○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第36号議案まで及び乙第1号議案から乙第36号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
瑞慶覧 功君。
〔瑞慶覧 功君登壇〕
○瑞慶覧 功 皆さん、おはようございます。
社大・結の会、瑞慶覧功です。
質問に入る前に所見を述べさせていただきたいと思います。
先日は、奥平議員が宮古上布のかりゆしの自慢をしておりましたが、きょうは私もこれさっき初めて袖を通したんですけれども、南城市にいる義理の姉が仕立ててくれました。どうでしょうか。(拍手) ありがとうございます。長袖が余りないもんですから、寒い日にはスーツをつけたりするんですけれども、仲井眞知事は一貫してかりゆしをお召しになって本当に心より敬意を表します。吉田さんにも敬意を表します。
議会事務局に1つ要望がありますけれども、2月といえば県内で一番寒い月ですが、本会議場は結構暖かくなります。先週もところどころでクーラーがついておりました。万年風邪ぎみの大城一馬会派代表は、寒い寒いを連発しておりました。私もやはりかりゆしでいると結構冷たく感じましたので、やはり地球温暖化、CO2削減が叫ばれる昨今ですので、少し我慢しようではありませんか。我慢できない方はかりゆしを着ていただきたいと思います。
前置きはこれぐらいにしまして、1月の下旬に玉城義和副議長を団長にグアム視察に行ってまいりました。
私のグアムに行く前の認識として電気、上下水道、道路整備等のインフラ整備が整えば、大多数の住民が沖縄の海兵隊とその家族の受け入れに賛成しているものだと思って条件闘争の範疇だろうと思っておりました。しかし、知事や議員の皆さん初め、推進派や反対派の団体それぞれの皆さんから話を聞いていくうちに、そんなに簡単な話ではないということがわかりました。人口が約17万人、面積は沖縄本島の約45%で、3分の1は米軍所有地となっております。グアム統合軍事開発計画によりますと、沖縄の海兵隊移転だけではなく、空軍、海軍、陸軍それぞれ増員される計画になっており、家族を合わせると2万6000人がふえ、合計で約4万人になる予想であります。
私は、同じアメリカという思いもあったんですが、グアム住民はアメリカの国籍を有しているものの、直接大統領選挙にも参加できず、グアム選出の連邦下院議員は議決参加権がないことを知って驚きました。グアム議会のウォン・パット議長は、グアムは300年間植民地にされたままだとおっしゃっておりました。グアム人口のおよそ40%を占める先住民チャモロ系の住民を中心に、これからアメリカからの独立を求める運動が広がっていくのではないかと予感がしました。グアム議会から、海兵隊移転や普天間飛行場移転を記した日米合意についてグアムと沖縄の意見が反映されていないとして、沖縄県議会と一緒になって日米政府に声明を出すことの提案もありました。また、玉城団長から、沖縄は知事を先頭に県議会全会一致で普天間基地の県外移設を求めているということもしっかりと報告されました。
それでは質問に入りたいと思います。
知事の政治姿勢について。
(1)、1月25日、首相官邸で開かれた米軍基地負担軽減部会会合の内容と知事の見解を伺います。
(2)は取り下げます。
(3)、米議会調査局は日米関係報告書の中で、「知事 東京に融和的」と評されているようです。訪米される際には毅然たる態度で日米共同発表の見直しと普天間飛行場の県外移設を訴えていただきたいと思いますが、決意を伺います。
次に、通知なしの訓練区域外海域での爆撃訓練、外来機の大量飛来による騒音規制措置無視の訓練実態、SACO合意、知事や三連協の要請を無視して行われたパラシュート降下訓練、これはことしに入っての出来事です。そろそろ嘉手納基地の返還を求めるべきではないでしょうか、見解を伺います。
次に、昨年5月の世論調査で、現在の日米安保体制を維持するべきと答えた県民はわずか7%でした。その後、中国漁船衝突事件や北朝鮮による韓国への砲撃によりふえたかもしれませんが、それでも大多数の県民は日米安保に反対しています。知事、県民の立場に立って日米安保に反対するべきではないでしょうか、見解を伺います。
2、基地問題について。
(1)、県は、日米両政府に嘉手納基地の使用実態を明らかにさせ、負担軽減を検証させる仕組みをつくらせるべきだと思うが見解を伺います。
(2)、グアムの基地建設や関連工事に参入している県内業者の状況について伺います。
3、医療問題について。
(1)、看護師の過労死問題について。
県内の100床以上の一般病院で働く看護師の4.6%が過労死危険レベルの月60時間を超える時間外勤務をしていることが県看護協会の2009年7月の労働実態調査で明らかになりました。特に20代の看護師に多いとのことです。
ア、過去5年間に過労死した看護職員、看護管理職は何名おられるか伺う。
イ、2009年7月に実施した調査の報告が2011年11月になったのはなぜか。
ウ、報告を受け、県はどのような対策をとるのか伺います。
4、生活保護について。
昨年11月現在、沖縄県は2万9366人、受給世帯は2万229世帯とのこと。過去3年間の推移と要因を伺います。
(2)、2009年度の不正受給額が266件で2億200万円に上っている。不正受給が発覚した場合、どのような措置がとられるか伺う。
5、産業振興について。
(1)、観光税導入について。
入域・宿泊・レンタカーの観光3税導入をことしの6月に条例案を提出するとのことであったが、なぜ12年度以降になったのか、経緯とそれぞれの課題の説明を求めます。
(2)、那覇空港貨物ターミナルの貨物取り扱いについて。
沖縄地区税関が2010年の那覇空港貨物ターミナルの貨物取引量を発表したところによると、総取扱量は14万8164トンで、全日本空輸の国際航空貨物拠点事業が始まる直近の3カ年の平均取扱量の約155倍に急増したとのことであります。
ア、2010年の積み込み量(輸出)7万1349トンの上位品別内訳と取りおろし量(輸入)7万6815トンの上位品別の内訳を伺います。
イは取り下げます。
ウ、輸出上位国別では、1位台湾34.3%、2位香港27.9%、3位シンガポール15.6%、4位アメリカ15.6%、5位マレーシア2.4%となっている。国ごとの上位品別を伺う。
エは取り下げます。
オ、輸入上位国別では、1位ブラジル、2位アメリカ、3位台湾、4位中国、5位韓国となっている。国ごとの上位品別内訳を伺う。
カ、輸出品別のうち、県内生産物(農林水産物、加工品、機器類等)の占める割合と上位国別(ベストスリー)はどこか伺う。
6、離島振興について。
国境離島や外洋離島は、日本の広大な領海及び排他的経済水域の起点となっている。島嶼群への定住・自立支援のための基本法の制定と財源措置を求めるべきと思うが見解を伺う。
7、国際交流について。
昨年、県の事業棚卸しで「海外留学生受入事業」が「不要」とされ、それに伴い県人会子弟留学制度も廃止を含め事業の見直しを検討し、新たな視点からの今の時代に合ったやり方を検討しているところであると観光商工部長は昨年の9月議会で答弁をしました。知事もこのまま廃止にしてしまおうとは思ってない、新しく中身を充実させてしっかりとやっていきたいとおっしゃっておりました。
「海外移住者子弟の留学生受入事業」の2011年度の予定人数と概要を伺います。
昨年9月に在アルゼンチン沖縄県人連合会の役員3名の方が県議会会派にアルゼンチン県人連合会の高齢者施設、移民一世の宿建設支援の要請に見えておりました。県内では1500万円を目標に寄附の支援を呼びかけているとのことでした。
アルゼンチン県人連合会の高齢者施設計画の進捗状況を伺います。
以上よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
瑞慶覧議員の御質問に答弁をさせていただきます。
まず第1に、知事の政治姿勢の中で、米軍基地負担軽減部会の内容と知事の見解についてという御質問にお答えいたします。
去る1月25日に開催されました第2回米軍基地負担軽減部会では、政府側から、航空機訓練の移転拡充について日米間で合意した旨の報告がありました。また、本年7月をめどとするギンバル訓練場の返還、そして環境に関する合意及び施設の共同使用を議論する作業部会の設置などについて説明がありました。
県としましては、負担軽減策として示された政府の取り組みにつきまして、今後、その効果を見きわめていく必要があると考えているところでございます。
同じく知事の政治姿勢に係る御質問の中で、訪米時の普天間飛行場の県外移設の訴えについてという点でございますが、特にこの米議会の調査局のこの報告が報道されていまして、その報告書の中に私はこの原文は見ていないんですが、「知事 東京に融和的」という点を御心配されている御質問だと思いますので、答弁させていただきます。
議員御指摘の報告書について、報道があったことは無論承知いたしております。いずれにしましても、県としましては普天間飛行場の県内移設は事実上不可能と考えており、あらゆる機会を通じて日米共同発表の見直し、そして普天間飛行場の県外移設を求めてまいりたいと考えております。
なお、私はこの「融和」という言葉の意味がまだよくわからないので、これはもう一回どんな英文になのかチェックしてみたいと思いますし、なお、まなじりを決して人と交渉するというタイプではありませんので、念のため申し添えておきます。
次に、知事の政治姿勢の中で、日米安保についての御質問にお答えいたします。
県としましては、戦後の日本が国際紛争に巻き込まれることなく経済が発展してきていることや、平和な国民生活を享受してこられたのは、日米安全保障体制を含む日米同盟関係が我が国及び東アジアにおいて国際の平和と安定の維持に寄与していることによるものと理解をいたしております。しかしながら、在日米軍基地の大部分を占める沖縄の米軍基地が果たしている役割や必要性を初め安全保障について、国民全体で十分な議論がなされてきたとは言えないと認識をいたしております。
今後とも日米安全保障体制が安定的に維持されるためには、沖縄の社会的安定が必要であり、そのためには沖縄県の過重な基地負担の軽減を図ることが極めて重要であると考えております。
次に、離島振興に係る御質問の中で、国境離島への支援についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県の離島地域が地理的そして自然的条件等の不利性を有し、若年者の流出や高齢化の進行等により地域活力の低下が懸念されております。一方、国境離島を初めとして我が国の領海及び排他的経済水域の確保や貴重な海洋資源の利用等に重要な役割を果たしております。このため、県としましては、本島と同じようなユニバーサルサービスとして交通、生活コスト、そして生活環境基盤、教育医療等の分野において定住条件の整備、そして地域産業の振興など総合的な離島振興策に取り組むため、国に対し必要な制度的そして財政的な支援を求めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中の、嘉手納基地の返還についてお答えいたします。
県は、これまで騒音を初めとした嘉手納基地周辺住民の負担軽減が図られるよう、機会あるごとに日米両政府に対し強く要請してきております。特に、政府に対しては、総理及び関係閣僚等が来県の際に再三要請を行っているところでございます。また、これまで2度にわたり知事が訪米し、米国政府等に対しても要請を行いました。昨年5月の日米共同発表においては、嘉手納におけるさらなる騒音軽減を検討していくとされております。
県としましては、今後ともあらゆる機会を通じ、米軍及び日米両政府に対し、嘉手納基地を含む米軍基地の整理縮小を粘り強く求めていきたいと考えております。
次に、基地問題についての御質問の中の、嘉手納の負担軽減の検証についてお答えいたします。
嘉手納飛行場においては、現在も米軍再編に伴う一部訓練移転が実施されておりますが、外来機の飛来等により、依然として目に見える形での負担軽減があらわれているとは言えないと考えております。このため、県は、軍転協や渉外知事会と連携し、政府に対し、演習・訓練内容等の公表や、現在実施されている訓練移転による負担軽減の効果の検証を行い、当該結果を踏まえ、具体的かつ実効性のある対応策を講じるよう求めているところであります。
以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 基地問題についての御質問で、グアムの基地建設等に参入している県内業者の状況についてお答えいたします。
グアムの基地建設に伴う県内業者の参入状況については、詳しく把握しておりませんが、新聞報道によりますと、基地関連施設の設計・施工業務を県内の設計業者が参加している共同企業体が受注したとのことであります。また、県内建設業の業界団体が中心となって、工事受注に向け新会社を設立する予定であると聞いております。
以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 医療問題についての御質問の中の、看護職員等の過労死についてお答えします。
沖縄労働局等関係機関に問い合わせたところ、県内においては、過去5年間に看護職員等が労働災害等により過労死と認定されたものはないとしております。
次に、看護職員の時間外勤務等の調査の報告についてお答えします。
沖縄県看護協会が実施した調査は、平成21年7月時点の状況について、同年9月から調査を開始し、平成22年3月に報告書として取りまとめております。平成22年度当初には、協会会報へ掲載するとともに、病院管理者への送付や各種講演会等を通じて職場環境改善が図られるよう周知したとのことであります。今回、改めて県民への周知を図る必要から、マスコミを通じて実態を発表したと聞いております。
次に、看護師の労働環境を踏まえた対策についてお答えします。
沖縄県看護協会の労働環境に関する調査によりますと、県内の交代制勤務の看護師においては、休暇等の代替要員の不足や新人看護師のふなれを主な要因として時間外勤務が発生しているとしております。
県としては、看護協会と連携し、ナースセンターにおける代替要員の紹介事業に加え、今年度からの新規事業として、各病院が行う新人看護師研修事業や潜在看護師の再就職支援事業に対して補助するなど、医療機関の看護師確保を支援しております。また、各保健所においては、毎年、人員の配置状況及び看護師等の健康管理体制を確認し、必要に応じて管理者に対し注意喚起を行っております。
次に、生活保護についての御質問の中の、生活保護の3年間の推移と要因についてお答えします。
沖縄県の生活保護は、平成9年度以降増加傾向で推移しており、特に、平成20年度以降は経済状況の悪化の影響を受け大幅な増加となっております。平成19年度と平成21年度を比較しますと、保護人員は2万3279人から2万6572人へ3293人増加し、保護世帯数につきましても1万5732世帯から1万8228世帯へと2496世帯の増加となっております。
保護の主な開始理由を見ますと、傷病によるもの、失業、高齢等による収入減、働いていた者との離別等となっており、所得状況の不安定さが増加の背景にあるものと考えられます。
次に、不正受給が発覚した場合の措置についてお答えします。
生活保護費について、収入申告の不履行等により過払いとなった場合は、生活保護法第78条の規定に基づき、支給した保護費の返還を命ずる措置を講じております。また、収入申告の不履行等が明らかとなった場合は、当該世帯の預貯金等の調査を行い、最低生活費と収入充当額との対比の結果、保護の必要がないと判断された場合は、保護の停廃止の措置を講じることとしております。さらに、特に悪質な収入隠しなどについては、告訴等の措置を講じることもあります。
以上でございます。
○総務部長(兼島 規) 産業振興に関する質問のうち、観光税の導入についてお答えいたします。
本県の厳しい財政状況の中、多様化する行政需要に対応するためには新たな税の導入が必要であると考えており、現在、観光関連税を中心に複数の案を検討しているところであります。
新税の創設に当たっては、受益と負担の関係、課税の公平性、県経済に与える影響などを十分に検討するとともに、県民及び関係者の意見を踏まえた上で取り組んでまいります。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 産業振興についての中の、那覇空港貨物ターミナルにおける積載量と取りおろし量の上位品目の内訳についての御質問にお答えします。
沖縄地区税関に問い合わせたところ、那覇空港貨物ターミナルビルでは、貨物取り扱い全体の約95%が積みかえ貨物が占めており、沖縄地区税関では通関していないことから、積載量と取りおろし量の品目別の内訳については把握していないとのことでした。
同じく産業振興の中で、那覇空港貨物ターミナル輸出上位国の品目内訳についての御質問にお答えします。
輸出上位1位の台湾の主な品目内訳は、半導体電子部品、再輸出品、バッグ類、鉄鋼となっております。2位の香港は、半導体電子部品、再輸出品、その他の調整食料品、肉類及び同調製品となっております。3位のシンガポールは、再輸出品、マグロ、4位のアメリカは、再輸出品、木製品、5位のマレーシアについては、再輸出品となっております。
同じく産業振興について、那覇空港貨物ターミナルの輸入上位国の品目内訳についての御質問にお答えします。
輸入上位国1位のブラジルからの主な品目は輸送用機器――これは飛行機でございます――衣類及び同附属品、その他の雑製品となっております。2位のアメリカは、一般機械、電気機器、輸送用機器となっております。3位の台湾は、その他の雑製品としての記録媒体、再輸入品、半導体製造装置となっております。4位の中国は、衣類、時計、重電機器となっており、5位の韓国は、衣類、電気機器類となっております。
同じく産業振興について、輸出品の県内生産物の割合と輸出国についての御質問にお答えします。
沖縄地区税関に問い合わせたところ、輸出品における県内生産物の割合及び輸出上位国に関するデータについては把握していないとのことであります。なお、平成22年の全日空の航空貨物スペース確保事業では、香港を中心に、ゴーヤーや紅芋などの青果品や菓子、冷凍食品などの加工品など約9万3000キロの県産品を輸出しております。
県としては、香港や中国、シンガポールなどにおいて物産展や商談会を開催し、県産品の海外展開を支援していくとともに、全日空の国際貨物ハブ基地を活用し、生鮮食材や加工食品等の県産品の海外販路拡大を促進していく考えであります。
国際交流についての中の、「海外移住者子弟の留学生受入事業」の平成23年度予定人数と概要についての御質問にお答えします。
海外移住者子弟留学生の受け入れについては、事業棚卸しを受け、沖縄県行財政改革推進本部において、課題を解決して再構築することが決定されております。
今後の子弟留学生の受け入れについては、受け入れ大学や推薦を行っている海外県人会など関係機関と協議・検証を行い、再構築する必要があるため、まず平成23年度はこれまで同様に実施し、出身国別にブラジル2名、ペルー1名、アルゼンチン1名、ボリビア1名、アメリカ2名、カナダ1名、計8名の移住者子弟を留学生として受け入れる予定となっております。そして、世代交代が進む海外県系人社会において、沖縄文化の継承、ウチナーネットワークの形成に寄与する人材を育成するため、現在、受け入れとして日本語能力試験3級以上を前提としている日本語資格などの受け入れ要件の緩和、留学期間、留学生受け入れ人数等も含め検討し、平成24年度以降、新たに充実した事業として実施していきたいと考えております。
同じく国際交流について、アルゼンチンの高齢者用宿泊福祉施設建設事業の進捗状況についての御質問にお答えします。
アルゼンチンの高齢者用宿泊福祉施設建設事業については、アルゼンチンにおける沖縄県系人高齢者が長期入居やデイケアに利用する福祉施設建設を目的としており、県では総事業費約9400万円のうち4000万円の補助金を交付決定し、現在2800万円を支出しております。進捗状況については、本年2月4日現在、91.6%の出来高で2月中に完成予定との報告を受けております。
今後、当該施設が完成し活用されることで、県と移住地県系人との関係強化及びウチナーネットワークの次世代への継承、深化・拡充が図られることを期待します。
以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前10時37分休憩
午前10時38分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
瑞慶覧 功君。
○瑞慶覧 功 知事の政治姿勢に関連しまして、知事は、戦後日本が戦争に巻き込まれることなく経済発展や平和な国民生活を享受してこられたのは、日米安全保障条約のおかげと言っておりますが、それはヤマトの論理ではないでしょうか。私は、安保条約のせいで沖縄は基地を押しつけられ、これまで苦しめられ、経済発展も阻害されてきたと思うんですけれども、どうでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前10時39分休憩
午前10時40分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) この見方については、確かに議員がおっしゃるように、人によっていろんな分析の仕方、見方があろうかと思いますが、私は先ほど答弁させていただいたとおりです。そして、確かに日本全体、沖縄も含めて、しかもアジア地域も含めて安保条約と日米同盟が果たした役割は非常に大きかったと思います。
ただ、沖縄については確かに約40年前に日本復帰して、その間の経済発展のおくれであるとか、そして過重な米軍基地負担が依然としてまだ残っているという点は、確かに現実の話としてあるというふうに理解はしております。
○瑞慶覧 功 日米安保条約があるから約76%の在日米軍基地が沖縄に集中して、そして爆音被害や米兵による事件・事故も後を絶たないわけです。差別的な地位協定のもとでウチナーンチュは人権もへったくれもないと。沖縄の立場で考えれば、今日の日米同盟はやはり評価に値しないのではないかと思います。日米両政府でいろんな規制が合意されても守られたためしがありません。裏では密約でやりたい放題、知事の日米安保容認の姿勢がそのことを助長させているとは思いませんか。
○知事(仲井眞弘多) 瑞慶覧議員のお考えというのは、それはそれなりのお考えだと私は思いますし、別にイエスだノーだと申し上げる気はありませんが、ただ安保条約の存在そのものが東西冷戦が続いたという時代の日本全体の、アジア・太平洋地域をむしろ含む全体の安定と繁栄には確かに私は貢献したと今でも思っております。
それで今おっしゃった幾つかのやりたい放題とか、いろんなことをおっしゃいましたが、これはやっぱりその人による価値、見方、分析の違いだと思いますし、私はその容認の姿勢がやりたい放題につながっているとはゆめ思っておりません。
○瑞慶覧 功 今度訪米されるときは、このままでは沖縄県民は普天間の県内移設だけではおさまらないよと。嘉手納基地を含むすべての米軍基地の撤去を求めますよというぐらいのことを言うべきではないでしょうか。これは要望ですね。
次に、産業振興について。
入域・宿泊・レンタカーの観光税を導入した場合、それぞれ幾らの税収になるか伺います。
○総務部長(兼島 規) 少し、新聞報道でその入域税、それからそういった税の名前が出ておりますけれども、実を申し上げますと私どもは今その税についてはいろいろと検討していますけれども、まだ絞り込みにもかかっておりませんし、もう一点はそれぞれの規模、それから効果等々についてもまだ試算する段階ではありませんので、今の御質問については現時点ではお答えできません。
○瑞慶覧 功 あれだけ大きく新聞報道もされているわけですから、やっぱりその取り組み方というかもっとちゃんと前向きに検討していただきたいと思います。
次に、那覇空港貨物ターミナルの取り扱いについてですけれども、オの輸入上位で1位がブラジルとなっているのは意外だったんですけれども、ランキング1位から5位のこの要因というのは何でしょうか。そしてまた過去3年の上位国ランキングですね。これは前もって聞いておりますのでよろしくお願いします。
○観光商工部長(勝目和夫) 平成22年の那覇空港貨物ターミナルビルにおけるブラジルからの輸入品総額の99%は飛行機となっていまして、ブラジルには今世界第4位の飛行機会社「エンブラエル」という会社がありまして、最近70名乗りとか飛行機50名とか70名とか小型のジェット機、これを日本のJALとかが輸入して、その流れの中で沖縄を経由して日本に入るという、輸入品ということでブラジルがその取扱量1位となっております。
それから那覇空港のターミナルの過去3年間の今輸入上位国ということでございますので、一応19年度から21年度までの那覇空港におけるターミナルの輸入上位国につきましては、平成19年度が1位から順に行きますと、アメリカ、カナダ、中国、台湾、スイスとなっております。平成20年は、アメリカ、ブラジル、カナダ、中国、スイス、平成21年は先ほどの影響がありましてブラジルが1位で、アメリカ、中国、カナダ、韓国となっております。
以上でございます。
○瑞慶覧 功 台湾はかつて農林水産業と観光産業中心の経済でしたけれども、今日ではIT産業関連や精密機器を中心に目覚ましい発展を遂げております。沖縄県は、熱帯果樹栽培を初め農林水産業で多くの技術を教わってきているというふうに聞いておりますけれども、近年では、沖縄の外国人観光客で断トツの1位、平成21年度は9万9000人約40%を占め、那覇空港貨物ターミナルの取扱量でも輸出で1位、輸入で3位とそれぞれ前年度の18.8倍と17.7倍の貿易額で42億6300万円。ちなみに2位のアメリカは約10億円少ない額になっております。新聞の記事で輸出・輸入とも伸び率が台湾だけが前年度比何倍というふうになっているわけですね。輸入の2位は香港で99.3%増で表示されていました。記者にちょっと表示が紛らわしいんじゃないかということで確認したんですけれども、これはミスではなくて取り決めどおりの記載ということで、それぐらい台湾がふえているということになっているわけですね。
私が申し上げたいのは、台湾には足を向けて眠れないぐらい世話になっているなということです。沖縄から年間2万人余台湾に行っているようですけれども、今ちょうど花博覧会が開催されています。4月25日までという期間ですけれども、県民の皆さんもこの機会にぜひ台湾に行かれてはどうかと思います。残念ながら県議会の琉中親善友好使節団は1日おくれの26日からの日程となっておりますが、ぜひ多くの皆さんが参加して友好を温めてまいりましょう。
次に、アルゼンチンの高齢者施設、先ほども90何%の進捗というふうにおっしゃっておりましたが、私はそれだけ資金難ということで心配していたんですけれども、安心もしますけれども、やはり2月には完成ということです。まだまだそういった募金のほうが芳しくないという話がありました。県人会の皆さんが要請に見えられたのが9月の中旬でしたけれども、9月定例議会中、そして県知事選との関係もあって何かと忙しい時期でしたので、私の会派でもまだ取り組んでおりません。先日、気になってこのアルゼンチン友好協会に電話をしたんですけれども、やっぱり目標の半分も達成できていないということでしたので、既に寄附をされた会派の方もいらっしゃるかと思いますが、まだの方はこれからでも遅くないそうですので、気にとめていただきたいと思います。
以上で終わります。
○西銘 純恵 こんにちは。
日本共産党の西銘純恵です。
一般質問を行います。
1、保育行政について。
(1)、現在の待機児童数と現状、基金事業による保育所増設計画と実績、何年で待機児童は解消するのですか、保育所の増設を急ぐべきではありませんか。
(2)、認可外保育園に認可保育園並みに補助を増額することについて及び施設整備の実績はどうなっていますか。拡充をすることについて。
(3)、浦添市で保育料の値上げ通知が出され、父母たちから子供の扶養控除が廃止され、増税もされるときに子育てが厳しくなると反対の声が上がっています。県内で値上げする市町村はどこですか。国に補助をさせ、県も補助をして保育料値上げをやめさせるべきではないですか。
(4)、3歳児以上の主食費を父母負担にしている市町村はどこですか。2歳児までと同様に国庫負担金にして無料にすべきと考えますがいかがですか。
(5)、民主党政権が2013年実施をねらう「子ども・子育て新システム」は、市町村の保育を実施する公的責任をなくし、保育所探しは保護者の責任、入れなくても自己責任、保育所に選考されて直接契約、親の収入に関係なく利用した時間とサービスによって保育料が決まり、認定された保育時間を超えた分は自己負担、利用時間が長いほど負担増、障害の子や所得の低い人ほど入れなくなる、もうけ産業の参入になるなど、子供たちの健やかな成長を守れなくなる国・自治体の責任を放棄する制度です。県内保育団体が2600人集会を開き反対決議を上げ、全国で反対の声が広がっています。県は反対をすべきではありませんか。
2、子供の貧困対策について。
(1)、昨年度、子供の貧困の実態調査を検討することになったが、調査の結果はどうなりましたか。県は、どのようにして貧困対策を行うのですか。
(2)、就学援助の準要保護の申請人数は何人か、認定者は何人ですか、その割合。認定割合が最も低いのはどれだけですか。制度の内容と支給対象がわかるような案内書がすべての生徒に配布されていますか。市町村によって認定基準に違いがあるが、所得制限を引き上げるなど必要とする子供に就学援助が行き渡るようにすべきです。国に全額国庫負担を求めるべきではありませんか。
3、児童相談所の拡充について。
(1)、子育て家庭の生活不安が広がっている中で、親のストレスなどによる児童虐待の防止のために児童相談所の果たす役割は大きくなっています。宮古分室の設置が必要ではないですか。県と市町村の支援事業の体制と取り組みはどうなっていますか。また、福岡の「子どもの村」を参考にした里親施設の設置や里親制度の強化策が必要と考えますがどうですか。
(2)、児童相談所には心と体に深い傷を負った子供のケアのため、社会福祉主事、児童福祉司、児童心理司などの専門職員を手厚く配置をすべきと考えますが、職員体制や配置などの基準見直しを行うことについて。現在、手当もなく行われている夜間待機業務に手当支給規定を明確にして、過酷な勤務に見合う手当を支給することについて伺います。
4、学童保育について。
(1)、那覇市の泊学童クラブで、新入所の申し込みで前日から順番待ちをしなければならない問題が父母の負担となっています。1カ所2150万円の施設整備予算を生かして公設による学童分離が必要ではありませんか。政府の施設整備予算は幾らですか。沖縄県での実績はどうなっていますか。
(2)、本県の学童保育は、全国に比べて行政の支援がおくれています。県は、学童保育の振興策を次期沖縄振興計画に取り入れていますが、ひとり親や低所得家庭の保育料の減額免除、民設学童クラブヘの家賃補助、指導員の賃金補助、幼稚園児の保育など県独自にでも実施をすべきではありませんか。
5、DV被害などによる女性の緊急避難施設、うるま婦人寮のような施設を那覇地域に建設することについて伺います。
6、生活保護行政について。
(1)、ホームレスなどの急迫保護の申請で、食べる物もない、寝るところもない、所持金もないのに即日保護をしない事例が多いが、生活保護制度の基本原理・原則を逸脱する、憲法25条に照らして重大な人権問題ではありませんか。
(2)、ワンストップで緊急保護を開始するための体制整備や緊急宿泊施設の整備はどうなっていますか。
(3)、4人の乳幼児を育てている生活に困窮した母親が、生活保護の申請で車の保有を理由に断られています。本県でひとり親が子育てするのには、車は健康で文化的な生活の必要条件ではありませんか。母子世帯の車の保有を認めないのは差別・不公平であり認めるべきだと考えますがどうですか。
7、生活福祉貸付資金の10万円の緊急小口貸付が申請の相談をしても認められず、生活が逼迫したと苦情が寄せられています。制度の趣旨を逸脱しているのではないですか。
8、教育行政について。
(1)、教育長は、昨年9月議会の文教厚生委員会での私の質問に対して、全国平均より10.6%も多い本県の臨時教員を次年度から本採用していくと答弁されました。1500人をすぐに全国並みに本採用すれば画期的なことです。ぜひ実現すべきです。
(2)、臨時教員の本採用のためにも教員採用試験の年齢制限を撤廃し、一次試験免除条件の2回制限を撤廃すべきではありませんか。
(3)、次年度から新たに小中学校の全県児童を対象にした学力テストを実施しようとしています。どのようなテストですか。子供の学び合い成長することに逆行し、競争に拍車をかける全児童対象の一斉テストはやめるべきです。
(4)、浦添市立神森中学校で新学期から2クラスふえるのに教室が足りないことが問題になっています。県は、早急に対応すべきではありませんか。
9、浦添新軍港建設など基地問題について。
(1)、儀間浦添市長は、浦添新軍港建設の環境アセスを早く進めてほしいと政府に要請し、政府は、環境アセスを2011年度から実施しようとしています。知事は、浦添市長が新軍港建設を容認しているので浦添市民も容認しているという認識のようですが、この間、市長は軍港建設の是非を市長選挙で問わず、選挙の争点にしてこなかったのです。我が党の市民アンケートの結果は、軍港容認は5%で、圧倒的多数が新軍港建設に反対です。まさに市民の総意は新基地・軍港建設に反対であります。知事は、県民や浦添市民の新基地反対の総意の立場で新軍港建設反対を日米両政府に申し入れるべきではありませんか。政府に環境アセス撤回を申し入れることについてお尋ねします。
(2)、浦添市が6700万円で退役米軍人施設を建設するのは言語道断であり、屈辱的な対米従属の前例は絶対に容認すべきではありません。我が党は、一貫してキャンプ・キンザー米軍基地の早期全面返還を求めてきました。喫緊の課題として浦添市議会で全会一致の返還要求決議を採択し、政府要請をしています。知事も浦添市と一体となってキャンプ・キンザー返還を日米両政府に要求すべきではありませんか。
(3)、那覇港管理組合を主導する沖縄県が、トランシップ貨物がゼロの税金の無駄遣いの那覇国際ハブ港湾計画事業を中止、見直しをさせることについて伺います。
10、独立行政法人日本学生支援機構から、奨学金の回収のために生活保護者が裁判に訴えられ、相談が寄せられています。無慈悲で過酷なやり方ではないか、県内でほかにもいるのですか。県は、生活保護法に違反する無法な差し押さえ回収をやめさせるよう申し入れすべきではありませんか。病気や失業で滞納している返済困難な債務者に対しては、免除や徴収猶予をすべきと考えますがどうですか。県が窓口となって返済不能などの相談を行うべきではないですか。
以上、お答えください。
○知事(仲井眞弘多) 西銘純恵議員の御質問に答弁させていただきます。
第1に、保育行政に係る御質問の中で、待機児童数と解消策及び基金事業による保育所整備計画についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
平成22年4月1日現在の待機児童数は1680人となっております。
待機児童の解消につきましては、安心こども基金及び保育所入所待機児童対策特別事業基金を設置し、その解消に努めているところでございます。平成22年度には、2つの基金を活用し、29施設の保育所整備及び10施設の認可化で合わせて約1600人の定員増を図る予定であります。平成23年度も引き続き25施設の保育所整備及び10施設の認可化で合わせて約1400人の定員増を図る計画となっております。
沖縄県といたしましては、今後とも国及び市町村や関係団体と連携をし、待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。
同じく保育行政に係る御質問の中で、認可外保育施設への補助増額及び施設整備の実績についての御質問にお答えいたします。
認可外保育施設への給食費支援につきましては、平成23年度当初予算案におきまして、新たにおかず及びおやつ代も対象とすることなどによりまして新すこやか保育事業を拡充し、前年度と比べ約5600万円の増といたしております。
認可化につきましては、待機児童対策特別事業基金によりまして、平成22年度は10施設の認可化に向け手続を進めているところでございます。また、新たな子育て支援制度の提案におきましては、待機児童対策特別事業基金を継続・拡充をし、新たに一定の質が確保された認可外保育施設への支援措置を国へ求めております。
沖縄県といたしましては、今後とも認可外保育施設入所児童の処遇向上に努めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 保育行政についての御質問の中の、保育料の値上げ予定についてお答えします。
県内で保育所のある34市町村へ照会したところ、保育料の改正を予定している市町村は4市町となっております。
保育所運営に要する経費につきましては、国の定める保育料徴収基準額を控除した額を基本として、国や県及び市町村が一定の割合で負担することとしております。
なお、保育料については、国の定めた保育料徴収基準額の範囲内において市町村における子育て支援策や財政状況などを考慮し、市町村の主体的な判断により設定しているところであります。
次に、3歳児以上の主食費を徴収している市町村についてお答えします。
県内で保育所のある34市町村に照会したところ、20市町村において3歳児以上の主食費を保護者から徴収しているとの回答を得ております。3歳児以上の主食費については保育単価に盛り込まれていないことから、市町村の実情に応じて保護者から徴収されているところであります。
次に、「子ども・子育て新シムテム」に対する県の見解についてお答えします。
「子ども・子育て新システム」に対する保育団体の見解は、待機児童の解消は、大幅な財政投入と現行制度の拡充で進めることや直接契約を導入せず、公的責任を堅持することや保育の産業化につながる指定制度の導入反対などとなっております。
県としましては、「子ども・子育て新システム」の制度設計に当たっては、保育の質が確保されることや新システムの制度運用に必要な財源が確保されることが重要であると考えております。本県にどのような影響を及ぼすのか、今後とも国の動向を注視し、必要な対応をしてまいりたいと考えております。
次に、子供の貧困対策についての御質問の中の、子供の貧困の実態調査及び県の対策についてお答えします。
子供の貧困につきましては、就学援助認定者、生活保護世帯、ひとり親家庭の状況等、関連のある各種資料をもとに実態の把握に努めているところであります。また、教育庁等関係機関とも連携しながら現行の施策の課題等を洗い出し、実態に即した効果的な支援方法等を検討しているところであります。
なお、この対策とは別に、県では「新たな子育て支援制度」の提言において、保育サービスを提供する施設等への支援や放課後児童クラブを利用する低所得者世帯への保育料の助成を盛り込んでいるところであります。
次に、児童相談所の拡充についての御質問の中の、宮古分室の設置及び県と市町村の支援事業並びに里親施設の設置や里親制度の強化策についてお答えします。
宮古地域における児童相談体制については、八重山分室の状況も踏まえながら、今後そのあり方を検討してまいります。
子育て家庭に対する支援事業については、主に市町村で実施しており、生後4カ月までの乳児がいるすべての家庭を保健師等が訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」、子育ての不安感を緩和することなどを目的とする「地域子育て支援拠点事業」等が実施されております。
里親については、平成21年度から、里親家庭等を一つの小規模な施設とみなして、子供を養育する制度であるファミリーホーム事業が開始されるなど制度の拡充等が図られているところであり、引き続き里親及びファミリーホームに対する支援の拡充に努めてまいりたいと考えております。
次に、職員体制や配置基準の見直し及び夜間待機業務への手当支給についてお答えします。
児童相談所については、これまでも専門職を増員してきており、児童福祉司についても、児童福祉法施行令で定める配置標準を上回る配置を行うなど体制の強化を図ってきたところであります。今後も、スーパーバイザーの養成や職員研修の充実による専門性の強化などに取り組んでまいりたいと考えております。
また、夜間待機業務への手当につきましては、現在、電話応対や安全確認などの実働時間に応じて時間外勤務手当を支給しているところですが、待機中の精神的負担も大きいことから、改善の必要性を認識しているところであります。今後、他県の状況や本県における類似業務の状況等を踏まえた改善策について、関係部局と調整を図ってまいりたいと考えております。
次に、学童保育についての御質問の中の、放課後児童クラブの施設整備事業を活用した公的学童の設置についてお答えします。
放課後児童クラブの施設整備については、国の児童厚生施設等整備費補助事業等で実施しており、クラブ専用で整備する場合と児童館等に併設する場合が対象となっているところですが、厚生労働省の平成23年度の予算案では36億円が計上されております。
沖縄県内での平成15年度から22年度までの実績は、専用施設が2カ所、児童館等での併設が4カ所の計6カ所となっております。
県としましては、希望する児童すべてが入所できるようクラブの設置促進に努めるとともに、国の補助事業を活用した公的施設活用のクラブ設置を事業の実施主体である市町村に働きかけてまいります。
次に、新たな子育て支援制度等の県独自の実施についてお答えします。
沖縄の持つ歴史的、社会的な背景から形成されてきた独特な子育て環境を踏まえますと、全国一律の政策では十分な効果が期待できないことから、沖縄だけに適用される新たな子育て支援制度への支援を国へ提案しているところであります。
新たな制度の実施については県独自での実施が困難であることから、沖縄振興に関する国の役割ないし責務として対応することを求めているところであります。
次に、DV対策についての御質問の中の、DV被害女性等の保護施設の増設についてお答えします。
配偶者等からの暴力などにより緊急に保護が必要な女性については、女性相談所等で一時保護を行っており、長期の支援を要する場合は、婦人保護施設うるま婦人寮で対応しております。平成21年度の女性相談所の一時保護所の平均入所者数は、定員20名に対して3.6名で、入所率は18%となっております。また、うるま婦人寮の平均入所者数は、定員40名に対し7名で、入所率は17.5%となっております。両施設とも余裕があることから、保護施設の増設については現在のところ考えておりません。
なお、老朽化しているうるま婦人寮の母子棟の改築を予定しており、十分な活用を図ってまいりたいと考えております。
次に、生活保護行政についての御質問の中の、急迫保護の適用についてお答えします。
保護の実施機関は、要保護者が急迫した状況にあるときは、生活保護法第25条に基づき、速やかに職権をもって保護を開始する必要があります。
急迫した状況とは、生存が危うい場合、その他社会通念上放置しがたいと認められる程度に状況が切迫している場合で、保護の実施機関においては、このことを踏まえ総合的に判断し、職権による保護を行っており、適正に実施されているものと考えております。平成21年度における職権保護や住所不定者の保護件数は189件となっており、また、職権保護に至らない場合においても他法他施策を活用しつつ、必要に応じて適正に保護を実施しているものと考えております。
次に、ワンストップで緊急保護を開始するための体制整備や緊急宿泊施設についてお答えします。
要保護者が急迫した状況にある場合は、福祉事務所等が職権をもって保護を開始することとなっており、医療機関や保健所等と連携して緊急保護を実施しているところであります。また緊急宿泊施設については、現在那覇市、糸満市、石垣市において旅館等の簡易宿泊所を借り上げてホームレス等に提供する「ホームレス緊急一時宿泊事業」を実施しており、平成22年度においては、2月15日現在で合計38人が延べ1319日利用しております。
次に、母子世帯の車保有を認めることについてお答えします。
生活保護世帯に自動車の保有を認める場合については、国の通達で具体的に示されております。保有が認められる場合とは、公共交通機関の利用が著しく困難な地域にある者が通勤用として使う場合や障害(児)者が通院等のため自動車を必要とする場合で、単に日常生活の便利に用いられるのみでは、地域の普及率のいかんにかかわらず自動車の保有は認めておりません。保有の要否については、これらのことを踏まえ、実施機関が個別に状況を把握し、適正に判断しているものと考えております。
次に、生活福祉貸付資金についてお答えします。
緊急小口資金は、低所得世帯にあって、医療費または介護費の支払い等により一時的に生計の維持が困難となった場合に少額の資金を貸し付けるものであります。貸し付け窓口である市町村社会福祉協議会においては、制度目的を十分に踏まえ相談に当たっており、相談の段階で貸し付けの要件に明らかに該当しない場合は、その旨を利用者に説明しております。結果として申請には至らない場合や申請しても貸し付け決定がなされない場合がありますが、平成22年度の貸し付け件数は、1月末現在において419件で、前年度分を既に上回っている状況にあり利用者数は増加してきております。
県としましては、実施主体である沖縄県社会福祉協議会を通じて引き続き制度の適正な運営に努めてまいります。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは子供の貧困対策についての御質問で、就学援助の準要保護の実績及び制度の周知等についてお答えいたします。
就学援助事業は、市町村においてそれぞれの実情に応じて実施されております。就学援助の準要保護の申請者数については、市町村からの報告は受けていないため、県教育委員会としては把握しておりません。認定者数については、平成21年度は2万1616人、全児童生徒に占める準要保護認定者の割合(認定率)は14.55%となっております。最も低い認定率は0.92%となっております。就学援助制度の周知の状況については、各学校へ制度を書面で通知したり、広報誌等に制度を掲載するほか、入学・進級時に案内書等を配布するなど複数の方法で周知を行っていると市町村から報告を受けております。
今後とも教育の機会均等の確保のため、市町村において必要な就学援助が行えるよう、十分な財源措置について引き続き全国都道府県教育長協議会等を通じ国へ要請してまいります。
次に、教育行政についての御質問で、臨時教員の本採用についてお答えいたします。
文部科学省が公表した「公立小・中学校の正規教員の割合」については、全国平均が93.7%に対し沖縄県では83.1%と、全国平均と10%以上の差があります。臨時的任用教員の割合が高い要因につきましては、学級担任等の基本的な教職員定数とは別に習熟度別指導等で特例的に措置されている加配定数について、沖縄県では臨時的任用教員で対応しているためと考えております。加配定数については、文部科学省の裁量によって決定されており、また、年度ごとに変動するため臨時的任用教員で対応してきたところであります。今後は、正式任用教員で対応できるよう努めていきたいと考えております。
採用者数については、小学校が平成22年度は109名、平成23年度は250名の予定で141名の増、中学校が平成22年度は41名、平成23年度は108名の予定で67名の増となっております。今後については、児童生徒数の増減等に伴う教職員定数や退職者の数、定数改善計画などの国の動向、他県の状況等を踏まえながら、当分の間、平成23年度と同程度の採用数となるよう、臨時的任用教員の割合の改善に向けて年次的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、受験年齢制限の撤廃等についてお答えいたします。
教員候補者選考試験は、人間性豊かで教科等の専門的知識・技能を有し、実践的指導力のある教員を選考する視点で実施しております。今後、大幅な教員の採用が見込まれることから、教員候補者選考試験の受験年齢制限の撤廃に向けて取り組みます。
平成23年度実施の教員候補者選考試験においては、応募者数の大幅な増が見込まれることから、受験年齢制限を45歳まで引き上げ、受験年齢の撤廃につきましては、平成23年度の実施状況を踏まえ早目に判断していきたいと思います。幅広い年齢の受験者を見込むことにより、量及び質の両面ですぐれた教員や多様な人材、他の職業等で豊富な経験と技量を持った優秀な社会人・職業人、これまで長期間臨任をしている指導力のある教員などの確保を目指していきたいと思います。それとともに、長期間にわたり臨任をしている指導力のある教員を確保するために設けられた「教職経験による選考」と、中学校の技術と高校の水産に限定した「社会人を対象とした選考」についての一部試験免除は、平成23年度から廃止いたします。
「教職経験による選考」による一部試験免除の廃止については、推薦、選考基準が明確に示されていないと受験者や学校現場から不満があること、大幅な採用の増加で小学校において申請者全員が合格するなど教員の質の確保に問題があること、小・中・高校等の校種によって一部免除合格者数の差が大きく、制度自体に不公平感が出ること、臨任経験者から免除よりも年齢撤廃の要望が多いことなどがあります。「社会人を対象とした選考」による一部試験免除の廃止については、中学校の技術と高校の水産に限定した選考であるため、すべての校種や教科に拡大することが求められております。また、民間企業での豊富な経験等を有する幅広い人材の確保を目指すためであります。
県教育委員会としましては、教員候補者選考試験の受験年齢制限の撤廃に向けて取り組み、豊富な経験と技量を持った優秀な社会人や職業人を初め臨時的任用の受験者が選考試験を受験できる機会を拡大し、本県の教育を担う専門的知識や技能、実践的指導力のある優秀な教員の確保に努めてまいります。
次に、県学力到達度調査についてお答えいたします。
本県のすべての児童生徒に確かな学力などの「生きる力」をはぐくむことは県民の願いであり、本県の発展のためにも重要なことと考えております。
本調査は、本県児童生徒一人一人の基礎的・基本的な知識・技能及びこれらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等の定着状況を把握するとともに、各学校における授業改善を推進するため20数年にわたり実施してまいりました。次年度は、これまで小学校第4学年において国語、算数で実施していました本調査を、学習の定着状況等をより詳細に把握し、児童一人一人に応じた指導を充実させるため、第3学年と第5学年で実施することとしております。また、中学校第2学年において、これまで国語、数学、英語の3教科で実施していました本調査を、実生活で生きて働く、科学的な見方や資料を解釈するなどの活用する力をはぐくむため、理科と社会を加えた5教科で実施することとしております。
県教育委員会としましては、本調査の結果を詳細に分析し、学習内容に係るつまずきなどを明らかにすることできめ細かな指導の充実を図り、今後とも児童生徒一人一人に確かな学力などの「生きる力」をはぐくんでまいりたいと思っております。
次に、神森中学校の教室不足についてお答えいたします。
神森中学校の普通教室は、現在24教室を保有しておりますが、1学級の増に対応するため、特別活動室1室を普通教室に一時転用しております。浦添市教育委員会に確認しましたところ、平成23年度はさらに1学級の増が見込まれ、やむなく第2コンピューター教室を一時転用して対応すると伺っております。
県教育委員会としましては、適切な学習環境を確保することは大切なことであると認識しており、設置者であります浦添市と連携を図り、一時転用解消のため平成24年度に整備が図れるよう関係機関と調整を行っていきたいと考えております。
次に、奨学金の返済相談についての御質問で、日本学生支援機構の奨学金返還についてお答えいたします。
独立行政法人日本学生支援機構は大学生や大学院生等を対象とした奨学金事業等を実施しており、国が所管する機関となっております。日本学生支援機構によりますと、延滞者に対する法的措置を実施した都道府県別の状況については公表していないとのことであります。また、返還についての相談窓口は、同機構の奨学金返還相談センターが一括して行っており、返還等の相談についても随時対応に努めていると聞いております。なお、日本学生支援機構の返還指導に係る法的措置等については、県教育委員会が言及する立場にないと考えております。
奨学金の返還については、卒業または退学後、災害または傷病その他生活困窮等により返還が困難になった場合、申請により返還が猶予・免除される仕組みがあるとのことであります。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 浦添新軍港建設など基地問題についての御質問の中の、那覇港湾施設の建設反対についてお答えいたします。
儀間浦添市長は、平成13年2月の市長選挙において「那覇港・浦添埠頭の建設及び浦添市の振興整備を条件に、那覇港湾施設の移設の受入を推進する」ことを公約に掲げ当選し、平成13年11月に那覇港湾施設の受け入れ表明を行いました。
また、平成15年1月の第4回那覇港湾施設移設に関する協議会では、浦添埠頭地区への移設を浦添市、那覇市ともに了承し、現在、同協議会において、環境影響評価を含め移設に関連した諸措置等について、国・県、地元自治体等で協議・調整が進められているところであります。
県としましては、那覇港湾施設の返還を含む嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還は基地負担の軽減につながるものと理解しており、今後とも、国、地元自治体等と連携して、那覇港湾施設の移設に取り組んでいきたいと考えております。
次に、キャンプ・キンザーの返還についてお答えいたします。
退役軍人用クラブハウスの建てかえにつきましては、日米合同委員会で合意され、浦添市と米軍との間で調整が進められていることから、浦添市の意向を尊重すべきであると考えております。
県としましては、御質問のキャンプ・キンザーを初め「再編実施のための日米のロードマップ」や日米共同発表で返還等が示されている嘉手納飛行場より南の施設・区域等については、パッケージ論にとらわれることなく実現可能なものから一つ一つ確実に実施されるよう、日米両政府に強く求めているところであります。去る2月7日から9日にかけて、軍転協としましても同様の要請を行いました。
県としましては、今後、地元市町村と連携をとりながら強力に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 浦添新軍港建設などの基地問題についての御質問で、那覇港の国際ハブ港湾計画事業についてお答えいたします。
那覇港は、アジア・太平洋地域の結節点に位置する地理的優位性を生かして国際航路ネットワークを構築し、戦略的な中継コンテナ貨物を取り扱う物流拠点としての国際流通港湾を目指しております。これまでポートセールス等に取り組んできたものの、現時点ではトランシップ貨物の実績はありませんが、北米航路の大型コンテナ船等が就航しており、今後ともトランシップ貨物の獲得に向け、ポートセールスや施設整備等を推進していく考えであります。
なお、トランシップ貨物の計画目標の見直しについては、那覇港管理組合において現状を調査・分析し検討していくとのことであります。
以上でございます。
○西銘 純恵 福祉保健部長に再質問を行います。
先ほど子供の貧困のところで、学童の低所得者への助成について答弁がありましたけれども、もう一度確認したいと思います。
○福祉保健部長(奥村啓子) 新たな支援制度の中で、放課後児童クラブを利用する低所得者世帯への保育料の助成も盛り込んでいるということで申し上げました。
○西銘 純恵 次年度助成をしていくのかと思ったんですが、全く違う内容でがっかりしております。
次、浦添の軍港建設問題で先ほど知事公室長が、儀間市長が軍港受け入れを表明して選挙で最初に当選したと言いましたが、全く事実に反しているんですよ。選挙では、民間港をつくってそのバースの一部を軍にも使わせる、これが選挙の公約で、そして当選した後に軍港受け入れを表明したというのが事実です。もう一度確認してください。
○知事公室長(又吉 進) 私の理解では、先ほど答弁したとおりなんですけれども、議員が御指摘のようなことがありましたら、再度確認をしたいと思います。
○西銘 純恵 知事に伺います。
浦添市は、6700万円の新たな施設の建設を市民に全く知らせていないんです。経過の説明を求めても全く秘密にしています。市民不在のまま米軍の施設を市民の税金でつくるなんてとんでもないと、市民や県民が撤回を求めています。地元がやることだと、傍観者で本当にいいんでしょうか。
前代未聞の退役軍人施設の建設について、浦添市は、沖縄県もやっているとまた言っています、同じようなことを。事実でしょうか。
県道港川道路建設は、牧港米軍補給基地を一部返還して行っています。返還交渉の内容を説明してください。
○知事公室長(又吉 進) 事実関係については承知しておりません。
○西銘 純恵 この問題は、浦添市の6700万円の負担そのものが新聞に出た途端に、全県的に新たにどうして日米が交渉するのに市民や沖縄県民の負担で新たな施設をつくらなければいけないのかということが大問題になったんですよ。で、説明を求めている。
沖縄県は、同じように港川道路を同時期に返還交渉を求めましたよね。それを私は、関係の皆さんのところから資料を取り寄せて今説明を求めているんですよ。承知しておりませんというのは、とんでもないです。米軍との交渉内容をぜひ明らかにしてください。
○土木建築部長(仲田文昭) 御質問の件は、浦添西原線の港川道路ということで理解しておりますけれども、これにつきましては、一部が返還を必要としておりますので、平成20年の12月に最終的に返還の通知を受けております。
○西銘 純恵 県道をつくるので、キャンプ・キンザーの一部を返還してくれと要請をして、その要請と、そしてその交渉の中身を明らかにしてください。
○土木建築部長(仲田文昭) 交渉の中身といいますとちょっと詳しく承知しておりませんけれども、うちのほうとしましては、道路建設のためにこの用地が必要だということで、それを返還してもらいたいという趣旨で返還を要求したというふうに理解しております。
○西銘 純恵 私、この問題はとても重大だと思っているんですよ。平成20年の12月に返還されるということを受けたと言いますけれども、県がどのような要請をして――タイトルでもいいです――そして米軍、防衛局からどのような回答が来て、最終的に返還となったという、そのいきさつを説明してください。
○土木建築部長(仲田文昭) 先ほどお答えしましたとおり、うちのほうとしては、道路新設するために用地として今の基地の一部を返還する必要があったことで、我々としては返還を要望して申し入れたということでございます。
○西銘 純恵 私、今、県が基地のない沖縄を目指していくと、そして施設返還もこれからどんどん一部であれ、牧港補給基地は浦添市を挙げて全面返還を求めているわけですよ。だから、その中で今、一部返還をするときにどうして新たな施設をつくっていくのかというところが聞きたいわけですよ。だから、20年の12月22日にこの港川の地域ですよね、米軍基地。ピザハウスに出てくるところを県道にするから一部を返還をするというそのための申し入れをやったわけですよね。皆さん、これは20年のいつですか。要請をしたのは平成17年6月10日に返還の要請をされたんじゃないですか。そのいきさつを説明お願いします、交渉のいきさつを。
○土木建築部長(仲田文昭) 交渉のいきさつといいますか、議員からありました17年に私どもは県の道路計画が上がりましたので、それについては土地区画決定もしております。これは、西海岸道路と国道58号現道のアクセス道路として必要な県道でございまして、先ほどから申し上げているとおり、その用地について返還の必要があったんで、私どもとしては返還の要請を申請をしたということでございます。
その際に、道路の関係といいますか、郵便局の話がありましたけれども、そういったものについては道路拡張に支障になりますので、その辺の補償といいますか、そういったことを今交渉中ということでございます。
○西銘 純恵 沖縄県知事から平成20年10月8日付で沖縄防衛局長あてに、平成20年9月5日付で照会のあった見出しのことについては、米側の付した条件に異存はありませんという文書を出したのは事実ですか。
○土木建築部長(仲田文昭) 20年の9月に防衛局長から県に一部返還の照会がありまして、後はまた10月8日に、一部返還の照会に対しての回答といたしまして異存はなしという回答をしているということでございます。
○西銘 純恵 20年9月5日に防衛局長から知事あてに文書の照会が来たと、それに異存ありませんということで回答されたということですけれども、この防衛局長から来た照会の中身は17項目入っていますよね。この項目について大事な部分が郵便センターの移設や、そしてゲートも移設をするという中身、詳しく書いてありますよね。それについてぜひ答弁いただきたいんですよ。
○土木建築部長(仲田文昭) ゲートとかそれからフェンスもそうなんですけれども、道路をつくることによってこれは支障になりますので、当然それについての移設をしてくれという要望といいますか、向こうの条件がありましたので、それについては私どもとしては異存なしというふうに答えたということでございます。
○西銘 純恵 平成20年9月5日付の防衛局長、沖縄県知事あての照会の1項だけ私問題点を指摘したいと思うんですが、「合衆国政府に費用の負担をかけることなく、牧港補給地区において、別図で示される区域に郵便センターを移設するものとする。移設される郵便センターは、駐車場、全てのユーティリティー並びにゲート及び照明のある周回保安柵を含め、関連附帯工作物を備えた半恒久構造物とする。新しい施設が完成し次第、合衆国政府に費用の負担をかけることなく、既存の郵便センターを撤去し、かつ、景観を整備する。」、これに対しても全く異存なしということで回答されたということですか。
○土木建築部長(仲田文昭) 郵便局につきましては、現在あるものと同じ機能補償というのが私どもの基本的な考えでございますので、そういう意味で異存なしということで回答しております。
○西銘 純恵 私、この「半恒久構造物」というのは、この牧港補給基地の中に老朽化した施設、浦添の退役米軍人施設もそうですよ。古くなって使われてないような施設を新たにつくっていくということは、この牧港補給基地がいつまでも半永久的に残る。そしてそれと今、軍港建設が次年度から環境影響評価が始まるわけですよ。だから、これは改めてこの牧港補給基地と軍港が一つになって、この機能を強化された固定化されていく基地になるということを本当に危惧していないというところにとても問題点を感じます。
県民は、このようなものに対してどうして県民に明らかにしないのか、県は、そのまま秘密にしたまま工事をしようとしているのか、経費は幾らかかるのか。そしてこのような無慈悲な、屈辱的な、従属的な米軍の要求に対して日本政府が従っているというのはずっとありますよ。でも、沖縄県民として、県として、知事として、どうしてこういうのはまかりならぬと、だめだと言えないんですか。知事にお尋ねしたいです。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前11時45分休憩
午前11時46分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(仲田文昭) 今回の補償につきましては、米軍だからということじゃなくて一般的な補償のやり方でございますので、我々の公共補償基準とかございます。それに照らし合わせて、我々としては適切に今後補償していきたいということでございます。
○西銘 純恵 米軍基地の中の施設をつくる根拠は何ですか。そして、日米地位協定2条の2項、施設の提供と返還についてうたっています。4条2項、基地の返還についての規定です。これと照らしても、私は、沖縄県がつくる根拠はないと思っています。地位協定、皆さん照合したんですか。沖縄県がやろうとしていることは単なる補償ではないと、私は指摘をするんですけれども。
○知事公室長(又吉 進) 今回の事案につきましては、沖縄県が都市計画上必要な道路を整備すると、そのために基地の一部返還が必要だという形、あるいは共同使用が必要だという形になりまして、このような事案につきましては、地位協定第25条にいいます合同委員会において合意されるということになっております。
○西銘 純恵 私が聞いたことに答弁してくださいよ。2条2項、4条2項。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前11時48分休憩
午前11時49分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 「日本国政府及び合衆国政府は、いずれか一方の要請があるときは、前記の取極を再検討しなければならず、また、前記の施設及び区域を日本国に返還すべきこと又は新たに施設及び区域を提供することを合意することができる。」。
以上です。
○西銘 純恵 4条2項。
○知事公室長(又吉 進) 4条2項ですね。「日本国は、この協定の終了の際又はその前における施設及び区域の返還の際、当該施設及び区域に加えられている改良又はそこに残される建物若しくはその他の工作物について、合衆国にいかなる補償をする義務も負わない。」。
以上でございます。
○西銘 純恵 地位協定、本当に抜本改正を求めるぐらいアメリカ言いなりの協定だと言いながら、その中の施設返還について米国に何も「補償をする義務も負わない。」と書いてあるんですよ。それを県はやろうとしているんですよ。県民の暮らしが今どんなに大変だと思いますか。幾らお金をかけるんですか、どれだけの施設をつくるんですか、お答えください。
○知事公室長(又吉 進) 今御質問の、幾らお金をかけるかという部分については、必ずしもお答えを用意してございませんけれども、地位協定におきます条件、管理権につきましては、すぐれてこれは日米での取り決めでございまして、その問題点につきましては、私ども県としましては、11項目の要請ということで常日ごろから上げているところでございます。
○西銘 純恵 日米地位協定の4条2項にも返還のときには補償する義務はないと書いてあるんですよ。どうして沖縄県がお金を出すんですか。そして、皆さん具体的に返還のための施設建設を進めています。幾らかかるのかというのは明らかに金額は出ているはずなんです。それを答えようとしないんですか、明らかにしてくださいよ。
○知事公室長(又吉 進) 今議員の御質問の趣旨がちょっとわかりにくいところもございますけれども、県の道路整備に関しましては、これは返還のための補償とはとらえておりません。
○西銘 純恵 米軍施設の提供や返還については日米地位協定が根拠でしょう。補償する根拠はどこにあるんですか、言ってくださいよ。
○土木建築部長(仲田文昭) 申し上げているとおり、これはまず私どもの道路をつくるために原因としてスタートしておりますので、通常のとおり道路事業に支障のある物件の補償につきましては、それに基づいて適正に補償するということでございます。
○西銘 純恵 私、今の答弁を聞いて本当に啞然としたんですよね。この通常の道路をつくる、これは県民に補償するというのは当たり前ですよ。でも、今、沖縄県が道路が狭くて大変だから返還を求める。そして、もともとこの米軍基地というのは、県民が銃剣とブルドーザーで奪われた土地でしょう、返還を求めているんでしょう。基地はみんななくしていくというのが、今の知事の21世紀ビジョンじゃないですか。その中で、一つ一つ部分的に道路をつくるから部分返還を求めるから、そこにある施設をみんな補償しなさい、沖縄県はみんな補償するんですか、どれだけの経費がかかりますか、それを聞きたいですよ。将来にわたってどれだけの補償をやるつもりですか。大変な問題ですよ。すべて補償出すの。
○知事公室長(又吉 進) 重ねて申し上げますけれども、ただいま土木建築部長が答弁しましたように、この案件につきましては通常の道路建設に基づく通常の補償という形でございます。
議員が御質問の返還の費用を県が負担する、あるいは将来にわたってどういう負担をするのかというそういう状況はまず生じないと考えております。
○西銘 純恵 本当に詭弁と言いたいですね。過去に同じように3カ所の道路の関係で補償した事例があります。これすべて幾らで補償したのかをお尋ねします。今のは言えないと言いますけれども、過去にやった同じような米軍基地の一部を返還してできた数字、県民負担になったのをお尋ねします。
○土木建築部長(仲田文昭) 今、手元に資料を持っておりませんので、幾らかかったかということについては、今のところお答えできません。
○西銘 純恵 私、米軍施設の返還を求める、当たり前に日米合同委員会で返還の交渉をさせるという中で、沖縄県がこの理不尽な米側の言い分を日本政府が受け入れてきたと。それに対して17の――さっきは郵便センターの件一つしか言いませんでしたけれども――これを含めて17項目も理不尽なことが書かれているわけですよ。それに対して皆さんはこうです、異存ありませんと、一月足らずの期間でやっているんですよ。本当に鈍感じゃないですか。
沖縄県民が、どのような思いをして暮らしをしているのか、そして、この米軍基地はどうして沖縄県民の税金で基地内の施設をつくらないといけないの。ここにもう本当に怒りを持っています。
先ほどの過去にあったケース、金額をぜひ説明をいただきたいと思います。
○土木建築部長(仲田文昭) 後で整理しまして御報告したいと思います。
○西銘 純恵 米軍基地のためには思いやり予算というのも日米地位協定にないものが、既に1800億円も国民の税金で湯水のようにつぎ込まれてきていると。このような中で、新たに市町村やそして沖縄県が基地の施設をつくるためにお金を出していく、これは県民は絶対納得できないですよ。沖縄県がこんな条件ではだめだと、無条件で部分返還を求めているものを認めよと一つも主張していないというところが本当に大問題だと思っています。知事の見解を伺います。よろしくお願いします。
○知事公室長(又吉 進) 少し整理させていただきますけれども、返還手続につきましては、議員御指摘のとおり地位協定に基づき実施されるわけですけれども、その補償につきましては、これは国内法に基づいて行われるという整理をさせていただきます。
○西銘 純恵 本当に沖縄県のこの対米従属、もう政府と一緒ですよ。変わらないこの姿勢に抗議をして、本当は県民の暮らしを守る、そして保育所も入れないとかそういう皆さんの声を受けとめて――県政というのはこのような米軍施設にお金を使うんじゃなくて――ちゃんと必要とするところに、子供たちの貧困そういうものに充てるべきだということを指摘をして終わらせていただきます。
ありがとうございます。
○崎山 嗣幸 議長、休憩願います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前11時58分休憩
午前11時58分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
休憩いたします。
午前11時59分休憩
午後1時42分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
照屋大河君。
〔照屋大河君登壇〕
○照屋 大河 お待たせいたしました。
社民・護憲ネット、照屋大河です。
一般質問の前に所見を述べてまいります。
きょうの質問のトップバッターの瑞慶覧功さんから、かりゆしウエアの話題に気温というか、温度の話がありました。振り返ってことしの冬は南国沖縄も非常に厳しい寒さを実感する冬ではありましたが、私は2つのそんな冬の中でも温かいというか、明るい話題について所見を述べたいと思います。まるできょうの島袋大議員のかりゆしウエアのように、明るい、温かい、彼は顔も心も温かいんですが、そういう話題を2つ述べたいと思います。
まず1点目に、タイガーマスク。漫画タイガーマスクの主人公伊達直人を名乗る人物から養護施設にランドセルが届けられた。その現象が全国に広がってもちろん沖縄にもそういう人がおりました、例がありました。施設に通う子供たちはさまざまに事情があるはずですが、今回の件については社会から関心があるんだ、しっかり社会も支えてくれているんだというようなメッセージとなって子供たちに勇気を与えたんだろうというふうに思います。
もう1点は、時を同じくして心臓病を患う要美優ちゃん、その心臓移植のために高額な手術費用が要るということだったんですが、沖縄全県に呼びかけてわずかな期間でその手術費を達成してしまった。これは沖縄県人の気持ちが広がった、善意の輪が広がった結果だろうというふうには思います。
一方、そういった善意の輪に頼るんではなくて教育長の決意表明でありましたが、沖縄の子供たちさまざまに可能性があるんだというふうなことで発表がありました。そういう子供たちの可能性が発揮できる土台をしっかりつくっていただきたい。そしてその土台をますます高く上げていただきたい。それは行政にもお願いしますし、私はまた政治家としてしっかりと政治の力が発揮できるように、子供たちの将来に発揮できるように頑張っていきたいということを申し上げて、一般質問に移ってまいります。
まず1点目、東村高江のヘリパッド建設工事について。
(1)、知事の見解、政治姿勢について。
ア、東村高江のヘリパッド建設工事をめぐっては、沖縄防衛局が現場で反対運動を続ける住民2人を相手に通行妨害禁止を求め訴訟を起こしている。係争中であるにもかかわらず、沖縄防衛局が強行に強権的に工事再開に踏み切ったことに対する知事の見解を伺う。
(2)、昨年12月22日早朝に設置された仮設フェンスについて。
ア、仮設フェンス設置場所は、米軍提供施設と民間地との境界線の内側か外側か、地番及び地目を明らかにした上で事実関係を示されたい。
イ、提供施設と民間地との境界線は、平成5年3月31日付の一部返還に基づき引かれたようであるが、事実か。
ウ、県道70号(旧道部分)が米軍提供施設に含まれるのであれば、日米間あるいは当時の防衛施設庁・那覇防衛施設局と県の間でいかなる手続を経て提供施設として米側に提供されたのか経緯を明らかにされたい。
(3)は削除します。
大きい2番も削除をします。
3番目、米軍の区域外訓練に伴う経済的損失について。
(1)、今回の混乱に伴う県内漁業間係者のこうむった経済的損失について明らかにされたい。
大きい4番、戦後処理事業について。
(1)のアとイは削除します。
(2)番、遺骨収集事業や不発弾の運搬や安全管理など、より幅広い視点での戦後処理事業について、NPOなど民間団体を活用した制度創設を次期沖縄振興計画に提言する考えはあるか伺う。
5番、児童養護施設の運営の現状と課題、県の支援体制について伺います。
大きい6番、我が会派の代表質問との関連について。
仲宗根悟議員の代表質問関連について伺います。
嘉手納基地の運用に関する質問の関連で、ことし1月に最新鋭ステルス戦闘機ラプターが暫定配備されてから今日までの訓練の回数、離発着の回数等があれば伺いたい。夜間・早朝の訓練はないか伺います。この間の爆音の実態について伺います。
23日、嘉手納基地所属F15戦闘機の普天間飛行場へのダイバートについて説明を求めます。この件については渡嘉敷議員に答弁があったその後にわかった事実等についてだけ答弁をしてください。
次に、駐機場の移設について、地元から早期実現の声があるが、状況について伺います。
続いても仲宗根議員の質問に関連して、障害者権利条例制定について伺います。
当事者団体からさきに提出された条例案に対する県の評価について伺います。
以上、よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 照屋大河議員の御質問に答弁させていただきます。
まず第1に、東村高江のヘリパッド建設工事に係る御質問で、高江のヘリパッド建設工事についての御質問にお答えいたします。
昨年1月、沖縄防衛局が東村高江区のヘリパッド建設をめぐり、通行妨害禁止を求める訴訟を提起したことは承知いたしております。県としましては、現在本件が係争中であることから、コメントにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。
北部訓練場のヘリパッドにつきましては、SACO最終報告において、同訓練場の過半を返還することに伴い残余部分に移設されるものであり、県としましては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識いたしております。
県としましては、随時、現地に職員を派遣し状況の確認を行っておりますが、改めて去る2月14日、国においては、市町村の意向等も踏まえ、地域住民の生活や当該地域の自然環境に十分配慮し、安全に万全を期すよう申し入れを行ったところであります。
今後とも東村や高江区の意向を尊重し、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、戦後処理事業に係る御質問の中で、遺骨収集事業を次期振計に提言することについての御質問にお答えいたします。
遺骨収集事業につきましては、「新たな沖縄振興のための制度提言」において、「沖縄戦による遺骨収集の国による取組強化」を提案することとしております。
要望の具体的な内容といたしましては、国において遺骨収集に関する中期計画を策定をし、組織的・計画的に実施すること、そして推進に当たっては、遺骨収集に関する情報センター(仮称)を創設するとともに、民間、そしてボランティア団体等へ支援する仕組みを創設することでございます。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○土木建築部長(仲田文昭) 東村高江のヘリパッド建設工事についての御質問で、仮設フェンスの設置場所についてお答えいたします。
仮設フェンス設置場所について、道路台帳により確認しており、道路区域外に設置されているものと認識しております。なお、その一帯は林野庁の国有林となっており、当該区域の土地は登記されてないことから、地番及び地目の表示はありません。
同じく東村高江のヘリパッド建設工事についての御質問で、提供施設と民間地の境界線についてお答えいたします。
当該区域につきましては、平成2年6月19日の日米合同委員会において、返還に向けて調整・手続を進めることが確認された土地を平成5年3月31日に返還したものであり、それに伴い境界線が確定されたものと認識しております。
同じく東村高江のヘリパッド建設工事についての御質問で、旧道部分が提供施設とされた経緯についてお答えいたします。
旧道部分は、復帰後、既に提供施設となっていた北部訓練場について、昭和53年に共同使用の申請を行い整備したものであります。その後、平成元年に現道を整備し、道路機能が旧道から現道に移ったことから、平成2年に旧道部分の土地を営林署に返地しております。平成5年の一部返還の際には、現道部分が返還され、旧道部分は提供施設として残り現在に至っております。なお、県道70号線国頭東線を区域決定した際の図面と道路台帳図面にそごがあったため、ことし2月8日に変更手続を行ったところであります。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 戦後処理事業についての御質問の中で、不発弾の運搬や安全管理を次期計画に提言することについてお答えいたします。
沖縄県における不発弾等処理については、現在、国・県・市町村及び諸団体等で構成する沖縄不発弾等対策協議会を中心に事業を推進しております。同協議会における事務分担につきましては、陸上において発見された不発弾等の処理についての通達に基づき、不発弾の運搬は自衛隊、安全管理は警察が対応しているところです。
不発弾につきましては爆発の危険性があること、その処理・運搬や管理に関しては高度で専門的な知識と経験を要すること、不発弾処理については国が責任を持って取り組むべきと考えること等から、不発弾の運搬や安全管理については、自衛隊や警察等の公的機関で対応することが適切であると考えております。
次に、我が会派の代表質問との関連について、F22戦闘機の1月からこれまでの離発着回数と夜間・早朝の訓練についてお答えいたします。
去る1月7日、嘉手納基地及び沖縄防衛局から、F22A戦闘機15機が1月中旬からおよそ4カ月間、嘉手納飛行場に派遣されるとの連絡がありました。これを受け県は、米軍及び日米両政府に対し、あらゆる策を講じ、騒音を初めとした周辺住民の負担軽減を図ることを強く要請したところであります。
嘉手納飛行場における米軍機の離発着回数を含む演習・訓練の具体的な内容について、米軍は、運用上の理由により明らかにしていないことから、県は、軍転協や渉外知事会を通じ、演習・訓練の内容等を公表するよう求めているところであります。
同照会につきましては、2月25日に行っておりますが、現在のところ回答はございません。
次に、同じく嘉手納基地所属F15戦闘機の普天間飛行場へのダイバートにつきましてお答えいたします。
同ダイバートにつきましては、先般、渡嘉敷議員の御質問にお答えしたとおり、その状況、事故に至った経緯等を現在照会しておりますが、現在のところ回答はございません。
以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 米軍の区域外訓練に伴う経済的損失の中で、区域外訓練に伴う漁業者の経済的損失についてお答えいたします。
今回のような訓練直前の通知による提供水域外での訓練の実施は、漁船の安全を脅かし、漁業者に大きな不安を与えるものであります。区域外訓練による操業への影響について漁協等に確認したところ、訓練計画水域の外へ移動した漁船や出漁を見合わせたり、漁場を変更した漁船などがあったとのことですが、現在のところ、具体的な経済的損失をこうむったとの話は聞いておりません。
以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 児童養護施設の運営の現状と課題、県の支援体制についてお答えいたします。
児童養護施設は、県内に8カ所設置されており、定員合計は422人となっております。施設には、家庭の事情や虐待等により保護者が養育することが困難な児童が生活しており、平成23年1月末現在の在籍児童数は389人、定員に対する在籍率は92.2%となっております。
児童養護施設の設置・運営については、国が定める児童福祉施設最低基準に基づいており、運営費については、措置費として国及び県が2分の1ずつ負担しております。措置費では、施設における人件費及び管理費、入所児童の生活及び学習等に必要な額が支払われているほか、心理療法担当職員などの専門職員の配置に必要な加算も行っております。しかしながら、現在の最低基準は、被虐待児童や障害を持つ児童の増加などの実情に必ずしもそぐわないものとなってきており、国においては、基準の見直しに着手しているところであります。
県においても九州各県児童福祉主管課長会議を通じて、児童養護施設における職員配置の改善等を国に求めているところであります。
次に、我が会派の代表質問との関連についての中の、当事者団体から提出された障害者の権利条例案の評価についてお答えします。
ことし1月に障害当事者団体から知事に対して、障害者権利条例案と約3万人もの条例制定を求める署名が手交されております。当事者団体の条例案につきましては、障害の種別を超え各障害者団体等が意見交換会、フォーラム、街頭活動等を通じて策定されたものであり、多くの障害者の声を反映した条例案であると考えております。
県としましては、条例を制定する際には、県民生活に密接に関連することから、十分な県民議論等を踏まえて取り組んでまいります。
以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 我が会派の代表質問との関連の中で、1月からの爆音の実態についてお答えいたします。
F22A戦闘機の飛来が始まった1月12日から2月24日の間について、嘉手納飛行場周辺の県の測定局である12測定局の航空機騒音測定結果では、環境基準評価指標であるW値で、屋良局83(平成21年度平均78)、伊良皆局68(平成21年度平均65)、美原局79(平成21年度平均78)となっており、3測定局で前年度平均を上回っております。また、1日当たりの騒音発生回数では、北美局、伊良皆局、桑江局、知花局の4測定局で前年度平均回数を上回っております。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 1問答弁漏れがございましたので、改めて答弁をさせていただきます。
我が会派の代表質問との関連につきまして、海軍駐機場移設の状況についてお答えいたします。
嘉手納飛行場における海軍駐機場の移転については、SACO合意における「騒音軽減イニシアティブ」において主要滑走路の反対側に移設されることとされております。昨年9月、沖縄防衛局から、海軍駐機場の移転について、現在実施設計段階にあり、埋蔵文化財の調査も行っているところであり、できるだけ早く実現したいとの説明がありました。
県としましては、同駐機場の移転により、嘉手納飛行場における航空機騒音の軽減が早期に図られるよう求めてまいりたいと考えております。
どうも失礼をいたしました。
○照屋 大河 福祉保健部長に伺います。
障害者権利条例の制定に向けてですが、今回団体から提出された条例案については、多くの声を反映した条例案であって生活にも密接に関係するんで検討していくと、意見聴取しながら制定に向けて検討していくと。これまでの条例案制定に向けての答弁では、国の法律の改正とか条約の批准の動向、あるいは団体に対する意見交換をしながら進めていくということだったんですが、そういう答弁もありました。
この国の法律の改正とか、条約への批准がなければ県独自でこの条例案を制定することは技術的に難しいということなんでしょうか。
○福祉保健部長(奥村啓子) 今の答弁の中で、県民の議論をしていくと申し上げましたが、それはこの国の条例改正のことは別に進めるということではございません。それも踏まえて当事者団体、民間事業者との意見交換、そして国の法改正の内容とか差別禁止法との議論等も踏まえた上で取り組みを進めていくということでございます。
○照屋 大河 技術的な問題としてその改正などを待たずに、国の動きを待たずに、県独自として条例案を制定することはできるのかということです。
○福祉保健部長(奥村啓子) それは技術的には可能でございます。現に3県では条例制定がありますので、そういう意味で条例の制定については可能です。
○照屋 大河 先ほど部長の評価があったように、多くの31の団体ですか、その多くの団体が時間をかけて積み上げてきた条例案です。知事も直接受け取ったと思うんですが、その中にも公約でもあるし進めていきたいと。先ほど県独自でも制定できるということがありましたが、その団体の皆さん、当事者の皆さんはたとえ条例ができたとしても地域の壁というか、差別の問題とか、心の壁を克服しなければ何にもならないということで、まずこの条例案を急ぎ制定してそういう壁を取り払っていくためにもスピード感を持ってやっていく、そういう決意をもう一度いただきたいなと思うんですが。
○福祉保健部長(奥村啓子) 障害者の声が確かにいろんな時間をかけて議論して、そういう思いがこもっているということは十分承知しております。
ただ申し上げましたように、やはり内容につきましては障害者の差別事例を把握したり、それから差別をなくすための取り組みの方策等を検討して、そういう中で具体的な形でそういう事例も積み重ねながらどういう形で実効性のある条例をつくっていくかということについては、やはり県民また民間事業者も含めて多くの意見をやはり集約したいと考えておりまして、それには一定程度の時間は要するとは考えておりますが、そういう意味ではその制定に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。
○照屋 大河 先ほどの繰り返しになりますが、提出をした当事者の皆さんは、たとえ条例が制定されたとしてもその後の社会も大きな問題があるんだと、差別をなくしていくとか、心の壁というんですか、そういうものをなくしていくことが大変なんだということを言っていますので、さまざまな検討作業はあるかもしれませんが、ぜひ圧縮して圧縮して短くして、制定に向けて取り組んでいただきたいなと思いますので、これは要望しておきます。
それから児童養護施設の問題なんですが、今部長からあったようにですね、知事、以前は孤児院と呼ばれていた児童養護施設なんですが、今、虐待の問題とかがあって非常に中身が変わってきているということです。そして先ほど部長からもあったように、定員の90%を超える子供たちがいるんですね。そしてこれも部長からあったんですが、この子供たちは施設にいる間は措置費という形で対応されていると。そういう意味では学校に行ったり、食事をしたり、生活する分にはその施設にいる限りは少なくとも大丈夫だ。しかし、この施設にいる人たちの課題として、卒業後この施設から出ていった後に免許証の取得の問題、この措置費ということで貯蓄ができない仕組みになっているようなんですよ。将来に向けて免許証を取るためにお金をためるとか、進学するためにお金をためるとかということが措置費という問題でできないらしくて、そういう意味では知恵を出して、先ほどあったようにどんな環境にあっても将来に向けて若い人たちが可能性を発揮できる土台はしっかりとつくっていただきたいなと思うんですよ。例えば運転免許証の取得の問題、進学などにおいては民間の皆さんがファンドを設立して施設を卒業した子を支援していこうという動きもあるようですが、わずか1人です。そういう意味では、先ほど政治の力、行政の力という話もしましたが、知恵を出して何とかこの子たちが安心して活動できるようにやっていただきたいなと思うんですが、知事の見解を伺います。
○福祉保健部長(奥村啓子) 確かに児童養護施設の児童が施設を退所した後の生活とか支援については、やはり課題もございます。そういう意味では今の運転免許取得等についてもう少し大学進学、就業についての支援を措置費の中で認めてもらうような形でずっとこれまでも国のほうに要望しておりますので、今後もそういう意味では要望していきたいと思います。
それからまた、各施設においては、そういう寄附とか県民の後援会等をつくってそういう資金に充てているというところもございます。また、今般子ども手当についても施設の長に振り込んで、そしてそれを貯金もできるような仕組みもとられております。そういう意味では、子供の施設退所後の支援につきましても今後また改善の方向で取り組んでいきたいというふうに思っております。
○照屋 大河 次に、嘉手納基地の問題なんですが、米軍は28日、きょうから約5日間にわたる即応訓練の実施を発表しております。地元嘉手納町長や議会も強く反対を表明していますが、県としての対応、それからきょうからの通知なんですが、きょう実際に行われているのかわかれば教えてください。
○知事公室長(又吉 進) まず、きょう実施されているかどうかについてはまだ情報を得ておりません。
この対応ですけれども、嘉手納飛行場におきましては従前からこの飛行訓練に加えて爆発音を使ったGBS訓練等が再三行われておりまして、このような訓練は付近住民に不安を与えるものであるということでございますので、県としましては住民生活に著しい影響を与えないよう配慮すべきだということを申し入れております。
きょうの段階ではまだ申し入れておりませんが、直ちに申し入れようと考えております。
○照屋 大河 知事、今議会で安保研究の立ち上げなどの答弁の中にも、基地の問題について事件・事故の件についても基地の運用の件についても今の嘉手納の状況のように、あるいは嘉手納のきょうの即応訓練、パラシュート訓練、あるいはダイバートの問題も含めてなかなかこれまで要請、抗議はしていても全くのれんに腕押しで進まないんだというような答弁がありました。県民も同じような実感だと思います。基地の運用は米軍のある意味、基地があればやりたい放題の状況にある。先ほど安保の議論でも瑞慶覧さんのときにもありましたが、実際は沖縄の現状はそういうことだというふうに感じるんですが、もう一度答弁いただきたいと思います。
○知事(仲井眞弘多) 私が余りのれんに腕押しとか、馬耳東風と言うのはいかがなものかとは思うんですが、それでも最近は民主党政権は、我々の要求に対して幾つか返答はもらえるようには実はなってきています、去年の5月以降ですね。ですから、少し前へ進んでいるとは思うんですが、やはり基地問題でもう少し認識・感覚の差があり過ぎるのか、長年かけても前へなかなか進んでいないというのも確かにありますから、もう少しこれが意味のあるやり方というのはもっとあるだろうと実はつくづく私も1期目に感じまして、そこをいろいろ知恵もかりながらきちっと効果が出るようなやり方をぜひ編み出していきたいと考えております。
○照屋 大河 次に、高江の問題に移りたいと思うんですが、知事、この2月25日の新聞の社説なんです。高江についての社説が掲載されているんですが、これはお読みになりましたか。
○知事(仲井眞弘多) 読んでいません。
○照屋 大河 これまで高江の新しい基地の建設、ヘリパッドの建設については、SACOの合意であると、過半が返ってくるんで残余の部分の建設である。現実的な対応だ。地元も条件の協議をやって進めているんだ。地元の意向も尊重しているんだということがありますが、この25日の社説では高江区の区長さんはこんなことを言っているんですよ。ヘリパッドの建設については「いまも嫌だ。負担軽減のしわ寄せはごめんだが、果てしない闘いはできない」ということを区長さんは言っているわけですね。この間の高江の反対派、あるいは防衛局との工事の様子などもつらつら書かれていますが、そういう意味でこれまでずっと高江の建設を進めるべきじゃないという質問に対して、地元の意向があるからという県の答弁は少しニュアンスが違ってくるんじゃないかなという気がしているんですが、いかがでしょうか。
○知事公室長(又吉 進) 県としましては、幾度となく職員を派遣したり、あるいは知事みずから赴いたりということで地元の意向というものの把握に努めているわけでございます。
現在のところ昨年の7月20日に区から村、村から防衛局に対してヘリパッド建設に伴う要請として基本的にヘリパッドに関しての懸念を示した上で、やはりしっかり村民の安全に配慮する等した上で、工事を進めるに当たっては配慮してほしいといった要請が出ておりまして、その条件について地元と防衛省の間で話し合いが続いているものと承知しております。そういう状況の中で、県としましては政府においては地元の意向をしっかり尊重していただきたいというふうに申し上げているわけでございます。
○照屋 大河 高江の人口が130人から140人ぐらいですか、昨年そういう形で条件の協議に入ったかもしれませんけれども、高江はこれまで2度にわたり反対の決議をしてきているんですよ。最初の決議が1999年、そして条件つきの容認をしたのが2009年ですよ。知事、10年の歳月があるわけですね。そこを小さな部落、地域の人たちに、国あるいは官僚というのか政治は押しつけてきたわけですよね。10年闘ってきたんだが、高江の区長さんからもありました。いつまでも「果てしない闘いはできない」んだと。そういう思い、建設は今でも嫌だが、そういう状況があるわけですね。そういう状況をしっかりと受けとめていただきたいなと思う。この報道にあるような高江が示す条件を「イノシシの食害から守る」とそういうものに県が耳を傾けて、寄り添って、嫌だったら一緒になって反対していくそういう態度であるべきじゃないのかな。先ほど基地があれば運用については米軍の勝手気ままだと。そういう意味では高江の人たちも心配しているわけですよね。現在でも爆音に悩まされる、しかも住宅地に近いところに新しい基地の新しいヘリパッドの建設がある。そういうところをもう少し酌み取って、県は建設については改めて区とも話し合って一緒に闘うぞというような形で向き合っていくべきじゃないかなと思うんですが、いかがですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後2時24分休憩
午後2時24分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 地元との連携という意味では、先ほど申し上げた形で県としては地元との連絡は取り合っていると認識しております。
また、この高江のヘリパッドの建設につきましては、北部訓練場の過半が返還されると、沖縄の基地整理縮小につながるものであるというのが県の対応でございまして、また、その跡地につきましては、東村からもその跡地の有効利用について大変期待が大きいというふうに聞いておりますので、基本的には推進すべきであると考えております。
○照屋 大河 整理縮小につながると、SACOの合意で。しかし、新たな基地の建設をする。それでその基地の運用の現状は、先ほど言ったように沖縄県民からすれば米軍の好き勝手である。
そういう実情があるときに辺野古の話ではあるんですが、知事は日米共同発表を見直して、切り離して、返せる部分を返せ。しかし辺野古の移設はだめだと。この高江のSACO合意も含めてこれまで戦後65年間大きな負担があった、それを全国に訴えていくんだ、応分の負担を訴えていくんだと知事は言っているわけですから、この高江のヘリパッド建設についても新しい6基のヘリパッドの必要の説明もない。それから残る10基の活用の状況の説明もないままに、大多数が返ってくるから新しいヘリパッドをつくる、それが縮小につながる。しかし、140名ぐらいの小さな区はさまざまに苦悶を抱えている。
そういう状況が今沖縄の状況であって、しっかりこの応分の負担を今全国に訴えていこうという知事ですから、そこのSACOの合意も含めて、返せる部分はもう沖縄は随分負担してきたんだと、安保の問題も含めて基地の負担もやってきたんだ。これは新しい建設は認められない、大多数はやはり返していただく。そういう形で訴えていかないと、辺野古への知事の本気度も含めてそれは問われてくる問題じゃないかなというふうに感じているんですが、いかがですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後2時27分休憩
午後2時27分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 照屋議員のおっしゃることは、傾聴に無論に値するあれでお気持ちもよくわかるんですが、しかし一方でこの北部訓練場の広大な部分の返還というのもどうしてもこれは整理縮小という点で必要だと思います。それに伴ってやはりヘリパッドがある程度こっちからこう動くというのは、それはそれなりに受け入れながら整理縮小というのは進めるべきで、事案によっていろいろな形があろうかと私は思うんですよ。
ただ議員のおっしゃることは、私、痛いようによくわかりますが、高江についてはいろいろな受けとめ方が無論あるにしても、やはり大きな訓練場の返還に伴うものということでこれはこれで進めるべきではないかと考えております。
以上です。
○照屋 大河 国土の0.6%ですか、沖縄が。その沖縄に75%の基地が集中してきた。何か大多数が北部訓練場が返ってくるから負担軽減につながるというような感じは受けますが、これはもう65年にわたって私たちが負ってきた負担なんですよね。それをどう考えていくのか、新しい基地の建設をですよ。6基の建設と。ここは新しい建設などは県民が認めないんで私も認めないんだというふうにしっかり言っていくべきもう時期に来ているんだろうというふうに私は感じています。
そこでちょっと高江の件で知事に伺いますが、この反対する住民の皆さんと防衛局・作業員の衝突が2月になって非常に新聞をにぎわせていますが、この新聞等での現場の状況の確認等はされていますか。
○知事公室長(又吉 進) 報道がありました翌日には職員を派遣して、お話をお聞きしております。
○照屋 大河 毎日そのような報道があるんですが、何度か行ったということでしょうか。
○知事公室長(又吉 進) 最初の衝突というんですか、そういうのがあった日に――ちょっと正確な日付は今は持っておりませんが――行きました。さらに、負傷者が出たという報道もございましたので、それについても確認をしております。
○照屋 大河 知事、私も一晩、例のホバリングの事件があったというところに車をとめて寝袋を持ち込んでそこへ泊まって、住民の皆さんとの防衛局との抗議、やりとりに参加させていただきました。我々は10人ぐらい、相手は防衛局が30人ぐらい。僕の場合は2月の初めごろだったんですが、防衛局が30人、作業員が30人、それで押し問答するわけですよ、そこで。建設するな、建設するな、建設させろと。しかし、この中身は当時2月の初めの段階では作業員の皆さんもこんな感じで、もみ合いながらこんな感じでいるんですよね。えー、兄さん――兄さんというのは私に対して――アッター、ヌガーラチェーナランドーと。基地の建設をシミンナヨーと。作業員として雇われて働いているから、住民と押し問答を起こすんですが、絶対基地はつくらせてはナランドー。アッター、ケリクヮーセー、ケリクヮーセーと、防衛局の人たちをケリクヮーセーと、この作業員の人たちが言うわけですね。
そういう地域の人と沖縄側が対決させられる構図があるわけですから、それ以来続くその防衛局との攻防はそのときまではよかった。去年から続く作業員で反対側住民の皆さんとも顔見知りであったからそういう会話ができたかもしれませんが、その後、強行に50人も何十人も連れてきて今工事を進めようとしている。新聞にもあったように、「シナサリーンドー」と、若い作業員はそんな発言をして、公室長からもあったように、けが人も出しかねない状況にあるわけです。そういう意味では基地の不条理でしょう、安保と向き合って。
そういう意味では、知事はこういう状況に対して異常だと、少し慎んでくれと、防衛局にはそう言うべきじゃないのかなと思っているんですが、いかがですか。
○知事公室長(又吉 進) 報道のあった翌日に、県としまして沖縄防衛局に対してこの作業に当たっては安全に最大限に配慮すべきだという申し入れをしております。
○仲村 未央 それでは通告に従いまして一般質問を行います。
1点目、今後の沖縄振興に係る知事の所信について伺います。
(1)、新たな沖縄振興法の理念と政府の責務、国の役割等の規定について伺います。
(2)、財源に係る国との交渉、進捗状況を伺います。
(3)、21世紀ビジョン実現への課題を伺います。
2点目、基地問題に係る知事の所信について伺います。
(1)、県外移設実現への道筋について課題と見通しを伺います。
(2)、普天間基地の閉鎖、危険性の除去について課題と見通しを伺います。
(3)、米軍再編、日米合意によるパッケージを解消させる手だて、交渉方について伺います。
(4)、嘉手納基地周辺の「実効性ある航空機騒音対策」として日米両政府に何を求めるのか伺います。
(5)、名護市に対する国の姿勢について知事の見解を伺います。
3点目、「沖縄こども待区」、「おきなわ型幼稚園特区」を新たな沖縄振興に盛り込むことについて要望いたします。
(1)、「子ども・子育て新システム」をどう見るか。本県において懸念される影響を示されたい。
(2)、就学前教育の先進的モデルとして沖縄型の教育・保育制度を構築するよう求めます。関連して以下の実態を明らかにしてください。
ア、幼稚園就園率の全国比較、本県の特徴を示されたい。
イ、幼稚園、保育園における保育士(教諭)のうち臨時職員の割合と推移を示されたい。
ウ、預かり保育、特別支援担当の保育士のうち臨時職員の割合を示されたい。
エ、預かり保育の実施状況と待機児童数を示されたい。
オ、幼稚園下校後、学童保育に通う園児の割合を伺います。
(3)、給食の実施と無料化の実現について求めます。
(4)、専門家の配置(児童心理士あるいはケースワーカー等)について、特段の財政措置をとるよう求めます。
4点目、指定管理者制度の運用について。
平成22年12月28日付総務省自治行政局長から発出をされた各都道府県知事あて「指定管理者制度の運用について」の内容と県の対応を伺います。
○知事(仲井眞弘多) 仲村未央議員の御質問に答弁させていただきます。
まず第1に、今後の沖縄振興に係る知事の所信という御質問の中で、新たな法律の理念と国の役割、財源について等々の御質問に答弁させていただきますが、この1の(1)と(2)、(3)が関連しておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
新たな法律の理念につきましては、「沖縄21世紀ビジョン」の基本理念であります「“時代を切り拓き、世界と交流し、ともに支え合う平和で豊かな「美ら島」おきなわ”」をもとに、法律の内容も踏まえて検討してまいります。そして国の役割といたしましては、「沖縄21世紀ビジョン」基本計画への支援、そして沖縄振興一括交付金の創設、そして種々の特殊事情から沖縄が今なお抱える県民所得の向上、そして雇用の確保、離島振興、戦後処理問題、基地跡地など重要課題への対応を求めてまいる考えであります。
そして財源措置につきましては、県の要望を踏まえ、平成23年度予算において「沖縄振興自主戦略交付金」が措置されましたが、引き続き沖縄県が求める形の「沖縄振興一括交付金(仮称)」の創設を要望してまいりたいと考えております。「沖縄21世紀ビジョン」で描いた将来像の実現に向けた課題といたしましては、離島県ゆえの不利性を克服するとともに、魅力ある自然環境や独自の文化、そして地理的優位性などを最大限発揮するための新たな仕組みの構築が挙げられます。このため、競争力の高い税制優遇によります経済特区、そして離島定住支援、交通・物流コストの抜本的軽減などを求めていくことといたしております。
次に、基地問題に係る御質問の中で、普天間飛行場の県外移設についての御質問にお答えいたします。
県は、総理を初め各大臣との面談などあらゆる機会を通じて普天間飛行場の県外移設の実現を強く求めてまいりたいと考えております。また、その実現を図るためには、日本全体で米軍基地の負担を分かち合うべきであるということを広く国民に理解してもらう必要があると考えております。平成23年度には世論を喚起するための広報活動などを積極的に推し進めてまいる考えでございます。特に、県内移設は事実上不可能であるという沖縄の状況を日米両政府と国民に理解してもらうためあらゆる方策を検討し実行してまいりたいと思っております。
次に、同じく基地問題に係る御質問の中で、普天間飛行場の危険性除去の見直し等についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場の危険性の除去につきましては、駐留部隊の移駐や訓練の縮小、そして分散移転など、普天間飛行場のヘリ等の運用を極力低減し、早期に危険性の除去及び騒音の軽減を図ることを政府に求めてまいりました。また、去る1月に開催されました米軍基地負担軽減部会におきましては、政府に対し、危険性除去の具体的な取り組みについて、地元の要望を聞いてもらうべく強く求めたところでございます。
県としましては、引き続き軍転協とも連携をし、普天間飛行場の危険性の除去につきまして具体的な方策の提案、そして実施に向けさらに検討を加速させるよう政府に求めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 基地問題に係る知事の所信についての御質問の中で、パッケージの解消についてお答えいたします。
県としましては、「再編実施のための日米のロードマップ」や日米共同発表で返還等が示されている嘉手納飛行場より南の施設・区域等については、パッケージ論にとらわれることなく、実現可能なものから一つ一つ確実に実施される必要があると考えております。菅総理を初め関係閣僚が沖縄を訪れるたびに、このことについては知事から直接申し上げており、去る1月20日には文書にて北澤防衛大臣に要請を行いました。軍転協としても、2月7日から9日にかけて日米両政府に対し要請したところであり、今後とも地元市町村と連携をとりながら粘り強く求めてまいりたいと考えております。
次に、実効性のある航空機騒音対策についてお答えいたします。
最近の嘉手納飛行場をめぐっては、米軍再編に伴う一部訓練移転が実施されていますが、外来機のたび重なる飛来に加え、F22戦闘機が先月から約4カ月の予定で配備されるなど、依然として目に見える形での負担軽減があらわれているとは言えないと考えております。
県は、これまであらゆる機会を通じ航空機騒音の軽減を日米両政府に対して要請してきており、去る2月7日から9日にかけて、軍転協を通じ航空機騒音規制措置の厳格な運用や、騒音対策の強化・拡充等、航空機騒音の軽減について日米両政府に対し求めたところであります。また、沖縄政策協議会のもとに設置された米軍基地負担軽減部会においても、航空機騒音の軽減に向けた具体的な取り組みを求めているところであります。これに対し、政府から、嘉手納飛行場の航空機訓練移転の拡充が示されたところであり、県としましては、その効果を見きわめるとともに、今後ともあらゆる機会を通じ航空機騒音の軽減を日米両政府に対し粘り強く働きかけていきたいと考えております。
次に、名護市に対する国の姿勢についてお答えいたします。
今回、名護市に再編交付金を交付しないことが決定されたことについて、北澤防衛大臣は、米軍再編特別措置法の趣旨に基づいた判断であると説明しております。
県としましては、地域の振興は基地問題とリンクすべきではないと認識しております。政府においては、北部地域の振興について、地元の意向を踏まえ引き続き積極的に取り組んでいただきたいと考えております。また、今回の現況調査に係る異議申し立てについては、沖縄防衛局と名護市の両当事者間で行われている行政不服申し立て手続であり、県としましてはその適法性について見解を述べる立場にはありませんが、今後とも重大な関心を持ってその推移を注視していきたいと考えております。
県としましては、県内移設は事実上不可能であり、県外移設を求める考えに変わりはありません。
以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 「沖縄こども特区」、「おきなわ型幼稚園特区」を新たな沖縄振興に盛り込むことについての御質問の中の、「子ども・子育て新システム」が本県に与える影響についてお答えします。
国においては、すべての子供への良質な成育環境を保障することなどを目的とした、「子ども・子育て新システム」の中で幼保一体化を検討しております。その課題としては、教育と保育を一体となって行う新たな人材の確保や幼稚園における施設整備などが考えられます。
県としましては、「子ども・子育て新システム」の制度設計に当たっては、保育の質が確保されることや新システムの制度運用に必要な財源が確保されることが重要であると考えております。国においては、現行の保育所、幼稚園の一部を残す案を含めさまざまな角度から制度設計に向けて検討中であり、本県にどのような影響を及ぼすのか、今後とも国の動向を注視し、必要な対応をしてまいりたいと考えております。
次に、保育園における保育士のうち、臨時職員の割合と推移についてお答えします。
県においては、認可保育所で雇用されている保育士の正規・非正規職員の割合に関しては平成19年及び平成21年に調査を行っております。平成19年4月時点の保育士の非正規職員の割合は53.6%で、平成21年4月時点では53.8%となっており、0.2ポイント増加しております。
次に、放課後児童クラブに通う幼稚園児の割合についてお答えします。
平成22年5月1日現在の放課後児童健全育成事業実施状況調査によりますと、県内の5歳児の幼稚園児数1万3126人のうち、放課後児童クラブに通っている園児は1176人であり、その割合は8.9%となっております。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは「沖縄子ども特区」、「おきなわ型幼稚園特区」を新たな沖縄振興に盛り込むことについての御質問で、幼稚園就園率と本県の特徴についてお答えいたします。
公立幼稚園は、入園を希望する満3歳から幼児を受け入れることが学校教育法に示されております。平成21年度の公立幼稚園の就園率は、3歳児が沖縄県7.3%で全国38.8%、4歳児が沖縄県17.3%で全国53.0%、5歳児が沖縄県80.8%で全国55.7%となっております。就園率については、3歳児・4歳児が全国平均を下回っておりますが、5歳児は全国一高い状況になっております。本県の公立幼稚園は、歴史的背景から義務教育に準ずるものと位置づけられ、就学前の1年間は幼稚園に入園するという認識が県民に受け継がれており、その期待も大きいものがあります。
特徴としましては、小学校に併設し校長が園長を兼任していることから幼小連携が充実していることや、5歳児の就園率が全国一高く、約80%が幼稚園教育を受け、幼児の健やかな成長や人材育成に大きな役割を果たしております。
次に、臨時職員の割合と推移についてお答えいたします。
沖縄県幼稚園教育の実態に関する調査によりますと、公立幼稚園における臨時的任用教員の推移については、平成19年度は教員714人中164人で23.0%、平成20年度は教員735人中173人で23.5%、平成21年度は教員712人中195人で27.4%、平成22年度は教員714人中206人で28.9%となっております。
次に、預かり保育の臨時職員の割合についてお答えいたします。
平成22年度の公立幼稚園における預かり保育の担当者は182人で、ほとんどが臨時職員と報告されております。
次に、預かり保育の実施状況等についてお答えいたします。
公立幼稚園における預かり保育を実施している園は、平成22年6月の調査によりますと、240園中149園で62.1%となっており、受け入れた園児数は4120人で、受け入れできなかった園児数は128人となっております。
次に、給食の実施と無料化についてお答えいたします。
幼児期は生涯にわたる人間形成の基礎を培い、基本的な生活習慣や望ましい食習慣を形成する上でも大切な時期であると認識しております。平成22年度、文部科学省の学校給食実施状況等調査によると、給食を実施している本県の公立幼稚園は22.5%となっております。幼稚園における給食の実施と無料化については、実施主体である市町村がその実情やニーズに応じて判断し実施するものと考えております。
県教育委員会としましては、幼稚園における給食の実施等について、市町村教育委員会と意見交換を行ってまいりたいと考えております。
次に、専門家の配置等についてお答えいたします。
現在、公立幼稚園への専門家の配置はされてないと市町村より報告を受けておりますが、必要に応じて市町村の保健師、教育相談員、民生児童員等と連携を図りながら、幼児の指導や子育てについて対応していると伺っております。幼稚園における児童心理士等の専門家の配置及び財政措置については、設置者である市町村と意見交換をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○総務部長(兼島 規) 指定管理者制度の運用に関する質問で、総務省通知の内容と県の対応についてお答えいたします。
総務省通知は、指定管理者との協定にリスク分担に関する事項をあらかじめ盛り込むことや、指定管理者の雇用・労働条件への適切な配慮など、制度導入後の留意すべき点8項目を列挙して改めて助言する内容となっております。通知を受け、県では、指定管理者に労働法令の遵守を喚起するとともに、「指定管理者制度に関する運用方針」に損害賠償責任保険の加入に関する事項を盛り込むなど、一層適切な運用が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○仲村 未央 それでは知事に伺いますが、まず3点目の「沖縄子ども特区」、「幼稚園特区」、これは私が命名したので、その名称の問題ではなくて中身の提案についてぜひ見解をお願いします。
昭和47年の沖縄県の児童相談所の復帰時の業務概要と分析という書物によると、こういうふうなことが書いてあります。20年余、国土を分断され異民族の統治下にあった。その間に拡大を余儀なくされた制度格差は児童福祉の分野で著しく、積極的な健全育成の面でも沖縄の児童は少ない機会しか与えられなかったというのが当時(復帰時)の児童相談所の中の書簡としても出てきています。
知事は、この間の一般質問の他の議員の答弁に対して、今の沖縄の振興の状況というのは他県に比べて立ちおくれた部分を探すのが難しくなっているというような認識をお示しになられたと思います。ただ、この児童福祉の分野においては、例えば従来からずっと議会で言われている待機率の問題、全国の1.26%に対して沖縄は5.1。沖縄において認可に通える子供たちの数が認可外と逆転したのは平成13年です。いわゆる第3次振計の最終年度、復帰後30年たって初めて子供たちの通える認可の数がようやく認可外と並んだというのが平成13年。今もってこの認可に通っている子供たちの割合は65.1%。全国はこれに対して92%の子供たちが認可園に通っているわけです、当たり前のようにですね。そして学童保育についても、公立が全国では83%、沖縄では7%、これだけの圧倒的な格差を持っているというこの状況について、これがどこに起因しているというふうに知事はお考えなのか。これは単なる沖縄県の行政の怠慢によって生じたことなのか、それともやはり特段の児童福祉の分野になお立ちおくれがあるということがほかに起因するものなのか、歴史的な影響があってのことなのかというどのような認識を持ってこの児童福祉行政に携わっていらっしゃるのかお尋ねいたします。
○福祉保健部長(奥村啓子) 保育所の整備につきましては、やはり復帰後、急速に整備されて、それまではやはりかなりの格差があったということで、復帰後、特別措置でかさ上げ措置もあって建設がかなり進んできておりますが、今だかつてやはり待機児童が多い。それと保育所が担えなかった部分を認可外保育施設が担ってきたという部分がありまして、それが急速に進んで認可外保育施設がふえてきたという実態がございます。
それから、幼稚園の5歳児保育の問題につきましては、これはやはり米軍施政下の影響、そういう歴史的な背景があったというふうに考えております。
それから、学童クラブの公設民営化につきましても、やはり公的なものよりも幼稚園児の5歳児の部分の放課後をどうするかというところから、やはり父母が主体となって学童クラブができてきた。そのために公的な施設ではなくて民間の施設でそれを担ってきたというそういう背景がございますので、そういう意味では米軍施政下にあった影響というのも大きいと思っております。ただ、保育所の整備に関しましては、復帰後かなり進んできて、そして一時期定員割れの時期がございまして、その間、保育所整備がちょっとおくれた部分もございますので、そういう意味ではすべてが米軍施政下の部分ということだけではないのかなとは思っております。
○仲村 未央 知事は特にコメントはありませんか。
できれば、これは私の新たな提案でもありますし、部長の答弁は、例えば新システムについても懸念される影響をお伺いしても、3カ月前も1年前も一文字も答弁は変わらないので、特に実務的な事務的な答弁というよりは、むしろ新たな振興策に向かっての知事の見解をぜひお示しいただければというふうに思いますが、いかがですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後3時2分休憩
午後3時3分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 議員の御提言は当然といえば当然ではあるんですが、今度の新しい法律をつくるに当たっては特に復帰して40年になんなんとするんですが、沖縄の歴史的な違い、それから環境、自然環境の違い、社会的な違いといいますか、北海道から鹿児島県までは何とか応用できても、沖縄に合いにくい、合わなかったというのが確かにあるんですよね。これは認可外保育園もそうですし、放課後児童クラブのようなものとか、ですからそういうものを束ねて、今度はぜひ一気に解決できるようにまとめていきたいというのも今度の法律を出すに当たっての大きな理由の一つになると考えております。
○仲村 未央 今、子供たちが置かれている現状で、沖縄の特徴を切り出してみてもこれは非常に顕著な特徴を持っていますよ。大人の環境が与える影響も、例えば失業率の高さ、所得の低さ、それから待機児童率の高さ、これはもうもちろんワーストです、学童保育の貧弱さ。例えば保育料が全国と比べて2倍以上と言われている。一番所得の低い県において一番高い保育料を払うということがどういうことをもたらすかというと、結局経済的に厳しい子は、午後の保育を必要としても学童保育に入れないということが実際上あるわけですよね。それから離婚率の高さも全国1位、DVの相談件数も全国比の2倍の1位なんですよね。少年犯罪においても教育長、これは先ほど県警のほうにも確認しましたが、やはり中学生の犯罪率、飲酒、こういったことの多さというのは、もう減るどころかやはり非常に深刻な状態を招いているわけですよね。こういった表出される子供たちの問題や、あるいは私たちが常に取り上げてきた発達障害や気になる子と言われるこういった児童・子供たちへの適切な早期の支援とか、その発見とか、そういった体制の確立というのがどこで、どのようになされるのかということを、今回、私は幼稚園ということの沖縄の特徴、歴史的な優位性、こういったものに見出すわけですね。就園率がまず全国一というのは先ほどの答弁でも出てきました。それから圧倒的に公立であって、敷地はその学校の中にあるということへの環境の優位性というのは非常に大きいと思います。安定しているわけです。そして、小学校単位でより身近な子供たちを地域で把握できるというこの集約制ですね。公立であるがために、保育園のときにはいろんな民間も含めていろいろあっちこっちに行っている、家庭保育もある、こういった状況の子供たちが沖縄では何と全国一高い比率で80%を超える子供たちが1カ所に集約をされてくるということは、これは全国からしてあり得ないことなんですよね。沖縄でしかない。こういった意味でここに多くの子供たちが集約されるメリットというものを、やっぱり早期のときにどう生かすかということに置きかえるならば、非常にここに戦略性を私は見るわけです。
それであえてその「幼稚園特区」というのはどうだろうということで提案なわけですが、その中で、例えば、今新システムによってなし崩し的に幼稚園と保育園を一緒くたにしようという議論がなされようとするときに、ここで沖縄に対するどんな影響が出ますかということは、福祉保健部からは全然その回答は誠実性を持って出てこないので、教育長、どう思いますか。今、幼稚園・保育園を維持しようとするときに、先ほどの答弁で保育所の職員は半分以上が臨時、教育長は答弁、あわせてお答えいただきたいんですが、先ほど私に答えた数字は、臨時職員の数は事務も含めて入っている数字ですよ。学級担任のものを出してくださいということでわざわざ詰めてあるのに、数字をごまかしてほしくないんですが、その学級担任の比率の中における幼稚園の先生たちの状況、こういう働き方の現状がある中で、今ですら財政難の中で今の幼稚園が維持できるかどうかという瀬戸際にあると思いますが、これによってむしろ今、幼保一体によってますますこの幼稚園の維持というのは困難になりませんか。そこの影響についてどのように考えているのかお尋ねいたします。
○教育長(金武正八郎) 今国のほうでそういう動きがあることは承知しておりますけれども、やはり国のほうとしてもいろんな形で保育園、それから幼稚園団体等からそういう問題を指摘されている中で動いております。
県教育委員会としましては、やっぱりこども園が入ってきたときには、これは本県の目指すアクションプランに基づいて今県は進めていますので、そういう進めていることについて大きな影響が出てくるものだと認識をしております。
先ほどの学級本務教員数に対する臨時教員の学級担任についてですけれども、377名の本務に対して学級担任が206名で28.8%になっております。
以上です。
○仲村 未央 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後3時10分休憩
午後3時11分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲村未央さん。
○仲村 未央 知事、ぜひこの提案を受けとめていただきたいんですが、例えば今、新システムで言われるときに直接契約になるんですね。そうなると、先ほどの学童と同じように、経済的に保育料を払えないということとの関係の中で、もしかしたら必要とする園児がそこに通えないという可能性を生み出すかもしれないわけです。これはもう実際学童で起こっていて、一番支援が必要な、言ってみればネグレクトという親が働きっ放しで午後も夜も子供たちしかいないというような家庭の子供が高い保育料を払えなくて、結局は言ってみればネグレクトの状態にあるということが、やっぱり追ってはいろんな非行やあるいはそういった典型的な例につながっているということはいろんな方が指摘しているわけですね。そういった影響というのは非常に沖縄県で大きくこれは予測されるというふうに私は思うんですが、これは福祉保健部のほうでは予測されないのか何なのか、絶対にこの見解は述べません。
それから、もう一つです。今、先ほど臨時の職員の状況を言いましたが、どのような働き方をしているかというと、日当で働いています。給料ではありません。臨時ですから、これはいわゆる日割りの計算なんです、掛ける何日。そうなると、土曜日・日曜日は計算されない。公休日も計算されない。例えば、6500円の日当で多くの幼稚園、保育園の手当があるとすると、大体平均そんなものです。高いところでも7000円。低いところで6000円。こういった状況の中で働いている教師の月給というかその報酬、これが大体十二、三万なんですね。これが全部手取りにならないということはわかりますよね。それから引かれるわけですから、大体10万前後の月収で先生たちは生計を立てざるを得ないという中で常勤的に働いているわけです。それが保育園の現場では半数以上がそういう働き方、幼稚園では35%を超える学級担任がそういう状況にある。これはもちろん市町村の任用ですから、市町村によっては月収のところもありますが、多くがいわゆる日雇いみたいな形で掛ける何日の報酬の取り方をしているわけですね。こういった中で本当に大事な学齢の子供たち―5歳児・6歳児という中で教育環境にあるということが非常に今、財政問題と絡んで不安になっているわけです。
例えば、学校の一般的な小・中・高の先生のように国庫の裏づけが弱いわけですね。あれは義務的ないわゆる何分の一負担ということで厳密に来ますから、財政状況に応じて先生の給与が安くなるとかそういうことはあり得ないんですが、結局は市町村財政の影響を直接的に今、幼稚園や保育園の働く現場でも財政的な事情がしわ寄せをして、先ほどの比率を答弁いただいたように、その非正規の雇用のあり方の中でどちらもそれが上がってきているわけです。ですので、やはりこういった課題を一つ一つ沖縄振興の中で徹底的に要求していくということが非常に大事だと思いますが、ただ、今、現場の担当の職員が内閣府にどんどんヒアリングで行っていますよね。何で沖縄だけですかと言われた。冒頭に知事にも伺いました。これは沖縄県の行政の怠慢ですか、それとも歴史的にそういった背景があってこうなっているんですかということについて、行っているその担当の職員に対して、今、知事が行かせている職員は説明をし切れないんですよ。それでそのまま言われて帰ってきて、なかなか厳しいですねという話になっているわけですね。これについて知事、いかがですか。本当に沖縄の現状を改善するという沖縄振興にのせていこうというときに、このような今、現場の内閣府とのやりとりで、既にもうそれが非常に厳しいです。何で沖縄かということを聞かれたら、何も言えませんみたいなことを、職員が今、実際に言っているというこの状況について、新しい沖縄振興どうなるんだろうというふうに心配ですが、いかがですか。
○企画部長(川上好久) 今、全体の法律、総括している立場でお答えいたしますけれども、昨年の12月27日に政策協議会の中で、県は45の制度の要望をしております。それに関して現在1月、2月にかけて国のほうと事務調整をやっているわけでございますけれども、その中でいろんな議論は出てくるものと思います。ただ、今回、県が提示をした45の制度というのは、これまでのビジョン、そしてまた総点検の議論、課題を整理をする中で、沖縄県として今後の沖縄振興に必要なものとして提示をしているものでありまして、それはどういうふうなものから必要なのかというのは、まさにこの沖縄の持つ歴史的あるいはまた自然的・地理的諸事情の中で出てくる国の責務としてやっていただきたいというふうなものを例示をしております。
今議論になっております保育所の話だとか、あるいはまた産業関係ではこの間、2年ほどエコポイントの問題がございました。リーマンショック以降、景気対策として1兆2000億円ぐらい投下されたわけですけれども、このことは、例えば全国の製造業、自動車とか電子パーツとかそういうところにすごく効果があったわけです。ところが、それは全く沖縄には効果がない。そういうふうなものの事象を一つ一つ取り上げながら説明しております。
今の子供の話も全国では今や少子・高齢化というふうな流れの中で、もちろん少子化説もありますけれども、高齢化対策も非常に重要な問題になっている。沖縄というのは全国14歳以下の割合が全国では13%、沖縄は18%という中で、どうしてもそういう意味での財源の対策とかそういうふうなのは厳しいと。そういうふうなところを国のほうに説明をしていくというふうな形になっております。そういう意味ではこれから後、さまざまな理論・理屈を整理をしながら、各部局とも国と調整をしていくことになろうかというふうに思っております。
○仲村 未央 財源が厳しいということの中で、なぜ沖縄かということをヒアリングの段階で明快に説明できないというのは決定的に交渉力のなさなんですね。これを今、各部署がそれぞれ行って、みんなそれぞれ個々に言われて帰ってきているというのを私たちは皆さんの職員からよく聞くわけです。うまくいかないです、なかなか厳しいですと。その調整の結果が集約されて、もし一括交付金の積み上げの額に影響するのであれば、今、知事が求める2000億なのか3000億なのか、そういったものを積み上げてきたときに、もう骨抜きにされて、10年前の沖縄振興のあのやりとりと、今、県が主体的にその制度や政策を求めていこうというやりとりと一体何が変わったのかなというのがよくわかりません。
そういう意味で今回の幼稚園の中での試算で、例えば給食で言えば5億2000万、あるいはソーシャルワーカーなどを常駐させるということであれば、これは4億5000万、こういった額を私は試算をしてもらいましたが、具体的に数値も目標も持って強い交渉でいかなければ、到底今の沖縄振興というのは新しい沖縄振興という姿が見えてこないというふうに思うんですが、知事いかがですか。
○知事(仲井眞弘多) まことに恐縮ですが、国と毎年の予算のやりとりであれ、制度をつくる・つくらないであれ、10年に一遍のやりとりであれ、議員のおっしゃるやりとりは必ずあるわけです。これは日本復帰時代にもあったし、私が20年前副知事でいた、あれは3回目でしたか、ですからこれをしっかりやれと、きょうのお話はしっかり勉強しろという叱咤激励だろうというふうには受けとめますが、それを今、往復する議論、勝ったり負けたりしながら、これはやりとりしながら最後に収れんしていくものであって、初めから断トツに勝つというのはなかなかこれは沖縄では我々の歴史から見ると当然のように思えるんですが、ヤマトに行ったときになかなかそうはいかないというのもある意味で当然で、これは根気も必要ですし、よく勉強しながらやりとりに応じて我々は対応していくということでずっと何十年もやってきていますから、これはいろいろ御指導と御指摘はいただきますが、今これについて余りに悲観的な予想をされるのはいかがなものかと思いますよ。しっかりやりますけどね。
○仲村 未央 それでは普天間の県外移設の課題について、その課題と見通しを伺いますということだったんですが、まず県外移設を知事が事実上不可能ではないかということをみずからの所信の中で述べていらっしゃいますが、この事実上不可能ではないかということなんですけれども、もともと知事が知事選挙で「心をひとつ」にして県外移設を求めようと、全国民に負担を分かち合えということを声高におっしゃって、そのことによって負託を得たということを見れば、客観情勢としてその不可能ではないかという遠慮がちな言い方ではなくて、むしろ知事の今の当選自体が不可能にしたと。知事自身がまさに当選をしたことによって、それを不可能に至らせたということの積極的な見解をもうちょっと述べてもいいと思うんですよ。その点についていかがですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後3時22分休憩
午後3時22分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 仲村議員の言うとおりに表現が同じかどうかは別ですが、私も事実上これは不可能だということで選挙もやり、そしていろいろ各大臣、総理も含めいろいろ申し上げているつもりですが。
○仲村 未央 そうですね、知事自身がその県外移設をむしろ強く、もっと名護市以上に補強をしたと。そして県内移設がもはや不可能だということは、むしろ知事自身の存在が担保しているというふうに県民は見ているわけです。それは知事がそれを知事選挙で公約にしたから、そして知事が知事である間、やはりそれはしっかりと事実上不可能ということを知事が証明をする一番の先頭に立っている存在だというふうに思うわけですね。
それで、知事は、うちの会派の崎山議員に対しても、また渡嘉敷議員に対しても、海兵隊の抑止力はあるというふうに認識を示されましたが、これは在沖海兵隊について述べたものですか。それとも米軍の全体のことを言っているのか。在沖海兵隊の抑止力はあるんだということをおっしゃったのか、もう一度確認をお願いいたします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後3時24分休憩
午後3時24分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今、仲村議員の区分によってどう違うかの予測がつかないんですが、私は軍隊一般論として海兵隊も米軍の軍隊の一部を構成しているとすれば――していますから――当然のこととして抑止力は持っていると、こういう意味でございます。
○仲村 未央 じゃ、在沖海兵隊については抑止力があるというふうにお考えですか。
○知事(仲井眞弘多) ですから、今、私が申し上げたことが私の理解ですから、在沖海兵隊も抑止力と称するものは持っているに違いないと思いますが。
○仲村 未央 これは去る鳩山前総理の発言と全く同じなんですね。陸・海・空軍のすべてが連関している中で、米軍自身が十分な機能を果たせないという意味で抑止力ということになると。これは鳩山総理と今の知事の見解は同じですか。
○知事(仲井眞弘多) これは私は拓殖大学の森本先生とか、あと何人かの先生の本からの実は理解なんですが、抑止力が軍事的な抑止力であるとすれば、当然これは軍事力、つまり米軍で言えばこの4軍が最も直截の軍事力ですから、そのそれぞれが抑止力的な効果は当然のこととして持っているだろうと、こういうことで私もそうだろうと思いますよ。ですから、それは在沖だろうとどこだろうと海兵隊が米軍の4軍の一部を構成している以上、抑止力というのを持っているに違いないと私は思っているんですが。
○仲村 未央 それでは鳩山前総理の発言を遺憾とする理由というのは何でしょうか。つまり、全く今同じ理由で鳩山前総理もそういう意味で抑止力があるというふうにおっしゃっているわけですね。今、知事の述べた見解と同質のことによって抑止力はあるといえばあるということをおっしゃったわけですよ。これについて、知事は鳩山前総理の発言は遺憾だというふうに言うわけですが、特に今の部分の抑止力があるかないかについては、認識は一致しているというふうに考えていいんでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後3時28分休憩
午後3時28分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 仲村議員の論理がどこへ展開していくかの予測がちょっとつきにくいから答弁しにくいんですが、ただし、その鳩山前総理と同じですかと聞かれても、私はあのインタビュー記事を克明に読んでいません。ですが、「方便」議論については遺憾だと私は申し上げましたよ。
以上です。
○仲村 未央 当時の政府自身ですら説明もできなかった抑止力、これについて知事が海兵隊は抑止力はあると明言される根拠は何ですか。
○知事(仲井眞弘多) あなたがおっしゃる政府というのはだれを、どういう組織を指して、どういう人物を指しておっしゃるのか。政府が規定できなかったと抑止力という言葉は常識の言葉としてもあるんですよ。軍事的な専門的な概念としてもあるかもしれない。しかし、通常、抑止力というのは何も軍事だけで使われていることじゃありません。この言葉が持つ意味というのは非常に大きな概念もあるし、経済も入ってきたりいろんなものが入っているものであって、何もあるたった一つのために使われる限定的な数学のようなあれじゃありません。ですからいろんな形で私が抑止力の解釈なり理解を申し上げるということは、何も政府が言わなくたってやりますよ、無論。
○仲村 未央 沖縄に基地を回帰させた最も最大の理由が抑止力の維持ということを政府は言っているわけです。だから辺野古に回帰したわけでしょう。その抑止力に対して、いわゆる知事が今、根拠も示し切れない、政府もそれが説明できない、だから知事は常々説明をしなさい、納得がいかないと求めてきたわけですよね。それについて、じゃ、なぜ同調できるのか。それを安易に同調することが一体知事の県外移設という公約を実現させるために何の貢献もしないわけですよ。むしろ日米合意の抑止力の維持にお墨つきを与えるような、知事みずから抑止力ありますということの根拠も言えないのに断言するということはおかしくないですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後3時30分休憩
午後3時30分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲村未央さん。
○仲村 未央 まず、抑止力を疑わないということ自体が、沖縄に本当にそこにある意味があるのかということを引き出せる可能性がある発言でも、知事はそれを疑問を持たずにそのまま同調しちゃっていることは、これはやはり結果として、その日米合意そのものをむしろ補強するという役割を知事のメッセージによって発しているに等しいというふうに思います。今の件についていかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) どうも議員のおっしゃる論理が少しわかりにくいんですが、想像してお答えしますと、まず抑止力という言葉と抑止力、軍隊だとか、国と国との間の力関係で使われる言葉としては昔からあるわけですよ。ですから沖縄にいる米軍というのが4軍であれ1軍であれ抑止力的なものは持っているに違いないというのは当然じゃありませんか。ですから悪くとも県外にと言った民主党の選挙公約のときに当然これは抑止力というのは予想してやったはずなのに、一たん県外にと言っていながらもとへまた今度戻ってきて、辺野古へ戻るときの言葉に抑止力という言葉を使うこと自身、おかしいんじゃないかと言っているんです。だって、それはだれでも予測してもとからあった言葉ですから。さらにこれが「方便」だというところに問題があるんであって、抑止力がどうかという議論ではありませんよ、これは。
○仲村 未央 ありがとうございました。
○議長(髙嶺善伸) 20分間休憩いたします。
午後3時32分休憩
午後3時57分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
渡久地 修君。
〔渡久地 修君登壇〕
○渡久地 修 日本共産党の渡久地修です。
1、基地のない沖縄を目指すことについて質問します。
(1)、日本共産党は、「海兵隊は日本を守る軍隊でもなく、抑止力でもない侵略の軍隊である」、「アメリカ本国では存在自体が許されない危険な基地」、「米軍が沖縄・日本に駐留する理由は、思いやり予算など駐留経費の70%から80%を日本政府が出すなど、アメリカ本国に配備するより安上がりだからである」と毎議会のように指摘し続けてきました。皮肉にも、鳩山前首相の「抑止力は方便だった」、「米国は沖縄がパラダイス」などの発言によってその指摘が裏づけられたことになりました。知事の認識を問うものです。戦後65年の対米従属からもういいかげんに脱するべきだと思うが、知事の認識を問うものです。
(1)、知事は、海兵隊が沖縄に配備された理由をどう認識しているのでしょうか。
(2)、「海兵隊は冷戦の遺物、沖縄に必要ない」と米国の議員らも多くが指摘し、「本国に引き揚げるべきだ」としています。本来なら、沖縄の県知事こそそういうことを言い続けるべきだと思うが、知事は海兵隊の沖縄からの撤退を求めるべきではないでしょうか。
(3)、沖縄防衛局は東村高江での海兵隊のヘリパッドの建設を強行し、住民らにけが人も出ています。「県・県知事の理解を得ている」と言い張り、工事強行の最大の口実にしています。知事の責任が問われています。知事は直ちに工事中止を求めるべきではないでしょうか。
(4)、米軍機による爆音について那覇、首里、浦添、西原などでも減るどころか激しくなっています。2009年6月議会で、測定器の設置と爆音110番の設置を求めてきましたがどう対処したのか。また、「県としては、住宅上空、学校上空は飛行禁止する」と米軍に通告すべきではないでしょうか。いつまで傍若無人を許すのですか。
(5)、基地問題解決へ日本国民、アメリカ国民、世界の人々に直接訴えることについて、県と県議会が一体となって、新聞広告、テレビコマーシャル、チラシの作成、インターネットの活用などを昨年の12月議会で提起しました。その気になればすぐにできるものもありますが、具体化して実施したものと、これからの計画について伺います。
2、次期振興計画について。
これまでの振興計画で、県民の暮らしがなかなか向上しない大きな原因に、米軍基地の存在を前提にしてきたこと、振興予算の本土への還流する仕組みがつくられてきたこと、高度成長型の重厚長大産業を目指した本土企業誘致頼みで、沖縄の農林水産業や地場産業、地元企業育成を後回しにしてきたことなどが挙げられると思いますが、知事の認識を伺います。
(2)、米軍基地が沖縄経済発展の阻害要因であることは県民一致した認識になっています。新しい振興計画では正面からこの阻害要因である米軍基地を取り除くことを大きな目標にすべきです。
(3)、第1次産業を初め地場産業、地元企業を育成し、沖縄への振興予算が沖縄域内で還流、蓄積する制度・仕組みを構築、工夫することにあらゆる知恵を結集することが求められているのではないでしょうか。
3、企業誘致の補助金のあり方を改めることについて。
現在の国・県・市の補助金のあり方では、非正規雇用はふえても正規雇用につながっていない実態をどう認識しているか。京都府のように補助金のあり方を新たな正規雇用者を雇うことに対して行うことに改めるべきであります。
4、公営団地の建設について。
低所得者の多いこの沖縄では公営住宅への入居希望者が多いにもかかわらず圧倒的に不足しています。公営住宅の新築・増設、「民間アパート、マンションの借り上げての公営住宅」としての活用、「民間住宅に入居する低所得者層への家賃補助」などを行うべきです。
5、特別支援学校の分離校の建設と通園バスの増車について。
大平特別支援学校の過大校解消のための分離校建設と、高等特別支援学校を那覇地域に増設することが必要です。また、長時間通学を解消するための通園バスの増車が必要ではないでしょうか。
6、ウイルソン病患者の医療費の県の助成について、8万人近くの署名が集まり、県に助成を求める意見書も県議会で全会一致で採択されました。知事は助成に踏み出すべきです。
7、首里城地下の旧日本軍32軍司令部壕について。
悲惨な沖縄戦の実相を正しく後世に伝えるためにも戦争遺跡として文化財指定し、保存・公開すべきであると何度か取り上げてきました。文化財指定を急ぎ、説明板、案内板の設置、第5抗口の入り口などの部分公開はすぐにでもできることではないでしょうか、見解を伺います。
真嘉比川の浸水対策のため、松川の県道29号線にかかるボックスカルバートの拡幅、河川の改修は早期に行うべきです。
最後に、我が党の代表質問との関連について、中学校卒業までの入院費無料化について質問します。
2009年度から実施した那覇市の1年間の実績を見ると、県の助成以外の市独自の上乗せ分は、216件で840万円となっています。これをもとに全県で実施した場合を試算すると、県の半額負担分は2000万円以内ではないでしょうか。新年度から早期に実施すべきです。知事の見解を伺います。
○知事(仲井眞弘多) 渡久地修議員の質問に答弁させていただきます。
まず第1に、基地のない沖縄を目指すという御質問の中で、東村高江ヘリパッドについての御質問にお答えいたします。
北部訓練場のヘリパッドにつきましては、SACO最終報告において、同訓練場の過半を返還することに伴い残余部分に移設されるものであります。
県としましては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識いたしております。県としましては、随時、現地に職員を派遣し、状況の確認を行っており、改めて去る2月14日、国においては、市町村の意向等も踏まえ、地域住民の生活や当該地域の自然環境に十分配慮し、安全に万全を期すよう、申し入れを行ったところであります。政府に対し、無条件に理解を示したことは無論ありません。 今後とも、東村や高江区の意向を尊重し、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、土木行政に係る御質問の中で、真嘉比川の改修についての御質問にお答えいたします。
真嘉比川の浸水被害の早期解消を図るため、県道29号線にかかるボックスカルバート及び河川護岸について、平成23年度に実施設計を予定しております。
改修工事につきましては、那覇市道取りつけに伴う県道29号線交差点改良工事とあわせて行うことから、那覇市と連携をし早期に工事着手できるよう取り組んでまいる所存でございます。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 基地のない沖縄を目指すことについての御質問の中で、海兵隊の認識についてお答えいたします。
海兵隊を含む米軍は、日米安全保障条約に基づき駐留するものであり、県としては、戦後の日本が国際紛争に巻き込まれることもなく、経済が発展してきていることや平和な国民生活を享受してこられたのは、日米安全保障体制を含む日米同盟関係が我が国及び東アジアにおける国際の平和と安定の維持に寄与していることによるものと理解しております。しかしながら、今後も、日米安全保障体制が安定的に維持されるためには、沖縄の社会的安定が必要であり、そのためには沖縄県の過重な基地負担の軽減を図ることが極めて重要であると考えております。
米軍再編で示された海兵隊司令部及び約8000名の海兵隊将校・兵員のグアム移転と、それに伴う嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の整理・統合・縮小等は、県民の要望している在沖米軍兵力の削減及び米軍基地の整理縮小につながるものであり、確実な実施がなされる必要があると考えております。
次に、海兵隊の配備理由についてお答えいたします。
在沖海兵隊については、1950年代の本土における米軍基地の整理縮小の流れを受けて、沖縄への海兵隊の移駐が進み、それが今日の沖縄の海兵隊を形成したとされております。
次に、海兵隊の撤退についての御質問にお答えいたします。
県は、これまで日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減等による沖縄県の過重な基地負担の軽減を求めてきております。とりわけ海兵隊については、構成員が最も多いことから、その削減に最優先に取り組む必要があると考えており、その要請をしておるところでございます。
次に、爆音110番の設置と、住宅や学校上空の飛行禁止を通告することについてお答えいたします。
御質問の爆音110番については、基地を提供している国の責任において、実態を把握できるような仕組みをつくるべきであると考えており、渉外知事会を通じ、米軍航空機の飛行に関する事前情報や騒音に関するデータを公表すること、航空機騒音に関する苦情処理制度の充実などを国に対し求めているところであります。県は、従前から、航空機騒音規制措置の厳格な運用などを求めているところであり、昨年9月、住宅地上空の飛行を回避するよう、米軍及び日米両政府に対し求めたところであります。
県としましては、今後ともあらゆる機会を通じ、航空機騒音の軽減を日米両政府に対して粘り強く働きかけていきたいと考えております。
次に、基地問題を広く訴えることについてお答えいたします。
県においては、これまでホームページや毎年発行する統計資料集、5年ごとに発行している沖縄の米軍基地、広報課の電光掲示板の活用など、さまざまな情報発信を行ってまいりました。
沖縄の過重な米軍基地負担の軽減を図るためには、沖縄県の実情に関する情報発信をさらに充実強化する必要があると認識しております。
議員御提言の内容については、今後、総合的安全保障研究推進事業を進める中で、効果的な世論喚起を行う観点から検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 基地のない沖縄を目指すことについての御質問の中で、那覇市等への騒音測定器の設置についてお答えいたします。
県では、昭和63年に嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺について「航空機騒音に係る環境基準の類型指定」を行い、関係市町と連携して、類型指定地域内の24測定局で航空機騒音の常時監視・測定を実施してきております。こうした中、外来機の移駐などにより、類型指定地域外からも航空機騒音に関する苦情が増加傾向にあることから、平成23年度にうるま市から那覇市にかけて広範囲に、米軍機による航空機騒音影響地域の実態調査を行うものであります。
常時監視測定器の設置については、23年度から実施する実態調査に基づき、那覇市など関係市町村との連携について協議していきたいと考えております。
次に、首里城地下の旧日本軍32軍司令部壕についての御質問の中で、32軍壕の説明板等の設置及び第5抗口の部分公開についてお答えいたします。
現在、第32軍司令部壕を平和教育、学習の場として活用するため、第1抗口付近へ説明板の設置を検討しており、平成23年度予算として215万3000円を計上しております。第5抗口の部分公開については、坑口付近が急傾斜地に位置し、道路との高低差が大きいことなどの問題があることから、抗口の公開は厳しい状況にあると考えております。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 次期振興計画についての御質問の中で、振興計画と県民の暮らしの向上についてお答えいたします。
3次にわたる沖縄振興開発計画や沖縄振興計画により、基本的な社会資本整備は着実に進み、本土との格差は縮小し、県民の暮らしは総体として向上してきております。また、これまで民間主導の自立型経済の構築に向けて、観光・リゾート産業など県経済を牽引する発展可能性の高い産業領域を戦略的に振興するだけでなく、県経済を支える農林水産業や製造業を初めとする地域産業の振興も積極的に行っているところです。
21世紀ビジョンの実現に向けた新たな計画においても地域産業の振興を大きな柱として位置づけてまいります。
次に、基地のない沖縄を目指すべきについての御質問にお答えいたします。
「沖縄21世紀ビジョン」については、県民の多くの声を酌み上げるとともに、県振興審議会での審議や県議会において活発な議論をいただき、基地に関する意見等を含め、多くの意見をビジョンに反映してきたところです。このため、ビジョンの実現に向けた新たな計画についても、県民の幅広い意見等を集約し、計画策定の中で議論を深めてまいりたいと考えております。
次に、同じく次期振興計画に関連をして、振興予算が域内で流通、蓄積する制度・仕組みの構築についてお答えいたします。
沖縄振興予算として財政移転された資金を域内で流通、蓄積させるためには、公共工事を受注する建設業や原材料を供給する製造業などの地域産業を活性化し、雇用の創出や所得の増加等を通じた持続可能な好循環を構築することが重要だと考えております。このため新たな計画においては、地域産業の振興を大きな柱として位置づけ、中小企業等への支援を強化していきたいと考えております。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 企業誘致の補助金のあり方を改めることについての御質問の中の、雇用の実態と補助金のあり方についての御質問にお答えします。
沖縄県に進出した情報通信関連産業の202社に対して平成22年1月1日時点の状況についてアンケート調査した結果、各就業形態の比率は、正社員28.1%、契約社員36%、派遣・パート35.9%となっております。
情報通信関連産業は、ソフト開発やコールセンターなどさまざまな業務形態があり、技術や知識の蓄積が求められる業務において正社員の割合が高くなる傾向にあります。
正規雇用化を促進する補助事業としては、「新通信コスト低減化支援事業」を実施しておりますが、利用条件として20名以上の常用労働者の雇用とその中に正社員を含むことを義務づけております。また、昨今の厳しい雇用情勢を踏まえ、国においても、正規雇用への転換を推進するため、年長フリーターや30代後半の不安定就労者の正規雇用を促進する「若年者等正規雇用化特別奨励金」や企業の正規雇用転換制度等の導入を促進する「中小企業雇用安定化奨励金」の拡充などの取り組みを行っております。
県としては、これらの制度の活用を図り正規雇用の拡大に努めてまいります。
以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 公営団地の建設についての御質問で、公営団地の新築や民間アパートの活用等についてお答えいたします。
公営住宅の整備は、これまで「住宅建設5カ年計画」、「住生活基本計画」及び「沖縄県公共賃貸住宅ストック総合活用計画」に基づき、公営住宅の新築、増設、建てかえや民間が運営する高齢者向け優良賃貸住宅等の公的賃貸住宅の家賃補助などを進めてきたところであります。しかしながら、本県は、公営住宅を必要とする低所得者世帯の全世帯に対する割合が全国の約2.2倍となっており、公営住宅に対する需要は高いものがあります。
今後は、平成23年度に見直しすることとしている「沖縄県住生活基本計画」においてこれまでの公営住宅の整備や家賃補助に加え、新たに借り上げ公営住宅等を検討していきたいと考えております。
以上であります。
○教育長(金武正八郎) それでは特別支援学校の分離校の建設と通園バスの増車についての御質問で、特別支援学校の分離校建設等についてお答えいたします。
大平特別支援学校の過密対策につきましては、校舎の増築や通学区域の見直し、高等学校への分教室設置などにより解消を図っているところであります。
高等特別支援学校の那覇地域への新設につきましては、今後の生徒数の推移やそれに基づいた必要性を検証し、平成24年度からの次期編成整備計画の策定において検討してまいりたいと考えております。また、大平特別支援学校のスクールバスにつきましては、次年度の児童生徒の数や障害の実態、スクールバス利用希望者等を見きわめた上で対応を検討してまいります。
なお、長時間通学については、他の特別支援学校でも同様な状況にあり、次期編成整備計画の策定において解消に向けて検討してまいりたいと考えております。
次に、首里城地下の旧日本軍32軍司令部壕についての御質問で、文化財指定についてお答えいたします。
第32軍司令部壕は、沖縄戦を指揮・監督した軍事的中枢施設であり、重要な戦争遺跡であることから、その保存を図り、後世に継承することは重要なことであります。現在、落盤や酸素濃度などの危険な状況にあることから、安全面からの配慮により立ち入りが制限されており、詳細な調査による現状把握が困難な状況であります。
県立埋蔵文化財センターにおいては、平成22年度から5カ年計画で主要な戦争遺跡の確認調査を実施し、文化財指定に向けて取り組んでいるところであります。その一つとして第32軍司令部壕についても検討を重ねているところであります。
県教育委員会としましては、第32軍司令部壕の文化財指定に向けて、市町村教育委員会と連携を図りながら取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) ウイルソン病患者への医療費助成についてお答えします。
ウイルソン病は、小児慢性特定疾患治療研究事業の対象疾患となっており、20歳未満では医療費の助成が受けられます。県内では、現在2名の方が医療費の助成を受けております。
県としては、特定疾患以外の慢性疾患患者等の医療費の自己負担については、高額療養費制度の自己負担限度額の引き下げなど、医療保険制度の見直し等により負担軽減を図る仕組みづくりを国に要望してまいりたいと考えております。
次に、我が党の代表質問との関連について、乳幼児医療費助成事業における入院を中学校まで拡大することについてお答えします。
乳幼児医療費助成事業の対象年齢の拡大については、県財政や他の医療費助成制度とのバランス、市町村の意向等を踏まえ、対象年齢や給付方法、所得制限、一部負担金等の助成要件を総合的に検討してまいります。
以上でございます。
○渡久地 修 まずですね、知事、日本国民とアメリカ国民に直接訴えるという意見広告などの問題について検討するということでぜひやっていただきたいんですが、この時期ですけれども、菅首相が5月か6月に訪米して日米首脳会談をやるという報道がありますね。ですから、前みたいに鳩山首相が行ってきて日米合意発表してからそれでやるというのでは後手後手になるので、知事もこの議会で、アメリカに対する正確な情報が伝わってないと、あるいは間違った情報が逆に伝わっていることもあると思うんですよね。報道では、仲井眞知事はいずれこの県内移設に賛成するだろうという報道もあったりするわけですから。そういう意味で、間違った情報が逆に伝えられているという面もあるので、私はこの訪米前にきちんと沖縄側の正確な実態と情報をやる意味で、本土の新聞とアメリカの新聞に県と県議会共同の意見広告を訪米前にきちんとやるということは大事だと思いますけれども、知事いかがでしょう。
○知事(仲井眞弘多) そこまでまだ具体的に考えておりませんが、御提案として受けとめさせてください。
○渡久地 修 ぜひやっていただきたいと思います。
次に、公営団地について質問します。
公営住宅法というのがあります。「第1条 この法律は、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする。」というふうに書いています。
それで伺いますけれども、部長、沖縄で年収200万円以下の世帯数、割合、全国平均との比較、そして全国低所得者の多い3県についてお聞かせください。
そして沖縄の持ち家率というのは幾らでしょうか。
○土木建築部長(仲田文昭) 年収が200万円未満の世帯数でありますけれども、沖縄県が19万9600世帯になっております。それから200万円未満の世帯に対する割合でございますが、沖縄県が39.6%、全国は17.6%。それから全国で割合が高い県、上位3県でございますが、1位が沖縄県、それから2位が鹿児島県、3位が高知県。
それから全世帯に対する割合、持ち家率というんですか、それについては沖縄県は50.2%であります。
○渡久地 修 いわゆる200万円以下の世帯が沖縄は全国の平均の2.2倍ということでありますけれども、この200万円以下の世帯数に占める公営住宅の整備率、全国平均比、そして低所得者の多い九州3県の整備率は幾らか、そして一番高い県の整備率というのは幾らでしょうか。
○土木建築部長(仲田文昭) 年間収入200万円未満世帯に1世帯当たりの公営住宅の数を沖縄県0.15、それが全国が0.25になっています。それから全国との比較でいいますと、沖縄が1.7倍になるということでございます。
それから九州での200万円未満世帯の割合が高い県ですが、さっき言いました1位は沖縄県、2位は鹿児島、3位が宮崎県で、全国で整備率が高い県が愛知県でございまして、0.4となっております。
○渡久地 修 議長、ちょっと休憩。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時30分休憩
午後4時30分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
渡久地 修君。
○渡久地 修 次に、この県営住宅の申し込み数と倍率、そして最も高い団地の場合の倍率は幾らか。全国平均にまで整備率をやるとするとあと何戸不足している計算になりますか。
○土木建築部長(仲田文昭) 県内の住宅の応募の倍率でございますが、平成20年度の11.4倍、それから21年度に14.4倍、22年度は16.3倍、それから最も倍率の高い県営団地は県営古波蔵第3団地――これは那覇市にありますけれども――これが134.5倍。それから200万円未満世帯の整備率を全国整備率にするために、あと約2万世帯、2万戸の戸数が必要となっております。
○渡久地 修 次に、この公営住宅には買い取り住宅、借り上げ住宅というのがあると思うんですけれども、県内でのこの買い取り、借り上げ住宅は幾らあるか、全国の状況と比較してどうなのか教えてください。
○土木建築部長(仲田文昭) 沖縄県の買い取り、借り上げによる公営住宅はございません。
全国の買い取り、借り上げの公営住宅数でございますが、平成20年度ですが、買い取り公営住宅が4334戸、それから借り上げ公営住宅が2万2678戸となっております。
○渡久地 修 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時31分休憩
午後4時31分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○渡久地 修 知事にお尋ねします。
今のやり取りをグラフにしてみました。(資料を掲示) 青いのが200万円未満の世帯率です。沖縄は39.6%で全国一高い低所得者の多いところになっています。2位が鹿児島ですね、33.6。次が高知。宮崎は4番目になっています。この低所得者層に対する整備率というのは沖縄14.7%、全国平均の58%なんですよ。58%の整備。これを見てください、鹿児島は2番目に低所得者は多いんだけれども、整備率は頑張っているんですよ、宮崎も頑張っている。沖縄は58%ということで非常に低いというのがわかります。先ほど答弁があった2万戸というのがあります。そして公営住宅法の第3条に「地方公共団体は、常にその区域内の住宅事情に留意し、低額所得者の住宅不足を緩和するため必要があると認めるときは、公営住宅の供給を行わなければならない。」ということを義務づけているんですよね。
そういう意味でこの振興計画でやっぱりこの分野は私は非常におくれた分野になっているんじゃないかなと、これは事実だと思うんですよね。ですから、次の10カ年間の振興計画にきちんと私は位置づけて整備することが求められていると思いますので、知事の決意をお聞かせください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時33分休憩
午後4時33分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 渡久地議員の御指摘のとおり、確かに今おっしゃった状況ですから、これは今度また力を入れて計画をつくってやっていきたいと考えています。
○渡久地 修 2万戸不足しているということがあって、私たち議員のところに公営住宅にぜひ入れてくださいという相談がとても多いんですよ。そういう意味ではぜひこの整備に力を入れてやっていただきたいと思います。
次に、振興計画についてお尋ねしますけれども、上原副知事、振興計画これまで3次、4次とかかわってきていますけれども、これまで約10兆円投入されてきました。しかし、失業率全国の2倍、所得は全国の7割というのが言われている中で、やはり私は特に本土に還流する仕組みというのをいかに食いとめて沖縄域内にそれがとどまって沖縄の企業を育成し、産業を育成していくのに使われるようにどうするかというのが今とても大事だと思うんですけれども、その辺、副知事の見解をお尋ねしたいと思います。
○副知事(上原良幸) これまでに10兆円ということですけれども、主にハードを中心にしてやってきました。社会資本整備、生産基盤整備やってきましたけれども、問題はその整備された基盤を使ってどういうふうに経済活動を展開していくかということが問われてきていると思いますし、それからソフト面といいますか、維持管理がこれからどんどんどんどん出てきます。ですから、具体的な事例として出しますと、10億円かけて余り人の通らない道をつくるより、1億円をかけてそこの維持管理といいますか、例えば中央分離帯の花といいますか、草木を例えば春、夏、秋、冬それを植えかえるとか、そのことによって人件費が主な事業費になりますので、要するに沖縄に金を回すだけじゃなくて、沖縄で金を回すという意味ではそういうこれからソフト面も含めてあと制度面、今まで整備された基盤を使ったいろんな活動のための、事業活動のための制度的なものをこれから充実させていく必要があるのではないかというふうに考えています。
○渡久地 修 企画部長、お尋ねしますけれども、元沖縄総合事務局調整官の宮田裕さん――結構お名前、有名だと思うんですけれども――この人がこれまでの振興計画で、公共事業50%、県外企業が受注して予算が本土に還流するざる経済が構築されたというふうに書いて、「2007年度沖縄県財政の決算によれば、歳入総額に占める地方税収入の割合は19.9%で、全国都道府県平均の33.3%に比べて極端に低い。その原因は、沖縄への財政投資が県外に還流し、資金循環効果に乏しく民間経済を誘発していない仕組みになっているからである。」というふうに述べていますけれども、いろいろなところで50%が県外に還流しているということが書かれていますけれども、この50%還流したのが例えばこれが80%県内に落ちるのが50%だったのが80%にもし確保したらどうなっていたかというのをお願いしてありますけれども、試算、経済効果、雇用効果どうなったかお示しください。
○企画部長(川上好久) 今の議員のお話は、公共事業の支出額、一定の公共事業の支出額でこの経済波及効果はどれだけかというふうな試算の話だったと思うんですけれども、この県外発注との関係ではなかったと思います。今のそのお話の趣旨について考え方の整理をするというんであれば、まず公共事業において投下されたこの資金、これが県外に漏出する、要するに域内に還流しないというふうなことのこの考え方は2つその原因としては考えられるわけです。1つは、原材料を県外から調達することによる資金漏出が一つあると。あと、2つ目は、県外資本企業がその沖縄県内で得た利益を県外のこの本社等に還流するというふうなことも考えられます。
そういう意味では、今のこの80%というふうな数字はそのことが示せるかどうかちょっと心もとないんですけれども、事前に議員のほうからお話ししました。例えば関連支出事業の支出総額は1768億、今年度のですね、その公共事業でどれだけの効果があるかというふうなことを計算しますと、経済波及効果が約3560億になります。これがその80%の投下額であれば当然80%の効果が出るわけですけれども、県外・県内のこの還流というふうなものは、この数字はちょっとなかなかつかまえ切れない部分があるのかなというふうに思います。
○渡久地 修 皆さん方からもらった資料を計算したあれですけれども、例えば80%になると今言ったもので712億円の増、雇用で6000人増ということになるんですよね。これは皆さんが出した資料です。(資料を掲示) これは1768億円をもとにしていますけれども、これまでの振興計画の平均の2450億円にすると、その差額は1300億円ぐらいになるんですよね。そういう意味では私はこの数字が今問題じゃなくて、こういう仕組みをどうやってつくり上げていくかというのが問われていると思うんです。
それで副知事、次期振興計画では例えば公共事業についてはとにかく県内を優先するという仕組みを制度の中で明記させるということが1つですね。例えば現在の沖縄振興特別措置法の特例措置がありますね、106条道路、107条河川、108条港湾、要するに県や市町村がやるのを国がかわってやることができるというのがありますよね。逆に国がやる仕事を県が発注すると、発注を請け負うということがあってもいいじゃないですか。だからそういったことを含めて県内企業にとにかく全部仕事をやってもらうと、こういう仕組みづくりが僕は大事だと思うんですけれども、どうでしょう。
○副知事(上原良幸) 制度の中でそういうことができるかどうかというのは、今後検討しないといけないと思いますけれども、ただこれから沖縄総合事務局の問題、国のいろんな所管している業務を県といいますか、地方に移管するという流れもございますので、今のような仕組みがどういう形でとれるか検討してまいりたいというふうに考えております。
○渡久地 修 あと民間部門で県外にどれだけ還流しているかと、県内にどれだけ蓄積されているかという点では、先ほど情報産業の分野では70%から80%が非正規雇用ですよね。じゃ観光産業はどうなっているかですけれども、部長、復帰から今日までの観光客とホテルの伸び、それから現在のホテルの県内資本、県外資本、外資の割合、そしてホテル関係の従業員の雇用形態と収入状況とほかの産業と比べてどうなのかというのをお示しください。
○観光商工部長(勝目和夫) ちょっと休憩願います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時41分休憩
午後4時43分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
観光商工部長。
○観光商工部長(勝目和夫) 昭和47年の復帰時と比較して、現在の観光客数、ホテルの軒数、客室数は何倍になったかという御質問だったと思います。
沖縄県の入域観光客数は、昭和47年の44万3692人から平成22年は585万5100人となっており、復帰時と比較して13.2倍となっております。
宿泊の軒数は、昭和47年の284軒から平成21年は1232軒となっており、復帰時と比較して4.3倍となっております。また、宿泊施設の客室数は、昭和47年の5745室から平成21年は3万6359室となっており、復帰時と比較して6.3倍となっております。
また、県内ホテルの外国資本、県外資本、県内資本の内訳でございますけれども、ホテルのすべての宿泊についてはちょっと調査・把握しておりませんが、立地済みのホテルで収容人員が500名以上の施設は県内に34施設ありまして、その内訳は調査しておりまして、その割合は34施設のうちの外資系ホテルが12施設で35%、県外資本ホテルが12施設で35%、県内資本ホテルが10施設で30%となっております。
それから、宿泊業、労働者の正規職員・非正規職員の雇用形態と収入状況はどうなっているかとか、また収入状況は他産業と比較してどうなっているかという御質問については、最新の平成22年11月の毎月勤労統計調査によると、宿泊業の労働者数は一般労働者数が約6700人、パートタイム労働者が4800人となっており、宿泊業労働全体に占めるパートタイム労働者の比率は41.9%となっております。収入状況については、宿泊業のみの資料は公表されておりませんが、飲食サービス業を含む宿泊業の現金給与総額は約21万3000円となっており、全産業の一般労働者の平均給与額と比較して約80.4%となっております。また、パートタイム労働者の給与は約6万6000円となっており、全産業のパートタイム労働者の平均給与額と比較して約78.4%となっております。
以上でございます。
○渡久地 修 この給与総額の全産業に占める順位はどうなっていますか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時47分休憩
午後4時47分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
観光商工部長。
○観光商工部長(勝目和夫) 一般労働者現金給与総額の産業別順位では、宿泊業、飲食サービス業は一応13位になっております。
○渡久地 修 パートは。
○観光商工部長(勝目和夫) パートタイム労働者現金給与の順位、産業別順位では、一応建設業、運輸業、製造業とかありますけれども、その中の15位となっております。
○渡久地 修 知事、お尋ねしますけれども、今の15産業中、一般労働者で13位、パートで15産業中15位なんですよね。それで先ほど答弁にあったように観光で力を入れてきましたね。これからも力を入れていきますね。それで力を入れてこれは先ほどの答弁を資料に、これをグラフにしてみました。(資料を掲示) 外国資本と県外資本で70%占めているんですよ、70%。そしてその従業員の待遇というのはとっても低いほうだということですよね。ですから、これは本当に県が政策的に観光に力を入れてきて県内に蓄積していないという一つの見方もできると思うんですよね。これをどうするかということなんですよ。この外国資本、県外資本を規制するかと言ったら、これは今のあれではできないと思うんですよね。じゃあどういうルールをつくるかということが私は大事だと思うんです。
ですから、最初の質問にあったように例えば進出してくる企業、補助金出すところには正規雇用を京都のように義務づけるようなものにできないかとか、そしてこういったホテルとかいろんな民間企業とは、例えば県が協定を結んで可能な限り正規雇用で雇ってください、それから食材は沖縄の野菜を使ってください、県内食材使ってください、地場産品を使ってくださいという協定をつくることはできると思うんですよね。こういったルールづくりもこれから必要だと思うんですけれども、次の振興計画の中でこの辺もきちんとやるべきだと思いますけれども、いかがでしょう。
○知事(仲井眞弘多) 振興計画の中のものかどうかちょっと研究させていただきたいんですが、確かにこの労働条件をもっとよくしていく。そして県外、外国資本は今これはもう規制はできないし、逆にある意味ではどんどん流入させたほうがいいという意見もないわけじゃありませんしね。ですから、そういうあれはないんですが、ただ議員の言われたように、この沖縄の中でのルールですよね、なるべく正規にしたらどうかというようなことというのは、一つのいい御提案だと思いますから、ひとつぜひそれは受けとめさせてください。いずれにしても労働条件をどう改善していくかというのが、またこれからの雇用数に加えて大変重要なことになると思っております。
○渡久地 修 とにかく県が力を入れて、多額のお金を入れて、しかし沖縄には蓄積されないということになってはいけませんので、このルールづくりというのは県の努力次第でできると思いますので、ぜひやっていただきたいと思います。
そして知事に、もう一度この振興計画についてお尋ねしますけれども、特別自由貿易地域は土地が2.1%しか売れていないということで、この総点検表でも重厚長大産業を目指したけれども厳しい状況にあると。予算説明でも県の予算を圧迫する懸念というふうになっていますけれども、全国的に大企業誘致というのは地域の活性化にも限界に来ていると、あちこちで撤退もしてきています。それでこれについて内閣府が2005年にリポートを出しているんですけれども、ここでは「補助金額が大きいからと言って、工場立地件数が多くなるという明確な関係は確認できない。」ということで、内閣府自身がリポートを発表しています。
それから財界系のシンクタンクの「みずほリポート」というのが、これは2010年10月13日発行ですけれども、ここでは「製造業誘致による地域雇用創出モデルは見直しを迫られている。」というふうにこのみずほ総研のリポートで書いています。それからもう一つ有名な野村総研のリポートですね、ここでは「経済の低迷にあえぐ地域は、これまで多かれ少なかれ、地域経済の成長エンジンを企業の誘致に求めてきた。しかしながら、今やそのような企業誘致による成長モデルは、停滞する地域経済の現状を打開するための抜本的な解決策にはなりえない」ということをこれも去年のものです。そしてこう言ってますね、「つまり、地域は原点に回帰し、新たな産業育成や域内産業・企業の活性化につなげる施策や戦略が不可欠なのである。」と。いわゆる域内の地元の力をどうつけるかということなんです。だから沖縄で言えば第1次産業の問題とか、農業、漁業、そして地元の企業、伝統工芸にどうやって力をつけるか、ここに活路があるんですよということを財界系のシンクタンクも指摘しているんですけれども、知事いかがでしょう。
○知事(仲井眞弘多) 野村にしても、みずほにしても、これまでのバブルの最中にえらい苦戦をした人々ですから、いろんな傷を逆に負っていると思いますよ。私は、必ずしも彼らの意見が財界とか経済界を代表しているとはゆめ思いませんが、なぜなら彼らが言う製造業というのはトヨタだとか、ああいう巨大なメーカーを頭に描いていますが、おっしゃるように逆にこの域内の製造業というのは、文字どおりみそ、しょうゆから始まって豆腐に至るまでこういうものが製造業ですし、沖縄の場合、食品工業を中心とする製造業、無論拓南さんとか、金秀アルミのようなああいう近代機械工業に近いようなものからいろいろあるわけですね。ただ、これはどちらかと言えば巨大な製造業ではありません。ですから、製造業ギブアップというのには私は全く不賛成ですが、あわせて域内をもっともっと力を入れていこうというのは大賛成です。その可能性というのは、沖縄は成長戦略の芽になるようなものが幾つもあると考えております。
○渡久地 修 多分次期振興計画では、やっぱり県外へ還流していったと指摘されているわけですよね。これをいかに食いとめて、この波及効果をいかに沖縄経済に蓄積していって、そして最終的には県民の所得を上げていくかということですので、その辺ぜひしっかりやっていただきたいと思います。
最後に知事、基地問題についてお尋ねしたいと思います。
今回の議論をいろいろ聞いていまして、日米安保条約、あるいは海兵隊の抑止力について、知事と各議員、議論交わされていますけれども、これを聞いていてちょっと幾つか確認したいと思うんですけれども、日米安保条約は軍事同盟であるというふうに私は思うんですけれども、知事は日米安保条約は軍事同盟だという見解でいいんですよね。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時54分休憩
午後4時55分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) いわゆる日米安全保障条約といいますのは、「日本国とアメリカ合衆国の間の相互協力及び安全保障条約」という名称でございまして、その前文に、「両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、」という形でいろいろ書いてあるわけでございますが、両国間のいわゆる相互協力及び安全保障に関する協定であるというふうに理解しております。
○渡久地 修 知事、私難しいことは聞いていないですよ。今、問題になっているTPPというのがありますよね。TPPというのは、僕は経済連携協定だと思うんですよ。この日米安保条約というのは、純粋に軍事同盟じゃないですかということで純粋な疑問を感じたから聞いているんですよ。知事の答弁からその辺がはっきりしないから、お答えください、知事。
○知事公室長(又吉 進) 軍事同盟というのは、さまざまな説がありまして、同盟関係というのは一概に言えないと思っております。例えば、戦前の日独伊三国同盟、こういった形の軍事同盟というものもあるわけでございますが、そういう意味ではいろいろな説はありますけれども、県は先ほど申し述べたような定義で理解をしております。
○渡久地 修 ちょっとなかなかわからないんだけど、軍事同盟じゃないんですか、じゃあ。
○知事公室長(又吉 進) 軍事同盟と見る方もいらっしゃるとは思っておりますが、さまざまな説があると思っておりますけれども、県は先ほど申し上げた協定であるというふうに理解しております。
○渡久地 修 もう詭弁ですよ。とにかくこれは軍事同盟であることは明らか、だから沖縄にこんなに基地があるんですよ。だから日米地位協定あるんでしょう。その辺はっきりしないでどうするんですか。
それで知事、議論をしていて、やっぱり僕は県議会で今のこういう状況で盛んに動いている中で、よく頭もリセットしてたまには見ることも必要だと思うんですけれども、これが改定されて50年になりますけれども、この当時は52カ国がこの軍事同盟に世界じゅう参加していました。今やこれが31カ国に減っています。アジアでは23の国がありますけれども、このアジアで軍事同盟に参加している国は何カ国あるか御存じでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時59分休憩
午後4時59分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 済みません。資料を持ち合わせておりません。
○渡久地 修 あのですね、アジア23カ国中、軍事同盟に参加しているのは、今や日本と韓国だけなんですよ。前はSEATOという東南アジア条約機構、アメリカとありましたけれども、これは解散したんです。そして今は平和な共同体がアジアではこういった国々が加盟しているんですよ。ですから、紛争は話し合いで解決しましょうという平和共同体の大きな流れなんです。こういう流れのときに沖縄の基地問題、こういう視点からも見ないといけないと思うんですけれども、知事、いかがでしょう。
○知事(仲井眞弘多) 議員が非常によく研究されておられるので答えにくいんですが、安全保障のあり方、特に防衛とか軍事が中心になっているものについては、我々のほうももう一度原点といいますか、今きちっとベースに戻って研究し直そうということにしているところです。
○上里 直司 皆さん、こんにちは。
民主党の上里直司でございます。
質問に入る前に一言だけ私の所感を述べてみたいと思っています。
今回の代表質問、一般質問を聞いていますと、やはり基地の問題とあわせて沖縄振興特別措置法にかわる新たな制度についての言及、質問が多くされております。
私も今回取り上げておりまして、その中で私がずっと考えて、また訴えてきているのは「沖縄21世紀ビジョン」は県が策定した。であるならば、その支援をしていく法律までもやはりつくるべきではないかと考えております。そう言ってきましたが、試案については提言するという今のスタンスでありましたので、私は趣向を変えて、この法律の名前はまず沖縄から提案をすべきじゃないかなというふうな思いを持っています。といいますのも、私は、沖縄振興特別措置法の「振興」も「特別」も「措置」という言葉も、もう一回どういう意味なのかと問い直さなければならないんじゃないかと考えております。とりわけ「振興」という文字について、また言葉の定義については改めて定義をし直して、これからの時代に本当にふさわしいのかどうかをやはり検討すべきではないでしょうか。
私も広辞苑で調べてみました。その意味は、「ふるいおこして物事を盛んにすること」と書いてあります。他の辞書も調べてみますと、「学術・産業などを盛んにすること」または「盛んになること」というふうな形で表現をされています。
しかし、先ほど知事が新たな法律に臨む姿勢として「沖縄21世紀ビジョン」の基本理念に基づいてこれに臨むんだということをおっしゃっていました。その基本理念は、「“時代を切り拓き、世界と交流し、ともに支え合う平和で豊かな「美ら島」おきなわ”を創造する。」と書いてあります。この言葉と理念と「振興」という文字が、どうも私自身はぴったりと合わないと思っております。ですから、この次の時代を切り開く言葉、ここはやっぱり知事を初め我々も、どういう言葉が時代にふさわしいのかということを改めて検討すべきではないかと私は考えております。
それで質問に入りたいと思っています。
沖縄振興特別措置法にかわる新たな法制度について。
「沖縄振興自主戦略交付金(仮称)」への評価と今後について。
国の出先機関改革に対応した県の取り組みを加速させるべきであるが、知事の見解をお伺いいたします。
新たな法律の名称について、県から提案をすべきではないか。
続いて、中間報告に盛り込まれた項目の優先順位づけは必要ではないか。
大学院大学の開学に合わせ、海洋資源の保全及び研究とバイオベンチャー支援を促進する制度創設を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
続いて、産業振興について。
沖縄振興特別措置法における中小企業振興での優遇措置の国税分での実績についてお尋ねをいたします。
続いて、新規産業において、県が戦略的産業として位置づけようとしている分野についてお伺いをいたします。
2、住宅対策についてお尋ねをいたします。
昨年の3月から住宅エコポイント制度が始まりました。昨年の10月に閣議決定をされた補正予算、「新成長戦略」の中での景気対策、景気刺激策にもこの住宅エコポイント制度の拡充・延長というのが盛り込まれております。
それで、アからエまでの実績についてお尋ねをいたします。
ア、制度開始時から現在までの実績について。
イ、北海道や寒冷地域との実績の差について。
ウ、一戸建ての申請において、県内業者が手がけた物件があるのかどうか。
エ、今後、住宅リフォームについての実績が出せるのかどうかお尋ねをいたします。
続きまして、沖縄地域における環境共生住宅推進事業の展開と次年度における取り組みについてお尋ねをいたします。
続いて、古民家再生事業の今後についてもお尋ねをいたします。
続きまして、雇用対策とパーソナルサポートセンター事業についてお尋ねをいたします。
このパーソナルサポートセンター事業の実績――昨年の11月からですからそれほどの期間ではありませんが――どのような実績があったのか。また、次年度への展開についてお尋ねをいたします。
続いて、地域との連携をどのように考えているのかお尋ねをいたします。
福祉政策について。
(1)、医療的ケアが必要な児童に対する県の対策について。
(2)番目、看護師の労働環境に対する対策について。
(3)番目、県内の公立病院及び民間病院における院内保育所の整備について。
最後に(4)、県内における民生委員の充足率とその支援策をお伺いいたします。
旧軍飛行場用地問題についてであります。
現在の振興計画の最終年度でありますが、事業実施をしていない地主会はあるのか。
年度途中でも、これらの事業実施のための働きかけが必要ではないでしょうか。
6番目、教育行政について。
コミュニティ・スクールについて。
県内での実施数及び他の都道府県との比較について。
続いて、その取り組みを展開すべきであると考えていますけれども、いかがでしょうか。
夜間中学校の支援については取り下げたいと思っています。
図書館行政についてであります。
昨年の11月1日に、図書館創立100周年事業が県立図書館にて行われました。県議会からも各議員が参加をいたしましたし、これまでこの100周年事業に尽力をされた図書館職員の皆さん、教育委員会の皆さんには本当にお疲れさまでありました。周年事業が実質的な実施の制約がある中で、大変いい事業でありました。山之口貘の展示会等々行われておりましたけれども、やはり次の100年に向かってこの県立図書館の果たす役割、やっぱり考え直さなければならないだろうと思っております。
そこでお尋ねをいたしますが、今回補正予算で多額の予算がついておりますが、この事業内容とその額についてお尋ねをいたします。
県立図書館100周年の成果と次の100年に向けたテーマについてお尋ねをいたします。
県立図書館の館長を外部から登用するなど、県立図書館の館運営にふさわしい人材を登用すべきではないかと考えていますけれども、いかがでしょうか。
7番目、沖縄らしい風景づくりや全島緑化の推進の具体策をお伺いいたします。
8番目、修学旅行生誘客に向けた取り組み状況をお尋ねをいたします。
以上です。
○知事(仲井眞弘多) 上里議員の御質問に答弁をさせていただきます。
まず第1に、知事の政治姿勢の中で、「沖縄振興自主戦略交付金」への評価と今後についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県では、昨年5月以降、高率補助制度にかわりますより自由度の高い「沖縄振興一括交付金(仮称)」の創設を政府に要望してまいりました。平成23年度政府予算案におきまして、約321億円の「沖縄振興自主戦略交付金」が創設されたところでございます。
同交付金の使途につきましては、今回統合の対象となりました5種類の補助金の範囲内で事業を選択することが可能となっております。このことは、これまでの補助金と比べまして一定の前進をしたものだと考えることができると思います。しかしながら、沖縄県といたしましては、一層の使途の自由度の拡大が必要と考えております。引き続きこの点を政府に要望しているところでございます。
今後、さらに平成24年度以降の新たな沖縄振興に係る施策の円滑な実施に必要な財源が確保され、さらに自由度を高めにしました「沖縄振興一括交付金(仮称)」を実現すべく、引き続き政府に強く求めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、知事の政治姿勢の中で、国の出先機関改革に対応する県の取り組みについてという御質問にお答えいたします。
国の出先機関改革につきましては、昨年末に閣議決定されました「アクション・プラン」に基づく推進委員会が去る2月17日に開催され、沖縄総合事務局の事務・権限の移譲に関する沖縄県の考えを述べたところでございます。
今後は、「アクション・プラン」に基づき出先機関単位ですべての事務・権限を移譲することを基本として、平成23年夏ごろまでに基本的枠組みや移譲対象機関が決定され、平成24年通常国会への法案提出に向けて作業が進められていくこととされております。
沖縄県としましては、市町村や関係団体の意見も踏まえまして、国の作業状況に的確に対応してまいりたいと考えているところでございます。
同じく知事の政治姿勢の中で、戦略的産業として位置づける新規産業についてという御質問にお答えいたします。
沖縄県では、リーディング産業であります観光産業やIT産業に続きまして、オキナワ型産業の重点として位置づけられている亜熱帯の生物資源を活用しましたバイオ産業やエステティックやスパを初めとした産業や健康サービス産業などを振興してまいりたいと考えております。
今後は、新たに琉球舞踊やエイサーなど沖縄独特の文化的資源と申しますか、こういう資源を活用した文化産業とでも言うべき産業の創出が重要と考えられております。また、温暖な気候と優秀なアスリートを輩出するなど他地域に比べて優位性のあるスポーツ関連産業やその他エネルギー関連産業など、可能性の高い産業の創出につきましても戦略的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、沖縄らしい風景づくりに係る御質問の中で、沖縄らしい風景づくりの推進についての御質問に答弁いたします。
沖縄らしい風景づくりにつきましては、県において景観基本方針や基本計画を定めるとともに、「風景づくり推進事業」によりまして市町村の風景に関する計画づくりを支援してきたところでございます。現在、新たな沖縄振興に向けて「沖縄らしい風景・まちづくり制度」の創設を要望しているところでございます。
今後は、同制度を活用してさまざまなハード・ソフトの景観向上施策を展開し、個性的で魅力的な風景・町並みの創造を推進してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(川上好久) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、沖縄振興特別措置法にかわる新たな法律の名称についてお答えいたします。
新たな法律の名称については、今後の国との調整の結果を踏まえて、法律の理念や内容にふさわしい名称を県からも提案していきたいと考えております。
同じく知事の政治姿勢に関連をして、中間報告の項目の優先順位づけについてお答えいたします。
「新たな沖縄振興のための制度提言(中間報告)概要」で示した新規・拡充及び継続を合わせた45の項目は、21世紀ビジョンで描いた将来像の実現に向けて離島県ゆえの不利性などを克服するとともに、魅力ある自然環境や独自の文化、豊富な若年労働力、東アジアの中心に位置する地理的優位性を最大限発揮できる施策を展開するため、新たな仕組みの構築を目指すものであります。このことから、いずれも重要な項目であるとの認識に基づき、新たな法律に盛り込むことができるよう政府に対して強く求めていきたいと考えております。
同じく知事の政治姿勢に関連をして、海洋資源の保全及び研究とバイオベンチャー支援に係る制度の創設についてお答えいたします。
沖縄県では、新たな沖縄振興のための制度として、沖縄科学技術大学院大学を核とした知的・産業クラスターの形成に向けて「科学技術振興制度」の創設に取り組んでおります。本制度では、バイオベンチャー企業等の研究開発を促進するため、研究開発に資する施設及び機器等の整備や研究開発費、教育訓練費に係る税の減免措置などの特例について検討しております。
本制度の創設により、本県周辺海域における豊富で多種多様な海洋資源の利活用等の研究など、地域の資源を活用したさまざまな研究開発が促進されるものと考えております。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 知事の政治姿勢についての、沖縄振興特別措置法の中小企業振興における国税分の実績についての御質問にお答えします。
沖縄振興特別措置法では、中小企業の振興として2つの制度が掲げられております。1つ目は、沖縄の経済の振興に資すると認められる業種が、経営革新計画に従って導入する設備投資に対して全国版の経営革新制度よりさらに深掘りされた設備投資減税が適用されます。平成14年度から平成21年度までの税制活用実績は、特別償却が5件で約5600万円、税額控除が13件で約1億2200万円となっております。2つ目は、台風等気象条件により原料の供給事情等の影響を受け、生産額等が相当程度減少する見通しがある業種が、経営基盤強化計画に従って導入する設備投資に対して割増償却が可能となります。業種は、これまで建築用関係製造業、パン、めん類製造業等の10業種が該当しましたが、現在の沖振法においては砂糖製造業の1業種であり、平成14年度から平成21年度までの割増償却は9億6000万円となっております。
雇用対策とパーソナルサポート事業についての、事業の実績と次年度の展開についての御質問にお答えします。
パーソナルサポート事業は、さまざまな生活上の困難に直面している人に対し日常生活から就労までを一貫して支援する事業で、沖縄県では昨年11月から実施しております。
活動実績については、事業開始から1月末までに130件の相談があり、住宅相談、資金貸し付け、メンタルヘルス等の生活支援や求人情報の提供、履歴書作成指導等の就職支援を行っております。また、当該事業は、国のモデルプロジェクトとして平成23年度まで実施されることとなっております。国においては、このモデルプロジェクトを通し、制度化に向けて事業の効果や課題を検証していくこととしております。
同じくパーソナルサポート事業の地域との連携についての御質問にお答えします。
本事業の支援対象者は、住宅喪失や生活困窮、多重債務、メンタルヘルス等の問題を抱えており、それらの問題を解決するためには、ハローワークや市町村、社会福祉協議会、困窮者支援に取り組むNPOなど地域の関係機関との連携が重要と考えております。そのため、県は、関係機関との実務者会議を開催しており、また、パーソナル・サポート・センターにおいても個別に関係機関と連携し、効果的な支援方法について検討しているところであります。
なお、県は、国とともにセミナーなどを開催し、事例研究や周知にも取り組んでいるところであります。
次に、修学旅行生誘客に向けた取り組み状況についての御質問にお答えします。
沖縄県では、修学旅行の誘致を図るため、県外での修学旅行説明会や学校関係者を沖縄へ招聘する現地研修会等を開催しております。また、昨年度からは修学旅行専門嘱託員を東京に配置し、学校や旅行会社への訪問活動を行い、新規学校の開拓にも努めております。特に今年度は、旅行社の修学旅行担当者を沖縄に招聘し、本島、宮古、八重山の体験メニューなどを紹介しております。さらに、国内の学校に対してアンケート調査を行い、修学旅行の動向を調査・分析して、今後の修学旅行の誘致に生かしていきたいと考えております。また、修学旅行費用に占める航空運賃の割合が高いことから、航空会社3社及び国など関係機関に対し航空運賃引き下げの要請を行ったところであります。
海外からの教育旅行については、学校間交流が欠かせないことから、現在、教育庁と連携し学校間交流の仕組みづくりを進めており、これを活用し、今後の誘致につなげていきたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 住宅対策についての御質問で、住宅エコポイントの実績についてお答えいたします。
住宅エコポイントの新築の制度開始は平成21年12月、リフォームは平成22年1月となっており、本県におけることし1月末現在までの申請戸数実績は、新築が325戸、リフォームが2戸となっております。
同じく住宅対策についての御質問で、北海道や寒冷地域との実績の差についてお答えいたします。
本年1月末現在の新築住宅のエコポイント申請戸数は、住宅1万戸当たり、本県の6戸に対しまして、北海道や寒冷地域は28戸となっております。また、リフォームの申請戸数は、住宅10万戸当たり、本県の0.4戸に対し、北海道や寒冷地域は704戸となっております。
同じく住宅対策についての御質問で、県内業者が手がけた物件についてお答えいたします。
住宅エコポイント制度を直接所管している国に問い合わせたところ、工事施工者に係る集計は行っていないとのことであります。
なお、県内のエコポイント住宅証明書の発行機関である財団法人沖縄県建設技術センターによれば、ことし1月末現在、新築エコポイント申請は33戸の受け付けがあり、施工はすべて県内業者であると聞いております。
同じく住宅対策についての御質問で、今後の住宅リフォームの実績についてお答えいたします。
現在、住宅エコポイントの対象となるリフォーム工事は、窓を二重サッシに取りかえたり、外壁、屋根、床などに断熱材を張るなど、主に冬場の暖房効果を高めるために高気密・高断熱の仕様となっております。一方、本県においてはほとんど暖房を行わず、むしろ夏場の対策として通風をよくし日差しを遮ることなどが一般的となっております。したがって、本県では対象となるリフォーム工事が少なく、実績は今後もふえる可能性は低いと考えております。そのため、県としましては、本県の地域特性に配慮した花ブロックや遮熱塗料等のリフォーム工事も住宅エコポイントの対象となるよう国に求めていきたいと考えております。
同じく住宅対策についての御質問で、環境共生住宅推進事業の展開と取り組みについてお答えいたします。
本県は、亜熱帯気候に属し本土とは異なる高温多湿地域であることから、本事業により風土に根差した環境共生住宅の普及を推進するものであり、平成21・22年度に、沖縄の伝統的民家や県内建築士による設計手法に着目し、省エネ効果等について評価を行ってまいりました。次年度は、これまでの成果をもとに、県民に対し快適で環境と共生する住宅の普及啓発を図っていきたいと考えております。
同じく住宅対策についての御質問で、古民家再生事業の今後についてお答えいたします。
本事業は、沖縄の貴重な財産である古民家集落の風景を将来にわたって継承していくことを目的に、平成21年度には古民家の保全・再生・活用に関する情報を収集したリストや提言集を作成したところであります。今年度は、古民家保存の主体的な取り組みが地域に定着するよう支援をするため古民家活用モデル事業の公募を行い、活用に係る手法と課題について取りまとめております。
今後は、古民家を活用したコミュニティー・ビジネスによる地域振興や観光資源としての景観形成に資するため、古民家の保全・再生・活用の普及啓発活動を行っていきたいと考えております。
以上であります。
○福祉保健部長(奥村啓子) 福祉政策についての御質問の中の、医療的ケアが必要な児童に対する県の対策についてお答えします。
介護職員等によるたんの吸引等のための制度については、現在、国において平成24年度の実施を目途に作業が進められているところであります。
県では、制度導入後の速やかな実施を図るため、介護職員等に対する研修に必要な機器等を本年度に購入することとしております。また、昨年10月、当事者団体等との意見交換を行いニーズの把握に努めるなど、重症心身障害児と家族の自立した日常生活等に向け取り組みを進めているところであります。
次に、看護師の労働環境に対する対策についてお答えします。
沖縄県看護協会の労働環境に関する調査によりますと、県内の交代制勤務の看護師においては、休暇等の代替要員の不足や新人看護師のふなれを主な要因として時間外勤務が発生しているとしております。
県としては、看護協会と連携し、ナースセンターにおける代替要員の紹介事業に加え、今年度からの新規事業として各病院が行う新人看護師研修事業や潜在看護師の再就職支援事業に対して補助するなど、医療機関の看護師確保を支援しております。また、各保健所においては、毎年人員の配置状況及び看護師等の健康管理体制を確認し、必要に応じて管理者に対し注意喚起を行っております。
次に、院内保育所の整備についてお答えします。
平成22年4月現在、県内の院内保育所は、独立行政法人国立病院機構が2カ所、国立大学法人が1カ所、地方独立行政法人が1カ所、民間が10カ所の計14医療機関に整備されております。現在、各医療機関から同施設整備の意向調査を実施しているところであり、今後、整備について国と調整しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、民生委員・児童委員の充足率とその支援策についてお答えします。
本県における平成23年2月1日現在の民生児童委員数は、定数2322人に対して委嘱数が2055人で、充足率は88.5%となっております。
県においては、民生委員の定着と資質向上のための研修を実施するとともに、民生委員活動について広く県民の理解を得るための広報啓発を実施しているところであります。
今後も引き続き民生委員の活動を支援するとともに、市町村と連携して担い手の確保に努めてまいります。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 旧軍飛行場問題につきまして、事業実施をしていない地主会についてお答えいたします。
県では、県・市町村連絡調整会議において確認された取り組み方針及び解決指針を踏まえ、「特定地域特別振興事業」を実施しておりますが、9つある旧軍飛行場地主会のうち、現在、那覇市の旧那覇飛行場用地問題解決地主会、宮古島市の旧海軍兵舎跡地地主会、嘉手納町の嘉手納旧飛行場権利獲得期成会、石垣市の旧日本陸軍白保飛行場旧地主会、同じく石垣市の旧日本海軍平得飛行場地主会の5つの地主会については事業実施に至っておりません。
次に、未実施地主会への働きかけについてお答えいたします。
平成22年8月に開催された県・市町村連絡調整会議において、現行の沖縄振興計画終了後3年間、平成26年度までは特定地域特別振興事業を実施していくことを確認しております。
いまだ事業化に至っていない5つの地主会に対しては、取り組み方針及び解決指針に基づき、市町村と連携し、引き続き事業実施を働きかけているところであります。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは教育行政についての御質問で、コミュニティ・スクールの状況についてお答えいたします。
平成22年4月現在、本県でコミュニティ・スクールとして指定を受けている学校はありません。全国では31都府県、629校が指定を受けております。校種別の内訳及び実施率は、幼稚園が36園で0.3%、小学校が428校で1.9%、中学校が157校で1.5%、高等学校が3校で0.1%、特別支援学校が5校で0.5%となっております。このうち、指定の多い教育委員会は、京都市162校、岡山市80校、出雲市49校となっております。
次に、コミュニティ・スクールへの取り組みについてお答えいたします。
コミュニティ・スクールは、保護者や地域の方々が一定の権限と責任を持って学校運営に参画し、学校、家庭、地域社会が一体となってよりよい教育の実現に取り組むことをねらいとしております。
県教育委員会としましては、学校、家庭、地域社会が一体となってよりよい教育、望ましい教育の実現に向けて取り組むことは重要であり、その制度の導入については、学校運営に係る選択肢の一つであると考えております。
実施に当たっては、国や他都道府県の動向を注視し、学校、保護者、地域の方々の制度への理解を深めるとともに、ニーズやコンセンサス等を踏まえ、学校や市町村教育委員会の要請に基づき適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、県立図書館の補正予算の概要についてお答えいたします。
県立図書館に関する2月補正予算は、国の「住民生活に光をそそぐ交付金」を活用した知の拠点整備更新事業、地域の情報拠点整備事業と「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」を活用した沖縄県立図書館読書環境整備事業の3事業を予定しております。予算総額は4億297万5000円となっております。
知の拠点整備更新事業は、ICタグを用いた蔵書管理システムの導入、トイレ及びカーペット等の修繕、可動書棚の購入等で、予算額は3億円であります。
地域の情報拠点整備事業は、子育てやシニア向けの図書の購入等で、予算額は9960万5000円であります。
沖縄県立図書館読書環境整備事業は、敷地内の外灯や歩道タイル等の図書館施設の修繕で、予算額は337万円であります。
県教育委員会としましては、今後とも図書館が知の拠点としての役割を果たせるよう、施設や図書の充実等に取り組んでまいります。
次に、県立図書館100周年の成果と次の100年に向けたテーマについてお答えいたします。
沖縄県立図書館は、琉球国最後の国王尚泰及び一般県民有志からの浄財をもとに、明治43年8月1日、4560冊の図書を有して開館いたしました。以来、県民の読書及び学習の場、郷土研究の中核として愛されてきました。しかし、沖縄戦において図書館は壊滅的な打撃を受けるなど幾多の苦難を経て、昨年100周年を迎えました。去る11月1日には、山之口貘文庫開設展を開催するなど多くの関係者に参加いただき、県立図書館創立100周年事業が盛大に行われました。現在、県立図書館の蔵書数は約60万冊までに拡大し、郷土研究の拠点として県内のみならず県外や国外の方にも御利用いただき、広く親しまれております。
今後も、100年間積み重ねられた歴史と伝統をもとに、資料の収集・整理・保存・提供に努め、市町村の支援と情報ネットワークを充実させ、県民がいつでも、どこでも必要な学習が可能となるような取り組みを行ってまいります。
県教育委員会としましては、次の100年に向けた県立図書館のあり方について県民の意見を広く取り入れ、調査研究してまいりたいと思います。
次に、県立図書館の館長の公募制についてお答えいたします。
県立図書館は、県民の生涯学習を支援する施設として、県民の知識要求に対応できるよう的確な資料の収集・整理・保存に努め、その利用促進を図っております。また、県内の図書館活動の充実を図るため市町村の支援と情報ネットワークを構築し、県民がいつでも、どこでも必要な学習が可能となるよう取り組んでおります。県立図書館の館長を初め職員の人事につきましては、適材適所に配置するよう努めております。公立図書館の館長の公募制を実施している図書館は、全国約3000の公立図書館の中で、現在確認できるのが3館であります。
県教育委員会としましては、図書館の館長の公募につきましては、全国の動向を注視しながら多くの方から意見を聞き、引き続き研究してまいりたいと思います。
以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 沖縄らしい風景づくりや全島緑化の推進についての中で、全島緑化の推進についてお答えいたします。
緑は豊かな自然環境を創造し、県民が潤いと安らぎのある生活を営む上で、また、観光資源としても重要であります。
全島緑化県民運動については、市町村、各種団体等で構成する沖縄県全島緑化県民運動推進会議を推進母体として「一島一森づくり」をスローガンに全島緑化に取り組んでいるところでございます。
具体的には、沖縄県植樹祭、緑の育樹祭に加えて、市町村、企業、学校等が主体となった住民参加型の花と緑の植樹活動を県内の約230カ所で実施しているところでございます。また、年間を通じた開花リレーマップや花木類の栽培マニュアルを発行するとともに、地域の緑化に対する指導や助言を行う地域推進リーダーの配置など各種緑化施策を推進しているところでございます。特に、平成23年度からはグリーンコミュニティ支援事業による花と緑の名所づくり、桜の一斉開花技術の普及や品種の組み合わせによる桜の名所づくり、インターネットを活用した名木と花見情報の発信などの事業を展開し、365日花と緑と香りいっぱいの美ら島沖縄づくりを推進してまいります。
以上でございます。
○上里 直司 それでは再質問をさせていただきます。
一括交付金については、5種類の補助金に該当する部分を充てるということで、知事は、継続されている事業の全部ではなくて一部未計上という形でされたということは、私は大変いいかと評価をしております。それぐらい使い道については、県としてもしっかりと国に対してはこれじゃだめだということを言い続けていただきたいということを要望しておきたいと思っています。
国の出先機関改革については、新垣県議からも質問がありました。総務部長が庁内でその体制を整えているという話がありましたけれども、実際にはいつまでにその意見をまとめようとされているのか、そのことについてお答えをいただけますか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後5時46分休憩
午後5時47分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
総務部長。
○総務部長(兼島 規) 今、国のほうでは閣議決定されて、まさしく動こうとしているわけですから、県庁内もどういう事業がこちらのほうで受け入れられるのか、それから相手方のほうもどういった事業をこちらのほうに持ってくるのか、いろんなことがあろうかと思います。その向きを4月以降、企画部それから総務部を中心にプロジェクトをつくって、それから事業化もいろいろございますし、また、市町村の意見も聞かなきゃいけません。その点も含めて作業を急ピッチに進めていきたいと思っております。
○上里 直司 4月以降ということが今ありました。国が意見をまとめる期間というのもありますので、当然県案を出すというタイミングがあろうかと思うんですね。本当は何月かというふうに聞きたかったんですけれども、そこはもう置いておきます。ただ、先ほどからお聞きしていると、市町村へのヒアリングを行う、または関係団体等からも意見を聞くというやり方で進めるというのは、これは行政の普通のやり方だと思うんですけれども、私は、まず県庁内のコンセンサス、同意というものが必要だと思うんですよ。そこを固めて、皆さんどうですかと、市町村に対して説明をしていくという姿勢にならないと、当然今まであったものをなくすわけですから、市町村にとってみても不安に感じると思うんですよ。それ以上に沖縄県ですらというか、2年前、3年前までは存続は必要だということを言っていたわけなんですよ。そこからすると、すぐどうですかと聞かれるとやっぱり不安を感じるので、まずは県庁内でのコンセンサスを固めていく、それがなくなった後にもこういう体制が必要なんだと、とりわけ県と市町村との協議をしていくというような、そういうプロセスをぜひ踏んでいただきたいと思うんですけれども、総務部長どうでしょうか。
○総務部長(兼島 規) 実を申し上げますと、こういう話が来る中で、国のほうで閣議決定する前にも県庁内では各部局横断的にいろいろ意見を聞きながら、こういう事業については大丈夫ですよねということを含めて、県庁内の意思は固めてあります。ただ、総合事務局の事業内容は多岐にわたりますので、知事がせんだって答弁しましたとおり、まず二重になっている部門、そこの部門をしっかりと二重ですよということを踏まえて、県のほうでしっかりそれについてやると。それから多岐にわたっていますので、沖縄振興に資する点等を含めて、中心にしながら、まず包括的に我々として受け取ろうという方針を持っていますので、その中で取捨選択も徐々にしてくという形になろうかと思います。県庁内の意思はある程度固まっております。
○上里 直司 頼もしいですね。意思が固まっているということですので、それに準じてその体制をぜひ検討していただきたいと思っています。
新たな法律の名称について検討していただけるということで、これも非常にありがたいなと思っています。
なぜこういう質問をしたかといいますと、沖縄振興という言葉は全県民というか、ほとんどの議員ももう恐らく普通に使っているんですね。例えば、これが日本振興というふうになった場合、これが本当に使える言葉なのかなという感じがするんです。
あわせて、沖縄振興の理念には戦後補償などもありますし、もっと言えば、39年前に制定されたとき以上に開かれた沖縄、または交流と共生というような新たな定義も生まれてきた中で、やっぱりこの「振興」という文字を問い直すことによって、やっぱりそこは新たな法律の名称をぜひつけていただきたいと思うんですね。こういう名称が可能なのかどうかは別としても、先ほど申し上げた昨年閣議決定された交付金の中で、「住民生活に光をそそぐ交付金」という名称が出てきたんですよ。こういう名称というのは、今までほとんど聞いたことがない。交付金というと本当にかた苦しい名前で、何に使うかわからない交付金名称なんですけれども、こういう文字が出てくることによって、これをどうやって使えばいいのかとやっぱり考えるわけなんですよ。その考えるということを、ぜひ県庁の職員や議会の皆さんとも一緒にやりたいし、本来ならば県民も巻き込んでこの振興のあり方、次の時代にどうするのかというのをぜひやっていただきたいと。これは知事、私の思いはお伝えしましたけれども、もう一度知事からの御答弁をいただきたいと思っています。
○知事(仲井眞弘多) 確かに今議員のおっしゃるような気持ちで我々も取り組んでおりまして、1次、2次、3次、4次といいますか、これまで4回やってきたいわば「振興」のついた計画と大分フレーズも時代も変わったというのは我々も思っておりますし、どういう展開内容を入れていくかということで、今まだ審議しているところですし、東京へ行くと政府は、先ほどの議員からの質問もありましたが、そんなにウエルカムというだけでもないというような状況があって難しいんですが、今おっしゃったような何か別の切り口というか、それで我々の次の世代というか、次の舞台への展開という面がうまく出せて、それがまた日本全体のためにも、少し大げさに言うとアジア・太平洋地域にとっても大変貢献するという部分がわかるような内容であれば非常にいいなと思いますが、ぜひひとつ議員のサジェスチョンをいただければと思いますが。
○上里 直司 それでは別の質問に移ります。
産業振興における中小企業振興での優遇措置の国税分、これがほとんど適用されてないということなんですね。観光商工部長、なぜその実績が上がらなかったのか、それをどう評価をしているのか、そこをお答えいただけませんでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) 実績がほとんど上がらなかった、一部高度化地域などはそれなりの実績が上がっているところがありますけれども、やっぱり全般的には思った以上の実績は上がらなかった、それはやはり対象となる条件、そういったものがちょっとハードルが高かったということが一言で言えば言えるとは思います。あとは内部努力などもありますけれども、一般的にはやはりちょっとハードルが高かったということだと思います。
○上里 直司 こういうハードルが高い優遇措置というのは、他の優遇措置にもあるんですよ。そういった意味では、本当に使えるような優遇措置にならなければ、補助金での振興に加えて、やっぱり加速しないと思いますから、ぜひ優遇措置のあり方を実態に合った形で制度化するようにぜひ求めていただきたいと思っています。
続いて、住宅エコポイントについて。
土木建築部長、僕はかなり前の議会、前の前の議会でも質問したんですよ。これは確かに我が党というか、我が政権がつくった制度なので私も言ってはいるんですよ、これはおかしいじゃないかと、余りにも不公平だと。そうすると、私が聞いたのは、住宅エコポイント――さっきもありましたけれども――沖縄でリフォームに対しては適用できるのかと聞いたら、これはもう難しいですと。特に住宅エコポイントの制度というのは期限がありますから、この期限に合わせて制度をいじったり、新たな制度を設けることはほぼ不可能じゃないかという話をしていたんですね。今、土木建築部長は、花ブロックをつけたりとかということで言っていますけれども、これは本当にその制度が可能なのかどうかも含めて、国からはどういう形で返事が来ているのか、こういう不公平感をどうやって補うかということについて御答弁いただけますか。
○土木建築部長(仲田文昭) 特にリフォームについての対象といいますか、沖縄県については使いにくいということは認識として持っておりまして、それにつきましては、県のほうとしましては、国の出先機関であります総合事務局とも相談しております。それから直接近々また東京のほうにも行きまして、その担当とも意見交換をして、期限は12月ですけれども、一月でもいいですからなるべく早くそういったものが対応できるようなことを要望してまいりたいと思っています。
以上です。
○上里 直司 この住宅エコポイント制度というのは、当然その景気刺激策としての側面と、日本国内における環境に配慮した、また省エネに配慮した住宅を促進するという意味があるんですよ。今、いずれにしてもどちらも沖縄には当てはまらない仕組みになっていますので、ここは次に私が質問を出しました沖縄における環境共生住宅、これをもっと加速をしていただきたい。沖縄に来ない恩恵というか、住宅エコポイントにおいての刺激策はほとんど期待できないわけですから、こうした事業に充てるようにということでぜひ交渉していただきたいと思うんですね。そこは私も言っていますし、政府も当然聞くだろうとは思っているんです。ぜひやっていただきたいと思っています。
そこで提言なんですけれども、実は、この推進事業を進めていく上でモデルハウスをぜひつくっていただきたいなと思っているんですね。こうした沖縄の地域に適した省エネ型、環境に配慮したモデルハウスをぜひつくっていただきたいと思っています。
宮古島市は、環境省の予算でできたエコハウスというのが2軒建てられております。あわせて国交省からは、観光施設としての「かたあきの里」というところに、こうした蒸暑地域の住宅という形のコンセプトでかなりの額を出しているんですね。本島地域でもぜひそれを実現していただきたいと思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。
それで、パーソナルサポート事業について、観光商工部長、これは非常にいい事業だと私とらまえています。知事、知事がグッジョブ運動を展開されて、これもいい事業だと思うんですけれども、実はそのグッジョブ運動を推進して効果のある層というのは、こたえられる層というんでしょうか、雇用のミスマッチであるとか、意欲と企業とのマッチング事業だとか、こういうものは今後も続けていくべきだろうと思っているんです。ただ、難しいのは若年者の失業率が依然として高どまりをしている。さらにそれより問題なのは中高年層の失業率、これをどう改善していくかというのは、これはただ雇用の分野だけでは恐らく不可能だろうと。これは生活支援、そして就労支援を合わせた形の事業として今展開しているのがこのパーソナル・サポート・センターでありパーソナルサポート事業なんです。
ただ、残念ながらこの事業は2年事業なんですけれども、今年度もう始まってまだ4カ月しかたっていませんけれどももう終えるわけなんですね。24年度になるとこの事業は終わってしまうと。したがって、この事業をうまくつなげていくためには、もちろん国の事業ですから国の動向を注視しないといけないんですけれども、せめて24年度以降の事業実施を一つ方向を出していただけると、この事業の推進というのはかなり進むんじゃないかなと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) 今、11月19日から稼働して大体45日、現在の時点で、先ほど新規相談を130件と申し上げましたけれども、やはり延べ件数で言うと578件になっておりまして、結構その中でもう既に就職内定者、決定者がもう21名ぐらい出ております。非常に有効な事業と考えておりまして、ただ23年度までで一応モデル事業として終わる予定なんですけれども、引き続き国のほうも制度化に向けて検討することとしておりますので、我々としてもその制度化に向けて対応していきたいなと。それと、今相談している人たちのサポートも現にありますので、何らかの形で引き続き継続できるような形で取り組んでいきたいなと思っております。
○上里 直司 福祉保健部長にお尋ねいたします。
地域との連携を考える上で、地域の相談窓口である民生委員の活躍というのはもう必要不可欠だろうと思うんですが、その観点からこの事業とどのように連携していこうとしているのか、お答えをいただきたいと思っています。
○福祉保健部長(奥村啓子) 民生委員は、やはり地域の最も身近な相談相手ということで、生活相談全般に応じているということです。やはり引きこもりやニート等についても相談の対象になっておりまして、そういう方については専門的な支援が必要なことが多いので、やっぱり専門機関につなぐということで専門機関の連携というのは非常に大事かと考えております。
そういう意味での今回のパーソナル事業につきましても、その辺の連携というのは今後非常に重要かと思っております。それで、地域の民生委員協議会に対して事業主体から事業説明も行われたというふうに聞いておりますので、今後その辺の連携の強化も必要かなと思っております。
○上里 直司 両部長にお答えいただきましたが、ぜひ総合的に支援する窓口を県庁内にも設置していただいて、支援体制の構築に努めていただきますよう要望いたします。
続きまして、教育長にお尋ねをいたします。
医療的ケアが必要な児童に対する県の対策については福祉保健部長からお答えをいただきました。私もこのことについては前議会で尋ねましたけれども、教育現場での支援というのは、新たにどのような形で展開していこうとしているのかお答えをいただけますか。
○教育長(金武正八郎) 休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後6時4分休憩
午後6時5分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
教育長。
○教育長(金武正八郎) 医療的ケアの整備事業につきましては、医療的ケアを必要とする児童生徒の健康の保持・増進を図るために特別支援学校に看護師を配置し、教育、医療、福祉の連携した体制づくりを行い、安心・安全な学習環境の整備を図ることを目的としております。
今後は、さらにこれを充実させるために看護師を3名増員して配置をし、子供たちの安心・安全な学習環境の整備に努めてまいりたいと思っています。
以上です。
○上里 直司 ぜひ少しでも前進をさせていただきたいということを要望いたします。
教育長に続けてコミュニティ・スクールについてお尋ねをいたします。
県内での実施というのはまだ0校だと、全国的には629校というお答えでした。実は、もう23年4月の新年度からはさらに200校ぐらいふえて800校ぐらいになるんですね。当然、その実施については慎重に努めなければならないということは言うまでもありません。ただ、これは国も推進している事業でありますし、国がその普及に努めるための予算も用意しているんですね。ぜひそういう意味では、とりわけ今答弁でも理解が必要だという答弁もされていましたので、理解をしてもらうような事業をぜひ取り組んでいただけませんでしょうか。答弁お願いいたします。
○教育長(金武正八郎) 本事業は、先ほども申し上げましたように、地域の住民、そして保護者が一定の権限と責任を持って学校運営に参画する新しい学校運営のシステムでございます。その制度の導入にはやっぱり十分に準備時間をかけて、趣旨や実施方法について学校とか保護者、そして地域で理解を深める必要があると思います。
市町村教育委員会でも、新しい制度であるために当面は他府県における実施の成果を踏まえて慎重に対応していこうという動きがございます。
それから、県教育委員会としましては、今国のほうからコミュニティ・スクール推進事業というのがございます。その推進モデル地域として受けてほしいというものがありますので、そういう研究を市町村が受けていただくよう、学校に対して働きかけてまいりたいと思っています。
以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 上里直司君。
○上里 直司 ですから、そのモデル地域にということでありますから、どういうものなのかということを、県内では実施しているところはありませんから、文科省の職員に来てもらうとか、取り組みをしている学校のどなたかを連れてくるとか、そういう事業までも入っていますので、そういう意味では普及活動に努めるような事業展開をぜひお願いをしたいと思っています。
最後に一言だけ、今回の県立図書館の補正予算が出ていましたけれども、4億円という非常に莫大な予算がついて、私は本当に感謝をしているというか、本当にいい事業になるだろうと思っています。図書館の職員にお話をいたしますと、欲しい本がようやく買えるというお話をされていたんです。そういう意味では、まさに知の拠点として県立図書館が今後も県民のために、市民社会のために役立つように、また、教育庁だけではなくて、知事部局のほうからもぜひ御支援をお願いしたいということを申し上げて、質問を終わります。
○議長(髙嶺善伸) 20分間休憩いたします。
午後6時9分休憩
午後6時32分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
嘉陽宗儀君。
〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽 宗儀 通告に基づき一般質問をします。
初めは、米軍基地問題についてです。
これまで機密扱いされてきた施政権返還をめぐる外交文書が公表されて、日米密約の実態が次々に明らかにされてきています。特に沖縄の米軍基地がアメリカからの圧力によってではなく、日本政府自身からの要求であったという記録が存在していたという報道は県民に大きな衝撃を与えました。改めて沖縄に米軍基地は必要なのかどうかについての根本的な議論を全県民的に行う必要があることを痛感しています。
そこで質問します。
(1)、在沖米軍の主力部隊である海兵隊について。
ア、海兵隊抑止力論の理論的根拠は何か。
イ、米国で海兵隊抑止力論を否定する声が大きくなっているが、どのようなものか。
ウ、海兵隊は沖縄県民の平和と安全を守ってきたか。
エ、海兵隊の全面撤退を求めるべきであります。決意を伺います。
(2)、パラシュート降下訓練について。
ア、伊江島の天候不良を理由にしているがどう思うか。4年ぶりに伊江島の天候が悪くなったということか。
イ、SACO合意で読谷から伊江島に訓練を移転することを表明しながら、例外的であれば嘉手納基地での訓練が可能ということが日米で合意されているが、知事の所見を伺います。
ウ、SACO合意の県民負担の軽減というのは、結局県民だましの方便でしかないと考えるが、知事の見解を伺う。
(3)、高江のヘリパッド建設について。
現在進められている6カ所のヘリパッド建設で、高江集落は文字どおり取り囲まれてしまい、ヘリコプターが海側からも山側からも高江集落全体を縦横無尽に飛び交うことになり、生命と安全が脅かされることになります。それだけに工事の強行は中止させなければなりません。
そこでお聞きします。
ア、防衛局職員は、工事の強行は知事も了承していると説明しているが事実か。
イ、計画どおりにヘリパッドが建設されたら、高江はヘリパッドに囲まれてしまうが、それでも県民の負担軽減になるのか。
ウ、直ちに工事の中止を申し入れるべきですが、決意を伺います。
2、東部海浜開発事業について。
(1)、事業計画に計上している予算額は幾らで、その内容は何か。
(2)、事業計画に経済的合理性があると判断した根拠は何か。
(3)、国は、沖縄市案をうのみにして承認している、どう思うか。県は独自に検証を行ったか。専門家の意見は聴取しているか。
(4)、判決では経済的合理性について相当程度に手がたい検証を必要とすると指摘されているが、その要件を満たした内容になっていると判断した根拠は何か。
大きな3、沖縄市山里第一地区再開発計画について。
現在、県と市の取り組み状況、進捗状況はどうなっているのか説明を求めます。
4、泡瀬ゴルフ場跡地利用に係る広域調整について。
(1)、イオンモールの進出計画はどうなっているか。全体像を説明せよ。
(2)、沖縄市は壊滅的な影響を受けると危機感をあらわにしている。近隣市町村への影響はどうなるか。
(3)、まちづくり三法との整合性は図られているか。
(4)、広域調整を図るべきではないか。その取り組みは進んでいるか。
5、鳥インフルエンザ対策について。
(1)、鳥インフルエンザの全国的な感染の実態とその対策はどうなっていますか。
(2)、県は対策を十分にとっているか。
6、沖縄市倉敷環境に係る問題について。
(1)、倉敷環境に対する警告、改善命令の内容と実態はどうなっているか。
(2)、地域住民の反対する理由は何か。
(3)、管理型処分場の設置許可を出したのは、業者とのなれ合いがあるからではないか。
(4)、違法なごみ山問題はいつまでに解決するか。
最後に、教育問題について。
(1)、高校の中途退学者の実態はどうなっているか。その原因とどのような対策をとってきたか明らかにしてもらいたい。
(2)、子供の学習権の保障という観点での指導は貫かれているのか。
○知事(仲井眞弘多) 嘉陽宗儀議員の御質問に答弁させていただきます。
まず第1に、米軍基地問題に係る御質問の中で、SACO合意に対する展開についてという御質問にお答えいたします。
SACO合意につきましては、これまで安波訓練場、そしてキャンプ桑江の北側部分、そして瀬名波通信施設、読谷補助飛行場及び楚辺通信所が返還されております。また、県道104号線越え実弾射撃訓練の本土移転や騒音軽減イニシアチブの実施、そして地位協定の運用の改善などが行われております。しかし、同事案については、一部の地区におきまして返還がおくれているなど課題が残されております。
県としましては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識いたしており、政府に対しその実行を強く求めているところでございます。
次に、鳥インフルエンザの御質問の中で、鳥インフルエンザの感染の実態と県の対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。5の(1)と(2)は関連いたしておりますので一括して答弁させていただきます。
高病原性鳥インフルエンザは、平成22年11月29日に島根県で確認されて以降、全国的に感染が拡大し、これまで7県で20例発生いたしております。発生地では、迅速な殺処分、そして埋却及び消毒等が実施されております。
沖縄県では、高病原性鳥インフルエンザ侵入防止対策として、第1に、防鳥ネットの整備、第2に、鶏舎などの消毒、第3に、異常家禽の早期通報などにつきまして新聞広告や地域での説明会などにより周知して徹底を図っているところであります。また、すべての養鶏農家に消石灰を無償配布し、緊急消毒を実施するとともに、毎月20日を「消毒の日」と定め、家畜伝染病の侵入防止等の強化を図っているところでございます。さらに、平成23年1月28日に沖縄県危機管理対策本部会議を開催し、高病原性鳥インフルエンザ侵入防止対策に係る危機管理体制を強化しているところでございます。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 米軍基地問題についての御質問の中で、海兵隊抑止力論についてお答えいたします。
御質問の海兵隊抑止力論が何を意味しているか明らかではありませんが、政府は、防衛白書において「わが国に対する武力攻撃に際しては、相手国が自衛隊に加えて米軍と直接対決する事態を覚悟する必要が生じることとなり、在日米軍がわが国への侵略に対する抑止力になる。」、また「米軍が機能する際には、日本に駐留する米海軍、米空軍、米海兵隊などが一体となって十分な機能を発揮するものと考えられる。」としております。県としましては、抑止力についてはさまざまな意見があるものと承知しており、今後とも研究をしてまいりたいと考えております。
いずれにしましても、県としましては、抑止力の議論にかかわらず在沖海兵隊の削減は重要であり、それに向けた具体的な議論が必要であると思います。
次に、米国での海兵隊否定の声についてお答えいたします。
米国において、海兵隊の役割や必要性についてさまざまな議論があることは承知しておりますが、議員御指摘の米国で海兵隊抑止力論を否定する声が大きくなっているとの見解については、確認できておりません。
次に、海兵隊への認識についてお答えいたします。
海兵隊を含む米軍は、日米安全保障条約に基づき駐留するものであり、県としましては戦後の日本が国際紛争に巻き込まれることもなく、経済が発展してきていることや平和な国民生活を享受してこられたのは、日米安全保障体制を含む日米同盟関係が我が国及び東アジアにおける国際の平和と安定の維持に寄与していることによるものと理解しております。しかしながら、今後も日米安全保障体制が安定的に維持されるためには、沖縄の社会的安定が必要であり、そのためには沖縄県の過重な基地負担の軽減を図ることが極めて重要であると考えております。
米軍再編で示された海兵隊司令部及び約8000名の海兵隊将校・兵員のグアム移転と、それに伴う嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の整理・統合・縮小等は、県民の要望している在沖米軍兵力の削減及び米軍基地の整理縮小につながるものであり、確実な実施がなされる必要があると考えております。
次に、海兵隊の撤退についての御質問にお答えいたします。
県は、これまで日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減等による沖縄県の過重な基地負担の軽減を求めてきております。とりわけ海兵隊については、構成員が最も多いことから、その削減に最優先に取り組む必要があると考えております。米軍再編で示された海兵隊司令部及び約8000名の海兵隊将校・兵員のグアム移転と、それに伴う嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の整理・統合・縮小等を確実に進める必要があると考えております。
次に、米軍基地問題についての中の、嘉手納飛行場でのパラシュート訓練についてお答えいたします。1(2)のア、1(2)のイは関連しますので一括してお答えいたします。
県は、米軍から嘉手納飛行場でパラシュート降下訓練を行うとの通報を受け、翌日、直ちに米軍等に対し、同訓練の中止要請を行いました。要請の際、伊江島の天候不良を理由に、今回、嘉手納飛行場で訓練を実施するとのことでしたが、なぜそのような判断に至ったかについて説明はありませんでした。
県としましては、パラシュート降下訓練はSACO最終報告の趣旨に沿って実施されるべきであると考えており、今後とも嘉手納飛行場において実施することがないよう、日米両政府に対し強く求めてまいりたいと考えております。
次に、東村高江ヘリパッドについての御質問にお答えいたします。1の(3)のア、1の(3)のイ、1の(3)のウは関連いたしますので一括してお答えいたします。
北部訓練場のヘリパッドについては、SACO最終報告において、同訓練場の過半を返還することに伴い残余部分に移設されるものであり、県としましては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
県としましては、随時、現地に職員を派遣し、状況の確認を行っておりますが、改めて去る2月14日、国においては、市町村の意向等も踏まえ、地域住民の生活や当該地域の自然環境に十分配慮し、安全に万全を期すよう申し入れを行ったところであり、政府に対し、無条件に理解を示したことはありません。
今後とも、東村や高江区の意向を尊重し、適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 東部海浜開発事業についての御質問で、事業計画に計上している予算額とその内容についてお答えいたします。
平成23年度一般会計歳出予算の泡瀬地区関連事業は、人工海浜の突堤等の工事費として港湾環境整備事業費が3億7500万円、設計等に係る費用として港湾計画基礎調査費が2000万円、新港地区の航路泊地しゅんせつ等に係る直轄事業の負担金として港湾改修費が1億4000万円の合計5億3500万円であります。また、特別会計歳出予算については、公債費として中城湾港泡瀬地区臨海部土地造成事業特別会計が9067万6000円となっております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、経済的合理性及び手がたい検証となっていると判断した根拠について、2の(2)と2の(4)は関連しておりますので一括してお答えいたします。
県としましては、控訴審判決を踏まえた経済的合理性の有無については、収支の見通しが統計データや調査報告書等、根拠を有する資料を基礎としたものとなっているかどうかなどで判断されるものと考えております。沖縄市が作成した土地利用計画見直し案は、入域観光客数や各種施設の需要予測、施設規模等について、各種統計データや調査報告書及び類似施設の事例等をもとに算出されております。算出方法は根拠をもって整理されており、妥当性を欠くものではないことから、控訴審判決を踏まえた経済的合理性を有するものと考えております。また、沖縄市は、需要予測に係る精度をさらに高めるため、企業等に対する需要確認調査等も行っており、さらに、同案は需要に対し約8割の施設規模となっていることから、県としましては、手がたい計画となっていると考えております。
同じく東部海浜開発事業についての御質問で、沖縄市案の検証と専門家の意見聴取についてお答えいたします。
沖縄市の土地利用計画見直し案の作成に当たっては、学識経験者等で構成される「東部海浜開発土地利用計画検討調査委員会」において審議が行われており、専門家などの意見を踏まえて作成されたものであると考えております。
県としましては、同案における入域観光客数や各種施設の需要予測、施設規模等について、各種統計データや調査報告書及び類似施設の事例等、根拠を有する資料を基礎としたものであるかを確認しております。また、国においても同案について慎重に検討がなされたものと考えております。
次に、沖縄市山里第一地区再開発事業について、県と市の取り組み状況についてお答えいたします。
当該地区の再開発事業については、平成10年度に地権者により市街地再開発準備組合が設立され、沖縄市と連携しながら、平成24年度の事業採択を目指し、事業計画の検討を行っているところであります。
県としましては、事業を認可する立場から、事業の内容、資金計画等について市と調整しているところであり、諸条件が整えば事業採択に向けて、国等の関係機関と協議を行っていきたいと考えております。
次に、泡瀬ゴルフ場跡地利用に係る広域調整についての御質問で、広域調整の取り組みについてお答えいたします。
都市計画決定に係る広域調整につきましては、都市計画法に基づき、平成19年11月に県で策定した「大規模集客施設の立地に係る都市計画ガイドライン」により行うこととしております。
このガイドラインでは、「1万平方メートルを超える大規模集客施設の立地については、広域的観点から、交通渋滞による周辺環境への影響等を評価し、関係市町村と連携して広域調整を行う」こと、また、「既存の店舗等との競争を抑制するなど、需給調整や既得権擁護とならないものとすべきである」としております。
泡瀬ゴルフ場跡地につきましては、去る2月10日に県の関係機関及び近隣市町村で構成する連絡調整会議を開催したところであり、現在、同会議で関係機関から示された意見に対する方針を北中城村で検討しているところであります。
県としましては、今後とも関係市町村などと連携し、都市計画決定に係る広域調整を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 泡瀬ゴルフ場跡地利用に係る広域調整についての中で、イオンモール進出計画の全体像についての御質問にお答えいたします。
泡瀬ゴルフ場跡地に予定されているイオンモールについては、大規模小売店舗立地法に基づく届け出を要する段階ではないことから、その規模や内容等の詳細については把握しておりません。なお、現在、同地域が市街化調整区域であることから、出店に際しては、用途地域または地区計画の決定等に係る都市計画法に基づく諸手続が必要となっております。現在、北中城村から、同法に基づきアワセゴルフ場跡地に係る都市計画(素案)が県土木建築部に提出され、広域調整の手続に着手しているところであります。
今後、都市計画法に基づく県との協議等が整った後、大規模小売店舗立地法に基づく県への届け出が行われ、その中で進出計画の詳細が明らかになるものと考えております。
同じく泡瀬ゴルフ場跡地利用に係る広域調整について、沖縄市近隣市町村への影響についての御質問にお答えします。
大型ショッピングセンター進出による近隣市町村への影響については、一般的に当該ショッピングセンターが買い物客を引き寄せることにより、既存の小売業の売り上げが減少するなどマイナスの影響のほか、近隣市町村における雇用機会の増加や広域から集客される買い物客の近隣施設への立ち寄りなどプラスの効果もあると考えられます。
同じくまちづくり三法との整合性についての御質問にお答えします。
泡瀬ゴルフ場跡地利用につきましては、現在、都市計画法に基づき北中城村から都市計画(素案)が提出され、広域調整の手続に着手しているところであり、当該都市計画法に基づく手続が整った後、大規模小売店舗立地法に基づく届け出となります。
県としましては、まちづくり三法の趣旨を踏まえ適切な法運用を行ってまいりますが、既存の競合する商店街との競争を抑制する需給調整はできないこととなっております。なお、沖縄市は昨年3月に中心市街地活性化法に基づく基本計画の認定を受け、同計画により商業活性化事業を実施しているところであります。
まちづくり三法の中心市街地活性化基本計画では、同計画に基づく総合的な支援を行うこととなっており、県としては、沖縄市の同計画に基づく取り組みに対し、沖縄市と連携しながら支援していきたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 沖縄市倉敷環境に係る問題について、改善命令等の内容と現状についてお答えいたします。
県は、同事業者に対し、平成16年12月3日に警告書を発出し、安定型最終処分場に混入している安定型産業廃棄物以外の廃棄物を撤去することなどを指示しております。平成22年10月6日には、管理型最終処分場の貯留廃棄物を適正に処理し、産業廃棄物処理法に定める基準に適合させるよう改善命令を発出しております。同事業者の改善報告では、平成22年12月末現在、安定型部分約7万3000立方メートル、管理型部分約5700立方メートルが改善されたとしております。
同じく倉敷環境に係る問題について、地域住民の反対の理由についてお答えいたします。
沖縄市北部地域に新たな焼却施設が計画されていることに関連して、沖縄市長、池原・登川・知花自治会、倉敷ダム流域振興促進協議会から県に対し要請がございます。その要請内容は、新炉の建設に反対であること、産業廃棄物処理施設の沖縄市北部地域への過度の集中を避け、県内に分散・平準化すること、違法状態にある貯留産業廃棄物を是正するよう指導することでありました。
同じく倉敷環境に係る問題について、管理型処分場の設置許可についてお答えいたします。
同事業者の管理型最終処分場は、平成18年8月8日に変更許可申請があり、同申請について審査した結果、施設の設置に関する計画及び申請者の能力が技術上の基準に適合すること、また申請者が欠格要件に該当しないこと等の廃棄物処理法で規定する許可要件を満たしていたことから、平成18年12月26日に許可したものであります。
同じく沖縄市倉敷環境に係る問題について、ごみ山問題の解決についてお答えいたします。
同事業者が示している改善計画は、同事業者の処理施設を用いて実施する内容で作成されております。安定型部分については本年7月の終了をめどに作業が進められているところであります。しかしながら、管理型部分の改善については長期の計画となっていることから、可能な限りその期間を短縮するよう指導しているところであります。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは教育問題についての御質問で、中途退学者の実態と原因、対策についてお答えいたします。
本県の県立高等学校の中途退学率は、平成19年度2.1%、平成20年度2.0%、平成21年度2.0%で、全国平均とほぼ同率となっております。また、中途退学の主な理由としましては、進路変更、学校生活不適応等であり、基本的生活習慣の確立、基礎学力の向上、目的意識の高揚、中・高連携した進路指導等が課題となっております。そのため、各学校においては、生徒が学ぶことをあきらめず継続した学習や学校生活を保障し、安易な退学につながらないよう、校内中途退学対策委員会の設置や教育相談等の指導体制の強化を図り、創意工夫したわかる授業の実施や生徒就学支援センターとの連携を強化するなどの取り組みを行っているところであります。
県教育委員会としましては、今後とも魅力ある教育活動を展開し、学校生活への適応を図り、中途退学者の減少に努めてまいりたいと考えております。
次に、子供の学習権の保障についてお答えいたします。
学校において、生徒が安心して教育を受ける環境や学ぶ権利を保障することは、重要なことだと考えております。
各学校においては、生徒指導上の課題を抱える生徒に対し、規範意識や社会性、目的意識等を培うとともに、学習面において基礎・基本を補充指導するなど、子供たちの学ぶ意欲を高め、学習権の保障に努めております。また、悩みや葛藤を抱え、問題行動を繰り返す生徒に対しては、カウンセリング・マインドで接し、情緒の安定を図るなど、きめ細やかな指導や援助に努め、安易な退学につながらないよう粘り強く取り組んでいるところであります。
県教育委員会としましては、今後とも高校に入学した生徒一人一人の学ぶ機会を保障し、高校を卒業させ、自分の人生に夢や希望を持ってたくましく生きることを支援してまいります。
以上でございます。
○嘉陽 宗儀 最初に、教育長にお伺いしますけれども、私のほうに高校生からよく相談が参ります。その中で、特に最近来たもので心を痛めているものがありますけれども、これは何度も皆さん方のほうに指導を要請したけれども、結局は門前払いと、結果そうなっていますね。
それで、この子は校則を守らないのであなたは出校停止にするということなんですけれども、中身は何かというと、スカートの長さが2センチか3センチぐらい長い、注意しても直らないと。だから、おまえ は聞くまでは出校停止だと、そういうことを平気でやっているんですね。その子に、あなたはしかし改善をすべきだと、改善しないのであれば私も教育庁にこういう意見を言うわけにいかんぞということを言いましたら、反省文を書いてきましたね。確かに言うことを聞かなかったのは私も悪いので、しかし自分は夢がある。将来の希望もある。だからぜひみんなと一緒に、閉じ込めるんじゃなくて教室に出て行って勉強したいということを訴えてきた。ところが、学校現場の先生と話をしても、反省をなかなかこれはやる見通しがないので学校に出させないという話になったものですから、結局は泊定通制に転校するかと、何名か定通制に行っちゃったんですね。そういうことで、64名その学校で退学者が出ているというのは、先ほどの教育長の答弁ですばらしい学校教育現場というイメージがわいているんですけれども、しかし実態は違う。そういう実態があることについては多少とも認識すべきじゃありませんか、教育長。
○教育長(金武正八郎) 学校現場ではスカートの長さとか、例えば茶髪とかいろんな面で生徒指導上の問題で大きな課題がございます。やはりそういう場面においても、学校としてはいつもどんな場面やどんな状態においても毅然とした態度と、そしてカウンセリング・マインドとそして愛情を持って生徒に接すること、そして信頼関係を築いて話し合いをすることをモットーに進めております。
今回の件につきましても、学校も一生懸命生徒に規範意識や社会性、そして目的意識を培うよう、いろんな形で取り組みをしてまいりました。また、本人に届かなかったところもあるかもしれませんけれども、本人の反省文の中にももう一度学校で学びたい、そして自分が今までそういうコミュニケーションが抜けていたとか、それから授業で頑張りたいとか、そういう意欲が出たということは、そういう意欲を学校は大事にしてその子供が学校を続けられるように支援していくことが大事だと思います。
そういう形で基本的にはすべてやっているつもりですけれども、いろんな面でお互いの行き違いとか、またなかなか届かないところがあったことは事実だと思っております。しかし、学校としてもそういう面については努力してまた頑張っていきたいと思っています。
○嘉陽 宗儀 私も当該学校の先生と話をしたんですけれども、この子は説明しても聞かない。いわゆる指導お手上げ。それで私はその先生方に言いましたけれども、あなた方は説明をしたけれども説得していない。教員の一方的な言い分だけ言って、子供が本当にみずから学んで成長したいという心を納得させ切れていない。教員の最大の仕事は説明じゃないんですよ、説得ですよ。子供が納得する力がないから、この子供が悪いんじゃない。教員の教える力というのはどこにあるんですか。
そういう意味では改めて深刻な実態だと思いますので、私はあちこち高校を調べたら本当にすばらしい実践がかなりあります。一人の落後者も出さないと、学校全体で1年間で一人も落後者を出さない。長期欠席が出たらすぐ先生方が行って、すぐ学校に呼び戻すと。これが普通の教育になっているんですよ。しかし、そうじゃない実態があるから、これについてはぜひ教育長、肝に銘じて子供たちが泣くようなことがないように、そういう教育行政をしてほしいと思います。
次に、海兵隊の抑止力論についてお聞きしますけれども、この抑止力というのはいろいろあるということですよね。私もいろいろな辞典を調べてみたら、普通は抑止戦略といいます、これは敵の攻撃に対する報復、反撃力を持つことによって戦争を抑止する戦略、核戦略が基本となると。核戦争が基本となって通常戦力も抑止に寄与するされているということが国語辞典には載っていますけれども、疑問なのは、先ほどの公室長の答弁でも、沖縄海兵隊がいて軍隊があったから平和を守ってきたと言っていますけれども、これは抑止という場合に、敵がいて敵が攻撃するぞと、それに対する防御ですよね。その場合に沖縄を攻撃する敵というのはどこですか。どこから攻撃されるんですか、沖縄は。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後7時11分休憩
午後7時12分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) また防衛白書になりますけれども、「わが国に対する武力攻撃に際しては、相手国が自衛隊に加えて米軍と直接対決する事態を覚悟する必要が生じることとなり、在日米軍がわが国への侵略に対する抑止力」と言っているわけでございまして、ここでは明言されてないわけでございます。
○嘉陽 宗儀 休憩。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後7時12分休憩
午後7時13分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) この計画等について明言はなかなか難しい面もあろうかと思いますが、政府の見解では沖縄に所在する第3海兵遠征軍の担当範囲は、基本的に極東からインド洋全域に及ぶとされているということがございます。
○嘉陽 宗儀 答弁になっていないよ。僕は、第3海兵遠征軍の考え方を聞いたんじゃないよ。知事として県政としてどこが沖縄に攻めてくると言っているんですかと聞いているんです。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後7時14分休憩
午後7時14分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
嘉陽宗儀君。
○嘉陽 宗儀 長引かすのが目的じゃありませんので、前へ進みますけれども、やはり改めてこれは基本的な抑止力論というのは日本の政治にとっても大きな課題ですよ。その前に沖縄の琉球の歴史を考えてみて、本当に沖縄を攻めるところがあったかということを考えたら、ないですよ。絶えずこの抑止力論というのは、仮想敵をつくって戦争をする側が敵をつくって脅威をあおって、軍備増強すると。こういう戦略です。
休憩願います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後7時15分休憩
午後7時16分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
嘉陽宗儀君。
○嘉陽 宗儀 この抑止力論は、非常に重要な課題ですけれども、私は今知事にこの本「テロリストは誰?」という本のコピーを前に差し上げています。これは何枚かコピーも上げていますけれども、これは何かというと、これはアメリカの歴代のCIA長官とかいろんな方々がドキュメンタリーで映画をつくっています。その映画の中身をこの本にしたものですけれども、テロリストは誰だと。基本的にこの人たちは内部でドキュメンタリーで告発していますけれども、こういうことを書いています。「人命の損失や破壊の規模としては、史上3番目に血なまぐさい戦争と言える。CIAは地球上のあらゆる場所で活動しているが、合衆国の法律の枠を遙かに遥かに超えた権限まで保持してきた。必要なら“殺人を行う権限”も“麻薬を密輸する権限も”“他国民に対して何をしてもいい権限”も保持してきた。」。国際ルールを自分たちで違反してきたと。それで「そのチャーチ上院議員によれば、CIAは調査以前の14年間に900の大規模な作戦と3000の小規模な作戦を遂行していた。ここから推計すると、CIAができてからの暗黒の40年間に、3000の大規模作戦と1万の小規模作戦が遂行されたことになる。すべて違法なものだ。すべてが他国の社会や人々に破壊をもたらしたものであり、その多くが、想像を絶する血なまぐさい活動である。」。CIAが入り込んでいって、クーデターを起こして潜伏して、それで地域紛争をすべてこれまでの世界の各地域の地域紛争はCIAによるものである。第三世界に対するCIAと国家安全保障機関が軍と相互に絡み合いながら、さまざまな形で進めてきたのが戦争だと。基本的に脅威論をあおっているのはここですよ。だから、こういうものに惑わされて日本も再軍備をする。そして沖縄の海兵隊も一緒だという論に立つというのは、まさに私から言えば愚かな話にしかならない。もっとアメリカの告発、ドキュメンタリー、これもしっかり今知事に上げましたので見ていただいて、抑止力論の正体をぜひ見抜いて沖縄の基地問題解決のために御努力をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 今お預かりしましたこれ拳々よくよく研究させていただきたいと思います。
○嘉陽 宗儀 次に、高江問題について質問しますけれども、負担軽減になるといいますけれども、高江のほうで軍事訓練を行うのは普天間から飛び立っていったCH53などであるけれども、この訓練をしている沖縄国際大学に墜落したCH53というのはいつ製造されていますか、製造年月日は。
○知事公室長(又吉 進) 正確なデータというのは今持ち合わせておりませんけれども、CH53現在あるのがE型ですけれども、CH53Aは1950年代に開発が始まりまして1960年代から飛行していると承知しております。
○嘉陽 宗儀 そうすると、1950年代につくられてそれからずっと使ってきているという答弁ですけれども、私はエンジニアで特に金属材料を学生時分に勉強していたんですけれども、金属の疲労、何度も針金をやったら折れてしまう。沖国大に墜落したのも金属の疲労だったと思います。だから、米軍にこのことを言ったら、自分たちは整備はちゃんとやっていますと、大丈夫ですと言うけれども、しかし皆さん、自動車でも企業側が10年間乗ったら廃車するようなこういう仕組みでつくられているんですよ。米軍のCH53のヘリも大体20年以上が耐用年数と言われているのに、はるかそれを超えて50年以上飛び続けている。だから、いつ、どこで、何どき墜落するかわからない危険な飛行物体。これがどんどんどんどん高江の上空を飛び交って、それで安全だと言えるかと、どうですか。
○知事公室長(又吉 進) 個々の飛行機の安全性につきましては、その飛行機のいわゆる製造されてからの履歴があるので開発当初からずっと飛んでいることにはならないと思いますけれども、米軍は個々の飛行機についてテクニカルオーダーというものを発行しておりまして、そこに整備あるいは今おっしゃった金属疲労といったものにつきましても一定の対処をしていると承知しております。
おっしゃるように大変危険な物体が飛んでいるということは一概に言えないと考えております。
○嘉陽 宗儀 知事、沖縄県民が私どもが調べてやっぱり欠陥機だと。あれは普天間基地に立ち入ったらCH53ボディーに穴があいていて、この穴があいているのは危ないんじゃないかと聞いたら、軍用のガムテープで穴をふさいでいるんですよ。これは落ちるんじゃないかと言ったら自分たちも心配です。しかし、ペンタゴンは金がないから後継機が待てないんです。その間は危ないけれども危険だけれども飛びますと言っているんですよ。こういう実態を踏まえてちゃんとヘリポートについても、高江でもし何かあったら知事の大きな責任になるんじゃないですか。勇気を持って県民の立場から、今の事態を告発してヘリポートをつくるなということでいま一度頑張ってみたらどうですか。
○知事公室長(又吉 進) 今、議員のおっしゃったような危険性の放置が行われているようなことがあってはならないわけでして、その個別・具体的な実態というのはそれはわからないわけですけれども、もちろんそういうことはないようにこれは米軍に対しては強く働きかけてまいります。
○嘉陽 宗儀 最後に、高江の件では村議会が18年3月で北部訓練場ヘリコプター着陸帯の移設に反対する抗議決議をやっていますけれども、これはまだ生きていますか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後7時23分休憩
午後7時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 決議は決議として生きていると思います。
○嘉陽 宗儀 この議論はこれぐらいにしておいて、次に、東部海浜開発事業計画についてお聞きします。
まず、今回沖縄市が出した計画案は、極めて科学的なデータに基づいてつくられているので間違いありませんと、経済的合理性については保証済みですとこういう答弁を繰り返してやっています。
ここに私資料を持ってきました。これは前にも使いましたけれども、(資料を掲示) この沖縄市の立ち寄り率について、東南植物楽園と胡屋に来ているのが15.3%、割っているのは伊計島、勝連城址、中城城址、東南植物楽園、これを分母にして割って計算している。こんなのは統計学上も成り立たないと私はずっとこれを言ってきたんですけれども、これは後で聞きます。ところで、これのデータで入域観光客を計算されているんですけれども、この東南植物楽園が倒産しちゃったんですよ、もう半分なくなる、これね。そうすると、15.何%だったが、東南植物楽園がなくなってこれは半分以下になる。需要予測は半分以下にすべきだと思うんですけれども、どうですか。
○土木建築部長(仲田文昭) 東南植物楽園について経営者がかわったということは承知しておりますけれども、倒産したということは把握しておりません。
○嘉陽 宗儀 ちょっと休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後7時25分休憩
午後7時25分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
嘉陽宗儀君。
○嘉陽 宗儀 これは12月29日付の報道でも閉園ですよ、閉園。経営者がかわったんじゃない、経営者がいつかわるか見通しもわからない。ということは具体的な事実は今はない、閉鎖している。閉鎖したのであればこの基礎数字は当然半分にならなきゃならない。これは道理のあることじゃないですか。
○土木建築部長(仲田文昭) 閉鎖について確認したいと思います。
○嘉陽 宗儀 ちょっと休憩。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後7時26分休憩
午後7時27分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(仲田文昭) 沖縄市が調査した時点ではまだ閉鎖していると聞いておりませんので、この事実について確認したいと思います。
○嘉陽 宗儀 この科学的なデータに裏打ちされているという自信を持って言うのであれば、本当はこういうのはさっとやらんといかんですよ。あの統計学の数字も成り立たない。
私は、この件で内閣府の方と会ってきて質問してまいりました。大体15項目ぐらいにわたって質問して、その中身は私が沖縄市から聞いたその回答、土建部長が答弁した議会での答弁、この中身を内閣府に質問として出したら、返ってきた答えは、部長の議会での答弁と全く同じ。要するに、沖縄開発庁あるいは内閣府は十分な検証をしたというのに、皆さん方の考えしか言わないのでこれは言うなと。一体どういうことになっているんですか、沖縄市も県も内閣府の沖縄振興局参事官、みんな同じ意見とはどういうことですか。
○土木建築部長(仲田文昭) 私ども沖縄市の計画につきまして、地元のほうといいますか沖縄総合事務局、それから県と3者で連絡会議をつくっておりましたんで、その都度いろいろと意見交換をしております。
意見が同じになったのはどういうことかについては、それはちょっと答えにくいところ、答えられないところがあると思います。
○嘉陽 宗儀 改めて委員会でもやりますから、この辺でこれは打ち切りしますけれども、ただ政府の振興局参事官の中野則夫さんは私どもに対して、前原大臣は専門家の意見を聞いたというけれどもだれかと、具体的に言えと。私も会ってきて私も専門家のつもりだからちょっと意見を聞きたいと言ったら、聞いていませんと。内閣府参事官はそういう専門家からの意見は聞いていないと私どもに答えていますが、それはどう思いますか。
○土木建築部長(仲田文昭) 私、その場に立ち会っていませんので、その辺について確認をしたいと思います。
○嘉陽 宗儀 立ち会っていないというのは一緒に行ったわけじゃないから当たり前の話なんです。
それでこの沖縄振興局の参事官は、私どもが指摘してこんな計算の仕方があるかということで詰めましたら、確かに沖縄市の推計の仕方は統計学的なレベルじゃありませんねと。統計学的なレベルではありませんと言っていて、この計算のでたらめさを認めているんですよ。改めてこれについてもう一回、本当にどこに出しても恥ずかしくないようなものであればいいけれども、裁判でもより一層経済的合理性のあるものでなければならぬという判決が確定しているにもかかわらず、こんなずさんなものを出して通るわけじゃないと思いますが、どうですか。
○土木建築部長(仲田文昭) この基本計画につきまして、見直し案につきましては答弁で繰り返したとおり、過去のデータ、それから事実調査等そういったものを踏まえて立てられておりますので、根拠を有するものだと考えております。
○嘉陽 宗儀 その科学的なデータをまた一つ聞きますけれども、皆さん方は850万と言っているけれども、平成22年度の入域観光客は先ほどの答弁でも585万人です。ところが沖縄市の出した推計では、平成22年では585万人になると計算されています。その差が実に68万人、約70万人。この2年間で70万人の落差がある。これで県民を説得できるような基礎数字だと言えるんですか。
○土木建築部長(仲田文昭) 将来の観光客の推計につきましては、過去のトレンドでやっておりまして、御承知のとおり20年、21年につきましては、新型インフルエンザ、それからリーマンショック等の経済環境が悪くなったことによりまして、観光客が落ち込んでいるということは承知しております。
○嘉陽 宗儀 部長は、何が何でも経済的合理性がある計画で進めようという立場ですけれども、1000万人観光構想自身も今担当部局のほうでもやはりあと何年かで600万突破するのは厳しいみたいに言っているんですよ。それは推計ですから、今の時点で落ち込んでいるかもしれませんけれども、あとはそんなことありませんと言って、こんなことが通るんですか。
○土木建築部長(仲田文昭) 経済についてはまた持ち直しているという状況もありますんで、また県においても観光客の誘致についていろんな施策といいますか、その取り組みをしているところでございますので、その目標に向けて頑張るということでございます。
○嘉陽 宗儀 最後に、これは知事も聞いてくださいね。
この計画では、設備段階で119億円の赤字、運営段階で39億円の赤字、毎年1億8000万円、30年間赤字が続きますということになっているんです。これほど莫大な借金を抱える計画が本当に経済的合理性があるということが言えるんでしょうか。
○土木建築部長(仲田文昭) 沖縄市においては、この計画につきましては総合的に町の活性化、そういった全体的なものを考えて投資といいますか、そういう判断でその計画を考えているというふうに理解しております。
○嘉陽 宗儀 先ほど私質問しましたけれども、沖縄市から北中城村、泡瀬ゴルフ場に巨大な商業施設イオンモールがやってくると。そうすると沖縄市の客は全部中城にとられて沖縄市は大変なことになると、来なくなると。ところが今230万で計画している。だから客観的な社会情勢を見てもこういうむちゃくちゃなやり方は許されない。
知事、最後に、やはり改めて知事自身も検証して、これは経済的合理性がないものを県議会で予算をつけるわけですから、許されない。だからこれは知事自身もしっかり検証してほしいと思うんですがどうですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後7時34分休憩
午後7時35分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今議員がよく分析しておられるんで、あれなんですが、ただ、今の私どもの部長からの答弁もありましたんで、あとは基本的には沖縄市が一生懸命そういう方向でやりたいというのがまず基本になっていますし、あとは国もそれから特に市も一生懸命やろうということですから、今の数字についていろんな変化が発生しているとしても、この案件については、私はやはり沖縄市の次の展開のためにはどうしても必要だと思っております。ですから、この計画を了として前へ進めるべきだと考えています。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
次会は、明3月1日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後7時36分散会