委員会記録・調査報告等

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経済労働委員会記録
 
令和7年 第 1定例会

2
 



開会の日時

年月日令和7年3月5日 曜日
開会午前 10 時 1
散会午前 11 時 53

場所


第1委員会室


議題


1 乙第17号議案 沖縄県文化芸術振興基金条例
2 乙第44号議案 財産の取得について


出席委員

委 員 長 新 垣 淑 豊
副委員長 次呂久 成 崇
委  員 仲 村 家 治
委  員 座 波   一
委  員 大 浜 一 郎
委  員 儀 保   唯
委  員 上 原 快 佐
委  員 上 原   章
委  員 瀬 長 美佐雄
委  員 當 間 盛 夫
    ※儀保唯委員はオンライン出席


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

農林水産部長 前 門 尚 美
 営農支援課長  能 登   拓
 病害虫防除技術センター所長  伊 禮   信
文化観光スポーツ部長  諸見里   真
文化振興課長  佐和田 勇 人



○新垣淑豊委員長 ただいまから経済労働委員会を開会いたします。
本日は儀保唯委員からオンライン出席の申出があり、委員長として出席を許可したことを御報告いたします。
儀保唯委員。

○儀保唯委員 はい。

○新垣淑豊委員長 オンラインの出席を確認いたしました。
本日は、先議案件として要望のありました乙第17号議案及び乙第44号議案の審査及び採決を予定しております。
本日の説明員として農林水産部長及び文化観光スポーツ部長の出席を求めております。
まず初めに、乙第17号議案沖縄県文化芸術振興基金条例についてを議題といたします。
ただいまの議案について、文化観光スポーツ部長の説明を求めます。
諸見里真文化観光スポーツ部長。

○諸見里真文化観光スポーツ部長 委員の皆様、おはようございます。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、文化観光スポーツ部所管の条例議案について御説明いたします。
ただいま表示しております議案説明資料の2ページ、目次を御覧ください。
本日は、条例議案1件の審査をお願いいたします。
資料の3ページを御覧ください。
乙第17号議案沖縄県文化芸術振興基金条例について御説明いたします。
この議案は、文化芸術の振興を図ることを目的として、沖縄県文化芸術振興基金を設置し、その管理及び処分に関し必要な事項を定めるため、条例を制定するものであります。
基金は、伝統的な文化の継承及び発展、文化芸術に係る人材の養成等、文化芸術活動の充実、文化芸術の活用、その他文化芸術の振興を図るための事業に充てることとしております。
以上が乙17号議案の説明となります。
続きまして、資料6ページを御覧ください。
沖縄県文化芸術振興基金案設置の経緯について説明させていただきます。
まず、本県の文化振興の現状と課題として、人口減少や少子高齢化等に伴い、伝統文化の担い手が不足しており、本県の伝統文化の継承が将来的に困難になる状況がございます。
これらの課題への対応として、長期的かつ安定的に人材を育成するとともに、文化芸術活動の基盤を支えるため、企業、県民等の文化芸術活動への参画を促進する必要があります。
また、文化芸術振興に関する財源の確保については、沖縄県文化芸術振興審議会で、安定的な財源の確保、万国津梁会議で、行政だけでなく、文化振興を社会全体で支える仕組みが必要との御意見をいただいております。
以上のことから、長期的、安定的な財源確保及び企業、県民等の参画を得る仕組みとして、沖縄県文化芸術振興基金を設置したいと考えております。
7ページを御覧ください。
本基金は長期的視点に立ち、安定財源の下、文化芸術の振興を図ることを目的として設置いたします。
中央のフロー図を御覧ください。
本基金は、令和6年度2月議会において条例案の提出と併せ、補正予算に2億5000万の積立金を計上し、御審議いただくこととしております。
また、令和7年度当初予算に基金事業を計上し、事業実施を予定しております。
なお、今後は文化芸術団体、企業等とも意見交換をし、社会のニーズを踏まえた新たな事業を検討する予定としております。
寄附獲得に向けては、企業訪問、国内外県人会に対する広報活動、ふるさと納税制度を活用し、多様な財源の確保に取り組みます。
続きまして、基金設置の効果ですが、1点目は、長期的、安定的に継続した取組が可能となります。
2点目は、行政だけでなく民間企業等からの支援を得ることで、本県の文化振興を社会全体で支える仕組みが構築されます。
3点目は、文化活動の活性化により、新たな産業の創出、地域産業との連携強化が図れることで、新たな担い手の確保につながり、持続可能な文化振興のスキームが確立されるなどの効果があるものと考えております。
8ページを御覧ください。
沖縄県文化芸術振興基金条例案について御説明いたします。
基金の使途について御説明いたします。
基金は、継続的な事業、世界社会のニーズに対応した事業、既存事業では十分に対応できない事業について充当することとし、その使途区分として、中央の枠にございます5つの柱を設定しております。
この5つの柱は、基金条例案第6条の基金の処分規定、第1号から第5号に対応しております。
5つの柱の考え方は、左側にございます沖縄県文化芸術振興条例第7条から第19条に掲げる施策を対象とすることで整理しております。
それでは、5つの柱の取組について御説明いたします。
1、伝統的な文化の継承及び発展。
こちらは、伝統芸能、空手・古武道、伝統工芸等の伝統文化の継承及び発展に係る取組となっております。
2、文化芸術に係る人材の養成等。
実演家及びアートマネジメント人材等の養成に係る取組となっております。
3、文化芸術活動の充実。
県民等の鑑賞等の機会の創出及び文化芸術交流の推進に係る取組となっております。
4、文化芸術の活用。
地域づくり産業の創出及び地域産業等との連携に係る取組となっております。
5、その他文化芸術の振興を図るための取組。
芸術等の振興など、その他1から4の取組以外の文化芸術の振興に資する取組となっております。
これらの5つの柱の取組により、持続可能な文化振興のスキームを構築することとしております。
以上で、沖縄県文化芸術振興基金条例案の概要説明とさせていただきます。
御審査のほどよろしくお願いいたします。

○新垣淑豊委員長 文化観光スポーツ部長の説明は終わりました。
これより乙第17号議案に対する質疑を行います。
質疑に際しては、委員自らタブレットの発表者となり、引用する資料の名称、ページ番号などをあらかじめ述べた上で該当するページを表示し、質疑を行うよう御協力をお願いいたします。
なお、質疑、答弁に際しては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔に要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
質疑はありませんか。
大浜一郎委員。

○大浜一郎委員 僕はこれ、非常に大事な基金だというふうに思っていますし、振興基金条例ができて、出口が非常にいい形でできればいいなというような期待はします。
しかしながら、この基金をつくって、例えば新型コロナウイルス感染症の影響を受けている観光産業の再興に関する条例とか、我々がつくったわけですよ。その後、観光振興基金というのが多分40億ぐらい、積み立てたんじゃないでしょうかね。あれがどのような効果を出しているのかというのがね、実は見えないんですよ。
結局、私たちも、再興条例は今はもう役割を終えて廃案になりましたけど、そのために条例までつくったわけですよ、議員提案で。
あれは危機管理の問題とか今後の問題としてやったんだけれども、結局基金は40億を積み立てて、さてどういうふうになってきたのかなというのが、実に見えにくいなということなんですね。
例えばいろんな基金条例をしているにしても、その効果は、期待はするけれども、その使途の段階で、例えば誰かにそういう資金をお願いするやり方を外注するというところで、そこで大事な基金の支出がいってしまって、結局、本来やるべきことのほうの効果が薄い、見える化がなかなかできないというのが、僕、実はあるんじゃないかなと、今までのやり方だったらね。
だから、そこをどう変えていくんですかということが一点と、これは取崩し型でしょ。となってくると、それぞれ基金を積み立てなければいけない。このアッパーは2億5000万円で、ずっとアッパーでいくのか、それとも、積み増せるならもうちょっとやっていくのか。そこのところで、そこの財源ですよ。
企業とかいろんな方から、新しい財源を入れると言うけれども、沖縄県自体はふるさと納税の額はそんなに大きくなかったんじゃないかな。なので、そこの財源の確保がどうなっているのかということですよ。企業がそれに寄附をした場合に、例えば寄附控除みたいなものがあるのかどうなのか、みんなに支えてもらえるようにできるだけどうなのかという、そういうインセンティブがあるのかどうかですよ。
そういったのも含めて、この財源の問題、それと、この基金の実行するに当たっての使途の問題、外注先にみんな全部事業費が消費されて、結局、何の出口だったんだと、出口から何が出てきたんだというようなところがないようにしてもらいたい。
観光基金で、私たち、一体あの40億、何に使って、何が生まれてきたのかということが見える化されていないですよ。だから、その辺のところを少し、思いもあるだろうけど、今までの経験からね。どういうふうにしているのかお答えいただけますか。

○佐和田勇人文化振興課長 お答えします。
基金事業の進捗管理につきましては、毎年度実施いたします沖縄県文化芸術振興計画のPDCAにおいて、まずは確認、点検をさせていただきます。
そのPDCAにおいて確認、点検を行ったものにつきましては、沖縄県文化芸術振興審議会に報告するとともに、事業の改善、またチェックアンドアクションということで、改善につなげていきたいと思います。
これは通り一遍なんですけど、PDCAの結果、その目標達成できなかった事業につきましては、未達成となった原因をまた分析し、取組の見直しを反映させることとしています。
また、もう一つはそのPDCAだけではなくて、そのアンケートの調査などを実施しまして、県民及び文化芸術従事者の満足度が向上するような取組について、研究していきたいと思います。
また、これからどういうふうにしてこのPDCAの数値目標をつくっていくかということに関しましては、これから沖縄県文化芸術振興審議会に諮りつつ、いろんな団体と話をしながら、その話の中でどういった数値が可能かどうかを確認していきたいと考えています。
2点目なんですけれども、財源の確保につきましては、委員おっしゃるように、今2億5000万を積み増しているんですけれども、毎年5000万を5年間かけて取り崩していくので、この約5000万から6000万を、寄附金とか企業型ふるさと納税、あるいはクラウドファンディング、そういうものを生かしながらも積み増しをしていく、あるいは一般財源もまたその一つの財源には当たると思うんですけど、そういったものを駆使しながらやっていきたいと考えているところです。
あとは、インセンティブ効果としては、企業版ふるさと納税に関しましては、税の課税標準額に関しましては、9割は課税控除できるということを聞いていますので、そこら辺のインセンティブを活用しながら、また、我々もいろんな経済団体とか、そういったところに出向いていってお願いをしながら、寄附金をどんどん積み増ししていければなと考えているところでございます。

○新垣淑豊委員長 ごめんなさい、あと上限については。
2億5000万の上限のアッパーなのかというところで質問があったと思うんですけれども。

○佐和田勇人文化振興課長 上限につきましては、今のところは2億5000万円で令和7年度からはスタートするんですけれども、今後また増やす努力をしていきたいと考えています。
増やす努力はしていって、これが10億とか20億と30億、そういうふうになっていければなと考えているところです。

○大浜一郎委員 先ほどおっしゃった事業をするに当たってのPDCAね、これは決算審査なんかでも見るけど、何でこんなPDCAで提出できるのかなと思うことが多々ありますよ、いろんな事業で。
こんな甘ったるいPDCAでこの事業をやって、じゃ何を実際次に持っていくのかというのが見えないPDCAっていっぱいありますよ。EBPMとまではいかないけど、これはソフト分のところだからね。
先ほど申し上げたように、この40億を積み立てて、実際何に使って、どういう効果ができたというのは経験があるでしょ。だから、PDCAを回してというのは簡単だけど、決算なんかのPDCAの分析の甘さたるや、これは問題があると僕は思う。ここを、だからどういうふうにこのPDCAをしっかりとやるのかなということは、これは各事業に言えることなんだけど、特にこれはソフトだから、とてもきちっとしなければいけないと思う。
だから、過去から学ぶこと、今までやってきたことから学ぶことがPDCAにどう生かされたのかなというところは明確にしなきゃいけないけど、中間に入り過ぎて、末端の本当に育てたい人たちのところに行かない。その人たちが、今度の基金条例ができてよかったと思えるような取組をぜひしてもらわないとね。せっかくいい、ポリシーはいいんだけど、どうなんだというところにならないようにしてもらいたい。そういう希望を込めて、部長、ちょっとその辺を説明できませんか。

○諸見里真文化観光スポーツ部長 非常に大切なところだと思います。
今、観光振興基金のお話も出て、今後、目的税を導入した場合には当然基金をつくって、同じような形で取り組んでいきます。
そうすると、その従来のPDCA、県が実施している部分については、やはりその結果についてはまた有識者等でチェックをするんですが、今、目的税もそうですが、考えているのは、やっぱり作成段階から現場の声、団体である業界の声、それを酌みして――中には委員として入っていただく、そこからスタートして、当然厳しい御意見が出てくると思います。そういうのを酌み取りながらPDCAを回すというふうに、今、私はそういうふうに考えています。
文化振興基金がまさしくそのスタートだと思っていますので、そういう取組をしたいと思っています。その中で大切なのは、やっぱり見える化。特に私が職員に言っているのは、専門的な用語を羅列するのではなくて、本当に学生が分かるような資料を作って説明をして回ると、そういうのをしっかりやっていきたいと思っています。
あともう一つ、ついでですので、先ほどの寄附金の上限を含めてなんですが、実は今年度、全国調査をしております。その中で他府県を見ていると、最初は少額、数千万とか、我々は2億5000万ですけど、そこからスタートして何十億という県もございます。ですから、できましたら小さくまず産んで、そこから大きく育てていきたい、そのためには一般財源だけでは限界があると思います。
それは行政が勝手にやっていると、我々は関係ないというのが一番問題だと思いますので、できましたらその寄附金を集める努力、これも実はハードルを高く設定しております。それをやることで一体感が生まれてくるのかなと。他方、それをいただくということは説明責任が伴います。そういう意味では非常に責任も出てきますので、そういう形で取り組んでいきたいと思っています。
以上です。

○大浜一郎委員 では、最後。
今、部長がおっしゃったようにね、やっぱり現場目線で、見える化で頑張ってください。
以上です。

○新垣淑豊委員長 ほかに質疑はありませんか。
座波一委員。

○座波一委員 基本的にはいいと思いますけれども、まず使途の考え方をもう一度確認します。
継続的に行う必要のある事業というのは、それは大体理解できます。これはね。
あと、社会のニーズに対応した事業というもの、これは具体的にどのようなことを考えているかな。

○佐和田勇人文化振興課長 今のところ、まず令和7年度以降に文化関係団体や企業などとの意見交換により、ニーズを把握しまして事業化を検討することとしております。
いろんなニーズがございます。
例えば高齢者とか障害者、あるいは青少年などを含む全ての県民、分け隔てなくとか文化芸術に触れる機会の充実を図るというニーズもございますし、そのほかにもいろいろな声がありますので、そこはまた文化芸術団体と意見交換をしながら、今後どういったものができるか、ニーズの把握に努めていきたいと考えております。

○座波一委員 今、私が言おうとしたことを先に言ったようなところもあるんですけれども、それともう一つの既存事業では十分に対応できていない事業ということも併せて、この社会のニーズに対応した事業というのは、これが非常に重要だと思うんですよね、今後は。
ですので、究極的には、担い手を育成しないといけないということなってくるわけですよ。
だから、今、障害者、高齢者、子どもも含めて、社会的弱者が果たして文化芸術にどれだけ参画できるかというのは、見落とされた部分だと指摘する現職、現役のプレーヤーがいるわけです。
彼らからの言葉を聞くと、施設の整備も全くできていないと。一部あるけどね――バリアフリーで車椅子が入れるところはあるけれども、全く数的には足りない。仮に、またプレーヤーに高齢者もいる、その人たちへの配慮もない。今、プレーヤーはほとんど高齢化していますよね。それは、体に鞭打ってやっている方々も結構いらっしゃる。そういったことを見ながら、若手がやりたいと思うかなと。率直に言って、そこなんです。
だから、そういう基金をつくるのであれば、そういうニーズに対応して、これまでの既存事業でできなかったもの、これをやるというふうにやれば、これは有意義な基金になるかと思うんですよ。どうですか。

○佐和田勇人文化振興課長 今おっしゃるような、まず既存の事業なんですけれども、施設整備に係る取組としては、我がほうの沖縄県文化芸術振興条例というのが平成25年に制定されております。
その21条で、劇場、美術館、博物館、図書館、その他の文化芸術施設の充実及び活用に努めるものとするとしておりまして、我々も様々な10以上の事業を実施しております。
なので、この10事業に入っているものに関しましては、ちょっと基金では対応が、今のところは想定していないということになります。
また、ニーズのお話なんですけれども、おっしゃるように、高齢者とか障害者、あるいは青少年などを含む全ての県民に分け隔てなく文化芸術に触れる機会の充実を図ることともしております。
これは、ほかの部署の持っている福祉のまちづくり条例とか、そういうもので実施している事業もございますので、その実施していない部分、ニッチな部分なんですけれども、そういった部分で、高齢者とか、あるいは障害を持たれる方々とか、そういった方々にも文化芸術に触れるような事業をやってもらうためには、これは一つの事例なんですけれども、今回、担い手育成ということで、舞台芸術をつくるという一つの事業を今、考えているところなんですけれども、そういった舞台公演に、実際参加したい、だけど参加できなかった障害者の方々とか、高齢者の方々にも実際参加をしていただいて。
これまでは単年度予算でしたので、一年一年でやっていたんですけれども、それを3年とか、あるいは5年かけて、基金ですので、継続的に3年とか5年をかけて、そこでまた新たな課題とかいろいろなものが出てきます。
そういったもの、課題を克服しながら、高齢者、またそういった障害者、青少年などを育成できるような舞台芸術ができればと考えているところでございます。

○座波一委員 特に、この志す若手が、若い方々が、いわゆるこれが継承者ですよね。彼らが人々に希望とか喜びを与える、特に社会的な弱者に、そういうふうなことをするということがやっぱり必要ではないかと。やはりそれがプロ意識になってくるわけですから。
だから、社会的にも立場をしっかりと認識して、この事業はやるべきだというふうにね。そういうのをつくらないと、ただ練習してうまくなって、舞台に出なさいと、はい御苦労さんと、そんなふうに感じるのね、今。
だから、やり手としてもやりがいをあんまり感じていないんじゃないかなというのもありますので、そこをぜひとも分かっていただいて、この基金条例の政策に生かすべきではないかなと提言します。
もう一つは、担い手育成、あるいは発掘も含めて。これは発掘も重要なんです。我々、会派で勉強会に行ったときに、福岡だったかな、人材育成発掘というのをやっているんですね。
子どもの頃から、スポーツにしても芸能にしても、いい人材がいれば引き上げていくという、育成事業に、沖縄にこれは絶対必要だと思う。
可能性のある子はいっぱいいますから。離島にもね。こういったところを探して歩いて。だから、そういうふうな持続可能な方法という点では、ぜひ文化スポーツ、伝統芸能、人材の発掘と育成、これをキーワードに入れたらどうかと思います。いかがですか。

○諸見里真文化観光スポーツ部長 ありがとうございます。
今おっしゃるところで人材育成が出ましたので、思うところを少しお話しさせていただきたいと思います。
これまでの行政というのは単年度主義ですので、一年一年という形で、それでなかなかできないのは、これは別に文化分野だけじゃなくて、県庁全体にあると思います。人材育成というのは非常に難しい。効果も単年度ではなかなか出にくいです、人材育成というのは。3年、5年、10年。
ですので、その対策に取り組むために基金という形を設置して、今回、予定しているのは5年スパンで、これは文化庁も大体人材育成は5年ぐらいやっていますので、1期3年、2年と、これを見て、またつなげるか、継続するかということなので、今回その人材育成をぜひやりたいというのは、この基金を活用してやりたい。
今委員おっしゃったように、発掘――当然、県立芸大もありますけれども、もっと学生の頃、子どもから触れる機会もつくって、そういうソフト的な支援ができる仕組みを、ぜひこの基金を使ってやっていきたい。先ほどの出口の問題も含めてですね。
実は令和6年度、波多野学長と私、2回ほど意見交換をさせていただきました。多くの時間がほとんど出口問題です。そのときにおっしゃっていたのは、いろいろ考えはあるけど、なかなか予算が難しいというお話でしたので、そのときはまだ基金の話が話せなかったので、ぜひ県としては行政としてしっかりやりたいので、そのめどが立った暁には、ぜひ企画提案をしていただいて一緒にやっていこうという話もさせていただいていますので、今回基金が設置できれば、早速お会いして、いろいろ話をしていきたいなというふうに考えています。
以上です。

○座波一委員 南風原高校とか読谷とか、その辺の活発な学校もあって、高校生の頃は非常に希望と夢に燃えて一生懸命励むけど、実際、社会に出て役立つかということになると、もうここで諦めてくるわけですよ。
そこの今の出口論と全く同じですから。先ほど言っている――この社会福祉等を背景に持ったこの希望と喜びを与えるというようなことでもって、プロになりたいというふうな育成の仕方、これが必要だなということです。だから、そういう高校の部分からの取組もお願いします。

○佐和田勇人文化振興課長 今回のチムグクルでつなぐ文化芸術振興基金事業につきましては、細事業を2事業用意しておりまして、その一つの事業が、未来につなげ、もっと沖縄コンテストということで、2500万計上しております。
この事業が、これは小・中・高、そういった文化のプロではなくて、学生たちも夢を持てるような芸術活動ができるような仕組みにしております。
これは、これから制度設計をつくっていくんですけれども、まずはコンテストですので、それぞれ舞台の脚本を書いていただいて、1位から3位までの賞を子どもたちに与えて、それをプロの演出家で、そこをきちんとした舞台、あるいは映像に変えて、それを2年後、3年後に実現化していくというプロジェクトも組んでおります。そういったところで、子どもたちから、そういった若年層、芸大を卒業した方々もいらっしゃいますので、そういう方々にもぜひ活用できるような事業を今、令和7年度から事業として打っていますので、そういったのをぜひ活用していただければと思っております。

○座波一委員 ちょっとくどいようなんですけど、そういう沖縄県としての組織の中で、こういう人材を抱えることは難しいと思います。
だけど、活躍できるようなそういう組織、この人材を確保しておくというような、あるいは、場合によってはその人材に対して、これは本職をやりながら芸能活動をしているという伝統芸能保存、継承活動に励んでいるということが分かれば、支援のやり方もあるのではないかと思います。
仕事をしながらやるというのは非常に厳しい世界でやっているわけだから、そういうことの育成をしながら人材をプールしていくという、これがいわゆる昔の琉球王国時代の、万国津梁時代の、芸能によって国交していたということにつながってくるわけですから、沖縄県にとっても決してこれはできないことはないと思いますので、よろしくお願いします。

○佐和田勇人文化振興課長 ありがとうございます。
委員おっしゃるような、仕事をしながら、また、アルバイトをしながら一生懸命そういった伝統芸能、伝統舞踊を残そうという若い人たちがいっぱいいますので、そういった方々のために、今年度から奨励金支援制度を設けまして、1年間は上限額は60万円なんですけれども、それを今回、8名の方々に奨励金をさせていただくことになりました。
そういったものを、次年度からまた少しずつ増やすことを希望しながら、今のところは8名なんですけれども、そういったものを徐々に増やしながら、今後、夢の持てるような事業が、子どもたちの事業ができるような、そういったサポートができればなと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。

○座波一委員 ありがとうございます。
やっと前向き的な議論ができたね。

○新垣淑豊委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲村家治委員。

○仲村家治委員 新しい基金条例をつくるということで、それはいいんですけれども、既存の事業では十分対応できないという項目、あえて挙げていらっしゃるので聞きますけれども、オリンピックで正式になったブレイキン――ダンスですね。またヒップホップダンスというのは、今ヒップホップというのは高校生の中で大分、部活動的にやって、全国大会でも上位になっているんですね。
だけど、高校の部活以外で、ボランティアで指導している方というのを本当に僕もずっと何十年見ているんだけど、何ら公的支援もなく、父兄たちもその辺の支援をするのに四苦八苦してやっていたんですけど、こういった新しい芸能というかな、芸術というのは、この条例の中で支えていくことはできるんでしょうか。

○佐和田勇人文化振興課長 委員おっしゃるように、文化はかなり広い定義づけをされていますので、おっしゃるようなブレイキンといったポップス、ダンスですかね、そういったのも全部拾い上げることができます。

○仲村家治委員 ぜひ、せっかくオリンピックの種目になって日本人が上位を占めているし、こういう若い子たちが目指せる――スポーツというのはなかなか、小さいときから英才教育をやって、やっと世界レベルになるということもあるんだけど、ダンスというのは才能さえあればすぐ開花するような部分があってね、その辺は大切にしてあげないといけないのかなと思っているので。また、オリンピックの選手に沖縄の子が代表でいけば、いろんな意味でそういう新しい分野ができると思うので、ぜひその辺に力を入れていただきたいなと思っておりますので、ぜひお願いいたします。
あと、2点目なんですけど、先ほど座波委員からあったんですけど、南風原高校とか、部活である程度、すごいレベル高いですよ。
一度、僕の地元の自治会で、敬老会のときに南風原高校の子たちがやったんだけれども、すばらしい演技をしていて、歌三線していたんだけど。
聞いたら、いや、もう高校を卒業したら趣味の範囲で終わりますって。
県立芸大に行かないのと言ったら、芸大へ行っても就職できないからって明確に言われて。
あとは、県立芸大の古典をやっている方に一度、私のおじが亡くなった開南中学の慰霊祭に、古典の送るやつをやっていただいたんですけど、すばらしいと。やっぱりその道の方に聞いても、もうレベルが全然違うという話で、何をやっているかというと、仕事をしながら、もう今はちょくちょく、アルバイト的にしかできないんですよと。県立芸大まで出てですよ。
このレベルが高い人たちが、こういった形で、もう食っていけないから趣味的にしかできないという、要はもっと極めていきたいけどできないという話を聞いていると、まさしくこの基金条例はこの人たちを育てていかないといけないと思うんだけれども、この辺、県立芸大のOBの方たちと連携して、少し拾い上げて、いかにそういった本当のプロ中のプロというか、育成していくって大変僕は大切だと思うんですけど、この辺の取組はどう考えているんですか。

○佐和田勇人文化振興課長 ありがとうございます。
先ほどお話しした歳出事業の文化芸術振興基金事業、この基金事業を次年度から行う事業、今2つの細事業を考えているんですけど、その一つで、新作舞台製作を通した担い手育成事業ということで、おっしゃるように県立芸大とか南風原高校の芸能部を卒業した学生の皆さん、やっぱりすごいすばらしい技を持っているんですね。
それを、さらに質の高い技能をやっていただこうということで、新作――これは舞台公演を通してなんですけれども、担い手育成ということで、新作舞台を通した担い手育成。我々の目標としては、世界に通用する新作舞台の政策を通した、一つは実演家、そしてまたアートマネジメントの人材、その他の舞台スタッフ、裏方、大道具とか照明とか演出家とかいろんな方がいらっしゃるんですけれども、そういった若手の人材の育成にこの基金を使おうと今考えているところです。
一番のネックは、単年度ではできないという声が一番大きかったものですから、これを5年スパンで、お話のとおり5000万の5年スパンでやっていきますので、できれば5年間で、その新作舞台が世界に通用するような舞台ができれば一番いいんですけれども、それを目指しながら、今おっしゃっている、そのプロを目指している方々、あるいはどうしようかなと考える方々にもそういった舞台に関わっていただいて、自分の技能を発揮していただきたいなと考えているところでございます。

○仲村家治委員 最後になるんですけれども、伝統工芸という部分があるんですけれども、沖縄伝統工芸の最高峰は、首里城の正殿なんですよ。
これが全部、沖縄の伝統工芸の匠の人たちの頂点があるから、首里城が今建設しているんですけど、この技術者が、宮大工にしても瓦職人にしてもしっくいにしても、この人たちが、今いる人たちがいなくなったらという話をよく新聞報道でやるんですけれども、この辺、予算委員会でも言ったんですけれども、首里城の基金で、ハードはもうしようがないと思うんですけど、ソフト、工芸職人をつくるソフトの部分というのは、皆さんのほうで受けて、その辺の連携をしたほうが僕はいいんじゃないかなと、そうすると基金、少しは潤うのかなと思うんですけど、これは検討事項でいいんですけど、どんなふうに考えていますか。

○佐和田勇人文化振興課長 委員おっしゃるように、先日の補正の委員会でお話のあったように、今、首里城復興課のほうで、首里城歴史文化継承基金というのがございまして、その基金を利用して、首里城の建造、または修繕に関する宮大工、彫刻、塗装、彩色などの技術者の育成をされています。
ですので、既存の事業でやっている部分については今のところ想定はしていませんけれども、ただ、それ以外の、首里城の建設に係る以外のソフト面といいますか、例えば紅型、あるいは陶器とか、そういったものについて、そこでできなかった部分を補完するというようなものができますので、そこはまた首里城復興課と調整しながら検討していきたいと思っております。

○仲村家治委員 ぜひ頑張って、基金積立てしてください。
以上です。

○新垣淑豊委員長 ほかに質疑はありませんか。
上原快佐委員。

○上原快佐委員 お疲れさまです。
この文化芸術振興基金、非常にすばらしいものだと思っていますけれども、全国的に、都道府県でほかにもやっていらっしゃるところがあるかと思うんですが、沖縄県は、都道府県としては何例目になるんですか。
基金です。

○佐和田勇人文化振興課長 実は26番目ですね。
47都道府県中、26番目になります、基金の制定は。

○上原快佐委員 ほかの都道府県でもやはり同様の基金がありますけれども、そこら辺の事例というのを踏まえた上で、この基金というのは今回設立したんですか。

○佐和田勇人文化振興課長 25都府県の事例を参考にして策定しております。

○上原快佐委員 他の都道府県でも、もちろん保存継承であったり振興という部分で課題があっての基金の設立だと思うんですけれども、ちなみに、他の都道府県で、この基金設立によって実際に文化の保存、継承、また、振興がうまくいっている都道府県ってあるんですか。

○佐和田勇人文化振興課長 我々のほうでは、全てうまくいっているかなと期待しているところではあるんですけど、そこら辺のうまいくいっているところというのがまだつかめているところではないものですから。
例えば、四国の香川県と山陽地方の岡山県のほうが、瀬戸内トリエンナーレということで、3年に1回、芸術祭を開催しています。
そこで、これまで誰も行かなかった離島――数百名しか、数十名しかいない離島って瀬戸内海にたくさんありますので、そういったところを芸術で人を呼び込もうというところで、実はもう数年前から取り組んでおりまして、それでかなりの観光客が、100倍以上ですかね、かなりの観光客が来て費用対効果を出しているというお話は伺っているところでございます。

○上原快佐委員 成功事例もあれば、なかなか課題が多いという基金もあるかと思いますけれども、さっき言ったように、保存継承というものと担い手不足であったり、振興というものは全く違うものだと僕は思っているんですよ。
要は、盛んにするものが振興で、おのずと、どっちに力点を置くのかによって、この基金を使った事業というのが、性格がちょっと変わってくると思うんです。
それこそ、もう担い手がいないところに、まずはこの基金での、この事業をしっかり入れて、保存継承をまずしっかりしていった上で、その上で振興していくというのが僕はいいのかなと思っているんですけど、どういう考えなんですか。

○佐和田勇人文化振興課長 ありがとうございます。
おっしゃるように、我々のほうとしては、保存、継承、振興、そしてさらなる創造ということでこの基金を策定しているんですけれども、まず保存の部分は非常に重要だと考えております。
これを沖縄の、例えば琉球舞踊であったり、琉球舞踊はもともと1719年の組踊から派生していますので。
あるいは、発祥の地が沖縄とされている空手・古武術、それについても、海外には1億3000万人おりますので、愛好家が。そういった方々に関しても、今はスポーツ空手とか、例えばフルコンタクト、打撃とかいろんな空手がある中で、沖縄が発祥の地で、沖縄って自分たちの発祥の地ってどういうものかということで、訪ねてこられる方々が最近増えております。
ですので、やはり原点である沖縄の空手、あるいは舞踊、琉球舞踊と三線もそうなんですけれども、やっぱり原点のものは必ず保存しないといけないという部分があります。つまり、非常に重要だと考えております。
また、今後、継承を発展していくためには、それでなりわいとしてやっていかないとやっぱりそれは続かないというところがありますので、それがなりわいとしてできるような振興発展、その部分も重要と考えております。
ですから、我々のほうとしては、文化振興課としては、なりわいとしてできるような具体的な、そういう産業化といった部分に力点を置いてやっていくと。
もちろん、保存の部分は重要ですので保存の部分をやっていくんですけど、まずはなりわいの部分。
保存の部分は、また教育庁の文化財課というところの部署がございます。
向こうのほうで、県指定無形文化財の保護とか、いろんな文化財の保護をしていますので、ここの部分は重点的には教育庁の文化財課、我々のほうでも保存をしながら、保護をしながら、新たなまた産業化に向けてなりわいとなるようなものもまた生み出していかないといけないという、伝統と創作といいますか、そういったものを両輪でやっていきたいと考えているところでございます。

○上原快佐委員 もちろん両輪でやっていくことは大事だとは思うんですけれども、振興であればその振興に特化してとかですね。
要は、いろいろ分散してしまうと、いろんな団体とか、いろんな保存継承も振興も一緒にやっていくとなると、限られた財源の中なので、何か等しく薄くやってしまうと、せっかくの効果が発揮できないんじゃないかなと思っているんですよ。
先ほど大浜委員からもありましたけれども、実際見た効果というものをどうやって図っていくのか、この振興された状態ってどういう状態なのかというところまでしっかりとやるためには、ある程度の選択と集中が必要だと思うんですけど、そこら辺の考え方はいかがですか。

○諸見里真文化観光スポーツ部長 お答えいたします。
今、課長からあったように、文化の話を中心にしましたけれども、やっぱり大切なのは、先ほど来、出口の問題もいろいろあります。
なりわいとして将来的には持っていかないといけない、そのためにはやっぱり観光との関係性も非常に重要だと思います。
実は今回、基金を出した表向きと裏の事情としては、観光で伝統的な文化を資源として活用してインバウンド、国内外の方々に商品を提供していく場合に、もともとの文化、伝統文化の担い手不足に伴う今後の将来的な商機ができるかどうか、その素材がしっかり、基盤というか、ないと観光にも使えないわけですね。
ですから、基本的にやっぱり、そこを最初の段階では力を入れて、人材育成を含めて力を入れる。
それで、先ほどヒップホップの話もありましたけど、それもやらないわけではないですけど、やっぱりその辺は優先順位をつけて、時系列的に。
やっぱり最初はその基盤をしっかり立て直す、それに並行しながら新しい要素も加味していくと、やっぱりそれが大切かなと今考えているところです。

○上原快佐委員 分かりました。
今回基金を立ち上げて、これからのことなので、しっかり事業効果というものを踏まえた上で、しっかり取り組んでいただければと思います。
以上です。

○新垣淑豊委員長 ほかに質疑はありませんか。
上原章委員。

○上原章委員 お願いします。
この条例について、先ほど出口の部分というのがあったんですけど、入り口の部分も含めて、この基金の使途の考え方はいろいろあるんですけど、例えば、この1から5までの具体的な事業例というのはどういったのが想定されるんですか。

○佐和田勇人文化振興課長 委員おっしゃるのは、伝統的な文化の継承及び発展なんですけれども、これは、先ほど少し空手・古武道のお話をしたんですけど、そういった伝統芸能、空手・古武道、そういった伝統工芸などの今後伝えていく、継承していくものに関する取組がまず1点です。
もう一つが、文化芸術に係る人材の養成に関しましては、実演家及びアートマネジメントという方々の人材の育成、養成に係る取組になっております。
3つ目の文化芸術活動の充実というものにつきましては、県民などの鑑賞の機会、これは見るほうですね、県民等の鑑賞の機会の創出、あるいは文化芸術交流の推進に係る取組とさせていただいております。
4つ目の文化芸術の活用に関しましては、地域づくり産業の創出、これは産業の創出、あるいは地域産業などとの連携に係る取組とさせていただいております。
最後の――5つ目のその他の文化芸術の振興を図るための取組というのは、1から4で取り組めないほかの部分も拾い上げるという取組とさせていただいております。
この5つの柱でやっていきたいと考えております。

○上原章委員 非常に文化芸術、幅広くて、本当にこの基金でしっかり取り組もうとする事業を、具体的にこれは――この基金に、目指しているものに相当するという、そういったのを判断するところというのはどこが判断するんですか。

○佐和田勇人文化振興課長 先ほど少しお話ししたんですけれども、もちろん我々のほうで成果指標を策定いたしまして、まずPDCAをしながら、沖縄県文化芸術振興審議会というのがございますので、これは法令できちんと策定された団体です。
その沖縄県文化振興審議会に諮って、これがきちんとプラン・ドゥー・チェック・アクションとして回っているかどうか、それをはかりながら次の施策に生かしていきたいと考えております。

○上原章委員 この文化芸術振興審議会、これは今そういった審議会があるというのは理解していますけど、今回、あくまでもこういった文化芸術に特化した基金をつくるという、これに特化したそういった関係者を、また専門性も含めてそういった資金使途を確認するチームというのはつくらないということになるんですか。

○新垣淑豊委員長 休憩いたします。

  (休憩中に、上原委員から、質問内容の補足があった。)

○新垣淑豊委員長 再開します。
佐和田勇人文化振興課長。

○佐和田勇人文化振興課長 具体的には、つくる際にも、まずは公益財団法人沖縄県文化振興会というのがございます。
まず文化振興会、あるいはこれは民間なんですけど、一般社団法人の沖縄県芸能関連協議会の沖芸連といいますが、これが沖縄県内の文化を全て取り仕切っている組織がございます。そういった沖縄関連協議会、あるいは有識者などの文化芸術関係団体との意見交換会の場を設けまして、今回の2つの事業というのもそこに諮って、これがいいだろうということで作成しているところで、次年度以降もまたこういった文化振興会とか沖縄芸能関連協議会とか、有識者等を交えた方々と一緒になって策定していくことを考えております。

○上原章委員 さっきも言ったんですが、この文化芸術、幅広さが、本当に沖縄の伝統文化もあれば、芸能芸術、あとプロもアマもいれば子どもたちも、それぞれ教育現場も、本当に幅広い文化関係、芸術関係があると思うんですけど、芸能もあれば音楽もあればいろいろあるんですけどね。
実際、こういったいろんな関係者――当然、沖縄の文化芸能、芸術を国内外に発信していく、そういった取組をしている人たちが、もう本当に限られた予算の中で頑張っていらっしゃって、自分たちでなりわいとしているような人もいれば、仕事を持ちながらやっている人たちもいるんですよね。
そういう中で、いろんな意味で、講演をする中で、結構自腹というか、本当に自分たちのそういった沖縄の文化芸能、芸術を広げていく中で、例えば派遣する費用とか、あと古典楽器とか、輸送費とか、いろんなものが結構、自分たちで工面してやっているようなケースもあるんですね。
一方で、教育現場でもいろんな文化、芸能、芸術の九州、全国大会に行くときにも様々な、保護者の皆さんでその費用を一生懸命、寄附や、またいろんな形で取れるような、そういう中で、本当に子どもたちをサポートしている。そういったのにもちゃんとこういった基金が使えるのかということになった場合、どう部局としては考えているんですかね。

○諸見里真文化観光スポーツ部長 体制の話を先にさせていただきたいと思います。
今回、基金をつくるに当たって、今年度も奨励金をつくったり新しい取組を展開してきています。加えて来年度基金を使っていくと。当然、寄附集めもしないといけないということで、文化振興課に1名職員を増員しております。
先ほど課長のほうから言いましたように、これまでも関係する文化関係の団体の方々と意見交換をしながら企画立案をしてきていますが、さらにそれを強化していきたいと。
つくる段階から、先ほど子どものお話もありましたけれども、現場に入っていて、実際に何が必要かというのを現場の声を拾って企画立案する、そのためにはある程度体制を強化しないといけない。そのために1名つけていますので、しっかり、そのときには私も、できたら直接そういう文化団体に機会あればお話を聞いて、県庁職員がつくって、これがいいよという事業ではなくて、現場が求めている事業を吸い上げて、全部はできないかもしれませんが、予算も限りがありますので、そういう姿勢で取り組んでいきたいと思っていますので、なるべくそういう対応を次年度はしていきたいと思っています。

○上原章委員 限られた予算、これがどんどん充実して、この予算が本当に多くの県民、企業さん、いろんな行政だけではなくて、県民ぐるみで沖縄の文化芸能芸術が大きく飛躍していけるようにしていければというのは私も本当に望むところなんですけど、実際、本当に離島も含めて、こういったいろんな活動をしている人たちが、実際にいろんな、部長が声をいただいてスタートしていきたいということで。
しっかりこの辺の資金使途の、また、対象となる関係者の方、これをスタートの段階で明確にしておいていただけないと、非常にこれがアバウトな感じでスタートして、最終的に出口の部分で、先ほど来ありました、費用対効果、いろんな成果の確認もされていくとは思うんですけどね、まず入り口部分で、どういった具体的にこの基金が使われる。
今、観光目的税とかいろんな議論もあります。
ですから、ああいった中で、じゃこれはどこが運営し、どこが管理してしっかりこの効果を示していくのかというのは、ぜひ入り口部分ではっきりしておいていただければなと思います。
ぜひ期待していますので、よろしくお願いします。
終わります。

○新垣淑豊委員長 ほかに質疑はありませんか。
當間盛夫委員。

○當間盛夫委員 よろしくお願いします。
年間大体5000万という事業を行うという中で、寄附だとか企業版ふるさと納税、一般財源からの繰入れということで5000万を補うということがあるんですけど、皆さん、何か寄附だとか企業版のふるさと納税の目途って何かあるんですか、年間の目標的なもので。

○佐和田勇人文化振興課長 年間、毎年の積み増しの目標額は令和7年度に取り崩す予定の5000万円を補填できる……。

○當間盛夫委員 いやいや、違う、それは聞いているから、企業版ふるさと納税だとか寄附金に関してはどれぐらいを皆さんは目標にしているんですかということです。

○佐和田勇人文化振興課長 失礼しました。
まず、一般の寄附として500万円、そして、県内企業寄附として500万円、企業版ふるさと納税として500万円、努力目標としまして500万円ということで、トータル2000万円を、これは寄附として2000万円を考えております。
一般財源のほうで、それに見合う約6000万円を目標としているところでございます。

○當間盛夫委員 一般財源からの繰入れは幾ら。

○佐和田勇人文化振興課長 失礼しました。
一般財源のほうは4000万円です。

○當間盛夫委員 大体トータルしてというか、寄附だとかふるさと納税は頑張っても1000万程度かという目標なんですか。

○諸見里真文化観光スポーツ部長 今、課長が言ったところを少し補完いたしますけど、今、財政当局と議論している中では、ぜひその寄附の部分に応じて県の一般財源をある程度入れる仕組みを取りたいと。
無尽蔵に一般財源を、寄附が全然集まらないから入れ続けるということではなくて、やっぱり寄附をしっかり取っていただいて、それに見合う額を一般財源でできないかという調整を今しているところです。
ですので、非常にハードルは高いですけど、その寄附に応じた、2倍であり、3倍であり、そういう形での整理をしているところでございます。

○當間盛夫委員 僕はこの基金、今回これをつくることに反対するという立場ではないんですけど、皆さんがアバウトだわけさ、この基金だとか寄附だとかにしても。
じゃ寄附が、皆さんが今目標としている1000万、2000万、それに達することができない、だってメリットが何か分からないわけだから。
1000万も寄附が集まらなかったということになってくると、一般財源からの繰入れが増えるのか、皆さんが今やろうとしている5000万の事業が、それに見合うような形の事業しかできないというような形になると思うんですよ、それはね。
だから、一般財源を増やすということになるか。
ところが、皆さんも言うように、そんなに一般財源って潤沢にあるわけじゃないわけですから、厳しいと思いますよ、財政のほうもね。
となってくると、皆さんが想定している年間約5000万という事業費の縮小という形になってくる。
これはどう考えています、その辺は。

○諸見里真文化観光スポーツ部長 委員おっしゃるとおりです。
当然、努力目標で頑張りますけど、現実問題として非常にハードルが高い、それに見合う分を一般財源である程度入れていくということですので、もし仮に、仮定の話になってしまいますけど、うまい具合に財源が確保できなければ、それに見合う事業をせざるを得ないという状況が出てくるかと思います。
ただ、そうならないように努力をしたい、体制も強化してやっていきたいと思っています。
当面今、5000万の5年間は事業をする仕組みでつくっていますので、ぜひその間でしっかり、今後、沖縄の文化がクローズアップされる、今年は80周年、来年は首里城正殿も完成します。翌年、令和9年度は世界のウチナーンチュ大会も開きます。
まさしくこのタイミングで基金をつくりたいというのが思いです。
ですから、そのタイミングでぜひ寄附の、企業も含めて、あと県人会の方々の協力も得て取り組んでいきたいということを考えているところでございます。

○當間盛夫委員 皆さんの思いと、その寄附する側、ふるさと納税する企業の側のインセンティブというんですか、それは何ですか。
皆さんの理念じゃないよ。
沖縄の文化を振興したいから、という理念的なものじゃないよ。
皆さん、この企業なり寄附者が寄附しての、その見返りといったらおかしいけど、その辺を何か求めて。
何かあるんですか。

○佐和田勇人文化振興課長 1つは、企業版ふるさと納税につきましては、納税のインセンティブ、9割は税額控除になるという、そのインセンティブがございますけれども、やはり、そのほかの方々の寄附につきましては、今後、沖縄の、伝統文化というのは沖縄にしかない文化、独特の文化で、そして、文化を有するということは本県の、47都道府県に突出した強みでもございます。
そういうものを、さらに質を高めてこういう、他府県と差別化することによって、観光客なり、沖縄文化を体感したいとか沖縄に行ってその雰囲気を味わいたいという方がもっと増えると我々は感じております。
ですので、そういった方が増えることによって経済のほうも循環していくのではないかと。
1つは、2000年に登録した世界遺産の登録によって、いろいろなグスクのほうが、今その相乗効果を現していて、いろんな経済効果を生み出していると聞いていますので、沖縄の文化も、今、2年後・・・。

○當間盛夫委員 課長、いいよ。
 この企業版ふるさと納税は、県内の企業できますか。
さっきインセンティブがこれだけの、その分の控除が受けられるという話をしているけど。

○佐和田勇人文化振興課長 県外のみとなっております。

○當間盛夫委員 先ほど部長、今回、この文化振興課に、この事業をやることで1名増員しましたということでやっているけど、じゃ皆さん、納税なり寄附金を集めるために、この1人だけが動くのか僕は全然分からないんだけど、この企業版ふるさと納税をするのも県外の企業しかできないわけですよね。
それは何か、どこがとかいうところは何かお持ちなんですか。

○諸見里真文化観光スポーツ部長 少し誤解もあるので、1名増員は、専任というということでは必ずしもないです。文化全体を強化したいというのがあります。
ただ、その基金の主に担う部分で増員はしていますが、当然県外で、これは文化だけの話ではなくて、観光の関連でいろいろ団体、企業、沖縄ナイトなどでもいろいろお付き合いがあります。
そういう席で、ぜひ沖縄を支えていただく、この伝統的な文化、47都道府県の中でも非常に特色のある沖縄の文化、これについて支援をいただけないかという動きをトータルでしたいと思っています。
当然これはスポーツもそうですけれども、数多く県外でそういう機会がございますので、ぜひその暁には議員の皆様にもお力をいただいて、そういう活動を広げていきたいというふうに考えています。

○當間盛夫委員 あまり言うとあれだから。
先ほど質問の中でも県立芸大のお話があったんですけど、今の県立芸大の現状ってどうなっているんですか。

○佐和田勇人文化振興課長 お答えします。
まず、令和4年度の学部生の就職率でよろしいですかね。
就職率が79.2%、そして、令和5年度の学部生の卒業生が就職率が88.9%ということで、9.7ポイント増をしております。

○當間盛夫委員 この入学というんですか、この県立芸大に来られる皆さんの推移って分かりますか、入学者。

○佐和田勇人文化振興課長 入学定員が令和6年5月1日現在で161名となっております。おおむね、その辺りで推移しています。

○當間盛夫委員 先ほどからあるように、皆さん、就職率がもう80%になっているというのがあるんだけど、仲村委員からもあったように、高校でそういう学科で出ても県立芸大には行かない。
芸大そのものが質が高いのかとか別にしても、やっぱりなかなか芸大でも、出ても就職先というのが、今80%と言っても、その学んだものでの就職ではないはず。別の多分就職先だと思うわけさ、その辺は。
それを皆さんが、この芸大をつくった西銘さんの時代に、この芸大をつくった意味というものもしっかりと皆さん踏まえて、この芸大を含めた今度の基金をやる中での、この芸大との在り方ということもどうあるべきかということも、僕はもう一度、皆さんもその辺は、先ほどから課長、PDCAの話はするんだけど、芸大との関わり方という形のものも、県立ですので、しっかりと持ってもらいたいということは、ちょっと提言として、これは答弁はいいですので。
上原委員からもあったようにね、皆さんが言うように、沖縄各地域、各島々に伝統芸能が幾つもあるわけさ。
皆さんが今言っているように、人口減少等を含めて、この伝統芸能がある部分が、結果的に担い手がいないというのがあるわけですね。これは皆さんもその辺は、現状を御存じだと思いますので。それからすると、この基金で市町村との連携ってどういうふうな形でやるんですか。

○佐和田勇人文化振興課長 今、既存の事業で、島々の芸能を活用した文化観光コンテンツ創出事業というものがございまして、そこで2年前から、各市町村の、約400から500芸能があると言われているんですけど、各市町村とのそういった部署、あるいは区長さんと一緒になって、それを掘り起こす事業をやっているところでございます。
ですので今後、これは既存の事業でやっておりますので、すぐ基金にということはできませんけれども、基金でそういった伝統芸能、今、担い手が不足しているような伝統芸能についても、今お話しした島々、既存のある事業とデマケができるような、何かそういった工夫ができるかどうか、今後検討していきたいと考えております。

○當間盛夫委員 もう最後にしますので。
この基金、先ほど部長もスタートだと、一歩だということでありましたので、僕からするとやっぱりこの沖縄の文化というのは、空手もそうだし、いろんな形で沖縄文化というのは他府県にはないような形のがあるものですので、ぜひ皆さんもその辺は理念を持って、この文化のものをやってもらいたいというふうにも思うし、これが、皆さんの話を聞いていると、何かこの芸能、そういった皆さんがいろんな形で言われるから、何かガス抜きのような形で事業をすると、僕は違うんじゃないかなというふうにも思っていますので、期待はしていますので、ぜひその辺も踏まえて、先ほどありました市町村の部分、この芸大等もどうするのか。
皆さん、県立郷土劇場も潰して、それも造らないでずっとそのまま、何か国立劇場があるからいいやというような形じゃなくて、舞台やっている皆さんというのは、県立の劇場ということは前々から言われて、なかなかそれも皆さん実現し切れていないわけだから、そういった一つ一つ、このものがガス抜きだと言われないように、ひとつ頑張ってください。
以上です。

○新垣淑豊委員長 ほかに質疑はありませんか。
次呂久成崇委員。

○次呂久成崇委員 今回、この文化芸術振興基金ということなんですけれども、先ほどから芸能の話がよく出てくるんですが、これ、文化芸術というふうになっていますよね。この芸能と文化芸術というものの位置づけというのをどう考えているのかなと。
私も文化芸能関係というふうに考えていたんですけれども、文化芸術というふうにあるものですから、この線引きというか考え方、位置づけをお聞きしたいなと思います。

○新垣淑豊委員長 休憩いたします。

  (休憩中に、次呂久議員から質問内容の補足があった。)

○新垣淑豊委員長 再開いたします。
佐和田勇人文化振興課長。

○佐和田勇人文化振興課長 沖縄県文化芸術振興条例、平成25年に策定した条例の中で、まず伝統的な文化としまして、しまくとぅば、組踊、三線音楽、琉球舞踊、その他の伝統芸能、あるいは空手道、古武道、そして本県の歴史及び風土に培われた紅型、織物、陶器、漆器、その他の伝統工芸、伝統的な行事、食文化、その他の伝統的な文化ということで、これは振興条例の第7条でうたわれております。
また、芸術としまして、文学、そして音楽、美術、演劇、舞踊、メディア芸術、これは、メディアというのは映画、漫画、アニメーション及びコンピューター、その他の電子機器を利用した芸術。
もう一つが、芸能というのがありまして、伝統芸能を除く芸能。
伝統的な文化の中に芸能もありましたので、今お話しした芸能というのは、要するに創作芸能ですね。
そういったもの、あるいは生活文化、茶道とか華道とか書道、あるいは文化財、これは有形無形にかかわらず文化財、あるいは景観の形成、歴史または文化的景観、首里城の近辺で馬場通りのほうに松並木があったと、そういった景観の形成づくりにも役立てることができると。
かなり文化芸能、文化芸術の範囲って広いんですけれども、そういった6つに分けて文化芸術ということで位置づけております。

○次呂久成崇委員 全て網羅しているというような考え方でいいのかなというふうに思ったんですけれども、先ほどからの質疑、答弁のほうを聞いて、舞台という言葉が出てきたんですけれども、私たちの離島地域のほうでの舞台というのは、どうしても、例えばどこかのホールの舞台とかいうことじゃなくて、それぞれの行事があって、例えば御嶽のほうである舞台というのもあるんですよね。
だから、そういう地域の行事における伝統芸能を披露するような舞台というところも、やはりどうしても人が来ないとその舞台というのも維持することはできないものですから、そういうところでは、この舞台という考え方というのは、そういう地域の行事というふうなことまでイメージしてよろしいのでしょうか。

○佐和田勇人文化振興課長 委員おっしゃるとおり、基金のほうでは、生活様式を含む伝統的な文化を対象としている地域の伝統行事も支援の対象となります。

○次呂久成崇委員 地域づくり産業ということもおっしゃっていたので、その地域の伝統芸能、芸術というところでは、やはりそこでしか使われない道具、用具とかいうこともあるので、そこら辺の継承というものが、やはりこの沖縄の伝統芸能文化の裾野を維持していくところにつながっているのかなというふうに思いますので、ぜひそういうところも活用できるようにということでお願いしたいなと思います。
最後、すみません、要望なんですけれども、この基金というものを今後有効に活用していくというところでは、この既存事業で十分対応できなかった事業の創出というのがありますので、この既存事業というものが全部で10ぐらいあるということなので、その事業概要というのを資料として提供いただけないかなと思っています。
そしたら、私たちも、これで十分できていない分野というのは何なのかというところも、改めてこの基金の使途事業というところではまた考えていけるのかなというふうに思いますので、ぜひ資料提供をお願いしたいなと思います。

○新垣淑豊委員長 休憩いたします。

  (休憩中に、提供する資料の内容について、執行部から確認があった。)

○新垣淑豊委員長 再開いたします。
ほかに質疑はございませんか。
瀬長美佐雄委員。

○瀬長美佐雄委員 もうほぼ質疑で聞きたいのは聞かれています。
沖縄ほど伝統芸能文化が全県に――隅々に行き渡っているというふうな地域はないという点で、やっぱりこの基金の持つ意味はとても期待できるものだと、まず述べておきたいと思います。
その上で、既存の関わりでいうと、先ほど出た県立芸大を卒業されたり、あるいは、そこに行かなくても既に担ってくれている皆さんが、なりわいとして成り立たないというこの現実をどうカバーするのか、それが大きいと思うんですね。
その上で、今回の基金が取り組もうとしているあらゆる分野に、波及効果も含めてという点で期待しています。
既存事業との関わりなんですけど、既存事業だって十分ではないと思っているんですね。
例えば今、海外の県人会に沖縄の文化を届けるという皆さんが派遣されているということはとてもいい事業だと、でもそれで十分なのかという点では、もっと充実してほしいといったときに、考え方の質問ですけど、この基金は今言った2つの事業は既に企画というか、あります。
ただ、もっと発展させる、もっと拡充すべきという点との整合性というか、その判断、その予算化というのは、やっぱり別事業の、今やっている事業を、上積みはそれはそれで一般会計でということで、ここの基金はあくまで方針にのっとって事業化し、それを組立てていく、長期のスパンでということなので、そこら辺の考え方について伺いたいと思います。

○佐和田勇人文化振興課長 委員おっしゃるようになかなか、県立芸大のお話があったり、今の既存の事業でもなかなか伸びていかない部分もやはりございます。
そしてまた、今回、派遣するとかいろんな事業があるんですけれども、せっかく基金が今回できましたら、そういったいろんな産業化、あるいは地域産業とのコラボとか、そういったものに使いながら、いろんな演者の方々のためにもなる。
また、演者だけではなくて、見るほうの方々がそれに興味を持つ、興味を持っていただいて、それをまた自分たちが継承していきたいという気持ちになるという、そういった文化芸術の基金の利用方法があると思います。
我々だけでは決められない部分に関しましては、沖縄県文化振興会とか沖縄県の連絡協議会とか、そういったプロの方々を招いて、また、地域に我々も出向いていきながら、意見を吸い取って、どんな事業が一番いいのかという話をお互いでしながら、今後検討してまいりたいと考えております。

○諸見里真文化観光スポーツ部長 今は文化の基金の中のお話をしましたけれども、おっしゃるような、やっぱり予算は限られていますので、なかなか大きな展開ができないと思います。
そのため今、例えば令和6年度の当初予算で、文化観光スポーツは約100億ぐらいです。そのうち観光が50億ぐらい、文化が30億ぐらい、大体スポーツが10億ぐらいでしたか、あと交流が七、八億ぐらいという形で構成しております。
それについては、特に観光の部分については今、観光振興基金があります。次年度は20億ぐらい、全部使い切る形で今予算を組んでいます。それ以降は、目的税が導入できれば、大体今の案でいうと毎年30億ぐらい県が使えます。
その中には、文化の関係の予算で、それを観光に資するという形で使うことも想定していますので、必ずしもこの基金だけではなくて、あと既存事業の文化の枠だけではなくて、全体で文化を活用して、企画立案していきたいというふうに考えています。

○瀬長美佐雄委員 最後にしたいと思います。
この基金条例の4条に、運用益の処理と、ある意味で基金の運用から収益も考えていこうと。これはこれとして、単なるイベントをやって、幾らか入ってきたら基金に編入するということよりは、もっとある意味で積極的に仕掛けて、演者に対する生活なりわい支援とともにイベント化して、ここも膨らます、戦略的にというか。これも重要な要素になるのかなと思っていて。そこら辺の考え方というか、何かあれば伺いたいと思います。

○佐和田勇人文化振興課長 おっしゃるように、第4条のほうでは基金の運用から生ずる収益について、一般会計歳入歳出予算に計上してあるんですけれども、これは果実運用型も考えての条文なんですけれども、もちろんすごく、100億、200億というふうに積み増しをすればその果実運用もそれなりに増えてくるんですけれども、今回の我々の手法としては取崩し型にしておりますので、2億5000万のうちに、令和7年度は5000万円、5年間で5000万円ずつ取り崩していくという基金になってございます。
ですので、今のところはその果実運用型という形は考えておりませんので、取崩しをした5000万について、全て演出家とか、演舞をする、そういった方々に利用したいと考えております。

○瀬長美佐雄委員 この基金、一般県民に向いてするという取組で、ぜひ多額の基金に積み増しして、それの財力で一定、目的とするところに使えるという仕掛けだとは思うので、ぜひ先ほど部長が言ったように、首里城、あるいは2年後には世界のウチナーンチュ大会とか、いろんな仕掛けの中で効果的に生かせるという点で、大いに成長させていただきたいなと思います。
よろしくお願いします。

○新垣淑豊委員長 ほかに質疑はありませんか。

(「質疑なし」と呼ぶ者あり。)

○新垣淑豊委員長 質疑なしと認めます。
よって、乙第17号議案に対する質疑を終結いたします。
説明員の皆様、大変御苦労さまでした。
休憩いたします。

  (休憩中に、説明員の入替え)

○新垣淑豊委員長 次に、乙第44号議案財産の取得についてを議題といたします。
ただいまの議案について、農林水産部長の説明を求めます。
前門尚美農林水産部長。

○前門尚美農林水産部長 それでは、委員の皆様、本日はよろしくお願いいたします。
それでは、農林水産部の議案について御説明いたします。
本日は、スマートディスカッションに掲載されております乙号議案説明資料により御説明いたします。
今回、農林水産部から提案いたしました乙号議案につきましては、議決議案1件となっております。
説明資料の2ページを御覧ください。
乙第44号議案は、本島地域で確認されているセグロウリミバエの防除対策を強化するため誘殺板を取得する必要があることから、議会の議決を求めるものであります。
以上で乙第44号議案の説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願い申し上げます。

○新垣淑豊委員長 農林水産部長の説明は終わりました。
これより乙第44号議案に対する質疑を行います。
なお、質疑答弁に際しては挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔に要点をまとめ要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
質疑はありませんか。
座波一委員。

○座波一委員 この件は本当に喫緊の対応が求められていますので、急ぐべき問題です。
ただ、この場合、このセグロウリミバエというものが、ウリミバエは根絶ということができていたんですけれども、それとどう違うのかな。全く種類が違うの。

○能登拓営農支援課長 お答えいたします。
セグロウリミバエはウリミバエという言葉がついていまして、ウリミバエの近縁種ではありますが、生物の分類上、別の種になります。

○座波一委員 根絶の技術はあるんですか、不妊虫化する技術。

○能登拓営農支援課長 セグロウリミバエの発見以降、防除活動も進めながら、並行してこのセグロウリミバエの生態だとかいったことについて調査研究も進めてまいりました。
やはり、基本的にはこれは不妊虫放飼法を使わないと根絶が難しいということも分かってまいりましたので、現在、この不妊虫放飼法の技術の確立が今着々と進んでいるところでございまして、6月からの実施が、ほぼめどがついたという状況でございます。

○座波一委員 じゃ今の時点で、不妊のこの技術はまだ確立されていないということですか。

○能登拓営農支援課長 不妊虫放飼法を実際に実施しようと思いますと、農林水産省が示している技術水準をクリアしていかないといけないんですね。
そういった農林水産省のチェックなども今受けながら進めているところで、4月からは現地での小規模な野外試験にも移行していきたいというような段階に入ってございます。

○座波一委員 それができるまではこの防除をしようという考えだと思いますけど、全県的にこれを一斉にやるという考えで、約4億5000万、決して安い金額じゃないけど、この防除の対策というのは実際にどうなんですか。この効果は出そうですか。

○能登拓営農支援課長 今回、この補正予算を活用して行います誘殺板の設置、これは少し専門的な言葉で説明をしますと、雄除去法という方法を実施する手段になります。
この雄除去法というのは、これから、6月から実施をします不妊虫放飼法、これの前段階で行うことで不妊虫放飼法の効果をより高めることが期待されます。そういった意味で、この4月からのタイミングを国とも調整をしている中、ここが絶好のタイミングであろうということで、開始をしていきたいというふうに考えております。

○座波一委員 それで、報道などによると家庭内の菜園からの広がりが懸念されているということなんですけれども、沖縄では夏場のゴーヤーとかヘチマとかは普通にうちで作っている、こういったところもやっぱり影響があるということなんですか。

○能登拓営農支援課長 今、委員からありましたとおり、これまで実際にこのセグロウリミバエの寄生した果実が見つかっているのは、もうほぼ家庭菜園になってございます。
というのは、これは逆に言いますと、きちんと栽培管理している農家の圃場からはほぼ見つからないんですが、逆に家庭菜園のほうでは、やはり農薬をまくとかいうことはやっぱり行いませんので、そういうふうな状況にございます。
そういうことも踏まえて、大変心苦しい状況ではありますが、県民の皆様には、可能な限りゴーヤーをはじめとするウリ科の栽培の自粛というものを、今お願いしているという状況です。

○座波一委員 これは、明確に栽培の自粛を要請するということを出すわけですね。もう既に栽培が始まっているところがありますから。

○能登拓営農支援課長 これまでも広報紙などを通して栽培の自粛というのはお願いをしてきたところですけれど、引き続き県民の皆様には御協力をお願いしていきたいと思います。
今ありましたように、もう既に栽培が始まっているというようなところもございますので、そこら辺につきましては、特に市町村の役場あたりと連携をして、可能な範囲で御協力をお願いしていくということを続けていきたいと思います。

○座波一委員 この拡大状況の地図を見ているんですけど、離島はどうなっているの、離島。

○能登拓営農支援課長 基本的には沖縄本島、それも中部以北だけになっております。
1回だけ伊是名村で出たことがございますが、これは1回だけの誘殺で、その後は見つかっていないので。それ以外の離島では発見されておりません。

○座波一委員 分かりました。
急いで対応すべしだということは、皆さん一緒だと思いますので、ぜひ早めに対応をお願いします。
以上です。

○新垣淑豊委員長 ほかに質疑はありませんか。
當間盛夫委員。

○當間盛夫委員 皆さんの説明会の中で、移動制限の話があったんですよね、植物検疫官の検査の結果でそれがどうなるというのが。
これは国から何か指針は出ましたか。

○能登拓営農支援課長 先般、2月8日ですかね、議員の皆様向けに説明会を開催させていただきまして、そのときの情報としては、国が緊急防除の実施に向けてパブリックコメントを行ったということでの情報提供で、現在、その状況としてはそこから大きく動いてはございません。

○當間盛夫委員 動いていない。

○能登拓営農支援課長 はい。
今後、近日中に正式に告示がなされるものと考えております。

○當間盛夫委員 皆さんのこの資料的なものは、令和6年12月時点での確認状況、拡大状況という形で載っているんですけど、現状はどうなっていますか。

○伊禮信病害虫防除技術センター所長 一番最近の状況についてお伝えします。
基本的には、エリア、地域としては12月時点と同様に、中部以北、それも本部半島を中心にした状況です。
現在一番新しいところですと、せんだってとそう大きく変わらないんですけれども、南に下っていくと、うるま市、中城村といったところが、今現在の南限といったような、そういった状況です。

○當間盛夫委員 今言われた本部半島となってくると、この今帰仁はスイカが有名な部分で、これから多分スイカの出荷がいろいろと、もう始まってくるというふうにも思うんですけど、この移動の制限というのが早めに、そのものが出荷できるのかできないのかということがないと、業者、農家の皆さんも大変でしょうし、その出荷する皆さんも、農協さんをはじめ、卸、中間業者も大変な状況にあると心配していると思うんですよね、なかなか情報が出てこないということで。
その辺はどうなんですか。

○能登拓営農支援課長 先般、国のほうは、緊急防除の一環として移動の制限も併せて行うという予定であるということで、その省令の改正案と告示案が概要という形で公表されました。
ここで1点、御留意をいただきたいのは、移動の禁止ではなくて制限ということで、全面禁止になるということでは、まずございません。この制限はどういうことかといいますと、国の植物防疫官が、害虫が付着しているおそれがないと認めたものについては出荷ができるという、今の書きぶりはそういう書きぶりです。
そういうところを踏まえて重要になってくるのは、まず出荷を認めてもらうための条件、それから、この条件を満たしていることをどうやって確認するのか、さらに、この確認したことをどうやって証明していくのか、シールを貼るだとか、証明書を発行する場合などがあると思うんですが、といったことになってくると考えておりまして、現在、そういった詳細について、我々としては、生産流通現場の負担なりをできるだけ抑えた形で、今言ったような条件をクリアできるような方向で、国に対しては協議なり申入れなりをさせていただいているという状況でございます。

○當間盛夫委員 もう3月ですから、皆さん、施行は4月の上旬、今のこの移動の制限を含めて出てくるわけですよね。
今言われるこの検疫官のものがまだ、国からのものが、この検疫官が向こうから来られるのか、沖縄の皆さんで、県の職員の分で対応できるような形になるのかということは、早めに。もうこれは皆さん、4月からということですから、やっぱりその前にも、しっかりと農家の皆さん、業者の皆さんにそういったことを周知しないと駄目だと思っていますので、この辺、しっかりとまたやっていただければなと。
最後1点だけ。
これ、例えばこの拡大が広がって、以前みたいにウリミバエのもので出荷ができないということになったときに、農家の皆さんは、この出荷ができなくなった時点で、その農産物の補償というのはやるのかということは、やっぱり農家にとっては大変気になるところだと思うんですよ。
その辺は皆さんとしてどう考えますか。

○能登拓営農支援課長 緊急防除に伴う損失の補償につきましては、植物防疫法の第20条で、農林水産大臣が廃棄命令など強制力のある、いわゆる行政処分を行った場合で、損失が発生した場合に補償する旨の規定がございます。
まずはこのような強制力のある処分を行うかどうかというのが重要になってくるんですが、これはあくまで農林水産大臣の判断で行われるということですので、状況に応じて適切に判断されるものと考えております。
その上で申し上げますと、これまで県内で、いわゆる経営栽培をしている圃場からは、この廃棄命令が必要になるような事態というのはこれまで発生しておりませんし、我々としては、今後もそういった事態にならないように現場の指導助言に努めていきたいというふうに考えているところでございます。

○當間盛夫委員 根絶に向けて頑張ってください。

○新垣淑豊委員長 ほかに質疑はありませんか。
次呂久成崇委員。

○次呂久成崇委員 これ、33万枚購入ということなんですが、それを、実際にこの誘殺板を設置していくわけですよね。
この設置の方法とか、あと、先にやらないといけないと思うんですけれども、そこら辺のスピード感、スケジュール的なものはどうなっているのか、お聞きしたいなと思います。

○能登拓営農支援課長 この33万枚の誘殺板の設置につきましては、まず4月から6月までの間で集中的に行います。
この設置の箇所につきましては、既にセグロウリミバエが発見されている本部半島をある程度中心にしつつ、沖縄本島全域という形で考えております。
この設置に当たっては、国の那覇植物防疫所、実際に植物防疫官はここの方がされることになると思いますが、那覇植物防疫所の方を中心に、県の職員、沖縄総合事務局もおりますし、あとは市町村、農協の皆さんにも、今、国のほうからもそういった協力依頼もさせていただきながら、その体制を整えている途中でございます。

○新垣淑豊委員長 ほかに質疑はありませんか。
質疑なしと認めます。
よって、乙第44号議案に対する質疑を終結いたします。
説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
休憩いたします。

  (休憩中に、執行部退席)

○新垣淑豊委員長 再開いたします。
議案に対する質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
休憩いたします。

  (休憩中に、議案の採決の順序等について協議)

○新垣淑豊委員長 では、再開いたします。
これより議案の採決を行います。
まず、乙第17号議案沖縄県文化芸術振興基金条例についてを採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案は、原案のとおり可決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○新垣淑豊委員長 御異議なしと認めます。
よって、乙第17号議案は原案のとおり可決されました。
次に、乙第44号議案財産の取得についてを採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案は、可決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○新垣淑豊委員長 御異議なしと認めます。
よって、乙第44号議案は可決されました。
次に、お諮りいたします。
ただいま議決いたしました議案に対する委員会審査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○新垣淑豊委員長 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
以上で、本委員会に付託された先議案件の処理は全て終了いたしました。
次回は3月10日月曜日、午前10時から委員会を開きます。
委員の皆様、大変御苦労さまでした。
本日の委員会は、これをもって散会いたします。









沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

  委 員 長  新 垣 淑 豊