平成23年(2011年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 2月24日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 2月22日、当銘勝雄君外12人から、議員提出議案第1号「新たな沖縄振興のための法制度の創設を求める意見書」、議員提出議案第2号「「新たな沖縄振興のための制度提言」の中に法制度を盛り込むことを求める決議」、渡嘉敷喜代子さん外12人から、議員提出議案第3号「嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する意見書」及び議員提出議案第4号「嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する抗議決議」の提出がありました。
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○議長(髙嶺善伸) この際、日程第1 議員提出議案第1号 新たな沖縄振興のための法制度の創設を求める意見書及び日程第2 議員提出議案第2号 「新たな沖縄振興のための制度提言」の中に法制度を盛り込むことを求める決議を一括議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。 
 当銘勝雄君。
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   〔議員提出議案第1号及び第2号 巻末に掲載〕
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   〔当銘勝雄君登壇〕
○当銘 勝雄 おはようございます。
 代表質問の日程のさなかに、議員提出議案として大事な議案が整いましたので、お時間をかしていただきたいというふうに思います。
 ただいま議題となりました議員提出議案第1号及び第2号の2件につきましては、沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員会の委員等により協議した結果、議員提出議案として提出することに意見の一致を見ましたので、提出者を代表して提案理由を御説明申し上げます。
 提案理由は、議員提出議案第1号につきましては、新たな沖縄振興のための法制度の創設について、議員提出議案第2号につきましては、「新たな沖縄振興のための制度提言」の中に法制度を盛り込むことについて、それぞれ関係要路に要請するためであります。
 次に、議員提出議案第1号を朗読いたします。
   〔新たな沖縄振興のための法制度の創設を求める意見書朗読〕
 次に、議員提出議案第2号につきましては、内容の一部とあて先が意見書と異なりますので、内容の異なる部分とあて先だけを申し上げます。
   〔「新たな沖縄振興のための制度提言」の中に法制度を盛り込むことを求める決議の「そのためには」から「要請する。」まで及びあて先朗読〕
 以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 なお、意見書につきましては、その趣旨を関係要路に要請するために、沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員会の委員を派遣する必要があるとの意見の一致を見ておりますので、議長におかれましてはしかるべく取り計らっていただきますようお願いを申し上げます。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第1号及び第2号については、会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、両案については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) これより議員提出議案第1号「新たな沖縄振興のための法制度の創設を求める意見書」及び議員提出議案第2号「「新たな沖縄振興のための制度提言」の中に法制度を盛り込むことを求める決議」の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第1号及び第2号は、原案のとおり可決されました。
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○議長(髙嶺善伸) ただいま可決されました議員提出議案第1号に関し、提案理由説明の際提出者から、その趣旨を関係要路に要請するため議員を派遣してもらいたいとの要望がありました。
 よって、お諮りいたします。
 議員提出議案第1号の趣旨を関係要路に要請するため、沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員長及び議員5人を派遣することとし、その期間及び人選については議長に一任することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
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○議長(髙嶺善伸) この際、日程第3 議員提出議案第3号 嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する意見書及び日程第4 議員提出議案第4号 嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する抗議決議を一括議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 渡嘉敷喜代子さん。
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   〔議員提出議案第3号及び第4号 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔渡嘉敷喜代子さん登壇〕
○渡嘉敷喜代子 おはようございます。
 ただいま議題となりました議員提出議案第3号及び第4号の2件につきましては、2月22日に開催した米軍基地関係特別委員会の委員等により協議した結果、議員提出議案として提出することに意見の一致を見ましたので、提出者を代表して提案理由を御説明申し上げます。
 提案理由は、嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練について関係要路に要請するためであります。
次に、議員提出議案第3号を朗読いたします。
   〔嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する意見書朗読〕
 次に、抗議決議につきましては、内容が意見書と同じでありますので、あて先だけを申し上げます。
   〔嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する抗議決議のあて先朗読〕
 以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第3号及び第4号については、会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、両案については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) これより議員提出議案第3号「嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する意見書」及び議員提出議案第4号「嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する抗議決議」の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第3号及び第4号は、原案のとおり可決されました。
   ―――――◆・・◆―――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第5 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 大城一馬君。
   〔大城一馬君登壇〕
○大城 一馬 おはようございます。
 ニュージーランドの地震、死者が75人、そして行方不明300人余、そして27人の邦人の安否が確認されていないと。きょうの新聞を読みますと、琉大生の安否が確認されていないという報道がございました。一刻も早い確認と救出を切望するものでございます。
 それでは沖縄社会大衆党・結の会を代表いたしまして、質問をさせてもらいたいと思います。
 最近の民主党の政権、混迷と混乱、一体どういう立場で国づくりをしようとしているのか、さっぱり見えてきません。そして党内での足の引っ張り合い、きのうも政務官が辞意を表明したと。一体どういう政権運営をやっていくのか、非常に心配をしております。自民党も悪かったが、民主党もますます悪くなっているという声がちまたに出ております。私ども沖縄社会大衆党も民主党との距離がだんだんだんだん離れていく、非常に行く末を心配しております。
 それでは質問に入ります。
 これまた民主党批判になるのかなと思いながら質問をさせてもらいますけれども、鳩山前総理の「抑止力は方便」発言についてでございます。
 鳩山前総理がマスコミインタビューで、普天間飛行場の県外移設断念の理由とした在沖海兵隊の抑止力は辺野古しか残らなくなったときに理屈づけしなければならず、「方便」と言われれば「方便」だったと述べました。全く無責任の「方便」であり、一国の総理大臣が単なる思いつきで普天間飛行場の辺野古回帰の理由づけをするため抑止力を持ち出したことに心の底から怒りを禁じ得ません。これまでの県民の過重な基地負担の苦悩に思いをいたし、県民の未来に泥を塗る発言として二重の意味で許しがたく、議会としてまた沖縄県民として発言の真意を確かめる必要があるものと考えるものです。
 (1)、地元マスコミによりますと、知事は、「鳩山前総理の発言は回顧録のようなものであり、問題にすることすらはばかられる」と述べたと報道されていますが、「方便発言」に対する知事の率直な見解と対応をお伺いいたします。
 (2)、上原副知事は、「あいた口がふさがらない」と不快感を示したと報道されているが、副知事にも率直な見解を伺いたいと思います。
 (3)、我が会派は、余りにも県民を愚弄する無責任きわまる重い発言であることから、地方自治法、委員会条例に基づき鳩山前総理を沖縄県議会に参考人として招致し、発言の真意と米海兵隊は抑止力になっているも含め、ただす必要があるのではないかと強い抗議の意思を込めて提案するものでございます。議長初め議員諸氏の御理解と御協力を賜り、ぜひ実現していただきたいと思いますが、この提案につきまして沖縄県知事としての御見解を賜りたいと思っております。
 次、2、平成23年度知事所信表明についてでございます。
 仲井眞知事は、2月定例会冒頭で、2期目就任後向こう1年間の県政運営の所信表明を行いました。社大・結会派の評価は2月16日のマスコミコメントのとおりであります。
 それでは知事所信表明の中から質問いたします。
 (1)、平成23年度政府案についてですが、所信表明の中で「効果的な諸施策」が盛り込まれていると述べています。その中で2点について質問いたします。
 ア、「沖縄振興自主戦略交付金(仮称)」の意義と問題点の説明を求めます。
 イ、「沖縄振興一括交付金(仮称)」について、「沖縄が求めるかたち」と述べていますが、どのような「かたち」で求めようとしていますか。
 (2)、平成23年度の主要施策の展開について。
 ア、「那覇空港・那覇港を中心とする国際物流経済特区の創設を国に求めてまいります。」と述べていますが、説明を求めます。
 イ、県民所得全国中位は、さきの知事選挙において仲井眞知事公約の最大の目玉だったはずですが、その割には再選後初の施策に具体的に反映されているとは思いません。知事の所見を問うものであります。
 ウ、県民生活の向上や雇用対策の取り組みについて具体策を示していただきたいと思います。
 エ、平成24年度に開催される「全国豊かな海づくり大会」の概要の説明を求めます。
 オ、「金融特区への企業集積を図ります。」と述べていますが、2008年名護市の金融特区で税制優遇措置第1号で唯一の認定企業が現特区から撤退しています。問題点と今後の可能性について伺います。
 カ、「環境保全と経済発展が両立する社会を実現するため、沖縄版ニューディールを推進します。」と述べていますが、具体的構想を示していただきたいと思います。
 新沖縄振興計画について。
 新たな振興計画は、県民参加のもとでつくられた「沖縄21世紀ビジョン」を踏まえ、県民のための振興計画を県主導で実現しなければなりません。過去4次にわたる振興計画をしっかり検証し、真に県民のための振興策を打ち立てなければなりません。その視点に立って質問します。
 (1)、新しい振興計画は、沖縄の不利性の克服と優位性をどう生かすかという視点で計画をつくり上げるとしていますが、あるべき沖縄の未来を示した「沖縄21世紀ビジョン」を実現可能な計画としてどのように落とし込んでいこうとしているのか。制度や根拠となる法律等についてどのように検討されているのか。また、政府と協議していると思いますが、進捗状況をお伺いします。
 (2)、全国最低の県民所得、全国の2倍近い失業率問題は、沖縄の解決しなければならない大きな課題であります。中間報告によって稲嶺前知事の言う「釣り具」はそろうとの認識ですか。
 (3)、集中する米軍施設の返還はビジョン実現にとって不可避であります。どのように基地の返還計画を振興計画に具現化していくか。また、政府との交渉をどのように進めていくのですか。
 (4)、カジノ導入については、県民の間に反対の声が強い。知事は新振計に盛り込む考えですか。
 4、基地問題について。
 (1)、知事訪米についてです。
 ア、2010年度内訪米を見送りましたが、その根拠の説明を求めます。
 イ、普天間飛行場を初め基地問題解決に向け、県民総ぐるみの運動の様相を呈しています。次期訪米では知事を先頭に県選出国会議員や県議会、市町村長会、市町村議長会、経済団体等オール沖縄で訪米要請をすべきと思いますが、知事の所見を伺います。
 (2)、軍転協要請について。
  ア、去る2月4日から9日にかけて軍転協は、日米共同発表の見直し、普天間飛行場の県外移設、嘉手納より南の施設返還を普天間問題と切り離すことを含む7項目の要請行動を行いましたが、政府や駐日大使などの反応について所見を伺います。
  イ、軍転協としての要請項目の実現、改善に向けて今後の行動計画はどうなっていますか。
  (3)、牧港補給基地のパッケージ切り離しについて。
  ア、浦添市の面積の約14%を占める牧港補給基地をSACO合意のパッケージから切り離して早期返還を求めるため、浦添市議会が県と国に対して要請を行いましたが、国・県の対応についてお伺いいたします。
  (4)、普天間飛行場問題について。
  ア、知事は、さきの知事選挙、そして2011年第2回沖縄県議会の所信表明で、日米共同発表の見直し、普天間飛行場の県外移設及び早期返還に取り組む姿勢を表明していますが、具体的な行動計画を示すべきと思います。知事の所見をお伺いします。
  イ、同じく所信表明の中で、「県内移設は事実上不可能ではないかと考えており、」の表現について、あいまいさを禁じ得ません。明確に県内移設反対を表明すべきではないでしょうか。
  ウ、玉城義和副議長を団長に糸数慶子参議院議員、社大・結会派の3人のメンバー等がグアム視察を行いました。結論として、2006年のロードマップの合意は極めて流動的であるとまとめています。
  質問いたします。
  2006年のロードマップ合意の実現性について政府から示されているのでしょうか。
  エ、普天間飛行場の危険性の除去は最優先課題であります。沖縄県知事として具体的にどう取り組むのでしょうか。
  (5)、米軍機による騒音被害について。
  ア、嘉手納基地や普天間飛行場を発着する米軍機による騒音被害が激化しています。その実態を示してください。
  イ、米軍基地周辺の騒音軽減のSACO合意と騒音防止協定の実効性が問われています。県の対策についてお伺いします。
  ウ、爆音被害を訴える地域が拡大増加していますが、その実態と対策について伺います。
  (6)、米軍普天間飛行場の移設に係る国による名護市への不服申し立てについて。
  ア、普天間飛行場の移設を前提に名護市辺野古沿岸部で行う動植物の生息状況など、現況調査を名護市が拒否したことについて防衛省が異議申し立てをしました。名護市長は毅然と正当性を主張しています。県の認識を伺います。
  イ 、県は静観しているようですが、知事も県外移設を表明いたしました。名護市を後押しするのが当然であると思いますが、知事の決意を伺います。
  (7)、米海軍が1月5日から15日にかけて訓練区域外の海域で米軍が日本政府に通知せず実施する計画を進めていたことが発覚いたしました。爆撃訓練によって漁業従事者及び県民への被害、不安ははかり知れないものがあります。
  以下、質問します。
  ア、政府は、国際法上沿岸国である我が国の権利と義務に妥当な考慮を払って行わなければならないとして、実施の可能性について否定しないとする閣議決定をしていますが、知事の見解を求めます。
  イ、県は、訓練区域外での爆撃訓練を実施しないことを日米両政府に強く求めるべきと思いますが、所見を伺います。
  ウ、訓練区域内・区域外で訓練が行われているかについて、政府の監視体制はとられていないとしていますが、知事は政府に監視体制の確立を求めるべきと思います。知事の決意を伺います。
  (8)、高江区でのヘリパッド建設について。
  ア、高江区でのヘリパッド建設は係争中の中で工事が行われました。県の認識を伺います。
 イ、県としてヘリパッドの建設中止を求める考えはないでしょうか。
 ウ、2010年、米軍ヘリによると思われるホバリングの真相究明について説明を求めます。
 (9)、嘉手納基地での米軍のパラシュート降下訓練について。
 ア、降下訓練強行の経緯の説明を求めます。
 イ、県の日米両政府への今後の対応策をお伺いします。
 5、TPP(環太平洋連携協定)について。
 (1)、本県農林水産業等への影響について改めて説明を求めます。
 (2)、TPP参加について、今後の対応策で知事の決意をお伺いします。
 6、今議会に提案されています沖縄県暴力団排除条例について質問いたします。
 (1)、暴力団による犯罪は巧妙化し激増が言われていますが、実態について説明を求めます。
 (2)、暴力団排除条例制定によって取り締まりの効果を伺います。
 (3)、暴力団犯罪壊滅に向けて県警本部長の決意を伺います。
 7、沖縄県立郷土芸能会館(仮称)建設について。
 (1)、郷土芸能会館(仮称)の建設の意義について伺います。
 (2)、建設に向けての今後の計画構想を説明してください。
 8、新たな公共交通システム導入について。
 (1)、県は、新振計で本島縦貫鉄道整備を国に要望する方針を決めています。国の対応はどうか説明を求めます。
 (2)、LRT(次世代型路面電車)導入について、各地域・団体からの導入の機運がわき起こっていますが、県の考え方と今後の取り組みを示していただきたいと思います。
 よろしく御答弁お願いします。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 大城一馬議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、鳩山前総理の発言に係る御質問にお答えいたします。
 鳩山前総理の発言につきましては、直接お聞きしたわけではありませんが、報道のとおりとすれば、「方便」という言葉は、理解しがたい表現と言わざるを得ません。
 県は、政府に対し、頭越しではなく、地元の理解と協力を得なければならないことや、県民の納得のいく説明や解決策を示すよう繰り返し申し上げてきましたが、今回の鳩山前総理の一連の発言は、県民の納得のいく説明とはとても言いがたく、まことに遺憾であると考えております。
 次に、同じく鳩山前総理に係る御質問の中で、参考人招致をすることについての御質問にお答えいたします。
 県議会における参考人招致につきましては、県議会の権限に属するものであり、知事として所見を申し上げることは差し控えさせていただきます。
 次に、基地問題に係る御質問で、年度内訪米を見送った説明及びオール沖縄での訪米についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。なお、この4の(1)のアと4の(1)のイは関連いたしておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
 今年度の訪米につきましては、議会日程や年度末の重要案件の業務調整等を踏まえまして、実施を見送ることといたしました。いずれにいたしましても、アメリカ政府や連邦議会等の関係機関に沖縄県の実情を伝え、理解と協力を求めることは沖縄の基地問題の解決を進める上で重要であると考えております。来年度、効果的な訪米が実施できるよう、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 なお、オール沖縄での訪米につきましては、御提案として承っておきたいと思います。
 次に、同じく基地問題の中で、普天間飛行場の県外移設に向けた取り組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 県は、総理を初め各大臣との面談など、あらゆる機会を通して普天間飛行場の県外移設の実現を強く求めてまいりたいと考えております。また、その実現を図るためには、日本全体で米軍基地の負担を分かち合うべきであるということを広く国民に理解してもらう必要があると考えております。平成23年度には、世論を喚起するための広報活動などを積極的に展開してまいりたいと考えております。特に、県内移設は事実上不可能であるという沖縄の状況を日米両政府と国民に理解してもらうためのあらゆる方策を検討し、展開してまいりたいと考えております。
 同じく、基地問題の御質問の中で、明確に県内移設反対を表明することという御質問にお答えいたします。
 これまでの県の求めにもかかわらず、政府から県民の納得のいく説明と解決策は依然としてまず示されておりません。このため、県内移設は事実上不可能と考え、日米共同発表の見直しを求めているものであり、その内容は県外移設を求めるということに尽きると考えております。
 同じく基地問題に係る御質問の中で、危険性除去の具体的取り組みについてという御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去につきましては、駐留部隊の移駐や訓練の縮小、そして分散移転など、普天間飛行場のヘリ等の運用を極力低減し、早期に危険性の除去及び騒音の軽減を図ることを政府に求めてまいりました。また、去る1月に開催されました米軍基地負担軽減部会におきましても、政府に対し、危険性除去の具体的な取り組みについて地元の要望を聞いていただきたい旨求めたところでございます。
 県といたしましては、引き続き軍転協とも連携をし、普天間飛行場の危険性の除去について具体的な方策の提案、そして実施に向け、さらに検討を加速させるよう政府に求めていきたいと考えております。
 次に、TPP協定に係る御質問の中で、TPP交渉参加に関する今後の対応についてという御質問にお答えいたします。
 農林水産業は、重要な産業という側面だけではなく、文化などの多面的な機能の保持という面でも極めて大切な産業であります。一方で、資源の乏しい我が国は、通商貿易国家として成り立っている面も否定できません。したがいまして、どちらか一方だけをとるということでは、我が国の持続的発展は困難であります。両立を図る道を探ることが極めて重要であると考えております。今般のTPPにつきましては、原則として全品目についての関税を撤廃することを目指すものであります。このため、我が国や沖縄県の農林水産業に深刻な影響を及ぼすことが懸念されておりますが、このことに対する対応策も打ち出されておりません。
 このような状況において、沖縄県といたしましては、農業分野の懸念について、今後とも国に対して強く訴えるとともに、国民の合意が得られるまで拙速に判断することなく、丁寧に議論を尽くすことなどを求めていきたいと考えております。
 次に、沖縄県立郷土芸能会館(仮称)の建設についての質問の中で、郷土芸能会館(仮称)の建設の意義についてという御質問にお答えいたします。
 組踊がユネスコの世界遺産に登録されるなど、沖縄の文化・芸能が内外の注目を集めている中、県民や来県者に伝統芸能などの鑑賞機会を提供するための拠点となる施設を整備することは重要なものと認識いたしております。
 郷土芸能会館の整備は、伝統芸能の担い手、そして継承者の育成拠点として利活用が図られ、組踊、琉球舞踊等、伝統芸能の振興・発展に寄与するものと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○副知事(上原良幸) 鳩山前総理の「抑止力」の発言についての率直な感想、見解ということでございますけれども、私の見解も先ほど知事が答弁した内容と同じでありまして、鳩山前総理の「方便」という言葉は理解しがたい表現と言わざるを得ません。
 そもそも抑止力を維持しつつ沖縄の基地負担を軽減するというのがSACO以来、この間の日米合意の大前提であり目標であったはずだと認識いたしております。
 鳩山前総理がどういう文脈の中で発言されたのか承知はしておりませんが、県外移設から辺野古移設に戻ったその理由として、本来その目標であります抑止力の維持を「方便」として挙げられたと、その報道に接して、正直啞然としたというのが率直な感想であります。
 以上です。
○企画部長(川上好久) 平成23年度知事所信表明についての御質問の中で、「沖縄振興自主戦略交付金」の意義と問題点及び「沖縄県が求めるかたち」についてお答えいたします。関連いたしますので、2の(1)のアとイを一括してお答えいたします。
 沖縄県では、昨年5月以降、高率補助により措置されている総額の確保及び予算の一括計上方式が継続され、かつ自由度の高い「沖縄振興一括交付金(仮称)」の創設を政府に求めているところであります。このような中、先ごろ発表された平成23年度政府予算案において沖縄振興自主戦略交付金が創設され、全国とは別枠で321億円が内閣府沖縄担当部局予算に一括計上されました。このことは、沖縄県が求めている交付金の実現に向けて一定の前進をしたものと考えております。しかし、沖縄振興自主戦略交付金は沖縄振興開発事業費の補助金の一部を統合したものであり、その使途ももとの補助金の範囲内に限定されております。このため、同交付金については、沖縄県がより主体的な施策の展開が行えるよう、引き続き一層の自由度の拡大を求めてまいりたいと考えております。さらに、平成24年度以降の新たな沖縄振興に係る施策の展開に向けて必要な財源が確保される、より自由度の高い形の交付金が創設されるよう、引き続き政府に求めてまいりたいと考えております。
 同じく平成23年度知事所信表明に関連をしまして、国際物流経済特区の概要についてお答えいたします。
 本県の地理的優位性や那覇空港と那覇港の近接性等を生かして、国際物流拠点を形成することとしております。その実現に必要な環境整備として、県では、税制・財政・金融上の優遇措置及び規制の緩和措置など、航空及び海運ネットワークの拡充や企業の立地等を促進するための諸制度を一体として実施する「国際物流経済特区」の創設を要望しているところであります。
 県が目指す国際物流拠点の形成は、貨物運送業や倉庫業等の運輸関連産業に加え、製造業や小売業等の保管・配送拠点、加工・組み立て拠点等、新たな臨空・臨港型産業の集積を図るものであります。また、物流ルートの拡充及び物流コスト低減等により、農林水産業、製造業等の地域産業の活性化にもつながり、新たな雇用の創出や産業の振興が図られるものと考えております。本特区制度により成長著しいアジアの活力を取り込み、県経済の発展を図ってまいりたいと考えております。
 同じく平成23年度知事所信表明に関連をいたしまして、県民所得を全国中位にするための施策についてお答えいたします。
 県民所得をおおむね全国中位とすることを目標に、平成23年度はリーディング産業である観光・リゾート産業や情報通信産業の振興に加え、農林水産業、商工業などのあらゆる産業の振興策を積極的に展開することとしております。
 具体的には、「国際観光都市おきなわ」の形成に向け、文化・芸能・スポーツ等を活用した付加価値の高い観光産業の確立を図るほか、IT津梁パークの整備の推進等により情報関連企業の集積を図ります。次に、第3、第4のリーディング産業として臨空・臨港型産業の集積に向けた取り組みや沖縄科学技術大学院大学を核とした知的・産業クラスターの形成に取り組んでまいります。次に、国内外を大きく視野に入れ、魅力ある投資環境づくりの強化により県内投資を呼び込む施策を展開し移出産業の創出を図ります。あわせて、農林水産業の振興のため、おきなわブランドの確立に向けた取り組みを強化するほか、県融資制度の拡充等により中小企業支援を推進し、県経済を支える域内産業の活性化を図ります。
 このようにして、成長のエンジンである複数の移出産業と成長の翼である域内産業を活性化させ、民間主導の持続可能な自立型経済の構築に向け取り組み、県民所得の増加を図っていきたいと考えております。
 同じく平成23年度知事所信表明に関連をして、県民生活の向上の取り組みについてお答えします。
 平成23年度の主要施策の展開につきましては、観光や情報通信のほか、あらゆる産業分野で振興施策を推進し、就業の場の創出と雇用の拡大に努めるとともに、教育・医療・福祉の充実、離島の定住条件の整備等を図り、県民生活の向上に取り組んでまいります。
 具体的な施策としましては、産業分野で那覇空港の国際物流ハブを活用する事業や、沖縄の文化・芸能等を観光資源として活用する事業、農産物の高付加価値化を推進する事業等を実施いたします。教育・医療・福祉の分野につきましては、学力向上対策や市町村が行う子宮頸がん・小児用肺炎球菌等ワクチン接種事業に対する支援、保育所整備による待機児童の解消等に取り組んでまいります。離島の振興につきましては、航空運賃の低減や医療従事者の確保等、定住条件の整備に努めるとともに、地域産業の振興等に取り組んでまいります。これらの県民生活の向上に資するさまざまな施策の展開につきましては、各部局が連携し取り組んでまいります。
 次に、新沖縄振興計画についての御質問の中で、ビジョンを実現可能にするため計画をどうするか、また、法律等の検討及び政府との協議の進捗状況についてお答えいたします。
 これまでの沖縄振興策により社会資本の整備が進展し、また、観光産業や情報通信関連産業など産業面においても一定の成果が上がっております。一方、県民所得や失業率の面でなお課題が残され、また、輸送コスト高など島嶼経済を起因とした構造的不利性を抱えております。今後は、こうした不利性を克服し、「沖縄21世紀ビジョン」の実現に向け、豊かな自然環境やアジアの中心に位置する沖縄の優位性を発揮する施策や、各種制度を最大限生かす施策を新たな計画に盛り込んでまいりたいと考えております。
 沖縄振興特別措置法にかわる新たな法律の進捗については、昨年12月に開催された沖縄政策協議会の振興部会において具体的な制度を提言しており、現在、法案策定に向け国との事務的な調整作業を進めているところであります。
 同じく新沖縄振興計画に関連をして、制度提言中間報告によって「釣り具」はそろうとの認識かについてお答えします。
 これまでの3次にわたる沖縄振興開発計画及び沖縄振興計画における高率補助制度に基づく社会基盤の整備や各種地域指定制度等による産業施策の展開により、各面において一定の成果があらわれてきたと考えております。
 本県経済は、島嶼経済特有の制約を抱えているものの、域内人口の増加、整備されてきた社会資本、魅力あふれる美しい自然、成長著しい中国を初めアジア諸国との距離的近接性、文化的な親和性など、交流を通してさらなる発展の素地が整いつつあると認識しております。
 このようなことを踏まえ、沖縄県では新たな法律の制定を求めるに当たり、「沖縄21世紀ビジョン」で描いた将来像の実現に向けて、離島県ゆえの不利性を克服するとともに、優位性を最大限発揮するため、競争力の高い税制優遇による経済特区、離島定住支援、交通・物流コストの抜本軽減など必要な制度等の仕組みを整え、県民生活の向上につなげていきたいと考えております。
 次に、新たな公共交通システム導入についての御質問の中で、県の要望に対する国の対応についてお答えいたします。
 本県は、基幹的な公共交通として鉄道を有さない唯一の県となっております。鉄道を含む基幹的公共交通システムは、県民及び観光客の利便性向上、交通渋滞の緩和、低炭素社会の実現、北部圏域を含めた沖縄本島の均衡ある発展のためには必要でありますが、その整備には膨大な費用が発生することから、特例的な制度の提言要望を行っているところであります。
 同じく新たな公共交通システムに関連をしまして、県の考え方と今後の取り組みについてお答えします。
 LRTの導入を前提とした公共交通を中心としたまちづくりについては、県民や観光客の移動利便性の向上、高齢者や障害者などのいわゆる交通弱者の移動の確保、低炭素社会の実現等の観点から議論されているものと考えております。
 国においては、鉄軌道を初めとする新たな公共交通システム導入可能性の検討が開始されたところであり、県においても「沖縄県総合交通体系基本計画」の中で検討を進めているところであります。
 今後とも、県土の均衡ある発展に資する新たな公共交通システムの導入が図られるよう取り組んでまいります。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 平成23年度知事所信表明についての中の、具体的な雇用対策の取り組みについての御質問にお答えします。
 沖縄県では、厳しい雇用情勢に機敏に対応するため、平成23年度においても「緊急雇用創出事業臨時特例基金」及び「雇用再生特別事業基金」を活用し、511の事業を実施することにより延べ3132人の雇用創出を見込んでおります。また、新規学卒者等を含めた若年者への就職支援を強化するため、県外求人企業を一堂に集めた面接会の開催、就職支援の経験者を高校、大学へ配置し、未内定の生徒・学生が就職するまで個別に密着して支援する「沖縄新規学卒者等緊急就職支援事業」や、若年者の職場訓練を行う「若年者ジョブトレーニング事業」などを新たに実施することとしております。さらに、専門学校等を活用する委託訓練を大幅に拡充するとともに、地域ごとに求人企業と求職者のマッチング機会をきめ細かく提供する「地域巡回マッチングプログラム事業」を年20回県内各地で引き続き実施してまいります。
 今後とも、「みんなでグッジョブ運動」をエンジンとして、本県の雇用情勢の改善に向け全力で取り組んでまいります。
 同じく知事所信表明の中の、金融特区の問題点と今後の可能性についての御質問にお答えします。
 現在、金融特区の企業集積は、金融関連企業10社、569名の雇用となっております。そのうち事業認定を受けていた1社は、撤退ではなく業務の集約化等のため同特区内の親会社に雇用と業務をそのまま継続して吸収される形となっております。今後さらに企業立地を促進し金融関連企業の集積を図るためには、レンタルオフィスや通信環境の整備、人材育成などが課題となっており、地元名護市と連携して解決に努めてまいります。また、沖縄振興特別措置法にかわる新法の検討の中で、企業のニーズに合わせた制度の拡充を要望するとともに、引き続き金融関連企業の集積に取り組んでまいります。
 新沖縄振興計画についての中の、カジノ導入を新たな計画に盛り込むことについての御質問にお答えします。
 現在、国際観光の振興や地域経済の活性化を図る観点から、超党派の国会議員連盟においてカジノを合法化する法律の制定に向けて検討が進められております。また、大阪府、神奈川県、千葉県など多くの自治体においてもカジノ・エンターテインメント導入の検討が進められております。
 沖縄県としましては、国のカジノを合法化する法律案の動向等を踏まえつつ、沖縄振興特別措置法にかわる新法において、カジノを含む統合リゾートについて法的な位置づけが可能かどうか、関係府省との調整も含め検討していきたいと考えております。
 カジノを含む統合リゾートの導入については、最終的には県民のコンセンサスを前提として取り組みを進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 平成23年度知事所信表明の中で、「全国豊かな海づくり大会」の開催についてお答えいたします。
 「全国豊かな海づくり大会」は、水産資源の維持培養と海の環境保全に対する意識の高揚を図るとともに、水産業に対する認識を深めることを目的として開催される国民的行事であります。本大会は、平成24年度に沖縄県で開催されることが昨年11月22日付で全国組織の「豊かな海づくり大会推進委員会」により決定されております。
 大会の主な行事といたしましては、先催県の事例によりますと、漁業功績団体に対する表彰等を行う式典行事、稚魚の放流や漁船パレード等を行う放流・歓迎行事があります。また、1000人程度の県外招待者や一般参加者を対象とした特産品販売などを行う関連行事があります。
 県といたしましては、今後、関係機関等で構成する実行委員会を立ち上げ、具体的な行事内容等を策定する予定でございます。
 次に、TPPについての中で、TPPが本県農林水産業に与える影響についてお答えいたします。
 TPPは、原則としてすべての品目で関税を撤廃することが前提となることから、国内の農林水産物に大きな影響が出ることが懸念されております。本県においても、さとうきび、パイナップル、肉用牛、水産物などで影響が出ることが懸念されており、農林水産省が示した考え方を踏まえて計算したところ、直接影響額が約580億円、関連産業等への波及も含めると約1420億円の影響が出るものと試算されます。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 知事の所信表明についての御質問の中で、「沖縄版グリーンニューディール」についてお答えいたします。
 県では、環境対策を戦略的に推進することで環境保全と雇用の創出、経済成長を目指す「沖縄版グリーンニューディール」計画の策定に取り組んでいるところであります。同計画では、本県の特性を生かし、環境、開発、観光をキーワードとして検討を進め、ちゅら島の環境と開発の調和、環境共生型の観光の推進、環境に優しいまちづくり、新たな環境産業・リサイクルの推進を4本の柱として進めることとしております。
 具体的には、河川・海岸などのインフラ整備を自然環境の保全・再生・創出する事業へ変革すること、観光関連施設の省エネ化に加え、レンタカーの電気自動車化やハイブリッドバスの導入を図ること、住宅の遮熱化や公共施設の省エネ改修などの建物のエコ化を図ること、太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギーの導入促進等を図ることとしております。
 県としましては、本計画を推進することにより、豊かな自然環境を保全しつつ新たな経済活動、雇用の創出につなげていきたいと考えております。
 次に、基地問題についての御質問の中で、米軍機による騒音被害の実態についてお答えいたします。
 平成21年度の航空機騒音測定結果では、嘉手納飛行場周辺測定局におきまして、環境基準の評価指標としているW値、いわゆるうるささ指数は、最高が北谷町砂辺局で87を示しており、15測定局中9局で環境基準を超過しております。また、1日当たりの騒音発生回数は前年度と比較して15局中9局で増加しております。普天間飛行場周辺測定局におきましては、W値は最高が上大謝名局で83を示すなど、9測定局中の3局で環境基準を超過しております。また、1日当たりの騒音発生回数は前年度と比較して9局中5局で増加をしております。このようなことから、嘉手納飛行場及び普天間飛行場の航空機騒音に関しては、依然として周辺住民の生活環境に大きな影響を与えていると考えております。
 同じく基地問題についての御質問の中で、爆音地域の増加の実態と対策についてお答えいたします。
 嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺地域については、昭和63年に航空機騒音に係る環境基準の地域類型指定を行っておりますが、近年、類型指定地域以外の市町村からも航空機騒音に関する苦情や防音工事拡大等の要請が行われております。平成22年度で申し上げますと、那覇市から35件、浦添市から5件のほか、西原町、与那原町などからも苦情が寄せられております。
 こうしたことから、県としましては、うるま市、西原町、那覇市など地域を拡大して航空機騒音影響の実態を把握し、環境基準類型指定当てはめ地域の拡大・見直し、防音工事拡大要請に対応する基礎資料を得ることを目的に、「米軍基地航空機騒音実態調査」を実施する予定であります。
 次に、県立郷土芸能会館建設についての御質問の中で、今後の計画構想についてお答えいたします。
 沖縄の文化・伝統芸能の振興を図る上で、その発信拠点となる施設の整備は重要なものと認識しております。平成23年度において関係団体、専門家などの意見を聞きながら、伝統芸能の拠点となる施設の整備に向けた調査検討を行い、基本的なコンセプト、運営計画等を含めた基本構想の策定に取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 新沖縄振興計画についての御質問の中で、基地の返還計画についてお答えいたします。
 沖縄県には、戦後65年を経過した今なお広大な米軍基地が存在し、SACOや再編協議の合意に基づく大規模な基地の返還が実現した後も依然として過重な基地負担が続く状況にあります。
 沖縄県としては、将来的に国際社会の相互依存関係が進展し、より安定した安全保障環境が構築されることを期待しつつ、過重な基地負担の軽減や米軍基地の整理縮小に向けた努力を積み重ねることで、基地のない平和で豊かな沖縄を目指していきたいと考えております。そのため、県の基本的な方針を示す必要があると考えており、今後、基地の整理縮小に向けた県としての考え方を取りまとめていくとともに、これらを基本として日米両政府に強く求めてまいりたいと考えております。
 次に、基地問題についての御質問の中で、軍転協の要請に対する反応及び今後の行動計画についての御質問は、4の(2)のアと4の(2)のイが関連いたしますので一括してお答えいたします。
 軍転協においては、去る2月8日から9日にかけて、菅総理や枝野官房長官、北澤防衛大臣、前原外務大臣、ルース駐日米国大使等に対し、基地から派生する諸問題の解決に向け要請を行ったところであります。政府からは、昨年5月の日米共同発表で示された負担軽減策については、できるものからしっかり取り組んでいく旨の発言がありましたが、普天間飛行場の県外移設についてコメントはありませんでした。駐日米国大使からは、沖縄の振興に資するよう協力してまいりたい旨の発言がありました。軍転協の要請に対し、昨年5月に政府から初めて回答がありましたが、その内容は十分でなかったことから、今回の要請も踏まえ引き続き軍転協として日米両政府に対し基地問題の解決促進と具体的な回答を求めたところであります。
 次に、牧港補給地区の返還についての御質問にお答えいたします。
 県としましては、牧港補給地区を初め「再編実施のための日米のロードマップ」や日米共同発表で返還等が示されている嘉手納飛行場より南の施設・区域等については、パッケージ論にとらわれることなく実現可能なものから一つ一つ確実に実施されるよう、日米両政府に強く求めているところであります。2月7日から9日にかけて軍転協としても浦添市と同様の要請を行いましたが、政府から明確な回答はありませんでした。
 県としましては、今後も地元市町村と連携をとりながら取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、ロードマップ合意の実現性についての御質問にお答えいたします。
 いわゆる「再編実施のための日米のロードマップ」におきましては、普天間飛行場代替施設、在沖米海兵隊のグアム移転、嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還等が示されております。現時点における状況を外務省へ照会しましたところ、普天間飛行場の移転については、昨年5月の日米合意を踏まえて取り組むと同時に、沖縄に集中している米軍施設・区域による負担の軽減にも全力を挙げて取り組む。在沖縄海兵隊のグアム移転については、2014年の移転完了の目標について、変更はないとの説明を受けているとの回答でありました。
 県としましては、日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設の実現を求めるとともに、在沖海兵隊のグアム移転と嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還等については、パッケージ論にとらわれることなく実現可能なものから一つ一つ確実に実施されるよう、日米両政府に強く求めているところであります。
 次に、航空機騒音に係る日米合意事項の実効性と県の対策についてお答えいたします。
 県は、これまであらゆる機会を通じて日米両国政府に対し航空機騒音問題の解決を強く求めてきました。その結果、平成8年3月の日米合同委員会において、夜間飛行訓練の制限などを含む普天間飛行場及び嘉手納飛行場に係る航空機騒音規制措置が合意されました。しかしながら、同規制措置は米軍の任務に必要とされる場合は必ずしも拘束されない内容となっており、両飛行場周辺の住民の負担を軽減するためには、同規制措置の厳格な運用が必要であると考えております。
 県としましては、今後ともあらゆる機会を通じ、米軍及び日米両政府に対し航空機騒音規制措置の厳格な運用等による基地負担の軽減を粘り強く求めていきたいと考えております。
 次に、防衛省の異議申し立てに対する認識及び名護市への後押しについての御質問は、4の(6)のアと4の(6)のイが関連いたしますので一括してお答えいたします。
 今回の現況調査に係る異議申し立てについては、沖縄防衛局と名護市の両当事者間で行われている行政不服申し立て手続であり、県としてその適法性について見解を述べる立場にはありませんが、今後とも重大な関心を持ってその推移を注視してまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、県としましては、県内移設は事実上不可能であり、県外移設を求める考えに変わりはありません。
 次に、訓練区域外の訓練についての御質問にお答えいたします。4の(7)のア、4の(7)のイ、4の(7)のウは関連いたしますので一括してお答えいたします。
 県としましては、米軍の訓練は訓練区域内で行うべきであり、県民生活に影響を与えることがあってはならないと考えております。そのため、県は、従前より政府に対し日本の排他的経済水域における米軍の演習・訓練について、情報の入手及び速やかな情報提供並びに訓練区域外に影響を及ぼさないことを求めております。今般のような情報提供が訓練前日に行われたことや、訓練区域外に及ぶ爆撃訓練は、漁業者を初め関係者の対応を困難なものとし、混乱と不安を与え極めて遺憾であります。
 県としましては、二度とこのような事態が生じないよう、去る1月25日の米軍基地負担軽減部会及び2月7日から9日までの軍転協要請において、政府における連絡体制及び連携体制の見直しを日米両政府に対し強く求めたところであります。
 次に、高江区ヘリパッドについての御質問は、4の(8)のア、4の(8)のイが関連いたしますので一括してお答えいたします。
 昨年1月、沖縄防衛局が東村高江区のヘリパッド建設をめぐり通行妨害禁止を求める訴訟を提起したことは承知しております。県としましては、現在本件が係争中であることから、コメントについては差し控えさせていただきたいと思います。
 北部訓練場のヘリパッドについては、SACO最終報告において同訓練場の過半を返還することに伴い残余部分に移設されるものであり、県としては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 県としましては、随時、現地に職員を派遣し状況の確認を行っておりますが、改めて去る2月14日、国は、市町村の意向等も踏まえ、地域住民の生活や当該地域の自然環境に十分配慮し、安全に万全を期すよう申し入れを行ったところであります。
 今後とも、東村や高江区の意向を尊重し適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、米軍ヘリのホバリングについてお答えいたします。
 報道によりますと、昨年12月23日午後7時45分ごろ、東村高江区において米軍ヘリコプターのホバリングによる風圧で付近に設置されたテント等が損壊する被害が発生したとのことであります。翌24日、県は、職員を派遣して現場確認や東村及び高江区から事情を聴取するなど状況の把握に努めたところであります。また、沖縄防衛局を通じて米軍に対して照会したところ、当日の夕方、米海兵隊のヘリコプター1機が通常訓練を行っていたが、テント上空でホバリングはしていないとの回答があり、現在のところ米軍ヘリコプターとテント損壊の因果関係は明らかになっておりません。
 次に、嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練につきまして、4の(9)のア、4の(9)のイは関連いたしますので一括してお答えいたします。
 県は、去る2月14日午後、在日米軍沖縄地域調整事務所から、2月16日に嘉手納飛行場においてパラシュート降下訓練を実施するとの連絡を受け、翌15日に沖縄防衛局、在日米軍沖縄地域調整事務所、在沖米国総領事館、外務省沖縄事務所に対し、同訓練の中止を強く要請したところであります。それにもかかわらず米軍が同訓練を実施したことは、周辺住民を初め県民に多大な不安を与えるものでありまことに遺憾であります。
 県としましては、パラシュート降下訓練はSACO最終報告の趣旨に沿って実施されるべきであると考えており、今後とも嘉手納飛行場において実施することがないよう、日米両政府に対し強く求めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(村田 隆) 沖縄県暴力団排除条例に関する御質問の中で、まず暴力団犯罪の実態についてお答えをいたします。
 全国の暴力団は、平成22年6月末現在、暴力団対策法に基づく指定暴力団として山口組を初めとする22団体が指定されており、約7万7000人の活動が把握されております。
 県内の暴力団につきましては、指定暴力団である4代目旭琉会及び沖縄旭琉会と、指定を受けていない東亜会2代目誼興業の合わせて3つの組織が存在しており、平成23年1月末現在749名を把握しております。また、平成22年中の全国の暴力団犯罪につきましては、暫定数ではありますが、検挙件数が5万523件で、対前年比では5332件の減少となっており、検挙人員は2万5681名で、対前年比822名の減少となっております。
 県内の暴力団犯罪につきましては、平成22年中における検挙件数は、暫定値で207件でありまして、対前年比では18件の減少となっており、検挙人員は162名で、対前年比で6名の増加となっております。この検挙人員の中には、山口組等県外の暴力団34名も含まれております。
 昨年の主な暴力団犯罪といたしましては、警察官に対する殺人未遂事件や交通トラブルに絡む恐喝事件があるほか、近年では沖縄自動車道南インター料金所駐車場における殺人事件、マンゴー産地偽装販売事件、創業者支援事業に絡む多額詐欺事件等が挙げられます。
 次に、暴力団排除条例制定による取り締まりの効果についてお答えいたします。
 本条例では、県や事業者、県民等が連携して社会全体で暴力団を排除するため、暴力団の資金源遮断と新規の暴力団事務所の開設・運営を規制すること等を重点として、次の3本の柱を掲げていることから、これらを根拠に取り締まりを徹底することで暴力団を弱体化させ壊滅させる上で強力な武器になると期待をしております。
 3本柱の1つ目は、青少年の健全な育成を図るための措置であります。
 本条例では、青少年の健全育成に資する学校等保護対象施設の敷地の周囲200メートル区域内における暴力団事務所の開設・運営を禁止しており、違反した場合の罰則も設けております。これは、暴力団事務所の存在自体が青少年の健全育成に悪影響を与えるものであることから、暴力団事務所の開設・運営を禁止することにより青少年のための良好な環境を確保するものであります。
 2つ目は、暴力団員等に利益の供与をすることの禁止等であります。
 暴力団に対して積極的に利益の供与を行う事業者に対しては、現行法での規制がなされていない状況にあります。これらに的確に対応するために本条文を設けたものであり、暴力団に利益の供与を行う事業者に対し勧告をを行い、これに従わなければ公表することによって社会的制裁を与え倒産の憂き目に遭うことで暴力団に対する資金源遮断の効果が期待できるのであります。また、利益供与を行う事業者への警鐘ともなり、この条例を武器に暴力団からの要求もきっぱりと断ることができるなどの相乗効果が期待できます。
 3つ目は、不動産の譲渡等に関する措置であります。
 不動産の譲渡または貸し付けをしようとする者は、契約の相手方に対して暴力団事務所に使用されるものではないことを確認することや、暴力団事務所として使用されることを知ったときには不動産の譲渡等に係る契約をしないよう努めなければならないこととしております。したがいまして、これらの規定を設けることにより、全県的に暴力団事務所を設置させない機運が高まり、新たな暴力団事務所を開設・運営させないという効果が期待できるものと考えております。そのことによりまして、全国展開を目指す山口組等県外暴力団の県内進出措置も図ることができるのであります。
 次に、暴力団犯罪壊滅に向けた決意についてお答えいたします。
 県警察におきましては、沖縄県から暴力団を排除し、安心・安全な県民生活を確保するため、あらゆる法令を活用した取り締まりを徹底しておりますが、暴力団組織は組織実態を隠ぺい、活動を不透明化させながら県民生活に多大な不安と脅威をもたらす犯罪を敢行していることから、今後も引き続き軽微な犯罪についても看過することなく、徹底した取り締まりを継続すると同時に、暴力団の資金源を支えている関係企業や共生者についても取り締まりを徹底し、資金の流れを永続的に遮断していきたいと考えております。
 一方、警察による取り締まりだけでは暴力団の壊滅はなし得ないのでありまして、関係機関・団体と緊密な連携を図りながら、地域・職域における暴力団排除の機運を高めていきたいと考えております。
 また、今回上程しております沖縄県暴力団排除条例は、社会全体から暴力団を排除するための大変重要な条例であると位置づけており、条例制定後は県民を挙げての暴力団排除活動を行い、暴力団を社会から孤立化させるなどして地域社会に住みにくい環境づくりを推進してまいりたいと考えております。
 議員の皆様の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
○大城 一馬 再質問いたします。
 まず、参考人招致の件ですけれども、これは提案でありますから、実は私ども会派、果たして可能かどうかいろいろと吟味いたしました、議論もいたしました。そして、議事課とも合議をいたしました。その結果、特別委員会で議長が申請すればできると。いわゆる国会議員や国家公務員、政府関係者できるということの結論が出たもんですから、ぜひ参考人招致をと。そうすることによって、私はこれまで政権が辺野古回帰にもっていったこの経緯も説明もしっかりと聞けるというふうに思っております。
 さらにまた、今沖縄の怒りというのが頂点に達しております。爆発寸前でございます。私はやはり大きな声を出す、政府にやいばを突きつける。そのためにもこの参考人招致はぜひしかるべき委員会で実現してもらいたい。そして、これはある意味では地方議会の改革の一環にもなるのではないかというふうに理解しております。とりわけ渡嘉敷喜代子軍特委員長、私ども会派から正式に委員会で提案させてもらいますので、その節はよろしくお願いしたいと思っております。議長にもよろしくお願いしたいと思います。
 そして知事訪米についてでありますけれども、さて知事は効果的な訪米を考えなければならないと。そして戦術を練り直して訪米する必要があるというような発言表明をしております。やはり、私は今の沖縄問題、基地問題、普天間問題はまさに正念場。この1年、2年でしっかりと政府を動かす、アメリカを動かす、この行動をしなければならないと思っております。ですから、これまでも歴代知事も訪米しました。残念ながら、その成果があらわれないということで今議会で知事は戦術の練り直しを表明したはずでございます。やはりこれまでの知事要請だけではもう限界だと。ましてや、日本政府に幾ら言っても政府は全く動こうともしない、アメリカに物を言わない。むしろアメリカの恫喝、顔色をうかがっている。この際ですから、ぜひ私はオール沖縄、知事も県議会もそして市町村も経済団体もあらゆる団体を網羅して、ぜひ米国に要請行動を行って、連邦議会やあるいは米国のマスコミ、国民に訴える。そのことが大事ではないでしょうか。
 最近、地元紙の通信員や記者がアメリカに行っていろんな情報を発信しております。昨日の新聞にもありました。米国民の48%が沖縄には基地は要らない、撤収すべきだと。米国民と沖縄県民の心は一つになっていると。在日米軍の撤収という報道がございました。そういたしますと、やはりしっかりとアメリカで我々が声を出せば、沖縄が声を出せば届くというふうに思っておりますので、ぜひ知事、このオール沖縄の要請行動、実現していただきたいということを重ねて質問、要請したいと思いますけれども、改めて知事の再度の考えをお聞かせください。ただ、承っただけではちょっとそっけないなという気がします。
 さらにまた普天間飛行場問題でありますけれども、やはり所信表明の中での、「県内移設は事実上不可能ではないかと考えており、」という記述でございます。私はやはりここまで来ますと、知事があの知事選挙で「県民の心はひとつ」と。これは知事が県外移設を表明したその流れで「県民の心はひとつ」になったと。確かに近づいてきています。しかしもっともっと限りなく、「県民の心はひとつ」に近づけるためには、やはりしっかりと県内移設反対、これをぜひこの議会で表明していただければ、知事の言う「県民の心はひとつ」がしっかりと成り立っていきますので、よろしくお願いしたいと思います。
○知事(仲井眞弘多) 大城一馬議員の再質問にお答えいたします。
 まず第1に、訪米についてオール沖縄でやっていったらどうかという御提案につきましては、先ほども申し上げましたように、きちっとこれはやりよう、内容をよく研究したいと思いますので、そういう意味で承らせてくださいと申し上げたんで、軽くあれしたわけではありません。きちっとこれは検討をしてまいりたいと思います。
 それから2番目の県内ノーといいますか、県内反対というのをしっかり言えという話ですが、これはもう事実上不可能だという私の選挙期間中の表現でひとつ御容赦いただきたいと思います。
○比嘉 京子 おはようございます。
 大城一馬議員に続きまして、社大・結を代表いたしまして質問をいたします。
 先月、私たち文教厚生委員会は、フィンランド共和国へ教育、福祉、医療、図書館行政を視察に行ってまいりました。御承知のとおり、高負担・高福祉国家でございます。税のあり方や制度を変えなければできないこともありますが、現状の中で優先順位の組みかえ、理念や目指す方向性、考え方など生かせるヒントがあるのではないかと考えています。
 本日は、教育について見聞したことを私見と一緒に述べさせていただき、質疑に入りたいと思います。
 フィンランドという国が我が国で一躍有名になったのは、経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査、いわゆるPISAの2000年から3年ごとの調査において、科学的・数学的リテラシー並びに総合読解力の3分野で常にトップクラスにいるということであります。
 我が国の教育が知識偏重ではないかということから、経験重視へのゆとり教育へと転換していったわけですけれども、PISAの結果を受けて2008年の新学習指導要領は、脱ゆとり教育とやゆされ転換したのであります。小学校の全科目で25%増となり、全国学力調査を毎年しっかりとするなど躍起になっております。一つの学力調査の結果で国の教育方針を変えるということはいかがなものでしょうか。「教育は百年の計」といいますが、この国の政治には通用いたしておりません。
 私が一番憂えていることは、我が国の子供たちと各国との比較で自己評価が低いこと、学習意欲が低いことです。子供が本来持っているはずのきらきらとした探求心や好奇心をだれが摘み取っているのでしょう。目先の結果に一喜一憂する大人たち、短期間で効率よく効果を上げることを追い求める今の日本の教育では、学問に対する興味を持たせることはできません。考えてみてください。本県の高校球児が甲子園で優勝するのに何年かかったでしょうか。学問も同じではないでしょうか。じっくり構え、何十年後理解に開花することを見据えた教育をすべきだと考えます。
 さて、フィンランドではPISAの学力調査の中で一番授業時間数が少なく、年間授業日数も190日と少ない。夏休みは2カ月半あり、――傍聴席に多くの子供たちがおりますが――フィンランドでは夏休みは2カ月半あります。そして宿題も一つもありません。そのほか、秋休みや冬休みを入れてあと1カ月ほど休みがあります。それなのになぜ成績がいいんでしょうか。その理由は、お母さんの体の中にいるいわゆる胎児期からそのスタートが行われています。小学校入学までの途切れのない保育や、そして親育て、そういうことが一貫して「ネオボラ」 という保健センターで行われています。その続きにプレスクールと言われる幼稚園教育がありますけれども、人づくりの根っこであるこの幼稚園教育では、何と言っても遊びが大事。そして、子供でいる時間を一日でも長く続けさせたい。そういうような中で、言葉を大事にした人とのかかわり、ですから文字や計算は教えません。そういうような教育を実施しているわけです。
 では、このような幼児期から土台がしっかりした中で義務教育でなぜ成績がよいのでしょうか。
 1番目に、落ちこぼれを出さないという仕組みがしっかりできていること。そして、これによって成績の格差が小さくなるであろうことは予測ができますし、学校間格差も少ない。2番目に、1クラスの人数が少ないこと。小学校では15から29人で担任は6年間持ち上がり。中学校では十三、四名の人数であります。3番目に、教師が社会から尊敬され、教師の資質が高いこと。大学院修了のレベルが要求され、教師への自由裁量が大きく、教科書を使わなくてもよいこと、そういうことが挙げられています。4番目に、学びを強制しないということ。自主性を重んじ、教師は一人一人の進度に応じて支援をしていく、競争とは全く無縁の環境でゆっくりと待つ教育であります。5番目に、大学までの学費が無料であること、もちろんのこと学校給食費も無料です。6番目に、図書館の利用率が高いこと。赤ちゃんから読み聞かせの習慣を備える環境である。7番目に、母親の学歴が高いこと。これはヘルシンキ市の国際部長がおっしゃっておりました。
 このようなことで、国家としての教育環境を保障し、すべての人に均等に機会を与えている国の教育の様子でありました。
 では、質問に入ります。
 教育行政について。
 知事は、去年の知事選挙で学力を全国中位へ上げると公約いたしました。そのための施策を伺います。
 (2)番目に、これから数年で1000人の子供たちをアジアで勉強させたいと構想を述べられました。そのねらいと取り組みについて伺います。
 (3)番目に、30人以下学級の今後の取り組みについて伺います。
 (4)番目に、発達障害児童、生徒の実態と対応について伺います。
 (5)番目に、国による幼保一体化政策が進められておりますが、本県の幼稚園教育の考え方を伺います。
 (6)番目に、教職員の病休の実態と派生する経費について伺います。また、今後の対策についても伺います。
 (7)番目に、教職員の多忙化解消に向けての取り組み状況を伺います。
 2番目に、福祉行政について。
 (1)、障害者権利条例の制定の見通しについて伺います。
 (2)番目に、待機児童数は何名か、認可外保育園に入園している潜在的待機児童を加えると何名か、その解決に向けた取り組みを伺います。
 (3)番目に、夜間保育のニーズの把握はできているのか、対応はどうなのか。
 (4)番目に、児童相談所の状況について説明を求めます。離島の分室の現状と課題についても伺います。
 3番目に、健康・医療行政について。
 (1)、知事の公約である長寿県沖縄の復活に関する4年間の評価はどうなのか。今期の取り組み計画と決意を伺います。
 (2)番目に、県庁職員の病気休暇の推移と派生する経費は幾らか。また対策について問います。
 (3)番目に、自殺対策について伺います。
 (4)番目に、がん対策推進基本条例の制定について考え方と見通しを伺います。
 (5)番目に、中部病院の7対1看護体制に必要な看護師は何名か。産休等の実績は考慮されているのか伺います。
 (6)番目に、病院事業の定数は行政職とは切り離して現場の裁量にゆだねるべきではないか伺います。
 4番目に、観光振興について。
 (1)、沖縄観光の将来像をどう描いているのか。各論が非常に先行しているようですが、どういう観光立県を目指しているのかという総論をぜひ伺いたいと思います。
 (2)番目に、沖縄の経済振興の中で観光振興をどう位置づけているのか伺います。
 (3)沖縄の観光の量と質の問題をどう考えておられるのか伺います。
 (4)番目に、観光の発展に向けて推進体制をどう構築されるのか。新しい部設置とあわせて構想を伺います。
 (5)番目に、LCC導入についての県の見解を求めます。
 5番目に、離島振興について。
 離島の発展のためには、人・物・輸送コストの低減が最大の課題であることは言うまでもありませんが、その取り組み状況と見通しについて伺います。
 (2)番目に、知事は公約で「離島を結ぶ新たな航空会社の設立を検討します」としていますが、今後の計画について伺います。
 (3)番目に、離島の格差解消に対するビジョンを伺います。
 (4)番目に、海岸漂着ごみ問題の取り組み状況と課題について伺います。
 答弁をお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 比嘉議員の御質問に答弁をさせていただきます。
 まず第1に、健康・医療行政に係る御質問の中で、がん対策条例制定の考え方と見通しについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 がんは、沖縄県の死因の1位となっております。がん対策を推進することは、健康・長寿沖縄を維持する上で重要と考えております。このことから、沖縄県におきましては、がんの予防、早期発見・早期治療等のがん対策を県民全体で取り組んでいくため、がん対策条例を制定していきたいと考えているところでございます。同条例につきましては、平成23年度中を目途に策定する方向で関係団体等と意見交換を行っていきたいと考えております。
 次に、観光振興に係る御質問の中で、沖縄観光の将来像についての御質問にお答えいたします。
 私は、沖縄観光を自立経済の構築に向けました成長力のエンジンとしてさらに発展させ、沖縄観光ブランドを確立をし、世界じゅうから観光客が集まる国際観光都市沖縄の形成を実現してまいりたいと考えております。このため、空港や港湾などのインフラ整備を促進いたしますとともに、自然や伝統文化など沖縄独自の魅力を世界じゅうに発信をし、観光客1000万人の目標達成に向けて取り組んでまいる所存でございます。また、環境と共生する観光地づくりを推進するとともに、農林水産業や製造業、そして情報通信産業など他産業との連携強化を図り、雇用の創出と安定に寄与する総合産業としてさらに発展を支援してまいりたいと考えております。
 同じく観光振興に係る御質問の中で、沖縄観光の推進体制の構築に係る御質問にお答えいたします。
 私は、沖縄観光の発展に向けましては、空港・港湾などの観光インフラ整備や国・内外の航空路線の拡充、そして農林水産業や製造業、さらには情報通信産業などと他産業との連携、そして文化・芸能等の地域資源のさらなる活用など総合的に施策を推進することが重要であると考えております。このため、平成23年度に文化観光スポーツ部を設置し、文化やスポーツとの連携を図るとともに、部局横断的な沖縄県観光リゾートコンベンション推進本部の拡充を図り、全庁的な取り組みを強化してまいる所存でございます。また、沖縄観光コンベンションビューローの機能を強化し、観光人材の育成に取り組みますとともに、経済界全体との連携を深め、官民一体となって沖縄観光の安定的発展を図ってまいる考えでございます。
 次に、離島振興に係る御質問の中で、離島に関する輸送コストの低減についての御質問にお答えいたします。
 離島航空路線につきましては、航空機燃料税、そして着陸料及び航行援助施設利用料の軽減によります運賃の低減化が図られております。さらに、離島住民につきましては県管理空港の着陸料の軽減措置によりまして、離島割引運賃制度が実施されているほか、中核病院や高校のない小規模離島を対象に航空運賃を低減する実証実験を平成22年10月から実施いたしているところでございます。また、物流コストにつきましては石油製品輸送費等補助によりまして、離島における石油製品の価格安定に努めているところでございます。
 交通コスト及び生活コストの低減は離島における定住条件を改善し、振興を図る上で重要な課題であると認識いたしており、現在国に対して新たな制度の構築を要請しているところでございます。
 次に、同じく離島振興に係る御質問の中で、離島の格差解消についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県の離島地域は、地理的・自然的条件等の不利性を有し、依然として本島地域との格差が存在いたしております。そして、若年者の流出や高齢化の進行などによる地域活力の低下が懸念される一方、豊かな自然や個性ある文化などさまざまな魅力を有しております。このような離島地域の現状を踏まえ、本島と同じようなユニバーサルサービスとして交通・生活コスト、生活環境基盤、さらに教育、医療等の分野における定住条件の整備や地域産業の振興など、総合的な振興策につきまして現在国に対して新たな制度の構築を要望しているところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○議長(髙嶺善伸) 答弁の途中でありますが、比嘉京子さんの質問に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時54分休憩
   午後1時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前の比嘉京子さんの質問に対する答弁を続行いたします。
 教育長。
   〔教育長 金武正八郎君登壇〕
○教育長(金武正八郎) それでは教育行政についての御質問で、学力向上施策についてお答えいたします。
 本県のすべての児童生徒に確かな学力などの「生きる力」をはぐくむことは県民の願いであり、本県の発展のためにも重要なことと考えております。
 県教育委員会としましては、平成23年度に教育庁内に学力向上推進班を設置し組織の強化を図り、わかる授業を構築するための学校等の支援及び幼・小・中・高のより一層の円滑な接続など総合的な学力向上対策を推進することで、本県児童生徒の学力を全国平均に引き上げてまいりたいと考えております。このことについては、平成24年度からの第5期学力向上主要施策にも具体的に示してまいりたいと考えております。
 なお、施策の基本的な考え方としましては、幼児・児童生徒一人一人の発達の段階に応じ、幼稚園から小学校、中学校、高等学校、大学、就職までを視野に入れた取り組みを柱とし、学校教育と家庭教育などの役割を明確にした上で、学校、家庭・地域社会、関係機関、企業等が一体となった県民総ぐるみによる学力向上対策を推進することとしております。
 次に、アジアで勉強させたいねらいと取り組みについてお答えをいたします。
 東アジアの中心に位置する優位性を生かし、アジアのゲートウェイとして国際的な交流拠点の形成を目指す本県にとって、グローバルに活躍できる人材の育成は極めて重要だと考えております。
 本県は、これまでに「沖縄県高校生文化交流派遣事業」、「高校生の国外留学派遣事業」、「専門高校生国外研修事業」等でアジア諸国等へ高校生を派遣し交流してまいりました。
 県教育委員会としましては、万国津梁の精神を持つ人材の育成を図るため、「国際性に富む人材育成留学制度」の創設に向けて取り組んでいるところであり、アジアを初めとする諸外国との教育交流の拡充等に努力してまいりたいと考えております。
 次に、今後の30人学級の取り組みについてお答えいたします。
 文部科学省においては、平成23年度から小学校1年生について35人学級を制度化することとしております。また、小学校の2年生から6年生及び中学校については、学級編制の標準を順次改定することについて検討を行うこととしております。現在、本県の小学校1・2年生で加配定数を活用し30人学級を実施している少人数学級につきましては、平成23年度においても引き続き実施してまいりたいと思います。
 今後の小学校、中学校の少人数学級に関する計画については、国の35人学級の動向や全国の実施状況等を踏まえ取り組んでまいります。
 次に、発達障害児の実態と対応についてお答えいたします。
 県教育委員会が平成20年1月に実施した実態調査によりますと、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合は3.4%になっております。平成22年度、小中学校の通常学級及び通級指導教室等において支援を受けている発達障害の児童生徒は810名となっております。
 各学校においては、特別支援教育コーディネーターが中心となり該当する児童生徒の実態把握を行うとともに、校内委員会を開催し、校内研修において全職員の共通理解を図り、個々の児童生徒に必要な教育的支援に取り組んでおります。また、市町村教育委員会及び各教育事務所では、特別支援教育支援員の配置や発達障害研修を行い、障害の多様化や個に応じた支援体制の充実に努めております。県教育委員会では、特別支援教育理解推進事業において巡回アドバイザーや専門家チームによる学校支援、小・中・高及び特別支援学校の管理職や教員対象の発達障害に関する研修を実施し、特別支援教育体制の整備を図っております。
 県教育委員会としましては、今後とも障害のある児童生徒一人一人のニーズに応じた特別支援教育の充実に努めてまいります。
 次に、本県の幼稚園教育の考え方についてお答えいたします。
 国においては、幼稚園と保育所、認定こども園の垣根を取り払い、幼児教育と保育をともに提供する「こども園(仮称)」に一体化する構想で進められておりますが、保育所や幼稚園等の関係団体の合意が得られず、「こども園(仮称)」の実施については今のところ明確にされておりません。
 本県の公立幼稚園は、歴史的背景から義務教育に準ずるものと位置づけられ、就学前の1年間は幼稚園に入園するという認識が県民に受け継がれており、その期待も大きいものがあります。特徴としましては、小学校に併設し、校長が園長を兼任していることから幼小連携が充実していることや、5歳児の就園率が全国一高く、約80%が幼稚園教育を受け、幼児の健やかな成長や人材育成に大きな役割を果たしております。
 県教育委員会としましては、公立幼稚園がこれまで培ってきたよさや成果を引き継ぎ、平成21年度に策定した本県の幼児教育の方向性を示した「沖縄県幼児教育振興アクションプログラム」を踏まえ、幼児一人一人が持っている個性や可能性が伸ばせるよう国の動向を注視するとともに、市町村と連携しながら幼児教育の振興に努めてまいりたいと考えております。
 次に、教職員の病休の実態、経費並びに今後の対策についてお答えいたします。
 平成21年度、全公立学校において1カ月以上病気休暇を取得した教職員数は、精神的疾患による休暇が157名、身体的疾患による休暇が477名、計634名となっております。また、平成21年度における病気休職者数は、精神的疾患による休職が164名、身体的疾患による休職が224名、計388名となっております。これらの病気休暇、休職の代替補充教員の任用等に係る経費は約5億3000万円となっております。
 県教育委員会としましては、教職員の健康の保持・増進を図るため、人間ドック受診の推奨、産業医やスクールカウンセラーの配置、医師による健康相談、教職員の悩み相談事業等を行っているところであります。また、職場の安全で快適な環境の充実を図るため、学校においては衛生委員会を設置するなど労働安全衛生体制の確立を図るとともに、長時間勤務による健康障害防止対策に係る規程を定め、医師による面接指導体制を整えております。
 今後とも教職員の健康の保持・増進を図り、信頼関係に満ちた明るい職場環境づくりに努めてまいります。
 次に、教職員の多忙化解消についてお答えいたします。
 教職員の多忙化解消につきましては、定時退校日やノー部活動日等の設定、会議の精選、報告書の簡素化等を推進するとともに、働きやすい職場づくりを目指して全県立学校に負担軽減検討委員会等を設置し、業務の簡素化に向けて各学校の実情に応じた取り組みを行っているところであります。さらに、今年度から2年間で全県立学校に負担軽減推進員を配置し、教職員の多忙化解消に向けて負担軽減検討委員会等の活性化を図っているところであります。
 各学校における具体的な取り組みとしましては、年休等の取得の奨励、勤務終了後の早期帰宅の奨励、情報のデータベース化による事務量の軽減、職員会議や職員朝会の効率化等を行っております。また、県教育委員会では、報告事項等の見直しや精選を行い、文書の簡素化や電子メールによる発送、指定研修の期間の縮減等を行っております。
 今後とも教職員の多忙化解消に向けて取り組んでまいります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 福祉行政についての御質問の中の、障害者権利条例についてお答えいたします。
 沖縄県では、障害者が真に地域社会の一員として平等に暮らし、自立し安心して生活することができるように障害者の権利擁護を推進するため、第3次沖縄県障害者基本計画に基づき障害者施策に取り組んでおります。
 障害者権利条例の制定につきましては、国における障害者基本法等の改正動向を踏まえ、当事者団体等との意見交換を行い取り組んでまいります。
 次に、待機児童数とその解消策についてお答えいたします。
 平成22年4月1日現在の待機児童数は1680人となっておりますが、平成20年度に実施した待機児童実態調査結果とその後の定員増等を踏まえると、潜在的なものを含む待機児童数は約4100人程度と考えられます。
 待機児童の解消については、安心こども基金及び保育所入所待機児童対策特別事業基金を設置し、その解消に努めているところであります。平成22年度は、2つの基金を活用した保育所整備等で約1600人の定員増を図る予定であります。
 県としましては、今後とも国及び市町村や関係団体と連携し、両基金を活用し引き続き待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。
 次に、夜間保育のニーズ等についてお答えいたします。
 沖縄県が設置認可した夜間保育所は、那覇市、沖縄市、名護市に各1カ所、合わせて3カ所となっております。
 市町村においては、次世代育成支援の後期計画を策定するに当たって、保育サービスを初めとする各種子育て支援事業のニーズ調査を実施しております。このニーズ調査の結果を踏まえ、「おきなわ子ども・子育て応援プラン」においては、現在の3カ所を平成26年度までに5カ所とする目標を掲げております。
 県としましては、当該目標の達成など、ニーズに応じた夜間保育の実施を市町村に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、児童相談所及び離島分室の現状と課題についてお答えします。
 児童相談所については、これまでも児童福祉司等専門職の増員など体制の強化を図ってきておりますが、虐待死亡事件の発生などを受けて、虐待通告があった児童の安全確認の徹底が全国的な課題となっております。このため、平成23年度には虐待対応協力員を増員し安全確認の体制を強化するとともに、コザ児童相談所一時保護所の整備を進め、一時保護を迅速に行うための体制強化を図ってまいります。
 また、八重山分室については、平成22年度から専任職員の増員、虐待対応協力員の配置を行い体制強化を図ったところであり、今後は八重山分室の状況も踏まえながら、宮古地域における相談支援体制のあり方を検討してまいります。
 次に、健康・医療行政についての御質問の中の、長寿県沖縄の復活に関する4年間の評価及び今期の計画についてお答えいたします。
 県では、平成20年に長寿県復活に向けて健康増進計画「健康おきなわ21」を策定し、県民一人一人の日常における食事等の行動変容を図るため、同計画や健康づくり行動指針の周知及び支援体制の構築に努めてきたところであります。その結果、県民の健康課題や生活習慣改善の必要性及び健康づくりの方法等について認識が広がってきたものと考えております。また、「チャーガンジューおきなわ応援団」など健康づくりを支援する団体によるさまざまな活動が行われ、支援体制も広がりつつあります。来年度には、県民健康栄養調査を実施し、その結果を踏まえた中間評価を平成24年度に行う予定です。
 今後とも引き続き計画の推進を図り、県民一体の健康づくり運動を展開し、長寿県復活に向けた取り組みを継続していくこととしております。
 次に、自殺対策についてお答えします。
 県では、平成21年度から基金を活用した自殺対策緊急強化事業を実施しており、すべての県民に対し自殺予防のための行動「気づき、つなぎ、見守り」を促す普及啓発や専門家を活用した対面型相談支援の取り組み等を強化しております。また、市町村や民間団体を補助し、身近な地域における自殺対策体制を強化しております。
 これらの事業を通して関係機関との連携強化、県民の自殺予防に対する意識の醸成及び地域の自殺対応力の強化が図られているものと認識しております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 健康・医療行政に関する質問のうち、県庁職員の病気休職者の推移、派生する経費及び対策についてお答えいたします。
 知事部局における病気休職者は、平成17年度の44名から平成21年度は52名となっております。
 派生する経費としては、業務代替のため臨時的に任用する職員の給与があり、平成21年度は総額約3400万円となっております。
 職員の健康管理につきましては、定期健康診断を実施するとともに、職員健康管理センターにおいて日常的に健康相談、保健指導などを行っているところであります。さらにメンタルヘルス対策として、「沖縄県職員の心の健康づくり計画」に基づき職員教育、職場環境の改善、相談体制の充実、復職支援制度の活用促進などの対策に取り組んでおります。
 次に、病院事業の定数についてお答えいたします。
 職員の定数につきましては、同じ公営企業である企業局を含め、これまで一つの条例で規定してきたところであり、この間運用上の不都合はなく、また、病院事業の職員定数を単独の条例で規定する特別の理由もありませんでした。
 このようなことから、引き続き沖縄県職員定数条例に一元化して運用してまいります。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 健康・医療行政についての御質問の中で、中部病院の7対1看護体制に必要な看護師数、産休等の考慮についてお答えいたします。
 中部病院での7対1看護体制の実施については、93名の看護師の増員が必要になります。
 なお、育休・産休等の代替職員については、臨時的任用職員及び嘱託職員等で対応することとしており、その確保に努めているところであります。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 観光振興についての中の、経済振興の中で観光振興をどう位置づけているかという御質問にお答えします。
 沖縄県の平成19年度の県外受け取りに占める観光収入の割合は約18%で、産業としては最も高いシェアを占めており、雇用や税収面においても県経済にとって重要な位置を占めていることなどから、観光産業は本県のリーディング産業となっております。また、観光産業は、製造業や飲食業、農林水産業など沖縄県の産業全体に幅広い経済効果をもたらす総合産業であり、自立型経済の構築に向けてさらに強化していく必要があると考えております。
 そのため、県としましては、新たな沖縄振興に関する制度として沖縄観光リゾート特区の創設を要望しており、足腰の強い沖縄観光の実現に努めてまいります。
 同じく観光振興についての中の、沖縄観光の量と質の問題についての御質問にお答えします。
 沖縄観光の持続的な発展には、入域観光客数の増加と付加価値の高い旅行の促進や人材育成の強化などによる質の向上が重要と考えております。
 今後とも、観光客1000万人達成に向けて新規市場を含む国内外のマーケットの開拓に積極的に取り組むとともに、MICE誘致の強化や医療・文化・スポーツなどを活用した付加価値の高い観光メニューの開発に取り組んでまいります。あわせて、貴重な自然の保全と活用のバランスを図り、環境と共生する観光地を形成し、持続可能な沖縄観光を目指してまいります。これらの施策の展開により量的な確保を図りつつ、質の高い観光地の形成に向けて取り組み、目標の達成に向けて努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 観光振興についての御質問の中で、LCC導入についてお答えいたします。
 LCCとは、低コストで運航し低価格でサービスが簡素化された航空会社でありますが、特に海外において成長が著しく、日本国内への就航も増加しております。
 県としましては、国内及び国際観光客の増加につながり観光産業の振興に資することが期待されることから、他の航空会社と同様、LCCに対しても誘致活動を行ってまいりたいと考えております。
 次に、離島の振興についての御質問の中で、離島を結ぶ新たな航空会社の設立についてお答えいたします。
 離島を結ぶ新たな航空会社の設立につきましては、離島における定住条件を改善し離島の振興を図る観点から、当該離島住民の意向、既存の航空会社の動向、今後の需要見込み及び運営コストなどを総合的に勘案しながら検討を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 離島振興についての御質問の中で、海岸漂着物対策の取り組み状況と課題についてお答えいたします。
 県内の海岸には、国内外からの発泡スチロールや漁具、流木等が漂着し、自然環境や海岸景観の悪化を招き、その量は平成21年度の調査で約8600立方メートルとなっております。そのため、県では、国の地域グリーンニューディール基金を活用し、沖縄県海岸漂着物対策事業を実施しております。平成21年度には「沖縄県海岸漂着物対策地域計画」を策定し、県内のほぼ全域を回収事業の対象とする重点対策区域として指定しております。本年度は漂着状況の詳細調査などを実施するとともに、まず石垣市、宮古島市及び多良間村の海岸において回収を実施いたします。また、平成23年度には残る重点対策区域の回収処理等を早期に実施することとしております。
 主な課題としては、漂着物の効率的な回収や処分、発生抑制などがあります。
 県としましては、今後とも海岸漂着物処理推進法に基づき、国・市町村と連携を図りながら適切に対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○比嘉 京子 御答弁ありがとうございました。
 では再質問をさせていただきたいと思います。
 まず教育行政の中において、幼稚園教育の考え方についてお伺いしたいと思います。
 私は、この質問をするに当たって幼稚園の位置づけというのをありとあらゆる資料をひっくり返してみました。改めて余りにも弱いのか、ないのかがよくわからないということもありまして、再質問の1番目に幼稚園教育における県の役割というのをどういうふうに位置づけているのかということをお聞きしたいと思います。
 それから、学力テストが国内でトップということで秋田県と人事交流というんですか、人的交流を図っておられると思うんです。そこで、秋田県における幼児教育の取り組みと本県を比較するとどういうような違いがあるのか、どうすぐれているのか、そこら辺について2点お聞きしたいと思います。
 次に、健康・医療行政について、自殺対策についてお伺いしたいと思います。3点ばかりあります。
 部長、今、中身についてではなく取り組みについてお話をされておられましたけれども、私はもうちょっと個別的な、例えば「いのちの電話」はどうなのかとか、それからうつデイケアの状況はどうなのかというようなことをお聞きしたいわけでありますけれども、「いのちの電話」というのは時間帯が限られているわけなんですね。それで、24時間体制は検討しておられるのかどうか、見通しがあるのかどうかお伺いしたいと思います。
 それからうつデイケア、これは県の総合精神福祉センターで取り組まれて、大変職場復帰率が高いということで全国的にも注目を集めている開発事業でございますけれども、そのことについての強化という考え方があるのか、それとも強化ではないのか、そこら辺をお聞きしたいと思います。
 もう1点は、岩手県では、救命救急外来のほうに精神科医を2人専属で配置をして、自殺を図って運ばれてきた人たちを、その手当てだけではなく精神科につないでいくという手当てをしているようです。本県でもそういうことの導入について検討しているのかどうか伺いたいと思います。
 もう1点、病院事業局についてお聞きいたします。
 私は、7対1体制で、まず1点は、年度途中で――「産休等の」と書いてあるんですが――退職や休職をする人たちが、その85名の定数の中に加味されていて定数改正なのかどうかということであります。もしそれが加味されてないとしたら、なぜ加味をしなかったのかということが一つなんですが、このことによって、私は、嘱託とか臨時で人が来るのかどうか、来なかった場合に病床閉鎖を進めていく必要に迫られないかどうか、そこを危惧しているわけでありまして、この2点をお聞きしたいと思います。
 それから、総務部長にお聞きいたします。
 先ほどの御答弁によりますと、特別理由がないと、別にする理由がないと、そのために今一元化して運用しているんだというお話がございました。県の審議会の委員でもあられた伊関さんなどは、ここは離して自由裁量に任すことが必要ではないかという意見もお持ちのようであります。
 私は、まず1点は総務部長に、行政職では人員増というのはコスト増につながるという概念が一般的だと思いますが、病院事業部では違う、人員をふやすことで収益が上がるというこの認識の違い、定数に関しての認識が違うんだということをお持ちかどうか、そこをお聞きしたいと思います。
 それから、観光行政について1点お聞きいたします。
 私は、一番今、観光行政で地元業者が非常に大変な状況にあると共通に理解はいたしております。そのために、地元が潤う観光産業というのをどうやっていくのかという県の具体的な策についてお聞きしたいと思います。
 最後に、離島振興について、輸送コストの低減についてお聞きいたします。
 今、新振興計画において「沖縄離島住民移動交付金」の創設を検討されているようでありますが、県のその不退転の決意についてお伺いをしたいと思います。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時55分休憩
   午後2時2分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 福祉保健部長。
   〔福祉保健部長 奥村啓子さん登壇〕
○福祉保健部長(奥村啓子) 自殺対策についての再質問にお答えいたします。
 まず、「いのちの電話」に対する24時間体制等含めての件ですけれども、現在、「いのちの電話」の周知のための広告等、それから支援者技術向上のための研修会・学習会など、そういう経費について支援しております。
 それと、24時間体制につきましては何度か団体との相談というか意見交換をしておりますが、ただ相談員の確保が非常に困難な状況があるということで、現在実施の方向での検討はしておりません。
 それから2点目のうつデイケアの今後の取り組みという趣旨の再質問ですけれども、このうつデイケアにつきましては、うつデイケア技術移転実行計画に基づき、より身近な地域でということで地域の医療機関への技術移転に向けた取り組みを推進しているところです。22年の6月現在、本島3圏域の8機関で認知行動療法、また、そのうちの3機関においては認知行動療法とデイケアをあわせて実施しているというふうに聞いております。
 今後、やはり身近なところでそういうデイケアの実施というのが重要であるというふうに考えておりまして、精神保健センターにおいて、その技術移転に向けて今後とも取り組んでいきたいというふうに考えております。
 それから救命救急センターへの精神科医の配置についてですけれども、外部機関の有識者を交えたそういう機関の中でその必要性については常時議論はしておりますが、体制の整備とか人員の確保等いろいろ課題がございまして実現には至っておりませんが、今後とも関係機関等と議論をして進めていきたいと思っています。
 なお、救急救命センターの病院によっては、必要に応じて精神科の対応をしているということでございます。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) それでは中部病院の7対1看護体制に必要な看護師数、産休等の考慮についての御質問の再質問についてお答えいたします。
 中部病院でICU等の特殊病棟を除く一般病棟において7対1看護体制を導入するために、看護師の必要数に基づき93名をふやすこととしております。退職する看護師数を加味した増員数ではございません。
 病院事業局では、看護師の年度途中の退職により病床の休床にならないよう、全力で人材確保に取り組んでいくつもりでございます。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 知事部局の行政職と異なって、病院は看護師が増加すれば経営に資するという認識をお持ちかという御趣旨の質問にお答えいたします。
 一概には経営に資するとは言えないと思います。経営のうまくいっている病院は人件費比率が50%台でございます。現在県立病院は60%台ということで推移してございます。
 今回、中部病院の定数を増加させた要因としまして、中部病院に限っていいますと現在の診療報酬の改定等がございまして、経営に資すると判断して定数を増としたところでございます。
 今後、人件費を抑制しないとなかなか厳しい状況になると思っていますので、病院事業局にはその人件費の抑制について努力していただきたいと思います。
 以上です。
○観光商工部長(勝目和夫) 観光振興の中で、地元が潤う観光振興についての具体的な策ということの再質問にお答えします。
 観光は総合産業であり、経済波及効果の大きい産業であります。今後、さらに地元がかかわる具体策としてはやはり先ほど答弁しましたように、農林水産業や製造業、情報通信産業との連携強化を図ることが重要であると考えています。具体的には、宿泊施設や飲食店におけるまず地産地消をしっかり広めていくこと、それから地域の特産物等を活用したお土産品の開発、それから観光情報の発信力を高める必要がありますので、現在やっているコールセンターなどの拡充や新たなコンテンツの発信などをやり、商品開発をどんどんふやしていく、仕事をふやしていくというようなことでみずから観光を拡大していくような関連産業を育てていくというようなことも具体的には大事じゃないかというふうに考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 比嘉京子議員の再質問の中で、輸送コスト低減に関する決意を述べてもらいたいというふうな御質問でございますので、答弁をさせていただきます。
 本県の離島は、経済水域の確保、それからまた観光など本県振興にも大きな役割を果たす一方では、離島を結ぶ交通機関というものが飛行機または船に頼らざるを得ず、陸上交通に比較して割高な運賃というものが人的・物的な離島の大きな障害となっております。
 本県の離島が今後とも重要な役割を果たしていくためには、離島の定住条件を改善し、離島地域の振興を図っていくことが重要であるというふうに考えております。
 本日、県議会からも新たな沖縄振興のための法制度を求める意見書・決議をいただいたところでございます。離島県である本県において、離島振興なくして本県全体の発展はないという決意でもって一体となって制度の実現を求めてまいりたいというふうに考えています。
 以上であります。
○教育長(金武正八郎) それでは比嘉議員の再質問にお答えいたします。
 幼児教育の県の役割と市町村の役割についてお答えいたします。
 県の幼児教育については、本県の幼児教育の方向性を示した、またあり方を示した施策を策定すること、そして家庭、地域、保育所、幼稚園、市町村と県の行政機関が連携をとりながら、施策の推進が図られるように進めていくこと、そしてそのことを通して幼児教育のさらなる充実を図っていくことでございます。市町村におかれましては、設置者でございますので、施設・設備の整備、そして職員の配置、そして県の施策に基づいたまた施策を新たに策定して幼児教育のより一層の充実に向けた取り組みを行います。
 2つ目の秋田県の幼児教育の取り組みですけれども、1つ目は、研修の充実が図られていると、幼稚園教諭と保育士の合同研修が多く実施されているということ、それから2点目は私立の割合が多いということ、高いということ、それから3点目は、すべて3年保育であるということ、4点目は、家庭教育が充実しているということでございます。
 以上でございます。
○比嘉 京子 今の自殺のお話もそうですけれども、本当に命の最前線のところなんですよね。そこの総合センターのうつは、今広げていっているからいいですというふうにおっしゃっておられたように思いますが、その人たちがまた戻ってきて研修をして、どんどん技術をアップさせていくという意味においても、私はここをもっと強化して充実していくことが重要ではないかなというふうに思います。そして必要に応じて対応ということが実態としてはほとんど見られておりません。ですから、どうぞ位置づけをもっとしっかりできるように自殺対策のほうをぜひお願いいたします。
 それから、最後にもう1点だけ教育のほうでお聞きしたいと思います。
 皆さんもお聞きになったことと思いますけれども、私が前段で申し上げたことは、教育に対して先進地がどういうことをやっているのか、いいことづくめばかりを言ったように思われたかもわかりませんけれども、やはりある施設をしっかりとつなぎ合っている、一貫している、そして親の不安感を除いている、そして親を育てている、さまざまなことが本当に合理的になされているというふうに思いました。
 私は、特に沖縄における乳幼児の現状というのはやはり戦後の児童福祉法の施行のおくれを含めて今非常に厳しい状態にあると思います。せんだっての新聞にも、泊の学童保育を求めて前日の2時から並んでいる親たちの姿が載っておりました。そのように学童保育を民間に依存しているということもさることながら、今午後の保育を親たちが安心して働ける場所を求めて大変な状況にまだまだ何十年たっても変わっていないという実態はどうにかしなければならないというふうに思うわけです。
 さて、多くの方が本当にこの幼児期、それから小学校入学前のところに私は今回は視点を当ててみたんですけれども、何と言ってもこういうことが言われています。本当に人生のすべての学びが幼稚園の砂場にあったというように言ったアメリカの哲学者がおりましたけれども、まさにそうだと思いますね。「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」というようなことがあるように、この幼児期をもっと強化していかなければいけないと。今のお話を伺っておりましても大変危惧するところです。
 最後に質問として、今度の小学校の採用人員が250名にアップするというお話がありましたが、幼稚園教諭が何名ここで採用されるのかどうか、それを最後にお聞きしたいと思います。
 知事にお訴えしたいんですけれども、私はやはり知事の30人以下学級も含めて、財源の確保というのがほとんど自主財源でなされてないことも含めて、やはり沖縄県の人材育成の本気度を今期はぜひ実行していただきたいと要望して終わりたいと思います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時17分休憩
   午後2時18分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 金武正八郎君登壇〕
○教育長(金武正八郎) 比嘉議員の再々質問にお答えいたします。
 次年度(平成23年度)の公立幼稚園の職員の採用数は38名でございます。
 以上でございます。
○玉城 ノブ子 こんにちは。
 私は、日本共産党を代表して代表質問を行います。
 質問の前に所見を述べたいと思います。
 今、多くの国民・県民は、何のための政権交代だったのか、民主党への期待は幻滅から怒りへと変わっています。多くの国民・県民の中に政治と社会への深い閉塞感が広がっています。外交でも、経済でも、日本の国際的地位の急激な地盤沈下が起き、前途への不安が大きくなっています。どうしたらこの閉塞状況を打開し、未来に希望ある政治をつくることができるのか、多くの国民が真剣な模索を始めています。
 政権交代後、わずか1年半で民主党政権は、自民党政権とうり二つになってしまいました。後期高齢者医療制度廃止などの公約を投げ捨てただけでなく、医療、介護、年金など、社会保障を切り捨て、負担を押しつける計画を次々に打ち出しています。大企業の内部留保金は今や244兆円、使い道のない手元資金は62兆円に上っています。しかし、民主党政権は財政難と言いながら、財界言いなりに法人税減税で1兆5000億円もばらまき、証券優遇税制を延長するなど、大企業、大金持ち優遇の不公正税制を温存しさらに拡大しようとしています。消費税増税に政治生命をかけると宣言し、食と農業、地域経済、国土と環境を壊すTPP(環太平洋連携協定)への参加に突っ走ろうとしています。
 沖縄の普天間基地問題でも、自公政権がつくった辺野古への新基地建設案の押しつけに固執し、暗礁に乗り上げています。沖縄県民の総意を踏みにじった説得や脅迫ではなく、アメリカ政府とのまともな交渉こそが問題解決の道でありながら、日米合意に縛られ、みずからその道を閉ざしています。
 政治と社会の閉塞状況の根にあるものは何でしょう。国民・県民の暮らしの実情や願いよりも、財界・大企業の要求やアメリカの意向を優先させるという長年の古い枠組みがいよいよ行き詰まった、ここに根っこがあるのではないでしょうか。異常な大企業中心の政治のゆがみをただし、雇用、社会保障、農林漁業、環境などあらゆる分野で国民の生活と権利を守るルールある経済社会をつくる、この道に転換してこそ日本経済を立て直していく大きな展望が開けます。
 アメリカ言いなり、日米軍事同盟絶対という外交から抜け出し、憲法9条を生かした平和・自主・独立の新しい日本を目指してこそ沖縄の基地問題を解決し、東アジアを平和な地域にするための展望が開けてきます。日本のアメリカ言いなり、財界中心という2つの大問題を改革し、政治と社会の閉塞状況を打ち破る新しい政治の流れをつくり出し、希望の持てる未来を御一緒に開きましょう。
 今、地方政治はどうなっているでしょうか。
 民主党政権は、暮らし向きが苦しい、仕事がない、国保税が高くて払えないなど、切実さが増す住民の声にきちんと向き合うようになったでしょうか。その中身は、住民の暮らしと福祉のための自治体の独自の仕事を切り捨て、保育所・障害者施設を初め社会保障や教育などの各分野で国が定めた最低基準さえ取り払い、住民福祉の機関としての自治体の機能と役割をさらに弱めています。「官から民へ」のかけ声で、保育所や学校給食、公立病院などの民営化や民間委託、各種施設の指定管理者制度への移行など国と地方自治体の公的責任、公共サービスを投げ捨て、民間任せにしてしまう。これらは自公政権が進めてきた地方分権という名での地方切り捨ての政治を丸ごと引き継ぎ、さらに加速させるものにほかなりません。それは住民の福祉と暮らしを守るという自治体の原点を壊し、自治体が自治体でなくなるという事態を一層深刻にしています。国が住民の暮らしを脅かす仕打ちをしてきたら、それに立ちはだかって住民の暮らしと福祉を守る防波堤の役割を果たす、これが本来の自治体の仕事です。
 日本共産党は、沖縄県民の米軍基地のない平和で豊かな沖縄県の実現のために県民とともに奮闘するものであります。
 日本共産党は、これまで沖縄県への鉄軌道導入を積極的に推進してきました。県議会に鉄軌道導入を促進する特別委員会の設置を提案したいと思います。
 以下、発言通告に基づいて質問を行います。
 最初に、知事の政治姿勢について、以下質問をいたします。
 (1)、基地問題について。
 通告した後に、「沖縄に米軍基地を置くことを要求したのは、米国ではなく日本側であった」という外交文書が明らかになりました。このことについてお聞きをしたいと思います。質問の趣旨と対応については、議事課を通して当局にも御理解をいただいておりますので、御答弁をよろしくお願いします。
 ア、鳩山由紀夫前首相は、海兵隊の「抑止力」は、辺野古に基地を押しつけるための「方便」だったと発言しています。絶対に許せない発言です。県民をだまして基地を押しつけようとしたことに抗議すべきではないでしょうか。
 イ、民主党菅政権は、「海兵隊は平和を守る抑止力」と日米合意を押しつけてきました。海兵隊は抑止力として存在するものでないことが明白になりました。日米合意の撤回を迫るべきであります。
 ウ、沖縄の海兵隊は、イラク戦争やアフガン戦争に出撃し、ファルージャでも女性や子供を合む住民を虐殺し世界じゅうから非難を受けた「殴り込み部隊」であります。海兵隊の即時撤去を要求すべきです。
 エ、北澤防衛大臣は知事との会談で、「県民の皆さんも目を見張るようなそういう振興策を提示でき、理解を深めさせてもらえばと思う」と基地とリンクした振興策をちらつかせています。知事はどう対応したのか。基地とリンクした振興策ではだめだと明確に言うべきではありませんか。
 オ、政府は、名護市への「再編交付金」の支給を稲嶺市政になる前に内定していたものも含めて停止をしました。あめとむちで県民をおどし、力づくで基地の受け入れを迫るものであり、許せません。知事の御所見を伺います。
 カ、新基地建設のための現況調査を名護市が拒否したことを理由に、政府・防衛局は名護市を相手に異議申し立てをしておりますが、住民の利益を守るための機関なのですか、国益を守るための機関なのですか。絶対に認められません。知事の御所見を伺います。
 キ、政府は、辺野古新基地建設のために自治法を改悪して、国等にする違法確認訴訟制度を創設しようとしています。知事の埋立許認可権を奪い、政府の権限で埋め立てを推進しようとするものであります。絶対に容認できません。知事は反対を表明すべきではありませんか。知事の御所見を伺います。
 ク、政府は、那覇軍港代替施設の環境影響評価を新年度から実施すると表明しています。復帰時の約束であった那覇軍港の返還はいまだに進んでおりません。負担軽減というのであれば、無条件返還を要求すべきではありませんか。軍港移設のための環境アセスはやめるべきであります。答弁ください。
 ケ、政府は基地負担を軽減したと言っています。その実態は外来機が飛来し嘉手納基地の爆音は増大し、2万2000人余りの集団訴訟も起こっています。即刻、外来機の飛行禁止、戦闘機の撤退を要求すべきではありませんか。
 コ、外来機の爆音で苦しんでいる県民の神経を逆なでするような降下訓練は絶対に許せません。今後はいかなる理由があっても降下訓練はやるべきではないと申し入れるべきであります。知事の御所見を伺います。
 サ、日米安保条約を平和友好条約へ改めるべきが大きな世論です。日米安保条約を廃棄し、対等・平等の平和友好条約への道に踏み出すことが求められております。知事の御所見を伺います。
 2、高江のヘリパッド問題について。
 (1)、ヘリパッド建設工事は、SACO合意に基づくものであり、辺野古の新基地建設計画を前提とする事業であります。新基地建設反対は、県民の総意であります。知事は、菅首相が来県したとき、「県内移設は全部バッド(だめ)だ」と言っていますが、辺野古新基地建設と一体である高江ヘリパッド建設について、「県内移設はバッド(だめ)だ」と明確に表明すべきではありませんか。
 (2)、政府・防衛局は、東村高江でのヘリパッド工事の再開を強行しています。ヘリパッドに反対する住民を国が妨害行為禁止と那覇地裁で係争中です。裁判長は双方で話し合いを持つように求めている中での工事再開は、法治国家であってはならないことであります。知事の御所見を伺いたい。
 (3)、高江の住民が、これ以上の騒音に耐えられない、豊かな自然を壊すのはやめてほしい、平和な島にヘリパッドは要らないと抗議をしている中で、さらに反対している住民を暴力的に強行突破してけがを負わせるなど強権的に工事を再開することは許されません。沖縄防衛局は工事再開の根拠として、県の理解を得ていると強弁しているのですが、知事は了解しているのですか、やめるように言うべきではありませんか。
 (4)、高江のヘリパッド工事は、北部訓練場を返還するかわりに6カ所にヘリパッドを移設する計画であります。現在15カ所もヘリパッドがあるのになぜもっと必要なのですか、ヘリパッドは何カ所使われていますか。キャンプ・ハンセンには何カ所ヘリパッドがありますか。どうしてそんなに必要ですか。もうこれ以上のヘリパッド建設はやめるべきではありませんか。
 (5)、墜落事故も多く、騒音も大きな最新鋭輸送機のオスプレイがヘリパッドを使うことも大問題です。日本共産党の赤嶺政賢衆議院議員の質問に対して北澤防衛大臣は、オスプレイのヘリパッド使用を可能と答弁しています。住民を苦しめるヘリパッドの建設はやめるべきであります。知事の御所見を伺います。
 3、米軍の訓練水域外について。
 (1)、昨年12月、米軍と自衛隊による日米共同統合演習が日米双方で約4万5000人の人員、船舶60隻、航空機400機が参加し、過去最大規模で実施をされました。当初、米軍演習は大東島周辺のパヤオの集中する上空で行われる予定であったが、しかし事前通報で知った漁協が抗議し、パヤオから外されたところに移動しています。米軍は、訓練水域外で模凝機雷の捜索、回収訓練を実施しているのであります。漁民は、提供水域外でも自由自在に訓練ができることになると漁民の生命、安全は守れない、絶対に許せないと怒っております。知事は、訓練水域外での演習を認めるんですか。直ちに抗議して中止を求めていくべきではありませんか。
 (2)、ことしの1月5日から15日に米軍は、日米政府に通知せず沖縄本島周辺の訓練区域外で原子力空母カールビンソンを中心とする第一空母打撃群による爆撃訓練を計画いたしました。15日前に通報すべきであったが、県漁連が訓練を知ったのは4日、糸満漁協に通知が届いたのは7日であった。訓練水域周辺は、ソデイカ、カツオ、マグロなどの好漁場であります。戦争さながらの実戦訓練が実施されるのに、周辺ではそれを知らない漁船が操業する。どうして漁民の生命、安全を守ることができますか。知事の御所見を伺います。
 (3)、政策協議会で前原大臣は、水域内をしっかり守るという基本を確認したと言っておりますが、外務省はやむを得ず水域外で訓練することもあるとの認識を示しております。漁民は、沿岸域での訓練はやめてほしいと訴えております。知事は、政策協議会で何を認めさせたのですか。
 (4)、知事は、鳥島射爆撃場、久米島射爆撃場、ホテル・ホテルの訓練水域の返還について政府にどのような対策を求めてきたのか伺います。
 (5)、訓練水域・空域の全面返還を要求していくべきではありませんか。返還させた場合にどれだけの経済効果があるのか調査する必要があると考えますが、調査したことはありますか伺います。
 4、振興計画について。
 次期沖縄振興計画の策定に当たっては、「基地のない平和で豊かな沖縄を」という日本本土復帰の願いが実現されたかどうかの原点に立ち返る必要があります。戦後65年余り、復帰40年近くなろうとしているのにいまだに広大な米軍基地が存在するという異常な状態は許されません。
 (1)、次期振興計画では、基地のない沖縄を正面に掲げていくことが必要であります。知事の見解を伺います。
 (2)、沖縄戦の悲劇、27年間の米軍占領、今なお全国の75%の米軍基地が押しつけられるなど、沖縄県民の苦難は解消されておりません。「沖縄県民への償いの心をもって事にあたる」という復帰特別措置法の原点に返って沖縄振興に対する国の責務を明確にすることが必要であります。
 (3)、次期振興計画では、第1次産業を初め地場産業育成、地元企業育成、福祉、教育の充実に力を入れるべきであります。御所見を伺います。
 5、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について。
 TPPは、例外なき関税撤廃で農水産物の輸入自由化を初め、医療、雇用、保険等の市場が開放され、農水産業や地域経済は壊滅的な打撃を受けることになります。
 (1)、TPPへの参加で農水省は、日本の食料自給率は13%まで低下し、雇用は340万人減少すると試算しています。沖縄の農林水産業への影響はどうなりますか、沖縄の食料自給率は何%まで減少しますか。雇用への影響について伺います。
 (2)、TPPは、医療、雇用、金融、保険、公共事業の入札、医師、看護師あるいは弁護土などの労働市場の開放まで含まれています。この分野でどれだけの影響が出ると考えておられるのかお答えください。
 (3)、離島地域においては、人口の流出、産業や経済の疲弊と崩壊を招き、地域が成り立たなくなると言われておりますが、そのことに対する知事の認識を伺います。
 (4)、地球的規模で食料不足が大問題になっているときに、TPP参加で輸入依存を強め、日本と沖縄の農業をつぶし地域経済を破壊し、食料の安定供給を破壊するTPP参加に知事は明確に反対を表明すべきではありませんか。
 6、地域経済の活性化について。
 (1)、住宅リフォーム制度。
 我が党が一貫して提案、要求し続けてきた住宅リフォーム制度は国による支援が強化されることになりました。県は、住宅リフォーム助成制度の実施について県内需要や他県の事例及び市町村の意向を踏まえて、市町村と連携しながら検討していきたいと答弁しております。日本共産党の市田書記局長に対する答弁で菅首相は、住宅市場を活性化させる観点から住宅リフォームの推進は極めて重要だ。住宅リフォーム助成制度については社会資本整備総合交付金を活用することができ、今後とも支援していくと述べています。この事業の活用を盛り込んだ自治体が既に50以上に上っています。今年度から実施に踏み切るべきではありませんか伺います。
 (2)、地産地消の推進について。
 地元の地場産業や農水産物を全小中学校の給食や観光ホテル、旅館など関連産業の食材に積極的に活用促進を図っていくために、以下の点について質問をいたします。
 ア、県内市場における県産農水産物の安定した質・量・価格の確保と直売所などの流通拠点の整備拡充など供給体制の整備にさらに一層の支援を図ることについて御所見をお伺いいたします。
 イ、保冷庫や急速冷蔵施設、農水産物加工工場をJA、漁協などに設置するための施策を推進することについてお伺いいたします。
 ウ、糸満漁協は、水産物加工施設の建設を計画しています。積極的に支援を図ることについて伺います。
 エ、助産地消を具体的に推進するために各市町村との連携を図ることについて伺います。
 オ、宮古島市では有機農法による生産物の拡大に積極的に取り組んでいく計画です。長寿県沖縄のウチナーブランドづくりとして、安全性の高い農産物の生産を県として推進することが求められております。現状と対策について伺います。
 7、農水産業の振興について。
 (1)、価格保障、所得補償など農業漁業の経営を守るとともに、食料自給率を当面50%まで回復させるための実効ある対策をとること。
 (2)、多様な家族経営を維持発展させるための支援を強化すること。
 (3)、新規就農者の参入・定着を支援するための就農者支援制度の創設と、定年後就農者支援制度を創設することについて伺います。
 (4)、耕作放棄地の農地としての有効活用のための抜本的な対策をとること。
 (5)、八重山漁協では、ヤイトハタ(アーラミーバイ)の養殖漁業に大きな成果を上げています。養殖漁業の振興について県の支援策を伺います。
 8、雇用対策について。
 (1)、官製ワーキングプアと言われている県・市町村や外郭団体等の臨時・非常勤の実態はどうなっておりますか。調査を行い、公表し待遇を改善することについて伺います。
 (2)、行革の名のもとに強行されている行き過ぎた職員減らしを見直し、必要な職員数を確保することについて伺います。
 (3)、県の発注する公共工事や業務委託契約で一定の賃金が確保されるよう、県独自の客観的な経費の基準を定め、請負業者や下請業者まで守らせる「公契約条例」を制定することについて伺います。
 9、福祉問題について。
 (1)、国保問題について。
 政府は、国保加入世帯の全年齢を対象にした国保の広域化を進めるとしています。この「新医療制度」の第2段階実施までの期間は、都道府県が策定する「広域化等支援方針」を策定し、「国保の広域化」を図る計画です。
 ア、政府は、国保広域化に向けて昨年5月、各市町村が保険料軽減のために国保会計を繰り入れるのはやめ、値上げに転嫁するように通達を出しています。全県市町 村は、約51億7600万繰り入れを行っております。これをやめれば保険料年1人平均1万円、4人家族で4万円の値上げになります。高過ぎて払えないとの悲鳴の声が上がっている中で、国保税のさらなる引き上げには、県民の生命財産を脅かす事態になります。政府に通達の撤回を求め、広域化反対の声を上げるべきではありませんか。
 イ、全国知事会は、昨年12月20日にこの案で最終取りまとめを行い、新制度に移行することについては反対であり、持続可能な国民健康保険制度の構築に向け国の財政責任を含めた本質的な検討を求めるという談話を発表しましたが、仲井眞知事の見解を伺います。全国知事会の立場と同じ反対の立場なのか、それとも新制度に賛成し、国保の広域化を推進する立場なのか明確にお答えください。
 ウ、県は、1月5日に「沖縄県国民健康保健広域化等支援方針」を発表し、国保の都道府県単位化を進めるために策定しているが、県内市町村の国保財政状況は、全保険者41のうち40%に当たる17保険者が差し引き収支赤字となっています。この17保険者の赤字をどのように解消するか伺います。
 エ、「支援方針」で収納率目標を設定しているが、厚労省の「省令71号」は「収納率割合(%)」で言う「一般被保険者数10万人以上である市町村の収納率割合は87以上89未満」となっている。沖縄県の収納率目標と大きく差が出ているがなぜなのかお伺いいたします。
 オ、また標準保険率が設定されているが、41保険者ごとに保険料が違う中で県全体が保険料を標準化すれば、低い保険料の市町村は保険料が引き上げられ大きな負担となります。この負担をどう考え、どのように対処されるのかお伺いいたします。
 カ、厚労省は、この「支援方針」の策定に当たって、すべての市町村から支援方針案について意見を求めなければならないとしていますが、県はすべての市町村から意見を求めたのか、求めたのであれば市町村ごとにどのような意見があったのかお伺いします。
 キ、県は、新医療制度に反対し、国に国庫負担金をもとに戻すよう要求し、県独自の支援を実施し国保税の引き下げを実施すべきではありませんか、伺います。
 (2)、後期高齢者医療制度について。
 新制度の骨格は、75歳以上の約1400万人のうち86%に当たる1200万人を国民健康保険に加入させ、それ以外の会社で働く高齢者や会社員などの家族に扶養される高齢者約200万人は被用者保険に入ります。国保に入る1200万人の保険料は、現在の後期高齢者医療制度と同じように一般の加入者の保険料とは切り離して都道府県単位で保険料を決めるというものであります。保険料は、高齢化が進み、高齢者の医療費がふえるにつれて高齢者の医療費が自動的にふえる仕組みで2年ごとに上がっていきます。また、70歳から74歳の病院窓口負担は、現在の1割から2割に引き上げられる計画です。高齢者に重い負担を押しつける医療制度の改悪は到底認められません。反対を表明すべきであります。
 ア、後期高齢者医療制度を廃止し、国保負担金をふやして老人保健制度に戻すことについて知事の御所見を伺います。
 イ、県独自の保険料の軽減制度をつくり、高齢者の負担軽減を図るべきであります。
 ウ、高齢者への肺炎球菌のワクチン接種を実施することについて伺います。
 (3)、介護保険制度について。
 ア、政府は、2012年度に介護保険制度の改正を目指し、ことしの通常国会に法案を提出する計画であります。しかし法案改定の内容は、要支援者1、要支援者2の人を保険サービスの対象外にし、給付者を削減できる仕組みをつくろうとするものであります。今でも多くの高齢者が重い保険料、利用料の負担に必要なサービスも受けられない中で、介護保険制度の改悪は高齢者に新たな苦しみを押しつけるものであります。許せません、反対すべきであります。知事の御所見を伺います。
 イ、介護保険料、利用料の減額の免除制度を県として行うこと。
 ウ、介護施設への入居待機者を解消するため、特別養護老人ホームを増設することについて伺います。
 (4)、障がい者権利条例を早急に制定することについて知事の御所見を伺います。
 (5)、子供の医療費の中学校卒業までの無料化について。
 ア、全国、県内で中学校卒業までの無料化の実施状況について、入院、通院それぞれについて伺います。
 イ、中学校卒業まで無料化にした場合の入院、通院に必要な財源は幾らになりますか。
 ウ、子供の医療費無料化も対象年齢を計画的に拡大することについて伺います。
 エ、現物給付制度の実現は県民の大きな願いになっています。実施について伺います。
 オ、国に対して子供の医療費無料化制度の創設を要求することについて伺います。
 10、県立病院について。
 (1)、全県立病院で7対1看護を実施することについて伺います。
 (2)、今年度から中部病院で7対1看護が実施されます。130人を新たに採用すべきです。御所見を伺います。
 (3)、医師確保のために必要な条件整備を行うことについて知事の答弁を求めます。
 (4)、独立行政法人化はやめて県立病院を存続させることについて知事の御所見を伺います。
 11、教育行政について。
 (1)、県は、1500人の臨時教員を5カ年間で正規採用にすると表明しています。直ちに本採用すべきであります。答弁を求めます。
 (2)、30人以下学級を全学年で早急に実施すること、また、低学年で教室不足のために未実施の学校への特別な対策を講じることについて伺います。
 12、ヤンバルの自然林皆伐について。
 (1)、ことしに入って国頭村の宜名真林道沿いの国頭村有林において、県民の大きな批判の的となっている皆伐方式による伐採が行われ、森は無残にもはげ山に変わり果てようとしています。その皆伐は国・県の補助を受けて造林することが大きな目的となっており、村有林だからといって県の責任を回避することは到底できないものであります。森林の皆伐は直ちに中止をすべきであります。
 (2)、今、沖縄県が行うべきは、このようなヤンバルの森を破壊するような林道建設や皆伐などではなく、世界遺産登録を目指し貴重なヤンバルの森を保全することであります。
 13、カジノ問題について。
 カジノは青少年の育成への悪影響、ギャンブル依存症の増加、暴力団の介入など社会的にも多くの問題があり、刑法で禁止されている賭博、ばくちであります。しかし、県は新たな沖縄振興計画にカジノを盛り込むことについて検討していると言われているが、知事は県民の合意なしには導入しないと表明しています。カジノ導入は断念すべきであります。調査費も計上すべきではありません。知事の御所見を伺います。
 14、鳥インフルエンザの防止等について伺います。
 (1)、高病原性鳥インフルエンザヘの感染が各地で相次ぎ、養鶏農家の経営を直撃するとともに、一部で鶏肉や鶏卵価格への影響も懸念されております。南下してきた渡り鳥が感染源になったと見られ、感染はどこでも起こり得るかつてない事態であります。万全の防疫体制の強化を求めます。御所見を伺います。
 (2)、感染ルートの解明や感染を予防する技術の開発を含め、感染を防ぐ対策をアジアの国々とも連携して充実させていくことについて国に求めていくべきであります。知事の御所見を伺います。
 15、豊かな海づくり大会の糸満での開催について。
 漁業の町糸満市で「豊かな海づくり大会」開催の機運が高まっております。知事の決意と具体的な取り組みについて伺います。
 以上、明快で誠意ある答弁を求めます。
○知事(仲井眞弘多) 玉城ノブ子議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、鳩山前総理の発言に係る御質問にお答えいたします。
 鳩山前総理の発言につきましては直接お聞きしたものではありませんが、報道のとおりとすれば、「方便」という言葉は理解しがたい表現と言わざるを得ません。
 県は、政府に対し、頭越しではなく、地元の理解・協力を得なければならないというようなことや、県民の納得のいく説明や解決策を示すよう繰り返し申し上げてまいりましたが、今回の鳩山前総理の一連の発言は、県民の納得のいく説明とはとても言いがたく、まことに遺憾であると言わざるを得ません。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中で、日米共同発表の撤回を求めることについての御質問にお答えいたします。
 去る2月16日の予算委員会において菅総理大臣は、沖縄の海兵隊を含む在日米軍の存在は、日本の安全にとっても、アジア太平洋の安定にとっても必要だ、そういう認識のもとで、日米合意を踏まえて対応していくとの見解を示しています。
 県といたしましては、これらの発言いかんにかかわらず日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設に取り組むよう政府に強く求める考えに変わりはありません。
 次に、県立病院に係る御質問の中で、県立病院の経営形態についての御質問にお答えいたします。
 県立病院の役割であります地域において必要とされる医療を持続的・安定的に提供していくためには、病院経営の自立性と健全化を高めることが重要であります。県立病院の経営形態につきましては、このことを踏まえまして検討を行う必要があります。
 県におきましては、「県立病院のあり方に関する基本構想」に基づき、「経営再建計画」に沿った経営全般にわたる改革の取り組みを検証した上で最終的な判断を行うことといたしております。
 次に、豊かな海づくり大会の糸満市での開催についての御質問にお答えいたします。
 「全国豊かな海づくり大会」は、水産資源の維持培養と海の環境保全に対する意識の高揚を図るとともに、水産業に対する認識を深めることを目的として開催される国民的行事であります。本大会は、平成24年度に沖縄県で開催されることが昨年11月22日に全国組織の「豊かな海づくり大会推進委員会」において決定されております。
 県といたしましては、今後、関係機関等で構成されます実行委員会を立ち上げ、具体的な行事内容等を策定する予定でございます。
 なお、開催地につきましては、さきの9月議会におきまして――――――――――――――――――――――地元からの要請があること、そして県内唯一の第3種漁港があること、さらにウミンチュの町として長い歴史があることなどから、糸満市が適当であると考えております。しかし、なお正式には所要の手続を経て最終的に決定いたしたいと考えているところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。(「議長」と呼ぶ者あり)
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時58分休憩
   午後3時20分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 玉城ノブ子議員への私の答弁の中で、全国海づくり大会の答弁の中で、―――――――――――――――――と発言した部分につきましては削除したいと思いますので、議長においてよろしくお取り計らいくださるようお願いいたします。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 答弁の途中でありますが、玉城ノブ子さんの質問に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後3時21分休憩
   午後3時45分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前の玉城ノブ子さんの質問に対する答弁を続行いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 又吉 進君登壇〕
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢につきまして、海兵隊の即時撤去の御質問にお答えいたします。 
 海兵隊を含む米軍は、日米安全保障条約に基づき駐留しているものであります。県は、これまで日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減等による本県の過重な基地負担の軽減を求めてきております。とりわけ海兵隊については構成員が最も多いことから、その削減に最優先に取り組む必要があると考えております。
 米軍再編で示された海兵隊司令部及び約8000名の海兵隊将校・兵員のグアム移転と、それに伴う嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の整理・統合・縮小は、県民の要望している在沖米軍兵力の削減及び米軍基地の整理縮小につながるものであり、確実に実施される必要があると考えております。
 次に、基地問題と振興策のリンク論についてお答えいたします。
 県としましては、基本的に沖縄県の振興策は基地問題とは別であると考えており、振興策とは関係なく沖縄の過重な基地負担の軽減を求める県の考えに変わりはありません。
 次に、名護市への再編交付金不交付についてお答えいたします。
 今回、名護市に再編交付金を交付しないことが決定されたことについて、北澤防衛大臣は、米軍再編特別措置法の趣旨に基づいた判断であると説明しております。県としては、地域の振興は基地問題とリンクすべきでないと認識しております。
 政府においては、北部地域の振興について地元の意向を踏まえ、引き続き積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
 次に、現況調査に係る異議申し立てについてお答えいたします。
 今回の名護市に対する現況調査に係る異議申し立てについては、沖縄防衛局と名護市の両当事者間で行われている行政不服申し立て手続であり、県としてはその適法性について見解を述べる立場にはありませんが、今後とも重大な関心を持ってその推移を注視していきたいと考えております。
 いずれにしましても、県としては普天間飛行場の県内移設は事実上不可能であり、県外移設を求める考えに変わりはありません。
 次に、国等による違法確認訴訟制度の創設についてお答えいたします。
 政府は、「地方自治法の一部を改正する法律案」の中に「国等による違法確認訴訟制度」の創設を盛り込むことを検討しているとのことでありますが、具体的な内容については政府から示されておりません。県としては、引き続き普天間飛行場移設問題への影響等を含め、情報収集に努めるなど適切に対応したいと考えております。
 次に、那覇港湾施設の無条件返還についてお答えいたします。
 那覇港湾施設の浦添埠頭地区への移設については、平成8年のSACO最終報告で合意され、平成18年5月の「再編実施のための日米のロードマップ」においても移設を条件に全面返還されることとなっております。また、平成13年11月には浦添市長が受け入れ表明を行い、平成15年1月の第4回那覇港湾施設移設に関する協議会では、浦添埠頭地区への移設を浦添市、那覇市とも了承しております。現在、移設協議会において、環境影響評価を含め、移設に関連した諸措置等について、国・県・地元自治体等で協議・調整が進められているところであり、県としましては、今後とも国・地元自治体等と連携して那覇港湾施設の移設に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、外来機の飛行禁止と戦闘機の撤退要求についてお答えいたします。
 最近の嘉手納飛行場をめぐっては、米軍再編に伴う一部訓練移転が実施されていますが、外来機のたび重なる飛来に加え、F22戦闘機が先月から約4カ月の予定で配備されるなど、依然として目に見える形での負担軽減があらわれているとは言えないと考えております。外来機、常駐機にかかわらず、米軍の訓練等により、県民に被害や不安を与えることがあってはならず、あらゆる策を講じ、騒音を初めとした周辺住民の負担軽減が図られるよう、米軍及び日米両政府に対しこれまで強く要請しております。
 県としましては、今後ともあらゆる機会を通じ、航空機騒音の軽減を日米両政府に対し粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 次に、嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練についてお答えいたします。
 嘉手納飛行場の航空機騒音については、常駐機に加え、外来機のたび重なる飛来等により、依然として目に見える形での負担軽減が図られておらず、地域住民の生活にさまざまな影響を与えております。こうした状況の中、パラシュート降下訓練が実施されたことは、基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている周辺住民を初め、県民に多大な不安を与えるものであり、まことに遺憾であります。
 県としましては、パラシュート降下訓練は、SACO最終報告の趣旨に沿って実施されるべきであると考えており、今後とも嘉手納飛行場において実施することがないよう、日米両政府に対し強く求めてまいりたいと考えております。
 次に、日米安保条約と平和友好条約についてお答えいたします。
 県としては、戦後の日本が国際紛争に巻き込まれることなく経済が発展してきていることや平和な国民生活を享受してこられたのは、日米安全保障体制を含む日米同盟関係が我が国及び東アジアにおける国際の平和と安定の維持に寄与していることによるものと理解しております。しかしながら、在日米軍基地の大部分を占める沖縄の米軍基地が果たしている役割や必要性を初め、安全保障について国民全体で十分な議論がなされてきたとは言えないと認識しております。今後も日米安全保障体制が安定的に維持されるためには、沖縄の社会的安定が必要であり、そのためには沖縄県の過重な基地負担の軽減を図ることが極めて重要であると考えております。
 次に、高江ヘリパッドの建設工事につきまして、質問の2(1)、2(2)、2(3)は関連いたしますので一括してお答えいたします。
 昨年1月、沖縄防衛局が東村高江区のヘリパッド建設をめぐり、通行妨害禁止を求める訴訟を提起したことは承知しております。県としましては、現在本件が係争中であることから、コメントについては差し控えさせていただきたいと思います。
 北部訓練場のヘリパッドについては、SACO最終報告において、同訓練場の過半を返還することに伴い残余部分に移設されるものであり、県としては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 県としましては、了解を求められる立場にはありませんが、随時、現地に職員を派遣し、状況の確認を行っております。改めて、去る2月14日には、国は市町村の意向等も踏まえ、地域住民の生活や当該地域の自然環境に十分配慮し、安全に万全を期すよう、申し入れを行ったところであります。今後とも東村や高江区の意向を尊重し、適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、高江のヘリパッドについての御質問の中で、ヘリパッドの建設はとめるべきという御質問にお答えいたします。
 現在、北部訓練場には22カ所のヘリパッドがあると承知しております。
 御質問の返還後の北部訓練場残余部分に現在ある15カ所のヘリパッドにさらに追加する必要性について、沖縄防衛局は、北部訓練場の過半を返還することに伴う現有機能の移設整備と認識しているとのことであります。また御質問の使用されているヘリパッドの数、キャンプ・ハンセンにあるヘリパッドの数、ヘリパッドが数多く必要な理由については再三にわたり米軍に照会しておりますが、明らかにされておりません。
 北部訓練場のヘリパッドについては、SACO最終報告において、同訓練場の過半を返還することに伴い残余部分に移設されるものであり、県としては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることが現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 次に、オスプレイと高江ヘリパッドについてお答えいたします。
 県は、去る2月7日から9日までの軍転協の要請において、MV22オスプレイの配備の有無を含め、政府は県民に十分な説明を行うよう強く求めたところであります。
 北部訓練場のヘリパッドについては、SACO最終報告において、同訓練場の過半を返還することに伴い残余部分に移設されるものであり、県としては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることが現実的で実現可能な方法であると認識しております。今後とも東村や高江区の意向を尊重し、適切に対応してまいります。
 次に、米軍の訓練水域外についてとの御質問の中で、昨年の訓練区域外における訓練についてお答えいたします。
 昨年11月29日に、沖縄防衛局から、日米統合演習の一環として、訓練区域外における機雷探索等の訓練について情報提供がありました。県としましては、米軍の訓練は訓練区域内で行われるべきと考えており、漁業関係者と連携し、沖縄防衛局に対し予定された訓練場所がパヤオの密集地であることを伝えるとともに、演習・訓練について訓練区域外に影響を及ぼさないことを求めたところであります。
 次に、ことしの訓練区域外における訓練についてお答えいたします。3の(2)と3の(3)は関連いたしますので、一括してお答えいたします。
 県としましては、米軍の訓練は訓練区域内で行うべきであり、県民生活に影響を与えることがあってはならないと考えております。そのため、県は、従前より政府に対し、日本の排他的経済水域における米軍の演習・訓練について、情報の入手及び速やかな情報提供並びに訓練区域外に影響を及ぼさないことを求めております。今般のような情報提供が訓練前日に行われたことや、訓練区域外に及ぶ爆撃訓練は、漁業者を初め関係者の対応を困難なものとし、混乱と不安を与え極めて遺憾であります。県としましては、二度とこのような事態が生じないよう、去る1月25日の沖縄政策協議会米軍基地負担軽減部会及び2月7日から9日までの軍転協要請において、政府における連絡体制及び連携体制の見直しを求めたところであります。
 次に、訓練水域の返還についてお答えいたします。
 鳥島射爆撃場及び久米島射爆撃場の返還並びにホテル・ホテル訓練区域の一部解除については、これまで累次にわたり要請してまいりました。昨年5月の日米共同発表において示されたホテル・ホテル訓練区域の一部解除の決定について、軍転協の照会に対し、政府は、現在、日米間で調整中であり、その具体的な内容を答える段階にないと回答しております。
 県としましては、引き続き当該空域・水域の一部解除や返還について、久米島町、漁業関係団体、軍転協とも連携しながら、あらゆる機会を通じ求めていきたいと考えております。
 次に、訓練水域・空域の全面返還と経済効果についてお答えいたします。
 漁業関係者によりますと、ホテル・ホテル訓練区域周辺のうち、沖縄本島に近接した海域は、カツオやマグロ、ソデイカの好漁場であり、また、漁場まで迂回せざるを得ないことから、漁場間の移動に大きな制約を受け、その分、燃料費等のコストに影響を与えているとのことであります。また、那覇―久米島間を運航する民間航空機は、制限空域を迂回して運航せざるを得ない状況にあり、コストや運航時間の面で影響を受けているとのことであります。
 県としては、これらの影響について関係団体とも相談をしながら、その把握に努めてまいりたいと考えております。
 次に、ライシャワー発言に係る報道についての御質問の中で、沖縄に米軍基地が置かれた原因についてお答えいたします。
 沖縄の米軍基地の形成については、日米両国の戦後の歴史や外交政策、軍事戦略及び国際情勢等、複雑な要素が絡んでおり、これらのことが復帰後も我が国の米軍基地の大部分が沖縄県に置かれている原因となっているものと考えております。
 報道で伝えられた沖縄に米軍基地を置くことを要求したのは、米国ではなく日本側であったとの内容については、当時の国際情勢や日米関係を踏まえ、具体的に検証されるべきものと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 振興計画についての御質問の中で、次期沖縄振興で基地のない沖縄を正面に掲げることについてお答えいたします。
 県において初めて策定をいたしました「沖縄21世紀ビジョン」については、県民の多くの声を酌み上げるとともに、県振興審議会での審議や県議会において活発な議論をいただき、基地に関する意見等を含め多くの意見をビジョンに反映をしてきたところです。このため、このビジョンの実現に向けた新たな計画についても、県民の幅広い意見等を集約し、計画策定の中で議論を深めてまいりたいと考えております。
 同じく振興計画に関連をして、沖縄振興に対する国の責務の明確化についてお答えいたします。
 沖縄の振興は、本県が戦後約27年間の我が国の施政権の外にあったこと、過重な基地負担、広大な海域に散在する我が国でもまれな亜熱帯の島嶼地域であることなど、沖縄の置かれた特殊事情を総合的に踏まえ、国の責務として実施されてきました。このような沖縄の特殊事情は変わらず存在し、したがって依然として国は責務を有するものと考えております。このことから、国に対しては、県民とともに策定をいたしました「沖縄21世紀ビジョン」の実現を図る新たな法律等の制定を求めているところです。
 同じく振興計画に関連をして、次期振計における地場産業・地元企業の育成、福祉、教育の充実を図ることについて。
 民間主導の自立型経済の構築に当たっては、それぞれの地域や島々に深く根差している農林水産業や製造業、建設業、小売業などの地元産業の振興や育成が重要だと考えております。また、子育て、医療や福祉、保健が充実し、子供から大人まで安全で安心して暮らせる沖縄らしい優しい社会の構築も重要であります。さらに、資源が少ない島嶼県沖縄が発展する最大のよりどころは人材であり、特に、若い人材が豊富な本県においては、若い世代の育成は、産業振興・医療福祉・地域づくりなどさまざまな分野において、今後の沖縄の大きな推進力となり得るものです。このため、県振興審議会を初め県民、民間企業、市町村、県議会の各界各層との議論を深めながら、これらの課題を解決し、県民福祉の向上を図っていくためのさまざまな施策等を検討していきたいと考えております。
 次に、環太平洋戦略経済連携協定(TPP)についての御質問の中で、TPP参加による医療等各分野への影響についてお答えいたします。
 TPP交渉においては、農業、工業、繊維・衣料品など24の作業部会が立ち上げられ議論が進められているところです。しかしながら、詳細についてはいまだ明らかではなく、御質問のありました医療等各分野への影響については、現時点で把握することは困難であります。
 次に、雇用対策についての御質問の中で、市町村の非常勤職員の実態についてお答えします。
 市町村における臨時・非常勤職員の数は、平成22年4月1日現在で約6900人、全職員に占める割合は約36%となっております。当該結果の公表については、各市町村において住民に対する説明責任の観点などを踏まえ、それぞれの判断においてなされているものと考えております。また、臨時・非常勤職員の給与は、各市町村の条例等に基づき、その職務内容や責任に応じて支給額が定められており、適切に対応されているものと認識しております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 環太平洋戦略経済連携協定の中で、TPPによる農林水産業、食料自給率、雇用、離島地域への影響と対応について、関連しますので一括してお答えします。
 TPPは、原則としてすべての品目で関税を撤廃することが前提となることから、国内の農林水産物に大きな影響が出ることが懸念されております。本県においても、さとうきび、パインアップル、肉用牛、水産物などで影響が出ることが懸念されており、農林水産省が示した考え方を踏まえて計算したところ、直接影響額が約580億円、関連産業等への波及も含めると約1420億円の影響が出るものと試算されます。特に、離島においては、さとうきびや肉用牛の占める割合が大きいことから、離島地域の農業が壊滅的な打撃を受けることが懸念されます。また、雇用については、農林水産業関係で約2万3000人、関連産業も含めると約2万9000人に影響が出るものと試算されます。食料自給率についても農林水産省が示した考え方を踏まえて計算したところ、カロリーベースで、平成20年度の約40%から、約2.4%まで低下するものと試算されます。そのため、県では、国民の食料安全保障の確保と国内農業への影響などの観点から、TPP交渉に参加しないよう適切に対応するとともに、農家が安心して生産に取り組めるよう、万全の対策について、農業団体等と連携し、国に対し強く要請したところであります。また、県内では、去る1月29日に「TPP交渉への参加に反対する沖縄県民大会」が開催されたほか、JA沖縄中央会による「TPP交渉参加反対署名活動」などの取り組みも実施されているところであります。今後とも、TPP交渉等の動向や、国の対応を踏まえつつ、関係機関等と連携し、適切に対応してまいります。
 次に、地域経済の活性化についての中で、県産農水産物の供給体制の整備等について、関連しますので一括してお答えします。
 県産農水産物を学校給食や観光関連産業に安定的に供給するためには、生産基盤や流通拠点の整備が重要と考えております。このため、県においては、市町村、農協、漁協などと連携し、経営構造対策事業等により、産地育成や直売所、加工施設等の整備を推進しているところであります。具体的には、定時・定量・定品質の出荷が可能な拠点産地の形成、ハウス、養殖場等生産施設、沖縄市のファーマーズマーケット、糸満市のおさかなセンター、今帰仁村のモズク加工処理施設、与那国町の長命草加工処理施設などの整備を実施しているところであります。また、平成22年度にはファーマーズマーケット2地区を新たに整備しているところであります。
 次に、糸満漁協の水産物加工施設についてお答えいたします。
 糸満漁協では、現在、ソデイカの加工について県漁連の加工施設を利用して行っております。この加工処理施設は、HACCPに対応していないため、新たな加工施設の整備について検討していると聞いております。
 県といたしましては、既存施設の改善も含め、地元と調整しながら対応を検討してまいります。
 次に、地産地消の市町村連携についてお答えします。
 県では、地産地消を推進するため、「沖縄県地産地消推進計画」に基づいて市町村等と連携し、地産地消推進強化事業等を実施しております。具体的には、市町村における地産地消推進計画の策定支援、地産地消コーディネーターを配置し、市町村学校給食への県産食材利用促進、市町村が開催する親子料理教室及び農業体験への支援、県産食材を利用推進する「おきなわ食材の店」登録における市町村との連携、「花と食のフェスティバル」における市町村の参加支援などを実施しております。さらに、読谷村産トウガンを使ったトウガンカレーや、西原町産シマナーを使ったお菓子など地域の特産物を活用した地産地消の推進に取り組んでいるところでございます。
 次に、安全性の高い農産物生産の現状と対策についてお答えします。
 県では、安全・安心な農産物の生産・供給体制を強化するため、農薬の適正使用の普及啓発を行うとともに、農産物の出荷前自主検査やトレーサビリティーの推進に取り組んでおります。また、環境保全型農業を推進するため、平成23年1月現在で、化学農薬や化学肥料の3割以上削減に取り組むエコファーマー459件の認定に加え、5割以上削減に取り組む特別栽培農産物160件を認証しております。さらに、化学農薬や化学肥料を使用しない有機農業につきましては、沖縄県有機物推進協議会の開催や沖縄県有機物推進計画の策定など、環境に優しい農業を推進しております。そのほか、天敵農薬や性フェロモンを活用した防除技術の確立に向けた技術開発に努めているところであります。今後とも、消費者に安全で安心な農産物を供給するため、農協や関係機関と連携し各種施策を推進してまいります。
 次に、農水産業の振興についての中で、農林漁業者の経営安定対策と食料自給率向上対策についてお答えします。
農産物の価格安定対策としましては、野菜価格安定対策事業や肉用牛生産者補給金等を実施しております。
 戸別所得方式については、国において平成22年度から米戸別所得補償モデル事業が実施されており、平成23年度から本格実施されることになっております。また、食料自給率の向上を図るため、農林水産業振興計画に基づき、亜熱帯島嶼性に適合した農林水産業の基盤整備、耕作放棄地の再生利用による生産の拡大、定時・定量・定品質の出荷が可能な拠点産地の育成による生産供給体制の強化、ファーマーズマーケットなど農産物直売所の整備による販売促進、学校給食や観光関連施設における県産食材の利用促進などに取り組んでいるところでございます。
 次に、多様な担い手の育成や新規就農者定着のための就農者支援制度の創設についてお答えします。関連しますので一括してお答えします。
 県では、新たに農業に参入する就農希望者等、多様な担い手の育成確保を図るため、市町村、農業団体、農家代表等で構成する「沖縄県農でグッジョブ推進会議」を平成22年6月に設立し、担い手の総合的な対策を講じているところであります。具体的には、新規就農相談センターでの就農相談、農業大学校における実践的な研修教育、就農希望者を対象としたサポート講座、耕作放棄地の再生利用による農地の確保やハウスの整備などに取り組んでおります。また、農業後継者育成基金事業による新規就農者の研修支援や就農支援資金の貸し付けなどを行っております。さらに、農業会議では「農の雇用事業」により、農業生産法人等が新たに雇用した就農希望者を対象に、生産技術等の習得のための研修を実施しております。今後とも、多様な担い手の育成を促進するため、関係機関と連携し、研修から就農定着までの支援体制を強化してまいります。
 次に、耕作放棄地対策についてお答えします。
 平成21年度における耕作放棄地面積は2693ヘクタールで、全耕地面積3万9100ヘクタールの6.9%となっております。県といたしましては、耕作放棄地の再生利用を図るため、平成22年11月までに沖縄県耕作放棄地対策協議会や28市町村で地域協議会を設置しております。平成20年度から耕作放棄地対策事業により、再生作業、土壌改良、営農定着等を推進し、平成21年度までに約73ヘクタールが再生されています。平成22年度は、地域協議会において耕作放棄地の出し手・受け手間の調整を図り、約110ヘクタールの再生作業のほか、土壌改良、営農定着等を支援する計画となっております。今後、平成23年度を目途に、農業上重要な地域を中心に、350ヘクタールの耕作放棄地の再生を行い、担い手への農地利用集積を進めていくこととしております。
 次に、ヤイトハタなど養殖業の支援策についてお答えします。
 ヤイトハタの養殖は、平成9年に八重山漁協で始まり、現在では県内各地で養殖が行われています。平成21年の生産量は71トン、生産額は8600万円となっております。県では、ヤイトハタ養殖の振興を図るため低価格飼料の開発、ワクチン接種による防疫体制の強化、水なし活魚輸送による国内外への販路拡大などに取り組んでいるところであります。また、モズク、海ブドウ等の生産技術の改良や消費拡大などにより養殖業の振興に努めてまりいます。
 次に、ヤンバルの自然林皆伐についての中で、国頭村有林における皆伐の中止についてお答えします。
 ヤンバルの森は、希少な動植物が生息・生育することから、重要であると認識しております。一方、林業は、地域の主要な産業となっており、雇用や定住化に重要な役割を果たすとともに、木材やキノコ等の林産物の供給を通して他産業の振興や県民生活にも寄与しております。このことから、ヤンバルの森林については、自然環境の保全と利活用との調和を図ることが必要であると考えております。
 国頭村宜名真地内の森林伐採につきましては、国頭村が村有林の収穫のために行ったものでありますが、環境保全の観点から、国頭村及び伐採事業者に対し、収穫伐採方法や保全対策の実施など、適切に対応するよう指導しているところであります。また、収穫伐採方法等につきましては、さらなる環境保全対策の実施に向けて関係機関等と連携して検討していきたいと考えております。
 次に、鳥インフルエンザの防止等の中で、県内の鳥インフルエンザ対策についてお答えします。
 高病原性鳥インフルエンザは、平成22年11月29日に島根県で確認されて以降、全国的に感染が拡大し、これまで7県で19例発生しております。そのため、沖縄県では、高病原性鳥インフルエンザ侵入防止対策として、防鳥ネットの整備、鶏舎などの消毒、異常家禽の早期通報などについて、新聞広告や各地域での説明会等により周知徹底を図っているところであります。また、すべての養鶏農家に消石灰を無償配布し、緊急消毒を実施するとともに、毎月20日を「消毒の日」と定め、家畜伝染病の侵入防止等の強化を図っているところであります。さらに、平成23年1月28日に沖縄県危機管理対策本部会議を開催し、高病原性鳥インフルエンザ侵入防止対策に係る危機管理体制を強化しているところであります。
 次に、アジアの国々との感染対策等の連携についてお答えいたします。
 高病原性鳥インフルエンザは、渡り鳥等を通じ、国境を越えてアジア全体に感染が拡大しております。国は、感染拡大を防止するためにはアジア全体で発生を抑制することが重要であるとの観点から、平成20年度より中国、韓国などアジア9カ国と香港との間で防疫体制等の強化について協議を進めているところであります。さらに平成22年5月の日中間サミットにおいても、鳥インフルエンザ等の家畜伝染病に対する協力強化に合意したとしております。
 県といたしましては、国に対し必要に応じ防疫体制等の強化を図るよう要望していきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 地域経済の活性化についての御質問で、住宅リフォーム支援制度の実施についてお答えいたします。
 県としましては、住宅リフォーム等に関する支援は、地域住民の生活に密着した市町村と支援金の申請・受け取りの窓口業務等の連携を行うことが適切であり、制度の導入に当たっては、県内需要や市町村の意向を踏まえて対応していきたいと考えております。
 平成23年度の社会資本整備総合交付金は、従来から実施している公営住宅建てかえの継続事業等への予算配分を計画しており、住宅リフォーム支援制度については、沖縄振興自主戦略交付金(仮称)の活用など、実施に向けて検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 雇用対策に関する質問のうち、非常勤職員の実態及び待遇の改善についてお答えいたします。
 知事部局及び他任命権者を含めた沖縄県における臨任・非常勤職員の数は、平成22年6月1日現在で6775人、全職員に占める割合は約23%となっております。また、公社等外郭団体36法人においては、臨任・非常勤の職員が1360人、職員数に占める割合は約57%となっております。県における非常勤職員の業務は、文書受け付けや資料整理などの補助的・定型的な業務が主となっており、業務の難易度や複雑さ、責任の度合いなどにおいて常勤職員と違いがあります。県の行政事務を円滑に実施するため、常勤職員と非常勤職員がそれぞれの役割を分担しながら業務を推進しているところであります。
 次に、必要な職員数の確保についてお答えいたします。
 定員管理につきましては、これまで簡素で効率的な行政運営を目指し、事務事業を見直した上で、その適正化に取り組んできたところであります。また、平成22年3月に策定した「新沖縄県行財政改革プラン」におきましても引き続き定員管理の適正化に取り組むこととなっております。
 今後とも、多様化かつ複雑化する県民ニーズに迅速・的確に対応するため、選択と集中を基本にして必要な職員配置に努めてまいります。
 以上です。
○観光商工部長(勝目和夫) 雇用対策についての中の、公契約条例の制定についての御質問にお答えします。
 公契約条例については、他都道府県でも制定されていないことから、県としましては、国の「公契約に関する基本法」への取り組みや、他県の動向も見守りつつ対応してまいりたいと考えております。なお、ことし4月に施行される川崎市の公契約条例は、警備、施設維持管理、清掃などの業務委託契約や公共工事を対象とし、労働者の範囲に「一人親方」を含めるなどの内容となっていることから、契約のあり方や課題について、関係する担当部局において研究や取り組みがなされているものと認識しております。
 次に、カジノ問題についての御質問で、カジノ導入は断念すべきとの意見についての御質問にお答えします。
 現在、超党派の国会議員連盟において、国際観光の振興や地域経済の活性化を図るため、「カジノを合法化する法律」の制定に向けて検討が進められております。
 カジノ導入については、県民からは賛成の意見がある一方、慎重にすべきとの意見や、反対する意見もあることは認識しております。現在、国のカジノを合法化する法律案の動向等を踏まえつつ、カジノ導入に伴う効果や課題について慎重に検討を行っているところであり、県民のコンセンサスを前提として取り組みを進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 福祉問題についての御質問の中の、国保の広域化に係る国の通知に関する県の見解についてお答えします。
 国から通知のありました「広域化等支援方針策定要領」の中で、市町村国保の赤字解消に関して、「一般会計繰入による赤字の補てん分については、保険料の引上げ、収納率の向上、医療費適正化策の推進等により、できる限り早期に解消するよう努めること。」とされております。このことは、一般会計繰り入れをやめるよう求めるものではなく、赤字の解消に向けては、総合的に検討するよう示したものと認識しております。
 次に、国保の広域化に係る県の見解についてお答えします。
 県としましては、国が国保の広域化について方向性を示していること、及び高齢化の進行等に伴いふえ続ける医療費について、市町村国保の安定的運営、特に小規模保険者の財政基盤の安定化を図る観点から、将来的な国保の広域化に対応する必要があると考え、市町村国保との意見調整を踏まえ、平成22年12月に「沖縄県国民健康保険広域化等支援方針」を策定したところであります。しかしながら、広域化により国保の問題が解決するわけではなく、全国知事会において指摘されているように、国の新たな高齢者医療制度に関する最終案では、財源を含めた国保の構造的問題の解決策が示されていないことから、国保の持続的運営を図っていくことは厳しいと考えております。
 県としましては、今後とも、国に対し全国知事会等を通して、国保の構造的問題に関して抜本的な解決策を求めていきたいと考えております。
 次に、市町村国保の赤字解消についてお答えします。
 市町村国保の赤字は、将来の国保の広域化に向けて解決しなければならない課題と考えております。
 赤字の解消につきましては、保険税率の適切な設定や、保険税収納率の向上、医療費適正化の推進等、各保険者の状況に応じた対応について助言してまいりたいと考えております。また、国の財政支援機能の拡充強化につきましても引き続き要望してまいりたいと考えております。
 次に、県の収納率目標が国に比べ高く設定されていることについてお答えします。
 収納率目標につきましては、これまで国が定めてきた国調整交付金の減額措置を前提とした最低限クリアすべき基準として設定するのではなく、国民健康保険事業の安定的運営を目指す上で主要な財源となる保険税を収納するに当たり、目標とすべき値とすることを念頭に、本県市町村国保の収納実績を踏まえ設定したものであります。
 収納率目標の設定に際しては、市町村国保で構成される各地区協議会の代表者との意見調整を踏まえ、41市町村国保に意見照会を行った上で決定したものであります。
 次に、標準保険税率の設定についてお答えします。
 標準保険税率の設定につきましては、所得水準や医療費の動向など、各市町村国保における実情等を考慮しながら、今後、慎重に検討してまいりたいと考えております。
 次に、支援方針の策定に係る市町村の意見についてお答えします。
 広域化支援方針の策定に際しては、県内41市町村国保すべてに意見照会を行い、5市町村から意見の提出がなされております。市町村ごとの意見といたしましては、那覇市が、被保険者の所得に対する保険税の負担率を記述すること及び赤字解消については、医療制度改革の影響分を除くことを記述することなど、糸満市が、収納率目標を達成した市町村国保には、増額して県調整交付金を交付するよう算定方法を見直すこと、国頭村及び西原町が、これまでの国が定めた収納率に比べ、高い設定となっている収納率目標を見直すこと、南風原町が、収納率目標及び県調整交付金の基本交付額を見直すこととなっております。
 なお、その他の市町村国保につきましては意見の提出がなかったことから、支援方針の内容について了承しているものと理解しております。
 次に、新たな高齢者医療制度の最終案等についてお答えします。
 新たな高齢者医療制度の最終案につきましては、財源を含めた国保の構造的問題の解決策が示されていないことから、今後、全国知事会等を通して本質的な議論を求めていきたいと考えております。また、国民健康保険制度における公費負担につきましては、平成17年度より新たに都道府県調整交付金が設けられ、国・県合わせて50%の負担割合となっております。
 国民健康保険制度は、制度に基づく国・県の公費負担及び被保険者の保険税等を財源として、保険者である市町村の責任により運営されるものであります。したがいまして、県独自の支援を行うことは困難であると考えております。なお、国保税には低所得者に対する軽減措置が設けられており、県内の平成21年度実績では、全世帯の60%に対し55億5581万円の軽減が図られており、このうち県は48億5065万3000円を負担しております。
 次に、新たな高齢者医療制度の最終案について。
 国の示した新たな高齢者医療制度の最終案については、高齢者間の保険料負担の公平が後退することや、多くの高齢者が加入することとなる市町村国民健康保険の構造的な課題の解決策が示されていないことなどから、全国知事会を通し、新制度に拙速に移行することなく、持続可能な医療保険制度の構築に向け、財源を含む検討が行われるよう求めているところであります。
 次に、後期高齢者医療制度を廃止し、老人保健制度に戻すことについてお答えします。
 後期高齢者医療制度は、老人保健制度の課題であった加入する制度や市町村により保険料額に差があること、若人と高齢者の費用負担が不明確であることなどを改善するため、長年にわたる議論を経て創設されたものと理解しております。 
 次に、県独自の軽減策についてお答えします。
 現在の後期高齢者医療保険料については、国の追加軽減策等により手厚い軽減が実施されており、県独自の軽減策を実施する予定はありません。なお、低所得者等に対する法に基づく保険料軽減に必要な財源は、都道府県が4分の3を負担することになっており、本県の平成21年度の負担実績は18億2203万2000円となっております。
 次に、高齢者への肺炎球菌ワクチン接種の実施についてお答えします。
 沖縄県後期高齢者医療広域連合では、平成23年度から、市町村が実施する後期高齢者等の肺炎球菌ワクチン接種に対し助成を行う予定となっております。県では、広域連合と連携し、市町村に周知を図ってまいりたいと考えております。
 次に、介護保険制度の改正についてお答えします。
 介護保険法の改正案において、介護予防・日常生活支援総合事業の創設があります。本事業は、市町村の判断により要支援者等に対する介護予防・日常生活支援のためのサービスやケアマネジメントを総合的に実施できるものであります。市町村は、事業運用に当たって要支援者の状況や意向を踏まえ、指定介護予防サービスと本事業を選択できることとなっており、サービスの低下を来すものではないと認識しております。
 次に、介護保険料等の減額の免除制度についてお答えします。
 介護保険は、介護を国民みんなで支え合う仕組みとして、高齢者も含めて40歳以上の全国民で保険料を負担している制度であります。その理念に基づき、介護費用は、保険料や国・県・市町村の公費負担も含めてそれぞれの負担割合が定められております。
 このような制度運用においては、保険料等の減免を目的に県や市町村が独自に一般財源による財政支援等を行うことは適当でないとされております。
 次に、特別養護老人ホームの増設についてお答えします。
 県では、第4期沖縄県介護保険事業支援計画において広域型特別養護老人ホーム160床、小規模特別養護老人ホーム141床、合計301床を整備することとしております。平成23年度は、第5期沖縄県介護保険事業支援計画の策定年度となっており、適切なサービス量を見込むよう各保険者に働きかけてまいります。
 次に、障害者の権利条例の制定についてお答えします。
 沖縄県では、障害者が真に地域社会の一員として平等に暮らし、自立し、安心して生活することができるように障害者の権利擁護を推進するため、第3次沖縄県障害者基本計画に基づき障害者施策に取り組んでおります。
 障害者の権利条例の制定につきましては、国における障害者基本法等の改正動向を踏まえ、当事者団体等との意見交換を行い取り組んでまいります。
 次に、乳幼児医療費助成事業の県外・県内での実施状況についてお答えします。
 全国における乳幼児医療費助成事業の中学校卒業までの実施状況は、入院は5都県、通院は2都県となっております。また、県内での乳幼児医療費助成事業の中学校卒業までの実施状況は、入院は11市町村、通院は3町村となっております。
 乳幼児医療費を中学校卒業まで無料化した場合の必要な財源についてお答えします。
 乳幼児医療費助成事業の対象年齢について、入院を中学校卒業まで拡大した場合、約1億4900万円の事業費の増加が見込まれ、同じく通院を中学校卒業まで拡大した場合、約7億6600万円の事業費の増加が見込まれます。これにより必要な事業費は約17億5400万円となり、本年度当初予算と比較して約9億1500万円の事業費の増加が見込まれます。
 次に、乳幼児医療費助成事業の対象年齢の拡大についてお答えします。
 乳幼児医療費助成事業については、現在、入院は就学前まで、通院は3歳児までを対象に、市町村が助成した医療費に係る自己負担分の2分の1を県が補助しております。同事業の対象年齢の拡大については、県財政や他の医療費助成制度とのバランス、市町村の意向等を踏まえ、対象年齢や給付方法、所得制限、一部負担金等の助成要件を総合的に検討してまいります。
 乳幼児医療費助成事業の現物給付制度の導入についてお答えします。
 県としては、乳幼児医療費助成事業が子育て支援の観点からも必要な事業であると認識しておりますが、現物給付方式を導入した場合、国は、国民健康保険に係る国庫支出金を減額調整する仕組みをとっており、市町村国保の財政運営に与える影響が大きいことから現状では難しいと考えております。
 次に、国による子供医療費無料化制度の創設についてお答えします。
 乳幼児医療費助成事業は、国からの財政支援のない単独事業であります。現在、すべての都道府県で実施されておりますが、制度に対する考え方や財政状況等により制度内容には大きな違いがあります。一方で、より多くの子供が支援を受けられる環境を整備することも重要であることから、国に対して、乳幼児医療費の負担軽減についてさらなる措置を講じるよう全国知事会等を通して要望しているところであります。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) それでは県立病院についての御質問の中で、全県立病院での7対1看護の実施についてお答えいたします。
 7対1看護体制については、平成22年5月から南部医療センター・こども医療センターで実施し、次年度中部病院で導入を予定することとしております。北部病院、宮古病院及び八重山病院での7対1看護体制の導入については、中部病院等での実施状況を踏まえ検討していきたいと考えております。
 次に、中部病院での7対1看護体制の実施による採用人数についてお答えいたします。
 中部病院での7対1看護体制の実施については、93名の看護師の増員が必要になります。病院事業局では、その確保に全力で取り組んでいるところであります。
 次に、医師確保のための条件整備についてお答えいたします。
 県立病院は、地域の中核病院として、一般医療はもとより救急医療や高度・特殊医療への対応など重症患者も多いことから、医師の勤務環境には厳しいものがあると理解しております。病院事業局では、医師の勤務負担の軽減を図るため、医師クラークの配置などの取り組みを進めているところであります。医師のスキルアップを図る一助として海外研修等への派遣、学会参加費用の負担等を行っているところであります。また、県立の研修病院では臨床研修委員会を設置し、研修医の意向にも配慮しながら研修の充実を図っているところであります。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは教育行政についての御質問で、臨時教員の正規採用についてお答えいたします。
 文部科学省が公表した公立小中学校の正規教員の割合については、全国平均が93.7%に対し沖縄県では83.1%と、全国平均と10%以上の差があります。臨時的任用教員の割合が高い要因につきましては、学級担任等の基本的な教職員定数とは別に、習熟度別指導等で特例的に措置されている加配定数について、沖縄県では臨時的任用教員で対応しているためと考えております。加配定数については、文部科学省の裁量によって決定されており、また、年度ごとに変動するため、臨時的任用教員で対応してきたところであります。今後は正式任用教員で対応できるよう努めていきたいと考えております。
 採用者数については、小学校が平成22年度は109名、平成23年度は250名の予定で141名の増、中学校が平成22年度は41名、平成23年度は108名の予定で67名の増となっております。
 今後については、児童生徒数の増減等に伴う教職員定数や退職者の数、定数改善計画などの国の動向、他県の状況等を踏まえながら、当分の間、平成23年度と同程度の採用数となるよう、臨時的任用教員の割合の改善に向けて年次的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、30人学級についてお答えいたします。
 文部科学省においては、平成23年度から小学校1年生において35人学級を制度化することとしております。また、小学校の2年生から6年生及び中学校については、学級編制の標準を順次に改定することについて検討を行うこととしております。現在、本県の小学校1・2年生で加配定数を活用し30人学級を実施している少人数学級につきましては、平成23年度においても引き続き実施してまいりたいと思います。また、小学校低学年で教室不足のために未実施の学校の施設整備については、国庫補助事業の活用も含めて設置者である市町村と調整してまいりたいと考えております。
 今後の小学校、中学校の少人数学級に関する計画については、国の35人学級の動向や全国の実施状況等を踏まえ取り組んでまいります。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) ヤンバルの自然林皆伐についての質問の中で、ヤンバルの森の世界自然遺産登録についてお答えいたします。
 ヤンバル地域は、世界自然遺産の国内候補地の重要な地域の一つであり、世界自然遺産への登録は自然保護や地域振興の面から望ましいことと考えております。このため、県においては、世界自然遺産登録に向けて、環境省が実施しているヤンバル地域の国立公園化の取り組みや、ヤンバルクイナなど希少種の保護増殖事業等に連携して取り組んでおります。また、ヤンバル地域の貴重な生態系を保全していくため、外来種対策としてマングースの防除事業を強化するとともに、琉球弧自然フォーラムを開催するなど普及啓発活動を積極的に進め、世界自然遺産登録への機運醸成を図っているところであります。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時45分休憩
   午後4時45分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 玉城ノブ子さん。
   〔玉城ノブ子さん登壇〕
○玉城 ノブ子 丁寧な答弁、大変ありがとうございました。
 次の再質問については、ぜひ知事が直接答弁をよろしくお願いします。
 最初にヘリパッドの問題ですけれども、今、東村の高江区では、連日防衛局が100名以上の作業員を動員して強権的に作業を始めています。皆さん方は、住民の皆さんの意向もよく聞いて、安全に万全を期してということを答弁しておりますけれども、しかし、高江区の今の状況というのは、住民の皆さんが話し合いをしたいということを言っているにもかかわらず、それを問答無用とばかりに100名以上の作業員を動員して強権的に作業を実施しているわけです。これは到底許されないというふうに思っています。防衛局は、これは知事の理解を得ているということを言っているわけです。知事はこれに対して理解を示したのかどうか、私はそういう作業のやり方というのは絶対にこれは認められないというふうに思っています。
 住民の皆さんは、平穏な生活をしたいということで、そういう平穏な自然豊かなヤンバルの地域で、そしてこの平穏な中で子育てもしたい、生活したいということでそれを願っているわけですよ。それを強権的に、住民の皆さん方との話し合いもしないで作業を強行するということは絶対にこれは許されないというふうに思うんですが、この工事はすぐに中止をさせるべきじゃないかというふうに思いますが、知事、答弁を願います。
 それとヘリパッド建設については、住民生活と環境に配慮して安全を確保するよう適切な対応を求めているということをおっしゃっていますけれども、この6つのヘリパッドは、高江区を取り囲むようにして建設をされるわけです。近いところでは住宅地からわずか400メートルのところに建設されようとしているわけですね。こんな近くでヘリが飛べば、もう耐えがたい爆音で住民生活は破壊されると住民は悲鳴を上げているわけです。今でもヘリは、夜10時を過ぎてからでもライトで地上を照らしながら飛行しているわけです。住民の平穏な生活が脅かされているという事態が今でも続いているんですよ。さらにその上に、住民の生活の近くでヘリパッドが建設されようとしている。これでどうして平穏な生活が保障されるのかと、これでは生活していけないということで住民の皆さん方は悲鳴を上げているわけですよ。県民は、平穏な生活の中で生活していく権利が保障されているはずですよ。憲法でも保障されているじゃないですか。それを、住民の近くまでヘリパッドをつくって住民生活を脅かす、こういうことでいいのかということであるわけです。このようなヘリパッドはやっぱり即に中止をすべきだというふうに考えていますが、知事はどうでしょう。
 それと、この在沖米海兵隊の各種ヘリは、普天間基地を拠点に運用されています。普天間基地を飛び立ったヘリは、訓練のために北部訓練場に向かって訓練をするわけです。高江のヘリパッドはSACO合意の中でも基地と訓練場として密接に結びついているわけです。これは辺野古新基地建設と切り離すことができない一体的な運用がなされているわけですよ。ですから、知事は、県内移設はバッドだということを言っているじゃありませんか。この辺野古新基地建設と一体的な運用がなされている高江ヘリパッドも当然バッドだということを言うべきではありませんか。もしそういうことが言えないということになれば、これは知事は県内移設を認めるということになるんですよ。知事、高江のヘリパッドについてはバッドだということを、だめだということを明確に言うべきではありませんか、答弁を求めます。
 あとTPPの問題ですけれども、先ほども当局のほうから答弁がありました。TPPに参加することによって、県の試算でも沖縄県の基幹作物であるさとうきび、肉用牛、豚肉やパイナップル、水産関係だけでも580億円、関連産業も含めると1420億円も減少する。しかも食料自給率は2.4%まで低下をして、雇用に至っては2万3000人、関連する雇用は2万9000人も影響を受けるということが明らかになっているわけですよ。これは県経済に打撃を与えることになるわけです。JA中央会長もあの県民大会で、TPPに参加すれば沖縄のさとうきびは全滅すると言っているんですね。畜産も廃業に追い込まれて離島経済はもう破綻するというこの深刻な実態を訴えているわけです。しかもTPPへの参加は、日米の2カ国だけで参加国全体の国民総生産の91%を占めることになるわけなんです。実質的には米国主導の自由貿易協定になるわけです。食料主権をすべて米国にゆだねると、そういうことになっているわけです。
 さらにTPPは、関税の撤廃だけではなくて、医療や保健や医師や看護師など労働分野と国民生活の多くの分野が自由化、規制緩和の対象になります。国内産業の空洞化が起こり雇用の喪失が起こることになるわけなんです。米国では、108のアメリカの業界団体が米国議会に対して、政府に対して米国製品の売り込みに支障を来すような妥協はするなと、米国から交渉を指導すべきだという要求書も提出をしているわけです。日本がTPPに参加するということになると、日本は食料自給権を失って地域経済を崩壊させて、国民生活、県民生活を破壊するということになるわけです。これは到底容認することができないんじゃありませんか。
 私は大変気になるのは、知事が定例記者会見でも言っておりますけれども、先ほども答弁の中にもありましたけれども、農業関係には基本的には反対だと。しかし他の産業ではこれは必ずしも反対というわけではないという、非常に私はこの答弁が気になっているんですけれども、私はやっぱりこの沖縄の県経済に壊滅的な打撃を与える、農水産物だけではない雇用の分野にも、地域経済をも崩壊に招きかねない、こういう事態が起こってくるわけですよ。これに対してやっぱり知事が明確にTPPへの参加は反対だという姿勢を示す、これが大事じゃないでしょうか。知事の所見を伺います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時54分休憩
   午後4時59分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 高江については、結局3種類ぐらいの御質問が再質問の中にあったのではないかと理解して申し上げますが、まず1つは、工事を中止させよというお話だと思うんですが、工事の中止、それから建設計画の中止、これにつきましては、県としましては、東村や高江区において移設を前提とした条件を提示し、沖縄防衛局と調整が行われていると承知しており、地元の意向を尊重してまいりたいと考えております。
 そして次に、3番目の御質問につきましては、辺野古移設と関連しているはずであるから、辺野古移設をバッドと言う限り、この高江についてもバッドと、ないしは中止を申し入れよという御趣旨の御質問だったと思いますが、辺野古につきましては、いずれにしましても私は県外と言っております。そして、辺野古とここ高江との関連がはっきりしておりません。したがいまして、いずれにしましても私は普天間の辺野古移設について県外ということでやっておりますので、念のため申し添えます。
 TPPについて申し上げますが、TPPにつきましては、農業関係が非常な打撃を受けるというのがかなりはっきりしておりますことから、農業団体のTPP反対集会に対しても私は出て反対だと申し上げましたし、そしてまた、農業の面からはTPP交渉に参加してはならないという趣旨のことを既に農水大臣、そして沖縄担当大臣等へ申し入れを済ませております。
 そして、その他の分野についても確かに関連して影響を受ける分野などなどがあろうかと思いますし、余り影響を受けない分野もあるかもしれません。ですが、御存じのようにこれは22分野で、金融も含めいろんな形で今検討中ということになっておりまして、我々もまだはっきりとデータと考え方を手に入れておりません。我々は我々なりに沖縄の産業界、そして関連する団体、関連する業種からいろいろ情報ないしはその想定されるプラス面・マイナス面を描きながら、最終的にどういうふうに方針をつくるかということについては、まだしばらくお時間をいただきたいと思っております。
 以上でございます。
○赤嶺  昇 皆さん、こんにちは。
 改革の会を代表しまして代表質問を行います。
 傍聴に来ていただいた皆さん、本当にありがとうございます。3時から3時半ぐらいの間と言ったら、もうこんな時間になってしまいました。
 質問する前に少しだけ所見を述べさせていただきたいと思っています。
 実は、プロ野球キャンプが連日夜のスポーツニュース等で取り上げられて県内の各地が紹介されているということで、先日、読売巨人軍も来て、きょう翁長政俊議員の「記者のメモ」に非常に喜んでいるという声がありました。知事も巨人の試合にも行かれたということなんですけれども、実は先日、ベイスターズの関係者であったり、ほかの球団の関係者と少し食事をする機会がありました。そのときに出た言葉が、できれば知事は私たちのところにも来ていただきたいなというお言葉がありました。
 私は、もちろん巨人も非常にありがたいんですね。これだけの球団が来ているときに、実はなぜそれを言うかというと、去年の予算特別委員会で観光商工部長、農林水産部長の皆さんにも言ったのは、沖縄をアピールする最大のチャンスじゃないのと。そのときに県知事が――忙しいと思うんですけれども――むしろ1日しっかり時間をあけてプロ野球を全部回って見ると、そこにアグーの1匹ぐらいを持っていってどうかというぐらい、これはアピールだけじゃなくて選手の皆さんに対して、まだ遅くはありませんから、知事、ぜひ回っていただきたい。そういう部分でお願いしたいなと思っております。
 全国各地からいろんな方が来ておりますし、各球団が本当に頑張っていただいている。先ほどちょっと確認したら、日本ハムが1979年、昭和54年から始まっているんですよ。もう33回目、ありがたいじゃないですか、皆さん。33回も我々この沖縄のためにキャンプを張っていただいて、今でこそ10球団。あと、忘れてはならないのは韓国の球団なんですよ。これもなかなかニュースに出ないんですけれども、もしかしたら我々県議会も行かないといけないんじゃないかなという気持ちもあります。ですから、知事、ぜひそういうこともやっていただきたい。
 もう1点、話は変わりますけれども、実は文教厚生委員会でフィンランドの視察をしてまいりました。比嘉京子議員からもその話があって、きのう崎山嗣幸議員から本当にありがたいお言葉をいただきまして、本当に感謝申し上げます。
 実は、県民の中にはいろんな声があるということも承知しております。ただ、我々が今回まず皆さんにお礼を申し上げたいのは、東南アジアという枠の撤廃に協力いただいて、予算の範囲内で参加した10名の議員、本当にいい視察ができて、帰ってきて時間もない中でそれぞれの議員がパワーポイントで資料をつくって――先日もあったんですけれども――約300名近い県民の皆さんの前で報告をし、その報告もいいことではあるんですけれども、報告がメーンじゃないんですよ。そこに来ていただいた皆さんの意見が非常にたくさん来ているんですね。その意見にもちろん全部こたえられるかどうかわかりません。しかし、そういった県民の皆さんから意見をちょうだいするいい機会になったんじゃないかなと思っています。
 もう1点、最後に、時間もない中で、実は文厚の有志のメンバーでブログも立ち上げたんですよ。まだたくさんは来てないんですけれども、そこに我々あてにいろんな意見があったらどうぞ、我々またこれを参考にやっていきたいという話になっております。
 いろんなフィンランドの話をすると、高福祉・高負担、税金はどうかという意見もあります。私たちは、何も全部同じようにできるとは思っておりません。しかし、向こうは人口が520万人、沖縄が130万人なんですね。何名かの委員からもあったんですけれども、すべてが一緒にできないにしても、非常に参考になった事例がたくさんありました。ですから、それを今後の政治活動にしっかりと生かして、県民の皆さんに還元をしていきたいなと思っております。
 私は、今、この文教厚生委員会の委員長なんですけれども、2番目に若い委員でございます。それを本当に支えてくれている先輩方に対して、この場をかりて改めて感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
 それでは代表質問に移りたいと思っております。
 何点かもう既に答弁をいただいておりますので、今回私、予算委特別員会の委員になっております。予算特別委員会に回したいと思っていますので、先に取り下げる項目を言います。大きい1番の(2)と(4)、知事の公約実現と日米地位協定、それから大きい3番の(2)、保育所待機児童、(5)、乳幼児医療費の現物支給、(7)、発達障害の課題、(8)、肺炎球菌の件、それから大きい5番の(4)、非正規教職員の現状、6番、(1)、観光産業の現状と課題、(3)、外国人観光客について、これらを取り下げて代表質問に移っていきたいと思っています。
 大きい1番、知事の政治姿勢についてでございます。
 (1)、名護市に対する政府の姿勢について知事の見解を伺う。
 (3)、沖縄県にとって必要な一括交付金の総額を伺う。
 (5)、普天間基地の危険除去の取り組みを伺う。
 (6)、条件次第で知事は普天間基地の辺野古移設を容認する可能性があるかを伺う。
 (7)、鳩山前総理の「方便」発言について知事の見解を伺う。
 (8)、米軍のパラシュート降下訓練に対する知事の対応を伺う。
 (9)、菅政権に対する知事の評価を伺う。
 (10)、県内企業優先、県産品優先使用に対する知事の姿勢を伺う。
 (11)、沖縄自動車道無料化に対する今後の対応を伺う。
 (12)、浦添市が求めているキャンプ・キンザーの早期返還について知事の見解を伺う。
 大きい2番、旧軍飛行場用地問題解決促進に向けての取り組みを伺う。
 大きい3番、福祉行政について。
 (1)、「子ども・子育て新システム」に対する県の対応を伺う。
 (3)、認可外保育施設の課題と支援策を伺う。
 (4)、待機児童対策特別事業基金の活用状況を伺う。
 (6)、学童保育の課題と支援策を伺う。
 (9)、市町村の発達健診に言語聴覚士が含まれているかを伺う。
 (10)、言語聴覚士が対象とする失語症を初めとするコミュニケーション障害者が、病院を退院した後も継続したリハビリや社会的サポートが必要であるが、県の対応策を伺う。
 (11)、聴覚障害者に対する沖縄県のサポート体制を伺う。
 大きい4番、医療行政について。
 (1)、県立病院の経営状況を伺う。
 (2)、県立病院職員の過労の実態を伺う。
 (3)、すべての県立病院を7対1看護体制にするべきではないか。
 (4)、沖縄県職員(医療職)に言語聴覚士が含まれているかを伺う。
 (5)、県立病院での医療ミスレポートの状況と対策を伺う。
 大きい5番、教育行政について。
 (1)、フィンランド共和国の教育制度を研究したことがあるのかを伺う。
 (2)、30人学級の達成状況と今後の見通しを伺う。
 (3)、小中学校において給食費の未納状況を伺う。
 (5)、特別支援学校に言語聴覚士の採用枠があるかを伺う。
 (6)、県立図書館や県内市町村図書館との連携状況を伺う。また、美術品等の有効活用について伺う。
 (7)、教育委員長の決意をお伺いいたします。
 大きい6番、観光行政について。
 (2)、観光税導入の取り組みを伺う。
 (4)、沖縄北部国際観光リゾート構想について県の取り組みを伺う。
 大きい7番、土木建築行政について。
 (1)、土木建築業界の経営状況と課題と対策を伺う。
 (2)、総合評価方式の課題と対策を伺う。
 (3)、経営難を理由に同業界において新卒の雇用が厳しい状況であります。最低制限価格を95%以上に引き上げて人材育成を図るべきではないかを伺う。
 (4)、米軍工事の発注(ボンド)に対する県の対応策を伺う。
 (5)、建設産業支援センター設置の進捗状況を伺う。
 大きい8番、環境行政について。
 (1)、エコカー、電気自動車の普及推進に向けた取り組みを伺う。
 (2)、CO2温室効果ガス削減目標に対する県の実績を伺う。
 (3)、沖縄県全体をサイクリングロードにする施策を伺う。
 9番、公安行政について。
 (1)、新本部長の決意を伺う。
 10番、次期沖縄振興計画について。
 (1)、現在の取り組み状況を伺う。
 (2)、全国一子供の多い沖縄県を「少子化対策モデル地区」に指定して、少子化対策に対応した施策を推進するとともに、認可外保育施設の認可化の促進や全園児に対する給食費の支給を求めてはどうか。
 (3)、沖縄県を「医療特区地域」と指定して、医師、看護師不足が叫ばれる日本の医療体制の再構築に寄与するための施策を推進するとともに、県民の健康、生命を支えてきた公立及び民間病院のさらなる支援強化を求めてはどうか。
 (4)、日本の学力低下が指摘される中にあって、沖縄県は、全国学力調査において最下位となっていることから、沖縄全域を「教育特区」として指定して、すべての子供たちに等しく教育を受ける環境を整備することなどの施策を推進することにより学力向上を図ること。また、小中学校においてすべての児童生徒に給食を無料支給し、食育の面から学力向上を図ること。さらに、知事公約である小中学校の30人学級を実現するため教職員の増及び必要な財源を求めてはどうか。
 (5)、消費税増税の議論がされておりますが、次期沖縄振計の期間中は消費税を据え置くように求めてはどうか。
 以上。
○知事(仲井眞弘多) 赤嶺昇議員の御質問に答弁させていただきますが、先ほどのプロ野球キャンプめぐりにつきましては、まだ1カ所しかやっていませんが、時間の許す限りたくさん回りたいという考えを持っておりますので、よろしくお願いします。
 さて、知事の政治姿勢についての中で、普天間飛行場の危険性除去の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去につきましては、駐留部隊の移駐や訓練の縮小、そして分散移転など、普天間飛行場のヘリ等の運用を極力低減し、早期に危険性の除去及び騒音の軽減を図ることを政府に求めてきました。また、去る1月に開催されました米軍基地負担軽減部会におきましても政府に対し、危険性除去の具体的な取り組みについて地元の要望を聞いていただきたい旨求めたところでございます。
 県としましては、引き続き軍転協とも連携をし、普天間飛行場の危険性の除去につきまして具体的な方策の提案、実施に向け、さらに検討を加速させるよう政府に求めていきたいと考えております。
 次に、同じく知事の政治姿勢に関する御質問の中で、普天間飛行場の辺野古移設を容認する可能性についての御質問にお答えいたします。
 名護市長選挙や県議会の意見書議決、そして県民大会など県内の諸状況を踏まえますと、県内移設は事実上不可能と考えており、引き続き政府に対し日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設及び早期返還に取り組むよう強く求めることが県の考えでございます。
 次に、知事の政治姿勢の中で、鳩山前総理の発言についての御質問にお答えいたします。
 鳩山前総理の発言につきましては、直接お聞きしたわけではありませんが、報道のとおりとすれば、「方便」という言葉は理解しがたい表現と言わざるを得ません。県は、政府に対し、頭越しではなく地元の理解、協力を得なければならないというようなことや、県民の納得のいく説明や解決策を示すよう繰り返し申し上げてきましたが、今回の鳩山前総理の一連の発言は、県民の納得のいく説明とは言いがたく、まことに遺憾であると言わざるを得ません。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中で、菅政権に対する評価いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 菅政権においては、「平成の開国」や「最小不幸社会の実現」などの国づくりの理念を掲げ、政権運営に取り組まれておりますが、ねじれ国会や党内での政権運営をめぐる不一致により、平成23年度予算関連法案の成立が不透明感を増してきているとされております。平成23年度予算案及び予算関連法案は、「新成長戦略」の展開を図り、日本経済を本格的な回復軌道に乗せるとしております。とりわけ平成23年度内閣府沖縄関係予算案は、新たな沖縄の創造に向けた礎となる重要な年であることから、自立型経済の構築に向け、効果的な諸施策が盛り込まれております。本県の振興に特段の配慮がなされたものと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、名護市に対する政府の姿勢についてお答えいたします。
 今回、名護市に再編交付金を交付しないことが決定されたことについて、北澤防衛大臣は、米軍再編特別措置法の趣旨に基づいた判断であると説明しております。
 県としましては、地域の振興は基地問題とリンクすべきではないと認識しております。政府においては、北部地域の振興について、地元の意向を踏まえ、引き続き積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
 また、今回の現況調査に係る異議申し立てについては、沖縄防衛局と名護市の両当事者間で行われている行政不服申し立て手続であり、県としてその適法性について見解を述べる立場にはありませんが、今後とも重大な関心を持ってその推移を注視していきたいと考えております。県としましては、県内移設は事実上不可能であり、県外移設を求める考えに変わりはありません。
 次に、嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練についてお答えいたします。
 嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練について、県は2月14日午後、在日米軍沖縄地域調整事務所から実施の通報を受け、翌15日に沖縄防衛局、在日米軍沖縄地域事務所、在沖米国総領事館、外務省沖縄事務所に対し、同訓練の中止要請を行いました。それにもかかわらず米軍が同訓練を実施したことは、周辺住民を初め県民に多大な不安を与えるものであり、まことに遺憾であります。
 県としましては、パラシュート降下訓練は、SACO最終報告の趣旨に沿って実施されるべきであると考えており、今後とも嘉手納飛行場において実施することがないよう、日米両政府に対し強く求めてまいりたいと考えております。
 次に、キャンプ・キンザーの返還についてお答えいたします。
 県としましては、御質問のキャンプ・キンザーを初め、「再編実施のための日米のロードマップ」や日米共同発表で返還等が示されている嘉手納飛行場より南の施設・区域等については、パッケージ論にとらわれることなく、実現可能なものから一つ一つ確実に実施されるよう、日米両政府に強く求めているところであります。去る2月7日から9日にかけて軍転協としましても同様の要請を行いました。県としましては、今後も地元市町村と連携をとりながら取り組んでまいりたいと考えております。 
 次に、旧軍飛行場用地問題解決促進に向けての取り組みについてお答えいたします。
 県におきましては、県・市町村連絡調整会議において確認された取り組み方針及び解決指針を踏まえ、団体方式による地域振興事業として「特定地域特別振興事業」を実施することにより同問題の解決に取り組んでまいりました。平成21年度から那覇市の鏡水コミュニティセンター整備事業及び宮古島特定コミュニティ再構築活性化事業、平成22年度からは新たに読谷村産業連携地域活性化事業及び伊江島フェリー建造事業が実施されているところであり、同問題解決に向け大きく進展したものと考えております。いまだ事業化に至っていない残り5つの地主会についても振興計画の期間終了後3年間は事業実施できることとなっており、引き続き事業実施を呼びかけ、問題解決の促進に取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、沖縄県にとって必要な一括交付金の総額についてお答えいたします。
 沖縄県は、沖縄振興特別措置法等に基づく「高率補助制度により措置されている総額の確保」と「予算の一括計上方式」が継続され、かつ自由度の高い「沖縄振興一括交付金(仮称)」の創設を政府に求めているところであります。
 同交付金の総額については、新たな沖縄振興の施策の展開に必要な予算総額及び過去の実績を勘案し、政府に求めていくこととしております。
 次に、次期沖縄振興計画についての御質問の中で、次期沖縄振興計画の現在の取り組み状況についてお答えいたします。
 沖縄県では、「沖縄21世紀ビジョン」を策定し、県民が望む20年後の将来像を示すとともに、沖縄振興計画等総点検において成果と課題を明らかにしたところであります。
 新たな計画の策定に当たっては、島嶼経済の不利性など、総点検の課題への対応や、豊かな自然環境や独自の文化、アジアの中心に位置する沖縄の優位性など、沖縄の持つ特性を最大限発揮する施策や制度等を盛り込み、「沖縄21世紀ビジョン」の将来像実現につなげてまいりたいと考えております。現在、「新たな計画の基本的考え方(案)」について取りまとめているところであり、県民、民間企業、関係団体及び市町村など、各界各層の幅広い意見を聞き、ことし3月末を目途に作成したいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 知事の政治姿勢についての中の、県内企業への優先発注及び県産品の優先使用についての御質問にお答えします。
 県では、需要の停滞、移輸入品との競争の激化など厳しい経営環境にある県内企業の育成を図るため、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」を策定し、各種の取り組みを行っております。
 具体的には、産業まつりの開催や県産品奨励月間の実施による消費者意識の啓発、県公共工事における分離・分割発注や共同企業体方式による県内企業の受注機会の確保に努めているほか、国の出先機関、市町村、大手量販店等に対する要請等を実施しているところであります。県としましては、今後とも関係団体と連携して県内企業への優先発注及び県産品の優先使用に取り組んでまいります。
 次に、観光行政についての中の、沖縄北部国際観光リゾート構想への取り組みについての御質問にお答えします。
 沖縄北部国際観光リゾート構想は、昨年開催された「本部港観光振興協議会」にて提案された北部地域のすぐれた観光資源を生かし、本部港への外航クルーズ船の誘致を目指す構想と認識しております。県では、外航クルーズ船社を招聘する際には、美ら海水族館や豊かなヤンバルの自然など、北部地域ならではの特色ある観光資源をPRし、本部港への外航クルーズ船の誘致活動を積極的に展開しております。また、受け入れ体制充実を目指して設立された「本部港クルーズ促進連絡協議会」が行う寄港セレモニー実施費用の助成を一部行っております。県としては、北部地域のさらなる魅力づくりに向けて今後も地元自治体と協力し、取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 知事の政治姿勢についての御質問で、沖縄自動車道無料化に対する今後の対応についてお答えいたします。
 沖縄自動車道における無料化社会実験の状況は、国の発表によれば、自動車道の交通量が約1.5倍にふえ、実験期間中の187日間のうち40%に当たる75日間で渋滞が発生しております。このような状況を踏まえて、国においてはことしの6月以降、休日は無料、平日は実験前の料金から5割引とする見直しを行うと発表しております。
 見直し後の社会実験に際しても、国において実験データの収集・分析を行うとともに、広く県民意見の把握に努めるとのことであり、沖縄県としてはその結果を踏まえて今後の対応を総合的に検討してまいります。
 同じく土木建築行政についての御質問で、土木建築業界の経営状況と課題と対応についてお答えいたします。
 沖縄振興開発金融公庫の県内企業景況調査結果によると、建設業の10月から12月期は前年に比べ悪化しているとした企業の割合は縮小したものの、依然として悪化と景況判断した企業の割合が多いことから、経営状況は厳しいものがあると考えております。そのため、公共工事の地元企業の受注拡大、経営多角化や新分野進出による経営基盤の強化等を図る必要があると考えております。県では引き続き国等への働きかけを行うとともに、建設業相談窓口等を通して経営基盤の強化等の支援を行ってまいります。
 同じく土木建築行政についての御質問で、総合評価方式の課題と対策についてお答えいたします。
 土木建築部においては、公共工事の品質を確保するため、平成19年度から総合評価落札方式を導入し試行しているところであります。当該方式は、工事価格とあわせて入札参加企業の技術力を評価するため、発注工事に係る施工計画、施工実績や配置予定技術者の能力等の確認に必要な技術資料の提出を義務づけております。
 課題としましては、提出資料の作成に時間を要すること、入札から落札決定までの期間が長いため配置予定技術者が拘束されること、工事実績の対象期間が短いことなどが挙げられております。そのため、特別簡易型の拡大による提出書類の簡略化、落札決定までの手続の簡素化による期間の短縮、工事実績対象期間の延長等による入札参加資格の緩和を図ってきたところであり、今後とも改善に努めてまいりたいと考えております。
 同じく土木建築行政についての御質問で、最低制限価格を95%に引き上げることについてお答えいたします。
 県の基幹産業である建設産業が非常に厳しい経営環境にあることから、同業界において新卒の雇用が厳しい状況にあることは認識しております。そのため、沖縄県建設業審議会において「県の現状に適した最低制限価格」について審議し、昨年6月に答申を得て最低制限価格の範囲を予定価格の70%から90%とするとともに、算定式を見直し、6月28日以降の発注工事から適用しております。その結果、ほとんどの工事において落札率が90%を超え、今年度上半期の平均落札率は93.3%となっており、建設業界からは一定の理解が得られているものと考えております。
 同じく土木建築行政について、米軍発注工事に対する県の対応策についてお答えいたします。
 米軍発注工事の受注につきましては、関係部局で構成する「米軍発注工事ワーキンググループ」において、米軍発注機関や保険会社、金融機関、建設業界等に対するヒアリングを実施するなど、現状把握や課題整理を行ってきました。米軍発注工事の受注拡大のためには、履行ボンドの確保、契約や工事に精通した人材の確保等の課題がありますが、最も大きな課題はボンド枠の確保と考えております。そのため、今回、新たな沖縄振興に向けてボンドの保証規模拡大を目的とした保証事業会社等によるボンド保証制度の創設を国に要望しているところであります。
 同じく土木建築行政についての御質問で、建設産業支援センターの設置の進捗状況についてお答えいたします。
 建設産業支援センターは、県内建設業界の自助努力を促進し、長期的展望に立って建設産業の活性化を図ることを目的として、建設関係団体が設立を検討しているところであります。同支援センターは、公共工事の建設発生土を有効活用するストックヤード事業による収益で運営する計画となっております。県では、対象土量の把握、収支見込み等の調査検討を行ったところであります。その結果を踏まえ、建設関係団体において事業の成否について慎重に検討しているとのことであります。
 次に、環境行政についての御質問で、サイクリングロード施策についてお答えいたします。
 県内における自転車が通行可能な道路としては、サイクリング専用道路と広い歩道幅員を利用した自転車歩行者道があります。
 サイクリング専用道路としては、現在、県道玉城那覇自転車道の整備を推進しているところであり、自転車歩行者道としては、国道58号や宜野湾南風原線等があります。また、自転車通行環境整備のモデル地区として、昨年度、那覇市の赤嶺・壺川地区において、国、公安委員会と連携し、自転車通行帯の整備を行いました。
 今後とも、環境改善や観光振興、健康増進の観点から、関係機関と連携し、安全で気軽にサイクリングができる道路づくりを進めていく考えであります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 福祉行政についての御質問の中の、「子ども・子育て新システム」に対する県の対応についてお答えします。
 国においては、幼保一体化を目指す「子ども・子育て新システム」について、現在、現行の保育所、幼稚園の一部を残す案を含め、さまざまな角度から制度設計に向けて検討がなされております。
 県としましては、「子ども・子育て新システム」の制度設計に当たっては、保育の質が確保されることや新システムの制度運用に必要な財源が確保されることが重要であると考えております。本県にどのような影響を及ぼすのか、今後とも国の動向を注視し、必要な対応をしてまいりたいと考えております。
 次に、認可外保育施設の課題と支援策についてお答えします。
 認可外保育施設については、入所児童の処遇向上等が課題であります。このため、平成23年度当初予算案において新すこやか保育事業を拡充しております。その拡充内容は、新たにおかず及びおやつ代も対象とすることなどにより、児童1日当たりの助成単価40円を77円に拡充する予定であります。
 なお、新たな子育て支援制度の提案の中で、一定の質を確保した認可外保育施設への支援措置や、固定資産税の軽減措置を国に求めているところであります。
 次に、待機児童対策特別事業基金の活用状況についてお答えします。
 待機児童対策特別事業基金における認可化支援事業につきましては、今年度、施設整備の補助限度額を700万円から3000万円に引き上げたところであります。平成22年度は市町村からの要望を受け、10施設の認可化に向け、手続を進めているところであります。認可外保育施設指導監督基準達成のための改修費支援事業については、23施設となっております。
 県としましては、認可外保育施設全体の質の向上を図るために、今後、当該事業の補助要件の見直し等を含め、国と協議していきたいと考えております。
 次に、学童保育の課題と支援策についてお答えします。
 放課後児童クラブに対するニーズは高まっており、希望する子供すべてが利用できないなどの多くの課題を抱えております。このため、「おきなわ子ども・子育てプラン」の後期計画においては、平成21年度の放課後児童クラブ194カ所を平成26年度までに238カ所にまでふやす目標を掲げているところであり、希望する子供すべてがクラブを利用できるように市町村と連携し、クラブの設置を促進してまいります。また、沖縄県は全国と比べて民立民営のクラブが多いため、家賃等の負担により経営が厳しいことや、保育料が高いことなどが課題であると考えております。そのため、民立民営クラブへの家賃等の助成や税制優遇措置を初め、ひとり親家庭等への保育料減免等の「新たな子育て支援制度」を国へ提案しているところであります。
 次に、市町村の健診時における言語聴覚士の配置についてお答えします。
 乳幼児健診に言語聴覚士を配置している市町村は、現在のところありません。市町村の中には、乳幼児健診のフォローアップ事業として親子教室や発達相談等を実施しており、一部の市町村では、言語聴覚士や臨床心理士を配置し、言語発達のみだけではなく、心理面の発達も含めて乳幼児の発達をフォローしております。
 次に、音声機能障害者等へのリハビリと社会的サポートについてお答えします。
 県では、音声機能障害者の社会復帰の促進を図るため、疾病等により音声機能を喪失した者に対して発声訓練を行うとともに、この訓練に携わる指導者の養成を行っているところであります。また、失語症等を伴う高次脳機能障害者を支援する拠点病院の指定のほか、言語聴覚士による言語訓練等を行う事業所に対する市町村の訓練等給付費への負担金を支出しております。
 次に、聴覚障害者へのサポート体制についてお答えします。
 県では、聴覚障害者のコミュニケーションや社会参加の促進を図るため、手話通訳者の養成研修を行うとともに、福祉保健所など公的機関に手話通訳士等を派遣する事業を実施しております。また、市町村が実施する手話通訳者や要約筆記者の派遣を行うコミュニケーション支援事業等への支援を行っているところであります。
 次に、次期沖縄振興計画についての御質問の中の、少子化対策のモデル地区指定についてお答えします。
 県においては、新たな沖縄振興に向けての制度提言の中で「新たな子育て支援制度」を国へ提案しているところであります。同制度については、5歳児保育の特殊性など、本県独特の子育ての現状を踏まえ、沖縄県だけに特例的に適用される新たな制度の創設や既存の補助事業の要件緩和を提案する内容となっております。また、提案では認可外保育施設の認可化促進については、待機児童対策特別事業基金の継続・拡充を盛り込んでおります。さらに、一定の質が確保された認可外保育施設への支援については、給食費だけをとらえた支援ではなく、施設の運営全体の支援を行うことを想定しております。
 次に、医療特区地域指定についてお答えします。
 新たな沖縄振興のための制度提言においては、離島における医療サービスの充実を目指す支援制度の拡充等を要望しております。具体的には、離島・過疎地域からの急患空輸の充実や医師派遣を推進する事業の拡充等であります。
 医療特区地域の指定については、現状の医療制度においてどのような規制緩和等が必要であるのか検討していくこととしております。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 医療行政についての御質問の中で、病院の経営状況についてお答えいたします。
 病院事業において、平成21年度は収益・費用両面での改善への取り組みと繰入金の増額で収支が大幅に改善し、31年ぶりに経常収支で約7億4000万円の黒字となっております。これにより、経営再建計画で掲げた3つの目標のうち、不良債務の解消と経常収支の黒字化の2つを達成しております。平成22年度も経営状況は順調に推移しており、残る資金不足の解消についても現時点で計画より大幅に削減が進んでおります。
 次に、県立病院職員の勤務状況についてお答えいたします。
 県立病院は、地域の中核病院として一般医療はもとより救急医療や高度・特殊医療への対応など重症患者も多いことから、勤務環境は厳しいものがあると理解しております。このような勤務環境を改善するため、平成20年12月に策定した「業務改善及び時間外勤務の縮減プログラム」に基づき、諸施策を推進しております。具体的には、医療クラーク及び看護クラークの配置、7対1実施のための定数改正、看護師等確保のための受験年齢制限の撤廃、年複数回の採用試験の実施等により一定の成果があったものと理解しております。
 今後とも勤務環境の改善に向けて努力してまいりたいと考えております。
 次に、すべての県立病院の7対1看護体制についてお答えいたします。
 7対1看護体制については、平成22年5月から南部医療センター・こども医療センターで実施しております。今回、中部病院に7対1看護体制を導入するため、93名の看護師を増員し配置することとしております。北部病院、宮古病院及び八重山病院での7対1看護体制の導入については、中部病院等での実施状況を踏まえ検討していきたいと考えております。
 次に、沖縄県職員に言語聴覚士が含まれているかについてお答えいたします。
 言語聴覚士については、臨時的任用職員として、南部医療センター・こども医療センターに2名、八重山病院に1名をそれぞれ配置しております。正職員としての採用については、現在の県立病院事業を取り巻く厳しい経営環境の中で、その緊急性・重要性など病院全体としての優先順位等を見きわめ、慎重に検討する必要があると考えております。
 次に、県立病院の医療ミスレポートについてお答えいたします。
 県立病院では、日常診療の現場で患者に被害が及ばないような「ヒヤリ・ハット」事例や医療事故等に関する「インシデントレポート」を医療安全管理委員会に提出することになっております。その後、インシデントの分析・評価を行い、さらに全体で情報を共有することで医療安全の推進に努めております。
 県立病院全体の「インシデントレポート」の提出件数は、平成19年度4202件、平成20年度3813件、平成21年度3782件となっております。
 以上でございます。
○教育委員会委員長(中野吉三郎) こんにちは。
 赤嶺昇議員の御質問にお答えします。
 それでは就任の決意について申し上げます。
 このたび教育委員長に就任いたしました中野吉三郎でございます。どうぞよろしくお願いします。
 「沖縄21世紀ビジョン」にもございますように、資源が少ない島嶼県沖縄が発展する最大のよりどころは人材であります。その人材を育成する教育こそ、最も力を入れるべき政策であると考えております。私は、教育委員長としてその責任の重大さを痛感しているところでございます。
 本県の子供たちは、文化活動面やスポーツ面などですばらしい実績を上げ、県民に大きな感動と夢を与えております。一方、人々の価値観が多様化し、家庭における教育力の低下、地域の人間関係の希薄化、規範意識の低下といった極めて憂慮すべき教育環境にあります。子供たちの学力や問題行動などの面で課題もありますが、私は、本県の子供たちには無限の才能やメンタル面での底力があると考えており、その限りない可能性を伸ばし、やる気を引き出すための教育環境づくりに取り組んでまいりたいと思います。その環境づくりには、「イチャリバチョーデー」、「ユイマール」、「命ドゥ宝」といった忘れてはならない最も大事なウチナーのチムグクルの再構築が不可欠であると考えております。そのためには教育委員会だけではなく、関係機関や地域社会と手を取り合い、実効性のある県民総ぐるみで取り組むことが必要だと考えております。
 沖縄県の子供たちが地域への誇りを持ち、大きな夢と目標を抱いて生き生きと学ぶことができるよう努めてまいりたいと思います。
 以上、私の決意の一端を述べさせていただきましたが、県教育委員会の役割と使命について自覚を新たにし、委員長の職務に精励していく所存でございます。
 これで終わろうと思ったんですが、1つだけどうしても感動を一緒に分けていただきたいと思いまして、持ってきました。沖縄県にはこんなすばらしい指導者がいるということを御紹介したいと思いますが、もう既に皆さんが知ってのとおり、あの我喜屋監督の教育力、これはもう本当に私も感動の連続です。そして新聞も毎日読んでいました。この資料を持ってくるとたくさんになりますので、これは述べませんが、その一番最後に、我喜屋監督が全国の球児へ一言というところでこういうことをおっしゃっていました。
 全国の高校球児に贈る言葉として、野球の試合はその日で終わるが、人生のスコアボードは一生続く。一生のスコアボードの勝者を目指して頑張ってほしいと。大変すばらしいことをおっしゃっている。
 この監督をまた育てた人がおります。この方を紹介しながら、その方から檄を飛ばされたことを私だけが知ってもしようがないと思いまして、大変すばらしい言葉ですから少しだけ読ませていただきたいと思います。
 春の大会の壮行会、それから夏の大会の壮行会の言葉です。その檄を読み上げてみます。
 春。「今、沖縄は諸君を必要としている。甲子園から春風を送ってくれ、沖縄は政治・経済・社会及び教育までが厚い暗雲に覆われている。諸君の甲子園での活躍によりこの暗雲に希望の光が差し込むように頑張ってくれ。沖縄県民は諸君の大活躍を祈っている。最善を尽くして沖縄の明日の扉を開けてくれ。」とお祈りが天に届くようにと、これは春でした。
 夏。7月31日です。
  「2010年夏、美ら島沖縄総体2010年が沖縄で開催されている。全国の諸君の仲間が日頃の練習の覇を競って記念の時を刻んでいる。今諸君は甲子園で覇を競うべく時を待っている。記念すべき歴史を作ってもらいたい。夏の甲子園大会は100年の歴史を有するが、春夏連覇を成し遂げたのは、これまで5高校のみである。諸君は第6番目の春夏連覇の高校となる資格を持っている。一世紀、100年に一度あるかないかのチャンスである。日頃の興南のグランドで培った技と心を甲子園で思う存分発揮してくれ。沖縄の明日を担い起こす気概で甲子園に駒を進めてもらいたい。甲子園では興南高校野球部総員130名一丸となって事に当たろう。そうすれば春夏連覇という偉業を成し遂げる事が出来る。 沖縄県民は諸君がこの偉業を成し遂げ、沖縄の歴史にエポックを画くすることを祈っている。」と。今回の興南高校野球部の春夏連覇の快挙は県民に支えられたものでありました。キャプテン我如古君の言葉を借りれば「沖縄県民で勝ち取った優勝です。」本当にその通りであります。沖縄県民が心を一つにして感動にチムドンドンした2週間でした。そして、沖縄県民の肝心の温もりを共有することが出来ました。ついに興南高校野球部130名は沖縄のあらゆる方面での歴史を変える快挙を成就した。この快挙は沖縄県民に汲めども尽きぬ知恵の泉を与えてくれた。
 中野吉三郎様と書いてありますが、「2010年11月吉日 学校法人興南高校元理事長 知花孝弘」弁護士です。その弁護士は私が知る限りでは、30名以上の弁護士を育てております。そして教え子たちは福岡や神戸や大阪でも弁護士をしております。そういう沖縄県のリーダー格の弁護士を育てたすばらしい教育者です。非常に敬意を表しています。
 自分だけ感動してもしようがないので、御紹介だけで終えたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○教育長(金武正八郎) それでは教育行政についての御質問で、フィンランド共和国の教育制度についてお答えいたします。
 フィンランドの教育制度につきましては、一人一人を大切にする平等な教育や子供がみずから学ぶことなどの特徴があり、子供たちに考える力を養う教育を行っていると理解をしております。
 県教育委員会としましては、フィンランドの教育制度のよさを参考にしながら授業改善等に取り組み、児童生徒一人一人に「生きる力」をはぐくむための教育活動の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、30人学級の達成状況と今後の見通しについてお答えいたします。
 少人数学級につきましては、現在、小学校1・2年生で加配定数を活用し30人学級を実施しております。文部科学省においては、平成23年度から小学校1年生について35人学級を制度化することとしております。また、小学校の2年生から6年生及び中学校については、学級編制の標準を順次に改定することについて検討を行うこととしております。現在、本県の小学校1・2年生で加配定数を活用し30人学級を実施している少人数学級につきましては、平成23年度においても引き続き実施してまいりたいと思います。
 今後の小学校、中学校の少人数学級に関する計画については、国の35人学級の動向や全国の実施状況等を踏まえ取り組んでまいります。
 次に、給食費の未納状況についてお答えいたします。
 平成21年度の沖縄県学校給食費徴収状況調査によると、公立小中学校における未納総額は約2億7000万円で4.2%となっております。また、未納者数は9686人で6.5%となっております。
 次に、言語聴覚士の採用枠についてお答えいたします。
 言語聴覚士等の専門職設置につきましては、学校教育法において明確な規定はなく、本県においては言語聴覚士の資格に基づく採用は実施しておりません。現在、特別支援学校においては、障害の重度・重複化、多様化している幼児・児童生徒一人一人のニーズに応じた適切な指導を行うため、専門的資格を有した言語聴覚士や理学療法士、作業療法士等と日々の教育活動の中で積極的に連携しているところであります。
 県教育委員会としましては、今後とも言語聴覚士等の外部専門家と積極的に連携し、特別支援教育の充実に努めてまいります。
 次に、県立図書館と市町村立図書館との連携等についてお答えをいたします。
 県内37の公立図書館では、約400万冊の図書や資料を有しております。現在、県立図書館と市町村立図書館との間に情報ネットワークを構築し、県民がいつでも、どこでも、どの図書館からも図書館サービスを受けられるよう、図書情報の共有化、図書の相互貸借等の連携・協力に努めております。さらに、県立図書館では、県民の知的要求に対応できるよう資料の収集・整理・保存・奉仕等に関する研修や講演会等を通して市町村立図書館職員の資質向上に努めております。
 美術品などの展示等については、主に県立博物館・美術館において対応しております。
 県立図書館においては、「首里古地図」や「程順則の書」、「球陽」などの古文書を初め歴史的に貴重な資料があります。これらについては、保存・管理に配慮した上で毎年展示会を開催するとともに、貴重資料のデジタル化を行い、ホームページで公開できるよう取り組んでいるところであります。
 県教育委員会としましては、今後とも市町村立図書館と連携し県民への図書館サービスの充実を図ってまいります。
 次に、次期沖縄振興計画についての御質問で、子供たちがひとしく教育を受ける環境整備についてお答えいたします。
 本県のすべての児童生徒が、どこに居住していても公平に教育機会が享受できるような環境を整備することは重要なことと考えております。島嶼県であることの不利益性を解消するため、新たな沖縄振興の制度提言の中で「教育振興総合対策」や「離島児童・生徒支援センター(仮称)」について要望しているところであります。
 「教育振興総合対策」の内容としましては、まず、児童生徒が県内外への修学旅行や各種大会に参加するための交通費の軽減を図ること、2つ目に、光通信による双方向交流学習や社会教育施設の利活用を推進するインフラの整備・充実を図ること、3つ目に、複式学級の解消を要望するものであります。さらに、同支援センターは離島生徒の寄宿舎と各種大会における小・中・高校生の宿泊施設等をあわせ持つ総合的な複合施設を目指しているものであります。
 今後とも、沖縄県の地理的事情を考慮し、教育特別地域として支援が図られるよう要望してまいりたいと考えております。
 次に、給食の無料支給と食育についてお答えいたします。
 学校給食については、学校給食法の規定により施設及び設備に要する経費や人件費等は設置者である市町村が負担し、個々人へ還元される食材費等は保護者が負担することと定められております。なお、経済的に困窮している児童生徒については、市町村において学校給食費等の就学援助が行われております。
 県教育委員会としましては、食育が基本的生活習慣の形成や生活リズムの確立に資するもので、学力向上にもつながっていくものと考られることから、今後とも全国都道府県教育長協議会等を通して就学援助の実態に応じた補助金の充実等の要請を国へ行ってまいります。
 次に、30人学級に係る教職員等についてお答えいたします。
 少人数学級に係る教職員定数や財源については、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」や「義務教育費国庫負担法」などに基づいて措置されております。
  県教育委員会としましては、少人数学級は一人一人の個性に応じたきめ細かな指導を行うことにより、基礎的・基本的事項の定着につながるものであることから、これまで小学校低学年で実施してまいりました。本県における小学校・中学校での少人数学級の実現については、国へ加配定数の増員や財源保障の要望を行い、国の動向や全国の実施状況等を踏まえその実現に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 観光行政に関する質問のうち、観光税導入の取り組みについてお答えいたします。
 本県の厳しい財政状況の中、多様化する行政需要に対応するためには新たな税の導入が必要であると考えており、現在、観光関連税を中心に複数の案を検討しているところであります。
 新税の創設に当たっては、受益と負担の関係、課税の公平性、県経済に与える影響などを十分に検討するとともに、県民及び関係者の意見を踏まえた上で取り組んでまいります。
 次に、次期沖縄振興計画に関する質問のうち、消費税率の据え置きについてお答えいたします。
 消費税は、全国一律に生産、流通、販売などの全段階で課税されること、また、原則としてすべての財貨やサービスが課税対象となること、さらに、税の累積を排除するため仕入れ控除方式となっていること等の性質を有しております。そのため消費税が引き上げられ、沖縄県のみ税率を据え置くことは、流通等の各段階で複数税率を用いる必要があることや価格に転嫁できない場合がある等の課題があり、税制度上困難であると考えております。
 以上です。
○文化環境部長(下地 寛) 環境行政についての御質問の中で、電気自動車等の普及促進に向けた取り組みについてお答えいたします。
 エコカー、電気自動車等の普及については、地球温暖化対策を図る観点から重要であると考えております。そのため、県では、レンタカー及びタクシーに利用される電気自動車やホテル等における普通充電器の導入に対する支援を行い、観光関連事業者による電気自動車の導入や充電設備の設置などを促進しております。また、平成22年12月に国の「EV・PHVタウン」の指定を受け、カーシェアリング事業などを通して電気自動車等を広く県内へ普及させるため、関係機関や事業者などと連携して取り組んでいるところであります。
 同じく環境行政についての御質問の中で、温室効果ガス削減目標に対する県の実績についてお答えいたします。
 県では、平成15年度に「沖縄県地球温暖化対策地域推進計画」を策定し、温室効果ガスの総排出量を2010年度までに2000年度比で8%削減することを目標に、県民への普及啓発や太陽光発電設備設置補助及びESCO事業の導入促進等に努めてきたところであります。しかしながら、県内における温室効果ガスの総排出量は、2007年度時点で基準年度である2000年度比で11%増加しており、目標達成は厳しい状況にあります。そのため、平成22年度においては現行計画の見直しを行い、新たに「沖縄県地球温暖化対策実行計画」を策定し、産業部門や運輸部門等における支援施策の充実強化や推進体制の整備などを図っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(村田 隆) 公安行政に関する御質問の中で、新本部長の決意についてお答えいたします。
 警察の使命は、140万県民はもちろんのこと、沖縄を訪れる年間600万人のゲストの皆さんにも安心して過ごしてもらえるような良好な治安環境を提供することであり、そのためには当県の治安上の課題に的確に対応することが必要であると考えております。
 当県の治安上の課題の1点目は、飲酒運転の根絶であります。
 人身事故に占める飲酒絡みの比率が21年連続全国ワーストワンであることなどを踏まえれば、飲酒運転根絶は一朝一夕には解決できないものであると考えており、今後も飲酒運転の取り締まりを基本として、飲酒運転根絶条例に基づく取り組みのさらなる浸透を図るとともに、飲酒運転常習者対策など工夫をしつつ行政、事業者、地域と連携し、飲酒運転の根絶に取り組んでいきたいと考えております。
 2点目は、風俗環境の浄化と暴力団対策であります。
 風俗環境の悪化や歓楽街等の周辺地域における事件・事故の発生が治安を不安定化させる要因になると考えております。また、風俗環境の悪化は暴力団など犯罪組織の資金源になることも考えられ、さらなる被害者を生むこととなります。このような状況を踏まえ、暴力団や暴力団関係企業など暴力団組織とつながるものに資金が流れないよう、連鎖を断ち切る取り組みを進め、行政、事業者、地域など社会全体が一体となって歓楽街の健全化と暴力団排除のための機運を盛り上げていきたいと考えております。
 3点目は、少年非行問題であります。
 平成22年中に飲酒、喫煙、深夜徘回などの不良行為で補導された少年は過去最多となったほか、刑法犯少年に占める中学生の比率や複数での犯行、再非行が全国一高いことなど、憂慮すべき状況にあります。一方で、刑法犯で検挙される少年は減少傾向にあることから、今後とも刑法犯に至らない早目の段階で補導し、将来の沖縄県を支えていく少年の健全育成にも貢献してまいりたいと考えております。
 4点目は、米軍構成員等による事件・事故への対応であります。
 米軍構成員等の事件・事故は社会的な反響が大きいことから、発生した場合は毅然とした態度で迅速かつ適切に対処しなければならないと考えております。また、捜査に当たりましては、関係法令と証拠に基づいて適正に捜査することが基本であると考えております。これらの治安上の課題や実態を踏まえ、県民の期待にこたえられるよう全力で警察行政を進めていきたいと考えておりますので、引き続き県警察への御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げまして私の決意とさせていただきます。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 質問の途中でありますが、時間の都合もありますので、赤嶺昇君の再質問は休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後6時17分休憩
   午後6時41分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前に引き続き赤嶺昇君の再質問を行います。
 赤嶺 昇君。
   〔赤嶺 昇君登壇〕
○赤嶺  昇 再質問を行います。
 中野委員長、初答弁ありがとうございました。
 先ほどの決意の中で、教育が最大の資源という言葉を述べられておりました。我々も実はフィンランドに行ったときに向こうの担当、教育長の方、校長先生だったりとかが何と言っていたかというと、教育力は国力という言葉を使っていたんですね。私はそれに対して奥平議員もこれが一番印象に残った言葉であるということをおっしゃっていました。そのことを今まさに教育委員長が沖縄県の最大の資源は人材であり教育であるということを、非常にうれしくてぜひ頑張っていただいて、財源とかいろんな課題もあると思うんですけれども、今回の沖縄振興計画でいろいろ制度上も含めて知事と教育長も含めて、県議会もこういった子供たちに予算を投資して10年間でこの教育にこの沖縄振興計画でこれをやることによってむしろ日本の教育を引っ張るぐらいの気概が必要じゃないかなと思っております。
 ですから、沖縄振興計画はただ単に本土に追いつけ追い越せじゃなくて、もう我々がその見本をつくるということをぜひ実践をしていただきたいなと思っております。
 名護市の件について少し質問させてもらいますけれども、我々から見ると今名護市長が非常に厳しい状況の中で、陸にも海にも基地をつくらせないと。その中で、今、日本政府のあからさまな対応というのはあれは名護市民だけじゃなくて我々県民に対して非常に失礼な態度だなと私は思っております。基地問題と振興策をリンクさせるべきではないという公室長の答弁なんですけれども、だれがどう見てもこれはリンクじゃないですか。だれがどう見てもこれがリンクじゃなければ一体何なのかということを、私はあの今の政府の対応の仕方を皆さんが客観的に見る立場なのか、あえて名護市長と仲井眞知事がすべての見解が一緒だとは私は思っておりません。それはそれでいいんです。しかし、沖縄県民に対してああいう対応をされるということが果たしていかがなものかと。だから私は、仲井眞知事がそれはリンクしてはいけないという話じゃなくて、この政府の名護市に対する対応に対してみずから抗議するべきじゃないかなと思いますが、これについてまず1点お聞かせください。
 それから普天間基地の辺野古移設について、危険性の除去というのは大きな課題でございます。その中で、知事も含めていろんな施策を国にも提案をしているようなんですけれども、実は知事が1期目の知事選挙での3年以内の閉鎖状態、もうこの言葉が消えてしまって、3年は超えたんですが、あえて聞きたいんですけれども、この公約というのはまだ生きているのかというのをお聞かせください、3年以内の閉鎖状態。なかなか最近出ないものですから、どこに行ったのかなと思ってですね。
 それからちょっと順不同で大変恐縮なんですけれども、鳩山前総理の「方便」発言に対しても理解できない、しがたい発言ということなんですけれども、このことも知事が政府の関係者だったりに会う機会も含めて、私はこの言葉もやはりきょう大城一馬さんから参考人招致の話もありました。そういう言葉で県民がまたさらに傷ついているんですね、心が。それも私は知事としてやっぱり強く抗議をするべきじゃないかなと思っておりますが、これについてお聞かせください。
 それから米軍のパラシュート降下訓練についてでございます。
 きょう渡嘉敷委員長のもとで抗議決議をやったんですけれども、知事にお聞きしたいのは今回例外に当たるかどうかということですね。知事もそれに抗議はしているんですけれども、改めて聞きたいんです。今回のパラシュート降下訓練は例外なのかどうかということを当時の伊江島の天候もいろいろ新聞に出ているんですけれども、この例外の認識を知事自身どう思っているのか、今回の訓練についてお聞かせください。
 それから県内企業優先について、勝目部長から大変すばらしい答弁をいただきました。実は、知事がこのグッジョブ運動であったり、雇用対策に一生懸命頑張っている中ではあるんですけれども、まだ失業率が高いというのはもう見てのとおりでございます。そこで12月議会にも取り上げさせてもらったんですけれども、いわゆるその土木建築工事においてこの下請、具体的な工事名を言うと推進工事について、県外下請がもう入っているんですよ、九州から。県外の会社が入って、県内業者がどうしても出せないような単価で入ってきているんですね。県内の業者はそれぞれ機材を持って非常に頑張っているんですよ。私が言っているのは、発注するときに特記仕様書、特記事項に県内業者を優先するということをなぜ明記できないのか。この間、部長はこれは要請はしているということを言っているんですけれども、それを明記したらいいんじゃないですか。それを明記して県内元請がさらに下請に行くという流れをつくらないと、我々が一生懸命県内企業優先、県産品優先と言っておきながら、元請も厳しいと思うんです。厳しいから多少安いところに、それにさらに下請に任せるかもしれないんですけれども、やっぱり雇用の観点から言うと、そこはもし法的根拠でそれが明記することはできないということがなければ、私はもう堂々と今この答弁をいただきたいと思っております。なぜかというと、この推進工法そのものの工事があと2年でほぼ終わるということを言われているものですから、皆さんが考えているスピードと業界は違うんですよ。皆さんがいろいろ調整をしている間にこの工事が終わってしまったら元も子もない。もっというと県がその動きをすることによって、実は市町村もこの工事を発注しているんですね。だからその市町村にも影響があるものですから、これは皆さんがそれをやらないということは、実質的に仲井眞知事の政策の足を引っ張っているということになるんですね。それでもやるのかということを私は担当部長にお聞きしたい。
 それから教育長、県立高校の仮設の校舎、要するに校舎を建てかえるときにプレハブがありますね。このプレハブの仮設校舎というのは1億5000万ぐらいするんですよ。どうも聞いていると県外業者が入り込んでいる。それもあるかどうかも含めてその実態を聞きたい。県内にもちゃんとした県産品の資材を使ってそれなりに頑張っている企業があるんですね、そのあたりどうなっているのか。これはとても大事なことなんですけれども、皆さんはこの県立高校の卒業生、子供たちが土木であったり、建築で卒業した子供たちをなるべく採用してくれと皆さん業界に言うわけですよ。ところがもし万が一それが県外業者を使っているというんであれば、それは県外業者の体力もないのに、一方では採用してくれということは矛盾なんですよ。だから私はそれも含めてこのプレハブの発注についてどうなっているのかということを教育長の方からお聞きしたいと思っております。
 ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時51分休憩
   午後6時51分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○赤嶺  昇 沖縄自動車道の無料化についてなんですけれども、先ほど部長から6月以降はいわゆる休日はそのまま無料で平日が通常どおり、もとの半額という話なんですね。新聞紙上で見るとこれを要請するときも、今回またその決定をするときも県民に余り意見が諮られていんじゃないかなという感じが私はします。実は、その当時私もこれは無料化にして渋滞で大丈夫かという質問もしました。いざ無料化にしております。今度それになじんできたタイミングでこれがどうなのかということをやっぱり担当部署だけじゃなくて、もしそれが必ずしも6月までまだ猶予があるんだったら、私はこの6月以降に対してももう一回県民に丁寧にこの実態調査をして、それを国ともう一回かけ合ったほうがいいんじゃないかなと。どうしたほうがいいかということは言いません。これを県民のどういう意向をとるのかということが大事じゃないかなと思っておりますので、その点についてお聞かせください。
 12番のキャンプ・キンザーの早期返還についてなんですけれども、パッケージにこだわらないということで、これは儀間市長を初め市議会、皆さんが国に求めているわけですので、これは質問ではありません。仲井眞知事も一緒になってこのパッケージを外すいいタイミングですので、儀間市長と余り仲よくないと思うんですけれども、それはちょっと置いておいてしっかり手を組んで、こういう部分から少しずつこのパッケージという部分を外すようにその第一歩になるようにお願いをしたい。これは要望でございます。 
 それから福祉行政についてなんですが、「子ども・子育て新システム」については多くの議員が取り上げておりますので、これも皆さん質問ではありません。認可外保育団体が――これは一般質問でもあると思いますので――反対しているんですね。先日、2600名ぐらいの皆さんが集まって猛烈に反対をしておりますので、そのあたりについてしっかり丁寧に、国の動向じゃなくて私もいわゆる担当の保育課長に会ってきました、去年。何を言われたかと言うと、このシステムは今つくられる準備をしているんですけれども、今回の国会でも審議されているんですけれども、実は問題があって財源がよくわからないというんですよ。財源が問題なんですよ、ここは。財源もわからない中でそれを進めること自体いかがなものかなということを私は非常に憂慮しておりますので、そのあたり、国が決めたという部分じゃなくてもっとしっかりその動向を見守っていただきたいという、これは要望でございます。
 認可外の保育施設に対しては、今回、仲井眞知事が公約で2期目に当選して今回給食費を大変厳しい財政事情の中でおやつ代も上げたということは、本当に高く評価をしたいと思っております。財政も厳しい中でこれが一番最初に実現した公約じゃないかなと思っております。当然ながら、この認可の250円にはまだまだ足りない部分で、恐らく知事もできれば250円は支給したいという思いがあろうかと思いますけれども、それをやったことは非常によかったんじゃないかなと思っております。引き続きまた頑張っていただきたいと思っております。
 この認可外について少し指摘なんですけれども、待機児童対策特別事業基金が平成23年度で終わるんですけれども、そのメニューの中でいわゆるこの認可外保育施設支援事業、これですね、いわゆる証明書発行してもらう、もうもらっている保育園はちょっと対象外になっているらしいんですけれども、1施設300万円の施設整備の予算があるんです。今6750万残っているんですけれども、これ1円もできていないんですね。このままだったらこれは国庫返還なんですよ。国庫返還をされると我々が認可外の給食費を沖縄振興で求めているのに、皆さんはこの予算を戻しているじゃないかと言われるんじゃないかなと非常に私は懸念をしておりまして、あと1年しかありませんので、これをどうするかということですね、部長。いわゆるもう証明書を一度とった園も含めて今140カ国ぐらい証明書をもらっているんですよ。でも、そこはまだ十分じゃないものですから、例えば、園児のトイレとかそういった証明書をもらっているけれども、施設整備に活用できるというものがあればそれをぜひこの140カ国も中に入れて有効活用していただきたいと思いますが、これについては御答弁ください。
 それからですね……。
 ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時56分休憩
   午後6時56分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○赤嶺  昇 予算特別委員会にも出ますので、あと少しだけ絞っていきますと、県立病院なんですけれども、先ほど中部病院7対1看護ということで、様子を見てまたほかの病院、北部も見ていくということだったんですけれども、実際県立中部病院からどのぐらいの看護師が必要ということは、皆さん県のほうから、県立中部病院のほうから何人の看護師が必要なんだということは来ているはずなんですね。それを教えてもらえませんか。
 これは要望なんですけれども、県立病院職員の過労の実態調査をこれはもうぜひともやるべきだと思っております。実態調査をしてこの職員が本当に元気な体で気持ちで働けるような体制をつくっていただきたいということを要望しておきたいと思っております。これは予算特別委員会で聞きます。
 教育委員会についてなんですけれども、給食費の未納についてなんですが、教育長、私は基本的に小中学校の子供たちの給食はもう無料でこの沖縄振興の予算を使うべきだと思っているんですね。それによって何が変わるのかということを国のいわゆるさっきからモデル地域だったり教育特区と言っているのは、この給食を無料で支給することによって、10年間何が変わるのか、これは国の非常に大きなモデルになるんじゃないかなと実は思っていて、さらに沖縄の場合はひとり親世帯が非常に多い。所得が非常に厳しい。これ皆さんから表をもらうと全体で4%ということだったんですけれども、市町村によっては10%も未納がいるんですよ。10%ということは、10人に1人は給食費払い切れない、払わないという人もいるかもしれないんですけれども、そういう実態があるということは非常に課題じゃないかなと思っておりますので、その子供たちにしっかり給食を支給して、我々フィンランドに行ってきて向こうの校長先生が言っていたのは、学力、小さなことかもしれないんですけれども、温かい給食を与えるというのは非常にいいことだということをおっしゃっておりました。私はそのことをこの県の財政では厳しいですから、この沖縄振興計画の中でこの10年間、沖縄の子供たちこれ堂々と求めたらいいじゃないですか。これだけ基地を皆さん押しつけられて、恐らく各県の職員が政府に行くと、何で沖縄だけ特別かと言われているんですよ。とんでもありませんよ。我々沖縄はまだ基地の負担軽減をされておりません。まだ、今、要するにヘリコプターからの降下訓練があります。そういう現状を我々はもっと堂々と訴えないとだめなんですよ。
 ですから、知事、これは担当職員が行って調整するレベルじゃなくて、知事が先頭になってそこは政治的に制度と財源をかち取るぐらいの気持ちで頑張っていただきたい。これは県議会も大きな役割だと思っておりますので、この給食費について改めてお願いを申し上げたいと思っております。
 以上です。
○知事(仲井眞弘多) 赤嶺昇議員の再質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、名護市長さんへの政府の対応はこれはひど過ぎるんじゃないか、これは知事は抗議すべきだろうという御趣旨のお話だったと思います。
 これは確かにそういうふうに言えればそういうふうに見えないこともありませんが、再編交付金についてはあれは出すルールというのがあって、そこのところでの話になっていることだと思います。これは軍転協の要請で、この間、11市町村の首長さんと一緒になって防衛大臣のところに要請に行ったときにも幾つかこれについてのやりとりがございました。ですから、これは今のところ事務的な解釈の内容になっていると思いますし、あえてこれは嫌がらせというふうにまだ受け取るかどうかは、受け取らなくてもいいのではないかと私のほうでは思っております。そして現に、北部振興策そのものはたしか補助率がちょっと変わっておりますが、23年度まで2年延長されて継続しておる例もあります。
 次に、危険性の除去、3年めどの閉鎖状態の実現ということで、私、前の第1期目公約に上げてやってまいりましたが、基本的には政権交代などもあって1年以上のおくれもございましたが、今現在、実現されているかと言われるとおくれていると申し上げざるを得ませんが、ただこれを何とか今の普天間基地の危険性の除去という、しっかりこれに取り組もうという点は全く変わっておりませんで、現在は新しい政権になって政策協議会の中にできている負担軽減部会の中でこの議論はしっかり今やって防衛にいろんな対策を編み出し、実行するように今強く要求しているところでございます。
 それから第3に、鳩山発言に対して政府に抗議すべきでないかということですが、現実に今鳩山さんは、政府の中にはおられませんし、言わばマスコミのインタビューに答えておられるわけでいろんな受け取り方があろうかと思います。ですから、私は先ほど答弁させていただいた全く理解不能、理解しがたいということと、県民に納得できる説明を要求をずっとしてきたわけで、9月には納得できる説明がない以上、これは県外だと。現実に辺野古は実現不可能に近いというようなことで、9月にそういう県外だと申し上げたわけで、鳩山さんのもとへ戻った理由ないしは納得のいく説明がますますこれ納得のいかない内容になってきているということだと思いますし、そういうことで私のほうでもこれは全くこの言葉そのものに理解はできないという趣旨のことを、理解しがたいということを申し上げて、今政府にこれを強く抗議するということは考えておりません。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) パラシュート訓練について、例外的という認識についての御質問にお答えいたします。
 外務省に確認したところによりますと、パラシュート降下訓練については、自然条件等の制約により、伊江島飛行場の使用がどうしても困難な例外的な場合には、定期的でない、小規模の降下訓練であれば、嘉手納飛行場も使用し得るというのが日米両政府の従来からの共通の理解であるということでありました。
 県としましては、例外であるなしにかかわらず、パラシュート降下訓練は嘉手納飛行場で実施すべきではないと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 赤嶺議員の再質問にお答えいたします。
 まず下請について、県内業者へ優先的に発注すべきじゃないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 土木建築部においては、工事発注する際に当たりまして元請業者に対しまして工事施工に当たっての留意事項を配布しております。その中で、下請業者の選定に当たっては県内企業を活用するようお願い、要望しているところであります。これを特記仕様書への記載については、ほかの県の状況、それから県内の関係機関・団体の意見も参考にしながら、特記仕様書として記載する方向で検討していきたいと考えております。
 それから学校の仮設プレハブ工事についての御質問でございますが、県内の学校校舎の建てかえ工事の際には、仮設工事の建設工事については、1社だけこれは元請は県内業者でありましたけれども、この元請が倒産したためにその下に下請としておりました下請業者――これは県外企業でございますが――これを契約した事例が1例ありますけれども、それを除いてすべてほかの工事につきましては県内企業が受注しております。
 それから自動車道の無料化実験についての件でありますけれども、これも先ほど答弁いたしましたけれども、これは社会実験を6月からケースを変えてやろうということでございまして、このケースを変えてやった結果につきましては、国のほうでデータを収集しまして分析をすることになっています。その際はいわゆる本格的運用については、広く県民意見を把握するということになっておりますので、県としましてもその結果を踏まえまして総合的に今後の対応について検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 待機児童対策特別事業基金の中の、認可外指導監督基準達成のための施設改善費補助の活用についての再質問にお答えいたします。
 県としましては、当該事業の実施において支障となっている補助要件についての見直しや、既に証明書の交付を受けている施設からの活用要望が強くあることから、立入調査において指摘を受けた箇所の改修等を実施できるよう、今後国と協議していきたいと考えております。
 当該基金につきましては、認可外保育施設の認可化促進、それから入所児童の処遇向上に資するものであり、今後基金を有効に活用できるよう、国と協議し、完全執行に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 赤嶺議員の再質問にお答えいたします。
 中部病院の7対1看護を実施する上で現場からの要求は何人かの御質問でございますが、中部病院の7対1看護体制実施のための看護師数の増員数93名については、病院現場とも十分調整を行い、必要な看護師数を算出したものであります。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) 赤嶺議員の再質問にお答えします。
 給食を無料支給することについてお答えいたします。
 学校給食については、学校給食法の規定により現行制度においては給食費の無料支給は困難であります。給食費の支援等につきましては、全国の都道府県教育委員会でも現在国に対して要望しているところであります。
 御提案の給食の無償化について、次期沖縄振興計画に盛り込むことにつきましては、関係部局等と調整を図りながら可能性も含めて今後検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後7時20分休憩
   午後7時22分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 病院事業局長。
○病院事業局長(伊江朝次) 再質問にお答えいたします。
 93名については、病院現場と十分調整した上でございます。
 以上です。
○赤嶺  昇 仲田部長ありがとうございました。ぜひ特記事項を前向きに仕様書に県内下請を明記してもらうように頑張っていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
 最後に知事に、沖縄振興についてどうしてもちょっとお聞きしておきたいなと思っているんですが、もう既に職員の皆さんが各省庁を回っているんですけれども、どうも話を聞くとみんな厳しいという言葉が返ってくるものですから、最後に聞きたいのは、知事は今度の沖縄振興計画は、沖縄が主体となる計画に国の支援を求める考えなのか。それともこれまで同様の国による沖縄振興計画にしたいのか、そこだけははっきりさせていただきたいと思っています。
 以上です。
○知事(仲井眞弘多) 今の赤嶺議員の再々質問にお答えしますが、何度か申し上げていると思いますが、今度の振興法・振興計画のその考えは、基本的に沖縄が主体となる内容のものをつくって国が支援するという形でやってまいりたいということでございます。
○議長(髙嶺善伸) 以上をもって代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明25日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後7時25分散会

 
20110204000000