平成20年(2008年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 9月25日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた企業局長花城順孝君は、体調不良のため本日及び明日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として企業企画統括監金城敏樹君の出席を求めました。
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○議長(髙嶺善伸) この際、念のため申し上げます。
 本日、明日及び29日から10月2日までの6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(髙嶺善伸) 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 具志孝助君。
   〔具志孝助君登壇〕
○具志 孝助 皆さん、おはようございます。
 いよいよきょうから代表質問が始まりました。代表質問のトップバッターに立たせてもらい大変光栄に思っております。
 自由民主党の具志孝助であります。
 私たちは、ことしの6月に選任をされました。新しい議員の方々もたくさん出てまいりました。沖縄県発展のために、今日仲井眞県知事がかじ取りをやっておりますので、県益優先ということでひとつお互いは議会の中で使命を果たしてまいりたいとこのように私も強く決意をいたしております。
 さて昨日、第92代目総理大臣に自由民主党の麻生太郎さんが選出をされました。麻生太郎内閣総理大臣は、閣僚指名に当たっての記者会見の中で、私は大変印象的なメッセージを国民に与えてくれたと思っております。
 今、新聞記事を取り寄せて改めて読み上げさせていただきたいと思っておりますが、総理大臣の記者会見の中で、まず最初に麻生さんは国民の皆さんにまず一言ごあいさつをさせていただきたいと切り出したと。「日本を明るく強い国にする、それが私に課せられた使命だと思っております。」と、このように冒頭に申し上げました。
 今、日本は確かに経済的にも疲れております。失われた10年間と言われる中で、本当に国民が不安、そして不信の中にあると思っております。そういう日本をもう一回明るい、そして国民が自信を持てる強い国家にしたいとこういうような決意を示してくれました。
 そして、閣僚の指名に当たって記者会見での質疑に対して、麻生総理は全閣僚に国民本位の政策を進めること、官僚は使いこなすこと、省益ではなく国益に専念することを指示したと、こういうようなことも記者会見の席上で明らかにされました。
 私は、本当に今国民が何を望んでいるか、そして総理大臣に何を期待しているのかということを的確に受けとめてそういうような国民の目線に立った、国民のいわゆる国政に対する質問にしっかりとこたえた内閣総理大臣だと思っております。
 そしてまた、沖縄関係閣僚に外務大臣には中曽根弘文さん――この方は中曽根元総理大臣の御子息でありますが――中曽根さん、防衛大臣には浜田靖一さん――彼はハマコーさんの息子さんのようでありますが――若干52歳というようなはつらつたる代議士であります。そして沖縄担当大臣は佐藤勉さんであり、そして内閣のかなめである官房長官には最も総理大臣から信頼の厚い河村建夫さん、沖縄がこれからかかわっていくであろう大臣にもこういうようなすばらしい方々が任用されております。しっかりとこの沖縄関係閣僚には、仲井眞県知事からの要請については、真摯に受けとめて取り組んでいただきたいことをこの壇上からお願いを申し上げたいと存じます。
 それでは代表質問をさせていただきます。
 まず知事の政治姿勢についてであります。
 1、知事訪米について。
 本県には、戦後63年余が経過した現在においても国土面積のわずか0.6%を占めるにすぎない狭隘な面積にいまだに米軍専用施設の約75%が集中しております。
 このような過重な基地負担の解消を図ることは、本県にとって最大の課題であります。このため、当事者である米国政府や連邦議会等の関係機関に本県における米軍基地の実態を直接伝えることが必要であり、これまで歴代の知事は幾度となく訪米し、基地問題の解決を訴えております。
 今回、仲井眞知事も訪米の意思を明確に表明いたしました。本県の米軍基地問題の解決につなげるためには、機会あるごとに米側に直接訴えることは極めて重要なことであります。
 そこで伺います。
 ア、今回の知事訪米についての基本的な考え方と要請内容、要請先等について伺いたい。また、これまでの訪米とどのような違いを持たせるのか。
 イ、本県の基地問題の現状を訴え、解決を図るための歴代県知事の訪米は、本県の基地問題にどのような前進があったと考えるのか。
 2、台風13号被害についてであります。
 去る12日に発生した台風13号は、先島地方を中心に農作物や住宅等に大きな被害をもたらしました。特に、与那国町では道路の冠水や橋の倒壊、床上浸水等で住民生活に甚大な被害が生じております。
 県の調査によれば、与那国町や宮古・八重山地区で農作物や生産施設などの被害総額は7億5000万円余に上っているようであり、我が党も被害現場の視察を行いましたが、道路、家屋等の建物の損壊や農作物の被害は深刻であり、住民生活への影響も含め今後調査が進むに従い被害がふえることが予想されます。県においては、国に対する支援要請や被災者支援等を含めた適切な対応が急がれております。
 そこで伺います。
 (1)、台風13号による被害の状況について、特に与那国町の被害が甚大であるが、その被害状況と県の対応を伺いたい。
 (2)、与那国町では記録的な大雨による道路や橋の決壊、倒壊で地域が孤立したり、床上浸水で住民の避難が相次いだ。事前の対策に問題はなかったのか。
 (3)、被害地域への緊急かつ適切な支援対策が必要であるが、国の対応を含めた県の総合的対策を伺いたい。
 3、普天間飛行場移設問題について。
 去る9月5日、仲井眞知事は「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」について公表をしております。その中で、普天間飛行場の危険な状態を一日でも早く解消するためには、名護市や宜野座村が移設を認めているキャンプ・シュワブに移すことが実現可能性の高い解決への早道であると改めて述べております。
 普天間飛行場は、かつて米国国防長官もその危険性を認めたとおり、世界でも最も危険性の高い基地であり、一刻でも早く解決をしなければなりません。日米両政府が移設合意をしたのも普天間飛行場の危険性の除去を最優先する必要があるからであります。
 確かに県外や国外への移設は理想ではありますが、近年の不透明な国際情勢や国内情勢の中、また復帰36年間返還を求め続けながら、いまだに存在し続ける基地の実態を考えれば、現在の移設計画を着実に進めることが現実的であると考えます。さらに、普天間移設と連動して沖縄における海兵隊員8000人、その家族約9000人の移転と嘉手納飛行場以南の大規模な基地返還も今回の移設計画が完了すれば実現されるのであります。これは県民が要求し続けた目に見える形での基地負担の軽減にもつながるものと考えるのであります。
 そこで伺います。
 (1)、普天間移設に関する基本的な考え方について。
 ア、知事は去る5日、「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」を公表した。考え方の概要と今の時期に公表した理由を伺いたい。
 イ、県は、移設計画は新しい基地建設とは性格が異なるとの考えを示しているが、具体的に説明願いたい。
 ウ、国外や県外への受け入れ先等が明確に示されない中で、県内移設に反対するだけでは現状固定化につながりかねないと考えるが、知事の見解を伺いたい。
 エ、県内移設に関する県の考え方について、県民の理解と協力を得る必要があるが、県としての具体的な取り組みを伺いたい。
 オ、第8回移設協議会において2つの実務者による作業班が設置されたが、この時期に設置されたのはなぜか。また、今後の移設建設にどのような影響を与えるか。
 カ、知事は、作業班の設置には代替施設沖合移動の暗黙の了解があるとの認識を示したと言われるが、何か確証があってのことか。
 キ、危険性除去作業班の初会合後、普天間飛行場の飛行航跡の観測調査が実施されている。効果が期待できる調査期間と今後危険性除去にどのようにつながっていくと考えるか。
 ク、沖国大への米軍ヘリの墜落事故から4年が経過した。普天間の危険性の除去に関し事故の反省はどのように生かされてきたか。
 (2)、移設建設作業の推進について。
 ア、政府は、沖合移動について合理的理由が必要としているが、合理的理由とは何か。また、県として政府の言う合理的理由をクリアできる理論構築は可能であるのか。
 イ、代替施設位置の沖合移動は、現在進められている環境アセスメントについてどのような影響を与えるか。
 ウ、約8000名の海兵隊とその家族約9000名の移転開始時期について伺いたい。
 4、返還跡地利用の促進について。
 米軍再編に伴う返還予定施設は合計で1500ヘクタールを超える大規模なものであり、跡地利用のあり方のいかんによっては今後の沖縄振興の重要な柱となることは間違いありません。
 6施設が返還されるのは普天間飛行場代替施設の建設が完了する2014年となっており、早急な跡地利用対策作業を本格化させることが必要であります。
 県における嘉手納飛行場以南の全面返還される5つの施設の跡地の有効利用に向けた有効利用ビジョンの策定や、国における検討委員会の立ち上げなど国、県の取り組みが形としてあらわれてまいりました。
 この事業は沖縄の将来を決定する復帰後最大の事業であり、国の全面的な関与と財政的な支援が必要であります。
 そこで伺います。
 (1)、県は、嘉手納より南の米軍基地返還跡地を中南部広域都市圏として形成することを目指しているが、その基本的方向性と6施設の有機的連携をどのように図っていくのか。
 (2)、全面返還される5施設跡地の有効利用を図るための財政的担保は、特別措置法の延長及び新たな振興計画に位置づけるのか。また、県が策定する有効利用ビジョンに特化した新法の制定を求めるのか。
 (3)、5施設が同時に返還された場合、返還に向けた作業、原状回復、環境調査等膨大な作業への対応や周辺地域の開発に及ぼす影響が考えられる。国の積極的関与が求められるが、国との調整はどの段階にあるのか。
 (4)、一方の当事者である関係市町村との役割分担、財政負担等の調整協議は進んでいるのか。
 5、土木・建設業の育成についてであります。
 (1)、県内建設業支援対策について。
 県内建設業は、住宅着工件数の大幅な減少や県発注土木工事をめぐる談合問題で、県から巨額の損害賠償金を請求されるなど厳しい経営状況にあります。このため、損害賠償金を請求されている94社は損害賠償金の免除や減免を求め、那覇地裁に民事調停を申し立てているという事態となっております。また、県内建設業が苦況に陥っている要因の一つに、国発注工事を県外業者が大半を受注しているという問題があります。本県産業の中核を占める経済に与える影響も大きく、雇用の受け皿としても重要な役割を果たしている建設業の実情をいま一度認識し、国や県における実効性の伴った支援が必要であります。
 そこで伺います。
 ア、損害賠償金を請求される業者94社が県を相手に民事調停を申し立てた。債務の有無や賠償の根拠等の確認が争点となると思われるが、県の対応を伺いたい。
 イ、県の請求する損害賠償金では、倒産する業者が続出し関連産業への影響や失業問題が深刻化するおそれがある。県の認識と対応策について伺いたい。
 ウ、改正建築基準法施行から1年で県内の住宅着工戸数は施行前より46.5%減少し、全国合計に比べ減少率が突出している。その要因と今後の見通しを伺いたい。
 エ、国が導入した図書省略認定制度について、県内業者の活用が少ないようだが、その理由は何か。また、県は周知徹底をどのように図ってきたか。
 (2)、県内企業優先発注について。 
 県では、仲井眞知事を先頭に副知事や関係部長が公共工事の県内企業に対する受注機会の増大を図るため、沖縄総合事務局や沖縄防衛局及び国土交通省など関係機関に直接出向くトップセールスを行っております。知事のじきじきの要請に対し総合事務局福井局長は、県内企業の受注機会の拡大に向けた取り組みを進めると表明するなど、トップセールスの効果があらわれております。今後とも知事を先頭に、県内企業の受注率向上に向け積極的な取り組みを願うものであります。
 そこで伺います。
 ア、国、米軍による工事発注に際し、地元業者に優先発注させるための知事や関係部長によるトップセールスについて伺いたい。また、今後の受注率向上に向けた取り組みを伺いたい。
 イ、国発注工事の基準について、全国一律ではなく、沖縄総合事務局独自の制度・基準を創設し、客観点数の基準を引き下げ地元業者の参加が容易になるようにすべきだと考えるが、県の見解を伺いたい。
 質問の6番目、旧軍飛行場用地問題について。
 旧軍飛行場用地問題については、ようやく関係市町村との調整も進み、2009年度から予算措置等事業実施に向けての政府との協議が加速するとしております。しかしながら、残り4年を切った振興計画期間中での問題解決が厳しい状況であることは間違いありません。以前に比べ、一部の個人補償を求める地主の姿勢にも変化が見られるとはいえ、完全な一致点を見出しているわけではなく、交渉のタイムリミットが気になるところであります。
 そこで伺います。
 (1)、県は、旧軍飛行場用地問題について特別調整費を活用して事業化を実施する方針のようだが、国との調整状況と振興計画期間内での総事業費をどのように見積もっているのか。
 (2)、また、これまでに実施してきた振興事業や新規に計画している事業等への影響はないか。
 (3)、団体補償の事業化に向け次年度から予算化されるが、旧軍飛行場用地問題に係る事業として認められている事業の範囲、種類等、国の基準は示されているのか。
 (4)、一部の地主会は、振興計画予算枠と別枠の予算措置を求めているが、今後どのような調整を行っていくか。
 (5)、県は、今後も個人補償を求める地主会に対して団体方式での合意に向けた呼びかけを行うとしているが、振興計画期間内での事業実施のためには呼びかけ期限設定も行うか。
 7、観光振興について。
 (1)、観光客誘致対策について。
 県の観光統計実態調査によれば、沖縄に旅行をして感じた魅力について、リピーターと沖縄に来たことがない初来訪者との間に大きな違いが出ております。リピーターは歴史・文化名所、世界遺産の認知度が高い数字を示しておりますが、初めての人は総じて歴史・文化名所、世界遺産の認知度は低いようであります。
 1000万人誘致を実現させるためにはリピーターをふやすことが必要であり、沖縄の魅力をあらゆる媒体を通じて売り込むことが必要であります。そのためにも本県の歴史・文化名所や世界遺産等の知名度アップを図り、今後の観光客誘致政策を進めることは重要であると考えます。
 そこで伺います。
 ア、燃料価格の高騰で大手航空会社の沖縄便の休止・減便が相次ぎ、本県観光への誘客が懸念されている。運休の現状と県の対策について伺いたい。
 イ、1000万人誘客のためには、都市部だけでなく地方からの誘客が不可欠である。沖縄・本土地方路線の維持を図るための燃料費高騰対策はどうなっているのか。
 ウ、本県の歴史・文化、世界遺産、グルメ等の認知度について、リピーターと初めての人との間に違いはあるか。また、本県観光資源として全国に向けての発信はどのようにされているか。
 エ、団体観光客の誘致は誘客対策として重要である。県内で開催された各種会議、社内旅行、学会等の観光客数に占める割合と県の誘致対策はどうなっているのか。
 (2)、観光消費額について。
 県の発表によりますと、2007年の観光収入は初めて4000億円台を突破した過去最多となったとしておりますが、一方で観光客1人当たりの県内消費額は横ばいの状況にあります。観光客は年々増加し、観光収入も伸びを示したにもかかわらず、観光消費額が伸びないのは大問題であります。観光は本県産業の中核を担い、県経済の柱であり、2016年度の観光客1000万人誘致実現に向け具体的取り組みが進んでいる中、いま一度県内消費額の問題を徹底的に分析し、効果的施策を打ち出すことが必要であります。
 そこで伺います。
 ア、1人当たりの観光消費額が伸びない理由とその改善策について伺いたい。
 イ、2016年度の観光客1000万人に見合った県内消費額はどの程度と試算しているのか。これを達成するに当たって本県観光の問題点や課題等について検討されているか。
 ウ、県内消費額を上げるには、観光客のニーズに合った土産品づくりが必要である。特に、伝統工芸品を活用した県産品のイメージアップを図り、付加価値の高い商品開発が必要であると考えるがどうか。
 エ、日銀那覇支店の調査によれば、県内の観光宿泊状況は他県に比べ断トツに高いという。消費額との関連性はどうか。
 8、那覇空港滑走路の拡張整備について。
 那覇空港の滑走路拡張整備については、滑走路増設の方法として3案が提示され、1案の絞り込みに向け検討が進められております。
 県は滑走路増設位置について、現在の滑走路と増設滑走路の2本の滑走路で同時離着陸が可能となれば、空港能力が最も拡大するとして現在の滑走路から沖合に1300メートル以上離した案で建設を進めるよう政府に要請しております。
 那覇空港は、国際線を合わせた年間旅客予測数で15年後の2020年には最大で1850万人に達するとしており、民間航空機の離着陸回数は2020年には13万3000回となると予測されております。
 このように那覇空港は、滑走路1本の空港としては現在離着陸回数は国内3位と高く、既に飽和状態に近づいております。
 そこで伺います。
 (1)、那覇空港構想・施設計画検討協議会が発足し、滑走路位置決定に向け本格的に動き出した。今後の作業の見通しを伺いたい。
 (2)、2本の滑走路で同時離着陸が可能な1300メートル案について、メリットとデメリットは何か。また、国の対応について伺いたい。
 (3)、PI調査に当たっては、滑走路位置決定が本県の将来を左右することから、県民に対する積極的な情報公開や広報活動を展開すべきではないか。
 (4)、自衛隊との共同使用という実態と、滑走路位置決定の関連性について県の認識を伺いたい。
 (5)、那覇空港旅客ターミナルの整備の概要と計画の中に全日空の国際貨物基地構想をどのように取り組んでいくのか。
 9、那覇港湾整備計画の推進について。
 那覇港湾の整備については、民間オペレーターによる那覇港公共国際コンテナターミナル運営事業も軌道に乗り、作業の進展に一定の前進が見られます。現在はターミナル事業の運営を進めながら、相乗効果のある国際物流関連施設の整備に向け作業を促進しているところでありますが、港湾整備を効果あるものとするためには、国際流通港湾機能の充実のほか、航路開設や貨物誘致、さらには国際観光の玄関港として大型旅客船、国際クルーズ船の寄港基地機能の強化が重要であります。
 そこで伺います。
 (1)、那覇軍港の浦添埠頭沖への移設に伴い、追加整備される物資集積場を含む代替施設の位置、形状、面積等の概要と今後の作業手順を伺いたい。
 (2)、港湾計画方針の一つである国際観光としての玄関港整備計画についての進捗状況と国際クルーズ船基地機能の強化策について伺いたい。
 (3)、那覇港とその周辺地域の環境保全を目的として進められている那覇港廃棄物埋立処分場整備の概要と進捗状況を伺いたい。
 (4)、那覇港湾の効果的運用を図り、港湾物流の円滑化や国道58号の交通渋滞緩和を図る臨海道路浦添線整備の現状と問題点等について伺いたい。
 以上であります。
 以上、質問を終わります。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 具志孝助議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、政治姿勢についての中で、訪米の基本的考え方及びこれまでの訪米との違いについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 私は、知事に就任以来、県民の生命、生活及び財産を守る観点から、米軍基地の整理縮小を日米両政府に強く求めるなど、県民の目に見える形での負担軽減を図るため、基地問題の解決に取り組んでまいりました。
 戦後63年の長きにわたって過重な基地負担を背負ってきました沖縄県にとって、米軍基地問題の解決は重要な課題であり、その解決促進のため、米国政府や連邦議会、そして米軍司令部等の関係機関に沖縄県の実情を直接伝えることは意義があることと考えているところでございます。
 また、訪米では、沖縄県の産業振興を図るため、米国企業などへの県内誘致に向けましたいわばトップセールス的な行動もやってまいりたいと考えております。
 要請内容としましては、まず、「米軍基地の運用に伴う事件・事故の防止」を要請いたします。特に、米軍人等による事件につきましては、本年2月の未成年者に対する暴行被疑事件以後も引き続き発生をしていることから、米軍人等の綱紀粛正や教育の徹底などを強く求めてまいりたいと考えております。
 さらに、「日米地位協定の抜本的見直し」、「嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺における航空機騒音の軽減」、「普天間飛行場の危険性除去」を求めますとともに、沖縄県の基地負担の軽減につながる海兵隊要員等の兵力削減とグアムへの移転、そして普天間飛行場を含む嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還といった「在日米軍再編の確実な実施」を求めてまいりたいと考えております。
 今回の訪米は、これまでの訪米と異なり、米大統領選の直後を予定いたしております。
 次期政権のスタッフの人選や外交・防衛政策の調整が行われる時期であることから、政策形成に影響力を持つ米側の関係者等に対し沖縄県の米軍基地問題を直接訴え、実情を理解してもらいますとともに、次期政権の米軍再編等に関する考え方などについて、情報収集や意見交換を行うことは大変重要なことだと考えているところでございます。
 同じく知事の政治姿勢の中で、過去の訪米要請の効果についてどうかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 米軍基地問題の解決促進を図るため、昭和60年以降11回にわたり県知事による訪米要請を実施してきたところでございます。これまでの訪米要請等の結果、泡瀬ゴルフ場の返還などのいわゆる23事案の返還合意、そして普天間飛行場の返還、読谷補助飛行場の返還及びパラシュート降下訓練の移転、県道104号線越え実弾射撃訓練の移転等のSACOの最終合意や、さらに在日米軍再編の合意など、沖縄県の基地負担の軽減に向けた日米両政府の取り組みの進展に寄与してきたものと考えているところでございます。
 特に平成17年の前回の訪米では、米軍再編による基地負担の軽減策として、在沖米海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用改善、陸軍複合射撃訓練場の建設中止を求めるとともに、米軍基地の整理縮小等を要請しているところでございます。
 その後、日米両政府におきましては、在日米軍再編の合意として、海兵隊要員等の兵力削減とグアムへの移転、普天間飛行場を含む嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還、嘉手納飛行場からの訓練の一部移転が示され、また、陸軍複合射撃訓練場の移転についても合意がなされております。
 このように県による訪米要請は、日米両政府の基地政策に影響を与え、県民の過重な基地負担の軽減に一定の成果を上げているものと考えております。
 今後とも必要に応じ訪米をし、米国政府に対し粘り強く訴え続けていくことが重要であると考えているところでございます。
 次に、台風13号被害について、被害地域への支援対策いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 台風第13号の被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興を願うものでございます。
 私も9月17日に与那国島に入り、サンニヌ展望台の土砂崩れ、道路や農道の崩壊など災害現場を視察をし、長い時間暴風域にありましたことによる被害の大きさを感じたところでございます。
 県といたしまして災害復旧を迅速かつ円滑に行うため、22日には、私を議長としました各部局長等で構成しております「復旧対策会議」を開催し、全庁的に復旧対策に取り組んでいるところでございます。
 道路などの公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の対象事業につきましては、国への災害復旧申請の準備を進めているところでございます。
 また、農地・農業用施設災害復旧事業の対象となります農道などの被害につきましても、国への災害復旧申請の準備を進めているところでございます。
 さらに、災害で人身及び住宅に被害を受けました被災者に対しましては、沖縄県災害見舞金支給要領に基づき災害見舞金を支給することといたしております。
 今後、被害総額、地元の要望事項等を早急に取りまとめ、早期復旧に向け取り組んでまいる所存でございます。
 次に、普天間飛行場移設問題についての中で、「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」の概要と、公表時期についての御質問にお答えいたします。
 9月5日に公表しました「沖縄県の考え方」におきまして、普天間飛行場の危険な状態を一日でも早く解決するためには、キャンプ・シュワブに移設することが現実的な選択肢であること、また、海兵隊のグアム移転や嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の返還などを確実に進めることが基地負担の軽減につながることなど、県の考え方を述べております。あわせまして、移設に至るこれまでのいきさつや県議会決議についても触れております。
 さらに、私が知事就任後、政府と重ねてまいりました協議の内容や、ワーキングチームの設置、使用協定の締結、地元の雇用、地域振興策、跡地の利活用など、移転に関連する諸課題につきましても言及いたしております。
 この「沖縄県の考え方」を取りまとめ公表した趣旨は、普天間飛行場移設問題に対する私の姿勢が県民や県議会の皆様に必ずしも十分に理解されていないように感じましたことから、移設の必要性や県の取り組み、そして今後の進め方などについて、9月議会の前に公表をしたものでございます。
 同じく普天間飛行場移設問題についての御質問の中で、県内移設反対と現状固定化についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場移設問題の原点及びその緊急の課題は、現在の普天間飛行場の危険性の除去でございます。
 県といたしましては、同飛行場の県外移設がベストだと考えておりますが、今回の米軍再編協議の経緯などから県外移設の実現は困難であり、一刻も早い危険性の除去のためには、県内移設を進める必要があると考えているところでございます。
 普天間飛行場の県外移設、国外移設を検討することは、これまで長い時間をかけて日米両政府や県、そして名護市などの間で行ってきました検討の積み重ねを明確な見通しが立たないまま再度やり直すことになります。そして、その結果、今後も危険な状態がそのまま放置されることを最も懸念しているところでございます。
 同じく普天間飛行場移設問題に関しまして、暗黙の了解発言についての御質問にお答えいたします。
 代替施設の建設計画につきましては、可能な限り沖合へ寄せるなどの地元の意向や環境に十分配慮する必要があると考えており、機会あるごとに政府に求めてきたところでございます。これに対し、町村官房長官からは、沖合移動も念頭に早目に決着したいとの発言がありました。
 また、政府と県との間で実務者レベルのワーキングチームが設置されたことは、これまでの私の主張を踏まえ、政府として地元の意向をよく聞き、環境などに十分配慮しつつ、具体的な検討を進めていくという姿勢のあらわれだと理解をしているところでございます。
 次に、土木・建設業の育成に係る御質問の中で、調停の申し立てに対する県の対応についての御質問にお答えいたします。
 県の損害賠償金請求につきましては、8月22日、建設業者94社から那覇簡易裁判所へ調停の申し立てがなされております。
 申し立ての主な内容は、第1に債務の存否、第2に債務の額の確認、第3に支払い方法の確定などとなっております。
 県といたしましては、去る2月5日に決定いたしました損害賠償請求についての基本的考え方をもとに調停に臨み、申立人らの意見に真摯に耳を傾けるとともに、県の考え方を十分に説明をし理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。
 また、協議の結果、裁判所の和解案などが示された場合には、法令等の範囲内で、かつ県民の理解が得られます内容で解決を図るよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
 同じく土木・建設業に係る御質問で、賠償金請求が企業へ与える影響と県の対応策についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 県が請求を予定しております損害賠償金は、総額で約110億円の多額に上ることから、厳しい経営環境にあります建設業界にとっては相当な負担となります。ひいては県経済、そして社会に与える影響も大きなものがあると考えられます。
 県といたしましては、建設業者が破産等に至らないように、賠償金請求に際しまして個別に企業ヒアリングを実施し、各企業の財務状況に応じて、無利息・無担保の措置や、納付の方法につきまして最長で10年の分割納付などの措置を講じることを検討いたしているところでございます。
 同じく土木・建設業に係る御質問の中で、住宅着工戸数の減少の要因と今後の見通しについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 改正建築基準法の施行後、住宅着工戸数は減少し、厳しい状況が続いていると認識いたしております。
 沖縄県の住宅建設の特徴といたしまして、構造計算を要する鉄筋コンクリート造の戸建て住宅や小規模アパートが多くあることから、構造審査の厳格化に対応できる構造技術者の絶対量が不足するなど想定外の状況が発生し、結果として住宅着工戸数が減少しております。
 県は、改正建築基準法の影響を最小限にとどめるため、国や建築関係団体と連携をして、事前審査の延長、そして図書省略認定の普及、県外構造技術者紹介事業、そして審査体制の強化など対策を講じているところでございます。
 また、去る5月に国土交通大臣に面談をし、沖縄の窮状を訴え、建築確認円滑化に対する対策への支援を要請いたしました。
 しかし、住宅着工戸数が回復していないことから、これまでの対策に加えまして、国や建築関係団体と連携をし、まだ仮称ですけれども、沖縄県建築設計サポートセンターを立ち上げ、構造技術者の確保や育成を図ることにいたしております。
 県といたしましては、住宅着工戸数が回復するにはまだ時間を要するものと考えておりますが、早期に例年の水準になるよう最大限努めてまいる所存でございます。
 同じく土木・建設業の育成に係る御質問の中で、図書省略認定制度が活用されていない理由、そして周知方法についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 図書省略認定制度は、国の支援のもと沖縄に限定をしまして、国土交通大臣からことし4月に認定されております。
 同制度は、構造計算を簡略化し、構造計算適合性判定が省略される制度となっております。しかしながら、認定後、間もないことや一定のルールに従って設計を行う必要があることから、十分にいまだ活用されるには至っていない状況でございます。
 県は、これまでに建築関係者に対しまして、本島及び宮古、八重山で合わせて14回の説明会を開催いたしますとともに、本庁及び各土木事務所等におきまして相談窓口を設置し、その周知を図っているところでございます。
 今後、建築設計者の意見を取り入れ、国と連携をいたしまして図書省略認定の改善及び同制度の周知を図り、なお一層の利用促進に努めてまいりたいと考えております。
 同じく土木・建設業に係る御質問の中で、国及び米軍発注工事の地元企業受注率向上に向けた取り組みについての御質問にお答えいたします。
 沖縄県における建設業は、沖縄県の経済と雇用を支える重要な基幹産業でありますが、近年の建設投資の減少及び受注競争の激化など厳しい経営環境に直面をしております。
 このため、受注機会の拡大を通して県内建設産業の活性化及び雇用の拡大、そして改善を図ります観点から、国などが発注する公共工事の地元優先発注及び県産資材などの利用拡大を促進するため、9月18日に沖縄総合事務局、沖縄防衛局に直接要請を行ってまいりました。
 また、9月11日には安里副知事及び関係部長が内閣府を初め国土交通省、農林水産省、防衛省へ要請を行っております。その結果、沖縄総合事務局から一般競争入札における参加資格要件の経営事項評価点引き下げや総合評価における評価項目の見直しによる県内企業への受注機会の拡大など具体策が示されたところでございます。
 今後の受注率向上に向けた取り組みにつきましては、今回の要請の結果を見ながら、さらに必要な行動を検討してまいりたいと考えております。
 米軍に対する要請につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。
 同じく土木・建設業の育成に係る御質問の中で、沖縄総合事務局独自の国発注工事基準の創設に係る御質問にお答えいたします。
 県は、県内企業の受注機会の拡大が図られるよう、入札参加資格要件の緩和などにつきまして沖縄総合事務局に要請いたしました。
 沖縄総合事務局では、今回の要請に対しまして7億9000万円以上の工事について、一般競争入札における参加資格要件の経営事項評価点を、工事の難易度に応じまして1100点以上としてきましたものを、この10月から1000点以上に緩和して試行していきたいと回答しております。この結果、7億9000万円以上の工事につきまして一般競争入札に参加できる県内企業がこれまでの4社から69社に拡大されることになります。
 次に、旧軍飛行場の問題につきまして、国との調整状況と総事業費の見積もりについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 旧軍飛行場用地問題につきましては、平成14年に沖縄振興計画へ位置づけられて以降、県といたしましてはプロジェクト班を設置し、県・市町村連絡調整会議を中心に、各地主会及び関係市町村との連携を踏まえ、国との調整を進めてきたところでございます。
 昨年の県・市町村連絡調整会議におきましては、団体方式により先行する市町村の事業実施に向けて取り組む等の方針を確認し、また旧軍事業の予算等につきましては、予算枠や事業のあり方などいろいろな可能性につきまして国と調整を重ねてきたところでございます。その結果、平成21年度概算要求におきまして、内閣府が特別調整費を活用した事業として特定地域特別振興事業――これは仮称ですが――を項目として盛り込んでおります。
 県といたしましては、市町村等の要望を踏まえまして沖縄振興計画期間内に事業を実施していきたいと考えているところでございます。
 総事業費の見積もりにつきましては、事業内容を検討する中で今後調整されるものと考えているところでございます。
 観光振興に係る御質問の中で、沖縄便の運休・減便の現状と対策及び燃料費高騰対策についての御質問にお答えいたします。この御質問は7の(1)のイなど関連いたしておりますので、一括して答弁させていただきます。 
 全国的な航空路線再編の動きの中で、沖縄路線につきましては、福島線、高知線がそれぞれ平成21年2月1日より、そして花巻線が同じく3月16日より運休することとなっております。また、関西線や仙台線につきまして減便及び運航の短縮が予定されております。
 このような路線再編の中で、修学旅行等へ影響が大きい福島線につきましては、JTA本社やJAL本社に対しまして運航継続を要請したところでございます。
今後の対応としましては、各地で開催される沖縄県の物産・観光展の活用や修学旅行説明会をふやすなど、あらゆる機会を通しましてさらなる需要喚起を行い、定期便の運航継続につなげていきたいと考えているところでございます。
 同じく観光振興について答弁させていただきますが、歴史・文化そして世界遺産、グルメなどの観光資源の認知度と情報発信についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 昨年度、沖縄県におきましては、未来訪者に対してインターネット調査を実施をし、来訪者に対して空港内アンケート調査を実施いたしました。その結果、来訪者は未来訪者と比較をいたしまして歴史・文化、世界遺産、グルメにつきましては、沖縄で楽しめるものとしてより高く評価をしているそうでございます。そして沖縄県といたしましては、現在、観光業界と連携し、歴史や文化、世界遺産などの魅力に十分に触れていただける新たな旅行商品の開発に取り組んでいるところであります。
 今後、まだ来訪しておられないお客様にもこれらの商品を浸透させていくため、旅行専門誌などのメディアを使って効果的なプロモーションを展開していきたいと考えているところでございます。
 観光振興の中で、各種会議等の観光客に占める割合と誘客対策いかんという御質問にお答えいたします。
 各種会議や学会などいわゆるMICEと呼ばれております会合等の誘致につきましては、経済効果が高く通年型であるという特徴を有しておりますことから、沖縄県といたしましても重要な施策として位置づけているところでございます。
 MICE観光客の割合は、「平成19年度観光統計実態調査」によりますと12.3%となっており、沖縄観光の中でも一定の割合を占めているところでございます。
 沖縄県といたしましては、東京・大阪での誘致セミナーの開催、そしてキーパーソンの招聘、国際会議見本市への出展など、MICEの誘客促進に向け積極的に取り組んでいるところでございます。
 次に、那覇空港に係る御質問の中で、那覇空港滑走路増設の今後の作業の見通しについての御質問にお答えいたします。
 那覇空港の拡張整備につきましては、平成20年8月7日に国と県で構成いたします「那覇空港構想・施設計画検討協議会」が設置されております。また、同協議会のもとに滑走路配置に関する技術的観点からの指導助言を行う「那覇空港技術検討委員会」が設置され、この第1回の委員会が9月22日に開催されているところでございます。
 今後は、これらの検討結果等をもとに実施されますPIの結果や協議会における協議を踏まえまして、国において最終的な案を決定することとなってまいります。
 同じく那覇空港滑走路に係る御質問の中で、県民に対する情報公開、広報活動についての御質問にお答えいたします。
 平成19年度まで実施してまいりました総合的な調査におきましては、県民に内容を理解していただけるよう報告書の内容を工夫しまして、那覇空港ターミナルビルやモノレール駅などの公共施設等に報告書を備え置きますとともに、地域ごとの説明会の開催や、各種団体の会合などでの説明など積極的に情報を公開してまいったところでございます。
 構想段階PIは、滑走路位置を決定する上で大変重要なPIとなることから、これまで以上に多くの方々から御意見をいただけるよう、なお一層の情報公開や広報活動を行いたいと考えております。
 同じく那覇空港に係る御質問の中で、那覇空港ターミナル地域整備の概要と国際貨物基地構想への取り組みについての御質問にお答えいたします。
 那覇空港ターミナル地域につきましては、旧国内線旅客ターミナル跡地に新貨物ターミナルを、現貨物ターミナル跡地に新国際線旅客ターミナルをそれぞれ整備し、さらに、現国際線旅客ターミナル跡地に国内線旅客ターミナルを拡張することを基本に、現在、国におきまして整備計画を策定しているところでございます。
 新貨物ターミナルにつきましては、約6万5000平米の敷地に約4万平米の上屋を設置することといたしており、これにより全日空が計画する国際貨物基地構想の実現に向けて大きく前進するものと期待をしているところでございます。
 県といたしましては、新貨物ターミナルにおきまして展開される国際航空物流事業が円滑かつ安定的に進みますよう、引き続き関係機関と連携をして取り組んでまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(上原 昭) 台風13号被害についての御質問のうち、その被害状況と県の対応についてお答えいたします。
 台風第13号による9月24日現在の与那国島地方を中心とした県内の主な被害状況は、人的被害は重傷者1人、軽傷者1人、住家の全壊2棟、半壊6棟、一部損壊62棟、ライフラインの被害では9300世帯が停電、水道も与那国島で全世帯の断水がありました。被害見込み額は、土木関係が約3億6500万円、農林水産関係が約4億5500万円になります。 
 県においては、9月12日の暴風警報発表と同時に沖縄県災害対策本部を設置し、24時間体制で市町村や消防、警察、気象台等からの情報収集、そして被害情報の庁内電子掲示板への掲載による関係部局の情報共有等の対応に当たったところであります。
 また、被害状況等については、定期的に県のホームページに掲載し、報道機関及び県民に情報提供をしております。
 次に、普天間飛行場移設問題のうち、移設計画の性格についての御質問にお答えします。
 既存の提供施設であるキャンプ・シュワブに建設が計画されているのは、普天間飛行場の返還に伴うかわりの施設であります。
 具体的には、現在の普天間飛行場にあるヘリによる海兵隊の陸上部隊の輸送機能、ヘリなどに空中給油を行う機能、緊急時に多数の航空機を受け入れる機能のうち、空中給油機能と緊急時の受け入れ機能は本土の自衛隊基地等へ移設され、残る陸上部隊の輸送機能のみがキャンプ・シュワブに移ることになっております。また、代替施設は既存のキャンプ・シュワブの陸上部分に加えて隣接する沿岸部分を埋め立てて設置されるものであります。 
 このようなことから、県としては、普天間飛行場のキャンプ・シュワブへの移設は新しい基地の建設とは性格が異なると考えております。
 次に、県民の理解と協力を得る取り組みについてお答えいたします。
「沖縄県の考え方」については、県民に広く御理解をいただきたいとの趣旨から知事記者会見の機会に公表しましたが、あわせて議員の皆様、政府関係者、関係市町村に送付するとともに、県のホームページでも公表しております。
 県としては、普天間飛行場移設問題について、地元の意向を踏まえ、政府との協議を積み重ねることにより解決促進に努めていく所存であり、あわせて県民の御理解と御協力を得る努力も重ねてまいりたいと考えております。
 次に、ワーキングチームの設置についてお答えします。
 知事は、これまで物事をまとめていくためには、技術者や実務的な人も必要であり、そのような協議の場が必要であると発言してきました。
 このような知事の主張に政府の理解が進み、去る7月18日の第8回協議会において、2つのワーキングチームの設置が合意され、8月5日に第1回のワーキングチーム会合が開催されました。
 今後、このワーキングチームにおいて、実務者同士の具体的かつ率直な意見交換が行われることにより、普天間飛行場問題の解決が促進されることを期待しております。
 次に、普天間飛行場の飛行航跡調査についてお答えします。
 防衛省は、去る8月28日から9月3日までの7日間、航空機航跡観測装置を用い、普天間飛行場における飛行航跡調査を実施しました。
 今回の調査は1週間という短期間でありますが、防衛省において来年度約2億800万円の航跡調査に要する経費を概算要求しており、相当期間の調査を予定しているとのことであります。
 県としては、普天間飛行場の場周経路等の客観的なデータを把握し、評価することは重要なことであると考えております。
 また、危険性除去策の検討に当たっては、場周経路の調査にとどまらず、さらなる抜本的な対策を検討していく必要があると考えております。
 米軍ヘリ墜落事故の反省についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場の危険性の除去の方策については、昨年8月政府から「普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策についての検討に関する報告書」が発表されましたが、県としては場周経路の改善等では不十分であると考えております。また、見直された場周経路がきちんと守られていないとする宜野湾市の指摘があることから、防衛省は去る8月末に普天間飛行場における飛行航跡調査を実施しております。
 県としては、防衛省が実施する飛行航跡調査の状況を注視しているところでありますが、移設するまでの間であれ、普天間飛行場の危険性をそのまま放置することはできないことから、訓練の分散移転などさらなる抜本的な改善措置が必要であると考えております。
 県としては、去る7月末に設立した実務者間のワーキングチームにおける協議を通して、具体的な危険性除去策の提案、実施につなげていきたいと考えております。
 次に、沖合移動等の合理的理由についての御質問にお答えします。
 沖合移動等に係る合理的理由については、生活環境や自然環境、実行可能性などを総合的に考慮し、その必要性が判断されるものと考えております。現在、環境影響評価手続が進められているところであり、今後、準備書や評価書の手続が進められていく中で、住民や関係市町村長、環境影響評価審査会の意見を踏まえ、知事意見を述べることになりますが、地元の生活環境や自然環境などに十分配慮する観点から、理論構築は可能であると考えております。
 次に、海兵隊グアム移転の開始時期についてお答えします。
 「再編実施のための日米のロードマップ」では、海兵隊司令部及び約8000人の将校・兵員等が2014年度までに沖縄からグアムに移転することが示されておりますが、その開始時期についてはまだ政府から明らかにされておりません。
 なお、ことし4月に示された米国国防総省の「グアム統合軍事マスタープラン素案の概要」によると、2010年初頭に環境影響評価決定書が署名され、その後、在沖海兵隊のグアム移転を含めたグアムの基地全体において、今後必要となる施設やインフラの詳細な計画が確定する予定であるとのことであります。
 次に、返還跡地利用の促進についての御質問のうち、施設の同時返還に係る国との調整状況についてお答えします。
 嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還は、本島中南部都市圏における大規模な返還であり、跡地への新たな需要を生み出す産業、機能の導入や事業実施に係る財源の確保、推進体制等について検討する必要があります。そのため県では、国の財政支援を得ながら、「普天間飛行場跡地利用計画策定推進調査」を行い、実施プロジェクトなどの内容の明確化を図っているほか、「駐留軍用地跡地の計画的な利用の枠組み検討調査」等を実施し、跡地利用のための制度や組織についてさまざまな観点から検討を行っております。
 また、国においても今年度より嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還に的確に対応するための検討調査を実施し、より効果的な跡地利用施策の展開方策を検討するとのことです。
 跡地利用については、今後とも、国や跡地関係市町村と密接に連携し取り組んでいきたいと考えております。
 次に、関係市町村との調整協議についてお答えします。
 跡地利用は、まちづくり、地域づくりに直結することから、最も地域に密着した市町村が主体となり、地主や住民の意向を反映しつつ、県・国の連携のもと取り組んでいるところであります。
 県は、駐留軍用地の有効かつ適切な利用の促進を図るため、「跡地関係市町村連絡・調整会議」等の場を活用し、財政負担等も含め跡地利用に係る諸課題について調整協議を行っているところであります。
 なお、跡地関係市町村においては、国の支援を得て跡地利用計画の策定及びその具体化を進めるための各種調査を実施しているところであります。
 次に、旧軍飛行場用地問題についてのうち、新規事業等への影響についてお答えします。
 特別調整費については、非公共事業として毎年度50億円の予算措置がなされております。
 旧軍事業については、沖縄振興計画の趣旨を十分に踏まえ、本県の特殊事情への対応性等を十分に考慮して配分を行うとされている特別調整費の制度の中で検討されていくものであり、従来の沖縄振興事業や新規事業等への影響はないものと考えております。
 次に、旧軍事業に係る国の基準についてお答えいたします。
 県は、旧軍事業について、旧軍飛行場の用地の存在等により、コミュニティーが分散されたため、地域の伝統文化等の進展が阻害された地域において、地域の振興、活性化を図り、地域社会の再構築に向けて取り組む事業を特別調整費の活用により実施するとの方針を示し、国もこれを了解しております。
 平成21年度予算に向けては、地域の活性化のためのコミュニティーセンター整備等の事業について国との調整を進めているところであります。
 次に、別枠予算を求める地主会との調整についてお答えします。
 県は、国との調整において別枠での予算化の可能性についても調整を重ねてきたところでありますが、国は別枠での予算化は極めて困難であるとしております。
 このため、別枠予算を求める地主会に対しては、市町村と十分に相談し、各地域の振興・活性化を図るための特別調整費を活用した事業化への理解を求めていきたいと考えております。
 次に、個人補償を求める地主会への団体方式の呼びかけ期限設定についての御質問にお答えします。
 旧軍事業については、8月に開催した県・市町村連絡調整会議において振興計画期間内に行うことを確認したところであります。
 県としては、沖縄振興計画の残り期間や事業の調整期間等を勘案して、平成22年度予算に向けては平成20年末、平成23年度予算に向けては平成21年末までの事業案の提出を期限としております。
 次に、那覇港湾整備計画の推進についての御質問のうち、那覇港湾代替施設の概要と今後の作業手順についてお答えします。
 「那覇港湾施設移設に関する協議会」におけるこれまでの国の説明によりますと、那覇港湾代替施設の位置は浦添埠頭地区の北側区域、面積は集積場約14ヘクタールを含め約49ヘクタールとなる見込みであるとの説明を受けております。また、形状は平成15年の日米合同委員会において承認された図面によると逆L字型となっております。
 現在、「那覇港湾施設移設に関する協議会」において、移設に関連した諸措置等について、国、県、地元自治体等で協議調整が進められているところであり、去る9月2日に開催された協議会では、防衛省から代替施設への施設配置などの基本検討を実施している旨の報告がありました。
 県としては、今後とも国、地元自治体等と連携して那覇港湾施設の移設に取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(漢那政弘) それでは台風13号の被害についての御質問の中の、台風13号による道路被害等の事前対策についてお答えいたします。
 台風第13号は、長時間にわたり与那国島に記録的な大雨と強風をもたらし、のり面崩壊や電柱倒壊等の被害が発生しております。
 道路における台風被害の事前対策としては、災害発生に伴う交通情報等について町役場との連絡体制の確立、のり面崩壊や電柱倒壊等による地域の孤立を防止するため、地元建設業者や沖縄電力へ緊急対応の協力体制の依頼を行っております。
 県としましては、今後とも台風など災害時の生活物資や電力の安定供給が図れるよう、橋梁の耐震対策、電柱の強化など、災害に強い道路づくりに努めるとともに、連絡体制の強化と迅速な対応について与那国町役場と連携を図っていきたいと考えております。
 次に、那覇港湾整備計画の推進についての御質問の中の、国際クルーズ船基地機能の強化策と進捗状況についてお答えします。
 那覇港においては、国際観光・リゾート産業の振興を図るため、大型旅客船が寄港する国際クルーズ船基地としての機能を強化する延長340メートル、水深マイナス10メートル、対象船舶10万トンクラスの専用バースを泊埠頭若狭地区において整備を図ることとしております。
 平成19年11月から国直轄事業として整備に着手しており、平成21年度暫定供用の予定であると聞いております。
 続きまして、臨港道路浦添線整備の現状と問題点についてお答えします。
 臨港道路浦添線は、港湾内の円滑な交通を確保し、国道58号等の交通渋滞緩和を図ることを目的とする浦添市空寿崎から西洲に至る延長約2.5キロメートルの道路であります。そのうち、南側約1.5キロメートルについては、浦添市土地開発公社において埋め立てを行い、埋め立て後は国が用地を取得し、道路の整備を行うこととなっております。
 同公社は、埋立事業の環境影響評価書を本年7月に、公有水面埋立免許申請書を9月22日に提出しており、今年度中に埋め立てに着手し、平成22年度に完了する予定と聞いております。
 北側の約1キロメートルについては、当初埋め立てにより整備する予定でしたが、環境や地元の要望等に配慮し一部橋梁化することとなったことから、事業工程の見直しが必要となったということを聞いております。
 以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 普天間飛行場移設問題との関連で、沖合移動への環境アセスへの影響についてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業は、環境影響評価法及び沖縄県環境影響評価条例に基づき手続が進められております。
 代替施設の位置の修正があった場合は、新たに埋め立て区域や飛行場区域となる部分の面積の増加の程度によってはアセス手続に影響を及ぼす可能性があります。
 事業の実施に当たっては、事業実施区域及びその周辺の環境に著しい影響を及ぼさないよう十分な配慮が必要であることから、県としては、今後の環境影響評価手続において引き続き慎重に審査していきたいと考えております。
 次に、那覇港港湾整備計画との関連で、公共関与最終処分場の概要と進捗状況についてお答えいたします。
 県では、産業廃棄物の適正な処理体制を確保し、持続的な経済社会の維持・発展と循環型社会の形成に寄与する基盤施設として公共関与による管理型最終処分場の整備を推進しております。
 処分場の規模につきましては、15年間の埋立容量としておおむね36万立方メートルを確保することとし、本部町崎本部、名護市安和、浦添市伊奈武瀬の3候補地が選定されたところでございます。そのうち、浦添市伊奈武瀬の候補地につきましては、那覇港港湾計画において一般廃棄物の埋立処分用地として位置づけられており、公共関与による産業廃棄物最終処分場として整備を図るためには、那覇港港湾計画の変更手続が必要となっております。
 県では、当該候補地周辺における水環境及び自然環境の現況調査を実施するなど、港湾計画の変更に必要な資料の収集に努めるとともに、地元浦添市を初め、関係者との情報交換を行っているところであります。
 県としては、引き続き3候補地の市、町や地域の方々の理解と協力が得られるよう努め、社会的条件や地域の理解が得られるなどの諸条件が整った箇所から先に整備を進めたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 返還跡地利用の促進についての御質問で、嘉手納より南の返還跡地利用の基本方向性と各跡地の連携についてお答えいたします。
 県としましては、嘉手納飛行場より南の米軍基地返還に伴う跡地を本県の自立的発展に寄与する貴重な空間として活用し、県土構造の再編も視野に入れた計画的な都市づくりや新しい経済活動の拠点として形成する必要があると考えております。
 また、このような基本的方向の実現を図るためには、周辺市街地を含め跡地ごとの特性を生かし役割を分担するなど各跡地の連携も重要であると考えております。このため、昨年度から、大規模跡地を中心に、主要プロジェクト等も含めた産業振興の方向性と、県土の有効利用という視点に立った都市機能のあり方について調査を実施しているところであり、その結果については、現在策定を進めている沖縄21世紀ビジョンに反映させていくこととしております。
 同じく、返還跡地利用の促進についての御質問で、跡地利用の財政的担保の位置づけについてお答えいたします。
 駐留軍用地跡地の利用促進については国の責務であると考えており、必要な財政措置についても国においてなされるべきものと考えております。
 現在、沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画の総点検を実施しており、新たな法制度の制定も含め検討してまいりたいと考えております。
 次に、那覇空港滑走路の拡張整備についての御質問で、1310メートル案のメリットとデメリット及び国の対応についてお答えいたします。
 滑走路間隔1310メートル案は、空域やターミナル配置等の条件が整えば空港能力が最大2倍になる可能性があり、県の将来発展に十分対応することができるメリットがあります。
 デメリットとしては、ターミナルまでの航空機の地上走行距離が長くなるため、航空機の燃費がかさむことが指摘されております。
 現在、国においては、PIステップ3で提示した3案を基本に、事業の効率性や環境影響などを踏まえた詳細な検討が進められております。
 同じく那覇空港滑走路の拡張整備との関連で、自衛隊との共同使用の実態と滑走路位置決定との関連性についてお答えいたします。
 滑走路増設に当たって、国は自衛隊が将来も現状のとおり利用することを前提に検討しております。
 県としましては、自衛隊機と民航機の運用については、その効率性と安全性が最大限確保される必要があると考えております。
 以上であります。
○観光商工部長(仲田秀光) 観光振興に関する御質問の中で、観光客1人当たり県内消費額の伸び悩み理由とその改善策についてお答えします。
 観光客1人当たり県内消費額は、近年7万円台前半で推移しております。
 その理由としましては、全国的な個人消費の伸び悩み、家計における旅行関連支出の低下、旅行商品の低価格化の影響を受けていることが大きいと考えております。
 県といたしましては、MICEやリゾートウエディングなど付加価値の高い観光を推進するとともに、ニューツーリズムなどの体験滞在型観光メニューの拡充や離島観光の推進などに取り組むことにより、観光客1人当たり県内消費額の増大を目指してまいります。
 次に、観光客1000万人に対応する県内消費額と達成するための課題についてお答えします。
 沖縄県といたしましては、2016年度には観光客1人当たり県内消費額を引き上げ、1兆円の観光収入を目指してまいりたいと考えております。
 この目標を達成するためには、滞在日数の延伸、観光関連業界における質の高い人材の育成、付加価値の高い観光メニュー創出の促進、また、那覇空港の拡張を初めとする観光基盤の整備などが課題であると考えております。
 次に、伝統工芸品を活用した土産品の商品開発についてお答えします。
 本県の工芸品は、観光土産品市場において重要な品目であり、伝統工芸のすぐれた技術・技法を取り入れつつ、斬新なデザインや新たな用途の開発等によって今後さらに大きく伸びる可能性があります。
 県では、製造業重点分野支援事業などの実施により、企業等が行う新商品の開発に対し資金的な支援を行うとともに、工芸技術支援センターにおいては技術的な支援を行っております。その結果、ウージ染めによる商品開発や、伝統染織物を活用したバッグやインテリア小物、かりゆしウエア、琉球ガラスと漆器とのコラボレート商品などが製品化されております。
 県としては、今後とも関係団体等との連携を密にして、伝統工芸を生かした魅力ある土産品の開発に取り組んでまいります。
 次に、県内の宿泊状況と県内消費額の関連性についてお答えします。
 日本銀行那覇支店は、平成19年度から始めた国土交通省宿泊旅行統計をもとに、県内の観光客宿泊状況について分析しております。
 その結果、平成20年1月から3月における人口100人当たりの観光客の宿泊者数は、全国平均の31.2人と比較しまして沖縄県は207人であり、観光客数が着実に増加していること及び沖縄県の島嶼性を反映した結果となっております。一方、宿泊費を含む県内消費額については、旅行商品の低価格化の影響などによって伸び悩んでおります。
 県といたしましては、体験滞在型観光など宿泊の延伸につながるメニューの拡充に取り組むことにより、観光客1人当たり県内消費額の増大を目指してまいります。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時49分休憩
   午後1時13分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前に引き続き代表質問を行います。
 仲田弘毅君。
   〔仲田弘毅君登壇〕
○仲田 弘毅 皆さん、こんにちは。
 午後の部に入ります。うるま市選挙区の仲田弘毅でございます。
 まずもって、先般台風13号による被害をこうむられた先島地域の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
 先ほど具志議員の質問に対し丁寧な答弁がございましたけれども、知事を初め執行部の皆さんには早急な復旧支援対策をお願いいたします。
 それでは、自由民主党を代表して通告に従い質問を行います。
 1、県経済の長期展望について。
 去る8月29日、県内の経済30団体による原油価格高騰に伴う県内産業の窮状を訴え、政府による原油価格の抑制策や救援策等の早期実施を求め、「原油高騰経済危機突破総決起大会」が開催されました。
 2011年の沖縄振興計画の期限切れに向けポスト振計作業に着手をした本県にとって、原油価格高騰問題が長引くことは少なくともマイナス要因であり、国や県による早期かつ適切な総合的対策が求められております。
 沖縄21世紀ビジョンの策定は、2030年をめどとした沖縄の将来像、あり方を展望するまさに長期構想30年計画であり、この計画の成否は、本県が目指す自立型経済の構築に大きく寄与するものと考えております。また、県振興審議会は本来沖縄振興計画の審議を本旨とすることから、ポスト振計と関連する新たな振興計画と連動した審議が進められていくものと思われます。
 沖縄振興計画が残り4年を切った現在、本県にはいまだに多くの課題や問題点が山積しており、国支援の振興策の継続は必要であります。しかし同時に、県が検討する長期計画・構想は、自前の財政力強化、民間活力の活用、地域経済の活性化等、自立できる経済社会の構築を具現化するものでなければなりません。
 そこで伺います。
 (1)、県経済の振興について。
 ア、沖縄振興特別措置法の延長と新たな沖縄振興計画の策定について、県の基本的な考え方と国の対応を伺いたい。
 イ、沖縄21世紀ビジョンの策定に向けた取り組みの進捗状況と2010年度に素案策定する新たな振興計画との整合性をどのように図っていくのか伺いたい。
 ウ、新たな振興計画の策定に高率補助の維持と経済の自立という2つの課題はどのように調整を図っていくのか。
 エ、政府・与党の「安心実現のための緊急総合対策」について、本県の原油高騰対策への活用と関係業者への周知はどのように図っていくか。
 (2)、平成21年度国庫補助事業について。
 ア、平成21年度国庫補助事業予算について、要求の基本方針と重点課題について伺いたい。
 イ、沖縄振興予算は年々減少しており、さらに原油価格高騰による経済への影響がある中で次年度の振興予算の確保について伺いたい。
 ウ、知事の公約と関連する事業について説明をお願いいたします。
 県内産業の振興について。
 経済の自立を目指す本県にとって産業の振興と雇用の拡大は最も大きな課題であります。本県産業の抱える弱点は、他産業への波及効果と雇用拡大につながる大型製造業が育っていないことだと言われております。
 その要因として、県内市場が狭隘であること、本土経済圏から遠隔の地にある島嶼県であり、物資等の輸送面でコスト高になるという地理的不利性があること、さらに、経済のグローバル化に伴う市場競争の激化の影響が大きいことなどが指摘されております。
 一方、観光産業が飛躍的な伸びを見せ、本県のリーディング産業に成長しており、また県が力を入れて誘致・育成を進めている情報通信産業も、本県経済の自立に向け今後さらなる飛躍発展が期待されております。
 県においては、本県産業の育成を図るため、地域特性を生かした産業の戦略的展開を図り、新規産業の創出や企業の立地を促進することが必要になってくるものと思われます。
 そこで伺います。
 (1)、中小企業の振興について。
 ア、石油・原材料価格の高騰によるコスト増加分の価格転嫁が困難な状況の中、中小企業に対する県の支援策と経営指導について伺いたい。
 イ、原料等の高騰による経営圧迫に苦しむ中小企業に対する資金調達の円滑化や貸付金の返済繰り延べ等、県としての取り組みを伺いたい。また、金融機関の貸し渋りはないか。
 ウ、原油高騰対策支援金の概要と利用状況、関係業者への周知はどのように行われているか。
 (2)、企業誘致の促進について。
 ア、国外からの企業誘致について現状と実績、誘致に当たっての課題・問題点等を伺いたい。
 イ、雇用効果の大きい製造業の誘致について、県の基本方針とトップセールスを含めた今後の誘致活動の展開を伺いたい。
 ウ、沖縄振興特別措置法が残り4カ年を切りましたが、今後展開する企業誘致に影響はないか。
 3、農林水産業の振興について。
 WTOドーハ・ラウンド交渉において、緊急輸入制限(セーフガード)問題をめぐり先進諸国と途上国との間で交渉が決裂し、本県のさとうきび農家はひとまず安堵したところであります。
 しかしこれですべてが解決したわけではなく、今後、農産品輸出国はWTO決裂に関係なく、自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)などで、日本の関税撤廃を求めてくると思われ、本県農家の皆さんは今後の成り行きを注目しているところであります。
 また、近年、食の安全に関係した食品の産地偽装が社会問題となっており、本県を代表する優良ブランドに対する産地偽装は、おきなわブランドの信頼性を損なうだけでなく、農業全体への影響も心配されております。その上、本県の農水産及び畜産業は、急激な原油価格の高騰により飼料や肥料等生産資材価格が軒並み高騰し深刻な経営危機に直面しております。
 このような状況を打開するため、農水産業者においてはさらなる省エネルギーや低コストに努めておりますが、自助努力、経営努力だけでは解決し得ないのが現状であります。
 国においても、補正予算を含め総合的な対策が検討されておりますが、経営規模が零細な農水産業者にとっては一刻を争う問題であり、財政支援等早急な対策が必要であります。
 そこで質問します。
 (1)、県内農業の復興について。
 ア、WTO交渉が決裂しましたが、今後の農産品輸入交渉の見通しを伺いたい。
 イ、農産品輸出国は、決裂後も自由貿易協定や経済連携協定など日本の関税撤廃を求めてくるものと思われる。自由化交渉に関係なく重要品目枠に砂糖が組み入れられるよう、戦略の構築が必要ではないか。
 ウ、おきなわブランドとして本土市場に売り込む企業は、現在個人企業がほとんどであると言われ、組織的なブランド戦略に欠けているとの指摘があるがどうか。
 エ、農水産・畜産業者においては、原油価格の高騰を受け一層の省エネルギーや低コスト生産に向けた取り組みを進めている。県としての経営安定対策を伺いたい。
 (2)、農林水産業の支援対策について。
 ア、急激な原油や飼料・肥料等の生産資材価格の高騰により、農水産・畜産業者は深刻な経営危機にある。現状打開の方策について伺いたい。
 イ、県は、経営努力だけで解決できない燃料価格等の高騰に対する支援対策について、沖縄特別振興対策調整費の活用も考慮しているが、具体的な支援策を伺いたい。
 ウ、県内農水産業者は、燃料高騰の価格に対する補てん措置や経営存続のための税制・金融措置も要請している。県の対応を伺いたい。
 エ、燃料価格等の高騰に対する政府の支援対策の概要と、実施に際しての県のかかわりについてお伺いをしたい。
 4、米軍基地問題について。
 (1)、日米地位協定について。
 今から48年前の1960年、現行の日米地位協定が締結され、復帰後36年、本県は日米両政府に対し同協定の見直しを求め続けてまいりました。これに対して政府の姿勢は、日米地位協定は他国に比較しても最も進んでいるというのが国の対応であります。
 しかし現実は、民間地域における米軍人・軍属による事件・事故等は後を絶たず、基地内においては未明の戦闘機の離着陸が繰り返し行われ、地元の中止要求も無視され続けているのが現状であります。
 在日米軍施設の75%が集中する本県において、米軍の事件・事故等が起きるたびに、政府は運用改善の対応を繰り返し述べてきております。しかし、米兵による凶悪事件が基地を抱える他県においても多発し、本県の基地負担の実態をようやく他の県民が実感するようになり、沖縄県民の悩みが広く国民に広がってきたものと考えております。このことは、米軍基地を抱える都道府県でつくる渉外知事会が、地元自治体が参加する地域特別委員会の設置を政府に求めたことに対し、政府が自治体の代表と話し合う連絡会の設置を決めたことからもうかがうことができるものと思われます。
 そこで伺います。
 ア、日米両政府が検討している連絡会と、渉外知事会が求めていた日米合同委員会のもとに設置する地域特別委員会とは同性格のものであるかどうか。
 イ、米軍が娯楽に使用する車両に関し、日米地位協定で高速料金が免除されている問題について、県の見解を伺いたい。
 ウ、協定第5条の公務の範囲に、軍の娯楽プログラムによる民間娯楽施設への移動も入るのか伺いたい。
 (2)、米軍航空機騒音問題について。
 本県の米軍による事件・事故等は、復帰後36年を経過した現在においても改善の兆しが見えず、地元や県が幾度となく抗議を繰り返し再発防止を求めてきたにもかかわらず一向に後を絶ちません。その背景には、本県が本土から遠く離れた島嶼県であり、基地問題は沖縄だけの問題との認識が日米両政府にあるなど、国民の意識の薄さも無関係ではないと思われます。
 現に米軍は、嘉手納基地におけるF15戦闘機などが頻繁に未明の離着陸を繰り返している問題について、地元の中止要求に対してまことに誠意のない対応を繰り返しているのみであります。これは明らかに地域住民の生活安全を著しく軽んじているものであり、到底理解できるものではありません。
 県民や地域住民の安全確保を図るには、米軍の事件・事故等に対する連絡体制の情報や迅速な情報等の共有が求められているものであります。
 そこで伺います。
 ア、米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機などの未明離着陸問題で、地元の中止要求に対し米軍側は、今後も必要に応じ行うとの姿勢を示している。この問題について、今後、県はどのような対策を講じるか伺いたい。
 イ、米軍機の深夜・未明飛行を制限した騒音防止協定で、運用上必要な場合は飛行が認められているとの例外規定について地元は撤廃を求めているが、県の考えを伺いたい。
 福祉関係について。
 (1)、後期高齢者医療制度について。
 我が国の人口は1億2000万人を超えておりますが、そのうち75歳以上の高齢者は1300万人と推定され、これが2025年には総人口は減少に転じますが、75歳以上の高齢者は逆に2200万人に増加すると言われております。
 国民の総医療費は、2005年度時点では33兆円、そのうち3割近くの10兆円が老人医療費となっており、そのまま推移いたしますと2025年には総医療費が56兆円、老人医療費が28兆円に達すると予測されます。
 このように少子・高齢化が急速に進行する中で、増加する高齢者の医療費の負担をどのようにするかは我が国の社会保障制度における大きな課題であることから、政府においてはこれまで各界各層、政党等も含め多くの議論を重ねてきたことは周知のとおりであります。
 本県における老人医療拠出金は、老人医療保険制度創設時の昭和58年の69億円から平成17年度は351億円へと5倍となり、一般会計から31億円を繰り入れるという厳しい財政状況となっております。また、本県の1人当たりの老人医療費は93万7000円で全国平均を15万円も上回り、全国で7番目に高い数字を示しており、入院費について見ると全国一高額になっております。
 冷静に考えますと、ふえ続ける高齢者医療費への対応、後世への負担の軽減等から老人医療制度の抜本的見直しは必要不可欠であり、制度の必要性は論をまたないと考えております。そして、制度の趣旨である国民医療をみんなで支え合う国民皆保険制度を維持し、将来にわたって老人に優しい医療制度を守り、高齢者が少ない負担で医療を受けられるような社会保障制度の原点を忘れてはならないと考えております。
 そこで伺います。
 ア、後期高齢者医療制度について、政府の改善策の概要と特に低所得者層へどのような配慮がなされているか伺いたい。
 イ、後期高齢者医療制度が廃止された場合、医療制度全体や高齢者医療にどのような影響を与えるか伺いたい。
 ウ、本県における老人医療拠出金の推移と一般会計からの繰入額、今後の見通しについて伺いたい。
 エ、後期高齢者医療広域連合会は、低所得者に対する保険料の所得割額、均等割額減額特例などの条例改正を行ってまいりましたが、改正の趣旨と対象範囲について伺いたい。
 (2)、ドクターヘリ導入について。
 県は、現在進めているドクターヘリ事業について、救命救急センターの指定を受けている浦添総合病院に事業委託し、12月からの運航を具体化する方針を示しました。また、財政難の北部地区医師会病院から、救急ヘリ運営を引き継いだNPO法人の救急ヘリ搬送事業は、一般からの資金を募り運行再開を目指しております。
 同救急ヘリは、北部12市町村の伊平屋、伊是名、伊江の3離島を含む北部広範囲をカバーしてきておりますが、機体の賃貸やパイロットの確保など、年間維持費が約8000万円必要とされ、民営では大変厳しいものがあります。
 このような中、去る8月に来県した舛添厚生労働大臣は、本県に2機目のドクターヘリ導入と北部地区の救急ヘリ搬送事業に米軍再編交付金の活用を示しました。2機目のドクターヘリ導入については県の財政負担の問題もありますが、医療に地域格差があってはならず、救える命は救うとの医療精神の観点から検討していく必要があります。
 そこで伺います。
 ア、舛添厚生労働大臣は、本県に2機目のドクターヘリ導入の方針を示しました。財政支出を含め県の対応を伺いたい。
 イ、北部地区の救急ヘリ搬送事業に対する資金支援として米軍再編交付金の活用を示唆した。実現の可能性はどうか伺いたい。
 ウ、ドクターヘリの宮古・八重山等離島への導入について、今後検討する考えはないか。
 エ、12月から運航が予定されるドクターヘリについて、県は、実施主体を浦添総合病院とする方針を固めているが、今後の運航計画とカバーできる地域の範囲を伺いたい。
 (3)、認可外保育所の現状について。
 県は、認可外保育所問題の根本的な解決を図るため、沖縄特別振興対策調整費を活用し、今後3年間でこれまでの倍のぺースで認可化を推進し、3000人の保育児童の定員増を図るという支援策を示しました。
 現在、県内の認可外保育所は24市町村で441カ所、2万5400余人の児童の受け皿となっておりますが、いまだに待機している児童も全国で2番目に多い1800人余りいるというのが実情であります。
 本県の認可外保育所の多くは施設規模が小さく経営体力が弱いことから、認可化がおくれている要因となっております。沖縄特別振興対策調整費を活用した支援策が実施されれば、本県保育環境の改善につながるものと評価し期待しているものであります。
 そこで伺います。
 ア、内閣府は、沖縄特別振興対策調整費を活用して、本県認可外保育所の認可化を支援する方針を示した。国の支援策の内容と、これを受け県の対応をお伺いしたい。
 イ、認可化がおくれている要因は、多くの認可外施設が小規模で経営体力が弱いことにある。今回の国の支援策で認可外保育所の抱える課題の解決につながるか伺いたい。
 ウ、財政力の弱い市町村は、認可外保育所の認可化には容易に取り組めない状況にあり、認可化が進むかどうかは市町村の対応次第だと言われております。これに対する国や県の対応を伺いたい。
 エ、認定こども園の申請状況と設置が進まない理由は何か。また、こども交付金制度はどのような効果が期待できるか。
 6、教育関係について。
 (1)、不登校対策について。
 文部科学省が実施した2007年度学校基本調査によれば、県内小中学校における不登校の割合は、小学校・中学校とも前年より増加し、不登校総数においても3年連続増加しております。しかも近年、少子化が急速に進行し、学校における児童生徒数が減少に転じているにもかかわらず、不登校になる児童生徒数がふえ続けている状況はより深刻であり危惧しているものであります。
 本県においては、以前から小・中・高校生の深夜徘回等が問題視され、その要因として夜型社会の弊害が指摘されております。深夜徘回は非行、飲酒・喫煙等につながることが多いからであります。教育関係者の中には、表面に出た数字は氷山の一角であり実態はもっと深刻であるとの指摘もあります。
 不登校になるきっかけは、本人にかかわる問題が最も多くなっており、もはや学校や先生方が頑張れば解決できるというものではないように思われます。
 教育の根幹は家庭教育であり、親はその重要性を認識し、家庭や地域、学校などの関係機関が連携したきめ細やかな対応が求められております。
 そこで伺います。
 ア、2007年度県内小中学校の不登校の割合は3年連続増加しているが、その実態と要因を伺いたい。
 イ、少子化の進行で児童生徒数が減少していく中、逆に不登校がふえていることに対する教育長の認識と不登校対策の状況を伺いたい。
 ウ、中学校の不登校理由に、遊び・非行が最も多く、全国平均の3倍以上である。夜型社会の影響だけが要因か、教育長の見解を伺いたい。
 エ、スクールソーシャルワーカー事業の目的と活用状況、これまでの成果について伺いたい。
 (2)、学力向上について。
 ア、4月に行われた全国学力テストの結果、本県は再び最下位との報告がありますが、これについて教育長の見解を伺いたい。
 イ、今後、本県の学力向上に向けた教育庁全体としての取り組みを伺いたい。
 (3)、スポーツ・文化の振興について。
 ア、県民が地域においてスポーツを楽しむ環境整備と県立社会体育施設の整備状況はどうなっているか伺います。
 イ、スポーツ・レクリエーション団体の育成と指導者の養成確保はどのように行われているか。
 ウ、知事公約の空手振興で、平成20年に県内空手4団体の統一組織「沖縄伝統空手道振興会」が設立され、世界大会の開催が計画されている。世界大会の開催時期、内容、特徴は何か伺いたい。
 7番、離島・過疎地域の振興について。
 本県は、島嶼県という地理的不利性があり多くの離島を抱えていることから、医療福祉や生活環境などの整備がおくれております。
 このような厳しい状況の中、昨今の原油価格高騰による燃料費への影響や物価等の値上がり等は、離島航路の確保も含め住民生活に重くのしかかってきております。
 県は、新沖縄離島振興計画に基づき、これまで各種の離島活性化事業を推進してきておりますが、これからは行政主導の事業展開を思い切って見直し、その地域が何を考え、何をやれば島の活性化につながるかを引き出し、さらに地域自身が主体的に取り組む意欲と、いかに問題意識を共有できるかを重視しながら考えていく必要があると思います。
 (1)、原油価格高騰に伴う離島船舶の燃料費や農水産物の輸送費等支援対策について県の基本的な考えを伺いたい。
 (2)、原油価格高騰で経営状況が厳しい離島航路に対する補助制度を見直し、国庫補助指定航路とすることについて県の対応を伺いたい。
 (3)、政府が実施する原油価格高騰などで赤字経営の離島航路に対する離島航路補助金の上積み制度について、県内船舶事業者の経費削減対策の状況と県の対応を伺いたい。
 (4)、2010年に切れる過疎地域自立促進特別措置法にかわる新たな法制定について伺いたい。
 以上であります。
○知事(仲井眞弘多) 仲田議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、県経済の長期展望についてという柱の中で、沖縄振興特別措置法の延長と新たな振興計画に対する県の考え方と国の対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 県では、今年度から次年度にかけまして沖縄振興計画に基づきます各種施策や、沖縄振興特別措置法に基づく特別措置等につきまして総点検を実施する予定でございます。
 総点検の実施に当たっては、残されました課題の解決策や今後の沖縄振興に必要な仕組みなどを明らかにしまして、その上で沖縄振興特別措置法を含みます関係法令の整備や新たな計画の策定などにつきまして検討してまいりたいと考えているところであります。
 また、平成21年度から国の総点検が実施される予定となっております。それぞれの点検結果を踏まえまして必要な調整を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 同じく県経済に係る御質問の中で、緊急総合対策の活用と周知についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 最近の原油などの価格高騰につきましては、県民生活及び中小企業への影響を初め農林水産業、建設業、運送業などの諸産業分野の多方面にわたり深刻な影響を及ぼしております。
 県といたしましては、原油価格高騰による影響を最小限に抑制するために、7月22日に沖縄県原油価格高騰対策連絡会議を設置し、7月25日と9月5日の2次にわたり原油価格高騰緊急対策を取りまとめ、ホームページなどによりまして県民及び関係機関への周知を図っているところでございます。
 国におきましては、8月29日に「安心実現のための緊急総合対策」を示しております。現在、その具体的な内容の把握に努めているところでございます。
 今後、「安心実現のための緊急総合対策」の具体的な内容が明らかになった段階で、県におきましても適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
 同じく県経済に係る御質問の中で、平成21年度国庫予算の要求の基本方針などについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 平成21年度は沖縄振興計画の8年目に当たり、残り3カ年は総仕上げの時期となっております。
 県といたしましては、これまでの成果を踏まえ、中長期にわたります沖縄の将来像を展望しつつ、残された課題への対応とさらなる発展に向けた取り組みを力強く推進してまいりたいと考えているところでございます。
 このため、第1に、自立型経済の構築に向けた産業の振興、第2に、雇用の安定と職業能力の開発、第3に、福祉・医療の充実、第4に、離島の振興など、沖縄振興計画に基づく諸施策などの推進につきまして沖縄担当大臣に対し特段の配慮をお願いしたところでございます。
 同じく県経済の展望に係る御質問の中で、平成21年度国庫補助事業と公約との関係についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 平成21年度の国庫支出金につきましては、沖縄振興計画に基づいた諸施策の着実な推進はもとより、公約の実現に向けまして、まず第1に「経済力おきなわ」の分野では、沖縄IT津梁パーク整備事業が引き続き盛り込まれておりますほか、ベンチャー企業の育成を図るおきなわ新産業創出投資事業、そして雇用拡大を図るための雇用戦略プログラム推進事業が新規事業として盛り込まれております。
 そして第2に、「観光力おきなわ」の分野では、沖縄観光をリードしていくための高度な人材を育成する事業や、県内の地域文化資源の旅行商品化を目指す事業が新規に盛り込まれております。
 また、「基盤力おきなわ」の分野では、新石垣空港整備事業や伊良部架橋整備事業など、そして「健康、医療・福祉力おきなわ」の分野では、無医地区医師派遣事業、そして沖縄赤十字病院施設整備事業などが引き続き盛り込まれてございます。
 そして「離島力おきなわ」の分野では、離島の人々が主体となりました産業振興などの取り組みに対しまして、専門家等を効果的に活用し支援を行う事業が新たに盛り込まれております。
 次に、「自然力おきなわ」の分野では、全島緑化に向けて緑の美ら島づくり推進事業が新規事業として盛り込まれております。
 さらに、「教育力おきなわ」の分野につきましては、安全・安心な学校づくりを推進するため公立学校整備事業が引き続き盛り込まれております。
 その他にも公約に関連する事業が数多く概算要求の中に盛り込まれているところでございます。
 次に、県内産業の振興についての中で、価格転嫁できない中小企業者に対する県の支援策と経営指導についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 原油価格高騰の影響を受けている中小企業者に対する支援策としまして、資金繰りの円滑化を図り、経営の安定に資するため「原油高騰対策支援資金」を創設をし支援を行っております。
 また、機械類貸与制度を利用いたしまして省エネ設備等を導入することで経営の効率化や改善を図る中小企業者に対し、沖縄県がリース料などの一部を補助し負担軽減を図っているところでございます。
 さらには、省エネの専門家を省エネに取り組む中小企業に派遣をし、省エネルギー診断を行うことでエネルギーコスト削減の取り組みを支援しているところでございます。
 今後、これらの取り組みに加えまして「原油高騰対策支援資金」について、保証料補てんを拡充することにより保証料をゼロにし、中小企業者のさらなる負担軽減を図りますとともに、9月補正により5億円を追加措置をし、融資枠の拡大などの追加支援を予定いたしているところでございます。
 次に、同じく県内産業の御質問の中で、トップセールスと今後の誘致活動についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。特に製造業に係るトップセールスの御質問です。
製造業は、産業連関効果が高いことから、その誘致・集積は沖縄振興計画の掲げる民間主導の自立型経済を構築する上で極めて重要と考えております。
 沖縄県におきましては、全日空の那覇空港物流拠点構想を受けまして、航空輸送に適しました高付加価値製品の生産拠点として、アジア規模で展開する物づくり企業の集積を目指すことといたしております。
 これまでも東京、名古屋、中国、台湾等におきまして企業誘致セミナーを開催いたしました。年明けの早い時期には北米においても引き続き私自身が先頭に立ち、企業誘致活動を行っていく予定でございます。
 次に、農林水産業の振興についてという御質問の中で、重要品目に砂糖を組み入れる戦略についての御質問にお答えいたします。
 WTO・EPA等農業交渉におきまして砂糖が重要品目に指定されず関税が撤廃された場合は、沖縄県の農業が壊滅的な打撃を受けることが懸念されております。
 特に、農業が主要な産業となっております離島地域におきましては、農業への影響ばかりでなく、人口流出などにより地域社会や経済が崩壊するおそれがございます。
 このため、WTO交渉中の平成20年7月29日に砂糖が重要品目に指定されるよう、農業団体とともに国に対しまして緊急要請を行ったところでございます。
 また、8月26日にも同様な趣旨の要請を国に対し行っております。
 今後の要請の取り組みとしましては、沖縄県における広大な経済水域の確保など、我が国の国土保全の重要な役割を訴えつつ、甘味資源生産道県、地元経済団体等と連携をし合同要請を行うなど、適切に対応していく考えでございます。
 次に、福祉関連で、後期高齢者医療制度の改善策の概要と低所得者層への配慮についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 後期高齢者医療制度の新たに示されました改善策の主なものは、低所得者に対する保険料の軽減及び保険料の年金天引きを一部見直し、口座振替への変更も可能としたこと等であります。
 低所得者に対する保険料の負担軽減につきましては、基礎年金だけで暮らしておられるような世帯の方々の保険料の均等割を9割軽減するほか、住民税を負担しない所得の低い方々の保険料の所得割を5割程度軽減することとなってございます。
 同じく福祉関連の中で、沖縄特別振興対策調整費を活用した認可外保育施設の認可化促進等に係る御質問にお答え申し上げます。
 このたびの沖縄特別振興対策調整費を活用しました待機児童対策特別事業につきましては、国からおおむね9億円が拠出されることとなっております。
 県におきましては、これに対応しおおむね1億円を拠出をし、10億円規模の基金を設置することとしております。
 当該基金を活用し待機児童の実態調査や保育内容向上に向けた研修会を実施するとともに、市町村が認可化することとしました認可外保育施設への運営費及び施設整備費の助成を行い、認可化を促進することといたしております。
 今回の事業実施は、本県の認可外保育施設への支援を求めた公明党代表や県関係国会議員の皆様による沖縄担当相への要請及び県議会議員の皆様の国への働きかけによるものと認識いたしており、感謝申し上げる次第でございます。
 県ではこの事業を最大限に活用して、待機児童の解消に向け全力で取り組んでまいる所存でございます。
 次に、教育関係の中で、空手道世界大会に関する御質問にお答えさせていただきます。
 本年2月、県内空手道主要4団体により「沖縄伝統空手道振興会」が設立されました。この設立を記念いたしまして、同振興会が主体となり空手道世界大会が沖縄県で開催されます。これは沖縄県の伝統文化の一つであります空手道・古武道を正しく継承し、そして発展させ、世界へ発信する上で大変有意義なことだと考えております。
 開催期日は、平成21年8月を予定いたしております。空手道古武道形競技会、そして演武会、そしてセミナー及び交流会などを計画いたしております。
 今後、実行委員会と沖縄伝統空手道振興会を中心に、関係機関・団体等と連携をして、振興会設立記念にふさわしい世界大会の開催に努めてまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(上原良幸) 県経済の長期展望についての御質問で、沖縄21世紀ビジョンの進捗状況と新たな振興計画との整合性についてお答えいたします。
 沖縄21世紀ビジョンにつきましては、去る9月11日に沖縄県振興審議会に諮問したところであり、同審議会及び総合部会における審議・答申を経て、来年9月ごろに策定・公表する予定であります。
 同ビジョンは、2030年のあるべき沖縄の姿と、その実現に向けた取り組みの方向性を明らかにする基本構想であります。
 新たな計画等については、現在実施している総点検結果を踏まえつつ、ビジョンの実現に向けて検討していく必要があると認識しております。
 同じく新たな振興計画における高率補助の維持と経済の自立についてお答えいたします。
 沖縄振興計画等の総点検では、離島の振興、駐留軍用地跡地の利用対策など、さらに国の責務により推進すべき重点課題や、沖縄の特性を生かした新たな振興策等について整理検討する予定であります。
 また、地方分権改革の推移を踏まえ、高率補助制度や各種の税制上及び税外の特例措置等の検証を行う予定であります。
 これらを踏まえ、沖縄県経済の自立的発展が図られるよう、関係法令の整備や新たな計画の策定等に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、離島・過疎地域の振興についての御質問で、原油価格高騰に伴う離島航路への支援及び離島航路補助制度の見直し等について一括してお答えをいたします。
 県では、原油価格高騰による燃料費増加分の赤字欠損額についても、国及び市町村と協調し離島航路に補助しているところであり、今後とも離島航路の実情を踏まえ適切に対応してまいります。
 また、離島航路補助制度の見直しについては、現在国の「離島航路補助制度改善検討会」において上乗せ制度についても検討されているところであり、県としてはその動向を注視しながら対応してまいりたいと考えております。
 同じく離島・過疎地域との関連で、過疎地域自立促進特別措置法にかわる新たな法制定についてお答えいたします。
 沖縄県の過疎地域においては、過疎地域自立促進特別措置法等に基づく各種事業の実施により、道路やごみ処理施設等の生活基盤の整備について一定の成果を上げてきました。しかしながら、本県過疎地域は学校、教育施設の整備のおくれ、医師不足など今後とも解決すべき多くの課題が残されております。
 現行の過疎地域自立促進特別措置法は、平成22年3月末で失効となることから、新たな法制定に向けた取り組みを他県や本県過疎地域市町村と連携を図りながら進めております。
 今後は、引き続き法律に基づく過疎地域の自立促進施策が講ぜられるよう、総務省などの関係機関に対し要望していきたいと考えています。
 以上であります。
○総務部長(宮城嗣三) 県経済の長期展望についてに関連しまして、次年度の沖縄振興予算の確保についてお答えをいたします。
 平成21年度の内閣府沖縄担当部局の概算要求額は、国の概算要求基準に基づきまして対前年度比で17.9%の増となっております。
 平成21年度予算の編成につきましては、国は引き続き最大限の歳出削減を行うこととしており厳しい状況が予想されますが、県といたしましては、今後、内閣府沖縄担当部局と連携し、必要な予算が確保されるよう全力で取り組んでまいります。
○観光商工部長(仲田秀光) 県内産業の振興に関する質問の中で、資金調達円滑化や貸付金繰り延べ等の県の取り組み及び貸し渋りについてお答えします。
平成20年度当初予算で「原油高騰対策支援資金」として5億円を措置し、原油価格高騰の影響を受け資金繰りが厳しくなっている中小企業者に対し、運転資金を融資することにより資金繰りの円滑化を図っております。
 沖縄県の制度融資は、各金融機関へ資金を預託し、金融機関からの資金を貸し付ける仕組みになっていることから、県が貸付金の繰り延べ等返済条件の緩和を行うことは困難でありますが、金融機関においては個々の中小企業者の実情に応じた対応を行っていると聞いております。
 いわゆる貸し渋りの実情を直接把握することは、金融機関と個々の企業との個別取引関係に介入することになり困難でありますが、商工団体のアンケート調査等を通じて全般的な状況の把握に努めてまいります。
 また、国、県、金融機関、商工団体等で構成される「沖縄地域融資動向に関する情報交換会」等を通じて情報を入手し、必要があれば金融機関に対し中小企業者の実情を踏まえた円滑な融資についての要望を検討してまいります。
 次に、「原油高騰対策支援資金」の概要と利用実績及び周知についてお答えします。
「原油高騰対策支援資金」の予算額は、平成20年度当初で5億円、融資枠が15億円となっており、資金使途は運転資金、融資限度額は1企業当たり3000万円以内、融資期間は7年以内、据置期間が2年以内、融資利率は年2.30%などとなっております。
 平成20年度における利用実績は、8月末時点で合計15件、貸付金額は2億2200万円となっております。業種としては、運輸通信業、サービス業、建設業などとなっております。
 「原油高騰対策支援資金」についての周知は、県内5地域で制度説明会を開催するとともに、商工会議所、商工会や業界団体等での説明会を実施いたしました。
 また、新聞や関係団体の機関誌等への掲載、パンフレットの配布などにより制度の周知に努めているところであります。
 次に、国外からの企業誘致について、現状と実績、課題等についてお答えします。
平成20年7月1日現在で沖縄県内に誘致した外資系企業は19社、雇用者数は約2000名となっており、これらはすべて情報通信関連企業となっております。
 情報通信関連企業は、英語等の語学力を要する業務が多いという特徴があり、進出企業からは、沖縄の人材は他県と比較して語学力にすぐれているとの評価を得ております。
 製造業等については、これまでのところ外資系企業の立地には至っておりませんが、アジア市場の戦略拠点としてペトロブラス社が進出したことや、全日空の国際貨物基地構想など、沖縄県における物づくり環境が大きく変化しつつあり、こうした状況を踏まえ、国内外において誘致活動を進めてまいりたいと考えております。
 次に、沖縄振興特別措置法が残り4年となった影響についてお答えします。
沖縄振興特別措置法を根拠とした税制などの優遇措置については、経済特区沖縄をPRするよりどころであるとともに、企業誘致の重要なインセンティブの一つとなっております。
 沖縄県では、今年度から次年度にかけて沖縄振興計画に基づく各種施策や沖縄振興特別措置法に基づく特別措置等について総点検を実施することになっております。
 総点検に当たっては、企業誘致に必要な制度や残された課題の解決策について検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(護得久友子) それでは、農林水産業の振興についての御質問で、WTO農業交渉の今後の見通しについてにお答えいたします。
 平成20年7月21日から29日まで行われたWTO閣僚会合は、農産物の輸入制限をめぐる米国とインド・中国との対立を初め、各国・各グループの立場の違いから合意に至っておりません。
 その後の交渉再開時期等については、現在のところ未定となっております。
 同じく農林水産業の振興についての御質問で、おきなわブランドの確立についてにお答えいたします。
 県においては、市場競争力の強化により生産拡大及び付加価値を高めることが期待されるゴーヤー、菊、マンゴーなどの園芸品目、薬用作物、肉用牛、養殖魚介類などを戦略品目として位置づけ、拠点産地の形成によるおきなわブランドの確立に努めているところであります。
 拠点産地においては、生産者、出荷団体、市町村等で組織する産地協議会を中心に、生産から販売までの取り組みを行っております。
 具体的な取り組みとしては、1、ハウス等生産施設の整備、沖縄のオリジナル品種の開発・普及及び技術の向上、農薬等の出荷前検査やトレーサビリティーの推進、県内外の量販店における積極的な販売促進、産地・消費者情報の受発信の強化などの諸施策を総合的に推進しているところであります。
 今後とも、市町村、農業団体等と連携し、おきなわブランドの確立に努めてまいります。
 同じく農林水産業の振興についてで、農林水産業の経営安定対策についてにお答えいたします。
 県では、農林水産業の振興及び農林漁業者の経営体質の強化を図るため、農林水産業振興計画に基づき各施策・事業を推進しております。
 具体的には、おきなわブランドの確立と拠点産地の形成による生産供給体制の強化、輸送コストの低減や地産地消など、流通・販売・加工対策の強化、経営感覚にすぐれた担い手の育成や多様な新規就農者の育成確保、省力・低コスト化に向けた農林水産技術の開発・普及、農業用水源の確保やかんがい施設等の生産基盤の整備、グリーンツーリズム等の多面的機能を生かした農山漁村の活性化、土づくりと環境保全型農業の推進など、環境と調和した農業の推進により持続的農林水産業の振興と多面的機能を生かした農山漁村の振興を図ることとしております。
 今後とも、市町村、関係団体等と一体となって効果的な施策・事業を展開し、農業の振興に取り組んでまいります。
 同じく農林水産業の振興で、原油価格高騰対策と沖縄特別振興対策調整費の活用については、関連しますので一括してお答えいたします。
 最近の原油価格高騰による燃油や生産資材の急激な価格上昇は、農林水産業の経営に深刻な影響を及ぼしております。特に、沖縄県は本土市場から遠隔地にあり、また、多くの離島を抱える島嶼県であることから、農林水産業の経営環境は一層厳しい状況にあります。
 このため、沖縄県では、原油価格高騰に関する緊急対策として、国と連携し取り組んでいるところであります。
 具体的には、燃油高騰水産業緊急対策の実施、配合飼料・肉用子牛等価格安定制度の拡充、省エネ型エンジン等の設置に必要な資金の無利子貸し付け、農林漁業セーフティーネット資金等の制度資金の活用、軽油引取税の免除措置の活用など18項目の支援策を実施しているところであります。
 また、各農業改良普及センターでは、技術及び経営対策として相談窓口を設置しております。
 沖縄特別振興対策調整費の活用につきましては、燃油使用量の大きい施設などに対する省エネルギー技術の導入などについて、関係機関・団体等と連携し検討してまいりたいと考えております。
 同じく農林水産業の振興についてで、原油価格高騰に関する国の支援策と県の対策について、関連しますので一括してお答えいたします。
 最近の原油価格の高騰を受け、国においては省エネなどの構造転換対策、税制優遇措置、金融措置などを実施しております。
 県では、原油等価格高騰対策に関する農林水産業関係の9月補正予算において、歳出予算及び債務負担行為合計で7412万3000円を計上しているところであります。
 具体的には、1、燃油費の上昇分の9割を国が負担する制度を活用するため、燃料使用料の削減を目的とした船底清掃に係る経費の支援、2、遊休地を活用した自給飼料作物の栽培・利用の実証及び優良乳用牛の導入経費に対する支援、3、減肥料栽培の普及を目的とした土壌分析機器の整備にかかる経費への支援、4、電照菊栽培において白熱電球を蛍光灯にかえる省エネ型栽培モデルの実証に対する支援、5、家畜飼料特別支援資金や農林漁業セーフティネット資金の利子軽減のための支援などに取り組むこととしております。
 また、去る9月11日に沖縄県として国に対し、輸送コスト上昇分への補てん措置や肥料・飼料等の農業用生産資材高騰に対する補てん措置などについて要請を行ったところであります。
 今後、緊急総合対策に関する国の動向を見ながら対応してまいりたいと考えております。
 次に、離島・過疎地域の振興についての御質問で、原油価格高騰に伴う農林水産物の輸送費等への支援策についてにお答えいたします。
 本県は、本土市場から遠隔地にあり多くの離島を抱える島嶼県であることから、原油価格の高騰は農林水産業に深刻な影響を及ぼしております。
 このため、県としましては、航空輸送から船舶輸送への促進、菊等の出荷荷姿の改善による軽量化等、輸送コストの低減を図っているところであります。
 また、農林水産物や生産資材等の輸送コスト上昇分に対して必要な補てん措置を講じるよう、全国知事会を通じて国に対し要請を行ったところであります。
 さらに、9月11日には、県として国に対して同様の要請を行っております。
 今後とも、低コスト輸送の取り組みを行うとともに、輸送コスト上昇分については引き続き国に要請してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(上原 昭) 米軍基地問題についての御質問のうち、連絡会と地域特別委員会についての御質問にお答えします。
 渉外知事会では、基地の運用に関して、基地が所在する地方公共団体の意向が反映されるよう、地域特別委員会の設置を求めてきたところであります。
 御質問の連絡会については、知事会からのこれらの要望を受けて、現在その名称や位置づけ等を含め、日米両政府において設置に向けた協議が行われているものであります。
 次に、米軍車両の高速料金免除についてお答えします。
 政府においては、有料道路料金が免除される軍用車両有料道路通行証明書の発行について、仮に日米地位協定の趣旨に反するような使用がなされていると疑われる事実があれば、事実を確認の上、適正に対応・対処する必要があると考えているとのことであります。
 県としては、私的な利用について高速道路料金が免除されているのであれば問題であると考えており、政府においては国民の理解が得られるよう適切に対応していただきたいと思います。
 次に、日米地位協定第5条の公務の範囲についてお答えします。
 政府によると、米軍が日本文化に対する理解を深め、その構成員の士気の高揚を図る目的で米軍人を観光地に行かせるような場合には、軍隊の活動として認められるものもあるとのことであります。
 次に、未明離陸への対策についてお答えします。
 県は、早朝・夜間における航空機の離着陸が周辺住民の生活に著しい影響を与えていることから、これまで日米両政府に対し両政府によって合意された騒音規制措置の趣旨を徹底し、航空機騒音の軽減を図るよう求めてきたところであります。
 県としては、航空機騒音の軽減に向け関係市町村と連携を図りながら、他の基地を経由するなど飛行プランの見直しを行い、深夜・早朝の飛行を回避するよう、米軍を初め日米両政府に対し引き続き粘り強く求めてまいります。
 次に、航空機騒音規制措置についてお答えします。
 航空機騒音規制措置では、午後10時から午前6時までの間の飛行及び地上での活動は、米国の運用上の所要のために必要と考えられるものに制限されるとされております。
 県としては、嘉手納飛行場の周辺地域においては依然として環境基準を超える騒音が発生し、また、早朝・夜間における航空機の離発着は周辺住民へ影響を与えており、騒音防止効果が明確にあらわれていない状況にあると考えております。
 県は、去る9月10日及び18日にも県内の米軍を初め日米両政府に対し、航空機騒音の軽減措置等について要請したところであり、引き続きあらゆる機会を通じ日米両政府に対し騒音の軽減を粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 以上であります。
○福祉保健部長(伊波輝美) 福祉関係につきましての、後期高齢者医療制度が廃止された場合の影響についてにお答えいたします。
 後期高齢者医療制度は、高齢化によりふえ続ける高齢者の医療費を将来にわたり国民全体で支えるため、長年の議論を経て創設された制度です。
 同制度を単に廃止した場合、国保に戻るというこれまでの老健制度に戻るということになりますけれども、市町村国保等保険者の老人医療費拠出金の増大により財政悪化を招き、国民皆保険制度の維持や高齢者の健康保持及び医療の安定確保に多大な影響を及ぼすものと考えております。
 続きまして、本県における老人医療費拠出金の推移と一般会計からの繰入額、今後の見通しについてにお答えいたします。
 市町村の国保特別会計からの老人医療費拠出金は、平成18年度は約337億円となっており、老人保健制度施行当初の昭和58年度の約69億円に対し約4.9倍の大幅な伸びとなっております。また、国保特別会計に対する市町村の一般会計からの法定外の繰入金は、平成16年度は約24億円、平成17年度は約30億円、平成18年度は約31億円となっております。
 後期高齢者医療制度の創設により老人医療費拠出金にかわり後期高齢者支援金が設けられ、今年度の市町村国保特別会計の負担は、概算で約206億円となっております。
 今後の見通しにつきましては、高齢化の進展により老人医療費の伸びが予想されていることから、後期高齢者支援金の負担も増加するものと予想されます。
 続きまして、沖縄県後期高齢者医療広域連合の保険料に係る条例の改正趣旨及び対象範囲についてにお答えいたします。
 「沖縄県後期高齢者医療広域連合後期高齢者医療に関する条例」の平成20年7月24日改正につきましては、新たに示された保険料軽減の平成20年度に係る措置に対応したものであります。
 その内容は、世帯の総所得金額が33万円以下である方の保険料均等割部分を7割軽減から8.5割軽減にすること、及び基礎控除後の総所得金額が58万円以下の方の保険料所得割合を5割軽減することであります。
 後期高齢者医療広域連合によりますと、均等割保険料が8.5割軽減され月額600円となる対象者数は約4万7000人で、所得割の5割軽減の対象者数は約6700人ということであります。
 続きまして、ドクターヘリの今後の運航計画と運航範囲並びに2機目のドクターヘリ導入についてにお答えいたします。一括でございます。
 県では、ドクターヘリ事業を円滑に推進するため、補助事業者である浦添総合病院内に消防機関や救急医療機関等から構成する運航調整委員会を8月に設置しております。現在、出動要請基準や運航要領等の策定を進めており、11月に試行運航を行った後、12月1日からドクターヘリとして正式に運航させることにしております。
 ドクターヘリの運航範囲は、昼間のおおむね半径100キロメートル、片道30分以内で、沖縄本島中部の読谷村から発進し本島全域及び本島周辺離島をカバーすることとしております。
 県としては、ドクターヘリの年内運航に向けて準備を進めている段階であり、2機目の導入につきましては1機目の運航状況等を踏まえ、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。
 続きまして、北部地区の救急ヘリ搬送事業に対する米軍再編交付金の活用についてにお答えいたします。
 米軍再編交付金の活用に関しましては、地元市町村において主体的に検討を行うものと考えております。
 県としましては、ドクターヘリの年内運航に向けて着実に取り組むとともに、ドクターヘリ事業を継続的に維持するために今後とも努めてまいりたいと考えております。
 続きまして、ドクターヘリの宮古・八重山等離島への導入についてにお答えいたします。
 宮古島や石垣島の周辺離島で発生した救急患者につきましては、海上保安庁の石垣空港基地にヘリコプターによる急患空輸を要請し、県立宮古病院や八重山病院へ速やかに搬送しております。また、沖縄本島周辺離島や南北大東島及び宮古島、石垣島からの沖縄本島への急患空輸については、自衛隊にヘリコプター等の出動を要請しております。さらに、急患空輸に関しましては、患者の容態急変等に備えるため医師等を添乗させております。
 島嶼県である本県において、長距離や夜間にも対応した自衛隊及び海上保安庁のヘリコプターによる急患空輸はなくてはならない基幹的なシステムであります。したがいまして、ドクターヘリを導入して今後県内全域をカバーしていくということではなく、自衛隊や海上保安庁による急患空輸システムにドクターヘリが補完的に加わることで本県の救急医療体制の充実を図っていきたいと考えております。
 続きまして、沖縄特別振興対策調整費を活用した認可外保育施設の認可化促進策は、経営基盤の弱い当該施設の支援となるかについてにお答えいたします。
 本県では、他県と比べて待機児童と認可外保育施設入所児童が多いという特殊事情があります。このため、県では、国に対して特に認可外保育施設入所児童の処遇向上に向けた支援が得られないか要望や調整を重ねてまいりました。その結果、このたび待機児童の解消に向けた沖縄特別振興対策調整費の活用が認められたものであります。
 県では、この事業を最大限に活用して、市町村が認可化することとした認可外保育施設への運営費及び施設整備費の助成を行い認可化を促進することとしております。
 続きまして、今回の事業実施における国及び県の市町村への対応についてにお答えいたします。
 今回の事業実施に伴い認可化が促進されますと、市町村における保育所運営費の負担も増加するものと考えております。
 国においては、地方公共団体が支弁する保育所運営費については入所児童数に応じて地方交付税で措置していることから、こうした負担増についても同様に措置されることとなっております。
 県としましては、市町村に対しこうした地方交付税措置への理解を求め待機児童解消に向けた積極的な対応を働きかけてまいりたいと考えております。
 続きまして、認定こども園の申請状況と設置が進まない理由及びこども交付金制度の効果についてにお答えいたします。
 就学前の児童に対する教育と保育の総合的な提供に関する取り組みとして認定こども園制度がありますが、本県においては今のところ認定申請はございません。
 同制度においては、保育に欠ける児童と欠けない児童の両方を必ず受け入れることが認定要件の一つとなっておりますが、本県では待機児童が多く保育所での取り組みは難しいと考えております。
 一方、私立幼稚園におきましては深刻な定員割れの状態ではないことから、同様にこの制度が積極的に活用される状況にないと認識しております。
 また、こども交付金制度につきましては、財政支援による認定こども園の拡大を目的としており、詳細については平成21年度概算要求等の中で調整していくとの国の説明を受けております。
 以上でございます。
○教育長(仲村守和) それでは、教育関係についての御質問で、不登校の実態と要因についてお答えいたします。
 平成19年度の文部科学省の問題行動調査によると、本県の不登校児童生徒数は小学校で358人、中学校で1349人、合計で1707人となっており、3年連続の増加となっております。
 不登校の原因につきましては、それぞれの児童生徒でさまざまな要因があり一概には言えませんが、本県の傾向としましては、小学校では無気力や不安など心理的・情緒的要因によるものが多く、中学校では遊び・非行など社会的要因・背景によるものの割合が高くなっております。
 次に、不登校に対する認識と対策についてお答えいたします。
 不登校児童生徒数は3年連続増加しており、不登校児童生徒への対応として、一人一人を十分に理解し、個に応じたきめ細かな指導・支援が大切であると考えております。
 本県の不登校への取り組みとしましては、児童生徒理解を深めるために、スクールカウンセラーや巡回教育相談員等の活用により、学校における教育相談体制の確立に努めております。また、小学校児童の登校渋りから不登校への移行を防ぐため、児童生徒生活支援員を配置するなど、不登校の未然防止に係る取り組みの充実を図っているところであります。さらに、遊び・非行傾向の不登校への対応については、立ち直り支援コーディネーターの配置、スクールソーシャルワーカー活用事業などの取り組みや、県警と連携したスクールエリア対策など、関係機関及び地域住民と連携した取り組みを推進しております。
 次に、遊び・非行の不登校についてお答えいたします。
 遊び・非行による不登校児童生徒の要因・背景につきましては、夜型社会や他人の子供に無関心であるなどの地域社会の課題、規範意識の低さや基本的な生活習慣の未確立などの本人の課題、親と子の触れ合いの少なさなどの家庭の課題、学校への不適応などの学校の課題などが挙げられます。
 県教育委員会としましては、今後とも学校、家庭、地域、関係機関・団体等が一体となって児童生徒理解を深め、不登校対策や子供の居場所づくりに努めていきたいと考えております。
 次に、スクールソーシャルワーカーについてお答えいたします。
 スクールソーシャルワーカー活用事業の目的は、教育分野に関する知識に加えて、社会福祉などの専門的な知識や技術を有するスクールソーシャルワーカーを配置し、問題を抱えた児童生徒の背景にある家庭、地域、友人関係などの児童生徒が置かれたさまざまな環境へ働きかけたり関係機関等とのネットワークを活用するなど、多様な支援方法を用いて児童生徒が抱える課題の解決を図ることにあります。
 県教育委員会においては、本部町、宜野湾市、那覇市、豊見城市、与那原町、宮古島市の6市町教育委員会に本事業を委託し、小学校13校、中学校15校及び青少年センター等に20名のスクールソーシャルワーカーを派遣しております。
 これまでの成果としまして、137名の児童生徒を対象に家庭訪問による相談への対応、ケース会議の開催や福祉機関への働きかけなど、学校、家庭、関係機関と連携し継続支援を行っているとの報告を受けております。
 次に、全国学力テストの結果についてお答えいたします。
 平成20年度全国学力・学習状況調査が4月22日に小学校では6年生を対象に国語、算数で、中学校では3年生を対象に国語、数学で実施されました。
 調査結果は8月29日に公表され、本県は昨年度に引き続きすべての教科で全国最下位となっており、厳粛に受けとめております。
 調査結果を昨年度と比較しますと、8教科中6教科で全国平均との差が縮まり、全国の約2倍あった無解答率も1.3倍と改善しております。これは、各学校の先生方の声かけや励ましで児童生徒が最後まで粘り強く頑張ったことが功を奏しその差が縮まったものと考えております。
 また、生活や学習に関する意識調査においては、将来の夢や希望を持っている、いじめはどんな理由があってもいけない、国語、算数・数学の授業で学習したことは将来社会に出たときに役立つなどの項目で肯定的な回答が全国平均を上回り、本県児童生徒の前向きで素直な姿がうかがえます。
 これらについては、児童生徒の学力向上の基盤となる力ととらえており、今後の学力向上対策を推進する上での重要なポイントであると考えております。 
 次に、今後の学力向上の取り組みについてお答えいたします。
 県教育委員会といたしましては、全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、これらの課題改善に多様な視点から取り組むため、外部有識者による学校改善評価検討委員会を早期に立ち上げてまいります。8月には教育庁内に学力向上推進プロジェクトチームを立ち上げたところであり、全国学力・学習状況調査の分析・検討、学力向上主要施策の見直し、わかる授業づくりを中心とした教員研修の実施などを取り組んでまいります。
 また、本県の小中学校教員の授業力向上を図り、児童生徒一人一人にわかる授業を構築するため、文部科学省の学力調査官等による示範授業と授業研究会の実施など授業改善に取り組んでまいります。さらに、先進県の視察・調査及び秋田県と小中学校教員の人事交流を通して、本県教師の指導力、授業の質の向上を図ってまいります。
 県教育委員会としましては、今後の学力向上対策の取り組みの充実を図るとともに、学校、家庭、地域が一体となった県民総ぐるみの学力向上対策を強力に推進してまいりたいと考えております。
 次に、スポーツ環境の整備等についてお答えいたします。
 スポーツは心身の健全な発達に資するとともに、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に役立つものであります。
 県教育委員会としましては、平成15年に策定した沖縄県スポーツ振興基本計画に基づき、生涯スポーツ社会の実現に向けて総合型地域スポーツクラブの創設・育成、学校体育施設開放事業、沖縄県スポーツ・レクリエーション祭の開催等の事業を行っているところであります
 県立社会体育施設は、奥武山総合運動場に武道館や庭球場、弓道場など8施設、県総合運動公園に陸上競技場や体育館など8施設が整備され、多くの県民に利用されております。
 現在、県においては平成22年に開催される全国高等学校総合体育大会に向け、奥武山水泳プールの改築、県総合運動公園陸上競技場等の改修工事を行っております。
 次に、スポーツ・レクリエーション団体の育成等についてお答えいたします。
  県民のだれもがいつでもどこでもスポーツに親しむことのできる生涯スポーツ社会の実現を図ることは極めて重要なことと考えております。
 県教育委員会としましては、スポーツ・レクリエーション団体の育成と指導者の養成確保のため、スポーツ指導者養成講習会の実施、沖縄県スポーツリーダーバンクの作成、指導者対策事業等を行っております。
 今後とも、県体育協会や市町村を初め関係機関・団体等と連携して、スポーツ環境の整備や生涯スポーツの振興に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○仲村 未央 それでは、会派社民・護憲ネットを代表して代表質問を行います。
 まず、代表質問冒頭に当たって、台風被害に対する所感、お見舞いを申し上げたいと思います。
 各地で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、生活、産業への影響等から一日も早い復興・再建が図られるよう、また後ほど通告に従いまして、その対応についても伺ってまいりたいと思います。
 特に、与那国町においては、9月12日の台風13号において24時間雨量が767ミリにも達するという記録的な豪雨に見舞われております。
 先週19日、短い時間ではございましたが、会派を代表し、私仲村未央と仲宗根悟議員ともども与那国を訪れまして、町長を初め崎原議長、また職員の皆様、八重山支庁の皆様にも対応していただき御説明を賜りましたこと、感謝を申し上げながら質問につなげていきたいと思います。
 それから、冒頭の所感、続いてもう一つ述べたいと思います。
 短期政権が続いておりますが、そのことと知事の交際費の関連で少しだけ述べたいと思います。
 知事の「ハイサイ仲井眞です」というホームページ、そこに知事の交際費が出ております。公表されております。
 その中で何げなく見ておりますと、先月の8月6日、福田改造内閣が発足した際にお花を贈られている。これは防衛大臣と担当大臣である沖縄担当大臣にはそれぞれ5000円ずつの花束が毎回送られるようでありますが、何とこの改造内閣への花束代が、お花代ですね、花代が42万円。こんなお花、42万円もあるんだということを単純に驚いたついでに、余りにも短期政権が続いているので、過去のお花代が幾らだったのかということもあわせて知事のホームページより見させていただきました。
 そうすると、意外にも改造内閣のとき42万円だった花代が、昨年の9月の福田新内閣発足の際には12万円、さらに福田さんの前に、これも改造内閣です。安倍さんの改造内閣で、知事が就任して1年足らずの中で改造内閣を行った安倍内閣ですが、これが24万円。こんなにも内閣に対するお花代が、結構基準もなく出されるものなのかなということを印象を持つと同時に、知事交際費の趣旨がそのホームページによりますと、県を代表して慶弔行事、病気見舞い等を知事が行うものですということがあるものですから、それぞれその内閣に対する期待度がその額にあらわれたのか、改造内閣の方が大事だと思ったのか、そこら辺は質問通告はしていませんので質問にはなりませんが、今回の麻生内閣に対する知事の花代が幾らだったのかなということをまた関心を持って拝見していきたいというふうに思います。冒頭の所見にかえて。
 それでは、質問通告に従いまして質問に入ります。
 1点目、台風被害について。
 (1)、台風13号による各地の被害状況、被害額等最新の報告を求めます。
 また(2)点目、著しい被害を受けた与那国島の状況、ライフラインの復旧、被災者への生活支援等、県の対応について伺います。
 先ほども冒頭申し上げましたが、お尋ねをしたところ、非常につめ跡が生々しく、こんなにも風や雨によって物が破壊されるのかということを思わずにはいられません。電線地中化の必要性、また道路等の決壊、迅速な対応が求められていると思います。さらに災害救助法などの適用には達しない、そういった部分での柔軟な対応、これもあわせて求められると思います。このあたりに関しましてぜひとも具体的な対応についてお伺いをいたします。
 次に2点目、知事の政治姿勢について。
 (1)番、去る6月議会では、県議選の結果を受け、県民の声に真摯に耳を傾ける姿勢を強調されていました。県行政の長として県議会の機関意思をどのように扱うべきと考えているかお尋ねをいたします。
 (2)点目、県議会が名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する意見書及び決議を可決したことを受け、知事は去る9月5日「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」を発表されています。その内容は決議の趣旨を尊重する姿勢が一切感じられないものであります。従来の考え方の域を出ない主張を、あえて決議の後に出すという知事の姿勢は議会軽視、無視、挑戦と受けとめられるがいかがでしょうか。
 3点目、知事の訪米計画について伺います。
 (1)番、目的、日程、要請内容、要請先等について事業内容をお伺いいたします。
 (2)点目、訪米計画に先立ち「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」を発表されました。双方に関係はありますかお尋ねいたします。
 (3)点目、県知事として「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する決議」の内容を最新の議会意思として米国側に伝える用意はありますか。
 (4)点目、普天間の危険性の除去については、知事の持論、公約の3年閉鎖状態、これを主張することになりますでしょうか。
 (5)点目、「在日米軍再編の確実な実施」が要請内容に盛り込まれています。米軍再編に対する知事の認識について伺います。県内移設を前提として中南部地域の返還がパッケージで合意されたことをどう評価していますか。
 (6)点目、知事が建設条件としている沖合移動について、訪問先で聞かれたら何と答えるか。知事は国内問題という整理をしているようだが、発言の真意、認識をお尋ねいたします。
 (7)点目、訪米の時期、今回の補正予算計上のあり方をどう考えていらっしゃるかお尋ねをいたします。
 次に、教育行政についてであります。
 (1)点目、全国学力・学習状況調査、いわゆる学力テストについて教育長の見解をお尋ねいたします。
 去年、43年ぶりと言われて始まった――復活をしたというのでしょうか――学力テスト、去年の予算が77億円かかった。ことしが58億円かかったということで、その意義などに対していろんな評価、あるいは疑問、こういった声も出ております。
 特に自民党の中からは、「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」というのがあるようですが、そこでは無駄な事業としての認定をされて、これを悉皆調査でやる必要があるのか、毎年この手法でやるぐらい、その予算を地方にむしろ回して教員のそういった具体的な人件費等、使い方、やり方、地方にその財源を振り向けるべきではないかというような意見が出ているようでありますが、教育長、この学力テストについての今の実施手法、意義などについてどのようにお考えでしょうか。
 イ、今回の第2回学力テストの結果に対してどのような見解でしょうか。
 それからウ、結果の公表に対する考え方、各市町村、これは去年は大体半分半分、公表・非公表いろいろ対応が分かれたようではございますが、今回の第2回の調査に当たっての各市町村の対応、また公表に対する基本的な教育長の考え方についてお尋ねをいたします。
 (2)、幼稚園教育の充実について。
 本県の独特な公立幼稚園教育、これは単年度5歳児の1年保育というものをすごく、80%の就園率の高さ、これをもって長年続いてきているこの沖縄の特徴、小学校長が園長を兼ねるというようなこのような状況、これに対して教育長は6月の答弁では、「幼児教育振興アクションプログラム」を21年度までにつくるということでしたが、その内容、進捗についてお尋ねをいたします。
 イ、市町村では幼稚園教育が予算の非常に厳しい環境にあります。中でも臨時教員の増加、劣悪な待遇等により現場は充実どころか維持に必死です。現状の把握と対応について伺います。
 5点目、県立病院のあり方について。
 総務省による「公立病院改革ガイドライン」が目指す基本的な考え方、改革の目的は何か伺います。
 (2)点目、ガイドラインでは公立病院の果たすべき役割の明確化が求められていますが、本県における県立病院の役割、機能について伺います。
 (3)点目、各公立病院の医師、看護師の不足の現状、運営への影響はどうなっていますか伺います。
 (4)点目、県医療審議会あり方検討会の審議の進め方、県民、現場の声の意見の反映、情報公開等について伺います。
 1回目終わります。よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 仲村議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず、知事の政治姿勢の中で、県議会の機関意思の取り扱いについて知事の意見はどうかという御趣旨の御質問にお答えさせていただきます。
 執行機関であります県知事と議決機関であります県議会は、県民の直接選挙によって選出され、相互に独立、それぞれが県民の負託にこたえて、県民の福祉向上のため一定の権限を執行するものと理解をいたしております。
 したがいまして、県議会の意思を表明する決議につきましては、議会の権限を行使されたものと認識をいたしております。
 私としましては、私が掲げました公約の実現に向けて着実に実行していくことが県民からの負託を受けた県知事としてその務めであると考えているところでございます。
 次に、同じく政治姿勢の中で、「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」の公表についての御質問にお答えしたいと思いますが、私は、在日米軍再編協議などこれまでの経緯を踏まえますと、普天間飛行場の危険性を一日も早く除去するためには、キャンプ・シュワブに移設することが現実的な選択肢であると考えており、県民や議員各位に対しこのような私の考えを丁寧に説明しながら政策を推し進めていきたいと考えております。
 「沖縄県の考え方」を取りまとめ公表しました趣旨は、普天間飛行場移設問題に対する私の姿勢が県民や県議会の皆様に必ずしも十分に理解されていないのではないかと感じられたものですから、移設の必要性や県の取り組み、そして今後の進め方などについて9月議会の前に公表いたしたものでございます。
 次に、訪米関係についての御質問の中で、訪米事業の内容についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 戦後63年の長きにわたりまして過重な基地負担を背負ってきました沖縄県にとりまして、米軍基地問題の解決は重要な課題であり、その解決促進のため米国政府や連邦議会、そして米軍司令部などの関係機関に沖縄県の実情を直接伝えることは意義があることだと考えております。
 また、訪米では沖縄県の産業振興を図るため、米国企業等への県内誘致に向けたいわばトップセールスも行ってまいりたいと考えているところでございます。
 要請内容としましては、まず、米軍基地の運用に伴う事件・事故の防止を強く要請したいと思います。特に、米軍人等の綱紀の粛正や教育の徹底などを強く求めてまいりたいと考えております。
 さらに、日米地位協定の抜本的見直し、嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺における航空機騒音の軽減、普天間飛行場の危険性除去を求めますとともに、本県の基地負担の軽減につながる海兵隊要員等の兵力削減とグアムへの移転、普天間飛行場を含む嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還といった在日米軍再編合意の確実な実施を求めてまいりたいと考えております。
 具体的な日程及び要請先につきましては、今後、外務省なども含め調整をしてまいり決定していきたいと考えているところでございます。
 次に、同じく知事の訪米計画に係る御質問の中で、新基地建設に反対する決議、これは県議会の決議についての御質問にお答えをいたしたいと思います。
 6月議会で採択された決議は、私とは普天間飛行場の問題に関する姿勢が異なっており、訪米の際に決議の内容を要請することは考えておりません。
 次に、同じく訪米計画の中で、沖合移動が国内問題との認識についての御質問にお答えします。
 県としましては、日米両政府が合意した案を基本にしながらも、地元の意向や環境に十分配慮し、可能な限り沖合などへ寄せてほしいということを日本政府に求めているところであります。
 このような要求は、これまでの在日米軍再編協議の経緯を否定しているものではないことから、直接米国政府の関係者と協議する事柄ではないと考えており、国内問題であると考えているところでございます。
 訪米先で沖合移動に関する質問が出た場合には、このような県の考え方を説明し、現在、日米両政府の合意案を基本にしつつ、位置の最終的な確定に向けて日本政府との間で調整を行っていることや、今後、環境影響評価手続の中で審査会の意見等を踏まえながら進めていく必要があることなどを説明したいと考えているところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(上原 昭) まず、台風被害について、台風13号による各地の被害状況についての御質問にお答えします。
 台風13号による9月24日現在の石垣市の被害状況は、人的被害が2名、3世帯3名が自主避難いたしました。
 被害見込み額は、土木関係が約800万円、農林水産関係が約1億3300万円になります。
竹富町の被害状況は、住家の一部損壊が6棟、土砂災害は1カ所、2世帯2名が自主避難いたしました。
 被害見込み額は、土木関係が約1億9100万円、農林水産関係が約1億2300万円になります。
 与那国町の被害状況は、住家の全壊が2棟、半壊が6棟、一部損壊が56棟、9世帯10名が自主避難いたしました。
 また、ライフラインの被害では700世帯が停電し全世帯が断水しました。
 被害見込み額は、土木関係が約1億6500万円、農林水産関係が約1億9700万円になります。
 多良間村の被害状況は、農林水産関係の被害見込み額が約200万円になります。
 次に、与那国島の被害状況とライフラインの復旧についてお答えします。
 台風13号による9月24日現在の与那国町の主な被害状況は、住家の全壊2棟、半壊6棟、一部損壊56棟となっております。
 また、道路ののり面の崩壊や電柱の倒壊、サンニヌ展望台の土砂崩れなど、各地で大きな被害を受けております。
 ライフラインの被害では、805世帯中700世帯が停電し全世帯が断水しましたが、電気、水道とも9月17日には全面復旧しております。
 次に、知事の訪米計画についてのうち、知事訪米事業と「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」の関係についてお答えします。
 「沖縄県の考え方」を取りまとめ公表した趣旨は、普天間飛行場移設問題に対する県の考え方が県民や県議会の皆様に必ずしも十分に理解されていないようにも感じられたことから、移設の必要性や県の取り組み、そして今後の進め方などについて9月議会の前に公表したものであります。
 訪米については、2月議会の際に知事から明らかにしたものであり、「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」と直接関連するものではありません。
 次に、3年めどの閉鎖状態の主張についてお答えします。
 県としては、普天間飛行場の危険性を放置することはできないことから、同飛行場のヘリ等の運用を極力低減し、3年をめどに危険性の除去、騒音の軽減を図ることを機会あるごとに政府に対し求めているところであります。
 今回の訪米に際しても日米両政府において十分に協議し、抜本的な改善策が講じられるよう、米国側に説明し求めていきたいと考えております。
 次に、米軍再編に対する認識についてお答えします。
 米軍再編については、日本全体の抑止力の維持と沖縄を含む地元の基地負担の軽減を目的に協議が進められてきたところであり、全体として兵力や訓練の移転、施設の返還・整理・統合が盛り込まれるなど、米軍基地の整理縮小に向けた具体的な方策が示されております。
 これが実現されれば、基本的には沖縄の過重な基地負担の軽減に大きく寄与するものと考えております。
 一方、普天間飛行場の移設問題については、地元の意向を踏まえ早期に解決しなければならないと考えております。
 次に、訪米の時期及び予算計上のあり方についてお答えします。
 訪米の時期につきましては、最終的には国内外の情勢を見ながら外務省等とも調整の上、決定していきたいと考えておりますが、現在のところ米大統領選後の年明けの早い時期に行いたいと考えております。
 次期政権のスタッフの人選や外交・防衛政策の調整が行われる時期に訪米し、政策形成に影響力を持つ米側の関係者などに対し沖縄県の米軍基地問題を直接訴え実情を理解してもらうとともに、次期政権の米軍再編等に関する考え方等について情報収集や意見交換を行うことは、米軍基地問題の解決促進にとって大変重要だと考えております。
 また、補正予算として計上した理由は、ことし2月に米海兵隊員による未成年者への暴行被疑事件が発生し、その後も米軍人等による事件・事故が相次いだことから、早期に訪米し米国関係機関等に対し地元の声を強く訴える必要があるとの考えによるものであります。
 以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 台風被害との関連で、与那国島の被災者への生活支援についてお答えいたします。
 与那国町においては、今回の災害により住宅の全壊2世帯、半壊6世帯の被害が発生しております。これらの被災者に対しましては、沖縄県災害見舞金支給要領に基づき、住宅の全壊世帯に対して3万円、半壊世帯に対して2万円から3万円の範囲で見舞金を支給する予定としております。
 県としましては、与那国町と連携し、災害見舞金が速やかに支給されるよう努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(仲村守和) それでは、教育行政についての御質問で、全国学力テストの実施手法と意義についてお答えいたします。
 全国学力・学習状況調査の実施主体は文部科学省で、参加主体は市町村教育委員会であります。
 この調査は、全国的な状況との対比において各市町村教育委員会、学校がみずからの状況を把握し、指導改善のための資料として用いるために実施されているものであります。
 県教育委員会といたしましては、本調査の意義を踏まえ、児童生徒の学力の状況と生活実態調査等との相関関係において、全国との比較を通して客観的に課題を把握し、改善策を策定するための資料として活用していきたいと考えております。
 次に、第2回学力テストの結果についてお答えいたします。
 平成20年度全国学力・学習状況調査が4月22日に小学校では6年生を対象に国語、算数で、中学校では3年生を対象に国語、数学で実施されました。
 調査結果は8月29日に公表され、本県は昨年度に引き続きすべての教科で全国最下位となっており厳粛に受けとめております。
 調査結果を昨年度と比較しますと、8教科中6教科で全国平均との差が縮まり、全国の約2倍あった無解答率も1.3倍と改善しております。これは、各学校の先生方の声かけや励ましで児童生徒が最後まで粘り強く頑張ったことが功を奏し、その差が縮まったものと考えております。
 また、生活や学習に関する意識調査においては、将来の夢や希望を持っている、いじめはどんな理由があってもいけない、国語、算数・数学の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役立つなどの項目で肯定的な回答が全国平均を上回り、本県児童生徒の前向きで素直な姿がうかがえます。
 これらについては、児童生徒の学力向上の基盤となる力ととらえており、今後の学力向上対策を推進する上での重要なポイントであると考えております。
 次に、全国学力テストの公表についてお答えいたします。
 文部科学省の「平成20年度全国学力・学習状況調査に関する実施要領」によると、調査結果の公表に当たっては、文部科学省は国全体の状況がわかるものを公表し、都道府県教育委員会は公立学校全体の状況についてのみ公表することとしております。
 また、市町村教育委員会においては、学校の順位づけや過度な競争をあおるようなことにならないよう配慮しながらそれぞれの実態や特徴を分析し、積極的に情報を発信することで保護者、地域が一体となった地域ぐるみの運動の展開が期待できるものと考えております。
 次に、幼児教育振興アクションプログラムについてお答えいたします。
 平成21年度策定予定の幼児教育振興アクションプログラムの内容につきましては、国の幼児教育振興アクションプログラムに基づいて幼稚園・保育所の連携、3年保育、地域の幼児教育センターとしての子育て支援等のあり方について検討していきたいと考えております。
 現在、現行の振興プログラムの検討・評価を行っており、今年度じゅうには外部有識者等を含めた「沖縄県幼児教育振興アクションプログラム作成委員会」を立ち上げるなど、平成21年度の策定に向けて作業を進めていきたいと考えております。
 次に、臨時教員の現状と対応についてお答えいたします。
 公立幼稚園における教諭等の配置やその処遇については、設置者である市町村が行っております。
 平成20年9月の県教育委員会での調査結果では、県内の公立幼稚園243園における正規採用教諭は551人で、そのうち休職者は51人、また、臨時的任用教諭は235人となっております。
 県教育委員会としましては、全国都道府県教育長協議会を通して地方交付税措置の充実などを関係省庁に要請するとともに、幼稚園教諭の任用に当たっては、その給与費が地方交付税で措置されていることを踏まえ、今後とも市町村に対し適切な対応について助言をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○病院事業局長(知念 清) 県立病院のあり方についてのうち、公立病院改革ガイドラインについてお答えします。
 総務省が示した公立病院改革ガイドラインの基本的な考え方は、改革を通じ、公・民の適切な役割分担のもと、地域において必要な医療提供体制の確保を図ることにあります。
 具体的には、県立病院の果たすべき役割、経営の効率化、再編・ネットワーク化及び経営形態の見直しの検討を通して持続可能な公立病院を築き上げることにあります。
 続きまして、県立病院が果たしている役割・機能についてお答えします。
 県立病院の役割は、民間医療機関で対応の困難な医療の提供、圏域の地域特性や医療機能を踏まえた医療の提供、その他公的医療機関として担う必要がある医療等を提供することであると考えております。
 また、その当該役割を踏まえまして、県立病院は救命救急、周産期医療などの高度医療、重症精神障害者医療などの特殊医療、小児及び離島医療などの不採算医療、地域で不足する一般医療の提供など地域医療の確保、結核・感染症及び災害医療などの法令に位置づけがある医療、小児精神科医療などの先導的医療、医師等医療従事者の養成確保といった機能を担っております。
 続きまして、県立病院における医師、看護師の欠員の現状と運営への影響についてお答えします。
 医師の平成20年度の配置定数は364人で、9月1日現在351人を配置しており13人が欠員となっております。そのため、北部病院産婦人科は、他の医療機関からの紹介患者等に絞って診療を行っており、八重山病院耳鼻咽喉科はことしの2月から休止しております。
 続いて、看護師については、平成20年度の配置定数は1649人で、9月1日現在92人が欠員となっております。そのため、中部病院では33床、南部医療センター・こども医療センターで14床休床しております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(伊波輝美) 県立病院のあり方に関する県医療審議会の審議の進め方等についてにお答えいたします。
 県におきましては、県立病院のあり方について沖縄県医療審議会の答申を得て、平成20年度中に基本構想を策定することとしております。
 具体的には、同審議会に設置される「県立病院のあり方検討部会」において審議を行うこととしており、8月26日に第1回会議、9月22日に第2回会議が開催されたところであります。
 今後、月1回のペースで会議を開催し、年内に基本構想案を取りまとめ、パブリックコメント等の所要の手続を経て、平成21年2月には基本構想を策定したいと考えております。
 検討部会の会議は県民に公開しており、会議資料は、会議の都度、県のホームページで公表しております。議事要旨等を含む会議結果につきましても、会議終了後、可能な限り速やかに同様の手続をとることとしております。
 検討部会の会議には、各県立病院長も執行部の説明員として出席しており、第2回会議では直接意見の聴取がなされました。また、病院事業が抱える課題等について、病院現場の職員に対するアンケート調査も実施中であり、第3回会議で調査結果を説明する予定であります。
 県民意見の反映につきましては、8月に県立病院の提供医療の評価や今後のあり方について民間医療機関に対しアンケート調査を実施したほか、基本構想案に対しましては、パブリックコメントを実施する予定であります。
 これらの意見を踏まえながら基本構想を策定してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○仲村 未央 それでは、再質問を行います。
 在日米軍再編の確実な実施、この言葉に対してパッケージの評価をどうしていますかということに対して、どうも言葉を避けているように感じられます。
 在日米軍再編の特徴はまさに全体がパッケージである、嘉手納以南の返還が海兵隊のグアムへの移転完了にかかっている。そのグアムへの移転はまさに普天間の移設、県内移設、そして日本の資金的な貢献にかかっている。これがすべてパッケージですよということが再編の中身、このことの評価をどうですかと知事にお尋ねしています。
 そしてここで再編の確実な実施を求めるこの要請内容は、そのことを全体としてまさに確実に実施をしていくということを求めるという理解でよろしいですかということを聞いています。
 そして2点目、決議との関連であります。
 私の記憶によりますと、稲嶺知事はたびたび基地の過重負担に対する県民の不満・不安をよくマグマに例えて、いつ爆発してもおかしくないですよというような表現で日米政府に伝えていた、このように記憶をしています。
 県議会の決議が言っているのは、基地の過重負担、固定化への懸念、市民投票の結果、環境への懸念、こういった県民の全体的な意向を呈して県内移設はこれ以上認められない、だから辺野古はだめなんだということを言っている。一部自分と違うということをおいてもなお、このような県民の声というのを、知事は代表者として当然アメリカ側に伝える、むしろこれは役目ではないかというふうに考えますがいかがでしょうか。
 それから、その一方でみずからがこだわっている沖合移動については触れない、これが全く理解できない。米軍再編の確実な実施は全面的に理解をして容認をしながら沖合移動について触れないとなると、まさに合意どおり何の疑問もなくどうぞ手放しで歓迎します、実施してくださいという、そういったメッセージにしかならないというふうに思いますが、それでよいのでしょうか。
 そして、一方では政府と全くその地位協定に関しては、例えば立場が異なる。地位協定は日本政府は一度たりとも交渉のテーブルに上げない。けれども、知事はそれにこだわってなお沖縄からの声として直接言うという。一方では御自身がこだわっている沖合移動については、これは国内問題です。これでは何のために直接訪米して直訴するのかということのその中身、まさに二重基準ではないかというふうに考えられますがいかがでしょうか。
 それから、台風被害について、現地では田原川のはんらんに関しては、これに対する予算が非常に厳しいということで県の二級河川への格上げを要望されています。この件に関していかがでしょうか。
 2回目、答弁をお願いします。
○議長(髙嶺善伸) ただいまの仲村未央さんの再質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後3時34分休憩
   午後4時1分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前の仲村未央さんの再質問に対する答弁を願います。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 仲村議員の再質問にお答えしたいと思います。
 4点あったと思うんですが、まず第1番目のパッケージであると認識しているかという御質問でしょうか、ちょっとこの質問の趣旨をもし取り違えておりましたらまた改めてあれしますが、これは辺野古への移設がパッケージだと、県内移設がパッケージになっていると、2005年の中間報告で言われていることはそういうふうに認識いたしております。
 そして2番目で、新基地建設反対という御趣旨の6月県議会での決議につきましては、訪米したときにこれを持って行って説明したらどうかというふうな御提案でしょうか。そういうふうに理解いたしましたが、これは無論向こうで聞かれればこういう議会の決議がありますよということは申し上げますが、ただ私が皆さんの決議を持って向こうで話をしたり、説明する立場にあるとは思っておりません。立場にないと思っております。
 それから3番目の、沖合への移動などなどについてはなぜアメリカで言わないのかという御趣旨の御質問だと思うんですが、これは県の条例であるとか環境アセス関係の法律、そして県の条例などなどに関連しても、アセスの中でもこれは最後の位置を含め、環境とか生活環境、自然環境も含めた調整といいますか動きというのは当然これは想定されますから、こういうものは提供する事業者たる政府といいますか、防衛省の責任においておやりになれば済むものだと私は思っておりますから、これは何も私の方であえてアメリカで一々要求したり、説明する必要はないのではないかと思っております。
 それでいて日米地位協定については何でアメリカに行って説明するのかという御趣旨の御質問だと思うんですが、これは無論知事会においても何回か――特に外務省・外務大臣にもお会いして地位協定の抜本改正について要求・要請をしているわけですが、議員がおっしゃるようにほとんど取り上げる兆しというか、態度というのが今のところありません。
 ですが、これは現実に沖縄にある基地の運用に係る事件・事故にもつながっているものだということもありますし、そしてこれこそ粘り強く日米両政府に対して沖縄の考えをきちっと――1回や2回で済むとは無論思っておりませんが――政府に説明をし、特に人権、環境というあたりはアメリカにおいては非常に敏感な部分だと思いますから、そういうことも含め説明をし理解を求めていきたいと考えているところです。
 以上でございます。
○土木建築部長(漢那政弘) 田原川の二級河川拡大についてお答えします。
 まず、田原川は与那国町管理の準用河川でございます。特に今回の台風の被害につきましては、与那国町が主体的に災害復旧を行うこととなっているわけでございます。
 現在、隣接する町道の田原川線がございます。そこの公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づき、現在災害復旧の申請を準備しているところでございます。
 県としましても、速やかな災害復旧がなされるよう連携し助言をしていきたいと思っております。
 もう一点の二級河川の格上げのことでございますが、二級河川に格上げするかどうかにつきましては、まず与那国町の意向、それから河川整備の必要性、費用対効果等の検討、県管理の必要性などなど項目ございますので、総合的に判断してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○仲村 未央 議長、休憩お願いします。答弁の確認があります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時8分休憩
   午後4時13分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 仲村議員の再質問の中で、特に1番目のパッケージについて知事はどう評価しているかとそういうことですよね。お答えしたつもりですが、あえて申し上げれば、実現されるべきだと評価いたしております。
 以上でございます。
○仲村 未央 答弁の中で、私の発言の趣旨がはっきりしないというような言い方があったものですから、あえてその趣旨の確認をするために休憩をさせていただきましたが、知事は、結局その要請項目にある「在日米軍再編の確実な実施」ということは、文字どおりその県内移設を前提とした決議の趣旨とは全く違う、そういった米軍再編の内容をそのまま確実に実施してほしいということを具体的に要望に行くと、そしてみずからの条件等については触れない。
 これで今回の訪米の中身であるというふうに理解をしていきたいと思います。
○照屋 大河 社民・護憲ネット、照屋大河です。
 会派を代表して、質問を行います。よろしくお願いいたします。
 大きい1番目、基地行政について。
 (1)、米海軍原子力潜水艦の原子炉冷却水漏れ事故及び原潜の寄港増加について。
 去る17日、9月定例会冒頭の本会議において、「米海軍原子力潜水艦の原子炉冷却水漏れ事故に関する意見書・抗議決議」が全会一致で可決されました。
 我々県議会が意見書と抗議決議の中で求めている6項目について、日米両政府間の協議を通じて確実に履行されるよう、知事として県としてしっかり対応していただくことを望みます。
 そこで伺います。
 ア、8月29日に米海軍が提出した原潜ヒューストンの原子炉冷却水漏れ事故の調査結果、最終報告に対する県の評価を伺います。
 イ、ホワイト・ビーチ周辺は良好な漁場であり、地元勝連漁協は今回の事故を大変懸念をしております。漁民や消費者の不安を払拭すべきと考えますが、原潜事故に伴う影響について見解を伺います。
 (2)、騒音被害問題について。
 今月1日、県文化環境部より米軍の嘉手納・普天間両飛行場並びに那覇空港周辺における2007年度航空機騒音測定結果が発表された。測定の結果、普天間飛行場周辺では1日当たりの騒音発生回数が9測定局すべてで前年度より増加、嘉手納飛行場周辺でも嘉手納測定局で夜間飛行禁止の時間帯における騒音発生回数が前年よりも増加していることが明らかになった。
 そこで伺います。
 ア、2007年度航空機騒音測定結果における騒音増加の理由について県の分析を伺います。
 イ、1996年の日米合同委員会における騒音規制措置合意から10年以上たって今なお改善されない騒音被害に対して、地元住民からは、知事が現場で殺人的爆音を実感し問題解決に動いてほしいとの声が上がっています。知事みずから現場に足を運び、騒音防止協定がほごになっている実態を把握する考えがあるか伺います。
 ウ、基地が所在する自治体においては、市街地上空での米軍機の低空飛行や夜間飛行について独自に目視調査を実施しておりますが、米側に騒音防止協定の遵守や飛行経路の公表を求めるなど県として取り組みを支援していく考えはあるか伺います。
 エ、未明離陸について、米軍は騒音防止協定の例外規定を理由としておりますが、県の考えについて伺う。また、例外規定の撤廃を日米両政府に求めていく考えはないか伺います。
 オ、去る9月6日、全国の基地爆音訴訟原告団や準備会などが一堂に会し、「全国基地爆音原告団連絡会議(仮称)」が組織化されました。私は、嘉手納爆音訴訟原告団の一人として、今後渉外知事会と連携して政府への抗議・要請等ともに行動できないかと考えていますが、知事の見解について伺います。
 (3)、9月11日発生の那覇空港における空自機パンク事故について。
 この事故が原因で那覇空港は滑走路が閉鎖され、民間機約80便に目的地変更や出発遅延など乗客約1万5000人に影響が出たとの報道があり、沖縄観光へのイメージにも多大な悪影響を及ぼしたと考えております。
 そこで伺います。
 ア、事故当時の状況と今日までの関係機関から県に入っている情報を明らかにされたい。
 イ、県が要請を行った事故原因の究明、安全管理の徹底、実効性のある再発防止策を早急に講じるなどへの航空自衛隊那覇基地の対応について伺います。
 大きい2番目、原油価格高騰に関する緊急対策について。
 県は、今議会提案の補正予算案に原油価格高騰対策として約5億9000万円を計上しております。
 以下、伺います。
 (1)、緊急対策を講ずるに当たり、各業種・業界ごとの実態把握、意見聴取は十分に行ったか伺います。
 (2)、漁業や交通・運輸業界からコスト上昇分の直接補てんを求める声に対し、今回間接的に支援する格好になった理由について伺います。
 (3)番目については割愛いたします。
 大きい3番、建築・土木行政について。
 (1)、国発注工事などの県内建設業者の優先活用について、県の考え方、取り組みについて伺う。
 (2)、改正建築基準法の厳格化に伴う住宅着工件数の減少に歯どめをかけるため、国が導入した図書省略認定制度について、県の説明会開催から3カ月を経過した8月18日段階で県内業者の活用例が1件もないことが明らかになった。
 活用例ゼロの原因分析と活用促進のための方策について伺います。
 (3)、土砂災害防止法に基づいて県が指定する土砂災害警戒区域は、県内の土砂災害危険箇所1032カ所のうち、わずか3カ所と全国最小の指定数にとどまっていることについて。
 ア、法施行後7年が経過しているにもかかわらず、指定箇所が3カ所にとどまっている理由。
 イ、区域指定のおくれによってハザードマップが作成されなければ対応が後手に回り、天災が人災となるおそれもあり、県として早急な取り組み強化が求められるところでありますが、今後、指定区域をふやす計画があるか伺います。
 大きい4番目、福祉・教育行政について。
 (1)、後期高齢者医療制度について
 去る6月の定例会において知事及び県当局は、制度の見直しで対応していくとの答弁に終始しました。議会においては廃止を求める決議が可決され、その後も1600名余の参加者による反対集会が8月22日県民広場にて開かれるなど、多くの県民の批判がある中、なぜ県が制度維持にこだわるのか全く理解できない。いま一度県民が納得できる説明を求めます。
 (2)、認可外保育園の待機児童対策について。
 沖縄振興特別対策調整費を活用した認可化促進の基金設置によって、どの程度待機児童の解消が期待できるのか伺う。
 (3)、就学援助について。
 就学援助を受けている県内小中学校の児童生徒の割合が2007年度は過去最高の14.3%となったことが県教育庁のまとめで明らかになった。受給者は上昇の傾向にあるとのことであり、そこで伺います。
 ア、受給者の増加について県はどのように分析をしているのか伺う。
 イ、平等に教育が受けられる機会や進学の機会を保障するため、奨学金制度の整備などが重要と考えるが、県としてどのような対応策を検討しているのか伺います。
 以上、よろしくお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 照屋県議の御質問にお答えいたします。
 まず基地行政についての御質問で、知事が殺人的な騒音を実感し問題解決に動いたらどうか、現場視察についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 私は、これまで嘉手納飛行場及び普天間飛行場を含む各米軍施設を視察し、その実情の把握に努めてきたところでございます。
 航空機騒音につきまして県としましては、引き続きあらゆる機会を通じ、日米両政府に対し騒音の軽減を粘り強く働きかけていきたいと考えており、私もできる限り現地を訪問し状況を把握していきたいと考えているところでございます。
 次に、建築・土木行政に係る御質問の中で、県内建設業者の優先活用についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県における建設産業は、沖縄県の経済と雇用を支える重要な基幹産業でありますが、近年の建設投資の減少及び受注競争の激化など厳しい経営環境に直面いたしております。
 このため、受注機会の拡大を通して県内建設産業の活性化及び雇用の拡大・改善を図る観点から、国等が発注する公共工事の地元優先発注及び県産資材等の利用拡大を促進するため、9月18日に沖縄総合事務局、沖縄防衛局に直接要請を行いました。また、9月11日には安里副知事及び関係部長が内閣府を初め国土交通省、農林水産省、防衛省へ要請を行っております。その結果、沖縄総合事務局から一般競争入札における参加資格要件の経営事項評価点引き下げや、総合評価における評価項目の見直しによる県内企業への受注機会拡大の具体策が示されたところであります。
 今後の受注率向上に向けた取り組みについて、今回の要請の結果を見ながら、さらに必要な行動を検討してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、同じく建築・土木行政に係る御質問の中で、図書省略認定制度が活用されていない原因などなどに関する御質問にお答えいたします。
 図書省略認定制度は、国の支援のもと沖縄に限定をし、国土交通大臣からことし4月に認定されました。
 同制度は、構造計算を簡略化し、構造計算適合性判定が省略される制度となっております。しかしながら、認定後間もないことや一定のルールに従って設計を行う必要があることから、十分に活用されていない状況にあります。現在、同制度を活用した建築確認申請は2件受け付けられ、審査中であります。
 県は、これまでに建築関係者に対し、本島及び宮古・八重山で合わせて14回の説明会を開催しますとともに、本庁及び各土木事務所等におきまして相談窓口を設置しその周知を図ってきたところであります。
 今後も建築設計者の意見を取り入れ、国と連携をして図書省略認定の改善及び同制度の周知を図り、なお一層の利用促進に努めてまいる所存でございます。
 次に、福祉・教育行政に係る御質問の中で、後期高齢者医療制度に対する県の見解についての御質問にお答えいたします。
 我が国の医療保険制度は、少子・高齢化が急速に進展し、経済が低成長へ移行している中で、医療費の高騰、同制度を支える現役世代の負担の増大、医療に対する国民のニーズの多様化・高度化への対応など、皆保険制度を維持する上で大きな課題に直面いたしております。
 このような中で、後期高齢者医療制度につきましては、医療制度改革の一つとして老人保健制度で課題となっていました市町村国保等保険者の負担の増大を解消しつつ、国民全体で高齢者の医療を支えていくため、長年の議論のもとに創設されてきたものでございます。
 県としては、後期高齢者医療制度について、皆保険制度を堅持していくために重要な制度であると認識をいたしておりますが、今後、国のさまざまな検討の推移を見守りつつ、県内の高齢者がさらに安心して医療が受けられるよう必要な改善を要望していくことといたしております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(上原 昭) 基地行政についての御質問のうち、原潜事故の米側最終報告に対する県の評価についてお答えします。
 外務省を通じ発表のあった米側の最終報告通報によれば、微量の放射能が放出された可能性があるとされた原因は、閉じられたバルブの1つからの水のしみ出しであったとのことであります。
 しみ出した水に含まれる放射能は、人間の健康、海洋生物あるいは環境に対して悪影響を及ぼさないとのことでありますが、たとえ微量であっても原子力潜水艦の放射能を含む冷却水の漏えいは県民に不安を抱かせるものでまことに遺憾であり、より具体的な原因の公表が必要であると考えております。
 県としては、すべての原子力艦の安全対策及び再発防止策の徹底を図り、このようなことが再び起こらないよう、安全性の確保にはこれまで以上に万全を期していただきたいと考えております。
 次に、基地所在自治体の取り組みへの支援についてお答えします。
 県は、去る9月10日及び18日に県内の米軍を初め日米両政府に対し、航空機騒音の軽減措置をとることや、航空機騒音規制措置の厳格な運用等について要請したところであります。
 また、去る9月4日及び8日から9日においても、軍転協を通じ、米軍を初め日米両政府に対し、航空機騒音規制措置の趣旨を徹底し、航空機騒音の軽減を図るよう要請したところであります。
 県としては、引き続き関係市町村と連携を図りながら、米軍を初め日米両政府に対し航空機騒音の軽減を粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 次に、航空機騒音規制措置についてお答えします。
 米軍は、航空機騒音規制措置を遵守しているとしておりますが、県としては嘉手納飛行場及び普天間飛行場の周辺地域においては、依然として環境基準を超える騒音が発生していると考えており、また嘉手納飛行場における深夜・早朝の航空機の離着陸は周辺住民に多大な影響を及ぼしており、騒音防止効果が明確にあらわれていない状況にあると考えております。
 県は、去る9月10日及び18日にも県内の米軍を初め日米両政府に対し、航空機騒音の軽減措置等について要請したところであり、引き続きあらゆる機会を通じ、日米両政府に対し騒音の軽減を粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 次に、全国基地爆音訴訟原告団連絡会議と渉外知事会との連携についてお答えします。
 御質問中の全国基地爆音訴訟原告団連絡会議については、報道により承知しておりますが、県としては訴訟の状況も含めその活動を見守っていきたいと考えております。
 次に、自衛隊パンク事故の情報についてでありますが、県は9月11日13時20分ごろ、那覇空港においてF4戦闘機1機が訓練を終了し着陸した際、左主脚のタイヤがパンクし、タイヤの破片等の回収のため、12時50分から滑走路が閉鎖されたとの連絡を航空自衛隊那覇基地から受けております。
 その後、那覇空港事務所へ民間航空機への影響等を照会したところ、13時52分に滑走路の閉鎖が解除され、最終的に121の便に遅延や欠航などがあったとのことであります。
 また、航空自衛隊那覇基地から、那覇基地にあるすべてのF4戦闘機の安全点検及び隊員への所要の教育を実施した後に飛行訓練を再開する旨の連絡を受けたところであります。
 次に、県の要請への航空自衛隊の対応についてお答えします。
 県は、事故に関する情報を受け、航空自衛隊に対し、事故原因の究明、実効性のある再発防止策及び事故の細部の情報提供を要請しました。
 航空自衛隊によると、パンクの原因については現在細部を調査中であるが、着陸した際、一時的にタイヤがロックした状態になったため、タイヤの一部に負荷が発生しパンクに至ったものと推定されるとのことであります。また、事故後、9月17日までの間に那覇基地にあるすべてのF4戦闘機の安全点検及び隊員への所要の教育を行い、点検では異常は見つからなかったとのことであります。
 さらに、再発防止対策として、関係する全隊員に本事案に関する教育を実施するとともに、タイヤ及びブレーキの点検については、これまで以上に入念に実施するよう徹底しているとのことであります。
 なお、細部調査の結果により必要に応じさらなる再発防止対策を講ずるとのことであります。
 以上でございます。
○農林水産部長(護得久友子) それでは基地行政についての御質問で、原潜事故に伴う影響についてにお答えいたします。
 文部科学省が平成20年9月2日に発表した「原子力艦放射能調査における分析結果」によると、金武湾、中城湾及びその周辺海域で採集した海産生物の分析結果は、これまでの放射能水準と同程度であり、異常は認められないとのことであります。
 次に、原油価格高騰に関する緊急対策についての御質問で、漁業者への県の支援についてにお答えいたします。
 国の省燃油操業実証事業は、燃油消費量を1割以上削減する操業の実証を行う漁業者グループに対し、平成19年12月の価格を基準にして燃油費の増加分を国が助成する内容となっております。このため県では、本事業にできるだけ多くの漁業者が参加できるような条件整備を図るため、9月補正予算で燃油削減に役立つ船底清掃への助成に要する予算を計上しているところでございます。
 以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 基地行政との関連で、航空機騒音測定結果についてお答えいたします。
 平成19年度航空機騒音測定結果によりますと、嘉手納飛行場周辺においては、15局中9局で環境基準を超過しており、うるささ指数は前年度とほぼ横ばいで、騒音発生回数は15測定局中12局で前年度と比較して減少しております。
 また、普天間飛行場周辺におきましては9局中3局で環境基準を超過しており、うるささ指数はわずかな増加も含めると9局中7局で、また騒音発生回数は9局すべてで前年度より増加しております。
 騒音の増減の理由としましては、嘉手納飛行場では、F15戦闘機の飛行停止措置の影響と考えられ、普天間飛行場ではFA18戦闘機等の外来機の飛来や訓練による影響と考えられます。
 県としては、今後とも関係市町と連携し、航空機騒音の監視測定を継続し、騒音の状況を把握し、航空機騒音の軽減に努めていきたいと考えております。
 次に、原油価格高騰に関する緊急対策との関連で、各業種・業界の実態把握、意見聴取についてお答えいたします。
 最近の原油等の価格高騰につきましては、県民生活及び中小企業への影響を初め、農林水産業、建設業、運送業等の各産業分野の多方面にわたり深刻な影響を及ぼしております。
 県としましては、原油価格高騰による影響を最小限に抑制するために、7月22日に沖縄県原油価格高騰対策連絡会議を設置し、7月25日と9月5日の2次にわたり、原油価格高騰緊急対策を取りまとめホームページ等により県民及び関係機関への周知を図っているところでございます。
 その対策を講じるに当たっては、農林水産団体、経済団体等の各種団体からの陳情・要請等を踏まえ、また、地域の商工会議所等を通して、建設業者、運輸業者、クリーニング業者等への実態調査や意見聴取を行ったところでございます。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 原油価格高騰に関する緊急対策について、運輸事業者への直接支援についてお答えいたします。
運輸事業者への直接支援につきましては、公共性・公益性、限られた行政資源の効果的・効率的な活用などの観点から、困難であると考えております。
 県におきましては、原油高騰により資金繰りが厳しくなっている事業者に対する融資制度として原油高騰対策支援資金を創設し、運輸事業者についてもこの支援資金の活用を促しております。
 また、国において平成20年8月に策定された「安心実現のための緊急総合対策」では、運輸事業関連について、省エネ車両・機器等の導入促進等の各種施策が示されたところであり、県としての対応を検討していきたいと考えております。
 以上であります。
○土木建築部長(漢那政弘) 土木建築行政についての御質問の中の、指定数が3カ所にとどまっている理由についてお答えをいたします。
 土砂災害防止法は、土砂災害から国民の生命及び身体を守ることを目的とし、平成12年度に制定された法律であり、土砂災害警戒区域等の指定は同法に基づいて行われるものであります。
 県におきましては、平成13年度から土砂災害警戒区域指定に向けた調査を開始し、平成19年度までに450カ所を終えており、平成22年度までに危険箇所全体の1032カ所について調査を完了する予定であります。
 区域指定に関しては、調査を終えた箇所から各市町村と調整の上、より優先度の高い区域について住民説明会を行い指定作業を進めておりますが、法の周知や各市町村の推進体制等の課題もあったこと、また、多くの箇所が既に市街化、宅地化した箇所での指定となり、住民の理解を得ることに時間を要していることから、指定が進んでいない状況にあります。
 続きまして、区域指定の計画についてお答えをいたします。
 土砂災害警戒区域については、今年度に入り4カ所の区域指定を終えており、9月16日時点で南風原町、浦添市、沖縄市、豊見城市の4市町で計7カ所の指定となっております。
 現在、各市町村と連携し区域指定に向けた説明会を進めていることから、今年度末には計35カ所の区域指定を予定しており、引き続き区域指定に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(伊波輝美) 福祉・教育行政についての、沖縄特別振興対策調整費を活用した認可化促進策による待機児童解消の効果についてにお答えいたします。
 沖縄特別振興対策調整費を活用した待機児童対策特別事業では、まず平成20年度において待機児童実態調査を実施し、その結果と市町村の意向を踏まえて認可化促進計画を策定いたします。
 この計画に基づいて市町村が認可化することとした施設に、運営費や施設整備費を助成し認可化を促進することで、平成23年度までに約3600人の定員増を想定しております。これとあわせて、既存制度での整備でも定員増を図り、待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○教育長(仲村守和) それでは、福祉・教育行政についての御質問で、就学援助の増加要因についてお答えいたします。
 就学援助制度は、経済的理由により就学が困難と認められる児童生徒の保護者に対して、市町村が学用品や医療費等を援助し、義務教育の円滑な実施を図るものであります。
 平成19年度において就学援助を受けている児童生徒の数は、2万1490人となっており、近年増加傾向にあります。
 受給者数の増加要因としましては、母子家庭の増に伴う児童扶養手当受給者の増、企業の倒産やリストラ等経済の変化、市町村による就学援助制度の周知等が考えられます。
 次に、県の対応策についてお答えいたします。
 県教育委員会としましては、市町村教育委員会へ通知をし就学援助事業の適切な実施を促しているところであります。
 また、全国都道府県教育長協議会等を通じ、就学援助の充実を関係省庁へ要請しているところであり、今後とも教育の機会均等の確保のため、市町村において必要な就学援助が行えるよう、十分な財源措置を国に働きかけていきたいと考えております。
 なお、県立高等学校においては、授業料等の減免措置や奨学金制度により有為な人材の育成に努めているところであり、今後ともこれらの制度がより効果的に活用されるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○照屋 大河 再質問を行います。
 まず、原潜について、ホワイト・ビーチの件ですが、安里副知事、去るアルゼンチン・南米の100周年に際しての訪問、本当に御苦労さまでした。
 その移民先の皆さんの苦労とか、ふるさと沖縄に対する思いなどを感じてこられたと思うんですが、このホワイト・ビーチについて、こういう歴史があるんですよ。戦後間もないころ、ハワイの移民の皆さんが沖縄の現状を考えて、550頭の豚を沖縄に送ってきたと。その到着したのがこのホワイト・ビーチなんですね。
 時の沖縄県知事――うるま市具志川赤道、私の住む赤道出身の――志喜屋孝信知事だったんですが、この戦後米軍支配の中、米軍から配られる缶詰やそういうもので沖縄人を消費になれさせると、生産への意欲を奪う。沖縄人の誇りと文化は失われ、人権は奪われ、土地を奪われというそういう状況の中、この550頭の豚に対して、米軍支配からの米軍依存からの脱却だということで非常に喜んだという歴史があります。
 その歴史を紹介した上で今ですが、地元議会がそれから市長が地元住民が反対する中、繰り返し原潜の入港が行われる。事故が発覚してなお原潜の寄港が繰り返されているわけです。
 去る6月の定例会において仲井眞知事は、私の原潜寄港増加を指摘し寄港反対を求める質問に対して、日米安全保障体制を認める立場から寄港を容認するという答弁を行っておりますが、この答弁の後、間もなく発覚した事故においていろんな情報が出てきたわけですが、私たち県議会においても抗議決議をし、意見書を可決し、去る22日には関係要路に要請に参りました。
 この段階で、定期点検の時期や内容も明らかにできない、入出港通報の事前公表中止や中止措置を解除することもできないと言う。それから寄港増加の理由についても明らかにできない。それから防災訓練等の確立もない、さまざまにホワイト・ビーチのあり方の問題点が出てきたわけです。含めて米側との協議の中で、過去に密約という文書の発見もあります。
 今考えて、去る議会での知事の安保体制を認める立場において寄港容認だという発言は、今回こういう状況にありながら、市民の安全や県民の安全が確保されていない状況なんですよ、今の状況では。そんな中、振り返ってみれば、やはりあの発言は無責任ではないかと考えていますので、いま一度知事の答弁を求めます。
 それから次に爆音被害について、何度か現地の実態把握に努めてきたということですが、文化環境部の結果においても示されるとおり、その軽減には今至っていないわけですね。しかも普天間や嘉手納地域において、低出生体重児現象とか早産児の出生率が高いとかというそういうことも示されているわけですから、しっかりと毅然とした対応を今後もやっていただきたいというふうにこれは要望しておきます。
 次に、F4戦闘機のパンク事故について。
 飛行再開からわずか数日において嘉手納基地に緊急着陸するという事態が起こっています。現在でも自衛隊の共同使用により、民間機の離発着の遅延に影響のある那覇空港の現状について那覇市議会は民間専用化を求める意見書を全会一致で可決しております。
 午前中の答弁において企画部長、現在進めている那覇空港のあり方ですね、国は自衛隊との共同使用を検討していると。県の立場において安全性が確保されることが必要であるということだったんですが、先ほどあった那覇市議会の意見書にこたえる形で民間専用化を県として打ち出していくのか、その点について答弁を求めます。
 続いて、原油高騰対策について。
 補正予算が提案された直後の22日、JAおきなわは独自財源から緊急対策として5億円を投じるとの発表がありました。一方、ダンプカーの運転手の皆さんがきのう15年ぶりにデモ行進を行ったということもあります。
 先ほど直接支援的なものは厳しいという答弁でありましたが、実態を把握して新たにそれ以外に対応できるものがないか、今後も検討をしていただきたいと思います。
 以上、よろしくお願いいたします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時58分休憩
   午後5時3分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 上原 昭君登壇〕
○知事公室長(上原 昭) それでは再質問で、原子力潜水艦の寄港に反対すべきではないかという趣旨の再質問にお答えします。
 県としては、日米安全保障体制を認める立場から、原子力潜水艦の寄港について政府の方針に基づき寄港を容認するものではありますが、日米両政府においては原子力潜水艦の安全性の確保にこれまで以上に万全を期していただきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 那覇空港の民間専用化についての再質問にお答えいたします。
 現在進めております那覇空港滑走路の拡張整備につきましては、自衛隊が将来も現状のとおり利用するということを前提に検討しておりまして、県としましては自衛隊機と民航機の運用につきまして、その効率性・安全性が最低限確保される必要があると考えており、民営化については検討しておりません。
 以上であります。
○文化環境部長(知念建次) 原油等の価格高騰に対する支援策についての再質問にお答えいたします。
 原油等の価格高騰に対する支援策につきましては、国の原油価格高騰対策や沖縄県原油高騰対策連絡会議における議論を踏まえ、緊急に実施すべき対策を決定したところであります。
 今後につきましては、現在国において「安心実現のための緊急総合対策」の中でもその対策を示しております。
 県としましては、現在その具体的な内容の把握に努めているところであり、今後「安心実現のための緊急総合対策」の具体的な内容が明らかになった段階で、県においても適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○照屋 大河 原潜について、去る議会とほぼ同じ答弁なんですよ。その後の事件・事故、それから米側の対応をもってしても今なおまた同じような答弁になるんでしょうか、伺います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時7分休憩
   午後5時11分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 上原 昭君登壇〕
○知事公室長(上原 昭) 今回の原子力艦の事故を受けて、県としても軍転協と一緒になって日米両政府に要請を行っておりますが、その際に本県に寄港するすべての原子力艦の点検及び安全性の確保に今以上に努めるということとあわせまして、今回のヒューストンの安全点検が不十分であると、原因がきちんと明らかにされていないということも受けまして、今後原子力潜水艦は安全が確認されない限り、本県に寄港させないことを日米両政府にも求めていきたいというふうに考えております。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで終了いたしました。
 次会は、明26日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時13分散会

 
20080302000000