平成20年(2008年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 7月18日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 7月10日の会議において設置されました米軍基地関係特別委員会、観光振興・新石垣空港建設促進特別委員会及び沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員会の委員長から、同日の委員会において米軍基地関係特別委員長に渡嘉敷喜代子さん、同副委員長に桑江朝千夫君、観光振興・新石垣空港建設促進特別委員長に比嘉京子さん、同副委員長に辻野ヒロ子さん、沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員長に当銘勝雄君、同副委員長に島袋大君をそれぞれ互選したとの報告がありました。
 次に、7月16日、玉城義和君外24人から、議員提出議案第1号「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する意見書」、議員提出議案第2号「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する決議」及び議員提出議案第3号「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する決議」、比嘉京子さん外24人から、議員提出議案第4号「後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書」及び照屋守之君外20人から、議員提出議案第5号「後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書」の提出がありました。
 また、昨日、玉城ノブ子さん外13人から、議員提出議案第6号「原油価格高騰対策に関する意見書」、議員提出議案第7号「原油価格高騰対策に関する決議」及び當山眞市君外11人から、議員提出議案第8号「県内建設業者の受注機会の拡大に関する意見書」の提出がありました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第1 乙第1号議案、乙第2号議案及び乙第6号議案を議題といたします。
 各議案に関し、委員長の報告を求めます。
 総務企画委員長。
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   〔委員会審査報告書(条例) 巻末に掲載〕
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   〔総務企画委員長 當間盛夫君登壇〕
○総務企画委員長(當間盛夫) 県民の皆さん、議員の皆さん、おはようございます。 
 ただいま議題となりました乙第1号議案、乙第2号議案及び乙第6号議案の条例議案3件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、総務部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
 まず、乙第1号議案「沖縄県使用料及び手数料条例の一部を改正する条例」は、温泉法の改正により、温泉から発生する可燃性天然ガスによる災害の防止に係る措置が設けられたことに伴い、新設された事務の手数料について所要の改正を行うものである。
 主な改正内容は、温泉法の改正により新たに追加された事務について、手数料の徴収根拠を定めること及び既存事務の手数料の一部について金額を改めることであるとの説明がありました。
 本案に関し、想定される申請件数は何件か、改正に伴う収入増は幾らを見込んでいるかとの質疑がありました。
 これに対し、想定している申請件数は、天然ガス濃度確認で9件、温泉の採掘許可で1件である。改正に伴う平成20年度の収入増は12万1600円を見込んでいるとの答弁がありました。
 次に、建築基準法の改正のように今回の法改正に伴い社会に悪影響を与える可能性はないかとの質疑がありました。
 これに対し、今回の法改正により、温泉から湧出する天然ガスの安全対策が十分に行われると考えているとの答弁がありました。
 次に、乙第2号議案「沖縄県税条例の一部を改正する条例」は、地方税法の一部が改正されたことから、これに対応する条例の一部を改正するものである。
 主な改正内容は、1点目として、個人県民税の所得割について、寄附金控除制度の改正に伴う規定の整備を行う。2点目として、個人の県民税について、配当割及び株式等譲渡所得割の税率の特例措置が廃止となるが、経過措置としてこれを延長する。3点目として、法人事業税について、地方法人特別税の創設に伴う税率の特例措置を設けることであるとの説明がありました。
 本案に関し、寄附金控除について、現行制度と改正後の制度の違いは何かとの質疑がありました。
 これに対し、控除の適用下限額が現行の10万円から5000円に引き下げられるとともに、控除方式が現行の所得控除方式から税額控除方式に変更になることが相違点であるとの答弁がありました。
 次に、配当額が100万円以下、譲渡益が500万円以下の部分についての優遇税制は改正後も残るのか、その対象者は何名かとの質疑がありました。
 これに対し、配当額が100万円以下、譲渡益が500万円以下の部分については、引き続き2年間軽減税率を適用する。その対象者については、特別徴収義務者がまとめて申告する制度となっているため個々の納税者数は把握できないが、納税申告件数は5627件であるとの答弁がありました。
 次に、乙第6号議案「沖縄県監査委員条例の一部を改正する条例」は、地方公共団体の財政の健全化に関する法律により監査委員が健全化に関する指標を審査する業務が生じたことから、その業務を追加するため条例の一部を改正する。また、従来実施している一般会計等と公営企業会計の審査について、知事へ提出する期間を統一する改正を行うものである。
 主な改正内容は、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に規定する知事への意見提出業務を追加し、審査期間を60日以内と定めるとともに、これまでは知事に対して行う一般会計と特別会計の審査結果の提出期間は60日以内、公営企業会計については30日以内だったが、これをいずれも60日以内に統一することであるとの説明がありました。
 本案に関し、改正理由は何かとの質疑がありました。
 これに対し、これまで一般会計と特別会計及び公営企業会計の審査結果の知事への提出期限が異なっていたが、実際にはいずれの提出も9月定例会に間に合わせて行われていることから、実体に合わせるため改正を行うものであるとの答弁がありました。
 以上が委員会における質疑の概要でありますが、採決に先立ち共産党所属委員から、乙第2号議案については反対する旨の意見表明がありました。
 採決の結果、乙第1号議案と乙第6号議案の2件は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 乙第2号議案は、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 乙第2号議案に対する討論の通告がありますので、発言を許します。
 前田政明君。
   〔前田政明君登壇〕
○前田 政明 私は日本共産党県議団を代表して、ただいま議題となりました乙第2号議案「沖縄県税条例の一部を改正する条例」に反対する討論を行います。
 今回の改正は、上場株式等の配当・譲渡益は、本則税率20%、住民税5%、所得税15%のところを、2003年から軽減され、税率10%、住民税3%、所得税7%とされています。
 今回の改正では、上場株式等の配当・譲渡益の特別減税措置を金持ち優遇税制との指摘もあり、2008年度で制度を一たん廃止し、経過措置として2年間500万円以下の譲渡益、100万円以下の配当について10%の特別減税の特例を存続し適用することとしています。また、今回初めて上場株式等の譲渡損失と、上場株式等の配当等との損益通算の仕組みを設けました。
 申告によるこの方法は、所得税は2009年度分から、住民税は10年度分から、源泉徴収口座の活用による方法は、特定口座開設等の準備が整った段階から実施されます。
 金融所得に対する分離課税20%は、所得税の累進課税に比べて税率が有利になるもので、今回の改正でも新たに損益通算の上限は設けられておらず、今回の上場株式等の譲渡損益通算の仕組みを設けて、金融資産を持つ富裕層に対する優遇をさらに広げることになります。
 よって、富裕族に対する優遇措置を新たに設ける税制を含む乙第2号議案「沖縄県条例の一部を改正する条例」に反対するものです。
○議長(髙嶺善伸) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 休憩いたします。
   午前10時16分休憩
   午前10時16分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 これより乙第1号議案、乙第2号議案及び乙第6号議案の採決に入ります。
 議題のうち、まず乙第1号議案及び乙第6号議案の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、乙第1号議案及び乙第6号議案は、原案のとおり可決されました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 次に、乙第2号議案を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(髙嶺善伸) 起立多数であります。
 よって、乙第2号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第2 乙第5号議案を議題といたします。
 本案に関し、委員長の報告を求めます。
 文教厚生委員長。
   ――――――――――――――
   〔委員会審査報告書(条例) 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔文教厚生委員長 赤嶺 昇君登壇〕
○文教厚生委員長(赤嶺 昇) 皆さん、おはようございます。
 ただいま議題となりました乙第5号議案の条例議案1件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、福祉保健部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
 まず、乙第5号議案「沖縄県立社会福祉施設の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」は、沖縄県立首里厚生園を平成21年4月に民間事業者へ移譲することに伴い、県直営としての当該施設を平成20年度限りで廃止するため、沖縄県立首里厚生園の設置に関する規定を削除するものであるとの説明がありました。
 本案に関し、民間移譲のメリットは何かとの質疑がありました。
 これに対し、民間福祉施設が充実してきたこと、県に比べ民間の方が多様なサービスを提供できることであるとの答弁がありました。
 次に、民間に引き継ぐ対策はどうなっているか、民間移譲後の県のかかわりはどうなるのかとの質疑がありました。
 これに対し、入所者の処遇に影響が生じないよう来年1月から3月までの3カ月間、移譲先の法人に対して、入所者に関する情報の提供や高齢者との人間関係構築等についての事前研修を行う予定である。民間移譲後は、実施指導を行うなどして、処遇低下を招かないよう適切に指導していきたいとの答弁がありました。
 そのほか、首里厚生園の経営状況、包括外部監査の報告内容、入所者家族への対応内容、民間施設の状況、沖縄行財政改革プランとの関係、職員の処遇、入所率の状況について質疑がありました。
 以上が委員会における質疑の概要でありますが、採決の結果、乙第5号議案は、可否同数となり、委員長裁決により、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 本案に対する討論の通告がありますので、発言を許します。
 西銘純恵さん。
   〔西銘純恵さん登壇〕
○西銘 純恵 おはようございます。
 私は、日本共産党県議団を代表して、乙第5号議案「沖縄県立社会福祉施設の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」に反対の討論を行います。
 本条例提案の理由は、社会福祉施設である首里厚生園について民間事業者に移譲するため、沖縄県立首里厚生園を廃止する必要があるとして、2009年4月を目途に移譲するための改定案となっています。
 なお、県立の福祉施設を廃止する理由として、沖縄県行財政改革プランによる決定と、民間施設が充実して県立直営を継続する意義が薄くなったために、民間事業者に移譲するとしています。
 沖縄県は、2005年に12の社会福祉施設を民営化しています。その中には老人福祉施設が4カ所含まれていました。首里厚生園は、現在存続している唯一の県立の老人福祉施設となっています。
 首里厚生園は、老人福祉法に定める「老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もつて老人の福祉を図ることを目的とする。」として設置されている施設です。
 同施設には、70人定員の養護老人ホームと100人定員の特別養護老人ホームがあります。
 養護老人ホームは、65歳以上の者で、環境上及び経済的な理由により居宅において養護を受けることが困難な高齢者を入所させて養護等を行う施設。特別養護老人ホームは、65歳以上の者で、常時の介護を必要とし、居宅において介護を受けることが困難な高齢者を入所させて介護等を行う施設です。
 委員会で私が、なぜ首里厚生園が民間移譲の対象になったのか、県立直営を継続する意義が薄くなっているとはどういう意味かと説明を求めたのに対して、当局は、養護老人ホームは需要が伸びていない、施設を必要な人が少なくなっていると答弁しました。ところが、65歳以上の人口については、2005年の21万9000人から2010年には24万1000人に増加し、さらに5年後には27万7000人に増加が予測されること、ひとり暮らしの世帯は2007年10月時点で4万7140世帯あるという説明によって、今後ますます高齢者施設の必要性が高まり、民間移譲するという理由の根拠のなさが明らかになりました。
 特別養護老人ホームは、民間が充実したと言っていますが、入所できない待機者は2006年で3400人の申込者があり、名寄せで1600人、介護困難が900人、入所を待っていることを当局みずから明らかにしているではありませんか。
 施設は大幅に不足しているのが実態です。一日千秋の思いで入所を待って、自宅での困難な介護を支えている家族の苦労に心を寄せることのできない、福祉に冷たい県政と言わざるを得ません。
 民間サービスがよくなるという根拠は何かとの質疑に対して、部長は、給与水準が違う、職員の数と経験年数が違うと言っておられます。結局、100人定員の首里厚生園と民間の比較で、平均勤務年数は21年と民間の9年、非正規職員の率は民間で70%という民間の介護施設の厳しい職場の実態が明らかになっただけでした。
 政府所管の介護労働安定センターの2007年の実態調査結果で、ホームヘルパーなどの介護労働者の49.4%が、仕事の割に賃金が低いと不満があることが報道されています。部長も、介護労働者は賃金が低いことや仕事がきついなどで転職する者が多い、人材の確保が課題、そういって明言されています。
 経営が立ち行かなくなって閉鎖されている県内の民間の介護事業所が、2006年に11件、2007年に27件にふえていることも本議会の中で明らかになり、民間移譲すれば、県立より介護の質が高い、充実した介護サービスができるという根拠を当局は示すことはできませんでした。
 昨年6月、株式会社コムスンの事件は沖縄県でも大きな問題になりました。民間会社がよりよい介護の提供ができるという考え方から、自治体の公的サービスで行われていた高齢者福祉や介護をコムスンなどの民間会社に明け渡し、もうけ追求のために巨額の不正請求が行われ、その結果は、コムスンを利用した利用者と介護ヘルパーの労働者が大きな損害を受けました。
 県立首里厚生園の民間移譲は、県が担わなければならない老人福祉の責務を放棄するものです。施設入所を待ち望んでいる県民の願いに背を向けるものであり、到底認めることはできません。
 以上、反対の討論といたします。
○議長(髙嶺善伸) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 休憩いたします。
   午前10時27分休憩
   午前10時27分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 これより乙第5号議案を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(髙嶺善伸) 起立多数であります。
 よって、乙第5号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第3 乙第7号議案から乙第12号議案まで及び乙第14号議案を議題といたします。
 各議案に関し、委員長の報告を求めます。
 総務企画委員長。
   ――――――――――――――
   〔委員会審査報告書(議決事件) 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔総務企画委員長 當間盛夫君登壇〕
○総務企画委員長(當間盛夫) ただいま議題となりました乙第7号議案から乙第12号議案まで及び乙第14号議案の同意議案及び承認議案の7件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、総務部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
 まず、乙第7号議案「沖縄県人事委員会委員の選任について」は、人事委員会委員3人のうち1人が平成20年7月31日で任期満了することに伴い、その後任を選任するため地方公務員法第9条の2第2項の規定により議会の同意を求めるものであるとの説明がありました。
 本案に関し、選考の基準は何か、過去の人事委員会委員に銀行関係者が多い理由は何かとの質疑がありました。
 これに対し、委員の選考に当たっては、人格が高潔で地方自治の本旨及び民主的で能率的な事務処理能力に理解があり、かつ人事行政に関し知識を有する者ということを基本としている。この選考基準にのっとって選考した結果であり、たまたま金融機関関係者から複数人が選任されているとの答弁がありました。
 そのほか、人事院勧告制度に対する選任候補者の理解状況、選任委員会の有無について質疑がありました。
 次に、乙第8号議案「沖縄県公安委員会委員の任命について」は、公安委員会委員3人のうち1人が平成20年7月15日で任期満了することに伴い、その後任を任命するため警察法第39条第1項の規定により議会の同意を求めるものであるとの説明がありました。
 本案に関し、公安委員会の具体的な任務は何かとの質疑がありました。
 これに対し、公安委員会の任務は、県警察を管理するとともに法律の規定に基づき権限委嘱された事務をつかさどることである。具体的には、週1回定例会を持ち、県警察の施策や重要な事件・事故等について説明や報告を受け、中立な立場で県警察に対し提言等を行っているとの答弁がありました。
 次に、公安委員会の事務局はどこが所管するのか、事務局職員は警察職員かとの質疑がありました。
 これに対し、平成12年に警察法が改正され、警察本部総務課に事務局として公安委員会補佐室が設置された。職員はすべて警察職員であるとの答弁がありました。
 次に、乙第9号議案「沖縄県収用委員会委員の任命について」は、収用委員会委員9人のうち3人が平成20年7月15日で任期満了することに伴い、その後任を任命するため土地収用法第52条第3項の規定により議会の同意を求めるものであるとの説明がありました。
 次に、乙第14号議案「沖縄県監査委員の選任について」は、監査委員4人のうち識見を有する委員2人が平成20年7月31日で任期満了することに伴い、その後任を選任するため地方自治法第196条第1項の規定により議会の同意を求めるものであるとの説明がありました。
 次に、乙第10号議案「専決処分の承認について」は、国民生活等の混乱を回避するための地方税法の一部を改正する法律により地方税法の一部が改正され、平成20年4月1日から施行されたことに伴い、条例の一部を改正して同日から施行する必要があるが、議会を招集するいとまがなかったため、地方自治法第179条第1項の規定により専決処分を行ったので、同法同条第3項の規定に基づき議会の承認を求めるものである。
 専決処分の主な内容は、自動車取得税の免税点、自動車取得税の排出ガス性能及び燃費性能のすぐれた自動車に係る課税標準並びに自動車取得税の車両総重量が3.5トンを超えるディーゼル車のトラック、バス等に係る税率に関する特例措置の適用期限をそれぞれ「平成20年3月31日」から「平成20年5月31日」に延長することであるとの説明がありました。
 次に、乙第11号議案「専決処分の承認について」は、中心市街地の活性化に関する法律第48条の地方税の不均一課税に伴う措置が適用される場合等を定める省令の一部が改正され、平成20年4月1日から施行されることに伴い、県税の課税免除等の特例に関する条例の一部を改正し同日から施行する必要があるが、議会を招集するいとまがなかったため、地方自治法第179条第1項の規定により専決処分を行ったので、同法同条第3項の規定に基づき議会の承認を求めるものである。
 専決処分の主な内容は、中心市街地の区域における固定資産税及び不動産取得税に係る不均一課税に関し、認定基本計画公表の日を「平成20年3月31日」から「平成22年3月31日」に延長することであるとの説明がありました。
 本案に関し、個人住宅の購入は不均一課税の対象とならないのかという質疑がありました。
 これに対し、本案は都市再生法関連の開発の場合に適用されるもので、個人住宅は対象とならないとの答弁がありました。
 次に、乙第12号議案「専決処分の承認について」は、平成20年度の税制改正の一環として地方税法の一部が改正され、平成20年4月30日付で公布、施行されたことに伴い、条例の一部を改正し同日から施行する必要があるが、議会を招集するいとまがなかったため地方自治法第179条第1項の規定により専決処分を行ったので、同法同条第3項の規定に基づき議会の承認を求めるものである。
 専決処分の主な内容は、第1点目に、自動車取得税について、税率及び免税点の特例措置の適用期限を10年延長する。
 2点目として、軽油引取税について、税率の特例措置の適用期限を10年延長する。
 3点目として、自動車取得税について、排出ガス性能及び燃費性能のすぐれた自動車に係る課税標準の特例措置をより環境負荷の小さい自動車に重点化した上で2年延長する。
 4点目として、自動車税について、排出ガス性能及び燃費性能のすぐれた自動車に係る税率の軽減措置をより環境負荷の小さい自動車に重点化した上で2年延長するとともに、環境負荷の大きな自動車への税率の重点措置も2年延長することであるとの説明がありました。
 本案に関し、法人2税について、収益事業を行わない法人でない社団に対する課税について、これまでと具体的にどう違うのかとの質疑がありました。
 これに対し、収益事業を行わない法人でない社団に対しては、これまでは収益事業を行っていなければ県への申請により法人県民税が免除されていたが、地方税法で非課税として整理されたため、県税条例でも最初から非課税としたものであるとの答弁がありました。
 次に、軽油引取税に係る暫定税率の適用期限が変わった理由は何かとの質疑がありました。
 これに対し、軽油引取税については、暫定税率の適用期限は平成20年3月31日までであったが、期限を延長する税制関連法案が国会を通過しなかったため、4月1日に一たん本則税率に戻った。その後、4月30日に税制関連法案が可決されたため、これに伴い税率の特例措置の適用期限を10年延長するものであるとの答弁がありました。
 次に、暫定税率の期限切れと本則税率の適用による税収への影響としてどのようなことが考えられるかとの質疑がありました。
 これに対し、収益事業を行わない法人でない社団に対する非課税措置については、改正に伴う税収上の増減は生じない。しかし、軽油引取税については本則税率に戻っていた1カ月間の税収減額が約3億6400万円となり、改正がなければこの減収が続いていたことになるとの答弁がありました。
 以上が委員会における質疑の概要でありますが、採決に先立ち共産党所属委員から、乙第11号議案及び乙第12号議案の2件については反対する旨の意見表明があり、採決の結果、乙第7号議案から乙第9号議案まで及び乙第14号議案の4件は、全会一致をもってこれに同意すべきものと決定し、乙第10号議案は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 乙第11号議案は、賛成多数で承認すべきものと決定いたしました。
 乙第12号議案は、可否同数となり、委員長裁決により承認しないものと決定いたしました。
 以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 乙第11号議案及び乙第12号議案に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 前田政明君。
   〔前田政明君登壇〕
○前田 政明 私は、日本共産党県議団を代表して、道路特定財源、自動車取得税、軽油引取税の暫定税率と免税点を2018年まで延長する内容を含む乙第12号議案「専決処分の承認について」に対する反対討論を行います。
 道路建設のための道路特定財源を一般財源化して福祉や教育などに充てるべきであります。 自民党・公明党は、道路特定財源を廃止して一般財源化して国民の暮らし、福祉、教育などに使えるように一般財源化すべきとの国民の世論を踏みにじって道路特定の暫定税率を10年間延長することを強行したことは許されません。その結果、自動車取得税の税率は地方税の本則で税率3%となっていますが、これを暫定的に附則第32条で税率5%、特例措置の適用期限を10年間延長するものになりました。軽油引取税について税率の特例措置の適用期限を10年延長して本則税率1リットル15円を暫定税率1リットル32円に引き上げることになりました。
 福田首相は、2009年度から税額一般財源化を言いながら、10年間にわたって特定財源を続ける法案を強行したことは根本から矛盾するものです。10年間で59兆円の道路中期計画という総額先にありきで高速道路を際限なくつくり続ける計画を白紙撤回すべきであります。
 今回の専決処分は、この道路特定財源の暫定税率を10年間延長することが含まれたものであり、日本共産党県議団は道路特定財源の廃止、暫定税率延長に反対する立場から、乙第12号議案「専決処分の承認について」に反対するものであります。
 議員各位の御賛同を訴えるものです。
○吉元 義彦 自由民主党の吉元義彦でございます。
 ただいま議題となりました乙第11号議案「専決処分の承認について」に賛成する立場から賛成討論を行います。
 中心市街地は、商業、居住等の都市機能が集積し、長い歴史の中で文化・伝統をはぐくみ、各種機能を培ってきた「まちの顔」ともいうべき地域であります。
 しかしながら、病院や学校、市役所などの公共公益施設の郊外移転、大型店舗の郊外立地、居住人口の減少によるコミュニティーとしての魅力低下など、中心市街地の衰退や空洞化が目立ってきております。
 県税の課税免除等の特例に関する条例については、「沖縄振興特別措置法」及び、「中心市街地の活性化に関する法律」などの目的である地域の振興を税制面から支援するために定められた条例であります。
 中心市街地の活性化については、「中心市街地の活性化に関する法律」に基づいて、中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進するために、市町村が認定基本計画を期限までに公表し、その公表した日から3年以内に地域住民の利便の増進を図るための商業基盤施設を整備した場合には、不動産取得税を原則4%から0.4%とするなど不均一課税を規定しているものであります。
 今回の改正については、認定基本計画の公表に係る期限を平成22年3月31日まで2年間延長するものであります。
 中心市街地が地域の経済及び社会の発展に果たす役割の重要性にかんがみ、中心市街地を活性化することは地域の振興及び経済の健全な発展に寄与するものであり、それを税制面から支援することは政策的にも大変重要なことであります。
 以上のことから、乙第11号議案「専決処分の承認について」は、承認することに賛成いたします。
○島袋  大 自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました乙第12号議案「専決処分の承認について」に賛成する立場から賛成討論を行います。
 現在、国・地方とも極めて厳しい財政事情のもと、少子・高齢化の進展により今後もさらに多くの財源が必要となってくることが予想されます。
 その中で、国民が安心して暮らせる活力のある地域社会を効果的・効率的につくっていくためには、地方公共団体が行う各種施策について、みずからが決定し、みずからが責任を持つためには自主財源の確保が必要となってきます。そのためにも県税収入の確保は重要なことでありますが、その一方で政策的な判断による税の軽減も必要であります。
 今回承認を求められています「沖縄県税条例の一部を改正する条例」には、収益事業を行わない法人でない社団等の均等割の非課税措置の創設、環境に優しい自動車の取得に対する軽減措置や市町村が有害鳥獣を捕獲する場合の狩猟税の軽減、住民税からの住宅ローンの控除に際し、申告期限後の提出もやむを得ない理由があれば認める措置が含まれており、住民の立場に立ったものとなっております。
 具体的な改正内容としましては、まず、法人の県民税の均等割について、法人でない社団または財団で収益事業を行わないものについて、これまでも申請に基づき免除が実施されていたところでありますが、これを非課税として整理するものであります。自動車取得税の低燃費車特例につきましては、地球温暖化対策としまして二酸化炭素排出量削減の観点から平成11年度に創設されたものであります。
 近年では国際的に温暖化等の問題が大きく取り上げられ、温室効果ガスを減少させるため国際的な取り組みが求められております。
 また、近年日本におきまして、環境保全の基本的な計画として環境基本計画が平成7年に閣議決定されまして、その計画を受けて都道府県など地方自治体においても計画の策定が行われるようになってきております。
 これらの環境保全の流れの中で、排出ガス性能及び燃費性能のすぐれた自動車等につきましての自動車税及び自動車取得税の軽減措置等を延長することは必要であります。そのほか、道路特定財源となっております軽油引取税と自動車取得税の税率を10年間延長する改正が含まれております。
 道路特定財源制度は、我が国の戦後の急速な道路交通の発達に伴い、立ちおくれている道路を計画的に整備するため昭和29年に創設されており、受益者負担に基づき自動車ユーザーに課税し、その税収を道路財源とする税制度であります。特にこの沖縄県におきましては、戦後も27年間にわたり米軍統治が続き、道路の本格的な整備は昭和47年の復帰以降に始まっております。
 復帰記念事業といたしまして、沖縄本島一周道路の整備を初め宮古、石垣、西表、久米島の各離島の一周道路や沖縄自動車道、那覇空港自動車道、モノレールインフラ部の整備など、本県の道路整備を着実に推進することができた背景には、道路特定財源制度による安定した財源の確保と沖縄振興特別措置法に基づく高率の国庫補助制度によるところが極めて大きいものがあります。
 平成18年度の決算統計等によれば、県内の道路特定財源に係る税収額は、軽油引取税が約80億円、自動車取得税が約22億円、揮発油税が約283億円、地方道路税が約30億円、石油ガス税が約8億円、自動車重量税が約75億円で、合わせて約497億円となっております。
 また、平成18年度の本県の全道路事業費は、国、県、市町村の合計で約1287億円であり、このうち道路特定財源は約1104億円で全道路事業費の約9割を占め、県内の税収額497億円の2倍以上の道路特定財源が本県に配分されている状況であります。
 沖縄県におきましては、那覇空港自動車道、沖縄西海岸道路、南部東道路など骨格幹線を初め、都市部の渋滞対策や地域に密着した生活幹線に至るまでの多くの道路がいまだ整備の途上にあることから、次年度以降も確実、安定的に道路整備を進めてもらわなくてはなりません。そのために必要な道路予算の確保は重要であることから、軽油引取税及び自動車取得税の暫定税率の延長は必要であります。
 どうか議員の皆さん方の良識ある判断のもと、以上のことから乙第12号議案「専決処分の承認について」は、承認することに賛成をいたします。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 休憩いたします。
   午前10時51分休憩
   午前10時52分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 これより乙第7号議案から乙第12号議案まで及び乙第14号議案の採決に入ります。
 議題のうち、まず乙第7号議案から乙第9号議案まで及び乙第14号議案の4件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案4件は、これに同意することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、乙第7号議案から乙第9号議案まで及び乙第14号議案は、これに同意することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 次に、乙第10号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、委員長の報告のとおり承認することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、乙第10号議案は、委員長の報告のとおり承認することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 次に、乙第11号議案を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、承認であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員長の報告のとおり承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(髙嶺善伸) 起立多数であります。
 よって、乙第11号議案は、委員長の報告のとおり承認することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 次に、乙第12号議案を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、否決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(髙嶺善伸) 起立少数であります。
 よって、乙第12号議案は、承認することは否決されました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第4 乙第15号議案及び乙第16号議案を議題といたします。
 休憩いたします。
   午前10時54分休憩
   午前10時54分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 各議案に関し、委員長の報告を求めます。
 総務企画委員長。
   ――――――――――――――
   〔委員会審査報告書(議決事件) 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔総務企画委員長 當間盛夫君登壇〕
○総務企画委員長(當間盛夫) ただいま議題となりました乙第15号議案及び乙第16号議案の同意議案の2件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、総務部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
 乙第15号議案及び乙第16号議案「沖縄県監査委員の選任について」は、監査委員4人のうち議会選任委員2人が6月24日で任期満了することに伴い、その後任を選任するため地方自治法第196条第1項の規定により議会の同意を求めるものであるとの説明がありました。
 本案に関し、監査委員を議員から選任する根拠は何か、代表監査委員はどのような考えで選任しているのかとの質疑がありました。
 これに対し、議員の中から監査委員を選任する根拠は、地方自治法第196条である。代表監査委員は、これまで行政経験者、特に財政経験者から選出してきた。その理由は、地方公共団体の財政健全化に関する法律が制定され、一般会計及び企業会計を含めて全体的に決算を監査する形に制度が改正されたことから財政経験者を選任したものであるとの説明がありました。
 以上が委員会における質疑の概要でありますが、採決の結果、乙第15号議案及び乙第16号議案の2件は、全会一致をもってこれに同意すべきものと決定いたしました。
 以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより乙第15号議案及び乙第16号議案の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、これに同意することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、乙第15号議案及び乙第16号議案は、これに同意することに決定いたしました。
 休憩いたします。
   午前10時57分休憩
   午前10時58分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 日程第5 乙第13号議案を議題といたします。
 本案に関し、委員長の報告を求めます。
 文教厚生委員長。
   ――――――――――――――
   〔委員会審査報告書(議決事件) 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔文教厚生委員長 赤嶺 昇君登壇〕
○文教厚生委員長(赤嶺 昇) ただいま議題となりました乙第13号議案の承認議案1件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、福祉保健部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
 まず、乙第13号議案「専決処分の承認について」は、健康保険法及び老人保健法の規定により、厚生労働大臣が定める診療報酬の算定方法が平成20年3月31日限りで廃止され、同年4月1日より新たな基準が適用されたことに伴い、沖縄県病院事業の設置等に関する条例等、関係条例の一部を改正する必要があるが、議会を招集するいとまがなかったため、地方自治法第179条第1項の規定により専決処分を行ったので、同法同条第3項の規定に基づき議会の承認を求めるものである。
 改正の主な内容は、沖縄県病院事業の設置等に関する条例の診療報酬等算定基準、沖縄県使用料及び手数料条例の保健所使用料の額算定基準並びに精神保健指定医の実費弁償及び報酬支給条例の実費弁償の算定基準となる告示をそれぞれ新たな告示に改めることであるとの説明がありました。
 本案に関し、後期高齢者医療制度施行に伴う後期高齢者に係る診療報酬の内容及び診療点数はどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、後期高齢者の診療料が600点、在宅患者連携指導料が900点、後期高齢者終末期相談支援料が200点として新たに定められているとの答弁がありました。
 次に、後期高齢者医療診療料の新設にあわせて行われる高齢者担当医の届け出状況と同診療料の診療内容はどうなっているかとの質疑がありました。
 これに対し、県内812の診療所のうち、9診療所から高齢者担当医の届け出がある。後期高齢者医療診療料の診療内容は、検査、CTやMRIなどの画像診断、処置、医学管理などであるとの答弁がありました。
 そのほか、後期高齢者退院調整加算及び後期高齢者終末期相談支援料の内容、後期高齢者の心身特性、包括払いの内容などについて質疑がありました。
 以上が委員会における質疑の概要でありますが、採決の結果、乙第13号議案は可否同数となり、委員長裁決により承認しないものと決定いたしました。
 以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入ります。
 本案に対する質疑の通告がありますので、発言を許します。
 なお、質疑の回数は2回までといたします。
 座喜味一幸君。
   〔座喜味一幸君登壇〕
○座喜味 一幸 おはようございます。
 自由民主党の座喜味一幸でございます。
 ただいまの文教厚生委員会の委員長の報告に対して質疑を行います。
 乙第13号議案は、診療報酬の算定根拠となる厚生労働省告示が平成20年4月1日から適用されることに伴い、その根拠について沖縄県病院事業の設置等に関する条例等の4つの条例を改正する必要が生じたが、議会を招集する時間的余裕がなかったため、地方自治法第179条第1項の規定により専決処分をしたものであります。
 つまり、4月1日付で条例の一部改正を専決処分しないと県立病院などの病院においては診療報酬を請求する根拠を失うわけです。委員会においては、この件についてどのような審議がなされたのかをお聞きします。
 もし、条例が改正されなかった場合の県立宮古病院における現場は、経営が混乱して経営が破綻に追い込まれるというような影響はどのように認識されたのでしょうか。
 御承知のとおり、県立病院は県民の健康保持のために医療を提供するという使命を果たすため日夜奮闘しており、民間で実施困難な高度・特殊医療、救命救急医療や離島医療などを担っています。
 今回の診療報酬の改正内容は、これらの医療、例えば県立病院における手術や内科診療や放射線治療、薬剤費などについて診療報酬を請求するための根拠を定めたものであります。このことは議案の提案理由に示したところであります。
 本議案とは直接に関係のない後期高齢者からの保険料徴収の問題や県立病院では適用されない後期高齢者診療料などの制度議論に終始していた感があります。肝心の県立病院等において県民への医療サービス提供を遅滞なく適切に行う観点から、診療報酬の額の根拠を定める条例の一部改正について専決処分を行ったことの意義について認識されたかどうかお聞きします。
 もし、本議案が知事の専決処分の承認を求める議案でなければ本議案で否決された場合、県立病院等は診療報酬の請求ができなくなり、その現場は混乱し、その経営が危ぶまれることとなります。
 この意味を十分に理解した上で、委員会採決されたかどうかお伺いいたします。
○文教厚生委員長(赤嶺 昇) ただいまの座喜味議員の質疑なんですが、まず1点目、県立病院事業にとって専決処分の意義は審議されたかということでございます。
 先ほど委員長報告にもありましたとおり、特にこの質疑に関するやりとりはありませんでした。
 2点目の条例が改正されなかった場合、県立病院における経営の影響について審議されたか。
 この件につきましても、特にそれに関する質疑はありませんでした。(発言する者あり)
○議長(髙嶺善伸) 静粛に願います。
 座喜味一幸君。
   〔座喜味一幸君登壇〕
○座喜味 一幸 委員長の報告を聞きまして少し残念に思いますが、この専決処分ということに関しては、行政の継続性という極めて重要な案件があるわけでございまして、この専決処分の意味を十分に理解していただかなければいけなかったのかなというふうに思います。
 この専決処分がなされない場合、その診療報酬の根拠がない場合、その6県立病院、完全に経営が停止してしまいます。今、単純に影響について見ますと、6病院はおおむね370億の収益が見込まれております。それから、患者数で150万相当の患者が見込まれておりますが、そういうこの現場の影響というものをしっかりと検討して、本案件に関してはやっぱり適正であったというような考えを持っております。(発言する者あり)
 このような影響を十分に配慮すべきであったということで、この辺について影響等十分配慮してぜひやっていくべきことであるというふうなことで、ぜひもう一度この影響、専決処分の意義についてもう少し丁寧に答弁をお願いしたいと思います。(発言する者あり)
○議長(髙嶺善伸) 静粛に願います。
 文教厚生委員長。
   〔文教厚生委員長 赤嶺 昇君登壇〕
○文教厚生委員長(赤嶺 昇) 答弁申し上げます。
 今の座喜味議員の専決処分の意義についての質疑であったかと思います。
 私は今、文教厚生委員長の立場で答弁をさせていただいております。あくまでも委員会の審議過程を報告するのが私の務めであり、それについては個人的な見解を申し述べることはできません。
○議長(髙嶺善伸) これをもって質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 本案に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 佐喜真 淳君。
   〔佐喜真 淳君登壇〕
○佐喜真 淳 ただいま議題となりました乙第13号議案「専決処分の承認について」、原案に賛成する立場から討論を行います。
 この議案は、「診療報酬の算定方法を定める件」の厚生労働省告示が平成20年4月1日から適用されたことに伴い、同告示を引用している沖縄県病院事業の設置等に関する条例等の4つの条例を改正する必要が生じたが、議会を招集する時間的余裕がなかったため、地方自治法第179条第1項の規定により専決処分をしたもので、同条第3項の規定に基づき議会に報告し、承認を求めるものであります。
 同告示は、県民が治療するときの医療の給付の根拠となる診療報酬全般について規定をしたものであります。
 同診療報酬については、健康保険法第76条第2項において、厚生労働大臣が定めるところによるものと規定されており、また、県は、診療報酬である使用料を徴収するためには、地方自治法第238条の規定に基づきこの額を条例で定めなければならないとされております。
 今回の専決処分は、同告示の交付により、県立病院等において適正に診療報酬が請求できる根拠について同告示に改めるために、地方自治法の規定に基づき、時期を失することなく知事が専決処分を行ったものであります。
 したがいまして、議論となりました後期高齢者医療制度関連の診療報酬の内容はこの一部でありますが、同制度の見直しに関する議論については、条例改正の審議とは別とされるものであると思われます。
 診療報酬改正の主な内容でありますが、緊急な課題への対応として、周産期医療を担う地域のネットワークの支援やハイリスク妊産婦管理の充実・拡大のために、妊産婦緊急搬送入院加算やハイリスク妊産婦加算を新設しております。
 また、小児医療については、高度な小児医療を提供する医療機関、子ども専門病院の評価する小児入院医療管理料を新設し、また、障害を持つ乳幼児の入院医療については、超重症児者の入院診療加算を2倍にしており、さらに、地域連携小児夜間・休日診療についても拡充しております。さらに、病院勤務医の負担軽減策として、病院の初診、再診療の夜間・早朝等加算を創設するなど改正がされております。
 また、重点的評価として、がん医療における放射線治療の充実のために、副作用が少ない新しい放射線治療法について、保険対象とする強度変調放射線治療の新設や、日常生活を送りながら通院で放射線治療、化学療法が受けられる外来化学療法加算を新設するなどの改正が行われました。さらに、脳卒中対策では、超急性期の血栓溶解剤等の治療のために、超急性期脳卒中加算や急性期後の入院医療管理料が新設されております。
 また、昨今その対応の強化を求められている心の問題では、子供の心の診療の特性に応じた入院及び外来について、精神療法やカウンセリング料の拡充がなされました。
 自殺対策では、早期の精神科への受診につながる紹介について、精神科医療連携加算を新設し、さらに自殺未遂者等の救命救急センターにおける精神医療の救命救急入院医療の加算が新設されております。
 以上のように、今回の診療報酬の改定内容は、県民の強い要望がある産科医療、小児医療や、病院勤務医の負担軽減などの重点化、また、がん治療の保険適用によるがん患者の支援、さらに心の問題を抱える方々に対する早期受診の促進支援など、多岐にわたる内容が盛り込まれております。
 後期高齢者診療料については、高齢者の心身の特性を踏まえた慢性疾患等に対し、他の医療機関での診療スケジュールを含めた診療計画を作成し、心身にわたる総合的な評価や検査等を通じて患者を把握し、継続的に診療を行うことの評価を創設しております。
 県立病院は、高齢者を含めて県民の急性期医療を担う病院であります。慢性期疾患を対象とする後期高齢者診療料の適用はない病院であります。また、懸念されているかかりつけ医の選択については、利用する高齢者の方と医師との相談により決められるものであり、かかりつけ医制度により利用できる医療機関や診療が制限されるものではありません。
 以上のことから理解できるように、本議案は県立病院等における診療について適正に診療報酬が請求できる根拠を定めるために、時期を失することなく地方自治法の規定に基づき、条例改正の専決処分をしたものであります。そういう意味において、関連条例の改正を専決に処分したことは、県民サービス体制確保のために極めて時宜を得たものと言えます。
 本議案は、地方自治法に基づく知事の専決処分でありますので、本議会において否決されたからといってその効力が失われるものではありません。
 しかしながら、診療報酬改定に伴う関連条例の一部改正が行われなかったと仮定した場合、診療報酬の額の設定根拠を示すことができないことから、診療報酬の請求ができなくなり、病院事業においては、平成20年度に予定されている約378億円の請求はできなくなります。
 また、沖縄県総合精神保健福祉センターにおけるうつ病デイケア使用料約1000万円、保健所における結核やエイズ検査使用料など約200万円の請求もできなくなり、事業の実施が危ぶまれることとなります。
 このような議案が否決されることがあれば、4月から県立病院等において診療報酬の請求ができない事態を議会が容認し、県民生活に混乱をもたらすことと同じ意味を持つものであると極めて遺憾であります。
 したがいまして、適法にかつ県民サービスの環境を整えるために、知事専決した本議案については承認をすべきものであると考えます。
 以上のことから、乙第13号議案「専決処分の承認について」、原案に賛成の立場から討論を終わります。
 議員諸侯の慎重なる審議の上、御同意くださいますようお願い申し上げて終わります。
 以上です。
○西銘 純恵 こんにちは。
 私は、日本共産党県議団を代表して、乙第13号議案専決処分の承認「沖縄県病院事業の設置等に関する条例等の一部を改正する条例」に反対の討論を行います。
 診療報酬の改定に関して幾つかの条例改正を一つにして提案をされています。
 後期高齢者医療制度の廃止を求める声が大きく広がる中で、後期高齢者に関する診療報酬に関しては、私は独立して提案がされなかったということ、このことをまず最初に指摘をするものであります。
 本改正の中には、高齢者の医療の確保に関する法律、後期高齢者医療制度の実施による診療報酬の算定方法の導入による条例の改正案が含まれています。
 後期高齢者医療制度は、高齢者の医療費の抑制を目的として、75歳以上のお年寄りの医療を制限し、差別を持ち込むもので、廃止する以外ない制度です。
 同制度で後期高齢者を対象に新設をされた医療報酬の1点目は、包括払いの問題です。
 診療所での外来医療で、高齢者の心身の特性を踏まえた慢性疾患等に対する継続的な管理を評価する後期高齢者診療料が6000円の包括払いで支払われるというものです。これまでの「出来高払い」から「包括払い」となるため、受けられる医療が制限されたり、医療内容が低下するなどの差別医療が持ち込まれています。高血圧とか糖尿病などの慢性疾患は、一人の担当医を決め、どんなに検査などを行っても一月6000円の定額制にするもので、糖尿病などの検査や治療ができないとの医者の声も上がっていて、全国の都道府県の医師会の半数を超える27医師会が反対などを表明しています。
 委員会での私の質疑に対して、当局の全国医師会が包括診療に反対をして、県内にある812カ所の診療所のうち9カ所の診療所が届け出をしているが実施についてはわからないという答弁でも裏づけられるものとなっています。高齢者が受けられる医療を制限される制度は、まさに人の道に反する制度と言わざるを得ません。
 次に、後期高齢者終末期相談支援料についてです。
 患者本人が終末期の医療の内容を決定するために、患者と家族が医療従事者と終末期における診療方針等を話し合った場合、2000円の診療報酬が病院に支払われるものです。しかし、これは、4月1日に実施をされて国民の批判の世論に押され、政府が7月1日から凍結することを言わざるを得なくなったものです。
 後期高齢者だけに終末期医療を持ち込むことは、お年寄りの生きる望みを奪う後期高齢者医療制度の非人間性を象徴するものであり、自公政権は凍結を言い出していますが、同制度の欠陥は、凍結では解決できず廃止する以外ありません。
 次に、入院医療について。
 後期高齢者退院調整加算料1000円が新たに導入されています。当局は、在宅での退院支援計画を立て、退院が困難な高齢者の同意を得て、退院をさせたときに支払われると答弁しています。病院から高齢者を追い出すための診療報酬と言わざるを得ません。
 資格証明書の発行の問題点についてです。
 国保では、75歳以上の高齢者は保険証の取り上げが禁止されていましたが、今後は、保険料を1年以上滞納すると保険証を取り上げられ、資格証明書が発行され、かかった医療費を病院の窓口で全額支払わなければなりません。
 現在国保では、生活苦で保険料を滞納した人が国保証を取り上げられ、病院に行けず重症化し、死亡する事件が続発しています。後期高齢者医療制度によって、75歳以上のお年寄りに、国保と同様な深刻な事態が起こりかねません。
 国民年金は40年間納め続けてきた人で6万6000円しかありません。沖縄のお年寄りの平均年金額は5万円余です。わずかな年金から介護保険料と合わせて一月1万円の保険料を支払うことは大変なことです。一月1万5000円以下や収入のない人が支払うことはますます困難で、滞納が広がらざるを得ないのではないでしょうか。
 医療費を削ることを目的に、75歳以上のお年寄りを差別することや、命と健康にかかわる医療に、戦前・戦後の苦難を生き抜いてきて社会に貢献してきたお年寄りに高負担と苦しみを強いる後期高齢者医療制度は廃止する以外ありません。
 以上、反対の討論といたします。
○議長(髙嶺善伸) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 休憩いたします。
   午前11時27分休憩
   午前11時27分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 これより乙第13号議案を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は否決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(髙嶺善伸) 起立少数であります。
 よって、乙第13号議案は、承認することは否決されました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) この際、日程第6 議員提出議案第6号 原油価格高騰対策に関する意見書及び日程第7 議員提出議案第7号 原油価格高騰対策に関する決議を一括議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 玉城ノブ子さん。
   ――――――――――――――
   〔議員提出議案第6号及び第7号 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔玉城ノブ子さん登壇〕
○玉城 ノブ子 ただいま議題となりました議員提出議案第6号及び同第7号の2件につきましては、経済労働委員会の委員等により協議した結果、議員提出議案として提出することに意見の一致を見ましたので、提出者を代表して提案理由を御説明申し上げます。
 提案理由は、議員提出議案第6号につきましては、原油価格高騰対策について関係要路に要請するためであり、議員提出議案第7号につきましては、原油価格高騰対策について沖縄県知事に要請するためであります。
 次に、議員提出議案第6号を朗読いたします。
   〔原油価格高騰対策に関する意見書朗読〕
 次に、議員提出議案第7号につきましては、内容が議員提出議案第6号と同じでありますので、あて先だけを申し上げます。
   〔原油価格高騰対策に関する決議のあて先朗読〕 
 以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第6号及び第7号については、会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、両案については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) これより議員提出議案第6号「原油価格高騰対策に関する意見書」及び議員提出議案第7号「原油価格高騰対策に関する決議」の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第6号及び第7号は、原案のとおり可決されました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第8 議員提出議案第8号 県内建設業者の受注機会の拡大に関する意見書を議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 當山眞市君。
   ――――――――――――――
   〔議員提出議案第8号 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔當山眞市君登壇〕
○當山 眞市 ただいま議題となりました議員提出議案第8号につきましては、土木委員会の委員等により協議した結果、議員提出議案として提出することに意見の一致を見ましたので、提出者を代表して提案理由を御説明申し上げます。
 提案理由は、県内建設業者の受注機会の拡大について関係要路に要請するためであります。
  次に、議員提出議案第8号を朗読いたします。
   〔県内建設業者の受注機会の拡大に関する意見書朗読〕
 以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 なお、本議案につきましては、その趣旨を関係要路に要請するため土木委員会委員全員を派遣する必要があるとの意見の一致を見ておりますので、議長におかれましてはしかるべく取り計らっていただきますようよろしくお願い申し上げます。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第8号については、会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、本案については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) これより議員提出議案第8号「県内建設業者の受注機会の拡大に関する意見書」を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第8号は、原案のとおり可決されました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) ただいま可決されました議員提出議案第8号に関し、提案理由説明の際提出者から、その趣旨を関係要路に要請するため土木委員会委員を派遣してもらいたいとの要望がありました。
 よって、お諮りいたします。
 議員提出議案第8号の趣旨を関係要路に要請するため土木委員会委員を派遣することとし、その期間及び人選については議長に一任することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 休憩いたします。
   午前11時42分休憩
   午前11時42分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 この際、日程第9 議員提出議案第1号 名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する意見書、日程第10 議員提出議案第2号 名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する決議及び日程第11 議員提出議案第3号 名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する決議を一括議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 玉城義和君。
   ――――――――――――――
   〔議員提出議案第1号から第3号まで 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔玉城義和君登壇〕(傍聴席にて拍手する者多し)
○翁長 政俊 議長。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時43分休憩
   午前11時43分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○玉城 義和 ただいま議題となりました議員提出議案第1号、第2号、第3号につきまして、私は、提案者を代表し、県民の民意のもとに、本日、辺野古における新基地建設反対の意見書を提案いたしますが、この意見書決議が必ずや我が沖縄県の未来を指し示す大きい希望につながることを確信をいたしまして、以下、提案理由を申し上げます。
 本県は、国土面積のわずか0.6%にすぎない狭隘な県土面積に全国の米軍専用施設の75%が集中をいたしております。
 その結果、米兵による犯罪は後を絶たず、米軍による事件・事故も頻発をしております。また、嘉手納基地などから派生する騒音は絶えることなく、周辺住民を悩ませ、学校現場には米軍車両が侵入してくるというのが日常の中で起きているわけであります。
 何ゆえに我々沖縄県民はこれら米軍基地の過重負担と被害を受け続けなければならないのか。県民の堪忍ももはやその限界を超えているのであります。
 今次県議選挙の結果は、このような状況下での県民の民意の反映であり、辺野古への新基地建設反対の意思表示であります。
 よって、提案者は、これら直近の民意を県政、国政に反映させるべきは、まさに政治にかかわる者の責務と考えております。
 また、今日、すべての政策が環境の保護ということを基本に据えて立案されなければならないことは言うまでもありません。特に、観光立県を標榜する我が県にとっては、環境保護というのは県政百年の大計であります。あの辺野古の豊穣の海を埋め立てることによる損失はまさにはかり知れないものがあります。
 以上申し上げて、意見書を読み上げ提案にかえます。
   〔名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する意見書朗読〕
 そして、議員提出議案第2号の決議でありますが、文面が同様でありますので省いて、あて先だけを申し上げます。
   〔名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する決議のあて先朗読〕
 議員提出議案第3号につきましても、文面が同じでありますので、あて先だけを申し上げます。
   〔名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する決議のあて先朗読〕
 以上で提案理由の説明を終わりますが、慎重に御審議の上、各位におかれては御賛同いただき、満場一致で可決されますようお願いを申し上げます。
 なお、本議案につきましては、その趣旨を関係要路に要請する必要がありますので、議長におかれましてはしかるべく取り計らっていただきますようお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入ります。
 休憩いたします。
   午前11時50分休憩
   午前11時51分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 各議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 なお、質疑の回数は2回までといたします。
 中川京貴君。
   〔中川京貴君登壇〕
○中川 京貴 自由民主党の中川京貴でございます。
 自由民主党を代表いたしまして、一括して質疑を行います。
 まず、SACO合意から12年が経過しながら普天間飛行場の返還スケジュールが示されていません。その理由としては、大田県政時代に県外・国外移設を主張したため、返還合意がおくれ今日に至ると考えますが、またも同じことの繰り返しにならないのかどうか。
 2番目、普天間飛行場の返還合意から12年以上経過しているが、県外・国外移転を提案し、果たして普天間基地の早期除去(返還)は可能か。
 3番目、沖縄県議会で普天間飛行場を県外・国外、または新基地建設に反対することにより普天間飛行場を3年以内に閉鎖することは可能か。
 4番目、普天間飛行場の返還合意のこれまでの経緯をお尋ねしたいと思います。
 5番目、普天間飛行場の危険性除去と早期閉鎖は一番に優先されなければなりません。宜野湾市長が県外・国外を訴えているために早期除去が実現されていない現状。その責任は宜野湾市長にあるのか、沖縄県議会にあるのか、その責任所在を明確に。
 6番目、「基地の過重な負担と固定化につながる」とあるが、具体的にどういうことを言っているのか。また、その根拠は何か。
 7番目、「一貫して反対してきた。」とあるが、それはどのようなことを言っているのか。
 8番目、辺野古への移設は、あくまでも普天間飛行場の代替施設との意味合いであるが、決議文では新基地建設としているのはどういう認識か。
 9番目、普天間飛行場の移設は在日米軍再編の中で合意されているが、在日米軍再編全体の見直しを求めるつもりか。見直しの実現可能性はあるのか。
 10番目、在日米軍再編全体の見直しを求めるのであれば、海兵隊グアム移転、嘉手納飛行場より以南の施設・区域の返還も同時に見直すべきとの考えなのか。
 11番目、米軍再編最終報告において、辺野古への移設が完了した時点で普天間飛行場が全面返還されることが日米両政府で合意されている。それ以外に普天間飛行場の返還が実現する具体的かつ現実的な方策はあるのか。
 12番目、対案があるとすれば日米両政府が合意する可能性はあるのか、その根拠は。
 13番目、辺野古への移設が困難になった場合、海兵隊司令部のグアムヘの移転や嘉手納以南の施設・区域の返還等にも影響が出るおそれがある。これについて見解を問う。
 14番目、米軍再編において、普天間飛行場の移設が進まなければ他の基地も動かなくなるが、普天間基地も含め基地の固定化につながらないか。
 15番目、今議会で決議をする意図は何か。今県議選で野党多数となったことを背景にし、数の論理で強引に決議案を提出し多数決で押し切るというのは民主的な手法に反すると思わないか。
 以上です。
○翁長 政俊 議長。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時56分休憩
   午前11時59分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 ただいまの中川京貴君の質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時59分休憩
   午後1時17分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前の中川京貴君の質疑に対する答弁を願います。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 それでは中川議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、第1項、第2項目の12年が経過しながら繰り返しにならないのかと、早期除去は可能かというこの2点は、同趣旨の質問でございますので、一括してお答えを申し上げます。
 むしろ私も12年たっても普天間の返還が実現しないということが大変問題だというふうに思っております。この12年の間の10年間は、御承知のように稲嶺県政、仲井眞県政と保守県政なわけですね。これは辺野古への新基地建設を容認する立場をとってきたわけで、特に稲嶺県政の8年間は、15年使用期限問題だとか、軍民共用空港だとか、そういうことに非常に莫大なエネルギーを費やしたわけでありますが、結局8年間たって何の前進も得られず、むしろ振り出しに戻ったということは御承知のとおりであります。
 それから3番目の、果たして3年以内に閉鎖することができるか、可能かということでありますが、そもそも普天間飛行場の3年以内の閉鎖というのは仲井眞知事の公約でありまして、私の立場で答える立場にはございません。
 4番目のこれまでの経過でありますが、御承知のように96年のSACOの最終報告でたしかあれは海上基地で取り壊しと言いますか、撤収可能な提案だったと思いますが、それ以来96年から12年間それこそ工法、場所をめぐって二転三転、紆余曲折を経てL字型になったりV字型になったりして今日に至っているというのが現状であろうと思います。
 それから、5番目の早期閉鎖ができない、早期撤去ができないのは宜野湾市長に責任があるか、県議会かということでありますが、これは当然に外交権を持っている日本政府であろうというふうに思います。
 その次は、6番目の「基地の過重な負担と固定化」ということでありますが、どういうことかということであります。
 御承知のように我が沖縄県の米軍基地は、全国の専用施設の75%を占めていまして非常に過重であると。そして、その米軍人も2万人台をずっと維持をしておりますし、復帰後の事件・事故の刑法犯を含めて数も5500件という膨大な数に上っておりまして、航空機の墜落事故等々もこれまで四百五、六十件、500件近くに上って、空からヘリコプターが落ちてきたり、部品が落ちてきたりするようなそういう状況にございます。
 そして、御承知のように嘉手納基地を含めて、物すごい爆音、騒音が日常的にあると。こういうことを指して基地の過重な負担ということを言っているわけでありますし、同時にまた、世論調査などを見ても、この辺野古の移設がこういう過重な負担を減らせないとこういう世論調査もございます。そのことを指しております。
 固定化につながるというのは、当然これは新しく基地をつくればそれは5年や10年とかいうもので撤去をするわけではありませんので、基地の固定化につながるということは当然のことであろうというふうに思います。
 7番目に、「一貫して反対してきた。」とあるが、それはどのようなことを言っているのかと。
 これは県民が移設先の辺野古の基地について反対をしてきたとこういうことを言っているわけでありますが、それは1つには県民世論がそうであったとこういうことでありまして、ちなみに申し上げれば、琉球新報の復帰35周年世論調査で見ると――平成19年5月でありますが――反対が76%、推進が16.9%。同じく新報の18年4月調査では、反対が70.8%、推進が26.8%。沖縄タイムスで、平成16年9月で反対が81、賛成が10%。同じくタイムスで平成18年4月で、反対が71、賛成17と、こういうふうにして県民世論は一貫して辺野古移設について、7割から8割が否定的な答えをしているということでありまして、同時に97年の名護市民投票もいろんなことがありましたが、結果として辺野古移設反対という世論がきっちり表明されたということですし、同時にこの県民投票もそういう結果を出している、こういうことを指しているわけであります。
 それから、8番目ですが、辺野古の施設は新基地としているのはどういうわけかとこういうことであります。
 当然に普天間の移設代替であっても、新しく埋め立てて基地をつくるということについては、これは新基地であることは間違いないわけであります。
 もう一つは機能という面から申し上げても言えるわけでありますが、最近、ジュゴン裁判等々で明らかになってきていることもありまして、普天間にはない輸送揚陸艦の着岸可能な210メーターの岸壁が準備されているとか、あるいは戦闘機の装弾場たるCALAなどが出てきております。また、次期主力戦闘輸送機のオスプレイ等々の配備も指摘をされているところでありまして、滑走路が2本になるということも含めて、これはやっぱり機能の強化ということも言えるんではないか。そういうことを含めて新基地というふうに私は考えております。
 それから、あと9番から10、11、12、13、14まで、これは再編協議という枠内で出ておりますので、一括してお答えを申し上げます。
 今回の米軍の再編協議については、私は沖縄県民の意思がこれに反映されているというふうには考えておりません。我々はかねてより危険性の高い普天間の閉鎖と返還を要求しているわけであって、それを辺野古に移してくれと言っているわけではないわけであります。また、嘉手納以南の基地が返る返らないということについては、これは当然にこの区域については普天間とは切り離して考えるべきものであって、そこと我が方からセッティングをすることではないというふうに思います。当然切り離して返還をされるべきものであるとこういうふうに思っています。
 中川議員の最後の質問でございますが、今議会で決議をする意図は何かということでありますが、今説明申し上げましたように、一貫して県民世論の多数は、辺野古の新基地建設については反対ということが一貫した世論の流れであります。また、97年の名護市の市民投票や県民投票もそういう結果を示しているというふうに考えております。
 また、提案理由で申し上げましたが、今度行われました10回目の県議選挙においても直近の一つの県民の意思としてこの基地の過重な負担と固定化、そしてこの辺野古の移設反対の意思が表明されたとこういうふうに考えておりまして、これを政治の場に、県政の場、あるいは国政の場に反映をさせていくということは当然のことではないか、こういうふうに思っておりますし、今度提案した我々の決議、あるいは意見書は、私は県民の大多数の支持を得ていると、こういうふうに確信を深めて我々25人提案をしている次第であります。
 ところで、1つつけ加えますと、99年に与党の皆さんが移設推進の決議を出されました。私はそのときの状況とは相当これは今の状況は変わってきているというふうに思っておりますので、一言つけ加えさせていただきます。
 以上でございます。
○中川 京貴 議長、休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時28分休憩
   午後1時29分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 9番、10番、11番、12番にお答えします。
 私、これについてはちゃんと答えているつもりでございます。つまり、日米の今度の再編協議というのは日本政府とアメリカ政府の合意事項であって、我々沖縄県民がその中に入って意見を言ったり、あるいはヒアリングをされたりということがあるのであれば、見直し云々ということも、中川議員の言うことも一理ありますが、我々はそういう立場にないわけですよね。我々は日米再編が決まってその結果しか知らされていない。だから、我々としては、普天間の早期閉鎖を求め、返還を求めるというのはこれは世論ですよ、県民世論、これが一つ。
 もう一つも同じことで、ゆえにそれを県内に移さなきゃならぬ、辺野古に移さなきゃならぬというのも、これは県民世論に反するわけでありまして、再三申し上げているように、我々の要求は普天間を一日も早く閉じなさいと、閉鎖しなさいと、そして、返還しなさいと危ないから。同時に、県民の負担になるようなそういう新たな基地を辺野古にはつくるべきではないとこういう主張をしているということでありまして、このことを日本政府に強く申し上げる、県知事も含めてですね、こういうことをお答えしているわけであります。
 以上です。
○中川 京貴 議長、休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時30分休憩
   午後1時33分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 玉城義和君。 
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 3回目同じことを言うようでありますが、私どもの県民的要求は、この危険な普天間基地の一日も早い閉鎖をやっていただきたいと、返還をやっていただきたいということであります。
 我々に外交権があるわけでもないし、我々は例えば日米の合意の再編の中で、沖縄県の意見、我々の意見が入っているわけでもないんですね。だから我々としては、県民の立場から、県民世論の立場からこの要求を日本政府にやっているということなんです。それを日本政府が受けて、きちっと対応するのが私は政府の立場だとこういうことであります。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時34分休憩
   午後1時36分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 玉城義和君。 
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 せっかくでありますから、政治生命をもって答えているつもりでありますから、ひとつよく聞いていただきたいんですが、我々県議会の軍特委員会も16日に全会一致で中川議員のイニシアチブもあって、普天間の早期の閉鎖と返還をみんなで可決いたしました。 私は、この普天間の閉鎖、そしてその返還を言うことは必ずしもどこに移設するとかいうことがなければできないものではないと思うんですね。これは我々としては、普天間の基地が非常に危険だから、一日も早くこの危険性を除きなさいと、閉鎖しなさいと、そして返還しなさいということは、これはそのこと自体が一つの課題なんですね。だから、我々はそれは言うことはできるわけだし、そのために我々は軍特委員会もそれをみんなで可決したわけですよ。そのことはそれで独立した1つの課題なんですね。
 そのことと、これ以上の我々の負担を多くするような辺野古への移設もこれも反対ということもこれもまた1つの課題なんですよ。このことはちっとも矛盾しないで2つとも決議もできるわけですね。そのことを申し上げているんです。だから、我々に外交権があるわけじゃないし、我々は日米の再編協議に入っているわけでもないわけですね。だから我々としては、これを外交権のある日本政府に訴えていくということをやるべきではないですかと、こういうことを言っているわけで、ちっとも私はおかしくないと思いますよ、これで。そのことが私のこれに対する答弁でありますので、ひとつよく御理解ください。
○中川 京貴 議長、休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時38分休憩
   午後1時42分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 中川京貴君。
   〔中川京貴君登壇〕
○中川 京貴 再質問をしたいと思います。
 私も、去る10日の県議会の一般質問において、この沖縄から基地のない沖縄県をつくりたいと、そして本当に平和な日本、平和な沖縄県をつくりたい、子供たちのためにもとそういう一般質問をしました。そして、その沖縄から本当に基地をなくすためにはどういう努力をすればいいかなと、いろんなことを模索しながら、戦後63年、この沖縄から基地がなくならないんです。
 それを考えたときに、本当に知事が言うベストなのか、ベターなのか、苦渋の選択もしなければいけません。本当にかけ声だけで、こぶしだけで基地がなくなりますか。私の質問に答えましたか。新たな案があって、それがすばらしければ私たちも協力してなくします。それができないから今困っているんです。その沖縄県の将来において、この基地をなくす、いろんな案を出していってすばらしい案があればみんなで協力しましょうとそういう気持ちで取り組んでいるのに、基地をなくすということは日本とアメリカの国家間の問題なんです。その国家間に対してお互いに協力するところは協力しながら整理縮小するための我々沖縄県議会じゃないんでしょうか。かけ声だけで本当に基地がなくなりますか。そのツケはだれが責任とるんですか、子供たちの時代に。
 皆さん、過去に村山内閣のときでも、村山総理大臣のときでも基地をなくすことはできなかったんですよ。それは現実にあったじゃないですか。ですから、今後この沖縄県の基地をどうするかということを今真剣に考えているんです。ですから再度質問します。
 そして、再度質問する前に皆さんにぜひ説明したい。
 きょうの提案者の皆さん、宜野湾市の伊波市長が自由民主党沖縄県本部に協力要請したのをご存じですか、知っていますよね。これは、宜野湾市の伊波市長が普天間飛行場問題の早期解決に向けてぜひ協力していただきたい、自由民主党。その中には、2008年までの飛行場の早期閉鎖・返還を強く求めてまいりました。伊波市長はことしの12月いっぱい、ことしいっぱいで普天間を返還させると公約して市長に当選してきたんです。一生懸命汗をかいてます。その実現に向けて僕たちも協力したい。ですから要請が来ています、自民党に。(「伊波市長から」と呼ぶ者あり) 市長が出してきたやつです。後でもし必要であればコピーがありますので。これを前置きして質問します。
 2008年までの飛行場の早期閉鎖・返還を強く求めてまいりました。普天間飛行場はその危険性、1996年のSACOの合意に加え、2006年の在日米軍再編協議でも全面返還が合意されました。2004年8月には市内の沖縄国際大学本館へ米軍大型ヘリが墜落・炎上する大惨事が起きたにもかかわらず、住宅地上空で頻繁に旋回飛行が継続され、墜落の危険性が放置され続けていると。市長も危険性を感じているんです。普天間飛行場の一日も早い閉鎖・返還を求める市民・県民の強い意向を御理解いただき、普天間飛行場の危険性の除去及び早期返還について沖縄県議会並びに国会での早期返還決議を採択されるよう、特段の御配慮を賜り要請いたします。
 自由民主党は県内移設やむを得ずと言っているんです。伊波市長はそこに要請してきているんですよ。皆さんどう説明しますか。まずこれを説明してください。
 ここで質問します。さっきの項目の中で質問します。
 意見書を提案した野党系の皆さん、普天間飛行場について県外移設を求めているのか。先ほど玉城提案者(議員)は、県内に基地建設反対と言っておりますが、基地建設じゃなくて統合だったら賛成という人もいるんですか。まずこれを答えてください。国外移設、県外移設を求めているのか、これを明確に答えていただきたいと思います。これは1番目の質問に出ていますので。
 次は、野党は普天間の条件つき返還に反対しているが、先ほども触れましたけれども、当時の大田知事の時代においても革新政党、革新団体や労働団体一体となり、普天間基地の返還を訴えてきたが実現しておりません。先ほども触れましたように、総理大臣が村山内閣でも沖縄の基地を返還することができなかったんです。しかしながら、今SACOの合意に基づいて危険である普天間を動かそうと、こういう話ができているときに、本当に我々がこぶしだけで、かけ声だけで普天間の除去ができるのか、答えてください。先ほどの12番、対案があるとすれば、なければいいです。あれば答えてください。
 そして3番目、具体的に県外・国外移設に向けて皆さんは調査したことがありますか。この普天間の基地についてグアムが引き取るのか、ハワイが引き取るのか、どこに持っていけば早期実現が可能なのか。そういった調査をしたことがあるのか。それが普天間の移設を早める一つだと思いますが、その件について答えてください。
 そしてもう一つは、基地建設反対ということは、これは県内ですよ、県内移設もあり得るのか。名護につくる基地建設反対、しかし、今ある基地に統合する考えも持っているのか答えていただきたい。
 5番目、ここは一番大事なところですからしっかりメモしてください。今回の反対決議により普天間飛行場移設に関するこれまで積み重ねてきた政府との協議が白紙になり、普天間飛行場の移設が長期化し、市街地の中心部に所在する普天間飛行場周辺において、平成16年8月のヘリ墜落事故のような不測の事態が生じた場合、どのような責任をとるのか。それをぜひ明確に答えていただきたいと思います。
 私たちは、この普天間を一日でも早く除去するために、危険を除去するために取り組んでいる作業なんです。それを本当にかけ声だけで普天間の基地の全面返還が可能なのか、これも含めて答えていただきたい。
 そしてもう一つは、新基地建設に反対する皆さん、宜野湾市民をもっと危険にさらす結果にならないのか、それも答えていただきたい。
 最後に言います。この県議会においてこの問題が採択され新基地建設に反対だということで、普天間の基地を返還させることが可能なのか。本当に県議会で採択することによって普天間が全面返還、即閉鎖が可能なのか。ただの宣言決議なのか。決議した後どうするのか、答えてください。
 以上です。
○玉城 義和 質問の御趣旨がちょっとよくわからない点もありますが、なるべくこうであっただろうということも含めて答弁をしたいと。
 かけ声だけで基地がなくなるかということについて少し申し上げたいのですが、その前に、中川議員に申し上げたいんですが、この意見書はかなりきっちりと整合性を持ってつくられておりまして、辺野古において新基地をつくることには反対と、こういうきちっと限定されたことを訴えておりますので、そこのところはひとつ誤解なさらぬように、ひとつ発言をしていただきたいと、こう思います。
 かけ声だけで基地がなくなるのかということでありますが、私は中川さんも一緒に行ったことがあります韓国の話を少しやりますけれども、韓国で今非常に米軍再編で基地の面積も兵隊の数も施設の数も減っているわけですね。その施設の数は、今言われているのは3分の1にしようと、8300ヘクタールぐらいね、今ちょうど沖縄と同じくらいありますから3分の1になるわけですね。それをやろうと、そして1万2500人の削減もやろうと言っていますね。そして基地も104から108くらいあるものを十七、八に統合すると、こういうことが行われていますね。
 それはアメリカの国防長官の話だと、自分たちは歓迎されないところ、要求されないところには基地はつくらないんだと、こういう証言を2004年にしているわけですね、アメリカの議会で。その中で、国防長官が例として言っているのは韓国の例を出しているわけですね、ソウル。ソウルに司令部があって、ソウルの市民とか韓国民はアメリカに対して非常にいら立った感情を持っているということを挙げているんですね。そういうところについてはやっぱりこれは大幅な削減か対応しなきゃならぬと、こういうことを言っているわけですよ。それはすなわち国防長官ができればそこで沖縄の話もしてもらいたかったわけですが、沖縄の話は出ていないんですね。韓国の話しか出ていないんですよ。これは何を物語っているかといいますと、つまり韓国政府が国民の気持ちをしかと受けとめて、ソウルに基地があるということに対して韓国民に非常に怒りがあると、基地がたくさんあって非常にいろんな面で韓国民は米軍に対していら立ちがあるという世論をきっちりとアメリカに届けているからですよ。
 かけ声だけではなくなりませんよ。外交が必要なんです、外交が。
 そういう意味でむしろ私は、沖縄県民の気持ちが本当に日本政府を通じてアメリカに伝わっているのかということを聞きたいわけですね。問題は、韓国との違いで言えば、沖縄県民のいら立ち、怒り、そういうものが日本外交の本当のメニューに入ったのかと。日本外交は沖縄の民意を受け取って対米外交にのせているかと、こういうことが私は韓国の再編を見ながら思うわけです。
 したがって申し上げますが、かけ声だけではなくなりませんよ。これは外交権があるのは政府なんですよね。したがって、政府は沖縄のそういうこれまでの長い間の歴史的なものをきちっと理解をして、この基地が移設しないでも済むように、長い間こんな小さな島ですったもんださせないで済むように、オジー、オバーが辺野古の海で座り込まないで済むようにするのが外交力じゃないですか、中川さん。だから、私はそういう意味できちっと、むしろ日本・外務省はそういう声を受けとめて強力な対米外交をやるということが私は求められているし、沖縄県民はそこに向かってむしろ統一して臨むべきではないかと、こういうふうに一つは思います。
 それから、調査したことがあるかということでありますが、これは我々25人はそれぞれいろんな立場がある議員の提出者でありますから、これは私から今答える立場にはございません。
 それから、県内移設もあり得るのかということですが、これはこの我々の意見書・決議の趣旨は限定的でありまして、ここに書いてあるとおり、この範囲で我々は提出をしております。したがって、この意見書は辺野古地先に、海域に新しい基地をつくることについて反対であると、こういうことをこの意見書・決議は言っているわけでありますから、御理解をいただきたいというふうに思います。
 それから、採択することによって普天間の閉鎖が可能かということについてですが、これは私はできれば与党の皆さんも一緒になっていただいて、本当に今申し上げたように、普天間の危険性というのはみんなが共通項として持っているわけで、本当にヘリコプターが落ちる可能性がないわけじゃないんですね。あしたでもあさってでもあるわけですから。ここのところはむしろお互いがきっちりと与野党問わず超党派でまとまって日本政府に物を言うと、こういうことができれば私は非常に大きな力になるであろうということで、先ほども与党の皆さんにも申し上げた次第であります。
 そういうことで、ひとつ普天間の閉鎖、そして危険性の除去ということをやはり重点的にとらまえながら、当然新しい基地には反対していくと、こういう取り組みを強めたいという気持ちでこの意見書を提出しておりますので、御理解をいただきたいと思っております。
 以上です。
○中川 京貴 議長、休憩お願いします。答弁漏れが2つありますので。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時58分休憩
   午後1時59分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 決議によって協議に支障を来すかどうかというのは、これは私がここで来すとか来さないとか言う立場にはありません。これは要するに沖縄県議会の意思としてやろうと、こういう立場に今あるわけで、これが来すのか来さないのかということをあらかじめおもんぱかってやっているわけではありませんので、これはそういうふうに答弁をさせてもらいたいと思います。
 それから、事故が起こる起こらないということでありますが、この決議があったから事故が起こるとか起こらないとかということとは関係なく、事故が起こらないように一日も早くこの決議も含めて言っているのは、日本政府に対して普天間の早期の危険性除去も含めて取り組んでいただきたいと、こういう切なる願いを込めてこの意見書は出されていると、こういうことでありますから、ひとつぜひ御理解をいただきたいと思います。
○中川 京貴 議長、最後の答弁漏れ。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時0分休憩
   午後2時3分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 普天間基地が非常に危険であるということは、これはアメリカの軍事的な運用だとか、作戦だとかそういうものがたくさんあって、絡まってそういう危険性を醸し出しているわけですよね。我々は、我々のこの立場も、こういう危険なところは一日も早く解消しなきゃならんと、こういう立場だということははっきり申し上げているわけです、最初からですね。我々もそれで16日もそういう陳情を全会一致でやっているわけですよ。それが一つですね。
 そのことと、その新たな地域も含めて負担になる、基地の固定化になる新しい基地についてもこれも我々は容認できないと、こういうことを申し上げているんで、そのことは普天間基地の危険性につながるかつながらないということにはならないと、こういうことをさんざんさっきから申し上げているつもりでいるんですがね。そういうことですから、ひとつ理解してくださいよ。(「危険になったら」と呼ぶ者あり) だから、それは別問題だと言っているわけです。切り離して考えているということですよ。我々としては、普天間の閉鎖・返還を、これは当然独自の問題としてやらなきゃならんと、こう言っているわけです。
○中川 京貴 議長、休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時5分休憩
   午後2時6分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 佐喜真 淳君。
   〔佐喜真 淳君登壇〕
○佐喜真 淳 ただいま議題になりました議員提出議案第1号、第2号及び第3号「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する意見書」及び「決議」に対する質問を行いたいと思います。
 まず質問に入る前に、中川京貴議員とのやりとりの中で対案の問題が出てまいりました。それも含めて少し質問をさせていただきたいと思います。
 まず、平成11年8月20日に宜野湾市議会において「米軍基地普天間飛行場の移設先早期決定に関する意見書」が可決されました。その文面を少し読まさせていただきます。
 「宜野湾市や沖縄県の強い要望に対し、米軍基地普天間飛行場の5年ないし7年以内の全面返還を日米両政府で合意され、平成8年4月12日発表したことは画期的であり、当時沖縄県民はこれを大歓迎」したと。途中飛びます。
  県外や国外への移設の意見等もあり、普天間飛行場の移設問題は先行き不透明のまま遅々として
 進まず、返還凍結が危惧され、混迷の度を深めて現在に至っております。 このような状況の中
 で、戦後50有余年も市の中心部を占有しつづける同飛行場は、市民の平穏な生活環境を奪うばかり
 でなく、生命、財産、健康そして次代を担う子供たちの教育環境まで著しく脅かし、その精神的苦
 痛は計り知れないものがあり、もはや同飛行場の移設は8万4000余の市民にとって、一刻の猶予も
 許されない最緊急課題であります。 さらに、いつ何時、市民を巻き込んだ大惨事を引き起こすか
 予断を許さない状況のまま、同飛行場を放置することは、本市議会や行政としても重大な責任を伴
 うものと考えております。 かかる事情から、地球より重い市民の尊い生命やその安全を確保する
 ため、一刻も早く同飛行場の全面移設を実現させることは焦眉の急であり、同時に跡利用や地権者
 等に係る諸問題解決も、私ども議会に課された責務と痛感しております。 よって、本市議会は、
 沖縄県に関する日米行動委員会(SACO)の基本方針どおり、米軍基地普天間飛行場の移設先の
 早期の決定を強く要請する。
 これは宜野湾市議会が苦渋の選択として、当時8万4000名余りの生命財産、次の世代の子供たちのために移設先を早期に決定してくれと、県知事、政府に要望してまいりました。
 返還の経緯を少しばかり説明もまたしておきたいと思います。
 当然この基地というものは戦後60年余り市民、県民の負担になってまいりました。そういう中で、平成7年に米兵による少女暴行事件が発生しました。それを受けながら平成7年11月19日に日米間の新たな協議機関「沖縄に関する特別行動委員会」、いわゆるSACOが設置されました。翌年4月12日には橋本総理とモンデール在日米大使が普天間飛行場全面返還に合意したことを共同記者会見で発表いたしました。4月15日にはSACO中間報告で普天間飛行場の全面返還が合意された。そして暮れの12月2日にはSACO最終報告が報告されました。5年ないし7年以内に十分な代替施設が運用可能となった後に普天間飛行場を返還するということでございました。
 それを受けながら、今言った宜野湾市議会の決議、そして平成11年12月23日に名護市議会で「普天間飛行場の名護市辺野古沿岸地域への移設整備促進決議」が採択された。そして12月28日には「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定されたのが、私は普天間飛行場の経緯だと認識しております。
 ただ残念なことに、先ほど来中川京貴議員の対案に対する答えが提案者の方々から説明がされておりません。説明がない。宜野湾市議会は早期に市民の生命財産がこれ以上危険になっては困る、そういう意味で移設先を早期に決定してくれという意見書を出したんです。これも民意でございます。だからこそ私ども議会も、提案するからにはその責任もしっかりと認めながら、なぜに建設を反対しどういうプロセスでもって普天間飛行場の返還を政府に訴えていくか。これは大切なことだと思います。ですから私は、中川京貴議員と重複する質問をいたしますが、そのような視点からぜひとも答弁をいただきたい。特に各会派の皆様方の代表が説明員としていらっしゃいます。通告してありますように、私は各会派の方々の意見も聞きたい。それが沖縄の抱える基地問題の整理のためには必要だという視点から通告の中に入れておりますので、党派を超えた提案でも、しかしながら一人一人の意見、党の意見も変わってまいります。ですから真摯に受けとめながら答弁をよろしくお願いいたします。
 質問に入ります。
 普天間飛行場の危険性の除去及び早期返還は県民の総意である。今言ったように、宜野湾市議会も、移設先を早期に決定するということをお願いしました。苦渋の選択でございます。決議案では、新基地建設断念を要請するとあるが、普天間飛行場の危険性を除去するための具体的な方策をなぜ提案しないのか。
 2つ目、対案がないままでの新基地建設断念であれば普天間飛行場の危険性は放置される危険性がございます。だからこそ皆様に対して対案というものを県議会議員、県議会で発表しなければならないと私は思います。それに対する見解を伺います。
 3番目、今回の決議で普天間飛行場の移設が進まなくなった場合に、我が宜野湾市、今9万余りの市民がいらっしゃいます。住宅地の中心にある普天間飛行場の固定化にはつながらないか。これはまた先ほどと重複しますが、いま一度答弁をお願いいたします。
 名護市辺野古沿岸地域への移設反対となるが、普天間飛行場の危険性をそのまま放置することが名護市辺野古沿岸よりも早く普天間飛行場の危険性を除去できるプランなのか。
 6つ目、普天間飛行場周辺住民やヘリの飛行ルート上の住民は騒音に日々悩まされております。皆様が提案されました、意見書として出した新基地建設反対で普天間飛行場の早期返還が進まないようになり、現に騒音に悩まされている住民に対してどのように説明をしていかれるか御答弁お願いいたします。
 次に、辺野古への移設に反対するのであれば、現在の普天間飛行場をどうするのかお答え願いたいと思います。即時閉鎖を求めていくのか。県内の他の場所へ移設を求めていくのか。県外・国外移設を求めていくのかお願いいたします。これは、会派が違うでしょうから、考え方も違うと思いますので、ぜひお願いします。  
 と言いますのは、民主党沖縄ビジョン策定が普天間飛行場を県外にという沖縄ビジョン2008というものを発表してまいりました。
 少し読まさせていただきたいと思います。答えてくださいね。
 「党内には日米同盟を重視する議員もおり、米軍再編自体は評価する声も多い。」これが民主党の意見。「議論の中では地元の住民の意思を尊重しながら基地負担の軽減に努める、との表現にとどめた方がいいという声も上がった。」一方で、県外・国外移転を政権公約に盛り込むのかとの質問に、民主党の政調会長は、政権公約はまだまだ整理していない。党の政策の再検討が必要なものを見直すとあいまいな表現にとどまったということでございます。
 私が申し上げたいのは、提案者の皆様方は、各党の代表、会派の代表でございます。当然この基地というものは、今日まで営々と60年余りも続いてまいりました。いろんな考え方がございます。しかし私が先ほど言ったように、SACOの合意から今日まで12年がたってまいりました。そういう意味からすると、皆様方が今回提出したこの意見書というものは、おのおのの考え方が次のプロセスにつながっていくという思いでございます。
 ですから、今、民主党の政権交代のマニフェストを引用させていただきながら皆様方のお考えを確認しているわけですから、今言った質問、辺野古への移設に反対するのであれば、今後どうしていくのか。即時返還・閉鎖を求めるのか、県内の他の場所へ移設するのか、国外へ移設を求めていくのかお答え願いたいと思います。
 次に、県外・国外移設を求めるのであれば、なぜ県外・国外への移設が可能と考えるのか。これは民主党さんの言っている公約の整理を必要とする場合もあれば答えていただきたいんですが、具体的な受け入れ先をお示しください。
 再質問で角度を変えて質問しますから、よろしくお願いします。
 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時19分休憩
   午後2時20分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○佐喜真 淳 次に、具体的に県外・国外移設に向けて調査研究を行っているか、普天間飛行場の県外・国外移設を主張するのであれば、実際にハワイやグアムへ行き、移設を要望するなど直接的な行動を行ったことはあるのか。あるんであれば具体例を提示していただきたいと思います。
 次に、これまで普天間飛行場の県外移設・国外移設が日米両政府から具体的な提案として示されたことはないが、普天間飛行場の問題をどう解決しようとしているのか、具体的にお示ししていただきたいと思います。
 次に、名護市辺野古沿岸域への新基地建設反対ということはそれ以外の県内移設もあり得るのか、そこのところも御説明お願いいたします。
 最後になりますけれども、昨今の北朝鮮をめぐる問題、あるいは中国と台湾をめぐる問題等がいろいろと議論されてまいりました。東アジアの情勢が世界の中でもかなり緊迫した情勢であることは言うまでもございません。多くの人が認識していることとは思いますが、このような状況の中、日米安保体制のもとでは在日米軍がすぐに撤退するということは想定は難しいと思います。その一環として、沖縄に駐留する米軍も直ちに撤退するということも想定しがたいものと認識しております。
 このような国際状況・情勢を見ながら、提案者の皆様方に確認させていただきたいと思います。提案者の皆様方は日米安保体制についてどのような認識をされているのか。日米安保を認めているのか、ぜひそのあたりも各会派の意見が違うと思いますので、代表ではなくて全員お答えしていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時22分休憩
   午後2時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○佐喜真 淳 失礼いたしました。抜けているのがございました。
 冒頭、私、宜野湾市議会の当時の意見書のお話もさせていただきました。その件については平成11年8月20日、宜野湾市議会において「米軍基地普天間飛行場の移設先早期決定に関する意見書」が可決されました。それについての皆様方のお考え、提案者の各派ですね、お願いいたします。
 次に、平成8年普天間飛行場返還は日米政府における条件つき返還が合意したと、先ほど言ったようなプロセスで、SACOから始まって「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定されたころまでですが、しかし今回の新基地建設反対に対する意見書は、返還合意そのものをほごにするものではないか、危険性がないか、そのように私は感じておりますが、提案者の皆様方の御見解をお伺いします。これも各会派の代表でお願いいたします。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時24分休憩
   午後2時24分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 佐喜真議員の御質問にお答えをいたしますが、この会派云々というのは考え方として、これは25名それぞれ議員として提出をしているわけでありまして、会派の代表として出しているわけではありません。きょうここにたまたまいるのは、軍特委員会のメンバーとしておりますので、答弁は私の方で代表してやらさせていただきます。特に、このメンバーの中からということがあれば別でありますが、私の方から代表して答弁を申し上げます。
 さっきの中川議員の話もそうでありましたが、今の佐喜真さんもそうでありますが、私は一つ非常に気になっていることがさっきからあります。それは言わないでおこうと思っていたことでもありますが、普天間の移設先を早く見つけろと、早くはっきりしろと、なぜかというと、普天間が危険でしようがないと、こういう言い方ですね。
 私は、なるべく言わないでおこうと思っていたんですが、ヤンバルに住んでいる者の一人として、非常にこういう言い方は聞きづらいですね。同じ沖縄県民として、命の重さは同じなんですよ。これは普天間が危険なものはどこに持っていっても危険なんですよ。違いますか。きょうはヤンバルから来ている人もいますけれども、私どもは普天間の危険性は十分承知している。だから、早くこれは閉鎖しなきゃならぬ、こういうことを言っているわけですね。だから先ほどの話を聞くと、普天間が非常に危険であると、一日も早く移設先を見つけなきゃならぬという決議をしていると。この今の辺野古がだめだったら、危険性はどうするんだと。こういうおっしゃり方は、私はこれはお互い県議会議員、政治家として本当の意味で県民の命を守る、どこに住んでいようが県民の命は同じですよ。ヤンバルンチュであろうが、辺野古であろうが、普天間であろうが、それをどう考えるかということが私は政治家の哲学でありポリシーだと思いますね。
 そういう意味では、やはりこういうことはなかなかこれは軽々に言ってはいけないことでありまして、私は先ほどから聞きながら非常に強く心を痛めているということをヤンバルンチュの一人としてしょっぱなにまず申し上げておきたいというふうに思います。
 それでは答弁にまいりますが、まず、この佐喜真議員の危険性の除去ということでありますが、この1番から7番までの問題は、これはほとんど除去の方法とか、危険性の放棄とか、固定化とか、関連をいたしますので、一括して答弁を申し上げます。
 まず1点目は、普天間基地が大変危険であり、一日も早くその危険性の除去をしなければならないということと同時に、その返還を実現しなければならないということは、まさにおっしゃるように県民の総意だというふうに思います。我々はもとより、この問題についてはせんだってよりずっと主張もし続けてまいりましたし、運動もしてまいりました。こういうことをまず申し上げておきたいというふうに思います。
 それから2番目、辺野古の基地に反対であれば普天間の危険性は放置されると。
 これは先ほど私の申し上げたこととも絡むんですが、一体こういうことはだれがお決めになったことかということですね。私ども沖縄県議会議員は、県民の立場に立って県益のために物を言うのが筋じゃないでしょうか、お互いの。私は党派の違いじゃなくて、やっぱりアメリカはアメリカの国益のために動くんですよ、これは、当たり前これは厳粛な事実であって。そういう中で、沖縄の県議会議員は何を一つの軸として動くかということを考えれば、私はそういうことありきでこの思考をするのではなくして、何が本当に我が県益かということを私は今考えるべきではないか、そういうふうに思っております。
 したがって、我々は県民の立場に立って、県民の要求を吸い上げてその実現を図ると。こういう意味で、普天間の閉鎖と辺野古の新基地建設反対は両方とも県民の切実な要求であるとこういうふうに理解をしております。
 それから、もう一つ、「米軍普天間基地飛行場の移設先早期決定に関する意見書」が可決されたと、どのようにとらえているかということでありますが、残念ながら私はそれを承知しておりません。普天間の宜野湾市議会のことでありますが、今ここで私の方からコメントする立場にはないというふうに思います。
 それから、平成8年の普天間飛行場の返還、これはSACOでしょうか合意されたと。その新基地建設に反対する意見書の採択によって返還合意そのものがほごになるのではないかとこういう問いでございますが、私どもはこのSACOの当事者ではありません。したがって、このSACOの合意がほごになるかどうかというのは、これは当事者がほごにすることであって、私ども第三者がこれをほごにしたりしなかったりするようなことではありません。
 それから、国際情勢の認識の仕方ということで、安保条約を含めて東アジアが非常に不安定ではないかと。安保体制はすぐにはなくならないんではないかとこういう質問でございました。
 私ども提案者25名は、お察しのように安保条約について必ずしも考えを一にするものではありません。しかしながら、この安保体制下の中で、先ほど申し上げた我が県の抱えている過重な非常に重い負担について、これは何とかしなきゃならぬと、こういうことについては全く意見が一致であります。そのことと同時に、辺野古への移設がなおそれに輪をかけて固定化につながっていくという認識でも一致をしております。
 したがって私ども25人はこの認識のもとにこの意見書、決議案を出しているということを御理解をいただきたい、こういうことであります。
 それから東アジアの件については、先ほどちょっと中川議員にお答えを申し上げましたが、韓国の例で申し上げましたが、やはり国内の声を韓国の大統領も国防大臣もきっちりととらまえて言うべきことはアメリカに言ってるんですね。だからアメリカの国防長官は余り歓迎されないところには置かないと、それがソウルだと、韓国だと、こう言っているんですね。
 そういう意味でやっぱり日本政府もそういう意味ではもう少し沖縄の声をきちっと外交の舞台にのせてその成果を出してもらいたいとこういうふうに思いますし、もとより沖縄のこの基地の存在自体が今の安保条約の6条を含めて枠をはみ出して、極東からずっと枠をはみ出して真っすぐに中東まで飛んでいくようなそういう事態の方がむしろ私はいろんな意味でどうかというふうな意見もあることもまた事実でありまして、安保条約のことについては意思を一にしていませんが、その過剰なものであるということと、固定化についてということについては同一の認識を持って出しているとこういうことであります。
 それから、この移設先に絡めて6点ありました。これも先ほどの中川議員の質問とほとんどダブっておりますが、お答えを申し上げますと、16日に我々の軍特委員会で全会一致で「普天間飛行場の危険性の除去及び早期閉鎖・返還に関する陳情」を全会一致で可決したわけですね。それは普天間飛行場の運用を直ちに中止して危険性の除去を実現せよと、これは中部市町村会の陳情でありますが、直ちに運用を中止せよということ。2番目に、普天間飛行場の早期閉鎖・返還を実現することと、この2点なんですね。これは必ずしも中部市町村会の会長、陳情者は必ずしも移設先と絡めてこの陳情を出しているわけではないんですね。この普天間飛行場そのものの今の置かれた現状を何とかして改善をし、そして危険性を減らして閉鎖に持っていけないかというこういう一点で市町村会は出されているわけでありまして、まさに私どももこの辺野古の移設も含めて、そういう立場であるわけでございまして、このことは先ほどの中川議員のこととも絡みますが、普天間の閉鎖、危険性の除去、返還はこれ自体が一つの大きな課題であるということでございます。
 そして同時に、普天間の辺野古への移設も新基地も県民の大きな反対の世論の中にあるとこういうことを申し上げておきたいと思います。
 以上であります。
○佐喜真 淳 議長、休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時36分休憩
   午後2時40分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 佐喜真 淳君。
   〔佐喜真 淳君登壇〕
○佐喜真 淳 再質問を行いたいと思います。
 冒頭、私はこの基地問題というのは60年余りも沖縄に居座っている。そういう中で、SACOという一つの解決策としての普天間返還合意されたんですね。そのプロセスを私は平成7年から平成11年までの閣議決定まで普天間の返還の合意、プロセスも説明をさせていただきました。それを受けながら、平成11年8月に宜野湾市議会が普天間の施設の移設先を早期に決定してくれと、そういうことを政府なり知事に求めた。それを受けながら、先ほど言ったように、名護でも平成11年12月23日に辺野古沿岸地域への移設整備促進決議がされたんですね。それも一つの民意だと私は認識しております。
 だからこそ宜野湾市民の危険性の除去を早目にするためにも、私は提案者の皆様方がこの宜野湾市議会の意見書に対する移設先を早期に決定するということを重んじて、皆さんは対案を出していない。政府の閣議決定をされながらも、我々は反対をするだけだと。しかし先ほどの議論の中で、反対をするだけで対案はないんですね。移設先を決定して早目に危険性の除去をしてくれというのが今9万の宜野湾市民の……。
 だからこそ、我々は私は皆様が新基地を反対するんであれば、対案として私ども議会に提案するのが私は皆様が先ほど言った、玉城提案者が言った責任ですよ、責任。反対する意見を出す、しかし後は政府に責任とってねと、そういう認識でいいのか。
 質問に入りたいんですけれども、私が少なくとも先ほどから言っているように、平成7年11月19日、日米間の新たな協議機関SACOが設置されました。それを受けて、SACOの最終報告が翌年12月2日に普天間の5年ないし7年以内に十分に代替施設が運用可能となった後に普天間を返還すると言っていたんです。(「同じことを言っているんじゃないですか」と呼ぶ者あり) いやいや、だからそれは答えていないからもう一度皆さんに聞いている。
 ですから、私は玉城議員が先ほど言ったように、我々は議員として責任を持たなきゃいけないというようなお話がございました。責任を持って皆様方はこの意見書を今議会に提案したと思います。しかし、我々は苦渋の選択として辺野古に移設合意をした。
 稲嶺前県知事2期8年、仲井眞県知事、ベストではないがベターということで辺野古を、これが最善の道だ。最善で普天間の危険性の除去に向かって、普天間の返還として必要であると結論を出したんです。それに対して皆様方は、建設の反対を唱える意見書を出した。だからこそ私は対案を出していただきたい。
 普天間飛行場の早期移設先を決定する意見書を宜野湾市議会が出した、苦渋の思いをして出した。どこにでも行けるようなものではない。ただ、県外なのか、国外なのか、県内なのか、そして場所はどこなのか、対案をお示しいただきたいと思います。明確なる対案をお示しいただきたいと思います。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時47分休憩
   午後2時47分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○佐喜真 淳 大切な部分ですから、ひとつ御理解をしていただきたいと思います。
 先ほど来、玉城議員もいろんな責任があるというお話がございました。当然これは我々議員一人一人というのは県民の負託を得た48名でございます。そういう中で皆さんが賛同してこういう辺野古の新基地建設反対の意見書を提出したと思うんですね。我々は苦渋の選択として辺野古というものを今日まで12年余りもやってまいりました。責任を持ってやりました。しかし、皆さんはこういう意見書を出すからには、玉城議員を初めこの前にいらっしゃる方々の対案としてどういうものが普天間の返還につながっていくか、プロセスづくりという案がない限りにおいては、私は残念ながら皆様の言う責任の所在はないと思います。このあたりは議長にも申し上げたいと思いますが、責任を持って我々は辺野古へと推進している、そういう意味からするとぜひ各議員の対応をお願いいたします。
 よろしくお願いします。
○玉城 義和 答弁は、我々十分意思統一をして私の方で責任を持って答弁しておりますので、1人ずつに聞いても、今、玉城が答えたとおりという答えしか出ませんので、そこはひとつ御理解いただきたいと思います。
 それから、宜野湾市議会の件でありますが、これは当然宜野湾市議会は宜野湾市議会として見識を持ってなされたことであろうから、それについて私どもの方でコメントをする立場にはないということを申し上げているわけであります。当たり前のことであります。
 それから、普天間と辺野古の関係でありますが、先ほど申し上げたように、やはり自分の痛みは痛みとして、痛いのはだれも痛いわけで、お互いこういう小さな島の中でそういうことを宜野湾普天間が大変だからヤンバルに持っていけという話ではないと思いますが、こういうことではやっぱり事の解決にはならない、こういうことを言っているわけですね。だから、我々は危険な普天間基地を一日も早く政府の責任において対応してもらわなきゃなりませんし、当然そのかわりの新基地を辺野古につくるということも先ほど申し上げたような意味で反対であると、こういう要請書を出しております。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) これをもって質疑を終結いたします。
 休憩いたします。
   午後2時49分休憩
   午後2時50分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第1号から第3号までについては、会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、各議案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) これより討論に入ります。
 議員提出議案第1号から第3号までに対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 桑江朝千夫君。
   〔桑江朝千夫君登壇〕
○桑江 朝千夫 私は、自由民主党を代表して、そして一日も早い普天間飛行場の危険性の除去を望む者として、今回出されております「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する意見書」及び「決議」に対して反対をする討論を行います。
 日米安全保障体制を含む日米同盟関係は、我が国及び東アジアの平和と安定に寄与しており、我が国に所在する米軍基地が重要な役割を果たしている。しかし、沖縄県に集中するこの米軍基地は、県民に過重な負担を強いており、中でも市街地の中心部にあって危険性の高い普天間飛行場は、住民生活に深刻な影響を与えていることから、地域住民を初め県民はその返還を強く求めてきました。
 こうした世論の高まりを背景に沖縄における特別行動委員会(SACO)が設置され、当時の橋本総理とモンデール駐日米国大使の普天間飛行場全面返還の共同発表を経て、最終的に普天間飛行場は代替施設が完成し運用可能となった後に全面的に返還されることが合意され、名護市の代替施設受け入れ表明及び政府方針の閣議決定を経て基本計画が策定されました。その後、米軍再編協議の中で沖縄県民が普天間飛行場の早期返還を強く要望し、沖縄県外での代替施設設置を希望していることを念頭に置きつつ、日米両政府で検討した結果、他の組織との運用の関係等で代替施設は沖縄県内に設けられなければならないこととなり、政府と名護市との基本合意を経て最終的にキャンプ・シュワブへの移設が合意され今日に至っております。
 代替施設の位置については、普天間飛行場移設設置協議会において政府と県、名護市との間で率直な意見交換を行いながら前向きな調整が進んできており、町村官房長官からも、沖合へという話も念頭に置き、早期に決着が図れるよう最大限の努力をする旨の発言があり、今後移設がより円滑かつ確実に進んでいくものと考えます。
 普天間飛行場の代替施設について、環境影響評価に基づく調査が開始されており、今後、環境影響評価の手続を進める中で、自然環境や生活環境にも十分に配慮しながら建設計画に係る協議が進められるものと考えております。
 また、普天間飛行場の代替施設は現在の普天間飛行場の機能がそのまま移設されるものではなく、空中給油機及び緊急時の航空機の受け入れは県外へ分散される。残るヘリによる輸送機能だけが移設されるものであります。
 さらに、代替施設の規模については、現在の普天間飛行場に比べると施設全体の面積が2分の1以下、滑走路の長さは1000メートル以上も短くなり大幅に縮小されており、普天間飛行場のキャンプ・シュワブへの移設は県民の願いである基地負担の軽減につながるものだと確信をいたしております。
 したがって、名護市及び宜野座村が政府と基本合意されていることを考えると、普天間飛行場の危険性を一日も早く除去するために、そのためにもキャンプ・シュワブに移設することが唯一の現実的な選択肢であります。
 また、普天間飛行場のキャンプ・シュワブへの移設は、海兵隊のグアム移転や嘉手納飛行場より南の施設・区域の大規模な返還とともに、沖縄県の基地負担の軽減と跡地の有効利活用を通じた地域振興に大きく寄与するものであります。県民の支持はこれによって十分に得られるものと私は確信をしております。
 今回の名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する意見書及び決議案は、辺野古沿岸域への移設に反対しておりますが、具体的な案も出さないままのこの決議案は反対のための反対決議であり、このような決議がなされることは普天間飛行場の早期移設を否定し、その危険性を放置するものです。
 最後に、今回の決議はあたかも普天間飛行場の県外移設、国外移設などが可能であるかのような幻想を植えつける誤ったメッセージを県民に与えかねない。結果として、過重な基地負担の軽減を願う県民をミスリードすることになることを指摘して、一日も早い普天間飛行場の危険性除去を強く望む者としての反対の討論といたします。
 以上。
○照屋 大河 社民・護憲ネットを代表し、「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する意見書」及び「決議」について、賛成の立場から討論いたします。
 議題となっている辺野古沿岸域への新基地建設は、在日米軍再編に関する日米協議を通じ、2006年5月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で正式合意されました。合意時に発出された文書では、沖縄の基地負担を軽減するため、新基地には現在の普天間飛行場が持つ兵員輸送のヘリ基地機能だけが移設されると明記されております
 しかしながら、実情は、その中身は基地負担の軽減どころか基地機能の強化でしかありません。時間が経過するにつれて判明する事実は、普天間飛行場にはない輸送揚陸艦が着岸可能な214メートルの岸壁や、戦闘機装弾場(CALA)の建設計画など、当初は説明されなかった機能や設備ばかりであります。
 さらに米側は、欠陥機として悪名高い次期主力輸送機オスプレイの新基地配備を示唆し、民間地上空の飛行可能性についても言及しております。このまま新基地建設を許せば、県民に何らの説明もされずに既成事実だけが積み上げられ、運用開始後には実弾を積んだ欠陥機が民間地上空を飛行することも否定できません。
 いまだ記憶から薄れることのできない2004年8月の沖国大へのヘリ墜落事故のような惨事を二度と繰り返さないためにも、新基地建設を断じて認めるわけにはいきません。また、環境保全の視点からも新基地建設には反対であります。
 滑走路建設に伴う埋め立てに必要な土砂は、延べ2100万立方メートル、そのうち沖縄防衛局が本島周辺から調達を予定している購入海砂は1700万立方メートルとも言われております。これは、2006年度に県内で採取された海砂量137万立方メートルの12倍以上に上り、沖縄周辺から自然の砂浜がなくなってしまうとの指摘があります。
 そのほかにも埋め立てには辺野古ダム周辺とキャンプ・シュワブ内の造成地から出る土砂を見込んでいるようでありますが、既に造成地では赤土がむき出しとなっている箇所も見受けられます。一たび大雨に見舞われれば赤土が流出し、アオサンゴ群落やジュゴンのえさ場である藻場が死滅してしまうほど事態は深刻であります。
 世界的にも貴重な海洋生物がすむ辺野古沿岸域の生態系は何としても守らなければなりません。将来の沖縄を担う子供たちに残すべきは、巨大な軍事基地ではなく、辺野古の豊穣な美ら海であります。
 私たち県議会議員は、平和を希求してやまない県民の皆さんの思いを負託され、今この場で議論を交わしております。求められているのは、直近の民意を反映した迅速な意思決定であり、沖縄にとってのベストな選択です。そうであれば、日米両政府に根気強く訴えていくべきは、新基地建設を前提としたV字型滑走路の沖合移動ではなく、普天間飛行場の即時閉鎖・返還のはずであります。世界一危険な普天間飛行場をたらい回し的に県内移設したところで、問題の抜本的な解決には至りません。
 今こそ、これ以上の基地負担はごめんだ、もう基地は要らないという県民の切実な声を日米両政府に毅然とした態度で示すべく、沖縄県議会として明確な意思表示を行うべきである。そのことを最後に強く申し上げて私の討論といたします。
 議員諸氏の御賛同を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
○前田 政明 私は、日本共産党県議団を代表して、議員提出議案第1号、第2号、第3号名護市沿岸域への新基地建設に反対する意見書・決議に賛成する討論を行います。
 沖縄県民の苦難の根源は米軍基地であります。私たち沖縄県民は、どんな困難があっても米軍基地のない平和な沖縄を実現するために県民が心を一つに団結していくことは、沖縄県民の歴史的な使命ではないでしょうか。
 米軍基地は沖縄県土面積の10.2%、沖縄本島の18.4%を占める異常な状況を容認することはできません。相次ぐ米軍犯罪、事件・事故、演習被害、騒音・爆音被害によって県民の日常生活が脅かされています。
 世界的には武力ではなく国家間の諸問題を話し合いによって平和的に解決していく国際的な流れが大きな潮流になっています。アメリカの一国覇権主義の政策と行動が世界で孤立し、力を弱めています。特にアフガニスタンとイラクでの先制攻撃戦略の破綻はだれの目にも明らかです。その一方で、国連憲章に基づく平和秩序を目指す流れが世界の広大な地域を覆う巨大な流れとなっています。アジアではASEAN(東南アジア諸国連合)が平和の地域共同体の基礎に位置づける東南アジア友好協力条約(TAC)への参加国がイラク戦争回避の2003年以後、ASEANの域外の諸国に急速に拡大し、地球人口の57%を占める24カ国が参加し、ユーラシア大陸のほとんどを覆う巨大な平和の流れをつくり出しています。南北アメリカ大陸でも米国の孤立と平和の地域共同への動きが進んでいます。
 アメリカの有力外交シンクタンク「外交問題評議会」のハース会長は、外交専門誌の論文で、一極支配の時代は終わったと断言するとともに、新しい世界秩序は幾つかの国が覇権を争う多極化でもなく多数の国々が世界政治の担い手になる無極化を特徴としていると主張しています。どんな超大国も一国の力をもって世界を支配できる時代ではありません。すべての国々が世界政治の担い手として生き生きと活動するところに21世紀の特質があります。そのことがアメリカの有力外交シンクタンクからも言われているのは注目に値します。
 世界はここまで大きく変わっているのです。こういう世界にあって異常なアメリカ追従、軍事偏重の政治をいつまでも続けていいのでしょうか。対米追随、米軍優先の政治に未来はありません。
 日米両政府による米軍再編の最終報告から2年が経過しました。自公政権は、再編交付金という札束の力で基地を抱える自治体と住民を分断、懐柔、屈服させて基地強化を押しつけようとしています。しかし曲折はありますが、こうした圧力に屈せず県内でも全国各地でも基地強化反対の粘り強い闘いが進んでいます。
 この中で米軍再編協議の米側代表を務めたローレス前米国防副次官が、福田政権になってから同盟変革(再編)の実施が漂流している。普天間飛行場の移設がその例だ。この合意はすべてが連動する複雑な機械のようなもので、一つのパーツが凍結すれば全体が凍結してしまうと述べるなど、思いどおりにならないいら立ちと危機感が米軍再編推進勢力からも伝わってきます。まさに米軍再編が漂流しているのです。米軍基地は米国に持っていくべきではありませんか。
 沖縄県民の粘り強い闘いが日米両政府を大きく追い詰めています。追い詰められているのは日米両政府です。沖縄県内の基地たらい回しを決めたSACO合意から12年がたちますが、あの名護の海に予定されている新基地建設のためのくい一本も打たせてこなかった、沖縄県民の闘いはすばらしいものであります。全国の闘いと連帯して新基地建設反対の県民の声を全国の人々、世界の人々にさらに力強く訴えていこうではありませんか。
 世界の罪なき人々を、イラクやアフガニスタンの人々を殺りくしている海兵隊、世界とアジアの戦争の火種、海外侵略の恒久的な米軍新基地を絶対建設させてはなりません。
 沖縄県議会は、これまでこの沖縄の異常な米軍基地の実態と事件・事故をこれ以上許すわけにはいかないとして、意見書・決議を上げてきました。辺野古地域への米軍基地建設や普天間飛行場問題について意見書・決議が採択されてきています。
 1996年3月27日、第2回議会では、「3事案の早期解決と普天間基地の全面返還に関する要請決議」が採択されています。1996年7月16日の第5回定例会では、「普天間飛行場の全面返還を促進し、基地機能強化につながる県内移設に反対する意見書」が全会一致で採択されています。
 その意見書の内容は、「このような広大な米軍基地の存在は、本県の振興開発の推進及び県民生活の安定を図る上で大きな障害となっており、普天間飛行場の県内移設は、新たな基地機能の強化につながるばかりでなく、基地の整理縮小に逆行するものであり、断じて容認できるものではない。 よって、本県議会は、日米両政府が沖縄県民の基地からの重圧を軽減する観点から普天間飛行場の全面返還を促進するとともに、基地機能の強化につながる県内への移設をしないよう強く要請する。」と、全会一致で可決、採択されています。
 このような中で名護市民は、1997年12月に行われた市民投票において辺野古への新基地建設に反対する意思表示を明確に示しました。これまでの普天間飛行場の全面返還と県内移設に反対する全会一致の意見書・決議の内容を踏みにじり、名護市の市民投票の新基地建設反対の住民の民意を踏みにじって、1999年10月15日、第6回定例会で「普天間飛行場の早期県内移設に関する要請決議」を自民党などを中心に多数決で強行し、その中身は、「本県議会は、SACOの合意に基づき、普天間飛行場の県内移設を早期に実現するよう強く要請する。」決議を行っています。これが原因の発端であります。混乱の発端であります。
 議員の皆さん、沖縄の米軍基地は銃剣とブルドーザーなどによるやり方などで米国が強制的に県民の土地を取り上げてつくり上げられた不法・不当の基地であります。このような県民の苦難の根源である米軍基地を、沖縄県民の生命と財産を守り、世界の宝である美ら海を守る責務のある沖縄県の知事が、海外侵略の米軍の恒久基地を建設するために、人類の宝であるジュゴンのすむ辺野古の大浦湾の美ら海を埋めて新基地建設を日米両政府とともに推進しようとすることは絶対許されない暴挙であります。
 ただいま提出されております議員提案の名護市辺野古沿岸への新基地建設に反対する意見書決議の内容として、「「名護市辺野古海域は沖縄県が「自然環境の保全に関する指針」で「評価ランク1」に分類しているように、国の天然記念物であり国際保護獣のジュゴンを初めとする希少生物をはぐくむ貴重な海域であり、新たなサンゴ群落が見つかるという世界にも類を見ない美しい海域であることから、新たな基地の固定化と、新基地建設工事に伴う環境汚染や大規模な埋め立てによる環境破壊につながる辺野古新基地建設には断固反対し、世界に誇れる自然環境を後世に残し引き継ぐことこそが我々沖縄県民の責務である。」と訴えていることは道理ある訴えであり、全国・世界の人々への私たち沖縄県民の訴えであります。
 議員の皆さん、全県民が力を合わせ、全国・世界の平和と自然を守る人々と連帯をして、粘り強く新基地建設を許さない、米軍基地のない沖縄の実現のために新たな島ぐるみの闘いを県民とともに大きく前進させていこうではありませんか。
 沖縄県議会議員の政治家としての大きな役割は、沖縄県民の苦難の根源である米軍基地のない沖縄を県民とともに、どんな困難なことがあっても全力を尽くして県民の願いを日米両政府に堂々と訴えて、沖縄県の未来を切り開くために奮闘することではないでしょうか。
 日本共産党県議団は、心から誇りを持って議員提出議案第1号、第2号、第3号意見書・決議に賛同するものであります。
 議員各位の御賛同を心から訴えます。
○議長(髙嶺善伸) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより議員提出議案第1号「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する意見書」、議員提出議案第2号「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する決議」及び議員提出議案第3号「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する決議」の3件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案3件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(髙嶺善伸) 起立多数であります。
 よって、議員提出議案第1号から第3号までは、原案のとおり可決されました。(傍聴席より拍手あり)
 静粛に願います。
 傍聴人に申し上げます。
 傍聴人は、議事について拍手、その他の方法により可否を表明しまたは騒ぎ立てることは禁止されておりますので、静粛に願います。
   ―――――◆・・◆―――
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 20分間休憩いたします。
   午後3時17分休憩
   午後3時41分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 この際、日程第12 議員提出議案第4号 後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書及び日程第13 議員提出議案第5号 後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書を一括議題といたします。
 まず、議員提出議案第4号の提出者から提案理由の説明を求めます。
 比嘉京子さん。
   ――――――――――――――
   〔議員提出議案第4号 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔比嘉京子さん登壇〕
○比嘉 京子 ただいま議題となりました議員提出議案第4号について、提出者を代表して提案理由を御説明申し上げます。
 なお、提案理由につきましては、意見書を読み上げることにより、説明にかえたいと存じますので、御了承願います。
 それでは、議員提出議案第4号を朗読いたします。
   〔後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書朗読〕
 以上で、提案理由の説明を終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 なお、本議案につきましては、その趣旨を関係要路に要請する必要がありますので、議長におかれましてはしかるべく取り計らっていただきますようお願い申し上げます。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入ります。
 本案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 なお、質疑の回数は2回までといたします。
 嶺井 光君。
   〔嶺井 光君登壇〕
○嶺井  光 皆さん、こんにちは。
 グスーヨー、クタンデーネーミソーランガヤーサイ。
 自民党の嶺井光であります。
 議員提出議案第4号「後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書」に対して質疑を行います。
 この制度は、なかなか県民、国民にしっかり理解されていない面があるようであります。そういう意味では、こういう機会やあらゆる機会を通してこの仕組み、制度、このよさを十分に説明をしていく、これが我々政治家に課された役割だというふうに認識をしております。
 この新たな高齢者医療制度は、これまでの老人保健制度の問題点を解決すべく、長年にわたって多くの関係者が議論を積み重ねた上で、国民皆保険制度を将来にわたり維持するため、現役世代と高齢者でともに支え合うものとして設けられたものであります。
 我が国の医療制度は、これまで長年にわたり、社会のために貢献された高齢者の皆様には現役の方より軽い負担で医療を受けていただくことを目的に、国民皆保険制度のもとで高齢者医療制度が実施されてまいりました。
 昭和48年度に70歳以上の医療費が無料化されました。その後、医療費はどんどんどんどん急増し、昭和58年には老人保健法が制定され、国保や健保組合からの拠出金と公費で運営をされてきました。そのころから、患者の一部負担も導入されてきております。その後も少子・高齢化の進展に伴い、医療費が増大し、それを支えてきた健保組合等の拠出金が増大することになり、大きな課題となりました。
 平成11年には老人保健事業への拠出金不払い運動が起き、健保組合の過重負担の実態が浮き彫りになりました。そこで、平成12年、みんなで支え合う国民皆保険制度を維持するには、新たな制度をつくるべきだとこういう決議が参議院厚生労働委員会でなされ、国民各界各層、各政党を巻き込んでの議論がなされ、老人医療制度や国民皆保険制度の抜本改革を目指すことになりました。その後、平成14年度に公費負担を3割から5割へ、老人保健制度の対象年齢も年次ごとに繰り上げて75歳以上とすること、さらに保険料負担を1割とすることが決まり、平成18年度に法律改正、そしてことしの4月にスタートをいたしました。
 この機会に老人医療費の推移を御案内しておきたいと思っております。(資料を掲示) 昭和58年、195億円の老人医療費でありました。これが平成17年には1078億円、実に5.5倍の伸びであります。途中で介護保険制度があって一たん下がりましたが、やはり伸びております。それはやはり高齢化が進んでいるということが大きな原因の一つであるということが言われております。高齢化の増加も2.8倍、約3倍、58年から平成17年までに高齢者がふえました。
 これは我が長寿県沖縄として高齢者がふえることは大変すばらしいことであります。このような中で医療費が増大していくことも、また県民、若い人から高齢者までしっかり理解をする必要があると考えております。
 さらに、医療費の財源の状況、このことについても皆さんに御理解をしていただきたい大きな一点であります。
 これまで医療費の財源は、公費、そして国保、政管健保組合、共済等がもともとは7割、3割でありました。そういう財源で国民医療、高齢者の皆さんも医療を受けていたわけであります。さっき申し上げましたように、平成11年には健保組合等の拠出が大き過ぎてもうこれ以上負担できない、こういうことで不払い運動が出てきた。そうなると、医療制度そのものの崩壊につながるわけであります。そういうことから、7割をだんだんだんだん減らしております。公費負担をふやしております。そして落ちついたのが公費負担を5割にする。そして若い方々、働く世代の方々が拠出するものも5割から4割に減らしましょう。ただ、その1割の部分を高齢者の皆さんにも御負担をお願いしようというのがこの後期高齢者医療制度の財源の仕組みであります。
 この後期高齢者医療制度は、1割負担や徴収方法等について誤解や反発がありました。そのことについては既に見直しが進められ、低所得者に対する負担軽減も配慮されており、県民に十分な説明をする必要があります。
 国民皆保険制度は、国民の医療を担ってきた経緯があり、公費負担、若年者の負担、そして受益者の負担、さらには将来にわたる制度、仕組みをしっかり確立することが与野党超えた政治の責任であると考えております。国民医療、高齢者医療を守るためには制度を改善、見直しをしていくのが政治の役割であり、単に廃止では医療は守られません。廃止するとどうやって医療を受けるのか、その説明責任を果たすべきであります。
 そこで、通告の質問に入ります。
 (1)の、本県議会は平成19年3月28日に「後期高齢者医療制度の充実を求める意見書」を全会一致で可決しました。
 決議の内容は、この制度の設立の趣旨に沿って充実した医療制度となるようにとして要望事項を掲げております。ということは、県議会として後期高齢者医療制度の必要性は認めていることが前提にあるが、決議したこと自体が間違いであったとの認識であるのか。また、議会として全会一致で出した決定と全く正反対の結論をしかも多数決で強行することは、これまでの意見書決議は全会一致との議会の慣例を一方的に破ることになりますが、これが議会の正常な姿と考えているのか。また、野党としてこれからもこのような手法を続ける考えなのか。同意見書で県議会は3項目の要望をしております。今回、廃止の決議をすることは要望の3項目の内容自体について間違っていたとの認識であるのか。
 (2)、後期高齢者医療制度を廃止するということは、75歳以上の高齢者の医療制度がなくなるということであります。野党は、廃止後の75歳以上の高齢者の医療をどのように続けるのか示しておりません。廃止して新たな制度ができるまで75歳以上の高齢者は病院には行くなという意味なのでしょうか。後期高齢者医療制度の創設には、高齢化率を上回る老人医療費の増加がある中で、老人医療費を支えてきた国保や被用者保険が財政上厳しい運営が生じていることから、平成11年に被用者保険の97%の団体で老人医療費への拠出金不払い運動が起こったことが背景にあります。この事実をどう認識しておりますか。また、廃止することでこれらの団体等の理解を得られると考えておられるのか。
 (3)、本県の国保における老人医療拠出金は、昭和58年の老人医療制度創設時の69億円から平成17年度は351億円と5倍に増加し、さらに一般会計からの繰り入れも31億円と県財政は厳しい状況となっております。廃止により、財政負担の軽減をどのように考えているのか。
 (4)、少子化により生産年齢人口の減少が加速し、今後はますます若い世代の負担は増加するが、後期高齢者医療制度を廃止した場合、老人医療費の負担をどのように捻出するのか。若い世代にこれ以上の負担を強いていくのか、廃止するからには考えを示すべきではありませんか。今後、高齢化が加速度的に進行していきます。後期高齢者医療制度を廃止した後、高齢者が安心できて、安全な医療保障をどのように実現していく考えなのか。
 (5)、後期高齢者医療制度は、国において医師会、労働団体、各保険者等、国民各層の議論、了解を得て創設された経緯があります。これらの議論や了解は間違いであったということなんですか。野党は、後期高齢者医療制度の廃止は国民、県民の声だと言っております。去る6月の日本テレビの世論調査によれば、見直して続けると、廃止するのどちらを支持するかを聞いたところ、57%が見直して続けるを支持する結果が出ております。これも国民の声と考えるがどうか。
 (6)、国会では民主党、社民党、共産党、国民新党4党で後期高齢者医療制度を廃止する法案が提出されました。ところが、自民党、公明党が求めても一度も審議されていないのはなぜですか。国会を閉会し、審議のめども立たないがどうしますか。また、廃止後の老人医療制度の対案を示さないのはなぜか。政治にかかわる者として余りにも無責任ではないか。国会での廃止法案の審議のめどがないのに、本県議会の廃止等に関する意見書は何の意味があるのか。
 (7)、保険料を年金から天引きすることを問題点に挙げておりますが、徴収にかかるコスト削減、高齢者の手間を省く必要はないということですか。
 答弁をいただいて、再度質問をいたします。
○比嘉 京子 嶺井議員の御質問にお答えいたします。
 まず、第1番目でございますが、3点ほどあると思いますので、3つの観点からお話しをいたします。
 平成19年3月、「後期高齢者医療制度の充実を求める意見書」の採択を全会一致で可決したことは間違いであったのかという御質問にお答えいたします。
 当時は、同制度の概要がまだ明らかになっていない段階でございました。その中にありましても、県議会では大変先駆的な意見書を提出したということは画期的なことと考えております。しかしながら、同制度の概要が明らかになったことしの2月議会において、関連する同制度の条例に対して明確に反対をいたしましたので、同制度に対する意見の表示は2月議会で示されたものと考えております。
 2点目、これまでの意見書の全会一致の慣例を破ることは正常な議会と考えているのかという点についてお答えいたします。
 県民の視点で考えると、同制度の廃止を全会一致で採択したいと考えておりますので、御理解をいただいて御賛同をお願いいたします。また、県議選の争点になった同制度の賛否を示すことは、議会の正常なあり方であると考えております。
 もう一点目、野党としてこれからもこのような手法を続けていく考えであるかということについてお答えいたします。
 意見書決議の全会一致の慣例は、大事なことだと理解をしております。野党としては、常に県民の視点を第一に判断して決意をしていく考えであります。
 2番目の観点についてお答えいたします。
 後期高齢者医療制度を廃止した後、どのように高齢者の医療を続けていくのかということについてお答えします。
 今回の後期高齢者医療制度の廃止の後には、高齢者は去る3月まで加入していた老人保健制度に一たん戻り、その後、医療制度や社会保障制度を根本から見直すための国民的な議論が必要であると考えています。
 3番目に、本県におけるこの制度の廃止により財政負担の軽減をどのように考えるかについてお答えいたします。
 市町村国保財政の厳しさは非常に深刻です。国保逼迫の要因には、高齢者人口の増加、医療技術の高度化などいわゆる皆さんおっしゃっておられる自然増が医療費を押し上げるという側面もありますが、1番目に、退職された方々がそれぞれの被用者保険から国保へ移行することに伴い国保に高齢者が集中する仕組みになっていることであります。
 2番目に、会社務めではない方々、非正規雇用者、失業中など、特に近年深刻な雇用情勢の影響をもろに受けて被用者保険から国保への流入、低所得層の拡大、滞納者の増加などがあること、制度の構造的な問題も大きな課題であります。国保財政を立て直すには、保険者間のリスクを総合的に調整し、特に雇用対策を含めた社会保障政策の充実が求められています。抑制ありきではなく、ヨーロッパなどの先進国並みに国家財政における社会保障費をふやしていく必要があると考えています。
 4番目に、少子・高齢化の加速による若い世代への負担増をどうするかについてお答えいたします。
 まず、政府が少子化対策をしっかりととってこなかったことが問題の大きな点であります。老人医療の自然増に対する財源は、医療費抑制策を見直していくことこそ必要であります。
 5番目に、この制度は国において、医師会、労働団体、それから各保険者等、国民各層の議論や了解を経て創設された経緯があるけれども、それは間違いであったのかという御質問についてお答えいたします。
 高齢者医療のあり方をめぐっては、平成9年の健康保険法等の一部改正以来、与党間協議や旧厚生省の医療審議会等で検討が続いてまいりました。その議論の冒頭で、被用者保険の加入制を生涯にわたってグループ分けをする突き抜け方式や、被用者保険と国保の垣根をなくし、制度間の格差を是正する一本化方式など含めて4案について提示されております。
 今回の高齢者医療制度で採用された高齢者のみの独立保険方式は、4案の中でも問題点として高齢者を分離することは今後の社会における理念や保険制度として妥当か、保てないという意見、高齢者だけを分離すると、保険原理が成り立たないという意見、高齢者から新たに保険料を徴収することに理解が得られるかなど当時から内部において指摘をされております。
 この方式への各団体等の意見は、それぞれの利害を主張して一致しておりません。最近では、日本医師会が政府の毎年2200億円の社会保障削減の方針に対して、社会保障費の機械的抑制を撤廃しない限り、既に進んでいる効率化という名のもとの医療崩壊に歯どめがかからないと見解を発表しました。平均在院日数の短縮や療養病床の削減が医療難民、介護難民を生み出し、後期高齢者の心身の特性に応じた診療報酬の創設によって、高齢者の受診抑制へつながる可能性などを問題点として指摘し、地域医療崩壊阻止のための国民運動の展開を広く呼びかけております。
 日本テレビの世論調査について詳しい内容は承知しておりませんが、県内ではこのたびの県議選挙で直近の民意として後期高齢者医療制度に対する不安、怒りの声が示され、その制度の廃止を求める陳情も沖縄県老人クラブ連合会から出されており、今回の私たちの廃止を求める意見書は多くの県民、国民の理解を得るところであると考えております。
 6番目に、国会での廃止法案審議のめどがないのに本議会において廃止等に関する意見書は何の意味があるのかということについてお答えをいたします。
 6月6日の参議院で後期高齢者医療制度の廃止法案が可決されました。参議院議員は昨年選挙で選ばれた参議院に直近の国民の民意が反映されています。その後、廃止法案は衆議院で継続審議となりました。6月に県民の審判を受けた新しい県議会が県民の廃止の民意を受けて廃止意見書を採択することは、衆議院での廃止法案の可決に大きな力となります。
 7番目の質問にお答えいたします。
 保険料を年金から天引きすることについて、問題点に挙げている徴収にかかるコストの削減、高齢者の手間を省く必要がないと考えるのかという御質問についてお答えします。
 ただでさえ少ない年金で生活が苦しい低所得者のお年寄りから天引きをすることは、お年寄りの生活をさらに追い詰めることになり、コスト削減や高齢者の手間を省く以前の問題ではないかと考えます。
 以上でございます。
○嶺井  光 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時11分休憩
   午後4時15分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 嶺井 光君。
   〔嶺井 光君登壇〕
○嶺井  光 静かにお願いします。
 この後期高齢者医療制度は、しっかり説明をしなくちゃならないと冒頭で申し上げました。ある意味では、去年のあの時期にも、今答弁の中で概要が明らかにされてないというのは、私は誤解だと思っています。要するに、お互いが十分認識してなかったという面もこれはあるだろうと思っています。だから、去る選挙でも間違った方向で誤解されている面もあったと思います。したがって、県の老連からも要請があるようですから、こういう機会に、あらゆる機会を通してこの制度の仕組みをしっかり理解をしてもらう、そういう中からそれぞれどう判断するかということに行き着くべきだと思っております。
 したがって再度質問しますけれども、(1)番の、概要が明らかになっていない、これは理由にならないと思っています。つまり、政治の責任で私たちはしっかり概要を確かめて、その当時しっかりした議論をすべきだったんですよ。だから、あの当時、この制度に反対であれば反対だと、あの時点でやるべきではなかったのか、どうですか、改めて伺います。
 それから、(3)番ですけれども、財政への負担、やっぱり制度が廃止されると、これまでも国保で市町村等の財政等大変苦しい状況でした。あるいは健保組合等もそうでした。戻すということは、この財政の状況というのを皆さんは認めてこれでよしとするのか、改めて御確認します。
 それから(4)番ですけれども、さっきの答弁で国の少子化対策がまずかったと、こういう指摘をしております。まずいところもあるかもしれません。我々も少子化についてはしっかり取り組むべきだという主張をしてきました。それはそれとして、現実に今の状態、この少子化・高齢化していく、医療費が膨らんでいく中でどういう対策をするのか。つまり、現役世代の皆さんにだけ負担を強いていいのか、こういうところを明確にお答えいただきたいと思っています。
 それから(7)番目ですけれども、天引きに係ることですけれども、年金天引きというのは市町村自治体からの要望もあったようであります。現に天引きした方がいいという方も多くおられるようであります。あるいは手間が省けていいという声もあります。もちろん低額の方から天引きするのはまずいと、これは認識しております。そのことは既に見直しでも進められております。こういうことになると徴収率の問題がおのずと出てくると考えています。この徴収率の向上についてはどういうふうになさるのか示してください。
 あと1点です。
 この後期高齢者医療制度、県内の41市町村すべてで条例が可決されてスタートしております。このことについて皆さんの認識がどうなのか、これをひとつお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時21分休憩
   午後4時25分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 比嘉京子さん。
   〔比嘉京子さん登壇〕
○比嘉 京子 では、再質問にお答えしたいと思います。
 第1番目に、去年の時点でわからなかったということは違うんじゃないですかという御質問でしたが、今回の県議会に上がってきました専決処分の一つに、医療費の算定基準等が入っておりましたね。それも去年の時点でわかっていなかったために、今回2月にわかったために間に合わなかったという経緯があるほど、その内容についてどの詳細かは意見の不一致があるかもわかりませんが、細かい、例えば包括的に診療報酬が一定で600点になるとか、それからいわゆる終末期医療に対して200点になるとか、退院をさせるために100点を加算するとか、そういうことは全然見えていなかったわけです。ですから、私はあの時点でのあの意見書と今回の私たちの意見書は全く矛盾するものではないと理解をしております。ですから今回の専決処分にも出てきたほど出し渋りと言われているように情報を開示をしてこなかった、こういう制度でもあるということを御理解いただきたいと。
○嶺井  光 内容がはっきり確認ができなかったということですね。
○比嘉 京子 そうではありません。
 では、次に行きたいと思います。
 国保の問題で財政が逼迫するというお話がありましたが、先ほど申し上げましたように社会的な構造の問題、いわゆる不安定雇用者、それから本当に今払いたくても払えない人たちが増加している。特に沖縄県は失業率が高い、そういうようなことを勘案しないとなかなか財政の問題を論じるのは国保負担だけを考えるといけません。そのことを考えますと、やっぱり私たちは企業の保険負担が非常に下がってきている。ここの方にも大きな問題があるというふうに考えますから、抜本的に考えないといけない。
 では次に、市町村について影響を及ぼさないのかという質疑についてお答えします。
 市町村におかれての判断することについて私たちが言及することはできません。
 現役者だけに負担させるのかということの質問についてお答えいたします。
 この制度は2年ごとに見直されていって、いわゆる使えば使うほど4割の中の現役世代にもはね返ってくる制度ですから、ますますお年寄りも現役世代も負担増になる制度であるということが問題点の一つであります。
 終わります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時29分休憩
   午後4時29分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 比嘉京子さん。
   〔比嘉京子さん登壇〕
○比嘉 京子 年金天引きにつきましては、いろいろと手間が省けるだの経費のコスト減だのというお話がありましたけれども、私たちは、その天引きについてお年寄りが一番怒っている点は2点あると思います。
 まず、75歳以上をなぜ区切ったのかということと、なぜ年金から、手元に来る前に落とすのかとこの2つの点が非常に怒りになっています。ですから、私たちは制度を廃止することを求めておりますので、それ以前の課題ではないでしょうか。
○金城  勉 公明党・県民会議の金城勉でございます。
 ただいま提案されている後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書に対する質疑を行います。
 1点目、「従来の診療報酬から独立して運営を行う医療制度」という表現があります。このことについて御説明をください。後期高齢者医療制度保険も同一の診療報酬によって医療費は算定されているものと考えておりますけれどもいかがでしょうか。
 2点目、この文章の中にもう一つ、「「出来高払い」から「包括性」となるため高齢者が受けられる医療が制限されたり、医療内容が低下するなどの「差別医療」が発生する」としておりますが、何を根拠に医療の制限や医療内容の低下が発生するんでしょうか、御説明をお願いします。
 3点目、厚生労働省の調査結果を理由に、「県民所得が全国の7割余しかない県民に大きな負担増となっている。」としていますが、同調査では見直しによる追加軽減措置後は、移行前より保険料が低減される割合が約6割になるとされております。大きな負担増としている理由を具体的に説明してください。
 4、「現在扶養されている後期高齢者及びその配偶者からも保険料が徴収されること」を問題にしておりますが、高齢者の約8割が加入していた国民健康保険においては、個人の所得にかかわらず加入者全員が保険料を納めております。一方、扶養されている後期高齢者及び配偶者も国保加入の高齢者と同様に老人保険から給付を受けてまいりました。同様の給付を受けているにもかかわらず保険料負担の有無があるのは不公平と思われますが、この点について見解をお聞かせください。
 次に5点目、「保険料を滞納すると保険証が取り上げられ、そのかわりに資格証明書が発行される」という表現がありますが、滞納即保険証取り上げと受けとめられるが、そういう事例が実際にあったかどうか示していただきたいと思います。また、保険料を負担する能力があるにもかかわらず保険料を滞納する方がいた場合、どのように対応すべきか見解をお聞かせください。
 6点目、急速に進展する少子・高齢化に伴う医療費をどのように見ておりますか。
 7点目、国民皆保険制度の原点に立って、その円滑な運営を図るためには、各医療保険の健全な財政運営が図られるようにすることが重要だと考えますがいかがでしょうか。
 8点目、従来の老人保健制度における課題への認識と、その課題解決への具体的な対応策を御説明ください。
○比嘉 京子 金城勉議員の質問にお答えいたします。
 まず初めに、従来の診療報酬から独立して運営を行う医療制度とはどういうことかということについてお答えをいたします。
 後期高齢者医療制度は、医療費の抑制を目的として75歳以上の高齢者だけに適用する診療報酬が導入されました。
 2番目に、出来高払いから包括性となることについてお答えいたします。
 出来高払いは、薬だけであれば支払いが少なくて済み、エコー検査を受ければ検査料を払うなど、受けた医療や検査によってそれぞれ支払う額が異なる従来からの支払い方法です。包括性とは、慢性疾患の治療を1カ月に6000円の定額にして医療を制限するものだといって医師会等が包括医療に反対をしています。後期高齢者だけを対象にする終末期相談支援料は4月に実施され、7月1日から凍結された差別医療の典型です。高齢者退院調整加算料も病院から高齢者を追い出す報酬だと批判されています。
 3番目に、この制度が大きな負担増としている理由についてお答えいたします。
 高齢者にとって負担増の要因は主に次の2点があります。
 まず1点目に、被用者保険、被保険者のその扶養家族であった方々は、これまで負担がなかった方々でしたが、今回の後期高齢者医療制度ではこの扶養制度がなくなり、75歳以上のすべての方々を対象にして保険料を徴収することになっています。
 2点目には、その保険料の徴収について先ほど申し上げたとおり75歳以上の方々すべてが対象となるため、高齢者のみの夫婦世帯であっても一人一人別々の保険料が設定され、それぞれ徴収されます。しかし一方で所得の少ない方々、軽減措置をする場合には一人一人の所得でなく、軽減する場合には世帯単位で判定が行われるため、本人に収入がなくても低くても、夫や同居する子供などの収入が基準を超えていれば均等割合ややはり全額支払うことになります。このように75歳以上の方々、またその家族にとって大きな負担増となっています。
 4番目に、扶養されている後期高齢者及びその配偶者の保険料負担についてお答えいたします。
 そもそも扶養制度は所得の少ない方々、所得が全くない方々が医療保険の仕組みから排除されず、適切な医療給付を受け健康を保持できるようにつくられたものであります。それが不公平、支払う経済力がなくても払うべきであるというのは当たりません。医療や福祉の基本的な考え方として、また憲法25条に言う国民の生存権、国の社会的な使命により社会保障制度は実現されるものだと考えております。
 5番目に、保険料を滞納すると保険証が取り上げられ資格証明書が発行されるということについてお答えいたします。
 保険料が月に1万5000円に満たない高齢者は年金天引きではなく自分で納めます。このような高齢者が1年以上滞納した場合には保険証を取り上げられ、かわりに資格証明書が発行されることになります。そうなるとかかった医療費を病院の窓口で一たん全額の10割を払わなければなりません。
 また、保険料を負担する能力があるのにもかかわらず保険料を滞納した場合の対応についてどうなのかということにお答えいたします。
 対象となる高齢者は1万5000円以下の年金または無年金者であることが想定されます。多くの場合、支払いたくても支払えない状況が考えられます。
 6番目、急速に進展する少子・高齢化に伴う医療費をどう見ているのかということについてお答えします。
 先ほども申し上げましたように、政府の少子化対策にまず問題があると認識をしております。そもそも、我が国の社会保障費は抑制、削減しなければならないほど高い水準にあるわけではありません。医療費についても同様です。国民がつくり出した富が国民の生活に還元されないのが現状であります。政府の社会保障に対する抑制ありきの考え方にこそ問題があると言わざるを得ません。
 7番目、国民皆保険制度の原点に立ってその円滑な運営を図るためには、各医療保険の健全な財政運営が図れるようにすることが重要ではないかという御質問にお答えします。
 そのとおりであります。
 8番目、従来の老人医療制度における課題への認識と、その課題解決への具体的な対応策についてお答えします。
 従来の老人医療制度の根拠となっていた老人保健法は、その目的は、「国民の老後における健康の保持と適切な医療の確保を図る」ということが明確にうたわれております。
 今回の高齢者医療制度の根拠となる高齢者医療確保に関する法律、これには医療費の適正化を図るとなされています。医療費の抑制、削減という老人医療法の従来の立法の目的が変容していることこそ問題であります。
 以上であります。
○金城  勉 まず再質問については、今の比嘉議員の答弁に対する見解を申し上げて後、まとめて再質問をいたしたいと思います。
 まず1点目の診療報酬算定の件についてですけれども、この意見書の文面には「従来の診療報酬から独立して運営を行う医療制度である。」、このように規定されておりますけれども、まずその事実が違います。
 この診療報酬の算定については、中央社会保険医療協議会、これは医療機関、あるいはまた保険者、あるいは有識者等で構成されている審議会でありますけれども、その中央社会保険医療協議会で審議をしてその2年ごとの算定をするわけでありまして、この平成20年度においては厚労省告示の59号にありますように、現役世代も後期高齢者も同じ診療報酬の算定方法に基づいて診療費が支払われることになっております。この文案については、従来の報酬から独立して運営をしている医療制度というのは当たりません。これは指摘をしておきます。
 それから、出来高払いから包括性となるため高齢者が受けられる医療が制限されたり、医療内容が低下する、差別医療が発生するなどというふうにこれは表現されておりますけれども、まずこの出来高払いとそれから包括払いについてちょっと触れておきたいんですけれども、これは病院事業局から取り寄せた資料ですけれども、(資料を掲示) この中に出来高払いというのは、いわゆる従来の診療のあり方で、例えば入院基本料であるとか、検査であるとか、レントゲンであるとか、投薬、注射であるとか、そういう基本的な部分に加えて、それから手術、麻酔とか、内視鏡云々、いろんなそういうメニューがあってそれぞれ加算していく、そういう算定方法。それに対して、今回、後期高齢者医療制度で導入されている包括払いというのは、その基本の部分について定めて、そしてそれ以外に必要な医療については、別途出来高払いに併用していく、こういうことが仕組みとしてできております。
 ですから、この表現、出来高払いから包括性となるため、高齢者が受けられる医療が制限されることはありません。これは事実と違います。それから、そのために医療内容が低下するという差別医療が発生することもありません。こういう事実と違う表現になっております。これも指摘をしておきます。
 それから次の3点目、その前にもうちょっと出来高払い等について触れておきます。そういうふうに出来高払いと包括払いの両方を併用して使えるということを指摘をしておきます。
 それから、後期高齢者診療料については、かかりつけ医を育てることも一つのまたねらいとしてあります。患者のそれぞれの症状に応じて適切な医療を実施するために、他の医療機関と連携をしながら、つまりかかりつけ医が定期的にそういう患者を基本的に診ながら、そして定期的にチェックをしながら健康管理をしてあげる。そして、そのときに専門的な治療が、あるいはまた診断が必要と判断される場合には他の医療機関につないであげる、こういうことがあってかかりつけ医を育てるというねらいもあります。
 そういうかかりつけ医は、自由に他の医療機関との連携が図られる。ですから、そういう意味での医療の制限や医療の低下もありません。
 この包括払いについては、平成10年から実は国立病院で試験的に実施されてまいりまして、制度として正式に平成15年度から導入されている制度であります。全国で今現在、平成20年度の7月時点でこの包括払いの制度を導入している病院が818病院あります。県内でも15の病院が届け出を行っておりまして、県立病院も北部、中部、南部医療センター・こども医療センターでも今月7月から導入されている支払い方法であります。
 内容は、その入院基本料、あるいは検査、レントゲン、投薬、注射などをそういうふうに包括的にまず抑えた上で、さらに必要な手当てについては別途、出来高で加算していく、こういうことになっております。ですから、そういう方式を実はこの中央社会保険医療協議会がその実施した病院のアンケート調査が出ております。
 その調査結果を見ますと、患者満足度も高い。心配された手抜き診療は見られない。退院患者の転院先の病院における評価も高い。それから高度医療の提供が増加してきた。それから常に接触しているということから、かかりつけ医が診療手帳をしっかりおさめて、そしてその患者のデータをしっかり管理することができる等々のそういう調査結果がこの中央社会保険医療協議会のアンケート調査の結果、ことしの1月の調査結果で出ております。
 これから包括性となるため、医療が制限されたり、医療内容が低下するなどという差別診療、差別医療が発生するという支障はこの調査結果からは出ておりません。そういう意味で、県民に誤解を与えないために、しっかりした事実に基づいた取り組み、また説明が必要だと思います。
 次に、3点目の厚労省の調査結果をもとにした負担増の問題についてであります。
 この負担増については、75歳以上の高齢者が8割以上加入している国保の保険料は、沖縄県の場合には5万4758円ということで、全国で一番低い保険料になっております。一方で、老人医療費の方はと言いますと、実に全国7位という異常に高い数字が出てきております。
 そういう意味ではこの厚労省が実施した保険料の変化というものは、その低い保険料とそして老人医療では極めて高いというその両方のバランスを見たときの調査で沖縄がその低くなる保険料の後期高齢者医療制度に移行した後の保険料が低くなる割合が低いということはここに出ているわけでありまして、ですから、今回与党の我々が提案をいたしますその見直し案によって、もう先に公明党としては国に要請をいたしましたけれども、その2割、5割、7割の軽減策からさらに9割軽減も導入することが確認されております。
 そういう意味では、この後期高齢者医療制度になって、今9割軽減が約26%の方々が対象になる。その方々は月々幾らになるかというふうに計算すると約400円ぐらい、年間4800円。そして、老人医療費の平均的な年間の費用というのは91万8000円になっております。そういう91万8000円の老人医療費の平均の医療費を月々400円程度の保険料で受診できる、こういうことになるわけであります。
 ですから、この後期高齢者医療制度というものはいかにしてこの老人医療をちゃんと確保するかということをねらいとしているわけでありまして、最初の答弁のように医療費を抑制する目的で導入されたこととは全く違います。それも指摘をしておきます。
 次4点目、現在扶養されている後期高齢者及び配偶者からも保険料を徴収されることを問題にしておりますけれども、このことについてもやはりそのいわゆる負担の公平性という視点から見れば、その被扶養者の方々に新たに負担が生じるということも県民の方々には理解が得られるんではないかというふうに考えております。
 それから5点目、保険料を滞納すると保険証が取り上げられ、資格証明書が発行されるというふうにこの文面には載っております。答弁においては、その具体的に示してほしいということについての直接の答弁はありませんでした。要するにないわけでありまして、その保険料を滞納した場合には、当然のように保険者は徴収努力をするわけであります。それが滞納が積もり積もっていけば、その保険会計に大変な支障を来すわけでありまして、努力をする。ただし、その努力のときには、ただ一方的に滞納したから即その保険証を取り上げて、資格証明書を発行するというものではありません。現実にその窓口で相談をしながら、短期保険証というものを発行して常に相手の立場に立ちながら、そしてその保険料が納めていただけるように常に相談をしながらそれを進めていくという、こういうやり方で進めております。ですから、そういう意味では滞納したからすぐ保険証が発行された、資格証明書が発行された、保険証を取り上げられたという事実はありません。
 そこで、その制度の問題についてであります。だから、資格証明書が発行される。そのことについては、能力があるにもかかわらず納めないという人に限って発行をする、こういう確認をいたしております。そういうことをまずここも指摘をしておきます。保険証が取り上げられて資格証明書が発行されるという事実はありません。そういうことを言いふらしながら、不安をあおることになっております。
 次に、6点目に、急速に進展する少子・高齢化に伴う医療費をどのように見ているかということについては、政府にすべて責任を押しつける答弁になっております。しかし、この少子化の流れはこれは手当てをしなきゃいけないということはお互い共通の認識に立てると思います。しかし、時代の流れとしてそういうことだけでは説明ができない。この少子化が進んでいく一方で、どんどん高齢化が進んでいくというこの社会の現実というものをしっかりと踏まえなきゃいけない。
 私の今議会における代表質問においても、福祉保健部長の答弁は、本県においても毎年44億円ずつ医療費が膨らんでいく。そして全国的にもついきのうの新聞にありましたけれども、前年度比3.1%増、1兆円が膨らんでいる、こういうことがあります。
 さらにつけ加えて申し上げますと、70歳以上の高齢者医療費は5.4%の増で、14兆5000億円になっている。全体の医療費が33兆4000億円ということからすると約43%が高齢者医療のシェアになっております。そういう意味では、この医療制度の改革というのはもう待ったなしということはお互い共通の認識になる、そういうことだと思います。
 ですから、そういう意味では今御答弁のあった少子化対策が足りないというだけではこれは解決できるものではないし、その認識は極めて浅いと私は指摘をしておきます。(「質問してください」と呼ぶ者あり) まとめてやります。
 次に7点目、国民健康保険の保険制度の原点に立ってその円滑な運営を図るために健全運営をしなきゃいけない。そのとおりの一言で終わりました。そういう意味では共通の認識に立っているわけであります。
 そして8点目、老人保健制度における課題と認識。
 この件については、そういう従来の老人保健制度というものに固執しているようですけれども、従来の保健制度は先ほど嶺井議員から丁寧に説明していただきましたように、昭和48年度から始まったその老人の無料化制度があり、しかしそれが結局行き詰まって58年度に制度改革をしなきゃいけなくなった。しかし、58年度に制度改革をしてもなお老人医療費は膨らみ続けてきた。そしてそれぞれの制度も改革改革を重ねながらもなお耐え切れないという現実が起こってとうとう拠出金の不払い運動まで出てきた。このまま放置すれば明らかにこの制度が破綻するというのが当時の皆さんの共通した認識でありました。だからその制度改革を早急にやろうという話が参議院であったわけであります。そしてこの10年間にわたってその議論をずっと重ねてきて、そしてこの後期高齢者医療制度が制定されてスタートしているわけでありまして、そういう経過を踏まえたときに、単に廃止をして従来の老人保健制度に戻すというだけでは全く無責任と言わざるを得ません。
 高齢者の増加はこれはもう明らかであります。そして一方で現役世代の減少も明らかであります。さらに老人医療費がぐんぐん伸びていくということもさまざまなデータではっきりしております。こういうことを踏まえたときに、本当にこの高齢者医療を支えていくためにはどうすればいいかということはイデオロギーの問題ではない、立場の違いの問題ではない。
 今回はマスコミも含めて、政局にそれを絡めてさまざまなキャンペーンが張られて、その影響で今回の県議選も非常に大きな影響を受けましたけれども、それはそういう基本的な後期高齢者医療制度についての説明が不足だったこと。そしてその説明の前にさまざまな誤解したものが先走っていったこと、それが電波に乗って全国のマスコミに広がったこと。そういうもろもろの現象が起こってこの後期医療制度が極めて不評を買ったという結果になっているわけであって、しかし、今説明したように、現実の問題として考えるならば、高齢者医療制度をいかに支えていくかということを冷静に謙虚に考えるならば、今この後期高齢者医療制度の見直し部分はきちっと見直しをしながら、しかしその骨格の制度というものを進めていく以外に今の道を打開するすべはないと私は訴えたい。
 そういう意味で、これだけ数多くの問題があった旧老人保健制度に単に戻せ、そしてその後はどうするかというと、それから改めて議論をし直しましょうという今の比嘉さんの答弁というのは全く責任が持てておりません。そのことは、結果として高齢者の方々の医療を放棄することに等しい、そのことを私は申し上げておきたい。
 そこで質問をいたします。(「長いよ」と呼ぶ者あり) 必要な演説です。これだけ説明しないとなかなか御理解いただけない。
 今、この廃止に関する意見書の中に、私が指摘した3つの点、1つは「従来の診療報酬から独立して運営を行う医療制度である。」、これは間違いであるということを指摘しました。
 もう一つ、「保険料を滞納すると保険証が取り上げられ、そのかわりに資格証明書が発行される。」、これも事実はありません。
 そして、3点目、出来高払いから包括性となるために高齢者が受けられる医療が制限されたり医療内容が低下するという事実もありません。要するに、この廃止に関する意見書の文面は、その廃止を主張する根拠が崩れております。
 そういう意味では、こういうものを皆さんは国の機関に持っていこうというふうに考えているようですけれども、極めて懸念すべきことであります。そういう意味で、この意見書は取り下げるべきではないかと、このことを質問をいたします。
 そして、2点目の再質問。
 対案を示すことなく、ただ旧来の制度に戻せ、改めて議論をスタートさせましょう。こういうことは無責任以外の何物でもない。各医療機関が平成11年度、何度も指摘されているように、拠出金をもうこれ以上負担できない、不払いをする。そこでにっちもさっちもいかないということでこの老人医療制度の改革を全国民でやろうとこういうことで平成11年、不払い運動があったんです。そういうことをもとに戻して今から議論しましょうと、のんきなことをおっしゃるんじゃないです。そういう意味では、高齢者医療を放棄することにつながる。これほどの無責任な結果を招く皆さんの提案というのは、極めて不可解、無責任、どのように対応するかいま一度御答弁ください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時7分休憩
   午後5時10分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 比嘉京子さん。
   〔比嘉京子さん登壇〕
○比嘉 京子 金城勉議員の再質問にお答えいたします。
 まず、保険手帳を取り上げるということは本当にあるのかという質問がありましたけれども、この制度はこの4月から始まっております。ですからまだ1年たっておりません。そのために事例がございません。これが1つでございます。制度自体はあります。制度自体はありますので起こり得る可能性を秘めているということは事実ではないでしょうか。国保等においてもそのことはなされております。ですから、手帳のない方々が大勢今おられます。
 次に、診療報酬についてですけれども、従来独立して行うという診療報酬、包括的というのに皆さんの意見は違うんじゃないのという見解がございました。
 まず、今回の私たちの文厚委員会におきましても質疑等で当局も示しておりましたように、ここに今、日本医師会の2008年7月2日の定例記者会見がございます。ここの中に、「診療報酬の包括払いの促進」、これは「資源の集中、医療機関の選別・淘汰」、「後期高齢者の心身の特性に応じた診療報酬の創設」、「高齢者の受診抑制へつながる可能性」、このことを指摘しております。まだ制度は始まったばかりでありますが、自由に診療は受けられる、包括で一定の中にくくられるという考えは6000円という中でありますが、それ以上超えていくと自己負担ばかり超えていくということになっていきます。
 では、少子・高齢について対案をなくしてという御質問がございました。
 この皆保険制度、私たちはなぜ廃止なのかという議論をしています。今、見直し論をおっしゃっておられますけれども、まず1つには、皆保険制度ということそのものから皆さんの見直し論は当てはまらないと言わざるを得ません。これはなぜならば、すべての人に必要な医療を保険で賄うということが皆保険の根幹であります。負担は能力に応じて払い、給付は平等にという応能負担、このことが皆保険制度の原点ではないでしょうか。そこに立ち返ることこそ今求められているので……。
 さて、今おっしゃっておられますその制度について、見直しで十分であるというお話がありました。制度の骨格は間違っていない、だから見直しをしていくんだというお話でありますが、皆さん御自身が見直しを一つ一つ挙げておられるところ自体から、私はその制度の問題点を露呈していると言わざるを得ません。そこを皆さん自身が認めておられると言わざるを得ないのであります。
 さて、皆さん方の元閣僚でありました後期高齢、塩じいこと塩川正十郎氏、4月17日付の産経において、「後期高齢者医療制度は財政上の都合ばかり優先され、人間味が欠けている。」と、皆さんの内部の方がこういう指摘をされておられるということであります。
 さて、なぜこの後期高齢者医療制度は撤廃なのか、廃止なのかということでありますが、そもそも皆さんがこの厚労省内部においての議事録をお読みになれば十分おわかりになると思います。まず、それをつくりました、いわゆる国民健康保険課長補佐・土佐和男氏、この方の発言が非常に今、取りざたされておりますが、そもそも医療費が際限なく上がっていく痛みを後期高齢者みずからが感じ取っていただくことにしたと。この制度の中の骨格をなしているところに医療費のいわゆる計画的な調整が入っているわけですから、健康で長生きをするということよりも財政の負担をどうするかということが優先された、この制度は本当に国民をどう考えているのかと、国家の姿勢を問わざるを得ない制度であります。だからこそ2カ月足らずの間にこれだけの意見が噴出をして、そして都道府県における廃止・中止の提案がされている。そういうことを皆さんはどうお考えでしょうか。
 3月末の時点で市町村において530、540、現在わかりませんが、3月時点で13の都道府県における廃止が決議されております。そういうことを踏まえますと、やはりこれはもう見直しを一個一個声を出していくことではなく、根幹そのものから私たちは見直していく大議論を求めていきたい。それが民主主義の政策の決定のルートではないでしょうか。いわゆるこの制度の議論をしていくと、撤廃を求めた暁にそういうことをやっていく。そのためには私は、何と言っても国の今までの無駄遣いを改めること、そしてこれまでの多くの県民・国民の皆さんが感じ取っている年金問題等を含め、そしていわゆる官僚たちのさまざまな不祥事、そして無駄遣い、それをまず直していく。その上に消費税、それから今まで私たちが10数年も払ってきた消費税の問題も本当に大企業、それから法人税の三法によって153億円、3兆円、同じくらいの金額がそこに穴埋めをされている。そういうような実態こそ私たちの税金が本当に私たちに返ってくる制度であるためにも、今回の制度は撤廃を求めていく以外にないと申し上げて終わりたいと思います。
○議長(髙嶺善伸) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、議員提出議案第5号の提出者から提案理由の説明を求めます。
 照屋守之君。
   ――――――――――――――
   〔議員提出議案第5号 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔照屋守之君登壇〕
○照屋 守之 ただいま議題となりました議員提出議案第5号「後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書」について、提出者を代表して提案理由の説明をさせていただきます。
 提案理由。
 平成18年6月に成立した医療制度改革関連法に基づき、4月から75歳以上の高齢者を対象にした後期高齢者医療制度が実施された。同制度は、国の法律制定をもとに県を初め市町村の条例が制定されなければスタートはできないことになっております。このことから、沖縄県を初め41市町村は、県知事及び市町村長が条例をつくり議会に提案されました。それを受けて県議会及び41市町村議会は後期高齢者医療制度に関する条例がそれぞれの議会で十分審査を行い、すべての議会で後期高齢者医療制度を認めた上で条例を可決し、4月1日からスタートしたことになっております。
 このことは、県議会も市町村議会も後期高齢者医療制度について大きな責任を負ったことになるわけであります。
 沖縄県議会においても、平成19年3月に「後期高齢者医療制度の充実を求める陳情」に対し文教厚生委員会で執行部の説明を受け、同時にこの制度の問題点も明らかにされてきました。そして3月27日の本会議で全会一致で可決されて、厚生労働省を初め関係省庁へ意見書が送付され、沖縄県議会の意思を明確にしてきました。沖縄県議会の意思は廃止ではなく充実を求める、つまりこのことは現制度・仕組みを認めた上で充実を求める内容であります。
 先ほど申し上げましたけれども、この制度についてことしの3月に41市町村が制度導入の議会議決を行っているわけでありますけれども、今回の県議選の改選において市町村議員から県議に当選された議員が約10名おりますけれども、平成20年3月の市町村議会で後期高齢者医療制度の条例に賛成して県議選に当選された議員が数名おります。議会における権限は大変大きなものがあり、地方自治法第96条に権限と責任が明確に示されているわけでございます。その権限によって県議会も市町村議会も意思決定をし、後期高齢者医療制度が全県下でスタートしたことになるわけであります。
 この一連の県議会の動きや各市町村の制度導入に関する取り組みを振り返りますと、特に議会においては地方自治法第96条の議会の権限・責任、あるいは議会における地方自治法の法律を定めを検証した場合に、沖縄県議会や市町村議会の対応が甘かったと言わざるを得ません。ですから、この制度は廃止ではなくて見直しを求めることが私どものとるべき態度だと考えているわけでございます。このような対立する意見書を提出する県議会は一体全体、全国どこにあるでしょうか。
 平成19年に後期高齢者医療制度を認めた上で充実を求める意見書、平成20年の3月には賛成多数によって後期医療制度を沖縄県議会で可決した、その事実。そしてまた、選挙が終わった後に市民・県民から評判の悪いこの後期医療制度の廃止。どう考えてもこの沖縄県議会がそれに対して三様の意思決定をこれだけの短期間にできるとは非常に疑問があるわけであります。ましてや提案者もこれまでの県議会の中で認めてきた議員と、市町村議員としてそれぞれの後期医療制度を市町村の条例を通して認めてきた議員であることから、果たしてこの廃止の意見書・決議が国に対してどのような影響を与えるものか非常に疑問に思えてならないわけであります。
 そのようなことを踏まえましても、今この制度が発足して国もいろいろな見直し策を行っているわけでありますけれども、私どもはさらに後期高齢者医療制度の周知を国民に徹底すると同時に、低所得者層への配慮、あるいは保険料の軽減、さらに係る事項について市民、県民、国民の負担軽減について強く見直しを求めることが提案理由でございます。
 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時26分休憩
   午後5時26分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○照屋 守之 意見書を読み上げて提案といたします。
   〔後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書朗読〕
 以上で説明を終わります。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入ります。
 本案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 なお、質疑の回数は2回までといたします。
 渡久地 修君。
   〔渡久地 修君登壇〕
○渡久地 修 日本共産党の渡久地修でございます。
 私は、ただいま議題となっております議員提出議案第5号「後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書」案について質疑いたします。
 私たち日本共産党は、さきの県議選挙で後期高齢者医療制度はお年寄りいじめの制度であり、現代版「うば捨て山」であると批判し、廃止すべきであると県民に訴えてきました。
 廃止を願う県民の皆さんの御支持は日本共産党へお寄せくださいと訴え、3議席から5議席へと議席をふやしました。
 さらに、廃止を訴えた野党が与党を上回るという結果も出ました。県民の意思は廃止せよと明確にあらわれていると思います。
 そして選挙中、立候補予定者アンケート、これによりますと野党以外の皆さんも、その中で日本沖縄復興に頑張った高齢者を大事にすべきだ、こう答えた人もいます。高齢者に対する負担が大き過ぎる。さらには戦後復興を支えた方への配慮、畏敬の念が感じられない、県民は混乱している、いま一度考えるべきではないか、これが与党の皆さんの選挙中のアンケートにも新聞で発表されています。
 また、この後期高齢者医療制度については、各種世論調査でも国民の意思は廃止すべきだというのが明確になっています。毎日新聞、世論調査6月16日付では、「後期高齢者医療 「見直し」でも不満」という見出しをつけて報道していますが、その中では野党4党は後期高齢者医療制度は廃止し、もとの老人保健制度に戻す法案を提出しましたが、与党は反対しています。老人保健制度に戻すことに賛成ですか、反対ですかという質問に対して、賛成56%、反対30%、圧倒的多数で廃止を求めています。
 ところが、今、この後期高齢者医療制度について、県民の明確なこのような審判、意思にも背くかのように、廃止ではなくあくまでも制度の存続の立場からの見直しの意見書が出されています。
 提出者は、県民に説明をすれば十分理解されるといったようなことを言っています。私は、これは制度の根本から間違っていると思います。そして県民は、この制度の根本のねらいを、本質を見抜いて審判を明確に下したと思います。これは新聞紙上でも投書、県民の連鎖の声がたくさん載っています。
 例えば、69歳南城市の方は、4月から後期高齢者医療制度がスタートした。総理はいい制度ですと称賛し、名称も急遽変更して国民の理解を得ようとした。ところが、内容が明らかになり保険料が年金から天引きされると、年寄りからは、年寄りは死ねということかとか、平成のうば捨て山だという批判が続出した。いい制度なら実施直前に保険料徴収を短期間凍結するなどの必要はない。そしてこの制度の該当者は、沖縄戦のときは国策の犠牲になった世代で、戦後は廃墟の中から沖縄を再建した。多くが戦災と生活苦で進学をあきらめ、恵まれない生活を強いられた。老後も年金で細々と生活している。再び国策で戦争犠牲世代を犠牲にするのがこの医療制度だ。こう言って投書を載せて、このような投書がたくさん載っています。
 私は、そのような立場から、この制度は見直しではなく廃止すべきだという立場から、以下、質問をいたします。
 1、6月8日投票の県議選挙は、後期高齢者医療制度も大きな争点となりました。これは与党の皆さんも認めています。この選挙の中で、この制度の廃止を訴えた野党が多数となりました。これは、「高期高齢者医療制度は廃止せよとの明確な県民の審判だと受けとめるべきだと思うがどうか、質問します。
 2点目、提出者はこの意見書の中で、この制度は、「特に医療ニーズの高い75歳以上の高齢者医療を国民全体で支える仕組みとして、将来にわたって高齢者が安心して医療が受けられる体制」と称賛しています。それなのになぜ見直しの意見書を出すのですか。みずからこの制度の欠陥を認めたものではないか、お答えください。
 3つ、この制度は実施前から国民の厳しい批判にさらされ、昨年の参院選で与党が大敗したことを受けて、福田内閣は、4月の実施前に一部凍結を余儀なくされました。それにもかかわらず国民の怒りと批判はおさまらず、実施からわずか2カ月半で再び見直しを決めました。それでも国民の怒りはおさまるどころかさらに高まっています。そして今回、提出者はさらに見直しを求めています。もうそのこと自体この制度の矛盾を示しています。一体何回見直しすればいいのか。この制度は廃止して一から出直さない限り矛盾は解決しないのではないか、お答えください。
 4つ、この制度の根本である高齢者を年齢で差別すること自体間違っているのではないか、明確にお答えください。
 5つ、今のお年寄りの皆さんは、あの悲惨な戦争の惨禍をくぐり抜け、肉親などを失った深い痛手を背負いながら戦後の米軍占領の中でも苦労を重ね、今日の沖縄の発展を築いてこられた方々です。このお年寄りの皆さんを邪魔者扱いしいじめることは許せません。お年寄りの皆さんが長生きしてよかったといえる社会を築くのが政治の大きな役割ではないでしょうか。
 6番目、1973年から1983年までは75歳以上の高齢者の医療費は無料でした。長い間苦労してきたお年寄りの皆さんに御苦労さまでしたと言って、医療費を無料にしてあげるのが本来の政治のあるべき姿ではないか。
 7、今この制度について、後期高齢者は死ねということなのか、冷酷な仕打ち、邪魔者扱い、銭勘定だけで人間の尊厳を認めていない。至急もとに戻して新しくもう一度考え直せとの怒りの声が広がっています。国民、県民の世論の声を聞くべきではないか。
 8、なぜこの制度は国民を75歳で区切っているのか、明確にお答えください。
 9、75歳になったら今まで加入していた保険から切り離されて、新たな後期高齢医療保険に加入させられるが、この見直し意見書ではそれはどのように解消されるのか。
 10、この制度では75歳になった途端に今まで家族の扶養に入っていて保険料を支払わなくてもよかった方も、寝たきりのお年寄りの方も、100歳の長寿の方も、全員が保険料を取られるが、この見直しの意見書でこれはなくなるのか。
 11、この制度では沖縄は無年金者が多いが、無年金者や収入のない人からも保険料を取り続ける制度になっているが、この見直しの意見書でこれはなくなるのか。
 12、これまでの国民健康保険法では、老人保健法の適用を受けていたお年寄りから医療保険手帳を取り上げることは禁止されていました。それはなぜか。今度の制度では、保険料を滞納すると医療保険手帳が取り上げられるが、それはなぜか。この見直しの意見書では、医療保険手帳の取り上げはなくなるのか。
 13、この制度によって75歳以上のお年寄りは医療費に枠がはめられ、それを超えると治療に制限が加えられるが、見直し案ではこのことについて触れていないがどうなるのか。
 14、これまでは75歳以上のお年寄りも健康診断の対象だったが、この制度は75歳以上の方は特定健診などの健康診断から除外されました。お年寄りはいずれ死ぬのだから必要ないという立場に立っているのか。この見直し案でも触れていないが、同じ立場なのかお答えください。
 この制度では、亡くなった場合の葬祭費が今までの国保などの葬祭費と比較して少なくなる自治体もあるが、この見直し案ではこれは解消されるのか。
 16、この制度は、高齢者の比率が高まるにつれて、また医療技術の進歩によって医療費がふえるにつれ、高齢者の保険が自動的に上がる仕組みになっています。団塊の世代が高齢者となる2025年には保険料は2倍を超えてしまうが、この見直し案ではこの仕組みをなくすのか。
 17、医療制度改革は際限なく国民から医療を奪い、医療費抑制をねらったものであり、後期高齢者医療制度も医療費を抑えていくのが一番のねらいとなっています。米軍再編への3兆円、米軍への思いやり予算の約2100億円、さらに大企業への行き過ぎた減税をもとに戻し、また、無駄な高速道路などをつくり続ける道路特定財源などをやめ、福祉などにも使えるようにすれば財源は確保できます。
 後期高齢者医療制度は見直しではなく、きっぱりと廃止すべきです。
 以上、17点質問しましたが、ぜひ答弁よろしくお願いします。
○照屋 守之 お答えをさせていただきます。
 まず1点目の、6月8日投票の県議選挙は、後期高齢者医療制度も大きな争点となった。この制度の廃止を訴えた野党が多数となったが、これは後期高齢者医療制度は廃止せよとの明確な県民の判断だと受けとめるべきと思うがどうかについてでございます。
 今回の県議会議員選挙は、改選時における48名のそれぞれの地域から県議会議員を選ぶ選挙であります。後期高齢者医療制度というのは、国の仕組みでありまして、本来争点とはなっておりません。ただ、タイミングが国がやった仕組みがそういう選挙と相絡まって、ここに当選してきた人たちも3月の市町村議会では何の問題もなく後期医療制度を通したんじゃありませんか。それからすると、選挙の争点ではなくて、今の国政とかそういうふうな流れも含めて県民の不満がそういう投票行動になった可能性はあります。争点ではございません。ですから、後期高齢者医療制度が県民から審判を受けたということは全くございません。単なる説明不足、我々議員の説明不足がそういう原因をつくっているわけであります。
 この意見書では、この制度は特に医療ニーズの高い75歳以上の高齢者医療を国民全体で支える仕組みとして、将来にわたって高齢者が安心して医療が受けられる体制と称賛している。それなのになぜ見直しの意見書を出すのか、みずからこの制度の欠陥を認めたものではないかという問いかけでございます。
 今、75歳以上の高齢者の人口が全国で1300万人、2025年に2200万人、2005年の国民医療費が33兆円、75歳以上にかかる医療費が10兆円。この2025年には国民の総医療が56兆円、その約半数が75歳以上になるというそういう予測がされているわけであります。1人当たりの医療費は65歳未満と比べても約5倍、75歳以上はそれだけ医療費がかかる。
 そういうふうなことも含めて、この仕組みではこれまでのやり方では若い働く世代にしか負担がかけられない。11兆かかっている保険料の6.3兆円余りを若い世代に負担をかけて、なおかつ公費で負担をしてというこの仕組みが崩れるというわけですよ。これではもたない。だから若い世代もお年寄りに対する医療費を支払いしませんよというふうなことが起きて、これまでのそういう仕組み、もちろん国も都道府県も責任を負います。これまでのように若い人たちも責任を負いますというふうな仕組みを10数年にわたってつくってきたわけですよ。それが共産党は参加をしていないからそういう批判が言えるわけですけれども、ほかの政党も一緒になってつくってきたんですよ。社民党、民主党も一緒ですよ、責任感じてくださいよ。
 そういうふうにいろいろ議論をした結果、平成12年に後期高齢者医療制度の仕組みという枠組みができていくわけです。国と市町村、県で医療費の5割を持ちましょう。これまでの若い働く世代も4割にしましょう。ただし、大変申しわけございませんけれども、これまで医療費を支払っていないお年寄りに対しても何とか御負担をお願いできませんか、この1割分についてお願いできませんかというのがこの後期医療制度の仕組みの全体像であります。何もお年寄りいじめをしているわけじゃない。若い世代の負担も軽くして、国の負担も上げているのにそういうふうな仕組みをやろうというふうなことであります。
 平成14年にいきなり75歳という位置づけですけれども、平成14年に新たなこういう仕組みがつくられていきます。そのときにこれまで年齢を70歳までの老人医療費を1歳ずつ上げて、平成19年までには75歳にしましょうというその仕組みまでつくられたわけであります。ですから一気に70歳から75歳じゃない。その辺の緩和策も含めて、そういうふうに出てきたわけであります。
 ですから、この制度はこういうふうな経過を経て想定をしてつくったものですから、我々が今、見直しの意見書を出しているのは、この仕組み全体ではなくて、保険者が、お年寄りが負担をするこの1割についてもっと軽減をしてもらえませんか。この仕組みそのもの自体が国民に受け入れられるためには、この国民の老人の負担分をもっともっと削られませんか。その徴収方法についてもいろいろ考えられませんかというものを見直し案として提案をしているわけであります。ですから、この制度を認めた上で新たな見直し策を提案をしているということであります。
 もう一つは、この制度は2カ月半で見直し見直しとかというふうな御指摘がございましたけれども、この制度は10数年かけて国民的議論、共産党を除いて、政党も含めて議論を交わしてまいりました。ところが平成12年以降はどういうわけか社民党も民主党も逃げていくんですね、逃げていく、対案を示さずに。もちろん共産党は最初から逃げていますからね、それはいいわけですけれども。そういうふうな国民的な議論を通して、政党の支持母体である連合の組合の方々も国民的議論を含めて10数年にわたって一つ一つ細かく詰めてきているわけですね。
それで実施をすることになりましたけれども、やっぱり新たな仕組みですから、国民に対するいろんな説明不足もあって、それが定着するためには、さまざまな疑問とかそういう問題提起が出てくるわけであります。当然であります、新しい仕組みですから。10兆円以上のこういう老人医療費をこういう仕組みで賄っているものを新たな仕組みに変えて、お年寄りに対しても負担をお願いして、それでも若い世代も国も一緒に支えていこうという仕組みですからね。いろんなそういう問題点は出てきますから。当然のことながら、そういう見直しをして10数年以上にわたってきたこの老人医療制度、国民皆保険制度を今後とも続けていくというのが我々が国民に果たす責任じゃないですか。私はそう思っていますよ。
 ですから、そういうことも含めてこれまで長年にわたって継続してやってきたそのことが今見直しをするという何ら矛盾は感じなくて、逆にまた、いい制度として国民に定着をしていくための一つのステップだと思っていますから、そういうのはごく当然のことではないでしょうか。
 さらに、この制度の根本である高齢者の年齢と差別すること自体間違っているのではないかという御指摘がございますけれども、実は私ども日本では、昭和48年に70歳という年齢の枠を区切って老人医療制度をスタートさせました。これはそのときに70歳という枠をつくったわけであります。(「無料でだよ」と呼ぶ者あり) そうです、無料です。当然です。だんだんお年寄りがふえていく。お年寄りがふえていって老人医療費が上がっていく、支える若い世代も少なくなっていくというふうなことで国民健康保険法が、また法律が改正をされて自己負担とかいろんなものが出てくるわけでありますね。当然そういうふうな医療費とかも含めた形で、先ほどの年齢制限、当時は国民が支える、あるいは国も財力があるわけですから、その分を支えていくだけの体力もあるし無料でもいいわけですよ、それが70歳。ところがこういうふうな形で共産党は軍事費を減らせというふうなことで言うわけですけれども、いろんな道路もすべて教育も福祉もいろんな面で40数兆円しかない自己財源の中で80兆円余りの一般会計予算をつくって、借金の中でいろいろ組んでいる国家財政、そのような厳しい状況の中でそういうふうなことも対応していかないといけない。ですから当然、年齢を区切ってのそういう老人医療費、これはやむを得ない措置であると考えているわけでございますけれども、先ほど言いましたように、75歳以上という年齢は特に国民医療費が2005年、33兆円、お年寄り75歳以上が2025年には56兆円にもなってその国民医療費の約半分、28兆円にもなるという予測がされているわけですから、当然、国はそのことに対して老人医療費が賄えるような仕組みをつくっていくのが当然であるわけでございます。
 そういうことも含めて、先ほど質問者からありましたような答弁にかえたいと思うわけでありますけれども、なぜ75歳以上が対象ですかと。
 先ほど言いましたように、老人医療費もそうですけれども、75歳を過ぎていくと食習慣や生活習慣に起因する慢性疾患などのリスクも高まる、増大するリスクを社会保険の原理だけでカバーするのは限界がある。そこで、国、地方、自治体の税金と、現役で働く層が拠出する負担金で医療給付費の90%を賄い、残り10%は高齢者みずから保険料として負担をしていく。膨張が避けられない医療費を各世代がどう分割をしていくか、その長年にわたり研究、考慮した結果がこの成果だと言えるわけでございます。御理解をお願いいたします。
○金城  勉 5番目以降については私の方からお答えを申し上げます。
 5番目については、お年寄りいじめではないかということについてですけれども、お年寄りを大事にしたいからつくった制度であります。 
 私、先ほども申し上げましたように、従来の制度が破綻寸前に至った、改革が迫られている、お年寄りの医療を守らなきゃいかぬ、そういう前提に立って10年間の議論を踏まえてスタートした制度であって、お年寄りを大事にしたいから改革をしなきゃいけないということであります。
 次、6点目、58年までは無料であった高齢者の医療費は無料にすべきではないか。
 共産党政権になったら実現するかもしれませんけれども、確かなる野党という万年野党であればかないません。これは具体的に高齢者がふえ、働き手が減り、医療費が高騰するこの仕組みは制度の問題ではなく、人口構成の問題なんです。ですから、そういうことで無料にすることは極めて困難であります。
 7番目、制度への怒りが広がっているが、声を聞くべきではないかということでありますが、これは制度への怒りというのは私も理解いたしております。ただ、なぜかと言うと、やはり先ほど照屋議員から説明があったように、説明不足がまず第一。そして、その制度が国民に説明される前に政局絡みでいろんなことが言われた。マスコミがそれをさらに膨らませた。こういう結果が誤解に誤解を重ねたことにつながっていくわけでございます。
 直近の日本テレビの世論調査、先ほど嶺井議員も紹介されておりましたけれども、6月下旬に行われた世論調査の結果を見ますと、これがだんだんだんだん理解が広がってきて、廃止が38%、見直しが55%というふうにだんだんだんだんこの制度に対する理解は広がってきております。さらに、このことを理解を求めるように説明を詳しく丁寧にしておけば、これは定着していくんではないかと思います。
 8番目は先ほどの4番と同じ趣旨でありますから、割愛します。
 9番目、75歳になったから加入保険から切り離されていく、見直し案でこれは解消されるかということですけれども、非常に皮肉っぽいですね。
 75歳以上の方々の医療負担を10割の医療を1割の負担で済ませるというこういう制度を目指してこの制度はつくられているわけでありまして、そういうことで年齢の制限というのは、先ほども話があったように、後期高齢者医療制度から新しく取り入れられた制度ではなく、従来から一定の年齢を区切りにして、そして医療制度というものはつくられてきた。事改めて今に始まったことではありません。今後もやはりそういうお年寄りの医療というものを大事にしながら、しっかり守りながらやっていく。また、見直しの意見書ということですけれども、そういう趣旨を持って意見書は検討しております。
 次に、家族の扶養の方から保険料を徴収することについて。
 これは先ほどの私の質疑の中でも申し上げましたけれども、やはり国保に加入していた方々と被扶養者の方々とでは、その同じ給付を受けながらも負担にはやはり不公平があった。そういうことが見直しされるのであれば、理解をいただけるのではないかと思います。
 次11点、沖縄には無年金者が多い。その保険料のことについてはどうかということですけれども、やはりそういう低所得者、所得のない方についてはやはり配慮が必要であるということは共通の認識にあります。そういうことで保険料の軽減策も今回の提案で今までは2割、5割、7割があったのをさらに9割軽減まで広げなさいという要請をしてそれが与党政府で確認をされております。
 さらに、評価についても世帯単位の評価から個人単位の評価にしてくれということもあわせて要請しており、そうすることによってさらに軽減策が拡大されると思っております。
 次に12点目、これまでの国保、要するに医療保険手帳の取り上げをするのかということについてですけれども、先ほども私申し上げました。取り上げることはありません。
 これについてはしっかり納めていただく方と、それぞれの市町村の窓口でしっかりと相談をしながら、そして万やむを得ないときには短期証を発行して、そしてその方の事情を配慮しながら納めていただける努力を続ける。取り上げることはありません。ただし、納める能力がありながら納めないという方については、やむを得ずそういう措置をとる場合もあり得ます。
 13番、この制度によって75歳以上のお年寄りは医療費の枠がはめられて制限が加えられるんではないかということについても、このことはそういうことはありません。
 出来高払いと包括払いのところで触れました。これは包括払いだけですべてが制限されるということは一切ありません。包括払いと出来高払いというのは併用できます。そして医療機関も自分が自由に選択できます。そういうことでありますから、御心配いりません。
 次に、75歳以上の方は特定健診から外されたということですけれども、市町村の特定健診とは別に広域連合で同じ内容の健診の制度がスタートしておりますから、同じ内容の健診は75歳以上の方々も同じように受けられます。
 次に、亡くなった方の葬祭費についてですけれども、これは市町村がそれぞれ負担していたことですけれども、広域連合に移った場合、広域連合として新たにそういう制度をつくっておりまして、一律2万円というふうに設定しております。県内41市町村はその結果どうなるかと言いますと、従来その葬祭費を出していたところで2万円になることによってそのふえた自治体は20カ所あります。そして、その同額2万円の自治体というのは13カ所ありまして、2万円以上出していた自治体も8カ所あります。そういう意味では8カ所については2万円に下がってくるという現実があります。
 それから16番、この制度は高齢者の保険料が自動的に上がる仕組みになっているという指摘ですけれども、ここの点はそのとおりです。
 これは先ほども申し上げましたように、いわゆる高齢化が進んでいく、医療費が増大していく。一方で働き手は年々下がっていく。この人口の構成の中では、どういう制度をつくっても当然医療費は膨らんでいきます。そういう仕組みをつくって医療費が下がっていくという仕組みがあればお教えいただきたい、そういう制度はあり得ないと思っております。そういう意味で医療費の高騰というのは制度の問題ではなく、日本の人口構成の問題です。ですから、そういう意味でお互いに知恵を出し合ってみんなが支えていける老人医療のあり方というものをよりよいものにしていくためには、こういういわゆる与野党のぶつかり合いではなく、イデオロギーの衝突でもなく、そして選挙のときにそれを利用して政争の具にするということでもなく、謙虚に冷静に高齢者医療を健全に運営していくためにはどうするかというお互いの知恵を出す役割が出てくると思います。
 そして17番目、医療制度改革は医療費抑制をねらったものではないかということですけれども、医療費抑制をねらったものではありません。高齢者医療を守るためにどうするかということから議論は始まっております。1万円の治療を受けて1000円の負担で済む今の制度をどうして続けていけるか、そういうことをねらいとしてこの医療制度改革はなされているわけであります。そして、米軍問題やあるいはまた大企業への課税の問題、道路特定財源の問題など質問がありますけれども、これは別途議論すべきことであると考えます。
○渡久地 修 それでは何点かについて再質問したいと思います。
 質問の項目を述べながら、その質問の今の答弁を聞いた、そしてなぜ質問するのかということも含めて質問したいと思います。
 まず1点目ですけれども、提出者は後期高齢者医療制度を廃止せよと、これは代表質問、一般質問でも今度の選挙の大きな争点になったとみずから言ってたんですよね。今になって争点になってなかったと言ってますけれども、私は圧倒的な国民の声であるということを真摯に受けとめてほしいと思います。
 今度の議会に出された「「後期高齢者医療制度」の廃止を求める陳情」が出ていますね。この陳情は、沖縄県婦人連合会、沖縄県子ども会育成連絡協議会、沖縄県社会保障推進協議会、青春を語る会、沖縄県青年団協議会、沖縄の各界各層を束ねる団体の方々が連名で出しているんですよね。この重みをやはりしっかり受けとめていただく必要があるんじゃないかなと思います。
 答弁で説明不足だった、誤解があったと言っていましたね。特に7番目、私はこの制度について、後期高齢者は死ねということなのか、冷酷な仕打ち、邪魔者扱い、銭勘定だけで人間の尊厳を認めていない、至急もとに戻して新しくもう一度考え直せと。これについて答弁では、説明不足だった、誤解だったと言っていますけれども、これは共産党が言ったんじゃないんですよね。後期高齢者は死ねということなのか、これを言ったのは、元自民党総務会長の堀内光雄さん、「文藝春秋」の6月号、「「後期高齢者」は死ねというのか」という論文を発表しています。
 これにはこう書いています。
  この制度導入にあたり、厚生労働省は高齢者の医療費が増加し、現役世代に負担がかかり過ぎる
 という理由を挙げていますが、実は高齢者1人当たりの医療費は全く増えていず、むしろ減少さえ
 しています。いま老人医療費全体の額が増えると言っているのは高齢者の数が増えているというこ
 となのです。本来高齢者が増え長寿社会になることは喜ばしいことなのに、高齢者に逆に肩身の狭
 いような思いをさせた上に、老人医療費が増加しているという理由で、75歳以上を切り離して別の
 囲みに押し込めることで今の保険制度を維持しようとしているのです。この思想はまさに「姥捨て
 山」を作るものです。 高齢者の85%以上が受診や入院などの何らかの形で医療機関にかかってい
 ます。こうした病気のリスクの高い人達だけを集め、しかも毎年75歳になった人がどんどん入って
 くる中でこの制度を運用しようとしてもとても成り立っていかないでしょう。 また、この制度自
 体、もう保険とは言えません。そもそも保険というものは、若い人から高齢者までみんなが入り、
 リスクを共有し、助け合うものです。それなのに若い頃から長年保険料を払い続けてきた人が高齢
 者となって、いよいよ保険で面倒を見てもらうつもりでいたところ、ある日突然保険証を取り上げ
 られて「75歳以上の人は金がかかるから別の制度に入って下さい。金は国と現役世代でみます、高
 齢者自身も1割は持って下さい、そしてあとはこの中で高齢者だけで切り盛りしなさい」というこ
 とになってしまった。これまで日本の発展に貢献し、保険制度を支えてこられた方達に対してあま
 りに冷酷な仕打ちではないでしょうか。
ということを皆さん方の大長老が言っているんですよ。
 それから、銭勘定だけで人間の尊厳を認めていない。これは野中自民党元幹事長、「年金だけで食べている人から天引きするっていうのは、銭勘定だけで、人間としての尊厳を認めていない」、こう言ってますね。
 それから塩川正十郎さん、塩じい。
  東大阪市内の自宅に「後期高齢者医療制度」の通知が役所から郵送されてきた。私は昭和21年の
 復員後から60余年、86歳の今日まで無我夢中で働き、懸命に人生を歩んできたつもりだ。しかし、
 その紙切れは私の人生を否定するものでしかなかった。 世間や社会の「別枠」「邪魔者」になっ
 てしまったのか…。例えようのない寂しさ、悲しさに襲われた。新制度の対象とされた75歳以上の
 人々のだれもがそうであろう。先日も大阪から東京に向かう新幹線の中で見知らぬ高齢の男性から
 「わしらはもう死ねということですか」と涙目で訴えかけられた。私は「国が間違っとる」と返す
 のがやっとだった。
 それから、もとに戻せというのは、皆さんも知っているとおり中曽根康弘元総理大臣。「至急、これは元に戻して、新しくもう1度考え直す、そういう姿勢をハッキリ早くとる必要がありますね」ということで、TBSのテレビ対談で言っています。
 ですから、これはこの人たちも説明不足でこんな話をしているのか、誤解で言っているのか、その辺はきちんと答弁していただきたいと。
 そして参議院で廃止法案が可決されましたね、可決されました。やっぱり国民の声は廃止せよということだと思うんですがどうでしょうか。これに答えてください。
 それから2点目ですけれども、先ほど75歳の件、なぜ切り離すのかということを聞きましたけれども、これは今度の怒っている、先ほどの答弁を聞いていましたら、いろいろ小手先の見直しはありますけれども根本の見直しは皆さん方は何も言っていないですよね。根本は何も変わらない。75歳で切り離されるということも変わってないんですよ。
 一番今みんなが怒っているのは、なぜ75歳になったら切り離されるのかと。今まで75歳以上の方が自分の長男、あるいは家族の扶養に入っていたのに、75歳に切り離されて別枠になってしまったと。夫婦であっても夫婦別々にさせられたということでみんな怒っていますよね。これは、私は憲法の「法の下の平等」にも反するんじゃないかなと思うんです。憲法の13条には、すべての国民は個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、最大の尊重を必要とすると書かれていますね。14条では、すべての国民は法のもとに平等であって、人種、性別、社会的身分または門地によって政治的、経済的または社会的関係において差別されないということがあるんですけれども、私はこれは憲法の精神に反する差別じゃないかなと思うんですけれども、どうでしょうか。
 3点目、低所得者からも収入のない人からも全員から保険料を取り立てますね、全員から。免除制度は一切ないですね。軽減策、皆さん軽減やると言っている。今度の見直しでも軽減を配慮せよとか言ってます。しかしこの制度は2年ごとに保険料を見直して毎年毎年上がっていく。先ほどの答弁で、これは上がっていく仕組みだと、そう答弁しましたね。先ほど皆さんパネルを示しましたね。これはお年寄りの皆さんわずか1割ですよと、1割をお願いしているんですよと。制度の入り口ではここに入れておきながら、一たん始まるとこの1割は際限なく広がっていく。現在の約7万円から団塊の世代が75歳になるころには2倍にふえているという、厚生労働省をもとにした資料からの試算では2倍になるんですよ、16万円以上。これは、アメリカで今問題になっているサブプライムローン、最初は金利が安いといって誘い込んでおいて、後になってどんどんどんどん膨らんでいって取り返しのつかないことになった。これと全く一緒じゃないかなということで、そして全員から取るんですよ。これはたいへんな制度じゃないかなと思います。もう一度お願いします。
 4点目、保険料を支払えない人から手帳を取り上げる。取り上げないと言っていました。取り上げないんであれば、取り上げないということをちゃんと制度に書けばいいんですよ。これまでの制度ではお年寄りから保険手帳を取り上げることを禁止されていました。国民健康保険法第9条の3では、読み上げると条文だけになってしまうので、結局これでは、この国保法の第9条では資格証の返還を求めることができるということを書いたものなんですけれども、この中では、原子爆弾被爆者、原爆症にかかっている人、それと老人保健法の対象者、いわゆるお年寄りからはこれはやってはいけないと、除く規定で除いているんです。やってはいけませんよと明記されているんです。
 それはなぜか。これをやったら命にかかわるからなんです、生命に。だから除いていたんです。ところが、今度のものでは、これ皆さん見たことありますか、提案者の皆さん、これ。これは手帳ですね。後期高齢者医療保険手帳ですけれども、この裏には、「特別の事情がないのに納期限から1年経過しても保険料を滞納している場合、この証を返還していただきます。」ということをわざわざ決めたんです。これまでは取り上げることは禁止されていた。今度からは取り上げることを明記したんですよ。制度上取り上げることを決めたんですよ。だから先ほど取り上げませんと言っていましたけれども、制度上つくっちゃったんです、これまでなかったものから。これはこの見直し案でもこれは解消されないんじゃないか。これは明確にお答えいただきたいと思います。
 それから5点目、医療費に枠がはめられて制限されることはないと答弁していました。私たちが言うのは、診療報酬で差別が持ち込まれているんじゃないかということを言っているんです。後期高齢者診療料、一月6000円、1割負担の場合いわゆる600円の負担。これを超えると制限されるということで明確になっているんじゃないですか。それと、後期高齢者退院調整加算、これが出されました。これは退院が困難な要因があって今入院している高齢者に病院が退院支援計画をつくって退院させると、この病院に診療報酬としてお金が入る仕組みをつくったんですよね。病院から追い出す仕組みをつくってしまった。
 3つ目、後期高齢者終末期相談支援料、医師が回復困難な見込みと判断した人たち、これをもうどうするか、家族は迷いますね。そのときに病院が説得をして、私はもう望みません、点滴も要りません、心臓マッサージも要りませんとか、こういったことを文章に書かせると病院にお金が入る仕組みをつくったんですよ。これは本当に人間の尊厳についてどうなのかというのが問われる問題です。
 実は私、去年、自分の母親が亡くなりましたが、ちょうどこの場面に当たったんです。病院から終末期どうしますか、延命治療しますか、どうしますかと。家族でずっと1週間以上も議論してある一定の結論を出しました。ところが、いざ当日になるとまた意見が割れてなかなかうまくいかないんですよ。ですから、そういう家族の苦しみというのもあるんです。それをここでは、この政府の医療費を削減するための目的でそれを押しつけてくる。これはいかがなものかと。これは治療などの制限を加えるものじゃないかというふうに思います。
 6点目、葬祭費についてお伺いします。
 先ほど述べられましたが、今、那覇市は74歳以下のお年寄りが亡くなった場合、2万5000円葬祭料が出ます。沖縄市はたしか5万円ですね。今度、後期高齢者医療制度では、先ほど答弁があったように2万円なんですよ。那覇市では死んでも5000円差がつけられる。沖縄市では死んでも2万5000円の差がつけられる。こんなことがあってもいいのかと。これを皆さん方の見直し案ではどうするのかというのは何にも触れてない。これではよくないというふうに思います。
 そして、先ほどいろいろ皆さん方の答弁で、これは最後になりますけれども、やっぱり聞いていて一番感じるのは、医療費をどうやって削るのか、この視点だけから皆さん見ているんですよね。野中幹事長が言った銭勘定だけからやっている、帳じりをどうやって合わせるかなんですよ。お年寄り一人一人の立場に立ってない。これが私は今度の選挙の、お年寄りや国民の一番の怒りだったと思います。
 そういうことを指摘して質問にかえます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時25分休憩
   午後6時25分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 照屋守之君。
   〔照屋守之君登壇〕
○照屋 守之 再質問にお答えします。
 答弁漏れがあったら指摘してくださいね。
 先ほど自民党の長老中曽根さんとか、塩じいさんとかいろいろありましたけれども、説明不足ですね。この方々は、残念ながら現在の国民医療制度、老人医療制度を理解しておりません。申しわけございません。そういうことで現状を認識しない方々の発言で国民にもいろいろ不安を与えておりますけれども、まさにその実態をきっちりわかっていればあのような発言はなかったものだと思っております。
 今回の選挙でやはり争点で廃止をするべきだという老人連合会とか、あるいはPTAとかいろんな団体からそういうような声があるというふうなことも聞いて、実際にはそういう陳情も上がって採択をされているわけですけれども、まさにそのことが現在の老人医療費を取り巻く、あるいは国民医療を取り巻く行政も、我々議員も含めた説明不足じゃないかなと思うんですね。そういうふうなことによって新たな仕組みができたにもかかわらず、政党もそれにかかわりながら何らその説明もしない。経済団体、労働団体もそういうふうなことが一緒にかかわって国民的な合意を得てきたにもかかわらず外にも説明しないというふうなことも含めて、いろいろ起こっている問題に対してきちっと説明もしてないということがそういうふうな事態を招いて、たまたま選挙結果と相まって、そういうふうなことになってきたというふうな認識であります。
 75歳以上というものについては、先ほどからも年齢を仕切るのかということですけれども、昭和48年には70歳ということで日本の老人医療がスタートしました。これはそのとき70歳と仕切ってきたわけですね。あれは無料費です。根本的に一緒です、御苦労さま。あの精神は一緒です。ただ、財源がなかなか見つからないものだから、その苦肉の策としていろいろやってきたというのが実態ですよ。それは当然のことじゃないですか。ですから、そういうことも含めてこれから国民医療費がさらに高騰していく、医療費が上がっていく、負担する側は少ない、若い世代が少ない、国の財政もなかなかあてがうことができない。そういうことで10年間も10数年もどうした方がいいかともがいていろいろ議論をしてきたわけじゃないですか。ですから、そういうふうな結果を踏まえてその75歳という年齢を仕切って新たな仕組みをつくってこれからの老人医療制度、みんなで支えていくという仕組みを継続的にやっていこうというのがこの仕組みであります。
 先ほど憲法のもとの平等というふうなものがありましたけれども、当然であります。これはまさに当然。しかしながら、やはり憲法のもとに我々がみんな平等に扱うということになりますけれども、また一方では、地方自治法の中に住民としての意義とか権利、義務というのが発生するわけですよ。憲法と地方自治法という法律がある。その第10条には、「市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする。」、 第2項に、「住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う。」という項目があるわけであります。
 当然憲法は平等です。平等。等しい。ただ、この国家が成り立っていくためには、地方自治法できちっとそういう法律を決めて、必要な分担をお願いしますよ。分担できない人はあえて強いてまではやりませんよというのがこの法律の趣旨ですから。そういうふうなものにのっとってもやはりこの後期医療制度の仕組みというものはそれにかなっているというふうなことであります。
 いつまでも若い世代とかそういう世代に医療費負担させることができますか。若い人もあっぷあっぷして生活できませんよ、少子・高齢化の厳しい生活状況の中で。その中でどうするかというのがあって、先ほどから言っているように、10年以上も議論してつくってきたこの仕組みですよ。それを、じゃだめだ、廃止するという人たちは、それをあと10年も20年もかけてそういう仕組みがつくれますかという話ですよ。
 毎日、日本全国で400億円の老人医療費が使われております。1日400億ですよ、400億。きょうもあしたもあさってもそれがずっと、その医療費がずっとずっと毎日毎日400億、県内の医療機関あるいは国内の医療機関に支払いされているわけじゃないですか。それを勝手にそういう形で廃止廃止と唱えて、それがどうなるかもわからぬ、後は国が考えろ、我々の責任じゃない、それは国会で考えろというこんな無責任な論法では、やはり老人医療費とか国民皆保険制度というのは維持できないんですよ。皆様が御指摘のように、ただ反対、これは向こうがやる、我々は責任負えない、こんなことでは県民に対する責任を負えないじゃないですか。
 私どもは、そういう観点からこの抜本的な見直し、これまでも見直しをやってきたけれども、なおかつこの1割に対する負担を軽くするという見直しをこれから政府に突きつけていこうという、そういうことであります。
 以上で答弁を終わります。
○翁長 政俊 ただいまの件について私からもちょっと補足をいたしたいと思います。
 ただいま自民党の先輩、中曽根さん、塩川さん等々について、考え方、新聞や雑誌等で報じられていることが述べられておりましたけれども、考え方や理解の仕方にはそれぞれ差異があるものと思います。現在ではより理解が深まって、私どもと同じような考え方だと、このように理解をいたしております。
○金城  勉 では、渡久地議員の再質問にお答えをいたします。
 低所得者対策についてでありますけれども、低所得者対策については、先ほども説明しましたように、2割、5割、7割のそういう軽減策に対してさらに踏み込んでということで9割軽減、そのことによって26%の方々がこの9割の軽減対象になる、そういうことであります。
 医療費の増大を認めたけれども、その負担増をどうするかということですけれども、これはもう一緒に考えましょう。医療費が増大していくということは、これは間違いないことです。先ほどから何度も説明しておりますように、これは制度の問題ではなくて日本の人口構成の問題ですから。ですからそういう意味で高齢者医療をしっかりと守り支えていくためにこういう議論をして後期高齢者医療制度もスタートさせておりますから、軽減策はしっかりやりながら、制度はしっかり見直しもしながら続けていく。それで高齢者医療を守っていく、こういうこと。さらに、どうしようもない所得のない方等々低所得者の方々については、また別途生保などの制度も活用しながら対応していかなくてはならないと思います。
 そして次に、保険証の取り上げ云々についての質問でありますけれども、先ほども再三触れましたように、こういう保険証を取り上げる、資格証明書の発行ということはしない。能力のある人が納めないという人に限ってそれは適用されるべきである、こういうことで今回の要請事項にも載せてあります。
 それから診療料についての関連で、退院計画、病院の追い出しとか、終末期支援料の問題とかの指摘がありましたけれども、やはりそういうお互いの体というものは、やはりその治療の計画と、そしてその後は回復をさせてまた面倒を見る介護の仕組みとか、そういうものが連携することによってちゃんと最後の人生の総仕上げというものはできていくものというふうに思います。そういう意味では先ほどから何度も触れているように、包括制度だけではなくして、出来高払いも併用しながら、そしてその患者に見合った治療というものを提供しながら進めていく、こういうことははっきりしております。そして終末期の支援料についても今凍結されておりますけれども、これについても単に悪いことだけではなくして、これまでは病院の判断によっていろいろと終末期のケアをやってきたのを、ちゃんと家族にも説明をする責任を与える。そういう家族とのコミュニケーションの中で患者の手当てというものを進めていく、そういう意味ではやはり意義のあることでもあろうかというふうに思います。
 それから葬祭費の件については、那覇市や沖縄市あたりは2万円以上の高額の支払いを出しておりましたけれども、そういう意味では沖縄市民、那覇市民については少なくなったという声が出てくるかと思いますけれども、これは全県一律に公平な視点から見れば順当かなと思います。
 そして最後に、医療費の削減がねらいかということですけれども、これについても再三お答えしているように、削減がねらいではなくして、いかにして老人医療を守るかということがねらいであります。
○渡久地 修 議長。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時37分休憩
   午後6時38分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 金城 勉君。
   〔金城 勉君登壇〕
○金城  勉 制度の仕組みはそのようになっております。いわゆる公費5割負担、そして現役世代から4割負担、そして高齢者対象が1割負担。これは制度としてはそういうふうな基本になっております。しかし、その中でやはり能力に応じた軽減策というものも導入しておりますから、このことについては今後またいろいろと2年越しの見直しもありますから、議論をしながら手当てをしていかなきゃいけないと思います。
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 奥平一夫君。
   〔奥平一夫君登壇〕
○奥平 一夫 皆さん、こんばんは。
 それでは、議員提出議案第5号について質疑をしていきたいと思います。
 これまでの議論を聞いていましても、やはりまだ納得もいかないし、今度の後期高齢者医療制度というのはやはり廃止すべきだというふうな観点で私は質問をさせていただきますけれども、老人保健制度の理念については、国民の老後における健康の保持と適切な医療の確保を図るとなっておりますけれども、今回の後期高齢者医療制度は、健康の保持というのは削除されて医療費の適正化の推進というふうに変わっています。そういう意味では今度の後期高齢者医療制度の目的が非常にはっきりしているなというふうに私は思うわけでありまして、まさにそれは私にとっては医療費の抑制の推進としか理解できません。そもそもこの制度の成り立ちが医療費の抑制を大きな目的としていることは明白でありますので、この辺の観点に立って伺いたいと思っています。
 1番目に、そもそもこの制度がなぜ医療保険制度ではなくて医療制度であるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
 2番目に、先ほども質疑がありましたが、ちょっと重複しますけれども、この制度がなぜ75歳以上の高齢者を対象としたのか、その根拠を伺いたいと思います。
 さらに、お年寄りの皆さんが今度の後期高齢者医療制度で一番憤慨しているのが年金からの天引きでありますので、なぜ年金からの天引きなのか、その理由についてもお示しください。
 さらに、この保険料は今後どのように推移をしていくのか、その見通しについてもお伺いをしたいと思います。
 5番目に、傷病リスクの高い75歳以上の高齢者に加えて、65歳から74歳までの障害者までもほぼ強制的に加入をさせて医療制度を構成させるのは、高齢者保険料が地域の高齢者医療費とリンクする仕組みになっていて、保険料を上げ続けることが困難になれば、医療給付の制限抑制、さらには受診の抑制と向かわざるを得ないことになるのではないかと私は考えますけれども、そのことについて見解を伺いたい。
 6番目に、所得がなくても徴収する仕組みとなっています。均等割は負担能力に関係なく、所得がない人も、低所得の人にとっても、過酷であります。軽減ではなくて免除すべきではないでしょうか、その辺をお伺いしたいと思います。
 7番目に、給付を切り詰める差別医療ではないかということでお聞きしたいと思います。ほかの医療保険と別建ての定額制として診療報酬を引き下げ、受けられる医療に制限を設ける方向となっています。医療機関に対するフリーアクセスについても制限を設けています。これでは、医療内容の低下を招きかねないと思いますけれども、見解を伺います。
 8番目に、医療費を抑制ということであれば、治療だけではなくて、保健予防という観点に重きを置くべきだと考えます。しかしながら、広域連合が行う75歳以上の特定健診や特定保健指導は努力義務となっている。保健予防がおざなりになってしまうのではないかという危惧がありますが、それについてお答えください。
 9番目に、後期高齢者終末期相談支援料は、制度施行からわずか3カ月にも満たずに凍結をするという方針になりましたが、これについて見解を伺います。
 10番目に、医療と介護の一体的なサービス提供を打ち出しておりますけれども、医療で提供すべき内容を介護保険に移し、医療だけでは治療が完結できないという事態を生み出しています。介護保険もサービスの利用限度額が介護度によって上限設定をされ、受け皿となるべき療養病床も削減をされ、十分なサービスも受けられない人々がふえています。つまるところ、在宅での介護に誘導する仕組みになっているのではないか。医療費の削減は非常に困難であるけれども、介護保険で費用を抑え込もうというねらいがあるのではないかと私は考えますけれども、その辺についてお伺いをして再質問をしたいと思います。
○嶺井  光 奥平議員の質問にお答えいたします。
 まず1点目のア、医療保険制度ではなくなぜ医療制度なのかということです。
 この制度は、これまで老人保健制度の問題点を解決すべく長年にわたって多くの関係者が議論をして国民皆保険制度の将来にわたった維持を検討して進めてきました。高齢者の皆さんには、軽い負担で医療を受けてもらうというものがこの制度であります。名称は、後期高齢者医療制度となっておりますけれども、後期高齢者医療広域連合が保険者となっている社会保険方式であります。
 次にイの、75歳以上を対象とした理由。
 これは、2002年の老人保健制度の改正で段階的に75歳以上に持っていくということが決まりました。75歳以上の高齢者、これは他の世代に比べても病気にかかる割合も高く、それゆえみんなで支える必要がある。公費と拠出支援金で給付の9割を賄う、残る1割を保険料で負担する。高齢者を優遇したこういう保険はほかにはないというふうに考えております。
 次に、なぜ年金天引きなのか。
 これは市町村の要望も踏まえられていると言われております。高齢者が金融機関に行かなくても導入ができる方法、そういうことを喜んでいる方々も多くいると聞いております。ただ、今回の見直しで世帯主などの口座からも振りかえできるようなこういう制度も見直されるようであります。ところが、少ない年金から保険料を天引きされる、このことについては苦情のあるところでありますのでさらなる見直しを要求してまいります。
 次にエ、保険料は今後どのようになっていくのか。
 先ほどから議論にありますように、現在の医療費は年々増加の傾向にあります。国保であれ、健保であれ、後期高齢医療であれ、すべて保険料は上がっていく見込みであります。高齢者医療保険は、今後の医療費の伸び、所得等により決定されるわけであります。現役世代は人口が減少することで負担が大きくなることから、その負担を軽減するため、現役世代の人口減少の割合の2分の1を人口が増加する高齢者で負担していただく。今回の見直しの意見書では、高齢者の負担が将来とも過重にならないように今要請をしているところであります。
 そのほかの事項については、他の議員から答弁をいたします。
○翁長 政俊 奥平議員の質問にお答えをさせていただきます。
 私は、オから以下の答弁を申し上げます。
 保険料を上げ続けることが困難になれば、医療給付の抑制、受診抑制となるのではないのかという質問であります。
 今回の制度は、高齢者の医療を安定的に確保するため、国民全体で支えるものであります。医療給付の抑制や受診抑制をねらったものではありません。また、65歳から74歳までの障害者につきましては、強制加入ではなく、窓口での自己負担が1割になり、負担が軽くなることもメリットであります。なお、医療適正化における特定健診等の健康づくりは、これから高齢者になる若い世代を対象にいたしております。
 次に、カ、所得がない方は均等割を免除すべきではないかという質問であります。
 国民健康保険でも所得がない方の分は世帯主から徴収をいたしております。世帯主として所得があれば、公平性の観点から、負担が生じることはやむを得ないものと思っております。今回の後期高齢者医療制度の見直しで、世帯主などの口座振替ができるようになり、所得のない方に配慮をいたしております。また、今回の見直しで均等割は最大9割軽減になります。沖縄県の均等割額は年額4万8440円でありますので、9割軽減されると保険料は年額4844円、月額404円であります。国保の最大7割軽減に比べ、高齢者に配慮された軽減割合となるものと考えております。
 次、キ、給付を切り詰める差別医療、ほかの医療保険と別建てで、定額制、フリーアクセス制限で医療内容の低下を招くのではないのかという質問であります。
 今回の包括払いは、患者が同意した場合のみ適用されるが、かかりつけ医が患者それぞれの症状に応じて適切な医療を実施するとともに、他の医療機関と連帯をして日常相談を初め、入院や在宅医療などにおいても切れ目のない医療のサービスを提供するねらいとなっております。患者は、従来の出来高払いを選択することも可能であり、包括払いを選択した場合でも他の医療機関での受診は自由であり、また、かかりつけ医の変更も一切制限がございません。そもそも必要とする医療を医師が制限することは、医療法でできないことになっております。
 ク、75歳以上の保健予防がなおざりになっているのではないのか。
 75歳以上高齢者の健康診断は、後期高齢者医療広域連合で実施する、その他にも市町村が実施するがん検診や肝炎ウイルス検査の受診や健康相談も受けられることとなっております。
 ケ、後期高齢者終末期相談支援料の凍結についての見解であります。
 終末期相談支援料導入の目的は、終末期は納得のいく診療方針で残された日々を充実した形で過ごすことができるようにするためだということであります。終末期を考える会等では、当該支援料を支給している、訪れる死について医療の内容の説明をきちっとすべきということであります。今回の凍結を年齢を問わず、終末期の医療について考えていく機会とすべきだと考えております。これに対して、野党では批判だけで何らの対応策もないことこそ疑問であります。
 最後、コ、医療と介護の一体的なサービス提供とは介護保険で費用を抑え込むことではないのかという質問であります。
 医療と介護のサービス提供につきましては、高齢者の症状に応じて医療側と介護側の連携のもとに適切に行うことが重要であります。療養病床の再編は、介護の必要な方が入院する病床を介護保険施設へ転換していくものであり、サービス量は一切減少いたしません。高齢者の立場に立った対応であるものと考えております。
 以上が奥平議員に対しての答弁であります。
○奥平 一夫 それでは再質問したいと思うんですが、1番目、嶺井議員が答弁されたことで少しわからないんですけれども、なぜ医療制度であって医療保険制度ではないのかということなんですけれども、保険制度ではないということはお認めになりますか。
 もう一つ、保険制度でしたら、どういうふうにこの制度が変わっていくんでしょうか、教えてください。
 もう1点、2番目について、この後期高齢者医療制度のような年齢で区別をした医療制度というのは、ほかの国にもありますか、その辺お伺いしたいと思います。
 それから3番目についての再質問、高齢者の生活費を保障すべき年金から一律に天引きすることは生活費の非課税の原則に反すると思いますけれども、支払えない相談に応じる体制の確立が必要だと私は思います。そういう意味では、天引きはその保険者等の相談の機会を奪って生活困難を潜在化させてしまうというふうに私は考えますが、それについてどういうふうにお考えでしょうか。(「見直さぬといかんよ」と呼ぶ者あり) 廃止ですよ。
 それから、ここだと思うんですけれども、登録したかかりつけ医以外の医療機関への受診を断っている、ある程度制限をしているんですね。これは世界一の国民皆保険だと皆さんはおっしゃっているんですけれども、国民皆保険のかなめであります、いつでもだれでもどこでも、こういう原則というものを踏みにじることにはなりませんか、お伺いします。
 それから、8番目についての再質問、すべての高齢者が国や県、市町村の責任で健診を受診できるようにすべきだと思いますけれども、この辺についてもお伺いをします。
 それから、これから質問することについては、先ほど我々の答弁に立ちました比嘉さんが話していたことについて皆さんの見解をちょっとお伺いしたいと思います。
 厚生労働省の制度施行準備室室長補佐という、つまりこの制度の生みの親みたいな方で土佐和男さんという方が講演で発言したんですけれども、なぜ独立保険にしたのかは「医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自ら自分の感覚で感じ取っていただくことにした。」。若い人たちにも払ってもらうようにしたのは、「医療費が上がれば上がるほど保険料が上がる。助け合いや予防活動などで保険料が下がる。従って、誰のために保険料が上がったのか、誰が努力して保険料が下がったのかがはっきり見える形になった。」という発言があります。まさにこの後期高齢者医療制度の本質がこの辺にあらわれていると思うんですけれども、皆さんの御見解を伺いたいと思います。
 それから、独立した高齢者の医療制度をつくり出す必要はないと私は思いますけれども、この辺についても見解を伺います。
 もう一つ、公費の拡大によって制度の財源を安定させるべきだと思いますけれども、見解を伺います。
 もう一つ、保険料は応能割負担に比重を置くべきだと考えますがどうでしょうか。
 5番目、先ほどとちょっと重複するかもしれませんけれども、保険の原理というのは、だれでもいつでもどこでもが原則であります。診療報酬に格差を設けずにフリーアクセスに制限をせず実施した医療行為に対して、適正な診療報酬を認めるべきではないのかというふうに私は考えますけれども、見解を伺います。
 もう一つ、高齢者が安心して療養できる施設の整備を充実をさせ、施設か居宅かをどう選択するかは患者に任すべきであって、その選択権を奪うべきではないと考えるかどうか。
 最後になりますが、ある新聞の記事を読ませていただきます。75歳になったら国民健康保険から追い出して医療制度に囲い込むやり方に国民の怒りが高まっています。国庫負担を減らし、低所得者層に重い負担増を押しつけ、今後も保険料は大幅に上がってまいります。医療の制限にもつながる診療報酬制度と一体となっている発足間もなく見直しに次ぐ見直し、凍結するなど、つぎはぎだらけのこの制度、このような小手先の見直しではお年寄りの苦しみは決してなくならないと思います。一時的に保険料が下がったとしても2年ごとに保険料は自動的に上がることになっています。
 先ほど渡久地議員からも指摘されていましたように、厚労省の試算によりますと、団塊世代が加入するころには、今のおよそ2倍の保険料にはね上がるとしています。
 そういう意味では、高齢者を強制的に囲い込んで負担増と医療制限を迫るこの制度は、手直しで済む程度の問題ではなくて直ちに廃止すべきだと考えるが、御見解を伺います。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後7時1分休憩
   午後7時3分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 嶺井 光君。
   〔嶺井 光君登壇〕
○嶺井  光 再質問にお答えいたします。
 まず、アの保険制度でないことを認めるかと。
 保険制度だと言っているんですよ。要するに、「健康保険法等の一部を改正する法律附則」第2条第2項の規定に基づく基本方針では、後期高齢者医療制度について「個人の自立を基本とした社会連帯による相互扶助の仕組みである社会保険方式を維持する。」ということになっています。
 どう変わるかということについては、老人保健制度としてこれは医療をこれまで守ってきました。先ほども申し上げましたように、いろんな紆余曲折があって、議論があって、この後期高齢者医療制度のもとで高齢者の皆さんの医療をしっかり守っていこうと、軽い負担で受けてもらおうと、そういう制度に変わっていくこういうような認識であります。
 区切った国が外国にあるかということについては、承知しておりません。
 それと天引きについて、選択を奪っているという話がありました。先ほども答弁しましたが、今、見直しで選択はしっかりとれるようになっております。
 以上です。
○金城  勉 お答えを申し上げます。
 その医療に制限ありではないかという趣旨の質問ですけれども、これは何度もお答えしているように医療に制限はありません。包括制と出来高払いを併用してしっかり医療サービスをする、こういうことであります。
 それから、国、県、市町村それぞれの責任においてしっかり対応すべき。そのとおりです。市町村の特定健診、そして広域連合も同趣旨の内容のサービスをする。
 それから最初の質問にない部分については、割愛をします。
 それから75歳以上という区切りの独立性は必要ないのではないかということも、これも再三お答えをしております。そういう高齢者の方々の医療を守るために、そして国民がひとしくみんなで公平に支えていくためにつくった制度であります。
 そして公費負担を拡大すべきではないかということですけれども、これについては今後2年越しの検討の審議の中で議論されてまいります。やはり今後どういう制度であれ、高齢化社会、少子化、そして医療費の増加、こういう客観的な状況を踏まえたときに公費の拡大ということも含めて検討すべきであると思います。
 そして、応能割を重点に置くべきではないかということですけれども、そういうふうになっております。
 だれでもフリーアクセスを認めるべきではないか。これもそのようになっております。
 安心の設備、患者が選択できるようにすべきではないかということですけれども、医療から介護、地域、そういう流れの中でしっかりケアをしていく。こういう趣旨はちゃんと生きております。
 そして、75歳以上を追い出すことがないようにということで、見直しではだめ、廃止すべきだということですけれども、再三申し上げているように、骨格の部分においては間違ってない。ただ、そういう運用の面で改善すべき点はあるということで、今回の見直しの提案になっております。
 そして、今後膨らんでいくその医療費というものについての考え方については、今後大いに国民的な議論を展開していかなきゃいけないと思います。いわゆる高負担・高福祉を求めるのか、低負担・低福祉を求めるのか、それによって税制にもかかわってくるし、お互い国民的に大いに議論をしていかないと、いわゆる低負担・高福祉ということでは財政がもたないと思います。ですから、これは今後お互いに大いに国民的議論を啓発すべきだと思います。
○議長(髙嶺善伸) これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第4号及び第5号については、会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、両案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 これより討論に入ります。
 議員提出議案第4号及び第5号に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 仲村未央さん。
   〔仲村未央さん登壇〕
○仲村 未央 私は、社民・護憲ネットを代表し、議員提出議案第4号に対する賛成、同じく議員提出議案第5号に対する反対の立場から討論を行います。
 またもや社会保障費2200億円圧縮との国の方針がこのほど報じられました。高齢化に伴う医療費の増大、パートや派遣など非正規雇用の深刻な労働実態、貧困世帯の増加など、社会保障への要請が今日ほど求められることはない状況であるにもかかわらず、この間、社会保障費の抑制は7年間も続いてきました。2002年度の3000億円削減に始まり、2003年から2008年度の今年度までまさに毎年毎年2200億円ずつ削減目標が置かれ、それが医療、介護の現場で働く人たちを次々と疲弊させています。
 2009年、来年に向けこの社会保障費の抑制を続ける方向を示した政府方針に、日本医師会は去る7月2日、「社会保障費の機械的抑制を撤廃しない限り、すでに進んでいる「効率化」という名の下の医療崩壊には歯止めがかからない。」との見解を発表しました。そして、その抑制がもたらした問題点として、1つには、在院日数の削減、療養病床削減、医療難民、介護難民を生み出していること、2つには、後期高齢者に応じた診療報酬の創設が高齢者の受診抑制へつながる可能性があることなどを挙げています。その上で日本医師会は、「「地域医療崩壊阻止のための国民運動」の展開」を提起、来る24日には「「地域医療崩壊阻止のための総決起大会」を都内で開催し、社会保障費抑制の断固阻止を強力に訴える。」ことや、各県議会において社会保障費抑制に反対する意見書の採択へ向けて働きかけることなどの取り組みを発表しています。まさに医療現場の声です。
 そもそも今回導入された後期高齢者医療制度の仕組みは、高齢者医療をめぐる議論の当初からその問題点が指摘されてきました。高齢者を分離することは、今後の社会における理念や保険制度として妥当か、高齢者だけを分離するとリスクの集中という本来の保険原理が成り立たない、高齢者から新たに保険料を徴収することについて理解を得られるかなど、当時の資料には明解にこの仕組みが抱える問題点が浮き彫りになっています。4案あった医療制度の方式の中でも最も基本的な問題が指摘されたのがこのパターンです。
 しかし、2001年に小泉内閣が発足すると、この仕組みの基本的な問題を全く顧みることなく露骨な医療費抑制政策に大きくかじを切ります。老人医療費については、目標となる医療費の伸び率を設定し、その伸びを抑制するための新たな枠組みを構築するという文言が骨太の方針にまとめられ、医療費の問題が医療審議会ではなく経済財政諮問会議で論じられるようになります。その結果、医療費抑制は進んできました。
 そしてまさに今回の沖縄県老人クラブ連合会から本県議会に出された「「後期高齢者医療制度」の廃止を求める陳情」にあるとおり、高齢者への差別的な仕打ちとなってあらわれ、広く県民、国民のすさまじい怒りを買うところとなり、医療の現場に、県民の命と暮らしに深刻な影響を招きつつあります。
 陳情は、「医療費の節約のためとして、命と健康を年齢で差別するような国・政治に未来はない。戦前戦後の厳しい中を生き抜き、日本を支えてきた「高齢者」に対し、財源を理由に、痛みを押しつける制度は到底許されるものではない。 また、ヨーロッパなど「国民皆保険」が確立している国の中で、年齢で被保険者を切り離し、保険料や医療内容に格差をつけている国はない。」と述べています。まさにそのとおりです。
 複数の疾患を持つ方も少なくない75歳以上の方々の診療を1カ月に1回、600点の範囲内でとする包括診療のあり方、退院させたら900点、そしていずれ避けることのできない死を迎えることが後期高齢者の特徴だとし、終末期の延命治療はどこまでやりますかという調整をやった場合には、終末期相談支援料として200点がつく。国民の批判に耐えきれず、いかにも失礼な心ないこの終末期相談支援料は7月1日には凍結をされました。避けられない死を迎えることは何も75歳以上の年齢の方々だけの特徴では決してありません。
 さらには、今回の制度の導入に伴って75歳以上の方々の健康診断が自己負担になりました。公民館などで行われる集団検診の場で74歳以下の方は無料で診てもらえる。75歳以上の方にはお金を払ってもらう。そんなことが差別でなければ何でしょう。健康で長生きしてくださいと、本来なら最もいたわるべき年齢の方々の体の健康状態を診断することすら医療費抑制の対象となる。結局、県内では15の市町村がこれまでと同じように75歳以上の方も無料で診てもらえるよう、単独で予算を工面しています。どうして同じ健康診断で75歳以上の私たちだけお金を払うのかという質問にどう答えていいかわからない、なぜ75歳なのか説明できない、という嘆きが市町村、現場の職員から聞かれます。皆さんはもう国保じゃないからですという言葉を返せば、年寄りはもう健康じゃなくていい、長生きしない方がいいということかと言われると。
 以上述べたことは、意見書第5号の見直しに列挙する要請項目で解決することでは到底ありません。なぜ75歳なのかという答えにもなりません。
 特に、この見直しの意見書の要望の5点目に挙げられている、新たな措置の実施で生じる財政負担は、地方にも確実に及んでくるのがこの制度の隠れた中身、医療費抑制の本質であります。まず所得が低い方々への保険料軽減分についての公費の補てんは県4分の3、市町村4分の1の割合でのしかかってきます。低所得の方々の割合が多い県や市町村ほどその補てんに対する対応を求められます。
 さらに、医療費が適正ではないと判断された県には診療報酬の引き下げが待っています。県ごとに医療費抑制の計画をつくらされ、その結果が目標に達しない場合には県ごとに診療報酬を操作されることによって医療費を抑えるのです。ほかの県では1点10円の診療が、沖縄県では1.9円などとなった場合、医師の流出、全国との医療の格差、これはいよいよ避けられないものとなってきます。
 医療費抑制のためのペナルティー的性格を帯びた地方の負担はこれだけではありません。現役世代のメタボリック対策として特定健診が義務づけられましたが、その成果も同様に、思うような効果が上がらない県については、後期高齢者に対する現役世代の支援金が最大で10%引き上げられるということもあわせて示されています。じわりじわりと負担が地方へ、個人へと転嫁されてくる中、地方の医療崩壊は確実に現実味を帯びてきています。
 これは、結局医療費を総枠で抑制するという政策の中では必然的に起こり得ることであり、だからこそ見直しではなく廃止を求める必要があります。国がこれらの政策転換をしない限り国の対応は最初から限界があるのです。社民党は、今の保険財政を立て直すには将来の一元化に向けて保険者間のリスクを総合的に調整し、特に雇用対策を含めた社会保障政策の充実が求められていると考えています。
 毎年2200億円の抑制ありきではなく、ヨーロッパなどの先進国並みに社会保障に国の予算を投入することが必要です。年間5兆円にも及ぶ軍事費、米軍再編には3兆円、在日米軍駐留経費6000億円、我々県民にとってまさに実感を込めてこれが国民の妥当な負担かということを申し上げたい。
 さらには、大企業に対する法人税は軽減され続ける一方、3人に1人が非正規雇用、沖縄においては40%を超える。その雇用冷遇の中で差別的賃金体系の上での大企業減税は史上空前の純利益を上げる側をさらに優遇するものであると言わざるを得ません。財源がないと危機感をあおり立てる一方でその財源をとるべきところから求めない政府の姿勢は追及されるべきです。
 我々の意見書第4号が求めるように、後期高齢者医療制度を廃止し、ぜひとも国におかれては社会保障政策の転換を図られたい。国として国民の命を守るため必要な財政上の措置を講じ、これ以上負担を国民に、高齢者に、地方に押しつけることのないよう強く求めます。
 このたびの県議選において最大の争点となり、改選後まさに県民の直近の民意を大きく反映する新しい沖縄県議会の後期高齢者医療制度の廃止を求めるこの意見書が国民の反対の声、怒りの声を押し切って進められたこの制度の廃止を求める全国の声と連動し、国の政策転換を促す力となることを確信します。
 以上、4号への賛成、5号への反対を表明し討論といたします。
○仲田 弘毅 ただいま議題となっております議員提出議案第4号、第5号について討論を行います。
 私は、高齢者の安定的な医療の確保を願う自由民主党を代表して、「後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書」への反対討論並びに「後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書」に対して賛成の立場から討論を行います。
 今年度からスタートしている後期高齢者医療制度については、幾多の制度の変遷及びいろいろな課題の検討を経て創設されたものであります。昭和48年度の老人医療費無料に始まり、その後増加する老人医療費の中で、昭和58年には老人保健法が創設され、各保険者の拠出金で対応することになりました。
 しかしながら、急速な少子・高齢化の中で、高齢化率を上回る老人医療費の伸び、その老人医療費を支えてきた若者世代の人口の減少、経済の低迷による保険料の伸び悩み等で医療保険の財政運営は厳しい状況となり、国民皆保険制度の維持も危うい状況となっております。
 このため、医師会、民主党の支持母体である連合、各保険者等国民各層の老人保健法の御意見を取り入れ、老人保健法は廃止し新たな制度をつくるべきとする意見を踏まえ、約10カ年間の検討を経てできたのが今回の後期高齢者医療制度であります。
 その検討は、平成11年に被用者保険の94%に当たる団体からの老人医療拠出金の不払い運動から始まっております。本県でも市町村国保の老人医療拠出金は、老人保健法創設時の昭和58年の69億円から平成17年度は実に351億円と約5倍に急増し、その期間の高齢化の上昇率2.8倍をはるかに上回っており、現在、本県における14市町村で赤字、そして一般会計からの繰り入れも含め約30億円へと上昇する等の厳しい状況になっております。各市町村は老人医療費の対応によく頑張っていらっしゃるものと考えております。
 後期高齢者医療制度の大きなねらいは、国民全体で高齢者の医療を支え医療保険を安定化することであります。それは皆保険制度の維持にもつながるものと考えております。皆保険制度なくして高齢者の医療の安定確保はありません。高齢者の方々にも応分の負担をお願いしつつ、少子化の影響等で医療費のほとんどを負担している若者世代への負担を少しでも軽減させ、国民全体で高齢者の医療を支えていこうとするものであります。
 本県は、復帰前の無保険状態から必要なときに医療が受けられないような状況があり、昭和48年度に現在高齢者となっておられる方々の御苦労、御労苦に対し、そして大きな願いで県民皆保険制度が実施されている経緯を見ますと、本県こそ将来にわたって県民皆保険制度の維持を図っていくことが、その制度をつくり上げた高齢者にこたえることになるものと考えております。
 受益者負担の立場から確かに今回の制度は改良・改善する点も多々ありますけれども、すべての高齢者の方々に保険料を負担していただくことになりましたけれども、低所得者等への軽減割合が9割になったこと、これは先ほど質疑の中でもお話がありましたが、低所得者の皆さんに対しては均等割、4万8000円を9割軽減するということでありますので、月額約400円の負担で沖縄県の老人医療が平均で91万ですから、その応分が負担されるということであります。その9割軽減に含め、年金収入で211万円までの方々の所得割が半分になるということ、国民健康保険加入時の軽減措置が拡充されたということであります。
 市町村国保を初め医療保険を安定化するためにはその制度が必要であることは言うまでもありません。そして、その土台を安定化し、高齢者の方々に満足できるよう見直しを図っていくことが最も大事なことであります。また、二度と医療保険者から老人医療費への支援金の不払い運動が起こらないよう、県民総意で対応しなければならないと考えております。
 しかしながら、後期高齢者医療制度に反対をする党派の皆さんは、その制度にかわる何の代案も示さずに廃止を訴えておりますが、それは医療保険もしくは皆保険制度の崩壊につながるものであり、廃止後、老人の医療費はだれが負担するのか危惧するものであります。
 また、廃止を訴える党派の皆さんは、以前の老人保健法に戻してから今後考えるとしておりますが、それは医療保険財政の危機をどうするのかという基本的な問いに答えておりません。国・政府与党は、代案を出すのなら十分に議論検討すると言っております。単に廃止を訴えるのは高齢者の方々の皆さんの医療保障への無責任の対応としか考えられません。
 また、廃止を訴える党派の皆さんは、75歳で切り分ける制度はよくないと言っておりますが、75歳からの制度は既に老人保健法でも実施していることであります。
 市町村国保が医療費財源の5割を保険料、被用者保険がほとんどを保険料で賄っていることに対し、今回の制度は被保険者である高齢者の保険料は1割で、9割は公費あるいは若い現役世代の負担を集中的に投入するなど、国民全体で手厚く支えるための制度であることを十分に理解しなければなりません。高齢者の方々は、病気にかかったりする割合も高くなり、なお一層国民全体で支えることが最も必要だと考えております。
 年金天引きについては、各市町村の要望で取り入れられた制度であり、金融機関で保険料を支払いに行く手間を省けたと喜んでいる高齢者の方々も多いと聞いております。さらに、今回の見直しで希望により世帯主の口座等から振りかえができるようにもなりました。また、保険料滞納に対する資格証明書の発行も、厚生年金受給者の年金額と同等程度の203万円までの方々にはその証明の発行を対象外とする見直しも決まっております。
 今回の制度の廃止等に関する意見書では、高齢者への診療報酬が出来高払いから包括払いとなり医療が制限されると主張しておりますが、全くの勘違いであります。
 今回の包括払いは、高齢者を日ごろから見守るかかりつけ医をつくり、疾病予防、入院、在宅医療のすべてについて気軽な相談を充実させようとする趣旨であります。
 また、これは患者の同意なしにはできないものであり、さらに、患者は自由にあらゆる医療機関に行くことができる等、医療を制限するものではありません。かかりつけ医の設置は、医師会でも昔から検討すべき課題としていたところであり、評価する医師も多いということであります。
 その他、今回の制度でよくなった点は、1番目に、財政運営が市町村から広域連合となり、財政の安定化及び国保時代の市町村間の保険料の格差が是正されたことであります。これは民主党の皆さんも大きく高く評価しているところであります。
 2番目に、国保等各医療保険者の財政の健全化が図られ、これは保険料を担う若い世代の負担軽減につながるものであります。
 3番目に、各世帯の医療と介護にかかる費用について、その合算額に上限が設けられ、払い戻し額がふえる仕組みができております。
 4番目に、今回の低所得者への見直しで国保加入していたときよりも軽減措置が拡充されております。
 さらに、今後の見直しの検討、要求で、高齢者の方々にさらに納得してもらうことが大切であります。他県と違う医療保険の歴史を経験した本県こそ、国政での政争の具に使われることに惑わされず、冷静にこの制度の仕組みのよさを理解し、高齢者が納得できるよう見直していく必要があると考えております。
 沖縄県議会では平成19年3月28日、「後期高齢者医療制度の充実を求める陳情」が提出され、福祉保健部の担当より後期高齢者医療制度の説明を受け質疑を行い、同制度のさまざまな問題点が明らかになりました。その上で3月28日の県議会本会議において全会一致で「後期高齢者医療制度の充実を求める意見書」を採択し、厚生労働省を初め国に提出をしております。沖縄県議会の意思は、廃止ではなく制度を認めた上で充実を求めるものであります。この意見書提出のときになぜ廃止を提出しなかったのか疑問であります。また、今回の同制度の実施につきましては、国の法律はもとより、県を初め県内41市町村で条例の整備が必要であることは周知のとおりであります。
 県議会の昨年3月28日の意見書は、内容が十分把握されなかったという論議が先ほどありました。がしかし、沖縄県議会を初め41市町村議会のすべての後期高齢者医療制度に関する条例が可決され、それによって同制度が実施の運びとなりました。この制度が県民にとってそんなに悪い制度であれば、常識あるすべての議会で条例が通るはずはありません。そのことは県内41市町村の首長、市町村議会、県知事及び県議会もこれらの老人医療制度の仕組みとして認めた結果であり、党派を超えた県民的議論の末に生まれたものであると考えております。我が国がどのような政情であれ、これからの老人医療及び国民皆保険制度を維持していくための制度であります。
 代案も出さずに廃止を訴え、高齢者の医療確保を無責任な状態にする意見書に対しては、県民の命を守るため、さらに県民本位の立場から反対するものであります。
 また、若者から高齢者に至る県民全体が納得できるまで見直しを図り、皆保険制度の安定化を目指す「後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書」に対しては賛成するものであります。(発言する者多し)
○議長(髙嶺善伸) 発言中は静粛に願います。
 山内末子さん。
   〔山内末子さん登壇〕
○山内 末子 こんばんは。
 民主党会派を代表いたしまして、地球よりも重いこの命を守る立場から、議員提出議案第4号「後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書」に賛成、また、議員提出議案第5号「後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書」に反対の立場から一括して討論を行います。
 100年安心と言われた年金制度、信じて払い続けた年金は消えてしまい、その問題を解決できない政府に裏切られ、今また後期高齢者医療制度で75歳以上のお年寄りの安心して生きる権利が切り捨てられようとしている。まさに政府に裏切られ、今や国民の怒りはピークに達しております。
 この制度は多くの国民、とりわけ戦後、汗と涙にまみれ一生懸命に生きてきたこの沖縄県のお年寄りに大きな混乱と不安を招いています。いたわり尊敬されるべきお年寄りが、うば捨て、じじ捨て制度と批判されるこの制度によって人間の尊厳さえも奪われてしまうのです。
 私たちがこの制度を廃止にすべきと考える理由は大きく2つの観点からです。
 まず一つは、世界に例を見ない差別的なこの制度では、お年寄りの皆さんが安心して医療を受けられないからです。政治とは愛であり、人である、そう私は考えております。安心して老後を送る、血の通った生き方を支えることは政治の目指す基本的な理念であります。しかし、この制度は全くこの理念を持たず医療費の抑制のみに走っております。その点だけからしても廃止にすべき制度であります。
 もう一つは、この制度の導入は、医療にかける予算を削り、国による財政負担を軽くしようとするその視点のみだからです。財政圧迫などによる病院の閉鎖、医師不足や看護師不足など問題含みの医療制度全体の抜本的解決策は先送りし、官僚の天下り、タクシーチケットに見る税金や予算の無駄遣いなどそういうことが指摘される中、そのようなことを改めようとはせず、医療費負担を国民のみに負わせる本末転倒のこの制度は、まさに廃止以外に道はありません。
 そもそも、政府からは、なぜすべての75歳以上の国民に新たな制度を設け、そこに強制加入させるのか納得のいく説明はありません。平均寿命の男女差、75歳以上の男女の人口構成比の差などを考えても医療保険制度を年齢で区切る合理的な理由はありません。そして、病気になるリスクの高い人のみを分離して制度をつくること自体、保険原理にはなじまない、そう考えております。
 75歳以上のお年寄りの皆様の多くが年金だけで暮らしています。諸物価の高騰等により、年金だけでは暮らしていけない、そういう悲鳴を上げていく中で年金から医療費を天引きすればますます生活が困難に陥ることは目に見えています。特に、県民所得が全国一低い本県では命にかかわる大問題であり、その生活実態を無視して国民皆保険制度という名ばかりの医療費抑制だけを掲げて行う制度は、まさに悪制度、悪政の象徴です。
 この制度は、そもそも根幹から間違ったものであります。政府が新たに導入する制度というものは、国民が安心して暮らせるという大前提がなければなりません。しかし、この制度は、そのことが視野に入ってはおりません。
 制度導入後、低所得者層において以前よりも保険料が高くなるケースもあり、制度加入者の保険料の伸び率が現役時代よりも高くなる可能性がある仕組みにもなっているなどなど、さまざまな問題が噴出してきており、ぼろぼろのこの制度はもはや制度の骨格を変えないできちっと見直しをする、何度も見直しをするなどという小手先の改善では、国民、県民は救われません。
 お年寄りを大切にすると言いながら、欠陥だらけのこの制度を単なる説明不足、あるいは選挙の結果もたまたまだと軽く受け流すその姿勢、もはや国民の命は預けられない、政権交代も近いのだと実感をしております。したがって、何度見直しをしても、つぎはぎだらけのこのざる制度への対案は、廃止が一番の対案だと考えます。
 廃止をし、高齢者医療を国民全体で支える制度改革を目指し、国民が公平に負担をし、平等に医療サービスを受けることのできる公的医療制度の制度設計が必要だと考えます。既に、参議院では後期高齢者医療制度の廃止法案が可決されました。県議会でもこの制度の廃止を訴えた議員がこの議会において過半数を占めるに至りました。国民、県民の立場からすれば、この制度は廃止にすべきという点で一致をしております。政府追従の姿勢ではなく、国民、県民の切実なるその声に耳を傾け、与党も野党もなく、イデオロギーもない、県民に選ばれた政治家として勇気を持って、政府を守るのではなく、県政を守る、そういう立場に立とうではありませんか。
 よって、議員提出議案第4号「後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書」に賛成、議員提出議案第5号「後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書」に反対をいたします。
 議員の皆様の御賛同をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○上原  章 こんばんは。
 私は、公明党県民会議を代表して、議員提出議案第4号「後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書」に反対し、議員提出議案第5号「後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書」に賛成する立場から討論を行います。
 今回、野党会派は何の対案を示すこともなく、「後期高齢者医療制度の廃止に関する意見書」を提出しましたが、これは将来にわたって安心して医療を受けられる制度の確立を願う高齢者の心を踏みにじる極めて無責任な提案であります。
 意見書では、同制度があたかも県民に不安と不満を与えているとの印象を植えつけていますが、実際には時間の経過とともに、後期高齢者医療制度への理解は徐々に広がっているのが真実です。日本テレビの6月定例世論調査では、後期高齢者医療制度を見直して続けるのと、廃止するのと、どちらを支持するかを聞いたところ、実に55.7%が見直しを支持し、38.2%が廃止を支持する結果が出るなど、75歳以上の高齢者の医療費を国民全体で支える同制度への理解が一段と進んでいます。
 野党提案は、75歳以上を独立させて医療制度の運営を行うこと自体を問題視していますが、75歳以上の高齢者の1人当たりの医療費は65歳未満に比べると約5倍かかっています。75歳以上の人口は現在全国約1300万人ですが、2025年には約2200万人になり、国民医療費は33兆円から56兆円にふえ、その半分近くを75歳以上の高齢者の医療費が占めると推計されています。
 こうした背景から、75歳で制度を区切ることについて、日本経済新聞では、「野党や一部メディアから『うば捨て山』『家族の分断』などという批判が渦巻いた。だがこの批判は必ずしも的を射ていない」と指摘し、さらに「75歳をすぎると食習慣や生活習慣に起因する慢性疾患などのリスクが高まる。増大するリスクを社会保険の原理だけでカバーするのは限界がある。そこで国・地方自治体の税金と現役で働く層が拠出する負担金で医療給付費の90%を賄い、残る10%は高齢者自らが保険料として負担する。膨張が避けられない医療費を各世代がどう分かつかを考慮した結果、この制度に行き着いた」と解説し、評価しています。
 また、神奈川県立保健福祉大学の山崎泰彦教授は読売新聞の紙上で、後期高齢者医療制度について「「高齢者を社会全体でしっかり支える仕組みができた」と評価し、現役世代と別建ての制度とするのは、「当面、高齢者に限定して社会連帯の基盤を強化したということで、現実的な対応」との見解を示しています。」と。
 後期高齢者医療制度のような高齢者が対象の独立型の制度創設に関しては、民主党代表の小沢一郎氏が党首であった旧自由党が2003年6月23日、「国は、高齢者について独立の医療保険制度を創設することとし、その対象者は70歳以上の者とする」と明記した国民生活充実基本法案を国会に提出したほか、民主党も2005年のマニフェストで「透明で、独立性の高い、新たな高齢者医療制度の創設を含む医療・医療保険制度の改革に取り組みます」と宣言しております。しかしながら、従来の制度と比べ保険料がたとえ1円でも上がることは、少ない年金だけで生活する高齢者にとって負担増となることは受け入れがたいものです。
 そこで公明党沖縄県本部では、ことし5月14日、沖縄県を訪れた公明党副代表である坂口力元厚生労働大臣に対し、負担軽減を求める舛添厚生労働大臣あての要望書を託しました。去る6月12日の政府・与党連絡会議で決定した後期高齢者医療制度の運用改善策はそれが柱になったものであり、沖縄発の政策提言が実を結んだものと言えます。
 その内容を見ると、2009年度からは、加入者がひとしく負担する「均等割」が7割軽減される世帯のうち、加入者全員の年金額が80万円以下の世帯については9割軽減となります。これで「均等割」の軽減は、2割、5割、7割、9割の4段階となり、9割軽減することで保険料は全国平均月額約1000円から350円程度に減ります。また、所得に応じて負担する「所得割」は、年金額が153万円から210万円程度までの人は50%程度減額いたします。これらの措置を講じてもなお保険料を支払えない事情がある場合は、個別の減免も含め、市町村できめ細かく相談できる体制を整えることになっております。
 2008年度については、「均等割」の7割軽減世帯のうち、8月まで保険料を支払っている人は10月から半年間は保険料を徴収しません。これにより、1年間で見ると「均等割」が8.5割の軽減となり、保険料は全国平均月額1000円から500円程度に下がります。また、年金額が153万円から210万円程度の人は「所得割」を原則一律50%軽減されます。
 今回の政府・与党の軽減策により、国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行し、保険料が減少する世帯は全国で69%から75%へと上昇。また、沖縄県の場合、64%の世帯が増加から61%の世帯が減少へと転じるなど、低所得者の負担が軽減されるとともに、保険料の増減に関する地域間のばらつきが改善されました。地域間格差が解消されたことについては、民主党も賛同していたはずでございます。
 今回の改善策で、所得の低い方々への軽減策が実施される中で、沖縄県において61%の世帯がこれまでよりも保険料が安くなる。今回の野党の皆さんが主張している後期高齢者医療制度を廃止した場合、その軽減策がすべて無になり、実施されないことになります。どちらが高齢者、特に少ない年金で頑張っている高齢者の皆さんを守ることになるのか、私は明白であると思います。後期高齢者医療制度を廃止するということは、明らかに高齢者医療制度の後退になると考えます。
 また、野党案では天引き制度そのものを批判していますが、今回の改善により、保険料の納め方については選択の幅が広がります。過去2年間に国民健康保険料の滞納がなく確実に払ってきた人は、申請すれば年金からの天引きを中止し、自分の口座から引き落とせるようになります。また、世帯主らに扶養されている年金額が180万円未満の人は、申請すれば、世帯主の子供や配偶者による保険料の肩がわり納付が可能になります。こうした改善策について、厚生労働省は6月26日、10月から実施できるよう、沖縄県の広域連合に対しても協力を要請しました。
 民主党など野党は、国会においても後期高齢者医療制度を廃止し、問題点の多い旧老人保健制度を復活させるだけの後期高齢者医療制度廃止法案を参議院に提出し、同廃止法案は6月6日の本会議で野党の賛成多数で可決されました。これに対するマスコミの論調は、例えば朝日新聞は、もとに戻せというだけでは問題は解決しないなどと厳しく批判しています。
 高齢者と現役世代の負担割合がわかりにくい上、現役世代が払う拠出金に歯どめがなく、膨らむ医療費をだれが責任を持って抑制するかも明確でなかった旧老人保健制度では、本格的な高齢化社会に対応できないことは与野党の共通認識であり、10年以上前から参議院の委員会で早期の新制度創設を求める決議が行われてきました。沖縄県でも市町村国保の老人医療拠出金は、老人保健法創設時の昭和58年の69億円から平成17年度は351億円と約5倍に急増し、その期間の高齢化の上昇率2.8倍を上回っており、現在、14市町村で赤字となり、一般会計からの繰り入れも約30億円へ上昇するなど厳しい状況となっています。
 こうした現状を踏まえ、1997年6月12日の参議院厚生委員会では、「できるだけ早期に新たな制度の創設も含めた抜本的見直しを行うこと」、また2000年11月30日の参議院国民福祉委員会では、「抜本改革の重要な柱である老人保健制度に代わる新たな高齢者医療制度等の創設については、早急に検討し必ず実施すること」と決議されました。民主党などの野党もこの新制度創設の決議に賛成したのではないでしょうか。
 また、野党提案では、保険料を滞納すると保険証が取り上げられ、資格証明書が発行されるとしていますが、保険料を滞納した場合に発行され、一時的に治療費全額の支払いが必要となる資格証明書は、相当な収入があるにもかかわらず保険料を納めない悪質な人に限って適用されることになっています。それ以外の方々に対しては、従前どおりの運用で保険証はもらえます。
 今後、与党はさらに、1、保険料軽減措置の収入の判定基準を世帯単位から個人単位に見直す、2、年金からの保険料天引きの免除対象を拡大する、3、70歳から74歳の窓口負担を2008年度に引き続き1割に据え置くなど検討をしております。また、医師が患者と延命治療の方針などを事前に話し合い、文書に残した場合に支払われる診療報酬終末期相談支援料は、政府・与党の方針に従い、7月から一時凍結されております。
 このように、政府・与党は、50年後、100年後という長期的な展望の上から、国の将来に責任を持って新しい制度を国民の皆様に提示し実行しているのであり、改善すべき点は改善しているのであります。制度導入に当たって、国民への周知徹底がなされなかったのは反省すべき点ではありますが、そこにつけ込んで廃止を求めるというのは、本当に県民を守り抜くことにはならないと考えます。
 私は、これまでの人生を頑張り続けてこられた高齢者の方々を守るこの大事な局面を、党派を超え、政局を超えて議論を深める必要があると考えます。
 今回の野党の皆さんのように、対案もなく新制度の廃止を主張するのは極めて無責任であり、これまでの経緯と議論の積み重ねを無視した政局優先の暴論です。県議会においても、廃止後の青写真すら示さず、廃止決議の可決を目指すのは、本来の県民の命と暮らしを守るという県議会の使命を忘れ、制度自体の本質的な議論を投げ捨てた数の横暴にほかならないと訴えます。
 長年、家族を守り、地域の発展に頑張ってこられた高齢者の皆様がこれからも安心して医療が受けられる制度の確立を目指して、私は、議員提出議案第4号「後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書」に反対し、議員提出議案第5号「後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書」に賛成するものでございます。
 議員各位の皆様、どうか御検討また御賛同よろしくお願いします。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより議員提出議案第4号「後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書」及び議員提出議案第5号「後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書」の採決に入ります。
 議題のうち、まず議員提出議案第4号「後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書」を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(髙嶺善伸) 起立多数であります。
 よって、本案は、原案のとおり可決されました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) ただいま日程第12議員提出議案第4号「後期高齢者医療制度の廃止等に関する意見書」が可決されましたので、同一事件であります日程第13議員提出議案第5号「後期高齢者医療制度のさらなる見直しに関する意見書」については、その議決を要しないものになります。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 先ほど可決されました議員提出議案第1号、第2号及びただいま可決されました議員提出議案第4号については、提案理由説明の際提出者から、その趣旨を関係要路に要請するため議員を派遣してもらいたいとの要望がありました。
 よって、議員派遣について採決いたします。
 お諮りいたします。
 議員提出議案第1号、第2号及び第4号の趣旨を関係要路に要請するため議員5人を派遣することとし、その期間及び人選については議長に一任することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(髙嶺善伸) 起立多数であります。
 よって、さよう決定いたしました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第14 陳情1件を議題といたします。
 本陳情に関し、委員長の報告を求めます。
 経済労働委員長。
   ――――――――――――――
   〔陳情審査報告書 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔経済労働委員長 玉城ノブ子さん登壇〕
○経済労働委員長(玉城ノブ子) ただいま議題となりました陳情1件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これよりただいま議題となっております陳情1件を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、ただいまの陳情1件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第15 陳情2件を議題といたします。
 各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
 文教厚生委員長。
   ――――――――――――――
   〔陳情審査報告書 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔文教厚生委員長 赤嶺 昇君登壇〕
○文教厚生委員長(赤嶺 昇) ただいま議題となりました陳情2件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。 
 これをもって質疑を終結いたします。
 休憩いたします。
   午後8時26分休憩
   午後8時26分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 これよりただいま議題となっております陳情2件の採決に入ります。
 まず、委員会において全会一致で採択されました陳情1件を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、ただいまの陳情1件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 次に、陳情第75号を採決いたします。
 本陳情に対する委員長の報告は、採択であります。
 お諮りいたします。
 本陳情は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(髙嶺善伸) 起立多数であります。
 よって、陳情第75号は、委員長の報告のとおり決することに決定いたしました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第16 陳情3件を議題といたします。
 各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
 土木委員長。
   ――――――――――――――
   〔陳情審査報告書 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔土木委員長 當山眞市君登壇〕
○土木委員長(當山眞市) ただいま議題となりました陳情3件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。 
 これをもって質疑を終結いたします。
 これよりただいま議題となっております陳情3件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、ただいまの陳情3件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第17 陳情2件を議題といたします。
 各陳情に関し、委員長の報告を求めます。
 米軍基地関係特別委員長。
   ――――――――――――――
   〔陳情審査報告書 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔米軍基地関係特別委員長 渡嘉敷喜代子さん登壇〕
○米軍基地関係特別委員長(渡嘉敷喜代子) ただいま議題となりました陳情2件につきましては、慎重に審査いたしました結果、お手元に配付してあります審査報告書のとおり処理すべきものと決定いたしました。
よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これよりただいま議題となっております陳情2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 各陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、ただいまの陳情2件は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第18 議員派遣の件を議題といたします。
   ――――――――――――――
   〔議員派遣の件 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) お諮りいたします。
 本件は、お手元に配付の「議員派遣の件」のとおり、議員を南米へ派遣することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 次に、お諮りいたします。
 ただいま可決されました議員派遣の内容に今後変更を要するときは、その取り扱いを議長に一任することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
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○議長(髙嶺善伸) 日程第19 閉会中の継続審査の件を議題といたします。
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   〔閉会中継続審査及び調査申出書 巻末に掲載〕
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○議長(髙嶺善伸) 各常任委員長、議会運営委員長及び各特別委員長から、会議規則第82条の規定により、お手元に配付いたしました申出書のとおり閉会中の継続審査の申し出があります。
 お諮りいたします。
 各委員長からの申し出のとおり閉会中の継続審査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、各委員長からの申し出のとおり閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。
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○議長(髙嶺善伸) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日をもって議会は閉会となりますが、議員各位には一般選挙後の初議会に伴う議会構成等への御尽力を賜るとともに、長い会期中、連日熱心な御審議をいただき、議長として心から感謝申し上げます。
 なお、今期定例会における議会活動状況は、後ほど文書をもって報告いたします。
 以上をもって本日の会議を閉じます。
 これをもって平成20年第2回沖縄県議会(定例会)を閉会いたします。
   午後8時32分閉会

 
20080208000000