○議長(新里米吉) これより本日の会議を開きます。
日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第5号議案まで及び乙第1号議案から乙第19号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
山川典二君。
○山川 典二 おはようございます。
沖縄・自民党の山川典二でございます。
きょうは、西表から小学生の皆さんがいらっしゃいまして、ありがとうございます。将来またこの議場に来られるように頑張ってくださいね。
さてきょうは、那覇軍港、那覇港湾施設につきまして、主に知事に見解を伺いたいと思いますが、最初に那覇軍港移設への課題・問題点等、解決への取り組みについて、まず知事の見解を伺います。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 那覇港湾施設移設の課題等の解決の取り組みについてお答えします。
那覇港湾施設の浦添移設については、移設協議会において、これまでも民港の港湾計画との整合性を図りつつ、円滑な移設が進められるよう調整を行うことが繰り返し確認されてきたところであります。
県としましては、これまでの経緯を踏まえつつ、協議会の枠組みの中で進めることが現実的と考えております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 今、知事公室長からもありましたけれども、知事も繰り返しそういうふうに答弁をしております。
先日の那覇港管理組合議会で、知事は那覇港管理組合の管理者という立場で、トップリーダーという立場で初議会に臨みました。その際にも私も質疑をさせていただきましたが、改めて確認しますが、知事は、浦添移設容認の立場でしょうか。確認をいたします。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 那覇港湾施設の移設につきましては、これまでの経緯を踏まえますと、移設協議会の枠組みの中で進めていくことが現実的であると考えております。
○山川 典二 いや、知事に聞いていますから。
○議長(新里米吉) 今、代理で答えているから。
○山川 典二 いや、知事の見解を聞いています。
○議長(新里米吉) 再度伝えてください。
○山川 典二 知事、お答えください。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 今、公室長から答弁がありましたとおり、県としては、これまでの経緯を踏まえつつ、協議会の枠組みの中で進められることが現実的と考えております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 軍港の位置が今決まっておりません。したがいまして、那覇港湾の計画がなかなか、位置が決まらないということで今頓挫している状況でございます。早目に軍港の位置を決めなければいけないんですが、北側案と南側案がありますが、前の翁長知事は、知事としても管理者としても、北側案を評価・支持しておりました。これは国も管理組合も、そして県も那覇市も北側案、浦添市だけ南側案なんです。その溝がずっと埋まっておらず進展しておりません。知事は、北側案を評価・支持いたしますか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
那覇港湾施設の移設につきましては、代替施設の配置案として、那覇港管理組合から北側配置案が影響・支障が小さいと報告され、協議会の構成団体で確認されておりますが、浦添市の設置した懇話会においては、南側案が有利との評価がなされております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 国、あるいは管理組合、そして県、那覇市は北側案がいいと評価している理由は何でしょうか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 民港のクルーズバース等の計画も那覇港湾はございます。これが南側案ですと、軍港をまたぐ形になるなどとして、その港湾機能、民港機能への影響が懸念されるというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 なぜ浦添市は南側案にこだわるんでしょうか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 浦添市の設置した懇話会の案でございますが、いわゆる浦添市の都市開発の観点なども踏まえまして、総合的に南側案という形で評価を下しているものと考えております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 それに対して、南側案に対して県としての評価はいかがですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 浦添市の改めての南側案が示されまして、那覇港管理組合のほうから技術的な課題等について問い合わせを行っているものというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 いや、今の答弁だと全くこれ進みませんよ、平行線でずっと。
知事、浦添市長がこの間知事を訪問して、3者面談等の話もあったようでありますが、あくまで知事としては、移設協議会の中で協議を進めていくという立場でありますが、これずっと進みませんよ。今の現状ですと。知事がやはりリーダーシップをとって、これは解決に向かって調整しなければいけないと思いますがいかがですか。国も県も管理組合も――管理組合の中には浦添市も入っていますよ――管理組合も、そして那覇市も北側案。浦添市だけ南側案。ずっと平行線。移設協議会もずっと開かれておりません。そこはやはりリーダーシップをとってやるべきだというふうに思いますが、知事いかがですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
浦添市との協議でございますが、まず浦添市の案につきまして、懇話会の中でも委員長のほうから南側案に対して懸念が示されているところです。それにつきまして、まずは技術的な課題について改めて検証する必要があるということで、今管理組合のほうから浦添市のほうに問い合わせをしているところです。先日、松本浦添市長が知事へ挨拶にいらっしゃったときにも、技術的な検討について協力してほしい旨お願いをしているところでございます。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 ずっとそういう話ばっかりなんですよね。知事、いかがですか。これ返還合意されてもう何年たちますか。そして知事のその解決に向けての取り組みをちょっと御答弁お願いします。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) この話し合いといいますか、協議が今なかなか進まないという現状は、私もそのような認識は持ちつつも、やはりこの協議会の枠組みの中で進められることが現実的であろうと思います。先般、浦添の松本市長がお見えになったときには、2者面談、3者面談の御要望、要請をいただきました。そのことについては、私は、対話は非常に重要であるというふうに考えておりますので、意見交換をさせていただきたいということを申し上げ、あわせて双方のその技術関係の関係者の協議もあわせて進めていこうということで、それは合意をいただいております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 いつ移設協議会を再開するように考えておりますか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 繰り返しになりますが、浦添市が南側案を示した懇話会の報告では、懇話会の座長のほうからも懸念が示されているところです。軍港と民港とのアクセスについて、それについて今技術的な課題について、浦添市ときちっと調整をするということで、そこがある程度まとまれば開催の具体的なスケジュールに進めるものと考えております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 知事、知事のリーダーシップが今必要なんですよ、この状況は。ですから、知事が今の課題も含めて、早急に畳みかけて解決をするということで、いつ移設協議会を開きますか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 繰り返しになりますけれども、技術的な課題、きちっと検証して、移設協議会にきちんとした形で臨めるようにしたいと考えております。
○山川 典二 議長、知事に聞いているんですよ、僕は。堂々めぐりのこんな話じゃだめですよ。進みませんよ。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) お答えします。
移設協議会について、いつやるのかということを知事にということなんですが、先ほど来公室長が答弁していますように、この北側案、南側案につきましては、実はこの協議会の中で2年間にわたって協議しております。これは、港湾機能面、環境面、安全面からそれぞれ議論を行ったと。それから、利用している港湾事業者ですとか、船社、クルーズ船の代理店、港湾安全面からの那覇海上保安本部からも意見を伺うと、相当の技術面、安全面、環境面から意見を聴取して、2年間にわたって議論を行って積み上げてきた、これが北側案だったわけでございます。
それをもう、私も昨年、4月の協議会に出てこの場でもう決着するものと思っていましたところ、浦添市から副管理者が出席しておりました。持ち帰って検討しますということで、その会議の中での賛成という意見はいただけなかったんですが、早目に返答いただきたいということでしたが、結果として、市長のほうの判断で、市のほうで懇話会を設けてやるということで、また南側案、修正案を出されたということです。
これについて、さまざまな技術的な問題点がある、先ほど公室長からもありましたように、民港と軍港が接触する、そういったものがやはり技術面、安全面から相当程度議論がなされるべきだと思いますので、その作業をまずは進めるべきだと。その上で、また協議会の設定が必要だというふうに考えております。
以上です。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 時間がありませんので次に視点を変えて質問しますが、那覇軍港の評価、矛盾だらけであります。評価について伺います。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前10時15分休憩
午前10時17分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(上原国定) 那覇港湾施設について、市街化区域に対する国の評価についてという趣旨で御質問いただいているかと思うんですが……
○山川 典二 いや、違いますよ。国の評価は後でやるわけでしょう。まずは県の見解を、知事の見解を聞くというふうに質問を出しているわけでありますから。今の現状、つまり市街化区域に県が指定したんですよ。
○土木建築部長(上原国定) 済みません。休憩お願いします。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前10時18分休憩
午前10時20分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(上原国定) 失礼いたしました。
お答えいたします。
那覇港湾施設が市街化が図られていない、現状の認識についてということでお答えしたいと思います。
那覇港湾施設や牧港住宅地区等の軍用地は、昭和49年に日米安全保障協議会において、移設条件つきで全部返還が合意されております。なお、市街化区域として都市計画決定等をする際には、事業手法もセットで都市計画決定されるのが一般的でございまして、これらの施設につきましては、返還時期等の議論を行うと同時に、土地区画整理事業等による基盤整備を図ることも想定はされていたものと思われております。その後、返還までにかなりの時間を要しているという状況にございまして、これにつきましては、大変残念なことだと理解しております。ただまちづくりの主体であります那覇市では、那覇港湾施設について、跡地利用計画や地権者との合意形成に向けて取り組んでいるというところでございまして、統合計画に示されました2028年に返還されることを見据えて、早目に跡地利用計画を進めたい意向であるというふうに聞いております。
県としましては、市町村の計画的なまちづくりを支援するとともに、市町村の要望や相談に適切に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
以上です。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 もうこの質問は、我が会派の中川県議が再三再四にわたりまして質問をして、全く同じような答弁ばかりやっているんです。復帰当時、市街化区域にできない那覇軍港の現実を無視しまして、市街化区域に線引きしました。これ那覇市と沖縄県に問題がありますが、資料、ちょっと知事、副知事にもお渡ししましたけれども、これは当時線引きされた部分です。この線引きの右手のほうが今の小禄金城地域です。ちょっと上のほうが牧港住宅地区でありますが、この線引きをする際に軍港まで引っ張っているんです。この裏側をごらんください。これはこの軍港の場所は那覇第一油貯蔵地域と、つまり石油の貯蔵基地でもあるわけです。そういう現実がありながら線引きをして、県は市街化区域に指定したんです。ここからパイプラインという形で国道58号、かつては1号線、ハイウエー ナンバーワン。数百メートル単位にこのパイプラインをつないでいくボックスがあった。浦添のパイプラインもそうです。そういう状況がありながら、なぜ市街化区域に指定するのか。全く理解できないです。その部分を県としてはしっかりと検証して、そして分析をして、そういう見解があるのかどうかを聞きたいんですよ。
お答えください。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前10時24分休憩
午前10時25分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(上原国定) お答えいたします。
市街化区域を定める上での基準等についてにお答えするような形になりますが、市街化区域は、都市計画法に基づきまして、既に市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域と規定されております。その昭和48年、当時の公聴会資料によりますと、那覇広域都市計画市街化区域及び市街化調整区域の設定基準において、軍用地として利用しているところであっても、市街地として必要な部分については、できるだけ市街化区域に含めるとの基本方針が記載されております。当時、軍用地の返還が予定されていた沖縄の状況を踏まえて定められたものと考えられておりまして、この基本方針にのっとった那覇港湾施設や牧港住宅地区等の軍用地を当時の市街化区域の設定基準に適合しているということで理解しております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 できるだけ市街化区域に含めるものとするというのは、公聴会についてのお知らせでありますね、お知らせ。(資料を掲示) ところがその前に、沖縄県の内部稟議で、都市計画に関する公聴会の開催についてということで、開催してよろしいですかという内容の、これは屋良朝苗知事の最終的には印鑑が押されています。(資料を掲示) その中でこう書かれています。軍用地の場所にあっても、市街地として必要な部分については市街化区域に含めることとする。この場合において、既成市街地以外の区域については市街地開発事業(土地区画整理事業等)をそのほか市街地の開発に関する都市計画事業や相当規模の開発行為による計画的な開発を実施中の区域、またはその見込みが確実な区域を主体として、いたずらに市街化区域を広く定めないことにする。これで稟議とっているわけです、9月。1カ月以内に公聴会では――これ公文書ですよ。公文書の中では、現に軍用地として利用しているところであっても、市街地として必要な部分については、できるだけ市街化区域に含めるものとする。いたずらに広げることはだめだと、正式な知事決裁の資料でこうなっている。1カ月以内にできるだけ市街化区域に含めるものとする。この違いは何ですか。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前10時29分休憩
午前10時32分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(上原国定) お答えいたします。
都市計画決定のその手続の中で、そういった表現に違いが出ている部分があるということでございますが、何分昭和40年代のことでございまして、正確なことが今現在申し上げにくいところでございまして、その事務手続の中で、公聴会等を開き、住民の意見を聞いた中で表現を変更していった経緯が恐らくあるのだろうというふうに思います。
ただそういった手続を経て、最終的には事務手続を重ねながら国の認可も得て、適切に都市計画決定に至ったというふうに理解しているところでございます。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 2点あります。
今の答弁につきまして、1つ、これ公文書ですよね。公文書の偽造もしくは変造に当たりませんか。全く違うんですよ、内容が。それに基づいて市街化区域に指定される。世論としてそういうふうに進んでいくわけでありますよ。ところが、市街化区域に指定されたおかげで、地主の皆さんは高い固定資産税をずっと払い続けているんですよ。そういう意味では、これおかしくないですか。いたずらに市街化区域を広く定めないことにするのが正式な知事決裁の文書。公聴会でできるだけ市街化区域に含めるものとする。全く違いますよ、内容が。途中で――私はこれよくわかりませんけれども、当時のことは、偽造とはいいませんが変造に当たりませんか。いかがですか、部長の見解。こういうことって、しょっちゅうあるんですか。屋良朝苗知事の決裁では、市街化区域をいたずらに広く定めるなと。(資料を掲示) ここはできるだけ軍用地を市街化区域に含めるものとすると。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前10時35分休憩
午前10時35分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(上原国定) 当時の細かなその事務手続の過程について正確に申し上げることができないわけでございますが、公聴会等開きながら住民意見を聞いてやっていくという中で、当時米軍基地が多かった沖縄県内の状況を踏まえると、必要な部分については市街化区域に含めるという努力をしたという経緯があるのかなという気もいたしますし、そういった手続を経て都市計画決定に今至っているという事実がございますので、事務手続は適正に行われたというふうに考えております。
○山川 典二 いや、質問に答えてないですよ。これ公務員による偽造もしくは変造に当たらないかという、その見解を聞いているんですよ。
○議長(新里米吉) 土木建築部長。
○土木建築部長(上原国定) 土木建築部としましては、都市計画決定等の事務は適正に行われているものと考えておりますので、偽造等には当たらないというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 総務部長、総務部長に聞きます。
こういう事例は、公務員の偽造もしくは変造に当たりませんか。
○議長(新里米吉) 総務部長。
○総務部長(金城弘昌) お答えします。
行政の手続は法令等にのっとってとり行われておりますので、個別の事案については、ちょっと今コメントを差し控えたいと思います。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 これは那覇軍港の軍用地主の方々からの意見でもあるんです。仮に、これ偽造か変造に当たるということであれば、県警本部長、これどういう刑事責任が出てきますか。
○議長(新里米吉) 警察本部長。
○警察本部長(筒井洋樹) 特定の行為が罪に当たるかどうかについては、個々の具体的な事案の事実関係に即して、法と証拠に基づいて判断することとなります。そのことについて何とも申し上げることはできませんが、もし一般論として申し上げれば、警察としては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づいて必要な捜査を行っていくということに尽きるかなと思います。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 ありがとうございました。
部長、住民説明会をして、公聴会をして、都市計画地方審議会で議論して、そして建設大臣まで行って、県が指定をした。そういう流れをいつもおっしゃいますけれども、その公聴会のときに那覇軍港の地主は出席していましたか。わかりますか。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前10時39分休憩
午前10時39分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(上原国定) 都市計画決定の事務手続の中で、そういった権利者に対しては当然ながら御案内はして、手続を進めていくものでございますが、今のところ地権者の皆さんが出席していたという事実確認はできておりません。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 事実確認できないで、何で市街地に指定していくわけですか。当時、その公聴会に出ていた人たちは、小禄金城の軍用地主の皆さん、そして牧港住宅地域の軍用地の皆さんですよ。那覇軍港の地主の皆さんは、1人も行っていません。きょうは傍聴席にかなり高齢の方もたくさんいらっしゃいますが、70代、80代、90近い方もたくさんいらっしゃいます。皆さんがそうおっしゃっているんです。何もわからなかった。後で聞かされた、決定して。そういう状況ですよ。そういうことを何で県が今分析をしっかりして対策をとらないんですか。いかがですか。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前10時40分休憩
午前10時40分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) お答えします。
昨日の中川議員の御質問、そして今山川議員からも御指摘いただきました。やはりこの当時の市街化、できるだけ市街化区域に行うようにというような公聴会での話と、また今新しく山川議員から屋良朝苗(当時)知事の、いたずらに広げることのないようにというようなことがございました。こういった御指摘も、県としましては、真摯に受けとめまして、この事実関係はしっかり確認いたしますとともに、また一方で、何よりも重要なことは、当時那覇軍港はもう市街化になるだろうというような想定で恐らくそういった決定がなされたと考えております。しかしながら、現時点においてまだ返還もされていないというような中において、やはり地域の方々、その地主の方々が大変な御懸念、そして不満を持っているということも十分県としても承知してございます。
この件につきましては、しっかりとそういった御意見も賜りまして、当時の経緯も含めまして、山川議員から今御指摘のありました件も含めまして、しっかりと県のほうで事実関係の確認、そして一番何よりもこういったことをそのままにしてよいのかという御指摘だと思いますので、この件については、そういった御意見も踏まえまして、しっかり検討してまいりたいと思っております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 (3)、那覇軍港について、基地交付金等及び固定資産税の二重取りの矛盾について伺います。答弁お願いします。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) お答えいたします。
まず国等が所有する資産につきましては、固定資産税はかからない、非課税となっております。このうち国有資産につきましては、地方、市町村の財政上の事情を考慮しまして、固定資産税のかわりとなる、つまり代替的性格を有する、いわゆる基地交付金が交付されております、これは国等の資産に対してです。一方、個人の方々が所有される民有地につきましては、固定資産税として市町村が課税をしておりまして、基地交付金とは対象を別にしておりますので、二重ということはないのではないかと考えております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 これは、じゃ那覇軍港の施設概要、皆さんの資料があると思いますから簡単に御説明お願いします。施設面積であるとか、所有形態等々です。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前10時43分休憩
午前10時44分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
企画部長。
○企画部長(川満誠一) お答えいたします。
那覇軍港の国有地と民有地の面積につきましては、施設面積は55万9000平方メートル、うち国有地は21万平方メートル、民有地は28万7000平方メートル、その他、つまり県有地・市町村有地が6万1000平方メートルとなっております。
○山川 典二 いや、あと全体の概要をちょっとお願いします。地主が何名いて、年間賃借料が幾らぐらいで、用途は何でということがありますでしょう。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前10時44分休憩
午前10時45分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
企画部長。
○企画部長(川満誠一) お答えいたします。
沖縄県のほうで発行している25年3月という、少々古うございますが、那覇港湾施設につきましての面積については今申し上げたとおりでありますが、地主数はその当時において1118名、年間賃借料が20億4500万円、主要な建物と工作物等につきましては、事務所、一般倉庫、野積み場、保安柵、給水管等となっております。
○山川 典二 ちょっと休憩願います。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前10時46分休憩
午前10時47分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
平成28年時点ですが、地主の数が1388名、年間賃借料が21億500万円となっております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 先ほど企画部長の答弁で、二重取りの矛盾はないとおっしゃいましたよね。あくまで基地交付金は国有地に対する交付金であると。あと固定資産税は民有地の地主の皆さんのものであると。これ基地というのは、一体的に約56万平米の一つの防衛施設として評価をするんじゃないですか。そういう考え方はないんですか。普通はそうだと思いますよ。したがいまして、あくまで国有地が21万平米、これパーセンテージでいいますと37%です。民有地は51%あります。そういう組み分けをするということじゃなくて、皆さんは一団の土地として市街地に指定をしたわけでありますよ。したがって、その市街地に伴う固定資産税が大変大きくなっている。最初からいきますと16倍、固定資産税だけでも9倍上がっているわけです。ところが軍用地料は横ばいです。その矛盾を言っているわけであります。それについて答弁できますか。矛盾がないと言えますか。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) お答えいたします。
固定資産税につきましては、評価額に課税標準をかけて、算出して課税をして負担していただいているということがございます。県としては、この那覇港湾施設への課税を行っている那覇市とそれから地主会の方々の意見も聞いて、昨日も少々申し上げましたが、意見等について伺って、話し合いをして、どこに説明が不足しているとか、理解が不足しているとかがあれば話を継続して、双方話し合いで解決ができればいいのではないかという考えで、昨年来職員も派遣してやりとりをしておりますが、最終的には、いろいろこれそこまであれですけれども、地主の方々も部分的に裁判で訴えの提起をされて勝訴したということもございますし、いろんなところに矛盾を含んでいるのであれば丁寧に対応して解決に協力してまいりたいと考えております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 それでは基地交付金、そして調整交付金、それから防衛省の調整交付金、これまで累計、総額でそれぞれ幾らになりますか。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前10時50分休憩
午前10時55分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
企画部長。
○企画部長(川満誠一) 申しわけございません。
今全部積み上げるのがにわかにはできかねておりまして、恐縮ですが、29年度、30年度はおのおの70億強でございまして、基地交付金が25億、調整交付金が45億程度でございます。ずっとさかのぼって昭和47年度、始まった年でいいますと、基地交付金は1億7000万、調整交付金は11億4000万ですが、合計13億1000万でございますけれども、この46年間の積み上げについては少々時間をいただきとうございます。
済みません。
○山川 典二 ちょっと休憩です。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前10時57分休憩
午前10時58分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
企画部長。
○企画部長(川満誠一) 申しわけございません。
やっぱり少々時間がかかるものですから、お待ちをいただければと思います。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 じゃ改めて資料出してください。私、まだ3番までしかやっていませんが、こんなに時間がかかるというのは非常に不本意でございますので次に行きます。
(4)、国は安保条約が適用されている那覇軍港を市街化区域とするのは適当でないと評価している件について伺いますが、那覇軍用地主等地主会から沖縄防衛局宛てに、軍港の復帰当時からの基地状態について問い合わせがあって、その回答を公室長、今お持ちですか。この文書。平成29年3月14日。部長がお持ちですね。土建部長、どうぞ。
○議長(新里米吉) 土木建築部長。
○土木建築部長(上原国定) 那覇軍港の復帰当時からの基地の状態についてという回答で、沖縄防衛局長から地主会長宛ての文書、手元にございます。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 これは、後段のところ、このようなことからというところからお読みいただけませんか。お願いします。
○議長(新里米吉) 土木建築部長。
○土木建築部長(上原国定) このようなことから、那覇港湾施設は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第2条に基づき、アメリカ合衆国軍隊に使用を許している施設区域であり、現時点では市街化区域として開発行為は困難であるため、沖縄防衛局としては、市街化区域への指定は適当ではないと考えていますとなってございます。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 部長、ありがとうございます。
つまり沖縄防衛局、国としては、市街化区域への指定は適当ではないと考えていますという、明確にこれ回答が、コメントがあるわけでございますが、これを受けて、今市街化区域ですよね。県としては、これは統一見解をとるべきだというふうに私は思いますが、いかがですか。
○議長(新里米吉) 土木建築部長。
○土木建築部長(上原国定) 市街化区域に対する国の評価としまして、これは先ほど読み上げた文書と申しますのは、地主会長からの照会に対する回答でございます。沖縄県に対する国からの回答というのは、昭和48年8月6日付で那覇防衛施設局宛てに計画案についての意見照会をしております。同局長から、昭和48年8月17日付で回答がありまして、3項目についてその内容、その計画変更の要請がございましたが、那覇港湾施設を市街化調整区域に変更する要請というのはございませんでした。このような一連の都市計画の手続を経て決定がなされているということから、国への照会も経た上で計画決定がなされているということでございます。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 市街化調整区域にあえてやらないというのは、市街化にしたいからという思惑があるからでしょう。その資料の根拠をちょっと示していただけますか。その当時の内容を簡潔でいいですよ。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前11時2分休憩
午前11時2分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(上原国定) 復帰当時のお話でございまして、市街化区域の区域に定める基準等についてということでお答えさせていただきたいと思います。
市街化区域は、都市計画法第7条第2項において、既に市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域と規定されております。また、同法第13条第1項第1号において、市街化区域と市街化調整区域との区分は、当該都市の発展の動向、当該都市計画区域における人口及び産業の将来の見通し等を勘案して、産業活動の利便と居住環境の保全との調和を図りつつ、国土の合理的利用を確保し、効率的な公共投資を行うことができるように定めることとされております。当時の公聴会資料には、那覇広域都市計画市街化区域及び市街化調整の設定基準において、軍用地として利用しているところであっても市街地として必要な部分についてはできるだけ市街化区域に含めるとの基本方針が示されております。この基本方針は、復帰当時において、軍用地の返還が予定されていた沖縄の状況を踏まえて定められたものと考えられ、この基本方針にのっとった那覇港湾施設の軍用地は、当時の市街化区域の設定基準に適合しているということでございます。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 ですから、全く進化していませんよ、ずっと。中川議員への答弁、全く紋切り型。もっと真剣に考えてくださいよ、那覇軍港のことを。ちょっと時間が3分を切りましたので、次に行きたいと思いますけれども、(5)、那覇市が陸自・空自・空港の防衛3施設の固定資産税過大徴収金等9億円を返還することについて、県の見解を伺います。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) 那覇市の陸自・空自・空港3施設の固定資産税につきまして、全体を一団の土地として評価することが相当であるとさきの裁判において判断されまして、那覇市が返還を命ぜられているということを承知しております。また同返還につきまして、補正予算が那覇市議会に提案されて、約9億円の返還をする見通しであるというふうに承知しております。
県としましては、今回の判決で示された内容につきまして、基地が所在する市町村に周知するとともに、今後とも法令等にのっとった課税に努めていくよう、適切な助言を市町村に対して行ってまいりたいと考えております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 なぜ那覇市は固定資産税過大徴収金9億円を返還することになったんですか。主な理由を説明してください。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) 平成18年度、19年度、20年度の3カ年度において、今申し上げました空港・空自・陸自施設を別々に鑑定評価した結果、過大徴収が発生したということで、裁判所が認定をして返還を命じたということであると承知しております。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 これは国家賠償請求事件でしたね。国家賠償ですよ。つまり平成18年度以降、課税評価を誤った、過大な錯誤があったということなんですよね。
それでは、このときの判決文が今手元にありますけれども、裁判を争ったのは78名です。ところが、今回4500人近くの皆さんに全て支払うということになっておりますが、これはどうしてですか。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) 申しわけございません。
この根拠につきましては、正確に申し上げるべきでございますが、今手元に那覇市の考えが明記されたものがございませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 企画部長、地方税法417条、ポイントを説明してください。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前11時8分休憩
午前11時8分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
企画部長。
○企画部長(川満誠一) 地方税法417条の趣旨は、課税に明白な瑕疵がある場合には、市町村長は返還をするという趣旨の内容でございます。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 419条、説明してください。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) 419条は、県知事の勧告を内容とするものでございまして、市町村の評価の適正を確保する趣旨に基づくものでございまして、市町村内全域において評価基準によって行われていないと認められる場合に適用されるものであります。ただ全域ということでありますので、一つ一つのものでないということは申し添えたいと思います。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 これ私は、この9億円、今回返還されますが、トータルでは30億ぐらいあるんですよ。そして、ちょっと聞きますけれども、裁判をしていない皆さんにも返還する。これはあくまで市街化区域の空自・陸自・空港の地主の皆さん。ところが那覇軍港、ここも裁判はしていないけれども、市街化区域として資料にありますけれども――1分しかありませんけれども、極端に高いんです。そういう意味では、那覇軍港の地主の皆さんにも419条で県が那覇市に勧告をして、それを返還するというそういうことが私は重要だと思いますけれども、そういうお考えはないですか。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) 今申し上げましたとおり、419条の趣旨は、市町村の課税が全体として課税の基準にのっとっていないということが明らかである場合に勧告を行うものでありまして、この一つ一つの裁判について適用を促すということではないと思います。たださらに申せば、今回の訴訟の対象であった地域は、陸自・空自・空港の3施設でありまして、訴訟の対象には港湾施設が入っていないというふうに聞いておりますので、これも難しいのではないかと考えます。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 もう時間がありませんから、私はまた引き続き本会議でこの件につきましては、かなりこれ多岐にわたるし、重層的に歴史が、やっぱり年月がかかっているだけに簡単にはいきませんけれども、いずれにせよ、地主の皆さんがもう高齢化しているんですよ。46年前は、部長は何歳でしたか。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) 12歳でございました。
○議長(新里米吉) 山川典二君。
○山川 典二 小学生ですよね。でも地主の皆さんは、それ以来ずっと高い税金に苦しんでいるんです。そういう意味では、県として、先ほどの資料等含めて、それから分析も含めてずさんだっていうのがわかりましたので、今後引き続き私はこの議会でこの問題を追及してまいります。きょうは残された宿題もいっぱいありますから、ぜひこの那覇軍港の固定資産税、あるいは基地交付金との二重取り含めて、いろんな問題がありますから、先ほど屋良朝苗知事の資料も含めて、ぜひこの辺は精査してください。
よろしくお願いします。
終わります。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
〔末松文信君登壇〕
○末松 文信 皆さん、おはようございます。
沖縄・自民党会派の末松文信でございます。
初めに、知事御就任大変おめでとうございます。
去る平成30年第7回定例会での知事の就任挨拶を拝聴いたしました。私は知事はやっぱりやんばるにゆかりのある人だなというふうに感じました。というのは、知事の挨拶の中で、やんばるに山積する諸課題の解決に向けて大変意欲を示されているなという感じをいたしております。そのことに対して心から敬意を表する次第であります。
知事が述べられました政策は、名護やんばるの定住条件として早期整備が望まれてまいりました、その一つに北部の基幹病院、そしてまた中高一貫の教育校の設置などがあります。これは、これまで私が本会議の中でも取り上げてきたことでありますので、ぜひ知事におかれましても早期の実現を図っていただきたくお願いを申し上げる次第であります。
それでは通告に従い、順次一般質問を行います。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、知事の就任挨拶に関連いたしまして、ア、人道的支援活動の拠点構想・計画について伺います。
イ、やんばるの森・いのち水基金の創設への取り組みについて伺います。
ウ、北部基幹病院構想の早期実現について御決意を伺います。
エ、中学生、高校生のバス通学の無料化に向けた取り組みについて伺います。
オ、北部地域への中高一貫教育校の設置に向けた取り組みについて伺います。
(2)、沖縄振興計画21世紀ビジョンに関連いたしまして。
沖縄振興計画は沖縄県民の悲願であった本土復帰が昭和47年に実現して以来、沖縄の歴史的事情、地理的事情そして社会的事情など特殊事情に鑑み、10年スパンで5次にわたる計画が策定されました。約50年、半世紀になろうとしております。この間、先人たちは国との信頼関係を築き県民とともに振興計画の推進に取り組み、今日の繁栄を遂げたものと認識しております。いよいよ5次の振興計画が平成33年には最終年度になります。次期振計の計画に取り組まなければならない時期にあるというふうに思っております。
そこで、ア、復帰後、沖縄振興に投じられた予算総額について伺います。
イ、そのうち、日本政府が拠出した予算と自主財源で賄った予算、それぞれの金額と割合について伺います。
ウについては割愛いたします。
エ、次期沖縄振興計画の策定と財源の確保について伺います。
(3)、平成8年12月のSACO合意について、知事の御所見を伺います。
(4)、普天間飛行場代替施設建設に伴う埋立承認の撤回について。
ア、撤回要件について、具体的に伺います。
イ、国との対話を通して解決するとのことですが、その先に何が見えますか、伺います。
(5)、辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票について。
普天間飛行場代替施設建設に伴う埋め立ての賛否を問うのであれば、普天間飛行場の危険性の除去と全面返還の賛否も同時に問うべきではありませんか。また沖縄における米軍基地の整理縮小や世界一危険と言われている普天間飛行場の返還は県民の悲願であり、20年余も議論してきた結果、埋立工事も進んでいる状況であります。そのような状況に鑑み、単に賛否を問うのではなく、県民の多様な考え方を反映させるべく選択肢をふやすべきだったと思います。
そこで県の単独予算約5億5000万円を投じて行う県民投票に何を期待されるのか、その費用対効果について伺います。
イ、地方分権に照らし一部自治体が投票事務不能となった場合、県民投票はどのように実施されるのか伺います。
2、台風24号及び25号による災害復旧について。
ことしは全国的に、観測史上とかあるいは50年ぶりとか風水被害に悩まされた年ではなかったかと思います。政府においては、激甚災害に指定するなど市民生活への対応や復旧への対策が急がれております。被災された方々に心からお悔やみを申し上げますとともに一日も早い復旧を願ってやみません。
そこでさきの台風24号で名護市安和区及び山入端区において国道449号の海岸から高潮、海砂など道路が封鎖され集落が陸の孤島と化しました。また停電する中、家族の安否を確認しに行ったところ、道路が封鎖され迂回道路もなく往生したところであります。この国道449号は本部半島の動脈としての役割を担っており、封鎖状態が続くと県民生活はもとより、産業交通に大きな影響を与えることになります。特に安和区に整備中の公共関与最終処分場がその中間地点にあります。
そこで伺います。
(1)、名護市安和区及び山入端区海岸の被害状況を伺います。
(2)、同海岸の保全対策について伺います。
3、我が党の代表質問との関連について。
仲田弘毅議員の代表質問6、教育文化スポーツの振興(7)、2020東京五輪聖火リレーに関連いたしまして、さきに名護市嘉陽区から要請のあった聖火宿泊の誘致についてその後の取り組みと状況について伺います。
あとは2次質問で行いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
〔知事 玉城デニー君登壇〕
○知事(玉城デニー) 末松文信議員の御質問にお答えいたします。
知事の政治姿勢についてに関する御質問の中の1(4)のイ、国との対話を通して解決することについてお答えいたします。
私は、かねてから、辺野古新基地建設問題は、司法ではなく対話によって解決策を求めていくことが重要と考えています。先般、杉田官房副長官と謝花副知事との協議も11月9日から28日まで4回にわたって行われ、県の考え方も胸襟を開いて話し合うというその約束のもとでしっかりと伝えることができたと考えております。私もさきの安倍総理との面談でも、総理からは今後も折を見て話し合いをしたいということのお話をいただいております。ですから今後も政府に対しては、やはり対話によって解決策を求める、いわゆる民主主義の最も基本的な対話によって解決策を見つけていくという姿勢をこれからも粘り強く求めていきたいというふうに思います。
その他の御質問につきましては、部局長から答弁させていただきます。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
〔知事公室長 池田竹州君登壇〕
○知事公室長(池田竹州) 1、知事の政治姿勢についての(1)のア、人道的支援活動の拠点構想・計画についてお答えします。
人道的支援活動の拠点構想・計画とは、ソフト的な組織ネットワークを想定しているもので、アジア諸国の大規模災害時の支援活動や台風対策等について、本県から人材の派遣や知見、技術の提供等により、国内外に貢献することを目指しております。具体的には、被災国からの援助要請を受け、人命救助活動を行う国際消防救助隊について、県下消防本部の意向を踏まえながら、消防庁への追加登録の要望を行ってまいります。また、台風対策及び津波対策等に関しては、本県事例等を基本に、アジア諸国の抱える災害対策上の課題等を踏まえつつ、JICA沖縄と連携し、効果的な研修実施に取り組んでまいります。
次に1の(3)、SACO合意に対する所見についてお答えします。
県としては、SACO合意事案を着実に実施することが本県の基地整理縮小及び地元の振興につながることから、その実現を求めているものであります。しかしながら、嘉手納飛行場における旧海軍駐機場の航空機による使用やパラシュート降下訓練の実施等、基地負担の軽減を目的としたSACO合意の趣旨に明らかに反すると思われる運用が行われており、このような状況は、県として到底容認できるものではありません。
次に1の(4)のア、承認取り消しの理由についてお答えします。
県は、平成30年8月31日に、普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認を取り消したところです。埋立承認については、承認後において、留意事項に基づく事前協議を行わないまま工事を重ねていたことや、軟弱地盤、返還条件等の問題が判明したこと、承認後に策定したサンゴやジュゴンなどの環境保全対策に問題があること等が認められました。このようなことから、埋立承認は、公有水面埋立法第4条第1項第1号及び第2号の承認要件を充足しないことが明らかとなったほか、埋立承認に付した留意事項1に違反していることが認められ、違法な状態を放置できないという法律による行政の原理の観点から、承認取り消しに至ったものです。
次に1の(5)のア、県民投票の費用対効果についてお答えします。
今回の県民投票は、間接民主制の欠陥を補完する直接請求制度により県民から制定請求され、県議会での議決を経て成立した条例に基づき行われるものであり、県民一人一人が辺野古の埋め立ての賛否を明確に示すことは、意義があるものと考えております。県民投票は、法律に基づく手続を経て行われるものであり、民主主義を支える手続の一つであります。民主主義のプロセスと民意を確認するために必要な費用と考えております。
次に1の(5)のイ、一部自治体において投票事務が行われない場合の県民投票の実施についてお答えします。
県民投票は、辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票条例を根拠として実施されるものであり、同条例に基づき、県及び市町村は県民投票の事務を行う義務を負うものであります。
県としましては、住んでいる地域によって県民投票の機会が失われることはあってはならないと考えており、全ての市町村で投票が円滑に実施できるよう、市町村と緊密に連携を図り、県民投票の実施に全力で取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 企画部長。
〔企画部長 川満誠一君登壇〕
○企画部長(川満誠一) 1、知事の政治姿勢についての御質問の中の(1)のイ、やんばるの森・いのちの水基金(仮称)についての御質問にお答えいたします。
森や水及び水源地域に対する理解の促進と地域の振興を図るため、現在実施している水源地域環境保全事業を拡充することとし、従来の水源涵養機能維持のための取り組みに加え、やんばるの環境保全対策や水源地域の振興策に対して、基金等を含めた助成制度の創設を検討しているところであります。
次に同じく1の(2)のエ、次期振興計画の策定と財源確保についての御質問にお答えいたします。
これまでの沖縄振興諸施策の推進により、沖縄の社会経済は好調を持続していますが、県民所得の向上等はいまだ十分ではなく、自立型経済の構築は、なお道半ばにあります。また、離島の条件不利性の克服などの固有課題の解決も図る必要があることから、一括交付金などの財政措置や各種優遇制度等の沖縄振興策は引き続き必要であると考えております。このため、県では、これまでの沖縄振興計画等の総点検作業に今年度より着手したところであり、今後、新沖縄発展戦略を総点検等に反映させ、次期振興計画の検討につなげてまいります。
以上であります。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
〔保健医療部長 砂川 靖君登壇〕
○保健医療部長(砂川 靖) おはようございます。
知事の政治姿勢についての御質問の中の(1)のウ、北部基幹病院早期実現への決意についてお答えします。
北部圏域の医療提供体制を考えた場合、医師不足の抜本的解決を図り、安定的かつ効率的で地域完結型の医療提供体制を構築するためには、県立北部病院と北部地区医師会病院を統合し、新たに基幹病院を整備する必要があると考えております。基幹病院の整備に当たっては、さまざまな課題について関係者間で認識の一致を図る必要がありますが、県としましては、平成30年度内に合意形成を図るべく鋭意協議を行っているところでございます。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 教育長。
〔教育長 平敷昭人君登壇〕
○教育長(平敷昭人) 1の知事の政治姿勢についての御質問で(1)のエ、中高生のバス通学無料化についてお答えいたします。
県教育委員会では、低所得世帯の高校生に対して、奨学のための給付金事業により、通学費を含めた教育費負担軽減の支援を行っております。また、今年度から、児童扶養手当または母子及び父子家庭等医療費助成受給世帯の高校生等を対象に、沖縄県ひとり親家庭高校生等通学サポート実証事業を知事部局において実施しております。今後は、当該事業の結果も踏まえながら、中高生のバス通学費の負担軽減の実現に向け、必要な調査等に着手していきたいと考えております。
次に同じく1の(1)のオ、北部地域への中高一貫校についての御質問にお答えいたします。
県教育委員会では、難関国立大学等への進学を目指す生徒のニーズに応え、本県を牽引する高い志を持ったグローバルに活躍できる人材の育成を図るため、開邦中学校及び球陽中学校を設置し、中高一貫教育を実施しております。北部地域への設置については、両校の実績や課題等を踏まえる必要があり、また、近隣市町村への影響などを含め検討する必要があると考えております。現在、ニーズや設置形態、課題などについて、北部地域の市町村や関係機関などと意見交換を行っているところであります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 総務部長。
〔総務部長 金城弘昌君登壇〕
○総務部長(金城弘昌) 1、知事の政治姿勢についての御質問の中の(2)のア及びイ、復帰後の沖縄県一般会計当初予算の総額とその財源内訳についてお答えいたします。1(2)アと1(2)イは関連しますので一括してお答えします。
昭和47年度から平成30年度までの沖縄県一般会計当初予算の総額は、22兆6927億円となっております。その財源内訳は、国庫支出金等の依存財源が16兆9702億円、74.8%、県税等の自主財源が5兆7226億円、25.2%となっております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 土木建築部長。
〔土木建築部長 上原国定君登壇〕
○土木建築部長(上原国定) 2、台風24号及び25号による災害復旧についての御質問のうち(1)、名護市安和区、山入端区の被害状況についてお答えいたします。
台風24号による豪雨、波浪により安和区では、床上・床下浸水23件、車両の水没16台、また、山入端区では、床上・床下浸水43件、車両の水没27台の被害が報告されております。
次に2の(2)、名護市安和及び山入端区海岸の保全対策についてお答えいたします。
名護市安和及び山入端区の国道449号道路護岸においては、台風24号の波浪による越波等により、冠水と土砂等の堆積が発生しております。今回の被害状況を踏まえ、今後、道路構造の保全及び安全の確保について検証した上で、対策を検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 文化観光スポーツ部長。
〔文化観光スポーツ部長 嘉手苅孝夫君登壇〕
○文化観光スポーツ部長(嘉手苅孝夫) 3、我が党の代表質問との関連についての御質問の中の(1)、名護市嘉陽地区への聖火宿泊の誘致についてにお答えいたします。
東京2020オリンピック聖火リレーの県内ルートについては、ことしの7月17日に、沖縄県実行委員会を設立して検討を進めており、離島も含めて全県的に実施できるよう取り組んでいるところであります。宿泊地を含む県内の詳細ルートについては、当該実行委員会において検討しているところであり、国際オリンピック委員会の承認を得た上で、来年の夏ごろ、東京2020組織委員会から公表されると伺っております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 御答弁ありがとうございました。
それでは2次質問に移っていきます。
まず初めに、北部基幹病院の整備についてでありますけれども、これは知事から決意をいただこうと思っていたんですけれども残念ですね。ぜひ後でもいいですから知事の決意をお願いしたいと思います。
さきの具志堅透議員への答弁を聞きますと、やっぱりますます遠のいた感じがしてならないわけであります。そういう中でぜひ知事の決意をもう一度聞かせていただきたいとこのように思っております。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前11時39分休憩
午前11時39分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
玉城知事。
○知事(玉城デニー) 末松議員の質問にお答えいたします。
北部圏域の医療提供体制を考えた場合、医師不足の抜本的な解決を図るということは重要課題であります。そして安定的かつ効率的で地域と密着した地域完結型の医療体制、この医療の提供体制を構築するためには、やはり県立北部病院と北部地区医師会病院を統合し、新たに基幹病院を整備する必要があるということはこの間申し上げてきたとおりであります。公約にも掲げておりますが、北部基幹病院の早期実現に向けて全力で取り組んでいきたいと考えておりますし、担当部長にはスピード感と、そしてそれぞれの市町村関係者の皆さんにも誠意を持って真摯に協議に当たるようにという指示を出しているところであります。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 ありがとうございます。ぜひ早期実現をお願いしたいというふうに思っております。
次に、中学生、高校生のバス通学無料化についてでありますけれども、昨日の新聞報道にもありましたように、今の教育長の答弁では何か期待外れだなという感じをしておりますけれども、知事が公約に掲げたわけですからそれなりの取り組みが必要だと思いますが、もう一度答弁をお願いします。
○議長(新里米吉) 教育長。
○教育長(平敷昭人) 新聞報道も承知しております。その公約の実現につきまして、財源もそうですし支援の方法にも整理すべき課題が多くあり得ます。私どもとしては、生徒の通学に係る調査もありますし、またその支援方法、この後関係バス会社との調整等々も行う必要がありますので、その辺の必要な調査も踏まえてからということで、まずはその部分を着手したいというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 次に、この北部地域への中高一貫教育校の設置でありますけれども、これまでも何度かこれについては質問してまいりましたけれども、その後の進捗状況というか、取り組み状況についてちょっとお願いします。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前11時41分休憩
午前11時41分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
教育長。
○教育長(平敷昭人) お答えいたします。
北部地域への中高一貫教育校については、答弁でお答えしたとおりなんですが、実はまた11月に本島北部の国頭村から金武町までの8市町村の教育長でありますとか国頭教育事務所長、あとは関係する高校の校長等々と意見交換を行ってまいりました。そこでこの北部地域への中高一貫校の設置に関してのさまざまな意見を伺うことができました。今その辺の意見等も踏まえて、また課題等も整理をしていこうと考えているところであります。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 ありがとうございます。
知事が政策に掲げているとおりこの北部においては、この基幹病院の整備であったりあるいは人材育成、これは定住条件の整備であります。それがない限りは北部の発展はあり得ないだろうというふうに考えておりまして、知事が掲げている政策について大変共感しているわけでありますけれども、今教育長そして部長たちが答えている内容では、時間がかかり過ぎてどうしようもないなというような感がしております。知事においてもう少し指示を出していただいて、早期に実現できるようにお願いしたいと思うんですけれども、いかがですか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 北部地域の定住化を促進するということは、これはもう県土の均衡ある発展のためには、では何をもって定住化を促進していける要素になり得るかということをさまざまな部局で議論をさせていただいております。その中でもやはり基幹病院の設置ももちろんですし、中高一貫校設置による人材育成にさらに力を入れる。それも北部の市町村の関係者の方々から非常に高い要望をいただいているところであります。
あわせて私も昨日、実は、新聞で恐らく末松議員と同じ記事を拝見したのではないかと思うのですが、やはり子供たちは各家庭によって通学に難渋さといいますか大変さを伴っていると。できれば早くスピード感を持って公約を実現してほしいというような内容の記事だと私は受けとめております。ですからできるだけ関係機関の方々としっかり意見交換をさせていただき、しかるべき調査を行った後、その中でも速やかに実現できることについては、私はやはりスピード感を持って当たっていきたいというその思いはあるということをお伝えしておきたいと思います。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 よろしくお願いいたします。
それでは次にこの予算についてであります。
これから相当の財投なりを投資しないといけないような状況だと思いますけれども、知事はこの間国からの補助金に頼らない県政運営を行うとこういうことを公言しておられます。知事がこれまで――さきの部長の答弁にありましたけれども、16兆余りの予算が投下されて今日に至っているわけでありますけれども、これだけの振興策をやるに当たって知事が補助金に頼らないでやれるというのは、根拠はどこにあるんですか。
○議長(新里米吉) 総務部長。
○総務部長(金城弘昌) お答えいたします。
補助金に頼らないというふうな御質問だと思いますが、まず制度のことを少し御説明させてください。
基本的に国が国家的な見地から国が行う特定の事業、これは国庫補助金等で支出をしておりまして、これは全国的に行われているというところでございます。あわせて沖縄振興予算につきましては、沖縄の抱える特殊事情、そういった政策課題を解消するために必要ということでこれまでやっておりまして、その解消が図られるまではずっと継続されるべきものというふうに考えております。
この補助金に頼らないというのは、この振興策をいわゆる振興予算を活用してしっかり沖縄の優位性と潜在力を生かして、自立型経済の構築を目指す、そういったことをしっかり取り組んでいくと。そうすることによって雇用であったりとか所得税収の増加が図られて地域全体、沖縄が安定的に発展する好循環が行われる現状ができ上がると。こうすることによって予算編成においてその自主財源比率が当然高まってきますので、そうしますといわゆる行政の自主性であったりとか安定性を確保することができるというふうな趣旨のことで補助金に頼らないということを言ったところでございます。
○末松 文信 ちょっと休憩してください。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前11時47分休憩
午前11時48分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
富川副知事。
○副知事(富川盛武) 御質問の補助金に頼らないというのは、日本の財政システムを前提にした上での話であります。当然均衡ある国土を維持するために、地方交付税等々で平準化がなされておりまして、その中で東京都が突出しておりますが、その他は散らばりがあって非常に格差がございます。これをならしていくのは国の責務としてやられているわけで、当然これまで16兆9702億円というのは、復帰後の沖縄の社会資本の拡充等々かなり効果があったというふうに考えております。これからは、今沖縄の経済が非常に好調でありますので、この可能性を実現することによってその日本の財政のシステムの上で自主財源をふやしていくという意味でございます。全く補助金がないということではありません。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 副知事や部長がおっしゃることは、私は承知していますよ。ただ知事が補助金に頼らないということのこの補助金とは何なのかと聞いているんですよ。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前11時49分休憩
午前11時49分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
富川副知事。
○副知事(富川盛武) 重複になるかもしれませんが、今沖縄の可能性が高くて、実際に経済のパフォーマンスも拡大しておりまして自主財源もふえております。こういう好循環をふやすことによって自主財源もふえていくと。それによってある意味で自立経済の定義にも近づいていくという意味で解釈をしております。
○議長(新里米吉) 末松文信君。(発言する者あり)
静粛に願います。質問があります。
○末松 文信 副知事、僕はそういう議論はしていないんですよ、それはわかっていますよ。3割自治でしょう。それ以外はみんな頼っているわけですよね。依存財源ですよ。そうありながら何で補助金に頼らないと言っているのかがわからない。そういうことを言っているから知事は政府とも仲たがいをしているわけです。どうですか知事。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 誤解があってはいけないのではないかと思いますので、まず申し上げたいのは、私は補助金を一切要らないということは今まで一度も言っておりません。補助金に頼らないというのは、沖縄の伸びゆく自立型経済を目指していくという復帰50年先の沖縄の未来像、新時代沖縄を描く場合にアジアのダイナミズムを取り込んでいって経済の好循環を県内経済の域内流通に回していく。それを優しい沖縄の社会をつくっていくという方向を目指そうというトータルの考えの中で、私は、補助金に頼らないでその自主財源をもっと伸ばしていってそうすればもっと使えるお金がふえる、県民の暮らしを底上げするお金がふえていく。だからそれを目指していこうという私はその理念のもとに言ったのが、補助金に頼らないというその言葉に集約されているものと思います。さまざま誤解を与えているということに関してはおわび申し上げますが、私の考えはこの間も自主財源比率が20%台から30%台に上がってきているという現状を見ても、議員も御案内のとおりそういう社会、そういう循環環境をつくっていきたい。そして所得の底上げであったりあるいは非正規から正規雇用にあったり、そういう社会の循環をつくっていきたいという趣旨で私が選挙期間中にその沖縄の将来像を述べたことであるということを御理解いただきたいと思います。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 時間もありませんので、この議論は終わりましょう。
次に、(4)の普天間飛行場代替施設の建設関連は最後にしたいと思っております。
(5)、県民投票についてでありますけれども、ちょっと休憩お願いします。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前11時52分休憩
午前11時53分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
○末松 文信 このフローチャートですけれども、これは先日の報道からとったものです。(資料を掲示) これ参考につくってあります。これを見ますとこの3カ所にクエスチョンマークがついています。これについてちょっと教えてほしいんですけれども、この12月の市町村議会で予算審議して否決された場合には、一部の市町村で実施できるというふうにあります。それから次に首長が再議した場合、その否決された場合でも再議のところもクエスチョンがある。ここでも首長判断で予算計上とあります、こっちにもあります。この3カ所のクエスチョンマークについての説明をお願いしたいと思います。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) まずこの資料は、私ども県がつくったものではございません。私どもがここにクエスチョンをつけたものではないということは御理解いただきたいと思います。その上で個別的にということで。
まず市町村議会、今のところ41市町村全て議会に提案していただく方向というふうに報告を受けております。その上で議会で審議いただくわけでございます。議会で否決された場合には、私どもこの経費につきましては地方自治法177条第1項1号に定めるその他の普通公共団体の義務に属する経費に該当するというふうに考えておりますので、各市町村長は、再議に付していただいて……(発言する者あり)
○議長(新里米吉) 静粛に願います。答弁が聞き取りにくいです。
○知事公室長(池田竹州) 必要があるものというふうに考えております。その上で……(発言する者あり)
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前11時55分休憩
午前11時55分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
○知事公室長(池田竹州) 改めて続けます。
議会が事務の管理執行に必要な補正予算案を否決したときには、再議に付す。そしてその上で次の否決、首長判断で予算の計上という形もできるものというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 では公室長、市町村長の裁量でそれは再議しないということもあり得るわけですね。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 繰り返しになりますが、条例の施行により県、市町村ともにこの県民投票を執行する義務を負うものと考えております。先ほど177条の条文の関係で説明しましたが、市町村長におかれましては再議に付す義務があるものというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 公室長は、さきの軍特委員会の私の質問に対して、一部の自治体が予算否決した場合には、実施不能になる。その場合には、県民投票は成立するのかということの問いに対して、それは成立しませんという旨の答弁をしていますけれども、これとの整合性はどうなるんですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 10月議会及び軍特委での答弁につきましては、252条の17の2の規定に基づき委嘱された事務について市町村は義務を負うというふうに説明してきたところです。また県から市町村に当該事務を執行させる強制力につきましては、知事は事務の移譲に伴いまして包括的な指揮監督権は有しないというものであります。そのため自治法上、知事は市町村に対しまして直接その執行を強制することはできない旨答弁、御説明させてもらったところです。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 そのとおりですけれども、その義務と強制はできないということの整合性はどうとるんですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
繰り返しになりますけれども、条例の施行に伴いまして県及び市町村それぞれがこの県民投票を実施する義務を負っているということでございます。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 これ以上は平行線模様でありますので、次に行きます。
(4)、残った最後の再質問ですけれども、池田公室長は、代替施設の建設費2兆5500億円というふうに言っておりますけれども、この数値はひとり歩きしかねないようなことで大変心配しているんですが、その数値の根拠を伺います。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午前11時58分休憩
午後0時0分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
今回政府との協議に当たりまして、県として大まかな目安を保つために概略で全体の埋立工事費用を算出したところです。まず算出に当たりましては、国の提出している資金計画書から現在までに着手済みの護岸等に係る当初の計画費用を求め、現在までの支払い済み額920億円と比較したところ、当初計画の約10倍の費用がかかっていることがわかりました。このため全体の埋立工事は、資金計画書で示されております事業費約2400億円の約10倍と見込んで2兆4000億円と算出いたしました。また軟弱地盤に対する地盤改良工事が追加されると想定しまして、岩国の事例を参照として約500億円の費用がかかるものとしております。また埋立土砂の県内・県外からの調達のために追加で約1000億円の経費がかかると算出しました。これらのことから勘案して全体の埋立費用は、最大で2兆5500億円かかるものと試算したものでございます。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 これは防衛省とは調整したんですか。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) お答えします。
この件につきましては、私のほうで杉田副長官のほうにお話ししましたので、これはあくまでも県のほうで概略したものですと言ったところです。
ただ先ほど公室長からもございましたように、ベースになったものは政府が出した資金計画書でございます。2405億4000万円、これが実際に22カ所の護岸のうち6カ所しかできていないという中で既に1428億、60%がもう消費されていますよねと。これについては、防衛省のほうも認めてございます。そしてその中で着手済みの護岸の工事費用、これは資金計画書では78億4000万円となっている。これは防衛省が出した資料です。これに対しまして、実際に現在まで支払い済み額928億円となっている。これも認めてございます。そうしますとこの78億と928億、単純比較したとしても12倍の費用がかかっていますという話は説明いたしました。これをベースにしまして、仮に5倍としても1兆余りですよと、2400億の5倍としても1兆余りですよと。これに軟弱地盤の500億ですとか県外から運ぶ1000億をやるとさらに1500加算しますと。これを10倍にすると合計で2兆5500億になりますよというような話をこれまでの実績を踏まえた形で県が概略で示すとこうなりますという話をしたところです。これについては、杉田官房副長官もうなずいておられて、それでも政府としてはしっかり予算をとって頑張るというような話があったところです。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 これは、防衛とも確認しないといけない事項だとは思いますけれども、これだけ経費がかかった原因は何だと思いますか。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) これは、まさしく防衛省のほうに確認の話だと思いますが、私のほうで推測ですがということでお話、これもしたところですが、いわゆる警備等に多額の予算も要したのではないでしょうかという話もしたところです。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 県がいたずらに妨害しなければこんなに経費はかからないわけですよ。
それでは、少しこの米軍基地の過重負担の軽減ということで整理縮小、それから沖縄県と国の対応について列記してありますけれども、こういったことで県の対応、国の対応それぞれありますけれども、こういう対応の中で知事がおっしゃる協議をしている最中ですけれども、この協議の行く末は見えておりません。
それはどうしてかということで私は少し検証してみました。そこでこれらも含めて少しお聞きしたいと思いますけれども、謝花副知事が撤回した埋立承認は、普天間飛行場全面返還に伴う代替施設建設用地を確保するため、米軍基地キャンプ・シュワブの辺野古地先米軍制限水域の一部を埋め立てることに対し、仲井眞元知事が適法に承認したものであります。にもかかわらず翁長前知事は、普天間基地の危険性を顧みることなく職権を濫用し恣意的に埋立承認を取り消した。ところが最高裁において知事の取り消しが違法との判決が下され、翁長知事はみずから承認取り消しの取り消しを余儀なくされたわけであります。その結果、埋立工事が進められて今日に至っているというのが現状であります。また今度は、翁長知事がみずから取り消した承認を撤回する意向を表明されました。しかしながら翁長知事はみずから撤回処分をしないまま亡くなられたわけであります。その後、職務代理者である担当副知事の富川盛武副知事が謝花喜一郎副知事に委任し、謝花副知事が翁長知事の意向として埋立承認を撤回する行政処分を行ったところであります。
ここで私は、大変腑に落ちないことがありますのでお尋ねしたいと思いますけれども、このような政治的にも大変重要な事案であるにもかかわらず、次期知事の就任を待たずして、選挙で負託されたわけでもない副知事が職務代理者というだけで処分したのか。これは適正を欠いたものであるというふうに考えておりますけれども、新しい知事が判断すべき事案ではなかったかと思います。そのことについての所見を伺いたいと思います。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) お答えいたします。
今回のこれは8月31日撤回いたしましたけれども、その根拠等は、先ほど公室長が述べたとおりでございます。
県としましては、違法な状態を放置できないという法律による行政の原理の観点から撤回したということでございます。
御質問の新知事誕生を待ってやるべきではないかというようなこともございましたけれども、我々としましては、先ほどの法律による行政の原理の観点から、慎重の上にも慎重を期して、しかも聴聞の手続も行った上でその結果も受けた上でそれにいろいろ判断、それでも慎重に行った上で8月31日に撤回を行ったということです。違法な状態を放置できないというあくまでも法律による行政の原理の観点から、新知事の誕生を待たずに行うことが適当であろうというふうに判断したところでございます。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 取消訴訟についてもああいう判決が出ている。今度の撤回にしても同じ道を歩んでいるようでありますけれども、結論は一緒ではないかというふうに思っております。そういう中にあって知事は、政府との協議の中で解決していきたいとこのように申しておりますけれども、その公算はどうですか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 議員からもありましたとおり、私は、この問題は司法で解決するのではなくやはり話し合い、対話、協議を持ってその解決の糸口を見つけるべきであるということを政府に求めております。安倍総理も私と面談をした際には、折を見て話し合いをしていきたいということも申していらっしゃるという点に、私は希望と期待を込めてこの問題を対話で解決していきたいという気持ちを持っているわけであります。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 それでこのたび国地方係争処理委員会に申し出たのはどういう意味ですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
先ほど知事からもありましたが、この問題――辺野古新基地建設問題は、司法ではなく対話によって解決を求めていくことが重要であると考えております。しかしながら謝花副知事と杉田官房副長官との間での4回にわたる協議、また安倍総理との協議においても、東アジアの安全保障環境の変化や辺野古移設では普天間飛行場の早期の危険性の除去は困難であることなどを話し合いましたが、政府からは残念ながら十分な回答がなく辺野古が唯一の解決策と従前の説明を繰り返されたというところです。このようなことも踏まえまして沖縄県としては、国地方係争処理委員会へ審査の申し出を行ったところでございます。
○議長(新里米吉) 末松文信君。
○末松 文信 私は、司法の入り口に差しかかったなというふうな認識ですけれども、そこで伺いますが、知事は国と対峙し平行線をたどっているうちに代替施設が完成することを落としどころと考えているのではないかというふうに疑義が生じております。そのことについて知事の御所見を伺いたいと思います。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) そのようなことは絶対にないということを申し上げておきたいと思います。
○末松 文信 落としどころをぜひ考えてください。ありがとうございました。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後0時11分休憩
午後1時21分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
大浜一郎君。
〔大浜一郎君登壇〕
○大浜 一郎 こんにちは。
私がこの場に立ち、一般質問をするのは2回目であります。前回は私の生い立ちを含め、政治理念と今後の沖縄県政への期待を述べさせていただきました。私は離島出身の議員として、離島の振興なくして沖縄の振興はないと、基本姿勢を強調したところでございます。今回もその基本姿勢にのっとり質問をしてまいります。
まずは、沖縄振興のトップリーダーとしての視点を知事御自身に問う質問、そして離島地域からの要請についての質問です。
私は補欠選挙で当選して以来、議員として県政の現状や特に財政状況等の資料を検証する中で、いかに沖縄県にとって国との協調性が重要か、改めて再確認した次第です。しかるに現在、県と国との協調性が良好ではない状況下において、このまま沖縄振興計画は進展していけるのか重大な危機感を持っています。
知事は就任から2カ月余りがたち、沖縄のトップリーダーとして以前とは比べ物にならないくらいその責任と県政全般に理解が深まったはずです。かつての国会議員としての自由な立場からの発言が各所に残っておりますが、県民の幸せを、トップとして責任のある立場にある現在、修正すべきは修正し、前に進むべきと考えます。
そこで沖縄県の中長期的な展望をどう考えているのか、以下の質問に知事御自身の言葉で率直に語っていただきたいと思います。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、政府の沖縄特別措置法があってこそ沖縄振興計画が成り立っていることへの認識についてお伺いします。
(2)、平成33年度末に現行計画の終了後における知事自身の具体的な沖縄振興ビジョンについてお伺いします。
それに関連し、本年5月17日の衆議院内閣委員会において玉城デニー知事は安倍首相に対し、沖縄を一国二制度にして関税をゼロ、消費税をゼロにする。それぐらい大胆な、これからの沖縄の将来を見越したそういう提案をぜひ行っていただきたいと要望しております。それが今後の沖縄の振興を推進していくに当たり有効な策だと思うのであれば、玉城知事はそれを政府に逆に提案できる立場にあります。
(3)、衆議院内閣委員会での沖縄を一国二制度にするという発言の真意についてお伺いします。
現在八重山住民、宮古島住民は中国との国境に接し、中国による執拗な領土的野心にさらされておりますが、(4)、外国特派員協会で、中国は脅威かとの質問への返答内容の真意についてお伺いをします。
離島振興に関する私の質問に対し、知事自身の離島への思いを述べていただきました。大変すばらしい答弁だったというふうに思います。八重山・宮古地域の要請として、知事に過日直接要請をさせていただきましたが、それらに積極的に向かっていただくことを切望いたしまして、(5)、美ぎ島美しゃ市町村会要望書への取り組みの姿勢についてお伺いします。
我が党の代表質問で西銘県議も取り上げており、また昨日より我が党の議員が質問した市町村と商工会の役割はまさしく地域力の源だと言えます。知事の決意として(6)、市町村商工会及び沖縄県商工会連合会関係予算の拡充への取り組みについてお伺いをします。
防災ヘリコプター未整備県の沖縄県に近々導入計画がありますが、導入する際の方向性について、その守備範囲において先島諸島、南北大東島が外されているということに強い憤りを感じております。
(7)、消防防災ヘリコプター導入についてお伺いします。
2、離島振興における事業計画について。
(1)、沖縄振興予算概算要求のうち、沖縄離島活性化推進事業の要求額が据え置きになっている理由についてお伺いします。
(2)、石垣市の要請である農業農村整備事業等への適切な予算の配分についてお伺いします。
(3)、石垣市の要請である離島生徒の選手派遣支援事業についてお伺いします。
(4)、宮古島市、石垣市の共通の要請である宮古・八重山近海における地震・津波観測システム設置についてお伺いをします。
(5)、竹富町の要請である離島送電海底ケーブル取りかえ計画への県の取り組みについてお伺いします。
(6)、与那国町の要請である農業振興のための地下ダム整備についてお伺いします。
3、我が党の代表質問との関連につきましては取り下げます。
以上です。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
〔知事 玉城デニー君登壇〕
○知事(玉城デニー) 大浜一郎議員の御質問にお答えいたします。
知事の政治姿勢についてに関する御質問の中の1の(3)、一国二制度に関する発言についてお答えいたします。
沖縄振興特別措置法に基づく一括交付金や沖縄振興税制等を活用した各種施策の展開により、沖縄の振興は大きな成果を上げてまいりました。一方で、全国平均の約7割の1人当たり県民所得や高い子供の貧困率など、課題も残されております。
ことし5月の衆議院内閣委員会において、私が行った一国二制度に係る発言は、そのような沖縄の課題解決に向けて政府からの思いっきり大胆な提案を促したいという趣旨で行ったものであることを御理解いただきたいと思います。
その他御質問につきましては、部局長から答弁をさせていただきます。
○議長(新里米吉) 企画部長。
〔企画部長 川満誠一君登壇〕
○企画部長(川満誠一) 1、知事の政治姿勢についての(1)、沖縄振興特別措置法と沖縄振興計画の関係についての御質問にお答えいたします。
沖縄振興計画は、沖縄振興特別措置法において、沖縄振興基本方針に基づき、沖縄県知事が定めるとされております。同法では、沖縄振興計画に位置づけた事業を推進するなど特別の措置を講じることにより、沖縄の総合的かつ計画的な振興を図り、沖縄の自立的発展や豊かな住民生活の実現に寄与することとしております。
次に同じく1の(2)、新たな沖縄振興計画についての御質問にお答えいたします。
沖縄21世紀ビジョン基本計画は、平成33年度末に期限を迎えることから、県では、次期振興計画の策定に向けた検討を開始しております。次期振興計画の策定に当たっては、アジアのダイナミズムを取り込み、沖縄の高い発展可能性を顕在化させる視点が重要であると考えております。このため、臨空・臨港型産業の集積、航空関連産業クラスターの形成、アジア有数の国際情報通信拠点スマートハブの形成、海洋資源の開発拠点形成等、公約や新沖縄発展戦略等を踏まえ、検討を進めてまいります。
同じく1の(5)、美ぎ島美しゃ市町村会要望書への取り組み姿勢についてお答えいたします。
去る11月5日、美ぎ島美しゃ市町村会から県に対し、農業農村の整備や医療の充実、港湾整備への支援等、26項目の要望がなされました。県では、定住条件の整備と離島の特色を生かした産業振興を柱に離島振興に取り組んでおり、いただいた要望につきましては、関係機関と連携し、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に2、離島振興における事業計画についてのうちの(1)、沖縄離島活性化推進事業の要求額についての御質問にお答えいたします。
沖縄離島活性化推進事業は、離島市町村が実施する産業振興に資する事業や定住条件整備に資する事業などの、先導的な事業を国が直接支援するものとされております。内閣府が公表した資料によると、平成31年度概算要求額は、前年度11億5300万円から4700万円増の12億円となっております。
県といたしましては、県が実施する事業と国が直接支援する本事業が相乗効果を発揮し、さらなる離島地域の活性化が図られるものと期待いたしております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
〔知事公室長 池田竹州君登壇〕
○知事公室長(池田竹州) 1、知事の政治姿勢についての(4)、外国特派員協会での発言についてお答えします。
知事は、去る11月9日、日本外国特派員協会で会見を行いました。その際、記者からの、中国への抑止力についてどのように考えているのかという質問に対して、日本政府の中国に対する抑止力の考えに対して、沖縄県がその方向性についてどのような話をしてもその方向性を変えることはできないかもしれない、沖縄県の立場からはこれ以上米軍基地の負担を負わされることなく、アジア全体の平和をつくっていく環境づくりのために沖縄からどういうアプローチができるのかを考えたいと発言しております。
次に1の(7)、消防防災ヘリコプター導入につきましてお答えします。
昨年度取りまとめた調査検討報告書では、まずは先行1機を需要の高い本島に配備し、その周辺地域を基本的な守備範囲とすることを想定しております。機体は、航続距離400キロメートル以上とし、災害時には、出動先での給油を前提として、宮古・八重山地方及び大東地方での活動を視野に入れております。ヘリの飛行速度や活動時間などを考慮すると、迅速な対応が必要となる宮古・八重山など離島での急患搬送等の業務は、自衛隊や海上保安庁等による既存の枠組みによる対応が望ましいと考えており、導入する場合には、自衛隊等との関係機関と協議を行い、連携して対応してまいります。
次に、離島振興における事業計画についての(4)、宮古・八重山近海における地震・津波観測システム設置についてお答えします。
海底ケーブル式地震・津波観測システムは、国主導により北海道から房総沖については防災科学技術研究所、東海沖については海洋研究開発機構が整備しております。また、文部科学省は南海トラフ地震に備え、宮崎県沖から四国沖にかけて、南海トラフ海底地震津波観測網を整備することとしており、平成31年度に着工する予定と聞いております。本県周辺海域においては、海底ケーブル式地震・津波観測システムは設置されていないことから、知事会等を通じ、事業主体となる国へ早期整備について働きかけていきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 商工労働部長。
〔商工労働部長 屋比久盛敏君登壇〕
○商工労働部長(屋比久盛敏) 1、知事の政治姿勢についての(6)、商工会等関係予算の拡充についてにお答えいたします。
県では、県内中小企業の大部分を占める小規模事業者を対象として、経営改善普及事業等を行う商工会等の人件費及び事業費について、県単独予算で補助を行っております。昨今の商工会等においては、事業計画の策定支援など、各事業者に密着した伴走型の支援体制が求められ、その役割はより一層重要なものとなっていることから、県としましても、必要不可欠な人件費等の所要額を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
次に2、離島振興における事業計画についての(5)、送電海底ケーブル取りかえ計画への県の取り組みについてにお答えいたします。
沖縄県は、多くの離島を抱える島嶼県となっていることから、離島への電力供給を行うため海底送電ケーブルは重要なものと認識しております。海底ケーブルを含む送電設備は、電気事業法上、電力会社がみずから整備することとなっております。電力会社に対しては、国が電気事業者の参入に関する許可や料金の認可等の権限を有していることから、引き続き、国と意見交換を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 農林水産部長。
〔農林水産部長 島尻勝広君登壇〕
○農林水産部長(島尻勝広) 2、離島振興における事業計画についての御質問の中の(2)、農業農村整備事業への予算配分についてお答えいたします。
石垣市における農業農村整備事業については、国営石垣島地区関連事業を中心に、工事の本格化や事業採択地区数の増加が見込まれることから、所要額の確保が必要となっております。このため、平成30年度については、対前年度比113%となる約17億円を措置するなどの優先配分を行ったほか、31年度予算についても、さらなる増額要望を図ったところであります。また、年度開始以降についても、事業間流用や補正予算の活用などについて、積極的に検討していくことで所要額の確保に努めていくこととしております。
県としましては、引き続き、石垣市などの関係機関との連携、地元合意形成を図りながら、事業効果の早期発現に努めてまいります。
次に(6)、与那国町の地下ダム整備の要望についてお答えいたします。
与那国町の地下ダム整備については、過去に国が行った調査において検討されております。その調査結果を踏まえ、国営かんがい排水事業の導入が検討されましたが、幾つかの課題があり、採択には至らなかったと聞いております。
県としましては、これまでの経緯を踏まえ、課題の解決に向けて町と連携して取り組むとともに、引き続き、農業生産基盤の整備に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 教育長。
〔教育長 平敷昭人君登壇〕
○教育長(平敷昭人) 2の離島振興における事業計画についての御質問で(3)、離島生徒の選手派遣支援事業についてお答えいたします。
県教育委員会では、これまで離島から県高等学校総合体育大会、九州大会、全国大会に参加する高校生に対して派遣費を助成しております。中学生についても、これまで九州大会や全国大会に参加する生徒に対して派遣費を助成しており、さらに、平成27年度から県中学校総合体育大会に離島から参加する生徒に対しても派遣費を助成しております。今後とも、派遣費の助成を継続するとともに、負担軽減が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 知事、この前私地元に帰りまして、いろいろ御挨拶をする中であるおばあさんに呼びとめられました。八重山方言で言ってもわからないと思いますから、日本語に訳しますけれども、大丈夫かと、(「方言で……」と呼ぶ者あり) いやいや八重山方言ですからわからないと思うんですけれども、よくよく気をつけなさいよと。親とけんかをするといいことはないよと。これよく私たち子供のころから言われたことなんですが、このおばあさんは実は私に投票をしてくれた方ですが、知事選に関してはデニーさんに入れた方なんです。その人に呼びとめられて、そのような言葉をかけられました。やはり離島という地域は、これまでも本当に政治がいろんな下支えをしてきたというのは実感としてわかっている方が多いです。特に山中貞則先生がいたころ、本当に八重山は発展しました。そういうことを記憶にとどめている方が多いんです。やはり、今の現状については、これでいいのかなというふうに思ったりすることが皆さん感じているところもありますから、ぜひその辺のこともあるということを念頭に入れて今後の県政運営に努めていただきたいなというふうに思います。
11月14日から、自民党会派で東京研修に参りました。内閣府の沖縄担当統括官、沖縄振興局との意見交換は非常に有意義なものでした。他に類を見ない高率補助、沖縄関係予算の内閣府の一括計上、各種特区、優遇税制、沖縄独自の一括交付金制度、それらの分厚い政策パッケージで沖縄振興、県民生活は支えられていると再認識をしました。しかしながら、驚いたのは沖縄振興局と県は、33年の終了後のビジョンの共有がさっぱりできていない。私たちはこの雰囲気を目の当たりにしました。本当にびっくりしました。また私も県議になって、改めて多くのさまざまな事業に一括交付金が使われて、それで成り立っているということに驚きました。
5月9日の会見で富川副知事は、事象・現象に伴って課題等も出てきますし、一番大事なポイントは10年、あと10年なぜ沖縄振興計画が必要なのかという理論的根拠を示さなければなりませんと述べられました。
ここでお伺いをしたいのですが、知事は沖縄振興を推進していく最高責任者です。これまでの沖縄に寄り添った政府の分厚い政策パッケージなくして、これからの沖縄振興は非常に困難だと私は思っております。この辺をやはりトップリーダーとして明確にお話をしていただきたい。
もう一点、5月9日の富川副知事のコメントでございますが、これ理論的根拠、あと10年なぜ沖縄振興が必要なのかという理論的根拠を示さなければなりませんと明確におっしゃっています。どういう理論的根拠なのかわかりやすく教えていただきたいと思います。
トップリーダーに聞いていますから、知事にお願いします。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 沖縄県の振興については、当然政府の計画の中にもアジアに向けたフロントランナーとしての位置づけが明記されております。ですから、沖縄の優位性を生かすことによって、沖縄から日本全体の経済を牽引していく、そういう方向性を私たちも目指しておりますし、日本政府もそのために沖縄に対するさまざまな振興予算を投下しているものというふうに思料いたします。過日、私から沖縄振興予算について、平成31年度の沖縄振興予算概算要求額の満額確保、それから沖縄振興一括交付金について概算要求額以上の額の確保などを総理官邸、内閣府沖縄担当、自民党本部、公明党本部、県関係の国会議員にも申し入れをさせていただきました。ですから、その方向においては、私は国も沖縄の可能性やポテンシャルをしっかりと伸ばしていきたいという方向性で捉えていると思いますし、私たちもそのために沖縄が自立型経済を目指す上でも、政府と一体となって取り組むという方向性にはぶれはないというふうに思っております。
○議長(新里米吉) 富川副知事。
○副知事(富川盛武) 議員御指摘の次期振計が必要であるという理論的根拠についてお話ししたいと思います。
これまで格差是正のもとに、沖縄県も特に社会資本の面において本土水準に近づいてきたと、経済もかなり潜在力も含めて今好調に推移していると。その根底にあるのは沖縄振興特別措置法、沖縄振興計画が土台にあるということは間違いないわけで、そういう意味においては感謝をしたいと思います。
続けてさらに必要かということについては、私も以前沖縄振興審議会の国及び県の委員をしていましたので、そこの議論も含めてお話し申し上げますが、10年5回続いてもさらにもっと要求する根拠は何かと、これは確たる説明が必要でしょうという審議委員のほうからもたくさん意見がありました。その中で我々が確認したことは、これまでは確かにこの振興特別措置法あるいは振興計画のおかげで、かなり本土に近づいたということはそのとおりでございます。ところが、もう格差是正は御存じのように取り下げられましたので、これからは今沖縄が持っているポテンシャル、これを拡大することによって次の振計をお願いしたいと。御承知のように沖縄振興基本方針においても、沖縄の潜在可能性が顕在化すれば日本の再生に役立つということをはっきりとうたわれております。我々としては、これからは沖縄はもとより日本経済の再生に役立つような、あるいは日本経済を牽引できるような沖縄として、そういう素地が固まりつつあると思っていますので、これは沖縄だけのための振興計画ではなくて、日本全体の発展に役立つ振興計画という論理づけをすることによって、さらにソフト・ハードの拡充及び規制緩和という形で取り組みたいと思っております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 ありがとうございます。
それではなぜ今、内閣府の担当部局とこういうふうなイメージのすり合わせがさっぱりできていないんでしょうか。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) お答えいたします。
内閣府沖縄担当部局とは、平生からいろんな作業等について綿密にやりとりをしておりまして、ただ、今議員がおっしゃる次の振興計画に向けての話は、まず沖縄のほうで総点検し、新沖縄発展戦略等を整えて後にどのような制度を必要とするかという議論をこれから始めてまいるところでございます。どのようなやりとりがあったかはちょっと承知しておりませんけれども、私どもとしては、内閣府の沖縄担当部局のほうとは、繰り返しになりますが、常日ごろからやりとりをしているところでございます。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 やはり一括交付金を導入する際、4年くらい前からいろんなシミュレーションを立ててやった。私も最初の委員として行っていましたので、よくわかっています。じゃ、3年後どういうふうにするかというイメージがないと、どういう総括が今進んでいるのか、その辺のところをちょっとお聞かせいただけますか。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) 最も基本的なところにつきましては、今富川副知事がお話ししたとおりでございますが、沖縄振興特別措置法によって財政特例でありますとか、税の特例、それから政策金融、規制緩和等の沖縄振興基本計画の施策が実効性あるものとして担保されておりまして、沖縄振興計画がどのような内容になるかによって決まってくるわけでございます。特に威力を発揮する財政特例でありますとか、税の特例、政策金融等については規制緩和を含めてですけれども、このような外形的なものは、質的なものはそのようなもので取り組むというふうに考えておりますけれども、まず最初に沖縄の政策課題が今どうなっているかと、今後どの方向で展開するかということをまず最初に沖縄側から整理をした上でお話をさせていただくという順番になると思います。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 それでは今後も国とやはり協調性を持った振興策を求めていくと、そういう方向性でいいですか。それでは今の状況はどういうふうに改善していきますか。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) 今の議員からの御指摘で、一層国との取り組み、共有すべき情報、沖縄振興の方向とか、沖縄県が今考えている内容等につきましては、さらに力を入れて調整をしてまいりたいと考えます。
ありがとうございます。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 一国二制度の件についてですが、知事が今おっしゃったように貧困率の問題、いろんな問題が述べられた後に、このような総理に対して申しつけたいということでの御提案をしていました。具体的に消費税ゼロ、関税ゼロということを言っておりますが、私は、沖縄の国会議員として、これまでの沖縄振興における成果と課題、これは当然熟知をし精査をしているのは当然で、さらに沖縄の財政課題、特に産業構造の問題、そういうものについては御自身が理論的に申し上げて新しいシステムとして提案するのが筋だというふうに思いますが、なぜ一国二制度が将来を見越した魅力ある制度設計と思われたのか、そしてなぜ一国二制度というものをつくったのか。私はもう既に一国二制度並みの恩恵を受けていると思っておりますが、もっと進んだものって何なんですか。その熱い思いをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 私の発言に対しての質問だと思いますのでお答えいたしますが、あの場で私が細かいさまざまな状況を精査した結果を述べて丁寧にお話をしたということではなく、総理が沖縄の可能性をもっと伸ばしていきたいというふうな考えを持っていらっしゃるということでしたので、ではもっと大胆に一国二制度並みの、さらに関税をかけない、消費税もかからないというふうなことの大胆な方向性もぜひやっていただきたいということを促したという方向の流れでのその発言であったということを御理解いただきたいと思います。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 今でも消費税ゼロ、関税ゼロはこれからの沖縄に役立つというふうにお考えですか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) かねてから私の支援者の方が沖縄の関税を復帰前並みの関税5%に下げてはどうか、いっそのこと関税ゼロでもいいよというふうなことで、そういう御意見をおっしゃる方がいらっしゃいます。そうすれば、例えば今の所得が低い方々であっても、非常にその方々が働いている会社が潤うことによってその方々に収入が行き渡っていくというふうな御提案、それから消費税ゼロというのは、文字どおり例えば、貧困世帯であれば、生鮮食品などには消費税がかからないというふうなことの大胆な沖縄域内の流通、県内流通も含めて、沖縄でとれた物を地産地消していくという方向であれば、消費税ゼロだとみんながおいしい野菜が食べられて、しかもつくった野菜は全部沖縄で賄えるという意見をおっしゃっている支援者の方もいらっしゃいます。そういう方々の意見がもとになっていると御理解をいただきたいと思います。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 すばらしいと思います。
今、総務部長にお聞きしますが、自主財源の中で地方消費税、8%のうち1.7%、10%上がったら2.2%になりますよね。その額ちょっと教えてくれますか。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後1時54分休憩
午後1時56分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
総務部長。
○総務部長(金城弘昌) 今手元に細かい数字持ち合わせていませんので、いわゆる県税収入で消費税の収入額、地方消費税ということでお答えさせていただきますが、平成28年度が242億2700万余り、平成29年度が247億4100万円余りということでふえている状況でございます。ちょっと地方消費税については清算金等もございますけど、それについては手元に持っていませんので失礼します。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 それと沖縄振興計画の成果と課題、これは、これからの根拠にとって非常に大事なことだと思いますが、どのように精査されておりますか。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) お答えいたします。
現在、推進している沖縄21世紀ビジョン基本計画は毎年度PDCAをかけまして、普段から施策の改善に努めておりまして、成果につきましても定量的に把握をして1人当たり県民所得もまだ全体と比べるとおくれておりますけれども、伸び率としては、かなり健闘しているところでございまして、全体として経済の規模は拡大をして足腰も段々強まってきているという状況にあると思います。全体としての総括的な評価、それに基づく国との調整等につきましては、今年度から着手もしておりますので、次年度以降から本格化してまいりたいと考えております。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 社会資本はどうなんだ、県内総生産はどうなんだ、就労者はどうなんだというこれまでの成果と課題もありますよね。だから、一国二制度という話のもとになっているんですよ。これはっきり出ていますよ、成果と課題は。それを言っていただければいいです。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後1時58分休憩
午後1時59分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
企画部長。
○企画部長(川満誠一) 主な経済指標でこれまで沖縄県が非常に力を入れて取り組んでまいりました完全失業率の改善でありますとか、有効求人倍率等については非常に改善されている状況にございます。それから、入域観光客数でありますとか、県が掲げてまいりました経済指標についてはおおむね改善の基調にございます。ただ、1人当たり県民所得等につきましては、たびたび答弁させていただいておりますが、まず生産性を高める必要があるということが各業態部門に出てきておりますので、これらについての取り組みが今後の課題であるかなと考えております。
○大浜 一郎 ちょっと休憩してください。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後2時0分休憩
午後2時1分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
企画部長。
○企画部長(川満誠一) 沖縄経済は、復帰直後の4592億円から平成27年度は4兆1416億円と約9.0倍に増加しております。それから、社会資本の整備状況につきましても、1人当たり道路延長でありますとか、港湾の取扱量でありますとか住宅の延べ床面積とか、上下水道とか教育施設とかもろもろ全て県民皆さんの努力によって大きく改善しているところでございます。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 この辺のところ、わかりやすい指標のほうが県民にもわかりやすいと思いますから、ぜひその辺の整理整頓よろしくお願い申し上げたいと思います。
中国の脅威に関してですけれども、私は前回も、はっきり物を言わないと誤解を与えますよと。実は私がビジネスを通して海外との交渉の中で、はっきり物を言わないで誤解をされて、後でそうじゃなかったああじゃなかったと非常に問題が起きたから僕は経験から申し上げたんですが、質問した記者が、玉城知事は自衛隊の南西シフト配備など安全保障政策全般への立場を不明確に感じますと。自治体外交を掲げて米国を訪問するのだから、米国だけじゃなく中国をどう見ているのかも遠慮なく示すべきと。自身の考える地域安全保障をもっと明確にしないと世界には理解されないというようなコメントをしています。
ところでお聞きしますが、知事は今の尖閣周辺における中国の行動について今後もこのような曖昧なコメントをされるのかということ。もう一点は、平成30年1月1日から12月4日まで中国公船は領海侵入回数、そして累積の接続水域侵入回数、隻数は何隻なのか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後2時3分休憩
午後2時4分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
尖閣諸島は我が国固有の領土であるというのが日本政府の公式見解であり、沖縄県としても同様に考えております。
沖縄県としましては、これまでも尖閣諸島をめぐる問題につきましては、重要視してきたところであり、去る10月9日に宮腰沖縄担当大臣に、11月10日には岩屋防衛大臣に対して同諸島周辺の領海、排他的経済水域内における安全確保について要望を行ったところでございます。
それともう一つ、尖閣諸島をめぐる領海侵犯でございますが、平成30年1月から11月までに70隻の中国公船等が領海侵犯を繰り返しております。
以上でございます。
○大浜 一郎 接続水域、接続水域について。累計の日数もですよ。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
接続水域につきましては、同じく1月から11月まで595隻、そして、累計日数は154日。先ほどの領海侵犯の日数は19日となっております。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 ありがとうございます。
12月4日までで、領海侵入は累計19日、隻数が70隻、接続水域侵入が累計で155日、隻数が559隻と私は海上保安庁からいただいております。
このような状態が日常的に起こっているという中で、知事はこのようなことに対して、今後も曖昧なお言葉を発するべきなのか、私は非常に疑問に思いますがどうでしょうか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
先ほども10月9日に宮腰沖縄及び北方担当大臣、11月10日には岩屋防衛大臣に対しまして、1、尖閣諸島が歴史的にも国際法上も日本固有の領土であることを国際社会へ明確に示すこと、2、冷静かつ平和的な外交によって中国との関係改善を図ること、3、同諸島周辺の領海、排他的経済水域における安全確保等について関係国の動きを注視しながら適切に対応することにつきまして要望を行っております。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 実は私、過日、海上保安制度70周年を祝う会に参加しまして、県議として挨拶をしてきましたが、今、第11管区は最大規模の装備を誇る海保になりました。365日24時間、警備に携わってくれる方に、本当に感謝の気持ちしかありません。無論自衛隊の陸海空の各部隊に関しても私はそうだというふうに思っています。
知事はこのようなとうとい任務につかれている方々に対して、感謝のメッセージをぜひ発していただきたいと思うんですが、ぜひその感謝のメッセージをいただけませんでしょうか。どうでしょうか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 我が国の領土・領海・領空を守るために尽力をしていらっしゃる自衛隊の方々、そして国民の生命、安全を守るために奮闘していらっしゃる海上保安庁の方々には日ごろから敬意を表しております。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 ありがとうございます。
休憩願います。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後2時8分休憩
午後2時8分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
○大浜 一郎 消防防災ヘリコプターでございますが、佐賀県が32年に未配備を終え、沖縄県のみとなったようでございますが、配備の理念と導入の方向性は一体どういうふうにしてこの離島地域が守備範囲から外れることになってしまったのか。知事の離島重視政策とは相反することになりませんかと。実は中山市長にも聞きましたが、中山市長もちゃんと説明受けてないという中で、こういう配備導入の検討がされているというのは非常に憤りを感じておりますが、どうでしょうか。その辺のところは。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
昨年度、導入に関する検討委員会、市長会の会長さんに委員長になっていただきまして、専門家を交えた検討会で報告書をまとめていただきました。その中の導入の方向性としまして、まず先行1機を導入するという提言を受けております。複数機を運用する場合には、1機導入のスモールスタートとして運航状況を把握して、効果や費用を検証すると。災害時、先ほども述べましたけれども、航続距離400キロメートル以上という形でのものを考えていますので、宮古・八重山そして南北大東も災害のときには当然派遣できる機材、中型のヘリコプターを想定しておりますが、いわゆる急患搬送となりますと、迅速に行って帰ってくる必要がございます。どうしても中型のヘリですと行った先での給油活動等が必要になるということで、そういった活動につきましては、仮に消防防災ヘリが導入される場合でも、引き続き自衛隊、そして海上保安庁と協議をしながら県民の生命、安全を最大限守れる形で対応していきたいと考えております。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 隣の県との協力が得られないのは最初からわかっているわけですよ。なぜ最初から守備範囲として外した絵が描けるのかなと非常に不思議でならないんですね。もう一回そこらは再検討すべきだと思います。どうですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
あくまでも災害のときには全て全県的に出動する計画にしております。救助、あるいは火災等の日常的な対応につきましては、航続距離そして運航時間等の制約もありまして、当面まず沖縄本島を中心とするエリアという形で、決して将来的に外しているわけではなくて、やはり防災ヘリという運用の経験も私どもの県ではございません。ですから、まず1機を導入して、きちんと運用実績を積み上げていきながら検証して、複数機必要であれば当然そちらの方向も検討するような形でやっていきたいと考えております。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 減災何とか債で導入する予定なんですよね。これはどういうふうな資金で導入するんですか。減災・防災というやつですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 緊急防災・減災事業債、そちらがかなり有利ということで、今それを想定しております。私どもの今の導入スケジュールですと、緊急防災・減災事業債の期限がたしか平成32年度までということで、現在のスケジュールだと十分な予算措置ができるかわかりません。ただ、その延長については、九州知事会等とも連携してそのほかのさまざまな防災対策事業の充実も必要ということで、期限が終わった後も延長については要請をして取り組んでいきたいと考えております。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 これ後ほどもう一度質問させていただきたきたいと思います。
ちょっとかわりまして、生徒の派遣支援の件です。
離島の子供は、沖縄本島に行くにも、それから県の代表になって県外に行くにも非常にコスト、負担が物すごくかかっています。県内のお子さんに関しては県外だけでいいのかもしれませんが、私たちは沖縄本島に来るにもそれなりにコストがかかる。そして、県外にもコストがかかる。一括交付金はそのようなところに手厚く手当てをしていただきたいというのが私たちの思いですけれども、その辺はどうでしょうか。
○議長(新里米吉) 教育長。
○教育長(平敷昭人) 現在、先ほど答弁いたしましたとおり、県単独の事業として離島から本島に派遣される生徒の経費の一部になりますけれども、支援をさせていただいていますが、先ほどの要望というのは継続的な仕組みという話でしたか。
○大浜 一郎 県の代表です。県の代表になって行く際ですよ、私たちの要望は。
○教育長(平敷昭人) 外に行く場合ですね。
県外の全国大会に行く場合も支援をさせていただいていますけれども、その充実については、少しずつではありますけれども充実に努めてまいりたいと考えております。これまでやってきていますけれども、仕組みを継続しながら充実に努めてまいりたいと考えております。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 マーチングバンドとか全国レベルなんですよ。芸能も全国レベルで持っていくものが多くて物すごく輸送費がかかるんですね。ぜひそれを検討していただきたいと思います。
休憩します。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後2時14分休憩
午後2時14分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
○大浜 一郎 竹富町の送電ケーブルの件ですが、かなり老朽化が進んでいるようでございます。また、コストに関してもかなりの額がかかるようです。これはもともと離島振興策の一環としてつくって電力のほうへ無償譲渡されたというふうに聞いておりますが、これも一つの大きなインフラでありますので、ぜひ国と県と事業者と連携をとっていただいて、もう老朽化が激しいようでございます。ぜひ10年間で5カ所のケーブルの取りかえが必要だというふうにお聞きしていますので、その辺の取り組みをもう一度お聞かせいただきたいと思います。
○議長(新里米吉) 商工労働部長。
○商工労働部長(屋比久盛敏) 10カ所ということですけれども、老朽化しまして、確かに耐久の25年を超えているのが10カ所ぐらいありまして、それぞれ順次更新しないといけないということでございますけれども、この事業、当初、昔の沖縄開発庁さんが中心となってやっておりました。そういう意味合いで電力さんも含め、それから国、県、市町村も含め連携しながら検討してまいりたいと考えております。
○議長(新里米吉) 大浜一郎君。
○大浜 一郎 地下ダムの件に関しまして、与那国の地下ダムに関しても、あれも私現場を見てきて非常に大変だなと思ったんです、干ばつ時。検討しているんであれば、ぜひ早急に着手の方向性を見せていただきたいなというふうに思いますが、いかがですか。
○議長(新里米吉) 農林水産部長。
○農林水産部長(島尻勝広) お答えいたします。
与那国町の場合については、以前から国のほうで調査をさせてもらっているところであります。課題が4つほどあるというのを聞いておりますので、その辺について与那国町のほうとも調整しながら具体的に動いている部分もあるというふうに聞いておりますので、それに向けてまた連携とりながら対応していきたいというふうに考えております。
○大浜 一郎 ありがとうございました。
○議長(新里米吉) 座喜味一幸君。
〔座喜味一幸君登壇〕
○座喜味 一幸 皆さん、こんにちは。
通告に基づいて一般質問させていただきます。
石垣から上がりまして、宮古も結構入っておりますので、離島振興という視点もよろしくお願いします。
まず、知事の政治姿勢であります。
基地問題についてでありますが、まず地位協定の運用と日米合同委員会のあり方について伺います。
それから、自衛隊施設の米軍共用と管理権という問題について伺います。
次に、普天間の固定化を回避する取り組みについて伺いたいと思います。
次に、振興計画についてですが、31年度の予算、それから大型MICE事業の予算確保について伺わせてもらいます。
次に、MICE事業の一括交付金以外のアイデアという知事の話がありましたが、それについてお聞かせください。
(3)番、補助金頼みでなく、自分たちで原資を確保、得られた利益は沖縄らしい社会づくりに還元するとしているが、ポスト振計に向けた振興交付金、高率補助、特例措置等について伺います。
3番目に、離島振興についてですが、以下の知事公約の具体策について伺います。
(1)、「離島出身の生徒のための寄宿舎を整備するとともに、相談員の配置など日常生活を支える幅広い支援を行います。」について伺います。
(2)番目に、「沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業を推進します。」について伺います。
(3)、「離島におけるガソリン価格・水道料金などの生活コスト低減に取り組みます。」について伺います。
(4)、「離島航空運賃を引き下げるため割引運賃制度や空港着陸料の減免等を進めます。」について伺います。
(5)、「離島船舶航路を維持するための経営安定化を支援するとともに、船舶運賃の割引制度の導入を図ります。」について伺います。
次に、糖業振興についてですが、多良間製糖工場がソフト交付金を活用して完成しました。サトウキビ生産者の受益効果について伺います。
次に、管理作業用マルチコプターの導入の見通しについて伺います。
(3)、季節工の宿舎整備等の支援等の計画について伺います。
我が党の代表質問との関連についてはありません。
よろしく答弁願います。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
〔知事 玉城デニー君登壇〕
○知事(玉城デニー) 座喜味一幸議員の御質問にお答えいたします。
知事の政治姿勢についてに関する御質問の中の1の(1)のア、日米地位協定の運用と日米合同委員会のあり方についてお答えいたします。
米軍基地の多くが県民の住宅地域に近接している本県においては、日米地位協定や日米合同委員会合意に基づく米軍基地の運用は、周辺地域に居住する住民及び地元地方公共団体に大きな影響を与えるものであります。
県としては、平成29年9月に行った日米地位協定の見直しに関する要請の中で、同協定第25条について、日米合同委員会の合意事項を速やかに公表する旨を明記すること、また、基地運用に関して基地が所在する地方公共団体の意向が反映されるよう、地域特別委員会の設置を求めているところであります。
その他については、部局長から答弁をさせていただきます。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
〔知事公室長 池田竹州君登壇〕
○知事公室長(池田竹州) 1、知事の政治姿勢についての(1)のイ、自衛隊施設の米軍共用と管理権についてお答えします。
自衛隊等の施設を米軍が共同使用することについては、日米地位協定第2条第4項(b)において、日本側が管理する施設・区域を米側が一定の期間を限って使用する場合として規定されています。外務省によると、共同使用の際の管理権は、施設の態様や使用条件、使用状況等によるものと考えられ、どちらにどの程度の管理権があるかについては一概に申し上げられないとのことであります。
次に1の(1)のウ、普天間飛行場の早期返還についてお答えします。
県は、世界一危険とも言われる普天間飛行場の固定化は絶対に許されないと考えており、同飛行場の県外、国外移設、早期返還及び危険性の除去を政府に対し強く求めてきたところであります。
県としましては、11月28日の玉城知事と安倍総理との会談においても普天間飛行場負担軽減推進会議の早期開催を求めたところであり、今後も引き続き宜野湾市と連携して、政府に対し普天間飛行場の早期返還及び5年以内運用停止を含む危険性除去を強く求めてまいります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 総務部長。
〔総務部長 金城弘昌君登壇〕
○総務部長(金城弘昌) 2、振興計画についての御質問の中の(1)のア、平成31年度沖縄振興予算の確保についてお答えします。
沖縄県では、沖縄振興予算を効果的に活用し、沖縄らしい優しい社会の構築と自立型経済の構築に向け、各種施策を展開しているところであり、その確保は重要であります。概算要求のなされたことを踏まえ、引き続き、内閣府沖縄担当部局を初め関係機関との連携を密にし、知事を先頭に、概算要求額3190億円の満額が確保されるとともに、沖縄振興一括交付金1253億円以上の額が確保されるよう取り組んでいるところであります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 文化観光スポーツ部長。
〔文化観光スポーツ部長 嘉手苅孝夫君登壇〕
○文化観光スポーツ部長(嘉手苅孝夫) 2、振興計画についての御質問の中の(1)のイ、平成31年度の大型MICEの予算確保についてにお答えいたします。
大型MICE施設は、アジアのダイナミズムを取り込み、本県の持続的発展に寄与する重要な施設であります。本施設の整備については、まずは、今年度の基本設計の交付決定を得ることが重要であると考えており、基本設計に着手できた後は、国や関係部局と相談させていただきながら、平成31年度以降の沖縄振興特別推進交付金の県事業の枠配分の中で、毎年度、所要額を確保することとしております。
同じく2の(2)、大型MICE施設整備と一括交付金についての御質問にお答えいたします。
大型MICE施設整備事業は、平成24年度から沖縄振興特別推進交付金を財源として調査事業等を行ってきた経緯があること等から、施設整備についても同交付金の活用が可能であると考えております。
県においては、現在のところ、施設の整備に向けて国と協議中であり、沖縄の成長可能性を引き出す大型MICE施設の実現に向けて粘り強く取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 企画部長。
〔企画部長 川満誠一君登壇〕
○企画部長(川満誠一) 2の振興計画についての中の(3)、ポスト振計における特例措置についての御質問にお答えいたします。
沖縄振興交付金を初めとする沖縄振興特別措置法に基づく措置は、沖縄が抱える特殊事情から生じる政策課題に対応するために措置されるものであることから、これらが解消されるまでは継続される必要があるものと考えております。このため、県では、沖縄振興特別措置法及び跡地利用推進法等に基づく制度の検証に着手したところであります。
次に3、離島振興についての、沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業による航空運賃・船舶運賃の割引についての御質問、3の(2)、3の(4)のア及び3の(5)のイは関連いたしますので、恐縮ですが一括してお答えいたします。
沖縄県では、離島住民の交通コストの負担軽減を図るため、航空運賃及び船賃を低減する事業により、航空運賃では約4割、船賃では約3割から約7割の負担軽減を実施しております。
県としては、引き続き離島地域の市町村と連携し、離島住民の交通コストの負担軽減を安定的かつ継続的に実施してまいります。
同じく3の(3)のア、離島におけるガソリン価格の低減への取り組みについてお答えいたします。
県では、本島から県内離島に輸送される石油製品の輸送経費に対し補助を行っており、平成25年度には補助対象経費を拡大し、離島における輸送コストの低減に努めているところです。平成29年度における補助実績は、補助対象経費9億6992万円に対し、9億6923万円を補助しているところです。
今後の取り組みといたしましては、現在、石油販売事業者を対象に経営実態調査を行っており、この調査結果に基づき、引き続き価格差縮小に向け取り組んでまいります。
次に、同じく離島振興の中の(5)のア、離島航路の経営安定化の支援についての御質問にお答えいたします。
県では、離島の定住条件の整備を図るため、小規模離島の赤字航路に就航する船舶の建造費または購入費を補助する離島航路運航安定化支援事業を実施しております。同事業の実施に当たっては、国、県、関係市町村及び航路事業者で構成する協議会において、沖縄県離島航路船舶更新支援計画を策定の上、平成24年度からの10年間で14航路を更新対象として実施しており、平成30年度現在で9航路の船舶を更新いたしました。今後、更新予定の5航路についても着実に取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 教育長。
〔教育長 平敷昭人君登壇〕
○教育長(平敷昭人) 3の離島振興についての御質問で(1)、離島出身の生徒のための寄宿舎についての御質問にお答えいたします。
高校のない離島出身者の経済的・精神的負担の軽減を図るため、高校へ進学する際の生徒の寄宿舎と小・中・高校生等の交流拠点としての機能をあわせ持つ施設として、平成28年1月に離島児童生徒支援センターを開所したところであります。寮生活においては、教員免許を有する舎監が、寮生の生活の相談や指導とともに学習支援等を行っております。
県教育委員会としましては、今後とも離島出身の児童生徒が安心して学校生活を送れるよう努めてまいります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
〔保健医療部長 砂川 靖君登壇〕
○保健医療部長(砂川 靖) 離島振興についての御質問の中の(3)のイ、離島における水道料金の低減についての御質問にお答えします。
離島の簡易水道の多くは、水資源に乏しく、自己水源で浄水から給水までを一括して行っていること、さらに、運営費用が割高である海水淡水化施設などの高度処理を導入していることなどから、本島地域と比べ水道料金が高い状況にあります。そのため、県では、離島における水道料金の格差是正を含めた水道のユニバーサルサービスの向上を図るため、水道広域化に取り組んでいるところであります。
なお、粟国村においては、平成29年度末に広域化を完了しており、その効果により広域化後の水道料金は約2分の1となっております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 土木建築部長。
〔土木建築部長 上原国定君登壇〕
○土木建築部長(上原国定) 3、離島振興についての御質問のうち(4)のイ、空港着陸料の減免についてお答えいたします。
沖縄県が設置管理する12空港の着陸料については、沖縄県空港の設置及び管理に関する条例において定めており、条例の特例措置により、普通着陸料の80%、ジェット機のみに課される特別着陸料の70%を軽減しております。それにより、離島在住者の航空運賃の一部軽減が図られているところであります。着陸料のさらなる軽減については、着陸料が県管理空港の管理運営に要する重要な財源であることを踏まえつつ、検討していく必要があると考えております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 農林水産部長。
〔農林水産部長 島尻勝広君登壇〕
○農林水産部長(島尻勝広) 4、糖業振興についての御質問の中の(1)、多良間村製糖工場の整備によるサトウキビ生産者の受益効果についてお答えいたします。
県におきましては、一括交付金を活用し、老朽化している含蜜糖工場について、順次、近代的な製糖施設の整備に取り組んでおり、多良間村の新製糖工場は、平成30年11月21日に落成したところです。新製糖工場は、原料処理で日量250トンの公称能力と衛生的かつ高品質な黒糖の製造機能を有しており、安定的な原料搬入が可能となっております。このことから、生産農家の意欲向上や計画的な原料出荷が可能となり、サトウキビの増産が期待されております。
県としましては、引き続き、関係機関と連携し、サトウキビの生産振興に取り組んでまいります。
次に(2)、管理作業用のマルチコプターの導入の見通しについてお答えいたします。
サトウキビにおける管理作業用マルチコプターについては、宮古島市と南大東村において、メーカーが主体となって実演会等が行われていることを把握しております。関係機関からの情報によると、導入に当たっては、価格や操作に必要な資格の取得、作業効率等に課題があると聞いております。現在、現場での取り組みが始まった段階であり、県としましては、関係機関等と連携し、情報収集に努めるとともに、今後、導入の可能性について検討してまいりたいと考えております。
次に(3)、季節工の宿舎整備等の支援計画についてお答えいたします。
国では、製糖業が働き方改革に対応し得る支援策として、今年度より沖縄製糖業体制強化対策事業において、人材確保や宿舎整備計画の策定等に向け、取り組んでいるところであります。宿舎の整備については、当該事業において、順次、整備を進めることとしており、平成31年度概算要求額は11億7300万円となっております。
県では、引き続き、国や市町村、関係機関等と連携し、計画的な宿舎整備が図れるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 座喜味一幸君。
○座喜味 一幸 答弁ありがとうございます。
ちょっと順不同になりますが、振興計画の中の予算の絡みについてから質疑をさせていただきたいなと思っております。
沖縄県は、一括交付金制度といっていっぱいお金をもらっている、もらっていないという議論等もありますが、少なくともソフト交付金というのは全国でも極めて秀でた制度でありまして、非常に使い勝手がいい。それでこれは24年から始まっているんですけれども制度ができ上がっているんですが、26年に3500億あった我々のこの振興予算が、30年には3010億円になっている。今回の31年度の概算要求額というのが3190億ということなんですが、これまでのこの予算の減額理由、これについて御説明願えませんか。
○議長(新里米吉) 総務部長。
○総務部長(金城弘昌) お答えいたします。
議員の御指摘のように、平成26年度3501億、沖縄振興予算ございましたが、平成30年度3010億ということでございます。
一括交付金については、平成24年度に創設されたところでございまして、当初使い方等含めて県とか市町村なかなかうまく執行ができなかったというところで、執行率が指摘をされたところでございました。それで減額されたというところもございました。これが平成27年ごろまでの話でございまして、その後平成29、30につきましては、まず一つは執行率ではなくて国のほうの国直轄事業、それを充当させた上で、予算額の範囲内で一括交付金を割り振ったというふうなことを御説明いただいているところでございます。大まかはそういった感じのところです。
○議長(新里米吉) 座喜味一幸君。
○座喜味 一幸 仲井眞さんがすばらしい知事だったなとは思っておりまして、民主党さんのときにこの一括交付金できたんだけれども、少なくとも翁長さんになってからのこの予算の減額というのは著しいなというようなこと、必ずしもそれが正式なものであるとは私は言わないけれども、これに関してはある意味で沖縄の予算は何とかなるのかというような甘えた構造がないのかというのを私は非常に心配しているんです。今までのいろんな議論を聞いていてもですね。
それで特に、このソフト交付金のほうなんですけれども、27年806億あったのが、結局平成30年度では608億円ともう200億円減っている。これは極めて注視すべき問題。それから、市町村等も細々とやる公共投資交付金、この811億あったのが579億というように減額していることにおいて、市町村でもこのソフト交付金、公共投資交付金をもっとふやさなければならないという声が高まっているけれども、これがなぜ減少の傾向なのか。これについてどう認識されていますか。
○議長(新里米吉) 総務部長。
○総務部長(金城弘昌) お答えいたします。
今一括交付金減っていると。沖縄振興予算自体、総額が減っている中で、一括交付金が減っているというふうな状況がございます。この件につきましては、県において執行率については、執行率を向上するためのいわゆる部内会議であったりとか事業の進捗等をしっかり把握しながら執行率を上げてきたところがございます。
一方、その効果と、いわゆるPDCAでしっかり事業効果が果たされていないんではないかというふうな御指摘も内閣府等からございました。それにつきましてもPDCAをしっかり回して、成果指標を定性的にではなくて定量的に出すべきではないかとの御指摘もありましたので、そういったこともしっかり見せながら、あわせて沖縄の振興予算、また一括交付金、それと国直轄事業をあわせ持って沖縄の振興が進んでいて現在の自立型経済に向けた取り組みが進んでいるということをしっかりと伝えながら、一括交付金33年のほうでしっかりそれなりに相当のボリュームがありますよということをやったところでございます。
あわせて今年度からの取り組みで遅いと、もしかしたらお叱り受けるかもしれませんけれども、首長さんとじかに、圏域に行って意見を聞いて、どういう課題があるのか、またそれについてどういうふうな効果が上がってきているかということも意見交換させていただいて、今回沖縄県としては枠いっぱいの要求をお願いできないかということを求めたところでございます。ただ、今現状は3190億というふうになっていますが、しっかり満額確保、また一括交付金の1253億以上の確保について、県として内閣府にしっかりと要請をお願いしながら、また関係要路しっかりお願いしたいなというふうに思っています。
○議長(新里米吉) 座喜味一幸君。
○座喜味 一幸 細かい話はあるんだけれども、1つは基地問題に余りにも特化した行政があって、僕は翁長知事がかつての――とやかく言うあれはないんですが、この予算、沖縄振興に対する思い、この汗のかき方、これは私は弱いなと思っていまして、今回の平成31年度予算でもそれが典型的にあらわれているなと非常に残念に思っているんですよ。
3190億円の概算要求額というのが出たときに、前知事は、沖縄県の要望というのは何となく認められたかなというコメントをしていたんだけれども、この3190億円の中身を見たときに、沖縄のソフト交付金、ハード交付金というものを前年より20億程度ふやしているけれども、トータルで見ていったときに那覇空港で300億使う、あとその他の公共の国直轄分等々と差っ引いていくと、この3190億円では公共投資交付金とソフト交付金に手をつけざるを得ない中身になっているんです。
これについて3190億円満額確保したとしても、中身はソフト交付金とハード交付金に手をつけざるを得ない中身になっている。この辺の分析はされていますか、どうなんです。
○議長(新里米吉) 総務部長。
○総務部長(金城弘昌) お答えします。
国直轄事業、空港等、那覇空港ございますけれども、総額のほうで31年分まだ明らかに示されていないところがございます。枠が3190億ということと、あわせて一括交付金のソフトが636億、ハードが617億というのは示されているところでございますので、この3190億の枠の範囲内でさらなる増額をお願いできないかと。今精査をしているところもあると聞いておりますので、そこをお願いできないかということで要望しているところでございます。
○議長(新里米吉) 座喜味一幸君。
○座喜味 一幸 この問題、簡単な問題じゃないですよ。知事、これは知事三役動かないと、この問題整理しないと大変大きな問題を含んでいるんですよ。多分、那覇空港はもう供用開始、予定どおり進んでいるから、330億ぐらいは確保するとあとないんですよ。
それと、僕はMICEの事業というのを本気でやらないとだめだよと言ってあったんだけれども、当初県は3600億ぐらい要求したはずなんですが、今の3190億の中には予定どおり進めるべきMICEの事業というのはもう飛ばされているんですよ。入っていますか、総務部長。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後2時46分休憩
午後2時46分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
総務部長。
○総務部長(金城弘昌) お答えします。
31年度の一括交付金の中には、MICEのほうの実施設計と建築工事の一部ですけど、見込んで入っているところでございます。
○議長(新里米吉) 座喜味一幸君。
○座喜味 一幸 供用開始を皆さん方は公表して約束したわけですよ。間違いなくオリンピック等々との関連でここまでには完成しますと言って仕事を進めてきた、土地も買った、設計・施工、運営管理まで契約をした。そして間違いなく2020年までにはやりますと言った。けれども、国と県との調整ができずに基本設計費さえもまだはっきりと確定していない。そして来年度の予算要求では入っていない、大型MICEの予算は入っていない。
これ知事、公約違反ですよ。どうします。前回でも、これはある意味での事務レベルを超えて三役がしっかりとこれをどうするのかという議論をしなければこういうことになるよと言ったはずなんですよ、私は。そうすると、このMICEを予定どおり進めるような今実施設計の話とか細々とした予算を何とかやっていきますという、そうじゃないんだよ。企業も迷惑し、買った土地も遊んでいるし、また大きな、大義のこの大型MICEの効果を出していくためには、これは特別枠ででも大型MICEをやるという、知事三役の決意がないとこんなのはもう飛んでいますよ、約束は破られているんですよ。実務上は大型MICEはありません、今の予定からすると。そうすると今の3190億に含めて何らかの政治折衝で予算を確保していくのか、選挙の公約で知事が言った補助金に頼らないアイデアをここで発揮するのか、どちらかになっちゃうんです。その辺をはっきりと整理して答弁下さい。
○議長(新里米吉) 文化観光スポーツ部長。
○文化観光スポーツ部長(嘉手苅孝夫) お答えいたします。
大型MICE施設の整備費、まずは基本設計確保ということで昨年度から実は知事を先頭に、前の知事から含めてですけれども、34回上京いたしまして官邸やトップセールス含めまして、さまざまな関係の国会議員、代議士含めまして要路にもお願いをさせていただいたところでございますので、そういった意味でまた引き続き一日も早く交付決定に向けて頑張っていきたいというふうに思っております。
以上です。
○座喜味 一幸 これちょっと、富川副知事、その辺はプロでしょう。担当副知事としてどうです。今後、どう処理します。これ事務レベルはそれでいいんだよ。部長の答弁はそれでいいんだ。
○議長(新里米吉) 富川副知事。
○副知事(富川盛武) お答えいたします。
大変厳しい状況には変わりがないと思っていますが、もとよりこれは何度も申し上げているように、調査事業から一括交付金が入っておりまして、県としても何とか一括交付金でお願いということで私たちも交渉しておりますし、それが事務方も精度を高めて何十回にわたり事務交渉を続けております。引き続き一括交付金でお願いしたいというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 座喜味一幸君。
○座喜味 一幸 内閣府の座長と意見交換した中には、もっと基本的なこの話があるんで、その辺は問題ないにしても、沖縄県がぜひともMICEが必要だということをしっかりと知事が先頭に動くこと、それからこのメニューを、固まったMICEの計画というものにいろんなメニューを含めて弾力的に交渉をというか、共有していくというような本気でやっていかないと、知事これ先頭に立たないとだめですけれども、知事の決意だけ聞きましょう。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) これまでも答弁してきておりますが、大型MICE施設はアジアのダイナミズムを取り込み、本県の持続的発展に寄与する重要な施設であります。引き続き一体となって政府のほうへ要求をしていきたいと思います。
○議長(新里米吉) 座喜味一幸君。
○座喜味 一幸 ぜひともに、予算は別枠でとるぐらいのパワーがないといけないと思いますよ。ぜひともその辺は頑張っていただきたいなと思うんですが、次に、離島振興の事業を私は5つ上げたんですけれども、知事の政策から公約から引っ張り出したんですけど、何か僕は最近、選挙のためには何でもありというようなことかなと思って、少しこの選挙における政策等の劣化というか、そういうものを感じたものでこれ書いてあるんですが、これはいつから始まった事業ですか。これは5項目とも共通の年から始まっているんですか。いつから始まった事業ですか。答弁も全く一緒の答弁ですけど、この事業いつからですか、ちなみに。
○議長(新里米吉) 企画部長。
○企画部長(川満誠一) お答えいたします。
企画部で所管しております交通コスト負担軽減事業でありますとか、船舶建造支援等の事業につきましては、平成24年度、この期間、基本計画のスタート時点から開始しております。
○議長(新里米吉) 座喜味一幸君。
○座喜味 一幸 時間がありませんが、ただ知事の公約として上がったんだから、今までの答弁も同じ文章、仲井眞さんのときの答弁書と全く同じ、仲井眞さんのときに始まった事業、それを政策、公約に上げていてあえて知事が公約に上げたんだったら、ここに継続しながらも拡充があるのかないのか。そしてそういう知事としての思い、考え方というのがないとこれは前の知事の事業のパクリじゃないですか。そう言われてもしようがないんですよ。もう少し知事のおっしゃったことに対する当局の詰め込みというものがないといかない、余りにも甘い。知事の公約を何と思っているかというようなこと。それから知事も言った以上はちゃんと指示して中身を詰める。そういう僕は知事の指導力があるべきだと思っております。
ちょっと休憩願います。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後2時53分休憩
午後2時54分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
○座喜味 一幸 多良間での落成式は部長も行かれたようで大変ありがとうございます。
それで、せっかくのソフト交付金を使って約9割は補助ですよね。本来であれば製糖工場がつくるべき設備を一括交付金でつくるわけですから、設備投資というのがない。そうすると、これはすばらしい制度なんだけれども、こうして工場が高率補助でできて、委託という管理がされるわけでありますから、そこには設備投資にかけてきた経費、その新しくなった減価償却等も含めると工場側にも相当なメリットがあるはずなんです、あるべきであります。それをどのように地元の農家へ還元するか。製糖工場のための一括交付金の部分があるとしても、農家にどういう効果があるかということが僕は県として最も指導すべきところだと思うんだけれども、その新しくなった製糖工場ができて、増産意欲ができたというけれども、具体的に農家に対するメリットは何なのかを伺いたい。
○議長(新里米吉) 農林水産部長。
○農林水産部長(島尻勝広) お答えいたします。
新しい工場については、先ほど答弁させていただいたように、衛生面あるいは合理的な製造ラインが整備されます。その中でバガスの部分等がありますけれども、その部分等についても、養生バガスについては土づくりに還元するとか、それと多良間の具体的な事例ですけれども、エコファーマーということで品質の面で海外等に含めて品質向上の中で取り組んでいきたいということも聞いております。そういう面で製糖工場も施設が整備されて、生産体制を関係機関の中で一緒にやっていくということで新たなスタートができるのかなというふうに思っております。そのために農家の安定的な生産が確保できるように、営農面の指導も連携とりながらやっていきたいというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 座喜味一幸君。
○座喜味 一幸 工場側も、集中脱葉機の一体化とかみんなやっているわけでして、営農増進のために製糖工場がやれることというのはいっぱいあるはずなんです。その辺の今後の協定というのは一応結んであるけれども、製糖工場の利益の何ぼかは地元農家の生産増加、所得増加につながっていくような管理協定を県としても研究していただけませんか。
○議長(新里米吉) 農林水産部長。
○農林水産部長(島尻勝広) お答えいたします。
国のほうで増産プロジェクト計画等で具体的な島ごとの計画をつくっております。その中で技術的な面、経営面、そういう細かい内容について各島ごとに取り組んでおりますので、今回の整備の中でも新しい工場の中での安定的な生産というか供給を含めて、この辺については関係機関のほうと一緒に連携をとりながら取り組んでまいりたいと思っております。
○議長(新里米吉) 座喜味一幸君。
○座喜味 一幸 よろしくお願いします。
もう時間ないんですけれども、知事、私は知事のこの基地に関する考え方の中で、これ当選した翌日ぐらいなのかな――インタビューでの答えなんですけれども、自衛隊施設を米軍と共同使用するという使用協議について議論することがあるのかもしれないという発言がマスコミ報道であったんですけど、僕はこの基地問題を解決していく、日本のこの安全保障の見直しをしていく、地位協定の問題等々を考えていくときに、非常にこれ私もこの辺は同感なんですよ。
それで、ぜひこれ知事、今後大きな課題としていて、この沖縄の基地の問題で裁判権の問題だとかいろんな問題が航空、領空・領海の話あるんだけれども、この話は大変大きな私は注目すべき発言だと思っていまして、この切り口だと沖縄のあるいは全国の基地問題の切り口になっていくと思っているんですが、これに対する知事の見解を聞かせてもらえますか。この発言に対して。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 私の発言に対しての質問ですので、お答えいたします。
この自衛隊の基地を米軍が共同使用するということの本質的な意味は、日米地位協定のくびきからの解放です。つまり基地の管理権を日本側が有することによって、米軍の運用や基地の使用に至るまで、管理権を日本に移すということが前提であるということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○議長(新里米吉) 座喜味一幸君。
○座喜味 一幸 したがって大賛成なんですよ。今我々が苦労していて、飛行ルートにしても航空管制域も全部ラプコンもやられているし、そういう我々が地位協定を変えよう、このままじゃいかんという、もう主権国家じゃないと言われるような状況にあって、特に我々の沖縄がその縮図になっている。この問題を知事はこの切り口でしっかりと取り組んでいくならば、沖縄の基地の課題を交渉する話し合いの引き出しがふえてくると思っているんですよ、実は。場合によっては極端な話、辺野古が賛成・反対というのは抜きにしても、辺野古を認める・認めない、別だよ。ここを自衛隊の財産にして、せめて管理権を持っておく。そうするとアメリカは使用協議をせざるを得ない。我々の国内法でもって、飛行ルートからいろんな道路等の使用許可権というものを日本で持っていくというような、これは日米安全保障の再編、地位協定の見直し、それから日本の自衛隊というものを憲法に明確に位置づけて日本がどれだけ自分の国を守るかというような世の中を変える提言だと思っておりますけれども、知事、こういう観点から沖縄の基地負担、辺野古を普天間を今後どう動かしたほうがいいのか、その引き出しの一つ一つをちょっとお話ししてください。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 議員の考えは理解するものでありますが、全てが同じ考えであるとは申し上げられないということだけはお伝えしておきたいと思います。
○座喜味 一幸 保守・中道の知事として認めておりますから、頑張っていきましょう。
よろしくお願いします。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 よろしくお願いします。
1点目の普天間飛行場の返還及び代替施設の建設です。
この問題は、危険性の除去や基地の整理縮小のために解決をする、このことは玉城知事と共通の認識だと考えます。知事の見解を伺います。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 私は、普天間飛行場の5年以内の運用停止を含む危険性の除去は喫緊の課題であり、辺野古移設とはかかわりなく実現されるべきものと考えております。去る11月28日の安倍総理との面談において、普天間飛行場負担軽減推進会議の早期開催を求めたところでもありますし、今後も引き続き宜野湾市と連携して、政府に対して普天間飛行場の早期返還及び5年以内の運用停止を含む危険性の除去を強く求めてまいりたいと思っています。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 私が聞いているのは、基地の整理縮小のために解決をする。その認識で取り組みをしている。この確認をしたいわけです。解決をする、いかがですか。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後3時4分休憩
午後3時4分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
玉城知事。
○知事(玉城デニー) 辺野古の移設に関しては、私は反対の立場ですが、基地の整理縮小という観点のSACO合意の推進は認める立場です。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 いや、認める認めないを聞いているんじゃないんですよ。この危険性の除去や基地の整理縮小のために、今起こっている辺野古・普天間問題を解決する、解決するということで取り組みをしているのかという、これは共通認識ではありませんかということですよ。解決する、いかがですか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 解決をすることが普天間の辺野古移設ということであれば、それは違うと思います。私の立場はそうではありません。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 基地の整理縮小のために、両方の問題を解決する。私はそのように考えているんですよ。行政のトップとして、解決をすることが目的ではありませんか。そのために頑張っているんじゃないですか。いかがですか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 物事を一つ一つ解決するという方向においてはもちろんそのとおりです。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 ここまで来るのに時間がかかりましたね。
今この問題を解決するということで、22年間かけて取り組みをしておりますが、なかなかできておりません。そこで、解決に向けて対話で解決をしていきたいということで取り組みをしております。この対話というのは、国、県、お互いの立場を理解して尊重する、このことが基本だと思います。知事の認識はいかがですか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 一般論とすればもちろんそのとおりだと思います。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 一般論も何もないでしょう。対話ですからね。けんかではありませんから。
このときに、我々は今知事の外国での発言も含めて、日本の民主主義が否定されているとか、さまざまなそういうふうな批判をされているわけです。ですから、対話となると、この問題を解決するために国の立場、沖縄県の立場、しっかりお互いを尊重して理解し合わないと幾ら対話で集中協議をやったってなかなかうまくいかないわけです。せんだっての集中協議、対話、これは解決に向けて、その目的でしっかり話し合おうなという、これは事前の確認はできているんですか、いかがですか。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) 前回、4回にわたって集中協議をさせていただきましたが、お互いに胸襟を開いてしっかりと意見交換をしようということからスタートしたところでございます。その際に、私のほうからは、この辺野古の問題についての歴史的経緯、それから県が考えているこの辺野古代替施設の問題点、そして沖縄県の考えというのをしっかり述べさせていただきますということを申し上げて、杉田官房副長官からも、どうぞというようなことを受けて4回にわたって意見交換をしたということでございます。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 対話となると、そういうふうに今具体的なものが起こっているということではなかなか難しいと思うんですね。国がなぜこのような形で22年間もかけて取り組みをしてきたか、基地の整理縮小に向けて、危険性の除去に向けて。そこをまず理解する。県がなぜ反対をしているのか、歴史的な件を含めて。お互いのそういうふうな基本的な部分をしっかりと踏まえて、では解決をするためにどうするんだという歩み寄りがなければ、対話を幾らやったって意味がありません。それぞれの自己主張で終わるということになるわけです。ですから、私、今回の集中協議、何かそれぞれの立場を結局主張し合えるような、そういうようなことで、その解決に向けて糸口が見出せたというふうな認識は持っていないんですよ。当事者はいかがですか。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) お答えします。
まず今照屋議員が御指摘のとおり、それぞれ相手の立場をしっかり聞くと、それぞれの考えがあるわけですから、歴史的経緯等を。そこからまずスタートすることが大事だということ、まさしく御指摘のとおりだと思います。そういった中において、県としては、やはりこれまでの経緯等を踏まえた場合に、この辺野古の移設については、さまざまな課題を申し上げ、それから政府が主張している辺野古の必要性については、県としては違うのではないかという意見を述べさせていただいた上で、ぜひこの件については断念をというようなことを率直に申し上げたというところでございます。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 冒頭に申し上げましたように、基地の整理縮小のために対話をする。それは、国の考え方、これは普天間飛行場の早期返還を実現して、代替施設を辺野古につくる、これが国の沖縄に対する危険性の除去であり、基地の整理縮小であるわけですね。そうしますと、基地の整理縮小に対して、それはそれぞれの立場、考え方は主張しましたと。では、沖縄県が危険性の除去や基地の整理縮小に対してどうしたいのかというものがなければ共通の認識になりませんね。いかがですか。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) 御指摘のとおりだと思います。
我々何度か答弁させていただいていますが、この辺野古でなければならない理由の一つとして、普天間飛行場の早期の危険性の除去の観点から、極力短期間で移設できるのが辺野古代替施設だという政府の主張に対しまして、時間もお金もかかりますよねと。それから移設条件の中に民間空港の活用の話がございました。これはどういうことかと申しますと、結局向こうのほうは1600メートルの滑走路しかないということで、米軍からしても使い勝手が悪いということで、2500メートル以上の滑走路が必要となっていると。そういったことですよねというような話もさせていただいた上で、そういったことであれば、先ほど座喜味議員からもありましたけれども、やはりこの一日も早いという危険性の除去のためには、既存の施設、例えば自衛隊施設も含めて、そこの活用ということも検討してはいかがでしょうかと。そのほうがはるかに早く費用も安く上がるのではないでしょうかというような提案もさせていただいたところでございます。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 ですから、今のように自衛隊の基地もということであれば、具体的にどこどこということも含めて提案をしていただかないと、こういう対話、話し合い進みませんよね。ですから、そのことが今求められていると思っております。
結局、集中協議をやりました。それぞれの立場、もちろん尊重しておりますから、国はつくる、県はつくらせない、これがずっと続いていくことになるわけですね。さまざまな行政手続で物事が進んでいくということに今なっているわけです。ですから、前県政のころから私は申し上げておりますけれども、このやり方は、反対をしながらつくらせている。反対をしながらつくらせているという、まさにそういう状況にあるわけです。ですから、そこをそうじゃないというふうに言い切れるのであれば、こういう対話の機会を通して、しっかりそういうようなことをつくり上げていくという、そこは必要だろうと思うんです。
同時に、集中協議、これは副知事に任せてはいけませんよ、知事。これはやっぱり知事が総理大臣に、これまでの沖縄の歴史、国がやってきたこと、沖縄が取り組んできたこと、さまざま県民の思いも含めて、しっかり話し合いをしてやっていかないと、これやっぱりトップリーダーが22年間かけて解決できない問題を本当に集中協議で対話をしてやろうということになれば、全てさらけ出して、トップリーダーが、トップリーダー同士でそういう話し合いをしないと糸口つかめませんよ。
大田知事がかつて橋本総理と17回、1対1で協議をしたという歴史がありますね。やっぱりこういう厳しい問題は、じかに沖縄県知事・玉城知事と総理大臣がしっかり話し合っていくということが必要だろうと思いますけれども、それなしでは、この対話による問題解決は進みませんよ。私はそう思います。知事はどう思いますか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 沖縄県からも安倍総理にアポイントメントのお願いをさせていただいておりますが、日程等の都合でなかなか総理の都合がとれないということで、官房長官に対応していただく、官房長官が対応できない場合には官房副長官に対応していただくというふうに、もちろん総理にじかにお話をさせていただくということを念頭に置きつつも、その対話のチャンスがあればどなたであろうと、沖縄の歴史的な背景、今におけるさまざまな問題、そして事件・事故のこの痛み、いろんなことをとにかく話をしたい。そして、これ以上沖縄にその負担を押し続けるのは民主主義国家としてはあり得ないということを私はどなたに会ってもそのようにお話をし、沖縄の立場を明確に主張し、だからこそ対話から解決を求めていきたい。それを司法の場に持ち込んでは、もう司法の場でその対話が閉ざされてしまうということのほうが沖縄県民にとっては非常に暗たんたる思いになってしまう。司法では解決できないということを含めて、そのようにるるお願いをさせていただいています。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 ですから、私は対話と言いましたね。基地の整理縮小と言いましたね。危険性の除去と言いましたね。今知事がおっしゃっていることは、どなたに会っても、総理と会っても、こういうふうな話をするっていう話でしょう。ですからそういうお会いできないんじゃないですか。私が申し上げているのは、基地の整理縮小、これについてしっかり話し合いをする。辺野古ありきじゃない、あるいは県外ありきでもない。今の実態も含めて、総理と膝を交えて話し合いをするという前提でいかないと、今御指摘のようなお話をこういうところでやっている間は、対話できませんよ。腹割って話できませんよ。大田知事が17回やったようなまさにあれじゃないですか。あれはありきじゃないでしょう。ありきじゃなかったと思いますよ。ですから、そういう知事の姿勢、私は残念ながら、そういうふうなことができない今、沖縄県と国の状況だと思っております。我々は今自民党県連ですけれども、野党ですけれども、私は私の立場と皆様の立場、尊重しておりますから、その立場の違いを含めて、信頼関係、私はあると思っていますよ。ところが今実態、国と県の関係はないんじゃないですか。そこをどうつくっていくのかが県知事の手腕だと思っております。
次に、対話による解決ともう一つ、県民投票、県民投票によってこの問題は解決しますか。どうですか。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後3時18分休憩
午後3時19分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
県民投票は、地方自治法に基づく県民からの直接請求により制定された条例に基づき実施されるものであります。条例制定請求で法定署名数を大きく上回る9万2848筆の署名の提出があったことは、辺野古の米軍基地建設に対する県民の多大なる関心を示したものと考えております。県民投票の実施により、普天間飛行場の代替施設建設のための辺野古埋め立てについて、県民一人一人が賛否を示すことは意義があるものと考えております。
以上です。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 私は、県民投票が解決につながりますかということを聞いているんです。いかがですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 繰り返しになりますが、県民投票の実施により、普天間飛行場の代替施設建設のための辺野古埋め立てにつきまして、県民一人一人が賛否を示すことには意義があるものと考えております。
以上でございます。
○照屋 守之 議長、休憩願います。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後3時20分休憩
午後3時20分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) お答えします。
まずこの県民投票の条例制定の趣旨は、いろいろこの議会でも議論が大分深まったので、そこは言いませんけれども、今議員御質問の解決につながるかということでございます。
これ恐らくですが、請求権者の請求に基づいてこの条例がつくられ、県民投票実施されるわけですが、請求権者の意思と言いますのは、やはりこの数回にわたる知事選ですとか、国政選挙において、しっかり民意は示されたということを県側は主張しているわけでございます。当事者も主張しているわけですが、政府においては、さまざまな課題が含まれているということで、その分についてしっかりまだ民意は示されていないというような意見があったということ。それから、さきの判決においても、直接的に民意を問われたものではないというようなことがあったということ等で、この請求権者においては、この県民投票において明確に民意をまず示させる。これが一つの解決につながるのではないかという思いがあったのではないかというふうに考えているところでございます。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 県民投票を請求する側はそうですよね。じゃ沖縄県政はどうなんですかという話ですよ。解決に向けてはどうなんだという話ですよ。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) まず沖縄県としては、条例の直接請求がなされた以上、条例を議会に提出するという義務があります。そして、議会において条例が制定されたということで執行する責任があります。そういった責任論がまずあるということが1つ。
それから、県といたしましても、やはり政府において、これまで必ずしも辺野古の反対の民意が示されたものではないというような意見について、この県民投票の結果が、これは辺野古埋め立ての賛否を明確に問うものでありますから、このことについて結果はわかりませんけれども、一定の民意が示される結果になるものではないかというふうに考えているところでございます。これを、その結果をこの条例においては、4分の1という要件があったと思いますが、県知事は尊重すると。それを踏まえて、政府、それから米国においても尊重するというような対応が求められているものだというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 そういう形で、県民投票やる。5億5000万かける。結果は解決につながらない。法的拘束力がない。こういうことを今沖縄県政やろうとしているわけですね。民意は十分わかっていますよ。辺野古反対という民意はわかっておりますけれども、そうであれば、この県民投票、法的拘束力のあるものにしてくださいよ。そうしたら全員やりますよ。今のままでは、法的拘束力のないこの県民投票、これに幾ら義務的経費って言ったって、結果は何の解決策にもなりませんから。法的な拘束力もないから、義務的経費でできるわけないですよ。ですから、ぜひこの県民投票、今からでもいいです。法的拘束力のある県民投票につくりかえてくださいよ。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) これは請求権者の案、そして議会における議論を踏まえてのものだと思います。
それから拘束力のお話ございますけれども、まず直接民主主義に基づいて条例制定請求がなされて、直接、いわゆる県民投票という形になるわけです。さまざまな国策、それから自治体における政策においても、やっぱりそういった民意を尊重するという姿勢は、やはり拘束云々ではなくして、尊重するという姿勢が行政においては求められているものだというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 今日本は民主主義国家ですけれども、法治国家ですよね。これは認めますか。いかがですか。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) 認めます。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 であれば、今民意も大切ですけれども、法治国家、法律に基づく手続がなされていて、今のその辺野古問題は、国はその法律に基づいて、一人一人手続をして、県が受け付けをして、埋立承認をした。埋立承認取り消しをした。埋立承認取り消しの取り消しをしたという形で工事が進んでおります。法治国家ですから、その法的な手続で進んでおります。そことこの民意です。両方とも大事なんでしょう。特に行政は、法律に基づいた仕事だから、その法的な手続によってやっているんじゃないですか。いかがですか、違いますか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 私はアメリカでもお話をさせていただきましたけれども、民主主義には、公正性と公平性が必要です。しかし、今の沖縄の置かれている状況は、法律の例外に置かれ、民主主義の例外に置かれているような状況です。なぜなら、民主主義の規定にのっとって選挙が行われ、圧倒的な民意で県知事に選ばれた私ですから、私はその沖縄県の民意をしっかりと言葉にする、行動する責任もあると思います。ですから、対話を求め、協議をお願いし、その時間をつくっていただき、少なくとも約1カ月間協議の期間もつくっていただきました。私はそれは民主主義のあるべき姿だと思います。
しかし他方で、ではその集中協議で民主主義の根幹が問われたのかということを私たちは疑問に思うわけです。だからまだそこが解決に至っていない。対話の解決に至っていない以上、私たちは対話を望んでいく。それは民主主義の姿であり、今回の県民投票でも民主主義のその法にのっとって、しっかりと投票して、私たちの民主主義の手法による意見を表出したい。それは、私は民主主義の正しい姿ではないかと思います。
○照屋 守之 議長、休憩願います。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後3時28分休憩
午後3時28分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
照屋守之君。
○照屋 守之 知事が今、沖縄県は法律の例外に置かれているという、大変すごい発言をしておりますけれども、本当にそうですか。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) 知事が今、沖縄は法律の例外に置かれているというような発言をしたということについての御質問でしたけれども、例えば、今回この県が行った撤回に対しまして、沖縄防衛局は固有の資格として、いわゆる審査請求、それから執行停止決定、これを国土交通大臣に行うと。これは100名余りの行政法学者が問題があるんだということは指摘しております。そういったことを踏まえて、知事はそういった発言をしたものと考えております。
○照屋 守之 休憩願います。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後3時29分休憩
午後3時31分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
玉城知事。
○知事(玉城デニー) 先ほど副知事が答弁させていただいたとおりですが、本来、国民の権利を救済する法律を本来なら国が行政機関として行っている辺野古の埋め立てについて、私人であるかのようにそれを不服審査を申し出ている。それについて、私たちはしっかり国地方係争処理委員会にもそれを求めているという形です。ですから、そういうふうにすると、本来は、県民が救われるはずのその法律を国がねじ曲げているのではないかというふうな認識にあるものですから、私たちはその手続をとらせていただいて、法律の確かなその形を求めようとしているわけです。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 法治国家のこの日本の国の中で行われている行政のありようが、沖縄県知事がそれは外に置かれているという、もうこれゆゆしき大問題ですね。この問題は、知事に対して解決というのは期待できないかもしれませんね。
この県民投票、県民投票の2月24日、この日に天皇陛下の御在位30周年記念式典がございます。この2月24日、わざわざこういう天皇陛下のそういうふうな式典に合わせて、この県民投票を組んだ意味、それを教えてもらえませんか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
県民投票の実施日におきましては、各市町村に照会しまして、議会の日程でありますとか、選挙の日程、あるいは大きな行事等を勘案した結果、2月24日としたものでございます。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 天皇陛下の30周年記念式典、20周年のときは鳩山政権、民主党政権で20周年やっております。30周年の記念式典が2月24日に行われて、国民こぞってこれを祝う式典とすると。恐らく沖縄県知事も県議会議長も案内をされるというふうなことになりますけれども、こういう大きな節目、全国民、内閣を挙げてそういう30周年の節目を祝う。同時に、4月30日、現在の天皇陛下が退位されるということも含めて、非常に重要な式典になります。ここでまた沖縄県が同じような日に県民投票が実施されるという、私個人的には非常に残念に思って、何でこうなっているのかなと。本来、行政であれば――これは31年の1月7日に30周年を迎えるわけです。そうすると、行政もその辺わかっているわけじゃないですか。30年を節目に何らかの行事があるというのをわかりながら、御退位が4月30日に行われる。そういうふうな中で、31年の2月24日に30周年記念式典が行われるという、そういうような中での沖縄県の県民投票、非常に残念だなという、そういうような思いも今しておりました。
ちょっと休憩願います。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後3時35分休憩
午後3時35分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
○照屋 守之 次に、県内移設について、国と名護市、岸本・島袋歴代市長及び沖縄県、稲嶺・仲井眞歴代知事とどのような協議をして現行案となって進められてきたか御説明を願います。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 国、県及び名護市の現行案に係る協議につきましてお答えします。
軍民共用案を公約に掲げた稲嶺元知事は、辺野古沿岸域を移設候補地として決定し、岸本元名護市長も、条件つきで受け入れを決定したことから、政府は、平成11年12月に、軍民共用案等に係る閣議決定をしました。しかし、平成17年10月に、日米両政府はL字型案に合意し、県及び名護市は反対しました。政府はV字型案を提示し、平成18年4月、国と名護市においてV字型案を基本とする合意がなされました。同年5月には、国と県が基本確認書を取り交わしていますが、県としてはV字型に合意したものではありませんでした。また、仲井眞元知事は、1期目に現行のV字案のままでは賛成できないことを公約に掲げて当選し、島袋元名護市長も、可能な限り沖合に寄せるよう求めていたものと承知しております。
○照屋 守之 議長、休憩願います。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後3時37分休憩
午後3時37分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
照屋守之君。
○照屋 守之 この辺野古・普天間問題、平成七、八年から、沖縄県が普天間飛行場の返還を要求しております。この要求に基づいて、国は日米合意へのもとに返還するということが決まりました。沖縄県から要求して、県はそれを受けて取り組みをしてきました。そして先ほど公室長からありましたように、さまざまな時間の経緯、協議を踏まえて取り組みをして、今お手元に配りましたように、名護市長との合意書、そしてまた宜野座村長との合意書、そしてまた稲嶺知事との確認書、今のV字型、確認とれております。これはそれに沿って、こういうふうな形ができ上がりました。(資料を掲示) これは地元名護地域の方々も含めて、そういう形に沿って今安倍総理のもとでそういう手続で進んできております。ですから、これは名護も沖縄県も相談して、協議をして過去取り組んできて、今この形ができ上がっているということになります。いかがですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
先ほど読み上げたとおり、18年5月11日に当時の稲嶺知事が基本確認書に署名をしております。その後、5月30日だと思いますが、政府が閣議決定をした際に、合意書の中に4項ですけれども、政府は在日米軍再編の日米合意を実施するための閣議決定を行う際には、平成11年12月28日の普天間飛行場の移設に係る政府方針、閣議決定を踏まえ、沖縄県名護市及び関係地方公共団体に事前のその内容について協議することに合意する。ただ残念ながら、その合意が守られていないということで遺憾の意を表明していたかと思います。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 遺憾の意は表明しても、確認書は確認書です。合意されているんです。もうこれ揺るぎないんですよ。サインもされております。ですから、それに基づいて、国はこういうふうな案をつくった。(資料を掲示) これをつくったんですね。これは沖縄県も一緒になってつくっているんですよ。地元も含めて。それに沿って今建設が進められている。それに対して、知事が何て言ったんですか。2兆5500億円かかるって言ったんですか、試算で。これ沖縄県も含めて、沖縄県が求めてこういう形になって、その建設費用が試算で2兆5500億っていう話でしょう。これ沖縄県の責任、非常に大きいですよ。国は、沖縄県の同意あるいは地域の同意も含めて、ここ沖縄が求めてこういう形にしたんですから。これに対して幾らかかるということを今さら県知事が言えますか。おかしくないですか。いかがですか。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) お答えします。
まず稲嶺知事の合意の件、確かにサインもございます。私もいろいろ調べておりますけれども、稲嶺知事は、実はこの会談直後、5月11日直後にこの記者会見で政府案に同意したのかとの質問に対して、いいえ全く違いますということで、いわゆる誠意を持って継続的に協議するものとするということで自分はサインをしたんだと。それから6月議会での代表質問に対しましても、基本確認書では、県と政府の立場の違いをお互いが踏まえた上で、継続して協議を行うことを確認したものであります。県と政府との間で協議する場合は、この考え方が基本であります。したがって、政府案のみを前提とする協議には応ずることができませんというふうに答弁をしております。そういった中において、稲嶺知事の後任の仲井眞元知事は、現行のV字案のままでは賛成できないということを公約に掲げて当選したということでございます。
○議長(新里米吉) 照屋守之君。
○照屋 守之 そうですよ。ですから、これは撤回していないんですよ、確認書は。そのまま生きているんですよ。閣議決定されました。それに基づいて、国は手続をしました。今の形があります。それを今さら2兆5500億円かかります。どういうことですかっていう。あれどういう意味で言っているんですか、首相に対して。いかがですか。
○議長(新里米吉) 謝花副知事。
○副知事(謝花喜一郎) 実は、このような議論も、副長官とお話をさせていただいております。稲嶺知事が行った、このいわゆる15年使用期限、これが今回のこの5月11日のものにもありますけれども、その後、この部分については、閣議決定が廃止されているということで、このことが、鳩山総理の発言云々もありますけれども、いわゆる辺野古問題をより混迷にしたというふうに考えていますという発言もしたところです。
○照屋 守之 最後、とにかくいずれにしても……
○議長(新里米吉) 時間過ぎていますので、質問できません。
○照屋 守之 国に求めるよりは、今まで沖縄県の名護市も宜野座も含めて……
○議長(新里米吉) 時間過ぎています。
○照屋 守之 県政がやってきたこと、それをしっかりとチェックした上で対応しないと、全部国の責任じゃないですよ。我々沖縄県がやってきたことに基づいて現在が進んでいるんですよ。それをしっかり見ないと……
○議長(新里米吉) 時間は過ぎています。
○照屋 守之 以上です。
○議長(新里米吉) 15分間休憩いたします。
午後3時43分休憩
午後4時15分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
金城 勉君。
〔金城 勉君登壇〕
○金城 勉 こんにちは。
一般質問をさせていただきます。
去る9月30日の県知事選挙で8万票の大差で圧勝した玉城知事に敬意を表します。前原高校の同窓生としての親しみも込めて玉城知事の御活躍を祈念申し上げます。
今回の県知事選挙は、革新色を徹底して隠し、玉城知事の庶民的なキャラクターと翁長前知事の弔い選挙を前面に押し立てた戦略が見事に功を奏した選挙でありました。その選挙戦略は見事でした。これからの4年間県民の生活向上のため、また県勢発展のために健康に留意しながら御尽力いただきますようお願いを申し上げます。
では質問をさせていただきます。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、知事訪米について。
玉城知事は就任早々訪米を決断し果敢に行動いたしました。米国政府機関や連邦議会関係者、民間団体など積極的に沖縄問題を発信したことは、よかったと思います。翁長前知事も文字どおり命をかけて基地問題と格闘いたしました。戦後70年以上にわたるこの沖縄の宿命ともいえる基地問題を一日も早く解決して他の都道府県並みに普通の行政ができるよう私も強く願っております。
そこで質問します。
ア、今回の訪米の狙いと成果について伺います。
(2)、普天間飛行場返還、辺野古移設問題、基地負担軽減の政府交渉について、解決に向けどういう交渉を考えていますか。
(3)、県民投票条例について。
県民投票の取り組み、市町村の進捗状況はどうか。
次に、次期沖縄振興計画について。
(1)、6次の振興計画という考え方でいいのかどうか。
次に、沖縄振興予算の一括計上方式について見直す考えはないか。また計画策定の今後のスケジュールはどうか。
次に、次年度に向けた取り組み、次年度予算確保の見通し及び税制改正要望の実現の見通しについてお伺いいたします。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
〔知事 玉城デニー君登壇〕
○知事(玉城デニー) 金城勉議員の御質問にお答えいたします。
知事の政治姿勢についてに関する御質問の中の1(1)のア、知事訪米の目的及び成果についてお答えいたします。
私が、辺野古に新基地をつくらせないことを公約に掲げ、沖縄県知事選挙において過去最多得票で当選したこと、沖縄の過重な基地負担の現状、沖縄の基地建設の歴史的な経緯などについて説明し、対話を通して、沖縄の米軍基地問題の解決について理解と協力を早期に米側に求める必要があると考え、11月11日から16日まで訪米をいたしました。初めは、米国の経済、文化の中心で、まさに多様性にあふれる都市ニューヨーク大学で講演会を行い、国連事務次長との面談等を行いました。次に、ワシントンDCで、政府関係者、有識者との面談、県系人との交流等を行いました。滞在は実質4日間という短い日程でしたが、沖縄の実情の発信ができたこと等、実りのある、次につながる訪米行動であったと認識しております。
その他の御質問につきましては、部局長から答弁をさせていただきます。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
〔知事公室長 池田竹州君登壇〕
○知事公室長(池田竹州) 1、知事の政治姿勢についての(2)のア、普天間返還、辺野古移設、基地負担軽減の政府交渉についてお答えします。
日米両政府においては、普天間飛行場の返還及び辺野古移設について、辺野古が唯一の解決策という固定観念にとらわれずに、国際情勢の変化を踏まえ同飛行場の県外・国外移設について再検討していただきたいと考えております。また、基地負担の軽減については、日米地位協定の抜本的な見直しや、米軍再編で示された在沖海兵隊のグアム移転を含む国外移転及び嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還を確実に実施することが重要と考えております。今後も、政府に対し、対話によって解決策を求める民主主義の姿勢を粘り強く求めてまいります。
次に1の(3)のア、県民投票の取り組み及び市町村の進捗状況についてお答えします。
県民投票については、投票日を平成31年2月24日、その告示日を2月14日と決定したところです。また、11月28日に市町村の担当者に対して、投票事務及び市町村における交付金の取り扱い等について、説明会を開催したところであります。市町村においては、県民投票の事務の実施に係る補正予算の計上など準備に向けて取り組んでいるところであります。
県としましては、市町村と緊密な連携を図りながら、その実施に万全を期すとともに、賛否を判断するために必要な広報活動及び情報の提供を行ってまいります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 企画部長。
〔企画部長 川満誠一君登壇〕
○企画部長(川満誠一) 2、次期沖縄振興計画の考え方についての中の(1)、次期振興計画の考え方についての御質問にお答えいたします。
これまでの沖縄振興諸施策の推進により、沖縄の社会経済は好調を持続していますが、県民所得の向上等はいまだ十分ではなく、自立型経済の構築は、なお道半ばにあります。次期振興計画の策定に当たっては、アジアのダイナミズムを取り込み、沖縄の高い発展可能性を顕在化させる視点が重要であると考えております。また、離島振興、米軍基地問題の解決、跡地利用、公共交通など、固有の重要課題が残されていることから、その解決に向けて、国の支援、協力は今後とも必要であると考えております。
県では、これまでの沖縄振興計画等の総点検作業に今年度着手したところであり、沖縄を取り巻く社会経済情勢や政策課題等を検証するとともに、新沖縄発展戦略を総点検等に反映させ、次期振興計画の検討を進めてまいります。
同じく2の(2)、一括計上方式の見直しについての御質問にお答えいたします。
沖縄振興予算は、各省庁の予算を内閣府沖縄担当部局に一括して計上する仕組みとなっており、他県にはない独自の仕組みとなっております。一括計上方式は、各省計上方式に比べ、国への国庫要請を内閣府沖縄担当部局に一括して行うことが可能であり、また、年末の政府予算案の決定を受けて、県の予算編成へ反映させやすいなどのメリットがあります。このような予算計上の仕組みは、沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興計画に掲げた各種施策を総合的かつ計画的に推進するため必要であると考えております。
同じく2の(3)、次期振興計画策定のスケジュールについての御質問にお答えいたします。
県では、今年度から、これまでの沖縄振興計画等に基づく各種施策や沖縄振興特別措置法に基づく特別措置等について、課題及び対策等を検証するとともに、新たな沖縄振興に必要な制度等を整理するため、総点検作業に着手しております。今後、新沖縄発展戦略を総点検等に反映させ、平成31年度以降、これらの結果を踏まえ、次期振興計画のあり方等を総合的に検討しながら国との調整等を進めてまいりたいと考えております。
3、次年度に向けた取り組みについての中の(2)、平成31年度税制改正要望の見通しについての御質問にお答えいたします。
沖縄振興税制は、県内産業の振興を推進する制度として設けられており、県といたしましては、期限を迎える7制度の3年間の延長及び航空機燃料税軽減措置の対象地域に下地島を追加すること等を要望したところです。去る11月13日に開催された沖縄振興調査会及び美ら島議員連盟合同会議において、平成31年に期限を迎える7項目の沖縄振興税制の2年間延長と、航空機燃料税軽減措置の対象地域に下地島を追加することが重点要望事項として決定されました。
県といたしましては、それぞれ必要な制度として御理解をいただいたものと考えており、最終決定に向けて、引き続き、関係団体とも連携して取り組んでまいります。
以上であります。
○議長(新里米吉) 総務部長。
〔総務部長 金城弘昌君登壇〕
○総務部長(金城弘昌) 3、次年度に向けた取り組みについての御質問の中の(1)、平成31年度沖縄振興予算の確保についてお答えします。
沖縄県では、沖縄振興予算を効果的に活用し、沖縄らしい優しい社会の構築と自立型経済の構築に向け、各種施策を展開しているところであり、その確保は重要であります。概算要求のなされたことを踏まえ、引き続き、内閣府沖縄担当部局を初め関係機関との連携を密にし、知事を先頭に、概算要求額3190億円の満額が確保されるとともに、沖縄振興一括交付金1253億円以上の額が確保されるよう取り組んでいるところであります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 御答弁ありがとうございました。
知事は就任早々、早速訪米をし、そしてこれまでと違う行動もいたしました。
まず最初に、ニューヨークを訪問しニューヨーク大学での講演あるいはまた市民団体との交流、講演会等々精力的に頑張っていただいたと思います。その狙いは、辺野古が唯一という日米両政府の方針を米国世論に訴えて、そしてその方針を何とか変えることができないかということで新たな手法としてニューヨークを選び、文化芸術の中心地あるいはまた自由と多様性を重んじるそういう町の皆さん方に訴えてきたということでありました。その手応えはいかがでしたか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) お答えいたします。
ニューヨークにはたくさんの沖縄県系の方々が住んでいらっしゃるということと、議員おっしゃるように多様性あふれる町であるということ、そして何といってもアメリカの経済の中心地でもありますし、ニューヨークから情報が発信されるということがいち早く全世界のトップニュースとなって広がっていくということなどなど、これからの沖縄県と沖縄県の抱える問題の解決をより多くの方々に理解を広げていくためにニューヨークから今回は訪米をさせていただくことになりました。ニューヨーク大学での講演、県系人の方々との交流も非常に活気あふれる意見交換もさせていただきましたが、わけても国連の軍縮担当でいらっしゃる中満泉事務次長に面談がかなったこと。そこで私もさまざまな平和に関する問題、あるいは沖縄における沖縄平和賞などの取り組みのお話などもさせていただきながら、また次につながる国連との積極的なネットワークづくりをしていくための大切な、そして貴重な訪米であったというふうに思っております。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 そういう玉城知事の精力的な米国市民の皆さん方への訴え、何とか協力を広げていきたい、そういう思いというのは非常に評価いたします。しかし現実は、その後訪問したワシントンでは、国防省の関係者と意見交換をし、そして沖縄の現状の報告、あるいはまた日米両政府の方針に対する知事の思い等々力強く訴えたということを報道されております。しかし残念ながら会談の直後に米国務省は、この普天間の代替施設建設は揺るぎないコミットメントであるという声明を発表して、知事の思いに冷や水をぶっかけるようなそういう動きがありました。そのことについてこの日米両政府の厚い壁、そして閉ざされたその扉、それをこじあけるために知事としての次の一手、どういうふうに考えますか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) おっしゃるとおり、確かにこの辺野古が唯一であるという計画は、アメリカ側も日本政府と同じ立場であるという報道がされております。他方、やはりワシントンDCでも意見交換をさせていただいた有識者の方々や沖縄県系人の方々、あるいは沖縄に非常に愛情を持って関心を持っていらっしゃる方々の中からは、アメリカ政府に対して自分たちは何ができるだろうかという前向きな提言といいますか御意見もありました。ですからそこは、やはりアメリカに住んでいらっしゃる方々が自国の政府に対して、沖縄と日本政府がしっかりと向き合うようにということと、アメリカもこの問題では当事者の一人であるということをしっかり認識すべきだということでの発信をしていただきたいということなど、政府の厚い壁とは打って変わって、国民の皆さんは非常に温かいそういう協力の和をつくっていただくという手応えもいただきました。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 その思いはわかるんですけれども、それは市民の好意的な反応であって、やはり目的とする日米両政府のその厚い壁をどのような形で突破できるのかということが問われるわけです。ただ足を運んで向こうでPRしてきました。いろんなことを話してきました。何も成果はなかったですと、この繰り返しでは、具体的な課題解決には全くつながらないわけです。ですからそういう意味で、知事は常々対話を強調して、対話で解決を図っていきたいということでこの議会もずっとそのことを強調しておりますけれども、知事がおっしゃるその対話で解決というのは具体的にはどういうイメージですか。
知事がお答えください。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 私は、特にこれというイメージがあるわけではありませんが、相対する方とどのような問題あるいはどのような課題があり、あるいはお互いの関係性の中で何が今一番会話の中で必要とされているのかということを事前に調査をしながら、そしてそのために資料をそろえ、きちんとそのもとにおいて対応させていただいております。
ですから先ほどは、私の一方的な対話の姿勢では協力関係をつくるのは厳しいのではないかというふうな議員からの意見もありましたが、その対話を積み重ねることによってより問題点が見えてくる、あるいはお互いの距離感が縮まっていく、その対話の数もやはり重要になってくると思っております。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 私は残念ですね。知事が具体的に対話で何を解決して、どういうイメージで、どういう構想で対話を求めていくか、このことはちゃんと自分のイメージの中に戦略としてあるべきだと思います。それがないというのは、非常に残念です。
私もこの普天間・辺野古問題については、従来一貫して県外・国外移設を求めるという主張をしてまいりました。海兵隊の役割、訓練のあり方などを考えると沖縄でなくてもいいと私は今でも思います。しかし、日米両政府が辺野古が唯一という姿勢を変えずに工事を進めている。このままだと県のほうが国地方係争処理委員会に申し出る。あるいはまたこれまでの経緯を踏まえるとそれが県の思うようにかなわない。そうなると次はまた法定闘争に移るであろう、そういう見通しができるわけです。ですからそういう中で具体的に課題解決、問題解決につなげていくために、対話というものを重んじる玉城知事が具体的にどういう構想を持って臨むかということは、非常に重要なことです。このままだといろいろな議論があるように、結局翁長前知事が一生懸命命をかけて取り組んできた。しかしながらその厚い壁に阻まれて全くその問題の課題解決に至らなかった。玉城知事が同じことをやるのであれば、同じことが向こう4年間続いていくということは、容易に見通せるわけです。ですから翁長知事のそういうやってきたことを踏まえながら新しく玉城知事なりの手法、構想、解決の手法というものを提起すべきではないですか、いかがですか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 確かに議員のおっしゃるとおりだと思います。私が先ほど対話についての具体的なイメージはないというふうに言いましたのは、私自身がある種の固定観念を持ってステレオタイプ的に、これはこうである、こうでなければならないということを重く見るよりも、相手に対して自分が今何を訴えるのかということを常にブラッシュアップしていくという意味での固定観念がないという形で捉えていただければ、議員おっしゃるとおりやはりより具体的にその場に臨んではより一つ一つの目的を持って言葉を選び、相手に対してしっかりと要求をし、相手の話を聞くという初めて対話の準備ができるものというふうに考える次第です。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 知事、対話というのは私がイメージするにやはり相手がいる、自分がいる、その中で交渉するわけです。交渉するときにこちらの主張がある、相手の主張がある。その主張をお互いに交わし合いながらどこでお互いに歩み寄れるのか。こちらが歩み寄れる部分はどこまでなのか。相手にはどこまで歩み寄ってほしいのか。こういう具体的なことを構想として戦略として持たないとお互いにただ主張しっ放し、相手も主張しっ放し、そして事はそのまま運ぶ。これで険悪な国と県の関係はそのまま問題、課題を積み残したまま進んでいく、時間だけが進んでいく。こういうことになるわけです。今の玉城知事の姿勢だとそうしか見えない。この局面をどう打開するのか。対話というものを武器にしてやるんだったら、そこまで考えて具体的な構想を持たなきゃいけないんじゃないですか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) まさにおっしゃるとおりだと思います。それを心がけようというふうに思っております。
○金城 勉 その中身を説明してくださいよ。
いやいや謝花さん、これは知事にちゃんとやってもらわないと。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 大変失礼いたしました。
私は何か具体的に問われているのかということではなく、対話のポリシーというものについて問いかけられているものだというふうに思っておりますので、そのようにお話をさせていただきました。
よろしければまた御質問の中で御示唆いただければと思います。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 ポリシーは当たり前の話です。お互いに共通して共有している認識です。しかし相手と交渉するに当たっては具体的に自分なりの解決策、自分なりのその問題の互いの歩み寄りの手法、内容、そういうことを具体的に進めていかないと、全く事は前に進まないということは、翁長県政のこの期間が示しているじゃないですか。そこを学習した上でよりステップアップした交渉をどうするかということですよ。だから、それを私は玉城知事には求めたい。そして幸い玉城知事も自分は保守・中道の政治スタンスでやっているということをおっしゃっているわけですから、やはり一部そういうオール・オア・ナッシングでやっている皆さん方もいらっしゃいますから、そういう主張とは違うというふうに私は受けとめております。自分の主張を100%相手がのんでくれなければ歩み寄りはできないということではないでしょう、保守・中道のスタンスというのは。ですから、そこをしっかり今後構想を練っていただいて、対話を政府に求めるのであればその具体的な内容というものを準備して臨んでいただきたい。これは今後もまた議論を深めていきたいというふうに思います。
次に、県民投票について。
私は今回の県民投票、マスコミでも注目されて全県民が注目しているこのテーマですけれども、米軍基地関係特別委員会で私が特に強調したのは、全会一致でこれは決めるべきだと。これを多数決でやったら後々いろんな問題が出てきますよと。与党の皆さん数で押し切るようなことをやったら、後で悔いを残しますよということをさんざん強調した。しかし与党の皆さんは聞く耳を持たずに多数決でいいんだということで決着をしてしまった。しかし、これから市町村に協力をお願いしてその予算を委託して議会に諮る。そのときにいよいよ問題が噴出してきた。
公室長、この現状をどういうふうに認識しておりますか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 複数の市議会等で県民投票の実施に反対する意見書が可決されていることは私どもも把握しております。私どもは条例の施行に伴いまして、県及び市町村とも条例を実施する義務を負うものでありますので、市町村と連携しながら説明については丁寧にやってきまして、41市町村全てで実施できるように取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 できませんよ。情報入っていますか。きょううるま市議会でこの予算案、否決されたそうですよ、第1号。(「委員会、委員会」と呼ぶ者あり) うるま市と言ったよ。失礼、うるま市議会、(「委員会」と呼ぶ者あり) 委員会か、その予算案が否決されたということを今聞きました。だからそういうことが起こってきております。
それで公室長、結局この県民投票条例は、各市町村に委託をして首長がそれを受けて議会に諮って可決されれば問題なくスムーズに県民投票の事務が執行されます。問題は否決されたときにどういうふうに推移していきますか、具体的に説明していただけませんか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
私どもは、この県民投票に関するものは市町村長は執行を管理する義務があるものと考えております。議会が事務の管理執行に必要な補正予算を否決した場合には、市町村長は理由を示して再議に付すべきものと考えております。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 きのうから議論があるように、これは177条の条項に基づいているわけです。一方で議員から提案というか質問があったように、176条で根拠を求めるべきではないかという話もありました。その整理は、総務省とも連携を図りながら整理する必要があると思うんですけれどもどうですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
県民投票に関する経費、177条第1項第1号の義務に属する経費というふうに私どもは考えております。それにつきましては、11月15日に総務省自治行政局に対しまして、条例で地方自治法第252条の17の2の規定により市町村が処理することと定め知事が期日を告示したら確実に処理する必要がある事務であるため、自治法第177条1項1号のその他の普通地方公共団体の義務に属する経費に該当するものという解釈について照会を行いました。総務省からは、県民投票に係る経費については各自治体での条例の定めるところによるという回答を得ております。
私どもはこれは義務であるというふうに考えている次第でございます。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 じゃ総務省ともすり合わせの上で今の177条を基本にして条例を執行しているという理解でいいですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) そのように考えております。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 じゃそれを前提とした場合、その市町村議会で1回目で提案したものが否決されて、首長は再議をしなければならないということで再議をした。改めて否決された場合の次の手順はどうなりますか。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後2時49分休憩
午後2時49分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 177条の第2項ですが、前項1号の場合において――これは義務的経費を否決した場合でございますけれども、「議会の議決がなお同号の掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その経費及びこれに伴う収入を予算に計上してその経費を支出することができる。」というふうに規定されております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 これは、177条の2項のできる規定ですね。支出をすることができるということは、首長の判断で支出をしなくてもいいと理解していいですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 繰り返しになりますが、条例の施行により私ども県、市町村ともにその実施を行う義務があるものというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 私の質問に答えてくださいよ。
じゃ執行しなかった場合はどうなりますか。首長が予算を支出しなかったらどうなりますか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 法律上私ども自治法に従って市町村長においてもそういった再議に付し、再議によって否決された場合にはそれを執行する義務というふうに考えております。法律に基づく行政を行う責任が市町村にもあるというふうに考えてございます。
○金城 勉 質問に答えてよ。私は執行しなかったらどうなるんですかと聞いているんですよ。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後4時50分休憩
午後4時51分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
地方自治法では、関与に関する規定が幾つかございます。例えば地方自治法第245条の4では技術的助言あるいは勧告が定められております。また、地方自治法第252条の17の4におきましては是正の要求等が認められておりますので、そういった措置をとることも想定されます。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 それでもなお執行しなかったらどうなりますか。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後4時52分休憩
午後4時53分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 是正の要求というのは、市町村に対して法律上必要な措置を講ずるべきことを求める規定でございます。これはきちっとした法的な根拠に基づいて行うものである以上、市町村も当該要求については尊重する義務があるというふうに考えております。ただ法的にはこれ以上の措置というものは、今私どもは考えておりません。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 それ以上の措置はできない、やらないということですね。この県民投票条例について提案者の皆さん方が――県民投票の会の皆さん方が極めて過激な動きをしておりますね。去る5日に県民投票の会の皆さん方が石垣市議会を訪ねて、議員の皆さん方と意見交換をするという場面があったようですけれども、その内容については把握されておりますか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 私ども新聞報道等により一応それは把握しております。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 その内容について県としてどのように認識、評価をしておりますか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 民間の団体の活動であり、私どもから言及は差し控えたいと思いますが、賛成であれ反対であれ、そういった投票運動の際には、節度を持って良識ある行動をとっていただきたいというふうには考えております。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 そうですね。この地元の新聞に細かくそのときの模様が報道されておりますけれども、冒頭からもうけんかを売っているんですね、その県民の会の皆さん方は。もし石垣市において投票事務が行われないことになったら違法になりますよと。損害賠償請求も可能になりますよと。話し合いじゃないですね、これ。さらには、市町村にはイニシアチブは全くない、知事が権限を持っている。本来は知事がやるべき事務を市町村に委託してやらせる。やらせることだから市町村には全くそんなイニシアチブはない、権限はない、こういう発言をしているんですね。本来だったらこの皆さん方は、各市町村を訪ねるのであれば、その県民投票が実現できるように協力を求めるのが筋じゃないですか。こういうことでけんかを売って協力なんか求められますか。それについて県は、やはりちょっと控えてくれとか何らかのアドバイスをすべきではないですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 繰り返しになりますけれども、民間団体の活動であり、直接私どもからそのような申し入れを行うことにつきましては、今直ちにということは考えておりません。少し検討させていただきたいと思います。
○議長(新里米吉) 金城 勉君。
○金城 勉 検討してください。
次に、沖縄振興計画についてでありますけれども、ちょっと時間なくなりました。
これまで5次の50年間にわたって沖縄特別措置法をつくっていただいて、国も県も協力をしながら鋭意進めてまいりました。しかし残念ながらいまだに県が目指す沖縄の自立に至っていない。ここまで16兆円ものそういう国からの予算を投下したけれども、さまざまなデータが沖縄の厳しい現実に直面している。そういう状況の中で、従来のような改めてその延長線的な発想で次の10年計画を考えるのか、ここはいろんな形で見直しをし、発想を変える必要があるのではないかと思います。また次の機会に議論を譲ります。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
〔上原 章君登壇〕
○上原 章 こんにちは。
公明党会派の上原章でございます。
通告に基づいて質問を行いたいと思います。
初めに、防災対策についてお尋ねします。
(1)、本年は相次ぐ台風被害で県民生活に大きな影響が出ました。特に離島における物資の不足、長時間の停電、農作物の被害、インフラの整備等、極めて深刻です。被害状況、復旧、対策強化について伺います。
(2)、座間味村の阿嘉島と慶留間島をつなぐ唯一の生活道路が台風被害で一部陥没した。早急な対策が必要と思うが取り組みを伺います。
(3)、防災ヘリ導入の取り組みを伺います。
次に、福祉・医療行政についてお尋ねします。
(1)、子育て世代包括支援センターについて、知事は全市町村に設置するとしているが取り組みを伺います。
(2)、地域子ども・若者支援活動補助事業の効果、今後の取り組みを伺います。
(3)、日常的に医療的なケア(医療的ケア児)が必要な子供がいる家庭の孤立を防ぐため、県は実態把握に取り組み、支援体制を整えるとしているが、現状、課題、対策を伺います。
(4)、小児救急電話相談(#8000)について、県は拡充を図る取り組みをしているが、内容と効果を伺います。
(5)、医師不足の現状、対策を伺います。
(6)、海外の医科大学で医学の課程を履修し、県内の医療機関において将来医師の業務に従事する者への支援が図れないか伺います。
(7)、名護市の久志診療所が明年3月末閉鎖との報道があるが、地域の区長会から、住民及び地域に存在する介護施設利用者にはかり知れない不便が生じるとの切実な声があり、継続が求められています。見解と支援の取り組みを伺います。
次に、教育行政についてお尋ねします。
2017年、県内の小・中・高で対教師や生徒間、器物破損などの暴力行為発生件数が前年度から597件ふえ、過去最高の2042件に上り、欠席が年間30日以上となる不登校は小中で2589人、前年比176人と小・中・高と特別支援学校のいじめの認知件数が1万2580件、前年度比98件増、暴力行為、不登校、いじめのいずれも過去最多を更新したとのこと、厚労省による調査結果が報告されました。極めて深刻な状況だと考えます。
そこで質問です。
(1)、県内のいじめ認知件数が過去最多との報告があるが、全国との比較、要因、対策を伺います。
(2)、国が取り組む補正予算、公立学校へのエアコン設置について、体育館を排除するものではないとしています。気温が高い本県において、体育館へのエアコン設置は必要と思うが、見解と取り組みを伺います。
以上です。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
〔知事 玉城デニー君登壇〕
○知事(玉城デニー) 上原章議員の御質問にお答えいたします。
福祉・医療行政についてに関する御質問の中の2の(1)、子育て世代包括支援センターについてお答えいたします。
母子健康包括支援センターは、妊産婦及び乳幼児の健康、経済及び社会的状況などを包括的かつ継続的に把握し、助言や訪問支援等を行うほか、関係機関との連絡調整を行うことになりますので、妊娠期から子育て期まで、切れ目なく必要な支援を受けられる体制が整備されることになると考えております。県では、市町村がそれぞれの実情に応じた母子健康包括支援センターを設置することができるよう、研修会の開催、個別具体的な助言を行うなど、今まで以上に市町村に対する支援をしっかり実施していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、部局長から答弁をさせていただきます。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
〔知事公室長 池田竹州君登壇〕
○知事公室長(池田竹州) 1、防災対策についての(1)、相次いで来襲した台風第24号、第25号の被害状況と対応についてお答えします。
台風第24号では、人的被害50名、住家被害8件、土砂崩れ3件、公立学校等の一部損壊、大規模な停電及び通信ふぐあい等の被害報告があり、台風第25号では、人的被害10名、土砂崩れ2件等の被害が報告されております。台風第24号、25号による農林水産関係の被害は、11月29日現在、約26億8084万円、公共土木施設の被害は約16億円となっております。県は、2つの台風来襲前から災害対策本部を設置し、県民に対し、暴風や大雨に十分警戒するよう注意喚起を行いました。今後とも引き続き、市町村と連携し全庁的に災害復旧支援を行ってまいります。
次に1の(3)、防災ヘリ導入の取り組みについてお答えします。
消防防災ヘリコプターについては、昨年度沖縄県消防防災ヘリコプター調査検討委員会において、導入の方向性などが示されました。これを受けて、各市町村長に直接説明を行ったほか、市町村幹部を対象にこれまで2回の説明会を開催し、導入の方向性等について意見交換を行うとともに、ヘリ基地に適する土地の照会を行ったところです。また、9月にはシンポジウムを開催し、県民への周知を図っております。来年2月ごろには3回目の説明会を開催し、意見交換を行い、年度内をめどに市町村との合意形成を図り、導入の方向に決定したいと考えております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 土木建築部長。
〔土木建築部長 上原国定君登壇〕
○土木建築部長(上原国定) 1、防災対策についての御質問のうち(2)、座間味村道の災害復旧工事についてお答えいたします。
座間味村道慶留間阿嘉線については、台風25号による波浪の影響で路面が崩壊し、19日間通行どめとなりましたが、応急工事により、現在、片側交互通行となっております。災害復旧工事については、年度内に着手し、おおむね6カ月程度で完成予定とのことであります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 子ども生活福祉部長。
〔子ども生活福祉部長 大城玲子さん登壇〕
○子ども生活福祉部長(大城玲子) 2、福祉・医療行政についての御質問の中の(2)、地域子ども・若者支援活動補助事業についてお答えいたします。
地域子ども・若者支援活動補助事業は、地域における子ども・若者支援体制の充実を図ることを目的に、支援実施団体の活動に対し補助金を交付する事業となっております。平成29年度においては、5団体に補助を行い、相談及び居場所づくりで218人、各種活動プログラムの実施で62人、訪問支援で53人を支援いたしました。この事業は、県の子ども・若者総合相談センターである子ども若者みらい相談プラザsoraeと連携した、各地域における支援体制づくりに成果を上げていますので、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
同じく2の(3)、医療的ケア児の現状、課題及び対策についてお答えいたします。
医療的ケア児の現状としましては、県が市町村を通じて調査したところ、平成30年4月1日現在、207人となっており、身近な地域で適切な支援が受けられる体制を整備することが課題と認識しております。
県としましては、各市町村に対し、保健・医療・福祉・教育等の各関係分野が連携する協議の場の設置を働きかけるとともに、医療的ケア児を支援する人材の養成研修や、受け入れ事業所を拡大するために、医療機器等の購入費用を補助し、レスパイトケアを推進する事業を新規に実施しております。引き続き、沖縄県障害児福祉計画に基づき、医療的ケア児とその家族が在宅で安心して生活できるよう、市町村など関係機関と連携し、取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
〔保健医療部長 砂川 靖君登壇〕
○保健医療部長(砂川 靖) それでは、2の福祉・医療行政についての御質問の中の(4)、小児救急電話相談についての御質問にお答えします。
沖縄県では、小児救急医療機関の負担軽減を図ることを目的に、平成22年度から♯8000を設置し、子供の急な病気やけがなどの相談に応じております。平成30年10月からは、相談時間を平日19時から翌朝8時までの13時間、土日・祝日は24時間と大幅に延長するとともに、19時から23時までの4時間は2回線に拡充し、相談体制を強化しております。相談件数は、平成29年と平成30年の10月分で比較した場合、588件から1373件と約2.3倍に増加しており、保護者の育児不安の解消及び救急医療機関の負担軽減につながっているものと考えております。
次に、(5)の医師不足の現状及び対策についての御質問にお答えします。
本県の医療施設で従事する医師数は、平成28年末現在、人口10万人当たり243.1人となっており、全国平均240.1人を3.0人上回っております。県全体の医師数は増加傾向にありますが、2次医療圏ごとに見た場合、南部医療圏以外では、人口10万人当たりの医師数は全国平均を下回っております。
県としましては、自治医科大学への学生派遣、琉球大学医学部地域枠、県立病院における後期臨床研修医の養成等により、特に医師不足が著しい離島及び僻地の医療機関で勤務する医師の確保に引き続き取り組んでいきたいと考えております。
次に、(6)の海外医科大学卒医師等への支援についてお答えします。
海外医科大学で医学の課程を履修し、日本の医師国家試験に合格して医師免許を取得した医師が、県内の医療機関で臨床研修を受ける事例があることは承知しております。
県としましては、このような医師に対する支援につきましては、各医療関係者の意見を聞きながら、その必要性について検討していきたいと考えております。
次に(7)、久志診療所に対する支援等についての御質問にお答えします。
北部地区医師会が運営する久志診療所は、周辺に医療機関がなく、地域住民にとって唯一の医療機関であり、地域医療の確保に大きな役割を果たしていると認識しております。今後、名護市から久志診療所の存続に向けた相談があれば、前向きに対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 教育長。
〔教育長 平敷昭人君登壇〕
○教育長(平敷昭人) 3の教育行政についての御質問で(1)、いじめの増加要因と対策についてお答えいたします。
平成29年度文部科学省の問題行動等調査によりますと、本県の国公私立学校におけるいじめの認知件数の総数は1万2580件となっております。全国との比較で申し上げますと、沖縄県においては1000人当たり60.7件、全国が30.9件となっております。本県のいじめの増加要因としましては、児童生徒、教師、保護者ともに、ささいないじめも見逃さず、積極的に把握した結果であると捉えております。
県教育委員会としましては、沖縄県いじめ防止基本方針に基づく早期発見・早期対応などの取り組みやスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、小中アシスト相談員等を活用した学校における生徒指導の充実に努めてまいります。
次に同じく3の(2)で、公立学校の体育館への空調設置についての御質問にお答えいたします。
国が創設した臨時特例交付金は、熱中症対策として空調整備を早急に進めることとしていることから、市町村においては、同制度の活用に当たり、整備のおくれている普通教室を優先し、体育館への整備は計画しておりません。平成30年9月1日現在における公立学校の体育館における空調設置の割合は、小学校で2.0%、中学校で3.0%、高等学校及び特別支援学校では設置なしとなっていることから、体育館への空調整備は、今後の課題と考えております。
以上でございます。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 御答弁、大変ありがとうございました。
幾つかの再質問をさせていただきたいと思います。
まず、防災についてなんですけれども、この慶留間の陥没について、現地の役場のほうにも問い合わせをしたら、非常に日常生活の中でこの道路は本当に必要不可欠で、来年の夏までに復旧をさせていこうということだと聞いております。テトラポットも今までの大きさではもたないということで、大き目な形で予算を組みたいと言っております。本当にこれまでのような対策では、また同じような台風が来るたびにそういう災害につながるんじゃないかなと思うんです。ですからぜひ県は、村と国だけに任せるんではなくて、県がしっかり現地も把握しながら一緒に取り組んでいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
○議長(新里米吉) 土木建築部長。
○土木建築部長(上原国定) お答えいたします。
慶留間阿嘉線、被災を受けて私も現場のほう確認してまいりました。座間味村としっかり協力をしながらやる必要がある非常に大きな災害だと痛感しております。テトラブロックのテトラの大きさですとか、そういったものも改良しながら、二度と同じような被災を受けることがないようにしっかり復旧していかなければならないというふうに思っております。体制をしっかり組んで一緒になって取り組んでいきたいというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 よろしくお願いします。
あと相次ぐ台風も本当に今島々では特に物資の不足で、観光客も含めて大変な難儀をしたと聞いております。一つ一つの課題を県がしっかり現地と連携とってやっていただきたいと要望します。
あと防災ヘリについてなんですが、今市町村と合意形成を図っていると。これ本当に市町村の協力がなければなかなか実現できないと思っております。その辺の見通しはいかがですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) お答えします。
今、第2回説明会のほうを11月に開催したんですが、そこで意見照会の結果を各市町村に報告しております。全ての項目につきましておおむね3分の2以上の賛同を得ておりますが、特に主な活動でありますとか、配備数、配備場所については9割以上、運航範囲、運航体制、隊員の派遣期間などについても8割以上の賛同が得られております。一方で一部ですけれども、経費面の負担の懸念とかが示されていますので、その辺はもう一度さらに丁寧に市町村と協議をしていきながら、41市町村全てで防災ヘリ導入に向けて合意が得られるように推進していきたいと思っております。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 県内の消防隊員は、全国と比較しても十分ではないと聞いております。そういう意味では、各地域の消防隊員をどう育成し、また確保していくかというのを県がしっかり取り組まないといけない部分だと思うんですがいかがですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 平成27年度の消防職員の充足率は61.9%で全国よりかなり低く、全国最下位となっております。それでも前回――3年に一度の調査ですが、平成24年よりは4ポイント近くは上昇しておりますし、毎年消防職員は、市町村も厳しい財政状況の中、必ず人数がふえている状況にあります。一方で、航空隊員は消防職員を充てるということになっておりますので、今、8名想定しているんですが、その8名をきちっと航空隊に派遣していただくためには、やはりもう少し市町村もその消防職員の充足率を上げていくような努力を図る必要があるというふうに考えております。引き続き市町村、あるいは市町村消防部局と連携して充実に取り組んでいきたいと考えております。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 この航空隊員の8名、もしくは9名になるかなと思うんですが、その方々が実際ヘリが導入された折の人件費の負担はどこが受けるんですか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 消防防災ヘリの費用負担につきましては、まずヘリそして航空基地の整備につきましては全て県で、あと毎年ヘリは60日くらい点検等が必要になりますけれども、その辺の管理運営に要する経費と、あと管理者につきましては県の職員が充てられるということになっていますので、そこも県がやります。派遣していただく職員につきましては、各県の事例も参考にしておりますけれども、各市町村の負担でという形で今は調整をしているところでございます。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 この各市町村の負担分が現場では非常に合意形成の中で課題じゃないかなという声もあると思うんですよ。この辺はもう少し県がしっかり負担を軽減できる仕組みはつくれませんか。
○議長(新里米吉) 知事公室長。
○知事公室長(池田竹州) 今、市町村の合意形成というか、集団で取り組んでいるものとしては、ニライ消防本部のほうにある指令センターがございます。あちらも三十数市町村の職員が――これは市町村主体でやっていますけれども、それぞれで負担割合を定めてやっているということで、私どもそこの配分例とか、そこら辺も示しながらやっているところでございます。いずれにしても、その辺は丁寧に市町村とも意見交換していきながら進めていきたいと思います。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 知事、このヘリの導入は知事の公約でもあります。それで3月、この検討委員会が100ページ近い調査報告、私も目を通したんですけれども――インターネットでも見られますけれども――非常に多岐にわたってこの議論を重ねてきております。その中に、今後のあり方、方向性、導入の可否という部分で、この検討委員会を4回開催し、この導入に対する可否についてほぼこれは必要だというような部分がございます。いろんな角度から検討して、今全国で導入されていないのは、佐賀と沖縄――佐賀も32年には導入するということを聞いております。ぜひこの導入については、知事の決意をお聞かせ願えませんか。
○議長(新里米吉) 玉城知事。
○知事(玉城デニー) 今公室長からもろもろ説明をさせていただきましたが、できるだけその関係市町村との意見交換を行って、導入に向けて現実的にしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 よろしくお願いします。
平成27年にヤンバルの3つの村からこれ陳情が出てここまで来ているわけでございます。具体的に大きな事故があって、長時間対応ができなかった事例があって、沖縄のこの防災ヘリというのはどうしても必要じゃないかなと私も思っておりますので、よろしくお願いします。
次に、福祉行政について、これも知事の公約ですけれども、子育て世代包括支援センター、今県内の何市町村にできておりますか。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
○保健医療部長(砂川 靖) 母子健康包括支援センターとして設置している団体、5団体ございます。ただ、そういう名称を使ってはないんですけれども、市町村の認識として、既にそういうセンター機能を果たしているという施設を持っているというところが8団体ございます。
以上です。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 先ほど研修会等支援をしていくという話、これまで開催したと思うんですが、具体的に何市町村参加していますか。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
○保健医療部長(砂川 靖) 市町村等はおおむね全市町村参加しております。私どもとしては、この法律によって32年度末までに、市町村はセンターを設置する努力義務がございますので、それをやってもらうためにも、市町村によってはいつ設置するというふうに考えているところですけれども、まだ時期が未定とか、あるいは予定がないというような団体がございますので、そういう団体も取り組めるように情報提供とか、専門家を招聘してその方の話を聞いてその設置の機運を盛り上げていきたいというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 全市町村にぜひこれを設置したいということを考えると、先ほど個別具体的な支援を考えていきたいと。具体的に、非常に今各市町村、大変厳しい財政で行政を運営しているんですけれども、財政の支援というのも考えられますか。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
○保健医療部長(砂川 靖) 現在でも、例えば開設する前の準備経費について補助しておりますし、開設した後の専門職員の人件費についても補助しているというようなところでございます。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 この専門職員の補助というのは何%ですか。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
○保健医療部長(砂川 靖) 国と県で持っていまして、市町村分もあるんですけれども3分の1、ただ市町村に対してはうちの貧困対策基金のほうから支援しておりまして、最終的に市町村の負担は12分の1になっているというふうに考えております。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 子供の多い沖縄県ですので、ぜひしっかり前進させていただきたいと思います。
それから地域子ども・若者支援活動補助事業、これは民間の非営利団体の皆さんが一生懸命頑張っているわけですけれども、この事業は期限がありますか、この1事業者に対する。
○議長(新里米吉) 子ども生活福祉部長。
○子ども生活福祉部長(大城玲子) この事業は、地域における子ども・若者支援体制の充実を図ることを目的としていますので、さまざまな団体が受けられるようにという機会の確保ということもございまして、応募者資格要件はこれまで年数制限をしてきたところでございます。本島地域においては3年、離島地域においては5年ということでこれまではやってきてございます。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 多くのそういう関係団体にも取り組めるような幅を持つ、これは理解できます。ただ、これまで積み上げてきた実績があるわけです。しかもその相談を受けている若者、非常に大変な環境で生活をしているような事例が多いと聞いております。そういう意味では本当に丁寧に相談員、いろんな形でかかわっている。期限がもう来たからじゃ終わりで、せっかくこれまで積み上げてきた事業がそこで打ち切られるというのは、これもう少し幅を持ってしっかり評価をするところの事業所は継続できるような道をつくるべきではないかなと私は思うんですが、これもし打ち切られたらスタッフもそこでまた解散という形になるとも聞くんですが、いかがですか。
○議長(新里米吉) 子ども生活福祉部長。
○子ども生活福祉部長(大城玲子) 議員おっしゃるように、年限につきましてはある程度幅を持たせてというところも必要な場合もあるかと思います。これにつきましては、各年度年度で募集の段階から事業者に対しても御説明はしているところですけれども、地域の実情も踏まえまして、適切に対応できるように検討してまいりたいと思います。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 よろしくお願いします。
あと医療的ケア児の実態調査ですが、ゼロ歳から5歳の潜在化した部分の掌握も問題提起されています。先ほど実態調査で207名出ていると聞いておるんですが、見えないところの部分もあると聞いておりますが、いかがですか。
○議長(新里米吉) 子ども生活福祉部長。
○子ども生活福祉部長(大城玲子) 今回の調査につきましては、市町村に対して例えば障害児のサービスであるとか、そういうところを拾って調査しておりますので、全部拾えているとは私どもも思ってはおりません。医療的ケア児を把握するに当たっても、県でも協議の場を設けておりますが、市町村でも協議の場を設けることになっておりますので、その中できちんとした把握ができるように努めてまいりたいと思います。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 御家庭、保護者やその子供さんが孤立しないようにということで、今回実態調査をし、どのような手当てをしていくかというこれ非常に大事なところだと思うんですが、特にいろんなこの医療的ケアが必要なお子さんを持っている御家庭というのは、緊急に、例えば……
ちょっと休憩。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後5時31分休憩
午後5時32分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
○上原 章 この医療的ケアについて、例えば、呼吸器がいろんなそういう機械がどうしても必要なときに長期の停電が起きた場合とか、そういう酸素とかが必要なときに病院に問い合わせするけれどもなかなか届かないときがあったり、また学校で看護師さんがいないところではどうしてもお母さんがこのたんをとらなくちゃいけない。いろんな現状で、本当に苦労されているのも聞いております。ただ、そういう意味では緊急に何か起きたり、また本当に現場がこれを求めている、キャッチできる窓口、または専門コーディネーター等の配置とかも必要ではないかと思うんですがいかがですか。
○議長(新里米吉) 子ども生活福祉部長。
○子ども生活福祉部長(大城玲子) その医療的ケア児の対応につきましては、市町村でも施設が整っていたり、そうでなかったりいろいろな場合がございますので、市町村の協議の場というのは非常に大切なものになると思います。県でも協議の場を立ち上げたところでございますので、市町村でこういう細かい協議の場でできるような体制をとるように努力したいと思います。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 よろしくお願いします。
あと海外対象の医師修学研修についてなんですが、医者を目指している沖縄のお子さんが、海外で実際6年間一生懸命頑張っている事例があります。今、2年生です。だけど、自分はいつか沖縄に戻って医者に従事したいというときに、沖縄で研修の窓口がないというようなお話を聞きました。そういう仕組みをつくって、こういう海外で医者を目指している子供たちが研修を沖縄の現場でできるような仕組みをつくる形ができないか、いかがですか。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
○保健医療部長(砂川 靖) 平成16年度に新臨床研修制度が始まりまして、それ以降、こういう海外の大学を出た人が日本の医師国家試験の免許を取って、県内の病院で研修を受けているという事例があることについて我々は承知しております。
国によってどの国の大学を出たかによって、この日本の医師国家試験を受けるときの条件が違ってくるんですけれども、日本の医師国家試験を合格して免許を取れば、県内の病院の臨床研修を受けることができます。現に我々がつかんでいる方々はそういう県内で臨床研修をやった人です。ただ、この人たちは今臨床研修申し込むときに大学単位でやっているものですから、帰ってきて自分で機構に手続しないといけないわけです。そういうところがちょっと不得手であるならば、そういうやり方といいますか、そういうことがあるというのは我々のほうで教えることもできますので、ぜひ相談していただきたいというふうに思います。現に今制度はあるということでございます。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 今の話は、臨床研修というのは日本の医師国家試験をクリアした人の話ですか。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
○保健医療部長(砂川 靖) そのとおりでございます。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 私が言っているのは、今現在海外の医学校で医学の履修をしているその医学生の研修として、沖縄でふるさとでできるような仕組みというのはできないものかなと聞いているんですよ。
○議長(新里米吉) 休憩いたします。
午後5時36分休憩
午後5時37分再開
○議長(新里米吉) 再開いたします。
保健医療部長。
○保健医療部長(砂川 靖) やっぱり医師免許を持っていないという関係上、病院で診療行為に従事することはできないと思います、そういう学生は。ただ、オブザーバーみたいな形で勉学の機会を与えることは可能であるかもしれませんけれども、それにしても医師会等とそういう必要性、どういう形でできるのか、この辺は意見交換させた上で考えたいというふうに思います。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 例えば琉球大学でお医者さんを目指している学生が県内の医療機関でそういう研修を受けるというケースはないですか。
○議長(新里米吉) 病院事業局長。
○病院事業局長(我那覇 仁) 琉球大学あるいは本土の大学、いわゆる医学生ということだと思いますけれども、そういう方々が研修という格好で、例えば夏の何週間とかというふうな機会というのはございます。それはこれから行きたい、その研修委員会というのがありますから、そこに問い合わせていただければ、通常歓迎してティーチングをするということは可能だと思います。実際に患者さんを診て診察とか、要するに医療行為をすることは、これは国家試験を通らないと学生の身分ではできないということになっています。それは海外の学生さんも同じことです。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 それは全然理解しております。私が言うのは、6年間学んでいる際に、医学生としてふるさとの医療現場でそういう研修を受ける――患者さんを診るという、そういう医療行為をするということではなくて、そういう研修を受ける道はあるんですかと聞いたつもりなんですが。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
○保健医療部長(砂川 靖) 我々は研修という場合、臨床研修を想定しておりまして、この方々は6年間の実習を終えて、医師国家試験に合格して医師免許を持っている人を対象にして、病院では臨床研修をさせているわけです。
○上原 章 それはさっき理解しています。
○保健医療部長(砂川 靖) 学生時代にそういう病院で研修するというのは、これ研修というよりも授業の一環として琉大や何かでそういう例がありますけれども、そういう形で行われるんだったら、先ほど局長おっしゃったように歓迎しますよというようなことになるかと思います。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 ちょっと言葉が足りなかったんですけれども、私は今の後ろの部分のつもりで質問したんですけれども、通告も。じゃ今言ったように海外で学んでいる子が授業の一環として沖縄でそういうのを受ける、受け皿はあるということで理解していいんですか。
○議長(新里米吉) 病院事業局長。
○病院事業局長(我那覇 仁) やっぱり確認しておかなくてはいけないことは、研修医というのは我々が言う場合には、通常は医師国家試験を持った方ですよね。海外であった場合でも、これは研修医とは、基本的にはマッチングというのがありまして、それはやっぱり病院で何名とるとかというのがございます。だから、海外でそういったことをやっていれば、それに試験に、マッチングに受かれば通常どおりできますので歓迎したいと思います。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 ありがとうございます。
また砂川部長、さっき言ったこの修学研修資金、質問にも入れましたけれども、日本の国家試験を通った後に臨床を受けるそういった医師を志している人に、実は茨城県が県独自の修学資金貸与という形で1人150万やっているんですけれども、これは3年ふるさとで医師として従事したら免除というように、要するに茨城県も独自に医師の確保、または育成につなげていく事例があるんです。そういったのもやっぱり県も考えて、これだけ医師が必要な我が県ですので、沖縄出身の子を本当にふるさとでしっかり活躍してもらうような仕組みをつくる必要があると思うんですがいかがですか。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
○保健医療部長(砂川 靖) 修学資金の貸与に関しては、現に沖縄県でも今琉球大学の地域枠の学生に対して行っております。
○上原 章 海外の話。
○保健医療部長(砂川 靖) 琉球大学地域枠の学生は今年間17名くらいですけれども、この方々が卒業していくと、平成40年、41年ぐらいから常時68名、そういう方々が確保できるというふうに見ておりますので、地域偏在に対象する部分としては、琉球大学地域枠で賄えるんじゃないかなというふうに今考えているところでございます。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 沖縄出身の優秀な若者が海外で一生懸命医者を目指して、いつかは自分のふるさとで頑張りたいと、そういう子供たちにしっかり希望を持たせるような取り組みも必要だと私は思うんですがいかがですか。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
○保健医療部長(砂川 靖) 琉大の地域枠、これ県内の高校を卒業した人に限定していますので、他の県と違って。ぜひ、郷土で医者として働きたいという方は琉大の地域枠を目指していただきたいというふうに私は考えております。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 ちょっと話がかみ合わないんですけれども、今後議論していきたいと思います。
あと久志診療所、知事、二見以北の診療所が15年間頑張ってきたところが閉じるというのは、東海岸の方々にとっては本当に大変な大問題だと思うんですよ。知事としてこれしっかり継続できるように、私は支援するべきだと思いますが、いかがですか。
○議長(新里米吉) 保健医療部長。
○保健医療部長(砂川 靖) 久志診療所の件も私ども新聞報道で知ったところなんですけれども、その報道が出て以来、ここは今は名護市が設立して医師会病院に建物を貸すような形で医師会病院が運営しているわけですけれども、例えば、開設者を変更したりした場合にはひょっとしたら、僻地診療所の運営補助金の交付の対象ができるんじゃないかというふうに今考えております。その要件に該当するかしないか、今名護市からも資料をもらいながら、そういう検討を進めていくところでございまして、可能性があるというふうに思っていますので、もし名護市のほうで存続に向けて相談したいということがあれば、私どもとしても前向きに対応したいということでございます。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 よろしくお願いします。
あと教育行政、先ほど教育長は、丁寧に認知件数を拾い上げたからふえたというような話でしたけれども、現実にこれだけ全国と比較しても倍ですよ、倍。幾ら何でも沖縄の今のいじめの認知件数は異常だなと思っております。それで今までいろんな対策をしたと思うんですが、同じような取り組みでは私はなかなか改善しないんじゃないかと、もっと心を痛めている子供たちが本当に多くいるんじゃないかなと思います。重大事件もそんなに減っていないんですよ。ですから、抜本的な解決というのは教育長としてどう考えていますか。
○議長(新里米吉) 教育長。
○教育長(平敷昭人) 答弁でささいないじめも把握に努めたというふうに申し上げましたが、数自体が多いということに関しては非常に重く受けとめております。いじめの内容等について、ささいなものもというのもありましたので、内容を見ますと、やっぱり冷やかし、からかいとか、悪口というのが一番多くなっております。特に小学校の場合は76%とか、中学校もそれが多いんですが、高校に行きますと、3位あたりでパソコンや携帯でのネット関係が出てまいりますけれども、そういうものをまず把握しないことには対応がとれませんので、その把握に努めるということと、いろんな相談体制という意味では、スクールカウンセラー等の配置でしっかり相談体制を確立していくことが大事かなと思います。今、文部科学省のほうでは31年度までに全ての学校にスクールカウンセラーが回っていって相談体制ができるようにするということを目指しておりますけれども、今スクールカウンセラーというのは国の補助事業を活用して配置しておりますので、その辺の動向も踏まえながら、教育委員会としては、その体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
○議長(新里米吉) 上原 章君。
○上原 章 学校現場の先生、職員も精いっぱいやっていると思っているんですよ。大変な仕事をしながら、SOSを出す子供たちも気にしながら一生懸命やっていると。僕はこの一番子供たちに近い学校現場の負担をどう軽減してやるかと。今のスクールカウンセラーをしっかり配置すべきだと思うんですよ。できれば、複数校持って回るようなやり方ではなくて、独自予算を組んででも全校に配置するくらいの決意が必要だと私は思うんですけれども、いかがですか。
○議長(新里米吉) 教育長。
○教育長(平敷昭人) お答えします。
スクールカウンセラーは臨床心理士でありますとか、精神科医とかそういう皆さんになっていただいているのと、あとは相談経験がある方というふうにあります。別途ほかの仕事を持っていらっしゃる方で、時間を決めて回るという形もありますので、現実問題としてはお一人で複数校というのも現体制としては実際あります。その各校に専属という形で1校ずつ持つということに関しては、今後のいろんな課題等と捉えておりますので、その辺は一歩一歩充実に努めてまいりたいと思います。
○上原 章 終わります。
ありがとうございました。
○議長(新里米吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
この際、申し上げます。
新垣新君から発言の申し出がありますので、これを許可します。
新垣 新君。
〔新垣 新君登壇〕
○新垣 新 昨日の花城大輔議員の質問の最中に、大変な不穏当発言で知事公室長に対し傷つける発言に対し、議会の品格を乱し、心からおわびを申し上げます。今後、発言に責任を持ち、気をつけます。
大変済みませんでした。
○議長(新里米吉) この際、申し上げます。
御承知のとおり議会は言論の府であり、自由闊達な議論が展開されることが求められる一方、議員の発言やその行動については、議会の品位を重んじ権威を保持すべきことも当然求められております。そのため、審議中における自席からの不規則発言についても厳に慎みますよう、議長として注意いたします。
本日の日程はこれで全部終了いたしました。
次会は、12月10日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時51分散会