委員会記録・調査報告等

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経済労働委員会記録
 
平成30年 第 3定例会

2
 



開会の日時

年月日平成30年3月8日 曜日
開会午前 10 時 1
散会午後 4 時 38

場所


第1委員会室


議題


1 甲第1号議案 平成30年度沖縄県一般会計予算(農林水産部及び商工労働部所管分)
2 甲第2号議案 平成30年度沖縄県農業改良資金特別会計予算
3 甲第3号議案 平成30年度沖縄県小規模企業者等設備導入資金特別会計予算
4 甲第4号議案 平成30年度沖縄県中小企業振興資金特別会計予算
5 甲第9号議案 平成30年度沖縄県沿岸漁業改善資金特別会計予算
6 甲第10号議案 平成30年度沖縄県中央卸売市場事業特別会計予算
7 甲第11号議案 平成30年度沖縄県林業・木材産業改善資金特別会計予算
8 甲第12号議案 平成30年度沖縄県中城湾港(新港地区)臨海部土地造成事業特別会計予算
9 甲第14号議案 平成30年度沖縄県国際物流拠点産業集積地域那覇地区特別会計予算
10 甲第15号議案 平成30年度沖縄県産業振興基金特別会計予算


出席委員

委 員 長 瑞慶覧   功 君
副委員長 瀬 長 美佐雄 君
委  員 西 銘 啓史郎 君
委  員 山 川 典 二 君
委  員 島 袋   大 君
委  員 大 城 一 馬 君
委  員 新 里 米 吉 君
委  員 親 川   敬 君
委  員 嘉 陽 宗 儀 君
委  員 金 城   勉 君
委  員 大 城 憲 幸 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

農林水産部長        島 尻 勝 広 君 
 農林水産総務課長     美 里   毅 君 
 農林水産総務課研究企画監 宮 城 克 浩 君 
 流通・加工推進課長    幸 地   稔 君 
 営農支援課長       屋 宜 宣 由 君 
 園芸振興課長       前 門 尚 美 さん
 糖業農産課長       喜屋武 盛 人 君 
 畜産課長         池 村   薫 君 
 村づくり計画課長     大 村   学 君 
 農地農村整備課班長    安仁屋   智 君   
 森林管理課長       崎   洋 一 君 
 水産課長         平安名 盛 正 君 
商工労働部長        屋比久 盛 敏 君 
 産業政策課長       喜友名 朝 弘 君 
 アジア経済戦略課長    仲栄真   均 君 
 ものづくり振興課長    神 谷 順 治 君 
 中小企業支援課長     金 城   学 君 
 企業立地推進課長     平 田 正 志 君 
 情報産業振興課長     盛 田 光 尚 君 
 雇用政策課長       下 地 康 斗 君 
 労働政策課長       宮 平 道 子 さん
 技能五輪・アビリンピック準備室長 仲 里   勉 君        



○瑞慶覧功委員長 ただいまから、経済労働委員会を開会いたします。
 本委員会の所管事務に係る予算議案の調査についてに係る甲第1号議案から甲第4号議案まで、甲第9号議案から甲第12号議案まで、甲第14号議案及び甲第15号議案の予算議案10件の調査を一括して議題といたします。
 本日の説明員として、農林水産部長及び商工労働部長の出席を求めております。
 なお、平成30年度当初予算議案の総括的な説明等は、昨日の予算特別委員会において終了しておりますので、本日は関係室部局予算議案の概要説明を聴取し、調査いたします。
 まず初めに、農林水産部長から農林水産部関係予算議案の概要の説明を求めます。
 島尻勝広農林水産部長。

○島尻勝広農林水産部長 農林水産部の平成30年度予算編成に当たりましては、沖縄21世紀ビジョン基本計画に基づく取り組みの進捗状況や成果指標の検証結果を適切に反映させ、施策事業の効果的、効率的な推進を図っております。
 沖縄県の農林水産業の全体的な課題としては、農業従事者減や高齢化、担い手の不足、台風など気象災害への対応、農林水産物の出荷や飼料移入に係る割高な輸送費などがあります。こうした課題に対応するため、沖縄21世紀ビジョンにおける農林水産部門の基本施策である亜熱帯性気候等を生かした農林水産業の振興を図るため、平成24年度から沖縄振興一括交付金などを活用した施策・事業を展開しているところであります。
 農林水産業における課題の解決に当たっては、継続的な施策・事業の実施が不可欠であり、7本の柱を基本施策として、生産拡大や高付加価値化などによる農林水産業の振興に取り組んでまいります。
 それでは、平成30年度農林水産部関係予算の概要につきまして、お手元にお配りしてございます抜粋版平成30年度当初予算説明資料農林水産部に基づき、御説明させていただきます。
 1ページをお開きください。
 県全体の平成30年度一般会計歳出予算額における部局別の歳出予算額です。
 表の最下段の合計の金額になりますが、沖縄県全体の平成30年度一般会計歳出予算額7310億4800万円のうち、農林水産部所管分は、8行目の金額になりますが、533億3289万3000円となっております。
 前年度の農林水産部の予算額582億7980万7000円と比較しますと、49億4691万4000円、率で8.5%の減となっております。
 また、一般会計歳出予算の部局別構成比でありますが、県全体の平成30年度一般会計歳出予算額に占める農林水産部の割合は7.3%となっております。
 次に、一般会計歳入予算の概要について御説明いたします。
 2ページをお開きください。
 平成30年度一般会計における農林水産部関係の歳入予算額は、表の最下段の合計の金額になりますが、385億9462万8000円となっており、前年度当初予算額428億1964万8000円と比較しますと、42億2502万円、率で9.9%の減となっております。
 それでは、その内容について款ごとに御説明いたします。
 7、分担金及び負担金6億7092万3000円は、土地改良法に基づく水利施設整備事業等に係る受益者の分担金及び負担金等であります。
 その下の8、使用料及び手数料1億2222万2000円は、農業大学校授業料、漁港区域使用料及び漁港施設用地目的外使用料等であります。
 その下の9、国庫支出金319億6120万2000円は、災害復旧に要する国庫負担金、沖縄振興特別推進交付金等の国庫補助金及び委託試験研究費に係る委託金等であります。
 その下の10、財産収入3億7653万9000円は、県営林野の土地貸付料及び試験研究機関等で生産された農林生産物の売り払い代等であります。
 次に、2行下の12、繰入金2億6154万7000円は、沿岸漁業改善資金の貸し付け原資に係る国への元金返済に伴う一般会計への繰入金等及び農業構造改革支援基金に係る基金繰入金等であります。
 次に、2行下の14、諸収入14億2239万5000円は、中央卸売市場販売促進貸付金に係る元利収入、試験研究機関の受託試験研究費及び雑入等であります。
 その下の15、県債37億7980万円は、公共事業等及び災害復旧に充当する県債であります。
 以上が、農林水産部関係の一般会計歳入予算の概要であります。
 次に、一般会計歳出予算の内容について款ごとに御説明いたします。
 3ページをお開きください。
 6、農林水産業費は514億8991万8000円となっており、前年度予算額563億446万7000円と比較しますと、48億1454万9000円、率で8.6%の減となっております。
 主な事業としては、県産農林水産物を県外向けに出荷する場合の輸送費に対して補助を行う農林水産物流通条件不利性解消事業、高度な衛生管理・品質に対応した県産鶏肉の処理施設を整備する食鳥処理施設整備事業、農業用貯水池及び用排水路の整備等を行う水利施設整備事業、及び漁港施設と漁場・養殖場等の一体的な整備に要する水産生産基盤整備事業等であります。
 11、災害復旧費は18億4297万5000円となっており、前年度予算額19億7534万円と比較しますと、1億3236万5000円、率で6.7%の減となっております。
 主な事業としては、農地農業用施設災害復旧費、漁港漁場災害復旧事業費及び団体営林道施設災害復旧事業費等であります。
 以上が、一般会計歳入歳出予算の概要であります。
 次に、平成30年度農林水産部所管の特別会計歳入歳出予算について御説明いたします。
 4ページをお開きください。
 農業改良資金特別会計の歳入歳出予算額は8001万6000円となっており、前年度予算額5132万7000円と比較しますと、2868万9000円、率で55.9%の増となっております。
 増となった主な理由は、農業改良資金貸付事業費の増などによるものであります。
 5ページをお開きください。
 沿岸漁業改善資金特別会計の歳入歳出予算額は3億1170万1000円となっており、前年度予算額5193万2000円と比較しますと、2億5976万9000円、率で500.2%の増となっております。
 増となった主な理由は、沿岸漁業改善資金貸付事業費の増などによるものであります。
 6ページをお開きください。
 中央卸売市場事業特別会計の歳入歳出予算額は4億2349万9000円となっており、前年度予算額3億9057万8000円と比較しますと、3292万1000円、率で8.4%の増となっております。
 増となった主な理由は、中央卸売市場管理運営費の増などによるものであります。
 7ページをお開きください。
 林業・木材産業改善資金特別会計の歳入歳出予算額は1596万7000円となっており、前年度予算額1578万6000円と比較しますと、18万1000円、率で1.1%の増となっております。
 増となった主な理由は、林業・木材産業改善資金取扱事務費の増によるものであります。
 以上、農林水産部関係の一般会計及び特別会計の予算の概要を御説明いたしました。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○瑞慶覧功委員長 農林水産部長の説明は終わりました。
 次に、商工労働部長から商工労働部関係予算議案の概要の説明を求めます。
 屋比久盛敏商工労働部長。

○屋比久盛敏商工労働部長 平成30年度の商工労働部当初予算について御説明いたします。平成30年度当初予算説明資料概要をお開きください。
 現在、沖縄経済は、観光や情報通信関連産業等が牽引し好調に推移する一方で、1人当たりの県民所得や労働生産性、雇用の質などさまざまな課題を抱えております。
 これらの課題や国内外の社会経済情勢の変化に適切に対応し、県経済を持続的に発展させるためには、産業振興等の取り組みを戦略的に進める必要がございます。
 このため、商工労働部では、資料の1ページに示してありますように、情報通信関連産業や航空・物流関連産業の振興等、アジア経済戦略構想の推進に重点的に取り組むとともに、雇用情勢の抜本的な改善を図ってまいりたいと考えております。
 具体的には、ITの活用による成長戦略を提言し実行する沖縄ITイノベーション戦略センターを設立し、産業全体の生産性向上や高付加価値化を推進してまいります。
 また、情報通信関連産業の立地促進や国際物流拠点の形成、戦略的な再生医療産業の創出等により、新たな産業の柱を構築していくとともに、県内既存産業の着実な成長を図るため、国内外への販路拡大やブランド力の強化等、企業の競争力強化や高度化等を推進してまいります。
 これらの産業振興策による雇用機会の拡大とあわせて、正規雇用化や非正規労働者の処遇改善等にも努めてまいります。
 これらの取り込みにより、産業の高付加価値化及び移輸出型産業の振興等、自立型の産業構造を構築し、県経済の持続的発展を図るとともに、県民所得や雇用の質の向上等を促進してまいりたいと考えております。
 続きまして、2ページをお開きください。
 商工労働部の一般会計予算について御説明いたします。
 商工労働部の一般会計歳出予算は、総額が377億6436万1000円で、前年度と比較して9億2209万5000円、2.5%の増となっております。
 予算増の主な理由としましては、1の(2)の主要事業であります航空機整備基地整備事業等の増によるものであります。
 アジア経済戦略構想関連としまして137億7964万4000円、沖縄の雇用情勢の抜本的な改善関連としまして45億5620万6000円、中小企業等の着実な成長発展関連としまして154億5279万6000円、経済発展を担う多様な人材の育成関連としまして1億3720万8000円、成長可能性を秘めた新産業の創出関連としまして8億8871万2000円、伝統工芸産業の持続的発展関連としまして1億8087万5000円、エネルギー使用に伴う環境負荷の低減関連としまして5億4155万7000円、防災体制の強化による災害に強い県土づくり関連としまして1608万6000円となっております。
続きまして、3ページをお開きください。
 商工労働部の特別会計予算について御説明いたします。
 商工労働部所管の特別会計は6つございますが、そのうちの1つは県債返還のための特別会計となっておりまして、平成30年度は予算計上しておりません。
 この特別会計も全て含めますと、商工労働部の特別会計予算は、合計が51億3277万9000円で、前年度と比較して22億868万8000円、30.1%の減となっております。
 次に、各特別会計を個別に説明いたします。
 小規模企業者等設備導入資金特別会計は、独立行政法人中小企業基盤整備機構からの高度化資金借り入れに対する償還等に要する経費であります。
 中小企業振興資金特別会計は、公益財団法人沖縄県産業振興公社が、中小企業者へ機械類設備を貸与するのに必要な資金の同公社への貸与等に要する経費であります。
 中城湾港(新港地区)臨海部土地造成事業特別会計は、中城湾港(新港地区)の土地の管理及び分譲に要する経費や、事業実施に伴い借り入れた県債の償還等に要する経費であります。
 国際物流拠点産業集積地域那覇地区特別会計は、国際物流拠点産業集積地域那覇地区の運営に要する経費や、同地域施設建設資金借入金の償還等に要する経費であります。
 産業振興基金特別会計は、地域特性を生かした戦略的産業及び人材の育成等を支援するための事業への補助金等に要する経費であります。
 公債管理特別会計は、基金事業(OKINAWA型産業応援ファンド)の終了に伴い、中小企業基盤整備機構からの貸付金40億円を返還するために昨年度創設した特別会計であり、返還が完了したため平成30年度は公債管理特別会計はありません。
 以上で、商工労働部所管の平成30年度一般会計及び特別会計予算の概要説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○瑞慶覧功委員長 商工労働部長の説明は終わりました。
 これより質疑を行いますが、本日の質疑につきましては、予算議案の審査等に関する基本的事項に従って行うことにいたします。
 予算特別委員長から調査を依頼された事項は、沖縄県議会委員会条例第2条に定める所管事務に関する予算議案でありますので、十分御留意願います。
 要調査事項を提起しようとする委員は、質疑の際にその旨を発言するものとし、明 3月9日、当委員会の質疑終了後に改めて、要調査事項とする理由の説明を求めることにいたします。
 その後、予算特別委員会における調査の必要性についての意見交換や要調査事項及び特記事項の整理を行った上で、予算特別委員会に報告することにいたします。
 なお、委員長の質疑の持ち時間については、予算特別委員会に準じて、譲渡しないことにいたします。
 質疑及び答弁に当たっては、その都度、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 また、質疑に際しては、あらかじめ引用する予算資料の名称、ページ番号及び事業名等を告げた上で、質疑を行うようお願いいたします。
 さらに、答弁に当たっては、総括的、政策的な質疑に対しては部局長が行い、それ以外はできるだけ担当課長等の補助答弁者が行うことにしたいと思いますので、委員及び執行部の皆さんの御協力をよろしくお願いいたします。
 なお、課長等補助答弁者が答弁を行う際は、あらかじめ職、氏名を告げてください。
 御報告いたします。
 島袋大委員から、質疑時間を西銘委員に5分、山川委員に5分、それぞれ譲渡したいとの申し出がありましたので御報告いたします。
 なお、質疑の持ち時間を譲渡した委員は、譲渡を受けた委員の質疑中は在席する必要があるので、御承知おき願います。
 それでは、これより直ちに各予算に対する質疑を行います。
 西銘啓史郎委員。

○西銘啓史郎委員 平成30年度予算の前に、平成30年3月5日現在の執行状況が出ていると思いますが、両部の執行状況を教えてください。予算に対して、支出負担行為済額、支出済みの率でお答えいただけますか。

○島尻勝広農林水産部長 農林水産部における平成29年度予算の執行状況について、平成30年2月末現在ですが、予算額696億5489万8000円に対しまして、配当額が696億733万3000円、負担行為済額が604億566万1000円、支出済額、いわゆる執行額が299億6272万2000円となっております。予算額のうち、負担行為済額は86.7%、同じく支出済額、いわゆる支出済率は43%となっております。前年度同期の平成29年2月末と比較いたしまして、予算額のうち負担行為済額が85.9%、支出済率が43.2%となっておりますので、前年度と同程度の執行状況になっていると思います。なお、当該金額については、2月定例会に提案されている補正額は反映されておりません。

○喜友名朝弘産業政策課長 商工労働部の執行状況は、平成30年1月末でございますが、予算総額369億431万9000円、配当額が368億8604万8000円、支出負担行為済額が332億5679万7000円、支出済率が71.1%となっております。

○西銘啓史郎委員 今、1月末現在とおっしゃいましたか。数字が全然違う気がします。もう一度、支出済率は幾つかお答えください。

○喜友名朝弘産業政策課長 支出負担行為済額が332億5679万7000円となっております。支出済率は71.1%でございます。

○西銘啓史郎委員 持っている資料と率が違うのですが、財政課が出している資料を見ていますか。

○喜友名朝弘産業政策課長 1月末の電算資料であると聞いております。
 3月7日に補正予算が議決されまして、私どもが御説明したのは1月末ですので、補正予算が入っていない数字となっております。

○瑞慶覧功委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、西銘委員が財政課から配付された資料は3月5日現在のものであるが、これについて補正予算は加味されていないのかと執行部に確認を行った。)

○瑞慶覧功委員長 再開いたします。
 屋比久盛敏商工労働部長。

○屋比久盛敏商工労働部長 財政課から出てきた数字の出どころといいますか、我々が台帳で抱えているものを積み上げた数字との差が出ているようです。その差が何なのか、今すぐには答えられません。

○瑞慶覧功委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、西銘委員から財政課の配付資料と商工労働部の配付資料の数字の違いについて確認して、報告するよう指摘がされた。)

○瑞慶覧功委員長 再開いたします。
 西銘啓史郎委員。

○西銘啓史郎委員 農林水産部については、支出済率が2月末現在で43%で、前年度と変わらないということですが、これは県全体で見ると非常に低い数字ですが、毎年、同じ理由があるのですか。県全体では53.5%で、高いところでは89%や90%もありますが、農林水産部の支出済率が毎年43%である理由は何ですか。

○美里毅農林水産総務課長 農林水産部の予算は、普通建設事業費の割合が大きく、繰り越しが多い傾向にあることから、繰越率の縮減が農林水産部の執行上の課題となっております。また、農林水産部の事業は農畜産物、水産物等を扱い、農業、漁業従事者に直接対応することから、自然状況や生産状況、作物の発育状況等によって、事業実施の段階で調整に多くの時間が必要になる場合や、設計変更が必要になる場合があります。その結果、生産量の減少に伴う執行額の減少や、計画変更に伴う事業執行のおくれ等が生じ、繰り越し等、執行率が低い要因となっております。

○西銘啓史郎委員 支出負担行為済額自体は2月末現在で86.7%なので、県全体より高いわけです。支出負担行為はしているが、支出済みができてないということは、何らかの理由で支払いが終わっていないということですね。他部局と比べて数字が低いのは、今、答弁された農林水産部特有のことと理解していいですか。

○美里毅農林水産総務課長 契約はしていますが、事例によっては繰り越しが出てくるということで、支出済額が少なくなっております。

○西銘啓史郎委員 今年度の予算に対して執行率がどのぐらいなのか気になったわけです。それによって新年度予算を組んでいると思うのですが。必要な繰り越しはいいと思いますが、この数字を見る限り、なぜそうなるのかと気になったものですから。今年度の最終的な執行率も低くならないという理解でいいですか。どのくらいを見込んでいますか。

○美里毅農林水産総務課長 2月補正予算を反映させて見込んだ場合ですが、農林水産部の一般会計における2月補正後の平成29年度繰越明許費計上額は146億8788万1000円となっており、平成28年度の195億4437万9000円に比べ、48億5649万8000円の減で、マイナス24.8%となっております。予算全体も減っておりますが、繰越額がさらに減っているため、昨年度よりも繰り越しの改善が見込まれております。今後の決算に向け、できるだけ年度内執行に努め、繰り越しの縮減、執行率の向上に努めていきたいと考えております。ちなみに、平成27年度は執行率が80.5%、平成28年度は執行率は78.3%ということなので、例年以上に執行率を上げていきたいと考えております。

○西銘啓史郎委員 次に、両部に共通する部分で、平成29年度の一括交付金の予算額と執行状況を教えてください。

○島尻勝広農林水産部長 先ほど1月の部分もありましたが、ソフト交付金との違い等もあるので、1月末現在で報告させていただきます。農林水産部の平成30年1月末の執行状況は、国庫ベースで、ソフト交付金の予算額、これは交付決定額ですが、138億5654万5000円、支出負担行為済額が121億7230万9655円で、施行率は87.8%です。支出済額が33億6976万円、執行率は24.3%。繰越計上額が13億9578万2000円、繰越率は10.1%。不用見込み額が3億154万6000円で、不用割合は2.2%です。次に、ハード交付金ですが、予算額、交付決定額は133億6217万2000円、支出負担行為済額が116億3610万3000円、執行率は87.1%です。支出済額執行額が48億7495万1000円、執行率は36.5%。繰越計上額が39億9037万1000円、繰越率は29.9%。不用見込み額が1429万7000円、不用割合は0.1%となっております。平成29年度の繰越額、不用額については現時点ではわからない状況ですが、今回、2月補正予算で要求しております繰越額を繰越計上額としております。不用見込み額については、予算額から負担行為済額、契約済み額と繰越計上額を除いたものとしております。

○喜友名朝弘産業政策課長 昨年度1月末時点の商工労働部の執行率については、予算額に対する支出負担行為済率で捉えております。昨年度は1月末時点で86.7%でしたが、今年度は90.1%を見込んでおります。

○西銘啓史郎委員 額も含めてお願いします。

○喜友名朝弘産業政策課長 予算現額は131億7810万5000円で、執行額が112億9866万5000円、繰越見込み額が8391万5000円となっております。

○西銘啓史郎委員 執行率も教えてください。

○喜友名朝弘産業政策課長 86%でございます。

○西銘啓史郎委員 不用額を教えてください。

○喜友名朝弘産業政策課長 不要見込み額が1億9589万3000円でございます。

○西銘啓史郎委員 パーセンテージで見ると、何パーセントですか。

○喜友名朝弘産業政策課長 2%です。

○西銘啓史郎委員 決算のときに常に言われるのが、執行率を上げなさい、不用額を減らしなさいなど、特に一括交付金についてはいろいろあると思います。去年は県全体の不用額の平均が2.2%ぐらいだったので、不用額を減らす努力もしているとは思いますが、予算執行に当たっては、残り数日ですが、きちんと執行するようにしてもらいたいと思います。
 続いて、平成30年度予算に入ります。両部における職員費の数字を教えてください。

○島尻勝広農林水産部長 農林水産部は、平成30年度一般会計当初予算額の533億3289万3000円のうち、職員費は70億6906万1000円、構成比にして13.3%となっております。ちなみに、平成29年度の職員費71億2738万7000円と比較いたしますと、5832万6000円、率にして0.8%の減となっております。

○喜友名朝弘産業政策課長 商工労働部の職員費は22億1127万7000円でございます。

○西銘啓史郎委員 全体における割合はどれくらいですか。

○喜友名朝弘産業政策課長 予算総額が377億6436万1000円で、割合は5.9%です。

○西銘啓史郎委員 人件費の割合が農林水産部と全然違うのですね。それから、私が確かめた数字では23億円ぐらいになるのですが、22億円で合っていますか。今じゃなくていいので、もう一回、職員費の数字だけ検証してください。
 職員数についてもお伺いしたいのですが、今、農林水産部の職員の人数はどうなっていますか。

○美里毅農林水産総務課長 農林水産部全体の定数は885名となっております。

○西銘啓史郎委員 885名の職員費が、先ほど言った70億円ぐらいという理解でいいですか。

○美里毅農林水産総務課長 平成30年度は全体で873名となります。

○西銘啓史郎委員 一般質問で大城議員が質問していたと思いますが、農林水産部の人数が減ることに対して危惧しているという話がありました。私も久米島などいろいろと回る中で、農林水産部関係の人員が正当な理由で減るのは構わないのですが、地域整備等、いろいろなものがある中で人数が減る、人件費が減るということは、当然いろいろな改革もしているのでしょうが、きちんとした対応はできているのでしょうか。

○島尻勝広農林水産部長 農林水産部は、出先機関を含めて、技師についても農業、畜産、農業土木、林業、水産ということで、幅広い分野の技師が配属されております。さらに、離島駐在、あるいは宮古、八重山地域等で出先機関を多く抱えているものですから、この辺については我々としても関係部局と連携をとりながら、必要な分はしっかりと説明し、措置するようにお願いしているところです。先ほど農林水産総務課長が説明したように、今回も少し減になっておりますが、その辺を含めて、今の組織体制も強化しながら、さらに資質の向上を図りながらしっかりと対応していきたいと思っています。

○西銘啓史郎委員 商工労働部の人数は何名ですか。

○屋比久盛敏商工労働部長 平成29年4月1日現在の職員数は284名です。

○西銘啓史郎委員 新年度の予定人数は何名ですか。

○屋比久盛敏商工労働部長 正確な数字は持っていないのですが、若干の増員ということになります。

○西銘啓史郎委員 今回、商工労働部も予算的にはふえていますね。新規事業もあるとは思いますが、職員全体の負担が大きくなっていないかすごく気になるわけです。先ほどの農林水産部も一緒ですが、ただ人を減らすことが目的ではなく、いろいろな事業を行うときに、事業の遂行に影響が出ないかどうかが気になったので、そういう質疑をしています。ぜひいろいろな意味で、平成30年度予算もきちんと執行してもらいたいと思います。
 次に、一括交付金の予算を教えていただけますか。

○美里毅農林水産総務課長 農林水産部においては、平成30年度の一般会計当初予算額533億3289万3000円のうち、ソフト交付金が117億3280万3000円、構成比は22.0%となっております。ハード交付金につきましては114億3854万5000円、構成比は21.4%となっております。これらを合わせた一括交付金の合計は231億7134万8000円、構成比は43.4%となっております。

○西銘啓史郎委員 前年度比はわかりますか。

○美里毅農林水産総務課長 前年度比ですが、ソフト交付金は25億6785万5000円の減、18.0%の減となっております。ハード交付金は16億2195万3000円の減、12.4%の減となっております。一括交付金の合計は41億8980万8000円の減、15.3%の減となっております。

○喜友名朝弘産業政策課長 商工労働部における一括交付金の額は、140億5663万1000円となっております。今年度の一括交付金の額は125億3100万8000円、前年度比で約15億円の増となっております。

○西銘啓史郎委員 農林水産部にお聞きしますが、平成26年度からの人員の推移を教えてください。

○美里毅農林水産総務課長 平成26年度が918名、平成27年度が905名、平成28年度が896名、平成29年度が885名、平成30年度は873名、5年間で45名の減少となっております。

○西銘啓史郎委員 いろいろな事情があるのでしょうが、ぜひ必要な人員はきちんと確保するようにしていただいて、事業に支障が出ないように、職員の働く意欲の向上も含めてお願いしたいと思います。
 それから、今年度の予算書にポンチ絵がついて、わかりやすくなりました。この中で、農林水産部の目標として、農林業産出額、水産業産出額が平成33年度で1540億円ということですが、今年度の見込みはどんな感じですか。

○島尻勝広農林水産部長 マスコミ等でも報告させてもらっておりますが、農業産出額については12月に沖縄総合事務局から公表されており、林業についても15億円相当という速報値が出ております。ただし、漁業関係は3月中旬に発表されるということなので、今、直近の数字は出ておりませんが、我々が想定していた数字はほぼ達成できるのかと思っています。ポンチ絵にある1540億円について、我々としては水産業、林業も含めて、農業については土地利用型のサトウキビ、畜産業もそうですが、その辺も加えて収益性の高い園芸品目を重点的に施設整備等を行い、県外、海外展開もできるような形で、安定的な出荷体制の強化をしていきたいと思っています。目標値に向けてしっかりと対応してきたいと思います。

○西銘啓史郎委員 農業産出額の内訳ですが、畜産はどれくらいですか。

○美里毅農林水産総務課長 平成27年度の数字で426億円となっております。

○西銘啓史郎委員 半分くらいになるのですか。

○島尻勝広農林水産部長 畜産については、養豚や肉用牛がメーンを占めておりますが、鶏肉が少し落ちていたので、名護市で食鳥処理施設等の生産等施設をしっかりと整備していきたいと思っています。養豚についても、施設の老朽化、環境衛生の面で課題を抱えておりますが、今はソフト的な意味で事故率が高くて、この辺は獣医を中心に地域での養豚団地にモデル的な調査を入れて、獣医の指導のもとで事故率を下げていくということで、農林水産業の目標値とされている44万トンの達成に向けてソフト的にも取り組んでおります。また施設整備については、環太平洋戦略的経済連携協定―TPP関連のクラスター事業など、必要なものについてはしっかりと整備していきたいと思っています。

○西銘啓史郎委員 畜産の件で少し気になることがあります。病気で死亡した豚、鶏、馬は、県内では沖縄本島の1カ所で処理しているのですか。その実態と状況を教えてください。

○池村薫畜産課長 死亡した家畜は産業廃棄物となるので、認可を受けた施設で処理することになります。沖縄本島では南部の有限会社沖縄化製工業という施設で処理されております。

○西銘啓史郎委員 離島はどうなっていますか。

○池村薫畜産課長 離島では宮古島に施設がありますが、コンテナで保管して沖縄本島の施設に送る体制をとっているところもあります。

○西銘啓史郎委員 年間どれくらい処理されているのか御存じですか。

○池村薫畜産課長 今、年間で死亡する家畜についての正確な数字はわかりません。

○西銘啓史郎委員 農林水産部に電話をしたら、それについては把握していないと言われたので、先ほど説明があった会社に直接聞きました。牛、豚、ヤギなど全部を合わせて、平成25年度が1万6000頭、平成26年度が3万6500頭、平成27年度が3万5500頭、平成28年度が3万9500頭、直近の平成29年度が現段階で4万4000頭らしいのです。石垣市からは冷凍にして運ぶこともあると聞きましたが、畜産はこれからも重要になると思うので、こういった処理施設が1カ所で充分かどうかということも含めて―国頭村に聞くと、3時間かけて運ばないといけないので、できればあの辺にあったらいいということもあったので、これはまたどこかで議論したいと思います。
 次に、農業大学校について伺います。平成26年度の県立農業大学校移転整備外部検討委員会で議論になったことを教えてください。

○屋宜宣由営農支援課長 沖縄県立農業大学校移転整備の調査検討を行うために、沖縄県立農業大学校移転整備外部検討委員会を平成26年度に設置し、そのときにありました6つの候補地について評価を行っております。平成27年度には同外部検討委員会の評価を踏まえて、移転先となる可能性の高い3つの候補地を選定し、市町村にも説明を行ってきたところです。

○西銘啓史郎委員 スケジュール的には、何年度にどのようにしようとされていますか。

○屋宜宣由営農支援課長 移転整備の計画については、県立農業大学校は沖縄県の農業を支える担い手育成の中核機関として重大な役割を有しております。その整備については、行財政的な面を考慮しながら全庁的な施策の中で推進する必要があると考えており、引き続き、関係機関と連携しながら、調整を図った上で取り組んでいきたいと考えております。

○西銘啓史郎委員 移設を検討したのは、どのような理由によるものですか。

○屋宜宣由営農支援課長 1点目に、老朽化していること。2点目に、施設の分散化と周辺の市街化が進んでいるといったことが理由になります。

○西銘啓史郎委員 この件も、平成26年度に議論されてから4年間ほとんど動いてないというような話を聞いたわけです。ですから、一般質問でも質問したのですが、いろいろなものを動かして、跡地利用も含めてきちんとしてほしいということなのです。結論がいつ出るのかは別にしても、検討して移設先を3つに絞り、その3つについて調整しながら、移設した後に、その跡地はどう使うのか。こういった一連の流れでやっていかないと問題があると思います。例えば、北部農林高校は国道沿いにありますが、同校をどこに移設するのが一番いいのかを含めて、名護市と議論したり、せっかく持っているいろいろな財産を活用するという意味も含めて、平成30年度以降も予算化するのであれば、ぜひ考えてほしいということを要望します。
 続いて、商工労働部にお聞きします。来年度の予算について、県内企業に対する予算と、県外から誘致する予算の内訳を概算で教えてください。

○喜友名朝弘産業政策課長 県外企業誘致関連で100億円、県内事業者育成支援関連で199億円でございます。

○西銘啓史郎委員 199億円が県内の企業に対するものであると聞きましたが、県内の企業数、従業者数、常用雇用者数について、企業規模ごとに教えてください。

○金城学中小企業支援課長 平成29年度の中小企業白書によりますと、県内の企業数は全体で4万9231社、従業者数が38万8150人、常用雇用者数は30万6897人となっております。また、企業規模ごとの従業者数及び常用雇用者数につきましては、中小企業が4万9158社、従業者数は33万9038人、常用雇用者数は25万9327人。小規模企業については、これは中小企業の内数になりますが、企業数が4万2259社、従業者数は12万9677人、常用雇用者数は6万7832人となっております。一方、大企業につきましては73社、従業者数は4万9112人、常用雇用者数は4万7570人となっております。

○西銘啓史郎委員 圧倒的に中小企業、小規模企業が多いという中で、県単融資事業で130億円ぐらいの予算があると思いますが、過去5年間の実績を億単位で教えてください。

○金城学中小企業支援課長 県単融資事業費の平成25年度以降の融資件数及び融資金額につきましては、平成25年度が750件で86億円、平成26年度が660件で73億円、平成27年度が899件で115億円、平成28年度が945件で114億円、平成29年度1月末現在が921件で113億円となっております。

○西銘啓史郎委員 今のは融資した事業の件数ですね。申込件数はどれくらいになりますか。

○金城学中小企業支援課長 融資に係る平成25年度以降の申し込み件数と申し込み金額について、沖縄県信用保証協会に確認したところ、平成25年度が933件で118億円、平成26年度が780件で93億円、平成27年度が970件で131億円、平成28年度が1008件で125億円、平成29年1月末現在が1001件で131億円となっております。

○西銘啓史郎委員 今の数字は、平成25年度で見ると、933件、118億円が申込件数で、融資した実数が750件ということで理解していいですか。

○金城学中小企業支援課長 そうです。

○西銘啓史郎委員 約1割近くが融資を受けられていないという理解でいいですか。

○金城学中小企業支援課長 そうです。

○西銘啓史郎委員 融資を受けられなかった理由はいろいろあると思いますが、県としては地元企業の育成は大きな柱です。もちろん県外からの誘致もいいのですが、自立型経済においては地場産業を強化しないと県の収入も入ってきませんので、土台を固めるという意味では、今回も130億円近くの予算を計上しているようですから、可能な限り、地場産業を育成するという視点を常に持ち続けていただきたい。また、融資が100%できるかどうかは別にしても、枠といいますか、それについて決して緩めることはないにしても、育成という観点を持っていただくことをお願いします。
 次に、商工労働部について、新規事業が幾つかありますが、その概要と目的を説明してください。

○喜友名朝弘産業政策課長 商工労働部の新規事業は6件ございます。1つ目に、沖縄型オープンイノベーション創出促進事業。2つ目に、正社員雇用拡大助成金事業。3つ目に、グローバル産業人材育成事業。4つ目に、IoT利活用促進ネットワーク基盤構築実証事業。5つ目に、アジアスマートハブ環境形成促進事業。6つ目に、展示会等総合推進事業となっております。

○西銘啓史郎委員 いろいろな部署の資料を見ていると、なかなか新規事業がない中で、今回、商工労働部は予算もふえていますので、新たな取り組みについてはきちんと成果を残せるように頑張ってほしいと思います。それから、継続事業でも大幅に予算が増加したり、減額したりしているものがありますが、商工労働部の中で議論されていると思いますので、継続事業についても必ず結果を出すように頑張ってほしいと思います。
 続いて、沖縄県の海外事務所について、配置人員とその役割を説明していただけますか。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 海外事務所の配置人員は、北京が3人、上海は福州駐在所も含めて6人、香港が5人、台北が4人、シンガポールは3人となっております。各事務所は、県職員の所長1名に加えて現地スタッフなどで構成されております。役割としては、海外における経済交流の推進、海外事務所を中心としたネットワークの強化と拡充、県内企業の海外展開の支援、観光誘客ということで、本県の産業振興に資する取り組みなどとしております。

○西銘啓史郎委員 今の人数は、ローカルスタッフも含めた人数という理解でいいですか。所長は県から行っているということですか。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 そのとおりでございます。

○西銘啓史郎委員 委託駐在員もいるようですが、何名いるのか教えてください。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 委託駐在員については、6カ所にそれぞれ1名、または、法人契約もございますので1企業を配置しております。北米に1カ所、ヨーロッパに1カ所、オセアニアに1カ所、アジアに3カ所、合計6カ所でございます。

○西銘啓史郎委員 国名は、オーストラリア、インドネシア、ベトナム、タイ、フランスでいいですか。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 はい。

○西銘啓史郎委員 海外事務所運営費として1億7000万円ぐらいの予算を計上していますが、その中身は、答弁された事務所と委託駐在員のコストということでよろしいでしょうか。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 現地のスタッフ、委託駐在員の費用は含まれておりますが、県職員である所長については、本庁の人件費として計上しております。

○西銘啓史郎委員 それから、公益財団法人沖縄県産業振興公社を通して配置しているということですが、これはどうしてですか。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 例えば、香港、北京、中国は外国の地方自治体が事務所を設置することを認めていないという経緯がございます。台湾については、我が国がこれを国として認めていないところがあり、そういう事情で配置が難しいということがございます。そういうことで、産業振興公社を通じて配置しております。シンガポールについては直接、配置できるのですが、一括的にノウハウがある産業振興公社であれば効率的に運営できるのではないかということで、そこを通じた配置をお願いしております。

○西銘啓史郎委員 次に、日本貿易振興機構―ジェトロと県の関係がどうなっているのか教えてください。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 ジェトロについては、御存じのように海外、国内、それぞれネットワークの拠点がございますが、県の海外事務所との連携については、双方が保有する現地の経済や地域情報等の共有、交換などの面で連携するとともに、県内企業が海外展開するに当たっても連携して支援することになっております。

○西銘啓史郎委員 ジェトロは海外54カ国に74事務所、国内に45の地方事務所を持っていると聞きました。沖縄の所長とも話をしたのですが、沖縄県は単独で沖縄のために動くわけですよね。私が申し上げたいのは、ジェトロや自治体国際化協会―クレアも含めて、海外に進出しているいろいろな企業を支援するという目的であれば、そこに人を出向させることを考えたことがありますか。例えば、単独で事務所を持たないで、そこに出向したり、人事交流するということが、商工労働部として過去にあったのかどうか教えてください。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 委員のおっしゃるような考え方がございまして、香港事務所は、平成6年度から平成16年度までジェトロの香港共同事務所で活動しておりました。その中で、県産品の販路拡大や観光誘客を行っていましたが、おっしゃるように、オールジャパンの立場として海外に展開するのとは少し―我が県では強化したいという話で、ほかにも賃借料や人件費等が割高であるということなどもあって、平成17年度に単独事務所に移行した経緯がございます。

○西銘啓史郎委員 いろいろな意味でコスト削減が求められるときに、先に手をつけなくてはならないのが海外の事業所であったりするケースが民間では多々あると思います。その効果がきちんとあらわれているところは継続しても構わないと思います。特にシンガポールについては、以前、事務所を閉めていましたが再開していますね。ですから、その辺のメリットが本当に出ているのかどうか、私たちにはよく見えませんが、今、いろいろなコスト削減が求められている中で、その効果が出ているのかきちんと検証していただくことを要望します。効果が出ていれば継続で結構ですし、国の出先機関やジェトロのような団体と協力することも必要であれば検討してほしいことを申し上げておきます。
 それから、もう一つ、クレアという団体があるようですが、そことの接点はありますか。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 御存じのとおり、クレアは海外7カ所、国内68カ所をネットワークして、地方公共団体を中心とした海外展開を図っている団体として認識しております。県の海外事務所との連携という意味では、地方自治体を中心とした団体でございますので、沖縄県以外の団体、地方自治体の活動情報の共有や、現地における沖縄からの物産、観光イベントの周知等に御協力をいただくというような点で連携しております。

○西銘啓史郎委員 沖縄県の窓口は文化観光スポーツ部にあって、パリ事務所にも県職員が行っていると聞きましたが、これは商工労働部の管轄ではないということですか。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 委員のおっしゃるように、交流推進課で所管しております。

○西銘啓史郎委員 文化観光スポーツ部の予算で人を派遣しているということでいいですか。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 当方では持っていないので、文化観光スポーツ部が所管していると思います。

○西銘啓史郎委員 次に、海洋資源開発関連予算ですが、過去5年間の予算の推移と今後の考え方について説明をお願いします。

○喜友名朝弘産業政策課長 昨年度と今年度の資料しか手元にございませんが、予算額は平成29年度が2169万3000円、平成30年度が1896万9000円となっております。

○西銘啓史郎委員 資料がないということは、予算はあるが見つからないということですか。

○喜友名朝弘産業政策課長 予算はございます。

○西銘啓史郎委員 なぜ事前に調べられないのですか。私の質疑の内容は事前に渡していますよね。手元に資料がないということは、私の質疑に対して答えを準備していないということではありませんか。

○屋比久盛敏商工労働部長 聞き取り表はあるのですが、この事業については抜けているようです。

○西銘啓史郎委員 いずれにしても、平成30年度は平成29年度より減っているということと、過去5年間がどうかわかりませんが、商工労働部については経済産業省の管轄になると思いますが、久米島沖や、伊是名島、伊平屋島も含めて非常に大きい事業になる中で、県としての取り組みがよく見えないのです。今後、どのような取り組みを行っていくのですか。

○屋比久盛敏商工労働部長 海底鉱物資源については、毎年度、予算を計上させていただいています。その中身は、周知活動や今後どのようにして沖縄県がかかわっていくのかという調査などに使わせていただいています。その中で、経済産業省や文部科学省の関係機関と情報交換等を行っています。ただし、ようやく昨年度、掘削実証試験が始まった段階なので、それを受けて国から平成30年代後半から民間事業化できるのではないかという調査報告が出てくることを期待しています。そういう意味では、その間に我々が何ができるのかということを調査し、例えば、掘削船の寄港地である本部町にもお願いしています。まずは、そういうことを行っており、事業の実施については、中長期的な話になると思っています。

○西銘啓史郎委員 とにかく両部に対してお願いしたいことは、平成30年度は今年度よりも、さらに沖縄県が発展していくように、職員の皆さんが頑張ってほしいと思います。

○瑞慶覧功委員長 山川典二委員。

○山川典二委員 西銘委員の質疑にもありましたが、経済産業大臣も沖縄の近海に眠る熱水鉱床の資源については、例えば、銅について見ると、陸上の鉱山より数倍も含有率があるので、かなりのポテンシャルがあるという話をしています。そういう意味では、商工労働部長から説明があったように、情報収集も含めて、もう少し取り組みを具体的にしていかなければならないと思いますし、それとあわせて、日ごろから本会議などで何度か質問していますが、水溶性天然ガスについても、県の取り組み状況が見えにくいのです。これについて現状はどうなっていますか。

○屋比久盛敏商工労働部長 先ほども説明したとおり、熱水鉱床については中長期的な取り組みをしています。天然ガスについては、県において南城市、那覇市、宮古島市の3カ所を掘削しましたが、その利用については地域的な利用を図らないといけないということで、市町村と連携して、これを使っていただけないかという申し込みをしています。今、具体的に動き出しつつあるのが宮古島市です。天然ガスや温水などが出てきたところに、これに関連する施設をつくるという検討をしていると聞いています。

○山川典二委員 その3カ所だけでなく、民間の国内大手の掘削事業会社や、西原でもこれを行っていますね。それについても、なかなか県とのかかわりが見えないのですが、現状はどうなっていますか。

○喜友名朝弘産業政策課長 多分、委員がおっしゃっているのは千葉県の大手の会社です。今年度、沖縄総合事務局と沖縄県でその会社に伺って、意見交換を行ってまいりました。その後、事業者と地元市町村、沖縄総合事務局、県で活性化のための委員会をつくって、意見交換しているところです。

○山川典二委員 むしろ、沖縄総合事務局、今、国のほうがいろいろなサポートも含めて非常に積極的に取り組んでいますね。ぜひ具体的な県の取り組みを進めていただきたい。熱水鉱床も含めて将来の沖縄の大きな産業化の一翼を担うようなエネルギー事業だと思いますので、検討していただくようお願いします。
 農林水産部長に伺います。21年ぶりに2016年度の農業産出額が1000億円を超えたと聞きました。1025億円ということで、天候的な好条件も重なってサトウキビの生産がふえたことなど、いろいろなことがあると思いますが、これが伸びた理由は何ですか。今年度の見通しも含めて、御説明をお願いします。

○島尻勝広農林水産部長 マスコミや沖縄総合事務局から公表されているとおり、1025億円ということで、農業産出額が21年ぶりに1000億円を超えています。その主な内容としては、まずサトウキビの生産量が17年ぶりに90万トン台を超えたことです。それから、生産量だけではなく品質もよかったことで、200億円近い金額が出たと思います。また、肉用牛の素牛については、東日本大震災などの影響から福島県を初め、全国的に素牛が不足して高値で推移しているということがあって、初めて200億円を超えました。これが非常に押し上げているという気がします。もう一つ、平成24年度からの取り組みの中で、園芸関係を含めた施設整備を支援することによって、安定的な生産、出荷が図られてきていると思います。また、3月の中旬ごろに発表しますが、水産についても数量的にある程度ふえるという見通しを持っています。平成28年度において、一定の生産量を上げることができたのは、天候等に加えて、関係者の努力の成果によるものと思っています。平成29年度についても、サトウキビはがた落ちしていません。素牛も高値で推移しておりますので、一定程度、1000億円台はキープできると思っています。また、水産、林業についても、引き続き好調であるという話を聞いていますので、平成29年度も同じような傾向になるものと見ています。ただし、畜産については、肉用牛以外の豚肉や鶏肉において、まだ弱いところがあります。名護市では食鳥処理施設が整備されたことで、増頭も含めてやっていきたいと思います。豚については、先ほど説明したように事故率を改善すること。それから施設が中南部に集中していることについて、環境に配慮した施設整備等も含めて関係機関と連携して、しっかりと整備していきたいと思っています。

○山川典二委員 要するに、今年度も1000億円をキープできる見込みであると理解していいですか。

○島尻勝広農林水産部長 これは国が公表するものですから。我々の試算では大丈夫だと思っていますが、統計的には国が出すものですから。見通しとしては、いけるのではないかと思っています。

○山川典二委員 生産農家の農業所得も全国8位に上がったということです。これは先ほど農林水産部長が説明したことと関連してきますか。

○島尻勝広農林水産部長 先ほど御説明したとおり、素牛の子牛が高値で推移していることと、サトウキビについても生産量だけではなく品質が非常によかったということもあり、1トン当たり2万2000円から2万4000円の範囲ということで、単純に言えば2万円の手取り額になります。基準糖度以上に品質がよかったということで農家の手取り額がふえたと。それから、農家の努力で経営費のコスト削減を行っているという気がいたしますので、この辺はソフト的な意味合いも含めて、ただ単に生産量だけではなく農家の所得向上のために、普及員の指導を含めてJAと連携しながら、取り組んでいきたいと思っています。

○山川典二委員 県の関与が非常に効果的に、結果としてあらわれたものと理解していいですか。

○島尻勝広農林水産部長 平成24年度からの一括交付金によって、本来の補助事業とは異なる、必要な部分において施設整備が図られたと思います。例えば、平張りと強化型ハウスについては120ヘクタールぐらい整備できました。また、加温機を整備することでマンゴーなどの果樹も気象条件で変動しない安定的なものができたということを考えれば、一括交付金による大きな成果が現場で出ております。農林水産物流通条件不利性解消事業については、県外にインセンティブが働くような出荷について、農家の意識が高まっていると思います。従来の補助事業と違う、必要なところに事業が展開できたことは、農家自体といいますか、地域に大きな効果があったものと思っています。

○山川典二委員 一括交付金が非常に有効であったという認識だと思いますが、これが減ってきていることに関しては、いかがですか。

○島尻勝広農林水産部長 当然、予算については、必要なところに措置していきたいと思っています。今、減額されているところもありますが、例えば、平成28年度に補正予算を組み、できるだけ平均的に、前倒ししたところもあります。ただし、現実として、平成30年度においてはこれだけ減額されていますので、関係機関と連携をとって、必要な部分についてはしっかりと整備していきたいと思っています。

○山川典二委員 少し話が大きくなりますが、我が国とEUとの経済連携協定―EPAが、ことしの中ごろに署名して、2019年に発効します。そうなると世界のGDPのたしか28%、世界の貿易額の37%で、一大経済圏ができるわけです。そうなることによって、自動車の輸出は90%以上も関税が撤廃され、逆にワインやチーズなどの乳製品が入ってくるのですが、その影響についてどのように考えていますか。

○島尻勝広農林水産部長 これについては、年末に農林水産省から影響額等も含めて公表されており、国は、TPP、EPAについて、補正予算や当初予算で国内対策を行うことにしています。農林水産部としてもTPP、EPA対策事業について補正予算や当初予算も組んでいますので、この辺については国の動向を見きわめながら、関係機関とともに対応していきたいと思っています。当然、TPP、EPAについては、国際的な情勢の中で基盤整備は必要ですが、それ以前に沖縄県は本土復帰前の影響で、基盤整備が少しおくれていることから、TPPなどの国際的な情勢も踏まえながら、生産基盤をしっかりとつくっていきたいと思っています。

○山川典二委員 今の流れでいくと、EPAが発効された後に、今度はTPPが追いかけてくるわけです。近々、そういうことが考えられるわけです。これに対して、沖縄の農業が影響を受けますよね。それについて、具体的に試算していたのですか。

○島尻勝広農林水産部長 以前からTPPについては国内対策ということで価格対策あるいは生産対策として畜産クラスター事業や産地パワーアップ事業等を行っています。詳細については担当課長から説明させていただきます。

○池村薫畜産課長 畜産については、既にTPPの話が出た段階から、畜産クラスター事業で、各地域での中心的な経営者の収益力を上げるということで、牛舎の整備などに取り組んでおります。

○前門尚美園芸振興課長 産地パワーアップ事業は、畑作、野菜、果樹、園芸、水田作について、地域の営農戦略として定めた産地パワーアップ計画に基づき、意欲ある農業者などが高収益な作物・栽培体系に転換するための取り組みを支援する事業となっております。具体的には、平成29年度は国頭村のほか7市町村において、カボチャやパイナップルなどの品目について農業機械のリースや生産資材の導入を行っております。

○山川典二委員 取り組みはわかりましたが、数年後にTPPが発効したときに、沖縄県の農業や畜産に影響がありますよね。現在の産出額や生産額に与える影響があると思いますが、その試算はされていますか。

○島尻勝広農林水産部長 TPPもそうですが、国はEPAについてもある程度の大枠を出しています。ただし、沖縄県の場合は対象品目として関税率10%以上かつ国内生産額10億円以上の品目が試算されていないことから、この辺の数字的な捉え方について、JAなど関係機関と調整しています。国は、基本的には国内対策をしっかりと行うということで、我々が想定している以上の影響はないという数字が出ていますが、今、委員がおっしゃるように、当然、二次的、三次的な影響が出ると思いますので、その生産基盤は、国の対策を含めて関係機関とともにしっかりと取り組んでいきたいと思います。

○山川典二委員 数字についても科学的なデータに基づいて、取り組みをしっかりとしていかないとだめだと思うのですが。

○島尻勝広農林水産部長 国の試算なので、こちらの評価は控えたいと思います。まず、EPAについては国内対策をしっかりと行うということで、生産額については少し幅がありますが、約600億円から1100億円ほど減少するものと試算されています。また、TPPについては、900億円から1500億円ほど減少するものと試算されております。我々としては、例えば、サトウキビやパイナップルについては、国内対策、糖価調整制度を堅持することで影響額がゼロということが出ていますので、この辺については国の動向を踏まえていかないと、単純に国内対策を行うから大丈夫ということでは不安があるものですから、関係機関と連携をとっていきたいと思っています。

○山川典二委員 サトウキビの生産は、鹿児島県の一部を除くと、ほとんど沖縄県ですね。そういう意味では、直接的な打撃を受ける可能性があるわけです。
 少し話をかえますが、国家戦略特区における外国人の農業分野における就労の取り組みについて、沖縄県も申請されていると思いますが、その状況をお聞かせください。

○屋宜宣由営農支援課長 海外農業研修生の受け入れ支援事業につきましては、平成29年度まで実施してきたところです。現在、特区とは別に、研修という形で受け入れを行っております。

○瑞慶覧功委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、山川委員から特区の申請状況について答弁するよう指摘がされた。)

○瑞慶覧功委員長 再開いたします。
 島尻勝広農林水産部長。

○島尻勝広農林水産部長 現在、国家戦略特区の農業支援外国人受入事業については、事務方で申請しています。実は、きのう国の国家戦略特別区域会議―区域会議が予定されていましたが、今回、沖縄は外されているものですから、この辺については県企画調整課と調整していきたいと思っています。これに関する情報収集を行っているところです。

○山川典二委員 なぜそういう状況になっているのですか。

○島尻勝広農林水産部長 今、企画調整課を窓口にして国との調整を行っていますが、我々は農業支援外国人受入事業を申請しており、きのうその会議が予定されていたのですが、月曜日に国から沖縄県については待つようにということで、今回は会議に出席しておりません。我々としては、できるだけ早目にとお願いしている手前、事務方で確認しているところでは、3月中には区域会議を行うという話をしているようです。ただし、定かな情報ではないものですから、これから連絡、調整していきたいと思っています。

○山川典二委員 EPAやTPPに関連して、直接サトウキビが影響を受ける対象になります。そういう中で、今、国会で働き方改革が議論されていますね。新年度に法案が通る見込みで進めているようですが、平成31年度にこれが施行されるとして、本県離島のサトウキビ工場の現状―たまたま、ある離島について厚生労働省、農林水産省、沖縄総合事務局、内閣府沖縄振興局に確認して資料をいただきました。この中で、時間外労働の規制が見直されたときに、正規労働者では、年収から割り出すと月51万円もらっている人が、上限で16万円の減になるそうです。それから、12月から3月までの三、四カ月間、季節労働者が来ます。毎年、冬場に北海道から来ますので、業務に熟達している皆さんで、今、最高10時間労働ですから収入が約43万円あるそうですが、これが上限で14万円減少するそうです。つまり、2交替が8時間労働によって3交替になりますので、それを国は5割から8割を上限にして、ある一定期間を補填しようという話なのです。特にサトウキビは限られた期間でしかできませんので、3交替になると人がいない。ハローワークで募集しても来ない。そこで、外国人労働者を受け入れようという話があると聞いております。そういう働き方改革への対策も含めて、EPA、TPPの大きな流れが来る中で、県としてそのような議論はなされているのですか。

○屋比久盛敏商工労働部長 外国人の雇用については商工労働部が持っているわけではなく、それぞれの業界に近い部を集めまして、連絡会議をうちで行っています。その中で、各部の取り組みはそれぞれ違いますので、情報を持ち寄ってお互いで共有し、どうしようかという話がよく行われています。介護関係は、先ほど言った技能実習制度の中に、新たに外国人労働者に関連するものが入ってきましたので、それを活用するとか。ただし、農林の場合はJAが管理団体となって技能実習制度を行うということで、それでも足りないのであれば国家戦略特区に行こうかと。商工労働部の場合も、情報系の高度人材の滞在期間については国家戦略特区で進めようという話をしており、そういう動きをしている段階です。

○山川典二委員 JAや大手の人材派遣会社が受け皿になって派遣していくということですが、例えば、サトウキビの製造工場は、JA系列であればマンパワーやいろいろな仕組みがあるのかもしれませんが、小規模離島を含めた離島は単体で行っているので、その辺が今後の大きな課題になっています。その辺は県として、横の連携や情報収集を行いながら、しっかりと対応していただきたい。これについて農林水産部としてはいかがですか。

○島尻勝広農林水産部長 去年3月ごろからその話が出て、我々としても、地元の製糖工場においては東北、北海道を中心に季節工という形で熟練の方々がリピーターで来ていたと聞いております。ただし、国が特例を認めない、適用除外を認めないということで、随分、国とは調整したのですが、結果的には働き方改革がこういう形になっていく話になっています。我々としては、3交替にしたときに改めて人数を確保しないといけない中で、離島においては宿泊施設等の確保が非常に厳しいこともあって、内閣府、農林水産省と調整していたところ、内閣府が宿泊施設については、平成30年度から地域でできるという話を含めて、現在、検討させてもらっています。しかし、製糖工場については、季節的に見るとかなり偏っているところもあるので、操業の安全性などを考えると、しっかりとした体制を整えていくべきであると思っています。ただ、施行から3年間ぐらいは猶予があると聞いておりますので、その間に関係機関と連携をとりながら、しっかりと条件整備をしていきたいと思っています。

○山川典二委員 サトウキビは沖縄の農業の基幹産業なので、猶予期間を3年ないし3年半から、これを5年ないし7年にしなさいということを、県として言うべきだと思います。
 次に、那覇市の泊魚市場について、これまでも何回か質疑させていただいておりますが、その現状を教えてください。

○平安名盛正水産課長 県では糸満漁港が本県唯一の第三種魚港であることから、県内外の漁船の水揚げ及び県外出荷を行う産地として位置づけています。一方、泊漁港は那覇市を中心とする消費地市場としての機能を有していることから、市民や観光客などの消費者ニーズに対応した施設整備を進める計画です。計画を推進するためには、関係者の合意形成を図る必要がありますが、泊の生産団体の合意が得られていない状況です。そのため、生産団体の合意形成に向けた直近の取り組みとして、平成30年2月5日に泊漁港の再開発推進委員会と、泊漁港及び泊魚市場の整備について、県と協議する形で意見交換を行っております。県としては、泊漁港再開発委員会との意見交換を継続して行うことについて、双方で合意していますので、合意形成に向けて努めていきたいと考えております。

○山川典二委員 今月中に関係者を集めた会議があると聞いていますが、具体的にそこで何を議論しようとしていますか。

○平安名盛正水産課長 予定として、3月22日に県主催で3回目のワーキングチームによる会議を開催して、その中で新市場の収支案―高度衛生管理型荷さばき施設となるので、ランニングコストの問題など、そういうものを関係者の方々は非常に気にしていますので、その点について説明しながら、意見交換を行うことを考えています。

○山川典二委員 今、前向きに行っているようなので、なお一層の取り組みをお願いします。
 もう一つ、私は那覇市選出議員なので、質疑しなければいけません。那覇市の魚、市魚はマグロです。以前から、拠点産地認定について質疑させていただいておりますが、現在どのような状況ですか。

○平安名盛正水産課長 那覇市から申請されているマグロ類の拠点産地認定については、去る2月8日に開催した農林水産部の調整会議において進言したところです。その中で、申請の際に提出された関係書類について、沖縄21世紀農林水産業振興計画との関連性を確認する必要があるということで、文書により確認を求めたところ、3月5日に那覇市から回答がありました。県としては早急にこの内容を精査し、判断を急ぎたいと考えております。

○山川典二委員 これは去年の8月に那覇市から県に要望があったようですが、半年間かかったのはなぜですか。それから、拠点産地について調整会議でどういう議論がなされたのですか。

○平安名盛正水産課長 半年以上の時間を要したということに関しては、事前調整が進まない中で、那覇市から申請書及び関係書類の提出がありました。県として書類の内容を確認しましたが、他地区とは異なり那覇市は関係する漁協が3漁協あります。また、それに流通団体が2団体加わっているということで、複数の組織として協議会を立ち上げていることから、書類の内容確認等に時間を要したということがあります。また、記載不備や補足説明等が必要となる箇所もあったので、その調整に時間を要したということです。

○山川典二委員 農林水産部の調整会議の中でも議論があったと思いますが、その内容について教えてください。

○平安名盛正水産課長 繰り返しになりますが、調整会議の中では、沖縄21世紀農林水産業振興計画との関連性が不十分ではないかという話があり、那覇市にその部分の補足説明を求めたという経緯があります。

○山川典二委員 現在、那覇市との調整は順調に進んでいるわけですね。

○平安名盛正水産課長 私どもから沖縄21世紀農林水産業振興計画との関連性の質問を求めたところ、3月5日に那覇市からこれに対する回答がありましたので、調整については順調に進んでいるものと考えております。

○山川典二委員 県内の漁業の生産量、漁獲高に占めるマグロの量や割合は幾らですか。

○平安名盛正水産課長 平成27年ですが、県全体で1万332トン、那覇市は4839トンとなっております。

○山川典二委員 パーセントはどれぐらいですか。約半分くらいですよね。それから、糸満市の漁獲量との割合は幾らぐらいですか。

○瑞慶覧功委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部から県全体に占める那覇市と糸満市の漁獲量と割合、県全体の漁業生産量に占めるマグロの漁獲量について説明がされた。)

○瑞慶覧功委員長 再開いたします。
 山川典二委員。

○山川典二委員 糸満市は781トンで、マグロの拠点産地になっています。一方、那覇市は4839トンで、拠点産地申請をしていますが、いまだにその認定を受けていません。しかし、今の説明を聞くと、調整が順調に進んでいるということですから、ぜひ一日も早く拠点産地として認定していただきたいと思いますが、いかがですか。

○島尻勝広農林水産部長 水産課長から説明があったように、那覇市の場合は、ほかの産地と違って生産団体と流通団体が幾つかあって、本来ならば、拠点産地については産地協議会があり、生産と販売、流通を一定の方向で整理していくということがありました。今回、那覇市については、以前からそういう話がある中で、産地協議会の整理がなかなかうまくいっていなかったと聞いております。今回、マグロ祭りやお魚フェアなど、いろいろな面で流通団体だけではなく、生産団体も一緒にやっていこうという協議会のスキームができたと聞いていますので、一定のブランド力を高めるためにも、産地協議会の中で、生産、流通、販売に必要となるブランド力を高めていくということで、我々も那覇市と調整させてもらっています。この辺についてはしっかりとやっていきたいと思っています。

○山川典二委員 那覇市の生産漁業者を初め、那覇市民の願いですから、ひとつ、夢をかなえていただきますようお願いします。
 先日、沿岸漁業の落ち込みが報道されていました。今回も予算で出てきていますが、これについては、もう仕方がないという話なのか。あるいは、できるだけ応援できることはやらなければいけないと思うのですが、その辺の実態と対応策について、今後、どのように取り組むのかについてお聞かせください。

○平安名盛正水産課長 本県における平成27年の漁業生産量は3万2581トンで、生産額は194億6000万円となっています。海面漁業の生産量は1万5472トンで、そのうち約83%がマグロ類、イカ類、カジキ・カツオ類といった沖合漁業で占められています。沖合漁業の生産量が平成23年から平成27年の5年間で約17%増加している中で、沿岸漁業の生産量は4%の減少となっています。このため、沿岸海域の水産資源の増大を図るために、漁業者が主体となった資源管理型漁業の普及啓発を進めるとともに、モズク養殖の生産安定など、つくり育てる漁業の推進に取り組んでいるところであります。

○山川典二委員 次に、日台漁業ルールについてはなかなか進展がなくて、沖縄の漁業従事者の皆さんの不安も頂点に来ていると思います。これについては、なかなか難しいと思いますが、いかがですか。

○平安名盛正水産課長 県では、関係団体と連携し、平成30年2月5日に副知事と一緒に、農林水産省、外務省、国土交通省などに要請しております。その中で、八重山北方三角水域での操業ルールの見直しと、安定的かつ継続的な基金事業の実施について要請してきたところであります。

○山川典二委員 鋭意、取り組みをお願いします。 次に、93ページの野菜振興対策事業費の中に、ゴーヤー増産対策事業とあります。ゴーヤーのゲノム、遺伝子を解読したということですが、具体的にどのように活用していくのか教えてください。

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 ゴーヤーゲノム解読の情報を使って、これまでにDNAマーカーを作成しております。これによって、ゴーヤーについては収量性の高い短太型のニガウリや、苦みのあるゴーヤーなどの品種のゲノム情報を使ってDNAマーカーを作成し、品種育成に活用していくということになります。

○山川典二委員 具体的なスケジュールなどはありますか。目標でもいいので教えてください。

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 研究中ということもありまして、手元に詳細なデータを持っていないので、お答えできません。

○山川典二委員 研究中でも、想定があるでしょう。何年後ぐらいからこれを活用していこうという議論もあったと思いますが、それはわかりませんか。

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 済みません。今の質疑に対する回答は難しいです。

○山川典二委員 次に、商工労働部にお伺いします。事項別積算内訳書の19ページ、技能向上普及対策費について、具体的に技能五輪には何人ぐらいの技術者が全国から来て、どういう形で行うのか。また、波及効果的なものとして、その後の沖縄の技能者に対する影響などについて、どのようにお考えなのか、概要でいいので、説明をお願いします。

○仲里勉労働政策課技能五輪・アビリンピック準備室長 11月2日から5日にかけて、技能五輪全国大会と全国アビリンピックを沖縄県で初めて開催します。これは沖縄本島中南部の会場を中心に実施されます。出場選手と関係者は、全国から約3200名を見込んでいます。沖縄県からは、見学者などを含めて約15万人を想定しているところです。また、アジアからも招聘しておりまして、技術交流を行っていきたいと考えているところでございます。

○山川典二委員 技能五輪を開催した後、沖縄県にどういう影響を残したいと考えていますか。

○仲里勉労働政策課技能五輪・アビリンピック準備室長 まず児童生徒に実際に見ていただくことによって、職業観が形成されるという目的がございます。また、今後の技能の向上が図られることや、障害者の雇用促進を図ることを目的としております。

○山川典二委員 地元の技能修習の専門学校や工業高校との連携はどうなっていますか。

○仲里勉労働政策課技能五輪・アビリンピック準備室長 推進協議会の総会には95団体入っていまして、教育庁に加えて専門学校についても各代表に入っていただき、全ての情報を共有しながら、事前学習や見学を行っていくことで調整しているところです。

○山川典二委員 例えば、教育庁と相談して、ボランティアでもいいので、野球でいえばバットボーイのような感じで、子供たちにそばで技能の技術を見せていくということも必要だと思うのですが、その辺の考え方はありますか。

○仲里勉労働政策課技能五輪・アビリンピック準備室長 それにつきましても、希望の学校を調査しているところです。何校ということについて、今、具体的にお答えできませんが、シャトルバスを巡回させて、親子見学を行うなどということを考えているところです。

○山川典二委員 人材教育という観点からも、大変重要な技能オリンピックだと思いますので、開催に向けた取り組みをお願いします。

○瑞慶覧功委員長 先ほど、山川委員の質疑に対する答弁で、農林水産総務課研究企画監から追加して答弁したいとの申し出がありますので、発言を許します。
 宮城克浩農林水産総務課研究企画監

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 追加して説明させていただきます。ゲノム情報を使ってDNAマーカーを作成すると、例えば、野菜であれば、これまで品種育成に10年かかっていたものが、DNAマーカーは遺伝子レベルで評価できるということで、苗の段階でDNAを評価することによって選抜をかけることができますので、従来の交配して選抜する育種に比べて約3年ほど期間が短縮すると聞いております。ですから、交配して7年の間には品種が育成できるということになるかと思います。

○瑞慶覧功委員長 休憩いたします。

   午後0時8分 休憩
   午後1時29分 再開

○瑞慶覧功委員長 再開いたします。
 先ほどの西銘委員の質疑に対する答弁で、産業政策課長から答弁を訂正したいとの申し出がありますので、発言を許します。
 喜友名朝弘産業政策課長。

○喜友名朝弘産業政策課長 午前の西銘委員の質疑の際に答弁いたしました金額等に修正がございますので、答弁を訂正させていただきます。
 商工労働部の2月末時点の一般会計予算執行状況は、予算総額が409億431万9000円、配当額が408億8604万8000円、支出負担行為済額が339億3775万4000円、支出済率が68%となっております。

○瑞慶覧功委員長 午前に引き続き、質疑を行います。
 大城一馬委員。

○大城一馬委員 まず農林水産部に質疑します。県産農林水産物輸出体制構築事業について、その概略を説明してもらえませんか。

○幸地稔流通・加工推進課長 県では農林水産物の海外輸出促進について、一括交付金を活用した県産農林水産物輸出体制構築事業により、1つ目に、香港、台湾、シンガポールにおける見本市等への出店と現地インストアショップの設置。2つ目に、香港での県産畜産物の販売促進。3つ目に、輸出品目のブランド化に向けたパッケージデザイン等の改良。4つ目に、輸出産地と海外バイヤーとのマッチングなどを実施します。県としましては、生産団体、輸出事業者等と連携し、引き続き、海外輸出の促進に取り組んでまいります。

○大城一馬委員 この事業は新規ですが、その前の事業がありますね。一旦打ち切って、継続する事業であると認識しておりますが、前回は平成27年から平成29年まで、前身の事業として販路拡大の定番化という形で実施しています。その中で、課題について説明してほしいのですが、まず、テストマーケティングとして、沖縄を訪れる観光客に対する県産農林水産物消費につなげる仕組みの検討。もう一つは、香港等の市場で豚肉以外の県産食肉の定番化が進んでいないということ。さらに、輸出による利益を実感できないこと。この3点の課題について、解決するためにどういう手法をとるつもりですか。

○幸地稔流通・加工推進課長 県産農林水産物の定番化に向けまして、1番目に、海外における見本市等への出店と現地インストアショップの設置。2番目に、県産食肉の定番化に向けて、現地量販店や飲食店に対する英語、中国語によるPRビデオや、チラシ、ブランドブック等を活用した販売促進及びレストランのシェフや現地販売員向けに県産畜産物を使用したメニューの展示会の開催。3番目に、輸出品目のブランド化に向けた輸出品目のパッケージデザイン等の改良やテストマーケティングの実施。4番目に、輸出産地等への支援として、産地に対する輸出情報発信及び産地と海外バイヤーのマッチングを予定しております。

○瑞慶覧功委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、大城委員から県産農林水産物の輸出体制の構築に向けた課題解決のための取り組みについて答弁するよう指摘がされた。)

○瑞慶覧功委員長 再開いたします。
 幸地稔流通・加工推進課長。

○幸地稔流通・加工推進課長 課題につきましては、先ほど説明したように、農家所得の向上に結びついていないという課題があるのですが、それに対して、定番化やブランド化を推進していきたいと考えております。それから供給が難しいということがありますので、生産者とバイヤーとのマッチング等を行っていきたいと考えております。

○大城一馬委員 次に、県産水産物の海外市場拡大事業について、概略の説明をお願いします。

○平安名盛正水産課長 県産水産物の海外市場拡大事業については、県産水産物の海外市場拡大戦略を構築するとともに、水産物の輸出に際し、基盤となる資源量の把握や輸送技術を確立し、海外市場の拡大と定番化を図るものです。県内漁協と連携した上で、民間企業に業務を委託することによって、1つ目に、輸出量増大に向けたナマコの資源量の調査を実施しております。2つ目に、マグロなどの県産水産物の輸送技術の確立を図っております。3つ目に、海外市場拡大戦略の構築などの取り組みを、現在、実施しております。

○大城一馬委員 決算特別委員会でも2016年の収穫量の問題について質疑しましたが、2017年の魚介類の輸出に係る数字は出ていますか。

○平安名盛正水産課長 平成28年度の水産物の総輸出量は203トンで、そのうちマグロが53トンと最も大きくなっています。続いて、イカが35トン。ナマコが25トン。その他の水産物は66トンとなっています。

○大城一馬委員 アジア向けの魚介類は非常に伸びていて、2016年の数値では対前年度比46倍くらいの大幅な伸びとなっています。この中で、特にマグロは順調であるものと理解しておりますが、ナマコは相当減少しています。久高島も結構な産地でしたが、近年、禁漁になって、規制がかけられています。そういった資源の調査等は非常に大事ではないかと思います。とりわけ、ナマコについては沖縄本島では乱獲されており、中国の大手の業者が中国向けに輸出しているというような話も聞きます。やはり高級食材ですから、そういった対策をしっかりととるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○平安名盛正水産課長 委員がおっしゃるとおり、平成24年をピークにナマコは激減しており、需要については、中国からの要望が非常に高かったことから、乱獲されたということを聞いております。そのため、当該事業を活用して、どのようなナマコが減少しているのかということで、現在、資源の調査を含めて取り組んでいるところです。

○大城一馬委員 アジアに向けた農水産物の拡大は、沖縄の農業振興においても、極めて重要な位置づけではないのかと思います。平成28年9月に6名の県議会議員で八重山に行きました。そのときに、八重山の漁業組合といろいろな意見交換を行いました。その際に、漁民の方々が20名くらい参加していましたが、そのときに出たのは鮮度の問題です。離島から持っていくと、マグロでも18時間ほどそのまま置いていると。そして、夜になって飛行機で空輸するということで、これをグレードアップするためには、鮮度保持の対策が大事ではないかと。例えば、冷蔵冷凍施設を那覇空港に設置してはどうか。この件については、9月定例会において、社民・社大・結連合の代表質問の中で、当山議員からも問題提起しています。そういう施設の整備は極めて重大で、急を要するような事業ではないかと思うのですが、その辺の検証や検討は行われていますか。

○平安名盛正水産課長 今年度から当該事業を活用して、那覇空港に隣接する民間業者の敷地内に設置したストックヤードを用いて、現在、シンガポールと上海や香港に、マグロや車エビなどの梱包手法を用いて、集出荷の試験を実施しているところです。

○大城一馬委員 その民間の施設を利用して十分に対応できるものと認識していいですか。

○平安名盛正水産課長 対応が可能なものとなるのかについて、現在、事業の中で検証しているところです。

○大城一馬委員 次に、沖縄型オープンイノベーション創出促進事業について、IT産業の振興のためとなっていますが、実際にそうなっていますか。

○盛田光尚情報産業振興課長 IT産業の振興も当然ですが、IT産業と沖縄のほかの産業を沖縄型オープンイノベーション創出促進事業でマッチングさせる。これは3つぐらいの細かい事業がございますが、その中でマッチングしていくということで、IT産業も振興するし、県内のほかの産業も振興していくというものでございます。

○大城一馬委員 県内のIT産業の振興について、県はどのような位置づけで、今後、この事業を展開しようとしているのですか。

○盛田光尚情報産業振興課長 IT産業の振興については、平成2年度から、観光に次ぐリーディング産業として、IT企業の集積、振興に取り組んでおります。我々としては、現在、売上高が4000億円を突破していますし、県を代表するリーディング産業に育っていると思っています。さらに、今、第4次産業革命と言われている中で、IT技術、先端技術を使って、産業構造を含めていろいろな産業が変わっています。そこをうまく取り入れて、もちろんIT産業も伸びていくし、ほかの産業もITを使って伸ばしていきたいということです。

○大城一馬委員 次に、沖縄ITイノベーション戦略センター設立推進事業について伺います。このセンターを設立することで、企業誘致や雇用拡大の数値目標は出していますか。

○盛田光尚情報産業振興課長 沖縄ITイノベーション戦略センターは、ITを活用して県内産業全体の振興を図るという産業支援のための機関です。このセンターの設立によって、具体的に企業がどのくらいふえるとか、雇用がどのくらいふえていくかということは、センターの直接的な効果としては出しておりません。ただし、沖縄21世紀ビジョン実施計画の中で、平成33年度の目標値として、立地企業数が560社、売上高が5800億円、立地企業による雇用者数が4万2000名という目標を立てております。

○大城一馬委員 ぜひ、目標達成に向けて頑張ってください。

○瑞慶覧功委員長 新里米吉委員。

○新里米吉委員 農林水産部から質疑します。当初予算説明資料の25ページ、新規事業の災害に強い高機能型栽培施設の導入推進事業。これは8億2730万円ですが、この事業内容について説明をお願いします。また、平成28年度の主要施策の成果に関する報告書の中に、災害に強い栽培施設の整備事業がありますが、その違い、あるいは関連について説明してください。

○前門尚美園芸振興課長 新規事業の災害に強い高機能型栽培施設の導入推進事業は、一括交付金を活用して、災害に強い栽培施設と施設内の環境制御装置を一体的に整備することとしています。具体的には、施設とこれに付随する環境制御施設として、加温器、循環扇、自動巻き上げ装置などを一体的に導入することで、園芸作物に適した環境を維持し、安定生産や品質の向上による園芸産地の生産供給体制の強化を図ることを目標としています。前身事業の災害に強い栽培施設の整備事業は、平成24年度から実施していました。この事業は、台風等の自然災害に適応した栽培施設ということで、具体的には強化型パイプハウスや平張り施設を整備し、園芸産地の生産供給体制の強化を図ってきたところです。今回の新規事業は、前身事業で導入してきた栽培施設に加えて、施設内の環境制御を一体的に整備する計画としております。

○新里米吉委員 より高度なものになったと理解しました。補助率や補助額はどうなっていますか。

○前門尚美園芸振興課長 補助率は10分の8以内となっております。

○新里米吉委員 次に、平成28年度の主要施策の成果に関する報告書7の5ページ、沖縄型農業共済制度推進事業について、その効果として、平成29年3月31日時点で、園芸施設共済加入率は20.1%から24.6%に改善したと書かれていますが、改善したといっても余りにも加入率が低過ぎると思います。その効果が不十分ではないかと思っています。その原因を説明してください。

○喜屋武盛人糖業農産課長 沖縄型農業共済制度推進事業については、本県は台風等の災害が多いことから、共済掛金率が高く、特に園芸施設共済では全国平均の3.8倍となっています。このため沖縄型農業共済制度推進事業によって農家の負担軽減を行い、加入率の向上を図っております。委員から御指摘がある園芸施設共済ですが、平成27年2月に全国的な制度改正があり、補償が拡充されたと。被害が出た際の共済組合からの補償がこれまで以上に支払われることになったのですが、それに伴って農家負担率が少し高くなったと。このことが原因なのか、平成26年度には加入率が前年度の23.4%から19.8%まで低下しました。その後、本事業等を活用した加入の推進策などによって、平成28年度には24.6%まで―確かに低いという御指摘もございますが、約5ポイント回復いたしました。県としては、平成30年度も沖縄型農業共済制度推進事業費について、約1億3000万円計上していますので、それを活用し、関係機関と連携しながら共済の加入率向上を図ってまいりたいと考えております。

○新里米吉委員 事業内容が加入促進活動の支援となっています。この事業で共済掛金に対する補助はできないのですか。

○喜屋武盛人糖業農産課長 掛金については国の補助が入っていますので、この事業で掛金の補助はできません。そこで、園芸施設共済の場合に、加入される農家が使う営農資材等に補助するということです。

○新里米吉委員 次に、当初予算説明資料の29ページ、航空機整備基地整備事業について、平成30年度が90億1723万円、平成28年度が49億円余り、平成29年度が41億円余りですので、ほぼ倍の予算額になっています。平成28年度、平成29年度の事業実績と、平成30年度に実施される事業の内容について伺います。それと関連して、たしか去年の新聞に出ていたと思いますが、企業が職員を採用しているようです。これについても説明してください。

○平田正志企業立地推進課長 航空機整備基地整備事業の実績として、平成28年度は格納庫を整備する地域の造成工事を実施しました。平成29年度は、格納庫及び事務所等の軀体を整備しています。平成30年度は、格納庫工事で軀体に附属している拡大階段等の鉄骨工事、内部工事、外壁、天井クレーン等の施設の中の工作物等を整備する予定です。また、事務所等も整備しており、内部工事とその他の外構工事等が実施される予定になっています。それから、企業の職員採用について、平成28年度は19名、平成29年度は23名を採用しております。平成30年度は25名を採用する予定であると聞いています。

○新里米吉委員 航空関連産業の集積、誘致も視野に入っているわけですね。その集積や誘致の見通しはどうなっていますか。

○平田正志企業立地推進課長 現在、県が整備している航空機整備施設そのものは、入居予定の企業として、MRジャパン株式会社の入居が決まっています。今後の企業誘致については、県において平成28年度から今年度にかけて航空関連産業クラスター形成に向けたアクションプランを策定するための調査を実施しております。次年度は、このアクションプランに沿って、関連企業の集積のための誘致活動や航空関連産業人材の育成に向けた取り組みを進めていくことを予定しております。平成30年度予算には、航空関連産業クラスター形成の実現に向けた周知広報に関する経費等も計上して、取り組みを進めていくことにしています。

○新里米吉委員 次に、説明資料の29ページ、新規事業として正社員雇用拡大助成金事業で2億11万円が計上されています。この事業内容を説明してください。

○下地康斗雇用政策課長 正社員雇用拡大助成金事業は、新卒者を除く35歳未満の若年者等を正社員として雇用し、6カ月間の定着につなげた企業に対して、1人当たり60万円の助成金を支給する事業です。これによって、正社員の就職機会の創出や職場定着の推進を図るものとなっております。

○新里米吉委員 平成28年度の正規労働者処遇改善事業、あるいは平成29年度の正規雇用化企業応援事業を見ると、額が全然違うわけです。そのときには正規雇用にするために講師を派遣したり、セミナーなどを行っていたはずですが、今回は雇用する企業に対する具体的な支援があるということですね。

○下地康斗雇用政策課長 これまでは非正規社員を正規社員に転換する取り組みに対する支援でしたが、新規事業については、最初から正社員として雇用して、これを定着させる企業の取り組みに対する支援ということになります。

○新里米吉委員 次に、沖縄県アジア経済戦略構想の産業成長戦略の中で、地場産業、地域基盤産業に対する主な取り組みとして、工芸縫製・金細工技術者養成、工芸感性価値創造人材の育成など、豊富な伝統的工芸品を生かした産業の振興に資する人材を育成するということです。工芸縫製・金細工技術者の養成や工芸感性価値創造人材の育成などについて、よくわかりませんので、それぞれ説明してください。

○神谷順治ものづくり振興課長 工芸縫製・金細工技術者養成事業は平成29年度の事業であり、県内染織物を活用したバッグや財布などの縫製品を製作する技術者と、主に銀や銅、しんちゅうを使用した金属加工技術者をそれぞれを養成しているところです。同じく、工芸感性価値創造人材育成事業は、本県の伝統織物、紅型、漆器、金細工に施される紋様を活用した新たな工芸品の開発を行う人材を育成しています。ともに高度な技術を持つ県内外の専門技術者を講師として招き、技術力及び製品開発力を習得するための研修を工業振興センターにおいて実施しているところです。

○新里米吉委員 講習会や商品開発の技術調査などを行ってきたということですが、新商品の開発として、何かできていますか。

○神谷順治ものづくり振興課長 ことしは既に実施しましたが、毎年、習得した技術を浦添美術館などで展示し、これを周知をすることで販路拡大につなげていくということを行っております。

○瑞慶覧功委員長 親川敬委員。

○親川敬委員 歳出予算事項別積算内訳書の中から質疑いたします。まず17ページです。去年も聞きましたが、平成30年度に予定している、多面的機能増進活動と体制整備活動実施地区について伺います。

○大村学村づくり計画課長 中山間地域等直接支払事業については、中山間地域等が抱える農業生産面の不利性を補正し、適切な農業生産活動が継続的に行われるよう、農業者などが作成する集落協定に基づく取り組みを支援する目的で実施しております。当該事業における多面的機能増進活動といたしましては、景観作物の植えつけ、堆肥の投入、環境に配慮した性フェロモンの利用による害虫防除、防風林帯の下草刈りなどを11の市町村で実施する計画となっております。また、体制整備活動は、高齢化等により農業生産活動の継続が困難となった農用地が発生した場合に備え、農地集積や農作業受託などにより、補完できるような体制整備を行う活動となっており、名護市を含めて6市町村で実施する計画となっています。平成30年度の地区別の県からの補助としましては、北部地域においては3市町村で2022万1000円、中部地域では1市で43万8000円、南部地域では4町村で717万9000円、宮古地域では1村で684万円、八重山地域では2町で1288万5000円となっております。

○親川敬委員 次に、33ページの高付加価値茶生産技術開発事業について、去年、ベニホマレの周年多回数収穫技術の開発ということで、事業目的、予定を聞きましたが、その結果はどうなっているのか。そして、平成30年度ではどこまで広げようとしているのか、その辺を教えてください。

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 ベニホマレの周年多回数収穫技術の開発及び収穫期の移動技術の開発については、これまで収穫期別の紅茶品質及び収量調査を行っています。それから、揉捻条件別の紅茶製造試験を行いまして、官能審査による評価を終えたところです。結果については、データがございませんので、詳しく述べることはできませんが、そういった試験を終えているということです。

○親川敬委員 結果は、いつごろわかりますか。

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 平成30年度が終期ですので、平成30年度中にはわかると思います。

○親川敬委員 沖縄型天敵利用のための基盤技術開発事業について、平成29年度と平成30年度を比較したときに、どこが強化されようとしているのか。あるいは、何を高めようとしているのか、その辺を教えてください。

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 これまでの進捗状況ですが、沖縄県の春夏期における有望な天敵温存植物について、ヒメハナカメムシにはソバ、マリーゴールドフレンチ、スイートバジルなどの天敵温存植物が適していると。それから、チリトゲカメムシ類については、ソバとスイートバジルが適していると。それから、タバコカスミカメは、ホーリーバジルとバーベナ、加州菊が有用であるということで、その可能性がわかっています。平成30年度も引き続き、春夏期の天敵温存植物の評価と秋冬期の天敵温存植物の評価を行っていくこととしております。

○親川敬委員 実際に農家で活用されるのは、いつごろをめどにしていますか。

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 この事業は平成31年度に終了しますので、それまでには天敵温存植物を農家へ普及し、活用できればと考えております。

○親川敬委員 43ページの、世界一おいしい豚肉作出推進事業について、去年はゲノムの解読やDNAチップを用いた効率的な育種改良法を確立するという説明がありました。平成29年度と比較したときに、平成30年度はどこを目指しているのでしょうか。これまでの説明では、アグー専用のDNAチップの開発やDNAチップを利用した効率的な育種改良法の確立ということでした。その辺がどこまで進んでいるのか、お聞かせください。

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 DNAチップについては、平成29年度中に開発が終了しまして、平成30年度からは実際にこれを活用して、アグーの肉質能力等を評価していくことになります。その後、アグー個体の遺伝能力評価及び選抜を行い、肉質の向上に努めていくと。能力が高いと評価されたアグー豚については、家畜改良センターに導入して、優良アグー豚を生産農家に供給する予定です。時期については、平成33年度を予定しています。

○親川敬委員 次に、53ページの県産魚介類の美味しさを科学する事業について、前回の説明では、うまみ成分や歯ごたえなどに及ぼす適切な条件とは何か解明していきたいという話がありました。その辺についてはどうなったのでしょうか。

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 これまでの進捗状況ですが、まず、ソデイカの黄変に係る調査分析におきましては、ソデイカの黄変に関してメイラード反応、糖とタンパク質、酵素による反応が起きている可能性があると思われるため、筋肉中の全糖量の測定と糖組成について分析を行っているところです。それから、アカマチの煮えたような身質に係る調査分析において、マグロ等の焼けと言われている状況と似ていることから、アカマチの筋肉組織の組織切片の顕微鏡観察及びペアの分析、乳酸の分析を行っているところです。

○親川敬委員 ぜひ、それを進めてください。
 次に、66ページです。以前は、海外研修生受け入れによる農業農村活性化事業がありました。今回から海外農業研修生受入支援事業になっていますが、この2つの違いは何ですか。

○屋宜宣由営農支援課長 海外農業研修生受入支援事業は、今年度まで実施する研修生受け入れによる農業農村活性化事業の後継事業として平成30年度に実施する予定となっています。これまでは管理団体への委託事業ということで、技能実習生の受け入れを行う農業者を支援してきましたが、平成30年度からの後継事業では、補助事業により実施する予定となっております。

○親川敬委員 そうすると、管理団体はどうなるのですか。

○屋宜宣由営農支援課長 今年度までの事業は、公益財団法人オイスカ―OISCAだけが加入対象になっていました。次年度は、市町村が事業主体ということで、それぞれの市町村において技能実習生を受け入れる管理団体として、OISCA、農業協同組合、一般財団法人沖縄美ら島財団の3団体を想定しております。

○親川敬委員 研修生の受け入れまでの手続と研修生受け入れの条件があれば、教えてください。

○屋宜宣由営農支援課長 受け入れまでの手続としては、技能実習生の選定になります。これは主に管理団体等を通じて行っていただきますが、農家と実習に来られる方の雇用契約と技能実習計画書を作成します。この作成と認定の申請は外国人技能実習機構へ提出する書類となりますので、しっかりした管理団体が行うことを想定しております。それが終わると、入国管理局での在留資格認定の審査、次に在留資格認定書が交付されて、技能実習生となった暁に入国ということになっています。

○親川敬委員 予定でいいので、平成30年度の国別の研修生の受け入れ地域がわかれば教えてください。

○屋宜宣由営農支援課長 平成30年度の技能実習生の受け入れ予定は、インドネシアから15名、フィリピンから7名、ベトナムから57名、合計で79名の予定です。市町村別に見ると、国頭村、東村、名護市、金武町、浦添市、南風原町、豊見城市、糸満市、南城市、八重瀬町、南大東村、石垣市で受け入れる予定になっております。

○親川敬委員 ほとんどのところがアジアです。アジアの皆さんに沖縄に研修に来てよかったと絶対に言っていただきたいのです。そのためには、この方々がそれぞれの国に帰られた後の沖縄との連携といいますか、今後、この方々の帰国後に農業や技術をフォローしていくような体制も必要であると思います。帰国後の状況把握の手段はあるのでしょうか。

○屋宜宣由営農支援課長 直接、県の調査ということではないのですが、OISCAなど管理団体を通じた調査の結果、まず、農業関係で従事されている方で、帰国後に連絡がとれた方が48名おり、そのうち30名が実際に実習の成果を生かして農業に従事されています。

○親川敬委員 次に、93ページです。ことしの予算書では島ヤサイ産地拡大推進事業という名称になっていますが、これも前年度までは、うちなー島ヤサイ商品化支援技術開発事業だったと思います。まず、その確認をさせてください。

○前門尚美園芸振興課長 島ヤサイ産地拡大推進事業は、平成27年度から平成29年度まで実施していた、わったー島ヤサイ産地力強化事業の後継事業となっています。これは、平成30年度から平成32年度まで実施する計画です。

○親川敬委員 去年、幾つか島野菜の種類を挙げて説明していただきましたが、今、産地の拡大ということになっていますので、28品目ある島野菜の中から、どの地域にどの品種を拡大しようとしている計画なのか、説明してください。

○前門尚美園芸振興課長 島ヤサイ産地拡大推進事業は、市町村で島ヤサイ推進基本方針を策定した地区で事業を実施することにしています。これは市町村で島野菜の産地化を目指す方針が明確に定められている地区が対象となります。大宜味村、伊江村、本部町、中城村等の9地区でその方針を策定しており、例えば、伊江村では島ラッキョウの産地化ということで、機械を入れて省力化したり、島野菜の販売促進などに取り組んでいます。また、中城村は島ニンジンということで、島ニンジンは緑化といって、店頭に置いたときに黄色の部分が緑色になるものですから、黄色のまま保持するフィルムをつくったり、島野菜の生産力を上げるための実証展示圃に取り組んでおります。

○親川敬委員 次に、126ページのいっぺーまーさんパインアップル強化事業について、農家へ配付していくという説明がありましたが、その状況はどうなっているのか教えてください。

○前門尚美園芸振興課長 いっぺーまーさんパインアップル強化事業は、生食用のパイナップルの産地化に向けて優良種苗の緊急増殖を委託したり、高品質の果実生産に向けた技術開発を図る事業となっています。具体的には産地協議会における輪切り、増殖などを行って、種苗の増殖等を行ったり、農業研究センターにおける高品質の安定生産技術の確立に向けた試験を行っています。平成29年度は、東村ほか3市町村の産地協議会において、新品種の種苗増殖の委託を行っております。平成30年度は、石垣市ほか7市町村の産地協議会を対象に、種苗増殖の委託を予定しております。

○親川敬委員 製品としては、まだ市場に出回っていないのですか。

○前門尚美園芸振興課長 産地に配付した後、パインは2年ほど市場に出ないのですが、一部、沖農P17、サンドルチェで商標登録をとっている沖縄県で一番新しい生食用の品種がございます。それは販売テストということで、ファーマーズマーケットや東京でバイヤーに試食していただいております。それを、いっぺーまーさんパインアップル強化事業で産地に増殖を緊急的に行って供給できるように、今後、産地協議会と連携して進めてまいりたいと考えています。

○親川敬委員 私たち県民の口にも入るように、頑張っていただきたいと思います。
 145ページ、ヒージャーの振興対策についてですが、前年とことしの違いと、ことし予定していることがあれば教えてください。

○池村薫畜産課長 平成27年度から今年度まで取り組んでいる、おきなわ山羊生産振興対策事業において、県が推奨しているボア種という大型の種ヤギを生産農家に110頭導入し、増殖を図っております。この事業の中で、初めてヤギの経営手法をつくって、体重の増加がヤギ農家の収益性において重要な要因であるということを明らかにしたので、平成30年度からは、新たに収益性を高め、体重増加の改良を推進するために、県外、海外も含めて大型のヤギ種の導入を計画しております。そのヤギを導入することによって、ヤギの産肉能力向上につなげていくものが新規事業でございます。

○親川敬委員 ことしの数字は確認していませんが、去年までは北部地域が出場頭数が多いという話もありました。ただし、もう少し改善が必要ではないかと思うのが、競り市が南部地域で行われていることです。北部地域も一部では行われていますが、飼育頭数の多い北部地域、特に今帰仁村での競り市が少ないということについて、県としてはどのように考えていますか。

○池村薫畜産課長 ヤギの競り市は、糸満市の南部家畜市場と今帰仁家畜市場で開催されています。南部家畜市場が歴史が古く、偶数月に定期的に開催しており、北部地域の今帰仁家畜市場では年3回で、最近から定期的に開催されています。これまでは、どちらの市場に持っていくのかは、生産者の自由なので、北部地域の生産者も南部家畜市場に持って行くという実態がありましたが、こういった形で定期的に競りが開催されるようになると、生産者もそれに合わせて出荷することができると思います。

○親川敬委員 ヤギ飼育農家の話を聞くと、南部家畜市場まで持っていくのに経費がかかるとのことです。その辺を競り値で埋めていかないといけないということであれば、そこはもう少し改善が必要であると思います。北部地域のヤギは北部地域で競りができるように、ぜひその辺の対策もとっていただきたいと思います。
 次に、187ページの名護市の眞喜屋ダムの事業の関連ですが、現在、その水質はどうなっているのか。そして、この事業による管理施設の補修計画の進捗はどうか。それから、関連すると思われる215ページのため池の事業ですが、工事費のところにも金額が入っていますが、そことの関連がおわかりでしたら、あわせて説明していただくようお願いします。

○安仁屋智農地農村施設管理班長 眞喜屋ダムの水質管理の状況については、ダムの上流域において大小さまざまな土砂崩壊が生じており、大雨の際に崩壊した多量の土砂が赤水となってダム湖に流れ込み、水質が悪化することから農業用水の取水制限を引き起こしていました。このため平成25年度に県営ため池等整備事業の新規地区として採択され、現在、その対策工事を実施しております。近年においては、農業用水の取水制限を引き起こすような赤水は発生しておらず、水質自体に特段の問題はありません。県営ため池等整備事業眞喜屋地区は、平成25年度に採択され、平成31年度完了する予定です。総事業費が5億7840万円で、平成29年度までに2億8013万1000円、進捗率は48.4%です。平成30年度の予算は7030万円となっております。

○親川敬委員 次に、商工労働部に質疑いたします。22ページです。これは浦添市とうるま市にも関係すると思いますが、去年も経済労働委員会で議論になりました。その中で浦添職業能力開発校の自動車整備科の定員の検討状況について、お聞かせください。

○宮平道子労働政策課長 浦添職業能力開発校の自動車整備科については、沖縄県立職業能力開発校整備基本計画に基づきまして、平成31年度に具志川職業能力開発校へ統合し、廃止することになっていましたが、雇用情勢の変化等を受けまして、計画の見直しも視野に検討することとしております。現在、具志川職業能力開発校及び浦添職業能力開発校の両校との意見交換を行うとともに、外部有識者等から意見を聴取するということで、検討委員会の開催に向けて調整しているところです。

○親川敬委員 次に、94ページの先端医療産業開発拠点実用化事業について、これも事業名が変わったようですが、事業内容の説明をお願いします。

○神谷順治ものづくり振興課長 本事業では、那覇空港近くにアジア等への展開を見据えた細胞培養加工施設を核とする再生医療拠点を整備し、その周辺に企業の集積を進めたいと考えております。また、これまで沖縄工業高等専門学校―沖縄高専と連携して研究を進めてきた臨床用バイオ3Dプリンターについては、県内医療機関と連携して、安全性試験や効果検証を行い、実用化に取り組んでまいります。

○親川敬委員 これは去年とどこが違うのですか。平成30年度では何をやろうとしているのですか。

○神谷順治ものづくり振興課長 去年まで沖縄高専等と連携して研究を進めてきた臨床用バイオ3Dプリンターについて、平成30年度は、県内医療機関と連携して安全性の確認や効果検証を行い、実用化に向けて取り組んでいくことを考えております。

○親川敬委員 専門家ではないので、よくわからないので、詳しく説明してもらえますか。実用化というからには、何か期待できるものがあるのかと思いますが。

○神谷順治ものづくり振興課長 今年度は、3Dプリンターを沖縄バイオ産業振興センターに設置して、今は犬などの動物で実験しているところです。次年度は、これを踏まえて人の細胞を培養し、人の試験をしていくことを想定しているところです。

○瑞慶覧功委員長 瀬長美佐雄委員。

○瀬長美佐雄委員 まず、農林水産部関係から質疑いたします。新年度予算は前年度と比べると減額になっていますが、その大きな要因は何ですか。

○美里毅農林水産総務課長 減の主な要因は、ソフト交付金で約25億7000万円の減、ハード交付金で約16億2000万円の減となっており、そのほかにも、事業量が大きいために減っているものとして、農業研究センター名護支所施設整備事業で8億2421万8000円の減となっています。また、水産生産基盤整備事業で5億2590万円の減で、これは南大東漁港の整備費の減です。これらが主な減の要因となっております。

○瀬長美佐雄委員 農林水産部の大きな課題として、農業従事者の高齢化に伴う生産量の減少をどう防ぐのかということだと思います。この中で、食糧自給率を正面に据えた対応が、目標として見えないのですが、現状はどうなっていますか。

○美里毅農林水産総務課長 食糧自給率について、県では平成33年度の食糧自給率の目標値をカロリーベースで45%と設定し、各種施策に取り組んでいるところです。その実績としては、平成27年度の食糧自給率がカロリーベースで26%、生産額ベースで54%となっております。また、自給率の向上に当たっては、経営感覚にすぐれた担い手の育成や多様な新規就農者の育成確保、自然災害や気象変動に対応した耐候性ハウス等の栽培環境の整備、農業用水源の確保やかんがい施設等の生産基盤整備の促進などに取り組んでおります。

○瀬長美佐雄委員 目標の平成33年度に照らしても大分開きがあると思います。この課題に向けて、どのような対策を打っていますか。

○美里毅農林水産総務課長 本県の主要な農林水産物は、肉用牛、サトウキビ、豚、菊等となっており、主食である米など穀物の生産量が低いことも食糧自給率が低くなる要因となっております。

○瀬長美佐雄委員 この間、農家の平均年齢は高くなっているのか。それとも、新規就農者がふえて、平均年齢が低くなっているのか。これについては、どういう傾向ですか。

○屋宜宣由営農支援課長 青年農業者の数については、この間、いろいろな施策を実施してきたこともあって、平成24年度に1261名であったものが、平成25年度に1299名、平成26年度に1761名、平成27年度に1781名、平成28年度に1869名と増加傾向にあります。

○瀬長美佐雄委員 青年農業者がふえているのは、いい傾向ですが、実際に今の平均年齢はどのぐらいになっていますか。

○島尻勝広農林水産部長 平成17年度の農業従事者2万8224名の中で、65歳以上は54%です。平成27年度現在では1万9916人ということで、こちらも同じように65歳以上が54%なので、農家の人口数は減っていると思いますが、他県に比べて、高齢化は少しおくれているのかもしれません。ただし、高齢化については、離島地域に行けば行くほど深刻であるということは認識しております。

○瀬長美佐雄委員 食料生産という観点から、きちんと農地を耕して生産に結びつけるという対策を見ると、遊休農地の状況は改善していて、これが少なくなくなっているのですか。

○大村学村づくり計画課長 平成28年度の荒廃農地は、全体で3279ヘクタールです。その中で、平成21年度から平成28年度までの間に耕作放棄地再生利用緊急対策事業で改善したのが316ヘクタールとなっております。今後も耕作放棄地の再生に向けて、農地中間管理機構や市町村の関係機関と連携して、担い手への農地集積などに取り組んでいきたいと思います。

○瀬長美佐雄委員 新規就農者の支援によって、年300名ぐらいコンスタントにふやしている状況があるのですが、新年度の予算が前年度に比べて減っているのはどういう理由によるものですか。

○屋宜宣由営農支援課長 新規就農一貫支援事業等の事業について、予算額が前年度から減っている理由ですが、予算については、前年度において市町村に要望調査を行い、予算額を算出することにしております。平成30年度の予算が減少している主な要因としては、農業機械及び施設等の整備支援を行うスタートアップ支援において、平成29年度に実施予定だった助成対象者の中で、農地の確保が困難になったこと等により取り下げがありました。また、平成30年度に実施予定だった方々を、平成29年度に6名繰り上げて支援を実施したところです。その結果、平成30年度の実施予定件数が26件から20件となり、その分が減少しているということもあります。

○瀬長美佐雄委員 目標としては、年に300名ぐらいということなので、新年度は300名に届きますか。

○屋宜宣由営農支援課長 新規就農実態調査については、現在、市町村を通じて集計しているところです。その結果については、まだ届いておりませんので、取りまとめ次第、報告したいと思います。

○瀬長美佐雄委員 次に、63ページの農業次世代人材投資事業について、説明してください。

○屋宜宣由営農支援課長 農業次世代人材投資事業は、次世代を担う農業者となることを志向している青年新規就農者の増加と就農定着を図るため、就農前の研修期間、また経営を開始して間もない経営が不安定な就農直後の所得を確保するために、農業次世代人材投資資金を交付する事業となっております。同事業には、準備型と経営開始型の2つのタイプがあり、いずれも就農時に原則45歳未満であるという要件がついております。準備型については、県が交付することになっています。農業大学校、先進農家、研修を受ける施設等で研修をしている就農希望者に対して、最長2年間、年間当たり最大で150万円の資金を交付する事業となっています。経営開始型については、市町村が交付主体となっています。これは市町村が策定する人・農地プランに位置づけられている、または位置づけられることが確実であると見込まれる独立自営就農者に最長5年間の資金を交付します。これも最大150万円となっています。これまでの成果については、沖縄21世紀ビジョン基本計画に基づき新規就農者を確保するということで、これに対して大いに貢献している事業であると考えております。

○瀬長美佐雄委員 何名ぐらい適用されていますか。

○屋宜宣由営農支援課長 平成30年度は、準備型で50名。経営開始型につきましては1年目、2年目というように給付期間中の方もおりますが、新規で87名を予定しております。

○瀬長美佐雄委員 県立農業大学校は養成機関として重要な学校です。今度、卒業する皆さんの進路については、どのような状況かわかりますか。

○屋宜宣由営農支援課長 きのう、県立農業大学校の卒業式がありましたが、就農率としては、ことし卒業する学生のうち62%が就農するということです。今、手元に資料がないので、定かではありませんが、自営就農が3名で、農業生産法人等における就農が残りの方々であったと記憶しております。

○瀬長美佐雄委員 次に、離島型の植物コンテナ事業が、去年から企画部と連携しているということですが、その状況はわかりますか。

○瑞慶覧功委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、農林水産部長から同事業については未実施との説明がされた。)

○瑞慶覧功委員長 再開いたします。
 瀬長美佐雄委員。

○瀬長美佐雄委員 観光客がふえ続けている中で、観光客に県内産を供給することは、農家にとっては生産面、所得もふえるということです。観光分野との連携について、県内産や県外産の供給体制について、どのような状況なのか把握されていますか。

○幸地稔流通・加工推進課長 農林水産部では、観光分野と連携して、食に関連する情報発信やグリーンツーリズムの推進に取り組んでおります。食に関する情報発信としては、県産の農林水産物を積極的に活用しているホテル、飲食店等を沖縄食材の店として登録し、観光客に情報発信しています。また、マンゴーの日やパインの日などの農林水産物記念日にイベントを開催し、観光客に広くPRしています。さらに、おきなわ花と食のフェスティバルを開催することで、県産農林水産物及び加工品の魅力発信、県産農林水産物を使用した観光土産品の開発支援、県内ホテルでのインバウンド向け県産食材のテストマーケティング、JALやJTA協力のもと機内や空港ラウンジでの県産品の提供などを実施しています。グリーンツーリズムの推進については、グリーンツーリズム活動組織の育成及び連携強化を図る研修会、ネットワークの設立支援、体験交流プログラムのブラッシュアップ、ホームページによる情報発信などに取り組んでおります。平成30年度においても、これらの取り組みを継続し、観光分野との連携による農林水産業の振興に努めてまいります。

○瀬長美佐雄委員 私が聞いているのは、そういう事業の実施によって、実はどうなっているのだろうかと。離島などは特に連携を強化しないといけないと思います。実態としてどれだけの供給量が必要で、そのうち県外からの輸入で供給している部分がどれだけあるのかということだと思うのです。その実態を踏まえて、より連携した形で県内産を供給できる仕組みをつくると。県内産でどのくらいの量を賄えているのかという状況もわからずに、その対応ができるのかという思いで聞いています。実態の掌握についてはどうなっていますか。

○幸地稔流通・加工推進課長 県内ホテルにおける県産農林水産物の利用状況については、県内ホテルに対して県産農林水産物の利用状況とニーズ、地産地消の取引拡大、取り扱い拡大に向けた課題を把握するための調査を実施しています。この中で、平成27年度の県産農林水産物の利用状況は33.6%になっております。

○瀬長美佐雄委員 ぜひ、県産農林水産物の利用率を引き上げる方向で、連携を強化してほしいと思います。
 次に、営農体制について質疑します。農林水産部全体で職員が少なくなっているということですが、実際に農家を支援をする体制、研究機関、営農指導という部分は厚くすべきという思いがあります。こういう部分の人材の配置については、ふえているのか、あるいは減り続けているのか。どのような状況ですか。

○美里毅農林水産総務課長 平成26年度と平成30年度を比較すると、本庁の定数は、平成26年度が267名、平成30年度も267名で、その増減はありません。農林水産振興センターは、平成26年度が221名、平成30年度が215名ということで、6名の減です。研究機関は平成26年度が222名、平成30年度が202名ということで、20名の減となっています。また、農業研究センター以外の出先機関につきましては、平成26年度が208名、平成30年度が189名ということで、19名の減です。トータルで見ると、45名の減という状況になっております。

○瀬長美佐雄委員 生産を上げない限り、食糧自給率が上がらないという観点から、指導的な研究機関を含めて、そこは位置づけて強化すべきであると思いますが、いかがですか。

○島尻勝広農林水産部長 農林水産業については、自然、植物や動物などが対象ということで、技術的に確立するときには、新規就農を含めて技術の定着が必要であると思っています。そのためには、末端にいる普及員を初めとして、研究機関、出先機関は農家などとの接触が多い職場なので、適正な技術の指導、関係機関との連携が必要であることから適正な人員措置を行うべきであると思っています。この辺については県庁全体のバランスもありますので、技術や指導的な資質向上を含めて、研修体制の強化、関係機関との連携をしっかりと図っていきたいと思います。

○瀬長美佐雄委員 続いて、商工労働部に質疑します。好調な県経済において、課題として所得の向上や、雇用形態として正規雇用をふやすことが求められていますので、そこに対する新年度の強化方向や目標がどういう形になるのか説明してください。

○下地康斗雇用政策課長 先ほど新規事業の概要を説明いたしましたが、この事業を通して正規求人の数をふやすということで、沖縄労働局と沖縄県は雇用対策協定を結んでおり、その中で正社員の就職件数について、毎年、目標値を掲げて取り組んでおります。次年度からの新規事業でも、目標値と実際の就職件数の差を埋めるということで、約300人に助成して、全体的な正社員の求人数と正社員の就職件数を伸ばしていくことを考えております。

○瀬長美佐雄委員 今の答弁は、正社員の雇用拡大を図るための新しい事業ということですか。

○下地康斗雇用政策課長 新規事業である、正社員雇用拡大助成金事業でございます。

○瀬長美佐雄委員 これについては、ぜひ300名を超える支援を行ってほしいのですが、手続のあり方など、事業者にどのように周知して、いつの時点で企業に助成金が支払われるというような流れは、どうなりますか。

○下地康斗雇用政策課長 周知につきましては、ハローワークを通じて正規の求人を行っていますので、ハローワークや沖縄助成金センターに協力を依頼して、沖縄労働局と連携して周知を図っていくと。また、本助成金の業務自体は委託する予定ですので、委託先に専任のコーディネーターを配置して、商工会議所や個別企業への訪問等で周知を図り、さらに、観光、福祉、保育など各種業界団体への周知も関係部局を通じて依頼していきたいと思います。さらに、新聞広告等での周知を図っていきたいと考えています。手続の流れですが、ハローワークを通じて正社員を求人して、正社員として雇用した時点で、正社員の定着に向けた取り組みに係る企業の計画を事前に県に出していただきます。その後、6カ月間しっかりと取り組んで、定着につなげたという実績報告によって交付申請を行い、その実績報告と交付申請を県で審査して、助成金を支給するという流れになります。

○瀬長美佐雄委員 ぜひこれを有効に活用して、正規雇用をふやしてください。正規雇用をどのようにしてふやすのかということは、県政を上げて取り組むべきことであり、この事業は思い切った事業として評価しています。県全体の公共事業の中で、これをふやしていくということが提起されています。例えば、教育分野において少人数学級をふやすことに伴い、職員採用の数がふえていくと。これは教育サイドですが、県全体でそういった事業の中で雇用をふやしていくというところを掌握する必要があると思います。全体の正規雇用をふやすという中で、県にかかわる部分で、各部署でこれぐらいの採用を広げて進めていくということも必要であると思いますが、どうですか。

○屋比久盛敏商工労働部長 正規雇用については、我々としては、どちらかというと県全体ということで、先ほど説明があった正規化のための助成金や、これまで取り組んできた正規化サポート事業など幾つかございます。それで正規化を進めていこうと考えておりますし、沖縄労働局とは平成27年に協定書を締結して、できるだけ正規雇用の求人も受け入れる。それから、きちんと成果として雇用させるという目標値を立てました。先ほど答弁があったとおり、七千幾らかの目標ですが、少し足りない部分を正規化雇用助成金で賄うという取り組みでございます。これを加えたことで目標に達するのではないかと。これを続けていけば、正社員化が進んでいくと考えております。ただし、県庁内における成果の話としては、今のところ余り上がっていない状況でございます。

○瀬長美佐雄委員 次に、65ページのスマートエネルギーアイランド基盤構築事業の説明の中で、ハワイとの連携とありますが、予算上は大分減っている理由について説明してください。

○喜友名朝弘産業政策課長 スマートエネルギーアイランド基盤構築事業は、再生可能エネルギーの普及促進を図ることを目的として、IT技術などを活用して、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた事業となっております。具体的な取り組みとしては、宮古島で農業用ポンプや電気給湯器をコントロールして、太陽光エネルギーの効率的な利用を図るシステムを構築すること。波照間島でディーゼル発電機にかわり再生可能エネルギーを動力源としたモーターを駆動して発電するシステムを構築し、島内の電力を供給する実証事業でございます。また、ハワイ州知事と沖縄県知事、また国が協定を結んでおり、お互いに島嶼であるということや、ハワイでは2045年に100%再生可能エネルギーを目指しているということなので、お互いに連携しながら技術的な面も高めていこうとするもので、会議を開催したりしているところです。

○瀬長美佐雄委員 県の計画としてエコアイランド化を目指すなどの目標があるのですが、今、言われたように、ハワイが100%再生可能エネルギーを目指すという大がかりな取り組みをしているわけですから、それこそ連携をとって、そこから学んで、沖縄でどう具体化するのかと。当然、実証実験は行うべきですが、それを踏まえた目標を立てて、再生可能エネルギーをどのようにして普及するのかという点では、具体的な計画を持たなければならないと思います。農業の分野でも、太陽光発電などの再生可能エネルギーをどのように普及させるのかと。考え方次第では、電気の供給源を自然エネルギーとリンクさせて、農業生産にも寄与できると思うのですが、そこら辺はもっと具体的な計画について研究すべきではないでしょうか。

○喜友名朝弘産業政策課長 農業関係につきましては、宮古島では地下水を電気で吸引しています。そこで昼に余った再生可能エネルギーの電力を活用しようということで、農業関係とも連携していきたいと考えています。

○瀬長美佐雄委員 全県に普及することが期待されています。
 次に、グローバル産業人材育成事業について、その狙いや目的など、どのような中身なのか教えてください。

○喜友名朝弘産業政策課長 グローバル産業人材育成事業は、県内企業の海外展開などを牽引するグローバル人材を育成するため、海外展開に積極的な県内企業などに対し、海外企業への実務研修派遣、また海外専門家等の招聘や海外ビジネスに必要なスキル習得のためのセミナーなどを行う事業です。これによって県内企業のグローバル化を目指し、海外展開や所得の向上を図っていける企業の育成に取り組んでいきたいと思います。

○瑞慶覧功委員長 嘉陽宗儀委員。

○嘉陽宗儀委員 まず、49ページの森林資源研究費について説明してください。

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 森林資源研究費の中のリュウキュウマツを天敵で守る技術開発事業につきましては、リュウキュウマツを松くい虫から守るため、農薬を使用せず、在来の天敵昆虫を利用した低コスト防除技術を開発するものであります。これまでに沖縄産の天敵であるクロサワオオホソカタムシ卵接種法による殺虫効果試験を行っております。また、ドローンを使ったクロサワオオホソカタムシ卵の散布による殺虫効果試験に取り組んでおります。平成30年度も引き続き、自然の景観と経済的価値の高いリュウキュウマツを松くい虫の被害から守る技術開発に取り組んでまいりたいと考えております。

○嘉陽宗儀委員 天敵でリュウキュウマツを守ることは大変すばらしいと思いますが、具体的な中身はどうなっていますか。

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 天敵のクロサワオオホソカタムシの成虫が松くい虫の成虫に卵を産んで、松くい虫を駆除していくものです。その天敵の卵を放飼する技術を研究開発しているところでございます。

○嘉陽宗儀委員 松くい虫防除の中身はどうなっていますか。

○崎洋一森林管理課長 松くい虫防除につきましては、国庫補助事業による公益的機能が高い保全松林の防除と、沖縄振興特別対策推進交付金によるその他松林の防除を実施しております。被害の状況につきましては、現在、名護市及び本部半島地域において被害が集中しており、県全体の約7割の被害量が出ております。被害の最北端は、国頭村比地及び東村高江となっております。防除は被害の多い地域において、文化財や景勝地等の守るべき松林に対して、樹幹注入を主体とした防除や伐倒駆除を実施しており、選択と集中による対策を行っております。なお、被害の先端地域では、被害が拡大しないように、詳細な被害調査と徹底した駆除を目指して取り組んでおります。

○嘉陽宗儀委員 天敵の中身について説明してください。

○崎洋一森林管理課長 平成29年12月末時点の県全体の被害量は2266立方メートルで、前年同月の被害量4150立方メートルの5割程度となっております。

○嘉陽宗儀委員 私は松くい虫について、長年やってきていますが、一向に抜本的な駆除するための体制が組まれていない。せいぜい松の幹に農薬をまいて駆除することなどがありますが、本当の意味で、松くい虫の天敵で駆除するまでには至っていないですね。ですから、改めてその分野の研究開発に取り組まないと、リュウキュウマツはなくなります。私は、松くい虫の駆除法について特許をとりました。これが全国で評判になって、松平伊豆守の時代からある貴重な松が枯れそうだということで、大分助けることができましたが、改めて沖縄のリュウキュウマツの希少さを皆さん方も重視して、農薬に頼るのではなく、本当に天敵を皆さん方が開発できればすばらしいことであると思います。ですから、すばらしい意見が出てきたと思ったのですが、中身は従前と変わらないので、本当に県民が納得できるように試験や研究開発をしないと、いつまでたっても同じことの繰り返しではないのですか。これについて決意すべきではないですか。

○崎洋一森林管理課長 私は決意する立場ではございませんが、先ほど答弁したとおり、これまでも試験研究機関が新たな研究開発を行っていますので、松くい虫の天敵であるクロサワオオホソカタムシの培養を踏まえて、これが確立するまでの間、これまでの事業も行っていくということです。

○嘉陽宗儀委員 天敵で守る技術を開発したら、松だけではなく、沖縄の亜熱帯性の植物は全部助かりますね。デイゴやバショウなど全部助かってきています。私、個人でこういうことを行っているわけですから、皆さん方は研究機関で予算もつくし、人材もいます。今のままではだめになるので、本格的に取り組んでもらえませんか。

○島尻勝広農林水産部長 貴重なリュウキュウマツや沖縄の植物等を含めて、自然に優しい天敵防除も大事だと思いますし、それ以外の効果的な防除も大事だと思っています。試験研究機関との連携やこれまでの技術を踏まえるとともに、委員からの提案も含めながら、研究に取り組んでいきたいと思っています。

○嘉陽宗儀委員 特殊病害虫の問題について、現在、ウリミバエの対策はどうなっていますか。

○屋宜宣由営農支援課長 御質疑の内容は、ミカンコミバエのことかと思います。本年度、宮古、八重山地域でミカンコミバエの誘殺が相次いで確認されました。その後、病害虫防除技術センターと地元市町村の共同による積極的な対策の実施によって、平成29年12月の初旬に竹富町で1匹誘殺が確認されましたが、年明け以降はずっとゼロで、対策の効果が確認されております。

○嘉陽宗儀委員 イリムサーの駆除状況はどうなっていますか。

○屋宜宣由営農支援課長 ゾウムシ類の防除、根絶事業については、平成13年度より久米島で、平成19年度より津堅島において実施しているところです。アリモドキゾウムシは、平成25年に久米島で根絶し、津堅島については、現在の調査において寄生率がほぼゼロとなっております。根絶対策の最終段階に至ったということで、県や国による確認調査を行うため、沖縄県特殊病害虫防除条例に基づく防除地区として平成29年10月30日付で津堅島を指定して、寄主植物の移動規制を実施しているところです。

○嘉陽宗儀委員 結局、ウリミバエ、アリモドキゾウムシは両方ともきちんと駆除しなければだめですね。ところが、今、それが中途半端になっています。久米島については駆除したということですが、津堅島はどうなっていますか。

○屋宜宣由営農支援課長 先ほど、ゾウムシ類と申し上げましたが、アリモドキゾウムシについては、久米島では根絶できました。津堅島では平成31年度をめどに根絶を目指せるところまできております。ただし、別の種類のイモゾウムシについては、まだ根絶に至るまでのさまざまな課題を解決する段階にあるというところです。

○嘉陽宗儀委員 私なりにずっと調査してきていますが、ここでそれを出して議論する必要はないと思うのでやりません。ただし、私がウリミバエ問題を取り上げてから20年以上になりますが、これまでずっと同じ答弁です。予算をきちんとつけて、研究体制も整えて、個人的な名前をいろいろと挙げるわけにはいきませんが、みんな一生懸命やってきました。しかし、それだけでとまっているのです。すばらしい学者、研究者も大分育ちました。しかし、このままではまずいので、改めて沖縄の農業を守ると。もし、イモゾウムシ、アリモドキゾウムシ、ウリミバエをみんな駆除できたら、世界の飢餓、餓死がなくなると言われているぐらい重宝されています。それだけ皆さん方の責任、世界からの注目度は大きいのです。歴史を変える男になってください。

○瑞慶覧功委員長 先ほどの親川委員の質疑に対する答弁で、村づくり計画課長、また嘉陽宗儀委員の質疑に対する答弁で、農林水産総務課研究企画監から答弁を訂正したいとの申し出がありますので、発言を許します。
 大村学村づくり計画課長。

○大村学村づくり計画課長 先ほどの答弁で、平成30年度の地区別の県補助金としまして、南部地区を717万9000円と申し上げましたが、訂正いたします。正確には7170万9000円です。申しわけございません。

○瑞慶覧功委員長 宮城克浩農林水産総務課研究企画監。

○宮城克浩農林水産総務課研究企画監 先ほど嘉陽委員の天敵に関する質疑で、松くい虫の幼虫の天敵であるクロサワオオホソカタムシの成虫が卵を産みつけると答弁いたしましたが、松くい虫の媒介昆虫であるマツノマダラカミキリの幼虫に卵を産みつけるということですので、おわびして訂正いたします。

○瑞慶覧功委員長 引き続き質疑を行います。
 金城勉委員。

○金城勉委員 水産課長、頑張っていますか。私は沖縄県もずく養殖振興協議会から沖縄モズク大使を拝命されておりますので、真っ先にモズクについてお伺いいたします。ここ数年のモズクの生産高の推移はどうなっていますか。

○平安名盛正水産課長 平成25年度が約21億2000万円、平成26年度が約26億5000万円、平成27年度が約20億8000万円となっております。

○金城勉委員 トン数で言うとどうなりますか。

○平安名盛正水産課長 平成25年度が1万5336トン、平成26年度が1万9305トン、平成27年度が1万4445トンとなっております。

○金城勉委員 平成27年度が大きく減っているのは、どういう理由によるものですか。

○平安名盛正水産課長 平成27年度の生産量が落ちている原因といたしましては、2月の時期に日照不足があり、雨が多かったことから、成長が余りよくなかったということがあると聞いています。

○金城勉委員 県としては、生産高の目標を設定していますね。それは幾らですか。

○平安名盛正水産課長 3万トンを目標としております。

○金城勉委員 いつごろを目標にしていますか。

○平安名盛正水産課長 目標年度については、平成33年度としております。

○金城勉委員 今、2万トン弱で推移していますが、これまでの数字を見ると、2万トンを超えたのは何回かしかないですね。そういう中で3万トンの目標達成に向けて、具体的にどういう生産体制を構築すれば、それが可能になりますか。

○平安名盛正水産課長 県では、今、オキナワモズクの生産底上げ技術開発事業によって、生産性にすぐれた新品種を育成するための交雑技術の開発や効率的な養殖技術の開発、普及及び生産の底上げを目指しております。また、最近は早摘みモズクの需要が高まっており、早摘みをすることで2回以上の収穫が可能となり、それに伴う生産量の増大が期待されております。そのほかにも機能性成分の活用によるフコイダンなどの成分で、胃に優しい海藻としてモズクを工業原料とする利用が可能になれば、3万トンという目標に向けて、今後、取り組んでいけるのではないかと考えております。

○金城勉委員 素人ながら考えると、1万トンもふやしていくという目標であるならば、それだけ栽培面積を拡大して生産高を上げるというイメージがあるのですが、そうではないのですか。

○平安名盛正水産課長 栽培面積というよりも、網の張り方を従来よりも多目に入れる方法で、現在、漁業者も自身の生産量を上げるために取り組んでいるので、そのような方法で回数をふやしていくことも可能であると考えております。

○金城勉委員 平成29年度から平成30年度になって、平成33年度までに1万トンを増産するということですが、先ほど説明された栽培技術は完成しているのですか。

○平安名盛正水産課長 繰り返しになりますが、県としては安定性や生産性にすぐれた新品種を確立するために交雑技術開発に取り組んでいるところです。この技術をきちんと普及まで持っていくことができれば、3万トンの目標達成に向けて、漁業者が取り組んでいけるものと考えております。

○金城勉委員 ですから、そういう技術開発のめどはついていますか。

○平安名盛正水産課長 これについてはまだ研究途中ということで、めどがついているというレベルには至っていないものと考えております。

○金城勉委員 そうであれば、1万トンを増産するというのも、確定的な見通しではなくて、希望的観測として理解すればいいのでしょうか。

○平安名盛正水産課長 現状においては、目標として取り組んでいく数字であると考えております。

○金城勉委員 ぜひ頑張ってください。今は2万トン弱の生産高ですが、皆さんが頑張っていただいたおかげで、幸いにして需要に間に合わない状況になっています。10年くらい前に、私が県議会で、毎回叫び続けていたときは、在庫を抱えていて、価格は低迷しているなど大変な状況であったのですが、そのときから比べると本当に覚醒した感があって、モズクのよさも、フコイダンの研究も、さまざまな効能も認識されるようになって、県外やアジアからも引き合いがあって、逆にそれに応えられていない状況があります。それはうれしい悲鳴ですが、そういう意味でも、ぜひ頑張って3万トンの目標を達成していただくよう期待しています。
 次に、現在の沖縄におけるモズクの出荷のあり方はどうなっていますか。生産されたモズクはどういうルートで、どういう形で販売されていますか。

○平安名盛正水産課長 産地である漁協が一元集荷し、加工業者に販売していくというやり方と、漁協が全部の量を対応しきれない分については、加工業者に相対売りというやり方で販売している状況です。

○金城勉委員 関係者から話を聞くと、もっと工夫することで付加価値をつけたり、あるいは販売額については、もっと生産者が潤うような数字になるのではないかと。私が知っている範囲では、生産者が直接、浜売りで仲買業者に渡してしまって、ある意味で、買い値を抑えられて買い上げをされている。また場合によってはルートを抑えられているという現状があると聞いています。モズクを加工すると付加価値がつき、雇用も生まれ、販売価格も有利な形になって、より利幅がふえるという話も聞きます。沖縄の場合は生産者から直接本土の仲買業者に渡してしまう量が多いので、なかなか歩どまりがよくないという指摘もあります。この辺はどうですか。

○平安名盛正水産課長 委員がおっしゃるとおり、相対売りをしても加工業者に安値で買われてしまうこともあります。そのため、県としては平成29年度から一括交付金を活用して、おきなわ海藻消費拡大事業に取り組んでおります。この事業は、生モズクを各漁協で加工して出していくというやり方で、生産から商品開発を含めて行うことができれば、商品開発の部分で各漁協にお金を落とすことができるのではないかということです。現在、勝連漁業協同組合のほか2つの漁協において、生モズクを使った商品開発に取り組んでいるところです。

○金城勉委員 ぜひ、もっと積極的に進めていただきたいと思います。以前にも取り上げたことがありますが、県内における学校給食への提供についてはどうなっていますか。

○平安名盛正水産課長 学校給食への提供については、沖縄県漁業協同組合連合会で、一部ではありますが、活用してもらうために取り組んでいると聞いております。

○金城勉委員 具体的な量について把握していますか。

○平安名盛正水産課長 具体的な数字については、把握しておりません。

○金城勉委員 ぜひ具体的な数字を把握していただいて、もっと戦略的に、積極的に学校給食に提供する形をとっていただいきたいと思います。そうすることで、子供たちにモズクを身近な食材として、誇りある県産食材としての認識も深まるし、子供たちが育っていったら、その分、モズクの消費につながっていきます。加工に回す分量をふやせばふやすほど付加価値も高まると聞いていますので、漁協と一緒になって、ぜひ取り組みをお願いします。
 次に、EV自動車製造の取り組みについて、現状をお聞かせいただけますか。

○神谷順治ものづくり振興課長 EVの開発、製作に当たっては、沖縄県が整備した素形材産業振興施設を拠点に、工業技術センターや周辺企業が連携してEV開発に取り組んでおります。県では、モーターやコントローラーの開発など、EV関連技術を強化する戦略的基盤技術導入促進事業を実施しております。観光やレジャー施設等で利用され、景観やデザインなど、多様なニーズに対応できる少量多品種生産のEVの研究開発を行うことで、県内企業の基盤技術を強化する取り組みを行っているところです。少量多品種生産は、大手が参入しにくく、比較的、優勢があると考えることから、さらなる製造技術の向上に取り組むこととしております。

○金城勉委員 以前からそういう取り組みを進めていると思いますが、事業化のめどはどうですか。

○神谷順治ものづくり振興課長 戦略的基盤技術導入促進事業は、平成28年度から平成30年度までの事業でございます。実際の取り組みとしては、例えば、EVのシャーシなどについて、金秀アルミ工業などの県内の製造業者と連携しながら、まさに今、取り組んでいるところでございます。

○金城勉委員 中城湾港新港地区でモデルケースを進めているようですが、県内のあらゆる自動車関連の工場でもつくれるような体制を目指しているということを聞いたことがあります。技術的にはそんなに難しい技術ではないと聞いていますし、世界的な流れを見ても、ガソリンから電気へとダイナミックに動いていますね。そういう意味でも、この事業は非常に有望な事業ではないのかと思います。民間で事業化する見通しはどうですか。

○神谷順治ものづくり振興課長 例えば、県内のホテルでは、いわゆる6人乗りのゴルフカートのようなもので実際に導入が始まっています。そういった県内の観光施設やホテルなどにおいて、今後の需要が期待されるところでございます。

○金城勉委員 どういう形で、どこで生産されていますか。

○神谷順治ものづくり振興課長 先ほど御説明いたしました素形材整備事業によって、ものづくりネットワーク沖縄等々が製品開発をしており、工業技術センター等とも連携しながら、うるま市の素形材産業振興施設で組み立てて販売しているところでございます。

○金城勉委員 そこはモデル事業として行っているのですか。つまり民間の業としてスタートしているのですか。

○神谷順治ものづくり振興課長 素形材産業振興施設は入居施設であり、賃貸工場です。そこで組み立てて、販売まで行っているということです。

○金城勉委員 これも非常に有望だと見ておりますので、ぜひ積極的に強化していただきたいと思います。
 次に、琉球泡盛再興プロジェクト支援事業について質疑します。この10年間、泡盛の消費量がずっと減り続けています。業界としては、いろいろな工夫や取り組みをしてもなかなか消費が回復しないという状況にあって、大変な悩みの種かと思います。これを何とか再興する手だて、まさにこのプロジェクト事業がそうだと思いますが、その内容、取り組みについて説明してください。

○神谷順治ものづくり振興課長 本事業は、泡盛業界の厳しい状況を克服し、引き続き、地域経済の振興を担うとともに、再び経営基盤の安定及び輸出産業として成長させることを目的に、平成30年度当初予算として7819万9000円を計上しているところです。具体的には、沖縄県酒造組合が実施するプロモーション等の出荷拡大策への補助に加え、主体的に取り組む個別酒造所への支援として、リーディング産業を育成するためのマーケティング強化に対するハンズオン支援や、経営状況の厳しい離島を含めた泡盛酒造所への経営改善計画の策定等を実施することとしています。

○金城勉委員 全国的に見ると、例えば、霧島酒造が1社でもすごい生産高を誇っています。つい最近までは、いいちこが全国に名をはせていたし、そういうところの手法などを参考にすることも考えていますか。

○神谷順治ものづくり振興課長 いいちこは、4社が統合してできたのですが、県としては、全部で46社ある酒造所について、リーディング産業としてマーケティングを強化していく。それから、弱いところ―2年前に組合が発表したところによると、離島を含めて15社が赤字経営であるということで、そういうところに経営基盤を強化するために診断士等を入れて、どのコストが高いのかなど、まさに9月補正予算で対応しているところでございます。

○金城勉委員 沖縄の文化の大きな柱ですから、さらにバックアップをしていただきたいと思います。
 第4次産業革命のさなかにあって、ITイノベーションセンターが、いよいよ本格化すると思いますが、県としてもITイノベーションセンターを新年度に設置して、それを迎え撃つということだと思います。先ほどの質疑の中で、平成33年度を目標にして誘致企業、生産高や雇用等々、非常にすばらしい数字が目標として掲げられていましたが、新年度に設置するITイノベーションセンターの規模や場所などはどうなりますか。

○盛田光尚情報産業振興課長 同センターについては、ことし中ごろの設立に向けて、現在取り組んでいるところです。場所につきましては、那覇市との調整がありますが、那覇市内のIT創造館を予定しております。センターの基本財産となる出捐金の規模でございますが、全体で3億円程度の規模を想定しております。それから、職員は30名弱からスタートしようということで、そのための準備を進めております。

○瑞慶覧功委員長 大城憲幸委員。

○大城憲幸委員 歳出予算事項別積算内訳書の15ページです。先ほども質疑があった農業大学校について、どうしようとしているのですか。

○屋宜宣由営農支援課長 県立農業大学校は、農業の担い手の育成機関として重要な役割を担っております。移転整備については、行財政的な側面を考慮しながら、全庁的な施策の中で推進する必要があり、引き続き庁内での調整等を踏まえて進めていきたいと考えているところです。

○大城憲幸委員 去年の予算と比べると、大分減額になっているし、これを検討するために必要な委員会の予算も今回はゼロですね。先ほど質疑があったように、老朽化、施設の分散の問題。そして、生活環境が畜舎や畑まで近くなっているという理由から、ぜひ移転が必要であるということで、検討委員会で議論があって、平成26年に3候補まで絞ったわけです。それで、当該市町村は誘致活動なども行ったわけです。それから4年たって全庁の公共施設の再編で耐震基準を満たす、満たさないということで判断しているということは、主体性がないといいますか、農業大学校について、農林水産部としてどのようにしたいということをもっと伝えないといけないと思います。内部での議論はどうなっているのですか。

○屋宜宣由営農支援課長 3つの候補に絞ったところで、今、全庁的な施策の中での調整を続けております。3カ所の候補地からどのようにして絞るかということについて、内部で調査等を進めている段階です。

○大城憲幸委員 ですから、その辺が不十分なのです。今のままだと、当然、老朽化した施設から順番に改築していくことが、全庁的な話となるわけです。そうではなく、農林水産部としては老朽化の問題だけではないと。農業や地域にとって、あるいは県の財産としてもっとうまく活用する方法があるとか、もっと主体的に農林水産部から、こうしたいと提案するようなものがあってもいいと思います。平成26年度から平成30年度にかけて、その部分が伝わってこないものですから、ここは少し反省して前に進める必要があると思いますが、いかがですか。

○島尻勝広農林水産部長 農業大学校については、教育環境も含めて機能アップを図るということで、今、営農支援課長が答弁したように、農業大学校が後継者育成のために重要な施設であることは認識しているのですが、全庁的に建てかえ、老朽化の部分について、ある程度めどを立てないとできないという意見も一部ありました。その辺を踏まえて、事務的にはしっかりと進めているものと認識しております。ただし、この辺については、財政的な負担や全体的なスタミナの部分もあるかと思いますので、農林水産部としては前向きに取り組んでいきたいと思います。

○大城憲幸委員 事務方に任せると、全体の議論の中ではそのようにしかなりませんので、担当部局として、こうしたいということをもっとアピールする必要があるということを指摘しておきます。
 次に、平成30年度予算概要の中で、目標としては持続的な農林水産業の振興とフロンティア型という部分があります。1つ目の、持続型農林水産業の振興という意味では、TPPや日欧のEPAなど、生産基盤としては非常に厳しい状況があります。この1週間ぐらい農業新聞や日経新聞にも出ていましたが、豚肉の輸入が急増して価格が低迷するという厳しい状況の中で、持続可能な農林水産業の振興のために、平成30年度予算としてどういう取り組みをするのかというところの説明をお願いします。

○美里毅農林水産総務課長 平成30年度の農林水産部の予算策定に当たっては、7本の柱をもとにこれを策定しております。これは、沖縄21世紀農林水産業振興計画の基本施策における7本の柱であり、沖縄ブランドの確立と生産供給体制の強化として49億9321万円、流通販売加工対策の強化として68億8119万円、農林水産物の安全安心の確立として54億458万円、農林漁業の担い手の育成・確保及び経営安定対策等の強化として24億8019万円、農林水産技術の開発と普及について14億2078万円、亜熱帯島嶼性に適合した農林水産業の基盤整備として226億9791万円、フロンティア型農林水産業の振興について20億8685万円を予算計上しております。

○大城憲幸委員 結論から言うと、今回の予算については不満です。農業の部分では、子牛部門の生産基盤として、災害に強い基盤づくりというものは非常にいいと思いますし、着実に成果を上げていると考えます。ただし、畜産の部分に関しては、今のトン当たりの価格が400円前後で続くと、養豚農家は確実に悲鳴を上げます。それから、肉用牛は非常に調子がいいということですが、最近、新聞報道でもあったように、肥育専門のもとぶ牧場が繁殖を始めるという話があります。九州各県の肥育農家と話をしても、自分たちで肥育基盤を持とうという話になっているわけです。それは想像できることで、70万円から80万円もする素牛を入れて肥育が成り立つわけないというところから、そうなっていくわけです。そういう意味では、ことしは畜産にとって厳しい年になるのではないかと非常に危惧するわけです。だからこそ、配合飼料を100円でも200円でも安くする努力を早急に、危機感を持ってやらないといけないし、生産基盤という意味では、肥育を充実させて繁殖農家の買い支えをすると。また、養豚については、農林水産部長は事故率を改善すればいいと言いますが、今のままではハードの部分についても限界があります。そういう意味では、生産基盤については危機感を持って頑張ってほしいと思うのですが、その辺についての所見を述べてください。

○島尻勝広農林水産部長 以前からTPP問題がありましたし、畜産については、県外に比べて生産基盤が弱い。なので、TPP以前から生産基盤は大事にしないといけないということで、105億円の事業費なども含めて、さまざまな関係機関等で生産基盤の整備を図ってきているものと認識しております。ただし、十分な規模の拡大が進んでいないし、経営自体も非常に厳しい状況が続いている中で、EPAやTPPの関係を考えると、さらに生産基盤を強化すべきであるという認識は持っております。我々としては、肥育について、導入や施設の支援なり、まだまだ小さい支援ではありますが、石垣牛のようなブランドを考えたときに、今後、外国からの観光客や地元で石垣牛を食べたいという方々がいらっしゃる中で、需給のバランスを考えると肥育もしていかないといけないと思います。もとぶ牧場についても、畜産クラスター事業で牛舎を整備していますので、この辺についても関係機関としっかりと連携していきたいと思います。養豚については、確かに事故率だけではないということもありますので、畜産クラスター事業の中で必要なところについては整備していきたいと思います。鶏肉、ブロイラーについても、今、名護市でしっかりと整備するということで進めていますし、これがある程度整備できれば、海外、県外を含めてしっかりとできるのかと考えています。また、飼養戸数、飼養羽数をふやしながら、沖縄らしい鶏肉として、安全、安心に出荷できるのかと思っています。ただし、畜産については、県外で企業化が進んでいる中で、沖縄の場合はまだまだ個別経営が多くなっています。この辺については、個別農家だけへの支援だけではなく、JAなどへの支援も必要になるのかと。また、配合飼料についても、しっかりと生産環境を整えていかないと、なかなか基盤強化にならないと思いますので、この辺は関係機関で意思統一がなされていると思いますので、関係機関と一緒にしっかりとやっていきたいと考えています。

○大城憲幸委員 もう一つの目標として、フロンティア型農林水産業の振興について伺います。皆さんが策定した沖縄21世紀農林水産振興計画の中で、フロンティア型の目標として、農林水産物の食品輸出26億3600万円、県産食肉100トンという目標値があります。そういう目標に向けて、今年度予算も含めてどういう取り組みをするのか、説明をお願いします。

○幸地稔流通・加工推進課長 輸出目標に向けた取り組みとして、一括交付金を活用した県産農林水産物輸出体制構築事業を実施いたします。その中で、香港、台湾、シンガポールなどにおいて見本市の出展、現地インストアショップの設置、香港での県産畜産物の販売促進、輸出品目のブランド化に向けたパッケージデザイン等の改良、輸出産地と海外バイヤーとのマッチングなどを予定しております。県としましては、引き続き、生産団体や輸出事業者等と連携して、海外輸出の促進に取り組んでまいりたいと考えております。

○大城憲幸委員 本会議でも議論したので、余り多くは申し上げません。商工労働部のアジア経済戦略構想の中にありますが、牛肉の輸出については、今後さらに輸出促進が見込まれるということで、施策展開として食肉処理、加工処理施設の輸出体制を構築するということで、輸出食肉取り扱い施設の認定や、ハラル認証を取得した処理場をやりますと書いてあります。ですから、HACCPに基づけば、どこにでも出せるというようなざっくりとした議論ではなく、香港であれば出せるが、シンガポールはHACCPだけではだめだとか、国によって細かい輸出基準があると思うのです。そういうものがきちんと議論されているのか、なかなか見えてこない。そういう議論を前提にして、県が主導権を持っていただきたい。一般の処理場、屠畜場は株式会社ですから、100トンまで持っていくので、国に対してこういう手続をしてくれないかという提案を県がすべきであると思うのですが、その辺についてはどうですか。

○池村薫畜産課長 委員のおっしゃるとおり、国別や品目ごとの取り組みがあって、今、我々がターゲットにしているのは香港です。香港では沖縄の認知度が高くて、本県から半分以上は香港に豚肉を輸出できています。ただし、香港は牛肉のハードルが非常に高くて、今の体制ではできないと。ですから、香港に対しては、豚肉以外の鶏肉や牛肉について、どのようにしてアプローチしていけるのかがポイントです。香港以外のところは、逆に主力である豚肉をどうやって出していくかということで、各国によって肉ごとで基準が違うものですから、それぞれ認可をとらなければならないと。そのベースとなるのがHACCPなので、畜産においては香港について、そういった形で考えながら、台湾、シンガポールとどんどん広げていく形で進めていきたいと思っています。

○大城憲幸委員 現場の声としては、今、牛1頭を屠畜するのに1万5000円から1万6000円ほどかかるが、HACCPを得るための体制をつくるには人をもっとふやさないといけないと。そういうことを積み上げていくと、株式会社としては1頭の屠畜料が4万円から5万円にもなるのではないかという話もあるわけです。そうすると、輸出だけがそこを通すわけではなく、一般の農家もそこを通さないといけないわけです。そういう課題も含めて、現場からそういう声が出るということは、県とのやりとりが不十分であると感じています。そこは厚生労働省がHACCPを義務化して、戦略的に100トンに向けて、何年後には何トン、どこの国にこれを出すから、株式会社や食肉センターも頑張ってくれと。そのための支援をするということが、現場には見えていないのではないかと感じるので、その辺の取り組みをしっかりとお願いしたいと思います。
 それから、青果市場についてもアジア戦略構想の中にあります。発展するアジア市場を取り込む、千載一遇のチャンスが訪れている中で、さまざまな取り組みが必要になってくるのです。今、民間の経済が元気なので、何でもかんでも一括交付金に頼るのではなく、民間につくってもらって貸し出すとか、そこからさまざまなデータを活用して生産者から販売までつなぐとか、そのような議論が不足している気がします。そういうものは何十億円もかける必要がないので、数百万円、1000万円かかるのかわかりませんが、しっかりと予算措置して取り組むべきだと思っているのですが、その辺はどうですか。

○島尻勝広農林水産部長 中央卸売市場については、機能強化や環境の面などについて、関係機関と調整しながら進めているところです。委員がおっしゃるように、市場の状況については、海外を含めた視点を入れるということも必要であると認識しておりますし、関係機関との意見交換の中でもいろいろな意見が出ております。我々もこれだけの施設を一気に整備するということになると、一定の理解と関係機関の合意形成が必要であると思っています。正式な会議の場を設定させてもらって、先進地視察や事例調査を行っていきながら、現在、予算措置されておりませんが、将来に向けて我々もしっかりと議論すべきであるということで、去年の末ごろから、そのような認識を持っております。予算措置されていませんが、その辺は関係機関の意見も聞きながら、将来のメリットなど、トータルで議論しながら、できるだけその辺の予算措置も含めて検討していきたいと思います。

○大城憲幸委員 一括交付金が170億円も削られるのは、間違いなく厳しいことです。部局間でも人や予算を奪い合うくらいの気持ちでやらないと、全部、商工労働部に持っていかれますので、農林水産部長は総務部長のテーブルをたたくぐらいの気合いで、ぜひ予算や人も確保するようにお願いします。
 次に、アジア経済戦略構想推進・検証事業ですが、どのような議論をして、今年度どう生かしているのか、その辺の説明をお願いします。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 御質疑の内容は、この事業で行っているアジア構想の推進検証のための委員会の提言に係るものだと思います。これについては、構想の実現に向けて国内外の有識者で委員会を開催しており、今年度11月に4つの分野として、1つ目に、物流貿易。2つ目に、観光MICE。3つ目に、ITスマート。4つ目に、新たなものづくりの分野について、これらを議論し、提言がありました。その中で、今、行っている施策の拡充など早期に集約すべき事項。そして、これまで行っていない新たな取り組み事項などについて、知事に対して提言されたところです。平成30年度予算については、この提言を踏まえて重点的に反映したと思います。現在実施している施策で、拡充、注力すべき事項としては、航空コンテナスペース確保事業の継続。これについてはいい制度であるが、よくわからない方々もいるということで制度の周知を強化します。また、先ほどから質疑されているITイノベーション戦略センターの産業連携機能の確保や、ITを活用した産業全体の活性化などが挙げられました。これらを踏まえて、次年度予算としては国際物流関連ビジネスモデル創出事業に2.6億円ほど。そして、沖縄ITイノベーション戦略センター設立推進事業に1.8億円。沖縄型オープンイノベーション創出促進事業に1億円などの事業拡充を行っております。一方で、新たな取り組み事項においては、産業界の課題把握と産業連携強化のためということで、IoT情報集積とオープンデータの利活用の推進。そして、細胞培養加工施設を核とした再生医療拠点の整備等々の提言があり、これについて年度予算では、IoT利活用促進ネットワーク基盤構築・実証事業に0.6億円ほど。また、先端医療産業開発拠点実用化事業に1.7億円等々、重点的に予算配分したところでございます。

○大城憲幸委員 さまざまな取り組みをしていて、非常に楽しみな分野も多いのですが、国際物流ハブの活用に限って見ると、例えば、ロジスティクスセンターやコンテナを確保する事業など、そういうものは非常にふえていると思いますが、やはり勝負はメイド・イン・沖縄をどのように外に出すのかと。そういう意味で、その割合がどうなるのかということが気になるのですが、その辺の実情はどうですか。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 おっしゃるように、沖縄ANACargoにつきましては、いろいろな課題がございます。その一つが、今、1%に届かないぐらいの量しかない沖縄発の貨物をいかにしてふやしていくか。もう一つが、ANAの貨物ネットワークの中で、沖縄を経由する貨物をいかにしてふやしていくかという課題がございます。今、ANAが苦心しているのは、インバウンドの観光客がふえている一方で、ANAは貨物に特化した貨物便ですが、旅客便の貨物スペースにも貨物を乗せて国内外へ運ぶというものが出て、価格競争に陥っているという状況がございます。県では、沖縄を経由する貨物をいかにしてふやしていくかということについて、新年度の事業として、商流や物流をふやす実証実験を入れています。沖縄発の貨物をふやすのは、当該ハブ事業とともに、製造業等の高付加価値を有する企業を誘致し、国内外からうるま市を中心に立地して、そこからつくった製品を乗せて運ぶ。これが沖縄発の荷をふやしていく取り組みになるのかと思っています。

○大城憲幸委員 沖縄国際物流ハブ活用推進事業の中にコンテナを確保する事業がありますが、以前に、非常に需要が高いということで補正増もしましたね。それには何割ぐらいメイド・イン・沖縄があるのですか。

○仲栄真均アジア経済戦略課長 コンテナ事業で申し上げますと、平成28年度は重量ベースで509.6トン。その内訳は、沖縄を中心とした県産品の物流ハブに係る事業によるものが409.1トン。それ以外の全国特産品を中心としたものが100.4トンで、4対1ぐらいの割合だったのですが、平成29年度は1月までの実績で、全体で617.4トンのうち県産品等が365.4トン。全国特産品を中心としたものが252トンという割合になっております。

○大城憲幸委員 サザンゲートの活用について、平成30年度は、新たな取り組みがありますか。

○平田正志企業立地推進課長 国際物流拠点那覇地区の4号棟に、いわゆるサザンゲートということで企業に入居いただいているところでございます。この施設は、1企業に1棟全て借りてもらって、活用していただいているところでございます。企業側としては、沖縄国際物流ハブ活用推進事業を活用したアジアへの翌日配送といった付加価値の高いサービスの提供を目指すということで、荷主との契約に取り組んでいただいております。今年度も化粧品メーカーや通販関係など、新たに複数の企業と契約を結んで貨物の取り引きを始められたと聞いていますし、まだ商談中の案件もあり、事業拡大に向けて取り組んでいただいているところでございます。県としては、企業活動に対して、毎年、県の主催で東京や大阪で開催している企業誘致セミナーにおいて、当該施設の紹介や当該企業のサービスの御案内といったものに場所を提供し、プロモーションについて御協力させていただいているところです。これについては、引き続き行ってくことを考えております。

○大城憲幸委員 国も那覇軍港側への拡大の議論をしているという話があるのですが、県に対して国からの相談はありませんか。

○屋比久盛敏商工労働部長 旧那覇自由貿易地域は、4号棟までつくると、ほとんど土地がありません。その土地自体が那覇軍港との共用施設であり、そこをあけてもらったと。そういう意味では、そこを拡張するためには、もう少し土地がほしいということで、具体的には、シーメンズクラブの後ろ側あたりの土地を活用させていただけないかという国に対する知事名の要請文を出している状況でございます。

○大城憲幸委員 農林水産省が提案した、全国のおいしい物を沖縄に集めてアジアに出すという計画も、まだ具体的に提案できていないようなので、ぜひ前向きな議論をよろしくお願いいたします。

○瑞慶覧功委員長 以上で、農林水産部及び商工労働部関係予算議案に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○瑞慶覧功委員長 再開いたします。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 次回は、明 3月9日 金曜日 午前10時から委員会を開きます。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。