○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた教育委員会委員長比嘉梨香さんは、別用務のため本日、10月1日及び5日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日の会議に教育委員会委員安次嶺馨君、10月1日の会議に同委員会委員中野吉三郎君、5日の会議に同委員会委員新垣和歌子さんの出席を求めました。
また、説明員として出席を求めた選挙管理委員会委員長阿波連本伸君は、所用のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として選挙管理委員会委員長職務代理者佐和田清君の出席を求めました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(髙嶺善伸) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、甲第2号議案、乙第1号議案から乙第8号議案まで、乙第10号議案及び認定第1号から認定第23号までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
嘉陽宗儀君。
〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽 宗儀 おはようございます。
通告に基づき質問します。
本定例会で、仲井眞知事の任期最後の議会となりました。ぜひとも的確な答弁で実りあるものにしていただきたいと思います。
それでは質問します。
初めは、米軍基地問題についてです。
(1)、普天間基地や嘉手納基地の爆音被害は増大し、県民の負担も限界に達しています。実態はどうなっていますか。爆音被害から県民を守るために、知事は何をしてきましたか。解決能力に欠けていると私は考えますが、御所見を伺います。
(2)、嘉手納基地のF15戦闘機の訓練が普天間基地や那覇空港で行われる事態は、米軍が知事の態度を無視している結果だと考えます。仲井眞知事では米軍基地問題は解決できないという印象を県民に与えていますが、厳重に抗議し中止させるべきではありませんか。
(3)、この4年間に米軍基地問題で目に見える形での整理縮小、危険性の除去はされませんでした。これは米軍が知事を見くびっているからではありませんか。
2番目は、沖縄市の東部海浜開発事業についてです。
(1)、今回政府に提出された土地利用計画見直し案と従来の事業計画との違いは何ですか。
(2)、事業計画に経済的合理性があると判断した根拠は何か。
(3)、需要予測等について。
ア、沖縄県への観光入域客数の算出方法について。
イ、沖縄市・中部地域入域観光客数の算出方法について。
ウ、中部地域入域観光客沖縄市立ち寄り率の算出方法について。
エ、東部海浜開発地区立ち寄り率の算出方法について。
オ、宿泊需要数の算出方法について。
カ、商業需要予測の算出方法について。
(4)、経済波及効果について。
ア、経済波及効果はどのように算出しましたか。
イ、東部海浜開発事業による効果について。
(5)、産業連関表について。
ア、10年前の産業連関表を使用した意図は何か。
イ、産業連関表の作成は沖縄県の「工業統計調査」にある沖縄市のデータを基本にすべきである。なぜそれを無視したのか。使用されているデータは何か明らかにせよ。
ウ、産業連関表の作成ルールでは、移・輸出の箇所にマイナスがないのが一般的である。なぜ産業連関表の列の移輸出の箇所にマイナスが計上されているか。
エ、生産が行われていない産業には、移・輸出は計上しないのが一般的であるのに、それが計上されているのはなぜか。
オ、沖縄市の産業連関表は独自のものを作成している。ところが、最も肝心な就業係数は沖縄県のものを使用しているのはなぜか。
カ、需要があって、消費があって他産業への波及が生じる。ところが、波及効果の算出が就業者数で行われている。経済の波及効果を供給から行うというのは全く考えられない。なぜそのような算出ができるのか。
(6)、経済の波及効果の算出が需要予測のデータに問題があり、手法も成り立たない。産業連関表も意図的に作成され科学的根拠がない。これらの事実を認めるか。
(7)、東部海浜開発事業計画には、経済的合理性はない。撤回すべきではないか。
(8)、沖縄市のコリンザが倒産したが、その責任はどこにあるのか。需要予測の失敗例ではないか。
最後に、知事の政治姿勢について。
(1)、普天間基地問題は、「海兵隊抑止力論」の立場では解決できない。海兵隊の撤退を日米両政府に求めるべきである。所見を伺う。
(2)、米兵犯罪に対する知事の態度について、毅然たる態度をなぜとれないのか。
(3)、基地被害、犯罪など県民を苦しめて、米軍はよりよき隣人と宣伝している。危険な隣人が実態ではないか。知事の所見を伺う。
以上です。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
嘉陽宗儀議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、米軍基地問題についての御質問の中で、4年間の米軍基地の整理縮小についての御質問にお答えいたします。
私が知事に就任して以降、第1に、平成18年12月に楚辺通信所及び読谷補助飛行場の返還、第2に、平成20年1月にギンバル訓練場の返還合意、第3に、平成22年3月に嘉手納ラプコンの日本側への移管、第4に、平成22年6月に与那国島上空の防空識別圏の見直し、第5に、平成22年7月に泡瀬ゴルフ場の返還等が実現いたしております。また、去る5月4日と23日に鳩山前総理が来県された際、私から直接基地問題について申し上げたところ、去る5月31日に軍転協の要請に対し初めて政府から文書による回答がありました。
沖縄県としましては、引き続き、日米両政府に対し負担軽減を求めていくとともに、先般、沖縄政策協議会のもとに設置されました米軍基地負担軽減部会において、具体的な対応策などにつきまして検討がなされるよう働きかけていく所存でございます。
次に、知事の政治姿勢の中で、海兵隊の撤退についての御質問にお答えいたします。
県は、これまで日米両政府に対し、あらゆる機会を通じ海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減等による沖縄県の過重な基地負担の軽減を求めてきております。とりわけ海兵隊につきましては、構成員が最も多いことから、その削減に最優先に取り組む必要があると考えております。このため、米軍再編で示された海兵隊司令部及び約8000人の海兵隊将校・兵員のグアム移転と、それに伴う嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の整理・統合・縮小等は、県民の要望している在沖米軍兵力の削減及び米軍基地の整理縮小につながるものであります。確実な実施がなされる必要があると考えております。
次に、同じく知事の政治姿勢の中で、米兵犯罪に対する知事の態度についての御質問にお答えいたします。
私は、米軍基地問題の解決に向け、これまで全力で取り組んでおり、米軍人等による事件・事故の再発防止についても機会あるごとに日米両政府や関係機関に対し強く求めてまいりました。政府に対して、総理を初め各大臣との面談などの際に直接要請を行っているほか、昨年は2度にわたり訪米をし米国政府等に対しましても要請を行ったところであります。
今後とも、米軍基地に起因する事件・事故は1件たりともあってはならないとの考えに基づき、抜本的な再発防止策が講じられるよう強く求めてまいります。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 米軍基地問題につきまして、普天間及び嘉手納飛行場での爆音被害についてお答えいたします。
県では、周辺市町と連携し、普天間・嘉手納両飛行場周辺の24地点において年間を通して航空機騒音の監視測定を行っております。平成21年度航空機騒音測定結果によりますと、普天間飛行場周辺においては9局中3局で、嘉手納飛行場周辺においては15局中9局で環境基準を超過しており、両飛行場から発生する航空機騒音は、依然として周辺住民の生活環境に大きな影響を与えております。当該測定結果を踏まえ、県は去る9月14日、米軍及び日米両政府機関に対し、米軍機による航空機騒音の軽減措置等について要請を行ったところであります。また、去る5月に鳩山前総理が来県した際には、知事から直接要請する等あらゆる機会を通じ、航空機騒音の軽減等について要請を行っております。
県としましては、引き続き、関係市町村や軍転協、渉外知事会等とも連携しながら、騒音を初めとした周辺住民の負担軽減が図られるよう、粘り強く取り組んでまいります。
次に、嘉手納基地所属機の普天間飛行場及び那覇空港の利用についてお答えいたします。
米軍によれば、嘉手納飛行場の滑走路改修工事に伴い、滑走路1本で運用が行われる18カ月の間、嘉手納飛行場に着陸できない事態が発生した際に、航空機が普天間飛行場を含む他の飛行場へ着陸地を変更する、いわゆるダイバートの可能性が高くなるとのことであります。
普天間飛行場周辺住民の過重な負担を踏まえ、県としては米軍に対し、安全管理を徹底し、ダイバートが発生することがないよう適切な運用を要請したところであります。
次に、米軍は危険な隣人ではないかとの御質問についてお答えいたします。
本県においては、米軍による事件・事故を初め基地から派生する諸問題が相次ぎ、県民にとって大きな負担となっております。
日米安全保障条約に基づき本県に駐留する米軍は、県民に著しい負担を与えることがあってはならず、事件・事故の防止や安全管理の徹底等により県民の理解を得るべきであると考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 東部海浜開発事業についての御質問で、従来の事業計画との違いについてお答えいたします。
沖縄市が作成した土地利用計画の見直し案においては、第Ⅱ区域を中止し、第Ⅰ区域のみとなったことにより、埋立面積が187ヘクタールから96ヘクタールへと減少しております。また、開発コンセプトが「国際交流リゾート及び海洋性レクリエーション活動の拠点」から「スポーツコンベンション拠点」へと変更となり、宿泊用地及び商業用地の面積が当初計画の半分程度に減少したほか、健康医療施設用地が新たに位置づけられております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、経済的合理性についてお答えいたします。
県としましては、控訴審判決を踏まえた経済的合理性の有無については、収支の見通しが統計データや調査報告書等根拠を有する資料を基礎としたものとなっているかどうかなどで判断されるものと考えております。
沖縄市が作成した土地利用計画見直し案は、入域観光客数や各種施設の需要予測、施設規模等について、各種統計データや調査報告書及び類似施設の事例等をもとに算出されており、県としましては控訴審判決を踏まえた経済的合理性を有するものと考えております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、県への観光入域客数の算出方法についてお答えいたします。
沖縄県への入域観光客数については、沖縄市が平成20年度版観光要覧を基礎資料として、昭和61年から平成20年までの沖縄県入域観光客の推移から、平成30年の県入域観光客数をトレンドにより推計し、約850万人としております。
同じく東部海浜開発事業について、沖縄市及び中部地域への入域観光客数と沖縄市立ち寄り率の算出方法についてお答えいたします。関連しておりますので一括してお答えいたします。
平成30年の中部地域の入域観光客数については、平成18年度の観光統計実態調査において県入域観光客の中部地域への立ち寄り率が35.4%となっており、これに県入域観光客の推計値約850万人を乗じることにより301万人と算出しております。また、中部地域旅行者の沖縄市立ち寄り率については、平成16年度の観光統計実態調査において観光施設等への旅行先の割合が示されており、沖縄市等の訪問率を中部地域の観光施設等への訪問率で除して19.2%と算出しております。したがいまして、中部地域への来訪者が沖縄市へ立ち寄る観光客数は、これらを掛け合わせて58万人と算出しております。
同様な方法により、県入域観光客の中部東海岸地域への来訪者128万人を算出し、さらに中部東海岸来訪者が沖縄市へ立ち寄る観光客数を78万人と算出して、中部地域及び中部東海岸地域来訪者が沖縄市へ立ち寄る観光客数を平均して沖縄市の入域観光客を約68万人としております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、東部海浜開発地区立ち寄り率の算出方法についてお答えいたします。
東部海浜開発地区への立ち寄り率については、平成18年観光統計実態調査において、観光客が観光地等へ訪れた割合が示されており、そのうちビーチ及び海浜リゾートに訪れた割合の過去3回調査の平均により60%と算出しております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、宿泊需要数の算出方法についてお答えいたします。
宿泊需要の算出に当たっては、まず平成20年の沖縄県入域観光客数605万人から観光統計実態調査をもとに、中部地域及び中部東海岸地域の立ち寄り率、沖縄市への立ち寄り率を考慮して、平成20年の市入域観光客数を48万4000人と推計しております。
次に、同年の沖縄市宿泊延べ日数の実績32万9000泊及び1人当たりの宿泊日数から、市の宿泊人数を17万9000人と算出し、これを市入域観光客数の48万4000人で除して市の宿泊率を36.98%と算出しております。
その次に、平成30年の市入域観光客の推計値68万人に宿泊率を乗じることにより、市の宿泊人数を25万1000人と推計し、これに観光要覧から算定される県内平均宿泊数2.71泊/人を乗じることにより、延べ宿泊日数68万泊を算出した後、市の宿泊実績32万9000泊を減じて東部海浜地区の新規宿泊需要が約35万1000泊となっております。また、この35万1000泊を県の平均宿泊数2.71で除することにより、当該地区における宿泊人数を約13万人と算出しております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、商業需要予測の算出方法についてお答えいたします。
商業施設の需要については、平成30年の東部海浜地区を訪れる観光客、沖縄市人口及び沖縄市を除くコザ石川圏の人口を対象として推計しております。観光客需要は、観光要覧やレジャー白書より、ショッピング参加率26.7%及び外食参加率65.2%を引用し、おのおのの参加率を当該地区入域観光客41万人に乗じることにより、ショッピング参加需要は10万9000人、外食参加需要は26万7000人と推計しております。また、地域住民の需要は、平成19年買物動向調査報告書をもとに、まず沖縄市民が地元の大型ショッピングセンター及び専門店における購買回数を年間23.23回と算出し、これを市の人口13万9000人に乗じ、さらに周辺類似施設との競合も考慮して3分の1を乗じ、107万6000人と推計しております。
次に、沖縄市を除くコザ石川圏住民が他市町村において買い物する年間買い物回数を年間39.157回と算出し、これをコザ石川圏人口20万2000人に乗じ、さらに周辺類似施設との競合も考慮して9分の1を乗じて87万9000人と推計しております。したがいまして、これらを合計して商業施設の需要を約233万1000人としております。
東部海浜開発事業についての御質問で、経済波及効果の算出方法についてお答えいたします。
沖縄市は、建設に伴うフロー効果及び施設の稼働に伴うストック効果における経済波及効果として、生産誘発額、雇用者所得誘発額、営業余剰誘発額、就業誘発者数、税収増加額等について、市が作成した沖縄市産業連関表を用いて推計しております。それぞれ投資によって生じる直接効果、原材料需要により誘発される1次波及効果、雇用者所得の増により誘発される消費に係る2次波及効果を推計しております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、東部海浜開発事業による効果についてお答えいたします。
沖縄市によると、「東部海浜開発事業の運営段階では、市民約1350名の雇用が創出されるとともに、10年間で約1490億円の生産誘発と約21億円の市税増収が見込まれるなど、大きな効果が地元にもたらされ、地域経済が大いに活性化する。」とのことであります。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、10年前の産業連関表を使用したことについてお答えいたします。
沖縄市が市の産業連関表の作成を開始した時点において公表されていた県の産業連関表は、平成12年のものであり、報告書の取りまとめ期間の都合上、平成21年12月に公表された平成17年の産業連関表は使用しておりません。当該公表資料によると、平成17年と平成12年の沖縄県産業連関表による生産波及の大きさを比較すると、平成17年がわずかに上昇しており、沖縄市は、経済波及効果を試算する上で必要な指標に大きな変動はないと考えていると聞いております。
同じく東部海浜開発事業について、工業統計調査にある沖縄市のデータを使用していないことについてお答えいたします。
沖縄市は、市町村地域産業連関表の作成と応用という文献に示された考えをもとに、県の産業連関表を活用して市の産業連関表を作成しております。
同文献においては、市町村レベルの統一的なデータ取得が難しいとして、工業統計調査は採用されておらず、一般的な利用可能性から、基本的には事業所・企業統計のデータを用い、また、商業部門等一部の産業部門については、商業統計調査や国勢調査等のデータを分割指標として用いる手法が記載されております。
沖縄市においては、市の産業連関表の作成に当たり、同文献と同様、沖縄県事業所企業統計調査や商業統計調査等をもとに設定した分割指標を沖縄県産業連関表の産業別生産額に掛けることによって市内生産額を推計しております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、産業連関表の移輸出のマイナス計上等についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
沖縄市は、市の作成した産業連関表に一部不整合な箇所があったため、現在修正作業を行っているところであると聞いております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、沖縄県の就業係数を使用していることについてお答えいたします。
沖縄市によると、市独自の就業係数がないことから県の就業係数を用いた。部門別の1人当たりの生産額に大きな差はないと考え、県全体の平均値として示される県の就業係数を市が活用することの妥当性はあると判断したと聞いております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、経済波及効果の算出が就業者数から行われていることについてお答えいたします。
産業連関表による経済波及効果分析は、投資額や消費額、生産額などから波及効果を求めるものであります。沖縄市は、投入量である就業者数を就業係数を用いて生産額に換算し、これをもとに波及効果分析を行っております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、産業連関表と経済波及効果についてお答えいたします。
沖縄市の土地利用計画見直し案における産業連関表の作成及び経済波及効果の算出につきましては、文献に記載された手法等をもとに各種統計データを用いて行われていることから、妥当性を欠くものではないと考えております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、東部海浜開発事業の撤回についてお答えいたします。
沖縄市が作成した土地利用計画見直し案は、入域観光客数や各種施設の需要予測、施設規模、経済波及効果等について、各種統計データや調査報告書及び類似施設の事例等をもとに作成され、算出方法が根拠を持って整理されており、県としましては、経済的合理性を有するものと考えております。
泡瀬地区埋立事業は、本島中部東海岸地域の経済活性化を図るための経済振興策として、地元からの強い要請に基づき進めてきたものであり、早期に工事再開できるよう努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 東部海浜開発事業についての中の、コリンザ倒産の責任及び需要予測の失敗例についてとの御質問にお答えします。
沖縄市アメニティプラン株式会社は、平成22年6月の株主総会において、会社倒産の原因として、コリンザの開業時期における郊外型大型店舗の進出による市場競争の激化、オープン後間もないバブル崩壊の最中における核テナントの撤退による空き区画の増加等により厳しい経営状況となり、債務超過に陥ったと報告しております。
県として、倒産は同報告にあるように、予測困難な経営環境の悪化に加え、事業主体である沖縄市アメニティプラン株式会社の経営のあり方などに原因があったと認識しております。
以上でございます。
○嘉陽 宗儀 再質問しますけれども、まず、この見直し計画は経済的合理性があるといって強調していますけれども、この沖縄市の事業計画書を見ると、借金が整備段階で119億円、それから運営段階で39億円、それから30年間、毎年1億8000万円の赤字を計上しているんですよ。そういう費用対効果を無視したような、当初から毎年30年間1億8000万円の赤字になるような事業計画にどうして経済的合理性があるかちょっと説明してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前10時36分休憩
午前10時36分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(仲田文昭) 経済的合理性につきましては、先ほどお答えしましたとおり、この将来観光客の入域客数でありますとか施設規模につきましては、既存の統計データそういったものを用いて算出されていることから、経済的合理性はあるというふうに考えております。
それから、市の負担につきましては、市の財政を投入いたしますけれども、結果的に長期で見ますと10年間で先ほど申し上げましたように1490億円の生産誘発があるということと、それから税収につきましても約20億円の税収が見込めるということであります。
○嘉陽 宗儀 知事にお伺いしますけれども、今のような答弁では、部長も専門員としてこの計画に加わってきていて、この見直し案に責任を持っているんですよ。でありながら、地方自治体の幹部として毎年30年間も1億8000万円の赤字が出る計画を、経済的合理性がありますという判断でそれでいいのかということを私聞いているんだから、問題があるなら問題があると言わないと費用対効果も何にもない。後でその仕組みをやるつもりですけれども、知事としてそういう毎年少なくともこんなに莫大な借金を抱えるような計画でいいのかと。結局は莫大な借金をそのまま市民に押しつける、県民に押しつけることになるわけですよね。それで経済的合理性について、本当にこれでいいのかということについてお答えください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前10時38分休憩
午前10時40分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(仲田文昭) お答えをいたしますけれども、確かに市のほうとしては毎年1.8億円の投資をいたしますが、それに見合うものとしてさっき言いました経済波及効果、税収の増、そういったものがありますので、総合的に市のほうは判断し、この事業を進めていくということでございます。
○嘉陽 宗儀 私は、かなり市の担当者とも詰めてきてきょうの質問には臨んでいます。だから市の考え方もわかっていますけれども、市も困っているんですよね。
それでもう一回知事に聞きますよ。この事業計画にある問題では、事業収支で事業期間30年間で設備段階で119億円、運営段階で39億円、合計で158億円の赤字を最初から計上している。これでどうして経済的合理性があると判断するんですかと聞いているんです。
○土木建築部長(仲田文昭) 経済的合理性といいますと、私の経済的合理性のある施設・設備をつくるということについては、先ほど言ったとおりでございます。繰り返すようですけれども、市のほうは財政から確かにその支出はしますが、トータルで見て経済波及効果、それから税収というもので判断されているということでございます。
○嘉陽 宗儀 知事に答弁を求めたんですけれども、知事がなかなか責任を持って答弁しないですから、前に進みます。
きょうの部長の答弁の真髄、中身ですね、何が問題かということについて、若干準備してきましたので説明しますと、これは県の資料に基づいて今部長が言うように県外客の旅行先、全部書いています。それを県は観光統計の立ち寄り率というのは、沖縄県に入域した観光客が例えば那覇、本部、どう行ったかと。それを総入域観光客数を分母にして、本部に行ったら本部の数字を分子にして、それで立ち寄り率にしている。これは算数的に正しいですよね、これは正しい。だから、県の統計課がやったのは正しいと思います。ところが、今、沖縄市がやったのは、例えばここで沖縄市東部立ち寄り率というと、東南植物楽園と胡屋の方でバス1台で2カ所移動して、これが7.幾らと7.7で足すと15.3%、これを分子にしてあとは伊計島、勝連城址、それから中城城址を分母にして割ったものが沖縄市の立ち寄り率、東海岸立ち寄り率という計算をしているんですよね。これは沖縄市の担当に算数でも率から率を割ったら係数であって、これは率にもならない。何でそんなことをしたかと、答弁不能ですよ、これつくった本人が。ところが、部長はしゃあしゃあとこれでやっています、間違いありませんと言うけれど
も、知事もそういう意味では、今の計算の方法で、しかも同じバスに乗って胡屋から東南植物楽園に行くのは1人が行っているのに2名分計算されている。下の方に移動してもそれを分母にしている。それが立ち寄り率で、これだけ沖縄市に来ますという計算が成り立つと思いますか。
○土木建築部長(仲田文昭) これにつきましては、平成16年の観光統計調査に基づいてやっておりまして、その中で中部地域を訪れる観光施設をベースにしておりまして、それから中部地域からさらに中部地域内の東南植物楽園とかそういったもの、それから伊計島とか勝連城址とかあります。そういうものをベースにしまして、その中で中部地域からさらに沖縄市を訪れる者は幾らかということをベースにはじき出しているものであります。
○嘉陽 宗儀 これ、担当者になぜこういう指標を使うかと聞いたら、県の観光統計資料には沖縄市に立ち寄る人がいないって。しかし、どうにかこの事業を皆さんで沖縄市に立ち寄ることにしないといかんので、あれこれ掛けて引っかき回してどうにか入ることにしようというだけの話であって、この観光統計、私は全部調べました。あったのは全部持ってきて全部調査しましたけれども、ここのほうで県の観光統計調査で沖縄市に来る観光客がいないから、どうにか足し算、引き算で何とか沖縄市に来ることにしようじゃないかというでっち上げですよ、これは。少なくとも裁判で経済的合理性がないものは認められないと言いながら、こんな非科学的で合理性のないものを沖縄県が認めるとは何事ですか、これ。しかも、こういう手法が宿泊所とか全部同じような手法をやっている。観光客が沖縄市に来れば計算しやすいけれど来ないんだから、素通り観光で。買い物にしたってせいぜい買い物客はプラザハウスぐらいであって、あとは何も沖縄市は買い物する大きな店舗もない。だから来ない。しかし、この計画を進める上では来たことにする、来るだろうという予測を持ってこの事業計画をつくらないといけないから、そういうこ
とをしているんですよ。(資料を掲示) この中部地域の観光客、東南植物楽園、コザ、下の方にやって、全く来ないものだからこれだけは来ることにしようという計算でこの事業計画をつくっている。これを知事はどう思いますか。
○土木建築部長(仲田文昭) 嘉陽議員のおっしゃっていることはちょっとよくわかりませんけれども、我々としましてもこのデータについては、ちゃんと根拠を持って合理的な整理がされているものだと考えております。
○嘉陽 宗儀 根拠を持って整理する。部長、少なくとも足し算、引き算の問題でパーセントからパーセントを割ったらパーセントは消えて率しか残らないよ、係数しか。そういうむちゃくちゃな計算を持ってきて、県議会に経済的合理性のある計画です、どうぞよろしくというこんな議会を軽視した、それから科学的に成り立たないことを平気で答弁したら困るよ。
ちょっと休憩。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前10時48分休憩
午前10時48分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○嘉陽 宗儀 主な需要予測の考え方として、今部長が一生懸命答弁していましたけれども、ここのほうに中部東海岸に立ち寄る観光客数は立ち寄り率15%、61%、これ係数掛けている。さっき言ったような計算の仕方で適当に組み合わせして、これも意味がわからん。つくった本人たち、沖縄市の担当に聞いても、こういう方法しかありませんでしたねと、そういうむちゃくちゃな、これは裁判のときの経済的合理性だけじゃ通らん話ですよ。こういうものをああいうことで部長もこれに参加しているわけだから、部長が沖縄市のものを容認するのはわかるけれども、知事は科学者として科学的に見てこれで合理性あるのかということをちょっと判断してください。どうですかこれ、これでいいですか。
○土木建築部長(仲田文昭) これらの率につきましては、実態調査それから実際の統計調査に基づいて出ている数値でございますので、これは合理的なものになっていると考えております。
○嘉陽 宗儀 部長は実に無責任な態度をとっていますけれども、経済的合理性の問題から言っても、今言った需要予想の計算にしても、私は全部沖縄市に質問を出して、85項目全部考え方を聞いて、それできょうの質問に臨みました。今、部長は沖縄市も破綻したものを平気で取り繕って、私に追い詰められて答弁できないものを平気でまた答弁している。こういう意味では、部長はきょうの答弁についてはしっかり沖縄市と調整をして責任持てるんですね。
○土木建築部長(仲田文昭) 当然私ども答弁するに当たりましては、沖縄市に関係することでございますので、市と調整してお答えしているところでございます。
○嘉陽 宗儀 それから産業連関表の作成について、少なくとも私もかなりそれなりにちょっと調べてみましたけれども、これは17年の県の統計課が産業連関表をつくっていて、実にすばらしいものをつくっています。それから、使ったのは12年のものを使っています。なぜ、12年のものかと。さっき部長が答弁していましたように、これが17年のものがなかったからですというのであれば、それであればこの20年が出たんだから改めて試算をやり直して、重大な問題ですから試算をやり直してやるべきじゃないのかということを私は言いましたけれども、これはコンサルがやりましたというわけだ、コンサルがやりましたと。その産業連関表で最も重要なのは、実体経済を正しく行列にあらわすというのが大事ですよね。その場合に実体経済をあらわすべきなのに、例えば就業者係数は県のものを使うと産業構造は沖縄県全体があるでしょう。沖縄市は全然違う、沖縄市は余り事業がない。それを県がたくさんあるから県の有利になるものを使って、経済の波及効果が有利になるように算出する。こういうごまかしは、少なくとも沖縄県議会では通らんと思うんですよ。そこの計算を今からし直してでも、これ出たんだから、
しかも莫大な赤字を最初から計上しているんだから。これが17年度有利だったら、やり直せばいいですよ。裁判のときも裁判の判決も10年前はいろいろ経済的によかったけれども、あれからリーマンショックなどいろいろあって、バブルがはじけて経済は大不況になっていると。経済情勢違うぞと。だから従来の事業計画の延長線上でこの事業計画をつくったらだめだよというのは裁判の判決でしょう、裁判の判決の中身。部長、それを知ってあなたは沖縄市のそれに加わったんですか、この計画に。
○土木建築部長(仲田文昭) 産業連関表につきましては、先ほど答弁しましたように市の連関表を作成する時点では、まだ県の産業連関表が出ていないということでありまして、平成12年をもとにしたものを使っているということでございます。
○嘉陽 宗儀 この産業連関表の問題で言えば、当然沖縄市の経済実態と違いますから、沖縄市独自のものをつくるということで、他の例えば久米島とかいろんなところを調べてみましたら、やっているんですよ。それで、その場合に何をするかというと、少なくとも産業連関表をつくる場合には統計課がつくっているこの沖縄県の工業、これが非常に貴重で、産業連関表をつくる場合にはこれを基礎データにしなさいというのが言い分です。それでこれを見てみたら、沖縄市の分がちゃんとあって63項目にわたって沖縄市の経済実態の分析があって、雇用者数、就業者数、賃金幾ら、全部あるんですよね。こういったものを実体経済に基づいて産業構造をちゃんと分析をして経済の波及効果を計算するのであればわかるけれども、全部都合のいいようにデータを捏造、つくり変えて、それで僕らから言えば本当にごまかしもいい加減にせよと言いたいほどでたらめな中身ですよ、これは。部長、さっき移輸出入のところにマイナスがあってはならんということについて、輸出はプラス、輸入はマイナス、逆になっていますね。その場合に認めましたね、沖縄市が間違っていたというのは。どうしてああいう間違いを起こしたんですか。
○土木建築部長(仲田文昭) 先ほど嘉陽議員の指摘を受けて、沖縄市においては、確かにそのところに間違いがあったということを認めておりまして、これをまた再度修正しているというふうな段階だというふうに聞いております。
○瑞慶覧 功 おはようございます。
これより通告に従いまして質問いたします。
知事の政治姿勢について。
(1)、自衛隊の常駐、配備問題について。
日本政府は、辺野古の代替施設に自衛隊を常駐させる案を検討しているとのことですが、これはまさに基地負担の上乗せであり、県民無視も甚だしいと思います。自衛隊のヘリの音はうるさくないとでもいうのでしょうか。あきれたことに北澤防衛相は、自衛隊共用はプラスと発言し、利点として、基地に対して県民が身近に感じるとか、自衛隊常駐による信頼性を挙げています。実にのうてんきな県民感情を逆なでする発言です。こんな民主党政権に期待していたことが悔やまれてなりません。
先島への自衛隊配備は、これまで積み上げてきた近隣国との経済交流に水を差すことになるでしょう。懸念されるのは、今回発生した尖閣沖での中国船衝突事故で領土問題がエスカレートし、自衛隊配備の口実になることです。強化すべきは軍備ではなく第11管区海上保安本部であり、外交交渉です。また、陸上自衛隊の配備を現在の2000人から10年で2万人に増強する計画があるようです。家族を加えると3万人以上に上るのではないでしょうか。もしそうなれば、沖縄県のあらゆる選挙に影響を与えるのは必至です。まさに政府による沖縄乗っ取り計画です。
伺います。
ア、辺野古代替施設への自衛隊常駐、先島への自衛隊配備、2万人増強計画について政府から説明があったのか伺います。
イ、自衛隊常駐、配備計画について見解を伺います。
(2)、県知事選挙について。
北澤防衛相や前原大臣を初め菅政権は、仲井眞知事に当選してもらいたいようですが、それは仲井眞知事が県内移設容認というふうに受け取られているからではないですか。
ア、知事は、なぜ県内移設反対を明言しないのか。容認と受けとめてよいのか伺います。
イ、政府は、次期知事選挙への官房機密費投入を否定していないとのこと。申し出があった場合はどう対応するのか伺います。
県内25市町村で行われたさきの統一地方選挙で違法ポスターが乱立する地域がある中、北谷町では議員の自主規制、紳士協定により街頭には違法掲示物がほとんど見られず、景観へ配慮した取り組みが評価されています。
伺います。
観光立県として違法ポスターの自主規制、紳士協定の締結をすべきではないか、見解を伺います。
本日、県選管の佐和田さんにもわざわざ御足労願っておるわけですけれども、私としましては、当事者である知事にお尋ねしたくてこの項目にしたわけです。でも、せっかくですので、お二人から答弁をお願いしたいと思います。
2、米軍基地問題について。
米軍嘉手納基地周辺に住む私たちの頭の上を、米軍用機が全面禁止条約が発効されたクラスター弾やナパーム弾、500ポンド爆弾を積んで訓練と称して飛び交っております。軍用機が落ちたらどれほどの惨事になるのでしょうかお尋ねします。
(1)、500ポンド爆弾が爆発した場合の破壊力はいかほどか。
(2)、在沖米軍人等の実態について。
ア、在沖米軍人・軍属とその家族数がふえた要因は何か。
イ、在沖米軍人・軍属とその家族数の過去5年間の推移を伺う。
(3)、米軍施設返還跡地問題について。
北中城村の泡瀬ゴルフ場跡地から大量の不発弾が発見されました。北谷町のキャンプ桑江返還跡地からは、アスベストや鉛も検出されております。過去にもPCBによる土壌汚染や国道沿いのメイモス返還跡地からは大量のオイル、廃油缶も出てきました。このように返還跡地からは米軍のずさんな管理が原因の問題は後を絶ちません。
ア、日米地位協定4条を再考し、特別協定を締結する必要があると思うが、見解を伺います。
イ、返還前に不発弾や土壌汚染の有無を調査するべきであると思うが、見解を伺う。
ウ、不発弾や土壌汚染の処理により跡地利用におくれが出た場合、地権者のこうむる不利益の補償対応はどうなるか伺う。
次に、軍用地問題。
近年、投資目的の軍用地売買で県外在住者の所有がふえているとのこと。所有面積と金額、件数、それぞれの全体に占める割合を伺う。
3、航空機騒音問題について。
県文化環境部の2009年度夜間・早朝(午後10時から午前6時までの間)の航空機騒音測定結果によると、2008年度に比べほとんどの地域で増加しており、北谷町の砂辺に至っては5倍以上にふえ、騒音レベルも110デシベル以上を記録し、最大112.9デシベルを記録している。また、宜野湾市の上大謝名では119デシベルとなっている。
ア、環境基準内と110から120デシベルの音は何に匹敵するか。
イ、文化環境部長は、米軍や沖縄防衛局に騒音軽減を要請されているが、どのような対応であったか。
4、不発弾対策について。
ア、国が行う磁気探査は1メートルの深さで実施されているようであるが、それで十分か伺う。
イ、泡瀬ゴルフ場跡地の沖縄防衛局による磁気探査委託、10工区中県内業者への受注は何件か伺う。
5、観光行政について。
(1)、「美ら島沖縄総体2010」。
ア、県外から訪れた選手、役員、応援者数と経済効果について伺う。
イ、県内からの応援者数、当初の予想と実績について伺う。
次に、中国からの観光客誘致について。
仲井眞知事、上原副知事、中国での観光客誘致に向けたトップセールス、大変お疲れさまでした。
伺います。
中国人客のビザ撤廃制度を沖縄で先行的に実施する中国側提案に対する見解を伺います。
次に、今年度の中国人客数の予想人数と昨年度の実績数について伺います。
次に、中国語を話せるスタッフの配置状況と今後の人材育成の対策について伺います。
6、国際交流事業について。
沖縄県北米等派遣議員団の一員としてカナダとハワイを訪問しました。目的は、カナダとハワイの沖縄県人移住がことし110年の節目を迎えることから、当地の沖縄県人会の活動状況や在留日本国総領事などの訪問を通し、県系人が果たしてこられた実績やこれからの課題を検証し、海外のウチナーンチュ社会に対する今後の交流のあり方を検証することでした。
9日間の交流、視察を通しての派遣議員団の共通認識は、沖縄県人会は沖縄の文化やアイデンティティーを大切に、当地で確固たる地位を築き、沖縄のみならず日本と海外の友好親善に大きく貢献されており、同じウチナーンチュとして大変誇りに感じたことです。そして、先々の交流会で県費留学経験者が司会や通訳を務め、次代の県人会活動の担い手として活躍しており、留学受け入れ事業の重要性も再認識しました。私は、2年前のブラジル・アルゼンチン移民100周年記念事業には自費で参加しましたが、そのとき式典を担っていたのも県費留学経験者の皆さんでした。
伺います。
沖縄県系人の実情について。
ア、海外にいる沖縄県系人の総数を伺う。
イ、世界何カ国に沖縄県人会が存在しているか伺う。
ウ、海外移住者子弟留学生受け入れ事業の実績と成果を伺う。
エ、県移民史の近年・戦後版を作成する必要があると思うが見解を伺う。
以上、答弁をよろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 瑞慶覧議員の御質問に答弁させていただきます。
まず第1に、知事の政治姿勢の中で、知事はなぜ県内移設反対を表明しないのかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
県としましては、去る5月の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと繰り返し申し上げてきております。そして名護市長選挙や県議会の皆様の意見書議決、そして県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難であると考え、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を示すよう求めてまいりました。政府からこの間の県民の怒りや失望にこたえ得る説明と方策は依然として示されておりません。
県としましては、このような状況にかんがみて、政府に対し、日米共同発表を見直し普天間飛行場を県外に移設することを求めてまいりたいと考えているわけでございます。
次に、国際交流事業に係る御質問の中で、県移民史の作成に係る御質問についてお答えいたします。
各移住地におきまして今日の繁栄の基盤を築かれた我々の先人たちの努力とその足跡を後世に伝えることは極めて重要なことと認識をいたしております。戦後版の移民史の作成につきましては、私もこの件に精通しているわけではありませんが、専門家の皆さんと相談をし前向きに検討してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての中で、1の(1)のア、自衛隊常駐、配備計画への説明、さらに1の(1)のイ、配備計画についての見解について一括してお答えいたします。
御質問の自衛隊常駐や配備計画について、現段階で政府からの説明はありません。
北澤防衛大臣は、9月21日の記者会見において、先島諸島への部隊配備について調査をスタートさせていきたい旨の発言をしております。自衛隊の配備については、政府において我が国の防衛やさまざまな緊急事態対応などの観点から検討されるべきものであり、県民の理解なしに進めることは困難であると考えております。
次に、官房機密費の対応についてお答えいたします。
県としましては、官房機密費が次期知事選挙に投入されることについて承知しておらず、仮定の御質問にコメントすることは差し控えたいと思います。
次に、500ポンド爆弾の破壊力についての御質問にお答えいたします。
文献によりますと、500ポンドの普通爆弾の危害範囲は、半径約300メートルに及ぶとされております。
次に、米軍基地問題についての御質問の中で、在沖米軍人・軍属とその家族数の増加要因及び過去5年間の推移についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
米軍によると、過去5年間の在沖米軍人・軍属とその家族数の合計の推移につきましては、平成17年は4万2570人、平成18年は4万3550人、平成19年は4万8490人、平成20年は4万416人、平成21年は4万4895人となっております。在沖米軍人・軍属とその家族数については年によって増減しており、必ずしも増加傾向で推移している状況ではありません。
沖縄防衛局によると、個々の具体的な増減理由については、米側から運用や人事等にかかわることから公表できない旨の説明を受けているとのことであります。
次に、県外在住者所有の軍用地の所有面積、金額等についての御質問にお答えいたします。
沖縄防衛局によりますと、平成20年度の県外在住者の軍用地所有面積は515ヘクタール、賃貸借料の金額は34億7900万円で、全体に占める割合は面積で6.7%、金額で4.4%となっております。
なお、件数についての公表はしていないとのことであります。
次に、不発弾対策についての御質問の中で、国が行う深さ1メートルの磁気探査についての御質問にお答えいたします。
今回国が行った磁気探査につきましては、地表面から深さ1メートルまでの埋没不発弾の確認を行ったとしております。不発弾の埋没深度については、不発弾の重量、土質によっては地表面から1メートルを超える場合があることから、土地区画整理事業等を行う際には、事業者によりその土地利用に応じたさらに深い深度の不発弾探査も行われるものと承知しております。
以上でございます。
○選挙管理委員会委員長職務代理者(佐和田清) 瑞慶覧議員の御質問にお答えいたしますが、本日は委員長が別用務のため本会議に出席できませんので、甚だ僭越ではございますけれども、かわりに委員長職務代理者の私、佐和田からお答えをさせていただきます。
知事の政治姿勢についての中の、違法ポスターについてお答えをいたします。
選挙管理委員会におきましては、従来から立候補予定者説明会等において違法な文書について説明し、これらを掲示している場合には撤去するよう指導を徹底しているところであります。
今後とも、県選挙管理委員会、警察当局及び道路管理者等と連携を密にしながら、公職選挙法等の関係法令に違反する行為がないよう、有権者、候補者及び政党等政治団体関係者の選挙及び政治に関する意識の高揚を図ってまいりたいと思っております。
以上であります。
○企画部長(川上好久) 米軍基地問題についての御質問の中で、地位協定第4条の見直し及び返還前の土壌汚染等の有無について一括してお答えいたします。
駐留軍用地の返還に当たっては、軍転特措法に基づき国の責任において返還前に汚染物質や不発弾等の有無について蓋然性の調査を行い、返還実施計画を定め、同計画に基づき返還後は原状回復等必要な措置をとることになっております。しかしながら、キャンプ桑江北側地区等においては、土地引き渡し後に汚染物質等が発見されております。
こうしたことを踏まえ、県としましては、返還後の円滑な跡利用を図るため、土地引き渡し前の汚染等に関する原状回復措置徹底の制度化について、軍転特措法期限切れ後の跡地利用に関する新たな法律に盛り込むよう国に求めているところであります。
なお、日米地位協定第4条につきましては、駐留軍用地の返還前に日米両政府は合衆国軍隊の活動に起因して発生した環境汚染や不発弾等の処理について共同で調査し、環境汚染等が確認されたときには環境浄化等の原状回復計画の策定及びその実施等の必要な措置をとることを明記するよう見直すことを要請しているところであります。
次に、不発弾処理等により跡地利用におくれが出た場合の補償についてお答えします。
返還跡地における不発弾処理や土壌浄化等を含めた原状回復措置は、跡地利用におくれが出ないように、国の責務として適切に実施されなければならないと考えております。現行制度における地権者に対する補償については、軍転特措法による3年間の給付金と、沖振法による特定跡地等の給付金制度が定められております。しかしながら、実態としては、特定跡地での給付金支給実績が最大4年半なのに対し、跡地整備期間はおおむね10年以上を要しており、地権者の負担が大きくなっております。
県としては、不発弾処理や土壌浄化を含め跡地整備事業の実施により土地が使用できるようになるまでの間は、土地利用制限に対する補償的な意味合いで返還前の賃借料に見合う給付金の支給が必要であると考えております。
次に、不発弾対策についての御質問の中で、磁気探査委託における県内業者の受注件数についてお答えいたします。
沖縄防衛局の公表資料によりますと、10工区中4工区が県内に本社のある業者の受注となっております。
以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 航空機騒音問題についての御質問の中で、環境基準と110から120デシベルの音は何に匹敵するかについてお答えいたします。
航空機騒音の環境基準はW値、いわゆるうるささ指数であらわされ、専ら住居の用に供される地域がW値で70、それ以外の地域はW値で75となっております。
W値であらわされる環境基準の算出方法は、デシベルであらわされる平均騒音ピークレベルと騒音の発生回数から計算されます。したがいまして、W値と1回ごとの音の大きさの単位であるデシベルとは単純に比較することはできません。
騒音の目安としましては、110デシベルの音は自動車の警笛(前方2メートル程度)に相当し、120デシベルの音は飛行機のエンジン近くに匹敵するとされております。
同じく航空機騒音問題に関連して、米軍や沖縄防衛局の要請時の対応についてお答えいたします。
県では、去る9月14日に在日米軍沖縄地域調整官事務所、在沖米国総領事館、沖縄防衛局、外務省沖縄事務所を訪問し、「米軍機による航空機騒音の軽減措置等について」強く要請を行ったところであります。要請時の対応の中で米軍からは、夜間の飛行訓練について可能な限り配慮していること、極力住宅地域への影響を避ける努力をしていること、また、海軍駐機場を現在の嘉手納町側から米軍の住宅地側へ移転することなどについて説明がありました。
沖縄防衛局では、これまで行ってきた遮音壁の設置等の取り組み、現在計画されている海軍駐機場の移転が実施設計段階にあることの説明がなされております。
県としましては、今後とも航空機騒音測定結果に基づいて、航空機騒音の軽減について粘り強く要請していきたいと考えております。
以上であります。
○教育長(金武正八郎) それでは観光行政についての御質問で、美ら島沖縄総体の選手、役員、応援者数と経済効果等について一括してお答えいたします。
去る7月28日から8月20日までの24日間開催された「美ら島沖縄総体2010」は、県民、市町村並びに関係者の皆様の御協力・御支援を得て無事成功裏に終えることができました。心より感謝を申し上げます。
本大会の県外から訪れた選手、役員、報道員等は約4万人となっております。応援者数は予想より約8.6%減の延べ約49万3000人となっており、県外から多数の応援者が来県したと推測されますが、実数の把握は困難であります。経済面においては、大会に参加した選手、役員等の宿泊が過去最高の約25万泊しており、日銀那覇支店の県内金融経済概況の発表にあるように、高校総体が県経済にも寄与していると考えております。
沖縄総体開催に伴う経済効果については、約198億円以上と試算しております。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 観光行政について、中国人客のビザ撤廃制度を沖縄で先行的に実施することに対する見解の御質問にお答えします。
中国人観光客に対するビザについては、平成22年7月から全国的措置として発給要件が緩和されており、現在、沖縄県においても中国からの誘客強化に努めているところであります。
中国人観光客のビザ免除を沖縄で先行的に実施することについては、観光客の大幅な増加が見込める一方で、現時点では受け入れ体制が十分ではないことから、効果と課題について関係省庁や県内事業者等の意見を踏まえ対応してまいりたいと考えております。
同じく観光行政について、今年度の中国人客数の予想人数と昨年度の実績数についての御質問にお答えします。
今年度の中国人観光客数は、8月までの実績が1万4000人で、対前年同期比約57%の増加となっております。今後も、北京からのチャーター便などによる増加が見込まれることから、今年度の中国人観光客は昨年度の実績1万8000人に対し67%増加の約3万人を予想しておりました。しかし、尖閣諸島での事件の影響等もあり予測が難しい状況となっております。
同じく観光行政について、中国語を話せるスタッフの配置状況及び今後の人材育成についての御質問にお答えします。
沖縄観光コンベンションビューローにおいて作成している沖縄県内の外国語対応施設一覧「ウエルカムリスト」によりますと、ホテルや観光施設など17施設において中国語に対応可能なスタッフとして28人が登録されております。沖縄観光コンベンションビューローに設置している観光人材育成センターにおいては、外国人観光客に対応するため、ボランティア通訳セミナー、外国人観光客受け入れ基礎研修等の各種セミナーを実施し、これまで延べ1237人が受講しております。
なお、現在、県内においては中国語の通訳案内士が4人、地域限定通訳案内士が29人登録されており、今後とも同センター事業の充実を図り、国際化する観光客のニーズに対応できる人材育成に積極的に取り組んでまいります。
国際交流事業についての中の、海外沖縄県系人の総数についての御質問にお答えします。
「海外在留邦人調査統計」など、各種統計数値をもとに算定した2005年における海外沖縄県系人の推計値は、ブラジルが推定約16万9000人、ペルーが約6万7000人などで、南米全体で推定約26万8000人、アメリカが約8万9000人、カナダが約1000人などで、北米全体では約9万1000人となっており、そのほかアジア、ヨーロッパ等の地域では推定約2000人であり、合計で約36万1000人が推定されております。
同じく国際交流事業についての、海外沖縄県人会の数についての御質問にお答えします。
世界26の国と地域に77の県人会が存在しております。最も多いアメリカにおいては39カ所、中国が6カ所、カナダが5カ所、その他アジア、南米、ヨーロッパ各地に存在しております。
同じく国際交流事業について、海外移住者子弟留学生の実績と成果についての御質問にお答えします。
海外移住者子弟留学生の受け入れ実績については、昭和44年度から平成21年度までに343人を受け入れております。出身国別では、ブラジル連邦共和国が83名、アメリカ合衆国が73名、ペルー共和国が53名、アルゼンチン共和国が49人となっております。平成22年度は4カ国から8人を受け入れております。
その成果につきましては、留学生は帰国後、県系人社会でのリーダー的な存在となって舞台公演や移住記念式典等において沖縄をPRするなど、その国と沖縄のかけ橋として活躍しております。また、世界のウチナーンチュ大会に参加するなどウチナーネットワークの形成・発展に貢献しております。
以上でございます。
○瑞慶覧 功 初めに、知事の政治姿勢(2)のイの官房機密費の件ですけれども、ここはやはり知事はきっぱりと拒否すべきだと思いますが、どうでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前11時33分休憩
午前11時33分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の御質問の趣旨がよくわかりにくいんですが、一体そういうものがあるのかないのか、私はよく知りません。ですから拒否も何も、それ以前の問題で、全くわからない中身について質問をされても答えようがございません。
○瑞慶覧 功 やっぱりこれは知事としてきっぱりノーですと言えばいいことだと思います。
次に、不発弾対策について伺います。
本土業者が県内に事務所を置くことで入札に参加して受注し、探査は県内業者に下請けさせているようなことがあるようです。県の進める県内業者への優先発注の観点から問題はないか伺います。
○知事公室長(又吉 進) お答えいたします。
知事公室におきましては、昭和50年度から不発弾探査事業を行ってきておりますけれども、事業を発注する際はすべて県内業者に発注しており、その指名業者の数は、平成22年9月現在、合計で59社となっております。これは不発弾探査全体、県が行っているものの状況でございます。
○瑞慶覧 功 今の質問は、防衛局の泡瀬の10工区中4工区が県内業者だったというものに対する質問でした。
続きまして、これはやはり徹底して地元業者が受注できるように、地元でできることは地元でさせるように取り組んでいただきたいと思います。
5の観光行政について伺います。
この美ら島総体、地元開催にしては何か全体的に盛り上がりに欠けた感がしました。甲子園の影響もあったかもしれませんけれども、テレビ放送もダイジェスト放送は見ましたが、実況等はなかったように思います。もっとメディアを活用し県民に喚起する施策が必要と思いますが、見解を伺います。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
ただいまの御指摘につきましては、メディアのほうは、この高校総体の放送権につきましてはNHKにありまして、その辺のかかわりでメディアがなかなか動けなかったところがあるということはあります。
高校総体全体としては大分盛り上がったと私は思っているんですけれども、マスコミもああいう形で、これまでの県内紙に見られないような取り扱いをしていただいて、毎日ああいう形での連載というのはこれまでの高校総体ではあり得ないんです。ですので、マスコミなど新聞社各紙には本当に心から感謝を申し上げたいと思っております。
以上でございます。
○瑞慶覧 功 次に、中国からの観光客誘致の件ですけれども、衝突事故によって、先ほども部長からありましたけれども、これまでの影響、観光客誘致関連で出ている現時点での状況がわかりましたらお願いします。
○観光商工部長(勝目和夫) これにつきましては、代表質問の関連でお答えしたところのほかに、例えば、北京のイトーヨーカドーでの物産展の中止とか、県の海外での物産販売、そういったところにも影響しておりまして、その影響等について、今、関係機関等を含めてその対策、相談を練っているところでございます。
○瑞慶覧 功 国際交流事業についてですけれども、「海外留学生受入事業」3000万円のうち、県系人子弟留学制度の事業費の額は幾らでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) 手元に詳細なデータは持っていませんけれども、大体2000万円ぐらいでやっていると聞いております。
○瑞慶覧 功 私が申し上げたいのは、県系人の子弟留学制度をそのほかのアジアの留学制度と一くくりにして仕分けで扱うのはいかがなものかと思います。事業棚卸しで全会一致での「不要」となったのは全く理解できません。この議事録を読んでみますと、やはり担当部署の説明不足というか、説得力不足は否めません。必死さが感じられないんです。そのことで「不要」にされた感じがして納得できないわけです。
仲田議員の代表質問に対して観光商工部長は、廃止を含め事業の見直しの検討を進めているとの答弁でした。事業の後退としか受け取れません。何か棚卸しに名をかりて縮小しようというふうに見えるんですけれども、どうでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) 議員御指摘のとおり、観光の担当部局として十分説明不足だったということは、一部あちこちから指摘されておりますので、我が部としては、この事業を当然廃止するつもりは最初からなかったところ、ああいう結果になったというのは非常に残念なところでありまして、一応その事業は廃止はしますけれども、それにかわる事業も含めて今検討しておりますので、新たな視点からの今の時代に合ったやり方みたいなものも今検討しているところでございます。
○瑞慶覧 功 海外にいるウチナーンチュは、ある意味で沖縄に住む私たちよりも沖縄のことを思っています。彼らにとって沖縄は、やはり「イチャリバチョーデー」とか「守礼の邦」、永遠のふるさとなんですね。二世、三世にもそのことがこの県人会活動を通して脈々と受け継がれています。やはりそれを支えているのが子弟留学制度なわけです。単なる友好親善の事業ではありません。はっきり申し上げて県系人子弟留学制度の廃止や縮小は、沖縄県人会の弱体化と消滅につながります。来年は第5回の世界のウチナーンチュ大会が開催されますけれども、制度の後退は大会に大きく水を差すことになると思います。むしろ強化すべきだと思います。できれば知事の見解をお聞かせください。
○知事(仲井眞弘多) 今、議員の御意見も伺い、確かに観光商工部長の今の答弁どおりですが、無論これはこのまま廃止にしてしまおうとはゆめ思っておりませんで、新しく中身を充実させてしっかりやっていきたいと思います。
○瑞慶覧 功 以上、終わります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前11時43分休憩
午前11時43分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
比嘉京子さん。
〔比嘉京子さん登壇〕
○比嘉 京子 おはようございます。
先ほどお話にありましたこの夏の興南ナインですね、私は沖縄の悲願を一つ達成してくれたなと皆さんと同じように思っています。その際に私、心したいなと思っていることは、やはり少年野球や中学校での野球に携わっている方々の汗、そして県の高野連の方々にも私たちは思いをはせなければならないのではないかなというふうに思います。
また、この野球というのがやはり野球だけの練習ではこのレベルにはならないということを全国に一つ証明してくれたんではないかなというふうにさえ思います。例えば生活リズム、それから五感を研ぎ澄ます、そしてマナーも含めて全人格的な総合力ということが全国に評価をされ、そしてそれでいてやはり沖縄は一枚上手だった、上だった、ランクが違っていたということで全国から評価をもらった。このことが私はこれからの野球少年たちに大きな影響を与えるんではないかなと思っております。
さて、興南は勝つべくして勝ったわけですけれども、私たち大人の番です。大人たちが一枚上手だとか、沖縄が全国を制覇する大人は何をするのか、そういうことが問われているのではないかと思っています。
では質問をいたします。
1、医療行政について。
(1)、県立病院の経営健全化について。
ア、福祉保健部は、経営評価委員会により病院事業の評価を行っております。その中で平成21年から23年までは一般会計からの繰入金は84億円、24年度以降の繰入金は50億円とするシミュレーションを行っておりますが、仲里前副知事は24年度59億円から段階的に減額投入する計画と説明をしておりました。なぜ福祉保健部は50億円としているのか。また病院事業局は59億円を前提とした独自の経営再建計画を推し進めないのか伺います。
イ、病院事業局の経営改善には、昨年実施したサマーレビューやウインターレビューが大きな効果を挙げていると聞いております。今年度のサマーレビューによる経営状況の現状について伺います。また、今年度末の経営状況をどう見込んでいるかも伺います。
(2)番目に、県立病院の看護師不足問題について伺います。
私は、病院の根幹をなすものに看護師の養成と看護師の確保ということが病院の大きな根幹になるであろうということを認識をいたしてこの質問をいたします。
ア、県立病院の休床は何床に及んでいるのか、その主な理由は何か。
イ、病床を全部機能させるには、看護師は何名必要なのか。また、近々実施される中部病院の看護体制を7対1にするにはさらに何名必要か。
ウ、中部病院における7対1体制はいつから実施する計画か。また、定数の所管部局としての総務部はこれをどのように考えているか。
エ、看護師の普通退職者数は年間何名か、過去3年について伺う。そして全国の離職率と比べて本県がどうかを伺います。
オ、県立病院の休床を機能させると診療報酬は幾ら増額するのか。また収益はどうか。(看護師の給与を平均年齢と採用直後の2通りで示していただきたい。)
(3)番目に、看護師確保の見通しについて。
ア、本県の看護師の需給見通しはどうか。全国的に見るとどうか。
イ、本県の看護師の需要を満たすための具体的な施策を伺います。
(4)番目に、浦添看護学校の民間移譲について。
ア、移譲の目的は何か。
イ、県立堅持を求める12万2000人もの県民の署名、県医師会、看護協会等多くの関係団体から再三にわたって要請が出され、県議会でも2度にわたり全会一致で決議されました。これらの要請、決議をどう認識しているのか伺います。
ウ、県は、県立病院の看護師不足をどう充足していく考えか。具体的にどこで何名養成し、休床への対応と7対1体制に向けた対策をどのようにする考えか伺います。
2番目、基地と経済について。
私は6月議会で、県益を守るために県としては情報を的確に発信しているだろうかという観点から、基地が本県の経済を成り立たせているのかどうか。また、基地を受け入れるかわりに私たちは振興費や高率補助を潤沢に受けているというこの県内外の認識に対して、本当に的確な情報が発信されているかどうかという観点から質問をいたしました。
(1)、県は、平成18年度に嘉手納以南の5つの基地返還後の経済波及効果について委託調査をいたしました。なぜその成果が今日まで県内外へ十分に発信されてこなかったのか。それから対政府との交渉に積極的に活用するなどしてこなかったのかどうか。もし、してこなかったとするならばその理由について伺います。
(2)番目に、県議会事務局は、県の発表している各種統計資料をもとに駐留軍用地がすべて返還された場合における現時点での県内経済の推計値を算出いたしました。それについての県の見解を伺いたい。また、実現可能性としての19.4%を試算の根拠にしたことについても見解を伺いたいと思います。
(3)番目に、これまで県は政府に対して振計や高率補助制度確保を前提に要請を続けてきましたが、今回の試算値では到底過重な基地負担に見合う経済支援を受けていないことになりますが、沖縄県に投下された財政移転と比較して今回の試算額を県はどのように受けとめておられるのか伺います。
3番目に、我が会派の代表質問の関連質問として1点だけお伺いいたします。
教育行政について。
(1)、教員採用試験の一般受験者と免除対象受験者の上限年齢がそれぞれ異なるということできのう指摘がありました。その二重基準に対して教育長の明快な答弁をいただければと思って質問をいたしております。
よろしくお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 比嘉京子議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、医療行政についての中で、浦添看護学校の民間移譲の目的についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
看護師の養成・確保につきましては、県と民間の連携により進めてきたところであります。現在では、民間養成所等が増加し、県内の看護師の多くが当該施設で養成されております。このような状況を踏まえ、浦添看護学校の民間移譲につきましては、県と民間の役割分担を図りつつ、看護師の養成、そして確保の施策を効果的かつ効率的に推進するために行うものであります。
県におきましては、看護大学で引き続き専門性の高い看護師養成を行うとともに、民間養成所の安定的運営のための支援、そして授業料等の修学資金を必要とする学生への支援、離職防止対策など県が真に担うべき役割を充実強化し、看護師の供給体制の推進に取り組んでいく所存でございます。
次に、同じく医療行政の中で、浦添看護学校の存続に関する県議会議決等に関する認識についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
平成16年度、17年度の県議会議決等は、それまでの看護師不足を背景になされたものと認識いたしております。その後、名桜大学看護学部の創設、ぐしかわ看護専門学校の開校、那覇看護専門学校の3年課程の新設など民間における看護師養成が大幅に増加し、第七次看護職員需給見通しの充足率の改善にもつながっております。
このような状況変化の中で、浦添看護学校の設置者変更は、県立から民間へ切れ目なく看護師の養成を継続していくだけでなく、県立看護大学の運営を初めさまざまな看護師の供給に係る施策等、県の役割を充実強化していくことをねらいにいたしております。この方向性につきましては、医師会や看護協会等の理解を得られているものと考えているところでございます。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○議長(髙嶺善伸) 答弁の途中ではありますが、時間の都合もありますので、比嘉京子さんの質問及び質疑に対する残りの答弁は午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時56分休憩
午後1時21分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
午前の比嘉京子さんの質問及び質疑に対する答弁を続行いたします。
福祉保健部長。
〔福祉保健部長 奥村啓子さん登壇〕
○福祉保健部長(奥村啓子) 医療行政についての御質問の中の、病院事業の収支推計試算における一般会計操出金の額についてお答えします。
県では、8月26日に開催しました第2回県立病院の経営再建検証委員会において、今後10年間の病院事業の収支推計の試算を提出しました。同試算では、病院事業の経営改善に関する知事のこれまでの議会答弁等を踏まえ、議論の出発点として平成24年度以降の一般会計からの繰出金を50億円と設定しました。
次に、本県の看護師の需給見通し及び需要を満たす施策について一括してお答えします。
本県の第六次看護職員需給見通しでは、おおむね700人の看護師の不足で推移していたところでありますが、第七次暫定版では、民間養成機関等の増に伴いおおむね200人の不足が見込まれています。この結果を全国と比較すると、第七次の最終年である平成27年の充足率は、全国が99.0%で本県が98.9%となる見込みであります。
県としましては、さらなる改善を図るため、潜在看護師の復職支援や早期離職防止のための新人看護師等への研修事業など、看護師の供給体制を推進する施策を展開してまいりたいと考えております。
次に、県立病院の看護師不足、休床や7対1への対応についてお答えします。
民間養成機関を中心として、今後、卒業生がおおむね720人まで増加し、平成23年を始期とする第七次看護職員需給見通しにおける供給体制が改善される方向であることから、県立病院の休止に係る解消及び県立病院を含む各医療機関が要望する7対1看護体制に向けた看護師確保に対する供給環境は整っていくものと考えております。
以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 医療行政についての質問の中で、平成24年度以降の繰入金についてお答えいたします。
病院事業局においては、平成20年度に策定した経営再建計画の達成に向けて全力で取り組んでいるところであり、今年度も計画を上回る実績で順調に推移しております。平成24年度以降の繰入金については、原則として、毎年度総務省から通知される繰り出し基準に基づいて所定の繰り出しがなされるものと認識しております。
病院事業局としては、再建計画後の次期計画を検討する必要があると考えており、将来的な繰入金についてもその中で議論を深めてまいりたいと考えております。
次に、平成22年度の経営状況についてお答えいたします。
昨年度から、年度中途の経営成績を評価・検証し、以後の経営に反映させるべく各県立病院のレビューを実施しております。平成22年8月までの実績を見ると、収支については前年度を上回って推移しているところであります。今年度の経営見通しについては、8月までの実績から推計すると、昨年度を上回る成績が上げられるものと考えております。今後とも経営再建計画の達成に向けて全力で経営改善に努めてまいります。
次に、県立病院の休床数とその主な理由についてお答えいたします。
9月1日現在の休床数は、中部病院で52床、南部医療センター・こども医療センターで14床となっております。その主な理由は、看護師不足によるものであります。
次に、病床を機能させるための看護師数と中部病院の7対1看護体制の必要数及び実施時期について一括してお答えいたします。
現在、休床している中部病院の52床を再開するためには26人、南部医療センター・こども医療センターの14床を再開するためには14人の看護師が必要になります。中部病院での7対1看護体制については、今後、南部医療センター・こども医療センターでの実施状況や収支を踏まえて看護師数及び実施時期について検討したいと考えております。
次に、看護師の普通退職者数と全国の離職率についてお答えいたします。
県立病院の看護師の普通退職者数と離職率は、平成19年度は99名で6.9%、20年度は110名で7.7%、21年度は81名で5.6%となっております。平成20年度の県立病院の離職率は、全国の離職率11.9%と比較すると4.2%低くなっております。
次に、休床の解消により増加する収益等についてお答えいたします。
現在、県立病院における休床は、中部病院で52床、南部医療センター・こども医療センターで14床となっております。
休床の解消により増加する収益につきましては、中部病院において年間約5億8300万円、南部医療センター・こども医療センターにおいては年間約1億2800万円を見込んでおります。収益から費用を差し引いた差額は、看護師の給与を平均年齢とした場合、中部病院において年間約2億2100万円の利益、南部医療センター・こども医療センターにおいて年間約1800万円の損失を見込んでおります。
次に、看護師の給与を新卒者とした場合、中部病院において年間約2億6300万円の利益、南部医療センター・こども医療センターにおいて年間約500万円の利益を見込んでおります。
以上でございます。
○総務部長(兼島 規) 中部病院における7対1看護体制の実施について、総務部はどのように考えているかについてお答えいたします。
県立病院における7対1看護体制の導入に当たっては、経営再建への影響を検証する必要があります。病院事業局から中部病院において7対1看護体制を導入したい旨の要望がありましたら、今年度導入した南部医療センター・こども医療センターの実施状況、収支の見通しなどを踏まえ、適切に対応したいと考えております。
以上です。
○企画部長(川上好久) 基地と経済についての御質問の中で、跡地利用による経済波及効果調査結果の活用についてお答えいたします。
県では、平成18年度に嘉手納飛行場より南の普天間飛行場など5つの基地の返還後の経済波及効果について調査しております。本調査では、当該基地跡地が那覇新都心地区と同様な発展が見込まれると仮定した場合の経済波及効果について試算が示されております。本調査結果は、調査取りまとめ後の平成19年5月には新聞報道で取り上げられたところであり、またその後県のホームページで公表しており、跡地利用に関する資料として県内外へ広く情報提供されているものと考えております。
次に、すべての基地が返還された場合の経済波及効果及び実現可能性比率についてお答えいたします。
県としましては、当該調査は、すべての基地が返還された場合の経済波及効果を把握するための一つの試みであり、また、実現可能性比率については、算定のための推計値であると理解をしております。
次に、これまでの財政移転と今回の試算結果についてお答えいたします。
本県は、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画や沖縄振興計画などにより、自立的発展の基礎条件である社会資本を着実に整備し、県民生活も格段に向上してきました。今後とも、アジア・太平洋地域の交流拠点形成に向けた空港・港湾の整備や基地跡地の整備等、発展のばねとなる戦略的な社会資本整備を進める必要があります。
一方、今回の試算結果は、基地のもたらす経済的側面についての一分析と考えられますが、これまで投下してきた行政投資の多寡と必ずしも直接比較することはできないものと考えます。
県としては、今後ともさまざまな角度から沖縄振興に係る財政移転について分析してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは我が会派の代表質問との関連についての御質問で、教員候補者選考試験の対象年齢等についてお答えいたします。
「教職経験者(臨任)による選考」で、受験年齢を37歳としたことについては、長期にわたり臨任をしている方々が、実践的指導力や児童生徒への適切な対応、保護者・地域との連携等が高く評価されているとともに、保護者、同僚、児童生徒から信頼を得ており、これまでPTAや保護者、学校長、職員団体等からも受験年齢を引き上げてほしい旨の強い要望がありました。それを受けて、「教員候補者選考試験に係る有識者会議」を設置し、受験年齢等について検討した結果、通算5年以上の臨任経験者に限り37歳まで延長するとの報告を受けました。
受験年齢を37歳までとした根拠につきましては、年齢構成のバランスや年金支給、昇級・昇任、研修への影響等を総合的に判断して設定したとの報告を受けております。
以上でございます。
○比嘉 京子 では再質問をさせていただきます。
ただいまの病院事業経営健全化計画についてですけれども、24年度以降の一般会計からの繰入金50億というのが今福祉保健部長から断言といいますか、されました。しかし、病院事業局長は総務省の基準に基づいてその中で議論を深めていきたいというニュアンスの違う発言をされておりますので、あえてお聞きしますけれども、議論の余地がある数字だと考えていいかどうかお答えいただきたいと思います。部長にお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後1時36分休憩
午後1時38分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
福祉保健部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) 今回の検証委員会で提出した収支推計の試算では、病院事業の経営改善に関するこれまでの状況を踏まえてあくまでも議論の出発点として50億円というふうに設定したものであります。なお、今後その辺の操出金の対象につきましては、政策医療の内容、範囲それに係る財政負担の基本方針等を検討することにより、この検証委員会の提言等も踏まえてその辺の額は設定していくものというふうに考えております。
○比嘉 京子 過去の答弁に変更が生じたということでしょうか。
○福祉保健部長(奥村啓子) これまでもこの操出金、病院の経営に関しては政策医療の範囲、それに係る財政負担の基本方針を検討するということはこの基本構想に基づいた考え方でございますので、そういう意味では今までの答弁と変更したということではございません。
○比嘉 京子 この問題に関してはまた改めてやりますけれども、要するに1年、2年で好転したからといって即このような対応にいくということに対して非常に懸念を持っております。ですから、この問題は引き続きやってまいります。
病院事業局長にお尋ねいたします。
サマーレビューの問題点、課題点は何であったのか。それに対して今後どのような体制、または対策を立てられていくおつもりか、そのことについてお伺いいたします。
○病院事業局長(伊江朝次) お答えします。
平成22年度のサマーレビューについては、昨年以上の実績を残しているというふうにお答えいたしましたが、その原因でございますが、やはり大きな点は診療単価の増であると。これはDPCの診療報酬制度の中にあると考えております。昨年まで県立病院の中で、宮古・八重山がいわゆる医療機関係数が1以下でした。これがことしは1以上になってきております。
それからもう一つは、病院の調整係数というのがあるんですが、これは前年度のいわゆる医業収益というのを担保する係数なんですが、実はこれは県立病院は軒並みほかの民間病院に比べて低かったという状況がございます。これが調整係数が今後機関係数2に変わっていくと。これは要するに病院が装備しているシステムあるいは人材の配置こういったことが診療報酬制度に反映されているということで、例を挙げますと中部病院が今度この機関係数2の点数で全国でも済生会熊本病院に次いで2位になっておりまして、全県立病院が県内のDPC対象病院21ぐらいありますが、10位以内に入ってきておりまして、そういった係数が非常に好転してきているという状況がございます。この点でもかなり県立病院の収益に関しては追い風になってくるんじゃないかというふうに感じております。
○比嘉 京子 次に、看護師不足についてちょっとお尋ねいたします。
病院事業局長に先にお尋ねいたします。今のような26名の看護師不足、14名の看護師不足だというお話がありましたけれども、それは何年ぐらい続いている現象なんでしょうか。
○病院事業局長(伊江朝次) 南部医療センターの14床については平成19年度じゃなかったかと、それから中部病院に関しては21年度だったと。ちょっと後で確認しますけれども、そうだったと思います。
○比嘉 京子 では、福祉保健部のほうにお尋ねいたします。
今、皆さんが第七次のお示しをいただいた表が私手元にありますけれども、これは平成27年が最終でありますよね。(資料を掲示) 今現在22年の問題をやっているわけで、県立病院の今の66名不足を初め皆さんが今出してあるこの需給のバランスですけれども、このことについて27年において確かに今部長は98.9%の充足率になるからいいんだというお話がありましたけれども、では今日700名ですね。700名というのは過去5年前から800名から700名不足がずっと続いているわけなんですよね。そのことの重大さということが今の病院事業局のほうにも影響をして2億5000万前後の今ある種の収益が得られてないわけなんですよ。そういうことを考えますと、この需給バランスの5年先のことを見通して皆さんはいいんだとおっしゃっていますが、これからそこにたどり着くまでの間、その着くまでの間の皆さんの見通し、確保のあり方はどのようにしていかれるおつもりですか。
○福祉保健部長(奥村啓子) 六次の見通しでは700名程度の不足ということがずっと言われて、現に不足という状況もございました。七次につきましても、段階的に改善されていくという部分はございます。その中で確かに養成の数というのをかなり改善してきたということで250名もふえてきた。その間に我々としましては、要するに離職者防止ですね。それから再就職に向けての養成、その辺に力を入れながら看護師の確保というのを図っていきたいというふうに考えております。
○比嘉 京子 次に、病院事業局長にお伺いしたいんですが、今の需給見通し、六次、七次に関してですね。県内の今の県立病院6つの7対1体制を見込まれての数字なんでしょうか、この数字は。
○病院事業局長(伊江朝次) お答えします。
これは県立病院については、7対1は北部、中部、南部、この3つが対象になっておりまして、宮古・八重山は除外されております。
○比嘉 京子 その除外の理由は何でしょうか。
○病院事業局長(伊江朝次) その調査がされた時点では、看護師の確保の問題についてなかなか見通しがつかなかったという状況がございまして、今後の検討に付するということで除外されたというふうに考えております。
○比嘉 京子 もしそれを加えるとすると、あと何名ぐらい必要になるんですか。
○病院事業局長(伊江朝次) 現在この点については、各病院との調整中でございますので、まだ検討課題であります。
○比嘉 京子 現実的に確実な数字ではなくて、10対1から7対1にするんであれば、およそ何名ぐらいというのはすぐ出るんじゃないですか。
○病院事業局長(伊江朝次) まだ数字としてははっきり出ておりません。
○比嘉 京子 沖縄県の退職者率というのは、先ほど全国に比べてそう悪くはないんだというお話がありましたが、現在の沖縄県の充足率を見ますとワーストテンには確実に入っているわけです。沖縄県の需給バランスの中で、看護師の需給は私がカウントすると全国第6位、ワースト6位です。我々以下には5都道府県があるわけなんですけれども、それがあと5年後待てば改善するという見通しの上に立って今議論をされているんだなというふうに感じています。
さて、具体的に現時点での700名不足に対して、県は県内の看護師をどのように確保していくのかということの具体策というのはお持ちなんですか。
○福祉保健部長(奥村啓子) 養成校がふえまして、定員もかつてより250名ふえて24年、23年度末の卒業生は720名ということで数字上、養成者数はかなり改善されていくものと考えております。
先ほど来申し上げましたように、現在の不足という部分はやはり離職者がかなり多い部分も全体的にあるということですので、その辺の離職防止のための研修とか、それから再就職に向けての養成の研修、この辺に力を入れて看護師の確保を図っていきたいというふうに考えております。
○比嘉 京子 では浦添看護学校のお話に移行しますけれども、問題はもともとこれは行革が起点になっていると思うんですね。行革ということは財政を縮減するということですけれども、この看護学校に対して幾らの財源が縮減されるからやるんでしょうか。
○福祉保健部長(奥村啓子) 民営化につきましては、行革の趣旨もそうですけれども、やはり限られた資源の中でいかに有効に活用していくか。そして民でできることは民で、そして官で本当にやらなきゃいけないことは何か。そしてそれに重点化していくというのが本来の行革の趣旨ですので、単なる経費が安くなるからという意味での今回の民間移譲ではございません。それは前提としまして、もし民間移譲できた場合の経費の比較といいますと、一般財源ベースで約2億4500万円ほど削減されるというふうに試算しております。
○比嘉 京子 ではお聞きしたいんですけれども、今の県立病院の全部の病床が空いて入院がとれるとすると、2500億ぐらい年間ずっと赤字を出しているわけなんですね、減収しているわけなんです。そのことと非常に矛盾するんで、そういう考え方というのは問題ではないか。まず私は今行革の観点から申し上げているわけなんですけれども、ではお聞きしますけれども、今の県立病院の今度66名の補充の確保を具体的にどこから、何名、どのように持ってくるお考えなのか、策があるのか、お聞きしたいと思います。
○病院事業局長(伊江朝次) お答えいたします。
現在、病院事業局では看護師の募集回数を複数回にしておりまして、今のところ順調に応募してきておりますし、数字としてはそれだけの数字が達成できるかどうかまだはっきりはしておりませんけれども、やはり募集しても要するに採用する数字というのをまずはっきりさせないといけないものですから、今議員がおっしゃっているこの60何名というのは今回の募集ではクリアできるというふうに思っております。
○比嘉 京子 それでも年間、期限じゃないのに早期退職者が多いわけなんですよね。この繰り返しをやっているということは過重労働である。しかも、県の部長は検証をやる、再就職へ促すという道筋はおっしゃるけれども、これは具体策になっていないと思うんですね。かつて医師会が訴えていたのは、県立病院の看護師を県でしっかりと自前で養成したらどうだということが大きく言われました。そういう意味で、県立病院の看護師養成をしっかりとその道につなげていくための、言ってみれば政策的な看護師養成これをしっかり確保することこそ今大事なことではないですか。
知事、いかがですか。
○福祉保健部長(奥村啓子) 特定の県立病院に就職するための養成という形での養成ということは、法的にも認められてないということで、一般的に各民間の養成所で現在の浦看も含めて養成している看護師については、やはり本人の希望でどこにでも就職は可能でございます。そういう意味では、県立病院のための看護師を養成するための学校という形での設置は認められないんじゃないかと思っています。
ちなみに、沖縄の県立、要するに浦看のこれまでの就職状況ですね、浦添看護学校の卒業者の状況を見ていますと、これまで県内就職がほとんどではございますが、民間病院に行っているのが約70%、県立病院に行っているのが17%ということで、必ずしも県立浦添看護学校のほうが県立病院のほうに行っているということではございませんし、また逆ももちろんございますので、そういう意味では県立病院の看護師の養成のために県立の養成所を設置する必要があるということはちょっと言えないんじゃないかなというふうに考えております。
○比嘉 京子 これは政策的にやっていない、誘導的にやっていないからその結果なんですよね。言ってみれば授業料を免除する、そのかわりに何年間かは県立に勤めてもらうとか。自治医科大学がやっているじゃないですか。自治医科大学は無料のかわりに、僻地医療を何年間はやるという義務づけやっているじゃないですか。それは皆さんがやる気がないからじゃないですか、どうですか。
○福祉保健部長(奥村啓子) やはり宮古・八重山、離島への看護師養成というのが課題であるということで、今回看護師の修学資金の制度を変更した中で、宮古・八重山での200床の規制を緩和したところでございますので、今後はそういう意味で県立の離島も含めての看護師養成は進んでいくものというふうに期待しております。
○比嘉 京子 冒頭で知事は、言ってみれば過去のその当時――17年の陳情案件が多いんですが――の看護師不足を背景にした医師会、看護協会等が12万2000人の署名活動をしたわけなんですね。そのことの背景、または県議会決議の背景は、その当時の看護師不足が大きく影響しているので、今はそれではないんではないかというような認識の答弁がありました。その当時と看護師不足は800人から700人というレベルでそんな大きな改善はされてないんですね。ですから、先ほど知事が答弁されたということは、これは今現在該当しない。そして今現在、県立病院の看護師さえも調達ができない、そして66床の休床を余儀なくされている。その上に、医療を受ける者の門を狭めている。そういうような現実をどう変えるのかというときに具体策がない。そういうようなどこからどの数値が出てくるかというのが見えない。そういうことは政策的に私は検討が必要ではないかということを申し上げたいと思います。
さて、看護学校の今行革のみが皆さん目的なので、私、議論をやりましたけれども、看護学校の国家試験の合格率は浦看のレベルは他の医師会看護専門学校が、今、那覇と中部と北部にあるわけですが、部長、そこに比較してどういうレベルですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後1時58分休憩
午後1時59分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
福祉保健部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) 浦添看護学校はこの19年、20年、21年の3カ年で全日の場合はほぼ100%を維持しておりまして、民間の場合は21年度が98.8ですね。大体95以上は確保しております。
○比嘉 京子 あのですね、浦看の合格率が高いということもさることながら、これまで県立の看護学校がこれらの医師会看護専門学校のコアになってきたと思うんですよ、モデルと言ってもいいと思うんですね。いわゆる浦看のようになりたいと、浦看のように実績を上げたい。そういうコアになってきたところを今収支のバランスから見ましても、皆さんが行革と言ったことから県立病院だけを考えても採算的に矛盾があるわけなんですね。そういうことから考えましても、みすみすこれを移譲する理由というのは見当らないと私は申し上げているんですね。
もう一つ最大の問題は、経済的に厳しい学生の看護への道を閉ざす。先ほど知事が答弁された当時は学費が8万4000円だったんです。今現在24万円台になっています。それでも当時から民間は80万、90万、100万、年間払っているわけです。それだけの金額を払っているにもかかわらず、医師会は署名を受けてでも県立を堅持すべきだと訴えたんですよ。これは意味が大きいということを認識しないといけないと思うんですね。
そういうことを申しましても、やはり皆さんが学資の収支の借り入れをおっしゃっておりますけれども、2人の保証人、そして印鑑証明つきでなければならないなどというような、そういう借り入れの道筋を立てたから解決できるという問題ではないということを訴えまして、終わります。
○渡嘉敷喜代子 こんにちは。
社民・護憲ネットの渡嘉敷喜代子です。
それでは通告に従いまして一般質問をいたします。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、1月の稲嶺名護市長の誕生に続き、9月の市議選では辺野古移設反対の市議が多数を占めた。これを受けて知事は、明快に辺野古移設反対の意思を表明すべきではありませんか。
(2)、これまで政府は、日米間の合意内容をひた隠しにしてきました。8月下旬の日米専門家会議の報告で明らかになった一連の問題点として、オスプレイの配備、場周経路の拡大による騒音の問題、自衛隊との共同使用等々について知事には全く知らされていなかったのか。政府とどうこれから交渉していくのかお尋ねいたします。
(3)、菅首相は、沖縄に理解を求めるとか、知事選後に結論を出すとか先送りしております。一方、知事は、日米合意について見直しは政府の出方次第と相変わらず傍観者であります。一体知事は、菅首相に何を期待し、どんな説明を期待しているのか明確に答えてください。
(4)、防衛省の「防衛計画大綱」では、沖縄に10年間で2万人の陸上自衛隊を配備するとしております。県は、行政内部でこのことについてどのような論議がなされてきたのか。また、知事は、陸上自衛隊の配備についてどう対応していくのかお尋ねいたします。
(5)、9月21日に、来月から1年半の間、嘉手納の滑走路工事のため普天間で嘉手納配備の戦闘機が訓練することが報じられました。なぜこの時期なのか、世界一危険な普天間に新たな負担を強いるのは絶対に許しがたいことです。県の対応を伺います。
(6)、1年生から6年生までの30人学級の実現は知事の公約であります。ところが、実施されたのは1年、2年生のみで、それも空き教室と国頼みであります。公約不履行について説明を求めます。
2、基地問題について。
(1)、返還前の基地内の環境白書の作成を求めている県生活環境保全条例を生かし、基地内の環境問題解決に向け積極的に進めていくべきであると思いますが、現況はどうなのかお尋ねいたします。
(2)、米軍人・軍属絡みの事件についてでありますが、ア、5600人余の米軍絡みの事件について、沖縄防衛局は、不起訴の有無について統計もとらず全く把握してないことが、9月2日の強制わいせつ致傷事件に係る県議会米軍基地関係特別委員会の抗議・要請で明らかになりました。県の見解と今後の対応について伺います。
イ、米軍側は、民間や県警との共同パトロールを望んでいるようですが、県警の見解と事件の未然防止策について伺います。
3、教育行政についてお尋ねいたします。
(1)、学校司書についてでありますが、学校司書については、昨年の11月議会での代表質問から2月、6月議会の一般質問、そして今回の9月議会の一般質問と4回にわたって取り上げました。なぜそこまで私がこだわってきたのか、学校司書72名のうち、本務職員の司書が現在22名で、毎年10名前後の本務職員が退職しております。退職した本務の補充は賃金職員を充てることが県の方針ですが、そのために現場では混乱が起きております。今ここで歯どめをしなければ、学校図書館の運営が体をなさないことを危惧しているからであります。県の誠意ある答弁を求めます。
ア、図書館行政における学校図書館の運用について、教育長の考え方をお伺いいたします。
イ、事務職員の定数について、新高校標準法第12条第2号について伺います。
ウ、学校司書採用試験の実施されている九州各県の状況を伺います。6月議会では、国の動向や都道府県の取り組み状況を研究するとの答弁でありましたが、その後の取り組みと県の方針を伺います。
エ、新義務標準法第9条第3号について伺います。また、現状はどうなのかもお伺いいたします。
4、福祉行政について。
(1)、ウィルソン病の疾病状況について、県内の状況をどう把握しているのか。また、特定疾患への指定と医療費の助成等について見解を伺います。
白骨化した親の死体と同居し、親の年金を不法に受け取っていた80代の娘と孫が摘発された報道で大変な衝撃を受けました。社会とのつながりもなく、殺伐とした都会の片隅でだれにも気づかれずにひっそりと死んでいく独居老人世帯の状況、日本の社会保障の貧しさを象徴しているかのようであります。沖縄でも決して例外ではなく、対人関係が希薄になり、独居老人世帯の孤立化も進みつつあります。
そこで、次のことを質問いたします。
(2)、県内における高齢者の所在不明者の有無と独居老人の現状と支援についてお伺いいたします。
(3)、県内における戸籍上生存していると予想される高齢者の数を示されたい。また、そのような状況がどうして放置されていたのか、全く検討もされなかったのかについてもお伺いいたします。
(4)、生活保護に関連して。
ア、生活保護受給者の増加に伴い、ケースワーカーの不足が懸念されます。ケースワーカー1人当たりが担当する標準数は65件とされ、その場合のケースワーカーの不足数を伺います。
イ、ケースワーカーの不足によってどんな弊害が予想されるのか。また、県の対応策をお伺いいたします。
答弁によっては再質問いたします。
○知事(仲井眞弘多) 渡嘉敷喜代子議員の御質問に答弁いたします。
知事の政治姿勢の中で、辺野古への移設に反対すること及び政府に求めていることについてという御質問にお答えいたしますが、1の(1)と(3)は関連いたしておりますので一括して答弁させていただきます。
県といたしましては、去る5月の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと繰り返し申し上げてきたところでございます。そして、名護市長選挙や県議会の意見書議決、県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難であると考え、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を示すよう求めてきましたが、政府からこの間の県民の怒りと失望にこたえ得る説明と方策は依然として示されておりません。
県としましては、このような状況にかんがみ、政府に対し日米共同発表を見直し、普天間飛行場を県外に移設することを求めてまいりたいと考えております。
次に、同じく知事の政治姿勢の中で、30人学級に係る御質問にお答えいたします。
30人学級につきましては、小学校1、2年生で施設条件面等の対応が可能な学校において実施いたしており、当面、小学校低学年で実施することといたしております。
今後の計画につきましては、現在、文部科学省において策定されている「新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(案)」の動向や全国の実施状況等を踏まえまして研究してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢につきまして、オスプレイの配備等についての御質問にお答えいたします。
県は、オスプレイが過去の開発段階において死亡事故を起こしていること及び現在、米本国などにおいて配備されていることについては承知しております。また、2010会計年度海兵隊航空計画においては、普天間飛行場のCH46と代替更新することが記述されております。
これらのことを踏まえ、県は、政府に対し再三照会しており、去る9月9日及び14日に外務省沖縄事務所に対し問い合わせをしたところ、現時点で具体的に決まっているわけではないと米側から回答を得ているとのことであります。
県としては、配備の有無を含め、政府から県民に十分な説明をすべきであると考えており、引き続き具体的な説明を求めてまいります。また、普天間飛行場代替施設における米軍と自衛隊との共同使用等については、政府から具体的な説明は受けておりません。いずれにしましても、現時点で辺野古移設を前提に代替施設の運用や使用形態等について議論する状況にはないと考えております。
次に、陸上自衛隊の配備についてお答えいたします。
北澤防衛大臣は、9月21日の記者会見におきまして、先島諸島への部隊配備について調査をスタートさせていきたい、また、2万人規模というのは聞いたことがない旨の発言をしております。
自衛隊の配備につきましては、政府において、我が国の防衛やさまざまな緊急事態対応などの観点から検討されるべきものであり、県民の理解なしに進めることは困難であると考えております。
次に、嘉手納基地所属機の普天間飛行場の利用についてお答えいたします。
米軍によれば、嘉手納飛行場の滑走路改修工事に伴い滑走路1本で運用が行われる18カ月の間、嘉手納飛行場に着陸できない事態が発生した際に航空機が普天間飛行場を含む他の飛行場へ着陸地を変更する、いわゆるダイバートの可能性が高くなるとのことであります。
普天間飛行場周辺住民の過重な負担を踏まえ、県としては、米軍に対し安全管理を徹底し、ダイバートが発生することがないよう適切な運用を要請したところであります。
次に、沖縄防衛局は起訴状況を把握していないが、県の見解と今後の対応という御質問にお答えいたします。
起訴件数等の状況については、那覇地方検察庁に問い合わせをしたところ、同検察庁から当該資料は公表しておらず提供はできない旨の返答があり、内容については把握しておりません。
県としては、米軍人等の犯罪については、政府においてできる限り情報を公開し、県民の理解を得る必要があると考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 基地問題についての御質問の中で、基地内の環境問題解決に向けた取り組みについてお答えいたします。
沖縄県生活環境保全条例では、米軍基地環境問題への取り組みとして、航空機騒音等環境問題の軽減のための協定の締結を申し入れることができるなどと規定されております。
基地内の環境問題解決に向けては、平成21年3月及び平成22年3月、在沖米軍基地に係る環境保全担当者連絡会議を開催し、生活環境保全条例に規定している米軍基地環境問題に関する条項について周知と理解を図るため説明を行ったところであります。
一方、日米地位協定では環境に関する条項がなく、特別な定めがない限り、米軍に対し一定の義務を課したりすることはできないこととなっております。そのため、県では、渉外知事会を通じて環境保全に関する日本国内法を適用することや、基地返還に当たっては、日米両国政府が責任を持って、土地の使用履歴や汚染状況等に関する情報の公表、返還前の環境調査、環境の浄化等適切に対処する旨を国に対して求めているところであります。
県としましては、今後とも国の動向も踏まえ関係機関と連携し、生活環境保全条例に基づく協定の締結の申し入れについて検討していきたいと考えております。
以上であります。
○警察本部長(黒木慶英) 米軍との共同パトロールに関する県警察の見解と米軍事件の未然防止策についてお答えいたします。
初めに、県警察と米軍の軍事警察機関である憲兵隊との共同パトロールについてでありますが、まず本県における治安の確保は沖縄県警察の責務であること、また、何らかの犯罪を犯した米軍人を逮捕する場合には、県警察と憲兵隊との共同逮捕という扱いになり、地位協定に基づき当該米軍人の身柄は米軍に引き渡され、原則として起訴されるまで米軍側がその身柄を拘束することから、沖縄県警察としては容認していないところであります。
また、警察権を有しない米軍上官による部下に対する一般的な指導監督のためのパトロール――いわゆるコーテシー・パトロール、通称CPと申しておりますが――このCPとの共同パトロールについても米軍人を被疑者とする犯罪現場において共同パトロール中のCPから連絡を受けて憲兵隊が現場臨場した場合、身柄の措置に関して憲兵隊との共同パトロールと同様の問題が生ずる可能性があること、また、県警察がCPとの共同パトロールを実施することは、米軍犯罪のみに対処するために既存の警察力の一部を割くことになり、警察力が低下するおそれがあること、この2点の問題点があるものと考えており、現状では望ましいものではないものと認識しております。
次に、事件の未然防止策についてお答えいたします。
米軍構成員等による事件・事故防止につきましては、本年3月に四軍調整官に申し入れを行ったところでありますが、今後ともその時々の事件・事故の特徴を踏まえて所要の申し入れを行っていきたいと考えております。そのほか、米軍当局と協力してアメリカンスクールにおける非行防止教室の開催、在沖米海兵隊員等に対する交通安全講話を実施したところであり、今後も継続していきたいと考えております。さらに、所轄警察署においては、米軍人等がよく利用する風俗営業所等への立ち入り、周辺における車両検問を徹底するなど、事件・事故防止対策を図っているところであります。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは教育行政についての御質問で、学校図書館の運用についてお答えいたします。
学校図書館は、学習活動を支える資料センターとしての役割を持っており、児童生徒がみずから学ぶ学習・情報センターとしての機能とともに、豊かな感性や情操をはぐくむ読書センターとしての機能を果たす重要な学習の場であると考えております。
次に、高校標準法第12条第2号についてお答えいたします。
「公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」第12条第2号は、事務職員について、12学級以上の全日制及び定時制には1名が加算されるということであります。
次に、学校司書の九州各県の状況についてお答えいたします。
九州各県の学校司書につきましては、福岡県、熊本県、鹿児島県が学校図書館担当事務職員として採用試験を行っております。また、全国においては、37都府県が学校図書館担当事務職員等を配置しており、そのうち22府県が標準法定数等を用いて措置しております。
国においては、平成22年7月、中央教育審議会が学校図書館業務の充実に向けた教職員定数改善の必要性について提言を行いました。
県教育委員会としましては、国の動向等を注視しながら、学校司書と司書教諭との連携や校務分掌で教職員を複数配置することにより、組織的・計画的に図書館業務の円滑な運営が図られるよう努めてまいります。
次に、義務標準法第9条第3号とその現状についてお答えいたします。
「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」第9条第3号の具体的な内容は、事務職員の定数について、27学級以上の小学校及び21学級以上の中学校に1名が加算されるということであります。
複数配置の現状については、義務標準法第9条第3号により1名が加算され、平成22年5月1日現在、小学校6校、中学校13校に事務職員が2名配置されております。
以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 福祉行政についての御質問の中の、ウィルソン病の県内の状況及び特定疾患への指定と医療費助成についてお答えします。
ウィルソン病は、小児慢性特定疾患治療研究事業の対象疾患となっており、県内では現在2名の方が医療費の助成を受けております。ウィルソン病は、18歳未満までに診断されると20歳未満まで延長して助成を受けることができます。ウィルソン病については、原因が明確で治療方法が確立していることから、国の「難治性疾患克服研究事業」の対象疾患に指定されておりません。
なお、20歳以上のウィルソン病患者の医療費助成については、他の疾患患者とのバランス等を考慮する必要があると考えております。
次に、県内における独居老人の現状と支援についてお答えします。
県が実施した「老人福祉関係基礎調査」によると、平成21年10月1日現在の本県のひとり暮らし高齢者数は5万2525人で、65歳以上人口に占める割合は22%となっております。ひとり暮らし高齢者に対しては、市町村による要支援高齢者を対象とした「福祉電話」の設置や「配食サービス」、老人クラブによる「友愛訪問」、民生委員による「訪問相談」等が行われております。また、市町村の地域包括支援センターにおいては、高齢者本人や家族からの相談に応じ必要なサービスにつなげるなど包括的な支援を行っております。
県としては、今後とも市町村等が実施するひとり暮らし高齢者等への施策に対して必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
次に、標準数で換算した県内福祉事務所ケースワーカーの不足数についてお答えします。
生活保護のケースワーカーについては、社会福祉法において県福祉事務所については、被保護世帯数65世帯に対して1名、市福祉事務所については、被保護世帯数80世帯に対して1名の割合で標準数が示されております。平成22年4月1日現在のケースワーカーの配置状況を見ますと、標準数に対しまして16事務所中7カ所の福祉事務所において合計で33名の不足が生じております。
次に、ケースワーカーの不足による弊害と県の対応についてお答えします。
生活保護のケースワーカーの業務は、保護申請の際の相談対応、保護の要否判定のための調査、保護世帯の自立を促進するための支援等多岐にわたっております。ケースワーカーの配置不足等により職員の業務負担が増しており、世帯訪問や関係機関調整等自立に向けた取り組みに不足が生じている状況にあります。生活保護の適正実施のためには、ケースワーカー不足の解消は緊急な課題であると認識しております。
沖縄県としましては、標準数の確保に努めるとともに、福祉事務所を設置している市に対しては、今後とも事務指導監査等によりケースワーカーの標準数の充足について指導を行ってまいります。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 福祉行政についての御質問の中で、県内の所在不明高齢者についてお答えいたします。
県内市町村に住民登録がされている100歳以上の高齢者について、県内全市町村で調査を行った結果、平成22年9月7日時点で所在不明者はいないとの報告を受けております。
次に、戸籍上の所在不明高齢者の状況についてお答えします。
戸籍上は生存しているが所在が不明な100歳以上の高齢者は、那覇地方法務局の発表によると、平成22年3月31日時点で1万718人となっております。
その理由につきましては、法務省及び戸籍を管掌する市町村によると、戦時の生き別れ等で死亡が確認されない者及び戦前戦後における沖縄県からの多くの海外移住者について、死亡届等がなされていないケースが多数あると聞いております。
県としましては、この問題が法務省と市町村の連携のもとで適切に処理される必要があると考えております。
以上でございます。
○渡嘉敷喜代子 警察本部長、御答弁ありがとうございました。
それでは教育長にお尋ねしますが、先ほどの高校標準法の中で、事務職員の定数について、学校図書館の機能の充実を記すために学校図書館担当の事務職員の配置基準を引き下げて、12学級以上の全日制に対しては1人配置するということですよね。そのようにおっしゃいましたか、ちょっと私の聞き漏れでしたかね。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
その第12条2号につきましては、12学級以上の全日制及び定時制には1名が加算されるということでございます。
○渡嘉敷喜代子 ちょっと休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後2時31分休憩
午後2時31分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○渡嘉敷喜代子 昭和42年の5月31日の衆議院文教委員会の国会でのやりとりの中で、図書館担当の事務職員の性格について質問がありまして、それに対して、定数法の改正の機会でありますので、その事務職員の枠として司書をつかさどるべき者を1人一応入れておくべきだという御判断でこのことが改正されたということを言っています。
それから平成5年にも、この改善がされたということは、学校担当の事務職員の配置基準の改善については、やはりこれをしっかりと生かしていきたいということで、都道府県の教育委員会を通してしっかりとそれを徹底するように図っていきたいと、このようにして国の方針がはっきり述べられているわけですよね。それは沖縄県の教育委員会にも通知が来ていたと思うんですけれども、それが今やられていないという状況にあるわけです。
6月議会で教育長は、国の動向やそして他の都道府県の状況を見て研究していきたいということですけれども、国としてははっきりとこういうことを示しているわけです。だから、国の動向をどうのこうのということはもうこれは言えないんですよね。
そして、先ほど教育長がおっしゃいましたように熊本県、それから福岡、鹿児島においては既に採用試験も行っているわけですからね、そのことについて教育長としてどうお考えですか。
○教育長(金武正八郎) ただいま議員の御指摘の第12条2号についての取り扱いにつきましては、これは国が県に高等学校の事務職員の総数を定める際の算定基準の一部でありまして、各学校への教職員の配置につきましては、各学校の実情に応じて配置するということで、文科省のほうからはそこの図書館担当事務職員にすることも勧めるというそういうお話も伺っております。
それを受けて他の都道府県でも、全国でも37都道府県が学校図書館担当事務職員として12学級以上の1名加配の分を活用しているということは事実でございます。
○渡嘉敷喜代子 やっぱり教育庁としての方針をしっかりとそれは提示しなければいけないことなんですよね。
その学校の状況に応じてということではなくて、この事務職員の配置については、図書館機能の一層の重要性にかんがみ、図書館の果たす役割を一層円滑にしていきたいということでこの事務職員を充てたということですから、これは教育庁の姿勢に問題があるわけですよね。それぞれの学校の状況に応じてじゃなくて、やっぱりそのことをしっかりと定数枠の中で司書を確保していかなければいけないということが、今問われているんじゃないでしょうか。そのことをやってこなかった、それを県単で枠外に外していったということがそもそもの問題になっているわけですよね。そのあたりどうお考えですか。
○教育長(金武正八郎) 本県は、全国と異なりまして、全国に比べてとにかく図書館司書というのが全学校に配置された経過がございます、御承知のように。全国ではなかなか配置されていないところを沖縄県では配置されて、そういう面で図書館の教育の充実はこれまで大きな役割を果たしてきたと思っております。
今、議員の御指摘の件につきましては、各都道府県がまだまだ司書というのを配置していないことについて、その12学級以上のを活用しなさいということで、私はそういうふうに理解をしております。
○渡嘉敷喜代子 これは11月議会から、最初からもうこのことは討議されていますよね。じゃ学校司書教諭が本当に図書館に常駐でいられるのかどうか、そういうことはできないわけですよ、授業があります。そして、そこに職務分掌で割り当てた人についても授業があるわけですね。やっぱり司書というのは、その図書館に常駐しなければ機能しないわけです。
この間、文厚委で高等学校を視察したときにも、やはり臨時の人でなかなか子供たちが今就職したいんだけれども、その資料を調べたいんだけれども適切に指導してくれない、賃金職員ではね。そういうことで大変困っていますというような現場からの声も上がっているわけですよ。ですから、教育長がおっしゃる司書教諭については配置されている、他県ではやられていない、だから沖縄県はしっかりとやっているよということは、それ当たらないと思うんですよ。どうなんですか。本当にそれは現場の声を聞いていらっしゃいますか。
司書教諭が充てられているから、じゃ図書館はしっかり機能しているかということはそうではないんですよね。例えば、毎年本務職員が定年でやめていきますね、今22名です。来年は10名また減りますか。そういう状況の中で、賃金職員のところでもうどんどんどんどん本が積み重ねられて整理もできない状況にあるわけですね。そこへ今度は本務の職員をそこに異動させるわけです。お掃除です、それがもう1年もかかるんだそうです。そして、今はこれは本務職員がいるからそれができるんですよ。これからどんどんどんどん賃金で補充されてきた場合に、それができるのかどうか、本当に学校図書館が成り立たないということで私は質問をしているわけですよ。本当に教育長はどうお考えですか、そのあたりは。
○教育長(金武正八郎) 今、渡嘉敷議員が御指摘のとおり、司書が退職した場合は、不補充という形で今臨任を充てて対応しているところでございます。
しかしながら、全国的にも、本県においては全学校に学校司書は配置しております。そして、司書教諭との連携を図って、また、校務分掌等で教職員を複数配置することで、今、図書館業務の円滑な運営を図っております。
しかしながら、議員が指摘する面で、私たちとしては図書館業務のさらなる充実に向けて、その12学級以上の学校としての事務職員の枠を活用して、図書館の充実を図ってまいりたいと考えております。
○渡嘉敷喜代子 そもそも司書教諭が学校に1人しかいないということで、定数の枠の外に出されていたということが問題ということは、教育長もそれは認めますか。
そして、今教育長の話では、その定数枠に徐々にではあるけれども戻していきたいという今の答弁でしたか、確認したいと思います。
○教育長(金武正八郎) 全国でもその枠を活用して図書館担当事務職員を配置するということが多くなっております。そういうことを一応参考にして、本県でも今やっている学校図書館の業務をさらに充実する意味で、学校図書館担当事務をこれから配置していくことを検討していきたいと考えております。
○渡嘉敷喜代子 司書を定数枠に戻すということが一番大切なことなんですよ。このことを一番弱い立場の学校に1人しかいない司書を定数枠から外して、県単でそれを補充してきた。それも本務がやめると賃金で雇っていく。そういうふうにして行革の中で賃金を雇っていく、そういうことが問題の発端なんですよね。ですから、今、一度にその定数枠に戻しなさいとは言いませんけれども、徐々にでもいいですから、二、三名でもいいから毎年ふやしていくというようなそういう考え方はおありですか。
○教育長(金武正八郎) 今、渡嘉敷議員がおっしゃることにつきましては、学校図書館担当事務職員として、今はその加配されている12学級以上の人については事務職員として配置されております。これからやっぱりさらに学校の図書館業務の充実に向けて、その事務職員を12学級以上で1人加配されている部分を、これから学校図書館担当事務職員として振り向けていくということについて前向きに取り組んでまいります。
○渡嘉敷喜代子 これは、加配されている事務職員というのは国の予算ですか。
○教育長(金武正八郎) はい、そのとおりです。
○渡嘉敷喜代子 知事にお尋ねしますが、今のそのやりとりの中で、やはり図書館司書が定数枠の外に出されたがために県単で賃金で雇っていた、そういうことに問題の発端が起こっているわけですね。そして、定数法についてのこの質問をしないでくれということを、もう2月から私言われていたんですよ。というのは、部長にもお尋ねしますけれども、司書が県単で雇われているということを、国からもちゃんと来ているのに何で司書を県単で補充するのかということで、このことすべて削られてしまうんじゃないかという心配で、定数法については聞くなということがあったわけですね。ですけれども、もうそれは財政課のほうでもよく御存じのことだと思いますので、そのあたりはぜひ定数枠に司書を戻して、そして事務職員を県単で補っていくという考え方はおありでしょうか。お二方にお尋ねします。
○知事(仲井眞弘多) 今の図書館司書の方々についての議員の御質問は、私もかなりよく傾聴させていただいておりますが、確かに学校における司書の方の役目というのは大変重要だと実は私もかねてから思っております。ただ、この点、教育委員会ともう一度私のほうもよく勉強させていただきたいと思いますので、きょうのところは私の答弁はこれぐらいにさせていただいて、今、定数その他について総務部長のほうから答弁させていただきます。
○総務部長(兼島 規) 知事がお答えしたとおりで、少し教育委員会とその辺についてのいきさつも含めて、今後のことも含めて相談させていただきたいと思います。
○渡嘉敷喜代子 鳩山前首相が、勉強すればするほど抑止力の意味がわかりましたということではないんですけれども、知事、6月議会も勉強させてください、もう一度私に預けてくださいというそういう答弁ではもう通らないんですよ。もう本当に緊急性があるんですよ、このことは。それを12月議会、あるかどうかわかりませんけれども、そのことを教育長、しっかりと示していただきたいと思います。
それでは知事にお尋ねしますが、6月議会でこのようなお答えをしています。知事、いいですか。辺野古反対と言ったときに、「絶対的なたった1つの答え、判断しか持たないというのは、私ども行政実務上の現実、処理をする中では非常に危険になる可能性すらある」ということで、その辺野古移設反対は言えないというような答弁をしました。覚えていらっしゃいますか。そういう答弁したことを覚えていらっしゃいますか。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと確認させてください。
○渡嘉敷喜代子 じゃ、今、資料を上げますので、ちょっと休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後2時44分休憩
午後2時44分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○渡嘉敷喜代子 知事、行政機関の責任者として絶対的に決めつけることは大変危険だということで反対とは言えないというような答弁をしました。これはもう議事録に載っているとおりですね。そのときに、じゃ、宜野湾市の市長や名護市長も反対だとはっきり言った。それは行政上の問題はありませんかと言ったら、その違いは同じだということを答えられましたよね。
そこでお尋ねしたいのは、その危険というのは一体何のことを指していらっしゃるのかお尋ねします。
○知事(仲井眞弘多) 今の点は、何といいますか、オール・オア・ナッシングだとか、白か黒かとか、賛成か反対かというこういう二律といいますか、そういう物の決め方、進め方に合うもの、合わないものがあって、行政上の判断をするときに、白か黒かとか、オール・オア・ナッシングというような判断というのは、後でみずからの弾力性、事情変更に対する対応というものが非常に硬直化してくるという危険があるという意味でございます。
○渡嘉敷喜代子 これまで辺野古移設について大変厳しいと、困難だと。名護市長さんの誕生、それから市議選で反対の人たちが多数誕生したということで、今回は県外移設も言及しております。それでは、県外移設は言うけれども、まず県内移設があっての後の県外移設・国外移設ということを2月議会で私たちは全会一致で決議しているわけですよね。県内移設反対だと、そして県外移設を求めますというのが、それが手順だと思うんですけれども、今回知事は、県外移設と言っているけれども、県内移設反対とは言っていませんよね。今おっしゃったその危険というのは、このことにも関係してくるんでしょうか。県内移設も選択肢としているということになるのでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 県内移設が選択肢となるかという御質問につきましては、県内、特に辺野古への移設というのは、何度も申し上げましたように非常に厳しい、そして事実上、実施するのがまず無理だろうというぐらい厳しいということでございます。
○渡嘉敷喜代子 そんなに難しい、無理であれば、県内移設反対と言えばさっぱりするんじゃありませんか。これから知事選も戦っていくわけですよね。そこでも絶対に県内移設は言えないんですか。
○知事(仲井眞弘多) 私は、かねてから県外移設というものはベストな選択、ベストであるということを申し上げてきたところです。ですから、私の用語として反対であるとか、絶対何であるということは使うつもりはありません。しかし、もう現実的に非常に厳しいというのも申し上げてきたとおりです。そうすると、一日も早い危険性の除去という点からは、当然県外になっていくではありませんか。それを申し上げているわけです。
○渡嘉敷喜代子 今回の市議選で多数を反対派が占めました。そして、市長も誕生しました。このことを知事は民意と受けとめていますか。
○知事(仲井眞弘多) 橋本晃和先生で言う「民意の研究」という本をこの間読んでいましたら、まさしく先生の言う定義上の民意に合っていると思います。
○渡嘉敷喜代子 知事の公約の中で「解決力おきなわ」、その中で県民の立場に立ち、そして県益を踏まえた基地問題解決を目指すということを言っております。でしたら、県民の立場に立つんであれば、今こそ県民の立場に立って、その民意に立って県内移設反対だと言うべきではありませんか。
○知事(仲井眞弘多) まさにおっしゃるように県民の立場に立って、県民の意に沿うような形で私は県外を求めていくと、こう申し上げているわけでございます。
○渡嘉敷喜代子 普天間の危険性の除去の話が出ましたけれども、嘉手納から1年半にわたって戦闘機が飛び交いますよね。そのことについて9月28日の答弁の中で、「米軍に対して適切な運用を求め、安全管理を求めていく」というような答弁がありました。戦闘訓練をしているわけですから、どのようにして安全管理を求めていくのか。そして、知事が今求めている危険性の除去、それに逆行するのではないか。ということであれば、3年以内の閉鎖状態も今本当に実効性がありません。そのことで、今この戦闘機の訓練について即やめなさいということが言えないのかどうか。
○知事公室長(又吉 進) 今議会で再三答弁させていただいておりますが、普天間飛行場の最近のこの嘉手納飛行場からの訓練というものは、答弁しておりますように、嘉手納飛行場の滑走路の補修工事が行われ、運用が1本になると。1本で何か支障があったときに他の飛行場に飛ばなければいけないという事態が生じるというような前提でございます。したがいまして、その1本の滑走路で支障が生じるような事態がないように、そこにおりられないような事態がないようにということで安全管理を徹底していただきたいと言っているわけでございます。
○渡嘉敷喜代子 今、21日に報道がされて、22日からずっと飛び交っているんですよ。きのうも7時に家に帰りましたら、7時に飛び立ちました、3機が。そして9時半に戻ってきたんですよ。こういう状況がもう既にあらわれているわけです、騒音をまき散らしてですね。そのことに対して、いやだめなんだと、危険性の除去から。本当に世界一危険な普天間飛行場ですよね。それに対してやはり知事として、それはだめなんだということをはっきり言えないのかどうか、知事に御答弁お願いします。
○知事(仲井眞弘多) それはもう既に申し入れているんですけれども、私どもは。
○渡嘉敷喜代子 申し入れているけれども飛んでいるんですよ。そういうことをとめさせなきゃいけないんですよ。県民の命や暮らしを守る、そういう立場であればしっかりとそのことを言ってほしいと思います。
終わります。
○新垣 安弘 民主党の新垣です。よろしくお願いします。
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」憲法前文の一説です。そういう憲法のもとにあっても自由か共産かという、米ソの冷戦の時代は、圧倒的なアメリカの経済力と軍事力のもとで、アメリカに国家の安全保障を依存し、国民は生活の豊かさを求めて邁進しました。そして沖縄と一部の地域に米軍基地を受け入れることで、みずからの安全と安心を得てよしとしてまいりました。
このたびの尖閣諸島での事件をめぐる中国との対立を通して、多くの国民は、我が国の安全保障問題が新たな局面にさらされていることを認識したのではないでしょうか。これから中国の軍事力はアメリカに追いつき追い越せと、拡大の一途をたどるものと思われます。どの国も食べていくために豊かさを求めて、それぞれの国益を中心に、生き馬の目を抜くような熾烈な外交交渉を展開しているのが現実であります。そして力を伴わずしてみずからの正義は守れないとの認識のもと、軍事力を強化しています。そんな国際環境の中で、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼し、みずからの生存を保持できる状況にあるというならばそれ以上のことはありません。
伊波普猷は、敗戦直後に沖縄歴史物語の最後の部分に書いています。「地球上で帝国主義が終りを告げる時、沖縄人は「にが世」から解放されて、「あま世」を楽しみ十分にその個性を生かして、世界の文化に貢献することが出来る、」と。
残念ながら、それぞれの国益を中心に対立の絶えないアジアにおいて、いつ我が国の安全や県民の生存が脅かされる事態にならないとも限らない。いまだ危うい現実があるのもまた事実ではないでしょうか。だからこそ、県議会において、お互い平和な沖縄を願いつつ、それぞれの立場から率直な議論を交わし、行くべき進路ととるべき方策を誤らないようにすることが大事ではないかと思います。
そういう思いを持ちつつ、質問に入らせていただきます。
まず、安全保障関連についてお伺いいたします。
(1)、民主党政権の安全保障政策を知事はどのように評価しておられるでしょうか。
(2)、尖閣諸島沖での中国漁船の領海侵犯と衝突事件をめぐる日本政府と中国政府の対応についての御見解をお聞かせください。
(3)、米中冷戦の状況がアジアにおいて展開される可能性と、そのことが本県に及ぼす影響についてどのような認識を持っておられるでしょうか。
(4)、自衛隊の沖縄への配備を強化する国の方針について知事の見解をお聞かせください。
(5)、自衛隊への県民の意識について、知事はどのように認識しておられるでしょうか。
(6)、有事に対する県としての認識はどのようなものか伺います。
次に、基地問題についてお伺いいたします。
(1)、菅内閣から日米合意に至った経緯の説明があったと思いますが、その感想をお聞かせください。
(2)は取り下げます。
(3)、オスプレイの配備が明言されましたが、環境影響評価の見直しは必要ではないでしょうか。また、環境影響評価への追加の意見を述べる必要があるのではないでしょうか。
(4)、普天間飛行場の飛行ルートが変わり、上空を通過する自治体が増加したとの報道がありますが、どの地域か県は把握しているでしょうか。
(5)、飛行ルート及び航空機騒音についての説明を国に求めるべきではないでしょうか。また、必要に応じて測定器の設置などが必要になってくるのではないでしょうか。
(6)、故岸本元名護市長は、普天間の移設受け入れの条件として、県の立ち会いのもとで政府と名護市との間に基地使用協定を結ぶことを求めており、そのことは政府も受け入れました。岸本元市長が求めた基地使用協定に関する県の認識を伺います。
3番目に、エネルギー対策について伺います。
(1)、島嶼地域での循環型エネルギーの視察内容について伺います。また、それを受けて今後どのような対応をとるのかお聞かせください。
(2)、海洋温度差発電の実験について意見のやりとりはありませんでしたでしょうか。
4番目に、鉄軌道の導入について伺います。
(1)、国の可能性調査の進捗と県とのかかわりについてお聞かせください。
(2)、調査及び路線導入を求める声を出している県内の自治体はありますか。前議会でも述べたように、それらの自治体を集めた協議会や県民を盛り上げる期成会のようなものが必要ではないでしょうか。
(3)、調査終了後は具体的に建設の財源の問題が出てくると思われますが、どのような見通しを特っているのでしょうか。
5番目に、資源について伺います。
(1)、将来的に有望な本県の資源はどのようなものがあるでしょうか。
(2)、レアメタルやレアアースの取得に県がかかわっている事業はありますか。
(3)、取得の可能性と取得された場合の本県への影響について伺います。
(4)、外資による水資源の買い占めが問題となっていますが、ヤンバルの森と水は大丈夫でしょうか。
6番目に、人材育成について伺います。
(1)、国外留学生派遣事業の成果と今後の見通しをお聞かせください。
(2)、若者の就職に関して、県内志向から県外・国外へと意識を高めるにはどうすべきでしょうか。
(3)、奨学金制度はどのように工夫されており、またどのような課題を抱えているでしょうか。
7番目に、国の出先機関の廃止について伺います。
(1)、今後、沖縄総合事務局はどのようになっていくと予想されますか。
(2)、沖縄総合事務局の廃止または整理縮小となった場合、県への影響はどうでしょうか。
(3)、現時点で県の事前の対応、準備は必要でしょうか。
8番目に、「地方交付税算定基準」について伺います。
(1)、地方交付税の算定基準に海洋面積を考慮すべく国へ働きかけるべきではないでしょうか。
最後に、国直轄事業における地方の負担金の廃止と同時に、公共事業における事務費補助金の廃止がなされましたが、県を初め各市町村にどのような影響を及ぼしているのか伺います。
以上、御答弁をお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 新垣安弘議員の御質問にお答えいたします。
まず第1に、安全保障関連についての中で、民主党政権の安全保障政策についての御質問にお答えいたします。
民主党政権は、「日本外交の基盤として緊密で対等な日米同盟関係をつくる」ということや、「東アジア共同体の構築をめざし、アジア外交を強化する」こと等をマニフェストに掲げ発足しました。しかしながら、これまでの政権運営や去る9月10日に公表されました防衛白書の内容を見ても、安全保障政策においてこれまでの自由民主党・公明党政権と際立った違いはないように感じております。また、沖縄県との関連としましては、普天間飛行場移設問題への対応や、日米地位協定の改定作業が進んでいないことはまことに遺憾であります。本年12月には新たな「防衛計画の大綱」が公表されると言われておりますが、その中でどのような政策が示されるか注視してまいりたいと考えております。
次に、同じく安全保障関連についての御質問の中で、中国漁船の領海侵犯等における日中両政府の対応についての御質問にお答えいたします。
沖縄県といたしましては、尖閣諸島沖での中国漁船の領海侵犯と巡視船との衝突事件において、日中両政府の対応については報道等により承知いたしている限りであり、日本政府には事件の経緯や日本政府の措置について説明を求めているところでございます。また、今後どのように事態が進展するか不明ですが、今後とも沖縄県の領域において県民の生命財産や漁業を初めとする諸権利が侵害されることがないよう、日本政府に対し外交上の適切な対応を要望していきたいと考えております。
同じく安全保障関連の御質問の中で、自衛隊への県民の意識についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
今日、自衛隊は、離島の緊急患者の搬送や不発弾の処理、災害時の要員派遣など、県民の生命と財産を守るため大きく貢献しております。これらの活動は、昼夜を問わず文字どおり命をかけて取り組まれていると考えております。また、沖縄県出身の若者が多数自衛隊に入り活動していることも承知いたしております。私は、自衛隊のこれらの活動を評価しており、多くの県民にも支持されているものと考えております。
次に、人材育成についての御質問の中で、留学生派遣事業の成果と今後の見通しについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県では、国際性に富んだ創造性豊かな人材の育成を図るため、昭和57年より平成21年度までの27年間に1500人余の高校生や大学生等を海外に派遣してまいりました。留学終了後は、大使館職員や医師、ジャーナリスト、公務員、教員等として県内外の各界において活躍いたしております。また、公約であります海外留学生派遣100人は本年度中に達成できるものと考えております。
今後とも、沖縄県の将来を担う多様な人材の育成を目的として、海外留学生派遣事業を抜本的に充実してまいりたいと考えております。
次に、国の出先機関に関する御質問の中で、沖縄総合事務局に係る御質問にお答えいたします。7の(1)と(2)が関連いたしておりますので、お許しを得て一括して答弁させていただきます。
国の出先機関の原則廃止につきましては、去る6月に閣議決定された地域主権戦略大綱において、補完性の原則に基づき国と地方の役割分担を見直し、業務の地方移管等を進めるとの基本姿勢が示されたところでございます。沖縄総合事務局も対象機関とされております。政府が年内に策定する「アクション・プログラム(仮称)」において、他の地域の国の出先機関と同様に、改革に向けた考え方が整理されるものと理解いたしております。
沖縄総合事務局を廃止または整理縮小した場合の県への影響につきましては、業務移管が二重行政の弊害是正、そしてガバナンスの確保、行政の簡素化、そして効率化等の観点からなされるものであれば、県において施策を効果的かつ総合的に展開することがより可能となるものと考えております。ただし、全国知事会の考え方と同様に、移管される業務の円滑な遂行に必要な財源などが確保されることは当然の前提と認識いたしております。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 安全保障関連についての御質問で、米中冷戦の可能性とその影響についてとの御質問にお答えいたします。
沖縄は、日本本土、中国大陸、東南アジア諸国に近接する位置にあり、その地理的特性から、過去に大国の影響を受けてきた歴史があります。このことから、県としましても、米中両国の動向には強い関心を持っておりますが、現時点で将来の米中関係を予測することは困難であります。
県においては、米中両国の友好関係が続くことが重要と考え、今後ともその動向を注視していきたいと考えております。
次に、有事に対する県の認識についてお答えいたします。
防衛省の国民保護計画において、自衛隊は、武力攻撃事態においては、主たる任務である武力攻撃の排除を全力で実施するとともに、これに支障のない範囲で、住民の避難・救援の支援や、武力攻撃災害への対処を可能な限り実施するものとされており、また、米軍は日米安保条約に従って武力攻撃を排除するための行動を実施するものと認識しております。
沖縄県民は、去る大戦での悲惨な地上戦の経験から、有事の際の国民の保護がいかに困難なものであるかを身をもって体験していることから、政府においては、今後ともいわゆる有事が発生しないよう、これまでにも増して不断の外交努力をする必要があると考えております。
次に、基地問題についての、日米専門家検討会合の報告に関する政府の説明についてお答えいたします。
県は、去る8月31日に「普天間飛行場の代替の施設に係る二国間専門家検討会合の報告」について、政府から説明を受けましたが、名護市辺野古への移設を受け入れることは極めて厳しいという県の考えに変わりはなく、説明内容にかかわらず、現時点で辺野古移設を前提とした代替施設の位置、配置、工法等について議論する状況にはないと考えております。
次に、オスプレイ配備と環境影響評価についてお答えいたします。
県は、オスプレイが過去の開発段階において死亡事故を起こしていること、及び現在米本国などにおいて配備されていることについては承知しております。また、2010会計年度海兵隊航空計画においては、普天間飛行場のCH46と代替更新することが記述されております。これらのことを踏まえ、県は政府に対し再三照会しており、去る9月9日及び14日に外務省沖縄事務所に対し問い合わせをしたところ、現時点で具体的に決まっているわけではないと米国から回答を得ているとのことであります。
県としましては、配備の有無を含め、政府から県民に十分な説明をすべきであると考えており、引き続き具体的な説明を求めてまいります。
いずれにしましても、環境影響評価手続については、環境影響評価法及び沖縄県環境影響評価条例の規定に基づき適切に対応することになります。
次に、普天間飛行場の飛行ルートについての御質問にお答えいたします。
平成19年8月に政府から発表された「普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策についての検討に関する報告書」において、住宅密集地上空の飛行を避けるため、西原町や中城村寄りの飛行ルートが示されております。
次に、国に説明を求めることと、測定器の設置等についてお答えいたします。
県は、去る9月14日、沖縄防衛局に対し、米軍機による航空機騒音の軽減措置等について要請を行い、その際、普天間・嘉手納両飛行場周辺における航空機の飛行コース、飛行高度等の飛行実態を明らかにするためのシステムを設置し、そのデータを公表するよう、申し入れたところであります。また、軍転協や渉外知事会とも連携し、これまで政府に対して同様の申し入れを行っており、今後とも粘り強く働きかけていきたいと考えております。
次に、代替施設に関する基地使用協定についての御質問にお答えいたします。
平成14年当時名護市が求めていた使用協定は、代替施設の受け入れ条件として地域の安全対策及び基地から発生する諸問題の対策等を講じるために、基地の提供責任者である国に対し、使用協定の締結を求めたものであります。しかし、現在、名護市長は名護市辺野古への移設案に反対しており、現時点で代替施設の使用協定について議論する状況にはないと考えております。
陸上自衛隊の配備につきましてお答えいたします。
北澤防衛大臣は、9月21日の記者会見におきまして、先島諸島への部隊配備について調査をスタートさせていきたい旨の発言をしております。
自衛隊の配備については、政府において、我が国の防衛やさまざまな緊急事態対応などの観点から検討されるべきものであり、県民の理解なしに進めることは困難であると考えております。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) エネルギー対策についての中で、視察内容及び今後の対応等についての御質問にお答えします。
平成22年8月22日から9月4日にかけて、米国政府、ハワイ州、日本政府、沖縄県のエネルギー専門家や行政担当者が沖縄県とハワイ州を相互に訪問し、エネルギーの現状や再生可能エネルギーの導入可能性の技術的・政策的課題等についての調査が行われました。
沖縄県内では、琉球大学や沖縄科学技術大学院大学との意見交換や、沖縄電力、糸満市役所などのエネルギー関連施設の視察が行われ、ハワイ州では、ハワイ大学やハワイ州立自然エネルギー研究所などの視察、ハワイ電力などと意見交換を行いました。今後は、省エネルギー建築や再生可能エネルギーなどの分野で日米間でワーキンググループを設置し、双方で情報交換をしながら、具体的な共同プロジェクトの可能性を検討していくことになっております。
同じくエネルギー対策の中で、海洋温度差発電に関する意見についての御質問にお答えします。
ハワイ州での視察の終了後、日米両国で今回の調査の総括をした際に、米国側からの要望で海洋温度差発電についての意見交換を行いました。今後、ハワイ自然エネルギー研究所と沖縄県、久米島町の間で情報交換やワークショップの開催などを通して、海洋温度差発電の技術的課題等について検討していくこととしております。
資源についての御質問の中で、将来的に有望な本県の資源についての御質問にお答えします。
県では、平成15年度から平成17年度まで学識経験者及び専門家等で構成する検討委員会を設置し、海洋資源の開発及び利用等に関する基本調査を行ってまいりました。その結果、本県周辺海域には石油、天然ガス、熱水鉱床等の海洋資源賦存の可能性が示されております。また新聞報道によると、東京大学や高知大学、独立行政法人海洋研究開発機構などのチームは、ことし9月に沖縄県の北西100キロ、深さ500メートルの海底で、レアメタル等が堆積してできる海底熱水鉱床が存在する可能性がある熱水活動域を新たに発見したと発表しております。
県としましては、これらの調査結果を踏まえ、有望な資源の開発に向け、関係機関とも連携を図り対応してまいりたいと考えております。
同じく資源関係の中で、県の取得事業及び沖縄への影響についての御質問にお答えします。一括してお答えいたします。
レアメタル等が堆積してできる海底熱水鉱床が存在する可能性がある熱水活動域が確認されましたが、現時点では調査検討の段階であります。海底熱水鉱床は新たな金属鉱物資源として期待されており、取得可能となれば新たに産業の創出や雇用の増大につながることから、県としても今後の動向を注視し、適切に対応してまいりたいと考えております。
人材育成について、若年者の県外就職意識を高めることについての御質問にお答えします。
沖縄県としては、若年者が自立心と働くことに対する高い意欲を持ち、広く県外や海外にも目を向け、積極的にチャレンジすることは重要と考えております。そのためには、本人と家族、教育現場において県外就職に対する理解等を深めることが必要であります。このため、高校生や大学生等を対象に、大学や関係機関と連携し、県外企業合同説明会の開催や県外インターンシップの実施、県外企業を招聘して採用試験等を行うなど、県外就職支援を実施しております。また、今年度から新たに、県外での就労風景などを収録したDVDの制作や、県外企業で働く県出身者の体験発表会を開催するなど、県外就職に向けたキャリア教育の充実に努めているところであります。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 鉄軌道の導入についての御質問の中で、国の可能性調査の進捗と県とのかかわりについてお答えします。
国が実施する鉄軌道を初めとする新たな公共交通システム導入可能性調査は、2年間の予定で実施することとなっております。現在、10月からの調査着手に向け手続を進めている状況であり、その調査の中で、鉄軌道を初めとする新たな公共交通システムを導入した場合の事業採算性、大規模な返還跡地の有効利用との関係などについて検討することとなっております。
県としては、昨年度行った新たな公共交通システム可能性調査成果等を活用し、国の調査に積極的に協力していきたいと考えております。
次に、期成会等の設置についての御質問にお答えいたします。
鉄道を含めた新たな公共交通システムについては、地域住民の利便性の向上、渋滞緩和、観光振興による地域の活性化等の観点から県民の関心も高く、その導入を求める自治体も複数あります。昨年、県は、概略的に鉄軌道導入について検討を行ったところであり、今年度は国において、その成果等も参考に2年間の予定で調査を実施することとなっております。
期成会等の設置については、その調査におけるさまざまな課題や方策等の成果を踏まえ、検討されていくものと考えております。
次に、財源に対する見通しについてお答えします。
鉄道導入に要する負担額は、現行制度では建設コストや維持コストなど膨大な額が見込まれ、経営及び財政上の大きな課題があると考えております。したがって、鉄道の導入については、その整備及び運営に要する費用を軽減することが前提であり、そのための新たな仕組みについて検討し、必要に応じて国に求めてまいりたいと考えております。
次に、国の出先機関の廃止についての御質問の中で、県の事前の対応、準備についてお答えいたします。
今後、国のアクションプランと国の出先機関の見直しの動向を注視してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 資源の中で、外国資本によるヤンバルの水源地の買収についてお答えします。
ヤンバルの水源地につきましては、国・県・市町村等の公有地が大部分を占めている状況にあります。1ヘクタール以上の土地取引につきましては、国土利用計画法に基づき県に届け出ることとなっておりますが、外国資本によるヤンバルの森林買収については、過去3年間、届け出はありません。また、ことし4月、林野庁から外国資本による森林買収の情報収集等の依頼があり、市町村及び森林組合に対し照会しておりますが、現在のところ、森林買収に関する情報の報告はありません。今後とも、市町村及び関係部局と連携して情報収集に努めてまいります。
次に、国直轄事業についての中で、農林水産省所管の補助事業に係る事務費等の廃止の影響についてお答えいたします。
国直轄事業の維持管理に係る負担金については、平成22年度から原則廃止され、同時に公共事業に係る県や市町村の事務費等の補助も廃止されました。農林水産省所管事業に係る事務費等の廃止による沖縄県への影響額は、当初予算ベースで、国直轄事業の県負担金約2000万円を差し引いて、約10億6000万円となっております。また、市町村への影響額は約3億5000万円を見込んでおります。
なお、補助対象外となった事務費等については、一般公共事業債の適用を受けることとなっており、後年度の地方財政措置の対象となっております。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは人材育成についての御質問で、奨学金制度の工夫と課題についてお答えいたします。
本県では、就学意欲がありながら、経済的理由等により、就学が困難な生徒に対して、奨学金の貸与を行い、有為な人材の育成に努めているところであります。
財団法人沖縄県国際交流・人材育成財団の実施する奨学金貸与事業は、奨学金を無利子で貸与し、貸与終了後10年間で返還することとなっております。奨学生の採用につきましては弾力的な採用を行い、家計の急変に際しては緊急採用制度を活用するなど随時採用に努めております。また、返還については、年収にかかわらず、病気や災害、生活保護、その他の事由により返還が困難な場合には、返還の猶与を行っているところであります。さらに、沖縄県高校生修学支援基金の活用により、昨年度から制度の拡充を図っております。課題としましては奨学金の返還率向上が挙げられますが、返還金が次世代の奨学事業の重要な財源の一つであることから、返還が円滑に行われるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○総務部長(兼島 規) 地方交付税の算定基準に海洋面積を考慮するよう国へ働きかけるべきではないかとの質問にお答えいたします。
本県を取り囲む海洋は、我が国の貴重な経済水域や海洋資源を確保する上で非常に重要な役割を果たしており、国において何らかの財政的な配慮が必要であると考えております。これらの海洋面積を新たに地方交付税の算定基準とするには、都道府県ごとの海洋面積の捕捉、当該面積を測定単位とするような財政需要があると認められること等の課題があります。
県としましては、国に対して、どのような形で海洋面積の財政的な配慮を要望できるか研究してまいりたいと考えております。
以上です。
○土木建築部長(仲田文昭) 国直轄事業についての御質問で、国直轄負担金廃止と補助事務費廃止の影響についてお答えいたします。
国直轄事業の維持管理に係る負担金については、平成22年度から原則廃止され、同時に国庫補助事業に係る事務費補助も廃止されました。ちなみに、平成21年度の国土交通省所管事業の影響額で比較しますと、沖縄県の維持管理に係る国直轄負担金は約3億7000万円で、事務費は約23億円となっており、その差額は約19億3000万円となっております。また、市町村につきましては、直轄事業負担金はありませんが、補助事業に係る事務費は13億3000万円となっております。
以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 質問の途中ではありますが、時間の都合もありますので、新垣安弘君の再質問は休憩後に回したいと思います。
20分間休憩いたします。
午後3時33分休憩
午後3時57分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
休憩前に引き続き新垣安弘君の再質問を行います。
新垣安弘君。
○新垣 安弘 知事にお伺いいたします。
今議会になって、知事が辺野古の件、普天間の件はもう県外ということで明確に主張するというふうにおっしゃっておりますが、これに関しては、例えばあさって馬淵大臣も来沖されますし、その後また知事が上京される折には官房長官あるいは前原大臣等々とお会いになるかと思います。そのときにはっきりと自分の方針はこうですと明確に主張されるということで理解してよろしいでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) おっしゃるとおりです。
○新垣 安弘 知事は、再三本部のほうから、政府のほうから、辺野古に戻った説明がないということでよくおっしゃっておりました。それを受けてでしょう、福山副大臣が来られて説明があったと思います。恐らくその説明が知事からすれば県民の怒りや失望にこたえる内容のものではなかったとそういうことだと思うんですね。そこは大変大事なところだとも思いますので、この問題は恐らくこれから副知事も交渉の前面に立ってされると思うんですね。その政府からの説明があったときには副知事も同席されたかと思います。そこら辺、その思い、感想を副知事からもお聞かせ願えればと思います。
○副知事(上原良幸) 両方ですか。
○新垣 安弘 両方ですね。知事はもう大体お伺いしています、知事はそうおっしゃっていましたから。副知事も同席されていますから、今後、副知事前面に立って政府とやるわけですからね。そこら辺お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後3時59分休憩
午後3時59分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
上原副知事。
○副知事(上原良幸) ちょっと日付ははっきり覚えておりませんけれども、8月に福山それから瀧野官房副長官といろいろその間の経緯等について御説明いただきましたけれども、まだまだ先ほど知事から申し上げましたけれども、この間の経緯等、どういう認識の変化があったかとかそれをお聞きしましたけれども、我々が納得できる回答はなかったということで、そのことを踏まえて引き続き今後もそういうレベルの協議といいますか、話し合いをやっていきたいということになっております。
○新垣 安弘 知事にお伺いいたします。
この普天間の移設に関しては、民主党政権になる前は、アメリカは政権がかわっても交渉はもう一切やらないとそういうかたくなな姿勢だったんですが、その後、アメリカは変化がありました。昨今もいろんな方のアメリカから伝わってくるところによると、海兵隊不要論もあれば、ごく最近はアーミテージさんが知事選の結果によっては、これは別の対応も考えないといけないんじゃないかとそういう発言があったりもしています。日本政府のほうはまだ変わっていないんですが、知事としてアメリカから伝わってくるさまざまなこの問題に関する情報を受けて、我々の中にも、多くの人の中にもアメリカがあきらめるんじゃないかとそういう思いを持っている部分もあるんですね。知事御自身も今回はっきりと明確に県外ということでそうおっしゃっていますから、そこら辺アメリカからのその伝わってくる感触ですね、日本の政府とまたちょっと違うと思うんですが、そこは知事としてはどういうふうに感じておられるのでしょうか。これはその辺野古をあきらめさせるという可能性があると踏んでおられますでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 今議員がおっしゃったように、アメリカの公聴会でいろんな議員がいろんな意見をおっしゃり、さらにまた御存じのようにアメリカはこういう防衛・安全保障については、いろんなシンクタンクというか研究者が結構いていろんなことを自由におっしゃっています。ですからそういう中で、可能性とかフィージビリティーとか現実の日米両政府のこのテーブルにのってくるまでの時間を抜きにすれば、もういろんな議論があるんですよね。ですから、これまでと特に変わった感じは余り受けておりません。つまり自由に皆さん発言をしておられるんですが、実際政府の国防総省(DoD)の責任者に上がってくる話、ステートディパートメントで上がってくる話、それで日本の防衛・外務に上がってくるまでの、これはどこまでがそうなのかというのは実はまだ私もよくわかりません。私は無論、前からの友人の研究者たちがワシントンにいるわけですが、いろんなことを彼らからも聞きますけれども、ただ何がどんなふうにこれから行くのか、ちょっとまだ定かにはわかりません。ただ、一方でこの間の民主党の皆さんの代表をお決めになるときに、小沢さんと菅さんとの間でのこの意見がちょっと違いありましたよね。
納得のいく説明が要るというようなことを小沢さんが言っておられたり、県民の納得とか、米軍でしたかアメリカ政府の納得とか、いろんな表現を使っておられました。この巨大な公党の中でも代表されるお二人が違う意見が微妙にあったということも踏まえると、まだこの民主党の皆さんの中でもいろんな意見があるんだなという気もしますし、川内さんの動きも聞いています。ですから、一体どうなっているのかよくわかりませんが、とりあえず今公式に公表され、決まっているのが日米共同声明のあの内容ですよね。ですから、あれは破って捨てるというわけには恐らくそう簡単にはいかないと思うんですが、ただ現実に辺野古への移設は極めて厳しい、まさにもっともっと厳しくなってきたという状況を踏まえると、あの一番の根幹のところが実現可能性があるか、そして無論県外も特に日本国内そう簡単ではない。一方でこの普天間の一日も早い危険性の除去と、今この3つが現実問題みんな展望が開けないぐらい壁にぶち当たっている。そして一方で前岡田外相でしたか、このまま固定化しますよなんて無責任な発言が出たりしています。ですから、これは私も実は考え方においてかなり迷いが生ずることもありま
すけれども、そして私は1月24日までは当時の自公がお決めになったあの段階で、条件つきではありましたけれども辺野古やむなしという態度をとってきましたが、もう受け入れ地域があそこまで変わってきますとそう簡単ではないどころか、事実上はもう無理だというのに近いとこういうことを踏まえて、そうするとやっぱり空間的にも内容的にも当時の鳩山政権がどこまで一体研究されたのか、北海道からこの鹿児島県に至るものを。ここら辺もおさらいしながらもなお県外の可能性がゼロではないと思いますよ、無論。ここはもう少し政府の意見ももらいながら、いろんな方の情報も受けながらこの可能性を追求するということは、やっぱり少しでも可能性があれば追いかけていくというのは、我々行政の責任を預かる一人としては当然必要なことかと最近また決断するに至ったわけです。
○新垣 安弘 辺野古、普天間の移設がこのまますぐには進んでいかないと。そうなると危険性の除去の問題が出てくると思うんですね。政府は、最近のニュアンスですといわゆる目に見える形で危険性の除去、負担の軽減をしないと辺野古の話も進まないと。そういう立場から、具体的な負担軽減を何とかしていこうという姿勢にはなっていると思うんですね。
そこで、公室長にちょっとお伺いしますけれども、先ほど名護の岸本元市長が提案された使用協定のお話がありました。私は、この問題再三やっています、上原副知事にも以前聞きました。これは、それをつくって辺野古へ進めろという意味ではないんですよ。普通に考えたら使用協定はアメリカと日本政府が結ぶんでしょうと、そういうことですね。嘉手納町も言っているのはそれなんです、やってくれと。これは、ただ一つ、名護が使用協定の問題を閣議でしっかり持ち出したのは、よく見てみると明確に名護市と政府との間で使用協定を県の立ち会いのもとで結んでいくということを明確に言っているんですよ。当然、名護市と政府が使用協定を結ぶからには政府はアメリカと使用協定を結ばないといけないんです。県外の自衛隊基地の場合は、市町村と自衛隊とが使用協定を結んでいますから、何かあるときには直接言えるわけです。ですから、そういう意味でこの名護市が政府に突きつけた、名護と政府が県の立ち会いのもとで使用協定を結ばないと容認しませんよというそこをしっかり大事に生かしてほしいと思うわけなんです。ですから、そういう意味で辺野古に結ぶといった使用協定が嘉手納や普天間で結
ばないはずはないと思うんですよね。ですから、政府が負担軽減と言うんであれば、それこそ普天間の危険性の除去と言うんであれば、例えば政策協議会で名護がやろうとした、そして政府が一応それをやると言った地元市と政府との間の使用協定、県の立ち会いのもとでそれを結んでくれと。そこはこれは一つのその道具として手段として使ってやるべきだと思うんですよ。これは辺野古の問題じゃないんですよ、私は。嘉手納とか普天間とかそういうところに生かせる一つの立派な案だから、それをそういう形で使えないかということを言っているわけなんです。それについて知事どうでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 我々もほとんど議員がおっしゃっている方向で使用協定、使用協定を結んでもあと彼らが守るかという点でちょっといろいろあるんですが、それでもそういうことをさらに地位協定に絡んでくる部分がありますよね、どうにもならんという最後。ここも含めてもう一つの負担軽減部会でしっかりまとめていきたいと考えていますよ。
○新垣 安弘 騒音協定が守れないから使用協定も守れないでしょうと、そういう意見もあるんですよ。地位協定の中にもまだこれやらないといけないからという意見もあるんです。地位協定はそれよりもっと難しいんです。だから、ここはぜひ政府にしっかりそれを突きつけてやってほしいというふうに思いますので、ぜひそういう観点から取り上げていただきたいと思います。
○知事(仲井眞弘多) しっかりやってまいります。
○新垣 安弘 はい、よろしくお願いします。
もう1点、人材の育成の件でお伺いしたいんですが、これは教育長にお伺いします。
知事の方針としても国外の留学生出していますね。これ前、私中国との関係で、いわゆる戦略的な面で中国もにらみながら、将来中国との関係もにらみながら人材育成やるべきじゃないですかということを申し上げたんです。そのとき教育長は、高校の何カ所かで授業をやっているとかという話がありました。今年度の海外の留学生の派遣先、行き先を見たら中国は1人なんですよ、1人。ですからそういう意味で、奨学金を使って海外留学をさせると、そこに本当に戦略を持ってそれを考えてやっているのかどうかというと、私はこれは全くないんじゃないかというふうに思うわけなんです。ですから、そういう意味で中国の問題、今回のことでこういう形にもなっていますし、中国へのその留学生について、ことし1人だということは、全くその戦略がない海外留学だと思うわけなんです。そこは、戦略を持って海外留学生はちゃんとやっていかないといけないと思うんですが、その部分を教育長と知事にもお伺いします。
○知事(仲井眞弘多) 教育長とも無論、相談して最終的には方向を定めたいとも思うんですが、やっぱり中国でしっかりと勉強してくるという留学生というのはかなり多くするべきだと私は思います。ただ、教育委員会といいますか教育長ともちょっと相談させてください。
○教育長(金武正八郎) 議員御指摘のとおり、中国への派遣は今1名となっております。やはり国際舞台で活躍する芸術・文化・スポーツ選手等に対して、活躍していく人材を育成することは重要なことだと考えておりますので、中国、韓国それから東南アジア等も含めて人材育成について私たちもこれから施策を立てて、そして人材派遣の計画を立てて進めてまいりたいと思っております。頑張ります。
○新垣 安弘 知事、最後に、先ほど昼休みに漁業組合の皆さんが陳情に来られました。しっかり安心して漁業ができるようにやってくれと。我々がいることが一つの国土の保全、領土を守ることにもつながっているんだとおっしゃっていました。まさにそうだと思うんです。
そこで、民主党政府というのは南西諸島の問題、中国との関係もあってすごく今注目していますから、そういう意味でチャンスと言ったらなんですけれども、南西諸島、特に宮古・八重山の小さな島々もそうなんですが、その防衛の観点から、国土の保全の観点から、そういう観点からその振興策をしっかり求めていくというか、そういう観点からのその要求といいますか、そこをぜひ組み立ててもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 御指摘のとおりですが、議会の議員とも無論よく相談して今度の振興計画の中に、我々は定住条件の整備というようなことで、人口が減らないように、それぞれの小さい島でも大きい島でもきちっと人が生活してやっていけるようにというのを定住条件の整備ということで表現しています。ですから、その中には無論、そういう国境の問題であるとか、そして領土の問題であるとかというのもありますし、ある意味で防衛上の感覚もないわけではありませんが、全体にこの定住条件の整備ということでしっかり埋め込んでまいりたいと考えております。またお知恵をひとつ出してください。お願いします。
○仲村 未央 こんにちは。
一般質問を行います。
通告に従いまして、まず普天間基地問題をめぐる知事の政治姿勢について伺います。
鳩山前総理は、学べば学ぶほど沖縄の基地は一体として機能していると。だから、それによって抑止力が全体として発揮されているんだと。だからこそ普天間の移設先が辺野古でなければならないんだということになって、それで「最低でも県外」というのをあっさり取り下げた。そして県内に回帰をするという経過をたどりました。このことを踏まえるならば、今回、知事が普天間を県外に求めるということを主体的な意思で断言をされて政府に突きつけるということは、日米安保そのものの根幹、そこにかかわる重大な要求を知事が発したというふうに政府は受けとめなければならないというふうに思っています。その認識に基づいて知事に見解をお尋ねいたします。
(1)、知事は現在、日米合意に反対か伺います。
(2)、普天間基地の県外移設を政府に求めることは、県内移設反対と同じ意味であるか伺います。
(3)、オスプレイの配備、有視界飛行経路など環境に重大な影響が予想される事態となりました。当初から環境アセス手続の違法性が指摘されていましたが、知事はどう対処されますか。
(4)、高江ヘリパッド建設について、県は去る6月議会で着実に実施するとの認識を示されましたが、なぜですか。その必要性を示していただきたいと思います。また、政府から納得のいく説明があったか伺います。
(5)、知事は、普天間問題について知事選の争点にしたいと考えていますか、見解を伺います。
2点目、沖縄振興の財源と推進体制について伺います。
(1)、現行の復帰特別措置についてはすべての存続を求めていくのか。新たな特別措置の創設等も考えているのか伺います。
(2)、新たな沖縄振興計画は県が策定して、その実現について政府が責任を負うということが必要だと思いますが、沖縄総合事務局の役割、存廃についてはどう考えますか。
(3)、沖縄振興一括交付金についての実現の見通し、交渉の進捗を伺います。
(4)、児童福祉、保健、医療、保育、教育、進学・就職、貧困対策など子供の発達や権利を保障する総合的な施策を新たな沖縄振興の柱の一つに据える必要があると考えますがいかがでしょうか。待機児童、学童など福祉行政のおくれ、不足への対策が急がれますが、知事はどのように考えていらっしゃいますか。
3点目、児童虐待死事件のその後の対応について伺います。
児童虐待死亡事例検証報告書を踏まえて、県社会福祉審議会から指摘のあった課題等への対応や現状について伺います。
(1)、児童相談所の相談対応件数について、児童虐待防止法成立後の10年間の推移を示してください。全国に比べてどうでしょうか。
(2)、市町村への相談件数の推移を示してください。
(3)、相談通告元の割合はどうなっていますか。それぞれの推移と傾向を示してください。
(4)、2008年に導入されました臨検とか捜索、これが適用されたケースはありますか。
(5)、児童福祉司1人当たりの平均担当ケースは現在何件ですか。専門職員の人員不足についてどのような対応がなされているか伺います。
(6)、一時保護所に入れない保護委託児童数、その割合は現在どうなっていますか。
(7)、スクールソーシャルワーカーの配置を急ぐ必要があると思いますがいかがですか。
(8)、県立病院ごとに虐待防止委員会を立ち上げ、通報の判断について医師個人の負担を軽減するとともに、民間病院にも呼びかけて連携をとっていく必要があると思うがどうですか。
(9)、八重山分室の体制づくり、宮古分室の設置についてどのような検討・対応がなされましたか。
4点目、幼稚教育と特別支援教育の理念、方向性について伺います。
(1)、公立小学校に併設されている「沖縄型」の公立幼稚園をどのように評価していますか。国が進める幼保一元化、一体化との関連で今後どのような影響があるか、県の幼児教育のビジョンを伺います。
(2)、特別支援学校における親子通園・通学についての考え方を示されたい。親の条件が整わない場合、子供の学ぶ権利をどのように保障されますか。
お願いします。
○知事(仲井眞弘多) 仲村未央議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、普天間基地問題をめぐる知事の政治姿勢の中で、日米共同発表に対する考え方といいますか、反対かという御趣旨の御質問にお答えいたします。
県としましては、去る5月の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと繰り返し申し上げてきたところでございます。そして、名護市長選挙や県議会の意見書議決、県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難であると考え、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を示すよう求めてきましたが、政府から、この間の県民の怒りと失望にこたえ得る説明と方策は依然として示されておりません。
県としましては、このような状況にかんがみ、政府に対し、日米共同発表を見直し普天間飛行場を県外に移設することを求めてまいりたいと考えております。
次に、同じく普天間基地問題に絡む御質問の中で、県外移設を求めることについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
先ほども申し上げましたが、これまでの県からの求めにもかかわらず、政府からは県民の納得のいく説明と解決策は依然として示されておりません。このため、県内移設は事実上困難と考えており、日米共同発表の見直しを求めることとしたもので、その内容は県外移設を求めるということに尽きると考えております。
同じく普天間関係の御質問の中で、普天間問題を争点にするかしないかという御趣旨の御質問だったと思うんですが、私は、支援者など多くの方々から出馬要請を受け、次期知事選挙へ出馬することを決意したところであります。普天間問題を含めさまざまな課題の解決を県民の皆様へ訴えていきたいと考えております。
次に、沖縄振興の財源に係る御質問の中で、沖縄総合事務局の役割、そして存廃についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄総合事務局が、復帰後40年近くにわたり沖縄の振興に係る国の責務を果たしてきた役割は高く評価されるものと考えます。特に社会資本の整備については、目的が相当程度達成されつつあると認識いたしております。また、政府においては、地域主権改革の基本的理念に基づき二重行政の弊害是正、ガバナンスの確保などの観点から、国の出先機関の原則廃止に向けた取り組みが進められております。
このような時代の大きな流れを踏まえ、住民に身近な行政はできる限り地方自治体にゆだねるという考え方に沿って、沖縄総合事務局の業務についても精査の上、国に残すべきとされた業務以外は必要な財源等が確保されることを前提として、近い将来、県に移管することを検討する時期に来ているものと考えております。
次に、同じく沖縄振興に係る御質問の中で、子供の発達や権利を保障する総合的な施策及び待機児童、学童などの対策についてという御趣旨の御質問に答弁いたします。
沖縄県では「おきなわ子ども・子育て応援プラン」に基づき、待機児童の解消や放課後児童クラブの設置促進、母子保健の増進、教育環境の整備、ひとり親家庭の自立支援など、子育てにかかわる関係機関が連携をして各種施策に取り組んでいるところであります。
今後、新たな振興計画の策定に当たっては、子育て支援や次世代育成対策につきまして主要な柱として位置づけていきたいと考えているところでございます。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 普天間基地問題をめぐる知事の政治姿勢について、オスプレイ配備と環境アセス手続についてお答えいたします。
県は、オスプレイが過去の開発段階において死亡事故を起こしていること及び現在、米本国などにおいて配備されていることについては承知しております。また、2010会計年度海兵隊航空計画においては、普天間飛行場のCH46と代替更新することが記述されております。
これらのことを踏まえ、県は政府に対し再三照会しており、去る9月9日及び14日に外務省沖縄事務所に対し問い合わせをしたところ、現時点で具体的に決まっているわけではないと米側から回答を得ているとのことであります。
県としましては、配備の有無を含め、政府から県民に十分な説明をすべきであると考えており、引き続き具体的な説明を求めてまいります。いずれにしましても、環境影響評価手続については、環境影響評価法及び沖縄県環境影響評価条例の規定に基づき適切に対応することになります。
次に、高江ヘリパッド建設についてお答えいたします。
県は、平成19年3月28日、沖縄防衛局に対し、住宅地上空や生活道路上空を除外して飛行ルートを設定する措置を講じることなどを要請したところ、同年4月20日に要請に対する回答を受けております。また、東村及び高江区は、去る7月20日、進入回避標識灯の設置などを沖縄防衛局に要請したところ、沖縄防衛局は8月30日に、標識灯については設置箇所等を検討する、米海兵隊は住宅地等の上空はできるだけ回避するとしている等の内容について回答を行ったとのことであります。
ヘリパッドの移設については、国による環境調査の結果や高江区及び東村の意向等も踏まえながら、当該地域の自然環境や地域住民の生活に十分配慮すべきであると考えております。
県としましては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 沖縄振興の財源と推進体制についての知事の見解を伺うという御質問の中で、復帰特別措置の存続等についての御質問にお答えいたします。
復帰特別措置法による措置事項は、復帰時の143件から次第に減少し、現在では26件となっております。このうち弁護士、医師資格等の身分上の特例措置や県民負担軽減に係る特例措置等については、基本的に継続が必要であると考えております。「介補及び歯科介補の医療等の特例」など、該当者がなく役割を終えた特例措置については、終了することが適当であると考えております。また、「酒税の軽減措置」及び「揮発油税の軽減措置」の税制上の特例措置等については、県民生活や産業に与える影響が大きいことから、継続方策について関係機関と連携を図りながら検討してまいりたいと考えております。
次に、沖縄振興の財源と推進体制についての御質問の中で、沖縄振興一括交付金の実現の見通し、交渉の進捗についてお答えいたします。
政府は、平成22年6月22日閣議決定の「地域主権戦略大綱」において、平成23年度から一括交付金を導入するとしており、その配分については、現行の条件不利地域等に配慮した仕組みを踏まえるとしております。一括交付金の制度設計は、国の予算編成作業を通じて決まるとされております。
これまで沖縄県は、8月6日に沖縄及び北方担当大臣を初め政府関係要路へ、また、9月10日に開催された沖縄政策協議会においても、「沖縄振興一括交付金(仮称)」の創設による自由度の高い財源措置を要請したところであります。県の要望に対しては、前原前沖縄担当大臣からは、政府がやる場合は沖縄を先行して、原口前総務大臣からは、しっかりと検討させていただくという言葉がございました。
今後とも、本県が行う施策に必要な財源が確保できるよう、あらゆる機会をとらえ、同交付金の実現に向け取り組んでいきたいと考えております。
以上であります。
○福祉保健部長(奥村啓子) 児童虐待死事件のその後の対応についての御質問の中の、児童相談所の相談対応件数の推移についてお答えします。
県の児童相談所が対応した児童虐待相談対応件数は、10年前の平成12年度には275件でしたが、17年度には451件まで増加し、過去最高の件数となりました。それ以降は、18年度364件、19年度440件、20年度408件、21年度435件と増減を繰り返しております。この間、全国の相談対応件数は増加を続けており、12年度の1万7725件から、21年度には4万4210件となっております。これを10年間の伸び率で比較しますと、全国が2.49倍、沖縄県が1.58倍となっております。
次に、市町村の相談対応件数の推移についてお答えします。
すべての市町村に児童相談窓口が設置された平成17年度以降、本県の市町村が対応した児童虐待相談件数は、17年度528件、18年度563件、19年度651件、20年度572件、21年度703件となっており、5年間で1.33倍の増となっております。
次に、相談通告元の割合、推移等についてお答えします。
平成21年度に県の児童相談所が対応した虐待に関する相談のうち、県の関係機関からの通告等を除いた355件の相談経路の状況を見ると、「警察等」が21.7%で最も多く、次いで「学校等」が16.6%、「近隣・知人」が16.3%となっております。このほか、「虐待者以外の家族」と「市町村」が同率で13.5%、「親戚」が5.4%、「医療機関等」が3.7%と続いております。
平成17年度以降の推移で見ますと、「学校等」及び「市町村」からの相談、通告等の割合は従来から高い状況にあります。また、「近隣・知人」については19年度から目立って増加しており、「警察等」は21年度に急増しております。
次に、臨検・捜索の適用ケースについてお答えします。
児童虐待防止法では、家庭訪問で児童の安全確認ができず、その後の出頭要求や任意の立入調査、再出頭要求に保護者が応じない場合には、裁判官の許可状を得た上で強制的な立入調査である「臨検・捜索」を行うことができるとされています。これまで、本県では「臨検・捜索」を行ったケースはなく、全国でも3件にとどまっております。
次に、児童福祉司1人当たりケース数及び専門職員不足への対応についてお答えします。
現在、児童相談所における児童福祉司1人当たりの担当ケース数は、平均で約62件となっております。児童相談所の専門職につきましては、平成17年度から22年度までの6年間で児童福祉司13名、児童心理司6名を増員したほか、児童虐待対応協力員などの嘱託員も11名増員してきており、増加する児童虐待等に適切に対応するため、体制強化を進めてきているところであります。
今後も、児童相談所の専門性の強化を図るため、スーパーバイザーの養成や職員研修の充実など、引き続き体制強化の取り組みを進めてまいります。
次に、一次保護委託児童数とその割合についてお答えします。
平成21年度中に新規に一時保護を行った児童数は全体で433人となっており、このうち一時保護所に保護した児童は213人で49%、児童養護施設や里親等に一時保護を委託した児童は220人で51%となっております。
次に、県立病院への虐待防止委員会の設置及び民間病院を含めた連携についてお答えします。
各県立病院については「子ども虐待対策拠点病院」として位置づけており、虐待が疑われるケースに迅速に対応するため、院内に「子ども虐待対策委員会」の設置を進めております。現在、委員会を設置しているのは、南部医療センター・こども医療センター、中部病院、宮古病院の3病院ですが、他の県立病院においても委員会設置に向けた検討を行っているところであります。また、民間病院への委員会設置の働きかけについても、県医師会を通じて調整を進めていくこととしており、今後、医療機関との連携を一層強化してまいります。
次に、八重山分室の体制づくり及び宮古分室の設置検討についてお答えします。
児童相談所八重山分室については、虐待事例検証報告書の提言を受け、今年度から児童福祉司1名、嘱託の児童虐待対応協力員1名を増員し体制を強化したところであります。また、宮古分室については、体制強化後の八重山分室の状況も踏まえながら、引き続き検討を行うこととしております。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは児童虐待死事件のその後の対応についての御質問で、スクールソーシャルワーカーの配置についてお答えいたします。
スクールソーシャルワーカーの配置は平成20年度から始まり、昨年度は8名、今年度は各教育事務所に合計11名を配置しております。配置の内訳は、中頭教育事務所に3名、国頭、那覇、島尻教育事務所にそれぞれ2名、宮古・八重山教育事務所にそれぞれ1名となっております。
県教育委員会といたしましては、現在配置されているスクールソーシャルワーカーを有効活用し、問題を抱えた児童生徒の背景にある家庭、地域、友人関係などの児童生徒が置かれたさまざまな環境へ働きかけ、関係機関等とのネットワークを活用するなど、児童生徒が抱える課題の解決を図ってまいりたいと思っております。
次に、幼稚園教育、特別支援教育の理念、方向性についての御質問で、沖縄型の幼稚園教育についてお答えいたします。
公立幼稚園が小学校に併設する本県では幼小連携が充実し、5歳児の就園率が全国一高く、80%が幼稚園教育を受け、幼児の健やかな成長や本県の人材育成に大きな役割を果たしております。
国においては、幼稚園と保育所、「認定こども園」の垣根を取り払い、幼児教育と保育を共有する「こども園(仮称)」に一体化する構想で進められておりますが、実施方針や財政的裏づけ、具体的な計画等はまだ明らかにされておりませんので、本県幼稚園教育への影響については不明であります。
幼児教育は生涯にわたる人格形成の重要な時期であることから、本県においては、「沖縄県幼児教育振興アクションプログラム」に基づき、一人一人が持っている個性や可能性を伸ばし、健やかに育つよう、幼児教育の推進を図っているところであります。
県教育委員会としましては、今後の幼保一元化等を含めた幼児教育について国の動向を注視し、関係部局や幼稚園等の設置主体である市町村と連携しながら幼児教育の振興に努めてまいります。
次に、特別支援学校の親子通園等についてお答えいたします。
特別支援学校幼稚部は、市町村の幼稚園等で支援が困難な障害のある幼児の教育を行うとともに、教育相談等のセンター的役割により市町村の幼稚園等における特別支援教育を支援しております。
入学に際しては、志願前教育相談、入試説明会を通して幼稚部の教育内容を周知するとともに、入学後はこれまでと同様、母子分離が可能な時期まで幼児の状況に応じ親子での授業参加をお願いしております。
今回新たな特別支援学校幼稚部教育要領が示され、保護者の幼児期の教育に関する理解が深まるよう、保護者の保育参加を年間指導計画に位置づけ実施することが求められております。各学校では、幼児期のかかわり方の学びや良好な親子関係の育成等を目指して親子共学を実施することとし、次年度入学者選抜要項に明記したところであります。
県教育委員会としましては、特別支援学校幼稚部教育要領の趣旨を生かし、幼稚部教育の充実が図られるよう学校を支援してまいります。
以上でございます。
○仲村 未央 それでは知事に普天間問題についてお尋ねいたします。
県外移設を政府に求めることは県内移設と同じ意味ですかということをお尋ねしましたが、大体同じなんですか。
○知事(仲井眞弘多) 県外移設を求めるに至ったということは、状況を認識する上でおおよそ趣旨というか考え方の基本はほぼ同じようなものだと考えております。
○仲村 未央 今、ほぼ同じということであります。知事のその方針転換を受けて、自民党県連と公明党の県本のそれぞれの代表のコメントからもこのような反応が出ているんですね。自民党からは、県内に新たな基地をつくらせないという県民の意思を酌み取った判断であり評価、よくぞ踏み込んだということ。それから公明党さんからは、県外を求めることと県内反対は同じ意味だということで、とても評価するというふうになっているわけですね。知事は今、大体同じということの認識を示されましたので、そのことの趣旨に沿って次の質問に入っていきたいと思います。
そうであれば、やはり今の政府の反応というのは非常に知事にとっては心外ではないかというふうに思うんですね。というのは、知事に対してあたかもいずれ容認するだろうというような反応が出てくるわけですよ。そのとおりであれば、これはまさに知事選の争点にならざるを得ないわけです。これについて、やはり知事があえて容認の余地を残しているのではないということをしっかりと政府に対して伝えることが必要ではないかと思いますが、いかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 政府のほうでどういうふうなコメントをされたか、私は聞いてもおりませんけれども、私は私の表現で県外を求めると。今の日米共同声明を見直して県外を求めるという表現で十分だと思っておりますが。
○仲村 未央 それでは方針転換のタイミングについて、このタイミングについてやはり遅かったんじゃないかなという指摘もあるんです。これは我々の側からもやはりあります。というのは、日米合意の前に今の県外移設を求めるということを知事が明確におっしゃっていれば、日米合意そのものにも影響を与えたのではないかという、そういう期待があったわけですね。それで我々は何度も知事に県外移設を求めるということ、そして県内移設はだめだということをはっきりおっしゃるのはこのタイミングじゃないですかということをこの議会で何度も何度も迫ってきた経過がありますが、この今回の方針転換がなぜ今なのかということについてお尋ねいたします。
○知事(仲井眞弘多) これも何度も申し上げていますように、5月28日の共同声明の後、つまり悪くとも県外といって選挙をやった人々がもとに戻るということの説明を何でやらないかというのが私は不思議なんですよ。ですからそれは当然求めるべきでしょう。ですから先ほどもどなたかから御質問がありましたが、事務的・技術的説明に加えて、そのマニフェストの政治的説明を何でしないのか。ここをやらないと県民はまず納得いきませんよと。そのとき条件つきで受け入れた人々だって、名護市長選挙で粉砕されて、それで何とまあもとへ戻るなどということはいかにも、両側から見てもこれは沖縄の人をちょっと愚弄し過ぎじゃないかということで怒っていると思います。だから納得のいく説明がないというのをそのままにすること自身がおかしいんで、それを私は要求してきたので、遅かったか早かったかについては人それぞれかもしれませんが、私はちょうどいいタイミングだと思っているわけです。
○仲村 未央 名護市議選の相当な恨みがあるなというふうに、今、知事の発言の中から感じられたんです。タイミングが今だということのその背景にはいろいろ市議選の動向もあったのかというふうに感じたわけですけれども、いずれにしても知事は、県外移設を求めるということでその日米合意の見直しに踏み込んでいるわけですので、この踏み込みがこれからどういう影響を日米両政府に与えてくるかということは、これは非常に大きなことになってくるだろうというふうに私は思っているんです。
1つは、先ほどなぜ高江のヘリパッドを受け入れるというか、進めるという立場に立てるのですかということを聞いたのは、高江のヘリパッドは、当然ヘリパッドですから、これは辺野古のヘリ基地のヘリとの一体的な運用でそこに建設をされるというそういうものなんですね。にもかかわらず、一方では普天間のそのものは県外移設を求める。そしてヘリパッドは県内につくることを容認するというのは、これはやはり何か整合性がないんじゃないかと。当然、普天間のヘリ基地を外に出せということであれば、それに付随する機能を持つヘリパッドだって県外移設を求めるという、そういう立場に立つのが今の知事の立場ではないかなというふうに思いますが、いかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 仲村議員の御提案としては私は受けとめますが、あらゆる例えば海兵隊のヘリ基地関連、海兵隊の訓練関係が鳩山さんが言われたように一体的な運用のもとにあるかどうか、私は疑義があるわけですが、これはもう少し私も勉強してみたいと思います。ですから高江のヘリパッドと今の辺野古への移設、それがすべて一糸乱れず厳密な精密機械になっているとはゆめ思いません。ですから普天間の基地が仮に九州でもいいんですが、どこかに移るときには訓練の施設がかなりやはり移らざるを得ないだろうという推測はできますよ。ですが、すべてのものが一体的にみんな動き回らないと機能しないとはちょっと思えないんですが。
○仲村 未央 それは知事もいろいろいろんな形で考えていらっしゃるというのはわかりますが、ただこの間のSACOの合意とかあるいはその後の米軍再編、こういった中でなぜ沖縄に、辺野古でなければ普天間の代替がいけないんだというその理屈は、むしろ彼らがはっきり言っているんですね。普天間の代替施設は、普天間飛行場のヘリコプターが日常的に活動をともにする他の組織の近くに位置するよう、沖縄県内に設けられなければならないと。そこが起点になって、だから県内なんだ、辺野古なんだということでSACO以来ずっとこの話がぐるぐると来て県内だということで、鳩山さんも学べば学ぶほどそこに一体的な運用、それによって抑止力があるということで落ちついたというふうに、納得はいきませんがそういう説明をされた。だから民主党政権の理屈に従えば、知事が県外移設を、普天間を県外に出せと言った時点でこれは海兵隊にとどまるだけじゃなくて、沖縄の抑止力全体の影響も含めて非常に大きな問題提起になると私は見るわけですよ。それについてもう一度知事の御見解をお尋ねいたします。
○知事(仲井眞弘多) どうも私の見解よりも仲村未央議員の見解のほうをむしろ伺いたいんですが、この一体的な運用、それは確かにみんな横にいればいいに違いないというのは素人でもわかりますよ、すぐ近くにいたほうがいいと。ですからその範囲以上の説明に鳩山さんの説明とか今のSACO合意のときの我々民間に対するPR文章は、その素人論以上に出てないと思うんです。近くにあればより便利だろうという以上の意味はないでしょう。ですからそれは別に少し遠くにいても、分断しても分割してもベストなシステムになっているか、セカンドベストか知りませんが、システム的にはいろんな段階、いろんなやりようがあるんであって、こうでなきゃいけないという理屈にはならぬでしょう、今の話は。と思いますが。
○仲村 未央 私の考えというか、この間の米軍再編等々で出された資料の中で、ヘリコプター自体が海兵隊の移動手段になるわけですから、当然それは一体として機能する必要があるから県内移設にこだわっているというのが彼らの理屈の中に相当強調されている。だから辺野古じゃないといけない、だから県内じゃないといけないということで、我々はこの何年間もこのことに翻弄されながら普天間の代替施設問題を問うてきたわけですね。本当にそうなのかというのは私の疑問でもあり、知事と同じ疑問を持っているからこそ、なぜ普天間は県内なんだということを強く言ってきたわけですよ。だから県内でなければならないという理屈がないはず。だからこそ県外へということを知事も言われたわけだから、これは何も沖縄のその他の基地を県内に押し込めるという彼らの発想に従う必要はない。そういうふうな立場に立てば、やはり普天間も県外ということであれば、その一体的な機能を持つそういった付随するものも今までどおりのフリーズした思考じゃなくて、それも含めてやはり県外の可能性というのは当然考えられるべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 論理的意見としては当然です。ですから、いろんなものが本当はベストなものとしては彼らも全部持っていくというのが一番便利だろうと思う。だから、あとはいろいろちょん切っていくとこれはベター論になっていくことだと思うんですね。ですから、言われる意味はよくわかりますが、ただここは軍事の専門家と軍事システム系の人々とよく意見交換しないと、我々横から見たらおおよその検討、そうじゃないかと思いますが、もう少しこれは詰める必要があろうかと思いますね。
○仲村 未央 いずれにせよ、このような事態の中で知事が埋立許可を出すということは、もうほぼなくなったというふうに考えてよろしいですか。
○知事(仲井眞弘多) これも私の表現ですが、極めて極めて厳しいとしか言いようがありません。
○仲村 未央 それから政府への具体的な要求、これをアクションとしてどのように起こしていくのか。いつ今の県外移設の要求というのを政府に直接伝えることになるのかお尋ねいたします。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後5時0分休憩
午後5時0分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) これは今議会で私、御質問に対しては答えて決断をしたわけで、これからどういう形で政府に伝えていくか。口頭でいくか、お邪魔して防衛大臣にお話しをするのか、官邸で官房長官にお話しするのかもわかりませんが、ちょっとここら辺は政府の担当の大臣にきちっとお話ししたいと思います。
もう1点、私、見直しをすると申し上げましたが、共同発表というのは辺野古へ移設する部分と、それ以外のいわゆる8000人のグアム移転、その他嘉手納より南の基地の返還といういわゆるグアム協定に大体なっている部分と、それから負担軽減の部分といろいろあるわけですね。ホテル・ホテル海域を早く返してくれとか。私はこの辺野古に移設する分以外は、やはりこれはこれで一定の評価をすべきだと思っています。ですからこれをもっと深く掘り下げることはあってもこれは進めるべきだと思っていますから、共同声明全部をおっしゃるように反対だということは全く言えません。これはイエスの部分もあるし、上等の部分もあるし、これはちょっと反対に近い部分もありますから。ですから、ここら辺もちょっと整理して政府とは話し合いをしていきたいと思っています。
○仲村 未央 知事が今、全体の合意の内容に触れたので私も少し聞きたいんですが、実は我々がこの合意を批判してきた根拠は、この合意がすべてパッケージになっていて、辺野古に代替施設の完成がない限りグアム移転も起こらない。そしてグアムの移転が成功するためには日本の資金提供によってグアムのインフラがつくられないといけない。そういったことがない限り、さらに中南部の嘉手納以南の返還がないという、これがすべて辺野古の進展にかかっているという書かれ方をされたものですから、非常にこの問題は辺野古が滞ると、まるで白紙に戻すぞと言わんばかりの合意内容になっているこのパッケージを物すごく批判したわけですよ。今、知事は、この辺野古を起点にしたパッケージ合意についてどのような見解をお持ちですか。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと休憩。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後5時2分休憩
午後5時3分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) まさにおっしゃるように、このパッケージ論というのは我々自身もおかしいと思います。ですから、これはただ2プラス2といいますか、共同発表にも書かれているようでして、ちょっと私、今、正確にチェックできていないんですが、書かれているとすれば、そう簡単ではないとも思います。ですが、やっぱり何で普天間が動かないとこれらができないかという理由は本当はないんですよね、昔のSACOから言って。ですからここは押し返せるかどうか、これこそ民主党政権も――民主党の方もおられますから――一緒になってここは押し戻すべきで、後先逆にすべきじゃないかとも思っております。これはちょっと我々の力がどこまでできるかですが、これはもう議会の皆さんと一緒になってやらなきゃいかぬなと思ったりもしております。
○仲村 未央 今は、本当に知事は明確な方針転換をされたと私は受け取りました。というのは、1年前の私の同じ質問に対して知事は、パッケージとして推進されるべきものだと評価しているという答弁を私にしていますので、ぜひその明確な方針転換をいただいた上で次の質問に移りたいと思います。
ちょっと休憩お願いいたします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後5時4分休憩
午後5時4分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○仲村 未央 時間が限られておりますので、教育委員会のほうからお尋ねをいたしたいと思います。
まず、先ほど幼保一体化、これに向かうときの影響はどうだということで、はっきりしないから不明だというような答弁を教育長がされました。
今、幼保一体化、去る9月、今月の24日に政府は第1回会合を持って、そこに至るまでにも結構具体的な内容が出てきております。例えばその幼保一体化の中で先ほど教育長がおっしゃるように、幼稚園・保育園・認定こども園、これは垣根をなくす、これが大前提。それから保育に欠ける要件を撤廃すると言っているわけですね。そして多様な事業者の参入を認めていくということなんですよ。今、沖縄型の公立幼稚園を評価するということであれば、沖縄型の公立幼稚園は校長管理のもとに、同じ校長と園長がいて、その施設の中で一体的に運営されているわけですね。それで今、保育要件の緩和、いわゆる保育に欠ける子も欠けない子もそれはもう要件関係なく、一体として施設に差を設けないんだということで、今の幼稚園の施設の使い方も含めてかなり沖縄はほかの県にはない大変な影響を受けると思っているんですね。それで、その24日の第1回の会合の際には全国公立幼稚園会とか、全国知事会とかそういったところがこういう意見があります、どうでしょうかということでいろんなプランも出しているんですよ。でも、どの文章を見ても、沖縄のこの特殊な状況について触れたものは一つもない。だか
ら、教育長はいつもその状況を見て判断します、影響は後で考えますとおっしゃるけれども、今のプランがそのまま実行された場合、沖縄県の今の形態は維持できますか。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
ただいま仲村未央議員がおっしゃられたことについて、やはりそういう懸念はあるわけです。ですから、国が今、幼児教育、保育教育をいろんな形で一つにするという形で、もう方針が年度ごとに動いているわけです。そういう状況もありますし、実際にこのこども園という構想が、構想自体は私も把握はしておりますけれども、これが実際に沖縄の中にどういう形で財政的なものも含めて具体的な計画を立てて入れてくるかというところが見えないわけです。ですから、そこのところを見ないと何とも言えないという意味での答弁でございます。
○仲村 未央 これは福祉保健部長、知事も聞いていただきたいんですが、何も教育委員会だけの問題じゃなくて、福祉保健部そのものにかかわる問題なんですね。全国の4倍もの待機率がある今の待機児童の現状がありながら、保育の要件が撤廃されるというこの中で、どれぐらいの変化がこの幼保一体化の中で起きてくるかとか、あるいは事業者のいろんな参入によって、これはサービスが契約に変わっていくときに、今の低所得の方々にどんな影響があるかというのは、これは23年度のもう通常国会に法案を上げていくという話なんですよ。でも、沖縄の今のこの現状を全国一律の中で議論していたら、今までの資源、特に教育委員会が持っている幼稚園の資源というのは私は失われてしまうと思うんですよ。これについては、教育委員会と福祉保健部と両方の協議も必要だし、こんなに悠長なことを言っている場合ではないと思うんですが、福祉保健部長の見解をお願いいたします。
○福祉保健部長(奥村啓子) 今、教育長からもあったように、やはり幼稚園というのが他県と違う公立という形態があるということでかなり影響があるのかなという懸念はございます。この子供システムの基本的要件の中での課題とこちらが認識しておりますのは、実施に当たって必要な財源がどれぐらい確保できるのかということ、それから多様な事業者の参入によって保育の質の低下を来さないようにするにはどんなふうにしていけるのか、それから保育に欠ける要件を撤廃することに伴う混乱ですね、待機児童との関連も含めて、現在の公立幼稚園も含めて、その辺が非常に懸念されるところでございます。そういう中で全国知事会としては、その移行に当たっては地方公共団体との十分な協議を行うことを国に求めているということでございますので、そのあたりを国に対してきちんと財源も含めて明確な方針を示してもらうように求めていきたいというふうに考えております。
○仲村 未央 もう余り私の時間がありませんので、最後に知事に今の件も含めて、先ほど沖縄振興の柱の中にと申し上げましたが、やはり沖縄だけ違うということが余りにも子供をめぐる現状の環境にも多過ぎる。非行やそれから児童福祉のおくれというのを全然取り戻せないままこの間来たということ。このことと、それからこれからの制度の余りにも大胆な変革の中で沖縄だけがついていけない部分というのがやっぱりあると思うんですね。それを教育委員会と福祉保健部と本当に緻密に連携を通じて、何が今足りないのかということと、これから沖縄が本当に独自性を持って振興に当たっていくときに、人材育成や将来にかけるというこの部分を柱に据えるというこの決意がないと、これまでの振興策となかなか違いが出てこないと思いますが、その辺について知事のお考えをお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) まさに次の沖縄振興法というのは、本当に県民の将来を担う子供たち、孫たちのためにという部分が第一の柱になると思います。そして今まで日本全国版の施策だとか基準だとかに合わないものが結構残っているんですね。おっしゃったような子供関係の部分とか認可外保育園とか幾つもいろんな種類あると思います。ですからそれを全部いろんな分野にある、そういう沖縄だけはどうもはまらないというものをもう一回束ねて、いろんな分野を、次の沖縄振興法の特例であれ、何か沖縄振興法の中にきちっと位置づけてやっていきたいというふうに考えております。これはもう将来の孫たちのためですから当然です。おっしゃるとおりです。
○仲村 未央 以上です。ありがとうございました。
○玉城 ノブ子 こんにちは。
日本共産党の玉城ノブ子です。
一般質問を行います。
まず最初に、米軍基地問題について。
(1)、ことしの名護市長選挙、名護市議選、県民大会で「県内移設反対」、県民の民意が示されました。知事は「県内移設反対」を明確にすべきではありませんか。知事は、普天間基地問題について「極めて厳しい」ということを繰り返していますが、反対と明言しないのはどうしてでしょうか。県民がわかるように説明すべきであります。知事の御所見をお伺いいたします。
(2)、7月末に返還された北中城村の米軍泡瀬ゴルフ場跡地から、米軍の未使用弾2789発以上が見つかり、県民の間に不安が広がっています。米軍の責任で早急に撤去すること。また、返還跡地全域についても磁気探査を実施すべきです。基地返還跡地は米軍に原状回復の責任を義務づけるよう、日米地位協定4条の改定を実施すること。
(3)、県の「生活環境保全条例」に基づいて、米軍基地内における汚染物質や危険物の使用、貯蔵履歴を明らかにするよう要求すること及び県が立入調査を行うことについて伺います。
2、不発弾対策について。
糸満市真栄里で沖縄戦当時のものと見られる米軍製の未使用弾2113発が発見されました。同地域は、7月にも902発の未使用弾が見つかっております。那覇市首里の住宅地では8インチ艦砲弾が、米軍泡瀬ゴルフ場跡からも大量の不発弾が発見され、地域住民を恐怖に陥れています。不発弾が相次いで発見された糸満市真栄里は、沖縄戦当時、日米両軍の激しい戦闘があったところです。昨年1月には糸満市小波蔵で不発弾が爆発し、工事中の男性が重傷を負う事故が起きています。沖縄戦は、国策によって引き起こされたものであり、不発弾対策は戦後処理の一環として、探査、処理、補償すべてについて国が責任を持って行うべきであります。
質問いたします。
(1)、2008年から2010年の各年度の発見された不発弾の数量、磁気探査の費用について伺います。
(2)、2009年から2010年の各年度の「不発弾広域探査発掘加速化事業」の申請件数。
(3)、民間事業の磁気探査機器の貸し出し件数。
(4)、沖縄戦当時の米軍製未使用弾の情報収集と実態調査を実施し、直ちに国の責任で処理するよう求めること。
(5)、不発弾の磁気探査処理については、公共工事、民間工事問わず国が責任を持って処理するよう要求すべきであります。伺います。
3、がん対策について。
(1)、子宮頸がんを予防するワクチンが日本でも認可され接種が始まっています。既に世界では100カ国を超える国で予防ワクチンが使われ、先進国約30カ国で公的助成が行われています。公費の接種を実現してほしいと求める女性たちの要求が広がり、厚生労働省は2011年度政府予算要求の中に子宮頸がんを予防する助成事業150億円を盛り込んでいます。県でも子宮頸がん予防ワクチンヘの公的助成を実施することについて伺います。
(2)、本県はがんが死亡原因のトップとなっています。「沖縄県がん条例」を制定し、がん対策を総合的に推進し、拡大強化することが求められております。知事の御所見を伺います。
4、介護保険制度について。
(1)、介護保険制度が発足して10年、介護の現場は「保険あって介護なし」の深刻な実態になっています。日本共産党が140自治体、652事務所、ホームページにアンケートを掲載して167人から回答を得て、アンケート調査を行った結果、介護事業所からは「重い負担を理由にサービスを抑制している」との回答が76.2%、また特別養護老人ホームの深刻な不足の実態が浮き彫りになりました。沖縄の県民所得は全国平均の7割、失業率は全国よりも極めて厳しいという県民生活の実態から、高齢者の介護現場は大変深刻な状況になっていることは明らかです。県は、介護の実態調査を直ちに実施し、具体的な対策を講ずるべきではありませんか。
(2)、特別養護老人ホームの抑制指標となっていた国の参酌標準が2012年度から廃止する方針が閣議決定されました。地域の実情に応じた施設整備が可能となります。県は、その決定に基づき施設整備を促進すべきであります。特別養護老人ホームの入所待機者数と施設整備の計画について伺います。
(3)、国に保険料、利用料の減免制度を創設すること、国庫負担金を当面10%引き上げるよう要求すべきではありませんか。
(4)、県独自の支援策を実施し、保険料、利用料の軽減を図ることについて伺います。
5、食料自給率の向上と地産地消の推進について。
(1)、学校給食と観光関連産業での県産食材の5カ年間の使用量の推移について伺います。
(2)、学校給食、観光関連産業での使用率が上がっていないのはなぜか、今後の課題と対策について伺います。
(3)、食育推進基本計画は今年度で最終年度になりますが、食育の推進目標値の検証は行われておりますか。
(4)、食料自給率の引き上げと農水産物の地産地消の推進のために、その理念や意義、数値目標を明確にした条例の制定が必要であります。知事の御所見を伺います。
(5)、県内市場における農水産物の安定供給を確保するため、漁協、農協に直売所、加工センターなどの流通拠点の整備拡充が必要です。県の対策を伺います。
(6)、農産物に安心・安全を求める消費者の要求が高まっております。長寿県沖縄のウチナーブランドづくりとして、安全性の高い農産物の生産県として推進を図っていくことについて伺います。
(7)、農業後継者育成のための「就農者支援制度」を確立することについて伺います。
(8)、農産物の補償基準価格の引き上げ、対象品目の拡大など、価格補償が確立されてこそ農業の振興と食料自給率の向上になります。県の対策を伺います。
6、野生鳥獣対策について。
(1)、野生鳥獣被害の実態と被害面積、被害総額と具体的な対策について伺います。
(2)、2008年から2010年の「鳥獣被害防止総合対策交付金」の各年度の交付金と要望額について伺います。
(3)、「鳥獣被害防止総合対策交付金」は、来年度以降の継続実施と必要な予算の増額を要求することについて伺います。
(4)、沖縄県として野生鳥獣被害への独自支援対策を実施すること、次期沖縄振興計画の農業生産振興の中で位置づけて対策を講じることについて伺います。
7、沖縄含みつ糖振興について伺います。
(1)、さとうきびの生産農家に対する直接支払制度(甘味資源作物交付金)を含みつ糖地域にも同様に措置することについて伺います。
(2)、黒糖価格の暴落に対する支援措置について伺います。
(3)、法令に基づいて表示基準を明確にし、含みつ糖製品の適正表示を図ることについて伺います。
8、我が党の代表質問との関連について。
民間地域で起きた米海兵隊による住居侵入、強制わいせつ事件は、県民を恐怖に陥れました。平成13年度以降、女性や子供に対する事件や事故は実に1072件にも上っています。そのほとんどが米海兵隊の犯罪であります。人殺しを任務としている海兵隊に女性や子供たちの人権や生命を守ることなどできるはずがありません。海兵隊が存在する限り、県民や女性、子供たちはその恐怖におびえ続けなければなりません。
沖縄県民の生命財産、安全を何よりも優先して守り抜かなければならない知事として、危険な海兵隊の撤退を要求すべきではありませんか。
○知事(仲井眞弘多) 玉城ノブ子議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、米軍基地問題についての御質問の中で、県内移設に反対することについての御質問にお答えいたします。
県としましては、去る5月の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと繰り返し申し上げてきたところであります。そして名護市長選挙や県議会の意見書議決、そして県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難であると考え、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を示すよう求めてきましたが、政府からこの間の県民の怒りと失望にこたえ得る説明と方策は依然として示されておりません。
県としましては、このような状況にかんがみ、政府に対し日米共同発表を見直し、普天間飛行場を県外に移設することを求めてまいりたいと考えております。
次に、沖縄含みつ糖振興に係る御質問で、分みつ糖と同等な含みつ糖の支援対策についての御質問にお答えいたします。
沖縄産含みつ糖の生産は、分みつ化の困難な離島地域において行われており、これらの離島経済において重要な地位を占めております。国は、含みつ糖に対する支援といたしまして、毎年、予算を計上し、補助金により生産農家及び含みつ糖製造事業者への経営安定化を図っており、厳しい状況にあります。一方、分みつ糖に対する支援は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づいて、生産農家及び分みつ糖製造事業者への支援がなされております。
このため、県といたしましては、含みつ糖対策についても同じ甘味資源作物としてさとうきびを生産振興していることや厳しい生産条件、そして国土保全等の観点から、分みつ糖地域と同等な制度が適用できるよう、町村、そしてJA、黒砂糖工業会等の関係機関と連携をし、国へ要請しているところでございます。
次に、代表質問との関連の中で、海兵隊の撤退についての御質問にお答えいたします。
県は、これまで日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減等による沖縄県の過重な基地負担の軽減を求めてきております。とりわけ海兵隊については構成員が最も多いことから、その削減に最優先に取り組む必要があると考えております。このため、米軍再編で示された海兵隊司令部及び約8000人の海兵隊将校及び兵員のグアム移転と、それに伴う嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の整理・統合・縮小等は、県民の要望している在沖米軍兵力の削減及び米軍基地の整理縮小につながるものであり、確実な実施がなされる必要があると考えております。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 米軍基地問題について、日米地位協定第4条の見直しについての御質問にお答えいたします。
キャンプ瑞慶覧の泡瀬ゴルフ場は、本年7月31日に返還されたものの、8月以降数多くの未使用弾等が発見されております。
米軍施設・区域の返還に当たっては、国の責任において原状回復等必要な措置がとられることになっておりますが、返還跡地から汚染物質や不発弾等が発見される事例がたびたび発生しております。こうした状況を踏まえ、県としましては、米軍施設・区域の返還に当たっては、事前に日米両政府が共同して原状回復等の必要な措置をとることなど、日米地位協定第4条の見直しを求めているところであります。政府は、「日米地位協定の改定を提起する」としておりますが、これまで改定の方針等が示されていないことから、県としては、引き続き渉外知事会等と連携しながら、日米両政府に対し、同協定の抜本的な見直しを求めてまいります。
次に、不発弾対策についての中で、2の(1)のア、2の(1)のウ、不発弾の数量、磁気探査費用、民間事業の磁気探査機器の貸し出し件数についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
2008年度から2010年度の不発弾の発見数量及び磁気探査費用は、2008年度約2.9トン、約3億8000万円、2009年度約2.6トン、約3億8000万円、2010年度約2.4トン、約5億5000万円となっております。また、民間事業の磁気探査機器の貸し出しについては、平成22年7月に開始し、現在、貸し出し実績はないことから、同制度の周知徹底を図っているところであると聞いております。
次に、同じく不発弾対策についての御質問の中で、2009年、2010年の各年度の「広域探査発掘加速化事業」の申請件数についてお答えいたします。
2009年度から2010年度の「広域探査発掘加速化事業」の申請件数は、2009年度22件、2010年度31件となっております。
次に、同じく不発弾対策の中で、沖縄戦当時の米軍製未使用弾の情報収集、実態調査及び国が処理することについてお答えいたします。
沖縄戦当時の米軍製未使用弾を含む不発弾の処理については、国庫負担により措置されております。情報収集及び実態調査については、平成元年度から3年度にかけて未使用弾を含む不発弾の埋没調査を行っており、現在も情報収集を継続して行っているところであります。
県内の不発弾の処理をできるだけ早期に行っていくために、不発弾探査の加速化・効率化を図るなど、不発弾対策の抜本的拡充が必要であるため、不発弾探査要望地域の調査を行うとともに、今年度中に不発弾探査の重点地区や加速化の方策等を内容とする沖縄不発弾等対策中期プログラムを策定する等、「広域探査発掘加速化事業」の拡充を図っております。
次に、不発弾探査について、公共・民間を問わず国が行うよう要求すべきとの御質問につきましてお答えいたします。
県としましては、不発弾対策は戦後処理の一環として国が責任を持って取り組むべきと考えております。今後とも、不発弾探査の全額国庫負担について、市町村等の関係機関と連携を図りながら、引き続き国に要請してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 米軍基地問題についての御質問の中で、汚染物質の使用履歴の開示の要求及び立入調査についてお答えいたします。
県生活環境保全条例第3条の2第2項において、県は、米軍基地の返還に当たって土地の利用の履歴と土壌の汚染状況等に関する情報について公表する旨を協定に盛り込むよう申し入れることができるものとするとなっております。一方、日米地位協定では、環境に関する条項がなく、特別な定めがない限り、米軍に対し一定の義務を課したりすることはできないこととなっております。そのため、県では、渉外知事会を通じて、環境保全に関する日本国内法を適用することや、基地返還にあっては日米両国政府が責任を持って、土地の使用履歴や汚染状況等に関する情報の公表、返還前の環境調査、環境の浄化等適切に対処する旨を国に対し求めているところであります。
県としましては、今後とも国の動向も踏まえ、関係機関と連携しながら、生活環境保全条例の協定締結の申し入れについて検討していきたいと考えております。
基地内の立入調査については、これまでも油流出事故等が発生し調査が必要となった場合は、防衛局などを通し、立入許可を求めるなど事故発生現場などの状況の把握に努めているところであります。ちなみに、平成8年から平成22年8月まで26件の立入許可を得て環境調査などを実施しております。
以上であります。
○福祉保健部長(奥村啓子) がん対策についての御質問の中の、子宮頸がん予防ワクチン接種に対する県の助成についてお答えします。
厚生労働省が予算要求している助成事業は、ワクチン接種の対象年齢、教育のあり方などの情報を収集・分析し、10歳代にはワクチンを接種、20歳代からはがん検診を受けるという一貫性のある「子宮頸がん予防対策」を効果的・効率的に推進する方策を検討する目的で実施されるものであります。その結果は、国の厚生科学審議会において予防接種法上の位置づけを検討する資料となるものであります。
県としましては、予防接種への公的助成は、予防接種法等の法制度に基づく定期接種として実施することが望ましいと考えており、引き続き国の審議を見守ることとしております。
次に、がん条例の制定についてお答えします。
県としましては、がん対策基本法に沿って制定された「沖縄県がん対策推進計画」及び「アクションプラン」を着実に実施し、予防から医療提供に係る適切ながん対策の充実・強化を図っていくこととしております。このような中で、がん条例の制定については、その必要性を含め総合的に検討することとしております。
次に、介護保険制度についての御質問の中の、介護実態調査の実施及び具体的な対策についてお答えします。
各保険者においては、これまで高齢者の実態とニーズを把握の上、介護保険事業計画を策定し、適切なサービスの提供に努めてきたところであります。各保険者が次年度策定する予定の第5期介護保険事業計画においては、地域や高齢者の課題等をより的確に把握するための新たな調査手法が国から示されることになっております。この調査手法を用いて高齢者の実態把握を行い、介護、医療、生活支援サービス、住まいの4つを一体化して提供していく「地域包括ケア」の考え方に基づく事業計画が策定される予定であります。
県においても、地域における高齢者のニーズがより反映されるよう保険者を支援し、第5期事業支援計画を策定してまいります。
次に、特別養護老人ホームの入所待機者数と整備計画についてお答えします。
県における特別養護老人ホームの入所待機者数は、平成21年11月末現在で1901人となっております。そのうち、要介護3から5の高齢者は865人となっています。県では、平成23年度末までの第4期沖縄県介護保険事業支援計画において、広域型特別養護老人ホーム160床、小規模特別養護老人ホーム170床、合計330床を整備することとしております。次年度に策定予定の第5期介護保険事業計画では、施設整備に係る参酌標準が撤廃されることが示されており、県としましては、適切なサービス量を見込むよう、各保険者に働きかけてまいります。
次に、保険料等の減免制度創設と国庫負担割合の引き上げについてお答えします。
介護保険料は、所得区分を6段階に設定し、一定の低所得者対策がなされているところですが、所得区分をふやしてさらに低所得者への配慮を行うことが可能となっており、県内でも14保険者のうち8保険者が実施しております。また利用料は1割負担が原則ですが、低所得者等に対して社会福祉法人等における減免や離島地域における利用者負担の軽減などが実施されております。県では、これらの軽減策が円滑に実施されるよう取り組んでいるところであります。
国の負担割合引き上げについては、九州各県とも連携し、地方自治体の負担増や高齢者が負担する保険料等の引き上げにならないよう、国において十分な財源措置を講じるよう要請しているところです。
次に、県独自の支援策による保険料等の軽減についてお答えします。
介護保険は、介護を国民みんなで支え合う仕組みとして、高齢者も含めて40歳以上の全国民で保険料を負担している制度であります。その理念に基づき、介護費用は、保険料や国・県・市町村の公費負担も含めてそれぞれの負担割合が定められております。このような制度運用においては、保険料等の減免を目的に、県や市町村が独自に一般財源による財政支援等を行うことは適当でないとされております。
次に、食料自給率の向上と地産地消の推進についての御質問の中の、食育推進計画に係る目標値の検証についてお答えします。
沖縄県食育推進計画は、平成18年度から平成22年度の5年計画となっております。現計画に係る目標値の進捗状況等については、沖縄県食育推進協議会及び食育推進本部会議において毎年確認しているところであります。目標値を含めた計画全体の評価及び検証については、来年度策定する次期食育計画に向けた取り組みの中で行ってまいります。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは食料自給率の向上と地産地消の推進についての御質問で、学校給食における県産食材の使用量の推移についてお答えいたします。
本県の学校給食における県産食材の使用状況については、県産農水産物の利用状況調査によると、平成16年度は32.2%、17年度は35.1%、18年度は33%、19年度は31.5%、20年度は33.4%となっております。
次に、県産食材使用についての今後の課題等についてお答えいたします。
学校給食に県産食材を使用することは、児童生徒へ本県の食文化や郷土食のよさを理解させるとともに、産業振興を図る上で効果があると考えております。
学校給食における県産食材の活用については、安価で年間を通じて安定した供給量の確保が困難なことから使用率が上がっていないものと思われます。現在、県においては「地産地消推進県民会議」等で、市町村、JA関係者、地域直売所等と地場産物の利用促進に向けた協議を行っております。
県教育委員会としましては、今後とも、県産食材使用率向上に向けて、読谷村での「紅芋」、八重瀬町での「ピーマン」、北中城村での「アーサ」などの県産食材を活用している事例を他市町村へ紹介するなど、学校給食への県産食材の積極的な活用を推進してまいります。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 食料自給率の向上と地産地消の推進について、観光関連産業での県産食材の使用量の推移及び県産食材の使用率が上がってないことに関する今後の課題と対策について、一括してお答えいたします。
沖縄県が平成15年度及び21年度に実施した観光産業実態調査では、観光関連産業の飲食部門における県産食材の使用比率は、平成15年度の57.7%から平成21年度は48.5%となっており、9.2ポイント低下しております。観光関連事業者の県産食材の使用については、価格や安定供給などが課題として挙げられております。
沖縄県としましては、農商工連携により県産食材を活用した商品開発を支援するとともに、県産食材を積極的に活用する飲食店を「おきなわ食材の店」として登録を行っております。今後は、県内の観光関連事業者に対し、県産食材のさらなる積極的な使用を呼びかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 食料自給率の向上と地産地消の推進についての中で、食料自給率向上と地産地消推進のための条例制定についてお答えいたします。
県では、沖縄県農林水産業振興計画において、食料自給率の数値目標を定め、農林水産業の基盤整備や生産供給体制の強化など各種施策・事業に取り組んでいるところであります。また、地産地消についても沖縄県農林水産業振興計画に基づき、目標値や年度別活動計画を定めた沖縄県地産地消推進計画により、地産地消運動を広く展開していることから、条例の制定は考えておりません。
次に、直売所や加工施設等の整備についてお答えします。
直売所や加工施設等の整備は、地産地消の推進や農林水産物の高付加価値化など地域経済の振興上、極めて重要であります。そのため、漁協や農協等において、沖縄市のファーマーズマーケット、糸満市の農林水産物直売・食材提供供給施設、JAおきなわのハーブセンター、グリーンフィールドのカット野菜施設、恩納村の水産物加工流通施設、東村のパイン等総合農産加工施設、今帰仁村のきのこセンター、与那国町の長命草加工処理施設など、モズク、熱帯果樹、薬用作物等の県内の特産物を活用した加工施設、直売所の整備に取り組んでいるところであります。また、平成22年度には、読谷村、石垣市にファーマーズマーケットと名護市にキノコの生産施設を整備することとしております。
今後とも、県内市場における農林水産物の安定供給と生産振興を図るため、直売所や加工施設の整備を行い、地域経済の発展に努めていく考えであります。
次に、沖縄県の安全・安心、農産物の生産と供給の取り組みについてお答えします。
県では、安全・安心な農産物の生産・供給体制を強化するため、農薬の適正使用の普及啓発を行うとともに、農産物の出荷前自主検査やトレーサビリティーの推進に取り組んでおります。また、環境保全型農業を推進するため、化学農薬や化学肥料の3割以上削減に取り組むエコファーマーの認定、5割以上削減に取り組む特別栽培農産物の認証、化学農薬や化学肥料を使用しない有機農業の支援を行っております。さらに、天敵農薬や性フェロモンを活用した防除技術の確立に努めているところであります。
今後とも、消費者に安全で安心な農産物を供給するため、農協や関係機関と連携し、各種施策を推進してまいります。
次に、就農者支援制度の確立についてお答えします。
県では、農業後継者の育成確保を図るため、平成22年度から「農でグッジョブ推進事業」により、市町村、農業団体、農家代表等で構成する「沖縄県農でグッジョブ推進会議」を平成22年6月に設立し、担い手の総合的な対策を講じているところであります。
具体的な取り組みとしては、農業大学校における実践的な研修教育、新規就農へ誘導するためのサポート講座や夜間講座の実施、農地を持たない新規就農者に農地を提供した「チャレンジ農場」での農業実践、耕作放棄地の再生利用による農地の確保やハウスの整備等を実施しております。また、農業後継者育成基金事業による新規就農者への研修支援や、就農支援資金の貸し付けなどの支援を行っております。
今後とも、農業後継者育成を促進するため、関係機関と連携し、研修から就農定着までの支援体制を強化してまいります。
次に、農産物の価格補償についてお答えします。
農産物の価格安定対策は、生産出荷の安定と消費地域の価格安定等を図ることを目的に実施しております。野菜等の価格安定対策は、国庫補助事業として特定野菜等価格安定対策事業、指定野菜価格安定対策事業等があります。また、県単独事業としては重要野菜価格安定対策事業があります。野菜の価格安定対策の仕組みとしては、国・県・市町村、生産者が資金を造成し、市場価格が補償基準価格を下回った場合、生産者補給金を交付する制度であります。現在、本県では、サヤインゲンのほか20品目が対象となっています。新たな対象品目については、面積、共同出荷等の要件が整い次第検討してまいります。
県といたしましては、今後とも農業の生産振興を図るため、農産物価格安定対策事業の推進に努めてまいります。
次に、野生鳥獣対策の中で、鳥獣被害の実態と対策についてお答えします。
平成20年度の鳥獣被害については、カラス、シロガシラ、イノシシ等による被害面積が約217ヘクタール、被害額が約1億9900万円となっております。被害防止対策といたしましては、県や市町村、関係団体で構成する沖縄県野生鳥獣被害対策協議会を設置し、被害防止対策を推進しているところであります。
具体的には、市町村が国の財政支援を受けられるよう被害防止計画の作成に必要な情報の提供や助言、カラス等の捕獲箱やわなの設置、猪垣や防鳥ネットの設置、銃器による捕獲等の支援を行っております。
今後とも、市町村、農協等の関係団体と連携し、鳥獣被害防止対策に取り組んでまいります。
次に、平成20年度から平成22年度までの鳥獣被害防止総合対策交付金と要望額についてお答えいたします。
鳥獣被害防止総合対策交付金については、平成20年度から21年度までは国が直接採択で実施しておりますが、要望額については交付額とほぼ同額と聞いております。交付金実績額は平成20年度が1205万円、平成21年度が1585万3000円となっております。平成22年度からは、県を経由する交付金となり、市町村からの要望額が1985万3000円で、交付金額は1516万8000円を予定しております。
次に、鳥獣被害防止総合対策交付金の継続実施と予算増額についてお答えいたします。
平成23年度の鳥獣被害対策関係事業については、国において「鳥獣被害緊急対策事業」と「鳥獣被害防止総合対策交付金」で112億8400万円を概算要求しております。
県としては、市町村の要望等を踏まえ、鳥獣被害防止対策に必要な予算額の確保を国に対し引き続き要望してまいります。
次に、県の独自支援対策の実施と次期沖縄振興計画への位置づけについてお答えします。
鳥獣被害対策につきましては、国の「鳥獣被害防止総合対策交付金」や「パインアップル構造改革特別対策事業」等を活用し被害対策を実施するほか、県の事業として「園芸ブランドステップアップ事業」で低コスト猪垣の設置などを実施しております。さらに、平成22年度から重点分野雇用創出事業を活用し、わなの改良と管理指導、被害度マップの作製等、野生鳥獣害対策に関する事業を実施してまいります。
鳥獣被害は、全国的に拡大の傾向にあり、県においても鳥獣被害防止対策は農業振興上重要であることから、新たな振興計画の中で鳥獣被害防止対策が講じられるよう検討してまいります。
次に、沖縄含みつ糖振興の中で、黒糖の市況対策についてお答えします。
黒糖を取り巻く環境は、近年の経済不況のもとで、輸入糖や再製糖との競合により厳しい販売状況となっています。このため、県としては、JAや黒砂糖工業会、町村等で構成する「沖縄県含みつ糖対策協議会」で、毎年5月10日を「黒糖の日」として制定し、販売促進対策の強化を図っているところであります。
具体的な取り組みとしては、「機能性豊かな黒糖の可能性について」などの講演会やシンポジウムの開催、黒糖PR促進員を活用した沖縄黒糖の販売促進の実施、県外大手黒糖ユーザーとの情報交換、講演会の実施、「美ら島沖縄総体」への黒糖贈呈によるPR、ファーマーズマーケット及び黒糖生産町村での販売促進などに取り組んでいるところであります。また、JAや企業とも連携して黒糖を使用した新製品開発を検討しているところであります。
次に、含みつ糖製品の適正表示についてお答えします。
含みつ糖は、製造方法や特徴等により、黒糖、輸入含みつ糖、再製糖に区分されております。沖縄黒糖ブランドの定着や一般消費者への正しい情報を提供する観点から、黒糖と輸入含みつ糖及び再製糖との表示区分を明確にする必要があります。
県としては、含みつ糖の品質表示基準や原産国表示を規定することについて、町村、JA、黒砂糖工業会等の関係機関と連携して国に要請しているところであります。
以上でございます。
○玉城 ノブ子 再質問を行います。
まず最初に、介護保険制度の問題ですけれども、日本共産党が行った調査の中で、76%の高齢者が重い負担を理由にサービスを受けることができないという事態になっているわけです。これは前に介護保険制度を取り上げたときにも私自身が県内の事業所何カ所か調査をいたしましたけれども、そのときにも非常に深刻な実態が事業所から寄せられておりました。
日本共産党が行ったこの調査の中でも、全国の事業所から高齢者が置かれている悲惨な実態の状況が報告をされているわけです。例えば月4万円の国民年金で生活をしているこの女性の方が、特別養護老人ホームに入所を申し込んだけれども、入所ができずに待機をしている間に、通所サービスもヘルパー派遣も利用料の負担ができないということで断って、結局体調を崩して一人でアパートで亡くなってしまうという、こういう事例も出ているわけです。もう一人、息子と二人暮らしの80歳代の男性が、息子の収入が不安定で年金だけでは十分な生活、サービスを受けることができないということで受けていたヘルパー派遣のサービスも減らして、結局この方も数カ月後に亡くなってしまうというこういう悲惨な事例が起きているわけです。特に沖縄の場合には、高齢者の方の年金の平均額も非常に少ないです。さらに県民所得も低いし、失業率も非常に高いというふうな状況の中で、貧困家庭の高齢者の置かれている実態というのは大変深刻な事態になっているわけです。ですから、これは早急に県のほうがその実態を掌握していく、把握していくということが必要であるというふうに思います。これはすぐに実態調
査を実施するということが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○福祉保健部長(奥村啓子) 介護保険の運用上、どういう問題があるかということで、介護保険制度に関する国民の皆さんからの意見募集ということで今年の5月に厚生労働省のほうがやった概要の中で、この中で介護保険制度を6割は評価しているけれども、あと評価していないのが2割ということがございまして、その中で運用上の課題というのも出されております。その主なものは、介護職員の賃金の処遇改善や入所待機者を解消する施設整備の促進、それから認知症サービスの充実とか、24時間対応の在宅サービスの充実とか、保険料や利用料の軽減措置等々とかというものが挙げられております。それで、先ほども申し上げましたが、このような課題に対応するために来年度国のほうでよりよい調査の手法が示されて、それをもとに来年度各保険者において介護保険事業計画が策定されることになっておりますので、県としてもそれを踏まえながら支援計画を策定していきたいというふうに考えております。
○玉城 ノブ子 要するに、高齢者の皆さんが重い負担を理由にサービスが受けられないというふうな状況になっているのが76%もあるわけです。ですから、そういうことから考えると、やはり高齢者の皆さんの保険料、利用料に対する県の独自の支援策ということが必要であるというふうに考えるんですよね。独自の支援策は適切ではないということをおっしゃっておられますけれども、しかし全国ではもう既に8割近くの各地方自治体が独自の支援策を図っているわけですよ。そうしないと、高齢者の方が本当に適切な介護サービスを受けることができないというふうな事態に立ち至っているわけです。もちろん国に対してこれは負担金を引き上げるよう要求する。それと同時に、今もう高齢者の皆さんの置かれている実態というのは日々厳しい状況になっているわけですから、県としてもやはり独自のそこに対する負担軽減の支援策を実施をしていくということが必要だというふうに考えるんですが、どうでしょう。知事、どうですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後6時3分休憩
午後6時4分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
福祉保健部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) 先ほども申し上げましたように、保険料につきましてもその所得に応じた区分ができるようになっておりまして、また利用料につきましても離島や社会福祉法人での軽減策も講じられております。基本的には介護保険制度の枠組みの中で、そういう支援という部分も制度設計はなされるものと考えておりますので、県独自での支援というのは困難であるというふうに考えております。
○玉城 ノブ子 本当に残念です。高齢者がこんなにつらい、苦しい状況に置かれているということが今度の私たちの調査でも本当に明らかになっているわけなんですよ。そこに対して、県としてあの沖縄戦を生き抜いてこられて戦後の沖縄の復興のためにということで頑張ってこられたこの皆さん方が、今はこの介護を受けなければならないというような状況にあるわけですよ。ところが、この高齢者の皆さんの置かれている状況というのは本当に「保険あって介護なし」というふうな状態です。それは保険料、利用料のこの負担が重いということで、利用サービスが受けられないという事態になっているわけです。これについてやはり県が独自の支援策を実施してでもこういう高齢者の皆さんにきちんとした生活を保障していくと、介護サービスを保障していくということでなくちゃいけないんじゃないかというふうに思いますよ。知事、それでもそれはできないという冷たい態度ですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後6時6分休憩
午後6時7分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今、部長のほうから答弁したことに現実は尽きるんですが、ただ議員の御意見としてのお気持ちは受けとめさせてください。
○玉城 ノブ子 この気持ちを受けとめても実行しないとこれは実にはならないわけですよ、実際上。気持ちはみんな持っていても、それが実行できないということであれば何にもならないんじゃないですか。皆さん方は、泡瀬干潟の埋立工事には公判であれだけ経済的効果がないというふうに言われてもなおかつそれをどんどん進めるという、大型公共工事にはこんなにお金をどんどん使うのに、高齢者の皆さん、お年寄りのためには使えないというのはちょっとそれはおかしいんじゃないですか。
○知事(仲井眞弘多) 高齢者のお年寄りのためには我々は今考えられることは、いろんなことを先ほど部長も答弁しましたように微に入り細に入りやらせていただいている。しかし、今議員のおっしゃったようなお話はお話として承らせてくださいと申し上げて、やるべきことはやっている上での話ですから、誤解なきよう。
○玉城 ノブ子 やってないからこそ、高齢者の皆さん方がこういう実態に置かれているんじゃないですか。利用料や介護料、負担が重くて介護サービスが受けられないという高齢者の皆さんが8割近くにも上っているわけですよ。これは皆さん方が必要な施策をやってないからこそこういう事態になっているじゃありませんか。それを私は言っているわけですよ。知事、それでも何の対策も打たないということになるんですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後6時9分休憩
午後6時9分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
福祉保健部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) この介護保険制度の中には、やはり低所得者の保険料の軽減、また利用料についても申し上げましたように軽減策もございます。そしてまた、この低所得者のサービスのセーフティネットである生活保護制度とかそういうもろもろの社会保障制度もございますので、その辺を利用しながら高齢者が安心して生活できるような仕組みをつくっていきたいというふうに考えております。
それで先ほど申し上げましたように、次年度そういうふうな課題も抽出した形での調査を行って第5期の計画をつくっていきたいと思っております。
以上です。
○玉城 ノブ子 これは今の県政にそういうのを期待しても無理だなというふうなことを感じて本当に残念です。
米軍基地について質問いたします。
知事は、県外移設だということを言っておりますけれども、県内移設反対ということを明確にしないのはなぜなんでしょうか。名護市議選の結果は民意のあらわれということで真摯に受けとめるということをおっしゃっております。県民・市民の民意は県内移設反対だということなんです。名護市長も陸にも海にもどこにも基地はつくらせないと、宜野湾市の伊波市長も基地の県内移設反対、普天間基地閉鎖・返還を要求している、これが県民の総意なんですよ。
なぜ県内移設反対ということにならないんでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 県内移設は極めて厳しい、特に辺野古への移設は厳しいと何度も申し上げてきたとおりです。そして日米共同発表を見直して県外移設を求めるということでありまして、議員のおっしゃっている表現を全部使えと言われてもそれは違います、それぞれですから。さらに、県外移設を求めると言ってない政党だっておありでしょうが。私は私の表現で言わせていただきます。
○玉城 ノブ子 知事は県外移設だということを言っておりますけれども、こういう危険な基地を受け入れるところはどこにもないわけですよ。政府が名前を前に挙げたところはどこでも反対と、結局反対ということを表明していますよ。結局どこも受け入れるところはなかったと、やはり沖縄県だと、沖縄県に舞い戻ってくるしかないということになるんじゃありませんか。政府内では、辺野古反対とまでは言っていない知事答弁は県内移設容認の余地を残したものというふうに受けとめられているわけですよ。知事はそういう意味で県内移設、この問題で結局県内に舞い戻って沖縄にまた基地をつくるということになるんですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後6時13分休憩
午後6時14分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 議員が戻ってこいというお話なら別ですが、今の御質問の趣旨がよくわかりません。確かに県内も特に辺野古は難しい、厳しいというのは前から私は申し上げているとおりでしょう。そして、だから県外を求めると言っているんですよ。県外も易しいなんて一つも言っていませんよ。だけど、前の鳩山政権から始まって、どこまで詳しく県外をやったのか、これもはっきりしません。そして機能の移設、一部訓練移設はこの間の共同発表に載っています。ああいうものは僕は是としているんですよ。ですから、まだまだ可能性というものはあるに違いないということです。そしてまた、私の友人たる研究者がワシントンに何人もいるんですが、この人たちもいろんな意見があります。ですから、どこを手がかりにしていくかはこれからです。これも政府だとかいろんなそういう情報を持っているところと研究しながら行くしかありません。
○玉城 ノブ子 ですから皆さん、県外、県外と言って、県内移設反対ということを明確にしないのは、結局はまたどこも基地を受け入れるところはないから、沖縄に舞い戻ってくるということになるんじゃありませんかということですよ。そうでなければ、県内移設反対と明確に出すべきじゃないですか。
○知事(仲井眞弘多) これももう何度も申し上げました。日米共同発表を見直して県外への移設を求めるという、もうこの言葉だけです。だから、議員が将来を、先を心配してまた来るんですかということは全く答えられません、そんなことは。私は、今県外を求めると言っているんですから。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程はこれで全部終了いたしました。
次会は、明10月1日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後6時17分散会