平成22年(2010年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 10月 4日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 10月1日、知事から、お手元に配付いたしました議案1件及び補正予算説明書の提出がありました。
 また、9月15日から29日までに受理いたしました陳情11件は、お手元に配付の陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
   ――――――――――――――
   〔陳情文書表 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、甲第2号議案、乙第1号議案から乙第8号議案まで、乙第10号議案及び認定第1号から認定第23号までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 照屋大河君。
   〔照屋大河君登壇〕
○照屋 大河 おはようございます。
 社民・護憲ネット、照屋大河です。
 質問の前に一言申し上げます。
 きのう小学1年生になる息子の通う小学校の運動会があって、地域の子供たちの応援のために駆けつけました。競技の始まる前に、赤組・白組それぞれ分かれて、赤勝て、白勝て、互いに頑張ろうというエールの交換がありました。
 いよいよ11月には知事選挙です。土曜日に私も伊波洋一さんの出馬表明会見に同席した者として、11月の知事選決意を示す仲井眞知事にもこの場をかりてエールを送りたいと思います。そして健康に十分気をつけられて、厳しい選挙戦一緒に議論をしていきたいなと思っています。よろしくお願いします。
 それでは一般質問を行います。
 まず普天間問題に関する知事の政治姿勢について。
 (1)、公約について。
 ア、公約である「普天間飛行場の危険性の早期除去(3年以内に閉鎖状態にする)」について、知事は8月14日の定例会見で、相手側の話なので3年めどは文字どおり日本語として、めどとして理解してほしい。いずれにせよ、私の任期以内に危険の除去を実現したいと述べたわけです。間もなく任期を終えようとしているが、達成度に対する知事自身の自己評価について伺います。
 イ、次期知事選では、普天間問題に対する公約を新たにする考えか。その場合、現公約の「3年以内の閉鎖状態」との政策的な整合性、変節を遂げた理由などを県民にわかりやすく説明されたい。
 (2)、名護市議選の結果について。
 ア、去る名護市議選は、辺野古新基地建設に反対する稲嶺市政を支える立場の議員が過半数の議席を獲得、与党多数の民意が示された名護市議選の結果について、特に普天間問題と関連づけてどのように受けとめているか、知事の所見を伺う。
 (3)、沖縄政策協議会について。
 沖縄政策協議会が9月10日、5年ぶりに開催された。協議会を主宰する仙谷官房長官が、将来県との信頼関係が築かれると普天間も話し合うことができると述べるなど、経済振興策が普天間問題の駆け引き材料に利用されることを危惧する県民の声は大きい。伺います。
 ア、協議会開催を呼びかけたのは、県、官邸のいずれからか。なぜ協議会開催に応じたのか明らかにされたい。
 イ、9月10日の開催について、なぜ県知事選を控え、名護市議選投開票直前のこの時期に協議会開催に同意したのか伺います。
 大きい2番、それから大きい3番は取り下げます。
 4番、軍転協の照会に対する政府回答書について。
 軍転協の照会に対して、官房副長官名で8月20日付の回答書が出ております。
 (1)、同回答書で明らかになった米軍の基地運用及び政府見解など、米軍基地問題に関する新事実を明らかにされたい。
 (2)、政府の回答内容は県として満足のいくものであったか。同回答書に対する県の評価を示されたい。
 5番、軍隊の論理優先の基地運用について。
 (1)、嘉手納基地所属のF15戦闘機による普天間飛行場でのダイバート(目的地変更)訓練について。
 日米両政府も司法も世界一危険と認める普天間飛行場の危険度と、住民負担を増加させる訓練は絶対に許してはならない。いかなる運用上の理由があろうともそれは軍隊優先、住民無視の論理であります。県は、形式的な抗議にとどまることなく、知事みずから日米両政府の関係機関に働きかけ、米軍代替運用の方針撤回、県外・国外における訓練措置をとらせるべきであります。知事の見解について伺います。
 (2)、9月21日、嘉手納基地に展開中の米海兵隊岩国基地所属のFA18戦闘機がクラスター爆弾を装着し、沖縄近海で投下訓練を行った可能性が高い。5月にも同様の訓練が実施された疑いが強いが、運用上の理由で米軍は事実関係を明らかにしない。
 ア、県は事実関係の照会にとどまることなく、毅然とした態度で訓練中止及びクラスター爆弾の使用を全面禁止するオスロ条約を米国が批准するよう日米両政府に対して迫る考えはあるか、知事の見解について伺います。
 大きい6番も取り下げます。
 7番、女子中学生に対する乱暴事件について。
 (1)、泥酔状態の女子中学生に乱暴したとして、集団準強姦の疑いで少年3名が逮捕された事件に関して、県の見解と再発防止策の検討状況について伺う。
 8番、我が会派の代表質問との関連について。
 崎山嗣幸議員の代表質問に関連して、古島団地の建てかえ問題に対する答弁について、協定書の履行に対する責任は事業譲渡と郵住協の解散を決めた理事ということでしたが、理事の氏名を明らかにされたい。
 以上、よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 照屋大河議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、普天間問題に関する知事の政治姿勢という中で、3年めどの閉鎖状態の実現についての御質問に答弁いたします。
 普天間飛行場の危険性の除去につきましては、移設措置協議会やワーキングチーム会合などにおきまして、政府と意見交換を重ねてきたところでありますが、昨年9月の新政権発足後、これらの協議会等は開催されておりません。
 県は、総理を初め各大臣との面談など機会あるごとに、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去を求めており、政府におきましても、積極的にこの問題の解決に取り組んでいただけることを期待いたしております。
 次に、同じく普天間問題に係る御質問の中で、普天間問題に対する公約についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 知事選挙の公約につきまして、与党や支援者の皆さんとも意見交換、相談しながら、早い段階で発表したいと考えております。
 同じく普天間問題に係る御質問の中で、名護市議会議員選挙の結果についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 今回の名護市議会議員選挙の結果につきましては、各候補者の市政全般にわたるさまざまな政策に対し、名護市民が下した民意のあらわれとして真摯に受けとめる必要があると考えております。一方、普天間飛行場移設問題につきましては、今回の選挙結果によって名護市辺野古への移設案は一層困難になったと考えております。
 次に、同じく普天間問題に係る御質問の中で、沖縄政策協議会の開催についての御質問にお答えいたします。なお、この1の(3)のアと1の(3)のイが関連いたしておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
 沖縄政策協議会は、これまで沖縄振興計画や沖縄振興特別措置法など沖縄の極めて重要な課題を協議する場合に開催されております。今般、沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画の終期が平成24年3月に迫ったため、協議の再開を求めたところであります。
 沖縄県としましては、「沖縄21世紀ビジョン」を実現するため、沖縄政策協議会において、沖縄振興特別措置法にかわる新たな法律や駐留軍用地跡地利用推進法(仮称)の制定、沖縄振興一括交付金(仮称)の創設、過重な基地負担軽減に関する抜本的な取り組みに向けての対応等につきまして政府と協議してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 軍転協照会に対する政府回答書についてお答えいたします。4の(1)と4の(2)を一括してお答えいたします。
 軍転協の照会に対し、去る8月20日に政府から回答が示されたところであります。 その中で、嘉手納飛行場における目視調査の結果を今後適時適切に公表していくことや、普天間飛行場について回転翼機の飛行状況調査の結果を踏まえ、場周経路及び離着陸経路に沿った飛行と認めがたい場合には、米側に説明を求め、必要な働きかけを行うなど新たな内容が示されております。しかし、内容の多くが従来の見解の範囲であり、今後政府において一層の取り組みが必要であると認識しております。
 県としましては、引き続き軍転協とも連携し、あらゆる機会を通じ日米両政府に対して負担軽減を求めていくとともに、沖縄政策協議会のもとに設置された米軍基地負担軽減部会においても検討がなされるよう求めていきたいと考えております。
 次に、軍隊の論理優先の基地運用の中で、嘉手納基地所属機の普天間飛行場の利用についてお答えいたします。
 米軍によれば、嘉手納飛行場の滑走路改修工事に伴い、滑走路1本で運用が行われる18カ月の間、嘉手納飛行場に着陸できない事態が発生した際に、航空機が普天間飛行場を含む他の飛行場へ着陸地を変更するいわゆるダイバートの可能性が高くなるとのことであります。
 普天間飛行場周辺住民の過重な負担を踏まえ、県としては米軍に対し、安全管理を徹底し、ダイバートが発生することがないよう適切な運用を要請したところであります。また、このことも含めまして今後とも普天間飛行場の危険性の除去について、あらゆる機会を通じ日米両政府に強力に取り組むよう求めてまいります。
 次に、クラスター弾についてお答えいたします。
 クラスター弾の使用については、県の照会に対し米軍は、運用上の理由から、詳細については答えられないと回答しており、その使用状況等については把握しておりません。また、外務省は米国はクラスター弾に関する条約を締結しておらず、条約上の義務は課されない。我が国も米軍による使用等を禁止する義務を負っていないとの見解を示しております。
 県としては、世界的な使用禁止の流れの中で、我が国もいわゆる「クラスター弾に関する条約」を批准していることから、米軍によるクラスター弾の使用はやめるべきであると考えており、今後、米側に対してその考えを伝えていきたいと思います。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは女子中学生に対する乱暴事件についての御質問で、事件の見解等についてお答えいたします。
 今回の女子中学生への集団暴行事件について、大きな衝撃を受けるとともに、強い憤りを感じております。このような人権を踏みにじるような行為は絶対に許されるものではなく、結果として事件の防止ができなかったことは、まことに残念でなりません。事件の翌日にみずから命を絶った女生徒の御冥福をお祈りするとともに、御家族に対し心からお悔やみを申し上げます。
 県教育委員会としましては、教育事務所長や小・中・高等学校の校長会会長等の関係者による緊急会議及び社会教育団体等による緊急会議をそれぞれ開催し、今後の取り組み等について意見交換を行いました。また、県立学校や市町村教育委員会等に対し、幼児・児童生徒の命と未来を守るための取り組みの充実を図るよう通知いたしました。今後とも、このような痛ましい事件が繰り返されないために、子供の在宅確認や 「GO家(ごーやー)運動」の推進など、学校・家庭・地域社会、関係機関・団体等が一体となり、すべての大人が子供を見守り育てる社会の構築に向け、県民総ぐるみで再発防止の取り組みを推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 我が会派の代表質問との関連についての御質問で、旧郵住協理事の氏名についてお答えいたします。
 郵住協の事業・資産の譲渡に関する協定と郵住協の解散については、平成17年2月28日に開催された理事会において議決されております。議決に当たった理事は、当時の仲宗根正和沖縄市長、具志堅順助与那城町長、島袋義久大宜味村長、津波元徳佐敷町長、新垣信一与那原町長、翁長雄志那覇市長、川満省三下地町長、川田正一上野村長、大濱長照石垣市長、尾辻吉兼与那国町長、そして県派遣職員の久場勝治氏であります。
 なお、協定書の締結につきましては、理事会で議決したものであり、理事に責任があると考えますが、旧郵住協が解散した現在、事業者に対し法的根拠に基づき、履行の請求を行える者はいないものと考えております。
 以上でございます。
○照屋 大河 まず飲酒事件について、県警本部長に伺います。
 この事件発覚後も飲酒に絡む補導等の報道がされるわけですが、この飲酒補導の実態とか、この補導される時間帯等について傾向等がありましたら伺います。
○警察本部長(黒木慶英) 本県における未成年者の飲酒による補導は、平成15年をピークにしまして6年連続して減少しておりました。ただし、本年8月末現在では本年に入りまして飲酒補導人員は1099人で、前年同期と比較しますと334人、43.7%増加している現状がございます。
 それから飲酒補導の時間帯でありますが、本年8月末現在で本県における未成年者の飲酒補導で最も多い時間帯は、午前2時から午前4時の間で300人、続いて午前0時から午後2時の間で218人、それから午前4時から午前6時の間の156人の順となっております。また、午後10時から午前4時の間、いわゆる県条例で制定した深夜の時間帯において飲酒補導した人員は全体の約57%といった実態でございます。
○照屋 大河 時間帯等も含めて今回の事件、コンビニから酒などを確保したと。24時間あるコンビニ等、酒類を提供する販売業者あるいは居酒屋等酒を提供するような場所でのこの少年らに対する取り組みというんですか、取り締まりというか、そういうところについてどのような対応をされているのか伺います。
○警察本部長(黒木慶英) 県警察におきましては、深夜スーパー等連絡協議会、あるいは風俗営業所等管理者講習会、あとカラオケ管理者講習会等の各種講習会におきまして、酒類販売業者等に対し販売時の年齢確認の徹底、それから従業員に対する教育の徹底等協力要請と未成年者に酒類の販売や提供した場合の違反法令を説明しております。
 ちなみに、本年8月末現在、未成年者飲酒禁止法に禁止するいわゆる知情販売及び未成年者に酒類を提供するなどの風適法違反の検挙件数はそれぞれ2件でありまして、いずれも昨年同期と同数となっております。
 なお、集団飲酒事案の酒類入手先につきまして調査しましたところ、昨年と本年で大きく傾向が変わっておりまして、昨年は全体の集団飲酒事案の51.1%がコンビニ・雑貨店からの要するに店舗からの購入でございました。それに対しまして本年は27.9%――8月末の数字ですけれども――に減少しております。それに対しまして自宅からの持ち出し、これは昨年は27.7%であったものが、本年に入りまして45.9%ということで、店舗からの購入と自宅からの持ち出し、これが今逆転したような数字になっております。
○照屋 大河 今、状況等の説明がありました。本部長、この事件に限って言えば、コンビニから万引きをしたと。あるいは状況は万引きというよりは悪質な窃盗だというような表現もされているわけですが、例えばその時点でコンビニから警察等への連絡、そういうことを徹底しておけばこの時間帯、後に酒を飲んでこの事件が起こる時間帯までには未然に防げたということはなかったのか。そういうコンビニあるいは販売する業者等のこういう万引き等の事件があった場合にはすぐ知らせてほしい。それからパトロールをすれば何とかこの事件は防げたんじゃないかという気持ちもあるんですが、この点いかがですか。
○警察本部長(黒木慶英) 本件に関しましては、現実に酒をとられたという話ですね。それが入ったのは事件の後でございますので、もっと早くということはもちろん言えるかと思いますけれども、ただ一般的には万引きであるか強盗かは別にしまして、今回の件はなかなかお店の人も気がつきにくかったというような状況がありまして、特にコンビニにおける万引きで申し上げますと、万引き被害に遭ったかどうかは棚卸しした段階で初めてわかるといったようなことも決して珍しい事案ではございません。それぞれ店舗のほうにはいろんな形で早期の通報をお願いしているところでありますが、ただ一般的に早期の通報を阻害すると言われているのは、事件捜査に入った場合、警察でいろんな事情を話すのに手間が取られるといったことで、コンビニ等で被害申告をちゅうちょするといった傾向があると一般に言われておりまして、その点万引きに関しましては、より簡易な手続で被害の実態を把握できるようなそういった取り組みを――たしか10月1日付でもう始まっていると思いますけれども――沖縄県警においても始めているところでございます。
 以上であります。
○照屋 大河 そういうふうな販売業者に懸念があるんであれば、今言ったような取り組みを含めて早期に通報されて事件につながらないような、酒を飲んでということもありますので、それは徹底していただきたいなと思います。
 教育長に伺いますが、今議会でも高校生の活躍、興南高校の活躍あるいはきのうの県出身ゴルファーの活躍等、若い世代の活躍が注目されているわけですが、こういった形で被害に遭う女性、命を落としてしまう子供たちもいるわけですね。しっかり目を向けて事件の再発防止徹底、先ほどさまざまにありましたが、私がこの議会に来るようになって2年の間にも虐待死事件、集団暴行事件等もあって、未来に可能性のある子供たちが命を失うのも見てきたものですから、そういう意味ではもっともっとこの件に関して力強く再発防止、絶対にさせないんだというようなつもりで頑張っていただきたいんですが、意欲をお聞かせください。
○教育長(金武正八郎) 今回の事件を受けて本当に大変大きな衝撃を受けるとともに、強い憤りを感じております。特に今回の事件で私たちが感じましたことは、やはり子供たちの命を守ることができなかったということを大きく残念に思っております。
 県教育委員会としましては、やはり子供たちの命と未来を守るためにしっかりと関係団体、それから校長会等で確認いたしました。子供の在宅確認、それから「GO家運動」を地域で推進してもらうとともに、学校では一人一人の子供たちの確認、どういう状況かをしっかり確認して子供たちを守っていこうということを確認したところでございます。そういう形で県教育委員会としてもこのことを生かして、ぜひ再度こういうことが起こらないよう取り組んでいきたいと思っております。よろしくお願いします。
○照屋 大河 ぜひよろしくお願いします。
 知事に伺います。
 普天間基地問題について。
 先ほど名護市議会議員選挙の結果の答弁でも、辺野古への移設は一層困難になったと。そして今議会では県外移設を求めるという方針転換の表明がありましたが、去る土曜日、初来県した馬淵沖縄担当相と会談し、県議会で表明した県外移設方針を初めて直接政府に伝えたわけですが、その感想と感触について伺います。
○知事(仲井眞弘多) 馬淵大臣には申し上げました。ただ、非常に短い時間でいろんな要請をやりましたその中でありますし、多くの時間がなかったこともあろうかと思うんですが、特段に今回はまず受けとめるということで、お話があったことをきちっと受けとめるという御回答でした。
○照屋 大河 この短い時間帯で要請書を受け取るという、受けとめるというような返事だったかもしれませんが、この場で現職の仲井眞知事が県外移設を表明して約1週間がたとうとするんですが、政府からのこの評価に対する声は、現職の知事が県外移設を表明したにもかかわらずこれまでの共同発表における辺野古の移設を崩そうとする姿勢は見えないし、知事選挙で仲井眞さんが当選すれば移設も何とかなるんじゃないかというようなそういう伝え方も伝わり方もこちらにしてきているわけですね。仲井眞知事については、今後伝えながら、政府がそういう状況にあるときに、今後いかなる条件が付されようとも辺野古県外移設の立場を堅持するのか、これまでは条件つきであるが沖合移動だとすれば認めるというような時期もあったわけですが、今後そういう条件が付されたときにも県外移設の立場は堅持されるのか伺います。
○知事(仲井眞弘多) 何度も答弁させていただきましたけれども、基本的には一日も早い普天間の危険性の除去というのが原点ですが、それを忘れずに、まず一つは日米両政府による共同発表の見直し、そして県外移設を求めるとこれはしっかりやってまいりたいと考えております。
○照屋 大河 もちろん日米両政府の今普天間飛行場の移設に関する姿勢は、辺野古移設ということでこの議論が中心になろうかと思いますが、これまで民主党政権、昨年政権交代をして、この普天間問題についてはさまざまに移設案が浮上してそれぞれその地域で反対運動とか、そういうのに翻弄されてきたわけですね。そういう意味で稲嶺名護市長、そのきっかけになった市長選挙の件も知事はおっしゃられていますが、辺野古移設が困難、極めて厳しい、その契機にもなった名護市長選挙、この稲嶺さんは海にも陸にも基地はつくらせないと言っているわけですね。日米共同発表の内容が軸になろうかと思いますが、移設案で取りざたされた地域にはトラウマがある。私たちうるま市にも与勝海上等の案があったんですが、そのキャンプ・シュワブの陸上案とか、嘉手納統合案、与勝の海上移設案、今さらですけれども、それらも含めて県外移設、知事の表現では県内は極めて厳しく、それらも含めて県外移設という立場になるんでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 今例に挙げられた与勝沖――たしかホワイト・ビーチの話ですかね――それから陸上案であったり、嘉手納統合案であったり、すべてが厳しいというふうに思っております。ですから、やはり県外というのはしっかり実現できるように頑張ってまいりたいと考えております。
○照屋 大河 例えばその移設の問題ですが、県外・国外を追求する暫定的な措置、県内移設の暫定的な措置をとるような移設案についても認めないという立場でしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時36分休憩
   午前10時36分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の議員のおっしゃる暫定というようなものも新聞とか、マスコミの話なんですよね。ですから、それをにべもなく否定するわけではありませんが、先ほどのホワイト・ビーチといい、いろんなものもすべてマスコミの皆さんの報道なんですね。ですから、僕らは直接責任ある政府からの話は実は聞いていないんです、一度も。ですから、そういう意味ではこういうマスコミ報道で直接我々が聞いてないことについて、実は答弁は非常にしがたいんですが、仮の話でそういう話があったとしても県外というのをしっかり実現するよう頑張ってまいりたいということでございます。
○照屋 大河 この県外移設を表明したことについて尋ねていきたいんですが、28日にこの場所で県外移設の方針を発表した。29日の新聞報道ですが、さまざまに書かれています。「普天間 初めて明言」、県外移設をですね。「「県内」に余地残す」とか、あるいは「県政与党 説得へ圧力」、「「反対はせず」折り合い」をつけたとか、「答弁前日まで抵抗示す」、「辺野古に余地 政府期待感」とか、さまざまに題名をつけられて報じられていますが、少しこの件について確認をしたいと思います。
 まずこの新聞報道に、「代表質問前日の27日。知事室には上原良幸副知事や又吉進知事公室長、担当職員が断続的に入り、答弁を調整した。」、「議会前としては異例の午後7時半ごろまで意見交換したが、結論は先送り。「県外移設」に踏み込むことに抵抗感を示していた仲井眞知事は「一晩考えたい。明日は出たとこ勝負だ」と周囲に漏らした。」というような報道がありますが、この点については事実でしょうか。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと今の新聞記事も私読んでませんし、もう何日前の話でしょうか。全く記憶にはありませんが。
○照屋 大河 27日の時点で、県外移設方針発表の決定はなかったということでいいですか。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時39分休憩
   午前10時39分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 恐縮ですが、新聞記事を中心に私に確認されてもちょっとお答えしにくいんですね。ですから、要はいろんな基地問題に対する我々の対応、考え方というのは部長、副知事も含め、場合によったら与党の議員も含めていろんな議論をしていますから、それを一つ一つ途中経過を本当かどうかと聞かれても、これはお答えのしようがないとしか答えができません。
○照屋 大河 新聞報道の確認ということではありますが、記事になって県民も非常に注目している。私自身もやはりこの書かれた内容には注目をするところで、あえて確認せざるを得ないんですが、この報道によると、「与党の自民党県連、公明党県本は「県外移設」に転換するよう強く求め、県連総務会長の辻野ヒロ子氏への答弁で表明するよう伝えていた。「圧力がすごかった。知事は孤立しかねなかった」(県幹部)」ということでそういう記事もあります。28日県議会開会前の午前9時40分過ぎ、答弁内容を知らされず、いら立ちを募らせた県連会長や幹事長が議会棟の知事控え室で仲井眞知事に再要請したというところもありますが、ここも答えはないですか。
○知事(仲井眞弘多) まことに恐縮ですが、そういう見てきたようなシナリオのようなものというのは、第一、新聞に本来書かれるものでもないでしょう。それから第2に、私は確かに1月24日の名護市長選挙までは島袋さん側に立って選挙やりましたよ、民主党の人々も向こう側にたしか何人かおられて。その後は、民主党政権、そのときはまだ社民党の皆さんも一緒になった連立政権の中で県外だと言い、しかもいろんなことを言っておられました、悪くても県外、これは鳩山さん自身が。そしていろんな方がゼロベースと言いましたから、何かゼロベースということになってずるずるずるずる行かれて、5月28日の共同声明でぽーんともとへまた戻ってきたわけです。ゼロベースというからどこへどうなるのかなといろんな案、それがおっしゃったように与勝のあれであるとかいろんなのが出てきましたね、あっちだこっちだというのが。そして出てきた中で、私は鳩山さんの政府が本気になって一生懸命悪くても県外ということでおやりになって、基本をやはり考えるのは政府ですから、そうであるとすれば私はベストは県外だと前からもろ手を挙げて協力するというのはこの議会で何度か私は申し上げてきました。ですから、そう
いう方向に結局は行くかと思ったら、何のことはないもとへ戻ってしまった。それで社民党の皆さんなんかも離れたわけでしょう。ですから、私は本当に防衛に最終的に責任のある政府が県外へとおっしゃったら反対する理由は全くなかったわけで、ゼロベースだゼロベースだと、2月、3月、4月、5月と来て、突然またもとへ戻ってきちゃったわけですよね。
 そういう経過ですから、先ほどは変節とかいう言葉もお使いになっていましたが、何も私はそんなことはありません。私は、あの名護市長選挙が終わってから県内、辺野古というのは極めて厳しいとずっと言い続けてきたわけです。そしてゼロベースが出てくると何が出るかと思ったら、もとへ戻る案が出てきた。だから厳しいとずっと言い続けてきたわけで、ベストは県外だというのはもともと私は申し上げていますから、その流れの中にあって何も変節でも何でもないと思っていますが。
○照屋 大河 今までもその答弁を聞いてまいりました。政府が本気に移設先を探したのかという表現がありましたが、私は知事が本気で県外移設を要求するのかということで改めて聞かせていただいています。本当に知事が本気なのかと。例えば過程過程、今言ったような経過があり、県外移設をやってきた。その経過に対応する知事は県外移設じゃないのかという疑問があるから、あえて聞いているんであって、例えば私たちはこの間自民党や公明党の皆さんが進めてきた県内移設にもずっと反対をしてきた。冒頭、県知事選挙の話もしましたが、そういう意味で知事の経過に対応した県外移設という表明じゃないのか。例えば辺野古の海を守るとか、ジュゴンの海を守るとか、生物多様性の海を守るとかそういう性質というんですか、そこからあらわれてくる県外移設の要求なのか。そういうものに思いもあったのかというところを少し伺います。
○知事(仲井眞弘多) その状況に応じて物を言うというのは、私は先日どなたかの御質問にもお答えしましたが、イエスかノーかという性質のものではなくて、環境状況に応じて実現可能性の面から判断すべきものが行政実務には多い。この普天間の一日も早い危険性の除去というものを考えるときに、一日も早い危険性をどうやって除去するかというのは、移設という場合は移設できる可能性についてやるべきであって、イエスとかノーから始まるべきものではなかろうということをどなたかに私は申し上げたこともございます。そういうことで一日も早い危険性の除去という普天間自身の原点を考えれば、私も1月24日の名護市長選挙までは条件つきとはいえ、県内やむなし、辺野古やむなしでやってきましたよ。だけど、徐々に徐々に辺野古移設というのは大変難しい状況になってきたということで、私は今議員のおっしゃるいろんな環境面から来る論理でもって辺野古反対かということに対しては、むしろ一日も早い普天間の危険性の除去と、ここから来る論理であったわけです。ところが、これは非常に厳しくなってきたというのはもう明らかです。新聞報道でも一層困難という表現はよく使われております。ですから、今のお話に
は半分そうでもありますし、半分は別の論理で来ていますということですよ。
○照屋 大河 この普天間飛行場の移設、あるいは辺野古への新たな基地の建設という重大な課題だと思うんですね。それを知事の立場では行政を預かる者としてさまざまな判断があったと。しかし明確に示さないことが先ほど冒頭申し上げたように、現職の知事が県外移設を表明して、なお政府はまだ知事選に仲井眞さんが勝ったら何とか県内移設できるんじゃないかというようなことを思わせる、足をすくわれるというんですか、そういうことでやはりここは明確に言う必要があるのではないかということも私の立場で申し上げたいなと思います。
 それから最後になりますが、辺野古に座り込みを続けるオジー、オバーの存在は御存じかと思います。きょうで座り込みも2360日ということで、先ほど朝確認したらそういうことでありました。ただいまの知事の県外移設の表明にそのオジー、オバーたちのこの苦しみ、座り込みの活動に命の海を守るというような行動に少しでもそういう思いがあったのかというところも聞かせてください。
○知事(仲井眞弘多) それはどなたのことをおっしゃっておられるかわかりませんが、そういう方たちに対しては無論まことに胸の痛む話であるし、早くそういう状況が変わって安心して、座り込みをしないでいい時期が来るようにやるのも私の役目だとも思っておりますよ。
○玉城 義和 おはようございます。
 1番、名護市議選の結果について。
 9月12日に行われた名護市議選の結果は、辺野古移設反対を主張し、かつ稲嶺市長支持候補が圧勝した。1月の市長選挙と並んで市民の民意が明確に示された以上、知事としてもそれを尊重し、辺野古移設については受け入れられない旨政府に表明すべきではないか。
 2番、ポスト4次振計の策定について。
 (1)、現行振興計画総括の視点はどのようなものか。
 (2)、4次にわたる計画の一貫した目標は何であったか。また、それは達成されたか。
 (3)、4次にわたる計画によって社会資本などの公的投資やさまざまな特別措置が行われた結果、沖縄の社会経済はどのように変化したか。また、その功罪は何か。
 (4)、ポスト振興計画は、これまでの4次にわたる「復帰後思想」――いわゆる復帰後何年たって今日という言い方ですが――から「沖縄21世紀ビジョン」への橋渡しをすべきものと考える。そのための大胆な構想力が必要で、内外の知恵を集めるべきだと思うがどうか。
 3番、基地問題について。
 (1)は、削除します。
 (2)、この間の政府の普天間に対する対応は、大山鳴動してネズミ一匹どころか、もとの案にI字案がつくという噴飯物である。知事は、報道によると、普天間の県外移設を要求する意向とされているが、これはすなわちこれら案を含めて県内移設は認めないということと同義と考えてよいか。
 4番、知事の選挙公約との関係について。
 (1)の雇用問題は、削除いたします。
 (2)、普天間飛行場の3年以内めど閉鎖状況は達成されたか。
 (3)番も削除いたします。
 5番、国立療養所沖縄愛楽園の将来構想について。
 沖縄愛楽園の入所者の高齢化や法令の整備も受けて、名護市は、平成21年3月に愛楽園将来構想をまとめている。それは、入所者が安心して暮らし続けること、医療機関として蓄積された機能を生かし、国民・県民ニーズに対応する医療や長期滞在型健康保養施設の整備等であるとしている。
 (1)、県は、沖縄愛楽園の現状についてどのように認識しているか。
 (2)、この将来構想を受けて、県としても積極的にこの実現に向けて早急に国などとの折衝を行う必要があると思うがどうか。
 6番、自殺防止について。
 (1)、昨年の県内自殺者は400人を超えている。極めて深刻な事態だが、県の認識とこれまでの対応を伺う。
 (2)、「地域自殺対策緊急強化基金」の活用の状況はどうか。
 (3)、「いのちの電話」が基金交付金を利用してテレビコマーシャルを流す予定とのことだが、このように実績があり、第一線で活動している団体への援助を強化する必要があると思うがどうか。
 7番、沖縄自動車道の無料化社会実験について、県及び県警の現状認識を伺う。また、今後、県の国への対応はどういうふうにするか。
○知事(仲井眞弘多) 玉城義和議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、名護市議選の結果についての中で、普天間飛行場の辺野古への移設を受け入れない表明をすることについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 県としましては、去る5月の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと繰り返し申し上げてきたところでございます。そして名護市長選挙や県議会の意見書議決、県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難であると考え、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を示すよう求めてきたところでありますが、政府からこの間の県民の怒りと失望にこたえ得る説明と方策は依然として示されておりません。
 県といたしましては、このような状況にかんがみて、政府に対し日米共同発表を見直し、普天間飛行場を県外に移設することを求めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、ポスト4次振興計画の策定についての御質問の中で、新たな計画策定に当たっては、内外の知恵を集めるべきではないかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 「沖縄21世紀ビジョン」実現のための計画策定に当たりましては、復帰後38年が経過し、地域主権改革が展開される中、地域の主体性を生かし、そして県民ニーズに的確に対応した施策の展開を図っていくことが重要であると考えております。
 県では、県振興審議会を初め県民、市町村、そして経済団体などと協働をしながら基本計画を策定していく体制を整えますとともに、県議会からの御意見も踏まえつつ、大胆な制度による新しい時代にふさわしい計画をつくってまいる所存でございます。そして、御質問にあるいろんな専門家を活用し意見を聞くべきではないかというのは、まことに賛成でございます。
 次に、基地問題に係る御質問の中で、普天間飛行場の県外移設を求めることと県内移設を認めないことについての御質問にお答えいたします。
 先ほども申し上げましたが、これまでの県からの求めにもかかわらず、政府からは県民の納得のいく説明と解決策は依然として示されておりません。このため、県内移設は事実上不可能に近いと考えており、日米共同発表の見直しを求めることとし、その内容は県外移設を求めるということに尽きると考えております。
 次に、知事の選挙公約の関係についての御質問の中で、3年めどの閉鎖状態の実現の達成についての御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去につきましては、移設措置協議会やワーキングチーム会合などにおきまして政府と意見交換を重ねてきたところであります。しかしながら、昨年9月の新政権発足後は、これらの協議会等は開催されておりません。
 県は、総理を初め各大臣との面談など、機会あるごとに普天間飛行場の一日も早い危険性の除去を求めており、政府におきましても積極的にこの問題の解決に取り組んでいただけるものと期待いたしております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(川上好久) ポスト4次振興計画の策定についての御質問の中で、現振興計画総括の視点についてお答えいたします。
 沖縄振興計画の総括は、「自立的発展の基礎条件の整備」、「我が国ひいてはアジア・太平洋地域の社会経済及び文化の発展に寄与する特色ある地域としての整備」などの計画目標の達成を主な視点に据え、行ってまいりました。
 具体的には、各種施策や制度等が効力を発揮しているか、どのような課題があるのか、また、時代状況の変化に応じた施策を展開し得たのか、そして、今日の沖縄の経済社会がどの水準に達しているかなどの視点で総点検に臨み、総括したところであります。
 次に、4次にわたる計画の一貫した目標についてお答えいたします。
 本土復帰以降、第1次沖縄振興開発計画から現在の沖縄振興計画に至るまで、「本土との格差是正」や「特色ある地域としての整備」などの目標を掲げてまいりました。この中で一貫した目標として「自立的発展の基礎条件の整備」を掲げ、さまざまな施策を展開し取り組んでまいりました。
 この間、社会資本や沖縄の特性を生かした産業も着実に進展しつつあり、県民の利便性は大きく向上をいたしましたが、県民所得や失業率でなお課題が残っている状況にあると考えております。
 同じく4次にわたる計画による社会経済の変化についてお答えいたします。
 復帰時の本県経済社会の状況は、生活基盤、産業基盤、経済力など多くの分野において本土との著しい格差が存在しておりました。こうした沖縄の置かれた現状を踏まえ、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画や沖縄振興計画により各種施策が展開されてまいりました。その結果、自立的発展の基礎条件である社会資本は着実に整備され、本土との格差は縮小してきております。
 また、本県の経済規模は、復帰直後から平成19年度には約8倍に増加しており、観光・リゾート産業が本県の地域特性を生かす新産業として大きく成長し、さらに豊富な若年労働力の存在と相まって情報通信産業が観光産業に続くリーディング産業として大きな伸びを示しているところであります。
 一方、財政依存度の高さや県民所得、失業率の問題など解決すべき課題も残っております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 国立療養所沖縄愛楽園将来構想についての現状認識についての御質問にお答えします。
 沖縄愛楽園は、平成22年8月末現在で入所者239名、平均年齢80歳となっており、入所者の約8割が70歳以上と高齢化が進んでおります。
 今後とも、医療・介護の体制整備及び療養所機能の維持・充実を図り、入所者の良好な生活環境の維持向上を図る必要があると認識しております。
 県としては、入所者の終生の在園保障及び医療・看護体制の充実、きめ細やかな医療・福祉サービスの提供などを全国衛生部長会や九州知事会を通して国に要望しているところであります。
 次に、将来構想の実現に向けた県の対応についてお答えします。
 将来構想は、施設や土地などの利活用を図り、地域住民等との交流を促進し、入所者の良好な生活環境の維持向上を図ることなどを基本目標としているものと認識しております。
 施設等の利活用については、将来構想を踏まえ、園長が入所者の意向を十分に配慮し、利用に供するための指針を定めることになっており、現在、厚生労働省と協議中とのことであります。具体的な取り組みについては、その指針や各種法制度等を勘案し検討していく必要があり、引き続き名護市等関係機関と連携し、将来構想の実現に向けて協力してまいりたいと考えております。
 次に、自殺防止についての御質問の中の、県の認識と対応についてお答えします。
 県内の自殺者数は、平成10年から12年連続して300人を超え、また、平成21年の自殺者数は406人となっており、自殺対策は重要な政策課題であると認識しております。
 現在、自殺対策を横断的に進める観点から、民間団体や関係機関等で構成する「沖縄県自殺対策連絡協議会」や「自殺対策県機関連絡会議」を設けて連携して取り組んでいるところであります。また、平成21年度に設置した「沖縄県自殺対策緊急強化基金」を活用し、対面型相談支援事業や普及啓発事業等を行うとともに、市町村及び民間団体を補助し、地域の自殺対策体制の強化を図ることとしております。
 次に、地域自殺対策緊急強化基金の活用状況についてお答えします。
 県が行う基金事業の主なものとして、普及啓発事業では、平成21年度に心の不調に「気づき」を促す目的で、マスメディアを活用した「睡眠キャンペーン」を実施したところであります。また、司法書士や臨床心理士などによる多重債務問題等に対する生活相談と心の健康相談をあわせて行う対面型相談支援事業を実施しております。そのほか自殺対策にかかわる多様な分野の人材育成事業も行っています。
 また、地域の自殺対策の体制強化として、所要の事業を行う市町村や民間団体を支援するため、平成21年度は13市町村及び「いのちの電話」に補助を行いました。平成22年度も引き続き県の行う事業に加え、29市町村へ補助することで取り組みを強化しているほか、「いのちの電話」に対しても支援することとしております。
 次に、民間団体への援助強化についてお答えします。
 「いのちの電話」への補助について、平成21年度は、相談員の研修派遣及び研修会実施に係る機器整備などを行ったところであります。また、平成22年度は、テレビCMの放映、ホームページ作成、カード及びリーフレット作成などの広報活動事業及び相談員の研修派遣として484万2000円の予算増を図り、取り組みを強化することとしています。
 県では、今後とも基金の趣旨に基づき、市町村のほか、「いのちの電話」などの関係団体が行う所要の事業に対する補助を行うことにより地域の自殺対策体制の強化に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 沖縄自動車道の無料化社会実験についての御質問で、県の現状認識及び今後の国への対応についてお答えいたします。
 沖縄自動車道における無料化社会実験の状況は、国の発表によれば、自動車道の平日交通量で約1.5倍となっており、並行する一般国道329号では、交通量が2割減少している状況となっております。
 無料化については、経済的な負担が軽減されることによる肯定的な意見や、一部に渋滞があることから高速道路の高速性・定時性の確保を望む否定的な意見などさまざまな意見があると認識しております。
 現在、国において実験データの調査・分析を行っており、その結果を踏まえて今後の対応を検討してまいります。
 以上でございます。
○警察本部長(黒木慶英) 沖縄自動車道の無料化社会事件に伴う現状認識及び対応についてお答えいたします。
 まず、沖縄自動車道における交通量についてでありますが、道路管理者である西日本高速道路株式会社によりますと、高速道路を利用する車両の1日平均台数は、社会実験開始前が約8万5000台であったのに対し、社会実験開始後2カ月間では約14万5000台と、約70%増加している状況であると承知しております。
 また、社会実験開始後、高速道路本線上における目立った自然渋滞の発生は見られませんが、高速道路利用車両の増加に伴い、社会実験開始前に比べまして各インターチェンジ及び接続する周辺道路におきまして朝夕の時間帯は混雑している状況であります。特に沖縄北、沖縄南、西原の各インターチェンジでの朝夕の時間帯における流入・流出車両、許田インターチェンジでの夕方における流入車両による混雑や車両の滞留が顕著になっております。
 なお、夕方における流入車両における混雑が顕著な許田インターチェンジの入り口においては、一般専用レーンとETC専用レーンがそれぞれ1カ所設置されており、流入車両のほとんどが一般専用のレーンを使用している状況が混雑や車両滞留の要因の一つになっていると認められます。
 高速道路における交通事故の発生状況についてですが、社会実験開始後2カ月間では人身事故が5件発生しており、これを前年同期で比較しますと1件の増加ということでございます。物件事故につきましては146件発生しており、前年同期で比較しますと73件増加、ちょうど2倍となっております。
 県警察におきましては、社会実験開始後、渋滞緩和対策や事故防止対策をさまざま講じているところでありますが、警察が実施する渋滞緩和や事故防止等の各種対策のみの対応だけでは限界がありまして、基本的には交通量の実態に応じた道路の拡幅や一般道路との接続交差点の改良整備を初めとして、関係機関が連携した総合的な交通対策を推進する必要があると考えております。
 県警察といたしましては、今後も沖縄自動車道の無料化の有無にかかわらず、常に変化する交通情勢を把握・分析しながら、引き続き関係機関と緊密に連携を図り、適宜その時々の交通情勢に応じた対策を的確に推進し、県内における交通全体の安全と円滑を確保してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○玉城 義和 再質問を行いますが、知事も今議会が4年間最後の議会ということでございます。何はともあれ、4年間大変御苦労さまでございました。
 まず、愛楽園の将来構想についてから入りますが、先ほど御答弁ありましたように、愛楽園の入所者の方々は非常に高齢化が進んでおりまして、平均80歳ということですね。それでこの10年間で200名近くが減少されて現在約240名と、こういうことですね。
 そういう意味でいえば、非常にもうこれは時間がないわけで、最後の1人まで安心して暮らせるということを考えますならば、1人、2人のためにあの施設がそのまま存続できるとは考えられませんので、何らかの形で途中からその施設が大きな意味で転換を図って広がりを持たなきゃならないと、こういうことであります。
 そういう意味で、敷地が10万坪ありまして、羽地内海、それからワルミ大橋とか古宇利大橋とか運天港とか、非常にすばらしいロケーションを抱えているところであります。そして、療養所としても内科や外科や皮膚科や整形外科とか、そういう9つにわたる科を擁している一大病院なんです。特に老人、中高年の高齢者の方の特有の病気です、今やですね。そういう意味では非常に大きな蓄積もあるわけで、去年名護市がまとめた将来構想があります。これは南静園も一緒ですが、その中にこの将来構想の基本目標の一つに、「地域振興等にも資する施設利用・施設整備を図る」というのがあるんですね。
 私は、先ほどの部長の話で、園長に任せてあるという話ですが、そういうことではこれは立ち行かないんで、敷地10万坪でこういう医療施設、医療のノウハウが蓄積されていて、すばらしいロケーションであるということを考えるならば、当然これは県も乗り出して、もうあと10年という時間もないわけです、5年ぐらいしかないんで、実際にはですね。これは早急に県も名護市と連携をとっていただいて、我が沖縄観光にも非常に資するわけですから、ここは一大国民健康保養地を建設しながら、これまでの入所者の方々のいろいろな歴史的なものも踏まえながら、そういう一大センターをつくっていくと、こういうことが最後の1人まで安心してここに住んでもらうことができる、こういう保証にもなるわけでありますので、私は、そういう意味で10万坪というこのまとまった敷地があるわけですから、県としても特段の取り組みをお願いをしたいと。知事からひとつ御所見をいただきたいと。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時16分休憩
   午前11時17分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 福祉保健部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) 現在、この基本構想に基づいた国の法律・通達に基づきまして、先ほども申し上げましたが、園長が指針をつくるということになっております。これは、基本的には入園者の意見を尊重しながらこの基本構想に基づいて指針をつくるということになっておりますので、その具体的な指針ができれば、その中でやはり県としてやっていくべきこと、やれることというのが出てくると思いますので、その時点で名護市と国と一緒になって協力していきたいというふうに思っております。
 それで今現在、この基本構想が結構愛楽園のほうで進んでいるということで、厚労省としても将来構想の各分野について、園の中での園長との意見がまとまったものから随時手をつけていこうということで、次年度につきましては、このハンセン病交流会館の整備とか、それから一般入院医療機関の指定とか、その辺に向けてちょっと具体化していこうというような動きがございます。
○玉城 義和 そういう次元の話をしているわけじゃないんで、そういうふうな話では前に進まないんですよ。これは時間もないし、園長でまとめるような話じゃないんで、沖縄全体の中で観光をどうするかとか、保養型の観光をやろうというわけだから、そこは10万坪もあってロケーションもいいですよと。だから、県としても厚労省と早目に交渉に入って積極的に進めなさいと、こういうことを言っているわけで、園長が1人でできる話じゃないんですよ。次のポスト振計に入れてやるぐらいの前向きな気持ちがないと、これは進みませんよ。厚労省は、それまでほっておけばいいんだから。金のかかることしたくないんだからね。減るのを待っているわけですから、ここは県が入らないとだめですよと言っているんですよ。知事、ひとつどうぞ。
○知事(仲井眞弘多) おっしゃることは非常によくわかりますし、ちょっと現実的な事務的な処理もありますけれども、ちょうど沖縄の振興法をもう一回つくり直す時期に来ておりますし、そして今議員おっしゃったように、今部長の話を聞いていますと、大きないい敷地と風光明媚な場所とおっしゃる、医療のノウハウが蓄積されているというのは、確かにかなりの価値を持っていますから、今ちょっと事務的な部分に加えて、少し大きな構想の中にはめて、やれる方向をちょっとしっかりやってみたいと思います。
 もう一つ、宮古の南静園もその感じがございますので、ちょっと議員の御提案はぜひ受けとめさせていただいて、前向きに検討していきたいと考えております。
○玉城 義和 ぜひそういうことで取り組んでいただきたいと思います。私も、南静園、宮古と名護で、できれば議員も一緒に集まって相談もしたいというふうに思っております。
 自殺の問題でありますが、この自殺の問題は極めて個人的な問題であると同時に、非常に社会的な側面を持っているわけですね。経済問題が89人、家庭、勤務が65人と、健康問題が256人と、400人のうちですね。こういうことを見ても、非常に社会的な、経済的な側面を有しているわけで、そういう意味では、県としてもしっかりとやっぱりこれはやらなきゃならない。400名も自殺者がいるというのは、その後ろに未遂者が10倍もいると言われているわけですね。そして、自殺願望者もたくさんいるわけですよ。これは非常に深刻な問題で、交通事故も大変ですが、その交通事故防止のキャンペーンにかける意気込みに比べれば、自殺というのはそういう意味では非常におくれているんではないかと思うんですね。
 それで、毎月10日の日に「いのちの電話」というのは、これは「0120」にかければただなんですね。この10日の日は殺到するんですよ、「いのちの電話」に。全国どこでもつながるわけでですね。そういう意味で、ぜひ県としても、電話代がただということは一つの広報にもなりますので、そういうことをひとつ考えられないかどうか、部長、ちょっとお答えいただきたいと。
○福祉保健部長(奥村啓子) 現在、この基金を使いまして電話機器の整備とか、「いのちの電話」に対する研修の支援等、それと広報ということで、テレビCMの放送、そういう広報代、名刺、リーフレットの作成等のために今回補助金を出したところでございます。
 この電話の無料等につきましては、今各県の状況も調べて、一応情報収集等やっていきたいというふうに思っております。
○玉城 義和 電話代の負担を軽くすれば電話がかけやすくなると、こういう誘導的な面もありますので、そこはぜひ相談者の立場を考えられて対処していただきたいと思います。
 それから、できれば県中心に自殺防止センターでもつくられて、そこにいろんな民間団体とか各組織が一緒にネットワークができるようなそういう組織をつくってほしいと思っております。これは要望しておきます。
 それから、「いのちの電話」がキャンペーンを張るCMを流すわけですが、NHKのほうはCMはないわけで、私もNHKに電話して担当者にちょっと聞いてみたんですが、県から話があれば検討するという話もありましたので、そのCM、要するにキャンペーン、これをNHK沖縄放送局にもやってもらえないかどうか、県からひとつ相談をしていただけないかと。民法では15秒の非常に短いCMを流すわけですね。400万円しか予算がないのでそのうちの幾つかですから短いんですが、かつてNHKは、ポリオのキャンペーンをやったことがあるんですよね、上田哲さんという記者が。そういう経験もあるので、ぜひその沖縄の自殺の現状についてNHKでも取り上げてキャンペーンができるように、県としてひとつ交渉してもらえませんか、NHKと。
○福祉保健部長(奥村啓子) 相談してみたいと思います。
○玉城 義和 ちょうど麻生内閣のころにできた基金が100億円あって、沖縄県も1億5000万円ですか、配分があって23年度もやるわけですが、その後は切れるわけですね、これね。切れた後どうするかということなんですが、その辺は何か特段の考えがありますか、部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) 基金が確かに23年度までということでございまして、その間にやはり集中的に地域におけるそういう体制づくりとか、それから広く県民への普及啓発、また人材育成というのを集中的にやっていきますので、その後について、それが資源として体制強化が図られていくものと思っております。
 その後の予算につきましては、国のほうにもし延長とかそういうのができればということで要望はしていきたいというふうに思っています。
○玉城 義和 県単でもひとつぜひ集中的に取り組んでいただきたいと思います。
 基地問題でございますが、知事は就任以来、一貫して普天間を動かすためには県内移設もやむなしと、こういう立場だったと思います。その政治信念というのは今でもお変わりありませんか。
○知事(仲井眞弘多) 県内移設やむなしが信念ではありませんで、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去のためにはという目的つきでやむなしというふうに考えてきたわけですが、現状は、先ほどから申し上げているように極めて厳しいので県外を求めるということでございます。
○玉城 義和 もう状況が変わったから県外ということで、状況主義というか、状況に合わせて変えていくのが政治信念であるというふうな感じをさっきの照屋議員の質問からも考えておりましたが、そこで、知事の本会議のさきの私に対する答弁もそうでありますが、時間がないんであれですが、こういうふうに言っているわけですね。市長選挙や県議会の意見書があったと、県民大会などもあり、状況を踏まえると地元の理解が得られない移設を実現することは極めて困難であると考え、政府に対し納得のいく説明と解決策を求めてきたが、この間、こたえる解決策、説明はないと。したがって県としては、共同声明を見直して、普天間飛行場を県外に移すことを求めたと、これが一つの答弁ですね。
 これは2つの意味があるわけですが、それともう一つですね、例えば、これは9月30日の新垣議員に対する公室長の答弁でございますが、県は、去る8月31日に「普天間飛行場の代替の施設に係る二国間専門家検討会合の報告」を受けて政府から説明を受けましたが、名護市辺野古への移設を受け入れることは極めて厳しいという県の考えに変わりはなく、説明内容にかかわらず現時点で代替施設について議論する状況にはないと考えていると、こういうことがあるわけですね。この2つの見解は、私のほうから見れば相矛盾すると思うんですがいかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 恐縮ですが、どこが矛盾しているかがちょっとよくわからないので、御質問に答えようがないんですが。
○玉城 義和 明確だと思うんですが、この知事の答弁は、政府からこの間、県民の怒りと失望にこたえ得る説明と解決策は示されてないと言っているわけですね。ところが、政府は、いわば8月11日にも福山さんとか瀧野さんが来られて説明している。31日も副知事が瀧野さんと会っている。鳩山前総理も5月4日、5月23日に来ている。
 この公室長の答弁だと、説明内容にかかわらず議論する状況にないと言っているわけですね。つまり問答無用だと言っているわけですよ。だから、どんな説明があろうと、辺野古前提のお話には応じられないと、こういうことを言っているわけでしょう。ところが、一方では、政府から説明がないので県外移設を求めると、こう言っているわけでしょう。その2つは矛盾しないかと言っているんです。
○知事(仲井眞弘多) 5月28日に日米共同発表がありました。我々はそれは遺憾であるし、実際にそれは厳しいですよと、辺野古への移設ということと、もとへ戻ったそのまた説明を県民及び我々にきちっとやって納得のいくもの、そして全体を解決するものが示されない限り、私たちはその共同発表の中身についてきちっとまだ政府から説明を受けてないんですよ。ですから、納得のいく説明をきちっとまず下さいと、それがないとこの中の、例えば基地負担とかいろいろありますよね。それからVだとかIだとかという話もあるわけです。そういうところに入れませんと言っている。きちっと説明を受けていないから、そこへ入りませんということ、これが第1です。いいですか。
 そして第2は、ただしという部分がありまして、向こうも行政機関、我々も行政機関で事務的な、技術的なレベルの情報交換というのは、我々は別にパイプを閉ざす理由はありませんと、それはパイプはお互いにきちっとあけておきましょうということです。ですから、彼らは8月末でしたか、その専門家会議による中身を説明をしたい。だから説明という中身であってもそれは協議にはなりませんよと。だけど実務的にその中身を知らせたいというのには、別に我々は情報のパイプは閉じませんと、そういう意味ですよ。
○玉城 義和 公室長にもう一回この答弁の中身を説明してもらいたいんですが、説明のいかんにかかわらず、辺野古が前提であるうちは協議に応じられないと、こういう答弁なんだよね。だから、そうすると政府としてはどういう説明をすべきなのか、逆に言えば、県はどういう説明があれば納得できるのか、ここが問題なんですね。だから、政府が来て、政務と事務の官房副長官が来て11日にも説明している、これは両方にですね。31日も来ている、これは副知事に。ところが、その答弁は、わざわざ11日を外して31日になっているのが私にはよくわかりませんが、そういう意味では政府は、鳩山さんも来てやったつもりでしょう、それは。そして、今度は事務も来て、政務も来てやったと。それについて説明を聞いておいて、しかしながら、説明のいかんにかかわらず、これは前提としている限りはその協議には応じられないと、こういうふうに言う話は、知事のおっしゃる説明がないというのとこれとでは、私は、2つは相行かないと思うんで、そこのところは説明してもらわないと、今議会みんなそうなんです、そこがわからないんですよ。だから、説明がないというのは、どういう説明が欲しいのか、どういう説明があ
れば納得できるのか、その辺を逆に教えてくださいよ。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時32分休憩
   午前11時32分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) お答えいたします。
 辺野古を前提とした協議等には応じられないということですが、この説明の内容ですが、議員がおっしゃった8月11日には、いわゆる5月28日の日米共同発表の内容について――これはこういう意味であるというんですか、その解釈というんですか――そういった説明が両官房副長官からございました。8月31日には、いわゆる日米の専門家検討会合の内容について、そこで示されたチャートを見せられまして、こういう結論でV字案とI字案の両論が併記されているというような事実を伝えられたわけです。
 いずれにしましても、その2回の説明におきましては、事実、経緯というよりも、そこに書かれていることを説明していただいたということでございまして、知事の再三申し上げております納得のいく説明には当たらないと。さらに辺野古移設を前提とする説明については、これは議論の段階ではないと、そう申し上げたわけでございます。
○玉城 義和 辺野古を前提とする説明には応じられないということですか。
○知事公室長(又吉 進) ここで政府の意図がよくわかりませんけれども、先方からはV字案あるいはI字案についての説明があったということでございまして、県側からは、辺野古が前提である以上、V、Iそれぞれに技術的な議論をする段階ではないというふうに申し上げたわけです。
○玉城 義和 じゃ、角度を変えて聞きますが、どういう説明ならば県は納得できるんでしょうか。どういうことを想定されているんですか。
○知事(仲井眞弘多) どういうことというより、まず我々わからんから聞いているわけですよ。いいですか、悪くても県外と言った人が、何でもとへ戻ってきたのかというこの説明が要ると。これはだからマニフェスト的・政治的な説明ですよ。ところが、技術的・実務的なものというのは、もう日米共同発表にあるようになったと。これをどうしても一応は説明しておきたい、情報として差し上げたいというのは、これはパイプは切りませんと言っているわけです。だから、これはこの間、公室長が聞いたものがそうですし、そしてもう一つは、おっしゃる納得のいく説明をしに実は両官房副長官がお見えになったわけです。ですが、これはテクニカルな説明だったもんですから、これでは我々も含め県民とてもとても、悪くても県外と言った人たちがもとへ戻るということ自身の説明にはなりませんし、納得いきませんと言っているんです。納得のいく説明というのは、自分たちが決めたマニフェストを変えた理由ですよ。それを説明してくださいということですから。
○玉城 義和 それの説明があれば、納得できるんですか。
○知事(仲井眞弘多) その説明に納得いけば、次の協議に入りますと言っているんですよ。
○玉城 義和 私は、別に民主党の立場にあるわけじゃありませんが、5月4日に鳩山前首相が来て、23日でしたかね、2回お見えになって、いろいろやってみたけれどもだめだったと。勉強してみた結果、抑止力も必要だと。つまりSACOの最終報告というか、ほかの一連の場所に戻ったわけですよね。民主党政府としては、総理が行って、政治的に知事に会って御説明申し上げたと、ほかのところもいろいろ当たってみたけどだめだったと、これで済んでいるというふうに思っているわけですよね。だから申しわけありませんと、大変努力しましたがだめでしたということを前段に置いて、そして事務の副長官が来てテクニカルな説明をされていると、こういうふうな流れであるというふうに思っているんじゃないでしょうかね、向こうは。これは私が別に言うことじゃないんですが、流れとしてはそういうことなんだろうと思うんですね。
 だから、そういう意味で、知事のおっしゃる説明がないということが県民によくわからないんですよ。その説明がどういう説明であればいいのか。例えば、この問題は自民党政府から延々と続いているわけですよね、連綿と続いている。そして同じですよ、トーンは。自民党も民主党も同じですよね。自民党のときは説明があったのかと、そういうことです。要するに、辺野古に移設先をつくるという意味では全く同じことなんで、抑止力も同じです。そういう意味で、あえてそこで説明がないということを理由にされる、そこがよくわからないということですね。
○知事(仲井眞弘多) まさしくあえてそこを聞いているわけです。なぜなら、総理にもなった人が、しかも3党合意、当時はまだ3党合意があったでしょう、悪くとも県外といったこういう方向に向かって走っておられて、5月28日日米共同発表で突然、事もあろうにもとへ戻っているんですよ。これを説明抜きで、ああそうですかと、総理が2回お見えになって、これけじめもついていません。そして何時間かおられて帰って、これで説明になっている、県民は納得したに違いないと、幾らヤマトゥンチュでも思いませんよ。だから、これを求めているわけです。
 どういうわけか、玉城議員は前回もおっしゃいましたけれども、例えば、今の政府は未熟であるとか何かいろんなことをおっしゃいましたね。まだなれていない、いろんな考えの人がいると、議員がおっしゃったんですよ。たしかこういうような趣旨のことが議事録にもあります。これを場合によったら言おうかと、そういうことですかと。これは場合によったら一つの納得のいく、物すごい不満でおかしいけれども納得のいくものかもしれません。これは例えば、本当に人間がまるで逆のことをやるのに、天下の大きな政党が、何が納得いくかは御自分で考えてくださいと言っているんですよ。
○玉城 義和 ちょっとわけがわからなくなってきましたので前に進みますが、県外移設というのと県内移設反対というのは、どういう概念だとお考えですか。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時40分休憩
   午前11時41分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 恐縮ですが、どうもレトリック上の理解がうまくいかなくて、県外移設は県の外へ移設することですよ。県内移設は、恐らく県内で移設することだと思うんですが、何がどう……。
○玉城 義和 県内移設反対と言った場合に、もともとの最初に出た県内移設というのは、SACOの最終報告ですね、最終報告、SACOの。それで、大田さんのときに県内移設というのが出て、辺野古に持っていきます、そのかわり普天間は返しますと。その段階で県内移設反対を言ったら、恐らく普天間が残るとこう考える、それはそれでいいですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時44分休憩
   午前11時45分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 余り長いこと考えているのも恐縮ですが、まだちょっと意味がわかりかねるんですが、当時の大田昌秀さんは容認できないというようなたしか表現でしたよね。容認だとか受け入れられないというような表現で最後けりをおつけになったと思うんですが、今のその議員の質問が私にはちょっとよくわからない。県内移設反対と言ったら、普天間は動かないであっただろうかと、こういうことですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時45分休憩
   午前11時45分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 失礼しました、時間がかかり過ぎて。ちょっと理解能力が……。
 今の御質問に対して、県内移設丸ごと可能性ノーとこう言ってしまったとき、固定化してしまう可能性、懸念はあるかという意味ですか。ゼロではありませんね。
○玉城 義和 県内移設反対と言うと、恐らくSACOとの関係とかいう意味でいえば条件ですから、日米両政府の立場からすれば、じゃ残しましょうということも可能ですね。したがって、私は何が言いたいかというと、知事がおっしゃる県外移設というのは、むしろ県内移設反対の進化した形だと、県内移設ノーと言えば残る可能性があるとおっしゃるわけでしょう。したがって、県外移設というのはそれも越えて、つまり普天間の閉鎖・撤去を明確に打ち出したものだと、こういうふうに考えていいかということですよ。
○知事(仲井眞弘多) 何度も理解不足で恐縮ですが、県外移設を求めるというのイコール――たしか何党の方がおっしゃっておられたか似たような表現だと思います――今ある普天間基地を即ノーとこう言うのと同じかと、こういうことですか。
 ちょっとこの概念というか、考え方がまるで違うんで、これと同じかと言われてもちょっと答えようが私ないんですが。
○玉城 義和 ちょっと休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時48分休憩
   午前11時51分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 恐縮ですが、頭が悪くてどうも先生のレトリックが私にまだよくわからないんですが、県外移設は、文字どおり県外移設です。県外へ持っていってもらいたい、県外を探してもらいたいと、こういうことだけなんですがね。
 あと、そこを裏返しをして、あなたの論理で、したがってそれはこれを意味するか、あれを意味するかと、これは玉城議員のレトリックであって私とは違います。ですから、私はただ県外だと言っているんで、それをこう解釈していいかと幾つも聞かれても、その仮定の話はあなたの頭の中にある論理であって私ではありません。私は県外だと言っている。ここでとどめます。
○玉城 義和 県外移設を明確に言い切るということは、これは今言ったように、県内移設反対を当然包含しないとできない論理であって、そこのところは、理屈としてはそのとおりですよ。そこのところはよく認識をされていたほうがいい。だから、民主党も余り幻想を持たないほうがいいというふうにおっしゃってください、ひとつ。
○知事(仲井眞弘多) 民主党に言ってください、僕に言うんじゃなくて。
○玉城  満 改革の会、玉城満でございます。
 ちょっと尖閣諸島の問題があってあることを思い出したんですね。「キジムナーフェスタ」という世界児童演劇フェスティバルがあるんですが、あそこの中でイスラエルの劇団が来たんですね、沖縄に。アラブ・へブリュウ劇団、これはあかない箱というタイトルだったんですよ。どういう芝居だったかといいますと、アラブ人とヘブライ人、要するにイスラエル。イスラエルの劇団で両方今反目している民族がいるわけですね。ある箱を探すんです。ある宝の箱を探したときに、この2人はこの箱を奪い合ったんですよ、奪い合った。そしてお互いが、片方が取って片方がいろいろ金づちとかあんなものであけようとするんだけれども、なかなかあかない。そうしたらこの芝居の末の方で、最終的にどうしてもあかないもんだから、2人が協力して何かをやり始めて2人が抱き合った瞬間に箱がぽーっとあいてきたんですね。これどういうことを言っているかといいますと、最終的に民族と民族反目し合っているんだけども、そこには一つの文化があって仲介する何かがあるだろうと。だから尖閣の問題でも、今中国、台湾を巻き込んでかなり問題になっているんですが、ここでウチナーンチュの出番じゃないかなという気
はしているんですね。ウチナーンチュがしっかりこれを仲介しておさめていくという流れをぜひつくっていただきたいなと思っております。なぜそういうふうに考えるかといいますと、中国の経済人と台湾の経済人は、お互いが台湾の経済人が中国に行くんじゃなくて、中国の経済人が台湾に行くんじゃなくて、できるだけ沖縄に来て沖縄でそういう調整をしているというのが最近周りにたくさん出てきているわけですね。だからそういう意味では、ここで今ウチナーンチュの出番ではないかという感じがしております。余りおもしろくなかったですか。本心をついているんでしょう。
 それでは質問に入ります。
 1、知事の政治姿勢について。
 (1)、知事の選挙公約達成について。
 アは取り下げます。
 イ、(行政力)、「行政効率化と財政基盤の強化」は実現されているのかを伺う。
 ウ、(解決力)、「普天間飛行場の危険性の早期除去」についてどのような要請を行ったかを伺う。
 (2)、ポスト振興計画の最大のポイントを3つ挙げるとすれば何か伺う。
 2、基地問題について。
 (1)と(2)は取り下げます。
 (3)、基地返還後の基地労働者の処遇について県の方針を伺う。
 3、県のアジア対策について。
 (1)、中国対策について。
 ア、尖閣諸島問題以降、経済、観光、文化交流等で沖縄への影響はあるのかを伺う。
 イ、北京事務所の開設について伺う。
 ウ、北京―沖縄間の航空定期便について伺う。
 エ、知事のトップセールスを含めた企業誘致の現状と課題を伺う。
 オ、中国人民元の取り扱いについて、県内金融関係業者へ働きかけを行っているかを伺う。
 カ、チャーター便増に伴う国際線のハンドリングサービスの対応について伺う。
 (2)、台湾対策について。
 ア、尖閣諸島問題以降、経済、観光、文化交流など沖縄への影響はあるのかを伺う。
 イ、台湾―沖縄間の航空定期便の中華航空以外の航空会社の参入はあるのかを伺う。
 4、行政改革について。
 (1)、「県民視点による事業棚卸し」について。
 ア、抜本的な改革ではなく、枝葉の細かい事業の切り捨てになっていないかを伺う。
 イ、机上の調査資料の作成に終始し、より無駄な経費を生むことになっていないかを伺う。
 ウ、「県民視点による事業棚卸し」と称しているが、現場調査はしているのかを伺う。
 5、沖縄フィルムオフィスについて。
 (1)、フィルムオフィス推進事業が仕分けで不要となったが県の見解を伺う。
 (2)、新産業振興課が推進する文化コンテンツファンドについて伺う。
 (3)、フィルムオフィスを観光コンベンションビューローから新産業振興課へ移行させたほうがいいのではないかと思うんですが、県の見解を伺う。
 (4)、ロケ地のピクチャースポット化(観光地化)について伺う。
 6は取り下げます。
 7、県立芸術大学について。
 (1)、今期卒業生の就職状況の予想と傾向について伺う。
 (2)、県及び市町村自治体における県立芸大卒業生の採用の実態について伺う。
 8、全国エイサー大会について。
 (1)、大会運営の進捗状況について伺う。
 9、我が会派の代表質問との関連について、平良昭一県議が質問いたしました一国二制度に向けた県の現在の国との調整とのことなんですが、今後どういう方向性で、国にどういう要請を行っていくのかを伺う。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) ただいまの玉城満君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時59分休憩
   午後1時21分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前の玉城満君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 玉城満議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、行政効率化など知事公約の実現についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。 
 行政の効率化と財政の健全化のため、平成18年度から平成21年度までに実施をしました「沖縄県行財政改革プラン」におきまして、民間委託の推進、定員管理の適正化などこれらに取り組んだ結果、当初の目標額約318億円を上回ります約452億円の財政効果を上げております。しかしながら、沖縄県の財政状況は依然として厳しい状況にあることなどから、去る3月に「新沖縄県行財政改革プラン」を策定し、引き続き行政の効率化と財政運営の健全化に努めることといたしております。
 同じく知事の政治姿勢の中で、普天間飛行場の危険性の早期除去に関する要請についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去につきましては、移設措置協議会やワーキングチーム会合などにおきまして、政府と意見交換を重ねてきたところであります。しかしながら、昨年9月の新政権発足後はこれらの協議会等は開催されておりません。県は、総理を初め各大臣との面談など機会あるごとに、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去を求めており、政府におきましても積極的にこの問題の解決に取り組んでいただけるものと期待をしているところであります。
 次に、知事の政治姿勢の中で、ポスト振興計画の最大のポイントいかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 ポスト振興計画についてのポイントは、1点目は、「自然環境・文化」、そして「安全・安心」、「産業振興」、「交流と共生」、「人材育成」など、「沖縄21世紀ビジョン」において県民が求める将来像実現のための計画であります。2点目は、県が策定する基本計画とし、地域住民や企業、そして市町村等との協働のもと、県民一体となって、計画の策定・実現に取り組んでいくこと。3点目は、国に対し、新たな法律を制定し、計画に基づく事業を支援する仕組みを求めていること、以上、3点が挙げられます。この計画により「沖縄21世紀ビジョン」の実現に向かい、力強い民間主導型の自立型経済を構築し、医療・福祉、文化、教育等の充実を図ってまいります。また、沖縄県の固有課題であります離島の振興、基地跡地の利用、公共交通システムの整備、交通・物流コストの低減などに取り組んでまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○観光商工部長(勝目和夫) 基地問題についての中で、基地返還後の基地労働者の処遇についての御質問にお答えします。
 駐留軍従業員の雇用対策は、直接の雇用主である国が責任を持って取り組むこととなっており、基地の返還に当たっては、駐留軍従業員の雇用の継続を図るなど雇用の安定の確保に努力することが法律や閣議決定等で示されています。また、やむなく離職を余儀なくされる方々の再就職対策としては、「駐留軍関係離職者等臨時措置法」では、離職前職業訓練のほか、最長で3年間にわたる就職指導、特別給付金や就職促進手当の支給等の措置が規定されています。
 沖縄県としましては、国及び関係市町村と連携を密にし、駐留軍関係離職者等対策協議会の活用を図りつつ、駐留軍従業員の雇用対策に万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、県のアジア対策についての中で、中国との尖閣諸島問題における沖縄への影響についての御質問にお答えします。
 中国からのチャーター便のキャンセルがあったほか、一部のセミナーや会議などに延期がありましたが、最近の動きとしては平常に戻りつつあると思われます。なお、今月1日から「上海万博九州沖縄ウィーク」や上海でのコンビニエンスストアとタイアップした沖縄観光プロモーションは予定どおり始まっており、また県も参加する予定の11月上旬に中国海南省で開催される「第14回島嶼観光政策フォーラム」も予定どおり行われる見通しなどとなっております。
 同じくアジア対策についての中の、北京事務所の開設についての御質問にお答えします。
 北京における海外事務所の設置については、北京―那覇間の定期航空便就航の可能性が示されたことに伴い、現地における情報収集や旅行社等への営業活動などが必要なことから、早ければ年内にも委託駐在員を配置する方向で検討しているところであります。
 同じく県のアジア対策について、中国からの企業誘致状況等についての御質問にお答えします。
 県では、財団法人沖縄県産業振興公社を通じて、上海、香港等に海外事務所を設置し、沖縄県の投資環境の広報宣伝や情報提供など企業誘致に努めておりますが、中国からの企業の進出には至っておりません。ただ、情報関係については、中国のIT企業と県内企業との合弁会社がことし6月に設立されており、今後ともIT津梁パークにおける人材の育成・交流を通じた日本とアジアのITブリッジ機能の強化や、GIXの活用等により中国企業の立地促進を図っていきたいと考えております。
 県としては、政府の「新成長戦略」において、外資系企業による日本への立地促進が掲げられていることなども踏まえ、情報関連産業のみならず製造業等においても企業ニーズに沿った投資環境の整備や周知に努めるとともに、中国を初めとした国内外での企業誘致活動に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 同じくアジア対策についての、中国元の取り扱いに係る働きかけについての御質問にお答えします。
 沖縄県における中国元の両替については、那覇空港国際線ターミナルや国際通り等に設置された7カ所の両替所で行うことができます。中国においては中国元の持ち出しに金額の上限があることから、中国人旅行者が海外渡航を行う際は、海外銀行やカード会社との提携のある銀聯カードが広く利用されております。このカードを利用して、県内のゆうちょ銀行のATM249台において日本円の引き出しが可能となっております。また、現在、県内のホテルや観光施設など約150カ所において銀聯カードが利用可能でありますが、県としては、なお一層の銀聯カードの普及を促進するため、今年度事業において、中国人観光客の利用しやすい約100カ所を対象に端末の導入を支援していきたいと考えております。
 同じくアジア対策について、台湾との尖閣諸島問題における沖縄への影響について。
 庁内及び関係機関を通し、情報収集等を行っておりますが、今のところ、台湾との交流に影響があるとの情報はございません。
 次に、沖縄フィルムオフィス関係についての御質問の中で、フィルムオフィス推進事業が「不要」となったことについての御質問にお答えします。
 フィルムオフィス推進事業については、事業棚卸しで「不要」との厳しい意見となっております。
 沖縄県としては、本事業の重要性や、中国関係の撮影支援依頼が急激な伸びを示すなど、着実に効果があらわれていることから、さらに効果的に実施されるよう、事業棚卸しにおける委員の意見等を踏まえながら事業を再編していきたいと考えております。
 同じく沖縄フィルムオフィスについての中で、新産業振興課が推進するファンド事業についての御質問にお答えします。
 沖縄県が本県の持つ豊かで多様な文化の産業化を目指し、沖縄文化等コンテンツ産業創出支援事業を実施しております。同事業では、5億円規模の投資ファンドを組成し、県内文化関連事業者が取り組む映画やゲーム、エンターテインメントなどのコンテンツ制作に対し投資を行うとともに、プロデューサーや監督など文化コンテンツ産業を支える人材を育成してまいります。現在、公募により選定した投資ファンド運営者を初め、関係機関と連携し、投資ファンドの組成に向けて取り組んでいるところであります。
 同じくフィルムオフィスについての中で、フィルムオフィスの新産業振興課への移行についての御質問にお答えします。
 映画・ドラマの撮影誘致や支援等を担う機関については、国際的に非営利で中立・公的であることが基本条件の一つとして認知されております。また、沖縄県では、その活動を観光振興につなげるため、沖縄フィルムオフィスを公益法人である沖縄観光コンベンションビューロー内に設置しております。
 同オフィスの新産業振興課への移行については、現時点では検討しておりませんが、沖縄県としては、事業棚卸し等を踏まえ、同オフィスの担っている事業がさらに効果的に実施されるよう、実施主体や運営方法など組織のあり方について今年度中に検討を行うこととしております。
 同じく沖縄フィルムオフィスについての中の、ロケ地の観光地化についての御質問にお答えします。
 沖縄県では、平成21年度より沖縄観光の新たな魅力をPRするため、映画やドラマ等のロケ地をめぐるツアーの商品化を促進しているところであります。平成21年度には、これまで撮影で使われたロケ地の情報や、周辺観光スポットの情報も掲載した「沖縄ロケ地マップ」を作成し、県内のレンタカー会社や道の駅などに1万6000部を配布しております。今年度は、この情報を活用し、「沖縄観光情報WEBサイト おきなわ物語」での発信や、ロケ地へのナビゲーションを行う携帯情報端末向けの無料アプリケーションの制作等を行うこととしており、これらの取り組みにより、ロケ地の観光地化を推進し、観光誘客につなげていきたいと考えております。
 次に、全国エイサー大会について、全国エイサー大会運営の進捗状況についてお答えします。
 沖縄県では、「2010全国エイサー大会」を、10月16日、17日に、沖縄市コザ運動公園を主会場に開催することとしております。16日は、県内各地で、地元青年会と県外参加団体の演舞を通じた交流を図る「シママーイ」を実施するとともに、沖縄市観光協会との連携により、エイサーの歴史を紹介する「エイサー今昔物語」を開催します。17日には、創作エイサーに加え、伝統的な青年会エイサーの演舞も披露する「創作エイサーコンテスト&フィナーレ」を実施することとしており、県外6団体、青年会4団体を含む24団体の出演を予定しております。
 大会運営の進捗状況としては、6月16日に県や関係市町村、青年会、観光及びエイサー関係団体で構成する実行委員会を立ち上げ、8月6日の第3回委員会で同大会の基本計画を決定しております。また、コンテスト参加団体の募集や大会をPRするため、大会オフィシャルサイトを立ち上げるとともに、県内外のエイサー団体へのダイレクトメール発信による案内や、県内でのテレビCM等により、広報活動を展開しているところでございます。
 我が会派代表関連の質問の中で、物流関係への今後の取り組みについてお答えします。
 県では、自由貿易地域、特別自由貿易地域制度の延長として、国際物流拠点形成のための特区を沖縄振興特別措置法で要望していく考えであります。また、国が地方自治体などからアイデアを募り、来年度からの導入を目指している「総合特区制度」について、県から去る9月21日付で「国際物流関連産業集積特区」を提案したところであります。
 今後とも、本県産業振興の課題の一つである物流コストについて引き続き取り組んでまいりたいと思います。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 県のアジア対策についての御質問の中で、北京―沖縄間の航空定期便についてお答えいたします。
 現在、那覇空港に定期就航している海外路線は、台湾、ソウル、上海、香港の4路線であります。北京―沖縄路線については、既に7月よりチャーター便が就航しており、年間53便、約8000人の乗客を見込んでおります。また、当該路線については、8月に知事がトップセールスを行った際に、海南航空から定期路線の就航表明がありました。
 県としましては、今後、当該路線の早期就航に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、国際線のハンドリングサービスの対応についてお答えいたします。
 那覇空港の国際線においては、主に、日本航空や全日本空輸などがハンドリング業務を行っております。当該業務は、基本的に、民間企業が中心となり取り組むべきことと考えておりますが、新規路線開設やチャーター便の就航は、観光客誘致の上で非常に重要なことであることから、県は、関係企業間の連携を促しているところであります。その結果、航空会社からは受託体制の強化に向けて関係企業間で検討を進めているとの報告を受けております。
 次に、中華航空以外の航空会社の参入についてお答えいたします。
 現在、那覇空港には、台北から定期就航している中華航空以外に、台湾の台中や高雄から華信航空のチャーター便が就航しております。また、石垣空港には、台北から華信航空、台北・花蓮経由で復興航空のチャーター便が就航しております。
 県としましては、今後とも産業振興公社台北事務所と連携を図りながら、複数の航空会社による台湾各地からの定期路線開拓に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 行政改革の質問のうち、事業棚卸しは抜本的改革になっていないのではないかという趣旨の質問にお答えいたします。
 「県民視点による事業棚卸し」は、個別の事業について、外部の委員と職員が公開の場で、事業の必要性や実施主体などについて議論・検証を行うものであります。今年度の対象事業は、人件費など棚卸しになじまない事業を除き、長期間実施している事業や、予算額が一定の規模以上の事業を優先して選定したところであります。
 次に、事業棚卸しは無駄な経費を消費させていないか、現場調査をしているのかという趣旨の質問について一括してお答えいたします。
 事業棚卸しは公開の場で行うことから、傍聴者にも個別事業の目的や内容、予算額などが示される必要があり、事業の基礎的なデータを記載した資料を提供したところであります。また、事業棚卸しが効果的に実施されるよう、棚卸し委員は、検討会議を重ねるとともに、道路関係事業につきましては、事前に現場調査も行っております。
 事業棚卸しは、多くの県民が参加されるとともに、職員の側にも、費用対効果を念頭に事業を遂行することについての必要性を再認識させるなど、行財政改革を進めるに当たって有効な手法であると考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 県立芸術大学についての質問の中で、今期卒業生の就職状況の予想と傾向についてお答え申し上げます。
 県立芸術大学の卒業生の就職先は、各年度の新卒時点における調査の累計によりますと、デザイン・広告関係、教員、工芸関係、公務員の業種へ進む学生が多いという特徴があります。
 平成21年度の卒業生の就職状況は、学部卒業生107人のうち、進学者が25人で就職希望者が52人、そのうち就職した者が30人、就職希望者に対する就職率は58%となっております。内訳を申し上げますと30人の就職者のうち、一番多いのがデザイン・広告の9人、次に公務員の4人、教員の2人、音楽イベント関係2人の順になっております。
 なお、今期卒業予定者の就職希望状況については、今月から行う定期的な調査により把握を行う予定となっております。
 同じく県立芸術大学に関連して、県及び市町村自治体における卒業生の採用の実態についてお答え申し上げます。
 県立芸術大学卒業生の就職状況は、平成元年から21年度の各年度の新卒時点における調査の累計によりますと、非常勤講師を含む教員として78名が、公務員として22名が就職している状況となっております。
 なお、就職先の県・市町村ごとの区分けについては、把握しておりません。
 以上であります。
○玉城  満 知事にお伺いしたいんですが、「行政効率化と財政基盤の強化」と、これ行政力として選挙の公約をしているわけでございますが、今先ほどの行革についても全部ダイエット化させていくという、枝葉をカットしていくという考え方が先行していると思うんですね。もう少し自主財源をふやすということも効率化につながると思うんですよ。だから、余りにもカットし過ぎて逆に自主財源が少なくなっているというケースはないですか。
○総務部長(兼島  規) 削減とか見直しすることによって自主財源がカットされる。ちょっとにわかに答えられないところがあるんですけれども、例えば自主財源の確保と申しますのは、税の収入であるとか、それから県有財産を売却するとか、そういった形で自主財源が確保されていきますので、その自主財源の確保に向けての費用についてもしっかりと手当てしながらやっているつもりですので、それに伴ってカットすることによって自主財源の確保に支障が出てくるということについては承知しておりません。
○玉城  満 会社でもそうなんですけれども、カットカットしていくと売れ行きが下がるという大方9割方そういう流れになっているんですね。だから、そういうところをしっかり押さえていかないと、この業界はひとり立ちしたからこれはカットしていいだろうという考え方がこの行政改革の中にあるとするならば、逆に、せっかく育ったものが勢いをとめられてしまうというそういうケースが出てくると思うんですよ。その辺のところはしっかり目を向けてやっていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
○総務部長(兼島  規) おっしゃるとおりですね、実をいいますと今回の棚卸しの見直しの中でもこういうことを我々は事業を想定したんですね。ずっと行政の悪いくせ、悪いところなんですけれども、長年の事業を検証しないでそのまま予算化していくということがあります。それから一定規模以上の予算でありましたら、それをそのまままた次年度も要求していくということがございます。そこを少ししっかりと目的を持った事業を展開しているわけですから、目的に合うのかどうか、今の事業は合っているのかどうか、それから無駄がないのかどうか等々含めて、職員にしっかり検証していただきたいというのが一つの視点です。もちろんそれを省いてすぐ事業がなくなるということではなくて、逆にいいますと事業をさらに再構築するためにそういった指摘を受けながら、もっともっと深掘りするような事業の展開はできないのかと、こういうことも含めての事業棚卸しでありますので、御理解いただければと思います。
○玉城  満 では今この行政改革と、先ほどの沖縄フィルムオフィスとちょっと関連するんですが、僕は沖縄フィルムオフィスが「県民視点の事業棚卸し」で「不要」とされたことに対して、県の対応はいかがなものだったのかなと思いますね。議事録も見ましたけれども、そのフィルムオフィスの役割をこの仕分けの皆さんに堂々と説明されてないんですよ。これは大変なことだと思うんですね。皆さん御存じかと思いますけれども、中国の馮(マー)監督という人が「非誠勿擾(フェイチェンウーラオ)」というこの映画を北海道を舞台に撮って、これは日本でわかりやすく言えば、寅さんみたいな正月映画。これは、北海道を舞台に撮ったら北海道の観光はふえたし、北海道の物産は中国で売れるようになると。この映画産業だけでも大変なのに、それに付随してくる観光産業であるとか、物産であるとか、そういうものが相当ふえてきた。今回ですよ、9月に撮影をしていた映画のこの馮(マー)監督が撮影をしていたという事実、知事御存じですか。
○知事(仲井眞弘多) あらあらは知っているつもりですが。
○玉城  満 この「非誠勿擾(フェイチェンウーラオ)」をヒットさせた馮(マー)監督が撮っているのは、「陽光天使」といって中国のトレンディードラマなんですが、それが沖縄を舞台に撮っているんですよ。その沖縄を舞台に撮ってそれをコーディネートしていろいろロケ地選定をやり、そしていろんな手配をしたのがフィルムオフィスであるということをやはり知事を初め皆さんがそういう事実をしっかり把握していただきたいなと思います。これは、担当部署だけの問題じゃないと思うんです。この映画1本でいろんな担当部署の人たちがいろんな恩恵を受けるというケースが出てくるわけだから、この辺の映画産業はしっかりと押さえていただかないといけない。だから、フィルムオフィス推進事業を「不要」とさせた県の対応は僕は許しがたいと思っているんです。これは今から大変な産業になる。 その一方でいいこともなさっているんですよ。新産業振興課の方で文化コンテンツファンドですか、5億。これはいい考えだと思いますよ。例えば5000万の資金をいただいた映画が万が一ヒットすると。ヒットしたら先ほど言ったように観光にも影響してくるし、そのヒットにちなんだ商品が開発されてくるというケー
スが出てくる。そして、コンテンツそのものも海外で売れると。いろんな産業の可能性がかなりあるんですよ。だから、僕は今もう観光とだけに結びつけているフィルムオフィスをぜひ新産業振興課のほうに移していただいて、もう少しNPOなり民間が立ち上がるまでに県の方でその映画産業に対する対応の仕組みをしっかりつくっていただきたいなと思っているんです。その辺のところどうでしょう。
○議長(髙嶺善伸) 観光商工部長。
 休憩いたします。 
   午後1時54分休憩
   午後1時56分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 観光商工部長。
○観光商工部長(勝目和夫) フィルムオフィスの新産業振興課の移行については、先ほど御答弁したとおり現時点では検討しておりませんが、沖縄県としては事業棚卸しを踏まえ、同オフィスを担っている事業がさらに効果的に実施されるよう、実施主体や運営方法、組織のあり方について今年度中に検討を行うということでございます。
○玉城  満 それと先ほどの行政改革に今の意見を受けて戻るんですが、「県民視点の事業棚卸し」でしょう。ということは、それを受益者からこの例えば今の沖縄フィルムオフィスの推進事業を受けたその受益者、民間でもいろいろいるわけですよ。そういう人たちから事情を聞いたんでしょうかね、この行革の調査をするときに。それをお答えください。
○総務部長(兼島  規) それも少し御説明しましたけれども、今回の事業棚卸しですね、このフィルムオフィスに限って言いますと、この意見はこういう意見なんですね。このフィルムオフィスそのものを否定しているわけではないと、事業棚卸しとして。県として当該事業を補助する必要性や実施主体とか運用について議論になっているわけです。そういった意味で見ますと、単純にあっせんするとかそういう業務じゃなくてもう少し県が深掘りできる方法はないのかということであって、逆に言いますと、フィルムオフィスの事業そのものをもう少し拡大・発展できるような方法、それから予算の要求の仕方これを検討してくださいという趣旨なんですよ。そういった意味でいいますと、もちろん事業棚卸しをやるときにフィルムオフィスはどういったことをやっているんだということについては、担当部局のほうからしっかりと聞きながら議論していますので、そのあたり理解していただければと思います。
○玉城  満 僕が聞いているのは、行革するに当たって、この棚卸しにかけるに当たって、担当課の人がその受益者であるところの民間であるとかそういう人たちからちゃんと現場に行って調査しましたかと聞いているんです。そういう調査なくして机上のペーパーだけで、皆さんテーブルに座ってそういうふうな会議をして、こうだな、ああだなになっていないですかと聞いているんですよ。
○総務部長(兼島  規) もちろん委員の方々にそれについての事業の棚卸しについてお任せしていますけれども、委員の方々ももちろん机上のほうでできるものもありますし、もう一つは先ほど道路関係で言いましたけれども急傾斜地の事業でありましたら、やっぱり現場を見ないとなかなかわからないということもあって、そこに現場に行って話を聞いたりしていることは事実でございます。
 そのフィルムオフィスについては、棚卸し委員のほうはその事業課のほうからその事業の内容を聞いた上で、現場に行かなくてもある程度そういった事業をやっているんだなということを認識したものですから、それを事業課の方と議論しながらじゃあどうするかという話をしたら事業課のほうからしっかりとした説明ができなかったということもあって今回「不要」ということにしましたけれども、あくまでも否定したわけじゃなくて、もう少しグレードアップするような方法も含めて事業課の担当職員に注意を喚起したというふうに理解していただければと思います。
○玉城  満 僕が言っているのはどういうことかというと、ペーパーで、皆さん会議でこの事業はどうだああだというのをこれで決めてしまっていませんかと言っているんです。だから現場に行ってどういう事業かとわかった上で、すべてこのフィルムオフィスだけじゃなくて、行革していこうとするこの今、小さいごちゃごちゃした、小さい枝葉のものから、これをなくしていこうという流れになっていませんかということなんですね。だから現場を再度しっかり調査をしてこれは必要だなとか、これは現場に行ってもこれはこういうことで変えられるなということを、知事は現場主義なんですから、職員の皆さんも現場主義でしっかりやっていただかないと僕はいけないと思うんですがね。
○総務部長(兼島  規) 今回の棚卸しですね、議員指摘のとおり少し小さな事業に目を向け過ぎていませんかとか、それから判定方法についても例えばすぐ「不要」とか、それから市町村におろすとかいう感じの大ざっぱなものではなくて、もう少しきめ細かいような判定方法はないのかとか、そういう県民のアンケートに基づきまして、県民からそういう声が寄せられています。次年度の棚卸しについては、その事業規模であるとか、それから今おっしゃるように現場に赴いて現場の声をどう聞くかとかそういうところ等含めてしっかり検討していきたいと思っています。
○玉城  満 行政改革についてはこのぐらいで。
 アジア対策ですけれども、知事、北京事務所は、先ほど年内に検討するという話があるんですが、すべては知事のトップセールスも航空便の定期便も、そして企業誘致も含めて、向こうに事務所がないといかんなというのが僕の実感なんですね。視察で北京に行かせていただきましたけれども。どういうことかといいますと、やはり上海も確かにいいだろう、香港もいいだろう、いろんな地域と提携を結ぶことはいいんですが、しっかり首都である北京を押さえておかなければいろんな弊害が出てくるという部分があると思うんですね。だから北京事務所を充実させておけばいろんな州といろんな省とやはりトゥイヒレーというか貿易とかいろんなことができると思うんですね。その辺いかがですか。
○知事(仲井眞弘多) おっしゃるとおりです。
○玉城  満 だから、先ほど駐在員をつけるという話をされていましたけれども、すごく強力に北京事務所に関してはやらないと僕はいけないと思うんですが、これ何人ぐらい向こうにつけようと思っているんですか。
○知事(仲井眞弘多) まだ人数その他は、実はこれはお聞き及びとは思うんですが、海南航空が中国政府から沖縄に定期便を飛ばすという了解を得ているという返事をもらったわけです。そして、年内か年明け早々には飛ばしたいというような予定を言っておりました。一部まだ日本政府での事務処理が残っているけどと、こういうことでその部分は我々も日本の国交省に話をしましょうとこういうことになっていまして、そのときにちょっといろんなビジネスも含めて詰めが必要だと。そういうことでなるべく早い時期に北京に連絡者なり事務所を置いたほうがいいよというあれがあって、それが議員と同じ趣旨のことを彼らも言い、我々もなるべく早く置きましょう。ですが、これほんの三、四カ月の話ですから、取り急ぎ私どもはまず事務所の形よりも実質的に仕事ができるような形の人を置いて、上海とも連携とりながらとりあえずそれで定期便就航までの事務処理などなど、実は意見交換をやってみたらどうかという程度で帰ってきたわけです。ですから、これはもう早ければ早いほどいいだろうと思っておりますが、ここはもう少し中国というかそこに事務所を置くという点で今のところまだ何人をどんなふうに置くというところまで
は詰まっておりませんが、なるべく早く実質的な仕事ができるような体制をつくりたいとこういうふうに考えています。
○玉城  満 ぜひ早急につくっていただきたいなと思うんですが、それと関連することなんですよ。今チャーター便がふえて、今この国際線のハンドリングサービス、先ほども民間業者と調整をしてという話がありますけれども、現場の実情は多分去年のチャーター便がふえたときに何便かチョンボしているんですね、このハンドリングサービスの不足で。要するにこれは今多分JALが1社で引き受けているわけですよ。それをチャーター便がふえ、今度定期便が入ってきたときに、今の体制では絶対無理な状況であると。ところがJAL自体が要するに管財人がかかわっているということで、簡単にその事業を今ふやしたりとかということができない。その辺のところはどういうふうに皆さん今後対応していこうと考えているんですか。
○企画部長(川上好久) 今議員から言われる話は、7月にそういうふうな事態がございまして、県の方もそういうJALを含めて対応をお願いをしてきたところです。こういう中で、今航空会社からハンドリング体制を円滑に実施をするために関係企業間で協力体制を構築をするというふうな動きが今出ております。そういう形の中で受託体制を強化をしていくと。早ければ年内の早い時期にそういうふうな体制を構築したいというふうな話を受けております。
○玉城  満 ぜひこの点も早目に解決していただきたいなと思っております。
 さて、今度は県立芸大の話なんですが、県立芸大、先ほど就職率の件は聞かせていただきました。ことしも58%ということで公務員が4人。今まで延べ13年ですか、公務員が22名しか出ていない。県立芸術大学というと文化関係の県内では最高峰の教育機関なんですよ。これがなぜ県庁を初めとする地域の市町村に採用されていない。この現実は何なのか、ちょっと教えていただきたいなと思いまして。
○文化環境部長(下地 寛) 確かに、開学から昨年21年度までの実績として22名ですけれども、公務員、県も含めて市町村の採用というのは試験というのがまずございますので、要するに芸術大学だというふうな前提もありますけれども、就職の方向性として学内における就職の指導の仕方というのもあるかと思いますけれども、基本的には公務員を目指すという学生の中から試験を受けて現実的には22名が合格したというような形じゃないかと思います。
○玉城  満 地域の文化振興課であるとか、県もそうだと思うんですけれども、そういう専門的な見地で事業をこなしていかないといけないということがたくさんあるんですよ。例えば、そういう文化関係のところに入ってきて一切文化わかりませんとスタートする人と、今まで文化関係の事情を学んだ人とどちらがいいのかと考えると、僕は県庁でもその文化関係者の枠を準備するべきではないかとか各市町村もそういう流れにしていくべきではないかと思うんです。そうしないと、県立芸大はだんだん人気が落ちてくると思うんですよ、僕は。向こうに行ったって結局は踊りの練習しかできない、歌の練習しかできないとかというレベルにとどまってしまう。これはやっぱり県立芸大ですから、もう少し県はそういうこの入り口だけじゃなくて出口もしっかりやっていただかないと、僕はせっかくの県立芸大で学んだ知識みたいなものが行政に生かされないという今現実になっているわけですから。その辺のところいかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 極めて傾聴に値するお話だと思って、重く受けとめてその方向もしっかりやっていきたいと思います。
○玉城  満 やはり県が率先してそういうふうにあそこで学んだ人たちを採用し、そして県の文化事業に生かしていくということは、沖縄県にとっても僕はいいことだと思いますし、県立芸大のこのモチベーションもかなり上がっていくと思うんで、やっぱりその辺考えていただきたいなと思います。
 それと最後になりますけれども、一国二制度に向けての国との調整を今されているということでございますが、一国二制度ですね。物流に関してもいろんな税制に関しても今後やっていかないといけないと思うんですが、今中国のほうから企業誘致が、海外から企業誘致がなかなかできないという理由の一つに、この物流の問題、税制の問題があると思うんですね。今後、やっぱり一国二制度の問題をかなり早めていかないと、要求していかないと、要請していかないと僕はだめだと思うんですが、知事、この辺の意気込みは。
○知事(仲井眞弘多) 今おっしゃるように、税、そして関税、いろんな形、そしていろんな仕組みですね、制度、一国的でない中身をぜひ模索したいと思います。ただ税については御存じのように関税もそうでしたか、大体秋口にそれぞれの政府税調であるとか、党税調でやっていくようですから、今度の新沖振法についてぎりぎりといいますか来年の秋口に最終的には決まっていく話だと思いますが、ただ何も税だけじゃなくていろんな制度をやっていくとするとまさにこれからの小1年ですね、この間にすべて詰めてやる必要があると思いますので、もしのんびりとしたやり方をしているとすれば反省をしてもっと前へ前へ早目にやっていきたいと思います。
○玉城  満 国に沖縄県は県益だけを要求しているというふうな誤解をされたら困るんで、沖縄県が一国二制度をとってアジアのテンブスになるということは国益につながるということをやっぱり国に対して強く要求していただきたいなと思います。
 以上です。
○知事(仲井眞弘多) 議員もよろしくお願いいたします。
○當間 盛夫 こんにちは。
 きのうは、ゴルフでまた沖縄から大スターが誕生いたしまして、同じ宮里ではあるんですが、今回は宮里美香プロが日本オープンで優勝したと。宮里美香プロも興南高校の出身ということで、興南高校はことしは春夏の甲子園の連覇から、そしてゴルフの日本オープンの優勝ということで、興南高校の春夏の優勝も精神面の強さということが言われました。本当にゴルフというのは、私もたびたびやるんですけれども、いつもワジワジーしているんですよね。ワジワジーしながらゴルフをするものですから、もうメンタルスポーツだと言われているところもありますので、昨年も最終日までトップでいながら、最終日に逆転された。今回の美香プロも、ことしも同じ状況の中で、ことしは断トツで優勝したということを考えると、1年でこれだけのメンタル面の強化ということは、もう二十歳の女性でありながら物すごいなというふうに思っております。
 沖縄のスポーツ、子供たちを含めてスポーツ面、大変すばらしいところがあるんですが、残念ながら学力テストを見ると最下位という矛盾したものもあるんですけれども、やっぱり子供たち、小学生の野球とかを見ても毎日のように野球をやっているんですよね。それを考えると、きのうのゴルフの美香さんからしても小学校からやっているということを考えると、やっぱり学力面も基礎が一番大事だと。教育長、沖縄の教育、子供たちは基礎から、幼稚園、小学校から鍛えれば――鍛えると言ったらおかしいんですけれども――基礎学力をしっかりつければ、沖縄の子供たちは有望だということを我々大人がもっと自信を持って、スポーツの観戦にはつき合うけれども勉強にはつき合っていないというのが我々、私もそうなんですけれどもあるものですから、ちょっと我々大人が反省して、学力面もしっかりと伸ばしていければなというふうにも思っております。
 それでは質問をさせてもらいます。
 まず、知事の政治姿勢について。
 (1)、4年前の選挙公約、3つの基本姿勢、14の政策目標は県民党でみずからの人生のすべてをかけて全力で取り組まれるということでありました。結果はどうでしょうか。また、すべてをかけたこの4年間、2期目を目指す理由は何でしょうか。
 (2)、中国でのトップセールスの費用対効果をお伺いいたします。
 (3)、県内移設公約変更、これはもういいですので、知事、普天間基地の早期危険性除去にどのような知恵があるのか。そして、いや、持ち合わせてないということなのかお聞かせください。
 (4)、沖縄版天下りは、知事のスタンス、県行政全体の体質が今の状況をつくっていると思いますが、知事の認識をお伺いいたします。
 (5)、振興一括交付金は沖縄にとってメリットか、デメリットか見解をお伺いいたします。
 (6)、公共の事業は建設業だけではなく県内中小企業への優先発注、支援・強化は重要であるが、現状と認識をお伺いいたします。
 (7)、自殺者、生活保護世帯の増加は沖縄の危機的状況と考えるが、最近5年間の推移と知事の認識と対策をお伺いいたします。
 2、行財政改革の進捗について。
 (1)、復帰からこれまでの行政投資額と割合をお伺いいたします。人口割り、海域を含めた県面積の出し方、そしてまた米軍基地の過重な負担状況などを考えると、もっとあっていいんじゃないかと思うんですけれども、これまでの沖縄関連予算の認識をお伺いをいたします。
 (2)は取り下げます。
 (3)、皆さんよくおわかりですが、新聞にも国道の草ぼうぼうということで出ておりました。年3回だった草を刈り取る国道の部分が1回しかないと。これも事業仕分けのせいだというふうに言われておりますけれども、この予算の削減等で道路管理、公園管理状況は観光立県として悲惨なものであるが、現状と対策をお伺いいたします。
 (4)、指定管理者導入施設について、その効果と情報公開の必要性、老朽化に伴う補修改築問題についてどのような認識を持っているのかお伺いをいたします。
 3、交通政策について。
 (1)、那覇空港ターミナル地域整備基本計画、その中での国内線・新国際線旅客ターミナル整備の進捗状況についてお伺いいたします。また、自衛隊側への拡張を検討され要請をしたことがあるのかをあわせてお伺いいたします。
 (2)、海上航路全般への補助等の状況と今後の物流コスト軽減のための対策をお伺いいたします。
 (3)、観光、環境の面からも公共交通システム改革が必要でありますが、鉄軌道、そしてバス・バスターミナル整備計画などの進捗状況をお伺いいたします。
 (4)、離島運賃軽減からも振興計画で示された総合運賃制度、共通乗車券制度と言われておりますが、その構築状況をお伺いいたします。
 我が会派の代表質問との関連については取り下げます。
 答弁によりまして再質問をいたします。
○知事(仲井眞弘多) 當間盛夫議員の御質問に答弁をいたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、公約の実現についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 私は、知事就任以来、雇用の創出・拡大や企業誘致など産業振興に取り組みますとともに、医療・福祉、そして教育など、県民福祉の向上や過重な基地負担の軽減など、沖縄が抱える諸問題の解決に全力で取り組み、あらゆる面で施策を展開してまいりました。県民と約束をしました公約に係る14の政策目標、そして170の施策につきましては、そのすべてに着手し全力で推進してまいりました。
 これまでに沖縄IT津梁パークの整備、そして沖縄県中小企業振興条例の制定、ドクターヘリの導入、沖縄国際アジア音楽祭の開催など、これらにつきまして実現いたしました。また、沖縄県産業・雇用拡大県民運動(みんなでグッジョブ運動)の展開、トップセールスによる観光客の誘致、県産品の県外・海外への販路拡大、そして情報通信関連産業の集積、畜産、園芸などのおきなわブランド産地の育成による農林水産業の振興、製造業や建設業の振興、雇用拡大と産業振興に取り組んでまいりました。さらに、大学院大学の設置推進、那覇空港拡張整備の促進、国際物流拠点の形成に向けました国際航空物流ハブ事業の実施など、沖縄県の持続的発展を支える基盤の整備を進めてまいりました。
 加えて、保育所入所待機児童の解消対策や妊婦健診の拡充、離島・僻地の医師確保対策、県立病院の経営健全化に向けた取り組み、伝統芸能公演の開催を初め新石垣空港の建設や伊良部架橋の整備によります離島地域の活性化、環境共生型社会の構築に向けました全島緑化の推進及びサンゴ礁の保全・再生など、多くの施策について事業化いたしております。これら施策の実施により、就業者数の増加や失業率の改善、そして入域観光客数や国際貨物取扱量の増加など、県民福祉の向上につきまして着実に成果を上げてきたものと考えているところでございます。
 今後とも、これまでの公約に係る取り組みを踏まえましてさらなる施策の展開を図りますとともに、産業振興と雇用創出、自然・社会・人文などの科学技術の振興、世界に誇る沖縄の伝統芸能・文化の継承及び発展、沖縄空手の普及、スポーツの振興、医療・介護・福祉の充実、子育て支援の強化並びにあらゆる分野におきまして沖縄の活力を生み、未来を開く人材の育成を積極的に進めてまいる所存でございます。また、過重な基地負担の軽減、普天間飛行場問題の解決に全力で取り組むなど、県民が望む沖縄の将来像であります「沖縄21世紀ビジョン」の実現に向けあらゆる施策を展開してまいります。復帰38年、本土に比べ立ちおくれた社会資本の整備や産業の振興に邁進してきました。
 琉球舞踊の国の重要無形文化財指定、そして宮里藍選手の全米ゴルフツアー優勝、興南高校の甲子園春夏連覇などに象徴されますように、これまで我々が目指してきましたことが幾つか現実のものとなり、今やさらなる方向の転換が求められております。次代を託す我々の子や孫たちが「独立自尊の精神」を持って時代を切り開いていくべく方向を示し、堂々と踏み出していくのを見届けることが私の責務だと思います。そのような思いから、私は、来る11月の知事選挙への出馬を決意した次第でございます。
 次に、知事の政治姿勢の中で、普天間飛行場の県内移設及び危険性除去に係る御質問についてお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去につきましては、移設措置協議会やワーキングチーム会合などにおきまして政府と意見交換を重ねてきたところでありますが、昨年9月の新政権発足後はこれらの協議会等は開催されておりません。県は、総理を初め各大臣との面談など、機会あるごとに普天間飛行場の一日も早い危険性の除去を求めており、政府におきましても積極的にこの問題の解決に取り組んでいただけることを期待いたしております。
 次に、知事の政治姿勢の中で、一括交付金のメリット・デメリットいかんという御趣旨の御質問に答弁いたします。
 政府が導入するとしております一括交付金は、いわゆる「ひもつき」を排除し使途を限定しないとされており、地域が創意と工夫を生かした主体的な地域経営が可能となることから、地方としても期待をいたしているところであります。また、沖縄県といたしましても、現在と同程度の予算が確保され、そしてより自由度の高い交付金であれば、地域の実情に応じたきめ細かい施策の実施が可能になることから、メリットは大きいものと考えております。
 なお、一括交付金自体にデメリットが含まれているとは考えておりませんが、沖縄県といたしましては、政府の動きを注視しつつ、沖縄県が行う施策に必要な財源が確保できるよう取り組んでまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○観光商工部長(勝目和夫) 知事の政治姿勢についての中の、トップセールスの費用対効果についての御質問にお答えします。
 中国における個人観光ビザの発給要件緩和を受けて、8月16日から20日までの期間、中国の各主要都市でトップセールスを展開し、3都市で開催した観光セミナー費用や職員の旅費を合わせて約780万円を執行しております。
 今回のトップセールスの主な成果として、海南航空から北京定期便就航の意向が表明されたほか、東方航空の上海定期便の増便も検討されております。これが実現した場合の経済効果は最大で、北京路線が週3便運航した場合が年間約20億円、上海路線の週5便への増便分で年間約15億円を見込んでおります。このように、路線拡充による観光客増加の経済効果は高いものと認識しております。
 次に、同じく知事の政治姿勢について、県内中小企業への優先発注、支援・強化についての御質問にお答えします。
 県としても、中小企業への受注機会の拡大を図ることは重要であると認識しております。県では、毎年度、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」に基づいて、国が作成する「中小企業者に関する国等の契約方針」に規定された措置について、県庁内及び県内市町村に文書により周知並びに取り組みを依頼しております。
 平成21年度における県庁内の官公需契約実績は9万4048件、1522億4800万円となっており、うち、中小企業向け契約実績は7万8768件、1295億3900万円で、約85%が中小企業向けの契約となっております。また、県独自の取り組みとしては、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき、副知事を筆頭に関係部局とともに、沖縄総合事務局や沖縄防衛局への要請を毎年行うほか、県内中小企業者に対し可能な限り分離・分割発注を行っているところであります。
 次に、交通政策についての中で、沖縄振興計画で示された総合運賃制度の構築状況についての御質問にお答えします。
 沖縄振興特別措置法では、観光客の移動利便性を向上させるため、運送事業者が容易に共通乗車船券を発行できる制度を創設しております。沖縄県では、共通乗車船券の発行を促進するため、平成15年度に「観光客移動利便性向上対策調査」を実施し、共通乗車船券のモデルプランなどについて検討を行い、県内関係機関等への周知を図っております。しかしながら、導入に伴い事業者間でコスト負担の問題が生ずることや、レンタカー利用の増加などにより共通乗車船券は発行されておりません。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 知事の政治姿勢の質問のうち、天下りに対する知事の認識についてお答えいたします。
 昨年11月に閣議決定された政府答弁書によりますと、「天下りとは、府省庁が退職後の職員を企業、団体等に再就職させること」と定義されております。県の退職者が外郭団体等へ再就職する際には、県は団体からの要請に応じて県の行政目的、施策推進の観点も踏まえ、実務能力等を総合的に判断して提案するものであります。
 各団体における人事につきましては、個々の団体における所定の手続のもとに行われるものであり、それぞれの個々人の経験、力量等が評価されて選任されるものと考えております。
 次に、行財政改革の進捗に関する質問のうち、指定管理者導入の効果と情報公開、施設の老朽化に伴う補修についてお答えいたします。
指定管理者制度の導入による効果につきましては、広報宣伝の強化、オフシーズンの稼働率対策など民間のノウハウを活用したサービスの向上が図られるとともに、平成18年度から21年度までの間で財政効果が約26億円となるなど一定の効果があったと考えております。また、指定管理者の選定手続の公平性・透明性を確保する観点から、選定するための評価基準や選定結果などについては情報を公開をしております。
 公の施設の指定管理者制度を導入するに当たっては、施設の軽微な修繕につきましては指定管理者が対応することとしておりますが、利用者のサービスの向上のため、老朽化の著しい施設等は所有者である県が整備した上で指定管理者へ引き継ぐなどの方策を検討してまいります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 知事の政治姿勢についての御質問の中の、自殺者、生活保護世帯の推移と認識及び対策についてお答えします。
 本県の過去5年間の自殺者数は、警察統計によりますと、平成17年359人、平成18年400人、平成19年347人、平成20年337人、平成21年406人となっております。
 次に、生活保護世帯は全国と同様に増加傾向で推移しており、この5年間で保護世帯数が1万3672世帯から1万8228世帯へ4556世帯増加しております。
 自殺対策については重要な政策課題であると認識しており、基金事業を活用して取り組みを強化するとともに、「沖縄県自殺対策連絡協議会」や「自殺対策県機関連絡会議」を設け、連携して総合的に取り組んでまいります。
 また、生活保護については、リーマンショック後の経済状況の悪化から、平成21年度以降、失業等による保護の開始が増加していることから、福祉事務所に就労支援員を配置し、雇用施策等と連携した就労支援等を強化するとともに生活保護制度を適正に実施し、要保護者に対して必要な支援を行ってまいります。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 行財政改革の進捗についての御質問の中で、これまでの行政投資額と割合、海域を含めた県面積等についてお答えいたします。
 復帰直後の昭和47年度から直近の平成19年度までの沖縄県の国・県・市町村を合わせた行政投資額は約14兆8846億円となっており、全国合計の約1138兆6485億円に対して約1.3%となり、全国第31位となっております。また、この間1人当たりの行政投資額の合計は、沖縄県が約1208万円となっており、全国平均の約926万円と比較して約1.3倍となり、全国第11位となっております。
 次に、本県の海域と陸地を合わせた面積は、全国の少なくとも1割以上を占めているものと推察されます。また、米軍専用施設面積の県土面積に占める割合は約10.1%となっており、全国の約0.1%と比較して約126倍と著しく高い割合となっております。
 県としては、これらの数値も参考にしながら、さまざまな角度から沖縄振興に係る財政移転について分析をしてまいりたいと考えております。
 次に、交通政策についての御質問の中で、那覇空港ターミナル地域整備基本計画についてお答えいたします。
 平成20年10月に国が策定した「那覇空港ターミナル地域整備基本計画」では、新貨物ターミナルの建設、新国際線旅客ターミナルの建設、国内線旅客ターミナルの増設の計画が示されています。現在、同計画に基づき各種取り組みが行われており、新貨物ターミナルについては昨年の10月に供用を開始しております。
 新国際線ターミナルについては、那覇空港ビルディング株式会社が今年度、基本設計を発注したところであり、次年度以降の3年間で実施設計及び建設工事を行った後、供用を開始するとのことであります。
 県としましては、同社及び国等の関係機関と緊密に連携して施設整備の早期化を図るとともに、国際線ターミナルビル等の利便性及び国際交流拠点としての機能の向上、アジアゲートウエイとしてふさわしい国際競争力のある施設の整備に取り組んでまいります。また、国内線ターミナルについては、新国際線ターミナルの建設計画終了後に、航空旅客需要の動向等を踏まえ増設する計画となっております。
 なお、国の現基本計画では自衛隊区域への拡張は計画されておらず、県は自衛隊への要請は行ったことはありません。
 次に、海上航路の補助及び物流コストの軽減策についてお答えいたします。
 県は、国及び市町村と協調し、燃料費高騰などによる経費増大、輸送量の減少等による収益の悪化など、厳しい経営状況にある離島航路事業者の欠損額を補助し、その安定運航に努めているところであります。また、物流コストの軽減策につきましては、荷主及び輸送品目により料金体系や輸送体系が異なるといった海上輸送の特殊性を踏まえながら、生産者及び流通業者と連携をしながら検討していきたいと考えております。
 次に、鉄軌道やバス・バスターミナル整備計画の進捗状況についてお答えいたします。
 県は、沖縄県総合交通体系基本計画の見直しの中で、鉄軌道を含む新たな公共交通システムについても検討することとしており、現在、将来需要等基礎資料の整理を行っているところであります。国においても、鉄軌道を初めとする新たな公共交通システムを導入した場合の事業採算性、大規模な返還跡地の有効利用との関係などについて調査を行うこととしており、現在、10月からの調査着手に向け手続を進めている状況と聞いております。
 基幹バスを中心としたバス網再構築については、今年度、バスレーンの延長拡充について県民の意見を聞くパブリック・インボルブメントを実施することとしており、現在、沖縄県公共交通活性化推進協議会において、その実施方法について協議しているところであります。
 なお、那覇バスターミナル地区の整備については、現在、旭橋都市再開発株式会社とバスターミナル株式会社など民間権利者等との間において、事業や施設計画等について協議を行っていると聞いております。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 行財政改革の進捗についての御質問で、予算の削減等による道路管理、公園管理の現状と対策についてお答えいたします。
 道路管理の目的は、道路を常に良好な状態に維持することにより、安全・円滑で快適な交通を確保することであります。しかしながら、現状は厳しい財政事情のもと維持管理に要する予算が少なく十分な管理が行き届かない状況にあります。
 今後は、維持管理費の少ない道路構造の工夫、道路利用状況等に応じた効果的な管理、さらに道路ボランティア団体の協力も得ながら、適正な道路管理に努めていきたいと考えております。また、県営公園の管理につきましては、平成18年度から公募による指定管理者制度を導入し、指定管理仕様書に基づき行われており、今後とも適切な管理に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○當間 盛夫 それでは知事、振興一括交付金についてからお願いをしたいんですが、有言実行内閣ということで今回、国のほうも地域主権改革の推進ということでひもつき補助金の一括交付金に着手すると。来年度予算では自由度の高い交付金に再編し、出先機関が扱う事務権限移譲について横断的な譲渡の指針を示し、年内に目標を検討していくということで、もう国も霞が関、今度3つ挙げているんですけれども、これを解決するためには地域主権の改革が最も重要なんだということでの一括交付金になっております。我が県も来年度で振興計画も終わります。沖縄振興一括交付金ということで、この一括交付金をどうするかということの議論始まっているんですけれども、まずその沖縄振興の原点をちょっと教えてもらえますか。どうして振興が図られたのかという原点、理由。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時48分休憩
   午後2時48分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 企画部長。
○企画部長(川上好久) 沖縄振興の原点というふうなことでございますけれども、沖縄振興というのは、沖縄県が持つ特殊事情、いわゆる沖縄の歴史的事情、それから地理的事情、そして自然的事情、社会的事情、そういう沖縄の置かれた特殊事情にかんがみ、沖縄振興計画を策定をして沖縄の振興を図っていくと、そういうふうな趣旨で行われてきたというふうに考えております。
○當間 盛夫 はっきり言えば戦後の激戦の27年間の米軍の統治だとかそういう沖縄が置かれていた現状だとか、そして社会的諸事情ということになれば、過重な米軍基地の重圧というような形が原点にあって、基本的には償いの部分が基本的にあるはずなんですよね、そのことには。それで先ほども14兆というようなお話がありましたけれども、復帰後、その方の沖縄の総額14兆です。我々が試算すると、知事、約15兆8000億ということになるんですよ。その15兆の中には、知事、先ほども言いましたけれども過重な基地の部分ということのお話もしました。その基地の維持経費というんですか、それがその15兆の中に約4兆9000億入っているという計算になるわけです。そうなってくると、単純に沖縄が使えている予算というのは約10兆ぐらいしかないということになってくる。新聞でもあったんですけれども、0.64%しかないと。人口が1%の割には沖縄の予算というのは少ないんじゃないかと言われているんですけれども、そのことの基地維持のこの4兆9000億を除くと10兆円になって、知事、0.4%しか沖縄は使えてないんじゃないかというような見解もあるんですけれども、どうでしょうか、こ
の数字は。
○企画部長(川上好久) 今、議員の言われる4兆円、それから10兆円余りの数字というふうなものは、こちらのほうではちょっと数字的にはきちっと把握はしてない数字なんですけれども、言わんとしている話は、恐らく沖縄のこの特殊事情にかんがみてオンされた数字ではないかというふうに理解をするわけでございますけれども、ただ、沖縄振興特別措置法等々で位置づけられている財政措置、これは高率補助でございますけれども、これは復帰後40年間続きました。その中で投下された国庫支出金等がおおむね9兆円とかというふうな数字が言われているわけでございますけれども、その数字は高率補助であって、なおかつまた他県よりも確かに国庫ベースでは金額的には1人当たり多いというふうな状況でございます。ただ、そのことが基地だけの話ではないというふうに県としては考えてございます。先ほど沖縄の特殊事情というふうに申し上げましたけれども、歴史的な事情、これは確かに26年間の話もございます。しかしながら、もう一つ広大な海域にどうしても存在せざるを得ない地理的な事情だとか、あるいはまた亜熱帯という自然的事情、そしてまた今日なお米軍基地が集中しているという社会的な事情、そういうふうな
ものが総合的に合わさって沖縄の特殊事情があると。今日において、あるいはまた将来においてその中のすべてが消えるというふうな状況にはないというふうに理解をしております。
○當間 盛夫 もっと分析をしてやってもらいたいと。我々は1%の人口比でやると約24兆円、我々はそのことで予算もそのことを取らないといけなかったはずなんですよ。ところが、それがないために8兆円近く実際には、沖縄はもらい過ぎじゃないかと知事、よく言われますよね、この10年。そうじゃないんだと。よく上原副知事もそうじゃないんだと、我々、あめは何もないんだというような認識があるわけですから、皆さんもっと分析して、基地に関するものはどれだけだったんだということのものが私は必要だと思っていますので、今度交付金になってもよく言われるのが、小沢さんが交付金にしたら3割減ります、だからいいんですというようなところもあったわけですから、我々、よく言われるかさ上げ分、この高率補助分が減ると、基本的にもっと減ってくるわけですから、そうではなくて、やっぱり沖縄振興ということであるわけですから、知事、2001年に沖縄の予算3490億あったと。ところが今はもう2298億と。約1100億も減少している中で、今の予算でいいんだというような認識ではなくて、もう10年間で1000億近く減らされたわけですよ。ところが、その中には北部振興策だとか基地の
分で100億近く別個でそのことで、本来はこれがプラスだったはずでしょうけれども、その北部振興策も全部組み込まれながら、それでも1000億円削減されているという認識からすると、私は今回の答弁で今の予算を維持するということではなくて、これからの予算をもっと増額してもらうんだと。沖縄の人口比、沖縄その海域、沖縄の置かれている米軍基地の特殊性を考えると、もっと要求していかないといけないと、認識を変えていかないといけないというような気を持たないといけないと思うんですけれども、どうでしょう。
○企画部長(川上好久) 議員が言われますように、この間、沖縄振興開発事業費はピークの4300億から現在2000億ぐらいまで半減をしてきている。その理由といいますか背景にありますのは、これは平成14年以降、財政再建という流れの中で公共事業費が10%に削減され、それからまた平成15年以降は3%削減するという中で、公共事業費とリンクするような形の沖縄振興開発事業費が減少してきたというふうなものがございます。しかし、それはそういうふうな理由でありまして、沖縄の振興に必要な金額はそれでいいかという話には、恐らくそうではないんだろうと思います。そこは議員の言われるように、今後、新しい沖縄振興を考えていくときに必要な財源をどう確保していくのか。今、さまざまなことを御質問いただきました。海域の話だとか、それから行政投資額では結果としてどうなったんだとか、さまざまなそういうふうな視点を持ちながら県として主張すべきは主張していくというふうな考えを持つべきだというふうに理解をしております。
○當間 盛夫 本来、振興計画ですから、その中に入っている沖縄の社会的諸事情、これはもう米軍施設であるわけですから、この米軍施設の我々過重の75%から一向に減らないということを考えると、その行財政で3%減らされてきたということは全く当たらないはずでしょうから、そのことはまた皆さん認識を持ってぜひ果敢に攻めてもらいたいなというふうにも思っております。
 次に、国際ターミナル、旅客ターミナルのほうなんですが、知事も今回トップセールスに行かれております。国際線の部分で海南航空ですか、北京就航いろいろとやっていきたいと、北京路線のですね。その海南航空から指摘を受けられた、要望があったということはどういうことだったんでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時58分休憩
   午後2時58分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 企画部長。
○企画部長(川上好久) 細かい資料は手元にないんですけれども、ハンドリングの件だとか、それから受け入れ体制について幾つか注文があったというふうに聞いております。
○當間 盛夫 先ほどハンドリングの件は玉城議員からありましたように、もう格安航空がこれだけ知事、全日空もやろうかと言っております。海外はもう格安航空に向かっておりますので、その中で沖縄でハンドリング、そのカウンター業務ですか、それが行き届かないということになると、沖縄に来ようにも来れないわけですよね、その業務がないとですね。これは県を含めてちゃんと知恵を絞って、第三セクターでどうあるべきかと、県が出資してどうあるべきかということをしっかりと構築をしてもらいたいと思います。
 もう一つ、知事、我が県の国際ターミナルにはいっぱいお客さん、ほとんど9割方――クルーズもあるんですけれども――8割、9割は航空ですよ。帰られるときに保安検査機を通るんですよね。ところが知事、保安検査機が1台しかないんですよ。この保安検査機を、じゃ、2台目入れると。込むからやっぱり2台入れたほうがスムーズだからと。やっぱり入れるときには、そのカウンター業務をしている民間業者がやらないとだめだということになるわけですよね。県がそのことをしっかりと、その保安検査機も県が出資するなりナブコがどうするなりということをしっかりとやるべきだと思っているんですけれども、これは部長のほうで2台目入れるというお話があるみたいですから、部長どうでしょう、その辺は。
○企画部長(川上好久) 先ほどの海南航空からのいろんな話、それ以外からも那覇空港の狭隘さについて指摘を受けております。その中で今の機器等の整備についても要請がありますので、そのことについては空港会社と調整もしながら、県としても対応できるものは対応するような形で努めてまいりたいと思います。
○當間 盛夫 計画はあるんですけれども、知事、行かれて、やっぱり向こうでいろいろと言われてきたわけですよ。あの国際ターミナルではだめですよと言われるのは当然ですよ。知事、荷物が来て、1つのターンテーブルしかないわけですよ。じゃ、次の便が来たら、その便は待たさないといけないわけですよ。その分をはかないと次の荷物が出てこないという問題もあるわけですよ。その分で今言った保安検査の部分で1台しかないと。数珠つなぎにその分が待ってしまうということで、いらしてください、いらしてくださいと言う割には、沖縄の今の現状の国際ターミナルは体をなしてないということですので、新しいターミナル、これも先ほどもう2006年には完成するというような計画が出ているんですけれども、知事、これ国際旅客の平成37年度の計画に基づいているんです。これが国際の旅客が50万人を想定しての計画なんですけれども、知事、県の海外の旅行客は100万人を想定しているはずなんですよ、あと6年を含めて。これはどういうような形で整合性をとっていくのか、ちょっとお教え願えますか。
○企画部長(川上好久) 新国際線ターミナルについては、CIQの能力を50万という規模で想定をしています。それは、言ってみれば最大ピーク時に1日の一番込むときにそういう対応をするというふうな前提でつくられていますので、例えば、そのピーク時が日に2回、3回というふうな形で、そういう形で組むことができるのであれば、恐らく最大150万ぐらいは対応できるというふうな形で今調整をしていると聞いているところでございます。
○當間 盛夫 知事、計画が小さいんですよ。1つのフィンガーに半分は海外に使わせましょう、これは2本しかない、連結のものがね。これは海外、もう一つは、そのフィンガーがないところ。その半分は国内線に使わせましょうというような計画なんですよ。だから、県も入っていながら国が中心になって、ナブコは自分でつくらないといけないものですから、余り予算をかけたくないということで80億の予算の組み方でこういう形。もう一つ知事、これ以上延ばせないという実情があるわけですよね。結局北側に行くと自衛隊があるわけですから、もう自衛隊側には行けない。また、今、国際線のほうに行くと貨物があるわけですから、貨物にも行けないというような実情があるわけですから。ですから私は先ほど質問の中で、自衛隊側に対する拡張ということも県もしっかりと考えてこないと、今、あの施設を見ると、やっぱり自衛隊の基地の中に那覇空港があるような部分ですよ。そうではなくて、やっぱり隣は海上自衛隊ですよね。海上自衛隊そのものをどこかにどう移転するかというような部分を検討しない限り、国内線ももうこれ以上広げ切れないと。ましてや国際線の部分がそういう実情になるということになると、
やっぱり自衛隊側にどう持っていくかというような、私は決して自衛隊を撤去しなさいということではないわけですから、そういった拡張に向かってどうしていくかという先ほどの質問でしたので、その辺は知事どうお考えになるんでしょうか。
○企画部長(川上好久) 現在、国のつくった基本計画に基づいて議論を進めております。国内線のターミナル増設計画については、新国際線ターミナルの建設計画終了後に需要の動向等を見ながら、現空港用地内で増設をするというふうな計画にしてございまして、県としては、実施されている国際線ターミナルの基本設計、それから需要動向を見ながら、今後国のほうと調整をしながらアジア・ゲートウェイにふさわしいような立派な空港というふうなものを考えていきたいというふうに思います。
○當間 盛夫 本当にアジア・ゲートウェイにふさわしい那覇空港を、私はしっかりとつくっていくべきだと思っていますので、いや、自衛隊のほうは何もさわらないということは決してあり得ないわけですから、しっかりと検討してもらいたいと思っております。
 知事のトップセールスについてお伺いするんですけれども、知事、今回のトップセールスを請け負ったのはJTB沖縄。今回また、今月行われる、知事がぜひやっていくんだと言った全国エイサー、それも委託先がJTB沖縄というふうになっております。去年の11月に県のほうはJTBと包括的連携に関する協定書を結んでいるんですけれども、これとそういう県が出している今回の一つの事業ですね、それは全部連動しているんでしょうか。
○企画部長(川上好久) それは全く関係しておりません。
○當間 盛夫 先ほど県内企業優先発注するんだというような形がありながら、今回の知事のトップセールスでも本来JTBと沖縄ツーリストさん、そしてジャンボツアーズさんの3社にということで提案を出していながら、沖縄ツーリストさんが24万500円、沖縄ツーリストさんが安いんですよね。JTB沖縄さんは26万2000円ということをやりながら、基本的には、いや、向こうでMICEとかそういう企業の受け入れのものがJTBのほうがいいんだと。それはそうですよ。皆さん、協定でいろいろと連絡をとりながらやるわけですから、JTBさんは半年前からトップセールスがあったのをわかっているはずですよ。それを1週間前に沖縄ツーリストさんにそれを出しなさいと言われても、全くできるわけがないはずですよ。このJTBさん、一生懸命沖縄の観光、ありがたいことです。しかし、知事、沖縄の企業を伸ばすというのも大変大事な部分があると思うんですけれども、その点どうお考えになりますでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) 今回はJTBさんのほうに、3社が見積もりを提供した上でトップセールスに当たっておりますけれども、JTBとの包括的協力というのは企画のほうで中心にやっていますけれども、やっぱり地域活性化とかいろんなものを受けて、やはり彼らの全国的なネットワークも沖縄に取り込もうというようなシナリオもありまして、ただ個別的な事業の案件を相談する場所ではありませんので、そういう意味では公正に我々としてはやっているというふうに思っております。
○當間 盛夫 そう言われても結果がそうなっているわけですよ、その部分は。ですから、これは1年間とするという有効期限もあるわけですから、皆さんしっかりと沖縄の業者とこれからどうするのかということもしっかり含めながらその更新をしっかり考えてもらいたいと思います。
 以上です。
○赤嶺  昇 通告に従いまして一般質問を行います。
 1、知事の政治姿勢について。
 (1)、知事は、県民に約束した公約を果たしたと考えているかを伺う。
 (2)、11月の知事選挙の公約を伺う。
 (3)、日米合意について知事の対応を伺う。
 (4)、普天間基地の3年以内の閉鎖状態の公約について知事の認識を伺う。
 (5)、新内閣について知事の見解を伺う。
 (6)、知事は、包括外部監査結果報告書で指摘されている事項を把握しているかを伺う。
 大きい2番、福祉行政について。
 (1)、県内保育所の正規・非正規雇用の現状を伺う。
 (2)、保育士の雇用、労働環境、賃金の実態等の課題を伺う。
 (3)、社会福祉法人等への借入金利子補給金について伺う。
 (4)、知事は、認可外保育施設への給食費助成を今度の知事選挙でも公約とする考えがあるのかを伺う。
 (5)番は取り下げます。
 大きい3番、医療行政について。
 (1)、浦添総合病院が運用しているドクターヘリの成果を伺う。
 (2)、県立中部病院の小児医療の課題と対策を伺う。
 4番、教育行政について。
 (1)、県内の幼稚園、小・中・高の園舎、校舎や体育館等の耐震状況を伺う。
 (2)、知事公約の30人学級実現に向けて4年間で県独自の予算は幾ら導入されたかを伺う。
 大きい5番、土木建築行政について。
 (1)、県内業者優先発注に対する県の姿勢を伺う。
 6、我が会派の代表質問との関連について。
 (1)、大型クルーズ船対応国際観光地としての本部港の整備について、県はしっかり本気で推進していく決意があるのかを改めてお伺いいたします。
 もう一点は、県立北部病院産婦人科の現状について、4人体制にするめどをお伺いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 赤嶺昇議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、公約の取り組み状況という御趣旨の御質問にお答えいたします。
 私は、知事就任以来、雇用の創出・拡大や企業誘致など産業振興に取り組みますとともに、医療・福祉、教育など、県民福祉の向上や、過重な基地負担の軽減など、沖縄が抱える諸問題の解決に全力で取り組み、あらゆる面で施策を展開いたしてまいりました。県民と約束をしました公約に係る14の政策目標と170の施策につきましては、そのすべてに着手し、全力で推進してまいりました。
 これまでに沖縄IT津梁パークの整備、沖縄県中小企業振興条例の制定、ドクターヘリの導入、沖縄国際アジア音楽祭の開催などにつきまして実現してまいりました。また、沖縄県産業・雇用拡大県民運動(みんなでグッジョブ運動)の展開、トップセールスによります観光客の誘致、そして県産品の県外・海外への販路拡大、情報通信関連産業の集積、畜産、園芸などのおきなわブランド産地の育成によります農林水産業の振興、製造業や建設業の振興、雇用拡大と産業振興に取り組んでまいりました。さらに、大学院大学の設置推進、那覇空港拡張整備の促進、国際物流拠点の形成に向けた国際航空物流ハブ事業の実施など、沖縄県の持続的発展を支える基盤の整備を進めております。加えて、保育所入所待機児童の解消対策や妊婦健診の拡充、離島・僻地の医師確保対策、県立病院の経営健全化に向けた取り組み、伝統芸能公演の開催を初め、新石垣空港の建設や伊良部架橋の整備による離島地域の活性化、環境共生型社会の構築に向けた全島緑化の推進及びサンゴ礁の保全・再生など多くの施策について事業化いたしております。これら施策の実施によりまして就業者数の増加や失業率の改善、入域観光客数や国際貨物
取扱量の増加など、県民福祉の向上につきまして着実に成果を上げてきたものと考えております。
 今後とも、これまでの公約に係る取り組みを踏まえまして、さらなる施策の展開を図りますとともに、産業振興と雇用創出、自然・社会・人文などの科学技術の振興、世界に誇る沖縄の伝統芸能及び文化の継承・発展、沖縄空手の普及、スポーツの振興、医療・介護・福祉の充実、子育て支援の強化並びにあらゆる分野において沖縄の活力を生み、未来を開く人材の育成を積極的に進めてまいります。また、過重な基地負担の大幅な軽減、普天間飛行場問題の解決に全力で取り組むなど、県民が望む沖縄の将来像となる「沖縄21世紀ビジョン」の実現に向けあらゆる施策を展開してまいります。
 次に、知事の政治姿勢の中で、11月の知事選挙の公約についての御質問にお答えいたします。
 知事選挙の公約につきましては、与党や支援者の皆様とも意見交換をしながら、早い段階で発表してまいりたいと考えております。
 次に、知事の政治姿勢の中で、日米共同声明に対する対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 県としましては、去る5月の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと繰り返し申し上げてきたところでございます。そして名護市長選挙や県議会の意見書議決、県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難であると考え、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を示すよう求めてまいりましたが、政府から、この間の県民の怒りと失望にこたえ得る説明と方策は依然として示されておりません。
 県としましては、このような状況にかんがみ、日米政府に対し、普天間基地の一日も早い危険性の除去のため、日米共同発表を見直し、普天間飛行場を県外に移設することを求めてまいりたいと考えております。
 次に、知事の政治姿勢の中で、3年めどの閉鎖状態の実現に対する知事の認識いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去につきましては、移設措置協議会やワーキングチーム会合などにおいて、政府と意見交換を重ねてきたところでありますが、昨年9月の新政権発足後はこれらの協議会等は開催されておりません。
 県は、総理を初め各大臣との面談など機会あるごとに普天間飛行場の一日も早い危険性の除去を求めており、政府におきましても、積極的にこの問題の解決に取り組んでいただけることを期待いたしているところであります。
 同じく知事の政治姿勢の中で、新内閣の見解についての御質問にお答えいたします。
 菅改造内閣におかれては、雇用・景気対策や地域主権の確立などの諸課題に積極的に取り組まれることを期待いたしております。沖縄振興につきましては、沖縄振興計画を着実に推進するとともに、さきの沖縄政策協議会で申し上げた振計後の新たな枠組みづくりなど自立型経済の構築に尽力していただきたいと考えております。また、基地の整理縮小や事件・事故の防止など沖縄の過重な基地負担の軽減に引き続き取り組まれることを期待いたしております。
 福祉行政に係る御質問の中で、認可外保育施設への給食費支援についての御質問にお答えいたします。
 認可外保育施設への給食費助成につきましては、平成20年度から牛乳代に加え新たに米代の助成を行うなど、これまで段階的に支援の拡充を図ってまいりました。給食費助成につきましては、入所児童の処遇向上に資するものであることを踏まえ、今後とも継続して充実に取り組みますとともに公約として掲げてまいります。
 次に、土木建築行政に係る御質問の中で、県内建設業者への優先発注に係る御質問にお答えいたします。
 県は、これまで「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づきまして、県内企業への優先発注及び受注機会の確保に取り組んできたところでございます。具体的には、工事の内容や現場条件等を勘案し、可能な限り分離・分割発注を行うとともに、県内企業で施工が困難な大規模かつ技術的難易度の高い工事につきましても、県外企業との共同企業体方式によって県内建設業者の受注機会の確保に努めているところでございます。また、国等が発注する公共工事についても分離・分割発注や入札参加資格要件の緩和等につきまして要請を行っております。その結果、沖縄総合事務局や沖縄防衛局におきまして受注機会の拡大が図られております。
 県としましては、今後ともあらゆる機会を通して県内建設業者の受注機会の拡大に努めてまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○総務部長(兼島  規) 知事の政治姿勢の質問のうち、包括外部監査結果報告についてお答えいたします。
 包括外部監査につきましては、監査人から監査結果報告を知事が受け、各所管部局に通知するとともに、監査委員が県公報に登載いたします。その後、各所管部局において、監査結果に対して措置を講じた場合は、監査委員が県公報に登載することになります。知事自身が毎年度の包括外部監査報告書をすべて把握することはできませんが、これまでの監査結果と措置状況は整理し保管され、事業棚卸しなどで活用しているところであります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 福祉行政についての御質問の中の、県内保育所の正規・非正規雇用の現状及び保育士の雇用、労働環境、賃金の実態等について一括してお答えいたします。
 県内保育所において、平成21年4月1日現在、保育士や調理員等で雇用されている8192人のうち、正規雇用者が3938人、非正規雇用者が4254人となっております。そのうち、保育士については6505人で、正規雇用が50.9%、非正規雇用が49.1%となっております。
 県においては、保育士の労働環境や賃金等の実態を調査したものはありませんが、人材確保などの課題があると認識しております。 
 次に、社会福祉法人等への借入金利子補給金についてお答えします。
 独立行政法人福祉医療機構借入金利子補給金については、保育所等の施設整備の促進に一定の役割を果たしてきたところであります。当該事業については、金利の低下や法人における財務基盤が確立されたこと等を踏まえ、補助率の見直し等による事業縮小を図り、終期を平成23年度に設定しております。なお、包括外部監査結果報告書等で指摘されていることを踏まえ、高額繰越金等があり、経営が安定している法人については、平成23年度は対象外とすることを検討しているところであります。
 次に、医療行政についての御質問の中の、ドクターヘリの成果についてお答えします。
 ドクターヘリは平成20年12月に運航を開始し、平成22年8月までの搬送件数は475件となっております。1日当たりの搬送件数は0.75件となっております。地域ごとの搬送状況は、北部圏域91件、中部圏域13件、南部圏域262件、奄美地域から109件となっております。
 ドクターヘリ運航により、短時間で患者を搬送することが可能となっております。さらなる迅速性・安全性の確保を図るために、医療機関、消防機関等から構成するドクターヘリ運航調整委員会で検討を進めているところでございます。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 医療行政についての御質問の中で、県立中部病院の小児医療の課題、対策についてお答えいたします。
 県立中部病院の小児科においては、平成22年3月に医師1名が退職したことにより、従来の5人体制から4人体制になったことから、十分な当直や救急の診療体制をとることが厳しい状況になっております。そのため、中部病院ではやむを得ず月曜日から土曜日までの午前8時半から午後5時までの小児患者の受け入れを救急車搬送と紹介患者に制限するとともに、昼間にはかかりつけ医をできるだけ利用するよう呼びかけております。また、医師の勤務負担の軽減を図るため、南部医療センター・こども医療センターから当直応援を行っております。
 病院事業局では、引き続き医師の確保に努めるとともに、病病・病診連携の一層の強化を図っていきたいと考えております。
 次に、我が会派の代表質問との関連について、県立北部病院の産婦人科医師の確保と見通しについてお答えいたします。
 北部病院産婦人科医師の確保については、現在、大学医局との連携による医師派遣の調整等を行っているところであります。しかしながら、全国的な産婦人科医師不足や相手先の意向もあることから、具体的な見通しを述べる状況には至っておりません。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは教育行政についての御質問で、小・中・高校校舎等の耐震化状況についてお答えいたします。
 これまで沖縄振興計画に基づき、学校の老朽校舎等の改築を通して耐震化に取り組んでまいりました。その結果、平成22年4月1日現在、校舎等の耐震化の状況は、小中学校で1830棟中1352棟、率にして73.9%、高等学校で536棟中470棟、率にして87.7%、幼稚園で251棟中153棟、率にして61.0%となっております。
 次に、30人学級の予算措置についてお答えいたします。
 少人数学級の実施につきましては、平成19年度から平成22年度まで、小学校低学年に延べ569人の教員を配置し、基本的な生活習慣や社会的規範を身につけ、基礎・基本の学力の定着を図ってまいりました。教員の配置については、国の加配定数を活用しており、その経費は国が3分の1、県が3分の2を負担しております。教員の平均給与で計算いたしますと4年間で約37億円となり、そのうち国が約12億円、県の負担額が約25億円となっております。
 なお、県単独での配置は行っておりません。 
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 我が会派の代表質問との関連についての中の、本部港の整備構想に対する見解についての御質問にお答えします。
 本部港のクルーズ船バースの整備については、沖縄振興計画の分野別計画である沖縄県観光振興計画において、那覇港、石垣港、中城湾港とともに、整備推進を図るものと位置づけております。
 観光商工部としては、これらの港へのクルーズ船の誘致活動に取り組んでおり、来年1月には那覇港発着離島クルーズである「にっぽん丸」の本部港寄港が予定されているほか、外国船社の責任者が北部地域へ視察に訪れるなど、新たな寄港につながる動きが出てきています。これらの動きを踏まえ、バース整備など本部港の環境整備が図られるよう、今後も土木建築部と連携してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 質問の途中ではありますが、時間の都合もありますので、赤嶺昇君の再質問は休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後3時36分休憩
   午後4時1分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前に引き続き赤嶺昇君の再質問を行います。
 赤嶺 昇君。
○赤嶺  昇 まず大型クルーズ船対応の件につきましては、部長の前向きな答弁をいただきましたので、ぜひ積極的に頑張っていただきたいと思っています。
 同じく我が会派代表質問との関連の質問で、県立北部病院、今2人体制だと思うんですけれども、4人体制というのにするめどというのは例えば次年度4月からという部分で今取り組んでいる状況ですか。
○病院事業局長(伊江朝次) 来年の4月以降のことについては、今、ほかの各県立病院、あるいは中部病院の研修修了者で県外で働いている医師等とも連絡をとりながら、調整しているところでございます。
 県立中部病院の小児科医師で今アメリカに留学している医師が1人いるんですね。この方が来年の7月ごろには戻ってくるという状況がございます。
○赤嶺  昇 ですから、もう一度確認なんですけれども、新年度から通常は5人体制が目標だと思うんですけれども、4人体制に向けて今そこをめどにしてやっているということで理解していいんですか。
○病院事業局長(伊江朝次) 今、離島の病院で勤務している若手の医師もおりますし、これを今戻す際にどこに戻すかということで、県立中部病院あるいは南部医療センターと調整中であります。ですから、5人体制にできる可能性は高いと思います。
○赤嶺  昇 わかりました。ぜひ新年度から5人体制を目指して頑張っていただきたいと思っています。
 ちょっと順不同で再質問させてもらいますけれども、5番の土木建築行政について、先ほど知事からの御答弁で県内企業優先発注、また国関係発注も精力的に取り組んでおられて、なおかつその受注率が上がっていることは敬意を表したいと思っています。ただ、一つだけ気になるのが県内業者が受注をして、この下請業者に最近県外業者が入っているんですね。ですから、下請業者にその孫請だったり、その本土の企業が入っているものですから、これ実は元請業者よりも下請業者のほうが雇用は高いんですよ、雇用率はですね。ですから、そのあたりいわゆる入札なのか、受注契約条項に下請業者も県内業者を優先にするということを加えていただきたいんですけれども、知事いかがですか。
○土木建築部長(仲田文昭) 下請に関しましては、また元請との任意の契約でありますので、私どものほうから縛ることはちょっと難しいんですが、しかしながら県内業者への優先発注、県産品使用ということを我々は県の方針として持ってそれに取り組んでいるわけでございまして、これは県内建設業者の育成、それから県内経済の観点からそういうふうにやっておりますので、元請に対しましてもその趣旨をよく理解していただいて、できるだけ県内企業に下請してもらいたいという趣旨は契約時点で申し入れをしております。また、今後もこの申し入れはやっていきたいと考えておりまして、また建設業団体にもしそうであれば、もう一度そういう趣旨を理解していただいて、県内業者の下請についてもやっていただくものを協力のお願いをしていきたいと考えております。
○赤嶺  昇 私の質問は、この契約条項に下請を優先するということを加えたほうがいいんじゃないかという質問ですので、それに答えてください。
○土木建築部長(仲田文昭) この辺につきましては、契約条項に入れるかどうか、その辺の検討をさせていただきたいと思います。
○赤嶺  昇 ことしの6月24日知事名で、沖縄県建設産業団体連合会に対して、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用について」という文書がちゃんと流れているんですね。(資料を掲示) なおかつ、それが流れた後でも県外業者が下請で入っているんですね。だからこそ、我々が言っているのは、国にいろいろ求めて県内企業優先するのは非常に頑張っている中で、やはり下請も孫請も県内業者にしていくということを検討するという話じゃなくて、それはそういう方針は差異はないと思っておりますので、それをその条項の中に加えることは私はそんなに難しいことじゃないと思うんですけれども、知事いかがですか。
○土木建築部長(仲田文昭) 繰り返すようですが、趣旨として県内の業者のほうでやっていただく。元請、下請、それは重要なことだと考えておりますので、条項に入れることについてどういうやり方があるかということも含めましてちょっと検討させてください。
○赤嶺  昇 グッジョブ運動であったり、知事の基本政策の中で非常に大事な部分だと思っております。この下請業者であったり、孫請のほうが労働者がたくさんいるんですね。今の事務方の答弁というのは、私からするとこれは難しい話でも何でもないんですよ。皆さんは、県産品の推奨であったり、県内企業優先と言いながら、これに一々時間をかけること自体が今の県政をあらわしているんじゃないかなと思っています。県内雇用失業対策ということでやっている割には、それがまだ生かされていないということを指摘しておきますので、もっとしっかりぜひ取り組んでいただきたいと思っています。
 続いて教育行政についてなんですけれども、県内の県立・市町村立の耐震対策はすべてあと何年で完了しますか。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
 今のあと何年で全部が改築できるかということですけれども、平成22年度の国庫予算のベースで改築を進めた場合を仮定しますと、旧耐震基準で建設された昭和56年度以前の学校施設すべてを改築するためには、小中学校で平成35年度、県立学校で平成31年度まで要するものと考えられます。
○赤嶺  昇 これは現行の高率補助のもとでそういう数字だと思うんですけれども、この高率補助がなくなった場合はどうなりますか。
○教育長(金武正八郎) 今の高率補助があるもので算定したものですから、高率補助がなくなった場合にはやはりそれに要する期間は延びたりする可能性は大いにあると思います。
○赤嶺  昇 知事、ことしも大きな地震がありましたし、特に教育施設は子供たちの安全を守るということで、それがもし日中にあれだけの地震があったりとか、大きな地震があると大変大きな問題になると思っています。我が県、今全国に比べてそんなに悪い数字ではないんですけれども、例えば高率補助があるからこそそれがこの間順調に進んでいるという部分があるんですけれども、いずれにしても今ありましたように、平成34年、さらに平成31年という数字が出ていますので、10年以内にすべて耐震基準を達成するという目標をしっかり持つべきだと思いますけれども、知事、いかがですか。
○教育長(金武正八郎) 耐震化等改築につきましては、沖縄の教育振興計画に私たちは10年間の数値目標を立ててこれまでやってまいりました。それで来年度はもう最後ですけれども、数値目標がすべて達成できる状況です。計画どおり進んでおります。次の振計に向けても今議員の提案がありましたことについて、ぜひその内でできるような計画を検討してまいりたいと思っております。
○赤嶺  昇 この質問をした趣旨はですね、実は新政権になって公共工事がどんどん減っているんです。無駄な公共事業という名のもとで減らされている中で、教育施設は必要なんですね。ただ沖縄は、高率補助の中でこの間進んできましたけれども、今教育長が答弁をされているんですけれども、あえて知事に聞いているのは、これは政治的にこの公共工事が減っているという部分の中で、教育施設は前倒しでも10年以内に一スパンの中ですべてを耐震基準にもっていくということは、私はこれは教育庁の範疇じゃないと思うんですよ。そのあたり、例えば10年以内でそれをすべてクリアしていくという方策は検討するべきじゃないかということです。
○知事(仲井眞弘多) 今お話を伺っていて、それは確かに検討に値すると思いますし、検討してまいりたいと思います。
○赤嶺  昇 ぜひ知事選への決意もされているわけですから、そういった子供たちの教育施設も含めて、この耐震の問題は人ごとじゃありませんから、しっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思っています。
 医療行政についてなんですが、浦添総合病院がU―PITSを運用しているということなんですけれども、国からの補助もあるということなんですが、これはこの制度はいわゆる県が一緒に運用しているんですが、実質的に総合病院側は採算はとれていますか。
○福祉保健部長(奥村啓子) ドクターヘリに関しましては、国の基準に基づいて支給しておりまして、浦添総合病院のほうでは苦しいという話ではございますが、その中で賄えているんではないかというふうに考えております。
○赤嶺  昇 県も関係していますから、質問は採算がとれているかとれてないか、まず聞きたいんですよ。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時14分休憩
   午後4時15分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 福祉保健部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) 浦添総合病院からの報告でちょっと金額的には確かな数字は申し上げられませんが、若干赤字が出ているというお話でございます。
○赤嶺  昇 続いて、認可外保育施設への支援についてなんですが、先ほど知事のほうから認可外保育施設への米代、平成20年から助成をしているということで、財政が厳しい中でなかなか上げられないというこの間の答弁だったんですけれども、今後の公約にもしっかりと継続、充実をしていきたいという答弁でしたので、ぜひ子供たちにとって非常に大事な給食費の確保に向けて、今よりもせめて11円じゃなくて50円とか100円ぐらいは目指していくようなことをやっていただきたいと思いますが、知事、いかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 確かにこの予算の中の制約というのが非常にあるものですが、ただし今の給食費助成では確かに少し小さ過ぎてもっともっと出せるように、また来年度の予算もそうですが、再来年度以降のこの新しい沖縄振興計画そういうような中にも上手に入れて、もっともっと助成ができないか前向きにやってまいりたいと思っております。
○赤嶺  昇 ぜひ頑張っていただきたいと思っています。
 続いて、借入金利子補給について、それは包括外部監査との関連にもなるんですけれども、知事、予算がないということでありながら、この包括外部監査の中で何億円という純資産が社会福祉法人でありながら利子補給はしているんですね。最初から黒字なのにその利子補給をしているということは、いかがなものかという指摘をされているんですよ。私は予算特別委員会でも指摘をしました。こういった問題はもうそろそろ予算がないということであれば、途中からでも見直していくということは大事だと思いますけれども、いかがですか。
○福祉保健部長(奥村啓子) おっしゃるとおり、外部包括監査においてもそういう指摘を受けておりまして、うちの部としましてもそういう見直しをした上で23年度を終期としておりますが、来年度につきましてはこの繰り入れが高額とかそういうものにつきましては廃止という方向で検討をしております。その中身をちょっとどの程度を廃止の対象にするかということを今議論しているところでございます。
○赤嶺  昇 財政が厳しい中で、我々も予算・決算特別委員会で議会でいろいろやっている中で、先ほど総務部長から知事がすべて目を通すということも事務的に難しいかもしれませんけれども、これは非常にいい指摘がたくさん出ておりますので、早目にこれは各部署に任せるんじゃなくて次年度予算で削るところはしっかり削ってもらって必要なところにやっていくということは非常に大事だと思っておりますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思っております。
 同じように関連して保育所、特に先ほど正規・非正規の割合という答弁をいただいたんですけれども、なぜかわからないんですけれども、市立保育所の中で正規・非正規という言い方じゃなくて、正規の皆さんは常勤、非正規の場合は常勤的非常勤という言い方をするんですね。その理由が私はよくわからないんですけれども、いかがですか。
○福祉保健部長(奥村啓子) これは保育所の運営費の請求の中で、民間施設給与等改善費の様式がございまして、その中でこういう用い方をしていて定義というか分けられているので、そういうふうな言い方になっているのかなというふうに思っています。
○赤嶺  昇 それでは何点かお聞きしますが、市立の認可保育所の正規・非正規の割合は改善されてきていますか。
○福祉保健部長(奥村啓子) きちんとした時系列的にそういう統計はとっておりませんので、今申し上げたものは20年、21年の4月1日時点です。そういう意味では改善されたかということではちょっと承知しておりません。
○赤嶺  昇 部長、それは困りますね。皆さんから21年4月1日時点をもらっているんですけれども、(資料を掲示) 前回、議会答弁をされているんですね。それをわからないという答弁には当たらない。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時20分休憩
   午後4時20分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 福祉保健部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) 手元に資料がなくて大変失礼しました。19年がこれは公立を除いておりまして、正規が47.9、非正規が57.1でございますので、今回申し上げた私立、公立を除く保育園だと正規が44.2、非正規が55.8ですので、悪くなっているというふうに思っています。
○赤嶺  昇 この質問をした理由は、この間、我々県議会で認可化促進であったりとか、待機児童問題の議論をよくしてきたんですけれども、当の保育士の環境を調べてみたらもう大変な話だなと思いました。認可外でも厳しいのに法人保育所、その中で手取りで10万、――もう一生懸命資格をとってですよ――11万とか、5年間で給料が上がったのが大体300円とかそういう実態なんですよ。中には、採用するに当たって、結婚する予定はありますかとか、子供を産む予定はありますかということを聞かれた保育士もいるんですよ。これは子育て支援をするという保育所において、ましてやここに国費も投入されている中で、こういう保育士の労働環境、もっと言うとさっき言いました常勤的非常勤と言いながら、勤務は全く一緒。そういう実態がありながら、長年雇用すると給料が上がるわけですから、どんどん切っていくんですね。そういう継続雇用も本来はそれをやらないといけないという条項もありながら、それが今普通にやられているということに対して常に安い賃金で雇用していくという現状は私は大きな問題だと思っております。子を産み育てるという少子化対策の一環でやっていながら、そこで働いている保育
士が結果的にこの仕事を長年できないという実態を県は早急に調査をしてほしいんですけれども、部長いかがですか。
○福祉保健部長(奥村啓子) 確かに保育単価の中には、適正な保育士の給与ですね、保育士、園長とかそういうのが定められておりますので、そういう意味ではきちんとそれに基づいた給与というのが支給されるべきだというふうに考えております。こういう実態につきましては、毎年保育所の指導監査しておりまして、その調書の中にもこういう給与の実態等の資料もございますので、その辺をちょっと参考にある程度の状況把握をしていきたいというふうに考えております。
○赤嶺  昇 その中だけじゃなくて、できれば保育士その者にアンケートをとらないと実態は把握できないと思うんですね。
 もう一点は、公立の場合は59%は正規雇用なんですね。ですから、例えば60%とか70%正規雇用を目指していくという一つの基準が私は必要だと思うんですけれども、そのあたり知事はどう考えますか。
○福祉保健部長(奥村啓子) 確かに、児童の処遇面とこの保育士の職場環境の改善という面からは、やはり正規にもっていくということを努力すべきだと思っております。それでこちらとしましては、今後新たに法人認可するに当たっては、正規職員を6割以上にすることを指導基準として通知して指導していきたいと思っております。
○赤嶺  昇 ぜひやはりそういう正規雇用をやっていくことを目指していただきたいということで非常にありがたい答弁だと思っております。こういったアンケートの話を保育士の皆さんにしますと、園が取りまとめたものだったら本音は書けないという話を言っておりますので、しっかりそこも考慮して実態調査をやっていただきたいと思っております。一方で、保育園の運営そのものの単価、それが例えば10年、11年を超えると継続雇用すると今度は赤字になると言われているんですね。そのあたりもやはり大きな問題だと思っていますので、それはまた国にその議論をしないといけないと思っています。すべてを保育所に押しつけるということじゃなくて、保育単価そのものの議論をやっていただきたいと思っておりますが、国に対してそれはやはり要請するべきだと思いますが、いかがですか。
○福祉保健部長(奥村啓子) 民間給与改善費等も含めてこの保育単価の中に占める人件費の割合等ももう一度精査して、それが現場でどんな形に運用されているかも含めてその辺の状況確認をした上でそれが必要であれば国のほうに求めていくことも考えていきたいと思っております。
○赤嶺  昇 続きまして、11月の知事選挙の公約について、今後取りまとめていくという話でしたが、知事は4年間知事として頑張ってきましたので、今度の知事選挙のキーワードというか、何がメーンだというふうに考えているか、もしあればお聞かせください。
○知事(仲井眞弘多) たくさんあるんだろうとは思うんですね。ですから、私も前回は14の柱を立てて、14の間には別にどれが重要でどれが軽いという軽重はないと。例えば教育と医療とどちらが重要ですかと言われてもこれはどちらも重要だというぐらいに同じだと思っているんです。ですから、14の分がそんなに変わってないと思いますので、基本的には十三、四を大きくくくって、沖縄にとって重要な課題だろうと思っております。ただ、事実上、あの21世紀ビジョンを県議会の御意見も入れてつくりましたから、あの方向は一つの方向だと思っておりますが。
○赤嶺  昇 今度の知事選挙で、仲井眞知事は、普天間基地問題は知事選挙の争点であると思いますか。
○知事(仲井眞弘多) この争点という言葉ですけれども、これは有権者がいろんな周りでお考えになる表現なのか。例えばマスメディアでもいいんですが、考えられる表現なのかわかりませんが、争点であるかないか、少なくとも長年の懸案であることは確かですよね、特に普天間の移設、ないしは危険性の除去はですよ。
○赤嶺  昇 知事公約はこれからということなんですけれども、この間、県議会においても海兵隊のいろんな問題等があるんですけれども、知事は海兵隊の撤退も求めていく考えはありますか。
○知事(仲井眞弘多) この海兵隊につきましても、沖縄に駐留している米軍の構成員の中では最も多い兵員ですし、そしてまた再編のそもそもが8000人に及ぶ海兵隊員及びその家族も含めると1万何千人と言われているこの部分の軽減というのはぜひ実現してもらいたいと思いますけれども。
○赤嶺  昇 ということは、海兵隊全体の撤退を具体的に求めるということではないということですか。
○知事(仲井眞弘多) この米軍を構成している陸軍・空軍・海軍そして海兵隊、これは海軍のもとにあるのかよくわからんところがないわけじゃありませんが、この中で特に海兵隊だけを全部撤退を求めるということが技術論としてどうなのかというのは私は定かではありません。ですが、今あるこの大勢の米軍人及びその基地、そして基地負担の軽減ということを考えれば、まずこの再編で言われている8000人及びその家族・軍属の1万何千人になんなんとする皆さんをグアムに行ってもらうということは少なくとも着実に実現してもらいたいと思います。
○赤嶺  昇 それでは知事公約の、普天間の3年以内の閉鎖状態なんですけれども、知事は普天間の危険性の除去が一番大事だとおっしゃっておりますので、今度の公約でも3年以内の閉鎖状態を打ち出しますか。
○知事(仲井眞弘多) その3年めどの表現がもうあと2カ月弱になってぎりぎりのところへ来てまことに恐縮ですが、いずれにしてもその考え方というのは普天間の一日も早い危険性の除去ということは、テクニカルにもいろんな方法があろうかと実は思っております。そしてまた政策協議会の中でも負担軽減の部会ではそういう部分も入っているつもりでおりますので、そういうものを現実に進めるということは恐らく政策の中できちっと打ち出していき、未達といいますかなかなか実現がいま一つであったものについては、当然その実現を継続して目指すというのは当然のことだと考えております。
○赤嶺  昇 公約で知事は、4年前こう言っているんですね。普天間飛行場の3年以内の閉鎖状態につきましては、準備と決定に至るプロセスを考えれば物事というのは3年あれば実現できるという私の認識からという御持論があるわけですから、結果的にそれは私は破綻したと思っているんです、今任期の中ではですね、できていないわけですから。それはお認めになりますか。
○知事(仲井眞弘多) 3年めどの閉鎖状態の実現という文字どおりの姿になっていないという点は、まことに残念ではありますが、破綻したとは思っておりません。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時36分休憩
   午後4時36分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 赤嶺 昇君。
○赤嶺  昇 3年が4年になり、結果的にできなかったということは、県民との約束ですので知事は公約とは県民との最も重たい約束ということをおっしゃっておりますので、それを念頭にぜひ今回の知事選挙も踏まえて、総括もしてやっていただきたいということを要望しておきたいと思っています。
○議長(髙嶺善伸) この際、申し上げます。
 病院事業局長伊江朝次君から発言を求められておりますので、これを許可します。
 病院事業局長。
   〔病院事業局長 伊江朝次君登壇〕
○病院事業局長(伊江朝次) 先ほどの赤嶺議員の県立北部病院産婦人科医師の確保と見通しについての再質問を、私は県立中部病院の小児科医師の確保と勘違いして答弁いたしました。おわびして訂正させていただきます。
 今、産婦人科医師の確保については、全国的な医師不足の状況から確保することはかなり困難でございます。普通の手段ではかなり難しいという状況がございまして、来年の3月までに北部病院の産婦人科を再開するだけの医師の確保のめどは今のところまだついておりません。今後とも鋭意努力して頑張っていきたいと思います。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) 引き続き一般質問を続行いたします。
 具志孝助君。
   〔具志孝助君登壇〕
○具志 孝助 皆さん、こんにちは。
 一般質問を行います。
 ちょうど一般質問の20番目になるんですね、私が。私から与党議員の質問になりますから、どうぞ知事、ひとつ肩の力を抜いてゆっくりとありのままというか、率直な御意見をお聞かせをいただければありがたいなと思っております。
 質問通告は事前にありますので、通告後の代表質問、これまでの一般質問の中で、私の質問の内容とかなりの部分で先に質問が交わされております。かなりもう議論が出てまいりまして、もう私は必要ないのかなというところもありますが、できるだけ視点を変えてと思っております。議論が少しでも深まればありがたいなと、こう思っております。
 さて、質問の1点目は、知事の政治姿勢について、その中で、県知事選挙について。
 11月28日には県知事選挙が行われると、こういうようなことになっております。県知事は沖縄の最高指導者、沖縄の県政の命運を握っている指導者の選挙でありますから、沖縄にとって大変重要なことであります。仲井眞知事も2期目に向けて決意を固めておられます。
 私は、議会の場からこれまで大田昌秀県知事、それから稲嶺惠一知事、そして現在の仲井眞県知事を見てまいりました。さすがに県政のトップでありますから、御3名とも立派な識見を持っておられるし、それから県に対する情熱というのもすばらしいものがあると、このように大変敬意を表しているところであります。しかし、3氏ともそれぞれ考え方も違うし人柄も違う。三者三様というのか、大変それぞれ魅力的で、また、さすがに県知事に手を挙げられる方ですから個性的でもあると思っております。
 大変僣越ではありますけれども、一言で3名を私の目から見た場合は、大田氏は、決断力のある人だなというような印象を受けております。それから稲嶺氏は、大変協調性があって人間性が豊かな方であると、こういうような印象を強くいたしております。さて、仲井眞氏はどうかといいますと、私は信念の人だなと、しっかり自分の考え方というのを持っておられるなと、このようにそれぞれ評価をいたしております。
 表裏一体とも言われます。表と裏、表があれば裏もあると。長所があれば短所もあると、こう言われるんですが、さて、そういう意味では、大田さんは決断の人であるけれども、どちらかというと独断専行型だったかなと、こういうようなことも言えるのかなと思っております。それぞれいかがでしょうか。じゃ、稲嶺氏はどうかといいますと、大変人間味豊かで、どんなに強く批判されても受けて流す立派な方でしたが、ややもすれば優柔不断、なかなか何を考えているか決めてくれないと、こういうような部分があったかなと。仲井眞氏はさてどうかと、本人を前にして大変恐縮ですが、信念の人、頑固一徹ですね、曲げない。どうしても自分は思いを遂げたいと、こういうような一念で今頑張っておられる。そして、まだそれは貫いていない。私は県知事に立候補したあの決意、まだまだ実現していない、責任をとってあと1回頑張りたいと。私は、こういうようなことかと思っております。
 そういう意味では、私は、仲井眞氏は前任者2人にまさるとも劣らないすばらしい、立派な、沖縄県をリードしていく指導者だと思っているんです。ぜひとも再選を果たされて、自分が一たん決意をされた、県民から選ばれたリーダーとして自分の思いを遂げる、こういうような強い気持ちでこれからの戦いに臨んでいただきたい。私もしっかりと応援をさせていただきたいと。これが間違いなく沖縄のためになるんだと、私はかたく信念を持っておりますので、どうぞ頑張ってください。
 そこで質問でありますが、再選出馬に向けて新たな決意をお伺いをいたします。
 (2)点目は、2010年度防衛白書であります。
 民主党政権――戦後、新しい政党ですから当然ですが、革新政党と言えるかどうか私もまだわかりませんが――そういう政党が政権を担うというのは初めてのことであります。その政党が初めて防衛白書を発表いたしました。
 ア、防衛白書「第Ⅲ部 わが国の防衛に関する諸施策」、「在日米軍の駐留」と「普天間移設見直し」の中に在日米軍のプレゼンスや海兵隊の抑止力、機能、そして普天間飛行場の返還と代替施設等の記述がある。民主党政権の防衛白書に対する知事の率直な御感想をお伺いをいたします。
 (3)番目は、尖閣諸島問題についてであります。
 ア、今般の中国漁船による挑発行為――私は挑発行為だと思っております――は看過できない。尖閣諸島を有する県知事として何らかの行動を検討すべきと考えるが、知事の御所見をお伺いいたします。
 イ、防衛省の島しょ防衛強化計画について、知事の所見を伺います。
 質問の2点目は、沖縄政策協議会についてであります。
 (1)、9月10日の沖縄政策協議会で知事はどのようなことを話されたのか。
 (2)、「沖縄21世紀ビジョン」を実現するためにどのような枠組みが必要と考えるか。
 (3)、知事は、沖縄政策協議会に対してどのような期待を持っておられるか。
 質問の3点目は、平成23年度国庫支出金要請についてであります。
 沖縄振興計画も来年23年度は最終年度であります。これまで掲げてきた諸施策、これの最終年度でありますから、その実現に力を注がなければなりません。多岐にわたる事業が挙げられておりますが、その中で、私は2つの点について改めてお伺いをいたします。
 (1)、沖縄国際航空物流ハブ活用推進事業について。
 ア、本事業は、臨空型企業の誘致、県産品の販路拡大、海外航空会社の就航誘致、外国人観光客の集客を図るとあるが、どのような実施体制で取り組むのかお伺いをいたします。
 イ、事業の進捗状況とその効果について伺います。
 ウ、県産品の販路拡大を図るアンテナショップの取り組みについて伺う。
 3年継続事業と言われておりますが、沖縄のこれからの経済を占う大きな事業だと思います。画期的なものだと思っております。改めて御説明を賜ります。
 (2)点目は、沖縄21世紀ビジョン推進「万国津梁」人材育成事業についてであります。
 これも予算の規模もかなり大きな規模になっております。改めて説明をお願いいたしたいと思います。
 質問の4点目は、行財政改革についてであります。
 (1)、公社等外郭団体の見直しについて。
 ア、計画期間内に廃止、解散または統合予定の団体について説明を求めます。
 質問の5点目は、高校生の就職についてであります。
 完全失業率がずっと質問にも出てまいりました。特に若年層の就職率が悪いとこう言われておりますので、高校生の就職指導についてお伺いをいたします。
 (1)、平成21年度就職内定率について。
 (2)、県内・県外就職者の割合について。
 (3)、自衛官募集について。
 ア、学校説明会の実施状況。
 それからイ、校長、担当職員への説明会ですね。
 それからウ、校内へのポスター掲示等についてお伺いをいたします。
 あとは再質問をさせていただきます。
○知事(仲井眞弘多) 具志孝助議員の御質問に答弁をさせていただきます。
 まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、次の県知事選挙への決意についてという御趣旨の御質問でした。これまで私がやってきたことを中心に御答弁させていただきましたが、その決意部分を中心に簡潔に返答をさせていただきます。
 日本復帰をして38年、本土に比べて立ちおくれておりました社会資本の整備や、特に産業の振興に邁進してまいりました。
 現在では、琉球舞踊が国の重要無形文化財に指定され、そしてまた、宮里選手の全米ゴルフツアーへの参加と優勝、そして興南高校の甲子園春夏連覇などに象徴されますように、これまで我々の世代が何世代かにわたって目指してきましたことが一つ一つ実現される時代になっている感が強くございます。そして、そういう中でまた21世紀に入り、今や方向のベクトルといいますか、これの転換が求められているとも思います。
 県民の未来、すなわち我々の子や孫たちが「独立自尊の精神」を持って時代を切り開いていくべく方向を示し、堂々と踏み出していくのを見届けることが私の責務だと考えております。
 このような思いから、私は、来る11月の知事選挙への出馬を決意した次第でございます。
 次に、知事の政治姿勢の中で、尖閣諸島問題に対する県の取り組みについてという御趣旨の御質問でございますが、尖閣諸島をめぐる今回の事態につきましては、国家間の問題と認識いたしております。
 尖閣諸島を所管する沖縄県としましては、県民生活にどのような影響があるのか情報を収集し、今後とも県民の生命財産や漁業を初めとする諸権利が侵害されることがないよう、日本政府に対し外交上の適切な対応を要望していくべきものと考えております。
 次に、沖縄政策協議会に係る御質問ですが、沖縄政策協議会にどのような期待を持っているかという御趣旨の御質問にお答えいたします。そして、この御質問は2の(1)と2の(2)と2の(3)が関連しておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
 沖縄政策協議会は、総理を除く全閣僚と沖縄県知事が沖縄に関する基本政策に関し協議する最も大きな枠組みの協議会となっております。
 今回は、菅総理も出席して9月10日に開催され、総理が冒頭のあいさつで、沖縄の振興のためには、成長が著しいアジアの活力をとらまえて、沖縄の独特の文化や自然に代表されるソフトパワー等を生かした振興策を進める必要があり、政府においては、沖縄県と連携し、沖縄の自立的かつ持続的な発展のための取り組みを強力に進めていきたい。そのため、沖縄県の意見を十分に伺いながら平成24年度以降の沖縄振興についてしっかりと検討していきたいと述べられたことは、大変意義深いものと考えているところでございます。
 沖縄県といたしましては、「沖縄21世紀ビジョン」を実現するため「沖縄振興特別措置法に代わる新たな法律の制定」や「沖縄振興一括交付金(仮称)」の創設、そして「駐留軍用地跡地利用推進法(仮称)」の制定、過重な基地負担軽減に関する抜本的な取り組みに向けての対応等が必要であると考え、今般、同協議会におきまして強力に取り組んでいただくよう要望したところでございます。
 今後、同協議会で話し合われる事柄につきまして、政府において真摯にかつ強力に取り組んでいただけるものと期待をしているところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての中の、民主党政権の防衛白書についての御質問にお答えいたします。
 去る9月10日に政府が閣議決定した平成22年度防衛白書においては、沖縄を含む我が国の安全保障について、自公政権の従来の方針と大きな変化はないものと考えております。
 また、普天間飛行場移設問題については、日米共同発表に沿って解決する方針が示されておりますが、県としましては、日米共同発表における名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと考えております。
 次に、防衛省の島しょ防衛強化計画についての御質問にお答えいたします。
 北澤防衛大臣は、9月21日の記者会見におきまして、先島諸島への部隊配備について、調査をスタートさせていきたい旨の発言をしております。
 島嶼防衛について、主権国家として必要な防衛力の整備は行うべきと考えておりますが、自衛隊の配備については、政府において、我が国全体の防衛やさまざまな緊急事態対応などの観点から検討されるべきものであり、県民の理解なしに進めることは困難であると考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 平成23年度国庫支出金要請についての御質問の中で、沖縄国際航空物流ハブ活用推進事業についての御質問にお答えいたします。当該事業の実施体制、進捗状況、アンテナショップの取り組みについてお聞きになっておられますが、関連いたしますので一括してお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、本事業の実施体制につきましては、庁内に企画部、農林水産部、観光商工部の関係各課で構成するワーキングチームを設置をいたしまして、全庁的に推進しているところであります。
 また、本事業は、沖縄県産業振興公社、沖縄県物産公社、県内シンクタンクなどから成る沖縄国際航空物流ハブ活用推進事業企業共同体が受託をいたしまして、オール沖縄体制で取り組んでおります。また、本事業の進捗状況としては、まず、臨空型企業の誘致については、国内外15都市で臨空型企業誘致セミナーを開催をいたします。
 次に、県産品の販路拡大についてでございますが、航空貨物コンテナの借り上げ事業の拡大とあわせて海外5都市における沖縄プレミア食材試食会の開催、300人規模の生産者の海外派遣及び150人規模の海外のバイヤー等の招聘を通じて県産品の認知度向上を図り、県産品の販路拡大につなげてまいります。
 海外航空会社の就航誘致については、8月に知事のトップセールスを実施し、海南航空より北京―沖縄路線の就航表明を受けております。
 外国人観光客の誘致については、海外メディアの活用等によりさらなる誘客を図ってまいりたいと考えております。
 次に、アンテナショップにつきましては、海外3都市において7店舗を9月に選定をし、11月から順次開設していくこととしており、県産品の販路拡大の拠点としての役割を担っていくものと期待しております。
 本事業の効果につきましては、既に実施している県内生産者の海外への派遣と海外のバイヤーや旅行関係者の沖縄招聘に対する評価も高く、ますます海外とのビジネス交流が活発になっていくものと期待をしております。
 今後、臨空型企業の誘致、県産品の販路拡大、新規路線の就航及び外国人観光客の増加に向けて、これらの事業を総合的な沖縄ブランディングに基づくプロモーションとして一体的に展開し、沖縄貨物ハブ並びに沖縄の認知度をますます高め、アジアの活力の取り込みにつなげることで県経済の発展及び雇用の改善に寄与するものと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 平成23年度国庫支出金要請についての中の、「万国津梁」人材育成事業についての御質問にお答えします。
 沖縄21世紀ビジョン推進「万国津梁」人材育成事業は、高度な国際性と専門性を有する産業人材を育成するための各種研修事業等とアジア・太平洋地域の優秀な高校生などを招聘する事業となっております。
 平成23年度概算要求の特別枠として16億円が予算要求されており、これをもとに沖縄県に10年間の取り崩し型基金を設置する予定であります。
 この事業の実施により、21世紀の「万国津梁」を目指す沖縄県において、中長期的な視点で国際的に通用する人材や成長分野における専門的な人材が育成できるものと期待しております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 行財政改革の質問で、新行財政改革プラン期間内に廃止、解散または統合予定の公社等外郭団体についてお答えいたします。
 県におきましては、社会経済情勢の変化や県財政が厳しいこと等から、新沖縄県行財政改革プランにおいて公社等外郭団体の見直しに取り組むこととしております。
 新行財政改革プラン期間中、沖縄県水源基金及び沖縄県水産公社の2団体が解散を、また、沖縄県立芸術大学芸術振興財団及び沖縄県看護学術振興財団の2団体が類似団体との統合を予定しております。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは高校生の就職指導についての御質問で、高校生の就職内定率等について、一括してお答えいたします。
 県教育委員会の調査によりますと、平成21年度の県立高等学校卒業者の3月末における就職内定率は75.9%で、前年同期を7.8ポイント下回っております。
 就職内定者2011名の割合は、県内が59.6%で1198名、県外が40.4%で813名となっております。
 次に、高等学校における自衛官募集について一括してお答えいたします。
 高等学校の進路指導は、生徒に将来の夢や希望、目的を見出させ、将来に向けて自己実現ができるよう指導・支援を行い、生徒の出口をしっかりと保障することをねらいとしております。
 就職を希望する生徒は、職種や勤務地等の条件により校外での官公庁や企業の説明会に参加しております。また、各学校においても、希望者のニーズにより官公庁や企業の個別の説明会が実施される場合もあります。
 自衛官募集につきましても、他の官公庁や事業所と同様、希望者の状況に応じて生徒への説明会や校長、担当職員への説明会、ポスターの掲示が行われているものと考えております。
 県教育委員会としましては、進路選択の幅を広げるためさまざまな職業を紹介することは、進路指導をする上で重要かつ不可欠なことだと考えております。自衛官募集についても生徒一人一人の進路を確実に保障するために、生徒や保護者のニーズに応じた適切な進路情報を提供するよう各学校にしっかりと伝えてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○具志 孝助 それでは再質問を行います。
 教育長に高校生の就職指導についての質問ですが、大変前向きな答弁だったと思っております。さきに私は教育長に資料を見ていただきました。沖縄を入れて九州8県ですが、質問にありますように、就職の学校説明会、その前に校長先生、あるいは就職担当の先生に説明会の持ち方等についての説明会をやっているようですが、その結果というのか、九州各県のこれらの実施状況を私なりに資料を入手いたしましたので、皆さんにもおわかりいただきたいということでちょっと報告させていただきますが、沖縄を除く九州7県において学校における自衛官の募集についての就職説明会、これの実施状況ですが、長崎県では78校中76校で実施をしている、97.4%。福岡は151校中137校で実施をして90.7%。以下、同じような感じで九州7県の平均が72.0%、学校説明会を実施しているんですが、沖縄県では67校中15校で実施と、こういうことで、昨年なんか特にひどくて2校でしか実施されてなかったと、こういうようなことであります。沖縄県の実施率が22.4%、九州が72.0%と、こういうようなことであります。
 それから、その前にこの説明会を持つための学校長に対する説明会も実施をしておりますが、これも九州7県の平均が89%、校長あるいは担当職員に対する説明をさせていただいているんですが、沖縄県ではその機会が25.4%にしか達成されてないというような状況ですね。
 もう1点、質問にもありました校内における自衛官募集のポスター掲示についても、九州7県の実施率――掲載率というか――が58.9%に対して沖縄県は17.9%、67校中12校でしかポスターの掲載もさせてもらっていないと、こういうような状況でありますので、これだけ就職状況が厳しい。しかも国家公務員であるわけですから、私は、しっかりしたそういうような情報提供をすれば、もっともっと若いお子さんたちが受験の機会を得ることができるんじゃないかと、こういうぐあいに思っております。
 ちなみに、在沖自衛隊の隊員数と沖縄県出身者がどういう状況にあるかというようなこともここで報告をさせていただきますが、これは平成22年、ことしの4月1日現在ですが、陸上自衛隊の隊員数が――沖縄県ですよ――2186名中沖縄県出身が863名、39%。海上自衛隊が1093名中187名、17%。それから航空自衛隊が2974名中517名、17%ということで、全体隊員数が6253名中沖縄県出身が1567名、25%と、こういうような状況であります。
 ほとんど時間がなくなりました。
 知事に2期目に向けてもう一回決意、そして聞きたいことがいっぱいあったんですが、最後に、もう時間がありませんので、まず2期目当選すれば最優先課題というんでしょうか、何と答えられますか。
○知事(仲井眞弘多) 先ほどもどなたかに答弁したんですが、たくさん課題があります。そして、どれが優先、優劣つけがたいといいますか、軽重をつけがたいんで、14項目決めて今もって公約の柱にしているわけで、基本的にはやっぱり十幾つかになろうかとは思うんですが、ただ、今すぐそこまで来ているなという実感があるのは、沖縄でやっぱり若者にとっても、それから年配の人にとっても、だれでも働きたい人に十分な職がある、そして、ただ職だけじゃなくてちゃんと暮らしていける、この内容の雇用産業というもの、やっぱりこれがないと人間生活できませんから、そこをしっかりと確立をすべきだというふうに考えております。
 そして、ここがどうもしっかりしないことには、なかなか沖縄の人も自信を持って沖縄に住み続けることが本当に可能かどうかという気がいたしますので、私は、まず雇用産業というのは徹底して、そして、かなりいいところまで来ているというのが実感でございます。
 そして次に、文化・芸能、スポーツ、空手というこの沖縄のみんなが最も得意とする分野をさらに発展させる。これは世界レベルまでいけるものだと考えておりますし、そして、やっぱり年配者になっても安心して暮らせるような医療・福祉、介護、ここはもう徹底する。無論基地問題の負担の大幅な軽減、これもしっかりやっていく。あれやこれやと今のところ思い悩むわけですが、やっぱり十数目に至るだろうと思うんです。今その一部を御紹介させていただきました。
○具志 孝助 1996年(平成8年)、大田県政時代に普天間の返還が合意になったんですよね。これが15年たって今のような状況なんです。私は、これはもう最大の課題だなとこう思います。
 普天間の返還を実現させるのか、代替施設建設を拒否されるのか、今の国会の状況、果たして今の国会の中で、日米合意に対するどういうような認識であるのか、最終的にはあれは国家の事業、国家安全保障の問題ですから、国会がどういうような答えを出すか、極めて重要であります。ぜひともしっかりした考え方でこの問題にも解決に当たっていただきたいなと、このように申し上げて質問を終わります。
○嶺井  光 南城市の嶺井光でございます。
 興南高校の活躍、みんなが絶賛をしております。私は、この興南高校の偉業達成、なせば成る、そしてあきらめない粘り強さを県民へメッセージとして示したんじゃないかなというふうにもとらえております。準々決勝戦のあの3点をひっくり返していくあの粘り強さ、なおかつまた準決勝で5点、これチャーナイガヤーと本当に皆さん思ったと思います。しかし、これもあの粘り強さ、なせば成るという思いで頑張って快挙をなし得たというふうに思っております。そういう意味では我々大人に、あるいはまた政治・行政にもやればできるということを示しているんじゃないかなと思っております。我々も頑張って行きましょう。
 もう一つ、夏といえば沖縄、8月から9月にかけて各地域でいろんな地域伝統芸能が催されておりました。毎日の新聞両紙に掲載があるように、まさに仲井眞知事がおっしゃっている「おきなわ力」、この「おきなわ力」が躍動している夏だったかなというふうに感じております。
 南城市でも青年団の芸能フェスティバルがありました。自分たちで企画して行政の手をかりない、あの意気込みは地域づくりへの参画、大変立派だったなというふうに感銘を受けました。この沖縄の文化力、知事にはやはりあと一期しっかり前に進めて頑張っていただきたいというふうに思っております。
 では、通告の質問に入ります。
 まず多様な人材の育成と文化の振興について。
 (1)、学校教育の充実についてであります。
 文部科学省は、来年度から8年間で段階的に35人学級に移行する教職員定数改善計画を発表しております。私は、これまでも幾度となく少人数学級を訴えてまいりました。これが実現すると約30年ぶりの見直しであります。教師と子供がしっかりと向き合える環境ができて、教育効果が大きく期待できます。
 本県の自立は人材育成なくして真の自立はないと考えております。学校教育は、人間形成の基礎を培っていく重要な時期であります。また、教職員の研修、指導体制の充実を図ることが教育行政の責務であるというふうに考えております。みずから学ぶ意欲を育て、豊かな表現力と粘り強さを持つ児童生徒を育成するため、学校現場においては日々の教育活動を通して先生方が頑張っております。
 少人数学級と指導体制の拡充のため、次の2点を伺います。
 ア、文部科学省計画の35人学級への段階的実施による本県における不足教室は年次ごとにどれだけか伺います。
 イ、教育事務所の役割と成果について伺います。
 次に、文化の振興について。
 本県の伝統文化は、それぞれの地域で生活の中から生まれ、いかなるときにも人々の心を慰め、地域のきずなや融和を深め、生きる活力としてきました。各地域においては、毎年8月十五夜などの行事で継承され、学校教育でも地域と連携し、子供たちが演じる機会が多くなっております。
 多様化する時代の中にあって、他府県や海外との交流でも特異な文化として評価され親しまれていることはまことに喜ばしい限りであり、それこそ仲井眞知事の目指す「おきなわ力」だと考えます。中でも「琉球舞踊」は、国の重要無形文化財に指定され、先達から長年にわたり継承をした成果であり、芸能関係者を初め県民の誇りであります。また、沖縄の伝統空手は、平和を愛する心を重んじ祖先が護身術として、また心身を鍛練する武術として継承・発展してきました。今や世界に5000万人もの空手人口が広がっており、世界の各地域の愛好家は本場沖縄との交流を期待しております。
 この沖縄文化の中核をなす伝統芸能・空手の技をきわめ、安定した発表の場など舞台環境の整備が急がれております。空手・舞踊は観光産業との融合もあり、本県の産業経済への効果も期待されております。
 ア、沖縄の文化力について、県の取り組みを伺います。
 イ、空手のメッカとして県が目指す方向性について伺います。
 ウ、県立郷土劇場にかわる沖縄伝統芸能等の殿堂たる複合施設として、沖縄伝統文化会館(仮称)の建設について知事の所見を伺います。
 2、農林水産業の振興について。
 農業・水産業は、後継者不足が指摘される中、一部では若い担い手が意気込みを見せており、これからの農業・水産業に明るい兆しも見られます。しかしながら、農漁業を取り巻く環境は依然として厳しいものがあります。特に、漁業者にとって最も大切な漁場の確保であります。農業においては、平成22年度予算が戸別所得補償制度の導入で本県は67億円余の大幅減となりました。去る2月県議会では、「農林水産業予算の削減に反対する意見書」を決議し、国へ要請をしたところであります。農業基盤整備事業等に支障がないか懸念されます。また、島嶼県のため物流コストの割高をどのように克服するか、課題山積であります。
 (1)、米軍演習に係る制限水域の解除について進捗状況を伺います。
 (2)、農業用水確保など農業基盤整備事業の進捗状況について伺います。
 (3)、農水産物の輸送コストの軽減策について取り組みを伺います。
 3、福祉政策について。
 (1)、子育て支援について。
 少子・高齢化が急速に進行する中、若者が子供を産み、育てやすい施策が求められております。
 ア、子供が健やかに生まれ育つ環境づくりに県はどのように取り組んでいるのか。
 (2)、高齢者政策について。
 特別養護老人ホームの待機者が3400人、そのうち介護をする人も高齢の世帯が1056人となっており、厳しい現実があります。県は、待機者解消のため平成22年度までに特別養護老人ホームを330床整備するとしております。それでも待機者の1割の解消にしかなりません。
 ア、特別養護老人ホーム待機者の解消に向けた県のかかわりについて伺います。
 イ、平成21年10月から実施されている介護職員処遇改善交付金事業の効果を把握しているか。平成24年度以降の見通しはどうなっているか伺います。
 (3)、母子家庭等、低所得者支援策について。
 子供の医療費助成について、これまでも償還払いから現物給付に変更して、手元に現金がなくても医療が受けられるよう要求をしてきましたが、国民健康保険制度の制限があって実現しておりません。
 ア、医療費助成について、償還払いから現物給付への取り組みについて伺います。
 (4)、子宮頸がん予防対策について。
 ア、若い女性に子宮頸がんがふえており、がん対策条例を制定してワクチン接種を助成する考えはないか伺います。
 4、地上デジタル放送移行について。
 本島において放送電波が遮られる難視聴地域があり、中継局設置による対応を要請しておりますが、見通しが立っておりません。難視聴地域への中継局設置について国や市町村、放送事業者の動向はどのようになっているか。また、県としての対応は必要ないのか伺います。
 5、道路、交通政策について。
 南部東道路の事業進捗について伺います。
 鉄軌道系交通による那覇を中心とした交通ネットワークについて伺います。
 よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 嶺井光議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、多様な人材の育成と文化の振興についての中で、文化力の県の取り組みについてという御趣旨の御質問に答弁いたします。
 沖縄の文化力につきましては、世界遺産を初め重要な文化財の保護・整備・活用を図りますとともに、組踊、そして琉球舞踊などの伝統芸能や沖縄音楽などの多様な文化を保持・継承し、国内外へ発信をして観光を初めとした経済振興にもつなげていくことが重要であると考えます。
 主な取り組みとしまして、伝統芸能につきましては、昨年、琉球舞踊が国の重要無形文化財の指定を受け、組踊などがユネスコの文化遺産に登録提案されるなど沖縄文化力の高まりを踏まえまして、継承者の養成や技術の継承を促進するため、昨年度より予算を大幅に増額をし、「伝統芸能公演」の拡充・強化を図っております。今後とも継続的に支援を行ってまいりたいと考えております。
 また、アジア文化の交流拠点として、沖縄の存在感を高めるためにも、沖縄国際アジア音楽祭を継続的に開催をし、ロックやジャズからポップス、民謡まで幅広いジャンルの音楽を国内外に発信しますとともに、コンテンツ化を促進し、音楽産業の振興につながるよう取り組んでいるところでございます。
 県といたしましては、今後とも、伝統文化や芸術の創造と活用に向けまして、その保存と継承に努めますとともに、国際的な価値として、我が国はもとより世界に発信できるよう戦略的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、同じく多様な人材の育成に係る御質問の中で、沖縄伝統芸能等の複合施設の建設についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄の文化伝統芸能の振興を図る上で、沖縄伝統芸能、そして伝統空手等の発信拠点となる施設の整備は重要なものと認識をいたしております。このため、現在、県内文化施設の設置状況など、ベーシックな情報を利用状況も含め基礎資料を収集し、整理整頓をしているところでございますが、今後、基本的なコンセプト、そして構想や実際に管理運営をきちっとやっていけるような経営計画もつくりまして、関係団体・専門家の御意見も拝聴しながら、郷土劇場のシステム、そして伝統空手のメッカにふさわしい空手会館とも言うべきもの、ないしはこれらを合わせたものについて基本構想を早目に練って取りかかってまいりたいと考えております。
 次に、福祉政策に係る御質問の中で、子供が健やかに生まれ育つ環境づくりについての御質問にお答えいたします。
 沖縄県では「おきなわ子ども・子育て応援プラン」に基づきまして、地域における子育ての支援、そして母子保健の増進、教育環境の整備、ひとり親家庭の自立支援など、子育てにかかわる関係機関が連携をして各種施策に取り組んでいるところでございます。今後、新たな振興計画の策定に当たりましては、子育て支援などの次世代育成支援対策につきまして主要な柱として位置づけてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、道路、交通政策に係る御質問の中で、南部東道路の事業進捗についての御質問にお答えいたします。
 南部東道路は、平成18年3月に南風原南インターチェンジから南城市つきしろまでの約8キロメートルが地域高規格道路の整備区間に指定され、これまで予備設計や環境影響調査等を実施してきたところでございます。現在、都市計画や環境影響評価の手続を進めております。平成23年度からの本格的な事業実施に向けまして取り組んでいるところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○教育長(金武正八郎) それでは多様な人材の育成と文化の振興についての御質問で、35人学級に伴う不足教室数についてお答えいたします。
 年次的・段階的に35人学級を実施した場合の不足教室数については、学校施設整備面における国の動向や児童生徒数の増減等を考慮する必要があるため、現段階においては、数値の把握は困難であります。なお、「新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(案)」に基づき、35人で編制した場合における増加学級数の見込みにつきましては、平成22年5月1日現在の児童生徒数で試算いたしますと、平成23年度から平成28年度までの6年間で約300学級が増加することになります。
 次に、教育事務所の役割と成果についてお答えいたします。
 教育事務所は、県教育行政における本庁の事務の一部を分掌させるために設置しております。主な業務として、市町村立小中学校における管内の学校教育に関する指導助言を初め、県費負担教職員の人事業務の調整及び給与等の認定・支払い業務を行っており、出先機関として県の教育行政を推進する役割を担っております。
 次に、空手のメッカについてお答えいたします。
 沖縄を発祥の地とする空手道は、沖縄が世界に誇る伝統文化の一つであり、その継承・発展に努めることは重要なことであると認識しております。
 空手のメッカ構想については、基本的な考え方や目指す方向性等について、今後、沖縄伝統空手道振興会と協議を重ねてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 農林水産業の振興の中の、米軍演習に係る制限水域の解除についてお答えいたします。
 沖縄県周辺海域には、広大な米軍提供水域が設定され、漁場が制限されているとともに、漁場間の移動に大きな制約を受けております。
 鳥島及び久米島射爆撃場の返還並びにホテル・ホテル訓練区域の一部解除につきましては、これまで累次にわたり要請してまいりました。去る5月28日の日米共同発表において示されたホテル・ホテル訓練区域の一部解除の決定について、政府は軍転協の照会に対し、現在、日米間で調整中であり、その具体的な内容を答える段階にはないと回答しております。
 県としましては、引き続き当該空域・水域の一部解除や返還について、久米島町、漁業関係団体、軍転協とも連携しながら、あらゆる機会を通じ求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農林水産業の振興の中で、農業生産基盤整備事業の進捗についてお答えします。
 平成21年度までの農業生産基盤整備の達成状況は、平成23年度目標に対して、水源整備が2万8000ヘクタールに対して2万2800ヘクタールで、達成率は約82%、かんがい施設整備が1万9800ヘクタールに対して約1万6300ヘクタールで、達成率は約82%、圃場整備が2万5200ヘクタールに対して約1万8500ヘクタールで、達成率は約74%となっています。
 県としては、農林水産業振興計画の着実な推進を行うため、関係機関と連携し、農業農村整備事業関係の必要な予算額の確保について、国に強く要請しているところであります。
 次に、農水産物の輸送コストの軽減対策についてお答えします。
 沖縄県は本土市場から遠隔地にあり、また多くの離島を抱える島嶼県であることから、農水産物の県外輸送コストの低減等が課題となっております。このため、航空輸送から低コストな船舶輸送への移行促進、新たな低コスト輸送ルートとして船舶と鉄道の複合ルート開拓、生産・出荷・販売情報システムや輸送手段の組み合わせ最適化システムの導入、各輸送手段に適した高鮮度保持技術の開発などを実施しているところでございます。
 今後とも、輸送コスト低減については、国及び関係機関等と連携して取り組んでまいります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 福祉政策についての御質問の中の、老人ホームの待機者解消に向けた県のかかわりについてお答えします。
 県では、平成23年度までの第4期沖縄県介護保険事業支援計画において、広域型特別養護老人ホーム160床、小規模特別養護老人ホーム170床、合計330床を整備することとしております。また、平成24年度以降の整備については、次年度に策定予定の第5期沖縄県介護保険事業支援計画で見込んでまいりますが、計画の策定に当たりましては、適切なサービス量を見込むよう、各保険者に働きかけてまいります。
 次に、処遇改善交付金事業の効果と見通しについてお答えします。
 平成21年度の介護職員処遇改善交付金事業実績報告では、交付を受けた介護職員数は、常勤換算で月平均8726人、1人当たりの月平均交付額は1万3280円となっており、各事業者が負担して介護職員に支給した額を含めますと月平均改善額は1万5002円となっております。なお、同事業は平成23年度までとされておりますが、国は、平成24年度以降も介護職員の処遇改善に取り組んでいくとの方針を示しており、沖縄県も九州各県と連携し、介護職員のさらなる処遇改善を国に要望いたしております。
 次に、母子家庭等医療費助成事業の現物給付化についてお答えします。
 母子家庭等医療費助成事業について、現物給付を実施すると、国は国民健康保険に係る国庫支出金を減額調整する仕組みをとっていることから、市町村国保の運営に影響が及ぶこととなります。このため、県においては、九州各県保健医療主管部局長会議を通して、国へ国庫支出金の減額調整の仕組みについて廃止するよう要望しているところであり、引き続き要望してまいります。
 次に、子宮頸がん予防ワクチン接種に対する県の助成についてお答えします。
 県では、「沖縄県がん対策推進計画」及び「アクションプラン」を着実に実施し、予防から医療提供に係る適切ながん対策の充実強化を図っているところであり、がん条例の制定については、その必要性を含め、総合的に検討することとしております。
 子宮頸がん予防ワクチンについては、国の厚生科学審議会において、定期接種へ向けての検討が行われているところであり、県としましては、引き続き国の審議を見守ることとしております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 地上デジタル放送移行についての御質問の中で、難視聴地域への中継局設置に関する関係機関の動向及び県の対応についてお答えいたします。
 総務省によると、地上デジタル放送移行に伴う中継局整備は、全32局のうち25局が完了しており、アナログ放送が終了する平成23年7月までにすべて完了予定とされています。そのうち新たな中継局設置は、糸満市大度の1局を予定していると聞いております。
 県としては、難視聴地域の住民が地上デジタル放送移行に伴い過重な負担が生じることのないように、全国会議等を通して、国・放送事業者に要望しております。
 次に、道路、交通政策についての御質問の中で、那覇を中心とした交通ネットワークについてお答えいたします。
 県は、沖縄県総合交通体系基本計画の見直しの中で、鉄軌道を含む新たな公共交通システムについても検討することとしており、現在、将来需要等基礎資料の整理を行っているところであります。国においても、鉄軌道を初めとする新たな公共交通システムを導入した場合の事業採算性、大規模な返還跡地の有効利用との関係などについて調査を行うこととしており、現在、10月からの調査着手に向け手続を進めている状況と聞いております。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時48分休憩
   午後5時49分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 嶺井 光君。
○嶺井  光 知事からの御答弁、沖縄伝統文化会館(仮称)ですけれども、基本構想に取りかかるという御答弁いただきました。この件については前回、あるいは前々回も私は取り上げて、ぜひ沖縄の文化力をしっかり見える形にしてやっていただきたいということで訴えてまいりました。そういう意味では一歩踏み込んでいただいたなということで評価をしております。ぜひ、実現するように引き続きお願いしたいと思っております。
 教育長に伺いたいんですが、島尻教育事務所の廃止、那覇事務所への統合の話があるんですけれども、これまで地区ごとに担ってきたきめ細かな教育指導体制というものに私は相当危機感を持っているんです。そういう意味で、長年のシステムを変えるということについては、しっかり議論をして、学校現場あるいは地域のコンセンサス等もぜひ取りつけて議論をしていただきたいと思っているんですが、そこら辺はいかがでしょうか。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
 今、統合を具体的にどうするかということではなくて、趣旨の説明がちょっと足りなかったんで、したいと思います。
 今、御承知のとおり地方分権が進められております。市町村合併も今進展をしております。そういう中で、市町村がこれまでよりも主体性を持って学校運営の責任を担う体制が整ってきております。今後さらに国から地方に、都道府県から市町村に、人事権など権限の移譲が今検討されております。市町村がこれまで以上に権限と責任を持って主体的に教育行政に取り組むことが必要であります。
 それを受けましてこれから県の役割は何かと申しますと県全体における教育水準の維持向上であります。そして2点目には、市町村の自主性を尊重しつつ、市町村の規模の差によって市町村間の格差が生じないように支援をしていくことが必要です。例えば指導主事を配置できないような難しい小規模の市町村に対する支援など、そういう形の支援が求められております。
 今後の教育事務所のあり方につきましても、そういう小規模市町村に対する支援、それからその域内における情報交換、そういうものをやはりそういう方向性のあり方が求められていますので、そういうことを含めて教育事務所の事務事業の見直し、それから統合とかそういうものも含めてこれから検討するということでございます。それに当たっては、やはり関係市町村とかそういうところの意見を聞きながら進めていきたいなと思っております。
 以上でございます。
○嶺井  光 分権だとか主体的にという話があるんですけれども、市町村は、特に島尻地域で南城市は4町村が合併しました。八重瀬町も2つが合併しました。そういう意味では、これまでそれぞれの旧町村で5つぐらい、6つぐらいの学校を担当して教育委員会が指導業務等々やっていました。これ合併して、1教育委員会が20ちょっとの学校等々、幼・小・中指導業務をしているわけですよ。ある意味では指導主事も合併前の旧町村の合計数より減ってきた。そういう意味では学校に対する指導業務というのがなかなか厳しい面が市にはあるんですよね。この指導業務を私は県の島尻教育事務所は担ってきたと思っているんです。今、おっしゃるような分権だから市町村に任すんだということで県が手を引くような形であってはいけないんじゃないかと思うんです。これは、県の行革の一環でありますから、行革の立場から押し切られたような感が私するんですけれども、どうですか。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
 沖縄県は、昔、復帰前は地区ごとの教育委員会がありまして、そこが大きな役割を担ってきておりましたけれども、復帰後日本の制度に基づいて事務所を設置したわけです。そのときの事務所と市町村の役割というのはこういうことなんですね。そのときと違って市町村は小中学校の設置義務が課されていると。そしてその義務教育の直接の実施主体としての権限と責任を持っていると。そして、その小学校の生徒指導、学習指導についても指導と権限は市町村にあるわけです。では県はどういう仕事をするかというと、県は小中学校での教員を任命をするのと給与を負担すること。2点目は、一定水準の人材の確保、広域的にですね。どの地域も同じように一定水準の人材の確保をすることの責務があります。あと1つは、学習指導や学校運営については、市町村や学校の求めに応じて指導していくわけです。県が市町村を飛び越えて指導するということは基本的にはできません。しかし、職員の初任研とかそういうものについては県として対応していきます。それにつきましては、教育センターとかいろんな形で体制がございますので、十分やっていけると思います。これは沖縄県の行革の流れだけではございません。全
国的にもほとんど事務所は廃止かまたは統合という方向で進んでおりますし、40都道府県の中でも何らかの見直し・廃止・統合、長崎県は離島県ですけれどもすべて廃止をしております。そういう流れの中で、本県もその事務所のあり方について、島尻がどうのこうのじゃなくて全県的にどうしていくか。例えば、宮古でも一つの市の中に――多良間は入っていますけれども――教育事務所が1つある。那覇地区は、那覇と浦添という大きなしっかりとした組織の教育委員会がございます。しかし、その周りでは離島の北大東、南大東、久米島ですか、そこのところのまた支援が必要である。ですから、そういう全体的な沖縄県の教育委員会をどう支援していくかという形で事務所の統合も含めて事務事業の見直しを今検討を進めていくということでございます。
 以上でございます。
○嶺井  光 今の答弁を聞いてちょっと驚いていますけれども、この教育事務所の見直し方針、ことしの5月6日の教育長決裁があるんですけれども、これでは島尻教育事務所以外は見えていないんですよ。今の話では将来的には宮古・八重山あるいはほかのものも縮小・廃止になっていくというふうなとらえ方に聞こえるんですが、そういう方向に行くんですか、全国的な流れだからということで。
○教育長(金武正八郎) 決してこれまでの教育事務所が出先機関としてやってきたことを縮小していく形じゃなくて、さらに充実させていくと。つまり決して減らしていくわけじゃなくて、そういうことをやっていきたいということを考えております。決して統合を先にやるとか全体的にやるということじゃなくて、今ある事務所の6事務所のあり方、それから業務の内容の見直しをやっていきたいということでございます。
○嶺井  光 これは大きな抵抗が間違いなく出ると思っていますね。
 では指導業務は置いておきますけれども、研修業務について、さっき教育長はこの研修業務も県の教育センターでできるんだというお話をしておりました。現在は、それぞれ島尻・那覇、あるいは中頭・北部、あるいは宮古・八重山ありますね。その近くで研修業務ができているんですよ。しかも、先生方は多忙の中を授業時数を削って研修に出かけて頑張っている。遠いところに行って研修を受けるこの負担、教育長も現場の経験あると思うんですけれども、どう感じますか。
○教育長(金武正八郎) 決してそういうことではなくて、研修についてもこれまでもその地域で受けられるような体制をとることは大丈夫だと思います。ただ要するに、私たちとしてはこういうものもすべて含めてこれから検討していきたいと。ですから、統合はあり得ないかもしれないわけです。また、どういう形でやるかもこれからやるわけです。その話し合いのスタートに着いたということでございまして、具体的に来年度のめどという形は一つはなっておりますけれども、検討を今進めているということでございます。
○嶺井  光 これは拙速に進めるべきではないということをまず申し上げておきます。
 合併の関連でも申し上げましたけれども、この指導主事を市町村は減らして厳しい中を学校指導体制あるいは研修もしていますよ。こういう意味では、県教育委員会はもっとこれまで以上に市町村の教育行政を支援する、学校の先生方を指導・支援するという立場を明確にしてこの人材育成にかからないと、ウチナーの自立はもう人材育成しかないよと私は思っていますけれども、そういう意味では大変心配ですよ。
 もう一つ、学校指導主事とあわせて社会教育指導主事もおりますよね。方針の中に指導主事の配置・促進をするとあります。これは社会教育指導主事であれば私は賛成です。今現実でも社会教育関係というのは市町村頑張っていますよ。これを支援する指導主事を派遣する、促進するというのは立派なことだと思っています。ところが、学校教育指導主事についてはもうちょっとしっかり考えてほしいなというふうに思っております。
 知事にもぜひそのことは大事に扱ってもらいたいんですけれども、教育長からもちょっとありましたが、島尻教育事務所は復帰前はもともと各市町村にあった教育委員会を、例えばあの地域では知念地区教育区、糸満地区教育区というのがありました。復帰のときに南部連合教育というのができました。それを県教育委員会が引き取って島尻に持っていったんですよ。復帰前までは那覇の南部会館、与儀にありました。それをやっぱり近くに持っていこうということで、島尻の中心である東風平に置いた。そこで今先生方が便利というか、いい形で研修等もできていてやっているのに、これを那覇に引き揚げるというのはちょっと乱暴に見えて聞こえてならないんです。今、地域でも大変問題化の傾向でありますから、ぜひ再考をお願いします。よろしくお願いします。知事の御所見もお聞かせください。
○知事(仲井眞弘多) 先ほどから議員のお話、そして教育長の答弁などを聞いておりまして、無論これはちょっと教育委員会、教育長とよく相談させてください。ただ、議員の御心配というのもよく理解はできます。ちょっと教育長の考えも含めて私の方でも大至急検討して結論出したいと思いますので、よろしくお願いします。
○嶺井  光 最後に、教育長、これは地域市町村のコンセンサスを得ていただきたいと思います。それともう一つ、学校現場の意向もしっかり聞いてもらいたいんですが、どうですか。
○教育長(金武正八郎) まず市町村教育委員会を支援していくことが事務所の役割ですので、市町村のそういう意向も聞きながら、やはり研修がこれまで以上に後退しないように、より充実した研修をしていくということが大事ですので、そういう方向性を含めて関係市町村教育委員会とお話をしていきたいと思います。ただ、学校におきましては市町村が統括しておりますので、市町村が集約をしていただいて、私たちと意見交換をしていただければいいなと思っています。そういう形で進めていきたいと思います。よろしくお願いします。
○嶺井  光 ありがとうございました。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明5日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後6時5分散会

 
20100406000000