また、平均収入が、県民所得が全国平均の7割しかないこの経済状況の中で、その負担がどうなるのか気になっております。
 そこで伺います。
 ア、高齢者の皆さんへ一層の負担押しつけにならないかと懸念しております。県内の状況と凍結について国へ要請する必要はないのかということで所見をお伺いいたします。
 (3)、年金についてであります。
 ア、宙に浮いた年金、消えた年金など、余りにもずさんな社保庁の管理体制であります。県内の状況はどうなっているのか伺います。
 イ、県内の第三者委員会での取扱件数、そして解決されたのはどのぐらいあるのか、あわせてお尋ねしたいと思います。
○知事(仲井眞弘多) 狩俣議員の御質問にお答えいたします。
 まず第1に、在沖米軍兵士による暴行事件についての知事のコメントの御質問に対してお答えいたします。
 このように米軍人に関係する事件が連続していることは極めて遺憾であります。
 米軍は、実効ある再発防止策を早急に講じ、一層、綱紀粛正を徹底すべきであると考えております。
 次に、日米地位協定の見直しについての御質問にお答えいたします。見直しに向けた取り組みいかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 県といたしましては、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、日米地位協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。これまで、より多くの国民や国会議員の皆様に地位協定の見直しの重要性を理解していただくため取り組んできたところであります。
 去る2月13日には、来沖した参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会委員長に対し要請したほか、2月15日にも来沖しました民主党国会議員に、さらに2月18日及び19日には軍転協を通じて内閣官房長官を初め日本政府と在日米国大使館等に対し要請したところであり、引き続き渉外知事会等と連携をしながら粘り強く取り組んでいきます。
 また、米国連邦政府や連邦議会関係者等に沖縄県の実情を伝え、理解してもらうため、訪米も含め検討していきたいと考えております。
 同じく、日米地位協定の見直しに関する対応と決意について答弁をさせていただきます。
 日米地位協定につきましては、政府に対し、機会あるごとにその見直しを求めてきたところでありますが、政府は依然として運用改善により対応するとしております。
 しかしながら、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、米側に裁量をゆだねる形となる日米地位協定の運用改善だけでは不十分であり、日米地位協定を抜本的に見直す必要があると考えております。 
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○警察本部長(得津八郎) 犯罪被害者へのケアの実情についてお答えいたします。
 県警察では、米軍構成員等による事件であるか否かにかかわらず、殺人、傷害、強姦等のように専門的な被害者支援が必要な場合には、捜査員とは別に被害者支援要員を指定して被害者や御家族に対して病院の手配、受診時の付き添い、事案概要、捜査状況の説明等必要な情報の提供、被害者等の要望等の把握などの支援活動を行っているところであります。
 今回の事件につきましては、被害者が女性でかつ中学生であったことから、被害者支援要員に女性警察官を指定し、所要の被害者支援活動を行っているところであります。
 また、被害者等の精神的被害の回復及び軽減を図る施策として、平成14年から「被害者等カウンセラー制度」を運用しており、被害者等に対しましては、事件発生後早い段階で同制度を教示し、被害者等の要望があれば精神科医または臨床心理士によるカウンセリングを実施することとしているところ、今回も同制度について既に教示しております。
 これらを初めとする犯罪被害者支援のための事業として、平成19年度におきましては総合的被害者対策推進事業、犯罪被害者等基本法推進事業があり、合計487万6000円が県警察の予算として計上されております。
 なお、事件発生後、早期の段階において県警本部及び沖縄警察署からマスメディアに対し、被害者が一日も早く通学ができるなどもとの生活に戻れるように、学校及び自宅周辺での取材等の自粛を強く申し入れたところであります。
 次に、ケアの期間制限についてお答えいたします。
 被害者支援要員による各種支援活動につきましては、原則として、当該事件の被疑者が検挙され、起訴、不起訴等の検察庁処分が確定するまで行っております。
 しかし、被害者等の精神的動揺が激しく、引き続き対応が必要と認められる場合や被害者等からの要望があった場合などについては、検察庁処分が確定した後であっても必要と認められる期間、支援活動を継続実施しているところであります。
 また、県警察が行う被害者等に対するカウンセリングにつきましては、被害者等の要望に基づき行い、当該カウンセリングを実施したカウンセラーがカウンセリングの継続の必要性に関する判断をしているところであり、期間や回数の制限はありません。
 以上です。
○知事公室長(上原 昭) 基地外居住に対する思いやり予算についての御質問にお答えします。
 沖縄防衛局によると、基地外に居住する軍人等の住居手当や光熱費等については、在日米軍駐留経費負担、いわゆる思いやり予算による日本政府の負担はないとのことであります。
 次に、在沖海兵隊の撤退についての御質問にお答えします。
 県は、これまで日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減等による本県の過重な基地負担の軽減を求めてきたところであります。
 県としては、米軍再編で海兵隊司令部及び約8000名の海兵隊将校・兵員のグアム移転と、それに伴う嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の整理・統合・縮小が合意されたことは、県民の要望している米軍基地の整理縮小につながるものであり、確実な実施がなされる必要があると考えております。
 以上であります。
○教育長(仲村守和) それでは教育問題についての御質問で、珊瑚舎スコーレで学ぶ方々の学齢簿作成についてお答えいたします。
 県教育委員会としましては、これまで戦中戦後の混乱期に小中学校で学ぶことができず、珊瑚舎スコーレで3年間学び続けた方々に対して、戦後処理の一環として卒業証書を授与するとともに、高等学校に進学を希望する方に対しては受験できる配慮を行ってまいりました。
 さらに、去る1月には市町村教育委員・教育長研修会において、学齢期を過ぎた方の学齢簿作成について依頼し、2月には市町村教育長協会と意見交換を行ったところであります。
 次に、珊瑚舎スコーレを参観しての感想と今後の対応についてお答えいたします。
 戦中戦後の混乱期に義務教育を受けることができなかった方々の学んでいる様子を参観するために、去る1月25日に珊瑚舎スコーレを訪問いたしました。
 御高齢の方々が向学心に燃え、一生懸命に勉強をしている真摯な態度や、高齢者同士が学び合い、楽しく授業に参加している姿勢に胸を打たれました。また、講師の熱心な指導やその補助に当たっている大学生が高齢者の個別指導を行うなど、多くの方の支援のもとに授業が展開されており、深く感銘を受けました。
 戦中戦後の混乱期の中で義務教育を受けることができなかった方に対し、学ぶ機会を提供することの大切さを改めて認識したところであります。
 現在、卒業認定につきましては、市町村教育委員会で学齢簿に準じたものをつくり、公立中学校に籍を置いて学べるかどうかや、卒業認定の条件などを市町村教育長協会と具体的に意見交換をしているところであり、卒業認定ができる方向での検討を行っていきたいと考えております。
 次に、学校司書の現状についてお答えいたします。
 平成19年度における学校司書の配置は、県立学校においては高等学校61校に61名、特別支援学校16校に9名となっており、未配置の特別支援学校においては事務職員が兼務して対応しております。また、公立小中学校においては小学校277校に259名、中学校154校に141名の学校司書がおり、複数校兼務することによりすべての学校で対応しております。
 次に、学校司書の専門性についてお答えいたします。
 学校司書は、図書館サービスの提供及び学校図書館庶務・会計等に従事しているものであります。
 これまで本県学校図書館の活性化に学校司書が果たしてきた役割は大きなものがあると考えております。
 平成9年の学校図書館法の改正により、平成15年度以降、学校図書館の専門的職務を担当させるため司書教諭が配置され、現在は司書教諭と学校司書が連携して学校図書館活動の充実に取り組んでおります。
 次に、専任司書教諭と充て司書教諭の違いについてお答えいたします。
 学校図書館法の規定により、本県では12学級以上のすべての公立学校で司書教諭を配置しております。
 同法において、司書教諭は、司書教諭講習を修了した教諭をもって充てると定められており、校務分掌の一つとして担当教諭が位置づけられております。
 専任の司書教諭は、本県においても配置されておりません。
 次に、学力向上対策と図書館とのかかわりについてお答えいたします。
 県教育委員会としましては、学校における読書活動を昭和62年度から学力向上対策の一環として位置づけ、豊かな感性や表現力の育成等の基盤づくりとして推進してまいりました。その結果、本県の小・中・高等学校における朝の読書、教科や「総合的な学習の時間」における学校図書館の計画的な活用等が充実してきております。
 また、全国学力・学習状況調査においては、学校図書館を学習・情報センターとして活用している学校で活用型問題の正答率が高いという結果が見られます。
 今後とも、児童生徒の豊かな人間性の育成や確かな学力の向上の基盤として、学校図書館の活用を図っていく取り組みを充実してまいりたいと思います。
 次に、臨任と非常勤の違いについてお答えいたします。
 県立学校における図書館司書はすべて県単独予算で措置されており、一部臨時的任用職員及び非常勤職員で対応しております。また、公立小中学校においては市町村の予算等で措置されております。
 臨時的任用職員は本務職員と同様の勤務形態であり、非常勤職員は週38時間以内の勤務となっております。
 次に、沖縄盲学校の単独校としての存続についてお答えいたします。
 平成19年4月に学校教育法が改正・施行され、従来の障害種別の盲・聾・養護学校は複数の障害種に対応する特別支援学校制度へと改められました。
 現在、県教育委員会では、学識経験者や保護者代表等から構成された「県立特別支援学校の編成整備に関する懇話会」から提言を受け、特別支援学校編成整備計画(案)を作成し、保護者等への説明や意見交換を行っているところであります。
 「沖縄盲学校の未来を考える会」が単独校として存続を求めていることについては、盲学校の持つ視覚障害教育の専門性の維持等に不安を感じておられることのあらわれと受けとめております。
 次に、単独校ではいけない理由についてお答えいたします。
 特別支援学校制度は、障害の重度・重複化や児童生徒一人一人の教育ニーズに適切に対応するため、障害種別を超えた教育を実施することができる制度であります。
 県教育委員会では、学識経験者等から構成された懇話会から、那覇南部地域の教育ニーズに対応するため沖縄盲学校を知的障害の教育も行う特別支援学校として整備することが望ましいとの提言を受け、特別支援学校編成整備計画(案)を作成したところであります。
 県教育委員会としましては、今後とも保護者や関係団体等に十分な説明と意見交換を行いながら、理解を得ていきたいと考えております。
 次に、人権意識向上のための対応についてお答えいたします。
 署名活動に関する情報提供のメールについては、文章中に教職員の活動を規制するかのような不適切な表現が含まれていたことから、2月6日付で撤回と破棄を通知したところであります。
 県教育委員会としましては、今後このようなことが再び起こらないよう「人権ガイドブック」の活用や職場研修等により職員の基本的人権に関する理解を深め、人権を尊重する職場環境づくりに取り組んでまいります。
 次に、30人学級の実施についてお答えいたします。
 本県では、平成14年度から小学校1年生、平成16年度には2年生へ拡大し、低学年において一律35人学級編制を実施してまいりました。現在、30人学級制度設計検討委員会で実務的な作業を進めているところでありますが、平成20年度における30人学級編制の実施につきましては、施設状況等を踏まえながら小学校1年生で導入をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(仲田秀光) 労働・雇用問題の御質問の中で、基地従業員へのパワハラの経過、現状及び解決策についてお答えいたします。一括してお答えします。
 1月中旬に新聞で報道された米軍基地従業員に対するパワーハラスメントの現状等について沖縄防衛局へ問い合わせたところ、現在、事実確認を行うため米軍と協議中との回答を受けております。
 基地内でパワーハラスメントが起こったときの解決の方策としては、基本労務契約等に苦情処理手続が規定されており、従業員はこの規定に基づいて軍側への救済申し立てが可能となっております。
 また、パワーハラスメントが起こったときの対応としては、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づいて、沖縄労働局の総合労働相談窓口で相談が可能となっております。
 次に、非正規雇用の若者に対する対応策と非正規雇用の現状、課題についてお答えします。現状、課題、対応という流れで一括してお答えします。
 平成14年の就業構造基本調査によると、県内の非正規雇用者数は16万9700人で、雇用者に占める割合は34.4%となっております。
 非正規雇用については、低所得者の割合が多いことや職業能力開発の機会が少ないことなどが指摘されております。
 そのため、国においては、パートタイム労働者の正社員化を促すことなどを目的にパートタイム労働法を改正したところであります。また、中小企業において、正社員へ転換した場合に奨励金を支給する制度が平成20年4月に創設される予定であります。
 県においては「みんなでグッジョブ運動」を展開するほか、沖縄労働局など関係機関と連携を図り、企業等へ若年者の正規雇用の拡大について働きかけているところであります。
 また、フリーターの常用雇用化を図るため、若年者のトライアル雇用の活用を促進するとともに、デュアルシステム事業の推進や、沖縄県キャリアセンターにおいて職業観の育成や就職支援等の取り組みを行っております。
 次に、派遣労働者の実態と「みんなでグッジョブ運動」とのかかわりについてお答えします。
平成14年の就業構造基本調査によると、県内企業で就業している派遣社員数は3100人で、雇用者全体に占める割合は0.6%となっております。
 県外で雇用されている派遣労働者については、調査がなく実態把握が困難な状況にあります。
 雇用形態の多様化により、正規と非正規職員の間に格差が発生しているなどの課題が指摘されており、企業等においては、これに対応した職場ルールの改善も重要であると考えております。このため「みんなでグッジョブ運動推進計画」においては、企業等が取り組む基本的な事項として、パート、アルバイト、契約社員等の正規社員化と正規・非正規の均衡処遇に向けた取り組み促進などを掲げ、主体的な取り組みを促しているところであります。
 今後においても、「みんなでグッジョブ運動」の普及啓発に努めつつ、正社員化を促進する事業の周知及び活用促進に努めてまいります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(伊波輝美) 福祉・医療問題についての、不妊治療助成の現状と課題についてにお答えいたします。
 県では、平成17年度から不妊治療のうち健康保険適用外である特定不妊治療について、指定医療機関で治療に要した費用のうち1回10万円を上限に年2回まで、通算5年間助成しております。
 平成18年度の助成件数は350件、今年度の助成件数は1月末現在ですけれども392件となっております。
 特定不妊治療に要する費用は高額になることから、県では特定不妊治療の健康保険適用について九州地方知事会等を通して国へ要請しており、今後とも機会あるごとに要請してまいりたいと考えております。
 続きまして、後期高齢者医療制度の県内の状況と国への凍結要請の所見についてにお答えいたします。
 後期高齢者医療制度につきましては、沖縄県後期高齢者医療広域連合の11月議会において保険料条例が可決され、現在は4月開始に向け被保険者証の交付や保険料賦課等の準備作業が進められているところでございます。
 後期高齢者医療制度は、少子・高齢化が加速し、保険料を納める現役世代が減り、高齢者の医療費がふえる中で国民皆保険制度を堅持していくため、世代間の負担を明確にし、公平化を図る観点から創設された制度であります。4月からの制度の円滑な施行に向け、今後とも広域連合、市町村の支援に努めてまいりたいと考えております。
 続きまして、年金記録問題における県内の状況についてにお答えいたします。
 沖縄社会保険事務局に確認いたしましたところ、基礎年金番号に結びついていない記録について、名寄せの結果、基礎年金番号に結びつく可能性がある方に対し、現在、加入履歴のお知らせを行う「ねんきん特別便」を本人あて順次送付し、記録を確認していただいているとのことでございます。
 なお、それ以外の方々につきましては、すべての年金受給者にはことし4月から5月までをめどに、またすべての現役加入者の方々には6月から10月までをめどに「ねんきん特別便」を送付し、記録確認を行っていただくとのことでございます。
 さらに、社会保険事務所では平日の夜間相談窓口の延長を行っているほか、市町村及び繁華街等での出張相談窓口を開設するなど、幅広く県民が相談できる体制を整えているとのことでございます。
 続きまして、県内の第三者委員会での取扱件数等についてお答えいたします。
 「年金記録確認沖縄地方第三者委員会」に対する年金記録の確認申し立て件数は、沖縄社会保険事務局に確認いたしましたところ、2月17日現在で230件を社会保険事務所で受け付け、そのうち138件が第三者委員会へ回付されていると聞いております。
 138件のうちの9件について、同委員会から社会保険庁に記録の訂正を求めるあっせん案が出され、そのうち7件については、あっせんに基づき記録の訂正がなされ、その一方で、18件については訂正が認められないとの決定が出されており、残りの111件については、現在、同委員会において審議中となっているとのことでございます。
 以上でございます。
○狩俣 信子 御答弁ありがとうございました。
 たくさんありますので、順を追っていきたいと思います。
 まず、知事、運用でという日本政府に対して、知事は、米側に裁量がゆだねられるということでは不十分であり、見直しが必要と思っているということを言っておりますね。見直しが必要なら具体的に何をするかなんですよ。見直しが必要だとそこで終わってはもうだめなんですね。その後どうするんですか。それをお聞かせください。
 次、珊瑚舎スコーレについて行きますけれども、珊瑚舎スコーレですね、教育長。今、きっと39名の方が在籍していると思うんです。その中で、学齢簿ができてというのはこれは次年度の話でしょう。ことし、今いらっしゃる中で卒業を希望している方は何名ですか。卒業して、高校に進学する人には卒業認定しますよと。あとの人はやりませんよですよね。そこが私は問題だと言っているわけで、その解決についてどうするのかお聞かせください。
 それから学校司書についてなんですが、教育長、余りにも実態が把握されてないようでございます。私が皆さんとお話しした中では、こういう話がたくさん出てきているんですよ。今、学校司書としての専門性が非常にないがしろにされていると。学力向上と言いながら、朝の活動とか何とか計画的にやっているという御答弁は確かにいい御答弁もありましたけれども、実態としては、司書の皆さんは司書だけの仕事ではなくて、本当にいろいろ大変な、小さなところになると教科書注文係をさせられる、アルバム撮影担当係、だから遠足も同行していく、コンクール手続もやる、図書館どころではないと言っているんですよ。年休・病休の職員がいるとその代理でクラスを見る、そして朝の登校時には横断歩道で旗振りをする、こういうことが司書の皆さんに覆いかぶさっている。だから弱いところにそれが行くんじゃないかということで私は心配しているわけです。
 そして臨任と賃金の違い。臨任は研修に行ける、でも賃金は行けない。各学校に1人しかいない。司書は1人しかいないから弱いんです。その弱いところに圧力がかかってきて、いろいろやるんですね。賃金の人は研修も行けない。大学を卒業してきてその学校に配置される。そうすると自分がなれるのに1カ年かかるわけですよ。でも1カ年で全部首切られるわけですね。そうすると自分の専門性はどうなるのということで、本当にそういう形で、学校司書というのを切り捨てるような形でやっていいのかどうか。学力向上と言いながら、図書館の充実と言いながら、実態がこうだということで、教育長、再度、それをどう思うか答弁ください。
 司書の問題は終わりました。
 次は、盲学校の問題に行きます。
 私は、盲学校の皆さんの切実な声を聞いたんですが、今、教育長は地域の教育ニーズに合わせてとおっしゃいました。その中で、今、知的障害の皆さんがふえているということも知っていますよ。知っているけれども、盲学校としての、沖縄県に1つしかない、この目の見えない方だけじゃなくて、弱視の方にも、途中で失明した方にも、いろんな方に対応するわけですよね。そういう方々の、本当にここがなくちゃどうしようもないんだというこの気持ち。そして一緒にやるというけれども、聞いたら、音楽と体育は体育館を一緒に使うというわけでしょう。じゃ体育館に目の見えない人はどうして入っていくのと言ったら、視覚障害の人から先に入れて、知的障害の人は後に入れますというんだけれども、そんなことでいいんですか。視覚障害の人は自分の世界を手探りで行くわけですよ。その中でどこにぶつかるかわからないような、この危険性もある中で、安全性の問題も出てくるわけですよね。
 そういうことで、併合型を進めていくという地域のニーズとおっしゃるけれども、ほかに方法があるでしょうということも私は教育長としては考えていただきたい。併合している他府県の状況はどうなんですか、お聞かせください。
 そして、単独校として必要だという声は、障害を持った、身体障害も知的障害も視覚障害も、いろんなことを体験した先生方が言っているわけですよ。自分は知的も経験した、けれどもやはり視覚障害の皆さんには単独校が必要だと、そういう声もしっかりと聞いていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
 知事、子供の暴行事件につきましては、知事は遺憾であるとかということを言うんですが、一つの県のトップとして、要するに県民の人権ですよ、人権を守るというのが行政のトップの仕事だと思うから私は聞いているんですが、そこらあたりの知事の覚悟、決意を再度本当にお聞かせください。こういうことで他国の状況も調べてくださいよ、これがどうなっているか。
 また再々質問いたします。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後2時31分休憩
   午後2時33分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 狩俣議員の再質問にお答えいたします。
 まず第1に、地位協定の大幅改定見直しについて具体的にはどうするんだというような御趣旨の御質問だったと思いますが、これも先ほど申し上げましたように、文字どおり、これは日本では御存じのように政府では外務省であったり防衛省であったり、そしていろんな担当部局が内容に応じてまた関連していると思いますし、これにつきましては私の方では内閣官房長官とか、日本政府とそれから在日米大使館等に先ほど申し上げましたように要請をしているところであり、引き続き渉外知事会と提携しながら粘り強く取り組んでいきたいと考えておりますし、先日は民主党の先生がお見えになったときにもお願いしたんですが、日本は各党に地位協定の見直し等々、ちょっと正式な名前は覚えておりませんが、各党おおよそ似たような内容の勉強会といいますか、研究会のようなものを持っておられますから、日本の中で各政党、それから担当省に説明と改定の必要性を理解していただき、あわせてアメリカも政府、そして議会、両方に対応をしていく必要があり、ことしはアメリカについても、ちょっと今これは戦術的にはかなりよく研究する必要があると思いますが、練りに練って、粘り強く対応してまいりたいと
考えております。
 それから、先ほどのまず冒頭の御質問の中に関連した再質問だと思いますけれども、今度の米軍人による少女への暴行事件についてですが、これについては先ほども申し上げましたように、このような米軍人に関係する事件が連続しているということは極めて遺憾だというのが率直な気持ちでございまして、米軍は実効性のある再発防止策を早急に講じ、より一層綱紀の粛正を徹底すべきであると考えておりますし、きのうの自由民主党の先生方の代表質問で申し上げたと思うんですが、米軍人等犯罪防止対策の我々の対策会議というようなものをつくりまして、いろんな対策について今まとめているところでもあります。
 これは7項目、そんな目新しいものではないのはないかというような御趣旨のことをおっしゃったと思うんですが、例えば、第1に、やはり米軍人等に対する研修とか教育というのを徹底してもらいたいと。これは何種類かあるかと思います。
 さらに2番目が、米軍人等の生活規律の強化。これは先ほど出ていますような外出禁止措置の時間であるとか、対象の拡大であるとか、第2に、外出禁止措置の徹底であるとか、規律違反及びその上司の責任であるとか、罰則の強化とかいろんなことが出ております。
 3番目には、基地外に住む米軍人等の対応。これについてもいろんなことが出ております。
 それから4番目には、防犯施設の充実。これは防犯灯であるとか公園等における防犯対策等々がありますし、その他警察の取り組みの強化等々もありますし、学校における取り組み、さらに一番最後に、これは少し時間がかかりますが、日米地位協定の見直しなどなど、目新しいものはないとおっしゃるかもしれませんが、こういうオーソドックスなところを粘り強く続けていこうと考えております。
 以上でございます。
○教育長(仲村守和) それでは狩俣信子議員の再質問についてお答えをいたします。
 3点ございましたので、まず1点目で、現在、珊瑚舎スコーレで学んでいる高齢者の方々の3年生が卒業期に近づいておりますけれども、ことしの卒業生への対応はどうするかということと、何名いるかということでありましたけれども、現在、珊瑚舎スコーレに通う3年生は18名でございまして、4名の方が卒業証書の授与を希望しております。そのうち3名が高等学校への進学を希望しております。
 県教育委員会としましては、その4名の方について卒業証書の授与を準備しております。しかしながら、正式な卒業証書ということにつきましては、学齢簿をつくって、その中学校に学籍を置かなければいけないわけでございますので、それについては3月までに市町村教育委員会と協議をしているところでございますので、4月1日までにはその依頼文書等も発送して確認をして、現在の1・2年生についてはこれから新たにつくっていきます。こういう考え方で卒業を正式に認定をしてまいりたいと思っております。
 それから2点目でございますが、2点目は、非常勤の学校司書の研修についてということでございますけれども、非常勤職員の研修については、これは制度上できないような状況でございます。
 そこで、学校におきましてはその研修会での資料とか、あるいは共有の情報交換などを積極的に行っているというふうに聞いております。
 次3点目でございますけれども、3点目は、盲学校の編成整備の他県での状況についてということでございますけれども、現在、長崎県で平成18年度より盲学校に知的障害の分教室が設置されております。福岡県では視覚障害と肢体不自由、そして病弱の教育を行う学校をやっているということです。それから愛媛県では盲学校と聾学校を統合し、さらに知的障害の教育を行う学校の設置を検討しているということでございます。
 以上でございます。
○狩俣 信子 御答弁ありがとうございました。
 知事、いろいろ御答弁いただいたんですが、防止策としてきのうも7つおっしゃったんですよ。だから、これは私は今までずっとずっと聞いてきたことで、知事もオーソドックスなことだとおっしゃっているものですから、そうなんだよなと思うんですが、その中で外出禁止措置の徹底なんて言ったんですが、きょうの新聞をごらんになりましたか。もう25日に廃止すると言っているんですよ。徹底どころじゃないじゃないですか、そんな防止策。だから何度も何度も、知事、63年間起こり続けてきたレイプ事件ですよ。暴行事件です。何度女性が被害に遭えばいいんですか。だから多くの女性が怒っているんですよ。こういう生ぬるいやり方では女性たちはもう納得しません。だから、海兵隊の撤退しかないねという話を私たちはしているわけです。それを知事はやらないと、そこは求めないということですよね。ここだけ確認させてください。
 それから次、教育長に伺いますが、珊瑚舎スコーレの件なんですけれども、4名が卒業認定を希望しているというけれども、学校に進学する方は高校進学というふうな形になるんですが、あと1人については正式なものはもうないわけですよね。でも、教育長も珊瑚舎スコーレに行って、あちらの方の生の声をお聞きになったでしょう。皆さんは小学校、中学校出てなくて、本当に学んだ中で卒業証書が欲しいと言っているんですよね。60、70になってもその気持ちがあるわけですよ。それにどうこたえるか。
 戦後の混乱期を本当に頑張ってきた先輩方がそういう気持ちでいる中で、ではお尋ねしますけれども、4月1日にはそういう依頼文書を出して、今の1・2年生には適用できるようにするというんですが、じゃ、今のこの1名、この卒業証書が正式なものじゃないというこの方に対しては、4月1日でもこれができるんですか。そこをちょっと確認させてください。
 それから学校司書のことで、非常勤は制度上できないんですよね。だから1人しかいない非常勤の司書が困っているわけです。大学を卒業してすぐ行きますよ。図書館に行って、右も左もわからない中でそれをやらなくちゃいけないわけですよ。それを研修の機会もなくて、自分が1カ年間やっと手探りでやって、そこでなれたと思ったら、はい、あなたはもう終わりです、1カ年で終わりですと。専門性が保証されてないと言っているんです。だから学校司書は専門性があると認めるならば、少なくとも1カ年はそこになれる、2カ年目はさらに子供たちのために頑張って、3カ年目はさらに充実させるというその期間が欲しいと、そういう話です。
 それから次、盲学校の件ですが、他県では長崎県があるとおっしゃった。分教室とおっしゃったんですが、それはどういうことですか、ちょっとお聞かせください。
 それから愛媛県というのは検討しているわけでしょう。実際に導入されているわけじゃないということと、先ほど私が言いました盲学校を経験した退職した先生方、この方々はいろんな障害児学校を回ってきたわけです。そういう中で、やはりいろんな障害を持った方にそれぞれに適応した教育の仕方は大事だけれども、まず最初に、目が見えないということ、まずその方々に対応することが大事だと。いろんな障害を経験してきた退職した先生方がおっしゃっているわけですよ。その声について教育長はどう受けとめますか。
 よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 狩俣議員の再々質問にお答えいたしますが、先生の御主張といいますか、お考えは、先生のお立場からのお考え、これについては私も個人的にはほとんど同じ気持ちではあります。しかしながら、こういう犯罪が起きたということが即また海兵隊全部の撤退へというところへ主張が直接結びついていくというのは、現実的ではないのではないかとも考えます。ですから、再編の中で8000人の海兵隊のグアムへの移転、こういうものをむしろしっかり進めながら徐々に減らしていくという方が現実的ではないかと考えております。
 ただ、女性の人権をじゅうりんすると、それに対する怒りというのは、先生と全く私は同じだと考えております。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後2時48分休憩
   午後2時49分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 仲村守和君登壇〕
○教育長(仲村守和) それでは狩俣信子議員の再々質問についてお答えをいたします。
 まず1点目の、珊瑚舎スコーレの4名の方々が卒業証書の授与を希望しているというお話を申し上げまして、3名の方々は高等学校へ進学を希望していると。あとお1人の方にも卒業証書は授与されるわけです。そういうことで、4名の卒業証書を希望される方には全員上げることになっております。これは中学校に卒業台帳を仮につくりまして、そこに記載をして番号をつくって、その当該中学校で卒業証書を授与しているということでございます。
 現在の1・2年生につきましては、中学校に学籍をつくりますので、これについては学校長の判断・責任のもとに正式な卒業証書が授与されていくものと思っております。
 2点目でございますけれども、非常勤の司書の皆さんの研修については、学校司書というのが事務職でありますので、この任用について継続はできないという状況にございますので、やはり研修会等の資料を共有したり、あるいは情報交換を積極的に行って研修を深めさせていきたいと思っております。
 それから3点目の分教室ということでございますけれども、長崎県に分教室がございますけれども、これは地域の知的障害のある児童のための養護学校の小学部の分教室ということですね。養護学校の小学部の分教室ということが長崎県の分教室の意味でございます。
 それから、いろんな方々の声についてどう考えるかということでございますけれども、やはり専門性の維持と、そしていろんな安全面等の不安等もあるということでございますので、こういうことにつきましては真摯に受けとめまして、今後とも継続をして保護者等との意見交換を行いまして、十分なコンセンサスを得た上での計画を策定してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○狩俣 信子 どうも御答弁ありがとうございます。
 知事、海兵隊撤退はやらないということは、これからも女性に対する人権侵害が起こり続けるわけです。知事と私と同じ思いというんですが、怒り方が違うんです、全然。知事は女性の痛みを何だとお考えですか。
 私の友人にもいるんですよ、実際にこの被害者が。いまだに立ち直れないでいるんですよ。こういう人を目の前にしているから、もうこういう軍隊は要らない。しかも海兵隊だけじゃなく、陸軍でしょう、空軍でしょう。もう大変ですよ。知事、私たちの、女性の生の声をしっかり受けとめてください。
 それから教育長、分教室について、今ちょっと意味がわからない。それで、これにつきましてはもうちょっと後でお聞きします。
 それから継続して話をしていくというこの部分はちゃんとオーケーです。
 お答えください。
○教育長(仲村守和) それでは狩俣信子議員の再々々質問についてお答えをいたします。
 今後とも、その編成整備計画につきましては継続して保護者等との意見交換を行いまして、十分なコンセンサスを得た上で計画を策定してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(仲里利信) 以上で本日の代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで終了いたしました。
 次会は、明22日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後2時55分散会

 
20080104000000