○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた公安委員会委員長安里昌利君は、別用務のため本日、19日、23日、25日及び26日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日、19日及び23日の会議に公安委員会委員翁長良盛君、25日及び26日の会議に同委員会委員幸喜德子さんの出席を求めました。
また、人事委員会委員長仲吉朝信君は、所用のため本日、19日及び22日から26日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長伊礼幸進君の出席を求めました。
また、労働委員会会長比嘉正幸君は、所用のため本日及び22日から26日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び25日の会議に労働委員会事務局長比嘉久晶君、22日の会議に同委員会公益委員矢野昌浩君、23日の会議に同委員会公益委員宮里節子さん、24日の会議に同委員会会長代理大城光代さん、26日の会議に同委員会公益委員宮城和博君の出席を求めました。
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○議長(髙嶺善伸) この際、念のため申し上げます。
本日、19日及び22日から26日までの7日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(髙嶺善伸) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
新垣哲司君。
〔新垣哲司君登壇〕
○新垣 哲司 おはようございます。
自由民主党を代表して代表質問を行います。
まず知事の政治姿勢についてであります。
2006年(平成18年)11月19日、第10回沖縄県知事選挙で当選を果たした仲井眞弘多知事は、公約として掲げた3つの基本姿勢と14項目の政策目標の実現に向け、全力を傾注してまいりました。その間、仲井眞知事は、県民が独立独歩の精神で沖縄県発展にチャレンジしていく基礎づくりを目指し、さまざまな施策や事業を展開し、観光振興に伴う産業基盤の整備や情報通信産業の集積を初めとする企業立地の推進、雇用環境の改善など、4年間の在任中で多くの公約を実現し、あるいは芽出しをしてまいりました。沖縄県の将来像を目指した21世紀ビジョンの策定など、県勢発展に多大な成果を上げたものであります。しかし、知事が最大の課題と位置づけた普天間飛行場の移設問題については先行きが不透明となってしまいました。残りの任期中、解決に向けて努力を続けてほしいと願うものであります。
そこで、これまでの3年3カ月を振り返り、知事の率直な気持ちを伺いたいと思います。
(1)、仲井眞知事は12月に任期満了を迎えるが、知事として任期4年目に入った感想と今後に向けての抱負を伺いたい。
(2)、任期4年目に入り、選挙公約のうち実現できた主な施策と実現に至っていない施策について伺いたい。また、残された課題の解決に向けどのように取り組んでいくか。
(3)、この4年間の県勢発展に向けた取り組みで、知事として特に評価したいことや特筆することについて伺いたい。
(4)、2010年度予算は仲井眞知事の最後の予算であるが、予算編成に当たって公約実現に向けた基本的な考え方と主な施策について伺いたい。
大きい2、普天間飛行場移設問題について。
普天間飛行場の移設問題が争点となった名護市長選挙は、日米が同意した辺野古への移設に反対し、県外移設を掲げた候補者が勝利したことで、移設問題の解決は一段と困難な状況に陥ったようであります。
普天間飛行場の移設問題は、自衛隊及び米軍の役割・任務・能力並びに在日米軍の兵力構成見直しに係る在日米軍再編等という全体のパッケージの中で位置づけられており、その意味で移設問題はまさに日本の安全保障にかかわる問題であります。しかしながら、鳩山政権における移設問題の対応は、政権発足当初から迷走し、首相や関係閣僚の発言がばらばらで米国との関係にも深刻な影響を与えており、何より日本政府の国際的信頼が揺らいだのであります。日米関係においては、一応5月末までに移設先の結論を出すことで了解されておりますが、米側の現行案での実施という姿勢は一貫して変わりは見せておりません。
3党連立与党の協議においても、グアムや下地島、伊江島そして嘉手納統合案の提案など、3党間の思惑はばらばらであり、5月末までに政府としての移設案が決定できるのか疑問であります。そのような中、平野官房長官は、名護市長選挙の結果をしんしゃくしなければならない理由はないと述べ、さらに地元との合意がない場合でも法律的に移設が可能な手法があるとも述べるなど沖縄の怒りを買っております。
もともと民主党は辺野古への移設に反対したのであり、しかも名護市長選挙は県外移設を掲げる候補者を民主党が推薦し、現職国会議員まで応援して当選させておきながら、一方では地元の合意はなくとも基地はつくれると考えているとすれば決して許されるものではありません。
昨年10月26日の就任後初の所信表明演説で鳩山総理は、「沖縄の方々が背負ってこられた負担、苦しみや悲しみに十分思いをいたし、地元の皆さまの思いをしっかりと受け止めながら、真剣に取り組んでまいります。」と述べました。一体、その言葉は何だったのでありましょう。仮に、辺野古への移設が無理とわかりながら現行案に含みを持たせたものの、環境アセス評価の提出を検討しているのも移設先を決めるまでの米国への配慮からだとすれば、鳩山政権はとり得る解決策の方向性を間違ったと考えます。今や、辺野古現行案での移設は極めて困難であります。鳩山政権には何としても普天間飛行場の移設問題を沖縄県民や米国が納得する形で解決してもらわなければなりません。危険きわまりない普天間飛行場が現状のまま長期にわたって残ることは、沖縄にとって最悪のシナリオであります。
そこで伺います。
(1)、名護市長選挙は、現職市長が敗れたことで辺野古への移設は困難となったと考えるが、普天間飛行場の移設問題に与える影響について伺いたい。
(2)、知事は、辺野古への移設を容認した根拠の一つに地元の受け入れ容認を挙げていたが、名護市長選挙の結果を受けて今後どのように対応していくか伺いたい。
(3)、鳩山総理は日米合意の重み、県外・国外を主張して選挙に勝利したこと、3党連立政権の維持の3条件を満たす答えを探すとしているが、この3条件を満たす案を5月までに決めることは可能か、知事の見解を伺いたい。
(4)、米側が納得する移設先を5月までに決めることができなければ、普天間飛行場が現状のまま長期に固定化されるおそれがある。知事の見解を伺いたい。
(5)、平野官房長官の名護市長選挙の結果をしんしゃくしないとの発言や、合意がない場合の法的措置への言及について知事の見解を伺いたい。
(6)、現行案での移設が困難となった中で、国は環境アセスメント評価書を県に提出するとしているが、県はどのように対応するか。
3、基地の整理縮小と跡地利用について。
本県における米軍基地は、現在41市町村のうち21市町村にまたがって存在し、県土面積の約10.2%を占めております。施設数は、復帰時の87施設から34施設と大幅に減少しておりますが、面積は18.7%の減少にとどまっております。また、米軍が常時使用できる専用施設は全国の74.3%が本県に集中しており、本県は戦後65年にわたって他の都道府県に比べて過重な基地負担を強いられていることから、基地の整理縮小は県政の最大の課題となっております。
本県の狭隘な面積に広大な米軍基地が存在することは、必然的に米軍人等による事件・事故の発生を生み、県民に大きな不安を与えているほか、制限水域・空域の存在による漁業や航空機等社会活動の制限、また航空機等による騒音や演習等に伴う環境破壊など県民生活にさまざまな影響を出しております。平成8年12月に合意されたSACO合意に基づく基地の11施設の返還については既に13年余経過しながら、一部の返還にとどまっているのが現状であります。
本県は基地依存経済からの脱却を目指し、経済の自立を将来目標に掲げており、新たな振興計画の策定や本県のあるべき将来像を描く沖縄21世紀ビジョンの策定を進めております。そのためには、広大な米軍基地の存在は計画的な都市づくりや交通体系の整備、産業用地の確保などこれからの本県の振興を図っていく上で大きな制約となっております。SACO合意を着実に実施させるとともに、米軍再編に基づく嘉手納以南の大規模基地の返還についても実現させ、跡地利用計画の策定を急がなければなりません。しかし、鳩山政権の普天間飛行場移設問題への対応が混迷をきわめている中、嘉手納以南の大規模な基地の返還はどうなるのか懸念されるところであります。
そこで伺います。
(1)、沖縄21世紀ビジョン策定との関連で、在沖米軍基地の段階的整理縮小を図る基地返還計画の策定が必要と考えるがどうですか。
(2)、また返還計画と跡地利用計画は一体的策定が必要と考えるが、自立経済の構築との関連で跡地利用を新たな沖縄振興計画へ位置づけることが必要ではないか。
(3)、SACO合意の11施設の返還に関し、現状と今後の見通しについて伺いたい。
(4)、名護市長選挙の結果、辺野古移設が難しくなったが、パッケージとされる嘉手納以南の基地返還にどのような影響が懸念されるか。
(5)、2012年で期限切れとなる米軍用地返還特措法の延長や見直しについて、県の考え方を伺いたい。
4、県内産業の振興について。
本県の中小企業は、経営規模が脆弱な中小企業、零細企業が占める割合が圧倒的に高く、そのため経済の自立を目指す本県にとって観光に続く核となる産業の振興が大きな課題であります。また、本県には比較的規模が大きく雇用効果の大きい製造業の立地・振興が難しく、育ちにくいと言われておりますが、本県の地理的不利性や支援企業としての脆弱性なども要因と言われております。
本県が経済の自立を目指す上で、このような課題解決に加え、中小企業、零細企業の占める割合の改善や根本的な改革が必要と考えます。このため、県においては本県中小企業の持続的な成長発展を図るため、「沖縄県中小企業の振興に関する条例」に基づき、経営革新や組織化、金融支援及び人材育成等総合的支援策を推進しております。また、中小企業の中核的な支援機関である沖縄県中小企業支援センターの機能を強化し、商工会議所や商工会等との連携を高め、民間が自主的努力のもと、経営体力や規模の拡大を図るよう支援強化しているところであります。
そこで伺います。
(1)、国内景気の悪化が県内中小企業へ及ぼす影響について、資金繰りを支援する緊急保証制度等、国・県の支援対策の効果と今後の見通しについて伺います。
(2)、バイオ産業や環境、健康分野等産業など、新産業を創出するための県の基本的な考え方と、それに必要となる企業経営、人材育成等について県の支援策を伺いたい。
(3)、本県特有の芸能文化を生かし新たな産業として育成する沖縄文化等コンテンツ産業について、その概要と事業の性格について伺いたい。
(4)、地域の活性化を図るため、地域資源を活用した農商工連携による産業の育成について、本県における立地の状況と県の支援計画について伺います。
(5)、日本航空が経営破綻し、裁判所に会社更生法の申請をしたが、本県への影響はないか。
(6)、日本航空の子会社であるJTAとRACは、本県観光に大きな役割を果たし、離島に不可欠な生活路線である。破綻の影響は出ないか。また、県としてとり得る対応について伺いたい。
5、企業立地の推進について。
本県は本土から地理的に遠く、離島県であることから、市場規模が小さく、企業の誘致・立地が難しいと言われておりますが、しかし本県は我が国唯一の亜熱帯地域に属し、美しい自然環境に恵まれ、またアジアとの関係で見た場合、東南アジアと日本本土とのほぼ中央に属する有利な位置にあります。特に、台湾、上海、マニラなどへは1時間から2時間以内の飛行距離という優位性があり、情報通信がグローバル化した現在、企業の立地には極めて有利な位置を占めていると言えるものであります。
本県は、県経済の活性化を図るため、加工貿易型産業の企業誘致に取り組んでおり、その受け皿として中城湾港新港地区に沖縄特別自由貿易地域を整備し、県政の重要課題として企業誘致を進めております。また、自由貿易地域は税制面や雇用助成金など多くの支援策が講じられ、我が国唯一の一国二制度的な経済特区として国内外からの企業の立地や投資の促進に有利性が図られております。しかしながら、現状の自由貿易地域における企業誘致は当初の目標に遠く届かず、低水準にとどまっており、有効活用のための制度のあり方や面積の妥当性などが課題となっております。自由貿易地域への企業誘致を始めてから10年が経過していることから、思い切った見直しが必要ではないかと考えます。
そこで質問をいたします。
(1)、本県の県内総生産に占める製造業の割合と全国との比較について、また、本県の製造業が育たない理由は何か。
(2)、本県における製造業の振興・育成は、歴代県政の課題である。これまで県が進めてきた企業誘致で製造業の進出、立地が進まない要因は何か。本県は、地理的に製造業には向かないのか。
(3)、沖縄特別自由貿易地域への企業立地の状況と製造業の割合はどうか。現状の保税制度や税制面での優遇措置等で製造業誘致・立地への対応は十分であるか。
(4)、製造業などの誘致に当たっては、地元での熟練工や専門知識を持つ人材の確保が重要となるが、本県における現状と県の育成計画について伺いたい。
(5)、運輸関連の規制緩和として、県が導入を考えているカボタージュ規制緩和について、そのねらいと他産業への波及効果等について伺いたい。
(6)、県が申請した構造改革特区に対する国の対応不可との回答に対し、県は再申請したが見通しはどうか。また、再度不可とされた場合の対応について伺いたい。
6、本県水産業の振興について。
本県水産業は、これまで県民への水産物の安全かつ安定的な供給を通して健康で豊かな長寿県沖縄の食生活の向上に大きく貢献するとともに、地域経済の発展にも一定の役割を果たしております。しかしながら、本県水産業を取り巻く環境はますます厳しくなっており、生産量、生産額は年々減少傾向にあり、このような状況は今後も続くものと思われます。また、本県水産業は総じて事業規模が零細であり、事業、組織、経営の改革に取り組んでおりますが、近年の漁獲量の減少や従事者の高齢化、担い手の不足、輸入水産物の定着による産地魚価の低迷等に効果的な対策が見出せず、将来展望に悲観的にならざるを得ない状況にあります。
このような小規模零細の本県水産業の自助努力には限界があり、国や県による抜本的な対策が必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、県内水産業の振興を図るため、地産地消の推進が必要であるが、現在県が実施している支援策とその効果について伺いたい。
(2)、県内水産業は流通体制の整備に取り組んでいるが、現状と県の対策について伺いたい。
(3)、従事者の高齢化が進む中で、後継者育成は喫緊の課題である。県の対策を伺いたい。
(4)、県水産海洋研究センターの移転建築について、糸満市喜屋武地区に決定されたが、今後の移転に向けた作業日程について伺いたい。
7、不発弾処理問題について。
糸満市小波蔵で起きた沖縄戦当時の米国製不発弾が工事中に爆発し、人身事故や建物の損壊を引き起こした事故からはや1年が経過しました。事故を契機に、県内で改めて不発弾への対応のあり方が問題となり、国に対する対応の強化を求める声が広がりを見せたのであります。国においても、これまで公共事業に限っていた不発弾の探査や発掘への補助を民間事業にまで広げるなど一定の前進を見ております。しかしながら、被害者や工事関係者からはこれまでの国の対策はまだ十分とは言えず、補償の完全化や不発弾処理に係る国の積極的な対応を求めております。
沖縄戦で投下された爆弾・砲弾類は約20万トンとも言われ、そのうち1万トンが不発弾と見られております。この65年間で不発弾処理が行われてきましたが、今なお2300トンの不発弾が地中に埋まったままになっていると推計されております。しかも、年間の処理は平均で約30トンにすぎないと言われ、このままの処理体制で推移すると今後70年以上もかかると危惧されております。今回、国は予算を倍増し、民間への補助を拡大しましたが、被害補償の手続が煩雑で事故の証明責任を被害者側が負うなど不満も多いのであります。戦後60年が経過しても不発弾爆発事故の危険が依然存在している現状に対し、国が主体的に責任を持って不発弾処理を行うべきであると考えるものであります。
そこで伺います。
(1)、不発弾事故から1年が経過し、今なお本県には2300トンもの不発弾が埋没していると言われ、今後の不発弾対策について伺いたい。
(2)、22年度予算で磁気探査の拡大を図ったようだが、探査実施の主体について国の関与を求める声があるが、県の考え方を伺いたい。
(3)、糸満市での事故に対する補償は完全になされたか、補償のあり方について伺いたい。
8、県警安全相談等について。
県警察本部の発表によりますと、2009年上半期に県警が受理した安全相談件数は6676件で、そのうち暴力団問題や刑事事件などが前年度比で114件ふえ985件と最多となったということであります。県警の安全相談は、県民が犯罪に巻き込まれるのを防ぐために専用電話を設置して相談を受けておりますが、6カ月間でこれだけの相談があるということは驚きであり、このことから県民が犯罪に巻き込まれる危険性が常に身近に存在することも否定できないと思います。また、警察庁のまとめによりますと、今年1月から6月までの大麻の密売や所持などの事件で摘発された人数は1446人で、前年度比より21.3%も増加しているということであります。本県においても大麻取り締まり違反の件数が倍増しているようであり、一般の人が興味本位で大麻を購入すれば、薬物乱用や凶悪な事件につながることもあり、懸念されます。さらに、近年、インターネットなど情報通信技術を利用したサイバー犯罪が急増し、2009年上半期は前年度後期に比べ13倍もふえているようであります。
このように情報の高度化や生活環境の変化等により、犯罪の垣根が低くなったと言われる現在、県民の防犯意識を高めるための行政、警察による広報活動の重要性が問われていると考えます。
そこでお尋ねします。
(1)、2009年度中の県警に対する警察安全相談件数と特徴について伺います。
(2)、全国で大麻取り締まり違反が倍増しているが、県内における摘発状況と大麻撲滅に向けた取り組みについて伺います。
(3)、サイバー犯罪が県内で過去最多となったが、2009年度中の摘発件数と全国との比較で特徴について伺いたい。また、ポルノ被害児童についてもどうなっていますか、伺いたい。
以上。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
新垣哲司議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、知事の政治姿勢に係る御質問で、任期4年目に入った感想と今後の抱負についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
知事に就任いたしまして以来、県民の皆様、そして議員各位の御理解と御協力により、掲げました公約のほとんどは着手できているものと考えております。残る任期につきましても、雇用の創出・拡大や企業誘致などの産業振興、そして県民福祉の向上や過重な基地負担の軽減など、公約実現に向け全力で取り組んでまいりたいと考えております。
同じく政治姿勢の中で、選挙公約のうち実現できた主な政策と、実現に至っていない政策及び残された課題の取り組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
私が公約に掲げました14の政策目標と170の施策につきましては、そのおおむねすべてに着手がなされております。
これまでに完了しました主な施策といたしましては、沖縄県中小企業振興条例の制定、ドクターヘリの導入による救急医療体制の整備、児童手当の拡充、女性副知事の登用、中学生以下の県立博物館・美術館の無料化などなどがございます。また、現在推進いたしております主要な施策としましては、「沖縄県産業・雇用拡大県民運動(みんなでグッジョブ運動)」の展開、そしてIT津梁パークの整備、保育所入所待機児童の解消や沖縄国際アジア音楽祭に向けた取り組みなどがございます。
今後とも、昨今の社会経済情勢を踏まえ、短期的・中期的な視点に立って、産業振興、雇用情勢の改善や基地問題などの課題に全力で取り組んでまいります。
同じく知事の政治姿勢の中で、特に評価している取り組みや特筆できる取り組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
私は、知事就任以来、雇用の創出・拡大や企業誘致など産業振興に取り組みますとともに、県民福祉の向上や過重な基地負担の軽減など、沖縄が抱える諸問題の解決に全力で取り組んでまいりました。そしてあらゆる面で施策を展開してきたつもりでございます。
各分野における主な施策としましては、産業振興につきましては、第21回太平洋学術会議などのコンベンションの誘致、そして情報通信関連産業の集積などがございます。基盤整備につきましては、那覇空港自動車道整備の促進、那覇港の整備の促進、離島ブロードバンド環境の整備促進などがございます。医療・福祉分野につきましては、乳幼児医療費助成、保育所入所待機児童対策等がございます。農林水産業につきましては、国営かんがい排水事業の促進、そして園芸作物のブランド産地の育成などがございます。教育・文化につきましては、沖縄空手道・古武道世界大会の開催、沖縄国際アジア音楽祭や全国高等学校総合体育大会の開催に向けた取り組みなどがございます。離島・過疎地域の振興につきましては、新石垣空港整備事業の推進や県立宮古病院の改築などがございます。
特筆すべきことといたしましては、昨年、大学院大学の運営関連法が成立したことにより、平成24年度開学に向け大きく前進したことや、那覇空港拡張整備促進や国際物流拠点形成に向けた国際貨物ハブ事業の開始などが挙げられると考えております。
次に、同じく知事の政治姿勢に係る御質問の中で、予算編成の基本的な考え方と主な施策についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
平成22年度は沖縄振興計画が残り2年となります。これまでの成果を踏まえ、残された課題への対応とさらなる発展に向けた取り組みを力強く推進していく必要がございます。また、平成22年度予算は私の任期の最後の予算となることから、公約の実現に向け全力で取り組む必要がございます。このため、産業振興、雇用創出、福祉医療の拡充及び離島振興等の県政の重要政策を強力に推進するための予算を編成したところでございます。
主な分野につきましてその概要を申し述べますと、まず第1に「経済力おきなわ」の分野では、海外事務所などの機能強化やマンゴーの輸送対策、さとうきびなどの生産量の安定確保を図るための事業などがございます。そして雇用確保のための取り組みといたしまして、雇用に関するワンストップ相談窓口の設置や母子家庭を中心とした子育て中の女性への就職講座などに係る事業などにつきまして所要額を措置したところでございます。また、「観光力おきなわ」という分野では、全国エイサー大会などのイベントの拡大や外国人観光客の誘客、地域資源を活用した観光まちづくりの支援などがございます。そして「基盤力おきなわ」という分野では、那覇空港の滑走路増設に向けました取り組みの推進、粟国、伊平屋空港の建設に向けました調査、そして新石垣空港建設事業や伊良部架橋建設事業などの主要継続プロジェクトの推進などにつきましても所要額を措置したところでございます。次に、「子育て力おきなわ」の分野におきましては、安心こども基金を活用しました保育所の整備やコザ児童相談所における一時保護所の整備などがございます。次に、「健康、医療・福祉力おきなわ」という分野では、引き続
き病院事業会計の経営再建を支援するほか、離島医療の確保や県内医師が共同で医療技術等を習得しますシミュレーションセンターの整備及び小児救急電話相談事業などがございます。同じく「文化力おきなわ」の分野におきましては、平成21年度は「沖縄伝統空手道世界大会」を開催いたしましたが、平成22年度は、今年度に引き続き「沖縄国際アジア音楽祭」を開催するほか、伝統芸能公演の開催支援などに所要額を措置したところでございます。「離島力おきなわ」の分野におきましては、離島特産品の販売・開発を支援する事業などがございます。「自然力おきなわ」という分野では全島緑化に向けました取り組みなどに所要額を措置したところであります。その他、「人材力おきなわ」の分野では、100人の留学生の派遣などがございます。「国際力おきなわ」の分野では、インターナショナルスクールの設置支援や第5回沖縄平和賞授賞式の開催などに所要額を措置したところでございます。
次に、普天間飛行場移設問題に係る御質問の中で、名護市長選挙結果の普天間飛行場移設問題への影響及び今後の対応についてという御趣旨の御質問なんですが、これは2の(1)と(2)が関連いたしておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
普天間飛行場移設問題につきましては、昨年9月の政権交代を機に、県外移設を期待する県民の声が高まる中、政府において移設先の再検討が行われているところでございます。加えて、名護市長選挙の結果や、これからでしょうか、県議会における意見書採択の動きなど、この問題を取り巻く状況は大きく変化しつつあると認識をいたしております。
県といたしましては、これまでも申し上げてきたとおり、県外移設が最も望ましいと考えており、政府に対し明確な方針及び具体案を示していただくよう要望したところでございます。
こうした環境の変化や新たな政府方針が5月中に示されることから、現時点においてこれまでの辺野古移設案は極めて厳しくなったものと認識いたしております。また、この問題の原点は普天間飛行場の一日も早い危険性の除去であります。政府に対し同飛行場が現状のまま固定化されることは断じて容認できないことを強く訴え続けてまいります。
次に、同じく普天間飛行場に係る御質問の中で、5月までに結論を出すことの可能性についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
鳩山総理は、去る1月29日の施政方針演説において、普天間基地移設問題については、「沖縄基地問題検討委員会で精力的に議論し、政府として本年5月末までに具体的な移設先を決定する」旨述べておられるほか、今国会の答弁におきましても同趣旨の発言をされております。
県といたしましては、本年5月末までに政府としての結論が出されるものと考えているところでございます。
同じく普天間飛行場移設に係る御質問の中で、普天間飛行場の現状固定化に係る御質問にお答えいたします。
鳩山総理は、去る2月3日の参議院本会議において、普天間飛行場が固定化をすることは何としても避けなければならない。その思いを持ちながら沖縄基地問題検討委員会で移設先を検討しており、最終的にもとに戻ることはしないという決意のもとで議論している旨述べておられます。
県としましては、普天間飛行場の危険性が現状のまま放置されることは断じて容認できないものと考えております。
次に、県内産業の振興に係る御質問の中で、沖縄文化等コンテンツ産業創出支援事業の概要と事業の性格についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄文化等コンテンツ産業創出支援事業は、沖縄県の豊かな文化資源を活用した文化産業の振興を図っていくため、5億円規模の投資ファンドを組成し、沖縄県の文化等を活用した映画やエンターテインメントなどのコンテンツ制作に対し、最大で5000万円を出資支援していく事業でございます。
沖縄県は、琉球舞踊や音楽、そして空手など多様な文化が創造・継承されているとともに、これらを生かした県産映画の制作など新しい動きが活発化しつつあります。沖縄県の文化の産業化は大きな可能性を秘めているものと考えております。この事業により、県内の文化関連事業者が十分に活躍できる環境を整備し、沖縄県の文化等を活用したコンテンツ産業を新たな成長産業として育成してまいりたいと考えております。
同じく県内産業の振興に係る御質問の中で、日本航空の経営破綻による沖縄県及びJTA、RACへの影響等についてという御趣旨の御質問にお答えいたしますが、4の(5)と(6)が関連いたしていると思いますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
日本航空の経営破綻による沖縄県への影響につきましては、沖縄関係路線は日本航空グループにおいて重要な拠点であり、さきに廃止の発表のありました北九州や神戸路線以外に沖縄関係路線の整理・統合は検討されていないとの説明を受けております。また、日本航空は今後、運航事業に特化するため運航と関連の低い事業を整理していく方針であり、JTA、RACにつきましては影響はないとのことでございます。
県としましては、今後の再生計画策定の動向を注視し、県民の不利益となることのないよう対応してまいりたいと考えております。
次に、企業立地推進に係る御質問の中で、県内総生産に占める製造業の割合と全国比較、そして製造業が育たない理由及び製造業の進出・立地が進まない要因についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県の県内総生産に占める製造業の割合は、平成18年度4.1%で、全国平均の21.3%と比較して5分の1程度となっております。
沖縄県の製造業の特徴は、食料品等の生活関連型製造業の割合が全国の約3倍である一方で、機械や電子部品等の加工組立型製造業が全国の約16分の1となっていることでございます。このように加工組立型業種の集積が小さいことが沖縄県の製造業の弱点であり、その要因として県内市場が狭隘であること、物流コストの問題、物づくり産業を支える関連産業の集積度が低いこと、経営基盤や技術力が弱いことなどが挙げられております。
一方、我が国とアジア・太平洋地域等との相互依存関係が一段と強まっている中、那覇空港における国際貨物物流ネットワークの構築などが進むことにより製造業の立地の優位性が見込まれることから、引き続き製造業の振興に努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、沖縄県水産業の振興についての御質問の中で、地産地消の支援策と効果いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県では、生産者、学校給食会、消費者、市町村等で構成される「沖縄県地産地消推進県民会議」のもと、地産地消の推進に取り組んでいるところでございます。
水産業に対する支援策といたしまして、第1に、水産物直売施設の整備及びネットワーク化、第2に、学校給食、観光関連施設等における県産水産物の利用促進、第3に、「おきなわ食材の店」登録の推進、第4に、「モズクの日」等における消費拡大キャンペーン、第5に、量販店へのフードアドバイザーの配置などを実施しているところでございます。
その結果、効果として、第1に、学校給食における県産水産物利用の定着、第2に、糸満お魚センターへの年間64万人の来店、第3に、リゾートホテルにおけるモズク料理のメニュー化、第4に、量販店におけるモズクギョーザ、モズクコロッケなどの定番化などなどが図られております。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(上原良幸) 普天間飛行場移設問題についての御質問で、平野官房長官の発言についてお答えいたします。
平野官房長官がしんしゃくしてやらなければいけないという理由はないと発言したことについて、政府は去る2月5日、鈴木宗男衆議院議員の質問主意書に対し、「沖縄基地問題検討委員会において、特定の前提を置かず、あらゆる選択肢を幅広く検討しているとの趣旨で述べたものである。」と答弁しております。
また、「法律的にやれる場合もある」との発言については、「一般論として、関係地方公共団体の同意が法定の要件になっていない場合もあるとの趣旨を述べたものである。」と答弁しております。
いずれにしましても、移設を進めるに当たっては、政府は頭越しではなく、地元の理解、協力を得なければならないことは当然のことであると考えております。
次に、基地の整理縮小と跡地利用についての御質問で、基地返還計画の策定について、21世紀ビジョンとの関連での基地返還計画の策定についてお答えいたします。
沖縄21世紀ビジョン(案)においては、克服すべき沖縄固有の課題の一つとして、大規模な基地返還とそれに伴う県土の再編を位置づけております。ビジョンに示された沖縄の将来像を実現するため、米軍基地の計画的かつ段階的な整理縮小について、県の基本的な方針を示す必要があると考えております。
当面の課題としては、将来の沖縄の振興・発展を左右し、人口が集中する沖縄本島中南部地区において最大規模となる嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還を確実に実現することであります。
御質問の基地返還計画の策定につきましては、貴重な御提言として承らせていただきます。
同じく基地の整理縮小と跡地利用についての御質問で、SACO合意の返還状況についてお答えいたします。
SACO合意事案のうち、これまでに返還されたのは安波訓練場、キャンプ桑江の北側部分、瀬名波通信施設、読谷補助飛行場及び楚辺通信所であります。また、去る10月29日の日米合同委員会において、ギンバル訓練場の返還の条件であるヘリコプター着陸帯の代替施設の提供が承認されるなど、その他の施設についても返還に向けた作業が着実に進められております。
SACO合意事案については、このように総体としては着実に実施されているものと考えておりますが、一部の地区においては、移設先の整備状況等により進捗がおくれているものがあります。
県としては、国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ幅広く県民の理解と協力を得ながら、SACOの合意内容の着実な実施に取り組んでいきたいと考えております。
同じく基地の整理縮小との関連で、普天間の移設の進捗が嘉手納より南の施設・区域の返還に与える影響についてお答えいたします。
米軍再編協議で合意された措置のうち、嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の返還については、将来の沖縄の米軍基地のあり方に大きな影響を与えるとともに、沖縄の振興・発展の将来を左右する大きな転機になることから、確実な実施がなされる必要があると考えております。
県としては、米軍再編の見直しの内容にかかわらず、引き続き基地負担の軽減が確実に図られるよう、日米両政府に強く求めていきたいと考えております。
次に、不発弾処理問題についての御質問で、今後の不発弾対策についてお答えいたします。
県においては、昭和49年の那覇市小禄の爆発事故を契機に埋没不発弾等の処理事業を開始し、平成20年度までに134トンの不発弾を発掘・処理しております。
不発弾の処理をできるだけ早期に行っていくためには、磁気探査の加速化・効率化を図るなど、不発弾対策の抜本的拡充が必要であります。このため、県としては、広域探査発掘加速化事業の拡充を図るとともに、国においても磁気探査支援事業が新設され、不発弾対策が一層着実に推進されるものと考えております。
同じく不発弾処理問題で、磁気探査実施の主体についてお答えいたします。
平成22年度予算において、県内の磁気探査の加速化・効率化のため民間工事実施予定地域も含めて実施している広域探査発掘加速化事業の大幅な拡充を図ったところであります。
県としては、不発弾処理については、戦後処理の一環として国が責任を持って取り組むべきものと考えております。
今後とも、直接国による不発弾処理について、引き続き市町村等関係機関と連携して国へ要望してまいります。
同じく不発弾処理問題で、不発弾爆発事故による補償のあり方についてお答えいたします。
平成21年1月に発生した糸満市不発弾爆発事故に対する補償につきましては、国において速やかに対応していただき、被害者や被害施設等への支援金の支給がなされたところであります。
今後は、不発弾爆発事故による支援の仕組みにおいて、労災未加入者への対応や被害を受けた住宅への支援金額等の課題について国と協議してまいりたいと考えております。
以上であります。
○文化環境部長(知念建次) 普天間飛行場移設問題についての御質問で、現行案に係る環境影響評価書についてお答えいたします。
国においては、現在、新たな移設先についてゼロベースで検討を行っているとのことであり、県としましては、現時点でアセス手続を行うことは適切ではないと考えております。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 基地の整理縮小と跡地利用に関する御質問の中で、新たな振興計画への跡地利用の位置づけについてお答えいたします。
今後生ずる大規模な基地返還跡地は、沖縄の新たな発展のための貴重な空間であり、県土構造の再編にもつながる大きなインパクトを持っております。現在策定中の「沖縄21世紀ビジョン」においては、返還跡地の有効利用を沖縄の自立経済構築の大きな柱として位置づけております。今後は、ビジョンの実現に向けた基本計画を策定することとなっており、その中で跡地整備の新たな仕組みや制度等について検討していく必要があると考えております。
同じく基地の整理縮小との関連で、軍転特措法の延長や見直しについてお答えいたします。
軍転特措法は平成23年度で失効することになっておりますが、基地の跡地利用については、今後、嘉手納飛行場より南の大規模な返還を控え、重点的に取り組んでいく必要があると考えております。そのため、県では、沖縄振興計画及び沖縄振興特別措置法等の総点検を実施する中で、跡地に関する制度についても検討を行っているところです。
県としては、現行制度を検証しつつ、新たな制度の導入も含めてきめ細かな対応を政府へ求めていきたいと考えております。
次に、本県水産業の振興に関する御質問の中で、水産海洋研究センター移転整備に向けた今後の作業日程についてお答えいたします。
水産海洋研究センターの移転整備については、現在、用地の取得、建築・設備などの全体計画の詳細について検討を行っております。用地の取得については糸満市等と連携して行い、用地確保のめどがつけば設計に係る予算を要求したいと考えております。
今後の日程としては、基本設計・実施設計に1年、建設工事に2年を要し、供用開始までにおおむね3年かかると考えております。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 県内産業の振興についての中の、国内景気の悪化が及ぼす影響、緊急保証制度等、国・県の支援対策の効果と今後の見通しについての御質問にお答えします。
国内景気の悪化が県内中小企業に及ぼす影響については、国内における雇用・所得の厳しさや円高などから、入域観光客数の落ち込みにより観光関連産業を中心に厳しいものがあります。このような厳しい経済環境の中、国・県の支援対策として国の緊急保証制度、金融円滑化法による対応、沖縄公庫によるセーフティネット貸し付け、県の中小企業セーフティネット資金融資などを実施しております。平成20年10月から実施された「緊急保証制度」の県内の保証承諾実績は、実施以降、平成21年12月までの累計で件数にして6648件、金額約1254億6400万円となり、企業倒産の沈静化に寄与するなど大きな効果を上げております。また、沖縄公庫のセーフティネット貸し付けの融資実績は、平成19年度と20年度の比較で約3倍、県の中小企業セーフティネット資金は約10倍となっており、中小企業者の資金繰りの円滑化に効果を上げていると考えております。
なお、景気の先行きは予断を許さないものであることから、年度末の資金需要に対応できるよう、引き続き資金繰り支援等の対策を推進していきたいと考えております。
同じく県内産業の振興についての中で、新産業を創出するための県の基本的考え方と支援対策等についての御質問にお答えします。
新産業を創出するためには、沖縄の地域特性と先端技術とが融合した競争力の高い健康バイオ産業や環境産業などの集積を図ることが重要であると考えております。そのため、県では、企画力・技術力・実行力を有するベンチャー企業の育成及び誘致を促進するため、企業が行う研究開発に対する補助や、「おきなわ新産業創出ファンド」によるベンチャー投資など、各種支援策を実施しております。また、企業経営に関しては、専門家による経営指導やセミナー等を実施するほか、新産業創出及び既存産業の高度化支援を行うコーディネート人材の育成にも取り組んでいく考えであります。
同じく県内産業の振興についての中の、県における農商工連携の現状についての御質問にお答えします。
県では、平成20年度から農商工連携の担当者を配置し、関係市町村、商工会等とも連携して、マッチング支援や商品開発等の指導助言をしているところです。
その具体的な成果としましては、モズクギョーザやシークヮーサーアイスなどの製品開発等を支援しています。さらに、今年度新規事業として、中小企業支援・農商工連携プロデューサー育成事業を創設し、3カ年計画で地域活性化や農商工連携をコーディネートできる人材育成を行っているところであります。
次に、企業立地の推進の御質問の中の、特別自由貿易地域への企業立地の状況と製造業の割合及び現状の保税制度、優遇措置での対応についてお答えします。
沖縄特別自由貿易地域への企業立地状況は、平成22年2月1日現在、分譲地に7社、賃貸工場に16社の合計23社が立地しており、そのうち製造業は20社で割合は87%となっております。現状の保税制度は、関税法に基づく保税地域と相違ないものであります。
税制面での優遇措置については、国内で唯一認められている法人課税所得の35%控除や投資税額控除、特別償却等の制度がありますが、所得控除制度は法人新設後10年間の期限や常時雇用者数20人以上といった適用条件があり、利用実績は少ない状況であります。
今後、企業立地を促進していくため沖縄振興特別措置法の総点検を踏まえ、より効果的な制度等を検討してまいりたいと考えております。
同じく企業立地の推進について、製造業等における専門人材の育成についての御質問にお答えします。
県内では、国立沖縄工業高等専門学校、沖縄職業能力開発大学校などの機関において、製造業等にかかわる実践的な技能習得や専門技術者の育成が行われております。
県としましては、浦添及び具志川職業能力開発校において、技能労働を希望する方への基礎的な知識・技能・技術習得のための能力開発支援を行っております。また、今年度からは沖縄県工業技術センターがうるま市等と連携し、製造業を下支えする金型等素形材産業の専門技術者の育成事業を実施しているほか、財団法人沖縄県産業振興公社では県外企業等で専門技術を身につけるための派遣研修事業を実施しております。
同じく企業立地の推進の中で、カボタージュ規制の緩和のねらいと他産業への波及効果についての御質問にお答えします。
今般のカボタージュ規制の一部緩和の提案は、島嶼性ゆえの割高な物流コストを低減するためのものであり、特別自由貿易地域などの地域に限定した提案内容となっております。提案内容が実現できれば、企業誘致の最も大きな課題である沖縄と本土間の物流コストの低減につながり、県外からの新たな製造業の誘致等が期待されます。また、他産業への直接的な波及効果は少ないものの、将来的には進出企業による地元企業との連携など段階的な効果が期待され、製造業全体の振興はもとより国際物流関連産業等の集積が促進されるものと考えております。
同じく企業立地の推進の中で、構造改革特区申請の見通しと再度不可とされた場合の対応についての御質問にお答えします。
カボタージュ規制の一部緩和に係る構造改革特区申請につきましては、1月13日に「特区としての対応は困難」と国から2回目の回答を受けたところであります。国の回答を踏まえ、県から1月18日に最終意見を提出したところであり、3月中には国の方針が決定されると聞いております。
特区申請の見通しについては、これまで東京都や横浜市などがカボタージュ規制の緩和を提案しているものの、いずれも認められていないことから厳しい状況にあることは認識しております。しかしながら、本県の提案は陸上交通インフラの恩恵を受けていない全国で唯一の島嶼県である沖縄県の島嶼苦解消の措置であり、国の方針決定がされる3月までに提案内容の実現ができるよう国に働きかけてまいります。
以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 本県水産業の振興についての中で、水産物流通体制の現状と対策についてお答えいたします。
本県は市場から遠く離れており、流通の効率化と保存性の高い加工品の開発が必要であります。そのため、県では、水産物の流通体制を整備するため、荷さばき施設、冷蔵施設の整備、水産物直売施設の整備、モズクなど水産物加工施設の整備、養殖魚介類の安定生産技術の確立、販売促進事業の実施や加工品開発の支援などに取り組んでいるところでございます。
県といたしましては、今後とも市町村、漁協などと連携し、県産水産物の流通対策の強化に努めてまいりたいと考えております。
同じく本県水産業の振興の中で、後継者育成についてお答えいたします。
本県の漁業就業者数は、漁業センサスによりますと、平成15年の4283人に対し平成20年には3929人となっており、減少しております。このため、県では、漁業後継者の育成を図るため、少年水産教室での体験学習、漁業就業支援フェアの開催や漁業研修、漁業経営開始資金等の貸し付け、モズク養殖、魚類養殖などつくり育てる漁業の推進などにより漁業就業者の定着を図っているところでございます。
以上でございます。
○警察本部長(黒木慶英) 県警察に対する警察安全相談件数と特徴についてお答えいたします。
県警察では、関係機関・団体と連携し、県民から寄せられる犯罪等による被害の未然防止に関する相談、その他県民の安全と平穏に係る相談に対応しているところであります。
2009年中の警察安全相談受理件数は1万3176件で、前年と比べ54件の増加となっております。
特徴としましては、暴力団問題や性犯罪等の刑事関係相談が1777件、金銭や物品の貸借等の契約取引関係の相談が1442件、交通指導取り締まりや交通事故等の交通関係の相談が1357件と高くなっております。
受理した警察安全相談に対しましては、相談者への助言・指導を行うほか、事案に応じて相談者の相手方への警告・説得、捜査部門における事件化、保健所等他機関への引き継ぎといった措置をとっております。
次に、県内における大麻事犯の取り締まり状況と県警察の取り組みについてお答えいたします。
まず、取り締まり状況でありますが、過去3年の検挙人員は、平成19年が28人、平成20年は33人、昨年は大幅に増加し50人となっております。昨年の大幅な増加要因としましては、インターネットを通じて大麻種子を購入した一般市民による大麻草栽培事犯の検挙がふえたことによるものであります。
次に、県警察の取り組みでありますが、薬物乱用は心身をむしばむばかりか、凶悪犯罪を引き起こすこと等にもなることから、総合的な対策を進めているところであります。その具体的対策の1つ目は、供給の遮断であります。第11管区海上保安本部、沖縄地区税関等関係機関と連携して、いわゆる水際での薬物流入を阻止するとともに、密売人の徹底検挙を図っているところであります。
また、先ほど申し上げました大麻栽培事犯につきましては、インターネット上での大麻種子販売を発見するため、いわゆるサイバーパトロールを実施しており、さらに大麻種子購入者を割り出すため、他の都道府県警察や麻薬取り締まり事務所と連携して取り締まりを実施しております。
2つ目は、需要の根絶であります。
その取り組みとしては、末端乱用者の徹底検挙を図るとともに、薬物の危険性や有害性についての正しい知識を周知させるために、関係機関と連携しまして県内の小・中・高校及び社会人を対象とした薬物乱用防止教室を開催しております。その他、ポスターの掲示や小冊子の配布及び各種広報媒体を活用しての啓発活動などを推進しております。
次に、サイバー犯罪及び児童ポルノ事犯の検挙件数と特徴についてお答えいたします。
全国におけるサイバー犯罪の検挙件数は、平成12年の統計開始以降平成20年まで8年連続して増加し、平成21年の上半期検挙数も3870件と、前年同期に比べ1678件、76.6%増加しております。中でも最近はインターネットを悪用した詐欺等の経済的利益を目的とした事犯が増加傾向にあります。一方、本県におけるサイバー犯罪の検挙件数は、平成21年中は115件で前年に比べ61件、113.0%増加しております。
本県のサイバー犯罪の特徴としましては、全国の傾向と同様に経済的利益を目的とした詐欺事案が73件、63.5%と最も多いこと、インターネット利用をきっかけに子供たちが犯罪に巻き込まれた事案が35件、30.4%と多いことなどが挙げられ、いずれも匿名性の高さや地理的・時間的無制約性などが悪用されたものであります。
次に、児童ポルノ事犯についてお答えいたします。
全国における児童ポルノ事犯の検挙件数は、平成21年上半期で382件、被害児童数は218人で、前年同期に比べ検挙件数で82件、27.3%、被害児童数は74人、51.4%それぞれ増加しております。
一方、本県における児童ポルノ事犯の検挙件数は、平成21年中は12件で、そのうち裸体等を撮影した「児童ポルノ単純製造事犯」により7人の児童が被害に遭っております。前年度に比較しますと、検挙件数で2件増加し、被害児童数で2人減少しております。
本県の児童ポルノ事犯の特徴としましては、全国的な傾向に見られるようなインターネット上への流出、不特定多数の者への提供・販売等の形態はなく、わいせつ等の行為時に携帯電話で被害児童の裸体等を撮影し、その画像を単純に所持するというものであります。
県警察におきましては、このような情勢を踏まえ、今後ともサイバー犯罪、児童ポルノ事犯の取り締まりを強化するとともに、関係機関と連携して犯罪の未然防止のための情報発信、児童生徒に対する安全学習支援事業の実施など、県民がサイバー犯罪や児童ポルノ事犯に巻き込まれないための各種対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○中川 京貴 自由民主党の中川京貴でございます。
自由民主党を代表いたしまして、代表質問を行いたいと思います。
先ほどの自民党代表質問の基地問題と少し重複する場所もありますが、ぜひ普天間の嘉手納統合案を許さないという立場から質問をしていきたいと思います。
それでは、1、県経済の将来展望について。
現下の我が国経済は依然景気回復の基調になく、さらなる景気悪化への懸念と円高やデフレへの警戒感が強まっております。
民主党政権は、脱官僚依存を掲げる中で22年度予算を編成しましたが、予算編成過程ではテレビカメラの中で事業仕分けを行い、特に基地従業員の給料の引き下げなど、労使交渉をなくして事業仕分けをするなど、沖縄県議会の要請行動によってその予算が維持できたものの、大胆な歳出カットを敢行しながら、国民負担をさらに重くする過去最大の44兆円超の国債発行により、92兆円超の膨張予算を組んでおります。
民主党は、政権公約である子ども手当や高速道路の無料化、暫定税率の廃止、農家の戸別所得補償などを実施することで国内消費を喚起し、内需主導による景気回復を目指すとしておりますが、国内経済の先行きが不透明な状況では企業倒産、解雇などが懸念されることから、将来を見通せず必然的に生活防衛が先になり、消費よりも貯蓄で景気刺激策の効果は薄いと指摘されているのであります。
本県は観光産業が主体となっていることから、国内経済の停滞はそのまま観光客数の減少という結果になり、県経済を直撃します。今、県経済は観光客の減少による不況から、生活防衛意識が高まり、経済も昨年水準で推移し、県内消費額も減少すると見られ、さらに現状の円高がそのまま定着すれば、旅行客が海外にシフトし、価格の高い県内リゾートは軒並み打撃を受けると言われております。
県は、沖縄振興計画の総点検や検証と次期振計の策定に向けた作業、沖縄21世紀ビジョン策定を進めておりますが、現在の長引く不況の分析を綿密に行い、今後の作業に生かしていくことが必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、本県の産業を牽引する観光は、経済の悪化や新型インフルエンザ流行など外部要因により好不調が左右されていることが多いが、経済の自立を図る上で柱となる産業としての位置づけをどのように考えているか。
(2)、本県経済は、公共事業と基地収入でもっていると言われてきたが、基地関係収入が県民総所得の5%余にとどまり、公共事業費も大幅削減が続くなど、国への依存が期待できない状況にある。県の現状認識と自立型経済の構築に向けた基盤整備への影響について伺いたい。
(3)、本県経済の核となる産業の育成を図る上で、環境関係産業が注目されているが、県が力を入れている業種と今後の可能性について伺いたい。
(4)、現在進めている沖縄振興計画の点検・検証の状況と、次期振針の策定に向けた検討作業について伺いたい。
(5)、沖縄21世紀ビジョンの答申の概要と最終決定までのスケジュールについて伺いたい。
(6)、ビジョンの、県民が望む「めざすべき5つの将来像」の実現に向けた展開方法について、具体的な施策展開の方策はどのように考えているか。
2、2010年度予算について。
2010年度、国の沖縄振興予算は2298億円となり、昨年に比べ6.1%減少し、2001年度の3500億円から年々削減され、過去20年間で初めて2300億円を割っております。政府は、厳しい国の財政事情の中、沖縄にかなり配慮したとしており、ソフト事業の額もほぼ満額で、鉄軌道調査費なども盛り込まれることは評価できるものであります。
しかし、自公政権の今年度と同額の2446億円の概算要求額から149億円が削減されているほか、子ども手当や農家の戸別所得補償など政権公約の実現のためには、今後膨大な経費を必要としており、昨今の国内経済の悪化による税収の落ち込みは予想を超え、国の財政逼迫は改善の見通しが立たない状況にあります。
このような状況にあって、公共事業費が7割近くを占める沖縄振興予算が今後増額に転じる可能性はほとんどないと思われ、しかも公共事業費は今後とも削減を余儀なくされるものと思われていることから、本県にとってさらなる厳しい状況が続くものと考えるものであります。
政治主導で事業仕分けに見られるように、これまでの予算獲得の手法はもはや通用せず、これからはいかに本県の特殊事情を理解させ得るか、県に課せられた課題は大きいものと考えるものであります。
そこで伺います。
(1)、2010年度沖縄振興予算は前年度比6%余減少したが、2001年度約3500億円から過去最低の額となった。沖縄振興予算に占める公共事業費の割合が高いことが削減の原因と言われるが、県の認識と今後の対応を伺いたい。
(2)、2010年度沖縄振興予算のこれまでの予算との違いは何か。その結果、本県の予算にどのような影響が生じたか。
(3)、国の財政が厳しさを増し、民主党の政権公約の実現に膨大な財源が必要となる中、沖縄振興予算の削減が予想されるが、今後の見通しを伺いたい。
(4)、子ども手当について、全額国庫負担の約束は守られているか。児童手当等を子ども手当に振り向けることは地方負担とならないか。
(5)、2010年度予算で医療費や生活保護費など、社会保障費の自然増に対する補てん措置はなされているか。
3、基地問題について。
沖縄に駐留する米海兵隊は、普天間飛行場の滑走路の定期的な補修工事を行う必要性から、工事完成予定の4月ごろまでの間、KC130空中給油機などすべての固定翼機13機の普天間飛行場での運用を停止し、嘉手納飛行場に一時移駐するとしております。移駐するのは、KC130空中給油機9機やUC35輸送機3機、UC12連絡支援機1機などであります。米海兵隊の報道部は、これら固定翼機の一時移駐は、嘉手納への統合を示唆するものではないとしておりますが、嘉手納基地を抱える3市町でつくる三連協は、現在でも嘉手納基地の騒音被害で地域住民は限界に達しており、これ以上の負担は認められないと強く反対しております。
本県における航空機騒音被害について、県は2008年度の航空機騒音測定調査を行っておりますが、嘉手納飛行場周辺の15測定局と普天間飛行場周辺の9測定局で実施した航空機の騒音結果は、嘉手納飛行場で9局、普天間飛行場の3局でうるささ指数が環境基準を超え、嘉手納周辺は騒音発生回数が10局で07年度を上回っているとしております。
特に、航空機騒音規制措置で飛行が制限されている午後10時から翌午前7時までの月平均騒音発生回数は、嘉手納基地は07年度222.0からほぼ倍増の400.7となっており、1996年の騒音規制日米合意以降最多を記録したとしております。
このように、嘉手納飛行場を抱える3市町においては、日常的に航空機騒音に悩まされており、現状の打開を求めているのであります。これ以上の負担は到底容認できるものではないのであります。米軍は、日米で合意した事項も守らないのが実態であります。
去る12月に米軍キャンプ・ハンセンレンジ4の陸軍複合演習施設で爆発音や射撃音を伴う大規模な訓練が行われたようであります。その施設では、集落に近く危険だとして、金武町伊芸区住民からの移転要請を受け、新たな施設に移設されたのでありますが、その残った施設で大規模な射撃訓練を行うという全く約束無視、住民無視であります。
このような中、普天間飛行場の移設問題で、嘉手納のF15戦闘機の一部や外来機の訓練を県外に分散し騒音を軽減した上で、普天間のヘリを嘉手納に統合する案が聞こえてまいりますが、これまでの米軍の基地の使用のあり方を見れば、米軍が約束を守ることはなく、まさに論外な提案であります。
そこで伺います。
(1)、名護市長選挙の結果、3党連立与党間の移設先をめぐり思惑の違いなど早期移設が困難な状況となったことで、普天間飛行場の危険性の除去への影響を県はどのように考えているか。
(2)、普天間飛行場の滑走路補修工事ですべての固定翼機は嘉手納基地に一時移駐するが、嘉手納基地騒音のさらなる被害が懸念されている。県の対応と政府の認識を伺いたい。
(3)、米軍キャンプ・ハンセンレンジ4で、爆発音や射撃音を伴う大規模な訓練が行われたが、危険だとして移設された施設での訓練は問題ではないか。また、政府は県に対しどのように説明をしているか。
(4)、辺野古にかわる移設先として、県内の下地島や伊江島の検討、また、普天間ヘリ部隊の嘉手納統合案を柱とし、訓練の県外・本土分散させる案などが聞かれるが、県はどのように受けとめているか。
4、観光振興について。
(1)、本県観光の将来展望について。
本土から沖縄向け航空4社の沖縄関係路線は、景気後退による旅行需要の低迷などから14カ月連続減少しているということであり、特に東京が大きく落ち込んでいるということであります。観光は本県の主力産業であり、観光の落ち込みが長引けば県経済の低迷につながり雇用にも影響があります。このような観光の低迷は、早期の改善の見通しはなくことしいっぱい続くと予測する向きもあります。
広域観光連絡協議会の調査によりますと、東京、大阪、京都で外国人観光客に沖縄に対する認知度アンケート調査を実施したところ、沖縄を「知っている」がいずれも過半数を超えたが、「行ったことがある」は大阪での6.7%が最高で、東京では2.6%、京都では1.8%と低い状況にあります。この調査から、海外から見ると沖縄は東京や京都から距離的に遠く、単独の観光ルートとしては大きな不利性があり、本土都市部の観光ルートとの連携が必要ではないかと考えます。県もこの会議に参加したようであり、県としての分析とこの調査結果を今後にどのように生かしていくか問われていると考えます。
そこで伺います。
ア、観光入域客数の減少が続いており、本年度の目標入域客数と観光収入の達成は難しい状況にあるが、要因の根本的な解明と今後の対策が必要である。県の考えを伺いたい。
イ、本県における修学旅行を対象とした新型インフルエンザ安全対策はどのように行われているか。
ウ、全国からの沖縄路線について14カ月連続減少しており、特に東京の落ち込みが激しいようだが、観光PRの重点都市での落ち込みをどのように分析しているか。
エ、本県におけるヨットハーバー整備状況と今後の計画について伺いたい。
(2)、エコツーリズムの推進について。
世界有数の透明度を誇る美しい海は本県観光の目玉であり、観光・リゾート地としての沖縄観光の宝であります。
本県観光は近年目覚ましい発展を遂げ、将来の目標として1000万人観光客誘致を掲げるまでになっているのであります。しかし、2000年初頭の海水温度の上昇がもたらしたサンゴの白化現象や、大量発生したオニヒトデによる被害でサンゴが弱り、美しい海に危機が迫っております。
このような中、ダイビングの普及とともに本県を訪れるダイバーが急増し、サンゴを傷つける事態も問題化しております。また、手つかずの自然がいまだ残っている西表においても、人気スポットであるマングローブ林やサキシマスオウの群落での倒木被害が目立っているようであります。
観光は本県産業の柱であり、観光客の増加は大いに歓迎するところでございますが、沖縄の海を初めとする海洋資源は本県の貴重な財産であり、この資源を守らなければ自立に向けた地域経済の持続的発展は望めないものと考えるものであります。資源あっての観光であり、観光客をふやすことに走り、自然観光資源が台なしになってからでは遅いのであります。
一方、本県観光は観光客数という量的面では効果を上げておりますが、課題とされる観光消費額については依然改善の兆しは見られません。
ハワイへの観光客が約700万人と言われ、そのほとんどが日本からの観光客でありますが、滞在日数は沖縄の3倍、9日間と長く、消費額も沖縄の3倍と言われております。ハワイは、海を観光資源とし、観光・リゾート地として本県と競合関係にある中で、今後県がエコツーリズムを推進する上で大いに参考になると考えます。
そこで伺います。
ア、沖縄の貴重な海洋資源は観光沖縄の宝であるが、自然保護や環境保全意識の高まりとともに、環境と共生する観光が求められているが、本県が推進する観光・リゾート地の整備と調和をどのように図っていくか。
イ、エコツーリズムの推進には、自然環境保護の観点から、人的な制限を初め、さまざまな規制が必要となるが、観光客1000万人目標の量と質のバランスをどのように図っていくか。
ウ、本県と競合関係にあるハワイなど、観光・リゾート地におけるエコツーリズムの推進状況と課題・問題点等について伺いたい。
エ、本県観光の課題の一つに観光消費額の低さがあるが、エコツーリズムを推進することで、長期滞在への転換や消費額の向上の可能性について県の考えを伺いたい。
5、大学院大学について。
沖縄科学技術大学院大学の2010年度沖縄振興予算について、10月の概算要求から16億円減少したが、大学施設整備費や研究費など運営交付金等133億円が認められました。
沖縄21世紀ビジョンは、沖縄科学技術大学院大学を核とした国際的な研究機関を集積し、多くの研究成果を生かした新産業が創出されるとしており、大学院大学で研究された科学技術を応用する産業として先端医療や健康、生命科学等産業の創出が期待されております。
自立経済の構築を目指す本県は、核となる産業の確立が不可欠であることから、沖縄大学院大学を沖縄における人材育成、科学技術振興の基盤とし、産業振興や雇用促進、社会資本整備等経済の持続的発展に寄与するものと位置づけております。そのためには、最高研究機関における研究を沖縄の資源の利用に生かし、新たなる産業の創出、振興につなげることが必要であります。これからの沖縄の振興は、全国の中の一県としてとらえるのではなく、アジアに開かれた沖縄として位置づけ、地理的に優位性を最大限に活用した制度計画が必要であります。そのための大学院大学の研究成果をいかに取り組めるかが求められていると考えます。
そこで伺います。
(1)、大学院大学学園法が成立し、運営予算も確保された。開学に向けての準備作業状況と今後予想される課題等について伺いたい。
(2)、離島という地理的な面と沖縄という知名度の関係で、優秀な学生の獲得競争や長期の経営維持に懸念を示す向きもあるが、県の考えを伺いたい。
(3)、今回設置が予定されているインターナショナルスクールの設置の必要性や目的、学校の特色等はどうなっているか。
(4)、また、設置に向けた資金確保の状況について伺いたい。
(5)、このインターナショナルスクールは、沖縄の振興や人材育成にどのように役立つのか伺いたい。
6、北部の振興策について。
2000年度から10年間の期間で始まった北部振興事業は、北部地域の活性化と県土の均衡ある発展を図る観点から、これまでさまざまな事業が実施されてまいりました。
中南部に比べ地域的に不利性がある北部12市町村にとって、北部振興事業は北部全体の活性化を図る上でこれまでに大きな役割を果たしており、さらに本県の一体的な発展につながる事業としても重要であります。
本年度で10年の期限が切れるため、北部地域からは北部振興事業継続の強い要望が出されておりましたが、2010年度については、北部の活性化特別振興事業として70億円の予算計上が決まりました。しかし、今後も継続されるか明らかではなく、北部12市町村長は10年度以降継続されるか懸念しているのであります。
北部地域は15万人圏域人口を目指しており、そのために北部地域の雇用機会の創出、所得の向上による定住条件を好転させ、何より若者の定着を図ることが必要であります。
北部地域は、企業の立地のおくれや沖縄の玄関口である那覇空港との交通結節機能の未整備など、中南部都市圏に比べ地域的に不利性があることは否めません。普天間飛行場代替施設建設を受け入れたのもこのような北部地域の窮状を打開するための振興策を必要としたからであります。
現在、連立3党による移設に向けた協議が続けられている中、去る1月24日、辺野古への移設を拒否する市長が誕生したことで、今後の北部振興策がどうなるか不透明ではありますが、13年間にわたった移設問題に翻弄されてきた北部地域の状況を考えれば振興策を継続する条件に変わりはないと考えます。
しかしながら、これまでのような振興策でいいかという問題は残ります。この10年で振興費770億円が投入されながら、振興策のねらいである北部地域への定住促進が進まず、名護以北は人口減という現実に振興策のあり方を指摘する声があることも事実であります。従来の公共事業中心から教育、文化、地域医療、子育て支援等を重視した振興策への転換が必要だと考えます。
そこで伺います。
(1)、2010年度の北部振興策について、新たな北部活性化特別振興事業費として70億円が計上されたが、これは代替施設建設とリンクしているのか。また、10年度以降の見通しはどうなるか伺いたい。
(2)、2000年度から10年の期間で始まった北部振興策について、これまで北部振興に果たした実績と事業を実施する上で課題等について伺いたい。
(3)、今後の振興策の延長に当たっては、この10年間に実施された事業等の検証のもと、地域医療の充実や若者の定住につながる北部全体の活性化に重点を置いた事業への特化が必要だと考えるが、県の考えを伺いたい。
7、土木建築関係について。
(1)、公共事業の推進について。
国直轄の公共事業や地方公共団体が実施する工事等は、これまで地方の経済の一翼を担い雇用の受け皿となっていることから、地方において地域経済の活性化を図るためにも必要であります。しかしながら、昨今、公共事業に対する見方は厳しく事業費は減少傾向にあります。
鳩山政権は、「コンクリートから人へ」をキャッチフレーズに公共事業費を大幅に減らし、子ども手当など家計への直接的な支援に力を入れるとし、2010年度の国土交通省を中心に計上された予算で前年当初比で18.3%が削減されました。これは、削減の率・額ともに過去最大であります。
道路関係については、新規事業は原則なしとしており、継続事業についても2012年までに供用できる路線に重点配分することから、各地で整備凍結される区間が続出するのではとの懸念が地方から出ております。港湾関係も全国103の重要港湾の整備を見直すとしており、重要港湾を抱える地方にとって影響は大きいと思われます。
社会資本の整備がおくれている本県にとって、これらの凍結や見直しは産業構造の大部分を占める県内建設業に厳しい対応を強いるものであり、今後の展開によっては建設業の死活問題に発展するおそれもあります。
本土経済圏から遠く、周囲を海に囲まれた本県は、企業誘致や農水産業の振興を積極的に進めておりますが、決定的な不利性を克服するまでには至ってなく、公共事業に期待せざるを得ない状況にあります。
このように公共事業に対する必要度は都市部と地方では違いがあり、特に本県の特殊事情のもとでははるかに大きいのであります。
政府は全国平均で18%余削減された中、本県は前年度比10.2%減と配慮はしておりますが、削減による本県建設業への影響は大きく、削減分を本県に単独で補完することは、県財政の現状では難しいことを理解してほしいと思うのであります。
そこで伺います。
ア、国は、22年度予算で国直轄等公共事業費の大幅削減を行ったが、本県への影響と特に削減額の大きい事業について伺いたい。
イ、公共事業費の削減に対し、地方経済への影響やインフラ整備のおくれを懸念する声が全国において高まっているが、県として削減された公共事業にかわる活性化事業を求める考えはあるか。
ウ、国は、重要港湾整備の半数程度を凍結する方針のようであるが、本県重要港湾への影響はないか。また、貨物取扱量で選別する方法について県の考えを伺いたい。
エ、建築確認審査について、手続の簡素化など見直しについて国の検討状況等について伺いたい。
オ、国直轄公共事業費の地方負担金の廃止について、国の方針と地方の考え方について伺いたい。
カ、高速道路無料化実験が6月から始まるが、沖縄自動車道無料化に伴う影響を県はどのように分析しているか。
8、県内交通網基盤整備について。
本県は、復帰後3次にわたる沖縄振興計画で示された社会資本ビジョンに基づき、各種施策が展開されたことにより、産業・雇用・県民生活の分野で着実な進展を見せ、各分野での本土との格差についても次第に縮小してきております。しかしながら、これまでの3次にわたる振興計画は、長年にわたる米軍統治下にあり、整備のおくれた基礎的社会資本の整備を急ぐ必要から事業の効率性が重視され、長期的な計画性や地域環境に関する配慮が欠け、県民が豊かさを実感できる質の高い整備がなされたとは言いがたい状況にあります。
また、本県は本土経済圏から遠隔の地にあり、離島県である物資等輸送面での不利性、若者を中心とした高い失業率や本土との所得格差の存在、産業規模が小さく財政依存度が高いことなど大きな問題を抱えております。
平成14年度からスタートした沖縄振興計画は、このような反省を踏まえ、21世紀における新たな沖縄振興の方向を示し、本県の特性を十分に発揮したフロンティア創造型の振興策への転換を明確にしました。それを受け、自立型経済の構築に向けた社会資本の整備を展開しておりますが、モータリゼーションの進展により、都市部を中心とした慢性的な交通渋滞、戦後無秩序に形成された老朽密集市街地の改善、観光客増加に伴う水需要の対応など、依然として課題も山積しております。
また、近年の県民の環境に対する認識の高まり、自然環境の保全や景観との調和、公共投資、抑制など難しい問題への対処も求められており、振興計画が残り3年を切った中で県の対応が注目されます。
そこで伺います。
(1)、沖縄振興計画で示された社会資本ビジョンの実現に向け、残り3年を切った振興計画のもとで具体的施策展開をどのように図っていくか、県の基本方針を伺いたい。
(2)、3次にわたる振興計画は、本県の基礎的社会資本の整備に集中し、長期的視点からの計画が欠けていたと言われるが、県はどのように認識しているか。
(3)、社会資本整備を進めるに当たって、県土の有効利用と自然景観保全との調和を図りながら、鉄軌道を含めた陸上交通網体系を図る必要があるが、県の基本的考えを伺いたい。
(4)、公共投資の抑制や景気後退が続く状況にあって、社会資本整備の予算規模も縮小傾向にある中、今後の本県における陸上交通網の整備をどのように図っていくか伺いたい。
9、離島振興について。
我が国は、離島・過疎地域を多く抱え、近年都市部と地方との格差が社会問題化しております。地域格差の解消に向け、さまざまな施策が講じられているところであります。
離島・過疎地域においては高齢者の占める割合が拡大している状況にあり、特に本県の離島地域は地理的不利性を有し、それにも増して人口規模が小さく高齢化の進行、若者の流出という構造的な課題を抱えているのが現状であります。また、本県の離島にはすぐれた自然景観や独自の文化が根づいており、その特色を生かした地域づくりも急がれております。
このように、離島地域の持つ魅力を生かした産業振興や地域づくりができれば、若者の定住促進を促し、島の活性化につながってくるのであります。県のさらなる離島振興に向けた取り組みを願うものであります。
そこで伺います。
(1)、離島地域の特性を生かした比較的優位にある伝統工芸産業の振興と後継者の育成、時代に合ったデザインの開発、販路の拡大等について、現在の状況と今後の取り組みについて伺いたい。
(2)、離島観光の振興・発展を図る上で、海外からの観光客の誘致が必要である。国際クルーズ船の寄港・就航と旅客バース等の環境整備について伺いたい。
(3)、離島経済の活性化を図るため、島の特性を生かした農水産物の生産拡大について県はどのように進めているか、現状と成果について伺いたい。
(4)、離島地域の水産業の振興策について、漁港・漁場等の生産基盤の整備や生産体制の強化、流通・販売網の確保について、県の取り組みについて伺いたい。
(5)、過疎地域の自立促進特別措置法の延長にかわる新法制定の状況と人口の減少傾向にある本県離島町村への影響について伺いたい。
10、県警関係について。
(1)、DV対策の現状と課題について。
家庭内暴力いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス)については、家庭内や密室という閉鎖的な環境の中で身近な人から暴行を受けることから、外部から見えにくい、被害の状況が明らかになりにくいというのが実態であります。
近年、特にDVによる被害が拡大し、中には殺人事件にまで発展するものもあり、大きな社会問題となっております。
DVは全国的に増加しており、本県においても年々件数はふえる傾向にあり、県警や沖縄県女性相談所等に寄せられた相談件数でもDV相談が最も多いということであります。
本県における2008年度の県警に寄せられた相談件数は550件で、前年度比22件、そのうち接近禁止や退去命令などDV法に基づく保護命令が79件もあり、統計をとり始めた2002年度以降最も多くなっているようであります。
DV相談件数を人口比で見た場合、本県は全国的に常に上位を占めているようでありますが、被害者の保護や支援対策は喫緊の課題であると考えます。
DV被害対策としては、被害者に対する迅速な対応だけでなく、加害者に対する適切な法執行を行うことにより被害者の保護を図ることも必要であります。
しかしながら、何よりも大切なことは、家族や地域に住む一人一人がDVに関心を持つことであり、そのことが被害の防止につながる最大の方策であると思うのであります。そのためにも、県や市町村、県警が一体となり地域を巻き込んだDV防止対策に取り組むことが重要であると考えます。
そこで伺います。
ア、本県におけるDV相談件数の推移と全国との比較や特徴について伺いたい。
イ、DV防止の観点から、被害者が積極的に行政や警察へ相談する体制づくりが必要であるが、行政と県警との広報啓発活動を伺いたい。
ウ、特に、傷害・暴行などの摘発件数と県警の対応について伺いたい。
(2)、検視体制について。
ア、本県における検視体制の実態について伺いたい。
イ、本県における年間変死体数と、そのうち検視を実施した件数について伺いたい。
○議長(髙嶺善伸) ただいまの中川京貴君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後0時8分休憩
午後1時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
この際、申し上げます。
副知事仲里全輝君は、体調不良により午後の会議に出席できない旨の届け出がありました。
――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 午前の中川京貴君の質問に対する答弁を願います。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 中川議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、県経済の将来展望についてという御質問の中で、経済自立を図る上で産業の柱となる観光の位置づけいかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
観光産業は、沖縄振興計画において自立型経済の構築に向けた沖縄県のリーディング産業と位置づけられております。
沖縄県が平成16年度に実施しました観光統計実態調査によりますと、観光収入による生産波及効果は6903億円で、7万8850人の雇用効果を生み出していると推計されております。観光は、製造業や飲食業、農林水産業など沖縄県の産業全体に幅広い経済効果をもたらしており、今後もさらなる発展が求められている産業でございます。
沖縄県としましては、観光産業の基盤を強化するためMICE、そしてリゾートウエディングなどの付加価値の高い商品づくりや、観光客の多様なニーズに対応できる人材の育成など、質の高いサービス提供を実現し、沖縄観光の質の向上に努めてまいる所存でございます。
次に、同じく県経済に係る御質問の中で、沖縄21世紀ビジョンの答申の概要と最終決定までのスケジュールいかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
ビジョンは、県民の意見、提言を広く集約し、沖縄県振興審議会等におきまして審議を重ね策定したものであります。県民全体で共有する沖縄県の将来像でございます。
答申は3部構成となっており、第Ⅰ部で基本理念や「沖縄らしい自然と歴史、伝統、文化を大切にする島」など5つの目指すべき将来像を取りまとめるとともに、それぞれの将来像の実現に向けた推進戦略や克服すべき沖縄固有の課題などを整理いたしております。
第Ⅱ部は、「将来像実現に向けた展開方向」を示し、第Ⅲ部は、このビジョン策定の基礎となりました「沖縄経済の現状と可能性」などを掲載いたしております。
今後、パブリックコメントや市町村照会、そして議会における議論など所要の手続を経て、今年度中に策定・公表したいと考えているところでございます。
次に、基地問題に係る御質問の中で、名護市長選挙結果などの危険性除去への影響についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
普天間飛行場移設問題につきましては、現在、政府において沖縄基地問題検討委員会を設置し、移設先の再検討が行われているところであり、県としましては、その状況を注視してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、県としましては、普天間飛行場の危険性が現状のまま放置されることは断じて容認できないものと考えております。
同じく基地問題に係る御質問の中で、下地島や伊江島等への移設案についてという御質問にお答えいたします。
普天間飛行場移設問題につきましては、政府及び政権与党議員等がさまざまな御提案をされておられます。県としましては、沖縄基地問題検討委員会における政府方針の検討状況を注視しているところでございます。
次に、観光振興についての御質問の中で、本年度の入域客数と観光収入の減少要因と今後の対策いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
平成21年度の入域観光客数は、長引く景気低迷や新型インフルエンザ、そして他旅行先との競合の激化などが複合的に影響し、平成21年12月現在の累計で、前年同期比マイナス6.2%で推移いたしており、年度目標の達成は困難な状況となっております。また、平成21年度の観光収入につきましても、入域観光客数の減少や景気低迷による個人消費の停滞、旅行商品の低価格化などにより減少することが予想されております。年度目標の達成は厳しい状況となっております。
沖縄県といたしましては、MICEやリゾートウエディングなど付加価値の高い観光を推進し、観光収入の拡大に努めますとともに、昨年の秋から観光客誘致緊急対策プロモーション事業を実施し、入域観光客数の回復に向けて取り組んでいるところであります。また、平成22年度には、海外事務所の機能強化のほか、新たにヨーロッパやアジアに海外委託駐在員の配置を予定いたしており、外国人観光客のさらなる誘客促進にも取り組んでまいる所存でございます。
次に、大学院大学に係る御質問で、開学に向けての準備作業状況と今後の予想される課題等についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄科学技術大学院大学の開学に向けましては、昨年7月に「沖縄科学技術大学院大学学園法」が公布施行され、12月には新キャンパスの管理棟や第一研究棟が完成するなど、その準備が着々と進められているところでございます。
現在、新キャンパスでは先行的研究ユニットの引っ越し作業が進められており、ことし4月からは新たな施設で実質的な研究・教育活動が開始される予定となっております。今後は、開学に向け優秀な研究者の確保を図るため、研究者が安心して快適に生活できるための周辺環境を整備することが重要と考えております。
沖縄県としましては、教育、住宅等の周辺整備について国や関係市町村、民間等と連携をし取り組んでまいりたいと考えております。
北部振興に係る御質問の中で、新たな北部振興策についてという御質問にお答えいたします。
北部活性化特別振興事業につきましては、県土の均衡ある発展を図る観点から、北部地域における産業振興や定住条件の整備に資する事業を実施する目的で内閣府沖縄振興予算に計上されたものでございます。
今後の見通しにつきましては、沖縄振興計画の実施期間と整合を図るため、平成23年度(2011年度)までの実施期間としております。
次に、土木建築関係の御質問の中で、直轄事業負担金制度の廃止に関する国の方針と地方の考え方についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
国は、平成22年度から維持管理に係る負担金制度を廃止する法案を提出し、平成25年度までに直轄事業負担金制度の廃止とその後のあり方について結論を得るとしております。
一方、全国知事会におきましては、国による事業は国が責任を持つべき事業に縮小し、その他の事業は地方に権限と財源を一体的に移譲し、直轄事業負担金制度は廃止すること、また、その際には、社会資本整備のおくれている地域に影響が生じないよう配慮すること等を国に要請いたしております。
県としましても、負担金制度の廃止による影響が生じないよう、社会資本整備に必要な予算の確保を国に求めていきたいと考えております。
次に、県内交通網基盤整備に係る御質問の中で、沖縄振興計画に示された社会資本ビジョンの実現に向けた県の基本方針についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県の社会資本整備につきましては、沖縄振興計画に基づき「自立型経済の構築」、「国際交流拠点の形成」、「持続的発展を支える基盤づくり」などの施策を推進するとともに、自然環境や景観等に配慮した質の高い整備に取り組んできたところであります。
今後とも、事業の選択と集中を図り、産業振興と国際交流拠点の形成を支援する空港、港湾の整備、そして都市部の交通渋滞の緩和を図るための総合的な交通体系の整備などの施策を着実に推進してまいりたいと考えております。
次に、離島振興に係る御質問の中で、離島における農水産業振興の現状と成果についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県では、離島の地域特性を生かしました農林水産業の振興を図るために、第1に、農業用水源の確保やかんがい施設の整備、第2に、ハウス等生産施設や機械の導入、第3に、農林水産物加工施設の整備などの諸施策を推進しているところでございます。
その結果、主な成果といたしましては、第1に、久米島町のゴーヤーや宮古島市のマンゴー、石垣市の肉用牛、伊平屋村のモズクなど22の拠点産地の形成、第2に、さとうきびの生産量は、平成16年産の約45万トンから平成20年産は約61万トンに増産し、そして第3に、農業基盤の整備率は農業用水源で約64%、かんがい施設で約46%となっております。県平均を上回っております。
今後とも関係機関と連携をし、離島の農林水産業振興を図ってまいる所存でございます。
同じく離島振興に係る御質問の中で、離島地域の水産業振興についての御質問にお答えいたします。
沖縄県では、離島の水産業の振興を図るため、第1に、南大東漁港等の整備やパヤオの設置によります漁場の整備、第2に、モズク、ヤイトハタの養殖などつくり育てる漁業の推進、第3に、種苗供給施設、漁船修理施設などの整備、これらを行っております。
また、流通、販売対策といたしましては、第1に、荷さばき施設、冷凍冷蔵庫などの整備、第2に、モズクや養殖魚類の販売促進対策や加工品開発の支援、第3に、マスメディアを活用しましたモズクの県内外へのPRなど各種施策を推進いたしているところであります。
また、平成22年度におきましては、おきなわ型つくり育てる漁業推進事業により海洋牧場の可能性、そして海ブドウのブランド化調査などを予定いたしているところでございます。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(川上好久) 県経済の将来展望についての御質問の中で、本県経済の現状認識と基盤整備への影響についてお答えいたします。
最近の沖縄県経済は、リーマンショック以降、全国が急激に悪化したのに対し、沖縄は悪化幅が緩やかとなっておりますが、観光客が世界的な景気低迷などにより減少傾向にあるなど依然として厳しい状況が続いております。また、国における公共事業費の大幅削減などにより、財政依存度は低下傾向で推移しております。
しかしながら、このような状況の中、平成13年度から平成19年度までの年平均経済成長率は、1.1%とプラスの成長を確保し、また、観光・リゾート産業や情報通信産業が地域産業発展の牽引役としてその地位を確立するなど、民間主導型の経済へ着実に転換しつつある動きも見られます。
道路、空港、港湾、基地返還跡地などの基盤整備は、本県の自立型経済構築に向けた経済発展のばねとなる極めて重要な社会インフラであることから、引き続き国の理解も得ながら、その戦略的な整備を進めていく必要があると考えております。
同じく県経済の将来展望の中の、沖縄振興計画の点検・検証の状況と、次期振計の策定に向けた検討状況についてお答えします。
総点検では、沖縄振興計画における施策の現状と課題、離島の振興や基地跡地の利用対策等の重点課題、高率補助制度や各種特例措置等について検証を進めております。
次年度以降は、沖縄21世紀ビジョン及び総点検結果を踏まえ、現在の沖縄振興計画後の新たな計画の策定に向けて取り組んでまいります。その際、残された課題の解決策やビジョンの実現方策、計画のあり方、今後の沖縄振興に必要な枠組み等について総合的に検討を行ってまいりたいと考えております。
同じく県経済に関する御質問の中で、目指すべき将来像の実現に向けた具体的な施策展開の方策についてお答えします。
沖縄21世紀ビジョンでは、第Ⅱ部において「将来像実現に向けた推進戦略」に対応する展開方向を整理してあります。
次年度以降は、沖縄21世紀ビジョン及び総点検結果を踏まえ、現在の沖縄振興計画後の新たな計画の策定に向けて取り組んでまいります。その際、残された課題の解決策やビジョンの実現方策等について検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、大学院大学についての御質問の中で、優秀な学生の獲得や長期の経営維持への懸念等についてお答えします。
世界一流のすぐれた人材を確保するために、世界最高水準の教育研究を行うにふさわしい環境や施設整備とあわせ、柔軟かつ自主的な大学運営と安定的な財政支援が必要と考えております。
沖縄科学技術大学院大学については、世界トップクラスの主任研究者23名が既に県内で研究を行っており、昨年7月には「沖縄科学技術大学院大学学園法」が制定され、大学運営の自主性や長期的かつ安定的な財政支援が法的に手当てされていることから、優秀な学生を獲得する上で十分な環境が整備されているものと考えております。
また、長期の経営維持についても、同学園法により恒久的に2分の1以上の補助が約束されており、あわせて競争的資金を積極的に獲得することにより、一層安定的な経営につながるものと考えております。
同じく大学院大学について、インターナショナルスクールの設置の必要性や目的、学校の特色等についてお答えします。
インターナショナルスクールの整備は、沖縄科学技術大学院大学の研究者の確保、県が推進するアジア・ゲートウェイ構想における企業誘致のインセンティブ、県内子弟への質の高い国際教育の場の提供などを推進する上で重要な役割を果たすものであり、今後の沖縄振興の観点から、県としても積極的に支援すべきプロジェクトと考えております。
学校の特色としては、英語をベースとした学校教育法第1条に基づく幼・小・中一貫校で、インターナショナルスクールとして国際的教育評価機関の認定を目指した教育プログラムを展開することとしており、県内子弟にもこれまで以上に質の高い国際教育の場の提供と職業選択の幅を広げ、子供たちの将来に大きな希望を与えるものであります。
同じく大学院大学に関連して、設置に向けた資金確保の状況についてお答えいたします。
インターナショナルスクールの資金造成計画は、校舎建設費として民間募金6億円、補助事業3億9000万円、財団借り入れ3億6000万円の総額13億5000万円を確保することとしており、沖縄国際学園設立準備財団と協力して資金造成に取り組んでいます。
具体的取り組みとしては、県内外の経済団体や民間企業及び各種団体に対し企業訪問や募金趣意書の配布等による募金協力依頼を行っており、1月末現在で県内外の法人、個人等から4億円強の寄附金の申し出がなされております。
沖縄県としては、引き続き募金活動に努め、次年度中には6億円を確保したいと考えております。
同じく大学院大学に関連して、沖縄の振興や人材育成への貢献についてお答えします。
インターナショナルスクールの設置は、沖縄科学技術大学院大学の整備とあわせ、大学院大学が優秀な研究者を確保するための条件整備として、また、外国からの企業誘致におけるインセンティブとして極めて重要な事業であります。
大学院大学と相乗効果が期待できるインターナショナルスクールの設置により、ベンチャー企業等の立地促進による先端産業分野の雇用創出や、沖縄の地理的優位性を生かした科学技術の発信、交流拠点の形成が期待できるなど沖縄の自立発展につながるものであります。
また、県内の子弟に対しても、これまで以上に質の高い国際教育の場の提供と職業選択の幅が広がり、沖縄の将来に大きな希望を与えるものであります。
次に、北部振興策についての御質問の中で、北部振興事業の実績と課題についてお答えします。
北部振興事業につきましては、これまでに888億7000万円の予算が執行されてきました。これにより、観光・リゾート産業や農林水産業、情報関連産業などで2000人を超える雇用が創出されております。
また、各種の社会資本及び生活環境の整備が促進されるなど定住条件の改善が進んだことから、北部圏域の人口はこの9年間で約4300人、3.5%増加しております。
しかしながら、名護市以南での人口増加と以北での減少が見られ、北部圏域内でも人口格差が生じているのが現状であります。
今後は、圏域内における各地域ごとの特性を生かした産業振興や定住条件の整備を図っていくことが重要であると考えております。
同じく北部振興策に関連して、今後の北部振興策の実施に向けてお答えします。
今後の北部振興策の実施に当たっては、これまでに整備された施設・機能を積極的に活用するとともに、選択と集中を図りながら北部地域の発展につながる戦略的な取り組みを行うことが重要であります。
御提言の地域医療や若者の定住化に向けた施策につきましては、今後とも強化すべき重要な分野でありますので、北部12市町村と連携を図りながら具体的な事業実施ができるよう支援してまいりたいと考えております。
次に、県内交通網基盤整備についての御質問の中で、3次にわたる振興計画に対する県の認識についてお答えします。
本土復帰以降3次にわたる沖縄振興開発計画に基づき各種施策等が実施され、道路、空港、港湾などの社会基盤、農林水産業における生産基盤、下水道などの生活環境基盤、保健医療・福祉施設、学校教育施設など多くの分野で本土との格差も次第に縮小され、県民の利便性の向上が図られています。
今後は、離島県ゆえの高コスト構造や市場規模の狭隘性などの克服すべき課題を踏まえ、本県の大きな発展につながる戦略的な社会資本の整備を進めていく必要があると認識しております。
同じく県内交通網基盤整備の中の、鉄軌道を含む陸上交通体系についてお答えいたします。
陸上交通体系については、県土の有効利用、自然景観との調和、沖縄県の体系的な交通ネットワークの構築、環境負荷の軽減、県民の暮らしを支える観点から総合的に検討していく必要があると考えております。
県では、総合的な交通体系のビジョンである「沖縄県総合交通体系基本計画」を平成22年度から見直すこととしており、その中で鉄軌道を含めた検討を進めてまいります。
離島振興についての御質問の中で、過疎法の延長にかわる新法制定の状況と本県離島町村への影響についてお答えいたします。
現行の過疎地域自立促進特別措置法は平成22年3月末をもって期限を迎えることから、県としては、これまで過疎市町村と連携を図りながら国等へ新たな法律の制定を要請してきたところです。
報道や国からの情報等によれば、現行法を6年間延長して過疎市町村の指定を継続するほか、新たにソフト事業を過疎対策事業債の対象とすること等を内容とする同法の一部改正案が、先月、与野党で合意されたとのことであります。現時点で改正内容の詳細は明らかでありませんが、本県の離島町村はすべて法改正後も引き続き過疎地域の指定が継続されるものと考えております。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 県経済の将来展望についての中で、環境関係産業で県が力を入れている業種と今後の可能性についての御質問にお答えします。
地球温暖化対策等への国際的な関心が高まる中、環境関連産業の市場は大きく拡大すると予想されています。
県では、第3次産業振興計画において環境関連産業を重点産業の一つとして位置づけ、沖縄の地域特性を生かした県産リサイクル資材の活用、バイオエタノールの研究等を支援しております。また、太陽光発電、風力発電、バイオ燃料等の再生可能エネルギーの導入拡大が低炭素社会の実現及び関連産業の振興につながるものと期待します。
政府においても、環境汚染防止や資源の有効利用等、環境関連分野への振興策拡充が図られており、本県においても発展可能性の高い有望な分野であると考えております。
次に、観光振興についての中の、修学旅行を対象とした新型インフルエンザ対策についての御質問にお答えします。
沖縄県では、修学旅行に係る新型インフルエンザ対策として、緊急時連絡先を明記した「安心カード」を10万部作成し配布するほか、ホームページを通じた正確な情報発信に努めております。また、観光業界と意見交換を行い予防対策の徹底を図るとともに、新型インフルエンザ発症時における対応について連携を強化しているところであります。
沖縄県としましては、関係部局や観光関連事業者と連携を図り、引き続き新型インフルエンザ対策を実施し、修学旅行の受け入れ体制を強化してまいります。
同じく観光振興についての、観光PRの重点都市における入域観光客数の減少要因についての御質問にお答えします。
平成21年度の入域観光客数の主な減少要因は、景気低迷による旅行手控えとなっております。
地域別には、東京については、円高など海外等他旅行先との競合、関西方面では、春先の新型インフルエンザ流行の影響、名古屋では、景気低迷や所得減少の影響等を強く受けていることと分析しております。
沖縄県としましては、昨年秋から観光客誘致緊急対策プロモーション事業を実施し、入域観光客数の回復に努めているところであります。
同じく観光振興について、環境保全と観光・リゾート地の整備との調和についての御質問にお答えします。
沖縄観光は、美しいサンゴ礁の海や貴重な動植物が生息する森林などの自然環境が大きな魅力となっており、自然資源を保全しつつ観光振興を図ることが重要であります。このため、県では、環境に配慮した観光利便施設の整備方針等を作成し、方針に沿った施設整備を促進しております。また、平成20年度からは、市町村が行う自然環境に配慮したトイレ、シャワーなど観光利便施設の整備などを支援しているところであります。さらに、次年度以降は環境共生型観光地形成支援事業により、利用ルールの作成や環境負荷を軽減させる遊歩道等環境保全施設の整備を支援することとしており、引き続き自然環境と調和のとれた観光地づくりに取り組んでまいります。
同じく観光振興について、エコツーリズムの推進と自然環境保全とのバランスについての御質問にお答えします。
沖縄観光を持続的に振興していくためには、自然、文化、歴史などの資源の保全と調和のとれた質の高いエコツーリズムを推進する必要があると考えております。
これまでエコツーリズムの事業者間において地域の資源を保全・利用するためのルールである保全利用協定の締結を促進してまいりました。また、平成20年4月のエコツーリズム推進法の施行に伴い、市町村による自然観光資源の保護措置を含むエコツーリズム推進全体計画の策定を支援しております。さらに、観光客受入容量の定量化手法の調査研究を進めているところであり、今後は、観光資源の管理体制の構築に努め、自然環境の保全と活用のバランスを図ってまいりたいと考えております。
同じく観光振興について、沖縄と競合する観光・リゾート地におけるエコツーリズムの推進状況及び課題等についての御質問にお答えします。
ハワイにおいては、火山国立公園を散策する火山探検ツアーやハワイ固有の動植物を観察するジャングルハイキングツアーなどのエコツアーが推進されています。ハワイ州政府によると、自然公園の利便施設の改善や自然資源の利用増大に伴う自然破壊等が課題とされております。
また、オーストラリアにおいては、先住民族の生活や歴史に触れるツアーや野生動物保護区での動物観察ツアーなどが行われており、優良ツアーメニューを認定するエコツーリズム品質認定制度も設立されております。
一方、観光客が動物に食べ物を与えたり、ごみを放置したり、木に落書きをするなどの問題が指摘されております。
同じく観光振興について、エコツーリズムによる長期滞在や消費額向上の可能性についての御質問にお答えします。
現在、本島北部地域や慶良間地域など県内の多くの地域で、地域の自然や文化などの資源を保全しながら有効に活用するエコツーリズムが推進されております。地域の自然や文化に詳しいガイドの案内により地域の魅力により深く触れるエコツーリズムを推進することにより、観光客の滞在日数や観光消費額の増加が図られると同時に、地域の振興に大きな効果があると考えております。
沖縄県では、沖縄エコツーリズム推進協議会等と連携しながら、適正なエコツーリズムの普及啓発や良質なエコツアープログラムのガイドブックやウエブサイトによる情報発信を強化しているところであります。
離島振興についての中の、離島地域の伝統工芸産業の振興の現在の状況と今後の取り組みについての御質問にお答えします。
沖縄の離島には、久米島つむぎ、宮古上布、八重山ミンサー、与那国織などの織物、宮古焼、石垣焼などの焼き物など地域に根差した個性豊かな工芸品が数多くあり、地域の活性化に大きく寄与しています。
県においては、工芸産業を「オキナワ型産業」として位置づけ、後継者育成事業や県外における販路拡大への支援に取り組んでおります。また、新商品やデザイン開発を支援しているほか、離島も含めた巡回技術指導による技術・技法の改善など、生産現場の技術水準の向上に努めております。
今後は、バッグやネクタイなどの二次加工技術の高度化への支援など、付加価値の高い工芸産業の振興を推進してまいりたいと考えております。
同じく離島振興についての中の、国際クルーズ船による離島振興についての御質問にお答えします。
国際クルーズ船の就航は、離島観光の振興に大きく貢献するものと考えております。
国際クルーズ船の離島への寄港は、平成20年が41回、平成21年は32回、ことしは29回の寄港が予定されております。
港湾整備につきましては、宮古島市が平良港においてクルーズ船対応のバースを計画し、港湾計画に位置づけております。また、現在、国直轄港湾事業として、石垣港においてクルーズ船対応に向けた防波堤の整備を行っているところでございます。
以上でございます。
○総務部長(兼島 規) 2010年度予算についての質問のうち、沖縄振興予算に対する認識と対応についてお答えいたします。
内閣府沖縄担当部局の平成22年度予算は約2298億円で、ピークの平成13年度と比較しますと約1192億円、34.2%の減となっております。これは予算のおおむね8割を占めている公共事業関係費が国全体として抑制基調にあることが主な要因であります。
県としましては、自立型経済の構築に向け、本県の特性を生かした産業の振興や雇用の創出を推進するとともに、その基盤となる社会資本の整備を今後とも推進するため、引き続き内閣府沖縄担当部局と緊密に連携しながら沖縄振興予算の確保に全力で取り組んでまいります。
次に、沖縄振興予算のこれまでとの違いと本県予算への影響についてお答えいたします。
平成22年度の内閣府沖縄担当部局予算は、対前年度比6.1%減の2298億円となっております。このうち公共事業関係費は、国の予算編成の基本方針である「コンクリートから人へ」の基本理念のもとで、対前年度比10.2%の減となっております。このため、本県の平成22年度当初予算においては、農業農村整備事業を中心とした公共事業関係費が減少したことにより、普通建設補助事業費が対前年度比4.6%、約54億円の減となっております。
一方、公共事業関係費以外の経費につきましては、不発弾対策に係る経費が拡充されたほか、本県の厳しい経済情勢等に機動的・弾力的に対応するため特別調整費が30億円増額されるなど、対前年度比11.0%の増となっております。
次に、沖縄振興予算の今後の見通しについてお答えいたします。
沖縄振興計画の残り期間があと2年となり、これまでの成果を踏まえ、残された課題への対応とさらなる発展に向けた取り組みを力強く推進していく必要があります。また、本県の厳しい社会経済情勢を踏まえ、引き続き雇用の創出や産業の振興などの経済対策に全力で取り組む必要があります。
このような中、国においては、今後事業仕分けの第2弾を実施するなど、一般会計と特別会計を合わせた総予算の全面的な組みかえを行うとしております。
現時点では、これらの施策が沖縄振興予算にどのような影響を及ぼすか明らかではありませんが、沖縄振興計画の着実な推進に支障がないよう、引き続き内閣府沖縄担当部局と連携し、適切に対応してまいります。
以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 2010年度予算についての御質問の中の、子ども手当の全額国庫負担の約束と児童手当を子ども手当に振り向けることについての御質問にお答えします。
子ども手当については、民主党マニフェストで全額国庫負担とされておりましたが、国の予算編成において平成22年度に限り従来の児童手当分について地方負担が求められることになりました。
県としましては、子ども手当の一部としての児童手当分にかかる費用負担については、他県と同様、平成22年度に限りやむを得ないものと考え、平成22年度予算案において約41億円計上しているところであります。平成23年度以降の本格的な制度設計に当たっては、費用負担の問題も含め、地方と十分協議を行うことを全国知事会と一体となって国に求めていきたいと考えております。
次に、社会保障費の自然増についてお答えします。
平成22年度当初予算における医療費や生活保護費などの社会保障関係経費については、過去の実績等を勘案し年間所要額を予算案に計上したところであり、生活保護費や国民健康保険事業費などが前年度に比較し増額となっております。なお、こうした国庫負担金事業については、法律により国の負担割合が明確に定められており、所要の国庫支出金が確実に措置されることとなっております。
次に、県警関係についての御質問の中の、DV相談件数の推移と全国との比較及び特徴についてお答えします。
配偶者暴力相談支援センターにおけるDV相談件数は、平成16年度702件、平成17年度827件、平成18年度884件、平成19年度796件、平成20年度1023件となっており、増加傾向にあります。全国で見ると、平成20年度において人口10万人当たりでは74.3件、15位となっております。また、DV防止法施行後の7年間における保護命令の総数は367件となっております。これは人口10万人当たり27件となり、全国平均の約2.5倍、全国1位となっております。なお、相談のほとんどが女性からで、年代別に見ると30代からの相談が最も多く、次いで40代となっており、これらで全体の6割を占めております。
次に、被害者が積極的に行政や県警へ相談するための広報啓発活動についてお答えします。
県では、女性相談所において、婦人相談員が土日・祝日を含む毎日DV相談に当たるとともに、夜間の緊急一時保護にも対応できる体制となっております。また、北部・宮古・八重山福祉保健所の配偶者暴力相談支援センターにおいても相談業務を行っているところであります。
当該相談窓口については、ポスターやリーフレット等の配布により周知に努めるとともに、講演会の開催等により県民への啓発活動を行っているところであります。
以上でございます。
○知事公室長(上原良幸) 基地問題についての御質問で、普天間飛行場の固定翼機の嘉手納飛行場への一時移駐についてお答えいたします。
県は、昨年12月、普天間飛行場滑走路修復工事に伴い、同飛行場の固定翼機が嘉手納飛行場へ一時的に移動するとの連絡を受け、沖縄防衛局に対し、周辺住民への影響を及ぼさないよう申し入れを行ったところであります。
沖縄防衛局も米側へ嘉手納飛行場の騒音規制措置を遵守するよう申し入れ、米側からは騒音規制措置を適用し遵守する旨回答を得ているとのことであります。
県としましては、外来機、常駐機にかかわらず、米軍の訓練等により県民に被害や不安を与えることがあってはならず、騒音を初めとした周辺住民の負担軽減が図られるよう、今後とも引き続き米軍及び日米両政府に対し強く要請していきたいと考えております。
同じく基地問題についての御質問で、キャンプ・ハンセンレンジ4における訓練についてお答えいたします。
沖縄防衛局によると、レンジ4からレンジ16に移設した陸軍複合射撃訓練場における訓練はいまだ開始されておらず、そのためレンジ4の既存の訓練場における訓練が継続しているとのことであります。
県としては、米軍がこれまでの経緯や地元の懸念を踏まえ、旧複合射撃訓練場における所要の訓練をレンジ16に早期に移転し、住民の安全に最大限の配慮をすべきであり、今後とも地元金武町と連携しながら適切に対応していきたいと考えております。
以上であります。
○土木建築部長(仲田文昭) 観光振興について、ヨットハーバー整備の状況と今後の計画についてお答えいたします。
本県においては、宜野湾港マリーナや糸満フィッシャリーナを初め公共マリーナ等が5カ所、民間マリーナが2カ所整備されております。また、整備中が与那原マリーナを含め2カ所、今後の整備計画が浦添マリーナを含め3カ所であります。
続きまして、土木建築関係について、公共事業の大幅な削減による影響と削減額の大きい事業についてお答えいたします。
国土交通省所管の平成22年度の公共事業関係費については、全国が対前年度比15.2%の減少と厳しく抑制される中、沖縄県については5.6%の減少となっております。削減額が大きい事業は、道路事業や港湾事業等であります。
同じく土木建築関係の御質問で、削減された公共事業にかわる活性化事業についてお答えいたします。
平成22年度の公共事業関係費の削減により、県経済への影響や道路、港湾等の社会資本整備のおくれが懸念されます。削減された公共事業にかわる新たな活性化事業について、県としましては、県経済への影響や国の動向を見ながら今後の対応を検討していきたいと考えております。
同じく土木建築関係について、国の重要港湾整備方針が本県へ与える影響についてお答えいたします。
国においては、直轄港湾整備事業の選択と集中を図るため、重要港湾の中から重点港湾を選定することとしており、地域拠点性、貨物取扱量実績により絞り込みを行い、今後、港湾管理者等からの意見聴取を経た上で決定すると聞いております。
那覇港、中城湾港、平良港、石垣港は、本県における産業や観光の振興及び生活基盤の確保のために必要不可欠な港湾でありますが、いまだ整備の途上であり、重点港湾として選定されない場合は今後の港湾整備に影響があると考えております。また、選定に当たっては、貨物取扱量実績のみならず、東アジアのゲートウエイ機能や離島県としての地域特性も考慮されるべきであると考えております。
土木建築関係について、建築確認手続の簡素化などの国の検討状況についてお答えいたします。
国土交通省は、平成22年1月22日付で、当面建築基準法の改正は行わず、規則や告示などの改正による運用改善を3月末を目途に公布し、6月に施行する予定であると公表しました。その運用改善の主な内容は、建築確認審査の迅速化、申請図書の簡素化、違反建築物に対する厳罰化などであります。その後、運用改善の状況を踏まえて、法改正を検討することとしています。
県としては、国の動きを注視しながら情報収集を行い、適切な対応に努めていきたいと考えております。
同じく土木建築関係について、沖縄自動車道無料化に伴う影響についてお答えいたします。
国においては、高速道路の無料化に伴う地域経済への効果、渋滞や環境への影響を把握することを目的として社会実験を実施することとしており、県内では、沖縄自動車道の全線を対象に、6月から平成23年3月末までの予定となっております。
沖縄自動車道の無料化は、国道58号や330号等に偏った交通量を高速道路にシフトさせ、既存道路の渋滞緩和に一定の効果があると思われ、また、北部・中南部都市圏の交流促進等が図られ、産業振興に寄与するものと思われます。
一方、高速道路本線や高速道路に接続する道路及びその周辺で新たな渋滞の発生が予想されております。
県としましては、総合事務局と連携して高速道路に接続する県管理道路の交通量や渋滞状況の調査を行い、高速道路無料化に伴う影響について分析していきたいと考えております。
次に、県内交通網基盤整備について、今後の本県の陸上交通網の整備についてお答えいたします。
国土交通省所管の平成22年度の公共事業関係費については、全国が対前年度比15.2%の減少と厳しく抑制される中、沖縄県については5.6%の減少となっております。
沖縄県においては、那覇空港自動車道などの骨格幹線を初め、都市部の渋滞対策や地域に密着した生活幹線に至るまで多くの道路がいまだ整備の途上にあります。
昨今の厳しい財政事情のもと、さらなる公共事業の縮小が予想されることから、県としましては、より一層事業の選択と集中を図り、広域道路ネットワークの確立や都市部の交通円滑化及び地域の活性化に資する道路の整備に取り組んでいく考えであります。
以上であります。
○警察本部長(黒木慶英) 県警察におけるDV事案防止の広報啓発活動についてお答えいたします。
DVすなわち配偶者からの暴力事案は、家庭内という外部から見えにくい場所で行われることが多く、被害者が世間体を気にしてだれにも相談しない傾向にあるため、外部から発見されにくく、また暴力を受ける原因が自分にあると思い込み、一人で悩みを抱え込んでしまうという特徴があります。また、加害者は、暴力を振るって何が悪いと自分の暴力行為が犯罪であるという認識に乏しく、暴力を正当化し、次第に行為をエスカレートさせていく傾向にあります。
県警察におきましては、このような傾向を踏まえDV防止対策として、DV防止法の仕組みや警察関係機関の連絡先等を記載したリーフレットの作成・配布、県警察ホームページを活用したDV防止法に基づく保護命令制度や援助の仕組み等の啓発活動、県との共同による相談員育成のための講習会や地域住民を対象としたDV防止講演会の開催などの広報啓発活動を実施しているところであります。
県警察といたしましては、引き続き県・市町村、関係機関と連携し、DV事案の未然防止のための広報啓発活動を積極的に推進してまいりたいと考えております。
次に、障害、暴行などの検挙件数と対応についてお答えいたします。
県内におけるDV事案の検挙件数は、平成19年の100件をピークに平成20年が83件、平成21年が76件と減少してきております。そのうち、障害や暴行等のいわゆる刑法犯の検挙件数については、平成19年が95件、95%、平成20年が82件、98%、平成21年が71件、93%となっております。なお、平成21年中に刑法犯で検挙された71件のうち54件、約8割――パーセントにして76%でございます――が飲酒絡みの事案でありました。
県警察におきましては、DV事案への適切な対応を図るため、警察本部や各警察署に設置されております警察安全相談係やDVストーカー事案対策官――全部で72名おります――が相談者等からの相談に対応しております。相談の際には、積極的な被害申告のアドバイス、DV防止法に基づく保護命令制度の教示、緊急避難施設等関係機関の教示、DV防止対策に関するリーフレットの配布など適切に対応しているところであります。
また、相談者等から配偶者暴力防止法に基づく援助を受けたい旨の申し出があった場合には、警察への通報方法も含めて被害をみずから防止するための措置、住所または居所を知られないようにするための措置、被害防止交渉のための必要な援助などについて教示しております。その一方で、加害者に保護命令が発令された場合には、同人と面接し、保護命令の内容を説明して命令を遵守するように指導、警告し、命令違反があれば検挙するなど適切な対応を行っているところであります。
県警察といたしましては、今後とも職員に対する指導を徹底するとともに、関係機関とより緊密な連携を保持し、厳正に対処してまいりたいと考えております。
次に、本県警察の検視体制の実態についてお答えいたします。
現在、県警察では死体取り扱いの専門官である検視官として警察本部捜査第一課に警視の階級である警察官1名と、警部の階級である警察官2名の計3名、さらに検視官を補助する警察官4名を配置して合計7名体制で死体取り扱い業務を推進しているところであります。
次に、本県における年間変死体数とそのうち検視を実施した件数についてお答えいたします。
平成21年中における県警察の死体取り扱い数は1724体、過去最高となっております。前年対比で112体上回っております。そのうち、検視官が現場臨場した数は1247体、率にして73.5%でございます。この数字は、全国平均が20.3%でありますので大きく上回っておりまして、全国でも最上位にあります。また、解剖に付した数は176体、率にして10.2%、全国平均の10.1%とほぼ同率となっております。
なお、この全国平均の10.1%という数字は、監察医制度のある大規模都府県――東京23区、大阪市、横浜市、名古屋市、神戸市でございますが――それらを含めた解剖率でありまして、これら監察医制度のある都府県を除いた率はおおよそ5.5%となることから、当県の解剖率はその平均を大きく上回っているところであります。
以上でございます。
○中川 京貴 再質問を行いたいと思います。
先ほど3の基地問題について、(2)、(4)について一括して知事、再質問をしたいと思います。
先ほど知事は、この普天間の問題が今難航していると、嘉手納統合案含めて今基地問題について、知事は政府に対して注視をしていると。要するに、明確な具体案がまだ政府から示されていないと。そういった面では知事は注視をしながら今いるという答弁をしておりました。また、先ほど新垣哲司議員の質問に対してもそのような答弁をしておりました。
それで知事、確認したいのは、本当に知事が今この注視をしている状況がいいのかどうかを確認したいんです。
なぜならば、この新聞報道でもありました。鳩山新政権の岡田克也外相は、10月23日の記者会見で、米軍普天間基地の移設問題に関し、県外は事実上選択肢としては考えられないと。嘉手納基地への統合案に言及し、辺野古移設案よりも時間がかからない、嘉手納しか残された道はないと思っているという対米交渉の中を明らかにしております。
今、知事がそういった注視をしている間にも日米両政府でそのことが進められているんではないかという不安がありまして、そして嘉手納は昨年の11月に嘉手納基地統合案の反対町民大会を行っております。また、自民党を初め多くの県議会の仲間がそこにいらしていただいて、抗議決議、反対の姿勢を示しました。その中で、やはり一番懸念されるのが普天間の移設、危険の除去を早目にしなければいけない。そしてその受け入れ先でありました名護市の市長がノーだと言っているんです。そういう状況の中で、知事、今迷走している中で、政府が日米両政府の確認をとって、その合意を取りつけて閣議決定されてから果たして知事が反対して間に合うんでしょうか。
それともう一つは、これまで皆さん御承知のように、自民党政権のときに普天間の危険の除去をしようと、そして自民党県連ももちろん県外がベストだがもう県内、現実的に対応していこうと、これまで抱えてきた宜野湾市民のためにも危険の除去をしていこうということで苦渋の選択として名護市の移設が決定されました。しかしながら、昨年の8月30日の衆議院選挙、民主党政権になりました。民主党政権は、県外・国外を打ち出し、そして県民のその支持を得て沖縄選出の国会議員は当選しております。しかしながら、政権をとると同時に、沖縄県嘉手納しかないとか、県内移設しかないということに対して、私は県民だましだと思っております。皆さん、いかがでしょうか。
きょうは子供たちもたくさん傍聴に来ておりますが、ぜひ聞いていただきたい。この沖縄の基地問題を県外に移すと、名護市の基地問題を県外に移す、国外に移すとして約束したんです、今の鳩山政権、民主党政権は。それを政権をとってから今になって県外は難しいと、これは県民をだましていることではないんでしょうか。皆さん、どう思いますか。
そこで、私たち沖縄県議会は、今自民党も変わりました。自民党も県外移設、普天間の危険の除去をしなければいけないということで名護市に苦渋の選択として当時の島袋市長とやろうとしたんです。しかしながら、政権がかわり、名護市もノーと言っている。もう沖縄県は普天間を受け入れる場所がないんです。そうじゃないですか、皆さん。ですから、皆さん、この気持ちを与党・野党一緒になってオール沖縄で、沖縄にはこの基地をつくらさないと。新基地建設反対、そして県内移設、基地の機能の強化をしない、普天間の基地を嘉手納に統合しない、そういった案をつくって政府に堂々と要請をする。そして政府は今チャンスなんです。日米両政府の中で自民党政権のときの13年かけてきたSACO合意があります。政権かわりました。今の民主党政権は、米軍としっかりと話をして沖縄県はもうだめだと言っていると。それを国外に、また県外に分散しながら普天間の飛行場をなくす努力が大切ではないでしょうか。
今、三連協の中でもこの間話がありました。宮城篤実町長は、1機たりとも嘉手納飛行場での普天間を認めるわけにはいかない。もしこれ以上政府が市町村、自治体に押しつけるようなことがあれば、嘉手納基地の全面返還も辞さないという強い姿勢で臨んでおります。こういったことを名護市だけではない、中部、沖縄市はもちろん北谷町、嘉手納、読谷村の皆さんに押しつけるんでしょうか。私は、ぜひ県の最高責任者である仲井眞知事がこの普天間の問題をしっかり政府に要請する。そしてこの意思表示をしなければ間違ったメッセージを送るのではないかと心配しております。
ですから、今、自民党も各政党がこの基地問題について照屋守之政調会長を中心に取り組んでおります。ぜひお互いのイデオロギーを乗り越えて、政党制の考えではなくて、基地をつくらさない方法をどうあるかということを理解していただいてまとめていただきたい。
自由民主党は、党本部は現行案で進めると言っているんです。自由民主党党本部は、名護の現行案で進めなさいと。しかし、自民党県連は、それがだめだと名護市がだめだと言ったんです。多くの県民もそれではだめだと言っております。県民の声を政府に伝えるのであって、国の押しつけを県民にするのではないと思っていますが、皆さんいかがでしょうか。であるならば、ぜひこの会期中に全議員の48名の全会一致のもとで、新しい基地をつくらない、そして普天間の機能も嘉手納に統合しない、1機たりとも認めない。そして知事がその先頭に立って政府に要請をしていただきたい、間違ったメッセージを送っていただきたくない、そう思います。
知事、自民党の代表質問でありますが、ぜひ知事が先頭に立ってこの普天間の問題、危険性の除去、そしてそのインフラ整備、政府の責任においてしっかりやっていただくよう要請をしていただきたいと思います。
以上で終わります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後2時35分休憩
午後2時36分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 中川議員の再質問に答弁したいと思いますが、先ほども申し上げましたように、私としても昨年の11月に総理にお目にかかったときにも、いずれにしても県外移設が最も望ましいということはきちっと申し上げてきておりますし、そして明確な方針というのはむしろ政府のほうで、議員おっしゃったようにかなり迷走ぎみだったものをひとつ方針をきちっと示してもらいたいというのを私はかねてから申し上げてきております。
そしてまたおっしゃったように、確かに名護市長選挙で島袋市長から今の稲嶺市長にかわって名護への移設を認めないという政策を掲げておられますし、そしてまたこの県議会で各政党・会派が一緒になって県外というのをおっしゃるというような報道に接しておりますけれども、そういう状況を考え、さらに政権がかわっていずれにしても今見直しをやっているところですから、5月にはまとめると言っておられます。そういうことで、基本には日米両政府の方針がどんなふうになっていくか、やはりこれは注視しておかないといけないのではないかとは思っておりますよ。
ただおっしゃるように、その間にすべてが決まってしまったら後の祭りではないかという御心配はそれは私もおっしゃるような趣旨でないわけではありませんけれども、しかしそこはもう頭越しはだめですよというのは、総理を初め皆さんに申し上げてきているとおりで、頭越しでやった場合はなかなか沖縄では物事が進まんというのは、何もこれは沖縄に限らずどこの地域でも当然のことだと思っておりますから、物事は進め切れないと思っておりますし、中川議員のおっしゃっているような趣旨で私はこれまでも政府とは対応してきたつもりでおりますので、ひとつぜひ御理解のほどお願いいたします。
○島袋 大 こんにちは。
自由民主党の島袋大でございます。
代表質問をいたしますけれども、所見を述べながら質問に移りたいと思っております。よろしくお願いいたします。
自民党は、古臭くてしがらみの党ではありません。明るくて自由で、しかしながら責任を持った議論をする政党であります。私たちは今さえよければいいのではない、そして自分たちさえよければいいのではない、過去にそして未来に責任を持った政党であります。
政権がかわり、民主党政治は政治主導、国民主権、地域主権、その名のもとに独裁が行われようとしております。そして地方からの陳情はすべて一本化せよと、これが利益流動ではなくて何だというふうに思うわけであります。
我々は、政治は国民・県民のものである、一生懸命頑張っている人が報われる、一生懸命頑張りたくても支えなければならない人がいる。その声をしっかりと受けとめ、考えて政策を展開していきたいという決意でいるわけであります。
それに基づきまして、質問を行います。
1、教育・文化の振興についてであります。
(1)、学習環境の改善について。
国際化・情報化が地球規模で進展する時代にあって、我が国においては少子・高齢化が急速に進展する社会変化に伴い、時代の変化に応じた生活や職業に必要な知識や技能の習得、さらに人々の生涯にわたる学習等、国民のニーズや生活スタイルは多様化し、高度化しております。また、人・物・情報の出入りに国境という垣根がなくなった現代社会においては、生涯にわたる学習の基礎を培い、豊かな心を持ち、国際性豊かな視野の広い人材を育成することが求められており、そのための基礎・基盤を育成する学校教育の果たす役割は一段と大きくなっております。そのため、人々が生涯において自由に学習機会を選択して学ぶことができ、学んだことが生かされるような社会づくり、教育環境の整備が重要であり、課題であると考えます。
学校教育の重要性は、子供たちに基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得を図り、それらを活用することを通じて思考力、表現力等を身につけ、みずから学び、みずから考える力をはぐくみ、社会生活上の守るべきルールなどを身につけることにあると考えております。そのためにはすべての子供が同じ条件で同じ教育環境のもとで、差別なく教育が受けられるという前提があることが当然であり、そのための教育環境の整備と教員の質の向上や教育力の向上が求められているのであります。そのような中、全国の公立小・中・高校で校長や副校長、教頭の間に希望降任制度を利用して一般教員に自主的に降格する事例がふえているということであります。
これらは管理職で長時間の業務による健康問題が大きな理由のようでありますが、教員の業務の改善の問題とともに、教育力の問題も含んでいると思われます。一方で、教科に関しての専門知識が不十分なため指導力不足と認定された教員は減少傾向にあるようでありますが、教員の質の向上や指導力の向上が問われているのであります。
そこで伺います。
ア、文部科学省は、ことし導入された教員免許制を見直し、新たに教員養成6年制を検討しているようだが、その効果と課題について伺います。
イ、教員の質的向上と教育力の向上が求められている中、希望降任制度を利用する教員がふえているようだが、その背景と本県の状況について伺いたい。
ウ、本県における30人以下学級への取り組みの現状と今後の計画について伺いたい。
エ、経済的理由から就学援助を受けている県内小・中・高の児童生徒が増加している要因と市町村ごとの格差の実態について伺いたい。
オ、新指導カルテの素案を公表したが、その内容と必要性について伺いたい。
カ、県立美咲特別支援学校幼稚部において願書提出に圧力があり、一部保護者が断念したとの報道があるが、事実か。また、県は学級増も視野に入れ検討するとしていたが、方針を変更したのか。
キ、「美ら島沖縄総体2010」まで1年を切ったが、県実行委員会や会場となる市町村の準備状況は順調に進んでいるか。また、予算、経費の確保に問題はないか。
(2)、高等学校再編整備についてであります。
ア、現在の進捗状況はどうなっているのか。
イ、再編整備計画に入り、PTA、地域へのコンセンサスはどうなっているのか。
(3)、発達障害児支援教育についてであります。
ア、幼稚園、小学校における支援はどうなっているのか。
イ、発達障害児支援について、教職員の理解と指導はどうなっているのか。
(4)、文化の振興についてであります。
本県は、かつて琉球王国として日本・中国・朝鮮・東南アジアの国々と交流・交易を盛んにし、その交流を通じて琉球文化が形成されてまいりました。そして戦後、米国統治下での影響等も加わり、国際色豊かな沖縄の伝統文化として進展してきたものであります。
このような歴史的経過を経て形成された本県の伝統文化、他県に類を見ない本県の独特の伝統文化として世界的にも高く評価をされております。しかし一方で、戦後の生活様式の変化や海外・国内等からの多様な文化の流入等もあり、地域における多くの民俗行事や伝統文化の内容が変容したり、衰亡の危機にさらされているものもあり、次世代への継承・保存という課題も抱えております。このため、県は県民に本県の伝統文化に対する誇りを持たせ、さらなる継承・発展を図ることを目的に沖縄県文化振興計画を策定し、文化振興に係る各種指標を設定、施策・事業を実施しております。地域に根差した伝統を受け継ぎ次世代へ継承していくには、行政、地域等が一体となった取り組みが必要であります。特に、伝統芸能について県における定期的な琉球舞踊や沖縄芝居の公演を行うなどの支援等もあり、若手舞踊家の育成や活動が盛んに行われるまでになっております。また、沖縄各地で受け継がれてきた言葉であり、地域に根差した文化の基盤であるしまくとぅばの衰退をとめ、次世代へ継承していくための取り組みも進められております。
沖縄の伝統文化を国内外に向け総合的に発信するために設立された沖縄県立芸術大学におきましては、沖縄の豊かな文化芸術の伝統を受け継ぎ、新しい創造的文化芸術の形成及び発展を担い、国際的に活用する人材を生み出していくとしております。しかし、その県立芸術大学は敷地キャンパスが狭隘で、施設はほぼ老朽化しており、県立の大学としては余りにも寂しい限りであり、早急な対応が必要であると考えております。沖縄と歴史的につながりがあり、力強く発展してきているアジア諸国との交流は本県の文化の振興に新たな創造発展をもたらすものと考えられ、行政・民間はもちろん大学を中心とした学術交流が重要であると考えます。
そこで伺います。
ア、県は、沖縄県文化振興計画を策定し、本県文化の振興を図っているが、具体的施策を展開する上での基本方針を伺いたい。
イ、本県の文化振興を図る上で県立芸術大学をどのように位置づけ、どのような役割を果たしているのか。
ウ、県立芸術大学施設は老朽化が激しいが、短期的改修計画と長期的計画としてのキャンパス移転計画について伺いたい。
エ、本県の伝統文化の集積基地、情報発信基地の形成についての県の考えと、県立博物館・美術館周辺を文化発信拠点として整備することについて伺いたい。
2、福祉関係についてであります。
(1)、高齢者福祉の改善についてであります。
2009年度版高齢者白書によれば、高齢人口のうち75歳以上の高齢者は1322万人で、総人口に占める割合が初めて1割を超えております。我が国の高齢化率は今後とも加速度的に進むと言われ、2013年には4人に1人が、2035年には3人に1人が65歳以上の高齢者となる見通しを示しております。同時に、この見通しから75歳以上の高齢者のさらなる増加も予想されます。
首都大学東京大学院の研究員が厚生労働省の最新データをもとに調査したところ、65歳以上の平均余命の長さは、全国で沖縄が男女とも1位であるが、一方で介護認定を受ける障害がある人の割合は人口1000人当たりの男性は全国7位、女性は17位と比率が高くなっているということであります。このことは、長寿でありながら、必ずしも健康で豊かな生活が伴っていないことを意味するとしており、楽しく生きがいを見出せる環境づくりが必要としているわけであります。子供と同居する比率は年々低下し、隣近所とも親しくつき合っている割合も減少傾向にあるようであり、行政による高齢者の社会参加制度の充実が期待されるところであります。
厚生労働省は、昨年12月集計で特別養護老人ホームヘの入所を希望している待機者が全国で約42万人に上っているということであり、全国に約5900施設ある特別養護老人ホームを約41万人が利用しているようでありますが、入所定員と同じくらいの待機者がいることが高齢者対策、介護対策を考える上で深刻な問題であります。この入所待機者のうち、在宅待機者が全体の47.2%を占めておりますが、核家族化が進み、高齢夫婦世帯やひとり暮らしの高齢者が急速に進んでいる状況の中で、老人が老人を介護する老老介護がさらに進んでいることのあらわれではないかと考えるのであります。内閣府が発表した高齢者の生活実態に関する調査によれば、独居男性の41.2%、独居女性の32.4%が二、三日に1回以下の会話しかないと答えているわけであります。
高齢化が進展し、75歳以上の高齢者が増加する中で、この状況はこれからの高齢者対策を考える上で留意すべきと考えるのであります。
そこで伺います。
ア、本県は、介護職員等の有資格者は多いと言われるが、離職率が全国平均に比べ高いと言われています。その要因として考えられるものは何か。また、県の支援策について伺いたい。
イ、介護人材の確保のため、特別養護老人ホームなど介護保険施設内に職員向けの保育所を新設する場合、国が22年度から始める助成制度について、その概要と効果について伺いたい。
ウ、国の調査によると、全国的に特別養護老人ホームヘの入所希望待機者が多く、整備が追いつかない状況と言われるが、本県の状況はどうか。また、待機者の介護はどのように行われているのか。
エ、本県においては、高齢者虐待防止対応マニュアルや業務指針を作成している市町村は3割程度で、市町村の対応が不十分と言われておりますけれども、県の指導はどのように行われているのか。
オ、離島医師不足問題への対応について、県の確保計画を伺いたい。特に産婦人科、脳神経外科医師の確保についての対応を伺いたい。
(2)、待機児童解消についてであります。
本県は、他県とは異なる社会的背景もあり、認可保育所が大きく不足している状況にあり、その不足を認可外保育園が担っているのが現状であります。そのため、認可外保育園の認可化を進め待機児童の解消を図るための対策をいかに具体化するかが大きな課題であると思っております。
県は、沖縄特別振興対策調整費を活用して基金を創設し2008年度から3年間で県内の認可外保育園の認可化を進めておりますが、抜本的な改善には至っていないのが現状であります。その背景として、保育主体である市町村において保育ニーズの高い地域で認可化を希望する施設がないというミスマッチがあることや、後年度の運営費の負担増が懸念されることなどから、市町村において施設整備に慎重になっていることが考えられるとしております。また、本基金の施設整備費の上限額など補助要件につきましても、活用しづらい面があるものと考えているようであります。
このような本県の状況に対し、福島少子化担当相は、700万円を上限とする認可外保育園の認可化に向けた施設整備や改修費助成を上限3000万円へ引き上げ、沖縄待機児童対策作業チームの設置を表明いたしました。この措置におきましては関係者からもおおむね評価されているようであり、確実な実行を期待するものであります。
しかし、懸念もあるわけであります。本県の認可外保育園は、戦後の米軍統治下の影響で公的保育園の整備がおくれるなど、沖縄の特殊事情のもと設置され、経営基盤が弱く、小規模保育園が多くを占めていることであります。また、保育主体である市町村の財政的負担も問題であります。県におきましては、認可化に向け市町村との緊密な連携を図り、一層の取り組みを願うものであります。
そこで伺います。
ア、本県の待機児童解消に向け設置される沖縄待機童対策作業チームに県はどのようにかかわっていくのか。また、基金を活用し3000万円を上限とする施設整備や改善費などの助成について、助成期間と2011年度以降の助成はどうなるのか伺いたい。
イ、国は、5年計画で認可保育所の定員を1割増員し待機児童の解消を図る考えだが、地方の負担割合はどうなのか。国は地方との話し合いに入っているのか。
ウ、県内の学童保育の実態について、県は把握しているのか。沖縄県学童運営ガイドラインに対象年齢等は他県との違いはないか。
3、県内の農業の振興についてであります。
本県は、我が国唯一の亜熱帯地域の特性を生かした農林水産業の振興を図るため、生産基盤整備を初め農業近代化施設の導入や流通体制の整備を進めてまいりました。その間、ウリミバエ及びミカンコミバエの根絶など、沖縄県農業技術研究の進展もあり、安心・安全な農作物生産に向けた取り組みも進んでおります。現在、本県の気候的特性に合ったさとうきび、野菜、花卉、果樹、肉用牛、モズクなどを中心とする生産も多様に展開されており、国内における甘味資源や冬春期を主体とした農産物の供給基地として大きく評価されるようになっているわけであります。しかしながら、我が国の経済社会の国際化が進展するに従って安価な農作物が海外から大量に輸入され、さらに長引く不況による農産物の価格低迷など、本県農業を取り巻く環境は年々厳しさを増しているわけであります。それに加え、WTOの多角的通商交渉による農作物自由化の動きによって本県の基幹作物であるさとうきび生産に深刻な影響を与えることから、競争力の弱い本県農業にとって今後ますます厳しい状況が続くと考えているわけであります。
県においてもこのような状況に対処するため、おきなわブランドの開発、確立と安心・安全な農作物の生産拠点の形成、販路の拡大を図り、生産農家の経営安定に向けた取り組みを進めております。本県農業は、農地の狭隘性や小規模農家が多くを占め、農業従事者の減少と高齢化の進行、遊休農地の顕在化など、今なお多くの課題を抱えており、国や県による支援が必要であります。
そこで伺います。
(1)、農家の戸別所得補償が実施されるが、本県は米作農家はわずかであり恩恵は少なく制度の不平等ではないか。さとうきびが基幹作物である本県に何らかの代替措置が必要ではないか。
(2)、さとうきびの新価格制度の2010年度からの見直しについて、県内小規模農家に対する救済措置は本県の要望どおりになっているか。
(3)、政府は、次年度から土地改良事業費の大幅削減を実施するとしているが、地方の反応と本県における影響について伺いたい。
(4)、JAのアジアでの販売開拓に向けた取り組みが始まるが、本県農林水産業の振興を図る上で県産農畜産物の海外市場への販路拡大は重要である。県の支援策と今後の展開を伺いたい。
(5)、おきなわブランドの確立と生産拡大を図るには耕作放棄地の有効活用が必要であるが、他県の耕作放棄地の状況と本県との違いはあるのか。また、県の活用計画について伺いたい。
(6)、全国的に畜産物の価格低迷が続いており、本県畜産業も大きな影響を受けているようだが、現状と今後の見通しを伺いたい。
4、那覇空港滑走路の拡張整備についてであります。
日本航空の経営破綻による会社更生法の活用申請は、全国の地方空港に大きな衝撃を与え、地域経済への波及が心配されております。今、地方空港は相次ぐ航空各社の路線縮小や廃止による深刻な影響で、空港を抱える地方はその存続と生き残りをかけた取り組みが続いております。
そのような中で本県那覇空港の整備計画に対し、滑走路増設に向けた環境影響評価現況調査費が認められたことについて大いに評価するものであります。
那覇空港は、滑走路1本の空港としては国内で2番目に利用度の高い空港であり、過密化が進む中、全日空がアジア向け貨物の中継基地として那覇空港を活用する取り組みを始めており、成田、羽田、関西空港の荷物を集め、アジア5拠点、ソウル、上海、香港、台北、バンコク等へ貨物専用便で輸送するものであります。これにより、景気低迷で観光需要が落ち込んでいる中、県経済を活性化することに大きく寄与するものでありますが、そのためにも滑走路の増設は必要不可欠であります。
民主党政権のもと、公共事業が大幅に削減される状況にあって、環境影響評価現況調査費が認められ安堵しているところでありますが、今後の本格的建設に向け県の取り組みの強化を願うものであります。
そこで伺います。
(1)、滑走路増設に向けた環境影響評価現況調査費が認められたが、調査の目的と地元合意形成について。また、今後の作業スケジュールについて伺いたい。
(2)、沖縄路線の燃料税軽減措置の拡大、国際線の着陸料や施設使用料の軽減について伺いたい。
(3)、日本航空の経営破綻に伴い運航の合理化が進められるが、那覇空港の滑走路増設に影響は出ないか伺います。
5、雇用失業問題についてであります。
世界経済の悪化の影響は、欧米諸国や中国など新興国の間には回復の兆しが見えてきているようでありますが、我が国においては依然、景気の回復感が見られず、国の経済対策も決定的な効果となってあらわれていない現状にあるわけであります。
このような国内景気の悪化を反映し、新規求人数の低下など、企業が慎重姿勢を崩していないこともあり、雇用環境は昨年にも増して厳しい状況が続いております。このような状況は本県も同様であり、県内雇用状況については依然厳しい状況にあり、失業率も高どまり傾向にあります。国の経済対策や県の緊急雇用対策により情報通信関連産業等、一部企業で求人数がふえるなど効果は出ておりますが、多くの企業は景気悪化の先行き不安から雇用に慎重になっているのが現状のようであります。
県、沖縄労働局が開く合同就職説明会も、従来に比べ企業参加は大幅に減少している状況にあり、特に県外企業で生産業を中心とした企業の参加が少なく、景気後退の影響で新たな採用に慎重な企業がふえているようであります。雇用環境に影を落としているのが若者の就職問題であります。この春卒業予定の大学生や高校生の内定者は、全国最低の状況であります。また、本県はフリーターや無職の若者が全国に比べ高い比率を占めると言われ、これら若者の意識改革や就職訓練も重要となってまいります。
県におきましても、県経済団体等への求人確保を知事が先頭に要請しておりますが、経営基盤の小さい本県中小企業におきましてはなかなか厳しいようであります。しかしながら、このような本県の雇用状況にあって、県内企業にはあと1人の雇用について改めて考えてほしいものと願うものであります。
そこで伺います。
(1)、県内の雇用状況について、現状と今後の見通しはどうか。また、雇用環境の改善に向けた県のミスマッチ解消の具体的施策について伺いたい。
(2)、雇用維持対策や再就職支援対策について、本県における実施状況とその効果について伺いたい。
(3)、県内の新規大卒者の就職内定率は悪化の状況にあり、今後の持ち直しも厳しい状況のようだが、県の分析と今後の見通しについて伺いたい。
(4)、厚生労働省のジョブ・カード制度の本県における導入認定企業数の状況と、雇用の改善についてどのような効果が出ているのか。
(5)、小中学校における職業(仕事に関する)指導はどうなっているのか。
(6)、高等学校進学に伴う将来の職業に関するアンケート計画や指導は行っているのか。
6、カジノの導入についてであります。
自立型経済の構築を将来的県経済の目標とする本県において、景気の悪化や新型インフルエンザなど外的要因に左右される観光産業のさらなる底上げが課題であります。そのため、本県は、国内外から多くの観光客が見込めるカジノ・エンターテインメントの導入に向け検討作業を進めております。
そのような中、亀井金融相は、沖縄の新たな振興策としてカジノ特区設置について言及し、基地で苦労し負担を背負っており、世界じゅうから人が集まれば県民所得も上がるとし、沖縄観光の目玉として膨大な雇用と収入が期待できると発言しております。現職大臣の発言だけに本県にとって大いに期待が持てると考えるのであります。
本県におけるカジノ・エンターテインメント導入に向けた検討作業の進展状況については、昨年3月に県のカジノ・エンターテイメント検討委員会は、検討結果として、沖縄統合リゾートモデルを県に提出しております。それによれば、敷地面積約60ヘクタール、そこに5000室のホテル、1万7000人収容のイベントアリーナのほか、シアターやショッピングモール、マリン・ミュージアムなどで構成されるとしております。
カジノについては、この中で施設全体の延べ床面積の約3%程度となっているようであります。そして、経済効果の試算につきましては、生産誘発効果が約8900億円余り、雇用効果につきましては、統合リゾートにおける直接雇用が約1万3000人、雇用誘発効果が約7000人と試算しております。また、カジノ事業を県と市町村が施行者として行う場合は、合わせて約270億円の収益と試算しております。
このようにカジノが本県経済に及ぼす影響ははかり知れないと思われ、観光が産業の柱となる上でも大きな役割が期待されると考えるのであります。しかし、これはあくまで試算であることを忘れてはなりません。実際に導入する場合は、あらゆる状況、突発事故等を想定したシミュレーションが必要であると考えます。検討委員会におきましても世界的な不況で海外のカジノでも赤字や倒産が相次いでいる。沖縄には公営ギャンブルがないため、県民に不安感が強い。カジノに特化した構想ではないことや、ギャンブル依存症、治安悪化などの対策等の意見も出たようであります。県も検討委員会における検討結果を踏まえ、県民を対象とした説明会を県内各地で開くなど、県民の意見集約に向けた取り組みを進めております。
そこで伺います。
(1)、本県においてカジノ・エンターテインメントを導入するに際し、検討委員会が提示した沖縄統合リゾートモデルがそのまま県案となるのか。また、検討委員会が意見として示した懸念事項、入場規制に関する検討、県民への説明の結果等について伺いたい。
(2)、亀井金融相は、沖縄県へのカジノ導入に前向きの発言をしているが、政府とのカジノ特区設置に向けた協議・調整は進んでいるのか。
(3)、昨今の世界的経済不況が続く中、海外におけるカジノ事情について伺いたい。
(4)、検討委員会提示の案は2015年開業を目指すが、海外の状況、県民等への説明、国の対応等を勘案し、県のカジノ導入に向けた基本的な考えを伺いたい。
7、旧軍飛行場用地問題についてであります。
旧軍飛行場用地問題につきましては、事業の調査が進んでいる那覇市と宮古島市が先行する形で昨年度から予算も計上され事業が動き出しております。実施される事業が沖縄振興計画の期間中とされており、残り3年を切った中で事業の実施が急がれていることもありますが、取り残された地主会はどうなるのか、心配もあるわけであります。また、一部地主会から出ている沖縄特別振興対策調整費と別枠で予算措置をすることにつきまして、民主党政権が誕生したことで期待が高まっているようであり、旧軍飛行場用地問題解決の難しさがうかがわれます。
旧軍飛行場用地問題が戦後処理問題として沖縄振興計画に位置づけられた経緯もあり、その解決が急がれており、県や国の対応についても理解できるのでありますが、一方で当事者としての地主会への配慮も必要であり、県には限られた期間内で粘り強い話し合いが必要と考えるのであります。
そこで伺います。
(1)、旧軍飛行場用地問題に係る2010年度予算で実施予定の事業について伺いたい。
(2)、県との調整がおくれている市町村や一部地主会との合意形成は進んでいるのか。また、タイムリミットはどうなっているでしょうか。
(3)、政権がかわり一部地主会は沖縄特別振興対策調整費と別枠での予算措置を求めているが、その可能性と地主会との話し合いの状況について伺いたい。
8、新エネルギーの導入についてであります。
本県は、我が国唯一の亜熱帯性気候である有利性からさまざまな新エネルギー利用の可能性があることがわかっており、その中でも太陽光発電、風力発電につきましては、その利用に向けた取り組みが進んでいるようであります。一方、本県は島嶼県で多く離島を抱え、利用範囲が極めて小規模であり、新エネルギーのコストダウンの問題が大きな課題でもあります。今後は、経済性や安定性面の解決と事業者、市町村、エネルギー供給者等との新エネルギー導入に向けての協力体制の確立が重要であり、何より県民の理解が必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、地球温暖化など地球規模での環境問題に対応するため、本県における新エネルギー導入の基本指針とこれまでの達成状況について伺いたい。
(2)、本県におけるエネルギー自給率と全国平均との比較、また、新エネルギーが本県において今後安定的な事業実施につながる可能性はあるのか。
(3)、県がまとめたエネルギービジョンの概要と目標達成に向けた具体的取り組みについて伺いたい。
9、地域主権の推進についてであります。
民主党が掲げた「霞が関を解体・再編し、地域主権を確立する」との政権公約に基づき、昨年12月、地域主権戦略会議の初会合において、地域主権改革の輪郭といえる地域主権戦略工程表が示され、
ようやく鳩山政権の地域主権改革が動き出しました。地方への権限移譲につきましては、前政権下で1993年6月、衆参両院が地方分権の推進を決議し、95年5月、地方分権推進法が成立、さらに98年5月、政府が地方分権推進計画を決定、99年7月、地方分権一括法が成立したことにより、国・地方における地方分権の論議が高まりを見せてまいりました。
鳩山政権成立後も活動を続けていた地方分権改革推進委員会は、昨年10月には第3次勧告を行い、国が法律で自治体の仕事を縛る義務づけについて、保育所の床面積の義務基準など892項目の廃止を含む見直しを求めております。そして11月には、地方自治体の主要財源である地方交付税の原資を拡充するため、国税から繰り入れる割合、法定率を引き上げることやガソリン税などの暫定税率を廃止する場合は、地方税の減収補てん策を講ずることなどを求める第4次勧告を行っております。
12月、鳩山政権は、「一丁目一番地の改革」と位置づける地域主権戦略会議を立ち上げたことで、鳩山首相が常々口にする地域主権改革が実質的にスタートし、前政権時の地方分権改革推進本部は廃止され、地方分権改革推進委員会は活動を終えたのであります。今後は、国が法律で自治体の仕事を縛る義務づけの緩和や廃止等について、いかに省庁の抵抗を抑え実現させるか、地方が自由に使える一括交付金の実施や政府出先機関の改革などについてどのような議論が展開されるかが注目されます。その場合でも本県は他県と異なった地理的・歴史的経緯があり、この本県の特殊事情等をいかに理解してもらえるかが重要となってまいります。全国一律の基準をそのまま本県に適用されては不平等になると私どもは考えるのであります。
そこで伺います。
(1)、前政権が地方分権推進委員会のもとで進めた地方分権改革と、現政権が進める地域主権改革との違いは何か。地域主権改革でより地方への権限移譲が図られるのか伺いたい。
(2)、総務省は地域主権戦略工程表を示したが、その内容と地方との協議は進んでいるのか伺いたい。また、義務づけの見直しについて、地方分権推進委員会が勧告した地方が要望する104条項で各省庁が緩和や廃止を決定した項目について伺いたい。
(3)、補助金の一括化、政府出先機関改革などについて、本県の特殊事情等から全国一律の基準では不平等になると考えるが、県の見解を伺いたい。
以上であります。
○議長(髙嶺善伸) ただいまの島袋大君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
20分間休憩いたします。
午後3時9分休憩
午後3時32分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
休憩前の島袋大君の質問に対する答弁を願います。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 島袋議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、教育・文化の振興についてという御質問の中で、30人学級の取り組みに係る御質問にお答えいたします。
30人学級につきましては、現在、小学校1年生、2年生で実施されております。当面、小学校低学年で実施することといたしており、今後につきましては、教育委員会の研究をまちたいと思っているところでございます。
次に、同じく教育・文化の振興に係る御質問の中で、文化振興計画の基本方向に係る御質問にお答えいたします。
文化振興計画は、第1に、沖縄文化の源を確認できる環境づくり、第2に、芸術を体感できる機会と環境づくり、第3に、多様な創造活動をはぐくむ環境づくり、第4に、文化の興隆を支える仕組みづくりの4つの基本方向から構成されております。
沖縄振興の重要な部分を占める文化振興につきましては、平和で安らぎと活力のある文化の薫り高い県づくりを目指して、引き続き各種施策・事業を実施してまいりたいと考えております。
次に、福祉関係に係る御質問の中で、特別養護老人ホーム待機者への対応とその介護の状況についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
特別養護老人ホームの入所申込者数は、平成20年11月末時点で3409人、そのうち、施設入所の必要性の高い高齢者は1056人となっております。
待機者解消のための施設サービスとしまして、平成23年度までに特別養護老人ホームを330床、認知症高齢者グループホームを315床、居住系サービスの特定施設を405床、合計で1050床整備することといたしております。
なお、待機者の介護につきましては、通所介護、短期入所、小規模多機能型居宅介護等の居宅サービスを利用していると考えております。
同じく福祉関係に係る御質問の中で、沖縄待機児童対策作業チームでの県のかかわり及び待機児童対策特別事業基金に係る御質問にお答えいたします。
国におきましては、沖縄県の待機児童の解消に向けての現状分析や課題の整理、対策等を検討する「沖縄待機児童対策スタディグループ」を2月17日に発足させており、沖縄県から福祉保健部長がメンバーの一員となっております。
基金につきましては、認可化支援事業の助成額を現行の700万円から3000万円に引き上げることや、平成20年度限りとされていました認可外保育施設への支援事業につきまして、平成23年度まで実施期間を延長することとなっております。
県といたしましては、「沖縄待機児童対策スタディグループ」の中で、待機児童の解消が図られるよう協議してまいりたいと考えております。
次に、県内農業の振興に係る御質問の中で、さとうきび経営安定対策の対象者要件見直しについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
さとうきび経営安定対策につきましては、小規模農家を支援対象とする特例が平成21年産までとなっております。そのため、沖縄県としましては関係機関と連携をし、農家が安心して生産に取り組めるよう、対象要件の緩和、そして見直しについて、国に対し、平成21年7月と11月に要請をしたところでございます。この結果、平成22年産から基幹作業に中耕培土と防除が追加されるとともに、個人防除も認められるなど緩和・見直しがなされております。
沖縄県としましては、緩和・見直しを受けて、すべての農家が対象となるよう、JA、市町村等と連携をし、取り組んでいるところでございます。
次に、同じく県内農業に係る御質問の中で、県産農畜産物の海外市場への販路拡大に対する支援策と今後の展開についてという御質問にお答えいたします。
沖縄県では、平成21年度から県産品の海外販路拡大と海外向け航空貨物輸送を促進することを目的に、「輸出航空貨物スペース確保実証実験事業」を実施いたしております。
JAにおいては、同事業を活用して、青果物や黒糖及びシークヮーサー果汁等の加工品の海外への販売活動を展開する予定でございます。
また、平成22年度から畜産物の販路拡大を図るため、関係団体と連携をして「県産食肉海外販路拡大事業」により、海外市場の開拓及び市場調査を行う予定であります。
今後とも、JAなどの関係団体と連携をして、海外市場への県産農林水産物の販路拡大に努めてまいる所存でございます。
次に、カジノ導入に係る御質問の中で、カジノ特区の協議・調整についてどうなっているかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
亀井大臣の提言につきましては、現在、カジノ・エンターテインメントを沖縄の経済や観光の課題を解決する有効な手段として検討している沖縄県にとって、歓迎すべき提言であると受けとめております。
私は、亀井大臣に対し、沖縄県としてカジノ導入の調査研究を実施するなど導入に積極的な考えを持っており、カジノ・エンターテインメントはビジネスとしての可能性があると思っているということをお話しし、同様なことを大島沖縄担当副大臣にもお伝えしたところであります。
現在のところ、具体的な進展はありませんが、今後とも引き続き、関係法令の整備など国等関係機関へ働きかけを行っていきたいと考えているところでございます。
同じくカジノ導入に係る御質問の中で、沖縄県のカジノ導入に向けた基本的考え方についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県では、平成19年度から3年間、カジノ・エンターテインメントについて、導入によるメリット・デメリットを含め、さまざまな観点から検討してまいりました。この結果、先進国に見られるような公的機関による厳格な管理体制を構築し十分な対策を講じれば、懸念事項と想定されている事項につきましては、抑制が可能であると認識いたしております。また、沖縄県としましては、カジノ・エンターテインメントを導入することにより、観光・リゾート産業のさらなる飛躍を通して、県内雇用の場の創出や、新たな財源確保などの観点から、極めて大きな効果が期待できるものと考えております。
このようなことから、沖縄県は今後カジノ・エンターテインメントについて、県民の理解を得ながら、積極的に推進していきたいと考えているところでございます。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○教育長(金武正八郎) それでは教育・文化の振興についての御質問で、教員養成6年制についてお答えいたします。
文部科学省は、平成22年度より教員免許制度の抜本的改革に必要な調査検討を開始することとしております。
現段階では、教員養成6年制の効果と課題については、国の制度設計が具体的でないため言及できない状況であり、文部科学省の動向を見守りたいと考えております。
次に、希望降任の状況等についてお答えいたします。
全国における校長、教頭、主幹教諭等の希望降任者については年々増加し、平成20年度は179人となっております。主な理由は「健康上の問題」、「職務上の問題」、「家庭の事情」が挙げられています。
本県においても、個人の事情にも配慮しながら、人材の適切な活用や組織の活力の維持を図ることを目的に、平成17年度に制度化し、平成19年度1名、平成20年度2名が希望で降任しております。
次に、就学援助の増加要因等についてお答えいたします。
就学援助は、経済的理由により就学が困難な小中学校の児童生徒を対象として、市町村においてそれぞれの実情に応じて実施されております。
援助を受けている児童生徒の増加要因としましては、企業の倒産やリストラ等、昨今の厳しい経済状況等が反映されていると考えております。
沖縄県における就学援助を受けている児童生徒の割合は、人口の多い市において高い状況にあります。
次に、新指導カルテの内容と必要性についてお答えいたします。
「生徒理解・支援記録簿」(仮称)は、学校の教育活動において生徒理解を深め、きめ細かな支援を継続的、効果的に行い、支援の経過等を記録することにより、生徒の健やかな成長に資するものであります。
同記録簿の作成に当たっては、利用目的を明確にし、本人及び保護者の同意を得ることとしております。
また、作成の対象につきましては、校長の判断により必要な範囲にとどめ、情報の外部提供につきましても本人に同意を求めることとしております。開示や削除、訂正の請求があった場合は、法令に基づき適切に対応することとしております。
今後、沖縄県個人情報保護条例に基づき、同記録簿を登録することとしております。
次に、美咲特別支援学校幼稚部についてお答えいたします。
今回の件に関しましては、同校幼稚部を志願する保護者に対し、教育相談の一環として、特別支援教育の理念や障害のある幼児の就園に関する進路情報の提供等を説明する中で、保護者にその真意が伝わらず、不安や誤解を与え、志願を断念する事態に至ったことは遺憾に思っております。
県教育委員会としましては、改めて願書の受け付けをいたします。その上で特別支援学校として支援が必要な幼児が8名を超えた場合には学級を増設して対応してまいります。
次に、「美ら島沖縄総体2010」の準備状況と予算についてお答えをいたします。
「美ら島沖縄総体2010」に向けては、県実行委員会、市町村実行委員会が連携して取り組んでおり、競技会場の施設整備や県外役員・選手の受け入れ体制等、順調に準備を進めております。
昨年末には、市町村との競技運営費の予算の調整も終え、大会運営費の必要額を新年度予算に計上しているところであります。7月には総合開会式のリハーサルも実施する予定にしており、大会の成功に向けて万全を期してまいりたいと考えております。
次に、高等学校編成整備の進捗状況についてお答えいたします。
高等学校の編成整備については、平成14年3月に策定した計画に基づき、中高一貫教育校を初め、総合学科や情報中心校、総合実業高等学校の設置等を実施してまいりました。
今後の計画としましては、平成22年度に沖縄工業高校と那覇工業高校の定時制課程の再編統合、平成23年度に宜野湾高校への通信制課程の設置、平成24年度には南部農林高校と南部工業高校の再編統合などがあります。
次に、PTA、地域へのコンセンサスについてお答えいたします。
編成整備の実施に当たっては、これまで学校関係者、PTAを初め、地域への説明会や意見交換会等により理解を図りながら進めてきたところであり、今後とも関係機関・団体等とのコンセンサスを得ながら実施してまいりたいと考えております。
次に、幼稚園、小学校における発達障害児支援についてお答えいたします。
障害のある幼児・児童生徒一人一人の支援につきましては、教育的ニーズに応じた教育を実施するため、全学校において校内委員会の設置と特別支援教育コーディネーターを指名しているところであります。
各学校においては、子供一人一人のニーズに対応した個別の教育支援計画を作成し、きめ細かな支援に努めております。また、特別支援教育支援員を配置し、学校生活における日常生活の介助及び学習支援や安全確保等を行っております。
次に、教職員の理解と指導についてお答えいたします。
各学校においては、校内支援体制の整備を推進し、発達障害に関する認識を深める目的から、全管理職や教諭等を対象とした理解推進研修の実施と特別支援教育コーディネーターや特別支援教育スーパーバイザー等を対象とした人材育成研修を実施しております。
さらに、学校を支援するため、医者や大学教授等から成る専門家チームや特別支援学校のコーディネーターを巡回アドバイザーとして学校に派遣し、小中高等学校の教諭等への指導助言を行い、教員の専門性の向上を図っております。
小中学校における職業指導についてお答えいたします。
県内の公立小中学校では、「沖縄県キャリア教育推進プラン」を踏まえ、小学校においては、職場見学等を通して児童に将来の夢をはぐくむ指導を実施しており、中学校においては、職場体験等を通して将来の生き方と進路の適切な選択に関する指導を行っております。
次に、進路指導についてお答えいたします。
県内の公立中学校では、高校への体験入学、将来の生き方と進路の適切な選択に資するための進路意識調査、明確な進路意識を持たせるための高校説明会などが実施されております。
また、各中学校においては、「進路指導に関する実態調査」を実施し、生徒一人一人の進路指導状況を総合的に把握するとともに、進路指導の改善・充実に努めております。
以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 教育・文化の振興についての御質問で、県立芸術大学の位置づけ、役割についてお答えいたします。
県立芸術大学は、沖縄県が有する個性的な芸術文化を継承・発展させるため、理論的・技術的研究と教育を通して多くの芸術家や伝統芸術の後継者を育成しており、これらが本県の文化振興に対して果たしてきた役割は極めて重要なものであります。
今後とも、芸大の人的・物的資源の活用を通してその成果を積極的に地域に還元するなど、本県の芸術文化の振興により大きく貢献していく役割を担うものと考えております。
次に、県立芸術大学施設の計画についてお答えいたします。
美術工芸学部のデザイン彫刻棟、染織棟、陶芸棟は、築40年以上が経過し老朽化が著しいため、旧農業試験場跡地へ移転整備することが決定しており、平成23年度後期の供用開始に向け事業を進めているところであります。また、将来的なキャンパス構想については、芸大のあり方と一体的に議論を検討していきたいと考えております。
次に、伝統文化の集積、情報発信拠点の形成についてお答えいたします。
沖縄県は、古くから中国、東南アジア諸国等との交易を通して多くの文化を吸収し、独自の文化をつくり出してきました。
こうした独自性のある沖縄の歴史・文化を基礎に、県民の多様な文化活動を促進し、世界に誇れる文化の薫りにあふれた沖縄の実現を目指し、文化行政の推進を図ってきました。
この間、沖縄の自然、歴史・文化、美術等の発信拠点として県立博物館・美術館が開館するなど、文化芸術の鑑賞の場及び歴史と伝統文化を発信する文化施設の整備充実が図られております。
今後も情報発信拠点として県立博物館・美術館や国立劇場おきなわなどを積極的に活用してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 福祉関係についての御質問の中の、介護職員の離職要因と支援策についてお答えします。
沖縄県が平成21年10月に実施した介護職員賃金実態調査において、離職者を減らすために有効な対策を事業者に尋ねたところ、最も高かったのが「賃金の引き上げ」40%、次いで「介護職への社会的評価の向上」25%であることから、離職要因として「賃金が低いこと」、「社会的評価が低いこと」等があると考えております。
そのため、県では、平成21年10月からスタートした介護職員処遇改善交付金事業を活用して介護職員の処遇改善に努めるとともに、「介護の日」を記念して講演会等の行事を開催し、介護職の重要性、やりがい等を広く県民にアピールしているところであります。
次に、介護関連施設における施設内保育施設整備事業についてお答えします。
当該事業は、施設の職員が利用できる施設内保育施設を整備し、職員が仕事と子育てを両立できる環境を整備するものであります。
事業実施によって、優秀な人材の確保やその定着、また、介護サービスの提供体制や質の安定、運営の安定性にも寄与するものと考えております。
なお、当該事業につきましては詳細が示されていないため、今後、状況把握に努めたいと考えております。
続きまして、市町村独自の高齢者虐待防止対応マニュアル等の作成に係る県の対応についてお答えします。
県では、平成18年度に高齢者虐待防止法が施行されて以来、同法の適切かつ円滑な運営を確保するため、市町村高齢者福祉主管課長会議や、高齢者虐待担当者研修等を通して、市町村の体制整備を支援してきたところであります。
その一環として、高齢者虐待防止対応マニュアルの情報提供を行い、市町村独自のマニュアル等の作成を促進するとともに、毎年、その作成状況を調査し、未作成の市町村に作成を働きかけているところであります。
次に、離島の医師確保についてお答えします。
県におきましては、平成21年度に沖縄県地域医療再生計画を策定するとともに、沖縄県地域医療再生臨時特例基金を設置し、平成22年度から医師、看護師の育成確保策を強化していくこととしております。
産婦人科医及び脳神経外科医の確保につきましては、後期臨床研修事業の中で養成を図っており、離島等への研修医派遣事業を実施するほか、医師修学資金貸与事業において産婦人科等を専攻する医師等に対し、修学資金を継続して貸与することとしております。
また、「離島・へき地ドクターバンク等支援事業」を実施し、県内外から医師の確保を図っております。
次に、国の5年計画での待機児童の解消における地方負担割合等についてお答えします。
国においては、平成22年1月29日付で、社会全体で子育てを支えるなどを基本的考え方とした「子ども・子育てビジョン」を閣議決定しております。
現時点においては、国から待機児童の解消における地方負担割合などについては示されておりませんので、今後、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、県内の学童保育の実態及び対象年齢についてお答えします。
県では、平成19年9月に「沖縄県放課後児童クラブガイドライン」を定め、市町村を通して周知を図ってきたところですが、ガイドラインに沿った運営が十分になされていない状況にあります。そのため、放課後児童クラブの支援等を目的とし平成22年1月から実施している「沖縄県学童保育支援事業」により詳細な実態把握及びガイドラインの周知を図り、放課後児童クラブの質の向上を図ることとしております。
なお、対象児童は児童福祉法第6条の2第2項の規定により、小学校1年から6年生までとされており、全国的に同一となっております。
以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 県内農業の振興についての中で、米の戸別所得補償にかわるさとうきびの代替措置についてお答えいたします。
国は、米の戸別所得補償について、平成22年度にモデル的に実施し、平成23年度から本格実施することとしております。また、その他の作物については、米の実施状況を踏まえて、今後、検討することとしております。
県としては、さとうきびについて、今後の国の方針を注視しながら、関係機関と連携して対応してまいります。
次に、土地改良事業費の削減に対する本県への影響と地方の反応についてお答えします。
国の平成22年度予算の概算決定において、土地改良事業関係予算は、対前年比が全国で37%、沖縄で39%と非常に厳しい状況となっております。そのため、県においては、国が新たに創設した農山漁村地域整備交付金等を活用し、国費ベースで対前年比75%を確保したところでございます。
このような中、関係市町村は、継続地区の予算の確保や新規地区の採択について懸念をしております。
県といたしましては、円滑な事業執行を図るため、平成22年度完了地区と新規採択地区への予算確保を優先的に行うこととしております。
また、継続地区につきましては、事業の進捗に支障がないよう、引き続き関係機関と連携を図りつつ、予算の確保を国に要請してまいります。
次に、耕作放棄地の他県との違いと本県の活用計画についてお答えいたします。
耕作放棄地につきましては、他県と同様に農業従事者の高齢化や担い手不足、不在村地主の増加に加え、「土地は祖先から引き継がれてきたもの」という意識が強く、貸したり売ったりするのに消極的なことなどが考えられます。
県といたしましては、農地の流動化を促進するため、27市町村に地域耕作放棄地対策協議会を設置し、農地の利用調整や雑木等の除去、土壌改良、ハウス等の整備など耕作放棄地の再生利用に取り組んでおります。例えば、大宜味村におけるソバの作付、西原町におけるシマナーでの特産品開発、また、うるま市津堅島においては、農業生産法人による従業員の採用など雇用確保の取り組みが行われております。
平成21年度までの再生利用計画面積は、平成22年2月15日現在105ヘクタールとなっており、平成23年度を目途に350ヘクタール程度の耕作放棄地の再生利用を進めてまいります。
次に、畜産物価格の現状と今後の見通しについてお答えします。
畜産物価格については、世界的な景気低迷に伴い消費者の購買意欲が落ち込んだことなどにより、全国的に低落傾向で推移しております。
平成21年における県内畜産物の価格を見ると、肉用子牛が1頭当たり約30万4000円で、前年比約5万4000円の減となっております。豚肉は、1キログラム当たり約414円で、前年比約49円の減となっております。鶏卵は、1キログラム当たり約179円で、前年比約31円の減となっております。このことから、畜産経営は厳しい状況となっております。
畜産物価格は、今後とも景気低迷が続くものと予測されていることから、低落傾向で推移するものと思われます。
このため、県といたしましては、畜産農家の経営安定を図るため、牛、豚及び鶏については、取引価格が保証基準価格を下回った場合の補てん金の交付、繁殖雌牛の更新を促進するため、優良雌牛の導入に要する経費の一部補助、養豚農家に対する簡易育成施設や衛生資材の購入に要する経費の一部補助などの支援を行っているところでございます。
また、消費販売対策としては、県産食肉等消費促進事業等により、「いい肉の日」を初めとする消費拡大イベント等の支援を行っているところでございます。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 那覇空港滑走路の拡張整備についての御質問の中で、環境影響評価現況調査の目的と地元合意形成及び今後のスケジュールについてお答えいたします。
国は、新年度において、那覇空港の滑走路増設に係る環境影響評価のための現地調査等を予定しており、その手続は環境影響評価法に基づき、県民等の意見を踏まえながら進められることとなっております。
今後の作業スケジュールについては、調査等に3年、工事に7年のおおむね10年かかると想定されておりますが、県としては一日も早い供用開始を目指し、引き続き国と連携して同事業を推進するとともに、必要な予算の確保及び工期の短縮等を国に要請してまいりたいと考えております。
同じく那覇空港滑走路に関する御質問の中で、航空機燃料税等公租公課の軽減についてお答えいたします。
那覇空港に係る国内線貨物便の航空機燃料税の軽減については、昨年末に閣議決定された平成22年度税制改正大綱に盛り込まれたことから、本年4月からの実施に向けて、租税特別措置法及び沖縄振興特別措置法の改正案が今国会に上程されたところであります。
また、国土交通大臣による告示で定められる国際線の着陸料及び航行援助施設利用料の軽減についても、これとあわせて実現されるよう期待しているところでございます。
同じく那覇空港滑走路に関する御質問の中で、日本航空の運航合理化による那覇空港滑走路増設への影響についてお答えします。
日本航空の運航合理化により、全国的には路線の再編がなされると思いますが、沖縄関係路線については、日本航空グループにおいて重要な拠点であること、また、沖縄県は、観光産業の振興・発展のため国際路線等の開設に積極的に取り組んでいることから、路線便数が減少する懸念は小さいものと考えております。
したがって、将来需要への対応や代替機能として整備される那覇空港の滑走路増設への影響はないと考えております。
次に、地域主権の推進についての御質問の中で、「地方分権」改革と「地域主権」改革の違いと、地域主権改革での地方への権限移譲についてお答えします。
地域の自主性及び主体性を高め、活力に満ちた地域社会の実現を図り、地方へ権限の移譲を推進していく取り組みは、時代の潮流であると認識しております。
このような観点から、「地方分権」と「地域主権」のあり方には特段の違いはないものと考えております。
新政権においては、地域主権戦略会議を設置し、義務づけ・枠づけの見直し等について「地方分権改革推進計画」を策定する等引き続き推進しているところであり、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。
同じく地域主権に関する御質問の中で、地域主権戦略工程表の内容、地方との協議の進捗及び地方分権推進委員会の勧告における地方要望104条項のうち、各省庁が決定した項目についてお答えします。
地域主権戦略会議で示された地域主権戦略の工程表の主な内容につきましては、地方に対する義務づけ・枠づけを地方分権改革推進計画に沿って見直しすること、道路等の維持管理費に係る直轄事業負担金制度の廃止、国と地方の協議の場の法制化、ひもつき補助金の一括交付金化等というふうなことになっております。
また、国と地方の協議の場については、昨年11月に国と地方の協議が開催され、国・地方双方の代表から成る「国と地方の協議の場実務検討グループ」が設置されました。
地方分権改革推進計画で示された義務づけ・枠づけの見直しについては、地方要望分104条項のうち、勧告どおりの見直しは、公営住宅の入居者資格基準の条例委任等36条項、一部実施が農業振興地域に関する方針・計画の大臣・知事協議の廃止等34条項、検討中が学級編成基準の市町村への条例委任等25条項、実施困難が都市計画決定の農林水産大臣協議の廃止等で9条項となっています。
同じく地域主権に関する御質問の中で、補助金の一括化、政府出先機関の改革に全国一律では不平等との考え方への県の見解についてお答えいたします。
一括交付金化や国の出先機関改革に際しては、沖縄の特殊事情に配慮するとともに、国の責務は、地域主権にかかわりなく果たされるべきものと考えております。このため、現在の振興計画の残りの期間との整合性や、総点検を踏まえた沖縄の振興のあり方等、整理すべき課題等も踏まえ対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 雇用失業問題についての中の、雇用の現状と見通し及びミスマッチ解消の具体的施策についての御質問にお答えします。
平成21年の完全失業率は、全国が前年の4.0%から5.1%と1.1ポイント悪化したのに対し、沖縄県は前年の7.4%から7.5%とほぼ横ばいに推移しております。また、平成21年の就業者数を見ると、全国が前年から103万人減少している中で、本県は前年から1万7000人増加し、61万7000人となっております。しかし、有効求人倍率は平成21年12月現在で0.28倍と依然として低水準で推移しており、本県の雇用情勢は全国と同様に当面厳しい状況が続くものと思われます。
雇用のミスマッチ対策としては、業界の理解促進とマッチングの促進を図るため、求人倍率の高い情報通信関連産業などのフォーラムや企業合同説明会を開催しております。
また、求められる技術と技能の不一致を解消するため、公共職業訓練施設などにおける職業訓練に取り組んでいるところであります。
さらに、若年者の職業観の形成から就職までの一貫した総合的な支援を行うため、沖縄県キャリアセンターにおいて就職支援セミナーやインターンシップなど各種施策に取り組んでおります。
同じく雇用失業問題について、雇用維持対策や再就職支援対策の実施状況と効果についての御質問にお答えします。
雇用維持対策としては、国において雇用調整助成金制度等により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主等が、その雇用する労働者を一時的に休業・出向させた場合に賃金等の一部を助成しております。
本県における利用状況は、沖縄労働局によると、平成22年1月末現在で511件の休業等実施計画届が受理されており、うち395件について支給申請が行われたとのことであります。また、再就職支援対策については、「緊急雇用創出事業臨時特例基金」及び「雇用再生特別事業基金」を活用し、平成22年1月末現在で県、市町村合わせて2541人の雇用を創出しております。
そのほか、雇いどめなどによる失業者を対象に職場訓練を行う緊急ジョブトレーニング事業、民間職業訓練機関で離職者の職業訓練を行う緊急委託訓練事業、求職者と求人のマッチングを促進する総合雇用対策事業などに取り組んでいるところであります。
同じく雇用失業問題について、新規大卒者の就職内定率の状況分析と今後の見通しについての御質問にお答えします。
沖縄労働局によると、平成22年3月卒業予定の県内大学生の就職内定率は、1月末現在で31.0%となっており、前年同月に比べ7.7ポイントの低下となっております。各大学からの聞き取りによると、学生向けの求人数は例年に比べ大幅に減少しているとのことであり、全国的にも同様な傾向が見られ、新規大卒者の就職は厳しい状況が続くものと考えております。
県としましては、新年度事業において、未就職のまま高校、大学等を卒業した者を対象とした合同就職面接会の開催や就業体験事業を実施するなど、引き続き沖縄労働局、教育庁等と連携し未就職卒業者の雇用に向けて取り組むこととしております。
同じく雇用問題について、ジョブ・カード制度の認定企業数と効果についての御質問にお答えします。
ジョブ・カード制度はフリーターなど正社員経験の少ない求職者が、職歴や学歴を記入した「ジョブ・カード」を活用し、キャリア相談や職業訓練を受け、正社員への就職活動に役立てるもので、平成20年度から厚生労働省の事業として始まりました。
県内においては、那覇商工会議所が同制度の円滑な推進を図るため国から総括的な業務を受託し、「沖縄県地域ジョブ・カードセンター」を設置しております。同センターによりますと、平成22年1月末現在、県内のジョブ・カード制度における協力企業数は75社、認定企業数は10社となっております。また、訓練修了者は13名で、そのうち企業への正規採用が6名、臨時採用が2名となっております。
沖縄県としましては、同制度は若年者の雇用改善につながるものと考えていることから、今後とも関係団体と連携し、制度の周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、カジノ導入についての中で、「沖縄統合リゾートモデル」、懸念事項及び入場規制に関する検討、県民への説明の結果についての御質問にお答えします。
「沖縄統合リゾートモデル」は、県民がカジノ・エンターテインメントについてのイメージを構築しやすいように沖縄県が導入モデルの一つとして提示したものであり、そのまま県案となるものではありません。
沖縄県としては、沖縄にカジノ・エンターテインメントを導入するに当たっては、懸念事項に対して事前・事後の十分な対策が必要であると考えております。また、沖縄県としては、カジノは、観光客の多様なニーズに対応する娯楽の一つとして提供することを第一の目的と考えており、県民の入場については何らかの規制が必要であると考えております。本年度県内各地で実施した地域報告会においては、沖縄の観光振興策として積極的に推進すべきとの意見や、導入に慎重な意見などがありました。
同じくカジノ導入について、海外のカジノ事情についての御質問にお答えします。
マスコミ報道等によると、一昨年来の世界的な経済不況の中、米国ラスベガスを初め多くのカジノ主要地域では、大きな顧客及び売り上げの減少があるとされております。
一方、マカオは、その主なマーケットである中国が世界的な不況の影響が小さかったことなどもあり、全体的に売り上げを伸ばしております。ちなみに、マカオの本年1月のカジノ収入は、前年同月比65%増、日本円で約1568億円を上げ、月間最高記録を更新したとのことであります。
次に、新エネルギーの導入についての御質問の中で、新エネルギーの導入目標と達成状況についての御質問にお答えします。
県では、平成12年度に「沖縄県新エネルギービジョン」を策定し、県内における太陽光発電を初めとする新エネルギーの導入促進を図っているところです。平成23年度までの導入目標を、太陽光発電では5万3000キロワット、風力発電では8万キロワットと設定しております。平成21年11月末での達成状況では、太陽光発電では2万188キロワットが導入され、達成率は約38%となっており、風力発電では1万9507キロワットが導入され、達成率は約24%となっております。
現在、県では、2030年を最終目標年とする新たな「沖縄県エネルギービジョン」を策定中であり、今後とも新エネルギーの導入促進に積極的に取り組んでまいります。
同じく新エネルギーの導入についての、本県のエネルギー自給率及び新エネルギーが安定的事業実施につながる可能性等についての御質問にお答えします。
エネルギーの自給率は、2007年現在、全国で4%、本県は0.2%であり、低い状況にあります。本県のエネルギービジョン案では、エネルギー自給率の2030年目標を全国並みの4%としており、今後、新エネルギーなどの導入促進に努めてまいりたいと考えております。
同じく新エネルギーの導入についての、エネルギービジョンの概要と具体的取り組みについての御質問にお答えします。
「沖縄県エネルギービジョン」は、本県における新エネルギーの導入やエネルギー需給の効率化等について、県を初め市町村、事業者、県民等のあらゆる主体が一体となって積極的に展開を図るための基本的な指針であります。
「沖縄県エネルギービジョン」の目的は、次世代型のエネルギー技術を積極的に導入し、石油依存度低減、エネルギー供給源の多様化、エネルギー自給率の向上を図るほか、国内外へのエネルギー環境に対する貢献や温室効果ガス排出量の削減に寄与することであります。
目的達成に向けては、太陽光発電設置支援、マイクログリッドの促進、電気自動車の普及促進、離島型自然エネルギーの導入促進、バイオ燃料の普及促進等に取り組むほか、新たな事業の展開に努めてまいります。
以上でございます。
○知事公室長(上原良幸) 旧軍飛行場用地問題に係る2010年度事業についての御質問にお答えいたします。
平成22年度実施予定の事業は、平成21年度からの継続事業として、那覇市の鏡水コミュニティセンター整備事業と宮古島市の宮古島特定地域コミュニティ再構築活性化事業を実施いたします。
また、平成22年度からの新規事業として、読谷村の農業を中心とした地域振興を図るため、ビニールハウス等の農業関係施設を整備する読谷村産業連携地域活性化事業と伊江村の住民と島外に分散した旧地主とのつながりを維持し、地域コミュニティーの活性化を図るための「カーフェリーいえしま」の代替船を建造する「伊江島フェリー建造事業」を予定しております。
同じく旧軍飛行場用地問題で、事業未実施の市町村、地主会との調整状況及びそのタイムリミットについてお答えいたします。
県では、旧軍飛行場用地問題の解決に向け、県・市町村連絡調整会議において確認した取り組み方針及び解決指針に基づき、各地主会及び関係市町村との調整を重ねながら沖縄振興計画期間内での事業実施に取り組んでいるところであります。
これまで県・市町村連絡調整会議幹事会の開催や各市町村との個別の事業調整、地主会への呼びかけなど事業化に向けた取り組みを行ってまいりましたが、個人補償や別枠予算等を求める地主会からの合意を得るまでには至っておりません。
このため、県では、先月28日に県と各市町村の担当課長による県・市町村連絡調整会議幹事会を開催し、ことし3月末をめどに、引き続き地主会、市町村との事業化に向けた検討を進めていくことを確認しております。
今後とも個人補償などを求める地主会に対しては、関係市町村と連携をとり、特別調整費を活用した特定地域特別振興事業での事業実施が行えるよう呼びかけていきたいと考えております。
同じく旧軍飛行場用地問題に関連しまして、特別調整費とは別枠予算の可能性と地主会との話し合いの状況についてお答えいたします。
県では、これまで事業の財源についてもいろいろな可能性について国と調整を行ってきたところであります。国は、嘉手納裁判の結果等から、旧軍問題は法的には解決していると考えており、補償的観点からの事業は到底認められないことや、別枠での事業実施は極めて困難であるとしております。
別枠での予算を求めている一部地主会からは、現時点で事業化の同意は得られておりませんが、県としましては、特定地域特別振興事業での事業化について理解を求め、地域の活性化や一体化につながるような事業案を提出してもらいたいと考えております。
以上であります。
○島袋 大 再質問を行います。
教育、福祉を全般に今回、私、代表質問をしておりますから、その面でちょっと確認したいと思っております。
1番目の教員免許制を見直して、新たに教員養成6年制を検討していくということでありますけれども、これは国の内容を見ていくということで、教育長今おっしゃっておりました。私は、この教員免許更新制が廃止されて教員養成が6年制になるということは、これからの教育行政は大変になってくるんじゃないかなというふうに懸念をしているんですよ。
この民主党の輿石議員は、ことし1月の新年会で、日教組の中で、教育は中立はないと、政治から教育を変えていくと発言したと。教育の政治的中立を定めた法令を無視した発言だと私は思っているんですよ。教育というのは、政治が介入しちゃいけないんですよ。確実に教育は中立なんですから。ですから、この制度というのは、教員が何十年かいた中で悩んでいる方を学校に一度行かせて、大学に行かせて、3年間勉強させてまた戻すというのが自民党が掲げてきた政策なんですよね。この新しい6年制というのは、大学を4年間通って2年間また学ぶと。民主党は、子ども手当で金をばらまきますけれども、大学の教育というのは莫大な金額がかかるんですよ。これは6年間かけてどれだけの予算がかかるかなんですよね。だから、そういうことを考えたら、質のいい非常にすばらしい教員がこれからもっと生まれてくるかというのが、私は大きな問題だと思っているんですよ。
だから、そういうことを考えますと、先ほどの発達障害児支援事業についてでもありますけれども、小学校の先生は、幼稚園も含めて、私は前回の一般質問でも教育委員会は学校を視察していましたかと聞いていますけれども、本当に県内の幼稚園、小学校というのは、発達障害児の皆さんのお母さん、父兄、相当悩んでいるんですよ。学級崩壊も目前としてある、教員は指導できないんですよ、9割近くも。
私は、この間、この教員養成の授業を受けてまいりました。久々にドリルを使って漢字の書き順とかやってきましたけれども、この発達障害児の子供たちは、自分の思った答えが間違っていても、先生に注意されても指導を受けても、絶対頑として譲らないんですよ。自分の思いは絶対当たっているんだと、曲げない。それをどう指導するかと教員が今わかりますか。わかりませんよ。
だから、そういうことをしっかりと現場を確認して、今教育委員会で必要なのは、私は何度も現場を確認してくれと言っているんですよね。そういうことを実際見て――今お母さん方も悩んでおりますよ――そういう現場を見て話を聞くというのがまず大事だと思っているんですよね。そういうことをしっかりとやってくれと、私は今回も代表質問でありますから、やってくれと言ってますから、その辺の見解はどうでありましょうか、お聞きいたします。
次であります。県立美咲特別支援学校の幼稚部の件であります。
教育長は、先ほど保護者に対して理念や指導を聞いて不安や誤解があったと。受け付けですね、8名を再度申し込みすると言っております。
私は、学校現場がこういうつもりでは言ってない。教育委員会がああだこうだ、こう言ってない。かみ合わない自体がおかしい状況だと思うんですよ、学校側の意見と教育委員会が。私は、この教育委員会の方が学校を回ったときに、議事録もちゃんとあるかというのが疑問なんですよ。それだけ現場を見て、ああいうところを見に行ったとおっしゃっていましたよね。こういう話が出ないというのがおかしいんですよ。
また、私は指摘ではないですけれども、きょうの新聞に載っておりました。再度確認をして子供たちを受け入れる体制にすると、学級もふやすように頑張っていくと言っておりますよね。非常にいいことだと思っておりますよ。しかし、この県議会議員ですよ、与野党県議会議員。お母さん方、父兄の皆さん方からみんな陳情を受けているんですよ。特に文教厚生委員会は夜中までかんかんがくがくやっているんですよ。それを、そういうふうに判断をするんであれば、一言は文教厚生委員長に報告したかというのが私の思いなんですよ。これは、与野党での重要な問題なんですよ。それをはっきりとマスコミで報道されて、父兄の皆さんは確かに喜びますよ。いいことでありますよ。しかし、県議団の皆さんは、家にも朝から電話があって、粛々といろんな要請を聞いて、それに頑張りましょうと頑張ってきたわけですよ。それを、教育委員会がやることによってどうみんな思うかなんですよ。そういうこともしっかりと酌み取っていただいて、みんなで一律して頑張ろうということでやってきたことでありますから、我々としても県民のために頑張っているわけでありますから、その一言もしっかりとこの辺、これからも
やっていただきたいなと思っておりますから、それはもう見解は教育長に判断させます。
次に、高等学校再編整備についてでありますけれども、今この高等学校の再編計画で、南部農林高等学校と南部工業高等学校の再編問題があります。
これですね、教育長は、学校PTA、地域の説明会で理解を図りながらやってきたと言っておりますけれども、南部工業の地域の皆さんは全く聞いていないと言っているんですよね。こういう話の中で、今、南部の市町村議会は全部、再編統合の反対意見書を可決しているんですよ、南部市町村議会がですよ。先ほど、南部市町村会の首長の皆さん方も反対意見書を可決したんですよ。
これだけ地域の皆さんが、南部というのは農業の皆さん方がいます、工業も一生懸命頑張っている方もいるんですよ。その中でみんな反対と言っているんですよね。その中で粛々と再編計画を進めていくのかが私は大きな疑問なんですよ。ですから、現場に足を運んでしっかり汗をかいて聞くというのが――やっているかもしれませんけれども――しかし、地元の人たちからこういうふうに話が出るということはやってないということなんですよ。だから、それをしっかりと持ち帰っていただいてやるということで、また、再編計画は反対だと言っているんですから、南部農林も南部工業も。それを強固に教育委員会が頭ごなしにそれを進めるんであれば、また大変なことになると私は思っているんですよ。だから、そういうことをしっかりと議論をして、やるべきものはやる。しかし、これは再編計画は反対と言っておりますから、これを強固に進めるというのは、私はおかしな話だと思っておりますけれども、教育長の見解はどうでありましょうか。
休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時38分休憩
午後4時38分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○島袋 大 次に、県内の農業振興でありますけれども、僕は、部長は優しい人だなと思っているんですよ。非常に優しい人だなと思っています。
農家の戸別補償制度が実施される。これは平成22年度からモデルケース、平成23年度からスタート。部長は、国の方針を注視をしながら考えていくと言っているんですよ。これは22年度からモデルケースするんですよ、23年度からスタートする。沖縄県は該当しないんですよ。沖縄県はさとうきびなんだから。民主党は、わけわからん政策を訴えておりますよ。これ22年モデルと23年やるかというとわかりませんよ。だけど沖縄の声としては、基幹作物はさとうきびなんだから、さとうきびをしっかりと盛り込むようないろんな面で汗をかくのが職員の仕事ではありませんよ。県議会議員がやらぬといけないですよ。それを我々はしっかりと受けとめてやらないといけないんだから、こういう答弁では部長、はっきりとこういうふうに入れたいんだと、さとうきびが問題なんだと言うべきだと私は思っているんですよ。
知事も、一生懸命東京に行って汗をかいているんですよ。県民にこういうものを見せるのが、しっかりと議会に、県民に説明する義務があるんですよ。
ですから、一生懸命頑張っているのはわかりますよ。今の政権に対して反論を言えとは、行政ですから言っちゃいけないと思っておりますから、これは我々が言う仕事なんですよ。
ですから、今の内容は、さとうきびをしっかりと盛り込んでほしいということを一言言えばいいわけでありますよ。その辺を再度確認します、部長の答弁。知事がよければ知事の答弁もお願いしたいと思っております。
次に、同じ農業振興でありますけれども、(6)番の全国的に畜産物の価格低迷が続いている、本県畜産業も大きな影響を受けている、現状と今後の見通しとありますけれども、この食肉価格安定基金、国が70億円引き揚げる。これは、県の畜産振興を目的に1991年に創設された県食肉価格安定基金105億円、国が捻出70億円、県が捻出35億円。この積立基金の中で、この利息、果実を使って県内の食肉牛もろもろを県外に発送していた。畜産業が今一番厳しいんですよね。厳しい中で一生懸命この利息の中で、果実でいろんな運営をしてきた。今、民主党の政権の中で、この事業仕分けですよ、無駄遣いを省く。これで70億円を引き揚げると言っているんですよ。
この中で民主党は、子ども手当というわけのわからんばらまきの予算を使うために、沖縄県の畜産業の皆さん方の所得を低下させるんですよ、これは。だからこそ仲井眞知事は一生懸命かばんを持って東京に足を運んだけれども、民主党政権は門前払いしているんですよね。だから、こういうことをしっかりと県民の皆さんに確認してほしいことは、粛々とこの事業仕分けの成果というものが、我々沖縄県にもじわじわと来ているんですよ。このわからない間の中に70億円持っていかれて、じゃ予算を再度下さいと言っても、単年度予算でやりましょうと言っているんですよね。こんなばかげた話ありませんよ。だからこそ沖縄県の問題は、沖縄県の議員がしっかりとしていろんな面で要請するのも当然あります。だからこそ県の行政としても、必要なものを我々にはっきりと言ってくださいよ、その場で。だからこそ私は、その辺で部長は優しいなと言っているんですよ。知事が頑張っている姿をしっかりと言ってこなくちゃ困るんですよ。民主党なんて全くわかっていませんよ。だからこそこういう場所を使ってしっかりと問うのが、我々議会に対するいろんな面での義務だと思っておりますから、その辺の今の状況の
説明とどういうふうにやっていきたいかという答弁もお願いしたいと思っております。
内容があれでしたら、また再々質問よろしいでしょうか。よろしくお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時42分休憩
午後4時43分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
農林水産部長。
〔農林水産部長 比嘉俊昭君登壇〕
○農林水産部長(比嘉俊昭) 再質問にお答えいたします。
食肉価格安定基金についてお答えいたします。
食肉価格安定基金の100億円につきましては、平成3年に、牛肉の輸入自由化の代替措置として国が70億円、県が30億円の補助によりそうした経緯がございます。
本基金につきましては、その運用益を沖縄県の畜産振興を図るため活用しているところであります。しかしながら、今般の行政刷新会議において基金相当額を返戻し、必要額を毎年度予算措置をするよう見直しを行うべきとされております。
これにつきまして沖縄県としましては、基金の設立経緯や本県の特殊事情を踏まえ、全額を取り崩して本基金を畜産振興に有効活用できるよう国に要請したところでございます。その中で、農林水産省の大臣からは、やっぱり刷新会議の中で決められたのでかなり厳しいと。ただ、特殊事情については、いろいろ理解はできるという話がありましたし、それから、一川副幹事長の面談の中では、沖縄の特殊事情は理解していると、そういうことで事業仕分けで厳しい状況にあるが、政治的な判断が必要であるということの答えを述べられていました。
そういうことで、今後、関係機関――これは県議会含めてですけれども――と連携して、引き続き基金の取り崩し、あるいは確保については要請をしたいと考えておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
それから、米の戸別所得補償が今実施されているところでございますけれども、その他の作物についても米の実施状況を踏まえて国は検討するということにしておりますので、県としましては、しっかりそのさとうきびが戸別所得補償になるような形についても、引き続き関係機関と連携して対応したいと考えております。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) 島袋議員の再質問に答弁いたします。
まず1点目でございますけれども、現場に足を運んでしっかりと実情を把握しなさいという指摘と、もろもろ御指摘がございました。
教育委員会としましては、これまでのことをしっかり反省をして頑張っていきたいと思います。
現場に足を運ぶことにつきましては、やはり現場を知るということ、子供たちの実情を知ること、親たちが何を考え、どういう教育を求めているのか、そして子供たちにどういう教育が必要かということを知ることは大切なことですので、これから教育委員会とともに、また私もぜひ各学校を回ってそういうものをしっかり把握をして教育行政に生かしてまいりたいと思います。
次に、南部工業高校と南部農林高校の統合に関する件ですけれども、南部工業高校と南部農林高校の再編統合につきましては、農業とそして工業の専門性を両方とも維持をすると。維持をして、そして異なる専門分野も総合的にお互いに学べる学校をつくりたいと。そして南部地域の振興、そしていろんな高度な経営技術に対応できる、今までの農業、そして工業を踏まえて、それをさらに生かしたようなそういう人材の育成をしていきたいと考えております。
県教育委員会としましては、これまでも地域や父母と意見交換も地域説明会もやりましたけれども、御指摘のようにまだまだ不十分な面もございますので、理解を得られるよう努めてまいりたいと思います。
もちろん南部農林高等学校の同窓会や、また南部地域の市町村から統合についての反対の表明もありますので、引き続き再編統合のコンセンサスを得て、お互いにできるよう進めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明19日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後4時48分散会