○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、甲第2号議案及び乙第1号議案から乙第15号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
新里米吉君。
〔新里米吉君登壇〕
○新里 米吉 社民・護憲ネットの新里米吉です。
一般質問を行います。
1、基地問題について。
(1)、2005年8月宮城前嘉手納町長は、マスコミインタビューで、嘉手納統合案にとても受け入れられる状況にない、普天間は沖縄からの全面撤去もしくは国外、アメリカが引き取るということが本来あるべき姿と述べている。知事の感想を伺いたい。
(2)、県選出衆議院議員の某氏は、選挙中は持論の嘉手納統合案等を封印、断念しながら、当選すると持論を主張し、最近では、嘉手納統合案、キャンプ・シュワブ陸上案、国頭村安波案を唱えている。知事の所見を伺いたい。
(3)、ウィキリークスの米外交公電によると、「彼女(小池百合子氏)は防衛相として環境影響評価が終了した後なら、政府は滑走路を50メートル沖合へ移すことに同意するとの非公式な「約束」を知事に対して与えていたと認めた」、また、小池氏は09年までには違う政権ができているから、我々が彼(仲井眞知事)にこれまで何を約束したかは問題にはならないと返答したとあるが、知事の所見を伺いたい。
(4)、ウィキリークスの米外交公電によると、「鳩山首相、平野官房長官、岡田外相、北澤防衛相、前原氏は2009年12月8日夕方に会談し、普天間代替施設で前進を得られなかったのは連立相手の社民党のせいだと一致した」、12月9日前原氏は「もし現行案以外のあらゆる代替案に米国が賛成しなければ民主党は現行の再編計画を進め、必要ならばゴールデンウィーク後に連立を解消する」と選挙中に約束した国外、「最低でも県外」を実行せず、2009年12月には社民党との連立を解消して現行案強行の姿勢をルース大使に伝えていた。このような民主党政権によるアメリカ追随の現行案強行姿勢について知事の所見を伺いたい。
(5)、これまで現行案を推進してきた拓殖大学院教授のM氏や外交評論家のO氏は、最近、「海兵隊は必ずしも沖縄にいる必要はない。沖縄にいなければ抑止力にならないという議論は絶対におかしい」、「沖縄にいる必要はないが日本のどこかにいなければならない」とインタビューに答えている。知事の感想を伺いたい。
(6)、防衛省への県質問要旨は、私が県内外で主張し説明してきた内容と多くの点で一致しており、一定の評価をしたい。今回の質問は知事も了解した内容か伺いたい。
(7)、去る6月25日「不平等な日米地位協定を許さない抗議集会」が開催された。米軍属が軍法会議にかけられず、第1次裁判権の行使もされない。県民の人権無視が続いている。歴代知事と県議会、県民が長い間、地位協定抜本改定を要求してきたが前進していない。前進しない理由は那辺にあるのか、知事の所見を伺いたい。
2、原発について。
(1)、共同通信の世論調査によると、菅首相が中部電力に浜岡原発の全面停止を要請したことについて、「評価66.2%」、「評価していない29.7%」となった。国民世論と浜岡原発停止について知事の所見を伺いたい。
(2)、ドイツが脱原発に政策転換し、イタリアの国民投票では、「反原発約94%」、「原発再開約6%」、ドイツ、イタリア、スイス、オーストリアが脱原発を明確にし、ヨーロッパで脱原発の動きが高まっている。知事の感想を伺いたい。
(3)、福島原発事故について、東京電力と経産省原子力安全保安院は、当初「想定外の大津波」と言って説明をしました。しかし、今日では「地震の揺れによる損傷」があり、大津波は平安時代の貞観地震が指摘されております。「想定されていたが無視してきた」ことが明らかになっています。政府と電力会社が「原発の安全」を喧伝してきた「安全神話」は崩壊したと考えています。「安全神話」の崩壊について知事の認識を伺いたい。
(4)、2010年度の環境省調査によると、沖縄は風力発電に関し、北海道、東北地方に次いで高い優位性を保持しているとのことである。沖縄県として風力を初め再生可能な自然エネルギーの研究開発に力を入れる考えはないか伺いたい。
(5)、省エネの努力を重ね、自然エネルギーの開発と普及を進めながら、「原発については新設を行わず、運転中の炉については安全対策を徹底し寿命を迎えた炉から順次廃炉にする」との姿勢が求められていると考える。知事の所見を伺いたい。
3、沖縄振興計画について。
(1)、沖縄公庫を存続させる方向で検討に入ったとのことで評価したい。最後の詰めを要望したい。沖縄振興一括交付金については、政府関係者は厳しい姿勢であるが、現状を伺いたい。また、現状をどのように打開する考えか伺いたい。
(2)、上原副知事は、6月14日の県議会沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員会で、「法律をつなごうかという話が出てこないとは限らない」と述べ、暫定的に単純延長する可能性もあるとの認識を示したとのことだが、県として暫定延長も考えているのか。また、政府との協議の進捗状況はどうなっているか伺いたい。
(3)、県振興審議会総合部会で、「計画を県がつくってもそのすべてを国の法律に依拠するならば、その法律について県と国の綱引きが始まり、従来の繰り返しになる」と委員から指摘されている。既に政府と県の協議で綱引きが始まっていると感じるが、実態はいかがですか。
(4)、「新たな計画の基本的考え方(案)」の9ページには、「海洋島しょ圏である沖縄は、交通に関する不利性を抱えており、交通ネットワークの構築に当たっては、こうした不利性を克服し、東アジアの中心に位置する優位性を生かす諸条件を整備し、ヒト・モノ・情報が円滑に交流し共生するしくみが必要である。」としている。しかし、制度提言では「不利性の克服」について強く大きく述べているが、「優位性を生かす」ことについて非常に弱いと感ずる。県の所見を伺いたい。
答弁の後、再質問を行います。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
新里米吉議員の御質問に答弁させていただきます。
まず第1に、基地問題についてですが、宮城前嘉手納町長インタビューについての御質問にお答えいたします。
宮城前嘉手納町長はインタビューの中で、御質問の内容以外にも、普天間飛行場移設問題は、地域と県、防衛庁、外務省それぞれが最善の方向を見出せるよう真摯に努力すべきと提言しておられます。
私といたしましては、宮城前嘉手納町長の考え方に賛同するものでございます。
同じく基地問題に係る御質問の中で、県選出衆議院議員による県内移設案についての御質問にお答えいたします。
辺野古以外の県内移設案についてさまざまな提案があることは、報道等により承知いたしておりますが、具体的な内容につきましては把握しておりません。
いずれにいたしましても、日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設を求める県の考えは変わりありません。
同じく基地問題に係る御質問の中で、ウィキリークスで報道された「小池元防衛大臣発言」についての御質問にお答えいたします。
日米両政府とも不正な方法で入手した文書については、コメントも確認も一切しないとのことであります。
なお、私は、当時、代替施設の建設位置について地元の意向や環境に配慮する観点から、可能な限り沖合へ寄せてほしいと政府に対し求めておりましたが、県から具体的な距離等について言及したことはありません。
次に、同じく基地問題の中で、ウィキリークスで報道された民主党政権のアメリカ追随の現行案強行姿勢についての御質問にお答えいたします。
日米両政府とも、不正な方法で入手した文書については、コメントも確認も一切しないとのことでございます。
県といたしましては、地元の理解を得られない移設案を実現することは事実上不可能と考えており、引き続き政府に対し、日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設に取り組むよう強く求めているところでございます。
次に、原子力発電に係る御質問の中で、ヨーロッパでの脱原発の動きの高まりについての御質問にお答えいたします。
エネルギー資源の乏しい我が国にとって、低廉で安定的なエネルギーの確保は不可欠であることから、国として原子力発電の導入を推進してきたものと理解をいたしております。
ヨーロッパにおける脱原発の動きは、それぞれの国の事情を反映したものと考えております。
同じく原子力発電に係る御質問の中で、安全神話の崩壊に関する知事の認識いかんという御質問にお答えいたします。
今回の東日本大震災により、東京電力福島第一原子力発電所が深刻な事故を引き起こし、我が国の経済社会全般にわたり多大な影響を与えたことは、まことに残念であります。
次に、沖縄振興に係る御質問の中で、つなぎ法案の可能性及び政府との協議の進捗状況いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県が新たな沖縄振興のための法律に盛り込むよう提言しております諸制度は、県民が求める将来像実現のため、離島県ゆえの不利性を克服するとともに、魅力ある自然環境や独自の文化、豊富な若年労働力、そして東アジアの中心に位置する地理的優位性を最大限発揮できる施策の展開を目指すものであります。
沖縄県といたしましては、これまで沖縄政策協議会を通じて新たな沖縄振興のための諸制度の実現を政府に要望してきたところであり、去る6月23日の全戦没者追悼式における首相あいさつ及び同24日の官房長官兼沖縄担当大臣の沖縄振興開発金融公庫の存続に関連する発言に見られるように、来年4月以降には、県が求める諸制度を盛り込んだ新たな法律がスタートするものと認識いたしております。
県としましては、単独延長やつなぎ法案はないものと考えております。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 基地問題についての、海兵隊は沖縄にいる必要はないとの見解についてお答えいたします。
県としましては、海兵隊が沖縄にいなければならない理由について、去る5月7日、北澤防衛大臣から示された「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」について、その内容を検討したところ、在沖海兵隊の作戦・任務や沖縄にまとまって所在する理由等、県民の納得のいく説明ではなかったため、疑義を取りまとめ、6月1日に防衛大臣あて質問書を提出しております。
いずれにせよ、県としましては、在沖米軍の中で最も大きな比率を占める海兵隊兵力の大幅な削減が必要であろうと考えております。
次に、防衛省への県質問要旨についてお答えいたします。
先ほど答弁させていただきましたように、去る5月7日、北澤防衛大臣から示された「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」については、その内容を検討したところ、県民の納得のいく説明ではなかったため、疑義を取りまとめ、知事調整の上、6月1日に防衛大臣あて質問書を提出したものであります。
次に、日米地位協定の見直しが前進しない理由についてお答えいたします。
従来、政府は、日米地位協定について、「米軍及び在日米軍施設・区域を巡るさまざまな問題を解決するためには、その時々の問題について、地位協定の運用の改善によって機敏に対応していくことが合理的と考えている」と説明しており、県としては、このことが地位協定が見直されなかった大きな理由と考えております。
県としましては、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、米側に裁量をゆだねる形となる地位協定の運用改善だけでは不十分であり、同協定を抜本的に見直す必要があると考えております。現在、民主党政権は、「地位協定の改定を提起する」としていることから、県としましては、引き続き軍転協や渉外知事会等とも連携しながら、米軍基地負担軽減部会等を通じて粘り強く地位協定の見直しを求めてまいります。
以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 原発についての御質問の中で、国民世論と浜岡原発停止に関する知事の所見についてお答えいたします。
中部電力の浜岡原子力発電所については、想定される東海地震とそれに伴う大規模な津波襲来の切迫性という特別な状況を踏まえ、一層の安心を確保するため、例外として国は運転停止を求めたものと聞いております。
共同通信社の世論調査結果は、今回の東日本大震災により東京電力福島第一原子力発電所が深刻な事故を引き起こし、我が国の経済社会全般にわたり多大な影響を与えたことを大きく反映したものと理解しておりますが、一方で、浜岡以外の原発の停止についての部分では、電力不足への不安から賛成が57%、原発を停止しないことについて賛成が57.9%となっているという事実もあり、国民としてはやはり電力不足への不安というものを踏まえて揺れているのではないかと理解しております。
続きまして、同じく原発の中で、風力等の再生可能エネルギーの研究開発についてお答えいたします。
沖縄県においては、2010年度の環境省調査で風力発電の優位性が報告されております。しかしながら、電力系統が小規模であることによる風力発電等の不安定な電源が系統に与える影響の大きさや、台風常襲地域であることによる設備の強度を高める必要性などの課題があります。このため、今年度より、県は、沖縄電力と連携し、「スマートエネルギーアイランド基盤構築事業」の一環として、沖縄本島北部において4メガワットの風力発電の実証事業等に取り組んでおります。また、沖縄電力は、台風等を避ける可倒式風力発電設備を波照間島と南大東島に設置しております。
沖縄県としては、このような実証事業等を通して、電力系統の安定化対策等の知見を蓄積し、県内における再生可能エネルギーの普及を強力に推進していきたいと考えております。
続きまして、同じく原発の中で、省エネ、自然エネルギーの開発・普及を進め、寿命を迎えた炉から順次廃炉にすることに対する知事の所見についてお答えいたします。
エネルギーは、国民生活や経済活動の基盤であります。今後の原子力発電のあり方については、今回の事故を踏まえた国のエネルギー政策の見直しの中で、エネルギーの安定供給の確保、環境への影響及び経済性の観点から議論されていくものと理解しております。
県としましては、自然エネルギーの導入比率を高めていくための取り組みを加速化していく考えでございます。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 沖縄振興計画についての御質問の中で、沖縄公庫の存続と沖縄振興一括交付金の対応についてお答えします。
沖縄振興開発金融公庫の存続については、去る6月24日に枝野官房長官が、沖縄振興の観点から、他の機関と一体化することにはまだまだ問題があるのではないかとの認識を示し、沖縄公庫の存続について言及しております。
沖縄県としては、沖縄公庫の担う政策金融の役割は今後も重要であると考えており、引き続き政府に対し、現行の機能及び組織形態の存続を要望していきたいと考えております。また、沖縄振興一括交付金については、去る6月23日の沖縄全戦没者追悼式における首相あいさつ及び翌24日の官房長官の沖縄振興一括交付金の創設に係る発言などから、今後国においてその実現に向けた検討が進められていくものと考えております。
沖縄県としては、新たな沖縄振興に必要な財源として沖縄振興一括交付金の創設を引き続き強く求めていきたいと考えております。
次に、新たな計画の法律への位置づけに関する国との協議についてお答えします。
新たな計画は、「沖縄21世紀ビジョン」で県民とともに描いた将来像の実現や固有課題の解決を目指し、県独自に策定する計画であります。この計画は、いわゆる総合計画であることから、これに盛り込まれる施策には、国の支援を得ながら県や市町村によって推進されるべき施策はもとより、沖縄の特殊事情に由来する「基地問題の解決と駐留軍用地跡地利用」や「離島の条件不利性克服と国益貢献」など、国の責任において克服・解決を図るべき施策も含まれることになります。現在、これらの施策が円滑に実施できるよう、国に対して「従来制度の深堀り」や「沖縄振興一括交付金(仮称)の実現」に向けて要請しているところであります。このことに関し、去る6月23日、菅総理大臣は、沖縄県が主体となる計画への支援などについても述べられました。今後は、政府において、沖縄県の考えを取り入れた検討が進められるものと期待しております。
次に、沖縄の優位性を生かす制度提言についてお答えします。
「新たな計画の基本的考え方(案)」では、沖縄がアジアのダイナミズムを取り入れ、我が国の成長の一翼を担う地域としての発展可能性を沖縄振興の必要性の一つとしてとらえております。すなわち大きな時代変動の中、沖縄みずからの発展はもとより、日本経済がアジアの活力を取り込むための橋頭堡としての役割を担い、日本と世界を結び、アジア・太平洋地域の平和と発展に貢献する先駆的地域を形成するなど、強くしなやかな経済を構築することを基軸の一つとしてとらえております。この地理的優位性を生かす制度としては、国際物流拠点の形成、臨空・臨港型産業の育成、世界に開かれた研究開発・交流拠点の基盤づくりなどに関する提言を行っております。今後、これらの施策展開により、沖縄の発展とアジア・太平洋地域への貢献につなげることを目指したいと考えております。
以上でございます。
○新里 米吉 再質問を行います。
まず、基地問題についてですが、ウィキリークスの件で、日米両政府とも不法にとってきた情報についてはコメントしないということのようですが、ただ、これは朝日新聞でかなり大々的に取り上げられたわけです。朝日新聞はウィキリークスが暴露したこの公電について、信憑性を確認した上で厳選して公開したと言っているんです。だから全部を公開したんじゃなくて、その中でも信憑性を確認した上で厳選して公開した。これはマスコミとして相当自信を持って公開しているということをまずとらえなければならない。そしてそれだけじゃないんです。それにかかわったアメリカのクローリー前国務次官補、何と言っているか。米国の国際関係をほぼ網羅する25万の公電がウィキリークスの手に落ちた時点で、国務省は予想される影響を各国駐在の米大使館に分析させたとこう述べています。そして、日本政府にも各大使館を通して、あるいは国務省を通して説明もしたと。これを見たとき、いかにこれが信憑性が高いか、真実であるか、私は非常に明らかだと思うんです。それだけにアメリカの外交に対する信頼性が失墜するもんだからコメントできないと。日本政府も追随してコメントできない、こう言っているんじゃないかと思うんですが、知事の御感想を伺いたいと思います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前10時31分休憩
午前10時32分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) ウィキリークスの公電につきましては、議員おっしゃるようにマスコミによって暴露されたというんですか、非常に大きな話題になったということは承知しております。ただ、その内容等につきまして、県の立場としましては、それではこの内容が真実かどうかという形は県だけで判断できるわけではございませんで、当然、これは日米両政府に対してその確認を求めるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、一切このことについてはコメントもしないというような状況でございますので、県としてはその内容についてその真偽については公式に確認するすべがないというのが現状でございます。
○新里 米吉 確認をするしないの問題じゃなくて、そういうことが裏で行われていたと。そして、日米両政府が沖縄の基地問題についてこういう姿勢でやっていたということが明らかになってきているわけですから、これは県にとって今後の政府とのかかわりについて非常に重要な参考資料になるだろうと思うんです。とりわけ私が質問した中でも(4)番目の5名の閣僚が集まって相談をしていた。そしてこれは前原氏が2009年の12月9日にルース大使と会って話をした内容というのは、その後そのとおり動いているんですよ。もう100%と言っていいぐらいこのとおりになっているじゃないですか。連立を解消します、解消した。それだけじゃなくて、アメリカがはいと言わなければ、現行の再編計画どおり進めていくと言っているんです、そのとおり進んでいる。昨年の日米共同発表、先日の2プラス2、そのとおりでしょう。これをどう受けとめていますか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前10時34分休憩
午前10時34分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 今議員のおっしゃった論点につきましては、ウィキリークスがそういう背景があったということを伝えていることについては、大変興味深いとは考えておりますが、しかしながら公式にやはり日米両政府が昨年5月28日の日米共同発表で、辺野古への移設を取り決め、また今般の2プラス2で取り決めたというこの事実に対して、県としましては県内移設は事実上不可能であり、県外移設を求めると言っておるわけでございます。
○新里 米吉 この点については、それだけで済ませておきたいと思いますが、次ですね、6番目の防衛省への県の質問ですね。これを2回読んでみたんですが、読めば読むほど私の感想としては、県内移設を許さない、県外・国外を求める、こういう姿勢が文章の中に貫かれている、質問の中に貫かれている。非常に鋭く政府の言ってきているうそ、あるいはごまかしについて私などもこれまで講演とか県外に呼ばれてそのことを言ってきましたが、かなり一致する点が多いんですよ。その姿勢は何かというと県内移設は許さないぞと、県外・国外を求める。とりわけ海兵隊が沖縄に駐留する必要性があるのかどうかと、ないんじゃないかというような視点が私は強く感じられるんです。知事も了解した内容だということがありましたので、知事、どうですか。そういう姿勢がこの皆さんのものには貫かれていると私は思っているんですがどうですか。
○知事(仲井眞弘多) 今の新里議員のお考えはお考えとして、これは私たちがかねてから申し上げてきたことで、特に民主党政権になって悪くとも県外と言われた鳩山さんのころから、つまり県内やまた全く同じところへ舞い戻ってきた納得のいく説明と納得のいく解決策をずっと求めていまして、議会でもそういう答弁を去年の5月前後からずっとしているわけですが、その線上にある考え方でこの海兵隊の戻ってきた理由をただしているわけでございます。
○新里 米吉 単にUターンしてきたから問題だということじゃないんですよ、この文章は。それだけだったら、こんなに見事な文章は書けないですよ。これは副知事と公室長や知事公室の皆さんがそういう姿勢で立派につくって、知事は少し姿勢が弱いのかなと感じざるを得なくなります、今の話だと。皆さん、見事なことを言っていますよ。他の都道府県に駐留した場合、迅速に展開できなくなるのか、強襲揚陸艦の配備地域、長崎県佐世保など、国内他地域に駐留する米軍基地との整合性はあるのか。Uターンの話じゃないんだ、根本的な話を皆さんは追及している。在沖海兵隊を他の都道府県に移しても、沖縄には米空軍や陸軍、海軍のほか、自衛隊の基地が存在しており、軍事的なプレゼンスが低下することはないのではないか。海兵隊を移しても軍事的なプレゼンスは沖縄は落ちないでしょうと、ここまで見事に言っているじゃないですか。そして強襲揚陸艦地域は、付近に在沖海兵隊が駐留した場合、日本の安全確保に懸念が生じることはないのではないか。沖縄には、東アジア最大の空軍基地がある嘉手納飛行場を初め2万3000ヘクタールを超える広大な米軍基地が存在しており、面積でわずか2%にすぎない普天間飛行場をハワイやグアムに移転することが本当に国際社会に誤ったメッセージを送ることになるのか。国内の他の都道府県に移設することは、国際社会に誤ったメッセージを送ることにはならないと考えていいか。見事じゃないですか。そこまで言っているのにUターンしたから言ったんだじゃないですよ。さっきから私が言っているとおりのことを、やはり流れとして姿勢として持って書かないとこれだけのことは書けないですよ。私、これ一定の評価していますよと。一定よりもうちょっと上ぐらい言いたいんだけれども、与党だったら相当褒めていますよね。だから、知事、素直にそういう姿勢を言ってくださいよ。
○知事(仲井眞弘多) どうも新里議員は、私の答弁に御不満でそれを書いた人は納得がいっておられるようですが、私はいずれにしても民主党さんがもともと悪くとも県外と言っていたのが辺野古に戻ってきた。これの納得いく説明をずっと求めていたわけでして、それが先ほどの海兵隊に関する防衛省のパンフレットですから、これでは納得いきませんよと。疑義をただしますということでやったのがその中身で、私は余りどうも評価されていないようですが、副知事を初めとする職員はぜひこれはこれで苦労しながらつくっていますから、ひとつ評価してください。
○新里 米吉 今の基地問題、アメリカの上院の歳出委員会、軍事委員会で、グアムへの移転費が削除される。さらにアメリカの中でもこの間から指摘がありますように、1年半前には海兵隊撤退論が議員の中から出てきました、有力議員の中から出てきた。ことしになってから嘉手納統合案や現行案が出てくる。一枚岩じゃないですね。アメリカがこんなに一枚岩じゃない、ぶれたことはかつてなかったと思います。
そして先ほど話しましたように、これまで日本の国内で自民党政権のときに、現行案を一生懸命推進してきた論客と言われる人たちにも変化が見られる。これは日米両政府が非常に追い込まれている証拠だと思うんですよ。このようなときに、我々がとるべき態度は、この間から言われているように知事が毅然たる態度を常にとる、アメリカに行っても日本政府に対しても。このことが非常に今求められているし、もう一つは、県民が一丸とならぬといかんときだと思うんです。アメリカもぶれているけれども、沖縄内の我々もぶれたんじゃ、これはこの絶好の機会に沖縄に基地を押しつけられる、あるいは普天間にそのまま押しつけられるということになってしまう。今こそみんなが一致団結すべきときだと思いますが、いかがですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前10時42分休憩
午前10時43分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 県民が難しい問題に対して一丸となるというのは、もう当然これは必要なことだと思います。そして今の新里議員のお考えはお考えとして承っておきますが、確かに辺野古移設というものについてのいろんな議論が出ているということもこれもおっしゃるように確かのような感じはしますよ。
そういう中で、我々はこの普天間の危険性を固定化させないで一日も早くどうやって動かすか、そして返還させるか、ここのところをよく考えながらこれからも一丸となって展開していく必要があるというふうには考えております。
○新里 米吉 次、原発について質問をします。
2カ月ほど前、テレビを見ていましたら、東京電力の下請の社長が、私は国と東京電力を信用して原発は安全だと言って、親、親族、地域の人々をだましてしまった。二度と原発の仕事はしたくない。しかし、今は放射能汚染をとめなければならない。作業をしている人は若い人たちだと言って泣いて訴えていました。
知事に伺いたいんですが、この下請社長の悲痛な声をどう感じますか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前10時45分休憩
午前10時45分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の新里議員の御質問にどうお答えするかというところですが、電力事業というのは大勢の人が一緒になっていろんな形でつくり上げている事業ですし、資源のない日本、沖縄も含めてですが、なかなかみんな苦労しながらやってきている。そして一生懸命やってきた原子力発電所の事故がこういう大地震の結果として起こっているということに対して、先ほどから答弁していますように極めて残念だというのも当然ですし、ただその受けとめ方というのは人それぞれあると思いますから、非常に悲惨な声を上げておられる人もおられるし、またマクロにエネルギー問題をあとどう考えていくか、いろんな方がいろいろおっしゃっておられます。ですから、これはこれからの日本のエネルギー政策というのをよく見ながら、私たちは冷静に安全性が確保でき続けられるのか、非常に無理があるのか、そこら辺の判断をしながら、待ちながら考えをまとめるべきだと私は考えております。
○新里 米吉 このような発言をしたのは、知事がまだあれだけの大きな事故が起きても、原発の安全性についての安全神話の崩壊について質問しても、明確にお答えにならぬものだからこれを言ったわけです。
ところで、きのうテレビを見ていましたら、世界的な学者でどこにも属さずに市民の立場で最終的には活動された高木仁三郎さん、よくおわかりだと思います。テレビでやっていましたが、16年前に今の事態を完璧に予測して当てているんです。地震が起きたときには、地震、津波、大火に備えるべきだと言っている。そしてメルトダウンについても予測しているんですよ、既にそのときに。だから予想外のことだなんて言える話じゃないんです。さらには、原子力委員会の中でも委員の中の2名の方は、貞観地震のことを話してきたけれども、取り上げてくれなかった、無視されてきたと言っている。私たちはそのことを大いに反省していかなければならないだろうと思いますね。
そのことを申し上げて終わります。
○上里 直司 おはようございます。
民主党の上里直司でございます。
それでは質問通告に従いまして順次質問をいたします
1番目の現行の沖縄振興特別措置法にかわる新たな制度要望についてお伺いいたします。
(1)、税の特例や規制緩和等の要望を「全県特区」としてまとめる必要があるかと考えておりますが、いかがでしょうか。
(2)番目、新たな計画実施後にも国と協議を行う場の創設を求めていくべきではないかお伺いいたします。
(3)番目、新たな法律の名称を県から提起すべきだと前議会でも提案し、そのような考え方を示されましたが、現状での取り組みについてお伺いをいたします。
再生可能エネルギーヘの対応についてお伺いをいたします。
今議会でも各議員から代表質問、一般質問で再生可能エネルギーについての質問が出ております。当然これは進めていくべきではありますが、設備の導入というのは、今事業者が進めております。しかし、その設備の導入というのは非常にお金がかかってしまう、時間もかかってしまう。そんな中で、需要側の技術革新というものは、まさに日進月歩と言われるぐらいに今進んでおります。その点で、県が今年度から進めております「スマートエネルギーアイランド基盤構築事業」、ここにおける実施施策、需要面での実施施策を決定する組織――私は今仮称として沖縄環境未来都市協議会という名前で提起をしておりますが――早目にこの設置等開催を急ぐべきだと思いますが、見解をお伺いをいたします。
(2)つ目、宮古島市が先行している再生可能エネルギーヘの取り組みを各島々での実施を検討できないかどうかお伺いいたします。また、「美ぎ島・美しゃ市町村会」からどのような意見が出ているかお伺いをいたします。
3番目、企業誘致についてお伺いいたします。
(1)、震災後の節電による影響を回避しようと、日本企業の生産及び研究施設を海外に移転させるという動きを見せております。これに歯どめをかけて、沖縄への企業誘致を図るべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
(2)番目、現在の沖縄電力の電力供給体制では、これらの企業誘致にどの程度対応できるのかどうかお伺いをいたします。
4、図書館行政についてお伺いいたします。
(1)、図書館人材の採用について。
現状での有資格者の割合及び正規・非正規の割合についてお伺いをいたします。
次に、今回「学校事務Ⅱ」において、司書資格を有する者を若干ながら採用予定としていることは率直に評価をしたいと思います。ただ、今後は図書館職として採用試験を実施し、司書を学校や県立図書館等に配置すべきと考えますが、いかがでしょうか。
(2)つ目、「今後の沖縄県の図書館の在り方」への教育長の見解と沖縄県全体の図書館行政の中で県立図書館が指導的な役割を担うべきかと考えていますが、いかがでしょうか。
5、住宅政策についてお伺いいたします。
(1)、県内での住宅建設及び改築等の推移及びその経済波及効果についてお伺いいたします。
(2)、沖縄県の耐震化診断と耐震化改築への取り組みがおくれている理由についてお伺いいたします。
(3)、沖縄型環境配慮住宅の建設推進の取り組みとモデルハウスの建設についてお伺いいたします。
(4)番目、古民家再生事業への取り組みについて。
今年度の県の取り組みをお伺いいたします。
古民家再生や沖縄の住宅建設を担う人材育成をすべきであるかと考えていますが、現状の取り組みについてお伺いいたします。
6、被災地支援についてであります。
被災地の子供たちを何とか沖縄で滞在させるようなプログラムを今沖縄本島全島で、いろんな地域で、この問題に対応されている市町村や団体がいらっしゃいます。これは県が旗を振って、こういう被災地の子供たちを沖縄で受け入れるという、そういうプログラムを実施すべきだと私は思っていますが、いかがでしょうか。
現状でのこうした動きをどのように把握をされているのかもお伺いをいたします。
7、海外との交流推進に向けて。
(1)番目、中国人観光客のマルチビザ制度が7月1日から実施をされておりますが、この先行実施後の制度構築についての考えをお伺いいたします。
続いて、(2)、今後の海外展開に向けて現状の海外事務所の人員と人材育成の検討についてお伺いいたします。
(3)番目は、海外の姉妹都市、各国の領事(名誉領事含む)、交流関係の締結国は何カ所あるのか。また、仲井眞知事就任以来、知事を訪ねた各国要人・大使は何カ国になるのかお伺いいたします。
最後に、(4)、感染症研究施設の設置というものは、新たな制度要望の中にも盛り込まれていますが、現状についてどのような状況なのかお聞かせください。
以上でございます。
○知事(仲井眞弘多) 上里議員の御質問に答弁させていただきます。
まず第1に、新たな制度要望についてという御質問の中で、税や規制緩和などの要望を「全県特区」としてまとめる必要はないかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
現在の沖縄振興特別措置法に基づく経済特区制度は、特別自由貿易地域、そして情報通信産業特別地区、さらに産業高度化地域などなど沖縄本島の一部を中心に、極めて限定的に指定されているところであります。
沖縄県といたしましては、「沖縄21世紀ビジョン」の実現に向けまして、地域の特性に合った産業の振興や今後の沖縄経済を牽引する戦略産業の育成、そして誘致を図る観点から、離島を含む県全域を対象として税制措置や規制緩和等の制度創設が必要と考えております。この実現のため、現在、県全域を対象に県内地場産業のイノベーションを促進する「産業イノベーション制度」と、今後の沖縄経済を牽引する戦略産業の集積を促進するため、税制を深掘りをした「おきなわ・新成長産業振興制度」の創設を国に要望しているところでございます。
今後とも県全域を対象とした制度の実現に向けて国と協議を行ってまいりたいと考えております。
次に、新たな制度要望に係る御質問の中で、国と協議を行う場の創設についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
国と沖縄県とが沖縄に関する基本施策を協議する場としましては、首相を除く全閣僚と沖縄県知事とで構成する沖縄政策協議会が平成8年9月に閣議決定に基づき設置されております。新たな沖縄振興のための法律や沖縄振興一括交付金の創設などにつきまして、この協議会及び沖縄振興部会において協議が重ねられているところであります。
沖縄県といたしましては、「沖縄21世紀ビジョン」で掲げました将来像の実現と固有課題に対応するためには、沖縄県と国との協議の場が引き続き必要であると考えており、現行の沖縄政策協議会の活用とあわせて、新たな協議の場の設置につきましても検討してまいりたいと考えております。
次に、企業誘致に係る御質問の中で、震災後、節電の影響を受けた企業に対する沖縄への誘致についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
東日本大震災後の県外企業の誘致につきましては、製造業では流量計製造企業、そしてIT関係ではソフトウエア開発企業の県内立地がございます。また、電力不足や被災リスクの回避を検討する県外企業からの問い合わせが数多く寄せられております。このうち、十数社が県内のデータセンターにサーバーを移設しております。
沖縄県といたしましては、企業の分散投資や新たな事業展開を考える県外企業の立地ニーズに適切かつ迅速に対応していきたいと考えております。このため、今年度は例年9月に東京・大阪で開催いたしております企業誘致セミナーにつきまして、7月中旬に前倒して開催を予定いたしております。
次に、海外との交流推進に係る御質問の中で、ノービザ制度の先行実施後の制度構築の考え方いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
県では、5月10日に東日本大震災に伴う我が国への外国人観光客の大幅な減少を踏まえ、政府に対し、国際観光の振興のため一定以上の所得者のビザの免除や着陸料等の免除を要請いたしております。このような中、5月28日に沖縄を訪問する中国人個人観光客に対する数次ビザ制度の創設が発表されており、一定の前進が図られたものと認識いたしております。
今後、より一層の国際観光の振興を図る上で、中国のみならず、新規市場として開拓に取り組んでいるロシアやタイ、そしてマレーシア等、現在日本入国に際しビザを要する国々につきましてもさらなる緩和を図ることが重要と考えております。
県といたしましては、引き続き政府に対しビザ制度の要件緩和を求めてまいりたいと考えているところでございます。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(川上好久) 新たな制度要望についての御質問の中で、新たな法律の名称についてお答えします。
現在、新たな法律の内容について国と調整を進めているところでありますが、法律の名称についてはまだ議論に上っておりません。今後、新たな沖縄振興策に係る国との調整等も踏まえ、法律の理念や内容にふさわしい名称を県からも提案していきたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 再生可能エネルギーへの対応についての御質問の中で、「スマートエネルギーアイランド基盤構築事業」の実施組織の設置についてお答えいたします。
今年度から実施している「スマートエネルギーアイランド基盤構築事業」は、太陽光発電や風力発電を導入した場合の電力系統に対する安定化対策の検証、電力の供給側と需要側が連携したエネルギー需給管理技術の実証、さらには亜熱帯型省エネ住宅の普及やEVバスなどの生産に向けた体制づくりなどの基盤構築を内容とするものでございます。
本事業を円滑に実施するため、建築部会、EVバス・交通部会、エネルギーマネジメントシステム部会、宮古島部会の4つの作業部会を設置するとともに、本事業を総括するため、県や関係事業者、有識者等で構成する組織の設置を予定しております。
同じく再生可能エネルギーへの対応についての御質問の中で、離島における再生可能エネルギーの取り組み及び「美ぎ島・美しゃ市町村会」からの意見についての御質問にお答えいたします。
沖縄県は、沖縄電力と連携し、平成22年に宮古島、多良間島、与那国島及び北大東島に太陽光発電設備を整備しました。また、台風等を避ける対策として可倒式風力発電設備を波照間島及び南大東島に整備しており、今後も各島々の地域特性に即した再生可能エネルギーの導入を促進してまいります。
次に、「美ぎ島・美しゃ市町村会」は、平成22年1月に「沖縄21世紀ビジョン」に関する要請を行っており、その中で「離島社会の持続的な発展のためには、クリーンエネルギーの活用等が重要」との意見が出されております。これを受け沖縄県は、「新たな計画の基本的考え方(案)」において、宮古・八重山圏域では再生可能エネルギーの導入を推進することとしております。
続きまして、企業誘致についての御質問の中で、現在の電力供給体制でどの程度の誘致が可能かについてお答えいたします。
沖縄電力の「平成22年度決算の経営参考資料集」によりますと、電力の供給力は184万キロワットとなっております。平成22年度の最大電力が138万キロワットであることから、約45万キロワットの供給予備力が確保されているものと理解しております。供給予備率は32.8%でございます。また、平成24年度には液化天然ガス、いわゆるLNGを燃料とした吉の浦火力発電所の1号機(25万キロワット)が運転を開始することから、新規企業立地のための電力は十分にあるものと理解しております。
続きまして、海外との交流推進に向けての御質問の中で、海外事務所の人員と人材育成についてお答えいたします。
沖縄県産業振興公社が設置している香港、上海事務所には、それぞれ所長1名、現地スタッフ2名を配置しております。また、台北事務所には、所長1名、現地スタッフ1名を配置しております。なお、海外事務所長は、商工・観光行政経験のある人材を配置し、現地スタッフは日本語が堪能で、現地の商習慣あるいは文化等に精通した人材を配置しております。
海外事務所の人材育成に関しましては、派遣前に海外事務所の業務と関係のある課に配置し、知識の習得に努めるとともに、派遣後は、随時関係機関等との海外展開事業に関する意見交換を行い、職員の能力向上に努めております。
以上でございます。
○教育長(大城 浩) 図書館行政についての御質問で、司書有資格者の割合等についてお答えいたします。
平成23年6月現在の沖縄県立図書館に勤務する職員60名中、司書有資格者は16名で、割合は27%であります。その内訳は、正規職員が24名中7名で29%、非正規職員が36名中9名で25%となっております。なお、非正規職員36名のうち22名は、国の緊急雇用創出事業等による期限つきの職員であります。
次に、図書館職での採用試験の実施についてお答えいたします。
図書館は、学校や地域における読書活動や学習・情報の拠点として重要な役割を担っております。図書館がその機能を十分に発揮するために、司書資格を有する事務職員の果たす役割は重要と考えております。
本年度の県職員採用中級試験においては、司書資格を条件とする「学校事務Ⅱ」を設けたところであり、今後とも司書資格を有する事務職員を計画的に採用し、図書館行政の充実に努めてまいります。
次に、県立図書館の役割等についてお答えいたします。
図書館は、学校や地域における読書活動や学習・情報の拠点として重要な役割を担っております。県全体の図書館のあり方につきましては、社会の変化に対応するために検討する時期に来ているかと考えております。
県教育委員会といたしましては、今後とも県立図書館が中核となり、学校を含めた各機関と連携して一層のサービス向上に努めるとともに、住民のニーズにこたえる課題解決支援機能やレファレンス等、市町村の支援に努めてまいりたいと思います。
次に、被災地支援についての御質問で、滞在プログラム等についてお答えいたします。
県教育委員会といたしましては、現在、被災地の児童生徒を夏休み中に一定期間受け入れられる滞在プログラムの実施に向けて計画をしているところでございます。
なお、被災地の子供たちを受け入れる滞在プログラムにつきましては、沖縄国際ユースホステルが計画していると伺っております。
以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 住宅政策についての御質問で、県内での住宅建設及び改築等についてお答えいたします。
持ち家、共同住宅等の住宅建設戸数は、住宅着工統計によれば、平成18年度の1万6233戸をピークに、19年度は改正建築基準法等の影響で9614戸と減少しております。その後、20年度1万3148戸と持ち直し、21年度1万1231戸、22年度1万914戸となっております。また、改修工事等の直近5カ年間の戸数は、住宅・土地統計調査によれば、平成10年1万7800戸、15年1万8900戸、20年4万8800戸となっており、増加傾向にあります。
住宅建設等の経済波及効果については、木材、鉄筋、内外装、設備等の資材や労働力はもとより、家具、電化製品等の消費も伴うことから、その効果はかなり大きいものと考えております。
同じく住宅政策で、沖縄県の耐震化の取り組みがおくれている理由についてお答えいたします。
沖縄県においては、鉄筋コンクリート造の建物の占める割合が他県よりも高く、その耐震診断・耐震改修費用は木造に比べ高額であり、県民の経済的負担が大きいことが耐震化の取り組みがおくれている要因の一つと考えられます。また、本県は塩害による建物の劣化が著しいことから、耐震補強よりも建てかえ等による建物の更新が多いことも要因と考えられます。
そのような中で、県は、今年度から新たに「民間住宅耐震診断補助制度」を創設したところであり、窓口となる市町村においても補助制度の整備が必要であることから、現在、市町村に対して補助要綱を策定するよう働きかけているところであります。耐震改修工事等の費用についても、住宅所有者の負担軽減が図られるように補助制度の創設を検討していく考えであります。
同じく住宅政策で、沖縄型環境配慮住宅の建設推進についてお答えいたします。
沖縄型環境共生住宅の建設推進に向けて、平成21・22年度に行った環境共生住宅推進事業の省エネ効果等の調査成果をもとに快適で環境と共生する住宅の普及を図るため、今年度から建築士や関係団体に説明会を実施していく予定であります。また、モデルハウスの建設については、今後、独立行政法人建築研究所やNPO団体等と連携する中で、その推進方策を検討していきたいと考えております。
同じく住宅政策で、今年度の古民家再生事業の取り組みと人材育成についてお答えいたします。5の(4)のアとイは関連しますので一括してお答えします。
今年度の取り組みとしましては、古民家とその景観を守ることを目的に市町村や個人などを対象として、平成21・22年度の調査成果の説明会を県内各地で開催し、地域に根差した古民家の再生・活用の働きかけを行っているところであります。さらに、建築士やNPOなどの関係者に対して「古民家の保全・再生・活用マニュアル」の説明会を行い、地域の古民家再生の取り組みを促すこととしております。
また、古民家再生等を担う人材育成については、NPOなどの主体的な取り組みを支援しながら、今後の展開について検討する考えであります。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) おはようございます。きょうも一日よろしくお願いします。
上里議員御質問の海外との交流推進に向けての中の、海外との交流関係及び海外要人訪問についてお答えします。
沖縄県におきまして、現在、姉妹都市を提携しているのはアメリカ合衆国ハワイ州、ブラジル連邦共和国南マットグロッソ州、ボリビア多民族国サンタクルス州、中華人民共和国福建省の4地域となっております。
また、領事に関しましては、アメリカ、ブラジル、ボリビア及びペルーなど9カ国が県内10カ所において設置されております。
海外からの大使等要人につきましては、駐日フランス大使など33カ国、72名が知事就任以来訪れております。
以上です。
○福祉保健部長(宮里達也) 海外との交流推進の中の、感染症研究施設の設置についてお答えいたします。
県としては、現在、「新たな沖縄振興のための制度提言」として、感染症対策の強化を初めとする健康危機管理体制の確立を国に要望しております。その制度の中心として健康危機管理情報センターを設置し、県内の健康危機管理に関する情報の一元化、感染症等の侵入に対し、東南アジア等の近隣諸国を含むサーベイランスの強化を図りたいと考えております。同センターの設置により、アジア地域の技術職員等の交流活性化や技術移転等の国際貢献にもつながるものと考えております。
以上です。
○上里 直司 それでは、順を追って再質問をいたします。
先ほど知事から御答弁いただきまして、県全域を対象にした制度を創設するとおっしゃっておりました。こうなると、私たちも財政措置は一括交付金化で、税の特例や規制緩和をある意味全域をカバーするものでやっていけば、ひとつ車の両輪として沖縄県をどう運営していくのかということが見えやすいだろうなと思っていたんですね。その意味では、今までの制度要望を少し変更し、新たな主張を強化しているわけですから、改めてこのことについて政府に説明し、政策協議会で取り上げていただくよう要望する考えはございませんでしょうか。
○企画部長(川上好久) これにつきましては、現在、制度提言した内容というふうなものを若干組みかえる形で全域という形にしてございますので、それはまた追加して説明をしていきたいというふうに思います。
○上里 直司 これまでの制度要望の一つ一つを積み上げていくとこういう形になるというのではなくて、沖縄県としての姿をこういうふうに見せていくんだという意味ですから、やっぱり少しテーストというか、変わってきているはずですから、これは修正というよりかは新たに強化した考えですということをやっぱり申し上げるべきだと私は提言したいと思っていますので、ぜひ知事、どうでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 議員おっしゃるように、また、民主党の皆様からもある意味でサジェスチョンもいただいておりますが、確かにこれまで40年間、いろんな税の優遇、税の制度、そして規制緩和がいろんな分野で、ITであるとか、製造業であるとか、高度化であるとか、いろんな形で入ってきておりますが、これを全県一区――全県一区というのは変ですが――やっぱり各地それぞれいろんな特色を持っていますし、ある意味でITであればどこの地域でもできるというよさもあります。
ですから、そういうことで逆に全県一区で税をもう少し競争的な深掘りをするというような形で沖縄全域で取り組むというむしろ面としての体制をとりながらも、各地域のテーストが入ってきますから、むしろ議員からの今のサジェスチョンを踏まえた方向で何とかまとめていければと思っておりますので、ぜひともお力添えをいただきたいと思いますし、一国二制度に近い――一国二制度とは何かというと、なかなかこれは難しい部分があるんですが――そういう方向性も持った形でお願いしてまとめたいと思っておりますので、またよろしくお願いいたします。
○上里 直司 それでは続きまして、再生可能エネルギーへの対応についてお聞かせください。
この「スマートエネルギーアイランド基盤構築事業」という事業の目的というのがあるはずなんですよ。部長のこれまでの議会での答弁は、太陽光発電の設置、風力施設の設置ということがメーンに出ていますけれども、それは一部でありまして、本当はもう少し事業の目的というのはあるはずですから、ぜひこの事業の目的というのは何なのかというのを御答弁いただけませんか。
○商工労働部長(平良敏昭) おっしゃるとおり、「スマートエネルギーアイランド基盤構築事業」というのは、単に太陽光発電を入れたり、風力を入れたり、それは全体の中の一つだと理解しております。基本的には、やはり現行の環境負荷を落としていくためにいろんな取り組みが想定されます。そのために自然エネルギーの導入比率を高めていくと、こういう観点から一番今現実的に対応が可能な太陽光発電、それから風力発電等に取り組んでいるというのが現状でございます。
○上里 直司 部長、この事業の目的は、都市計画や地域外交まで非常に大きな概念を含んでいるんですよ。
そういうことから、私は、登壇してお話しした場合でも、電力事業者にすべてをお願いするというのは、これは不可能なんですよ。それは無理な話であって、ただ、これは進めるべきだという主張は根底に持ちつつも、今や民間レベルでの技術革新の流れをいかに取り入れるかというのがこの事業の目的なはずなんですよ。その意味で、先ほど答弁ございました親協議会というか、民間も入れてやる協議会の設置を要請しているという話をされていましたので、これはぜひ主体的に、もうこれは事業は始まっているわけですので、近いうちに設置するというような答えでぜひ御答弁いただけませんでしょうか。
○商工労働部長(平良敏昭) 先ほど答弁しましたのは、要請しているではなくて、予定していると答弁したつもりでございまして、そのように考えております。
○上里 直司 わかりました。
これは、私も新聞報道でしか見ていないんですけれども、トヨタ自動車は、2014年には主力車をEVカーにするというんですね。でも、今現状では、ある商品なんかは非常に普及はしていますけれども、あと3年ぐらいには主力を置くという話をしています。例えば、ホンダという会社も同じような形をとろうとしています。世界各国、EVカーについての技術革新を進めていますし、ある意味でこの技術革新の核となるのは蓄電技術、それをどう進めていくかということでありますので、発電施設をつくることが目的じゃなくて、この民間投資を呼び込むことが重要ですので、ぜひそのことを配賦に入れて進めていただきますよう、これは要望したいと思っています。
続けて、企業誘致。
私、再質問をしようと思った部分を知事にお答えをいただきまして、7月の中旬ごろに企業セミナーというのをやられるというふうな話を聞きました。これまでの企業誘致セミナーがどういうものであったか、私は存じ上げないのでありますが、ぜひ沖縄電力さんに同行して、我が沖縄県の電力供給体制はこういうものなんだということをぜひアピールというか、紹介をしていただきたいなと思っています。
これは、なぜこういうことを申し上げるかと言うと、要するに、沖縄県に今企業誘致というのはこの前からずっとある我々の課題でありますけれども、沖縄じゃなくて日本の企業の海外移転を食いとめるという、日本政府からしても本当に課題となっているものでありますので、ぜひそういう意味では、政府の経産省が補助金を出してまでも海外移転を食いとめるというものを今検討しているみたいですので、ぜひそういう意味でのセミナーの開催を検討できないか、いかがでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前11時29分休憩
午前11時30分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 上里議員の御質問はほとんど御提案に近い形で、ぜひ丸ごと入れさせていただきたいと思いますし、今やっている沖縄振興法の施策の延長の中にも世界と競争できる、少なくとも企業誘致上も競争できる条件を何とかもっともっと整備したい。
一方で、おっしゃったように、日本から出ていく企業を食いとめたいという政策が出てくるとすれば、これは国の政策ともどこかで当然合うと思いますから、ぜひまた御指導いただいて取り入れていきたいと思います。
それから、沖縄電力と一緒に行くというのも、私も前に沖縄電力に勤めておりましたから非常に容易なことであり、どういう形でやっていくかということもいろんな工夫は新しく年々歳々やっておりますので、今の沖縄電力も一緒に行ってもらうということも悠々可能だと思いますので、ぜひまたいろいろと御提案いただければと思います。ありがとうございます。
○上里 直司 それでは教育長、図書館行政についてお尋ねをいたします。
図書館の機能とサービスがいかに地域社会と展開していくのかということを私は主眼に置いてこれまで取り上げてまいりました。先ほどの教育長の御答弁でも、社会での重要性というのは十分認識をされているというような趣旨だと私は受けとめております。
そこで率直にお伺いするんですけれども、図書館は地域の諸課題に役立つ社会施設なんですけれども、実際にこの施設や機能やサービスが地域住民に十分浸透しているのかどうか。教育長、どう考えていますか。
○教育長(大城 浩) 確かにこれまでの図書館行政とこれからの図書館行政を考えた場合には、今議員がおっしゃったみたいに、地域住民の課題解決の支援策、もしくは地域住民への開放等々という視点から果たして十分だったかといいますと、やはり若干課題はあったという思いです。
○上里 直司 これも率直にお尋ねしたいんですけれども、なぜそれが浸透しなかったのか、していないのか。教育長、どうお考えでしょうか。
○教育長(大城 浩) 難しい質問ですけれども、本来は、図書館は地域の知の拠点といいますか、やはりそういう意味合いがあると思うんですね。ですから、今の御質問は県立図書館のみならず、市町村においての図書館の役割等についても聞いていると思いますけれども、そういう視点での回答でいいんですか。
○上里 直司 いいです。
○教育長(大城 浩) 結局、図書館の設置率が市町村でもそんなに多くはございません。そういうこともありまして、先ほど言いましたように、これまでの図書館はやはり資料の収集、そして提供等をしていく中で県民への支援があったかもわかりませんけれども、これからは新たな課題が出てきていると思います。ですから、この新たな課題をいかにして周知していくのか、これこそが大きな課題であるかなという思いです。
○上里 直司 まさにおっしゃっている地域の課題等々について、やはり今ほとんど対応できていないんですよ。なぜそういうことになっているかというと、それに対応する人材が図書館にいないからなんですよ。つまり、図書館司書の資格を持っている有資格者、そういう専門職がこの図書館にはいないわけなんですね。これは、学校図書館についても共通している課題だと思うんですよ。つまり、図書館と言えるもの及びサービスというものについては、専門的な人材が必要なんだという決定的な視点が必要なんですよ。それに欠けているからこそ、学校図書室においての事務職員の対応についても非常に短い期間、あるいは県立図書館でも非常に割合が少ないということになっているんですね。
今答弁を聞くと、「学校事務Ⅱ」で職員を採用していくということをおっしゃっていましたけれども、私が申し上げているのは、図書館職として採用して一部は県立図書館にも配置をされる、一部は学校図書室にも配置される、こういう採用ができないかどうかを問うているわけでありまして、そこについてもう一度、これが検討できないかどうかお答えいただけますか。
○教育長(大城 浩) ことし初めて県採用試験の中級試験で「学校事務Ⅱ」、そういう試験が実施されまして、その中で司書の資格を持っている方を採用していくと。そういうことからして、いかに我々がいわゆる図書の専門的なお仕事をなさっている司書の役割が大きいかということは十分認識しております。したがって、「学校事務Ⅱ」の中で新たにことしから司書の資格を持っている方を採用していこうという、その意気込みはどうぞ御理解ください。
○上里 直司 最初に意気込みは評価していると申し上げたじゃないですか。それでは角度を変えますよ。これは私だけの質問じゃないんですよ。これは、去年県立図書館から同じような趣旨の要請がありませんでしたか。それについて皆さんどう対応されましたか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前11時37分休憩
午前11時37分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
教育長。
○教育長(大城 浩) 確かに専門職としての方々を採用したらどうかということがあったと聞いております。
○上里 直司 どう対応したんですかと聞いているんです。
○教育長(大城 浩) ですから、それにつきましては、ことしから「学校事務Ⅱ」という試験の中で、司書の資格を持っている方を優先的に採用していこうと、そういう立場でございます。
○上里 直司 その前段階にあるんですよ。皆さんは、希望に基づいて5年から8年図書館に配置して、司書資格を有する県職員についてそういう話をすることで、まずは段階的に対応しようという話もされているんですね。「学校事務Ⅱ」で採用するということは、これは学校事務じゃないわけなんですよ、県立図書館は。私が言っているのは、図書館としての司書採用についてどうなのかと言っていますので、教育長、これはもう一度検討していただきたいんですよ。そういうことが、先ほど教育長も言ったように、沖縄県内における県立図書館が指導的な役割を担う意味でも、この人材をどう活用するのかも含めて、県が図書館サービスを発揮し得るかということにつながっていく話になりますので、ぜひもう一度、来年度検討できないか御答弁だけお願いします。
○教育長(大城 浩) 少なくとも新しい制度が導入されたときには、私は、3年から5年ぐらいは様子を見るといいますか、検証していく必要があるかと思います。したがいまして、今の御提案は御提案として伺っておきますけれども、今回「学校事務Ⅱ」の中での採用につきましては人事委員会のほうで対応してもらいましたので、今の御提案も加えながら、どういう採用が可能かどうか研究をしてみたいと思います。
○上里 直司 「学校事務Ⅱ」を人事委員会に任せるのは、別にその話をきょうしているわけじゃないんですよ。図書館から要請が出ている話も含めて、今後、今出ている陳情も含めて対応するには、今の制度では満足いく答えは出ないですよ。だから、そのことについて改めてぜひ研究を進めてください。よろしくお願いします。
それでは飛びまして、被災地支援についてお伺いいたしますが、これも何か、沖縄国際ユースホステル云々で、ちょっと私は余り聞き取れなかったんですけれども、私が言っているのは、県内各地で結構受け入れたいという人たちが今動いているんですよ。その方々のネックになっているのは、やっぱり渡航費用をどうしたらいいのかということを考えあぐねているわけなんですよ。そこを県がチャーター便を飛ばすなり、何かをして飛ばしてくれるならば、地域で受け入れたいという、そういう方々がいるので、ぜひそういうことを検討していただけないかということの趣旨なんですけれども、いかがでしょうか。
○教育長(大城 浩) 実は、今回のこの受け入れ事業なんですけれども、知事初め副知事等々の多大な御支援のもとで、今回私ども県教育委員会のほうで企画をいたしまして対応した事業でございます。特に予算等につきましては、文化観光スポーツ部の多大な御支援がありました。と同時に、知事部局との数々の連携の中で今回の事業が誕生したということですけれども、正式な名称は「東日本大震災被災者児童生徒 夏休みスタディツアー」と、そういう名称でございまして、対象者が福島県、つまり被災により避難所で生活をしている児童生徒でございます。こういう方々を夏休み期間中に4泊5日の予定で受け入れようと、大体人数にして150名ぐらいを上限として考えております。費用等につきましては、実は、県外の移動費、県内の宿泊費・移動費等は沖縄県が負担いたしまして、各県内の集合地までの移動費は参加者負担と、そういう中でぜひ元気づけたいと、そういう思いでのスタディツアーでございます。
○上里 直司 知事や知事部局の皆さんにも絶大なる御協力をという話をされています。本当にどうもありがとうございます。
知事は、もういち早く震災発生後、受け入れるということを大きくおっしゃっていただいて、それが流れになってこういう事業にもこぎつけたのかなと思っています。
私は、この大震災が起きて、当然悲惨で、さらに早目の復興を望むものでありますけれども、少し沖縄県内で変わってきたなという何か雰囲気を感じるんですよ。というのは、何とか被災地や被災者の皆さんを支援をしていこうという心というか、そういう気持ちが県民に物すごく明確に芽生えてきたような気がするんです。それはもともとあったものが芽生えてきたものだろうと思っていますし、私は、そういう気持ちというか、そういう県民のマインドというのは、これは被災地支援だけじゃなくて県政全般に取り入れるべきだろうと思っていて、それを私は海外の交流推進というところにも絡めているんですよ。もちろん事業のメニューとしてはほとんどないと思うんですよ、今までない事業ですから。ただ、こういう沖縄県民の気持ちを何とか事業に生かせるようにぜひ工夫をしていただきますよう、これは要望にとどめておきますのでお願いをいたします。
それで最後に、感染症対策、ここはまさにその延長線なんですけれども、沖縄ならではの事業というか、研究が進められると思うんですね。今、「健康危機管理情報センター」という名称で政府に対して交渉を進めていらっしゃるんですけれども、私は、ずばり感染症対策の名称をつけるべきだと思うんですよ。これは健康危機管理となると、沖縄県民の健康危機管理にとどめてしまうんじゃないかと、見た瞬間そう思うわけなんですよ。そうではなくて、沖縄県で感染症の研究や、また交流を深めていくという名称に変えて、やっぱり政府と交渉すべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○福祉保健部長(宮里達也) 県としましては、今現在、沖縄県が国際都市であること、あるいは今後とも人的な交流が進むこと、あるいは亜熱帯地域であるということ、また温暖化が進むために気温が上昇する等で東南アジアの感染症等が沖縄で発生するリスクもありますし、また、それが万一発生したときにきちっと対策をとるためのモデルもつくらないといけないわけですから、そういう意味で、感染症だけに特化しているわけでもないんですけれども、感染症は非常に大きな分野として、そういう「健康危機管理情報センター」みたいなものを今調整しているところであります。
○上里 直司 部長、それはわかるんですけれども、見せ方として、そういうものが沖縄にフィットするんだと。部長は医師ですから感染症についてはよく御存じだと思いますけれども、これは政治的に言っても、2000年の沖縄サミットというのは感染症サミットでもあるんですよ。世界の感染症に苦しんでいるところに基金を拠出しようという、そういう取り組みをこの沖縄の地で始めたわけなんですよ。
そういう意味では、商工労働部長のところでもシンポジウムをやったりとかされていましたので、これは感染症ということをひとつ名称を上げてアピールというか、ぜひ交渉を進めていただきたいと、これは要望にとどめておきますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○西銘 純恵 こんにちは。
日本共産党の西銘純恵です。
東日本大震災の犠牲者や被災者の方々に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
共産党県議団は、大震災の被災現地で瓦れきやヘドロの撤去、ボランティア作業を行ってきました。一人一人の被災者の破壊された生活の基盤を回復して、自分の力で再出発できるように支援をするために、救援、復旧・復興に国力を総結集すべきことを痛感しました。
人の命を大事にする、福祉と防災に強い政治、当たり前に憲法25条の生存権、13条の幸福を追求する権利が生かされる新しい政治への根本的な見直しが強く求められています。
質問します。
1、福祉・防災の県づくりについて。
6月20日、文部科学省が行った震災による学校の被害調査で、地震・津波の被害に遭った岩手、宮城、福島県ではなく、茨城県の学校の被害が最も多かった調査報告が出されました。なぜでしょうか。茨城県は、学校の耐震化率が低い、耐震対策がなされていない学校が多かったことが指摘されています。
(1)、幼稚園、小中学校、県立学校の耐震化の現状と早急に耐震化することについて。
(2)、公立保育園の耐震化の現状と早急に耐震化することについて。
(3)、民間住宅の耐震診断に補助制度を創設したが、県民への広報や周知の徹底と予算額の拡充及び耐震改修工事や老朽住宅の撤去費用にも補助制度を創設することについて。
(4)、現行の防災計画で津波被害の想定される低地の学校は何カ所ありますか、早急に安全対策をとることについて。
(5)、地震と津波から障害者と高齢者を守る防災の施策はどうなっていますか。対策をとることについて伺います。
2、県立病院について。
(1)、夜勤回数が14回もあるなどの看護師の過労は、患者の命にかかわる問題です。看護体制の強化など対策が必要と考えるが、改善策を伺います。
(2)、作業療法士などの医療技術者は、同規模の民間病院に比べて少ないのが現状です。県民の必要とする医療を行うために職員をふやすべきではありませんか。
(3)、公立病院の民営化や統廃合が進められた結果、東日本大震災の被災地では、必要な医療が受けられず大きな問題となっています。県民がどんなときにも安心して必要な医療が受けられるように県立病院の存続と拡充が必要です。
3、高齢者福祉について。
(1)、老人福祉法は、市町村が窓口になって65歳以上の低所得者の養護老人ホームヘの措置入所を定めています。高齢者の生活困窮が拡大していて措置入所の対象者は増加していると思うが、養護老人ホームヘの入所者の推移と入所希望者の人数、待機者の実態を伺います。実態調査と適正な措置を実施することについて。
(2)、特別養護老人ホームの待機者数と実態について、増設計画について。
(3)、在宅の老老介護の世帯数、介護疲れによる虐待や自殺など深刻な実態があります。県の支援策について伺います。
4、国保制度について。
(1)、保険料の引き上げや医療費の抑制、強制徴収を強化する国保の広域化を中止すること。80年代から減らされた国の負担金をもとに戻して、だれでも安心して医療が受けられる国民皆保険の制度として充実させることについて。
(2)、国民健康保険法の44条は、医療費を払えない人の減額・免除の制度です。国保法44条に基づく医療費の減額・免除は、国から半額の交付金措置ができました。必要な人が利用できるように市町村の規定などを改善させることについて。
5、住宅行政について。
老朽化した神森団地で天井が落下して、外出していて難を逃れた人がいます。南風原団地は、危険なのでヘルメットをかぶって風呂に入っているという声を聞きます。
(1)、県営住宅の耐震化・老朽化の現状はどうなっていますか。緊急に補修すべきではありませんか。策定中の改築計画で昭和56年以前の県営住宅の改築年度を何年に予定していますか。早急に改築をすべきです。
(2)、全国平均より2万戸少ない県営住宅は、入居を希望する県民のニーズに対応できていません。県営住宅の増設を急ぐこと、当面、民間アパートに住んでいる低所得者に家賃補助を行うことについて。
(3)、民間アパートの入居契約で、不動産から連帯保証人と保証会社が要求されていますが、保証会社の保証を受けられず、入居ができない問題を改善することについて。また、県の公的な保証制度を創設することについて。
6、米軍施設や新基地建設への県の対応について。
(1)、那覇港(浦添埠頭地区)公有水面埋立事業における移植を行ったホソエガサやオカヤドカリなど、それぞれの保全状況について伺います。現状はどうなっていますか。
(2)、浦添市の負担で米軍牧港補給基地の中に退役米軍人施設を新築中であるが、建設を中止させるべきです。
(3)、県が費用負担をして米軍基地内に施設を建設してきているが、建設年度、場所、どのような施設が建設され、総費用額は幾らですか、具体的に問います。
(4)、県道港川道路建設のために米軍牧港補給基地の一部返還をしているが、返還に至る交渉の経過と具体的な合意内容の説明を求めます。
(5)、米軍牧港補給基地内に米軍ゲートを設置し、米軍郵便局を新築移転するのはなぜですか。米軍基地内に県民の税金を投入しての米軍施設建設は中止をすること。
(6)、知事は、新基地建設反対の県民の総意を受けて、県外・国外を公約しました。浦添西海岸を埋め立てる新基地の軍港建設はやめさせるべきではありませんか。浦添軍港建設の環境アセスのための1億7300万の予算執行をやめさせるよう政府に要請することについて。
7、障害者権利条例の制定について。
障害者権利条例づくりの会は、3万1371人の署名を携えて、具体的な条例案を作成して知事や県議会に要請をしています。当事者の会と連携をして条例制定を進めるべきです。
8、我が党の代表質問に関連して。
知事は、我が党の代表質問に対して、高江ヘリパッド建設を容認しています。北部訓練場で訓練を行っている普天間米軍基地のCH46ヘリにかわって配備されようとしているのがオスプレイです。高江のヘリパッド建設を認めることは、紛れもなくオスプレイの配備・訓練を認めるものであり、答弁は矛盾しています。SACO合意の実施という言い逃れは通用しません。高江ヘリパッド建設に反対を表明すべきです。
以上、質問いたします。
○議長(髙嶺善伸) ただいまの西銘純恵さんの質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時55分休憩
午後1時21分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
午前の西銘純恵さんの質問及び質疑に対する答弁を願います。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 西銘議員の御質問に答弁させていただきます。
まず第1に、高齢者福祉についての御質問の中で、特別養護老人ホームの待機者数などについての御質問にお答えいたします。
沖縄県における高齢者福祉施設等の整備については、市町村計画等を踏まえまして沖縄県高齢者福祉計画を策定し、計画的に取り組んでいるところでございます。特別養護老人ホームの平成21年11月末時点の入所申込者数は1901人で、そのうち施設入所の必要性の高い高齢者は865人となっております。前年同時期に比べまして765人の減となっております。
沖縄県といたしましては、待機者解消のため、同計画の期間であります平成23年度までに市町村等と連携をし、特別養護老人ホーム等を1021床整備することといたしております。施設入所の必要性が高い方については、おおむね対応ができるものと考えております。また、平成24年度以降の施設整備につきましては、高齢社会の進行の状況も踏まえ、市町村と連携をして入所需要を的確に把握し、次期計画を策定することといたしております。
次に、国保制度についての御質問の中で、国保法第44条に基づく一部負担金の減免制度に係る市町村の規定の整備についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
一部負担金の減免等につきましては、国から平成22年9月に技術的助言として減免に係る基準が示され、市町村にその周知を図ったところであります。
県といたしましては、減免を行った市町村に対し、国の交付対象とならない減免につきまして助成を行うとともに、一部負担金に係る運用が適切になされるよう、今後とも市町村に対し助言をしてまいりたいと考えております。
次に、住宅行政に係る御質問の中で、県営住宅の耐震化そして老朽化の現状と改築の予定についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
昭和56年以前の県営住宅は178棟で、そのうち119棟が新耐震基準を満たしております。残り59棟は基準を満たしておりません。また、老朽化した県営住宅につきましては、指定管理者からの報告を受け、緊急性の度合いにより、順次修繕を行っております。
今後、耐震化・老朽化対策につきましては、現在、「沖縄県公営住宅等ストック総合活用計画」の見直しの作業を行っており、その中で建てかえまたは改善等を総合的に検討しているところでございます。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○教育長(大城 浩) 福祉・防災の県づくりについての御質問で、学校施設の耐震化についてお答えいたします。
平成22年4月1日現在、文部科学省の耐震改修状況調査によりますと、本県の公立学校施設の耐震化率は、幼稚園が61%、小中学校が73.9%、高等学校が87.7%、特別支援学校が84.6%となっております。
学校施設の耐震化につきましては、これまで沖縄振興特別措置法に基づく高率補助制度を活用いたしまして、学校施設の改築事業による耐震化に取り組んでまいりました。
県教育委員会といたしましては、児童生徒が安全で充実した環境で学習できるよう、今後とも早期耐震化に取り組んでいきたいと考えております。
次に、海抜10メートル未満の学校と安全対策についてお答えいたします。
平成23年6月現在、学校の立地状況等調査によりますと、海抜10メートル未満に設置されている学校は、小学校が89校、中学校が45校、県立学校18校で合計152校となっております。なお、県内すべての公立学校におきましては、東日本大震災を受け、津波を想定した避難経路、避難場所を明記した危機管理マニュアルを策定しております。
県教育委員会といたしましては、津波を想定した避難訓練の実施に向けて各学校に周知しており、今後とも完全実施を目標に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 福祉・防災の県づくりについての中の、公立保育園の耐震化についてお答えいたします。
本県公立保育所の耐震化の状況は、平成21年4月1日時点で、120施設のうち昭和57年以降の建物等で耐震性があるとされている施設数は58施設で、耐震化率は48.3%となっております。保育所は、特に配慮が必要な乳幼児が日常的に多数利用していることから、耐震化を促進する必要があると考えております。
県としましては、市町村等と連携し、保育所の耐震化の促進に努めてまいります。
続きまして、県立病院についての中の、県立病院の存続についてお答えします。
医療は、県民の生命及び健康を守り、生活の安心を支える重要な機能であり、地域において必要とされる医療提供体制を確保することは地方公共団体の責務であると認識しております。したがって、どのような経営形態であっても県立病院の果たすべき役割である離島医療、救急医療、小児・周産期医療等地域において必要とされる医療を提供する体制は堅持することとしております。
なお、病院事業の経営形態については、「県立病院のあり方に関する基本構想」に基づき、経営再建検証委員会による平成23年度決算の検証結果も参考にして、最終的に判断することとしております。
続きまして、高齢者福祉の中の、老人福祉法で定められている高齢者の養護老人ホームの措置の状況についてお答えします。
養護老人ホームは、環境上及び経済的な理由により、居宅での生活が困難な方を老人福祉法に基づき市町村の措置権限により入所させるための施設であります。県内6施設の養護老人ホームの定員は300人となっており、入所者状況としましては、平成21年252人、22年255人、23年243人と定員割れの状況にあります。
平成22年度の市町村における養護老人ホームに関する相談件数は74件で、そのうち14件については入所措置、25件についてはほかのサービスの活用、23件については相談のみとなっており、入所待機者については2件との報告を受けております。
措置入所の要否の判断は、市町村の権限で行われるものでありますが、県においては、養護老人ホームの入所者が減少傾向にあること、相談のみの対応件数が31%を占めること、市町村の対応に不満の声があること等から、市町村の対応状況等に関して状況調査を行っているところであります。
県としましては、調査の結果を踏まえ、市町村に対し必要な助言を行っていきたいと考えております。
在宅の老老介護の世帯数及び県の支援策について。
国が実施した平成19年度国民生活基礎調査によると、全国では、同居している主な介護者が70歳以上である割合は35.2%となっております。在宅での介護を希望する高齢者につきましては、自宅での暮らしを支えるため、市町村において、訪問介護や通所介護など、必要な居宅サービス等の給付を行っているところであります。また、介護している家族の負担軽減を図るため、地域包括支援事業や家族介護支援事業などを実施し、高齢者と介護者の支援を行っているところであります。さらに、高齢者世帯等が地域の中で孤立化することを防ぐため、見守りネットワークの構築等にも取り組んでいるところであります。
県としましては、これら見守り等の取り組みを支援する観点から、今年度「地域支え合い体制づくり事業」を実施することとしております。
続きまして、国保制度の中の、国保の広域化を中止することについてお答えいたします。
沖縄県としましては、国が国保の広域化について方向性を示していること及び市町村国保の安定的運営、特に小規模保険者の財政基盤の安定を図る観点から、将来的な国保の広域化を図る必要があると考え、市町村国保の意見を踏まえ、昨年12月に「沖縄県広域化等支援方針」を策定したところであります。また、広域化だけでは解決されない、財源を含めた国保の構造的課題があり、その解決については引き続き国に要望してまいりたいと考えております。
国の負担金を戻して国民皆保険の制度として充実させることについての問いにお答えします。
国民健康保険における公費負担につきましては、平成17年度から新たに県調整交付金が設けられたことにより、国・県合わせて50%の負担割合となっております。また、国においては、厳しい市町村国保の財政状況に対し、国保財政基盤強化策を延長し、国・県による財政支援を行っているところであります。
県としましては、国民皆保険のかなめである市町村国保の安定的運営を図るため、本県の所得水準を考慮した国費による財政支援機能の拡充強化について国に対し求めているところであります。
障害者権利条例の制定についてお答えします。
当事者団体が策定した条例案につきましては、各障害者団体等が意見交換会等を通じて策定されたものであり、多くの障害者の声を反映した条例案であると考えております。
県としましては、条例を制定する際には、県民生活に密接に関連することから、十分な県民議論等を踏まえて取り組んでまいります。また、条例制定のスケジュールにつきましては、当事者団体や民間事業者等との関係者との間で、障害者への差別事例の把握、差別をなくするための取り組み方策等を検討する必要があり、それは一定の集約期間が必要であります。また、国における障害者基本法等の動向を踏まえつつ取り組む必要があります。
このようなことから、条例制定に向けての取り組みを進めていく中で、制定時期も見込むことができると考えております。
以上です。
○土木建築部長(当間清勝) 福祉・防災の県づくりについての中で、民間住宅耐震診断補助制度の周知や予算額の拡充及び耐震改修工事等についてお答えいたします。
沖縄県では、新たに今年度から民間住宅耐震診断補助制度を創設したところでありますが、住宅所有者へ補助するには、窓口となる市町村においても補助制度の整備が必要であることから、現在、市町村に対して補助要綱を策定するよう働きかけているところであります。
県では、市町村の対応を踏まえて、耐震診断補助制度の県民への広報及び周知を図ることとしており、今後は、住宅所有者の負担軽減が図られるように、予算額の拡充や耐震改修工事等の補助制度の創設について検討していく考えであります。
次に、住宅行政についての中で、県営住宅の増設や家賃補助についてお答えいたします。
本県は、本土におくれ、復帰時に住宅建設5箇年計画を策定し、公営住宅の建設に取り組んでまいりました。そのうち、昭和50年代に建設した大量の県営住宅が建てかえ時期を迎えていることから、新設や増設については、予算の制約上、厳しい状況にあります。しかしながら、本県は、全国に比べ低所得者階層の割合が大きいことから、民間アパートに住む低所得者については、今年度に見直す「沖縄県住生活基本計画」の中で民間賃貸住宅の借り上げ等を検討していきたいと考えております。
同じく住宅行政の中で、民間アパートの保証問題と県の公的な保証制度の創設についてお答えいたします。
民間アパートで保証人がないために入居できない方々を支援するため、国の住宅セーフティネットの中で、家賃債務保証制度があります。これは、高齢者や障害者等が民間アパートに入居できないという事態を解消するための制度で、高齢者住宅財団が家賃等の債務保証を行っております。
県においては、民間アパートの所有者・管理者に対して本制度の周知に努めてまいります。
次に、米軍施設や新基地建設への県の対応についての中で、ホソエガサやオカヤドカリなどの保全の現状についてお答えいたします。
那覇港浦添埠頭の公有水面埋立事業は、浦添市土地開発公社と那覇港管理組合が事業を実施しております。ホソエガサを含むカサノリ類の分布状況については、埋立工事の着手前、工事中、工事完了後にそれぞれ調査を行っており、工事着手前の状況と比較したところ、工事中及び工事完了後ともに分布状況の減少はほとんどなかったこと、また、オカヤドカリについても、埋立工事着手前と工事中に調査を行っており、工事着手前に比べ個体数の減少はないと報告を受けております。
なお、オカヤドカリの埋立工事完了後の調査については、ことしの夏ごろに行う予定であり、今後も引き続き事後調査を着実に実施し、生息状況の把握を行い、環境保全に努めていくとのことであります。
同じく米軍施設や新基地建設への県の対応で、県が米軍基地内に建設した施設の種類や費用等についてお答えいたします。
県道事業に関して、移設工事の事例を調査したところ、平成8年、宜野湾北中城線において住宅3戸、3億2600万円、道路等移設物8400万円、会議棟1億6800万円、合計5億7800万円となっております。また、平成10年に沖縄嘉手納線で住宅18戸、11年に具志川環状線で燃料貯蔵タンクの移設工事を行っておりますが、金額については不明であります。また、平成16年、沖縄環状線において、泡瀬クラブハウス約1億6700万円、泡瀬ハウス約5400万円、事務所等約1500万円、合計約2億3600万円となっております。
同じく米軍施設や新基地建設への県の対応についてで、牧港補給基地の一部返還に至る交渉経過と具体的な合意内容についてお答えいたします。
県道港川道路の整備に関する牧港補給基地の一部返還に至る交渉経過については、平成17年6月に沖縄防衛局へ一部返還申請を行い、平成20年11月の日米合同委員会で一部返還承認を経て、同年12月に沖縄防衛局から承認通知を受けております。主な合意内容については、郵便センターを移設する、ゲート3を移設し、またゲート4を改築する、交通信号及び左折、右折レーンを設置する、周回保安さく及び境界標を設置する、雨水処理をするための排水システムを提供するとなっております。
同じく米軍施設や新基地建設への県の対応で、牧港補給基地内にゲートや郵便局を移設することについてお答えいたします。
西海岸道路と国道58号を連結する県道港川道路を整備するには、牧港補給基地の用地を一部取得し、基地までの既設取りつけ道路とゲートを移設する必要があります。この取りつけ道路等の移設について米軍と交渉した結果、郵便局が支障となるため、「沖縄県の公共事業の施工に伴う公共補償基準」に基づいて移設補償を行うものであります。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 福祉・防災の県づくりについての御質問の中で、障害者と高齢者の防災対策についてお答えいたします。
災害時における障害者や高齢者等、いわゆる災害時要援護者の避難支援につきまして、市町村は「災害時要援護者避難支援計画」を策定し、あらかじめ避難支援者や避難経路を決定し、災害時の迅速な避難支援対策について事前に定めておくこととなっております。
県内の市町村における災害時要援護者の避難支援の取り組み方針(全体計画)の策定状況は、平成23年4月1日現在で15団体(36.6%)が策定済みとなっておりますが、今年度中に策定予定の団体を合わせると36団体、87.8%となります。また、災害時要援護者の名簿の整備状況は、平成23年4月1日現在で9団体、22.0%が策定済みとなっており、策定中の団体と合わせると30団体、73.2%となります。さらに、個々の要援護者ごとの避難経路や避難支援者などを記載する個別計画は、平成23年4月1日現在で6団体、14.6%が策定済みとなっており、策定中の団体を合わせると22団体、53.7%となります。
県としましては、このような状況も踏まえ、災害時の障害者や高齢者の避難支援策等につき市町村と連携し、強力に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、米軍基地や新基地建設への県の対応についての中で、退役米軍人施設の建設中止についてお答えいたします。
米軍施設の建設につきましては、日米合同委員会で合意され、浦添市と米軍との間で調整が行われ実施されていると承知しており、県としましては、浦添市の意向を尊重すべきであると考えております。
次に、浦添西海岸への軍港建設をとめさせることについてお答えいたします。
那覇港湾施設の浦添埠頭地区への移設については、平成8年のSACO最終報告で合意され、平成18年5月の「再編実施のための日米のロードマップ」においても、移設を条件に全面返還されることとなっております。また、平成13年11月には浦添市長が受け入れ表明を行い、平成15年1月の第4回那覇港湾施設移設に関する協議会では、浦添埠頭地区への移設を浦添市、那覇市ともに了承しております。
県としましては、那覇港湾施設の返還を含む嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還が実現されれば基本的には基地負担の軽減が図られるものと理解しており、今後とも国・地元自治体等と連携して那覇港湾施設の移設に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、我が党の代表質問に関連しての中で、オスプレイ配備と高江ヘリパッドについてお答えいたします。
去る6月24日、沖縄県は、北部訓練場への影響を含むオスプレイの具体的な運用上の問題等についての質問文書を防衛省へ提出し、速やかな回答と説明を求めたところであります。
北部訓練場のヘリパッドにつきましては、SACO最終報告において、同訓練場の過半を返還することに伴い残余部分に移設されるものであり、県としましては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しており、今回県が提出をいたしました質問とは矛盾しているとは考えておりません。
以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 県立病院についての御質問の中で、看護師の夜勤回数についてお答えいたします。
看護師の夜勤回数については、人事異動等により夜勤体制の編成が困難な4月から5月にかけては、集中治療室等の特殊部門において夜勤回数の偏りが見られる場合があります。そのため、改善策として、新規採用者や転勤者が円滑に夜勤に従事するための教育プログラムの充実等に取り組んでいきたいと考えております。
次に、作業療法士などの医療技術職の増員についてお答えいたします。
病院事業局における人員体制については、医療提供体制の充実と経営への影響等を考慮する必要があることから、今年度、局内に人員体制検討チームを設置し、検討を進めているところであります。
作業療法士などの医療技術職の配置については、人員体制検討チームによる見直しの中で検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○西銘 純恵 再質問を行います。
6番の米軍施設関連についてですけれども、先ほど平成8年から沖縄県が米軍施設内の建設を負担をしてきたと。今回、日米合意をされたから沖縄県が負担をすると言われました。日米合意の中に沖縄県が施設建設をするという文言が明記されているんでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後1時54分休憩
午後1時55分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) お答えいたします。
今、手元にはございませんが、平成20年11月13日に日米合同委員会で返還が承認されたということは書類として聞いております。
○西銘 純恵 質問したことにきちんと答えてほしいんですよ。承認をされた合意事項は知っています。その中身に沖縄県が施設負担をすると、沖縄県民の税金でつくっていいということが書かれているんでしょうか、合意されたんでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後1時56分休憩
午後1時56分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) 沖縄県知事のほうから沖縄防衛局に返還申請をして、そのときの照会の中に、20年9月5日に施設分科委員会に提案したところ、米側から下記の条件を付して同意する旨の回答がありましたということで、こちらから県として道路事業として必要ですということを申し入れて、それに対して防衛局を通してそれの合意がなされたということで私たちとしては県の事業としてできるということで、もちろん直接的には書かれておりませんがそういうふうに解釈しております。
○西銘 純恵 今、県が解釈をしているとおっしゃいました。そうだと思うんですよ。日米合意というのは、日本とアメリカの国と国との合意ですから、地方自治体が何を負担するとか一切書かれるはずないと思っているんですよ。ですから、皆さんが防衛局から来た文書を持って米軍から出された交換条件として郵便局もつくる、いろいろつくってあげるとそれを沖縄県が了承したのでそれを防衛局が米側に言ったらオーケーしたということを言われていますけれども、私は日米合意の内容について明確に答弁をいただきたいんですよ。日米合意の中でそれが明記されたのか、ここが肝心なんですよ。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後1時58分休憩
午後1時58分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(当間清勝) 確かに、その中に明記されてはおりません。
○西銘 純恵 日米合意の中に明記をされていないのに、沖縄県がそれも県民の税金を使ってつくっていくということに根拠はないということなんですよね。
○土木建築部長(当間清勝) 沖縄県としましては、県道の新設に当たって米軍施設及び物件が支障になるということで、それで一部返還を防衛局を通して調整しその中で承認されているということで、その中で沖縄県の公共事業としてはやはり公共補償基準に基づいて用地を取得して事業を執行する必要があるということで、私たちとしては県事業として移設補償費及び用地買収を今進めているところでございます。
○西銘 純恵 公共事業として県道をつくるためにやったと。そしてこれは平成8年に数字が出てきた、県民負担が出てきた、負担額を出してきたんです。私、県の考え方を知事にお尋ねしたいんですけれども、このスタートの時点から間違っていると思っているんですよ。沖縄県が県道をつくるためにお願いをした、申請をした、そこが間違えていると思います。沖縄県のこの米軍基地というのは、県民の土地が戦争で取り上げられたわけでしょう。一方的に取り上げられたんですよ。そして沖縄県の道路もつくれない、経済も振興できない、産業にも影響がある、生活にも影響がある。こんな中で県道を返してくれということは当然なんですよ。道路をつくるからお願いします、返してください。だから、交換条件が出てきたらそれに応じます。こんな考え方では県民納得しないですよ。
私は先ほども言いましたけれども、ハーグ陸戦法規というのは1907年にできている法律ですよね。沖縄の米軍基地、取り上げられた基地の接収については、この法規によっても違法行為だと占領軍は占領地の法律の尊重や主権の尊重、略奪の禁止などを義務づけられている。戦闘行為が継続している場合に限って軍用地接収、基地建設などが例外的に認められているにすぎない。沖縄県の今米軍基地に使われている土地はすべて戦後なんですよね、戦後取り上げられて銃剣とブルドーザーで、さらに50年代に強化をされていった、追加されていった、それが沖縄県の土地じゃないですか。これがあって沖縄県は66年間、経済も振興しない、失業率も全国より2倍高い。この県土を取り戻していくというのが日米地位協定にもありません。ちゃんと返還は無条件で返還申請ができる。沖縄県がその立場を貫いてきたんですか、そこをお尋ねしたいんですよ。県道をつくるから、交換条件で返してください。こんな卑屈な立場をこれまでとってきたということについて、知事にこの件について答弁をいただきたいと思います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後2時2分休憩
午後2時3分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) お答えいたします。
米軍がその施設を占用しているのは、当然ながらこれは日米安全保障条約、また日米地位協定に基づいてその部分を我が国が提供しているわけでございます。したがいまして、その部分の一部返還あるいは条件を付してというところにつきましては、これは地位協定の第25条に基づきまして、この協定の実施に関して相互間の協議を必要とするすべての事項に関する日本国政府と合衆国政府の間の協議機関として合同委員会を設置するとそういった規定もございまして、その合同委員会で合意されたという形で今回の事業がなされておりまして、その処理に当たっては県の道路建設に当たる諸例規でありますとか、諸法制を適用して処理をしたというふうに理解をしております。
○西銘 純恵 私は、沖縄県が沖縄の米軍基地の整理縮小・撤去、返還これを真剣にやってきたのかどうか、今もそうなのかどうかということをお尋ねしたいんですよ。
日米地位協定は、ちゃんと日本国が提供している施設というのは、常に返還それについても見直しをできるということがちゃんと2条に明記されているわけでしょう。そしてこの協定の目的のために必要でなくなったときは、いつでも日本国に返還しなければならない。日本の国からも必要だというときには返してくれと、この協定に明記されているんですよ。この立場でちゃんと沖縄県が生活ができない、道路がつくれない、だから返還を求める。この港川の県道の部分ですね。牧港補給基地のどこの部分ですか、ど真ん中ですか、そして施設があるところですか、お尋ねします。
○土木建築部長(当間清勝) 牧港補給基地の北側の部分のへりのほうに当たります。
○西銘 純恵 へりの部分と言われました。本当に端のほうなんですよ、北側の端。この県道で使われるその部分は一切建物がありません。施設が全くありません。そこに県道をつくるということで基地を少し返還をさせた。これが今の経緯なんですよね。それをすべての交換条件をつけて沖縄県が新しい米軍施設の負担をしていく、そこは本当に県民も納得しないんですよ。知事もそういうやり方をこれまでとってきたことに対してもそのまま踏襲するのか、いやだめだと。基地の整理縮小という立場から言ってもこういう道路が必要だから、返してくれということに交換条件をつけられること自体とんでもないという立場でちゃんと地位協定に基づいて一部返還を求める。そういう立場に立てないですか。
○知事公室長(又吉 進) まず基地の整理縮小を求める県の立場というのは、御承知のとおり変わっておりません。しかしながら、個別に県がやはり県民生活の需要に応じて所要の施設をつくっていくという求めにつきましては、これは地位協定の中の合同委員会合意にゆだねるという形になっておりまして、そこで県の立場を主張いたしまして合同委員会で合意がなされたという形でございます。
○西銘 純恵 アメリカの言うとおり何でも従いますというこの姿勢を改めてほしいんですよ。日米地位協定で先ほど言いました合同委員会の合意では、日米地位協定の4条でも軍用地の返還条項があるんですよ。合同委員会で返還されるんですよ。そしてこの4条の2項には、返還をする土地の上に米軍施設建物があったときに、日本国は補償はしない、補償の義務はないと明記されているんですよ。そして3項には、この補償の義務はないけれども、話し合いによっては特別な取り決めで日本国が負担してもいいと。この取り決めによって日本国が負担してもいいというのを沖縄県が負担するということにすりかえられている。日本国の経費負担が沖縄県民の税金にすりかえられているというところをもっと厳しく見て、こんな理不尽はだめだということを言わなければならないと私は思うんですけれども、だから知事にどうしても答弁いただきたいんです。よろしくお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後2時8分休憩
午後2時9分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 今、議員の御質問は、合同委員会の合意では日本政府が補償できるものをなぜ沖縄が補償しなきゃいけないのかという御質問と理解しましたけれども、この道路建設あるいは所要の整備につきましては、これは沖縄県がやはり県民生活の必要上求めていったということでございまして、沖縄県としましては通例というか、一般の道路施設建設に係る補償といった観点から処理をしているということでございます。
○西銘 純恵 今、道路には建物は何もないということを私はさっきも言ったんですけれども、ないものに補償はできないわけですよね。そこを問いたいんですよ。
○土木建築部長(当間清勝) 御質問の趣旨は、郵便局等が道路にはかかっていないけれども補償するという趣旨だと思います。それで、その調整の中でゲートを移設する際の条件として、その取りつけ道路に郵便局が支障になるとそういう形で補償対象としてございます。
○西銘 純恵 国内法で補償しているというこの問題は2月議会でもやりましたけれども、ちょっときょうは時間がないので次に回します。浦添の退役軍人施設、これは基地の中にあるものを7000万以上でつくってあげるというもっと無法なものなんですよ。そして退役軍人というのは、地位協定に言う合衆国の構成員ではないんですよ。その施設をつくることについて、知事どうお考えですか。
○知事公室長(又吉 進) そのあたりは、すぐれてこれは日米合同委員会の中で合意をされているということでございますので、日米の間でこれは所要の施設だというふうに結論が出たものと承知しております。
○西銘 純恵 さっきも日米合同委員会で明記しなかった、浦添市が負担するということも明記していない、これは明らかでしょう。これを見てください。(資料を掲示) この浦添につくられる退役軍人施設、これは占領時につくられたコンセットなんですよ。もう老朽化してさびて、これを7000万かけてつくりかえるというんですよ。これは浦添市がなんですよ、県民がなんですよ。同じようなことを沖縄県がやるから浦添市も沖縄県がやっていますということでこういうものをつくり出しているんですよ。今後、どれだけの国の肩がわりを県民がするということになるか、ここは本当に重大問題だと私は思っています。
ですから、この問題は国内法に沿ってやったと、補償したと。これも全く国内法の根拠はないんですよ。それは次にやりますけれども、お尋ねします。監査委員にお尋ねします。この法的根拠もない財政支出、これが財政法にのっとってどうなのかお尋ねしたいと思います。
○代表監査委員(又吉春三) 監査委員の又吉でございます。
現在、直接にこの件については監査しておりませんので、回答はできません。
○西銘 純恵 また次にさせてください。ありがとうございます。
○仲宗根 悟 県民の皆さん、こんにちは。
議席18番、社民・護憲ネットの仲宗根悟であります。よろしくお願いします。
県民の皆さんは、「艦砲ぬ喰ぇーぬくさー」を御存じでしょうか。6月23日を前後してこの「艦砲ぬ喰ぇーぬくさー」、今、小学校の平和教育であったりあるいは地域でそういった「艦砲ぬ喰ぇーぬくさー」を題材にしながら平和教育がなされている。
金曜日にはNHKの「沖縄の歌と踊り」の中で紹介もされておりましたが、一つ一つ歌詞をひもといてじっくり見ますと、戦後の私たち沖縄でどういうことが起こっていたのか、そして戦後をたくましく生きてきたオジーやオバー、そしてオトー、オカーたちの姿がかいま見られるのではないのかなというふうに思いました。県民の皆さん、どうぞお買い求めいただきまして、この歌をじっくり聞いて、そしてまた将来、未来にわたっての私たち沖縄県の村づくり、あるいは地域づくりに役立てるんじゃないのかなという思いで宣伝をさせていただきました。この「艦砲ぬ喰ぇーぬくさー」を作詞作曲したのが読谷村楚辺の御出身、比嘉恒敏さんであります。どうぞ皆さんよろしくお願いいたします。
さて、それでは具体的な質問に移りたいと思います。
1、知事の政治姿勢に関してであります。
(1)、基地問題についてであります。
ア、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場配備は、危険性の除去を求める中で断固として許されるものではありません。知事の見解を問うものであります。
(2)、観光行政について。
ア、3・11東日本大震災、福島原発事故以降、国内観光の自粛、そして風評被害での外国人観光客の落ち込みは、県経済への影響に大きいものがあります。入域観光客の回復策の強化対策にどのようにして臨むのかお伺いをしたいと思います。
イ、世界のウチナーンチュ大会に向けての取り組み、進捗状況を伺いたいというふうに思います。
(3)、第1次産業の強化でありますけれども、私たち社民・護憲ネット会派では、3月末に県の栽培漁業センター、そして農業研究センター、畜産研究センター、そして森林資源の研究センター、それぞれ視察をしてまいりましたけれども、それぞれの産業振興に資する取り組みがなされているということを強く感じております。行政改革のあおりを受けまして職員が減らされて研究技術員も少数で、寝る間も惜しんでいるというようなのが現在の状況であります。もっと強化してこの産業振興で雇用の拡大につなげられるというふうに思いまして質問をしたいと思います。
第1次産業の強化で雇用対策につなげられてくると思うが、そのための研究分野の強化が不可欠であります。その施策について伺いたいと思います。
(4)は、遺骨収集事業についてでありますが、県の取り組み状況はどうなのか伺いたいというふうに思います。
2番目、トリイ通信施設内の海岸における工作物に関してであります。
読谷村の人々は、昔から海を生活の母として生きてきました。サンゴ礁に囲まれた海は、読谷村が誇れる自然であります。この身近な海はさまざまな海藻や魚介類をはぐくみ、海の花畑と言われてまいりました。これらを背景に読谷村では、豊かな自然を守り育てていくことを基本に、自然と調和をした村づくりを推し進めています。今回の自然を破壊する行為は許しがたい行為であります。
以下、お聞きをいたします。
(1)、米軍によって海岸に積み上げられた砂や石をどのように県はとらえているのか伺います。
(2)、県は、外務省沖縄事務所、そして沖縄防衛局、在沖米陸軍基地管理本部へ要請を行っておりますが、その内容、そしてその対応はどうだったのか、その辺を伺いたいと思います。
(3)、作業をした係は、陸側の別の工事箇所から搬出した土砂も含まれているというような説明を堂々としておりますが、これは海岸法に抵触をすると思うんですがいかがでしょうか。
3、台風2号における被害に関してでありますが、5号でも宮古島あるいは八重山地域に被害をもたらしましたが、今回、台風2号に特化したその台風被害対策等についてお聞きをしたいというふうに思います。
(1)、被害状況について伺います。
(2)、農林水産関連での支援策を伺いたいというふうに思います。
(3)、倒木や飛ばされてきた瓦れきの処理を市町村やあるいは地域で行っているところもございます。その処理費の一部でも支援ができないかどうか伺いたいというふうに思っています。
大きい4番、土木行政に関してお聞きをいたします。
(1)、道路行政について。
ア、県道6号線読谷村内の渋滞緩和策をどう図るか伺いたいというふうに思います。
イ、県道12号線の渋滞は、県道6号線との接続交差点改良で緩和できると思うが、その取り組み方についてお聞きをしたいと思います。
ウ、嘉手納弾薬庫内を通過するはしご道路、これはもう何名かの議員も質問しておりますけれども、その取り組みがあるのかどうかについてお伺いをしたいと思います。
(2)、下水道事業についてです。
ア、県内の流域、公共の整備状況について伺います。
イ、中部流域下水道伊佐浜処理区読谷側の管渠の延伸についてどうなのか、伺いたいと思います。
5番目の我が会派の代表質問との関連でございますが、照屋大河議員の嘉手納基地・普天間基地における訓練激化についての中で、県は外来機激増の原因についてどのように分析しているかという点について、今、米軍専用施設の中で実弾演習場が国内で唯一、鳥島の演習地であるということが判明をいたしましたが、その実弾演習のために外来機が飛来をしてくるというような状況だというふうに思っているんです。であるならば、やはり久米島射爆撃場あるいは鳥島射爆撃場の返還要求を加速するべきではないかということであります。また、今回、代替地も取りざたされておりますが、硫黄鳥島も受けてはならないというふうに思うんですが、見解を伺いたいと思います。
(2)、県立病院改革についてです。
こちらも照屋議員の質問の中からですが、2月定例会の附帯決議を踏まえて今年度中に定数条例を改正し適正な人員配置を行うべきであるがということで、理学療法士、作業療法士といったコメディカルの数も現状は少ないというふうに思っています。そこで医師や看護師の負担が相当な増になってくるというように思っているんですね。そこで、そのメディカルという部分での適正配置が求められていると思うんですがどうか、お聞きをしたいと思います。
以上です。
○知事(仲井眞弘多) 仲宗根悟議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、知事の政治姿勢の中で、入域観光客の回復策についてという御質問にお答えいたします。
県では、4月12日に「東日本大震災に伴う被災者支援及び沖縄観光振興緊急対策」を発表し、入域観光客の回復に向け取り組んでいるところでございます。
国内対策としましては、各旅行会社の沖縄プロモーションへの支援や県外の沖縄関連イベントにおけるPR等を実施いたしております。また、海外対策としましては、台湾や中国でトップセールスを実施しているほか、重点市場を中心に有力メディアを招聘しての沖縄情報の発信等に取り組んできております。特に中国につきましては、今般、数次ビザ制度が創設されたところであり、県では、ビザ創設に伴うキャンペーンを官民一体となって展開することといたしております。
沖縄県としましては、これらの取り組みの拡充を図るため、本議会におきまして補正予算を計上しお願いしたところであり、入域観光客の回復に向け全力で取り組んでいるところでございます。
次に、同じく知事の政治姿勢の中で、世界のウチナーンチュ大会に向けての取り組み、そして進捗状況についての御質問にお答えいたします。
第5回世界のウチナーンチュ大会は、「世界に開かれた交流と共生の島」づくりに向け、海外県系人約5000人の参加者を想定し、県民との交流を促進すべく約3万人規模で沖縄セルラースタジアム那覇をメーン会場に実施いたす予定でございます。
主要行事といたしましては、前夜祭パレード、そして開閉会式、ステージイベントが楽しめるチャンプルー交流祭、首里城での琉舞・空手の奉納等があります。現在、参加者及び出演団体と調整を行っているところであります。また、世界エイサー大会とも連携を図り、10月の本番に向け諸準備を進めているところでございます。
先月は大会への参加を呼びかけるために、私も県の職員と一緒になりまして北米キャラバンを行ってまいりました。現地における県系人の活躍に感銘を受けるとともに、大会に対する大きな期待を強く感じたところでございます。また、8月にも南米4カ国を訪問するキャラバンを計画いたしております。
特に、今大会は東日本大震災による被災者を含む全国民に対し、世界のウチナーンチュから元気を発信する大会にしたいものと考えております。
同じく知事の政治姿勢の中で、これは第1次産業に係る御質問の中で、研究分野の強化についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
第1次産業の発展に寄与する試験研究を強化するため、試験研究評価システムによる適正な評価と重点研究課題の設定などに基づく予算及び人員の適切な配分に努めているところでございます。また、効率的な試験研究を推進するためには、施設や測定機器の整備など研究環境の充実を図る必要があります。このため、老朽化した水産海洋研究センター及び森林資源研究センターにつきましては、平成25年度の供用開始に向けた移転整備を行う予定でございます。さらに、近年、多様化し高度化する研究ニーズには、人材の育成、そして各試験研究機関との連携を図ることによりまして対応してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、MV22オスプレイの配備についてお答えいたします。
MV22オスプレイの配備について、去る6月6日、沖縄防衛局より口頭にて「地元へのお知らせ」がありました。
沖縄県としましては、当該機種が過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では当該配備については反対であります。
去る6月24日、沖縄県は、オスプレイの具体的な運用上の問題等についての質問文書を防衛省へ提出し、速やかな回答と説明を求めたところであります。
次に、台風2号における被害に関しまして、その被害状況についてお答えいたします。
台風2号による県内の主な被害状況は、人的被害が68名、住家被害のうち全壊が4棟、半壊が6棟、一部破損が27棟、床上浸水が3件、床下浸水が5件、船舶被害が4隻、車両被害が74台、停電が最大で27万8400戸となっております。
次に、我が会派の代表質問との関連についての中で、久米島射爆撃場等の返還及び硫黄鳥島についてお答えいたします。
県としましては、鳥島射爆撃場及び久米島射爆撃場の返還並びにホテル・ホテル訓練区域の一部解除について、引き続き久米島町、軍転協、漁業関係団体とも連携しながら、あらゆる機会を通じ求めていきたいと考えております。
硫黄鳥島については、去る5月に開催された米軍基地負担軽減部会で北澤防衛大臣から、鳥島射爆撃場を硫黄鳥島へ移転することを検討しているとの発言がありましたが、沖縄防衛局に確認したところ、具体的な内容は決まっていないとのことであります。
県としましては、引き続き情報収集を行っているところであります。
以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 遺骨収集事業の取り組み状況についてお答えいたします。
戦没者の遺骨収集事業は、一義的に国が行う業務となっております。
県においては、国から委託を受けた業務の一部を実施しており、平成23年度から戦没者の遺骨情報収集体制の構築及び遺骨収集を行うボランティア等に対する支援等業務を拡充したところであります。
なお、これまでの収骨状況は、平成23年3月末現在、18万4411柱となっております。
以上です。
○農林水産部長(比嘉俊昭) トリイ通信施設内の海岸における工作物についての中で、トリイ通信施設内の海岸工作物の砂や石をどのようにとらえているかについてお答えします。
トリイ通信施設内の海岸工作物は、砂と岩石で積み上げられており、台風等が襲来した場合、漁場等への影響が懸念されることが考えられます。
要請内容と要請先の対応についてお答えします。
県では、トリイ通信施設内の海岸工作物の原状回復について、外務省沖縄事務所、沖縄防衛局、在沖米陸軍基地管理本部に対し、去る4月26日から27日にかけて、基地内工事の事前の情報提供、工作物の漁業活動に影響がないよう撤去を含めた対応などについて要請してきたところでございます。
要請に際し外務省沖縄事務所からは、要請内容を外務大臣へ報告する、要請内容について米陸軍側へ申し入れるとのコメントがありました。
沖縄防衛局からは、基地内の工事について事前に説明するよう働きかける、読谷村・漁協・地元関係者から意見を聞き、撤去を含めた解決方法を米陸軍側と相談するとのコメントがありました。
在沖米陸軍基地管理本部からは、今後、工事を行う場合は、事前に地元に連絡する、ビーチ施設の一環として整備しており、漁業活動に影響があった場合は対応するとのコメントがありました。
県としては、今後とも地元関係機関と連携を図り、漁業活動に影響を及ぼさないよう対応していきたいと考えております。
陸側からの土砂使用に対する海岸法の抵触についてお答えします。
海岸法では、法第8条「海岸保全区域における行為の制限」により、土石、砂の採取、水面においての施設等の新設の行為においては海岸管理者の許可を受けることとなっております。しかし、沖縄防衛局からは、今回の土砂採取箇所及び工作物設置箇所は、日米地位協定第2条に基づく米軍への提供施設・区域内であることから、海岸法を含む国内法は適用されないとの説明を受けております。
次に、台風2号における被害に関しての中で、農林水産業の被害状況についてお答えします。
台風2号による農林水産業関係の被害総額は、6月10日現在で約70億6000万円と見込んでおります。
今回の被害は、特に農作物の収穫時期に当たる5月に台風が発生したため、葉たばこ、さとうきび、ゴーヤー、マンゴーなどの農作物が被害全体の約8割を占めております。
被害の内訳は、葉たばこ等農作物が58億3000万円、ハウス等農業用施設関係が4億7900万円、家畜等畜産関係が3200万円、林道等林業関係が4000万円、水産業関係が6億7900万円となっております。
農林水産業への支援策についてお答えいたします。
農作物等の被害対策としては、農業改良普及センターに営農相談窓口を設置するとともに、被災農家に対し病害防除の徹底や樹勢等の回復のための肥培管理などの指導を行っております。
台風等の被害に対する補償としては、さとうきびについては畑作物共済、水稲については農作物共済、野菜等については園芸施設共済等があり、加入農家に対して損害評価後に農業共済金が支払われることとなっております。
葉たばこについては、JTから災害援助金が支払われると聞いております。漁船については、漁船保険制度により保険金が支払われることになっております。国の災害復旧事業の対象となる農業用施設や林道・漁港施設等については、国への災害復旧申請を早期に行うための準備を進めているところでございます。
また、農家の経営安定を図るため、農業制度資金等の償還猶予を行うとともに、6月補正予算において農林漁業セーフティネット資金借り入れに係る利子助成を計上しているところでございます。
今後とも、台風2号の影響による農家支援については、農家の要望等を踏まえ関係機関と連携し対応を検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 台風2号における被害に関連する質問の中で、瓦れきの処理費に対する市町村等への支援についてお答え申し上げます。
市町村等が災害のために実施した生活環境保全上必要とされる廃棄物の収集・運搬及び処分する事業に対しては、災害等廃棄物処理事業費国庫補助金制度がございます。県では、各市町村及び一部事務組合に対し、台風2号による被害状況の調査を行うとともに、当該災害等廃棄物処理事業費国庫補助金制度の活用について助言を行っているところであります。
なお、当該補助金の交付内容については、市町村や一部事務組合が実施する40万円以上の事業に対して、その経費の2分の1を交付するものとなっております。
以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 土木行政についての中で、県道6号線の渋滞緩和についてお答えいたします。
県道6号線は、読谷村字伊良皆からうるま市石川東恩納を結ぶ延長約20キロ、2車線の幹線道路であります。現在、読谷村においては、国において国道58号読谷道路、村において村道中央残波線等の整備が進められているところであります。
県道6号線の渋滞緩和策については、当該道路等の供用後の交通状況を勘案して検討していきたいと考えております。
同じく土木行政についてで、県道12号線と県道6号線の交差点改良についてお答えいたします。
県道12号線と県道6号線との交差点については、主に朝夕の通勤通学時に渋滞が発生していると認識しております。当該交差点の改良については、村において整備を進めている村道中央残波線等の供用後の交通状況を勘案して検討していきたいと考えております。
同じく土木行政で、嘉手納弾薬庫を通過するはしご道路についてお答えいたします。
読谷村から嘉手納弾薬庫を通過し沖縄自動車道に至る道路計画については、基地内を通過することから、今後の米軍提供施設の返還の状況を踏まえ、将来の交通需要の動向を見ながら検討していきたいと考えております。
同じく土木行政で、県内の流域及び公共下水道の整備状況についてお答えいたします。
沖縄県における平成22年3月末現在の下水道人口普及率は約66%となっており、流域関連公共下水道が約77%、公共下水道が約41%となっております。
同じく土木行政で、中部流域下水道事業の読谷側の管渠延伸についてお答えいたします。
流域下水道は、2以上の市町村の下水を排除、処理するものであり、終末処理場、幹線管渠等の整備及び維持管理を県が行い、幹線管渠に接続する枝線管渠の整備及び維持管理を市町村が行うこととなっております。県が整備を行う幹線管渠の終点は、流域下水道の計画区域の末端に位置する市町村の処理区域の面積もしくは流入水量が3分の1となる地点と定められております。読谷側の幹線管渠の終点は、ほぼ基準どおりの位置となっていることから、延伸の予定はありません。
以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 我が会派の代表質問との関連についての御質問の中で、理学療法士、作業療法士といったコメディカルの適正な人員配置についてお答えいたします。
病院事業局においては、地域の医療ニーズにこたえる観点から医療提供体制を整備してきたところであり、コメディカル職員については、病院現場の業務量等を考慮して平成23年度の定数を297名とし、職員を配置しております。コメディカルの人員体制については、医療提供体制の充実と経営への影響等を考慮する必要があることから、今年度、局内に人員体制検討チームを設置し検討を進めているところであります。
以上でございます。
○仲宗根 悟 それでは再質問をさせていただきたいと思います。
まず、下水道事業について土木建築部長、よろしくお願いいたします。
今、御説明がございましたとおり、今、伊良皆まで実質来ていて、それから求めているのは喜名地区、北側のほうを布設してくれないかというような内容なんですけれども、こちらは末端の下水道が全体の3分の1となる地点までというように限られているんだと。それは基準どおりということはわかることはわかるんですが、こちらのほうも皆さんからいただいた下水道の資料をぱらぱらとめくって中を見てみますと、他の市町村に比べると末端市町村というのは非常に不利益だと思うんですね。中間、もう全部100%通っていくわけですから。その点、末端になると布設状況を見ていると、非常に不公平感は否めないなというような思いがあるんです。やはりこの下水道事業というのは国の補助金の対象であるわけですから、これもぜひ県が独自に整備することは可能だというふうに思うんですが、その辺はいかがですか。
○土木建築部長(当間清勝) 末端の市町村は、おっしゃるとおりかなりその3分の1の部分まで公共下水道を引かなければいけないという負担は承知しておりますが、やはりこれは基準でございますので、県としては、この基準どおり一応、今実施しているところでございます。
○仲宗根 悟 基準どおりだと3分の1で現在のところまでで基準どおり行っているというような説明ではあるんですが、今度、沖縄県への市町村が負担をする負担金についてなんですが、末端市町村である読谷村は、先ほども聞きましたけれども、処理面積、水量の全体の3分の1となるというように緩和をされているわけですが、この試算をされたのは3分の1やると喜名地区まで、北側まで含めての処理面積あるいは水量が計算をされているんじゃないのかなと。ところが、整備されているのは伊良皆地区までだということで、これはどうしても不公平感がある。この負担金にしてもあるんだというように思うんですが、その辺をあとの残りを県に整備を求めるのは不自然かなと思うんですがいかがですか。求められるんじゃないでしょうか。
○土木建築部長(当間清勝) 確かに統計の数値でも面積とかそういうのでかなりいろいろ異なるところもあります。それで、議員おっしゃったように、九州ブロック会議とかそういった場で全国でも同じような事例もありますので、そういった中で少し研究させていただきたいと思います。
○仲宗根 悟 この辺についてもぜひ担当者の皆さん、その市町村とも十分話し合いをしていただきたいなというような思いなんですが、また、この喜名地区、読谷村の地形は58号を通って皆さんおわかりいただけると思うんですが、標高差が58号で一番高い位置がオキハムの前の道路、そこが58号では一番高いと言っています。それから南のほうへ嘉手納に向かって長田川、比謝川のほうが一番低くなると。それから嘉手納のほうにまた上っていくというような地形のあり方なんですよ。
先ほどから申し上げています喜名地区、読谷のもっと延伸してほしいという部落は、もうこの数年間、また人口もふえますし、汚水や生活雑排水というのがこの東側の弾薬庫の黙認耕作を通じて取水河川であるこの長田川へ流入している、注いでいるんだというようなことで、環境の面においても、また企業局の取水のコストも考えたら、ぜひ設置はしていかなくちゃいけないだろうと。ところが、村自体そのものというのが今、それにかけられるだけのお金がない、財政力が乏しいということでこの支援をぜひとも県にお願いしたいというようなことなんですが、その辺についてはいかがでしょうか。
○土木建築部長(当間清勝) 読谷村と少し話し合って、ただ、基準のところもありますので、そこは少し他府県の状況とか、総合事務局を通して国の意見もそういった特殊な事情がある場所でどういうふうな知恵を出しているか、そういうのも少し研究させていただきたいと思います。
○仲宗根 悟 よろしくお願いします。
皆さんのこの下水道の手引の中にも、下水道事業の環境の採択要件の中にもきちっと「湖沼水質保全特別措置法」というのもあるわけですから、この流れていく長田川は県民の水がめ、取水栓でありますから、河川でありますから、早急な対策といいましょうか、その布設をぜひ村とも相談をしながら実現していっていただきたい、努力を重ねていただきたいというふうに思います。
それでは、今度はこのはしご道路の件なんですが、この地域はやはり生活や交通の利便性だけではなく、東の沖縄市、あるいは与勝半島、これから開発します中城湾港地区での西側を結ぶ大変重要な経済活動に大きく寄与する道路になり得るであろうというふうに思うんですが、中部広域あたりでもマスタープランのほうに位置づけ、強く要望されている道路なんですが、県としてこういった考え方についてどのような受けとめ方をされているかお聞きしたいと思います。
○土木建築部長(当間清勝) 以前、平成6年に構想という考え方で一応検討した経緯はございますが、やはり現在、予算も厳しくなっておりますし、どうしても基地の返還が必要だということがありますので、このはしご道路のネットワーク上、議員が提案している道路の必要性は、それをやるとかなり効果があるということは存じておりますが、やはり米軍基地内ということと、まだそういうところまで今踏み込んだ形の道路計画にはなっていないということで御理解いただきたいと思います。
○仲宗根 悟 部長の気持ちもよくわかりました。こちらは返還予定地に含まれていないので、マスタープランへの位置づけは非常に困難だと、これはもう前から聞かされていますけれども、返還地じゃないので非常に難しいですよというようなお話なんですが、私は将来にわたって、未来にわたって部長がおっしゃったように十分必要な道路になり得るであろうと、そしてそういったものを描きながら、軍用地であっても計画だけはきちっと今からでも差し込んでしかるべきじゃないのかなというふうに思うんですね。読谷村でもかなりこういった軍用地のころに計画を入れて実現したのが15年後あるいは20年後、それ以上にスパンをかけてでき上がったというような部分もあるんですよ。ですから軍用地だからといって全く考えていませんというよりもむしろそこに計画をいたしました、ですから部分的にも返していただけないですか、あるいは共同使用させていただけないですかというような、僕は起こってくるかもしれないというような非常に夢を描いているんですが、その辺の計画だけでも線を引いておくということができないのかどうか、部長いかがですか。
○土木建築部長(当間清勝) 今、県としては、嘉手納以南の返還ということで、そこに対する道路の計画はすべて入れ込んでいます。しかしながら、嘉手納以北の分はどうしても計画には入れられない今の状況で、それとあわせて基地内の共同使用という手もあるんですけれども、やはりそこは弾薬庫ですので、いろんな重要な施設があるという認識もあって、そこまで将来にわたってこれを計画するというのは今のところできない状況です。
○仲宗根 悟 これは共同使用すると賃貸料が発生してくるわけですから、今度は、じゃ、県道じゃなくて国道をまたお願いできないかと国に要請したりもできると思うんですよね。だから、軍用地内だから道路ができないというよりも、むしろ軍用地の中にどういった道路ができるのかという工法も今の技術だとできると思うんですが、いかがですか。
○土木建築部長(当間清勝) 技術的な土木建築技術としては可能ではあるんですけれども、やはり基地内でどういう施設がそこに存在するか、いろんな不透明なところもございますので、私たちとしてはやはり安全・安心な道路の整備ということではやはり嘉手納以南の計画までだと考えております。
○仲宗根 悟 県道6号線の渋滞なんですけれども、今、部長は朝と夕にしか混雑頻度はないというようなおっしゃり方をしておりますが、都屋から県道6号線の大木、古堅小学校バス停入り口までの間は、あそこは朝夕にかかわらず非常に混雑しています。部長は村道の中央残波線が入ってくるんだ、それを見きわめた上で検討したいというようなお話の仕方をされておりますが、その出口がまさに県道6号線に来るわけですよね。もっと分散している箇所よりもう少し北側のほうに路線が出るということになれば、この道を大分使う、農協まで使う車の数が非常に多くなるという意味ではぜひともこの三差路の改良は必要だというふうに思っています。その辺もぜひ市町村の担当とも十分協議を重ねていって、いい方向に導きたいなと思うんですが、いかがですか。
○土木建築部長(当間清勝) 今回、その現場をつぶさに道路・街路の担当者が見て、やっぱり右折が多かったということを承知しています。しかしながら、交通量がかなり村道等の整備で変わってくるものですから、その状況を見たいんですけれども、もう少し状況を踏まえてこれ以上かなり混雑が激しい状況が続くんであれば、右折帯をつくる場合に暫定的にその幅員の中でできる可能性があるところもあるかもしれませんので、そこら辺はうまくその道路の幅員を生かしながらいろいろ検討させていただきたいと思います。
○仲宗根 悟 ぜひよろしく御検討いただきたいと思います。
トリイ通信施設内の海岸工作物の件でありますが、部長からお話がありましたとおり、22日に早速現地において米軍の当事者、そして防衛局、沖縄県、読谷村、そして漁協関係者、地域の方々と現場調査をしながら話し合いが持たれたわけなんですが、それを終えて農林水産部は26日、27日に早速関係要路に要請に行かれております。迅速な対応をしていただいて高く評価を申し上げたいというふうに思っていますが、海岸法は提供施設内、提供水域内だから撤去ないですというような施設局のお話なんですが、ここにまで来て地位協定かというような感が否めないんですが、ヤーカヤーが勝手に物をふやしたりあるいは壊したり、そしてヤーヌヌーシは手も足も出ない。余りにも理不尽だと、もう本当にこんなことがあっていいのかなと思っています。本当に国側の説明は非常に乱暴だなと、国内法は適用しませんよというようなことであるんですが、5・15メモやそれから地位協定16条には、日本の法令を厳守しなさいというところもあるんですが、その辺について、これからどんどんこういった事例が起こりかねないと思うんですが、知事公室長、その地位協定あるいは5・15メモについてどういう見解か、お聞かせいただけませんか。
○知事公室長(又吉 進) 今、議員おっしゃいましたように、日米地位協定第16条には、駐留軍に対して日本国の法令を尊重し云々とあるわけでございます。とりわけこの環境関連の汚染等につきましては、これはかねてから申し上げておりますように、地位協定が策定されてから50年たちますけれども、一切顧みられていないというところは県としても問題にしておりまして、引き続きこの環境関連の規定につきましては、きちんと地位協定の見直しの中で盛り込むように強く申し入れているところでございます。引き続き、日米両政府に対してその旨の見直しを行うよう努めてまいりたいと思っております。
○嘉陽 宗儀 通告に基づき質問します。
初めに、米軍基地問題についてです。
去る6月21日、慰霊の日を前に県民に挑戦するかのように、日米合同委員会は辺野古へのV字案を正式に発表しました。この新たな日米合意は、(ア)、県民の「普天間基地の県内移設反対」の総意を力ずくで踏みにじるものであり、絶対に許されません。これは県民ぐるみの闘いでしか打開できないと考えます。知事はその先頭に立って頑張るべきだと思いますが、決意を伺います。
イ、去る沖縄戦は、国策によるものでありました。今回の新たな基地押しつけも同じであります。沖縄は植民地ではありません。まさに県民の命運がかかった日本国憲法で保障された民主主義を確立する闘いです。知事が明確な態度を表明すべきです。御所見を伺います。
(2)、日米地位協定について質問します。
ア、日米地位協定の目的は何ですか。知事は必要だと考えますか。
イ、日米地位協定を廃止すると、米軍に与える影響はどうなると考えますか。
ウ、県民を守るためには日米地位協定は廃止すべきではありませんか。
(3)、ヤンバルの自然保護について。
ア、小笠原諸島が世界遺産登録をされました。次はヤンバルです。ヘリパッドが建設されたらヤンバルを世界自然遺産登録させることは困難になると思います。知事の所見を伺います。
イ、ヤンバルの自然は地球上でもまれな亜熱帯性雨林を有する世界の宝であります。それを守るのは知事の責務です。直ちにヘリパッド工事の中止を申し入れるべきです。決意を伺います。
ウ、現在生物多様性の宝庫である国頭村で皆伐が行われています。直ちに中止させるべきだと思います。決意を伺います。
エ、松くい虫駆除のために農薬散布が行われ、ノグチゲラやヤンバルクイナなど希少動植物に重大な影響が出ていると訴えがありますが、実態はどうなっていますか。直ちに農薬散布を中止すべきです。対応をお聞きします。
(4)、米軍普天間基地へのオスプレイ配備について。
ア、県と宜野湾市がオスプレイ配備について29項目の説明を防衛局に求めていますが、これは県民の不安や疑問を解明する上で評価できるものです。その経緯と目的について御説明を求めます。
イ、なぜオスプレイの配備か、理由を説明してください。
ウ、CH46とオスプレイの違い(機能、諸元等)について解明してください。
エ、オスプレイの配備によって普天間基地の固定化と危険性が増大すると考えますが、配備計画の撤回を求めるべきです。決意を伺います。
2、東部海浜開発事業について。
(1)、埋立地用途変更に関する公有水面埋立免許の承認申請が提出されましたが、審査の内容を説明してください。
(2)、知事が知事に承認申請を提出して適正な審査が行われる保証はあるのですか、あれば説明してください。結局、埋め立てありきの県民だましの手法ではありませんか。
(3)、東日本大震災を受けて、事業計画では液化現象などの対策はやっていますか。
(4)、需要予測が大幅に落ち込んだ中で、経済的合理性のある計画と判断した根拠を明確に示してください。
(5)、無駄な公共工事である東部海浜開発事業は中止すべきです。決意を伺います。
3、教育問題について。
(1)、高校再編計画について。
ア、今回の再編計画は、従来の高校教育の多様化政策と矛盾するものとなっていると思いますが、見解を伺います。
イ、これまでの編成整備計画に関する総括はやっていますか。教訓は何ですか。
(2)、私学助成について。
私学の公教育に果たしている役割は甚大なものがあり、当然、公的な助成が図られるべきであります。現在までの助成の実態と今後の方針を伺います。
4、沖縄市北部の産業廃棄物に係る問題について。
(1)、私はこれまでごみ山問題をたびたび取り上げてきましたが、いまだに解決していません。それどころか、現在トラックでごみが運び込まれてますます高くなっていますが、なぜそうなっているんですか。
(2)、この間、倉敷環境に対する警告、改善命令はやってきましたか。効果がない理由は何か説明してください。
(3)、北谷の米軍返還跡地から排出された鉛汚染土壌やアスベスト含有廃棄物の沖縄市登川への不法投棄について、事実を明らかにしてください。
(4)、これは廃棄物保管基準にも違反しているのではありませんか。
5、遺伝子組み換えパパイヤについて。
(1)、台湾から輸入された遺伝子組み換えパパイヤは伐採処分されたが、その根拠は何ですか。生産農家への補償はどうなっていますか。
(2)、政府はハワイ遺伝子組み換えパパイヤを来年度から輸入する方針だが、問題はないですか。問題があれば政府に明確に意思表示すべきではありませんか。
最後に、ATL(成人T細胞白血病)の治療について。
(1)、ATLはどのような病気ですか。
(2)、患者の実態はどうなっていますか。沖縄に患者が多いのはなぜですか。
(3)、適切な治療法はありますか。
(4)、シークヮーサー果皮に含まれる新機能成分「ベータ・カリオフィレン」に抑制効果があると沖縄科学技術振興センターが発表していますが、その内容の説明を求めます。
(5)、これは画期的な発見であると思います。実用化は進んでいますか。
(6)、ウイルス感染者に対してこの成果の活用を図る必要があります。決意を伺います。
○知事(仲井眞弘多) 嘉陽宗儀議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、米軍基地問題についての御質問の中で、県民の総意を踏みにじる新たな日米合意についての御質問にお答えいたします。
これまで日米両政府に対し、「地元の理解を得られない移設案を実現することは、事実上不可能である」と、機会あるごとに申し上げてきたにもかかわらず、今回、このような決定がなされたことは、まことに遺憾であります。
県といたしましては、日米両政府に対し、引き続き普天間飛行場の県外移設の実現に取り組むよう強く求めているところでございます。
次に、同じく米軍基地問題の中で、ヘリパッドの建設と自然遺産登録についてという御質問にお答えいたします。
「琉球諸島」が世界自然遺産の国内候補地とされているのは、ヤンバル地域、奄美大島、西表島等、「琉球諸島」全体としての自然の価値が総合的に評価されたためと認識いたしております。
世界自然遺産の登録に当たっては、その価値が損なわれないよう国内法による保護担保措置として国立公園化等による保全が必要であると考えております。ヤンバルの国立公園化に向けては、返還予定地を含めたヤンバル地域全体の自然環境の状況を勘案して検討されるものと考えております。
今後も環境省や地元自治体等関係機関と連携を図りながら、琉球諸島の世界自然遺産登録に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、東部海浜開発に係る御質問の中で、東部海浜開発事業を中止すべきとの意見についての御質問にお答えいたします。
泡瀬地区埋立事業は、本島中部東海岸地域の経済活性化を図るための経済振興策として地元からの強い要請に基づき進めてきたものであります。また、この事業は新港地区における港湾整備とも密接に関連しており、新港地区東埠頭背後地における企業誘致にも寄与することから、埋立免許等の変更手続を進めているところであります。免許の許可及び承認がなされ次第、早期に工事再開できるよう努めていく考えでございます。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 米軍基地問題についての御質問の中で、基地問題に対し知事の態度を明らかにすることについてお答えいたします。
沖縄県には、戦後66年を経過した今なお広大な米軍基地が存在し、SACOや再編協議の合意に基づく大規模な基地の返還が実現した後も依然として過重な基地負担が続く状況にあります。このため、県としましては、日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて、本県の過重な基地負担の軽減を求めるというのが県の基本的な姿勢でございます。
次に、日米地位協定の目的と必要性についてお答えをいたします。
外務省によれば、「日米地位協定は、日米安全保障条約の目的達成のために我が国に駐留する米軍との円滑な行動を確保するため、米軍による我が国における施設・区域の使用と我が国における米軍の地位について規定したもの」とされております。
県としましては、外国の軍隊が他国に駐留する際には、外国軍隊の地位を明確に規律する必要があるものと承知しており、日米安全保障条約によって米軍の駐留が認められている以上、地位協定は必要なものと考えております。
次に、日米地位協定の廃止についての御質問の中で、1の(2)のイ、1の(2)のウは関連しますので一括してお答えいたします。
日米地位協定では、米軍に対する施設・区域の提供手続、我が国にいる米軍人等に対し、出入国や租税、刑事裁判権や民事請求権などの事項について規定しております。仮に、日米地位協定が廃止された場合の米軍に対する影響は、県として正確に把握しておりませんが、日米安全保障条約第6条において米軍が使用することを許されている施設・区域の範囲や管理権が不明確になること、第17条関連といたしましては、米軍人等が罪を犯した場合の公務中、公務外の取り扱い等が不明確になる等が考えられます。
日米地位協定は、一度も改正されないまま締結から50年以上が経過しており、安全保障を取り巻く環境や社会情勢の変化、人権や環境問題などに対する意識の高まり等の中で、時代の要求や県民の要望にそぐわないものとなっていることから、県としましては、日米両政府に対し同協定の抜本的な見直しを求めているところであります。
次に、ヘリパッド工事の中止についてお答えいたします。
北部訓練場のヘリパッドについては、SACO最終報告において、同訓練場の過半を返還することに伴い残余部分に移設されるものであり、県としましては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。しかしながら、ヘリパッドの移設においては、国による環境調査の結果や関係する市町村の意向等も踏まえながら、当該地域の自然環境や地域住民の生活に十分配慮すべきであると考えております。
次に、MV22オスプレイの配備についてお答えいたします。1の(4)のアと1の(4)イは関連いたしますので一括してお答えいたします。
MV22オスプレイの配備について、去る6月6日、沖縄防衛局より口頭にて「地元へのお知らせ」がありました。防衛省によると、CH46のMV22への換装は、老朽化した航空機を同種の新しい機種に更新するものとのことであります。沖縄県は、去る2月の沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会の要請を初め、機会あるごとにMV22オスプレイの配備の有無を含め、政府は県民に十分な説明を行うよう求めてまいりました。お知らせによれば、MV22オスプレイは、2012年の遅くから第3海兵機動展開部隊のCH46と代替することになるであろうとされており、同部隊が駐留する普天間飛行場周辺を初め運用が予想される北部訓練場等への影響について十分な説明を求める必要があることから、6月24日質問文書を防衛省に提出し、速やかな回答を求めたところであります。
次に、CH46とオスプレイの違いについてお答えいたします。
CH46とオスプレイの機能等について、防衛省の資料によると、最大速度は、CH46が時速267キロメートル、オスプレイが時速509キロメートル、搭載人員はCH46が12名、オスプレイが24名、航続距離はCH46が676キロメートル、オスプレイが3892キロメートルとなっております。
次に、オスプレイ配備計画の撤回についてお答えいたします。
沖縄県としましては、オスプレイが過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から、県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では、当該配備については反対であります。
先ほど来答弁いたしておりますように、去る6月24日、沖縄県は、配備計画の修正を含め、オスプレイの具体的な運用上の問題等についての質問文書を防衛省へ提出し、速やかな回答と説明を求めたところであります。
以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 答弁の途中でありますが、時間の都合もありますので、嘉陽宗儀君の質問及び質疑に対する残りの答弁は休憩後に回したいと思います。
20分間休憩いたします。
午後3時20分休憩
午後3時46分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
休憩前の嘉陽宗儀君の質問及び質疑に対する答弁を続行いたします。
農林水産部長。
〔農林水産部長 比嘉俊昭君登壇〕
○農林水産部長(比嘉俊昭) 米軍基地問題についての中で、国頭村における皆伐の中止についてお答えいたします。
ヤンバルの森は、希少な動植物が生息・生育することから、重要であると認識しております。一方、林業地域の主要な産業となっており、雇用や定住化に重要な役割を果たすとともに、木材やキノコ等の林産物の供給を通して、他産業の振興や県民生活にも寄与しております。このことから、ヤンバルの森については、自然環境の保全と利活用との調和を図ることが必要であると考えております。
国頭村における森林伐採につきましては、国頭村が村有林の収穫のために行っているものでありますが、環境保全の観点から、国頭村及び伐採事業者に対し、収穫伐採方法や保全対策の実施など適切に対応するよう指導しているところであります。また、収穫伐採方法等につきましては、択伐も含め環境保全対策の実施に向けて関係機関と連携し検討を行っているところでございます。
松くい虫対策の薬剤散布による希少動物への影響についてお答えします。
松くい虫防除対策の薬剤散布は、公益的機能の高い保全松林において予防対策として実施しております。実施に当たっては、薬剤散布開始の前に、散布場所及び時期について地元公民館へ文書により通知するとともに、行政マイクによる呼びかけを行い、また散布区域内に散布時期を記載した看板等の設置を行っております。
松くい虫の防除に使用する薬剤は、「毒物及び劇物取締法」に定義されている「毒物」または「劇物」には該当していない「普通物」であり、野生鳥類、水産動物、昆虫及び土壌生物に及ぼす影響が少ないとされております。
なお、松くい虫薬剤散布については、国や県の環境行政機関、市町村及び地元公民館に確認したところ、現在苦情は寄せられておりません。今後とも情報収集に努めてまいります。
遺伝子組み換えパパイヤの中で、伐採処分の根拠と補償についてお答えします。
国は、「カルタヘナ法」第10条に基づき、生物多様性への影響を防止するため、遺伝子組み換え生物等の回収や使用等を中止することを命ずることができるとしています。また、「カルタヘナ法」に基づく未承認遺伝子組み換えパパイヤの伐採処理に伴う損失については、補償の規定はないとの説明をしております。しかしながら、生産農家からは、平成15年に同法律が制定されてから約8年の間、遺伝子組み換えパパイヤの検査方法が確立されていないことから、国内侵入防止対策の強化や伐採に伴う補償を求める意見があります。このため、県は、5月と6月に農林水産省や関係機関等に対し早急な原因究明、検査技術の確立と技術移転、国内侵入防止対策の強化、伐採処理に伴う補償など「カルタヘナ法」の運用の見直しを含め、抜本的な対策を講じるよう国に強く要請したところでございます。
県としては、パパイヤ生産農家に対する補償については、国が行う必要があると考えておりますが、パパイヤの生産振興を図る観点から、緊急的に伐採作業と苗の配布など関係機関等と連携してパパイヤ生産農家の経営安定に取り組んでまいります。
ハワイ産パパイヤの輸入についてお答えいたします。
ハワイ産遺伝子組み換えパパイヤについては、平成16年にハワイパパイヤ産業協会から「カルタヘナ法」に基づいて申請がなされ、平成22年に国の「生物多様性影響評価検討会」において、生物多様性への影響がないとの判断がされております。
食品としての安全性については、国の「食品安全委員会」において評価がなされ、平成21年に人の健康を損なうおそれがないものと判断されております。現在は、食品表示に関して消費者庁において検討が進められていると聞いております。
県としては、今後とも遺伝子組み換えパパイヤの輸入動向等について注視していくこととしております。
以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 東部海浜開発事業についての中で、埋立用途変更に関する審査の内容についてお答えいたします。
審査の内容は、公有水面埋立法の審査基準である国土利用上適正かつ合理的なこと、環境保全及び災害防止につき十分配慮していること、埋立地の用途が港湾計画等の上位計画に違背していないこと、埋立地の用途に対する公共施設の規模や配置が適正なこと、埋立地の処分計画や予定対価が適正なこと、出願人の資金力に問題がないことの6つの項目となっております。
同じく東部海浜開発事業で、適切な審査が行われているかについてお答えいたします。
公有水面埋立の審査に当たっては、港湾管理者の長である知事として実施しております。また、審査は法律に基づく基準に沿って実施し、変更申請書を公告・縦覧して一般利害関係者の意見を聴取するとともに、海上保安庁や地区税関等の関係機関及び地元市町村への意見照会等を行っております。これらの意見を踏まえた上で、埋立地の用途変更の必要性や環境保全への配慮等について適切に判断しております。
同じく東部海浜開発事業で、東日本大震災を受けた液状化等の対策についてお答えいたします。
泡瀬地区埋立事業の液状化については、当該埋め立てに用いる土砂が主に新港地区のしゅんせつ土砂で、その多くは液状化しにくい粘性土でありますが、埋め立て完了後に土質調査を実施し、想定される地震動に対し解析を行い、液状化すると判定された場合には、適切に対応する考えであります。また、津波については、今回の震災を受け、「中央防災会議」や「国土交通省交通政策審議会港湾分科会」等において地震・津波対策を検討しているところであり、これまでのハード整備中心の考えからハード・ソフト両面から成る総合的対策の確立が求められております。
県としては、これまで想定しなかった大津波においても人命は守られるよう避難場所や避難経路の確保など、国・沖縄市と連携し対応していきたいと考えております。
なお、沖縄総合事務局が県内主要港湾において、総合的な津波対策の方針をまとめるために設置した「地震・津波防災対策検討協議会」に沖縄県も委員として加わり、地震・津波対策の検討を行うこととしています。
同じく東部海浜開発事業で、経済的合理性のある計画と判断した根拠についてお答えいたします。
県としましては、控訴審判決を踏まえた経済的合理性の有無については、収支の見通しが統計データや調査報告書等、根拠を有する資料を基礎としたものになっているかどうかなどで判断されるものと考えております。沖縄市が作成した土地利用計画見直し案は、入域観光客数や各種施設の需要予測、施設規模等について、各種統計データや調査報告書及び類似施設の事例等をもとに算出されております。したがって、算出方法は根拠をもって整理されており、妥当性を欠くものではないことから、控訴審判決を踏まえた経済的合理性を有するものと考えております。
以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教育問題についての御質問で、次期編成整備計画についてお答えいたします。
県教育委員会といたしましては、「沖縄21世紀ビジョン」を踏まえ、先見性に富み、グローバルな視点で沖縄の発展を支える人材の育成を目指して、平成24年度からの次期県立高等学校編成整備計画を策定してまいります。
次に、編成整備計画の総括等についてお答えいたします。
現在の県立高等学校編成整備計画の実施においては、社会のニーズや変化を見据え対応してまいりました。現在、策定中の次期編成整備計画におきましても、現計画の課題や国の動向、本県の社会状況の変化を踏まえるとともに、地域や生徒・保護者の意見の反映に努めてまいります。
以上でございます。
○総務部長(兼島 規) 教育問題に関する質問のうち、私立学校への助成の実態と今後の方針についてお答えいたします。
県内私立学校は、建学の精神に基づく特色ある教育を実践し、本県の人材育成に多大な貢献をしております。県では、私立学校が公教育に果たす役割の重要性にかんがみ、かねてより私立学校の運営費や伝統文化教育など特色ある教育を行う学校に対する助成を行っており、平成23年度当初予算においては、31億9860万円を措置しております。また、現在国に対し、新たな沖縄振興のための制度として、私立学校の老朽化施設の改築に係る支援制度の創設を提言しているところであり、今後とも県内私立学校の振興に努めてまいります。
以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 沖縄市北部の産業廃棄物に係る問題についての御質問の中で、廃棄物が高く積み上げられていることについてお答えいたします。
当該事業者が設置している最終処分場は、埋立処分が終了した安定型区域及び管理型区域と、供用中の管理型区域の3区域であります。当該処分場に搬入された廃棄物は、焼却処分や供用中の管理型区域で埋立処分がなされており、埋立処分が終了している安定型区域及び管理型区域では、新たな廃棄物の埋立処分は行われておりません。管理型最終処分場が高くなっているのは、当該事業者が県の警告書や改善命令を受け、改善作業の一環として一時的に積み上げたためであります。
県としましては、今後とも早期に問題を解決できるよう、当該事業者の指導を強化していきたいと考えております。
同じく沖縄市北部の産業廃棄物に係る問題に関連して、事業者に対する警告、改善命令及びその効果についてお答えいたします。
県では、当該事業者に対し、平成16年12月に警告書を発し、安定型最終処分場の改善を指示しております。また、平成22年10月には、管理型最終処分場の超過廃棄物を適正に処理するよう改善命令を発しております。
当該事業者においては、改善命令などを受け、安定型区域については改善に向けた計画を策定し、本年7月末までに改善すべく作業を進めております。管理型区域については、安定型区域の改善が終わり次第、本格的に作業を開始することとなっております。現在、当該事業者においては、自社施設での焼却処分、関連企業や県外搬出による委託処分などを進めておりますが、結果的に十分進んでいない状況があります。このため当該事業者においては、新炉を設置し8年以内に超過廃棄物を処理するという誓約書を沖縄市に提出し、計画を進めている状況であります。
次に、北谷の返還跡地の汚染土壌等の搬入経緯についてお答えいたします。
キャンプ桑江北側返還跡地で見つかった汚染土壌等については、アスベストや鉛などの有害物質を含んだ建築廃材などであることから、県はこれまで処理方法について沖縄防衛局と調整を行ってきております。また、3月14日に沖縄防衛局から3月中に汚染土壌等を地区外へ搬出したい旨の相談があり、県としましては、土壌汚染対策法及び廃棄物処理法の基準に沿った地区外への搬出方法及び保管方法について指導助言を行っております。その後、4月21日に沖縄防衛局から沖縄市内への搬出、そして保管しているとの事後報告を受けたことから、県としましては、保管場所での状況等について現場確認を行い、沖縄市を初め関係機関への報告・確認、適切な管理及び早期の搬出・処理を行うよう指導を行ってきたところであります。
次に、同じく北谷の返還跡地からの廃棄物保管基準違反についてお答えいたします。
アスベスト含有産業廃棄物の保管基準につきましては、周囲に囲いがあること、掲示板を設置すること、保管している廃棄物の飛散・流出・地下浸透などの防止策を実施することなどがあります。
本件につきましては、現地調査の結果、保管基準が満たされており、県としましては、適正に撤去されるまでの間、監視指導を行っていく考えでございます。
以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 成人T細胞白血病についてお答えします。
成人T細胞白血病とは、血液のがんである白血病の一種で、ヒトT細胞白血病ウイルスいわゆるHTLV-1の感染により発症するとされています。感染経路は母乳を介しての乳児への感染がほとんどであり、感染後は40年以上の潜伏期を経て発症します。ヒトT細胞白血病ウイルスキャリアのうち5%程度が生涯において成人T細胞白血病を発症するとされています。
続きまして、成人T細胞白血病患者の実態等についてお答えします。
患者数については、全国の中でも沖縄及び南九州での発生が多くなっており、沖縄県がん登録事業のデータによりますと、県内では年間70人から90人程度の患者が発症しております。年代としては高齢者に多く、約半数が70歳以上となっており、男女による差は認められておりません。
沖縄及び南九州に患者が多い理由は不明ですが、この原因ウイルス自体は古くから人類と共存してきたものとされています。
続きまして、適切な治療法についてお答えします。
現在のところ、標準的な治療法は確立されておりませんが、抗がん剤による化学療法などが行われております。最近では、抗がん剤と併用して骨髄移植が成績を上げているとの報告があります。
以上です。
○企画部長(川上好久) ATL(成人T細胞白血病)の治療に関連して、シークヮーサー果皮に含まれる成分の抑制効果についてお答えします。
シークヮーサーの果皮に含まれる新機能成分「ベータ・カリオフィレン」に関する研究は、財団法人沖縄科学技術振興センターが沖縄県の補助を受け、大分大学医学部及び琉球大学農学部などとの連携により実施されたものであります。大分大学医学部では、「ベータ・カリオフィレン」が成人T細胞白血病ウイルスの感染細胞を抑制するという結果が得られたことから、創薬等への産業化を踏まえ、琉球大学と共同で平成22年9月に特許出願を行っております。
次に、成果の実用化とその活用について一括してお答えいたします。
本事業の研究成果は、「ベータ・カリオフィレン」が成人T細胞白血病を抑制する可能性があることを発見したもので基礎的な研究の段階であります。当該成分がATLの治療薬として活用されるためには、製薬企業のもとで薬理学的研究、毒性研究などの基礎研究、動物を対象とした非臨床試験、人を対象とした臨床試験を経て、有効性、安全性及び品質を検証し、その後、厚生労働省の審査・承認を得る必要があります。
県としては、研究成果の実用化に向けて、琉球大学、財団法人沖縄科学技術振興センターなどの関係研究機関との連携を図り、継続して研究が実施できるようフォローアップ等に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○嘉陽 宗儀 休憩。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時8分休憩
午後4時10分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
教育長。
〔教育長 大城 浩君登壇〕
○教育長(大城 浩) 嘉陽議員のおっしゃっておりますこの矛盾云々の言葉が私はよくわかりません。この矛盾という言葉がですね。といいますのは、これまでも我々は学力向上を最重要課題といたしまして取り組んできた経緯があります。ですから、これまでもそうだし、これからもそうであるということで、この矛盾するものになっているということは私はそう思っておりません。
以上でございます。
○嘉陽 宗儀 再質問します。
1つは、基地問題について、知事に、私がさきの日米合同委員会の2プラス2の通達の態度は沖縄県民の総意を力ずくで踏みにじるものであるんだが、知事の認識を伺いたいということを聞きましたので、知事の認識だけちょっと答えてください。どう思うか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時12分休憩
午後4時13分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の御質問が踏みにじるものかどうかという御質問だとすると、それに対して踏みにじる、踏みにじらないという答弁はできるかできないかよくわかりません。
先ほどこの質問に答えたとおりなんですが、もう一度申し上げましょうか。これまで日米両政府に対し、「地元の理解を得られない移設案を実現することは、事実上不可能である」と、機会あるごとに申し上げてきたにもかかわらず、今回、このような決定がなされたことは、まことに遺憾であります。
県といたしましては、日米両政府に対し、引き続き普天間飛行場の県外移設の実現に取り組むよう強く求めているところでございます。
○嘉陽 宗儀 どう取り組むかというのを聞いたんじゃないんですけれども、まあいいです。
さらに基地問題を聞きますけれども、6月30日、米上院歳出委員会は、在沖海兵隊のグアム移転費を全額削除しました。これは、明確にSACO合意の破綻を示すものであり、県民の負担軽減どころか、今のままでは世界一危険な普天間基地が固定化されることになります。この際、知事は改めて県民の意思を明確に日米両政府に表明すべきです。決意を伺います。これまで県民意思を尊重して、辺野古は事実上不可能だ。したがって県外だと頑張っておられることは極めて重要だと考えます。現在、知事を先頭とする辺野古移設反対への県民運動が日米両政府を追い詰めています。
かつて沖縄の復帰闘争が島ぐるみの運動として発展する中で、日米両政府は県民の戦いを分断するために、さまざまな攻撃をしてきました。復帰をすると芋とはだしになるとか、教育権やさまざまな分離返還論などを振りまいてきました。それに対して沖縄県民は、屋良朝苗主席を先頭に団結し、さまざまな分断攻撃や懐柔策をはね返して不可能と言われた施政権の返還をついに実現させました。まさに歴史的な偉業です。県民の総意である世界一危険な普天間米軍基地の一日も早い返還のために、現在、知事には、屋良主席が果たしてきた役割を引き受けて頑張ることが歴史的に求められていると思います。歴史は繰り返されるとよく言われます。県民の辺野古移設反対の闘いが前進する中で、一部に県民の闘いを分断し、日米両政府を側面から支援するかのような新たな移設論という歴史の逆流も生じています。しかし、これは大きな歴史の本流の中で泡沫として消え去る運命にあります。
今、重要なことはそのような動きに左右されず、県民総意の立場で確固として知事が頑張ることです。知事の奮闘が米軍普天間基地問題を解決し、歴史を動かした政治家として歴史に大きく刻まれることになります。
改めて知事の決意を伺います。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時16分休憩
午後4時17分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 私の考えは、先ほどから申し上げているとおりでございまして、普天間の危険性を一日も早く除去し、一日も早く移設、そして返還を実現するということでございまして、今、嘉陽議員の言われた屋良先生とか復帰運動のころのあのうねりというものは抜きにしましても、私のほうは再三申し上げてきましたように、今の辺野古というのは事実上不可能だと。したがって、県外を求めていったほうが断然早いですよという私の県外への主張をしっかりと両政府に申し上げていきたいと考えています。
○嘉陽 宗儀 知事の決意はたびたび聞いているんですけれども、今のように県外移設を求めるという路線も必ず破綻せざるを得ない。やはり、歴史の審判は、普天間基地は即時無条件撤去せよ、こう行くしかないと思うんですよ。ただそれまでにはいろいろ過程があるので、そこに到達するまでに我々としては頑張る必要がありますけれども、知事も少なくとも見通しとしてはそうならざるを得ないということは頭の片隅には入れていてください。これは答弁要りません。
それから、次に、ATLについて聞きます。
先ほどの部長の答弁を聞きますと、70人から90人が発症しているということでしたけれども、県独自に実態調査をしているんですか、この問題について。
○福祉保健部長(宮里達也) 先ほど申しましたように、がん登録というのがありまして、それで患者数を把握して70人から90人程度の年間の発症者がいるというふうに調べております。
○嘉陽 宗儀 今の部長の答弁を聞いて非常にびっくりしています。これを今、インターネットで調べてみたら、全国的に国会でも大問題になっていて、九州だけでも毎年500人以上死亡しているというニュースになっていますけれども、しかもその九州でも大半は沖縄だと。風土病ですよ、風土病。だからそれから見たら先ほどの部長の答弁は、本当に実態を反映していない中身になっている。それについては一般のがん患者扱いじゃなくて、ATLということで今九州各県ともさまざまな取り組みをしているんですよ。県はATLについて独自の取り組みをしていますか、これ。部長、明解に。県として独自の取り組みをしていますか。
○福祉保健部長(宮里達也) ATLは、一般的に古くから沖縄とか南九州地域に多いものなんです。それで感染経路は、通常母乳感染が主だと言われております。その母乳感染に関して産婦人科で検査して、それなりに対応を妊婦と相談してやっていくということです。
○嘉陽 宗儀 今、国を挙げてこれは重要だということで、国会でも実は決議をされています。有効な治療薬がないと。例えば前の宮城県知事が頑張って、治療薬についてはまだ承認されていないけれども、早目に承認するようにという取り組みをしていますね。だから、国会でも国会決議さえもやっている。それが各都道府県にも具体的にこの対策をとりなさいという指示も厚労省から出ている、私の調査では。そういうことなんですよ。特に沖縄は何もやっていないような感じがするもんだから、あえて今回この議会で問題にしました。
私が調べてきましたら、九州に多いということで、九州各県とも独自に対策をとっています。ここに鹿児島のものを1つ調べてきましたけれども、これは「鹿児島ATL制圧10カ年計画」、その実践での報告書があるんですけれども、これを見たら、1977年からやっていて「鹿児島ATL制圧10カ年計画」ができたために、母子感染を5%以内に抑えるとか、発症した場合でも抗がん剤を含めてさまざまな治療方法をやって、毎年減らしてきているということで、福岡もそうですし、熊本もそうですし、長崎もそうですし、あちこちこのATLについては本当に大変な病気だと。しかも治療薬がないという状況で非常に深刻な事態になっているのに、がん調査のついでにこれだけの人数でしたというのでは、担当部長としてやっぱり問題があると思うんですよ。今後、やはり沖縄県民がこの問題で苦しんでおられる。しかも、私どもの周りで見たらあれはどうもATLで亡くなったんじゃないかと思われる人たちがたくさんいるんですよ。しかも、発症したら余命3カ月。しかも、どんな治療をしても2カ年以内に命を絶たれるという恐ろしい病気ですよ。しかも、沖縄が非常に多いというのであれば、沖縄県として本腰を上げて感染経路も母子感染はっきりしていますし、それから鹿児島とかよその県では乳児のときにちゃんと精密検査をして、菌をウイルスを持っているかどうかということも全部やっているんですよ。ところが、沖縄はやっていない。だから、発生も少ないように言っているけれども、実際上はこれという病気をわからずに亡くなるという方が非常に多いと思うんですよね。だから、そういう意味で改めて私、この問題を取り上げてどうしても何とかしたいという思いがあって提起しますので、ぜひこれは改めて実態調査をして、しかも40年から50年というわけですから、風土病で。沖縄の経済状況が苦しい中で、40年、50年前に感染したのが今発症して、しかも発症したらこれは致命的な問題で、例えば骨髄移植で前宮城県知事は治ったけれども、これがお年寄りだったら骨髄移植もできない、60歳以上だったら手術できない。結局は今治療薬もない、ほったらかしでしょう。だから、こういうのは医療行政としてはあってはならないと思うんです。それで、私、この問題に興味を持って調べてみましたら、非常に勇気の出るような話で、シークヮーサーの「ベータ・カリオフィレン」ががんを抑える力を持っていると。これは大分大学の医学部の先生と琉大の農学部の先生がやりましたけれども、私、直接話をしました。非常に有望で、国のほうも今この承認を持っているけれども、沖縄にあるじゃないかと。シークヮーサーのそのアロマの成分でそれで治療に大きな効き目があるという実践的になっているわけだから、少なくとも県として企画部も含めて、今この沖縄県で生み出したこの治療薬にもっと光を当てて普及していく必要があると思うんですよ。よその県の治療対策を見たら、要望はあるけれども治療がないんですよ、治療が、抗がん剤だけで。ところが、これは普通の抗がん剤では効かない、この白血病は。ところが、沖縄だけはシークヮーサーのおかげでこれから新しい計画をつくれば、沖縄独自の抑制効果がつくり出せると、これが明らかになれば多くの県民が希望を持つんですよ。そういう面では、ぜひこの問題について知事も含めて重視をして取り組んでほしいと思うんですけれども、いかがですか。
○福祉保健部長(宮里達也) ATLの抗体陽性率は、献血者の状況を調べているのがあるんですけれども、昭和63年、8.3%のキャリア率だったんですけれども、平成19年には0.5%、平成22年度には0.3%と既に減少してきているんです。
それともう一つ、先ほどから話しましたようにこれは母子感染なんですね。しかも母乳が主な要因だろうと言われています。そういうことで、御説明のあった国の指針等も新しい考え方等も示されたりして、去年も専門家を集めて検討会を行ったりしました。その中で母乳をどう取り扱うかというのは極めて重要な課題ですので、なかなか軽々しくこうだというふうには言えないところがあります。
それと効能効果に関しては、一定の手続を経ないと公然と言うレベルには、今のところは試験管レベルの話だと思いますので御理解いただきたいと思います。
○嘉陽 宗儀 今、感染者がどれだけいるかという問題については、これは少なくとも本格的に母子検査を含めてやればもっと網に引っかかってくるのに、ほとんどそれが素通りされている。ここに大きな問題があるという問題意識です、私は。だから今までの検査の方法だけではなかなか数字は上がらんでしょうけれども、ただ客観的に政府も、それから九州各県の話でも沖縄が一番多い、九州の半分以上は沖縄じゃないかというこういうデータでしょう。ところが、肝心の沖縄ではそれをつかんでいない。よそのほうでは10カ年計画とかいろいろ計画を持ってそれを撲滅する、そういうことまでやっているけれども、とにかく治療法がない。沖縄はさっき言ったシークヮーサーを含めて沖縄県民の白血病治療という面ではこの有望な展望があるわけだから、それを最大限活用して制圧するという展望はぜひしっかり示してほしいと思うんですが、いかがですか。
○企画部長(川上好久) 今、議員が言われるその研究につきましては、これは平成20年から22年にかけてマリンバイオ資源の利活用事業というふうなものでやられたものでございますけれども、一定の成果が出たわけでございますけれども、先ほど福祉保健部長のほうからもございましたけれども、これの実用化にはまだ少しこの研究を続けていかなきゃならない状況もございます。
県としては、継続して研究ができるような形でフォローアップを今後また続けていきたいというふうに思います。
○嘉陽 宗儀 この沖縄の亜熱帯性の気候というのは、非常にいろんな有用生物が発見されていますけれども、これはシークヮーサーだけじゃなくてモズクにも含まれているとかいうふうにどんどん出ていますね。だからそういう意味では、本当に沖縄の自然の有効性活用を図っていけば、沖縄でこのATLの克服というのは九州の中でも先進県になる可能性を非常に秘めていますから、知事として決意して、ぜひ沖縄も少なくとも他府県に劣らないように計画をつくって、その誘致対策のために頑張ってほしいと思うんですけれども、決意を聞いて終わります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時30分休憩
午後4時32分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 嘉陽議員のお話で大変勉強させていただきましたが、まことに恐縮ですが、今、福祉保健部ともう少し詰めて今のATLの克服、撲滅といいますか、今それに取り組んでいるつもりではいるんですが、おっしゃるように、まだやりようがあるんじゃないかと。しかもその治療薬の手がかりが沖縄にあるのではないかという御指摘を受けて、これは総合的にもう少し腰を据えて一歩でも二歩でも前へ進められるのではないかとも思います。
ですから、ちょっとこれはもう一度この御意見を受けて少し専門家も含めて研究させてください。
○比嘉 京子 こんにちは。
社大・結会派の比嘉京子です。
緒言を述べさせていただき、一般質問を行います。
まず初めに、昨年の6月議会を振り返ってみますと、私は、一つのテーマのみで初めて質問をいたしました。それは、基地と経済というテーマでした。その理由は、本県の発展の妨げとなっている最大の原因は基地であり、基地による不利益が多大であるという認識からでした。
しかしながら、きょうの朝、本県のホームページを見てみましてもこのような発信はなく、むしろ基地収入の割合は減っているが、額としては依然として大きいという発信です。
基地から派生する諸問題は、議会の質疑の中のかなりの割合を占め、そのことによって議員も執行部も多くの時間を割いています。基地は、人権問題であると同時に雇用・経済問題である。もちろんその他の環境問題等さまざまあります。そういう観点からの質問でした。
私は、本県が基地によって不利益をこうむっているすべての事項を数値化し、可視化すべきではないかと考えて昨年の質疑をいたしました。その後、県議会事務局の試みの試算を初めとして嘉手納以南の返還予定地の雇用・経済効果の数字が明らかになりました。私は、これから嘉手納以北の試算も必要であると考えています。
21世紀ビジョンは、基地のない沖縄を描いています。この1年間の試算はほんの一歩にすぎません。基地あるがゆえの不利益を数字により可視化することは、まだまだ多くの項目が残されています。それと同時に、戦後強制的に接収され、今日まで損失、いわゆる逸失利益をも算出すべきであります。そして、政府を初め全国民への周知を図ることが急務ではないかと考えています。そのことを今日まで怠ってきたことこそ反省しなければならないんではないでしょうか。なぜなら、いまだに全国知事会や議長会でさえ、沖縄は基地と引きかえに財政的な優遇を受けている。さらに、沖縄は基地がなくなるとやっていけるのか、本音は基地が必要ではないか、基地反対というのは建前で、より以上の予算を引き出すためにごねているだけではないかという誤った認識があることは否定できません。
数字は人を説得するのに大いなるツールであります。ホームページは、県の窓として見解を訴える最大、最強の手段ではないでしょうか。重要性を再確認し発信するよう要望いたします。加えて、最低でも日本語、英語の発信をお願いしたいと思います。
では一般質問を行います。
まず1番目、観光行政について。
(1)、2009年の「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では川平湾が三つ星に、石垣島が二つ星にランクされています。さらに2010年、世界最大の旅行ガイドブック(ロンリープラネット社)の「知られざる島々」部門で八重山諸島が世界第3位に評価されています。八重山の世界的評価をどのように生かしていくのか、施策を伺います。
(2)番目に、毎年実施している観光客の満足度調査について伺います。
その目的について。
そして、その結果はどのように活用されているのか。
そして、その満足度を高める施策は行われているのかどうかお伺いしたいと思います。
2番目に、教育行政について。
(1)、学校図書館司書について多くの質疑がありました。
ア、私は、学校図書館司書の専門性や役割、必要性をどのように認識しておられるのか伺います。
イ、今年度の採用試験における図書館司書の位置づけはどうなっているのか伺います。
ウ、本県では財政難を理由に20年以上にわたり司書を採用してこなかったわけですが、学力を初めとして児童生徒へ与える影響について調査・分析したことがあるかどうか伺います。
(2)、幼稚園教育における人的配置について。
ア、本県の幼児教育振興アクションプログラム――実施期間が平成22年から23年度――によると、「職員配置の改善」を明記しております。その進捗状況について伺います。
イ、「(特に臨時的任用教員の学級担任の抑制)に努める。」と明言をしていますが、それが改善されているかどうか伺います。
3番目、病院行政について。
(1)、2010年度決算の黒字の要因と評価について伺います。
(2)、経営健全化へのさらなる課題とは何か伺います。
(3)、病床の休床状況について伺います。
ア、休床の過去3年間の推移を示されたい。
イ、休床に対する認識と対策をどう考えておられるのか伺います。
ウ、休床が解消されると、1年間の診療報酬は幾らぐらい増額するのか伺います。
(4)、中部病院の7対1体制の実施状況と課題について伺います。
(5)、コメディカルの人員不足は深刻な状況にあると認識しておりますが、次の点を伺います。
ア、コメディカルの必要人員は何名か。
イ、人員を確保するためにどのような方策を考えておられるか。
ウ、必要な人員を確保することでどのような成果が期待できるのか伺います。
(6)番目に、DPC機能評価係数Ⅱに見る県立病院の評価についての認識を伺います。
4番目に、福祉保健行政について。
(1)、看護師養成について伺います。
ア、医療以外も含めた看護師の需給見通しについて伺います。
イ、浦添看護学校民間移譲採決時における動議――5つあったと思いますが――の進捗状況について伺います。
ウ、県の修学資金の給付状況と他の機関の奨学金の給付状況の動向について伺います。
以上です。
○知事(仲井眞弘多) 比嘉京子議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、観光行政に係る御質問の中で、世界的なガイドブックで八重山が評価されたことの活用施策についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
ミシュランやロンリープラネット社が発行する旅行ガイドブックは世界的に著名であり、非常に高い影響力を持っていると認識をいたしております。これらガイドブックにおいて八重山諸島が評価されたことにより、世界に向けて八重山の魅力が大きく発信されたものと考えております。
沖縄県といたしましては、この評価を最大限活用し沖縄の観光誘客につなげるため、先日発売されました「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン2011」において川平湾の風景を生かしました沖縄観光に関する広告を行ったところであります。今後とも、海外の旅行博への出展や海外メディアの招聘、そして沖縄観光情報ウエブサイト「おきなわ物語」等によりまして情報発信を積極的に行ってまいりたいと考えております。
同じく観光行政に係る御質問の中で、満足度調査の目的は何かという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県の実施いたしております観光客満足度調査は、観光客を対象に沖縄観光に対する満足度や潜在的なニーズを把握することを目的といたしております。具体的には、最も印象に残った活動や観光施設、宿泊施設などに対する満足度について、年代別、年収別や目的別などさまざまな角度から調査を実施いたしております。
なお、平成21年度に実施いたしました調査におきましては、旅行全体に対し「満足」または「やや満足」と答えた割合は96.6%に達しており、観光客からそれなりに高い評価を得ているものと認識いたしております。
次に、病院行政に係る御質問の中で、平成22年度決算の黒字要因と評価についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
平成22年度は、繰入金の増額による支援、そして診療報酬改定、さらには南部医療センター・こども医療センターでの7対1看護体制の導入、入院患者数の増加などによりまして収益が増加した一方で、給与費などの伸びを抑制したことにより利益が拡大したと考えております。
病院事業におきましては、将来長きにわたって安定した経営を維持するためにはさらなる改革を進める必要があると考えております。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 観光行政についての中で、満足度調査の結果の活用についてとの問いにお答えいたします。
沖縄県では、満足度調査の結果を分析することにより、沖縄観光の課題の抽出や対応方策の検討など施策立案の基礎資料として活用しております。また、観光産業や関係団体における満足度向上に対する取り組みを促進するため、調査結果について説明会を実施しております。さらに、概要をまとめたパンフレットを作成し、一般県民の観光に対する理解の促進に努めているところです。こちらが満足度調査の基礎資料であり、これが概要をまとめたパンフレット版でございます。(資料を掲示)
続きまして、満足度を高める施策についての問いにお答えいたします。
沖縄県では、調査結果をもとに観光客からの要望が高い自然環境の保全について、市町村との連携による地域の観光資源の利用ルールの策定や環境に配慮した木道等の整備を推進し、持続可能な観光地づくりに向け取り組んでおります。また、前回の調査と比較して満足度が向上した「文化体験」や、「スポーツ・レジャー」につきましては、さらなる魅力の向上に向けて、新たな文化資源を活用した観光メニューの開発やスポーツ・ツーリズムの推進などに取り組んでおります。
一方、平成22年度に実施しました外国人観光客に対する満足度調査におきましては、外国語対応能力や案内表記、両替の利便性などに対する要望が挙げられております。そのため、地域限定通訳案内士の拡充や多言語による観光案内表示板の設置、携帯端末による多言語観光案内、銀聯カード端末の整備など、外国人観光客に対する安全・安心・快適なサービスが提供できる観光地づくりに取り組んでいるところであります。
以上です。
○教育長(大城 浩) 教育行政についての御質問で、学校図書館司書の専門性等についてお答えいたします。
学校図書館司書は、図書館サービスの提供及び学校図書館庶務・会計等に従事しているものでございます。これまで本県学校図書館の活性化に果たしてきた役割は大きなものがあると考えております。
学校図書館法の改正により、平成15年度以降、学校図書館の専門的職務を担当させるため司書教諭が配置され、現在は、学校図書館司書と連携して学校図書館活動の充実に取り組んでおります。
次に、学校図書館司書の位置づけについてお答えいたします。
本年度、人事委員会が実施する県職員採用中級試験において、新たに「学校事務Ⅱ」の試験区分を設け、司書資格を有する事務職員として採用する予定であります。
次に、児童生徒への影響調査等についてお答えいたします。
これまで学校図書館司書を採用しなかったことによる児童生徒への影響について、調査したことはございません。
次に、職員の配置改善等についてお答えいたします。2の(2)アと2の(2)イは関連しますので一括してお答えいたします。
県教育委員会といたしましては、平成22年3月に「沖縄県幼児教育振興アクションプログラム」を策定いたしまして、各市町村と連携して職員配置の改善を図ってきたところでございます。学級担任の本務教員は、平成22年度が59.5%、平成23年度は60.2%と改善されております。また、副園長等の配置は、平成22年度が47.9%、平成23年度は54%と改善されております。
今後とも「沖縄県幼児教育振興アクションプログラム」に基づき、市町村へ「幼児教育政策プログラム」の策定を促してまいります。
以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 病院行政についての御質問の中で、経営健全化の課題についてお答えいたします。
病院事業においては、診療報酬改定への柔軟な対応、医師、看護師等の安定的確保、企業債等借入金の縮減、給与体系の見直し等が経営上の課題と考えております。
今後とも持続的な経営の健全化のため、これらの課題に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、休床に対する推移と認識等についてお答えいたします。3の(3)のアと3の(3)のイは関連しますので一括してお答えします。
看護師不足による休床は、中部病院で平成21年2月より52床、南部医療センター・こども医療センターは平成19年11月から14床となっております。休床している病床の再開については、看護師確保の見通し、経営への影響、地域の医療環境等を踏まえて検討していきたいと考えております。
次に、休床解消による診療報酬についてお答えいたします。
中部病院と南部医療センター・こども医療センターの休床再開による収益について試算すると、中部病院において年間約6億3000万円、南部医療センター・こども医療センターにおいて年間約1億4000万円の収益が見込まれます。
次に、7対1看護体制の実施状況と課題についてお答えいたします。
中部病院では、7対1看護体制に必要な看護師を配置して、ことし5月から実施しております。
7対1看護体制を円滑に運用していくためには、看護師の確保と定着を図る必要があることから、病院事業局としては、新任看護師の教育・指導の充実や育休者等の補充に努めていきたいと考えております。
次に、コメディカルの必要人員と確保についてお答えいたします。3の(5)のアと3の(5)のイは関連しますので一括してお答えします。
病院事業局においては、地域の医療ニーズにこたえる観点から医療提供体制を整備してきたところであり、コメディカル職員については、病院現場の業務量等を考慮して平成23年度の定数を297名とし、職員を配置しております。
コメディカルの人員体制については、医療提供体制の充実と経営への影響等を考慮する必要があることから、今年度、局内に人員体制検討チームを設置し検討を進めているところであります。
次に、人員確保の成果についてお答えいたします。
コメディカルで必要となる人員数については、今後、患者への医療提供の内容や業務量、病院で取得する施設基準の種別等を考慮して検討していくことから、現時点で経営への影響等の成果を見込むことは困難と考えております。
次に、DPC機能評価についてお答えいたします。
救急医療や僻地医療、周産期医療、災害医療などの医療機能の提供状況を指数化したDPC機能評価係数Ⅱについて、平成23年3月の係数を全国等と比較すると、県立病院の平均0.0287に対し、県立を除く県内の平均は0.0249、全国の平均は0.0224となっており、県立病院の係数が高くなっております。
機能評価係数Ⅱから見ると、県立病院は地域の中核的な基幹病院として高く評価されているものと認識しております。
以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 福祉保健行政についての中の、医療以外も含めた看護師の需給見通しについてお答えいたします。
平成23年1月に公表した「第七次看護職員需給見通し」は、医療機関のみならず介護保険関係や社会福祉施設等をも含めたものとなっております。同需給見通しでは、需要に対する供給の不足数は平成23年が約500人、最終年の平成27年が約200人になると見込んでおります。その内容としては、7対1の看護体制等による需要の増加見込みがある一方、名桜大学、ぐしかわ看護専門学校、那覇看護専門学校、県立浦添看護学校からの新規卒業者による供給の増加が見込まれ、需給のバランスは年々改善する見通しとなっております。
続きまして、浦添看護学校の民間移譲採決時における付随意見への取り組みについてお答えします。
付随意見の内容については、修学資金の拡充、同資金条例の免除規定に急性期病院を盛り込むこと、院内保育所等勤務環境の改善、通信制の導入、看護師養成・確保対策等の5項目から成っております。修学資金については、平成23年度の当初予算として約1億円の措置をしておりますが、第二次地域医療再生基金において、平成23年度から25年度の分として1億2960万円の増額を申請しているところであります。修学資金貸与条例の免除規定については、2月議会において急性期病院を盛り込んだところであります。院内保育所の整備については、希望のあった6カ所の医療機関に対して、地域医療再生基金による予算措置を申請しているところであります。通信制については、施設や教員の確保に課題があるとして、当面は修学資金で負担軽減を図っていくこととしております。また、潜在看護師の再就職支援事業やナースプール事業等に取り組む等、全体的な看護師確保対策を強化していきたいと考えております。
続きまして、県修学資金の給付状況、他の奨学金の給付状況の動向についてお答えします。
沖縄県看護師等修学資金の貸与状況は、平成21年度の貸与人数が86人、22年度が144人、23年度が243人となっております。
その他の奨学金の貸与状況については、平成23年3月末の養成校からの報告によれば、日本学生支援機構による者が623人、沖縄県国際交流・人材育成財団による者が34人、その他による者が5人となっており、県修学資金の貸与者数を含めると養成校の全看護学生の1545人中、約5割が奨学金等を活用しているものと考えております。
なお、奨学金については、現在申請中の者のいることや、県修学資金についても地域医療再生基金の内示後追加募集を行うこととしており、今後、全体的な給付状況の把握に努めていきたいと考えております。
以上であります。
○比嘉 京子 では、再質問をさせていただきます。
まず観光行政についてお伺いいたしたいと思います。
まず、この満足度調査が毎回出るたびに思っていることですけれども、沖縄県は数値目標をよく挙げますが、数値を追うのもとても大事ですが、やはりリピーターが7割以上いる沖縄県の観光行政を見てみますと、やはり質と、いかに単価、収益を上げるかということが非常に特化すべき課題ではないかなと考えています。
そのことからしますと、この満足度をどれだけ上げられるかということは、リピーターにとっても再度来るためのとても大きな目安になるだろうと。データはとってみますけれども、そのデータがどう変化して、どう改善されていったのかということをうかがい知ることができません。そのためにどれぐらいの回数その調査が行われて、1回の調査にどれぐらいのまず予算が使われているのかお伺いいたします。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 比嘉議員の再質問にお答えいたします。
おっしゃるとおりでございまして、今後沖縄観光を考える上では、リピーターをいかにふやすかということは非常に重要な課題だと認識しております。
今の御質問ですが、この調査そのものは平成15年度から実施しておりまして、3年に1回の割合で調査をしております。
調査の内容でございますけれども、年に4回、例えば平成21年には6月と、それから8月、11月、2月と年に4回になりますけれども、その月の金曜日と日曜日に調査をします。これは、アンケートを飛行機に乗るお客様全員に渡して、後ほどそれを郵送で回収するというような方法をとっていると聞いております。
金曜日にアンケートを実施する理由の一つに、沖縄から出発をする主に県内の方を対象、それから日曜日に実施する分につきましては、今度は沖縄から帰る旅行者を対象にアンケートを実施しているというふうに聞いております。
平成18年度に関する予算につきましては、この満足度調査とあわせて観光消費額等の調査も実施しておりまして、これは含めて委託をしております。ですから、約1700万円。3年後の平成21年度には、この満足度調査と観光消費額等の調査にあわせまして、今度は観光産業の実態調査等もやっておりますので、このときには2300万円となっております。
○比嘉 京子 非常に大きな枠のお話は伺えたんですけれども、その満足度調査の細かい、高い評価、低い評価あると思うんですよね。その中で、今回はどこに特化をして、どういうような手段で、それを何%上げる努力をしようというようなきめの細かい施策は講じられたことがあるんでしょうか。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 文化観光スポーツ部という新しい部になりまして、いよいよこれから、まさに今おっしゃっていることを形にしていく作業をしていこうというふうに思っております。ですから、ちょっと今何%という数字まではこちらで今は提示はできませんけれども、主に私もこのアンケートの調査結果を見た結果、やっぱり体験型のレジャー、特に海とかそれから自然景観、そういったものに関する部分は非常に高い評価を得ておりますけれども、食事とかお土産等に関する期待感の割にはそれがちょっと低いというところで、今後課題はそこら辺にあるのかなというふうに思っております。
○比嘉 京子 競争力の激しい、そしてさまざまな社会情勢に変動のある観光行政ですから、ぜひ沖縄がほかのところとの差別化、そして私は質を高めるという努力をもっときめ細かくやることが、やっぱりペイしても満足できる、落としていく気になる、そういうような観光になると思いますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
引き続きまして、教育行政についてお伺いいたします。
まず図書館行政、3名の方々が質問されたと思うんですが、特に私は、学校図書館における位置づけ、専門性、それから教科との関連性、そういうものの位置づけがいま一つではないかなという感を今までの質疑の中で感じております。いま一つその点について、学校教育課程の中における教科と図書館行政のあり方、関連性、そういうものについてお答えいただけますか。
○教育長(大城 浩) ただいまの質問にお答えいたします。
今の教育課程とのかかわりでお話しいたしますと、実は学習指導要領、その総則のほうでは、いわゆる図書館の資料については、計画的な利用、計画的な活用、そういったことをするようにとうたわれております。したがいまして、各教科を通していく中で、教科の特色を生かしながら計画的な活用をしているものと認識をしております。
○比嘉 京子 この事務職の中に分類されていることそのものが、私はやっぱり図書館司書というのは大学ではそれなりの単位を取得して資格を取るわけですよね。そのプラスアルファの専門性というのをお墨つきいただくわけですよね。そうすると、今の事務職に入っていくということというのは専門性というのが評価されていないんではないかと思いますけれども、いかがですか。
○教育長(大城 浩) やはり学校図書館を充実していくためには、当然専門性を持っていらっしゃる方の配置が必要であることは私も承知しております。ただ、今現在、沖縄県におきましては、ことしからスタートいたしました県の採用試験の中級試験におきまして、いわゆる司書の資格を持っている方を採用していくという大きな方針が出されました。この中で、なぜ事務職なのか。これは、高校標準法という大きな法律がありまして、この中で事務職員しか採用できない、そういう状況でございます。したがって、事務職員として採用している状況でございます。
○比嘉 京子 人事委員会にお聞きしたいと思います。
採用の入り口が一緒なんですけれども、司書資格を持っている人も事務職に回されるということはあり得るわけですよね。
○人事委員会事務局長(岩井健一) お答えします。
人事委員会において、教育庁のほうの職の設置について確認いたしましたところ、いわゆる学校司書という職の設置はございません。すべて学校図書館の事務を行うのも学校事務職員としての職の設置でございますので、今回の採用試験計画におきましても、教育庁のほうから学校図書館の運営について充実を図りたいということで、これまで学校図書館事務については、事実上司書資格を持っている方も従事していましたし、中には学校司書の資格を持っていなくても従事していた事例もあろうかと思いますけれども、そういった状況の中で学校図書館事務の充実を図っていきたいということで、司書資格を有する事務職員を採用したいという要望がございましたので、人事委員会においてそういう「学校事務Ⅱ」の試験を実施するということにした次第でございます。
○比嘉 京子 図書行政がさまざま議論されてきましたけれども、フィンランドへ私たち文教厚生委員会がことし2月に視察に行きましたときに、フィンランドは学力が世界一高いというPISAの学力調査で大変有名でありますけれども、生まれたときからまず図書館行政が非常に発達している国なわけです、もちろん寒い国ということもありますけれども。地域に非常にたくさんの図書館があるわけなんです。ゼロ歳児から本に親しむ環境がもうでき上がっているわけなんです。今、本県が学力問題云々をするときに、さまざまなそれにかかわる因子を洗い直していく必要があると思うんですね。
私は、今事務に位置づけているということは、すなわち本の貸し出しぐらいしか見ていないんではないかと。どういう本を、どの学年の、どの教科に提案をしていくことがいいのか、子供たちが宿題をする、レポートを書く、それから読書感想文を書く、そういうときにどういう図書を今推薦したらいいのか、また表に出したらいいのか、それと同時に分類をどうするか、さまざまな専門性があるはずなんですね。そのことがすっぽりと評価の中に欠けている。そのために事務職の中に分類されてもいたし方ないというような扱いを本県がしているんではないか。本県は、かつてもっと開架式の図書館運営をしてきたはずなんですよね。ですから、私はいま一度、学校の図書館のありよう、位置づけ、専門性に対する適正なる評価、そういうことをしていただいて、本当にこの採用の入り口がいいのかどうか再検討をお願いしたいと思うんですが、いかがですか。
○教育長(大城 浩) 先ほども少し触れましたけれども、学校図書館のいわゆる充実強化につきましては、学校図書館法の中でいわゆる司書教諭がスタートした経緯がございます。これはたしか平成15年だったと思いますけれども、その方々は、まずどういった条件かといいますと、教員の免許を持っていらっしゃいまして、なおかついわゆる司書教諭としての修了のための条件も持っていらっしゃいます。ですから、かなり専門性を持っている方がいらっしゃるわけです。そういう方々を、今比嘉議員がおっしゃったみたいに、学校現場に計画的に配置していく方法も一つの選択肢ではないのかなということでございます。
ただ、この司書、そして司書教諭のいわゆる連携といいますか、そういったことが今学校現場では十分に行われているという認識なんですけれども、もしそれが不十分であれば、またお互い研究をしていこうと思っていますけれども。
○比嘉 京子 これはぜひ再検討を要する課題として重く受けとめていただきたい、そのように思います。
次に、幼稚園教育についてお伺いいたします。
この幼稚園教育の担任でさえも6・4の割合で臨雇用をしていると、そういうような実態を微増なりとも変えられたという評価をされておられるようですが、この一、二年の間に0.何%の何名かが本務になったからという評価は、私は余りにも低いんではないかなというふうに感じています。
そういうことを考えますと、皆さんがそのアクションプログラムの33ページの交付金の使い方をきちんと市町村に言うべきではないかと私は思うんですね。なぜかというと、調べましたら、幼稚園の教育について1人当たりの園児に交付金の算定基準としては36万2000円ついているわけです。そうすると、大体平均して35名1クラスとしても1000万円以上の交付金がついているはずなんです。その中において150万円程度の臨雇用を何年も続けてやっているということに対して、県がきちんとした位置づけ、それから県がきちんとした幼稚園教諭のありようを言っていない、その実態について責任を感じるべきではないかと思うんですが、いかがですか。
○教育長(大城 浩) 幼稚園教育につきましては、今御指摘のとおりさまざまな課題があることも承知しております。県の役割、そして市町村の役割、そして国の方向性、そういったことが今さまざまに論議されている状況でございます。特に、国の場合におきましては、以前は「子ども家庭省」といいますか、そういった呼び名の新しいものをつくっていこうという案もございました、今はもうなくなりましたけれども。また、「こども園」という形の新しい発想もございます。そういう中で、幼稚園と保育所の相互乗り入れ等ございました。
そういう中で、市町村の役割、県の役割がありますけれども、私どもは、今議員がおっしゃったみたいに、できる限り市町村と連携をしながら取り組んでいければいいのかなという思いです。
○比嘉 京子 今まで幼稚園教育の問題をやると、こういう市町村の問題だとずっと言われてきたわけなんです。しかし、この3月に前教育長が準教育課程だと位置づけられたわけです。そうしますと、今、県のアクションプログラムに見習って市町村のアクションプログラムの作成率というのは幾らぐらいになっているんですか。
○教育長(大城 浩) 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後5時18分休憩
午後5時18分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
教育長。
○教育長(大城 浩) 市町村における幼児教育の政策プログラムの策定率ですけれども、これは13市町村で31.7%、これは平成23年の5月現在の数字でございます。
○比嘉 京子 ぜひ2年間の実施期間の中でこの進捗状況ですので、もう少し力を入れていただきたいと要望いたしまして次の質問をいたします。
まず病院行政です。
予算特別委員会でも知事が総括質疑にも出ていらしてお話をさせていただいたんですが、私、まず第1番目に、今回のDPC、県立病院の6病院の平均値を先ほど局長がおっしゃっていただいて、各病院よりも高いんだというお話がありました。ネットで今回の23年度の100ランキングというのが出ていますよね。100位ランキングが出ているんですが、まず何といっても快挙だと思うんですよ。まずトップ100の中に、これは全体の病院の数が1334件、その病院の中で中部病院が4位なんですよ、4位。そうですよね、局長。
○病院事業局長(伊江朝次) ことしはちょっとワンランク下がったんですけれども4位だったと、去年は3位だったというふうなことです。
○比嘉 京子 知事、ちょっと小さいんですけれども、全国で1334の病院の中で、中部病院がことししか7対1体制をやっていないわけですね。(資料を掲示) その7対1以前の10対1の体制の中で、全国で1334の病院のうちの4位にいるということは、これは高く評価をして、私は、現場の職員たちに知事みずからエールを送ってほしいと思うんですが、いかがですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後5時21分休憩
午後5時22分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 病院事業局長とは一心同体ですのであれですけれども、我々は同じ沖縄県庁の中にいて、同じ目的で仕事をしておりますから、局長と私は違うに違いないという予断を持って判断をされるのはぜひ避けていただきたいと思います。
確かにおっしゃったように、もともと中部病院を初め県立病院というのが日本全国でも初任者研修といいますか、お医者さんになったばかりの研修も含めて、いろんな意味で高い評価を受けているというのはだれでもよく知っていることです。そういう中で、私、これはまだ正確に理解をしていないんでまことに申しわけありませんが、この機能評価というところですばらしい評価を受けているということは非常にうれしいことで、エールを送るどころか、これは私も県知事として誇りを感じ持っているところでございます。
○比嘉 京子 局長が今のコメントをするのと、知事がなさるのとでは、現場から見ますと大変な違いだと思うんですね。ですから、知事が評価をし誇りに思うというこの御発言というのは、現場にとって大きなモチベーションになるだろうと思います。
もう一つですけれども、トップ100の中に県内の病院が5つしか入っていないんですよ。それぐらい非常に価値ある、評価すべき――3位から4位になったわけですけれども――まだまだ10対1の中でよくぞ頑張ったというように評価をしなければなりません。
そして、サンゴと県立病院は沖縄の宝だと、失ってから気づいては遅いんだと言った人がいます。まさにそのとおりだと思うんですね。知事、ぜひ県立病院の今後の継続的な運営をお願いしたいと思います。そのために、やっぱり今問題になっているのは、本当は私は利益、経営の面からは議論したくないんですが、皆さんがその経営面を非常に前に出して議論されるものですから、それに準じてやろうと思いますが、私は、今、病院事業局長がコメディカルも含めて検討中であるとおっしゃいましたね。今、看護師の10対1でさえも足りないわけですよね、何名足りないんですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後5時26分休憩
午後5時27分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
病院事業局長。
○病院事業局長(伊江朝次) お答えします。
一応、定数に対しては、いわゆる看護師の数は14人多いというふうな形になっております。
○比嘉 京子 それで運営に支障を来しているというのは、一定の割合で育休等をとるからではないですか。一定の割合で休職をする人がいるからではないですか、どうですか。休床になっているのに、それで充足されているということですか。
○病院事業局長(伊江朝次) 育休とか病休の方々の補充というのは、いわゆる育休補充という形で臨任等というふうな身分で、あるいは足りない部分は嘱託という形で一応カバーしているという状況でございます。
○比嘉 京子 人件費比率を落としていくということは、収入をアップさせなければ、分母をアップさせなければいけないわけですよね。私は、無尽蔵に人員をふやすということを言っているわけではなく、民間病院は人を多くとっていて収益を上げているわけなんですね。ちょっと見にくいんですが、本県の特に理学療法、それから作業療法、本当にけたが違うんですね、民間と。(資料を掲示) 民間病院が10名、20名単位でとっているところを1人、2人だのというようなところ、このことは、人がいなくて収益が上がらないパターンになっているわけなんですね。例えば、早く退院をさせるために人が必要なわけでしょう。それなのに、人がいなくて収益が上がらない。そのことが人件費比率を上げている。このことをぜひ一定数の定数をふやしてほしいと思うんですが、総務部長、見解をお願いします。
○総務部長(兼島 規) 定数については、病院事業局から総務サイドに対して要望があって、それを経営等々含めてその辺の判断をして適切に判断しますので、まだ病院事業局からそのあたりの要望が来ておりませんので、現在のところは答弁は控えさせていただきたいと思います。
○比嘉 京子 終わります。ありがとうございました。
○瑞慶覧 功 まだ明るいですので、皆さん、こんにちは。ラストです。よろしくお願いします。
初めに、知事の政治姿勢について伺います。
去る3月7日のマスコミ報道で、アメリカン大学の良識ある学生らの告発によってケビン・メア米国務省日本部長の沖縄と日本への差別発言が明るみとなり、大問題となりました。メアは日本部長を更迭され、その後何の謝罪もないまま米国務省を退職しています。果たしてこの問題、このまま終わらせていいものでしょうか。作家の佐藤勝氏によりますと、発言が伝えられた当初、防衛省内では多くの官僚がメア発言は本当だと喝采を叫んだとのこと、そのこと自体見過ごせない問題ではないでしょうか。
このような発言をメアにさせた背景には、歴代の日本政府、政治家や官僚たちの沖縄に対する構造的差別が大きく影響しています。それと同時に、ケビン・メアが沖縄総領事のころにつき合っていた者たちの責任も大きいのではないでしょうか。つき合いを通して彼の目には、ウチナーンチュは怠慢でごまかしとゆすりの名人と映っていたわけですから、つき合った心当たりのある方はウチアタイしてほしいと思います。
伺います。
(1)、ケビン・メアによる沖縄差別発言への対応と見解について。
(2)、日本政府に対し発言内容の照会を求め、その背景を検証させるべきと思いますが、見解を伺います。
(3)は取り下げます。
(4)、普天間飛行場の嘉手納基地統合案についての見解と、下地衆議院議員の一連の言動が県内外に与える影響について伺います。重複するので答弁は結構です。
去る6月25日に「不平等な日米地位協定を許さない抗議集会」が、「與儀功貴君の遺族を支える会」の主催で北中城村中央公民館において開催されました。当日は、台風5号の強風域にもかかわらず大勢の皆さんが参加しました。県関係の国会議員8名中6名の方が参加し、参加できなかったお二人からはメッセージをいただきました。仲井眞知事からのメッセージを朗読させていただきました。また、髙嶺議長、玉城副議長初め県議会議員20名が参加していました。そのほか、中部地域の首長や議員の皆さんの参加とメッセージが多数寄せられました。抜本的な見直しに向けての闘いはこれからです。県民一丸となって頑張りましょう。
(5)、差別的な日米地位協定の抜本的な見直しを求める見解と決意については、重複しますので答弁は結構です。
(6)、嘉手納基地周辺5市町村の住民2万2058人が原告となった第三次嘉手納爆音訴訟について見解を伺います。
(7)は取り下げます。
2、基地問題について。
私たち日本国民にとって差別的な内容の日米地位協定、沖縄県民はその弊害によって米軍構成員による多くの事件・事故に巻き込まれ、屈辱を強いられ続けています。その責任は沖縄県民の声を黙殺し、アメリカに何も言えない日本政府にあることは明白です。しかしまた、我々沖縄県民の怒りが一つになれなかったことも改善されなかった要因だったかもしれません。沖縄は、あめとむちで何とかなる、そう思われてしまったのではないでしょうか。今回の被害者二十歳の與儀功貴君のお母さんは、息子の死を無駄にしたくない、その一心で立ち上がっています。補償は当然ですけれども、お金の問題ではありません。今日の沖縄ではいつ我が身に起きても不思議ではありません。
伺います。
(1)、米軍属による交通死亡事故不起訴への抗議と、地位協定の抜本的見直しなどを求める決議を採択した市町村の状況について。
これまで多くの県民が事件・事故に巻き込まれ、命を奪われ、重傷を負っても個人の問題とされ、犯人が米国に帰って賠償もされなかったり、後遺症で苦しんでいる方がたくさんいるのではないでしょうか。防衛局に相談窓口はあると思いますが、残念ながら県民を守る立場にありません。被害者に対し、防衛局の職員が弁護士はつけないほうがいいですよとささやくようです。
伺います。
(2)、県は、米軍構成員等に起因する事件・事故に巻き込まれた県民のために対応する部署を設置すべきではないか、見解を伺います。
(3)は取り下げます。
(4)、嘉手納基地が返還され跡地利用が図られた場合の雇用経済効果について伺います。
(5)、日米両政府の言う負担軽減は口先だけ、外来機が大挙飛来し、危険な訓練を行い昼夜関係なく騒音をまき散らし、パラシュート訓練もやりたい放題。県は県民の命と暮らしを守る立場から、嘉手納基地の返還を日米両政府に求めるべきではないでしょうか。見解を伺います。
3、東日本大震災に関連して。
(1)、県内から寄せられた義援金額と使途方法について伺います。
(2)、全国から寄せられた義援金額と使途方法について伺います。
(3)と(4)は取り下げます。
担当課に事前に確認したところ、情報がつかめないとのことでした。私が(3)で外国からの義援金について尋ねたのは、台湾からの義援金が5月12日現在で171億8000万円が寄せられていることを知ってもらいたかったからです。言うまでもなく、金額では断トツです。もちろん金額だけの問題ではありませんが、それにしても人口2300万人の台湾ですごいではないでしょうか。もともと親日家の台湾ですが、1999年の台湾大地震で日本に大変お世話になったという思いが強いようです。来る8月2日から3泊4日の琉中親善友好使節団でしっかりと感謝の意を示してきましょう。
次に、4、第5回世界のウチナーンチュ大会について。
世界のウチナーンチュ大会を成功させるために、仲井眞知事は6月1日から10日間に及ぶ北米キャラバンに行っておりますが、大変お疲れさまでした。
(1)は取り下げます。
(2)、現時点での参加申し込み状況と最終予想人数を伺います。
(3)、期間中に各市町村独自で歓迎交流事業等を計画している自治体の状況を伺います。
(4)、今日の米軍基地問題を初めとする沖縄の抱える課題を世界のウチナーンチュで共有するため、グローバル学生会議などの中でテーマとして取り上げるべきだと思いますが、見解を伺います。
5、平成23年度沖縄県職員採用試験について。
(1)、現在の林業と水産業部門における専門職の職場欠員状況について伺います。
(2)、今年度の上級試験の区分で、林業と水産の試験を実施しないことが県人事委員会から発表されたが、理由と説明を求めます。
(3)、採用試験の中止は、研究員など専門職の継続的な育成を停滞させ、結果的に林業・水産技術の衰退につながるものであると思います。見解を伺います。
(4)、採用試験の中止は、結果として琉球大学農学部の森林科学・林学系の学科や理学部海洋自然科学科の存続に影を落とすのではないでしょうか。見解を伺います。
(5)、林業・水産部門は、沖縄県にとって今後より強化されるべき分野である。追加募集を真剣に考えていただきたいと思います。見解を伺います。
6、琉台技術研究交流会について。
(1)、琉台技術研究交流会の目的と経過、成果について伺います。
(2)、ことしで琉台技術研究交流会を廃止することになった理由を伺います。
(3)、県が台湾側へ提示した今後の技術交流のあり方とそれに対する台湾側の反応と対応を伺います。
(4)、ことし1月、沖縄で開催された琉台技術研究交流会の事業費について伺います。
7、米軍構成員に起因する交通事故について。
(1)、米軍構成員に起因する交通事故発生状況、その総数と過去10年の平均について。
(2)、米軍構成員に起因する飲酒絡みの交通事故発生の実態、過去10年の平均について。
(3)、県民の運転に起因する事故件数と飲酒絡みの事故件数の割合と、米軍構成員に起因する事故との比較分析を伺います。
以上、よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 瑞慶覧功議員の御質問に答弁いたします。
第1に、東日本大震災に係る御質問で、県内から寄せられた義援金額と使途方法についてという御趣旨の御質問に答弁させていただきます。
これまでに県に寄せられました義援金は6月末現在で約4億2200万円となっております。このうち、4月末までに寄せられました3億8500万円につきましては、日本赤十字社の配分割合を参考に配分を決定し、宮城県、福島県、岩手県、茨城県、千葉県、青森県、栃木県の7県に対し贈呈を行っております。特に被害の大きかった宮城県、福島県、岩手県につきましては、5月10日から5月12日にかけて現地を訪問し、私から被災地の知事さんたちに対し、沖縄県民の思い、気持ちを直接伝え、義援金を贈呈いたしました。
贈呈した義援金につきましては、被災県に設置されました義援金配分委員会から被災市町村を経由して被災者の方々に配分されたと聞いております。
なお、県知事は沖縄赤十字社の代表も兼ねておりますが、6月末現在、あらあら今申し上げた県に直接来た金額の約倍、9億以上がさらに集まっていると聞いておりますことを御報告させていただきます。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢につきまして、メア発言への対応と検証について、1の(1)と1の(2)は関連しますので一括してお答えいたします。
メア氏の発言内容が事実であれば、沖縄県民の尊厳を著しく傷つけるものであり、極めて遺憾であります。
去る3月23日、県は、来県された駐日米国大使に対し、米国政府の責任において事実関係を解明し公表するとともに、米国政府として適切な対応を行うよう強く求めたところであります。大使からは、報道された発言内容は、米国の見解を反映したものではないとして、発言に対する謝罪と遺憾の意が伝えられたところであり、これは米政府の公式見解であると受けとめております。
同問題をめぐっては、大使が直接沖縄を訪問、謝罪し、また、メア氏も国務省を退職したとのことであり、県としましては、米国は傷つけられた信頼関係が早期に回復するよう引き続き努力すべきと考えております。
次に、知事の政治姿勢につきまして、第三次嘉手納基地爆音訴訟についてお答えいたします。
去る4月28日、嘉手納飛行場周辺住民による第三次嘉手納基地爆音訴訟が那覇地裁沖縄支部に提訴されました。最近の嘉手納飛行場をめぐっては、米軍再編に伴う一部訓練の移転が実施されておりますが、外来機のたび重なる飛来に加え、F22戦闘機の一時配備などに、依然として目に見える形での負担軽減があらわれているとは言えないと考えております。
県としましては、今回の訴訟を大きな関心を持って見守っていくとともに、今後とも引き続き、日米両政府に対し、嘉手納飛行場の騒音の軽減を粘り強く働きかけていきたいと考えております。
次に、基地問題についての御質問の中で、市町村での米軍属不起訴に対する抗議、地位協定見直しを求める決議の状況についてお答えをいたします。
ことし1月に沖縄市内で発生した交通死亡事故で米軍属が不起訴処分となったことを受け、去る4月14日、北中城村議会が日米地位協定の改定を求める決議及び意見書を可決したのを初め、7月1日現在、22市町村の議会において決議または意見書が可決されております。
次に、事件・事故対応のための部署設置についてお答えいたします。
御質問の米軍構成員等による事件・事故に巻き込まれた県民への対応については、被害者の心情にも十分配慮した上で、国の責任において誠実に実施されるべきであると考えております。
なお、県としましては、知事公室において関連情報を収集し、県民の不利益になる事態については、強く日米両政府に解決を求めてまいります。
次に、嘉手納基地の返還についてお答えいたします。
県は、これまで騒音を初めとする嘉手納基地周辺住民の負担の軽減が図られるよう、政府に対して、総理及び関係閣僚等が来県の際に要請を行うなど、機会あるごとに日米両政府に対し強く要請しております。また、これまで2度にわたり知事が訪米し、米国政府等に対して要請を行いました。今回の日米安全保障協議委員会文書においては、騒音規制に関する平成8年の日米合同委員会合意へのコミットメントを再確認したとされております。
県としましては、今後ともあらゆる機会を通じ、米軍及び日米両政府に対し、嘉手納基地を含む米軍基地の整理縮小を粘り強く求めていきたいと考えております。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 基地問題についての御質問の中で、嘉手納基地が返還された場合の雇用・経済効果についてお答えします。
県では、平成18年度に嘉手納基地より南の普天間飛行場など5つの基地について、都市的土地利用を想定し、その経済効果等について試算していますが、嘉手納基地が返還された場合の経済効果等については算出しておりません。
嘉手納基地については、返還の時期等が不明であり、返還後の土地利用の方法や、土地需要についての予測が難しいため、現段階での経済効果等の定量的分析は困難であると考えております。
次に、琉台技術研究交流会についての御質問の中で、琉台技術研究交流会の目的、変遷及びその成果についてお答えします。
琉台技術研究交流推進事業は、亜熱帯の気象条件下にある沖縄県と中華民国(台湾)が農林水産業の分野で共通の課題を有していることから、双方の人的交流及び技術交流を組織的に進め、科学技術の振興や研究開発の推進に寄与することを目的に実施してまいりました。本事業は、昭和63年度から2年に一度、沖縄県と中華民国(台湾)で相互に開催する「琉中農林水産業交流会議」を9回実施しております。平成17年度からは、「琉台技術研究交流会」と名称を変更し、平成22年度までに3回実施をしております。これまでの成果としましては、台湾のマンゴー交配技術の研究成果、タマカイの成熟促進技術、フクギの立ち枯れ病に関する研究手法などの情報提供、タマネギ、ゴーヤー等の野菜や暖地型牧草の導入など、各分野での情報や技術の交流・移転及び品種の導入を通して、積極的な試験研究開発が推進されております。
次に、事業廃止の理由及び今後の技術交流のあり方に対する反応と対応について、これは6の(2)、(3)、一括してお答えをさせていただきます。
琉台技術研究交流推進事業につきましては、これまでの技術交流のノウハウを通して、情報収集や技術移転など個別に対応することが可能であると判断されたことから、平成22年度をもって終了いたしました。しかしながら、今後とも技術交流を拡大・発展させることは、双方の科学技術の振興及び研究開発の推進に大きく貢献するものと考えております。そのため、これまでの交流の持ち方を改め、協定書の締結並びに産業技術交流調整会議の設置を平成23年3月7日付で提案したところであります。その後、平成23年4月に中琉文化経済協会を通じて行政院農業委員会に台湾側の考え方について確認したところ、同年5月に現在検討中であるとの回答があったところでございます。
次に、平成22年度琉台技術研究交流事業費についてお答えします。
平成22年度琉台技術研究交流推進事業の予算は、90万8000円であります。なお、経費の主なものは、通訳及び翻訳手数料、歓迎式典に要する経費であります。
以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 東日本大震災に関連いたしまして、全国から寄せられた義援金額と使途方法についてお答えいたします。
日本赤十字社によりますと、同社に寄せられた義援金は、6月20日現在で約2542億円となっております。義援金の募集につきましては、日本赤十字社以外にも共同募金会やNHKなどさまざまな団体が行っていることから、全体の総額については把握できない状況にあります。使途方法につきましては、先ほど知事からの答弁にもございましたように、同様の方法で配分されることになります。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 第5回世界のウチナーンチュ大会についての中の、現時点での参加申し込み状況、国・地域ごとの人数と最終予想人数についてお答えいたします。
海外からの参加申し込み人数は、6月末時点で297名となっており、その内訳は国別でアメリカ239名、カナダ45名、ボリビア12名、ベネズエラが1名となっております。なお、県人会からの情報によりますと、ハワイからは1000名を超える多数の方が参加を希望しており、また、ブラジルにつきましても、前回大会を大きく上回る約800名の参加者を見込んでいるとのことであります。そのため、県としましては、今後も参加申し込みが順調に推移するものと予想し、最終的には、前回大会の約4300名を上回る5000名が参加すると考えております。
続きまして、各市町村独自の歓迎交流事業等の計画状況についてとの問いにお答えいたします。
各市町村が開催する事業の主な内容としましては、北谷町の「世界のチャタンチュ歓迎事業」や金武町の「第5回世界のシマヌチュ大会」、今帰仁村の「世界のナキジンチュ歓迎会」などがあり、歓迎会や観光、記念植樹などが予定されております。これらの歓迎交流事業を予定しているのは、6月末時点において26市町村となっております。
県としましては、市町村と連携しながら全県的に大会を盛り上げていきたいと考えております。なお、計画を予定している26市町村の詳細のリストにつきましては、大会ホームページで閲覧することができるとともに、直接、大会事務局にお問い合わせすることによっても御確認いただけます。
次に、沖縄が抱える課題をグローバル学生会議のテーマとして取り上げることについてとの問いにお答えいたします。
県内の大学生が主体となって実施する「グローバル次世代プロジェクト」は、ウチナーネットワークとアイデンティティーを次世代に継承し、世界に向けた新たな展開を推進することを目的に実施しております。
本プロジェクトは、ことし3月から毎月1度実施され、ウチナーネットワークの可能性や沖縄の未来像を初め沖縄の抱える課題等についても議論が重ねられているところであります。昨日7月3日には、琉球大学を会場に大学生や海外の県系人、ジュニアスタディツアーに参加する高校生など約50人が「沖縄の海外移民を知ろう」をテーマにグローバル次世代プロジェクトの7月度の会合が開催されたところであります。明るい沖縄の未来をつくるためには、今ある難しい課題にも取り組むべきと考えます。
県といたしましては、あくまでも学生たちの主体性を尊重しながら、議員御提言のテーマにつきましても検討がされ、新たなビジョンの創出へつながることを期待しております。
なお、本日7月4日が10月12日のウチナーンチュ大会開催まであと100日ちょうどに当たることを御報告申し上げ、答弁を終わります。
以上です。
○総務部長(兼島 規) 平成23年度沖縄県職員採用計画に関する質問のうち、林業及び水産の専門職員の欠員状況についてお答えいたします。
林業職及び水産職は、専門職であることから、人事配置できる部署が研究機関等に限られております。そのため、人材登用などの観点から、これらの部署以外にも広く配置しているところであります。その結果、2つの職の職員数は、現在、個別には欠員が生じている部署もありますが、全体としては不足している状況にはありません。
次に、採用試験中止による影響及び追加の募集についてお答えいたします。5の(3)と5の(4)、それから5の(5)につきましては、関連しますので一括してお答えいたします。
職員の採用に当たっては、職種ごとの職員数や業務の見直し状況等を踏まえた上で、不足が見込まれる場合、人事委員会に採用試験の実施を依頼し、合格者のうちから採用しているところであります。このことから、林業職及び水産職についてもこれまでも採用試験を実施しなかった年度があり、今年度も職員数の不足が見込まれないことから、採用試験の実施依頼を見送ったところであります。したがいまして、追加募集の予定もございません。
なお、次年度以降の採用試験につきましては、職員数の増減見込みや業務の見直し状況等を踏まえ、検討することといたしております。
以上でございます。
○人事委員会事務局長(岩井健一) 平成23年度沖縄県職員採用計画についての御質問の中で、林業と水産の試験を実施しないことについてお答えします。
沖縄県職員採用試験計画につきましては、各任命権者から次年度の採用予定職種と採用予定人数の聞き取り調査を行い、3月末の人事委員会において決定しております。林業及び水産の試験区分につきましては、今年度の試験では任命権者からの要望がなかったため設置しておりません。
任命権者において採用予定がない職種につきましては、過去においても年度によって実施しなかった試験区分もございます。
以上でございます。
○警察本部警務部長(磯 丈男) 米軍構成員に起因する交通事故についての御質問の中で、米軍構成員による交通事故の発生状況、総数と過去10年間の平均値についてお答えをいたします。
平成22年中の県内における交通人身事故の発生件数は6501件で、そのうち米軍構成員を第一当事者とする事故は187件、2.9%となっております。また、平成13年から平成22年までの10年間における全交通人身事故の平均値は6254件で、米軍構成員を第一当事者とする事故の平均値は159件、2.5%となっております。
次に、米軍構成員による飲酒絡み事故の発生実態、過去10年間の平均値についてお答えをいたします。
平成22年中の県内における飲酒絡みの交通人身事故は154件で、そのうち米軍構成員を第一当事者とする事故は3件、1.9%となっております。また、平成13年から平成22年までの10年間における全飲酒絡み人身事故の平均値は253件で、そのうち米軍構成員を第一当事者とする事故の平均値は7.7件、3.0%となっております。
次に、県民による事故と米軍構成員による事故の比較分析についてお答えをいたします。
平成22年中の県内における交通人身事故は6501件で、そのうち154件、2.4%が飲酒絡みの事故となっております。また、昨年中の米軍構成員を第一当事者とする交通人身事故は187件で、全事故に占める割合は2.9%、酒絡みの交通人身事故は3件で、全飲酒絡み事故に占める割合は1.9%となっております。
以上でございます。
○瑞慶覧 功 再質問を行います。
初めに、県職員採用計画について。
公務員試験を目指す者は数年がかりで備えるはずです。それを試験のわずか3カ月前にことしは試験ないですよというのは余りにも酷な話だと思うんですね。先ほど人事委員会のほうからもあったんですけれども、やはりこの責任というのは総務部にあるんですね、さっきの話を聞くと。受験生やまたその関係者にこのことを説明して本当に謝罪しないといけないぐらいの内容じゃないのかなというふうに思うんですが、どうでしょうか。
○総務部長(兼島 規) 先ほど申し上げましたけれども、職員採用というのはやはり需要があって必要性があってしか採用できないわけですね。この職、業務というのは決まっていますので、その業務が一定程度達成できる事業については確保するわけですね。それ以上の余剰人員を確保しますと、それだけ職員については職員費もかかりますので、それもまた一たん採用しますと35年間採用しなきゃいけないという状況がございますよね。そういったことも勘案しながら、どうしても採用していかなきゃいけないものですから、それも職員が途中でやめたりといったケースもいろいろございますので、やはり確かに直前でしか決定できないところはありますけれども、そこは琉大の大学関係者も少しは御理解いただけると思います。
先ほど少し御説明しましたように、今年度中止しましたけれども今後全部中止するというわけではなくて、年度ごとにこれは見直しといいますか、それをやりながらやっていきますので、そこに少し理解いただきたいというのと、それからもちろんその点につきましては、琉大にもし必要があれば私どもとしてこういった採用計画というのを持っていますよという御説明については、やってもいいのかなという感じはします。
○瑞慶覧 功 これはいろんな今の説明があるんですけれども、やはりありませんということが3カ月前にしか知らされないというのは、これは問題はないんでしょうか。
○総務部長(兼島 規) 琉球大学がそういう形で人材育成の観点で、そういった職を設けて沖縄県に期待しているということは大変人材登用の面から言いますとうれしい限りでありますけれども、やはり私どもとしてはそういった試験のない年度もあるんだよということも少し琉大の方々にも理解していただいて、そういった体制で受験生についてもいろいろ指導していただければと思います。
○瑞慶覧 功 この採用計画、そこら辺のところをもっと事前に知らせることができるような体制をぜひつくっていただきたいと思います。
また、水産海洋研究センターの移転のため、ことし決議も求められましたけれども、やはり箱物だけではなくて人をつないでいく、育てていくというのが大事なことだろうと思います。ことしはまた国際森林年ということで、森林緑地課の謝名堂課長さんも新聞投稿で林業緑化の推進の理解を思いを込めて寄稿されていましたので、知事も答弁でヤンバルの世界遺産登録とか、国定公園に向けて決意を述べておりましたし、先ほども仲宗根議員への答弁で、人材育成の重要性というのをおっしゃっているのにこういう中止というのはちょっと矛盾するんじゃないかというふうに思ったわけです。ぜひ年度末になろうがここはぜひ追加募集という形でするべきと思いますけれども、どうでしょうか。これをもう一度。
○総務部長(兼島 規) 先ほど少し御答弁さしあげましたけれども、要するに不足が生じた場合に私どもとしては採用するということなんですね。現在不足が生じていない段階で採用する計画はないわけですから、そういう関係でいいますと、追加する募集も予定がないといいますか、今のところ私どもとしては必要性がないというふうに判断しています。
○瑞慶覧 功 次に移ります。
琉台技術研究交流会についてですけれども、琉台技術研究会のこの成果は答弁にもございましたけれども、沖縄県の産業発展にはかり知れない功績をもたらしたと思います。今回、県が財政当局の事務事業見直しを理由に廃止を決めたこと、当然ながら台湾側は大分気分を害しているように聞いております。それは県が台湾側へ提示した今後の技術交流のあり方に対する対応からもわかるんですけれども、正式な返事はまだとのことでしたけれども、台湾と沖縄の外交関係も含まれているので慎重に検討したいというようなことを中琉文化経済協会を通じて伝言されているわけですね。このことをどう受けとめればいいんでしょうか。
お尋ねしますけれども、2月下旬に台湾の農業試験場研修に参加した県の農業研究センターの研究員4名が正式なルートでの研修受け入れを台湾当局の農業委員会から拒否されているということを聞いたんですけれども、事実でしょうか。
○企画部長(川上好久) 今の話は承知をしておりません。
○瑞慶覧 功 事実ですので、ぜひ確認なさってください。
そして次に、台湾側ですね、これからの交流についての沖縄県の提案は、協議する必要がある場合に開催するというふうに書いてあるので、はっきりしないので、これからは日本政府の農林関係者を通じて年一度の日台経済会議の議題にのせてほしいとの意向と。つまり今後沖縄県から独自の交流は受け付けないということになるんですよね。もとの交流ができるようにここは知事、ぜひ中華民国に直接行かれて、もとの交流に戻すように頑張ってほしいんですけれども、知事、お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後6時11分休憩
午後6時11分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 私も中琉文化経済協会の沖縄側の会長などをやらせていただいたこともあって、大変大事だと思っています。それでこれまで特に農業分野を中心にいろんな交流で実のあることが随分昔からやられてきていますし、むしろ東京経由じゃない交流を沖縄が直接台湾とやるということに重点を置いてやってきていますから、ちょっとこれはどういう行き違いがあったのか、私きちっとチェックしたいと思いますから、ちょっと預からせてください。
○瑞慶覧 功 よろしくお願いします。
次に、米軍構成員に起因する交通事故と県の対応部署の設置についてと関連して、米軍構成員によるこの交通事故は確実に起こっているわけです。毎年県民が2.4名ですか、命を落とされている。そして200名以上がけがをさせられている。そのほか凶悪犯罪も七、八件発生しております。県はそのことをもっと真剣に受けとめて、対応するべきだと思います。先ほど公室長からありましたけれども、これは国の云々ではなくて、情報収集だけの話ではないと思うんですね。これだけの多くの毎年被害者が出ているわけですから、これはもう個人の問題という片づけ方ではいけないと思うんですよ。やはりちゃんとその後、巻き込まれてもどういう対応がされたのか。これは県として窓口をちゃんと設けて僕はやるべきだと思います。これは改善されればそういうこともないんですけれども、今の状況ではもっとそういうのを強化していくべきではないかと思うんですけれども、もう一回お願いします。
○知事公室長(又吉 進) 今、議員の御指摘には幾つかの論点があると思います。
まず、事件・事故これを減らしていくと、認めないと、そういうことを米軍に対して強く求めるという観点、それから交通事故等に関しましては、これは今回の與儀君の事件で言われている公務の範囲内があいまいであるといったところをただしていくということ。さらに、これは地位協定第18条に絡むんですが、起きてしまった事故については適正な補償がなされることというこの3つの観点を持っていると考えますが、そのいずれにつきましても県は機会あるごとに直接軍転協と連携して米軍、それから日米両政府に対して求めているところでございます。
そういう観点からしますと、知事公室は常にそういう立場に立って、常に知事を先頭にして申し入れをしているところでございまして、県は県の役割を果たしていくということでございます。
○瑞慶覧 功 言うまでもなく、その基地あるがゆえの事件・事故ですけれども、しかしこの状況を変え切れない県とか私たち議員にも責任が問われるんではないかというふうに思います。
知事、9月以降訪米されるということなんですけれども、日米地位協定の抜本的見直しを一つに絞って、本島南部、中部、北部それと宮古・八重山、全沖縄で一斉に県民総決起大会を開催していきましょうよ。それも平日に、学校も、仕事も休んでゼネスト状態で決行するということが大事だと思うんですよ。その先頭に立っていただけませんか、どうでしょう。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後6時16分休憩
午後6時16分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 確かにこの地位協定は民主党政権となったときに、改定を提起するというふうになっておりましたが、なかなかスタートする気配が見えないということもあり、我々も長年11項目に絞って結構いろいろやってきているんですが、なかなかこれが前へ進まないという点を見ますと、まさに議員おっしゃるようなことも考えざるを得ないかという気もいたしますが、きょうのところは御提案として受けとめさせてください。
○瑞慶覧 功 次に、世界のウチナーンチュ大会での沖縄の課題を共有する提案ですけれども、前向きにということを言ってもらったんですけれども、私はやはりケビン・メアを退職に追い込んだ県系4世のトーリ・ミヤギさん、彼を沖縄に招いてやる、彼らのおかげでアメリカに対しても良心や良識を感じることができたんですけれども、どうでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後6時17分休憩
午後6時18分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) ミヤギさんにつきましては、私が先日米国出張した際に、実は会う約束をしておりました。残念ながら、先方が忙しいということでお会いできなかったんですが、私からは大変立派な行動であるというメッセージをお伝えいたしました。大変将来ある若者ですので、そういうことを期待しているということも申し上げました。
お呼びするということはまた御提案として受けとめたいと思っています。
○瑞慶覧 功 最後になりますが、下地衆議院議員の言動についてですが、皆さん何ではっきり言わないのかなと、県選出の某議員とかS議員とか。本人はマスコミのインタビューで堂々と持論を主張しているわけですから、県もコメントを差し控えるんじゃなくて、はっきり県の主張を述べて異議を唱えるべきだと思います。
私は、下地衆議院議員のバイタリティーあふれる行動力は大変すごいと思います。それをもっと沖縄県民の心情に寄り添った言動で生かしてほしいと願っております。
以上です。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程はこれで全部終了いたしました。
次会は、明5日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後6時19分散会